【経済】EV信者たち、どうする…「EV全振り」しない日本車メーカーは正しかったアーカイブ最終更新 2024/02/08 20:191.ばぐっち ★???「このまますべての自動車市場が一気にEVに入れ替わる、その大転換点となるのが今なのだ」という論調が中心だった。一方で、2023年後半は徐々に「EVの普及は予想以上に遅れているかもしれない」「むしろ、ハイブリッド車(HV)の伸びは予想外に強い」という記事が、欧米メディアでもかなり見られるようになってきた。 実際、2022年にはEVの販売台数は前年比60%増と圧倒的な躍進が続くと思われていたが、2023年には31%増にとどまった。これは主に、「お金を持っていて新技術が好きなアーリーアダプターに行き渡った後は、比較的保守的で、ガソリン車との比較における経済性や利便性も重視する顧客層を相手にすることが必要になった」「世界的な金利上昇や忍び寄る不景気が、現時点ではまだ同レベルのガソリン車より高いEVへの購入をためらわせる効果があった」などが指摘されている。 世界的な金利上昇は頭打ちではあるもののしばらく続きそうであり、中国をはじめとする景気減速も深刻になりつつあるので、今後もこのトレンドは当面続くと考えられる。結果として、1月25日のテスラの決算発表は市場の失望を買い、1日で時価総額が約800億ドル吹き飛ぶ事態となった。 一方、この原稿の執筆時点では日本車メーカーの決算発表はまだこれからだが、各社かなりよい決算が予想されている。 2023年後半に発表になったものを見れば、予想外のHV需要の強さによってトヨタの業績は好調で、売上高も過去最高を更新し続けおり、2024年3月期第2四半期の決算では営業利益率が6.6%から11.8%へと大幅に増え、利益率の高さで有名なテスラを抜き返したことが話題となった。 全体としてこの「2023年の前半と後半におけるトレンドの変化」は大きな株価トレンドにも現れており、テスラ株は2023年7月の最高値から現在4割近くも下落している(しかも2023年後半からの米国株の歴史的上昇局面のなかで)。一方、トヨタ株は同時期からジリジリと25%ほどの上昇となっている。 著者は、EV信者と日本車メーカーとの間には、いくつかの典型的な“誤解のパターン”が横たわっており、理解し合えるはずのコミュニケーションが破綻しがちだと考えている。 ひとつは、EVの未来を信じている人たちが、EVに全振りする以外のアクションを、「天命としての流れに逆らう明確な裏切り行為」であるかのように理解する傾向があることだ。そこにはいくつか典型的なズレがある。 代表的なものとして、今後数年間のEV関連の動きの鈍さは、必ずしも日本車メーカーが電動化に消極的であることを示すものではない。コロナ禍以降、あるいはその数年前から、日本車メーカーの多くの幹部がEVの世界的な普及スピードを見誤っていたことは明らかであり、誰もそれを否定することはできない。 しかしその後、トヨタも社長を替えるなど、明確な方針転換を行った。しかし、車の開発には4~5年の歳月が必要であり、方針転換したからといってすぐに本領発揮のモデルをリリースできるわけではない。 粗製乱造の車を発売すれば、ブランド力が低下する恐れがあるし、ただ作るのと売ってもうかるように作るのでは、全くレベルの違う工夫が必要になる。 だからこそ、日本車メーカーが今後2~3年、「全力を傾倒したEV」を発表する可能性は低いが、それはEV開発に否定的だからではない。また、「エンジンのある車」の時代が1年でも延びれば日本車メーカーが圧倒的に有利になる以上、“EVアンチ”にリップサービスをするのは当然である。 しかし、それはビジネス上当然必要な振る舞いであり、実際の方針との間に大きな距離があるのは当然である。(抜粋)https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/5833009214125222e5b5e8d401d78e899f502de4&preview=auto2024/02/07 06:30:261000すべて|最新の50件
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という論調が中心だった。一方で、2023年後半は徐々に
「EVの普及は予想以上に遅れているかもしれない」
「むしろ、ハイブリッド車(HV)の伸びは予想外に強い」
という記事が、欧米メディアでもかなり見られるようになってきた。
実際、2022年にはEVの販売台数は前年比60%増と圧倒的な躍進が続くと思われていたが、2023年には31%増にとどまった。これは主に、
「お金を持っていて新技術が好きなアーリーアダプターに行き渡った後は、比較的保守的で、ガソリン車との比較における経済性や利便性も重視する顧客層を相手にすることが必要になった」
「世界的な金利上昇や忍び寄る不景気が、現時点ではまだ同レベルのガソリン車より高いEVへの購入をためらわせる効果があった」
などが指摘されている。
世界的な金利上昇は頭打ちではあるもののしばらく続きそうであり、中国をはじめとする景気減速も深刻になりつつあるので、今後もこのトレンドは当面続くと考えられる。結果として、1月25日のテスラの決算発表は市場の失望を買い、1日で時価総額が約800億ドル吹き飛ぶ事態となった。
一方、この原稿の執筆時点では日本車メーカーの決算発表はまだこれからだが、各社かなりよい決算が予想されている。
2023年後半に発表になったものを見れば、予想外のHV需要の強さによってトヨタの業績は好調で、売上高も過去最高を更新し続けおり、2024年3月期第2四半期の決算では営業利益率が6.6%から11.8%へと大幅に増え、利益率の高さで有名なテスラを抜き返したことが話題となった。
全体としてこの「2023年の前半と後半におけるトレンドの変化」は大きな株価トレンドにも現れており、テスラ株は2023年7月の最高値から現在4割近くも下落している(しかも2023年後半からの米国株の歴史的上昇局面のなかで)。一方、トヨタ株は同時期からジリジリと25%ほどの上昇となっている。
著者は、EV信者と日本車メーカーとの間には、いくつかの典型的な“誤解のパターン”が横たわっており、理解し合えるはずのコミュニケーションが破綻しがちだと考えている。
ひとつは、EVの未来を信じている人たちが、EVに全振りする以外のアクションを、「天命としての流れに逆らう明確な裏切り行為」であるかのように理解する傾向があることだ。そこにはいくつか典型的なズレがある。
代表的なものとして、今後数年間のEV関連の動きの鈍さは、必ずしも日本車メーカーが電動化に消極的であることを示すものではない。コロナ禍以降、あるいはその数年前から、日本車メーカーの多くの幹部がEVの世界的な普及スピードを見誤っていたことは明らかであり、誰もそれを否定することはできない。
しかしその後、トヨタも社長を替えるなど、明確な方針転換を行った。しかし、車の開発には4~5年の歳月が必要であり、方針転換したからといってすぐに本領発揮のモデルをリリースできるわけではない。
粗製乱造の車を発売すれば、ブランド力が低下する恐れがあるし、ただ作るのと売ってもうかるように作るのでは、全くレベルの違う工夫が必要になる。
だからこそ、日本車メーカーが今後2~3年、「全力を傾倒したEV」を発表する可能性は低いが、それはEV開発に否定的だからではない。また、「エンジンのある車」の時代が1年でも延びれば日本車メーカーが圧倒的に有利になる以上、“EVアンチ”にリップサービスをするのは当然である。
しかし、それはビジネス上当然必要な振る舞いであり、実際の方針との間に大きな距離があるのは当然である。(抜粋)
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/5833009214125222e5b5e8d401d78e899f502de4&preview=auto