日銀総裁 植田和男最終更新 2025/12/26 09:181.名無しさんHUnqVがんばれ2024/07/31 04:10:55340コメント欄へ移動すべて|最新の50件291.名無しさんsXKgW日銀の植田総裁、円安進行「消費者物価の押し上げ要因」 衆院財金委2025/11/21 10:15 日経速報ニュース 220文字 日銀の植田和男総裁は21日午前、衆院財金委に出席した。外国為替市場での円安基調を巡り「円安進行は輸入物価を押し上げて国内物価に転嫁されることにより、消費者物価指数(CPI)の押し上げ要因になる」と述べた。過去と比べ、企業の賃金・価格設定行動が「積極化する動きが目立っている」として「為替の変動が物価に及ぼす影響が大きくなる可能性には留意したい」と話した。2025/11/21 18:49:10292.名無しさんRlZ6g「日本の株高は何かおかしい」 高市財政に浜田宏一氏が喝(永井洋一)2025/11/25 06:20 日経速報ニュース 「事実が変われば私は考えを変える。あなたはどうか」。20世紀を代表する経済学者ケインズが、現実に即した柔軟な思考の重要性を説いた言葉とされる。 株高にもかかわらず大規模な経済対策はなぜ必要なのか。超低金利と莫大な政府債務でインフレをたき付けながら、物価高対策でさらに財政をふかすのは、政治が認知的不協和という自己正当化の悪循環に陥っているからではないか。 金融緩和と機動的な財政政策を進めた12年前の安倍晋三政権時代と比べ、経済は一変した。当時内閣官房参与を務め、経済政策「アベノミクス」の生みの親である浜田宏一・米エール大名誉教授は、アベノミクスの継承をうたう高市早苗政権の積極財政を次のように喝破する。 「財政赤字は生産性や雇用の改善に必要な時は仕方がないこともあるが、供給制約がある時に使うのはインフレを助長し、とんでもない」。物価対策の要諦は金融政策にあり、日銀は早期に利上げすべきだとも主張する。 「世界に関税を課す米国の株高は仮に認めるとしても、それが負担となり対米投資まで強要される日本の株高は何かおかしい。経済学の歴史が否定されている」。国際金融を専門とする浜田氏は、日本株投資家にはバブル崩壊リスクに備えよと警鐘を鳴らす。 QUICK・ファクトセットによれば、株価を1株当たり利益(EPS)で割ったPER(株価収益率、12カ月先予想値)は東証株価指数(TOPIX)ベースだと10月末時点で16.1倍。IT(情報技術)バブル期の49.8倍を大きく下回る。 一方でPSR(株価売上高倍率)は1.2倍。ITバブル(1.1倍)を上回った。売上高は伸びにくいが、自社株買いによるEPSの増加とインフレヘッジを目的とした投資家の買い、いわば令和の財テクブームが「何かおかしい株高」の背景にある。 30年前と比べ国内では売り上げがほとんど増えていないから実質賃金も上がらない。株高でも経済対策が必要な原因の一端はここにあるが、それを解決するのは企業の仕事だ。政府が担える役回りは低所得層への支援や規制緩和に限られる。 高市政権は財政運営の指針として、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の単年度黒字化目標を取り下げ、名目国内総生産(GDP)と比べた政府債務残高の引き下げを目指す。分子の債務を低金利で抑え、分母のGDPをインフレで膨らませれば財政の見た目は良くなる。 近年は物価上昇の結果、名目GDPから実質GDPを引いた「名実差額」が増え、政府総債務残高の名目GDP比は低下した。しかし長期金利が上がり政府の利払い費が増えれば、こうしたもくろみは水泡に帰す。 1992年から98年にかけては名実差額が高水準だったが、平成バブル崩壊に伴う経済対策がかさみ政府総債務残高は膨らんだ。2014年から20年にかけても景気対策が繰り返され同様だった。 投機マネーは政策の隙をつこうと待ち構えている。抜かりは許されない。例えば政府総債務残高から政府保有の金融資産を引いた政府純債務残高には、借金を過小評価しかねない「落とし穴」が潜む。 国際通貨基金(IMF)によれば国、地方、社会保障基金を合わせた一般政府の純債務残高のGDP比は25年時点で推計130%だ。この数字には年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が保有する金融資産などが総債務残高から差し引かれているが、その見合いである公的年金の給付債務(支払い義務)は、確定できないとの理由で組み入れられていない。 法政大学の小黒一正教授によれば、こうした公的年金の「債務」は1280兆円に上る。仮にこれを一般政府の純債務残高に乗せてGDP比を単純計算すると330%となる。小黒氏は「インフレ加速時に歳出カットや増税といった正攻法を採れないと円暴落を招く恐れがある」と話す。そうならないためには、「PBの黒字化と政府債務残高の低下というフローとストック両面での財政管理が重要だ」と指摘する。 警鐘慣れが悲劇をもたらすオオカミ少年の寓話(ぐうわ)の実例は歴史上、枚挙にいとまがない。株安、円安、国債安(長期金利上昇)のトリプル安は、もはやオオカミ少年の妄想ではない。日本が再びバブル崩壊に見舞われれば、今度こそ資本逃避を伴う経済危機に直面する恐れが高まる。2025/11/25 06:41:00293.名無しさんX2a6l2年債利回り、17年半ぶり高水準、日銀の来月利上げを意識2025/11/27 日本経済新聞 朝刊 26日の国内債券市場で新発2年物国債利回りが一時前日比0・010%高い0・975%に上昇(債券価格は下落)した。2008年6月以来およそ17年半ぶりの高水準となった。日銀が12月に利上げに踏み切るとの観測から、金融政策の見通しを反映しやすい2年債を売る動きが強まった。 ロイター通信は26日、関係者の話として「日銀は市場に対し、早ければ来月にも利上げする可能性に備えさせている」と報じた。日銀の増一行審議委員は日本経済新聞とのインタビューで利上げの判断時期が「近づいている」と話していた。 市場では「円安による物価上昇圧力を警戒して、日銀が早期利上げに踏み切る可能性がある」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広氏)との見方がある。 2年債利回りには上昇余地が残るとの見方がある。固定金利と変動金利を一定期間交換する翌日物金利スワップ(OIS)市場では、26日午後の時点で12月利上げの確率は6割程度となった。三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊氏は「12月利上げが完全に織り込まれれば、2年債の利回りは1%程度まで上昇する」と話す。2025/11/27 06:05:06294.名無しさんAhUVa野口日銀委員、利上げは慎重に-政策調整が必要との立場は変わらずhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-11-27/T6BUPWKJH6V5002025/11/28 06:01:55295.名無しさんAhUVa上滑りの「財政拡大で円高」説 資金流出の日本は例外2025/11/27 16:15 日経速報ニュース 「財政を拡大すれば円高になる」――。先週来、為替のモデルを巡る議論が巻き起こっている。金融、財政政策の緩和に前向きないわゆる「リフレ派」からの主張が目立つ。もっとも足元では円安基調が続いているだけに、外国為替市場の関係者の間では反論が相次ぐ。モデルは暴論か、正論か。 「目先の対ドルの円相場の安値は1ドル=163円32銭」。てらす証券アドバイザーズの遠藤寿保FXエバンジェリストはチャート分析から円の下落が一段と進むと読む。156円前後で推移する足元の相場から7円程度の円安水準となる。年末に強まるドル需要の増加などを背景に「要因次第では12月中旬にも行きかねない」と読む。 秋の訪れとともに始まった円安基調はなおくすぶっている。東京市場の昨年終値(157円88銭)前後まで下げる場面もあり、5年連続での前年割れも意識される。 そんななか、にわかに「積極財政は円高を促す」との論が浮上している。 マクロ経済の著名なモデルから派生したもので、外為市場関係者の間では「マンデル・フレミング・モデル」とも称される。「積極的に財政出動すると、国債増発への思惑や将来の成長期待で金利が上昇する。その結果、海外から投資資金が入り、通貨高を招く」という流れだ。 市場で高市早苗政権が主導する17兆円規模の2025年度補正予算案が取り沙汰された11月中旬以降、リフレ派を中心に積極財政の効果として強調している。 その中心人物の一人がクレディ・アグリコル証券の会田卓司チーフエコノミスト。高市首相肝煎りの「日本成長戦略会議」のメンバーの一人だ。リフレ派として著名な会田氏はこれまでも積極的な財政の重要性を説いてきた。 同氏はマンデル・フレミング・モデルについて「財政拡張により内需が拡大することで金利が上昇し、円高になる」と語る。 マンデル・フレミング・モデルの有効性は外為市場関係者で議論されてきた。例えば25年に一段と進んだユーロ高は、欧州圏の財政拡大をきっかけにユーロ圏の金利が上昇したのが起点だったとされる。外為市場のアナリストとして長年キャリアを歩んだ高千穂大学の内田稔教授も「積極財政は依然として教科書通りに通貨高を招く」と説明する。 だが今の日本では、積極的な財政政策がうたわれているのに円が安値圏にある。モデルは機能していないではないか、そんな批判があるのは事実だ。 批判への会田氏の答えはこうだ。「現状では財政拡大による内需拡大を信じている人が自分を含めてわずかだからだ。まだモデルが機能するには時間がかかるが、幅広く市場参加者が信じていくことで円高へと促されていく」 そのうえで「日本も財政拡張するが、米国はそれ以上に拡張している」と指摘。「米金利上昇によってドル高・円安となっており、米国から見れば『まさにモデルは機能している』と言える」と付け加える。 市場関係者から相次ぐのはいまの日本で積極財政=円高にはなりにくいとの解説だ。 みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは円安の背景に家計からの外貨建て資産への投資拡大があるとしたうえで、「『財政拡張で成長力が高まり金利が上がる』と言われても信じられていない。財政リスクから日本経済自体を忌避したいという思惑が一定数ある」と話す。「円を手放したい人がいることを無視するわけにはいかない」 マンデル・フレミング・モデルについて教科書的には機能すると話す内田氏も、現在の円相場では当てはまりにくいとの主張だ。「日本は実質金利がマイナスであるため、財政拡張をしても円安が進行しやすい」と話す。 「そもそも財政政策の効果を検証するためのモデルであり、為替のメカニズムのモデルではない」(第一生命経済研究所の藤代宏一主席エコノミスト)。モデルは本来は財政出動がもたらすマイナスの効果を検証するもので、相場の動きを予想するための定理ではないとの指摘もある。 過去の事例を見ても、英国で積極財政を打ち出して金利急騰、英ポンド急落になった「トラス・ショック」のようなケースもある。モデルが経常収支が赤字だと当てはまらないなど、条件付きで機能するとの意見もある。 いずれにせよ、こうした議論が蠢(うごめ)いているのは、円の上昇要因が見つけにくいことの裏返しなのではないだろうか。2025/11/28 06:45:18296.名無しさんkUS1N円安阻止の為替介入、米国了承の「条件」は日銀利上げか-編集委員 清水功哉2025/11/30 11:00 日経速報ニュース 為替市場で円安基調が続くなか、円安阻止に向けた円買い・ドル売り為替介入への関心が一段と強まっている。ただし、ドルを売る介入は日本の判断だけで勝手には実施しにくい。前もって米国の理解や了承を得るのが普通だからだ。果たして、米国は首を縦に振るのか、考えてみた。 円安が目立つようになったのは10月以降だ。対ドルで一時10円程度下落した。ベースにあるのは日本の実質金利の低さ。日銀の政策金利が0.5%程度なのに対して、消費者物価上昇率は3%。差し引き政策金利の実質金利はマイナス2.5%程度に沈む。そこに加わったのが高市早苗政権の政策によって日本の財政規律が緩むとの思惑。円売りの材料になっている。 介入も「当然考えられる」と片山財務相 こうした円相場の下落を、政権も「憂慮している」(片山さつき財務相)。円安が進めば輸入物価に上昇圧力がかかり、国内物価に跳ね返りやすい。物価高対策を優先課題にする政権にとっては望ましくないのだ。片山財務相の円売りけん制発言も徐々にトーンが強まってきていて、「(介入も選択肢として)当然考えられる」との言葉も出た。 問題は介入の実施に米国が理解を示したり、了承したりするかだ。 対日貿易赤字の縮小を重視する米国も円の下落は望ましくないというのが基本的な姿勢だが、だからといって介入に無条件に賛成するわけではない。相場の人為的な操作はできるだけ避けるべきだというのが、日米欧の間での基本的な考え方だからだ。日米の財務相が9月に出した共同声明を見ても、「為替レートは市場において決定されるべき」であると記されている。人為的に動かさないのが基本だ。 もっとも、介入を完全に否定しているわけではない。声明では「 為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ること」も確認されているからだ。従って「為替レートの過度の変動や無秩序な動きに対処するためのものに留保される」との条件付きで介入は容認される。 米国、介入の前に日銀利上げという考え示唆 ただし、仮に米国が最近の円安を「過度」などと認めても、そこに日本側の政策が関係していると米側が考えるなら、まずはそれを是正するよう要請してきそうだ。実際、米側は日本の金融政策に円安の原因があると見ていると聞く。「ベッセント米財務長官は、日銀が利上げで後手に回っていることが円安につながっていると考えている」。同氏と親しい人物の指摘だ。 ベッセント氏は10月下旬のXへの投稿でも、「日本政府が日銀に政策の自由度を認める姿勢」が「過度な為替レートの変動を避けるために重要」と主張した。円売りを防ぎたいなら、介入の前にまずは日銀が金利を上げ、「低すぎる実質金利」を修正する姿勢を示すべきだ。米側がそう考えているとしても不思議はない。 問題は、高市政権内あるいは政権周辺に日銀の金利引き上げへの慎重論が存在してきた点。だが、その姿勢自体が円売りの要因になり、さらに日銀利上げが米側による介入了承の事実上の条件になっているなら、政権としても利上げへの反対を続けにくいだろう。 そうした空気は日銀にも影響する。実際「日銀から、近い将来の利上げの織り込みを市場に促すような発信が続いている」(BNPパリバ証券の河野龍太郎氏)との見方が広がっている。 12月利上げ、最終的に植田総裁が決断するか 例えば、従来利上げを提案していた2人の審議委員以外からも、次のような発言が出ている。「(極めて低い)実質金利を均衡状態に戻していくという金利の正常化を進めることが、将来に意図せざるゆがみをもたらさないためにも必要である」(小枝淳子審議委員)、「経済や物価の情勢を見ると、利上げをしていい環境は整ってきていると思う」(増一行審議委員)。 結果として、金利スワップ市場の動向を踏まえた日銀利上げ決定時期の確率予想値は、次回の金融政策決定会合がある12月(57%)が次々回の来年1月(29%)を大きく上回るようになっている(データは東短リサーチ提供)。 審議委員の間に利上げ論が広がるなか、最終的に植田和男総裁が決断するかが12月の金利引き上げ決定のカギを握る――。日銀内に漂うのはそんな空気だ。それだけに注目を集めるのが植田総裁の明日(12月1日)の講演。重要なイベントになる。【関連記事】・ベッセント米財務長官 円ドル相場を左右するキーパーソン・近づく歴史的円安の足音 日銀、物価高への波及に危機感2025/11/30 13:37:46297.名無しさんvxQiW日銀総裁、12月利上げを事実上「予告」か 氷見野氏の事例を踏襲も2025/12/01 12:27 日経速報ニュース 日銀が12月の利上げ決定に一段と傾いている。1日に植田和男総裁が次回の金融政策決定会合での利上げ是非について具体的に言及したためだ。振り返ると日銀が政策金利を現行の0.50%程度に引き上げた今年1月、氷見野良三副総裁は会合直前に「日程」と「利上げ」に触れて議論すると明言していた。市場は植田総裁も氷見野氏の事例を踏襲して次回会合での利上げを事実上「予告」したと受け止めている。 日銀の植田総裁は1日午前に名古屋市で開いた金融経済懇談会で「18?19日に予定されている次回の決定会合に向けて、本支店を通じ、企業の賃上げスタンスに関して精力的に情報収集しているところだ」と説明。そのうえで会合では「内外経済・物価情勢や金融資本市場の動向を、様々なデータや情報をもとに点検・議論し、利上げの是非について、適切に判断したいと考えている」と語った。 前回、日銀が利上げを決めた今年1月にも利上げの「予告」があった。1月23?24日開催の決定会合に先立つ1月14日、神奈川県で開いた金融経済懇に出席した氷見野副総裁は「来週の決定会合では『展望リポート(経済・物価情勢の展望)』にまとめる経済・物価の見通しを基礎に、利上げを行うかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」と説明。その言葉通りに日銀は0.25%の利上げを決めた。 植田総裁が次回会合での「日程」と「利上げ」に踏み込んだメッセージを市場参加者も敏感に受け取っている。変動金利と固定金利を交換する翌日物金利スワップ(OIS)市場の「金融政策決定会合間取引」から算出すると、前週末に60%弱だった12月の利上げ確率は1日昼ごろには75%前後まで切り上がった。政策金利の影響を受けやすい新発2年物国債の利回りも17年半ぶりに節目の1%を超えた。 慎重とみられていた植田総裁が利上げに踏み込んだのは、政府側への配慮もありそうだ。植田総裁は「緩和の度合いを適切に調整していくことは、金融・資本市場の安定を確保しつつ、物価安定目標をスムーズに実現するとともに、わが国経済を息の長い成長軌道に乗せるために必要だ」と指摘。そのうえで「これまでの政府と日銀の取り組みを最終的に成功させることにつながると考えている」と述べた。 積極財政を掲げる高市早苗政権の誕生をきっかけに外国為替市場では円安・ドル高進行の勢いが強まっている。円安進行は輸入物価の上昇を通じて国内のインフレを上振れさせる要因となり、物価高対策を打ち出したばかりの高市政権にとっても痛手となりかねない。政府と市場の双方に目配りしつつ、日銀は政策正常化に向けた次の一手へようやく踏み出そうとしている。 〔日経QUICKニュース(NQN) 寺川秋花〕【関連記事】・日銀・植田総裁「12月会合、利上げの是非を適切に判断」・日経平均株価一時900円安 日銀・植田総裁講演、年末高期待に冷や水・ターミナルレートとは 政策金利の到達点、日銀の3回利上げ織り込む2025/12/01 13:48:20298.名無しさんGsOQ4急上昇する長期金利、10年債入札に警戒感 株価は耐えられるか2025/12/02 05:00 日経速報ニュース 日本の長期金利の上昇(債券価格は下落)が加速している。日銀の12月利上げ観測による上昇圧力と、政府の積極財政への志向が絡み合って金利を押し上げる。さらなる金利上昇に耐えきれるか、日本経済や市場が試されている。2日に実施される10年物国債の入札は一つの試金石となる。 日銀総裁発言で17年ぶり水準に 「思っていた以上に12月の利上げがはっきりと示唆された」(東短リサーチの加藤出社長)。日銀の植田和男総裁が1日の講演で「利上げの時期について適切に判断する」と述べると、債券市場はざわついた。 新発2年物国債の利回りは一時、前週末から0.03%高い1.02%に、5年物利回りも0.065%上昇の1.38%、10年物利回りも同0.07%高い1.875%と大きく上昇した。いずれも17年ぶりの高水準だ。野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利ストラテジストは「12月の利上げ織り込みだけを踏まえると妥当な水準ではないか」とみる。 だが10年債には日銀の利上げに加えてもうひとつ上昇圧力がある。拡張的な財政を志向する高市早苗政権によって2026年度予算案が膨張して国債を増発、その結果として債券需給が悪化するのではないかとの懸念がある。将来の財政懸念を映しやすい償還期間が10年を超える超長期金利はすでに過去最高水準だ。 25年度補正予算では全体の国債発行額は24年度よりも少なく抑えた。26年度予算案に関してもそれほど大規模にならないのではないかとの見方が多い。 国債増発観測と需要不足が重荷 にもかかわらず金利上昇に歯止めがかからないのは、「11月に取りまとめられた経済対策があれよあれよという間に市場の予想を上回る規模になったのを見て、今後も財政が膨張するのではないかとの疑念が拭えない」(野村の岩下氏)ためだ。 みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは「高市政権は、経済対策への期待感が高い支持率を支えていると分かっており、財政規模をPRしている面もある」と指摘。日本経済新聞社とテレビ東京が11月末に実施した世論調査では、高市内閣は75%と高い支持率を維持している。 買い手も細っている。日本証券業協会によると、国内外の投資家は10月、利付長期国債を5503億円と5月以来の大きさで売り越した。有力な買い手の大手銀行も6カ月ぶりに売り越しに転じた。「金利は上昇し投資妙味があるように見えるが、今後一段の金利上昇を警戒して積極的な買いの声は聞こえてこない」(国内債券ディーラー) 「長期金利2%への上昇は視野に入りつつある」。SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストはこう語る。「金融機関の間で、足元の金利上昇(価格下落)による損切りの売りが出やすい地合いだ」と背景を説明する。 株式相場が試金石に 財務省の10年物国債の入札を2日に迎える。BNPパリバ証券の井川雄亮マーケットストラテジストは「金利上昇による投資家の需要喚起に期待したいところだが、警戒を強めたほうがよさそうだ」と話す。「不調に終わればここ20年ほど誰も経験してこなかった2%到達は早いかもしれない」。ある債券ディーラーは身構える。 債券市場の動きに敏感に反応するのは株式市場だろう。日銀の利上げ観測が急浮上した1日の東京市場で日経平均株価は前日比950円下落した。とりわけ2年債利回りの上昇にネガティブに反応し、植田総裁発言が飛び出した後には金利上昇と呼応するように下げが加速した。 株安の度合いは、24年8月5日に日経平均株価が史上最大の4400円下げる株価急落劇の引き金となった同年7月末の利上げと比べ、今のところは限られている。金利上昇を通じた景気下押し圧力に株式相場は耐えきれるか、それとも昨年のような株安をもたらすか。入札結果を受け株価が軟調になるようであれば、株安局面が長引く可能性もある。 金利上昇は一方で、将来の経済成長期待も反映している。高市政権の公約通りに成長率が着実に高まるのであれば、金利の上昇は問題ないとも受け止められる。 内閣府によると24年度の日本の名目成長率は3.7%。8月時点の年央試算では、25年度は3.3%、26年度は2.7%を見込む。この見通しに基づくと、長期金利が2%に到達しても名目成長率が名目金利を上回る状態が当面は続く。 だが、金利が一段と上昇したところに思うほど成長が伸びず、成長率が金利を下回ってしまえば、政府債務残高のGDP比は悪化して政府の利払い負担も増し、残されたのは巨額の債務だけということにもなりかねない。 日銀の利上げと高市政権の積極財政のコンビネーションは大きな試練を迎えている。 (古賀雄大)2025/12/02 06:12:48299.名無しさんNeUWR金利、くすぶる先高観 財政警戒、長期金利1.9%接近 10年債入札は堅調2025/12/03 日本経済新聞 朝刊 国内債券市場で、金利が一段と上昇(債券価格は下落)するとの見方が強まっている。財務省が2日実施した10年債入札は無難な結果だった。ただ積極財政への懸念に日銀の利上げペースへの思惑も絡んで需給が悪化し、金利を押し上げる構図が続く。急激な上昇は景気の下押しにつながる側面がある。 2日の10年債入札は、投資家人気の底堅さが確認された。落札価格の平均と最低の差は小さいほど好調な結果とされる。今回は4銭と、5カ月ぶりの小ささだった。需要の強さを示す応札倍率も3.59倍と前回(2.97倍)を上回った。 10年債利回りは、2日の入札前に一時17年半ぶり水準となる1.88%まで上昇。「金利水準が高まり一定の需要があった」(三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト)との見方が目立つ。国債増発の観測 入札結果を受け長期金利は一時1.855%まで低下したものの、心理的な節目である1.9%は間近な水準だ。債券相場への強気の見立ては乏しい。ある国内の債券ディーラーは「投資妙味があるように見えるが、積極的な買いの声は聞こえない」と打ち明ける。 需給面でも、26年度予算案が膨張して国債を増発するとの見方が投資家心理にのしかかる。将来の財政懸念を映しやすい償還期間が10年を超える超長期債の利回りは、既に最高水準だ。 2025年度補正予算では全体の国債発行額は24年度よりも少なく抑えたものの「11月の経済対策があれよあれよという間に市場予想を上回る規模になったのを見て、今後も財政が膨張するのではないかとの疑念が拭えない」(野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利ストラテジスト)。 財務省が11月末に開いた国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー、PD)会合では、26年度の国債発行計画について「(償還までの期間が10年以下の)短期・中期・長期債券において増額する余地がある」との声が上がった。増額により需給バランスが崩れるとの懸念は消えない。 日銀の利上げペースを巡る思惑も影響している。植田和男総裁は1日の講演で12月の利上げを示唆し、翌日物金利スワップ(OIS)市場の織り込む12月の利上げ確率は約8割に上昇した。 金融緩和的な政策を志向するとされる高市早苗政権だが、片山さつき財務相は2日の閣議後記者会見で「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきだ」と述べた。景気認識に関しても「緩やかに回復しているという政府認識と総裁の認識は齟齬(そご)はない」と語った。 市場は26年末までに2回ほどの利上げも見込み、緩やかではあるものの利上げ路線は続くとの見方が大勢だ。 三井住友トラストの稲留氏は「利上げ観測や来年度予算の内容次第で、2%超えは時間の問題だろう」とみる。値下がりリスクがあるなか、投資家は買い控えの姿勢が目立つ。ローン負担増加 日本証券業協会がまとめた国内外投資家の10月の売買動向は、利付長期国債が5457億円の売り越しだった。5月以来の規模となる。有力な買い手の大手銀行は、6カ月ぶりに売り越した。 金利の上昇は、将来の経済成長への期待も反映している。国内総生産(GDP)成長率が着実に高まるのであれば、金利の上昇は問題ないとも受け止められる。 だが経済成長率が金利を下回ってしまえば、政府債務残高のGDP比は悪化し政府の利払い負担は重くなる。残されたのは巨額の債務だけということになりかねない。 株式相場や景気にも影響を及ぼす。三菱UFJ銀行など大手銀行5行は、10年固定型の住宅ローン金利を12月から引き上げた。借り入れる個人の負担は増える。国債を保有する金融機関には含み損が発生する。 東京市場で1日、日経平均株価は前日比950円下落し、2日もほぼ横ばいで取引を終えた。PGIMジャパンの鴨下健株式運用部長は「国債増発懸念に伴う金利上昇は嫌気されやすい」と指摘する。金利上昇を通じた景気下押し圧力に株式相場が耐えきれなければ、株安局面が長引く可能性もある。2025/12/03 06:14:24300.名無しさんNeUWR債券12時50分 長期金利が高止まり 1.875%、株高も重荷2025/12/03 13:24 日経速報ニュース2025/12/03 14:16:51301.名無しさんNeUWR長期金利、1.890%に上昇 08年6月以来の高さ2025/12/03 14:42 日経速報ニュース2025/12/03 15:17:15302.名無しさんyrr1n長期金利上昇、18年ぶり1.9%台 利上げ観測強まる2025/12/04 09:27 日経速報ニュース 4日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時、1.91%に上昇(債券価格は下落)した。前日比0.02%高く、2007年7月以来およそ18年ぶりの高水準となった。日銀の植田和男総裁が早期の利上げに前向きな姿勢を示し、債券売りが強まっている。高市早苗政権の積極財政による財政悪化も引き続き意識されている。 長期金利は3日に1.89%と、08年6月以来およそ17年半ぶりの高水準をつけていた。 植田総裁は1日、名古屋市内で開いた金融経済懇談会で講演し、18?19日に開く金融政策決定会合で「利上げの是非について適切に判断したい」と述べた。市場関係者の間では、日銀が同会合で利上げに踏み切る可能性が高まったとの受け止めが広がった。 植田総裁は懇談会後の記者会見で、政策金利の水準と景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」との距離感についても言及。次の利上げ時に「その時点での考えをもう少しはっきりと明示したい」と話していた。市場では「ターミナルレート(政策金利の最終到達点)が切り上がる可能性もある」(アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎シニア債券ストラテジスト)との見方が出ている。 高市政権が掲げる積極財政も投資家の買い手控えにつながっている。市場の一部では、26年度予算案の規模が膨らむことで短中期債に加え、長期債も増発されるのではないかとの思惑も出ている。【関連記事】・急上昇する長期金利、10年債入札に警戒感 株価は耐えられるか・高市政権の経済環境、アベノミクスと対極 インフレ・円安・金利上昇・財政目標の変更「不適切」54% 経済学者、金利上昇・円安を警戒2025/12/04 09:34:04303.名無しさんFJvKe日銀12月利上げ論強まる 政府に容認ムード、株高も追い風2025/12/05 20:30 日経速報ニュース 日銀は18、19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げるか議論する。高市早苗政権は利上げ判断を「日銀に委ねている」とし、動向を静観している。円安是正を求めるトランプ米政権への配慮や物価高への懸念もあり、市場には政府が利上げを容認するとの見方が広がる。12月の利上げ予想は9割に達した。 市場予想、12月利上げ「9割超」 「内外経済・物価情勢や金融資本市場の動向を様々なデータや情報をもとに点検・議論し、利上げの是非について適切に判断したい」。植田和男総裁は1日、名古屋市での講演でこう表明した。 利上げの地ならしと解釈できる発言で、12月会合で日銀が利上げを決めると予想する市場参加者が増えた。東短リサーチなどによると、12月会合での利上げ確率は講演後に6割程度から8割程度にまで上昇し、5日午後には9割を超えた。2025/12/05 20:47:54304.名無しさんmsh1f長期金利2%は「通過点」、「成長見込める財政出動が重要」識者に聞く2025/12/09 02:00 日経速報ニュース2025/12/09 06:06:26305.名無しさんR6ieq日銀利上げなら「歴史的」、35年ぶり年間上げ幅 「0.5%の壁」を突破(ポジション)2025/12/10 日本経済新聞 朝刊 日銀が18~19日の金融政策決定会合で、今年2回目となる0・25%程度の利上げを決める可能性が市場で強く意識されているが、この利上げは「歴史的」なものと受け止められそうだ。2025年の年間利上げ幅は合計0・5%程度と35年ぶりの大きさになるし、約30年間にわたり金利の上限となってきた「0・5%の壁」の突破も実現するからだ。 「金利が上がる時代」の到来を改めて印象付け、長期金利の上昇が目立つ債券市場をはじめマーケットの空気に影響を与えるだろう。 日銀が1998年の現行日銀法施行で金融政策の「自主性」を認められてから、利上げを決めた年は5回あった。ゼロ金利解除があった2000年、2回目のゼロ金利解除があった06年、追加利上げがあった07年、マイナス金利解除などがあった24年、そして25年だ。 このうち、00年、06年、07年は利上げ回数が1回で、年間の上げ幅も0・25%前後だった。24年は2回だったが、利上げ幅は合計0・3%程度にとどまった。同年3月のマイナス金利解除は、マイナス0・1~0%程度で推移していた無担保コール翌日物金利を0~0・1%程度に上げたものであり、7月の追加利上げ決定はそれを0・25%程度に引き上げた措置だったからだ。 これに対して、25年は1月に0・25%の利上げを実施。12月も利上げを決めるなら幅は0・25%とみられており、合計0・5%程度になる。現行日銀法下では前例のない大きさだ。日銀の年間利上げ幅がこれより大きかった例は旧日銀法時代の1990年(当時の政策金利だった公定歩合の上げ幅が合計1・75%)まで遡らないとない。従って、35年ぶりの利上げ幅になる。2025/12/11 13:22:14306.名無しさんX4evj日銀0.75%に利上げへ 30年ぶり水準 18日から決定会合2025/12/13 日本経済新聞 朝刊 日銀は18~19日に開く金融政策決定会合で政策金利を現在の0.5%から引き上げる最終調整に入る。0.25%引き上げて0.75%とする案が有力で、1995年以来30年ぶりの金利水準に達することになる。 植田和男総裁ら執行部は利上げの議案を提出する意向を示唆している。日本経済新聞社の取材では、正副総裁を含めて9人の政策委員のうち過半数が執行部案を支持する見通しだ。 政策金利の引き上げは2025年1月以来11カ月ぶり。1990年代にバブル経済が崩壊し、95年9月に当時の政策金利にあたる公定歩合を1.0%から0.5%に引き下げた。政策金利の0.5%超えはそれ以来となる。 現時点で利上げに明確に反対姿勢を示す委員はおらず、政府にも容認論が広がる。 トランプ米政権の関税政策による経済への悪影響の懸念から、25年1月の会合で利上げを決めた後は6会合連続で金利を据え置いてきた。日銀内にはトランプ関税の景気や物価に与える影響が今春時点の想定より軽微との見方が広がっている。 植田氏は前回10月の決定会合後の記者会見で「26年の春季労使交渉(春闘)の初動のモメンタム(勢い)を確認したい」と述べた。支店を通じた企業へのヒアリングなどを通じ、賃金上昇率が5%を超えた24年や25年を大きく下回る可能性は低いとの見方を強めている。 足元の円相場は1ドル=155円程度で推移し、円安基調が定着している。日銀は円安が輸入物価の押し上げなどを通じて物価高につながりやすくなっているとみる。 根強い円安は日米の金利差が依然として大きいことが一因との見方があり、利上げで円安に一定の歯止めをかける効果も期待する。市場はその後の利上げペースについて植田氏が何を話すかに注目する。 日銀は株式相場の急落や急ピッチの円高進行といった市場の混乱が起きないか見極めた上で最終判断する。2025/12/13 07:06:20307.名無しさんGbRj2日銀決定会合、視線は利上げペースへ-今週の市場2025/12/14 05:00 日経速報ニュース前週の米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)に続き、今週は日銀が金融政策決定会合を、欧州中央銀行(ECB)が理事会を開きます。とりわけ日銀については0.25%の利上げを実施するとの観測が高まっています。市場関係者の関心は来年以降の利上げのペースや到達点に向かい始めています。19日の記者会見で植田和男総裁が政策金利のあるべき水準を示すかどうかが焦点です。複数月分が公表される米雇用統計も重要イベントです。 日経平均、5万円挟んだ展開に 今週の日経平均株価は節目の5万円をはさむ展開となりそうだ。延期されていた米雇用統計の公表や日銀の金融政策決定会合を前に、慎重な取引となる可能性がある。 日銀会合について、市場では利上げ決定をほぼ織り込んでいる。三井住友信託銀行の瀬良礼子シニアマーケットストラテジストは「利上げの織り込みは進んでいるが、結果と発言を見極めたいとの雰囲気は根強い」と指摘する。 16日発表の10?11月の米雇用統計や18日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)にも注目だ。米政府閉鎖の影響で10?11月分は米連邦公開市場委員会(FOMC)後の公表となった。 FRBの金融政策は7月の雇用統計で過去分のデータが大幅に下方修正されて以降、急速に利下げ観測が強まった経緯がある。 「3カ月分の雇用統計が短い期間で立て続けに公表されれば、次回FOMCでは雇用に関する見方がまったく異なっている可能性もある」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)との声もあった。 12月は季節的な需給面の支えもあって下値は堅いとの見方もある。 りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは「配当再投資に加え、少額投資非課税制度(NISA)の年間投資枠を使い切る個人投資家の動きが下値を支える」と指摘する。 国内長期金利、上昇一服か 国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが低下(債券価格は上昇)か。日銀のターミナルレート(利上げの到達点)が切り上がるのではとの思惑から前週には一時1.97%と約18年半ぶりの高水準まで上昇した。もっとも思惑は市場で織り込まれつつあり、上昇圧力は鈍るとの見方が強い。 18~19日の金融政策決定会合で日銀の植田和男総裁が景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」についてどのように言及をするかに注目が集まる。東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは「高市早苗政権も足元の金利上昇に対して警戒感を示しており、中立金利の下限切り上げのようなコミュニケーションには動けない」とみる。 米国債券市場でも、米雇用統計などが市場予想より弱い結果となれば10年債利回りが低下するシナリオも考えられる。みずほ証券の上家秀裕シニア債券ストラテジストは「足元までの金利上昇の動きが巻き戻され、米長期金利は4%割れまで低下する可能性がある」と話す。 米金利の低下で、国内長期金利により下押し圧力がかかるとの見方もある。「米金利低下が国内金利に波及することに加え、高い金利水準で買いが一定程度入れば長期金利は1.9%を下回る可能性がある」(明治安田アセットマネジメントの大崎秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャー)との声も聞かれた。 円相場、上昇しやすく 今週の外国為替市場で対ドルの円相場は円高・ドル安方向に振れそうだ。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は0.25%の利下げに踏み切った。市場ではFRBのパウエル議長は追加利下げに慎重な「タカ派」の姿勢を緩めたとの受け止めが広がった。日米の政策金利差の縮小を意識した円買い・ドル売りが進みそうだ。2025/12/14 12:01:26308.名無しさんGbRj2 日銀が15日に12月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表する。18~19日に開く金融政策決定会合の直前ということもあり注目が集まる。オーストラリア・ニュージーランド銀行の町田広之ディレクターは「利上げを妨げない結果なら円買いが進む」と話す。 日銀は12月会合で0.25%の利上げに踏み切るとの見方が支配的だ。市場では日銀が中立金利について見解を示すとの見方が強い。SMBC日興証券の丸山凜途金利・為替ストラテジストは「日銀が中立金利の下限を切り上げるような情報発信をすれば1ドル=154円程度まで円高が進む」と指摘する。 もっとも、円安・ドル高に転じるシナリオもある。16日には10?11月の米雇用統計が発表される。「雇用統計がサプライズで強い結果となれば、市場で織り込まれている来年2回の利下げ期待が後退しドル買いが加速する可能性もある」(SMBC日興の丸山氏)との声もあった。 商品 原油は様子見姿勢、金は最高値うかがう 原油相場は地政学リスクの動向を見極める展開となりそうだ。前週の原油相場は売りが目立つ展開だった。国際エネルギー機関(IEA)が発表した月報で2026年も供給過剰が続くとの見通しが改めて示され、需給の緩みを意識した売りが優勢だった。 今週も主要産油国による増産観測が上値を抑える公算が大きい。一方で米国がベネズエラ沖で石油タンカーを拿捕(だほ)したと伝わるなど、産油国であるベネズエラと米国の緊張感も意識されそうだ。 ロシアとウクライナの和平交渉を巡り、トランプ米大統領が25日のクリスマスまでの停戦合意を目指しているとされる。野村証券の高島雄貴エコノミストは「原油供給を左右するウクライナ情勢の動向を見極める必要性から、持ち高を傾けにくい局面だ」と指摘する。 金(ゴールド)相場は最高値更新を見込む声が聞かれた。前週、国際指標のニューヨーク先物(中心限月)は10月下旬以来の高値まで上昇する場面があった。米連邦準備理事会(FRB)が10日に3会合連続の利下げを決めたことで、金利が付かない金先物の買いを誘った。 日産証券インベストメントの菊川弘之チーフストラテジストは引き続き米利下げ観測や地政学リスクが支援材料になると指摘。「今週発表の米雇用統計といった経済指標が利下げ観測を強める内容なら、最高値(1トロイオンス4398ドル)を上回る可能性も意識される」との見方を示す。2025/12/14 12:02:09309.名無しさん9dudD金が上がり続けるならば歯科医療費も上がり続けないと…潰れちゃうよ2025/12/15 09:48:24310.名無しさんZteQKドイツ銀為替ストラテジスト 日銀利上げ「奇妙なほど遅い」 政策金利は1.5%が妥当2025/12/16 09:30 日経速報ニュース 日銀は18?19日に開く金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる公算が大きいが、それでも外国為替市場では円の先安観が根強い。ドイツ銀行で為替ストラテジストを務めるティム・ベイカー氏は「インフレ率が3%を超えるなか、日銀の利上げペースは緩やかで、実質金利が大幅なマイナスの状態をそのままにしているのは奇妙だ」と語り「日銀は市場から中央銀行としての信頼を失いつつある」と指摘する。政策金利を1.5%に引き上げ、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが2?2.5%程度まで上昇しない限り、円安・ドル高基調は止まらないと話す。 ■物価高での日銀の政策判断は合理的でない ――日銀は今週の会合で利上げすると予想されているうえ、その後も利上げを継続すると見込まれています。それにもかかわらず、円相場は安値圏で、足元では1ドル=155円台と前年同時期とほぼ同水準です。 「円相場は、日米の政策金利差でみると130?140円、日米の新発10年債利回り差でみれば140?150円程度がフェアバリュー(適正水準)だ。日銀が物価の上昇を抑え込めないインフレ・リスク・プレミアムを市場は懸念しているようで、これが円相場の下押し要因になっているのは明らかだ。高市早苗政権の拡張的な財政政策は円売りの直接的な要因としては軽微に過ぎない。名目国内総生産(GDP)成長率は加速し、財政赤字は大きすぎず、債務対GDPは低下しているが、市場はこれを過小評価している。財政だけでなく金融政策も緩和的になっていることが、円の下押し圧力となる」 「名目金利から物価の上昇を差し引いた実質金利のマイナス幅は大きく、他の先進国と比べても際立つ。日本の名目GDP成長率は4?5%でインフレ率が3%、長期金利は2%に迫るなど、日本経済は堅調だ。経済が順調な国で実質金利のマイナス幅が深まっていく状況は奇妙に思える。特に海外からみると、日銀の金融政策の判断は合理的でない印象すら受ける」 「日銀は市場からの信頼を失いつつあると言える。日銀はここ数年、インフレ率は正常化すると予想してきたが、足元では高止まりが続く。これまで基調的な物価上昇率やコメなど食料品価格の上昇を理由に利上げしなかったのは言い訳に聞こえる。アベノミクス時の異次元緩和のもとで超低金利が長く続いたせいで、金利の上昇に慎重さが染みついている。本来なら『デフレを脱却し、あと一歩で物価目標の安定的・持続的な実現を達成できる』と喜ぶべきだ」 ■政策金利は1.5%でも高すぎるとは言えない ――適切と考える利上げのペースやターミナルレート(政策金利の最終到達点)の水準を教えてください。 「少なくとも四半期に1度のペースで0.25%幅の利上げが必要だろう。足元の物価上昇率が3%程度である状況を踏まえると、政策金利が1.5%でも高すぎるとは言えない。他の先進国の国債利回りと比べても、日本の長期金利は2?2.5%が妥当な水準だ。ドイツ銀行のエコノミストは次々回の利上げ時期を2026年7月と予想しているが、もし日銀が来年4月に利上げすれば、物価高を抑えようとしている姿勢が伝わるだろう。中央銀行としての信認が回復し、円安・ドル高は抑制されると思う」 ■利上げペース速めなければ円売り圧力は継続 ――日銀の利上げが後手に回り、実質金利が大幅なマイナスの状態が続いた場合、どのようなリスクが想定されますか。 「超緩和的な財政・金融政策が続けば160?170円まで円安・ドル高が進行するだろう。日本の通貨当局は、円安のスピードが加速したり、投機的な動きがみられたりすれば円買いの為替介入に動くだろうが、円安を一服させる程度の効果しかない。日銀が政策金利を引き上げるペースを速めない限り本質的な問題は解決せず、円売り圧力は残り続ける」 【略歴】Tim Baker(ティム・ベイカー)氏 2003年にオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)に入行し、グローバルマクロなどを担当するエコノミストとなる。07年からドイツ銀行のマクロ調査チームを経験したのち、24年から現在まで米州為替調査部門の責任者として為替とグローバルマクロのリサーチチームを率いる。2025/12/16 09:42:08311.名無しさんBOBCd2年金利「半年に1回利上げ、1.5%まで」織り込む2025/12/18 07:32 日経速報ニュース2025/12/18 08:51:31312.名無しさんBOBCdコラム:高市政権の円防衛策、日銀の利上げ「黙認」の次の一手は=高島修氏高島修 シティグループ証券 通貨ストラテジスト2025年12月18日午前 10:13 GMT+93時間前更新[東京 18日] - 高市早苗政権の経済政策(サナエノミクス)は10年前のアベノミクスと40年前のレーガノミクス/サッチャーリズムの中間的なところに立ち位置を修正していくと我々は考えている。海外でもインフレ圧力がくすぶる中、日本は円安に伴う輸入インフレが社会問題となっている。こうした中で円安対策が必要となってきており、高市政権も次第に日銀の金融正常化の黙認にかじを切ってきている。今週18日、19日の金融政策決定会合でも日銀は0.5%から0.75%への追加利上げに動く可能性が高く、そのことは既に日本政府が必要なら円買い介入に動く意思を固めたことを暗示していると筆者のチームはにらんでいる。円買い介入に依拠した相場シナリオを立てている訳ではないが、米日金利差も有意な縮小となってきている中、一時的にせよ、昨夏のように日米株が反落するようなリスク回避的な市場環境の変化が生じた際には円高になりやすいと思われる。高市政権の誕生以来、我々にとっては予想外の円安進行となっているが、長期的には155円前後はドル/円の天井圏で、向こう半年ほどでは145円を割り込んでいく展開を見込んでいる。<アベノミクスとは異なるサナエノミクス>前回10月に寄稿した際、サナエノミクスはアベノミクスと一線を画すことになるだろうとの考えを示した。実際、この間、高市政権は円防衛にかじを切ってきており、日銀の緩やかな金融正常化も黙認する姿勢に転じてきたようだ。10年前のアベノミクスはデフレと通貨高への処方箋だったが、近年では日本のみならず、世界的にインフレが問題となっている。これは2020年の新型コロナ危機を転機に世界の財政政策が拡張に転じたことの影響が大きそうだ。こうした中で、21兆円の補正予算に象徴的なように、高市政権はより強い財政政策を講じようとしているのだから、金融政策が緩和度合いを削減し、通貨安阻止に動くのは当然の話だ。この10年で世界的にも経済学や経済政策の思想は、従来のニューケインジアン的アプローチから現代サプライサイド経済学(MSSE)のように財政政策により重きを置くアプローチへと変わった。それと呼応するように日本でも、日銀の金融緩和に依存したアベノミクスに比べると、財政政策への依存度、信頼度がはるかに高いサナエノミクスが出てくることになった。安倍晋三首相(当時)は13年、元々は財務官だった黒田東彦氏を日銀総裁に指名し、その黒田総裁の下で日銀は果敢な金融緩和に転じた。当時、日本は既にゼロ金利制約に直面しており、それは事実上、量的緩和による円安政策だった。つまりアベノミクスのマクロ政策で最上位にあったのは金融政策ではなく、通貨政策だった。これは実質金利の引き下げが困難な国が実質為替レートを下落させることで、マネタリー・コンディション、ひいてはフィナンシャル・コンディションを緩和させ、景気と物価の浮揚を試みようとしたということであり、ある意味、正攻法のマクロ経済政策だった。2025/12/18 14:11:13313.名無しさんBOBCd<高市政権の円防衛策>ただ、高市首相は、アベノミクスによる日本経済再建は未完に終わったとの認識を示しており、アベノミクスでは「民間投資を引き出す成長戦略」だった第3の矢を、「大胆な危機管理投資・成長投資」へ変更してきた。つまり、サナエノミクスでは第2の矢のみならず、第3の矢も財政政策になったのだ。そのリフレ政策に対する不安で円安圧力が高まる中で、それを阻止するために日銀の金融緩和の度合いを削減していくという構図になってきている。逆に日銀にとってみれば、拡張的な財政政策によって景気とインフレが下支えられることは金融正常化の遂行に当り、追加的な安心材料となってくるはずだ。こうして、日銀の金融正常化は高市政権の円防衛策の一つの柱になってくるが、それはベセント米財務長官ら米当局も求めてきたことでもある。このことを念頭に、今月会合で日銀が追加利上げに動く可能性が高まってきたことを考えると、日本政府がそれでも必要なら円買い介入に動く意思を既に固め、米国もそれを黙認することを意味しているのではなかろうか。その場合には、22年、24年と同じく、10兆円ほどの円買い介入となる可能性があるだろう。米日金利差も有意な縮小となってきている中、そうした日本政府の為替介入は円安トレンドの是正に相応に有効であろうと我々は考えている。さらに潜在的な可能性としては、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による側面支援なども考えられるかもしれない。GPIFは282兆円(約1.9兆ドル)に上る運用資産の半分ほどを海外資産に投資しているが、基本ポートフォリオに対して外国株式はプラスマイナス6%、外国債券はプラスマイナス5%のアロワンスが認められている。合計すると、7.6兆円ほど(約500億ドル)海外資産を売却する余地はある。もちろんGPIFが通貨政策上の必要性から、恣意(しい)的に投資方針や為替ヘッジの指針を変えるとは考えにくい。ただ、円安や円金利上昇などに伴うリバランス、つまり海外資産から円資産への投資資金のシフトは現段階でも一定程度、自然体での円需給の改善に貢献していることだろう。円防衛策でより本質的に問われるのは1)日銀の金融正常化、2)財務省の円買い介入、3)GPIFによる側面支援など以上に4)高市政権の財政政策の有効性かもしれない。それが従来型のばらまき志向の強いものに留まる場合には市場の信認はえがたいだろう。一方で政権が掲げるように、成長志向が強く、構造改革を促すようなものになるならば、円安や円債下落(長期金利上昇)には歯止めがかかり、多少の円高となっても株式市場もそれを好感するはずだ(トリプル高の可能性)。ただ、そのためには中央銀行(日銀)の金融政策の自由度を確保することも必須の要件となる。2025/12/18 14:12:37314.名無しさんBOBCd<松下幸之助氏の教え>長期的な観点では、我々は過去10年ほどの円安は日本経済をデフレから脱却させるポジティブな要素として目してきた。だが、12年には80円を割り込んでいたドル/円は今や160円近くまで円安ドル高が進み、実質実効円相場は1970年代以来の安値圏に値を崩している。日本は今、拡張財政と中央銀行への政治圧力という問題に直面している。良い円高(緩やかな円回復)に転じるか、悪い円安(無秩序な日本売り)に転ぶかの正念場だ。過去の論説では、高市氏は自らが学んだ松下政経塾の創始者である松下幸之助氏の教えの一つとして「君子豹変(ひょうへん)す」を挙げていた。興味深いことに、その上で高市氏は「国民国家の運命を左右する国家経営のリーダーにこそ、時には『君子は豹変す』と言い放てる勇気が求められる」と語り、また「誤りであると分かった方針をいつまでも続ける」ことの危険性も説いている。10年前のアベノミクスがデフレと円高に対処した反面、今、サナエノミクスが対峙する必要がある経済問題はインフレと円安に変わっている。しかも、それが自民党の支持率低下やポピュリスト政党の躍進を招いている。こうしたことを考えると、サナエノミクスは次第にその立ち位置を修正し、積極財政(第2、第3の矢)で経済を下支えしながら、緩やかながらも日銀の金融正常化を促し(第1の矢の軌道修正を図り)、円安抑止に動いていくことは自然な流れではないかと思われる。振り返れば80年代に米国でレーガノミクスが行われた時にも、ラッファー曲線などの観点が減税政策の根拠として用いられ、「ブードゥー・エコノミクス(呪術的経済学)」と揶揄(やゆ)されたこともあった。それでも、「強いアメリカ」、「強いドル」を掲げるレーガン政権はポール・ボルカ―議長率いる連邦準備理事会(FRB)の超引き締め策を受け入れ、その結果生じた超ドル高でカーター政権が苦しんだインフレを克服していった。レーガン政権はその時に米国が実際に直面している問題に対処するため、低金利政策という政治的な欲求を押さえ、現実的に必要な経済政策を講じていったのである。結果的にそれが70年代のスタグフレーションを克服することに繋がり、90年代の米経済復活の伏線となっていった。これまで高市政権の経済政策の理念的な(つまりリフレ的な)側面ばかりが注目されてきたが、今求められるのは、40年前のレーガノミクスがそうであったように、過去10年ほどの国内外の金融経済環境の変化に柔軟に適応し、理念的でなく、現実的な解を模索していくことだろう。2025/12/18 14:13:44315.名無しさんBOBCd日銀 政策金利0.75%に引き上げへ 賃上げ動向後押しに 30年ぶりの水準 金融政策決定会合2025/12/18 14:37:06316.名無しさんuNPfO日銀会合、円高進行のリスク見当たらず・三井住友銀の納谷氏2025/12/19 09:19 日経速報ニュース 納谷巧・三井住友銀行市場営業部為替トレーディンググループ・グループ長 19日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=157円台まで下落する余地がありそうだ。日銀は19日まで開く金融政策決定会合で0.25%の利上げを決めるだろう。だが、今後の利上げペースを示唆するとされる景気を熱しも冷ましもしない中立金利の水準については明言しないと市場では織り込まれている。 通貨オプション市場をみると、円相場の1カ月物の予想変動率(IV)は7.5%前後と今年最低の水準となっている。目先は円相場が大きく動くとの見方が少なく、今回の決定会合をきっかけに円高が進むリスクは見当たらないと考える市場参加者が多いのだろう。 日銀は円相場の水準より、長期金利が2%近くまで上昇しているのを警戒しているのではないか。積極的に利上げを続ける姿勢を示すことで金利が急騰するリスクを恐れているとみられ、植田和男総裁の記者会見も利上げに慎重な「ハト派」な姿勢となり円には売りが膨らみやすくなると考えている。 もっとも、市場が今回の次の利上げが半年後になると見込むなか、植田総裁が2026年の春季労使交渉(春闘)に向けた賃上げのモメンタム(勢い)が確認できる3月や4月の追加利上げを示唆すれば、サプライズとなって円高・ドル安が進むだろう。2025/12/19 09:23:13317.名無しさんCH6Ps中央値より平均値が好き?2025/12/19 09:26:36318.名無しさんuNPfO日銀の物価見通し、高田・田村両委員が反対表明2025/12/19 12:40 日経速報ニュース 日銀は19日まで開いた金融政策決定会合で、政策金利の引き上げを全員一致で決めた。公表文と同時に、別紙として「経済・物価の現状と見通し」を示した。物価の見通しを巡り、高田創審議委員と田村直樹審議委員はそれぞれ反対を表明した。 先行きの日本経済について「基調的な物価上昇率と消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率はともに徐々に高まっていく」として、「『展望リポート』の見通し期間(2025?27年度)後半には『物価安定の目標』とおおむね整合的な水準で推移する」との見通しを示した。 見通しの表現に関して、高田氏は「基調的な物価上昇率を含め、消費者物価はすでにおおむね『物価安定の目標』に達する水準にある」と説明。田村氏は、基調的な物価上昇率が物価安定目標と整合的な水準で推移するのは「見通し期間の半ば以降」との見方を示し、ともに反対した。2025/12/19 12:59:11319.名無しさんuNPfO日銀利上げ 今後のペース加速に踏み込まず・岡三の中山氏2025/12/19 13:18 日経速報ニュース 中山興・岡三証券チーフエコノミスト 日銀が政策金利を0.75%へと引き上げたのは想定通りだったが、今後の利上げペースを加速させることまでは踏み込まなかったのはやや意外感があった。2%の物価目標の達成時期については「見通し期間後半」という表現を変えなかった。 日銀は公表文で賃金(上昇)がしっかりしていることを押し出した。15日公表の「2026年度賃上げスタンスの動向」を含め、春季労使交渉(春闘)の初動のモメンタム(勢い)に関する評価に自信を抱いているようで、今回の利上げは自信をもって実施したのだろう。 先行きについては26年度後半、27年度半ばごろに0.25%ずつ利上げし、政策金利は1.25%に達するとみている。利上げペースを半年に1度とするのは、やや速い印象だ。国内で賃金と物価の好循環が進んだとしても、米国では関税の影響が26年半ばに出てくるとみられ、海外経済を中心に国内経済には下押し圧力がかかることも考えられる。2025/12/19 13:32:13320.名無しさんhIG22インフレとはまだ言えないのに金利を上げてデフレを目指すさらなる失われた40年を目指す植田であった?2025/12/19 14:32:08321.名無しさんhIG221416回 物価は上がっていない!デタラメな日銀これで利上げ?最悪の政策!https://www.youtube.com/watch?v=XtjYSjuqVp02025/12/19 15:32:02322.名無しさんhIG2212月19日 怒りの緊急配信 植田が...日銀がやりやがった利上げ!景気が悪くなる愚策 そして金融機関だけが喜ぶhttps://www.youtube.com/watch?v=ixcmTqloeOQ2025/12/19 16:19:53323.名無しさん1uXUp物価上昇率2%目標は止めたってことでいいですか?2025/12/20 10:36:35324.名無しさんKolWb利上げして足を引っ張る日銀砲2025/12/22 04:07:00325.名無しさんUTXJG利上げでも消えぬ円安圧力 160円台も視野、株価には追い風2025/12/22 05:00 日経速報ニュース 外国為替市場で円安圧力が強くなっている。円は前週末に1ドル=157円台後半と1カ月ぶりの安値を付けた。利上げを決めた日銀の植田和男総裁が、事前の想定ほど金融引き締めに前向きではないと受け止められたためだ。市場では今後160円前後まで円安・ドル高が進む可能性が意識されている。円安は株式相場には追い風となる。 日銀は19日、0.75%への利上げを決めた。債券市場では長期金利が上昇(債券価格は下落)し、19年ぶりに2%を付けた。円相場はおおむね155円台後半から156円台前半で推移し、利上げ発表直前の155円80銭前後から大きな変化はなかった。植田総裁の記者会見が始まった午後3時半時点でも円相場は155円90銭前後だった。 潮目が明確に変わったのは午後3時40分ごろだった。植田総裁が景気を熱しも冷ましもしない中立金利について「特定することは難しく、かなりの幅をもってみる必要がある」と発言した後、瞬間的に40銭ほど円安方向に振れた。 その後も円を売る動きは止まらず、ニューヨーク市場で一時157円70銭台と1カ月ぶりの円安水準まで下落。157円50銭台で1週間の取引を終えた。対ユーロでも、一時1ユーロ=184円70銭台と1999年に単一通貨ユーロが成立して以降の最安値を付けた。 中立金利を巡っては伏線があった。日銀はかねて1?2.5%と幅をもった推計値を公表している。今月に入り、植田総裁は中立金利の引き上げを示唆するような発言をしていた。中立金利の引き上げは、利上げ余地の拡大を意味する。市場の一部には、金融引き締めに積極的な「タカ派色」の強い利上げを見込む雰囲気が広がっていた。 だが19日の会見で植田総裁は中立金利の幅の絞り込みなどを見送っただけでなく、具体的な利上げペースについても言及しなかった。「タカ派的利上げ」に傾斜していた市場参加者にとっては肩透かしを食らった格好になった。バークレイズ証券の門田真一郎為替債券調査部長は「市場の期待に届かなかったことが円売りを招いた」とみる。 市場関係者に26年3月末までの対ドルの円相場の見通しを聞いたところ、160円前後までの下落を意識する参加者が目立つ。 三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは日銀の次の利上げを26年10月と予想。「利上げまでの時間がかなりあることから円安方向への値動きが続きやすい」といい、1~3月に162円まで円安が進む場面もあり得るとみる。 政府・日銀は160円近辺まで下落した24年7月に円買い介入を実施しているため、今後は介入への警戒感が高まりそうだ。片山さつき財務相は19日夜、記者団に「投機的な動きも含め、行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取る」と話し、円安の進行をけん制した。 JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフ為替ストラテジストは「短い期間で160円を超えて円安が進むようなら急速な相場変動とみなし、介入に踏み切る可能性が高い」とみる。 一方、みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは「米国は円安に対し為替介入ではなく利上げでの対応を求めているため、すぐに介入に踏み切るのは難しい」と指摘。政府・日銀の姿勢を試す形で円安が進む可能性があり、円の下限を165円と予想する。 これ以上の円安は進みにくいとみるのは、野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストだ。「米連邦準備理事会(FRB)が来年6月までに追加利下げをし、来年前半はドルが弱含む」といい、来年3月末にかけて155円まで円が買われると予測する。今週25日には植田総裁の講演があり、そこで円売りの調整が入る可能性があると読む。 長期金利は主な運用主体の金融機関の動向が重要になる。岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは「3月の年度末にかけ銀行などが含み損を抱えた債券を売る動きが強まると、2.2%まで上昇する余地がある」という。2025/12/22 06:10:08326.名無しさんUTXJG日本人を相対的に貧しくした円安 日銀のわずかな利上げでは効果なし 日本銀行が19日、政策金利を0.75%に引き上げた。30年ぶりの高水準になった。とはいえ、これでは足元の物価高に対してまったく迫力不足だ。 金融市場でも「0.25%幅の利上げでは小幅すぎる」「今後の利上げペースは相変わらずで、ゆっくりとしか進めそうもない」と見透かされた。利上げ発表直後から円安ドル高が進み、さらに同日に開かれた植田和男総裁の記者会見中に、あらゆる通貨に対して円がみるみる売られる異常な展開となった。 一般的には「利上げ」は「円高」をもたらす。その市場のセオリーとは逆になってしまった。 すでに円は、実質実効為替レートという、いくつもの通貨で算出する指標で、半世紀ぶりの円安水準だ。さらに円安が進むと国内物価はますます上昇する。国民生活にとって受け入れられない事態である。 「物価の番人」のはずの日銀はどうしてこれを止められないのか。物価を冷やすはずの「利上げ」の効果がないのはどうしてか。2025/12/22 06:42:06327.名無しさんnLuuaなぜあと1年待てないのかそれはドSだから?給与所得者8割クルシメます2025/12/22 08:42:08328.名無しさんUTXJG長期金利、2.060%に上昇 99年以来の高さ 中期債も一段高2025/12/22 09:35 日経速報ニュース2025/12/22 09:37:55329.名無しさんUTXJG長期金利急騰、ビハインド・ザ・カーブに懸念 「2.5%を覚悟」の声も2025/12/22 13:04 日経速報ニュース 国内債券市場で長期金利が騰勢を強めている。先週末にあっさりと心理的な節目の2%を超えた後も上昇は止まらず、2.1%をうかがう展開となっている。日銀が前週末に利上げを決定した後も外国為替市場で円安進行が止まらず、インフレ圧力の高まりが意識されている。日銀が想定を上回る高い水準まで利上げを迫られるとして、市場では国内金利が2.5%程度まで急上昇する可能性を指摘する声も聞かれる。 22日の国内債券市場では、幅広い年限の国債利回りが上昇した。とりわけ目立ったのが長期金利だ。指標となる新発10年物国債利回りは前週末から0.080%上昇(債券価格は下落)し2.095%と、売買高の多い「指標銘柄」が長期金利の指標とされていた1999年2月以来およそ26年10カ月ぶりの高水準となった。 日銀は18?19日の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%引き上げ0.75%程度にすることを決定した。声明文では、実質金利を「極めて低い水準」と指摘し、今後の利上げ継続を示唆する内容だった。 会合後の植田和男総裁の記者会見では、景気を冷やしも熱しもしない中立金利に関する発言が注目されていた。植田氏は「推計値の下限にはまだ少し距離がある」と説明したものの「その水準を前もって特定するのは難しく、かなりの幅を持ってみる必要がある」と述べるにとどめた。 これに反応したのが外為市場だ。会見後も幅広い通貨に対する円売りが止まらず、22日の東京市場で円相場は対ドルで1ドル=157円73銭近辺と前週末17時時点と比べ1円円安・ドル高に振れた。JPモルガン証券の山脇貴史債券調査部長は「発言内容が(金融引き締めに消極的な)ハト派的と受け止められ、外国為替市場で円安が進行し、日銀の利上げパス(経路)に不透明感が強まった」と指摘する。 円安は輸入物価上昇を通じて国内のインフレ圧力となる。日銀の植田総裁も、円安については「輸入物価を押し上げ国内物価に転嫁されていくことで消費者物価の押し上げ要因になる」と説明している。企業の賃金・価格設定行動が積極化するなか、為替変動は過去に比べ国内物価に影響を及ぼしやすくなっている。期待インフレ率を示す指標の一つであるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は19日時点で1.76%と、2013年5月以来12年7カ月ぶりの高水準となった。 BNPパリバ証券の井川雄亮マーケットストラテジストは「日銀がビハインド・ザ・カーブ(政策が後手に回る)に陥る可能性が意識されている。将来どこかの時点でインフレが加速した場合、物価安定目標の2%に抑制することができず、高い水準まで利上げする必要性が出てくる」と警鐘を鳴らす。 長期金利は心理的な節目である2%を上抜け、長期金利が急騰した「資金運用部ショック」時の最高となった1999年2月の2.440%(指標銘柄の利回り)まで明確な節目は見当たらない。BNPパリバの井川氏は「来年に2.5%近辺まで上昇することも覚悟しないといけない」と身構える。 金融政策だけでなく、日本の財政運営への警戒感も引き続き根強い。高市早苗政権が週内に閣議決定する見通しの2026年度予算は一般会計の総額が120兆円超と、過去最大だった25年度当初予算を上回ると伝わる。国債需給への不安がくすぶるなか投資家の買い控え姿勢が強まっており、国内金利には当面上昇圧力がかかり続けそうだ。2025/12/22 13:33:21330.名無しさんUTXJG止まらぬ円売り、日銀「立ち往生」を警戒 財務官けん制も反応薄2025/12/22 13:57 日経速報ニュース 外国為替市場で円売りが止まらない。日銀は19日まで開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.50%から0.75%に引き上げると決めた。もっとも、市場の関心は織り込み済みの利上げの「実行」より「継続性」に移っていた。植田和男総裁の会合後の記者会見を経てむしろ市場に広がったのは、日銀の金融政策正常化の動きが遅れて「立ち往生」することへの警戒だ。日本の通貨当局による為替介入を意識させる要人発言も伝わったが、円買いの勢いは鈍い。 22日の東京市場で円相場は一時157円73銭近辺まで売られ、19日の17時時点と比べ下げ幅は1円に達した。19日の欧米市場でつけた1カ月ぶりの安値(157円78銭)からはやや値を戻したものの、今年1月以来となる158円台に近づきつつある。 円の弱さは、対ドル以外の通貨ペアである「クロス円」でも際立つ。ユーロに対しては22日早朝の外国為替市場で一時1ユーロ=184円90銭と、1999年の単一通貨ユーロ誕生後の最安値を更新した。ポンドやスイスフラン、カナダドルに対しても年初来安値圏で推移しており、円売り圧力の強さが鮮明だ。 日銀の会合で最も注目されたのは、景気を冷やしも熱しもしない「中立金利」への言及だった。植田氏は1日の記者会見で、1?2.5%とされている中立金利の推計幅を絞り込む可能性を示唆していただけに、市場では「利上げ余地を広げるために中立金利を下限である1%から引き上げる」との観測が浮上していた。 しかし、植田氏は会合後の会見で政策金利の水準について「推計された中立金利の下限よりまだ少し下にある」と語るにとどめ、中立金利に関しても「特定することは難しい」と踏み込んだ発言を避けた。市場では「どこまで政策金利を引き上げるか、市場が判断できる材料がなかった」(野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミスト)との声が聞かれる。日銀の利上げペースに進展があると見込んでいた投資家が円売りに傾きやすくなっており、(政策が後手に回る)ビハインド・ザ・カーブのリスクも意識されつつある。 財政出動で経済成長を目指す高市早苗政権の高圧経済を念頭に、UBS証券の足立正道チーフエコノミストは「名目国内総生産(GDP)成長率を超える長期金利上昇を防ぐため、日銀は緩和的スタンスを維持させるだろう」と指摘する。足立氏は日銀の利上げそのものは継続するとみているが、「米ドルが何らかの理由で大きく下落するか、高市首相がハト派的な金融政策を撤回しない限り、円相場は1ドル=160円台に向かって下落する」と予想する。 目先の焦点は、政府による円買い為替介入の有無だ。財務省の三村淳財務官は22日朝、為替相場について「一方向で急激な動きがみられ、憂慮している」「行き過ぎた動きには適切な対応を取りたい」などと話した。このところ為替介入を巡っては最終決定権のある片山さつき財務相のけん制発言が続いていたが、為替政策の実務を担う三村氏が発言する機会は少なかった。それでも「直近の片山財務相の発言とレベル感が大きく変わった印象はなく、円が大きく買われる動きにはつながっていない」(野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジスト)と受け止められている。 22日の国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時2.100%まで水準を切り上げた。売買高の多い「指標銘柄」が長期金利の指標とされていた1999年2月以来およそ26年10カ月ぶりの高さだ。日銀がペースはゆっくりでも利上げそのものは続けるとの見方が国内金利に上昇圧力をかけている。 利上げや金利上昇は教科書的には円買い要因だ。ただ、こうしたファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の大きな変化があっても円買いが進みにくい現状を考慮すると、「政府が米国側に『投機的な動き』と説明し、為替介入の理解を求めやすくなっている」(野村証の後藤氏)という。 高市政権は26日に26年度予算案を閣議決定する見通しだ。一般会計の総額は120兆円超と過去最大だった25年度当初予算を上回ると伝わる。財政規律への懸念からさらなる「日本売り」を誘発するリスクもある。為替介入という一時的な「止血策」に頼らざるを得ない可能性が急速に浮上している。2025/12/22 14:14:18331.名無しさん1WyW1死神博士は貧乏人をチクチク突くのがお好きなようで8割位上は貧乏人。多いで2025/12/23 18:12:59332.名無しさん2TqUU植田日銀、利上げ再開後の行程まだ長い政策金利、30年ぶり高水準だが他の主要経済圏と比べまだかなり低い日米金利差縮小、期待に反してドル安・円高につながっていないhttps://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-20/T7I7KPT9NJM000?srnd=jp-homepage2025/12/24 02:37:40333.名無しさんP4CVS日銀追加利上げ、市場予想「26年前半」が6割 25日に植田総裁講演2025/12/25 05:00 日経速報ニュース 日銀の植田和男総裁が25日、経団連の審議員会で講演する。政策金利を0.75%に引き上げてから初の講演で、今後の利上げ方針や経済・物価への影響などについて説明するとみられる。日銀の追加利上げは物価高をもたらす円安の持続力次第との見方があり、市場が織り込む次の利上げの確率は2026年前半で6割となっている。 19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げると決めた後、外国為替市場では円安・ドル高が進み、国債市場では長期金利が節目の2%を超えた。円安が物価に与える影響や長期金利の動向についてどのように言及するかも市場は注目している。 利上げ発表直前は1ドル=155円台後半だった円相場は、22日午後5時時点で157円台半ばに急落した。足元でも1ドル=156円程度で推移する。一方的な円売りには至っていないが、なお円安といえる水準だ。 利上げ決定後の植田氏による記者会見での発言が、利上げへの積極姿勢を示すとの市場の期待に届かなかったことが背景にある。 植田氏は19日の記者会見で、0.75%への利上げ後も名目の金利から物価上昇率や予想インフレ率を差し引いた実質金利は大幅なマイナスだと指摘した。まだ金融環境は緩和的だと強調し、経済・物価の改善状況に応じて一段と緩和の度合いを縮小する方針を示したが、具体的な利上げのペースについては言及を避けた。 利上げの到達点の目安となり、景気を熱しも冷ましもしない中立金利の具体的な水準についても、1?2.5%程度に分布する推計値の下限に「まだ少し距離がある」との表現にとどめた。 こうした円安の持続力は、日銀の次の利上げの行方を左右しそうだ。日銀は最近、円安が輸入物価の上昇を通じて国内物価の押し上げにつながるほか、人々の予想物価上昇率も高める方向に左右し、基調的な物価にも上昇圧力をかけるとの見方を示している。円安のもたらす物価高が利上げを催促するシナリオが浮かぶ。2025/12/25 06:14:05334.名無しさんP4CVS 東短リサーチなどによると、市場が織り込む利上げ確率は24日午後時点で26年3月会合までで10%、4月が24%、6月が27%となっている。6月までに利上げが実施されるとの予想がおよそ6割という見立てだ。 楽天証券経済研究所の愛宕伸康所長は半年に1回程度の利上げペースが続くとみて、次の利上げ時期は「6月か7月」を予想したうえで、「為替の動向次第でぶれる可能性がある」とも指摘する。 日銀内部でも円安の継続に加え、物価の伸びが日銀の予想に反して26年前半に高止まりしたり、春季労使交渉(春闘)の賃上げ率が想定より強まったりすれば、「4月には利上げの環境が整うのではないか」とのタカ派的な声がある。 政策を判断する9人の政策委員の一部からは、利上げの遅れや緩和の弊害を懸念する意見も出ている。12月会合では2%の物価目標の達成時期について、25?27年度の間の「後半」で据え置くとの提案に、高田創審議委員と田村直樹審議委員が反対した。 高田氏は「すでに物価安定目標に達する水準にある」と主張し、田村氏は達成時期は25?27年度の「半ば以降」に早まると唱えた。両氏ともに物価の上振れリスクを重くみて、追加利上げに前向きな立場とみられる。2025/12/25 06:15:30335.名無しさんP4CVS 利上げ前の10月会合の議事要旨によると、複数の政策委員が中立金利は当時の政策金利(0.5%)よりも高い位置にあるとの認識を示した。ある委員は中立金利との差をふまえ「タイミングを逃さずに利上げすべきだ」と論じていた。 一方、次の利上げが市場の大方の見立てよりも遅れて来年夏以降にずれこむシナリオもありうる。 日銀は26年に食品価格の上昇が落ち着き、生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の伸びも一時的に2%を下回るとみている。政府の経済対策でエネルギー価格が抑え込まれ、CPIがさらに大きく伸び悩む展開も想定される。 日銀の基本的な考えは、一時的な変動要因をのぞいた基調的な物価上昇率が2%に向かって上昇していけば、再び利上げできるというものだ。だが日銀関係者は「(統計上の)物価が2%を割る状況での利上げは政府の理解を得にくくなる」と話す。 積極財政を掲げる高市早苗政権は12月の利上げ実施を事実上、容認した。とはいえ、政権内部には景気を冷まさないように次の利上げは慎重に進めるべきだとの意見がある。利上げに伴う株価の下落を警戒する声も大きい。 26年は3月に野口旭審議委員、6月に中川順子審議委員がそれぞれ任期満了を迎える。1月召集の通常国会で政府は後任の人事案を示す見通しだ。金融引き締めに慎重な候補者を選ぶかどうかで政権の金融政策へのスタンスがより明確に示されることになる。2025/12/25 06:15:46336.名無しさんP4CVS日銀総裁、賃金・物価「ゼロノルムに戻る可能性は低下」 経団連講演2025/12/25 13:57 日経速報ニュース 日銀の植田和男総裁は25日、経団連審議員会で講演した。基調的な物価上昇率について「全体として緩やかな上昇傾向をたどっており、2%に着実に近づいている」との認識を示した。賃金や仕入れ価格の上昇を販売価格に転嫁する動きも広がるなかで「賃金と物価がほとんど変化しない『ゼロノルム』の世界に戻る可能性は大きく低下している」との見方を示した。 人材や設備への投資は「これまで以上に強く求められる局面を迎えている」と指摘。企業の春季労使交渉を巡っては、将来にわたって2%の物価上昇が続くことを前提に「フォワードルッキングな形で賃上げを求める交渉スタイルに変化していく可能性がある」と述べた。そのうえで「賃金と物価がともに緩やかに上昇するメカニズムはより強固かつ持続的なものになっていく」との見通しを示した。日銀植田総裁、利上げで「息の長い成長に」 経団連で講演2025/12/25 13:47 日経速報ニュース 日銀の植田和男総裁は25日、今後も利上げを続けていく方針を改めて表明した。「緩和の度合いを適切に調整していくことは、企業が安心してビジネスを行う土台となる、息の長い成長につながる」と述べた。 経団連の審議員会で講演した。日銀は19日の金融政策決定会合で政策金利を0.5%から0.75%に引き上げると決めた。政策金利が0.5%を超えたのは1995年以来30年ぶり。 名目の金利から物価上昇率や予想インフレ率を差し引いた実質金利が「きわめて低い水準にある」と指摘し、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げていく」と語った。【関連記事】・日銀0.75%に利上げへ、30年ぶりの水準に 19日金融政策決定会合・日銀、利上げ継続へ 市場の目線は「来年以降」に2025/12/25 14:10:16337.名無しさんP4CVS日銀総裁、適切な利上げは「物価目標をスムーズに実現し息長い成長に」Sumio Ito2025年12月25日 at 13:36 JST日本銀行の植田和男総裁は25日、利上げによる金融緩和度合いの適切な調整は物価目標のスムーズな実現と息の長い成長につながるとの認識を示した。都内で行われた日本経済団体連合会審議員会での講演で語った。 植田総裁は、今後の金融政策運営について、現在の実質金利が極めて低水準にあることを踏まえると、日銀の経済・物価の中心的な見通しが実現していけば、経済・物価情勢の改善に応じて「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」との見解を改めて示した。他の発言現在の実質金利、極めて低い水準にある基調物価は緩やかな上昇傾向、2%に着実に近づいている企業の積極的な賃金設定行動が途切れる可能性は低い2%物価上昇前提になれば、賃金・物価上昇より強固・持続的にゼロノルムの世界に戻る可能性、大きく低下している 日銀は19日の金融政策決定会合で1月以来となる約1年ぶりの利上げ再開を全員一致で決めた。政策金利は0.75%と30年ぶりの高水準となったが、緩和的な金融環境は維持されると説明。経済・物価見通しが実現していけば、利上げで緩和調整を続ける方針を改めて表明し、政策正常化路線を堅持した。 一方で、景気を刺激も抑制もしない中立金利に関しては、会合後の植田総裁の記者会見を含めて、市場が事前に期待していたような踏み込んだ見解は示されなかった。日銀の政策対応が遅れるとの懸念が強まり、同日の市場では円安と長期金利の上昇が進んだ。2025/12/25 14:14:18338.名無しさんoOmJx5年債に透ける日銀「後手リスク」 円安インフレに銀行勢及び腰2025/12/25 17:40 日経速報ニュース 円安の進行でインフレが加速し、日銀の利上げが後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」に陥る――。そんな可能性を債券市場が意識し始めた。国内債券市場で2年物に比べて5年物の国債利回りの上昇(債券価格の下落)が目立つ。 25日は2026年度の発行減額観測が根強い超長期国債で利回りが低下。新発30年物国債の利回りは前日比0.050%低い3.380%をつける場面があった。一方、中期や長期の国債利回りは上昇し、新発5年債利回りは0.030%高い1.520%をつけた。日銀利上げを巡る不透明感から同日の2年債入札が低調に終わったことなどが売り圧力となった。 日銀は19日に政策金利を0.75%と30年ぶりの水準に引き上げた。「今後の金利水準を暗中模索する日々になりそうだ」。週明け22日、常陽銀行市場金融部で円債の調査・運用に携わる高部泰典主任調査役はこうこぼした。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが2.1%をつけるなど、想定外に金利上昇が進んだためだ。 日銀の植田和男総裁は25日、経団連の審議員会で講演し「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げていく」と話した。市場は26年以降も日銀が段階的に利上げを進めるとみている。政策金利の見通しを映しやすい中期国債の利回りには上昇圧力がかかりやすい。 新発5年物国債と同2年物国債の利回り差(複利ベース)は22日に一時0.41%台に拡大。09年11月以来、約16年ぶりの大きさとなった。2025/12/26 06:46:46339.名無しさんoOmJx物価目標「着実に近づいている」と日銀総裁、賃上げ継続に自信[東京 25日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は25日、ここ数年、企業の賃金・価格設定行動は「大きく変化している」と評価し、賃金上昇を伴う形での2%の物価安定目標の実現が「着実に近づいている」と述べた。賃金の上昇継続とコスト上昇分の販売価格への転嫁の広がりに自信を示し、長らく続いてきた賃金も物価もほとんど変化しない「ゼロノルム」の世界に戻る可能性は「大きく低下している」と語った。植田総裁は経団連の審議員会で講演した。日銀は18、19日の金融政策決定会合で0.75%への利上げを決定したばかり。植田総裁は講演で、春季労使交渉(春闘)に向けた労使の対応方針や、日銀の本支店を通じたヒアリング情報等を踏まえると「来年は、今年に続きしっかりとした賃上げが実施される可能性が高く、企業の積極的な賃金設定行動が途切れるリスクは低い」と指摘。来年以降も、賃金と物価がともに緩やかに上昇していくメカニズムが維持される可能性が高いと述べた。その上で、引き続き利上げを行う方針を改めて示した。現在の実質金利は「きわめて低い水準にある」とし、展望リポートで示した中心的な見通しが実現していくとすれば、「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と説明した。植田総裁は「コストプッシュ要因などによる一時的な上昇ではなく、人々が先行き緩やかな物価上昇が続くことを前提に経済活動を行い、結果的に2%目標が持続的・安定的に実現する姿を展望している」と述べた。賃金については、生産年齢人口の減少など労働市場の構造変化は「不可逆的」であり、「経済に大きな負のショックが生じない限り、労働需給は引き締まった状況が続き、賃金には上昇圧力が掛かり続ける」と語った。基調的な物価上昇率は全体として緩やかな上昇傾向にあり、「2%に着実に近づいてきている」とした。<賃金の判断プロセスの変化に期待>植田総裁は、息の長い経済成長を実現するために、将来を見据えた人への投資や設備投資が「これまで以上に強く求められる局面を迎えている」と指摘。人への投資の観点から、賃金の「期待形成メカニズム」が変化していくことに期待感を示した。これまでは過年度の物価上昇率が労働組合側のベースアップ要求の土台になってきたが、経営者が賃上げを判断する際に2%の物価上昇が続くことを検討の前提に加えるようになっていけば、「わが国全体として、賃金と物価がともに緩やかに上昇するメカニズムはより強固かつ持続的なものになっていく」と語った。2025/12/26 06:50:14340.名無しさんoOmJx債券寄り付き 長期金利、2.035%に低下 都区部CPIが予想下回る2025/12/26 09:12 日経速報ニュース 26日朝方の国内債券市場で、長期金利が低下(債券価格が上昇)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.010%低い2.035%をつけた。総務省が26日朝発表した12月の東京都区部・消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を下回り、日銀は利上げを急がないとの見方から債券に買いが先行した。 12月の東京都区部CPIは、生鮮食品を除く総合が前年同月比2.3%上昇した。伸び率は11月(2.8%)から縮小し、QUICKがまとめた市場予想の中央値(2.5%)も下回った。2025/12/26 09:18:25
2025/11/21 10:15 日経速報ニュース 220文字
日銀の植田和男総裁は21日午前、衆院財金委に出席した。外国為替市場での円安基調を巡り「円安進行は輸入物価を押し上げて
国内物価に転嫁されることにより、消費者物価指数(CPI)の押し上げ要因になる」と述べた。過去と比べ、企業の賃金・価格設定行
動が「積極化する動きが目立っている」として「為替の変動が物価に及ぼす影響が大きくなる可能性には留意したい」と話した。
2025/11/25 06:20 日経速報ニュース
「事実が変われば私は考えを変える。あなたはどうか」。20世紀を代表する経済学者ケインズが、現実に即した柔軟な思考の重要性を
説いた言葉とされる。
株高にもかかわらず大規模な経済対策はなぜ必要なのか。超低金利と莫大な政府債務でインフレをたき付けながら、物価高対策でさら
に財政をふかすのは、政治が認知的不協和という自己正当化の悪循環に陥っているからではないか。
金融緩和と機動的な財政政策を進めた12年前の安倍晋三政権時代と比べ、経済は一変した。当時内閣官房参与を務め、経済政策
「アベノミクス」の生みの親である浜田宏一・米エール大名誉教授は、アベノミクスの継承をうたう高市早苗政権の積極財政を次のように
喝破する。
「財政赤字は生産性や雇用の改善に必要な時は仕方がないこともあるが、供給制約がある時に使うのはインフレを助長し、とんでもない」。
物価対策の要諦は金融政策にあり、日銀は早期に利上げすべきだとも主張する。
「世界に関税を課す米国の株高は仮に認めるとしても、それが負担となり対米投資まで強要される日本の株高は何かおかしい。経済学
の歴史が否定されている」。国際金融を専門とする浜田氏は、日本株投資家にはバブル崩壊リスクに備えよと警鐘を鳴らす。
QUICK・ファクトセットによれば、株価を1株当たり利益(EPS)で割ったPER(株価収益率、12カ月先予想値)は東証株価指数(TOPIX)ベース
だと10月末時点で16.1倍。IT(情報技術)バブル期の49.8倍を大きく下回る。
一方でPSR(株価売上高倍率)は1.2倍。ITバブル(1.1倍)を上回った。売上高は伸びにくいが、自社株買いによるEPSの増加とインフレ
ヘッジを目的とした投資家の買い、いわば令和の財テクブームが「何かおかしい株高」の背景にある。
30年前と比べ国内では売り上げがほとんど増えていないから実質賃金も上がらない。株高でも経済対策が必要な原因の一端はここに
あるが、それを解決するのは企業の仕事だ。政府が担える役回りは低所得層への支援や規制緩和に限られる。
高市政権は財政運営の指針として、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の単年度黒字化目標を取り下げ、名目国内
総生産(GDP)と比べた政府債務残高の引き下げを目指す。分子の債務を低金利で抑え、分母のGDPをインフレで膨らませれば財政の見た
目は良くなる。
近年は物価上昇の結果、名目GDPから実質GDPを引いた「名実差額」が増え、政府総債務残高の名目GDP比は低下した。しかし長期
金利が上がり政府の利払い費が増えれば、こうしたもくろみは水泡に帰す。
1992年から98年にかけては名実差額が高水準だったが、平成バブル崩壊に伴う経済対策がかさみ政府総債務残高は膨らんだ。2014年
から20年にかけても景気対策が繰り返され同様だった。
投機マネーは政策の隙をつこうと待ち構えている。抜かりは許されない。例えば政府総債務残高から政府保有の金融資産を引いた政府
純債務残高には、借金を過小評価しかねない「落とし穴」が潜む。
国際通貨基金(IMF)によれば国、地方、社会保障基金を合わせた一般政府の純債務残高のGDP比は25年時点で推計130%だ。この数
字には年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が保有する金融資産などが総債務残高から差し引かれているが、その見合いである
公的年金の給付債務(支払い義務)は、確定できないとの理由で組み入れられていない。
法政大学の小黒一正教授によれば、こうした公的年金の「債務」は1280兆円に上る。仮にこれを一般政府の純債務残高に乗せてGDP比
を単純計算すると330%となる。小黒氏は「インフレ加速時に歳出カットや増税といった正攻法を採れないと円暴落を招く恐れがある」と話す。
そうならないためには、「PBの黒字化と政府債務残高の低下というフローとストック両面での財政管理が重要だ」と指摘する。
警鐘慣れが悲劇をもたらすオオカミ少年の寓話(ぐうわ)の実例は歴史上、枚挙にいとまがない。株安、円安、国債安(長期金利上昇)の
トリプル安は、もはやオオカミ少年の妄想ではない。日本が再びバブル崩壊に見舞われれば、今度こそ資本逃避を伴う経済危機に直面
する恐れが高まる。
2025/11/27 日本経済新聞 朝刊
26日の国内債券市場で新発2年物国債利回りが一時前日比0・010%高い0・975%に上昇(債券価格は下落)した。2008年6月
以来およそ17年半ぶりの高水準となった。日銀が12月に利上げに踏み切るとの観測から、金融政策の見通しを反映しやすい2年債を
売る動きが強まった。
ロイター通信は26日、関係者の話として「日銀は市場に対し、早ければ来月にも利上げする可能性に備えさせている」と報じた。日銀
の増一行審議委員は日本経済新聞とのインタビューで利上げの判断時期が「近づいている」と話していた。
市場では「円安による物価上昇圧力を警戒して、日銀が早期利上げに踏み切る可能性がある」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の
大塚崇広氏)との見方がある。
2年債利回りには上昇余地が残るとの見方がある。固定金利と変動金利を一定期間交換する翌日物金利スワップ(OIS)市場では、
26日午後の時点で12月利上げの確率は6割程度となった。三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊氏は「12月利上げが
完全に織り込まれれば、2年債の利回りは1%程度まで上昇する」と話す。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-11-27/T6BUPWKJH6V500
2025/11/27 16:15 日経速報ニュース
「財政を拡大すれば円高になる」――。先週来、為替のモデルを巡る議論が巻き起こっている。金融、財政政策の緩和に前向きないわゆる
「リフレ派」からの主張が目立つ。もっとも足元では円安基調が続いているだけに、外国為替市場の関係者の間では反論が相次ぐ。モデルは
暴論か、正論か。
「目先の対ドルの円相場の安値は1ドル=163円32銭」。てらす証券アドバイザーズの遠藤寿保FXエバンジェリストはチャート分析から円の
下落が一段と進むと読む。156円前後で推移する足元の相場から7円程度の円安水準となる。年末に強まるドル需要の増加などを背景に
「要因次第では12月中旬にも行きかねない」と読む。
秋の訪れとともに始まった円安基調はなおくすぶっている。東京市場の昨年終値(157円88銭)前後まで下げる場面もあり、5年連続での前
年割れも意識される。
そんななか、にわかに「積極財政は円高を促す」との論が浮上している。
マクロ経済の著名なモデルから派生したもので、外為市場関係者の間では「マンデル・フレミング・モデル」とも称される。「積極的に財政出動
すると、国債増発への思惑や将来の成長期待で金利が上昇する。その結果、海外から投資資金が入り、通貨高を招く」という流れだ。
市場で高市早苗政権が主導する17兆円規模の2025年度補正予算案が取り沙汰された11月中旬以降、リフレ派を中心に積極財政の効果
として強調している。
その中心人物の一人がクレディ・アグリコル証券の会田卓司チーフエコノミスト。高市首相肝煎りの「日本成長戦略会議」のメンバーの一人だ
。リフレ派として著名な会田氏はこれまでも積極的な財政の重要性を説いてきた。
同氏はマンデル・フレミング・モデルについて「財政拡張により内需が拡大することで金利が上昇し、円高になる」と語る。
マンデル・フレミング・モデルの有効性は外為市場関係者で議論されてきた。例えば25年に一段と進んだユーロ高は、欧州圏の財政拡大を
きっかけにユーロ圏の金利が上昇したのが起点だったとされる。外為市場のアナリストとして長年キャリアを歩んだ高千穂大学の内田稔教授
も「積極財政は依然として教科書通りに通貨高を招く」と説明する。
だが今の日本では、積極的な財政政策がうたわれているのに円が安値圏にある。モデルは機能していないではないか、そんな批判がある
のは事実だ。
批判への会田氏の答えはこうだ。「現状では財政拡大による内需拡大を信じている人が自分を含めてわずかだからだ。まだモデルが機能
するには時間がかかるが、幅広く市場参加者が信じていくことで円高へと促されていく」
そのうえで「日本も財政拡張するが、米国はそれ以上に拡張している」と指摘。「米金利上昇によってドル高・円安となっており、米国から見
れば『まさにモデルは機能している』と言える」と付け加える。
市場関係者から相次ぐのはいまの日本で積極財政=円高にはなりにくいとの解説だ。
みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは円安の背景に家計からの外貨建て資産への投資拡大があるとしたうえで、「『財政
拡張で成長力が高まり金利が上がる』と言われても信じられていない。財政リスクから日本経済自体を忌避したいという思惑が一定数ある」と
話す。「円を手放したい人がいることを無視するわけにはいかない」
マンデル・フレミング・モデルについて教科書的には機能すると話す内田氏も、現在の円相場では当てはまりにくいとの主張だ。「日本は実
質金利がマイナスであるため、財政拡張をしても円安が進行しやすい」と話す。
「そもそも財政政策の効果を検証するためのモデルであり、為替のメカニズムのモデルではない」(第一生命経済研究所の藤代宏一主席
エコノミスト)。モデルは本来は財政出動がもたらすマイナスの効果を検証するもので、相場の動きを予想するための定理ではないとの指摘も
ある。
過去の事例を見ても、英国で積極財政を打ち出して金利急騰、英ポンド急落になった「トラス・ショック」のようなケースもある。モデルが経常
収支が赤字だと当てはまらないなど、条件付きで機能するとの意見もある。
いずれにせよ、こうした議論が蠢(うごめ)いているのは、円の上昇要因が見つけにくいことの裏返しなのではないだろうか。
2025/11/30 11:00 日経速報ニュース
為替市場で円安基調が続くなか、円安阻止に向けた円買い・ドル売り為替介入への関心が一段と強まっている。ただし、ドルを売る介入は
日本の判断だけで勝手には実施しにくい。前もって米国の理解や了承を得るのが普通だからだ。果たして、米国は首を縦に振るのか、考えて
みた。
円安が目立つようになったのは10月以降だ。対ドルで一時10円程度下落した。ベースにあるのは日本の実質金利の低さ。日銀の政策金利
が0.5%程度なのに対して、消費者物価上昇率は3%。差し引き政策金利の実質金利はマイナス2.5%程度に沈む。そこに加わったのが高市
早苗政権の政策によって日本の財政規律が緩むとの思惑。円売りの材料になっている。
介入も「当然考えられる」と片山財務相
こうした円相場の下落を、政権も「憂慮している」(片山さつき財務相)。円安が進めば輸入物価に上昇圧力がかかり、国内物価に跳ね返り
やすい。物価高対策を優先課題にする政権にとっては望ましくないのだ。片山財務相の円売りけん制発言も徐々にトーンが強まってきていて、
「(介入も選択肢として)当然考えられる」との言葉も出た。
問題は介入の実施に米国が理解を示したり、了承したりするかだ。
対日貿易赤字の縮小を重視する米国も円の下落は望ましくないというのが基本的な姿勢だが、だからといって介入に無条件に賛成するわけ
ではない。相場の人為的な操作はできるだけ避けるべきだというのが、日米欧の間での基本的な考え方だからだ。日米の財務相が9月に出し
た共同声明を見ても、「為替レートは市場において決定されるべき」であると記されている。人為的に動かさないのが基本だ。
もっとも、介入を完全に否定しているわけではない。声明では「 為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して
悪影響を与え得ること」も確認されているからだ。従って「為替レートの過度の変動や無秩序な動きに対処するためのものに留保される」との
条件付きで介入は容認される。
米国、介入の前に日銀利上げという考え示唆
ただし、仮に米国が最近の円安を「過度」などと認めても、そこに日本側の政策が関係していると米側が考えるなら、まずはそれを是正する
よう要請してきそうだ。実際、米側は日本の金融政策に円安の原因があると見ていると聞く。「ベッセント米財務長官は、日銀が利上げで後手
に回っていることが円安につながっていると考えている」。同氏と親しい人物の指摘だ。
ベッセント氏は10月下旬のXへの投稿でも、「日本政府が日銀に政策の自由度を認める姿勢」が「過度な為替レートの変動を避けるために
重要」と主張した。円売りを防ぎたいなら、介入の前にまずは日銀が金利を上げ、「低すぎる実質金利」を修正する姿勢を示すべきだ。米側が
そう考えているとしても不思議はない。
問題は、高市政権内あるいは政権周辺に日銀の金利引き上げへの慎重論が存在してきた点。だが、その姿勢自体が円売りの要因になり、
さらに日銀利上げが米側による介入了承の事実上の条件になっているなら、政権としても利上げへの反対を続けにくいだろう。
そうした空気は日銀にも影響する。実際「日銀から、近い将来の利上げの織り込みを市場に促すような発信が続いている」(BNPパリバ
証券の河野龍太郎氏)との見方が広がっている。
12月利上げ、最終的に植田総裁が決断するか
例えば、従来利上げを提案していた2人の審議委員以外からも、次のような発言が出ている。「(極めて低い)実質金利を均衡状態に戻して
いくという金利の正常化を進めることが、将来に意図せざるゆがみをもたらさないためにも必要である」(小枝淳子審議委員)、「経済や物価の
情勢を見ると、利上げをしていい環境は整ってきていると思う」(増一行審議委員)。
結果として、金利スワップ市場の動向を踏まえた日銀利上げ決定時期の確率予想値は、次回の金融政策決定会合がある12月(57%)が
次々回の来年1月(29%)を大きく上回るようになっている(データは東短リサーチ提供)。
審議委員の間に利上げ論が広がるなか、最終的に植田和男総裁が決断するかが12月の金利引き上げ決定のカギを握る――。日銀内に
漂うのはそんな空気だ。それだけに注目を集めるのが植田総裁の明日(12月1日)の講演。重要なイベントになる。
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2025/12/01 12:27 日経速報ニュース
日銀が12月の利上げ決定に一段と傾いている。1日に植田和男総裁が次回の金融政策決定会合での利上げ是非について具体的に言及
したためだ。振り返ると日銀が政策金利を現行の0.50%程度に引き上げた今年1月、氷見野良三副総裁は会合直前に「日程」と「利上げ」に
触れて議論すると明言していた。市場は植田総裁も氷見野氏の事例を踏襲して次回会合での利上げを事実上「予告」したと受け止めている。
日銀の植田総裁は1日午前に名古屋市で開いた金融経済懇談会で「18?19日に予定されている次回の決定会合に向けて、本支店を通じ
、企業の賃上げスタンスに関して精力的に情報収集しているところだ」と説明。そのうえで会合では「内外経済・物価情勢や金融資本市場の
動向を、様々なデータや情報をもとに点検・議論し、利上げの是非について、適切に判断したいと考えている」と語った。
前回、日銀が利上げを決めた今年1月にも利上げの「予告」があった。1月23?24日開催の決定会合に先立つ1月14日、神奈川県で開い
た金融経済懇に出席した氷見野副総裁は「来週の決定会合では『展望リポート(経済・物価情勢の展望)』にまとめる経済・物価の見通しを
基礎に、利上げを行うかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」と説明。その言葉通りに日銀は0.25%の利上げを決めた。
植田総裁が次回会合での「日程」と「利上げ」に踏み込んだメッセージを市場参加者も敏感に受け取っている。変動金利と固定金利を交換
する翌日物金利スワップ(OIS)市場の「金融政策決定会合間取引」から算出すると、前週末に60%弱だった12月の利上げ確率は1日昼ごろ
には75%前後まで切り上がった。政策金利の影響を受けやすい新発2年物国債の利回りも17年半ぶりに節目の1%を超えた。
慎重とみられていた植田総裁が利上げに踏み込んだのは、政府側への配慮もありそうだ。植田総裁は「緩和の度合いを適切に調整していく
ことは、金融・資本市場の安定を確保しつつ、物価安定目標をスムーズに実現するとともに、わが国経済を息の長い成長軌道に乗せるために
必要だ」と指摘。そのうえで「これまでの政府と日銀の取り組みを最終的に成功させることにつながると考えている」と述べた。
積極財政を掲げる高市早苗政権の誕生をきっかけに外国為替市場では円安・ドル高進行の勢いが強まっている。円安進行は輸入物価の
上昇を通じて国内のインフレを上振れさせる要因となり、物価高対策を打ち出したばかりの高市政権にとっても痛手となりかねない。政府と
市場の双方に目配りしつつ、日銀は政策正常化に向けた次の一手へようやく踏み出そうとしている。
〔日経QUICKニュース(NQN) 寺川秋花〕
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・ターミナルレートとは 政策金利の到達点、日銀の3回利上げ織り込む
2025/12/02 05:00 日経速報ニュース
日本の長期金利の上昇(債券価格は下落)が加速している。日銀の12月利上げ観測による上昇圧力と、政府の積極財政への志向が絡み
合って金利を押し上げる。さらなる金利上昇に耐えきれるか、日本経済や市場が試されている。2日に実施される10年物国債の入札は一つの
試金石となる。
日銀総裁発言で17年ぶり水準に
「思っていた以上に12月の利上げがはっきりと示唆された」(東短リサーチの加藤出社長)。日銀の植田和男総裁が1日の講演で「利上げの
時期について適切に判断する」と述べると、債券市場はざわついた。
新発2年物国債の利回りは一時、前週末から0.03%高い1.02%に、5年物利回りも0.065%上昇の1.38%、10年物利回りも同0.07%高い1.875%と
大きく上昇した。いずれも17年ぶりの高水準だ。野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利ストラテジストは「12月の利上げ織り込みだけを踏ま
えると妥当な水準ではないか」とみる。
だが10年債には日銀の利上げに加えてもうひとつ上昇圧力がある。拡張的な財政を志向する高市早苗政権によって2026年度予算案が膨
張
して国債を増発、その結果として債券需給が悪化するのではないかとの懸念がある。将来の財政懸念を映しやすい償還期間が10年を超える
超長期金利はすでに過去最高水準だ。
25年度補正予算では全体の国債発行額は24年度よりも少なく抑えた。26年度予算案に関してもそれほど大規模にならないのではないかと
の見方が多い。
国債増発観測と需要不足が重荷
にもかかわらず金利上昇に歯止めがかからないのは、「11月に取りまとめられた経済対策があれよあれよという間に市場の予想を上回る規模
になったのを見て、今後も財政が膨張するのではないかとの疑念が拭えない」(野村の岩下氏)ためだ。
みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは「高市政権は、経済対策への期待感が高い支持率を支えていると分かっており、財政規
模をPRしている面もある」と指摘。日本経済新聞社とテレビ東京が11月末に実施した世論調査では、高市内閣は75%と高い支持率を維持している
。
買い手も細っている。日本証券業協会によると、国内外の投資家は10月、利付長期国債を5503億円と5月以来の大きさで売り越した。有力な
買い手の大手銀行も6カ月ぶりに売り越しに転じた。「金利は上昇し投資妙味があるように見えるが、今後一段の金利上昇を警戒して積極的な
買いの声は聞こえてこない」(国内債券ディーラー)
「長期金利2%への上昇は視野に入りつつある」。SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストはこう語る。「金融機関の間で、足元の金利上昇
(価格下落)による損切りの売りが出やすい地合いだ」と背景を説明する。
株式相場が試金石に
財務省の10年物国債の入札を2日に迎える。BNPパリバ証券の井川雄亮マーケットストラテジストは「金利上昇による投資家の需要喚起に期待
したいところだが、警戒を強めたほうがよさそうだ」と話す。「不調に終わればここ20年ほど誰も経験してこなかった2%到達は早いかもしれない」。
ある債券ディーラーは身構える。
債券市場の動きに敏感に反応するのは株式市場だろう。日銀の利上げ観測が急浮上した1日の東京市場で日経平均株価は前日比950円下落
した。とりわけ2年債利回りの上昇にネガティブに反応し、植田総裁発言が飛び出した後には金利上昇と呼応するように下げが加速した。
株安の度合いは、24年8月5日に日経平均株価が史上最大の4400円下げる株価急落劇の引き金となった同年7月末の利上げと比べ、今の
ところは限られている。金利上昇を通じた景気下押し圧力に株式相場は耐えきれるか、それとも昨年のような株安をもたらすか。入札結果を受け
株価が軟調になるようであれば、株安局面が長引く可能性もある。
金利上昇は一方で、将来の経済成長期待も反映している。高市政権の公約通りに成長率が着実に高まるのであれば、金利の上昇は問題ない
とも受け止められる。
内閣府によると24年度の日本の名目成長率は3.7%。8月時点の年央試算では、25年度は3.3%、26年度は2.7%を見込む。この見通しに基づくと、
長期金利が2%に到達しても名目成長率が名目金利を上回る状態が当面は続く。
だが、金利が一段と上昇したところに思うほど成長が伸びず、成長率が金利を下回ってしまえば、政府債務残高のGDP比は悪化して政府の利
払い負担も増し、残されたのは巨額の債務だけということにもなりかねない。
日銀の利上げと高市政権の積極財政のコンビネーションは大きな試練を迎えている。
(古賀雄大)
2025/12/03 日本経済新聞 朝刊
国内債券市場で、金利が一段と上昇(債券価格は下落)するとの見方が強まっている。財務省が2日実施した10年債入札は無難な結果だった。
ただ積極財政への懸念に日銀の利上げペースへの思惑も絡んで需給が悪化し、金利を押し上げる構図が続く。急激な上昇は景気の下押しにつな
がる側面がある。
2日の10年債入札は、投資家人気の底堅さが確認された。落札価格の平均と最低の差は小さいほど好調な結果とされる。今回は4銭と、5カ月
ぶりの小ささだった。需要の強さを示す応札倍率も3.59倍と前回(2.97倍)を上回った。
10年債利回りは、2日の入札前に一時17年半ぶり水準となる1.88%まで上昇。「金利水準が高まり一定の需要があった」(三井住友トラスト・
アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト)との見方が目立つ。
国債増発の観測
入札結果を受け長期金利は一時1.855%まで低下したものの、心理的な節目である1.9%は間近な水準だ。債券相場への強気の見立ては
乏しい。ある国内の債券ディーラーは「投資妙味があるように見えるが、積極的な買いの声は聞こえない」と打ち明ける。
需給面でも、26年度予算案が膨張して国債を増発するとの見方が投資家心理にのしかかる。将来の財政懸念を映しやすい償還期間が10年を
超える超長期債の利回りは、既に最高水準だ。
2025年度補正予算では全体の国債発行額は24年度よりも少なく抑えたものの「11月の経済対策があれよあれよという間に市場予想を上回
る規模になったのを見て、今後も財政が膨張するのではないかとの疑念が拭えない」(野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利ストラテジスト)。
財務省が11月末に開いた国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー、PD)会合では、26年度の国債発行計画について「(償還までの期間
が10年以下の)短期・中期・長期債券において増額する余地がある」との声が上がった。増額により需給バランスが崩れるとの懸念は消えない。
日銀の利上げペースを巡る思惑も影響している。植田和男総裁は1日の講演で12月の利上げを示唆し、翌日物金利スワップ(OIS)市場の織り
込む12月の利上げ確率は約8割に上昇した。
金融緩和的な政策を志向するとされる高市早苗政権だが、片山さつき財務相は2日の閣議後記者会見で「金融政策の具体的な手法は日銀に委
ねられるべきだ」と述べた。景気認識に関しても「緩やかに回復しているという政府認識と総裁の認識は齟齬(そご)はない」と語った。
市場は26年末までに2回ほどの利上げも見込み、緩やかではあるものの利上げ路線は続くとの見方が大勢だ。
三井住友トラストの稲留氏は「利上げ観測や来年度予算の内容次第で、2%超えは時間の問題だろう」とみる。値下がりリスクがあるなか、投資
家は買い控えの姿勢が目立つ。
ローン負担増加
日本証券業協会がまとめた国内外投資家の10月の売買動向は、利付長期国債が5457億円の売り越しだった。5月以来の規模となる。有力な
買い手の大手銀行は、6カ月ぶりに売り越した。
金利の上昇は、将来の経済成長への期待も反映している。国内総生産(GDP)成長率が着実に高まるのであれば、金利の上昇は問題ないとも
受け止められる。
だが経済成長率が金利を下回ってしまえば、政府債務残高のGDP比は悪化し政府の利払い負担は重くなる。残されたのは巨額の債務だけとい
うことになりかねない。
株式相場や景気にも影響を及ぼす。三菱UFJ銀行など大手銀行5行は、10年固定型の住宅ローン金利を12月から引き上げた。借り入れる個
人の負担は増える。国債を保有する金融機関には含み損が発生する。
東京市場で1日、日経平均株価は前日比950円下落し、2日もほぼ横ばいで取引を終えた。PGIMジャパンの鴨下健株式運用部長は「国債増
発懸念に伴う金利上昇は嫌気されやすい」と指摘する。金利上昇を通じた景気下押し圧力に株式相場が耐えきれなければ、株安局面が長引く可
能性もある。
2025/12/03 13:24 日経速報ニュース
2025/12/03 14:42 日経速報ニュース
2025/12/04 09:27 日経速報ニュース
4日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時、1.91%に上昇(債券価格は下落)した。前日比0.02%高く、
2007年7月以来およそ18年ぶりの高水準となった。日銀の植田和男総裁が早期の利上げに前向きな姿勢を示し、債券売りが強まっている。
高市早苗政権の積極財政による財政悪化も引き続き意識されている。
長期金利は3日に1.89%と、08年6月以来およそ17年半ぶりの高水準をつけていた。
植田総裁は1日、名古屋市内で開いた金融経済懇談会で講演し、18?19日に開く金融政策決定会合で「利上げの是非について適切に判断
したい」と述べた。市場関係者の間では、日銀が同会合で利上げに踏み切る可能性が高まったとの受け止めが広がった。
植田総裁は懇談会後の記者会見で、政策金利の水準と景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」との距離感についても言及。次の利上げ時
に「その時点での考えをもう少しはっきりと明示したい」と話していた。市場では「ターミナルレート(政策金利の最終到達点)が切り上がる可能
性もある」(アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎シニア債券ストラテジスト)との見方が出ている。
高市政権が掲げる積極財政も投資家の買い手控えにつながっている。市場の一部では、26年度予算案の規模が膨らむことで短中期債に
加え、長期債も増発されるのではないかとの思惑も出ている。
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2025/12/05 20:30 日経速報ニュース
日銀は18、19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げるか議論する。高市早苗政権は利上げ判断を「日銀に委ねている」とし
、動向を静観している。円安是正を求めるトランプ米政権への配慮や物価高への懸念もあり、市場には政府が利上げを容認するとの見方が広がる。12月の利上げ予想は9割に達した。
市場予想、12月利上げ「9割超」
「内外経済・物価情勢や金融資本市場の動向を様々なデータや情報をもとに点検・議論し、利上げの是非について適切に判断したい」。
植田和男総裁は1日、名古屋市での講演でこう表明した。
利上げの地ならしと解釈できる発言で、12月会合で日銀が利上げを決めると予想する市場参加者が増えた。東短リサーチなどによると、
12月会合での利上げ確率は講演後に6割程度から8割程度にまで上昇し、5日午後には9割を超えた。
2025/12/09 02:00 日経速報ニュース
2025/12/10 日本経済新聞 朝刊
日銀が18~19日の金融政策決定会合で、今年2回目となる0・25%程度の利上げを決める可能性が市場で強く意識されているが、
この利上げは「歴史的」なものと受け止められそうだ。2025年の年間利上げ幅は合計0・5%程度と35年ぶりの大きさになるし
、約30年間にわたり金利の上限となってきた「0・5%の壁」の突破も実現するからだ。
「金利が上がる時代」の到来を改めて印象付け、長期金利の上昇が目立つ債券市場をはじめマーケットの空気に影響を与えるだろう。
日銀が1998年の現行日銀法施行で金融政策の「自主性」を認められてから、利上げを決めた年は5回あった。ゼロ金利解除があった
2000年、2回目のゼロ金利解除があった06年、追加利上げがあった07年、マイナス金利解除などがあった24年、そして25年だ。
このうち、00年、06年、07年は利上げ回数が1回で、年間の上げ幅も0・25%前後だった。24年は2回だったが、利上げ幅は合計
0・3%程度にとどまった。同年3月のマイナス金利解除は、マイナス0・1~0%程度で推移していた無担保コール翌日物金利を0~0・1%
程度に上げたものであり、7月の追加利上げ決定はそれを0・25%程度に引き上げた措置だったからだ。
これに対して、25年は1月に0・25%の利上げを実施。12月も利上げを決めるなら幅は0・25%とみられており、合計0・5%程度になる。
現行日銀法下では前例のない大きさだ。日銀の年間利上げ幅がこれより大きかった例は旧日銀法時代の1990年(当時の政策金利だった
公定歩合の上げ幅が合計1・75%)まで遡らないとない。従って、35年ぶりの利上げ幅になる。
2025/12/13 日本経済新聞 朝刊
日銀は18~19日に開く金融政策決定会合で政策金利を現在の0.5%から引き上げる最終調整に入る。0.25%引き上げて0.75%と
する案が有力で、1995年以来30年ぶりの金利水準に達することになる。
植田和男総裁ら執行部は利上げの議案を提出する意向を示唆している。日本経済新聞社の取材では、正副総裁を含めて9人の政策委員
のうち過半数が執行部案を支持する見通しだ。
政策金利の引き上げは2025年1月以来11カ月ぶり。1990年代にバブル経済が崩壊し、95年9月に当時の政策金利にあたる公定歩合
を1.0%から0.5%に引き下げた。政策金利の0.5%超えはそれ以来となる。
現時点で利上げに明確に反対姿勢を示す委員はおらず、政府にも容認論が広がる。
トランプ米政権の関税政策による経済への悪影響の懸念から、25年1月の会合で利上げを決めた後は6会合連続で金利を据え置いてきた。
日銀内にはトランプ関税の景気や物価に与える影響が今春時点の想定より軽微との見方が広がっている。
植田氏は前回10月の決定会合後の記者会見で「26年の春季労使交渉(春闘)の初動のモメンタム(勢い)を確認したい」と述べた。支店を
通じた企業へのヒアリングなどを通じ、賃金上昇率が5%を超えた24年や25年を大きく下回る可能性は低いとの見方を強めている。
足元の円相場は1ドル=155円程度で推移し、円安基調が定着している。日銀は円安が輸入物価の押し上げなどを通じて物価高につながり
やすくなっているとみる。
根強い円安は日米の金利差が依然として大きいことが一因との見方があり、利上げで円安に一定の歯止めをかける効果も期待する。市場は
その後の利上げペースについて植田氏が何を話すかに注目する。
日銀は株式相場の急落や急ピッチの円高進行といった市場の混乱が起きないか見極めた上で最終判断する。
2025/12/14 05:00 日経速報ニュース
前週の米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)に続き、今週は日銀が金融政策決定会合を、欧州中央銀行(ECB)が
理事会を開きます。
とりわけ日銀については0.25%の利上げを実施するとの観測が高まっています。市場関係者の関心は来年以降の利上げのペースや到達点
に向かい始めています。19日の記者会見で植田和男総裁が政策金利のあるべき水準を示すかどうかが焦点です。
複数月分が公表される米雇用統計も重要イベントです。
日経平均、5万円挟んだ展開に
今週の日経平均株価は節目の5万円をはさむ展開となりそうだ。延期されていた米雇用統計の公表や日銀の金融政策決定会合を前に、
慎重な取引となる可能性がある。
日銀会合について、市場では利上げ決定をほぼ織り込んでいる。三井住友信託銀行の瀬良礼子シニアマーケットストラテジストは「利上げ
の織り込みは進んでいるが、結果と発言を見極めたいとの雰囲気は根強い」と指摘する。
16日発表の10?11月の米雇用統計や18日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)にも注目だ。米政府閉鎖の影響で10?11月分は米
連邦公開市場委員会(FOMC)後の公表となった。 FRBの金融政策は7月の雇用統計で過去分のデータが大幅に下方修正されて以降、急速
に利下げ観測が強まった経緯がある。
「3カ月分の雇用統計が短い期間で立て続けに公表されれば、次回FOMCでは雇用に関する見方がまったく異なっている可能性もある」(
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)との声もあった。
12月は季節的な需給面の支えもあって下値は堅いとの見方もある。 りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは「配当再投資に加え、
少額投資非課税制度(NISA)の年間投資枠を使い切る個人投資家の動きが下値を支える」と指摘する。
国内長期金利、上昇一服か
国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが低下(債券価格は上昇)か。日銀のターミナルレート(利上げの到達点)
が切り上がるのではとの思惑から前週には一時1.97%と約18年半ぶりの高水準まで上昇した。もっとも思惑は市場で織り込まれつつあり、上昇
圧力は鈍るとの見方が強い。
18~19日の金融政策決定会合で日銀の植田和男総裁が景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」についてどのように言及をするかに注目が
集まる。東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは「高市早苗政権も足元の金利上昇に対して警戒感を示しており、中立金利の
下限切り上げのようなコミュニケーションには
動けない」とみる。
米国債券市場でも、米雇用統計などが市場予想より弱い結果となれば10年債利回りが低下するシナリオも考えられる。みずほ証券の上家
秀裕シニア債券ストラテジストは「足元までの金利上昇の動きが巻き戻され、米長期金利は4%割れまで低下する可能性がある」と話す。
米金利の低下で、国内長期金利により下押し圧力がかかるとの見方もある。「米金利低下が国内金利に波及することに加え、高い金利水準
で買いが一定程度入れば長期金利は1.9%を下回る可能性がある」(明治安田アセットマネジメントの大崎秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャ
ー)との声も聞かれた。
円相場、上昇しやすく
今週の外国為替市場で対ドルの円相場は円高・ドル安方向に振れそうだ。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会
(FRB)は0.25%の利下げに踏み切った。市場ではFRBのパウエル議長は追加利下げに慎重な「タカ派」の姿勢を緩めたとの受け止めが広が
った。日米の政策金利差の縮小を意識した円買い・ドル売りが進みそうだ。
る。オーストラリア・ニュージーランド銀行の町田広之ディレクターは「利上げを妨げない結果なら円買いが進む」と話す。
日銀は12月会合で0.25%の利上げに踏み切るとの見方が支配的だ。市場では日銀が中立金利について見解を示すとの見方が強い。SMBC
日興証券の丸山凜途金利・為替ストラテジストは「日銀が中立金利の下限を切り上げるような情報発信をすれば1ドル=154円程度まで円高が
進む」と指摘する。
もっとも、円安・ドル高に転じるシナリオもある。16日には10?11月の米雇用統計が発表される。「雇用統計がサプライズで強い結果となれば
、市場で織り込まれている来年2回の利下げ期待が後退しドル買いが加速する可能性もある」(SMBC日興の丸山氏)との声もあった。
商品 原油は様子見姿勢、金は最高値うかがう
原油相場は地政学リスクの動向を見極める展開となりそうだ。前週の原油相場は売りが目立つ展開だった。国際エネルギー機関(IEA)が
発表した月報で2026年も供給過剰が続くとの見通しが改めて示され、需給の緩みを意識した売りが優勢だった。
今週も主要産油国による増産観測が上値を抑える公算が大きい。一方で米国がベネズエラ沖で石油タンカーを拿捕(だほ)したと伝わるなど
、産油国であるベネズエラと米国の緊張感も意識されそうだ。
ロシアとウクライナの和平交渉を巡り、トランプ米大統領が25日のクリスマスまでの停戦合意を目指しているとされる。野村証券の高島雄貴
エコノミストは「原油供給を左右するウクライナ情勢の動向を見極める必要性から、持ち高を傾けにくい局面だ」と指摘する。
金(ゴールド)相場は最高値更新を見込む声が聞かれた。前週、国際指標のニューヨーク先物(中心限月)は10月下旬以来の高値まで上昇
する場面があった。米連邦準備理事会(FRB)が10日に3会合連続の利下げを決めたことで、金利が付かない金先物の買いを誘った。
日産証券インベストメントの菊川弘之チーフストラテジストは引き続き米利下げ観測や地政学リスクが支援材料になると指摘。「今週発表の
米雇用統計といった経済指標が利下げ観測を強める内容なら、最高値(1トロイオンス4398ドル)を上回る可能性も意識される」との見方を示す。
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2025/12/16 09:30 日経速報ニュース
日銀は18?19日に開く金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる公算が大きいが、それでも外国為替市場では円の先安観が根強い。
ドイツ銀行で為替ストラテジストを務めるティム・ベイカー氏は「インフレ率が3%を超えるなか、日銀の利上げペースは緩やかで、実質金利が大幅な
マイナスの状態をそのままにしているのは奇妙だ」と語り「日銀は市場から中央銀行としての信頼を失いつつある」と指摘する。政策金利を1.5%
に引き上げ、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが2?2.5%程度まで上昇しない限り、円安・ドル高基調は止まらないと話す。
■物価高での日銀の政策判断は合理的でない
――日銀は今週の会合で利上げすると予想されているうえ、その後も利上げを継続すると見込まれています。それにもかかわらず、円相場は安値圏
で、足元では1ドル=155円台と前年同時期とほぼ同水準です。
「円相場は、日米の政策金利差でみると130?140円、日米の新発10年債利回り差でみれば140?150円程度がフェアバリュー(適正水準)だ。日銀
が物価の上昇を抑え込めないインフレ・リスク・プレミアムを市場は懸念しているようで、これが円相場の下押し要因になっているのは明らかだ。高市早
苗政権の拡張的な財政政策は円売りの直接的な要因としては軽微に過ぎない。名目国内総生産(GDP)成長率は加速し、財政赤字は大きすぎず、
債務対GDPは低下しているが、市場はこれを過小評価している。財政だけでなく金融政策も緩和的になっていることが、円の下押し圧力となる」
「名目金利から物価の上昇を差し引いた実質金利のマイナス幅は大きく、他の先進国と比べても際立つ。日本の名目GDP成長率は4?5%でインフレ
率が3%、長期金利は2%に迫るなど、日本経済は堅調だ。経済が順調な国で実質金利のマイナス幅が深まっていく状況は奇妙に思える。特に海外
からみると、日銀の金融政策の判断は合理的でない印象すら受ける」
「日銀は市場からの信頼を失いつつあると言える。日銀はここ数年、インフレ率は正常化すると予想してきたが、足元では高止まりが続く。これまで基
調的な物価上昇率やコメなど食料品価格の上昇を理由に利上げしなかったのは言い訳に聞こえる。アベノミクス時の異次元緩和のもとで超低金利が
長く続いたせいで、金利の上昇に慎重さが染みついている。本来なら『デフレを脱却し、あと一歩で物価目標の安定的・持続的な実現を達成できる』と
喜ぶべきだ」
■政策金利は1.5%でも高すぎるとは言えない
――適切と考える利上げのペースやターミナルレート(政策金利の最終到達点)の水準を教えてください。
「少なくとも四半期に1度のペースで0.25%幅の利上げが必要だろう。足元の物価上昇率が3%程度である状況を踏まえると、政策金利が1.5%でも
高すぎるとは言えない。他の先進国の国債利回りと比べても、日本の長期金利は2?2.5%が妥当な水準だ。ドイツ銀行のエコノミストは次々回の利上
げ時期を2026年7月と予想しているが、もし日銀が来年4月に利上げすれば、物価高を抑えようとしている姿勢が伝わるだろう。中央銀行としての信認
が回復し、円安・ドル高は抑制されると思う」
■利上げペース速めなければ円売り圧力は継続
――日銀の利上げが後手に回り、実質金利が大幅なマイナスの状態が続いた場合、どのようなリスクが想定されますか。
「超緩和的な財政・金融政策が続けば160?170円まで円安・ドル高が進行するだろう。日本の通貨当局は、円安のスピードが加速したり、投機的な
動きがみられたりすれば円買いの為替介入に動くだろうが、円安を一服させる程度の効果しかない。日銀が政策金利を引き上げるペースを速めない限
り本質的な問題は解決せず、円売り圧力は残り続ける」
【略歴】Tim Baker(ティム・ベイカー)氏 2003年にオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)に入行し、グローバルマクロなどを担当するエコノミス
トとなる。07年からドイツ銀行のマクロ調査チームを経験したのち、24年から現在まで米州為替調査部門の責任者として為替とグローバルマクロのリ
サーチチームを率いる。
2025/12/18 07:32 日経速報ニュース
高島修 シティグループ証券 通貨ストラテジスト
2025年12月18日午前 10:13 GMT+93時間前更新
[東京 18日] - 高市早苗政権の経済政策(サナエノミクス)は10年前のアベノミクスと40年前のレーガノミクス/サッチャーリズムの中間的な
ところに立ち位置を修正していくと我々は考えている。
海外でもインフレ圧力がくすぶる中、日本は円安に伴う輸入インフレが社会問題となっている。こうした中で円安対策が必要となってきており、高市
政権も次第に日銀の金融正常化の黙認にかじを切ってきている。
今週18日、19日の金融政策決定会合でも日銀は0.5%から0.75%への追加利上げに動く可能性が高く、そのことは既に日本政府が必要な
ら円買い介入に動く意思を固めたことを暗示していると筆者のチームはにらんでいる。
円買い介入に依拠した相場シナリオを立てている訳ではないが、米日金利差も有意な縮小となってきている中、一時的にせよ、昨夏のように日米
株が反落するようなリスク回避的な市場環境の変化が生じた際には円高になりやすいと思われる。
高市政権の誕生以来、我々にとっては予想外の円安進行となっているが、長期的には155円前後はドル/円の天井圏で、向こう半年ほどでは
145円を割り込んでいく展開を見込んでいる。
<アベノミクスとは異なるサナエノミクス>
前回10月に寄稿した際、サナエノミクスはアベノミクスと一線を画すことになるだろうとの考えを示した。実際、この間、高市政権は円防衛にかじを
切ってきており、日銀の緩やかな金融正常化も黙認する姿勢に転じてきたようだ。
10年前のアベノミクスはデフレと通貨高への処方箋だったが、近年では日本のみならず、世界的にインフレが問題となっている。これは2020年
の新型コロナ危機を転機に世界の財政政策が拡張に転じたことの影響が大きそうだ。
こうした中で、21兆円の補正予算に象徴的なように、高市政権はより強い財政政策を講じようとしているのだから、金融政策が緩和度合いを削減し
、通貨安阻止に動くのは当然の話だ。
この10年で世界的にも経済学や経済政策の思想は、従来のニューケインジアン的アプローチから現代サプライサイド経済学(MSSE)のように
財政政策により重きを置くアプローチへと変わった。それと呼応するように日本でも、日銀の金融緩和に依存したアベノミクスに比べると、財政政策
への依存度、信頼度がはるかに高いサナエノミクスが出てくることになった。
安倍晋三首相(当時)は13年、元々は財務官だった黒田東彦氏を日銀総裁に指名し、その黒田総裁の下で日銀は果敢な金融緩和に転じた。
当時、日本は既にゼロ金利制約に直面しており、それは事実上、量的緩和による円安政策だった。つまりアベノミクスのマクロ政策で最上位に
あったのは金融政策ではなく、通貨政策だった。
これは実質金利の引き下げが困難な国が実質為替レートを下落させることで、マネタリー・コンディション、ひいてはフィナンシャル・コンディション
を緩和させ、景気と物価の浮揚を試みようとしたということであり、ある意味、正攻法のマクロ経済政策だった。
ただ、高市首相は、アベノミクスによる日本経済再建は未完に終わったとの認識を示しており、アベノミクスでは「民間投資を引き出す成長戦略」
だった第3の矢を、「大胆な危機管理投資・成長投資」へ変更してきた。つまり、サナエノミクスでは第2の矢のみならず、第3の矢も財政政策に
なったのだ。
そのリフレ政策に対する不安で円安圧力が高まる中で、それを阻止するために日銀の金融緩和の度合いを削減していくという構図になってきて
いる。逆に日銀にとってみれば、拡張的な財政政策によって景気とインフレが下支えられることは金融正常化の遂行に当り、追加的な安心材料
となってくるはずだ。
こうして、日銀の金融正常化は高市政権の円防衛策の一つの柱になってくるが、それはベセント米財務長官ら米当局も求めてきたことでもある。
このことを念頭に、今月会合で日銀が追加利上げに動く可能性が高まってきたことを考えると、日本政府がそれでも必要なら円買い介入に動く
意思を既に固め、米国もそれを黙認することを意味しているのではなかろうか。
その場合には、22年、24年と同じく、10兆円ほどの円買い介入となる可能性があるだろう。米日金利差も有意な縮小となってきている中、そう
した日本政府の為替介入は円安トレンドの是正に相応に有効であろうと我々は考えている。
さらに潜在的な可能性としては、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による側面支援なども考えられるかもしれない。GPIFは282兆円
(約1.9兆ドル)に上る運用資産の半分ほどを海外資産に投資しているが、基本ポートフォリオに対して外国株式はプラスマイナス6%、外国債
券はプラスマイナス5%のアロワンスが認められている。合計すると、7.6兆円ほど(約500億ドル)海外資産を売却する余地はある。
もちろんGPIFが通貨政策上の必要性から、恣意(しい)的に投資方針や為替ヘッジの指針を変えるとは考えにくい。ただ、円安や円金利上昇
などに伴うリバランス、つまり海外資産から円資産への投資資金のシフトは現段階でも一定程度、自然体での円需給の改善に貢献しているこ
とだろう。
円防衛策でより本質的に問われるのは1)日銀の金融正常化、2)財務省の円買い介入、3)GPIFによる側面支援など以上に4)高市政権の
財政政策の有効性かもしれない。
それが従来型のばらまき志向の強いものに留まる場合には市場の信認はえがたいだろう。一方で政権が掲げるように、成長志向が強く、構造
改革を促すようなものになるならば、円安や円債下落(長期金利上昇)には歯止めがかかり、多少の円高となっても株式市場もそれを好感する
はずだ(トリプル高の可能性)。
ただ、そのためには中央銀行(日銀)の金融政策の自由度を確保することも必須の要件となる。
長期的な観点では、我々は過去10年ほどの円安は日本経済をデフレから脱却させるポジティブな要素として目してきた。だが、12年には80円
を割り込んでいたドル/円は今や160円近くまで円安ドル高が進み、実質実効円相場は1970年代以来の安値圏に値を崩している。
日本は今、拡張財政と中央銀行への政治圧力という問題に直面している。良い円高(緩やかな円回復)に転じるか、悪い円安(無秩序な日本売
り)に転ぶかの正念場だ。
過去の論説では、高市氏は自らが学んだ松下政経塾の創始者である松下幸之助氏の教えの一つとして「君子豹変(ひょうへん)す」を挙げていた。
興味深いことに、その上で高市氏は「国民国家の運命を左右する国家経営のリーダーにこそ、時には『君子は豹変す』と言い放てる勇気が求めら
れる」と語り、また「誤りであると分かった方針をいつまでも続ける」ことの危険性も説いている。
10年前のアベノミクスがデフレと円高に対処した反面、今、サナエノミクスが対峙する必要がある経済問題はインフレと円安に変わっている。しかも
、それが自民党の支持率低下やポピュリスト政党の躍進を招いている。
こうしたことを考えると、サナエノミクスは次第にその立ち位置を修正し、積極財政(第2、第3の矢)で経済を下支えしながら、緩やかながらも日銀
の金融正常化を促し(第1の矢の軌道修正を図り)、円安抑止に動いていくことは自然な流れではないかと思われる。
振り返れば80年代に米国でレーガノミクスが行われた時にも、ラッファー曲線などの観点が減税政策の根拠として用いられ、「ブードゥー・エコノミ
クス(呪術的経済学)」と揶揄(やゆ)されたこともあった。それでも、「強いアメリカ」、「強いドル」を掲げるレーガン政権はポール・ボルカ―議長率
いる連邦準備理事会(FRB)の超引き締め策を受け入れ、その結果生じた超ドル高でカーター政権が苦しんだインフレを克服していった。
レーガン政権はその時に米国が実際に直面している問題に対処するため、低金利政策という政治的な欲求を押さえ、現実的に必要な経済政策を
講じていったのである。結果的にそれが70年代のスタグフレーションを克服することに繋がり、90年代の米経済復活の伏線となっていった。
これまで高市政権の経済政策の理念的な(つまりリフレ的な)側面ばかりが注目されてきたが、今求められるのは、40年前のレーガノミクスが
そうであったように、過去10年ほどの国内外の金融経済環境の変化に柔軟に適応し、理念的でなく、現実的な解を模索していくことだろう。
2025/12/19 09:19 日経速報ニュース
納谷巧・三井住友銀行市場営業部為替トレーディンググループ・グループ長 19日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=157円台まで下落する
余地がありそうだ。日銀は19日まで開く金融政策決定会合で0.25%の利上げを決めるだろう。だが、今後の利上げペースを示唆するとされる景気を
熱しも冷ましもしない中立金利の水準については明言しないと市場では織り込まれている。
通貨オプション市場をみると、円相場の1カ月物の予想変動率(IV)は7.5%前後と今年最低の水準となっている。目先は円相場が大きく動くとの見
方が少なく、今回の決定会合をきっかけに円高が進むリスクは見当たらないと考える市場参加者が多いのだろう。
日銀は円相場の水準より、長期金利が2%近くまで上昇しているのを警戒しているのではないか。積極的に利上げを続ける姿勢を示すことで金利が
急騰するリスクを恐れているとみられ、植田和男総裁の記者会見も利上げに慎重な「ハト派」な姿勢となり円には売りが膨らみやすくなると考えている。
もっとも、市場が今回の次の利上げが半年後になると見込むなか、植田総裁が2026年の春季労使交渉(春闘)に向けた賃上げのモメンタム(勢い)
が確認できる3月や4月の追加利上げを示唆すれば、サプライズとなって円高・ドル安が進むだろう。
2025/12/19 12:40 日経速報ニュース
日銀は19日まで開いた金融政策決定会合で、政策金利の引き上げを全員一致で決めた。公表文と同時に、別紙として「経済・物価の現状と見通し」
を示した。物価の見通しを巡り、高田創審議委員と田村直樹審議委員はそれぞれ反対を表明した。
先行きの日本経済について「基調的な物価上昇率と消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率はともに徐々に高まっていく」として、「『展望リポート』の
見通し期間(2025?27年度)後半には『物価安定の目標』とおおむね整合的な水準で推移する」との見通しを示した。
見通しの表現に関して、高田氏は「基調的な物価上昇率を含め、消費者物価はすでにおおむね『物価安定の目標』に達する水準にある」と説明。
田村氏は、基調的な物価上昇率が物価安定目標と整合的な水準で推移するのは「見通し期間の半ば以降」との見方を示し、ともに反対した。
2025/12/19 13:18 日経速報ニュース
中山興・岡三証券チーフエコノミスト 日銀が政策金利を0.75%へと引き上げたのは想定通りだったが、今後の利上げペースを加速させることまでは
踏み込まなかったのはやや意外感があった。2%の物価目標の達成時期については「見通し期間後半」という表現を変えなかった。
日銀は公表文で賃金(上昇)がしっかりしていることを押し出した。15日公表の「2026年度賃上げスタンスの動向」を含め、春季労使交渉(春闘)の
初動のモメンタム(勢い)に関する評価に自信を抱いているようで、今回の利上げは自信をもって実施したのだろう。
先行きについては26年度後半、27年度半ばごろに0.25%ずつ利上げし、政策金利は1.25%に達するとみている。利上げペースを半年に1度とする
のは、やや速い印象だ。国内で賃金と物価の好循環が進んだとしても、米国では関税の影響が26年半ばに出てくるとみられ、海外経済を中心に国
内経済には下押し圧力がかかることも考えられる。
さらなる失われた40年を目指す植田であった?
https://www.youtube.com/watch?v=XtjYSjuqVp0
https://www.youtube.com/watch?v=ixcmTqloeOQ
足を引っ張る日銀砲
2025/12/22 05:00 日経速報ニュース
外国為替市場で円安圧力が強くなっている。円は前週末に1ドル=157円台後半と1カ月ぶりの安値を付けた。利上げを決めた日銀の植田和男
総裁が、事前の想定ほど金融引き締めに前向きではないと受け止められたためだ。市場では今後160円前後まで円安・ドル高が進む可能性が
意識されている。円安は株式相場には追い風となる。
日銀は19日、0.75%への利上げを決めた。債券市場では長期金利が上昇(債券価格は下落)し、19年ぶりに2%を付けた。円相場はおおむね
155円台後半から156円台前半で推移し、利上げ発表直前の155円80銭前後から大きな変化はなかった。植田総裁の記者会見が始まった午後
3時半時点でも円相場は155円90銭前後だった。
潮目が明確に変わったのは午後3時40分ごろだった。植田総裁が景気を熱しも冷ましもしない中立金利について「特定することは難しく、かなり
の幅をもってみる必要がある」と発言した後、瞬間的に40銭ほど円安方向に振れた。
その後も円を売る動きは止まらず、ニューヨーク市場で一時157円70銭台と1カ月ぶりの円安水準まで下落。157円50銭台で1週間の取引を終
えた。対ユーロでも、一時1ユーロ=184円70銭台と1999年に単一通貨ユーロが成立して以降の最安値を付けた。
中立金利を巡っては伏線があった。日銀はかねて1?2.5%と幅をもった推計値を公表している。今月に入り、植田総裁は中立金利の引き上
げを示唆するような発言をしていた。中立金利の引き上げは、利上げ余地の拡大を意味する。市場の一部には、金融引き締めに積極的な「タカ
派色」の強い利上げを見込む雰囲気が広がっていた。
だが19日の会見で植田総裁は中立金利の幅の絞り込みなどを見送っただけでなく、具体的な利上げペースについても言及しなかった。「タカ
派的利上げ」に傾斜していた市場参加者にとっては肩透かしを食らった格好になった。バークレイズ証券の門田真一郎為替債券調査部長は「
市場の期待に届かなかったことが円売りを招いた」とみる。
市場関係者に26年3月末までの対ドルの円相場の見通しを聞いたところ、160円前後までの下落を意識する参加者が目立つ。
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは日銀の次の利上げを26年10月と予想。「利上げまでの時間がかなりあることから円安方向
への値動きが続きやすい」といい、1~3月に162円まで円安が進む場面もあり得るとみる。
政府・日銀は160円近辺まで下落した24年7月に円買い介入を実施しているため、今後は介入への警戒感が高まりそうだ。片山さつき財務相は
19日夜、記者団に「投機的な動きも含め、行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取る」と話し、円安の進行をけん制した。
JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフ為替ストラテジストは「短い期間で160円を超えて円安が進むようなら急速な相場変動とみなし、介入
に踏み切る可能性が高い」とみる。
一方、みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは「米国は円安に対し為替介入ではなく利上げでの対応を求めているため、すぐに介入に
踏み切るのは難しい」と指摘。政府・日銀の姿勢を試す形で円安が進む可能性があり、円の下限を165円と予想する。
これ以上の円安は進みにくいとみるのは、野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストだ。「米連邦準備理事会(FRB)が来年6月までに追加
利下げをし、来年前半はドルが弱含む」といい、来年3月末にかけて155円まで円が買われると予測する。今週25日には植田総裁の講演があり、
そこで円売りの調整が入る可能性があると読む。
長期金利は主な運用主体の金融機関の動向が重要になる。岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは「3月の年度末にかけ銀行などが
含み損を抱えた債券を売る動きが強まると、2.2%まで上昇する余地がある」という。
日本銀行が19日、政策金利を0.75%に引き上げた。30年ぶりの高水準になった。とはいえ、これでは足元の物価高に対してまったく迫力不足だ。
金融市場でも「0.25%幅の利上げでは小幅すぎる」「今後の利上げペースは相変わらずで、ゆっくりとしか進めそうもない」と見透かされた。利上げ
発表直後から円安ドル高が進み、さらに同日に開かれた植田和男総裁の記者会見中に、あらゆる通貨に対して円がみるみる売られる異常な展開
となった。
一般的には「利上げ」は「円高」をもたらす。その市場のセオリーとは逆になってしまった。
すでに円は、実質実効為替レートという、いくつもの通貨で算出する指標で、半世紀ぶりの円安水準だ。さらに円安が進むと国内物価はますます
上昇する。国民生活にとって受け入れられない事態である。
「物価の番人」のはずの日銀はどうしてこれを止められないのか。物価を冷やすはずの「利上げ」の効果がないのはどうしてか。
それはドSだから?
給与所得者8割クルシメます
2025/12/22 09:35 日経速報ニュース
2025/12/22 13:04 日経速報ニュース
国内債券市場で長期金利が騰勢を強めている。先週末にあっさりと心理的な節目の2%を超えた後も上昇は止まらず、2.1%をうかがう展開と
なっている。日銀が前週末に利上げを決定した後も外国為替市場で円安進行が止まらず、インフレ圧力の高まりが意識されている。日銀が想定
を上回る高い水準まで利上げを迫られるとして、市場では国内金利が2.5%程度まで急上昇する可能性を指摘する声も聞かれる。
22日の国内債券市場では、幅広い年限の国債利回りが上昇した。とりわけ目立ったのが長期金利だ。指標となる新発10年物国債利回りは前
週末から0.080%上昇(債券価格は下落)し2.095%と、売買高の多い「指標銘柄」が長期金利の指標とされていた1999年2月以来およそ26年10
カ月ぶりの高水準となった。
日銀は18?19日の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%引き上げ0.75%程度にすることを決定
した。声明文では、実質金利を「極めて低い水準」と指摘し、今後の利上げ継続を示唆する内容だった。
会合後の植田和男総裁の記者会見では、景気を冷やしも熱しもしない中立金利に関する発言が注目されていた。植田氏は「推計値の下限には
まだ少し距離がある」と説明したものの「その水準を前もって特定するのは難しく、かなりの幅を持ってみる必要がある」と述べるにとどめた。
これに反応したのが外為市場だ。会見後も幅広い通貨に対する円売りが止まらず、22日の東京市場で円相場は対ドルで1ドル=157円73銭近
辺と前週末17時時点と比べ1円円安・ドル高に振れた。JPモルガン証券の山脇貴史債券調査部長は「発言内容が(金融引き締めに消極的な)ハト
派的と受け止められ、外国為替市場で円安が進行し、日銀の利上げパス(経路)に不透明感が強まった」と指摘する。
円安は輸入物価上昇を通じて国内のインフレ圧力となる。日銀の植田総裁も、円安については「輸入物価を押し上げ国内物価に転嫁されていく
ことで消費者物価の押し上げ要因になる」と説明している。企業の賃金・価格設定行動が積極化するなか、為替変動は過去に比べ国内物価に
影響を及ぼしやすくなっている。期待インフレ率を示す指標の一つであるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は19日時点で1.76%と、2013年5月
以来12年7カ月ぶりの高水準となった。
BNPパリバ証券の井川雄亮マーケットストラテジストは「日銀がビハインド・ザ・カーブ(政策が後手に回る)に陥る可能性が意識されている。
将来どこかの時点でインフレが加速した場合、物価安定目標の2%に抑制することができず、高い水準まで利上げする必要性が出てくる」と
警鐘を鳴らす。
長期金利は心理的な節目である2%を上抜け、長期金利が急騰した「資金運用部ショック」時の最高となった1999年2月の2.440%(指標銘柄
の利回り)まで明確な節目は見当たらない。BNPパリバの井川氏は「来年に2.5%近辺まで上昇することも覚悟しないといけない」と身構える。
金融政策だけでなく、日本の財政運営への警戒感も引き続き根強い。高市早苗政権が週内に閣議決定する見通しの2026年度予算は一般
会計の総額が120兆円超と、過去最大だった25年度当初予算を上回ると伝わる。国債需給への不安がくすぶるなか投資家の買い控え姿勢が
強まっており、国内金利には当面上昇圧力がかかり続けそうだ。
2025/12/22 13:57 日経速報ニュース
外国為替市場で円売りが止まらない。日銀は19日まで開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.50%から0.75%に引き上げると決めた。
もっとも、市場の関心は織り込み済みの利上げの「実行」より「継続性」に移っていた。植田和男総裁の会合後の記者会見を経てむしろ市場に
広がったのは、日銀の金融政策正常化の動きが遅れて「立ち往生」することへの警戒だ。日本の通貨当局による為替介入を意識させる要人
発言も伝わったが、円買いの勢いは鈍い。
22日の東京市場で円相場は一時157円73銭近辺まで売られ、19日の17時時点と比べ下げ幅は1円に達した。19日の欧米市場でつけた
1カ月ぶりの安値(157円78銭)からはやや値を戻したものの、今年1月以来となる158円台に近づきつつある。
円の弱さは、対ドル以外の通貨ペアである「クロス円」でも際立つ。ユーロに対しては22日早朝の外国為替市場で一時1ユーロ=184
円90銭と、1999年の単一通貨ユーロ誕生後の最安値を更新した。ポンドやスイスフラン、カナダドルに対しても年初来安値圏で推移して
おり、円売り圧力の強さが鮮明だ。
日銀の会合で最も注目されたのは、景気を冷やしも熱しもしない「中立金利」への言及だった。植田氏は1日の記者会見で、1?2.5%と
されている中立金利の推計幅を絞り込む可能性を示唆していただけに、市場では「利上げ余地を広げるために中立金利を下限である1%
から引き上げる」との観測が浮上していた。
しかし、植田氏は会合後の会見で政策金利の水準について「推計された中立金利の下限よりまだ少し下にある」と語るにとどめ、中立
金利に関しても「特定することは難しい」と踏み込んだ発言を避けた。市場では「どこまで政策金利を引き上げるか、市場が判断できる材
料がなかった」(野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミスト)との声が聞かれる。日銀の利上げペースに進展があると見込ん
でいた投資家が円売りに傾きやすくなっており、(政策が後手に回る)ビハインド・ザ・カーブのリスクも意識されつつある。
財政出動で経済成長を目指す高市早苗政権の高圧経済を念頭に、UBS証券の足立正道チーフエコノミストは「名目国内総生産(GDP
)成長率を超える長期金利上昇を防ぐため、日銀は緩和的スタンスを維持させるだろう」と指摘する。足立氏は日銀の利上げそのものは
継続するとみているが、「米ドルが何らかの理由で大きく下落するか、高市首相がハト派的な金融政策を撤回しない限り、円相場は1ドル
=160円台に向かって下落する」と予想する。
目先の焦点は、政府による円買い為替介入の有無だ。財務省の三村淳財務官は22日朝、為替相場について「一方向で急激な動きが
みられ、憂慮している」「行き過ぎた動きには適切な対応を取りたい」などと話した。このところ為替介入を巡っては最終決定権のある片山
さつき財務相のけん制発言が続いていたが、為替政策の実務を担う三村氏が発言する機会は少なかった。それでも「直近の片山財務相
の発言とレベル感が大きく変わった印象はなく、円が大きく買われる動きにはつながっていない」(野村証券の後藤祐二朗チーフ為替スト
ラテジスト)と受け止められている。
22日の国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時2.100%まで水準を切り上げた。売買高の多い「指標
銘柄」が長期金利の指標とされていた1999年2月以来およそ26年10カ月ぶりの高さだ。日銀がペースはゆっくりでも利上げそのものは続ける
との見方が国内金利に上昇圧力をかけている。
利上げや金利上昇は教科書的には円買い要因だ。ただ、こうしたファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の大きな変化があっても円買い
が進みにくい現状を考慮すると、「政府が米国側に『投機的な動き』と説明し、為替介入の理解を求めやすくなっている」(野村証の後藤氏)という。
高市政権は26日に26年度予算案を閣議決定する見通しだ。一般会計の総額は120兆円超と過去最大だった25年度当初予算を上回ると
伝わる。財政規律への懸念からさらなる「日本売り」を誘発するリスクもある。為替介入という一時的な「止血策」に頼らざるを得ない可能性
が急速に浮上している。
8割位上は貧乏人。多いで
政策金利、30年ぶり高水準だが他の主要経済圏と比べまだかなり低い
日米金利差縮小、期待に反してドル安・円高につながっていない
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-20/T7I7KPT9NJM000?srnd=jp-homepage
2025/12/25 05:00 日経速報ニュース
日銀の植田和男総裁が25日、経団連の審議員会で講演する。政策金利を0.75%に引き上げてから初の講演で、今後の利上げ方針や経済・物価
への影響などについて説明するとみられる。日銀の追加利上げは物価高をもたらす円安の持続力次第との見方があり、市場が織り込む次の利上
げの確率は2026年前半で6割となっている。
19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げると決めた後、外国為替市場では円安・ドル高が進み、国債市場では長期金利が節目
の2%を超えた。円安が物価に与える影響や長期金利の動向についてどのように言及するかも市場は注目している。
利上げ発表直前は1ドル=155円台後半だった円相場は、22日午後5時時点で157円台半ばに急落した。足元でも1ドル=156円程度で推移する。
一方的な円売りには至っていないが、なお円安といえる水準だ。
利上げ決定後の植田氏による記者会見での発言が、利上げへの積極姿勢を示すとの市場の期待に届かなかったことが背景にある。
植田氏は19日の記者会見で、0.75%への利上げ後も名目の金利から物価上昇率や予想インフレ率を差し引いた実質金利は大幅なマイナスだと
指摘した。まだ金融環境は緩和的だと強調し、経済・物価の改善状況に応じて一段と緩和の度合いを縮小する方針を示したが、具体的な利上げの
ペースについては言及を避けた。
利上げの到達点の目安となり、景気を熱しも冷ましもしない中立金利の具体的な水準についても、1?2.5%程度に分布する推計値の下限に「まだ
少し距離がある」との表現にとどめた。
こうした円安の持続力は、日銀の次の利上げの行方を左右しそうだ。日銀は最近、円安が輸入物価の上昇を通じて国内物価の押し上げにつな
がるほか、人々の予想物価上昇率も高める方向に左右し、基調的な物価にも上昇圧力をかけるとの見方を示している。円安のもたらす物価高が
利上げを催促するシナリオが浮かぶ。
に利上げが実施されるとの予想がおよそ6割という見立てだ。
楽天証券経済研究所の愛宕伸康所長は半年に1回程度の利上げペースが続くとみて、次の利上げ時期は「6月か7月」を予想したうえで、「為替の
動向次第でぶれる可能性がある」とも指摘する。
日銀内部でも円安の継続に加え、物価の伸びが日銀の予想に反して26年前半に高止まりしたり、春季労使交渉(春闘)の賃上げ率が想定より
強まったりすれば、「4月には利上げの環境が整うのではないか」とのタカ派的な声がある。
政策を判断する9人の政策委員の一部からは、利上げの遅れや緩和の弊害を懸念する意見も出ている。12月会合では2%の物価目標の達成時期
について、25?27年度の間の「後半」で据え置くとの提案に、高田創審議委員と田村直樹審議委員が反対した。
高田氏は「すでに物価安定目標に達する水準にある」と主張し、田村氏は達成時期は25?27年度の「半ば以降」に早まると唱えた。両氏ともに物価
の上振れリスクを重くみて、追加利上げに前向きな立場とみられる。
委員は中立金利との差をふまえ「タイミングを逃さずに利上げすべきだ」と論じていた。
一方、次の利上げが市場の大方の見立てよりも遅れて来年夏以降にずれこむシナリオもありうる。
日銀は26年に食品価格の上昇が落ち着き、生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の伸びも一時的に2%を下回るとみている。政府の経済対策で
エネルギー価格が抑え込まれ、CPIがさらに大きく伸び悩む展開も想定される。
日銀の基本的な考えは、一時的な変動要因をのぞいた基調的な物価上昇率が2%に向かって上昇していけば、再び利上げできるというものだ。
だが日銀関係者は「(統計上の)物価が2%を割る状況での利上げは政府の理解を得にくくなる」と話す。
積極財政を掲げる高市早苗政権は12月の利上げ実施を事実上、容認した。とはいえ、政権内部には景気を冷まさないように次の利上げは慎重に
進めるべきだとの意見がある。利上げに伴う株価の下落を警戒する声も大きい。
26年は3月に野口旭審議委員、6月に中川順子審議委員がそれぞれ任期満了を迎える。1月召集の通常国会で政府は後任の人事案を示す見通
しだ。金融引き締めに慎重な候補者を選ぶかどうかで政権の金融政策へのスタンスがより明確に示されることになる。
2025/12/25 13:57 日経速報ニュース
日銀の植田和男総裁は25日、経団連審議員会で講演した。基調的な物価上昇率について「全体として緩やかな上昇傾向をたどっており、
2%に着実に近づいている」との認識を示した。賃金や仕入れ価格の上昇を販売価格に転嫁する動きも広がるなかで「賃金と物価がほとんど
変化しない『ゼロノルム』の世界に戻る可能性は大きく低下している」との見方を示した。
人材や設備への投資は「これまで以上に強く求められる局面を迎えている」と指摘。企業の春季労使交渉を巡っては、将来にわたって2%
の物価上昇が続くことを前提に「フォワードルッキングな形で賃上げを求める交渉スタイルに変化していく可能性がある」と述べた。そのうえで
「賃金と物価がともに緩やかに上昇するメカニズムはより強固かつ持続的なものになっていく」との見通しを示した。
日銀植田総裁、利上げで「息の長い成長に」 経団連で講演
2025/12/25 13:47 日経速報ニュース
日銀の植田和男総裁は25日、今後も利上げを続けていく方針を改めて表明した。「緩和の度合いを適切に調整していくことは、企業が安心
してビジネスを行う土台となる、息の長い成長につながる」と述べた。
経団連の審議員会で講演した。日銀は19日の金融政策決定会合で政策金利を0.5%から0.75%に引き上げると決めた。政策金利が0.5%を
超えたのは1995年以来30年ぶり。
名目の金利から物価上昇率や予想インフレ率を差し引いた実質金利が「きわめて低い水準にある」と指摘し、「経済・物価の見通しが実現
していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げていく」と語った。
【関連記事】
・日銀0.75%に利上げへ、30年ぶりの水準に 19日金融政策決定会合
・日銀、利上げ継続へ 市場の目線は「来年以降」に
Sumio Ito
2025年12月25日 at 13:36 JST
日本銀行の植田和男総裁は25日、利上げによる金融緩和度合いの適切な調整は物価目標のスムーズな実現と息の長い成長につながるとの
認識を示した。都内で行われた日本経済団体連合会審議員会での講演で語った。
植田総裁は、今後の金融政策運営について、現在の実質金利が極めて低水準にあることを踏まえると、日銀の経済・物価の中心的な見通
しが実現していけば、経済・物価情勢の改善に応じて「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」との見解を
改めて示した。
他の発言
現在の実質金利、極めて低い水準にある
基調物価は緩やかな上昇傾向、2%に着実に近づいている
企業の積極的な賃金設定行動が途切れる可能性は低い
2%物価上昇前提になれば、賃金・物価上昇より強固・持続的に
ゼロノルムの世界に戻る可能性、大きく低下している
日銀は19日の金融政策決定会合で1月以来となる約1年ぶりの利上げ再開を全員一致で決めた。政策金利は0.75%と30年ぶりの高水準と
なったが、緩和的な金融環境は維持されると説明。経済・物価見通しが実現していけば、利上げで緩和調整を続ける方針を改めて表明し、
政策正常化路線を堅持した。
一方で、景気を刺激も抑制もしない中立金利に関しては、会合後の植田総裁の記者会見を含めて、市場が事前に期待していたような踏み
込んだ見解は示されなかった。日銀の政策対応が遅れるとの懸念が強まり、同日の市場では円安と長期金利の上昇が進んだ。
2025/12/25 17:40 日経速報ニュース
円安の進行でインフレが加速し、日銀の利上げが後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」に陥る――。そんな可能性を債券市場が意識し始めた。
国内債券市場で2年物に比べて5年物の国債利回りの上昇(債券価格の下落)が目立つ。
25日は2026年度の発行減額観測が根強い超長期国債で利回りが低下。新発30年物国債の利回りは前日比0.050%低い3.380%をつける場面が
あった。一方、中期や長期の国債利回りは上昇し、新発5年債利回りは0.030%高い1.520%をつけた。日銀利上げを巡る不透明感から同日の2年債
入札が低調に終わったことなどが売り圧力となった。
日銀は19日に政策金利を0.75%と30年ぶりの水準に引き上げた。「今後の金利水準を暗中模索する日々になりそうだ」。週明け22日、常陽銀行
市場金融部で円債の調査・運用に携わる高部泰典主任調査役はこうこぼした。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが2.1%をつけるなど
、想定外に金利上昇が進んだためだ。
日銀の植田和男総裁は25日、経団連の審議員会で講演し「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続
き政策金利を引き上げていく」と話した。市場は26年以降も日銀が段階的に利上げを進めるとみている。政策金利の見通しを映しやすい中期国債の
利回りには上昇圧力がかかりやすい。
新発5年物国債と同2年物国債の利回り差(複利ベース)は22日に一時0.41%台に拡大。09年11月以来、約16年ぶりの大きさとなった。
[東京 25日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は25日、ここ数年、企業の賃金・価格設定行動は「大きく変化している」と評価し、賃金上昇を伴う
形での2%の物価安定目標の実現が「着実に近づいている」と述べた。賃金の上昇継続とコスト上昇分の販売価格への転嫁の広がりに自信を示
し、長らく続いてきた賃金も物価もほとんど変化しない「ゼロノルム」の世界に戻る可能性は「大きく低下している」と語った。
植田総裁は経団連の審議員会で講演した。
日銀は18、19日の金融政策決定会合で0.75%への利上げを決定したばかり。植田総裁は講演で、春季労使交渉(春闘)に向けた労使の対応
方針や、日銀の本支店を通じたヒアリング情報等を踏まえると「来年は、今年に続きしっかりとした賃上げが実施される可能性が高く、企業の積極的
な賃金設定行動が途切れるリスクは低い」と指摘。来年以降も、賃金と物価がともに緩やかに上昇していくメカニズムが維持される可能性が高いと
述べた。
その上で、引き続き利上げを行う方針を改めて示した。現在の実質金利は「きわめて低い水準にある」とし、展望リポートで示した中心的な見通しが
実現していくとすれば、「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と説明した。
植田総裁は「コストプッシュ要因などによる一時的な上昇ではなく、人々が先行き緩やかな物価上昇が続くことを前提に経済活動を行い、結果的に
2%目標が持続的・安定的に実現する姿を展望している」と述べた。賃金については、生産年齢人口の減少など労働市場の構造変化は「不可逆的」
であり、「経済に大きな負のショックが生じない限り、労働需給は引き締まった状況が続き、賃金には上昇圧力が掛かり続ける」と語った。基調的な
物価上昇率は全体として緩やかな上昇傾向にあり、「2%に着実に近づいてきている」とした。
<賃金の判断プロセスの変化に期待>
植田総裁は、息の長い経済成長を実現するために、将来を見据えた人への投資や設備投資が「これまで以上に強く求められる局面を迎えている」と
指摘。人への投資の観点から、賃金の「期待形成メカニズム」が変化していくことに期待感を示した。
これまでは過年度の物価上昇率が労働組合側のベースアップ要求の土台になってきたが、経営者が賃上げを判断する際に2%の物価上昇が続
くことを検討の前提に加えるようになっていけば、「わが国全体として、賃金と物価がともに緩やかに上昇するメカニズムはより強固かつ持続的な
ものになっていく」と語った。
2025/12/26 09:12 日経速報ニュース
26日朝方の国内債券市場で、長期金利が低下(債券価格が上昇)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.010%低い2.035%
をつけた。総務省が26日朝発表した12月の東京都区部・消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を下回り、日銀は利上げを急がないとの
見方から債券に買いが先行した。
12月の東京都区部CPIは、生鮮食品を除く総合が前年同月比2.3%上昇した。伸び率は11月(2.8%)から縮小し、QUICKがまとめた市場予想
の中央値(2.5%)も下回った。