なんとかしてよ最終更新 2024/10/29 09:551.名無しさんSoY9c為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で鈴木財務相[26日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は26日(日本時間27日)、G20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で為替に関する既存のコミットメントを再確認したと述べた。G20終了後、訪問先のブラジル・リオデジャネイロで報道陣に語った。鈴木財務相は「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に対する悪影響を与えうるとのG20における既存のコミットメントが再確認された」と述べた。G20に先立つ主要7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議を含め、「一連の会合を通じて様々な国際的な課題について日本の立場をしっかり伝えた」ことも明らかにした。2024/07/28 07:29:38143コメント欄へ移動すべて|最新の50件94.名無しさんBNsG5アングル:針路失う銀行株、利上げペースに不透明感 回復になお時間[東京 6日 ロイター] - 「金利ある世界」への転換で、強い動きを見せていた銀行株(.IBNKS.T), opens new tabの基調が弱まっている。日銀が利上げフェーズに入ったものの、8月上旬の株価急落を受け、そのペースが推し量りにくくなっているためだ。海外比率の高いメガバンクの一角は、円高がマイナスとなる「輸出株」と類似する株価の動きも観測されるなど、読み筋は複雑化。高利回りで長期的には買いとみる声もあるが、株価の回復には時間がかかるとの見方も根強い。<急落からの戻りで劣後>8月上旬の株安局面で銀行株は、日経平均やTOPIXといった指数よりも売り込まれた。8月5日までの3営業日で業種別の銀行は28%下落。同期間の日経平均の20%安、TOPIXの21%安を上回る下げとなった。国内金利の低下や米景気悪化懸念で、とりわけ銀行株の売り圧力が強まったためだ。日経平均は今月に入り、8月の急落分を一時奪還したが、銀行株は急落前の水準には戻れなかった。マーケットの波乱を受け、日銀の内田真一副総裁が「金融資本市場が不安定な状況で、利上げすることはない」と火消しに回ったことも、銀行株にとっては、むしろ先行きを不透明にさせている。マーケット参加者からは「日銀の利上げペースを読むのが一段と難しくなり、銀行株は居所を探っている状況」(東海東京インテリジェンス・ラボのシニアクレジットアナリスト兼シニアアナリスト・中川隆氏)との意見も聞かれる。<「輸出株」化するメガバンク>特にメガバンクは、金利動向に加えて、為替にも左右される展開が続くとみられている。GCIアセットマネジメントのポートフォリオマネージャー・池田隆政氏は、メガバンクは「輸出関連株化」している面があるとみており「ドル/円に連動した動きが続くのではないか」と話す。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T), opens new tabの経常収益ベースの海外比率は、2014年の40%に対し、2023年は56%に高まった。一方、同社の株価とドル/円を過去半年の20日リターンでみると0.67と一定の相関が認められる。このため「米利下げ観測の高まりなどで急激に円高に振れた場合、メガバンクの方が地銀と比べて売られやすくなるとみられ、注意が必要」(SBI証券のシニアアナリスト・鮫島豊喜氏)という。同じ銀行セクターでも個別企業によってパフォーマンスの差も見受けられ、目先はマクロより、ミクロの材料がより重要との意見もある。SBI証券の鮫島氏は「銀行セクターが一緒くたに買われるというよりは、ROE(自己資本利益率)が高く収益性が見込める企業や、株主還元を強化している銘柄が選好されるのではないか」と話し、選別が進むとみている。年初来の株価の推移をみると、住信SBIネット銀行 (7163.T), opens new tabが97%上昇、楽天銀行(5838.T), opens new tabが52%上昇するなどROEの高い銘柄の上昇が目立つという。楽天銀行のROEは12%、住信SBIネット銀は17%で、三菱UFJ(8%)、みずほフィナンシャルグループ(8411.T), opens new tab(7%)など大手行に比べて高い。<金利にらみ継続>市場では、日銀の金融政策は利上げの方向と意識されており、「中長期的にはさほど(銀行株を)悲観的にみる必要はないのではないか」(三菱UFJアセットマネジメント・チーフファンドマネジャー・石金淳氏)との見方も聞かれる。2024/09/07 01:40:1595.名無しさんBNsG5日銀高官のタカ派寄りの発言などで利上げへの思惑が高まる局面では銀行株が買われる流れは変わらないとして「金利にらみの展開は続きそうだ」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー・浪岡宏氏)とみられている。配当利回りに目を向けると、銀行セクターは東証33業種のうち11位につけており、高配当の部類とされる。「個人投資家からの人気も高い業種なので、中長期でみれば買いでいいのではないか」(いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏)との指摘がある。もっとも、市場では「本当に景気が良くなり、インフレ環境が強くなるようなら買い戻しもあり得るが、足元ではそこまで織り込みにくい」(東京海上アセットマネジメントの若山哲志株式運用部シニアファンドマネージャー)との声もある。メガバンクなど一部の銘柄では信用買い残が積み上がり、需給面の懸念も残っている。足元では米景気動向や米大統領選、国内の政局など不透明要因も多い。日銀の利上げパスへの見方も定まりづらく、いちよし証券の及川氏は「これらの先行きがみえてくるまで、積極的な買いは入りづらい」と話している。2024/09/07 01:41:4996.名無しさんrspHj今日の株式 大幅続落、3万5000円割れも 米株安や円高への警戒で2024/09/09 06:51 日経速報ニュース 9日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落か。労働市場の軟調さを示すデータが相次ぎ、米景気に対する警戒感の強さは投資家心理の重荷となる。前週末の米株式相場の大幅下落を受け、東京市場でも幅広い銘柄に売りが先行しそうだ。過去最大の下げ幅を記録した8月5日を彷彿とさせる相場展開も想定され、二番底のリスクも意識される。日経平均は節目の3万5000円を下回り、前週末の終値(3万6391円)から1500円ほど安い3万4900円程度まで下落する可能性がある。 前週末6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比410ドル(1.00%)安の4万0345ドルで終えた。同日発表の8月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想を下回った。6月分と7月分も下方修正し、労働市場の軟化が意識され、米景気の下振れリスクへの懸念から株売りが広がった。外国為替市場では円が対ドルで1カ月ぶりに1ドル=141円台に上昇する場面もあった。円高・ドル安への警戒が広がり、東京市場でも自動車や機械など輸出関連株に売りが出そうだ。 主要な米ハイテク株は軒並み売られ、半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も大幅に下落した。東京市場でも値がさの半導体関連株への売りが出やすく、日経平均を下押しするだろう。日本時間7日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は下落し、9月物は前日の清算値と比べ1210円安い3万5150円で終えた。 もっとも、日経平均は前週末までの4営業日で2300円あまり下落していた。急ピッチで下落してきた反動もあり、売りが一巡した後の3万5000円近辺では自律反発を見込んだ買いが入る可能性もある。景気変動に左右されにくく、円高の恩恵も受けやすい内需・ディフェンシブ株の一角に物色が向かう場面がありそうだ。 個別ではトヨタ自動車に注目だ。7日付の日本経済新聞朝刊は「トヨタは2026年の電気自動車(EV)の世界生産台数を100万台程度に縮小する」と報じた。EVの世界販売計画として公表していた150万台より3割引き下げる計算となる。足元の円高基調も重荷となり、売りが広がる可能性がある。 国内は4?6月期国内総生産(GDP)改定値の発表がある。海外は8月の中国消費者物価指数(CPI)や中国卸売物価指数(PPI)、7月の米卸売在庫・売上高などが公表される。2024/09/09 07:22:4797.名無しさんrspHj日本株に二番底懸念 過度なAI期待修正、円高も重荷2024/09/09 05:00 日経速報ニュース 週初の日本株相場は不安定な展開が見込まれる。前週末の米株市場で半導体を中心とした人工知能(AI)関連株が崩れ、連動性が高い日経平均株価は大幅下落で始まりそうだ。AIへの過度な期待がはがれつつある。1ドル=140円を超える円高が視野に入ったことも重荷だ。8月上旬の株急落から1カ月、再び安値をつける「二番底」形成への警戒が高まってきた。 「フェーズが変わった」。ピクテ・ジャパンの田中純平ストラテジストは6日の米株式市場の動きを受けて、日本株の先行きに一段と警戒を強めている。注視したのは主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)。この日は5%安となり、8月上旬につけた直近の安値に再び迫っている。 前週末の大阪取引所の夜間取引では、日経平均先物の9月物が3万5150円と前日の清算値と比べて1210円(3%)下落した。日経平均は東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連株の影響力が大きく、SOX指数との連動性が高い。投資家は週初の日本株相場に身構える。 8月上旬の世界的な株安から約1カ月。日経平均は2日に3万8700円まで上げたものの、急落前の水準を取り戻せずに押し返された。1日1000円前後の値幅も珍しくなくなった。相場変動率の高さから長期マネーの買いが入りにくくなっており、再び安値をつける「二番底」形成が警戒され始めている。 二番底とは大幅安から反発した後に再び形成した安値を指す。1987年のブラックマンデーなど多くのショックが二番底を経験している。二番底が大底(株価下落局面での最安値)となって上昇に転じる場合もあれば、長期下落トレンド入りで三番底をつけるケースもある。 国内大手運用会社アセットマネジメントOneの浅岡均シニアストラテジストは「日経平均は3万5000円を割り込み、3万4000円に向かって大きく下げる展開になってもおかしくない」と予想する。2024/09/09 07:24:4998.名無しさんrspHj エヌビディア株は8月安値接近、日本株に下落圧力 二番底警戒の背景には半導体株に対する市場の見方の変化がある。 6日に半導体株安の震源となった米ブロードコム株。前日に発表した5?7月期決算では売上高が前年同期に比べて47%増えた。ところが8?10月期の見通し(140億ドル、約2兆円)がアナリスト予想をわずかに下回ったことが嫌気され、前日比10%安まで売り込まれた。 ブロードコムはAI関連チップやソフトウエアを手がける。成長期待から一時、年初から上昇率が5割を超えた。投資家の要求ハードルは高くなり、市場予想を大きく上回る実績や見通しを出さないと売られやすくなっている。 エヌビディア株も決算後に下落基調となり、8月の安値に接近している。日経平均をけん引してきた東京エレクトロン株は年初来でマイナス圏だ。 調査会社ガートナーは8月下旬、先端テクノロジーのハイプサイクル2024年版を公表した。過度にもてはやされる期間から幻滅期を経て、市場の理解が深まり、普及するというテック共通のサイクルを先進技術ごとに示したものだ。ガートナーによれば生成AIは過度な期待のピーク期から幻滅期に入りつつある。 この見立て通りであれば、ブロードコム株でみられた株価反応は過剰な期待の修正ともいえる。期待の調整には時間がかかる。米西部時間9日にアップルがiPhone新機種を発表すると見込まれている。AIサービスの搭載が期待されているが、半導体株の反転につながるか不透明だ。 米欧同時利下げの観測、140円超える円高視野 さらに円高進行も日本株安への警戒を高める。 前週は対ドルが146円台前半から142円台前半へ、対ユーロは161円台半ばから157円台後半に、それぞれ4円ほど円高が進んだ。ユーロの対ドル相場はこの間、ほぼ横ばい圏だった。足元はドル安というより円全面高に近い。 欧州中央銀行(ECB)が12日に理事会を控える。第一生命経済研究所の田中理首席エコノミストは「0.25%の利下げを四半期に一度続けるというのがメインシナリオ」と話し、今回の会合で追加利下げを決めると予想する。 米連邦準備理事会(FRB)高官は6日、17?18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めると示唆しており、9月は「米欧同時利下げ」の公算が大きくなっている。 米国では6日の雇用統計発表後も米景気不安がくすぶり、米金利は低下した。ECBが景気リスクを理由に利下げを実施すれば、欧州金利は下がりやすくなる。一方で日銀は利上げ姿勢を崩していない。金利見通しを巡って米欧と日本の違いが際立ち、円高に振れやすくなる。 みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは「(11日公表の)米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回るなどしない限り、FOMCに向けて円高が進みやすい」と指摘した上で「140円割れもあり得る」と予想する。 日銀の6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の事業計画の前提となる24年度の想定為替レートは全規模・全産業で1ドル=144円77銭だった。足元の円高進行が続けば、トヨタ自動車など主力輸出企業の業績上方修正期待は?落し、逆に下方修正リスクを意識せざるを得なくなる。 円高の恩恵を受ける一部の内需株はマネーの退避先になっている。1円の円高が経常利益を年20億円押し上げるニトリホールディングス株は7月末比で23%高い。ただし日経平均の構成銘柄は外需株比率が高く、内需株だけでは逃避マネーの「受け皿」になりきれない。二番底懸念が高まるゆえんだ。2024/09/09 07:26:1599.名無しさんrspHj日本の貿易立国復活か 「国内回帰」関連銘柄にマネー2024/09/09 04:00 日経速報ニュース 米中対立を背景としたサプライチェーン(供給網)の再編が、日本の位置付けを変えつつある。欧米企業が中国で供給網を見直し、「日本の安全保障上の価値が20?30年前に比べて格段に高まった」(ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミスト)。半導体を中心に日本企業の国内回帰や海外企業の対日投資が広がる。日本で生産し輸出して稼ぐ「貿易立国」に返り咲く好機ととらえる声もある。 宮崎県国富町のローム工場で今夏、装置の搬入が本格化した。年末に稼働し電気自動車(EV)の電圧制御などに使う炭化ケイ素(SiC)製パワー半導体を量産する。国内半導体メーカーで初めてウエハーから半導体チップまでを国内で一貫生産する。3000億円を投じ、30年度までにSiCパワー半導体の生産量を21年度比35倍に高める。 パワー半導体は電圧制御に使い、EVや再生可能エネルギー発電所、AI(人工知能)データセンターなどで採用が広がる。世界シェア上位10社のうち4社を日本企業が占める。 経済産業省は21?23年度、半導体支援に3.9兆円を確保した。ロームと東芝のパワー半導体投資に最大1294億円を補助する。ルネサスエレクトロニクスも24年4月、甲府工場(山梨県甲斐市)を再稼働し、25年からパワー半導体を量産する。 米ボストン・コンサルティング・グループによると、世界の半導体生産能力は中国や台湾、東南アジアに偏る。22年時点でウエハーに回路を描く「前工程」では日本を除くアジア地域が6割、半導体チップを最終製品に組み立てる「後工程」では8割を占める。中国は自給率向上に向けパワー半導体などの増産に動いており、日本勢も投資を急ぐ。 台湾積体電路製造(TSMC)による熊本県での新工場建設を好機と捉えた動きも相次ぐ。工場運営会社にはソニーグループやトヨタ自動車などが出資。素材メーカーも投資を加速し、富士フイルムホールディングスは24年1月、熊本県で半導体製造向け研磨剤の新工場を稼働させた。 電子部品では村田製作所が約470億円をかけて島根県出雲市に積層セラミックコンデンサー(MLCC)の新たな生産棟を建設、26年3月に竣工する。EVやスマートフォンなどに使われる部品で、TDKも岩手県の工場にMLCCの新工場棟を設けた。 防衛分野でも国内拠点増強の動きがある。三菱電機は約220億円を投じ、神奈川県鎌倉市など3カ所で防衛装備品の工場を新設する。4月にはフィリピン空軍向けに2基目の対空監視レーダーを納入したと公表。米航空防衛大手RTXと協業し米軍向け装備品の供給を目指すなど海外市場を開拓している。 日本政策投資銀行(DBJ)の24年度の設備投資計画調査では、回答した製造業の半数近くが今後3年程度で国内生産拠点を強化する方針を示した。新型コロナ前の17?19年は4割弱だった。10年先までに国内を強化するとの回答も5割を超えた。 海外大手の進出も目立つ。米インテルは4月に後工程を自動化するための企業連合を設立、オムロンやTDKなど19社が参画した。米アマゾン・ドット・コムはデータセンター(DC)関連で23?27年の5年間で2兆2600億円を投じると発表。マイクロソフトやオラクルなども日本でDCに投資する計画を明らかにしている。テック大手による合計投資額は約4兆円となる。 ただこうした国内回帰や対日投資は「まだマクロの経済データで確認できるほどの規模にはなっていない」(みずほ証券の小林俊介チーフエコノミスト)。政府は30年までに対日直接投資残高を100兆円に引き上げる目標を掲げるが、23年6月時点で47.3兆円にとどまる。 経済安保面から世界各国が企業の誘致合戦を繰り広げる。投資先として企業に選んでもらうには「エネルギーや電力の安定供給の確保が重要」とニッセイ基礎研の矢嶋氏はみる。貿易立国の復活を目指すのであれば「エネルギー問題への早急な対応が欠かせない」と指摘する。2024/09/09 07:40:20100.名無しさんrspHj 「自動化」「物流」テーマに 米中対立を背景に注目される投資テーマが供給網を国内に戻す「リショアリング」、消費地近くに移す「ニアショアリング」、友好国・地域と構築する「フレンドショアリング」だ。インフラや生産設備、物流などの銘柄に恩恵が及ぶとみられている。 通信インフラを手掛ける米イートン株は5月、上場来高値を更新した。夏場に弱含んだものの足元で昨年末比2割近く高い。「米国インフラ・ビルダー株式ファンド」に同社株を組み入れる大和アセットマネジメントの運用チームは「米国への生産回帰の恩恵を受ける」と投資理由を語る。トランプ前大統領の誕生を受けてファンドを設定した2017年1月以来、リターンは3倍を超える。 BNYインベストメンツの「米国製造業株式ファンド」では工場の自動化に貢献する企業に注目。産業用機械の米インガソール・ランドや電気・電子製品の米ハッベルを組み入れる。いずれも株価は昨年末比1割強上昇している。ファンドマネージャーのモンティ・コリ氏は「米国回帰が自動化設備や生産を最適化するソフトウエア、電力供給を支える企業に利益をもたらす」と話す。6月末までの3年間の年率リターンは21.5%だ。 物流関連の銘柄も物色されている。フェデックスや鉄道・トラックなどの手段を組み合わせ輸送を請け負うXPOは昨年末比1?2割高い。三井住友DSアセットマネジメントの青木英之シニアファンドマネジャーは「中国からベトナムやカンボジアを経て米国に輸出する経路に変えたり、米小売り大手が中国からの輸入を減らしたりするケースが増えている」と話す。東南アジアでコンテナ路線を担う海運会社やメキシコで物流センターを手掛ける企業に注目する。 日本企業にも恩恵がある。「中国企業からの低圧インバーターの受注が計画を上回っている」。富士電機の鉄谷裕司インダストリー事業本部長は説明する。モーターの回転速度を制御する装置で工場設備に欠かせない。中国の繊維企業などが米国への輸出を目的に生産拠点を東南アジアへ移していることが背景にあるようだ。 「半導体業界の日米での投資拡大が追い風だ」と説明するのが荏原。室内のクリーン度を高めるドライ真空ポンプや半導体ウエハーの表面を研磨するCMP装置を手掛ける。TSMCが工場を設けた熊本県内で24年中にCMP装置の新たな生産棟を稼働させ、生産能力を5割増やす。 ファナックや安川電機は米国事業強化に動く。ファナックは7月、米子会社を通じミシガン州にロボットの保管や営業・サービスを担う拠点を新設。1億1000万ドル(約150億円)を投じた。安川電機は今後数年で300億円規模を投じ、現地工場の新設を検討している。 もっとも安川電の株価は昨年末比23%安に沈む。「中国事業の息切れ感が株価に反映されている」(みずほリサーチ&テクノロジーズの月岡直樹主任エコノミスト)との指摘がある。2024/09/09 07:41:21101.名無しさんrspHj8月5日とは別の顔 ブラックマンデー呼ぶマネー大移動(永井洋一)2024/09/09 08:11 日経速報ニュース 再び月曜日の株暴落「ブラックマンデー」への警戒が強まっているが、注意が必要だ。米景気の悲観論が支配した8月5日とは相場の顔つきが異なる。 8月の米雇用統計は失業率が低下し、米景気の底堅さを示す内容だったが、前週末の米国市場は株安・債券高(金利低下)が加速した。 市場関係者は先行き不安からの「景気後退トレード」と解説するがやや無理がある。実情は米連邦準備理事会(FRB)に0.5%の大幅利下げを求める市場の圧力、いわゆる「催促相場」だ。 なぜなら、いまの米国のクレジット市場に異変はみられず、金融ショックの火種は膨らんでいない。米国が深刻な景気後退に陥るという新たなシグナルもない。 例えば金利の先安観が強まると売られることから景気後退や金融危機の接近を知らせる「炭鉱のカナリア」とされる「バンクローン(信用力の低い企業向けの有担保の変動金利型銀行融資)」債権が6日の米国市場ではほとんど売られなかった。 8月の米サプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数は市場予想を上回った。ISM製造業指数も予想をわずかに下回ったとはいえ、7月からは改善した。企業の景況感はボトムアウトしつつある。 それにもかかわらず株式から債券への資金シフトが進むのだからタチが悪い。米大統領選を控え、不確実性が高まる前に投資家が「運用資金を高い固定金利商品に移し、予定利回りを固めてしまおう」という動機が働いているからだ。 例えば米S&P500種株価指数の予想配当利回りは1.43%に対し、米10年物国債の利回りは低下したとはいえ3.7%もある。 象徴的なのが米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の投資判断だ。同氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが保有する米短期国債は2024年6月30日時点で2346億ドル(約33兆円)。23年12月末時点と比べ81%増加した。一方、株式は19%減の2848億ドル。いずれ株式と債券の保有額が逆転する可能性がある。 欧米より利上げが遅れた日銀はグローバルリスクマネーの「供給源」だった。日本株や米エヌビディアを筆頭とする米半導体株、暗号資産(仮想通貨)ビットコインなど様々なリスク資産にお金が流れ込んだが、7月31日の追加利上げ決定以降、「円キャリートレード」は逆回転を起こした。 米国の在庫が減少しているにもかかわらず下げ止まらない原油相場もその一つだ。 米ブルームバーグ通信によれば、高金利を背景にヘッジファンドなどは原油市場から国債などで運用する利回り5%台のMMF(マネー・マーケット・ファンド)に最大1000億ドル相当の資金をシフトした。安全なMMFの利回りに対抗するには原油投資で15%の利回りが必要だという。 当然だが、こうした事例は原油にとどまらない。米投資信託協会(ICI)によればMMFの残高は9月4日時点で6.3兆㌦。1カ月で2%近く増加し過去最高を更新した。いまやMMFは待機資金ではなく滞留資金だ。 米景気の先行きが不透明ななか、米国の固定金利が高いままではリスク資産投資は採算が合わない。金利商品への駆け込み需要が止まり、リスク資産に再びマネーが戻るには大幅な利下げが必要だが、米景気が底堅いうちはFRBも1回に0.5%の利下げには踏み込まないだろう。 もちろん、株安が自己実現的に米国を深刻な景気後退に陥れる可能性はある。 だが、当面起こりうる株価暴落の原因は、確定利回りとリスク資産の投資収益率を天秤にかける投資家心理に内在する。だとすれば、利下げ観測を弱める米国のそこそこ強い経済データこそ、株式投資家には大敵ではないか。2024/09/09 08:17:17102.名無しさんrspHj株、大幅続落し二番底・ケイ・アセットの平野氏 今が買い場か2024/09/09 08:20 日経速報ニュース 平野憲一・ケイ・アセット代表 9日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落しそうだ。下値のめどは3万5100円を見込む。6日発表の8月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想を下回った。米景気後退懸念が強まり、日本市場でも売りが膨らみそうだ。前週末には外国為替市場で円相場が1ドル=141円台に上昇する場面もあり、円高・ドル安への警戒も広がっている。輸出関連株への売りも相場を押し下げるだろう。 ただ、8月の米雇用統計の市場の受け止めは悲観的すぎるだろう。雇用者数こそ予想を下回ったものの、失業率は市場予想通りの結果となり、4.2%と7月の4.3%から低下し、5カ月ぶりに改善した。また、平均時給は前月比の上昇率が0.4%と、市場予想(0.3%)以上だった。米ブルームバーグ通信によると、イエレン米財務長官は米経済についてソフトランディング(軟着陸)を達成したとの見方を示したという。市場が警戒するよりも米景気は急減速していないと考えている。きょうの日経平均は大幅に下落し二番底となる可能性が高いが、売り一巡後は買いも入り回復が見込めるとみており、今が絶好の「買い場」になるかもしれない。2024/09/09 08:33:58103.名無しさんrspHj国内投資家の外債買い最大 8月、円高や米利下げ観測で2024/09/09 19:30 日経速報ニュース 財務省が9日発表した対外・対内証券投資で、8月の国内投資家の海外中長期債の買越額は7兆3370億円と過去最大となった。8月に一時1ドル=141円台まで円高が進み、保有資産全体に占める外国債券の比率が低下。年金などのリバランス(資産配分の調整)を目的とした買いが膨らんだ。 投資家別に見ると、中心的な買い手は年金と銀行だった。年金などから受託した資産を運用する信託銀行(信託勘定)が2兆8069億円と、2020年11月以来の買越額となった。銀行等(銀行勘定)の買越額は2兆6574億円だった。一方、生命保険会社は5381億円の売り越しだった。 全体では大幅な買い越しとなり、統計がある05年以降でこれまで最大の買越額だった16年7月の5兆4494億円を上回った。 背景には、外国為替市場で急速に進んだ円高がある。米景気減速に対する警戒感から米連邦準備理事会(FRB)の大幅な利下げ観測が台頭。8月1日に一時1ドル=150円台に下落していた円相場は5日に一時141円台まで上昇した。 JPモルガン証券の山脇貴史債券調査部長は「円急騰を受け、年金などが資産全体に占める保有割合が下がった外国債券を買い増したのではないか」と話す。 信託銀行(信託勘定)は主に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の動向を映す。GPIFが運用の基準とする外国債券の指数は8月に約1.3%下落した一方、金利が低下(債券価格は上昇)した国内債券は約1.2%上昇した。国内債券から外国債券に資金を移す動きがあったとみられる。 GPIFが投資に回す資金の増加も影響した。財政資金対民間収支によると、主に国庫からGPIFへの資金流入などを反映する「預託金」が8月は約2.7兆円と18年以降で最大となった。野村証券の桑原真樹シニア金利ストラテジストは「ニューマネー増加も大幅な外債への資金流入につながった可能性がある」と指摘する。 米利下げ観測の高まりも外債買いを後押しした。三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「今後の米利下げで米国債価格が上昇するとの見方が広がり、銀行などが外債買いに動いた可能性がある」とみる。 国内勢の外債買い拡大は、外為市場では円安・ドル高圧力として意識される。8月末には一時1ドル=146円台で推移するなど、141円台から5円程度反落した。「年金などによる外債の大幅買い越しは、円高を抑える要因となった」(バークレイズ証券の門田真一郎為替債券調査部長)との見方が多い。 今後については「年金の外債買いはリバランスが一巡すれば落ち着く。銀行は世界的に景気悪化懸念が高まれば増やすだろうが、8月のような大幅買い越しが続くとは考えにくい」(山脇氏)との声があがっている。 24年初めには、日銀の利上げによって国内金利に上昇圧力がかかり、国内勢が外債投資から円債に回帰するとの観測が一部で出ていた。円債については「金利水準は低いが、買えない状況ではない」(太陽生命保険の清友美貴常務執行役員)との声もあがる。 ただ、日銀の高田創審議委員が5日、追加利上げを示唆するなど、金利先高観は根強い。現時点では「国内投資家は積極的には買いづらい」(SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジスト)状況だ。【関連記事】・リバランスとは 組み入れ比率を調整、急落時の支えにも・円需給の「綱引き」に変化 企業の資金還流、円高要因に2024/09/09 19:42:06104.名無しさんZ4Imc3メガ系証券、富裕層囲い込みへ 三菱UFJはプロ人材2倍2024/09/11 05:00 日経速報ニュース 3メガバンクグループの証券会社がウェルスマネジメント(富裕層ビジネス)の営業人員の育成や増員を進めている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は社内で「プロ」と認定する社員を3年で2倍にするほか、みずほ証券は資産30億円以上の顧客を専門に担当する社員を今夏に2割増やした。ネット証券が手数料無料化に踏み切るなか、対面サービスで富裕層の囲い込みを図る。 ウェルスマネジメントは各社によって定義が異なるが、顧客に営業員が担当としてつき、取引の受注だけでなく顧客の資産全体を勘案した資産の運用や管理について助言などを行う。最低投資金額の大きいプライベートアセット(未公開資産)など広く一般には販売しない商品を扱う場合もある。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券は2026年度までに、現在約400人の「プロ人材」を2倍にする。ファイナンシャルプランナー(CFP)など専門資格の取得や一定の成果などを要件としており、社内教育などを強化する。プロ人材は1人あたり平均年2億円程度の収益を稼いでいるという。 三菱モルガンではおおむね総資産3億円以上の顧客に対面営業の担当者がつく。一人あたり平均100世帯前後を担当している。プロ人材は現段階で全営業員の4分の1程度だが、3年間で比率を半分まで引き上げる。 米モルガン・スタンレーのノウハウなどを生かし、年に顧客に何回会うべきかなどの営業手法を体系化したマニュアルを今年4月に作成した。 みずほ証券は資産30億円以上の超富裕層を担当するプライベートバンキング(PB)の部署の人員を東京の本社と大阪あわせて約10人増やして60人強にした。従来は支店で担当していた首都圏や近畿圏の顧客の担当を24年度中に東阪の拠点に集約する。 支店ではこれまで、一人の営業員が通常の顧客とPBの顧客の両方を担当していたが、東阪の拠点にはPBの専門部署がある。PBは寄付先の提案など通常の顧客とは違うスキルも必要のため、専門部隊に集約することでノウハウを蓄積させる。通常の営業員は一人が200人程度を担当するが、PBは40?50世帯だ。 富裕層は企業の経営者やオーナーである場合が多く、事業承継やM&A(合併・買収)、新規株式公開(IPO)などで投資銀行部門などと連携する場合が多い。本社に担当者を集約させることで、投資銀行部門との連携がとりやすくなる。 三菱モルガンも今春、ウェルスマネジメント部門と投資銀行部門などを結ぶ専門組織を本格稼働させた。同様の組織は米モルガン・スタンレーなどにもある。2024/09/11 06:06:46105.名無しさんZ4Imc SMBC日興証券と三井住友銀行は25年入社の新卒採用から、ウェルスマネジメント関連業務にあたる人材の一括採用を始めた。預金や融資、遺言信託などを取り扱う銀行と、証券会社の両面の視点で人材を育てる。大都市圏にPBの専門部署を置いているほか、22年には横浜や神戸などの支店にも新設。地方を開拓している。 個別株の販売やプライベート資産など富裕層から人気の高い運用商品の販売は証券会社が中心となる。三井住友FGはグループの富裕層ビジネスの中核を証券会社が担うとしており、司令塔となる持ち株会社の統括本部長にもSMBC日興出身者が就いた。 日本証券業協会などによれば、国内の上位1割の世帯が全体の4割程度の金融資産を持つ。米欧ほどではないが、国内でも富裕層が多くの資産を持っており、投資助言などのニーズが高く、金融機関としては収益源になりうる。 スイスのUBSの予測によると、日本のミリオネア(資産100万ドル=約1億4000万円以上の富裕層)は28年に23年比28%増の362万人になる。「ウェルスマネジメントは今後伸びると全員がわかっている市場」(メガバンク首脳)のため、各社が力を入れている。 野村ホールディングス(HD)や大和証券グループ本社は既にウェルスマネジメントを成長戦略の中核に位置づけている。野村証券は全国の個人担当者の大部分を富裕層担当にした。大和証券Gは経常利益に占めるウェルスマネジメントの割合を現在の35%から45%に高める。 野村や大和、SMBC日興は米ブラックストーンなどのプライベートエクイティ(PE)商品の販売にも力を入れる。SMBC日興は投資に関する知見のある顧客向けにローン担保証券(CLO)の公募商品の販売も始めた。 証券各社が富裕層ビジネスに力を入れるのは、一般向けのビジネスでネット証券が手数料無料化に踏み切るなど競争が激しくなっているためだ。 三菱モルガンでウェルスマネジメントの企画を所管する伊藤英十常務執行役員はプロ人材を増やす目的について「商品・サービスはコモディティー化が進むため、手数料だけで考えるとネット証券に流れる。競争力の源泉はアドバイスによる付加価値しかなく、徹底的に強化する」と話す。2024/09/11 06:07:55106.名無しさんZ4Imc円相場、140円台に一段高 株安やトランプ・トレード解消で2024/09/11 13:44 日経速報ニュース 11日午後の外国為替市場で、円相場が上げ幅を拡大した。13時すぎに140円90銭近辺と約8カ月ぶりの高値をつけた。日経平均株価が下げ幅を広げ、投資家がリスクを取りにくくなったのが円買い・ドル売りを誘っている。8月上旬につけた141円台後半の水準を超えたことで損失覚悟(ストップロス)の円買い・ドル売りも入りやすくなっているようだ。 11月の米大統領選でトランプ前大統領が再選されるとの思惑から形成されていた「トランプ・トレード」の持ち高解消が進んだとの見方も出ている。日本時間11日午前に開催された米大統領選候補者のテレビ討論会で、民主党候補のハリス副大統領がトランプ氏より優位にたったとの受け止めが浮上しているためだ。トランプ氏の財政拡張策を見込んだ米債売りやドルの買い持ち高を整理する動きがあるという。 日銀の追加利上げ観測を背景にした円買いも根強い。日銀の中川順子審議委員は11日、秋田県の金融経済懇談会で経済・物価見通しが実現していくようなら「緩和度合いを調整していくことになる」などと発言していた。2024/09/11 13:51:33107.名無しさんbdBdt金融業サービスで海外支払い拡大 国際収支の赤字要因に2024/09/13 02:00 日経速報ニュース 金融業のサービスに関連した国際収支の赤字幅が拡大している。国内の保険会社が海外に支払う再保険料などが膨らみ、2024年上半期(1?6月)の支出額はこの5年で2.7倍に増えた。受取額は1.3倍にとどまり、収支の赤字は1兆円を超えた。 デジタルサービスの海外への支払いによる「デジタル赤字」と同様に、金融分野でも国内事業者の国際競争力をどう高めていくかが課題といえる。 日本と海外との経済的なやりとりを集計する国際収支統計のなかで、モノやサービスのやりとりに関する収支の赤字が続いている。 サービス収支のなかで、「保険・年金サービス」と「金融サービス」を合算して金融業に関するサービス収支をはじき出すと、1?6月は海外に2兆3645億円を支払い、受け取りは1兆1502億円だった。差し引きの収支は1兆2143億円の赤字となった。赤字幅は1年前から6割増えた。 赤字の増加が目立つのが、再保険料や貨物保険料、損害保険料などを計上した「保険・年金サービス」で1?6月は1兆5276億円の赤字だった。海外への支払額が5年で4倍に増えたことで、赤字額は5年前の3008億円からおよそ5倍に増加した。 財務省や日銀によると、日本の保険会社が海外の再保険会社に支払うお金が増えている。再保険は保険会社が顧客との契約で引き受けたリスクの一部を、他の保険会社に肩代わりしてもらうものだ。 投資商品としての性格を持つ個人向けの変額保険の売り上げが国内で伸びていることなどが背景にある。「貯蓄から投資へ」の機運の高まりもあり、資産運用の需要が大きくなっている。 日本の保険会社は海外の再保険会社と契約することで、リスク分散を図るケースが増えているという。 多様な金融商品の売り上げ拡大は国内金融業の成長につながり、消費者にもメリットがある。ただ、海外の金融サービスの依存度の高まりは、国内事業者の競争力の弱さを反映している部分がある。 日銀の分析によると、米国や英国はデジタル分野と共に、金融の分野でも海外から一定の受け取りがあり、サービス収支の黒字につながっている。内閣府が保険・年金分野の国際的な優位性を分析したところ、日本は米英やドイツ、フランスを下回った。 学習院大学の清水順子教授は「日本の金融機関は主に日本の企業や個人を対象に様々なサービスを展開しているが、欧米の金融機関と比較すると海外で通用するサービス展開が少ないのではないか」と指摘する。その上で「それが金融収支のバランスの悪さにつながっている」と話す。金融業の国際競争力における課題が結果的にサービス収支の赤字に現れている可能性がある。 日本と海外との経済的なやりとりを集計する国際収支統計によると、全体の経常収支は1?6月で計12兆6817億円の黒字だった。日本企業の海外展開などで投資による利益を確保した。 モノやサービスのやりとりに関する収支をみると、1?6月は貿易収支が2.6兆円、サービス収支が1.7兆円、それぞれ赤字だった。 サービス収支を詳しく見ると、新型コロナウイルスの流行が落ち着いてきたことでインバウンドが好調に推移し、旅行関連は収支が黒字方向に進んでいる。1?6月の黒字額は2兆5939億円となり、前年同期の1.6倍になった。 他方で、海外のクラウドサービスやネット広告への支払いが膨らみ、デジタル関連は収支が3兆1092億円の赤字と前年同期と比べて1割増えた。【関連記事】・7月サービス収支、2カ月連続赤字 デジタル赤字が拡大・カード業界、訪日客増で赤字1.5倍に 「二重料率」も2024/09/13 03:14:14108.名無しさんbdBdt海外勢の日本株売越額が今年最大 9月1週、8235億円2024/09/12 21:58 日経速報ニュース 東京証券取引所が12日発表した投資部門別売買動向(東京・名古屋2市場)によると、海外投資家は9月第1週(2?6日)に現物株を8235億円売り越した。売却額が購入額を上回るのは3週連続で、売越額は2023年9月以来およそ1年ぶりの大きさだった。 この週の日経平均株価は週間で2256円(6%)下げた。製造業景況感や雇用関連の弱い経済指標を受けて米景気の減速懸念が再び強まった。米国の利下げ幅拡大観測による円高進行で、業績の先行き懸念も広がった。 海外投資家の売買代金差額を4月から累計すると5310億円の売り越しで、24年度に入って初めて売り越しに転じた。野村証券の須田吉貴クロスアセット・ストラテジストは「円高や日銀の利上げなど日本固有のネガティブ要素が懸念され、海外投資家の間で日本株を積極的に買い上げる高揚感はない」と話す。 年金基金など機関投資家は株価の上下で保有比率が変動すると、減った資産を買い増し、増えた資産を売ることで元の比率に戻るよう調整する。「円高進行でドル換算の日本株の資産価値が上がり、機関投資家のリバランス(資産配分の調整)売りが出た」(GCIアセット・マネジメントの池田隆政シニア・ポートフォリオ・マネジャー)との指摘もあった。 個人投資家は現物株を5週ぶりに買い越した。買越額は4672億円だった。相場の流れに逆らう「逆張り」の押し目買いが優勢だった。企業による自社株買いが高水準で続いており、事業法人は3544億円買い越した。年金基金の動向を映すとされる信託銀行は7週連続の買い越しで、買越額は1500億円だった。【関連記事】・日経平均1213円高 「8連敗」阻止したNVIDIA・「海外勢、急落後も日本株期待は不変」 BofA幹部2024/09/13 03:20:10109.名無しさんoTkiA止まらぬ円高・株安スパイラル 「9月株安」これからか-日経QUICKニュース 張間正義2024/09/13 17:05 日経速報ニュース 海外投資家による日本株への売り圧力が強まっている。日経平均株価が7月11日に史上最高値(4万2224円)を付けた翌週にあたる7月第3週(16?19日)以降、海外勢の売越額は現物と株価指数先物の合計で5兆1000億円に達した。その主因として円高・ドル安の進行を挙げる声は多い。欧米中銀が利下げを模索しているのに対し、日銀は利上げを継続する方針とあって、円高と株安が同時進行しやすい状況は当面続きそうだ。 13日の日経平均は反落し、前日比251円安の3万6581円で終えた。 欧州中央銀行(ECB)は12日、2会合ぶりとなる0.25%の利下げを発表した。米連邦準備理事会(FRB)が17?18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)でも、利下げはほぼ確実視されている。外国為替市場で一時1ドル=140円台半ばまで円高が進み年初来高値を更新したのと歩調をあわせて、トヨタ自動車やキヤノンといった輸出関連株に売りが膨らみ、日経平均も一段安となった。 東京証券取引所によると、海外勢は9月第1週(2?6日)に現物株を8235億円売り越した。1週間の売越額としては今年最大だ。2日の取引時間中に日経平均は一時、3万9000円台に乗せるなど8月急落後の戻りを試していた局面にあたる。 そこで日本株買いに動いた海外勢もいる。個別株の買いと空売りを組み合わせる「ロング・ショート(LS)」戦略の運用担当者は「このタイミングでロングバイアス(買い持ち高を増やす)を強めたLS戦略の投資家は多かった」と話す。 23年4月以降の日経平均の価格帯別に集計した累積売買高では、上方向では3万8000?3万9000円、下方向では3万2000?3万3000円が膨らんでいる。ショート(売り)は貸株料がかかるため、普段からLS戦略は買い持ちの比重が高い。3万9000円を上回れば売り圧力が和らぐとの見方から先高観を強め、さらに買い持ちを増やしたファンドもあったもようだ。 だが、その後の日経平均は米株安や円高につられて3日から11日までの7営業日続落で3000円あまり下げた。 米調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が算出するLS戦略の運用成績を示す「株式ロング・ショート指数」は9月第1週にマイナス1.2%。週間では今年2番目の悪い記録で、LS戦略のパフォーマンスが急激に悪化したことがうかがえる。ヘッジファンドの運用スタイルで多いとされるLS戦略の成績悪化は、今後も尾を引く可能性がある。 海外勢は円高への警戒感を強めている。モルガン・スタンレーMUFG証券の中沢翔ストラテジストは今月に欧州を訪問した。現地投資家とのミーティングでは、日銀のタカ派姿勢と米経済の減速懸念で、さらなる円高進行を警戒する声が多く聞かれたという。 日銀の利上げ継続の思惑がしばらく続きそうななか、日米の金融政策の方向性の違いなどに起因するボラティリティー(変動率)の高まりから、日本株は当面、レンジ相場とみる投資家が多かったと指摘した。 みずほ証券は9月第1週に機関投資家向けの日本株セミナーを開催した。同証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは「想定以上に円高を懸念している海外勢が多かった」と話す。日銀の利上げ継続とFRBの年内数回の利下げは市場に織り込まれているとして、菊地氏は年内の円相場について1ドル=140?150円で推移するとの見解を示したところ、130円台を見込む海外勢がそれなりにいたという。「円買い・株価指数先物売り」によって、短期的には日本株の一段安を見込む向きもあったようだ。 市場では「8月の急落後に割安感が強まった日本株には、長期志向の海外勢が買いを入れた」(外資系証券のストラテジスト)との声も聞かれる。ただ、7月第3週以降に5兆円あまり売り越したというデータをみる限り、海外勢が再び日本株への強気姿勢を強めているような気配は乏しい。 9月相場は後半に警戒――。米国株の特別清算指数(SQ)算出に当たる第3金曜日以降、日米株は過去3年連続で9月は月末にかけ、大幅な下落に見舞われている。決算発表の1カ月前から自社株買いを自粛する米企業が多いことも一因のようだ。 今年も9月後半に大幅な調整が入るとすれば、円高加速も重なり海外勢の慎重姿勢は一段と強まりかねない。もちろん、9月末にかけての下押し局面が買い場とみてエントリーしてくる投資家もいるだろう。投資家の運用の巧拙が明暗を大きく分けそうな局面に差し掛かっている。【関連記事】・日経平均、米景気・為替が増幅 想定次第で9000円の差・ECB追加利下げ決定、10月は示唆せず 総裁「データ次第」2024/09/14 01:41:53110.名無しさんoTkiA株、「円高で売り」が一段と鮮明に 海外勢は史上最高値後の売越額5兆円2024/09/13 16:28 日経速報ニュース 海外投資家による日本株への売り圧力が強まっている。日経平均株価が7月11日に史上最高値(4万2224円)を付けた翌週にあたる7月第3週(16?19日)以降、海外勢の売越額は現物と株価指数先物の合計で5兆1000億円に達した。その主因として円高・ドル安の進行を挙げる声は多い。欧米中銀が利下げを模索しているのに対し、日銀は利上げを継続する方針とあって、円高と株安が同時進行しやすい状況は当面続きそうだ。 13日午前の日経平均は反落し、前日比326円(0.89%)安の3万6507円で終えた。欧州中央銀行(ECB)は12日、2会合ぶりとなる0.25%の利下げを発表した。米連邦準備理事会(FRB)が17?18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)でも、利下げはほぼ確実視されている。外国為替市場で一時1ドル=140円台後半まで円高が進んだのと歩調をあわせてトヨタ自動車やキヤノンといった輸出関連株に売りが膨らみ、日経平均も一段安となった。 東京証券取引所によると海外勢は9月第1週(2?6日)に現物株を8235億円売り越した。1週間の売越額としては今年最大だ。2日の取引時間中に日経平均は一時、3万9000円台に乗せるなど8月急落後の戻りを試していた局面にあたる。個別株の買いと空売りを組み合わせる「ロング・ショート(LS)」戦略の運用担当者は「このタイミングでロングバイアス(買い持ち高を増やす)を強めたLS戦略の投資家は多かった」と話す。 23年4月以降の日経平均の価格帯別に集計した累積売買高では、上方向では3万8000?3万9000円、下方向では3万2000?3万3000円が膨らんでいる。ショート(売り)は貸株料がかかるため、普段からLS戦略は買い持ちの比重が高い。3万9000円を上回れば売り圧力が和らぐとの見方から先高観を強め、さらに買い持ちを増やしたファンドもあったもようだ。だが、その後の日経平均は米株安や円高につられて3日から11日までの7日続落で3000円あまり下げた。 米調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が算出するLS戦略の運用成績を示す「株式ロング・ショート指数」は9月第1週にマイナス1.2%。週間では今年2番目の悪い記録で、LS戦略のパフォーマンスが急激に悪化したことがうかがえる。ヘッジファンドの運用スタイルで多いとされるLS戦略の成績悪化は、今後も尾を引く可能性がある。 海外勢は円高への警戒感を強めている。モルガン・スタンレーMUFG証券の中沢翔ストラテジストは今月に欧州を訪問した。現地投資家とのミーティングでは日銀のタカ派姿勢と米経済の減速懸念で大半の投資家は今後、さらなる円高進行を警戒する声が聞かれたという。日銀の利上げ継続の思惑はしばらく続きそうななか、日米の金融政策の方向性の違いなどに起因するボラティリティー(変動率)の高まりから、日本株は当面、レンジ相場とみる投資家が多かったと指摘した。 みずほ証券は9月第1週に機関投資家向けの日本株セミナーを開催した。同証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは「想定以上に円高を懸念している海外勢が多かった」と話す。日銀の利上げ継続とFRBの年内数回の利下げは市場に織り込まれているとして、菊地氏は年内の円相場について1ドル=140?150円で推移するとの見解を示したところ、130円台を見込む海外勢がそれなりにいたという。「円買い・株価指数先物売り」によって、短期的には日本株の一段安を見込む向きもあったようだ。 市場では「8月の急落後に割安感が強まった日本株には、長期志向の海外勢が買いを入れた」(外資系証券のストラテジスト)との声も聞かれる。ただ、7月第3週以降に5兆円あまり売り越したというデータをみる限り、海外勢が再び日本株への強気姿勢を強めているような気配は乏しい。 9月相場は後半に警戒――。米国株のSQ(特別清算指数)算出に当たる第3金曜日以降、日米株は過去3年連続で9月は月末にかけ、大幅な下落に見舞われている。決算発表の1カ月前から自社株買いを自粛する米企業が多いことも一因のようだ。今年も9月後半に大幅な調整が入るとすれば、円高加速も重なり海外勢の慎重姿勢は一段と強まりかねない。もちろん、9月末にかけての下押し局面が買い場とみてエントリーしてくる投資家もいるだろう。投資家の運用の巧拙が明暗を大きく分けそうな局面に差し掛かっている。2024/09/14 01:48:18111.名無しさんaA0H0銀行株の息切れが映す「迷い」 利上げ恩恵、確信持てず-篠崎健太2024/09/15 17:00 日経速報ニュース 8月上旬の歴史的急落から1カ月あまり、日本株相場の戻りは鈍い。買いの息切れを象徴するのが銀行株だ。日銀が利上げに踏み出すなかその恩恵を享受する本命株の停滞は、日本経済が前向きな経済環境で成長を持続できるのか確信しきれない投資家の迷いを映す。 業種別日経平均株価「銀行」は7月末から9月13日にかけて17%下げた。下落率は原油安が重荷の「鉱業」(18%)に次ぐ全36業種中2位で、日経平均(6%)の3倍近くとさえない。 個別株をみても、ほぼ全社が簿価ベースの「解散価値」を下回る。東証プライム上場の68社のうち、PBR(株価純資産倍率)が1倍を上回るのは楽天銀行とセブン銀行のみ。大手行では三菱UFJフィナンシャル・グループが3月、三井住友フィナンシャルグループが7月にそれぞれ久々に1倍を回復したが、8月の波乱相場を経て0.8倍前後に沈んだ。 「2026年度までの見通し期間の後半には少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが必要だ」。日銀の田村直樹審議委員は9月12日の講演で段階的な利上げが適当との認識を示した。今月は他の2委員も今後の緩和修正を見据えた発言をした。 賃金と物価上昇の好循環のもと金利が上がる好調な経済では、貸出金や利ざやの拡大で銀行の収益も増えていく。みずほリサーチ&テクノロジーズの試算によると、26年10?12月期に政策金利が2.75%まで高まる力強いシナリオでは、30年度の邦銀全体の経常利益は16兆円弱と22年度実績の約4倍になる。 金融緩和策の修正が始まったのに銀行株はなぜさえないのか。大きく3つの懐疑が浮かぶ。まず本当に日本経済の足腰が強くなるなかで政策金利が上がっていくかだ。 ありあけキャピタルの田中克典代表は「0.5%までは上がると思うが、その先も上がると自信を持って言える人は少ないのではないか」とみる。「邦銀の資産の平均残存期間は3?5年ほどで、0.5%であっても長く維持できれば収益は向上していく」と指摘。PBR1倍割れがあふれる状況は、0.5%すら保てる確信が市場にまだ乏しい表れだと解釈する。 ゴールドマン・サックス証券で銀行担当アナリストを長く務めた田中氏は、20年に地銀へ重点投資する同社を設立した。銀行株の将来には前向きだが、期待で買われる局面は一巡し、実際の変革で結果を出す段階に入ったと冷静に見つめる。2024/09/16 06:11:57112.名無しさんaA0H0 第2の懐疑は、仮に日銀の利上げが進んだ場合の収益効果だ。 預金といった短期のお金を長期の投融資で運用する銀行の稼ぎは長短金利差が左右する。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは今年の最高が1.1%で、5月以降に3回はね返された。最後は日銀が0.25%へ利上げする前週の7月25日につけ、直近は0.8%台まで低下(債券価格は上昇)している。0.3%台で底堅い2年債との金利差は縮んできた。 なぜ長期金利は上がらないのか。米国の金利低下の余波に加え、国内投資家の円債需要の根強さも指摘されている。 例えばゆうちょ銀行。待機資金と位置づける日銀当座預金などの預け金は6月末時点で59兆円積み上がり、国債の44兆円を上回る。金利上昇を好機ととらえて段階的に国債に振り向ける「円金利ポートフォリオの再構築」を進めている。 岡三証券の田村晋一シニアアナリストは「円債で長めの金利が取れればいいという投資家は多く、待機資金は全体で200兆?300兆円規模と推察される。長期金利は今後2年は1.5%に達しないのではないか」と言う。日銀が短期の政策金利を上げても長い年限にはさほど響かず、銀行に期待ほど追い風にならない可能性を挙げる。 第3の懐疑はコストに向く。あるメガバンク幹部は「これからは預金が大事。マイナス金利下で『集めるな』と言われてきた業界にパラダイムシフトが起きている」と吐露する。政策金利が前回0.5%まで上昇した06?07年と違うのはネット銀行の台頭だ。店舗網を持たない低コストを武器に、一部は大手行を上回る預金金利を出している。 黙っていても預金が集まるデフレの時代は終わり、伝統的な銀行にはコスト増の影が忍び寄る。「インフレ下では人件費も賃料も高まり経費率の制御が重要だ。真の意味で競争が始まり経営力が問われる」(ありあけキャピタルの田中氏) 英運用会社ベイリー・ギフォードのベテラン日本株担当者、ドナルド・ファーカソン氏は「利上げは銀行の利益率回復に追い風だがコモディティー化している産業で楽観できない。長期で自己資本利益率(ROE)をどれほど高められるか確信が持てない」と語る。 銀行は23年春以降の日本株高を引っ張ってきた代表業種で、東証株価指数(TOPIX)に占める時価総額比率は21年初めの4%台を底に持ち直してきた。脱デフレ、株主還元強化や持ち合い解消など日本株全体にも通じる手掛かりは「織り込み済み」との見方が広がる。 日銀の利上げは円高や利払い負担の増加を通じて広範な銘柄の逆風になり、数少ない恩恵銘柄として期待されるのが銀行株だ。その銀行株も振るわない現状は日本株の足踏みが長引く可能性を示唆している。【関連記事】・銀行融資の7月平均金利、7カ月連続上昇 変動型中心に・地銀、預金重視で店舗戦略見直し 肥後銀は18年ぶり出店2024/09/16 06:13:23113.名無しさんHd6AC大手銀、会員向け金利優遇 富裕層囲い込み 三菱UFJは外貨預金で2倍 三井住友信託は上乗せ幅20倍2024/09/19 日本経済新聞 朝刊 大手銀行は、スポーツクラブの優待など自行の会員制サービスに加入する顧客の金利優遇を始める。三菱UFJ銀行は10月に外貨の定期預金の優遇サービスを始め、円定期預金の優遇サービスも設ける。三井住友信託銀行は円普通預金の優遇幅を20倍にする。日本が金利ある世界に回帰するなか、預金の金利優遇で顧客の裾野を広げ、資産運用の提案などにつなげる。 大手行は2016年のマイナス金利導入後、一定の金融資産を持つ会員向けサービスを縮小、撤廃してきた。定期預金の金利を優遇していた三菱UFJ銀の「クオリティ・ライフ・クラブ」は17年3月末で提供を終了。他の大手行でもサービスを取りやめた例がある。マイナス金利で預金を獲得すれば損失が生じるリスクがあったためだ。 一足先に金利ある世界になった海外では、金融機関がウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)事業の入り口として、預金残高などをもとに手数料や金利の優遇を実施して顧客を広げている。米シティグループが手数料の優遇などで強みを持つ。日本も金利ある世界で、富裕層の入り口に立つ顧客などを取り込めるかが邦銀の中長期的な競争力を左右する。 三菱UFJ銀行が金利を優遇するのは、富裕層や準富裕層などを対象にする会員制サービス「エクセレント倶楽部(クラブ)」に加入している顧客の預金だ。入会金や年会費は無料で現在約3万人が参加している。百貨店の高島屋での買い物やスポーツクラブの会費などで優待を実施する。金利上昇に伴う顧客の獲得競争を見据え本格的なサービス拡大に転換する。 10月から設定する外貨預金の優遇金利は米ドルの1カ月で20%程度とする。一般の顧客に向けた金利の2倍近くとなる。円預金でも会員限定の金利優遇キャンペーンを実施し、継続も視野に入れる。 参加できる会員の裾野も広げる。これまで投資信託など資産運用残高(預金除く)で1000万円以上だった入会基準を、預金を含む預かり資産が3000万円以上であれば入会を認める。退職金などを受け取った高齢者らが入会資格を満たせるため、有資格者が大きく広がるという。中長期的に足元の10倍に及ぶ30万人規模まで会員数を増やす。 三井住友信託銀行は、取引残高に応じて利用できる「トラストプレミアムサービス」の顧客の金利優遇を拡大する。普通預金でこれまでの0.001%から0.02%に引き上げ、定期預金も2年以上で0.05%とこれまでより2.5~5倍ほど高い水準の上乗せにする。同サービスの金利優遇幅の拡大は12年に三井住友信託銀が発足して以降初めて。 サービスは定期預金を含む取引残高が300万円以上の顧客が利用でき、金利優遇は1000万円以上から提供する。三井住友信託は富裕層の囲い込みを見据え、23年にサービスを刷新し喫茶店「コメダ珈琲店」の飲み物のサイズを大きくできるなど、生活関連サービスの優遇を導入してきた。今後年4回の会員限定イベント開催などを予定する。 三井住友銀行は投信など運用商品と同時に申し込むことで定期預金の金利を優遇するサービスを拡充した。退職金や相続資金などを対象に2%の金利を適用する3カ月物の定期預金の上限額を、保有する運用商品の3倍(従来は同額)に増やした。みずほ銀行も会員制サービスの刷新を予定する。2024/09/19 06:37:05114.名無しさんHd6AC先月の株急落時、NISA利用者「買い」優勢 日証協が調査2024/09/19 日本経済新聞 朝刊 日本証券業協会は18日、8月初旬の株式相場の急落時に少額投資非課税制度(NISA)利用者がとった売買行動に関する調査を発表した。日経平均株価が過去最大の下落幅(4451円安)となった8月5日は、株の買い付け額が売却額のおよそ2倍になった。同2日と同6日を含めた計3営業日でみると、2.3倍だった。 ネットと対面の証券10社に8月2~6日の売買動向を聞き取りし、9社から回答を得た。5日は合計の買い付け額が881億円だったのに対し、売却額は450億円だった。3営業日の合計では買い付け額が1948億円、売却額が862億円だった。 投資信託も買いが優勢だった。3営業日合計では買い付け額が2145億円だった一方、売却額は459億円だった。2024/09/19 06:38:33115.名無しさん7Q6Sc国内株式市場見通し:米国株高と円高一服を材料に75MAを意識した展開か15:30 配信フィスコ ■円高進行一服し3日続伸、38000円台手前まで上昇今週の日経平均は週間で1142.15円高(+3.12%)の37723.91円と上昇。4営業日立ち合いのなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の米国株が買われたことで、日本株も買い優勢の展開となった。東京市場が祝日の16日に、為替は1ドル139円50銭台と円高ドル安が加速したが、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げ実施観測を市場が織り込み、米10年債利回りの低下が一服。17日こそ円高加速に伴う日本株売りで日経平均は35000円台まで下落したが、円高進行一服に伴い下げ幅をじりじりと縮小。FOMCでは想定通り0.50%の大幅利下げを実施したが、パウエルFRB議長は「(利下げを)急がない」姿勢を記者会見で示したことから、為替は1ドル144円手前まで円安ドル高が加速。FOMC通過後の米国株も強く、NYダウが史上最高値を更新したことなどから、日本株は主力株を中心に買われる展開となり、日経平均は週末にかけて3日続伸。一時38000円台手前まで上昇した。なお、9月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1兆5337億円売り越し、TOPIX先物を4196億円買い越し、225先物を488億円買い越したことから、合計1兆653億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を2152億円買い越すなど合計で2117億円買い越し。なお、自己は現物を8974億円買い越したほか、事業法人も3026億円買い越した。■植田日銀総裁は「年内の追加利上げ」は明言せず週末のランチタイムに発表された日本銀行による金融政策決定会合の結果は市場想定通りの「金融政策の現状維持」となった。そして、15時30分から行われた植田和男日銀総裁による記者会見では、「金融資本市場は、引き続き不安定な状況にある」「円安に伴う輸入物価の上振れリスクは相応に減少」「内外の市場動向だけではなく、海外経済の状況を丁寧に確認」「来年の春闘でもしっかりした賃上げが続くと期待」「追加利上げに、特定のタイムラインやスケジュール感など予断持っていない」などと発言。「データがオントラックであれば利上げということに変わりない」と8月に行われた閉会中審査と同様「タカ派」的な発言は見られたが、「7月利上げに際して、市場とのコミュニケーションに対する批判は認識している」といった話も出るなど、7月会見より丁寧に回答する姿を受けて、市場の緊張感は緩和。年内の追加利上げに関する明言がなかったことなどから、追加の利上げ観測が後退し、記者会見後の為替は一時1ドル144円40銭台まで円安ドル高が進行した。2024/09/21 17:34:13116.名無しさん7Q6Sc■25MA、200MAを上回る展開に20日の米国市場はまちまち。ダウ平均は前日比38.17ドル高(+0.09%)の42063.36ドル、ナスダックは同65.66ポイント安(-0.36%)の17948.32、S&P500は同11.09ポイント安(-0.19%)の5702.55で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値比440円高の37970円で取引を終えた。週末の上昇を受けて、日経平均は25日移動平均線(37447円)と200日移動平均線(37621円)を終値ベースで上回った。7月下旬から続いていた日本株の乱高下は徐々に落ち着きを取り戻しつつある。来週末には自民党総裁選の結果が判明し、次の日本の顔が誕生する予定だ。9名の候補者が乱立する異例の総裁選となっているが、政策への期待感などを材料に日本株買いが強まる可能性はあろう。また、26日が配当・優待権利取り最終売買日でもあることから、個人投資家がNISA口座を通じて買いを入れるケースも想定できる。配当落ちに絡んだ225先物、TOPIX先物買い需要が合計1.3兆円ほど予想されていることなどから、翌週の日本株はしっかりの展開が期待できよう。為替も円安に振れていることから、輸出関連株の買いなども受けて、日経平均は75日移動平均線(38298円)水準の突破が意識されそうだ。■27日に米PCEデフレータ発表来週にかけて、国内では、25日に8月企業向けサービス価格指数、27日に9月東京消費者物価指数、7月景気動向指数(確報値)などが予定されている。海外では、23日にNZ・8月貿易収支、仏・9月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、独・9月製造業PMI(速報値)、サービス米・9月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、コンポジットPMI(速報値)、24日に豪・中銀政策金利、米・7月S&Pケースシラー住宅価格(20都市)、9月コンファレンスボード消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数、25日に豪・8月消費者物価指数、米・8月新築住宅販売件数、週次原油在庫、26日に米・第2四半期実質GDP(確報値)、週次新規失業保険申請件数、8月耐久財受注(速報値)、中古住宅販売成約指数、27日にユーロ・9月景況感指数、米・8月卸売在庫(速報値)、PCEデフレータ、9月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)などが予定されている。2024/09/21 17:35:30117.名無しさんtqeq5大手銀行4行、住宅ローン変動金利を0・15%引き上げ…17年ぶり・優遇幅拡大の動きもhttps://www.yomiuri.co.jp/economy/20240930-OYT1T50144/ 大手銀行4行は30日、日本銀行の追加利上げに伴い、新規契約者の変動型住宅ローンの基準金利を10月から0・15%引き上げると発表した。大半のローン契約者にとっては負担が増えることになる。ただ、新規契約者の獲得に影響が出ないよう、金利の優遇幅を拡大する動きもある。 変動型金利を上げるのは三菱UFJ、三井住友、三井住友信託、りそなの計4行。いずれも引き上げは17年ぶりとなる。みずほ銀行は据え置いた。 各行とも9月初旬、変動型金利を左右する「短期プライムレート」を、日銀が7月末に決めた政策金利の上げ幅と同じ0・15%分引き上げた。これを基準金利に反映した。既存のローン契約者の変動金利は5行全てで0・15%分上がり、12月以降の返済から順次適用される。 各行は借り手の信用度に応じ、基準金利からの割引にあたる金利の優遇幅を決めており、最終的に負担する金利はこの差で決まる。最も低い金利で借りられるケース(最優遇金利)は三井住友、三井住友信託、りそなの3行で0・15%引き上げる。 一方、三菱UFJは基準金利とともに新規契約者への金利優遇幅も0・15%分拡大する。これに伴い、最優遇金利を0・345%で据え置く。攻勢を強めるインターネット銀行に対抗する狙いがある。基準金利を据え置いたみずほも、最優遇金利は0・375%のままとする。2024/10/01 05:16:22118.名無しさんtqeq5大手5行、住宅ローン変動型基準金利0.15%上げ 17年ぶり 顧客獲得へ「優遇」競う2024/10/01 日本経済新聞 朝刊 大手銀行5行は9月30日、変動型の住宅ローンの基準金利を引き上げると発表した。既存の顧客は支払う返済総額が増える一方、新規で借り入れる住宅購入者に適用する最優遇金利は、三菱UFJ銀行が据え置くなど戦略の違いも出ている。一部のネット銀行も顧客獲得へ低金利を続けており、競争はなお激しい。 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行の大手5行は日銀の追加利上げに伴い短期プライムレート(短プラ)を9月に0.15%上げた。 住宅ローンの基準金利は短プラに連動して設定しており、10月から0.15%高い2.625%にする。基準金利の引き上げは17年ぶりとなる。 ただ、新規で借り入れる人に適用する「優遇金利」では各行で戦略がわかれた。 三菱UFJ銀は基準金利が上がる分を優遇幅で抑える形で、最優遇金利を0.345%に据え置いた。最優遇金利は各行の住宅ローン商品の看板となるもので、競争力のある金利を提供し、新規顧客の獲得につなげる狙いがある。 既存契約の基準金利を引き上げたみずほは、新規で借り入れる顧客の基準金利を25年に見直すため10月の最優遇の金利を変えなかった。 一方で三井住友、三井住友信託、りそなの3行は最優遇金利も基準金利と同じように0.15%引き上げる。ある幹部は「金利は上げるが団体信用生命保険を手厚くするなどして住宅ローンの価値を高めていく」と話す。 住宅ローンへの依存度が高いネット銀行も金利を抑えて新規顧客を減らすのを回避しようとしている。 最優遇金利を0.42%にしているSBI新生銀行は住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」経由での申し込みを対象に業界最低水準となる金利を提示する取り組みを始める。SBI新生銀は「他行との差別化を図る」として金利上昇の機を捉えて契約増を狙う。 auじぶん銀行は基準金利を0.25%上げるが、最優遇金利は上昇幅を0.15%に抑えて0.479%にする。 消費者の間では低い金利のローンを探る動きが活発になっている。「モゲチェック」を運営するMFSによると、9月の借り換えなどの相談は8月に比べて2.3倍に増えた。 「いい条件の銀行を探している」。メガバンクで35年の住宅ローンを変動金利で借りている東京都新宿区の女性会社員(34)は、借り換えを検討している一人だ。 これまでは「手数料がかかる繰り上げ返済はしたことがない。金利の低いネット銀行を候補として考えている」といい、今後の金利上昇をにらんで各銀行のウェブサイトを確認している。 既に借り入れている既存顧客は、一定期間が経過した後の2025年1月などの返済分から改定後の金利になる。ただ大手行などは金利が変動した場合でも返済額が5年間変わらない「5年ルール」を適用している。このため毎月の負担額の増加は限定的とみられる。 月々の返済額が変わらなくても、返済額のうち利息分が増えて元金の減少ペースは落ちる。このため繰り上げ返済や、より低金利の銀行への借り換えなどをしなければ、完済までに支払う総額は増える可能性が高い。 MFSによると、基準金利が0.15%上がることで、元本3500万円を35年ローンで新規で借り入れる場合、毎月の返済額は2300円程度増える。 日銀の統計によると、国内銀行の住宅ローンの新規実行額は4~6月期に4兆1527億円と前年同期に比べ16.6%増えた。6月末の融資残高も148兆円と増加が続く。建築資材の高騰で物件価格も上昇していることが一因とみられる。 住宅ローン金利は変動型と、長期金利に連動する固定型に分かれる。直近では住宅購入者の8割近くが変動型を選ぶとされる。今回、変動型が上がっても固定型との金利差はなお大きい。 変動型の人気は当面続くとみられるが、日銀が今後も追加利上げを続けていけば、変動型で借りている契約者の負担感はさらに増すことになる。2024/10/01 06:42:37119.名無しさんtqeq5海外勢、日本株買い再開の実態 新政権の政策は二の次2024/10/01 11:50 日経速報ニュース 昨日、本欄に「海外勢、そろり日本株買い再開」と書いたが、まずは上々の滑り出しと、彼らはほくそえんでいる。「新内閣の政策も定まらない段階で株価が急落したら、とりあえず安値を拾う」。これが、彼らの定石だ。仮に続落すれば買い増す。反騰すれば買いを加速させる。「高市トレードの巻き戻しのおかげで、株式銘柄のバーゲン会場のごとき様相となった」と語る。総じて新政権の政策には興味を示さない。政治的不透明感が強まる時期こそ、短期投機筋にとっては草刈り場になるからだ。「難しいのは利益確定の時期だ」と語る。「何か政治的異変があれば、深夜でも構わないからたたき起こしてくれ」と頼まれた。新規買いの賞味期限も、1週間から、せいぜい1カ月と割り切っている。 これがいわゆる「短期海外勢による日本株買い」の実態だ。じっくり政策を吟味して動く中長期運用のファンドとは一線を画す。 大手のファンドと並び独立系のファンドの数が多く、売買も多様化していることが、ニューヨーク市場の特徴と言えよう。 結局、説明できない相場は傍観する傾向が強い日本市場で、売買の7割前後を外国勢が占める結果になるのだ。解説者が多く、リスクテイカーが少ない日本市場。結局は、民族のDNAでリスク耐性が決まるようだ。豊島逸夫(としま・いつお)豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)・X(旧ツイッター)@jefftoshima・YouTube豊島逸夫チャンネル・業務窓口は[email protected]【関連記事】海外勢、そろり日本株買い再開2024/10/01 12:26:01120.名無しさんN0AjL円相場、148円台に下落 1カ月半ぶり 米雇用統計が予想上回る2024/10/04 22:11 日経速報ニュース 【NQNロンドン=蔭山道子】4日午後のロンドン外国為替市場で円が対ドルで1ドル=148円台半ばに下落する場面があった。148円台を付けるのは8月中旬以来、約1カ月半ぶりとなる。4日発表の9月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者の前月比増加数が25万4000人と市場予想(15万人程度)を大幅に上回った。米長期金利の上昇とともに、円やユーロなどに対してドル買いが強まった。失業率は9月が4.1%と8月の4.2%から小幅に改善した。 4日の米債券市場では長期金利が一時、3.97%と8月上旬以来の高水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利下げに動くとの観測が後退し、債券に売りが出た。 米ダウ工業株30種平均の先物は上昇している。「Eミニ・ダウ先物」の12月物は4万2536ドルまで買われ、3日の清算値を219ドル上回る場面があった。2024/10/04 23:06:27121.名無しさんFdRhb資産運用立国、国内大手に重責 運用力・統治底上げ急ぐ2024/10/07 04:00 日経速報ニュース 石破茂首相は岸田文雄前政権が掲げた資産運用立国構想を引き継ぐ方針だ。現金の価値が高まったデフレ時代と異なり、インフレが定着すれば、個人はお金を運用に回さなければ資産が目減りしてしまう。政府の旗振りなどを受けて国内の大手運用会社は運用力やガバナンスの向上を急ぐが、課題も多い。 「資産運用立国の政策を引き継ぎ発展させていく」。石破首相は1日の就任記者会見でこう強調した。岸田政権の下で「資産運用ビジネス高度化」の計画を公表した大手金融グループは、引き続き改革を求められることになる。 最大の焦点は運用能力の向上だ。三菱アセット・ブレインズが集計した運用会社別の運用リターンランキング(10年、8月時点、上場投資信託=ETF=を除く公募株式投信)によると、首位のアライアンス・バーンスタインはじめトップ10には外資や独立系などがならび、大手運用会社は入らなかった。 「ファンドマネジャーの能力は決して海外に劣っていない」と大手運用会社の首脳が色をなすように、個別で見ればパフォーマンスの高い投信もある。ただ、全体として見れば成績の悪いファンドが足を引っ張り、パフォーマンスの悪化につながっているのが現状だ。ファンド数が多ければそれだけ管理コストの増加にもつながる。 日本のファンド本数は22年時点で1万4000本と米国より4割も多い。一方、1ファンドあたりの運用資産は20分の1だ。例えば90年近く続くファンドも抱えるアクティブ特化の米キャピタル・グループは運用本数が40本に過ぎず、少ない投信を大切に育ててきた。一方、日本では大手金融グループ内で「格上」の証券など販売会社が収益を稼ぐために、売りやすい投信を運用会社が次々開発してきた歴史があったという指摘がある。 運用会社や販売会社はこうした「負の歴史」の払拭を急いでいる。野村アセットマネジメントは700本ある投信を30年までに半減させる方針を掲げる。成績や信託報酬水準を勘案し、繰り上げ償還などで絞り込む。大和アセットマネジメントなどほかの運用会社も削減に動いており、8月時点で国内運用中の公募投信は5836本と、15年以来の少なさとなった。 商品がコストに見合うリターンを提供できているか検証する「プロダクトガバナンス」も各社が力を入れている。三菱UFJアセットマネジメントは8月、プロダクトガバナンスに関する社外取締役主体の諮問会議を設けた。大和アセットマネジメントも23年から同様の取り組みを進めている。 販売会社からの独立性を担保するために社外取締役を入れて、上場会社並みのガバナンス体制を構築する流れは大手運用会社全体にある。三井住友トラスト・アセットマネジメントは6月、社外取締役を過半数にした。日興アセットマネジメントも過半数だ。りそなアセットマネジメントは社長のサクセッションプラン(後継者育成計画)を開示している。2024/10/07 06:26:07122.名無しさんFdRhb 国内運用会社は海外資産の運用の多くを海外の運用機関に委託している。海外運用会社に支払う「委託調査費」は、大手7社の合計で24年3月期に前の期比15%増加した。売上高などの伸びを上回っている。自社での運用力を高められなければ、世界的な株高の恩恵は限られる。 野村アセットは海外での運用体制を強化してグローバルで自社運用ができるようにしているほか、23年春からは運用者の人事評価を厳格化。競合との運用パフォーマンスの違いなどで評価するほか、運用者の成果が上がらなければ担当から外れてもらうなど競争を促す仕組みを導入した。 1月に始まった新たな少額投資非課税制度(NISA)の後押しもあって運用会社の資産は一様に増加傾向だが、明暗もある。投資信託協会が公表する運用会社別の公募投信残高で、最も躍進したのは三菱UFJアセットだ。23年末時点では4位だったが、新NISA開始後に日興アセットと大和アセットを抜いて野村アセットに次ぐ2位に躍り出た。 全世界型の「オルカン」など最低コストをうたうインデックスシリーズ「eMAXIS Slim」に人気が集中した。投信協会によれば、ETFを除く公募株式投信の純資産残高に占めるインデックス型の割合は8月時点で33.7%。23年末の29.2%から上昇し、過去10年で初めて30%を超えた。 ただ、三菱UFJアセットの横川直社長が「インデックスはブランド力があるが、もう少しアクティブが強くなっても良い」と話すように、インデックス頼みでは限界がある。新NISAで国内大手が支持されるようになるには、アクティブでパフォーマンスを見せつける必要がある。 「運用業界を銀行・保険・証券と並ぶ第4の柱に」。運用立国構想で金融機関や金融庁が目指す姿だ。実現は一朝一夕には行かず、不断の努力が求められる。2024/10/07 06:26:56123.名無しさんOfhxm石破首相、金融所得課税強化の検討は考えていない-国会で説明https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-07/SKZ3FHT0AFB400?srnd=cojp-v22024/10/08 02:47:41124.名無しさんOfhxm金融所得課税の強化、現時点では具体的な検討考えず=石破首相[東京 7日 ロイター] - 石破茂首相は7日の衆院代表質問で、金融所得課税の強化について「現時点で、具体的に検討することは考えていない」と述べた。立憲民主党の吉田晴美議員への答弁。法人税率の引き上げについては、これまで与党税制調査会で検討されてきたとした上で、「何が効果的かとの観点から議論される」と期待感を示した。防衛費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げるための財源としての増税を行うかどうかとの質問には、必要な税制措置は今後、与党税調や政府で緊密に連携し適切に判断すると述べた。このほか、立民の野田佳彦代表らの質問に対して、持論のアジア版北大西洋条約機構(NATO)創設は「一朝一夕で実現すると思わない」と述べ、長期的な目標とする考えを示した。 政党から議員個人に渡す政策活動費に関し「将来的な廃止も念頭にあり方の検討や透明性の確保に取り組む」と話した。 「エネルギーコストを含めた物価対策について、状況を丁寧に見極め今後経済対策で議論する」とも述べ、10月末以降順次打ち切り予定のエネルギー補助金について延長の可能性を示唆した。2024/10/08 05:26:06125.名無しさんOfhxm中小の後継者難、大手行が承継支援 取引拡大狙う みずほ、1万6000社に重点 三井住友は専門部隊を増強2024/10/08 日本経済新聞 朝刊 大手銀行が次世代に事業や資産を引き継ぐ「承継ビジネス」を通じて取引の幅を広げようとしている。みずほフィナンシャルグループ(FG)は事業承継のニーズのある約1万6000社を積極支援できるよう体制を整えた。有用な技術を持つ中堅・中小企業が後継者難で倒産するのを防ぐ。 みずほFGは事業承継を重点領域に位置付けている。傘下のみずほ銀行の全取引先のうち事業承継の可能性のある企業が上場・非上場あわせて1万6000社あるとみて、支援に乗り出した。 特に力を入れるのがオーナー企業の経営者らだ。法人と個人の両方からアプローチしやすいことが背景にある。 相続や資産運用、株式の承継、不動産の見直し、M&A(合併・買収)、MBO(経営陣が参加する買収)ファイナンスなど幅広い取引につながる可能性がある。 みずほFGは顧客の同意を前提にグループの信託銀行や証券会社との連携を強め、それぞれの機能を生かした多面的な提案に力を入れる。 銀行と信託は計100人規模のコンサルティング部隊を持ち、財務・法務・会計の豊富なノウハウや知見がある。特にみずほ信託銀行は承継コンサルタントと呼ぶ200人の営業担当者がいる。 三井住友銀行は2023年度から、本部の承継アドバイザリー部で「僕の承継アカデミア(承アカ)」と題した1日研修に取り組んでいる。営業担当者の育成を目的に半期ごとに約100人が参加している。 営業担当者の承継スキルを3ランクで認定する「承継マエストロ」制度も創設し、年150人程度の認定を予定している。24年度中には本部の承継提案専門部隊の人員を1割増やす見込みだ。 三菱UFJFGは、4月にM&A戦略室を新設し、本部の専門人材を30人増員した。営業担当者向けの行内資格制度を設けるなど、質と量ともに高めようとしている。 承継ビジネスにあたる法人・ウェルスマネジメント事業本部によると、1~3年以内に事業承継の意向があるのに対策をしていない企業は約7000社にのぼるという。 こうした層へのアプローチを強め、事業承継関連の融資残高を26年度までの3年間で3000億円増の1兆円にする目標を掲げている。 りそな銀行も23年10月に2つの部署を統合して約200人体制の「承継ソリューション営業部」を新設した。 各社が承継ビジネスに力を入れる背景には超高齢化社会に突入する「2025年問題」がある。国民の5人に1人が75歳以上となり、事業の承継が円滑に進まずに廃業に陥る企業が増えると懸念されている。 特に中小の経営者は全体の約6割にあたる245万人程度が平均的な引退年齢の70歳以上になる。そのおよそ半分の127万人の後継者が未定で、さらにそのうち60万人には黒字廃業の可能性があるとみられている。 みずほFG幹部は「後継者は不在だが有用な技術やサービスを持つ中堅・中小企業は多い。国にとっても存続させていくことが重要だ」と話す。 具体的な需要が見込まれるのはM&Aを使い親族や従業員以外に事業を引き継ぐ第三者承継だ。 調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)によると、売上高1億円超の中小企業を対象とした国内M&Aの潜在市場規模は約13兆5000億円に上る。事業承継型のM&Aは22年の8万6174社から35年に9万5234社に増える見通しだ。 金融機関にとってはM&Aによる手数料収入や融資残高の増加だけでなく、相続、不動産の売買など法人・個人両面から幅広い収益機会につながる将来性のあるビジネスと捉えやすい。 足元では後継者不足の課題に対応し切れているとはいえず、帝国データバンクによると後継者不在を理由とする倒産件数は23年に564件と、過去最多を更新した。 雇用や技術の喪失を防ぎ、世代交代を進めて日本全体の成長につなげるためにも、顧客と長期の関係を構築し、様々な選択肢を提示できる金融機関の役割の重要さは増している。2024/10/08 06:20:09126.名無しさんOfhxm三井住友カードの総合金融アプリ、顧客と接点拡大 外部提携で家計簿や旅行予約2024/10/08 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の三井住友カードは、総合金融サービス「Olive(オリーブ)」の外部提携を増やす。マネーフォワードや海外企業と組み、家計簿、旅行予約などにサービスの幅を広げる。オリーブを多彩な機能を搭載するスーパーアプリに進化させ、顧客獲得に弾みを付ける。 三井住友カードの大西幸彦社長が日本経済新聞の取材でオリーブの戦略を語った。オリーブはクレジットカードなどの決済機能を中心に、銀行や証券といった複数のサービスをスマートフォンアプリ上で操作できる。 外部提携の柱がマネーフォワードとの提携だ。マネフォが個人事業を分離して設立する新会社に出資し、12月までに49%の株式を取得する。 サービスの融合を進め、オリーブに家計簿機能を取り入れる。大西氏は「マネフォの資産管理とオリーブを組み合わせればスーパーアプリができる」とみる。 カナダの大手旅行代理店と組んで25年に旅行予約サイトを立ち上げることも決めた。非金融事業との連携はオリーブ初の試みだ。利用者を相互に融通し合う構想を描く。大西氏は「ユニークでデジタルに強い事業者と組み、オリーブをアップデートしていく」と話す。 今後のオリーブのキーワードとして大西氏は、開かれた経済圏を意味する「オープン」を挙げる。自社グループだけで利用者を囲い込むのではなく、利便性の高いサービスとオリーブをつなぐ。 裾野が広がればオリーブを介した金融取引も増えていくとの考え方だ。 これまで本業で競合する他のメガバンクやクレジットカード会社との連携は進んでこなかった。 オリーブの利便性を上げるには「複数の金融機関との接続が課題」といい、銀行やカード、ふるさと納税仲介サイトまで約2500のサービスと連携するマネフォ経由で他の金融機関との連携を強める。 オリーブの機能拡張を狙い、三井住友銀行の口座から他行の口座にワンタッチで送金するサービスなどを想定している。 オリーブの口座数は24年7月に300万件を超えた。23年のサービス開始から5年で1200万件が目標だ。大西氏はさらなる上積みを目指す一方、収益性は「個別事業ではなくオリーブ全体で稼ぐ」と強調する。 カード事業を個別にみると加盟店管理などに莫大な費用がかかる。調達金利や人件費が上昇する中、高いポイントの付与、手数料の引き下げに頼った戦略は難しくなる。 グループを超えたオリーブ経済圏の拡大には提携先の開拓が欠かせない。大西氏は「サービスの中立性とユーザーの利便性のバランスには十分配慮する」と話し、三井住友の枠にとどまらない総合金融サービスに進化させたいとの考えを示した。2024/10/08 06:22:12127.名無しさんOfhxm三井住友銀、CCCとの新型店舗を最大40店に2024/10/08 日本経済新聞 朝刊 三井住友銀行はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携してつくる新型店舗「オリーブラウンジ」を30~40店舗に増やす方針だ。既存の店舗網の1割に相当する。300万人超の総合金融サービス「オリーブ」の利用者向けに特典を提供するなど、カフェなどを併設した店舗で顧客を開拓する。 オリーブラウンジは店内にカフェや有料の作業スペースを併設する。オリーブの会員は作業スペースを無償で利用できたり、決済代金が共通ポイント「Vポイント」で10%還元されたりといった特典を受けられる。 5月に東京都渋谷区に1号店を開き、10月7日に世田谷区の下高井戸駅前に2号店を開いた。都内の新宿、高円寺と都立大学駅前への出店を決めたほか、2025年3月には大阪市内の船場にも店舗を置く。 下高井戸の店舗ではオリーブ会員向けに駐輪場を無償で開放するなど、独自のサービスも用意する。これまで3店舗まで広げる方針を示していた。渋谷の1号店の来客が堅調だったことなどを背景に拡大を決めた。2024/10/08 06:23:28128.名無しさんOfhxm加藤財務相、金融所得課税強化「現時点で考えていない」 閣議後会見2024/10/08 09:48 日経速報ニュース 加藤勝信財務・金融相は8日午前の閣議後記者会見で、金融所得課税の強化について「現時点で考えていない」と述べた。「貯蓄から投資への流れを引き続き推進する必要があるという認識のなかで、少なくとも現時点ではそれをしっかりやるというのが優先的な順位だ」と説明した。2024/10/08 09:57:59129.名無しさんwmaFPOlive・マネフォ融合でスーパーアプリに 三井住友カード2024/10/08 02:00 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の三井住友カードは、総合金融サービス「Olive(オリーブ)」の外部提携を増やす。マネーフォワードや海外企業と組み、家計簿、旅行予約などにサービスの幅を広げる。オリーブを多彩な機能を搭載するスーパーアプリに進化させ、顧客獲得に弾みを付ける。 三井住友カード大西社長「Oliveアップデート」 三井住友カードの大西幸彦社長が日本経済新聞の取材でオリーブの戦略を語った。オリーブはクレジットカードなどの決済機能を中心に、銀行や証券といった複数のサービスをスマートフォンアプリ上で操作できる。 外部提携の柱がマネーフォワードとの提携だ。マネフォが個人事業を分離して設立する新会社に出資し、12月までに49%の株式を取得する。 出資を通じサービスの融合を進め、オリーブに家計簿機能を取り入れる。大西氏は「マネフォの資産管理とオリーブを組み合わせればスーパーアプリができる」とみる。 カナダの大手旅行代理店と組んで25年に旅行予約サイトを立ち上げることも決めた。非金融事業との連携はオリーブ初の試みとなる。 オリーブと予約サイトの利用者を相互に融通し合う構想を描く。大西氏は「ユニークでデジタルに強い事業者と組み、オリーブをアップデートしていく」と話す。 今後のオリーブのキーワードとして大西氏は、開かれた経済圏を意味する「オープン」を挙げる。自社グループだけで利用者を囲い込むのではなく、利便性の高いサービスとオリーブをつなぐ。裾野が広がればオリーブを介した金融取引も増えていくという考え方だ。 これまで本業で競合する他のメガバンクやクレジットカード会社との連携は進んでこなかった。オリーブの利便性を上げるには「複数の金融機関との接続が課題だった」(大西氏)という。 マネフォの家計簿アプリは銀行やカードから、ふるさと納税仲介サイトまで約2500のサービスと連携している。マネフォ経由で他の金融機関との連携を強め、オリーブの機能拡張を狙う。 三井住友銀行の口座から他行の口座にワンタッチで送金するサービスなどを想定している。 目標口座数1200万、さらなる上積み目指す オリーブの口座数は増え続けており、24年7月には300万件を突破した。23年のサービス開始から5年で1200万件を目標に掲げる。 大西氏はさらなる上積みを目指す一方、収益性については「個別事業ではなくオリーブ全体で稼ぐ」と強調する。 カード事業を個別にみると加盟店管理などに莫大な費用がかかる。調達金利や人件費が上昇する中、高いポイントの付与、手数料の引き下げに頼った戦略は難しくなる。 グループを超えたオリーブ経済圏の拡大には提携先の開拓が欠かせない。大西氏は「サービスの中立性とユーザーの利便性のバランスには十分配慮する」と話し、三井住友の枠にとどまらない総合金融サービスに進化させる考えを示した。【関連記事】・マネフォ、三井住友カードと個人向け新会社 Olive連携・マネフォ、祖業の家計簿「単独では限界」 Oliveに活路・コピペで「バフェット投資」 スマホ完結で若者も気軽に2024/10/09 06:08:26130.名無しさんCmJoR自社株買い、23年度の2倍ペース 海外勢の売り吸収2024/10/10 17:20 日経速報ニュース 上場企業の自社株買いが海外投資家の売りを吸収し、日本株相場が上昇している。4月以降に設定された自社株取得枠は10兆円を超え、過去最大だった2023年度を早くも上回った。企業の資本効率改善への意識向上の表れだが、もう一段の株高には成長につながる攻めの投資も欠かせない。 10日の東京株式市場で日経平均株価の終値は前日比102円(0.3%)高の3万9380円と続伸した。日本株相場の押し上げ役になっているのが企業だ。 日本経済新聞社がこれから自社株買いを実施する分も含めた「取得枠」を上場廃止を含めた全上場企業を対象に調べたところ、24年4?9月は10兆6500億円と前年同期(5兆4800億円)の2倍ペースだった。社数ベースでも649社(重複除く)と23年4~9月の499社を上回る。 市場データも企業が有力な買い手になっていることを示す。東京証券取引所が同日発表した投資部門別売買動向によれば、4月第1週から10月第1週までに累計で4兆9600億円の買い越しとなり、年度を通じて過去最大だった22年度の9割超の水準に達した。同期間に個人も7500億円を買い越したが、海外勢は2兆2400億円の売り越しだった。 海外投資家は岸田文雄政権下でピーク時に4兆6000億円強を買い越したが、「政治とカネ」を巡る不透明感や、為替相場に揺さぶられる市場を前に持ち高を落とす動きが優勢だ。その売りを吸収しているのが企業による自社株買いという構図だ。 自社株買いは現状の株価が割安だと投資家に対してメッセージを発する「シグナリング効果」がある。そのため株価が大きく下がったり、PBR(株価純資産倍率)など投資指標が低下した局面で打ち出されることが多かった。 だが、資本効率を改善させる観点からPBRの高い企業にも広がり、日本株の上値を押し上げる主体に変化しつつある。例えばPBRが6倍台のリクルートホールディングス。同社最大となる6000億円の自社株買いを7月に発表した。手元資金から社債や借入金を除いたネットキャッシュが1兆円を超えており、圧縮して資本効率を向上させる。 PBRが1倍を超える三井物産は9月に自社株買い取得枠の上限を4000億円と、5月に発表した水準の2倍に引き上げた。コマツも手元資金が厚くなっており、8月までに約10年ぶりの自社株買いを実施した。 8月末時点で金融を除く東証株価指数(TOPIX)採用銘柄の自己資本比率は35%と5年前より4ポイント上昇した。企業業績は24年度も増益が続くと見込まれており、お金を積極的に設備投資や企業のM&A(合併・買収)などに投資しないと資本効率が悪化しかねない。 企業が株主から預かったお金を使い、どれだけ効率よく稼いだかを示す自己資本利益率(ROE、日経集計)は25年3月期に8.6%と4年ぶりに9%割れと頭うち感がでてきた。米国(20%前後)や欧州(14%前後)にも届かない。ニッセイ基礎研究所の森下千鶴研究員は「投資家の資本効率への目は厳しくなっている。成長に向けた投資をしないのならば還元への圧力が一段と強まる可能性がある」と話す。 シティグループ証券の松本圭太市場営業本部長は「企業経営者の野心的な施策がここに来て減速した感覚を持つ海外投資家は多い。日本株への関心は落ちている」と話す。足元では景気底打ち期待の強まる中国株に資金を移す動きも出ている。日経平均が7月11日につけた最高値(4万2224円)を更新できるかは、企業の成長投資への姿勢を評価する海外勢の買いが戻ってくるかにかかっている。【関連記事】・ブラックマンデー、令和と昭和の相似形 自社株買い加速・急落後の自社株買い相次ぐ ソフトバンクGは5000億円2024/10/11 04:53:02131.名無しさんCmJoR米バークシャーが円債2818億円 日本株追加投資に期待2024/10/11 02:00 日経速報ニュース 著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社、バークシャー・ハザウェイが10日、円建て社債の発行条件を決めた。発行総額は2818億円と2019年の初回債に次ぐ大型債となった。調達資金は日本株投資に振り向ける見通し。相場全体を押し上げる原動力になるとの期待が広がっている。 円建て債の起債は今年4月以来となる。3年債と5年債、7年債、10年債、20年債、28年債、30年債の7本立てで、23日に発行する。3年債が1554億円と最も発行額が多く、利率は1.031%だった。次いで多いのは5年債の580億円で利率は1.265%。当初発行予定だった15年債は取りやめ、28年債に切り替えた。投資家の需要を踏まえたという。 年間の合計発行額は5451億円となり、初めて発行した19年の4300億円を上回り過去最高になる。 バークシャーは今年2月に公表した恒例の「株主への手紙」で日本に言及するなか、「日本のポジションのほとんどを社債で調達してきた」と指摘している。今回の起債も日本株投資に充てるとの読み筋につながっている。 資金の振り向け先として真っ先に連想されるのが、バークシャーが保有している日本の5大商社株だ。 ただ、保有比率を引き上げたことに関する大量保有報告書や変更報告書は23年7月以降は提出されておらず、10日の5大商社株の終値もすべて1%高にとどまった。5大商社株の保有比率は最大で9.9%までと方針を示すなか、すでに約9%を保有しており、買い増しの余地は限定的だ。そのため別の銘柄に投資するとの思惑が目立つ。 バフェット氏が好む銘柄は一般に、自己資本利益率(ROE)が高く、借金がないかあっても低水準で、現金創出力に優れていることなどが条件とされる。 専門家の間で注目度が高いのは金融株だ。10日は三菱UFJフィナンシャル・グループやMS&ADインシュアランスグループホールディングスが2%高となった。業種別東証株価指数(TOPIX)で保険と銀行はともに1%高で、それぞれ上昇率の2位と3位となった。 「今年バンク・オブ・アメリカ株を大量に売ったかわりに、日本のメガバンクや地銀などが物色される可能性が高い」。和キャピタルの村松一之運用本部部長はこう分析する。ビジネスが安定していてキャッシュフローを生み出す点に着目する。マリン・ストラテジーズの香川睦シニアマーケットアナリストは「日銀の追加利上げが意識されるなか、利ざや拡大による収益拡大が見込める銀行株や損保株に買いが入りやすい」とみる。 大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは海運株に関心を寄せる。「市況に影響される事業をしていることや配当利回りが高いことが商社と似ており、バフェット氏が好む可能性がある」と話す。 バークシャーの22年と23年の年間起債額は3000億円以下だったが、24年は5000億円を上回った。楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジストは「バークシャーを含め、海外投資家が日本株を買う意欲は高いとの期待が膨らむ可能性がある」と指摘する。 バフェット氏は23年春に来日し、商社株5社の投資増を明らかにしたことが、その後の日本株の最高値を導くきっかけとなった。追加投資が実現するかについて注目度は高い。フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは「商社以外で大量保有報告書が出されれば、買われる銘柄の広がりが意識され、日本株全体での買い材料となるだろう」と期待感を示す。2024/10/11 04:56:53132.名無しさんy37eg株、過去最大級の日本売り・中国買い 景気刺激策で加速も2024/10/15 08:14 日経速報ニュース 中国の株式相場が回復の兆しを見せ始めて3週間がたった。この間、「日本株売り・中国株買い(日本株ロング・中国株ショートの解消)」の動きが過去最大規模で進んでいることを示すデータが相次ぐ。日本から中国への資金シフトが一段と加速した場合、日本株の上値を抑える要因となりそうだ。 9月24日ごろから始まった中国の上海・香港株式相場の上昇。中国人民銀行(中央銀行)の緩和的な政策姿勢や中国当局の不動産市場の支援策などを背景に、上海総合指数は9月13日に付けた直近安値(2704)から今月8日に付けた2年7カ月ぶりの高値(3489)までわずか3週間で3割も上昇した。 米ゴールドマン・サックスが週次でまとめる世界のミューチュアル・ファンド(投資信託)の資金動向では、9日までの1週間で中国本土株には391億ドルの資金が流入した。このうち90億ドル程度が中国外の投資家からで、「流入資金の大半は引き続き中国国内の投資家によるものだが、海外勢も急速に資産配分を増やし始めている」(ゴールドマンのイザベラ・ローゼンバーグ氏)という。9月後半からの3週間では611億ドルの資金流入が発生した。 海外マネーの出所はどこか。1つは日本株市場とみられる。9日までの1週間で日本株からは88億ドルの資金が流出した。中国株が本格的な戻りを見せ始めて以降、ゴールドマンの集計データで日本株からの資金流出が生じたのは初めてだ。フローデータを週次でまとめている米BofAでも結果はほぼ同じで、9日までの1週間では「中国株に過去最大規模の資金が流入した一方、日本株からは史上最大規模の資金流出が発生した」と説明する。 日本が祝日で休場だった14日の上海総合指数は前週末比2%高で終えた。ハンセン指数は0.7%安だったが、上昇に転じる場面もあった。中国の藍仏安財政相が12日の記者会見で「財政赤字の拡大余地はある」と大規模な財政出動を示唆。米メディアの調査では記者会見で約2兆元の財政出動が明らかになるとの予想が多かったのに対し、具体的な金額に言及はなかったが、市場は素直に好感した。 米エバコアISIのネオ・ワン氏はリポートで、「(景気刺激策の規模についての発言がなかったとしても)会見のトーンはかなり前向きで、当局者は何度か次回の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の開催に触れた」と好意的に受け止めている。 常務委員会は通常は2カ月に1度、偶数月の終わりに近い時期に開催される。10月下旬に開催が見込まれる次回の常務委員会まで、中国当局は国債増発を伴う景気刺激策をとってくるとの期待は残りやすい。このままいけば中国株への資金移動が続いてもおかしくはないだろう。 米モルガン・スタンレーの中国株チームは常務委員会で1?2兆元の補正予算が組まれ、金融緩和策も一段と強化されると予想する。新興国投資で知られる著名投資家マーク・モビアス氏は13日、米ブルームバーグ通信のインタビューで中国の景気刺激策によって新興国市場の株式相場が押し上げられると語った。中国当局は外国資本が戻ってくることを望んでおり、市場をさらに活性化しようとするため、投資家は中国に追加の資金を振り向ける必要があるとの見方を示した。 それでも、中国経済の先行き懸念は簡単には払拭されそうにない。13日発表の9月の消費者物価指数(CPI)は食品とエネルギーを除くコア指数が前年同月比0.1%の上昇と、上昇率は8月から鈍化した。14日発表の9月の貿易統計では輸出、輸入ともに市場予想を大きく下回った。政策期待をどうにかつなぎとめたい中国当局と、株式市場参加者の対話がうまく進まなければ、資金の流れはいつ逆回転してもおかしくはない。 中国経済の回復と株式相場の上昇は、日本経済と機械など中国関連銘柄に一定のプラスの影響となる。外国為替市場での円安進行もあり15日の日経平均株価は節目の4万円を上回る場面もありそうだ。だが、いくらリスクをとりやすい環境とはいっても、欧米などの投資家がアジアに振り向けられる資金の総額には限りがある。中国株の復調が続いた場合、日本株からの資金流出が継続する可能性が高まることになる。2024/10/15 08:24:20133.名無しさんy37eg日経平均、3カ月ぶり4万円台 欧米株高で「海外勢オンリー」の様相2024/10/15 12:39 日経速報ニュース 15日午前の東京株式市場で日経平均株価は前週末と比べ626円高い4万0232円と、取引時間中として約3カ月ぶりに4万円を上回った。各国中央銀行の緩和的な金融政策が景気を支えるとの期待から欧米株の最高値更新が続出するなか、海外投資家の余剰資金の流入が日本株を一方的に押し上げる構図が鮮明になっている。 米連邦準備理事会(FRB)が11月と12月に0.25%ずつ利下げをするという見方から米経済の先行きに改めて楽観的な見方が広がり、ダウ工業株30種平均は連日で最高値を更新。欧州中央銀行(ECB)は今週17日の理事会で2会合連続の利下げを決めると予想され、ドイツ株価指数(DAX)は14日に最高値を更新した。リスク許容度が一段と高まっている海外投資家の買いの勢いは強く、日経平均はさほどの抵抗もなくあっさり4万円台を回復した。 東京証券取引所の投資部門別株式売買動向によると海外投資家は10月第1週(9月30日?10月4日)に日本株を7週ぶりに買い越していた。足元の日経平均の上昇を踏まえると、前週も買いが継続している可能性が高い。 一方、個人投資家は「利益確定売りを先行させている」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)。個人の参加が多い新興市場では、東証グロース市場250指数が約1カ月ぶりの安値圏でのもみ合いとなっている。個人の投資余力はさほど高まっておらず、上昇が目立つ銘柄には売りを先行させる姿勢のようだ。東証株価指数(TOPIX)も11日は日経平均と逆に下げるなど相対的に上値が重い。 日経平均の構成銘柄のなかでも、一部の値がさ株に買いが集中して指数を押し上げる展開が目立つ。午前は米ハイテク株高を追い風に、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、アドバンテストの3銘柄で日経平均を合計で300円超押し上げた。海外短期筋とみられる株価指数先物への買いも途切れることなく入っている。 米ハイテク株高の象徴であるエヌビディアは、生成人工知能(AI)向けの半導体需要の拡大を見込んだアナリストの「評価引き上げ合戦」となっており、株価は最高値更新を視野に入れている。17日の台湾積体電路製造(TSMC)の7?9月期決算でAI半導体の需要に強気の見通しが示されれば、海外勢はさらに半導体関連への買いを加速させるかもしれない。 外国為替市場では円相場が1ドル=149円台後半まで下落している。これから発表が本格化する4?9月期の決算では、円高による輸出企業の業績下方修正リスクこそ和らいでいるものの、161円台まで円安が進んだ7月のように円安で輸出企業の収益がさらに積み上がる水準ではない。ここまで発表された3?8月期の小売企業の決算は、コスト高が重荷となって減益に沈む企業も目立つ。消費者の間では値上げ疲れも広がっている。 国内景気が上向いているとは言えない状況のなか、「海外勢オンリー」の買いで4万円台を回復した日経平均。それだけに、今後の上値余地や調整に転じるタイミングなども海外勢のさじ加減次第となりそうだ。2024/10/15 12:58:39134.名無しさんJsR4Z三井住友FG、生成AIを活用したサービス提供および業務効率化に向けOpenAIと契約を締結2024/10/15 17:20 日経速報ニュース【プレスリリース】発表日:2024年10月15日生成AIを活用したサービス提供および業務効率化に向けたOpenAIとの契約締結について 株式会社三井住友フィナンシャルグループ(執行役社長グループ CEO:中島 達、以下グループを総称して「SMBCグループ」)は、OpenAI,Inc(CEO:Sam Altman、以下「OpenAI」)と生成AI分野における契約を締結したことをお知らせします。 SMBCグループは、中長期に目指す姿である「最高の信頼を通じて、お客さま・社会とともに発展するグルーバルソリューションプロバイダー」の実現に向けて、SMBCグループ自身のデジタルトランスフォーメーション(DX)、さらにはデジタルを活用したお客さまへの付加価値提供に積極的に取り組んでまいりましたが、このたび、日本の大手金融機関として初めてOpenAIと契約を締結いたしました。 SMBCグループ内で活用している汎用型AIアシスタントツール「SMBC-GAI」では、2024年9月より「OpenAI API」の利用を既に開始しており、OpenAIの最新モデルの安定したパフォーマンスと高いキャパシティを通じた「SMBC-GAI」の精度向上や利用効果の最大化に取り組んでいます。 今後は生成AIを活用し、既存オペレーションの生産性向上だけでなく、AI活用を前提としたEnd to Endのデジタルビジネス・プロダクトの開発や顧客接点のAI化、さらには従業員の暗黙知や経験値を利活用した収益力の向上を通じて、中長期的なビジネスモデルの変革を推進してまいります。 今回の契約により、SMBCグループは生成AI技術を用いた革新的なサービスの活用を通じて、日本国内およびグローバルな金融業界の変革を推進するとともに、お客さまにこれまでにない付加価値を提供し、グローバルソリューションプロバイダーとしての地位をさらに強化してまいります。以上2024/10/16 07:08:29135.名無しさんJsR4Z話題の銘柄■商船三井<9104.T> 4854円 +80■成長投資から還元強化のフェーズに移行する可能性、東海東京が「Neutral」→「Outperform」、目標株価4700円→6000円 東海東京インテリジェンス・ラボが業績予想を修正。レーティングを「Neutral」から「Outperform」へ、目標株価を従来の4700円から6000円へ引き上げた。 同社の現中計(24年3月期~26年3月期)は株主還元以上に成長投資を重視し、財務体質の強化を図るフェーズ1に相当。フェーズ2(27年3月期~31年3月期)では同社が目指す財務KPIの達成状況を踏まえ、下限配当(現状は150円)を再設定し、株主還元を強化する見込み。当社はROE目標の達成は難しいが、健全な財務体質(ネットD/Eレシオ0.9~1.0倍など)は概ね達成可能で、潤沢な単体利益剰余金(24年3月期末で6772億円)もあるため、還元強化は可能と考える。具体的な還元策は見通しにくいが、当社は少なくとも26年3月期は(市場コンセンサスである)減配ではなく増配をすると予想している。 現状株価には、(1)10月以降の閑散期におけるコンテナ運賃の下落、(2)コンテナ船や自動車船の供給増加と運賃下落などによる26年3月期の大幅な経常減益の可能性が織り込まれている一方、同社が成長投資に重点を置くフェーズから株主還元の強化に重点を置くフェーズに入る可能性があることは十分に株価に織り込まれていないと判断する。 従来の目標株価は25年3月期予想BPS6355.5円に対して、PBR0.74倍を適用して算出していたが、今回の目標株価6000円は当社算出の株主資本コスト9.95%に25年3月期~27年3月期の3カ年平均予想ROE9.0%から導かれる妥当PBR0.90倍を25年3月期予想BPS6620.2円を乗じて算出した、と指摘。 2025年3月期連結経常利益を修正後会社計画3500億円(EPS924.3円)に対し従来予想2290億円(EPS532.6円)から3820億円(EPS954.8円)へと予想し、来2026年3月期同2170億円(EPS510.6円)から2125億円(EPS441.0円)へ修正し、新たに2027年3月期連結経常利益を2142億円(EPS419.7円)と予想している。2024/10/16 13:50:14136.名無しさんFuHdh米国株、ダウ反発し337ドル高 最高値更新 金融に買い ナスダックも反発2024/10/17 05:54 日経速報ニュース 【NQNニューヨーク=矢内純一】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。前日比337ドル28セント(0.78%)高の4万3077ドル70セントで終え、2日ぶりに最高値を更新した。前日に下げが目立った半導体株の一角が買い直され、投資家心理の支えとなった。市場予想を上回る決算を発表した金融株にも買いが広がった。 ダウ平均の構成銘柄ではないが、モルガン・スタンレーが6.4%高で終えた。朝発表の2024年7?9月期決算で売上高に相当する純営業収益と1株利益が市場予想を上回った。金融株に買いが波及し、ダウ平均の構成銘柄では、ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースが上昇した。 決算を発表した地銀の一角にも買いが入った。米国のインフレが落ち着く方向にあるなかで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げが経済を支えるとの見方は根強い。米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの観測から、一部の景気敏感株が上昇。中小型株にも物色が広がり、株価指数ラッセル2000は1.6%高で終えた。 前日に悪材料が重なって下げたエヌビディアやマイクロン・テクノロジーといった半導体株が上昇した。オランダの半導体製造装置大手、ASMLホールディングが15日に四半期決算の発表と同時に示した収益見通しが慎重だったものの、16日に開いた決算説明会では人工知能(AI)関連の需要に楽観的な見方を示した。市場では「半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)が17日に発表する決算で、需要の強さを改めて示すとの期待から買いが入った」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との指摘があった。 前日に急落したユナイテッドヘルス・グループが上昇し、ダウ平均を押し上げた。アナリストが投資判断を引き上げたシスコシステムズも高かった。半面、インテルが下落した。中国当局系団体が16日、国家の安全保障を脅かすとして審査を申し立てたと発表し、株価の重荷となった。アムジェンやメルクも売られた。 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比51.492ポイント(0.28%)高の1万8367.079で終えた。半導体株の一部が上昇したほか、テスラにも買いが入った。半面、アプライドマテリアルズなどの半導体製造装置株には売りが続いた。2024/10/17 06:03:26137.名無しさんoHA7R米銀大手7~9月決算 投資銀業務が復調 FRB利下げ追い風2024/10/18 日本経済新聞 朝刊 米連邦準備理事会(FRB)の利下げ転換が大手銀行の投資銀行ビジネスに追い風になっている。16日に出そろった米銀大手6社の2024年7~9月期決算では企業の活発な資金調達やM&A(合併・買収)の復調で投資銀の手数料収入が伸びた。 金利低下で融資業務の稼ぐ力には頭打ち感が出るなか、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待を支えに米銀の業績は底堅さをみせている。 大手6社の7~9月期の純利益は商業銀行業務の比重が大きいJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグループが前年同期比で減益だった。投資銀行業務が主体のモルガン・スタンレーは32%増益、ゴールドマン・サックスは45%増益だった。 最終減益になった4社も1株当たり利益(EPS)はいずれも市場予想を上回った。想定より好調だったのは企業の資金調達やM&Aなど資本市場を通じた活動を支援する投資銀行業務だ。 相対的に同業務の規模が小さいウェルズを除く大手5社の投資銀行業務の収益は合計で82億ドルと前年同期比30%増えた。モルガン・スタンレーが5割増、シティは4割増、JPモルガンは3割増で、バンカメとゴールドマンは2割増えた。 シティのマーク・メイソン最高財務責任者(CFO)は記者向けの決算説明会で「ここ数四半期、(M&A助言業務の)仕掛かり案件は堅調と説明してきたが、IT(情報技術)や資源、ヘルスケアなどの分野でディールが顕在化しつつある」と述べた。2024/10/18 06:10:50138.名無しさんBLUi6景気堅調、金融株が上昇 資金需要増で収益拡大 MSCI業種別指数、最高値を更新2024/10/25 日本経済新聞 朝刊 世界的な利下げが景気を下支えするとの見方から金融株が上昇している。企業の資金調達需要の拡大を追い風に融資残高や株式・債券の引受手数料が増え、業績が拡大するとの期待が高まっているからだ。中でも運用残高が膨らんでいる資産運用会社の上昇が目立つ。 グローバル株の代表的な運用指標であるMSCI全世界株指数(ACWI)の業種別指数「金融」は18日に196.599まで上昇し、2010年の算出開始以来の最高値をつけた。 23日時点では2023年末比21%高と、世界株全体の上昇率(18%高)を上回る。景気の底堅さが意識された9月ごろから騰勢を強め、世界株との差を広げた。米JPモルガン・チェースは31%高と上場来高値圏だ。 背景には景気の軟着陸期待がある。各国の債券市場では利回り曲線の傾きが急になるスティープ化(急勾配化)が進む。政策金利の引き下げで短期金利は低下しているが、長期金利は上昇傾向にある。 明治安田アセットマネジメントの福川勲シニア・リサーチ・アナリストは「市場の強気な経済見通しを映している」と指摘する。利回り曲線のスティープ化は銀行収益の追い風になる。 福川氏は「堅調な景気を背景に、企業の資金需要は底堅い。貸出金利は上昇するだろう。融資残高の増加も純金利収入を支える」と指摘。業績拡大は中長期的に続くとみる。 米ゴールドマン・サックス(34%高)や米モルガン・スタンレー(27%高)など投資銀行業が主体の金融株も堅調だ。世界的な景気回復・拡大で企業の資金調達やM&A(合併・買収)が増え収益が拡大するとの見方が背景にある。 「利下げサイクルの始まりが経済の軟着陸への楽観論を再び呼び起こし、経済活動の活性化を促すだろう」。ゴールドマンのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は15日の決算発表でこう説明した。債券や株の引受業務など手数料収入が伸び、24年7~9月期の純利益は前年同期比45%増となった。 モルガン・スタンレーのテッド・ピックCEOも16日の決算で「M&Aの復活に強気」と話し、業績拡大に自信を示す。 欧州の金融株にも米金融株高が波及している。欧州主要600社の株価指数であるストックス600が23日時点で23年末比8%高にとどまる中、ストックス600銀行指数は同22%高い。 仏資産運用大手アムンディのバリー・グラビン株式運用部門ヘッドは「欧州景気は来年にかけて回復していく」とみる。「企業の生産性向上に向けた投資加速を背景に、欧州金融大手の融資残高の伸びは続く」と話す。 より高いリターンを求める投資家のマネーを引き寄せているのがプライベートエクイティ(PE=未公開株)ファンドだ。投資運用大手では、米ブラックロックが22%高、米ブラックストーンが27%高、米KKRが67%高となっている。 ブラックストーンは17日の決算で、9月末時点の運用資産が前年同期比10%増の1.1兆ドルと過去最高になったと発表した。プライベートクレジット(ファンドによる融資)など融資実行額は前年同期比の3.1倍に膨らんだ。M&Aなど向けの企業の借り入れ需要が高まっている。 ブラックロックも11日の決算で、運用資産総額が11.5兆ドルと過去最高になったと発表した。上場投資信託(ETF)を中心に新規資金の流入が増え、7~9月期の機関投資家からの資金流入は前年同期の減少から一転、プラスに転じた。 欧州大手投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズの日本共同代表・赤池敦史氏は「運用ファンドの骨組みを支えるのは実体経済の成長だ」と強調する。 年金や大学基金などのファンド出資者がリスク資産への選好を強めるほど、未公開株など流動性の低いプライベート資産にも資金が集まり、資産管理報酬を得る運用会社の収益が拡大する。 米経済は大崩れしないとの前提が支える金融株高。大手が堅調な一方で、地銀株で構成するKBWナスダック地銀株指数は23日時点で23年末比6%高にとどまる。不動産融資比率が高い地銀株には不良債権処理の与信費用の増加などへの警戒感もくすぶる。期待先行で買われている側面もあるだけに、急激な株高の巻き戻しには注意が必要だ。2024/10/25 06:06:37139.名無しさんNnOZF日経平均一時700円高 衆院選「織り込み済み」で買い戻し2024/10/28 09:49 日経速報ニュース 28日の東京株式市場で、日経平均株価は一時前週末と比べ700円超高い3万8600円台半ばまで上昇した。衆院選での自民、公明両党の過半数割れを受け、朝方は続落して始まったものの、為替の円安や米半導体株高を背景に、次第に買い戻しが優勢となった。 27日投開票の衆院選で自民、公明両党は計215議席と過半数を割り込んだ。朝方は政治の不透明感を警戒した売りが先行したものの、その後は上げに転じた。日経平均は先週に週間で1000円超下げており、大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは「先週時点で市場は与党の過半数割れを織り込んでいた」と指摘する。 前週末の米株式市場で、半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅高となった。東京市場でもアドバンテスト、レーザーテックなど半導体関連株が上昇し、日経平均を押し上げている。2024/10/28 10:00:41140.名無しさんNnOZF与党大敗で進む円安・金利上昇 「高圧経済」を織り込み2024/10/28 12:44 日経速報ニュース 衆院選から一夜明けた28日の金融市場では円安が加速し、長期金利が上昇した。自民、公明両党が議席を大きく減らす大敗を喫し、与党で過半数を割り込んだためだ。石破茂首相は政権維持に向けて野党との連携を模索する考えだ。協力を仰ぐとみられる日本維新の会や国民民主党との連携を見込み、市場は財政出動と緩和的な金融政策による「高圧経済」の実現を織り込み始めている。 27日投開票の衆院選での自公両党の獲得議席数が215で、定数465の過半数(233)に届かなかった。石破首相は27日、衆院選の結果を踏まえて職責を全うするのかと問われ「それはそういうことだ」と語り、続投を示唆。政権継続に向けて国民民主や維新といった政策理念が近い野党と閣外協力などを探るとみられている。 国民民主は公約で、名目賃金上昇率が当面4%に達するまで積極財政と金融緩和を講じる「高圧経済」の実現を目指している。維新も積極財政に前向きで、日銀に対しては雇用最大化や経済成長率の持続的な成長を使命に加えることを掲げる。石破政権がこの主張を取り入れれば政策には「選挙前に比べて財政拡張の圧力が増し、金融緩和状態の継続が選好されやすいバイアスが生じる」(SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミスト)。 市場はいち早く高圧経済の実現を織り込み始めている。わかりやすいのが債券市場で、28日は長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時0.965%と前週末から0.020%上昇(価格が下落)した。とりわけ目立ったのが金融政策の影響を受けやすい中期ゾーンよりも、経済動向や債券需給を反映しやすい超長期ゾーンの金利上昇だ。 中期債にあたる新発5年債利回りが0.580%と同0.005%の上昇にとどまるのに対し、超長期債では新発30年債利回りが同0.040%高い2.215%まで上昇。イールドカーブ(利回り曲線)の傾きが急勾配になる「スティープニング」が進んだ。みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは「超長期債利回りの上昇が目立つのは、財政拡張が意識されているため」と分析する。 外国為替市場では高圧経済の実現を見込み、円安・ドル高が加速している。28日には円相場が一時1ドル=153円88銭近辺と7月末以来およそ3カ月ぶりの安値をつけた。「財政支出拡大の観測や政治混乱で日銀追加利上げが遅れる可能性が円売りを促した」(ふくおかフィナンシャルグループの佐々木融チーフ・ストラテジスト)。高まりかねない財政リスクも金利上昇と歩調を合わせるように円安要因となっている。 石破首相の具体的な政権運営の形が定まるまで、市場には不安定さが残る可能性は高い。特に政治情勢が日銀の金融政策運営にどのような影響を及ぼすかは不透明だ。円安加速は物価の上振れリスクとなり国民の支持が離れていく原因にもなりかねず、日銀にとっても「追加利上げを判断する『時間的余裕』がなくなる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジスト)との声がある。 日銀内からは足元の経済・物価情勢が「順調」との声が聞かれる。個人消費は緩やかな増加を続け、10月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)では一部サービスで期初の値上げが反映される形で物価に上昇圧力がかかっており、「2%の物価安定の目標」の達成に向けて「総じてオントラック」と評価しているようだ。 日銀は30?31日に開く金融政策決定会合で政策金利を据え置くものの、利上げ路線は崩さないとみられる。しかし、野党が緩和的な金融環境の維持を閣外協力の条件に挙げる可能性も排除できない。「政局次第で日銀を取り巻く環境は一変しうる」(国内証券のエコノミスト)との声もあり、情勢はなお流動的といえそうだ。2024/10/28 13:30:29141.名無しさんxXcu7三井住友カード、鉄道クレカ乗車拡大 私鉄・地下鉄7割に2024/10/29 日本経済新聞 朝刊 三井住友カードは28日、公共交通機関向けのタッチ決済サービス「stera transit(ステラトランジット)」を関西を中心に全国に普及させていく方針を発表した。大手私鉄16社と公営地下鉄8社の駅の半数に導入済みだが、2025年度末までに7割に拡大する。29日から阪急電鉄や近畿日本鉄道などでのサービス開始を契機に、カード決済の認知度を広げる。 大西幸彦社長は28日の記者会見で「国際博覧会(大阪・関西万博)に来場する訪日客だけでなく、地域の人にも日常的に利用してもらえることを目指す」と語った。 ステラトランジットはタッチ決済に対応したクレジットカードやスマートフォンを自動改札機などにかざすことで乗車できるサービスだ。大手私鉄を中心に28日時点で133の事業で採用されている。交通系ICカードを持たない訪日客がスムーズに乗車できるほか、カード利用でポイントがたまることなどから国内の利用者も増えている。2024/10/29 06:38:10142.名無しさんxXcu7野村HD (8604)768.7円 (-4.1)収益安定化が進み、25年3月期は好調の可能性、岡三が新規「強気」、目標株価1150円岡三証券が目標株価を1150円に設定、レーティング「強気」で新規カバレッジを開始した。19年3月期から23年3月期までは、数百億円単位の損失が出る四半期が年度に1~2回発生し、ボトム収益のボラティリティーが高い状態が続いていたが、24年3月期以降は巨額損失の計上もなくなり、収益の安定度が高まった。リテールでのストック収入比率の引き上げや直近数年の経費削減努力により、相場環境が低迷した時でも一定の収益を計上できるようになった点も大きい印象だ。同社は2020年に「パブリックに加え、プライベート領域の拡大・強化」を掲げ、オルタナティブ運用ならびに販売の積極化を進めている。運用資産のボラティリティーが高くなる可能性があるが、24年3月期末では運用資産89兆円の2%にとどまり、80年代から同分野が発達した米国市場に比べると、国内市場ではまだ顧客の理解度を含め浸透していない。当面は業界リーダーとして啓蒙も含めた市場形成が必要な段階で、収益貢献はもう少し先となる印象だ。25年3月期は相場環境が良く、国内外の証券業界全体に、米国債取引や投資銀行部門で好調な利益進捗が期待できよう。国内株式市場も大型のIPO・売出し案件が続き、投信販売も好調な推移が続いており、リテール部門・ホールセール部門ともに堅調な業績が期待できる。同社の25年3月期第1四半期はリテール・ホールセール・資産運用の3事業部門ともに好調で、米大手銀の7~9月期決算でも投資銀行部門(証券部門)の収益が好調だったことも合わせて考えれば、第2四半期並びに通期でも前期比大幅な増益での着地が可能と当社では見ている、と指摘。今2025年3月期連結純利益を2993億円(EPS101.3円)、来2026年3月期3071億円(EPS103.9円)、2027年3月期2826億円(EPS95.7円)と予想している。2024/10/29 08:22:24143.名無しさんxXcu7三井住友銀行が米英勤務を採用時に確約…数人規模、「配属ガチャ」排し優秀な学生確保狙うhttps://www.yomiuri.co.jp/economy/20241028-OYT1T50213/ 三井住友銀行は、2025年4月入行の新入社員を対象に、最短2年目で海外配属を確約する採用コースを新設した。入社後の部署がどこになるか分からない「配属ガチャ」を排することで、英語力がある優秀な学生を確保する狙いがある。入社時に海外配属を確約する採用は国内銀行では初めてだという。 配属先は米ニューヨークか英ロンドンとし、採用数は数人を想定する。査証(ビザ)を取得するために1年間は国内勤務が必要だが、ビザが取れ次第、赴任する。志望する学生には、英語民間試験のTOEFL105点以上などを目安とする高い英語力を求める。 現地の外資系企業や自治体との交渉といった、欧米での金融ビジネスに求められる知識や経験を早くから積んでもらい、将来的には海外戦略の立案や実行をリードする人材に育成したい考えだ。 日本では金利の低い環境が長く続いたことから、国内大手行は金利の高い海外でのビジネスを強化してきた。三井住友銀は収益の約4割を海外事業が占める。かつては現地に進出した日系企業向けビジネスが中心だったが、近年は現地企業向けの強化も進めている。 大手行は海外ビジネスの強化に伴って海外人材の獲得を強化している。三菱UFJ銀行やみずほ銀行も、海外業務を志望する学生向けにコース別の採用枠を設けているが、配属の確約まではしていない。2024/10/29 09:55:07
[26日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は26日(日本時間27日)、G20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で為替に関する既存の
コミットメントを再確認したと述べた。G20終了後、訪問先のブラジル・リオデジャネイロで報道陣に語った。
鈴木財務相は「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に対する悪影響を与えうるとのG20における既存のコミッ
トメントが再確認された」と述べた。
G20に先立つ主要7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議を含め、「一連の会合を通じて様々な国際的な課題について日本の立場をしっかり伝え
た」ことも明らかにした。
[東京 6日 ロイター] - 「金利ある世界」への転換で、強い動きを見せていた銀行株(.IBNKS.T), opens new tabの基調が弱まっている。日銀
が利上げフェーズに入ったものの、8月上旬の株価急落を受け、そのペースが推し量りにくくなっているためだ。海外比率の高いメガバンクの
一角は、円高がマイナスとなる「輸出株」と類似する株価の動きも観測されるなど、読み筋は複雑化。高利回りで長期的には買いとみる声も
あるが、株価の回復には時間がかかるとの見方も根強い。
<急落からの戻りで劣後>
8月上旬の株安局面で銀行株は、日経平均やTOPIXといった指数よりも売り込まれた。8月5日までの3営業日で業種別の銀行は28%下落。
同期間の日経平均の20%安、TOPIXの21%安を上回る下げとなった。国内金利の低下や米景気悪化懸念で、とりわけ銀行株の売り圧力が
強まったためだ。日経平均は今月に入り、8月の急落分を一時奪還したが、銀行株は急落前の水準には戻れなかった。
マーケットの波乱を受け、日銀の内田真一副総裁が「金融資本市場が不安定な状況で、利上げすることはない」と火消しに回ったことも、銀行株
にとっては、むしろ先行きを不透明にさせている。
マーケット参加者からは「日銀の利上げペースを読むのが一段と難しくなり、銀行株は居所を探っている状況」(東海東京インテリジェンス・ラボの
シニアクレジットアナリスト兼シニアアナリスト・中川隆氏)との意見も聞かれる。
<「輸出株」化するメガバンク>
特にメガバンクは、金利動向に加えて、為替にも左右される展開が続くとみられている。GCIアセットマネジメントのポートフォリオマネージャー・
池田隆政氏は、メガバンクは「輸出関連株化」している面があるとみており「ドル/円に連動した動きが続くのではないか」と話す。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T), opens new tabの経常収益ベースの海外比率は、2014年の40%に対し、2023年は56%に高ま
った。一方、同社の株価とドル/円を過去半年の20日リターンでみると0.67と一定の相関が認められる。
このため「米利下げ観測の高まりなどで急激に円高に振れた場合、メガバンクの方が地銀と比べて売られやすくなるとみられ、注意が必要」
(SBI証券のシニアアナリスト・鮫島豊喜氏)という。
同じ銀行セクターでも個別企業によってパフォーマンスの差も見受けられ、目先はマクロより、ミクロの材料がより重要との意見もある。
SBI証券の鮫島氏は「銀行セクターが一緒くたに買われるというよりは、ROE(自己資本利益率)が高く収益性が見込める企業や、株主還元を
強化している銘柄が選好されるのではないか」と話し、選別が進むとみている。
年初来の株価の推移をみると、住信SBIネット銀行 (7163.T), opens new tabが97%上昇、楽天銀行(5838.T), opens new tabが52%上昇する
などROEの高い銘柄の上昇が目立つという。楽天銀行のROEは12%、住信SBIネット銀は17%で、三菱UFJ(8%)、みずほフィナンシャル
グループ(8411.T), opens new tab(7%)など大手行に比べて高い。
<金利にらみ継続>
市場では、日銀の金融政策は利上げの方向と意識されており、「中長期的にはさほど(銀行株を)悲観的にみる必要はないのではないか」(三菱
UFJアセットマネジメント・チーフファンドマネジャー・石金淳氏)との見方も聞かれる。
そうだ」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー・浪岡宏氏)とみられている。
配当利回りに目を向けると、銀行セクターは東証33業種のうち11位につけており、高配当の部類とされる。「個人投資家からの人気も高い
業種なので、中長期でみれば買いでいいのではないか」(いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏)との指摘がある。
もっとも、市場では「本当に景気が良くなり、インフレ環境が強くなるようなら買い戻しもあり得るが、足元ではそこまで織り込みにくい」(東京海
上アセットマネジメントの若山哲志株式運用部シニアファンドマネージャー)との声もある。メガバンクなど一部の銘柄では信用買い残が積み
上がり、需給面の懸念も残っている。
足元では米景気動向や米大統領選、国内の政局など不透明要因も多い。日銀の利上げパスへの見方も定まりづらく、いちよし証券の及川氏
は「これらの先行きがみえてくるまで、積極的な買いは入りづらい」と話している。
2024/09/09 06:51 日経速報ニュース
9日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落か。労働市場の軟調さを示すデータが相次ぎ、米景気に対する警戒感の強さは投資家
心理の重荷となる。前週末の米株式相場の大幅下落を受け、東京市場でも幅広い銘柄に売りが先行しそうだ。過去最大の下げ幅を記録した
8月5日を彷彿とさせる相場展開も想定され、二番底のリスクも意識される。日経平均は節目の3万5000円を下回り、前週末の終値(3万6391
円)から1500円ほど安い3万4900円程度まで下落する可能性がある。
前週末6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比410ドル(1.00%)安の4万0345ドルで終えた。同日発表の8月の米雇用
統計は非農業部門の雇用者数が市場予想を下回った。6月分と7月分も下方修正し、労働市場の軟化が意識され、米景気の下振れリスクへ
の懸念から株売りが広がった。外国為替市場では円が対ドルで1カ月ぶりに1ドル=141円台に上昇する場面もあった。円高・ドル安への警戒
が広がり、東京市場でも自動車や機械など輸出関連株に売りが出そうだ。
主要な米ハイテク株は軒並み売られ、半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も大幅に下落した。東京市場でも
値がさの半導体関連株への売りが出やすく、日経平均を下押しするだろう。日本時間7日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は
下落し、9月物は前日の清算値と比べ1210円安い3万5150円で終えた。
もっとも、日経平均は前週末までの4営業日で2300円あまり下落していた。急ピッチで下落してきた反動もあり、売りが一巡した後の3万
5000円近辺では自律反発を見込んだ買いが入る可能性もある。景気変動に左右されにくく、円高の恩恵も受けやすい内需・ディフェンシブ株
の一角に物色が向かう場面がありそうだ。
個別ではトヨタ自動車に注目だ。7日付の日本経済新聞朝刊は「トヨタは2026年の電気自動車(EV)の世界生産台数を100万台程度に縮小
する」と報じた。EVの世界販売計画として公表していた150万台より3割引き下げる計算となる。足元の円高基調も重荷となり、売りが広がる
可能性がある。
国内は4?6月期国内総生産(GDP)改定値の発表がある。海外は8月の中国消費者物価指数(CPI)や中国卸売物価指数(PPI)、7月の
米卸売在庫・売上高などが公表される。
2024/09/09 05:00 日経速報ニュース
週初の日本株相場は不安定な展開が見込まれる。前週末の米株市場で半導体を中心とした人工知能(AI)関連株が崩れ、連動性が高い
日経平均株価は大幅下落で始まりそうだ。AIへの過度な期待がはがれつつある。1ドル=140円を超える円高が視野に入ったことも重荷だ。
8月上旬の株急落から1カ月、再び安値をつける「二番底」形成への警戒が高まってきた。
「フェーズが変わった」。ピクテ・ジャパンの田中純平ストラテジストは6日の米株式市場の動きを受けて、日本株の先行きに一段と警戒を
強めている。注視したのは主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)。この日は5%安となり、8月上旬につ
けた直近の安値に再び迫っている。
前週末の大阪取引所の夜間取引では、日経平均先物の9月物が3万5150円と前日の清算値と比べて1210円(3%)下落した。日経平均は
東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連株の影響力が大きく、SOX指数との連動性が高い。投資家は週初の日本株相場に身構える。
8月上旬の世界的な株安から約1カ月。日経平均は2日に3万8700円まで上げたものの、急落前の水準を取り戻せずに押し返された。1日
1000円前後の値幅も珍しくなくなった。相場変動率の高さから長期マネーの買いが入りにくくなっており、再び安値をつける「二番底」形成が
警戒され始めている。
二番底とは大幅安から反発した後に再び形成した安値を指す。1987年のブラックマンデーなど多くのショックが二番底を経験している。二番
底が大底(株価下落局面での最安値)となって上昇に転じる場合もあれば、長期下落トレンド入りで三番底をつけるケースもある。
国内大手運用会社アセットマネジメントOneの浅岡均シニアストラテジストは「日経平均は3万5000円を割り込み、3万4000円に向かって大き
く下げる展開になってもおかしくない」と予想する。
二番底警戒の背景には半導体株に対する市場の見方の変化がある。
6日に半導体株安の震源となった米ブロードコム株。前日に発表した5?7月期決算では売上高が前年同期に比べて47%増えた。ところが
8?10月期の見通し(140億ドル、約2兆円)がアナリスト予想をわずかに下回ったことが嫌気され、前日比10%安まで売り込まれた。
ブロードコムはAI関連チップやソフトウエアを手がける。成長期待から一時、年初から上昇率が5割を超えた。投資家の要求ハードルは高く
なり、市場予想を大きく上回る実績や見通しを出さないと売られやすくなっている。
エヌビディア株も決算後に下落基調となり、8月の安値に接近している。日経平均をけん引してきた東京エレクトロン株は年初来でマイナス
圏だ。
調査会社ガートナーは8月下旬、先端テクノロジーのハイプサイクル2024年版を公表した。過度にもてはやされる期間から幻滅期を経て、市
場の理解が深まり、普及するというテック共通のサイクルを先進技術ごとに示したものだ。ガートナーによれば生成AIは過度な期待のピーク期
から幻滅期に入りつつある。
この見立て通りであれば、ブロードコム株でみられた株価反応は過剰な期待の修正ともいえる。期待の調整には時間がかかる。米西部時
間9日にアップルがiPhone新機種を発表すると見込まれている。AIサービスの搭載が期待されているが、半導体株の反転につながるか不
透明だ。
米欧同時利下げの観測、140円超える円高視野
さらに円高進行も日本株安への警戒を高める。
前週は対ドルが146円台前半から142円台前半へ、対ユーロは161円台半ばから157円台後半に、それぞれ4円ほど円高が進んだ。ユーロ
の対ドル相場はこの間、ほぼ横ばい圏だった。足元はドル安というより円全面高に近い。
欧州中央銀行(ECB)が12日に理事会を控える。第一生命経済研究所の田中理首席エコノミストは「0.25%の利下げを四半期に一度続ける
というのがメインシナリオ」と話し、今回の会合で追加利下げを決めると予想する。
米連邦準備理事会(FRB)高官は6日、17?18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めると示唆しており、9月は「米
欧同時利下げ」の公算が大きくなっている。
米国では6日の雇用統計発表後も米景気不安がくすぶり、米金利は低下した。ECBが景気リスクを理由に利下げを実施すれば、欧州金利
は下がりやすくなる。一方で日銀は利上げ姿勢を崩していない。金利見通しを巡って米欧と日本の違いが際立ち、円高に振れやすくなる。
みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは「(11日公表の)米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回るなどしない限り、FOMC
に向けて円高が進みやすい」と指摘した上で「140円割れもあり得る」と予想する。
日銀の6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の事業計画の前提となる24年度の想定為替レートは全規模・全産業で
1ドル=144円77銭だった。足元の円高進行が続けば、トヨタ自動車など主力輸出企業の業績上方修正期待は?落し、逆に下方修正リスクを
意識せざるを得なくなる。
円高の恩恵を受ける一部の内需株はマネーの退避先になっている。1円の円高が経常利益を年20億円押し上げるニトリホールディングス株
は7月末比で23%高い。ただし日経平均の構成銘柄は外需株比率が高く、内需株だけでは逃避マネーの「受け皿」になりきれない。二番底懸
念が高まるゆえんだ。
2024/09/09 04:00 日経速報ニュース
米中対立を背景としたサプライチェーン(供給網)の再編が、日本の位置付けを変えつつある。欧米企業が中国で供給網を見直し、「日本の
安全保障上の価値が20?30年前に比べて格段に高まった」(ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミスト)。半導体を中心に日本企業
の国内回帰や海外企業の対日投資が広がる。日本で生産し輸出して稼ぐ「貿易立国」に返り咲く好機ととらえる声もある。
宮崎県国富町のローム工場で今夏、装置の搬入が本格化した。年末に稼働し電気自動車(EV)の電圧制御などに使う炭化ケイ素(SiC)製
パワー半導体を量産する。国内半導体メーカーで初めてウエハーから半導体チップまでを国内で一貫生産する。3000億円を投じ、30年度まで
にSiCパワー半導体の生産量を21年度比35倍に高める。
パワー半導体は電圧制御に使い、EVや再生可能エネルギー発電所、AI(人工知能)データセンターなどで採用が広がる。世界シェア上位10
社のうち4社を日本企業が占める。
経済産業省は21?23年度、半導体支援に3.9兆円を確保した。ロームと東芝のパワー半導体投資に最大1294億円を補助する。ルネサスエ
レクトロニクスも24年4月、甲府工場(山梨県甲斐市)を再稼働し、25年からパワー半導体を量産する。
米ボストン・コンサルティング・グループによると、世界の半導体生産能力は中国や台湾、東南アジアに偏る。22年時点でウエハーに回路を
描く「前工程」では日本を除くアジア地域が6割、半導体チップを最終製品に組み立てる「後工程」では8割を占める。中国は自給率向上に向け
パワー半導体などの増産に動いており、日本勢も投資を急ぐ。
台湾積体電路製造(TSMC)による熊本県での新工場建設を好機と捉えた動きも相次ぐ。工場運営会社にはソニーグループやトヨタ自動車
などが出資。素材メーカーも投資を加速し、富士フイルムホールディングスは24年1月、熊本県で半導体製造向け研磨剤の新工場を稼働させた。
電子部品では村田製作所が約470億円をかけて島根県出雲市に積層セラミックコンデンサー(MLCC)の新たな生産棟を建設、26年3月に
竣工する。EVやスマートフォンなどに使われる部品で、TDKも岩手県の工場にMLCCの新工場棟を設けた。
防衛分野でも国内拠点増強の動きがある。三菱電機は約220億円を投じ、神奈川県鎌倉市など3カ所で防衛装備品の工場を新設する。4月
にはフィリピン空軍向けに2基目の対空監視レーダーを納入したと公表。米航空防衛大手RTXと協業し米軍向け装備品の供給を目指すなど海
外市場を開拓している。
日本政策投資銀行(DBJ)の24年度の設備投資計画調査では、回答した製造業の半数近くが今後3年程度で国内生産拠点を強化する方針
を示した。新型コロナ前の17?19年は4割弱だった。10年先までに国内を強化するとの回答も5割を超えた。
海外大手の進出も目立つ。米インテルは4月に後工程を自動化するための企業連合を設立、オムロンやTDKなど19社が参画した。米アマゾ
ン・ドット・コムはデータセンター(DC)関連で23?27年の5年間で2兆2600億円を投じると発表。マイクロソフトやオラクルなども日本でDCに投資
する計画を明らかにしている。テック大手による合計投資額は約4兆円となる。
ただこうした国内回帰や対日投資は「まだマクロの経済データで確認できるほどの規模にはなっていない」(みずほ証券の小林俊介チーフ
エコノミスト)。政府は30年までに対日直接投資残高を100兆円に引き上げる目標を掲げるが、23年6月時点で47.3兆円にとどまる。
経済安保面から世界各国が企業の誘致合戦を繰り広げる。投資先として企業に選んでもらうには「エネルギーや電力の安定供給の確保が
重要」とニッセイ基礎研の矢嶋氏はみる。貿易立国の復活を目指すのであれば「エネルギー問題への早急な対応が欠かせない」と指摘する。
米中対立を背景に注目される投資テーマが供給網を国内に戻す「リショアリング」、消費地近くに移す「ニアショアリング」、友好国・地域と構
築する「フレンドショアリング」だ。インフラや生産設備、物流などの銘柄に恩恵が及ぶとみられている。
通信インフラを手掛ける米イートン株は5月、上場来高値を更新した。夏場に弱含んだものの足元で昨年末比2割近く高い。「米国インフラ・ビ
ルダー株式ファンド」に同社株を組み入れる大和アセットマネジメントの運用チームは「米国への生産回帰の恩恵を受ける」と投資理由を語る。
トランプ前大統領の誕生を受けてファンドを設定した2017年1月以来、リターンは3倍を超える。
BNYインベストメンツの「米国製造業株式ファンド」では工場の自動化に貢献する企業に注目。産業用機械の米インガソール・ランドや電気・
電子製品の米ハッベルを組み入れる。いずれも株価は昨年末比1割強上昇している。ファンドマネージャーのモンティ・コリ氏は「米国回帰が
自動化設備や生産を最適化するソフトウエア、電力供給を支える企業に利益をもたらす」と話す。6月末までの3年間の年率リターンは21.5%だ。
物流関連の銘柄も物色されている。フェデックスや鉄道・トラックなどの手段を組み合わせ輸送を請け負うXPOは昨年末比1?2割高い。三井
住友DSアセットマネジメントの青木英之シニアファンドマネジャーは「中国からベトナムやカンボジアを経て米国に輸出する経路に変えたり、米
小売り大手が中国からの輸入を減らしたりするケースが増えている」と話す。東南アジアでコンテナ路線を担う海運会社やメキシコで物流センタ
ーを手掛ける企業に注目する。
日本企業にも恩恵がある。「中国企業からの低圧インバーターの受注が計画を上回っている」。富士電機の鉄谷裕司インダストリー事業本部
長は説明する。モーターの回転速度を制御する装置で工場設備に欠かせない。中国の繊維企業などが米国への輸出を目的に生産拠点を東南
アジアへ移していることが背景にあるようだ。
「半導体業界の日米での投資拡大が追い風だ」と説明するのが荏原。室内のクリーン度を高めるドライ真空ポンプや半導体ウエハーの表面
を研磨するCMP装置を手掛ける。TSMCが工場を設けた熊本県内で24年中にCMP装置の新たな生産棟を稼働させ、生産能力を5割増やす。
ファナックや安川電機は米国事業強化に動く。ファナックは7月、米子会社を通じミシガン州にロボットの保管や営業・サービスを担う拠点を新
設。1億1000万ドル(約150億円)を投じた。安川電機は今後数年で300億円規模を投じ、現地工場の新設を検討している。
もっとも安川電の株価は昨年末比23%安に沈む。「中国事業の息切れ感が株価に反映されている」(みずほリサーチ&テクノロジーズの月岡
直樹主任エコノミスト)との指摘がある。
2024/09/09 08:11 日経速報ニュース
再び月曜日の株暴落「ブラックマンデー」への警戒が強まっているが、注意が必要だ。米景気の悲観論が支配した8月5日とは相場の顔つき
が異なる。
8月の米雇用統計は失業率が低下し、米景気の底堅さを示す内容だったが、前週末の米国市場は株安・債券高(金利低下)が加速した。
市場関係者は先行き不安からの「景気後退トレード」と解説するがやや無理がある。実情は米連邦準備理事会(FRB)に0.5%の大幅利下げ
を求める市場の圧力、いわゆる「催促相場」だ。
なぜなら、いまの米国のクレジット市場に異変はみられず、金融ショックの火種は膨らんでいない。米国が深刻な景気後退に陥るという新たな
シグナルもない。
例えば金利の先安観が強まると売られることから景気後退や金融危機の接近を知らせる「炭鉱のカナリア」とされる「バンクローン(信用力の
低い企業向けの有担保の変動金利型銀行融資)」債権が6日の米国市場ではほとんど売られなかった。
8月の米サプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数は市場予想を上回った。ISM製造業指数も予想をわずかに下回ったとはいえ、
7月からは改善した。企業の景況感はボトムアウトしつつある。
それにもかかわらず株式から債券への資金シフトが進むのだからタチが悪い。米大統領選を控え、不確実性が高まる前に投資家が「運用資
金を高い固定金利商品に移し、予定利回りを固めてしまおう」という動機が働いているからだ。
例えば米S&P500種株価指数の予想配当利回りは1.43%に対し、米10年物国債の利回りは低下したとはいえ3.7%もある。
象徴的なのが米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の投資判断だ。同氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが保有する米短期
国債は2024年6月30日時点で2346億ドル(約33兆円)。23年12月末時点と比べ81%増加した。一方、株式は19%減の2848億ドル。いずれ
株式と債券の保有額が逆転する可能性がある。
欧米より利上げが遅れた日銀はグローバルリスクマネーの「供給源」だった。日本株や米エヌビディアを筆頭とする米半導体株、暗号資産
(仮想通貨)ビットコインなど様々なリスク資産にお金が流れ込んだが、7月31日の追加利上げ決定以降、「円キャリートレード」は逆回転を
起こした。
米国の在庫が減少しているにもかかわらず下げ止まらない原油相場もその一つだ。
米ブルームバーグ通信によれば、高金利を背景にヘッジファンドなどは原油市場から国債などで運用する利回り5%台のMMF(マネー・マー
ケット・ファンド)に最大1000億ドル相当の資金をシフトした。安全なMMFの利回りに対抗するには原油投資で15%の利回りが必要だという。
当然だが、こうした事例は原油にとどまらない。米投資信託協会(ICI)によればMMFの残高は9月4日時点で6.3兆㌦。1カ月で2%近く増加し
過去最高を更新した。いまやMMFは待機資金ではなく滞留資金だ。
米景気の先行きが不透明ななか、米国の固定金利が高いままではリスク資産投資は採算が合わない。金利商品への駆け込み需要が止ま
り、リスク資産に再びマネーが戻るには大幅な利下げが必要だが、米景気が底堅いうちはFRBも1回に0.5%の利下げには踏み込まないだろう。
もちろん、株安が自己実現的に米国を深刻な景気後退に陥れる可能性はある。
だが、当面起こりうる株価暴落の原因は、確定利回りとリスク資産の投資収益率を天秤にかける投資家心理に内在する。だとすれば、利下
げ観測を弱める米国のそこそこ強い経済データこそ、株式投資家には大敵ではないか。
2024/09/09 08:20 日経速報ニュース
平野憲一・ケイ・アセット代表 9日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落しそうだ。下値のめどは3万5100円を見込む。6日発表の
8月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想を下回った。米景気後退懸念が強まり、日本市場でも売りが膨らみそうだ。前週末
には外国為替市場で円相場が1ドル=141円台に上昇する場面もあり、円高・ドル安への警戒も広がっている。輸出関連株への売りも相場を
押し下げるだろう。
ただ、8月の米雇用統計の市場の受け止めは悲観的すぎるだろう。雇用者数こそ予想を下回ったものの、失業率は市場予想通りの結果と
なり、4.2%と7月の4.3%から低下し、5カ月ぶりに改善した。また、平均時給は前月比の上昇率が0.4%と、市場予想(0.3%)以上だった。
米ブルームバーグ通信によると、イエレン米財務長官は米経済についてソフトランディング(軟着陸)を達成したとの見方を示したという。市場
が警戒するよりも米景気は急減速していないと考えている。きょうの日経平均は大幅に下落し二番底となる可能性が高いが、売り一巡後は
買いも入り回復が見込めるとみており、今が絶好の「買い場」になるかもしれない。
2024/09/09 19:30 日経速報ニュース
財務省が9日発表した対外・対内証券投資で、8月の国内投資家の海外中長期債の買越額は7兆3370億円と過去最大となった。8月に一時
1ドル=141円台まで円高が進み、保有資産全体に占める外国債券の比率が低下。年金などのリバランス(資産配分の調整)を目的とした買い
が膨らんだ。
投資家別に見ると、中心的な買い手は年金と銀行だった。年金などから受託した資産を運用する信託銀行(信託勘定)が2兆8069億円と、20
20年11月以来の買越額となった。銀行等(銀行勘定)の買越額は2兆6574億円だった。一方、生命保険会社は5381億円の売り越しだった。
全体では大幅な買い越しとなり、統計がある05年以降でこれまで最大の買越額だった16年7月の5兆4494億円を上回った。
背景には、外国為替市場で急速に進んだ円高がある。米景気減速に対する警戒感から米連邦準備理事会(FRB)の大幅な利下げ観測が台頭。
8月1日に一時1ドル=150円台に下落していた円相場は5日に一時141円台まで上昇した。
JPモルガン証券の山脇貴史債券調査部長は「円急騰を受け、年金などが資産全体に占める保有割合が下がった外国債券を買い増したので
はないか」と話す。
信託銀行(信託勘定)は主に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の動向を映す。GPIFが運用の基準とする外国債券の
指数は8月に約1.3%下落した一方、金利が低下(債券価格は上昇)した国内債券は約1.2%上昇した。国内債券から外国債券に資金を移す動き
があったとみられる。
GPIFが投資に回す資金の増加も影響した。財政資金対民間収支によると、主に国庫からGPIFへの資金流入などを反映する「預託金」が8月
は約2.7兆円と18年以降で最大となった。野村証券の桑原真樹シニア金利ストラテジストは「ニューマネー増加も大幅な外債への資金流入に
つながった可能性がある」と指摘する。
米利下げ観測の高まりも外債買いを後押しした。三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「今後の米利下げ
で米国債価格が上昇するとの見方が広がり、銀行などが外債買いに動いた可能性がある」とみる。
国内勢の外債買い拡大は、外為市場では円安・ドル高圧力として意識される。8月末には一時1ドル=146円台で推移するなど、141円台から
5円程度反落した。「年金などによる外債の大幅買い越しは、円高を抑える要因となった」(バークレイズ証券の門田真一郎為替債券調査部長)
との見方が多い。
今後については「年金の外債買いはリバランスが一巡すれば落ち着く。銀行は世界的に景気悪化懸念が高まれば増やすだろうが、8月の
ような大幅買い越しが続くとは考えにくい」(山脇氏)との声があがっている。
24年初めには、日銀の利上げによって国内金利に上昇圧力がかかり、国内勢が外債投資から円債に回帰するとの観測が一部で出ていた。
円債については「金利水準は低いが、買えない状況ではない」(太陽生命保険の清友美貴常務執行役員)との声もあがる。
ただ、日銀の高田創審議委員が5日、追加利上げを示唆するなど、金利先高観は根強い。現時点では「国内投資家は積極的には買いづら
い」(SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジスト)状況だ。
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2024/09/11 05:00 日経速報ニュース
3メガバンクグループの証券会社がウェルスマネジメント(富裕層ビジネス)の営業人員の育成や増員を進めている。三菱UFJモルガン・
スタンレー証券は社内で「プロ」と認定する社員を3年で2倍にするほか、みずほ証券は資産30億円以上の顧客を専門に担当する社員を
今夏に2割増やした。ネット証券が手数料無料化に踏み切るなか、対面サービスで富裕層の囲い込みを図る。
ウェルスマネジメントは各社によって定義が異なるが、顧客に営業員が担当としてつき、取引の受注だけでなく顧客の資産全体を勘案
した資産の運用や管理について助言などを行う。最低投資金額の大きいプライベートアセット(未公開資産)など広く一般には販売しない
商品を扱う場合もある。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は2026年度までに、現在約400人の「プロ人材」を2倍にする。ファイナンシャルプランナー(CFP)など
専門資格の取得や一定の成果などを要件としており、社内教育などを強化する。プロ人材は1人あたり平均年2億円程度の収益を稼いで
いるという。
三菱モルガンではおおむね総資産3億円以上の顧客に対面営業の担当者がつく。一人あたり平均100世帯前後を担当している。プロ
人材は現段階で全営業員の4分の1程度だが、3年間で比率を半分まで引き上げる。
米モルガン・スタンレーのノウハウなどを生かし、年に顧客に何回会うべきかなどの営業手法を体系化したマニュアルを今年4月に作成した。
みずほ証券は資産30億円以上の超富裕層を担当するプライベートバンキング(PB)の部署の人員を東京の本社と大阪あわせて約10人
増やして60人強にした。従来は支店で担当していた首都圏や近畿圏の顧客の担当を24年度中に東阪の拠点に集約する。
支店ではこれまで、一人の営業員が通常の顧客とPBの顧客の両方を担当していたが、東阪の拠点にはPBの専門部署がある。PBは
寄付先の提案など通常の顧客とは違うスキルも必要のため、専門部隊に集約することでノウハウを蓄積させる。通常の営業員は一人が
200人程度を担当するが、PBは40?50世帯だ。
富裕層は企業の経営者やオーナーである場合が多く、事業承継やM&A(合併・買収)、新規株式公開(IPO)などで投資銀行部門など
と連携する場合が多い。本社に担当者を集約させることで、投資銀行部門との連携がとりやすくなる。
三菱モルガンも今春、ウェルスマネジメント部門と投資銀行部門などを結ぶ専門組織を本格稼働させた。同様の組織は米モルガン・スタ
ンレーなどにもある。
や融資、遺言信託などを取り扱う銀行と、証券会社の両面の視点で人材を育てる。大都市圏にPBの専門部署を置いているほか、22年に
は横浜や神戸などの支店にも新設。地方を開拓している。
個別株の販売やプライベート資産など富裕層から人気の高い運用商品の販売は証券会社が中心となる。三井住友FGはグループの富裕
層ビジネスの中核を証券会社が担うとしており、司令塔となる持ち株会社の統括本部長にもSMBC日興出身者が就いた。
日本証券業協会などによれば、国内の上位1割の世帯が全体の4割程度の金融資産を持つ。米欧ほどではないが、国内でも富裕層が多
くの資産を持っており、投資助言などのニーズが高く、金融機関としては収益源になりうる。
スイスのUBSの予測によると、日本のミリオネア(資産100万ドル=約1億4000万円以上の富裕層)は28年に23年比28%増の362
万人になる。「ウェルスマネジメントは今後伸びると全員がわかっている市場」(メガバンク首脳)のため、各社が力を入れている。
野村ホールディングス(HD)や大和証券グループ本社は既にウェルスマネジメントを成長戦略の中核に位置づけている。野村証券は全国
の個人担当者の大部分を富裕層担当にした。大和証券Gは経常利益に占めるウェルスマネジメントの割合を現在の35%から45%に高める。
野村や大和、SMBC日興は米ブラックストーンなどのプライベートエクイティ(PE)商品の販売にも力を入れる。SMBC日興は投資に関する
知見のある顧客向けにローン担保証券(CLO)の公募商品の販売も始めた。
証券各社が富裕層ビジネスに力を入れるのは、一般向けのビジネスでネット証券が手数料無料化に踏み切るなど競争が激しくなっている
ためだ。
三菱モルガンでウェルスマネジメントの企画を所管する伊藤英十常務執行役員はプロ人材を増やす目的について「商品・サービスはコモ
ディティー化が進むため、手数料だけで考えるとネット証券に流れる。競争力の源泉はアドバイスによる付加価値しかなく、徹底的に強化
する」と話す。
2024/09/11 13:44 日経速報ニュース
11日午後の外国為替市場で、円相場が上げ幅を拡大した。13時すぎに140円90銭近辺と約8カ月ぶりの高値をつけた。日経平均株価が
下げ幅を広げ、投資家がリスクを取りにくくなったのが円買い・ドル売りを誘っている。8月上旬につけた141円台後半の水準を超えたことで
損失覚悟(ストップロス)の円買い・ドル売りも入りやすくなっているようだ。
11月の米大統領選でトランプ前大統領が再選されるとの思惑から形成されていた「トランプ・トレード」の持ち高解消が進んだとの見方も
出ている。日本時間11日午前に開催された米大統領選候補者のテレビ討論会で、民主党候補のハリス副大統領がトランプ氏より優位に
たったとの受け止めが浮上しているためだ。トランプ氏の財政拡張策を見込んだ米債売りやドルの買い持ち高を整理する動きがあるという。
日銀の追加利上げ観測を背景にした円買いも根強い。日銀の中川順子審議委員は11日、秋田県の金融経済懇談会で経済・物価見通
しが実現していくようなら「緩和度合いを調整していくことになる」などと発言していた。
2024/09/13 02:00 日経速報ニュース
金融業のサービスに関連した国際収支の赤字幅が拡大している。国内の保険会社が海外に支払う再保険料などが膨らみ、2024年上半期
(1?6月)の支出額はこの5年で2.7倍に増えた。受取額は1.3倍にとどまり、収支の赤字は1兆円を超えた。
デジタルサービスの海外への支払いによる「デジタル赤字」と同様に、金融分野でも国内事業者の国際競争力をどう高めていくかが課題と
いえる。
日本と海外との経済的なやりとりを集計する国際収支統計のなかで、モノやサービスのやりとりに関する収支の赤字が続いている。
サービス収支のなかで、「保険・年金サービス」と「金融サービス」を合算して金融業に関するサービス収支をはじき出すと、1?6月は海外に
2兆3645億円を支払い、受け取りは1兆1502億円だった。差し引きの収支は1兆2143億円の赤字となった。赤字幅は1年前から6割増えた。
赤字の増加が目立つのが、再保険料や貨物保険料、損害保険料などを計上した「保険・年金サービス」で1?6月は1兆5276億円の赤字だ
った。海外への支払額が5年で4倍に増えたことで、赤字額は5年前の3008億円からおよそ5倍に増加した。
財務省や日銀によると、日本の保険会社が海外の再保険会社に支払うお金が増えている。再保険は保険会社が顧客との契約で引き受けた
リスクの一部を、他の保険会社に肩代わりしてもらうものだ。
投資商品としての性格を持つ個人向けの変額保険の売り上げが国内で伸びていることなどが背景にある。「貯蓄から投資へ」の機運の高ま
りもあり、資産運用の需要が大きくなっている。
日本の保険会社は海外の再保険会社と契約することで、リスク分散を図るケースが増えているという。
多様な金融商品の売り上げ拡大は国内金融業の成長につながり、消費者にもメリットがある。ただ、海外の金融サービスの依存度の高ま
りは、国内事業者の競争力の弱さを反映している部分がある。
日銀の分析によると、米国や英国はデジタル分野と共に、金融の分野でも海外から一定の受け取りがあり、サービス収支の黒字につながっ
ている。内閣府が保険・年金分野の国際的な優位性を分析したところ、日本は米英やドイツ、フランスを下回った。
学習院大学の清水順子教授は「日本の金融機関は主に日本の企業や個人を対象に様々なサービスを展開しているが、欧米の金融機関と
比較すると海外で通用するサービス展開が少ないのではないか」と指摘する。その上で「それが金融収支のバランスの悪さにつながっている」
と話す。金融業の国際競争力における課題が結果的にサービス収支の赤字に現れている可能性がある。
日本と海外との経済的なやりとりを集計する国際収支統計によると、全体の経常収支は1?6月で計12兆6817億円の黒字だった。日本企業
の海外展開などで投資による利益を確保した。
モノやサービスのやりとりに関する収支をみると、1?6月は貿易収支が2.6兆円、サービス収支が1.7兆円、それぞれ赤字だった。
サービス収支を詳しく見ると、新型コロナウイルスの流行が落ち着いてきたことでインバウンドが好調に推移し、旅行関連は収支が黒字方向
に進んでいる。1?6月の黒字額は2兆5939億円となり、前年同期の1.6倍になった。
他方で、海外のクラウドサービスやネット広告への支払いが膨らみ、デジタル関連は収支が3兆1092億円の赤字と前年同期と比べて1割増
えた。
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2024/09/12 21:58 日経速報ニュース
東京証券取引所が12日発表した投資部門別売買動向(東京・名古屋2市場)によると、海外投資家は9月第1週(2?6日)に現物株を8235億
円売り越した。売却額が購入額を上回るのは3週連続で、売越額は2023年9月以来およそ1年ぶりの大きさだった。
この週の日経平均株価は週間で2256円(6%)下げた。製造業景況感や雇用関連の弱い経済指標を受けて米景気の減速懸念が再び強まった。
米国の利下げ幅拡大観測による円高進行で、業績の先行き懸念も広がった。
海外投資家の売買代金差額を4月から累計すると5310億円の売り越しで、24年度に入って初めて売り越しに転じた。野村証券の須田吉貴
クロスアセット・ストラテジストは「円高や日銀の利上げなど日本固有のネガティブ要素が懸念され、海外投資家の間で日本株を積極的に買い
上げる高揚感はない」と話す。
年金基金など機関投資家は株価の上下で保有比率が変動すると、減った資産を買い増し、増えた資産を売ることで元の比率に戻るよう調整
する。「円高進行でドル換算の日本株の資産価値が上がり、機関投資家のリバランス(資産配分の調整)売りが出た」(GCIアセット・マネジメン
トの池田隆政シニア・ポートフォリオ・マネジャー)との指摘もあった。
個人投資家は現物株を5週ぶりに買い越した。買越額は4672億円だった。相場の流れに逆らう「逆張り」の押し目買いが優勢だった。企業に
よる自社株買いが高水準で続いており、事業法人は3544億円買い越した。年金基金の動向を映すとされる信託銀行は7週連続の買い越しで、
買越額は1500億円だった。
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2024/09/13 17:05 日経速報ニュース
海外投資家による日本株への売り圧力が強まっている。日経平均株価が7月11日に史上最高値(4万2224円)を付けた翌週にあたる7月
第3週(16?19日)以降、海外勢の売越額は現物と株価指数先物の合計で5兆1000億円に達した。その主因として円高・ドル安の進行を
挙げる声は多い。欧米中銀が利下げを模索しているのに対し、日銀は利上げを継続する方針とあって、円高と株安が同時進行しやすい状況
は当面続きそうだ。
13日の日経平均は反落し、前日比251円安の3万6581円で終えた。
欧州中央銀行(ECB)は12日、2会合ぶりとなる0.25%の利下げを発表した。米連邦準備理事会(FRB)が17?18日に開く米連邦公開市
場委員会(FOMC)でも、利下げはほぼ確実視されている。外国為替市場で一時1ドル=140円台半ばまで円高が進み年初来高値を更新
したのと歩調をあわせて、トヨタ自動車やキヤノンといった輸出関連株に売りが膨らみ、日経平均も一段安となった。
東京証券取引所によると、海外勢は9月第1週(2?6日)に現物株を8235億円売り越した。1週間の売越額としては今年最大だ。2日の取引
時間中に日経平均は一時、3万9000円台に乗せるなど8月急落後の戻りを試していた局面にあたる。
そこで日本株買いに動いた海外勢もいる。個別株の買いと空売りを組み合わせる「ロング・ショート(LS)」戦略の運用担当者は「このタイミ
ングでロングバイアス(買い持ち高を増やす)を強めたLS戦略の投資家は多かった」と話す。
23年4月以降の日経平均の価格帯別に集計した累積売買高では、上方向では3万8000?3万9000円、下方向では3万2000?3万3000円
が膨らんでいる。ショート(売り)は貸株料がかかるため、普段からLS戦略は買い持ちの比重が高い。3万9000円を上回れば売り圧力が和ら
ぐとの見方から先高観を強め、さらに買い持ちを増やしたファンドもあったもようだ。
だが、その後の日経平均は米株安や円高につられて3日から11日までの7営業日続落で3000円あまり下げた。
米調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が算出するLS戦略の運用成績を示す「株式ロング・ショート指数」は9月第1週にマイナス1.2%。
週間では今年2番目の悪い記録で、LS戦略のパフォーマンスが急激に悪化したことがうかがえる。ヘッジファンドの運用スタイルで多いと
されるLS戦略の成績悪化は、今後も尾を引く可能性がある。
海外勢は円高への警戒感を強めている。モルガン・スタンレーMUFG証券の中沢翔ストラテジストは今月に欧州を訪問した。現地投資家と
のミーティングでは、日銀のタカ派姿勢と米経済の減速懸念で、さらなる円高進行を警戒する声が多く聞かれたという。
日銀の利上げ継続の思惑がしばらく続きそうななか、日米の金融政策の方向性の違いなどに起因するボラティリティー(変動率)の高まり
から、日本株は当面、レンジ相場とみる投資家が多かったと指摘した。
みずほ証券は9月第1週に機関投資家向けの日本株セミナーを開催した。同証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは「想定以上に円高
を懸念している海外勢が多かった」と話す。日銀の利上げ継続とFRBの年内数回の利下げは市場に織り込まれているとして、菊地氏は年内
の円相場について1ドル=140?150円で推移するとの見解を示したところ、130円台を見込む海外勢がそれなりにいたという。「円買い・株価
指数先物売り」によって、短期的には日本株の一段安を見込む向きもあったようだ。
市場では「8月の急落後に割安感が強まった日本株には、長期志向の海外勢が買いを入れた」(外資系証券のストラテジスト)との声も聞か
れる。ただ、7月第3週以降に5兆円あまり売り越したというデータをみる限り、海外勢が再び日本株への強気姿勢を強めているような気配は
乏しい。
9月相場は後半に警戒――。米国株の特別清算指数(SQ)算出に当たる第3金曜日以降、日米株は過去3年連続で9月は月末にかけ、
大幅な下落に見舞われている。決算発表の1カ月前から自社株買いを自粛する米企業が多いことも一因のようだ。
今年も9月後半に大幅な調整が入るとすれば、円高加速も重なり海外勢の慎重姿勢は一段と強まりかねない。もちろん、9月末にかけての
下押し局面が買い場とみてエントリーしてくる投資家もいるだろう。投資家の運用の巧拙が明暗を大きく分けそうな局面に差し掛かっている。
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2024/09/13 16:28 日経速報ニュース
海外投資家による日本株への売り圧力が強まっている。日経平均株価が7月11日に史上最高値(4万2224円)を付けた翌週にあたる7月
第3週(16?19日)以降、海外勢の売越額は現物と株価指数先物の合計で5兆1000億円に達した。その主因として円高・ドル安の進行を
挙げる声は多い。欧米中銀が利下げを模索しているのに対し、日銀は利上げを継続する方針とあって、円高と株安が同時進行しやすい状況
は当面続きそうだ。
13日午前の日経平均は反落し、前日比326円(0.89%)安の3万6507円で終えた。欧州中央銀行(ECB)は12日、2会合ぶりとなる0.25%
の利下げを発表した。米連邦準備理事会(FRB)が17?18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)でも、利下げはほぼ確実視されている。
外国為替市場で一時1ドル=140円台後半まで円高が進んだのと歩調をあわせてトヨタ自動車やキヤノンといった輸出関連株に売りが膨らみ、
日経平均も一段安となった。
東京証券取引所によると海外勢は9月第1週(2?6日)に現物株を8235億円売り越した。1週間の売越額としては今年最大だ。2日の取引
時間中に日経平均は一時、3万9000円台に乗せるなど8月急落後の戻りを試していた局面にあたる。個別株の買いと空売りを組み合わせる
「ロング・ショート(LS)」戦略の運用担当者は「このタイミングでロングバイアス(買い持ち高を増やす)を強めたLS戦略の投資家は多かった」
と話す。
23年4月以降の日経平均の価格帯別に集計した累積売買高では、上方向では3万8000?3万9000円、下方向では3万2000?3万3000円
が膨らんでいる。ショート(売り)は貸株料がかかるため、普段からLS戦略は買い持ちの比重が高い。3万9000円を上回れば売り圧力が和ら
ぐとの見方から先高観を強め、さらに買い持ちを増やしたファンドもあったもようだ。だが、その後の日経平均は米株安や円高につられて3日
から11日までの7日続落で3000円あまり下げた。
米調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が算出するLS戦略の運用成績を示す「株式ロング・ショート指数」は9月第1週にマイナス1.2%。
週間では今年2番目の悪い記録で、LS戦略のパフォーマンスが急激に悪化したことがうかがえる。ヘッジファンドの運用スタイルで多いと
されるLS戦略の成績悪化は、今後も尾を引く可能性がある。
海外勢は円高への警戒感を強めている。モルガン・スタンレーMUFG証券の中沢翔ストラテジストは今月に欧州を訪問した。現地投資家
とのミーティングでは日銀のタカ派姿勢と米経済の減速懸念で大半の投資家は今後、さらなる円高進行を警戒する声が聞かれたという。
日銀の利上げ継続の思惑はしばらく続きそうななか、日米の金融政策の方向性の違いなどに起因するボラティリティー(変動率)の高まり
から、日本株は当面、レンジ相場とみる投資家が多かったと指摘した。
みずほ証券は9月第1週に機関投資家向けの日本株セミナーを開催した。同証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは「想定以上に円高
を懸念している海外勢が多かった」と話す。日銀の利上げ継続とFRBの年内数回の利下げは市場に織り込まれているとして、菊地氏は年内
の円相場について1ドル=140?150円で推移するとの見解を示したところ、130円台を見込む海外勢がそれなりにいたという。「円買い・株価
指数先物売り」によって、短期的には日本株の一段安を見込む向きもあったようだ。
市場では「8月の急落後に割安感が強まった日本株には、長期志向の海外勢が買いを入れた」(外資系証券のストラテジスト)との声も聞か
れる。ただ、7月第3週以降に5兆円あまり売り越したというデータをみる限り、海外勢が再び日本株への強気姿勢を強めているような気配は
乏しい。
9月相場は後半に警戒――。米国株のSQ(特別清算指数)算出に当たる第3金曜日以降、日米株は過去3年連続で9月は月末にかけ、
大幅な下落に見舞われている。決算発表の1カ月前から自社株買いを自粛する米企業が多いことも一因のようだ。今年も9月後半に大幅な
調整が入るとすれば、円高加速も重なり海外勢の慎重姿勢は一段と強まりかねない。もちろん、9月末にかけての下押し局面が買い場と
みてエントリーしてくる投資家もいるだろう。投資家の運用の巧拙が明暗を大きく分けそうな局面に差し掛かっている。
2024/09/15 17:00 日経速報ニュース
8月上旬の歴史的急落から1カ月あまり、日本株相場の戻りは鈍い。買いの息切れを象徴するのが銀行株だ。日銀が利上げに踏み出すなか
その恩恵を享受する本命株の停滞は、日本経済が前向きな経済環境で成長を持続できるのか確信しきれない投資家の迷いを映す。
業種別日経平均株価「銀行」は7月末から9月13日にかけて17%下げた。下落率は原油安が重荷の「鉱業」(18%)に次ぐ全36業種中2位で、
日経平均(6%)の3倍近くとさえない。
個別株をみても、ほぼ全社が簿価ベースの「解散価値」を下回る。東証プライム上場の68社のうち、PBR(株価純資産倍率)が1倍を上回るの
は楽天銀行とセブン銀行のみ。大手行では三菱UFJフィナンシャル・グループが3月、三井住友フィナンシャルグループが7月にそれぞれ久々に
1倍を回復したが、8月の波乱相場を経て0.8倍前後に沈んだ。
「2026年度までの見通し期間の後半には少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが必要だ」。日銀の田村直樹審議委員は9月
12日の講演で段階的な利上げが適当との認識を示した。今月は他の2委員も今後の緩和修正を見据えた発言をした。
賃金と物価上昇の好循環のもと金利が上がる好調な経済では、貸出金や利ざやの拡大で銀行の収益も増えていく。みずほリサーチ&テクノ
ロジーズの試算によると、26年10?12月期に政策金利が2.75%まで高まる力強いシナリオでは、30年度の邦銀全体の経常利益は16兆円弱
と22年度実績の約4倍になる。
金融緩和策の修正が始まったのに銀行株はなぜさえないのか。大きく3つの懐疑が浮かぶ。まず本当に日本経済の足腰が強くなるなかで
政策金利が上がっていくかだ。
ありあけキャピタルの田中克典代表は「0.5%までは上がると思うが、その先も上がると自信を持って言える人は少ないのではないか」とみる
。「邦銀の資産の平均残存期間は3?5年ほどで、0.5%であっても長く維持できれば収益は向上していく」と指摘。PBR1倍割れがあふれる状況
は、0.5%すら保てる確信が市場にまだ乏しい表れだと解釈する。
ゴールドマン・サックス証券で銀行担当アナリストを長く務めた田中氏は、20年に地銀へ重点投資する同社を設立した。銀行株の将来には
前向きだが、期待で買われる局面は一巡し、実際の変革で結果を出す段階に入ったと冷静に見つめる。
預金といった短期のお金を長期の投融資で運用する銀行の稼ぎは長短金利差が左右する。長期金利の指標となる新発10年物国債利回り
は今年の最高が1.1%で、5月以降に3回はね返された。最後は日銀が0.25%へ利上げする前週の7月25日につけ、直近は0.8%台まで低下(債
券価格は上昇)している。0.3%台で底堅い2年債との金利差は縮んできた。
なぜ長期金利は上がらないのか。米国の金利低下の余波に加え、国内投資家の円債需要の根強さも指摘されている。
例えばゆうちょ銀行。待機資金と位置づける日銀当座預金などの預け金は6月末時点で59兆円積み上がり、国債の44兆円を上回る。金利
上昇を好機ととらえて段階的に国債に振り向ける「円金利ポートフォリオの再構築」を進めている。
岡三証券の田村晋一シニアアナリストは「円債で長めの金利が取れればいいという投資家は多く、待機資金は全体で200兆?300兆円規模
と推察される。長期金利は今後2年は1.5%に達しないのではないか」と言う。日銀が短期の政策金利を上げても長い年限にはさほど響かず、
銀行に期待ほど追い風にならない可能性を挙げる。
第3の懐疑はコストに向く。あるメガバンク幹部は「これからは預金が大事。マイナス金利下で『集めるな』と言われてきた業界にパラダイム
シフトが起きている」と吐露する。政策金利が前回0.5%まで上昇した06?07年と違うのはネット銀行の台頭だ。店舗網を持たない低コストを
武器に、一部は大手行を上回る預金金利を出している。
黙っていても預金が集まるデフレの時代は終わり、伝統的な銀行にはコスト増の影が忍び寄る。「インフレ下では人件費も賃料も高まり経費
率の制御が重要だ。真の意味で競争が始まり経営力が問われる」(ありあけキャピタルの田中氏)
英運用会社ベイリー・ギフォードのベテラン日本株担当者、ドナルド・ファーカソン氏は「利上げは銀行の利益率回復に追い風だがコモディテ
ィー化している産業で楽観できない。長期で自己資本利益率(ROE)をどれほど高められるか確信が持てない」と語る。
銀行は23年春以降の日本株高を引っ張ってきた代表業種で、東証株価指数(TOPIX)に占める時価総額比率は21年初めの4%台を底に持ち
直してきた。脱デフレ、株主還元強化や持ち合い解消など日本株全体にも通じる手掛かりは「織り込み済み」との見方が広がる。
日銀の利上げは円高や利払い負担の増加を通じて広範な銘柄の逆風になり、数少ない恩恵銘柄として期待されるのが銀行株だ。その銀行
株も振るわない現状は日本株の足踏みが長引く可能性を示唆している。
【関連記事】
・銀行融資の7月平均金利、7カ月連続上昇 変動型中心に
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2024/09/19 日本経済新聞 朝刊
大手銀行は、スポーツクラブの優待など自行の会員制サービスに加入する顧客の金利優遇を始める。三菱UFJ銀行は10月に外貨の
定期預金の優遇サービスを始め、円定期預金の優遇サービスも設ける。三井住友信託銀行は円普通預金の優遇幅を20倍にする。日本
が金利ある世界に回帰するなか、預金の金利優遇で顧客の裾野を広げ、資産運用の提案などにつなげる。
大手行は2016年のマイナス金利導入後、一定の金融資産を持つ会員向けサービスを縮小、撤廃してきた。定期預金の金利を優遇して
いた三菱UFJ銀の「クオリティ・ライフ・クラブ」は17年3月末で提供を終了。他の大手行でもサービスを取りやめた例がある。マイナス金利
で預金を獲得すれば損失が生じるリスクがあったためだ。
一足先に金利ある世界になった海外では、金融機関がウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)事業の入り口として、預金残高など
をもとに手数料や金利の優遇を実施して顧客を広げている。米シティグループが手数料の優遇などで強みを持つ。日本も金利ある世界で、
富裕層の入り口に立つ顧客などを取り込めるかが邦銀の中長期的な競争力を左右する。
三菱UFJ銀行が金利を優遇するのは、富裕層や準富裕層などを対象にする会員制サービス「エクセレント倶楽部(クラブ)」に加入して
いる顧客の預金だ。入会金や年会費は無料で現在約3万人が参加している。百貨店の高島屋での買い物やスポーツクラブの会費などで
優待を実施する。金利上昇に伴う顧客の獲得競争を見据え本格的なサービス拡大に転換する。
10月から設定する外貨預金の優遇金利は米ドルの1カ月で20%程度とする。一般の顧客に向けた金利の2倍近くとなる。円預金でも
会員限定の金利優遇キャンペーンを実施し、継続も視野に入れる。
参加できる会員の裾野も広げる。これまで投資信託など資産運用残高(預金除く)で1000万円以上だった入会基準を、預金を含む預
かり資産が3000万円以上であれば入会を認める。退職金などを受け取った高齢者らが入会資格を満たせるため、有資格者が大きく広が
るという。中長期的に足元の10倍に及ぶ30万人規模まで会員数を増やす。
三井住友信託銀行は、取引残高に応じて利用できる「トラストプレミアムサービス」の顧客の金利優遇を拡大する。普通預金でこれまでの
0.001%から0.02%に引き上げ、定期預金も2年以上で0.05%とこれまでより2.5~5倍ほど高い水準の上乗せにする。同サービス
の金利優遇幅の拡大は12年に三井住友信託銀が発足して以降初めて。
サービスは定期預金を含む取引残高が300万円以上の顧客が利用でき、金利優遇は1000万円以上から提供する。三井住友信託は
富裕層の囲い込みを見据え、23年にサービスを刷新し喫茶店「コメダ珈琲店」の飲み物のサイズを大きくできるなど、生活関連サービスの
優遇を導入してきた。今後年4回の会員限定イベント開催などを予定する。
三井住友銀行は投信など運用商品と同時に申し込むことで定期預金の金利を優遇するサービスを拡充した。退職金や相続資金などを
対象に2%の金利を適用する3カ月物の定期預金の上限額を、保有する運用商品の3倍(従来は同額)に増やした。みずほ銀行も会員制
サービスの刷新を予定する。
2024/09/19 日本経済新聞 朝刊
日本証券業協会は18日、8月初旬の株式相場の急落時に少額投資非課税制度(NISA)利用者がとった売買行動に関する調査を発表
した。日経平均株価が過去最大の下落幅(4451円安)となった8月5日は、株の買い付け額が売却額のおよそ2倍になった。同2日と同
6日を含めた計3営業日でみると、2.3倍だった。
ネットと対面の証券10社に8月2~6日の売買動向を聞き取りし、9社から回答を得た。5日は合計の買い付け額が881億円だったのに
対し、売却額は450億円だった。3営業日の合計では買い付け額が1948億円、売却額が862億円だった。
投資信託も買いが優勢だった。3営業日合計では買い付け額が2145億円だった一方、売却額は459億円だった。
15:30 配信
フィスコ
■円高進行一服し3日続伸、38000円台手前まで上昇
今週の日経平均は週間で1142.15円高(+3.12%)の37723.91円と上昇。4営業日立ち合いのなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の
米国株が買われたことで、日本株も買い優勢の展開となった。東京市場が祝日の16日に、為替は1ドル139円50銭台と円高ドル安が加速し
たが、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げ実施観測を市場が織り込み、米10年債利回りの低下が一服。17日こそ円高加速に
伴う日本株売りで日経平均は35000円台まで下落したが、円高進行一服に伴い下げ幅をじりじりと縮小。FOMCでは想定通り0.50%の大幅
利下げを実施したが、パウエルFRB議長は「(利下げを)急がない」姿勢を記者会見で示したことから、為替は1ドル144円手前まで円安ドル高
が加速。FOMC通過後の米国株も強く、NYダウが史上最高値を更新したことなどから、日本株は主力株を中心に買われる展開となり、日経
平均は週末にかけて3日続伸。一時38000円台手前まで上昇した。
なお、9月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1兆5337億円売り越し、TOPIX先物を4196億円買い越し、225先物
を488億円買い越したことから、合計1兆653億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を2152億円買い越すなど合計で2117億円買
い越し。なお、自己は現物を8974億円買い越したほか、事業法人も3026億円買い越した。
■植田日銀総裁は「年内の追加利上げ」は明言せず
週末のランチタイムに発表された日本銀行による金融政策決定会合の結果は市場想定通りの「金融政策の現状維持」となった。そして、
15時30分から行われた植田和男日銀総裁による記者会見では、「金融資本市場は、引き続き不安定な状況にある」「円安に伴う輸入物
価の上振れリスクは相応に減少」「内外の市場動向だけではなく、海外経済の状況を丁寧に確認」「来年の春闘でもしっかりした賃上げが
続くと期待」「追加利上げに、特定のタイムラインやスケジュール感など予断持っていない」などと発言。「データがオントラックであれば
利上げということに変わりない」と8月に行われた閉会中審査と同様「タカ派」的な発言は見られたが、「7月利上げに際して、市場との
コミュニケーションに対する批判は認識している」といった話も出るなど、7月会見より丁寧に回答する姿を受けて、市場の緊張感は緩和。
年内の追加利上げに関する明言がなかったことなどから、追加の利上げ観測が後退し、記者会見後の為替は一時1ドル144円40銭台まで
円安ドル高が進行した。
20日の米国市場はまちまち。ダウ平均は前日比38.17ドル高(+0.09%)の42063.36ドル、ナスダックは同65.66ポイント安(-0.36%)の
17948.32、S&P500は同11.09ポイント安(-0.19%)の5702.55で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終
値比440円高の37970円で取引を終えた。
週末の上昇を受けて、日経平均は25日移動平均線(37447円)と200日移動平均線(37621円)を終値ベースで上回った。7月下旬から続い
ていた日本株の乱高下は徐々に落ち着きを取り戻しつつある。来週末には自民党総裁選の結果が判明し、次の日本の顔が誕生する予定
だ。9名の候補者が乱立する異例の総裁選となっているが、政策への期待感などを材料に日本株買いが強まる可能性はあろう。また、26日
が配当・優待権利取り最終売買日でもあることから、個人投資家がNISA口座を通じて買いを入れるケースも想定できる。配当落ちに絡んだ
225先物、TOPIX先物買い需要が合計1.3兆円ほど予想されていることなどから、翌週の日本株はしっかりの展開が期待できよう。為替も
円安に振れていることから、輸出関連株の買いなども受けて、日経平均は75日移動平均線(38298円)水準の突破が意識されそうだ。
■27日に米PCEデフレータ発表
来週にかけて、国内では、25日に8月企業向けサービス価格指数、27日に9月東京消費者物価指数、7月景気動向指数(確報値)などが
予定されている。
海外では、23日にNZ・8月貿易収支、仏・9月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、独・9月製造業PMI(速報値)、サービス
米・9月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、コンポジットPMI(速報値)、24日に豪・中銀政策金利、米・7月S&Pケースシラー
住宅価格(20都市)、9月コンファレンスボード消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数、25日に豪・8月消費者物価指数、米・8月
新築住宅販売件数、週次原油在庫、26日に米・第2四半期実質GDP(確報値)、週次新規失業保険申請件数、8月耐久財受注(速報値)、
中古住宅販売成約指数、27日にユーロ・9月景況感指数、米・8月卸売在庫(速報値)、PCEデフレータ、9月ミシガン大学消費者信頼感指
数(確報値)などが予定されている。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240930-OYT1T50144/
大手銀行4行は30日、日本銀行の追加利上げに伴い、新規契約者の変動型住宅ローンの基準金利を10月から0・15%引き上げると
発表した。大半のローン契約者にとっては負担が増えることになる。ただ、新規契約者の獲得に影響が出ないよう、金利の優遇幅を拡大
する動きもある。
変動型金利を上げるのは三菱UFJ、三井住友、三井住友信託、りそなの計4行。いずれも引き上げは17年ぶりとなる。みずほ銀行は
据え置いた。
各行とも9月初旬、変動型金利を左右する「短期プライムレート」を、日銀が7月末に決めた政策金利の上げ幅と同じ0・15%分引き上げた。
これを基準金利に反映した。既存のローン契約者の変動金利は5行全てで0・15%分上がり、12月以降の返済から順次適用される。
各行は借り手の信用度に応じ、基準金利からの割引にあたる金利の優遇幅を決めており、最終的に負担する金利はこの差で決まる。
最も低い金利で借りられるケース(最優遇金利)は三井住友、三井住友信託、りそなの3行で0・15%引き上げる。
一方、三菱UFJは基準金利とともに新規契約者への金利優遇幅も0・15%分拡大する。これに伴い、最優遇金利を0・345%で据え置く。
攻勢を強めるインターネット銀行に対抗する狙いがある。基準金利を据え置いたみずほも、最優遇金利は0・375%のままとする。
2024/10/01 日本経済新聞 朝刊
大手銀行5行は9月30日、変動型の住宅ローンの基準金利を引き上げると発表した。既存の顧客は支払う返済総額が増える一方、新規で
借り入れる住宅購入者に適用する最優遇金利は、三菱UFJ銀行が据え置くなど戦略の違いも出ている。一部のネット銀行も顧客獲得へ低金
利を続けており、競争はなお激しい。
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行の大手5行は日銀の追加利上げに伴い短期プライムレート
(短プラ)を9月に0.15%上げた。
住宅ローンの基準金利は短プラに連動して設定しており、10月から0.15%高い2.625%にする。基準金利の引き上げは17年ぶりとなる。
ただ、新規で借り入れる人に適用する「優遇金利」では各行で戦略がわかれた。
三菱UFJ銀は基準金利が上がる分を優遇幅で抑える形で、最優遇金利を0.345%に据え置いた。最優遇金利は各行の住宅ローン商品の
看板となるもので、競争力のある金利を提供し、新規顧客の獲得につなげる狙いがある。
既存契約の基準金利を引き上げたみずほは、新規で借り入れる顧客の基準金利を25年に見直すため10月の最優遇の金利を変えなかった。
一方で三井住友、三井住友信託、りそなの3行は最優遇金利も基準金利と同じように0.15%引き上げる。ある幹部は「金利は上げるが団体
信用生命保険を手厚くするなどして住宅ローンの価値を高めていく」と話す。
住宅ローンへの依存度が高いネット銀行も金利を抑えて新規顧客を減らすのを回避しようとしている。
最優遇金利を0.42%にしているSBI新生銀行は住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」経由での申し込みを対象に業界最低水準と
なる金利を提示する取り組みを始める。SBI新生銀は「他行との差別化を図る」として金利上昇の機を捉えて契約増を狙う。
auじぶん銀行は基準金利を0.25%上げるが、最優遇金利は上昇幅を0.15%に抑えて0.479%にする。
消費者の間では低い金利のローンを探る動きが活発になっている。「モゲチェック」を運営するMFSによると、9月の借り換えなどの相談は
8月に比べて2.3倍に増えた。
「いい条件の銀行を探している」。メガバンクで35年の住宅ローンを変動金利で借りている東京都新宿区の女性会社員(34)は、借り換えを
検討している一人だ。
これまでは「手数料がかかる繰り上げ返済はしたことがない。金利の低いネット銀行を候補として考えている」といい、今後の金利上昇をにら
んで各銀行のウェブサイトを確認している。
既に借り入れている既存顧客は、一定期間が経過した後の2025年1月などの返済分から改定後の金利になる。ただ大手行などは金利が
変動した場合でも返済額が5年間変わらない「5年ルール」を適用している。このため毎月の負担額の増加は限定的とみられる。
月々の返済額が変わらなくても、返済額のうち利息分が増えて元金の減少ペースは落ちる。このため繰り上げ返済や、より低金利の銀行へ
の借り換えなどをしなければ、完済までに支払う総額は増える可能性が高い。
MFSによると、基準金利が0.15%上がることで、元本3500万円を35年ローンで新規で借り入れる場合、毎月の返済額は2300円程度
増える。
日銀の統計によると、国内銀行の住宅ローンの新規実行額は4~6月期に4兆1527億円と前年同期に比べ16.6%増えた。6月末の融資
残高も148兆円と増加が続く。建築資材の高騰で物件価格も上昇していることが一因とみられる。
住宅ローン金利は変動型と、長期金利に連動する固定型に分かれる。直近では住宅購入者の8割近くが変動型を選ぶとされる。今回、変動
型が上がっても固定型との金利差はなお大きい。
変動型の人気は当面続くとみられるが、日銀が今後も追加利上げを続けていけば、変動型で借りている契約者の負担感はさらに増すことに
なる。
2024/10/01 11:50 日経速報ニュース
昨日、本欄に「海外勢、そろり日本株買い再開」と書いたが、まずは上々の滑り出しと、彼らはほくそえんでいる。「新内閣の政策も定まらない
段階で株価が急落したら、とりあえず安値を拾う」。これが、彼らの定石だ。仮に続落すれば買い増す。反騰すれば買いを加速させる。「高市トレ
ードの巻き戻しのおかげで、株式銘柄のバーゲン会場のごとき様相となった」と語る。総じて新政権の政策には興味を示さない。政治的不透明
感が強まる時期こそ、短期投機筋にとっては草刈り場になるからだ。「難しいのは利益確定の時期だ」と語る。「何か政治的異変があれば、深夜
でも構わないからたたき起こしてくれ」と頼まれた。新規買いの賞味期限も、1週間から、せいぜい1カ月と割り切っている。
これがいわゆる「短期海外勢による日本株買い」の実態だ。じっくり政策を吟味して動く中長期運用のファンドとは一線を画す。
大手のファンドと並び独立系のファンドの数が多く、売買も多様化していることが、ニューヨーク市場の特徴と言えよう。
結局、説明できない相場は傍観する傾向が強い日本市場で、売買の7割前後を外国勢が占める結果になるのだ。解説者が多く、リスクテイカ
ーが少ない日本市場。結局は、民族のDNAでリスク耐性が決まるようだ。
豊島逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属
され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の
立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」
を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・X(旧ツイッター)@jefftoshima
・YouTube豊島逸夫チャンネル
・業務窓口は[email protected]
【関連記事】海外勢、そろり日本株買い再開
2024/10/04 22:11 日経速報ニュース
【NQNロンドン=蔭山道子】4日午後のロンドン外国為替市場で円が対ドルで1ドル=148円台半ばに下落する場面があった。148円台を
付けるのは8月中旬以来、約1カ月半ぶりとなる。4日発表の9月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者の前月比増加数が25万4000人と
市場予想(15万人程度)を大幅に上回った。米長期金利の上昇とともに、円やユーロなどに対してドル買いが強まった。失業率は9月が4.1%
と8月の4.2%から小幅に改善した。
4日の米債券市場では長期金利が一時、3.97%と8月上旬以来の高水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が11月の米連邦公開市場
委員会(FOMC)で大幅利下げに動くとの観測が後退し、債券に売りが出た。
米ダウ工業株30種平均の先物は上昇している。「Eミニ・ダウ先物」の12月物は4万2536ドルまで買われ、3日の清算値を219ドル上回る
場面があった。
2024/10/07 04:00 日経速報ニュース
石破茂首相は岸田文雄前政権が掲げた資産運用立国構想を引き継ぐ方針だ。現金の価値が高まったデフレ時代と異なり、インフレが定着
すれば、個人はお金を運用に回さなければ資産が目減りしてしまう。政府の旗振りなどを受けて国内の大手運用会社は運用力やガバナンス
の向上を急ぐが、課題も多い。
「資産運用立国の政策を引き継ぎ発展させていく」。石破首相は1日の就任記者会見でこう強調した。岸田政権の下で「資産運用ビジネス高
度化」の計画を公表した大手金融グループは、引き続き改革を求められることになる。
最大の焦点は運用能力の向上だ。三菱アセット・ブレインズが集計した運用会社別の運用リターンランキング(10年、8月時点、上場投資信
託=ETF=を除く公募株式投信)によると、首位のアライアンス・バーンスタインはじめトップ10には外資や独立系などがならび、大手運用会社
は入らなかった。
「ファンドマネジャーの能力は決して海外に劣っていない」と大手運用会社の首脳が色をなすように、個別で見ればパフォーマンスの高い投信
もある。ただ、全体として見れば成績の悪いファンドが足を引っ張り、パフォーマンスの悪化につながっているのが現状だ。ファンド数が多ければ
それだけ管理コストの増加にもつながる。
日本のファンド本数は22年時点で1万4000本と米国より4割も多い。一方、1ファンドあたりの運用資産は20分の1だ。例えば90年近く続くファ
ンドも抱えるアクティブ特化の米キャピタル・グループは運用本数が40本に過ぎず、少ない投信を大切に育ててきた。一方、日本では大手金融
グループ内で「格上」の証券など販売会社が収益を稼ぐために、売りやすい投信を運用会社が次々開発してきた歴史があったという指摘がある。
運用会社や販売会社はこうした「負の歴史」の払拭を急いでいる。野村アセットマネジメントは700本ある投信を30年までに半減させる方針を
掲げる。成績や信託報酬水準を勘案し、繰り上げ償還などで絞り込む。大和アセットマネジメントなどほかの運用会社も削減に動いており、8月
時点で国内運用中の公募投信は5836本と、15年以来の少なさとなった。
商品がコストに見合うリターンを提供できているか検証する「プロダクトガバナンス」も各社が力を入れている。三菱UFJアセットマネジメントは
8月、プロダクトガバナンスに関する社外取締役主体の諮問会議を設けた。大和アセットマネジメントも23年から同様の取り組みを進めている。
販売会社からの独立性を担保するために社外取締役を入れて、上場会社並みのガバナンス体制を構築する流れは大手運用会社全体にあ
る。三井住友トラスト・アセットマネジメントは6月、社外取締役を過半数にした。日興アセットマネジメントも過半数だ。りそなアセットマネジメント
は社長のサクセッションプラン(後継者育成計画)を開示している。
3月期に前の期比15%増加した。売上高などの伸びを上回っている。自社での運用力を高められなければ、世界的な株高の恩恵は限られる。
野村アセットは海外での運用体制を強化してグローバルで自社運用ができるようにしているほか、23年春からは運用者の人事評価を厳格化。
競合との運用パフォーマンスの違いなどで評価するほか、運用者の成果が上がらなければ担当から外れてもらうなど競争を促す仕組みを導入
した。
1月に始まった新たな少額投資非課税制度(NISA)の後押しもあって運用会社の資産は一様に増加傾向だが、明暗もある。投資信託協会が
公表する運用会社別の公募投信残高で、最も躍進したのは三菱UFJアセットだ。23年末時点では4位だったが、新NISA開始後に日興アセット
と大和アセットを抜いて野村アセットに次ぐ2位に躍り出た。
全世界型の「オルカン」など最低コストをうたうインデックスシリーズ「eMAXIS Slim」に人気が集中した。投信協会によれば、ETFを除く公募株
式投信の純資産残高に占めるインデックス型の割合は8月時点で33.7%。23年末の29.2%から上昇し、過去10年で初めて30%を超えた。
ただ、三菱UFJアセットの横川直社長が「インデックスはブランド力があるが、もう少しアクティブが強くなっても良い」と話すように、インデックス
頼みでは限界がある。新NISAで国内大手が支持されるようになるには、アクティブでパフォーマンスを見せつける必要がある。
「運用業界を銀行・保険・証券と並ぶ第4の柱に」。運用立国構想で金融機関や金融庁が目指す姿だ。実現は一朝一夕には行かず、不断の
努力が求められる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-07/SKZ3FHT0AFB400?srnd=cojp-v2
[東京 7日 ロイター] - 石破茂首相は7日の衆院代表質問で、金融所得課税の強化について「現時点で、具体的に検討することは考えて
いない」と述べた。立憲民主党の吉田晴美議員への答弁。
法人税率の引き上げについては、これまで与党税制調査会で検討されてきたとした上で、「何が効果的かとの観点から議論される」と期待感
を示した。
防衛費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げるための財源としての増税を行うかどうかとの質問には、必要な税制措置は今後、与党税調や
政府で緊密に連携し適切に判断すると述べた。
このほか、立民の野田佳彦代表らの質問に対して、持論のアジア版北大西洋条約機構(NATO)創設は「一朝一夕で実現すると思わない」
と述べ、長期的な目標とする考えを示した。
政党から議員個人に渡す政策活動費に関し「将来的な廃止も念頭にあり方の検討や透明性の確保に取り組む」と話した。
「エネルギーコストを含めた物価対策について、状況を丁寧に見極め今後経済対策で議論する」とも述べ、10月末以降順次打ち切り予定の
エネルギー補助金について延長の可能性を示唆した。
2024/10/08 日本経済新聞 朝刊
大手銀行が次世代に事業や資産を引き継ぐ「承継ビジネス」を通じて取引の幅を広げようとしている。みずほフィナンシャルグループ(FG)は
事業承継のニーズのある約1万6000社を積極支援できるよう体制を整えた。有用な技術を持つ中堅・中小企業が後継者難で倒産するのを
防ぐ。
みずほFGは事業承継を重点領域に位置付けている。傘下のみずほ銀行の全取引先のうち事業承継の可能性のある企業が上場・非上場
あわせて1万6000社あるとみて、支援に乗り出した。
特に力を入れるのがオーナー企業の経営者らだ。法人と個人の両方からアプローチしやすいことが背景にある。
相続や資産運用、株式の承継、不動産の見直し、M&A(合併・買収)、MBO(経営陣が参加する買収)ファイナンスなど幅広い取引につな
がる可能性がある。
みずほFGは顧客の同意を前提にグループの信託銀行や証券会社との連携を強め、それぞれの機能を生かした多面的な提案に力を入れる。
銀行と信託は計100人規模のコンサルティング部隊を持ち、財務・法務・会計の豊富なノウハウや知見がある。特にみずほ信託銀行は承継
コンサルタントと呼ぶ200人の営業担当者がいる。
三井住友銀行は2023年度から、本部の承継アドバイザリー部で「僕の承継アカデミア(承アカ)」と題した1日研修に取り組んでいる。営業
担当者の育成を目的に半期ごとに約100人が参加している。
営業担当者の承継スキルを3ランクで認定する「承継マエストロ」制度も創設し、年150人程度の認定を予定している。24年度中には本部の
承継提案専門部隊の人員を1割増やす見込みだ。
三菱UFJFGは、4月にM&A戦略室を新設し、本部の専門人材を30人増員した。営業担当者向けの行内資格制度を設けるなど、質と量とも
に高めようとしている。
承継ビジネスにあたる法人・ウェルスマネジメント事業本部によると、1~3年以内に事業承継の意向があるのに対策をしていない企業は約
7000社にのぼるという。
こうした層へのアプローチを強め、事業承継関連の融資残高を26年度までの3年間で3000億円増の1兆円にする目標を掲げている。
りそな銀行も23年10月に2つの部署を統合して約200人体制の「承継ソリューション営業部」を新設した。
各社が承継ビジネスに力を入れる背景には超高齢化社会に突入する「2025年問題」がある。国民の5人に1人が75歳以上となり、事業の
承継が円滑に進まずに廃業に陥る企業が増えると懸念されている。
特に中小の経営者は全体の約6割にあたる245万人程度が平均的な引退年齢の70歳以上になる。そのおよそ半分の127万人の後継者
が未定で、さらにそのうち60万人には黒字廃業の可能性があるとみられている。
みずほFG幹部は「後継者は不在だが有用な技術やサービスを持つ中堅・中小企業は多い。国にとっても存続させていくことが重要だ」と話す。
具体的な需要が見込まれるのはM&Aを使い親族や従業員以外に事業を引き継ぐ第三者承継だ。
調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)によると、売上高1億円超の中小企業を対象とした国内M&Aの潜在市場規模は約13兆5000
億円に上る。事業承継型のM&Aは22年の8万6174社から35年に9万5234社に増える見通しだ。
金融機関にとってはM&Aによる手数料収入や融資残高の増加だけでなく、相続、不動産の売買など法人・個人両面から幅広い収益機会に
つながる将来性のあるビジネスと捉えやすい。
足元では後継者不足の課題に対応し切れているとはいえず、帝国データバンクによると後継者不在を理由とする倒産件数は23年に564件
と、過去最多を更新した。
雇用や技術の喪失を防ぎ、世代交代を進めて日本全体の成長につなげるためにも、顧客と長期の関係を構築し、様々な選択肢を提示できる
金融機関の役割の重要さは増している。
2024/10/08 日本経済新聞 朝刊
三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の三井住友カードは、総合金融サービス「Olive(オリーブ)」の外部提携を増やす。マネーフォワード
や海外企業と組み、家計簿、旅行予約などにサービスの幅を広げる。オリーブを多彩な機能を搭載するスーパーアプリに進化させ、顧客獲得に
弾みを付ける。
三井住友カードの大西幸彦社長が日本経済新聞の取材でオリーブの戦略を語った。オリーブはクレジットカードなどの決済機能を中心に、銀行
や証券といった複数のサービスをスマートフォンアプリ上で操作できる。
外部提携の柱がマネーフォワードとの提携だ。マネフォが個人事業を分離して設立する新会社に出資し、12月までに49%の株式を取得する。
サービスの融合を進め、オリーブに家計簿機能を取り入れる。大西氏は「マネフォの資産管理とオリーブを組み合わせればスーパーアプリが
できる」とみる。
カナダの大手旅行代理店と組んで25年に旅行予約サイトを立ち上げることも決めた。非金融事業との連携はオリーブ初の試みだ。利用者を
相互に融通し合う構想を描く。大西氏は「ユニークでデジタルに強い事業者と組み、オリーブをアップデートしていく」と話す。
今後のオリーブのキーワードとして大西氏は、開かれた経済圏を意味する「オープン」を挙げる。自社グループだけで利用者を囲い込むのでは
なく、利便性の高いサービスとオリーブをつなぐ。
裾野が広がればオリーブを介した金融取引も増えていくとの考え方だ。
これまで本業で競合する他のメガバンクやクレジットカード会社との連携は進んでこなかった。
オリーブの利便性を上げるには「複数の金融機関との接続が課題」といい、銀行やカード、ふるさと納税仲介サイトまで約2500のサービスと
連携するマネフォ経由で他の金融機関との連携を強める。
オリーブの機能拡張を狙い、三井住友銀行の口座から他行の口座にワンタッチで送金するサービスなどを想定している。
オリーブの口座数は24年7月に300万件を超えた。23年のサービス開始から5年で1200万件が目標だ。大西氏はさらなる上積みを目指す
一方、収益性は「個別事業ではなくオリーブ全体で稼ぐ」と強調する。
カード事業を個別にみると加盟店管理などに莫大な費用がかかる。調達金利や人件費が上昇する中、高いポイントの付与、手数料の引き下げ
に頼った戦略は難しくなる。
グループを超えたオリーブ経済圏の拡大には提携先の開拓が欠かせない。大西氏は「サービスの中立性とユーザーの利便性のバランスには
十分配慮する」と話し、三井住友の枠にとどまらない総合金融サービスに進化させたいとの考えを示した。
2024/10/08 日本経済新聞 朝刊
三井住友銀行はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携してつくる新型店舗「オリーブラウンジ」を30~40店舗に増やす方針だ。
既存の店舗網の1割に相当する。300万人超の総合金融サービス「オリーブ」の利用者向けに特典を提供するなど、カフェなどを併設した
店舗で顧客を開拓する。
オリーブラウンジは店内にカフェや有料の作業スペースを併設する。オリーブの会員は作業スペースを無償で利用できたり、決済代金が
共通ポイント「Vポイント」で10%還元されたりといった特典を受けられる。
5月に東京都渋谷区に1号店を開き、10月7日に世田谷区の下高井戸駅前に2号店を開いた。都内の新宿、高円寺と都立大学駅前への
出店を決めたほか、2025年3月には大阪市内の船場にも店舗を置く。
下高井戸の店舗ではオリーブ会員向けに駐輪場を無償で開放するなど、独自のサービスも用意する。これまで3店舗まで広げる方針を示し
ていた。渋谷の1号店の来客が堅調だったことなどを背景に拡大を決めた。
2024/10/08 09:48 日経速報ニュース
加藤勝信財務・金融相は8日午前の閣議後記者会見で、金融所得課税の強化について「現時点で考えていない」と述べた。
「貯蓄から投資への流れを引き続き推進する必要があるという認識のなかで、少なくとも現時点ではそれをしっかりやるという
のが優先的な順位だ」と説明した。
2024/10/08 02:00 日経速報ニュース
三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の三井住友カードは、総合金融サービス「Olive(オリーブ)」の外部提携を増やす。マネーフォワード
や海外企業と組み、家計簿、旅行予約などにサービスの幅を広げる。オリーブを多彩な機能を搭載するスーパーアプリに進化させ、顧客獲得に
弾みを付ける。
三井住友カード大西社長「Oliveアップデート」
三井住友カードの大西幸彦社長が日本経済新聞の取材でオリーブの戦略を語った。オリーブはクレジットカードなどの決済機能を中心に、銀行
や証券といった複数のサービスをスマートフォンアプリ上で操作できる。
外部提携の柱がマネーフォワードとの提携だ。マネフォが個人事業を分離して設立する新会社に出資し、12月までに49%の株式を取得する。
出資を通じサービスの融合を進め、オリーブに家計簿機能を取り入れる。大西氏は「マネフォの資産管理とオリーブを組み合わせればスーパー
アプリができる」とみる。
カナダの大手旅行代理店と組んで25年に旅行予約サイトを立ち上げることも決めた。非金融事業との連携はオリーブ初の試みとなる。
オリーブと予約サイトの利用者を相互に融通し合う構想を描く。大西氏は「ユニークでデジタルに強い事業者と組み、オリーブをアップデートして
いく」と話す。
今後のオリーブのキーワードとして大西氏は、開かれた経済圏を意味する「オープン」を挙げる。自社グループだけで利用者を囲い込むのでは
なく、利便性の高いサービスとオリーブをつなぐ。裾野が広がればオリーブを介した金融取引も増えていくという考え方だ。
これまで本業で競合する他のメガバンクやクレジットカード会社との連携は進んでこなかった。オリーブの利便性を上げるには「複数の金融機
関との接続が課題だった」(大西氏)という。
マネフォの家計簿アプリは銀行やカードから、ふるさと納税仲介サイトまで約2500のサービスと連携している。マネフォ経由で他の金融機関と
の連携を強め、オリーブの機能拡張を狙う。
三井住友銀行の口座から他行の口座にワンタッチで送金するサービスなどを想定している。
目標口座数1200万、さらなる上積み目指す
オリーブの口座数は増え続けており、24年7月には300万件を突破した。23年のサービス開始から5年で1200万件を目標に掲げる。
大西氏はさらなる上積みを目指す一方、収益性については「個別事業ではなくオリーブ全体で稼ぐ」と強調する。
カード事業を個別にみると加盟店管理などに莫大な費用がかかる。調達金利や人件費が上昇する中、高いポイントの付与、手数料の引き下げ
に頼った戦略は難しくなる。
グループを超えたオリーブ経済圏の拡大には提携先の開拓が欠かせない。大西氏は「サービスの中立性とユーザーの利便性のバランスには
十分配慮する」と話し、三井住友の枠にとどまらない総合金融サービスに進化させる考えを示した。
【関連記事】
・マネフォ、三井住友カードと個人向け新会社 Olive連携
・マネフォ、祖業の家計簿「単独では限界」 Oliveに活路
・コピペで「バフェット投資」 スマホ完結で若者も気軽に
2024/10/10 17:20 日経速報ニュース
上場企業の自社株買いが海外投資家の売りを吸収し、日本株相場が上昇している。4月以降に設定された自社株取得枠は10兆円を超え、
過去最大だった2023年度を早くも上回った。企業の資本効率改善への意識向上の表れだが、もう一段の株高には成長につながる攻めの投資
も欠かせない。
10日の東京株式市場で日経平均株価の終値は前日比102円(0.3%)高の3万9380円と続伸した。日本株相場の押し上げ役になっているのが
企業だ。
日本経済新聞社がこれから自社株買いを実施する分も含めた「取得枠」を上場廃止を含めた全上場企業を対象に調べたところ、24年4?9月
は10兆6500億円と前年同期(5兆4800億円)の2倍ペースだった。社数ベースでも649社(重複除く)と23年4~9月の499社を上回る。
市場データも企業が有力な買い手になっていることを示す。東京証券取引所が同日発表した投資部門別売買動向によれば、4月第1週から
10月第1週までに累計で4兆9600億円の買い越しとなり、年度を通じて過去最大だった22年度の9割超の水準に達した。同期間に個人も
7500億円を買い越したが、海外勢は2兆2400億円の売り越しだった。
海外投資家は岸田文雄政権下でピーク時に4兆6000億円強を買い越したが、「政治とカネ」を巡る不透明感や、為替相場に揺さぶられる市場
を前に持ち高を落とす動きが優勢だ。その売りを吸収しているのが企業による自社株買いという構図だ。
自社株買いは現状の株価が割安だと投資家に対してメッセージを発する「シグナリング効果」がある。そのため株価が大きく下がったり、PBR
(株価純資産倍率)など投資指標が低下した局面で打ち出されることが多かった。
だが、資本効率を改善させる観点からPBRの高い企業にも広がり、日本株の上値を押し上げる主体に変化しつつある。例えばPBRが6倍台
のリクルートホールディングス。同社最大となる6000億円の自社株買いを7月に発表した。手元資金から社債や借入金を除いたネットキャッシ
ュが1兆円を超えており、圧縮して資本効率を向上させる。
PBRが1倍を超える三井物産は9月に自社株買い取得枠の上限を4000億円と、5月に発表した水準の2倍に引き上げた。コマツも手元資金が
厚くなっており、8月までに約10年ぶりの自社株買いを実施した。
8月末時点で金融を除く東証株価指数(TOPIX)採用銘柄の自己資本比率は35%と5年前より4ポイント上昇した。企業業績は24年度も増益が
続くと見込まれており、お金を積極的に設備投資や企業のM&A(合併・買収)などに投資しないと資本効率が悪化しかねない。
企業が株主から預かったお金を使い、どれだけ効率よく稼いだかを示す自己資本利益率(ROE、日経集計)は25年3月期に8.6%と4年ぶりに
9%割れと頭うち感がでてきた。米国(20%前後)や欧州(14%前後)にも届かない。ニッセイ基礎研究所の森下千鶴研究員は「投資家の資本
効率への目は厳しくなっている。成長に向けた投資をしないのならば還元への圧力が一段と強まる可能性がある」と話す。
シティグループ証券の松本圭太市場営業本部長は「企業経営者の野心的な施策がここに来て減速した感覚を持つ海外投資家は多い。日本
株への関心は落ちている」と話す。足元では景気底打ち期待の強まる中国株に資金を移す動きも出ている。日経平均が7月11日につけた最高
値(4万2224円)を更新できるかは、企業の成長投資への姿勢を評価する海外勢の買いが戻ってくるかにかかっている。
【関連記事】
・ブラックマンデー、令和と昭和の相似形 自社株買い加速
・急落後の自社株買い相次ぐ ソフトバンクGは5000億円
2024/10/11 02:00 日経速報ニュース
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社、バークシャー・ハザウェイが10日、円建て社債の発行条件を決めた。発行総額は
2818億円と2019年の初回債に次ぐ大型債となった。調達資金は日本株投資に振り向ける見通し。相場全体を押し上げる原動力になるとの
期待が広がっている。
円建て債の起債は今年4月以来となる。3年債と5年債、7年債、10年債、20年債、28年債、30年債の7本立てで、23日に発行する。3年債
が1554億円と最も発行額が多く、利率は1.031%だった。次いで多いのは5年債の580億円で利率は1.265%。当初発行予定だった15年債は
取りやめ、28年債に切り替えた。投資家の需要を踏まえたという。
年間の合計発行額は5451億円となり、初めて発行した19年の4300億円を上回り過去最高になる。
バークシャーは今年2月に公表した恒例の「株主への手紙」で日本に言及するなか、「日本のポジションのほとんどを社債で調達してきた」
と指摘している。今回の起債も日本株投資に充てるとの読み筋につながっている。
資金の振り向け先として真っ先に連想されるのが、バークシャーが保有している日本の5大商社株だ。
ただ、保有比率を引き上げたことに関する大量保有報告書や変更報告書は23年7月以降は提出されておらず、10日の5大商社株の終値
もすべて1%高にとどまった。5大商社株の保有比率は最大で9.9%までと方針を示すなか、すでに約9%を保有しており、買い増しの余地は
限定的だ。そのため別の銘柄に投資するとの思惑が目立つ。
バフェット氏が好む銘柄は一般に、自己資本利益率(ROE)が高く、借金がないかあっても低水準で、現金創出力に優れていることなどが
条件とされる。
専門家の間で注目度が高いのは金融株だ。10日は三菱UFJフィナンシャル・グループやMS&ADインシュアランスグループホールディングス
が2%高となった。業種別東証株価指数(TOPIX)で保険と銀行はともに1%高で、それぞれ上昇率の2位と3位となった。
「今年バンク・オブ・アメリカ株を大量に売ったかわりに、日本のメガバンクや地銀などが物色される可能性が高い」。和キャピタルの村松一
之運用本部部長はこう分析する。ビジネスが安定していてキャッシュフローを生み出す点に着目する。マリン・ストラテジーズの香川睦シニア
マーケットアナリストは「日銀の追加利上げが意識されるなか、利ざや拡大による収益拡大が見込める銀行株や損保株に買いが入りやすい」
とみる。
大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは海運株に関心を寄せる。「市況に影響される事業をしていることや配当利回りが高いこと
が商社と似ており、バフェット氏が好む可能性がある」と話す。
バークシャーの22年と23年の年間起債額は3000億円以下だったが、24年は5000億円を上回った。楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ
・ストラテジストは「バークシャーを含め、海外投資家が日本株を買う意欲は高いとの期待が膨らむ可能性がある」と指摘する。
バフェット氏は23年春に来日し、商社株5社の投資増を明らかにしたことが、その後の日本株の最高値を導くきっかけとなった。追加投資が
実現するかについて注目度は高い。フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは「商社以外で大量保有報告書が出されれば、
買われる銘柄の広がりが意識され、日本株全体での買い材料となるだろう」と期待感を示す。
2024/10/15 08:14 日経速報ニュース
中国の株式相場が回復の兆しを見せ始めて3週間がたった。この間、「日本株売り・中国株買い(日本株ロング・中国株ショートの解消)」の
動きが過去最大規模で進んでいることを示すデータが相次ぐ。日本から中国への資金シフトが一段と加速した場合、日本株の上値を抑える
要因となりそうだ。
9月24日ごろから始まった中国の上海・香港株式相場の上昇。中国人民銀行(中央銀行)の緩和的な政策姿勢や中国当局の不動産市場
の支援策などを背景に、上海総合指数は9月13日に付けた直近安値(2704)から今月8日に付けた2年7カ月ぶりの高値(3489)までわずか
3週間で3割も上昇した。
米ゴールドマン・サックスが週次でまとめる世界のミューチュアル・ファンド(投資信託)の資金動向では、9日までの1週間で中国本土株に
は391億ドルの資金が流入した。このうち90億ドル程度が中国外の投資家からで、「流入資金の大半は引き続き中国国内の投資家によるも
のだが、海外勢も急速に資産配分を増やし始めている」(ゴールドマンのイザベラ・ローゼンバーグ氏)という。9月後半からの3週間では611億
ドルの資金流入が発生した。
海外マネーの出所はどこか。1つは日本株市場とみられる。9日までの1週間で日本株からは88億ドルの資金が流出した。中国株が本格
的な戻りを見せ始めて以降、ゴールドマンの集計データで日本株からの資金流出が生じたのは初めてだ。フローデータを週次でまとめている
米BofAでも結果はほぼ同じで、9日までの1週間では「中国株に過去最大規模の資金が流入した一方、日本株からは史上最大規模の資金
流出が発生した」と説明する。
日本が祝日で休場だった14日の上海総合指数は前週末比2%高で終えた。ハンセン指数は0.7%安だったが、上昇に転じる場面もあった。
中国の藍仏安財政相が12日の記者会見で「財政赤字の拡大余地はある」と大規模な財政出動を示唆。米メディアの調査では記者会見で
約2兆元の財政出動が明らかになるとの予想が多かったのに対し、具体的な金額に言及はなかったが、市場は素直に好感した。
米エバコアISIのネオ・ワン氏はリポートで、「(景気刺激策の規模についての発言がなかったとしても)会見のトーンはかなり前向きで、当局
者は何度か次回の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の開催に触れた」と好意的に受け止めている。
常務委員会は通常は2カ月に1度、偶数月の終わりに近い時期に開催される。10月下旬に開催が見込まれる次回の常務委員会まで、中国
当局は国債増発を伴う景気刺激策をとってくるとの期待は残りやすい。このままいけば中国株への資金移動が続いてもおかしくはないだろう。
米モルガン・スタンレーの中国株チームは常務委員会で1?2兆元の補正予算が組まれ、金融緩和策も一段と強化されると予想する。新興
国投資で知られる著名投資家マーク・モビアス氏は13日、米ブルームバーグ通信のインタビューで中国の景気刺激策によって新興国市場の
株式相場が押し上げられると語った。中国当局は外国資本が戻ってくることを望んでおり、市場をさらに活性化しようとするため、投資家は中国
に追加の資金を振り向ける必要があるとの見方を示した。
それでも、中国経済の先行き懸念は簡単には払拭されそうにない。13日発表の9月の消費者物価指数(CPI)は食品とエネルギーを除く
コア指数が前年同月比0.1%の上昇と、上昇率は8月から鈍化した。14日発表の9月の貿易統計では輸出、輸入ともに市場予想を大きく下回
った。政策期待をどうにかつなぎとめたい中国当局と、株式市場参加者の対話がうまく進まなければ、資金の流れはいつ逆回転してもおかしく
はない。
中国経済の回復と株式相場の上昇は、日本経済と機械など中国関連銘柄に一定のプラスの影響となる。外国為替市場での円安進行もあり
15日の日経平均株価は節目の4万円を上回る場面もありそうだ。だが、いくらリスクをとりやすい環境とはいっても、欧米などの投資家がアジア
に振り向けられる資金の総額には限りがある。中国株の復調が続いた場合、日本株からの資金流出が継続する可能性が高まることになる。
2024/10/15 12:39 日経速報ニュース
15日午前の東京株式市場で日経平均株価は前週末と比べ626円高い4万0232円と、取引時間中として約3カ月ぶりに4万円を上回った。
各国中央銀行の緩和的な金融政策が景気を支えるとの期待から欧米株の最高値更新が続出するなか、海外投資家の余剰資金の流入が
日本株を一方的に押し上げる構図が鮮明になっている。
米連邦準備理事会(FRB)が11月と12月に0.25%ずつ利下げをするという見方から米経済の先行きに改めて楽観的な見方が広がり、ダウ
工業株30種平均は連日で最高値を更新。欧州中央銀行(ECB)は今週17日の理事会で2会合連続の利下げを決めると予想され、ドイツ株
価指数(DAX)は14日に最高値を更新した。リスク許容度が一段と高まっている海外投資家の買いの勢いは強く、日経平均はさほどの抵抗
もなくあっさり4万円台を回復した。
東京証券取引所の投資部門別株式売買動向によると海外投資家は10月第1週(9月30日?10月4日)に日本株を7週ぶりに買い越していた。
足元の日経平均の上昇を踏まえると、前週も買いが継続している可能性が高い。
一方、個人投資家は「利益確定売りを先行させている」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)。個人の参加が多い新興市場
では、東証グロース市場250指数が約1カ月ぶりの安値圏でのもみ合いとなっている。個人の投資余力はさほど高まっておらず、上昇が目立つ
銘柄には売りを先行させる姿勢のようだ。東証株価指数(TOPIX)も11日は日経平均と逆に下げるなど相対的に上値が重い。
日経平均の構成銘柄のなかでも、一部の値がさ株に買いが集中して指数を押し上げる展開が目立つ。午前は米ハイテク株高を追い風に、
ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、アドバンテストの3銘柄で日経平均を合計で300円超押し上げた。海外短期筋とみられる株価指数先物
への買いも途切れることなく入っている。
米ハイテク株高の象徴であるエヌビディアは、生成人工知能(AI)向けの半導体需要の拡大を見込んだアナリストの「評価引き上げ合戦」と
なっており、株価は最高値更新を視野に入れている。17日の台湾積体電路製造(TSMC)の7?9月期決算でAI半導体の需要に強気の見通し
が示されれば、海外勢はさらに半導体関連への買いを加速させるかもしれない。
外国為替市場では円相場が1ドル=149円台後半まで下落している。これから発表が本格化する4?9月期の決算では、円高による輸出企業
の業績下方修正リスクこそ和らいでいるものの、161円台まで円安が進んだ7月のように円安で輸出企業の収益がさらに積み上がる水準では
ない。ここまで発表された3?8月期の小売企業の決算は、コスト高が重荷となって減益に沈む企業も目立つ。消費者の間では値上げ疲れも
広がっている。
国内景気が上向いているとは言えない状況のなか、「海外勢オンリー」の買いで4万円台を回復した日経平均。それだけに、今後の上値余地
や調整に転じるタイミングなども海外勢のさじ加減次第となりそうだ。
2024/10/15 17:20 日経速報ニュース
【プレスリリース】発表日:2024年10月15日
生成AIを活用したサービス提供および業務効率化に向けたOpenAIとの契約締結について
株式会社三井住友フィナンシャルグループ(執行役社長グループ CEO:中島 達、以下グループを総称して「SMBCグループ」)は、OpenAI,Inc
(CEO:Sam Altman、以下「OpenAI」)と生成AI分野における契約を締結したことをお知らせします。
SMBCグループは、中長期に目指す姿である「最高の信頼を通じて、お客さま・社会とともに発展するグルーバルソリューションプロバイダー」
の実現に向けて、SMBCグループ自身のデジタルトランスフォーメーション(DX)、さらにはデジタルを活用したお客さまへの付加価値提供に
積極的に取り組んでまいりましたが、このたび、日本の大手金融機関として初めてOpenAIと契約を締結いたしました。
SMBCグループ内で活用している汎用型AIアシスタントツール「SMBC-GAI」では、2024年9月より「OpenAI API」の利用を既に開始しており、
OpenAIの最新モデルの安定したパフォーマンスと高いキャパシティを通じた「SMBC-GAI」の精度向上や利用効果の最大化に取り組んでいます。
今後は生成AIを活用し、既存オペレーションの生産性向上だけでなく、AI活用を前提としたEnd to Endのデジタルビジネス・プロダクトの開発や
顧客接点のAI化、さらには従業員の暗黙知や経験値を利活用した収益力の向上を通じて、中長期的なビジネスモデルの変革を推進してまいり
ます。
今回の契約により、SMBCグループは生成AI技術を用いた革新的なサービスの活用を通じて、日本国内およびグローバルな金融業界の変革
を推進するとともに、お客さまにこれまでにない付加価値を提供し、グローバルソリューションプロバイダーとしての地位をさらに強化してまいり
ます。
以上
■商船三井<9104.T> 4854円 +80
■成長投資から還元強化のフェーズに移行する可能性、東海東京が「Neutral」→「Outperform」、目標株価4700円→6000円
東海東京インテリジェンス・ラボが業績予想を修正。レーティングを「Neutral」から「Outperform」へ、目標株価を従来の4700円から6000円へ
引き上げた。
同社の現中計(24年3月期~26年3月期)は株主還元以上に成長投資を重視し、財務体質の強化を図るフェーズ1に相当。フェーズ2(27年
3月期~31年3月期)では同社が目指す財務KPIの達成状況を踏まえ、下限配当(現状は150円)を再設定し、株主還元を強化する見込み。
当社はROE目標の達成は難しいが、健全な財務体質(ネットD/Eレシオ0.9~1.0倍など)は概ね達成可能で、潤沢な単体利益剰余金(24年
3月期末で6772億円)もあるため、還元強化は可能と考える。具体的な還元策は見通しにくいが、当社は少なくとも26年3月期は(市場コンセ
ンサスである)減配ではなく増配をすると予想している。
現状株価には、(1)10月以降の閑散期におけるコンテナ運賃の下落、(2)コンテナ船や自動車船の供給増加と運賃下落などによる26年3月
期の大幅な経常減益の可能性が織り込まれている一方、同社が成長投資に重点を置くフェーズから株主還元の強化に重点を置くフェーズに
入る可能性があることは十分に株価に織り込まれていないと判断する。
従来の目標株価は25年3月期予想BPS6355.5円に対して、PBR0.74倍を適用して算出していたが、今回の目標株価6000円は当社算出の
株主資本コスト9.95%に25年3月期~27年3月期の3カ年平均予想ROE9.0%から導かれる妥当PBR0.90倍を25年3月期予想BPS6620.2円を
乗じて算出した、と指摘。
2025年3月期連結経常利益を修正後会社計画3500億円(EPS924.3円)に対し従来予想2290億円(EPS532.6円)から3820億円(EPS954.8
円)へと予想し、来2026年3月期同2170億円(EPS510.6円)から2125億円(EPS441.0円)へ修正し、新たに2027年3月期連結経常利益を
2142億円(EPS419.7円)と予想している。
2024/10/17 05:54 日経速報ニュース
【NQNニューヨーク=矢内純一】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。前日比337ドル28セント(0.78%)高の4万3077ドル
70セントで終え、2日ぶりに最高値を更新した。前日に下げが目立った半導体株の一角が買い直され、投資家心理の支えとなった。市場予想
を上回る決算を発表した金融株にも買いが広がった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、モルガン・スタンレーが6.4%高で終えた。朝発表の2024年7?9月期決算で売上高に相当する純営業収
益と1株利益が市場予想を上回った。金融株に買いが波及し、ダウ平均の構成銘柄では、ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースが
上昇した。
決算を発表した地銀の一角にも買いが入った。米国のインフレが落ち着く方向にあるなかで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げが経済を
支えるとの見方は根強い。米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの観測から、一部の景気敏感株が上昇。中小型株にも物色
が広がり、株価指数ラッセル2000は1.6%高で終えた。
前日に悪材料が重なって下げたエヌビディアやマイクロン・テクノロジーといった半導体株が上昇した。オランダの半導体製造装置大手、
ASMLホールディングが15日に四半期決算の発表と同時に示した収益見通しが慎重だったものの、16日に開いた決算説明会では人工知能
(AI)関連の需要に楽観的な見方を示した。市場では「半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)が17日に発表する決算で、需要の強さ
を改めて示すとの期待から買いが入った」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との指摘があった。
前日に急落したユナイテッドヘルス・グループが上昇し、ダウ平均を押し上げた。アナリストが投資判断を引き上げたシスコシステムズも高か
った。半面、インテルが下落した。中国当局系団体が16日、国家の安全保障を脅かすとして審査を申し立てたと発表し、株価の重荷となった。
アムジェンやメルクも売られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比51.492ポイント(0.28%)高の1万8367.079で終えた。半導体株の一部
が上昇したほか、テスラにも買いが入った。半面、アプライドマテリアルズなどの半導体製造装置株には売りが続いた。
2024/10/18 日本経済新聞 朝刊
米連邦準備理事会(FRB)の利下げ転換が大手銀行の投資銀行ビジネスに追い風になっている。16日に出そろった米銀大手6社の2024
年7~9月期決算では企業の活発な資金調達やM&A(合併・買収)の復調で投資銀の手数料収入が伸びた。
金利低下で融資業務の稼ぐ力には頭打ち感が出るなか、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待を支えに米銀の業績は底堅さをみせている。
大手6社の7~9月期の純利益は商業銀行業務の比重が大きいJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグル
ープが前年同期比で減益だった。投資銀行業務が主体のモルガン・スタンレーは32%増益、ゴールドマン・サックスは45%増益だった。
最終減益になった4社も1株当たり利益(EPS)はいずれも市場予想を上回った。想定より好調だったのは企業の資金調達やM&Aなど資本
市場を通じた活動を支援する投資銀行業務だ。
相対的に同業務の規模が小さいウェルズを除く大手5社の投資銀行業務の収益は合計で82億ドルと前年同期比30%増えた。モルガン・
スタンレーが5割増、シティは4割増、JPモルガンは3割増で、バンカメとゴールドマンは2割増えた。
シティのマーク・メイソン最高財務責任者(CFO)は記者向けの決算説明会で「ここ数四半期、(M&A助言業務の)仕掛かり案件は堅調と説明
してきたが、IT(情報技術)や資源、ヘルスケアなどの分野でディールが顕在化しつつある」と述べた。
2024/10/25 日本経済新聞 朝刊
世界的な利下げが景気を下支えするとの見方から金融株が上昇している。企業の資金調達需要の拡大を追い風に融資残高や株式・債券の
引受手数料が増え、業績が拡大するとの期待が高まっているからだ。中でも運用残高が膨らんでいる資産運用会社の上昇が目立つ。
グローバル株の代表的な運用指標であるMSCI全世界株指数(ACWI)の業種別指数「金融」は18日に196.599まで上昇し、2010年の
算出開始以来の最高値をつけた。
23日時点では2023年末比21%高と、世界株全体の上昇率(18%高)を上回る。景気の底堅さが意識された9月ごろから騰勢を強め、世界
株との差を広げた。米JPモルガン・チェースは31%高と上場来高値圏だ。
背景には景気の軟着陸期待がある。各国の債券市場では利回り曲線の傾きが急になるスティープ化(急勾配化)が進む。政策金利の引き下げ
で短期金利は低下しているが、長期金利は上昇傾向にある。
明治安田アセットマネジメントの福川勲シニア・リサーチ・アナリストは「市場の強気な経済見通しを映している」と指摘する。利回り曲線のステ
ィープ化は銀行収益の追い風になる。
福川氏は「堅調な景気を背景に、企業の資金需要は底堅い。貸出金利は上昇するだろう。融資残高の増加も純金利収入を支える」と指摘。
業績拡大は中長期的に続くとみる。
米ゴールドマン・サックス(34%高)や米モルガン・スタンレー(27%高)など投資銀行業が主体の金融株も堅調だ。世界的な景気回復・拡大
で企業の資金調達やM&A(合併・買収)が増え収益が拡大するとの見方が背景にある。
「利下げサイクルの始まりが経済の軟着陸への楽観論を再び呼び起こし、経済活動の活性化を促すだろう」。ゴールドマンのデービッド・ソロ
モン最高経営責任者(CEO)は15日の決算発表でこう説明した。債券や株の引受業務など手数料収入が伸び、24年7~9月期の純利益は
前年同期比45%増となった。
モルガン・スタンレーのテッド・ピックCEOも16日の決算で「M&Aの復活に強気」と話し、業績拡大に自信を示す。
欧州の金融株にも米金融株高が波及している。欧州主要600社の株価指数であるストックス600が23日時点で23年末比8%高にとどまる
中、ストックス600銀行指数は同22%高い。
仏資産運用大手アムンディのバリー・グラビン株式運用部門ヘッドは「欧州景気は来年にかけて回復していく」とみる。「企業の生産性向上に
向けた投資加速を背景に、欧州金融大手の融資残高の伸びは続く」と話す。
より高いリターンを求める投資家のマネーを引き寄せているのがプライベートエクイティ(PE=未公開株)ファンドだ。投資運用大手では、米ブラ
ックロックが22%高、米ブラックストーンが27%高、米KKRが67%高となっている。
ブラックストーンは17日の決算で、9月末時点の運用資産が前年同期比10%増の1.1兆ドルと過去最高になったと発表した。プライベート
クレジット(ファンドによる融資)など融資実行額は前年同期比の3.1倍に膨らんだ。M&Aなど向けの企業の借り入れ需要が高まっている。
ブラックロックも11日の決算で、運用資産総額が11.5兆ドルと過去最高になったと発表した。上場投資信託(ETF)を中心に新規資金の流入
が増え、7~9月期の機関投資家からの資金流入は前年同期の減少から一転、プラスに転じた。
欧州大手投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズの日本共同代表・赤池敦史氏は「運用ファンドの骨組みを支えるのは実体経済の成長だ
」と強調する。
年金や大学基金などのファンド出資者がリスク資産への選好を強めるほど、未公開株など流動性の低いプライベート資産にも資金が集まり、
資産管理報酬を得る運用会社の収益が拡大する。
米経済は大崩れしないとの前提が支える金融株高。大手が堅調な一方で、地銀株で構成するKBWナスダック地銀株指数は23日時点で23
年末比6%高にとどまる。不動産融資比率が高い地銀株には不良債権処理の与信費用の増加などへの警戒感もくすぶる。期待先行で買われて
いる側面もあるだけに、急激な株高の巻き戻しには注意が必要だ。
2024/10/28 09:49 日経速報ニュース
28日の東京株式市場で、日経平均株価は一時前週末と比べ700円超高い3万8600円台半ばまで上昇した。衆院選での自民、公明両党の
過半数割れを受け、朝方は続落して始まったものの、為替の円安や米半導体株高を背景に、次第に買い戻しが優勢となった。
27日投開票の衆院選で自民、公明両党は計215議席と過半数を割り込んだ。朝方は政治の不透明感を警戒した売りが先行したものの、
その後は上げに転じた。日経平均は先週に週間で1000円超下げており、大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは「先週時点で
市場は与党の過半数割れを織り込んでいた」と指摘する。
前週末の米株式市場で、半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅高となった。東京市場でもアドバンテスト
、レーザーテックなど半導体関連株が上昇し、日経平均を押し上げている。
2024/10/28 12:44 日経速報ニュース
衆院選から一夜明けた28日の金融市場では円安が加速し、長期金利が上昇した。自民、公明両党が議席を大きく減らす大敗を喫し、与党で
過半数を割り込んだためだ。石破茂首相は政権維持に向けて野党との連携を模索する考えだ。協力を仰ぐとみられる日本維新の会や国民民主
党との連携を見込み、市場は財政出動と緩和的な金融政策による「高圧経済」の実現を織り込み始めている。
27日投開票の衆院選での自公両党の獲得議席数が215で、定数465の過半数(233)に届かなかった。石破首相は27日、衆院選の結果を踏ま
えて職責を全うするのかと問われ「それはそういうことだ」と語り、続投を示唆。政権継続に向けて国民民主や維新といった政策理念が近い野党
と閣外協力などを探るとみられている。
国民民主は公約で、名目賃金上昇率が当面4%に達するまで積極財政と金融緩和を講じる「高圧経済」の実現を目指している。維新も積極
財政に前向きで、日銀に対しては雇用最大化や経済成長率の持続的な成長を使命に加えることを掲げる。石破政権がこの主張を取り入れれば
政策には「選挙前に比べて財政拡張の圧力が増し、金融緩和状態の継続が選好されやすいバイアスが生じる」(SMBC日興証券の丸山義正
チーフマーケットエコノミスト)。
市場はいち早く高圧経済の実現を織り込み始めている。わかりやすいのが債券市場で、28日は長期金利の指標となる新発10年物国債の
利回りが一時0.965%と前週末から0.020%上昇(価格が下落)した。とりわけ目立ったのが金融政策の影響を受けやすい中期ゾーンよりも、
経済動向や債券需給を反映しやすい超長期ゾーンの金利上昇だ。
中期債にあたる新発5年債利回りが0.580%と同0.005%の上昇にとどまるのに対し、超長期債では新発30年債利回りが同0.040%高い
2.215%まで上昇。イールドカーブ(利回り曲線)の傾きが急勾配になる「スティープニング」が進んだ。みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券
ストラテジストは「超長期債利回りの上昇が目立つのは、財政拡張が意識されているため」と分析する。
外国為替市場では高圧経済の実現を見込み、円安・ドル高が加速している。28日には円相場が一時1ドル=153円88銭近辺と7月末以来
およそ3カ月ぶりの安値をつけた。「財政支出拡大の観測や政治混乱で日銀追加利上げが遅れる可能性が円売りを促した」(ふくおかフィナ
ンシャルグループの佐々木融チーフ・ストラテジスト)。高まりかねない財政リスクも金利上昇と歩調を合わせるように円安要因となっている。
石破首相の具体的な政権運営の形が定まるまで、市場には不安定さが残る可能性は高い。特に政治情勢が日銀の金融政策運営にどの
ような影響を及ぼすかは不透明だ。円安加速は物価の上振れリスクとなり国民の支持が離れていく原因にもなりかねず、日銀にとっても「追加
利上げを判断する『時間的余裕』がなくなる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジスト)との声がある。
日銀内からは足元の経済・物価情勢が「順調」との声が聞かれる。個人消費は緩やかな増加を続け、10月の東京都区部の消費者物価
指数(CPI)では一部サービスで期初の値上げが反映される形で物価に上昇圧力がかかっており、「2%の物価安定の目標」の達成に向け
て「総じてオントラック」と評価しているようだ。
日銀は30?31日に開く金融政策決定会合で政策金利を据え置くものの、利上げ路線は崩さないとみられる。しかし、野党が緩和的な金融
環境の維持を閣外協力の条件に挙げる可能性も排除できない。「政局次第で日銀を取り巻く環境は一変しうる」(国内証券のエコノミスト)と
の声もあり、情勢はなお流動的といえそうだ。
2024/10/29 日本経済新聞 朝刊
三井住友カードは28日、公共交通機関向けのタッチ決済サービス「stera transit(ステラトランジット)」を関西を中心に全国に普及させて
いく方針を発表した。大手私鉄16社と公営地下鉄8社の駅の半数に導入済みだが、2025年度末までに7割に拡大する。29日から阪急
電鉄や近畿日本鉄道などでのサービス開始を契機に、カード決済の認知度を広げる。
大西幸彦社長は28日の記者会見で「国際博覧会(大阪・関西万博)に来場する訪日客だけでなく、地域の人にも日常的に利用してもら
えることを目指す」と語った。
ステラトランジットはタッチ決済に対応したクレジットカードやスマートフォンを自動改札機などにかざすことで乗車できるサービスだ。大手
私鉄を中心に28日時点で133の事業で採用されている。交通系ICカードを持たない訪日客がスムーズに乗車できるほか、カード利用で
ポイントがたまることなどから国内の利用者も増えている。
768.7円 (-4.1)
収益安定化が進み、25年3月期は好調の可能性、岡三が新規「強気」、目標株価1150円
岡三証券が目標株価を1150円に設定、レーティング「強気」で新規カバレッジを開始した。
19年3月期から23年3月期までは、数百億円単位の損失が出る四半期が年度に1~2回発生し、ボトム収益のボラティリティーが高い状態が
続いていたが、24年3月期以降は巨額損失の計上もなくなり、収益の安定度が高まった。リテールでのストック収入比率の引き上げや直近
数年の経費削減努力により、相場環境が低迷した時でも一定の収益を計上できるようになった点も大きい印象だ。同社は2020年に「パブリ
ックに加え、プライベート領域の拡大・強化」を掲げ、オルタナティブ運用ならびに販売の積極化を進めている。運用資産のボラティリティーが
高くなる可能性があるが、24年3月期末では運用資産89兆円の2%にとどまり、80年代から同分野が発達した米国市場に比べると、国内市
場ではまだ顧客の理解度を含め浸透していない。当面は業界リーダーとして啓蒙も含めた市場形成が必要な段階で、収益貢献はもう少し先
となる印象だ。
25年3月期は相場環境が良く、国内外の証券業界全体に、米国債取引や投資銀行部門で好調な利益進捗が期待できよう。国内株式市場
も大型のIPO・売出し案件が続き、投信販売も好調な推移が続いており、リテール部門・ホールセール部門ともに堅調な業績が期待できる。
同社の25年3月期第1四半期はリテール・ホールセール・資産運用の3事業部門ともに好調で、米大手銀の7~9月期決算でも投資銀行部門
(証券部門)の収益が好調だったことも合わせて考えれば、第2四半期並びに通期でも前期比大幅な増益での着地が可能と当社では見てい
る、と指摘。
今2025年3月期連結純利益を2993億円(EPS101.3円)、来2026年3月期3071億円(EPS103.9円)、2027年3月期2826億円(EPS95.7円)と
予想している。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20241028-OYT1T50213/
三井住友銀行は、2025年4月入行の新入社員を対象に、最短2年目で海外配属を確約する採用コースを新設した。入社後の部署がどこに
なるか分からない「配属ガチャ」を排することで、英語力がある優秀な学生を確保する狙いがある。入社時に海外配属を確約する採用は国内銀行
では初めてだという。
配属先は米ニューヨークか英ロンドンとし、採用数は数人を想定する。査証(ビザ)を取得するために1年間は国内勤務が必要だが、ビザが取
れ次第、赴任する。志望する学生には、英語民間試験のTOEFL105点以上などを目安とする高い英語力を求める。
現地の外資系企業や自治体との交渉といった、欧米での金融ビジネスに求められる知識や経験を早くから積んでもらい、将来的には海外戦略
の立案や実行をリードする人材に育成したい考えだ。
日本では金利の低い環境が長く続いたことから、国内大手行は金利の高い海外でのビジネスを強化してきた。三井住友銀は収益の約4割を
海外事業が占める。かつては現地に進出した日系企業向けビジネスが中心だったが、近年は現地企業向けの強化も進めている。
大手行は海外ビジネスの強化に伴って海外人材の獲得を強化している。三菱UFJ銀行やみずほ銀行も、海外業務を志望する学生向けにコース
別の採用枠を設けているが、配属の確約まではしていない。