先日のFOMCでは、8会合連続での政策金利据え置きが決定されたものの、声明文でのリスクが、これまでの「インフレリスクのみ(highly attentive to inflation risks)」から「2大責務の両面のリスクに留意する(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)」に変更された。そして、パウエルFRB議長が9月FOMCでの利下げ開始の可能性を示唆したことで、ドル売り・円買いに拍車がかかっている。 FOMC声明は、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(雇用の最大化maximum employmentと物価の安定stable prices)のうち、「物価の安定」に重点を置き、「高い水準のインフレ(elevated inflation)」の抑制を打ち出してきた。
内田副総裁の発言を受け、昨日のドル円は早朝の安値から3円60銭を超えるドル高・円安、株式市場は2000円の値幅で振れる結果となった。市場の安定性を保つべき中央銀行のコミュニケーション能力不足で流動性が崩壊し、海外からも「日銀の信頼性が損なわれつつある(Bank of Japan credibility is looking strained)」と評価されている。本日も傷んでしまったマーケットの中でドル円は些細なニュース等で、再び荒い値動きになることが予想される。
先週末の海外市場では、パウエルFRB議長がジャクソンホール会議の開会宣言において、例年通り、経済金融に対する見通しを表明しました。市場はリアルタイムで流れる会議を主催している米カンザスシティ連銀のユーチューブを見守ることになったわけですが、議長は「インフレの上振れリスクが減少してきているが、雇用の下方リスクは高まっている」ことに言及。「政策調整の時が来た(The time has come)。方向性は明確だ」ときっぱりと言及しました。
2024年8月23日、パウエルFRB議長は、カンザスシティー地区連銀が開催する第46回ジャクソンホール会合での講演で、主要政策金利を引き下げる時が来たと述べた。ここ数十年で最悪となったインフレを鈍化させるという仕事の完了を目指しつつ経済の力強さ保持に取り組む中、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月に利下げを開始するとの見通しを裏付けたほか、労働市場のさらなる冷え込みを防ぐ意図を明確にした。 FOMCは、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」と「物価の安定」)のうち、「物価の安定」に特段の重点(highly attentive to inflation risks)を置いてきた。しかし、7月FOMCの声明文では、「2大責務の両面のリスクに留意する」(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)との文言に変更された。すなわち、リスクバランスはこれまでのインフレ抑制に軸足を置いた状態から、インフレと雇用の間でバランスした状態になった、と判断が修正されたのである。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」と「物価の安定」)の内、「物価の安定」に特段の重点(highly attentive to inflation risks)を置いてきた。しかし、7月FOMCの声明文では、「2大責務の両面のリスクに留意する」(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)との文言に変更された。すなわち、リスクバランスはこれまでのインフレ抑制に軸足を置いた状態から、インフレと雇用の間でバランスした状態になった、と判断が修正されたことになる。
2024年1月8日、国際政治学者のイアン・ブレマー氏が率いる米調査会社ユーラシア・グループが発表した2024年の世界の「10大リスク」では、1位が「米国の分断(United States vs. itself)」、2位がイスラエル対ハマス(Israel vs. Hamas)、3位がロシア対ウクライナ(Russia vs. Ukraine)だった。
FOMCは、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」と「物価の安定」)のうち、「物価の安定」に特段の重点(highly attentive to inflation risks)を置いてきた。しかし、7月FOMCの声明文では、「2大責務の両面のリスクに留意する」(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)との文言に変更された。すなわち、リスクバランスはこれまでのインフレ抑制に軸足を置いた状態から、インフレと雇用の間でバランスした状態になった、と判断が修正されたのである。
2.パウエルFRB議長:利下げ開始示唆 米連邦公開市場委員会(FOMC)は、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」と「物価の安定」)の内、「物価の安定」に特段の重点(highly attentive to inflation risks)を置いてきた。しかし、7月FOMCの声明文では、「2大責務の両面のリスクに留意する」(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)との文言に変更された。すなわち、リスクバランスはこれまでのインフレ抑制に軸足を置いた状態から、インフレと雇用の間でバランスした状態になった、と判断が修正されたのである。 2024年8月23日、パウエルFRB議長は、カンザスシティー地区連銀が開催する第46回ジャクソンホール会合での講演で、主要政策金利を引き下げる時が来たと述べた。ここ数十年で最悪となったインフレを鈍化させるという仕事の完了を目指しつつ経済の力強さ保持に取り組む中、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月に利下げを開始するとの見通しを裏付けたほか、労働市場のさらなる冷え込みを防ぐ意図を明確にした。
この要因としては、7月30-31日に行われたFOMC後にパウエル議長が、これまでの「インフレリスクへ高い関心(highly attentive to inflation risks)」から「2つの責務(物価の安定と持続可能な雇用の最大化)の両面におけるリスクに注意(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)」に変わったのがきっかけだ。 そして、8月23日に行われた米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(通称・ジャクソンホール会議)でパウエルFRB議長はさらに踏み込み「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」と述べ、物価の安定への警戒感を緩めている。その反面「労働市場の冷え込みは間違いない」と雇用に関しては、これまで以上の警戒感を示している。よって、ここ最近のインフレ指標の結果では、市場は最低限は反応するものの、これまでのようにトレンドを作るほどにはなりにくくなっている。
https://talk.jp/boards/livemarket2/1722381259
メダル日本7個で首位のまま。6個フランス
943 名前:Trader@Live![sage] 投稿日:2024/07/31(水) 17:37:21.81 ID:nWBOx
今日高値から4円近く下げてるぞ
昨日は155円だったんだぞw
【速報】ハマス指導者ハニヤ氏殺害への報復はイランの使命=最高指導者ハメネイ師
95 名前:山師さん@トレード中[sage] 投稿日:2024/07/31(水) 17:25:32.33 ID:8qa5E
市況かぶ全力2階建
植田日銀、事前の情報リークどおり追加利上げを決定した上でしれっとタカ派に変貌
大阪9月限
日経225先物 39230 +740 (+1.92%)
TOPIX先物 2797.0 +46.0 (+1.67%)
日経225先物(9月限)は前日比740円高の3万9230円で取引を終了。寄り付きは3万8050円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8105円)にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まった。現物の寄り付き直後には3万7950円まで下落。その後はショートカバーが入って前場中盤には3万8200円を回復し、3万8150円~3万8250円辺りで保ち合いを継続。前場終盤にはカバーの動きが強まり、3万8400円を回復した。日銀の金融政策決定会合の結果待ちとなるなか、ランチタイムでは3万8350円~3万8480円処での推移だった。
後場の取引開始後に日銀会合の結果が判明すると、初動はショートが強まり、一時3万8090円まで売られた。ただし、直後にカバーが強まり、中盤にかけて3万8700円を回復。その後は3万8500円~3万8700円処のレンジで推移したが、終盤にかけて値がさハイテク株の一角が急伸するなかでショートカバーを強め、3万9230円と本日の高値で取引を終えた。
日銀が追加利上げを検討すると伝わり、円相場が1ドル=152円台と円高に振れて推移するなか、朝方の先物市場ではリスクヘッジのショートが先行した形だった。また、米国の時間外取引でマイクロソフト<MSFT>が売られたことや、地政学リスクの高まりもショートに傾かせたようだ。ただし、寄り付き直後に3万7950円まで売られた後は、カバーが優勢だったほか、アク抜けを想定した押し目狙いのロングも入ったとみられる。
日銀会合の結果が判明したのは後場の取引が始まってからだった。結果判明後の急落局面ではアク抜けを狙ったロングが強まったと考えられる。さらに終盤には、「バイデン政権の新たな対中輸出規制で、日韓とオランダは適用が除外される見通し」と報じられると、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が1社で日経平均株価を200円超押し上げるなど、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が急伸し、先物市場ではヘッジ対応のロングが強まったようだ。
日経225先物は高値引けとなり、25日の下落分を吸収し、75日移動平均線を上回ってきた。自律反発としてはいったん達成感が意識されやすいところだろう。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けた米国市場の反応が注目される。マイクロソフトの下落は織り込み済みであり、グローベックスの主要な米株先物は堅調に推移しており、ナスダック100先物の上昇率は1.5%程度で推移している。
なお、為替市場では現在、円相場が1ドル=150円前半まで円高が進行している。151円58銭辺りで推移している200日線を割り込んできたことで、トレンドが強まった面もありそうだ。これを受けて、日経225先物はナイトセッションで一時3万8440円まで売られており、本日の上昇分を帳消しにする形となった。
NT倍率は先物中心限月で14.02倍に上昇した。前場は指数インパクトの大きい値がさ株が弱い値動きとなるなか、一時13.89倍と前日の安値水準まで下げる場面もみられた。その後は、後場終盤からのハイテク株高の影響により、足もとの保ち合いレンジの上限を捉えている。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が4万2063枚、ソシエテジェネラル証券が2万4973枚、サスケハナ・ホンコンが8577枚、バークレイズ証券が5744枚、SBI証券が5069枚、JPモルガン証券が4336枚、野村証券が4023枚、楽天証券が2920枚、モルガンMUFG証券が2318枚、日産証券が1740枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が4万4826枚、ソシエテジェネラル証券が3万2235枚、バークレイズ証券が7680枚、ゴールドマン証券が5629枚、JPモルガン証券が5505枚、モルガンMUFG証券が5044枚、サスケハナ・ホンコンが4848枚、ビーオブエー証券が3327枚、みずほ証券が2719枚、BNPパリバ証券が2187枚だった。
日銀会合の結果が判明したのは後場の取引が始まってからだった。結果判明後の急落局面ではアク抜けを狙ったロングが強まったと考えられる。さらに終盤には、「バイデン政権の新たな対中輸出規制で、日韓とオランダは適用が除外される見通し」と報じられると、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が1社で日経平均株価を200円超押し上げるなど、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が急伸し、先物市場ではヘッジ対応のロングが強まったよう
金メダル7個で並んだ中国がトップに
111 名前:Trader@Live![sage] 投稿日:2024/07/31(水) 18:58:05.20 ID:nWBOx
3時間で3円下げて安値圏w
財務省は31日、6月27日-7月29日に外国為替市場での介入額は5兆5348億円だったことを明らかにした。
チャート見ると150つきぬけてるんだけど
指値やくていしてないんどけど
これなんでなん?
業者のノミ行為につかわれた?
NYタイムは、金融マーケット全体にとって最注目材料である米連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策が発表となる。内容の受け止め方次第で大きく振れそうだ。
政策金利であるフェデラルファンドレート(FF金利)の誘導目標レンジ5.25-5.50%は据え置かれるとの見方。声明で「高止まりしている」とされていたインフレについて、「落ち着き始めてきた」など、物価高への懸念を後退させる内容の文言が織り込まるかどうかがポイントだろう。
そして会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見で、次回9月会合の利下げを示唆する発言があればドルの上値を抑制する材料となる。日銀の利上げと合わせ、ドル円を圧迫する要因となるだろう。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、5月3日安値151.86円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、3月19日安値149.03円。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が2時半から記者会見
今晩は金融政策に注目。昨日はダウ平均が203.4ドル高(+0.50%)と反発した一方、S&P500が0.50%安、ナスダック総合が1.28%安とともに3日ぶりに反落した。引け後のマイクロソフトをはじめ、週内に発表されるメタ、アップル、アマゾンの決算発表を控える中、エヌビディアなどが大幅安となったことでハイテク株が下落した。引け後に決算を発表したマイクロソフトは売上高と利益が予想を上回ったものの、クラウド事業の売上高が予想を下回った。株価は時間外で一時6%安まで下落したが、その後下落幅を縮小し、2.72%安で終了した。
今晩の取引ではマイクロソフトの下落が相場の重しとなることが懸念されるが、金融政策の見通しを巡に取引時間午後に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)が焦点となりそうだ。今会合では政策金利の据え置きが確実視されているが、足もとでインフレ鈍化を示す経済指標が続いたことで市場では9月、11月、12月の3回のFOMCでの利下げ見通しが強まっている。声明文や会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見内容が市場の期待に沿ったものになれば、利下げ期待の高まりが相場の支援となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC結果公表、パウエルFRB議長記者会見のほか、7月ADP民間部門雇用者数など。企業決算は寄り前にはヒューマナ、ボーイング、引け後にメタ、クアルコムなどが発表予定。
(31日終値:1日2時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.55円(31日15時時点比▲2.31円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.74円(▲2.72円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0809ドル(▲0.0015ドル)
FTSE100種総合株価指数:8367.98(前営業日比△93.57)
ドイツ株式指数(DAX):18508.65(△97.47)
10年物英国債利回り:3.970%(▲0.073%)
10年物独国債利回り:2.304%(▲0.036%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月独輸入物価指数
(前月比) 0.4% 0.0%
(前年比) 0.7% ▲0.4%
7月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.1% 0.1%
(前年比) 2.3% 2.2%
6月仏卸売物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.3% ▲1.6%・改
7月独雇用統計
失業率 6.0% 6.0%
失業者数変化 1.80万人 2.00万人・改
7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.6% 2.5%
7月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.9% 2.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ドル円は大幅安。日銀の利上げを受けて欧州勢が円買い・ドル売りで参入。植田和男日銀総裁が定例記者会見で追加利上げの可能性を示唆すると全般円買いが加速した。市場では「植田総裁は今後数回の利上げにも前向きな姿勢をにじませた。総裁発言はタカ派と受けとめられている」との声が聞かれた。
NY市場に入ると、7月ADP全米雇用報告や4-6月期米雇用コスト指数が予想より弱い内容となったことを受けてドル売りが優勢に。23時過ぎに一時149.64円と3月19日以来約4カ月ぶりの安値を付けた。
ただ、売り一巡後は150.68円付近まで下げ渋った。一時は4.0892%前後と3月12日以来の低水準を記録した米10年債利回りが4.11%台まで低下幅を縮めるとドル買い戻しが入った。
・ユーロ円も大幅に下落した。植田日銀総裁の会見をきっかけに、日銀による金融政策の正常化が今後さらに進むとの観測が高まると全般円買いが活発化。17時過ぎに一時162.21円と3月19日以来約4カ月ぶりの安値を更新した。
ただ、売り一巡後は163.00円を挟んだもみ合いに転じた。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ユーロドルは一進一退。円絡みの取引が中心となったことや、米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に動意に欠ける動きが続いた。
日本時間夕刻に一時1.0807ドルまで値を下げたものの、7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を上回ったことが分かると買い戻しが進行。予想を下回る米経済指標を受けて米長期金利が低下した場面ではユーロ買い・ドル売りが強まり一時1.0849ドルと日通し高値を付けた。
ただ、独長期金利が低下幅を拡大し、米長期金利が低下幅を縮めると1.0804ドルの本日安値まで押し戻された。
・ロンドン株式相場は反発。本日のアジア株相場が上昇した流れを受けて、英株にも買いが波及した。中東情勢の緊迫を背景に原油先物相場が上昇するとBPやシェルなどエネルギー株が買われた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も堅調。決算と自社株買いが好感されたHSBCをはじめ金融株も値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。米国による対中半導体輸出規制で日韓とともにオランダが適用対象外になると伝わると、投資家心理が改善。半導体関連株が買われた。シーメンス・エナジー(5.90%高)やエアバス(4.84%高)、フレゼニウス(4.04%高)などの上昇も目立った。
・欧州債券相場は上昇。独10年債利回りは一時2.300%前後と約4カ月ぶりの低水準を付けた。
(31日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.98円(前営業日比▲2.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.36円(▲2.89円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0826ドル(△0.0011ドル)
ダウ工業株30種平均:40842.79ドル(△99.46ドル)
ナスダック総合株価指数:17599.40(△451.98)
10年物米国債利回り:4.03%(▲0.11%)
WTI原油先物9月限:1バレル=77.91ドル(△3.18ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2473.0ドル(△21.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
・ドル円は大幅に続落。植田和男日銀総裁の会見をきっかけに、日銀による金融政策の正常化が今後さらに進むとの観測が高まると全般円買いが先行。7月ADP全米雇用報告や4-6月期米雇用コスト指数が予想より弱い内容だったことが分かるとドル売りも優勢となり、23時過ぎに一時149.64円まで値を下げた。そのあとは米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えたポジション調整目的の買いなどが入り、FOMC結果公表直後には151.26円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは非常に鈍かった。
FOMCはこの日、市場予想通り政策金利を5.25-5.50%で据え置くことを決めたと発表。声明では「インフレ目標に向けてのさらなる進展がみられた」「経済の見通しは不確実で、委員会は二つの責務の両サイドに対するリスクを大いに注視している」との見解が示された。また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は会見で「FOMCは利下げに近づいているという感触を得ている」「9月FOMCで利下げが選択肢になる可能性ある」と述べ、9月利下げの可能性に言及した。市場では米金利の低下とドル売りが優勢となり、4時30分過ぎに一時149.61円と3月19日以来約4カ月ぶりの安値を付けた。
なお、米10年債利回りは4.0296%前後と2月2日以来の低水準を記録した。
・ユーロドルは3日ぶりに小反発。欧州時間発表の7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を上回ったことが分かるとユーロ買い・ドル売りが先行。予想を下回る米経済指標を受けて全般ドル売りが強まると一時1.0849ドルと日通し高値を付けた。
ただ、そのあとは米重要イベントを控えたポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いが進行。FOMC直後には一時1.0802ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、パウエルFRB議長の会見を受けて米金利の低下とドル売りが優勢になると、1.0833ドル付近まで持ち直している。
・ユーロ円は大幅に4日続落。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、しばらくは方向感が出なかったものの、引けにかけて弱含んだ。日銀の追加利上げ観測を背景に全般円買いが入りやすい地合いとなる中、4時30分過ぎに一時162.02円と3月18日以来約4カ月ぶりの安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。パウエルFRB議長がFOMC後の会見で9月利下げの可能性について言及すると主力株に買いが集まり、指数は一時450ドル超上昇した。ただ、18日に付けた取引時間中の最高値41376.00ドルに接近した場面では利食い売りなどが出たため、引けにかけては伸び悩んだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に反発。米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日続伸。7月ADP全米雇用報告や4-6月期米雇用コスト指数が予想より弱い内容だったことが分かると買いが先行。パウエルFRB議長がFOMC後の会見で9月利下げの可能性について言及するとさらに買いが強まった。利回りは一時4.0296%前後と2月2日以来の低水準を付けた。
・原油先物相場は4日ぶりに大幅反発。イスラエル軍による攻撃によってイスラム組織ハマスの指導者が殺害されたことを受け、中東情勢の緊迫化による供給懸念が意識された。また、パウエルFRB議長の発言などを手掛かりに外国為替市場ではドル安が進み、ドル建てで取引される原油相場の割安感も買い材料視された。
・金先物相場は続伸。イスラム組織ハマスの指導者であるハニヤ氏がイスラエル軍による攻撃により死亡したと明らかになり、中東情勢の緊迫化は避けられないとの思惑が広がった。安全資産としての金需要が高まったほか、米長期金利の低下によって金利を生まない資産である金に資金が向かった。
31日13:03 日本銀行声明
「国債の買い入れ額、原則四半期ごとに4000億円程度ずつ減額」
「長期国債の月間買い入れ額、2026年1─3月に3兆円程度」
「国債買い入れの減額計画、全員一致で決定」
「国債買入れ減額計画、来年6月の決定会合で中間評価行う」
「長期金利が急激に上昇する場合、機動的に買い入れ増額や指し値オペ・共通担保オペなど実施」
「必要な場合には決定会合で減額計画見直すこともあり得る」
31日15:36 植田日銀総裁
「景気、一部に弱めの動きが見られるが緩やかに回復している」
「金融・為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視」
「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」
「必要な場合は決定会合で減額計画の見直しもあり得る」
「経済・物価見通しが実現していけば、引き続き政策金利を引き上げる」
「0.5%という政策金利水準、特に意識しているわけではない」
「追加利上げで経済・物価が減速するとはみていない」
「このタイミングでの利上げ、先行きの急激な利上げを回避するというプラス面もある」
「円安、物価見通しが動くかもしれないリスクとして政策判断の一つにした」
「賃金上昇が続く見通しの下で利上げの判断になっている」
「金利の到達点について、今回利上げの影響を見つつ、歩きながら考える」
「今回の利上げ、円安が必ずしも最大の要因ではない」
「政策金利、まだしばらくは中立金利より低い水準」
「保有ETFの扱い、もう少し時間いただきたい」
31日16:46 鈴木財務相
「日銀との共同声明、当面は見直す必要はないと考えている」
「日銀利上げ、政府としても実体経済への影響を注視」
※時間は日本時間
1日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「最近の指標は経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示している」
「雇用の伸びは緩やかで、失業率は上昇しているが依然低い」
「インフレ率はこの1年で緩和したが、依然としてやや高い水準にある」
「ここ数カ月間、委員会の2%のインフレ目標に向けてのさらなる進展がみられた」
「委員会は長期的に雇用の最大化と2%のインフレ率の達成を目指す」
「委員会は雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクのバランスがこの1年で改善に向かっていると判断する」
「経済の見通しは不確実で、委員会は二つの責務の両サイドに対するリスクを大いに注視している」
「目標を支援するため、委員会はFF金利の目標誘導レンジを5.25-5.50%に維持することを決定した」
「FF金利の目標誘導レンジのあらゆる調整を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」
「委員会は、インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信がさらに強まるまで、目標誘導レンジの引き下げが適切になるとは予想していない」
「さらに、委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける」
「委員会は、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する」
「もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」
「委員会の評価は労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の金融政策決定は全会一致」
1日03:35 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「責務の両サイドのリスクを注視」
「インフレ率を2%の目標に戻すことに強くコミット」
「この2年で両方の目標で大きな進歩を遂げた」
「2つの責務にしっかりと焦点を当て続ける」
「供給条件を改善し、堅調な需要を支える」
「雇用市場の需要と供給のバランスは改善した」
「経済が堅調なら、必要に応じて金利を維持する」
「利下げが早すぎるとインフレの進展が逆転する可能性がある」
「利下げが遅すぎると経済が過度に弱まる可能性がある」
「労働市場が予想外に弱まった場合、対応する準備ができている」
「最近の指標は経済が引き続き堅調なペースで拡大していることを示唆」
「データは雇用市場が過熱ではなく好調であることを示唆」
「FOMCは利下げに近づいているという感触を得ている」
「9月FOMCで利下げが選択肢になる可能性ある」
「今後の道筋は経済の進展次第」
「今年はゼロから数回の利下げのシナリオが考えられる」
「労働市場が軟化しているため、インフレの上振れリスクは減少している」
「今から9月までの間に多くのデータが得られる」
「政策制限を緩和する時が来ている」
「労働市場の下振れリスクは今や現実のもの」
「政策が制限的であることが今やはっきりとわかる」
「政策は制限的だが、極端に制限的ではない」
「今回のFOMCでは利下げの是非について真剣に議論が行われた」
「委員会の認識では利下げに近づいているが、まだそこには至っていない」
※時間は日本時間
一部通信社が報じたところによると、「イランの最高指導者はイスラエルへの報復攻撃を命令した」ようだ。
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○10:30 ◇ 4-6月期豪輸入物価指数(予想:前期比▲0.7%)
○10:30 ◇ 6月豪貿易収支(予想:50.00億豪ドルの黒字)
○10:45 ◎ 7月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:51.5)
○15:00 ◇ 7月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○16:00 ◇ 7月トルコ製造業PMI
○16:50 ◎ 7月仏製造業PMI改定値(予想:44.1)
○16:55 ◎ 7月独製造業PMI改定値(予想:42.6)
○17:00 ◎ 7月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.6)
○17:30 ◎ 7月英製造業PMI改定値(予想:51.8)
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏失業率(予想:6.4%)
○20:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:5.25%で据え置きと5.00%に引き下げで拮抗)
○20:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○20:30 ◎ ベイリーBOE総裁、記者会見
○20:30 ◇ 7月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30 ◇ 4-6月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比1.7%)
○21:30 ☆ 4-6月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比1.8%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.6万件/185.6万人)
○22:45 ◎ 7月米製造業PMI改定値(予想:49.6)
○23:00 ☆ 7月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:48.8)
○23:00 ◇ 6月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○24:00 ◇ 7月メキシコ製造業PMI
○2日01:00 ◎ ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○スイス(建国記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、植田日銀総裁が追加利上げの可能性を示唆し、パウエルFRB議長が9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性を示唆したことで、149.61円まで下落した。ユーロ円も162.02円まで下落した。ユーロドルは、7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を上回ったことで1.0849ドルまで強含んだ後、1.0802ドルまで反落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、植田日銀総裁が追加利上げを示唆し、パウエルFRB議長が9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを示唆したことで、円・キャリートレードの手仕舞いで軟調推移が予想される。
昨日の日銀金融政策決定会合では、政策金利(無担保コール翌日物金利)の誘導目標が、これまでの「0-0.1%程度」から、「0.25%程度」に引き上げられた。
そして、植田日銀総裁は記者会見で、「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べた。さらに、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示したことで、年内に1回(+0.25%=0.50%)、来年は1-2回程度で0.75%から1.00%に向けた利上げの可能性が示唆された。
日銀では、経済・物価情勢が順調に進めば、来年度にかけて政策金利を1%まで引き上げておくのが望ましいとの声が出ている、と報じられている。
このタカ派的なシナリオを念頭に置けば、世界の資産市場を押し上げてきた「円・キャリートレード」の手仕舞い、すなわち、円が買い戻される局面が想定されることになる。
次回の日銀金融政策決定会合は9月19-20日に予定されているが、20日から月末に向けて自民党総裁選が行われるため、現状の金融政策の維持が見込まれている。
岸田首相は、追加利上げに対して、「デフレ型経済から成長型経済への移行が重要という政府との共通認識に沿って行われたものだ」との見解を示した。
ポスト岸田候補の河野デジタル相や茂木自民党幹事長も、日銀に利上げを要請しており、植田日銀総裁による利上げ路線は、政府・自民党からの支持を得られることで、10月か12月の日銀金融政策決定会合での3回目の利上げの可能性を高めている。
FOMCでは、8会合連続で政策金利据え置きが決定されたものの、声明文が、これまでの「インフレリスクのみ」から「2大責務の両面のリスク」に変更された。そして、パウエルFRB議長が9月FOMCでの利下げの可能性を示唆したことで、ドル売り要因となっている。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38710 -520 (-1.32%)
TOPIX先物 2761.5 -35.5 (-1.26%)
シカゴ日経平均先物 38655 -575
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
31日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。注目された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り政策金利は据え置かれた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC後の会見で「早ければ9月に利下げする可能性がある」との見解を示した。この会見を受けてNYダウは一時7月17日に付けた最高値を上回る場面もみられた。だが、決算発表が本格化するなか、高値警戒感もあって終盤にかけて上げ幅を縮めた。
ナスダック指数は2.6%超と大幅に上昇した。「バイデン政権は新たな対中輸出規制で、日韓とオランダは適用が除外される見通し」と報じられたことを受けて、ASMLホールディング<ASML>が8%を超す上昇となったほか、決算が評価されたアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が買われた。また、前日に75日移動平均線を割り込んでいたエヌビディア<NVDA>も12%を超える上昇となるなど、半導体株に買いが広がった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、小売が上昇した一方で、銀行、家庭用品・パーソナル用品、医薬品・バイオテクノロジーが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比575円安の3万8655円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比140円安の3万9090円で始まり、寄り付きを高値にロングの解消が強まり、一気に3万8400円台まで下落幅を広げた。その後は3万8450円~3万8700円処で保ち合い、米国市場の取引開始直後には3万8390円まで下げ幅を広げた。売り一巡後は下落幅を縮めたものの、終盤にかけては3万8500円~3万8940円辺りでの荒い値動きとなり、3万8710円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まりそうだ。昨日は後場中盤辺りから東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が急伸したことにより、ヘッジ対応のロングが入る形で75日線を突破し、7月25日の急落分を吸収した。いったんは達成感が意識されるうえ、為替市場で円高の勢いが強まっていることが重荷となるが、ナイトセッションの開始早々に急落していたため、ショートが強まるよりも押し目狙いのロング対応となろう。
昨日は東エレクが1社で日経平均株価を約210円押し上げたほか、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、TDK <6762.T> [東証P]、第一三共 <4568.T> [東証P]の5社で416円ほど押し上げていた。反動安は想定されるが、アドバンテストの上方修正がポジティブ視されやすく、売り一巡後はロングが入りやすいとみられる。ただし、アームホールディングス<ARM>は利益見通しが予想に届かなかったとして時間外取引で10%超下げており、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が重荷となる可能性はありそうだ。
そのため、日経225先物はオプション権利行使価格の3万8375円から3万8875円のレンジを想定する。ボリンジャーバンドの-1σが3万8770円辺りで推移しており、同水準での底堅さがみられるようだと、再び75日線が位置する3万9000円を試すことになりそうだ。75日線を捉えると、ショートカバーが強まりやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.02倍に上昇した。前場は指数インパクトの大きい値がさ株が弱い値動きとなるなか、一時13.89倍と前日の安値水準まで下げる場面もみられた。その後は、後場終盤からのハイテク株急伸の影響により、足もとの保ち合いレンジの上限を捉えていた。本日は朝方こそ低下してくる可能性があるものの、値がさハイテク株への押し目買い意欲の強さに対して、円高進行により輸出関連株は弱含むことが想定されるため、相対的に日経平均型優位の展開が意識されやすい。
31日のVIX指数は16.36(前日は17.69)に低下した。FOMCを無難に通過したことが、安心感につながったようだ。ただし、ボリンジャーバンドのバンドが拡大傾向にあるなか、+1σ水準で下げ止まった形であるため、もう一段の低下があるかを見極めたいところである。
日経225先物は11時30分時点、前日比1160円安の3万8070円(-2.95%)前後で推移。寄り付きは3万8730円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8655円)にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まった。直後に付けた3万8760円を高値に下へのバイアスが強まり、中盤にかけて一時3万7730円まで下落幅を広げる場面もみられた。その後は終盤にかけてショートカバーも入り、3万8000円を上回っての推移を継続している。
業績上方修正を発表したアドテスト <6857.T> [東証P]が買い気配から始まり、米国でハイテク株が買われた流れを受けて東京エレクトロン <8035.T> [東証P]も買い先行で始まった。この影響もあり、日経225先物はシカゴ先物ほど下げない水準で始まった。ただし、円相場が一時1ドル=148円台まで円高に振れるなか、日米金利差縮小に伴う持ち高調整の売りが警戒される形となった。日経225先物は3万7730円まで一気に売られたが、その後は3万8000円を上回って推移しており、週足のボリンジャーバンドの-1σ(3万8020円)辺りでの底堅さがみられるかが注目されよう。
NT倍率は先物中心限月で14.08倍に上昇した。全面安商状のなか、アドバンテストが1社で日経平均株価を235円ほど支えており、日経平均型優位となった。25日、75日移動平均線が位置する14.09倍辺りを捉えてきており、同線を上回ってくるかを見極めたい。
本日のロンドン為替市場のメインは、日本時間20時からの英中銀(BOE)の金融政策イベント。政策金利はアナリスト予想では、現行5.25%据え置きと5.00%に引き下げとで拮抗している。
先々週に発表された6月英消費者物価指数(CPI)では前年比総合が2%と英中銀ターゲットを維持したものの、予想からは上振れた。サービス価格のインフレが高止まっていることもあり、この時点では早期利下げ観測が大きく後退した。しかしながら、その翌日の英雇用データがさえなく、週平均賃金の減速も確認されたため、再び緩和期待が浮上した。
そういったなか、9名の英・金融政策委員会(MPC)委員による投票も僅差となるかもしれない。前回は7対2で据え置きだったが、議事要旨では、複数の委員にとって利下げの見送りは「微妙なバランス」だったことが明らかにされた。利下げの場合、ポンドの最初の反応は売りだろう。ただし据え置きでも、MPC投票差や議事要旨次第で次回会合からの緩和サイクルの開始が確実視されようだと下値模索の展開となってもおかしくない。
英米の金融政策が連動しているわけではないものの、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が昨日の定例会見で9月利下げに言及したことも、ベイリーBOE総裁がハト派な見解を述べやすくしたかもしれない。政策金利発表後のベイリー総裁の会見は、20時30分から予定されている。
ほか、中東を巡る地政学リスクの高まりにも要警戒。イランの首都テヘランで昨日、イスラム組織ハマスの最高指導者が暗殺された。イスラエルは公式に認めていないが、同国軍の実行と見られている。これを受け、イラン最高指導者が報復攻撃を命じたと一部メディアが報じた。
報復攻撃の度合いにもよるが、イスラエルとイランが敵対姿勢を強めれば、周辺地域への悪影響は避けられないだろう。また現在、仏パリでオリンピックが開かれている。イスラエル代表の安全が脅かされ、また無関係な人々も巻き込まれる可能性も否定できない。危険度が増せば、欧州市場に対する投資家のセンチメントの弱さに繋がってしまいそうだ。
想定レンジ上限
・ポンドドル、7月19日高値1.2968ドル
・ユーロドル、7月22日高値1.0903ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0752ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・雲の上限1.2707ドル
(1日15時時点)
ドル円:1ドル=149.74円(前営業日NY終値比▲0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=162.12円(▲0.24円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0826ドル(横ばい)
日経平均株価:38126.33円(前営業日比▲975.49円)
東証株価指数(TOPIX):2703.69(▲90.57)
債券先物9月物:142.96円(△0.24円)
新発10年物国債利回り:1.030%(▲0.025)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.24600%(△0.0800)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<国内> <発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
7005億円の処分超 7307億円の処分超・改
対内株式
6705億円の処分超 569億円の処分超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下げ一服。前日の日銀会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、日米金利差縮小の思惑を背景としてドル売り・円買いが優勢となると、3月以来となる148.51円まで下落。売りの勢いが一服すると買い戻しが優勢となり、150.00円台まで切り返した。一時4.03%台に低下していた時間外の米10年債利回りが4.05%台まで上昇したことや、日経平均が下げ渋ったことが追い風となったか。
・ユーロ円は切り返し。ドル円の下げや、日経平均の大幅下落が重しとなり、3月以来となる160.89円まで下落。その後はドル円が切り返したこともあり162.40円台に上昇したが、買いの勢いが一服すると上値を切り下げた。
・ユーロドルは小動き。円主体の動きとなったこともあり、1.0820ドル台を中心として方向感を模索する展開となった。
・日経平均株価は大幅反落。前日の日銀による利上げのほか、植田日銀総裁の会見内容がタカ派的であった事を背景として、円高が進行した流れが嫌気された。寄り付きから安く始まると、下げ幅は一時1300円超となった。もっとも、後場に入ると下げたところでは押し買いが出たこともあり、下げ渋る動きとなった。
・債券先物相場は伸び悩み。前日の日銀の利上げや日銀総裁会見が重しなって142円70銭まで下押す場面が見られるも、その後は本邦株安を背景としたリスク回避の動きもあり143円台に切り返し。もっとも、143円台では上値が重く、その後は伸び悩んだ。
大阪9月限
日経225先物 37950 -1280 (-3.26%)
TOPIX先物 2696.5 -100.5 (-3.59%)
日経225先物(9月限)は前日比1280円安の3万7950円で取引を終了。寄り付きは3万8730円と、シカゴ先物の清算値(3万8655円)にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まった。直後に付けた3万8760円を高値に下へのバイアスが強まり、前場中盤にかけて一時3万7730円まで下落幅を広げる場面もみられた。その後は前場終盤にかけてショートカバーも入り、下げ渋る動きとなったが、後場は概ね3万7960円~3万8170円辺りでの保ち合いが続いた。
日経225先物は、結局のところ前日のリバウンド部分を帳消しにする形となった。米国では米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が9月の利下げを示唆した一方で、日銀の植田和男総裁は見通しが実現すればさらなる利上げもありうるとの見解を示しており、為替市場では日米金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りが強まった。前場中盤に1ドル=148円台まで円高に振れるなか、日経225先物へはショートの動きが強まったとみられる。
日米金利差縮小に伴う持ち高調整の売りにより、東証プライムの値下がり数は全体の9割超を占めた。全面安商状であるが、そのなかで上方修正を発表したアドバンテスト <6857.T> [東証P]が終日強含みで推移しており、日経平均株価を1社で200円超押し上げていた。前日には東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が200円超押し上げる展開だったこともあり、指数インパクトの大きい値がさ株の影響を受けやすい状況である。ただ、アドバンテストが全面安のなかでも強い値動きが続いたことは、決算を手掛かりとした短期的な売買というよりは、実需の買いとみられるため、地合いはそれほど悪くないように映る。
米国では大型テック株の決算が本格化しており、1日の米国市場ではメタプラットフォームズ<META>の時間外での上昇の影響がみられるだろう。また、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>の決算が予定されている。為替にらみの展開が続くと考えられるものの、大型テック株の良好な決算が続くようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への押し目狙いに向かわせそうだ。
日経225先物は3万8000円辺りでの底堅さが意識されたが、ボリンジャーバンドの-2σは下向きで推移しており、3万7230円辺りまで切り下がってきた。円相場が一段の円高に振れてくるようだと、下向きで推移する-2σに沿った調整をみせてくる可能性は意識しておきたいところであろう。また、3万8570円辺りに位置する-1σが抵抗線となりそうだが、3万8000円水準での攻防が長期化してくるようだと、抵抗線が切り下がることになる。ターゲットについても、200日移動平均線が位置する3万6700円辺りとした見方も出てくるだろう。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.07倍に上昇した。全面安商状のなか、アドバンテストが1社で日経平均株価を200円超支えており、日経平均型優位となった。一時14.12倍まで上昇しており、25日、75日線が位置する14.09倍辺りを捉えた。米大型テック株の決算を受けた値がさハイテク株の動向によって、両線を明確に上放れてくるようだと、NTロングでのスプレッドを狙った動きが入ってくる可能性がありそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が4万1317枚、ソシエテジェネラル証券が2万7775枚、サスケハナ・ホンコンが1万1998枚、バークレイズ証券が5215枚、JPモルガン証券が4517枚、モルガンMUFG証券が4049枚、SBI証券が3904枚、野村証券が3000枚、ビーオブエー証券が1877枚、シティグループ証券が1697枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が6万2041枚、ソシエテジェネラル証券が3万6726枚、サスケハナ・ホンコンが9106枚、モルガンMUFG証券が8120枚、JPモルガン証券が8035枚、バークレイズ証券が7334枚、ビーオブエー証券が7088枚、野村証券が5860枚、ゴールドマン証券が4600枚、BNPパリバ証券が4104枚だった。
NYタイムは、昨日の日銀利下げやハト派な内容と受け止められた米連邦公開市場委員会(FOMC)の余波によるドル円の戻りの鈍さが続くか注視する局面か。
FOMCは雇用の伸び鈍化に配慮した部分があったため、週末に7月米雇用統計を控えるなか、昨日の弱めだった7月ADP全米雇用報告に続き本日発表となる4-6月期米非農業部門労働生産性・速報や同単位労働コスト・速報値、前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数などの強弱を受けた振れに要注目となる。
本日の労働関連指標は前回比で強弱が交錯していたり、明確な方向感を示唆したりするような事前予想内容ではないが、予想比での強弱に反応することが想定できる。そのほか米株寄り付き後発表の7月米供給管理協会(ISM)製造業景気指数は景況指標としてだけでなく、内訳の支払い価格や雇用指数など個別の項目がマーケットに与える影響にも注意したい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、昨日NY午後の戻り151.26円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、本日東京タイム昼頃の押し目149.07円。
今晩は堅調か。昨日はアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の好決算を受けてエヌビディアなどの半導体株が軒並み高となる中、注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)で9月利下げ開始が示唆されたことで主要3指数がそろって上昇した。ダウ平均は一時455ドル高まで上昇し、99.46ドル高(+0.24%)と2日続伸して終了。S&P500は1.58%高と反発し、ハイテク株主体のナスダック総合は2.64%高と大幅反発した。半導体株はAMDが4.36%高となったほか、前日に7.04%安となったエヌビディアが12.81%高と急反発し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は7.01%高となった。引け後の動きでは第2四半期の売上高と利益が予想を上回ったメタ・プラットフォームズが時間外で7.17%高となった。
今晩は引き続き堅調か。FOMCで9月利下げ開始が示唆されたことが引き続き支援となることが期待される中、アドバンスト・マイクロ・デバイセズの好決算をきっかけに半導体株やAI関連株が反発に転じたことや、メタが予想を上回る決算を発表したことでハイテク株を中心に堅調な展開が期待できそうだ。FOMCを通過し、今後は金曜日に発表される米7月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)に注目が集まるが、今晩も新規失業保険申請件数や7月ISM製造業PMIなどの経済指標が発表されるほか、決算発表ではS&P500採用の55銘柄が発表予定で、決算やガイダンスにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、7月ISM製造業PMIのほか、7月チャレンジャー企業人員削減数、4‐6月期単位労働コスト速報値、7月S&Pグローバル製造業PMI確定値、6月建設支出など。企業決算は寄り前にモデルナ、バイオジェン、コノコ・フィリップスエア・プロダクツ&ケミカルズ、引け後にアップル、アマゾン、インテル、バーテックス・ファーマシューティカルズなどが発表予定。
(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.73円(1日15時時点比▲0.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.58円(▲0.54円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0791ドル(▲0.0035ドル)
FTSE100種総合株価指数:8283.36(前営業日比▲84.62)
ドイツ株式指数(DAX):18083.05(▲425.60)
10年物英国債利回り:3.882%(▲0.088%)
10年物独国債利回り:2.244%(▲0.060%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月英ネーションワイド住宅価格
(前月比) 0.3% 0.2%
7月仏製造業PMI改定値
44.0 44.1
7月独製造業PMI改定値
43.2 42.6
7月ユーロ圏製造業PMI改定値
45.8 45.6
7月英製造業PMI改定値
52.1 51.8
6月ユーロ圏失業率
6.5% 6.4%
英中銀(BOE)、政策金利
5.00%に引き下げ 5.25%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ドル円は戻りが鈍かった。アジア時間に一時148.51円と3月15日以来の安値を付けた反動で、海外勢が参入したあとは買い戻しが進んだ。22時過ぎには一時150.89円と日通し高値を更新した。
ただ、買い戻しが一巡すると再び上値が重くなった。7月米ISM製造業景況指数が46.8と予想の48.8を下回り、6月米建設支出が前月比0.3%減と予想の0.2%増に反して減少したことが分かると円買い・ドル売りが進行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.9627%前後と2月2日以来およそ半年ぶりの低水準を記録したことも相場の重しとなり、一時149.65円付近まで下押しした。
・ユーロドルは下落。ポンドドルの下落につれたユーロ売り・ドル買いが先行したほか、欧州株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出た。19時前には一時1.0778ドルと7月3日以来の安値を付けた。低調な米経済指標が相次ぐとユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.0818ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。ダウ平均が一時680ドル超下落するなど、米国株相場も軟調に推移したためリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出やすかった。
・ユーロ円は頭が重かった。アジア時間に一時160.89円と3月12日以来の安値まで下落した反動で買い戻しが先行。22時過ぎに一時162.89円と日通し高値を付けた。ただ、買い戻しが一巡すると次第に弱含んだ。米国株や日経平均先物の大幅下落に伴うリスク回避の円買い・ユーロ売りも入り、3時過ぎには161.40円付近まで下押しした。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1530円安の3万6420円まで急落した。
・ポンドドルは不安定な値動き。英中銀(BOE)の金融政策公表を前に、利下げを期待した向きが先回りする形でポンド売りを進めると、19時前に一時1.2755ドルまで値を下げた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。BOEはこの日、4年5カ月ぶりの利下げに踏み切ったものの、金融政策委員会(MPC)内で票が割れたうえ、ベイリー総裁が「今後は慎重に動く」との考えを示したためポンドを買い戻す動きが広がった。低調な米経済指標が相次いだことも相場の支援材料となり、23時過ぎには1.2840ドル付近まで持ち直した。
もっとも、欧米株価の下落に伴うリスク・オフのドル買いが優勢になると1.2736ドルと7月3日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
・ロンドン株式相場は反落。続伸して始まったものの、引けにかけては売りが強まり下げに転じた。BOEはこの日、0.25%の利下げを実施したものの、MPC内で票が割れたうえ、ベイリー総裁が「今後は慎重に動く」との考えを示したため株売りが広がった。米国株相場の下落も相場の重しとなった。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに大幅反落。日本株の急落や米国株の下落を受けて独株にも売りが波及した。個別ではDHLグループ(6.28%安)やコメルツ銀行(5.40%安)、エアバス(4.39%安)などの下げが目立ち、ザランド(3.08%高)などを除く35銘柄が下落した。
・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。
(1日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.36円(前営業日比▲0.62円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.18円(▲1.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0791ドル(▲0.0035ドル)
ダウ工業株30種平均:40347.97ドル(▲494.82ドル)
ナスダック総合株価指数:17194.14(▲405.26)
10年物米国債利回り:3.97%(▲0.06%)
WTI原油先物9月限:1バレル=76.31ドル(▲1.60ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2480.8ドル(△7.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数
24.9万件 23.5万件・改
7月米製造業PMI改定値
49.6 49.5
6月米建設支出
(前月比) ▲0.3% ▲0.4%・改
7月米ISM製造業景気指数
46.8 48.5
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
・ドル円は3日続落。アジア時間に一時148.51円と3月15日以来の安値を付けた反動で買い戻しが先行。22時過ぎに一時150.89円と日通し高値を付けた。
ただ、買い戻しが一巡すると再び弱含んだ。7月米ISM製造業景況指数が46.8と予想の48.8を下回り、6月米建設支出が前月比0.3%減と予想の0.2%増に反して減少したことを受けて円買い・ドル売りが優勢になった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.9627%前後と2月2日以来およそ半年ぶりの低水準を記録したことも相場の重しとなり、取引終了間際には149.29円付近まで下押しした。
・ユーロドルは反落。ポンドドルの下落にユーロ売り・ドル買いが出たほか、欧州株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出ると、欧州時間に一時1.0778ドルと7月3日以来の安値を付けた。
NY時間に入り、低調な米経済指標が相次ぐと一時1.0818ドル付近まで買い戻される場面もあったが、戻りは鈍かった。欧州株相場に加えて、米国株相場も軟調に推移したためリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。
なお、欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は2%超下落したほか、ダウ平均は一時740ドル超下落した。
・ユーロ円は5日続落。アジア時間に一時160.89円と3月12日以来の安値まで下落した反動で買い戻しが先行。22時過ぎに一時162.89円と日通し高値を付けた。ただ、買い戻しが一巡すると次第に上値が重くなった。米国株相場や日経平均先物の大幅下落に伴うリスク回避の円買い・ユーロ売りが入り、取引終了間際には161.10円付近まで押し戻された。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1530円安の3万6420円まで急落した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。米利下げ観測を背景に買いが先行したものの、そのあとは明日2日の7月米雇用統計を控えた利益確定目的の売りに押された。低調な米経済指標が相次ぎ、米景気の先行きに警戒感が広がったことも売りを誘った。指数は一時740ドル超下げる場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に反落。エヌビディアが下げた一方、決算内容が好感されたメタプラットフォームズが上げた。
・米国債券相場で長期ゾーンは6日続伸。低調な米経済指標が相次ぎ、米景気の先行きに警戒感が広がると買いが優勢となった。中東情勢の緊迫化を背景に安全資産とされる米国債に買いが集まった面もある。利回りは一時3.9627%前後と2月2日以来およそ半年ぶりの低水準を付けた。
・原油先物相場は反落。7月米ISM製造業景況指数が予想より弱い結果となったことを受け、景気鈍化に伴うエネルギー需要への懸念が高まった。なお、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国でつくるOPECプラスはこの日、閣僚級会合で現行の生産方針を据え置くことを決めた。
・金先物相場は3日続伸し、過去最高値を更新した。米長期金利の低下を受けて金利を生まない資産である金に買いが入った。中東情勢の緊迫化による安全資産としての金需要も意識され、一時は2500ドル台に乗せる場面もあった。
1日20:04 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
「5.00%への利下げ、賛成5名、据え置き支持4名で決定」
「利下げ支持の委員、絶妙なバランスで判断」
「1年内のCPI見通し2.4%(従来2.6%)」
「2年内のCPI見通し1.7%(従来1.9%)」
「3年内のCPI見通し1.5%(従来1.6%)」
「2024年第2四半期GDP見通し0.7%(従来+0.5%)」
「2024年第3四半期GDP見通し0.4%」
「2024年第4四半期GDP見通し0.2%」
「2024年GDP見通し1.25%(従来+0.5%)」
「2025年GDP見通し1%(従来+1%)」
「2026年GDP見通し1.25%(従来+1.25%)」
「インフレリスクは上向きへ傾斜」
「インフレは今年10-12月には2.7%に上昇へ」
「インフレ、その後低下へ」
「9月会合では、向こう12カ月の量的引き締め目標を採決へ」
「2024年末金利見通し4.9%(従来4.8%)」
「2025年末金利見通し4.1%(従来4.3%)」
「2026年末金利見通し3.7%(従来3.8%)」
1日20:07 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「急過ぎや過剰な利下げには慎重」
「現時点の利下げに十分なほどインフレ圧力は緩和」
2日01:23
「BOEが今後の会合で継続的に利下げを行うとの見方には注意を促したい」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 7月マネタリーベース
<海外>
○10:30 ◎ 4-6月期豪卸売物価指数(PPI)
○15:30 ◎ 7月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.2%)
○15:45 ◇ 6月仏鉱工業生産(予想:前月比1.0%)
○16:30 ◇ 7月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:43.8)
○20:15 ◎ ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○21:00 ◇ 6月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.60%)
○21:30 ☆ 7月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化17.5万人/失業率4.1%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.7%)
○23:00 ◎ 6月米製造業新規受注(予想:前月比▲2.9%)
○3日01:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、イベントに参加
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、150.89円まで上昇した後、低調な7月米ISM製造業景況指数や6月米建設支出を受けて、米10年債利回りが一時3.9627%まで低下したことなどで、149.29円付近まで下押しした。ユーロドルは、欧州時間にポンドドルの下落や軟調な欧州株相場の動きを受けて1.0778ドルまで弱含んだ後、米10年債利回りの低下で1.0818ドル付近まで買い戻された。ユーロ円は162.89円から161.10円付近まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米7月雇用統計への警戒感や3.9%台に低下している米10年債利回り、そして主要な株価指数の下落などから上値が重い展開が予想される。
欧米の株式市場の下落を受けて、ナイト・セッションの日経平均先物は一時大証終値比1530円安の3万6420円まで下落しており、本日の東京株式市場も大幅下落が想定されるため、円買い圧力が高まることになる。
植田日銀総裁は利上げサイクル入りを打ち出したが、パウエルFRB議長は9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始の可能性を示唆し、欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(BOE)は利下げに踏み切っている。
日本と欧米英の金融政策の方向性の違い、デカップリング(decoupling)が鮮明となりつつあり、円を買い戻す動きが強まりつつある。
先日のFOMCでは、8会合連続での政策金利据え置きが決定されたものの、声明文でのリスクが、これまでの「インフレリスクのみ(highly attentive to inflation risks)」から「2大責務の両面のリスクに留意する(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)」に変更された。そして、パウエルFRB議長が9月FOMCでの利下げ開始の可能性を示唆したことで、ドル売り・円買いに拍車がかかっている。
FOMC声明は、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(雇用の最大化maximum employmentと物価の安定stable prices)のうち、「物価の安定」に重点を置き、「高い水準のインフレ(elevated inflation)」の抑制を打ち出してきた。
しかし、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの6月分が前年比+2.5%まで鈍化し、インフレ目標2%に接近してきたため、今回の声明文では、「2大責務の両面のリスクに留意する」との文言に変更された。
すなわち、米国7月の失業率が6月や5月のように4%台に乗せていた場合、9月のFOMCでの利下げ開始の可能性、そして年内3回の利下げの可能性が高まることになるのかもしれない。
米7月の雇用統計の予想は、失業率は4.1%で6月と変わらず、非農業部門雇用者数は前月比+17.5万人で、6月の同比+20.6万人からの増加幅の減少が見込まれている。
さらに、NFPの年次基準改定の暫定値が発表されることで、昨年のように下方修正(▲30.6万人)される可能性には警戒しておきたい。
米7月の雇用統計の先行指標となる7月ADP全米雇用報告は、前月比+12.2万人で6月の同比+15.5万人から減少、7月ISM製造業雇用指数は43.4で6月の49.3から低下しており、7月雇用統計への警戒感を強めている。
10時30分に発表される4-6月期豪卸売物価指数(PPI)では、先日発表されたコアCPIのようなネガティブサプライズに警戒しておきたい。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36710 -1240 (-3.26%)
TOPIX先物 2622.0 -74.5 (-2.76%)
シカゴ日経平均先物 36845 -1105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
1日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。7月のISM製造業景況総合指数は46.8となり、前月(48.5)から低下し、予想(48.8程度)を下回った。米新規失業保険申請件数は前週比1万4000件増の24万9000件となり、予想(23万6000件程度)を上回るなか、労働市場の減速による米景気懸念につながった。
前日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が9月の利下げ開始を示唆したことが下支えとなる場面もみられたが、景気敏感株を中心に売りが広がった。また、この日発表の経済指標を受けて年内3回の利下げを織り込む動きが強まり、米長期金利は約半年ぶりに4%を割り込んだ。S&P500業種別指数は家庭用品・パーソナル用品、公益事業、不動産が上昇した一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、銀行が下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比1105円安の3万6845円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円安の3万7910円で始まり、寄り付き直後に付けた3万7950円を高値にショート優勢のなかで3万7350円まで下落。その後はショートカバーが入り、米国市場の取引開始直前には3万7950円と日中比変わらずの水準まで戻す場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、一時3万6420円まで下落幅を広げた。終盤にかけてやや下落幅を縮め、3万6710円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まることになりそうだ。昨日は日中取引で1280円安となったが、ナイトセッションで1240円安と下へのバイアスが強まっており、需給状況は悪化。一気に200日移動平均線(3万6690円)水準まで下げてきたことからヘッジ対応のショートが入りやすく、押し目狙いのロングを慎重にさせそうだ。
ボリンジャーバンドでは-2σ(3万7020円)を割り込み、やや売られ過ぎが意識されてくる可能性はある。ただし、バンドは拡大傾向をみせていることから、3万5600円辺りまで下がってきた-3σ辺りが射程に入ってきた。また、週足の-2σ(3万6580円)まで下げてきており、52週線の3万5720円、-3σの3万5400円辺りが意識されてくるだろう。
なお、決算発表が本格化するなか、アップル<APPL>は1株利益が予想を上回ったとして、時間外取引で小幅に上昇しているが、アマゾン・ドット・コム<AMZN>は売上高が予想を下回ったことから5%超の下落で推移している。指数インパクトの大きい値がさハイテク株には重荷となりそうだ。
米国では年内3回の利下げを予想する動きが強まってきたことから、為替市場では日米金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りが強まっている。日米金利差を狙ったポジションを圧縮する動きが加速するなか、為替動向にらみの相場展開になりそうだ。1ドル=150円を下回っている水準では輸出企業の業績下振れへの警戒にもつながってくることから、先物主導で先回り的なショートに向かわせる動きが警戒されやすいだろう。
日経225先物は200日線水準での攻防が見込まれ、売り一巡後は押し目狙いのロングも入りやすいところではある。ただし、オーバーウイークでポジションを持ち越す動きは考えづらく、引けにかけての一段安の可能性には注意しておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.07倍に上昇した。全面安商状のなか、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が1社で日経平均株価を200円超支えており、日経平均型優位となった。一時14.12倍まで上昇しており、25日、75日線が位置する14.09倍辺りを捉えた。本日は低下が見込まれるが、全面安商状のなかでは、大きく低下する動きにもなりにくいだろう。引き続きスプレッド狙いの動きは限られそうだ。
1日のVIX指数は18.59(前日は16.36)に上昇した。一時19.48まで切り上がる場面もみられており、20.00を上回ってくるようだと慎重姿勢に向かわせやすいと考えられる。4月19日に付けた21.36に迫るなか、積極的なロングを手控えさせよう。
日経225先物は11時30分時点、前日比1750円安の3万6200円(-4.61%)前後で推移。寄り付きは3万6660円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万6845円)を下回って始まると、直後に付けた3万6670円を高値に下へのバイアスが強まり、中盤にかけて一時3万6110円まで下落幅を広げる場面もみられた。その後は3万6600円近辺まで下げ幅を縮めるものの、終盤にかけては再び日中の安値水準まで下げてきている。
米国では経済指標の発表を受けて労働市場の減速懸念が高まり、米長期金利が約半年ぶりに4%を下回るなか、年内3回の利下げ観測が浮上。日米金利差縮小を見込み円高が進行するなか、東京市場においては日米金利差を狙って積み上がっていたポジションを圧縮する動きが加速しており、先物での先回り的なショートに向かわせているようだ。日経225先物は200日移動平均線水準から始まったが、同線を支持線としたリバウンドとはならなかった。下へのバイアスが強まるなか、13週線(3万5700円)が射程に入ってきている。3万6000円割れが迫る状況で、いったんは短期的なリバウンド狙いのロングは入りやすいだろう。ただし、オーバーウイークのポジションを取りに行く動きは考えづらく、引けにかけての荒い値動きには注意しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.08倍に上昇した。一時25日、75日線が位置する14.09倍水準を上回り、200日線が位置する14.18倍まで切り上がる場面もみられた。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]の3社で日経平均株価を600円超押し下げているが、本日も全面安商状のため、若干ながらTOPIX型のマイナスの影響が大きい。
本日のロンドン為替市場では、先日に大幅に悪化したリスクセンチメントが状況を見定めながらの取引か。スイスフランはスイスのインフレ指標、ポンドは英中銀チーフエコノミストの講演も注目される。
昨日の独DAXが2.3%の下落率を記録するなど、主要な欧州株価指数は軟調なまま終えた。米株も売り優勢で終えたうえに、アマゾンやインテルなどが引け後に発表した決算を受けて急落するなど目先は弱気な材料が目立つ。欧州午後に7月米雇用統計を控えていることもあり、どこかで一旦は落ち着くのだろうが、まずはリスク回避を意識した動きが先行することになりそうだ。
序盤にはスイス7月消費者物価指数(CPI)が発表予定。前月比が前回の横ばいから0.2%低下が予想されている。CPI前年比も1%前半が大方の見通しだ。スイス中銀の次回金融政策決定会合は9月26日とまだ先ではあるものの、前月比のマイナス度合い次第では、一気に追加利下げ観測が強まるだろう。このところリスク回避の動きを背景に強含んでいたスイスフランの戻り幅を気にかけておきたい。
日本時間20時過ぎには英中銀のチーフエコノミストでもあるピルMPC委員が講演予定。英中銀は昨日4年5カ月ぶりの利下げ決定を公表した。ただし9名のMPC委員のなかで、ベイリー総裁の利下げ提案に賛成したのは総裁含めて5名のみ。ピル氏は据え置き維持を主張した4名のなかの1人であり、どのような考えで利下げに反対したのかが注目される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、7月31日高値1.0849ドル
・ユーロスイスフラン、1日高値0.9515フラン
・ユーロポンド、90日移動平均線0.8504ポンド
想定レンジ下限
・ユーロドル、7月2日安値1.0710ドル
・ユーロスイスフラン、2月7日安値0.9351フラン
・ユーロポンド、日足一目均衡表・基準線0.8441ポンド
(2日15時時点)
ドル円:1ドル=148.91円(前営業日NY終値比▲0.45円)
ユーロ円:1ユーロ=160.88円(▲0.30円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0804ドル(△0.0013ドル)
日経平均株価:35909.70円(前営業日比▲2216.63円)
東証株価指数(TOPIX):2537.60(▲166.09)
債券先物9月物:143.80円(△0.84円)
新発10年物国債利回り:0.955%(▲0.075%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.24600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月マネタリーベース
前年同月比 1.0% 0.6%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日米株価指数先物の下落を背景に売りが先行し148.88円まで下げた後は本邦実需勢の買いなどを支えに149.77円まで反発した。ただ、日経平均株価が引けにかけて下げ幅を拡大するとリスク回避の売りが再開。15時過ぎには148.81円まで下押しした。
・ユーロ円も頭が重い。総じてドル円と同様に株価に振らされる動きとなり、160.65円まで売りが先行した後161.59円まで切り返したが、再び安値圏まで押し戻されている。
・ユーロドルは小高い。ドル円の下落や米長期金利の低下に伴ってユーロ買い・ドル売りが散見され、一時1.0809ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は大幅に続落。下げ幅はブラックマンデー翌日の1987年10月20日以来、およそ36年10カ月ぶりの大きさとなった。前日の米国株が大幅安となった影響を受けた。植田日銀総裁が突如タカ派路線に切り替えたことが引き続き市場の混乱を招いている。
・債券先物相場は続伸。日経平均の大幅下落を背景とするリスク回避の動きが上昇を後押し、終始堅調に推移した。一時143.82円まで上げ幅を拡大した。
大阪9月限
日経225先物 35920 -2030 (-5.34%)
TOPIX先物 2542.5 -154.0 (-5.71%)
日経225先物(9月限)は前日比2030円安の3万5920円で取引を終了。寄り付きは3万6660円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万6845円)を下回って始まり、直後に付けた3万6670円を高値に下へのバイアスが強まり、前場中盤に一時3万6110円まで下落幅を広げた。その後は3万6600円近辺まで下げ幅を縮めたものの、前場終盤には再び日中の安値水準まで下げた。節目の3万6000円に接近してきたこともあり、押し目を狙った打診的なロングが意識され、後場は3万6200円~3万6400円辺りで保ち合いを継続。だが、取引終了間際にレンジを下放れると、節目の3万6000円を割り込み、一時3万5800円まで下落幅を広げた。
米国では経済指標の発表を受けて労働市場の減速懸念が高まり、米長期金利が約半年ぶりに4%を下回るなか、年内3回の利下げ観測が浮上。日米金利差縮小を見込んで円高が進行、東京市場では日米金利差を狙ってこれまで積み上げてきたポジションを圧縮する動きが加速しており、先物での先回り的なショートに向かわせたようだ。連日の大幅な下落により、ダブルインバースなどのヘッジ対応のショートの動きも強まったのだろう。
今週の日経225先物は、13週移動平均線(3万8880円)突破をみせた後は、52週線(3万5700円)水準まで下落した。52週線までの調整によって、いったんはボトムを意識したスタンスとなろう。東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が連日で9割を超える全面安商状で、売買高は5月31日以来の29億株超に膨れた。ピーク感が意識されてくる可能性もあり、押し目狙いのロングのタイミングを探る動きが出てきそうだ。
グローベックスの主要な米株先物は弱い動きをみせており、NYダウ先物は260ドル安、ナスダック100は340ポイント安で推移している。欧州市場も下落して推移するなか、世界同時株安が警戒されてくる。日経225先物のボリンジャーバンドは拡大傾向にあり、-3σは3万4530円辺りまで下がっている。52週線水準での攻防を想定しつつ、同線を明確に下放れてくる局面では、もう一段の下落が警戒されよう。
NT倍率は先物中心限月で14.12倍に上昇した。25日、75日線が位置する14.09倍水準を上回り、一時200日線が位置する14.18倍まで切り上がる場面もみられた。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]の3社で日経平均株価を630円超押し下げているが、東証プライムの値下がり数が9割を超える全面安商状のため、TOPIX型のマイナスの影響が大きい。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が5万2460枚、ソシエテジェネラル証券が2万9855枚、サスケハナ・ホンコンが1万3478枚、JPモルガン証券が8269枚、バークレイズ証券が6079枚、野村証券が5470枚、SBI証券が4904枚、モルガンMUFG証券が4356枚、ゴールドマン証券が3146枚、みずほ証券が1915枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が5万9739枚、ソシエテジェネラル証券が3万5503枚、バークレイズ証券が1万0615枚、JPモルガン証券が1万0019枚、ゴールドマン証券が7644枚、モルガンMUFG証券が7555枚、サスケハナ・ホンコンが6912枚、ビーオブエー証券が5107枚、BNPパリバ証券が4781枚、みずほ証券が4515枚だった。
NYタイムは、注目度の高い経済指標である7月米雇用統計が発表となる。今週発表の雇用関連指標はここまで総じて弱めで、本日も非農業部門雇用者数の伸び鈍化が予想されている。
先日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも雇用の伸びの鈍化への言及があった後だけに、市場も雇用関連指標の弱まりに神経質になっており、足もとのドルの重さにも作用している。まずは非農業部門雇用者数の予想比での強弱に反応することになるとみるが、失業率の結果が後から効いてくるパターンもあるため留意したい。
雇用統計を確認後、午前1時からイベントに参加するバーキン米リッチモンド連銀総裁は今年のFOMC金融政策決定の投票メンバーであるため、同総裁から雇用統計の結果と金融政策の行方に関して何らかの示唆があるかどうかにも注意したい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、東京タイム午前につけた本日ここまでの高値149.77円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、3月14日安値147.44円。
今晩は米7月雇用統計に注目。昨日は7月ISM製造業PMIが予想以上に悪化し、新規失業保険申請件数も予想以上に増加したことで景気後退(リセッション)懸念が強まった。ダウ平均は494.82ドル安(-1.21%)と3日ぶりに反落し、S&P500は1.37%安と反落し、ナスダック総合も2.30%安とともに反落した。景気敏感株が多い小型株指数のラッセル2000は3.03%安と主要3指数を上回る大幅下落となった。引け後の動きでは予想を上回る決算を発表したアップルが小幅に上昇した一方、アマゾン・ドット・コムは売上高が予想を下回ったほか、弱い見通しが嫌気され6%超下落。弱い見通しやレイオフを発表したインテルは20%近い急落となった。
今晩はインテルやアマゾンの下落を受けてハイテク株を中心に軟調な展開が予想されるが、寄り前に発表される米7月雇用統計が焦点となりそうだ。これまでは弱めの雇用統計が利下げ期待につながり株高要因となったが、昨日の7月ISM製造業PMIの下振れなどを受けてリセッション懸念が強まっており、今晩の7月雇用統計も弱い結果となれば、リセッション懸念が一段と強まることが警戒される。7月雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数(NFP)が17.5万人増(前月分:20.6万人増)、失業率が4.1%(同:4.1%)、平均賃金が前月比+0.3%(同:+0.3%)、前年比+3.7%(同:+3.9%)。
今晩の米経済指標・イベントは7月雇用統計のほか6月耐久財受注改定値、7月製造業新規受注など。企業決算は寄り前にシェブロン、エクソン・モービル、リンデ、ライオンデルバゼルなどが発表予定。
(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.83円(2日15時時点比▲2.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.21円(▲0.67円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0911ドル(△0.0107ドル)
FTSE100種総合株価指数:8174.71(前営業日比▲108.65)
ドイツ株式指数(DAX):17661.22(▲421.83)
10年物英国債利回り:3.828%(▲0.054%)
10年物独国債利回り:2.174%(▲0.070%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月スイス消費者物価指数(CPI)
(前月比) ▲0.2% 0.0%
6月仏鉱工業生産
(前月比) 0.8% ▲2.2%・改
7月スイス製造業PMI
43.5 43.9
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は急落。7月米雇用統計の発表を控えてしばらくは149.00円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、指標結果が伝わると大幅に下落した。米労働省が発表した7月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比11.4万人増と予想の17.5万人増を下回り、失業率が4.3%と予想の4.1%よりも弱い結果となった。また、平均時給も前月比0.2%/前年比3.6%と予想の前月比0.3%/前年比3.7%を下回った。米景気の先行き不安が高まると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが広がった。
その後発表の6月米製造業新規受注が予想を下回ったことも相場の重しとなり、0時30分前には一時146.42円と2月2日以来半年ぶりの安値を更新した。ダウ平均が一時1000ドル近く下落し、ナイト・セッションの日経平均先物が1570円下げるなど、株価の大幅下落に伴うリスク回避の円買いも目立った。
・ユーロドルは堅調。低調な米経済指標が相次ぐと米景気の減速懸念が強まり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.7866%前後と昨年12月以来の低水準を記録。全般ドル売りが優勢になると、24時前に一時1.0927ドルと7月18日以来の高値を更新した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.13と3月14日以来の低水準を付けた。
・ユーロ円は弱含み。米雇用統計の下振れをきっかけにドル円が急落するとユーロ円にも売りが先行。世界的な株安を背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りも入り、21時30分過ぎに一時159.71円と2月8日以来およそ半年ぶりの安値を付けた。
ただ、そのあとはドル円の下落につれた売りが出た半面、ユーロドルの上昇につれた買いが入ったため、相場はもみ合いに転じた。
・ロンドン株式相場は続落。前日の米国株や本日のアジア株相場など、主要株価指数が軒並み安となったことを受けて投資家心理が悪化。リスク回避の売りが優勢となった。HSBCやバークレイズなど金融セクターが売られたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値下がりした。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなども軟調だった。
・フランクフルト株式相場は大幅続落。米景気懸念を背景に前日の米国株相場が下落したほか、本日の日本や中国などアジアの主要株価指数も売られると、投資家がリスク回避姿勢を強めた。個別ではRWE(7.85%安)やシーメンス・エナジー(7.46%安)、ザランド(5.97%安)などの下げが目立った。
なお、フランスの株価指数は1.61%安、イタリアは2.55%安、スペインは1.67%安となった。
・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。
(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.53円(前営業日比▲2.83円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.91円(▲1.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0911ドル(△0.0120ドル)
ダウ工業株30種平均:39737.26ドル(▲610.71ドル)
ナスダック総合株価指数:16776.16(▲417.98)
10年物米国債利回り:3.79%(▲0.18%)
WTI原油先物9月限:1バレル=73.52ドル(▲2.79ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2469.8ドル(▲11.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米雇用統計
失業率 4.3% 4.1%
非農業部門雇用者数変化
11.4万人 17.9万人・改
平均時給
(前月比) 0.2% 0.3%
(前年比) 3.6% 3.8%・改
6月米製造業新規受注
(前月比) ▲3.3% ▲0.5%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅に4日続落。米労働省が発表した7月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比11.4万人増と予想の17.5万人増を下回り、失業率が4.3%と予想の4.1%よりも弱い結果となったことが分かると、米景気の先行き不安が高まった。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢となり、0時30分前に一時146.42円と2月2日以来半年ぶりの安値を更新した。6月米製造業新規受注が予想を下回ったことも相場の重し。
なお、今週30-31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では米労働市場は調和がとれているとの現状認識のもと政策金利が据え置かれたものの、株式市場では米連邦準備理事会(FRB)が「後手に回っている」との見方が浮上。ダウ平均は一時1000ドル近く下落し、ナスダック総合は3%超急落した。米株安を受けてリスク・オフの円買いも目立った。
・ユーロドルは反発。低調な米経済指標が相次ぐと米景気の減速懸念が強まり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.7847%前後と昨年12月以来の低水準を記録。全般ドル売りが優勢になると、24時前に一時1.0927ドルと7月18日以来の高値を更新した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.13と3月14日以来の低水準を付けた。
・ユーロ円は6日続落。米雇用統計の下振れをきっかけにドル円が急落するとユーロ円にも売りが先行。21時30分過ぎに一時159.71円と2月8日以来およそ半年ぶりの安値を付けた。
ユーロドルの上昇につれた買いが入ると161.42円付近まで下げ渋る場面もあったが、米国株や日経平均先物の大幅下落に伴うリスク回避の円買いが入ると159円台後半まで押し戻された。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1570円安の3万4350円まで大幅に下落した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落。7月米雇用統計が低調な内容となったことを受けて米景気の先行き懸念が高まると、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め売りが優勢となった。市場では「今後景気の減速感が強まり、FRBの政策が後手に回るとの警戒感が意識されている」との指摘もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に7日続伸。7月米雇用統計が低調な内容となったことを受けて米景気の先行き懸念が高まると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは一時3.7847%前後と昨年12月以来の低水準を付けた。
・原油先物相場は大幅続落。7月米雇用統計が予想より弱い結果となり、米景気鈍化に伴うエネルギー需要への懸念が一段と高まった。一時は72ドル台まで下落し、6月5日以来の水準まで値を下げる場面もあった。
・金先物相場は4日ぶりに反落。米金利の低下などを手掛かりにした買いが入り、再び2500ドル台に乗せる場面があったものの、次第に上値が重くなった。前日に過去最高値を更新していたこともあり、週末を前に利益確定や持ち高調整目的の売りが観測された。
2日10:57 鈴木財務相
「為替市場の動向、しっかり注視していきたい」
「為替はファンダメンタルズ反映し、安定的に推移することが重要」
「緊張感もって株式市場の動向注視」
「株価の日々の動きについて要因などを申し上げるのは難しい」
「(日銀利上げに関して)政府として財政余力を生み出す努力が重要」
「政府・日銀の共同声明、総合的に考えて今の状況であえて見直さなければならないという状況でない」
「市場との対話をしっかりやり、国債管理政策をやっていきたい」
「一番懸念しているのは輸入物価への影響、円安是正なら下がってくると期待」
2日10:58 林官房長官
「引き続き緊張感をもって株式市場の動向を注視」
「為替はファンダメンタルズ反映し安定推移が重要、引き続き市場の動向しっかり注視したい」
2日20:58 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「英国のインフレ期待に焦点を当てている」
「インフレに関して仕事が終わったと言うのは時期尚早」
「インフレに関してはまだ少し道のりがある」
「インフレが減速したと言うのは少し早計」
「少なくともしばらくの間は、引き締め的な政策を維持する必要」
グールズビー米シカゴ連銀総裁
「単月の数値に過剰反応したくはない」
「次回の会合までに多くの情報を得るつもり」
「利下げ幅は状況によって決定されるだろう」
※時間は日本時間
5日
○08:50 ☆ 6月13-14日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
6日
○08:30 ◇ 6月家計調査(消費支出)
○08:30 ◇ 6月毎月勤労統計(現金給与総額)
7日
○08:50 ◇ 7月外貨準備高
○14:00 ◇ 6月景気動向指数速報値
8日
○08:50 ◎ 6月国際収支速報
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(7月30-31日分)
○14:00 ◇ 7月景気ウオッチャー調査
9日
○08:50 ◇ 7月マネーストックM2
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
5日
○10:45 ◎ 7月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
○16:00 ◎ 7月トルコ消費者物価指数(CPI)
○16:50 ◎ 7月仏サービス部門PMI改定値
○16:55 ◎ 7月独サービス部門PMI改定値
○17:00 ◎ 7月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○17:30 ◎ 7月英サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○21:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○22:45 ◎ 7月米サービス部門PMI改定値
○22:45 ◎ 7月米総?⑰MI改定値
○23:00 ☆ 7月米ISM非製造業指数
○6日06:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、討議に参加
○カナダ(市民の祝日)、休場
6日
○08:01 ◇ 7月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○13:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表
○14:30 ◎ ブロックRBA総裁、記者会見
○14:45 ◇ 7月スイス失業率(季節調整前)
○15:00 ◎ 6月独製造業新規受注
○17:30 ◎ 7月英建設業PMI
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏小売売上高
○21:30 ◇ 6月カナダ貿易収支
○21:30 ◎ 6月米貿易収支
○7日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○7日03:00 ◎ 7月ブラジル貿易収支
7日
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)失業率/就業者数増減
○未定 ◎ 7月中国貿易収支
○15:00 ◇ 6月独貿易収支
○15:45 ◇ 6月仏貿易収支
○15:45 ◇ 6月仏経常収支
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○23:00 ◇ 7月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○8日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○8日04:00 ◇ 6月米消費者信用残高
○08:01 ◇ 7月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合
○15:00 ◎ 6月独鉱工業生産
○21:00 ◎ 7月メキシコCPI
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:00 ◇ 6月米卸売売上高
○9日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○9日04:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○9日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表
9日
○10:30 ◎ 7月中国CPI
○10:30 ◎ 7月中国生産者物価指数(PPI)
○15:00 ◎ 7月独CPI改定値
○15:00 ◎ 7月ノルウェーCPI
○16:00 ◇ 6月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◇ 7月スイスSECO消費者信頼感指数
○21:00 ◎ 7月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○21:00 ◇ 6月メキシコ鉱工業生産
○21:30 ☆ 7月カナダ雇用統計
○10日01:00 ☆ 4-6月期ロシア国内総生産(GDP)速報値
○10日01:00 ◎ 7月ロシアCPI
○シンガポール(独立記念日)、南アフリカ(女性の日)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
https://gbg01307ko.livedoor.blog/archives/25200529.html
【王国の到来】
株価は4万円を越える。
今度こそマジです。
皆さま、読んでください。
今週の日経225先物は、需給状況が悪化するなか、不安定な展開が続きそうだ。先週後半の株安・円高は記録的な動きとなった。日銀は金融政策決定会合で0.25%の利上げを決め、植田和男総裁は会合後の会見で、物価上昇率が想定通りなら、さらに利上げする可能性を否定しなかった。一方で、米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が据え置かれ、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長はFOMC後の会見で、早ければ9月の会合で利下げを議論する可能性があるとの見解を示した。
日米金利差の縮小が見込まれるなか、為替市場では円買い・ドル売りが強まり、円高が加速。海外投資家による日本株の持ち高圧縮を誘った。日経225先物は7月26日に3万7330円まで売られたが、31日には3万9230円までのリバウンドをみせていた。だが、8月1日に1280円安、2日には2030円安と大きく売られ、52週線(3万5700円)水準まで下げてきた。
値幅からは調整一巡が意識されやすいとみられたが、2日の取引終了後のナイトセッションでは一時3万4350円まで売られ、3万4800円で終えている。2日の米国市場では主要な株価指数が下落した。7月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比11万4000人増と、予想(17万5000人増程度)を下回った。6月分は速報値の20万6000人増から17万9000人増に下方修正された。労働市場の悪化によって、景気後退(リセッション)入りが警戒された。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ<BRK>が4-6月期にアップル<AAPL>の保有株式数をほぼ半減させたことがわかったと報じられた。これまでも減少させてきたが、予想以上の削減と捉えられている。また、エヌビディア<NVDA>は次期AI半導体の発売が設計上の不備で遅れる見込みと、関係筋の話として報じられている。相場を牽引してきたAIブームが終了するとの思惑にもつながりやすい。足もとの調整で75日線水準での底堅さをみせていたナスダック指数は、2日の下落で同線を明確に割り込み、26週線水準まで下げてきた。4月半ばの調整では26週線が支持線として機能していたこともあり、これを明確に割り込んでくると、リスク回避姿勢が一段と強まりそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万3000円から52週線が位置する3万6000円と広めのレンジを想定する。52週線を突破してくると、底打ちの期待が高まり、週足の-1σが位置する3万7000円辺りがターゲットになろう。半面、3万3000円を割り込んでくると、1月安値の3万2740円が射程に入りそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.12倍に上昇した。25日、75日線が位置する14.09倍水準を上回り、200日線が位置する14.18倍まで切り上がる場面もみられた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが日経平均型の重荷となったが、東証プライムの値下がり数が連日で9割を超える全面安商状のため、相対的にTOPIX型のマイナスの影響が大きかった。今週はナスダック指数が26週線水準からリバウンドをみせられないと、ややNTショートに振れやすくなる可能性があるだろう。
2日のVIX指数は23.39(前日は18.59)に上昇した。4月19日の直近高値21.36を上抜け、一時29.66まで上昇する場面もみられた。2022年10月以来の水準まで上昇しており、20.00を上回る水準での推移が続くようだと、リスク回避姿勢が強まりやすいとみられる。
7月第4週(7月22日-26日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の売り越しであり、売り越し額は1兆5674億円(7月第3週は8110億円の売り越し)だった。なお、現物は5659億円の売り越し(同2459億円の売り越し)と2週連続の売り越しであり、先物は1兆0015億円の売り越し(同5650億円の売り越し)と2週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で7802億円の買い越しで、3週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で3577億円の買い越しとなり、2週連続の買い越しだった。
経済スケジュールでは、5日に日銀金融政策決定会合議事要旨(6月13・14日開催分)、中国7月財新サービス業PMI、米国7月ISM非製造業景気指数、6日に6月全世帯家計調査、米国6月貿易収支、7日に6月景気動向指数、中国7月貿易収支、8日に日銀金融政策決定会合の主な意見(7月30~31日分)、7月景気ウォッチャー調査、米国新規失業保険申請件数、米国6月卸売在庫、米国6月卸売売上高、9日に中国7月消費者物価指数、中国7月生産者物価指数などが予定されている。
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<国内>
○08:50 ☆ 6月13-14日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
<海外>
○10:45 ◎ 7月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.5)
○16:00 ◎ 7月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月3.45%/前年比62.10%)
○16:50 ◎ 7月仏サービス部門PMI改定値(予想:50.7)
○16:55 ◎ 7月独サービス部門PMI改定値(予想:52.0)
○17:00 ◎ 7月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.9)
○17:30 ◎ 7月英サービス部門PMI改定値(予想:52.4)
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比▲3.3%)
○21:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、CNBC出演
○22:45 ◎ 7月米サービス部門PMI改定値(予想:56.0)
○22:45 ◎ 7月米総?⑰MI改定値
○23:00 ☆ 7月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:51.0)
○6日06:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、討議に参加
○カナダ(市民の祝日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続落。7月米雇用統計が予想より弱い結果となり、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化。ダウ平均が大幅に続落したことでリスク回避の動きも合わさり、一時146.42円と2月2日以来半年ぶりの安値を更新した。ユーロドルはドル売りの流れの中で一時1.0927ドルと7月18日以来の高値を更新した。
本日の東京外国為替市場でドル円は、前週末に続いて株価や日米金利動向をにらんで神経質な展開が予想される。前週末は米株が大幅下落したほか、CME225先物は大証日中終値から970円安で引けており、株価が一段と下落する場合はリスク回避的な動きに傾きやすい。また、前週の日米金融政策イベントを通過し、タカ派の日銀に対しハト派の米連邦公開市場委員会(FOMC)となると、絶対的な金利差はあるとはいえ、金融政策の方向性の違いからドル売り・円買いの流れになりやすいだろう。さらには、前週末の弱い雇用統計を受け、足もとのFedWatchでは9月の0.50%利下げを織り込み始めている。
足元の日米株式市場に下げ止まりが感じられないなか、一段と株安が進む場合はドル円相場に下落圧力が掛かる公算である。日経平均については、先月11日に過去最高値となる4万2000円台に上昇後は右肩下がりの展開となっている。高値からの下落幅はすでに6000円超になっており、下げが一服した場合は自律反発が入ることもあり得る点は想定しておきたい。その時は一時的にドル円が買い戻されることも考えられる。
また、日銀・金融政策決定会合議事要旨(6月13・14日分)の公表が予定されている。この時は政策金利の据え置きと国債購入の減額方針を決定したものの、具体的な減額計画の策定は次回7月に持ち越しとなった。6月分ではあるが、どのような話し合いがなされたか気になるところだ。
中国では、7月のCaixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。市場予想は51.5と前月51.2をわずかに上回る見通し。とはいえ、中国経済の減速が懸念されている中とあっては、弱い結果となった場合のほうが影響がありそうだ。発表後の中国株の行方にも確認しておきたい。
そのほか、緊迫化する中東情勢もリスク要因といえる。万一、イランがイスラエルに対し報復攻撃をするようなことがあれば、直後はリスク回避の動きが強まることが予想されるため情勢を注視したい。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 34800 -1120 (-3.11%)
TOPIX先物 2452.5 -90.0 (-3.53%)
シカゴ日経平均先物 34950 -970
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
2日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。7月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比11万4000人増加と、予想(17万5000人増程度)を下回った。この結果を受けて9月利下げ開始の見方が強まった一方で、景気後退(リセッション)入りが警戒された。幅広い銘柄に売りが広がり、NYダウの下落幅は一時900ドルを超えた。S&P500業種別指数は家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコ、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で、小売、銀行、自動車・同部品が下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比970円安の3万4950円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比150円安の3万5770円で始まり、寄り付き直後に付けた3万5790円を高値に、米国市場の取引開始直前には3万5000円を割り込んだ。米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、一時3万4350円まで下落幅を広げた。売り一巡後はやや下落幅を縮め、3万4800円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まりそうだ。2日の日中取引で2030円安となり、52週移動平均線(3万5700円)に接近し下げ止まりが期待されたが、ナイトセッションであっさり同線を割り込んできた。週足のボリンジャーバンドの-2σ(3万5220円)を下回っており、-3σが位置する3万3530円水準へのバイアスが強まる展開が警戒されそうである。シグナルとしては売られ過ぎが意識されるものの、バンドは拡大傾向をみせており、バンドの切り下がりに沿ったトレンド形成の可能性があるため、押し目狙いのロングは慎重になりそうだ。
また、海外勢による持ち高圧縮の動きが強まっているとみられるが、先週後半からの記録的な下落によってダブルインバースなどのヘッジ対応のショートも膨らんでいるため、より下へのバイアスが強まりやすい。米国では景気後退懸念が高まってきているほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が売上高見通しが予想に届かなかったとして8%超下落するなど、決算が振るわなかった企業の売りが重荷となっている。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ<BRK>が4-6月期にアップル<AAPL>の保有株式数を半減させたことがわかったと報じられた。また、エヌビディア<NVDA>は次期AI半導体の発売が設計上の不備で遅れる見込みだと、関係筋の話として報じられている。1日に予想を下回る決算と人員削減を発表したインテル<INTC>の下落率は26%を超える急落となった。これまで相場を牽引してきたAIブームが終焉を迎えるといった見方が強まるようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への売りが強まる可能性もありそうだ。
ただし、急ピッチの下落に対する売られ過ぎ感のほか、先週後半の東証プライムの売買代金は連日で6兆円を超えていた。ポジション圧縮の動きが集中した形であり、そのピーク感が高まってくることも考えられる。日経225先物は下へのバイアスが強まる展開を警戒しつつ、押し目狙いのロングのタイミングを探ることになるだろう。底堅さを見極め、短期的には52週線水準を意識されそうである。そのため、オプション権利行使価格の3万3750円から3万5750円のレンジを想定する。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.12倍に上昇した。25日、75日線が位置する14.09倍水準を上回り、一時200日線が位置する14.18倍まで切り上がる場面もみられた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが日経平均型の重荷となったが、東証プライムの値下がり数が連日で9割を超える全面安商状のため、相対的にTOPIX型のマイナスの影響が大きかった。今週はAI関連などハイテク株の動向が注目されるなか、ナスダック指数が26週線(1万6700ポイント)水準を支持線としたリバウンドをみせられないと、ややNTショートに振れやすくなる可能性がある。
2日のVIX指数は23.39(前日は18.59)に上昇した。4月19日の直近高値21.36を上抜け、一時29.66まで上昇する場面もみられた。2022年10月以来の水準まで上昇しており、20.00を上回る水準で推移が続くと、リスク回避姿勢が高まりやすいとみられる。
https://gbg01307ko.livedoor.blog/archives/25200529.html
【王国の到来】
株価は4万円を越える。
皆さま、読んでください。
セリ蔵を確認しますた
日経225先物は11時30分時点、前日比1850円安の3万4070円(-5.15%)前後で推移。寄り付きは3万4250円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万4950円)を大きく下回って始まった。3万4280円を高値に下へのバイアスが強まり、現物の取引開始直後には一時3万3240円まで下落幅を広げる場面もみられた。その後は3万3500円辺りでの底堅さが意識されるなか、3万4000円近辺での推移をみせている。
米国では景気後退懸念が高まるなか、為替市場では円相場が一時1ドル=144円台へと円高基調を強めたことから、ロング解消が進んだ。台湾加権指数は7%超、韓国KOSPI指数が一時5%を超える下落となるなど、世界の株式市場でリスク回避の動きにある。また、グローベックスの主要な株価指数がマイナス圏で推移するほか、ナスダック100先物の下落率は2%を超えており、週明けの米国市場の下落が警戒されている。ただし、一時3万3240円まで急落し、週足のボリンジャーバンドの-3σに到達した後は下げ渋る動きをみせている。スキャルピング中心ながら、オーバーシュート気味の下落に対するリバウンド狙いは入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に上昇した。一時14.51倍まで切り上がり、7月11日に付けた戻り高値の14.47倍を突破した。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]の3社で日経平均株価を約450円押し下げているが、全面安商状のなか、三井住友フィナンシャルグループ <8316.T> [東証P]、第一生命ホールディングス <8750.T> [東証P]が一時ストップ安まで売られており、相対的にTOPIX型のマイナス影響が大きい。
週明けロンドン為替市場でも、欧米の金利動向を眺め、株式市場の動きでリスクセンチメントを確かめながらの取引となるだろう。週明け米株先物が時間外から弱く始まり、大幅続落で始まった日本株は売りが売りを呼ぶパニック相場と一時なった。為替では、円キャリートレード(低金利の円を調達し、より高金利の通貨で運用)の巻き戻しと見られる動きが依然としてみられる。
欧州からの主な経済指標は7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値のみであり、経済データで動意付くことはほぼないだろう。そのため、日本発と言ってもよい株安の流れを欧州市場がどのように受けとめるのかが、本日はより注目されそうだ。日経平均株価は一時3万3200円台まで急落し、7月11日の高値からの下げ幅は9000円超にも達した。下落率にして約21%であり、さすがにやり過ぎ感が出てきてもおかしくない気はする。
欧州金利の動向も気にすべきことではある。ただそれよりも、弱い米雇用統計を受けた米金利の低下基調がどの程度まで続くのかがより材料視されそうだ。現状、CMEのフェドウォッチでは9月0.5%利下げを7割以上織り込んだ。その次の11月米連邦公開市場委員会(FOMC)に対しても、同じ幅の追加利下げ確率が50%を超えてきている。米金融政策と連動しているわけではないものの、欧州中央銀行(ECB)も追加利下げがしやすくなったと考えるかもしれない。
なお、トルコからは7月トルコ消費者物価指数(CPI)が発表される。前回は市場予想を下回ったものの前年比70%を超えた水準だった。今回は、同比62%前後まで減速が見込まれている。シムシェキ財務相が繰り返し述べていた「秋口からのディスインフレの強まり」が現実味を帯びてきそうだ。
リスク回避ムードの強まりが円買いだけでなく、トルコリラ売りにも繋がっており、リラ円は本日も4.30円台で史上最安値を更新した。トルコのインフレが落ち着き、実質金利マイナス幅の縮小傾向が顕著となれば、リラ円の下落が一服するかもしれない。逆に市場の見込みほどCPIが低下していないようだと、最安値の更新が警戒される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、3月8日高値1.0981ドル
・リラ円、2日高値4.51円
想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0853ドル
・リラ円、節目4円が意識されるレベルか
(5日15時時点)
ドル円:1ドル=142.61円(前営業日NY終値比▲3.92円)
ユーロ円:1ユーロ=155.61円(▲4.30円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0912ドル(△0.0001ドル)
日経平均株価:31458.42円(前営業日比▲4451.28円)
東証株価指数(TOPIX):2227.15(▲310.45)
債券先物9月物:146.06円(△2.26円)
新発10年物国債利回り:0.760%(▲0.195)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.24600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<国内> <発表値> <前回発表値>
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は大幅続落。前週末の日米株安の流れを引き継いで日経平均が売り先行でスタートし、ドル売り・円買いが活発化。日経平均が下げ幅を拡大したほか、ナスダック100先物が3%を超える下げ幅を記録するなど、リスク回避ムードの中で下値を広げる動きとなった。節目の143円を割ると目先のストップロスを巻き込むと、15時過ぎには1月以来となる141.70円まで売り込まれた。
・ユーロ円も急落。ドル円や日経平均の大幅下落が重しとなり売り優勢の展開となる中、154.42円まで下値を広げて昨年12月以来の安値を付けた。
・ユーロドルは方向感定まらず。一時1.0940ドルまで上昇するも、その後はユーロ円の下げに連れて1.0893ドルまで下押すなど、円主体の動きの中で主体性を欠いた。
・日経平均株価は暴落。前週末の日米株価が大幅下落となった流れを引き継いで安く始まると、その後も軟調に推移。後場に入り3万2000円の大台も割り込むと、4700円超と過去最大の下げ幅を記録する場面が見られた。
・債券先物相場は大幅高。前週末の弱い米雇用統計を受けて米金利先安観が急速に強まり、米国債券相場が上昇した影響を受けて高く始まると、146円14銭まで上昇。その後下押す場面が見られるも、日経平均の大幅下落によるリスク回避の動きが追い風となって146円台に再び戻すなど、荒い展開となった。
大阪9月限
日経225先物 31380 -4540 (-12.63%)
TOPIX先物 2199.5 -343.0 (-13.49%)
日経225先物(9月限)は前日比4540円安の3万1380円で取引を終了。寄り付きは3万4250円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万4950円)を大きく下回って始まった。現物の取引開始直後には一時3万3240円まで下落幅を広げたが、その後は3万3500円~3万4000円近辺で推移し、前場終盤には3万4340円と寄り付き水準を上回る場面もみられた。ただし、ランチタイムでは3万4000円水準での攻防が続くなか、後場の取引開始後は再び下へのバイアスが強まる展開となった。2度のサーキットブレーカーが発動される波乱のなか、後場終了間際には一時3万0370円まで下落幅を広げた。
米国景気の後退懸念が高まるなか、為替市場では円相場が一時1ドル=142円台へと円高基調が強まった。台湾加権指数、韓国KOSPI指数が8%を超える下落となるなど、世界の株式市場はリスク回避の動きにある。また、グローベックスの主要な株価指数がマイナス圏で推移するほか、ナスダック100先物の下落率は5%を超えていたこともあり、週明けの米国市場の下落が警戒されている。
日経225先物は3万0370円まで売られたことで、ボリンジャーバンドの-3σ(3万1330円)を割り込む場面もみられた。その後は下落幅を縮めており、ナイトセッションでは一時3万3170円まで戻している。
本日は全面安商状のなか、三井住友フィナンシャルグループ <8316.T> [東証P]、第一生命ホールディングス <8750.T> [東証P]など金融セクターでストップ安が目立ったほか、JT <2914.T> [東証P]が一時ストップ安まで売られており、バリュエーションを無視する形で日本株からの資金流出が加速したようである。しばらくは明確な底入れを確認することになるものの、東証プライムの売買高は40億株を超えており、セリングクライマックスが意識されてきそうである。
また、急落局面においてレバレッジ型ETFへの商いが膨らんでおり、ヘッジ対応のショートの動きが強まった。底入れからリバウンド基調が強まる局面においては、ヘッジ対応のロングの動きが加速することになるため、強い上昇となる可能性はある。値動きの荒い展開を警戒しつつも、週足の-2σ水準である3万4200円辺りのリバウンドが意識されそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.26倍に上昇した。一時14.69倍まで切り上がり、7月11日に付けた戻り高値の14.47倍を突破し、3月4日に付けた14.84倍に迫った。全面安商状のなかでメガバンクの下げが目立っていたこともあり、相対的にTOPIX型の弱さにつながったようだ。
なお、日経平均型では東京エレクトロン <8035.T> [東証P]がストップ安となり、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]の4社で日経平均株価を約1420円押し下げている。さらに本日は日経平均構成銘柄のすべてが下落している状況であり、この点からもセリングクライマックスによる底入れが期待されてきそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が6万7395枚、ソシエテジェネラル証券が5万9704枚、バークレイズ証券が1万6085枚、SBI証券が1万0508枚、野村証券が1万0095枚、モルガンMUFG証券が9114枚、JPモルガン証券が8280枚、ゴールドマン証券が6833枚、サスケハナ・ホンコンが6151枚、ビーオブエー証券が6102枚だった。
TOPIX先物は、ソシエテジェネラル証券が6万5466枚、ABNクリアリン証券が6万4158枚、バークレイズ証券が2万0931枚、JPモルガン証券が1万6377枚、モルガンMUFG証券が1万3284枚、ゴールドマン証券が1万3121枚、ビーオブエー証券が9760枚、みずほ証券が6188枚、BNPパリバ証券が5479枚、サスケハナ・ホンコンが5189枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、先週末のニューヨーク株式市場での恐怖指数の上昇、ナスダック総合が調整相場入りしたこと、さらに、中東の地政学リスクへの警戒感が高まっていることなどで、ブラックマンデーの可能性に警戒しておきたい。
本日の日経平均株価は、4451円(▲12.4%)下げて、ブラックマンデーの時の下落幅を上回っており、NYダウへの警戒感が高まっている。
ドル円は、7月の米雇用統計のネガティブサプライズを受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利下げ開始確率が高まっていることなどで、141円台まで下落している。
ドル円のテクニカル分析では、2023年1月16日の安値127.23円からの中期支持線(※本日は148.49円)を割り込んでいることで、140円を割り込む可能性が高まっている。
また、6月調査の日銀短観での2024年度上半期の想定為替レートが145円付近であることで、145円割れでは、本邦輸出企業からのドル売り圧力が強まり、輸出企業の企業業績への警戒感から日本株の売り圧力が強まる可能性に警戒しておきたい。
本日は、ニューヨーク株式市場の動向に注視しながら、7月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数を見極め、米7月雇用統計に対するグールズビー米シカゴ連銀総裁やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の見解に注目する展開が予想される。
7月米ISM非製造業指数は51.0と予想されており、6月の48.8からの改善が見込まれている。7月米ISM製造業指数は、46.8と発表されており、国内総生産(GDP)に換算した場合、年率▲1.2%となるとのことで、ISM非製造業指数ではネガティブサプライズに警戒しておきたい。
7月の米雇用統計のネガティブサプライズを受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利下げ開始確率が70%台まで上昇している。
グールズビー米シカゴ連銀総裁は、7月雇用統計に対して、「米金融当局が1つの統計に過剰反応することはない」と強調し、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までに多くのデータが得られると付け加えた。
本日CNBCに出演予定のグールズビー米シカゴ連銀総裁からは、同様の見解が予想されるが、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁の見解にも注目しておきたい。
ウォール街からは、緊急FOMCを開催して緊急利下げ(0.25%~0.50%)を決定する可能性が警戒されている模様。
米連邦準備理事会(FRB)の元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱した「サーム・ルール」が0.5%以上だった場合、1年以内にリセッション入りするとの説は過去50年間、7回のリセッションで有効だった。7月は0.53%へ上昇しており、景気後退入りの「炭鉱のカナリア」が鳴き止んでいる。
パウエルFRB議長は「歴史は繰り返さない、韻を踏む… 統計的な規則性というのは、経済的なルールではない」と一蹴しているが、グールズビー米シカゴ連銀総裁やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の言及に注目したい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、146.66円(8/5高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、140.25円(2023/12/28安値)
今週のNY市場は経済指標と決算発表に注目。先週はダウ平均が2.10%安と5週ぶりに反落し、S&P500が2.06%安、ナスダック総合が3.35%安とともに3週続落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で9月の利下げの可能性が示されたことが好感されたものの、7月ISM製造業PMIが予想以上に悪化したことに加え、7月雇用統計で非農業部門雇用者数や失業率も予想以上に悪化したことで景気後退(リセッション)懸念が強まった。決算発表ではメタが好決算を発表したものの、予想を下回る売上高や弱い見通しが嫌気されたアマゾンが8%超下落したことや、弱い見通しやレイオフを発表したインテルが26%安と急落したこともセンチメントの悪化につながった。ナスダック総合は史上最高値から10%超下落し、「調整相場」入りとなった。
今週は金融政策の見通しや米国景気の動向を巡り経済指標が引き続き注目されるほか、高水準の発表が続く第2四半期決算にも要注目か。FOMCで9月の利下げ開始が示唆されたことに加え、7月ISM製造業PMIや7月雇用統計が予想以上に悪化したことで利下げ見通しが大きく強まったが、景気減速懸念やリセッション懸念も強まっており、今週発表される7月ISM非製造業PMIや新規失業保険申請件数に要注目となる。決算発表はS&P500採用の約80銘柄が発表予定で、キャタピラー、スーパー・マイクロ・コンピューター、ウォルト・ディズニー、CVSヘルス、イーライ・リリーなどの決算やガイダンスに注目が集まる。
今晩の米経済指標・イベントは7月ISM非製造業PMI、7月S&Pグローバル総合・サービス業PMI確定値など。このほか、グールズビー米シカゴ連銀総裁やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の発言も予定されている。企業決算は寄り前にタイソン・フーズ、引け後にサイモン・プロパティー、CSXなどが発表予定。
日経平均株価の下落幅は4451円まで拡大し、歴代最大の下げ幅を記録した。連日の長大陰線で今年の上昇を帳消しにし、昨年10月に二番底を形成した水準に迫る展開となった。
週足では、52週移動平均線(35932円 8/5)を下回り、一目均衡表では雲の下限(32748円 同)を下回る弱気シグナルも点灯した。週間ベースの終値で雲の上限(35189円 同)以上に戻せるかが焦点となる。
月足では、36カ月移動平均線(30954円 同)付近まで下落し、2020年3月安値(16358円)を起点として2023年1月安値(25661円)を通る上昇トレンドライン付近まで下げたことになる。
日足ベースの上値メドは、8/5に形成した長大陰線の中値となる33228円、8/2安値(35880円)、200日移動平均線(36856円 同)、心理的節目の38000円、75日移動平均線(38869円 同)などが考えられる。下値メドは、2023年10/4安値(30487円)や心理的節目の3万円、心理的節目29500円や29000円、2023年3/9高値(28734円)などがある。
(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.00円(5日15時時点比△1.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.72円(△2.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0953ドル(△0.0041ドル)
FTSE100種総合株価指数:8008.23(前営業日比▲166.48)
ドイツ株式指数(DAX):17339.00(▲322.22)
10年物英国債利回り:3.869%(△0.041%)
10年物独国債利回り:2.191%(△0.017%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月仏サービス部門PMI改定値
50.1 50.7
7月独サービス部門PMI改定値
52.5 52.0
7月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
51.9 51.9
7月英サービス部門PMI改定値
52.5 52.4
6月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.5% ▲0.2%
(前年比) ▲3.2% ▲4.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は買い戻しが進んだ。米景気懸念を背景に本日のアジア株式相場や欧州株相場が軒並み大幅下落すると、投資家が運用リスクを避ける動きを強め円買い・ドル売りが先行した。18時30分前には一時141.76円付近まで値を下げた。
ただ、アジア時間に付けた1月2日以来の安値141.70円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。NY時間発表の7月米ISM非製造業景況指数が51.4と予想の51.0を上回ったことが伝わると買い戻しが加速した。一時は3.6653%前後と昨年6月以来の低水準を記録した米10年債利回りが上昇に転じたことも相場を下支えし、1時30分前に144.89円付近まで下げ渋った。
・ユーロドルは伸び悩み。米景気懸念を背景に米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが進行。22時前に一時1.1008ドルと1月2日以来の高値を付けた。
ただ、同日高値1.1046ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米ISM非製造業景況指数の上振れも相場の重しとなり、2時30分過ぎには1.0947ドル付近まで下押しした。
なお、グールズビー米シカゴ連銀総裁は「7月米雇用統計は予想より低調だったが、景気後退(リセッション)には陥っていない」との見解を示したほか、「米連邦準備理事会(FRB)当局者は環境の変化を認識し、政策金利が過度に制約的にならないようにする必要がある」などと話した。
・ユーロ円は下値が堅かった。アジア市場では一時154.42円と年初来安値を付けたものの、欧米市場では急ピッチで下落した反動が出て買い戻しが優勢となった。夜間取引の日経平均先物が急反発したことも相場の支援材料となり、1時30分前に158.76円付近まで持ち直した。
なお、5日の東京株式市場では日経平均が急落し、下落幅はブラックマンデー翌日の3836円安を超えて過去最大となったが、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比2450円高の3万3830円まで反発する場面があった。
・ロンドン株式相場は大幅に3日続落。前週末の米国株や本日のアジア株相場が大幅に下落すると、投資家のリスク回避姿勢が強まり英株にも売りが波及した。時間外の米株価指数先物の急落も相場の重し。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続落。米景気懸念を背景に本日のアジア株式相場が軒並み大幅下落すると、投資家が運用リスクを避ける動きを強め、欧州株全般に売りが広がった。個別ではエーオン(4.81%安)やザランド(4.26%安)、フォルクスワーゲン(3.06%安)などの下げが目立ち、インフィニオン・テクノロジーズ(1.34%高)などを除く36銘柄が下落した。
・欧州債券相場は下落。世界的な株安を背景に相対的に安全な資産とされる独国債には買いが先行したものの、米指標の上振れをきっかけに米国債が下落すると独国債にも売りが波及した。
・欧州債券相場は下落。世界的な株安を背景に相対的に安全な資産とされる独国債には買いが先行したものの、米指標の上振れをきっかけに米国債が下落すると独国債にも売りが波及した。
5日08:50 6月13-14日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
「データを注視し遅きに失することなく適時に金利引き上げる必要」
「物価上振れの可能性、リスクマネジメントの観点から緩和度合いの更なる調整の検討必要」
「政策変更、消費者物価の明確な反転上昇などデータを確認したタイミングで検討するのが適切」
「当面は現在の金融緩和継続し企業の構造改革を後押しするのが適当」
「為替円安は物価上振れの要因、金融政策運営上十分注視する必要があるとの認識を委員は共有」
5日16:34 鈴木財務相
「株価は市場で決定される」
「株価の下落、強い関心を寄せている」
「今後とも為替相場の動きを注視」
「円の水準は安定的に推移することが望ましい」
「為替相場は、ファンダメンタルズの反映が重要」
「日銀とも連携して、緊張感を持って株式市場の動向を注視する」
5日17:46 林官房長官
「為替市場の動向をしっかりと注視したい」
「為替相場は安定的に推移することが重要」
5日21:39 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「7月の雇用統計は、まだリセッション(景気後退)の可能性を示唆していない」
「FOMCは、9月会合前にさらなるデータを確認できる」
6日00:22 ロペスオブラドール・メキシコ大統領
「メキシコはペソ安に耐えうる十分な準備金を有している」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 6月家計調査(消費支出、予想:前年比▲0.9%)
○08:30 ◇ 6月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.4%)
<海外>
○08:01 ◇ 7月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比0.2%)
○13:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:4.35%で据え置き)
○14:30 ◎ ブロックRBA総裁、記者会見
○14:45 ◇ 7月スイス失業率(季節調整前、予想:2.3%)
○15:00 ◎ 6月独製造業新規受注(予想:前月比0.5%/前年同月比▲14.2%)
○15:30 ◇ 6月スイス小売売上高
○17:30 ◎ 7月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.8)
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.1%/前年比0.2%)
○21:30 ◇ 6月カナダ貿易収支(予想:18.4億カナダドルの赤字)
○21:30 ◎ 6月米貿易収支(予想:725億ドルの赤字)
○7日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○7日03:00 ◎ 7月ブラジル貿易収支(予想:77.50億ドルの黒字)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
5日のニューヨーク市場では、ドル円は米指標の上振れや米長期金利の上昇を背景に一時144.89円付近まで買い戻された。もっともその後、米株の大幅安や米金利の伸び悩みを受けて143円半ばまで押し戻された。ユーロドルはNY序盤につけた1.1008ドルを頭に1.0940ドル台まで上値を切り下げた。ユーロ円はアジア市場で154円台まで急落した反動で、158円後半まで切り返す場面があった。
本日の東京為替市場でもドル円は、金利や株式相場の動向を見極めながら荒い値動きが続くか。急落と急騰を繰り返した後なだけに、傷んでいる市場参加者も多いと思われ、流動性は良くないことが想定される。フローに敏感に反応し、昨日同様に値幅を伴う場面も多々ありそうだ。
昨日は日本株の暴落を受けて、東京午後に1月2日以来の安値141.70円を記録。オセアニア時間の高値からだと5円近い下落幅になる。もっともその後、日通しレンジの下値からの61.8%戻しも達成し、一巡後は下押すもNY引け水準は半値144.18円付近だった。一旦は底打ち感が出てきてもおかしくはないか。
米株は大幅安で終えたが、昨日暴落した日経平均の先物は夜間取引でさすがに大きく反発。本日の東京市場でも、上げ幅をみて、昨日は悪化の一方だった相場のリスクセンチメントの改善が期待できるかもしれない。ただし、前営業日比4451円安と過去最大の下げ幅を記録した後で株価の水準自体はまだ低いため、積極的なリスクオンまでには至らないだろう。
ところでCMEのフェドウォッチによれば、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%利下げ織り込み度は8割を超えた。また翌11月会合でも同じ幅の追加利下げを織り込み、0.75%引き下げを見込む向きも増えてきている。日銀の年内追加利上げ観測が高まりつつあるなかで、米金利先安観がこのまま強まるようだと、日米金利差の縮小が意識されてドル円の上値も追いづらくなるかもしれない。
豪ドルも株式市場の動向を見定めながら、日本時間13時30分に豪準備銀行(RBA)が発表する政策金利や、その1時間後に予定されているブロックRBA総裁の記者会見を待つことになる。昨日から本日にかけて開かれた金融政策理事会では、政策金利が現行4.35%で据え置かれるというのが大方の見込み。予想通りであれば、6会合連続での据え置きとなる。
RBAはこれまでタカ派に傾き、次の一手は利上げと見られていた。しかしながら、先週公表された6月豪消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%上昇となり、前月から伸び率が低下。4-6月期CPIは前年同期比3.8%上昇と前四半期からから加速した一方、RBAが金融政策を決定するうえで重視しているトリム平均は前期からの鈍化が確認された。これらの結果を受けて、RBAは一旦様子を見るとされている。
注目ポイントは、声明文でタカ派姿勢を維持するのかどうか。前回の声明では「最近のデータはインフレの上振れリスクに対する警戒感を改めて示している」として、利上げを議論したことを明らかにしていた。ここ最近の世界的な株安、豪経済が依然として頼るところが大きい中国の景気減速、米国のリセッション(景気後退)リスクを背景とした金利先安観などへの言及が注視される。
(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.18円(前営業日比▲2.35円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.90円(▲2.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0952ドル(△0.0041ドル)
ダウ工業株30種平均:38703.27ドル(▲1033.99ドル)
ナスダック総合株価指数:16200.08(▲576.08)
10年物米国債利回り:3.79%(横ばい)
WTI原油先物9月限:1バレル=72.94ドル(▲0.58ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2444.4ドル(▲25.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米サービス部門PMI改定値
55.0 56.0
7月米総?⑰MI改定値
54.3 55.0
7月米ISM非製造業指数
51.4 48.8
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は5日続落。本日の東京市場では米景気後退懸念や日銀の追加利上げ観測の高まりなどを背景に、日経平均が暴落したことを受けてリスク回避の円買いが活発化し一時141.70円と1月2日以来の安値を付けた。
ただ、NY市場に限れば買い戻しが目立つ展開となった。7月米ISM非製造業景況指数が51.4と予想の51.0を上回ったことが分かるとドルを買い戻す動きが広がり、1時30分前には144.89円付近まで下げ幅を縮めた。一時は3.6653%前後と昨年6月以来の低水準を記録した米10年債利回りが上昇に転じたことも相場を下支えした。
もっとも、買い戻しが一巡すると上値が重くなった。ダウ平均が一時1200ドル超下落したほか、米10年債利回りが再び低下に転じたことが相場の重しとなり143.41円付近まで押し戻された。
・ユーロドルは続伸。米景気後退懸念を背景に米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが進行。22時前に一時1.1008ドルと1月2日以来の高値を付けた。
ただ、同日高値1.1046ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米ISM非製造業景況指数の上振れも相場の重しとなり、2時30分過ぎには1.0947ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は7日続落。米景気後退懸念が台頭する中、世界中で株価が大幅に下落し、為替市場ではリスク回避の円買いが勢い付いた。アジア市場では一時154.42円と年初来安値を更新した。
ただ、NY市場に入ると急ピッチで下落した反動が出て買い戻しが進んだ。夜間取引の日経平均先物が急反発したことも相場の支援材料となり、1時30分前に158.76円付近まで持ち直した。もっとも、買い戻しが一巡すると157.05円付近まで押し戻されている。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比2450円高の3万3830円まで反発する場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、6月14日以来の安値となった。米景気減速懸念が一段と強まる中、投資家心理が急速に悪化し株売りが膨らんだ。アジアや欧州市場も軟調に推移するなど、世界同時株安の様相を呈した。7月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ると下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅に3日続落し、5月3日以来の安値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。米景気後退懸念が高まる中、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。利回りは一時3.6653%前後と昨年6月以来の低水準を付けた。ただ、7月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ったことが分かると売りが優勢となり、値を消した。
・原油先物相場は3日続落。米国のリセッションに対する警戒感が高まり、リスク資産から一時撤退する動きが活発化。株価とともに原油先物も売られ、一時71ドル台半ばまで下落する場面があった。
・金先物相場は続落。米景気悪化懸念から世界的に株価が急落するなか、株価の損失を補填するために金の利益確定売りが広がった。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 33370 +1990 (+6.34%)
TOPIX先物 2373.0 +173.5 (+7.88%)
シカゴ日経平均先物 33190 +1810
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前週末発表の7月の雇用統計が予想を下回ったことでリセッション(景気後退)懸念が強まり、週明けの米国市場でもリスク資産を圧縮する動きが広がり、世界的な株価下落が続いた。これまで相場を牽引してきたアップル<AAPL>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>が大きく売られ、NYダウの下落幅は1000ドルを超えた。
また、エヌビディア<NVDA>が6%超の下落となったほか、マイクロン・テクノロジー<MU>、アームホールディングス<ARM>など半導体株が弱く、ナスダック指数は支持線として意識されていた26週移動平均線を明確に割り込んだ。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落しており、テクノロジー・ハード・機器、半導体・同製造装置、自動車・同部品、メディア、小売の弱さが目立った。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比1810円高の3万3190円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比310円高の3万1690円で始まり、一気に3万3170円まで買われた。買い一巡後は3万2100円~3万2860円辺りで保ち合い、米国市場の取引開始直前には3万1140円と下落に転じる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後にプラス圏を回復すると中盤にかけて上げ幅を広げ、3万3830円まで買われた。終盤にかけては3万2830円~3万3500円辺りで推移し、3万3370円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まりそうだ。5日の日中取引では4540円安と記録的な下落となったが、ナイトセッションの開始早々、自律反発の動きとなった。日中安値3万0370円から、ナイトセッションで一時3万3830円と11%超のリバウンドをみせており、いったんは目先的なボトム形成が意識されやすいだろう。需給状況が一気に悪化するなかで積極的にロングに傾けてくる動きは期待しづらいが、押し目狙いのスタンスに向かいそうだ。
7月のISM非製造業総合景況指数は51.4となり、活動の拡大と縮小の境目である50を上回った。5日の米国市場での反応はみられなかったが、景気減速の懸念が薄れることが期待される。また、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始を前に、緊急利下げの見方も浮上してきたようだ。そのほか、為替市場では昨日の日中に1ドル=141円台に突入していたが、現在は1ドル=144円台と円高が落ち着いている。ただし、明確な底入れには米国のリセッション懸念の後退を見極める必要がある。米経済指標の内容を確認しながらの対応になるため、しばらくはスキャルピング中心となろう。
日経225先物は週足チャートで3万0370円から3万3370円(ナイトセッションを含む)と、3000円幅での長い下ヒゲを残す形状となっている。これをキープする形で推移するようだと、52週線が位置する3万5740円辺りへの戻りが意識されてきそうだ。レバレッジ型ETFの商いが積み上がっていることもあり、リバウンドを強めてくると、ヘッジ対応のロングが強まる展開も期待されてくる。そのため、オプション権利行使価格の3万2000円から3万5000円辺りのレンジを想定する。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に上昇した。一時14.69倍まで切り上がり、3月4日に付けた14.84倍に迫った。全面安商状のなかでメガバンクや商社の下げが目立っていたこともあり、相対的にTOPIX型の弱さにつながったようだ。本日はナスダック指数が26週線を割り込んできたほか、大型テック株の下げが目立つなか、相対的にTOPIX型の優位の展開が意識されよう。
5日のVIX指数は38.57(前日は23.39)に上昇した。一時65.73まで急伸し、2020年3月以来の水準まで切り上がる場面もみられた。リスク回避姿勢に傾きやすいと考えられる一方で、セリングクライマックスが近づいてきたとの見方にもなりそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比2940円高の3万4320円(+9.36%)前後で推移。寄り付きは3万3900円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万3190円)を大きく上回って始まった。直後にサーキットブレーカーが発動し波乱の展開が警戒されたが、再開後の3万3170円を安値にロングの動きが強まり、中盤にかけて3万4910円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は寄り付き水準まで軟化する場面もみられたが、終盤にかけて再びリバウンド基調が強まり、3万4400円~3万4500円辺りでのレンジ推移となった。
寄り付き直後のサーキットブレーカー発動後の3万3170円を安値に強いリバウンドとなり、週足チャートでは下ヒゲの長さが4000円に拡大してきた。楽観視はできないものの、チャート上では目先的にはボトム意識が高まりそうである。また、自律反発とはいえ、東証プライムの騰落銘柄は値上がり数が9割超を占める全面高商状となるなか、センチメントも改善傾向に向かわせそうだ。なお、週足のボリンジャーバンドの-2σが3万4960円辺りで推移しており、同水準では短期筋の利食いが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.10倍に低下した。一時13.65倍まで低下し、昨年10月下旬以来の水準まで下げる場面もみられた。荒い値動きではあるが、前日の急伸からの反動といったところであり、その後はこれまでのレンジであった14.00倍辺りでの推移をみせているため、波乱含みの動きは落ち着いてきた形である。
ロンドンタイムは、米景気後退懸念を背景とした欧州通貨の底堅さが続くかを見定めることになる。ただ、ユーロドルは上振れ局面ではまだ上値が抑えられがち。昨日も一時1.1008ドルと1月2日以来の1.1ドル台回復を果たしたものの、1.09ドル半ばへ押し戻された。
米株先物の動向をにらみつつ、米景況の行方を推し量る流れが想定されるが、並行して欧州株も買われれば方向感は出にくいだろう。欧州経済指標が方向を探る一助になるかもしれないが、本日発表予定の独製造業新規受注やユーロ圏小売売上高は通常為替の大きな動意につながりにくい。ユーロ圏の景況を把握する材料にとどまりそうだ。
東京タイム昼過ぎの時点でダウ先物は昨日の急落の反動で300ドル高以上の揺り戻しとなっている。このままじり高の戻りが続けば、欧州通貨は対ドルで上値が限定されやすいだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル:8月5日高値1.1008ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0893ドル。
(6日15時時点)
ドル円:1ドル=145.82円(前営業日NY終値比△1.64円)
ユーロ円:1ユーロ=159.61円(△1.71円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0946ドル(▲0.0006ドル)
日経平均株価:34675.46円(前営業日比△3217.04円)
東証株価指数(TOPIX):2434.21(△207.06)
債券先物9月物:144.90円(▲1.16円)
新発10年物国債利回り:0.885%(△0.130%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.24600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<国内>
<発表値> <前回発表値>
6月家計調査(消費支出)
前年同月比 ▲1.4% ▲1.8%
6月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 4.5% 2.0%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は買い優勢。日経平均株価が大きく上昇したことを手掛かりに、投資家のリスク志向改善を意識した買いが先行した。9時過ぎに146.36円まで上昇した後、144.30円台まで押し戻されるなど、この日も値動きの荒さが目立ったものの、15時にかけて再び146.10円台まで上昇。「日銀・財務省・金融庁が午後3時から三者情報交換会談」との報道も買い材料として意識されたようだ。
・豪ドル円も買い優勢。日本株高を背景にした買いの流れに沿って、9時過ぎに95.51円まで上昇した。その後はドル円と同様に93.90円台まで調整が入ったが、総じて円売り・豪ドル買いの動きが目立った。
なお、豪準備銀行(RBA)はこの日、政策金利を予想通り4.35%で据え置くことを決定した。声明では「インフレ率が持続的にターゲットレンジ内に収まるまでには今暫く時間を要する見通し」「インフレ率が持続可能な形でターゲットレンジに向かって収束していると確信できるまで、金融政策は十分に引き締め的である必要」などの見解が示された。
・ユーロ円も買い優勢。ドル円や他のクロス円と同様に上下に振れる場面はあったものの、一時は160.22円まで上値を伸ばす場面も見られた。
・ユーロドルは小動き。円絡みの取引が中心となったため、相場は1.09ドル台半ばで方向感が出なかった。
・日経平均株価は4営業日ぶりに急反発。前日に4500円近い過去最大の下げ幅を記録した反動で、自律反発狙いの買いが優勢となった。外国為替市場で円買い・ドル売りの動きがいったん収まったことも買い戻しを誘い、指数は一時3400円超高まで上昇。終値ベースでの上げ幅も過去最大となった。
・債券先物相場は4営業日ぶりに大幅反落。前日に急騰した反動が出たほか、日経平均の大幅高を背景にリスク回避の動きが和らいだこともあり、債券売りが優勢となった。
大阪9月限
日経225先物 34240 +2860 (+9.11%)
TOPIX先物 2407.5 +208.0 (+9.45%)
日経225先物(9月限)は、前日比2860円高の3万4240円で取引を終了。寄り付きは3万3900円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万3190円)を大きく上回って始まった。直後にサーキットブレーカーが発動し、波乱の展開が警戒されたが、再開後の3万3170円を安値にロングが強まり、前場中盤にかけて3万4910円まで上げ幅を広げた。
買い一巡後は寄り付き水準まで軟化する場面もあったが、前場終盤に再びリバウンドが強まり、3万4400円~3万4500円辺りでのレンジ推移となった。ランチタイムでこのレンジを上放れると、後場の取引開始直後には3万4830円まで買われた。中盤に3万3400円まで軟化するなど依然として荒い値動きながら、終盤にかけて3万4500円を回復する場面もみられ、押し目狙いのロングが優勢だった。
寄り付き早々のサーキットブレーカー発動後の3万3170円を安値に強いリバウンドとなり、週足チャートでは長い下ヒゲを残す形状である。リセッション(景気後退)懸念が強まる米国の底入れ次第だが、ひとまず東京市場の上昇で世界的な株価下落を止める形にはなった。この流れを欧州市場が引き継ぐことができれば、米国市場でも落ち着きをみせてくる展開が期待されそうだ。
日経225先物はボリンジャーバンドの-3σ割れからのリバウンドにより、-2σを捉えてきた。バンドが拡大傾向にあるなか、ナイトセッションでは3万3570円辺りまで下がってきている。-2σ水準での攻防が続くようだと、-3σとのレンジ推移が意識されやすいため、投資家心理を神経質にさせよう。一方で、-2σを上回ってくると、-1σの3万6280円水準のほか、200日移動平均線が位置する3万6700円辺りがターゲットになりそうだ。
積極的にはポジションを傾けにくい需給状況だが、スキャルピング中心とはいえ、短時間で簡単に1000円幅が出てしまうなど、値がさ株並みのボラティリティであり、トレードチャンスではある。一方向に需給が傾きやすく、仕掛け的なトレードというよりは、短期のトレンドに追随する形での値幅取り狙いになりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.22倍に低下した。前日には一時14.69倍まで上昇したが、本日は一時13.65倍まで低下し、昨年10月下旬以来の水準まで下げる場面もみられた。その後は14.00倍~14.20倍水準での推移となった。このレンジを短期的に大きく放れる局面では、その後のレンジ内への収束を想定したNTスプレッドの動きも入ってきそうである。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が4万6662枚、ソシエテジェネラル証券が4万0097枚、バークレイズ証券が1万1381枚、JPモルガン証券が1万0786枚、野村証券が1万0511枚、モルガンMUFG証券が8997枚、SBI証券が6987枚、ゴールドマン証券が6900枚、ビーオブエー証券が4692枚、日産証券が3738枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が8万6835枚、ソシエテジェネラル証券が7万9089枚、JPモルガン証券が1万8245枚、バークレイズ証券が1万5318枚、ゴールドマン証券が1万2862枚、モルガンMUFG証券が1万0822枚、ビーオブエー証券が1万0544枚、BNPパリバ証券が6186枚、みずほ証券が5804枚、野村証券が4884枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、先週から3営業日で2343ドル下落しているNYダウの動向や債券市場の動向を見極めながら、戻しの目処を探っていく展開が予想される。
また、イランがイスラエルへの報復攻撃を警告していることで、中東の地政学リスクにも警戒しておきたい。
ドル円は、7月3日の高値161.95円から141.70円まで20.25円下落しているが、上値の目処としては、2023年1月の安値127.23円を起点とする中期支持線148.55円付近や日足一目均衡表・転換線148.46円付近が挙げられる。
本日のこれまでの高値146.36円は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%戻しの146.48円に対応しており、38.2%戻しでは149.44円付近となる。
ウォール街では、米7月雇用統計や「サーム・ルール」が米国の景気減速、あるいは景気後退を示唆していることで、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利下げ観測が高まっている。
しかし、その前に緊急FOMCを開催して、緊急利下げの可能性も警戒されつつあり、関連ヘッドラインなどに注目しておきたい。
昨日は、2024年8月限の担保付翌日物調達金利(SOFR)先物が、月内にFRBが少なくとも0.25%の金利引き下げを行う可能性を織り込んでいた。そして、9月限は少なくとも0.50%の利下げの可能性を100%織り込んでいた。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場も、8月の0.25%の利下げを織り込んでいた。
米連邦準備理事会(FRB)の元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱した「サーム・ルール」が0.5%以上だった場合、1年以内にリセッション入りするとの説は過去50年間、7回のリセッションで有効だった。
7月は0.53%へ上昇しており、景気後退入りの「炭鉱のカナリア」が鳴き止んでいる。
今月の重要なイベントは以下の通りとなっており、緊急FOMCの可能性と絡めて注目していきたい。
8/14:7月消費者物価指数(CPI)
8/21:雇用統計の年次改定
8/22-24:ジャクソンホール会合
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、146.66円(8/5高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、141.70円(8/5安値)
今晩は反発か。昨日はアジア時間で日経平均が1987年のブラックマンデー以来の急落となるなど世界的にリスク回避が強まったことで、米国株も大幅続落した。日銀の利上げを受けて円キャリートレードが巻き戻されたこともリスク資産の下落につながった。ダウ平均が1033.99ドル安(-2.60%)、S&P500が3.00%安、ナスダック総合が3.43%安とそろって大幅に3日続落し、ダウ平均とS&P500は2022年9月以来の下落率を記録した。投資家の不安心理を示すVIX指数はコロナパンデミック時以来となる65ポイント台まで上昇し、2020年10月以来の高水準となる38.57ポイントで終了した。
今晩はいったん反発か。アジア時間では前日に大きく下落した日経平均が大幅反発しており、過度な警戒感が和らぐことが期待される。昨日発表された7月ISM非製造業PMIが前月分の48.8から51.4に改善し、好不況の分かれ目の50を上回ったことも過度な景気後退(リセッション)懸念の後退につながりそうだ。時間外の米株価先物指数も上昇しており、昨日大きく下落したハイテク株を中心に反発が期待できそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは6月貿易収支など。企業決算は寄り前にキャタピラー、ウーバー・テクノロジーズ、引け後にウィン・リゾーツ、エアビーアンドビー、スーパー・マイクロ・コンピューター、アムジェンなどが発表予定。
アトランタ連銀が発表した米国の国内総生産(GDP)成長率の現時点予測である7-9月期GDPNowは+2.9%と前回の+2.5%から引き上げられた。
日経平均株価は大幅反発。終値ベースの上昇幅は3217円と歴代最大の上げ幅を記録した。前日の長大陰線にはらむ長い陽線を形成し、強く戻った印象である。
RSI(9日)は前日の13.0%→33.7%(8/6)に上昇。再びボトムアウトとなった。5日移動平均線(35854円 8/6)が上値抵抗になりうるが、上方のマド埋めと同時に5日移動平均線を終値で超えられるかが目先の焦点となる。きょうの長い陽線の反動安(より短い陰線)なども想定しておきたい。
前日までの急落を通じて、週足の一目均衡表では雲の下限(32748円 同)を下回っており、週間終値ベースで雲の上限(35189円 同)以上に戻せるかが焦点となる。52週移動平均線(35994円 同)上も回復できれば、一時的に38000円処まで伸びる可能性が高まる。
月足では、36カ月移動平均線(31044円 同)付近から反発、2020年3月安値(16358円)を起点として2023年1月安値(25661円)を通る上昇トレンドライン付近から反発する格好となった。月間終値までこの状況を保てるかが重要で、36カ月移動平均線や上昇トレンドラインを割り込むとネガティブな判断となる。
日足ベースの上値メドは、8/2安値(35880円)、200日移動平均線(36866円 同)、8/1安値(37737円)~心理的節目の38000円、75日移動平均線(38825円 同)などが考えられる。下値メドは、8/5安値(31156円)、2023年10/4安値(30487円)や心理的節目の3万円、心理的節目29500円や29000円、2023年3/9高値(28734円)などがある。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.810%、応札倍率(カバー)が2.55倍となった。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.33円(6日15時時点比▲0.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.79円(▲0.82円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0926ドル(▲0.0020ドル)
FTSE100種総合株価指数:8026.69(前営業日比△18.46)
ドイツ株式指数(DAX):17354.32(△15.32)
10年物英国債利回り:3.920%(△0.051%)
10年物独国債利回り:2.201%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月スイス失業率
2.3% 2.3%
6月独製造業新規受注
(前月比) 3.9% ▲1.7%・改
(前年比) ▲11.8% ▲8.7%・改
6月スイス小売売上高
(前年同月比) ▲2.2% ▲0.2%・改
7月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
55.3 52.2
6月ユーロ圏小売売上高
(前月比) ▲0.3% 0.1%
(前年比) ▲0.3% 0.5%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。米景気減速懸念などを背景としたリスク回避姿勢の強まりや日銀の追加利上げ観測を受けて強まった円買い・ドル売りの流れは一服したものの、戻りは限定的だった。ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比1410円安の3万2830円まで下落すると円買い・ドル売りが入り一時144.05円付近まで下押しした。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値143.63円が目先サポートとして働くと下げ渋った。米国株相場が堅調に推移したうえ、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.90%台まで上昇すると円売り・ドル買いがじわりと強まった。2時前には145.42円付近まで下げ幅を縮めた。
・ユーロドルは下げ渋り。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、6月ユーロ圏小売売上高が予想を下回ったことが相場の重しとなり、20時30分前に一時1.0904ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0893ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。24時前には1.0935ドル付近まで下値を切り上げた。
・ユーロ円はドル円と似た動き。日経平均先物の大幅下落を受けて円買い・ユーロ売りが入ると一時157.30円と日通し安値を付けたものの、米国株が堅調に推移すると徐々に買い戻しが優勢に。2時前には158.91円付近まで下値を切り上げた。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに反発。前日まで3日連続で下落しており、自律反発期待の買いが入った。7月英建設業購買担当者景気指数(PMI)が予想を上回ったことも相場を下支えした。ロールス・ロイス・ホールディングスやメルローズ・インダストリーズなど資本財サービス株が買われた半面、セグロやユナイト・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに小反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。米国株相場の上昇も相場を下支えした。ただ、6月ユーロ圏小売売上高が予想を下回ったことは相場の重し。個別ではシーメンス・エナジー(3.34%高)やSAP(2.31%高)、コンチネンタル(2.18%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.34円(前営業日比△0.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.79円(▲0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0931ドル(▲0.0021ドル)
ダウ工業株30種平均:38997.66ドル(△294.39ドル)
ナスダック総合株価指数:16366.86(△166.78)
10年物米国債利回り:3.89%(△0.10%)
WTI原油先物9月限:1バレル=73.20ドル(△0.26ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2431.6ドル(▲12.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月米貿易収支
731億ドルの赤字 750億ドルの赤字・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は6日ぶりに小反発。本日の東京株式市場では前日5日に過去最大の下落幅となった日経平均が大幅に反発し過去最大の上げ幅を記録。投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ、円売り・ドル買いが出た。東京市場では一時146.36円まで上昇する場面があった。
ただ、NY市場では戻りの鈍さが目立った。ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比1410円安の3万2830円まで下落したことなどが相場の重しになると、一時144.05円付近まで下押しした。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.90%台まで上昇すると、2時前に145.42円付近まで持ち直す場面もあったが、戻りは限定的。引けにかけては144.17円付近まで押し戻された。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、6月ユーロ圏小売売上高が予想を下回ったことが相場の重しとなり、20時30分前に一時1.0904ドルと日通し安値を付けた。
ただ、前日の安値1.0893ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。24時前には1.0935ドル付近まで下値を切り上げた。
・ユーロ円は小幅ながら8日続落。ドル円と同様に東京市場では160.22円まで買われたが、NY市場では日経平均先物の大幅下落を受けて一時157.30円と日通し安値を付けた。米国株相場が上昇すると買い戻しが優勢となり、2時前に158.91円付近まで持ち直したものの、買い戻しの勢いは長続きしなかった。取引終了間際には157.58円付近まで押し戻された。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが優勢となった。これまで下げがきつかった半導体関連などハイテク株に買いが集まると、指数は一時740ドル超上昇する場面があった。ただ、米景気減速への懸念から戻りを売りたい向きも多く、引けにかけては急速に伸び悩んだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。本日の日米株価指数がひとまず反発したことで、投資家のリスク回避姿勢が後退。相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。
・原油先物相場は反発。日経平均株価をはじめ、米国株も大きく反発したことで投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、リスク資産を買い戻す動きが出た。
・金先物相場は3日続落。米長期金利が上昇したことで金利がつかない金の魅力低下から売りが優勢となった。
6日06:16 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「労働市場は比較的堅調」
「経済はここ数カ月減速している」
「今後の会合で利下げにオープン」
「次の雇用統計の内容を注視」
「FRBは雇用最大化と物価安定の目標達成のため何でもする」
「政策金利は調整が必要、次期と規模はデータ次第」
6日10:18 鈴木財務相
「日銀の政策転換が金利・財政・経済に与える影響、注意深く見てゆく必要がある」
「実質賃金のプラス転換は『着実に改善している姿』」
「賃金・投資面で日本経済に明るい兆し、前向きな動きを後押しし力強い成長につなげる」
「現状を冷静に判断するとともに日銀とも連携しつつ、経済財政運営に万全を期す」
6日11:02 岸田首相
「日銀と連携して経済財政運営を進める」
6日11:18 林官房長官
「為替市場の動向をしっかり注視」
「(実質賃金27カ月ぶりプラスで)賃上げの明るい動きが明確になってきた」
「基調的インフレ率は依然として過度に高水準にある」
「インフレ率が持続的にターゲットレンジ内に収まるまでには今暫く時間を要する見通し」
「データはインフレ率の上振れリスクに対する警戒の必要性を裏付けており、理事会はいかなる選択肢も排除せず」
「インフレ率が持続可能な形でターゲットレンジに向かって収束していると確信できるまで、金融政策は十分に引き締め的である必要」
「経済見通しは不透明」
「最近のデータはインフレを目標に戻すプロセスが遅く、困難を極めていることを示している」
「サービス部門におけるインフレの持続は、インフレに上振れリスクがあることを示唆」
「中国経済の見通しは軟化しており、商品価格に反映」
6日14:40 ブロックRBA総裁
「理事会では利上げを検討した」
「政策金利の水準は、CPIと雇用のバランスという意味で適切」
「インフレの進展はここ1年遅い」
「インフレの軌道修正が必要」
「金利はより長く高止まりする必要があるかもしれない」
「利下げは当面の議題ではない」
「今後6カ月で利下げとの市場の見方、理事会と一致せず」
「市場の期待は少し先走りすぎている」
6日15:42 三村財務官
「(三者会合)経済金融市場の動向を緊張感持って見極めていくことで一致」
「政府と日銀との間で緊密に連携を確認」
「日本経済は緩やかに回復していく見通しに変わりはない」
「為替相場の動向、しっかり注視していくことに尽きる」
7日03:59 ホワイトハウス
「経済チームは現在の状況を継続的に監視していく」
「経済にはある程度の変動が見られたが、経済全体としては回復力がある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 7月外貨準備高
○10:30 ◎ 内田日銀副総裁、金融経済懇談会で会見
○14:00 ◇ 6月景気動向指数速報値(予想:先行108.8/一致113.8)
<海外>
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)失業率(予想:4.7%)
◎ 就業者数増減(予想:前期比▲0.2%/前年比横ばい)
○未定 ◎ 7月中国貿易収支(予想:990.0億ドルの黒字)
○15:00 ◎ 6月独鉱工業生産(予想:前月比1.0%/前年同月比▲4.2%)
○15:00 ◇ 6月独貿易収支(予想:235億ユーロの黒字)
○15:45 ◇ 6月仏貿易収支
○15:45 ◇ 6月仏経常収支
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○23:00 ◇ 7月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○8日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○8日04:00 ◇ 6月米消費者信用残高(予想:100.0億ドル)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 33400 -840 (-2.45%)
TOPIX先物 2356.0 -51.5 (-2.13%)
シカゴ日経平均先物 33605 -635
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。6日の東京市場で日経平均株価が10%を超える上昇をみせたほか、欧州市場でドイツDAX指数、英FTSE100指数が小幅ながら反発し、米国市場でも自律反発の買いが優勢となった。エヌビディア<NVDA>が3.7%超上昇し下げのきつかったハイテク株を牽引したほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>やマイクロソフト<MSFT>など大型テック株も買われた。
米国のリセッション(景気後退)懸念が世界の株式市場を揺るがしているが、為替市場では急激な円高・ドル安が一服しており、持ち高の過剰な圧縮は一巡したとの見方につながった。S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、食品・飲料・タバコの2セクターが小幅に下落した一方で、運輸、不動産、半導体・同製造装置、消費者サービス、各種金融の強さが目立った。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比635円安の3万3605円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比290円安の3万3950円で始まり、直後に付けた3万4100円を高値にロング解消の展開となり、3万2830円まで売られた。売り一巡後は3万3000円~3万3600円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上放れ、3万4000円を回復する場面もみられたが買いは続かず、終盤にかけて下げ幅を広げ、3万3400円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まりそうだ。6日の日中取引で自律反発が強まり、2860円高と記録的な上昇となったこともあり、ロングの解消が入りやすいところだろう。ただし、連鎖的な世界株安がいったん止まったこともあり、売り一巡後は底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロング対応に向かいそうである。
日経225先物は下向きで推移するボリンジャーバンドの-2σ(3万3600円)辺りが心理的な抵抗線として意識されやすい。-3σ(3万0890円)とのレンジ推移だが、自律反発とはいえ米国株が反発したことで、下へのバイアスが強まる展開は落ち着きそうである。そのため、まずは3万3000円固めを見極めることになりそうだ。下値の堅さがみられてくるようだと、-2σ突破から節目の3万5000円処をターゲットとしたスキャルピング中心のロングに向かいやすいだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万3000円から3万5000円のレンジを想定する。週足のボリンジャーバンドでは-2σが3万4590円辺りで推移しており、これを捉えてくると、ボトム形成の意識が高まりやすいと考えられる。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.22倍に低下した。5日には一時14.69倍まで上昇したが、昨日は13.65倍まで低下し、昨年10月下旬以来の水準まで下げる場面もみられた。その後は14.00倍~14.20倍水準での推移となった。本日は米ハイテク株が買われた流れにより、NTロングに振れやすいとみられるが、大きく放れる局面ではその後のレンジ内への収束を想定した動きがありそうだ。
6日のVIX指数は27.71(前日は38.57)に上昇した。終盤に一時24.02まで切り下がる場面もみられた。依然として20.00を上回ってはいるものの、過度なリスク回避姿勢は和らぐ形であり、押し目でのロングに向かわせやすいだろう。
昨日の海外市場でのドル円は、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比1410円安の3万2830円まで一時下落したことなどが相場の重しになると、一時144.05円付近まで下押しした。米10年債利回りが3.90%台まで上昇すると、145.42円付近まで持ち直す場面もあったが、戻りは限定的。ユーロドルは1.09ドル前半で小幅な値動きだった。
本日の東京市場でも引き続き荒い値動きが予想されるが、ドル安・円高の中期的なトレンドは変わらないか。
今回のドル円の売りトレンドを決定づけたのが、7月31日の日銀政策決定会合での政策金利引き上げと国債買い入れの減額、及び植田日銀総裁のタカ派発言がきっかけだった。そして、その後は米雇用統計の悪化、株式市場の暴落などもあり、更にドル売り圧力が高まった。クロス円の値動きを見ても分かるようにドル売りトレンドだけではなく、円買いトレンドが強い。この流れが変わらないとする要因は複数あるが、市場がドルロングを切れていない点、本邦の想定為替レートに近づいている点、日米中央銀行の方向性の違いなどの3点があげられる。
ドルの上値を抑える1つ目の要因は、先月31日の日銀の結果発表前から緩やかながらドル円が弱含む中で、市場参加者はドル買い・円売りトレンドを信じ、ドルのロングポジションを抱えたままでいたことが挙げられる。31日の決定会合直後は151.64円まで下落すると「オーバーシュート」「売られすぎ」の声が出始め、ドルが下がるたびに根拠のない「売られすぎ」の声が増え、5日には141.70円まで下げ幅を拡大した。
そもそも、「オーバーシュート」や「売られすぎ」の声が多く出るのは、31日の日銀政策決定会合や米雇用統計後のドル売り相場への反転についていけなかった市場参加者の声を代弁している。大幅なドル安の反動は、昨日6日には、上述の151.64円と141.70円の半値に当たる146.67円に迫る146.36円まで戻したことで、買い戻し水準的にある程度達成したとも言えるかもしれない。依然として短期的なポジションを持っている市場参加者はナンピンを繰り返していることで、売り逃げきれていないこともあり、ドル円は当面は上値が重くなると予想される。
ドル円の上値を抑える2つ目の要因として、本邦実需勢の想定為替レートに近づき、ドル売り圧力が高まることだ。7月1日に日銀短観で発表された全規模・全産業が想定する2024年度の為替レートはドル円が144.77円、ユーロ円が155.40円だった。また、大規模・製造業はドル円が142.68円、ユーロ円が153.73円となっている。それぞれ3月時点の調査よりも大幅に円安に設定レートを変更し、僅か1カ月超ですでに想定為替レートに近い水準まで円高が進んでしまっている。今回の円高相場で多くの企業の為替予約が後手となってしまったこともあり、想定為替レートに近いことで手堅く円買いに動くことになりそうだ。
3点目としては、日銀がタカ派に傾いたのとは逆に、米国の利下げ圧力が高まっていること。一部では度重なる政府与党からの圧力に屈したことによる7月の利上げとの声もあるが、植田日銀総裁は株価の乱高下について閉会中審査の出席も求められている。しかし、今更方針を戻すことは考えにくく、日銀のタカ派姿勢が崩れるのは考えづらい。
一方で米国の利下げ期待は高まっている。CMEのフェドウォッチによれば、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%利下げ織り込み度は昨日の85%から71.5%まで低下したとはいえ、1週間前の1割台からの大幅上昇は変わらず。今後の米経済指標の結果次第では、0.50%の利下げ圧力は強まりそうだ。このような日米の金融政策の方向性の違いが、ドルの頭を抑えることになるだろう。
また、昨晩の日経平均先物が下落していることや、中東情勢がさらに悪化していることなど、様々なドル円の売り要因もあることも見落とすことはできないだろう。
なお、本日は本邦の7月外貨準備高が発表され、先月の為替介入の実績を把握することが出来る。午後には6月の景気一致及び先行指数・速報値も発表される。しかしながら、円安相場からすでに転換しているため、介入実績に対しての市場の反応は限られるだろう。6月の景気指数については、今回の株の乱高下などが組み入れられておらず、市場の反応は限定されるか。
ほか、早朝発表されたニュージーランドの雇用指数以外には中国の貿易収支が発表されるが、市場の焦点は引き続き株式市場などの動向が中心となりそうだ。
桐島聡容疑者が逮捕される:なんで他人の保険証で入院できたの?
アゴラ編集部 2024.01.27 06:15
ゆな先生
最後に紙の保険証がいかになりすまし放題か明らかにして去る有終の美でもある
午前1:05 ・ 2024年1月27日
マイナンバー保険証化に反対してるみなさん、桐島聡が他人になりすまして入院
できてたのをみてどう思いますか
午後10:20 ・ 2024年1月26日
アゴラ編集部
一方で、紙の保険証だから他人の名前で入院できました。それでも写真も入っていない
紙の保険証を推す理由がよくわかりません。
※【追記】10割負担で入院していたそうです。桐島聡容疑者にお詫び申し上げます。(1/28訂正)
橋本琴絵
桐島聡容疑者は病院に入院中に捕まりました。顔写真のあるマイナンバーカードを保険証にして
紙媒体の廃止に執拗な反対をする人々の答えが出てきましたね。
午後5:57 ・ 2024年1月26日
丹羽薫(ニワカちゃんの憂鬱)
しかし逮捕された極左テロリストの桐島聡(70歳)であるが、偽名で(誰かの保険証?)入院していたそうで、
左翼リベラルのみなさんがどうしてマイナ保険証に猛反対していたか、わかりやすい答え合わせでちゃったね!
という感じである
午後5:22 ・ 2024年1月26日
日経225先物は11時30分時点、前日比1100円高の3万5340円(+3.21%)前後で推移。寄り付きは3万3430円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万3605円)を下回り、売り先行で始まった。ただし、直後に付けた3万3220円を安値にロングの勢いが強まり、中盤にかけてプラス圏を回復。買い一巡後は3万4000円~3万4500円辺りでの保ち合いとなったが、終盤にかけてレンジを大きく上放れ、一時3万5850円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は売り一巡後にリバウンドを強めており、5日の急落局面で残したチャート上の大陰線を埋めてきた。週足チャートでは3万5780円辺りで推移している52週移動平均線を上回る場面もみられた。日銀の内田真一副総裁は講演で、「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べたと伝わったことが材料視されたようだ。為替市場では円相場が一時1ドル=147円台と円安に振れるなか、先物市場ではロングの動きが強まった。なお、日経225先物は52週線までのリバウンドにより、自律反発の流れとしては達成感が意識されてきそうであり、同線突破を見極めたいところであろう。
NT倍率は先物中心限月で14.10倍に低下した。14.19倍を付ける場面もみられたが、同水準で推移している200日線に上値を抑えられた。その後は内田副総裁の発言を受けてTOPIX型のインデックス買いが目立つなか、一時13.99倍に低下した。14.00倍~14.20倍辺りでのレンジ推移が続いており、スプレッド狙いのトレードは限られそうだ。
本日のロンドン市場では、ユーロドルは前日に引き続き米長期金利のほか、欧米株価の動向を通して方向感を模索する展開が見込まれる。
5日にユーロドルは一時1.10ドル台に乗せたが、先週末に発表された弱い米雇用統計をきっかけとして米景気減速が懸念され、米長期金利の低下とともにドルが売られたものによる。ただ、その後はドル、ユーロともに手掛かり材料難のなかで、主に1.09ドル台前半でのもみ合いが続いた。
本日午前の東京市場では、時間外の米10年債利回りが一時3.91%に上昇したことでユーロドルは小緩んだが、内田日銀副総裁のハト派的発言を受けて安く始まった日経平均が大幅に反発してユーロ円が大きく上昇した事もあり、昨日安値1.0904ドルを前に下げ渋る動きとなった。
本日は独で鉱工業生産や貿易収支が、仏では貿易収支や経常収支がそれぞれ発表されるものの、通常は為替相場の大きな動意につながりにくい。今週この後はユーロ圏のみならず米国でも目玉となりそうな経済イベントが見当たらないこともあり、ユーロドルは積極的には売買しづらい空気が漂う中で、株価や米長期金利をながめつつ方向感を模索する展開が見込まれる。
テクニカル面では、ユーロドルは足もとでこう着を強める中、まずは昨日のレンジ(1.0904ドル-1.0963ドル)を上下どちらにブレイクするか注目したい。上抜けた場合は5日高値1.1008ドルに向けた一段高が、下抜けた場合は日足・一目均衡表の基準線1.0872ドルに向けた続落も考えられる。
想定レンジ上限
ユーロドル:6日高値1.0963ドル、超えると5日高値1.1008ドル。
想定レンジ下限
ユーロドル:6日安値1.0904ドル、割ると日足・一目均衡表の基準線1.0872ドル。
(7日15時時点)
ドル円:1ドル=146.95円(前営業日NY終値比△2.61円)
ユーロ円:1ユーロ=160.31円(△2.52円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0909ドル(▲0.0022ドル)
日経平均株価:35089.62円(前営業日比△414.16円)
東証株価指数(TOPIX):2489.21(△55.00)
債券先物9月物:144.96円(△0.06円)
新発10年物国債利回り:0.875%(▲0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.24600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月外貨準備高
1兆2191億ドル 1兆2315億ドル
6月景気動向指数速報値
先行指数 108.6 111.2
一致指数 113.7 117.1
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は買い優勢。144円台後半を中心とするレンジ内で朝方から底堅く推移していたが、内田日銀副総裁の発言をきっかけに相場は急伸した。日銀副総裁が「金融市場が不安定な状況で利上げをすることはない」との見解を示すと円が全面安となり、一時147.90円まで大きく上昇。もっとも、その後は急ピッチで値を上げた反動から146円台後半まで持ち高調整売りに押された。
・ユーロ円も買い優勢。円全面安の流れに沿って一時161.42円まで上値を伸ばした。その後はドル円と同じく調整売りが入り、159.90円台まで上値を切り下げている。
・ユーロドルは小安い。対円でのドル高進行に伴って1.0906ドルまで弱含んだ。
・日経平均株価は続伸。連日で値幅を伴った荒い値動きが続くなか、本日も前場で900円超安まで下げた後、1200円近く上昇するなど上下に振らされた。内田日銀副総裁の発言が伝わり、外国為替市場で円安・ドル高が進んだことが買い戻しを誘った要因。ただ、戻り待ちの売りと値ごろ感に着目した買いが交錯する状況が続いており、買いの勢いも続かなかった。
・債券先物相場は反発。前日終値を挟んで上下する不安定な値動きとなった。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで144円55銭まで弱含む場面もあったが、その後は買い戻しが優勢に。内田日銀副総裁の発言を手掛かりに一時145円43銭まで上昇した。もっとも、引けにかけては再び終値付近まで押し戻された。
大阪9月限
日経225先物 35070 +830 (+2.42%)
TOPIX先物 2480.0 +72.5 (+3.01%)
日経225先物(9月限)は前日比830円高の3万5070円で取引を終了。寄り付きは3万3430円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万3605円)を下回り、売り先行で始まった。しかし、直後に付けた3万3220円を安値にロングの勢いが強まり、前場中盤にかけてプラス圏を回復。買い一巡後は3万4000円~3万4500円辺りで保ち合ったが、前場終盤にレンジを大きく上放れ、一時3万5850円まで上げ幅を広げた。後場は3万5200円~3万5700円辺りでの推移が続き、中盤にかけて3万5820円まで買われたが、前場に付けた高値には届かず、引けにかけては持ち高調整に伴うロングの解消により3万5000円水準に上げ幅を縮めた。
日経225先物は売り一巡後にリバウンドを強め、5日の急落局面で残したチャート上の大陰線を埋めてきた。ただし、週足チャートでは3万5780円辺りで推移する52週移動平均線を上回る場面もみられたものの明確に突破することはできず、同線が心理的な上値抵抗として意識された形である。もっとも、終盤は持ち高調整に伴うロング解消の動きが優勢だったことからも、スキャルピング中心の売買であったことが窺える。
本日は日銀の内田真一副総裁が講演で、「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べたと伝わったことをきっかけに、リスク選好の展開となった。円相場が一時1ドル=147円台と円安に振れるなか、先物市場ではロングが強まった。なお、日経225先物は52週線までのリバウンドによって、自律反発としては達成感が意識されそうだ。また、週足のボリンジャーバンドの-2σが3万5300円辺りで推移しており、こちらも抵抗線になりやすい。
一方で、週足の-2σおよび52週線をクリアしてくる局面では、-1σの3万6990円、中心値(13週)の3万8630円処が射程に入ってこよう。国内で追加利上げへの警戒が和らぎ、米国市場が落ち着きを取り戻してくると、ロング優勢の展開となる可能性がある。
NT倍率は先物中心限月で14.14倍に低下した。14.19倍を付ける場面もみられたが、同水準で推移している200日線に上値を抑えられた。その後は内田副総裁の発言を受けて、TOPIX型のインデックス買いが目立つなか、一時13.99倍に低下した。14.00倍~14.20倍辺りのレンジ推移が続いており、スプレッド狙いのトレードは限られそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万9787枚、ソシエテジェネラル証券が3万3168枚、バークレイズ証券が7740枚、SBI証券が5966枚、JPモルガン証券が4829枚、モルガンMUFG証券が4737枚、サスケハナ・ホンコンが4251枚、ゴールドマン証券が3412枚、野村証券が3373枚、ビーオブエー証券が2943枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が6万6353枚、ソシエテジェネラル証券が5万5986枚、ゴールドマン証券が1万2321枚、バークレイズ証券が1万0842枚、モルガンMUFG証券が9629枚、JPモルガン証券が7868枚、みずほ証券が5308枚、ビーオブエー証券が4917枚、サスケハナ・ホンコンが4776枚、シティグループ証券が4328枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、NYダウや債券市場の動向を見極めながら、パウエルFRB議長が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始を示唆した後の米国10年債入札を見極める展開が予想される。
日経平均株価の日足は、5日に過去最大の下落幅(▲4451円:▲12.4%)という大陰線に対して、6日は過去最大の上昇幅(+3217円:+10.23%)という大陽線により、底打ちを示唆する「陰の陽孕み」が示現し、7日も続伸している。懸念材料は、8月2日と5日の間に空いた「窓」が埋められていないことになる。
NYダウの日足も5日と6日で「陰の陽孕み」(2day reversal)が示現していたことで、日経平均株価と同様の反転が見込まれる。
リスクシナリオは、中東情勢の緊迫化、すなわち、イランによるイスラエルに対する報復攻撃、中東の地政学リスクの高まりとなる。
NY勢による内田日銀副総裁の発言への反応にも注目しておきたい。
ハト派的な見解としては、「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」。
タカ派的な見解としては、「植田総裁と自分との考えの違いはない。経済や物価が見通しに沿って展開していくのであれば、それに応じて金融緩和の度合いを調整していくことが適切」。
パウエルFRB議長が9月FOMCでの利下げ開始を示唆し、米7月雇用統計が労働市場の悪化を示唆したことで、5日のニューヨーク債券市場では2年債の利回りが10年債を下回り、2022年7月以来の「逆イールド」現象が一時的に解消された。
逆イールドの解消は、過去4回のリセッション直前に起きており、利下げの論拠が明確に示されたことになる。
米連邦準備理事会(FRB)の元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱した「サーム・ルール」が0.5%以上だった場合、1年以内にリセッション入りするとの説は過去50年間の7回のリセッションを完璧に予告していた。7月は0.53%へ上昇しており、景気後退入りの「炭鉱のカナリア」が鳴き止んでいる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、148.46円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、144.29円(8/7安値)
今晩は引き続き堅調か。昨日は過度な米景気後退懸念が和らいだことや、日本株が大幅反発したことが安心感につながり主要3指数がそろって4営業日ぶりに反発した。前日までの3営業日で2139ドル下落したダウ平均が294.39ドル高(+0.76%)と反発し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ1.04%高、1.03%高となった。業種別では不動産を筆頭にS&P500の全11セクターが上昇し、前日に一時65ポイント台まで上昇したVIX指数は27.71ポイントに低下した。引け後の動きでは決算が嫌気されたスーパー・マイクロ・コンピューターとエアビーアンドビーが時間外でそれぞれ13%安、16%安と急落した。
今晩は引き続き堅調か。アジア時間で日銀の内田副総裁が「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べたことを好感し、日経平均が1000円以上上昇し、ドル円も147円台後半まで上昇している。先週の日銀の利上げを受けて強まった円キャリートレードの巻き戻しの動きが一服することが期待され、米国株にも安心感が広がることが期待される。ナスダック先物はプレ・マーケットで1%以上上昇しており、ハイテク株を中心に続伸が期待できそうだ。
今晩の米経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、6月消費者信用残高、米10年債入札など。企業決算は寄り前にウォルト・ディズニー、ラルフ・ローレン、CVSヘルス、引け後にオキシデンタル・ペトロリアム、ワーナー・ブロスなどが発表予定。
日経平均株価は続伸。寄り付きからの売りが一巡した後は徐々に下げ幅を縮小し、プラス圏に浮上した後には上げ幅が1000円を超える場面があった。相変わらず不安定な動きが続いているが、連続陽線で35000円台を回復して終えた。
RSI(9日)は前日の33.7%→39.2%(8/7)に上昇。7/31の水準を上回り、ダブルボトムのようなパターンとなった。5日移動平均線(35051円 8/7)を上回る場面が続いたが、終値ベースでは同線付近まで押し戻される格好となった。ただ、5日の長大陰線、6日の陽線の中心付近から切り返した点はポジティブに評価できよう。上方のマド埋めと5日移動平均線を終値で超えられるかが目先の焦点となる。
週足の一目均衡表では週初に雲の下限(32748円 同)を下回ったが、前日からのリバウンドで雲の上限(35189円 同)に近い水準まで回復した。ある意味、いったん頭打ちが意識される水準でもあるが、週間終値ベースで雲の上限以上に戻せるかが焦点となる。52週移動平均線(36002円 同)上も回復できれば、一時的に38000円処まで伸びる可能性が高まる。
日足ベースの上値メドは、200日移動平均線(36880円 同)、8/1安値(37737円)~心理的節目の38000円、75日移動平均線(38785円 同)などが考えられる。下値メドは、8/5安値(31156円)、2023年10/4安値(30487円)や心理的節目の3万円、心理的節目29500円や29000円などがある。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.960%、応札倍率(カバー)が2.32倍となった。
(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.03円(7日15時時点比△0.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.58円(△0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0922ドル(△0.0013ドル)
FTSE100種総合株価指数:8166.88(前営業日比△140.19)
ドイツ株式指数(DAX):17615.15(△260.83)
10年物英国債利回り:3.949%(△0.029%)
10年物独国債利回り:2.268%(△0.067%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月独鉱工業生産
(前月比) 1.4% ▲3.1%・改
(前年比) ▲4.1% ▲7.2%・改
6月独貿易収支
204億ユーロの黒字 253億ユーロの黒字・改
6月仏貿易収支
60.88億ユーロの赤字 77.16億ユーロの赤字・改
6月仏経常収支
26億ユーロの赤字 25億ユーロの赤字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は147.00円を挟んだもみ合いの展開に終始した。内田真一日銀副総裁が東京時間に「市場が不安定な状況で利上げをすることはない」「当面現在の水準で金融緩和をしっかりと続けていく必要がある」と述べ、追加利上げに慎重な見解を示すと、本日の東京市場では日経平均株価が続伸し、円売り・ドル買いが優勢となった。欧米市場に入ってからも円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。日本時間夕刻に一時146.10円付近まで下押ししたものの、0時30分過ぎには147.68円付近まで持ち直している。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.96%台まで上昇したことも相場を下支えした。
もっとも、東京時間に付けた日通し高値147.90円を上抜けることは出来なかった。
なお、三村淳財務官はこの日のイベントで「マーケットの不安定な状況は緊張感を持って注視する必要」「為替は特定の水準ではなくボラティリティを見ている」「為替はファンダメンタルズを反映し、安定推移が望ましい」「(介入に関して)人が変わったから政策変わるものではない」と話したが、相場の反応は限られた。
・ユーロドルは小幅高。本日NYカット(日本時間23時)に行使期限を迎えるオプションが1.0905ドルや1.0920ドル、1.0925ドルに観測されていただけに、しばらくは1.09ドル台前半でのもみ合いに終始した。ただ、23時を過ぎるとユーロ買い・ドル売りがじわりと強まり、0時30分前に一時1.0937ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は小高い。日本時間夕刻に一時159.56円付近まで値を下げたものの、欧米株価の上昇を背景に投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぐと円売り・ユーロ買いが優勢となり、0時過ぎに一時161.44円と本日高値を更新した。
ただ、一時は480ドル超上昇したダウ平均が下げに転じると160.43円付近まで伸び悩んだ。
・ロンドン株式相場は続伸。日本などアジアの主要株式相場の上昇を受けて投資家心理が改善すると、幅広い業種に買いが広がった。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は続伸。足もとで不安定な動きを続けていた日経平均株価が続伸すると、投資家心理が改善し独株にも買いが波及した。個別では決算内容が好感されたコンチネンタル(6.84%高)を筆頭にバイエル(3.16%高)やRWE(3.00%高)の上昇が目立った。半面、減益決算を発表したコメルツ銀行(3.72%安)は大きく売られた。
・欧州債券相場は下落。株高を受けて、相対的に安全資産とされる独国債には売りが出た。
(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.68円(前営業日比△2.34円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.22円(△2.43円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0922ドル(▲0.0009ドル)
ダウ工業株30種平均:38763.45ドル(▲234.21ドル)
ナスダック総合株価指数:16195.80(▲171.05)
10年物米国債利回り:3.94%(△0.05%)
WTI原油先物9月限:1バレル=75.23ドル(△2.03ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2432.4ドル(△0.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 6.9% ▲3.9%
6月米消費者信用残高
89.3億ドル 139.5億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。内田真一日銀副総裁が東京時間に「市場が不安定な状況で利上げをすることはない」「当面現在の水準で金融緩和をしっかりと続けていく必要がある」と述べ、追加利上げに慎重な見解を示すと、本日の東京市場では日経平均株価が続伸し、円売り・ドル買いが優勢に。一時147.90円まで大幅に値を上げた。
ただ、NY市場に入ると上昇は一服し、147.00円を挟んだもみ合いの展開に終始した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.97%台まで上昇したことに伴う円売り・ドル買いが出た半面、米国株相場の反落を受けた円買い・ドル売りが入ったため相場は一進一退の展開となった。
・ユーロドルは小幅ながら続落。本日NYカット(日本時間23時)に行使期限を迎えるオプションが1.0905ドルや1.0920ドル、1.0925ドルに観測されていただけに、しばらくは1.09ドル台前半でのもみ合いに終始した。ただ、23時を過ぎるとユーロ買い・ドル売りがじわりと強まり、0時30分前に一時1.0937ドルと日通し高値を更新した。ただ、米国株相場が失速すると徐々に上値が重くなり下げに転じた。
もっとも、今日の安値はアジア時間に付けた1.0906ドルで値幅は0.0031ドル程度と小さかった。
・ユーロ円は9日ぶりに反発。欧州株相場の上昇を背景に投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぐと円売り・ユーロ買いが先行。0時過ぎに一時161.44円と本日高値を更新した。ただ、一時は480ドル超上昇したダウ平均が下げに転じるとユーロ円にも売りが出て160.20円付近まで下押しした。ナイト・セッションの日経平均先物も大証終値比620円高の3万5690円から720円安の3万4350円まで一転下落した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。足もとで不安定な動きを続けていた日経平均株価が続伸すると、投資家心理が改善し買いが先行。指数は一時480ドル超上昇した。ただ、米長期金利が上昇する中で買いの勢いは続かず、NY午後に入ると下げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落。米長期金利が上昇したことで高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。欧州債相場の下落を受けて米国債にも売りが先行。10年債入札の結果が「低調」と受け止められたことも相場の重しとなった。
・原油先物相場は続伸。EIA週間在庫統計が発表され、2種連続で原油の大幅在庫取り崩しが明らかになったことを背景に、需給ひっ迫懸念から買いが優勢となった。
・金先物相場は4日ぶりに小反発。米利下げ観測を背景に買いが強まり、一時2447.3ドルまで上昇したが、一巡後は戻り売りに押されるなど上値は限られた。
7日10:34 内田真一日銀副総裁
「景気は緩やかに回復しており、先行きも潜在成長率上回る成長続ける」
「経済や物価が見通しに沿って展開していくなら、金融緩和度合いの調整が必要」
「円安修正は政策運営に影響する」
「当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続ける必要」
「金融市場が不安定な状況で利上げをすることはない」
「米国経済はソフトランディングする可能性が高い」
「最近の内外の金融資本市場の動きは極めて急激」
7日14:46
「日銀の政策変更に伴う円安修正、株価下落の要因の一つ」
「市場の変動の影響注視し、そのことを政策に反映していくのは当然」
「植田総裁と自分との考えの違いはない」
「為替は動くもので、それ自体が経済・物価見通しをどう変えていくかは確定的なこと言いづらい」
「為替の日々の動きにコメントするのは適切ではない」
「緩やかなパスで利上げできる状態は、時期選べる点でアドバンテージ」
「一定のペースで金利上げていかないとビハインド・ザ・カーブになるわけではない」
「中立金利などの特定の金利水準を意識しているわけではない」
7日20:52 三村淳財務官
「マーケットの不安定な状況は緊張感を持って注視する必要」
「為替は特定の水準ではなくボラティリティを見ている」
「為替はファンダメンタルズを反映し、安定推移が望ましい」
「(介入に関して)人が変わったから政策変わるものではない」
7日21:12 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「インフレが鈍化傾向にある限り、利下げは妥当」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 6月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前1兆7897億円の黒字/季節調整済2兆2755億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:3507億円の黒字)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○08:50 ◎ 日銀金融政策決定会合における主な意見(7月30-31日分)
○14:00 ◇ 7月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数47.5/先行き判断指数48.5)
<海外>
○08:01 ◇ 7月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:▲10)
○11:40 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合(予想:6.50%で据え置き)
○21:00 ◎ 7月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.57%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:24.0万件/187.0万人)
○23:00 ◇ 6月米卸売売上高(予想:前月比0.3%)
○9日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○9日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表(予想:11.00%で据え置きと10.75%への引き下げで拮抗)
○9日04:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 34350 -720 (-2.05%)
TOPIX先物 2442.0 -38.0 (-1.53%)
シカゴ日経平均先物 34370 -700
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。日銀の内田真一副総裁のハト派発言を受けて円相場が1ドル=147円台に下落し、円キャリー取引の急速な巻き戻しが落ち着いたとの見方が安心感を誘い、NYダウは一時480ドル上昇した。だが、10年債入札が不調だったことで米長期金利が上昇し、午後に入りNYダウは急速に上げ幅を縮め、下落に転じた。また、決算発表が本格化するなか、予想を下回る決算を発表したアムジェン<AMGN>が5%安となり、NYダウの重荷となった。S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、家庭用品・パーソナル用品、公益事業が上昇した一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、消費者サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比700円安の3万4370円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比400円安の3万4670円で始まり、その後はロング優勢から上昇に転じており、3万5230円~3万5590円辺りで保ち合いを継続。中盤にかけて3万5690円まで買われたが、買い一巡後は軟化し下落に転じると3万4350円まで売られた。売り一巡後に3万4800円辺りまで下げ幅を縮める場面もみられたが、終盤にかけて売り直される形となり、3万4350円とナイトセッションの安値で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まりそうだ。7日の日中取引で一時3万5850円まで買われ、52週移動平均線(3万5760円)を上回る場面もみられたがキープできず、同線が抵抗線として意識される形だった。ナイトセッションでも同線を捉えることができず、週足のボリンジャーバンドの-2σ(3万5030円)も維持できなかった。これにより週足の-3σ(3万3250円)と-2σとのレンジ推移が続く形になりそうだ。
また、米国では前日にリバウンドをみせていたエヌビディア<NVDA>は5%超下落し、75日線が心理的な抵抗線となっている。ナスダック指数も自律反発の域は脱せず、前日のリバウンド分を帳消しにした。そのため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷になりそうである。
昨日の日経225先物は830円高となったが、日中値幅は3000円(ナイトセッションを含む)を超えた。7日の取引終了後のナイトセッションでも1300円を超えている。ボラティリティが上昇するなかでは急激な価格変動によってヘッジ対応の動きも加わるため、トレンドが強まりやすい。積極的にポジションを積み上げることは難しく、スキャルピング中心の売買が続きそうだ。また、CTA(商品投資顧問)によるボラティリティトレードも活発化しやすく、荒い値動きには引き続き注意が必要だ。そのため、オプション権利行使価格の3万3000円から3万5000円と広めのレンジを想定する。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.14倍に低下した。14.19倍を付ける場面もみられたが、同水準で推移している200日線に上値を抑えられた。その後は内田副総裁の発言を受けてTOPIX型のインデックス買いが目立つなか、一時13.99倍に低下した。足もとでは14.00倍~14.20倍辺りでのレンジ推移が続いている。本日はややTOPIX型優位の展開が見込まれるが、大きく低下する局面ではその後のリバランス狙いになりそうだ。
7日のVIX指数は27.85(前日は27.71)に上昇した。一時29.76まで上昇する場面もみられたが、直近の急変動からは落ち着きがみられてきた。依然として20.00を上回ってはいるものの、過度なリスク回避姿勢が和らぐ可能性に期待したい。
昨日の海外市場でのドル円は、147.00円を挟んだもみ合いの展開に終始した。米10年債利回りが3.97%台まで上昇したことに伴う円売り・ドル買いが出た半面、米国株相場の反落を受けた円買い・ドル売りが入ったため相場は一進一退の展開となった。ユーロドルは1.09ドル前半で小幅な値動きだった。
昨日、内田日銀副総裁が函館市の金融懇談会で発表した「最近の金融経済情勢と金融政策運営」で、副総裁は「円安を受けて輸入物価が再び上昇に転じていることを踏まえて、0~0.1%よりも 0.25%程度の金利水準の方が、よりリスクに中立的で、適切であると判断した」と利上げの理由を述べた。しかしながら、その一方で今後の利上げ条件に付いて前提として「経済・物価の見通しが実現していくとすれば」という条件が付いていることを説明。「ここ1週間弱の株価・為替相場の大幅な変動が影響」と僅か1週間の株価の大暴落と、ドル円の急落で早くも前提条件が変わりつつあるとの見解を示した。
内田副総裁の発言で市場に一番影響を与えたのが、「わが国の場合、一定のペースで利上げをしないとビハインド・ザ・カーブに陥ってしまうような状況ではない」と述べ、「したがって、金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない」と断言してしまったことだ。
内田日銀副総裁が述べたように、「市場の変動の影響注視し、そのことを政策に反映していくのは当然」なのは確かだ。しかし、7月の会合から昨日までの経済指標は6月の毎月勤労統計調査こそは発表されたが、その他には特段市場が注目する本邦の経済指標等の発表がなかった。それにも関わらず、1週間も経たずに前提条件に合致しなくなったと判断されたことは市場にとってはサプライズだろう。
「不安定な状況」は、米国の経済指標の悪化などがあったとはいえ、植田日銀総裁が市場予想よりもタカ派に転じたことにより起きたこと。決して市場が大袈裟に反応したわけではなく、日銀が市場とのコミュニケーションが全くとれていないと言える。
内田副総裁の発言を受け、昨日のドル円は早朝の安値から3円60銭を超えるドル高・円安、株式市場は2000円の値幅で振れる結果となった。市場の安定性を保つべき中央銀行のコミュニケーション能力不足で流動性が崩壊し、海外からも「日銀の信頼性が損なわれつつある(Bank of Japan credibility is looking strained)」と評価されている。本日も傷んでしまったマーケットの中でドル円は些細なニュース等で、再び荒い値動きになることが予想される。
ドル円を支えとしては、昨日の内田副総裁のハト派発言のほか、皮肉なことに中銀の信頼性の欠如も円安要因になりそうだ。もともと7月の利上げは政治的な圧力が主要因という声もある中で、昨日は内田副総裁だけではなく、井藤金融庁長官が日本テレビとのインタビューで投資について「長期の目線」で対応と述べるなど、株安の火消しに走っている。今回の内田副総裁の発言も、植田総裁が株価の乱高下について閉会中審査の出席を求められていることで、「日銀サイドも政府の意向を組んで株安を阻止しようとしている」とのうわさもあるほどだ。
一方でドル円の上値を抑えるのは、新NISA導入による強い株買いトレンドの勢いが完全に削がれてしまったこと。また、ドル円のロングがいまだに捌けていないこと、本邦勢の想定為替レートを意識したドル売りが出やすいことなどが挙げられる。株安の流れが落ち着けば日銀が再び利上げに向かうとの予想も依然多いことも、ドル円の上値を抑えそうだ。
本日の東京市場では、6月国際収支や7月の景気ウオッチャー調査が発表される。また、通常は注目される7月30-31日に行われた日銀金融政策決定会合における主な意見が公表されるが、内田副総裁がすでに1週間前の見解を変更していることで、直近の会合の意見も意味をなさないものになるだろう。
円以外の通貨では、オセアニア通貨に注目。日本時間正午前にブロックRBA(豪準備銀行)総裁が講演を行う。RBAは前回の理事会でも利上げについて協議されるなど、日銀同様に利上げの可能性もある数少ない中銀でもあることで、総裁の見解が注目される。また、日本時間正午にはニュージーランド準備銀行(RBNZ)が2年インフレ予想を発表する。RBAと違いハト派寄りの同中銀だが、来週の金融政策委員会(MPC)を前にインフレ予想に変化が生じればNZドルも動意づきそうだ。なお、前回の予想は2.33%まで低下している。
日経225先物は11時30分時点、前日比110円高の3万5180円(+0.31%)前後で推移。寄り付きは3万3760円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万4370円)を下回り、売り先行で始まった。ただし、直後に付けた3万3750円を安値にロングの勢いが強まり、現物の寄り付き時には3万4800円を回復し、買い一巡後は3万4200円~3万4800円辺りでの推移を継続。終盤にかけてレンジを上放れプラスに転じると、一時3万5210円まで買われる場面もみられた。
日経225先物はナイトセッションの安値を大きく下回ってのスタートとなったが、早い段階でショートカバーを誘う形となった。日銀の追加利上げ観測が後退しており、下へのバイアスも弱まってきたようだ。また、昨夕決算を発表したレーザーテック <6920.T> [東証P]がストップ高まで買われたことも、センチメント改善につながっただろう。ただし、週足のボリンジャーバンドの-2σが3万5320円辺りで推移しており、同水準での上値の重さが意識されてくるようだと、引けにかけては持ち高調整に伴うロング解消の動きが警戒されやすいため、引き続き、スキャルピング中心の売買になろう。
NT倍率は先物中心限月で14.09倍に低下した。一時13.95倍まで下げる場面もみられたが、その後は14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移となった。レンジを放れてくる局面においては、その後のリバランス狙いが有効のようだ。
NZ準備銀行(RBNZ)は四半期調査を公表し、1年先のインフレ期待を+2.40%(前回は+2.73%)、2年先のインフレ期待を+2.03%(前回は+2.33%)とした。
ロンドンタイムは、欧州通貨の動意につながりそうなユーロ圏などの経済指標発表は予定されていない。欧州株や米株先物の動きを受けたマーケットのリスク許容度や、米金利動向をにらんだ対ドルでの振れを追う流れが続くか。
東京タイム昼頃の米株先物は、昨日の米現物株反落の後を受け、昨日比で小高い程度のさえない推移。時間外取引において米金利が昨日上昇した流れを一服させていることは対ドルで欧州通貨を下支えする一因になるかもしれないが、リスクセンチメントが強まらないなか欧州通貨の上値は限定的だろう。
一方、ユーロドルの一目均衡表・基準線が切り上がって同・転換線1.0893ドルと重なり、下押し局面のサポートがしっかりしてきたことは好感したい。目先的な下振れ余地は昨日まで基準線が位置していた1.0872ドルにも近い1.0880ドル前後で推移する21日移動平均線付近までみておいたほうが無難であるものの、テクニカル分析面からすれば一定の底堅さが期待できる状態といえる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:5日高値1.1008ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0880ドル前後で推移する21日移動平均線付近。
(8日15時時点)
ドル円:1ドル=145.97円(前営業日NY終値比▲0.71円)
ユーロ円:1ユーロ=159.64円(▲0.58円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0936ドル(△0.0014ドル)
日経平均株価:34831.15円(前営業日比▲258.47円)
東証株価指数(TOPIX):2461.70(▲27.51)
債券先物9月物:145.34円(△0.38円)
新発10年物国債利回り:0.835%(▲0.040%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.24600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
1兆5335億円の黒字 2兆8499億円の黒字
経常収支(季節調整済)
1兆7763億円の黒字 2兆4062億円の黒字
貿易収支
5563億円の黒字 1兆1089億円の赤字
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
6697億円の取得超 6947億円の処分超・改
対内株式
6417億円の処分超 6129億円の処分超・改
7月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 47.5 47.0
先行き判断指数 48.3 47.9
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は神経質に上下。日経平均先物の下落とともに朝方から145円台半ばまで売りに押された。いったんは146.50円台まで切り返すも、日本株の取引開始後は株安を手掛かりに145.44円まで下押し。その後は仲値に向けた買いが入ったほか、日経平均株価のプラス圏浮上などを支えに146.87円まで反発したが、後場に入って日経平均が再びマイナス圏まで沈むと145.80円台まで上値を切り下げた。
・ユーロ円は一進一退。日本株の寄り付き後に158.97円まで下落したものの、一巡後は160.52円まで買い戻しが入った。ただ、買いの勢いも長続きはせずに159円台半ばまで伸び悩む展開に。総じてドル円や株価動向をにらんだ動きとなった。
・ユーロドルは小高い。時間外の米10年債利回りが低下したことなどを手掛かりに1.0942ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。日経平均先物主導で一時は880円超安まで下落する場面があったが、売り一巡後は好業績銘柄などに買いが集まり、指数も290円超高まで反発した。もっとも、引けにかけては海外勢を中心とした戻り待ちの売りに押されて再びマイナス圏まで失速するなど、この日も値動きは荒かった。
・債券先物相場は続伸。前日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで一時144円71銭まで弱含んだものの、30年物国債入札が「しっかりとした結果だった」と受け止められると買い戻しが優勢となった。
大阪9月限
日経225先物 34780 -290 (-0.82%)
TOPIX先物 2458.5 -21.5 (-0.86%)
日経225先物(9月限)は、前日比290円安の3万4780円で取引を終了。寄り付きは3万3760円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万4370円)を下回り、売り先行で始まった。ただし、直後に付けた3万3750円を安値にロングの勢いが強まり、現物の寄り付き時には3万4800円を回復し、買い一巡後は3万4200円~3万4800円辺りで推移。前場終盤にかけてレンジを上放れてプラスに転じると、後場の取引開始時には3万5380円まで買われる場面もみられた。だが、後場は持ち高調整に伴うロング解消が優勢となり、再び下げに転じると3万4800円~3万5000円処での推移が続いた。
日経225先物はナイトセッションの安値を大きく下回ってスタートしたが、早い段階でショートカバーを誘う形となった。日銀の追加利上げ観測が後退しており、下へのバイアスも弱まってきたようだ。また、昨夕決算を発表したレーザーテック <6920.T> [東証P]がストップ高まで買われたことも、センチメントの改善につながったとみられる。
ただし、週足のボリンジャーバンドは-2σが3万5160円辺りに下がってきたが、結果的にはこれに上値を抑えられる形での値動きである。52週移動平均線が位置する3万5770円辺りも抵抗線として意識されており、同水準に接近する局面では、戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。
また、本日も後場は弱含みとなっており、スキャルピング中心の売買のなかでは、引けにかけて持ち高調整に伴うロングの解消が強まりやすいようだ。グローベックスの主要な株価指数先物が小幅ながらマイナス圏で推移していたこともあり、打診的な動きとしてもオーバーナイトのポジションを取りに行く参加者は限定的だろう。
本日はレーザーテックがストップ高となったが、明日以降の動向も注目される。また、引け後には東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が2025年3月期第1四半期決算を発表した。コンセンサスを上回る進捗だったほか、通期予想を上方修正した。配当予想も増額修正しており、日経平均型へのプラス寄与が期待されそうだ。
日経225先物の本日の値幅は1630円(ナイトセッションを含む)だった。依然として1000円を超す変動幅だが、5日の過去最大の下落時の変動幅(5420円)、6日(3770円)、7日(3020円)から収束してきている。キャリートレードによる巻き戻しも一巡したとみられ、スタンスとしては押し目狙いのロング対応となろう。
NT倍率は先物中心限月で14.14倍と横ばいだった。一時13.95倍まで下げる場面もみられたが、その後は14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移だった。レンジを放れてくる局面では、その後のリバランス狙いが有効のようだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5590枚、ソシエテジェネラル証券が2万4356枚、SBI証券が5006枚、バークレイズ証券が4367枚、JPモルガン証券が2839枚、ゴールドマン証券が2737枚、サスケハナ・ホンコンが2418枚、野村証券が2134枚、モルガンMUFG証券が1641枚、ビーオブエー証券が1447枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が4万1363枚、ソシエテジェネラル証券が3万5523枚、バークレイズ証券が7960枚、モルガンMUFG証券が7901枚、JPモルガン証券が6666枚、ゴールドマン証券が6653枚、ビーオブエー証券が3889枚、サスケハナ・ホンコンが3068枚、みずほ証券が2072枚、BNPパリバ証券が1757枚だった。
本日のドル円は東京タイムで日本株の動向を眺めながら動きとなり、145.44円まで下押し後一時146.87円まで反発した。欧州勢参入後は株価の動向を睨みながら、146円を挟んで上下し方向感は鈍い。週前半よりは値動きがやや落ち着いたが、依然としてボラティリティが高く神経質な動きが続いている。日米株価の値幅を伴った動きが続いており、最近ドル円と株の相関が強く、本日も日米株価指数の動向に注目。
7月の日銀金融政策決定会合、会合後の植田日銀総裁のタカ派寄り発言を受けて円キャリートレードの解消が強まった。そして先週末の米雇用統計と週明けの日本株の暴落でこの動きが加速し、円キャリートレードの巻き戻しはだいぶ進んでいる。また、日銀のタカ派への見方は昨日の内田日銀副総裁の発言で後退した。日銀の金融政策見通しに不確実性が強まり、足もとでドル円は売買が交錯し神経質な動きが続きそうだ。
先週末に発表された米7月雇用統計が予想以上に悪化したことで、景気後退(リセッション)懸念も強まっており、本日発表予定の新規失業保険申請件数にも普段より注目度が高くなっている。ドル円のボラティリティが高く、手がかり以上の反応を示し値動きが大きくなる可能性がある。
・想定レンジ上限
ドル円、本日これまでの高値146.87円や7日の高値147.90円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値145.44円や7日安値144.29円が下値めど。
今晩は神経質な展開か。昨日は上昇してスタートしたものの、米10年債利回りが上昇したことや、地政学リスクが意識されたこと、円キャリートレードの巻き戻しが再び強まることへ警戒感などから引けにかけて売りが優勢となった。ダウ平均は一時480ドル高まで上昇したが234.21ドル安(-0.60%)と一日の安値圏で終了し、S&P500も1.73%高まで上昇後、0.77%安で終了。ハイテク株主体のナスダック総合は2.10%高まで上昇後、1.05%安で修了。主要3指数がそろって反落した。週初からの3日間では、ダウ平均が2.45%安、S&P500が2.75%安、ナスダック総合が3.46%安となり、ダウ平均が2週続落ペース、S&P500とナスダック総合が4週続落ペースとなった。投資家の不安心理を示すVIX指数は月曜日に一時65.73ポイントまで上昇後、昨日は一時21.97ポイントまで低下したが、27.85ポイントで終了した。
今晩は神経質な展開か。中東をはじめとする地政学リスクが引き続き意識されるほか、日銀の利上げをきっかけとした円キャリートレードの巻き戻しへの警戒感もあり、上値の重い展開が予想される。先週金曜日に発表された米7月雇用統計が予想以上に悪化したことで、景気後退(リセッション)懸念も強まっており、寄り前に発表される新規失業保険申請件数にも注目が集まりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数のほか、6月卸売在庫、米30年債入札など。このほか、バーキン米リッチモンド連銀総裁の講演も予定されている。企業決算は寄り前にイーライ・リリー、引け後にギリアド・サイエンシズ 、パラマウント・グローバルなどが発表予定。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.314%、応札倍率(カバー)が2.31倍となった。
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.36円(8日15時時点比△1.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.81円(△1.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0913ドル(▲0.0023ドル)
FTSE100種総合株価指数:8144.97(前営業日比▲21.91)
ドイツ株式指数(DAX):17680.40(△65.25)
10年物英国債利回り:3.978%(△0.029%)
10年物独国債利回り:2.268%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。欧州株相場の下落を背景にリスク回避目的の売りが先行すると一時145.63円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値145.44円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。一時は3.89%台まで低下した米10年債利回りが上昇に転じたことも相場を下支えした。
NYの取引時間帯に入り、米労働省が発表した前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると全般ドル買いが活発化。米10年債利回りが4.01%台まで上昇したこともドル買いを促し、22時30分過ぎに一時147.54円と日通し高値を更新した。その後の下押しも146.94円付近にとどまった。市場では「米景気後退が差し迫っているという見方は的外れのようだ」との声が聞かれた。
・ユーロドルは方向感に乏しい展開だった。米長期金利の低下を受けて日本時間夕刻に一時1.0945ドルと日通し高値を付けたものの、欧州株安を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出ると一転下落した。
NY市場では米労働市場の底堅さを示唆する米雇用関連指標の発表を受けて、米長期金利が上昇。全般ドル買いが優勢となり、23時前に一時1.0882ドルと日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げ、1.0916ドル付近まで持ち直している。米国株相場の上昇を受けて投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。
・ユーロ円は上昇。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、NY市場に入ると強含んだ。米雇用関連指標をきっかけに米経済減速への過度な懸念が和らぐと、ダウ平均が一時680ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移。リスク・オンの円売りが優勢となり、2時30分過ぎに一時160.88円と日通し高値を付けた。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時187.88円、豪ドル円は97.14円、NZドル円は88.55円、カナダドル円は107.36円、メキシコペソ円は7.74円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。前日の米国株や本日の日本株の下落を受けて投資家心理が悪化すると売りが先行した。ただ、本日発表の米雇用指標を受けて米景気先行きへの懸念が和らぐと、英株にも買い戻しが入り下げ幅を縮めた。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続伸。前日の米国株や本日の日本株の下落を受けて投資家心理が悪化すると売りが先行したものの、引けにかけて持ち直した。この日発表の米雇用指標が労働市場の底堅さを示すと、米景気先行きへの懸念が後退。独株にも買いが入った。個別ではラインメタル(3.44%高)やザランド(2.85%高)、シーメンス(2.09%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した。
(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.23円(前営業日比△0.55円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.77円(△0.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0919ドル(▲0.0003ドル)
ダウ工業株30種平均:39446.49ドル(△683.04ドル)
ナスダック総合株価指数:16660.02(△464.21)
10年物米国債利回り:3.99%(△0.05%)
WTI原油先物9月限:1バレル=76.19ドル(△0.96ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2463.3ドル(△30.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数
23.3万件 25.0万件・改
6月米卸売売上高
(前月比) ▲0.6% 0.3%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。米労働省が発表した前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。22時30分過ぎに一時147.54円と日通し高値を更新した。その後の下押しも146.94円付近にとどまった。市場では「米景気後退が差し迫っているという見方は的外れのようだ」との声が聞かれた。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.02%台まで上昇した。
・ユーロドルは小幅ながら3日続落。米労働市場の底堅さを示唆する米雇用関連指標の発表を受けて米長期金利が上昇すると全般ドル買いが先行。23時前に一時1.0882ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げ、1.0919ドル付近まで下げ渋った。米国株相場の上昇を受けて投資家のリスク回避姿勢が和らいだことが相場を下支えした。
・ユーロ円は続伸。米雇用指標をきっかけに米経済減速への過度な懸念が和らぐと、ダウ平均が一時740ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移。リスク・オンの円売りが優勢となり、2時30分過ぎに一時160.88円と日通し高値を付けた。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時187.88円、豪ドル円は97.14円、NZドル円は88.57円、カナダドル円は107.36円まで値を上げた。
・メキシコペソも堅調だった。対円で7.81円、対ドルで18.8605ペソまでペソ高が進んだ。メキシコ中銀はこの日、政策金利を現行の11.00%から10.75%へ引き下げることを決めたと発表。市場予想は据え置きと0.25%の利下げで拮抗していたが、金利発表後もペソ買いが続いた。
なお、声明では「景気減速懸念の高まりを背景に利下げを決定」「3対2の賛成多数で利下げを決定」「インフレ率を目標の3%に持続的に収束させることに引き続き取り組む」との見解が示された。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となり、労働市場の底堅さを示すと景気懸念が和らいだ。投資家心理が改善し幅広い銘柄に買いが集まると一時740ドル超上昇した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅反発。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、テスラなどが買われた。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となり米景気懸念が和らぐと、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。
・原油先物相場は3日続伸。米労働指標の改善を受けて米景気減速懸念が後退し、石油の需要期待が高まった。中東情勢の緊迫化も相場の支援材料となった。
・金先物相場は続伸。中東情勢の一段の緊迫化を背景に安全資産としての金需要が高まった。米利下げ観測も引き続き相場を支えた。
8日08:50 日銀金融政策決定会合における主な意見(7月30-31日分)
「物価安定の目標の持続的・安定的な実現という観点から、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切である」
「足もとの経済の状態は、現在の極めて低い政策金利を幾分引き上げることができる程度には良いと考えている」
「 金利を引き上げたとしても、0.25%という名目金利は引き続き極めて緩和的な水準であり、経済をしっかりと支えていく姿勢に変わりはない」
「金融政策の正常化が自己目的になってはならず、今後の政策運営については、注意深く進めていく必要がある」
「緩やかなペースの利上げは基調的な物価の上昇に応じて緩和の程度を調整するものであり、引き締め効果を持たない」
「今回の政策変更後も、物価が見通しに沿って推移するもと、前向きな企業行動の持続性が確認されていけば、その都度、金融緩和の一段の調整を進めていくことが必要」
「 市場に金利形成を委ねるため、基本的には計画に沿って、国債買入れの減額を淡々と進めていくべき」
「国債買入れの減額計画の目的は、あくまでも市場領域の回復であり、金融引き締めにあるのではない」
8日11:00 鈴木財務相
「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべき」
「内田日銀副総裁発言へのコメントは控える」
「春闘の力強い結果が徐々に賃金に反映されつつある」
「政策を総動員し、持続的・構造的な賃上げを実現したい」
8日11:49 ブロックRBA(豪準備銀行)総裁
「インフレリスクを警戒」
「必要なら利上げをためらわない」
「6日の理事会で利上げをはっきりと検討した」
「一つの経済指標に反応するわけではない」
「経済が予想よりも早く悪化した場合、金利を引き下げる」
「理事会が現在把握している情報に基づくと、金利が急速に下がるとは考えられない」
9日04:06 メキシコ中銀声明
「景気減速懸念の高まりを背景に利下げを決定」
「3対2で金利引き下げを決定」
「2024年第3四半期のインフレ率を5.2%と予測」
「2024年第4四半期のインフレ率を4.4%と予測」
「2025年第4四半期までにインフレが3%の目標に戻ると引き続き予想」
9日04:11 トランプ前米大統領
「大統領には金融政策に一定の発言権があるべきだ」
「多くの場合、私は連邦準備制度理事会(FRB)議長よりも優れた直感力を持っている」
9日04:19 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「雇用の伸びは落ち着いてきたが、まだ仕事は増え続けている」
「1、2年前に考えられていたよりも、はるかに多くの労働供給がある」
「新規採用も解雇もない、まさに現状維持の状況にある」
「状況は好転するかもしれないし、悪化するかもしれない」
「経済指標が通常の範囲に近づいてきている」
「失業率は上がることが示唆される」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 7月マネーストックM2
<海外>
○07:15 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○10:30 ◎ 7月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比0.3%)
○10:30 ◎ 7月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲0.9%)
○15:00 ◎ 7月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.3%/前年比2.3%)
○15:00 ◎ 7月ノルウェーCPI(予想:前月比0.6%/前年比2.8%)
○16:00 ◇ 7月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲36.0)
○16:00 ◇ 6月トルコ鉱工業生産
○21:00 ◎ 7月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.47%)
○21:00 ◇ 6月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.3%)
○21:30 ☆ 7月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.25万人/失業率6.5%)
○10日01:00 ☆ 4-6月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比4.2%)
○10日01:00 ◎ 7月ロシアCPI(予想:前月比1.1%)
○シンガポール(独立記念日)、南アフリカ(女性の日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でのドル円は一時147.54円まで上昇した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となり、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行した。その後の下押しも146.94円付近にとどまった。ユーロドルは1.0882ドルまで下落後、1.09ドル前半まで切り返した。
ドル円相場はようやく落ち着きを取り戻しつつあるが、依然として流動性は悪く、一定のレンジ内で荒い値動きになりやすいことには注意したい。
7月31日の日銀政策決定会合後に行われた植田日銀総裁の会見で、総裁がこれまでよりも大幅にタカ派に傾いた。そして、今週7日にはこれまでタカ派とされていた内田日銀副総裁がハト派と捉えられる発言を行った。いずれの発言も、これまでの両者のスタンスとの違いは明白で、市場にとってはサプライズとなり、どのような理由があろうと正副日銀総裁が市場との対話が出来ていなかったことが乱高下を引き起こしたといえる。
一部では、植田日銀総裁は度重なる与党要人からの利上げ圧力がかかっていたことによりタカ派に転じ、内田日銀副総裁は株の暴落に慌てた与党からの修正に応えハト派へ転換したなどの噂もある。いずれにしろ日銀に対する信頼度の低下は避けられない事態になっている。
本日は7月のマネーストック以外には本邦からの経済指標の発表はない。そもそも、1-3月期の実質国内総生産(GDP)が大幅な下方修正、消費支出の鈍化などにもかかわらず利上げが決定された。しかしその後は、経済指標などの発表が乏しいにもかかわらずハト派発言に変わるなど、日銀の金融政策がパラダイムシフトしたと捉えられている。今後は経済指標よりも政治的圧力や株価などの動きが政策手段の変更を決定づけるとさえ言われていることで、本邦の経済指標に対しての反応は鈍いだろう。
本日もドル円相場をけん引するのは、日経平均株価を中心とした株式市場の動向になりそうだ。5日に一時3万1156円まで暴落した日経平均だが、徐々に下げ幅を取り戻しているものの、今年前半の新NISA(少額投資非課税制度)導入時のような過熱感は完全に失われてしまった。
昨日発表された7月29日から8月2日までの対外対内証券投資では、海外投資家が株式指数先物を含め1兆円を超す売り越しだったことも判明している。これは5日の大暴落が含まれない数値であり、海外投資家の本邦株売りはさらに進んだ可能性も高い。再び海外投資家がこれまでのような本邦の株買いや、新NISAの海外投資分の外貨買いがこれまでのように積み増されるかも定かではなくなったことで、株式市場の重さが、ドル円の上昇する勢いを削ぎそうだ。
もっとも、昨日は米株式市場が値幅を伴って上昇していることや、米長期金利も一時4%台に乗せたこともあり、ドル円を一方的に売り込むにも材料不足とも思われる。本日は神経質な動きとなるだろうが、大きくレンジを広げるのは難しいかもしれない。
円以外では、オセアニア通貨の値動きが注目される。米株高によりリスク選好の動きに敏感なオセアニア通貨はNY市場でほぼ高値引けしている。昨日の講演でもブロックRBA(豪準備銀行)総裁がタカ派姿勢を維持したことで、豪ドルは特に底堅さを維持した動きになりそうだ。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 35700 +920 (+2.64%)
TOPIX先物 2502.0 +43.5 (+1.76%)
シカゴ日経平均先物 35575 +795
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米新規失業保険申請件数は前週比1万7000件減の23万3000件となり、市場予想(24万件程度)を下回った。前週に発表された7月の米雇用統計の弱い内容で高まっていた労働市場への警戒感が和らいだ。エヌビディア<NVDA>が6%を超える上昇で半導体株を牽引しており、マイクロン・テクノロジー<MU>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>、アームホールディングス<ARM>などが買われた。
また、円相場は1ドル=147円台で推移しており、キャリートレードの巻き戻しが一巡したとの見方も、安心感につながった。S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇しており、半導体・同製造装置、自動車・同部品、医薬品・バイオテクノロジー、メディア、運輸の強さが目立った。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比795円高の3万5575円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万4820円で始まり、直後に付けた3万4360円を安値に切り返し、3万5000円辺りでの攻防を経て、米国市場の取引開始直前には3万5400円台を回復し日中の高値を上回った。米国市場の開始後もロング優勢の流れのなか、終盤にかけて一時3万5750円まで買われており、3万5700円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まることになりそうだ。週足のボリンジャーバンドの-2σ(3万5580円)を上回ってきており、心理的な抵抗線である52週移動平均線(3万5790円)を捉えてくる場面がありそうだ。米国ではエヌビディアを筆頭に半導体株が買われているほか、東京市場では8日引け後に2025年3月期第1四半期決算を発表した東京エレクトロン <8035.T> [東証P]がコンセンサスを上回る進捗だったほか、通期予想を上方修正した。さらに配当予想も増額修正しており、日経平均型へのプラス寄与が期待される。
日経225先物は52週線を上回って終えることができれば、週初の急落部分がチャート上で長い下ヒゲを残す形状になるため、底入れ感が意識されるとともに、センチメントを大きく改善させることにつながるだろう。CTA(商品投資顧問)などはロングポジションを解消し、ショートに傾いているとみられており、カバーの勢いが強まる可能性がありそうだ。
また、日足のボリンジャーバンドでは-1σが3万5910円辺りに位置しており、同水準を捉えることができると、200日線が位置する3万6750円辺りがターゲットとして意識されてくるだろう。一方で、52週線水準での攻防から上値の重さが目立つようだと、週末要因のほか3連休に入ることもあって持ち高調整に伴うロング解消の動きが入りやすい。そのため、52週線水準を中心としたオプション権利行使価格の3万4750円から3万6750円でのレンジを想定する。依然として日中の価格変動が大きい状況ではあるが、徐々に変動幅は収束してきており、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
昨日NT倍率は先物中心限月で14.14倍と横ばいだった。一時13.95倍まで下げる場面もみられたが、その後は14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移となった。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が牽引する形から、レンジを上放れてくる可能性はあるだろう。ただし、14.18倍で推移する200日線が抵抗線として意識される可能性もあるため、レンジを大きく上放れる局面においては、その後のリバランス狙いに向かわせそうだ。
8日のVIX指数は23.79(前日は27.85)に低下した。今週は5日に一時65.73まで急伸したが、直近の急変動からは落ち着きがみられてきた。依然として20.00を上回っていることから楽観視は禁物ではあるが、過度なリスク回避姿勢は和らいでいるだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比620円高の3万5400円(+1.78%)前後で推移。寄り付きは3万5750円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万5575円)を上回り、買い先行で始まった。一時3万5920円まで上げ幅を広げたが、買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の流れから、中盤にかけて3万5060円まで上げ幅を縮める場面もみられた。利食い一巡後は3万5000円処での底堅さが意識されるなか、終盤にかけてはロング優勢となり、3万5400円を挟んでの推移となった。
日経225先物はエヌビディア<NVDA>など米半導体株が買われた流れを引き継ぐ形となった。また、前日にストップ高を付けたレーザーテック <6920.T> [東証P]の買いが続いたほか、上方修正を発表した東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が買い先行で始まったことも指数を押し上げる形となった。ただし、日経225先物は寄り付き直後に3万5920円まで買われ、5日の急落部分を完全に埋めたことから、達成感が意識された。また、52週移動平均線(3万5780円)をキープできなかったことから、ロング解消に向かわせたようだ。3連休前でスキャルピング中心の売買のなか、後場は膠着感が強まりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.16倍に上昇した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引するなか、一時14.25倍まで切り上げる場面もみられたが、その後は14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移となった。
本日のロンドン為替市場では、昨日の米株式市場の大幅上昇を受けてリスクセンチメントの改善が期待できるなか、スイスフランや円などは対ユーロで売られやすい地合いとなるか。また、序盤に発表されるノルウェーのインフレ指標もノルウェー・クローネ(NOK)の動意に繋がりそうだ。
昨日の欧州株は売りが先行したものの、独株はプラスを回復し、マイナスで終えた主要指数も低下幅は縮めて終えた。米国の週間失業データが予想より強い結果だったことを好感した米株の買い戻しにつれた形だが、欧州引け後に米株は一段高となっており、欧州金融市場もまずはリスク選好ムードが高まって始まりそうだ。
リスクセンチメントの強弱で上下しやすいユーロスイスフランは昨日、0.93フラン半ばを下押し水準に0.94フラン半ばまで反発。5日のパニック相場で0.92フラン手前まで急落したところから、着実に下値は切り上げてきている。しかしながら、イスラエルを巡る中東情勢に落ち着く兆しは見られず、地政学リスクへの警戒感は高まったままだ。ユーロスイスフランにとって、株価動向とともに注意すべき材料となる。
序盤に発表される7月ノルウェー消費者物価指数(CPI)は先月比、前年比ともに前回値から加速が見込まれている。ただし、それでも前年比は予想2.8%と6月分の3.0%を下回った水準。見込み通りであれば、今年に入ってからのインフレの鈍化基調が継続していると受けとめられるのではないか。
また、このノルウェーCPIは前2回連続で予想から0.3ポイント下回った結果が出ている。今回も下振れるようであれば、前回のノルゲバンク(ノルウェー中銀)会合で年内は据え置きが示唆された政策金利に対し、下向きバイアスが強まるのではないか。次回会合は来週15日に予定されている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、5日高値1.1008ドル
・ユーロスイスフラン、1日高値0.9515フラン
・NOK円、7月30日高値14.13円
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート2の1.0852ドル
・ユーロスイスフラン、8日安値0.9355フラン
・NOK円、7日安値13.19円
(9日15時時点)
ドル円:1ドル=147.01円(前営業日NY終値比▲0.22円)
ユーロ円:1ユーロ=160.52円(▲0.25円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0919ドル(横ばい)
日経平均株価:35025.00円(前営業日比△193.85円)
東証株価指数(TOPIX):2483.30(△21.60)
債券先物9月物:145.09円(▲0.25円)
新発10年物国債利回り:0.855%(△0.025%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.24700%(△0.00100%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月マネーストックM2
前年同月比 1.4% 1.5%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日米の株価指数先物が上昇して始まったことを受け、投資家のリスク志向改善を意識した買いが先行した。8時過ぎには一時147.82円まで上昇する場面も見られたが、7日高値の147.90円がレジスタンスとして意識されると買いも一服。その後は高く始まった日経平均株価の失速に歩調を合わせるようにして上値を切り下げ、日経平均がこの日の安値をつけたタイミングで146.72円まで値を下げた。
・ユーロ円も上値が重い。朝方に一時161.38円まで上昇したものの、その後はドル円や日本株の動きをながめながら上値を切り下げる展開となり、160.23円まで反落した。
・ユーロドルは小動き。円絡みの取引が中心となるなか、1.0920ドルを挟んだレンジ内推移にとどまった。
・日経平均株価は反発。昨日の米国株式相場が大きく上昇したことが好感され、投資家心理の改善を意識した買いが入った。指数は一時840円超高まで上昇したが、その後は3連休前の利益確定売りや戻り待ちの売りに押されて徐々に上値を切り下げる展開に。後場に入ると380円超安まで反落するなど、この日も値幅を伴った荒い値動きとなった。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。前日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売り先行となり、一時144円81銭まで値を下げた。もっとも、その後は時間外の米長期金利が低下した影響から下げ止まった。
大阪9月限
日経225先物 35050 +270 (+0.77%)
TOPIX先物 2476.0 +17.5 (+0.71%)
日経225先物(9月限)は前日比270円高の3万5050円で取引を終了。寄り付きは3万5750円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万5575円)を上回り、買い先行で始まった。開始直後に3万5920円まで上げ幅を広げたが、その後は利益確定に伴うロング解消の流れから、前場中盤にかけて3万5060円まで上げ幅を縮めた。利食い一巡後は3万5000円処での底堅さが意識されて、ランチタイムで3万5580円まで買い戻された。
ただし、3連休を挟んでポジションを持ち越す市場参加者は限られているとみられ、後場は持ち高調整に伴うロングの解消が優勢となった。後場中盤には3万4410円と下落に転じる場面もみられたが、引けにかけて押し目狙いのロングが入り、3万5000円を上回って終えた。
日経225先物はエヌビディア<NVDA>など米半導体株が買われた流れを引き継ぐ形となった。また、朝方は前日にストップ高を付けたレーザーテック <6920.T> [東証P]の買いが続いたほか、上方修正を発表した東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が買い先行で始まったことも指数を押し上げる形となった。ただし、日経225先物は寄り付き直後に3万5920円まで買われ、5日の急落分を完全に埋めたことにより、達成感が意識されやすかった。
また、52週移動平均線(3万5780円)をキープできなかったことが、ロングの解消へと向かわせたようだ。3連休を前にスキャルピング中心の売買であり、クローズとみられる動きは早かった。後場中盤にかけて下落に転じる場面がみられたが、前日の安値(ナイトセッションを含む)は下回っておらず、5日をボトムとした下値切り上げのリバウンド基調は継続している。
52週線が心理的な抵抗線として意識されるが、週足のボリンジャーバンドは拡大傾向を続けており、ナイトセッションでは-2σが3万4590円まで下がってきた。そのため、結果として-2σを上回る形状となった。52週線突破を見極めつつ、-2σと-1σが位置する3万6570円辺りのレンジが意識されてくるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍と小幅に上昇した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引するなか、一時14.25倍まで切り上がり、14.18倍で推移する200日線を上回る場面もみられた。ただし、その後は14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移となった。明確なトレンドが出てくるまで、直近のレンジを放れる局面では、その後のリバランス狙いとなりそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万6647枚、ソシエテジェネラル証券が2万2212枚、JPモルガン証券が4087枚、ゴールドマン証券が3705枚、バークレイズ証券が3266枚、モルガンMUFG証券が3226枚、SBI証券が2807枚、サスケハナ・ホンコンが2274枚、野村証券が1774枚、日産証券が1571枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が3万9123枚、ソシエテジェネラル証券が3万0358枚、バークレイズ証券が6233枚、モルガンMUFG証券が5485枚、BNPパリバ証券が4505枚、ビーオブエー証券が4435枚、JPモルガン証券が4320枚、ゴールドマン証券が2737枚、サスケハナ・ホンコンが2458枚、SMBC日興証券が2055枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米国の重要な経済指標や要人発言の予定がないことで、NY株式市場や債券市場の動向を見極めながらの相場展開が予想される。
リスクシナリオは、依然として中東情勢の緊迫化、すなわち、イランによるイスラエルに対する報復攻撃、中東の地政学リスクの高まりとなる。
米10年債利回りは、2日の米7月雇用統計のネガティブサプライズを受けて4.0%を割り込んで以来、明確に4%を上回ることが出来ていない。
来週14日に発表される米7月消費者物価指数(CPI)も伸び率の鈍化が見込まれていることで、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利下げ開始が予想されており、ドルの戻りを限定的にしている。
ドル/加ドルは、7月カナダ雇用統計に要注目となる。6月の失業率は6.4%と2年5カ月ぶりの高水準まで悪化していたが、7月も6.5%への悪化が予想されている。新規雇用者数変化は+2.25万人と予想されており、6月の-0.14万人からの増加が見込まれている。
7月の雇用統計が弱めなデータになれば、カナダが景気後退に向かっている可能性が高まることで、カナダ金利の先安観が更に強まり、加ドルの上値を抑える要因となる。
カナダ銀行(中央銀行)は、先月、政策金利を0.25%引き下げて4.5%とし、声明文では、インフレが想定通り鈍化し続ければ、追加利下げの可能性もあると言及していた。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、148.46円(日足一目均衡表・転換線)
加ドル円の上値目処(めど)は、109.23円(8/1高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、145.44円(8/8安値)
加ドル円の下値目処(めど)は、105.80円(8/8安値)
今晩は底堅い展開か。昨日は新規失業保険申請件数が強い結果となり景気後退(リセッション)懸念が和らいだことや、ドル円の上昇を受けて「円キャリートレード」の巻き戻しへの警戒感が和らいだことも追い風となり主要3指数がそろって大幅反発。ダウ平均が683.04ドル高(+1.76%)、S&P500が2.30%高、ナスダック総合が2.87%高となった。週初来ではダウ平均が0.73%安、S&P500が0.51%安、ナスダック総合が0.69%安となった。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の23.39ポイントから月曜日に一時65.73ポイントまで上昇したが、昨日は23.79ポイントで終了した。
今晩は底堅い展開か。中東をはじめとする地政学リスクが引き続き意識されるものの、昨日の新規失業保険申請件数を受けて過度なリセッション懸念が後退し、円キャリートレードの巻き戻しへの警戒感も和らいだ。VIX指数が先週末水準まで低下するなどセンチメントも改善しており、週末の取引となるが、落ち着いた展開が期待できそうだ。
今晩は主要な米経済指標の発表はなし。企業決算は寄り前にエバジーなどが発表予定。
日経平均株価は反発。上値は7日高値(35849円)を前に伸び悩んだ一方、下値は5日移動平均線(34215円 8/9)付近で下げ渋った。反発しながらも4日ぶりの陰線を形成した。
RSI(9日)は前日の39.0%→36.0%(8/9)に低下。ボトムアウトから次は50%超えにつながるかが焦点であり、5日移動平均線上から反発力を一段と強められるか。来週初は5日移動平均線が上昇に転じる可能性が高く、株価には追い風となる。
週足の一目均衡表では週初5日に雲の下限(32748円 同)を下回ったが、6日からのリバウンドで雲の上限(35189円 同)に近い水準まで回復した。しかし、それ以降はいったん頭打ちが意識される水準となった。
来週はこの雲の上限(35373円 8/13予想)も重要となるが、52週移動平均線(36000円 8/9)や週足の基準線と転換線が重複する水準(36791円8/13予想)以上に上昇できるかが焦点となる。特に、基準線と転換線が重複する水準は4月安値(36733円)と重なる節目でもあり、超えると一時的に38000円処まで伸びる可能性が高まる。
日足ベースの上値メドは、200日移動平均線(36911円 同)、8/1安値(37737円)~心理的節目の38000円、75日移動平均線(38723円 同)、4万円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の33000円、8/5安値(31156円)、2023年10/4安値(30487円)や心理的節目の3万円、心理的節目29500円や29000円などがある。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.69円(9日15時時点比▲0.32円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.20円(▲0.32円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0921ドル(△0.0002ドル)
FTSE100種総合株価指数:8168.10(前営業日比△23.13)
ドイツ株式指数(DAX):17722.88(△42.48)
10年物英国債利回り:3.945%(▲0.033%)
10年物独国債利回り:2.225%(▲0.043%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.3% 0.3%
(前年同月比) 2.3% 2.3%
7月スイスSECO消費者信頼感指数
▲32.4 ▲36.6
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。欧州株相場や日経平均先物の上昇を受けてしばらくは底堅く推移していたものの、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.91%台まで低下すると円買い・ドル売りがじわりと強まった。23時30分過ぎに一時146.27円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。安く始まった米国株相場が持ち直したことなどが相場を下支えした。なお、市場では「週足の一目均衡表雲上限が位置する145.83円が重要なポイントとして意識されている」との指摘があった。
・ユーロドルは小動き。22時前に一時1.0909ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0882ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。23時30分前には1.0931ドルと日通し高値を付けた。もっとも、前日の高値1.0945ドルを上抜けることは出来なかった。
本日は米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、方向感が出にくい面もあった。今日これまでの値幅は0.0022ドル程度と小さい。
・ユーロ円は23時30分過ぎに一時159.81円と本日安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げ、160円台前半まで下げ渋った。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は反発。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が軒並み上昇したことを受けて、投資家心理が上向いた。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は4日続伸。前日の米国株に加えて、本日のアジア株が軒並み堅調だったことから投資家心理が上向いた。個別ではラインメタル(5.24%高)やボノビア(3.04%高)、シーメンス・ヘルシニアーズ(1.99%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.61円(前営業日比▲0.62円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.00円(▲0.77円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0917ドル(▲0.0002ドル)
ダウ工業株30種平均:39497.54ドル(△51.05ドル)
ナスダック総合株価指数:16745.30(△85.28)
10年物米国債利回り:3.94%(▲0.05%)
WTI原油先物9月限:1バレル=76.84ドル(△0.65ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2473.4ドル(△10.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.91%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。23時30分過ぎに一時146.27円と日通し安値を付けた。
ただ、下値は限定的だった。安く始まった米国株相場が持ち直したことなどが相場を下支えすると、146.76円付近まで下げ渋った。市場では「チャート的には週足の一目均衡表雲上限が位置する145.83円が重要なポイントとして意識されている」との指摘があった。
・ユーロドルはほぼ横ばい。22時前に一時1.0909ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0882ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。23時30分前には1.0931ドルと日通し高値を付けた。ただ、前日の高値1.0945ドルが目先レジスタンスとして意識されると再び上値が重くなった。
本日は米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、方向感が出にくい面もあった。市場関係者からは「夏季休暇シーズンに入り取引参加者も減少しており、市場流動性が低下。商いは閑散だった」との声が聞かれた。今日一日の値幅は0.0022ドル程度と小さかった。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。23時30分過ぎに一時159.81円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は160円台前半で下げ渋った。ドル円につれた動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。足もとで不安定な動きが続く中、前日に大きく値を上げた反動で売りが先行した。ただ、前日発表の米新規失業保険申請件数が労働市場の底堅さを示すと景気懸念が緩和し、投資家心理が改善。次第に買いが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反発。週末を控えたポジション調整目的の買いが入った。市場では「今週は相場変動が大きかったため、持ち高を中立に戻す動きが見られた」との指摘があった。
・原油先物相場は4日続伸。米景気減速への過度な警戒感が和らぐなか、需要増を期待した買いがこの日も優勢となった。
・金先物相場は3日続伸。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が引き続き金相場の支えとなった。ただ、週末ということもあり、一段高の展開にもならなかった。
9日07:20 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「インフレ指標が引き続き低水準であれば、金利引き下げが適切」
9日23:35 ロペスオブラドール・メキシコ大統領
「私は司法を支配しようとはしていない」
「メキシコの司法改革は、裁判官の選出から始めなければならない」
「司法改革は段階的に行われなければならない」
※時間は日本時間
12日
○山の日の振替休日で休場
13日
○08:50 ◇ 7月企業物価指数
15日
○08:50 ☆ 4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値
○13:30 ◇ 6月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 6月設備稼働率
○終戦記念日
16日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○13:30 ◇ 6月第三次産業活動指数
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
12日
○16:00 ◇ 6月トルコ失業率
○21:00 ◎ 7月インド消費者物価指数(CPI)
○21:00 ◎ 6月インド鉱工業生産
○21:30 ◇ 6月カナダ住宅建設許可件数
○13日03:00 ◎ 7月米月次財政収支
13日
○09:00 ◎ 4-6月期シンガポール国内総生産(GDP)確定値
○09:30 ◇ 8月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:30 ◎ 4-6月期豪賃金指数
○10:30 ◇ 7月豪NAB企業景況感指数
○15:00 ◎ 7月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 4-6月英失業率(ILO方式)
○16:00 ◇ 6月トルコ経常収支
○18:00 ◎ 8月独ZEW景況感指数
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:30 ◎ 4-6月期南アフリカ失業率
○21:30 ◎ 7月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
14日
○11:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表
○15:00 ◎ 7月英CPI
○15:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○15:00 ◎ 7月スウェーデンCPI
○15:45 ◇ 7月仏CPI改定値
○18:00 ☆ 4-6月期ユーロ圏GDP改定値
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏鉱工業生産
○20:00 ◇ 6月南アフリカ小売売上高
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 6月ブラジル小売売上高
○21:30 ☆ 7月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○10:30 ◎ 7月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○11:00 ◎ 7月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 7月中国小売売上高
○15:00 ☆ 6月英国内総生産(GDP)
○15:00 ☆ 4-6月期英GDP速報値
○15:00 ◎ 6月英鉱工業生産/製造業生産高
○15:00 ◇ 6月英商品貿易収支/英貿易収支
○15:30 ◇ 7月スイス生産者輸入価格
○17:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表
○21:30 ◇ 6月カナダ卸売売上高
○21:30 ☆ 7月米小売売上高
○21:30 ◎ 8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○21:30 ◎ 8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○21:30 ◇ 7月米輸入物価指数
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:10 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○22:15 ◎ 7月米鉱工業生産指数
◇ 設備稼働率
○23:00 ◎ 8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
○23:00 ◇ 6月米企業在庫
○16日02:10 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○16日05:00 ◎ 6月対米証券投資動向
○インド(独立記念日)、韓国(解放記念日)、ポーランド(聖母被昇天祭)、休場
16日
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)PPI
○08:30 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、議会証言
○15:00 ◎ 7月英小売売上高
○15:30 ◇ 4-6月期スイス鉱工業生産
○17:30 ◎ 4-6月期香港GDP確定値
○18:00 ◇ 6月ユーロ圏貿易収支
○21:15 ◇ 7月カナダ住宅着工件数
○21:30 ◇ 6月カナダ製造業出荷
○21:30 ◇ 6月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 7月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○23:00 ◎ 8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
○17日02:25 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
<国内>
○山の日の振替休日で休場
<海外>
○15:00 ◇ 7月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ◇ 6月トルコ失業率
○21:00 ◎ 7月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.60%)
○21:00 ◎ 6月インド鉱工業生産(予想:前年同月比5.5%)
○21:30 ◇ 6月カナダ住宅建設許可件数
○13日03:00 ◎ 7月米月次財政収支(予想:2420億ドルの赤字)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが3.91%台まで低下したことで146.27円まで下落したものの、米国株相場が持ち直したことから146.76円付近まで下げ渋った。ユーロドルは1.0909ドルから1.0931ドルまでの狭いレンジで推移した。ユーロ円は159.81円まで下落後、160円台前半まで切り返した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が山の日の振替休日で休場のため動きづらい展開が予想されるものの、引き続き中東の地政学リスクには警戒しておきたい。
今週は、14日に米7月消費者物価指数(CPI)が発表され、来週21日には、米労働省が雇用者数の年次改定を発表し、22-24日にはジャクソンホール会合が開催される。
先週の世界同時株安を受けて、フェデラルファンド(FF)金利先物8月限が一時、月内の緊急利下げを織り込む局面があった。
米連邦準備理事会(FRB)は、過去30年間に8回の緊急会合を開催して利下げに踏み切ったが、ロシア金融危機、ITバブル崩壊、住宅バブル崩壊、コロナパンデミックなどの金融危機への対応策だった。
今回の株安は、過去の危機ほどの衝撃はないと思われることで、杞憂に過ぎなかったのかもしれない。しかし、イランがイスラエルに報復攻撃を行い、中東の紛争が拡大した場合は、第5次中東戦争の可能性が高まることで、警戒しておきたい、
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ開始確率が51.5%程度、0.50%の利下げは48.5%程度となっている。そして、11月FOMCでは0.50%の追加利下げ、12月FOMCでも0.25%の追加利下げが見込まれており、年末のFF金利誘導目標は現状よりも1.0%低い4.25-50%と想定されている。
ドル円のテクニカル分析では、161.95円から141.70円まで20.25円下落した後の戻しは147.90円までで、日足一目均衡表・転換線やフィボナッチ・リトレースメント38.2%戻しの149.44円に届かなかった。
シカゴIMM通貨先物市場の6日時点の投機筋の円売り持ちポジションは11354枚で、5日の円の急騰を受けて前週から62106枚減少していた。
本日の一目・転換線は147.79円に下りてきており、上値抵抗線として意識されており、下値は週足一目均衡表・雲の上限が位置する145.83円が意識されている。
AVなどの「当て馬」とは「男」のことである。
女に「おっぱい」を出してもらい「ここが私の居場所です」ということを意思表示させる。
そこで「当事者」「女の居場所」が明確になったら、ひたすらしごく。
「当て馬なら私かしら」
https://youtu.be/T2ZrJxAZU2Q?si=km0WPirYciNgzLOe
AVを見て「ムラムラ」きたら、すぐに目を離さなければならない。
「当事者」を明らかにし、相手の女に「おっぱい」(私の居場所)を出させて、しごくのである。
AVに当事者適格を盗まれないようにしなければならない。
そのステップ遅れてるわ?
https://youtu.be/Z1ppphlxtc4?si=tU2KzfBOLn4omCdn
ロンドンボーイ、オナニー教えて?
https://youtu.be/Td8m3q6ju-4?si=rhxxJ58YyUeVn-Kb
文化の豊かさは忘れてはならない。
Q.E.D
今週の日経225先物は、前週の記録的な波乱からの落ち着きを見極める展開になりそうだ。5日の日経225先物は4540円安となり、一時3万0370円まで急落。売買を一時停止するサーキットブレーカーが発動した。6日には一転して2860円高と急反発し、3万4000円台を回復。その後は緩やかなリバウンド基調から、9日には3万5900円台を回復する場面もみられた。
7日の日経225先物は830円高だったが、日中の変動幅は3000円を超えた。8日は290円安で日中の変動は1940円、9日は270円高で1560円の変動幅だった。依然としてボラティリティーの大きい状況ではあるが、5日の5420円の変動幅をピークに落ち着きをみせてきた。
足もとで15.0~25.0処のレンジで推移していた日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は、5日に一時85.38まで急伸した。日経平均VIは、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの「パンデミック(世界的大流行)」を宣言した2020年3月に付けた60.67を突破し、2008年のリーマン・ショック時に付けた92.03に迫る上昇であった。9日には45.39に低下しており、これまでのレンジ内に戻してくるかが注目される。
日経225先物のボラティリティーの高まりを受けてポジションを積み上げる動きは限られた。また、米国市場の方向感が定まらない状況では、オーバーナイトのポジションも取りづらかった。そのなか、日経平均ダブルインバースなどのヘッジ対応の需給が大きな変動要因になった。日中はスキャルピング中心の売買となり、短期的な需給により一方向にトレンドが出やすい状況であった。
今週はお盆休みで市場参加者が限られるため、引き続きスキャルピング中心の売買になりそうだ。ただし、相場に落ち着きがみられてきたほか、決算発表がピークを通過したことで、押し目狙いのロングによるエントリーが増えてくるだろう。米国では景気減速や金融政策の先行きに対する警戒は根強く、今週は13日に7月の米国生産者物価指数(PPI)、14日には米国消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、模様眺めムードが強まる可能性がある。ただし、円キャリー取引の急激な巻き戻しが一服したとの見方から、大きく調整していたハイテク株を見直す動きもみられている。
また、5日に一時65.73まで急伸した米VIX指数は、9日には20.37まで低下してきた。CPIの結果などで再び急伸する可能性はあるものの、今回の世界株安によってヘッジファンドはロングポジションを一気に解消したとみられており、需給状況の落ち着きを背景にリスク選好に向かいやすいだろう。
先週の日経225先物は週足のチャート上では、安値3万0370円から終値3万5050円の4680円幅に達する長い下ヒゲを残した。52週移動平均線が抵抗線として意識されやすく、同線が位置する3万5850円を捉えてくるかが注目される。同線を明確に突破してくると、ボトム意識が高まりやすい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.15倍(前日は14.14倍)に上昇した。5日に一時14.69倍まで急伸し、翌6日には13.65倍まで急低下する荒い動きだった。ただし、その後は14.00倍~14.20倍辺りでの推移となった。スプレッド狙いのトレードは限られるとみられるが、14.18倍で推移する200日線を上回って推移するようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が牽引する形で、NTロングに振れやすくなる可能性があろう。
7月第5週(7月29日-8月2日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続の売り越しであり、売り越し額は1兆0669億円(7月第4週は1兆5674億円の売り越し)だった。なお、現物は5524億円の売り越し(同5659億円の売り越し)と3週連続の売り越しであり、先物は5144億円の売り越し(同1兆0015億円の売り越し)と3週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で4699億円の買い越しで、4週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で755億円の売り越しとなり、3週ぶりの売り越しだった。
経済スケジュールでは、13日に7月国内企業物価、米国7月生産者物価指数、14日に米国7月消費者物価指数、15日に4-6月期GDP、中国7月鉱工業生産、中国7月小売売上高、中国1-7月固定資産投資、米国7月小売売上高、米国新規失業保険申請件数、米国8月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米国8月フィラデルフィア連銀景況指数、米国7月輸出入物価指数、16日に米国7月住宅着工件、米国7月住宅建築許可件数、米国8月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。
100年に一度の巨大地震が起きる確率が0.1%から0.4%に引き上げられた「南海トラフ地震臨時情報」が発表された翌日に、神奈川県西部を中心とした大きめの地震があったからか、先週末の海外市場でも、一部ではこれらをリスクオフとして囃す向きもあった模様ですが、ドル円は、実際にはNY市場に入って米10年債利回りが3.91%まで低下したことを受けた純粋なドル売りから一時146.27円まで値を下げたのみ。
先週の市場の一番のチャートポイントとして意識されていた週足ベースでの一目雲上限が位置する145.83円手前でしっかりとサポートされると、引けにかけては146.76円まで買戻されて、市場にとっては歴史的な1週間を終えることになりました。
一昔前の怖いものといえば、「地震雷火事親父」とはよく言ったものでしたが、現在の親父の権威などは完全に失墜するなか、現在の市場における怖いものは、まさに「地震(日本、特に日本株)雷火事(異常気象が起因する天変地異)、円キャリー」
先週は、日本当局が市場のファンダメンタルズに反した方向性を無理矢理作り上げようとした結果の100年に一度あるかないかの乱高下の後始末に、当局自らが奔走させられる羽目になったといったところ。3者会合で危機感を共有した後は、お決まりの長期資金による連日の株価買い支えが大量に観測されたほか、市場に対しては一番の影響力を発揮する内田日銀副総裁に日銀の本意を敢えて表明させるダイレクトな措置を取ったがゆえのセンチメントの変化。週初の動きをセリングクライマックスと決定づけるような危機感の表れとなりました。
大衆迎合的に言えば、「円安の時代が終わり、ドル円は130円とか、100円まで下落する」と表現するのが一番安パイなのでしょうが、CFTCが公表した先週火曜日時点の投機筋の円ショートがネットでたったの11354枚までに急減していることを鑑みるに、目先の怖いものの一つである「円キャリー」解消はほぼ終了していると言っても過言ではありません。
むしろ、市場の需給、つまり、GPIFに並ぶ、日本国民全てを抱え込んだ新NISAソブリンファンド(無条件でノーヘッジでのリスクテイクフローが内外に月額2兆円以上流入)を無視した、日和見的センチメントの台頭が逆に、米系マクロ勢の新たな円キャリーを構築させていく理由付けにもなるといったところです。
いずれにしても、多方面で後始末の終わった市場としては、今後、本来の方向性に整合性を持って改めて修正していくことになりそうです。
8月のFF金利先物市場では、米7月の雇用統計のネガティブサプライズや8月5日の世界同時株安、そして恐怖指数の65台への上昇を受けて、月内の緊急利下げを織り込む局面が見られた。
しかし、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9月17-18日のFOMCで0.50%の利下げ開始確率が高まり、11月は0.25%の利下げ、12月は0.25%の利下げで、年末までに1%の利下げでの4.25-50%となっている。
これまでの緊急利上げの歴史を確認しておきたい。
1. ロシア債務危機/LTCMショック(1998年10月15日:▲0.25%)
米連邦準備理事会(FRB)は、定例会合で0.25%の利下げを実施した2週間後に、緊急会合で0.25%の追加利下げを決定した。
ロシア債務危機により、大手ヘッジファンドLTCMが破綻し、米金融市場に動揺が広がっていた。
2. ドットコムバブル崩壊(2001年:▲1.00%)
FRBは、2001年1月3日と4月18日に緊急会合を開催し、それぞれ0.50%の利上げを決定した。1月31日と3月20日の定例会合でも、0.50%の利下げを決定した。
ドットコムバブルの崩壊で株式市場が暴落し、家計や企業財務を圧迫する可能性が懸念されていた。
3. 9月11日同時多発テロ攻撃(2001年:▲0.50%)
FRBは、2001年9月17日、0.50%の利下げを決定した。
米同時多発テロ攻撃による米金融市場の閉鎖を受けて、市場機能が回復するまで金融市場に異例の大量資金供給を続けると表明した。
4.世界金融危機(2008年:▲1.25%)
FRBは、2008年1月22日、米サブプライム危機が世界の市場に波及する中、0.75%の利下げを決定した。
10月8日、リーマン・ブラザーズ破綻を受けて、0.50%の利下げを決定した。
5.コロナパンデミック(2020年:▲1.50%)
FRBは、2020年3月3日に0.50%、3月15日に1.00%の利下げを決定した。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、グローバルな移動や商取引が突如として停止状態に陥ったことに対する措置だった。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、7月独卸売物価指数(WPI)を見極めた後は、主要な経済指標や要人発言の予定がないことから動きづらい展開が予想される。
ユーロドルの現行水準には、NYカットオプション(1.0900ドル12日、1.0905ドル15日、1.0925ドル14日)が控えており、材料難の中で値動きを抑制している。
しかしながら、引き続きウクライナ戦争や緊迫化しつつある中東情勢には警戒しておきたい。
ウクライナ情勢では、ウクライナ軍がロシアへの越境攻撃を開始していることの背景として、有利な戦況を作り出すことでロシアを和平協議に応じさせる思惑が想定され始めている。予断を許さない状況が続くものの、2年半近く続いてきた戦争が大きな転機を迎える可能性、あるいは、ロシア軍が戦術核の使用に踏み切る可能性などが取り沙汰されており、関連ヘッドラインを注視しておきたい。
中東情勢では、イランによるイスラエルへの報復攻撃への警戒感が高まりつつある。
イラン国営メディアは9日、精鋭軍事組織「革命防衛隊」の対外工作を担う「コッズ部隊」のガアニ司令官が、新たなハマス指導者シンワル氏に宛てた書簡で「厳しく処罰する」とイスラエルへの報復を改めて明言したと伝えている。
一方、イランのペゼシュキアン大統領は全面戦争を招く可能性を懸念しており、革命防衛隊にイスラエルへの直接攻撃を思いとどまるよう説得を試みている、とも報じられている。
また、イスラエルのガラント国防相は11日、オースティン米国防長官と電話会談し、イランがイスラエルに対する大規模な攻撃を準備している兆候があると伝えており、本日も関連ヘッドラインを注視しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0963ドル(8/6高値)
・ユーロ円:161.59円(8/2高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0882ドル(8/8安値)
・ユーロ円:158.97円(8/8安値)
週明けニューヨーク為替市場では、過度な米金利先安観が後退しつつあるなか、ドル円は底堅い動きとなるか。円ショートに持ち高を大きく傾けていた投機筋の円買い戻しが一服したことも、ドル円の下値の固さに繋がりそうだ。
CMEのフェドウォッチ(FF金利先物の動向に基づき算出)では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における0.50%利下げ織り込み度は約5割と0.25%利下げと拮抗。確かに利下げは確実視されているものの、先週5日に0.50%利下げが8割以上織り込まれたところからは金利低下への思惑は縮小している。
先週前半は株式市場の不安定さが金利先安観を強めるきっかけとなったが、市場は週後半から落ちついてきた。先週5日に一時急騰した投資家の不安心理を示すVIX指数も、週引けにかけて低下している。
予想より弱かった7月雇用統計を受けた景気後退(リセッション)への懸念はまだくすぶっているが、過度な警戒感は低下しつつあると言ってよいか。ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事は先週末、失業率は労働市場の冷え込みの程度を誇張している可能性があると指摘していた。
なお、先週に米国の商品先物取引委員会(CFTC)が発表した投機筋の先物ポジション状況では、円のネットショートポジションが前週から6万枚以上も減少。6日時点の円ネットショートは約1万1000枚と、約1カ月で17万枚近く買戻しが進んだことになる。持ち高調整の動きが一巡したとなれば、ここから一気に円高という可能性も低いのではないか。
想定レンジ上限
・ドル円、7日高値147.90円を超えるようだと2日高値149.77円が意識される
想定レンジ下限
・ドル円、9日安値146.27円
今週のNY市場は消費と物価動向に注目。
先週は前週末の米7月雇用統計の悪化を受けて景気後退(リセッション)懸念が強まったことや、日銀の利上げを受けた「円キャリートレード」の巻き戻しへの警戒感が強まり月曜日に急落してスタートした。ダウ平均が1033.99ドル安(-2.60%)、S&P500も3.00%安とともに2022年9月以来の下落率を記録し、ハイテク株主体のナスダック総合も3.43%安となった。しかし、木曜日に発表された新規失業保険申請件数が予想を下回る強い結果となり景気後退(リセッション)懸念が和らいだことや、「円キャリートレード」の巻き戻しへの警戒感が和らいだことで大きく反発し、週末金曜日も反発の動きが続いた。
週間ではダウ平均が239.72安(-0.60%)、ナスダック総合が0.18%安とマイナス圏で終了した一方、S&P500は0.04%安とほぼフラットで終了した。投資家の不安心理を示すVIX指数は月曜日に一時65.73ポイントと、2020年3月のコロナパンデミック時以来の水準まで上昇したが、20.37ポイントで終了し、週間では3.02ポイント低下した。
今週は景気動向や利下げ見通しを巡り、7月小売売上高や7月月消費者物価指数(CPI)などの経済指標に注目が集まる。7月雇用統計の悪化を受けて景気後退(リセッション)懸念がくすぶっており、木曜日に発表される7月小売売上高が弱い結果となれば、再びリセッション懸念が強まりそうだ。
利下げを巡っては9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げ見通しが強まっており、火曜日発表の7月生産者物価指数(PPI)や水曜日発表の7月消費者物価指数(CPI)に要注目となる。終盤戦となった第2四半期決算発表はS&P500採用の11銘柄が発表予定で、火曜日にホーム・デポ、水曜日にシスコ・システムズ、木曜日にディア、ロス・ストアーズ、ウォルマート、アプライド・マテリアルズなどの決算やガイダンスが注目される。
今晩の米経済指標・イベントは7月財政収支など。主要な企業の決算発表はなし。
(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.18円(12日15時時点比▲0.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.91円(△0.20円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0933ドル(△0.0014ドル)
FTSE100種総合株価指数:8210.25(前営業日比△42.15)
ドイツ株式指数(DAX):17726.47(△3.59)
10年物英国債利回り:3.916%(▲0.029%)
10年物独国債利回り:2.226%(△0.001%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) 0.3% ▲0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重かった。欧州株式相場が小高く始まったほか、時間外のダウ先物が上昇したことを受けて、投資家のリスク志向改善を意識した円売り・ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.96%台まで上昇したことも相場の支援材料となった。
NY勢参入後も円売り・ドル買いの流れが継続し、前週末の高値147.82円を上抜けて一時148.22円と2日以来の高値を付けた。市場では「円キャリー取引の急激な巻き戻しが一服した状態が続いている」との声が聞かれた。
ただ、米10年債利回りが低下に転じるとドル円にも売りが出て147.08円付近まで下押しした。「イランは24時間以内にイスラエルを攻撃する可能性がある」の一部報道も相場の重しとなった。
・ユーロドルは小高い。米長期金利が低下に転じたことでユーロ買い・ドル売りがじわりと強まると、0時過ぎに一時1.0939ドルと日通し高値を付けた。ただ、本日は主要な米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、相場は大きな方向感が出なかった。今日これまでの安値はアジア時間に付けた1.0910ドルで値幅は0.0029ドル程度だった。
今週は7月の米消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)、小売売上高などインフレや個人消費の動向を示す米重要指標の発表が予定されており、様子見気分も強かった。
・ユーロ円は上値が重い。欧州市場の流れを引き継いで円売り・ユーロ買いが進行すると、22時30分過ぎに一時161.95円と日通し高値を付けたが、買い一巡後は上値が重くなった。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は続伸。前週末の米国株相場が上昇したことを受けて買いが先行したものの、買い一巡後はもみ合いに転じた。新規材料に乏しい中、商いも低調で大きな方向感は出なかった。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場はほぼ横ばい。夏季休暇シーズンで市場参加者が限られる中、積極的な売買は手控えられた。個別ではハノーバー再保険(5.23%高)やRWE(1.70%高)、ラインメタル(1.41%高)などの上昇が目立った半面、ザルトリウス(2.90%安)やボノビア(1.32%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.21円(前営業日比△0.60円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.91円(△0.91円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0931ドル(△0.0014ドル)
ダウ工業株30種平均:39357.01ドル(▲140.53ドル)
ナスダック総合株価指数:16780.61(△35.31)
10年物米国債利回り:3.90%(▲0.04%)
WTI原油先物9月限:1バレル=80.06ドル(△3.22ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2504.0ドル(△30.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米財政収支
2437億ドルの赤字 660億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.96%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。前週末の高値147.82円を上抜けて一時148.22円と2日以来の高値を付けた。市場では「円キャリー取引の急激な巻き戻しが一服した状態が続いている」との声が聞かれた。
ただ、米10年債利回りが低下に転じるとドル円にも売りが出たため伸び悩んだ。「イランは24時間以内にイスラエルを攻撃する可能性がある」の一部報道が伝わると、中東情勢を巡る懸念から米10年債利回りが3.89%台まで低下。ドル円は一時147.05円付近まで下押しした。高く始まったダウ平均が下げに転じたことも相場の重し。
・ユーロドルは小幅上昇。米長期金利が低下に転じたことでユーロ買い・ドル売りがじわりと強まると、0時過ぎに一時1.0939ドルと日通し高値を付けた。ただ、本日は主要な米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、相場は大きな方向感が出なかった。今日の安値はアジア時間に付けた1.0910ドルで値幅は0.0029ドル程度だった。
今週は7月の米消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)、小売売上高などインフレや個人消費の動向を示す米重要指標の発表が予定されており、様子見ムードが広がった。市場では「世界の中央銀行総裁らが集うジャクソンホール会議を来週22-24日に控えて投資家の様子見姿勢が強い」との指摘もあった。
・ユーロ円は反発。22時30分過ぎに一時161.95円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は次第に上値が重くなり4時30分過ぎに160.74円付近まで下押しした。ドル円につれた動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。今週予定されている7月の米CPIやPPIなど、米重要指標の発表を控えて積極的な買いは手控えられた。中東の地政学リスクも相場の重しとなった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが買われた。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。イランが近くイスラエルを攻撃するとの観測が高まる中、中東の地政学リスクが意識されて相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。
・原油先物相場は5日続伸。中東情勢が一段と緊張する中、原油の供給に影響が出るとの見方から買いが先行した。
・金先物相場は4日続伸。中心限月の清算値ベースで初めて2500ドルの節目を突破して過去最高値を付けた。米長期金利が低下して金利を生まない金の投資妙味が強まったほか、中東情勢をめぐる不安も上昇を後押しした。
12日13:46 ハウザー豪中銀副総裁
「経済予測には大きな不確実性が伴うことが、当局者が追加のデータを待つ間、金利を据え置いてきた理由の一つ」
「経済の余剰生産能力が当初予想より少ないことなどが原因でインフレが粘着的になっている」
「失業率が予想より速いペースで上昇するリスクや、予想される家計資産の増加を受けて消費がより強く伸びるリスクもある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 7月企業物価指数(予想:前月比0.3%/前年比3.0%)
<海外>
○09:00 ◎ 4-6月期シンガポール国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.2%)
○09:30 ◇ 8月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:30 ◎ 4-6月期豪賃金指数(予想:前期比0.9%)
○10:30 ◇ 7月豪NAB企業景況感指数
○15:00 ◎ 7月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 4-6月英失業率(ILO方式、予想:4.5%)
○16:00 ◇ 6月トルコ経常収支(予想:4.0億ドルの黒字)
○18:00 ◎ 8月独ZEW景況感指数(予想:32.0)
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:30 ◎ 4-6月期南アフリカ失業率(予想:32.3%)
○21:30 ◎ 7月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比2.3%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.7%)
○14日02:15 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は7月に3.0%と前回の3.0%と同じとなった。3年後のインフレ期待は2.3%と前回から低下し、2013年以来の低水準を付けた。また、5年後のインフレ期待は2.8%と前回から変わらなかった。
一部通信社が報じたところによると、「ウクライナはロシア領土1000平方キロメートル近くを制圧した」ようだ。
一部通信社が報じたところによると、「イランは24時間以内にイスラエルを攻撃する可能性がある」ようだ。
格付け会社フィッチ・レーティングスは12日、イスラエルの格付けを「A+」から「A」に引き下げると発表した。見通しは「ネガティブ」とした。
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが3.96%台まで上昇したことで148.22円まで上昇した後、「イランは24時間以内にイスラエルを攻撃する可能性がある」の一部報道を受けて、中東情勢を巡る懸念から米10年債利回りが3.89%台まで低下したことで147.05円付近まで反落した。ユーロドルは、米長期金利が低下に転じたことで1.0939ドルまで上昇した。ユーロ円は161.95円まで上昇後、160.74円付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、中東情勢に警戒しながら7月の本邦輸入物価指数で追加利上げの可能性や時期を見極めることになる。
中東情勢に関しては、11日に、イスラエルのガラント国防相が、オースティン米国防長官と電話会談し、イランがイスラエルに対する大規模な攻撃を準備している兆候があると伝えていた。また、昨日は「イランは24時間以内にイスラエルを攻撃する可能性がある」との報道が伝わっており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
ドル円は昨日148.22円まで上昇したが、上値の注目水準は、上昇トレンドの中期支持線(127.23円を起点に140.25円を経由)だった148.81円、下落幅(161.95円~141.70円)の38.2%戻しの149.44円、半値戻しの151.83円、52週移動平均線の150.67円、200日移動平均線の151.44円となる。
8時50分に発表される7月の輸入物価指数では、6月速報値(前年比+9.5%)、5月(同比+7.1%)、4月(同比+1.6%)の伸び率上昇基調が続いているのか否かを見極めることになる。
7月のドル円相場は1986年12月以来の高値161.95円まで上昇した後、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入で反落基調にあったものの、輸入物価指数が上昇して、消費者物価指数へ波及していく可能性は残されている。
7月31日、日銀金融政策決定会合で政策金利を0.25%に引き上げた後の記者会見で、植田日銀総裁は、2年以上にわたって目標の2%を超えているインフレを踏まえると、「実質金利は非常に深いマイナスにある」と強調していた。そして、現在の政策金利は景気や物価に景気を過熱させず冷やしもしない中立金利(※推定1.0%程度)に比べてかなり下の水準にあり、今回の利上げはそこの範囲での調整だと説明していた。
7月の輸入物価指数が上昇基調にあれば、植田日銀総裁が警戒していた輸入物価上昇が国内物価に及んでいく「第一の力」の存在感が増すことになり、年末にかけて、金利の壁である0.50%程度までの追加利上げの可能性を高めることになるのかもしれない。
5-6日に行われた豪準備銀行(RBA)理事会で賃金の伸びの高さが指摘されていたことで、10時30分に発表される4-6月期豪賃金指数に要注目か。賃金指数が高まり、15日に発表される雇用情勢が予想よりも強い結果となった場合は、9月の理事会に向けて利上げ観測が高まることになる。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 35300 +250 (+0.71%)
TOPIX先物 2489.0 +13.0 (+0.52%)
シカゴ日経平均先物 35545 +495
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
12日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。イランによるイスラエルに対する大規模攻撃を阻止するため、米国が原子力空母や原潜などを派遣したと報じられ、地政学リスクの高まりが重荷となった。また、今週は7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、米景気の減速懸念なども積極的な売買を手控えさせた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売、テクノロジー・ハード・機器が上昇した半面、家庭用品・パーソナル用品、自動車・同部品、メディアが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比495円高の3万5545円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比50円高の3万5100円で始まり、一時3万5560円まで買われた。買い一巡後は軟化し、9日の米国市場の取引開始直前に下落に転じると、その後は3万4800円~3万5150円処で推移し、日中終値を挟んだ保ち合いを継続。終盤にかけてロング優勢からレンジを上放れ、3万5300円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まりそうだ。12日の米国市場は地政学リスクが警戒されてNYダウは反落したが、ハイテク株の一角を買い直す動きが継続しており、ナスダック指数は3日続伸だった。エヌビディア<NVDA>は4%を超える上昇で心理的な抵抗線の75日移動平均線を捉えており、同線突破を試す展開が期待されそうだ。そのため、先回り的な指数インパクトの大きい値がさハイテク株の押し目買いが意識されよう。
先週の日経225先物は、5日の急落で付けた3万0370円を安値にリバウンド基調を継続し、チャート上では5日の大陰線を埋めてきた。日中の変動幅が大きく、スキャルピング中心の売買ではあったが、連日で陽線を形成し下値切り上げのトレンドをみせていた。52週線が3万5850円辺りで推移しており、同線が上値抵抗として機能する可能性はあるが、3万5000円辺りでの底固めから押し目待ち狙いのロングに向かいそうだ。
今週はお盆休みで市場参加者は限られ、引き続きスキャルピング中心の売買になりそうである。ただし、相場に落ち着きがみられてきているほか、決算発表のピークを通過した。先週の急落でイレギュラー的に売られた銘柄は多く、改めて業績面を手掛かりとした物色が入りやすいだろう。今回の世界株安によってヘッジファンドはロングポジションを一気に解消したとみられており、需給状況が落ち着くなかで、リスク選好に傾きやすいと考えられる。
そのため、3万5000円辺りでの底固めを意識しつつ、52週線を目先的なターゲットとしたロング対応を想定。オプション権利行使価格では3万4875円から3万5875円のレンジ推移になりそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.15倍(前日は14.14倍)に上昇した。5日に一時14.69倍まで急伸し、翌6日には一時13.65倍に急低下する荒い動きだった。ただし、その後は14.00倍~14.20倍辺りでの推移となった。本日は値がさハイテク株が牽引する形でややNTロングに振れやすいが、一方で地政学リスクの高まりを背景に資源株がTOPIX型を押し上げる可能性があるため、スプレッド狙いのトレードは限られそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比720円高の3万5770円(+2.05%)前後で推移。寄り付きは3万5580円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万5545円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。直後に付けた3万5420円を安値にロング優勢の動きが強まるなか、中盤にかけて一時3万6020円と節目の3万6000円を回復する場面もみられた。買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の動きから上げ幅を縮め、心理的な抵抗線として意識される52週移動平均線(3万5860円)水準での攻防をみせている。
日経225先物はエヌビディア<NVDA>など米半導体株が買われた流れを引き継ぐ形となった。指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が日経平均型を牽引している。ただし、オーバーナイトのポジションは避けると考えられるほか、節目の3万6000円回復で、短期的には達成感が意識されやすいだろう。そのため、52週線水準での攻防が見込まれ、同線を下回っての推移が続くようだと、ロング解消の動きに向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.15と横ばいで推移している。朝方に14.20倍を付ける場面もみられたが、中東の地政学リスクへの警戒から、鉱業、非鉄金属、海運セクターなどが強い動きとなり、TOPIX型を押し上げている。14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移となった。
昨日のドル円は、東京が休場となったにもかかわらず、早朝からしっかりとした買いが断続的に観測されることになりました。先週末のNY市場では、米長期金利の低下につれて146円台前半まで値を下げていたものの、週明けには海外勢を中心とした買いが日経平均先物と同時に持ち込まれたわけで、いわゆる、円キャリー取引の典型例が進められることになりました。NY市場に入っても下押しらしい下押しもないまま、7日の戻り高値147.90円を上抜けると目先のSLを巻き込むかたちで上げ足を速め一時148.22円まで買い上げられました。ただ、その後は米長期金利が低下に転じたこともあり147.05円まで下押ししてNY市場を引けています。
3連休明けとなった本日のアジア市場では、本邦実需の買いが観測されているほか、日経平均が一時1000円を超える大幅な上昇となっていることから、早朝の146.92円から147.52円まで買戻し。底堅い動きが続いています。
目先、今夜の7月米PPIと明日の米CPIを見極めることになりますが、いずれにしても、市場は本来のファンダメンタルズに沿った、需給関係を意識した正常化への道を歩み始めようとしています。
1. 2024会計年度(23年10月-24年9月)財政赤字:1兆5169.99億ドル
米財務省は、2024会計年度(23年10月~24年9月)の7月の財政収支が、2437.41億ドルの赤字だったと発表した。2023年7月は2207.82億ドルの赤字だったことで、赤字幅は229.59億ドル増加(+10.4%)した。昨年7月は高齢者向け公的医療保険「メディケア」などの給付金支払いが通常より少なく、支払いが6月に前倒しされたことが増加の主因だった。
2024会計年度(23年10月-24年9月)の財政赤字は1兆5169.99億ドルとなり、前年同期の1兆6137.80億ドルから967.81億ドル(6%)減少している。歳出は6%増の5兆6015.75億ドル、歳入は11%増の4兆845.76億ドルだった。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、利払い額の年間見通しは、1兆1436億ドルとなっている。
過去最大の財政赤字を記録した2020会計年度(19年10月~20年9月)の財政赤字は3兆1319億ドル(対GDP比15.0%)で、2020年7月は629.92億ドルの赤字だった。
過去2番目の財政赤字を記録した2021会計年度(20年10月~21年9月)の財政赤字は2兆7721.79億ドル(対GDP比12.4%)で、2021年7月は3020.50億ドルの赤字だった。
2022会計年度(21年10月~22年9月)の財政赤字は1兆3754.81億ドルで、2022年7月は2110.52億ドルの赤字だった。
2023会計年度(22年10月~23年9月)の財政赤字は1兆6952.40億ドルで、2023年7月は2207.82億ドルの赤字だった。
2.2024年7月末債務残高:35兆1047億ドル(※米国債:27兆ドル)
米国の2024年7月末時点での債務残高は35.1047兆ドルで、2024年第2四半期国内総生産(GDP)28.63兆ドルの約123%となっている。
2023年6月3日に、バイデン米大統領が、米政府の債務上限法(※31兆4000億ドル)の適用を2025年1月まで停止する「財政責任法案(Fiscal Responsibility Act of 2023)」に署名したことで、米国の国家としての債務問題は先送りされた。しかし、発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米連邦準備理事会(FRB)による「より高く、より長く(higher-for-longer)」路線が維持されれば、利払い額は、今年度の見通し1兆1436億ドルのほぼ2倍の2兆ドルに達する。
米議会予算局(CBO)の推計によると、財政赤字は2024年度が1兆9150億ドル、2025年度が1兆9380億ドル、2034年度に2兆5600億ドルと増大し、米政府債務は2033年までに45兆7000億ドルに達すると見込まれている。また、米政府が債務に対して支払う平均利子率は昨年の3%から今後10年で3.4%に上昇すると予測した。
国際通貨基金(IMF)は米国の債務水準の上昇を抑制するために増税を求めた。米経済政策に対する審査の最終声明で、巨額の財政赤字と債務は「米国および世界経済に対するリスクを増大させ、財政上の資金調達コストの上昇や、満期を迎える債券の円滑な再投資に対するリスク増大につながる可能性がある」と警告している。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、8月独ZEW景況感指数を見極めながら、引き続き中東情勢に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
ユーロドルの現行水準には、NYカットオプション(15日・1.0950ドル、13日・1.0930ドル、14日・1.0925ドル、15日・1.0905ドル、13日・1.0900ドル)が控えており、値動きを抑制している。
しかしながら、上値の1.0950ドル超え、下値の1.0900ドル割れにはストップロスが控えていることで、ウクライナ軍のロシア越境で新たなステージに入りつつあるウクライナ戦争やイランによるイスラエル報復攻撃の可能性が高まっている中東情勢には警戒しておきたい。
8月独ZEW景況感指数は32.0と予想されており、7月の41.8からの悪化が見込まれており、予想通りならばユーロの上値を抑える要因になる。
8月1日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)では、賃金上昇圧力の一段の緩和を背景に、利下げが決定された。3月から5月の賃金上昇率は、前月(2月から4 月)の前年比+6.0%から同+5.7%に鈍化しており、3月から5月の3カ月ILO失業率も4.4%と前月から変わらずだった。
本日発表される4-6月英失業率は4.5%へ上昇することが予想されており、労働需給の緩和は、イングランド銀行(BOE)の追加利下げ観測や量的引き締め(QT)の資産売却ペースに影響することで要注目か。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1008ドル(8/5高値)
・ユーロ円:161.95円(8/12高値)
・ポンドドル:1.2855ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:189.33円(8/12高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0893ドル(日足一目均衡表・転換線=基準線)
・ユーロ円:159.79円(8/12安値)
・ポンドドル:1.2653ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンド円:186.69円(日足一目均衡表・転換線)
(13日15時時点)
ドル円:1ドル=147.65円(前営業日NY終値比△0.44円)
ユーロ円:1ユーロ=161.52円(△0.61円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0940ドル(△0.0009ドル)
日経平均株価:36232.51円(前営業日比△1207.51円)
東証株価指数(TOPIX):2553.55(△70.25)
債券先物9月物:145.26円(△0.17円)
新発10年物国債利回り:0.840%(▲0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25700%(△0.01000%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月企業物価指数
前月比 0.3% 0.2%
前年同月比 3.0% 2.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。9時前には146.92円まで売られる場面も見られたが、日本株の寄り付き後は株高を手掛かりにした買い戻しが進んだ。連休明けの仲値に向けた買いも観測され、日本株の上昇とともに一時147.82円まで反発した。
・ユーロ円も下値が堅い。ドル円や株価動向をにらんだ動きとなり、朝方に160.65円まで下げた後、161.70円まで買い戻しが入った。
・ユーロドルは小高い。1.09ドル台前半の限られたレンジ内推移となったが、14時過ぎには1.0941ドルまでやや値を上げた。
・日経平均株価は大幅続伸。昨日の米国株式市場でハイテク株が上昇し、連休明けの国内株式市場でも半導体関連株に買いが集まった。好決算銘柄などにも買いが向かい、指数は1200円超の大幅高となってこの日の高値で引けた。
・債券先物相場は反発。前日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いだ。いったんは上値が重くなる場面もあったが、引けにかけては買い戻しが入った。
第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト・西?M徹氏
インド株を揺さぶった「アダニ問題」は新たな展開に
規制当局とアダニ・グループの利益相反が懸念される新調査、当面の市場環境に不透明さ
昨年のインド株式市場は新興財閥のアダニ・グループを巡る疑惑、いわゆる「アダニ問題」による動揺に見舞われた。1月に最高裁は規制当局であるSEBI(証券取引委員会)による調査以外の特別調査を拒否する一方、SEBIに調査結果の早期公表と投資調査会社(ヒンデンブルグ)の空売りに関する調査を命じた。SEBIの調査結果の公表は遅れる一方、SEBIは先月にヒンデンブルグによる空売りが法令違反に当たる可能性を明らかにした。SEBIのバランスを欠く対応には違和感が生じたものの、ヒンデンブルグは新たな調査としてSEBIのブチ委員長とアダニ・グループの関与を指摘するなど新たな疑惑が噴出している。ブチ氏と同社は調査内容を否定しているが、利益相反が懸念されるSEBIの調査のみで良いとした最高裁の判断に影響を与える可能性がある。インド株は成長性への期待を追い風に上昇してきたが、当面はアダニ問題の行方に加え、キャピタルゲイン課税を巡る議論など不透明要因が重石となる可能性に留意する必要がある。
大阪9月限
日経225先物 36220 +1170 (+3.33%)
TOPIX先物 2554.0 +78.0 (+3.15%)
日経225先物(9月限)は前日比1170円高の3万6220円で取引を終了。寄り付きは3万5580円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万5545円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。寄り付き直後に付けた3万5420円を安値にロング優勢の動きが強まるなか、前場中盤にかけて3万6020円と節目の3万6000円を回復した。その後は目先的な達成感からの利益確定に伴うロング解消の動きのほか、戻り待ち狙いのショートも入りやすい水準となり、前引けにかけて3万5720円まで上げ幅を縮めた。
ただし、ランチタイムでは心理的な抵抗線として意識される52週移動平均線(3万5860円)水準での攻防をみせるなか、後場の取引開始直後には同線を再び上放れ、前場中盤につけた高値を突破。終盤にかけては3万6000円を上回って推移し、3万6220円と本日の高値で取引を終えた。
日経225先物はエヌビディア<NVDA>など米半導体株が買われた流れを引き継ぐ形となった。指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]のほか、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が日経平均型を牽引している。前場中盤にかけて節目の3万6000円を回復したことで、短期的には達成感が意識されたが、ランチタイムで52週線水準を再び上回ってきたことで、短期のショートカバーに向かわせたようだ。
また、レバレッジ型ETFの調整に伴う買いが観測されるなか、大引けにかけて上げ幅を広げる形となった。なお、日経225先物は52週線を上回ってきたことから、今後は同線が支持線として機能するかを見極めながらのロング対応になる。週足のボリンジャーバンドの-1σが3万6670円辺りで推移しており、次のターゲットとして意識されそうである。
そのため、52週線を支持線としたオプション権利行使価格3万5875円から3万6750円辺りでのレンジを想定する。52週線をキープできないと、7月の米消費者物価指数(CPI)の発表に向けて様子見姿勢が強まりやすいだろう。一方で、52週線が支持線として機能するようだと、押し目待ち狙いのロングが入りやすくなりそうだ。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.18倍に上昇した。25日線が位置する14.12倍と200日線の14.19倍辺りでの推移だった。値がさハイテク株が日経平均型を牽引する一方で、為替市場ではドル円が1ドル=147円台後半で推移しており、輸出関連株への物色に向かわせたほか、中東の地政学リスクに対する警戒から資源株の一角に資金が向かう流れもみられていた。明確なトレンドが出てくるまでは、NTスプレッドを狙ったトレードは限られそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万2647枚、ソシエテジェネラル証券が1万6464枚、SBI証券が4842枚、野村証券が2879枚、サスケハナ・ホンコンが2642枚、バークレイズ証券が2619枚、モルガンMUFG証券が2035枚、JPモルガン証券が1970枚、日産証券が1005枚、ゴールドマン証券が998枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万6440枚、ソシエテジェネラル証券が1万8362枚、JPモルガン証券が4967枚、バークレイズ証券が4809枚、モルガンMUFG証券が3838枚、ビーオブエー証券が3318枚、ゴールドマン証券が2948枚、サスケハナ・ホンコンが2914枚、BNPパリバ証券が1963枚、みずほ証券が1486枚だった。
NYタイムは、米物価指標として消費者物価指数(CPI)や個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)に準ずる注目を集める米卸売物価指数(PPI)が発表となる。今回7月分の市場予想は、コア指数が前年比+2.7%と、6月の+3.0%より伸び率を鈍化させるなど、総じてインフレが落ち着きつつある状態を示すとの見方。予想比の強弱を主な焦点に米金利やドル相場が反応するとみる。
ただ、明日に前述した注目度がより高めなCPIも発表予定。本日のPPIの強弱と予想比などで相反する結果となった場合、米金利やドル相場の巻き戻しが強まる展開も想定できる。PPIの強弱を受けた動きを深追いするのに難しさもあるといえよう。
一方、金利動向を受けて株価が大きめに振れると、ドル円はリスク選好の度合いに対応した動きになると考えられる。その場合も明日のCPIを受けて巻き戻しが入る可能性を念頭に置きつつ臨みたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、1日安値148.51円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、12日安値146.47円。
今晩は物価指標に注目。昨日は主要3指数が高安まちまち。中東の地政学リスクが意識されるなか、週内の7月消費者物価指数(CPI)や7月生産者物価指数(PPI)、7月小売売上高などの経済指標の発表を控えて様子見姿勢が強まった。エヌビディアの大幅高を受けてナスダック総合が0.21%高と3営業日続伸し、S&P500も0.23ポイント高(+0.00%)とほぼ横ばいとなった一方、ボーイングなどの下落が重しとなったダウ平均は140.53ドル安(-0.36%)と3営業日ぶりに反落した。
今晩は物価指標に注目する展開か。アジア時間で日経平均が1000円超上昇していることや、円キャリートレードの巻き戻しへの警戒感が和らいでいることで底堅い展開が期待されるが、足もとのインフレ動向や先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される7月生産者物価指数 (PPI)が焦点となりそうだ。7月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.2%と6月分から横ばいが見込まれ、前年比では+2.3%と6月分の+2.6%から伸びの鈍化が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPPIも前年比+2.7%と前月分の+3.0%から鈍化が見込まれており、予想通りとなれば利下げ期待の高まりが株式相場の追い風となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは7月PPIのほか、7月NFIB中小企業楽観度指数、ボスティック米アトランタ連銀総裁講演など。企業決算は寄り前にホーム・デポが発表予定。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、6日発表の6月毎月勤労統計で、物価上昇を踏まえた実質賃金が前年比で1.1%のプラスとなったことに注目している。プラスは実に27カ月ぶりで、6月の夏季賞与が大幅に伸びた。東海東京では、今回の発表で「賃金と物価の好循環」に向けた過程はまた一つハードルを越えたと評価している。その一方で、次のハードルとなる「消費マインドの回復」はまだ道半ばと指摘。同じ日に発表された6月家計調査では、実質消費支出(勤労者世帯)が前年比で2カ月連続のマイナスとなった。今後については、賃上げを背景とした実質賃金上昇の定着、そしてこれに後押しされる形で消費マインドも回復へ向かうことに期待したいとコメントしている。
SMBC日興証券ではテクニカルリポートの中で、6月の米国CPIが発表された7月11日以降、主要市場の潮流が転換し、巻き戻しの動きが広がったと指摘。日本円の急反発に伴って日本株の下げが急拡大し。8月5日には「令和のブラックマンデー」とも称される日本株の歴史的な急落が発生した。SMBC日興では、日経平均に関しては、この8月5日の安値で一気に価格面での調整が進み、底値圏に達したとみている。しかし、米国株式市場は依然、調整が不十分とみており、今後、米国景気の減速感が強まるとともに、米国主要株価指数の下げが拡大し、米国金利とドルの下げが拡大する可能性があると考えている。これに伴い、調整が進んだ日経平均も10月頃までは下値固めの展開が続くと予想している。
イスラエルのメディアが報じたところによると、「同国の都市テルアビブで爆発音が聞こえた」ようだ。
日経平均株価は大幅続伸。5日移動平均線(35170円 8/13)の上昇を支えに買い先行後も上値を伸ばし、高値引けとなった。
RSI(9日)は前日の36.0%→41.5%(8/13)に上昇。ボトムアウトから次は50%超えにつながるかが焦点であり、10日移動平均線(35897円 同)上から反発力を一段と強められるかどうか。10日移動平均線は依然として下落基調にあることから、目先はいったん下に押し戻される動きも想定される。
週足の一目均衡表では雲の上限(35373円 同)付近から上値を伸ばし、52週移動平均線(36092円 同)を上回った。短期的には、週足の基準線と転換線が重複する水準(36791円 同)以上に上昇できるかが焦点となる。基準線と転換線が重複する水準は4月安値(36733円)と重なる節目でもあり、超えると一時的に38000円処まで伸びる可能性が高まる。
日足ベースの上値メドは、200日移動平均線(36932円 同)、8/1安値(37737円)~心理的節目の38000円、25日移動平均線(38460円 同)、75日移動平均線(38705円 同)、4万円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)、心理的節目の33000円、8/5安値(31156円)、2023年10/4安値(30487円)や心理的節目の3万円などがある。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.90円(13日15時時点比▲0.75円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.24円(▲0.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0977ドル(△0.0037ドル)
FTSE100種総合株価指数:8235.23(前営業日比△24.98)
ドイツ株式指数(DAX):17812.05(△85.58)
10年物英国債利回り:3.888%(▲0.028%)
10年物独国債利回り:2.186%(▲0.040%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月英雇用統計
失業率 4.7% 4.4%
失業保険申請件数
13.50万件 3.62万件・改
4-6月英失業率
(ILO方式) 4.2% 4.4%
8月独ZEW景況感指数
19.2 41.8
8月ユーロ圏ZEW景況感指数
17.9 43.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。16時前に一時147.95円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は一転下落した。米労働省が発表した7月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%/前年比2.2%と予想の前月比0.2%/前年比2.3%を下回ったほか、食品とエネルギーを除くコア指数も前月比横ばい/前年比2.4%と予想の前月比0.2%/前年比2.7%を下回った。米国のインフレが落ち着き、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを始めやすくなるとの見方が一段と強まる中、全般ドル売りが広がった。2時前には一時146.71円と日通し安値を更新した。
・ユーロドルは底堅い動き。8月独ZEW景況感指数が19.2と予想の32.0を下回ったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが先行。18時過ぎに一時1.0914ドルと日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値1.0910ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。米インフレ指標の下振れをきっかけに米長期金利が低下すると全般ドル売りが活発化し、一時1.0984ドルと5日以来の高値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.71と6日以来の低水準を付けた。
・ユーロ円は上値が重かった。16時前に一時161.80円と本日高値を付けたものの、前日の高値161.95円が目先レジスタンスとして意識されると失速。ドル円の下落につれた売りが出ると一時160.70円付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた日通し安値160.65円が目先サポートとして働くと下げ渋った。
・ロンドン株式相場は3日続伸。本日のアジア株相場が堅調に推移した流れを受けて、買いが先行。この日発表の米インフレ指標が予想を下回り、米国株が上昇すると英株にもさらに買いが集まった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は6日続伸。この日発表の米インフレ指標が予想を下回り米国株が上昇すると、独株にも買いが波及した。個別ではシーメンス・エナジー(1.94%高)やハノーバー再保険(1.67%高)、MTUエアロ・エンジンズ(1.47%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇した。米債高につれた。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.84円(前営業日比▲0.37円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.42円(△0.51円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0993ドル(△0.0062ドル)
ダウ工業株30種平均:39765.64ドル(△408.63ドル)
ナスダック総合株価指数:17187.61(△407.00)
10年物米国債利回り:3.84%(▲0.06%)
WTI原油先物9月限:1バレル=78.35ドル(▲1.71ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2507.8ドル(△3.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.1% 0.2%
(前年比) 2.2% 2.7%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) 0.0% 0.3%・改
(前年比) 2.4% 3.0%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは続伸。欧州序盤には8月独ZEW景況感指数が予想を下回ったことを受けて一時1.0914ドルまで下落したものの、そのあとは前日の安値1.0910ドルがサポートとして働いたため買い戻しが優勢となった。
NY市場に入り、米労働省が発表した7月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.1%/前年比2.2%と予想の前月比0.2%/前年比2.3%を下回り、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比横ばい/前年比2.4%と予想の前月比0.2%/前年比2.7%を下回ったことが分かると米長期金利が低下。全般ドル売りが活発化し、一時1.1000ドルと5日以来の高値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.55と5日以来の低水準を付けた。
・ドル円は反落。米インフレ指標の下振れを受けて米国のインフレが落ち着き、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを始めやすくなるとの見方が一段と強まると、全般ドル売りが優勢となった。4時過ぎに一時146.60円と日通し安値を更新した。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁は「年内には利下げの準備が整う可能性が高い」「データをもう少し見てから利下げを支持したい」などと話した。
・ユーロ円は続伸。ドル円の下落につれた売りが先行すると一時160.70円付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値160.65円が目先サポートとして働くと持ち直した。ユーロドルの上昇につれた買いも入った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。7月米PPIが予想を下回ると、FRBが利下げに着手する条件が整いつつあるとの見方が一段と強まり、株買いが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸。米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。7月米PPIが予想を下回り、インフレの鈍化が示されると米利下げ観測が高まった。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、9月17-18日のFOMCで0.50%の利下げを予想する確率は53.5%前後に上昇。0.25%の利下げ確率を上回った。
・原油先物相場は6日ぶりに反落。5日連続で上昇したことにより利益確定売りが出やすかったほか、中国での需要が減少するとの観測も重しとなったようだ。
・金先物相場は5日続伸。前日に続き、中心限月の清算値ベースでの過去最高値を更新した。米インフレ指標の下振れをきっかけにFRBが利下げを始めやすくなるとの見方が一段と強まる中、米長期金利が低下して金利を生まない金の投資妙味が強まった。
14日02:46 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「利下げは近づいている。もう少しデータを見たい」
「今後数カ月で経済が正常化すると期待」
「景気後退(リセッション)は予想していない」
「経済が予想通り進展すれば年末までに利下げも」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○11:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表(予想:5.50%で据え置き)
○12:00 ◎ オアRBNZ総裁、記者会見
○15:00 ◎ 7月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比2.3%)
○15:00 ◎ 7月英CPIコア指数(予想:前年比3.4%)
○15:00 ◇ 7月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.1%/前年比3.6%)
○15:00 ◎ 7月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比2.5%)
◎ コア指数(予想:前月比横ばい/前年比1.6%)
○15:45 ◇ 7月仏CPI改定値(予想:前月比0.1%/前年比2.3%)
○18:00 ☆ 4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.3%/前年比0.6%)
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年比▲3.0%)
○18:30 ◎ 7月南アフリカSACCI企業信頼感指数
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◇ 6月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.1%)
○21:00 ◎ 6月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比5.5%)
○21:30 ☆ 7月米CPI(予想:前月比0.2%/前年比3.0%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.2%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でのドル円は、7月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことで米長期金利が低下し、一時146.60円と日通し安値を更新した。ユーロドルも一時1.1000ドルと5日以来の高値を付けた。
本日のドル円は上値が重い展開となるか。本日は米国から注目度の高い7月消費者物価指数(CPI)が発表されることで、大きなリスクを取る地合いにはなりにくいだろう。しかし、昨日発表された米PPIがヘッドラインの前月比・前年比だけではなく、コア指数もすべて予想より下振れたことで上値が抑えられることになりそうだ。また、昨日はイスラム組織ハマスが、イスラエルのテルアビブとその郊外にロケット弾を撃ち込むなど、中東情勢が更に悪化していることで地政学リスクにより円が買われやすくなりそうだ。
昨日の大幅上昇で日経平均株価は前週の下げをすべて回復したが、ドル円が同様に回復するというのは異なる。円が買われやすいのは日銀の金融政策だけではなく、上述のように米インフレの低下やリスク回避の動き、また対円だけではなく対アジア通貨でのドル売りが進んでいることも一因。昨日時点で今月に入り3%超上昇しているマレーシア・リンギを筆頭に、インドネシア・ルピアやフィリピン・ペソも2.5%程度対ドルで強含んでいる。本日も米金利の低下で株価の上昇が期待されているものの、ドル円が昨日のように一方的に上昇することを期待するのは難しいだろう。
なお、先週はシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では一時8割を超えて、米連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイント(bp)の利下げ予想となったものが、昨日のPPI発表前は25bpと50bpの利下げ予想が半々になった。PPI発表後は50bpの利下げがやや優勢となったものの、多少の振れ程度しか変化はないことで、本日のCPIの結果が重要となる。
円相場は方向感をつかみにくいだろうが、本日はNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC)が政策金利を発表することで、NZドルが大相場になる可能性が高い。2週間前までは政策金利の据え置き予想が優勢だった。しかし、RBNZが8日に発表した期待インフレは2年後を2.33%から2.03%まで、1年先を2.73%から2.40%まで引き下げたことで、利下げ予想が徐々に増えてきている。予想が拮抗するなかで、RBNZの動向を見極めることになるが、政策金利の結果と今回は四半期に一度発表される声明文(MPS)も発表されることで、市場の注目度は高い。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36410 +190 (+0.52%)
TOPIX先物 2568.0 +14.0 (+0.54%)
シカゴ日経平均先物 36415 +195
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。7月の米卸売物価指数(PPI)が前月比0.1%上昇となり、市場予想を下回った。食品とエネルギーを除いたコアPPIも市場予想以下であり、9月に利下げを行うとの観測が高まった。PPIを受けて米長期金利は3.8%台に低下し、アップル<AAPL>やマイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など大型テック株が買われた。
また、エヌビディア<NVDA>が6%を超える上昇で心理的な抵抗線の75日移動平均線を突破するなど、半導体株の上げが目立ち、ナスダック指数は4日続伸。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、消費者サービス、耐久消費財・アパレル、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方で、エネルギー、食品・生活必需品小売の2セクターが下落した。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比195円高の3万6415円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万6260円で始まり、その後は利益確定に伴うロングの解消が優勢となり、3万5850円まで売られた。ただし、52週線水準で底堅さがみられると、売り一巡後はロング優勢となり、米国市場の取引開始時にはプラスに転じた。買い一巡後は3万6200円~3万6370円円辺りで保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れ、一時3万6460円まで買われ、3万6410円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まりそうだ。13日の米国市場はPPIの結果を受けた利下げ期待により、ハイテク株主導の上昇となった。エヌビディアが連日の大幅高でチャート上の抵抗線を突破したことはセンチメントの改善につながる。東京市場でも指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。
また、日経225先物はナイトセッションで3万5850円まで下げる場面もみられたが、同水準で推移している52週線が支持線として機能する形だった。同線を支持線としたリバウンドが意識されるなか、週足のボリンジャーバンドの-1σが位置する3万6700円のほか、200日線水準の3万6800円が目先的なターゲットとなる。これらを捉えてくるようだと、ショートカバーを強めてくる可能性が高まりそうだ。
買い一巡後は7月の米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとするムードが強まる可能性はあるものの、PPI同様の反応をみせてくる可能性があることから、戻り待ち狙いのショートは仕掛けにくいだろう。世界株安からの急ピッチのリバウンドでヘッジ対応のカバーも強まりやすい状況にあるなか、レバレッジ型ETFの調整に伴う買いも意識されやすく、押し目待ち狙いのロング対応に向かいそうだ。
レンジとしてはオプション権利行使価格の3万5875円から3万6875円を想定する。週足の-1σ、200日線をクリアしてくると、25日線の3万8260円、13週線の3万8450円が射程に入ってくる可能性がある。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.18倍に上昇した。25日線が位置する14.12倍と200日線の14.19倍辺りでの推移だった。本日は値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開が見込まれ、ややNTロングを意識したスプレッド狙いのトレードが入りやすいところであろう。
なお、VIX指数は18.12(前日は20.71)に低下した。8月1日以来の20.00を下回って終えており、18.55辺りで推移していた25日線を割り込んできた。投資家の不安感を示すとされる20.00を下回ってきたことで、リスク選好が強まりやすい。
一部通信社によると、自民党総裁選に岸田首相が不出馬の意向を示したと報じている。
昨日の海外市場では、7月米PPIが予想を大幅に下回る弱い数字となったことを受けて米長期金利が低下。つれるかたちで全般ドル売りの反応となりました。ドル円は欧州時間は一時147.95円まで値を上げたものの、12日の高値148.22円が戻りの目処として意識されたほか、弱い米PPIを受けた米金利低下につれて146.60円まで値を下げました。アジア時間に入ってからは「今夜の米CPI待ち」となっているなか、RBNZが利下げを決定したり、岸田首相が自民党総裁選に出馬しない意向を表明したりと、市場の反応も気迷いムード満載の動きとなっています。
RBNZの利下げに対しては、キーウィ円の売りを受けてドル円もつれ安。岸田首相の不出馬に対しては、日経平均が高値付近まで買われた後、一転して下落に転じるなど、市場自身が「どう判断していいのか、まだまだ不透明」との声も聞かれるなかで右往左往。ドル円も株価の下落を受けて一時146.08円まで値を下げていますが、「政情が不透明となって、どうなるのか分からない」といった不安感が、目先のポジション調整を誘っているといったところ。
いずれにしても、ドル円は、今夜の米CPIを受けた米金利動向を見極めることになりますが、昨日のPPIについては、「6月の数字が極端に高かったことからの反動」との声もあって、本番のCPIをしっかりと確認する必要がありそうです。FedWatchでは、9月FOMCでの0.5%利下げを織込む動きとなっていますが、市場では既に「かなり利下げを先行して織込んでしまっている」状態であることを認識しておきたいところです。
日経225先物は11時30分時点、前日比70円安の3万6150円(-0.19%)前後で推移。寄り付きは3万6470円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万6415円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後には3万6670円まで上げ幅を広げており、週足のボリンジャーバンドの-1σ水準を捉える場面もみられた。その後は利食いの流れから3万6240円まで上げ幅を縮めたが、押し目買い意欲は強く、売り一巡後に再び3万6600円台を回復していた。ただし、前引け間際に「岸田文雄首相は、9月の自民党総裁選に出馬しない意向を固めた」との報道を受けてロング解消の動きが強まり、3万6020円まで売られる場面が見られた。
日経225先物は順調なリバウンドから週足の-1σを捉え、200日移動平均線(3万6790円)が射程に入ってきたなか、岸田首相が総裁選不出馬を表明したことで、ロング解消の動きが強まったようだ。海外勢は政治不安を嫌うため、いったんポジションをニュートラルに近づけた形だろう。ただし、節目の3万6000円接近では底堅さもみられており、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.07倍に低下した。朝方に14.23倍まで上昇し、200日線を上回る場面もみられたが、終盤にかけて一時14.04倍まで下げており、25日、75日線を割り込んできた。ただし、14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移であるため、改めてNTロングに向かわせそうだ。
バタフライ効果とは、蝶が羽ばたくような小さな攪乱でも、遠くの場所では嵐を巻き起こすことがあることをいう。
金融市場では、ある中央銀行のささやかな利上げが、時として、世界の金融市場を揺るがすことが起きてきた。
1.2024年8月5日:令和のブラックマンデー
2024年7月31日の日銀金融政策決定会合では、政策金利(無担保コール翌日物金利)が、これまでの「0-0.1%程度」から、「0.25%程度」に引き上げられた。
そして、植田日銀総裁は記者会見で、「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べた。さらに、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示したことで、年内に1回(+0.25%=0.50%)、来年は1-2回程度で0.75%から1.00%に向けた利上げの可能性が示唆された。
ドル円は、161.95円の高値(7/3)から141.70円(8/5)まで20.25円(▲12.5%)下落した。日経平均株価は、42426.77円の高値(7/11)から31156.12円(8/5)まで11270.65円(▲27%)下落した。
2.1987年10月19日:ブラックマンデー
1987年10月14日、ドイツの中央銀行であったブンデスバンクは、ルーブル合意での金融緩和要請に反して、政策金利を3.0%から3.5%へ引き上げた。
1987年10月19日の月曜日、香港市場を発端にした世界同時株価大暴落の波は、ニューヨーク株式市場を襲い、米国のダウ平均株価(DJIA)は、16日の終値2246.73ドルから19日の終値1738.74ドルまで508ポイント(22.6%)下落した。
22.6%という過去最大の1日の減少率を記録したことで、「ブラックマンデー(Black Monday(暗黒の月曜日))と呼ばれている。
1929年10月24日(木曜日)にウォール街を襲った株価暴落は、「暗黒の木曜日(ブラックサーズデー)」と呼ばれ、下げ幅は▲30.57、下落率は▲11.73%だった。
当時は、1929年9月3日の最高値381.17ドルから、1932年7月8日の安値41.22ドルまで89%下落した。
3. 2008年9月15日:リーマン・ショック
2008年7月3日、欧州中央銀行(ECB)は政策金利を4.00%から4.25%へ引き上げた。
2008年9月15日、米国住宅市場のバブル崩壊を受けたリーマン・ブラザースの破綻し、ドル円は高値109.19円から安値103.50円まで▲5.69円下落し、ダウ平均は、504ドル下落した。
本日の欧州市場では、欧州入り後すぐに発表される英経済指標確認後は、NY入り後に発表される米消費者物価指数(CPI)待ちの展開になるか。
ポンドは対ドル、対ユーロともに昨日の英雇用統計後から強含んだ。米卸売物価指数(PPI)発表前に調整売りが入ったものの、雇用統計前の水準まで押し下げることはできずに上昇した。ILO方式の失業率が改善されたことや、前回分の賞与を除いた週平均賃金が小幅ながら上方修正したことがきっかけとなったようだ。
依然としてポンドの買い基調が強い中で、本日は欧州勢参入後すぐに7月の英CPIや小売物価指数(RPI)が発表される。CPIはそれぞれ前年比でヘッドラインが前回の2.0%から2.3%への上昇、コア指数が3.5%から3.4%の低下とまちまちの予想になっている。昨日のポンド買いトレンドが強かったこともあり、予想より結果が上振れた場合に市場は大きく動意づくリスクが高そうだ。
欧州圏からは4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値や6月ユーロ圏鉱工業生産などが発表されるが、市場が動意づくのは難しそうだ。ユーロドルは昨日の米金利の低下でじり高となっているが、1.1000ドルや1.10ドル前半に複数のオプションが設定され、そのオプションに絡んだユーロ売りが観測されている。また、上述のようにユーロポンドの上値が重いことも抑えになっている。米CPI発表までは1.1000ドル近辺でのもみ合いとなりそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1月2日高値1.1046ドルを上抜ければ昨年12月28日高値1.1139ドルを目指すか。
ポンドドルは7月22日高値1.2942ドル、その上は同月17日に付けた年初来高値1.3044ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・基準線1.0893ドル。
・ポンドドルは昨日の英雇用統計後に割り込んでいない1.2770ドル近辺。
(14日15時時点)
ドル円:1ドル=147.09円(前営業日NY終値比△0.25円)
ユーロ円:1ユーロ=161.65円(△0.23円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0991ドル(▲0.0002ドル)
日経平均株価:36442.43円(前営業日比△209.92円)
東証株価指数(TOPIX):2581.90(△28.35)
債券先物9月物:145.48円(△0.22円)
新発10年物国債利回り:0.810%(▲0.030%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25700%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。日経平均株価の上昇などを手掛かりにした買いが入り、一時147.19円まで値を上げた。その後は日経平均の失速に伴って売りが出たほか、NZドル円などの下落につれて146.08円まで反落。岸田首相が自民党総裁選に不出馬の意向を示したとの報道が伝わり、政局の先行き不透明感が高まったことも相場の重しとなった。ただ、一巡後は日経平均が再びプラス圏に切り返したことなどを材料に147円台を回復した。
・NZドルは軟調。ニュージーランド準備銀行(RBNZ)はこの日、政策金利を従来の5.50%から5.25%へと引き下げることを決定。声明文では「金融政策の引き締めを緩和し始める余地がある」などの見解が示されたほか、オアRBNZ総裁は「金利の正常化を開始できる」「今後の利下げはデータ次第」などと述べた。市場では据え置きを予想する向きが多かったこともあり、公表後はNZドル売りで反応。NZドル米ドルは0.6003米ドル、NZドル円は88.01円まで下押しした。
・ユーロ円は下値が堅い。ドル円と同様の展開となり、11時30分過ぎに160.59円まで下落した後に161円台半ばまで反発した。
・ユーロドルは小動き。1.0990ドルを挟んだレンジ内での方向感を欠いた動きとなった。
・日経平均株価は3日続伸。昨日の米国株式市場でハイテク株が上昇し、この日の東京市場でも半導体関連株などが買われた。指数は450円超高まで上げたが、前日から大きく上昇していた反動で高値圏では利益確定や戻り待ちの売りも観測され、一時は下げに転じる場面もあった。もっとも、後場に入ると再びプラス圏に浮上。岸田首相の自民党総裁選の不出馬報道などもあり、この日の相場は不安定な動きが目立った。
・債券先物相場は続伸。前日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで買い先行で始まったが、その後は5年物国債入札を控えた持ち高調整の売りに押された。5年債入札は「低調だった」と受け止められたが、事前に売りが進んでいたことから入札後は材料出尽くしの買い戻しが入った。
大和証券では、日本株の割安感の修正が当面続くと考えている。2023年以降のS&P500とTOPIXの12カ月先予想P/Eの相関が示唆するTOPIX P/Eは14.7倍とのこと。13日のTOPIX P/Eは13.2倍(前日は12.9倍)に上昇したが、依然として割安感は強いと指摘。日本株の円高に対する脆弱性に対する懸念と米経済ハードランディングの懸念という日本株の低バリュエーションをもたらした2つの懸念が徐々に後退することで、割安感の修正が続くと予想している。
第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト・西?M徹氏
ニュージーランド準備銀が利下げに舵、先行きも継続的な利下げを示唆
当面のNZドル相場はRBNZの継続的な利下げ見通しが重石になる可能性が高まっている
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は14日の定例会合で政策金利を25bp引き下げて5.25%とする決定を行った。RBNZによる利下げはコロナ禍後初であり、利下げ自体も4年ぶりとなる。RBNZは先月の定例会合でタカ派姿勢を後退させる考えをみせ、その後に想定以上のインフレ鈍化が確認されたため、金融市場では早期の利下げ期待が高まっていた。他方、足下の金融市場では米FRBの利下げが意識されて米ドル高の動きが一服しており、利下げ時期が大きく前倒しされたとみられる。今回の決定についてRBNZはインフレ鈍化に加え、実体経済の想定以上の下振れが確認されるなかで短期的な不必要な不安定化を回避するためとの理由を挙げる。また、先行きの政策運営については企業の価格決定行動とインフレ期待が2%に留まることを委員会が確信できることとの考えを示す一方、見通しでは継続的な利下げを示唆する動きをみせている。足下のNZドルの対ドル相場は米FRBの利下げ期待を受けて底打ちしたが、RBNZの継続的な利下げが意識されて当面は上値が抑えられる展開が見込まれる。日本円に対しても米ドル/円相場を反映して大きく調整し、足下では底打ちに転じたが、当面は政策の方向性の違いが意識される展開が続くであろう。
ゴールドマン・サックスでは、日本株は短期間で大幅に調整したが、日本の株式市場の長期的な見通しに対する積極的な見方を維持している。TOPIXは今後12カ月間に2900pに達すると予想。投資家のセンチメントが完全に回復するには時間を要する可能性があるものの、現在、セクターによっては魅力的なエントリーポイントが提示されていると考えている。よりディフェンシブなスタンスを反映して東証17業種の推奨を見直しており、食品を「ニュートラル」から「オーバーウエート」に、運輸・物流を「アンダーウエート」から「ニュートラル」にそれぞれ引き上げている。
大阪9月限
日経225先物 36380 +160 (+0.44%)
TOPIX先物 2580.5 +26.5 (+1.03%)
日経225先物(9月限)は前日比160円高の3万6380円で取引を終了。寄り付きは3万6470円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万6415円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後には3万6670円まで上げ幅を広げ、週足のボリンジャーバンドの-1σ水準を捉える場面もみられた。その後は利食いにより3万6240円まで上げ幅を縮めたが、押し目買い意欲は強く、前場中盤には再び3万6660円まで買われた。
前引け間際に「岸田文雄首相が9月の自民党総裁選に出馬しない意向を固めた」との報道を受け、政治リスクを嫌ったショートやロング解消の動きが強まり、3万6020円まで売られる場面が見られた。11時半からの会見で岸田首相は正式に不出馬を表明したが、ランチタイムでは下へのバイアスは強まらず、後場は3万6100円処での底堅さが意識された。後場中盤から引けにかけてはショートカバーとみられる動きによりプラスに転じており、3万6400円辺りまで買い戻される場面もあった。
日経225先物は順調なリバウンドにより週足の-1σを捉え、200日移動平均線(3万6790円)が射程に入ってきたが、岸田首相が総裁選不出馬を表明したことで、一時はロング解消の動きが強まりをみせた。海外勢は政治不安を嫌うため、ポジションをいったんニュートラルに近づけたほか、短期的なショートも入ったようだ。ただし、節目の3万6000円接近では底堅さもみられ、7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、ショートに傾けることは避けた形であろう。
CPIの結果でハシゴを外される可能性はあるものの、日経225先物は52週線が位置する3万5870円を週末の終値時点でキープしていれば、目先底を確認した形状になりそうだ。また、200日線水準では強弱感が対立しやすいが、これをクリアしてくる局面では、25日線が位置する3万8000円処を射程に入れたリバウンドに向かいやすくなるとみておきたい。
そのため、オプション権利行使価格の3万5875円から3万6875円辺りのレンジを意識しつつ、200日線を明確に上放れてくる局面では、3万6750円から3万8000円での推移を想定する。
NT倍率は先物中心限月で14.09倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が主導するなか、朝方に14.23倍まで上昇し200日線を上回る場面もみられた。ただし、前場終盤にかけて一時14.04倍まで下げており、25日、75日線を割り込んでいる。14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移であり、明確なトレンドが表れるまではスプレッド狙いのトレードは難しいだろう。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万4213枚、ソシエテジェネラル証券が2万1385枚、SBI証券が7069枚、サスケハナ・ホンコンが4520枚、JPモルガン証券が3679枚、バークレイズ証券が2850枚、野村証券が2755枚、モルガンMUFG証券が2015枚、みずほ証券が1150枚、auカブコム証券が1137枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万3337枚、ソシエテジェネラル証券が2万2224枚、バークレイズ証券が5731枚、JPモルガン証券が5706枚、モルガンMUFG証券が4471枚、ゴールドマン証券が3932枚、サスケハナ・ホンコンが2834枚、ビーオブエー証券が2261枚、みずほ証券が2150枚、BNPパリバ証券が1864枚だった。
NYタイムは、最注目の米物価指標の1つ、消費者物価指数(CPI)が発表予定。今回7月分の市場予想はヘッドラインの数値が前月比+0.2%(前回6月 -0.1%)、前年同月比+3.0%(同 +3.0%)。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の判断基準として重視するコア指数が前月比+0.2%(同 +0.1%)、前年比+3.2%(同 +3.3%)と、伸び鈍化の流れに一部揺り戻しが入るとの見方だ。
ただ、ここ数カ月の伸び鈍化に対する軽い反動が入る範囲との考え方もできる。米金利やドル相場の一次的な反応は、予想比での強弱に呼応した上下になるとみる。
一方でドル円の動向は米金利の上下に連動したドル相場の振れだけでなく、その後に動き出す米株現物市場が金利低下をにらんで底堅く推移したり、金利が反発を強めた場合に株安となったりした際のリスクセンチメントにも左右されるだろう。昨日は米卸売物価指数(PPI)の鈍化で米株が買われるなか、ドル円は米金利の低下ペースと比較すれば下落が緩慢だった感もある。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、13日高値147.95円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、5-12日上昇幅の38.2%押し145.73円。
今晩は米7月消費者物価指数(CPI)に注目。昨日は米7月生産者物価指数(PPI)の鈍化を受けて利下げ見通しが一段と強まり、主要3指数がそろって大幅に上昇した。ダウ平均は408.63ドル高(+1.04%)と反発し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ1.68%高、2.43%高と、ともに4営業日続伸した。米国株は8月2日発表の米7月雇用統計が弱い結果となり景気減速懸念が強まったことや、円キャリートレードの巻き戻しにより先週月曜日に急落したが、13日の終値は主要3指数ともに急落前日の8月2日終値を上回った。
今晩は引き続き物価指標に注目する展開か。昨日の7月PPIが鈍化したことで市場では9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での通常の2回分に相当する0.50%の利下げや、年内4回の利下げ見通しが一段と高まったが、今晩の米7月消費者物価指数(CPI)でもインフレ鈍化を示す結果となれば、利下げ期待が引き続き株式相場の支援となりそうだ。ただ、足もとでは景気減速懸念も強まっており、CPIが予想以上の大幅鈍化となれば、景気後退懸念が相場の重しとなることも警戒される。
今晩の米経済指標・イベントは7月CPIのほか、MBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫など。企業決算は寄り前にカーディナルヘルス、引け後にシスコ・システムズが発表予定。
日経平均株価は続伸。4月安値(36733円)や一目均衡表の基準線(36791円 8/14)付近を上値で意識して伸び悩んだ。一方、下値も限定的となり陰線で終えたものの10日移動平均線(35689円 同)上を保って終えた。
RSI(9日)は前日の41.5%→39.8%(8/14)に低下。あすから3日間は上昇しやすいタイミングに入ることで、50%超えにつながるかが焦点である。10日移動平均線が下落基調にあることから目先は下に押し戻される動きも想定されるが、200日移動平均線(36957円 同)上に浮上し、8/2の下落で開けたマド埋め(37737円)や25日移動平均線(38286円 同)に到達できるかが注目される。
週足では52週移動平均線(36096円 同)上から、週足の基準線と転換線が重複する水準(36791円 同)に迫った。基準線と転換線が重複する水準は4月安値(36733円)と重なる節目でもあり、超えると一時的に38000円処まで伸びる可能性が高まる。
日足ベースの上値メドは、200日移動平均線、8/1安値(37737円)~心理的節目の38000円、25日移動平均線、75日移動平均線(38678円 同)、4万円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の35500円や35000円、8/7安値(33739円)、心理的節目の33000円、8/5安値(31156円)、2023年10/4安値(30487円)などがある。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.21円(14日15時時点比△0.12円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.13円(△0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1014ドル(△0.0023ドル)
FTSE100種総合株価指数:8281.05(前営業日比△45.82)
ドイツ株式指数(DAX):17885.60(△73.55)
10年物英国債利回り:3.825%(▲0.063%)
10年物独国債利回り:2.180%(▲0.006%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) ▲0.2% 0.1%
(前年比) 2.2% 2.0%
CPIコア指数
(前年比) 3.3% 3.5%
7月英小売物価指数(RPI)
(前月比) 0.1% 0.2%
(前年比) 3.6% 2.9%
7月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.2% 0.1%
(前年同月比) 2.3% 2.3%
4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.3% 0.3%
(前年同期比) 0.6% 0.6%
6月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) ▲0.1% ▲0.9%・改
(前年比) ▲3.9% ▲3.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ユーロドルは欧州株相場の上昇などを背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが先行。NY市場に入り、米労働省が発表した7月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.2%/前年比2.9%、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.2%/前年比3.2%とほぼ予想に沿った内容だったことが分かると売買が交錯した。
米CPI発表直後に一時1.1004ドル付近まで売られたあとはすぐに買い戻しが優勢となり、23時30分過ぎに1.1047ドルと年初来高値を更新した。市場では「食品とエネルギーを除いたコア指数の前年同月比の伸びが4カ月連続で鈍化し、米連邦準備理事会(FRB)による9月利下げの論拠を支える結果となった」との声が聞かれた。
ただ、買い一巡後は再び伸び悩む展開に。米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りが上昇したことなどが相場の重しとなり、1.1012ドル付近まで押し戻された。
・ドル円は一進一退。日本時間夕刻に一時147.50円まで値を上げたものの、前日の高値147.95円が目先レジスタンスとして働くと失速。米インフレ指標発表直後は売買が交錯し、一時146.58円まで値を下げたものの、すぐに買い戻しが優勢となり147.58円と日通し高値を更新した。そのあとも146.58円付近まで売られたが、3時前には147.26円付近まで買い戻されるなど、一進一退の動きとなった。
市場では「前日発表の7月米卸売物価指数(PPI)に続き、インフレの鈍化傾向が示された。FRBによる9月の利下げ観測が改めて意識されたものの、大きなサプライズはなく、おおむね落ち着いた値動きとなっている」との声が聞かれた。
・ポンドドルは結局下げた。英国立統計局(ONS)が発表した7月英CPIが予想を下回ると、英中銀(BOE)による利下げ観測が高まりポンド売りが先行し、一時1.2820ドルと日通し安値を更新した。23時30分過ぎには1.2864ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、3時過ぎには1.2821ドル付近まで押し戻された。
・ユーロ円は買い先行後、もみ合い。欧州株相場の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが先行。22時過ぎに一時162.59円と1日以来の高値を付けた。ただ、そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は4日続伸。7月英CPIが予想を下回ると、英利下げ観測が高まり買いが先行した。前日の米株式相場や本日のアジア各国の主要株価指数が総じて堅調に推移したことも投資家心理の支えとなった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、コンパス・グループなど一般消費財サービスが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は7日続伸。前日の米国株や本日の日本株相場が底堅く推移すると投資家心理が改善し買いが広がった。個別ではハノーバー再保険(2.29%高)やラインメタル(1.90%高)、アディダス(1.83%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.33円(前営業日比△0.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.25円(△0.83円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1012ドル(△0.0019ドル)
ダウ工業株30種平均:40008.39ドル(△242.75ドル)
ナスダック総合株価指数:17192.60(△4.99)
10年物米国債利回り:3.83%(▲0.01%)
WTI原油先物9月限:1バレル=76.98ドル(▲1.37ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2479.7ドル(▲28.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 16.8% 6.9%
7月米消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.2% ▲0.1%
(前年同月比) 2.9% 3.0%
7月米CPIエネルギーと食品を除くコア指数
(前月比) 0.2% 0.1%
(前年同月比) 3.2% 3.3%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
・ユーロドルは3日続伸。米労働省が発表した7月米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%/前年比2.9%、エネルギーと食品を除くコア指数は前月比0.2%/前年比3.2%となり、ほぼ市場予想に沿った内容となった。指標発表直後は一時1.1004ドル付近まで売られたものの、そのあとは買い戻しが優勢となり、23時30分過ぎに1.1047ドルと年初来高値を更新した。市場では「コア指数の前年同月比の伸びが4カ月連続で鈍化し、米連邦準備理事会(FRB)による9月利下げの論拠を支える結果となった」との声が聞かれた。
ただ、買い一巡後は伸び悩んだ。米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りが上昇したことなどが相場の重しとなり、1.1011ドル付近まで押し戻された。
・ドル円は反発。米CPI発表直後は売買が交錯。146.58円まで売られたものの、すぐに147.58円の本日高値を付けた。そのあとは再び146.58円付近まで値を下げたが、5時30分前には147.44円付近まで値を戻すなど、一進一退の動きが続いた。
市場では「前日発表の7月米卸売物価指数(PPI)に続き、インフレの鈍化傾向が示された。FRBによる9月の利下げ観測が改めて意識されたものの、大きなサプライズはなく、おおむね落ち着いた値動きとなっている」との声が聞かれた。
・ユーロ円は3日続伸。22時過ぎに一時162.59円と1日以来の高値を付けたものの、そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・NZドルは軟調だった。NZドル米ドルは一時0.5995米ドルまで値を下げたほか、ユーロNZドルは1.8371NZドルまで値を上げた。ニュージーランド準備銀行(RBNZ)はこの日、政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明では「金融政策の引き締めを緩和し始める余地がある」と指摘した。市場では金利据え置きを予想する向きが多かっただけに、公表後はNZドル売りで反応。NY市場に入ってもNZドル売りの流れが続いた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。前日の7月米PPIに続き、本日の7月米CPIがインフレの鈍化傾向を示すと、米利下げ観測が高まり株買いが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら5日続伸。「米司法省はグーグルに事業分割を命じることを検討」との報道を受けて、アルファベットが下落。テスラの下げも相場の重しとなり、指数は下げに転じる場面があった。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続伸。7月米CPIはインフレの鈍化傾向を示唆する内容だったが、おおむね予想通りの結果となったことから、落ち着いた値動きとなった。
・原油先物相場は続落。この日発表された週間在庫統計で原油在庫が増加したことが明らかとなり、需給の緩みが懸念されて売りが優勢となった。
・金先物相場は6日ぶりに反落。7月米CPIを受け、9月FOMCでの利下げ幅が0.25%に留まるとの見方が浮上してドルを買い戻す動きが優勢となった事が重しとなった。前日まで買いが続いた後で利益確定売りが出やすかった面もあるようだ。
14日11:02 ニュージーランド準備銀行(RBNZ)声明
「2024年末時点の政策金利見通しは4.92%(前回は5.65%)」
「2025年末時点の政策金利見通しは3.85%(前回は5.14%)」
「国内経済活動の弱さがより顕著になっており、インフレ率も低下」
「労働市場では雇用成長が鈍化し、民間部門の雇用や労働時間、賃金成長も低調」
「金融政策の引き締めを緩和し始める余地がある」
「金融政策は当面引き締め的な状態を維持する必要」
「今後の金融緩和のペースは、価格設定行動の適応とインフレ期待の安定具合に依存」
14日12:12 オアNZ準備銀行(中央銀行、RBNZ)総裁
「インフレが目標範囲内に戻ると確信」
「金利の正常化を開始できる」
「我々はさまざまな動きを検討し、コンセンサスは25ベーシスポイント(bps)だった」
「今後の利下げはデータ次第」
「冷静に行動できる強い立場にある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.5%/前期比年率2.1%)
○13:30 ◇ 6月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 6月設備稼働率
<海外>
○10:30 ◎ 7月豪雇用統計(予想:失業率4.1%/新規雇用者数2.00万人)
○11:00 ◎ 7月中国鉱工業生産(予想:前年比5.2%)
○11:00 ◎ 7月中国小売売上高(予想:前年比2.6%)
○15:00 ☆ 6月英国内総生産(GDP、予想:前月比横ばい)
○15:00 ☆ 4-6月期英GDP速報値(予想:前期比0.6%/前年比0.9%)
○15:00 ◎ 6月英鉱工業生産(予想:前月比0.1%/前年比▲2.1%)
○15:00 ◎ 6月英製造業生産高(予想:前月比0.1%)
○15:00 ◇ 6月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:160.00億ポンドの赤字/35.00億ポンドの赤字)
○15:30 ◇ 7月スイス生産者輸入価格
○17:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○21:30 ◇ 6月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.6%)
○21:30 ☆ 7月米小売売上高(予想:前月比0.3%/自動車を除く前月比0.1%)
○21:30 ◎ 8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲6.0)
○21:30 ◎ 8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:6.0)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.5万件/187.5万人)
○21:30 ◇ 7月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.1%)
○22:10 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○22:15 ◎ 7月米鉱工業生産(予想:前月比▲0.3%)
◇ 設備稼働率(予想:78.5%)
○23:00 ◎ 8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:43)
○23:00 ◇ 6月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○16日02:10 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○16日05:00 ◎ 6月対米証券投資動向
○韓国(解放記念日)、インド(独立記念日)、ポーランド(聖母被昇天祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でのドル円は、米CPI発表直後は売買が交錯。146.58円まで売られたものの、すぐに147.58円の本日高値を付けた。そのあとは再び146.58円付近まで値を下げたが、147.44円付近まで値を戻すなど、一進一退の動きが続いた。ユーロドルは一時1.1047ドルと年初来高値を更新したが、米2年債利回りが上昇したことなどが相場の重しとなり、1.1011ドル付近まで押し戻された。
本日のドル円は方向感のない動きとなりそうだ。7月末の日銀政策決定会合後の植田日銀総裁の会見から市場流動性が崩れ、更に内田日銀副総裁の発言で悪化したドル円相場だが、この連日の動きを見ていても流動性が戻る兆しがない。本日も僅かなフローで146-147円台を中心に方向感のない動きとなりそうだ。もっとも、更にレンジを大きく広げるには材料不足なこともあり、神経質ながらも実需勢を中心に上がったら売り・下がったら買いの意欲が継続されるか。
昨日発表された米国の7月消費者物価指数(CPI)は前年比で2.9%上昇と予想の3.0%をわずかに下回ったものの、概ね市場予想に沿ったことで値動きが限定されている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、50ベーシスポイント(bp)の利下げ予想が小幅に減り37.5%、25bpの利下げ予想が62.5%に上昇している。一時は米連邦準備理事会(FRB)による緊急利下げの噂もあったが、過熱気味だった市場の動きが落ち着いてきていることは、ドルの支えになりそうだ。
一方で、昨日はニュージーランド準備銀行(RBNZ)が約4年ぶりの利下げを行い、英国のCPIが予想を下回るなど、多くの国でインフレ鈍化による利下げ圧力がある。その中で、日銀はインフレ警戒感を示していることで、中銀間の方向性の違いがあることはドル円の重しとなるだろう。また、昨日のドル円は反発したものの、他のアジア通貨は依然としてドル売り・アジア通貨買いが目立っていることも警戒したい。さらに、ウクライナを巡る戦争や中東情勢が依然として混迷していることで、リスク回避的な動きに傾きやすいことも円買い要因として残っている。
本日は日本時間8時50分に本邦からは4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値が発表される。通常は市場も反応する指標だが、今回は大きな動きは期待できないか。反応が限られる要因は1-3月期GDP速報値は前年比で-2.0%と発表されたが、6月の日銀政策決定会合前に発表された改定値は-1.8%に上方修正された。しかし、日銀がタカ派スタンスに動いた後に発表された確報値は-2.9%まで大幅に下方修正されるなど、目を疑うようなものだった。大幅な修正要因は建設統計のミスとの理由だったが、内閣府のデータの信頼性が失っていることで、市場も速報値の結果では反応するのは難しいかもしれない。なお、日本時間午後には6月の鉱工業生産・確報値や設備稼働率も発表される。
円以外の通貨では引き続きオセアニア通貨の動向に注目。本日は豪州の7月雇用統計が発表されるが、豪準備銀行(RBA)は日銀とともにいまだに数少ないインフレを警戒している状況だ。5-6日に行われた豪準備銀行(RBA)理事会では、失業率に関しては上昇を予想しているが、労働市場は依然としてひっ迫しているとの見解を示した。雇用情勢が予想よりも強い結果となった場合は9月の理事会に向けて利上げ期待が高まる可能性もあり、前日利下げしたRBNZとの方向性の違いが顕著になることで豪ドル/NZドルが大きく動意づくか。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36290 -90 (-0.24%)
TOPIX先物 2583.5 +3.0 (+0.11%)
シカゴ日経平均先物 36275 -105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。7月の米消費者物価指数(CPI)は総合CPIが前年同月比で2.9%上昇と、市場予想(3.0%上昇程度)を下回った。食品とエネルギーを除いたコアCPIは同3.2%上昇で予想と一致した。前日発表の7月の米卸売物価指数(PPI)も市場予想を下回っており、9月利下げの確率が高まったと受け止められた。
CPIの結果を受け、アメックス<AXP>やホームデポ<HD>、トラベラーズ<TRV>といった消費関連など景気敏感株が買われ、NYダウは8月1日以来となる4万ドルを回復した。ハイテクではエヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>、ブロードコム<AVGO>などが買われ、ナスダック指数は5日続伸。ただし、アルファベット<GOOG>やテスラ<TSLA>の下げが重荷となり、小幅な上昇にとどまった。S&P500業種別指数は保険、各種金融、銀行が上昇した一方で、自動車・同部品、メディア、耐久消費財・アパレルが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比105円安の3万6275円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比10円安の3万6370円で始まり、直後に付けた3万6410円を高値にショート優勢となり3万6130円まで売られた。米CPIの結果を受けて3万6400円とプラスに転じる場面もあったが、米国市場の取引開始後は弱含み、一時3万5830円まで下げた。売り一巡後は終盤にかけてショートカバーが入って下落幅を縮め、3万6290円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り優勢で始まりそうだ。ナスダック指数は5日続伸ながら小幅な上げにとどまっており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株へのインパクトは限られそうだ。米国市場では景気敏感株などが買われており、東京市場でもややTOPIX型優位の展開が見込まれる。
日経225先物はナイトセッションで3万5830円まで下げる場面もみられたが、52週移動平均線(3万5870円)水準が支持線として意識されやすく、同水準に接近する局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。一方、上値は週足のボリンジャーバンドの-1σ(3万6680円)、200日線(3万6800円)接近にする局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすいとみられる。5日の急落前の水準を回復したことで、自律反発としては達成感も意識される水準であり、目先は3万6000円処での底固めになりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万5875円から3万6875円のレンジを想定する。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.09倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株主導となるなか、朝方に14.23倍まで上昇し200日線を上回る場面もみられた。ただし、その後は14.04倍まで下げており、25日、75日線を割り込んでいる。本日はややNTショートに振れやすいと考えられるが、14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内の推移を継続するなか、スプレッド狙いのトレードは難しいだろう。
なお、VIX指数は16.19(前日は18.12)に低下した。7月31日以来の水準まで低下しており、世界株安による混乱前の水準まで下げてきたことから、リスク選好に傾きやすい。
日経225先物は11時30分時点、前日比400円高の3万6780円(+1.09%)前後で推移。寄り付きは3万6330円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万6275円)にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まった。直後に付けた3万6230円を安値にロング優勢の動きが強まり、現物の寄り付き直後に3万6500円を回復すると、中盤にかけて3万6790円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は一気に3万6470円まで軟化する場面もみられたが、終盤にかけて再びロング優勢となり、一時3万6800円まで買われた。
日経225先物は小安く始まったが、その後はリバウンド基調を強めており、週足のボリンジャーバンドの-1σ(3万6760円)、200日移動平均線(3万6820円)水準を捉えてきた。小安く始まった東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が上昇に転じるなど、ハイテク株の一角が日経平均型を牽引する形となった。日経225先物は、目先的な抵抗線水準まで回復してきたことから、達成感が意識されやすい。ただし、3万6800円水準を明確に上放れてくるようだと、ショートカバーを強めてくる可能性があるため、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.07倍に低下した。14.10倍辺りで推移している75日線を下回って始まり、一時14.03倍まで下げる場面もみられた。ただし、その後は14.08倍まで下げ幅を縮めていた。引き続き、14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移であるため、スプレッド狙いのトレードは難しい。
昨日の海外市場では、7月米CPIがヘッドライン的には、ほぼほぼ予想通りの結果だったわけで、公表直後は米金利低下を受けてドル円は一時146.58円まで下落。ただ、数字発表直前には146.83円まで下押していたことを考えれば、「ちょっとした下落」にとどまると、直後から米10年債利回りが一転して3.8674%まで上昇に転じたことから147.58円までちょうと1円の急上昇という動きとなりました。
市場では「スーパーコアが先月まで2カ月連続でマイナスの数字が続いただけに、7月の前月比が一転して0.205%の上昇となったことを囃した買戻し」となりました。その後は再び米金利が低下に転じると146.58円のNY時間安値に面合わせしたものの、ダブルボトムを確認した市場は引けにかけては147.44円まで買戻されてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、ゴトー日ではありましたが、お盆休み中とあって目立った実需の買いが観測されないなか、豪ドル円の買いなどにつれて次第に下値を切り上げる展開に。日経平均の堅調な動きも買いを後押しすると昨日高値の147.58円を上抜けて一時147.61円まで値を上げているといったところです。
いずれにしても、ドル円は、日本当局の自作自演となった喜劇「史上最大の下げと上げ」、そして、そのスピンオフとなる「3者会合の成れの果て」の大作2作品の主役を演じきったあと、通常のファンダメンタルズに沿った、需給関係を重視した円キャリーの再開へと、何事もなかったかのようにトレンドを作り始めているところ。
今週に入って、特段の大きな理由もないなかで、週初からドル円や日経平均がかなり底堅い動きとなっていることをみてもわかるように、米系マクロ勢を中心としたグッドネームの動きに迷いはなさそうです。
「中央銀行の刺激策で上昇したものは、インフレや弱気相場にかかわらず、必ず下落する。それは時間の問題であり、どれだけ下落が深刻なのかという問題である」
(ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス)
1.円・キャリートレード(Yen carry trade=円借り取引)
「円・キャリートレード」とは、日本銀行のデフレ脱却を旗印にした低金利政策による相対的に低い金利の円を借りて、米ドルなどの相対的に高い金利で運用する投資手法である。市場の話題に登場したのは、おそらく1998年夏のロシア金融危機とロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の破綻の時だと思われる。
「円・キャリートレード」は、市場の環境が平穏な時、すなわち予想変動率(ボラティリティー)が低迷している時に活況を呈し、金融危機が勃発してボラティリティーが上昇する局面で手仕舞いを余儀なくされる。
外国人投資家・投機筋が、円で調達した資金を高金利通貨で運用する場合、通貨先物取引における円のショートポジションの積み上がりや主要国銀行の円建て債権の増加に反映される。また、日本の機関投資家が、円建て借入資金を元にして金利差収益を求めて外国債券等にヘッジ無しで投資する場合、個人投資家による外貨建て投信・金融商品の購入も円売り圧力となる。
1998年には、ドル円は147.64円まで上昇していたが、ロシア金融危機により、101.25円まで下落した。
2007年には、ドル円は124.14円まで上昇していたが、サブプライム・ローン危機により、75.32円まで下落した。日本銀行が公表している外国銀行在日支店の本支店勘定・資産は、円・キャリートレードの規模を示していると考えられているが、当時は23兆円まで膨らんでいた。
2024年には、ドル円は161.95円まで上昇していたが、日米金融当局の金融政策により、141円台まで下落している。外国銀行在日支店の本支店勘定・資産は、6月時点で11兆円規模だった。
投機筋は、これまでほぼゼロ金利で円を借り入れてきたが、7月31日に日銀金融政策決定会合で政策金利が0.25%に引き上げられ、植田日銀総裁が「金利の壁」と見なされてきた0.50%から中立金利水準である1.00%に向けた追加利上げを示唆したことで、円・キャリートレードの手仕舞いを余儀なくされた。
ある市場筋の推定では、円・キャリートレードは今年のピーク時に5000億ドルまで膨れ上がっており、8月5日の世界的な株安で、半分程度が手仕舞われ、約6.4兆ドルが消失したとのことである。
別の市場筋の推定では、2022年末以降の外国勢の日本での借り入れが全てキャリートレードのファイナンスに使われ、国内投資家が外国資産購入にレバレッジを活用したとの想定に基づくと、約1.1兆ドルが投じられていたらしい。
賢明な投資家・投機家は、世界で最も低金利の円を借りて、利回り10%超のメキシコ債券や高騰するエヌビディア株、暗号資産ビットコインに資金を投入していたらしい。
2.世界最大の円・キャリートレード=本邦通貨当局
本邦通貨当局は、日本の貿易黒字を背景に1ドル=100円を下回るドル安・円高が進んでいた頃、ドル買い・円売り介入を行ってきた。
外国為替資金証券を発行して、低金利の円を借り入れ、外国為替市場で、円を売って米ドルを買い、米ドルは高金利の米国債などに投資してきたが、ドル円の平均購入価格は100円程度とのことである。
2024年7月末の外貨準備高は1兆2190億ドル(@150円=約183兆円)だったが、50円の為替益があるため、いわゆる埋蔵金は60兆円規模となっている。
本日の欧州タイムでは英4-6月期GDP速報値や英6月鉱工業生産などの結果を受けたポンドの動きに注目。連日、英国内では注目の経済指標の発表が相次いでおり、指標結果に睨みながらイングランド銀行(英中銀、BOE)の追加利下げを見極める展開となる。
13日に発表された4-6月の英賃金上昇率(除賞与)は予想通りの+5.4%と3-5月から伸びが鈍化したが、4-6月英失業率(ILO方式)は4.2%と予想外に低下し、労働市場の底堅さが示され、追加利下げへの慎重な見方を強める結果となった。一方、昨日に発表された7月英消費者物価指数(CPI)は前年比+2.2%と上昇率は今年初めて加速したが予想を下回り、同コアも予想比下振れの+3.3%となり、BOEが物価圧力の手がかりとして注目するサービス価格の上昇率は5.2%と前月の5.7%から鈍化し、BOEの利下げを正当化する結果となった。次回9月会合での追加利下げと据え置きの思惑が交錯しており、英中銀メンバーらは9月会合ぎりぎりまで決断を迫れる可能性がある。
ユーロは英経済指標の結果を受けて対ポンドの動きを主導に動意づく可能性はあるが、独自の手がかりが乏しく、ユーロドルは今晩の7月米小売売上高や新規失業保険申請件数などの結果を受けたドルの動きに左右されるか。昨日に1.1047ドルまで年初来高値を更新したユーロドルは1.10ドル大台に定着できるかどうかが注目される。米利下げ観測の高まりを背景としたドルの重い動きが支えとなっているが、ユーロの買い材料も乏しく、積極的に上値を追う展開にもなりにくい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:昨日につけた年初来高値1.1047ドルが上値めど。上抜けると昨年12月28日高値1.1139ドルが視野に入るか。
・ポンドドル:7月22日高値1.2942ドル、その上は同月17日に付けた年初来高値1.3044ドルが上値めど。
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0965ドルや、同基準線1.0913ドルが下値めど。
・ポンドドル:日足一目均衡表・転換線1.2769ドルや、日足一目均衡表・雲の下限1.2698ドル近辺が下値めど。
(15日15時時点)
ドル円:1ドル=147.13円(前営業日NY終値比▲0.20円)
ユーロ円:1ユーロ=161.98円(▲0.27円)
ユーロドル:1ユーロ=は1.1010ドル(▲0.0002ドル)
日経平均株価:36726.64円(前営業日比△284.21円)
東証株価指数(TOPIX):2600.75(△18.85)
債券先物9月物:145.23円(▲0.25円)
新発10年物国債利回り:0.830%(△0.025%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25800%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値
前期比年率 3.1% ▲1.8%
前期比 0.8% ▲0.5%
6月鉱工業生産・確報値
前月比 ▲4.2% ▲3.6%
前年同月比 ▲7.9% ▲7.3%
6月設備稼働率
前月比 ▲3.1% 4.1%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。小幅安で始まった日経平均株価が買い戻されるとドル円にも買いが観測され、昨日高値の147.58円を上抜けて147.61円まで値を上げた。ただ、買いも続かず、上値が重いと見た向きが反対売買に動くと失速。一時147.06円まで下押ししている。
・豪ドルは底堅い。7月豪雇用統計を前に持ち高調整の動きから指標前には対ドルでは0.6571米ドル、対円では96.83円まで値を下げていたが、新規雇用者数が+5.82万人と予想の+2.00万人を上回ったことが伝わると反発。それぞれ0.6627米ドル、97.68円まで買い戻された。
・ユーロ円は頭が重い。日本株高や豪ドル円の買い戻しを支えに一時162.46円まで上げたが、一巡後は161.95円まで値を下げるなど、総じてドル円と同様の展開となった。
・ユーロドルは小動き。東京市場では目立ったフローは見当たらず、早々と欧州勢の本格参入を待つムードに。1.09ドル台前半での狭いレンジトレードとなった。
・日経平均株価は4日続伸。小安くスタートしたものの、昨日上昇した米国株を好感して一巡後は買いが優勢に。海外勢からの株価指数先物への断続的な買いも見られ、指数は一時400円超上昇した。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。持ち高調整の売りが先行するなど序盤から上値が重かった。日銀の国債買い入れオペの結果が売り意欲を示す内容だったことが伝わると145.21円まで下げ足を速めた。
大阪9月限
日経225先物 36650 +270 (+0.74%)
TOPIX先物 2599.5 +19.0 (+0.73%)
日経225先物(9月限)は前日比270円高の3万6650円で取引を終了。寄り付きは3万6330円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万6275円)にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まった。直後に付けた3万6230円を安値にロングが強まり上昇に転じると、前場中盤にかけて3万6790円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は一気に3万6470円まで軟化する場面もみられたが、前場終盤に再びロング優勢となり、ランチタイムで3万6800円台を回復すると、後場の取引開始直後には3万6880円まで上げ幅を広げた。
週足のボリンジャーバンドの-1σ(3万6760円)、200日移動平均線(3万6820円)水準を挟んだ攻防が続くなか、後場中盤辺りからは同水準を下回っての推移が目立った。引けにかけては3万6600円辺りで推移し、200日線をキープすることはできなかった。
朝方は4~6月期の実質国内総生産(GDP)が2四半期ぶりにプラス成長だったことを評価した動きもあったとみられるが、米国では7月の小売売上高のほか、8月のニューヨーク連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数の発表が予定されており、引けにかけて持ち高調整に伴うロング解消となったようだ。
また、アプライド・マテリアルズ<AMAT>、ウォルマート<WMT>の決算発表も予定されている。小売売上高やウォルマートが弱い内容になるようだと、米国景気の減速懸念が再燃する可能性もあり、ロングには傾けにくい状況だったとみられる。そのため、景気を左右する個人消費の底堅さが確認できれば、景気減速懸念はいったん沈静化すると考えられ、日経225先物は再度200日線突破を狙った動きに向かう可能性があろう。
オプション権利行使価格の3万6800円を中心に、3万5875円から3万7875円のレンジを想定する。広めのレンジだが、200日線が抵抗になるようだと3万5875円~3万6800円、支持線に変わる局面では3万6800円~3万7875円となる。
NT倍率は先物中心限月で14.09倍と横ばいだった。14.10倍辺りで推移している75日線を下回って始まり、一時14.01倍まで下げる場面もみられた。ただし、14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移であり、終盤にリバランスの動きで75日線水準まで戻す動きだった。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8205枚、ソシエテジェネラル証券が1万2667枚、サスケハナ・ホンコンが4414枚、モルガンMUFG証券が2029枚、バークレイズ証券が1954枚、SBI証券が1748枚、JPモルガン証券が1670枚、ゴールドマン証券が1314枚、野村証券が1189枚、auカブコム証券が1072枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1830枚、ソシエテジェネラル証券が1万6414枚、バークレイズ証券が4854枚、モルガンMUFG証券が4071枚、JPモルガン証券が3401枚、サスケハナ・ホンコンが3352枚、ビーオブエー証券が2743枚、ゴールドマン証券が2345枚、シティグループ証券が1562枚、みずほ証券が870枚だった。
モルガン・スタンレーMUFG証券では、岸田文雄首相が自民党総裁選への不出馬を表明したことについてまとめたリポートの中で、次の総選挙が「一票の格差」の是正に向けた新しい選挙区で実行されることに注目している。自民党は2025年10月31日までに行われる総選挙を見据えて、次の総裁を選択することになると思われる。新しい選挙区では、過小代表(=選出される衆議院議員の割合から人口の割合を引いたパーセントがゼロ以下)となっている都市部の都府県は、過小度合いが今国会の6.4%から2.7%に縮小するとのこと。この変化は、自民党が都市部で人気が高いと思われる総裁を選ぶ傾向が働く可能性を示唆すると、MSMUFGではコメントしている。
大和総研では、近年、日本の実質輸出や輸出数量指数の為替感応度がゼロ近傍まで低下したと指摘。円安が進行しても輸出量が増えにくくなり、非輸出企業への経済波及効果は2000年代までに比べて大幅に低下したとみている。企業経営の安定性を示す「損益分岐点比率」が為替変動でどのように変化するかを試算したところ、企業収益と就業者の双方に配慮した試算方法では1ドル130円台が最適となったとのこと。これは、幅広い企業が許容しやすい「適温」ともいうべき穏当な為替水準と考えられると大和総研ではコメントしている。
中国の国家統計局が15日発表した2024年7月の住宅価格統計によると、主要70都市のうち、新築分譲住宅価格(保障性住宅を除く)が前月比で下落したのは66都市となり、前月から2都市増えた。上昇は2都市で2都市減少。横ばいは2都市だった(前月も2都市)。前年同月比では、下落は68都市で前月と変わらず。上昇は2都市で前月と変わらず。横ばいの都市はなかった(前月もなし)。
中国国家統計局の統計に基づいてリフィニティブが算出した主要70都市の新築住宅価格指数は、前年同月比5.0%下落した。下げ幅は前月比0.5ポイント拡大し、15年5月(5.7%)以来の大きさだった。
規模別では、「一線都市」(北京、上海、広州、深セン)の新築分譲住宅価格は前月比0.5%下落した(前月も0.5%下落)。これに次ぐ規模の「二線都市」(31都市)は前月比0.6%下落(前月は0.7%下落)。「三線都市」(35都市)は0.7%下落した(前月は0.6%下落)。前年同月比では、一線都市が4.2%下落(前月は3.7%下落)。二線都市は4.8%下落(前月は4.5%下落)、三線都市は5.8%下落(前月は5.4%下落)となった。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、金価格についてリポートしている。金のニューヨーク市場先物価格は8月13日に、米PPIが弱い内容となったことなどを受けて、終値ベースで史上最高値となる2507.8ドルで取引を終えた。米国の利下げ開始の可能性が高まる中、投資需要拡大を背景に金価格は年内2600ドルを目指す展開になると東海東京では予想している。ただし、金価格高騰により世界の宝飾品用の金需要が低下したことには留意すべきとコメント。今後の金相場は引き続き堅調に推移すると予想するものの、上昇ペースは鈍化する可能性があると考えている。
SMBC日興証券では、本日発表された2024年4-6月期のGDP統計では実質GDP成長率が前期比+0.8%、年率+3.1%となり、4四半期ぶりに明確なプラス成長を確保したが、1-3月期を下押しした自動車認証不正問題の緩和によるところが大きく、日本経済が復調したとみなすことまではできないと考えている。7-9月以降に関する想定も現時点で大きく修正する必要は見当たらないとしており、10-12月期以降が回復継続の正念場になるとみている。SMBC日興では、
(1)名目賃金上昇とインフレ緩和に支えられた実質雇用者報酬の増加、
(2)人手不足を克服するための設備投資拡大、
(3)インバウンド消費の増加継続―などが日本経済の持ち直しをサポートすると考えており、想定通りであれば、日銀は政策金利を2025年1月に0.50%へ引き上げると予想している。
中国の国家統計局が15日発表した統計によると、2024年1-7月の商品不動産(不動産デベロッパーが市場で販売する物件)の販売額は前年同期比24.3%減の5兆3300億元だった。下落率は1-6月の25.0%から縮小した。うち住宅販売額は4兆6800億元と25.9%減った。販売面積は全体で18.6%減の5億4100万平方メートル、うち住宅は21.1%減の4億5400万平方メートルだった。
1-7月の不動産開発投資額は6兆900億元と前年同期比10.2%減った(1-6月は10.1%減)。うち、住宅投資は10.6%減の4兆6200億元。不動産開発企業が新規に着工した物件の面積は23.2%減の4億3700万平方メートルで、うち住宅は23.7%減の3億1700万平方メートルだった。
不動産市場の景気動向を示す不動産開発景気指数は7月に92.22となった。6月から0.12ポイント上昇した。不動産開発景気指数は、2012年を基準(=100)に、95-105なら「適正な水準」、95以下なら「低い水準」、105以上なら「高い水準」を示す。
NYタイムは序盤21時30分に米小売売上高が発表される。景況の強弱を示す消費関連の指標であり、インフレ動向とともに米金融政策の行方を占う上で重要だ。今回7月の米小売売上高は市場予想が前月比+0.3%(前回6月 ±0.0%)、自動車を除くベースは前月比+0.1%(同 +0.4%)と、強弱まちまちの結果が見込まれている。
同時に、注目指標の米供給管理協会(ISM)と相関があるとされるニューヨーク連銀製造業景気指数ほか、フィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表予定。また、やはり注目度が高い労働関連指標の1つ米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数も発表される。多くの指標がいっぺんに出るため強弱も分かれやすく、指標結果に対応した方向性を探るのは難しいかもしれない。
そのあと22時15分には景況の先行指標とされる鉱工業生産などの結果が明らかになり、その後に寄り付く米現物株市場の動向を見据えて方向性を定めていくことになるか。
小売売上など注目指標の結果を受けた米連邦準備理事会(FRB)高官の発言も注目。ただし、今夜講演が予定されているのはセントルイス連銀のムサレム総裁やフィラデルフィア連銀のハーカー総裁。いずれも2024年の連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策決定の投票権を有していないため、相場への影響は限定的とみる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、12日高値148.22円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、14日安値146.08円。
今晩は米7月小売売上高などの経済指標に注目。
昨日は米7月消費者物価指数(CPI)が前年比で+2.9%と2021年3月以来の3%割れとなったことで利下げ期待が継続。ダウ平均が242.75ドル高(+0.61%)と2日続伸し、S&P500も0.38%高と5営業日続伸した。ハイテク株主体のナスダック総合はアルファベットの下落が重しとなったものの、0.03%高とプラス圏で終了した。
7月雇用統計の悪化や円キャリートレードの巻き戻しで先週月曜日に急落した米国株は、13日の7月生産者物価指数(PPI)が予想以上に鈍化したことで下落幅をすべて取り戻した。14日は史上最高値までダウ平均が3.31%、S&P500が3.78%に迫り、一時高値から10%以上下落し「調整相場入り」となったナスダック総合も下落率を7.92%に縮小した。
今晩は引き続き経済指標に注目する展開か。7月PPIと7月CPIが鈍化したことで市場では年内4回の利下げ期待が一段と高まった。投資家の不安心理を示すVIX指数が7月23日以来の低水準となり16.19ポイントに低下するなどセンチメントも大きく改善した。一方、8月2日に発表された7月雇用統計の悪化を受けて景気減速懸念が強まっており、今晩発表される7月小売売上高や新規失業保険申請件数などの経済指標が焦点となりそうだ。7月小売売上高は前月比+0.3%と6月分の0.0%から改善が見込まれ、新規失業保険申請件数も強い結果となった前週分から微増が予想されている。経済指標が予想通りおおむね強い結果となれば、景気減速懸念の後退も株価の支援となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは7月小売売上高、新規失業保険申請件数のほか、8月NY連銀製造業業況指数、7月鉱工業生産など。企業決算は寄り前にディア、ウォルマート、引け後にアプライド・マテリアルズなどが発表予定。
第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト・西?M徹氏
中国景気は需給双方で不透明感が一段と強まる様相をみせる
内・外需双方に不透明さ、当局の対応も小出しの動きが続くなど見通しが立ちにくい展開を予想
このところの中国経済は内需が力強さを欠くなかで外需への依存を強めるが、「中国包囲網」の動きが外需の足かせとなる懸念が高まっている。足下の外需は駆け込みの動きが確認されるが、7月の鉱工業生産は前年比+5.1%と鈍化し、頭打ちの様相を強めている。当局が支援するハイテク関連の生産は堅調だが、不動産需要の弱さが軒並み関連財の生産を下押しするなど、内需の厳しさを反映する動きがみられる。
家計消費を裏打ちする7月の小売売上高は前年比+2.7%と伸びが加速したが、依然として力強さを欠く推移が続く。夏休みシーズンの影響で娯楽関連やスマホなどの需要が拡大する動きをみせる一方、不動産需要の低迷や家計部門の財布の紐の固さを反映して高額品や日用品など幅広い分野で需要は弱含んでいる。価格競争の動きも激化するなどディスインフレ圧力の根強さを示唆する動きも確認されている。
7月の固定資産投資は年初来前年比+3.6%、前年同月比でも+1.9%と伸びが鈍化するなど頭打ちの動きを強めている。設備投資の動きは国進民退色の動きを強めており、当局が進める中国式現代化の動きを反映している。一方、不動産投資は一段と鈍化している上、当局の支援にも拘らず不動産価格も下落に歯止めが掛からず、不動産市場を巡る環境は一層悪化して幅広い経済活動の足かせとなる状況が続く。
当局による不動産支援や金融緩和にも拘らず資金需要は低迷しており、金融市場では一段の支援を求める声が高まると予想される。しかし、事態の深刻さに対して当局の対応が小出しに留まると見込まれるなか、当面の中国景気は需要サイドのみならず、供給サイドにも不透明感が増す可能性が高まっている。
日経平均株価は4日続伸。陽線で上値を試す展開が続き、一時は一目均衡表の基準線(36791円 8/15)を上回る場面もあった。現在の基準線は7月高値から8月安値までの下げに対する半値戻しの水準となる。
RSI(9日)は前日の39.8%→44.3%(8/15)に上昇。上昇しやすいタイミングに入っており、50%超えにつながるかが焦点である。
10日移動平均線(35451円 同)が下落基調にあることから目先は下に押し戻される動きも想定されるが、200日移動平均線(36984円 同)上に浮上し、早期に8/2の下落で開けたマド埋め(37737円)や25日移動平均線(38092円 同)に到達できるかが注目される。
週足では52週移動平均線(36102円 同)上から、週足の基準線と転換線が重複する水準(36791円 同)にタッチした。基準線と転換線が重複する水準は4月安値(36733円)と重なる重要な節目であることから、週足終値で超えると一時的に38000円処まで伸びる可能性が高まる。
日足ベースの上値メドは、200日移動平均線、8/1安値(37737円)~心理的節目の38000円、25日移動平均線、75日移動平均線(38666円 同)、4万円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の35500円や35000円、8/7安値(33739円)、心理的節目の33000円、8/5安値(31156円)、2023年10/4安値(30487円)などがある。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.08円(15日15時時点比△1.95円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.61円(△1.63円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0974ドル(▲0.0036ドル)
FTSE100種総合株価指数:8347.35(前営業日比△66.30)
ドイツ株式指数(DAX):18183.24(△297.64)
10年物英国債利回り:3.923%(△0.098%)
10年物独国債利回り:2.263%(△0.083%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月英国内総生産(GDP)
(前月比) 0.0% 0.4%
4-6月期英GDP速報値
(前期比) 0.6% 0.7%
(前年同期比) 0.9% 0.3%
6月英鉱工業生産
(前月比) 0.8% 0.3%・改
(前年同月比) ▲1.4% 0.4%
6月英製造業生産指数
(前月比) 1.1% 0.3%・改
6月英商品貿易収支
188.94億ポンドの赤字 185.93億ポンドの赤字・改
6月英貿易収支
53.24億ポンドの赤字 57.70億ポンドの赤字・改
7月スイス生産者輸入価格
(前月比) 0.0% 0.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ドル円は急伸。しばらくは147円台前半でのもみ合いが続いていたが、NY市場に入り大幅に値を上げた。7月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数など市場の関心が高かった米経済指標が予想より強い内容だったことが伝わると米景気減速への過度な懸念が和らぎ、米長期金利が大幅に上昇。日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢となった。22時過ぎには一時149.32円と日通し高値を付けた。
ただ、2日の高値149.77円が目先レジスタンスとして意識されると上昇は一服した。7月米鉱工業生産や8月米NAHB住宅市場指数が予想より弱い内容となったことも相場の重しとなり、148.78円付近まで下押しした。
・ユーロドルは下落。米重要指標の発表を控えて、しばらくは1.10ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、予想を上回る米小売売上高を受けて全般ドル買いが活発化すると一時1.0950ドルまで値を下げた。ただ、その後発表の米経済指標が予想を下回ると1.0990ドル付近まで下げ渋る場面があった。
・ユーロ円は底堅い動き。この日発表の米経済指標が景気減速への過度な懸念を払しょくする内容だったことが分かるとダウ平均が一時530ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移。投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが優勢となった。24時前には一時163.73円と7月31日以来の高値を付けた。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1010円高の3万7660円まで上昇した。
・ロンドン株式相場は5日続伸。前日の米国株高を受けて買いが先行。この日発表の米経済指標が景気減速への過度な懸念を後退させる内容だったことが分かると投資家心理が改善し、買いが強まった。アストラゼネカやスミス・アンド・ネフューなど医薬品株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は8日続伸。この日発表の米経済指標が景気減速への過度な懸念を払しょくする内容だったことが分かると投資家心理が改善。独株にも買いが波及した。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(4.23%高)やドイツ銀行(3.21%高)、コメルツ銀行(3.05%高)などの上昇が目立ち、ヘンケル(0.64%安)などを除く37銘柄が上昇した。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
15日の日経平均は大幅に4日続伸。終値は284円高の36726円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1018/値下がり577。三菱重工や川崎重工が急伸。三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3行が3~4%台の上昇と強い動きを見せた。半導体株は濃淡あったがレーザーテック、ディスコ、TOWAなどが大幅上昇。業績関連ではKADOKAWAや電通Gなど、下方修正の発表が悪材料出尽くしとなって強く買われる銘柄が散見された。
一方、キーエンスが3%を超える下落となったほか、リクルート、ソニーG、アドバンテストなどグロース系の銘柄の一角が弱かった。ANAやJR東日本など運輸関連が軟調。メドレーが一時ストップ安、Sun Asteriskがストップ安と、決算失望銘柄は厳しい下げとなった。
米国の7月の生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)は、ともにインフレ沈静化に対する期待を高める内容であった。米国株はしっかりとした動きを見せており、日本株も8月前半の暴落から値を戻しつつある。
本日の米国では、7月小売売上高や鉱工業生産など経済指標の発表が多い。指標が著しく弱く、米国が景気後退を警戒して大きく下げ、為替市場では円高(ドル安)が進むというのがバッドシナリオ。このケースでは、あすの日本株が今週の上げ分を吐き出すような下落となる可能性もある。言い換えれば、このケース以外では戻り基調は崩れないだろう。
今週は上昇が続く中で主力大型株が存在感を出している。メジャーな銘柄でも直近安値から2割以上戻しているものが結構あり、回転も効いている。日経平均のきょうの終値は36726円。節目の4万円にはまだ遠く、4日続伸とはいえ高値警戒感を意識するようなレベルではない。先週末8月9日の終値が35025円。37025円を上回れば週間で2000円を超える上昇になる。届かない水準ではないだけに、週末の一段高に期待したい。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.28円(前営業日比△1.95円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.80円(△1.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0972ドル(▲0.0040ドル)
ダウ工業株30種平均:40563.06ドル(△554.67ドル)
ナスダック総合株価指数:17594.50(△401.90)
10年物米国債利回り:3.91%(△0.08%)
WTI原油先物9月限:1バレル=78.16ドル(△1.18ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2492.4ドル(△12.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
▲4.7 ▲6.6
7月米小売売上高
(前月比) 1.0% ▲0.2%・改
(自動車を除く前月比)0.4% 0.5%・改
8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
▲7.0 13.9
前週分の米新規失業保険申請件数
22.7万件 23.4万件・改
7月米輸入物価指数
(前月比) 0.1% 0.0%
7月米鉱工業生産
(前月比) ▲0.6 0.3%・改
設備稼働率 77.8% 78.4%・改
8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
39 41・改
6月米企業在庫
(前月比) 0.3% 0.5%
6月対米証券投資動向
短期債を含む 1075億ドル 161億ドル・改
短期債を除く 961億ドル ▲541億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
・ドル円は続伸。7月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数など市場の関心が高かった米経済指標が予想より強い内容だったことが伝わると米景気減速への過度な懸念が和らぎ、米長期金利が大幅に上昇。日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢となった。取引終了間際には一時149.39円と2日以来の高値を付けた。
なお、7月米鉱工業生産や8月米NAHB住宅市場指数が予想より弱い内容だったことが分かると、148.78円付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
・ユーロドルは4日ぶりに反落。予想を上回る米小売売上高をきっかけに全般ドル買いが活発化すると一時1.0950ドルまで値を下げた。ただ、その後発表の米経済指標が予想を下回ると1.0990ドル付近まで下げ渋る場面があった。
なお、ムサレム米セントルイス連銀総裁はこの日開催されたイベントで「インフレと雇用に関するリスクのバランスは変化したようだ。政策金利の変更時期が近づいているかもしれない」などと話した。
・ユーロ円は4日続伸。この日発表の米経済指標が景気減速への過度な懸念を払しょくする内容だったことが分かるとダウ平均が一時580ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移。リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり、取引終了間際に一時163.89円と7月31日以来の高値を付けた。
ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1050円高の3万7700円まで上昇した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。この日発表の米経済指標が景気減速への過度な懸念を後退させる内容だったことが分かると投資家心理が改善し、幅広い銘柄に買いが広がった。シスコシステムズが6%超上昇しダウの上げをけん引したほか、決算内容が好感されたウォルマートも6%を超す大幅上昇となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに反落。7月米小売売上高が予想より強い内容だったことが伝わると米景気減速への過度な懸念が和らぎ、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。
・原油先物相場は3日ぶりに反発。この日発表された7月米小売売上高が予想を上回ったことを受け、米経済減速への過度な不安が和らぐと、原油需要が伸び悩むとの見方が後退して買いが入った。
・金先物相場は反発。緊迫化する中東情勢を背景に買いが入った。一方、予想より強い米小売指標を受けて米長期金利が上昇すると、金利の付かない資産である金の投資妙味が後退して上値を抑える場面も見られた。
15日07:10 オアNZ準備銀行(中央銀行、RBNZ)総裁
「現在の経済環境は弱い」
「経済は6カ月前の予想よりも弱い」
「金融政策委員会(MPC)では再び金利引き上げについて議論なし」
「インフレはまだ終わっていないが、間違いなく正しい方向に進んでいる」
15日22:38 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「政策金利の変更時期が近づいている可能性」
「金融政策は中程度に引き締め的」
「労働市場はもはや過熱していない」
「最近のデータによりインフレに対する自信が強まった」
「下期のGDP成長率は1.5-2.0%と予測」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○13:30 ◇ 6月第三次産業活動指数(予想:前月比0.3%)
<海外>
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○08:30 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、議会証言
○09:30 ◎ オア・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁、講演
○15:00 ◎ 7月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.5%/前年比1.4%)
○15:00 ◎ 7月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.8%/前年比1.4%)
○15:30 ◇ 4-6月期スイス鉱工業生産
○17:30 ◎ 4-6月期香港域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.4%/前年比3.3%)
○18:00 ◇ 6月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済135億ユーロの黒字)
○21:15 ◇ 7月カナダ住宅着工件数(予想:24.50万件)
○21:30 ◇ 6月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲2.6%)
○21:30 ◇ 6月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 7月米住宅着工件数(予想:133.0万件、前月比▲1.7%)
◎ 建設許可件数(予想:142.5万件、前月比▲1.5%)
○23:00 ◎ 8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:66.9)
○17日02:25 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 37700 +1050 (+2.86%)
TOPIX先物 2665.5 +66.0 (+2.53%)
シカゴ日経平均先物 37625 +975
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。7月の米小売売上高は前月比1.0%増となり、市場予想(0.4%増程度)を上回った。また、ウォルマート<WMT>が発表した2024年5~7月期決算は、売上高が市場予想を上回ったほか、通期見通しを上方修正したことが好感され、NYダウを押し上げる形となった。
米小売売上高とウォルマートの決算を受け、米経済の大半を占める個人消費が減速するとの懸念が後退し、ソフトランディング(軟着陸)への期待から景気敏感株を中心に買われた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、電気通信サービス、不動産、食品・飲料・タバコが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比975円高の3万7625円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万6690円で始まり、その後は3万6530円~3万6700円辺りと、日中終値を挟んでの保ち合いを継続。7月の米小売売上高が発表されるとロングの動きが強まり、一気に3万7000円台を回復した。米国市場の取引開始後に一段高となり、終盤にかけては3万7570円~3万7670円辺りでのレンジ推移が続くなか、3万7700円とナイトセッションの高値で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まることになりそうだ。米小売売上高の発表を受け、200日移動平均線(3万6860円)を突破し、その後もウォルマートの決算を好感した米国市場の強い基調を追い風に上げ幅を広げ、25日線(3万7890円)に接近してきた。同線を突破してくるようだと75日線(3万8640円)が射程に入ってくるだろう。
週足ではボリンジャーバンドの-1σ(3万6880円)を突破してきたことから、-1σと中心値(13週)が位置する3万8550円とのレンジに移行する。そのため、オプション権利行使価格の3万6875円から3万8500円での推移を想定する。急ピッチのリバウンドによる短期的な過熱感のほか、週末要因から利益確定に伴うロング解消の動きが入りやすいとみられるが、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうであり、ショートは避けておきたい。また、レバレッジ型ETFの調整買いの動きも意識されそうであり、ヘッジ対応のショートカバーも強まりやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.09倍と横ばいだった。14.10倍辺りで推移している75日線を下回って始まり、一時14.01倍まで下げる場面もみられた。ただし、14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移のなか、終盤にかけてはリバランスの動きから75日線水準まで戻す動きだった。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する可能性はありそうだが、全面高商状のなかでトレンドは出にくいと考えられる。
なお、VIX指数は15.23(前日は16.19)に低下した。一時14.77まで下げており、同水準で推移している75日線まで低下する場面もみられた。米連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げが見込まれるなか、リスク選好に向かわせやすい。
15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、7月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数などが予想より強い内容だったことで、米長期金利の大幅上昇に連れて、149.39円まで強含んだ。ユーロドルは1.0950ドルまで下落後、1.0990ドル付近まで下げ渋った。ユーロ円は、ダウ平均が一時580ドル超上昇したことなどで163.89円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米国のリセッション(景気後退)への警戒感が後退してNY株式市場や米長期債利回りが上昇していることで、続伸が予想される日経平均株価の動向を眺めながら上値を探る展開が予想される。
ドル円は昨日のNY市場で149.39円まで上昇しており、8月2日の高値149.77円に迫っている。すなわち、8月2日の低調な米国7月雇用統計を受けた円・キャリートレードの手仕舞いによるドル売り・円買い以前の水準である149円台を回復したことになる。
しかし、米10年債利回りは3.95%台までの上昇に留まり、8月2日の3.97%台に届いていないことで、ドル円の上値を限定的にしている。
一方、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが開始され、11月FOMCでは昨日時点の0.50%利下げから0.25%の利下げに変わり、12月FOMCでは0.25%の追加利下げが見込まれており、年末のFF金利誘導目標は4.50-75%と想定されている。
ドル円の注目水準は、上昇トレンドの中期支持線(127.23円を起点に140.25円を経由)だった148.97円、下落幅(161.95円~141.70円)の38.2%戻しの149.44円、半値戻しの151.83円、52週移動平均線の150.67円、200日移動平均線の151.40円となる。
日経平均株価が史上最高値42426.77円から8月5日の過去最大の下落幅での安値31156.12円までの半値戻し水準36791.45円を達成していることで、ドル円も同様の半値戻し151.83円を達成する可能性には警戒しておきたい。
ドル円の半値戻し151.83円水準は、7月31日の植田日銀総裁の0.50%以上の追加利上げを示唆したタカ派発言、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明やパウエルFRB議長が9月FOMCでの利下げ開始を示唆したハト派発言の前の水準である。
来週23日に植田日銀総裁は衆議院財務金融委員会で利上げに関する意見聴取が予定されており、パウエルFRB議長はジャクソンホール会合で講演が予定されており、両者の見解が7月31日と同じなのか否かを見極めることになる。
本日は、8時30分からブロック豪準備銀行(RBA)総裁が議会証言を行い、9時30分からオア・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁が講演を行うことで、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
昨日の海外市場では、7月米小売売上高や米新規失業保険申請件数、更には7月米輸入物価指数がいずれも予想を上回る強い数字。ムサレム米セントルイス連銀総裁が発言しているように、「インフレと雇用のリスクバランスが変化した」なか、米景気に影響する小売売上高と、米雇用に影響する新規失業保険と、インフレに影響する輸入物価の3拍子揃った強い結果に米金利と米国株が買われる展開。為替市場でもドル全面高という反応となりました。
ドル円は、今週に入ってから目立っている米系マクロ勢の円キャリー再開の動きが加速。市場では5日のセリングクライマックスの衝撃が大き過ぎたこともあって、先日もお伝えした通り、「円安の時代が終わり、円キャリーなどもう散々。日経平均はしばらく上昇することはないだろう」との、極めて大衆迎合的な、かつ、日和見的認識が市場に充満したことは事実。
ただ、構造的な需給関係をしっかりと見極めた円安の方向性を大きく変えるような事態には至っておらず、市場の行き過ぎたリスクオフのセンチメントを確認したマクロ勢が、これもまた、いかにもなかたちで淡々とファンダメンタルズに沿った方向性を取り始めたのも事実。
CTA筋などの米系短期勢はともかく、マクロ勢のこういった姿勢は、目先の経済指標などとは関係のないところでの判断となっていることが多く、時に、昨日のように「どうしてまた、3拍子そろってそんなにも都合よく強い数字が出るのか」といった偶然の必然性を経験することになったといったところです。
いずれにしても、週末のアジア市場では、ポジション調整が先行していますが、目先はNY時間急伸後の下押しレベルである148.78円が下値の目処。また、値動きを顧みるに、米指標後に飛びついて買えたレートが恐らく、148円台半ばだったことを考えれば、自ずから下押しのレベルも想像がつくというものです。オフィスの窓ガラスには、いよいよ激しい雨が吹き付けてきていますが、市場では一足お先に史上最大の暴風雨圏からは外れ、通常の暑い夏に戻ってきています。
日経225先物は11時30分時点、前日比1140円高の3万7790円(+3.11%)前後で推移。寄り付きは3万7630円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万7625円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。買い一巡後は中盤にかけて3万7500円まで上げ幅を縮める場面がみられた。ただし、売り一巡後は再びロングの動きが強まり、終盤にかけて一時3万7870円まで買われた。
日経225先物は終盤にかけての上昇により、25日移動平均線(3万7890円)に接近してきた。週末要因もあってロングを仕掛けてくる動きは限られる一方で、利益確定に伴うロング解消のほか、短期的なショートも入ってくる可能性がありそうだ。ただし、同線を明確に上放れてくるようだと、75日線が位置する3万8640円辺りが次のターゲットになることで、節目の3万8000円辺りへのトレンドが強まりやすいだろう。後場は持ち高調整の動きになりそうだが、ショートは避けておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.17倍に上昇した。25日、75日線が位置する14.09倍を上回って始まり、14.19倍辺りで推移している200日線を捉える場面もみられた。引き続き、14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移であるため、後場はリバランスの動きになりそうだ。
「新米の中央銀行家は、初心運転者のような政策転換をする傾向がある」
(サマーズ元米財務長官)
植田第32代日銀総裁は、2024年7月31日、政策金利を0.25%に引き上げ、金利の壁0.50%を超えて、中立金利水準(1.0%)を射程に入れた追加利上げを示唆したことで、世界の資産市場を暴落させた。
バーナンキ第14代FRB議長は、2013年5月22日と6月19日に「FRBが今年中に債券の購入金額を減額し、2014年半ばに完全に終了する可能性がある」と述べたことで、世界の資産市場を暴落させた。
ボルカー第12代FRB議長は、1979年10月6日、緊急米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、金融政策の操作目標を、従来の「FF金利」から「マネーサプライ」の抑制に変更して、インフレ抑制の姿勢を示したことで、世界の市場を暴落させた。
1.ボルカー・ショック(1979年)
1979年8月、カーター第39代米大統領が52歳のポール・ボルカー氏(1927年9月5日~2019年12月8日(92歳没)を第12代FRB議長(1979-1987年)に指名した時の世界経済は、1978年のイランの政情不安を契機に始まった「第二次オイルショック」に襲われていた。ボルカーFRB議長が就任した当時の米国の消費者物価指数は、前年比+11.8%、FF金利は11.0%、米10年債利回りは9%台だった。
ドル円相場は、1978年10月の安値175.50円から1982年10月の高値278.50円まで上昇する過程で、220円付近だった。
1979年10月6日、ボルカーFRB議長は、緊急FOMCを開催し、金融政策の操作目標を、従来の「FF金利」から「マネーサプライ」の抑制に変更する「新金融調節方式」によりインフレ抑制の姿勢を示した。10月8日(月曜日)の米国株式・債券市場は、「ボルカー・ショック」により暴落した。
FF金利は22.4%まで上昇し、米10年債利回りは20%台まで上昇し、失業率も上昇し、米国経済はリセッション(景気後退)に陥った。
インフレ率は1981年に14.6%まで上昇したが、1983年には2.4%まで低下し、ボルカーFRB議長は「インフレファイター」として「カリスマFRB議長」の称号を獲得した。
2. バーナンキ・ショック(2013年)※テーパー・タントラム
5月22日、バーナンキ第14代FRB議長は、「今後、幾度かの会合を経て債券の購入ペースを徐々に減速することで量的緩和を縮小する可能性」を示唆し、6月19日に「FRBが今年中に債券の購入金額を減額し、2014年半ばに完全に終了する可能性がある」と発言したことで、世界的な流動性懸念が生じ、新興国の通貨や株式などから資金が流出し、市場に大きな動揺をもたらした。
5月23日の日経平均株価は1143円下落、ドル円は103円台から100円台まで下落、6月19日には94円台まで下落した。
3.植田ショック(2024年)
3月19日の日銀金融政策決定会合で大規模な異次元金融緩和策の解除が決定された後の記者会見で、植田日銀総裁は、マイナス金利解除後の新たな短期金利の調整方針の呼び方を問われたのに対して、「特にそれを『ゼロ金利政策』と呼ぼうとは考えていない」と答えた。このことは、「ゼロ金利政策」が短命であることが示唆していた。
6月14日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は7月末の会合で具体的な長期国債買い入れの減額幅を決めるとした。そして、その減額幅が「相応の規模」だと表現した。さらに、国債買い入れの減額と利上げの同時決定もありえる、と示唆した。
7月31日の日銀金融政策決定会合では、政策金利(無担保コール翌日物金利)が、これまでの「0-0.1%程度」から、「0.25%程度」に引き上げられた。
そして、植田日銀総裁は記者会見で、「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べた。さらに、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示したことで、年内に1回(+0.25%=0.50%)、来年は1-2回程度で0.75%から1.00%に向けた利上げの可能性が示唆された。
ドル円は、161.95円の高値(7/3)から141.70円(8/5)まで20.25円(▲12.5%)下落した。
日経平均株価は、42426.77円の高値(7/11)から31156.12円(8/5)まで11270.65円(▲27%)下落した。
世界の資産市場から6.4兆ドル、東京市場からは200兆円が喪失したらしい。
本日のロンドン為替市場のポンドドルは、7月英小売売上高を見極めた後は、引き続きウクライナ情勢に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
7月英小売売上高(自動車燃料含む)は前月比+0.5%、前年比+1.4%と予想されており、6月の前月比-1.2%、前年比-0.2%からの改善が見込まれている。
4-6月の賃金上昇率はボーナスを除くベースで前年同期比+5.4%と発表されており、22年8月以来の低い伸び率を記録していた。
また、7月の消費者物価指数(CPI)は前年比+2.2%と、5月、6月の同比+2.0%から上昇しており、7月も賃金上昇率の低下基調が続いていた場合、小売売上高のネガティブサプライズに警戒しておきたい。
ウクライナによるロシア領への越境攻撃に関しては、戦況に大きな転換をもたらすのか否か、依然として不透明なままとなっており、ユーロへの影響は限定的となっている。
楽観的な見方としては、有利な戦況を作り出すことでロシアを和平協議に応じさせる可能性が指摘されている。
悲観的な見方としては、プーチン露大統領が戦況が不利になった場合、「核戦争の脅威が高まっている」と警告していたことで、戦術核の使用に踏み切る可能性が警戒されている。
ロシアによる戦術核使用のレッドラインは「通常兵器によってロシアが侵略され国家の存立が危機的になった時」となっている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1047ドル(8/14高値)
・ユーロ円:165.11円(7/30安値)
・ポンドドル:1.2968ドル(7/19高値)
・ポンド円:193.23円(日足一目均衡表・基準線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0913ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:161.95円(8/15安値)
・ポンドドル:1.2769ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:188.76円(8/15安値)
(16日15時時点)
ドル円:1ドル=148.91円(前営業日NY終値比▲0.37円)
ユーロ円:1ユーロ=163.58円(▲0.22円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0985ドル(△0.0013ドル)
日経平均株価:38062.67円(前営業日比△1336.03円)
東証株価指数(TOPIX):2678.60(△77.85)
債券先物9月物:144.83円(▲0.40円)
新発10年物国債利回り:0.875%(△0.040%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25800%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆5392億円の取得超 6777億円の所得超・改
対内株式
5219億円の取得超 6437億円の処分超・改
6月第三次産業活動指数
前月比 ▲1.3% 0.6%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小安い。2日以来の高値圏となる149円台で東京時間を迎えたこともあり、朝方から利益確定や持ち高調整目的の売りが散見された。11時30分過ぎには一時148.74円まで下押し。なお、この日の日経平均株価は大幅高となったものの、株高を手掛かりにした買いは限られた。
・ユーロ円も小安い。前日のNY時間に大きく値を上げた反動もあり、一時163.35円まで弱含んだ。ドル円と同じく日本株高を意識した動きは限定的だった。
・ユーロドルは小高い。1.09ドル台後半の狭いレンジ内推移となったが、米金利低下などの影響もあり、一時1.0986ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は大幅に5日続伸。米景気減速への過度な懸念が後退するなか、前日の米国株式相場が上昇し、投資家心理の改善を意識した買いが広がった。外国為替市場で円安が進んでいることも輸出関連株の上昇につながり、指数は一時1400円超高まで上昇幅を拡大する場面も見られた。
・債券先物相場は続落。良好な米経済指標を受けて、昨日の米債券相場が大きく下落した流れを引き継いだ。寄付きで144円69銭の安値をつけた後は下げ渋ったものの、戻りも限られた。
大阪9月限
日経225先物 38090 +1440 (+3.92%)
TOPIX先物 2683.0 +83.5 (+3.21%)
日経225先物(9月限)は前日比1440円高の3万8090円で取引を終了。寄り付きは3万7630円とシカゴ日経平均先物の清算値(3万7625円)にサヤ寄せする形で、買い先行で始まった。買い一巡後は前場中盤にかけて3万7500円まで上げ幅を縮める場面がみられたが、再びロングが強まり、後場の取引開始時には3万7900円を付けた。その後、3万7630円まで調整したが、終盤にかけてレバレッジ型ETFの調整買いが観測されるなか、3万8140円まで上げ幅を広げる場面もみられた。
日経225先物は前場終盤からの上昇により、後場の取引開始直後に25日移動平均線(3万7890円)を捉えた。その後は強弱感が対立するなか利益確定に伴うロング解消もみられたが、終盤にかけて再びロングが強まり、節目の3万8000円を回復した。
なお、25日線は下向きで推移しており、ナイトセッションで3万7730円辺りまで下がってきた。同線が支持線として機能するようだと、75日線が位置する3万8640円処がターゲットとして意識されやすい。さらに、同線を上放れてくると、4万円の大台が射程に入るため、ショートカバーが強まるほか、レバレッジ型ETFの調整買いも引き続き入りやすいだろう。
日経225先物は4%に迫る大幅上昇によって3万8000円を回復したことで、いったんは達成感が意識されやすく、急ピッチのリバウンドによる過熱感も警戒されてくる可能性がある。ただし、為替市場では1ドル=149円台と円高修正の動きが継続している。日経平均ボラティリティ・インデックス、米VIX指数の低下が示すように日米投資家の不安心理は和らいでいる。世界株安のなかでロングポジションを解消したヘッジファンドは、今回の急ピッチの上昇によりロングポジションを積み増す行動を迫られるとみられ、調整を交えつつも、押し目狙いのロング対応となりそうだ。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.19倍に上昇した。25日、75日線が位置する14.09倍を上回って始まり、14.19倍辺りで推移する200日線を捉える場面もみられた。引き続き14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移である。明確なトレンドは出ていない状況だが、3万8000円水準からの一段高を想定した場合には、相対的に日経平均型優位の展開がありそうだ。200日線を明確に上放れる局面では、7月半ばに付けた14.47倍が意識されてくるだろう。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万6006枚、ソシエテジェネラル証券が1万5503枚、サスケハナ・ホンコンが5704枚、野村証券が4038枚、バークレイズ証券が3017枚、JPモルガン証券が2565枚、モルガンMUFG証券が2531枚、ゴールドマン証券が1664枚、SBI証券が1652枚、シティグループ証券が1652枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万6531枚、ソシエテジェネラル証券が2万0472枚、バークレイズ証券が4755枚、サスケハナ・ホンコンが3998枚、JPモルガン証券が3841枚、モルガンMUFG証券が3715枚、ビーオブエー証券が3091枚、ゴールドマン証券が2682枚、シティグループ証券が2266枚、みずほ証券が2098枚だった。
NYタイムは序盤21時30分に7月米住宅着工件数(予想:133.0万件、前月比-1.7%/前回6月 135.3万件、+3.0%)と同建設許可件数(予想:142.5万件、前月比-1.5%/前回6月 144.6万件、+3.4%)、23時に8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:66.9/7月確報値 66.4)などが発表予定となっている。
住宅着工・建設許可件数は先月より弱めな結果が見込まれている。昨日は強い米小売売上高がドル買いを強めただけに、消費へ幅広く影響するとされる住宅関連の数字が弱まれば、調整進展の要因になるだろう。経済指標へ神経質に反応する展開を想定するが、予想比で強めな結果となればドル売りの勢いは限定されるとみる。
米消費者態度指数については、景況感の強弱を示唆するヘッドラインの結果だけでなくインフレの先行指標である期待インフレ率の内容にも注意したい。1年先の期待インフレ率は前回2.9%だった。発表直後の結果への直接的な反応がはっきりしなくとも、インフレ期待の動向に米株が反応してリスク選好の度合いを左右する展開もあるか。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、昨日15日高値149.39円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、147.66円前後での下支えが期待できる5日移動平均線付近。
BNPパリバ証券では、中国経済は低空飛行が続いていると指摘。15日に公表された7月の経済指標も低調であったと捉えている。7月末の中央政治局会議では、地方特別債の発行・使用の加速や、それを利用した設備の更新および消費財の買い替え支援、地方政府による住宅在庫の買い取りの促進といった方針が打ち出された。BNPパリバでは、これらは既に決定された対策の迅速・着実な実施を求めるもので、基本的には財政支出の拡大を伴う新たな対策が追加されたわけではないと指摘。成長率がこれによって大きく高まることはないと考えている。
第一生命経済研究所では、2024年4-6月期GDP1次速報を受けて、2024年~2025年の日本経済の見通しを改定している。
実質GDP成長率の見通しについて、
24年度を+0.2%→+0.5%、
25年度を+1.2%→+1.1%と
7月時点の予測から変更している。
暦年では
2024年を-0.4%→-0.1%、
2025年を+1.3%→+1.2%に
改定している。
24年4-6月期の実質GDP成長率が前回予測時点での見通しを上振れたことに加えて、過去の数値改定により24年度へのゲタが上方修正されたこともあり、同年度の成長率見通しを上方修正している。
今晩は引き続き堅調か。昨日は注目された7月小売売上高が前月比+1.0%と予想の+0.3%を上回り、新規失業保険申請件数は22.7万件と予想の23.5万件を下回った。強い経済指標を受けて景気減速懸念が後退。ダウ平均は554.67ドル高(+1.39%)と大幅に3日続伸し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ1.61%高、2.34%高とともに大幅に6日続伸した。週初来ではダウ平均が2.70%高、S&P500が3.72%高、ナスダック総合が5.07%高となり、S&P500とナスダック総合の週間上昇率はともに昨年11月以来の大幅高ペースとなった。センチメントは大きく改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は7月23日以来の低水準となる15.23ポイントに低下した。
週末の取引となる今晩は、週初からの大幅高で利益確定売りが予想されるものの、火曜日の7月生産者物価指数(PPI)、水曜日の7月消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、インフレ鈍化傾向が確認されたことや、昨日の7月小売売上高が上振れし、景気減速懸念が後退した。センチメントの改善も追い風に堅調相場が期待できそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは7月住宅着工件数、8月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値など。このほか、グールズビー米シカゴ連銀総裁の講演も予定されている。主要な企業の決算発表はなし。
モルガン・スタンレーMUFG証券では、岸田首相が自民党総裁選挙への不出馬を表明したことで、年内に衆院解散総選挙が実施される可能性が高まったと考えている。総裁選の日程は8月20日の選挙管理委員会で決定される予定だが、茂木敏充幹事長は投開票日が「9月20日から29日までのいずれかに設定されることになる」と述べているとのこと。新内閣に対する支持率は現在より高まるとみられるだけに、MSMUFGでは新首相は来夏の衆参選挙を待たず、年内の解散総選挙に臨む可能性があるとみている。衆議院の選挙日は解散から40日以内に行われることを踏まえれば、衆議院総選挙は早ければ11月中に行われることになる。MSMUFGでは、1979年以降、衆議院総選挙の20営業日前から投票日にかけてTOPIXがポジティブとなった割合は93.3%と、勝率が非常に高いことを指摘している。
(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.74円(16日15時時点比▲1.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.70円(▲0.88円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1013ドル(△0.0028ドル)
FTSE100種総合株価指数:8311.41(前営業日比▲35.94)
ドイツ株式指数(DAX):18322.40(△139.16)
10年物英国債利回り:3.926%(△0.003%)
10年物独国債利回り:2.247%(▲0.016%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) 0.5% ▲0.9%・改
(前年比) 1.4% ▲0.3%・改
7月英小売売上高(自動車燃料除く)
(前月比) 0.7% ▲1.3%・改
(前年比) 1.4% ▲0.8%
4-6月期スイス鉱工業生産指数
(前年同期比) 7.3% ▲2.0%・改
6月ユーロ圏貿易収支
(季調済) 175億ユーロの黒字 124億ユーロの黒字・改
(季調前) 223億ユーロの黒字 139億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下落。15日発表の7月米小売売上高など市場の関心が高かった米経済指標の一部が市場予想を上回ったのをきっかけに、昨日NY時間に急伸した反動で利食い売りなどが先行した。米商務省がこの日発表した7月米住宅着工件数と同月建設許可件数が予想を下回ったことも相場の重しとなり、22時過ぎに一時147.63円と日通し安値を付けた。
その後発表の8月米ミシガン大学消費者態度指数速報値と消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが分かると148.27円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。
・ユーロドルは底堅い動き。予想を下回る米住宅指標をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行。23時前に一時1.1005ドルまで値を上げた。その後発表された米ミシガン大消費者信頼感と期待インフレ率が予想を上回ったことが分かると1.0983ドル付近まで下押ししたものの、売り一巡後は再び強含んだ。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが優勢となり、3時過ぎに一時1.1013ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は下落。しばらくは163円台半ばでのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると弱含んだ。22時過ぎに一時162.30円と日通し安値を付けたあとは163.02円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。ドル円と似た動きとなった。
・ロンドン株式相場は6日ぶりに反落。前日までに5日続伸していただけに週末を控えたポジション調整目的の売りが優勢となった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は9日続伸。15日発表の米経済指標の一部が市場予想を上回ったのをきっかけに、米国株相場が上昇。投資家心理が改善し、独株にも買いが続いた。個別ではバイエル(10.37%高)やエーオン(1.92%高)、ミュンヘン再保険(1.88%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.63円(前営業日比▲1.65円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.80円(▲1.00円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1027ドル(△0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:40659.76ドル(△96.70ドル)
ナスダック総合株価指数:17631.72(△37.22)
10年物米国債利回り:3.88%(▲0.03%)
WTI原油先物9月限:1バレル=76.65ドル(▲1.51ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2537.8ドル(△45.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米住宅着工件数
123.8万件 132.9万件・改
建設許可件数
139.6万件 145.4万件・改
8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
67.8 66.4
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。米商務省がこの日発表した7月米住宅着工件数と同月建設許可件数が予想を下回ったことを受けて全般ドル売りが先行。22時過ぎに一時147.63円まで値を下げた。市場では「米住宅着工件数は2020年5月以来の低水準に落ち込んだ。需要が弱く、在庫は高水準にある」との指摘があった。
その後発表された8月米ミシガン大学消費者態度指数速報値と消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが分かると148.27円付近まで下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。前日発表の7月米小売売上高など市場の関心が高かった米経済指標の一部が市場予想を上回ったのをきっかけに、昨日NY市場では149.39円まで急伸。週末を控えたポジション調整目的の売りが出た。米長期金利が再び低下に転じたことも相場の重しとなり、5時過ぎには147.57円と日通し安値を更新した。
・ユーロドルは反発。予想を下回る米住宅指標をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行。23時前に一時1.1005ドルまで値を上げた。その後発表された米ミシガン大消費者信頼感と期待インフレ率が予想を上回ったことが分かると1.0983ドル付近まで下押ししたものの、売り一巡後は再び強含んだ。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが優勢となり、取引終了間際に一時1.1030ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は5日ぶり反落。22時過ぎに一時162.30円と日通し安値を付けたあとは163.02円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。ドル円と似た動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸。今週発表された米経済指標を受けて、景気悪化への過度な懸念が後退。投資家心理が改善する中、株を買う動きが続いた。ただ、短期間で大きく上昇したうえ、週末を控えて持ち高調整の売りが出やすい面もあり、指数は下げに転じる場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は7日続伸。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。8月米ミシガン大学消費者態度指数速報値と消費者の期待インフレ率が予想を上回ると売りが出たものの、終盤持ち直した。週末を控えたポジション調整目的の買いが入った。
・原油先物相場は反落。中国景気の減速が懸念され、原油需要に影響するとの見方から売りが先行した。中東情勢に対する緊張が緩和する方向にあるとの見方もまた、原油相場の重しとなった模様である。
・金先物相場は続伸。ドルが対ユーロで売られたことから、ドル建てで取引される金の割安感が意識されて買いが先行。中心限月の清算値ベースで3営業日ぶりに史上最高値を更新した。ただ、8月米ミシガン大学消費者態度指数速報値が市場予想を上回ったことを受け、米長期金利の低下が一服した場面では、上げ幅を縮小する場面も見られた。
16日08:45 ブロックRBA(豪準備銀行)総裁
「理事会は、インフレを合理的な時間枠内で抑制し、インフレ率が目標を無期限に上回る状態を放置していては、完全雇用の目標は達成されない」
「引き続き、インフレの潜在的な上昇リスクに注目している」
「過去数年間に見られた労働市場の利益をできるだけ維持しながら、合理的な時間枠でインフレを目標に戻すよう努めている」
「インフレに関してはさらなる進展があったが、非常に遅い」
「経済見通しは依然として非常に不透明」
「基調インフレ率は依然として高すぎる」
「現時点で把握している情報に基づくと、近い将来に金利を引き下げる立場になるとは予想していない」
「理事会のメッセージは、利下げを検討するのは時期尚早だというものだ」
「価格インフレは大幅に低下したが、サービス価格の高騰を相殺するには十分ではなかった」
16日09:20 シルクRBNZ総裁補
「金利引き下げに慎重なアプローチを取っている」
「インフレがどれだけ早く低下するかは不透明」
※時間は日本時間
19日
○08:50 ◎ 6月機械受注
21日
○08:50 ◎ 7月貿易統計(通関ベース)
22日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
23日
○08:30 ☆ 7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 7月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
19日
○23:00 ◎ 7月米景気先行指標総合指数
20日
○07:45 ◎ 7月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○10:30 ◎ 8月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○15:00 ◇ 7月独生産者物価指数(PPI)
○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表
○17:00 ◇ 6月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○17:30 ◎ 7月香港消費者物価指数(CPI)
○18:00 ☆ 7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○18:00 ☆ 7月ユーロ圏HICPコア改定値
○18:00 ◇ 6月ユーロ圏建設支出
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表
○21:30 ◎ 7月カナダCPI
○21日02:35 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
21日
○17:00 ◎ 7月南アフリカCPI
○20:00 ◎ パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:30 ◇ 7月カナダ鉱工業製品価格
○21:30 ◇ 7月カナダ原料価格指数
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○22日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○22日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30日-31日分)
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表
○15:00 ◎ 4-6月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○16:15 ◎ 8月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○16:15 ◎ 8月仏サービス部門PMI速報値
○16:30 ◎ 8月独製造業PMI速報値
○16:30 ◎ 8月独サービス部門PMI速報値
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏製造業PMI速報値
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ 8月英製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 8月英サービス部門PMI速報値
○20:30 ☆ ECB理事会議事要旨(7月18日分)
○21:00 ◎ 4-6月期メキシコGDP確定値
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:45 ◎ 8月米製造業PMI速報値
○22:45 ◎ 8月米サービス部門PMI速報値
○22:45 ◎ 8月米総?⑰MI速報値
○23:00 ◎ 8月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○23:00 ◎ 7月米中古住宅販売件数
○米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議)、テーマは「金融政策の有効性と伝達の再評価」(ワイオミング州ジャクソンホール、24日まで)
23日
○07:45 ◎ 4-6月期NZ小売売上高
○08:01 ◇ 8月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○14:00 ◎ 7月シンガポールCPI
○15:45 ◇ 8月仏企業景況感指数
○21:30 ◎ 6月カナダ小売売上高
○23:00 ☆ 7月米新築住宅販売件数
○23:00 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ジャクソンホール会議で講演
○24:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
16日の日経平均は大幅に5日続伸。終値は1336円高の38062円。15日の米国では、市場予想を上回る7月小売売上高などを受けて景気後退に対する警戒が和らぎ、ダウ平均が500ドルを超える大幅上昇。米長期金利が上昇してドル円は円安(ドル高)に振れた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1535/値下がり90。ファーストリテイリングが6%を超える上昇。三井住友や三菱UFJなど銀行株が米長期金利の上昇に強い反応を見せた。アドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコなど半導体株が急伸。フジクラ、リクルート、アイスタイルなど直近で決算反応が良かった銘柄に改めての買いが入った。
一方、月次を材料にマツキヨココカラが下落。ダイワサイクルは10%を超える下落となった。今期の営業赤字見通しが嫌気された総医研HDが急落。サンバイオ、クオリプス、セルシードなどバイオ関連が売りに押されたほか、タイミー、リベラウェア、ファベルなど直近上場株に下落銘柄が多かった。
日経平均は今週2度目の4桁上昇。終値(38062円)では25日線(37941円、16日時点)や節目の38000円を上回った。8月1日の終値が38126円で、2日と5日の急落分はほぼ埋めている。8月5日の1日で4000円を超える下落に関しては、相場の神様の気まぐれだったのかと思えるくらい、6日以降の動きは強い。これだけ戻してくれば、来週以降、下に値幅が出たとしても、ある程度のボラティリティは許容されて冷静に押し目を拾う動きが出てくると思われる。すぐに40000円を回復できるかどうかはともかく、8月5日の31458円(終値)は今年の安値となる可能性が高い。
一進一退か。22日~24日にジャクソンホール会議が開催され、パウエルFRB議長の基調講演が23日に予定されている。東京市場では来週の時点では議長の発言内容は消化できないが、この場でパウエルFRB議長が9月の利下げを明言するとの期待が高いだけに、週半ばまでは底堅い地合いが続くだろう。ただ、米国株はジャクソンホール会議に向けて前のめりで買いが入っている可能性もあるだけに、直前では上値が重くなることも想定しておく必要がある。米7月小売売上高は強い内容であっただけに、利下げに対する期待がトーンダウンする可能性もある。日本株も今週、一定の戻りを達成しているだけに、ここからの上値追いに慎重になってくると思われる。週後半にかけては売り買いが交錯して、やや相場が不安定になると予想する。
【今週を振り返る】
大幅高となった。日経平均は三連休明けの13日に1207円高と4桁の上昇。休場の間の米国株やドル円が落ち着いていたことが安心材料となり、直近の下げに対する押し目買いが入った。14日は場中に岸田首相が自民党総裁選に出馬しないとのニュースが飛び込み乱高下したが、200円を超える上昇。15日は売りが先行したものの、早々に切り返して連日で200円を超える上昇となった。さらに16日には米国株高や円安進行を追い風に1336円高と間を置かず4桁の上昇。38000円台に乗せて週を終えた。米国の経済指標を多く確認する週であったが、7月の生産者物価指数(PPI)や消費者物価指数(CPI)はインフレ鈍化期待を高める結果となり、7月小売売上高は景気後退に対する警戒を和らげた。米国株の強い上昇にも後押しされて、日経平均は週間で約3037円の上昇。週足では5週ぶりに陽線を形成した。
【来週の予定】
国内では、6月機械受注(8/19)、7月首都圏マンション発売、20年国債入札(8/20)、7月貿易統計、7月訪日外客数(8/21)、7月全国消費者物価指数(CPI)(8/23)などがある。
企業決算では、あいHD、北川精機(8/19)などが発表を予定している。
海外の経済指標の発表やイベントでは、7/30~31開催のFOMC議事要旨、米20年国債入札(8/21)、米8月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米7月中古住宅販売件数、ジャクソンホール会議(8/22~24)(8/22)、米7月新築住宅販売件数(8/23)などがある。
米企業決算では、エスティ・ローダー(8/19)、ロウズ・カンパニーズ、メドトロニック(8/20)、アナログ・デバイセズ、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ、ターゲット、TJXカンパニー(8/21)、インテュイト、ロス・ストアーズ(8/22)などが発表を予定している。
今週の日経225先物は、引き続き米国市場の影響を受けやすいと考えられる。16日の米国市場は主要な株価指数が上昇し、NYダウは4日続伸し8月初旬の急落前の水準を回復した。8月の米ミシガン大学消費者態度指数が67.8と、前回(66.4)から上昇。1年先の期待インフレは2.9%と前回と同じ、5年先の期待インフレが3.0%と横ばいだった。インフレが落ち着きをみせるなか、家計への楽観的な見通しが増えた形である。
市場関係者の関心が米国の経済指標に集まるなか、先週は7月の卸売物価指数(PPI)、米消費者物価指数(CPI)ともに市場の予想を下回ったことで、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率が高まった。さらに、7月の小売売上高が予想を上回ったほか、米小売り大手ウォルマート<WMT>が通期計画を上方修正したことで、個人消費の減速懸念が後退し、ソフトランディング(軟着陸)への期待が高まった。
先週の日経225先物は、米国市場の強いリバウンド基調が支援材料となり、週間の上げ幅は3040円に達した。16日には心理的な抵抗線として意識されていた200日移動平均線を上放れ、3万7900円処に位置していた25日線を突破。一時3万8140円まで買われ、2日、5日のチャート上の大陰線を完全に埋めた。
ボリンジャーバンドの-1σから中心値(25日)までのリバウンドにより、いったんは達成感が意識されやすい。16日取引終了後のナイトセッションでは日中終値比450円安の3万7640円で終えており、一時3万7290円まで下げる場面もみられた。このため、週初は利益確定に伴うロングの解消が先行しそうだ。下向きで推移する25日線は、ナイトセッションでは3万7710円辺りに下がってきており、同水準が支持線として機能するかを見極めたいところであろう。
ただし、いったん調整をみせたとしても、ショートポジションの積み上げは避けておきたい。日経平均ボラティリティ・インデックスは、15~20辺りでの推移から、8月5日には85.38まで急伸したが、先週末には26.54に低下している。米VIX指数も65.73をピークに、16日には14.80まで低下している。VIX指数は不安心理が高まるとされる20.00を明確に下回ってきた。現時点ではジャクソンホール会議に対する過度な警戒感の高まりはみられない。
そのため、調整が入る局面では、押し目狙いのロング対応に向かいそうだ。足もとではレバレッジ型ETFの調整に伴う買いも観測されており、25日線水準から75日線(3万8640円)が射程に入ってくると、ショートカバーのほか、ヘッジ対応のロングが強まることも考えられる。また、週足ではボリンジャーバンドの-1σ(3万6830円)と13週線(3万8510円)でのレンジが意識されやすい。
そのため、オプション権利行使価格の3万6875円から3万8875円のレンジを想定する。75日線を捉えてくる局面では、+1σ水準の4万円処へのバイアスが強まる可能性がある。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.19倍に上昇した。25日、75日線が位置する14.09倍を上回って始まり、14.19倍辺りで推移している200日線を捉える場面もみられた。引き続き、14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移である。明確なトレンドは出ていない状況だが、日経225先物が3万8000円水準から一段高をみせてくるようだと、相対的に日経平均型優位の展開となりそうだ。翌週の8月28日にはエヌビディア<NVDA>の決算発表が予定されている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引し200日線を上放れてくると、7月半ばに付けた14.47倍が意識されてこよう。
経済スケジュールでは、19日に6月機械受注、米国7月コンファレンス・ボード景気先行指数、20日に中国8月最優遇貸出金利、21日に7月貿易収支、7月訪日外客数、FOMC(7月30日~7月31日開催分)議事要旨、22日に「ジャクソンホール会議」開催(~24日)、米国8月製造業PMI、米国8月サービス業PMI、米国7月中古住宅販売件数、23日に7月全国消費者物価指数、植田日銀総裁が衆議院財務金融委員会に出席、米国7月新築住宅販売件数、パウエルFRB議長のジャクソンホール会議での講演などが予定されている。
<国内>
○08:50 ◎ 6月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比0.9%/前年比1.1%)
<海外>
○22:15 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○23:00 ◎ 7月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.3%)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利の低下を受けて147.57円まで下落した。ユーロドルは1.1030ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利の低下や週末23日の植田日銀総裁とパウエルFRB議長の発言への警戒感から上値が重い展開が予想される。
ドル円は先週、15日のNY市場で良好な米7月小売売上高を受けた米10年債利回りの3.951%までの上昇で149.39円まで上昇したものの、8月2日の米7月雇用統計発表前の高値149.77円に届かなかった。16日には低調な米7月住宅関連指標や米10年債利回りの3.86%台までの低下で147.57円まで反落しており、米国の経済指標や10年債利回りに連れた「往って来い」となっている。
日経平均株価が史上最高値42426.77円から8月5日の過去最大の下落幅での安値31156.12円までの下落から、16日には38143.55円まで戻しており、61.8%戻し38121.38円を達成している。一方でドル円は、161.95円から141.70円までの下落幅の38.2%戻し(149.44円)までで、半値戻し151.83円には未達であるため、東京株式市場と為替市場の先見性にも注目していきたい。
ドル円は、7月31日の植田日銀総裁による金利の壁0.50%以上の追加利上げ示唆とパウエルFRB議長の9月FOMCでの利下げ開始示唆を受けて、下げトレンドに拍車がかかった。今週末の23日に植田日銀総裁は、衆議院財務金融委員会での閉会中審査で利上げに関する意見聴取が予定されている。パウエルFRB議長はジャクソンホール会合で講演が予定されていることで、両者の見解が7月31日と同じなのか否かを見極めることになる。
なお、ドル円が1986年12月以来の高値161.95円(7月3日)まで上昇した局面では、IMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円のネット売り持ちポジションは184223枚(7月2日時点)だったが、8月13日時点では23104枚のネット買い持ちポジションになっていた。
過去最大の円の売り持ちポジションは、2007年6月26日時点の188077枚(※6月22日:124.14円)だったが、その後、米国の住宅バブル崩壊やリーマンショックなどで100円を割り込んでいった。
ドル円の注目水準は、上昇トレンドの中期支持線(127.23円を起点に140.25円を経由)だった149.02円、下落幅(161.95円~141.70円)の38.2%戻しの149.44円、半値戻しの151.83円、52週移動平均線の150.69円、200日移動平均線の151.39円となる。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 37640 -450 (-1.18%)
TOPIX先物 2649.0 -34.0 (-1.26%)
シカゴ日経平均先物 37650 -440
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。午前に発表された8月の米ミシガン大学消費者態度指数が67.8と、前回(66.4)から上昇。1年先の期待インフレは2.9%と前回と同じ、5年先の期待インフレが3.0%と横ばいだった。足もとの経済指標や小売企業の決算を受けインフレが落ち着きをみせるなかで、米経済の大半を占める個人消費が減速するとの懸念が後退し、ソフトランディング(軟着陸)への期待が相場を支えた。
ただし、主要株価指数が8月初旬の急落前の水準を回復したこともあり、主力株の一角には利益確定の売りが出やすく、週末要因もあって持ち高調整の売りが上値を抑える場面もみられた。S&P500業種別指数は電気通信サービス、銀行、自動車・同部品が上昇した一方で、ソフトウエア・サービス、消費者サービス、資本財が下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比440円安の3万7650円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円安の3万8050円で始まり、寄り付きを安値にロング解消の動きが優勢となり、米国市場の取引開始直前には3万7290円まで下げ幅を広げる場面もみられた。売り一巡後は押し目待ち狙いのロングが入って下落幅を縮め、米国市場の取引開始後は3万7500円~3万7840円辺りのレンジで推移し、3万7640円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、利食い優勢で始まりそうだ。先週末には1440円と大幅な上昇で節目の3万8000円を回復したこともあり、急ピッチの上昇に対する反動安が意識されやすい。16日のリバウンド局面では200日移動平均線(3万6860円)を上放れ、25日線(3万7900円)を突破してきたことで、いったんは達成感からの利食いも入りそうだ。
25日線はナイトセッションで3万7710円辺りまで低下しており、同線を挟んでの推移が見込まれる。同線を下回って推移するようだと、短期的にはショートを誘う動きに向かわせそうである。米国では22日~24日にジャクソンホールで年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が開催される。23日には米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演を行う予定である。
9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率が高まるなか、パウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとするムードが強まる可能性がある。今週も米国市場の影響を受けやすい状況とみられるが、米国ではジャクソンホール会議を前に持ち高調整が強まる可能性もあり、その場合には東京市場でも積極的なロングは手控えられるだろう。
ただし、16日のVIX指数は14.80(前日は15.23)に低下した。5日に付けた65.73をピークに低下傾向を強めており、不安心理が高まるとされる20.00を明確に下回ってきた。現時点ではジャクソンホール会議に対する過度な警戒感の高まりはみられず、ショートに傾けるポジションは避けたい。
そのため、日経225先物は25日線を挟んだ推移から、オプション権利行使価格の3万7250円から3万8250円処のレンジを想定する。なお、利食いが強まる局面では、200日線辺りが意識されるため3万7000円~3万7750円、一方、リバウンド基調が強まるようだと75日線を射程に入れた3万7750円~3万8750円辺りでの推移に切り替えたい。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.19倍に上昇した。25日、75日線が位置する14.09倍を上回って始まり、14.19倍辺りで推移している200日線を捉える場面もみられた。引き続き、14.00倍~14.20倍の直近のレンジ内での推移であり、明確なトレンドは出ていない状況である。
日経225先物は11時30分時点、前日比50円安の3万8040円(-0.13%)前後で推移。寄り付きは3万7720円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万7650円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。ただし、現物の寄り付き直後に付けた3万7650円を安値に押し目狙いのロングが入り、中盤にかけて3万8110円まで買われ、プラスに転じる場面もみられた。買い一巡後は再び3万7840円辺りまで売られたものの下値は堅く、終盤にかけては3万8000円を挟んでの推移となった。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から始まったが、売り一巡後は25日移動平均線(3万7730円)を上回っての推移をみせており、同線が支持線として意識されている。積極的な上値追いのロングは限られているものの、ショートも仕掛けづらくさせている。引き続き25日線に接近する局面においては、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.19倍と横ばい。14.19倍で推移している200日線を挟んだ14.17倍~14.22倍辺りの狭いレンジでの動きとなった。引き続き、14.00倍~14.20倍辺りの直近のレンジ推移であるため、トレンドは出にくいだろう。ただし、東証プライム市場の騰落銘柄は値下がり数が若干上回っているほか、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が日経平均型を支えており、ややNTロングに振れやすい。
先週末の海外市場では、7月米住宅着工件数や7月米建設許可件数が予想を下回る弱い数字となったことを受けてドル円は一時147.63円まで下落。8月米ミシガン大消費者態度指数速報値や、同時に公表された消費者の期待インフレ率も予想を上回る強い結果となったことから148.27円まで買戻される場面もみられましたが、一時3.9226%まで上昇していた米10年債利回りが低下に転じるにつれて引けにかけては147.57円の安値まで値を下げて週末のNY市場を終えることになりました。
米長期金利は欧州時間に3.8617%まで低下した後、弱い米住宅関連指数にはほとんど反応せず、逆に強い米消費マインドを受けて上昇。その後は週末のクローズに向けて低下に転じるなど、終始ポジション調整が先行したといったところ。ドル円にしても、前日の急騰に対する調整売りが、市場参加者に言わせれば、「少し深い下押し」となって持ち込まれることになったといったところです。
週明けの東京市場では、先週末800円安まで急落後に400円安程度まで下げ幅を縮めた日経平均先物が早朝から買戻されるにつれて、ドル円も148.05円まで値を戻す場面もみられましたが、その後は再び株価が下落に転じたことから147.09円まで戻り売り。株価主導の神経質な展開となっています。
いずれにしても、今週は週末の23日に、米ワイオミング州の超高級避暑地であるジャクソンホールにて、恒例の経済シンポジウムが米カンザスシティー連銀主催で開催されるわけですが、植田日銀総裁にとっては、外からの圧力が全くかからず、黒田前日銀総裁もそうであったように、清々しい、きれいな空気に包まれた渓谷にあって、本来の金融政策に対する本音を話す機会を奪われ、日本的な、いかにもなインナーサークル内での責任のなすり合いに巻き込まれてしまったといったところ。パウエルFRB議長の、ログハウスで行われるシンポジウムのオープニングリマークを待つことになっています。
IMM通貨先物の非商業(投機)部門取組での過去最大の円のネット売り持ちポジションは、2007年6月26日時点の188077枚(×1250万円=2.35兆円)だった。当時のドル円の高値は6月22日の124.14円だったが、その後、米国の住宅バブル崩壊やリーマンショックなどで2008年秋には100円を割り込んでいった。
過去2番目の円のネット売り持ちポジションは、2024年7月2日時点の184223枚(×1250万円=2.30兆円)だったが、ドル円は7月3日に1986年12月以来の高値161.95円まで上昇していた。
その後、植田日銀総裁のタカ派発言やパウエルFRB議長のハト派発言を受けて141.70円まで下落しており、8月13日時点では23104枚のネット買い持ちポジションになっている。
シカゴ筋のネット円売り持ちポジション18万枚は、円高に反転するシグナルなのだろうか。
1.2007年
・過去最大の円の売り持ちポジション:188077枚(6月26日)
・外国銀行在日支店の本支店勘定資産(円・キャリートレード):約23兆円
・貿易収支:約10.8兆円の黒字
・ドル円高値:124.14円(6月22日)
※金融危機による円高
1)パリバショック(2007年8月)
サブプライム関連の証券化商品の市場混乱でBNPパリバ傘下のミューチュアルファンドが解約を凍結したことにより、世界のマーケットが一時的にパニックに陥った
2)リーマンショック(2008年9月)
サブプライム住宅ローン危機がきっかけとなり米国投資銀行第4位のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻し、連鎖的に世界金融危機が発生した
2.2024年
・過去2番目の円の売り持ちポジション:184223枚(7月2日)
・外国銀行在日支店の本支店勘定資産(円・キャリートレード):約11兆円
・貿易収支(1-6月):約3.2兆円の赤字
・投資信託を通じた家計の円売り(新NISA少額投資非課税制度)(1-7月):7兆8695億円
・ドル円高値:161.95円(7月3日)
※リスクシナリオ
1)日銀の利上げ路線と米連邦準備理事会(FRB)の利下げ路線
2)イランとイスラエルの対立激化による第5次中東戦争の可能性
3)ウクライナ軍によるロシア越境攻撃によるウクライナ戦争の激化
週明けロンドン為替市場でユーロは、対主要通貨で方向感を探る展開か。本日は重要な経済指標の発表や金融当局者の発言が予定されておらず、為替の方向性に影響する株・債券市場も先週末からの調整に終始する可能性は高い。ただし、ウクライナやイスラエルを巡る地政学リスクには依然として警戒が必要だろう。
ウクライナ露戦争については、ウクライナの越境攻撃に対してロシア軍も反撃を強めている。残念ながら今のところ、一部で期待されていた和平協議に繋がる様相はみられない。イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦交渉に関しても、仲介国が交渉進展を示唆しているものの、当事者同士は依然として互いを非難している状況だ。
地政学リスクに左右されることも多いユーロスイスフランは先週上昇するも、0.95フラン後半で買いが一服。0.96フランの手前には200日移動平均線が位置しており、リスクの高まりとともに同線が抵抗水準として意識されるかもしれない。
なお、今週は22日に欧州から8月の製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表予定。欧州の景況感を測る上で注目され、予想から上下振れでユーロ相場の動意にも繋がりそうだ。ただ金融市場が最も注目するのは、ジャクソンホール会議で23日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)が行う基調講演だろう。まだ少し先の話ではあるものの、FRB議長が語る内容に関する思惑で相場が上下する場面があるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、2023年12月29日高値1.1084ドル
・ユーロスイスフラン、200日移動平均線0.9597フランを超えたら7月24日高値0.9677フラン。
想定レンジ下限
・ユーロドル、15日安値1.0950ドル
・ユーロスイスフラン、日足一目均衡表・転換線0.9442フラン
(19日15時時点)
ドル円:1ドル=145.42円(前営業日NY終値比▲2.21円)
ユーロ円:1ユーロ=160.65円(▲2.15円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1047ドル(△0.0020ドル)
日経平均株価:37388.62円(前営業日比▲674.05円)
東証株価指数(TOPIX):2641.14(▲37.46)
債券先物9月物:144.72円(▲0.11円)
新発10年物国債利回り:0.885%(△0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(▲0.00300%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月機械受注(船舶・電力除く民需)
前月比 2.1% ▲3.2%
前年同月比 ▲1.7% 10.8%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅安。週明けから買いが先行すると148.05円まで値を上げたものの、本邦勢が参入すると次第に上値を切り下げる展開となった。21日に米労働省労働統計局(BLS)が公表する年次改定値の暫定値で、2023年4月から24年3月までの1年間における非農業部門雇用者数変化が大幅に下方修正される見方が広がったことで売りが優勢に。
「セブン&アイ・ホールディングスがカナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けた」との一部報道を受けて、市場では「M&Aに絡んだ思惑も円高要因の一つになった」との指摘があったほか、日経平均株価が740円超下落したことも売りに拍車をかけ、一時145.19円と7日以来の安値を付けた。
・ユーロ円も大幅に下落。米非農業部門雇用者数の大幅下方修正への思惑からドル円が急落するにつれたほか、日本株安で円が全面高となった流れに沿った。ユーロ円は160.44円まで下落したほか、ポンド円は188.27円、豪ドル円は96.99円、カナダドル円は106.22円まで大きく値を下げた。
・ユーロドルは強含み。ドル円の急落に伴う買いが入ったほか、上昇して始まった時間外の米10年債利回りが一転低下したことも支えとなった。14日高値の1.1047ドルを上抜けて1.1050ドルと昨年12月29日以来の高値を更新した。
・日経平均株価は6営業日ぶりに反落。外国為替市場での円高を背景に機械や自動車株など輸出関連株を中心に幅広い銘柄で売りが優勢となった。指数は一時740円超下げ幅を広げた。
・債券先物相場は続落。前週末の夜間取引で失速した流れを引き継いで売りが先行。その後もじりじりと売りに押される展開が続き、一時144.54円まで下落した。
大阪9月限
日経225先物 37170 -920 (-2.41%)
TOPIX先物 2628.0 -55.0 (-2.04%)
日経225先物(9月限)は前日比920円安の3万7170円で取引を終了。寄り付きは3万7720円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万7650円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。ただし、現物の寄り付き直後に付けた3万7650円を安値に押し目狙いのロングが入り、前場中盤にかけて3万8110円まで買われ、プラスに転じる場面もみられた。買い一巡後は再び3万7840円辺りまで売られたものの下値は堅く、前場終盤にかけては3万8000円を挟んでの推移となった。
ただし、ランチタイムの時間帯から為替市場で円高基調が強まるなか、3万7850円辺りでの推移となり、現物の後場取引開始直後には寄り付き水準を下回った。さらに円相場が1ドル=145円台と円高に振れたことが重荷となり、インデックスに絡んだ売りが断続的に入った。引けにかけて16日の取引終了後のナイトセッションで付けた安値(3万7290円)を割り込むなど下落幅を広げ、本日の安値で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で始まったが、売り一巡後は25日移動平均線(3万7730円)を上回り、前場の段階では同線が支持線として意識されていた。積極的な上値追いのロングは限られたものの、ショートも仕掛けづらくさせていたようだ。ただし、ランチタイム辺りから円相場が円高に振れたことで、後場はインデックス売りが指数を押し下げる形となった。
指数インパクトの大きいソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が後場に入り軟化し、中盤には下げに転じていた。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]も後場に入り一段安となっており、下落率は3%を超えた。この影響により、日経225先物は200日線が位置する3万6890円に接近する動きとなった。25日線を中心に200日線と75日線とのレンジが意識されるなか、後場は200日線と25日線での値動きだった。
為替の円高については、衆議院の財務金融委員会が23日に閉会中審査を開催し、参考人として日銀の植田和男総裁が出席する予定であり、タカ派発言が警戒されているとの見方が聞かれた。米国ではジャクソンホール会議で23日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演を行う予定であるため、いったん持ち高調整の売りが入ると、下へのバイアスが強まりやすいだろう。なお、日経225先物の200日線は緩やかながら上向きで推移する一方で、25日線は下向きである。ナイトセッションでは3万6920円から3万4540円とレンジが縮まってきている。
NT倍率は先物中心限月で14.14倍に低下した。前場は14.19倍で推移している200日線を挟んだ14.17倍~14.22倍辺りの狭いレンジでの動きとなった。後場は指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を押し下げるなか、一時14.12倍まで下げる場面もみられた。引き続き、14.00倍~14.20倍辺りの直近のレンジ内での動きであり、トレンドは出にくいだろう。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5379枚、ソシエテジェネラル証券が1万1318枚、サスケハナ・ホンコンが4862枚、JPモルガン証券が3506枚、野村証券が3014枚、SBI証券が2964枚、バークレイズ証券が2439枚、みずほ証券が1495枚、ゴールドマン証券が1441枚、ビーオブエー証券が1236枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万7210枚、ソシエテジェネラル証券が1万9856枚、バークレイズ証券が3929枚、JPモルガン証券が3849枚、みずほ証券が3585枚、サスケハナ・ホンコンが3442枚、モルガンMUFG証券が3351枚、ビーオブエー証券が2846枚、ゴールドマン証券が2221枚、シティグループ証券が1220枚だった。
7月31日の日銀政策決定会合後に行われた植田日銀総裁の会見と、8月7日の内田日銀副総裁の発言がきっかけでドル円の流動性は崩れたが、先週はようやく147円から上下1円で落ち着きを見せつつあった。しかし、15日に149円台前半に乗せ、本日は145円前半まで下げるなど、再び方向感がなく振幅する相場に逆戻りになっている。ここまでで1日を通して3円近く動く大相場となっていることで、引き続きこの後も数分程度で50銭や1円単位で大きく値幅が動くリスクは高そうだ。
本日のNY時間は、米国からは7月景気先行指標総合指数以外には、主だった経済指標の発表はない。通常は同指標での反応は限られているが、本日は上述のように市場が動きやすいことで、指標結果が予想と大きく乖離した場合には警戒しておきたい。予想では前月の-0.2%より小幅に低下し、-0.3%予想となっている。
本日の円買いは様々な要因が重なっているが、米国の非農業部門雇用者数変化の改定が大幅に下方修正されるのではとの憶測が一因。もっとも、これは21日に発表されるまでは全くわからないことで、同日の発表待ちの状態。一方、カナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールのセブン&アイ・ホールディングスの買収話は、「社外取締役で構成する独立委員会を立ち上げており、評価額など提案内容の精査を始めた」とまで報じられていることで、噂の領域で片づけられることではなさそうだ。早急に結論が出ることもないだろうが、今後の続報次第でカナダドルと円相場が動意づくリスクもある。
・想定レンジ上限
ドル円は、本日のこれまでのレンジの半値戻し146.62円、その上は本日の下げ幅を拡大する起点となった水準の147.30円近辺。
・想定レンジ下限
ドル円は、これまでの本日安値145.19円。145円を割り込むと7日安値144.29円。
今週のNY市場はジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演に注目。先週はダウ平均が2.94%高と3週ぶりに大幅反発し、S&P500が3.93%高、ナスダック総合が5.29%高とともに5週ぶりに大幅反発した。週間上昇率は主要3指数がそろって2023年11月以来の大幅高となった。火曜日に発表された米7月生産者物価指数(PPI)が予想以上に鈍化したうえ、水曜日発表の米7月消費者物価指数(CPI)も前年比+2.9%と前月分や予想の+3.0%を下回り、2021年3月以来の水準まで低下したことで米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待が高まったことに加え、木曜日に発表された米7月小売売上高が予想以上に増加し、新規失業保険申請件数が予想以上に減少したことで景気減速懸念が後退しセンチメントが大きく改善したことが株価の支援となった。投資家の不安心理を示すVIX指数はダウ平均が1000ドル超下落した8月5日に一時65ポイントを上回ったが、週間で-5.57ポイントの14.80ポイントで終了し、7月23日以来の低水準となった。
今週は利下げ期待の高まりや景気減速懸念の後退によるセンチメントの好転が引き続き支援となることが期待されるが、先行きの金融政策の見通しを巡り金曜日午前のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演が焦点となりそうだ。市場では9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げが確実視されている。CMEのフェドウォッチ・ツールでは28%の確率で0.50%の利下げも予想し、年末までには61%の確率で4回の利下げが予想されている。パウエルFRB議長の発言が市場の期待に沿ったものになれば安心感が広がりそうだ。一方で、米国株は8月5日の急落から大きく反発し、S&P500は史上最高値まで2%未満に迫った。エヌビディアは5日の日中安値から37%高と急反発し、メタとテスラも安値からそれぞれ17%高、19%高と大幅に反発し、ナスダック総合は12%高となった。VIX指数が5日の65ポイント台から15ポイント割れまで低下し、センチメントは良好だが、メガキャップ中心に利益確定売りが強まることも予想され、ボラティリティが再び高まることにも注意が必要か。今週の経済指標・イベントはジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演のほか、新規失業保険申請件数、8月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、7月中古住宅販売件数など。企業決算は消費関連のロウズ、ターゲット、TJX、ダラー・ツリーのほか、パロ・アルト・ネットワークス、メドトロニック、アナログ・デバイセズなど。
今晩の米経済指標・イベントは7月景気先行指数など。企業決算は寄り前にエスティ・ローダー、引け後にパロ・アルト・ネットワークスなどが発表予定。
大和証券では為替リポートの中で、今後のドル円相場の方向性を探るうえで、目先は日米中銀トップの発言に注目している。23日には米ジャクソンホール会議において、パウエルFRB議長が講演を行う予定。この場では9月FOMCでの利下げに向けたより明確なメッセージが届けられるとみられている。また、同じく23日に日本の衆参両院で開催予定の閉会中審査では、日銀の植田総裁が主席することになっている。与野党から7月に利上げを行った是非や、市場とのコミュニケーションが十分だったのかなどが議論される見通し。植田総裁が金利引き上げの方針に固執すれば円買い再開のリスクがあるだけに、可能性は低いかもしれないが警戒は必要と大和ではコメントしている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では米国株に関するリポートの中で、米大統領選が大接戦の様相を呈してきたことを指摘している。 各種世論調査を集計するリアル・クリア・ポリティクスによれば、民主党・ハリス副大統領の大統領選での支持率が、共和党・トランプ前大統領を逆転してきたとのこと。三菱UFJMSでは、近年の米大統領選は「激戦州」の選挙結果に左右されることが多く、全国的な世論調査の結果は参考程度に見る必要があるとコメント。しかし、選挙戦が接戦となってきたことで、投票日までは両候補の経済や外交・通商など政策に関する発言に、マーケットが神経質になる場面が増えると考えている。
日経平均株価は大幅反落。前日高値(38143円)を前にモメンタムは減速し、じりじりと水準を切り下げる展開となった。日足は200日移動平均線(37051円 8/19)上で前日の陽線に並ぶような陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の59.3%→88.0%(8/17)に上昇。過熱圏入りとなったが、目先的には強いモメンタムが続く可能性が高い。
先週末は25日移動平均線(37748円 同)に突っかけて終えたが、依然として下落基調にある同線に押し戻される動きとなった。よくありがちな動きであり、5日移動平均線(36970円 同)の上昇が続くほか、10日移動平均線(35593円 同)なども上昇に転じており、反発基調は大きな変化なしと判断できる。
一方、25日移動平均線の下げが続くほか、7月後半のもみ合い水準に差し掛かったことで、目先は36000円処に向けて押し戻される展開も想定される。
日足ベースの上値メドは、75日移動平均線(38655円 同)、4万円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線、心理的節目の36000円、10日移動平均線、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)などがある。
(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.53円(19日15時時点比△1.11円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.31円(△1.66円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1077ドル(△0.0030ドル)
FTSE100種総合株価指数:8356.94(前営業日比△45.53)
ドイツ株式指数(DAX):18421.69(△99.29)
10年物英国債利回り:3.922%(▲0.004%)
10年物独国債利回り:2.246%(▲0.001%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは上昇。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが進行。7月米景気先行指標総合指数が前月比0.6%低下と予想の0.3%低下を下回るとユーロ買い・ドル売りが加速し、一時1.1079ドルと年初来高値を更新した。
一時は3.9073%前後まで上昇した米10年債利回りが低下に転じたことも相場の支援材料となった。市場では「米労働省が21日に公表する年次改定で過去の雇用統計を下方修正する」との見方が浮上。米金利低下の一因となった。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.90と1月2日以来の低水準を付けた。
・ドル円は下値が堅かった。東京市場ではM&A(合併・買収)に絡んだ思惑的な円買いが観測されて一時145.19円と7日以来の安値まで急落したものの、欧米市場では買い戻しが優勢となった。欧米株相場の上昇を手掛かりにリスク・オンの円売りが出ると一時146.71円付近まで値を戻した。ただ、予想を下回る米経済指標が相場の重しとなったため、戻りは限定的だった。
・ユーロ円は底堅い動き。東京市場では一時160.42円まで値を下げたものの、海外市場に入ると買い戻しが進んだ。欧米株高やユーロドルの上昇に伴う買いが入ると一時162.35円付近まで強含んだ。
・南アフリカランドは上昇。米金融政策が利下げに向かっているとの観測が米金利の低下とともにドル売りを促したほか、南ア連立政権への期待からランドを買う動きが広がった。対ドルでは一時17.6746ランドと昨年7月31日以来約1年ぶりの高値を付けた。
・ロンドン株式相場は反発。日本株相場の下落などを受けて投資家心理が悪化し、売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は10日続伸。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、本日の米国株相場が上昇すると独株にも買いが波及。10営業日続伸して取引を終えた。個別ではザランド(3.02%高)やポルシェ(1.71%高)、ブレンターク(1.55%高)などの上昇が目立ち、ラインメタル(1.96%安)などを除く34銘柄が上昇した。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
19日の日経平均は6日ぶり大幅反落。終値は674円安の37388円。米国株高を好感できず、3桁下落スタート。ただ、開始直後に300円超下げたところでは押し目買いが入って急速に値を戻した。プラス圏に浮上する場面もあり、前場は小幅な下落で終えた。
しかし、後場に入ると円高に神経質な反応を示して下げ幅を拡大。値下がりに転じる銘柄も多くなる中、下げては幾分戻しといった動きを繰り返しながら水準を切り下げていった。次第に円高と株安がお互いを勢いづけるような動きとなり、ドル円は145円台に突入。指数は700円超下げる場面もあり、安値圏で終了した。グロース250指数は前場では大きく上昇しており、後場に失速したもののプラスで終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1600億円。業種別では小売と海運の2業種のみがプラスで、陸運の下げが限定的。一方、鉱業、機械、輸送用機器などが大幅安となった。カナダのコンビニ大手から買収提案を受けたとの観測が報じられたセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>が、後場に入ってストップ高まで買い進まれた。半面、円高進行を受けて、トヨタ<7203.T>が後場に入って下げ幅を広げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり252/値下がり1373。レーザーテックや日本郵船が逆行高。JR東日本やJR九州など鉄道株の一角に資金が向かった。報道を手がかりにハートシードが急騰し、リリースのあったシンバイオがストップ高となるなど、バイオ関連が人気化。株主優待の新設を発表したアスマークが、場中は値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、ディスコ、東京エレクトロン、ソシオネクストなど、半導体株の多くが大幅安。ほか主力銘柄では、三菱重工、日立、リクルートなどが弱かった。原油安を嫌気して、INPEX、出光興産、富士石油などが軟調。今期の最終減益見通しが嫌気されたパンパシHDが5%を超える下落となった。
日経平均は大幅安。後場に入って直前の急落局面がフラッシュバックしたかのように円高と株安が同時進行した。先週大きく上昇したからこそ下に値幅が出たと考えられるが、きょうのように前場と後場で大きく雰囲気が変わってしまうと、買いは及び腰になる。今週は先週に比べると米国の重要指標の発表は少ない。また、週後半のジャクソンホール会議は、パウエルFRB議長が9月の利下げを明言した場合、米長期金利が低下してドル安(円高)に振れる可能性がある。円安を期待しづらい週になるだけに、きょうのように過度に円高を嫌ってしまうと日本株は脆くなってしまう。日経平均のきょうの終値は37388円。5日線(36970円、19日時点)を明確に割り込んでしまうとそのことが新たな売りを呼び込みやすくなるだけに、あすは37000円より上で推移できるかが注目される。
(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.59円(前営業日比▲1.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.50円(▲0.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1085ドル(△0.0058ドル)
ダウ工業株30種平均:40896.53ドル(△236.77ドル)
ナスダック総合株価指数:17876.77(△245.05)
10年物米国債利回り:3.87%(▲0.01%)
WTI原油先物9月限:1バレル=74.37ドル(▲2.28ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2541.3ドル(△3.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米景気先行指標総合指数
(前月比) ▲0.6% ▲0.2%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは続伸。欧米株価の上昇を背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが先行。7月米景気先行指標総合指数が前月比0.6%低下と予想の0.3%低下を下回るとユーロ買い・ドル売りが活発化し、5時前に一時1.1086ドルと年初来高値を更新した。
一時は3.9073%前後まで上昇した米10年債利回りが低下に転じたことも相場の支援材料となった。市場では「米労働省が21日に公表する年次改定で過去の雇用統計を下方修正する」との見方が浮上。米金利低下の一因となった。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.85と1月2日以来の低水準を付けた。
・ドル円は続落。東京市場ではM&A(合併・買収)に絡んだ思惑的な円買いが観測されて一時145.19円と7日以来の安値まで急落したものの、NY市場では下値の堅さが目立った。欧米株相場の上昇を手掛かりにリスク・オンの円売りが出ると一時146.71円付近まで値を戻した。ただ、予想を下回る米経済指標や米金利低下が相場の重しとなったため、戻りは限定的となった。
・ユーロ円は続落したものの、下値は堅かった。東京市場では一時160.42円まで下落したものの、NY市場に入ると買い戻しが優勢となり、5時30分過ぎに162.58円付近まで下げ渋った。欧米株高やユーロドルの上昇に伴う円売り・ユーロ買いが出た。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸。前週発表された米経済指標を受けて景気悪化への過度な懸念が後退する中、株を買う動きが続いた。ただ、足もとで相場上昇が続いていることから利食い売りなども出やすく、上値は限定的だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は8日続伸。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が堅調に推移し、4%超上げた。
・米国債券相場で長期ゾーンは小幅続伸。7月米景気先行指標総合指数が予想を下回ると買いがやや優勢となったが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演など週内の重要イベントを前に大きな方向感が出なかった。
・原油先物相場は続落。エネルギー消費大国である中国の景気減速による石油需要減退への懸念が重しとなるなか、7月米景気先行指標総合指数の予想比下振れも売りを後押した。また、パレスチナ自治区ガザでの停戦をめぐり米国の提案に基づき今週交渉が再開される見込みで、停戦による供給リスクの軽減期待も上値を圧迫した。
・金先物相場は3日続伸。小幅ながら続伸し、史上最高値更新の動きが継続した。利食い売りが先行したが、予想比下振れの7月米景気先行指標総合指数を受けて米長期金利が低下し、ドルが重い動きとなったことが支援材料となり上昇して取引を終えた。また、中国人民銀行(中央銀行)が複数の国有銀行に新たな金輸入枠割り当てたとの報道も買いを後押した。
19日19:21 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「9月利下げの可能性についての議論を行うことは適切」
「リスクのバランスは二重責務のうち、インフレからより労働市場へシフトしてきている」
「インフレは進展を見せており、労働市場はいくつかの懸念すべき兆候を示している」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○06:30 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○07:45 ◎ 7月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○10:30 ◎ 8月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○15:00 ◇ 7月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:3.50%に引き下げ)
○17:00 ◇ 6月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○17:30 ◎ 7月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.6%)
○18:00 ☆ 7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.6%)
○18:00 ☆ 7月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.9%)
○18:00 ◇ 6月ユーロ圏建設支出
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:50.00%で据え置き)
○21:30 ◎ 7月カナダCPI(予想:前月比0.4%/前年比2.5%)
○21日02:35 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○21日03:45 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)、討議に参加
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 37800 +630 (+1.69%)
TOPIX先物 2666.0 +38.0 (+1.44%)
シカゴ日経平均先物 37820 +650
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
19日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米経済の大幅な悪化懸念が後退するなか、ゴールドマン・サックスは、米経済が今後1年以内に景気後退に陥る確率を25%から20%に引き下げた。また、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が9月の利下げを支持する考えを示したと伝わったことが材料視された。
経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で23日に予定されるパウエルFRB議長の講演を控え、様子見姿勢も強かったが、インテル<INTC>やマクドナルド<MCD>が3%を超す上昇でNYダウを牽引した。また、エヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロ・デバイセス<AMD>など半導体株も買われ、ナスダック指数は8日続伸。S&P500業種別指数はすべで上昇し、半導体・同製造装置、自動車・同部品、メディア、消費者サービス、耐久消費財・アパレルの強さが目立った。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比650円高の3万7820円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比130円高の3万7300円で始まり、直後に付けた3万7230円を安値にロング優勢となり、米国市場の取引開始時には3万7500円を回復。その後も強い基調を継続し、終盤にかけて3万7870円まで買われる場面もみられ、3万7800円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まりそうだ。米国市場の取引開始時に25日移動平均線(3万7560円)を上回っており、同線が支持線として意識されてくることになりそうだ。昨日は午後に入り円高を嫌気する形で25日線を割り込んでいたが、早い段階での同線回復によってショートを仕掛けにくくさせよう。
そのため、オプション権利行使価格の3万7500円から3万8125円のレンジを想定する。25日線での底堅さは意識されるが、節目の3万8000円接近では強弱感が対立する可能性がある。まずは16日に付けた3万8140円をクリアしてくるのを見極めたい。同水準を上回ってくる局面では、75日線が位置する3万8620円を意識したロングが強まりそうである。膠着感が強まる局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
19日のVIX指数は14.65(前日は14.80)に低下した。75日線(14.76)を下回ってきており、200日線(14.27)に接近してきた。同線を割り込んでくると、7月19日に付けた10.62が意識されてくるため、軟化する場面でもショートに傾けるポジションは避けたい。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.14倍に低下した。前場は14.19倍で推移している200日線を挟んだ14.17倍~14.22倍辺りの狭いレンジでの動きとなった。後場は指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を押し下げるなか、一時14.12倍まで下げる場面もみられたが、足もとでの14.00倍~14.20倍辺りの直近のレンジ内での動きだった。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引することで、ややNTロングに振れやすい場面がありそうだが、トレンドは出にくいだろう。
19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧米株相場の上昇を背景に東京市場の安値145.19円から146.71円付近まで反発。しかしながら、予想を下回る米経済指標や米金利低下により戻りは限定的だった。ユーロドルは欧米株価の上昇や7月米景気先行指標総合指数が予想を下回ったことで1.1086ドルまで上昇した。ユーロ円は東京市場の安値160.42円から162.58円付近まで戻した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利の低下や昨日のドル売り・円買いの要因だった米雇用年次ベンチマーク改定予想や日本企業に対する大型買収案件への警戒感から上値が重い展開が予想される。
今週のメインイベントは、23日に予定されている植田日銀総裁の衆議院財務金融委員会での閉会中審査における利上げに関する意見聴取と、ジャクソンホール会合でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演だろう。両者は、7月31日の日銀金融政策決定会合の後と米連邦公開市場委員会(FOMC)の後の記者会見でドル売り・円買いの流れに拍車をかけており、23日も同様の見解ならばドル売り・円買い再開が警戒されている。
昨日の米系ヘッジファンド筋によるドル売り仕掛けの背景として、明日米労働省が発表する年次ベンチマーク改定での2024年3月分までの1年間の雇用者数が、大幅に下方修正される可能性が指摘されていた。ちなみに、昨年8月は、50万人程度の下方修正が警戒されていたが、実際は30.6万人の下方修正だった。
雇用統計の事業所調査は、非農業部門(Non Farm)約11.9万社の給与明細(Payroll)で集計されるが、新たに生まれた企業による新規雇用と事業閉鎖に伴う雇用者減少は反映されない面がある。そこで労働省は、事業者調査に基づく雇用者増加数に、新たに生まれた企業による新規雇用者増加数と事業閉鎖に伴う雇用者減少数を暫定的に推計して、過去5年間の移動平均線と比較する「Birth-Death model(起業・廃業モデル)」で調整している。
しかし、米労働省は、「起業・廃業モデル」が正確ではないことを認めており、ウォールストリート・ジャーナル紙は、昨年7月の記事で、「起業・廃業モデル」により「NFPは労働市場を過大評価している可能性」を取り上げていた。
2023年4月から2024年3月までの非農業部門就労者数の月平均は24.1万人の増加だが、50万人程度下方修正された場合、月平均で20万人を割り込むことになる。すなわち、23日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演で、9月FOMCでの利下げ幅が0.50%程度と言及する可能性が高まることになる。
もう一つの円買い材料としては、カナダ企業による日本企業に対する5兆円規模の買収案件が取り沙汰されており、今後の注目材料となる。7月11-12日の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入(5兆5348億円)に匹敵する額であり、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
10時30分に公表される8月5-6日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨がタカ派寄りの内容だった場合は豪ドル買いにつながることで警戒しておきたい。声明文では「労働市場は依然としてひっ迫している」との見解が示されており、7月の雇用統計でも常勤雇用者数を中心に新規雇用者数が予想を大幅に上回っていた。
中国の全国銀行間同業折借中心が20日に発表した2024年8月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は、1年物を3.35%で据え置き、5年物も3.85%で据え置いた
昨日のドル円は、東京時間に米系短期筋の売り仕掛けから145.19円まで急落したこともあり、海外市場に入ってからは、終始ショートカバーが持ち込まれることになりました。NY市場に入って7月米景気先行指標総合指数が予想を下回る弱い数字となったものの、下押しも限定的。146.71円まで買戻されて週明けの取引を終えています。
市場では「東京のランチタイムから日経平均先物を売り仕掛けたCTA筋が、カナダコンビニ大手によるセブン&アイHDへの買収提案や先週から一部で話題となっている21日発表の米労働省による雇用統計の下方修正を囃してドル円も売り込んだ」との認識。ただ、短期勢ゆえに、「かなり足が速かった」わけで、欧州時間に入ってからはずっと買戻しとなったといったところです。
いずれにしても、先週13日時点での投機筋のポジションが23104枚の円ロングに転換しているわけで、今のところ、円ショートの減少が続いていることによる一時的な状況のようにもみえますが、先週から一部マクロ勢が円キャリーを再開し始めているなか、昨日のように一部短期筋の円ロング方向、つまり、ドル円の売りと日経平均の売りを同時に仕掛けてくるような動きも観測される可能性があることを認識しつつ、ボラティリティの高い相場を前提とした戦略が必要となってきています。目先は、週足ベースの一目雲上限が位置する145.97円付近を意識した動きとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比850円高の3万8020円(+2.28%)前後で推移。寄り付きは3万7850円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万7820円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。3万7910円まで買われた後に3万7710円まで上げ幅を縮め、その後は3万7750円~3万7900円辺りでの保ち合いを継続。ただし、中盤辺りからレンジを上放れると、終盤にかけて3万8000円を回復し、3万8090円まで買われた。
日経225先物は3万8000円手前で売り買いが交錯していたが、終盤にかけて3万8000円を回復した。ランチタイムで上げ幅を広げており、16日に付けた高値3万8140円を突破してきたことから、後場はインデックスに絡んだ買いが入りそうだ。ショートカバーの動きも意識されるなか、上へのバイアスが強まるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。1419倍に位置する200日線を上回っての推移をみせている。日経225先物が3万8000円を上放れてくるなか、14.00倍~14.20倍辺りの直近のレンジを明確に突破する展開が意識されそうである。ややNTロングを想定したスタンスに向かいやすい。
2020年8月27日、パウエルFRB議長は、カンザスシティー地区連銀の経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)における講演『金融政策の枠組みの再構築(The Monetary Policy Framework Review)』で、FRBの金融政策の主軸を「物価安定」から「雇用最大化」へ大転換することを表明した。そして、「2%平均インフレ目標(AIT:アベレージ・インフレ・ターゲット)」という新戦略を打ち出し、物価上昇率が一時的に2%を超えるのを容認して、金融緩和策の長期化により雇用拡大を優先することを約束した。
2024年8月23日、パウエルFRB議長は、ジャクソンホール会合での講演で、7月の失業率が4.3%まで上昇し、FRBが完全雇用と見なす4.2%をわずかに上回っていることで、2020年の約束を再確認、すなわち、利下げ開始に言及する可能性が高まっている。
1.ジャクソンホール会合での金融政策示唆
■1998年:グリーンスパン第13代FRB議長は、ロシア危機とLTCM危機への対応策を協議した。
■1999年:バーナンキ米プリンストン大学教授(後の第14代FRB議長)は、山口日銀副総裁(当時)と日本銀行のバブルに対する金融政策に関して論争した。
■2010年:バーナンキ第14代FRB議長は、「経済見通しと金融政策で、量的金融緩和政策第2弾(QE2)の導入を示唆し、11月のFOMCでQE2が導入された。
■2014年:ドラギ第3代ECB総裁は、量的金融緩和政策の導入を示唆し、後に導入した。
■2016年:イエレン第15代FRB議長は「FRBの金融政策手段」で「利上げへの論拠が強まった」と発言し、12月のFOMCで利上げを実施した。
■2018年:パウエル第16代FRB議長は「自然利子率の推定はかなり不確実である」と述べた。
■2020年:パウエル第16代FRB議長は、「平均インフレ目標」の導入により、「雇用の最大化」に包摂的な意味を加えたが、後に撤回を余儀なくされた。
■2021年:パウエル第16代FRB議長は、「経済見通し」で、年内の早期テーパリング(資産購入の段階的縮小)開始を示唆した。
■2022年:パウエル第16代FRB議長は、金融引き締めを「やり遂げるまでやり続けなければならない」と述べ、利上げを継続する姿勢を鮮明にした。
■2023年:パウエル第16代FRB議長は、「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある。インフレがわれわれの目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで、政策を景気抑制的な水準に据え置く考えだ」と述べた。そして、「中立金利の水準は不明で、政策の立ち位置を正確に判断するのは困難」と「自然利子率」を一蹴した。
2. デイビッド・ジャクソンの峡谷
19世紀初頭の米国ロッキー山麓、罠猟師のデイビッド・ジャクソン (David Jackson)は、獲物を追って峡谷(hole)に迷い込んだ。その峡谷は、探検家ジョン・コルターが1806年に足を踏み入れて紀行文で紹介した場所であり、ジャクソンホール(Jackson hole)と命名された。
3. ジャクソンホール経済政策シンポジウム(Jackson Hole Economic Policy Symposium)
1978年8月、米国の連邦準備銀行の一つであるカンザスシティー連邦準備銀行(第10地区管轄)は、世界各国から中央銀行総裁、財務大臣などの政治家、経済学者、エコノミストなどが参加する経済シンポジウムの開催を始めた。しかしながら、夏休みに、アメリカのロッキー山脈のリゾート地でもあるワイオミング州までわざわざ出掛けて来る中銀総裁や財務大臣はほとんど居なかった。そこで、カンザスシティー連銀は、1979年の「ボルカー・ショック」で米国のインフレを鎮静化させたボルカー第12代FRB議長を招聘することにして打診した。ボルカー第12代FRB議長が、趣味であるフライ・フィッシング(Fly fishing)が出来るなら参加してもいい、と応えたことで、1982年から渓流釣りで有名なジャクソンホール(Jackson Hole:ジャクソン渓谷)のホテル「ジャクソン・レイク・ロッジ」で経済シンポジウムが開催されるようになった。ジャクソンホール会合は、時折、中銀総裁が重要な金融政策を示唆したこともあり、注目されるようになった。
「Symposium(シンポジウム)」は、ギリシャ語で、一緒に酒を飲む「饗宴」に由来し、公開討論会、研究発表会のニュアンスがある。
本日のロンドン為替市場では、東京時間でも年初来高値を更新したユーロドルがどの程度まで上値余地を試せるかが注目。昨日は欧州株価の上昇を受けたユーロ買い、米金利先安観を背景としたドル売りに後押しされた。日経平均が午前の買戻し基調を維持できるようであれば、欧州でも良好なリスクセンチメントが引き継がれてユーロの下支えとなるか。上値のターゲットとしては、昨年12月高値1.1139ドルが意識されるだろう。
ユーロ圏の経済指標では7月消費者物価指数(HICP、前年比)が発表されるが、こちらは改定値。速報値(総合が2.6%、コアは2.9%)から変わりなしが大方の市場予想であり、基本的に相場へのインパクトは弱そうだ。結果を確認後は、今月末に発表される8月HICP速報値に目が向くことになるか。
なお東京の朝方には、レーン・フィンランド中銀総裁の発言「ユーロ圏の成長低迷は、9月欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ根拠を強める」が伝わっている。ただし、短期金利市場は既に追加の金利引き下げを織り込んでおり、ユーロドルの反応は鈍かった。
その他、欧州序盤にスウェーデン中銀が政策金利を公表する。市場は現行3.75%から3.50%への利下げを予想。見込み通りであれば、2会合ぶりの金利引き下げとなる。先週発表された7月スウェーデン消費者物価指数(CPI)は総じて予想より上振れたものの、インフレ鈍化基調は続いているため、決定にサプライズはなさそう。前回会合の声明で示唆した「下半期に2-3回の利下げ」について、同様の見解を示すのかが注目される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、2023年12月28日高値1.1139ドル
・スウェーデン・クローナ(SEK)円、7月23日高値14.65円
想定レンジ下限
・ユーロドル、19日安値1.1014ドル
・SEK円、19日安値13.94円
(20日15時時点)
ドル円:1ドル=147.27円(前営業日NY終値比△0.68円)
ユーロ円:1ユーロ=163.12円(△0.62円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1076ドル(▲0.0009ドル)
日経平均株価:38062.92円(前営業日比△674.30円)
東証株価指数(TOPIX):2670.54(△29.40)
債券先物9月物:144.78円(△0.06円)
新発10年物国債利回り:0.890%(△0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。5・10日(ゴトー日)とあって朝方から買いが入り146.87円まで値を上げたが、本邦輸出企業からまとまった売りが観測されると145.85円まで一転下落。一方で、「カナダのコンビニエンスストア大手によるセブン&アイ・ホールディングス買収計画に対して米当局が異議の可能性」との一部報道を受けて対カナダドル主導で円売りが強まると、ドル円もつれ高に。一時147.35円まで買い上げられた。
・ユーロ円も底堅い。161.71円まで下落する場面があったが、M&A絡みの円買いへの思惑が後退すると一転して買い戻しが優勢となり163.19円まで反発。総じてドル円と同じ動きとなった。カナダドル円は107.01円まで下げた後は108.06円まで切り返した。
・ユーロドルは小安い。ドル円が底堅く推移したことに伴ってユーロ売り・ドル買いが散見され、一時1.1073ドルまで下押しした。
・日経平均株価は反発。昨日の米国株が上昇したことを好感する形で日本株にも買いが入った。外国為替市場での円安も相場を後押しし、指数は一時800円超上昇した。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。20年物国債入札を控えるなか、前日終値を挟んで神経質に上下した。入札結果は無難との見方から発表後は方向感なく推移した。
イスラエルの地元メディアによると、レバノンから現地朝以降80発のロケットが発射されたという。
大阪9月限
日経225先物 38080 +910 (+2.44%)
TOPIX先物 2672.0 +44.0 (+1.67%)
日経225先物(9月限)は前日比910円高の3万8080円で取引を終了。寄り付きは3万7850円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万7820円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。3万7910円まで買われた後に3万7710円まで上げ幅を縮め、その後は3万7750円~3万7900円辺りでの保ち合いを継続。ただし、前場中盤辺りからレンジを上放れると、前引けにかけて3万8000円を回復した。
さらにランチタイムでは16日に付けた高値3万8140円を突破し、ショートカバーの動きが意識されるなか、一時3万8270円まで買われる場面もみられた。後場に入ると3万8100円~3万8200円辺りでの保ち合いとなり、中盤は3万7950円まで上げ幅を縮めたものの、終盤に再び3万8200円を回復。引けにかけては持ち高調整の動きから上げ幅を縮めたが、前日の下落部分を吸収し3万8000円を回復して終えた。
日経225先物は3万8000円手前で売り買いが交錯していたが、前場終盤にかけて3万8000円を回復し、ランチタイムで16日の戻り高値を突破していた。チャート上では前日の陰線部分を吸収したこともあり、短期筋のカバーを誘う形になったようだ。また、この時間帯で為替市場では1ドル=147円台と円安に振れて推移していたこともあり、ロングの動きも入ったとみられる。
本日はインデックスに絡んだ商いが中心であり、指数インパクトの大きいファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]などが日経平均型をけん引した。また、東証プライムの騰落銘柄は、値上がり数が全体の9割を占めており、TOPIX型も買いが入っていた。
カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で23日に行われるパウエルFRB議長の講演を控え、様子見姿勢も強まりやすいタイミングである。一方で、8月上旬の世界株安によってヘッジファンドなどは買いポジションを一気に解消したとみられており、足もとの急ピッチの上昇によって買い遅れている可能性がある。ジャクソンホール会議を前にロングを積み増しておきたいと考えられ、押し目ではロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.25倍に上昇した。14.19倍に位置する200日移動平均線を上回っての推移となり、日経225先物が3万8000円を回復するなか、これまでの14.00倍~14.20倍辺りのレンジを上放れてきた。200日線が支持線として機能するようだと、NTロングを想定したスタンスに向かいやすい。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万3254枚、ソシエテジェネラル証券が1万2847枚、サスケハナ・ホンコンが6538枚、バークレイズ証券が3674枚、JPモルガン証券が3604枚、野村証券が2357枚、ゴールドマン証券が1793枚、モルガンMUFG証券が1616枚、SBI証券が1375枚、みずほ証券が1269枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3713枚、ソシエテジェネラル証券が1万5696枚、JPモルガン証券が4647枚、サスケハナ・ホンコンが3986枚、バークレイズ証券が3653枚、モルガンMUFG証券が3519枚、ビーオブエー証券が2303枚、ゴールドマン証券が2275枚、BNPパリバ証券が1354枚、みずほ証券が1319枚だった。
ドル円は先週後半から続く荒い値動きが継続。本日も約1円下げるところから始まり、東京午後には1円50銭買い戻されると、欧州入り後は再び1円超下げるなど乱高下を繰り返している。カナダ企業によるセブン&アイ・ホールディングスの買収に対して米当局が異議を申し立てる可能性でドル買い・円売りが進んだとされているが、ドル/カナダドルは20Pipsを超える程度の値幅での取引に終始したままで、円だけの流動性が悪いのが如実に表されている。流動性を取り戻すのには時間を要することで、NY入り後も些細なニュースやフローで上下を繰り返すことが予想される。
もっとも、本日は米国からは市場を動意づけるような主だった経済指標の発表が予定されていないことで、市場のトレンドを作るのは難しいか。要人の講演では今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票メンバーであるボスティック米アトランタ連銀総裁の講演と質疑応答が予定されていることに注意したい。なお、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長も別の討議に参加するが、内容がサイバーセキュリティについてであることで動意づくのは難しそうだ。
荒い値動きとなりそうだが、明日日本時間23時には、米労働省労働統計局(BLS)による年次改定が公表されることで、この結果が出るまでは動きにくいかもしれない。
ドル円以外では、カナダから7月の消費者物価指数(CPI)が発表されることで、カナダドルの動きに要注目。7月CPIは前月比で今年初めてマイナスとなった6月から再びプラス(0.4%)に転じると予想されている。一方で、前年比では伸びが一段と鈍化する(2.7%から2.5%)と見込まれている。ドル/カナダドルは7月上旬以来の水準までドル安・カナダドル高が進んでいることで、インフレ指標の上振れの方が市場は反応しやすいか。
・想定レンジ上限
ドル円は、これまでの本日高値147.35円。
ドル/カナダドルは、日足一目均衡表・雲上限1.3691CAD、同・転換線1.3690CAD近辺
・想定レンジ下限
ドル円は、19日安値145.19円。
ドル/カナダドルは、200日移動平均線1.3595CAD、割り込むと4月4日安値1.3478CAD。
SMBC日興証券では、2024年4-6月期GDP1次速報を受けて、経済見通しを改定している。実質GDP成長率は、24年度を前年比+0.7%、25年度を同+1.5%としており、前回6月10日の予想から、24年度を0.2ppt上方修正し、25年度を0.1ppt下方修正している。24年度は4-6月期の結果がSMBC日興予想より強かったことを受けて上方修正しており、25年度は公共投資の下方修正を踏まえている。SMBC日興では、足元で円安が修正されてきており、輸入物価を通じた国内物価の押し上げが一巡していくと考えている。インフレ鎮静化から実質賃金は上昇し、25年後半頃から民間消費、国内景気の回復が始まると予想している。
今晩は高値もみ合いか。昨日は特段の材料がなかったものの、インフレの鈍化や景気減速懸念の後退を好感した先週の株高の流れが続き、主要3指数がそろって上昇した。ダウ平均は236.77ドル高(+0.58%)と5日続伸し、S&P500とナスダック総合はそれぞれ0.97%高、1.39%高と8日続伸し、ともに今年最大の長期連騰を記録した。ダウ平均は終値の最高値まで301.55ドル(0.73%)に迫り、S&P500も最高値まで1.04%に迫った。一時、高値から10%超下落し「調整相場」入りとなったナスダック総合も下落率を4.13%に縮小した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の14.80ポイントから14.65ポイントに低下。センチメントは引き続き改善した。引け後の動きでは予想を上回る決算や強い見通しを発表したパロ・アルト・ネットワークスが時間外で約2%上昇した。
今晩は高値もみ合いか。S&P500とナスダック総合が今年最長の8連騰を記録し、ダウ平均とS&P500は7月に付けた史上最高値まで1%前後に迫った。センチメントが改善する中、インフレ鈍化による利下げ期待や、米国経済のソフトランディング期待を背景にダウ平均とS&P500の最高値更新が期待されるものの、週末金曜日にジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演が控えていることや、連騰や最高値接近による高値警戒感が上値圧迫要因となりそうだ。消費動向を巡っては寄り前に発表されるホームセンターのロウズの決算発表が注目される。
今晩は主要な米経済指標の発表はないが、ボスティック米アトランタ連銀総裁やバー米連邦準備理事会(FRB)副議長の講演などが予定されている。企業決算は寄り前にロウズ、メドトロニック、引け後にキーサイト・テクノロジーズなどが発表予定。
終わりが見えない永遠の物価値上がりは消費を萎縮させる
(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.48円(20日15時時点比▲1.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.72円(▲1.40円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1116ドル(△0.0040ドル)
FTSE100種総合株価指数:8273.32(前営業日比▲83.62)
ドイツ株式指数(DAX):18357.52(▲64.17)
10年物英国債利回り:3.915%(▲0.007%)
10年物独国債利回り:2.215%(▲0.031%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月独生産者物価指数(PPI)
(前月比) 0.2% 0.2%
スウェーデン中銀、政策金利
3.50%に引き下げ 3.75%
6月ユーロ圏経常収支
季調済 505億ユーロの黒字 376億ユーロの黒字・改
7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 2.6% 2.6%
7月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.9% 2.9%
6月ユーロ圏建設支出
(前月比) 1.7% ▲0.9%
(前年比) 1.0% ▲2.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。しばらくは1.10ドル台後半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.81%台まで低下すると全般ドル売りが進行。1時30分過ぎに一時1.1119ドルと年初来高値を更新した。市場では「米労働省が21日に公表する年次改定で過去の雇用統計を下方修正するとの観測もくすぶる」との声が聞かれた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.47と1月2日以来の低水準を付けた。
・ドル円は軟調だった。欧州株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行。米長期金利の低下に伴うドル売りも出ると、アジア時間の安値145.85円を下抜けて一時145.35円まで値を下げた。
なお、市場では「カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム『ジャクソンホール会議』でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演するのを控えて、様子見の投資家も多かった」との指摘があった。
・ユーロ円はさえない。アジア時間に一時163.19円まで値を上げたものの、前日の高値163.45円がレジスタンスとして働くと失速した。ドル円の下落につれた売りが出たほか、欧米株価の下落に伴うリスク・オフの円買いが入った。2時過ぎには一時161.54円と日通し安値を更新した。
・スウェーデンクローナは堅調だった。スウェーデン中央銀行はこの日、政策金利を現行の3.75%から3.50%へ引き下げることを決めたと発表。市場予想通りの結果となった。声明では「インフレ見通しが変わらなければ、政策金利を今年中にあと2回か3回引き下げることがあり得る。6月の想定よりも幾分速い緩和ペースになる」と説明し、従来の想定以上の緩和を実施する見通しを示した。ただ、指標発表後は全般クローナ買いが優勢となり、対ドルで一時10.2099クローナ、対ユーロで11.3496クローナまで値を上げた。
・ロンドン株式相場は反落。新規材料に乏しい中、利益を確定する売りが優勢となった。カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB議長が講演するのを控えて、様子見の投資家も多かった。BPやシェルなど時価総額が大きいエネルギー株が下げ、相場の重しとなった。
・フランクフルト株式相場は11日ぶりに反落。前日までに10日続伸するなど、足もとで相場上昇が続いていただけに利益確定目的の売りが優勢となった。個別ではシーメンス・エナジー(3.50%安)やラインメタル(3.01%安)、バイエル(2.80%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
20日の日経平均は大幅反発。終値は674円高の38062円。円高一服と米国株高を好感して、寄り付きから400円を超える上昇。序盤は強弱感が交錯してもみ合ったが、幅広い銘柄が買われる中で、10時以降はじわじわと上を試しに行った。前場のうちに節目の38000円を上回ると、後場のスタート直後には800円超上昇して38200円台に乗せた。13時以降は動きが落ち着き、大引けにかけてはやや値を消したものの、前日の下げ分(674円安)を取り戻し、終値で38000円を上回った。新興銘柄の動きが良く、グロース250指数が3.7%高と大きく上昇した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆9600億円。業種別ではパルプ・紙、陸運、非鉄金属などが大幅上昇。下落は銀行と小売の2業種のみで、鉄鋼の上昇が限定的となった。昼休みに通期の利益および期末配当の見通しを引き上げた東和ハイシステム<4172.T>がストップ高。後場の取引時間中には値が付かなかった。半面、立会外分売を予定していると発表したアルファポリス<9467.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1488/値下がり128。指数寄与度の大きいファーストリテイリングやソフトバンクGが大幅上昇。売買代金上位銘柄では、メルカリ、フジクラ、東電HDなどの動きが良く、さくらネットがストップ高まで買い進まれた。米国の住宅支援策に対する期待から住友林業が急伸。新興銘柄が賑わう中、タイミーがグロース市場の売買代金トップとなって13%高と値を飛ばした。
一方、前日買収観測でストップ高となったセブン&アイが一転急落して10%を超える下落。日立や三菱重工が逆行安となった。三井物産、三菱商事、住友商事など商社株が軟調。三井住友が弱く、しずおかFGや九州FGなど地銀株にも下落銘柄が多かった。材料のあったところでは、今期の見通しが失望を誘った北川精機が大幅安となった。
日経平均はきのう19日が674円05銭安で、きょうは674円30銭高。きょうは大幅高とはなったものの引け間際には失速しており、前日の下げ幅にきっちり合わせるかのような終わり方であった。両日とも無駄に値幅が出てしまったことは、期待と不安の両方を高める。22日~24日のジャクソンホール会議では23日にパウエルFRB議長の基調講演が予定されているが、この23日に日本では衆議院の財務金融委員会が鈴木財務大臣や植田日銀総裁に出席を求めて閉会中審査を開催することが伝わっている。日米中銀トップの発言を材料に、週後半から来週にかけては日米株価指数やドル円の振れ幅が大きくなる可能性がある。急変動のリスクを回避したければ、いったんキャッシュ比率を高めておくのが賢明だ。
きょうの終値は38062円。これより上には13週線(38543円、20日時点、以下同じ)、75日線(38652円)、26週線(38770円)など抵抗となりそうな水準が多い。下は25日線(37623円)や5日線(37336円)がサポートになるかが焦点となる。月初に暴落を見ただけに、目先は下振れに対する警戒の方が強くなるかもしれない。どうしても為替に振り回されることにはなりそうで、足元147円近辺で推移しているドル円が145円と150円、どちらの方向に向けて動いていくかが大きく注目される。
(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.26円(前営業日比▲1.33円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.67円(▲0.83円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1130ドル(△0.0045ドル)
ダウ工業株30種平均:40834.97ドル(▲61.56ドル)
ナスダック総合株価指数:17816.94(▲59.83)
10年物米国債利回り:3.81%(▲0.06%)
WTI原油先物9月限:1バレル=74.04ドル(▲0.33ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2550.6ドル(△9.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。欧米株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.80%台まで低下すると全般ドル売りが加速し、一時145.20円まで値を下げた。市場では「米労働省が21日に公表する年次改定で過去の雇用統計を下方修正するとの観測もくすぶる」との声が聞かれた。
なお、市場参加者らは米労働省が明日発表する年次改定で、3月までの年間雇用者数の伸びが現在の推定から少なくとも60万人下方修正されると見込んでいる。一部では「100万人規模の改定もあり得る」との指摘があった。
・ユーロドルは3日続伸。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが優勢になると一時1.1130ドルと年初来高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.36と1月2日以来の低水準を付けた。
・ユーロ円は3日続落。ドル円の下落につれた売りが出たほか、欧米株価の下落に伴うリスク・オフの円買いが入った。2時過ぎには一時161.54円と日通し安値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時189.24円、豪ドル円は97.87円、NZドル円は89.29円、カナダドル円は106.61円、南アフリカランド円は8.13円、メキシコペソ円は7.64円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに持ち高調整目的の売りが優勢となった。ただ、米利下げ観測の高まりが相場を下支えしたため、下押しは限定的だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は9日ぶりに反落。エヌビディアやテスラなどが売られた。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。米利下げ観測が引き続き債券買いを誘った。
・原油先物相場は3日続落。為替相場でドル売りが優勢となり、ドル建ての原油に買いが入る場面もあったが、中東情勢の緊迫化への過度の警戒感が後退し、世界最大の石油輸入国である中国の景気先行き不安が引き続き上値を圧迫した。
・金先物相場は4日続伸し、史上最高値更新の動きが継続した。米利下げ観測の高まりが引き続き金の買いを後押しているなか、為替相場でドルが下落し、ドル建ての金に割安感が意識されたことも支援材料となった。
20日07:58 レーン・フィンランド中銀総裁
「ユーロ圏の成長低迷は、9月欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ根拠を強める」
20日10:33 豪準備銀行(RBA)議事要旨
「修正された予測ではインフレ率が持続的に目標に戻るにはこれまで考えられていたよりも若干時間がかかるとの見通しが示された」
「委員はインフレが合理的な期間内に目標に戻らないリスクが高まったと評価」
「金利を据え置くことがインフレと労働市場の両方に対するリスクのバランスを最もよくとることができるとの認識で一致」
「入手可能な情報に基づくと、政策金利を短期的に引き下げられる可能性は低い」
「メンバーがインフレの進行に確信を持てるまで金融政策は十分に制限的である必要がある」
21日03:22 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事
「労働市場は引き続き緩和し、より均衡がとれつつある」
「失業率は上昇しているが、依然として歴史的低水準」
「賃金上昇率は目標を上回るペースを維持」
「政策スタンスの変更には引き続き慎重な姿勢」
「インフレが目標に向かって持続的に低下していることが示された場合、過度に抑制的にならないよう徐々に金利を引き下げることが適切となる」
「インフレには引き続き上振れリスクがあるとみている」
「インフレ抑制に向けた継続的な進展を損なわないように、忍耐強く対応する必要がある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 7月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前3307億円の赤字、季節調整済7449億円の赤字)
<海外>
○17:00 ◎ 7月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.7%/前年比4.8%)
○20:00 ◎ パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:30 ◇ 7月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.3%)
○21:30 ◇ 7月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲0.8%)
○23:00 ◎ 米労働省、雇用統計の年次改定を発表
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○22日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○22日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30日-31日分)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧米株相場の下落や米10年債利回りが3.80%台まで低下したことで145.20円まで値を下げた。ユーロドルは米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りで1.1130ドルと年初来高値を更新した。ユーロ円は欧米株価の下落に伴うリスク・オフの円買いで161.54円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日本の7月貿易収支を見極めた後は、今夜発表される米雇用年次ベンチマーク改定への警戒感から軟調推移が予想される。
8時50分に発表される日本の7月の貿易収支は3300億円程度の赤字と予想されている。
1-6月の貿易赤字は約3.2兆円だったことで、7月が予想通りならば、3.53兆円程度の赤字となる。また、投資信託を通じた家計の円売り(新NISA少額投資非課税制度)は1-7月で7兆8695億円だったことで、1-7月の本邦からの実需の円売りは約11.4兆円となる。
本邦通貨当局は、今年、15兆3233億円のドル売り・円買い介入を実施したことで、貿易赤字と家計の円売りを上回り、投機筋は円・キャリートレードの手仕舞いに動いている模様で、ドル円は需給面から161円台から141円台まで20円幅下落したことになる。
今夜23時に米労働省が発表する年次ベンチマーク改定での2024年3月分までの1年間の雇用者数は、大幅に下方修正される可能性(予想:▲30万人~▲100万人)が警戒されている。ちなみに、昨年8月は、50万人程度の下方修正が警戒されていたが、実際は30.6万人の下方修正だった。
2023年4月から2024年3月までの非農業部門就労者数は290万人の増加、月平均は24.1万人の増加だが、50万人程度下方修正された場合、月平均で20万人を割り込むことになる。
もし警戒されているように大幅な下方修正(▲100万人)だった場合、23日(日本時間午後11時)のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)でのパウエルFRB議長の講演が、7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見以上にハト派になる可能性、例えば9月FOMCでの0.50%の利下げ開始に言及する可能性が高まることになる。
FOMCは、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」と「物価の安定」)のうち、「物価の安定」に特段の重点を置き、FF金利誘導目標を0.00-25%から5.25-50%まで引き上げてきた。しかし、7月の声明文では、「2大責務の『両面』のリスクに留意する」との文言に変更され、雇用情勢に配慮するスタンスが示された。
7月の失業率が4.3%まで上昇し、FRBが完全雇用と見なす4.2%をわずかに上回っていることで、パウエルFRB議長は2020年8月のジャクソンホール会合での見解、すなわち、FRBの金融政策の主軸を「物価安定」から「雇用最大化」へ大転換することを再表明する可能性が警戒されている。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 37640 -440 (-1.15%)
TOPIX先物 2640.5 -31.5 (-1.17%)
シカゴ日経平均先物 37535 -545
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
20日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。足もとで強い上昇が続くなか、23日の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演内容を見極めたいとのムードが強く、利益確定の売りが優勢となった。ただし、9月の米連邦公開市場(FOMC)で利下げ観測や、米景気の後退懸念の和らぎを背景に底堅さがみられた。
NYダウはボーイング<BA>の下げが重荷となった。最新鋭の大型機「777X」の飛行試験を中止したと伝わったことが嫌気され、4%超下落している。ナスダック指数、S&P500指数は9営業日ぶりに下落。S&P500業種別指数は家庭用品・パーソナル用品、医薬品・バイオテクノロジー、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、エネルギー、半導体・同製造装置、銀行が下落した。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比545円安の3万7535円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比50円安の3万8030円で始まり、直後に付けた3万8090円を高値にロングの解消が優勢となり、米国市場の取引開始直前には3万7730円まで売られた。売り一巡後は3万7980円まで下落幅を縮める場面もみられたが、終盤にかけてショート優勢となり3万7470円まで売られ、3万7640円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まりそうだ。米国では21日にFOMC議事要旨が公表されるほか、米労働省の労働統計局(BLS)が米雇用者数の基準改定値を発表する。23日のパウエルFRB議長の講演に影響を与える可能性があるとして、これを見極めたいというムードもあった。為替市場ではドルが売られ、ドル・円は1ドル=145円台と円高に振れて推移するなか、東京市場でも持ち高調整の動きが入りやすい。
昨日の日経225先物は一時3万8270円まで買われ、前日の下落分を埋めたほか、16日の戻り高値3万8140円を上回った。ナイトセッションで3万7470円まで下げる場面もみられたが、下向きで推移する25日移動平均線が3万7430円辺りで推移しており、同線が支持線として意識されそうだ。また、これを下回ったとしても3万6950円辺りに位置する200日線が支持線として機能すると考えられ、25日線を下回る局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
BLSが発表する米雇用者数の基準改定値は、大幅に下方改定されるとみられており、予想通りとなれば円高基調が強まる可能性がある。積極的なロングは限られるとみられ、25日線を挟んでの攻防になりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万7000円から3万8000円のレンジを想定する。ポジションを傾けにくい需給状況のなか、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。
20日のVIX指数は15.88(前日は14.65)に上昇した。前日に75日線(14.76)を下回ってきており、200日線(14.27)に接近していたが、いったんは反発しやすい水準であろう。神経質にさせる可能性はあるが、20.00を下回っての安定水準であるため、ショートに傾けるポジションは避けておきたい。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に上昇した。14.19倍に位置する200日線を上回って推移し、これまでの14.00倍~14.20倍辺りのレンジを上放れてきた。本日は利食い優勢のなかでトレンドは出にくいとみられるが、円高基調が強まるとTOPIX型が売られる可能性がある。200日線水準での底堅さがみられる場面では、その後のNTロングを想定したスタンスに向かいやすい。
昨日の海外市場では、特にNY市場に入ってから米長期金利が大幅な低下。全般ドル安の動きが強まることになりました。ドル円は一時145.20円まで値を下げたほか、ユーロドルは1.1130ドルまで年初来高値を更新しています。アジア時間に入ってからは、米系短期勢が売りを先行。昨日安値の145.20円や19日の安値145.19円を下抜けて一時144.94円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は本邦実需の買いが断続的に観測されると145.59円まで値を戻しているといったところです。
市場では、昨日のNY市場でも顕著だったように、本日米労働省が23時に公表する米雇用統計の年次改定の速報に焦点があてられているわけですが、この改定値は毎年8月に速報値が発表され、翌2月に最終修正値が明らかになるというもの。昨年は30.6万人の下方修正に対して、最終的には13万人程度の下方修正に収まりました。また、2022年については、速報値が46.2万人の上方修正。毎年こういった動きがあることは周知の事実です。
ただ、今年の改定値については、先週末あたりから、100万人下方修正という数字が独り歩きしてしまっている模様。具体的にはJPが36万人の下方修正予想に対し、GSが60万人の下方修正予想。ただ、GSは100万人までの下方修正もあり得るといった見通しだったことから、市場にこの100万人を織込むような米系短期筋による売り仕掛けが観測されているといったところです。実際は、2019年の50.1万人の下方修正がこれまでの最大修正値。市場がかなり前掛かりになって仕掛けているのがわかります。
いずれにしても、市場は既に100という数字を織込んでいるような状況。ドル円については、目先、「145.00円割れを3度トライして下抜けに失敗している」わけで、本邦実需勢のビッドの厚さが意識されています。ドル円はこのところ、市場の流動性に問題を抱えてしまっているなか、少しのネタやフローにも50銭や1円といったボラティリティを普通に繰り返す、ある意味「異常な相場環境」となっていますが、米系短期勢と米系マクロ勢との相場の方向性が対立している以上、まだまだこういった不安定な動きが日経平均を巻き込むかたちで進んでいくのかもしれません。
日経225先物は11時30分時点、前日比300円安の3万7780円(-0.78%)前後で推移。寄り付きは3万7560円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万7535円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。直後に付けた3万7510円を安値に押し目待ち狙いのロングが意識されるなか、中盤に3万7880円まで下落幅を縮める場面もみられた。終盤にかけては3万7700円~3万7800円辺りでの保ち合いが続き、下値の堅さは意識されている。
日経225先物は米株安と為替市場での円高が重荷となる形で売りが先行したが、下へのバイアスは強まっていない。売り一巡後は円高が一服するなか、押し目狙いのロングが意識されたほか、25日移動平均線(3万7430円)が支持線として機能しており、ショートを仕掛けづらくさせている。為替にらみではあるが、短期的には前場に付けた高値の3万7880円辺りを狙った動きが意識されそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.22倍に低下した。一時14.16倍まで下がり、14.19倍に位置する200日線を下回る場面もみられたが、その後は同線を上回っての膠着となった。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が軟調ながら、東証プライムの値下がり銘柄は8割近くを占めていることもあり、NTショートにも振れにくいだろう。
ドル円は、ドル高・円安8年サイクルにより、2024年7月3日の高値161.95円で当面の高値を付けた可能性が高まっている。
参考までに、次回のドル高・円安8年サイクルは2032年での175.50円(※1978年安値)を想定しておきたい。
1.ドル高8年サイクル
ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけている。
・1974年1月:304.90円
・1982年10月:278.50円(約8年10カ月)
・1990年4月:160.35円 (約7年6カ月)
・1998年8月:147.64円 約8年4カ月)
・2007年6月:124.14円 (約8年10カ月)
・2015年6月:125.86円 (約8年1カ月)
・2024年7月:161.95円 (約9年)
2. 斜行三角形:160.35円~176.40円~192.91円
ドル円は160.35円~79.75円(▲80.60円)を底辺とする「斜行三角形」を形成している。
第1目標値は、起点である160.35円だったので、161.95円までの上昇で達成した。
第2目標値は、E計算値での第1波動125.86円に値幅50.54円を加えた176.40円。
第3目標値は、上抜けた水準112.31円に底辺幅80.60円を加えた192.91円。
3.エリオット波動
・第1波動:75.32円-125.86円(+50.54円)
・第2波動:125.86円-101.19円(▲24.67円 半値押し)
・第3波動:101.19円-161.95円(+60.76円)
・第4波動:161.95円-126~130円(※第4波動と第1波動は重ならない)
・第5波動:126~130円-175.50円
4.7月日米金融政策決定会合・・日米10年債利回り格差の縮小観測
■日銀金融政策決定会合:追加利上げ0.25%⇒0.75~1.00%への利上げの可能性
■米連邦公開市場委員会(FOMC):9月の利下げ開始を示唆
※リスクシナリオ:トランプ第47代米大統領が誕生した場合
・ハト派:米連邦準備理事会(FRB)に利下げ圧力
・タカ派:財政拡大懸念&関税引き上げ⇒インフレ懸念
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演を見極めた後は、23時に発表される米労働省の雇用統計の年次改定を待つことになる。
ハト派のパネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事は、これまで「金融引き締めが過剰だと、インフレ率が目標を下回るリスク」「数回の利下げを行っても、金融引き締め政策は解除されない」「迅速に、そして段階的に利下げを行えば、後になって急な大幅利下げを避けられる」などと述べている。本日の講演でも同様に9月12日の欧州中央銀行(ECB)理事会に向けた利下げに言及する可能性が高いと思われる。
しかし、ユーロドルは年初来高値を更新しており、ECB理事会での利下げよりも、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ開始観測による米長期金利の低下を材料視している。
23日のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)でのパウエルFRB議長の講演に向けて、今夜23時に米労働省が発表する年次ベンチマーク改定での下方修正が注目されている。
2023年4月から2024年3月までの非農業部門就労者数は290万人の増加、月平均は24.1万人の増加だったが、大幅に下方修正される可能性(予想:▲30万人~▲100万人)が警戒されている。
予想通りに大幅に下方修正された場合、米10年債利回りの更なる低下に繋がることで、ユーロドルの上昇に拍車がかかることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1276ドル(2023/7/18高値)
・ユーロ円:163.63円(日足一目均衡表・基準線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1020ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:160.42円(8/19安値)
(21日15時時点)
ドル円:1ドル=145.66円(前営業日NY終値比△0.40円)
ユーロ円:1ユーロ=161.95円(△0.28円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1118ドル(▲0.0012ドル)
日経平均株価:37951.80円(前営業日比▲111.12円)
東証株価指数(TOPIX):2664.86(▲5.68)
債券先物9月物:144.98円(△0.20円)
新発10年物国債利回り:0.870%(▲0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月貿易統計(通関ベース)
季節調整前 6218億円の赤字 2240億円の黒字
季節調整済 7552億円の赤字 8196億円の赤字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。昨日の海外市場で売りが進んだ流れを引き継いで朝方から売り仕掛けが入り、一時144.94円まで下落し7日以来の安値を付けた。ただ、東京仲値にかけて本邦実需勢から買いが観測されると下げ渋り。日経平均株価が下げ幅を縮めたことも支えとなって145.95円まで切り返した。
・ユーロ円も底堅い。総じてドル円と同様の展開となった。朝方に161.36円まで下げた後はショートカバーが優勢となり162.23円まで持ち直した。
・ユーロドルは小安い。昨日に上昇した反動から利益確定売りが散見され、一時1.1115ドルまで下げている。もっとも、東京市場での値幅は狭く欧州勢の参入待ちのムードとなった。
・日経平均株価は反落。昨日の米半導体関連株が下落した影響からハイテク株を中心に売りが強まり、指数は一時450円超下落した。もっとも、外国為替市場での円高が一服したため、後場には下げ幅を縮めた。
・債券先物相場は続伸。前日の米国債価格上昇の流れを引き継いで買いが先行し、一時145.07円まで値を上げた。一巡後は伸び悩む場面があったが、下値は限られた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
トルコ中銀は引き締め姿勢強調も、リラ相場のじり安局面が足かせに
投資妙味の乏しさ、中東情勢を巡るリスクを嫌気したリラ安は金融政策の手足を縛る展開が続く
トルコ中銀は20日の定例会合で政策金利を5会合連続で50%に据え置いた。経済チームによる正統的な政策運営への転換を受けて、調整が続いたリラ相場の潮目が変わる動きがみられた。さらに、インフレは頭打ちに転じており、国際金融市場では米ドル高圧力が後退しているが、足下のリラ相場は再びじり安の動きを強めて最安値を更新している。これは投資妙味の乏しさに加え、中東情勢を巡ってエルドアン大統領が親パレスチナ姿勢を度々強調し、中東情勢のリスクへの警戒感を反映しているとみられる。中銀はあらためて引き締め姿勢を強調したが、家計部門のインフレ期待と中銀のインフレ見通しは乖離しており、エルドアン大統領の動きがリラ相場の重石となる懸念もくすぶるなかで先のみえにくい展開が続くであろう。
大阪9月限
日経225先物 37970 -110 (-0.28%)
TOPIX先物 2670.0 -2.0 (-0.07%)
日経225先物(9月限)は前日比110円安の3万7970円で取引を終了。寄り付きは3万7560円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万7535円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。直後に付けた3万7510円を安値に押し目待ち狙いのロングも入り、前場中盤に3万7880円まで下落幅を縮めた。前場終盤は3万7670円~3万7770円処での下値の堅さが意識されるなか、ランチタイムで前場中盤に付けた高値水準を捉えると、後場は3万7900円~3万7950円辺りで推移。後場中盤には一時3万8010円と節目の3万8000円を回復する場面もみられた。
日経225先物は米株安と円高が重荷となって売りが先行したが、下へのバイアスは強まっていない。売り一巡後は円高が一服するなか、押し目狙いのロングが意識されたほか、25日移動平均線(3万7430円)が支持線として機能し、ショートを仕掛けづらくさせた。為替を睨んでの展開ではあったが、後場中盤には3万8000円を回復するなど、朝安後は結果的にチャート上で陽線を残す形だった。
米労働省の労働統計局(BLS)が21日に発表する、米雇用者数の基準改定値に関心が集まっている。20日の米国市場では基準改定値が大幅に下方改定されるとみられており、これが9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利低下の確率を高め、為替市場でドル売りの動きになったようだ。円キャリーの巻き戻しが再燃するとの警戒もあったと考えられるが、8月5日の世界株安で円キャリーの巻き戻しが加速し、株式市場ではロングポジションを一気に解消させていた。
その後の急ピッチの上昇局面で急落前の水準までポジションを積み増したとは考えにくく、過度なショートを警戒する流れにはならないだろう。21日の米国では米雇用者数の基準改定値のほか、FOMC議事要旨が発表される。持ち高の調整が強まる展開もありそうだが、23日の経済シンポジウム・ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演内容を見極めたいとするムードが強まりそうであり、大きなトレンドは出にくいと考えられる。
日経225先物の25日線がナイトセッションで3万7320円辺りまで下がってきたほか、75日線は3万8620円辺りで推移している。重要イベントを前に基本的には3万8000円を挟んで膠着となろうが、レンジとしてはオプション権利行使価格の3万7375円から3万8625円を想定する。
NT倍率は先物中心限月で14.22倍に低下した。一時14.19倍に位置する200日線を下回る場面もみられたが、その後は同線を上回っての膠着となった。明確なトレンドは出ていないが、200日線を上回って推移が続くようだと、NTロングの組成が意識されてきそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5263枚、ソシエテジェネラル証券が8910枚、サスケハナ・ホンコンが4894枚、JPモルガン証券が2813枚、バークレイズ証券が1836枚、SBI証券が1232枚、野村証券が1081枚、ゴールドマン証券が932枚、BNPパリバ証券が929枚、HSBC証券が893枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万6056枚、ソシエテジェネラル証券が1万1440枚、JPモルガン証券が3430枚、バークレイズ証券が2776枚、サスケハナ・ホンコンが2224枚、モルガンMUFG証券が2060枚、ゴールドマン証券が1727枚、ビーオブエー証券が1470枚、みずほ証券が1209枚、シティグループ証券が769枚だった。
SMBC日興証券では、日本企業の機械受注総額が名目ベースで2024年4-6月期に9.3兆円を超え、過去最高を更新したことに注目している。4-6月期増加の原動力は外需で、円安をてことした船舶の受注が急増している。また、半導体循環の好転の影響が生じたことで、電子・通信機械の持ち直しが明確になっているとのこと。半導体循環の好転の影響は産業用ロボットなどにも及んでおり、2024年を通じて半導体循環が機械受注総額を押し上げるとSMBC日興では考えている。内需では人手不足を補完し、かつ生産性を高める方向の投資も期待できるとみている。ただし、建設機械関連の落ち込みや物流関連投資の一巡には注意が必要とコメントしている。
明治安田総合研究所では、2024年4-6月期のGDP速報値を踏まえて2024~2025年度の経済見通しを作成している。GDP成長率は、実質で2024年度を+0.9%、2025年度を+1.3%、名目で2024年度を+3.4%、2025年度を+2.4%と予測している。2024年中の世界経済は全体として減速に向かうと予想する一方、欧米で利下げの効果が浸透する2025年には全体として回復に向かうと予想している。日本の景気は2025年にかけて緩やかな回復基調が続くとみているが、力強さには欠ける状況が続くと予想している。
SMBC日興証券では、7月の貿易統計を受けてリポートしている。7月の名目輸出額は前月比+1.7%(季節調整値)となり、過去最高を更新した。回復が続いていた自動車は減少したものの、半導体など電子部品や鉄鋼が増加したとのこと。インフレと円安により名目輸出額は増加基調にあるが、世界的なインフレの鎮静化と円高への転換により、伸び鈍化が予想される。今後に関しては、台数で見れば回復余地が大きい自動車や、世界的に需要が強いハイテク製品の増加によって、実質輸出額が増加に向かうことが期待されるとSMBC日興ではコメントしている。
NYタイムは、序盤の米株式オープンをながめつつ、23時の米労働省による雇用統計の年次ベンチマーク改定の発表を待つことになる。
2023年4月-2024年3月期間の非農業部門就労者数は290万人増加したが、下方修正される見込み(予想レンジ:-30万人から-100万人)。仮に米大手金融機関も指摘しているような100万人規模の下方修正となれば、雇用増加分の3分の1ほどの数字が水増しされていたような格好となってしまう。
大幅な下方修正となった場合、米10年債利回り低下を受けた、ドル相場の下振れにつながることになる。ドル円は昨日来の下落の流れを引き継ぎ、本日東京タイム午前に145円割れまで下落幅を広げた後、146円台を回復する持ち直しを見せている。しかしこの反発幅を帳消しにする結果になりかねない。
加えて、午前2時からの米20年債入札の結果にも注意を払いたい。雇用統計の年次改定を受けて米長期金利が上下へ振れているところで、債券の需給要因を受けた金利の振れが、利回り低下の後押しや、金利反発につながる展開も想定できる。
その1時間後、3時からの米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30日-31日分)にも注目。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「今回のFOMCでは利下げの是非について真剣に議論が行われた」と述べた会合の内容をつぶさにチェックする材料となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、昨日20日高値147.35円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、東京タイム午前につけた144.94円。
今晩はFOMC議事要旨と決算発表に注目。昨日はダウ平均が61.56ドル安(-0.15%)と6日ぶりに小幅反落し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.20%安、0.33%安とともに9日ぶりに反落した。8月5日の急落の後、主要3指数はそろって大幅反発し、急落前の水準を回復した。前日はダウ平均とS&P500が史上最高値まで1%前後に迫った。投資家の不安心理を示すVIX指数は昨日は15.88ポイントと前日の14.65ポイントから上昇したものの、8月5日の日中に付けた65ポイント台からは大幅に低下し、センチメントは大きく改善した。
今晩の取引では米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨と決算発表に注目する展開か。9月17-18日開催のFOMCでは0.25%の利下げが確実視されており、CMEのフェドウォッチ・ツールでは33%の確率で通常の2倍の0.50%の利下げも予想されている。今週は、利下げ見通しを巡り金曜日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演に注目が集まるが、政策金利が据え置かれた7月FOMC議事要旨からも9月FOMCでの利下げ幅のヒントを探ることになる。決算発表は寄り前にターゲット、TJXが発表予定で、個人消費の動向を巡り小売り株の決算やガイダンスにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC議事要旨のほか、MBA住宅ローン申請指数、年次雇用者数ベンチマーク速報値、米20年債入札など。企業決算は寄り前にアナログ・デバイセズ、ターゲット、TJX、引け後にアジレント・テクノロジーなどが発表予定。
みずほ証券では、マンスリーリポートの中で米国の長期金利見通しについて触れている。米10年国債利回り(長期金利)は、米景気後退懸念に伴う大幅利下げ観測から一時急低下したが、米景気の底堅さを確認することで、いったん低下圧力が和らぐ可能性もあるとみずほでは考えている。目先では、8月下旬のジャクソンホール会議などが注目される。2025年末にかけては、米景気が堅調に推移する中、水準調整的な利下げによって米政策金利が4.00%まで引き下げられることで、米長期金利は3.6%まで緩やかに低下すると予想している。
米財務省によると、20年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.160%、応札倍率(カバー)が2.54倍となった。
(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.04円(21日15時時点比▲0.62円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.79円(▲0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1155ドル(△0.0037ドル)
FTSE100種総合株価指数:8283.43(前営業日比△10.11)
ドイツ株式指数(DAX):18448.95(△91.43)
10年物英国債利回り:3.891%(▲0.024%)
10年物独国債利回り:2.191%(▲0.024%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。米重要指標の発表を控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。米労働省が公表した年次改定では3月までの年間雇用者数の伸びが81.8万人下方修正された。過去15年で最大の修正幅となり、米労働市場が当初考えられていたより鈍化し、その期間も長かったことが示唆された。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.75%台まで低下するとともに全般ドル売りが広がった。
米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した7月30日-31日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「大多数の当局者は9月の利下げは適切とみている」「数人の当局者が7月会合で利下げの論拠を指摘」「一部当局者は労働市場のより深刻な悪化のリスクを指摘」との見解が示された。FOMC議事要旨をきっかけにドル売りが加速すると、一時1.1172ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を更新した。
なお、米雇用統計の年次改定公表が予定されていた23時を過ぎても発表されなかったことから、仕掛け的なドル買いが入ると一時1.1100ドルと日通し安値を付ける場面があった。市場では「昨年の数字である30.6万人の下方修正と勘違いした向きがドル買いを進めた」との声も聞かれた。
・ドル円は頭が重かった。市場が注目していた米雇用統計の年次改定の公表が遅れたことで仕掛け的なドル買いが先行すると、23時過ぎに一時146.77円まで値を上げたものの、すぐに失速。予定より30分以上遅れて発表された米雇用統計の年次改定の結果が伝わると米利下げ観測が強まり、米金利の低下とともにドル売りが優勢となった。FOMC議事要旨を受けてドル売りが活発化すると一時144.56円と7日以来の安値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.99と昨年12月28日以来の低水準を付けた。
・ユーロ円は上値が重かった。欧州株相場の上昇を背景に円売り・ユーロ買いが先行。23時過ぎに一時162.92円と日通し高値を付けた。ただ、そのあとは一転売りが優勢となり161.46円付近まで下押しした。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は小反発。前日に下落した反動で買い戻しが入ったものの、目先の材料に乏しいこともあって値動きは限られた。カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB議長が講演するのを控えて、様子見の投資家も多かった。
・フランクフルト株式相場は反発。前日に下落した反動で買い戻しが入ったものの、新規材料に乏しい中、値動きは限られた。個別ではポルシェ(2.32%高)やBASF(1.87%高)、アディダス(1.54%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
21日の日経平均は反落。終値は111円安の37951円。円高進行と米国株安を嫌気して、400円超下げて始まった。東京時間では円高に一服感が出てきたことから、安値は早い時間につけて下げ渋った。前場では多くの銘柄が売られる中で低空飛行が続いたが、後場に入るとドル円が円安に傾斜したことを受けて、下げ幅を2桁に縮める場面もあった。ただ、節目の38000円を上回ってくると売り直された。引け間際にも38000円台に乗せる動きが見られたが、終値では38000円をわずかに下回った。
東証プライムの売買代金は概算で3兆4600億円。業種別では精密機器、空運、サービスなどが上昇した一方、石油・石炭、保険、非鉄金属などが下落した。7月度の月次を手がかりに、フィットイージー<212A.T>が買いを集めてストップ高。半面、証券会社が目標株価を引き下げた資生堂<4911.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり480/値下がり1115。足元動きが荒くなっているセブン&アイがきょうは5%を超える大幅上昇。さくらネット、キーエンス、キヤノン、楽天Gなどに強い買いが入った。円高が意識されたことから、ニトリHDや神戸物産など内需小売の一角が堅調。株主還元強化を発表した銘柄が跳ねており、自己株取得を発表したBlueMemeやメガチップス、増配を発表した日創プロニティ、キャリアデザインセンター、YEデジタルが急伸した。
一方、レーザーテックやディスコなど半導体株の一角が大幅安。証券会社が投資判断を引き下げたダイキンが強めに売られた。米長期金利の大幅低下を嫌気して、第一生命や東京海上など保険株が軒並み安。公募・売り出しを発表したコロワイドが急落した。
本日、グロース市場に新規上場したオプロは、高い初値をつけたものの、終値は初値を下回った。
日経平均は反落。円高進行を受けて大幅安スタートとなったが、東京時間ではドル円がそれほど円高に振れなかったことから、深押ししたところでは買いも入った。あすもドル円の影響を受けやすい地合いが想定される。本日の米国では7月開催のFOMC議事要旨の公表があり、米債券市場や為替市場の刺激材料となり得る。
ただ、ジャクソンホール会議(22日~24日)が迫っているだけに、ドル円も極端な動きは抑制される可能性が高い。ジャクソンホール会議ではパウエルFRB議長が9月の利下げについて言及するとの期待が高まっているが、既に織り込みも進んでいるだけに、発言がさらなる米金利低下やドル安(円高)を招くとは限らない。ドル円の振れ幅が小さければ、あすは様子見姿勢が強まるだろう。きょうの日経平均は安値(37605円)でも25日線(37490円、21日時点)を割り込まなかった。陽線を形成して引け味も悪くなかっただけに、大崩れすることなく25日線上をキープできるかに注目したい。
(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.21円(前営業日比▲0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.95円(△0.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1150ドル(△0.0020ドル)
ダウ工業株30種平均:40890.49ドル(△55.52ドル)
ナスダック総合株価指数:17918.99(△102.05)
10年物米国債利回り:3.80%(▲0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=71.93ドル(▲1.24ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2547.5ドル(▲3.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲10.1% 16.8%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日続伸。米労働省が公表した年次改定では3月までの年間雇用者数の伸びが81.8万人下方修正されたため、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.75%台まで低下。全般ドル売りが優勢となった。
米連邦準備理事会(FRB)が公表した7月30日-31日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「大多数の当局者は9月の利下げは適切とみている」「数人の当局者が7月会合で利下げの論拠を指摘」「一部当局者は労働市場のより深刻な悪化のリスクを指摘」との見解が示されたこともドル売りを促した。3時30分前には一時1.1174ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.92と昨年12月28日以来の低水準を付けた。
なお、米雇用統計の年次改定公表が予定されていた23時を過ぎても発表されなかったことから、仕掛け的なドル買いが入ると一時1.1100ドルと日通し安値を付ける場面があった。市場では「昨年の数字である30.6万人の下方修正と勘違いした向きがドル買いを進めた」との声も聞かれた。
・ドル円は小幅ながら4日続落。市場が注目していた米雇用統計の年次改定の公表が遅れたことで仕掛け的なドル買いが先行すると、23時過ぎに一時146.77円まで値を上げたものの、すぐに失速した。予定より30分以上遅れて発表された米雇用統計の年次改定の結果が伝わると米利下げ観測が強まり、米金利の低下とともにドル売りが優勢に。FOMC議事要旨を受けてドル売りが加速すると一時144.46円と7日以来の安値を付けた。
ただ、「145円割れの水準では本邦実需勢のビッドの厚さが意識される」との声が聞かれる中、押し目を拾いたい向きも多く、引けにかけては下げ渋った。
・ユーロ円は4日ぶりに反発。欧州株相場の上昇を背景に円売り・ユーロ買いが先行すると、23時過ぎに一時162.92円と日通し高値を付けた。そのあとは一転売りが優勢となり161.41円付近まで下押ししたものの、引けにかけては持ち直した。ドル円と似た動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。米雇用統計の年次改定や7月30日-31日分のFOMC議事要旨を受けて、FRBが9月会合で利下げに踏み切るとの観測が高まると買いが優勢となった。ただ、23日のパウエルFRB議長の講演を前に様子見ムードも強く、上値は限定的だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続伸。米雇用統計の年次改定や7月30日-31日分のFOMC議事要旨を受けて、米利下げ観測が高まると買いが入った。
・原油先物相場は下落。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油在庫が予想以上の取り崩しとなったことを受けて買われる場面もあったが上値は重く売りに押された。米労働省が公表した年次改定では3月までの年間雇用者数が大幅に下方修正され、米景気への懸念も重しとなった。
・金先物相場は5日ぶりに小反落。前日まで連日史上最高値更新の動きが続いた反動で利益確定売りが優勢となった。ただ、米長期金利の低下やドル安、米利下げ観測の高まりを支えに下押しは限定的。
22日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月30日-31日分)
「大多数の当局者は9月の利下げは適切とみている」
「数人の当局者が7月会合で利下げの論拠を指摘」
「多くの当局者は金利は抑制的だと指摘」
「雇用に対する下振れリスクは増大しているとみられている」
「ほぼ全員の当局者が利下げ前にインフレデータの詳細を希望している」
「ほぼ全員当局者がディスインフレの継続を予想」
「一部当局者は労働市場のより深刻な悪化のリスクを指摘」
「当局者はインフレの上振れリスクは低下したと指摘」
「7月に利下げの論拠を複数の当局者が示した」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:3.50%で据え置き)
○15:00 ◎ 4-6月期ノルウェー国内総生産(GDP、予想:前期比0.2%)
○16:15 ◎ 8月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:44.4)
○16:15 ◎ 8月仏サービス部門PMI速報値(予想:50.3)
○16:30 ◎ 8月独製造業PMI速報値(予想:43.5)
○16:30 ◎ 8月独サービス部門PMI速報値(予想:52.3)
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:45.8)
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.9)
○17:30 ◎ 8月英製造業PMI速報値(予想:52.1)
○17:30 ◎ 8月英サービス部門PMI速報値(予想:52.8)
○20:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月18日分)
○21:00 ◎ 4-6月期メキシコGDP確定値(予想:前期比0.2%/前年比2.2%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/186.7万人)
○22:45 ◎ 8月米製造業PMI速報値(予想:49.6)
○22:45 ◎ 8月米サービス部門PMI速報値(予想:54.0)
○22:45 ◎ 8月米総?⑰MI速報値(予想:53.5)
○23:00 ◎ 8月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲12.6)
○23:00 ◎ 7月米中古住宅販売件数(予想:前月比1.0%/年率換算393万件)
○米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)、テーマは「金融政策の有効性と伝達の再評価」(ワイオミング州ジャクソンホール、24日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、7月30-31日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、7月に利下げの論拠を複数の当局者が示したことや大多数の当局者が9月の利下げは適切とみていることが明らかになったことで、146.77円から144.46円まで下落した。ユーロドルは米長期金利の低下とFOMC議事要旨を受けたドル売りで、1.1100ドルから1.1174ドルまで上昇し、昨年7月以来の高値を更新した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始観測が高まったことで上値が重い展開が予想される。
スワップ市場では、9月FOMCで利下げが開始され、年内の利下げ幅が約1.0%になるとの見方を織り込んでいる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、9月FOMCで0.25%の利下げ(※FF金利:5.00-25%)が開始され、11月FOMCでは0.50%利下げ(※FF金利:4.50-75%)、12月FOMCでは0.25%の利下げ(※FF金利:4.25-50%)が見込まれている。
昨日公表された7月のFOMC議事要旨では、数人の当局者が7月会合で利下げを実施することに前向きだった可能性や、大多数が経済指標がほぼ予想通りとなれば、次回9月の会合で金融政策を緩和することが適切となる公算が大きいことが示された。
FOMCは、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」と「物価の安定」)のうち、「物価の安定」に特段の重点を置き、FF金利誘導目標を0.00-25%から5.25-50%まで引き上げてきた。しかし、7月の声明文では、「2大責務の『両面』のリスクに留意する」との文言に変更され、雇用情勢に配慮するスタンスが示された。
雇用情勢に関しては、米労働統計局が昨日発表した年次ベンチマーク改定の速報値によれば、2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されることが示された。
改定前の雇用者数は1年間に290万人増(月平均で24万2000人増)だったが、今回の改定を受けて、1カ月当たり約17万4000人増のペースとなった。7月FOMC議事要旨で「一部当局者は労働市場のより深刻な悪化のリスクを指摘」していたように、労働市場が想定よりはるかに早い段階から減速していた可能性が示された。
7月の失業率が4.3%まで上昇し、FRBが完全雇用と見なす4.2%をわずかに上回っていたことで、パウエルFRB議長は明日のジャクソンホール会合での講演で、2020年8月のジャクソンホール会合での見解、すなわち、FRBの金融政策の主軸を「物価安定」から「雇用最大化」へ大転換することを再表明する可能性が高まっている。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38020 +50 (+0.13%)
TOPIX先物 2670.5 +0.5 (+0.01%)
シカゴ日経平均先物 37885 -85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
21日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米労働省の労働統計局(BLS)は米雇用者数の基準改定で、2024年3月までの1年間の雇用者数が81万8000人の下方修正になると発表した。また、7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、多数の米当局者が9月の会合で利下げが適切との見解を示していたことが明らかになった。
9月のFOMCでの利下げ確率が高まるなか、NYダウの上げ幅は一時100ドルを超えた。もっとも、23日の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演内容を見極めたいとのムードも強く、積極的な売買は手控えられた。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、食品・生活必需品小売、小売が上昇した一方で、銀行、各種金融、エネルギーが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比85円安の3万7885円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円安の3万7950円で始まり、その後はロング優勢となり3万8230円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し、米国市場の取引開始直後には3万7850円と下げに転じた。直後に3万8190円まで切り返したが、中盤にかけてショートが強まり、3万7660円まで下落。3万7750円~3万7800円処での保ち合いを経て、終盤にかけてショートカバーが勢いを増し、3万8020円とプラスに転じてナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り優勢で始まりそうだ。米国では米雇用者数の基準改定とFOMC議事要旨を受けて、9月利下げを後押しする形となった。円相場は1ドル=145円台と円高傾向にあるものの、比較的落ち着いて推移していることもあり、23日のパウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとのムードから膠着感が強まりそうである。
日経225先物はナイトセッションでやや荒い値動きとなったが、積極的な参加者は限られ、スキャルピング中心の短期的な需給に振らされた形であろう。概ね3万8000円を挟んだレンジでの推移であり、円相場が円高に振れる局面ではショートを仕掛けてくる動きが強まる可能性はあるが、その後のカバーを狙った押し目狙いのロング対応となろう。
日経225先物は足もとで下値を切り上げてきており、前日の安値(3万7470円)に接近する場面ではショートカバーが入りやすい。一方で、20日の高値(3万8270円)近辺ではロングの解消が意識されてくる。そのため、オプション権利行使価格の3万7500円から3万8250円のレンジを想定する。
21日のVIX指数は16.27(前日は15.88)に上昇した。75日移動平均線(14.84)水準までの調整後の上昇であり、いったんは反発しやすい水準だろう。依然として20.00を下回っているため、ショートに傾けるポジションは避けておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.22倍に低下した。一時14.19倍に位置する200日線を下回る場面もみられたが、その後は同線を上回っての膠着となった。明確なトレンドは出ていないが、200日線を上回って推移するようだと、NTロングの組成が意識されてきそうだ。来週にはエヌビディア<NVDA>の決算が控えていることもあり、値がさハイテク株では押し目狙いの買いが意識されてくるため、やや日経平均型優位の展開に向かう可能性があろう。
昨日の海外市場では、BLSを巡る一騒動。米系短期筋を中心に市場を痛める結果となりました。ドル円は欧州時間に一時146.23円まで値を上げた後、BLSの年次改定値を前に145.50円までポジション調整といった、最近の動きからみれば、落ち着いた展開となっていたわけですが、公表予定の23時になると、いきなり146.77円まで急騰。その直後から一転して145.42円まで急落といった乱高下。
公表されるページには、23時時点で去年の▲30.6万人の数字が掲載されたまま。AIやらアルゴやらが数字を自動的に定時で読み込むと、それが去年の数字であるという、人間の裁量が加味されることなく一気に買い上げられたものの、それを感知した市場が一斉に戻り売りを仕掛けるといった事情だった模様。一向にアップデートされないBLSのHPを何度もリロードしていた一部参加者は、直接電話で問い合わせして正確な数字を入手した向きもあったようで、何ともかんともな騒動振りとなりました。
23時30分過ぎに今年の数字が▲81.8万人と公表されると146.14円まで買戻されたものの、米長期金利が低下に転じたことから戻り売りに押される展開に。7月のFOMC議事要旨が明らかになると一時144.46円まで売り込まれることになりました。ただ、引けにかけては米長期金利が低下幅を急速に縮めるにつれて145.29円まで買戻されたといったところです。
いずれにしても、アジア時間に入ってからは、昨日の騒動で傷んでしまった市場にあって、しっかりとした本邦実需の買いが観測されているほか、昨日もお伝えしている通り、米系マクロ勢の買いが、日経平均と同時に持ち込まれています。
米系短期筋とマクロ勢の方向性の違う動きが、これもまた、当たり前のことではありますが、時間軸の明らかに違った種類のフローが入り混じりながら展開している現状を理解しつつ、明日の日米のイベントを待つことになっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比210円高の3万8180円(+0.55%)前後で推移。寄り付きは3万7970円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万7885円)にサヤ寄せする形から、前日比変わらずで始まり、現物の寄り付き直後には3万7860円まで売られた。ただし、売り一巡後はロング優勢の動きをみせており、中盤にかけて20日に付けた戻り高値(3万8270円)を突破すると、終盤に一時3万8390円まで上げ幅を広げる場面もみられた。前引けにかけては利益確定に伴うロング解消の動きのなか、3万8150円辺りまで軟化した。
米利下げを意識した円買い・ドル売りの流れから、円相場は朝方に1ドル=144円台を付けていたこともあり、日経225先物はやや売りが先行する形だったが、その後は1ドル=145円台半ばと円高が一服するなか、ロングに向かわせたようだ。また、20日の戻り高値を上回ってきたことで、短期筋のショートカバーを誘う形になった。終盤にかけての上昇によって、短期筋の売買は一回転していると考えられ、後場は膠着感が強まりそうである。
ただし、23日のカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演内容を見極めたいとのムードが強い一方で、今回の急落でポジションを解消したファンドなどは、イベントを前にある程度ロングポジションを積み上げておきたい面もあるだろう。そのため、下値の堅さは意識されやすく、3万8000円を上回っての推移が続くようだと、引けにかけてロングの動きが強まる展開もありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.31倍に上昇した。円高が嫌気される形からトヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連の一角が軟調ななか、相対的に日経平均型優位の展開となった。14.19倍に位置する200日移動平均線を上回っての推移が続くようだと、NTロングに振れやすくなるだろう。
「Fed Could Cut Rates ‘As Soon As’ September Meeting」(パウエルFRB議長)
1.7月米連邦公開市場委員会(FOMC)
7月30-31日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、8会合連続でFF金利誘導目標レンジ(5.25-50%)の据え置きが全会一致で決定された。
FOMCは、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」maximum employmentと「物価の安定」stable prices)のうち、「物価の安定」に特段の重点を置いてきた。しかし、今回の声明文では、「2大責務の『両面』のリスクに留意する」との文言に変更された。当局者は、2大責務を達成する上でのリスクは、よりバランスが取れてきていると考えるようになったことが示されている。
すなわち、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの6月分は前年比+2.5%まで鈍化しており、インフレ目標2%に迫っている。一方で、失業率は5月が4.0%、6月が4.1%、7月は4.3%(※8/2発表)とやや上昇傾向にある。
当局者は、労働市場に対する判断を引き下げ、「雇用の伸びは緩やかになり、失業率は上昇したが低いままだ」と指摘している。
インフレについては、「この1年で緩和したが、依然として幾分高い水準(elevated inflation)にある」と記し、インフレ率が持続的に2%に向かっているとの「確信を強める」まで、政策金利の引き下げは適切ではないとの文言は維持した。
2.ハト派的なパウエルFRB議長
パウエルFRB議長は、「問題となるのは、データの全体像や変化する見通し、リスクバランスがインフレに対する確信の強まり、そして堅調な労働市場の維持と整合するかどうかだ」と指摘した。そして、「そのテストが満たされれば、早ければ次回9月の会合で政策金利の引き下げが選択肢となり得る」と述べた。経済の展開の仕方次第で、年内の利下げがゼロにも複数回にもなるというシナリオは想像し得る、と述べた。
労働市場が冷え込むにつれてインフレが予想外に加速するリスクは低下したが、労働市場の下振れリスクは「現在、現実のものとなっている」と述べた。
また、0.50%の利下げの可能性や政治的な圧力に関しては否定した。
3.議事要旨(8/21公表)
8月21日に公表された議事要旨では、「最近のインフレでの進展と失業率の上昇は、同会合で政策金利を0.25%引き下げる妥当な論拠を示したとの見解を幾人かは示した、もしくはそのような決定を支持しただろうとした」と記述された。
また、「大多数はデータが引き続きほぼ予想通りの内容となれば、次回の会合で利下げを実施することが適切になる公算が大きいとの考えを示した」と記述された。
4.米労働統計局の年次ベンチマーク改定速報値(▲81.8万人)
2023年4月から2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されることが示された。改定前の雇用者数は1年間に290万人増(月平均で24万2000人増)だったが、今回の改定を受けて、1カ月当たり約17万4000人増のペースとなり、労働市場が想定よりはるかに早い段階から減速していた可能性を示唆している。
雇用統計の事業所調査は、非農業部門(Non Farm)約11.9万社の給与明細(Payroll)で集計されるが、新たに生まれた企業による新規雇用と事業閉鎖に伴う雇用者減少は反映されない面がある。そこで、労働省は、事業者調査に基づく雇用者増加数に、新たに生まれた企業による新規雇用者増加数と事業閉鎖に伴う雇用者減少数を暫定的に推計して、過去5年間の移動平均線と比較する「Birth-Death model(起業・廃業モデル)」で調整している。
しかし、米労働省は、「起業・廃業モデル」が正確ではないことを認めており、ウォールストリート・ジャーナル紙は、昨年7月の記事で、「起業・廃業モデル」により「NFPは労働市場を過大評価している可能性」を取り上げていた。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、仏独欧の8月製造業・サービス業PMI速報値や7月18日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨を見極めて、9月12日のECB理事会での利下げの可能性を探ることになる。
ポンドドルも8月英製造業・サービス業PMI速報値を見極めて、9月19日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での利下げの可能性を探ることになるだろう。
レーン・フィンランド中銀総裁は、先日、「ユーロ圏の成長低迷は、9月欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ根拠を強める。インフレが鈍化傾向にある限り、利下げは妥当」と述べていた。
8月の仏独欧の製造業・サービス業PMI速報値が低調な数字だった場合は、ECBの利下げ観測を高めることで、ユーロドルの上昇に歯止めがかかるが、ポジティブサプライズならば、9月FOMCでの利下げ開始観測が高まっていることで、さらなる上昇の可能性が高まることになる。
8月英製造業PMI速報値の予想は52.1で7月と変わらず、8月英サービス部門PMI速報値の予想は52.8で、7月の52.5からの改善が見込まれている。予想通りの良好な数字ならば、9月の利下げ観測が後退することで、米長期金利低下によるポンド買い・ドル売りの流れが加速する可能性に警戒しておきたい。
市場の見立てでは、英国の政策金利(現在5.00%)は、年末までに4.50%まで低下するとの見通しが優勢となっている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1276ドル(2023/7/18高値)
・ユーロ円:163.15円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.3211ドル(2022/3/18週高値)
・ポンド円:192.17円(日足一目均衡表・基準線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1042ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:160.42円(8/19安値)
・ポンドドル:1.2933ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:188.95円(8/21安値)
(22日15時時点)
ドル円:1ドル=145.26円(前営業日NY終値比△0.05円)
ユーロ円:1ユーロ=161.86円(▲0.09円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1143ドル(▲0.0007ドル)
日経平均株価:38211.01円(前営業日比△259.21円)
東証株価指数(TOPIX):2671.40(△6.54)
債券先物9月物:144.88円(▲0.10円)
新発10年物国債利回り:0.870%(△0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆8540億円の取得超 1兆5397億円の取得超・改
対内株式
479億円の処分超 5217億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は方向感がない。朝方には144.85円まで下押ししたものの、一巡後は本邦実需勢の買いなどが観測されて反発。日経平均株価の上昇も支えに一時145.64円まで切り返した。一方、株価がその後に伸び悩むと上値は限られるなど、方向感が定まらなかった。
・ユーロ円も方向感がない。総じてドル円と同様の展開となり、ドル円が上昇した場面では162.29円まで買われたが、株価の伸び悩みとともに161.59円まで失速。一方、一段と売りを進める展開にもならなかった。
・ユーロドルは小安い。持ち高調整の売りに押される形で1.1140ドルまで下げたが、値幅は18pips程度と東京市場での動意は薄かった。
・日経平均株価は反発。昨日の米国株が上昇した流れを引き継いで買いが強まり、指数は一時450円超上昇する場面があった。一方、後場には戻り売りが優勢となるなど、一段高にもならなかった。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。前日に米国債価格が上昇した流れを引き継いで小高く始まるも、日経平均が上げ幅を拡大する中で安全資産とされる債券は売りが優勢に。日銀の利上げへの思惑も重しに一時144.82円まで下落した。
大和総研では、メーンナリオにおける実質GDP成長率を、24年度+0.9%、25年度+1.3%、暦年ベースでは24年+0.1%、25年+1.6%と見込んでいる。春闘での高水準の賃上げ継続などにより、実質賃金は7-9月期以降も上昇が続くと予想。賃上げと価格転嫁の循環により、基調的なインフレ率は2%程度で安定すると見込んでいる。ただし、米国など海外経済の下振れリスクには警戒が必要で、円高が進行する可能性もあると指摘している。
東海東京インテリジェンス・ラボでは為替リポートの中で、シカゴ投機筋のドル円のネット先物ポジションが8月13日時点で2.3万枚の円買い越しに転じたことを指摘している。円買い越しは2021年3月以来、3年5カ月ぶりのこと。シカゴ投機筋は円先安観などから7月2日時点ではネットで過去最大に迫る18万4000枚まで円売りを積み上げていたが、わずか1カ月で一気に解消したことになる。東海東京では、こうした投機筋のダイナミックな円買い戻しが短期間で20円近く円高に振れた最大の原動力であったとみている一方、円売り余力が生じた状態になったことで、投機筋が新たな円売り(円キャリートレード)を仕掛けるきっかけにもなり得ると考えている。
UBSでは、円の反発と世界的なセンチメント改善を受けて、TOPIXは8月5日の安値から20%上昇し、7月末からの下落幅がマイナス4%まで改善したと指摘。急速な反発を受けて、目先の上昇は緩やかなものになると考えている。中間決算と11月の大統領選後に、より持続的な上昇基調に転じると予想している。一部のセクターや銘柄には株価回復による投資機会がまだあるとみており、銀行株、不動産株、電子部品銘柄、半導体製造装置銘柄など、輸出関連株と内需株に分散した投資を推奨している。
大阪9月限
日経225先物 38230 +260 (+0.68%)
TOPIX先物 2675.5 +5.5 (+0.20%)
日経225先物(9月限)は前日比260円高の3万8230円で取引を終了。寄り付きは3万7970円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万7885円)にサヤ寄せする形で、前日比変わらずで始まり、現物の寄り付き直後には3万7860円まで売られた。売り一巡後はロングが優勢となり、前場中盤にかけて20日に付けた戻り高値(3万8270円)を突破すると、前場終盤に3万8390円まで上げ幅を広げる場面もみられた。
前引けにかけては利益確定に伴うロング解消により3万8150円辺りまで軟化し、ランチタイムでは3万8000円を下回った。後場は3万8000円を挟んで3万7930円~3万8120円処で保ち合ったが、引けにかけてレンジを上放れ、3万8230円で終えた。
米利下げを意識した円買い・ドル売りで、円相場が朝方に1ドル=144円台を付けていたこともあり、日経225先物はやや売りが先行する形だったが、前場終盤にかけて1ドル=145円台半ばと円安に振れ、ロングに向かわせたようだ。また、20日の戻り高値を上回ってきたことで、短期筋のショートカバーを誘ったと考えられる。前場の段階で短期筋の売買は一回転しており、後場は膠着感が強まったものの、3万8000円水準での底堅さがみられるなか、引けにかけてカバーが入った。
明日は日本銀行の植田和男総裁が衆参両院の閉会中審査で発言する。一方、米国では経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演する。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が高まるなか、日米金利差縮小が意識されやすいだろう。米長期金利は足もとで低下傾向をみせており、直近では8月5日以来の水準で推移している。
両イベントにより再び円高基調が強まる展開が警戒されやすいなかで、本日の為替市場は落ち着いた動きだった。アク抜け的な動きとなる可能性もあり、ショートは仕掛けづらいところである。一方で、今回の急ピッチの上昇によって買い遅れているファンドもあるとみられ、ヘッジ対応のロングが強まる展開を意識しておきたいところだ。
パウエルFRB議長の講演待ちとなるなか、週末要因もあって積極的な売買は手控えられやすいが、押し目狙いでのロング対応となろう。日経225先物は下値切り上げのトレンドを継続しつつ、3万8620円処で推移している75日移動平均線が射程に入ってきている。同水準を明確に上放れてくるようだと、4万円がターゲットになりそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に上昇した。円高が嫌気される形からトヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連の一角が軟調ななか、相対的に日経平均型優位の展開となった。14.19倍に位置する200日線を上回って推移し、一時14.35倍まで上昇する場面もみられた。目先的には、NTロングに振れやすくなりそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8826枚、ソシエテジェネラル証券が1万0083枚、サスケハナ・ホンコンが4898枚、JPモルガン証券が3073枚、バークレイズ証券が2669枚、SBI証券が2572枚、ゴールドマン証券が1788枚、モルガンMUFG証券が1304枚、野村証券が925枚、日産証券が916枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7288枚、ソシエテジェネラル証券が1万0347枚、サスケハナ・ホンコンが2572枚、JPモルガン証券が2437枚、モルガンMUFG証券が2399枚、ゴールドマン証券が2343枚、バークレイズ証券が2054枚、みずほ証券が1383枚、ビーオブエー証券が1028枚、UBS証券が991枚だった。
先週後半からドル円は東京時間では実需勢の買い戻しなどが入るものの、米国時間では売りが優勢となり4日続落している。IMM筋を含めこれまでの円キャリートレードが閉じられていることで、円の買い戻しが終わったとする声もあるが、ようやくスクエアになった程度でしかなく、状況次第では更なるドル売り・円買いの余力は十分にある。さらに、今週に入りインドネシア・ルピア、マレーシア・リンギ、タイ・バーツなどほぼすべてのアジア通貨に対してドルは下げ幅を広げている。米系ファンド勢を中心に多くの通貨でドル売りに転じているのが鮮明になっていることはドル円の頭を抑えることになりそうだ。
本日は、米国から複数の経済指標が発表されることで、経済指標の結果次第でドル円は神経質な動きになるだろう。日本時間21時半には前週分の米新規失業保険申請件数と失業保険継続受給者数が発表される。先週、先々週と同指標は予想よりも強い結果となったことで、米金利上昇・ドル買いで反応している。特に先々週の8日は146円前半から147円まで急上昇するなど、これまで以上に同指標での反応が敏感になっている。また、22時45分には8月の各種購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表される。予想と結果に大きなかい離が生じた場合には警戒したい。
経済指標で動意づくことが予想されるが、本日はトレンドを作るほど大きな動きを期待するのは難しいかもしれない。明日23日には衆議院財務金融委員会に植田日銀総裁が出席すること、ジャクソンホール会議ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が登壇することなどもあり、両中銀総裁の発言を見極めるまでは本格的には動きにくそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円は、21日高値146.77円。
・想定レンジ下限
ドル円は、21日安値144.46円。
今晩は8月の米PMIと7月の米中古住宅販売件数ならびに、きょうから開始されるジャクソンホール会議に注目。きのうはダウ平均が55.52ドル高(+0.14%)と小幅に反発し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.42%高、0.57%高と堅調だった。投資家の不安心理を示すVIX指数は15.88ポイントから16.27ポイントへと2.16%上昇したものの、投資家のセンチメントは改善が続いている。
今晩の取引では8月の米PMIと7月の米中古住宅販売件数ならびに決算発表に注目する展開か。ジャクソンホール会議はきょう22日から開始されるものの、注目されているのはあす23日に開催されるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演であり、きょうのところは材料視する向きは限定的だろう。9月FOMCでの利下げがほぼ確実視されるなかで利下げ幅がどの程度になるのか、あるいは連続での利下げはあるのかなど、見通しに関するヒントを探ることになる。決算発表では先日、バフェット氏率いるバークシャーが株を取得したことでも話題になったアルタ・ビューティー、小売りのダラー・ツリーが発表予定。引き続き小売りの動向に注目が集まりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、S&Pグローバル総?⑰MI速報値、中古住宅販売件数、カンザスシティー連銀製造業活動指数など。企業決算は寄り前にアルタ・ビューティー、ダラー・ツリー、引け後にロス・ストアーズ、インチュイトなどが発表予定。
みずほ証券では日本の実質GDP成長率見通しに関して、2024年度を+0.8%→+0.4%、2025年度を+1.3%→+1.2%と、前回6月の見通しから2024年度を中心に下方修正している。(1)GDPを算出する際の基礎統計の一つである建設総合統計で誤報告が発覚し、過去の実績値が臨時の下方修正を受けたこと、(2)輸出環境に暗雲が立ち込めているとみること、(3)自動車生産の回復が遅れていること―の3点を理由として挙げている。日本経済は底入れの兆しを見せているものの、今しばらくは一進一退を続ける可能性が高いとみずほでは考えている。
日経平均株価は反発。38000円付近を意識したスタートから上値を伸ばす場面もあったが、勢いに欠ける動きで前場後半からは上げ幅を縮小する展開となった。
RSI(9日)は前日の78.9%→84.1%(8/22)に上昇。過熱圏の域の中で目先的には強いモメンタムが続く可能性が高い。5日移動平均線(37935円 8/22)や10日移動平均線(36893円 同)の上昇を背景として、トレンドフォローの見方に大きな変化はない。75日移動平均線(38640円 同)超えるような一段高がみられるかが注目される。
一方、25日移動平均線(37374円 同)の下げが続くほか、5日移動平均線の上昇が一服する可能性も高く、目先は36500円処に向けて押し戻される展開も想定される。
日足ベースの上値メドは、75日移動平均線、4万円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(37158円 同)、10日移動平均線、心理的節目の36500円や36000円、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)などがある。
(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.30円(22日15時時点比△1.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.44円(△0.58円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1103ドル(▲0.0040ドル)
FTSE100種総合株価指数:8288.00(前営業日比△4.57)
ドイツ株式指数(DAX):18493.39(△44.44)
10年物英国債利回り:3.960%(△0.069%)
10年物独国債利回り:2.244%(△0.053%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月仏製造業PMI速報値
42.1 44.0
8月仏サービス部門PMI速報値
55.0 50.1
8月独製造業PMI速報値
42.1 43.2
8月独サービス部門PMI速報値
51.4 52.5
8月ユーロ圏製造業PMI速報値
45.6 45.8
8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
53.3 51.9
8月英製造業PMI速報値
52.5 52.1
8月英サービス部門PMI速報値
53.3 52.5
8月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値) ▲13.4 ▲13.0
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ユーロドルは頭が重かった。8月仏サービス部門PMI速報値が予想を上回るとユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1164ドルと日通し高値を付けたものの、前日に付けた年初来高値1.1174ドルがレジスタンスとして働くと失速した。8月独製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことも相場の重しとなった。
NYの取引時間帯に入ると、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁が「利下げを支持する前にさらなるデータを見る必要がある」と発言したことや米長期金利の上昇などを手掛かりに全般ドル買いが活発化。前日の安値1.1100ドルを下抜けて一時1.1098ドルまで値を下げた。
・ドル円は底堅い動き。対ユーロ中心にドル買いが進むと、円に対してもドル買いが先行。NY市場ではシュミッド米カンザスシティー連銀総裁の発言などを理由にドル買いが活発化した。7月米中古住宅販売件数が予想を上回ったこともドル買いを促すと、23時30分前に一時146.53円と日通し高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.87%台まで上昇したことも相場の支援材料。
もっとも、前日の高値146.77円がレジスタンスとして意識されると、145.88円付近まで伸び悩む場面があった。
なお、コリンズ米ボストン連銀総裁は「データが利下げのペースを導く」「雇用統計の修正にもかかわらず、労働市場は健全」「段階的な利下げが適切になるだろう」と述べたほか、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は「データが予想通りなら9月利下げを支持する」などと語った。
・ユーロ円は持ち直した。予想を下回る独PMI速報値などが相場の重しとなり、日本時間夕刻に一時161.48円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。23時前には一時162.91円と日通し高値を更新した。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出た。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。前日の米国株相場の上昇を受けて買いが先行したものの、明日23日に予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を見極めたいとの雰囲気が強く、積極的に上値を追う展開にはならなかった。ユニリーバやテスコなど生活必需品株が買われたほか、コンパス・グループやJDスポーツ・ファッションなど一般消費財サービスが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅続伸。前日の米国株相場の上昇を受けて、独株にも買いが入った。ただ、カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB議長が講演するのを明日に控えて、様子見の投資家も多かった。個別ではドイツ銀行(4.03%高)やコメルツ銀行(2.12%高)、シーメンス・エナジー(1.66%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
22日の日経平均は反発。終値は259円高の38211円。小高く始まり、開始直後にはマイナス圏に沈んだが、すぐにプラス転換すると以降は堅調に推移した。場中はドル円が円安に振れれば上げ幅を広げ、円高に振れれば萎むといったように為替にらみの状況が続いたが、前場では400円超上昇する場面もあった。後場に入るとしばらくは値を消す流れとなったが、前日終値に接近したところでマイナス圏入りを回避して切り返し、再び上げ幅を3桁に拡大。終盤にかけて強含み、大引けが後場の高値となった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆6400億円。業種別では医薬品、倉庫・運輸、化学などが上昇した一方、銀行、証券・商品先物、ゴム製品などが下落した。証券会社が投資判断を引き上げたIHI<7013.T>が大幅上昇。半面、証券会社が目標株価を引き下げたunerry<5034.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1033/値下がり547。ファーストリテイリングが2.5%高と強く、日経平均にも大きく貢献した。メルカリ、さくらネット、霞ヶ関キャピタル、セルシードが商いを伴って急伸。証券会社のリポートを手がかりに住友ファーマやラクスが値を飛ばした。米国で日本のゲームセンターが人気とのメディア特集を受けて、名前の挙がったラウンドワンやGENDAが物色された。
一方、FOMC議事要旨などから米国の9月利下げが確実との見方が強まる中、三菱UFJや三井住友など銀行株が軟調。九州FGや西日本FGなど地銀株が軒並み安となった。円高への警戒がくすぶり続けたことから、トヨタ、SUBARU、ブリヂストンなど自動車関連が全般売りに押された。ディスコやSCREENなど半導体の一角がやや大きめの下落。前日新規上場のオプロが大幅に下落した。
日経平均は反発。上げ幅を広げてくると上値が抑えられた一方、萎んでくると改めての買いが入った。今週はここまで下落と上昇を繰り返しており、きのう下げた分、きょうはやや買い手に分があったような印象。本日から24日までの日程でジャクソンホール会議が開催される。ただ、パウエルFRB議長の講演は23日で、本日の米国株は様子見姿勢が強まりそう。日本の現物市場で発言内容を消化するのは来週となる。
あすは日銀の植田総裁が閉会中審査に主席する予定。衆議院の財務金融委員会が9時半、参議院の財政金融委員会が13時にスタートする。ライブ配信も行われるようで、発言内容やそれを報じるニュースのヘッドラインに株や為替が神経質に反応する場面があるかもしれない。7月の会合で日銀が追加利上げに踏み切り、その直後に日本株が派手に下げただけに、そのあたりを総裁としてどう捉えているのかは気になるところだ。
日本株を見る上では引き続きドル円が重要となる。直近で植田総裁の発言がタカ派的、パウエルFRB議長の発言がハト派寄りと受け止められて円高・株安が進んだことは記憶に新しい。常識的に考えれば植田総裁は市場に配慮した発言に終始するだろうし、そうなれば過度な警戒が和らぐことで日本株は底堅く推移すると見込まれる。ただし、総裁発言が円高を呼び込んでしまうと、パウエル議長講演を前にリスク回避姿勢が強まる可能性があるため注意したい。
(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.29円(前営業日比△1.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.56円(△0.61円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1112ドル(▲0.0038ドル)
ダウ工業株30種平均:40712.78ドル(▲177.71ドル)
ナスダック総合株価指数:17619.36(▲299.63)
10年物米国債利回り:3.85%(△0.05%)
WTI原油先物10月限:1バレル=73.01ドル(△1.08ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2516.7ドル(▲30.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数
23.2万件 22.8万件・改
8月米製造業PMI速報値
48.0 49.6
8月米サービス部門PMI速報値
55.2 55.0
8月米総?⑰MI速報値
54.1 54.3
7月米中古住宅販売件数
(前月比) 1.3% ▲5.1%・改
(年率換算件数)395万件 390万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
・ドル円は5日ぶりに反発。シュミッド米カンザスシティー連銀総裁が「利下げを支持する前にさらなるデータを見る必要がある」と発言したことなどを手掛かりに全般ドル買いが先行。7月米中古住宅販売件数が予想を上回ったこともドル買いを促すと、23時30分前に一時146.53円と日通し高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.87%台まで上昇したことも相場の支援材料。
前日の高値146.77円がレジスタンスとして意識されると、伸び悩む場面もあったが、下押しは145.88円付近にとどまった。
なお、コリンズ米ボストン連銀総裁は「データが利下げのペースを導く」「雇用統計の修正にもかかわらず、労働市場は健全」「段階的な利下げが適切になるだろう」と述べたほか、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は「データが予想通りなら9月利下げを支持する」と語った。
・ユーロドルは5日ぶりに反落。シュミッド米カンザスシティー連銀総裁の発言や米長期金利の上昇などを手掛かりに全般ドル買いが進行。前日の安値1.1100ドルを下抜けて一時1.1098ドルまで値を下げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.63まで上昇した。
カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演するのを明日23日に控えて、ポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いも出やすかった。
・ユーロ円は続伸。ただ、NY市場に限れば162円台でのもみ合いに終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB議長が講演するのを明日に控えて、持ち高調整目的の売りが出た。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落。米長期金利が上昇したことで高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出やすかった。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに反落。明日のパウエルFRB議長の講演などを控えてポジション調整目的の売りが出た。
・原油先物相場は反発。昨日に約7カ月ぶりの安値水準まで下落し、値ごろ感から買いが入った。また、米利下げ観測が高まっていることや、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉が進んでいないことも買いを後押した。
・金先物相場は続落。為替相場でドル高が進みドル建ての金に割高感が生じたことや、米長期金利が上昇したことが材料視され、売りが優勢となった。また、明日の米ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長の講演を前にポジション解消の動きも売りを後押した。
22日20:30 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月18日分)
「労働コストの動向は引き続き主要な懸念事項」
「基調的インフレの様々な指標からのサインは依然として混在」
「ヘッドラインインフレは、年内は現在のレベル辺りで変動すると予想」
「理事会の政策対応は慎重であるべき」
「9月の会合はオープンな姿勢で臨むべき」
「9月は政策を見直すのに適した時期だと広く認識」
22日20:33 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「利下げを支持する前に、さらなるデータを見る必要がある」
「雇用統計の年次改定は私の考え方を変えるものではない」
22日21:51 コリンズ米ボストン連銀総裁
「データが利下げのペースを導く」
「雇用統計の修正にもかかわらず、労働市場は健全」
「段階的な利下げが適切になるだろう」
22日22:58 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「データが予想通りなら9月利下げを支持」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比2.7%)
○08:30 ☆ 7月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比1.9%)
○植田和男日銀総裁、衆参両院の閉会中審査で意見聴取
<海外>
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)小売売上高(予想:前期比▲0.9%)
○08:01 ◇ 8月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲12)
○14:00 ◎ 7月シンガポールCPI(予想:前年比2.5%)
○15:45 ◇ 8月仏企業景況感指数(予想:96)
○21:30 ◎ 6月カナダ小売売上高(予想:前月比▲0.3%/自動車を除く前月比▲0.2%)
○23:00 ☆ 7月米新築住宅販売件数(予想:前月比1.0%/62.3万件)
○23:00 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ジャクソンホール会議で講演
○24:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○24日01:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)、テーマは「金融政策の有効性と伝達の再評価」(ワイオミング州ジャクソンホール、24日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁の発言「利下げを支持する前にさらなるデータを見る必要がある」や米10年債利回りが3.87%台まで上昇したことなどで146.53円まで上昇した。ユーロドルは1.1098ドルまで値を下げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、植田日銀総裁の閉会中審査での発言に注目する展開となるが、今夜のパウエルFRB議長の講演を控えて上値は限定的だと思われる。
8時30分に発表される7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は前年比+2.7%と予想されており、6月の同比+2.6%からの上昇が見込まれている。本日の東京市場でのメインイベントは植田日銀総裁の閉会中審査であることで、予想から大幅に外れることがない限り、市場への影響はないと思われる。
本日は、7月31日にタカ派発言をした植田日銀総裁とハト派発言をしたパウエルFRB議長の発言機会が予定されており、両者のスタンスが変わっていないのか否かを見極めることになる。
植田日銀総裁は、本日、衆参両院での閉会中審査(午前9時半から衆院財務金融委員会、午後1時から参院財政金融委員会)で、利上げに関する意見聴取が予定されている。
植田日銀総裁は、7月31日の日銀金融政策決定会合での政策金利0.25%への引き上げの後の記者会見で、金利の壁と見なされている0.50%を超えて、中立金利水準と見なされている1.00%に向けた追加利上げを示唆したことで、8月5日の日経平均株価の過去最大の下落、世界的な金融市場の混乱を引き起こしたと見なされている。
植田日銀総裁は、本来ならば、避暑地で開催されるジャクソンホール会合(8月22-24日)に参加して、主要中銀が史上初めて共同で量的引き締め(QT)に動く局面に関する意見交換などを行う予定だったと思われる。しかし、国会が閉会中にも関わらず、日銀に説明を求める議員らが開催を要請したことで、異例の審査が行われることになった。
8月7日には、内田日銀副総裁が、株価や為替相場が不安定な状況で利上げは行わず、当面は現行の金融緩和を維持するとの考えを示したことで、ドル円も日経平均株価も底堅く推移している。内田日銀副総裁は、「植田総裁と自分との考えの違いはない。経済や物価が見通しに沿って展開していくのであれば、それに応じて金融緩和の度合いを調整していくことが適切」とも述べている。
ドル円が146円台、日経平均株価が38000円台で推移している状況での植田日銀総裁のタカ派路線の維持、あるいは変更の可能性に要注目となる。
昨日のオプション市場では、植田日銀総裁のタカ派発言の再現に備えて、円急騰への対応措置が取引されていた。
植田日銀総裁は、タカ派的な見解による市場混乱に対する閉会中審査の場で、タカ派的な見解を繰り返してボラティリティーを高める発言は控えて、おそらく、内田日銀副総裁と同じく、金融市場が不安定な状況で利上げはしないと安心感を与えようとする可能性が高い。
ドル円は、買戻しが続くことが予想されるものの、今夜23時からジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)でパウエルFRB議長の基調講演を控えていることで、上値は限定的だと思われる。
パウエルFRB議長は、7月31日のFOMC後の記者会見で、労働市場の下振れリスクは「現在、現実のものとなっている」と述べていた。その後、8月2日に発表された米7月失業率は4.3%へ上昇し、FRBが完全雇用と見なす4.2%をわずかに上回っていた。さらに21日に米労働省が発表した年次ベンチマーク改定の速報値では、2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されており、パウエルFRB議長が懸念を示していた労働市場の下振れリスクが高まっている。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38140 -90 (-0.23%)
TOPIX先物 2667.5 -8.0 (-0.29%)
シカゴ日経平均先物 38050 -180
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
22日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。23日のカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前に持ち高調整の動きが優勢となった。ただし、ボストン連銀のコリンズ総裁やフィラデルフィア連銀のハーカー総裁が、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始に前向きな見解を示したことが伝わり、下値の堅さは意識された。
また、米新規失業保険申請件数は前週比4000件増の23万2000件と小幅な増加で予想と一致したほか、7月の米中古住宅販売は前月比1.3%増の395万戸と5カ月ぶりに増加し、依然として低水準ながら改善傾向にあるとして受け止められた。S&P500業種別指数は銀行、保険、不動産が上昇した一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、小売が下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比180円安の3万8050円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比60円安の3万8170円で始まり、ほどなくして上昇に転じると、その後もロング優勢のなかで米国市場の取引開始直後には一時3万8650円まで買われる場面もみられた。ただし、買い一巡後は軟化し、3万8100円~3万8350円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを下放れ、3万7980円と節目の3万8000円を下回る場面もあった。引けにかけてショートカバーとみられる動きから下落幅を縮め、3万8140円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り優勢で始まることになりそうだ。米国ではFRBが9月に利下げするとの見方が強まっているなか、23日のパウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとのムードから、持ち高調整の動きが優勢だった。また、国内では日本銀行の植田和男総裁が、衆参両院の閉会中審査で発言する。午前は衆院財務金融委員会、午後は参院財政金融委員会において答弁が行われる。タカ派発言を調整しつつも利上げを進めていく姿勢を示すとみられ、1日を通して為替にらみの展開になりそうだ。
ただし、為替市場ではドル円が1ドル=146円台で推移しており、円安に振れている。前日に8月5日以来の水準に低下していた米長期金利は上昇していることもあり、リバランスの動きがみられている。楽観視は禁物ではあるが、イベント通過後のアク抜けも意識されやすいところであろう。
日経225先物はナイトセッションで一時3万8650円まで買われ、心理的な抵抗線として意識される75日移動平均線(3万8620円)を捉える場面がみられた。積極的な売買は手控えられやすいだろうが、リバランスのなかで同線を突破してくる可能性もありそうだ。為替次第で波乱の展開を警戒しつつも、下値は下向きで推移する25日線接近では押し目狙いのロング対応に向かわせるとみておきたい。
そのため、基本的にはオプション権利行使価格の3万8000円を中心とした膠着となろうが、為替変動やリバランスの動きにより、3万7750円から3万8750円でのレンジを想定する。東証プライムの売買高は14日以降20億株を下回っており、昨日は13億4000万株にとどまっていた。商いが膨らみづらいなか、スキャルピング中心のトレードで大きく振れやすい需給状況である。
22日のVIX指数は17.55(前日は16.27)に上昇した。75日線水準までの調整後の上昇が続いており、25日線が位置する19.17を捉えてくるようだと、20.00を上回ってくる可能性があるだろう。安定水準ではあるが、パウエルFRB議長の講演を受けて慎重姿勢が強まる可能性もあることから、やや神経質にさせそうだ。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.28倍に上昇した。円高が嫌気される形から輸出関連の一角が軟調ななか、相対的に日経平均型優位の展開となった。14.19倍に位置する200日線を上回っての推移が続き、一時14.35倍まで上昇する場面もみられていた。本日は円高一服でリバランスが意識されるが、200日線が支持線として機能するようだと、目先的にはNTロングに振れやすくなりそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円安の3万8110円(-0.31%)前後で推移。寄り付きは3万8130円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8050円)にサヤ寄せする形から、やや売りが先行して始まった。朝方は為替市場で円相場が1ドル=146円台前半と、若干円安に振れて推移していたこともあり、現物の寄り付き直後には3万8360円まで買われる場面がみられた。ただし、日本銀行の植田和男総裁が、衆参両院の閉会中審査に臨むなか、発言内容が報じられると、1ドル=145円台の円高に振れたことで、買い一巡後はロング解消に向かわせる形となった。終盤に3万8040円まで下げる場面もあったが、節目の3万8000円接近では底堅さが意識されており、前引けにかけて下げ幅を縮めてきている。
日経225先物はスキャルピング中心のトレードとみられ、為替にらみの展開になっている。終盤にかけて弱含みとなったが、節目の3万8000円を割り込まなかったことから、ショートは仕掛けづらく、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。後場も膠着感が強まると考えられるが、下値の堅さが意識されてくるようだと、引けにかけてはショートカバーが入りやすくなるとみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍と横ばいだった。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが日経平均型の重荷となっているが、大きくNTショートに傾く動きはみられていない。14.19倍に位置する200日移動平均線を上回っての推移が続いていることから、押し目ではNTロングに振れやすくなるだろう。
昨日の海外市場では、週末の日米ビッグイベントを控えてドルは買い戻しの動きに。米10年債利回りが一時3.8749%まで上昇するにつれて、ドル円は146.53円まで値を上げることになりました。ジャクソンホール経済シンポジウムを主催しているシュミッド米カンザスシティ連銀総裁が「利下げを支持する前に更なるデータを見る必要がある」などと発言したことも買い戻しを後押ししましたが、「あくまでもポジション調整の域を出ていない」動きのなかでの展開。
週末のアジア市場では、市場参加者は普段のCNBCアジアやブルームバーグTVにチャンネルを合わせることなく、衆議院インターネット審議中継で放送された9時30分開始の財務金融委員会に釘付けとなったわけですが、結局のところ「サプライズが全くない」ことに対する戻り売りとなったといったところ。野党議員からのあからさまな誘導尋問に対して、植田日銀総裁は極めて慎重な答弁に終始していたとはいえ、「円安が見通しとそのリスクに影響を与えることもありえる」などの見解を示したほか、全般、金融政策の正常化を進めていく考えを示しました。ドル円は一時145.30円まで値を下げたものの、委員会が終了すると145.72円まで買い戻されています。
午後は13時から参議院でも同じようなやり取りが繰り返されることになりますが、何とも惰性的な市場は既にアジア時間での前座を横目に、主役が登場する23時からの基調講演に焦点を移しつつあるといったところです。
いずれにしても、ジャクソンホールの高級避暑地において、主要国の中銀総裁が一堂に会し、忖度のない、本音の議論がストレスフリーの状態でフランクに交わされる年に一度の極めて貴重な機会を損失した代償は大きく、本邦当局の市場とのコミュニケーションの毀損といった大きなホール(穴)は、まだまだ大きく開いたままとなっています。
「起業・廃業モデルにより、NFPは労働市場を過大評価している可能性」
(2023年7月:ウォールストリート・ジャーナル紙)
1. 「Birth-Death model(起業・廃業モデル)」
雇用統計の事業所調査は、非農業部門(Non Farm)約11.9万社の給与明細(Payroll)でのサンプル調査で集計されるが、新たに生まれた企業による新規雇用と事業閉鎖に伴う雇用者減少は反映されない面がある。そこで、労働省は、事業者調査に基づく雇用者増加数に、通常のサンプルでは捕捉しきれない新たに生まれた企業による新規雇用者増加数と事業閉鎖に伴う雇用者減少数を暫定的に推計して、過去5年間の移動平均線と比較する「起業・廃業モデル」で調整している。
しかし、米労働省は、「起業・廃業モデル」が正確ではないことを認めており、ウォールストリート・ジャーナル紙は、昨年7月の記事で、「起業・廃業モデル」により「NFPは労働市場を過大評価している可能性」を取り上げていた。
2. 年次ベンチマーク改定の速報値
米労働統計局が8月21日に発表した年次ベンチマーク改定の速報値では、2023年4月から2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されることが示された。
改定前の雇用者数は1年間に290万人増(月平均で24万2000人増)だったが、今回の改定を受けて、1カ月当たり約17万4000人増のペースとなった。
7月FOMC議事要旨で「一部当局者は労働市場のより深刻な悪化のリスクを指摘」していたように、労働市場が想定よりはるかに早い段階から減速していた可能性が示された。
また、7月の失業率が4.3%まで上昇し、FRBが完全雇用と見なす4.2%をわずかに上回っていたことで、パウエルFRB議長は明日のジャクソンホール会合での講演で、2020年8月のジャクソンホール会合での見解、すなわち、FRBの金融政策の主軸を「物価安定」から「雇用最大化」へ大転換することを再表明する可能性が高まっている。
【速報値段階の年次ベンチマーク改定】
・2006年:+81.0万人 ・2007年:▲29.7万人
・2008年:▲2.1万人 ・2009年:▲82.4万人
・2010年:▲36.6万人 ・2011年:+19.2万人
・2012年:+38.6万人 ・2013年:+34.5万人
・2015年:▲20.8万人 ・2016年:▲15.0万人
・2017年:+9.5万人 ・2018年:+4.3万人
・2019年:▲50.1万人 ・2020年:▲17.3万人
・2021年:▲16.6万人 ・2022年:+46.2万人
・2023年:▲30.6万人 ・2024年:▲81.8万人
3.真夏の空騒ぎ
2024年8月21日、午後23時、米労働省は予定していた雇用統計の年次改定を発表しなかった。
アルゴリズム取引は、HPに掲載されたままの去年の▲30.6万人に反応して、ドル円を146.77円まで買い上げた。
一部の市場関係者は、米労働省に電話をして▲81.8万人を知った。
23時30分、HPに▲81.8万人が発表され、ハト派的な7月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も相まって、ドル円は144.46円まで下落した。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、今夜の23時から予定されているジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)でのパウエルFRB議長の基調講演待ちで動きづらい展開が予想される。
パウエルFRB議長は、7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、「問題となるのは、データの全体像や変化する見通し、リスクバランスがインフレに対する確信の強まり、そして堅調な労働市場の維持と整合するかどうかだ」と指摘した。そして、「そのテストが満たされれば、早ければ次回9月の会合で政策金利の引き下げが選択肢となり得る」、「経済の展開の仕方次第で、年内の利下げがゼロにも複数回にもなるというシナリオは想像し得る」と述べていた。
さらに、労働市場が冷え込むにつれてインフレが予想外に加速するリスクは低下したが、労働市場の下振れリスクは「現在、現実のものとなっている」とも述べていた。
その後、8月2日に発表された米7月失業率は4.3%へ上昇し、FRBが完全雇用と見なす4.2%をわずかに上回っていた。そして21日に米労働省が発表した年次ベンチマーク改定の速報値では、2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されており、パウエルFRB議長が懸念を示していた労働市場の下振れリスクが高まっている。
市場では、パウエルFRB議長は2020年8月27日のジャクソンホール会合における講演での政策を再表明するのではないか、と噂されている。パウエルFRB議長は、FRBの金融政策の主軸を「物価安定」から「雇用最大化」へ転換して、金融緩和により雇用拡大を優先することを約束していた。
9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始に言及した場合、ユーロドルとポンドドルの上昇要因となるため、注目しておきたい。
また、ベイリーBOE総裁の講演も予定されていることで、金融政策への言及には要警戒となる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1191ドル(ピポット・レジスタンス2)
・ユーロ円:163.15円(日足一目均衡表・基準線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1044ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:161.48円(8/22安値)
(23日15時時点)
ドル円:1ドル=145.68円(前営業日NY終値比▲0.61円)
ユーロ円:1ユーロ=162.07円(▲0.49円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1125ドル(△0.0013ドル)
日経平均株価:38364.27円(前営業日比△153.26円)
東証株価指数(TOPIX):2684.72(△13.32)
債券先物9月物:144.64円(▲0.24円)
新発10年物国債利回り:0.890%(△0.020%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.7% 2.6%
7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
前年同月比 1.9% 2.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。植田日銀総裁が衆議院財務金融委員会で見通し通りに実現する確度が高まれば「金融緩和の度合いを調整していく」、「円安が見通しとそのリスクに影響を与えることもありえる」などと発言すると売りが強まり、一時145.30円まで下落した。
ただ、一巡後は下げ渋る動きに。日経平均株価が底堅く推移したうえ、午後の答弁で日銀総裁が「金融政策の考え方で内田日銀副総裁との違いはない。内田日銀副総裁の発言は適切だった」と発言したことも支えに145.90円付近まで持ち直した。
・ユーロ円も弱含み。ドル円と同様に日銀総裁の発言に上下する展開となった。一時161.69円まで下落し、その後の戻りは162.30円台までにとどまった。
・ユーロドルは小高い。ドル円の下落に伴う買いが入り、一時1.1129ドルまで値を上げたが、東京市場では総じて動きは鈍かった。
・日経平均株価は続伸。小高く始まったが、植田日銀総裁の発言を受けて円高が進むと次第に売りが優勢となり、指数は160円ほど下落した。ただ、午後に入ると押し目買いが入りプラス圏を回復し、210円超高まで上昇するなど一進一退の動きとなった。
・債券先物相場は続落。前日に米国債価格が下落した流れを引き継いで安く始まった。その後も戻りが鈍いまま、一時144.55円まで下げ幅を広げた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中理氏
9月ECB理事会に向けたデータ点検 賃金のピークアウトと景気鈍化を確認
9月の追加利下げを占う重要データが22日に発表され、4~6月期の妥結賃金の上昇率が鈍化した一方、8月のPMIの改善が小幅加速した。前者はドイツの一時金が攪乱要因に、後者はパリ五輪の特需が上押しした。こうした特殊要因を除けば、先行きの物価動向を左右する賃金上昇率が緩やかな鈍化傾向にあることと、7~9月期入り後の景気にややブレーキが掛かっていることが示唆される。物価・景気ともに9月の追加利下げと整合的であると判断される。
SMBC日興証券では、来週8月30日に発表予定の2024年8月の東京都区部消費者物価指数(CPI)に関して、コアCPIは前年比+2.1%となり、7月の+2.2%から伸び率が縮小すると予想している。昨年の夏に都市ガス・電気代が下落したベース効果が表れ、エネルギーの伸び率が拡大するものの、コアコアの伸び率がやや大きく縮小すると見込んでいる。コアコアCPIは前年比+1.3%となり、7月の+1.5%から伸びが鈍化すると予想している。財価格や食料価格の伸び鈍化が続くほか、サービス価格の伸び率が縮小すると見込んでいる。サービス価格では、昨年8月に多くの地域で全国旅行支援が終了、値上げとなったベース効果が生じて、宿泊料の伸び率が縮小すると予想している。
大和総研では、7月の経済指標などから米国経済の先行きを巡る論点が高インフレから雇用悪化へと大きく変わったと考えている。雇用悪化に関しては、現時点では緩やかなペースで悪化しているとの見方を維持するべきと判断している。インフレに関しては、これまでペースダウンしてきたCPIコア材の伸び率減速の余地が限られつつあることなどから、先行きに関しては楽観できないとみている。大和総研では、インフレ減速は進み、雇用環境は悪化へという単純な構図で米国経済の先行きを考えることには慎重になるべきと指摘。早ければ9月FOMCでの利下げ決定が想定されるものの、利下げペースに関しては市場の想定に比べて緩やかとなる可能性があり、過度な期待は禁物とコメントしている。
UBS証券では、10月1日に発表される日銀短観で景況感が予想外に悪化して政策決定会合前後に金融市場の混乱が再び深刻化しない限り、次回の利上げのタイミングは10月31日になると予想してきた。一方で、市場参加者の大多数が大きなサプライズなく利上げを予想できる環境を確立する必要が日銀にはあるとも考えている。自民党の新首相が9月27日に選出されることで、総選挙が11月2日に実施される可能性が浮上してきた。UBSでは、選挙が10月31日から離れた日程であれば展望リポートがアップデートされる同日が最も適したタイミングとみているものの、総選挙が11月2日であれば、利上げの時期は12月19日に延期される可能性があると考えている。
大阪9月限
日経225先物 38410 +180 (+0.47%)
TOPIX先物 2687.5 +12.0 (+0.44%)
日経225先物(9月限)は前日比180円高の3万8410円で取引を終了。寄り付きは3万8130円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8050円)にサヤ寄せする形で、やや売りが先行して始まった。朝方は円相場が1ドル=146円台前半と、若干円安に振れていたこともあり、現物の寄り付き直後には3万8360円まで買われた。だが、日本銀行の植田和男総裁が衆参両院の閉会中審査に臨むなか、その発言内容が伝わると、1ドル=145円台の円高に振れたことで、買い一巡後はロングの解消に向かわせる形となった。これにより前場終盤には3万8040円まで下げる場面もあった。
もっとも、節目の3万8000円接近では底堅さが意識されており、前引けにかけて下げ幅を縮めると、ランチタイムでプラス圏を回復。さらに、植田総裁は午後の答弁で、7日に内田副総裁が「不安定な状況で利上げをすることはない」との発言について、政策運営の考え方に相違はないとの見解を示したことが安心感につながった。後場はショートカバーを交えたロング優勢の流れとなり、中盤には3万8400円台を回復し、その後は3万8300円~3万8400円辺処で保ち合い、引け間際には3万8420円まで買われる場面もみられた。
日経225先物はスキャルピング中心のトレードとみられ、為替を睨んでの展開になった。植田総裁の発言を受けた為替動向に振らされやすい需給状況のなか、サプライズのない発言だったことで後場はロング優勢となり、日中の高値圏で終えた。また、経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、持ち高調整に伴う買い戻しの動きもあったとみられる。
日経225先物は下値切り上げのトレンドを継続し、パウエルFRB議長の講演を受けた米国市場の動向次第では、心理的な抵抗として意識される75日移動平均線(3万8630円)を上回ってくる可能性がある。また、週足では13週線(3万8560円)、26週線(3万8690円)なども集中している水準であるため、これらを明確に上放れてくると、ショートカバーに加えて、買い遅れているファンドによるロングが強まることも意識しておきたい。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.29倍に上昇した。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが日経平均型の重荷となったが、NTショートに傾く動きは限られた。14.20倍辺りに位置する200日線を上回って推移していることから、目先的にはNTロングに振れやすくなる展開がありそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3827枚、ソシエテジェネラル証券が6348枚、サスケハナ・ホンコンが3301枚、SBI証券が1601枚、JPモルガン証券が1337枚、バークレイズ証券が1163枚、モルガンMUFG証券が1150枚、auカブコム証券が770枚、ゴールドマン証券が741枚、ドイツ証券が642枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7926枚、ソシエテジェネラル証券が1万1050枚、サスケハナ・ホンコンが2929枚、JPモルガン証券が2640枚、バークレイズ証券が2465枚、モルガンMUFG証券が2277枚、ゴールドマン証券が2090枚、ビーオブエー証券が2026枚、シティグループ証券が1556枚、みずほ証券が812枚だった。
衆院財務金融委員会での植田日銀総裁への質疑応答は、なんとも歯切れの悪い回答が継続したことで、やや売りが優勢となる場面もあったが市場の反応は限られた。市場の間では応答よりも質疑の質が悪いことで、核心部分にも振れることもできず、植田日銀総裁よりも質問者に対する非難の声が多かった。
本日のNY市場でのドル円の値動きは、カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(通称・ジャクソンホール会合)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の基調講演次第になるだろう。先週から市場では今回の会合での講演に注目が集まっている。やや過熱気味なほどでもあることで、植田日銀総裁同様に肩透かしを食らう可能性もあるが、やはり警戒は怠れない。
今週21日に発表された7月30日-31日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「大多数の当局者は9月の利下げは適切とみている」「数人の当局者が7月会合で利下げの論拠を指摘」などの見解が伝わり、ドル売りが優勢となった。パウエル議長は、FOMC後の会見で「9月までの間に多くのデータが得られる」と述べたが、FOMC後の経済指標では7月の雇用統計は弱かったが、同月消費者物価指数(CPI)はほぼ予想通りとなるなど、7月末からはあまり変わらない経済環境下ということもあり、FOMCの見解から大きく変わっていない可能性がある。
仮に見解が変わらない場合の市場の判断は難しい。上述のように「利下げが適切」などの文言の場合は素直にドルが売られるだろう、一方昨日FOMC後のパウエルFRB議長と同じように、シュミッド米カンザスシティ連銀総裁が「利下げを支持する前に、さらなるデータを見る必要がある」と発言すると、ややドル買いに反応した。市場参加者の中でもAIが文言を読み取り自動的に売買を行う取引が、これらの文言に過剰に反応するリスクがありそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円は、21日高値146.77円。上抜けると20日高値147.35円。
・想定レンジ下限
ドル円は、21日安値144.46円。割り込むと6日安値143.63円。
今晩はジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言に注目。昨日は翌日のジャクソンホール会議でのFRB議長の講演を控え米10年債利回りが上昇したことや、半導体株を中心にハイテク株に持ち高調整売りが強まったことで主要3指数がそろって反落した。週初来ではダウ平均とS&P500がプラス圏を維持した一方、ナスダック総合が小幅にマイナス圏に沈んだ。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しを巡り、取引時間午前に予定されるジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演に注目が集まる。20日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で9月利下げ期待が一段と高まっており、CMEのフェドウォッチ・ツールでは74%の確率で0.25%の利下げが見込まれており、0.50%の利下げ確率も26%となった。年内4回の利下げ確率も67%となっており、ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長から利下げに積極的な発言があれば相場の追い風となることが期待される。
今晩の米経済指標・イベントはパウエルFRB議長講演のほか、7月新築住宅販売件数など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は続伸。前場は弱含む場面もあったが、5日移動平均線(37995円 8/23)上でしっかりの展開となった。
RSI(9日)は前日の84.1%→84.0%(8/23)へ横ばい。過熱圏の域の中で目先は強いモメンタムが続く可能性が高い。5日移動平均線や10日移動平均線(37246円 同)の上昇を背景として、トレンドフォローの見方に大きな変化はない。保ち合い気味の動きから、来週は75日移動平均線(38642円 同)超えるような一段高がみられるかが注目される。
一方、依然として25日移動平均線(37304円 同)の下落基調が続くほか、一目均衡表では基準線(35871円 同)などの下げも続いており、36500円処に向けて押し戻される展開も想定される。
日足ベースの上値メドは、75日移動平均線、4万円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(37197円 同)、心理的節目の36500円や36000円、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)などがある。
(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.40円(23日15時時点比▲1.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.62円(▲0.45円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1192ドル(△0.0067ドル)
FTSE100種総合株価指数:8327.78(前営業日比△39.78)
ドイツ株式指数(DAX):18633.10(△139.71)
10年物英国債利回り:3.912%(▲0.048%)
10年物独国債利回り:2.225%(▲0.019%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月仏企業景況感指数
97 94
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。米重要イベントを前にしばらくは1.11ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はジャクソンホール会議での講演で「政策を調整する時が来た」「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」と述べたほか、「労働市場がこれ以上減速することを歓迎しない」などと発言。市場では「9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始をほぼ明言した」と受け止められ、ドルを売る動きが広がった。2時30分過ぎには一時1.1198ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.66と昨年12月28日以来の低水準を更新した。
・ドル円は一転下落した。米重要イベントを控えてポジション調整目的の買いが先行すると一時146.48円と日通し高値を付けたものの、前日の高値146.53円がレジスタンスとして働くと失速した。パウエルFRB議長の発言を受けてFRBによる9月利下げ転換が改めて意識されると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。前日の安値144.85円や21日の安値144.46円を下抜けて一時144.35円まで値を下げた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは3.78%台まで低下した。
なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「利下げを開始する準備が整いつつある」と述べたほか、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁も「金利を引き下げ始める必要がある」との考えを示した。
・ポンドドルは一時1.3230ドルと2022年3月23日以来約2年5カ月ぶりの高値を更新した。パウエルFRB議長の発言をきっかけにドル全面安となった流れに沿った。
なお、ベイリー英中銀(BOE)総裁はジャクソンホール会議で、英国のインフレについて「慎重ながらも楽観的にみている」としながらも、「勝利を宣言するのは時期尚早」との考えを示した。
・ユーロ円は頭が重かった。23時前に一時162.71円と日通し高値を付けたものの、前日の高値162.91円が目先レジスタンスとして意識されると失速。3時前には161.58円と日通し安値を更新した。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は3日続伸。パウエルFRB議長が9月利下げ開始をほぼ明言したことで、リスク資産の株を買う動きが広がった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、グレンコアなど素材株が値上がりした。バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど金融株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は3日続伸。パウエルFRB議長が9月利下げ開始を示唆すると、米国株相場が堅調に推移。独株にも買いが波及した。個別ではシーメンス・エナジー(2.71%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(1.84%高)、ボノビア(1.83%高)などの上昇が目立ち、ポルシェ(0.74%安)などを除く37銘柄が上昇した。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
(23日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.37円(前営業日比▲1.92円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.58円(▲0.98円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1192ドル(△0.0080ドル)
ダウ工業株30種平均:41175.08ドル(△462.30ドル)
ナスダック総合株価指数:17877.79(△258.44)
10年物米国債利回り:3.80%(▲0.05%)
WTI原油先物10月限:1バレル=74.83ドル(△1.82ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2546.3ドル(△29.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米新築住宅販売件数
(前月比) 10.6% 0.3%・改
(件数) 73.9万件 66.8万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。米重要イベントを前にしばらくは1.11ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はジャクソンホール会議での講演で「政策を調整する時が来た」「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」と述べたほか、「労働市場がこれ以上減速することを歓迎しない」などと発言。市場では「9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始をほぼ明言した」と受け止められ、ドルを売る動きが広がった。3時過ぎには一時1.1201ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.60と昨年7月27日以来の低水準を更新した。
・ドル円は大幅反落。米重要イベントを前にポジション調整目的の買いが先行すると一時146.48円と日通し高値を付けたものの、前日の高値146.53円がレジスタンスとして働くと失速した。パウエルFRB議長の発言を受けてFRBによる9月利下げ転換が改めて意識されると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。前日の安値144.85円や21日の安値144.46円を下抜けて一時144.05円まで値を下げた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは3.78%台まで低下した。
なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「利下げを開始する準備が整いつつある」と述べたほか、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁も「金利を引き下げ始める必要がある」との考えを示した。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。23時前に一時162.71円と日通し高値を付けたものの、前日の高値162.91円が目先レジスタンスとして意識されると失速。4時30分過ぎには161.21円と日通し安値を更新した。ドル円につれた動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。パウエルFRB議長が9月利下げ開始をほぼ明言したことで、リスク資産の株を買う動きが広がった。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことも相場の支援材料。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが買われた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。パウエルFRB議長の発言を受けて米利下げ観測が高まると買いが優勢となった。市場ではパウエル氏の発言について「明確で直接的なハト派的な内容だった」との声が聞かれた。
・原油先物相場は続伸。パウエルFRB議長はジャクソンホール会議での講演で「政策を調整する時が来た」「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」などと発言し、9月利下げを意識したドル売りが進み、ドル建ての原油は割安感から買いが優勢となった。また、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉は大きな進展は見られなかった。
・金先物相場は3日ぶり反発。パウエルFRB議長はジャクソンホール会議での講演で「政策を調整する時が来た」と述べ、米9月利下げが確実視されるなかドルが急落し、米長期金利が低下したことが金買いを後押した。
23日09:36 植田和男日銀総裁
「ドル円相場は一方的な円安の修正が進んだかたち」
「内外市場は引き続き不安定で高い緊張感を持って注視」
「8月中旬以降、株価も上昇している」
「米国経済に過度に悲観的な見方が修正された」
「8月初めの株安背景は、米景気減速懸念が急激に広がったことなどが要因」
「8月初めの急激な円高、世界的ドル安と日銀の政策変更も背景にある」
「7月利上げは、物価見通しと輸入物価上昇による物価上振れリスクを考慮」
「金融資本市場が経済・物価に及ぼす影響や、7月利上げの影響を見極める」
「見通し通りの経済・物価実現の確度の高まりが確認できれば、金融緩和の度合いを調整」
「経済物価への為替レートの影響、引き続きしっかり点検していきたい」
「為替、物価見通しの中心値に影響与えることある」
「為替変動、輸入物価の景気への影響などさまざまな経路でCPIに影響」
「日本の金利は依然として低く、経済が回復すれば中立と見なされる水準まで上昇する見込み」
「為替変動、物価の中心的見通しに影響与えなくてもリスクへの配慮必要なこともある」
「中立金利の試算では、長い間低金利が続き、金利上昇で何が起こるか十分なデータない可能性ある」
「中立金利は、自信をもって示せるものあれば示したいがなかなかそうではない」
「7月利上げ、中立金利より下の緩和的状況での金利調整」
23日14:28
「物価見通しは2026年にかけて2%に収束していく」
「金融市場が大きく動いた場合は見通しへの影響の観点で考慮する」
「金融政策の考え方で副総裁との間に違いはない」
23日09:47 加藤日銀理事
「緩和的な金融環境を維持し、経済を支える」
「ETFの処分をすぐに行うことは考えていない」
23日10:14 鈴木財務相
「デフレ脱却宣言していない。後戻りする可能性は否定できない」
「為替が急激に変化することは望ましくない」
23日14:04 カザークス・ラトビア中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)は、年内さらに2回利下げする余地がある」
「インフレ率は政策当局が想定する下降軌道をおおむね維持している」
「インフレ率が2%に戻るまで政策金利の変更を待つことはできない」
「利下げを開始する準備が整いつつある」
「穏やかで秩序立った正常化への回帰を望んでいる」
「インフレ率はFRBの目標にまだ特に近くない」
「労働市場は、より正常化された状態に戻りつつあることを示すサイン」
23日23:00 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」
「政策を調整する時が来た」
「労働市場についてはこれ以上の冷え込みを求めも望みもしない」
「物価安定に向けてさらに前進する中で、我々は力強い労働市場を支えるために全力を尽くす」
「インフレの上昇リスクは減少し、雇用の下落リスクは増加している」
「今やインフレは目標にかなり近づいている」
「現行の金利水準はリスク対応に十分な余地を与える」
「利下げの時期とペースはデータや見通し、リスク次第」
「労働市場の冷え込みは間違いない」
24日00:08 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「金利を引き下げ始める必要がある」
24日00:09 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「インフレに対する勝利を宣言するのは時期尚早」
「中国発のディスインフレの兆候がある」
24日01:19 レーン・フィンランド中銀総裁
「我々は為替レートをターゲットにしていない」
「金利決定について事前にコミットしない」
「ディスインフレと弱い経済が9月利下げを示唆」
「インフレ率の低下傾向は軌道に乗っている」
24日01:53 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「責務である雇用面について慎重になりたい」
「インフレ率は2%に向かっている」
「予測では利下げへの支持が広がっている」
「ほぼすべての指標で雇用市場は冷え込んでいる」
※時間は日本時間
26日
○14:00 ◇ 6月景気動向指数改定値
27日
○08:50 ◇ 7月企業向けサービス価格指数
29日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 8月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
30日
○08:30 ◎ 7月完全失業率
○08:30 ◎ 7月有効求人倍率
○08:30 ◎ 8月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
○08:50 ◎ 7月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 7月商業販売統計速報(小売業販売額)
○14:00 ◇ 7月新設住宅着工戸数
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
26日
○17:00 ◎ 8月独Ifo企業景況感指数
○21:30 ◎ 7月米耐久財受注額
○インド(クリシュナ神生誕日)、英国(サマーバンクホリデー)、休場
27日
○15:00 ☆ 4-6月期独国内総生産(GDP)改定値
○19:45 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○21:00 ◇ 7月メキシコ貿易収支
○22:00 ◇ 6月米住宅価格指数
◇ 4-6月期米住宅価格指数
○22:00 ◎ 6月米ケース・シラー住宅価格指数
○23:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 8月米消費者信頼感指数
○23:00 ◎ 8月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○28日02:00 ◎ 米財務省、2年債入札
28日
○10:30 ◎ 7月豪消費者物価指数(CPI)
○15:00 ◇ 9月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
○15:45 ◇ 8月仏企業景況感指数
○16:00 ◇ 7月トルコ貿易収支
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:15 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○29日01:00 ◎ 7月ロシア失業率
○29日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○07:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○10:00 ◇ 8月ANZ企業信頼感
○10:30 ◇ 4-6月期豪民間設備投資
○15:00 ◎ 4-6月期スウェーデンGDP
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏経済信頼感指数
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○18:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○18:30 ◇ 7月南アフリカ卸売物価指数(PPI)
○21:00 ◎ 8月独CPI速報値
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ経常収支
○21:30 ☆ 4-6月期米GDP改定値
◎ 米個人消費/コアPCE改定値
○21:30 ◇ 7月米卸売在庫
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:00 ◎ 7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
○30日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○07:45 ◎ 7月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○10:30 ◎ 7月豪小売売上高
○15:00 ◇ 7月独輸入物価指数
○15:00 ◎ 5月独小売売上高
○15:00 ◇ 8月英ネーションワイド住宅価格指数
○15:45 ◇ 8月仏CPI速報値
○15:45 ◇ 7月仏PPI
○15:45 ◇ 7月仏消費支出
○15:45 ◎ 4-6月期仏GDP改定値
○16:00 ◇ 8月スイスKOF景気先行指数
○16:35 ◎ シュナーベルECB専務理事、レーン・フィンランド中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、ミュラー・エストニア中銀総裁、パネルディスカッションに参加
○16:55 ◎ 8月独雇用統計
○17:30 ◇ 7月英消費者信用残高
○17:30 ◇ 7月英マネーサプライM4
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏HICPコア速報値
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏失業率
○21:00 ☆ 4-6月期インドGDP
○21:00 ◎ 7月南アフリカ貿易収支
○21:30 ☆ 6月カナダGDP
☆ 4-6月期カナダGDP
○21:30 ◎ 7月米個人消費支出(PCE)
◎ 7月米個人所得
☆ 7月米PCEデフレーター
☆ 7月米PCEコアデフレーター
○22:45 ◎ 8月米シカゴ購買部協会景気指数
○23:00 ◎ 8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
○トルコ(戦勝記念日)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
23日の日経平均は続伸。終値は153円高の38364円。米国株安を受けても上昇スタート。植田日銀総裁が出席する衆議院の財務金融委員会が開催される9時半近辺で大きく失速すると、10時台半ばには円高進行を嫌気して下げ幅を3桁に広げた。しかし、節目の38000円は割り込まず、前場は2桁の下落で終了。後場は水準を切り上げてプラス圏からスタートすると、一度もマイナス圏に沈むことなく推移した。ドル円の値動きも落ち着く中、上げ幅を200円超に広げる場面もあり、3桁の上昇で終了した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆4000億円。業種別ではその他金融、精密機器、建設などが上昇した一方、卸売、海運、電気機器などが下落した。配当見通しを大幅に引き上げたオリエンタルコンサルタンツホールディングス<2498.T>が、一時ストップ高となるなど急騰。半面、直近で騰勢を強めていたセルシード<7776.T>が利益確定売りに押されて急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり949/値下がり641。三菱重工、川崎重工、IHIの重工大手3社が大幅上昇。証券会社が目標株価を引き上げた大成建設や清水建設に強い買いが入った。ソフトバンクによる出資観測が報じられたシャープが急伸。キオクシアの上場申請観測が報じられた後場には、ローム、ティアンドエス、クエストなどが関連銘柄として賑わった。日経新聞の世論調査で「次の自民党総裁にふさわしい人」として小泉進次郎氏が首位になったことや、出馬に関する観測が伝わったことなどを受けて、同氏のおひざ元の神奈川で百貨店を展開するさいか屋に思惑買いが入ってストップ高となった。
一方、米国でエヌビディアなど半導体株が弱かったことを受けて、日本でも半導体株が軒並み安。レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロンの下げが大きかった。証券会社が投資判断を引き下げたエアトリが6%近い下落。カプコン、DeNA、ブシロード、コーエーテクモなど、ゲーム株に弱い銘柄が多かった。
日経平均は続伸。米国株が下落して、下げを主導したのが半導体であれば、値幅を伴った下落もあるかと思われた。しかし、寄り付きからプラスで、下げに転じる場面はあったものの、終わってみれば3桁の上昇。マイナス圏で推移した時間帯も、半導体株安を警戒してというよりは、円高を嫌気したという印象が強かった。実際、円高に一服感が出てきた後場にはプラス圏に浮上している。
半導体株はそれなりに下げているが、日本株全体へのネガティブな影響が限られたことは期待の持てる動き。来週は28日に発表予定の米エヌビディアの決算が注目され、東京市場では時間外の反応を木曜29日に消化する。当然、半導体株のボラティリティは大きくなるだろう。ただ、反応が下であった場合でも、日本株がきょうのように半導体株と一定の距離を置くことで、全体ではダメージがそれほど大きくならない可能性が出てきた。エヌビディアの決算が半導体株の買い材料になれば、素直に日本株の押し上げ材料になると見込まれる。今の日本株が必ずしも半導体株と一蓮托生となっていないことは、急落リスクを小さくしていると考えられる。
【来週の見通し】
堅調か。日経平均は2週連続で上昇しており、戻り売りをこなしながらも水準を切り上げている。投資家のセンチメントは改善傾向にあり、まだ安値圏を脱し切れていない銘柄も多い。指数の振れ幅が大きくなることはある程度許容しつつ、個別物色が活況となるだろう。注目は28日発表予定の米エヌビディアの決算で、失望の結果となれば半導体株には厳しい展開が想定される。ただしその場合は、半導体株を避けて他の銘柄に資金が向かう公算が大きい。エヌビディアの決算反応が良ければ、グローバルでリスク選好ムードが強まる展開が期待できる。悪材料には耐性を示し、好材料には強めに反応することで、全体の底上げが続くと予想する。
今週の日経225先物は、28日に予定されるエヌビディア<NVDA>の決算に市場の関心が集まりやすく、日経平均型優位の展開からトレンドを強めてくるかが注目される。23日の米国市場は、主要な株価指数が上昇した。ジャクソンホール会議でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演し、次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利下げを強く示唆した。
予想通りの内容ではあったが、発言を受けてNYダウは一時4万1200ドル台を付け、7月18日に付けた取引時間中の高値(4万1376ドル)が射程に入ってきた。また、米長期金利が低下し、為替市場では円買い・ドル売りが強まり、23日の円相場は2円近く変動し、1ドル=146円台から144円台前半へと円高に振れている。この影響によりナイトセッションの日経225先物は日中比130円安の3万8280円と下落して終えた。
週明けの日経225先物は売りが先行しそうだが、積極的なショートの動きは手控えられそうだ。ドル・円は円高に振れたものの、8月5日に付けた1ドル=141.70円までは円高に振れておらず、一段の円高を想定した動きは限られよう。また、8月の急落局面でヘッジファンドは持ち高をいったん解消しているとみられる。すぐに以前のポジションに戻す戦略変更は考えにくいが、調整局面でロングを入れてくる可能性はあろう。
一方で、75日線を明確に上放れてくると、短期のショートカバーを誘う流れが強まりやすく、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9080円)のほか、4万円の大台が射程に入ってくる。13週線(3万8550円)、26週線(3万8680円)なども75日線近辺に位置しているため、これら抵抗線を捉えた場合、上へのバイアスが強まろう。
そのきっかけとして期待されるのが、エヌビディアの決算である。AI(人工知能)向け次世代製品「ブラックウェル」の生産遅延が警戒されているが、足もとでの指数インパクトの大きい値がさハイテク株の値動きをみると、既に織り込まれていると考えられる。生産遅延が発生したとしても、AIの成長が続くなかでは旧型製品の売上増につながる。決算後のアク抜けも意識される可能性があろう。
そのため、日経225先物は3万8000円処での底堅さが意識されるなか、75日線突破を狙ったスタンスになりそうだ。オプション権利行使価格の3万8000円から3万9000円のレンジを想定する。エヌビディアの決算がネガティブ視される局面では、その後のカバーを狙った押し目狙いのロングでの対応に向かわせよう。
なお、23日のVIX指数は15.86(前日は17.55)に低下した。先週はジャクソンホール会議でのFRB議長の講演を控え、22日には18.06まで上昇する場面もみられた。ただし、足もとで低下傾向を続けて支持線として意識される75日、200日線辺りまで下げてきたことで、いったんは反発が意識されやすいタイミングでもあった。不安心理が高まるとされる20.00を下回って推移するなかでは、ショートは仕掛けづらい。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.29倍に上昇した。前週は14.20倍辺りで推移する200日線での攻防をみせていたが、20日に同線を上放れ、その後は支持線として機能していた。エヌビディアの決算で指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買い戻される可能性もあり、NTロングに振れやすいとみておきたい。
8月第2週(8月13日-16日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では5週ぶりの買い越しであり、買い越し額は681億円(8月第1週は7823億円の売り越し)だった。なお、現物は1872億円の買い越し(同4953億円の買い越し)と2週連続の買い越しであり、先物は1190億円の売り越し(同1兆2777億円の売り越し)と5週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で5000億円の売り越しで2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2801億円の買い越しとなり、2週連続の買い越しだった。
経済スケジュールでは、26日に米国7月耐久財受注、27日に7月企業向けサービス価格指数、米国8月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米国8月リッチモンド連銀製造業指数、29日に8月消費動向調査、米国4-6月期GDP確報値、30日に8月東京都区部消費者物価指数、7月完全失業率、7月鉱工業生産、米国7月個人所得、米国7月個人支出、米国8月シカゴ購買部協会景気指数などが予定されている。
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは25日、イスラエルによる最高幹部殺害の報復として、同国に対し320発以上のロケット弾と無人機(ドローン)を発射したことが複数のメディアから報じられた。
<国内>
○14:00 ◇ 6月景気動向指数改定値
<海外>
○17:00 ◎ 8月独Ifo企業景況感指数(予想:86.0)
○21:30 ◎ 7月米耐久財受注額(予想:前月比4.2%/輸送用機器を除く前月比横ばい)
○インド(クリシュナ神生誕日)、英国(サマーバンクホリデー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38280 -130 (-0.33%)
TOPIX先物 2681.0 -6.5 (-0.24%)
シカゴ日経平均先物 38330 -80
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
23日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。ジャクソンホール会議でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演し、次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを強く示唆した。この発言を受け、0.5%の利下げもあり得るとの観測が広がり、幅広い銘柄に買いが広がった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレル、不動産、銀行が上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品のみが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比80円安の3万8330円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比30円安の3万8380円で始まり、ほどなくして上昇に転じると、米国市場の取引開始直後には3万8670円まで買われる場面もみられた。ただし、買い一巡後は軟化し下落に転じると、3万8140円まで下げ幅を広げた。終盤にショートカバーとみられる動きから下落幅を縮め、3万8280円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り優勢で始まりそうだ。米国では9月の利下げが確実視されるなか、米長期金利が低下。為替市場で円買い・ドル売りが強まったことで、1ドル=146円台から144円台前半へと円高に振れている。日米金利差縮小による円高が重荷となった形であり、引き続き為替睨みの展開になりそうだ。米国では9月の利下げ幅に関心が集まっており、今後の経済指標の内容次第で思惑的な売買に振らされやすくなる。
ただし、積極的なショートは手控えられるとみられる。円相場は8月5日に付けた1ドル=141.70円までは円高に振れておらず、一段の円高を想定した動きは限られよう。また、8月の急落局面でヘッジファンドは持ち高をいったん解消しているとみられる。すぐに以前のポジションに戻す戦略に変更するとは考えにくいものの、調整局面ではロングを入れてくる可能性があるとみておきたい。
日経225先物は75日移動平均線(3万8620円)が抵抗線として意識されているが、足もとのリバウンドでは下値切り上げのトレンドを継続している。3万8000円を下回ってくる局面では短期的なショートが入りやすいが、同水準を上回って推移するようだと、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
一方で、75日線を明確に上放れてくると、買い遅れていたファンドによるロングが強まる可能性がある。今週は28日にエヌビディア<NVDA>の決算が控えている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株への影響が大きいことから、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8625円のレンジを想定する。
なお、イスラム教シーア派組織ヒズボラは、イスラエル軍の基地などの軍事施設を標的に320発以上のロケット弾を発射したと報じられている。ネタニヤフ首相は反撃する構えを見せており、地政学リスクを警戒したリ持ち高調整の動きには注意する必要がありそうだ。
23日の米VIX指数は15.86(前日は17.55)に低下した。FRB議長の講演を受け、リスク選好に傾く形となった。地政学リスクの高まりにより週明けは上昇をみせてくる可能性があるが、不安心理が高まるといわれる20.00を再び上回ってくるまでは、ショートは仕掛けづらい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.29倍に上昇した。20日に14.20倍辺りで推移している200日線を上放れ、その後は同線が支持線として意識されていた。本日は地政学リスクを警戒する流れからエネルギー株が買われる可能性があるため、ややTOPIX型優位になりそうだ。ただし、今週はエヌビディアの決算で値がさハイテク株が買い戻される可能性があるなか、200日線での底堅さが意識されるようだと、NTロングに振れやすいとみておきたい。
先週末の海外市場でのドル円は、パウエルFRB議長の発言を受けてFRBによる9月利下げ転換が改めて意識されると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化し一時144.05円まで値を下げた。ユーロドルは1.1201ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を付けた。
本日のドル円は上値が重いか。先週末のカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(通称・ジャクソンホール会合)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「政策を調整する時が来た」と述べ、改めて米金融政策が転換点を迎えたことを示した。市場ではこれまでの50ベーシスポイントの利下げ予想に傾くほどの過熱感はないが、冷静に今後の米金利低下を織り込んでいくことになるだろう。一方、同日に植田日銀総裁は日銀の調整の姿勢は変わらないことも示した。
前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に発表された米経済指標は、7月の雇用統計は弱く、同月消費者物価指数(CPI)はほぼ予想通りとなるなど、7月末からはやや弱い経済指標が優勢だった。その間に内田日銀副総裁が植田日銀総裁の発言があまりにもタカ派と受けとめられたことをスムージングしたとはいえ、ドル円相場は8月中旬には149円台まで反発した。この動きは、あまりにも長期間にわたり円安地合いが続いたことで、すぐにまた円売り相場に戻るという考えを払しょくできなかったことでおきたのだろう。一部では、これまでIMM(シカゴ投機筋)のポジションが円ショートだったものが、僅かに円ロングに傾いただけで「円キャリートレードの余地が広がった」という声すらあった。7月の日米中銀の声明でトレンドの流れが変わったのにもかかわらず、いまだに円ショートに慣れてしまっている市場参加者が多く、ドル円のロングから抜け出せない市場参加者が多くいることで、当面のドル円は上値が重くなりそうだ。
また、欧米の投資家は円だけではなく、他のアジア通貨も軒並み買っていることもドル円の上値を抑えるだろう。7月31日から先週までの間で、円は約3.9%対ドルで強含んだが、インドネシアルピアとマレーシアリンギは5%弱、タイバーツは4%程度、対ドルで上昇している。他のフィリピンペソ、韓国ウォン、台湾ドル、シンガポールドルなども対ドルで買われていることをみても分かるように、欧米の投資家は7月末を境にポートフォリオを完全に転換している。本邦投資家よりも中銀の動向に機敏に反応することができる欧米投資家が、この動きを継続することが考えられ本邦勢は乗り遅れている状況だ。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策が転換点を迎えただけではなく、ドル相場も7月末時点で転換点を迎えていたことに気が付かなくてはならないのだろう。
週末25日にはレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが、イスラエルに向けて数百発のロケット弾とドローンを発射した。もっとも、イスラエルが攻撃を察知していたこともあり、ヒズボラの先制攻撃も限定的だったとの報道もある。ヒズボラは今回の攻撃で「第1段階の報復は完了」としたが、「第2段階」の報復までに停戦協議が進むのか否かにより中東情勢の変化もあり、為替市場も中東情勢には目が離せずリスク回避の動きが優勢となるか。
なお、本日は本邦からは6月景気動向指数改定値が発表される程度で、アジア時間は他国も主だった経済指標の発表が予定されていない。しかし、パウエルFRB議長発言後に多くの通貨が値幅を伴って動いたことで、本日の東京市場でも乱高下が予想される。
打線の援護が欲しければ岸田外務大臣・小林鷹之財務大臣ぐらいの
人事はしてもらわないとね。
兄の小泉孝太郎も支えになっているようだ。
岸田陣営は、岸田文雄・小林鷹之・石丸伸二(地方創生大臣へ)、そして小泉小鉄のような実働部隊が存在するとありがたい。
日経225先物は11時30分時点、前日比520円安の3万7890円(-1.35%)前後で推移。寄り付きは3万7990円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8330円)を大きく割り込み、売りが先行して始まった。現物の寄り付き時に3万8160円まで下落幅を縮める動きもあったが、為替市場で円相場が1ドル=143円台と円高に振れて推移していることが重荷となり、その後は一時3万7790円まで売られた。中盤にかけて3万8000円を回復する場面もみられたが、終盤は3万7900円を挟んでの推移となった。
為替市場では日米金利差の縮小への意識から円買い・ドル売りの動きが強まり、円高に振れたことが嫌気された。日経225先物は節目の3万8000円を割り込んで始まったことから、ロング解消の動きや短期的なショートを誘う形になったようだ。売り一巡後は3万8000円を挟んでの推移となり、ドル円も朝方の1ドル=143円台半ばからは円高が一服していることから、後場はやや落ち着きをみせるなか、カバーの動きが意識されてきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。一時14.25倍まで下げる場面もみられたが、円高を嫌気したトヨタ自動車 <7203.T> [東証P]や日産自動車 <7201.T> [東証P]など輸出関連の弱い値動きがTOPIX型の重荷となっており、その後は下げ渋る動きとなった。
先週末の海外市場では、パウエルFRB議長がジャクソンホール会議の開会宣言において、例年通り、経済金融に対する見通しを表明しました。市場はリアルタイムで流れる会議を主催している米カンザスシティ連銀のユーチューブを見守ることになったわけですが、議長は「インフレの上振れリスクが減少してきているが、雇用の下方リスクは高まっている」ことに言及。「政策調整の時が来た(The time has come)。方向性は明確だ」ときっぱりと言及しました。
ただ、「そのタイミングとペースは、今後のデータや変化する見通し、リスクバランスによって決める」と、これまで通りの見解を繰り返しました。市場は、9月FOMCでの利下げを織込み済みではあったものの、議長から直接利下げを確認することになりました。債券市場では、利下げの有無よりも、「どれだけ利下げを行うのか」という論点に既に移っているがゆえに、米長期金利は大きな低下とはなりませんでしたが、為替市場では、全般ドル売りで反応。ドル円は一時144.05円まで下落したほか、ユーロドルは1.1201ドルまで年初来高値を更新したといったところです。
いずれにしても、市場参加者からはパウエルFRB議長の最後の締めの言葉が印象に残っているとの声が多く聞かれています。少し難しい言い回しではありましたが、「パンデミック中に非常に明らかになった我々の知識の限界には、謙虚さと過去から教訓を学び、それを現在の課題に柔軟に適用することに焦点を当てた疑問を投げかける精神が必要である」との総括でした。議長自身も、経験したことがない事態に対する金融政策の難しさを痛感しており、常に存在している市場との認識のズレやミスコミュニケーションへ対応しつつ、正解の存在しないゴールに向かっていくことへの無力さを感じているのかもしれません。
週明けのアジア市場では、ドル円は相変わらず米系短期筋を中心に日経平均と共に売り仕掛けの動きが目先で観測されている一方、CFTCが公表している投機筋の円ショートが全く変化がないことからもわかるように、マクロ勢の動きにも大きな変化はないといったところ。それよりも、ユーロやポンドのロングが大幅に増加しているように、ドル円以外の通貨ペアに視線が移されてきている現状を認識しておく必要がありそうです。
本日のロンドン市場では、英国が休場(サマーバンクホリデー)で市場参加者が普段より少ない中、米長期金利をながめて方向感を模索する展開が見込まれる。
前週23日にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受け、FRBによる9月利下げ転換が改めて意識された。米長期金利の低下とともに全般的にドルが売られた流れを引きついで本日の東京市場はスタートしている。金利先物市場で米9月利下げをほぼ織り込む中、欧州勢がドル売りで参入するか注目したい。本日の東京市場で付けたユーロドルの高値1.1202ドルを突破すると、昨年7月高値1.1276ドルに向けて上値を試す可能性がある。
経済イベントは、主だった要人発言は予定されてないが、そうした中で発表される8月独Ifo企業景況感指数には念のため注意したい。市場予想は前回の87.0を下回る86.0となっている。前回は予想を下回る結果となったが、直後の市場の反応は限定的であった。最近は同指標でユーロが動意づくことは少なくなったものの、ユーロドルは東京市場で1.1202ドルと約1年ぶり高値を付けており、弱めの予想をも下回るようだと利益確定売りを誘うことも考えられる。
想定レンジ上限
ユーロドル:1.1276ドル(2023/7/18高値)
想定レンジ下限
ユーロドル:1.1098ドル(8/22安値)
(26日15時時点)
ドル円:1ドル=144.05円(前営業日NY終値比▲0.32円)
ユーロ円:1ユーロ=161.04円(▲0.54円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1179ドル(▲0.0013ドル)
日経平均株価:38110.22円(前営業日比▲254.05円)
東証株価指数(TOPIX):2661.41(▲23.31)
債券先物9月物:144.81円(△0.17円)
新発10年物国債利回り:0.875%(▲0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月景気動向指数改定値
先行指数 109.0 108.6
一致指数 113.2 113.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。米利下げ観測の高まりから先週末のNY市場で大幅下落した流れを引き継いで売られて始まった。中東情勢の悪化も嫌気されて先週末安値の144.05円を下抜けて143.45円まで下げ足を速めた。もっとも、株価が下げ幅を縮めたこともあり、一巡後は144.20円台まで下げ渋った。
・ユーロ円も弱含み。朝方から全般円高が進んだ流れに沿って売りが進行。日本株安でリスク回避の売りも重なり、一時160.64円まで売り込まれた。ただ、一巡すると161.20円台まで切り返すなど、総じてドル円と同様の展開となった。
・ユーロドルは伸び悩み。先週末高値の1.1201ドルをわずかに上抜けて1.1202ドルと昨年7月以来の高値を付けたが、一巡後は利食い売りに押される形で1.1178ドルまで下押しした。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。外国為替市場での円高・ドル安を受けて輸出関連株に売りが集まったほか、半導体関連株などの売りも目立ち、一時500円超下落した。一方、ニトリHDや食料品など内需株には買いが入ったため、一巡後は下げ渋った。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。前週末に米国債が買われた流れを引き継いで買いが先行。一時144.87円まで値を上げ、その後の下押しも限られた。
SMBC日興証券では、自民党の総裁選候補者の金融政策関連の発言を整理している。石破元幹事長、河野デジタル大臣、茂木幹事長、加藤元官房長官は、過去に日銀に円高対策や正常化を促す発言をしており、4人のいずれかが有力視されることは、短期金利上昇要因になるとSMBC日興では考えている。小林元経済安全保障担当大臣、高市経済安全保障担当大臣はアベノミクスでの一つの柱であった積極財政を継承するスタンスを示しており、2人のいずれかが有力視されることは、短期金利低下、タームプレミアム上昇要因になる可能性があるとみている。小泉元環境大臣に関しては、現時点では中立に近いとSMBC日興では考えている。
みずほ証券では、急落後に日米株価指数とも急反発したが、新しい上昇トレンドに入るには時期尚早と考えている。一時ベアマーケット入りした日経平均に関しては、テクニカルの観点から二番底懸念があるとみている。ただし、各種イベントをこなしながら次の上昇局面へのエネルギーを蓄えるとみずほでは予想。日経平均が次の上昇局面に入るための日本独自のカタリストとして、(1)自民党総裁選で若手改革派が当選し、日本全体での改革マインドが高まる、(2)10~11月の中間決算での上方修正と株主還元の増加、(3)11月5日の大統領選挙でトランプ前大統領が復帰し、トランプトレードが再開すること―などを挙げている。
中国人民銀行(中央銀行)は26日の公開市場操作(オペ)で、中期貸出制度(MLF)を通じて3000億元を供給した。償還期間は1年。金利は2.3%で、前回(7月25)と同水準の2.3%だった。『香港経済日報』によると、今月は15日に4010億元のMLF資金が償還期限を迎えており、差し引き1010億元の長期資金が市場から吸収されることになる。
人民銀は26日のオペで7日物リバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)も行い、4710億元を銀行間市場に供給した。ロイター通信によると、週内に償還期限を迎えて市場から吸収されるリバースレポ資金は1兆1978億元に上る。
「利下げの時が来た(Time Has Come)」(パウエルFRB議長)
2024年8月23日、パウエルFRB議長は、カンザスシティー地区連銀が開催する第46回ジャクソンホール会合での講演で、主要政策金利を引き下げる時が来たと述べた。ここ数十年で最悪となったインフレを鈍化させるという仕事の完了を目指しつつ経済の力強さ保持に取り組む中、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月に利下げを開始するとの見通しを裏付けたほか、労働市場のさらなる冷え込みを防ぐ意図を明確にした。
FOMCは、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」と「物価の安定」)のうち、「物価の安定」に特段の重点(highly attentive to inflation risks)を置いてきた。しかし、7月FOMCの声明文では、「2大責務の両面のリスクに留意する」(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)との文言に変更された。すなわち、リスクバランスはこれまでのインフレ抑制に軸足を置いた状態から、インフレと雇用の間でバランスした状態になった、と判断が修正されたのである。
1.ジャクソンホール会合での金融政策示唆
■1998年:グリーンスパン第13代FRB議長は、ロシア危機とLTCM危機への対応策を協議した。
■1999年:バーナンキ米プリンストン大学教授(後の第14代FRB議長)は、山口日銀副総裁(当時)と日本銀行のバブルに対する金融政策に関して論争した。
■2010年:バーナンキ第14代FRB議長は、「経済見通しと金融政策で、量的金融緩和政策第2弾(QE2)の導入を示唆し、11月のFOMCでQE2が導入された。
■2014年:ドラギ第3代ECB総裁は、量的金融緩和政策の導入を示唆し、後に導入した。
■2016年:イエレン第15代FRB議長は「FRBの金融政策手段」で「利上げへの論拠が強まった」と発言し、12月のFOMCで利上げを実施した。
■2018年:パウエル第16代FRB議長は「自然利子率の推定はかなり不確実である」と述べた。
■2020年:パウエル議長は、平均インフレ目標の導入により、雇用の最大化に包摂的な意味を加えた。
■2021年:パウエル議長は、年内の早期テーパリング開始を示唆した。
■2022年:パウエル議長は、金融引き締めを「やり遂げるまでやり続けなければならない」と述べ、利上げを継続する姿勢を鮮明にした。
■2023年:パウエル議長は、「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある。インフレが目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで、政策を景気抑制的な水準に据え置く考えだ」と述べた。
■2024年:パウエル議長は、「政策を調整する時が来た。方向性は明確であり、利下げのタイミングとペースは今後入手するデータ、変動する見通し、そしてリスクバランスに左右される」と述べた。
2. デイビッド・ジャクソンの峡谷
19世紀初頭の米国ロッキー山麓、罠猟師のデイビッド・ジャクソン (David Jackson)は、獲物を追って峡谷(hole)に迷い込んだ。その峡谷は、探検家ジョン・コルターが1806年に足を踏み入れて紀行文で紹介した場所であり、ジャクソンホール(Jackson hole)と命名された。
3. ジャクソンホール経済政策シンポジウム(Jackson Hole Economic Policy Symposium)
1978年8月、米国の連邦準備銀行の一つであるカンザスシティー連邦準備銀行(第10地区管轄)は、世界各国から中央銀行総裁、財務大臣などの政治家、経済学者、エコノミストなどが参加する経済シンポジウムの開催を始めた。しかしながら、夏休みに、アメリカのロッキー山脈のリゾート地でもあるワイオミング州までわざわざ出掛けて来る中銀総裁や財務大臣はほとんど居なかった。そこで、カンザスシティー連銀は、1979年の「ボルカー・ショック」で米国のインフレを鎮静化させたボルカー第12代FRB議長を招聘することにして打診した。ボルカー第12代FRB議長が、趣味であるフライ・フィッシング(Fly fishing)が出来るなら参加してもいい、と応えたことで、1982年から渓流釣りで有名なジャクソンホール(Jackson Hole:ジャクソン渓谷)のホテル「ジャクソン・レイク・ロッジ」で経済シンポジウムが開催されるようになった。ジャクソンホール会合は、時折、中銀総裁が重要な金融政策を示唆したこともあり、注目されるようになった。
「Symposium(シンポジウム)」は、ギリシャ語で、一緒に酒を飲む「饗宴」に由来し、公開討論会、研究発表会のニュアンスがある。
大阪9月限
日経225先物 38040 -370 (-0.96%)
TOPIX先物 2658.5 -29.0 (-1.07%)
日経225先物(9月限)は前日比370円安の3万8040円で取引を終了。寄り付きは3万7990円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8330円)を大きく割り込み、売りが先行した。現物の寄り付き時に3万8160円まで下落幅を縮めたが、為替市場で円相場が1ドル=143円台と円高に振れていることが重荷となり、その後は3万7790円まで売られた。前場中盤にかけて3万8000円を回復する場面もみられたが、前場終盤は3万7900円を挟んでの推移となった。後場は開始直後に3万7840円まで下げたが、その後は3万8000円近辺で底堅い値動きを継続し、3万8000円を上回って終えた。
為替市場で日米金利差の縮小が意識されて円買い・ドル売りが強まり、円高に振れたことが嫌気された。日経225先物は節目の3万8000円を割り込んで始まったことで、ロングの解消や短期的なショートを誘う形になったようだ。ただし、後場は円高が一服したことで、日経225先物は終盤にかけて若干ながらカバーが優勢になったとみられる。
朝方に3万7790円まで売られ、下落幅は一時600円を超える形になったが、その後は下へのバイアスは強まらなかった。9月の米利下げが確実視されるなか、利下げ幅に市場の関心が集まっている。経済指標の結果を受けた思惑的な動きに振らされそうであり、引き続き為替睨みの相場展開になりそうだ。
もっとも、円高が嫌気されたが、3万8000円をキープして終えたことは、ショートを仕掛けづらくさせるだろう。日米の金融政策イベントを通過したものの、東証プライムの売買高は連日で13億株台と薄商いであり、先物市場ではスキャルピング中心の商いである。日中のなかで短期的に仕掛け的な動きがみられた後は、リバランスが入りやすい。
日経225先物は25日移動平均線と200日線が位置する3万7100円水準と、75日線の3万8620円辺りのレンジのなか、3万8000円近辺で底堅さがみられるようだと、3万8000円から3万8620円のレンジが意識されやすい。75日線を上放れてくるとショートカバーを誘う動きが強まりやすく、3万8000円水準での押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.30倍に上昇した。一時14.25倍まで下げる場面もみられたが、円高を嫌気したトヨタ自動車 <7203.T> [東証P]や日産自動車 <7201.T> [東証P]など輸出関連の弱い値動きがTOPIX型の重荷となるなか、その後は相対的に日経平均型が優位となった。14.20倍辺りで推移する200日線を上回っての推移が継続しており、同線に接近する局面ではその後のリバランスを想定したNTロングに向かいそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3301枚、ソシエテジェネラル証券が5866枚、サスケハナ・ホンコンが3638枚、JPモルガン証券が2491枚、バークレイズ証券が1359枚、ゴールドマン証券が1251枚、SBI証券が1055枚、モルガンMUFG証券が1006枚、野村証券が1004枚、ビーオブエー証券が713枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7578枚、ソシエテジェネラル証券が1万0880枚、JPモルガン証券が2668枚、モルガンMUFG証券が2564枚、バークレイズ証券が2561枚、サスケハナ・ホンコンが2376枚、ゴールドマン証券が2057枚、ビーオブエー証券が1895枚、大和証券が1171枚、野村証券が499枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、中東情勢やNY債券市場の動向に注視しながら、8月5日の安値141.70円を窺う軟調推移が予想される。
ドル円は、7月31日の日銀金融政策決定会合の後の植田日銀総裁のタカ派発言と米連邦公開市場委員会(FOMC)の後のパウエルFRB議長のハト派発言を受けて、ドル売りに傾斜した後、8月2日の米7月雇用統計がドル売りに拍車をかけて8月5日に141.70円まで下落していた。
そして、8月23日の植田日銀総裁の閉会中審査でのややタカ派的な発言「緩和の度合いを調整していくという基本的な姿勢に変わりない」とパウエルFRB議長のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)でのハト派発言「利下げの時が来た」を受けて、143円台まで売り込まれている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの幅は0.25%のままだが、11月のFOMCでは0.50%の利下げ確率が高まり、12月のFOMCでは0.25%の利下げで、年末のFF金利誘導目標は、現在より1%低い4.25-50%まで低下することが見込まれている。
今週のリスクシナリオは、週末に発表される米7月PCEデフレーターが予想を下回り、9月のFOMCでの利下げ幅が0.50%に拡大することになる。
また、日銀金融政策決定会合での追加利上げは、9月20日は自民党総裁選直前のため据え置きが見込まれるものの、10月30-31日は0.25%の追加利上げにより、金利の壁と見なされている0.50%に到達する可能性が高まっている。
当面の間、日米10年債利回り格差の縮小が見込まれることで、ドル円も落ち着き所を探る展開が予想される。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、144.99円(5日移動平均線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、141.70円(8/5安値)
今週のNY市場は物価指標とエヌビディアの決算に注目。先週はダウ平均が1.27%高、S&P500が1.45%高、ナスダック総合が1.40%高とそろって2週続伸。22日から開催されたジャクソンホール会議で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを示唆したことが支援となった。CMEのフェドウォッチ・ツールでは9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%以上の利下げ確率が引き続き100%となり、0.50%の利下げ確率は37%に上昇。年内4回(1.00%)の利下げ確率は1週間前の16%から32%に上昇した。S&P500は金曜日に取引時間中の史上最高値まで0.49%に迫り、終値では最高値まで0.58%の水準で終了した。ダウ平均は終値の過去最高値まで23.00ドル(0.06%)で終了した。
今週は9月FOMCでの利下げ幅を巡り、金曜日に発表される7月個人消費支出 (PCE)価格指数に注目が集まるほか、メガキャップや半導体株ラリーの持続性を巡り、水曜日引け後に発表されるエヌビディアの決算発表が焦点となりそうだ。FRBがインフレ指標として注目する7月個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品、エネルギーを除くコア指数が前年比+0.2%と6月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.7%と6月の+2.6%から上昇が予想されている。予想並みの伸びに留まれば利下げ期待が引き続き米国株の追い風となりそうだ。このほかの経済指標は8月消費者信頼感指数、4-6月期GDP改定値、新規失業保険申請件数など。企業決算はエヌビディアのほか、セールスフォース、クラウドストライク、ベストバイ、ダラー・ゼネラル、ルルレモン・アスレティカ、アルタ・ビューティーなどが発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは7月耐久財受注など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反落。取引時間中は38000円を割り込む展開となったが、10日移動平均線(37555円 8/26)まで下げることなく、終値ベースでは5日移動平均線(38140円 同)にサヤ寄せした。
RSI(9日)は前日の84.0%→73.7%(8/26)へ低下。5日移動平均線の上昇は一服気味ではあるが、10日移動平均線の上昇を背景にトレンドフォローの見方に大きな変化はない。保ち合い気味の動きから、今週は75日移動平均線(38642円 同)を超えるような一段高がみられるかが注目される。
一方、依然として25日移動平均線(37226円 同)の下落基調が続くほか、一目均衡表では基準線(35684円 同)などの下げも続いており、36000円処に向けて押し戻される展開も想定される。
日足ベースの上値メドは、75日移動平均線、4万円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(37233円 同)、心理的節目の36500円や36000円、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)などがある。
(26日終値:27日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.52円(26日15時時点比△0.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.42円(△0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1169ドル(▲0.0010ドル)
FTSE100種総合株価指数:休場
ドイツ株式指数(DAX):18617.02(前営業日比▲16.08)
10年物英国債利回り:休場
10年物独国債利回り:2.248%(△0.023%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独Ifo企業景況感指数
86.6 87.0
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは弱含み。8月独Ifo企業景況感指数は86.6と予想の86.0を上回ったものの、先週末同様に1.12ドル近辺で上値が抑えられると持ち高調整目的の売りが優勢になった。22時過ぎには一時1.1150ドルと日通し安値を更新した。ただ、本日はサマーバンクホリデーの祝日で英国市場が休場となったことから市場参加者も少なく、値動きは限定的だった。24時前には1.1179ドル付近まで下げ渋った。
・ドル円はじり高。対ユーロなどでドル買いが進んだ影響を受けた。米長期金利が上昇に転じたタイミングで円売り・ドル買いが強まると一時144.60円と日通し高値を更新した。もっとも、前週末のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けてFRBによる9月利下げ転換が改めて意識される中、一本調子で上昇する展開にはならなかった。
・ユーロ円は持ち直した。22時過ぎに一時本日安値となる160.51円まで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.48円付近まで持ち直した。ただ、アジア時間に付けた日通し高値161.55円を上抜けることは出来なかった。
・ロンドン株式相場はサマー・バンク・ホリデーのため休場となった。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに小反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに持ち高調整目的の売りが出た。ただ、本日はサマーバンクホリデーの祝日で英国市場が休場だったことから、市場参加者も少なく値動きは限定的だった。個別ではキアゲン(2.38%安)やバイエル(1.11%安)、MTUエアロ・エンジンズ(0.79%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。
26日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は254円安の38110円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり773/値下がり830。ニトリHD、神戸物産、セリアなど円高がメリットになるとみられている銘柄が大幅上昇。米金利低下を受けて三井不動産や住友不動産など不動産株の動きが良く、米住宅販売に強みを持つ住友林業が4%を超える上昇となった。子会社のグロース市場への上場が承認されたくふうカンパニーが急伸。米国子会社の株価が急騰したジーエヌアイのほか、カバー、タイミー、フリーなどグロース市場の主力銘柄に強い買いが入った。
一方、米半導体株の上昇を受けても東京エレクトロンやアドバンテストが大きめの下落。トヨタのほか、日産自やマツダなど自動車関連が軒並み安となった。売り出しを発表したヤマハ発動機が5%を超える下落。円高でインバウンド需要が落ち込むとの警戒から三越伊勢丹など百貨店株が嫌われた。米金利低下を受けて三井住友など銀行株が弱く、富山第一銀やコンコルディアなど地銀株に大きく下げるものが多かった。
日経平均は大幅安。米国株高よりも円高を嫌気して主力銘柄の多くが売りに押された。パウエルFRB議長がジャクソンホール会議で利下げを示唆すること自体は既定路線とみられていたが、発言内容がハト派的と受け止められたことで円高(ドル安)には弾みがついた。145円どころで一服感が出てこなかったため、円高はもうしばらく続く可能性がある。140円を割り込んでしまうと外需企業の業績期待が大きく後退するだけに、注意を要する。
きょうはグロース250指数が大きく上昇した。米国の長期金利が低下して為替が円高に振れる局面では、大型グロースより中小型グロースの方が選好されやすくなる。現状では大型株が円高に対して神経質になっているだけに、新興グロース株が存在感を見せたことは期待の持てる動き。グロース250指数は高値引けとなり、671.79pまで上昇した。7月18日につけた直近高値の697.56pが射程圏内に入っており、早々にこれを上回ることができるかに注目したい。
(26日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.53円(前営業日比△0.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.31円(▲0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1161ドル(▲0.0031ドル)
ダウ工業株30種平均:41240.52ドル(△65.44ドル)
ナスダック総合株価指数:17725.77(▲152.02)
10年物米国債利回り:3.81%(△0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=77.42ドル(△2.59ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2555.2ドル(△8.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米耐久財受注額
(前月比) 9.9% ▲6.9%・改
輸送用機器を除く
(前月比) ▲0.2% 0.1%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前週末23日にジャクソンホール会議で講演し、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始をほぼ明言。本日のアジア市場でもドル売りが継続し、一時143.45円と5日以来の安値を付けた。
ただ、NY市場ではポジション調整目的のドル買い戻しが優勢に。7月米耐久財受注額が予想を上回ったことや米長期金利の上昇に転じたことも円売り・ドル買いを促し、3時30分過ぎには一時144.65円と日通し高値を更新した。
なお、FOMCで投票権を有するデイリー米サンフランシスコ連銀総裁は大手ベンターとのインタビューで「政策を調整する時期が来ている」「9月の利下げが軌道から外れる事態は考えにくい」などと述べたと伝わった。
・ユーロドルは反落。アジア市場では一時1.1202ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を付けたものの、欧米市場に入るとポジション調整目的の売りが優勢となり弱含んだ。22時過ぎには一時1.1150ドルと日通し安値を更新した。
ただ、本日はサマーバンクホリデーの祝日で英国市場が休場となったことから市場参加者も少なく、値動きは限定的だった。24時前には1.1179ドル付近まで下げ渋った。
・ユーロ円は続落。22時過ぎに一時本日安値となる160.51円まで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.48円付近まで持ち直した。ただ、アジア時間に付けた日通し高値161.55円を上抜けることは出来なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。前週末のパウエルFRB議長による9月利下げを示唆する発言を受けて、この日も買いが続いた。ただ、28日にエヌビディアの決算発表を控えて、目先の利益を確定する売りも出やすく上値は限定的だった。NY午後には下げに転じる場面もあった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが売られた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米利下げ観測を背景に買いが入ったものの、7月米耐久財受注額が予想を上回ると売りが出た。今週予定されている2・5・7年債入札を前にポジション調整目的の売りも出た。
・原油先物相場は大幅に3日続伸。リビアの油田の大半を支配下に置く同国東部の政治勢力が、石油生産と輸出を停止すると発表。供給リスクへの警戒感が高まって相場は急騰した。また、パレスチナ自治区ガザの停戦に向けた動きが後退し、紛争が周辺の産油国にも拡大するとの懸念も原油相場の支えとなった。
・金先物相場は続伸。米長期金利の低下は一服したものの、先週末から金利先安観が高まったことで利子の付かない資産である金に資金が向かいやすくなっている。また、中東情勢が更に緊迫化するとの懸念も安全資産とされる金の底堅さに繋がった。
27日03:20 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「FRBはインフレ率を目標の2%まで引き下げる必要」
「労働市場は完全に均衡している」
「9月の利下げを阻むようなことは考えにくい」
「政策を調整する時期が来ている」
「インフレが低下しているのに、政策を引き締め続けるのは望まない」
「目標に対するリスクは今や均衡」
「労働市場が予想以上に弱まる場合、より積極的になる必要がある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 7月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.9%)
<海外>
○15:00 ◇ 9月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲18.2)
○15:00 ☆ 4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比▲0.1%/前年同期比▲0.1%)
○15:00 ☆ 4-6月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比0.3%)
○19:45 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○21:00 ◇ 7月メキシコ貿易収支(予想:14.74億ドルの赤字)
○22:00 ◇ 6月米住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
◇ 4-6月期米住宅価格指数
○22:00 ◎ 6月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比6.0%)
○23:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 8月米消費者信頼感指数(予想:100.7)
○23:00 ◎ 8月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○28日02:00 ◎ 米財務省、2年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 37930 -110 (-0.28%)
TOPIX先物 2655.0 -3.5 (-0.13%)
シカゴ日経平均先物 38035 -5
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
26日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダック]は下落。9月利下げ観測が引き続き支援材料となり、アメックス<AXP>やウォルト・ディズニー<DIS>、コカ・コーラ<KO>など景気敏感株や消費関連株の一角が買われ、NYダウは史上最高値を更新した。
決算発表を控えるエヌビディア<NVDA>は2%超下落し、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やブロードコム<VGO>、マイクロン・テクノロジー<MU>など他の半導体株の下げも目立ち、ナスダック指数は下落。S&P500業種別指数はエネルギー、食品・生活必需品小売、家庭用品・パーソナル用品が上昇した半面、自動車・同部品、半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレルが下落。
[[future/シカゴ日経平均先物(円建て)|シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比5円安の3万8035円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円高の3万8060円で始まり、3万8100円~3万8200円処で保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後にはレンジを上放れ、3万8270円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は下落に転じると、3万8000円を下回っての推移が目立ち、一時3万7920円まで下げ幅を広げた。終盤にかけては3万8000円を挟んで3万7920円~3万8130円処で推移し、3万7930円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、3万8000円近辺での推移が続きそうだ。エヌビディアの決算発表を控え、指数インパクトの大きい値がさハイテク株には持ち高調整の動きが入りやすく、ロングの動きは強まりにくいとみられる。ただし、東証プライムの売買高が連日で13億株台と薄商いのなか、ショートも仕掛けづらいだろう。
昨日の日経225先物は朝方に一時3万7790円まで下げる場面もみられたが、薄商いのなかでスキャルピング中心の売買であり、終盤にはショートカバーとみられる動きによって3万8000円を上回って終えていた。そのため、下へのバイアスは強まりにくいとみられ、3万8000円を下回る水準ではショートカバーを狙ったロング対応になりそうだ。
為替市場では前日に1ドル=143円台へと円高に振れたことがショートに向かわせたが、現在は1ドル=144円台半ばで推移しており、輸出関連株にはリバランスの買いが意識される。また、原油先物相場が大きく上昇している。中東の地政学リスクのほか、リビア東部政府が石油の生産と輸出の停止を明らかにしたことが背景にある。エネルギー株への物色も高まる可能性があり、ややTOPIX型優位の展開になろう。
日経225先物はオプション権利行使価格の3万8000円を中心に、上下の権利行使価格3万7750円から3万8250円のレンジを想定する。3万8000円処での底堅さがみられる局面では、3万8000円~3万8500円のレンジになりそうだ。
26日の米VIX指数は16.15(前日は15.86)に上昇した。地政学リスクの高まりから上昇は見込まれていたが、前日につけたレンジ内での推移だった。小幅な上昇にとどまっており、不安心理が高まるといわれる20.00を再び上回ってくるまでは、ショートを仕掛けづらくさせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.30倍に上昇した。一時14.25倍まで下げる場面もみられたが、円高を嫌気した輸出関連株の弱い値動きがTOPIX型の重荷となり、その後は相対的に日経平均型が優位だった。本日はややNTショートが入りやすいところではあるが、14.20倍辺りで推移している200日移動平均線に接近するようだと、その後のリバランスを想定したNTロングに向かいそうだ。
昨日の海外市場でのドル円は、ポジション調整目的のドル買い戻しが優勢に。7月米耐久財受注額が予想を上回ったことや米長期金利が上昇に転じたことも円売り・ドル買いを促し、一時144.65円まで上昇した。ユーロドルは1.1150ドルまで弱含んだ。
本日のドル円も上値の重さは変わらないか。昨日は143.45円まで下落後は買い戻しが優勢になり、小幅に反発して引けたが、ドル売りのトレンドが変わったと考えるのは難しいだろう。先週カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(通称・ジャクソンホール会合)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米金融政策が転換点を迎えたことを強調したが、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票メンバーの一人でもある、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁も昨日は政策を調整する時期が来ていると同様の見解を示した。デイリー総裁は「労働市場が予想以上に弱まる場合、より積極的になる必要がある」とも発言している。昨日の米長期債利回りは小幅に上昇して引けたが、市場では9月の25ベーシスポイント(bp)の利下げ予想は変わらないが、11月には25bpと50bpの更なる利下げ予想が拮抗している。米債券市場はこれまでのような過熱感はないものの、着実に米金利が低下する予想は変わらず、今後発表される米経済指標(30日の7月米個人消費支出(PCE)、6日の8月雇用統計等)を見定めて利下げ幅を確認していくことになるだろう。
米金利低下のドル売りは、欧州通貨や対円だけではなくアジア通貨に対しても進行していることは、ドル円の重しになる。海外投資家はアジア通貨に対して、前回7月のFOMCの結果発表まではドルロング・アジア通貨ショートにしていたものが、FOMC後のパウエルFRB議長の会見を境にドルショート・アジア通貨ロングに転じた。円だけではなくアジア通貨ショートのポートフォリオの変換が、今後もドル円の上値を抑えそうだ。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でのIMM通貨先物ポジションは、円ショートからロングに転じたとはいえ、ほぼスクエアに近い状態にある。本邦勢の中ではIMMがほぼスクエアになったことで、円キャリートレードの巻き戻しを期待している声もある。しかし、日米の金融政策の方向性の違いで、すぐに円キャリートレードに海外投資家が戻るとは考えにくく、むしろまだまだ今後は円を買う余地があるとの声が海外勢の中では多い。
また、引き続き地政学リスクの動向にも目を向けておきたい。昨日ロシアがウクライナに対して過去最大となる空爆を実施している。ロシアは、長期的戦略の一つであるウクライナのエネルギーインフラへの攻撃を開始したことを認め、すべての標的が攻撃されたと発表した。ウクライナ情勢だけではなく、ヒズボラとイスラエルの応戦などもあり、地政学リスクの変化も相場に影響を与えそうだ。
なお、本日のアジア時間では本邦の7月企業向けサービス価格指数が発表される以外は、市場を動意づける経済指標の発表は予定されていない。しかしながら、依然として流動性は悪化したままでもあり、金利や株式市場の動向次第で大きな値幅をもって動く可能性もありそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比変わらずの3万8040円前後で推移。寄り付きは3万7900円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8035円)を下回り、売りが先行して始まった。直後に付けた3万7890円を安値にショートカバーとみられる動きとなり、一時3万8090円とプラスに転じる場面もみられた。ただし、積極的なロングの動きは限られるなか、その後は3万7950円~3万8050円辺りでの保ち合いを継続している。
日経225先物は3万8000円を挟んでの狭いレンジ推移となり、底堅さは意識されている。米ハイテク株安の流れから、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]の下げが日経平均株価の重荷となった。一方で、円高が一服するなかで、トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連株が買い戻されており、相場を支えている。後場も膠着感の強い値動きが続くとみられるが、3万8000円を上回っての推移を続けてくるようだと、大引けにかけてはカバーの動きが強まる可能性がありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.23倍まで下げる場面もみられたが、14.21倍辺りで推移する200日移動平均線が支持線として意識されており、同線に接近する局面ではリバランス狙いのNTロングに向かわせやすいだろう。
LDN市場がバンクホリデーで休場となった週明けの為替市場は、いつも通りの流動性がない中での動意に欠ける展開。先週のドル全面安からのドルショートカバーが中心の相場となりました。NY市場で7月米耐久財受注額が予想を大幅に上回る強い数字となったことも買戻しを後押し。ドル円は引けにかけて144.65円まで買戻されたといったところです。
アジア時間に入ってからは、朝方こそ144.24円まで下押す場面もみられましたが、その後は本邦実需の買いが断続的に観測されたほか、一時200円近い下落となった日経平均が下げ幅を消す動きとなるにつれて買戻される展開に。昨日高値の144.65円を上抜けて一時144.96円まで値を上げているといったところです。
いずれにしても、このところ相場を牽引している米短期筋が仕掛けているのは、「ドル円の売りと日経平均の売り」をセットにしてトライしているわけですが、5日までの、いわゆる、円キャリー解消に伴う同様の動きとは、根本的に性質の異なるもの。同じドル円の売りと日経平均の売りでも、市場のポジション状況や市場センチメントは全く違ったステージにあるということは認識しておく必要があります。だからこそ、本日も当然出ているように、かかる短期筋のポジションの足は非常に速いわけで、コストのかかるショートポジションは、ダメとなれば、直ぐにも解消させる必要性が出てくるわけです。
一旦は円キャリーを完全に解消させたマクロ勢が、改めて「しっかりと下値を拾っている」動きに対してのCTA筋の売り仕掛けの構図を意識しつつ、どちら側を軸に自身のトレードを考えていくのかを決めていかなければならず、ただ目の前の動きに振り回されているだけでは、結局のところ、リスクだけが大きくなることになってしまいがちです。
本日のロンドン市場では、前週末からのドル売りの流れが一服する中、手掛かり材料に乏しいこともあり、米長期金利を眺めて方向感を模索しつつNY市場を待つ展開となりそうだ。
前週23日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受け、米9月利下げがほぼ確実視されると共にドル売りが強まると、ユーロドルは1.12ドルの大台に乗せた。しかし、昨日の上伸は1.1202ドルとわずか0.0001ドル高値を更新したに留まった。その後は低下していた米10年債利回りが切り返したこともあり、1.11ドル台半ばまで押し戻された。
ユーロドルは前週末から週初にかけて1.12ドル台で伸び悩んだこともあり、一旦はドル売りの動きが収束する可能性もありそうだ。その場合は1.11ドル台後半で方向感を模索することも考えられる。下値は、昨日支持となった5日線(本日は1.1150ドル台に位置)を割り込んだとしても、米9月利下げがほぼ既定路線となる中では日足・一目均衡表の転換線1.1076ドル付近はサポートになりやすいとみる。反対に上値は、昨日高値1.1202ドルを超えると、ドル売り再開との見方が浮上して昨年7月高値1.1276ドルを目指すこともあるだろう。
なお、本日は欧州序盤に4-6月期独国内総生産(GDP、改定値)が発表予定。今回は改定値であるものの、前期比は速報値に続いてマイナス予想となっている。また、同時刻には9月独GFK消費者信頼感調査も発表される。要人発言ではクノット・オランダ中銀総裁が講演予定となっている。7月に「次回利下げは7月ではなく9月の見込み」などと発言しており、トーンに変化がないか見ておきたい。
想定レンジ上限
ユーロドル:1.1276ドル(2023/7/18高値)
想定レンジ下限
ユーロドル:1.1076ドル(日足・一目均衡表の転換線)
(27日15時時点)
ドル円:1ドル=144.78円(前営業日NY終値比△0.25円)
ユーロ円:1ユーロ=161.67円(△0.36円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1166ドル(△0.0005ドル)
日経平均株価:38288.62円(前営業日比△178.40円)
東証株価指数(TOPIX):2680.80(△19.39)
債券先物9月物:144.76円(▲0.05円)
新発10年物国債利回り:0.880%(横ばい)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月企業向けサービス価格指数
前年同月比 2.8% 3.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。8時過ぎに144.24円まで下落する場面があったが、本邦勢が本格参入すると買い戻しが進んだ。仲値に向けた買いなども観測されるなか、一時144.97円まで上昇。節目の145.00円手前では上値も重くなったが、小安く始まった日経平均株価が持ち直したことなども相場の支えとなり、買い一巡後も144円台後半で底堅く推移した。
・ユーロ円も強含み。朝方に161.06円まで下押ししたものの、その後はドル円と同様に買い戻しが入り、161.88円まで反発した。
・ユーロドルはもみ合い。1.1160ドル台を中心とする狭いレンジ内でのもみ合いとなった。
・日経平均株価は反発。寄り付き後に200円近く下落する場面があったものの、外国為替市場で円安・ドル高が進んだことに伴い、輸出関連株の一角に買いが入った。株価指数先物主導で買い戻しが進み、後場に入ると相場も上昇に転じた。
・債券先物相場は反落。前日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売り先行で始まるも、その後は手掛かり材料難のなかで方向感の乏しい動きとなった。
SMBC日興証券では、米国の年内の利下げ回数について考察している。FRBの経済見通しでは、年末の失業率を4.0%と予想。年内の利下げは1回が妥当としている。しかし、実際の失業率は4.3%まで上昇している。FRBのマクロ経済モデルによれば、失業率を0.3ppt引き下げるには、利下げを1回程度増やす必要があるとのこと。SMBC日興では、利下げは2回程度になるのではないかと考えている。一方、市場では年内の利下げ回数を4.2回(105bp利下げ)とみている。市場の期待が4.2回から2回程度へ修正されるのであれば、その分、米短期金利が上昇してドル高・円安になると見込まれる。SMBC日興では独自のモデルをもとに、ドル円レートはいったん149円/ドル程度まで円安となり、その後、緩やかな円高になっていくと予想している。
中国の国家統計局が27日に発表した統計によると、2024年1-7月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比3.6%増の4兆991億7000万元だった。増加率は1-6月の3.5%から0.1ポイント拡大した。
業種別では、非鉄金属精錬・圧延加工が79.3%増、コンピューター・通信・その他の電子設備製造が25.1%増、農産物加工が23.9%増、電力・熱供給が23.2%増、紡織が18.4%増、自動車製造が6.7%増、石油・天然ガス採掘が5.3%増、化学原料・化学製品製造が4.8%増、汎用設備製造が4.3%増となった。一方、専用設備製造が2.9%減、電気機械・器材製造が8.1%減、石炭採掘・選炭が21.7%減、非金属鉱物製品製造が48.8%減、石油・石炭・その他の燃料加工と鉄金属精錬・圧延加工が赤字転落。
7月単月の税引き前利益は前年同月比4.1%増だった。
中国の李強首相は26日、高齢者による消費や経済活動の「シルバーエコノミー(銀髪経済)」を振興する方針を示した。国務院(内閣に相当)が「人工老齢化に積極的に対応する国家戦略の実施、養老事業と養老産業の共同発展の推進」をテーマに開いた第9次学習会合で「シルバーエコノミーの拡大と質の向上を推し進め、高齢者用品の開発と普及を強化し、養老サービスをより幅広く豊富にしていく必要がある。品質監督を強化して高齢者のニーズをこれまで以上に満足させる」と語った。国営新華社が同日伝えた。
李首相は、習近平総書記(国家主席)による高齢者政策の重要指示の精神を深く学び、党中央の決定に従って高齢化対策の国家戦略を実行しなければならないと強調。人口の高齢化が長期にわたって中国の基本的な状況となるとの認識を示した。その上で「高齢化によってもたらされる課題を高度に重視するだけでなく、高齢化が秘める新たな発展機会に目を向けるべきだ。高齢者も大切な資源だ」と述べた。人口高齢化への対応と経済社会の発展促進を組み合わせ、サービス、資金、制度的保証を強化し、高齢化に積極的に対応するなかで発展の新たな原動力を育成する必要があるとした。
李首相は在宅・コミュニティー養老サービス体制の構築を強化し、デイケア、リハビリテーション介護、訪問サービス等の能力を増強して養老サービスの効果的な提供方法を検討すると表明。障害のある高齢者の介護ニーズに応え、医療と保健の一体化をいっそう進め、療養対応型の病床の供給を拡大し、長期介護サービスの整備を進めるとした。また、養老・看護職の魅力を高めるための大規模な技能訓練の展開、「高齢者が頼りにする場所」への資金保証、基礎年金保険の全国制度の整備、多層的で多くの柱からなる養老保険体系の整備加速を挙げた。
「日銀保有のETFは、日経平均株価が1000円下落すると約1.8兆円の評価損となる」
(日本銀行)
1. 上場投資信託(ETF)の評価益:37兆3120億円
2024年3月末時点での保有する上場投資信託(ETF)(37兆1861億円)の評価益は、日経平均株価が4万円台に乗せたことで過去最高の37兆3120億円だった。時価は74兆4982億円となった。3月末の日経平均株価の終値は、40369.44円だった。
日経平均株価に換算した持ち値は、20200円程度になっており、日経平均株価が1000円下落すると約1.8兆円の評価損となる。
また、日銀によるETFの購入は、日経平均株価を3000-4000円程度嵩上げしているとの見方もある。
2.日本銀行の奇策としてのETF購入
2010年、白川第30代日銀総裁は、古今東西の中央銀行が回避していた「株買い」を、「包括的な金融緩和政策」の一環としての金融市場のリスクプレミアムの低下、すなわち、株式益回りと国債利回りとの差である「イールドスプレッド」の縮小を大義名分として開始した。「包括的な金融緩和政策」の一環として始まった。
2013年、黒田第31代日銀総裁による異次元緩和の下で増額が繰り返され、現在の買い入れ方針は年間約12兆円を上限に「必要に応じて買い入れを行う」としている。
しかし、2023年のETF買い入れは3回(計2100億円)にとどまり、今年は実施されていない。日銀は、株式相場が史上最高値圏で推移する中、ETFの買い入れによってリスクプレミアムに働き掛けることで、株価を支える必要性は乏しいと判断している。
内田日銀副総裁は、ETFの買い入れについて、「2%目標の持続的・安定的な実現が見通せるようになり、大規模緩和を修正する時にはやめるのが自然」と述べていた。
植田日銀総裁は、ETFをどのように放出するかについて議論するのは時期尚早だと繰り返し述べている。
3.出口戦略
日銀が保有する株式は、7%程度となっており、出口戦略としての売却の方法が取りざたされている。
1)株式市場での売却
日銀が70兆円規模のETF売却に乗り出した場合、巨額の売り注文が市場価格を崩しかねないため、日本株市場全体がダメージを受けるだけでなく、一部の個別企業株は特に大きな打撃を被るかもしれない。株価低迷は、日本の金融政策正常化への取り組みに対する投資家の熱意を失わせる恐れもある。
2)買入停止で保有継続
購入を停止した後、今後何十年もかけて長く緩やかな売却を進めることも可能である。
3)株保有の日銀から政府への移行
政府がETFを引き取り、日銀に永久債を発行して日銀のバランスシートから株資産を移動させる措置。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演を受けてリポートしている。議長は「労働市場の顕著な冷却化」と「労働市場発のインフレ圧力がほぼ解消したこと」を確認し、インフレが2%への持続的軌道にあるとの確信を深めた。また、「政策調整の時期が来た」と、事実上9月利下げを予告した。三菱UFJMSでは、議長が労働市場の過熱がほぼ解消し、さらなる軟化は望まないことを強調したのは、雇用優先への迅速な転換を事実上宣言したに等しいと捉えている。これを受けて、FRBが9月、12月に加えて11月も25bpの利下げを行うと予想を変更している。
大阪9月限
日経225先物 38300 +260 (+0.68%
TOPIX先物 2680.5 +22.0 (+0.82%)
日経225先物(9月限)は前日比260円高の3万8300円で取引を終了。寄り付きは3万7900円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8035円)を下回り、売りが先行して始まった。直後に付けた3万7890円を安値にショートカバーとみられる動きとなり、一時プラスに転じる場面もみられたが積極的なロングの動きは限られ、その後は3万7950円~3万8050円辺りで保ち合いが続いた。ランチタイムでレンジを上放れると、後場の取引開始直後には3万8050円~3万8150円に切り上がった。終盤にかけてこの水準をさらに上放れる形となり、3万8340円まで上げ幅を広げる場面もみられた。
日経225先物は前場こそ3万8000円を挟んで狭いレンジでの推移となったが、底堅さが意識されていた。エヌビディア<NVDA>の決算を控えた米国でのハイテク株安の流れを受け、東京市場でも東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]の下げが日経平均株価の重荷となっていた。一方で、為替市場ではドル・円が1ドル=144円台後半と円高が一服し、トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連株が買い戻されており、相場を支えている。後場に入ってさらに円相場が円安に振れるなかで、インデックス買いが断続的に入り、指数を押し上げる形となった。
また、東証プライムの売買高は連日で13億株台にとどまっており、薄商いのなかでよりインデックス買いのインパクトが目立った。月内受け渡し最終日であることから、ファンドの買いも入ったと考えられる。日経225先物はオプション権利行使価格の3万8000円~3万8500円のレンジが意識されるなか、75日移動平均線が位置する3万8630円辺りを捉えてくるかが注目される。エヌビディアの決算を前にロングは強まりにくいだろうが、心理的な抵抗線を突破してくると、ショートカバーが強まる可能性がある。また、買い遅れているファンドの資金流入に対して思惑も高まりそうだ。
ナイトセッションの時間帯で、円相場は1ドル=145円台を回復してきた。また、グローベックスの主要な株価指数先物は小幅ながらプラス圏で推移している。米ハイテク株の買い戻しが強まるようだと、ナイトセッションで75日線突破の可能性もありそうだ。基本的にはエヌビディアの決算待ちではあるが、決算に対する慎重姿勢が強まっていたことからショートが積み上がっており、リバランスに伴うカバーは入りやすいだろう。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。ただし、一時14.22倍まで下げる場面もみられたが、14.21倍辺りで推移する200日線が支持線として意識されている。同線に接近する局面ではリバランス狙いのNTロングに向かわせやすい状況だった。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万1105枚、ソシエテジェネラル証券が5286枚、サスケハナ・ホンコンが3398枚、JPモルガン証券が2025枚、SBI証券が1888枚、バークレイズ証券が994枚、auカブコム証券が868枚、野村証券が787枚、みずほ証券が727枚、ドイツ証券が681枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万6250枚、ソシエテジェネラル証券が1万0213枚、JPモルガン証券が3649枚、サスケハナ・ホンコンが2726枚、モルガンMUFG証券が2285枚、バークレイズ証券が2236枚、ゴールドマン証券が2208枚、シティグループ証券が2010枚、ビーオブエー証券が1328枚、みずほ証券が1225枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、中東情勢の動向に警戒しながら、米8月消費者信頼感指数を見極める展開が予想される。
8月米消費者信頼感指数の予想は100.7で、7月の100.3からの改善が見込まれている。
1年先のインフレ期待が7月の5.4%からどう変化しているのか、そして、消費者の労働市場に対する認識にも要注目となる。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」と「物価の安定」)の内、「物価の安定」に特段の重点(highly attentive to inflation risks)を置いてきた。しかし、7月FOMCの声明文では、「2大責務の両面のリスクに留意する」(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)との文言に変更された。すなわち、リスクバランスはこれまでのインフレ抑制に軸足を置いた状態から、インフレと雇用の間でバランスした状態になった、と判断が修正されたことになる。
パウエルFRB議長も、先週のジャクソンホール会合での講演で労働市場のさらなる冷え込みを防ぐために「利下げの時が来た」と述べ、9月FOMCでの利下げ開始を示唆した。
7月の消費者信頼感指数では、職を得るのが「難しい」と考える消費者の割合は16.0%になり、6月の15.7%から増加していた。仕事が「それほど豊富ではない」と考える人の割合も49.9%になり、6月の48.8%から増加していた。
職が「十分」と「就職困難」の回答から算出する労働市場格差に関する指数も18.1となり、6月の19.8から悪化していた。
デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は、昨日、「政策を調整する時期が来ている」と述べ、「労働市場が予想以上に弱まる場合、より積極的になる必要がある」とも発言していた。
中東情勢に関しては、イランとイスラエルの軍事衝突が第5次中東戦争まで拡大した場合、石油ショックによる円安要因、有事のドル買いの可能性などに警戒しておきたい。
また、イスラエルの背後には米国、イランの背後にはロシアと中国が控えていることで、軍事衝突が拡大した場合は、湾岸戦争の時のような中東有事のドル売りとなる可能性も念頭に置いておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、146.42円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、143.45円(8/26安値)
今晩はもみ合いか。昨日はソフトランディング期待や利下げ期待を背景に先週までの堅調が続きダウ平均が65.44ドル高(+0.16%)の41240.52ドルと2日続伸し、1カ月ぶりに史上最高値を更新した一方、水曜日引け後のエヌビディアの決算発表を控えて半導体株が下落し、S&P500が0.32%安、ナスダック総合も0.85%安とともに反落した。セクター別ではITや一般消費財などハイテク株が下落し、エネルギー、生活必需品、公益、素材など景気敏感株やディフェンシブ株が上昇した。
今晩の取引ではソフトランディング期待や利下げ期待が引き続き下値の支援となることが期待されるものの、翌日引け後のエヌビディアの決算発表や週末金曜日の7月個人消費支出 (PCE)価格指数の発表を控えた様子見姿勢が強まることも予想され、方向感の無い展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは6月ケース・シラー20住宅価格指数、8月消費者信頼感指数など。
日経平均株価は反発。売り一巡後は下値買いが優勢となり、後場に向けて上昇幅を広げる展開となった。2日ぶりの陽線となり、終値ベースで5日移動平均線(38185円 8/27)上を回復した。
RSI(9日)は前日の73.7%→73.5%(8/27)へ横ばい。5日移動平均線の上昇は一服気味ではあるが、10日移動平均線(37760円 同)の上昇を背景にトレンドフォローの見方に大きな変化はない。保ち合い気味の動きから、今週は75日移動平均線(38643円 同)を超えるような一段高がみられるかが注目される。
一方、依然として25日移動平均線(37173円 同)の下落基調が続くほか、一目均衡表では基準線(35564円 同)などの下げも続いており、36000円処に向けて押し戻される展開も想定される。
日足ベースの上値メドは、75日移動平均線、4万円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(37266円 同)、心理的節目の36500円や36000円、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)などがある。
米財務省によると、2年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.874%、応札倍率(カバー)が2.68倍となった。
(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.15円(27日15時時点比▲0.63円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.16円(▲0.51円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1180ドル(△0.0014ドル)
FTSE100種総合株価指数:8345.46(前営業日比△17.68)
ドイツ株式指数(DAX):18681.81(△64.79)
10年物英国債利回り:3.998%(△0.086%)
10年物独国債利回り:2.288%(△0.040%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲22.0 ▲18.6・改
4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済)
(前期比) ▲0.1% ▲0.1%
(前年同期比) 0.0% ▲0.1%
4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整前)
(前年同期比) 0.3% 0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時145.18円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前週末23日にジャクソンホール会議で講演し、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始をほぼ明言。この日も円買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。NY勢参入後も円買い・ドル売りの流れが継続すると、2時30分前に一時143.95円と日通し安値を更新した。米2年債入札後に同債利回りが低下幅を広げたことも相場の重し。
なお、本日発表の8月米消費者信頼感指数は103.3と予想の100.7を上回ったものの、相場の反応は限定的だった。
・ユーロドルは強含み。日本時間夕刻に1.1179ドルまで値を上げたあとは徐々に上値が重くなり、21時30分過ぎには一時1.1150ドルと前日の安値に面合わせした。ただ、同水準がサポートとして働くと買い戻しが優勢となり、3時過ぎには1.1186ドルと日通し高値を更新した。米利下げ観測を背景にユーロ買い・ドル売りが入りやすい面もあった。
・ポンドドルは一時1.3255ドルと2022年3月23日以来約2年5カ月ぶりの高値を更新した。ベイリー英中銀(BOE)総裁は23日のジャクソンホール会議で、英国のインフレについて「慎重ながらも楽観的にみている」としながらも、「勝利を宣言するのは時期尚早」と発言。市場では「BOEが追加利下げを慎重に判断する」との見方が広がっており、ポンド買いが入りやすい状況となった。
・ユーロ円は失速。日本時間夕刻に一時162.18円と本日高値を付けたものの、買い一巡後は一転下落した。ドル円の下落につれた売りが出ると一時160.88円と本日安値を付けた。
・ロンドン株式相場は4日続伸。アジア市場で日本株が上昇した流れを受けて、英株も上昇した。ただ、28日に米半導体大手エヌビディアが公表する四半期決算が材料として意識されており、買い一巡後は徐々に伸び悩んだ。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。前日の米国株市場でダウ平均が史上最高値を更新すると、独株にも買いが波及した。個別ではコンチネンタル(2.74%高)やアディダス(2.19%高)、ブレンターク(1.72%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。
27日の日経平均は反発。終値は178円高の38288円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1326/値下がり280。重厚長大系の銘柄が好まれており、三井E&Sが商いを伴って8.7%高。三菱重工、川崎重工、IHIの重工大手3社が買いを集めた。動きの良かったグロース市場では、QPS研究所やアストロスケールなど宇宙関連が騰勢を強めた。前日までの円高に一服感が出てきたことから、トヨタやホンダなど自動車株が全般堅調。上方修正と増配を発表したコーアツ工業がストップ高まで買い進まれた。
一方、ディスコやアドバンテストなど半導体株が弱く、エヌビディアが4%を超える下落。メルカリ、日立、任天堂などが売りに押された。下方修正と減配を発表したタカショーが大幅安。PSS、川本産業、中京医薬品など、直近でエムポックス関連として人気化していた銘柄が急落した。
日経平均は後場に入ってプラス転換。半導体株は終日敬遠されたが、それ以外の銘柄が買われたことで、引け味良く終了した。終わってみれば業種別で33業種中、30業種が上昇している。エヌビディアの決算を東京市場で消化するのは木曜29日で、あすも「待ち」の状態は続く。ただ、きょう半導体株が大きく下げながらも全体としては強かったことから、リスク回避の売りは手控えられる公算が大きい。終値(38288円)では5日線(38185円、27日時点)を上回っており、戻り基調も崩れていない。同水準より上をキープしつつ、次の心理的節目の38500円を早々に上回ることができるかに注目したい。
(27日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.96円(前営業日比▲0.57円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.02円(▲0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1184ドル(△0.0023ドル)
ダウ工業株30種平均:41250.50ドル(△9.98ドル)
ナスダック総合株価指数:17754.82(△29.05)
10年物米国債利回り:3.82%(△0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=75.53ドル(▲1.89ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2552.9ドル(▲2.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期米住宅価格指数
(前期比) 0.9% 1.1%
6月米住宅価格指数
(前月比) ▲0.1% 0.0%
6月米ケース・シラー住宅価格指数
(前年比) 6.5% 6.9%・改
8月米消費者信頼感指数
103.3 101.9・改
8月米リッチモンド連銀製造業景気指数
▲19 ▲17
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前週末23日にジャクソンホール会議で講演し、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始をほぼ明言。この日も円買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。4時前には一時143.92円と日通し安値を更新した。米2年債の入札後に同利回りが低下幅を拡大したことも相場の重し。
なお、23時発表の8月米消費者信頼感指数は103.3と予想の100.7を上回ったものの、相場の反応は限定的だった。
・ユーロドルは反発。21時30分過ぎに一時1.1150ドルと前日の安値に面合わせしたものの、同水準がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。米利下げ観測を背景にユーロ買い・ドル売りが入りやすい面もあり、4時前には1.1191ドルと日通し高値を更新した。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.51と昨年7月20日以来の低水準を記録した。
・ユーロ円は3日続落。欧州市場では一時162.18円と本日高値を付けたものの、買い一巡後は一転下落した。ドル円の下落につれた売りが出ると160.88円と本日安値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら3日続伸し、史上最高値を更新した。明日28日のエヌビディアの決算発表を控えて様子見の投資家が多く、大きな方向感は出なかった。市場では「決算発表後のエヌビディア株が大きく動けばマーケット全体に影響を及ぼすため、積極的な売買が手控えられた」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。欧州債相場が下落すると、米国債にも売りが波及。8月米消費者信頼感指数が予想を上回ったことも相場の重しとなった。ただ、2年債入札が「好調」だったことが分かると買い戻しが入ったため、下げ渋った。
・原油先物相場は4日ぶりに反落。先週末から週初にかけて大きく値を上げた反動から売りが先行。前日の急騰材料とされた北アフリカの産油国・リビアの関連報道では、東部地域の油田で操業停止が広がっていると報じられた。もっとも、国連が認める暫定政権や国営石油会社は生産停止を確認していないとされ、供給リスクへの過度な警戒感の後退も相場の重しとなったもよう。
・金先物相場は3日ぶり小幅に反落。時間外から利益確定売りが先行し、8月米消費者信頼感指数が予想を上回ったことも重しとなった。しかしながら2540ドル割れでは下げ渋り、為替でドルが弱含むとドル建ての金に割安感が生じ、引けにかけて下げ幅を縮小した。
27日10:54 鈴木財務相
「為替の動きは様々な要因が背景にある」
「自民党総裁選で財政についても大いに議論されることを期待」
27日20:38 クノット・オランダ中銀総裁
「不適切な財政スタンスが、インフレ退治における金融政策の有効性を損ねていた」
「9月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ判断の前に、もう少しデータを確認したい」
※時間は日本時間
<国内>
○10:30 ◎ 氷見野良三日銀副総裁、あいさつ
<海外>
○10:30 ◎ 7月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.4%)
○14:15 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○15:45 ◇ 8月仏消費者信頼感指数(予想:92)
○16:00 ◇ 7月トルコ貿易収支(予想:72.0億ドルの赤字)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:15 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○29日01:00 ◎ 7月ロシア失業率(予想:2.4%)
○29日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38230 -70 (-0.18%)
TOPIX先物 2677.5 -3.0 (-0.11%)
シカゴ日経平均先物 38270 -30
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
27日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。相場全体に影響を及ぼす可能性があるエヌビディア<NVDA>の決算を翌日に控え、様子見姿勢が強まった。ただ、下落して始まったエヌビディアが上昇して終えたことで、ハイテク株の一角を買い戻す動きがみられた。利下げ観測が支えとなり、NYダウは小幅ながら3日続伸した。また、8月の米消費者信頼感指数が103.3と予想を上回り、米景気は底堅いと受け止められた。S&P500業種別指数は消費者サービス、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、自動車・同部品、エネルギー、小売が下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比30円安の3万8270円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比70円高の3万8370円で始まり、一時3万8530円まで買われた。買い一巡後は軟化し、3万8300円~3万8400円と日中終値水準での保ち合いを継続。その後、下げに転じ、米国市場の取引開始直前には3万8160円まで売られた。ただし、下へのバイアスは強まらず、終盤は3万8200円~3万8400円処で推移し、3万8230円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り優勢の展開になりそうだ。米国同様、エヌビディアの決算を控えて様子見姿勢が強まりやすく、リバランス中心のトレードになろう。ナイトセッションでは3万8000円を上回って推移していたこともあり、同水準での底堅さは意識されやすい。一方で、上値は75日移動平均線が位置する3万8620円辺りが心理的な抵抗線となろう。
エヌビディアの決算では慎重派が多く、ある程度のショートが積み上がっているとみられ、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株にも、足もとでの弱い値動きからはショートが入っているとみられる。そのため、決算を前にいったんポジションをニュートラルに近づける可能性はありそうで、リバランスに伴う需給が下支えになりそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8625円のレンジを想定する。為替市場では円相場が1ドル=143円台と円高に振れて推移していることもあり、前日に堅調だったトヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連株には、持ち高調整に伴う動きが入りそうである。
26日の米VIX指数は15.43(前日は16.15)に低下した。エヌビディアの決算次第ではあるが、再び15.01辺りで推移する75日線に接近してきたことから、ショートは避けておきたい。また、不安心理が高まるとされる20.00を再び上回ってくるまでは、リスク回避の動きは強まらないだろう。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。一時14.22倍まで下げる場面もみられたが、14.21倍辺りで推移する200日線が支持線として意識されていた。本日は輸出関連株が弱含む可能性があり、NTロングに向かいやすいとみておきたい。
昨日の海外市場でのドル円は、この日も円買い・ドル売りが入りやすい地合いとなり143.92円まで弱含んだ。米2年債の入札後に同利回りが低下幅を拡大したことも相場の重し。ユーロドルは1.1191ドルまで強含んだ。
本日のドル円も上値は限定的か。7月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)後からは、欧米の中長期ファンドを中心に米債買い、ドル売りに大きくシフトが変わっている。ドル円に関しては、昨日のように流動性が悪いこともあり、短期筋を中心にドルの買い戻しに動く局面はあるものの、9月のFOMCでの利下げは確実視され、10月以後の日銀の利上げの可能性も高まっていることで、上値は限定されるだろう。また、本邦の個人投資家を中心にアベノミクスから始まった円売り相場に慣れてしまっているために、いまだに円キャリーを仕掛けていることも上値を重くしている。本日の東京時間も本邦実需や個人投資家、短期筋の買いがドルを支える場面もあるだろうが、米国を中心とした中長期投資家のドル売り意欲が上値を抑えそうだ。
本日は本邦からは主だった経済指標の発表が予定されていないが、氷見野日銀副総裁が山梨県で行われる金融経済懇談会に出席し、午後には記者会見が予定されていることで、副総裁の発言が注目される。これまで、植田日銀総裁、内田日銀副総裁などの発言で為替市場が動意づいたことで、氷見野副総裁の見解でも相場が振れることもありそうだ。なお、懇談会のあいさつ要旨は10時半に日銀のホームページで掲載される予定。
ドル円以外では、本日は豪州から7月の消費者物価指数(CPI)が発表されることで、豪ドルの動きにも注目したい。豪州の月次のCPIが発表され始めたのは2022年後半からだが、徐々に精度が高まってきており、発表当初よりも市場の反応が敏感になっている。また、月次のトリム平均値に関しても、今年の5月分から発表されるようになっている。RBAはヘッドラインのインフレ率だけではなく、トリム平均値も重要視していることから、この結果にも目を向けておきたい。なお、RBAは執拗なインフレに悩まされており、前回の理事会でも利上げについても話し合いがもたれている。もしCPIが予想よりも強い結果となれば、RBAとFRBの金融政策の方向性の違いにより、豪ドルが強含むことになりそうだ。
ドル円は、日経平均の動向に付いて回る動きが続いています。昨日も欧州時間に入って日経225先物が38535円まで上昇。ドル円も東京時間の高値144.97円を上抜けると一時145.18円まで値を上げました。ただ、NY時間に入って日経先物が下落に転じるにつれて戻り売りに押される展開に。米10年債利回りが上昇したほか、8月米消費者信頼感指数が予想を上回る強い数字となったものの、基本的には日経先物の動向に左右されたわけで、本日のアジア時間に入ってからも、その相関関係に変化はみられていません。
その他の要因としては、本日はスポ末ということもあり、朝方から本邦実需の買いが断続的に観測されているなか、早朝の安値143.69円から144.39円まで買戻されているといったところです。米系短期勢がドル円と日経平均をセットにして仕掛けている相場である以上、しばらくはこれらに付き合っていくしかないのかもしれませんが、しっかりとした実需に裏付けられた143円台の底堅さは、今週に入ってからの下押しレベルの明らかな底上げにつながっているといえます。
いずれにしても、昨日もお伝えした通り、ドル円は不必要なコストを払わなければならない短期勢の売り仕掛けが先行し、その後は思っている以上に足の速いフローとなってショートカバーが持ち込まれるといったリズムが続いています。
ところで、日銀ですが、昨夕、基調的なインフレ率を捕捉するための指標、いわゆる刈込平均を公表しましたが、昨年9月に3.4%まで上昇した後、低下傾向を続けていたなか、ようやく4月と5月に2.1%と目標の2.0%を再び上回ったわけですが、7月にはまた1.8%まで低下に転じるなど、追加利上げを正当化できない数字となりました。
また、氷見野日銀副総裁も山梨での金融経済懇談会において、「現状、金融資本市場は引き続き不安定な状況にあり、当面はその動向を極めて高い緊張感をもって注視していく必要があります」との見解を表明しています。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円安の3万8180円(-0.31%)前後で推移。寄り付きは3万8140円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8270円)を下回り、売りが先行して始まった。直後に付けた3万8130円を安値にショートカバーとみられる動きとなり、現物の寄り付き直後には一時3万8320円とプラスに転じる場面もみられた。ただし、エヌビディア<NVDA>の決算を控えるなかで積極的な売買は手控えられており、その後は3万8150円~3万8250円辺りでの推移を継続している。
為替市場では円相場が朝方に1ドル=143円台と円高に振れるなか、日経225先物は売りが先行した形である。ただし、その後1ドル=144円台半ばへと持ち直しており、短期筋のショートカバーを誘った。リバランスの動きが中心と考えられ、後場は3万8200円を挟んでの狭いレンジ推移になりそうだ。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は弱い値動きだが、一方でアドバンテスト <6857.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]には買い戻しが入っている。また、円高が一服するなかで、トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連株への買いもみられており、ショートは仕掛けづらいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。朝方に一時14.29倍まで上昇し、プラスに転じる場面もみられたが、東京エレクのほか、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となった。ただし、リバランスの動きが中心のなかでは、14.21倍辺りで推移する200日移動平均線に接近する局面ではリバランス狙いのNTロングに向かわせやすいとみておきたい。
本日の欧州市場では、引き続き米金利動向に左右される展開になるだろうが、本日から30日にかけては月末の特殊玉などもでやすいことで、ニュース等がなくても相場が急変することには留意したい。
ユーロは米連邦公開市場委員会(FOMC)後からのドル売りの影響で、対ドルでは底堅さを維持している。しかし、その反面で対ポンドや対スイスフランでは上値が重くなっている。ユーロドルの上値トライが緩やかなのは、このユーロクロスの売りが重し。本日も、ユーロ圏からは8月仏消費者信頼感指数以外は主だった経済指標の発表が予定されていないことで、ユーロクロスの値動きがユーロドルに影響を大きく与えそうだ。
ポンドは、堅調地合いを維持している。先週発表された8月の購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上振れた。一方でドイツを中心にユーロ圏のPMIは弱く、ユーロ圏と英国の経済の先行き見通しにも変化が生じている。また、先週ジャクソンホール会合でベイリー英中銀(BOE)総裁が「インフレに対する勝利宣言をするのは時期尚早」と発言し、ユーロ圏や米国よりも利下げに対しては慎重な姿勢を示していることがポンドを支えている。昨日はポンドドルが2022年3月以来の1.3266ドルまで、ユーロポンドは0.8432ポンドまでポンド買いが進行した。また、昨日はスターマー英首相が官邸で「10月には予算が発表されるが、それは痛みを伴うものになるだろう」と発言し、大幅増税を示唆したが、市場はポンド売りに反応していなかったことはポンドの地合いの強さを表している。なお、本日は英国からは主だった経済指標の発表が予定されていないが、マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演が予定されている。前回のMPCでも据え置きに投票するなどタカ派寄りの委員なことで、ある程度のタカ派発言が出ることは意識して市場の動きを見ておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:26日高値1.1202ドルをクリアに抜けた場合は昨年7月18日高値1.1276ドル。
・ポンドドル:2022年3月以来超えていない節目1.3300ドル。
・ユーロポンド:日足一目均衡表・転換線0.8488ポンド。
想定レンジ下限
・ユーロドル:26・27日安値1.1150ドル。その下は日足一目均衡表・転換線1.1087ドル。
・ポンドドル:26・27日に割り込むことが出来なかった1.3179ドル。
・ユーロポンド:7月17日に付けた年初来安値0.8383ポンド。
(28日15時時点)
ドル円:1ドル=144.40円(前営業日NY終値比△0.44円)
ユーロ円:1ユーロ=160.91円(▲0.11円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1144ドル(▲0.0040ドル)
日経平均株価:38371.76円(前営業日比△83.14円)
東証株価指数(TOPIX):2692.12(△11.32)
債券先物9月物:144.64円(▲0.12円)
新発10年物国債利回り:0.890%(△0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。朝方に143.69円まで下押す場面があったが、本邦勢の参入後は買い戻しが入った。本日はスポット応当日が月末とあって仲値に向けた買いも観測され、一時144.57円まで反発。豪ドル円など一部クロス円の上昇も支えとなり、底堅く推移した。
・ユーロ円は神経質な値動き。7時過ぎに160.70円まで下げた後、ドル円の上昇につれて161.37円まで下値を切り上げた。もっとも、一巡後はユーロドルが下落した影響もあって伸び悩んだ。豪ドル円は一時98.26円まで上昇。7月豪消費者物価指数(CPI)が前年同月比3.5%の上昇となり、市場予想(同3.4%の上昇)を上回ったことから豪ドル買いが入った。
・ユーロドルは弱含み。昨日の引けにかけて上昇した反動もあり、朝方から売りに押される展開となった。15時過ぎには一時1.1135ドルまで下押しした。
・日経平均株価は続伸。外国為替市場で円高・ドル安が進んだことに伴い、寄り付き後に150円近く下落する場面があったものの、その後は円高が一服したことで次第に下げ幅を縮小した。指数は後場に入ってプラス圏に浮上したが、日本時間の明日早朝に決算発表が控えているエヌビディアへの警戒感が強く、買い戻しの勢いも強まらなかった。
・債券先物相場は続落。氷見野日銀副総裁が利上げを続ける姿勢を改めて示したことが手掛かりとなり、一時144円60銭まで弱含んだ。
SMBC日興証では、ドイツ連邦統計局が公表した2024年4-6月期実質GDPの確報値および詳細データを受けてリポートしている。4-6月期の成長率は前期比-0.1%となり、1-3月期のプラス成長(+0.2%)からマイナス成長へ再び転落した。4-6月期の需要動向を大分類でみると、個人消費と固定資本形成が前期から減少し、純輸出も成長の足を引っ張ったとのこと。一方、政府支出は増加し、在庫投資も成長を押し上げる方向に寄与したとSMBC日興では指摘している。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
オーストラリアのインフレ鈍化を確認、RBAの政策と豪ドルはどうなる?
RBAは様子見姿勢維持を予想、豪ドルは対米ドルで強含むも円には方向感を欠く展開が続くか
豪ドルの対米ドル相場は、先月は中国景気の減速懸念などが重石となるも、オーストラリア準備銀行(RBA)が今月初めの定例会合でタカ派姿勢を示したほか、米FRB(連邦準備制度理事会)の利下げを織り込んだ米ドル安も重なり底入れしている。他方、日本円には米ドル/円相場が足かせとなる展開が続く。これはRBAが今月の定例会合でタカ派姿勢を示すも、タカ派度合いが「日銀>RBA」と見做されていることが影響しているとみられる。足下の雇用環境は底堅い動きが確認されるなどインフレが警戒される状況が続くが、7月のインフレ率は前年比+3.5%、コアインフレ率も同+3.8%と中銀目標を上回るも鈍化が確認されている。財、サービスの両面で物価上昇の動きが一巡する動きが確認されており、RBAは当面現行のスタンスでの様子見を維持する可能性が高まっている。豪ドル相場は米ドルに対して底堅さがうかがえる一方、日本円には方向感が乏しい展開が続くと見込まれる。
大阪9月限
日経225先物 38370 +70 (+0.18%)
TOPIX先物 2692.5 +12.0 (+0.44%)
日経225先物(9月限)は、前日比70円高の3万8370円で取引を終了。寄り付きは3万8140円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8270円)を下回り、売りが先行した。直後に付けた3万8130円を安値にショートカバーが入り、現物の寄り付き直後にはプラスに転じる場面もみられた。エヌビディア<NVDA>の決算を控えて、積極的な売買は手控えられており、その後は3万8150円~3万8250円処で推移。後場中盤にレンジを上放れると、3万8230円~3万8340円辺りでの保ち合いを経て、取引終了間際には3万8370円まで買われ、本日の高値で終えた。
為替市場では円相場が朝方に1ドル=143円台と円高に振れ、日経225先物は売りが先行した。ただし、その後1ドル=144円台半ばへと持ち直しており、短期筋のショートカバーを誘った。リバランスが中心の動きとみられ、後場は3万8200円を挟んで狭いレンジで推移したが、終盤にかけては持ち高調整に伴うカバーが強まる形だった。
アドバンテスト <6857.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]には買い戻しが入っていたが、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]も後場中盤から引けにかけて下落幅を縮めており、小幅な下げにとどまった。エヌビディアの決算を前に、いったんショートポジションを圧縮させたようである。また、円高一服を受けて、トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連株への買いもみられた。
日経225先物は薄商いのなかでスキャルピング中心のトレードだったが、3万8000円に接近する局面では下値の堅さは意識された。エヌビディアの決算がネガティブな結果となれば、3万8000円を割り込んでくる可能性はあろう。ただし、想定を下回る決算を予想する向きが多く、決算期待からロングを積み上げている参加者は限られる。決算が嫌気されて急落する局面では、押し目狙いのロングのタイミングを探る動きが意識されてきそうだ。
テクニカル面ではパラボリックのSAR値が切り上がっており、3万7520円辺りに位置している。同水準を上回って推移するようだと、ロングを入れやすくなろう。ショートカバーが強まるなかで、改めて75日移動平均線が位置する3万8630円の突破を試す展開に向かう可能性もある。
NT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。朝方に一時14.29倍まで上昇し、プラスに転じる場面もみられたが、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]やファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となった。ただし、リバランスが中心のため、14.21倍辺りで推移する200日線を上回っての推移だった。エヌビディアの決算によって、トレンドが出やすくなりそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が7600枚、ソシエテジェネラル証券が3938枚、サスケハナ・ホンコンが2846枚、バークレイズ証券が937枚、SBI証券が874枚、auカブコム証券が756枚、JPモルガン証券が630枚、モルガンMUFG証券が630枚、楽天証券が581枚、松井証券が501枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万2630枚、ソシエテジェネラル証券が9565枚、ゴールドマン証券が3124枚、バークレイズ証券が2591枚、JPモルガン証券が2384枚、サスケハナ・ホンコンが2096枚、モルガンMUFG証券が1979枚、ビーオブエー証券が1156枚、みずほ証券が703枚、BNPパリバ証券が566枚だった。
本日のNYタイムでは主な米経済指標や要人発言などの予定はなく、ドル円は米株や米債の動向に睨んだ動きが見込まれる。米5年債入札の結果を受けて米長期金利が動意付く可能性はあるが、金融・資本市場全体が米株式市場の引け後、日本時間の29日早朝に発表されるエヌビディアの決算に向けられている。時価総額がアップルに次いで第2位で世界経済への影響が大きい人工知能(AI)関連半導体の主要企業である同企業の収益動向は株式だけではなく債券や為替、金融政策にまで影響を与える可能性が指摘されている。
注目の材料が乏しく、エヌビディアの決算発表待ちムードが強いこともなり、米株や米債の方向感が出にくいと想定され、ドル円も落ち着いた動きになりそうだ。本日、これまでのドル円は昨日の流れを引き継ぎ売りが先行した後は買い戻しが優勢となった。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での発言などを受け、9月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げはほぼ確実視され、ドルの上値は重くドル円は依然として戻り売り圧力が強い。市場の目線は9月FOMCで利下げ幅が0.25%になるかそれとも0.50%になるかに向けられている。今のところ、金利先物市場で0.25%利下げ確率が6割超、0.50%利下げ確率が3割超となっている。
・想定レンジ上限
ドル円、27日の高値145.18円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、26日の安値143.45円が下値めど。
今晩は様子見か。昨日は翌日に決算発表を控えるエヌビディアが前日の2.25%安から1.46%高と反発したことでS&P500とナスダック総合がそろって反発し、ダウ平均は9.98ドル高(+0.02%)とわずかながら続伸し、前日に続いて終値の過去最高値を更新した。引け後の動きでは予想を上回る決算を発表した百貨店のノードストロームが時間外で7%超上昇し、高解像度ビデオ処理用半導体メーカーのアンバレラは強い見通しが好感され時間外で約19%高と急伸した。
今晩の取引では引け後のエヌビディアの決算発表を控えた様子見姿勢が続きそうだ。時価総額がアップルに次いで第2位で、AIラリーの中心的存在のエヌビディアの株価動向はハイテク株を中心に米国株全般の動向を左右するとみられており、決算やガイダンスに注目が集まる。エヌビディアの5-7月期決算は前年同期比で大幅な増収増益が予想されているが、株価は年初から約160%上昇しており、決算やガイダンスが予想を上回るか否かや、次世代のAIチップの発売時期などが焦点となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫など。企業決算は寄り前にバス&ボディ・ワークス、JMスマッカー、引け後にエヌビディア、HP、セールスフォースなどが発表予定。
日経平均株価は続伸。売り一巡後に買いが続く展開が続いており、きょうも5日移動平均線(38269円 8/28)上で陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の73.5%→72.0%(8/28)へやや低下。5日移動平均線の上昇は一服気味ではあるが、10日移動平均線(37953円 同)の上昇を背景にトレンドフォローの見方に大きな変化はない。保ち合い気味の動きから、75日移動平均線(38646円 同)を超えるような一段高がみられるかが注目される。
一方、依然として25日移動平均線(37124円 同)の下落基調が続くほか、一目均衡表では基準線(35542円 同)などの下げ基調も続いており、36000円処に向けて押し戻される展開も想定される。
日足ベースの上値メドは、75日移動平均線、4万円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(37298円 同)、心理的節目の36500円や36000円、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)などがある。
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.645%、応札倍率(カバー)が2.41倍となった。
(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.63円(28日15時時点比△0.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.63円(▲0.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1106ドル(▲0.0038ドル)
FTSE100種総合株価指数:8343.85(前営業日比▲1.61)
ドイツ株式指数(DAX):18782.29(△100.48)
10年物英国債利回り:4.001%(△0.003%)
10年物独国債利回り:2.261%(▲0.027%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月仏消費者信頼感指数
92 91
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。本日NY市場引け後のエヌビディアの決算発表を控えて様子見ムードが強まる中、日本時間夕刻に一時144.06円付近まで下押しした。ただ、月末が近づく中、主要通貨に対してドル買いのフローが観測されると、円に対してもドル高が進行。22時30分過ぎに一時本日高値となる145.04円まで値を上げた。
もっとも、前日の高値145.18円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。米国株相場の下落や日経平均先物の失速なども相場の重しとなった。
・ユーロドルは弱含み。米利下げ観測を背景にこのところユーロ高・ドル安が進んでいたため、利益確定を目的としたユーロ売り・ドル買いが出た。月末が近づく中、ドル買いのフローも観測され、21時30分過ぎには一時1.1105ドルと日通し安値を付けた。24時前には1.1138ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。
米国の重要なインフレ指標である7月米個人消費支出(PCE)物価指数の発表を30日に控えて、ポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いも出やすかった。
・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時161.32円付近まで値を上げる場面もあったが、アジア時間に付けた日通し高値161.37円手前で失速。21時前に160.45円と日通し安値を付けた。22時30分過ぎには161.22円付近まで下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。
・ロンドン株式相場は5日ぶりに小反落。27日の米国株や28日の日本株の上昇を背景に買いが先行したものの、終盤失速した。本日NY市場引け後のエヌビディアの決算発表を前に様子見の投資家も多く、大きな方向感は出なかった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。27日の米国株や28日の日本株の上昇を背景にやや買いが優勢となった。本日NY市場引け後の米半導体大手エヌビディアの四半期決算に投資家の関心が集まっており、様子見の雰囲気もあった。個別ではシムライズ(3.30%高)やコベストロ(3.08%高)、ミュンヘン再保険(1.83%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
28日の日経平均は続伸。終値は83円高の38371円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり600/値下がり989。半導体株は濃淡あったが、アドバンテストのほか、レーザーテックやTOWAが大幅上昇。燃料電池車でBMWと全面提携すると日経1面で報じられたトヨタが商いを伴って買いを集め、燃料電池関連との見方から安永やKLASSがストップ高となった。証券会社が目標株価を引き上げた楽天Gが全市場の売買代金ランキングトップ10入りして9.2%高。新作ゲームに関するリリースを材料にオルトプラスが48.1%高(ストップ高)と暴騰した。
一方、三井E&Sが3.8%安、北越コーポは22.2%安と、直近で強く買われた銘柄が大きく値を崩した。ファストリ、セブン&アイ、高島屋など小売の一角が軟調。「プレステ5」の値上げが伝わりソニーGが買われた一方、ハード機を手がけるライバルの任天堂が売りに押された。証券会社が目標株価を引き下げたフリーは、新興グロース株が敬遠された地合いの中で7%を超える下落となった。
日経平均は続伸。きのう同様に小幅安で前場をまとめ、後場に入ってプラス圏に浮上した。きのうは値上がり銘柄が多かったが、きょうは値下がり銘柄が多かっただけに、プラスで終えられたことには意外感もある。後場のプラス転換に貢献した半導体株は、あすはエヌビディアの時間外の反応の影響を大きく受けることになるだろう。半導体株が買われるようなら、全体でもリスク選好ムードが高まる公算が大きい。75日線(38646円、28日時点)を明確に超えてくれば、39000円辺りまでは一気に水準を切り上げても不思議はない。
半導体株が売られるパターンでは、それ以外の銘柄がおつき合いするのか、距離を置くのかが重要となる。今は半導体株以外にも買える要素のある銘柄は多く、きょうは円高が逆風となっていたトヨタに強い動きが見られた。半導体株が下げても他の銘柄が健闘して指数の下げが限定的となれば、翌日以降の日本株は下げづらくなると見込まれる。一方、おつき合いして大きく崩れるようだと、二番底に対する警戒が高まってくる。半導体株を中心に、主力大型株の動向が大きく注目される。
四半期決算を発表したエヌビディアは時間外取引で急落。一時7%超下げる場面があった。
(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.59円(前営業日比△0.63円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.78円(▲0.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1120ドル(▲0.0064ドル)
ダウ工業株30種平均:41091.42ドル(▲159.08ドル)
ナスダック総合株価指数:17556.03(▲198.79)
10年物米国債利回り:3.83%(△0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=74.52ドル(▲1.01ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2537.8ドル(▲15.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 0.5% ▲10.1%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反落。米利下げ観測を背景にこのところユーロ高・ドル安が進んでいたため、利益確定を目的としたユーロ売り・ドル買いが出た。月末が近づく中、ドル買いのフローが観測されると21時30分過ぎに一時1.1105ドルと日通し安値を付けた。24時前には1.1138ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。
米国の重要なインフレ指標である7月米個人消費支出(PCE)物価指数の発表を30日に控えて、ポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いも出やすかった。
・ドル円は反発。本日NY市場引け後のエヌビディアの決算発表を控えて様子見ムードが強まる中、ポジション調整目的のドル買いが入った。月末が接近する中、ドル買いのフローも観測されると22時30分過ぎに一時本日高値となる145.04円まで値を上げた。
もっとも、前日の高値145.18円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米国株相場の下落や日経平均先物の失速なども相場の重しとなった。
なお、米半導体大手エヌビディアは第2四半期決算を発表。調整後の1株利益は0.68ドルと予想の0.64ドルを上回ったものの、時間外取引では一時7%超下げる場面があった。
・ユーロ円は4日続落。日本時間夕刻に一時161.32円付近まで値を上げる場面もあったが、アジア時間に付けた日通し高値161.37円手前で失速。21時前に160.45円と日通し安値を付けた。22時30分過ぎには161.22円付近まで下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。日米株価指数の下落が相場の重しとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。取引終了後のエヌビディアの決算発表を前に、ハイテク株中心に持ち高調整目的の売りが出た。ダウは連日で史上最高値を更新していただけに高値警戒感も強く、利益確定目的の売りも出やすかった。市場では「エヌビディア株はダウの構成銘柄ではないが、株価が大きく動けばマーケット全体に影響を及ぼすため、注目が集まっている」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。5年債入札が「好調」だったことから買いも入ったが、上値は重かった。重要なインフレ指標である7月米PCE物価指数の発表を30日に控えて、ポジション調整目的の売りが出やすかった。
・原油先物相場は続落。時間外では一時73ドル後半まで下げ幅を拡大した。エネルギー消費大国である中国の景気低迷が材料視されたとの声も聞かれた。一巡後は、油田の操業停止によるリビアからの供給リスクが蒸し返されて反発するも、75ドル台では頭を抑えられた。
・金先物相場は続落。為替でドル高が進み、ドル建て金に割高感が生じて売り圧力が強まった。もっとも、2530ドルを割り込んだところでは下げ渋った。
28日10:36 氷見野日銀副総裁
「今年度の実質経済成長率は0.6%を見込んでいる」
「物価、来年度・再来年度は目標に沿った2%程度の上昇率になると見込んでいる」
「景気の現状を『緩やかな回復が続いている』と一括りで語るのはますます難しくなっている」
「相場の目先の動きに見方を左右されすぎないことが大切」
「経済・物価の見通しが実現する確度が高まれば、金融緩和の度合いを調整」
「市場とも丁寧にコミュニケーションを取りながら、適切に金融政策を運営していきたい」
「金融政策運営、無数のファクターを考慮していかざるを得ない」
「中立金利、特定の水準やレンジを意識していない」
「円高の中小企業経営への影響、おおむねプラス面が大きいとの話を聞いた」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 8月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:37.0)
○未定 ◇ 8月月例経済報告
<海外>
○07:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○10:00 ◇ 8月ANZ企業信頼感
○10:30 ◇ 4-6月期豪民間設備投資(予想:前期比1.0%)
○15:00 ◎ 4-6月期スウェーデン国内総生産(GDP、予想:前期比▲0.8%)
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:95.8)
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲13.4)
○18:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○18:30 ◇ 7月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比4.5%)
○21:00 ◎ 8月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比2.1%)
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ経常収支(予想:58.5億カナダドルの赤字)
○21:30 ☆ 4-6月期米GDP改定値(予想:前期比年率2.8%)
◎ 個人消費(改定値、予想:前期比2.2%)
◎ コアPCE(改定値、予想:前期比2.9%)
○21:30 ◇ 7月米卸売在庫(予想:前月比0.3%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.2万件/187.0万人)
○23:00 ◎ 7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.2%/前年比▲2.0%)
○30日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○30日02:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
米半導体大手エヌビディアは28日、第2四半期決算を発表した。調整後の1株利益は0.68ドルとなり予想の0.64ドルを上回った。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38150 -220 (-0.57%)
TOPIX先物 2680.0 -12.5 (-0.46%)
シカゴ日経平均先物 38140 -230
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
28日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。取引終了後にエヌビディア<NVDA>の決算を控え、ハイテク株を中心に持ち高調整の売りが優勢となった。利下げ観測が支えとなったほか、アムジェン<AMGN>やアメックス<AXP>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>などディフェンシブ株の一角が買われ、NYダウは一時プラスに転じる場面もみられた。ただし、アマゾン・ドット・コム<AMZN>やマイクロソフト<MSFT>、シスコシステムズ<CSCO>などの下げが重荷となった。S&P500業種別指数は銀行、保険、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、耐久消費財・アパレルが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比230円安の3万8140円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万8410円で始まり、3万8250円~3万8440円処で保ち合いを継続。その後レンジを上放れ、米国市場の取引開始直後には3万8570円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し下落に転じると、3万8000円での攻防となり、一時3万7900円まで下落幅を広げた。引けにかけてショートカバーが入り、3万8150円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢の展開になりそうだ。米国の取引終了後に決算を発表したエヌビディアは、2024年5~7月期の売上高が予想を上回ったほか、8~10月期の売上高見通しも予想平均を上回った。ただし、時間外取引で一時8%ほど下げており、他の半導体株にも売りが広がる場面もみられた。そのため、29日の米国市場の下落を先取りする形でショートが入りやすいだろう。
日経225先物はナイトセッションで一時3万8570円まで買われ、75日移動平均線が位置する3万8620円に接近した。その後は米国市場の下げを受け、節目の3万8000円を割り込む場面もみられた。寄り付きはショートに傾きやすく、3万8000円割れを狙った動きをみせてくる可能性もありそうだ。
もっとも、米国市場の反応を見極めたいところであり、短期的なショートに限られると考えられる。足もとでは75日線に上値を抑えられる形で3万8000円を挟んだ膠着が続いていたほか、東証プライムの売買高は連日で13億株台と薄商いだった。エヌビディアの決算は全体相場を上にも下にも大きく変動させる可能性が指摘されていたことで、決算期待によるロングは積み上がっていないだろう。
そのため、下へのバイアスが強まる可能性はあるものの、3万8000円を下回る水準では押し目狙いのロングも意識されてきそうだ。また、通常取引で2%ほど下げていたセールスフォース<CRM>は、取引終了後に発表した決算が予想を上回り、時間外取引で3%ほど上昇していることも下支えになりそうだ。
テクニカル面ではパラボリックのSAR値が位置する3万7520円辺りが意識される可能性があるが、同水準を割り込むことがなければ、アク抜けが意識されやすい。また、売り一巡後に3万8000円水準での底堅さがみられるようであれば、ショートカバーを誘い込む動きに向かわせよう。オプション権利行使価格の3万7500円から3万8500円のレンジを想定する。
26日の米VIX指数は17.11(前日は15.43)に上昇した。エヌビディアの決算を控え、不安心理が高まった形である。ただし、15.01辺りで推移する75日線に接近していたことで、反発しやすいところでもあった。25日線が19.18に位置しており、同水準を突破し、不安心理が高まると言われる20.00を再び上回ってくるかを見極めたい。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。朝方に一時14.29倍まで上昇し、プラスに転じる場面もみられたが、指数インパクトの大きい値がさ株の一角が下げたことが、日経平均型の重荷となった。ただ、リバランスの動きが中心だったため、14.21倍辺りで推移する200日線を上回っての推移だった。ハイテク株の下げが見込まれるなか、200日線を下回ってくるとNTショートに振れやすくなりそうだ。
昨日の海外市場では、ドル円はポジション調整目的のドル買いが入ると145.04円まで上昇したが27日高値145.18円を前に伸び悩んだ。米国株相場の下落や日経平均先物の失速なども相場の重しとなり、その後は米半導体大手エヌビディアの決算発表を控えて様子見ムードとなった。ユーロドルは利益確定のユーロ売りに押されて1.1105ドルまで下落した。
本日のドル円相場は、手掛かり材料を欠く中で株価をにらんだ展開となるか。前週末のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を受け、米9月利下げが既定路線となるも、足もとのFedWatchを見ると、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ予想は0.25%が6割となっており、一時期高まった0.50%の利下げ予想は4割弱に留まっている。ドル円は週初の26日こそ143.45円まで下落したが、その後は143円台では底堅さを見せており、前週末からのドル売りの動きは一服している。次に市場の関心が向かいそうなのが、明日の8月東京都区部消費者物価指数や7月米PCEデフレーターであり、それまでは144円台を中心として積極的には動きづらい展開となるかもしれない。
そうした中ではあるが、エヌビディア決算を受けた株価の動きには注意したい。第2四半期決算では調整後の1株利益は0.68ドルと予想の0.64ドルを上回ったものの、時間外取引では一時7%超下げる場面があった。時間外の米国株のほか、日経平均に影響が及ぶことがあれば、ドル円相場を動かすことも考えられる。
なお、本日アジア時間には、NZで8月ANZ企業信頼感が、豪では4-6月期四半期民間設備投資が、それぞれ発表される。足もとの豪ドル/NZドル相場は、利上げ観測が根強い豪と追加利下げ観測がくすぶるNZとの金融政策の方向性の違いから、豪ドル高/NZドル安の流れとなっており、昨日は一時1.0856NZドルまで下落して5日安値1.0844ドルに迫った。いずれも相場を大きく動かす指標ではないが、金融政策の方向性の違いが一段と意識される場合、5日安値割れを試す場面もありそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比160円安の3万8210円(-0.41%)前後で推移。寄り付きは3万7970円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8140円)を下回り、売りが先行して始まった。エヌビディア<NVDA>が決算発表後の時間外取引で大幅安となり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株に売りが波及した。ただし、寄り付き直後に付けた3万7950円を安値に下げ幅を縮めており、中盤にかけては3万8300円まで下落幅を縮める場面もみられた。その後は3万8150円~3万8250円辺りで下げ渋る動きを継続している。
日経225先物は3万8000円を割り込んで始まったが、ナイトセッションの安値である3万7900円は下回らなった。アドバンテスト <6857.T> [東証P]が売り気配から始まるなど、朝方はハイテク株に安いものが目立ったが、アドバンテスト、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]はいずれも売り一巡後に下げ幅を縮めている。グローベックスのナスダック100先物は朝方こそ300ポイントほど下げていたが、その後は下げ幅を縮めていることもあり、ショートも仕掛けづらい状況である。上値追いは慎重だが、3万8000円をキープしている状態が続くようだと、アク抜け狙いのロングが意識されてきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.22倍に低下した。14.21倍辺りで推移する200日移動平均線を下回って始まり、一時14.14倍まで低下し25日線を下回る場面もみられた。ただし、その後は200日線水準まで戻しており、同線を上回っての推移をみせてくるようだと、NTロングに向かわせやすいとみておきたい。
昨日の海外市場では、ドル円は欧州時間に一時144.06円まで値を下げたものの、その後は日経平均先物の上昇につれて145.04円まで買戻されました。ただ、前日27日の高値145.18円が戻りの目処として意識されたほか、株価が下落に転じたこともあり、クロス円中心に戻り売りに押されると144.35円まで下押し。その後は144.81円まで買戻されましたが、NVIDIA株が予想を上回る強めの決算となったにもかかわらず、セルザファクトからか急落。日経平均先物もつれて37900円まで下落幅をひろげることになると144.42円まで下押ししてNY市場を引けています。
アジア時間に入ってからは、相変わらず米系短期が売り仕掛け。日経平均が再び値を下げる動きとなるとドル円もNY時間の安値144.35円を下抜けて一時144.22円まで下押ししました。ただ、その後は現物の日経平均が下値を切り上げる動きとなっているほか、本邦実需勢の月末絡みの買いが観測されると144.70円まで買戻されているといったところです。目先はNY時間の高値144.81円が戻りの目処として意識されていますが、昨日高値の145.04円や27日の高値145.18円、更には一目転換線の位置する145.75円が重要なレジスタンスレベルとなっています。
いずれにしても、ドル円は日経平均連動型の短期勢中心の相場展開となっているわけですが、引き続き実需の買い意欲は強いまま。FRBが金融政策の軸をインフレから雇用最大化の責務の方に移してきていることもあり、今夜の米新規失業保険申請件数に注目が集まっています。米10年債利回りは、意外と底堅い動きが続いていますが、実際には、米国勢としては3連休前のポジション調整の意味合いが強くなっていきそうです。
本日の欧州市場では、ドイツの消費者物価指数(CPI)やユーロクロスの動きに左右される展開になりそうだ。
8月のドイツCPIは7月よりインフレが、前月比では0.3%から0.1%、前年比では2.3%から2.1%への低下予想となっている。ここ最近のドイツ経済指標は非常に弱く、8月の購買担当者景気指数(PMI)は製造業が42.1まで、サービス業は51.4まで低下し、それぞれ5カ月ぶりの低水準となっている。サービス業は辛うじて景況の強弱を判断する節目の50を上回っているが、低調傾向を辿る製造業に連れて更に押し下げられるとの予想もある。すでに9月12日に行われる欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ予想が高まっているが、CPIが予想を下振れた場合はユーロの重しになるだろう。
また、昨日のユーロドルが軟調な動きを見せたのは、ユーロクロスが軒並み売られたことも一因。ユーロポンドは1カ月超振りに0.8410ポンド、ユーロスイスフランも0.9353フランまで弱含んだ。英国は比較的欧州圏内の中では経済状況は底堅さを見せている中で、先週ジャクソンホール会合でベイリー英中銀(BOE)総裁が「インフレに対する勝利を宣言するのは時期尚早」と発言し、ユーロ圏や米国よりも利下げに対しては慎重な姿勢を示していることがポンドを支えている。スイスも8月中旬に発表された4-6月期スイス鉱工業生産が前回値より大幅に上昇したことや、地政学リスクの避難通貨の面などもあり、スイスフランの支えになっている。本日から明日にかけては月末のフローで上下を繰り返すことにもなりそうだが、引き続きユーロクロスの動向もユーロドルに大きく影響を与えることになるだろう。
なお、本日は欧州午前にレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストの講演が行われ、欧州引け後にはなるがナーゲル独連銀総裁も講演を行う。ドイツのCPI発表後ということもあり、ナーゲル総裁の講演内容により注目が集まる。ナーゲル総裁は9月(ECB理事会)に何が起こるかについて事前に約束できないとはしているものの、「データが今の路線通りなら利下げは可能なはず」と述べていることで、更にハト派寄りの発言に傾くかが注目される。
想定レンジ上限
・ユーロドル:26日に付けた年初来高値1.1202ドル。
・ポンドドル:27日に付けた年初来高値1.3266ドル。
・ユーロポンド:日足一目均衡表・転換線0.8477ポンド。
・ユーロスイスフラン:28日高値0.9420フラン。
想定レンジ下限
・ユーロドル:上昇過程にある日足一目均衡表・転換線1.1108ドルから22日安値1.1098ドルが支持帯。
・ポンドドル:28日安値1.3168ドル。その下は日足一目均衡表・転換線1.3078ドル。
・ユーロポンド:7月17日に付けた年初来安値0.8383ポンド。
・ユーロスイスフラン:5日に付けた年初来安値0.9211フラン。
(29日15時時点)
ドル円:1ドル=144.62円(前営業日NY終値比△0.03円)
ユーロ円:1ユーロ=161.04円(△0.26円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1134ドル(△0.0014ドル)
日経平均株価:38362.53円(前営業日比▲9.23円)
東証株価指数(TOPIX):2693.02(△0.90)
債券先物9月物:144.73円(△0.09円)
新発10年物国債利回り:0.890%(横ばい)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆5429億円の取得超 1兆8509億円の所得超・改
対内株式
4383億円の処分超 475億円の処分超・改
8月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
36.7 36.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下げ渋り。朝方に144.22円まで下押ししたが、今週は本邦勢の参入後に連日で買い戻しが入っており、本日も同様に下値を切り上げた。仲値に向けた買いが観測されたほか、日経平均株価が400円超安から一時持ち直したことなども支えに144.86円まで反発する場面も見られた。
・ユーロ円は下値が堅い。8時過ぎに160.44円まで下落したものの、その後は日本株の下げ幅縮小などを支えに161.27円まで買い戻しが入った。また、8月ニュージーランド(NZ)ANZ企業信頼感が2014年5月以来の高水準を記録したことを好感し、NZドル円は91.17円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは小高い。1.11ドル台前半での狭い値幅内ながら底堅く推移し、一時1.1140ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は3営業日ぶりに小幅反落。米半導体大手のエヌビディアが28日の決算発表後に急落すると、東京市場でも半導体関連株に売りが集まった。指数は一時400円超下押し。もっとも、売り一巡後は主力株に押し目買いが入り、後場に入ると上昇に転じる場面も見られた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。前場は小安く推移していたが、2年物国債入札が「強めの結果だった」と受け止められると、債券需要の強さを意識した買い戻しが進んだ。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
前進するメキシコの憲法改正、三権分立の危機で「危うい国」にまい進へ
政権のやりたい放題となるリスク、政策運営の迷走、米国やカナダとの関係悪化など懸念要因は山積
足下の国際金融市場では米FRB(連邦準備制度理事会)の利下げを織り込んだ米ドル安が進んでいるにも拘らず、メキシコペソは調整の動きを強めている。ペソ相場を巡っては、6月の大統領選でシェインバウム氏が勝利するとともに、同時に実施された議会上下院選で与党連合が改憲可能な水準となるなど大勝利を収めたことが調整のきっかけとなった。改憲案は20項目から成るが、最高裁がロペス=オブラドール大統領が掲げる改革の壁となってきたため、司法制度改革を前進させる動きをみせる。司法制度改革が進めば三権分立が形骸化することで政権のやりたい放題となるリスクがある。中銀の政策運営の迷走ぶりが露呈している上、米国やカナダとの関係悪化も懸念されるなど、その行方はメキシコの国の在り様に大きく影響を与える可能性がある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
ブラジル・ルラ大統領、次期中銀総裁にガリポロ理事を指名
政策運営は現状から変更なしと見込まれる一方、レアル相場は金融政策「以外」の動きの影響を受ける
ブラジルでは金融政策を巡ってルラ政権と中銀が対立するなか、年末に任期満了を迎えるカンポス=ネト総裁の後任人事に注目が集まってきた。こうしたなか、ルラ大統領は28日に金融政策担当理事を務めるガリポロ氏を後任総裁に指名したことが明らかになった。ガリポロ氏はルラ政権に近く、金融市場では早くから最有力候補とみられてきた。他方、ガリポロ氏はかつてハト派姿勢をみせたが、足下ではタカ派姿勢に転じており、現状の政策運営を維持する可能性は高いと見込まれる。ただし、足下のレアル相場は米ドル安にも拘らず、金融政策以外の問題(X社のブラジル事業を巡る問題)を理由に再び調整の動きを強めている。今後は当局の動きを巡る不確実性が金融政策の手足を縛る可能性に留意する必要性が高まっている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、前期比年率+3.1%と2四半期ぶりにプラス成長に回帰した4-6月期実質GDPに関して、中身も含めて良好な結果であったと捉えている。個人消費が5四半期ぶりにプラスとなり、消費の低迷に歯止めがかかった。また、名目GDPは年率換算で約607兆円まで増加し、初の600兆円台に乗せた。名目GDPは株価とも連動性があり、その拡大は市場参加者にとっても心強い結果と評価している。東海東京では、今回の結果を最も歓迎しているのは植田日銀総裁ではないかと考えている。7月の利上げ決定は金融市場の混乱を招くことになったが、結果的に見れば4-6月期のGDP統計は日銀の決断を支持する形になったとコメントしている。
みずほ証券の商品業務部では米国株に関して、企業業績と株価バリュエーションの想定を据え置き、S&P500が2025年9月末にかけて6100pに上昇するとの見方を維持している。目先は不安定な相場展開となる可能性を考慮して、24年内の予想レンジの下限については、7-9月期を5100p→4900p、10-12月期を5300p→5100pに引き下げた。米大統領選挙通過後は、政治的不透明感の後退や米国景気が上向くことへの期待、業績拡大の裾野の広がりが米国株上昇の支えになるとみている。ただし、株価バリュエーションの水準が高いことから、株価上昇は業績拡大に沿うペースとなると予想している。
2000年8月、プーチン露大統領は、就任直後にロシアの原潜「クルクス」がバレンツ海で沈没して118人が死亡した時、休暇中だったため対応が遅れた。
2024年8月6日、ウクライナ軍がロシア西部クルスク州への越境攻撃を開始し、約1200平方キロの領土を制圧した時、プーチン露大統領にはウクライナ軍の戦術が知らされなかったらしく、「なぜ、自分は騙されたのか」を突き止めようとしているらしい。
そして、「プーチン体制はクルクスで始まり、クルクスで終わる」という不吉な予言が流布されている。
ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、ロシアは6月以降、クルスク州からウクライナに対し2000回を超える攻撃を実施しており、こうした越境攻撃が行われていた地域をウクライナ軍が制圧したと述べた。
8月26日、ロシア軍は、ウクライナの首都キーウなど各地を100発以上のミサイルと約100機の無人機で反撃した。
1943年7月4日、ナチス・ドイツは、ソビエト連邦のクルスク周辺に侵攻し、ソ連軍との間で史上最大の戦車戦を繰り広げたものの敗退して、独ソ戦の主導権は完全にソ連軍のものになった。
ナチス・ドイツの晩鐘が鳴り響いているクルスクに侵攻したウクライナ軍には、61年前の鐘の音は聞こえていないのだろうか。
1.クルスク州への侵攻 (2024年)
2024年8月6日、ウクライナ軍は、ロシア西部クルスク州への越境攻撃を開始し、約1000平方キロの領土を制圧した。
2024年5月、バイデン政権は、米国が供与した兵器でロシア領内を攻撃することを容認したが、クルスク州での攻撃では、アメリカ製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」が使用された。
ウクライナは、東部戦線の最精鋭の兵力を引き抜いてクルスクに投入した。
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ウクライナ軍の目標は州都であるクルスクの占領ではなくて、ロシア軍の戦力分散に加え、プーチン大統領への政治的打撃などを狙った戦略的なものと分析している。
ロシアの「核抑止分野における国家政策の指針」では、核兵器を使用する4つの条件が
挙げられている。
・ロシアと同盟国への弾道ミサイル発射に関する信頼できる情報を入手した時
・ロシアと同盟国に対して敵が核兵器や大量破壊兵器を使用した時
・死活的に重要な政府や軍の施設に対して敵が干渉を行った時
・通常兵器によってロシアが侵略され国家の存立が危機的になった時
2. クルスクの戦い(1943年7月4日- 8月27日)
1943年7月4日、ナチス・ドイツは、第二次世界大戦の独ソ戦において史上最大の市街戦となった「スターリングラード攻防戦(1942年6月28日-1943年2月2日)」での敗北を挽回するため、ソビエト連邦のクルスク周辺に侵攻し、ソ連軍との間で史上最大の戦車戦を展開した。ドイツ軍は、フランス西部戦線の精鋭部隊をクルスクに投入した。
しかし、ドイツ軍の戦車部隊は、史上最大の機甲戦であるクルスクの戦いで壊滅的な敗北を喫して再起不能に陥り、対ソビエト連邦との戦い、最終的には連合国との戦いでの敗北が決定付けられた。
政府は29日、8月の月例経済報告を公表。景気の基調判断を「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」と1年3カ月ぶりに上方修正した。個別項目では、個人消費や住宅建設の判断が引き上げられた。
大阪9月限
日経225先物 38350 -20 (-0.05%)
TOPIX先物 2689.0 -3.5 (-0.12%)
日経225先物(9月限)は前日比20円安の3万8350円で取引を終了。寄り付きは3万7970円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8140円)を下回り、売りが先行して始まった。エヌビディア<NVDA>が決算発表後の時間外取引で大幅安となり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株に売りが波及した。
ただし、寄り付き直後に付けた3万7950円を安値に下げ幅を縮めており、前場中盤にかけては3万8300円まで下落幅を縮めた。その後は3万8150円~3万8250円処での保ち合いが続いた。ランチタイムで再び下落幅を縮める動きとなり、後場の取引開始直後に上昇に転じると、3万8400円まで買われる場面もみられた。終盤にかけては持ち高調整に伴うロングの解消が意識されて下落に転じたが、3万8350円と小幅な下げで終えた。
日経225先物は3万8000円を割り込んで始まったが、ナイトセッションの安値である3万7900円は下回らなった。売り気配で始まったアドバンテスト <6857.T> [東証P]が上昇に転じるなど、売り一巡後に押し目を拾う動きもみられた。グローベックスのナスダック100先物が朝方こそ300ポイントほど下げていたが、その後は下げ幅を縮めていたこともあり、ショートも仕掛けづらい状況であった。
エヌビディア決算の相場全体への影響に対する警戒感が強まっていたこともあり、29日の米国市場で波乱の展開が回避されるようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にはアク抜けを意識した買いなども入りそうである。日経225先物は3万8000円処での底堅さがみられ、75日移動平均線が位置する3万8630円の突破を試す動きとなることで、ショートカバーを誘い込むことになろう。買い遅れているファンドによるロングの動きが強まる可能性もありそうだ。
また、週足ベースでは13週線が3万8560円、26週線が3万8690円辺りで推移している。週末要因のほか来週には8月の米雇用統計の発表を控えているため、ロングに傾けてのオーバーウィークのポジションは取りづらい。ただし、抵抗線を捉えてくる局面では、若干ながらリスクを取りに行く動きが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.26倍に上昇した。14.21倍辺りで推移する200日線を下回って始まり、一時14.14倍まで低下し25日線を下回る場面もみられた。だが、その後は前引けにかけて200日線水準まで戻し、後場は同線を上回っての推移をみせた。エヌビディアがアク抜けの動きをみせてくるようだと、NTロングに向かいやすいとみておきたい。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3307枚、ソシエテジェネラル証券が7193枚、サスケハナ・ホンコンが3506枚、JPモルガン証券が1650枚、バークレイズ証券が1117枚、ゴールドマン証券が1038枚、モルガンMUFG証券が999枚、野村証券が983枚、auカブコム証券932枚、SBI証券が924枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9859枚、ソシエテジェネラル証券が1万4299枚、バークレイズ証券が4346枚、ゴールドマン証券が3493枚、モルガンMUFG証券が3367枚、JPモルガン証券が3076枚、サスケハナ・ホンコンが2426枚、ビーオブエー証券が1783枚、シティグループ証券1371枚、野村証券800枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、月末に向けたドル需要を念頭に置きながら、4-6月期米GDP改定値や前週分の米新規失業保険申請件数を見極める展開が予想される。
4-6月期米GDP改定値は前期比年率+2.8%、コアPCE改定値は前期比+2.9%と予想されている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)でのリスクバランスは、これまでのインフレ抑制に軸足を置いた状態から、インフレと雇用の間でバランスした状態になったものの、コアPCE改定値の予想を上下回る場合には警戒しておきたい。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターに関しては、7月分の発表を明日に控えていることで、4-6月分の改定値よりも、7月分に注目することになる。
パウエルFRB議長は、先週のジャクソンホール会合での講演で労働市場のさらなる冷え込みを防ぐために「利下げの時が来た」と述べ、9月FOMCでの利下げ開始を示唆した。
雇用情勢への注目度合いが高まる中、前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.2万件/187.0万人)のネガティブサプライズには警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、145.75円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、143.45円(8/26安値)
今晩はハイテク株を中心に軟調か。昨日は引け後に決算発表を控えるエヌビディアが2%超下落したことで、その他のハイテク株も総じて軟調だった。ダウ平均は159.08ドル安(-0.39%)と4日ぶりに反落し、S&P500が0.60%安と反落し、ナスダック総合は1.12%安と大幅に反落した。引け後の動きでは予想を上回る決算や通期利益見通しを引き上げたセールスフォースが時間外で4%超上昇し、アファーム・ホールディングスは強い見通しが好感され時間外で15%高と急伸した一方、注目されたエヌビディアは時間外で7%近く下落。決算や見通しが市場予想を上回ったものの、年初から150%以上上昇したことや、一部の高い予想にとどかなかったこと、粗利益率の悪化などが売り材料となった。
今晩の取引では昨日引け後に決算を発表したエヌビディアの下落が予想され、ハイテク株を中心に軟調な展開か。エヌビディアの時価総額は3兆ドルを上回り、S&P500の約7%のウエートを占めることから、S&P500やナスダック総合の下落をけん引することが懸念される。一方、米国経済のソフトランディング期待や利下げ見通しを背景に景気敏感株などの物色が強まることも期待できそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは4-6月期GDP改定値、同個人消費支出(PCE)価格指数改定値、新規失業保険申請件数など。企業決算は寄り前にダラー・ゼネラル、ベストバイ、引け後にルルレモン・アスレティカ、アルタ・ビューティーなどが発表予定。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
前進するメキシコの憲法改正、三権分立の危機で「危うい国」にまい進へ
政権のやりたい放題となるリスク、政策運営の迷走、米国やカナダとの関係悪化など懸念要因は山積
足下の国際金融市場では米FRB(連邦準備制度理事会)の利下げを織り込んだ米ドル安が進んでいるにも拘らず、メキシコペソは調整の動きを強めている。ペソ相場を巡っては、6月の大統領選でシェインバウム氏が勝利するとともに、同時に実施された議会上下院選で与党連合が改憲可能な水準となるなど大勝利を収めたことが調整のきっかけとなった。改憲案は20項目から成るが、最高裁がロペス=オブラドール大統領が掲げる改革の壁となってきたため、司法制度改革を前進させる動きをみせる。司法制度改革が進めば三権分立が形骸化することで政権のやりたい放題となるリスクがある。中銀の政策運営の迷走ぶりが露呈している上、米国やカナダとの関係悪化も懸念されるなど、その行方はメキシコの国の在り様に大きく影響を与える可能性がある。
ブラジル・ルラ大統領、次期中銀総裁にガリポロ理事を指名
政策運営は現状から変更なしと見込まれる一方、レアル相場は金融政策「以外」の動きの影響を受ける
ブラジルでは金融政策を巡ってルラ政権と中銀が対立するなか、年末に任期満了を迎えるカンポス=ネト総裁の後任人事に注目が集まってきた。こうしたなか、ルラ大統領は28日に金融政策担当理事を務めるガリポロ氏を後任総裁に指名したことが明らかになった。ガリポロ氏はルラ政権に近く、金融市場では早くから最有力候補とみられてきた。他方、ガリポロ氏はかつてハト派姿勢をみせたが、足下ではタカ派姿勢に転じており、現状の政策運営を維持する可能性は高いと見込まれる。ただし、足下のレアル相場は米ドル安にも拘らず、金融政策以外の問題(X社のブラジル事業を巡る問題)を理由に再び調整の動きを強めている。今後は当局の動きを巡る不確実性が金融政策の手足を縛る可能性に留意する必要性が高まっている。
※「市場の目・まとめ」は単発で配信された市場の目(記名入り)をまとめたものです。中期・長期見通しにも役立つ為替・経済に関する見解も多数入っておりますので、今後の取引にお役立てください。なお、各コメントの内容は取材時までの市場の動き・情報をもとに述べられた見解です。
日経平均株価は小反落。売り一巡後に買いが入る展開が続いており、きょうは10日移動平均線(38117円 8/29)を下回る場面もあったが、5日移動平均線(38299円 同)上まで戻し3日連続の陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の72.0%→56.2%(8/29)へ低下。5日移動平均線に続き、10日移動平均線の上昇一服などが予想されるが、トレンドフォローの見方に大きな変化はない。保ち合い気味の動きから、あすは75日移動平均線(38646円 同)を超えるような一段高がみられるかが注目される。
25日移動平均線(37093円 同)が下げ止まる点などはポジティブな要因となるが、下落基調が続く一目均衡表の基準線(35399円 同)との離れが大きく、36000円処に向けて押し戻される展開も想定される。
日足ベースの上値メドは、75日移動平均線、4万円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(37327円 同)や25日移動平均線、心理的節目の36500円や36000円、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)などがある。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.770%、応札倍率(カバー)が2.50倍となった。
(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.85円(29日15時時点比△0.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.55円(▲0.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1084ドル(▲0.0050ドル)
FTSE100種総合株価指数:8379.64(前営業日比△35.79)
ドイツ株式指数(DAX):18912.57(△130.28)
10年物英国債利回り:4.019%(△0.018%)
10年物独国債利回り:2.274%(△0.013%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月ユーロ圏消費者信頼感指数
(確定値) ▲13.5 ▲13.4
8月ユーロ圏経済信頼感指数
96.6 96.0・改
8月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) ▲0.1% 0.3%
(前年比) 1.9% 2.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは弱含み。日本時間夕刻に発表された独各州の8月消費者物価指数(CPI)が軒並み鈍化したことが伝わると、全般ユーロ売りが先行。21時に公表された8月独CPI速報値が前月比0.1%低下と予想の0.1%上昇に反して低下したことが分かるとユーロ売りが加速した。市場では「欧州中央銀行(ECB)による9月利下げを後押しする材料になりそうだ」との声が聞かれた。
NY市場に入り、4-6月期米国内総生産(GDP)改定値が前期比年率3.0%増と予想の2.8%増を上回り、速報値から上方修正されたことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化。23時30分過ぎに一時1.1056ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円は上値が重かった。しばらくは144円台半ばでのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると4-6月期米GDP改定値が予想を上回ったことなどを受けて円売り・ドル買いが優勢となった。7月米住宅販売保留指数が予想を下回るといったんは伸び悩んだものの、下押しは限定的となり、23時30分過ぎには一時145.55円と日通し高値を更新した。
ただ、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過すると徐々に上値が重くなった。市場では「一目均衡表転換線が位置する145.75円が重要なレジスタンスとして意識される」との声が聞かれ、3時過ぎには144.79円付近まで下押しした。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁は「インフレは低下したものの、まだ道半ば」などと語った。
・ユーロ円は頭が重い。独インフレ指標の下振れを受けてユーロ売りが先行すると一時160.03円と日通し安値を付けたものの、欧州株相場や日経平均先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いが出ると22時過ぎに161.26円付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値161.27円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ユーロドルの下落やドル円の伸び悩みにつれた売りが出ると160.45円付近まで押し戻されている。
・ロンドン株式相場は反発。市場の関心を集めた米半導体大手エヌビディアの決算を通過したことで、買い安心感が広がった。エヌビディアの株価は時間外取引で下落したものの、引けにかけてじり高の展開となった。BAEシステムズやレレックスなど資本財サービス株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続伸。市場の関心を集めた米半導体大手エヌビディアの決算を通過。エヌビディアの株価は下落したものの、本日の米国株相場が堅調に推移したことで買い安心感が広がった。個別ではアディダス(2.03%高)やSAP(1.96%高)、ザルトリウス(1.76%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
29日の日経平均は3日ぶり小幅反落。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり637/値下がり944。三菱重工、川崎重工、IHIの重工大手3社が強めの上昇。個別に伊藤忠、第一三共、フジクラなどの動きが良かった。物件取得に関するリリースが好感された霞ヶ関キャピタルが大幅上昇。自己株取得を発表したSE H&Iやインバウンドテックが急騰した。エヌビディアの時間外の大幅安を受けて半導体株は売られた銘柄が多かった中、アドバンテストは寄り付き直後を安値に切り返し、プラスを確保した。
一方、ディスコ、SCREEN、TOWA、レーザーテックなど半導体株が全般軟調。ニデックや楽天Gが大きめの下げとなった。決算が失望を誘ったイズミが7.8%安。Sansan、カバー、メドレーなどグロース色の強い銘柄が売りに押された。ドリコムやオルトプラスなど、直近で急騰していたゲーム株が一転急落した。
本日、福岡証券取引所のQボード市場に新規上場したCross Eホールディングスは、公開価格割れからのスタートとなった。寄った後は大きくは動かなかったが、終値は初値を小幅に上回った。
日経平均はほぼ横ばい。注目されたエヌビディアの時間外の反応は悪かったが、半導体株は常識的な下げにとどまった銘柄が多く、ネガティブな反応は限られた。小幅安でも体感的には上昇であったと思えるくらい、場中の動きはしっかりとしていた。本日の米国市場でエヌビディアがどう動くのかが注目されるが、下げることは織り込んでいるだけに、あすは米国からの弱材料にはある程度耐性を示すと思われる。先週末23日の終値が38364円で、きょうの終値が38362円。あすの動きが週間プラスかマイナスかを左右する。今週は月曜に大きく下げたものの、火曜日以降は買い意欲の強さがうかがえる。上昇して3週続伸を達成し、9月に良い流れを引き継ぎたいところだ。
(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.99円(前営業日比△0.40円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.62円(▲0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1077ドル(▲0.0043ドル)
ダウ工業株30種平均:41335.05ドル(△243.63ドル)
ナスダック総合株価指数:17516.43(▲39.60)
10年物米国債利回り:3.86%(△0.03%)
WTI原油先物10月限:1バレル=75.91ドル(△1.39ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2560.3ドル(△22.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期米国内総生産(GDP)改定値
(前期比年率) 3.0% 2.8%
個人消費改定値
(前期比年率) 2.9% 2.3%
コアPCE改定値
(前期比年率) 2.8% 2.9%
7月米卸売在庫
(前月比) 0.3% 0.1%・改
前週分の米新規失業保険申請件数
23.1万件 23.3万件・改
7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
(前月比) ▲5.5% 4.8%
(前年比) ▲4.6% ▲7.8%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
・ドル円は続伸。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値が前期比年率3.0%増と予想の2.8%増を上回り、速報値から上方修正されたことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。その後発表の7月米住宅販売保留指数が予想を下回るといったんは伸び悩んだものの、下押しは限定的となり、23時30分過ぎには一時145.55円と日通し高値を更新した。
ただ、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過すると徐々に上値が重くなった。市場では「一目均衡表転換線が位置する145.75円が重要なレジスタンスとして意識される」との声が聞かれたほか、ナスダック総合や日経平均先物が下げに転じるとクロス円とともに円高方向に傾いた。4時前には144.73円付近まで下押しした。
・ユーロドルは続落。8月独消費者物価指数(CPI)速報値が前月比0.1%低下と予想の0.1%上昇に反して低下したことが分かるとユーロ売りが先行。4-6月期米GDP改定値が予想を上回るとドル買いが活発化し、23時30分過ぎに一時1.1056ドルと日通し安値を更新した。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁は「インフレは低下したものの、まだ道半ば」と述べたほか、ナーゲル独連銀総裁は「2%のインフレ目標は視野に入っているが、まだ達成はできていない」などと語った。
・ユーロ円は5日続落。独インフレ指標の下振れを受けてユーロ売りが先行すると一時160.03円と日通し安値を付けたものの、欧州株相場や日経平均先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いが出ると22時過ぎに161.26円付近まで持ち直した。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値161.27円が目先レジスタンスとして意識されると再び上値が重くなった。ユーロドルの下落や日経平均先物の失速につれた売りが出ると160.32円付近まで押し戻された。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、史上最高値を更新した。4-6月期米GDP改定値が予想を上回り、速報値から上方修正されたことが分かると、米経済がソフトランディング(軟着陸)出来るとの期待が高まり、消費や金融、資本財関連株に買いが入った。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落。前日に決算を発表したエヌビディアが軟調に推移したことが指数の重しとなった。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。4-6月期米GDP改定値が予想を上回ると売りが優勢となった。7年債入札の結果が「やや低調」と受け止められたことも相場の重し。
・原油先物相場は3日ぶりに反発。石油輸出国機構(OPEC)加盟国・リビアにおける油田閉鎖の拡大が供給不安を強め、OPECでは産油規模2位のイラクが減産を計画しているとの一部報道も相場を押し上げた。一時77ドル手前まで買われる場面があった。
・金先物相場は3日ぶりに反発。4-6月期米GDP改定値が予想を上回ったことが分かると金は売られたが、下値の固さを確認するに留まった。中東やウクライナを巡る地政学リスクは高まったままであり、安全資産とされる金への需要は旺盛なまま。米金融政策の緩和転換という見方も支えに2562ドル台まで上値を伸ばした。
29日07:55 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「雇用は過去の基準に照らすと依然として極めて力強い」
「インフレ率はさらに幾分低下が必要」
「利下げの時期を判断するためのデータをまだ待っている」
29日23:46 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「インフレは低下したものの、まだ道半ば」
30日02:06 ナーゲル独連銀総裁
「2%のインフレ目標は視野に入っているが、まだ達成はできていない」
「景気回復がやや強まれば、インフレ目標への回帰が遅れるリスクがある」
「物価安定への適時回帰は当然のことと考えるべきではない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 7月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 7月有効求人倍率(予想:1.23倍)
○08:30 ◎ 8月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比2.2%)
○08:50 ◎ 7月鉱工業生産速報(予想:前月比3.5%/前年比2.7%)
○08:50 ◇ 7月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比2.9%)
○14:00 ◇ 7月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲1.0%)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○07:45 ◎ 7月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○10:30 ◎ 7月豪小売売上高(予想:前月比0.3%)
○15:00 ◎ 5月独小売売上高(予想:前月比0.1%/前年比▲0.7%)
○15:00 ◇ 7月独輸入物価指数(予想:前月比横ばい/前年比1.5%)
○15:00 ◇ 8月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○15:45 ◎ 4-6月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.3%)
○15:45 ◇ 8月仏CPI速報値(予想:前月比0.5%/前年比1.8%)
○15:45 ◇ 7月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45 ◇ 7月仏消費支出(予想:前月比0.5%)
○16:00 ◇ 8月スイスKOF景気先行指数(予想:100.6)
○16:05 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:35 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、ミュラー・エストニア中銀総裁、パネルディスカッションに参加
○16:55 ◎ 8月独雇用統計(予想:失業率6.0%/失業者数変化1.60万人)
○17:30 ◇ 7月英消費者信用残高(予想:13億ポンド)
○17:30 ◇ 7月英マネーサプライM4
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.2%)
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.8%)
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏失業率(予想:6.5%)
○21:00 ◎ 7月南アフリカ貿易収支(予想:215億ランドの黒字)
○21:00 ☆ 4-6月期インドGDP(予想:前年同期比6.9%)
○21:30 ☆ 6月カナダGDP(予想:前月比0.1%/前年比1.4%)
☆ 4-6月期カナダGDP(予想:前期比年率1.8%)
○21:30 ◎ 7月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.5%)
◎ 7月米個人所得(予想:前月比0.2%)
☆ 7月米PCEデフレーター(予想:前年比2.5%)
☆ 7月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比2.7%)
○22:45 ◎ 8月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:45.5)
○23:00 ◎ 8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:68.0)
○トルコ(戦勝記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
格付け会社フィッチは29日、米国の格付け「AA+」を据え置くと発表した。見通しは「安定的」とした。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38390 +40 (+0.10%)
TOPIX先物 2689.0 ±0.0 (±0.00%)
シカゴ日経平均先物 38285 -65
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
29日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。NYダウは2日ぶりに史上最高値を更新した。4~6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.0%増となり、速報値(2.8%増)から上方修正された。また、新規失業保険申請件数は前週比2000件減の23万1000件となり、ほぼ予想と一致。米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げに動くとみられるなか、米経済がソフトランディングできるとの期待につながった。
投資家の注目が集まっていたエヌビディア<NVDA>の決算は、売上高見通しが予想を上回る内容だったが、一部の楽観的なアナリストの期待に届かなかったとして6%超の下落となった。ハイテク株の一角はエヌビディアに足を引っ張られる形となり、ナスダック指数は続落。S&P500業種別指数はエネルギー、テクノロジー・ハード・機器、各種金融が下落した一方で、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売、電気通信サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比65円安の3万8285円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比80円高の3万8430円で始まり、ロング優勢のなかで米国市場の取引開始直前に3万8600円台を回復すると、中盤にかけて一時3万8830円まで買われた。ただし、買い一巡後は軟化し3万8180円と下落に転じる場面もみられた。終盤にかけては3万8200円~3万8350円辺りでの保ち合いが続き、引けにかけてのショートカバーにより、3万8390円とプラス圏を回復してナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り優勢の展開になりそうだ。ただし、エヌビディアの下げについては前日の時間外取引ほどは下げなかったため、東京市場においては織り込み済みであろう。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角には買い戻しの動きが見込まれることで、日経平均型を下支えする可能性はありそうだ。アク抜けの動きが意識されやすく、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
日経225先物は米4~6月期GDP改定値などの結果を受けて一時3万8830円まで買われ、75日移動平均線(3万8630円)のほか、13週線(3万8560円)、26週線(3万8690円)を上回る場面もみられた。底堅さが意識されるようだと、これら心理的な抵抗線を改めて捉えてくる可能性がありそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8750円辺りでのレンジを想定する。
週末要因によりオーバーウィークのポジションは取りづらいところであるが、抵抗線を明確に上放れてくるようだと、ショートカバーの動きが強まりやすいほか、買い遅れているファンドによるロングが入りやすくなるだろう。ボリンジャーバンドの+1σが3万8860円辺りで推移しており、今後この水準を捉えてくるようだと、+1σと+2σが位置する4万0650円とのレンジに移行するとみておきたい。
29日の米VIX指数は15.65(前日は17.11)に低下した。エヌビディアは下落したものの、警戒されていた相場全体の波乱とはならなかったことから、再び15.11辺りで推移する75日線に接近した。不安心理が高まると言われる20.00を下回っての推移が続くなか、リスク選好に向かわせやすくなった。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に上昇した。14.21倍辺りで推移する200日線を下回って始まり、一時14.14倍まで低下し25日線を下回る場面もみられた。ただし、その後の切り返しによって、200日線を上回って終えていた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の見直しが意識されるなか、NTロングに向かわせやすいとみておきたい。
昨日の海外市場でのドル円は、4-6月期米国内総生産(GDP)改定値が上方修正されたことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行し145.55円まで上昇した。ただ、ロンドンフィキシングを通過すると徐々に上値が重くなり、144.73円付近まで下押した。ユーロドルは8月独消費者物価指数(CPI)速報値が前月比で低下したことが分かるとユーロ売りが先行。4-6月期米GDP後には1.1056ドルまで下値を広げた。
本日のドル円は神経質な動きになりそうだ。連日東京市場に入るとドル買い・円売りが優勢となっている。円売りが進む要因としては、アベノミクス相場が始まってから長期間にわたる円キャリートレードが進み、円ショートにしておけば容易く収益を上げることが出来る相場展開に東京勢が慣れてしまっていることがあげられる。特に「ミセス・ワタナベ」と称される個人のFX取引では、スワップポイントも得ることが出来る円売り志向が依然として根強い。今月5日の急落で一部は円ショートが強制的に閉じられたものの、いったん相場が落ち着くと円キャリーを再開し、東京時間の底堅さにつながっている。
昨日のドル円は米経済指標の結果に大きく反応したが、米金利動向は比較的落ち着いている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9・11月の利下げ幅予想もさほど変化はない。米系の今後の金利に関する見方も変わらず、中長期の米系ファンド勢のドル売り姿勢に変化がないことで、米系の売り・本邦の買いの相場は当面変わらないか。
本日警戒しなくてはならないのは月末・5・10日(ゴトー日)ということもあり、東京仲値の値決めを中心に神経質な動きになりやすいこと。ここ最近は仲値の値決めに近づくとじりじりとドル買い・円売りが進むが、本日も仲値前後の動きには注意したい。また、ロンドン開始後やロンドンフィキシングでも、相当なフローが入ってくることも予想され、本日はロンドンフィキシングが終わるまでは経済指標やニュースに逆行する動きが起きるリスクもあるだろう。
経済指標では、本邦から複数の指標が発表されるが、8月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)が一番注目されそうだ。先週発表された7月の全国CPIは生鮮食料品とエネルギー除くコア指数は前月の2.2%から1.9%へと低下した。同様に日銀が注目する刈込平均値等の基調インフレも同様に前月より低下した。もっとも、これらの結果はほぼ市場予想通りの結果だったこともあり、市場が今後の日銀の再利上げに対する予想には変化がない。本日発表される東京都区部のコアCPIは全国CPIの前哨戦とされるが、前月同様に2.2%と横ばい予想になっている。予想より結果が大幅に下振れた場合は、再利上げの声が遠のき円売りに傾く場面もあるだろう。しかしながら、7月の利上げ時の前は弱い経済指標の発表が続いたのにもかかわらず、利上げに踏み切ったことを考えれば、余程予想と結果に乖離がない限りは円安地合いに戻るのも難しそうだ。
なお、オセアニア通貨にも引き続き注目。経済指標では早朝にNZから住宅許可建設指数が発表された以外は、豪州から7月の小売売上高が発表される。昨日は通常は反応が鈍いNZのANZ企業信頼感が10年超振りの好結果だったことで、NZドルを中心にオセアニア通貨が大きく反応した。豪小売売上高も予想と結果に開きがあった場合は、再びオセアニア通貨が動きそうだ。また、昨日はドイツのCPIは低下予想だったものが更に弱い結果となり、前月比ではマイナスに転じた。ドイツからは先週発表されたPMIに続き低調な経済指標の発表が相次いでいることで、9月の欧州中央銀行(ECB)の利下げ確率がさらに高まった。中央銀行の金融政策では米・ユーロ圏・NZは利下げ期待が高く、日本は利上げ期待、豪・英は当面は据え置き予想となるなど、各国の政策金利を巡るスタンスの違いが中長期的に為替相場に影響をより与えていくことになるか。
米国の3連休を前にして、市場では目先のポジション調整に終始しているといったところですが、ドル円は月末とあって朝方から本邦勢の輸出入のフローが仲値前後で行き交ったものの、全般目立ったフローもないまま様子見の動きが続いています。昨日のNY市場では、4-6月期米GDP改定値や米新規失業保険申請件数が予想を上回る強い数字となったことを受けて、米長期金利の上昇とともに145.55円まで買い上げられる場面もみられましたが、買われていた日経平均先物が上げ幅を消す動きとなると144.73円まで下押し。ただ、引けにかけては145円台を回復しています。
市場では「このところ145円台を意識した戻り売り」も観測されていましたが、短期筋のそういった動きも「一目転換線が目処」となっているわけで、短期的なセンチメントに変化が生じるかどうかの分水嶺となっていることは明らか。先週から続く戻り高値付近で蓋をしているこのテクニカルポイントが引き続き意識されているといったところです。
いずれにしても、米国では雇用最大化の責務に政策の軸が移ってきているなか、3連休明けから方向性を持った動きが出てくるかもしれませんが、市場では引き続き日経平均の動向に左右される短期勢中心の動きとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比250円高の3万8600円(+0.65%)前後で推移。寄り付きは3万8400円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8285円)を上回り、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万8320円と下げに転じたが、その後はロング優勢の流れから上げ幅を広げ、中盤には一時3万8620円まで買われた。終盤にかけて利食いに伴うロング解消の動きもみられたが、3万8600円を挟んだ高値圏での推移が継続している。
日経225先物は75日移動平均線が位置する3万8630円を捉えてきており、同水準を明確に上放れてくるようだと、ショートカバーを交えた上昇が期待されよう。ただし、週末要因からショートカバーを誘い込む積極的なロングは手控えられやすい。また、朝方に1ドル=145円台で推移していた円相場は、足もとでやや円高に振れて推移していることが重荷となる。もっとも、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など半導体株の一角が堅調なほか、グローベックスのナスダック100先物はプラス圏で推移しており、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍に低下した。一時14.19倍まで下げており、14.21倍辺りで推移する200日線を下回る場面もみられた。明確なトレンドは出にくいところではあるが、200日線水準まで低下する局面においては、その後のリバウンドを想定したNTロングが入りやすいとみておきたい。
本日の欧州市場では、独やユーロ圏で発表される経済指標や欧州要人発言を通して9月の欧州中銀(ECB)理事会での利下げ観測が高まるか確認しつつ、米指標や月末のフィキシングに備える展開が予想される。
まず、欧州序盤にはドイツで小売売上高が発表予定。市場予想は前月比が+0.1%、前年比は-0.7%となっている。
先週発表された同国の製造業やサービス業の購買担当者景気指数(PMI)速報値が弱い内容となったのを始め、昨日の8月消費者物価指数(CPI)速報値は前月比で予想外の-0.1%となったほか、前年比は+1.9%と2021年3月以来となる低い伸びだった。欧州最大の経済国であるドイツで弱い指標が相次いでおり、結果に注目したい。
また、本日は要人発言も複数予定されているが、その中でもシュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演に注目が集まるか。ユーロ圏のインフレ動向に対する見解が注目ポイントの1つとなろう。
その後の18時にはユーロ圏で8月消費者物価指数(HICP)速報値が発表予定。市場予想は前年比+2.2%と前月の+2.6%から伸びが大幅に鈍化することがが見込まれている。足もとで9月ECB理事会での利下げ観測が浮上している中、弱い結果となった場合は利下げ観測が一段と高まってユーロの重しとなりそうだ。
また、NY市場序盤に7月米PCEデフレーターの発表が控えている。ユーロ圏のインフレ指標を確認した後は、米指標発表に備えて次第に売買が手控えられることも想定される。
そのほか、本日は月末日にあたり、日本時間24時のロンドンフィキシングに向けて相場が動意づくことも考えられる。前後はフロー中心の動きとなる恐れがある点には注意したい。
想定レンジ上限
ユーロドル:1.1129ドル(日足・一目均衡表の転換線)を超えると、1.1202ドル(8/26高値)
想定レンジ下限
ユーロドル:1.1037ドル(21日線)を割り込むと、1.0990ドル(日足・一目均衡表の基準線)
(30日15時時点)
ドル円:1ドル=144.87円(前営業日NY終値比▲0.12円)
ユーロ円:1ユーロ=160.46円(▲0.16円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1077ドル(横ばい)
日経平均株価:38647.75円(前営業日比△285.22円)
東証株価指数(TOPIX):2712.63(△19.61)
債券先物9月物:144.72円(▲0.01円)
新発10年物国債利回り:0.890%(△0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月完全失業率
2.7% 2.5%
7月有効求人倍率
1.24倍 1.23倍
8月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.4% 2.2%
7月鉱工業生産・速報値
前月比 2.8% ▲4.2%
前年同月比 2.7% ▲7.9%
7月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 2.6% 3.8%・改
7月新設住宅着工戸数
前年同月比 ▲0.2% ▲6.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。朝方に145.07円まで上昇した後、月末の仲値に向けては売りが観測されたことで144.66円まで反落した。もっとも、その後は日経平均株価の上昇などを支えに下げ渋り。月末でフローに振らされやすかったほか、NY時間に注目の米インフレ指標が控えていることから方向感は出にくかった。
・ユーロ円ももみ合い。ドル円と同じく160円台半ばを挟んだ水準での方向感を欠いた。8時30分過ぎに160.73円まで上昇後、いったんは160.19円まで押し戻されたが、売りが一巡すると160.50円台まで下値を切り上げた。
・ユーロドルは小動き。1.1070ドル台を中心とした小動きとなり、ここまでの値幅は0.0013ドル程度にとどまっている。
・日経平均株価は反発。前日のダウ工業株30種平均が過去最高値を更新したことを受け、投資家心理が改善した。月末に向けて機関投資家による持ち高調整目的の買いも観測され、指数は一時300円超上昇した。
・債券先物相場は反落。前日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売り先行となったが、一巡後は債券需給の引き締まりを意識した買い戻しが入った。
「11月の米大統領選で勝つのがどの候補になるにせよ、待ち受けるのは1945年以来最も難しい戦略的環境になる」(米国防戦略委員会)
2024年1月8日、国際政治学者のイアン・ブレマー氏が率いる米調査会社ユーラシア・グループが発表した2024年の世界の「10大リスク」では、1位が「米国の分断(United States vs. itself)」、2位がイスラエル対ハマス(Israel vs. Hamas)、3位がロシア対ウクライナ(Russia vs. Ukraine)だった。
2022年の春、核保有国であるロシアがウクライナに侵攻したが、2024年夏、ウクライナ軍は第2次世界大戦以来となるロシア領への侵攻と占領を断行した。
2023年の秋、パレスチナ・ガザ地区を実効支配する武装組織ハマスが、核保有国であるイスラエルに侵攻したが、2024年夏、イランによるイスラエル攻撃の可能性が高まりつつある。
2027年までに、米国は、核保有国である中国が台湾に侵攻する可能性を警告している。
1. ロシア対ウクライナ
2024年8月のウクライナ軍によるロシア領クルスク州への侵攻は、追い込まれたゼレンスキー・ウクライナ大統領が和平交渉に備えた窮余の一策ではないか、と見なされている。
複数の報道によれば、バイデン政権は2022年以降、ロシアに対して、ウクライナで戦術核兵器が使用されればロシア軍に対して米軍の通常戦力による即時かつ大規模な攻撃を招くだろうと警告してきたらしい。
ロシアの「核抑止分野における国家政策の指針」では、核兵器を使用する条件として、「通常兵器によってロシアが侵略され国家の存立が危機的になった時」とあるが、第2次世界大戦以来となるロシア領への侵攻は、国家存立の危機とはいえないのだろうか。
2.イスラエル対イラン
ロシアと中国が背後に控えるイランが、米国が背後に控えるイスラエルに対して報復攻撃を断行した場合のリスクシナリオは、第5次中東戦争の勃発である。
最悪のシナリオは、第3次世界大戦の勃発となる。
第1次世界大戦は、ナチス・ドイツのチェコスロバキア侵攻に対して「遠く離れた国での争い」と黙認したことで勃発し、第2次世界大戦は、サラエボでの1発の銃弾により勃発した。
3.中国対台湾
2021年3月9日、米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官は、上院軍事委員会の公聴会で、今後6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性があると証言した。
デービッドソン司令官は「中国は米国、つまりルールに則った国際秩序におけるわが国のリーダーとしての役割に取って代わろうという野心を強めていると私は憂慮している…2050年までにだ。その前に、台湾がその野心の目標の一つであることは間違いない。その脅威は向こう10年、実際には今後6年で明らかになると思う」と語った。
大阪9月限
日経225先物 38710 +360 (+0.93%)
TOPIX先物 2715.5 +26.5 (+0.98%)
日経225先物(9月限)は前日比360円高の3万8710円で取引を終了。寄り付きは3万8400円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8285円)を上回り、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万8320円と下げに転じたが、その後はロング優勢から上げ幅を広げ、前場中盤には3万8600円台を回復すると、ランチタイムで3万8640円まで買われた。週末要因もあって後場は持ち高調整に伴うロングの解消が優勢となり、一時3万8420円まで上げ幅を縮める場面もみられた。しかし、終盤にかけてロングが強まり、引け間際には3万8750円まで買われた。
日経225先物は後場終盤にかけての強い上昇により、75日移動平均線が位置する3万8630円を突破した。また、週足ベースでも13週線(3万8590円)、26週線(3万8700円)を上回って終えている。本日は月末のドレッシング買いの影響もあったとみられるが、抵抗線として意識されていた75日、13週、26週線を明確に上放れることができれば、今後ショートカバーを交えた上昇が期待されよう。
また、東証プライムの売買高は連日で13億株台の薄商いが続いていたが、昨日は16億株台、本日は20億株に乗せてきた。エヌビディア<NVDA>の決算を大きな波乱なく通過したことで、積極的な売買を手控えていたファンドなどがロングの動きを強めてきた可能性がありそうだ。ボリンジャーバンドの+1σは3万8960円辺りに位置しており、これを捉えてくると、+2σが位置する4万0780円とのレンジが意識されてくる。8月前半の急落以降、低下傾向が続いていたバンドは週半ばから上向きで推移しており、上へのトレンドが出やすい。
抵抗線近辺では強弱感が対立しやすいが、支持線に変えてくる局面では、オプション権利行使価格の3万8500円~3万9500円のレンジを想定。上値を抑えられる局面では、短期的なショートよりも、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.21倍辺りで推移する200日線を下回る場面もみられたが、その後は前日の終値水準での推移となった。今後のエヌビディアの動向を見極める必要はありそうだが、本日はアドバンテスト <6857.T> [東証P]が3.7%高と強いリバウンドをみせていた。不安定な値動きが続いていた半導体株を見直す動きがみられるようだと、NTロングが入りやすいとみておきたい。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3181枚、ソシエテジェネラル証券が8447枚、サスケハナ・ホンコンが3420枚、モルガンMUFG証券が1717枚、バークレイズ証券が1487枚、ゴールドマン証券が1467枚、SBI証券が1150枚、JPモルガン証券が1148枚、野村証券が985枚、auカブコム証券が929枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3723枚、ソシエテジェネラル証券が1万7965枚、バークレイズ証券が5294枚、モルガンMUFG証券が4443枚、JPモルガン証券が3731枚、ゴールドマン証券が3668枚、ドイツ証券が3011枚、ビーオブエー証券が2550枚、サスケハナ・ホンコンが2478枚、BNPパリバ証券が1652枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの7月分を見極めた後は、ロンドンフィキシングでの月末の特殊玉に警戒する展開が予想される。
米7月PCEデフレーターは前年比+2.5%と予想されており、6月の同比+2.5%と変わらずと見込まれている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)でのリスクバランスは、これまでのインフレ抑制に軸足を置いたスタンスから、7月からインフレと雇用の間でバランスした状態になっている。
7月PCEデフレーターが予想通りだった場合は、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅は、現時点での0.25%のままで変わりないことになる。
リスクシナリオとして、予想を下回った場合は、9月FOMCでの0.50%の利下げ確率が高まることで、ドル売り要因となる。
また、8月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:45.5)での雇用指数や8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:68.0)での1年先のインフレ期待などにも注目しておきたい。
さらに、ウクライナ戦争でのロシアの戦術核使用の可能性、中東情勢でのイランによるイスラエルへの報復攻撃に関するヘッドラインには引き続き警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、145.55円(8/29高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、143.45円(8/26安値)
今晩は利下げ見通しを巡り、米連邦準備理事会(FRB)が注目するインフレ指標に注目。昨日は前日引け後に決算を発表したエヌビディアが6%超下落し、ナスダック総合が0.23%安と2日続落したものの、4-6月期GDP改定値が上方修正され、ソフトランディング期待が一段と高まったことで、エネルギー、金融、資本財、素材などの景気敏感株が上昇し、S&P500はほぼ横ばいで終了した。ダウ工業株30種平均は243.63ドル高(+0.59%)と反発し、取引時間中と終値の史上最高値を更新した。週初来ではS&P500が0.76%安、ナスダック総合が2.02%安とともに3週ぶりの反落ペースとなった一方、ダウ平均は0.39%高と3週続伸ペースとなった。引け後の動きでは予想を上回る決算を発表したルルレモン・アスレティカとデル・テクノロジーズが時間外でそれぞれ4.24%高、3.30%高となった一方、決算が予想を下回ったアルタ・ビューティーが時間外で7.23%安となった。
今晩の取引では利下げ見通しを巡り寄り前に発表される7月個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まる。エヌビディアの決算発表を通過し、アップル、マイクロソフト、アマゾン、メタなどのメガキャップがおおむね上昇したことで今晩はハイテク株の出直りが期待されるが、FRBがインフレ指標として注目する7月PCE価格指数が落ち着いたものとなれば、利下げ期待の高まりも追い風となりそうだ。7月PCE価格指数の市場予想は、変動の大きい食品、エネルギーを除くコア指数が前月比+0.2%と前月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.7%と6月の+2.6%から上昇が予想されている。
今晩の米経済指標・イベントは7月個人所得・個人消費支出・個人消費支出(PCE)価格指数のほか、8月シカゴ地区購買部協会景気指数、8月ミシガン大消費者信頼感指数確報値、同1年先・5年先期待インフレ率確報値など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反発。5日移動平均線(38356円 8/30)上を意識した動きから上値を伸ばす展開となり、後場引け間際に一時75日移動平均線(38649円 同)を上回る場面があった。4日連続の陽線を形成し、週間ベースでもほぼ高値引けとなった。
RSI(9日)は前日の56.2%→81.3%(8/30)へ上昇。トレンドフォローの見方に大きな変化なく、目先的には再び騰勢に期待できるタイミングに入った可能性が高い。来週は75日移動平均線を突破し、4万円にワンタッチできるかが焦点となる。
25日移動平均線(37124円 同)が下げ止まった点などもポジティブな要因となるが、下落基調が続く一目均衡表の基準線(35172円 同)との離れが大きく、突如36000円~36500円処に向けて押し戻される展開も想定しておきたい。
日足ベースの上値メドは、心理的節目の39000円や4万円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(37359円 同)や25日移動平均線、心理的節目の36500円や36000円、心理的節目の35000円などがある。
(30日終値:31日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.15円(30日15時時点比△1.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.53円(△1.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1052ドル(▲0.0025ドル)
FTSE100種総合株価指数:8376.63(前営業日比▲3.01)
ドイツ株式指数(DAX):18906.92(▲5.65)
10年物英国債利回り:4.015%(▲0.004%)
10年物独国債利回り:2.299%(△0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月独輸入物価指数
(前月比) ▲0.4% 0.4%
(前年比) 0.9% 0.7%
4-6月期仏国内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.2% 0.3%
8月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.6% 0.2%
7月仏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.2% ▲0.2%・改
7月仏消費支出
(前月比) 0.3% ▲0.6%・改
8月独雇用統計
失業率 6.0% 6.0%
失業者数変化 0.20万人 1.70万人・改
8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.2% 2.6%
8月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.8% 2.9%
7月ユーロ圏失業率
6.4% 6.5%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ドル円は底堅い動き。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視する7月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)は前年比2.5%と市場予想通りの結果となり、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前年比2.6%上昇と予想の2.7%をわずかに下回った。米インフレの鈍化傾向が続く中、米経済は底堅さを保っていると受け止められたことから、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。2時過ぎには一時146.25円と日通し高値を更新した。
市場では「FRBの9月利下げは織り込み済みだが、大幅な利下げに対する観測は幾分後退。指標発表直後に米長期金利が上昇したため、ドル買いが進んだ」との声が聞かれた。重要なレジスタンスとして意識されていた一目均衡表転換線145.40円を上回ったことで、テクニカル的にも買いが入りやすかったようだ。
・ユーロドルは頭が重かった。日本時間夕刻に一時1.1095ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は次第に弱含んだ。NYの取引時間帯に入ると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが優勢となり、前日の安値1.1056ドルを下抜けて一時1.1044ドルまで値を下げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.78まで上昇した。
なお、欧州連合(EU)統計局が発表した8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.2%上昇と前月から鈍化し、市場予想と一致した。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も2.8%上昇と市場予想通り鈍化した。
・ユーロ円は堅調。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出たほか、日経平均先物の上昇に伴う買いが入った。前日の高値161.27円を上抜けて一時161.63円まで上値を伸ばした。
・ロンドン株式相場は小反落。時間外のダウ先物が上昇すると、投資家心理が強気に傾き、英株にも買いが波及した。ただ、月末とあって利益確定の売りも出やすく、引けにかけては下げに転じた。BPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が軟調だった。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに小反落。日本株の上昇や米株価指数先物の上昇を受けて買いが先行したものの、終盤失速した。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出やすかった。個別ではザランド(2.46%安)やエアバス(1.27%安)、SAP(0.65%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.17円(前営業日比△1.18円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.49円(△0.87円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1048ドル(▲0.0029ドル)
ダウ工業株30種平均:41563.08ドル(△228.03ドル)
ナスダック総合株価指数:17713.63(△197.20)
10年物米国債利回り:3.90%(△0.04%)
WTI原油先物10月限:1バレル=73.55ドル(▲2.36ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2527.6ドル(▲32.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米個人所得
(前月比) 0.3% 0.2%
7月米個人消費支出(PCE)
(前月比) 0.5% 0.3%
7月PCEデフレーター
(前年比) 2.5% 2.5%
7月PCEコアデフレーター
(前月比) 0.2% 0.2%
(前年比) 2.6% 2.6%
8月米シカゴ購買部協会景気指数
46.1 45.3
8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
67.9 67.8
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
・ドル円は3日続伸。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視する7月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)は前年比2.5%と市場予想通りとなり、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前年比2.6%と予想の2.7%をわずかに下回った。米インフレの鈍化傾向が続く中、米経済は底堅さを保っていると受け止められたことから、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。重要なレジスタンスとして意識されていた一目均衡表転換線145.40円を上抜けるとテクニカル的な買いも強まり、2時過ぎに146.25円まで上値を伸ばした。
市場では「FRBの9月利下げは織り込み済みだが、大幅な利下げに対する観測は幾分後退。指標発表直後に米長期金利が上昇したため、ドル買いが進んだ」との声が聞かれた。また、「今回のデータでは米インフレの鈍化傾向が続いていることが示された。マーケットの関心は利下げ時期から今後の利下げペースに移っており、FRBの金融政策を見極めるうえで来週発表される8月米雇用統計が注目される」との指摘があった。
・ユーロドルは3日続落。米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが優勢になると、前日の安値1.1056ドルを下抜けて一時1.1044ドルまで値を下げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.78まで上昇した。
なお、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事は「ECBは利下げを慎重に進めるべき」と述べた一方、レーン・フィンランド中銀総裁やミュラー・エストニア中銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁は9月利下げの可能性を示唆した。
・ユーロ円は6日ぶりに反発。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出たほか、日経平均先物の上昇に伴う買いが入った。前日の高値161.27円を上抜けて一時161.63円まで値を上げた。
ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比360円高の3万9070円まで上昇した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。7月米PCEデフレーターが市場予想通りの結果となり、インフレの鈍化傾向が改めて示されると株を買う動きが広がった。市場では「FRBが9月から段階的な利下げを始めるとの見方を支える内容だった」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日続落。7月米PCEやPCEデフレーターが消費の底堅さとインフレの鈍化傾向を示すと債券売りが広がった。3連休となる週末を前にポジション調整目的の売りも出た。
・原油先物相場は大幅に反落。リビアの油田閉鎖は供給リスクを高めたものの、エネルギー消費大国・中国における石油需要の減少懸念がより強い不安要素とされた。週末・月末を控えるなか、持ち高調整の売りが売りを呼ぶ展開となった。月間ベースでは2カ月連続の下落で終えた。
・金先物相場は大幅に反落。この日発表された7月米PCEデフレーターは予想に沿った結果だったものの米長期金利は上昇し、金利が付かない金の重しとなった。また為替でドル高が進み、ドル建て金に割高感が生じたことも下押し要因となり、今週の安値圏で週引けした。
30日16:09 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「25年末のインフレ2%達成に向けて条件が整った」
「金融政策はインフレ目標2%に焦点を当てるべき」
「政策緩和ペースは機械的であってはならず、データ次第となるべき」
「ユーロ圏では景気後退より、軟着陸の可能性が高い」
「ユーロ圏のインフレ率は依然として高い」
「政策は徐々に、慎重に進められれるべき」
「賃金パススルーは想定よりも大きい」
30日16:52 レーン・フィンランド中銀総裁
「成長見通しは予想を下回っており、9月欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ観測を支持」
30日19:40 ミュラー・エストニア中銀総裁
「9月欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げの可能性は高い」
30日23:34 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「9月利下げは公平かつ賢明となる可能性」
「市場は2025年の金利が2-2.50%が妥当とみている」
「ECBは成長不足のリスクを警戒しなければならない」
※時間は日本時間
2日
○08:50 ◇ 4-6月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額)
3日
○08:50 ◇ 8月マネタリーベース
5日
○08:30 ◇ 7月毎月勤労統計(現金給与総額)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◇ 高田創日銀審議委員、あいさつ
6日
○08:30 ◇ 7月家計調査(消費支出)
○08:50 ◇ 8月外貨準備高
○14:00 ◇ 7月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
2日
○10:30 ◎ 7月豪住宅建設許可件数
○10:45 ◎ 8月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○15:30 ◇ 7月スイス小売売上高
○16:00 ◇ 8月トルコ製造業PMI
○16:00 ◎ 4-6月期トルコ国内総生産(GDP)
○16:30 ◇ 8月スイス製造業PMI
○16:50 ◎ 8月仏製造業PMI改定値
○16:55 ◎ 8月独製造業PMI改定値
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏製造業PMI改定値
○17:30 ◎ 8月英製造業PMI改定値
○24:00 ◇ 8月メキシコ製造業PMI
○米国、カナダ(レーバーデー)、休場
3日
○08:01 ◇ 8月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○10:30 ◇ 4-6月期豪経常収支
○15:30 ◎ 8月スイス消費者物価指数(CPI)
○16:00 ◎ 4-6月期スイスGDP
○16:00 ◎ 8月トルコCPI
○18:30 ◎ 4-6月期南アフリカGDP
○21:00 ☆ 4-6月期ブラジルGDP
○21:00 ◇ 7月メキシコ失業率(季節調整前)
○21:45 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:45 ◎ 8月米製造業PMI改定値
○23:00 ☆ 8月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○23:00 ◇ 7月米建設支出
4日
○10:30 ☆ 4-6月期豪GDP
○10:45 ◎ 8月Caixin中国サービス部門PMI
○16:50 ◎ 8月仏サービス部門PMI改定値
○16:55 ◎ 8月独サービス部門PMI改定値
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○17:30 ◎ 8月英サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○20:00 ◎ ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○21:30 ◇ 7月カナダ貿易収支
○21:30 ◎ 7月米貿易収支
○22:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表
○23:00 ◎ 7月米製造業新規受注
○23:00 ◎ 7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○5日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○10:30 ◇ 7月豪貿易収支
○11:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○14:45 ◇ 8月スイス失業率(季節調整前)
○15:00 ◎ 7月独製造業新規受注
○17:30 ◎ 8月英建設業PMI
○18:00 ◎ 4-6月期南アフリカ経常収支
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏小売売上高
○20:30 ◇ 8月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:15 ☆ 8月ADP全米雇用報告
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ労働生産性指数
○21:30 ◇ 4-6月期米非農業部門労働生産性・改定値
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:45 ◎ 8月米サービス部門PMI改定値
○22:45 ◎ 8月米総?⑰MI改定値
○23:00 ☆ 8月米ISM非製造業指数
○24:00 ◇ EIA週間在庫統計
○6日03:00 ◎ 8月ブラジル貿易収支
6日
○15:00 ◎ 7月独鉱工業生産
○15:00 ◇ 7月独貿易収支
○15:45 ◇ 7月仏鉱工業生産
○15:45 ◇ 7月仏貿易収支
○15:45 ◇ 7月仏経常収支
○16:00 ◇ 8月スイスSECO消費者信頼感指数
○18:00 ☆ 4-6月期ユーロ圏GDP確定値
○21:30 ☆ 8月カナダ雇用統計
○21:30 ☆ 8月米雇用統計
○21:45 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○23:00 ◇ 8月カナダIvey購買部協会景気指数
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
30日の日経平均は大幅反発。終値は285円高の38647円。
日経平均は大幅高。今週は3勝2敗も4営業日が陽線で、陰線となった月曜26日も十字に近く、場中の動きが良かった。8月中旬以降は上値が重くなってはいるが、それでも売り崩されて脆くなるような動きは見られなかった。週間でプラスとなったこともポジティブ。陽線が多く出現しているうちは、上に値幅が出なかったとしても戻り基調が継続しているとみて良いだろう。
9月の金融政策の日程は、17日~18日にFOMC、19日~20日に日銀金融政策決定会合が開催される。日銀の結果が発表される20日は金曜で、翌週23日の月曜日が東京市場は休場となる。9月に関しては、米国の利下げがほぼ確実という状況のため、FOMCを通過するまでは為替は円安(ドル高)には振れづらくなると思われる。日銀会合近辺では指数や為替の値動きが不安定となる可能性があり、二番底があるならば20日近辺は注意を要する時期となる。
日本株を見る上では、(1)急激な円高が発生しない、(2)円高がネガティブに作用しない銘柄の動きが良くなる―といった点が重要となる。為替の急変動があるかどうかを予測するのは難しく、円高に耐性のある銘柄の裾野が広がることが期待される。小売株(インバウンドの恩恵が大きい百貨店は除く)はその候補となり得る。また、新興市場の銘柄も、円高自体はさほど逆風にはならない。今週のグロース250指数は週間で4%を超える上昇となった。小売や新興銘柄を中心に内需の深掘りが進むかが注目される。
【来週の見通し】
方向感に欠ける展開か。9月相場に突入するが、週明けの9月2日は米国が休場。また、週末の6日には米国の8月雇用統計が発表される。週前半は米国の休場があるため商いが盛り上がりづらく、中盤以降は米雇用統計を前に様子見姿勢が強まるだろう。米雇用統計の注目度が高いだけに、週間では指数の水準は大きくは変化しないとみる。ただ、米国では雇用統計以外にも経済指標の発表が多い。ドル円や米金利の振れ幅も大きくなると思われるだけに、日本株は米指標に一喜一憂が続くと予想する。
【今週を振り返る】
堅調となった。前の週の23日に、ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が「政策を調整する時が来た」と言及。市場は9月FOMCでの利下げを確約した発言と受け止めた。23日の米国市場では10年債利回りが大きく低下し、ダウ平均が400ドルを超える上昇となった。
しかし、米金利低下を受けてドル円は大きくドル安・円高に振れた。これを受けた週明け26日の日経平均は、米国株の大幅高は好感できず大幅安。一方、ドル円が落ち着いてきた27日、28日は下落して始まったものの、両日とも後場に買いが入ってプラスで終えた。29日は決算を発表したエヌビディアが時間外で大幅安となったことを受けて一時400円超下落したが、この日も押し目では買いが入り、一桁の下落で終了。30日は横ばいスタートから上げ幅を広げて大幅高となり、この日の上昇が週間のプラスに大きく貢献した。日経平均は週間で約283円の上昇。週足では3週連続で陽線を形成した。
今週の日経225先物は、日米金融政策の行方に市場の関心が集まりやすいなか、米雇用関連指標を睨んでの相場展開になりそうだ。8月30日の米国市場では、NYダウが連日で史上最高値を更新した。朝方発表された7月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.2%上昇し、市場予想と一致した。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数も0.2%上昇だった。前年同月比では2.6%上昇と予想を下回っており、9月の米利下げ観測を後押しする形だった。
米国は9月2日がレイバーデーで休場となる。週末8月30日は3連休を前に持ち高調整の売りでNYダウは下げに転じる場面もみられたが、利下げ観測が支えとなってアマゾン・ドット・コム<AMZN>やインテル<INTC>などが買われ、終盤にかけて指数を押し上げていた。
23日の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)ではパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演し、次回9月FOMC(連邦公開市場委員会)での利下げを強く示唆した。これを受け米長期金利が低下する一方、為替市場では円買い・ドル売りが強まり、週明け26日の日経225先物は一時3万7790円まで売られた。ただし、円相場の落ち着きを背景に、翌27日には前日の下落分を吸収。その後は、エヌビディア<NVDA>の決算を控えて膠着感が強まった。
28日に発表されたエヌビディアの決算は売上高見通しが予想を上回ったものの、同社株が時間外取引で一時8%ほど下落したことで、29日の日経225先物は3万7900円まで売られる場面もあった。だが、下へのバイアスは強まらず、29日の米国市場で波乱の展開が避けられたこともあり、30日の日経225先物は一時3万8830円まで買われた。
週末の上昇は、月末のドレッシング買いに伴う断続的なインデックス買いの影響があったとみられるが、心理的な抵抗線として意識されていた75日移動平均線(3万8630円)、13週線(3万8590円)、26週線(3万8700円)を上回る形となった。今回の急落局面で割り込んでいた水準を1カ月ぶりに上回ってきたことにより、需給状況が改善しよう。
また、東証プライムの売買高は連日で13億株台が続いていたが、29日に16億株、30日には13日以来の20億株に膨らんだ。需給状況が改善するなか、30日の取引終了後のナイトセッションではこれら抵抗線を上回って推移し、3万9000円を回復した。ボリンジャーバンド+1σ(3万8980円)を上回ってきたことで、+2σ(4万0810円)とのレンジに移行する可能性がある。また、急落局面で低下していたバンドは、足もとでは上向きで推移しており、バンドに沿ったリバウンドが意識されやすい。
日経225先物は+1σ水準の攻防から、オプション権利行使価格の3万8625円から3万9625円のレンジを想定する。75日線が支持線として意識されやすく、同水準に接近する局面では押し目狙いのロング対応となろう。一方、同線を明確に下回って推移するケースでは、3万8500円~3万8600円辺りでの底固めになりそうだが、ショートは避けておきたい。
また、来週末には先物・オプション特別指数算出(メジャーSQ)が控えている。3万9000円を上回っての推移となれば、ヘッジ対応のロングが強まる可能性がある。
なお、30日の米VIX指数は15.00(前日は15.65)に低下した。支持線として意識される75日線(15.15)を下回ってきており、200日線(14.35)を割り込んでくると、リスク選好に向かいやすい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.21倍辺りで推移する200日線を下回る場面もみられたが、その後は前日の終値水準での推移となった。30日の米国市場ではエヌビディアが反発をみせており、東京市場でも指数インパクトの大きい値がさハイテク株への見直しが強まる可能性があり、ややNTロングを意識しておきたい。
8月第2週(8月19日-23日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は27億円(8月第2週は681億円の買い越し)だった。なお、現物は3988億円の売り越し(同1872億円の買い越し)と3週ぶりの売りい越しであり、先物は3961億円の買い越し(同1190億円の売り越し)と6週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で725億円の売り越しで3週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で252億円の売り越しとなり、3週ぶりの売り越しだった。
経済スケジュールでは、9月2日に4-6月期法人企業統計調査、中国8月財新製造業PMI、3日に米国8月ISM製造業景気指数、4日に米国7月貿易収支、米国7月製造業新規受注、米国7月JOLTS求人件数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、5日に7月毎月勤労統計、米国8月ADP雇用統計、米国8月ISM非製造業景気指数、6日に7月全世帯家計調査、7月景気動向指数、米国8月雇用統計などが予定されている。
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<国内>
○08:50 ◇ 4-6月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額、予想:前年比9.9%)
<海外>
○10:30 ◎ 7月豪住宅建設許可件数(予想:前月比2.5%)
○10:45 ◎ 8月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.0)
○15:30 ◇ 7月スイス小売売上高
○16:00 ◎ 4-6月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比3.2%)
○16:00 ◇ 8月トルコ製造業PMI
○16:30 ◇ 8月スイス製造業PMI(予想:43.5)
○16:50 ◎ 8月仏製造業PMI改定値(予想:42.1)
○16:55 ◎ 8月独製造業PMI改定値(予想:42.1)
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.6)
○17:30 ◎ 8月英製造業PMI改定値(予想:52.5)
○24:00 ◇ 8月メキシコ製造業PMI
○米国、カナダ(レーバーデー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
ロシアとウクライナによる衝突が週末も続いており、1日にはロシア各地でウクライナ軍による過去最大規模の無人機攻撃があり、製油所で火災が発生するなど被害が出ているという。一方で、ウクライナ東部のハルキウ州では商業施設などにロシア軍のミサイル攻撃があったとのこと。ロシア国防省はドネツク州の要衝ポクロウシクの南東23キロにある集落プティチェを制圧したと発表した。
ドイツ東部のテューリンゲン州とザクセン州で1日、州議会選が実施され、移民や難民の排斥を掲げる右派「ドイツのための選択肢(AfD)」が州議会レベルで初めて第1党になる見通しという。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 39060 +350 (+0.90%)
TOPIX先物 2727.0 +11.5 (+0.42%)
シカゴ日経平均先物 38990 +280
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
30日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。NYダウは連日で史上最高値を更新した。朝方発表された7月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.2%上昇し、市場予想と一致した。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数も0.2%上昇だった。前年同月比では2.6%上昇と予想を下回っており、9月の米利下げ観測を後押しする形だった。3連休を前に持ち高調整の売りでNYダウは下げに転じる場面もみられたが、利下げ観測が支えとなっていた。
ナスダック指数は3日ぶりに反発。2024年5-7月期決算で一株利益が予想を上回ったマーベル・テクノロジー<MRVL>が大幅高となったほか、エヌビディア<NVDA>は3日ぶりに反発した。S&P500業種別指数は自動車・同部品、小売、半導体・同製造装置、銀行、運輸が上昇した一方で、テクノロジー・ハード・機器のみが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比280円高の3万8990円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円高の3万8730円で始まり、寄り付きを安値にロング優勢となり、米国市場の取引開始直後に3万8970円まで買われた。その後は3万8750円~3万8880円処で保ち合いを継続。終盤にかけて上へのバイアスが強まり、3万9070円まで買われ、3万9060円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢の展開になりそうだ。先週末の上昇で心理的な抵抗線として意識されていた75日移動平均線(3万8630円)、13週線(3万8590円)、26週線(3万8700円)を上回る形となったが、ナイトセッションではこれら移動平均線を支持線とした値動きとなった。ボリンジャーバンド+1σ(3万8980円)を上回ってきたことで、今後は+2σ(4万0810円)とのレンジに移行する可能性がある。
節目の3万9000円水準では強弱感が対立しやすく、戻り待ち狙いのショートも入りそうだが、ボリンジャーバンドが上向きに転じてきたため、バンドに沿ったリバウンドが意識されやすい。2日の米国市場はレイバーデーで休場のため海外勢のフローは限られるが、スタンスとしては押し目狙いのロング対応となろう。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格3万8750円から3万9250円のレンジを想定する。
また、東証プライムの売買高は連日で13億株台が続いていたが、29日に16億株、30日には13日以来の20億株に膨らんだ。需給状況が改善するなか、抵抗線を明確に上放れたことで、買い遅れていたファンドのロングが強まることも考えられよう。さらに、来週末には先物・オプション特別指数算出(メジャーSQ)が控えている。3万9000円を上回って推移するようだと、ヘッジ対応のロングが入りやすいだろう。
なお、30日の米VIX指数は15.00(前日は15.65)に低下した。支持線として意識される75日線(15.15)を下回ってきており、200日線(14.35)を割り込んでくると、リスク選好に傾きやすい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.21倍辺りで推移する200日線を下回る場面もみられたが、その後は前日の終値水準での推移となった。明確なトレンドは出ていない状況だが、200日線を下回る局面ではその後のリバランスを狙ったNTロングに向かいそうだ。
30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、7月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)が前年比+2.5%と予想通りとなり、米10年債利回りが3.92%台まで上昇したことで、146.25円まで上昇した。ユーロドルは1.1044ドルまで下落。ユーロ円は日経平均先物の上昇に伴う買いなどで161.63円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りが3.9%台に上昇していることや先週末のダウ平均や日経平均先物の上昇を受けて日経平均株価の堅調推移が見込まれることで、底堅い展開が予想される。
しかしながら、今週末6日に米8月雇用統計の発表を控えていることや本日のニューヨーク市場がレーバーデーで休場のため、上値は限定的だと思われる。
金曜日に発表された米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視する7月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)は前年比+2.5%と市場予想通りとなり、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前年比+2.6%と予想の+2.7%をわずかに下回った。
米国のインフレ率の鈍化傾向は続いているものの、6月と7月が前年比+2.5%で下げ渋ったため、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が0.50%ではなく、0.25%の可能性が高まったことが、米長期金利の上昇、そしてドルの買い戻しに繋がったと思われる。
FOMCは、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」と「物価の安定」)のうち、「物価の安定」に特段の重点(highly attentive to inflation risks)を置いてきた。しかし、7月FOMCの声明文では、「2大責務の両面のリスクに留意する」(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)との文言に変更された。すなわち、リスクバランスはこれまでのインフレ抑制に軸足を置いた状態から、インフレと雇用の間でバランスした状態になった、と判断が修正されたのである。
さらに、パウエルFRB議長はジャクソンホール会合で、労働市場のさらなる冷え込みを防ぐため、「政策金利を引き下げる時が来た」と表明しており、9月FOMCでの利下げ幅は、米8月雇用統計の数字次第となる。
本日は、10時30分に7月豪住宅建設許可件数(予想:前月比+2.5%)、10時45分に8月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.0)が発表される。
豪ドル/ドルは、豪準備銀行(RBA)の利下げ時期が先送りされるとの観測から強含みに推移しており、豪住宅指標や中国景況感指標のサプライズには警戒しておきたい。
SMBC日興証券では、8月の東京都区部コアCPI(生鮮食品を除くCPI)が前年同月比+2.4%となったことを受けて、9月20日公表予定の8月の全国コアCPIを同+2.9%と予想している。東京都の高校授業料実質無償化が全国CPIに与える影響は小さく、当面、全国コアCPIは東京都区部中旬速報値より高い伸びが続くとみている。電気・ガス代負担軽減策はいったん終了したが、再び補助が実施されることから、9月、10月は0.6ppt、11月は0.4ppt程度前年比で押し下げられると見込んでいる。SMBC日興では物価対策によって10、11月は2%を割り込む可能性が高いとみているが、その後はCPIエネルギーによる物価押し上げが続き、2024年度中は 2%台半ばでの推移が続くと予想している。
日経225先物は11時30分時点、前日比10円高の3万8720円(+0.02%)前後で推移。寄り付きは3万9110円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8990円)を上回り、買いが先行して始まった。ただし、寄り付き直後に付けた3万9140円を高値に軟化し、中盤にかけては3万8900円~3万8950円辺りで売り買いが交錯した。さらに、終盤にかけてはロング解消や短期的なショートの動きから下落に転じると、一時3万8670円まで売られた。
日経225先物は3万9000円に乗せたことで、利食いに伴うロング解消の動きは入りやすい状況であろう。買い一巡後はショートを交えての調整となったが、75日移動平均線が位置する3万8630円に接近する局面ではカバーも入りやすい。東証プライムの売買高は7億株台にとどまっており、海外勢のフローは限られるなか、スキャルピング中心のトレードであろう。後場は75日線を支持線としたロングが意識されやすく、支持線として機能する局面においては、ショートカバーを誘い込む動きになりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.27倍に上昇した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買い先行で始まったこともあり、朝方には一時14.32倍まで切り上がる場面もみられた。その後は軟化する形となったが、14.21倍辺りで推移する200日移動平均線を上回っての推移を継続しており、押し目ではNTロングが入りやすいとみておきたい。
先週末の海外市場では、米国のロングウィークエンドを控えて目先のポジション調整が先行。全般、ドル買戻しとなりました。7月米PCEコアデフレータがほぼほぼ予想通りだったものの、7月米CPI同様に、スーパーコアが上昇に転じたことが判明。米金利の上昇とともに一目転換線の145.40円を完全に上抜けて146.25円まで買戻されることになりました。8月米ミシガン大消費者態度指数確報値や同時に公表された消費者の期待インフレ率が予想を下回る弱い数字となったものの、下押しも極めて限定的。米10年債利回りは一時3.9283%まで上昇したほか、ユーロドルも1.1044ドルまで下落。全般、ドル買戻しの動きが目立ったといったところです。
米国が休場となった週明け早朝のオセアニア市場では、ドル円は一時145.99円まで下押す場面もみられましたが、月初とあって本邦実需の買いが断続的に観測されると先週末高値146.25円や8月22日の高値146.53円を上抜けて一時146.60円まで値を上げました。ただ、その後は輸出の売りに押されたほか、寄付きから430円を超える上昇となった日経平均が上げ幅を消す動きとなったこともあり、145.83円まで値を下げるなど、方向感のない動きとなっています。
いずれにしても、明日以降、米国勢がサマーバケーションを終えて、本格的な後半戦に入ることになりますが、市場では米国の利下げを既に年内1.00%以上織込むといった利下げマックスの状況。9月利下げは確実視されてはいるものの、目先のリスクとしては、マックスの織込みからの反動となるのは明らか。パウエルFRB議長が、「サポートするためならどんなことでも全力で行う」と明言した米雇用最大化へ向けての期待感が、行き過ぎた利下げ観測となってしまっている以上、週末の米雇用統計に向けて、市場はその修正の度合いを試すことになりそうです。
「10月は株式投資に特に危険な月の1つだ。他にも危険な月は7月、1月、9月、4月、11月、5月、3月、6月、12月、8月、そして2月だ」(マーク・トウェイン)
9月はドルにとって危険な季節となっている。
今月は、米国が支援しているウクライナがロシア領内へ越境攻撃をしたことに対するロシアの戦術核使用での反撃リスク、イランによる米国が支援しているイスラエル(核保有国)への報復攻撃の可能性、そして第5次中東戦争に拡大するリスクなどの地政学リスクに警戒しておきたい。
ウクライナと中東の紛争の激化は、通常は有事のドル買いとなるが、どちらも米国が関与していることで、ドル売りとなる可能性に警戒しておきたい。
■プラザ合意(1985年9月22日)
(ドル円:始238.85円・高244.10円・安215.80円・終216.00円)
※レーガン第40代米大統領&ボルカー第12代FRB議長
ドル円は、プラザ合意でのドル高是正を受けて、244.10円から215.80円まで▲28.30円下落した。
1985年1月の先進5カ国(G5)蔵相・中央銀行総裁会議で、ローソン英蔵相とベーカー米大統領補佐官は、ドル高是正の必要性を確認した。2月にベーカー米大統領補佐官が第67代財務長官に任命され、ドル高是正の機運が高まった。
ドル円は2月の高値263.65円から1988年1月の安値120.45円まで、長期下落トレンドを辿った。
■LTCM危機(1998年9月23日)
(ドル円:始139.52円・高139.95円・安128.80円・終136.70円)
※クリントン第42代米大統領&グリーンスパン第13代FRB議長
ドル円は、ロシア金融危機を受けたロングタームキャピタルマネジメント(LTCM:Long-Term Capital Management)の破綻により、1998年8月の高値147.64円から1999年11月の安値101.25円まで下落した。
1998年9月23日、LTCMは、バークシャー・ハサウェイやゴールドマン・サックスの買収提案を拒否した。
グリーンスパン第13代FRB議長は、FFレートを9月、10月、11月と3カ月連続で引き下げた。
ドル円は、139.95円から128.80円まで▲11.15円下落した。
■米国同時多発テロ(2001年9月11日)
(ドル円:始119.27円・高122.08円・安115.80円・終119.45円)
※ブッシュ第43代米大統領&グリーンスパン第13代FRB議長
ドル円は、米国同時多発テロを受けて、122.08円から115.80円まで▲6.28円下落した。
■リーマンショック(2008年9月15日)
(ドル円:始108.41円・高109.19円・安103.50円・終106.12円)
※ブッシュ第43代米大統領&バーナンキ第14代FRB議長
ドル円は、米国住宅市場のバブル崩壊を受けたリーマン・ブラザースの破綻により、109.19円から103.50円まで▲5.69円下落した。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、2000~2023年の日経平均の月別平均騰落率を確認すると、9月と10月の平均騰落率がどちらもマイナスであることを指摘している。ただし、2001年9月に発生した米国の同時多発テロ事件や、2008年9月のリーマン・ショックなど、突発的なイベントによる株価の下落も含まれており、同期間の勝率では9月が11勝13敗の46%、10月は12勝12敗の50%となっているとのこと。今年は米大統領選が共和・民主どちらに転んでも不思議ではない情勢で、11月5日の投開票が近づく中で相場の上値を抑えると見込まれる。ただし、11月から株価は上がりやすい季節性があることを東海東京では指摘しており、9月から10月の期間は年末ラリーに備える「雌伏の時」と捉えたいとコメントしている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ニューヨーク市場が休場のため動きづらい中、8月の仏独ユーロ圏の製造業PMI改定値、ポンドドルは8月英製造業PMI改定値を見極めつつ、ウクライナ情勢に関するヘッドラインに警戒していく展開予想される。
8月の仏製造業PMI改定値(予想:42.1)、独製造業PMI改定値(予想:42.1)、ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.6)では、12日の欧州中央銀行(ECB)理事会に向けて下方修正の場合に警戒しておきたい。
ラガルドECB総裁は、9月理事会に向けて、「データに依存すること、会合ごとに決定すること、そして金利の道筋をあらかじめ決めないことが決定され、9月にどうするかはワイドオープン(何も決まっていない)」と述べていた。
8月英製造業PMI改定値(予想:52.5)も、19日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)に向けて、下方修正の場合には追加利下げ観測が高まることで警戒しておきたい。
ロシアとウクライナによる衝突が週末も続いており、昨日はロシア各地でウクライナ軍による過去最大規模の無人機攻撃があり、製油所で火災が発生するなど被害が出ていると報じられた。一方で、ウクライナ東部のハルキウ州では商業施設などにロシア軍のミサイル攻撃があったとのことで、本日も関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1123ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:162.91円(8/22高値)
・ポンドドル:1.3266ドル(8/27高値)
・ポンド円:193.26円(8/1高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0990ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:160.03円(8/29安値)
・ポンドドル:1.3077ドル(8/22安値)
・ポンド円:190.49円(日足一目均衡表・転換線)
(2日15時時点)
ドル円:1ドル=146.11円(前営業日NY終値比▲0.06円)
ユーロ円:1ユーロ=161.53円(△0.04円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1055ドル(△0.0007ドル)
日経平均株価:38700.87円(前営業日比△53.12円)
東証株価指数(TOPIX):2715.99(△3.36)
債券先物9月物:144.60円(▲0.12円)
新発10年物国債利回り:0.905%(△0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
前年同期比 7.4% 6.8%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。8時過ぎに146.60円まで上昇したものの、高く始まった日経平均株価が伸び悩むと上値を切り下げる展開となり、145.78円まで反落した。もっとも、売り一巡後は146.20円台まで下値を切り上げており、総じて前週末の終値を挟んだ水準でのもみ合いとなった。
・ユーロ円は方向感に欠ける動き。朝方に161.93円まで上昇した後、一時161.03円まで反落したものの、その後は161円台後半まで再び買い戻しが入った。ドル円と同じく明確な方向感を欠いた動きだった。
・ユーロドルは小動き。1.10ドル台半ばでの狭いレンジ内取引に終始した。
・日経平均株価は続伸。前週末の米国株高や外国為替市場での円安進行などが投資心理の改善に寄与し、朝方から買い先行となると一時39000円台を回復した。もっとも、その後は利益確定売りや戻り待ちの売りに押されて伸び悩み、指数は下げに転じる場面もあった。
・債券先物相場は続落。前週末の米国債券相場が下落し、週明けの国内債にも売りが波及した。一時144円51銭まで下押しした。
大阪9月限
日経225先物 38690 -20 (-0.05%)
TOPIX先物 2714.5 -1.0 (-0.03%)
日経225先物(9月限)は前日比20円安の3万8690円で取引を終了。寄り付きは3万9110円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8990円)を上回り、買いが先行した。だが、寄り付き直後に付けた3万9140円を高値に軟化し、前場終盤にかけてはロング解消や短期的なショートが入り、下落に転じた。ランチタイムでは下げ渋る動きをみせたものの、現物の後場開始直後に下へのバイアスが強まり、一時3万8480円まで下落幅を広げた。ただ、市場参加者が限られるなかで短期的な売買が中心とみられ、終盤にショートカバーが入り、プラスに転じる場面もあった。
日経225先物は3万9000円に乗せたことで、利食いに伴うロング解消の動きが入りやすい状況だった。買い一巡後はショートを交えての調整となったが、75日移動平均線が位置する3万8630円水準で下げ渋る動きもみられた。後場寄り付き直後の下げは、「中国が日本政府に対し、半導体規制を巡り報復を警告」と海外メディアが報じたことがトリガーになった。これを受け、一時75日線を大きく下回る場面もみられたが、その後のショートカバーによって同線を上回って終えた。
東証プライムの売買高は14億株台と、前週末の20億株から減少した。2日の米国市場がレイバーデーで休場のため海外勢のフローは限られ、スキャルピング中心のトレードに振らされる形だったと考えられる。明日も薄商いのなかを短期的な売買の影響を受けそうだが、仕掛け的なショートに対してはその後のカバーを狙ったロング対応を想定しておきたい。
指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は、一時2万5320円まで売られた。東エレクへの売りで先物のショートを誘う動きも意識されやすく、同社の動向にも注意する必要がありそうだ。また、グローベックスのナスダック100先物の動きにも反応しやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.25倍と横ばいだった。値がさハイテク株が買い先行で始まったこともあり、朝方には14.30倍を上回る場面もみられた。その後は軟化する形となったが、14.21倍辺りで推移する200日移動平均線では下げ渋り、支持線として機能しており、押し目ではNTロングが入りやすいとみておきたい。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4857枚、ソシエテジェネラル証券が1万0465枚、サスケハナ・ホンコンが3806枚、みずほ証券が3087枚、JPモルガン証券が2415枚、BNPパリバ証券が1871枚、バークレイズ証券が1869枚、SBI証券が1426枚、モルガンMUFG証券が1177枚、ビーオブエー証券が1018枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3909枚、ソシエテジェネラル証券が1万7923枚、JPモルガン証券が7224枚、バークレイズ証券が6591枚、サスケハナ・ホンコンが3982枚、ゴールドマン証券が3663枚、モルガンMUFG証券が2457枚、ビーオブエー証券が1417枚、みずほ証券が1275枚、シティグループ証券が1172枚だった。
本日は米国とカナダがレーバーデーの祝日であり、北米の株式・債券市場は休場。為替市場も参加者が少なく、よほど大きなニュースが出ない限り、ロンドン16時(日本時間24時)フィキシングを通過した後は方向感が出難くなるだろう。なお、本日が月初となる欧州市場の前半は、円売りフローが断続的に持ち込まれた。ロンドンフィキシングも同じ方向とは限らないものの、それなりの値幅を伴った動きとなるかもしれない。
先週を振り返ると、4-6月期米GDP改定値の上振れなどをきっかけに米長期金利が上昇してドル円の反発を後押しした。ただ7月米PCEデフレーターは予想に沿った結果であり、インフレ減速の基調は保たれたままだ。今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)については、一時高まった0.50%引き下げ見通しは後退したものの0.25%利下げは確実視されている。
米金利先安観が維持されるなか、ここから市場の注目は、米金融当局が「どの程度のペース」政策金利の引き下げを行っていくかだろう。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を含む複数の当局者は労働市場の重要性を語っており、そういった意味でも今週は、今後を占う上で重要な週となりそうだ。
今週発表される米雇用データは、4日に7月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、翌5日には8月ADP全米雇用報告や前週分の新規失業保険申請件数。そして6日には、メインイベントである8月雇用統計が待ち構えている。
金融政策イベントでは、4日にカナダ中銀が政策金利を公表する。現行4.50%から4.25%に引き下げを市場は完全に織り込んでおり、声明内容で追加利下げへの積極性を見定めることになる。
想定レンジ上限
・ドル円、8月20日高値147.35円を超えると同月19日高値148.05円
想定レンジ下限
・ドル円、本日安値145.78円
今週のNY市場は経済指標に注目。先週は決算を発表したエヌビディアが下落し、ナスダック総合が0.92%安と3週ぶりに反落した一方、ダウ平均が0.94%高、S&P500が0.24%高とともに3週続伸した。強い経済指標を受けて米国経済のソフトランディング期待が強まる中、インフレ指標がほぼ予想通りとなったことで9月利下げ期待が高まったことも米国株の追い風となった。ダウ平均は28日を除く4日間で終値の過去最高値を更新し、S&P500も7月に付けた史上最高値まで0.3%に接近した。8月月間ではダウ平均が1.76%高、S&P500が2.28%高とともに4カ月続伸し、ナスダック総合も0.65%高と反発した。
今週は利下げ見通しを巡って週末金曜日に発表される米8月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)に注目が集まる。9月17-18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが確実視されており、CMEのフェドウォッチ・ツールでは33%の確率で通常の2倍の0.50%の利下げも予想されている。9月FOMCでの利下げ幅を巡り、雇用統計の結果に要注目となる。このほか、8月ISM製造業・非製造業PMIや、7月JOLTS求人件数、8月ADP民間部門雇用者数、新規失業保険申請件数など注目度の高い経済指標の発表が多い。企業決算はダラー・ツリー、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、ブロードコム、クローガーなどS&P500採用の6銘柄が発表予定。
今晩はレーバーデーの祝日でNY株式市場が休場。主要な米経済指標や企業決算の発表はなし。
日経平均株価は続伸。買い先行で39000円台を回復する場面があったが、押し戻される展開となり、5日ぶりの陰線で取引を終えた。
RSI(9日)は前日の81.3%→73.0%(9/2)へ低下。トレンドフォローの見方に大きな変化はなく、目先的には騰勢に期待できるタイミングに入っている。きょうは75日移動平均線(38646円 9/2)を上回って終えており、今週は4万円にワンタッチできるかが焦点となる。
一方、25日移動平均線(37165円 同)が下げ止まった点はポジティブな要因となるが、一目均衡表の基準線(35172円 同)との離れが大きく、突如36000円~36500円処に向けて押し戻される展開なども想定しておきたい。
上値メドは、心理的節目の39000円や4万円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(37391円 同)や25日移動平均線、心理的節目の36500円や36000円、心理的節目の35000円などがある。
(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.88円(2日15時時点比△0.77円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.58円(△1.05円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1068ドル(△0.0013ドル)
FTSE100種総合株価指数:8363.84(前営業日比▲12.79)
ドイツ株式指数(DAX):18930.85(△23.93)
10年物英国債利回り:4.055%(△0.040%)
10年物独国債利回り:2.338%(△0.039%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月スイス小売売上高
(前年同月比) 2.7% ▲2.6%・改
8月スイス製造業PMI
49.0 43.5
8月仏製造業PMI改定値
43.9 42.1
8月独製造業PMI改定値
42.4 42.1
8月ユーロ圏製造業PMI改定値
45.8 45.6
8月英製造業PMI改定値
52.5 52.5
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ドル円は底堅い動き。ナイト・セッションの日経平均先物の上昇などを手掛かりに欧州勢が円売りで参入。147.00円の売りオーダーをこなすと、目先のストップロスを巻き込んで一時147.17円まで値を上げた。ただ、本日は米国市場がレーバーデーで休場のため、積極的に上値を試す展開とはならなかった。欧州引け後は147.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。
・ユーロドルは頭が重かった。仏・独・ユーロ圏の8月製造業PMI改定値が予想を上回るとユーロ買い・ドル売りが先行。17時30分前に一時1.1077ドルと日通し高値を更新した。ただ、前週末の高値1.1095ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
NYの取引時間帯に入ると徐々に値動きが細り、狭いレンジでのもみ合いに終始した。米国市場がレーバーデーで休場のため、市場参加者が激減し商いは低調となった。
・ユーロ円は22時30分前に一時162.89円と日通し高値を更新した。欧州経済指標の上振れをきっかけに全般ユーロ買いが先行。ドル円や日経平均先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いも出た。ただ、欧州引け後は162円台半ばで値動きが鈍った。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。本日の香港株や上海株が下落したことで、投資家心理が悪化。英株にも売りが波及した。中国景気への懸念から銅やアルミニウムといった非鉄金属の先物相場が下落し、リオ・ティントなど素材株の重しとなった。バークレイズやスタンダードチャータードなど金融株も値下がりした。
・フランクフルト株式相場は小反発し、史上最高値を更新した。本日の香港株や上海株が下落したことで、投資家心理が悪化すると独株にも売りが先行したものの、終盤持ち直した。なお、独東部2州で1日、州議会選があり、チューリンゲン州では移民排斥などを訴える右翼政党「ドイツのための選択肢」が州議会レベルで初めて第1党になったものの、相場の反応は限られた。
・欧州債券相場は下落した。
9月に入り2日の日経平均は続伸。終値は53円高の38700円。米国株高と円安進行を受けて、寄り付きは300円を超える上昇。節目の39000円を上回って始まり、開始直後には上げ幅を400円超に広げた。高寄りした後は買いが続かず失速。前場で上げ幅を2桁に縮めると、後場に入って早々にマイナス圏に沈んだ。そこから下げ幅を3桁に広げたが、38500円を割り込んだところでは切り返し、再びプラス圏に浮上。引け間際にもマイナス圏に沈む場面があったが、小幅なプラスで取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆3200億円。業種別では非鉄金属、銀行、その他金融などが上昇している一方、医薬品、海運、陸運などが下落した。証券会社が投資評価を引き上げた東京センチュリー<8439.T>が急伸。半面、株式の売り出しを発表した浜松ホトニクス<6965.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり628/値下がり967。IHIや川崎重工が大幅上昇。ほか売買代金上位では、さくらネット、フジクラ、セブン&アイ、アドバンテストなどの動きが良かった。為替が円安に振れたことからホンダやSUBARUなど自動車株が全般堅調。米長期金利の上昇を手がかりに、MS&ADやSOMPOなど保険株に資金が向かった。決算が好感されたラクーンHDが14.8%高と値を飛ばした。
一方、ディスコやレーザーテックなど半導体の一角が大幅安。住友ファーマや中外製薬など、薬品株に下に値幅が出るものが散見された。JR東海や富士急行など鉄道株の多くが下落。売り出しを発表したホーチキが8.9%安と大きく値を崩した。
日経平均は小幅上昇。序盤で39000円を上回りながら、早い時間に上げ幅を縮めたことは物足りない。一方、急失速して一時3桁安となりながらも、プラスで終えた点はなかなか強い。安値は38476円で、終値は38700円。少し前までは抵抗となっていた節目の38500円が、きょうはサポートとして機能している。8月30日の米国株も、序盤と終盤は強かった一方、中盤は失速していた。本日の米国は休場であすの東京市場は材料難となるが、きょう利食い売りをこなしながらもしっかり上昇したことから、下値は堅いと考える。欧州株が堅調に推移して為替が落ち着いていれば、改めて39000円を試しに行っても不思議はない。
<国内>
○08:50 ◇ 8月マネタリーベース
<海外>
○08:01 ◇ 8月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○10:30 ◇ 4-6月期豪経常収支(予想:59億豪ドルの赤字)
○15:30 ◎ 8月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%)
○16:00 ◎ 4-6月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.5%/前年比1.4%)
○16:00 ◎ 8月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月2.29%/前年比51.86%)
○18:30 ◎ 4-6月期南アフリカGDP(予想:前期比0.5%/前年同期比0.4%)
○21:00 ☆ 4-6月期ブラジルGDP(予想:前期比0.9%/前年同期比2.7%)
○21:00 ◇ 7月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.90%)
○21:45 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:45 ◎ 8月米製造業PMI改定値(予想:48.1)
○23:00 ☆ 8月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:47.5)
○23:00 ◇ 7月米建設支出(予想:前月比▲0.1%)
○4日01:45 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、レーバーデーで休場の中、ナイト・セッションの日経平均先物の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが優勢となり、147.17円まで上昇した。ユーロドルは欧州時間に仏・独・ユーロ圏の8月製造業PMI改定値が予想を上回ったことを受けて1.1077ドルまで上昇した後、高値圏で推移した。ユーロ円は、ドル円や日経平均先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いで162.89円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、海外市場での堅調地合いを受けて底堅い展開が予想されるものの、今週末6日に米8月雇用統計の発表を控えていることで、上値は限定的だと思われる。
ドル円は、4手連続陽線で147円台まで買い戻されており、過去9日間の中心値である日足一目均衡表・転換線(145.31円)と過去26日間の中心値である日足一目均衡表・基準線(148.46円)の間で堅調に推移している。
上値の重要なテクニカルポイントは、基準線の148.46円や161.95円から141.70円までの下落幅のフィボナッチ・リトレースメント38.2%戻しである149.44円(※8/15高値149.39円)となっている
本日は、米8月雇用統計への警戒感から上値は限定的だと予想される。
米8月の雇用統計の予想は、失業率が4.2%で7月の4.3%から低下、非農業部門雇用者数は前月比+16.5万人で7月の同比+11.4万人からの増加が見込まれている。
8月21日に発表された年次ベンチマーク改定の速報値では、2023年4月から2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されることが示された。改定前の雇用者数は1年間に290万人増(月平均で24万2000人増)だったが、今回の改定を受けて、1カ月当たり約17万4000人増のペースとなった。
2024年4月から7月までの月平均は前月比+15.4万人となり、3月までの平均である+17.4万人や8月の予想の+16.5万人と整合的となっている。
8月の非農業部門雇用者数が予想を上回る数字であっても、WSJ紙がNFPは過大評価の可能性と指摘していることや今回の下方修正(▲81.8万人)を受けて、ドル買いの反応は限定的だと思われ、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が0.50%ではなく0.25%になる可能性を高めるだけだと思われる。
米国の雇用統計では、家計調査に基づく失業率よりも、事業所調査に基づく非農業部門雇用者数が重視される傾向にあったが、今後は、4%台で推移している失業率が労働市場の実態を反映する数字として重視されるのかもしれないことで、8月失業率が上昇していた場合は、9月FOMCでの利下げ幅は0.50%になる可能性が高まることになる。
NFPは、「起業・廃業モデル」が過大評価している可能性が指摘されていること、賃金をベースにカウントしていることで複数の職を持つ者が数字を押し上げている可能性があることが指摘されている。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38780 +90 (+0.23%)
TOPIX先物 2725.5 +11.0 (+0.40%)
シカゴ日経平均先物 38855 +165 (時間外)
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
2日の米国市場は、レイバーデーで休場。 米国市場が休場で手掛かり材料に欠けるなか、欧州市場はSTOXX欧州600指数が小幅ながら5日ぶりに下落。英FTSE100指数はロールス・ロイス・ホールディングスが6%超下落し指数を押し下げるも、不動産株の一角が買われ、小幅な下げにとどまった。一方、ドイツでは1日投開票の州議会選で極右政党が躍進し政治的な不安が高まったが、独DAX指数は小幅に反発し最高値を更新した。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比165円高の3万8855円(時間外)だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比60円安の3万8630円で始まり、開始直後に付けた3万8570円を安値に切り返し、ほどなくしてプラス圏を回復。その後は薄商いのなか、3万8850円を中心とした狭いレンジで推移し、一時3万8890円まで買われた。終盤にかけても同水準での膠着が続いたが、指値状況の薄いなか引けで軟化する形となり、3万8780円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はやや買い優勢の展開になりそうだ。もっとも、海外勢のフローは限られることから、スキャルピング中心の売買になるだろう。日中はグローベックスのナスダック100先物の動向のほか、1ドル=146円台後半と円安に振れて推移している為替睨みの展開になると考えられる。
日経225先物はナイトセッションで開始直後に3万8570円まで売られる場面もみられたが、その後はプラス圏での推移が続いた。75日移動平均線(3万8630円)、13週線(3万8600円)、26週線(3万8670円)を上回って終えており、本日もこれら移動平均線を支持線とした値動きが期待される。
週末に8月の米雇用統計の発表を控えているため、積極的にポジションを傾けにくいものの、これまでの抵抗線を支持線に変えてくることで、買い遅れていたファンドなどによる押し目待ち狙いのロングが強まる可能性がある。ボリンジャーバンドの+1σが3万8970円辺りで推移しており、目先的には同水準に接近する局面では戻り待ち狙いのショートが意識されやすいが、来週末には先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていることもあり、カバーの動きも速そうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジを想定する。75日線を下回る局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
なお、2日の米VIX指数は15.55(30日は15.00)に上昇した。前週末に75日線を下回ってきたこともあり、同線を支持線として反発した形である。依然として20.00を下回って推移しているため、リスク選好に傾きやすい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍と横ばいだった。値がさハイテク株が買い先行で始まったこともあり、朝方には14.30倍を上回る場面もみられた。その後は軟化する形となったが、14.21倍辺りで推移する200日線では下げ渋る動きとなり、支持線として機能していた。明確なトレンドは出ていないが、200日線水準に低下する局面では、その後のリバランスを狙ったNTロングが入りやすいとみておきたい。
米国がレイバーデーの祝日で休場となった昨日の海外市場では、欧州時間から日経平均先物が堅調に推移したことを受けて、ドル円は買戻しが先行。147.00円にはある程度まとまった売りが観測されてはいたものの、その売りをこなすと目先のSLを巻き込むかたちで上げ足を速め一時147.17円まで値を上げることになりました。その後はNY勢不在のなかで146.81円まで下押しして月初の取引を終えています。
アジア時間に入ってからは、日経平均や米長期金利の上昇につれて再び買われる展開。仲値に向けては本邦実需の買いも観測されると昨日高値の147.17円を上抜けて一時147.21円まで値を上げました。その後は日経平均が上げ幅を消す動きとなると146.57円まで下押しするなど、株価に左右される展開が続いています。
いずれにしても、市場では米国勢がサマーバケーションを終えて、本格的に今年の後半戦に挑もうとしているところ。アジア市場では、早速、「米系の日経平均とドル円の買いが観測されている」模様ですが、目先は行き過ぎた米利下げ観測からの修正が行われようとしているのだとすれば、その方向性は明らか。まして、日本政府が1兆円近い予備費を電気ガス、ガソリン代などの補助に使用することが表明されるなど、こちらも政府サイドからの量的緩和。初っ端から、その方向性を更に強める動きとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円高の3万8810円(+0.31%)前後で推移。寄り付きは3万8730円と、小幅に反発して始まった。寄り付き直後に付けた3万8690円を安値にロング優勢の流れとなり、中盤にかけて一時3万8970円まで買われる場面もみられた。3万9000円接近では戻り待ち狙いのショートも入りやすく、終盤にかけて上げ幅を縮めたが、3万8750円~3万8800円辺りでの底堅さが意識されている。
海外勢のフローは限られ、短期的な売買が中心となるなか、為替市場で円相場が一時1ドル=147円台と円安に振れたことがロングに向かわせたようだ。ただし、3万8970円まで買われたが、同水準に位置するボリンジャーバンドの+1σが心理的な抵抗として意識されている。後場も為替にらみの展開になりそうだが、グローベックスのナスダック100先物は小幅ながらマイナス圏で推移しており、+1σ突破は期待しづらいだろう。もっとも、75日移動平均線水準での底堅さがみられるなか、押し目買いのロング対応になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.19倍に低下した。14.26倍と小幅に上昇して始まったが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きに対して、円安を手掛かりにトヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連株の一角が買われており、相対的にTOPIX型優位となった。200日線を割り込み、25日線水準まで低下しており、後場はリバランスが入るかが注目される。
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2024年7月の米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターは前年比+2.5%だった。また、7月のコア消費者物価指数は前年比+3.2%だった。
7月の日本のコア消費者物価指数(CPI)は、前年比+2.7%だった。
8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値は、前年比+2.8%だった。
【政策金利】 【インフレ率】(前年比)
・日本銀行: 0.25% +2.7%(※7月)
・米連邦準備理事会(FRB):5.25-50% +2.5%(※7月)
・欧州中央銀行(ECB):3.75% +2.8%(※8月)
1.植田日銀総裁:追加利上げ示唆
7月31日の日銀金融政策決定会合では、政策金利(無担保コール翌日物金利)が、これまでの「0-0.1%程度」から、「0.25%程度」に引き上げられた。
そして、植田日銀総裁は記者会見で、「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べた。さらに、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示したことで、年内に1回(+0.25%=0.50%)、来年は1-2回程度で0.75%から1.00%に向けた利上げの可能性が示唆された。
2.パウエルFRB議長:利下げ開始示唆
米連邦公開市場委員会(FOMC)は、2022年3月の利上げ開始以来、2大責務(「雇用の最大化」と「物価の安定」)の内、「物価の安定」に特段の重点(highly attentive to inflation risks)を置いてきた。しかし、7月FOMCの声明文では、「2大責務の両面のリスクに留意する」(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)との文言に変更された。すなわち、リスクバランスはこれまでのインフレ抑制に軸足を置いた状態から、インフレと雇用の間でバランスした状態になった、と判断が修正されたのである。
2024年8月23日、パウエルFRB議長は、カンザスシティー地区連銀が開催する第46回ジャクソンホール会合での講演で、主要政策金利を引き下げる時が来たと述べた。ここ数十年で最悪となったインフレを鈍化させるという仕事の完了を目指しつつ経済の力強さ保持に取り組む中、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月に利下げを開始するとの見通しを裏付けたほか、労働市場のさらなる冷え込みを防ぐ意図を明確にした。
3.ラガルドECB総裁:9月理事会はオープン
2024年7月18日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、中銀預金金利3.75%の据え置きが全会一で決定された。しかし、タカ派的な理事でさえも、今後の経済指標でディスインフレ継続が確認されれば利下げに前向きであることが判明した。域内の物価圧力は依然として高く、インフレ率は来年までECB目標を上回るとして、次の動きについて示唆を与えなかった。
ラガルドECB総裁は、9月理事会に向けて、「データに依存すること、会合ごとに決定すること、そして金利の道筋をあらかじめ決めないことが決定され、9月にどうするかはワイドオープン(何も決まっていない)。現在進行中のディスインフレプロセスが追加データによって実際に確認されれば、われわれの確信はさらに強まるだろう。インフレは来年下半期にかけて目標に向かって低下すると予想される。金融政策が予想以上に需要を抑制したり、世界の他の地域の経済環境が予想外に悪化したりすれば、インフレは下振れする可能性がある。」と述べた。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、重要な経済指標の発表や要人発言の予定がないことで、米10年債利回りの動向やウクライナ戦争に関するヘッドラインに警戒していく展開となる。
ユーロドルは5日のNYカットオプションが1.1075ドルに控えており、材料難の中で値動きを抑制する可能性を念頭に置いておきたい。
本日は、8月のスイスとトルコの消費者物価指数(CPI)に要注目となる。
8月スイスCPIの予想は前月比+0.1%、前年比+1.2%となっており、7月の前月比-0.2%からは上昇、前年比+1.3%からは低下が見込まれている。
スイス国立銀行は、先日、「2024年のインフレ率は1.3%と予測(従来は1.4%)」しており、8月のCPIが予想通りならば、追加利下げの可能性が高まることになる。
ジョーダンSNB(スイス国立銀行)総裁は今月末に退任予定だが、26日にスイス国立銀行の金融政策決定会合が予定されている。
8月のトルコCPIは前月比+2.29%、前年比+51.86%と予想されており、7月の前年比+61.78%からの大幅な低下が見込まれている。予想通りならば、トルコ中銀の「今年後半にはディスインフレが定着するだろう」との見解が裏付けられることになる。
ウクライナ情勢に関しては、ロシアのリャブコフ外務次官が、「核ドクトリンを見直す」と宣言して核脅威のレベルを高めており、関連ヘッドラインに要警戒か。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1122ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:164.05円(200日移動平均線)
・スイスフラン円:174.21円(7/31高値)
・トルコリラ円:4.43円(8/15・16高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0990ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:161.47円(日足一目均衡表・転換線)
・スイスフラン円:171.16円(日足一目均衡表・転換線)
・トルコリラ円:4.25円(8/30安値)
(3日15時時点)
ドル円:1ドル=146.33円(前営業日NY終値比▲0.59円)
ユーロ円:1ユーロ=161.82円(▲0.84円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1059ドル(▲0.0013ドル)
日経平均株価:38686.31円(前営業日比▲14.56円)
東証株価指数(TOPIX):2733.27(△17.28)
債券先物9月物:144.41円(▲0.19円)
新発10年物国債利回り:0.920%(△0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月マネタリーベース
前年同月比 0.6% 1.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。仲値に向けた買いに支えられて一時147.21円と昨日高値の147.17円を上回る場面があったものの、その後は日経平均株価の伸び悩みとともに上値を切り下げた。連休明けの米10年債利回りが次第に上昇幅を縮小したことも相場の重しとなり、一時146.14円まで値を下げた。
・ユーロ円も上値が重い。10時前に162.80円の高値をつけたが、その後はドル円や日本株の動きをながめながら上値を切り下げる展開となり、161.59円まで失速した。
・ユーロドルは小安い。前日に底堅く推移した反動もあり、1.1054ドルまでやや値を下げた。
・日経平均株価は3営業日ぶりに小幅反落。外国為替市場で円安が進んだことが好感され、輸出関連株を中心に買いが先行した。指数は一時260円超高まで上昇する場面も見られたが、その後は半導体関連株などが売りに押されたことで伸び悩む展開に。後場に入ると戻り待ちの売りも観測される中で下げに転じた。
・債券先物相場は3日続落。10年物国債入札が「低調な結果だった」と伝わると売りが進み、一時144円35銭まで下押しした。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
トルコの景気減速をようやく確認も、金融緩和はまだ先の話に
表面的に景気減速は進むも家計消費に底堅さ、「急いては事を仕損じる」を肝に銘じた対応が重要に
昨年来のトルコでは、物価と為替の安定を目的に正統的な政策運営に舵が切られるも、その後も景気は堅調な推移が続いた。しかし、4-6月の実質GDP成長率は前年比+2.5%、前期比年率でも+0.26%と頭打ちが確認されるなど金利高の効果がようやく発現した模様である。ただし、家計消費は依然拡大が続き、これを反映してサービス業の生産も幅広く拡大が確認される展開が続く。さらに、異常気象の影響で農林漁業の生産は頭打ちの動きを強めており、需給の両面でインフレ圧力に繋がる要因がくすぶると捉えられる。
中銀は先月の定例会合でも引き締め姿勢を堅持する考えを強調している。他方、インフレ鈍化にも拘らず、足下のリラ相場は投資妙味の乏しさや中東情勢を巡るエルドアン大統領の姿勢などを警戒する展開が続く。当面のインフレは前年の反動で頭打ちしやすい状況にあり、金融市場では景気下支えに向けた利下げを見込む向きもくすぶる。ただし、依然として需給双方でインフレ要因がくすぶるなかでの判断は極めて難しく、結果的に長期に亘って引き締め姿勢を維持せざるを得ない展開が続く可能性に留意する必要がある。
大阪9月限
日経225先物 38790 +100 (+0.25%)
TOPIX先物 2731.5 +17.0 (+0.62%)
日経225先物(9月限)は前日比100円高の3万8790円で取引を終了。寄り付きは3万8730円と、小幅に反発して始まった。寄り付き直後に付けた3万8690円を安値にロング優勢の流れとなり、前場中盤にかけて一時3万8970円まで買われる場面もみられた。3万9000円接近では戻り待ち狙いのショートも入りやすく、前場終盤にかけて上げ幅を縮め、3万8750円~3万8800円辺りでの推移となった。
ランチタイムでは下落に転じ、後場の取引開始直後に一時3万8580円まで売られる場面もみられた。ただし、下へのバイアスは強まらず、売り一巡後は3万8580円~3万8690円辺りでの底堅さが意識されるなか、終盤にかけてはショートカバーが入る形で急速に切り返し、プラス圏を回復した。
海外勢のフローは限られ、短期的な売買が中心となるなか、為替市場で円相場が一時1ドル=147円台と円安に振れたことが前場中盤にかけてのロングに向かわせたようだ。これにより、3万8970円まで買われたが、同水準に位置するボリンジャーバンドの+1σが心理的な抵抗として意識された。その後は、円相場が1ドル=146円台半ばと円高に振れるなか、ショートを誘う形になったようだ。
後場も為替にらみの相場展開のなか、ショートが入りやすかった。また、本日はアドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、TDK <6762.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株を中心に弱い値動きが目立っていたことも、ショートを仕掛けやすくさせたようだ。
ただし、現物の後場開始直後につけた3万8580円を安値に底堅さがみられており、結局は終盤にかけてのショートカバーにつながった。これにより、75日移動平均線のほか、13週、26週線が支持線として機能する形である。ハイテク株の弱さは気掛かりだが、一方で財務省が実施した10年債入札が低調な結果となり、国内長期金利が上昇するなかでメガバンクなど金融株の一角が買われた。東証プライムの7割超の銘柄が買われており、相対的にTOPIX型優位の展開だった。
日経225先物は、休場明けの米国市場次第の面はありそうだが、75日線水準での底堅さが意識されるなか、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円でのレンジを想定する。
NT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。14.26倍と小幅に上昇して始まったが、TOPIX型優位となるなか、一時14.15倍まで下げる場面もみられた。終盤にかけては200日線水準まで戻しているが、本日のようにTOPIX型優勢になるようだと、14.11倍近辺で推移する75日線辺りまでの低下を意識しておいた方が良さそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万2156枚、ソシエテジェネラル証券が8921枚、サスケハナ・ホンコンが3308枚、JPモルガン証券が2561枚、バークレイズ証券が2202枚、SBI証券が2030枚、野村証券が1104枚、みずほ証券が1029枚、auカブコム証券が849枚、モルガンMUFG証券が802枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万6052枚、ソシエテジェネラル証券が1万1449枚、JPモルガン証券が3743枚、バークレイズ証券が3497枚、みずほ証券が3104枚、ゴールドマン証券が2201枚、野村証券が1987枚、モルガンMUFG証券が1694枚、サスケハナ・ホンコンが1690枚、ビーオブエー証券が1585枚だった。
本日のNY市場では、3連休明けの米国勢が、植田日銀総裁が改めて示した金融緩和の調整方針についてどのような反応を示すかが注目される。
政府が本日開いた経済諮問会議に植田総裁が出席し、7月の日銀会合の決定の説明資料を提出した。資料を通じて日銀総裁は、経済・物価見通しが実現していくのであれば「利上げ継続」という従来の方針を繰り返した。資料では「実質金利の大幅マイナスで、緩和的な金融環境は維持」とも記されていたが、「日銀の追加利上げ」に反応した海外勢がアジア午後から欧州前半にかけて円買いを強めたもよう。
ドル円は、本日の東京午前で147円台を見た後に145円台まで失速しており、米国勢としては出遅れた感じはありそうだ。商品先物取引委員会(CFTC)発表の8月27日時点における投機筋の先物ポジション状況は、円は2万5000枚超のネットロング。前週比では2000枚超の増加に留まったが、ある意味では円買い余力は残っているとも言える。
本邦金利の先高観で日経平均先物も時間外で売られ、米株先物もつれて弱含んでいる。今週は主要な米労働データが目白押しであり、メインイベントの8月米雇用統計が金曜日に控えていることもあり、リスク資産を一旦減らす動きもあり得るだろう。そういった中で円が買われやすくなり、ドル円は下値余地を試す場面があるかもしれない。
なお本日の米経済指標では、8月製造業PMI改定値(予想:48.1)や同月ISM製造業景気指数(予想:47.5)などが発表される。
想定レンジ上限
・ドル円、本日の欧州前半までのレンジの半値146.41円
想定レンジ下限
・ドル円、日足一目均衡表・転換線145.33円を割り込むと、8月30日安値144.66円。
今週のNY市場は経済指標に注目。先週は決算を発表したエヌビディアが下落し、ナスダック総合が0.92%安と3週ぶりに反落した一方、ダウ平均が0.94%高、S&P500が0.24%高とともに3週続伸した。強い経済指標を受けて米国経済のソフトランディング期待が強まる中、インフレ指標がほぼ予想通りとなったことで9月利下げ期待が高まったことも米国株の追い風となった。ダウ平均は28日を除く4日間で終値の過去最高値を更新し、S&P500も7月に付けた史上最高値まで0.3%に接近した。8月月間ではダウ平均が1.76%高、S&P500が2.28%高とともに4カ月続伸し、ナスダック総合も0.65%高と反発した。
今週は利下げ見通しを巡って週末金曜日に発表される米8月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)に注目が集まる。9月17-18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが確実視されており、CMEのフェドウォッチ・ツールでは33%の確率で通常の2倍の0.50%の利下げも予想されている。9月FOMCでの利下げ幅を巡り、雇用統計の結果に要注目となる。このほか、8月ISM製造業・非製造業PMIや、7月JOLTS求人件数、8月ADP民間部門雇用者数、新規失業保険申請件数など注目度の高い経済指標の発表が多い。企業決算はダラー・ツリー、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、ブロードコム、クローガーなどS&P500採用の6銘柄が発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは8月ISM製造業PMI、8月S&Pグローバル製造業PMI確定値、7月建設支出など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は小反落。取引時間中は伸び悩んだ一方、下値も限定的で方向感に乏しい展開となった。
RSI(9日)は前日の73.0%→78.4%(9/3)へ上昇。トレンドフォローの見方に大きな変化はなく、目先的には過熱圏で騰勢に期待できるタイミングである。75日移動平均線(38645円 9/3)上を保って終えており、引き続き4万円にワンタッチできるかが焦点となる。
一方、25日移動平均線(37174円 同)が上向きになった点はポジティブな要因となるが、一目均衡表の基準線(35172円 同)との離れが依然として大きく、36000円~36500円処に向けて突如押し戻される展開なども想定しておきたい。
上値メドは、心理的節目の39000円や4万円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(37421円 同)や25日移動平均線、心理的節目の36500円や36000円、心理的節目の35000円などがある。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.88円(3日15時時点比▲0.45円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.88円(▲0.94円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1028ドル(▲0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:8298.46(前営業日比▲65.38)
ドイツ株式指数(DAX):18747.11(▲183.74)
10年物英国債利回り:3.990%(▲0.065%)
10年物独国債利回り:2.277%(▲0.061%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月スイス消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.0% ▲0.2%
4-6月期スイス国内総生産(GDP)
(前期比) 0.7% 0.5%
(前年比) 1.8% 0.6%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。植田日銀総裁が経済財政諮問会議に出席し、「物価の見通しが実現していくとすれば引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」との方針を改めて示すと円買い・ドル売りが優勢となった。NYの取引時間帯に入ると、ダウ平均が一時500ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移。リスク・オフの円買いが活発化した。8月米ISM製造業景況指数が47.2と予想の47.5を下回ったことも相場の重しとなり、一時145.16円と日通し安値を更新した。
・ユーロドルは一進一退。日本時間夕刻に一時1.1068ドル付近まで上げたものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。ユーロ円の下落に歩調を合わせて19時30分過ぎに一時1.1033ドルまで値を下げた。
NY市場に入り、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが出ると23時過ぎに再び1.1068ドル付近まで上昇したものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1073ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速。欧米株価の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いも出て1.1026ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円はさえない。植田日銀総裁が提出した諮問会議への資料をきっかけに全般円買いが先行。欧米株価や日経平均先物の下落を受けてリスク回避の円買いが加速すると、23時過ぎに一時160.50円と本日安値を更新した。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比950円安の3万7840円まで下落する場面があった。
・ロンドン株式相場は3日続落。英長期金利の低下が投資家心理の改善につながり反発して始まったものの、買い一巡後は徐々に売りが優勢となり下げに転じた。米国株相場の下落などが相場の重しとなった。原油や金などコモディティ価格の下落を背景に、BPやシェルなどエネルギー株の下げが目立ったほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株に売りが集まった。
・フランクフルト株式相場は反落。買い先行で始まったものの、時間外のダウ先物の下落などを背景に売りが強まると下げに転じた。現物の米国株相場の下落も相場の重し。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(4.68%安)やダイムラー・トラック・ホールディング(3.47%安)、ポルシェ(3.21%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
3日の日経平均は3日ぶり小幅反落。終値は14円安の38686円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1230/値下がり364と、値上がり銘柄は1000を超えた。三菱UHJや三井住友など銀行株が大幅上昇。メルカリ、楽天G、さくらネットに強い動きが見られた。リリースからスポンジチタンの需要拡大期待が高まった大阪チタニウムが値を飛ばし、同業の東邦チタニウムも連れ高。中小型ではリリースを材料に前日急騰した銘柄に資金が向かっており、ジーダットやイシンが連日でストップ高となった。
一方、レーザーテック、ディスコ、アドバンテスト、TOWAなど半導体装置株が軒並み大幅安。川崎汽船や商船三井など海運株が売りに押された。円安に振れていたドル円が東京時間では円高に傾斜したことから、トヨタやホンダが買い一巡後に失速して下落で終了。ブリヂストンや横浜ゴムなどタイヤ株が軒並み安となった。業績関連では1Qが減益着地となった伊藤園が大幅安となった。
日経平均は小幅安。後場に下げに転じてもプライムでは値上がり銘柄が多い状態が継続しており、引けにかけては急速に値を戻している。ただ、2日、3日と39000円近辺で上値が抑えられている点は懸念材料。特にきょうは不自然なくらいに半導体株が売り込まれた。半導体株が嫌われると、指数の力強い上昇が期待しづらくなる。
休場明け3日の米国市場では、8月のISM製造業景況指数を消化する。4日には7月JOLTS求人件数、5日には8月ISM非製造業景況指数、6日には8月雇用統計と、あす以降も注目の指標を連日で確認する。目先の日本株は米国株やドル円動向に振らされやすくなるだろう。米国株が強く、為替がそれほど円高に振れなければ、大型株優位の展開が想定される。一方、米国株が経済指標を好感できなかったり、米国株が上昇してもドル安・円高が進行した場合などは、大型株を避けて中小型株に資金が向かう可能性が高い。
4日00:09 シムカス・リトアニア中銀総裁
「経済リスクは下向き」
「成長は構造的に鈍化」
「ディスインフレ傾向が非常に明確」
「9月利下げを支持する説得力のある論拠は多い」
「10月の利下げはほぼないだろう」
4日01:15 ナーゲル独連銀総裁
「インフレの大波は終わった」
「9月利下げを支持するかどうかは事前に明言しない」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○10:30 ☆ 4-6月期豪国内総生産(GDP、予想:前期比0.3%/前年比1.0%)
○10:45 ◎ 8月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.8)
○16:50 ◎ 8月仏サービス部門PMI改定値(予想:55.0)
○16:55 ◎ 8月独サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○17:30 ◎ 8月英サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比▲2.5%)
○19:00 ◇ 7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:30 ◇ 7月カナダ貿易収支(予想:8.0億カナダドルの黒字)
○21:30 ◎ 7月米貿易収支(予想:790億ドルの赤字)
○22:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:4.25%に引き下げ)
○23:00 ◎ 7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:810.0万件)
○23:00 ◎ 7月米製造業新規受注(予想:前月比4.7%)
○5日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.48円(前営業日比▲1.44円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.65円(▲2.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1043ドル(▲0.0029ドル)
ダウ工業株30種平均:40936.93ドル(▲626.15ドル)
ナスダック総合株価指数:17136.30(▲577.33)
10年物米国債利回り:3.83%(▲0.07%)
WTI原油先物10月限:1バレル=70.34ドル(▲3.21ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2523.0ドル(▲4.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米製造業PMI改定値
47.9 48.0
7月米建設支出
(前月比) ▲0.3% 0.0%・改
8月米ISM製造業景気指数
47.2 46.8
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は5日ぶりに反落。連休明けの米株式市場ではダウ平均が一時780ドル超下落し、ナスダック総合が3.5%超急落した。米株安を受けてリスク・オフの円買いが強まると、一時145.16円と日通し安値を更新した。8月米ISM製造業景況指数が47.2と予想の47.5を下回ったことも相場の重し。
植田日銀総裁が経済財政諮問会議に出席し、「物価の見通しが実現していくとすれば引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」との方針を改めて示したことで、円買いが入りやすい面もあったようだ。
・ユーロドルは反落。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると、23時過ぎに一時1.1068ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1073ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。米国株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いも出ると、3時前に一時1.1026ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。植田日銀総裁が提出した諮問会議への資料をきっかけに全般円買いが先行。米国株や日経平均先物の下落を受けてリスク回避の円買いが加速すると、23時過ぎに一時160.50円と本日安値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時190.33円、豪ドル円は97.62円、NZドル円は89.93円、カナダドル円は107.13円、南アフリカランド円は8.07円、トルコリラ円は4.26円まで値を下げた。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1350円安の3万7440円まで下落する場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。前週末まで連日で史上最高値を更新したあとだけに、半導体などハイテク株中心に利益確定目的の売りが優勢となった。8月米ISM製造業景況指数が予想より弱い内容となり、好不況の分かれ目となる50を引き続き下回ったことも投資家心理を冷やした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に反落。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の下げが目立った。
・米国債券相場で長期ゾーンは6日ぶりに反発。米国株相場の下落を背景に相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。8月米ISM製造業景況指数が予想よりも弱い内容となったことも相場の支援材料。
・原油先物相場は大幅続落。先週末はOPECプラスが10月から増産する見通しであることなどで大幅に下落した原油先物だが、3連休明けも軟調な動きで1月初旬以来となる70.10ドルまで一時下げ幅を広げた。中国の経済停滞により中国からの原油需要の減退が予想されることや、欧米株価が下落したことも原油安を誘った。
・金先物相場は続落。先週の弱い中国の経済指標に続き、米ISM製造業景況指数が予想を下回る結果になるなど、中国や欧米の景気停滞懸念で多くのコモディティが軟調な動きを示したことで、金先物も連れて続落した。また、欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル高が進んだことで、ドルで取引される金先物にとっては割高感となったことも上値を抑えた。
3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、連休明けの米株式市場でダウ平均が一時780ドル超下落し、ナスダック総合が3.5%超急落したことで、米株安を受けたリスク・オフの円買いで145.16円まで下落した。ユーロドルは米国株相場の下落を背景にしたリスク・オフのユーロ売り・ドル買いで1.1026ドルまで下落。ユーロ円は米国株や日経平均先物の下落を受けてリスク回避の円買いが加速して160.50円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米国株や日経平均先物の下落を受けたリスク・オフの地合いや米10年債利回りの低下、日銀の追加利上げ観測や今週末6日に発表される米8月雇用統計への警戒感などから上値が重い展開が予想される。
昨日、岸田政権下で最後の開催となる公算が大きい経済財政諮問会議が開催され、出席した植田日銀総裁は、物価の見通しが実現していくとすれば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整」する方針を改めて示した。
植田日銀総裁は、7月31日の日銀金融政策決定会合の後の記者会見と8月23日の閉会中審査でも同様の見解を示していたことで目新しさはない。
しかし、植田日銀総裁が7月、8月、9月と一貫して追加利上げに言及していることで、10月か12月の日銀金融政策決定会合で、金利の壁になるとは認識していないと述べた0.50%への追加利上げの可能性が高まりつつあることが、ドル円の上値を重くしている。
さらに、6日に発表される米8月雇用統計への警戒感も、ドル円の上値を抑える要因となっている。昨日は米8月ISM製造業景況指数が47.2と発表され、7月の46.8から改善していたものの、予想の47.5を下回った。そして、依然として景況感の分岐点50を下回っているため、国内総生産(GDP)に換算した場合、▲1.3%となるとのことである。雇用指数は46.0と発表され、6月の49.3、7月の43.4という低下傾向に歯止めがかかったことは、8月雇用統計に向けてプラス要因となる。しかし、先日発表された8月の米消費者信頼感指数では、職が「十分」と「就職困難」の回答から算出する労働市場格差に関する指数は7月の17.1から16.4となり、2021年3月以来の水準に縮小していた。
米8月失業率は7月の4.3%から低下が見込まれ、非農業部門雇用者数は7月の増加幅から拡大が見込まれているものの、予断を許さない状況が続くことになる。
10時30分に発表される4-6月期豪国内総生産(GDP)は前期比+0.3%と予想されており、1-3月期の+0.1%からやや改善することが見込まれている。しかしながら、高金利と物価高が消費や住宅建設業界の重荷になっていることで、低成長が続くことが見込まれている。また、昨日発表された4-6月期豪経常収支が6年ぶりの大幅な赤字となったことで、GDPがマイナス成長となるリスクが浮上しており、ネガティブサプライズには警戒しておきたい。前年比は+1.0%と予想されており、前期の同比+1.1%からの縮小が見込まれており、コロナ禍以来の低成長になると予想されている。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 37640 -1150 (-2.96%)
TOPIX先物 2681.0 -50.5 (-1.84%)
シカゴ日経平均先物 37595 -1195
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が大幅に下落。8月の米ISM製造業総合景況指数は47.2だった。5カ月連続で活動縮小となったほか、市場予想(47.5程度)を下回った。週末に8月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、持ち高調整の売りが優勢となった。
半導体株に売りが膨らみ、エヌビディア<NVDA>が9.5%超下落したほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やクアルコム<QCOM>、インテル<INTC>なども大きく売られ、SOX指数の下落率は7.7%と今年最大。アップル<AAPL>やアマゾン・ドットコム<AMZN>、アルファベット<GOOG>、メタプラットフォームズ<META>など大型テック株も下落した。S&P500業種別指数は電気通信サービス、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコが上昇した一方で、半導体・同製造装置、資本財、メディアが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比1195円安の3万7595円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円高の3万8810円で始まり、開始直後に付けた3万8860円を高値に下落に転じており、3万8400円~3万8600円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後に下へのバイアスが強まり、3万8000円を割り込んだ。いったんは3万7840円辺りで下げ止まり、中盤にかけて3万8000円台を回復する場面もみられた。しかし、終盤に再びショートが強まり、一時3万7440円まで下落幅を広げた。終了間際に若干買い戻され、3万7640円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せしギャップダウンで始まることになりそうだ。ナイトセッションで支持線として意識されていた75日移動平均線(3万8610円)を大きく割り込み、200日線(3万7290円)、25日線(3万7110円)に接近している。200日線近辺まで一気に下げてきたことで、売り一巡後は下げ渋りも意識されやすいところだが、エヌビディアなど半導体株の急落によって投資家心理は悪化している。
昨日はアドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、TDK <6762.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株を中心に弱い値動きが目立っていたが、本日も日経平均株価を押し下げる形になろう。値がさハイテク株の戻りの鈍さが意識されるようだと、リバウンド狙いのロングも入りにくい。
急ピッチの下落によってヘッジ対応のショートが強まりやすくなるため、200日線辺りを支持線としたオプション権利行使価格の3万7250円から3万8250円辺りのレンジを想定する。売り一巡後はいったん押し目狙いのロング対応とし、底堅さを見極める必要がある。戻りの鈍さがみられる局面では、戻り待ち狙いのショートによるスキャルピングでのトレードに向かいそうだ。
なお、3日の米VIX指数は20.72(前日は15.55)に上昇した。25日線が位置する19.10を上回り、8月12日以来の20.00を上回ってきた。20.00を上回って推移するようだと、リスク回避姿勢が強まりやすい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。14.26倍と小幅に上昇して始まったが、値がさハイテク株が売られるなか、14.15倍まで下げる場面もみられた。終盤にかけて200日線水準まで戻しているが、本日もハイテク株の下げが見込まれるため、14.11倍辺りで推移する75日線辺りまでの低下を意識しておいた方が良さそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比1380円安の3万7410円(-3.55%)前後で推移。寄り付きは3万7500円と、シカゴ日経平均先物(3万7595円)にサヤ寄せする形から、大幅に下落して始まった。売り一巡後は3万7570円まで下げ渋る動きもみられたが、中盤にかけて下へのバイアスが強まり、一時3万7110円まで売られた。中盤以降はショートカバーの動きも入り下落幅を縮めているが、3万7300円~3万7500円辺りでの不安定な値動きである。
米国市場でのハイテク株を中心とした下げの影響から、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が大きく売られており、日経平均株価を押し下げている。また、為替市場ではドル円が円高に振れて推移していることが輸出関連株の売りにつながっており、東証プライムの9割近い銘柄が下落した。日経225先物は3万7110円まで下落し、200日移動平均線(3万7290円)を割り込み、25日線(3万7100円)水準まで売られた。明確なボトムは確認できないものの、いったんは一巡感が意識されてきそうだ。25日線を明確に割り込んでくるようだとロング解消の動きが加速する可能性を警戒しつつ、短期的には押し目狙いのロングが入りやすい水準である。
NT倍率は先物中心限月で14.05倍に低下した。14.11倍辺りに位置している75日線を下回ってきた。後場はリバランスが入るかが注目されるところであり、75日線が抵抗線に変わるようだと、NTショートでのスプレッド狙いの動きが強まる可能性がありそうだ。
昨日は、レイバーデーが明けて本格的な後半戦に突入した米短期勢が大暴れとなりました。東京時間午後に入って、植田日銀総裁の経済財政諮問会議での発言が伝わると、本邦勢からみれば、「これまでと同じ見解を改めて示したに過ぎない」との認識だったわけですが、日銀ネタに敏感な短期勢があたかも連続利上げを示唆したかのような反応となって売り仕掛け。ドル円は一時145.61円まで値を下げました。
その後は146.29円まで買戻されたものの、NY勢が本格的に参入すると、今度は米株が急落。引け後に判明した事実ですが、NVIDIAに米司法省から独禁法調査のための召喚状が送付されたようで、恐らく「ある程度知っていて売り仕掛けたのだろう」との認識。米株と日経平均の急落を受けて全般リスクオフの動きとなるとクロス円中心に売りが強まる展開に。一時145.16円まで売り込まれました。
注目されていた8月米ISM製造業景気指数はヘッドラインこそ予想を下回る弱い数字でしたが、内訳の雇用指数は7月の43.4から46.0に改善。ドル円は145.92円まで買戻されることになりましたが、株価が下げ幅をひろげるなか、再び戻り売りに押されて連休明けのNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、当然のように日経平均とドル円の売り仕掛けが先行したわけですが、流石に分かり切った動き。ドル円は144.89円まで値を下げた後、株価の下げ止まりとともに下値を切り上げているといったところです。目先は一目転換線が位置する145.33円が重要なポイントとして意識されています。
いずれにしても、ドル円は目先の日経平均の動向に左右される展開が続いていますが、日銀ネタが極めて短期的な動きにしか使えないなか、市場が一番重要視しなければならない米雇用関連指数をきちんと見極めることが必要となっているわけで、昨日の米ISMでの雇用指数の改善の意味するところをしっかりと認識しなければならず、今夜も当然のことながら、米JOLTS求人件数の動向を確認することになります。 米債券市場が株式市場のNVIDIAショックとは裏腹に、不思議と落ち着いた動きとなっていますが、今回の急落が本当の意味でのリスクオフではないことを暗に示しているのかもしれません。
豪準備銀行(RBA)は利上げの可能性を示唆し、NZ準備銀行(RBNZ)は利下げの可能性を示唆しており、金融政策のデカップリングが豪ドル/NZドルを南極に向かわせつつある。
1.タカ派の豪準備銀行(RBA):インフレ目標(2~3%)
■政策金利:4.35%(6会合連続で据え置き)
「インフレ率が持続的に目標レンジに近づいていると政策委員会が確信を得るまで、政策は十分に景気抑制的でなければならない」
「6月理事会:インフレが目標値に戻るのが想定よりも遅れたり、総需要と総供給のギャップが十分なペースで縮小していないと判断されたりする場合は利上げが正当化される」
■4-6月消費者物価指数(CPI):前年比+3.8%・コア+3.9%
■ブロックRBA総裁
「12月の利下げの織り込みは中銀の考えと一致しない」
「CPIが予測と整合しない場合は利上げに動くだろう」
「利下げは目先のアジェンダにはない」
「政策委は利上げを検討し、据え置きを決定した」
「グローバル市場のボラティリティーを注視する」
「市場のボラティリティーは過剰反応だったと感じられる」
「CPIの目標回帰に時間がかかり過ぎるリスク」
「政策金利の水準はCPIと雇用のバランスという意味で適切」
2.ハト派のNZ準備銀行(RBNZ):インフレ目標(1~3%)
■政策金利:5.25%(▲0.25%)
「インフレ率が中銀目標の1-3%に近づいており、今後さらなる利下げを行う可能性」
「追加緩和のペースは、価格動向が低インフレ環境と一致しており、インフレ期待が2%の目標付近で安定しているという委員会の確信に左右される」
■4-6月消費者物価指数(CPI):前年比+3.33%・コア+3.45%
■オアRBNZ総裁
「5月以降成長が鈍化し、物価予想に関する懸念は解消した」
「価格設定行動が急速に変化していることは良いニュースだ」
■RBNZ見通し
・リセッション(景気後退):今年2四半期連続でマイナス成長となり、テクニカルなリセッション(景気後退)に陥ると予想
・フォワードガイダンス:来年半ばまでに少なくともあと3回の利下げを示唆
・24年第4・四半期:4.9%
・25年第2・四半期:4.4%
大和証券では、コモディティ価格の低迷が加速し、ブレークイーブン・インフレ率もインフレ目標2%と整合的な水準から徐々に逸脱しつつあると指摘。過去のトラウマにとらわれてバックミラーに映る過去のデータを過度に重視する中央銀行が景気をオーバーキルする未来を映し始めている可能性があると考えている。9月3日に米金利は大幅に低下したが、ISM製造業指数の発表前、WTI原油先物の急落と同期して生じていた点に着目しており、ISM低迷→Fed利下げ期待というシンプルな産物ではなかった点には注意を要するとコメントしている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、8月の仏独ユーロ圏のサービス部門PMI改定値や7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)を見極めた後、ビルロワドガロー仏中銀総裁の講演に注目する展開となる。
また、引き続きウクライナ戦争に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は、前年同月比+2.2%と、2021年半ば以来の低水準に減速した。ハト派のビルロワドガロー仏中銀総裁は「個人的には9月12日の会合では行動すべきだと考えている。新たな利下げを決定するのは正当であり、賢明と言えるだろう」と述べており、本日の講演でも同様の見解が予想される。
タカ派と目されるナーゲル独連銀総裁は、昨日、「インフレの大波は終わった。9月利下げを支持するかどうかは事前に明言しない」と述べているものの、先日、物価が今の道筋の通りで推移するとの条件付で、複数回の利下げに前向きな見方を明かしていた。
先日発表された8月の仏独ユーロ圏の製造業PMI改定値は、上方修正されたことで、サービス部門PMI改定値も上方修正される可能性が高まっている。
ポンドドルも8月英サービス部門PMI改定値を見極めた後は、米10年債利回りの動向次第の展開が予想される。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1114ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:161.46円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3266ドル(8/27高値)
・ポンド円:191.50円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0990ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:159.79円(8/12安値)
・ポンドドル:1.3011ドル(8/21安値)
・ポンド円:188.84円(日足一目均衡表・基準線)
(4日15時時点)
ドル円:1ドル=145.16円(前営業日NY終値比▲0.32円)
ユーロ円:1ユーロ=160.52円(▲0.13円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1058ドル(△0.0015ドル)
日経平均株価:37047.61円(前営業日比▲1638.70円)
東証株価指数(TOPIX):2633.49(▲99.78)
債券先物9月物:144.82円(△0.41円)
新発10年物国債利回り:0.885%(▲0.035%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。日経平均株価が大幅安となったことを受け、リスク回避目的の円買いが先行した。昨日安値の145.16円を下抜けて一時144.89円まで下押し。一巡後は145.50円台まで買い戻しが入る場面もあったが、戻りは鈍かった。
・ユーロ円は小安い。日本株の下落に伴って160.11円まで下げた後、160.89円まで下値を切り上げる場面も見られたが、ドル円と同じく積極的に買い戻しを進める展開にはならなかった。
・ユーロドルは小高い。対円などでドル売りが進んだ影響もあり、1.1060ドルまでやや値を上げた。
・日経平均株価は大幅続落。昨日の米国株式市場でエヌビディアなどハイテク株が軒並み安となったことを受け、本日の東京市場でも半導体関連株など幅広い銘柄に売りが波及した。外国為替市場で円高・ドル安が進んだことも相場の重しとなり、指数は一時1800円超の大幅安となった。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。前日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いだほか、日経平均の急落も安全資産としての債券買いを誘った。
大阪9月限
日経225先物 37000 -1790 (-4.61%)
TOPIX先物 2632.5 -99.0 (-3.62%)
日経225先物(9月限)は前日比1790円安の3万7000円で取引を終了。寄り付きは3万7500円と、シカゴ日経平均先物(3万7595円)にサヤ寄せする形で大幅に下落して始まった。売り一巡後は3万7570円まで下げ渋る動きもみられたが、前場中盤にかけて下へのバイアスが強まり、3万7110円まで売られた。
200日移動平均線を割り込み、心理的な支持線として意識される25日線水準まで一気に下げたことにより、前場終盤にはショートカバーも入り、3万7510円辺りまで下げ渋る動きもみられた。ただし、積極的なロングの動きはなく、200日線水準での推移が続くなか、後場中盤に25日線を割り込むと一時3万6870円まで下落幅を広げた。終盤にかけては3万6900円~3万7100円処での推移となった。
米国市場がハイテク株を中心に下げた影響から、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が大きく売られており、日経平均株価を押し下げていた。また、為替市場ではドル・円が円高に振れたことが輸出関連株の売りにつながっており、東証プライムの9割超の銘柄が下落する全面安商状だった。
日経225先物は後場中盤に25日線を割り込んだことで、短期的なショートが強まったようである。25日線は3万7000円辺りに低下しており、同水準での底堅さをみせてくるかが注目されそうだ。ただし、3万7300円辺りに位置する200日線水準で上値の重さが警戒されてくるようだと、一段安の可能性が強まろう。
3万7000円を下回っての値動きが続くと、ボリンジャーバンドの中心値(25日)と-1σ(3万5240円)とのレンジに移行する局面も意識されてきた。まずは3万7000円での底固めから、早期に200日線を突破できるかを見極めたい。ただし、米国では週末の雇用統計に対する警戒感も強く、スキャルピング中心のトレードが続きそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.05倍に低下した。14.11倍辺りに位置している75日線を下回ってきており、同線が抵抗線に変わると、NTショートでのスプレッド狙いの動きが強まる可能性がある。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の底入れ感が強まればリバランスに向かいそうだが、目先的にはいったん14.00倍割れは想定しておきたい。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万8248枚、ソシエテジェネラル証券が2万2171枚、サスケハナ・ホンコンが8716枚、ゴールドマン証券が5772枚、JPモルガン証券が5520枚、野村証券が4228枚、バークレイズ証券が4188枚、SBI証券が3736枚、モルガンMUFG証券が3497枚、みずほ証券が2672枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万8388枚、ソシエテジェネラル証券が2万9614枚、バークレイズ証券が6181枚、JPモルガン証券が5650枚、モルガンMUFG証券が5377枚、ゴールドマン証券が5079枚、ビーオブエー証券が4252枚、サスケハナ・ホンコンが3672枚、野村証券が2978枚、みずほ証券が2884枚だった。
ドル円は昨日の米株安を背景としたリスク回避の動きを受けて軟調に推移。本日の日経平均の大幅安も重しとなり、欧州市場で144.76円まで下値を広げている。
本日のNY市場でのドル円は、7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や株価の動向を見極めつつ、引き続き神経質な展開が予想される。
米国では本日複数の指標が発表予定となっているが、その中でも最も注目されているのが、7月JOLTS求人件数だろう。市場予想は810.0万件と6月(818.4万件)からわずかに後退が見込まれている。
先月パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がジャクソンホールで「労働市場のさらなる冷え込みを防ぐため『政策金利を引き下げる時が来た』」と表明したことで、市場の関心はこれまでのインフレから雇用に移っている。もちろん、6日に発表される8月米雇用統計が最大の関心事ではあるが、本日の指標も米雇用状況を推し量る上で重要である。予想のみならず5月の805.9万件をも下回るようだと、雇用統計への悲観的な見方につながりドル売り圧力が強まる可能性がある。
ただ、一度荒れたドル円相場が落ち着くには時間がかかることが予想されるため、予想外に良好な結果が伝わるとドル円を買い戻す動きが活発化することもあり得る。そのほか、米国では7月貿易収支や米地区連銀経済報告(ベージュブック)などの発表も予定されている。
また、昨日のドル円下落の一因となった米国株について、昨日下落した反動で自律反発を期待する声もあるが、戻りが鈍いようだと軟調地合いを引き継いで続落もあり得る。特にダウ平均については前週に連続で高値更新をしており、利益確定売りが出やすい面もありそうだ。米指標発表後の反応にも注目したい。
そのほか、カナダではカナダ中銀(BOC)金融政策決定会合があり、市場では政策金利を0.25%引き下げて4.25%にすると見られている。利下げ自体はほぼ織り込み済みといった状況のため、声明で今後の利下げペースについて言及があるか注目されよう。
想定レンジ上限
・ドル円は21日移動平均線の146.10円。
・カナダドル円は日足一目均衡表・転換線107.64円を超えると、その上は節目の108.00円
想定レンジ下限
・ドル円は8月29日安値144.22円。
・カナダドル円は日足一目・基準線106.41円。割るとピボット・サポート2の105.94円
今晩は上値の重い展開か。
昨日は8月ISM製造業購買担当者景気指数 (PMI)などが予想を下回ったことで景気後退(リセッション)懸念が再燃する中、エヌビディアなどの半導体株が大きく下落し、相場全体の下げを主導した。ダウ平均は626.15ドル安(-1.51%)と3営業日ぶりに大幅反落し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ2.12%安、3.26%安と大幅反落した。一日の下落率は3指数ともに8月5日以来の大きさとなった。引け後の動きではエヌビディアが時間外で2%超下落。AI向け半導体の独占禁止法上の問題で司法省が同社に召喚状を送付したとのブルームバーグ報道が売り材料となっている。
今晩の取引では前日の大幅安で押し目買いが期待されるものの、前日に9.53%安となったエヌビディアの続落が予想され、ハイテク株を中心に上値の重い展開か。利下げ見通しを巡っては、今週は週末金曜日に発表される米8月雇用統計が最大の注目点となるが、今晩発表される7月JOLTS求人件数などにも要注目か。
今晩の米経済指標・イベントは7月JOLTS求人件数のほか、7月製造業新規受注、7月貿易収支、MBA住宅ローン申請指数など。企業決算は寄り前にダラー・ツリー、 ホーメル・フーズ、引け後にヒューレット・パッカード・エンターなどが発表予定。
日経平均株価は急落。下落幅は4ケタに拡大し、大幅続落となった。取引時間中の戻りも鈍く、後場も水準を切り下げる動きが続いた。
RSI(9日)は前日の78.4%→28.2%(9/4)へ急低下。8/16の上昇で開けたマド埋め後は下げ渋ったが、25日移動平均線(37115円 9/4)をあっさり下回って終えた。25日移動平均線が再び下向きに変化しており、目先は下方向に振れやすい。しかし、一目均衡表の基準線(35172円 同)との離れが依然として大きかったことで、36000円~36500円処に向けて突如押し戻される動きは許容範囲である。8月中旬以降も上昇基調が続いたが、モメンタム自体が減速する中での一時的な急落は珍しい動きではない。現在、横ばいの基準線が上向きに転じる来週後半あたりまでに落ち着けるかが焦点となる。
上値メドは、200日移動平均線(37444円 同)、心理的節目の38000円、10日移動平均線(38279円)、心理的節目の39000円や4万円などがある。下値メドは、心理的節目の36500円や36000円、8/7高値(35849円)、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)などがある。
(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.08円(4日15時時点比▲1.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.43円(▲1.09円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1066ドル(△0.0008ドル)
FTSE100種総合株価指数:8269.60(前営業日比▲28.86)
ドイツ株式指数(DAX):18591.85(▲155.26)
10年物英国債利回り:3.935%(▲0.055%)
10年物独国債利回り:2.224%(▲0.053%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月仏サービス部門PMI改定値
55.0 55.0
8月独サービス部門PMI改定値
51.2 51.4
8月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
52.9 53.3
8月英サービス部門PMI改定値
53.7 53.3
7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.8% 0.6%・改
(前年比) ▲2.1% ▲3.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。しばらくは145.00円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、NYの取引時間帯に入ると下落した。市場の注目が集まっていた7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が767.3万件と予想の810.0万件を下回ったうえ、前月の数値が下方修正されたことが分かると、米金融当局による大幅利下げ観測が高まった。米長期金利が低下し、全般ドル売りが優勢となった。アジア時間の安値144.76円を下抜けて一時143.95円まで値を下げた。市場では「米連邦準備理事会(FRB)が今月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げに踏み切るハードルを下げるものだった」との声が聞かれた。
米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時3.7684%前後まで低下した。
・ユーロドルは堅調。しばらくは1.10ドル台半ばでのもみ合いが続いていたが、低調な米雇用指標をきっかけに全般ドル売りが優勢になると、24時前に一時1.1095ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.24まで低下した。
・ユーロ円はさえない。ユーロドルの上昇につれた買いが入った半面、ドル円の下落につれた売りが出た。3時過ぎに一時159.37円と8月8日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
米景気先行き懸念などを背景に前日の米株式相場は大幅に下落。これを受けて本日の日本株相場も急落しており、リスク・オフの円買いも入りやすかった。
・ロンドン株式相場は4日続落。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が下落したことを受けて、英株にも売りが波及した。アストラゼネカやスミス・アンド・ネフューなど医薬品株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値下がりした。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も軟調だった。
・フランクフルト株式相場は続落。前日の米国や本日のアジアでの株価下落を受けて投資家心理が悪化すると、独株にも売りが出た。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(3.82%安)やダイムラー・トラック・ホールディング(3.29%安)、コメルツ銀行(2.71%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇した。米債高につれた。
4日の日経平均は大幅続落。終値は1638円安の37047円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり97/値下がり1528。8月の月次が良かったニトリHDが円高も追い風に大幅高。ABCマート、ユナイテッドアローズも月次を材料に上昇した。物色が保守的に傾く中、スギ、ウエルシア、クスリのアオキなどドラッグストア株に資金が向かった。また、バンダイナムコ、タカラトミー、ハピネットなど玩具株にしっかりとした動きが見られた。ベインキャピタルによる買収観測が報じられた富士ソフトが7%を超える上昇となった。
一方、ディスコのほか、東京エレクトロン、レーザーテック、アドバンテストなど半導体株が軒並み急落。原油価格下落を受けて、INPEX、出光興産、コスモエネルギーなど、鉱業・石油卸株が派手に下げた。米長期金利の低下を受けて、三菱UFJや三井住友など銀行株が大幅安。株安を受けて野村HDや大和証Gなど証券株の下げが大きくなった。内田洋行は今期の増収増益計画が好感されず、9%を超える下落となった。
日経平均は大幅安。8月5日に4451円安となって以来の4桁下落となった。米国動向から大きく水準を切り下げることは予想されたが、1000円程度で止まらず1600円近く下げたことは非常に印象が悪い。
あす挽回できないようだと、日本株は二番底に対する警戒が急速に高まってくる。金曜6日は米8月雇用統計の発表日で、リスク回避姿勢が強まりやすい。あす下落するようなら、金曜は値持ちの良かった銘柄を手じまう動きが出てくるだろう。上昇したとしても中途半端な上げであれば、金曜は楽観的にはなれない。少し先のスケジュールを確認すると、9月の東京市場は16日と23日の月曜が休場で三連休が二度ある。日経平均の上昇基調が止まったのが7月の三連休近辺(7月15日の月曜が休場、日経平均は7月11日が天井)で、相場が荒れると市場の空白リスクが強く意識される。
日経平均が4桁下落となっても弱いのが半導体株だけであればまだ良かったが、売買代金上位20銘柄では、最も下落率が小さかったファーストリテイリングで2.6%安。三菱UFJもトヨタも三菱重工も前日には跳ねたメルカリも、こぞって大きく売られている。投資家が勇気と知恵を絞って難しい相場の中で買いを入れても、きょうのようになし崩し的な下げが出てくると、今は静観するしかないとの見方が強まってくる。きょうの動きが良かった銘柄があす買われたとしても、日本株の先行き不透明感は払しょくされない。きょう売り込まれた銘柄の中に鋭角的に切り返す銘柄が出てくることが期待される。
(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.74円(前営業日比▲1.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.30円(▲1.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1082ドル(△0.0039ドル)
ダウ工業株30種平均:40974.97ドル(△38.04ドル)
ナスダック総合株価指数:17084.30(▲52.00)
10年物米国債利回り:3.76%(▲0.07%)
WTI原油先物10月限:1バレル=69.20ドル(▲1.14ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2526.0ドル(△3.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米貿易収支
788億ドルの赤字 730億ドルの赤字・改
7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
767.3万件 791.0万件・改
7月米製造業新規受注
(前月比) 5.0% ▲3.3%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。市場の注目が集まっていた7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が767.3万件と予想の810.0万件を下回ったうえ、前月の数値が下方修正されたことが分かると、米金融当局による大幅利下げ観測が高まった。米長期金利が低下し、全般ドル売りが広がると、取引終了間際に一時143.71円まで値を下げた。市場では「米連邦準備理事会(FRB)が今月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げに踏み切るハードルを下げるものだった」との声が聞かれた。
米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時3.7515%前後まで低下した。
・ユーロドルは反発。低調な米雇用指標をきっかけに全般ドル売りが優勢になると、24時前に一時1.1095ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.24まで低下した。
・ユーロ円は続落。ユーロドルの上昇につれた買いが入った半面、ドル円の下落につれた売りが出た。取引終了間際に一時159.26円と8月8日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
米景気先行き懸念などを背景に前日の米株式相場は大幅に下落。これを受けて本日の日本株相場も急落しており、リスク・オフの円買いも入りやすかった。
・米ドルカナダドルは一時1.3500カナダドルまで米ドル安・カナダドル高が進んだ。低調な米雇用指標をきっかけに米ドル売りが優勢となった流れに沿った。一方、カナダドル円は106.38円まで下落した。クロス円は総じて上値が重かった。
なお、カナダ中銀(BOC)はこの日、市場予想通り政策金利を4.50%から4.25%に引き下げることを決めたと発表。声明では「政策は今後得られる情報や、それらがインフレの見通しに対して及ぼす影響を評価しながら決定する」と指摘し、引き続き慎重に運営を進める考えを示した。また、マックレムBOC総裁は会見で「経済が減速し過ぎてインフレ率が下がり過ぎるリスクに一層警戒する必要がある。インフレが目標を上回ることと同じくらい、目標を下回ることも懸念している」と語った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反発。前日に急落した反動で自律反発狙いの買いが入った。ただ、7月米JOLTS求人件数が2021年1月以来の低水準となり、米労働市場の一段の減速が示されると上値が重くなった。市場では「6日の8月米雇用統計前に様子見姿勢も強かった」との声が聞かれた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落。エヌビディアが続落した一方、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)など半導体関連の一部が買われた。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。米景気の先行きに対する警戒感がくすぶる中、7月米JOLTS求人件数が予想を下回り、2021年1月以来の低水準を付けると米国債に買いが集まった。
・原油先物相場は3日続落。軟調に推移していた原油先物は「OPECプラスが10月から予定していた増産計画の延期の合意が近い」との報道が流れると71ドル台半ばまで上昇する場面もあった。しかしながら、中国の経済停滞や、ここ最近の米国の経済指標の弱さから、世界的な原油需要減退懸念の流れが払しょくできないことで上値が重く、引け間際には下げ幅を広げ3日続落して引けた。
・金先物相場は3日ぶりに反発。7月米JOLTS求人件数が市場予想を下回る結果となると、米金利が低下し、ドル安が進んだことで、ドルで取引される金先物は割安感から3日ぶりに反発した。また、今週の金曜日発表予定の米雇用統計を前に安全資産とされる金先物に資金が逃避していたとの声もあった。
4日14:47 チポローネECB専務理事
「欧州中央銀行(ECB)の政策は、ユーロ圏のインフレ率が引き続き鈍化していることからは追加利下げが可能になる」
「ECBの政策は、過度に制約的になるリスクがある」
4日22:45 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「世界経済は第2四半期に約2.5%成長し、7月の予測と一致」
「米国では、消費が牽引し経済成長は予想を上回ったが、労働市場は減速している」
「ユーロ圏の成長は観光業やその他サービス業によって押し上げられたが、製造業は軟調だった」
「両地域のインフレは引き続き緩やかである」
「カナダドルは、主に米ドル安を反映して小幅に上昇している」
「原油価格は7月に想定されていたよりも低い」
「カナダの第2四半期の経済成長率は2.1%。これは7月予測よりわずかに高い数値」
「労働市場は引き続き減速しており、ここ数カ月の雇用状況はほとんど変化していない」
「ただ、賃金の伸びは生産性に比べて高い水準を維持している」
「予想通り、インフレ率は7月にさらに鈍化し、2.5%となった」
「住宅価格の高騰は依然としてインフレ率全体の最大の要因だが、鈍化し始めている」
「他のサービスでもインフレ率は依然として高いままである」
「幅広いインフレ圧力が引き続き緩和していることから、理事会は政策金利をさらに0.25%引き下げることを決定した」
「経済における過剰供給は引き続きインフレ率に下押し圧力をかけており、住宅価格やその他サービスの価格上昇はインフレ率を押し下げている」
「金融政策の決定は、今後得られる情報と、それがインフレ見通しに与える影響に関する当行の評価に基づいて行われる」
「物価安定を回復するという確固たる決意を維持」
4日23:05 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「労働市場が徐々に緩和する中でソフトランディングの可能性を予測」
「賃金上昇は物価安定に寄与する水準に後退」
「ビジネス関係者によると、労働市場は緩和傾向にあるものの、依然として概ね安定している」
「現在はインフレと同等に最大雇用目標を重視している」
「インフレリスクが引き続き低下するよう、FRBは警戒を怠らない必要がある」
「リスクが残っているため、インフレに対する勝利を宣言する準備はまだできていない」
「価格圧力は急速に、そして広範囲に減少している」
「ビジネス関係者の間ではパニックは起きていないが、経済と労働市場は勢いを失っていると述べている」
「最近のインフレ報告は、インフレが2%への持続可能な道を進む可能性が高いという自信を強めている」
「経済のソフトランディングは近いかもしれない」
「制限的な政策スタンスを長く維持してはならない」
4日23:50 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「25ベーシス・ポイント(bp)の引き下げに強いコンセンサスがあった」
「引き下げペースの減速や50bpの引き下げなど、様々なシナリオについて議論した」
「インフレ率はまだ目標を上回っている」
「現時点では、25bpの引き下げが適切と思われる」
「FRBとの金利差による為替レートへの大きな影響は見られない」
※時間は日本時間
5日03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「米経済活動は3地区でわずかに拡大した一方、横ばいまたは縮小したと報告した地区の数は5地区から9地区に増加した」
「雇用は全体的に安定していたが、企業が必要なポジションのみを埋め、勤務時間やシフトを減らし、または人員削減によって雇用全体を下げたという報告が散発的にあった。それでもレイオフの報告はまれだった」
「全体として、賃金の伸びは緩やかだった」
「製造業活動はほとんどの地区で減少し、2地区はこれらの減少はセクターの継続的な縮小の一部であると指摘した」
「ほとんどの地区で住宅販売の軟調さが示された」
「今後数カ月間は経済活動が安定または多少改善すると全般的に予想しているものの、3地区は若干の減少を予想」
「雇用はここ数週間、概ね横ばいから若干の上昇となった」
「5地区では全体の従業員数が若干または緩やかな増加となったが、いくつかの地区では企業がシフトや勤務時間を削減し、募集中の職種を空席のままにしたり、自然減で従業員数を減らしたりしたと報告」
「雇用主は需要と不透明な経済見通しへの懸念を理由に、採用においてより慎重になり、従業員数を増やす可能性は低くなった」
「全体として、賃金は最近の報告書で説明されている減速傾向に沿って緩やかなペースで上昇した」
「全体として、物価は緩やかに上昇した」
「ただ、3地区では販売価格のわずかな上昇のみが報告された」
「多くの地区では、輸送費と保険料の両方が引き続き上昇していると報告」
「今後数カ月で価格とコスト圧力が安定するか、さらに緩和すると予想」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 7月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.9%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◇ 高田創日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○10:30 ◇ 7月豪貿易収支(予想:50.00億豪ドルの黒字)
○12:05 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○14:45 ◇ 8月スイス失業率(季節調整前、予想:2.4%)
○15:00 ◎ 7月独製造業新規受注(予想:前月比▲1.7%/前年同月比▲1.9%)
○17:30 ◎ 8月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:54.9)
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.1%/前年比0.1%)
○18:00 ◎ 4-6月期南アフリカ経常収支(予想:662億ランドの赤字)
○20:30 ◇ 8月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:15 ☆ 8月ADP全米雇用報告(予想:14.5万人)
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比▲0.1%)
○21:30 ◇ 4-6月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比2.5%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/186.5万人)
○22:45 ◎ 8月米サービス部門PMI改定値(予想:55.0)
○22:45 ◎ 8月米総?⑰MI改定値(予想:53.9)
○23:00 ☆ 8月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:51.1)
○23:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○24:00 ◇ EIA週間在庫統計
○6日03:00 ◎ 8月ブラジル貿易収支(予想:61.00億ドルの黒字)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36520 -480 (-1.29%)
TOPIX先物 2610.50 -22.0 (-0.83%)
シカゴ日経平均先物 36725 -275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
4日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。7月の米雇用動態調査(JOLTS)は求人件数が767万3000件と前月の791万件から減少し、市場予想(810万件程度)を下回った。労働市場の一段の減速を示す内容と受け止められ、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利下げを予想する見方が高まった。前日の大幅な下落に対する自律反発狙いの買いがディフェンシブ株を中心に入ったことでNYダウは反発。ただし、週末の8月の米雇用統計の発表を控え、様子見ムードも強かった。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>などハイテク株の一角には買い戻しもみられたが、ナスダック指数は小幅に続落。S&P500業種別指数は自動車・同部品、家庭用品・パーソナル用品、公益事業が上昇した半面、エネルギー、電気通信サービス、小売が下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比275円安の3万6725円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比50円安の3万6950円で始まり、その後プラスに転じ、3万7240円まで買われる場面もみられた。ただし、200日移動平均線(3万7310円)を捉えることはできず、買い一巡後は3万6840円~3万7140円辺りで保ち合いを継続。終盤にレンジを下放れ、3万6520円とナイトセッションの安値で終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。ナイトセッションの開始直後には25日線(3万6970円)を上回り、200日線に接近する場面もみられたが、結局は両線が抵抗線として機能する形となった。ボリンジャーバンドの中心値(25日)を下回ったことで、-1σ(3万5220円)との推移が意識されそうだ。
また、米国では足もとの経済指標の結果を受け、FOMCでの0.5%利下げの確率が上昇している。米長期金利は低下し、為替市場ではドル・円が1ドル=143円台と円高に振れて推移するなか、日経225先物はリバウンド狙いのロンを手控えさせそうだ。52週線が3万6250円辺りに位置しており、同水準を試してくる展開が意識されてくるだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万6250円から3万7250円のレンジを想定する。52週線の攻防をみせてくるようだと、ショートが入りやすくなることで下へのバイアスが強まり、瞬間的に3万6000円を割り込む場面を警戒しておく必要がありそうだ。反対に200日線水準での推移をみせてくるようだと、前日の大幅な下げに対するショートカバーが意識されてくるとみられる。もっとも、米雇用統計の結果待ちのなかでポジションを傾けてくる動きは限られるため、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。
なお、4日の米VIX指数は21.32(前日は20.72)に上昇した。一時19.34まで低下する場面もみられたが、前日に上回った25日線が支持線として機能する形だった。依然としてボトム圏での推移ではあるものの、20.00を上回って推移するようだと、リスク回避姿勢に向かいやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.05倍に低下した。14.11倍辺りに位置している75日線を下回ってきており、NTショートでのスプレッド狙いの動きが強まる可能性がありそうだ。円高が重荷となり輸出関連株などは売られそうだが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株に明確な底入れがみられるまでは、NTショートに振れやすいとみられ、14.00倍割れを想定しておきたいところである。
4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が767.3万件と予想の810.0万件を下回り、米10年債利回りが一時3.7515%前後まで低下したことで143.71円まで値を下げた。ユーロドルは低調な米雇用指標を受けて1.1095ドルまで上昇。ユーロ円は159.26円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの低下や明日発表される米8月雇用統計への警戒感などから軟調推移が予想される中、7月実質賃金と高田日銀審議委員の発言に注目する展開が予想される。
8時30分に発表される7月毎月勤労統計(現金給与総額)では、実質賃金に要注目となる。6月の毎月勤労統計では、現金給与総額が前年比+4.5%と、5月の同+2.0%から上昇率が急拡大したことで、実質賃金も前年比+1.1%(5月:同▲1.3%)と、22年3月以来のプラスとなった。7月の実質賃金もプラス圏を維持するのか、そして上昇率も拡大しているのかに要注目となる。
日本銀行は8月20日に日銀調査統計局の職員がまとめたインフレ圧力が持続する可能性を示唆する2本の論文を公表している。論文では、日本の慢性的な人手不足が賃金に与える潜在的な影響や、サービス業における企業の価格設定行動の変化に注目していた。
サービス価格に関する論文では、「賃金上昇圧力が高まるなかで、企業の価格設定行動も変化してきている」と指摘。人手不足の影響に関する論文では、国内の労働市場における構造変化が強調されており、労働者の賃上げ要求に影響が及ぶ可能性がある、と指摘していた。
植田日銀総裁は、7月31日の日銀金融政策決定会合の後の記者会見、8月23日の衆参両院で開催された閉会中審査、9月3日の経済財政諮問会議で、物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する方針を示していた。
実質賃金がプラス圏を維持していけば、物価の見通しが実現していくことになり、10月か12月の日銀金融政策決定会合で、金利の壁になるとは認識していないと述べた0.50%への追加利上げの可能性が高まることになる。
また、10時30分からの高田日銀審議委員のあいさつにも注目しておきたい。前回2月29日の講演ではマイナス金利解除に前向きな「タカ派」姿勢を示したことで、ドル円は150円台から149円台前半まで急落した。
当時の高田日銀審議委員は、植田日銀総裁や内田日銀副総裁によるマイナス金利解除に向けた地均し発言に沿った発言をしており、本日も、0.50%への追加利上げに言及するのか否かに注目しておきたい。
※一部表現を変更「追加利上げ」
昨日の海外市場では、いかに米雇用関連指標に焦点が当てられているかを証明するかのような動きとなりました。7月米JOLTS求人件数が予想の810.0万人を大幅に下回る767.3万人。更には6月の数字も下方修正されていたことが判明すると、米長期金利の低下とともにドル円も一時144.00円まで売り込まれることになりました。その後は144.42円まで買戻される場面もみられましたが、引けにかけては日経平均先物が大幅な下落となったほか、米10年債利回りが3.7515%まで低下幅をひろげるなか143.71円まで再び値を下げてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、日経平均先物が更に下落。市場では「早朝の全く流動性のないなか、スカスカの状態で米系短期が売り仕掛けてきた」との声も聞かれていますが、一時36190円まで下落。ドル円も8月26日の安値143.45円を下抜けて一時143.19円まで値を下げることになりました。ただ、現物の株価が690円近い下落となったものの、その後はプラス圏を回復するなど、下値を切り上げる展開となると、ゴトー日で本邦実需勢の買いが断続的に持ち込まれるなか143.83円まで買戻されているといったところです。
いずれにしても、明日の米雇用統計を前にして、今夜も4つの米雇用関連指数が予定されているなど、材料に事欠かない状況となっているわけですが、市場では既に昨日のJOLTSの数字を受けて再来週の50bp利下げを織り込み始めるなど、短期勢がかなり前掛かりになっている模様。昨日、NYFedが公表した7月の多変量コアトレンド(MCT)PCEが上方修正された6月の2.2%から7月は更に2.45%まで上昇に転じていることが判明しているほか、今朝方明らかになった7月の実質賃金も表向きは2カ月連続のプラスとなっているものの、その内訳はボーナスの影響が大きく、定期的な給料の実質賃金は逆に▲0.8%といった状態。
短期勢の完全に時間軸を無視したドル円と日経平均の売り仕掛けは、目先の動きとしては取りに行くことは可能ですが、方向性を取りにいくとすれば、やはりそこには整合性を取ることが出来なくなるというもの。今夜の米雇用関連指標を見る前に、市場は既に利下げマックスを再び織込んでしまっているなか、そして、NVIDIAショックを一手に引き受けるかたちとなってしまった日経平均も、日銀の連続追加利上げといったあまり現実的ではない可能性を前掛かりになって一緒に仕掛けた結果の1800円を超える暴落だったという認識を持ちつつ、乱高下する市場に臨みたいものです。
日経225先物は11時30分時点、前日比50円安の3万6950円(-0.13%)前後で推移。寄り付きは3万6410円と、シカゴ日経平均先物(3万6725円)を下回り、売りが先行して始まった。ナイトセッションで付けた安値(3万6520円)下回ったことで下へのバイアスが強まり、開始直後には3万6200円まで売られた。心理的な支持線となる52週移動平均線(3万6260円)まで下げたことから、その後はショートカバーが優勢となり、終盤にかけて一時3万7100円まで買われ、プラスに転じる場面もみられた。ただし、25日線(3万7000円)、200日線(3万7310円)近辺では強弱感が対立しやすく、カバーが一巡した後は、3万7000円を下回っての推移となった。
日経225先物は朝方に52週線まで売られた後は、ショートカバーの動きが入ったとみられる。ただし、前日の大幅な下落に対するリバウンドとしての戻りは鈍く、25日、200日線辺りを突破できないと、再びショートが入りやすくなりそうだ。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]などの指数インパクトの大きい値がさハイテク株についても、朝方に若干買い戻される動きをみせたものの、その後は再び軟調推移が続いており、リバウンド狙いのロングを入れにくいところである。
NT倍率は先物中心限月で13.96倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが日経平均型の重荷となるなか、NTショートでのスプレッド狙いの動きが強まってきた。
岸田首相は、9月の自民党総裁選への不出馬を表明したが、1986年以来となる160円台の円安を抑制するという置き土産を残した。
岸田首相は、鈴木財務相と神田財務官に対して、過去最大規模のドル売り・円買い介入を指示し、植田日銀総裁に対して、円安抑制のための利上げを指示したと思われる。
1.岸田首相
5月10日、岸田首相は経済財政諮問会議で、「最近の円安の動きを十分注視しており、政府・日銀は引き続き密接に連携をしていく」と述べた。
会議では、1-3月期のマイナス成長見込みや急激な円安など日本経済は新たな局面に向けた「正念場」にあるとの認識が示され、大幅な円安や資源高が生じた場合は、物価に大きな影響を与える可能性があり、その動向を注視することが重要だと指摘し、「物価の番人」である日銀が適切な金融政策運営を進めるように期待が示された。
2.植田日銀総裁
5月7日、植田日銀総裁は、岸田首相と会談後に為替についても議論したと明らかにした。植田総裁は「最近の円安について、日本銀行の政策運営上、十分注視をしていくということを確認した」と述べ、円安に対する問題意識を示した。
7月31日、日銀金融政策決定会合で政策金利(無担保コール翌日物金利)が、これまでの「0-0.1%程度」から、「0.25%程度」に引き上げられた。
そして、植田日銀総裁は記者会見で、「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べた。さらに、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示したことで、年内に1回(+0.25%=0.50%)、来年は1-2回程度で0.75%から1.00%に向けた利上げの可能性が示唆された。
3.神田財務官
神田財務官は、2022年秋の史上最大規模(当時)のドル売り・円買い介入(9兆1880億円)で、ドル円を高値151.95円から翌年1月の安値127.23円まで反落させた功績から、2024年7月までの3年間続投して「令和のミスター円」の称号を得た。
2024年の円買い介入(15兆3233億円=9兆7885億円+5兆5348億円)では、ドル円を1986年12月以来の高値161.95円から140円台まで反落させており、「勝つ介入」で有終の美を飾った。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、7月独製造業新規受注や7月ユーロ圏小売売上高などを見極めた後は、ニューヨーク市場で発表される米国雇用関連指標を待つ展開となる。
ポンドドルは8月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:54.9)に注目しておきたい。
7月独製造業新規受注(予想:前月比▲1.7%/前年同月比▲1.9%)や7月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比+0.1%/前年比+0.1%)では、来週12日に開催される欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げの可能性を探ることになる。
明日の米8月雇用統計に向けて米国の雇用指標に注目が集まっており、本日も8月米企業の人員削減数、8月ADP全米雇用報告、4-6月期米非農業部門労働生産性・改定値、前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数、8月米ISM非製造業「雇用」指数などを見極めて行くことになる。
また、引き続きウクライナ戦争に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
昨日は、ロシアのペスコフ大統領報道官が「集団的西側諸国」の行動により、核使用条件を定めた同国の軍事ドクトリンの変更が必要になった、との見解を示した。
ロシアが核兵器を使用する条件として挙げられているのは、以下の4つである。
・ロシアと同盟国への弾道ミサイル発射に関する信頼できる情報を入手したとき
・ロシアと同盟国に対して敵が核兵器や大量破壊兵器を使用したとき
・死活的に重要な政府や軍の施設に対して敵が干渉を行ったとき
・通常兵器によってロシアが侵略され国家の存立が危機的になったとき
昨日のウクライナ関連の報道は以下の通りとなっている
ショルツ独首相は、ドイツがウクライナへの支援を凍結するとの報道を否定した。
ラブロフ露外相は、米国がロシアの内陸部まで射程圏に入る長距離巡航ミサイルの供与についてウクライナと合意に近づいているという報道に関して、米国はロシアの「レッドライン」を軽視すべきでないと警告した。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1114ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:160.89円(9/4高値)
・ポンドドル:1.3266ドル(8/27高値)
・ポンド円:191.20円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0990ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:157.70円(8/7安値)
・ポンドドル:1.3011ドル(8/21安値)
・ポンド円:186.80円(日足一目均衡表・基準線)
(5日15時時点)
ドル円:1ドル=143.39円(前営業日NY終値比▲0.35円)
ユーロ円:1ユーロ=158.88円(▲0.42円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1080ドル(▲0.0002ドル)
日経平均株価:36657.09円(前営業日比▲390.52円)
東証株価指数(TOPIX):2620.76(▲12.73)
債券先物9月物:144.94円(△0.12円)
新発10年物国債利回り:0.870%(▲0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 3.6% 4.5%
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆6405億円の取得超 1兆5555億円の所得超・改
対内株式
8244億円の処分超 4426億円の処分超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は戻りが鈍い。前日からの流れを引き継いで売りが入り、一時143.19円まで値を下げた。その後は5・10日(ゴトー日)の仲値に向けた買いが観測されたほか、安く始まった日経平均株価が下げ幅を縮小したこともあり、143.91円まで反発。高田日銀審議委員が金利引き上げに関して市場動向に配慮する姿勢を示したことも買い戻しを促した面があった。ただ、午後に入ると日本株が再び下落したことで次第に上値が重くなり、143.20円台まで押し戻された。
・ユーロ円も戻りが鈍い。朝方に158.71円まで下げた後、いったんは159.46円まで反発したが、買い戻しが一巡するとドル円や日本株の動向をながめながら158.70円台まで上値を切り下げた。
・ユーロドルは小動き。1.1080ドルを挟んだ狭いレンジ内で方向感が出なかった。
・日経平均株価は3日続落。昨日の米国株式市場でエヌビディアなど一部ハイテク株が下落し、東京市場でも半導体関連株の一角が売りに押された。外国為替市場で円高が進行したことも輸出関連株の重しとなり、指数は一時690円近く下押し。その後は押し目買いが入ったため、いったんはプラス圏に浮上する場面もあったが、後場に入ると株価指数先物主導で再び軟調に推移した。
・債券先物相場は続伸。前日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行した。また、30年物国債入札を無難に消化したことも買い安心感につながった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
オーストラリア景気は一段と頭打ち、利下げ観測と豪ドル相場の行方は?
RBAのタカ派姿勢後退は必至、豪ドル相場を取り巻く環境に違いが生じる可能性は高まっている
オーストラリアでは丸3年以上インフレ率がRBA(中銀)の目標を上回る推移が続く。RBAは累計425bpの利上げに動き、昨年以降のインフレは頭打ちに転じる一方で景気の不透明感は高まっているが、タカ派姿勢を維持する。不動産市況の高止まりもRBAの政策運営を難しくしている。政権は不動産価格の抑制へ移民抑制に動くが、効果は不明な上に中長期的に潜在成長率の低下を招くなど副作用に要注意と言える。
このところの景気は頭打ちしてきたが、4-6月の実質GDP成長率も前期比年率で+0.90%、前年比も+1.0%に鈍化するなど一段と頭打ちしている。物価高と金利高の共存長期化で家計消費などが総じて弱含む一方、足下の景気は堅調な公的需要や底堅い外需に支えられている。こうした動きは部門別の生産動向に影響を与える一方、異常気象による農林漁業の生産低迷は食料インフレ圧力を招く懸念もくすぶる。
内需低迷が確認されたことで先行きの需要インフレ圧力は一段の鈍化が見込まれる。他方、政権が今年度予算で実施する所得税減税や補助金などが内需を下支えすると期待されるが、景気動向の劇的改善は見通しにくい。よって、RBAはタカ派姿勢の後退を余儀なくされると見込まれ、豪ドルの対米ドル相場は底入れの動きに一服感が出るほか、日本円に対しても中銀のタカ派姿勢の違いが重石になる展開が予想される。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
ブラジルの景気底入れ確認、利上げ観測の一方で政府と中銀の対立は?
インフレ要因山積で利上げ観測が高まる一方、金融政策を巡る政府と中銀の対立は一段と激化か
ここ数年のブラジル経済は他の新興国に比べて勢いを欠く推移が続いた。さらに、コロナ禍後はインフレが大きく上振れし、中銀は累計1175bpもの利上げを余儀なくされたが、一昨年後半以降のインフレは頭打ちの動きを強めた。よって、中銀は昨年8月に一転利下げに動いたが、年明け以降のレアル相場は調整の動きを強めており、今年6月に利下げサイクルを休止させた。ルラ大統領は利下げを求めて中銀に圧力を掛ける動きをみせるほか、金融政策以外の問題もレアル相場の重石となるなど難しい状況に直面している。
年明け以降のブラジル景気はインフレ鈍化や利下げを追い風に底打ちしたが、4-6月の実質GDP成長率も前年同期比+5.92%、前年比でも+3.3%と伸びが加速するなど底入れが確認された。輸出の底堅さに加え、家計消費や企業部門による設備投資は堅調に推移しており、内・外需双方で底入れが進んでいる。こうした動きを反映して製造業やサービス業など幅広い分野で生産は拡大する一方、異常気象の影響で農林漁業の生産は再び下振れしており、供給懸念を理由とする食料インフレが再燃するリスクはくすぶる。
中銀にとってはレアル安に加え、内需の堅調さを反映した需要インフレの懸念、異常気象による食料インフレの懸念など政策運営は厳しさを増している。政府は歳出削減を通じた財政健全化姿勢により利下げ環境の創出を目指す動きをみせるが、財政政策の機動性が低下するなかで金融政策への圧力が強まる可能性はある。政府と中銀の対立が一段と激化することも懸念されるなか、レアル相場の行方のみならず、ブラジル経済の先行きについても同様に見通しが立ちにくくなっていることに留意する必要がある。
大阪9月限
日経225先物 36610 -390 (-1.05%
TOPIX先物 2615.5 -17.5 (-0.66%)
日経225先物(9月限)は前日比390円安の3万6610円で取引を終了。寄り付きは3万6410円と、シカゴ日経平均先物(3万6725円)を下回り、売りが先行した。ナイトセッションで付けた安値(3万6520円)を下回ったことで、下へのバイアスが強まり、開始直後には3万6200円まで売られた。心理的な支持線である52週移動平均線まで下げたことで、その後はショートカバーが優勢となり、前場終盤にかけて一時3万7100円まで買われ、プラスに転じる場面もみられた。ただし、25日線(3万6980円)、200日線(3万7310円)近辺では強弱感が対立しやすく、カバーが一巡した後は、後場中盤にかけて3万6430円まで下落した。終盤にショートカバーが入り、やや下げ幅を縮めていた。
日経225先物は朝方に52週線まで売られた後、ショートカバーが入ったとみられる。ただし、前日の大幅な下落に対するリバウンドとしての戻りは鈍く、後場中盤に再びショートが入る形だった。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の軟調な推移が続いており、リバウンド後のロング解消を狙ったショートが優勢だった。
朝方の52週線までの下げによって、調整幅としては一巡した感はある。若干ながらポジションはショートに傾いていると考えられ、ナイトセッションで25日線を捉えてくるようだと、ややショートカバーを誘う動きになりそうだ。ただし、200日線に接近する局面では戻り待ち狙いのショートが意識されてくるだろう。
5日の米国では8月のADP雇用統計やISM非製造業景況指数の発表が予定されている。3日発表のISM製造業景況感指数が市場予想に届かず、利益確定や持ち高調整の売りが広がったこともあり、ISM非製造業で消費の底堅さが示せるかが注目される。また、ADP雇用統計の結果によっては、週末の雇用統計をある程度織り込むことになるだろう。弱い数字になった場合には調整が強まる可能性がありそうだ。
そのため、予想通りの結果となれば週末要因もあって、ポジションをニュートラルに戻す動きから、ショートカバーが優勢になる可能性はあるだろう。反対に予想を下回る内容となれば、52週線割れを狙った下へのバイアスが強まる展開を想定しておきたい。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.00倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが日経平均型の重荷となるなか、一時13.93倍まで下げる場面もみられた。エヌビディア<NVDA>など米半導体株の底入れを確認するまでは、国内の半導体株へのリバウンド期待は高まらないとみられる。14.00倍割れでいったんはリバランスが入りやすいだろうが、14.11倍辺りで推移する75日線が抵抗線として機能するようだと、NTショートでのスプレッド狙いに向かわせよう。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万8079枚、ソシエテジェネラル証券が1万4890枚、みずほ証券が6078枚、サスケハナ・ホンコンが5838枚、バークレイズ証券が4162枚、SBI証券が4142枚、JPモルガン証券が3022枚、ゴールドマン証券が2607枚、野村証券が2357枚、シティグループ証券が1918枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万5198枚、ソシエテジェネラル証券が2万1251枚、みずほ証券が1万2978枚、ビーオブエー証券が9035枚、バークレイズ証券が8163枚、JPモルガン証券が5299枚、ゴールドマン証券が4149枚、モルガンMUFG証券が4059枚、サスケハナ・ホンコンが3200枚、野村証券が2644枚だった。
本日のドル円は、欧州市場序盤で143円割れ寸前まで下落。昨日の弱い7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数を受けた米長期金利低下からのドル売りの流れが続いた。
本日のNY市場では雇用関連を始め経済指標の発表が多数予定されている。明日の8月米雇用統計を前にドル円は、これら結果を確認しつつ、米長期金利や株価の動向も眺めながら神経質な展開が続くことが予想される。
本日の米雇用関連として、8月チャレンジャー人員削減数(前回:+9.2%)や8月ADP雇用統計(予想:+14.5万人、前回:+12.2万人)、前週分の新規失業保険申請件数(予想:23.0万件、前回:23.1万件)、8月ISM非製造業景況指数の雇用指数(前回:51.1)などが発表予定。
その中でも注目を集めそうなのはADPだろう。昨日のJOLTSの結果を受け、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」を見ると、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%利下げ確率が4割前後(1週間前は3割前後)に上昇している。予想より弱い結果となれば0.50%利下げを織り込む動きが一段と強まることが見込まれると共に、ドル売り圧力が強まる公算が大きい。ただし、昨日のJOLTSだけで大幅利下げを織り込むのは行き過ぎとの見方もあり、本日のADPが予想比上振れとなれば買い戻しが活発化することもあり得るだろう。
また、先ほど雇用で触れた8月ISM非製造業景況指数について、市場予想は51.1と前月51.4より小幅低下の見込み。今年に入り7回発表されたが4回は予想を下回り、うち2回は好不況の分岐点の50を割り込んでいる。今年最低となる6月の48.8をも下回るようだと、米景気後退を意識したドル売りが出ることも想定される。
想定レンジ上限
・ドル円は4日陰線実体部の1/2戻し144.61円。超えると日足・一目均衡表の転換線145.13円。
想定レンジ下限
・ドル円はピボット・サポート2の142.48円。割ると8月5日安値141.70円。
マクロン仏大統領は5日、仏新首相としてバルニエ氏を指名した。
今晩は神経質な展開か。昨日はダウ平均が38.04ドル高(+0.09%)と小幅に反発した一方、S&P500が0.16%安、ナスダック総合が0.30%安とともに2日続落した。前日に大きく下落したことで押し目買いが強まり、主要3指数がそろって上昇する場面もあったが、週末金曜日の8月雇用統計の発表を控えた様子見や、時価総額上位のエヌビディアの続落などが重しとなった。週初来ではダウ平均が1.41%安、S&P500が2.27%安、ナスダック総合が3.55%安とそろってマイナス圏となった。
今晩は経済指標をにらんだ神経質な展開か。8月初めに発表された7月雇用統計が予想外に悪化したことで、景気後退(リセッション)懸念が再燃しており、寄り前に発表される新規失業保険申請件数、8月ADP民間部門雇用者数、寄り後発表の8月ISM非製造業総合指数(PMI)に注目が集まる。利下げ見通しを巡っては金曜日発表の8月雇用統計が最大の注目点となるが、今晩の新規失業保険申請件数、8月ISM非製造業PMIが弱い結果となれば、リセッション懸念が一段と高まることが警戒される。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、8月ADP民間部門雇用者数、8月ISM非製造業PMI、8月チャレンジャー企業人員削減数、8月S&Pグローバル・サービス業PMI確定値など。企業決算は引け後にブロードコムなどが発表予定。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
オーストラリア景気は一段と頭打ち、利下げ観測と豪ドル相場の行方は?
RBAのタカ派姿勢後退は必至、豪ドル相場を取り巻く環境に違いが生じる可能性は高まっている
オーストラリアでは丸3年以上インフレ率がRBA(中銀)の目標を上回る推移が続く。RBAは累計425bpの利上げに動き、昨年以降のインフレは頭打ちに転じる一方で景気の不透明感は高まっているが、タカ派姿勢を維持する。不動産市況の高止まりもRBAの政策運営を難しくしている。政権は不動産価格の抑制へ移民抑制に動くが、効果は不明な上に中長期的に潜在成長率の低下を招くなど副作用に要注意と言える。
このところの景気は頭打ちしてきたが、4-6月の実質GDP成長率も前期比年率で+0.90%、前年比も+1.0%に鈍化するなど一段と頭打ちしている。物価高と金利高の共存長期化で家計消費などが総じて弱含む一方、足下の景気は堅調な公的需要や底堅い外需に支えられている。こうした動きは部門別の生産動向に影響を与える一方、異常気象による農林漁業の生産低迷は食料インフレ圧力を招く懸念もくすぶる。
内需低迷が確認されたことで先行きの需要インフレ圧力は一段の鈍化が見込まれる。他方、政権が今年度予算で実施する所得税減税や補助金などが内需を下支えすると期待されるが、景気動向の劇的改善は見通しにくい。よって、RBAはタカ派姿勢の後退を余儀なくされると見込まれ、豪ドルの対米ドル相場は底入れの動きに一服感が出るほか、日本円に対しても中銀のタカ派姿勢の違いが重石になる展開が予想される。
ブラジルの景気底入れ確認、利上げ観測の一方で政府と中銀の対立は?
インフレ要因山積で利上げ観測が高まる一方、金融政策を巡る政府と中銀の対立は一段と激化か
ここ数年のブラジル経済は他の新興国に比べて勢いを欠く推移が続いた。さらに、コロナ禍後はインフレが大きく上振れし、中銀は累計1175bpもの利上げを余儀なくされたが、一昨年後半以降のインフレは頭打ちの動きを強めた。よって、中銀は昨年8月に一転利下げに動いたが、年明け以降のレアル相場は調整の動きを強めており、今年6月に利下げサイクルを休止させた。ルラ大統領は利下げを求めて中銀に圧力を掛ける動きをみせるほか、金融政策以外の問題もレアル相場の重石となるなど難しい状況に直面している。
年明け以降のブラジル景気はインフレ鈍化や利下げを追い風に底打ちしたが、4-6月の実質GDP成長率も前年同期比+5.92%、前年比でも+3.3%と伸びが加速するなど底入れが確認された。輸出の底堅さに加え、家計消費や企業部門による設備投資は堅調に推移しており、内・外需双方で底入れが進んでいる。こうした動きを反映して製造業やサービス業など幅広い分野で生産は拡大する一方、異常気象の影響で農林漁業の生産は再び下振れしており、供給懸念を理由とする食料インフレが再燃するリスクはくすぶる。
中銀にとってはレアル安に加え、内需の堅調さを反映した需要インフレの懸念、異常気象による食料インフレの懸念など政策運営は厳しさを増している。政府は歳出削減を通じた財政健全化姿勢により利下げ環境の創出を目指す動きをみせるが、財政政策の機動性が低下するなかで金融政策への圧力が強まる可能性はある。政府と中銀の対立が一段と激化することも懸念されるなか、レアル相場の行方のみならず、ブラジル経済の先行きについても同様に見通しが立ちにくくなっていることに留意する必要がある。
日経平均株価は続落。売り先行後の下値は限定的だった一方、下向きの25日移動平均線(37017円 9/5)付近に上値を抑えられる格好となった。
RSI(9日)は前日の28.2%→20.6%(9/5)低下した。25日移動平均線が再び下向きに変化しており、目先は下方向に振れやすい。しかし、一目均衡表の基準線(35172円 同)との離れが依然として大きく、36000円~36500円処に向けて押し戻される動きは許容範囲としておきたい。現在、横ばいの基準線が上向きに転じる来週後半あたりまでに落ち着けるかが焦点となる。
上値メドは、200日移動平均線(37464円 同)、心理的節目の38000円、10日移動平均線(38123円)、75日移動平均線(38587円 同)、心理的節目の39000円や4万円などがある。下値メドは、心理的節目の36500円や36000円、8/7高値(35849円)、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)などがある。
(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.34円(5日15時時点比▲0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.21円(△0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1107ドル(△0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:8241.71(前営業日比▲27.89)
ドイツ株式指数(DAX):18576.50(▲15.35)
10年物英国債利回り:3.915%(▲0.020%)
10年物独国債利回り:2.208%(▲0.016%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月スイス失業率
2.4% 2.3%
7月独製造業新規受注
(前月比) 2.9% 4.6%・改
(前年比) 3.7% ▲11.2%・改
8月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
53.6 55.3
7月ユーロ圏小売売上高
(前月比) 0.1% ▲0.4%・改
(前年比) ▲0.1% ▲0.4%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は神経質な値動き。日経平均やハンセン指数などこの日のアジア株が軟調に推移したことを受けて、リスク回避の円買い・ドル売りが先行すると一時143.05円まで値を下げたが、売り一巡後は買い戻しが優勢となり143.75円付近まで持ち直した。
その後しばらくは143円台半ばでのもみ合いが続いていたが、8月ADP全米雇用報告が9.9万人増と予想の14.5万人増を下回ったことが伝わると全般ドル売りが進行。節目の143.00円を下抜けて、一時142.85円と8月5日以来の安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。8月米総合・サービス部門PMI改定値や8月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ったことがドル買いを促すと、一時144.23円と日通し高値を更新した。
もっとも、一時は1%超上昇したナスダック総合が下げに転じるとドル円の上値も重くなった。ダウ平均が400ドル超下落したことも相場の重しとなり、143.20円付近まで下押しした。明日6日発表の8月米雇用統計を前に投資家の様子見姿勢が強く、方向感が出にくい面もあったようだ。
・ユーロドルは売買が交錯。低調な米雇用指標をきっかけに一時1.1120ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。予想を上回る米ISM非製造業景況指数などが相場の重しとなり、1.1076ドル付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.1075ドルが目先サポートとして働くと再び強含んだ。
明日発表される米雇用統計待ちという状況で、持ち高を傾ける動きは限られた。
・ユーロ円はドル円と似た動き。22時前に一時158.62円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた約1カ月ぶりの安値158.56円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。23時30分過ぎに一時159.79円と日通し高値を付けた。ただ、米国株相場が失速するとユーロ円にも売りが出て158.98円付近まで押し戻された。
・ロンドン株式相場は5日続落。日経平均やハンセン指数などこの日のアジア株が軟調に推移したことを受けて、英株にも売りが波及した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、ハルマなど情報技術セクターが値下がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら3日続落。日経平均やハンセン指数などこの日のアジア株が軟調に推移したことを受けて、独株にも売りが先行した。ただ、上げに転じる場面もあるなど、下値は限定的だった。個別ではブレンターク(2.16%安)やシムライズ(1.66%安)、ラインメタル(1.57%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇した。米債高につれた。
5日の日経平均は大幅に3日続落。終値は390円安の36657円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり784/値下がり803。売買代金上位ではソフトバンクG、日立、三菱商事などの動きが良く、メルカリが4.1%高と大きく上昇した。日経平均構成銘柄への採用が決まった野村総研が大幅上昇。除外が決まった日本製紙やDICもある程度予想はされていたこともあり、プラスで終えた。除外候補とみられていた三菱倉庫は除外回避がポジティブサプライズとなって5%を超える上昇。自己株取得を発表したNEWARTが買いを集めた。
一方、レーザーテック、ディスコ、東京エレクトロンなど半導体株の弱さが目立った。円高進行を嫌気して、トヨタ、マツダ、日産自など自動車株が軟調。車載半導体を手がけるルネサスが3%を超える下落となった。家電大手のビックカメラやコジマが大幅安。米長期金利の低下を受けて東京海上や第一生命など保険株が嫌われた。良品計画は日経平均構成銘柄への採用が決まるも買いの反応が案外で、早々にマイナス圏が定着すると下げ幅を広げ続けた。
日経平均は大幅安。前場で600円超下げたところから一時プラス圏に浮上したにもかかわらず、引けでは390円安(36657円)と下に値幅が出た。1638円安となった翌日だけに下げ渋ったような錯覚に陥るが、かなり弱い。円高リスクが強く意識される中で、あすは米8月雇用統計の発表を控える。本日のNY市場で多少円安が進んだとしても、円高に対する警戒は払しょくできない。本日の米8月ISM非製造業景況指数が弱く、米金利が低下してさらに円高が進んだ場合には、あすの東京市場はリスクオフ一色となる展開も想定される。
きょうの下げで25日線(37017円、5日時点、以下同じ)は明確に下回った。52週線が36449円に位置しており、これがサポートになるかが当面の焦点となる。ざっくり36500円近辺で下げ止まるかどうか。先週末との比較では、きょうの時点で2000円近く下落している。ここで踏みとどまらないと、先々では8月5日の31156円を試しに行くかもしれないだけに、注意を要する。
(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.45円(前営業日比▲0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.38円(△0.08円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1111ドル(△0.0029ドル)
ダウ工業株30種平均:40755.75ドル(▲219.22ドル)
ナスダック総合株価指数:17127.66(△43.36)
10年物米国債利回り:3.73%(▲0.03%)
WTI原油先物10月限:1バレル=69.15ドル(▲0.05ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2543.1ドル(△17.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米企業の人員削減数
(前年比) 1.0% 9.2%
8月ADP全米雇用報告
9.9万人 11.1万人・改
4-6月期米非農業部門労働生産性改定値
(前期比) 2.5% 2.3%
前週分の米新規失業保険申請件数
22.7万件 23.2万件・改
8月米サービス部門PMI改定値
55.7 55.2
8月米総?⑰MI改定値
54.6 54.1
8月米ISM非製造業指数
51.5 51.4
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
・ドル円は3日続落。8月ADP全米雇用報告が予想を下回ったことが伝わると全般ドル売りが先行。節目の143.00円を下抜けて、一時142.85円と8月5日以来の安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。8月米総合・サービス部門PMI改定値や8月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ったことがドル買いを促し、23時30分過ぎに一時144.23円と日通し高値を更新した。
もっとも、一時は1%超上昇したナスダック総合が失速し、ダウ平均が450ドル超下落するとドル円の上値も重くなった。米長期金利の低下に伴う売りも出て一時143.20円付近まで下押しした。明日6日発表の8月米雇用統計を前に投資家の様子見姿勢が強く、神経質な動きとなった。
・ユーロドルは続伸。低調な米雇用指標を受けて一時1.1120ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。予想を上回る米ISM非製造業指数などが相場の重しとなり、1.1076ドル付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.1075ドルが目先サポートとして働くと再び強含んだ。
明日発表される米雇用統計待ちという状況で、持ち高を傾ける動きは限られた。
・ユーロ円は3日ぶりに小反発。22時前に一時158.62円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた約1カ月ぶりの安値158.56円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。23時30分過ぎに一時159.79円と日通し高値を付けた。ただ、米国株相場が失速するとユーロ円にも売りが出て158.98円付近まで押し戻されている。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。8月ADP全米雇用報告が予想を下回ったことを受けて、明日発表の8月米雇用統計への警戒感が高まると株売りが優勢となった。指数は一時450ドル超下げる場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発。エヌビディアが反発した一方、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が売られた。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。前日の7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数に続き、8月ADP全米雇用報告が予想を下回ったことを受けて買いが優勢となった。8月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ると売りが出たものの、反応は一時的だった。
・原油先物相場は4日続落。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油在庫が大幅に取り崩されたことや、利食いの買い戻しなども入り70.82ドルまで買われる場面もあった。しかしながら、買いの勢いは弱く、米中の経済指標の弱さによる世界的な原油需要減退懸念の流れが払しょくできないことで、一時昨年12月以来となる69ドルを割り込む場面もあった。引けにかけては小幅に買い戻しも入ったが、4日続落して引けた。
・金先物相場は続伸。昨日発表された7月米JOLTS求人件数に続き8月のADP雇用報告も市場予想よりも就業者数が下回り、3年半ぶりの低い結果となった。指標発表後に米金利が低下し、ドル安が進んだことで、ドルで取引される金先物は割安感から買いが集まり続伸して引けた。
5日10:11 デイリー米SF連銀総裁
「インフレは低下、景気は減速しており、FRBは金利引き下げるべき」
「9月の利下げ幅はまだわからない、雇用統計などさらなるデータが必要」
「FRBは変化する経済に合わせ政策を調整すべき」
「労働市場は軟化したが依然として健全、悪化の証拠はみられない」
「過度にタイトな政策は労働市場のさらなる軟化につながる可能性」
「米経済は転換点にあり、データは振れが大きくなる見通し」
「見通しが明確なら積極的な行動が可能だが、現在は不透明」
5日10:30 高田日銀審議委員
「潜在成長率を上回る成長を続けるとみている」
「最終的な国債保有残高やバランスシートをどこまで縮小するのが望ましいかを議論することは難しい」
「政策金利引き上げ後も、緩和的な金融環境はなお継続している」
「当面は株式・為替相場の動向を注視し影響を見極める必要」
「十分な時間をかけつつ、その都度、政策金利引き上げの経済・物価・金融情勢への影響を検証しながら対応」
「前向きな企業行動が続けば金融緩和度合いの更なる調整が必要」
「自然利子率のピンポイントでの把握は困難」
5日14:51
「金融市場はボラティリティーが高まりやすい状況」
「利上げ判断は毎回の経済状況をみて対応するのに尽きる」
「経済物価の見通し実現なら緩和度合い調整が基本姿勢」
5日12:05 ブロックRBA総裁
「豪準備銀行(RBA)はインフレの上振れリスクに引き続き警戒」
「消費者物価指数(CPI)の道筋に確信できるまで景気抑制的な政策が必要」
「CPIがいつまでも高止まりなら雇用目標は達成できない」
「短期的には利下げは見込んでいない」
「RBAにとって、最重要事項は依然としてインフレ抑制」
「CPIが低下しない場合、追加引き締めが必要かもしれない」
「豪ドルの若干の上昇は、インフレ対策にプラス」
5日16:18 トルコ政府
「中期経済プログラム、2025年GDP見通しは4%(前回予測4.5%)」
「2024年GDP見通しは3.5%(前回4.0%)」
「中期経済プログラム、25年末インフレ見通しは17.5%(前回15.2%)」
「24年末インフレ見通しは41.5%(前回33%)」
6日00:41 イエレン米財務長官
「米国の労働市場は逼迫感が薄れたが、雇用創出は続いている」
「雇用市場は好調だ」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 7月家計調査(消費支出、予想:前年比1.2%)
○08:50 ◇ 8月外貨準備高
○14:00 ◇ 7月景気動向指数速報値(予想:先行109.4/一致116.2)
<海外>
○15:00 ◎ 7月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.3%/前年同月比▲3.5%)
○15:00 ◇ 7月独貿易収支(予想:210億ユーロの黒字)
○15:45 ◇ 7月仏鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%)
○15:45 ◇ 7月仏貿易収支
○15:45 ◇ 7月仏経常収支
○16:00 ◇ 8月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲32.5)
○18:00 ☆ 4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.3%/前年比0.6%)
○21:30 ☆ 8月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.50万人/失業率6.5%)
○21:30 ☆ 8月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化16.0万人/失業率4.2%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.7%)
○21:45 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:00 ◇ 8月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は原油供給拡大を2カ月停止することで合意したようだ。加盟国代表の話として一部通信社が報じた。
一部通信社が報じたところによると、「ニューヨーク規制当局はタクシー保険会社アメリカン・トランジット・インシュアランス(ATIC)の破綻リスクを警告した」ようだ。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36960 +350 (+0.95%)
TOPIX先物 2637.0 +22.0 (+0.84%)
シカゴ日経平均先物 37010 +400
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。8月のADP雇用統計は、民間雇用者数が9万9000人増となり、市場予想(14万5000人増程度)を下回った。労働市場の減速を示す内容となったことから、週末に発表される8月の米雇用統計への警戒感が広がった。また、新規失業保険申請件数は、前週比5000件減少の22万7000件と、予想(23万件)を下回った。米長期金利は約1カ月ぶりの水準に低下し、ハイテク株の一角が買われた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、小売、メディアが上昇した一方で、運輸、商業サービス・用品、ヘルスケア機器・サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比400円高の3万7010円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比90円高の3万6700円で始まり、その後は3万6650円~3万6880円辺りでの保ち合いを継続。一時3万6490円と下落に転じる場面もみられたが、米国市場の取引開始後にリバウンド基調が強まり、3万7120円まで買われた。中盤に軟化したがプラス圏をキープしており、終盤にかけては3万6860円~3万7070円辺りでの保ち合いが続き、3万6960円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ただし、直近の大幅な下げに対するリバランスの動きであり、8月の米雇用統計の発表を控えるなか、積極的なロングの動きは限られそうである。ナイトセッションでは一時3万7120円まで買われる場面もみられたが、同水準に位置する25日移動平均線(3万6940円)が抵抗線として意識されやすい。これを上回ったとしても、200日線(3万7330円)を捉えてくる場面では戻り待ち狙いのショートが入るだろう。
米雇用指標が労働市場の減速を示す内容となるなか、米連邦準備理事会(FRB)は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、通常の倍に当たる0.5%の利下げに踏み切るとの見方がコンセンサスになりつつある。米長期金利が低下傾向を続けるなか、為替市場ではドル円が1ドル=143円台で推移しており、東京市場においては円高が重荷になるだろう。
米雇用統計の発表を前に足もとでショートに傾いているポジションを、いったんニュートラルに修正する動きから、下値の堅さは意識されるだろう。週足のボリンジャーバンドの-1σが3万6740円辺りに位置しており、同水準での底堅さがみられる可能性により、オプション権利行使価格の3万6750円から3万7250円でのレンジを想定する。3万7000円辺りでの攻防が見込まれるが、3万6750円~3万7000円水準では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。
また、米国ではハイテク株の一角が買われており、エヌビディア<NVDA>は小幅ながら3日ぶりに反発した。明確な底入れは見極めが必要であるが、足もとで調整を強めている東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株には買い戻しの動きがみられる可能性があり、日経平均型を下支えしそうだ。
なお、5日の米VIX指数は19.90(前日は21.32)に低下した。25日線(19.35)が支持線として機能していることから楽観視はできないものの、20.00を下回ってきたことから、リスク選好に向かわせやすい。ロングは強まりにくいものの、ショートカバーを誘い込みやすいだろう。
なお、昨日NT倍率は先物中心限月で14.00倍に低下した。値がさハイテク株の下げが日経平均型の重荷となるなか、一時13.93倍まで下げる場面もみられた。14.00倍を割れるとリバランスが入りやすいだろう。ただし、14.11倍辺りで推移する75日線が抵抗線として機能する可能性があるため、戻りの鈍さがみられるようだと、NTショートでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。
5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、8月ADP全米雇用報告が予想を下回ったことで142.85円まで下落後、8月米総合・サービス部門PMI改定値や8月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ったことで144.23円まで反発したものの、米長期金利の低下で143.20円付近まで下押しした。ユーロドルは低調な米雇用指標を受けて1.1120ドルまで上昇後、予想を上回る米ISM非製造業指数などで1.1076ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米8月雇用統計のネガティブサプライズへの警戒感から上値が重い展開が予想される。
米8月雇用統計は、失業率が4.2%と予想されており、7月の4.3%から低下、非農業部門雇用者数は前月比+16.0万人と予想されており、7月の同比+11.4万人からの増加が見込まれている。7月の雇用統計は、統計調査の週(7月12日週)の自動車工場の一時閉鎖やハリケーン「ベリル」の影響でテキサス州やルイジアナ州で停電があり、予想を下回る雇用増(+11.4万人)につながった可能性が指摘されていた。家計調査(失業率4.3%)によると、7月は悪天候のため43万6000人が出勤できなかった。
米8月の雇用関連指標は以下の通りにやや悪化しており、ネガティブサプライズへの警戒感を高めている。
【8月】 【7月】(〇改善・●悪化)
【改善】
〇ISM製造業雇用指数:46.0 43.3
〇新規失業保険申請件数(8/12週):23.3万件 24.3万件
【悪化】
●ISM非製造業雇用指数:50.2 51.1
●ADP全国雇用者数:+9.9万人 +11.1万人
●失業保険継続受給者数(8/12週):186.0万人 184.4万人
●チャレンジャー人員削減予定数:7万5891人 2万5885人
●消費者信頼感指数(雇用):16.4% 17.1%(※職が十分-雇用が困難)
米8月雇用統計が予想通りに労働市場の改善を示していた場合は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅予想は0.25%のままとなり、ドルは下げ渋る展開、予想外に悪化していた場合は0.50%の利下げ幅が見込まれるため、ドル売り要因になる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、9月FOMCで0.25%の利下げ(※FF金利:5.00-25%)が開始され、11月FOMCでは0.50%利下げ(※FF金利:4.50-75%)、12月FOMCでは0.25%の利下げ(※FF金利:4.25-50%)が見込まれている。
8月21日に発表された年次ベンチマーク改定の速報値では、2023年4月から2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されることが示された。改定前の雇用者数は1年間に290万人増(月平均で24万2000人増)だったが、今回の改定を受けて、1カ月当たり約17万4000人増のペースとなった。2024年4月から7月までの月平均は前月比+15.4万人となり、3月までの平均である+17.4万人や8月の予想の+16.0万人とほぼ同じになっている。
8月の非農業部門雇用者数が予想を上回る数字であっても、WSJ紙がNFPは過大評価の可能性と指摘していることや今回の下方修正(▲81.8万人)を受けて、ドル買いでの反応は限定的だと思われる。
米国の雇用統計では、家計調査に基づく失業率よりも、事業所調査に基づく非農業部門雇用者数が重視される傾向にあったが、今後は、4%台で推移している失業率が労働市場の実態を反映する数字として重視されるのかもしれないことで、8月失業率が上昇していた場合は、9月FOMCでの利下げ幅は0.50%になる可能性が高まることになる。
NFPは、「起業・廃業モデル」で過大評価している可能性が指摘されていること、賃金をベースにカウントしていることで複数の職を持つ者が数字を押し上げている可能性があることが指摘されている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは為替に関するリポートの中で、円は金利・需給両面に照らして買われる大きな理由が見当たらないと指摘。円買いの持続性には疑問が残るとしている。9月に米国で利下げが開始されれば、グローバルで利下げサイクルに突入することが予想される。こうした中で、日銀が9月以降、追加利上げに踏み切るハードルは相当に上がった可能性が高いとみている。東海東京では、日銀の利上げへの思惑だけで円高トレンドへの転換を語ることは危険とコメントしている。
昨日の海外市場では、引き続き米雇用関連指数に振り回される展開。8月米ADP全米雇用報告のNFPが9.9万人と予想の14.5万人を大幅に下回る弱い数字となると、ドル円は一時142.85円まで売り込まれる場面もみられましたが、その後の米新規失業保険申請件数が22.7万件と予想の23.0万件よりも強い結果となったほか、8月米サービス部門PMI改定値も予想を上回る強い結果となると下値を切り上げる展開。8月米ISM非製造業指数が51.5と予想の51.1を上回ると一気に144.23円まで買い上げられることになりました。
ただ、ISMを構成する雇用指数は50.2と7月の51.1からは低下していたこともあり、米長期金利が低下に転じると143.20円まで下押ししてNY市場を引けています。アジア時間に入ってからは、当然と言えば当然ですが、今夜の8月米雇用統計を前にして、「必要最低限のフローが出ているだけ」の何もない凪相場が続いているといったところです。
いずれにしても、市場では今夜の数字で今月のFOMCでの利下げ幅を確認しようとしているわけですが、市場に蔓延しているバイアスは、明らかに下方向での50bp利下げに対する期待感。その期待感が強まっているからこその、短期筋による売り仕掛けが目立った今週の相場展開だったという事実を、目先の市場センチメントとして認識しておく必要がありそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比40円安の3万6570円(-0.10%)前後で推移。寄り付きは3万7000円と、シカゴ日経平均先物(3万7010円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。ただし、直後につけた3万7040円を高値に軟化し、中盤には一時3万6470円まで売られ、下落に転じる場面もみられた。売り一巡後は買い戻され、3万6750円辺りまで戻したものの、リバウンド基調は強まらず、終盤にかけては前日の終値を挟んだ膠着となった。
日経225先物は3万7000円を回復して始まったが、25日移動平均線(3万6930円)をキープできなかった。米国ではエヌビディア<NVDA>が3日ぶりに反発したことから、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が期待されていたが、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が年初来安値を更新しており、センチメントを冷ます形となった。積極的な売買が手控えられるなか、日経225先物は3万6500円~3万7000円でのレンジ推移であり、後場も膠着感の強い展開が続きそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.04倍に上昇した。値がさハイテク株が日経平均型の重荷となっているが、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が支えている。もっとも、トレンドが強まる状況ではなく、直近で14.00倍を割り込んだこともあり、リバランス中心だろう。
「米国はロシアの『レッドライン』を軽視すべきでない」(ラブロフ露外相)
1941年12月、小国の日本は、国内総生産(GDP)が約11倍の大国であった米国の領土に「真珠湾攻撃」という奇襲を仕掛け、米国による1945年8月の原爆投下という免罪符になった。
2024年8月、小国のウクライナは、GDPが約11倍の大国であるロシアの領土に「クルスク侵攻」という奇襲攻撃を仕掛けたが、ロシアによる戦術核の使用という免罪符にならないのだろうか。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所の分析によると、2022年の時点で、保有する核弾頭の総数は5977発。世界で最も多く、アメリカの5428発を上回っている。
そして、戦闘部隊への攻撃など局地的に使用される可能性がある核兵器「戦術核」は、約1900発保有しているらしい。
1. ロシアの「核ドクトリン」
ロシアが核兵器を使用する条件として挙げられているのは、以下の4つである。
1)ロシアと同盟国への弾道ミサイル発射に関する信頼できる情報を入手したとき
2)ロシアと同盟国に対して敵が核兵器や大量破壊兵器を使用したとき
3)死活的に重要な政府や軍の施設※に対して敵が干渉を行ったとき
※機能不全に陥ると核戦力での報復に支障をきたすような施設
4)通常兵器によってロシアが侵略され国家の存立が危機的になったとき
9月4日、ロシアのペスコフ大統領報道官は、「集団的西側諸国」の行動により、核使用条件を定めた同国の軍事ドクトリンの変更が必要になった、との見解を示した。
そして、「いわゆる集団的西側諸国がもたらした課題と脅威がドクトリン変更の背景にある。ウクライナが米国から供与された長距離兵器を使用してロシア領土の奥深くまで攻撃する可能性も考慮している」と述べた。
ロシアのリャブコフ外務次官も「核ドクトリンを見直す作業が現在進行している」と述べている。
2.ゼレンスキー・ウクライナ大統領の思惑
ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、ロシア西部クルスク州への越境攻撃の後、越境攻撃は「勝利計画」の一環だとして、勝利計画をバイデン米大統領、さらに、米大統領候補のカマラ・ハリス副大統領(民主党)とドナルド・トランプ前大統領(共和党)にも提示するつもりだとした。
おそらく、バイデン第46代米大統領、あるいは、第47代米大統領による仲裁を期待して、ロシアによるウクライナ領土の占領地帯とウクライナによるロシア領土の占領地帯との交換により、2022年2月のウクライナ侵攻以前の状態での終戦を目論んでいるのではないだろうか。
SMBC日興証券では、来週9日に発表予定の4-6月期GDP確報値に関して、実質GDP成長率は速報値の前期比+0.8%、年率+3.1%から、同+0.8%、年率+3.3%へ小幅に上方修正されると予想している。法人企業統計を受けて設備投資(民間企業設備)が前期比+0.9%から+1.1%へ、建設総合統計を映じて公共投資(公的固定資本形成)が+4.5%から+4.9%へ、ともに上方修正されると想定している。また、この予想通りであれば、2024年4-6月期の景気判断は若干好転するものの、大きくは変わらないとSMBC日興では考えている。
6日の香港市場は、台風による強風警報(シグナル8)の発令に伴い、取引が中止された。日本時間午後1時時点で警報が維持されていたことから、香港証券取引所が規定に従って取引を終日中止すると発表した。
香港天文台は日本時間5日午後7時20分、大型台風「ヤギ(摩羯)」の接近に伴いシグナル8を発令した。6日の午後1時40分に警報レベルを「シグナル3」に引き下げる予定。「ヤギ」は午後1時の時点で香港の南西の約400キロの海上をおよそ時速15キロで西北西に進んでおり、海南島へ向かう見通し。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ユーロ圏の経済指標を見極めた後は、米8月雇用統計を待つ展開となる。
ユーロドルの1.1100ドルには、本日の大きめのNYカットオプションが控えており、米8月雇用統計の発表までは、値動きを抑制することが予想される。
7月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.3%/前年同月比▲3.5%)や7月仏鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%)、4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比+0.3%/前年比+0.6%)などでは、来週12日に開催される欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げの可能性を探ることになる。
4-6月期GDP速報値は、ドイツのマイナス成長(▲0.1%)をフランス(+0.3%)、スペイン(+0.8%)、イタリア(+0.2%)のプラス成長がカバーして前期比+0.3%だったが、下方修正された場合は、来週のECB理事会での利下げの可能性を高めることになる。
また、ユーロ圏の4-6月期・妥結賃金上昇率が前年同期比+3.6%と1-3月期の+4.7%から大きく鈍化したことも利下げの可能性を高めている。
短期金融市場は来週のECB理事会での0.25%の利下げを織り込んでおり、年内利下げ幅は63ベーシスポイント(bp)、来年末まででは170bpとされている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1202ドル(8/26高値)
・ユーロ円:160.73円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0992ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:157.70円(8/7安値)
■各社予想 8月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +15.0万人
第一生命経済研究所 +18.2万人
ドイツ証券 +15.0万人
バークレイズ・キャピタル +17.5万人
BNPパリバ +17.5万人
HSBC +16.0万人
モルガン・スタンレー +18.5万人
市場コンセンサス +16.0万人
前回 +11.4万人
■各社予想 8月米失業率
JPモルガン 4.3%
第一生命経済研究所 4.3%
ドイツ証券 4.2%
バークレイズ・キャピタル 4.2%
BNPパリバ 4.2%
HSBC 4.2%
モルガン・スタンレー 4.2%
市場コンセンサス 4.2%
前回 4.3%
■各社予想 8月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.3%
バークレイズ・キャピタル +0.3%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.3%
モルガン・スタンレー +0.3%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.2%
■各社予想 8月米平均時給(前年比)
JPモルガン +3.7%
第一生命経済研究所 +3.7%
バークレイズ・キャピタル +3.7%
BNPパリバ +3.7%
HSBC +3.7%
モルガン・スタンレー +3.7%
市場コンセンサス +3.7%
前回 +3.6%
(6日15時時点)
ドル円:1ドル=142.59円(前営業日NY終値比▲0.86円)
ユーロ円:1ユーロ=158.51円(▲0.87円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1116ドル(△0.0005ドル)
日経平均株価:36391.47円(前営業日比▲265.62円)
東証株価指数(TOPIX):2597.42(▲23.34)
債券先物9月物:145.18円(△0.24円)
新発10年物国債利回り:0.845%(▲0.025%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月家計調査(消費支出)
前年同月比 0.1% ▲1.4%
8月外貨準備高
1兆2357億ドル 1兆2191億ドル
7月景気動向指数速報値
先行指数 109.5 109.1・改
一致指数 117.1 114.1・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。小高く始まった日経平均株価が失速したことに伴い、投資家のリスク回避姿勢の高まりを意識した売りが出た。時間外の米10年債利回りの低下も相場の重しとなり、昨日安値の142.85円を下抜けて一時142.36円まで8月5日以来の安値を更新した。
・ユーロ円も軟調。日本株安を手掛かりした円買いの流れに沿った。15時過ぎには一時158.27円まで下押しした。
・ユーロドルは小高い。前日終値を挟んだ狭いレンジ内推移となったが、米金利低下の影響からじわりと買いが進み、昨日高値の1.1120ドルに面合わせした。
・日経平均株価は4日続落。前日までの大幅安を受けて自律反発狙いの買いが先行したものの、すぐに上値が重くなった。外国為替市場で円高が進み、連日で輸出関連株の下落が相場の重しとなったほか、今晩に米雇用統計を控える中で手仕舞い売りも観測された。指数は一時420円超安まで下押す場面も見られた。
・債券先物相場は3日続伸。前日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いだほか、日銀の定例国債買い入れオペで需給の引き締まりが意識されたことも買いを誘った。
大阪9月限
日経225先物 36360 -250 (-0.68%)
TOPIX先物 2590.0 -25.0 (-0.95%)
日経225先物(9月限)は前日比250円安の3万6360円で取引を終了。寄り付きは3万7000円と、シカゴ日経平均先物(3万7010円)にサヤ寄せする形から買いが先行した。ただし、直後につけた3万7040円を高値に軟化し、前場中盤には一時3万6470円まで売られた。売り一巡後は買い戻され、前場終盤にかけて3万6750円辺りまで戻した。ただし、リバウンド基調は強まらず、ランチタイムで再び前場の安値水準まで下げると、後場の取引開始後は3万6440円~3万6540円辺りで保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを下放れ、一時3万6240円まで売られる場面もみられた。
日経225先物は3万7000円を回復して始まったが、25日移動平均線(3万6930円)をキープできなかった。反対に後場の終盤にかけて52週線(3万6250円)まで売られた。米国ではエヌビディア<NVDA>が3日ぶりに反発しており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が期待されていたが、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が年初来安値を更新しており、センチメントを冷ます形となった。
積極的な売買が手控えられるなか、日経225先物は前場の3万6500円~3万7000円のレンジを後場に入り下回ったことで、ロングを解消する動きが強まったようだ。8月の米雇用統計の結果が注目されるなか、ナイトセッションではトレンドが出やすいだろう。予想を下回る内容となれば大幅利下げの確率が高まるとみられ、米長期金利の低下により、為替市場では一段の円高が警戒されそうだ。ショートが入りやすい需給となり、節目の3万6000円割れが意識されるだろう。
一方で、無難に通過してくると、今週の大幅な下落に対するショートカバーに向かいやすい。ただし、来週も重要な経済指標の発表を控えているため、ショートカバーを狙ったロングは限られそうだ。52週線を明確に下回ってくると、下へのバイアスが強まりやすい。また、来週末には9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えており、ヘッジ対応のショートが強まる可能性もあろう。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.03倍に上昇した。値がさハイテク株が日経平均型の重荷となっていたが、コナミグループ <9766.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が若干ながら日経平均型を支えた。もっとも、トレンドが強まる状況ではなく、直近で14.00倍を割り込んだこともあり、リバランス中心とみられる。14.11倍辺りで推移する75日線が抵抗線として機能するようだと、NTショートに振れやすいだろう。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9793枚、ソシエテジェネラル証券が1万0392枚、サスケハナ・ホンコンが5322枚、JPモルガン証券が3807枚、バークレイズ証券が3457枚、HSBC証券が2634枚、野村証券が2479枚、SBI証券が2448枚、ゴールドマン証券が1394枚、モルガンMUFG証券が1388枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1427枚、ソシエテジェネラル証券が1万7455枚、みずほ証券が1万2362枚、JPモルガン証券が6450枚、ゴールドマン証券が5854枚、モルガンMUFG証券が5004枚、バークレイズ証券が4645枚、ビーオブエー証券が4198枚、野村証券が4073枚、BNPパリバ証券が3546枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、やはり米雇用統計次第となるだろう。市場予想は、失業率が前月より0.1%改善して4.2%、非農業部門雇用者数は16.0万人増と前月の11.4万人増より拡大が見込まれている。平均時給は前月比0.3%/前年比+3.7%とそれぞれ前月から0.1%の上振れ予想となっている。
先月、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がジャクソンホールで「労働市場のさらなる冷え込みを防ぐため『政策金利を引き下げる時が来た』」と表明したことで、市場の関心はこれまでのインフレから雇用に移っている。2週後には米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えていることも、結果への関心を高めている。
今回の雇用統計のポイントは、9月FOMCでの利下げ幅に影響を及ぼすか、であろう。
直近で発表された主な米雇用関連指標を振り返ると、改善したのはISM製造業景況指数の雇用指数や新規失業保険申請件数(8/12週)などであった。一方で悪化したのは、雇用動態調査(JOLTS)求人件数やADP全国雇用者数、ISM非製造業景況指数の雇用指数などであり、弱い材料が目立った。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」を見ると、9月FOMCでの0.50%利下げ確率が約4割、0.25%利下げ確率は6割弱となっている。本日の雇用統計が雇用や賃金の伸びを見て総合的に弱い内容となれば、9月FOMCでの0.50%利下げ観測が一段と高まると共にドル売りが強まる事が予想される。
ただし、ドル円は今晩の指標を前に本日の欧州市場序盤にて約1カ月ぶり安値水準まで下落している点を踏まえると、市場での大幅利下げ観測は前のめりとの見方もできる。雇用データが強い内容となった場合は0.50%利下げ確率が低下してドルが買い戻されることも十分考えられる。いずれにせよ、思惑が交錯する中で発表前後は荒れた展開となりそうだ。
また、8月米雇用統計と同時刻に、カナダで8月雇用統計が発表される。市場予想は失業率が6.5%、新規雇用者数は2.50万人増(前月:6.4%、0.28万人減)となっている。カナダドル円はドル円の影響も受けることが予想されるため、発表直後はドル円以上に神経質な展開となる恐れがある点には注意したい。
想定レンジ上限
・ドル円は現時点での本日高値143.48円。超えると日足・一目均衡表の転換線144.64円
・カナダドル円は日足・一目均衡表の転換線107.15円
想定レンジ下限
・ドル円は8月5日安値141.70円。割ると昨年12月28日安値140.25円
・カナダドル円は8月6日安値103.97円
今晩は雇用統計に注目。昨日は新規失業保険申請件数が予想を下回る強い結果となったものの、8月ADP民間部門雇用者数が予想を大きく下回ったことで景気後退(リセッション)懸念が強まった。米10年債利回りの低下や、テスラ、アマゾンの上昇を追い風にナスダック総合が0.25%高と3日ぶりに反発した一方、ダウ平均が219.22ドル安(-0.54%)と反落し、S&P500も0.30%安と3日続落した。週初来ではダウ平均が1.94%安、S&P500が2.57%安、ナスダック総合が3.31%安とそろって大幅安となった。引け後の動きでは弱い見通しが嫌気されたブロードコムが時間外で7%近く下落した。
今晩は利下げ見通しを巡って寄り前に発表される8月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)に注目が集まる。9月17-18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが確実視されており、CMEのフェドウォッチ・ツールでは41%の確率で通常の2倍の0.50%の利下げも予想されている。雇用統計が弱い結果となれば、大幅利下げ期待が一段と高まるものの、ソフトランディング期待の後退や景気後退(リセッション)懸念が強まることも予想され、雇用統計の結果を受けた市場の反応に要注目となる。8月雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数が16万人増(前回:11.4万人増)、失業率が4.2%(同:4.3%)、平均賃金が前月比+0.3%、前年比+3.7%(同:0.2%、+3.6%)。
今晩の米経済指標・イベントは8月雇用統計のほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁やウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の講演が予定されている。企業決算は寄り前にクローガーが発表予定。
日経平均株価は4日続落。25日移動平均線(36947円 9/6)下で前日の陽線に並ぶような陰線を形成し、ネガティブな動きとなった。
RSI(9日)は前日の20.6%→20.5%(9/6)へ横ばいで推移。25日移動平均線が再び下向きに変化しており、目先は下方向への力が働きやすい。
一方、依然として、8月上旬に生じた急落後の戻りに対する反動安の範ちゅうである。来週は25日移動平均線が下げ止まる可能性があるほか、横ばい基調の基準線(35118円 同)が上向きに転じることが予想される。目先の下落余地は残すものの、週を通じての下値は限定的となる公算が大きい。
上値メドは、200日移動平均線(37483円 同)、10日移動平均線(37926円 同)、75日移動平均線(38558円 同)、心理的節目の39000円などがある。下値メドは、心理的節目の36000円、8/7高値(35849円)、8/5高値(35301円)、心理的節目の35000円、8/7安値(33739円)などがある。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.42円(6日15時時点比▲0.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.87円(▲0.64円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1085ドル(▲0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:8181.47(前営業日比▲60.24)
ドイツ株式指数(DAX):18301.90(▲274.60)
10年物英国債利回り:3.886%(▲0.029%)
10年物独国債利回り:2.172%(▲0.036%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月独鉱工業生産
(前月比) ▲2.4% 1.7%・改
(前年比) ▲5.3% ▲3.7%・改
4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値
(前期比) 0.2% 0.3%
(前年同期比) 0.6% 0.6%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は乱高下。時間外の米株価指数先物や欧州株相場の下落を受けてリスク・オフの円買い・ドル売りが先行。日本時間夕刻に一時142.06円まで値を下げた。ただ、142.00円の下抜けに失敗すると一転買い戻しが優勢となり143円台に乗せた。
NYの取引時間帯に入っても相場は荒い値動きが続いた。米労働省が発表した8月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比14.2万人増と予想の16.0万人増を下回った一方、平均時給は前月比0.4%/前年比3.8%と予想の前月比0.3%/前年比3.7%を上回った。失業率は4.2%と市場予想通りの結果となった。指標発表直後はドル買いで反応し、一時144.01円と日通し高値を付けたものの、すぐに失速。142.01円まで一転下落した。
ただ、米10年債利回りが3.75%台まで上昇すると再び買い戻しが優勢に。23時前には143.89円付近まで持ち直した。
もっとも、買い戻しの勢いも長続きしなかった。米10年債利回りが一時3.6443%前後と昨年6月以来の低水準を付けたことが相場の重しとなったほか、高く始まったダウ平均が440ドル超下げるなど、米株式相場が軟調に推移したことがリスク・オフの円買いを誘った。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「適切であれば利下げの前倒しを支持」「現在の一連のデータは行動を必要としている」と述べた伝わると、一時141.78円と8月5日以来の安値を付けた。
・ユーロドルは売買が交錯したものの、終盤下げた。米雇用統計発表後に1.1082ドルまで売られたものの、そのあとは1.1155ドルと8月28日以来の高値を付けた。ただ、米長期金利が上昇に転じると一転売りが優勢となり、23時前に一時1.1066ドルと日通し安値を更新した。
なお、ウォラーFRB理事のハト派的な発言を受けて1.1135ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、欧米株価の下落を背景にリスク・オフのドル買いが入ると再び上値が重くなった。リスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨の売りに連れた面もあった。
・オセアニア通貨は軟調。一時250ドル超上昇したダウ平均が下げに転じ、440ドル超下落するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは0.6660米ドル、NZドル米ドルは0.6156米ドルまで値を下げた。また、豪ドル円は94.78円、NZドル円は87.70円と日通し安値を更新した。
・ユーロ円は21時30分過ぎに一時159.64円と日通し高値を付けたものの、前日の高値159.79円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。日米株価指数の下落に伴うリスク回避の円買いが入ると日本時間夕刻に付けた157.92円を下抜けて一時157.47円まで値を下げた。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1240円安の3万5120円まで急落した。
・ロンドン株式相場は6日続落。米国株相場の下落を受けて英株にも売りが波及した。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値下がりした。HSBCやバークレイズなど金融株も軟調だった。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株は買われた。
・フランクフルト株式相場は4日続落。4-6月期ユーロ圏GDP確定値が前期比で予想を下回ったことが投資家心理を冷やし、売りが優勢となった。米国株相場の下落も相場の重し。個別ではシーメンス・エナジー(6.69%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(3.54%安)、ミュンヘン再保険(3.32%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.30円(前営業日比▲1.15円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.77円(▲1.61円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1084ドル(▲0.0027ドル)
ダウ工業株30種平均:40345.41ドル(▲410.34ドル)
ナスダック総合株価指数:16690.83(▲436.83)
10年物米国債利回り:3.71%(▲0.02%)
WTI原油先物10月限:1バレル=67.67ドル(▲1.48ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2524.6ドル(▲18.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日続落。米労働省が発表した8月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比14.2万人増と予想の16.0万人増を下回った一方、平均時給が前月比0.4%/前年比3.8%と予想の前月比0.3%/前年比3.7%を上回った。失業率は4.2%と市場予想通りの結果となった。指標発表直後はドル買いで反応し、一時144.01円と日通し高値を付けたが、すぐに失速。142.01円まで一転下落した。
ただ、米10年債利回りが3.75%台まで上昇すると再び買い戻しが優勢に。23時前には143.89円付近まで持ち直した。
もっとも、買い戻しの勢いも長続きしなかった。米10年債利回りが一時3.6443%前後と昨年6月以来の低水準を付けると円買い・ドル売りが進行。一時250ドル超上昇したダウ平均が下げに転じ、440ドル超下落するとリスク・オフの円買いも入った。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「適切であれば利下げの前倒しを支持」「現在の一連のデータは行動を必要としている」と述べた伝わると、一時141.78円と8月5日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
その後、同日の安値141.70円が重要なサポートとして働くと142.75円付近まで下げ渋ったものの、戻りは限定的だった。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。米雇用統計発表後に1.1082ドルまで売られたものの、そのあとは1.1155ドルと8月28日以来の高値を付けた。ただ、米長期金利が上昇に転じると一転売りが優勢となり、23時前に一時1.1066ドルと日通し安値を更新した。
その後、ウォラーFRB理事のハト派的な発言を受けて1.1135ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、米国株相場の下落を背景にリスク・オフのドル買いが入ると再び上値が重くなった。リスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨の売りに連れた面もあった。
なお、豪ドル米ドルは一時0.6660米ドル、NZドル米ドルは0.6156米ドルまで値を下げた。
・ユーロ円は反落。21時30分過ぎに一時159.64円と日通し高値を付けたものの、前日の高値159.79円が目先レジスタンスとして意識されると失速。日米株価指数の下落に伴うリスク回避の円買いが入ると日本時間夕刻に付けた157.92円を下抜けて一時157.47円と8月6日以来の安値を付けた。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1240円安の3万5120円まで急落した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。8月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り、過去2カ月分が下方修正されると、米労働市場の軟化を示す内容だったと受け止められ、米景気減速への懸念から売りが広がった。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどハイテク株に売りが出た。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)など半導体関連の下げが目立った。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続伸。今週発表の米雇用関連の指標が軒並み低調となり米労働市場の軟化が示されると、米景気減速への懸念が高まった。相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まると、利回りは一時3.6443%前後と昨年6月以来の低水準を記録した。
・原油先物相場は5日続落。昨日まで4日続落していたこともあり、NY入り序盤は買いが先行し一時70.13ドルまで上昇した。しかし、小高く始まった米株主要3指数が一転下げに転じ、徐々に下げ幅を広げるとリスク回避の動きの高まりで原油先物も弱含んだ。原油先物は一時昨年6月以来となる67ドル前半まで下落した。
・金先物相場は反落。8月米雇用統計の非農業部門雇用者数が市場予想を下回る結果になり、米長期金利が昨年6月以来の水準まで低下すると、金利のつかない金先物価格は一時強含んだ。しかし、オセアニア通貨などに対してドル買いが進むと上昇幅を徐々に縮め、引けにかけては売りが優勢になり反落して引けた。
6日09:09 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「経済データは複数回の利下げを正当化している」
「労働市場に関するさらなる警告サインが見られた」
6日11:34 小泉進次郎自民党総裁候補
「直ちに経済対策の検討を指示する」
「経済成長と財政健全化の両立をしっかりと進めていく」
6日21:46 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「インフレ率が持続的に2%に向かっているとさらに自信」
「利下げが適切になった」
「本日のデータは減速する経済や雇用市場と整合」
7日00:02 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「適切であれば利下げの前倒しを支持」
「労働市場は軟化しているが悪化はしていない」
7日00:02 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「重要な課題は事態を悪化させないこと」
「市場動向はFRBの予想と非常によく似ている」
「複数回の利下げはFRBの圧倒的なコンセンサス」
※時間は日本時間
9日
○08:50 ☆ 4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値
○08:50 ◎ 7月国際収支速報
○14:00 ◇ 8月景気ウオッチャー調査
10日
○08:50 ◇ 8月マネーストックM2
11日
○10:30 ◎ 中川順子日銀審議委員、あいさつ
12日
○08:50 ◇ 7-9月期法人企業景気予測調査
○08:50 ◇ 8月企業物価指数
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:00 ◇ 田村直樹日銀審議委員、あいさつ
13日
○13:30 ◇ 7月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 7月設備稼働率
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
9日
○10:30 ◎ 8月中国消費者物価指数(CPI)
○10:30 ◎ 8月中国生産者物価指数(PPI)
○21:00 ◎ 8月メキシコCPI
○23:00 ◇ 7月米卸売売上高
○10日04:00 ◇ 7月米消費者信用残高
10日
○07:45 ◇ 4-6月期ニュージーランド(NZ)製造業売上高
○09:30 ◇ 9月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:30 ◇ 8月豪NAB企業景況感指数
○未定 ◎ 8月中国貿易収支
○15:00 ◎ 8月独CPI改定値
○15:00 ◎ 8月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 5-7月英失業率(ILO方式)
○15:00 ◎ 8月ノルウェーCPI
○16:00 ◇ 7月トルコ失業率
○16:00 ◇ 7月トルコ鉱工業生産
○21:00 ◎ 8月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○11日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○米大統領選候補者によるテレビ討論会
○第79回国連総会開幕(ニューヨーク)
11日
○15:00 ☆ 7月英国内総生産(GDP)
○15:00 ◎ 7月英鉱工業生産/製造業生産高
○15:00 ◇ 7月英商品貿易収支/英貿易収支
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 7月メキシコ鉱工業生産
○21:30 ☆ 8月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○12日01:00 ◎ 8月ロシアCPI
○12日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○08:01 ◇ 8月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○15:00 ◎ 8月スウェーデンCPI
○16:00 ◇ 7月トルコ経常収支
○21:00 ◎ 7月ブラジル小売売上高
○21:00 ◎ 7月インド鉱工業生産
○21:00 ◎ 8月インドCPI
○21:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表
○21:30 ◇ 7月カナダ住宅建設許可件数
○21:30 ◎ 8月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○21:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○13日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○13日03:00 ◎ 8月米月次財政収支
13日
○15:45 ◇ 8月仏CPI改定値
○17:30 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏鉱工業生産
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表
○21:30 ◇ 7月カナダ卸売売上高
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ設備稼働率
○21:30 ◇ 8月米輸入物価指数
○23:00 ◎ 9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
○14日01:00 ☆ 4-6月期ロシアGDP改定値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
非農業部門雇用者数増減
2024/08 +14.2万人
2024/07 +8.9万人 (前月発表値 +11.4万人)
失業率
2024/08 4.2%
2024/07 4.3% (前月発表値 4.3%)
時間給(前月比)
2024/08 +0.4%
2024/07 +0.2% (前月発表値 +0.2%)
時間給(前年比)
2024/08 +3.8%
2024/07 +3.6% (前月発表値 +3.6%)
労働参加率
2024/08 62.7%
2024/07 62.7% (前月発表値 62.7%)
6日の日経平均は大幅に4日続落。終値は265円安の36391円。今週は週を通して半導体株の弱さに振り回された。週間では、ディスコ<6146.T>が18.8%安、レーザーテック<6920.T>が17.0%安、東京エレクトロン<8035.T>が14.8%安、アドバンテスト<6857.T>が11.6%安と、主力の銘柄が軒並み2桁の下落率となっている。
来週は、きょう年初来安値を更新した東京エレクトロン(6日終値は22000円)の動向が注目される。今年の上昇分を吐き出したことが売り出尽くしにつながるのか、それとも動きの悪さが嫌気されてさらに売り込まれるのか。後者の場合、半導体株の売りに拍車がかかる懸念がある。過去の値動きからはもう一段下げても20000円辺りで止まりそうではあるが、止まらなければ見切り売りが出やすくなる。PER(9/6時点)は21倍台と過熱感は削がれているだけに、現状近辺で売りが一巡する展開に期待したい。
【来週の見通し】
軟調か。米国では水曜11日に8月消費者物価指数(CPI)、木曜12日に8月生産者物価指数(PPI)の発表が予定されている。これらが市場予想を下回る結果となれば、米国の長期金利が低下して為替は円高(ドル安)に振れる可能性が高い。一方、市場予想を上回るようだと、粘着質なインフレへの警戒から米国株が売られる可能性が高い。円安と米国株高、この両方を期待することは難しい局面。
メジャーSQ週で需給要因にも振らされやすく、米大統領候補者のテレビ討論会やECB理事会など、米指標以外にも気を揉む材料がいくつかある。足元の日本株は円高進行時に強く売られることが多くなっているだけに、弱材料に敏感になって他市場に割り負ける状態が続くと予想する。
【今週を振り返る】
軟調となった。半導体株が調整色を強める中、米国の長期金利が低下してドル円が円高に振れたことから、リスク回避姿勢の強い動きが続いた。日経平均は週前半には上を試しに行ったものの、39000円近辺では戻り売りに押された。水曜4日にはナスダックの大幅安や円高進行に神経質な反応を見せて1638円安と4桁の下落。この急落で米8月雇用統計の発表を前に警戒ムードが一段と高まり、5日と6日はともにプラス圏に浮上する場面がありながら3桁の下落となった。日経平均は週間で約2256円の下落となり、週足では4週ぶりに陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、4-6月期GDP改定値、8月景気ウォッチャー調査(9/9)、5年国債入札(9/10)、7-9月期法人企業景気予測調査、8月企業物価指数、8月都心オフィス空室率、20年国債入札、自民党総裁選挙告示(9/12)、メジャーSQ(9/13)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、米アップルが製品発表イベント開催(9/9)、米大統領候補者テレビ討論会(予定)、米3年国債入札(9/10)、米8月消費者物価指数(CPI)、米10年国債入札(9/11)、ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)、米8月生産者物価指数(PPI)、米8月財政収支、米30年国債入札(9/12)、米9月ミシガン大学消費者態度指数(9/13)などがある。
今週の日経225先物は、波乱を警戒した相場展開が見込まれる。先週は2日に付けた3万9140円を高値に調整が強まった。祝日明け3日の米国市場は8月のISM製造業景況指数が市場予想を下回り、米景気の先行き懸念が高まったほか、米司法省が反トラスト法違反を視野に召喚状を送付したと伝わったエヌビディア<NVDA>が急落。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など国内の半導体株へも売りが広がり、4日の日経225先物は1790円安と大幅な下落によって一時3万7000円を割り込んだ。
その後も7月の米雇用動態調査(JOLTS)、8月のADP雇用統計、新規失業保険申請件数などが米労働市場の減速を示す内容と受け止められ、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利下げに踏み切るとの見方が高まった。これに伴い米長期金利が約1カ月ぶりの低水準を付けたほか、為替市場ではドルが売られ円高傾向が強まった。5日には3万6200円まで売られ、8月の米雇用統計に対する警戒感から6日も安値圏での推移となり、3万6360円で終えていた。
注目された米雇用統計は、農業部門雇用者数が前月比14万2000人増と、市場予想を下回った。6月と7月もこれまでの発表よりも下方修正しており、雇用拡大のペースが鈍化していることを示した。米連邦準備制度理事会(FRBの)ウォラー理事は雇用統計の結果を受け、9月の利下げが適切との見解を示している。ただし、失業率は4.2%(前月は4.3%)に低下し予想と一致したことで、6日の米国市場は下落したとはいえ、前月の急落による波乱展開は回避できた形である。
ウォラー理事は今後のデータが大幅な利下げを示唆する場合には、これを支持すると述べている。そのため、今週11日に発表される8月の米消費者物価指数(CPI)や12日の米生産者物価指数(PPI)の結果を受けた、米国市場の反応を見極めながらの相場展開になりそうだ。
また、今週は週末に9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えており、需給面の影響を大きく受けることになる。通常は限月交代に伴うロールオーバーなどSQに絡んだ商いが中心となり、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られる。3連休前ということで商いは膨らみづらく、SQに絡んだ売買が中心になるが、レンジを大きく放れてくるようだと、ヘッジ対応の動きが強まりやすい。ヘッジが新たなヘッジ対応につながることから、トレンドが出やすくなる。そのため、オプション権利行使の3万3500円から3万7500円と広めのレンジを想定する。
米雇用統計については前回発表時の波乱が警戒されていたこともあり、-1σ水準で下げ渋る動きとなれば、アク抜けから先週の大幅な下げに対する自律反発が期待されやすい。ただし、足もとで指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが目立っており、下げ止まりの動きを見極める必要があるだろう。値がさハイテク株に底打ち感が出てこないと、戻り待ち狙いのショートが入りやすくなり、SQに絡んだ商いの影響も重なって下へのバイアスが強まることが見込まれる。
なお、6日の米VIX指数は22.38(前日は19.90)に上昇した。先週は3日に75日線(15.32)が支持線として意識されるなか、25日線(25.19)を上回り、4日には一時23.31まで上げた。その後は20.00を挟んだ値動きで推移しており、25日線が支持線として機能している。そのなかで6日は一時23.76まで上昇する場面もみられた。ただし、7月の雇用統計発表後の波乱展開では65.73まで急伸していたこともあって、今回は落ち着きをみせた形である。そのため、ややリスク選好に向かいやすい。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.03倍に上昇した。値がさハイテク株が日経平均型の重荷となっていたが、米雇用統計を警戒した持ち高調整とみられる断続的なインデックス売りにより、東証プライムの値下がり数が7割を占めていたためTOPIX型も弱く、小幅に上昇した形である。14.11倍辺りで推移する75日線が抵抗線として機能するようだと、NTショートに振れやすいだろう。
主要スケジュールでは、9月9日に4-6月期GDP確報値、8月景気ウォッチャー調査、中国8月消費者物価指数、中国8月生産者物価指数、米アップル<AAPL>製品発表イベント、10日に中国8月貿易収支、11日に米国8月消費者物価指数、12日に7-9月期法人企業景気予測調査、8月国内企業物価、自民党総裁選挙告示、ECB(欧州中央銀行)政策金利、ラガルドECB総裁記者会見、米国8月生産者物価指数、13日にメジャーSQ、7月鉱工業生産確報値、米国8月輸出入物価指数、米国9月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。また、米大統領選候補者によるテレビ討論会が10日に予定されており、選挙戦の行方を占ううえでマーケットへも影響がありそうだ。
<国内>
○08:50 ☆ 4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.8%/前期比年率3.2%)
○08:50 ◎ 7月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前2兆5893億円の黒字/季節調整済2兆1168億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:4276億円の赤字)
○14:00 ◇ 8月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数47.7/先行き判断指数48.6)
<海外>
○10:30 ◎ 8月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比0.7%)
○10:30 ◎ 8月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲1.4%)
○21:00 ◎ 8月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.07%)
○23:00 ◇ 7月米卸売売上高
○10日04:00 ◇ 7月米消費者信用残高(予想:124.5億ドル)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
一部通信社が複数の関係者の話として伝えたところによれば、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールは、セブン&アイ・ホールディングス(7&iHD)買収の意欲がまだあることを同社に伝えるもよう。7&iHDは先週、最初の買収提案を拒否した。
6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、8月米雇用統計を受けて144.01円まで上昇後、141.78円まで下落。戻りは142円後半までだった。ユーロドルは1.1155ドルから1.1066ドルまで売られた。ユーロ円は日米株価指数の下落に伴うリスク回避の円買いで157.47円までユーロ安円高が進んだ。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米株価指数の下落や米長期債利回りの低下を受けて下値リスクに警戒する展開が予想される。
8月米雇用統計(非農業部門雇用者数:前月比+14.2万人、失業率:4.2%)の後、タカ派のウォラーFRB理事が「新たに入ってくるデータ次第で継続的利下げだけでなく、大幅利下げを支持する可能性」と述べた。これにより、11日に発表される米8月消費者物価指数(CPI:予想前年比+2.6%、7月同比+2.9%)への警戒感が高まっている。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げ(※FF金利:5.00-25%)が開始され、11月FOMCでは0.50%利下げ(※FF金利:4.50-75%)が見込まれている。12月FOMCでも0.50%の利下げ(※FF金利:4.00-25%)を見込む向きが増えてきた。
米8月CPIが予想通りにインフレ率の鈍化を示す内容だった場合は、9月FOMCでの0.50%の利下げ開始の可能性が高まるため、11日まではドル円の上値は限定的だと思われる。
本日8時50分に発表される4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値は、速報値の前期比+0.8%から横ばい、年率+3.1%からは+3.2%へ小幅に上方修正されるとの予想。設備投資(民間企業設備)や公共投資(公的固定資本形成)の上方修正が見込まれており、予想通りならば、植田日銀総裁のタカ派的な見解「経済・物価見通し実現の確度が高まれば、金融緩和の度合いを調整する」を裏付けることで、追加利上げ観測を高めて円買い要因になる。
政策金利(0.25%)からインフレ率(※7月:+2.7%)を差し引いた実質金利(-2.45%)をマイナス圏に放置したままでは、円安と輸入インフレが再発する可能性が高まることになる。そこで日銀は、金利の壁である0.50%を超えた中立金利水準の1.00%付近までの追加利上げを続ける可能性が高いと思われる。
10時30分に発表される8月中国CPIは前年比+0.7%と予想されており、7月の同比+0.5%からは伸び率上昇の見込み。同月中国生産者物価指数(PPI)は同比-1.4%と、7月の同比-0.8%からは伸び率の鈍化予想だ。
中国政府は、不動産市況の低迷による消費者心理の悪化を打破するため、積極的な財政出動と緩和的な金融政策で内需拡大を目論んでいるが、米国との第2次貿易戦争への警戒感が懸念材料となっており、ディスインフレからの脱却の目途が立っていない。先週、人民銀高官が預金準備率(RRR)には「さらなる引き下げの余地がある」と発言しており、警戒しておきたい。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 35150 -1210 (-3.32%)
TOPIX先物 2521.5 -68.5 (-2.64%)
シカゴ日経平均先物 35255 -1105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。注目されていた8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比14万2000人増と市場予想を下回った。6月と7月についても下方修正しており、雇用拡大ペースの鈍化を示したことで米景気の先行きへの懸念が高まり、幅広い銘柄に売りが広がった。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、不動産の2セクターのみが上昇した一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディア、銀行、小売の下げが目立った。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比1105円安の3万5255円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比220円安の3万6140円で始まり、その後はロング優勢でプラスに転じると、米国市場の取引開始直後には3万6670円まで買われる場面もみられた。しかし、買い一巡後は下へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万5120円まで売られた。終盤にかけては3万5150円~3万5590円処のレンジで推移し、3万5150円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から売り先行で始まりそうだ。先週の下落で52週移動平均線(3万6250円)まで売られた。さらに、ナイトセッションで52週線を明確に下放れている。日足のボリンジャーバンドでは、-1σ(3万5110円)まで売られており、-1σを明確に下放れてくると、一段と下へのバイアスが強まる可能性がある。
米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は雇用統計の結果を受け、9月の利下げが適切になるとの見解を示している。今後のデータが大幅な利下げを示唆する場合には、これを支持するとも述べているため、今週も11日に発表される8月の消費者物価指数(CPI)や12日の卸売物価指数(PPI)の結果を受け、米国市場の反応を見極めながらの展開になりそうだ。
ただし、米失業率が4.2%(前月は4.3%)に低下し予想と一致したことで、6日の米国市場は下落したとはいえ、前月のような波乱の展開は幾分回避できた形である。東京市場でも前回発表時の波乱を警戒していたこともあり、日経225先物は週間で2350円下げていた。ナイトセッションで52週線を割り込んできたものの、-1σまでの下落により、いったんは売り一巡感が意識されてくる可能性はありそうだ。
まずは-1σ水準での底固めを見極めつつ、ロングのタイミングを探ることになろう。ただし、週末に9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えているため、需給面の影響を大きく受けることになる。3万5000円割れを狙ったショートが強まるようだと、ヘッジ対応の動きにより、-2σが位置する3万3340円辺りが射程に入ってくる点には注意が必要だろう。そのため、オプション権利行使価格の3万4000円から3万6000円のレンジを想定する。
なお、6日の米VIX指数は22.38(前日は19.90)に上昇した。7月の雇用統計発表後の波乱展開では65.73まで急伸していたこともあって、今回は落ち着きをみせた形である。そのため、ショートは手控えられる可能性があり、ややリスク選好に向かいやすい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.03倍に上昇した。値がさハイテク株が日経平均型の重荷となっていたが、米雇用統計を警戒し東証プライムの値下がり数が7割を占めていたため、小幅に上昇した形である。14.11倍辺りで推移する75日線が抵抗線として機能するようだと、NTショートに振れやすいだろう。
下げる理由がない
先週末の海外市場では、8月米雇用統計後に乱高下。かなり荒い値動きを繰返すことになりました。市場の注目が7月に悪化していた失業率に向いていたこともあってか、4.2%と予想通り前月から改善したほか、平均時給も0.4%と前月の0.2%からは倍増。ドル円は一時144.01円まで買い上げられました。ただ、NFPは14.2万人にとどまり予想の16.0万人よりも弱い数字。更には過去2カ月分の数字が8.6万人下方修正されていたことがわかると一気に142.01円まで急落するといった動き。
その後は米金利が上昇すると143.89円まで買戻されましたが、再び米金利が低下に転じたほか、ダウ平均や日経平均先物が一転して下げ幅をひろげるにつれてリスクオフの動きとなると141.78円まで売り込まれました。引けにかけては一時3.6443%まで低下していた米10年債利回りが3.7%台まで回復したことから142.75円まで値を戻して週末の取引を終えることになりました。
アジア時間に入ってからは、早朝のオセアニア市場で米系短期筋が売り仕掛けたものの、下値も141.96円までにとどまると、その後は米長期金利の上昇や本邦実需の買いを受けて142.93円まで値を戻しているといったところです。
いずれにしても、先週末はブラックアウト直前にウィリアムズ米NY連銀総裁とウォラーFRB理事が発言。二人とも「利下げの準備が出来ている」ことを示唆しましたが、25bpになるのか50bpになるのかの言質を与えることはなく、どちらかと言えば、「更にデータが悪化したら」利下げの加速といった、現時点では両者とも25がメインシナリオとの認識。FedWatchでの0.5%利下げ確率が30%程度まで低下したことからも明らかでした。
ただ、一方で、年内の利下げ幅への織込みが1.00%から1.25%へと拡大。11月と12月に0.5%利下げを織込むような利下げマックスが更に利下げスーパーマックス状態へと、かなりの前かがみとなってしまう結果となりました。市場は今週の米CPIなども見極めることになりますが、既にスーパーマックス状態まで利下げを織り込んだ市場にとって、これ以上織込む余地はないわけで、週明けの米金利上昇や、ドル円の買戻しが先行していることとも無関係ではない状況となっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比700円安の3万5660円(-1.92%)前後で推移。寄り付きは3万5300円と、シカゴ日経平均先物(3万5255円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。直後につけた3万5150円を安値にショートカバーが入り、終盤にかけて一時3万5860円まで下落幅を縮める動きとなった。前引けにかけては3万5650円を中心とした狭いレンジでの推移をみせている。
日経225先物は売り先行で始まり、直後に3万5150円まで下げ幅を広げたが、ナイトセッションの安値3万5120円や3万5140円辺りで推移するボリンジャーバンドの-1σを下回らなったことから、ショートカバーに向かわせたようだ。ただし、3万5860円まで下げ幅を縮めたものの、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が連日で年初来安値を更新するなど、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きにより、リバウンド狙いのロングは限られている。
NT倍率は先物中心限月で13.99倍に低下した。値がさハイテク株のほか、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となっている。ただし、東証プライムの8割超の銘柄が下落しているため、NTスプレッドも狙いにくいだろう。
「新たに入ってくるデータ次第で継続的利下げだけでなく、大幅利下げを支持する可能性」(タカ派のウォラーFRB理事)
2024年8月の米国の失業率は4.2%となり、7月の4.3%から低下した。就労者数は16.8万人増となり、7月の6.7万人増から増加した。
非農業部門雇用者数は前月比+14.2万人の増加となり、7月は速報値の+11.4万人から+8.9万人へ下方修正(▲2.5万人)され、6月は改定値の+17.9万人から+11.8万人へ下方修正(▲6.1万人)されたことから、合計で8.6万人の下方修正となった。
2021年の非農業部門雇用者数は724.5万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.4万人の増加だった。2022年の月平均は37.7万人の増加、2023年平均は25.1万人の増加、2024年平均は18.4万人の増加となった。
1.家計調査(Household survey):失業率を算出(※6万世帯)
8月の失業率は4.2%となり、7月の4.3%から低下した。労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.7%となり、7月と変わらずだった。失業率の低下は、失業者数が前月比4.8万人減だった一方で、就業者数が16.8万人増と増加したことや一時的なレイオフ増加の流れが反転したことを映している。
失業者数は711.5万人となり、7月の716.3万人から4.8万人減少したものの、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億6854.9万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約396万人上回っている。
不完全雇用率(フルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者を含む広義の失業率(U6)は7.9%となり、7月の7.8%から上昇した。
・不完全雇用率(U6):7.9%(7月7.8%、6月7.4%:2020年5月21.1%)
・労働参加率:62.7%(7月62.7%、6月62.6%、5月62.5%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):153.3万人(7月153.5万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:6.1%(7月6.3%、6月6.3%、5月6.1%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率はリセッションが近づく前に先行して上昇する傾向)
2.事業所調査(Establishment survey):非農業部門雇用者数(Non-Farm Payroll)(※12.2万の会社・政府機関)
8月の非農業部門雇用者数は、前月比+14.2万人の増加となり、44カ月連続での雇用拡大となった。平均時給は前月比+0.4%の35.21ドルとなり、7月の+0.2%から上昇し、前年同月比は+3.8%となり、7月の+3.6%から上昇した。
上昇率3.0-3.5%で米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標2%に一致するとされており、9月の利下げは確実視されており、利下げ幅(0.25%・0.50%)が分かれている。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比+0.8%、前年比は+5.0%となり、2021年3月以来の5%割れとなった7月の+4.8%を上回った。
3. サーム・ルール( Sahm Rule)=0.57%
FRBの元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱したもので、失業率の「3ヵ月移動平均」と「過去1年間の最低水準」の差が0.5%以上上昇した場合、1年以内にリセッション入りするとの説であり、過去50年間のリセッションで有効だった。8月は0.57%となり、7月の0.53%から上昇しており、景気後退入りの「炭鉱のカナリア」が鳴き止んだままとなっている。
4.米国8月の雇用関連指標
【8月】 【7月】(〇改善・●悪化)
【改善】
〇失業率: 4.2% 4.3%
〇非農業部門雇用者数:+14.2万人 +8.9万人
〇ISM製造業雇用指数:46.0 43.3
〇新規失業保険申請件数(8/12週):23.3万件 24.3万件
【悪化】
●ISM非製造業雇用指数:50.2 51.1
●ADP全国雇用者数:+9.9万人 +11.5万人
●失業保険継続受給者数(8/12週):186.0万人 184.4万人
●チャレンジャー人員削減予定数:7万5891人 2万5885人
●消費者信頼感指数(雇用):16.4% 17.1%(※職が十分-雇用が困難)
本日のロンドン為替市場は重要な経済データの発表は予定されておらず、欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えて金融当局者の発言も期待できない。ユーロドルは先週末の8月米雇用統計の発表後に1.11ドル半ばまで上昇するも直ぐに失速しており、本日は材料不足のなか6日ロウソク足の上ヒゲが抵抗水準として働くかが1つのポイントか。
また、欧州リスクセンチメントの強弱に敏感なユーロスイスフランの動向にも目を向けておきたい。先週末の金融市場で一気に強まったリスク回避ムードが、欧州市場にも持ち越される可能性が高いからだ。地政学リスクへの警戒感も緩めることはできない。週末にはイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ全域に空爆したことが報じられ、またウクライナとロシアの戦争も激化したままだ。先週ユーロスイスフランは、0.93フラン台で約1カ月ぶりのフラン高を更新した。
なお今週は、11日に8月米消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。米金利先安観が強まりつつある中でのインフレ指標のため、結果次第でユーロドルは神経質に上下しそうだ。ただメインイベントとしてはやはり、12日のECB定例理事会の政策金利の公表とその後のラガルドECB総裁の記者会見だろう。
ユーロ圏の4-6月期・妥結賃金上昇率が前年同期比3.6%と1-3月期の4.7%から大きく鈍化したことを受けて、市場ではECB理事会の利下げ決定がほぼ確実視されている。注目はラガルド総裁が、年内残りの10月と12月会合だけでなく、来年初めにかけての金利の道筋を示唆するかどうか。
想定レンジ上限
・ユーロドル、6日高値1.1155ドル
・ユーロスイスフラン、2日高値0.9446フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、3日安値1.1026ドル
・ユーロスイスフラン、8月7日安値0.9302フラン
(9日15時時点)
ドル円:1ドル=142.90円(前営業日NY終値比△0.60円)
ユーロ円:1ユーロ=158.18円(△0.41円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1069ドル(▲0.0015ドル)
日経平均株価:36215.75円(前営業日比▲175.72円)
東証株価指数(TOPIX):2579.73(▲17.69)
債券先物9月物:144.78円(▲0.40円)
新発10年物国債利回り:0.890%(△0.045%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値
前期比年率 2.9% 3.1%
前期比 0.7% 0.8%
7月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
3兆1930億円の黒字 1兆5335億円の黒字
経常収支(季節調整済)
2兆8029億円の黒字 1兆7763億円の黒字
貿易収支
4827億円の赤字 5563億円の黒字
8月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 49.0 47.5
先行き判断指数 50.3 48.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は買い戻し。先週末の弱い地合いを受けて週明けから仕掛け的な売りが先行し、早朝取引で一時141.96円まで下げる場面があった。ただ、一巡後は本邦実需勢から断続的に買いが観測されたことから下値を切り上げる展開に。一時は1100円超下落していた日経平均株価が下げ幅を縮めるとともにショートカバーが強まり、時間外の米10年債利回りが上昇したことも追い風に一時143.09円まで切り返した。
・ユーロ円も買い戻し。総じてドル円につれた展開となり、朝方に157.41円まで下げたものの、その後は日本株の買い戻しと重なる形でショートカバーが進行。一時158.48円まで持ち直した。
・ユーロドルは上値が重い。1.10ドル台後半での狭いレンジ取引が続いていたが、ドル円が底堅く推移するなかで次第に売りに押される形で1.1068ドルまで下げ、先週末安値の1.1066ドルに接近した。
・日経平均株価は5日続落。米景気先行き懸念から先週末の米国株式相場が下落した影響を受けて大きく売られて始まった。下げ幅は一時1100円を超える場面も見られた。ただ、急ピッチで下げた反動から一巡後は押し目買いが優勢に。引けにかけては急速に下げ幅を縮めた。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反落。前週末にかけて米雇用統計への警戒感から買いが進んでいた反動もあり、週明けの債券市場では持ち高調整目的の売りが優勢となった。
ウクライナ・エネルギー省の報告によると、ロシア軍が7地域のエネルギー施設を攻撃したという。
大阪9月限
日経225先物 36240 -120 (-0.33%)
TOPIX先物 2585.0 -5.0 (-0.19%)
日経225先物(9月限)は前日比120円安の3万6240円で取引を終了。寄り付きは3万5300円と、シカゴ日経平均先物(3万5255円)にサヤ寄せする形で売りが先行した。直後につけた3万5150円を安値にショートカバーが入り、前場終盤にかけて3万5860円まで下落幅を縮める動きとなった。前引けにかけては3万5600円を下回ったものの、ランチタイムで下げ渋り、後場の取引開始直後に前場の高値を上回ると、終盤に一時3万6250円まで下げ幅を縮め、本日の高値水準で終えた。
日経225先物は売り先行で始まり、3万5150円まで下げ幅を広げたが、ナイトセッションの安値3万5120円や3万5140円辺りで推移するボリンジャーバンドの-1σを下回らなったことで、ショートカバーに向かわせたようだ。また、円相場が朝方の1ドル=141円台から、後場に入ると143円台へと円高が一服したことも安心感につながった。さらにグローベックスの米株先物がプラス圏で推移しており、週明けの米国市場の上昇を先取りする形でショートを圧縮する動きとなったようだ。
日経225先物は、-1σまでの調整を経て下げ幅を縮める動きとなったが、バンドは収斂しており、ナイトセッションでは-1σが3万5800円辺りに上昇してきた。中心値(25日)は3万7130円近辺で推移している。また、52週移動平均線(3万6320円)を捉えてくるようだと、オプション権利行使価格の3万6250円から3万7250円辺りのレンジが意識されてきそうだ。まずは52週線を支持線に変えられるかを見極めることになろう。
反対に52週線が抵抗となるようだと、下へのバイアスが強まる可能性がある。本日の日経225先物は寄り付き直後の3万5150円を安値に終盤にかけて3万6250円まで、日中値幅で1100円戻したことで、引け味は悪くない。ただし、今週は11日に8月の米消費者物価指数(CPI)や12日には米卸売物価指数(PPI)の発表を控えているため、結果を受けた米国市場の反応や為替動向に振られやすい需給状況である。
また、9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を週末に控えているため、次第に限月交代に伴うロールオーバーが中心となる。本日のように日中値幅が1000円超と変動幅が大きい状況では、ヘッジ対応の商いが集中しやすく、バイアスが強まりやすい点には注意する必要があるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.01倍に低下した。一時13.94倍まで低下する場面もみられたが、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など値がさハイテク株の一角が後場に入り下落幅を縮めたことから、リバランスの動きとなった。なお、NT倍率は-2σを挟んだ、-1σと-3σによるレンジ内で推移しており、概ね13.90倍から14.10倍辺りとなる。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万1044枚、ソシエテジェネラル証券が2万1368枚、みずほ証券が1万2522枚、野村証券が9935枚、サスケハナ・ホンコンが5865枚、モルガンMUFG証券が5291枚、JPモルガン証券が5271枚、バークレイズ証券が5227枚、SBI証券が3706枚、ビーオブエー証券が3147枚だった。
TOPIX先物は、ソシエテジェネラル証券が5万4178枚、みずほ証券が5万2911枚、ABNクリアリン証券が3万1220枚、ビーオブエー証券が1万7125枚、JPモルガン証券が1万7023枚、野村証券が1万5564枚、モルガンMUFG証券が1万5484枚、バークレイズ証券が1万5121枚、ゴールドマン証券が1万3004枚、シティグループ証券が8434枚だった。
なお、各社とも12月限においても同様の枚数に近い売買であり、ロールオーバーが中心とみられる。
本日これまでのドル円は先週末の流れを引き継ぎ売りが先行するも下押しは141.96円にとどめ、先週末の安値141.78円や8月5日の安値141.70円を支えに下げ渋ると、対欧州通貨でのドル買いや日米欧株価指数の上昇を手がかりに143.60円台まで切り返した。
本日のNYタイムで予定される経済指標は7月米卸売売上高や7月米消費者信用残高程度で、米連邦準備理事会(FRB)はブラックアウト期間に入っているので、FRB要人の発言も出ないことで手がかりは乏しい。ドル円は米株や米長期金利の動向を睨みながらの動きが想定されるが、ドル円は足もとで9月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅を探る展開が続く。
先週末、注目の8月米雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増と市場予想を下回り、6・7月分も下方修正された一方で、失業率は4.2%と5カ月ぶりに低下した。就業者数の伸びの鈍化傾向が続いており、労働市場は明らかに減速している。ただ、9月FOMCでの大幅な利下げを促すほどではないとの見方が強く、短期金融市場で0.25%の利下げ確率は7割程度、0.50%の利下げ確率が3割程度と雇用統計発表前とほぼ変わっていない。
市場の目線は11日発表予定の8月米消費者物価指数(CPI)に向けられているが、歴史的な高インフレが落ち着くなかFRBが政策運営の軸足を雇用の最大化に移しているのは明らかである。FRBメンバーらは、米経済を拡大基調に保つのに小幅な利下げで十分かどうかという難しい判断に迫られている。今のところ、市場で今月のFOMCでFRBが大きめの利下げを選択するかどうかに懐疑的な見方が優勢ではあるものの、FRBが利下げサイクルを本格化し、「5会合連続で0.25%の利下げを行う」との見方も出ている。また、日銀の追加利上げ思惑も根強く、日米金利差縮小を意識したドル円の重い動きが続きそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円、6日の高値144.01円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値141.96円が下値めど。
今週のNY市場は物価指標に注目。先週はダウ平均が2.93%安、S&P500が4.25%安とともに4週ぶりに反落し、ナスダック総合は5.77%安と大幅に2週続落した。S&P500が2023年3月以来の大幅安となり、ナスダック総合は2022年1月以来の大幅安を記録した。 2日がレーバーデーのため休場で4日間の取引だったが、3連休明けの3日は8月ISM製造業PMIなどの経済指標が予想を下回り景気後退(リセッション)懸念が強まったほか、エヌビディアなどの半導体株に売りが強まり週明けから大幅安でスタートした。その後は金曜日の米8月雇用統計の発表を控えもみ合ったが、雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り、米景気の先行き不安が高まりまったことで週末金曜日も再び大きく下落した。S&P500の11セクターは生活必需品(+0.56%)、不動産(+0.15%)の2セクターを除く9セクターが週間で下落。ITが7.06%安、エネルギーが5.63%安、コミュニケーションが5.05%安となったほか、素材、資本財も4%超下落した。ITでは半導体のエヌビディアが週間で13.86%安と急落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は12.22%安となった。
今週は物価指標に注目する展開か。9月17-18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の引き下げが確実視されているが、利下げ幅の見通しを巡り0.25%と0.50%の予想がほぼ半々となっている。今週は、水曜日に8月消費者物価指数(CPI)、木曜日に8月生産者物価指数(PPI)が発表され、CPI、PPIを受けた利下げ幅の見通しが焦点となりそうだ。このほかの経済指標は火曜日に8月NFIB中小企業楽観度指数、木曜日に週間新規失業保険申請件数、金曜日に9月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・1年先期待インフレ率速報値など。決算発表はオラクル、クローガー、アドビなどS&P500採用の3銘柄が発表予定。このほか、月曜日にはアップルの開発イベントが開催され、新型のiPhone16の発売が見込まれている。
今晩の米経済指標・イベントは8月雇用傾向指数、7月卸売在庫、7月消費者信用残高、アップル開発イベントなど。企業決算は引け後にオラクルが発表予定。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
OPECプラス、価格維持へ有志8ヶ国の自主減産を2ヶ月延長で合意
12月以降の調整に柔軟性を持たせるなど価格重視姿勢、有志国の自主減産は再延長の可能性も
主要産油国の枠組であるOPECプラスは5日にオンラインで閣僚会合を開催した。6月会合では協調減産の1年延長と有志国の自主減産の3ヶ月延長で合意したが、今月末に自主減産の延長期限が到来するなかでその行方に注目が集まった。他方、足下の国際原油価格は中東情勢の不透明感にも拘らず、中国の景気減速懸念に加えて米国景気の不透明感も重なり調整の動きを強めている。よって、今回の会合では有志国による自主減産を2ヶ月延長した11月末までとすることで合意した。また、12月以降のスケジュールは必要に応じて一時停止や増産に転じる留保条件を付記しており、価格維持を一段と重視したものと捉えられる。当面は世界経済の減速が意識される展開が見込まれるなか、OPECプラスとして現行の生産水準を一段と長期に亘って維持すると見込まれ、有志国の自主減産が再延長される可能性は高まっている。
日経平均株価は5日続落。序盤は下げ幅拡大も一目均衡表の基準線(35118円 9/9)を前に下げ渋り、下落幅を縮小する展開となった。
RSI(9日)は前日の20.5%→14.4%(9/9)に低下。先週は横ばい基調の基準線との離れが調整の要因の1つとなったが、同線に近づき下げ渋る格好となった。
依然として、8月上旬に生じた急落後の戻りに対する反動安の範ちゅうである。25日移動平均線(36960円 同)が上昇に転じたほか、相場の中心とされる基準線が上向きに転じることが予想され、週を通じての下値は限定的となる公算が大きい。
上値メドは、25日移動平均線、200日移動平均線(37496円 同)、心理的節目の38000円、75日移動平均線(38519円 同)、心理的節目の39000円などがある。下値メドは、8/5高値(35301円)、心理的節目の35000円、心理的節目の34500円や34000円、8/7安値(33739円)などがある。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.81円(9日15時時点比▲0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.71円(▲0.47円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1043ドル(▲0.0026ドル)
FTSE100種総合株価指数:8270.84(前営業日比△89.37)
ドイツ株式指数(DAX):18443.56(△141.66)
10年物英国債利回り:3.856%(▲0.030%)
10年物独国債利回り:2.168%(▲0.004%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で3.76%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。欧州株相場やナイト・セッションの日経平均先物が上昇したことも相場の支援材料となり、20時30分過ぎに一時143.80円と日通し高値を付けた。
ただ、前週末の8月米雇用統計発表直後に付けた144.01円がレジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなった。米10年債利回りが3.68%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時142.66円付近まで下押しした。日経平均先物が下げに転じたことも嫌気された。
もっとも、米10年債利回りの低下が一服し、日経平均先物が再び上昇に転じるとドル円も下げ止まった。
・ユーロドルは売り先行後、もみ合い。米長期金利の上昇をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。前週末の安値1.1066ドルを下抜けると一時1.1034ドルまで値を下げた。ただ、米長期金利が低下に転じると下げ渋った。2時過ぎには1.1054ドル付近まで下値を切り上げた。
もっとも、NY市場では今週発表される8月米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)などインフレ動向を示す指標待ちの状態となり、大きな方向感は出なかった。
・ユーロ円は上値が重かった。19時過ぎに一時158.73円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。23時30分過ぎには157.48円付近まで値を下げ、アジア時間に付けた日通し安値157.41円に迫った。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は7日ぶりに反発。前週末までに6日続落したあとだけに、自律反発狙いの買いが入った。本日の米国株相場が上昇したことも相場を下支えした。レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いなどが優勢となった。本日の米国株相場が上昇したことも相場の追い風。個別ではザルトリウス(6.23%高)やシーメンス・エナジー(3.19%高)、キアゲン(2.50%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
9日の日経平均は5日続落。終値は175円安の36215円。8月雇用統計を受けて6日の米国株が大きく下げ、為替も円高に振れたことから、寄り付きは500円を超える下落。序盤はリスクオフの様相が強まり、下げ幅を4桁に広げた。ただ、1100円超下げて35200円台に入ったところで売りが一巡し、安値は早い時間につけた。10時以降は下げ幅を縮める展開。売り気配スタートで始まった半導体株の多くが寄った後は下げ渋ったこと、東京時間ではドル円が円高に振れなかったことなどが支援材料となった。
前場では下げ止まっても下落銘柄が多かったが、後場に入ると値上がりに転じる銘柄や業種が増加。グロース250指数はプラス圏に浮上した。日経平均の方は安値から1000円近く水準を切り上げた36200円台で戻りが一服。ただ、売り直されることはなく、3桁下落ではあったものの、高値圏で終了した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆0600億円。業種別では空運、精密機器、食料品などが上昇した一方、輸送用機器、保険、海運などが下落した。今期の営業増益、増配計画を提示した日本駐車場開発<2353.T>が急伸。半面、8月の月次が失望を誘ったビックカメラ<3048.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり536/値下がり1074。売買代金上位ではメルカリ、さくらネット、第一三共、セブン&アイなどが大幅上昇。神戸物産、あさひ、ノジマなど小売の一角に資金が向かった。原油価格下落を受けた燃料安への期待からJAL、ANAの空運大手2社が堅調。上方修正を発表した小松マテーレや、1Qが営業黒字となった日本ハウスHDに強い買いが入った。
一方、安寄り後は踏みとどまったものの、レーザーテック、ディスコ、東京エレクトロンなど半導体株が軒並み大幅安。トヨタやいすゞなど自動車株が円高への警戒から売りに押された。米長期金利の低下を嫌気して、三菱UFJ、第一生命、東京海上など金融株が軒並み安。8月度の月次が物足りないと受け止められたシュッピンが11%安と大きく値を崩した。
日経平均は5日続落。ただ、一時4桁安となりながらも、前場のうちに安値をつけて切り返し、終値では175円安(36215円)と常識的な下げにとどまった。ここから間を置かず大きく上昇するようなら、今回は8月のような暴落まではないとの見方が強まり、下押し圧力が和らいでくるだろう。一方、きょうは下げ幅を大きく縮めたものの、反発までには至っていない。戻りが鈍いようだと、週末にかけては三連休を前にリスク回避姿勢が強まりやすい。あすは小幅でもしっかり反発できるかが注目される。
5日続落となる中で内需株しか買えないような雰囲気が漂っているが、きょうの東京時間で円高が進まなかったことは日本株にはポジティブ。米国の8月消費者物価指数や生産者物価指数の発表を控えているため、円安が進むとまでの期待は高まりづらい。それでも、ドル円が140円を割り込まず、円高にブレーキがかかるのであれば、外需株にも見直し余地は出てくる。本日、米国ではアップルが新製品の発表イベントを予定しており、新型iPhoneがお披露目されるとみられている。米アップル株は6日の米国株が大きく下げる中でも0.7%安と値を保った。アップルのイベントが米国株や国内電子部品株に好影響を与える展開に期待したい。
(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.18円(前営業日比△0.88円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.99円(△0.22円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1035ドル(▲0.0049ドル)
ダウ工業株30種平均:40829.59ドル(△484.18ドル)
ナスダック総合株価指数:16884.61(△193.78)
10年物米国債利回り:3.70%(▲0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=68.71ドル(△1.04ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2532.7ドル(△8.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米卸売売上高
(前月比) 1.1% ▲0.3%・改
7月米消費者信用残高
254.5億ドル 52.3億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は5日ぶりに反発。週明け早朝取引では一時141.96円まで値を下げる場面もあったが、そのあとは「本邦実需勢から断続的に買いが観測された」ことから下値を切り上げる展開に。この流れを引き継いで、海外市場でも143.80円まで値を上げた。米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で3.76%台まで上昇したことも相場の支援材料。
ただ、前週末の8月米雇用統計発表直後に付けた144.01円がレジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなった。米10年債利回りが3.68%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時142.66円付近まで下押しした。日経平均先物が失速したことも嫌気された。
・ユーロドルは続落。米長期金利の上昇をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。前週末の安値1.1066ドルを下抜けると一時1.1034ドルまで値を下げた。
ただ、NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。今週発表される8月米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)などインフレ動向を示す指標待ちの状態となり、大きな方向感は出なかった。NY時間の値幅は0.0020ドル程度と小さかった。
・ユーロ円は小反発。19時過ぎに一時158.73円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。23時30分過ぎには157.48円付近まで値を下げ、アジア時間に付けた日通し安値157.41円に迫った。ドル円につれた動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに、主力株には見直し買いが入った。市場では「短期的に売られすぎとの見方から、週明けはその反動で買い戻しが優勢となった」との声が聞かれ、ダウ平均の上げ幅は650ドルを超える場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが値上がりした。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日続伸。売り先行で始まったものの、そのあとは徐々に買い戻しが優勢となり上げに転じた。8月米CPIや米PPIなど、今週発表される米重要指標を前に買いが入りやすかった。
・原油先物相場は6日ぶりに反発。もみ合い状態のなか、ハリケーンが米石油生産施設に与える影響が懸念され買い戻しを誘い、下落続きの流れが小休止となった。リビアの国内政争が原油輸出に与える悪影響など中東の供給事情や、石油輸出国機構(OPEC)加盟国ほか主要産油国からなるOPECプラスの増産延期も下値を支える要因となった。
・金先物相場は反発。対主要通貨でドルが底堅い推移を先行させたため、時間外取引では先週末以来の重い動きが続いた。しかしNYタイムに入って米金利が低下に転じると、金利が付かない資産である金に対する相対的な投資妙味が高まることに。プラス圏へ転じてNYを引けた。
SMBC日興証券では、2024年7月の経常収支が原数値ベースで3.2兆円となり、6月の1.5兆円から黒字が大幅に拡大したことに注目している。7月の黒字拡大は第一次所得収支における季節性の影響が大きかった。季節調整値でみても、経常黒字は年率換算で7月に33.6兆円となり、6月の21.3兆円から大幅に拡大し、年率30兆円台へ達したとのこと。黒字額は2023年度に25.1兆円へ、前年度の9.1兆円から大幅に拡大したが、2024年度も高水準を維持する可能性があるとSMBC日興では考えている。
ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は8月に3.0%と前回の3.0%と同じとなった。3年後のインフレ期待は2.5%と前回の2.3%から上昇した。また、5年後のインフレ期待は2.8%と前回から変わらなかった。
<国内>
○08:50 ◇ 8月マネーストックM2
<海外>
○07:45 ◇ 4-6月期ニュージーランド(NZ)製造業売上高
○09:30 ◇ 9月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:30 ◇ 8月豪NAB企業景況感指数
○未定 ◎ 8月中国貿易収支(予想:820.5億ドルの黒字)
○15:00 ◎ 8月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比1.9%)
○15:00 ◎ 8月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 5-7月英失業率(ILO方式、予想:4.1%)
○15:00 ◎ 8月ノルウェーCPI(予想:前月比▲0.9%/前年比2.7%)
○16:00 ◇ 7月トルコ失業率
○16:00 ◇ 7月トルコ鉱工業生産
○21:00 ◎ 8月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.27%)
○23:00 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)、講演
○11日01:15 ◎ ボウマンFRB理事、講演
○11日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○米大統領選候補者によるテレビ討論会
○第79回国連総会開幕(ニューヨーク)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は143.80円まで上昇後に142.66円付近まで下落した。米10年債利回りの上下に振らされ、水準を切り下げた時には日経平均先物が失速したことも材料視された。ただ一巡後は143円台まで下値を切り上げている。ユーロドルは米長期金利の上昇をきっかけに、一時1.1034ドルまで値を下げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日本時間では明日の重要イベント(米大統領候補のTV討論会や米8月消費者物価指数の発表)を控えて米長期金利や日経平均株価の動向を見据えた相場展開が予想される。
昨日のドル円は141.96円から143.80円まで上昇しており、先週末金曜日の米8月雇用統計発表後の144.01円から141.78円までの下落を打ち消したことになった。日足的には、4手連続陰線の最後の6日の陰線に対して9日の陽線が「孕み線」(リバーサル)となり、目先の底打ちを示唆するパターンとなっているものの、依然として一目・転換線144.50円を下回っているため下値リスクが払拭されていない。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの到達点が、4.00-25%から4.25-50%になっており、ドルの買い戻しの要因となった模様である。
また、昨日は日本の4-6月期実質国内総生産(GDP)の改定値が下方修正された。植田日銀総裁が追加利上げの前提としている「経済・物価見通し実現の確度が高まれば、金融緩和の度合いを調整する」への警戒感が高まったことも円売り要因となった。
明日は午前10時(米国東部時間10日の21時)からハリス米副大統領とトランプ前米大統領によるテレビ討論会が開催され、21時30分にはインフレの伸び率鈍化が見込まれている米8月消費者物価指数(CPI)が発表される。
9月FOMCでの利下げ開始観測と年内1.00%程度の利下げ観測や日本銀行の年内の0.50%程度までの追加利上げ観測にも関わらず、ドル円は141円台で下げ渋る展開となっている。その要因として、次期米政権の政策が、どちらの陣営でも拡張的な財政運営が志向される可能性が高いため、インフレ的であることが挙げられる。
ドル円が8月5日に141.70円まで下落した背景には、7月31日の日銀金融政策決定会合の後の植田日銀総裁のタカ派発言、パウエルFRB議長のFOMC後のハト派発言、そして、米7月雇用統計(非農業部門雇用者数:前月比+11.4万人、失業率:4.3%)の悪化があった。
9月6日の141.78円まで下落した背景には、植田日銀総裁のタカ派発言、パウエルFRB議長やウォラーFRB理事のハト派発言、そして米8月雇用統計(非農業部門雇用者数:前月比+14.2万人、失業率:4.2%)が労働市場の改善を示さなかったことが挙げられる。
すなわち、ドル円が141円台まで下落した要因には、日米金利差の縮小が織り込まれたものの、下げ渋った要因としては、米国次期政権の財政出動、つまり金利上昇への警戒感があるのではないだろうか。
トランプ候補は、トランプ減税の恒久化と法人税率の引き下げを掲げていることで、歳出拡大や歳入減が見込まれている。さらに、中国からの輸入品に60%超の関税を課すと言及しており、関税は輸入物価の上昇を通じてインフレを加速させ、最終的に米経済の7割を占める個人消費に悪影響を及ぼす可能性がある。
ハリス候補の経済政策は、住宅や食品の価格抑制、税制を使った生活支援による高インフレへの対抗策であり、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めを余儀なくされることになる。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36320 +80 (+0.22%)
TOPIX先物 2589.5 +4.5 (+0.17%)
シカゴ日経平均先物 36215 -25
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。前週末は8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回り、労働市場の減速を示す内容と受け止められ大幅に下落したが、売られ過ぎとの見方から押し目買いが優勢となった。エヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など半導体株の一角が買われたほか、NYダウ構成銘柄ではボーイング<BA>やベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>の上昇が目立った。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、電気通信サービス、自動車・同部品、小売、銀行が上昇した一方で、メディアのみ下落した。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比25円安の3万6215円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比110円高の3万6350円で始まり、3万6510円まで買われた。ただし、買い一巡後は軟化し、米国市場の取引開始後には3万5960円まで売られる場面もみられた。終盤にかけて再び買い戻され、3万6080円~3万6390円辺りで推移し、3万6320円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、週明けの米国市場で主要な株価指数が反発したことで、やや買い先行で始まりそうだ。ただし、シカゴ先物が大阪比でマイナスだったこともあり、積極的なロングは限られよう。また、昨日の日経225先物は朝方に付けた3万5150円を安値に下げ幅を縮め、後場終盤にかけて3万6250円と1100円ほど戻していた。グローベックスの米株先物の上昇を受けて先回り的な買い戻しも入っていたとみられ、米株高の反応は限定的だろう。
エヌビディアが3.5%超上昇したことが安心感につながる期待もあるが、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株のリバウンドが限られると、戻り待ち狙いのショートを誘う可能性があろう。
一方で、ボリンジャーバンドは収斂しており、-1σは前日の3万5180円からナイトセッションで3万5790円まで上昇してきた。ナイトセッションでは同水準を上回って推移をみせていたことから支持線として意識されやすく、中心値(25日)が位置する3万7120円とのレンジ内での推移になりそうだ。ただし、52週移動平均線が3万6320円、週足の-1σが3万6380円辺りに位置しているため、まずはこの水準での底堅さを見極めたい。
そのため、オプション権利行使価格の3万6375円を中心に、上下の権利行使価格3万5875円から3万6875円のレンジを想定する。
なお、9日の米VIX指数は19.45(前日は22.38)に低下し、再び20.00を下回ってきた。そのため、ショートは手控えられる可能性があり、ややリスク選好に向かいやすい。ただし、18.54辺りで推移する25日線が支持線として機能しているほか、11日には8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることが市場心理を神経質にさせそうだ。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.01倍に低下した。一時13.94倍まで低下する場面もみられたが、東京エレクなど値がさハイテク株の一角が後場に入り下落幅を縮めたことで、リバランスの動きとなった。なお、NT倍率は-2σを挟んだ、-1σと-3σでのレンジ内で推移しており、概ね13.90倍から14.10倍辺りとなる。本日はエヌビディアの反発を受けて-1σの14.10倍水準に接近する局面があろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比変わらずの3万6240円前後で推移。寄り付きは3万6390円と、シカゴ日経平均先物(3万6215円)を上回り、買いが先行して始まった。買い先行で始まった東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が下落に転じた影響もあり、現物の寄り付き直後には3万6000円まで売られる場面もみられた。ただし、その後は東京エレクが上昇に転じたほか、英アームホールディングス<ARM>の急伸を受けたソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が日経平均株価をけん引するなか、中盤にかけて日経225先物は一時3万6540円まで買われた。ただし、52週移動平均線(3万6320円)水準をキープできず、終盤にかけて軟化している。
日経225先物は米株高を受けて買いが先行した。東エレクの荒い値動きに振らされる形で3万6000円まで下げたが、ナイトセッションで付けた安値の3万5960円を下回らなったことから、短期的なカバーの動きが入ったようだ。もっとも、買い一巡後は52週線をキープできなかったことから、ロング解消に向かわせる形である。限月交代に伴うロールオーバーが中心となるなか、短期的な売買に振らされやすい。52週線が抵抗となるものの、下値の堅さも意識されており、後場は改めて突破を試す動きが入りそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.99倍に低下した。値がさハイテク株の影響を受けており、13.97倍から14.04倍での推移だった。東エレクはリバウンドをみせたが、第一三共 <4568.T> [東証P]やファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が日経平均型の重荷となっているため、トレンドが出にくい状況である。
昨日の海外市場では、ドル円は米金利や日経平均先物の動向につれる展開。欧州時間は米金利の上昇につれて143.80円まで値を上げたものの、先週末6日の高値144.01円が戻りの目処として意識されたほか、買われていた日経平均先物が下落に転じるなか142.66円まで下押ししました。引けにかけては一時3.6892%まで低下していた米10年債利回りが3.7%台を回復したこともあり、143.21円まで買戻されています。アジア時間ではゴトー日とあって本邦実需の買いが朝方から観測されると143.55円まで値を上げているといったところです。
いずれにしても、ドル円は、日経平均や米金利動向に敏感に反応していますが、先週末に行き過ぎた織込みとなってしまった米利下げ観測の修正局面にあるわけで、市場では一目転換線の144.50円が意識されています。8月5日と先週末で2番底を打ったと仮定するならば、チャート的にもセンチメント的にも、やはり一目転換線の上抜けが必要となっているなか、明日の米CPIを前にした神経質な動きが続いています。
先週末に年内1.25%の利下げを織込む動きを見せていた市場でしたが、流石にやり過ぎ感が出て来ているわけで、それでもまだまだ1.00%を織込んでいる状況。パウエルFRB議長が政策決定の軸を雇用最大化に移していることは事実ですが、それでもなお、インフレの動向を無視するわけにはいかず、7月CPIやPCEのスーパーコア及び、多変量コアトレンドPCEが揃って上昇に転じているなか、8月のインフレ指標の方向性を確認することになります。
「バイデン大統領がハリス氏を支持するよう支持者に求めており、我々も彼女を支持する。彼女はとても表情豊かに伝染するように笑う。それは彼女にとって全てがうまくいっていることを意味している。ハリス氏がさらなる対ロ制裁を控えることも意味しているのかもしれない」(プーチン露大統領)
承認欲求が強い人は、組織の中で上昇志向が強くなる。
「高者、未だ必ずしも賢ならず」にも関わらず、上位の者に媚び諂う。
「下者、未だ必ずしも愚ならず」にも関わらず、下位の者を蔑ろにする。
米国東部時間2024年9月10日(※日本時間11日の午前10時)に開催される米国大統領選挙の候補者によるテレビ討論会では、そのような二人の討論が繰り広げられることになる。
ハリス副大統領(高IQ&低EQ?)は、「Weird戦法」でトランプ前大統領の自制心を失わせる作戦らしい。
トランプ前大統領(低IQ&EQ?)は、ハリス副大統領の発言を遮ることなく話をさせる計画らしい。
■ハリス第49代米副大統領(59歳・黒人女性)
ハリス第49代米副大統領が民主党の大統領候補に指名されなかった理由は、議論ができない、職務遂行能力がない、副大統領就任後の3年間でスタッフ47人のうち43人が辞めたこと、などいろいろと指摘されていた。
インフレ対応に関する質問に対する回答は以下の通り。
「まずはここから始めましょう。物価が上がっています。家族も個人もパンの価格が上がり、ガスの価格が上がる現実と取り組んでいます。私達はその意味することを理解しなければなりません。それは生活費が上昇することについてです。それは、限られた資源にストレスを与え、あっちを立てればこっちが立たなくならざるをえないことです。それは家族のためのストレスの源で、経済的であるだけでなく、日常的なレベルでも、背負わなければならない重荷です。だから、それは私たちが非常に真剣に受け止めているものです。非常に真剣にです。私達はこの問題のアメリカの歴史から、こうした価格が上がっている時に、我が国のすべての人々の生活の質に直接影響することを知っています。だからこれは大問題で、私達は真剣に取り上げています。それゆえ、それは優先的に扱うべきものなのです」
■トランプ第45代米大統領(78歳・白人男性)
トランプ第45代米大統領は、4つの事件で起訴されて重罪を問われているが、第47代米大統領に就任した場合、起訴取り下げ、大統領恩赦などで逃げ切ろうとしているらしい。就任できなかった場合は、収監を逃れるため、国外への逃亡を目論んでいるらしい。
本日のロンドン為替市場では、序盤に発表される複数のインフレデータをまずは確かめたい。日本時間15時にドイツからは8月消費者物価指数(CPI)改定値、英国から5-7月の賃金データ、ノルウェーからも8月CPIが発表される。
独CPIは改定値ではあるものの、速報値が想定以上に弱かったことから、今回は目を向けておきたい。速報値では前月比がプラス予想から-0.1%に、前年比も2.1%に減速見込みから約3年半ぶりの低水準となる1.9%まで下振れた。欧州最大の経済規模を誇るドイツのインフレ鈍化基調が確認されれば、欧州中央銀行(ECB)の利下げペースが速まるとの思惑が高まるかもしれない。
英の平均賃金(除賞与)は前回4-6月分が5.4%と2022年8月以来の低い伸び率を記録した。今回も減速を見込む向きが多いようであり、先月1日に利下げを決定した英中銀(BOE)のベイリー総裁の期待通りに賃金上昇ペースの緩和が進みそうだ。ただ一部の民間調査によれば、足もとの賃金インフレは加速しているとのデータも出てきた。今のところ短期金融市場も、英中銀の利下げペースは速まらないとの見ているもよう。
独・英の指標を受けて、このところ狭いレンジでの上下が続いているユーロポンドも動意付くかもしれない。独インフレ低下が顕著となり、英賃金インフレにサプライズなしとなれば、単純ではあるがユーロポンドにとっては売り圧力に繋がるか。
8月ノルウェーCPIは前年比予想2.7%と前回から0.1ポイント下回る見込み。それよりも今回は大幅な減速が見込まれる前月比に注目だろう。市場は前回0.5%から-0.9%までの低下を予想している。ノルウェー中銀は先月、8会合連続となる政策金利の据え置きを決定した。声明でも引き締め的な政策継続に言及していたものの、本日の結果次第で次回会合に向けた新たな思惑が浮上するかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線で9日高値でもある1.1091ドル
・ユーロポンド、21日移動平均線0.8472ポンド
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月15日安値1.0950ドル
・ユーロポンド、8月30日安値0.8400ポンド
(10日15時時点)
ドル円:1ドル=143.15円(前営業日NY終値比▲0.03円)
ユーロ円:1ユーロ=158.02円(△0.03円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1039ドル(△0.0004ドル)
日経平均株価:36159.16円(前営業日比▲56.59円)
東証株価指数(TOPIX):2576.54(▲3.19)
債券先物9月物:144.79円(△0.01円)
新発10年物国債利回り:0.890%(横ばい)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月マネーストックM2
前年同月比 1.3% 1.5%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は方向感がない。朝方に142.86円まで売りが先行したものの、本日は5・10日(ゴトー日)とあって東京仲値にかけて買いが強まると一時143.55円まで切り返した。一方、昨日高値の143.80円までは届かず、その後は日経平均株価の上値が重くなるにつれて143円台前半まで押し戻された。
・ユーロ円も方向感が定まらない。総じてドル円につれる展開となり、早朝に157.71円まで下げた後は158.37円まで反発したものの、戻りは限られた。
・ユーロドルはもみ合い。対円などでドル買いが強まった影響を受けて昨日安値の1.1034ドルを下抜けて1.1028ドルまで下げたが、動きは総じて鈍かった。
・日経平均株価は6日続落。下げが目立っていた半導体関連株に買いが入り指数は一時320円超上昇する場面があった。もっとも、今週末にSQを控えているとあって先物への思惑的な売りが観測されると下げに転じた。
・債券先物相場は反発。昨日の米国債券相場が小幅上昇し、本日の国内債にも買いが波及した。もっとも、明日以降の米物価指標を見極めたいとの思惑もあり、その後は伸び悩み。相場は一時下げに転じる場面もあった。
中国の税関総署が10日に発表した2024年8月の米ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比8.7%増となった。市場予想(6.5%増)から上振れし、前月の7.0%増から加速した。半面、輸入は0.5%増となり、市場予想(2.0%増)を下回り、前月の7.2%増から大幅に減速した。貿易黒字は910億2000万米ドルと市場予想の820億5000万米ドルを上回った。
人民元建てでは、輸出が8.4%増、輸入が横ばい。前月実績はそれぞれ6.5%増、6.6%増だった。貿易黒字は6493億4000万元。
時間外取引で米アップル株が1%超下落している。「アイルランド政府による米アップルへの法人税優遇策を巡る欧州司法裁判でアップルが敗訴」との報道を受けた。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、米国に関するリポートの中で、10日に開催予定のハリス氏、トランプ氏の両大統領候補者によるTV討論会に注目している。東海東京では、今回は元検事でディベートにも強いとみられるハリス氏が、トランプ氏の「失言やウソ」を鋭く指摘し問い詰める流れになる可能性が高いとみている。一方、トランプ氏にとっては、女性や有色人種を見下すような発言がタブーとなるなど、何かと発言に関する「制約の多い」討論会になるとみている。トランプ氏は高インフレや移民問題など、バイデン政権の「弱み」に集中砲火を浴びせることが予想される。東海東京では、トランプ氏がいかに「ボロを出さないか」という点が、今回の見どころになると考えている。
大阪9月限
日経225先物 36150 -90 (-0.24%)
TOPIX先物 2574.5 -10.5 (-0.40%)
日経225先物(9月限)は前日比90円安の3万6150円で取引を終了。寄り付きは3万6390円と、シカゴ日経平均先物(3万6215円)を上回り、買いが先行した。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が買い一巡後に下落に転じた影響もあり、現物の寄り付き直後には3万6000円まで売られる場面もあった。その後、東エレクが上昇に転じたほか、英アームホールディングス<ARM>の急伸を受けたソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が日経平均株価を牽引するなか、前場中盤にかけて日経225先物は一時3万6540円まで買われた。
しかし、52週移動平均線(3万6320円)水準をキープできず、前引けにかけて3万6170円まで下げた。ランチタイムでも3万6380円まで買われた後は3万6190円まで売られ、後場中盤に3万6430円まで買われる場面もみられたが、終盤にかけて3万6110円まで下げていた。3万6000円接近では底堅さが意識されたものの、52週線を支持線に変えることはできなかった。
日経225先物は米株高を受けて買いが先行した。東エレクの荒い値動きに振らされる形で3万6000円まで下げたが、ナイトセッションで付けた安値の3万5960円を下回らなったことで、短期的なカバーの動きが入ったようだ。ボリンジャーバンドの-1σは、ナイトセッションで3万6000円辺りまで上昇してきた。そのため、52週線を挟んだオプション権利行使価格の3万6375円を中心とした上下の権利行使価格3万6000円から3万6750円のレンジを想定する。
ボリンジャーバンドは収斂し、-1σに沿った形で下値を切り上げてくると、中心値(25日)が位置する3万7200円辺りを捉えてくる可能性はありそうだ。9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を週末に控え、限月交代に伴うロールオーバーが中心である。大きなトレンドは出にくいものの、短期的な売買の影響を受けやすい。
また、11日に発表される8月の米消費者物価指数(CPI)や12日の米卸売物価指数(PPI)の発表を前に、ヘッジファンドによる持ち高調整も意識されやすい。為替市場では円高が一服しており、日米金利差縮小で傾いていたポジションのリバランスが入る可能性もありそうだ。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.04倍に上昇した。朝方は13.97倍まで低下する場面もみられたが、その後は東エレクが日経平均型を支える形だった。足もとで14.00倍を挟んだ13.93倍から14.07倍辺りでの推移をみせており、いったんは14.11倍辺りで推移する75日線を捉えてくる場面がありそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はソシエテジェネラル証券が2万6015枚、みずほ証券が2万3230枚、ABNクリアリン証券が2万1306枚、野村証券が1万8703枚、バークレイズ証券が1万0233枚、モルガンMUFG証券が7975枚、HSBC証券が7566枚、ゴールドマン証券が5469枚、BNPパリバ証券が5130枚、JPモルガン証券が4320枚だった。
TOPIX先物は、みずほ証券が6万1529枚、ソシエテジェネラル証券が5万4010枚、野村証券が3万2201枚、ABNクリアリン証券が2万9856枚、JPモルガン証券が2万4105枚、BNPパリバ証券が2万1872枚、バークレイズ証券が2万1542枚、モルガンMUFG証券が1万8859枚、ゴールドマン証券が1万8839枚、SMBC日興証券が1万4463枚だった。
なお、各社とも12月限にも同様の枚数に近い売買であり、ロールオーバーが中心とみられる。
本日これまでのドル円は欧州タイムに一時143.71円まで上昇するも昨日同様に144円台回復を試す動きには持ち込めず143円前半に押し戻された。
本日も主な米経済指標の発表は予定されておらず、ドル円は米株や米債利回りの動向を睨みつつ明日の8月米消費者物価指数(CPI)待ちとなる。バー米連邦準備理事会(FRB)副議長やボウマンFRB理事の講演が予定されているが、ブラックアウト期間に入っており、金融政策に関する発言は聞かれないだろう。
足もとでは9月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%利下げ思惑が後退し、ドル円は底堅い動きとなっているものの、円高圧力が残されているなかドル円は本日も上値の重い動きが見込まれる。7月下旬から8月上旬の円高で円キャリートレードの巻き戻しがかなり進んだが、まだ長期的な円売りポジションの解消は終わってないとの見方が強い。日米金利差が縮んでいくなかで新規に円売りポジションをとる投資家も少なく、ドル円は一段と円高方向への動きが警戒されている。
金融市場にどれぐらいの影響が出るかは不透明だが、本日は米大統領選候補者によるテレビ討論会が予定されている。米大統領選の投票日まであと2カ月を切り、民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領の直接対決が注目されている。労働市場や金利、地政学を巡る不確実性で投資家の神経をとがらせている時期にあって、両者の直接対決が米金融市場にとって新たなボラティリティーをもたらす可能性がある。
・想定レンジ上限
ドル円、6日の高値144.01円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、8月5日の安値141.70円が下値めど。
今晩はもみ合いか。昨日は米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げによる景気の下支えが期待される中、先週主要3指数が大きく下落したことで押し目買いが強まった。先週1200ドル超下落したダウ平均が484.18ドル高(+1.20%)と反発し、S&P500とナスダック総合もともに1.16%高となった。引け後の動きではオラクルが時間外で約9%上昇。6-8月期の売上高と利益が予想を上回ったほか、クラウド事業でのアマゾンのAWSとの提携も好感された。
今晩はもみ合いか。今週は、水曜日に8月消費者物価指数(CPI)、木曜日に8月生産者物価指数(PPI)が発表され、9月17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅を巡り、足もとの物価動向に注目が集まる。9月FOMCでは利下げが確実視されているが、CMEのフェド・ウォッチ・ツールでは約30%の確率で通常の2倍の幅の0.50%の利下げも予想されている。利下げ幅の見通しを巡り、CPI、PPIの発表待ちの展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは8月NFIB中小企業楽観度指数のほか、バーFRB副議長、ボウマンFRB理事の講演など。主要な企業の決算発表はなし。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
中国貿易は駆け込みの動きと内需の弱さを反映する展開が続く
「中国包囲網」の動きが広がるなか、世界経済にはけん引役不在となる可能性が高まっている
このところの中国経済は内・外需双方で不透明要因が山積する。外需を巡っては、欧米に加えて新興国の間でも中国製品に対する関税引き上げを模索する動きがみられる。足下の輸出はそうした影響の掻い潜りを模索する動きがみられ、8月の輸出額も前年比+8.7%に加速している。中国の過剰生産が懸念される分野を中心に企業が受注の掃き出しの動きを強めており、駆け込みの動きが下支えする動きがみられる。
内需を巡っては不動産不況とディスインフレ圧力が重石となる動きがみられる。一方、欧米などが経済安全保障を理由に包囲網の動きを強めるなかで内製化に向けた動きを活発化させており、半導体や生産設備などの輸入量は堅調な推移をみせる。ただし、先行きの生産下振れを警戒して素材・部材などの輸入量は軒並み下振れしており、市況低迷の動きも相俟って輸入額に下押し圧力が掛かっているとみられる。
先行きの外需は欧米やカナダのほか、新興国の間でも中国に対する関税引き上げの動きが広がり、人民元安による価格競争力向上にも拘らず弱含むと見込まれる。内需の弱さも相俟って当面の景気は力強さを欠くなか、世界経済にけん引役は存在せず、世界経済や金融市場のかく乱要因となることが見込まれる。
日経平均株価は6日続落。買い先行ながらも下向きの5日移動平均線(36494円 9/10)に上値を抑えられる格好となった。一方、下値も限定的となり、前日終値を意識して小陰線を形成した。
RSI(9日)は前日の14.4%→11.7%(9/10)に低下。前日の取引時間中の安値からの戻りが大きかったことも、上げ幅が限定的になった要因とみられる。
25日移動平均線(37148円 同)が上昇に転じたほか、相場の中心とされる基準線(35118円 同)があすから上向きに転じることが予想され、きょうの6日続落で反転上昇への変化日となるかが注目される。
上値メドは、25日移動平均線、200日移動平均線(37510円 同)、心理的節目の38000円、75日移動平均線(38486円 同)、心理的節目の39000円などがある。下値メドは、9/9安値(35247円)、心理的節目の35000円、心理的節目の34500円や34000円、8/7安値(33739円)などがある。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.440%、応札倍率(カバー)が2.66倍となった。
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.39円(10日15時時点比▲0.76円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.96円(▲1.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1023ドル(▲0.0016ドル)
FTSE100種総合株価指数:8205.98(前営業日比▲64.86)
ドイツ株式指数(DAX):18265.92(▲177.64)
10年物英国債利回り:3.819%(▲0.037%)
10年物独国債利回り:2.131%(▲0.037%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) ▲0.1% ▲0.1%
(前年同月比) 1.9% 1.9%
8月英雇用統計
失業率 4.7% 4.6%・改
失業保険申請件数
2.37万件 10.23万件・改
5-7月英失業率
(ILO方式) 4.1% 4.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で3.72%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。17時30分前に一時143.71円と日通し高値を更新した。ただ、前日の高値143.80円や前週末の8月米雇用統計発表直後に付けた144.01円がレジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなった。
NYの取引時間帯に入り、米10年債利回りが一時3.6423%前後と昨年6月以来約1年3カ月ぶりの低水準を記録すると円買い・ドル売りが活発化。米国株相場の失速や日経平均先物の下落を背景にリスク・オフの円買いも入ると、1時過ぎに一時142.20円まで値を下げた。
なお、小高く始まったダウ平均は失速し一時410ドル超下落した。また、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比540円安の3万5610円まで値を下げた。
・ユーロドルはじり安。欧州株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出ると、24時前に一時1.1015ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、今日これまでの値幅は0.0035ドル程度と小さかった。本日は米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、大きな方向感は出なかった。12日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果を見極めたいとの雰囲気もある。
・ユーロ円は上値が重かった。17時30分前に一時158.64円と本日高値を付けたものの、前日の高値158.73円がレジスタンスとして働くと失速。1時過ぎには156.80円と本日安値を更新した。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は反落。前日は値ごろ感からの買いが入り7日ぶりに反発したものの、買いの勢いは続かなかった。製薬大手アストラゼネカは「第一三共と共同で開発する肺がんの治療薬候補の臨床試験で主要項目の一部に統計学的に有意な改善がみられなかった」と公表。同社株の下げが相場の重しとなった。原油先物相場の急落を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られたことも相場の押し下げ要因。
・フランクフルト株式相場は反落。前日は値ごろ感からの買いが入ったものの、買いの勢いは長続きしなかった。小高く始まった米国株相場が失速したことも相場の重し。個別ではBMW(11.15%安)やコンチネンタル(10.51%安)、ドイツ銀行(4.91%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。
10日の日経平均は6日続落。終値は56円安の36159円。米国株高を受けて3桁高からのスタートとなったが、前場は動きが荒くなった。すぐに失速して下げに転じるも、200円超下げて36000円に接近したところでは踏みとどまって鋭角的に切り返した。一方、そこからプラス転換して上げ幅を広げたものの、300円超上昇して36500円台に乗せたところでは押し戻された。
乱高下しながらも前場を小幅高で終えると、後場は方向感なく、幾分上げては失速するといった動きを繰り返した。プラス圏で推移する時間が長かったが、引け間際の動きが弱く、小幅な下落で終了。大引けが後場の安値となった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7800億円。業種別では水産・農林、陸運、倉庫・運輸などが上昇した一方、医薬品、海運、精密機器などが下落した。1Qは減益着地も、自己株取得の発表が好感されたビューティガレージ<3180.T>が急伸。半面、3Q決算が市場の期待に届かなかったくら寿司<2695.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり802/値下がり787。半導体株の一角が強く、東京エレクトロンやSCREENが3%を超える上昇。ソフトバンクG、ソニーG、リクルートHDなど主力グロース株の動きが良かった。JR東海や京成電鉄など鉄道株が軒並み高となっており、西武HDは7.1%高。証券会社の新規カバレッジが入ったパイロットが急伸した。中小型株には跳ねている銘柄が多く、ザインエレクトロニクスがリリースを材料にストップ高まで買い進まれた。
一方、治験結果が失望材料となった第一三共が8.6%安。新製品を発表した米アップル株の反応がさえなかったことから、太陽誘電や村田製作所など電子部品株が大幅安となった。ナスダック高や東京エレクトロンの大幅高を受けてもレーザーテックは下落。通期の利益見通しを引き下げたアピリッツが急落した。
日経平均は6日続落。前場では東京エレクトロンの復活とともに日本株も下げ基調を脱しそうな雰囲気があったが、買いは続かなかった。東京エレクトロンは大幅高で終えており、あす以降の動きにも期待が持てる。一方、日経平均は引け味が悪く、戻り売り圧力の強さが印象付けられた。
あすは日本時間の10時から米国で大統領候補者のトランプ氏とハリス氏によるテレビ討論会が開催予定。現時点では両者接戦との見方が多く、どちらが勝利することがマーケットにプラスかも曖昧な状況。前回、トランプ氏とバイデン氏のテレビ討論会を場中に消化した6月28日は、イベントとしては注目を集めたものの、特に相場を動かす材料にはならなかった。討論で優劣がついたとしても、まずは米国の反応を見極めたい局面で、これを理由に日本株が大きく上がる、下がるといったことにはならないだろう。
ただ、あす11日の米国では8月の消費者物価指数(CPI)が発表されるだけに、こちらを前にしては身構える動きが出てきやすい。CPIが弱ければ、米国の長期金利が低下してドル円は円高(ドル安)に振れると思われる。CPIが強い場合はインフレ長期化に対する警戒から米国株が売られると思われる。市場予想並みで米金利や為替がそれほど動かず、米国株が大きく上昇するというのが理想的だが、その可能性にベットして前のめりになれるほど今の日本株の基調は強くない。テレビ討論会を無難に消化できたとしても、上値は重いと予想する。
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.44円(前営業日比▲0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.97円(▲1.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1020ドル(▲0.0015ドル)
ダウ工業株30種平均:40736.96ドル(▲92.63ドル)
ナスダック総合株価指数:17025.88(△141.28)
10年物米国債利回り:3.64%(▲0.06%)
WTI原油先物10月限:1バレル=65.75ドル(▲2.96ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2543.1ドル(△10.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.6348%前後と昨年6月以来約1年3カ月ぶりの低水準を記録すると円買い・ドル売りが先行。米国株相場の失速や日経平均先物の下落を背景にリスク・オフの円買いも入ると、1時過ぎに一時142.20円まで値を下げた。
なお、小高く始まったダウ平均は失速し一時410ドル超下落した。また、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比540円安の3万5610円まで値を下げた。
・ユーロドルは小幅ながら3日続落。欧州株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが先行すると、24時前に一時1.1015ドルと日通し安値を更新した。
ただ、今日1日の値幅は0.0035ドル程度と小さかった。本日は米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、大きな方向感は出なかった。12日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果を見極めたいとの雰囲気もあった。
・ユーロ円は反落。欧州市場序盤に一時158.64円と本日高値を付けたものの、前日の高値158.73円がレジスタンスとして働くと失速。1時過ぎには156.80円と本日安値を更新した。ドル円の下落につれた売りが出た。
・カナダドルは対ドルで1.3615カナダドル、対円で104.49円まで下落した。WTI原油先物価格が一時5%超急落し、1年4カ月ぶりの安値を更新すると、産油国通貨とされるカナダドルに売りが出た。同じく産油国通貨であるメキシコペソも軟調に推移し、対ドルで20.1343ペソ、対円で7.08円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。8月米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)など、今週発表される米重要指標を前に、持ち高調整目的の売りが優勢となった。指数は一時410ドル超下落した。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは6日続伸。8月米CPIや米PPIなど、今週発表される米重要指標を前に買いが入りやすかった。3年債入札が「好調」と受け止められたことも相場を下支えした。利回りは一時3.6348%前後と昨年6月以来約1年3カ月ぶりの低水準を付けた。
・原油先物相場は反落。石油生産施設が多く位置する米メキシコ湾岸へのハリケーン接近など買い材料もあったが次第に頭打ちに。エネルギー消費大国である中国の景気低迷が原油の需要後退を意識させ、戻り売り優位に転じた。
・金先物相場は続伸。米10年債利回りが昨年6月以来の水準3.63%台をつけるなど米金利が低下。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味改善が支援となった。
10日21:14 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「貿易の混乱はインフレの変動性を高める可能性」
「グローバル貿易は減速しており大きな懸念事項」
「インフレの上振れリスクと経済成長の下振れリスクのバランスを取る必要」
10日22:53
「若者の失業率は大幅に上昇している」
「移民率は非常に高い」
「失業率が上昇すれば、それは懸念事項となる」
「さらなる利下げを予想するのは妥当」
「中立金利に近づくにつれ、成長が加速することを期待」
「上振れサプライズとなれば、正常化のペースが鈍化する可能性」
「下振れリスクが実現すれば、より大きな措置を講じるのが適切となる可能性」
10日23:02 バー米連邦準備理事会(FRB)副議長
「FRBは銀行資本要件案を有意に変更」
※時間は日本時間
<国内>
○10:30 ◎ 中川順子日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○09:20 ◎ ハンター豪準備銀行(RBA)総裁補、講演
○10:00 ☆ ハリス米副大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会
○15:00 ☆ 7月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○15:00 ◇ 7月英鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年比▲0.2%)
○15:00 ◇ 7月英製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○15:00 ◇ 7月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:181.00億ポンドの赤字/51.00億ポンドの赤字)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 7月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲0.2%)
○21:30 ☆ 8月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比2.6%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.2%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○12日01:00 ◎ 8月ロシアCPI(予想:前月比0.2%)
○12日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は142.20円まで下落した。米長期金利の低下や、ダウ平均や日経平均先物の下げが重しとなった。ユーロは対ドルで1.1015ドル、対円では156.80円まで売られた。
本日の東京外国為替市場は、まずは10時からのハリス米副大統領とトランプ前米大統領によるテレビ討論会(90分間の予定)を見極めたい。その後ドル円は、米長期債利回りの低下や今夜発表の伸び率鈍化が予想されている米8月消費者物価指数(CPI)への警戒感から軟調な展開が予想される。
ドル円が141円台で下げ渋っている要因としては、米国次期政権の拡張的な財政政策、すなわち金利上昇への警戒感があると思われる。本日の討論会で両者の優劣が判明した後でも、141円台ではドル円の下押し幅は限定的かもしれない。
本日の最重要イベントは今夜発表される米8月CPIであり、7月の前年比+2.9%から+2.6%への伸び率鈍化が見込まれている。予想通りならば、タカ派のウォラーFRB理事が、先週末「経済指標で一段と大きな幅での利下げの必要性が示されれば支持する」と述べていたことで、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利下げの可能性が高まるため、ドル円は上値が重い展開が予想される。
10時からの討論会では、両者の政策論争ではなく、どちらが次期大統領として相応しいのかを問われることになると思われる。ハリス候補は、「Weird」という言葉を連発して、トランプ候補を逆上させて失言を誘う計画、トランプ候補は、ハリス候補の発言を遮ることなく話をさせて議論下手を明らかにする計画ではないか、と報じられている。
トランプ候補は、トランプ減税の恒久化と法人税率の引き下げを掲げていることで、歳出拡大や歳入減が見込まれている。さらに、中国からの輸入品に60%超の関税を課すと言及しており、関税は輸入物価の上昇を通じてインフレを加速させ、最終的に米経済の7割を占める個人消費に悪影響を及ぼす可能性がある。ウクライナ戦争は即時停戦、イスラエルには全面支援を標榜している。
ハリス候補は、中間層への減税や法人税率の引き上げ(21%⇒28%)、住宅や食品の価格抑制、税制を使った生活支援による高インフレへの対抗策を掲げていることで、財政出動と米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めを余儀なくされることになる。ウクライナへの支援継続、イスラエルの自衛権とパレスチナの国家建設を標榜している。
ほか、本日9時20分のハンター豪準備銀行(RBA)総裁補の講演では、9月23-24日の豪準備銀行(RBA)理事会での金融政策への言及に注目することになる。また、10時30分からの中川日銀審議委員のあいさつでは、年内の日銀金融政策決定会合での追加利上げへの言及がポイントとなる。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36100 -50 (-0.13%)
TOPIX先物 2566.0 -8.5 (-0.33%)
シカゴ日経平均先物 36140 -10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
10日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。11日に8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて、持ち高調整の売りが優勢となった。そのなかで、2025年の純金利収入の市場予想は高すぎるとの見方を示したJPモルガン・チェース<JPM>が5%超下落したほか、ゴールドマン・サックス<GS>も売られるなど、金融株の下げが目立った。半面、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>などの大型テック株や、エヌビディア<NVDA>といった半導体株の一角が買われた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、ソフトウエア・サービス、不動産が上昇した一方で、銀行、エネルギー、耐久消費財・アパレルが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比10円安の3万6140円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比100円高の3万6250円で始まり、一時3万6450円まで買われた。その後軟化し、3万6120円~3万6320円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後に下へのバイアスが強まり、中盤には3万5610円まで売られる場面もあった。終盤にかけて買い戻しが強まり、3万6100円と小幅な下落でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から小動きで始まりそうだ。米国では金融株の下落に対してハイテク株の一角が買われており、この流れからやや日経平均型優位の展開になりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとみられるが、利下げ幅を予想するうえでCPIの結果を見極めたいところであり、引き続き積極的な売買は手控えられよう。
また、日本時間10時からハリス副大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会が行われる。大統領選の行方を左右する可能性があり、金融市場にも影響を与えそうだ。
日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-1σ(3万5970円)を大きく下回る場面もみられたが、終盤にかけての切り返しで-1σを上回って終えた。不安定ながらも-1σが支持線として意識されやすく、3万6000円近辺では押し目狙いのスタンスとなりそうだ。一方で、中心値(25日)が位置する3万7190円に接近する場面では、戻り待ち狙いのショートが入りやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万5875円から3万6875円処のレンジを想定する。3万6300円処では52週移動平均線と週足の-1σが位置しているため、強弱感が対立しやすいだろう。
CPIの結果待ちのほか、週末には9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えているため、限月交代に伴うロールオーバーが中心である。そのため、短期的なトレードに振られやすく、米大統領選挙に向けた討論会での発言などによっては、アルゴリズム発動による影響を警戒しておきたいところだ。
なお、10日の米VIX指数は19.08(前日は19.45)に低下した。そのため、ショートは手控えられる可能性があり、リスク選好に向かいやすい。ただし、下向きながら18.20辺りで推移する25日線が支持線として機能しているため、やや市場心理を神経質にさせそうだ。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.04倍(前日は14.01倍)に上昇した。朝方は13.97倍まで低下する場面もみられたが、その後は東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が買われ、日経平均型を支える形だった。足もとで14.00倍を挟んだ13.93倍から14.07倍辺りでの推移をみせているが、米金融株の下落の影響により、いったんは14.11倍辺りで推移する75日線を捉えてくる場面を意識しておきたい。
日経225先物は11時30分時点、前日比280円安の3万5870円(-0.77%)前後で推移。寄り付きは3万6050円と、シカゴ日経平均先物(3万6140円)を下回り、売りが先行して始まった。直後につけた3万6080円を高値にショートが優勢となるなか、ほどなくして3万5800円まで下落した。その後は中盤にかけて3万6000円を回復する場面もみられたが、終盤にかけて再び下へのバイアスが強まり、一時3万5720円まで売られた。
日経225先物は寄り付き直後にボリンジャーバンドの-1σ(3万5950円)を下回り、同水準が抵抗線として意識されている。ただし、ナイトセッションで付けた安値(3万5610円)を下回っていないため、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。-1σでの攻防から底堅さがみられてくるようだと、短期筋のショートカバーを誘う可能性はありそうだ。ただし、為替市場では円相場が1ドル=141円台と円高に振れて推移するなか、ショートカバーを誘い込む積極的なロングは期待しづらいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.05倍に上昇した。一時14.09倍まで上げており、75日移動平均線が位置する14.11倍に迫る場面もみられた。同線が抵抗として意識されやすく、いったんはリバランスが入りやすいなか、その後は14.00倍に低下する動きもみられた。
カマラハリス候補とトランプ候補の米大統領TV討論会が続いているなか、トランプ前大統領が「不法移民達は猫を食べている」との発言に驚いているなか、市場では中川日銀審議員の発言を材料にドル円のSLを付ける動きとなりました。8月5日の安値141.70円を下抜けると一時141.51円まで下落。その後は142.01円まで買戻されるなど、かなり荒い値動きとなりましたが、一巡すると141円台後半での様子見となっています。
市場では「無理やりSLを付けに行った」との声も聞かれていますが、審議員の発言自体は「見通しが実現していけば、緩和度合いを調整し続けていく」との当たり前の見解だったにもかかわらず、再び早期の追加利上げを意識するような反応となりました。同時に買戻されていた日経平均も430円近い下げ幅となるなど、いつも通りの米系短期筋の売り仕掛けセットが実行されたわけですが、日経平均の大幅下落は逆に市場を不安定にさせる主要因にもなっているといえます。
いずれにしても、かかる仕掛けのフローの足は想像以上に速いわけで、当事者のはずの日本国債先物は逆に買われて、利回りが低下しているなど、市場の反応は全く整合性の取れないものとなっているあたり、その反動もまた整合性がとれない動きとなっていくのかもしれません。こちらもあまり整合性とは無関係だった米大統領選TV討論会も終わり、今夜の8月米CPIを待つことになっています。
「パーティーの音楽が、いつか鳴り止むことはわかっている。しかし、音楽が鳴っている間は、我々はただ踊るしかないのだ」(2007年:シティバンクCEO、プリンス氏)
2007年の夏、ジョン・ポールソン氏は米国の住宅価格のグラフを観て、おかしい、と感じ、住宅価格の下落に賭けて、150億ドルという史上最大のボロ儲けを得た。
2024年の夏、ポールソン氏は、米連邦準備理事会(FRB)の政策金利5.25-50%と3%未満のインフレ率に対して、おかしい、と感じているらしい。
1.2007年の夏
2007年の夏、米国の住宅バブルが最高頂に達した頃、シティバンクのCEO、チャールズ・プリンス氏は、「パーティーの音楽が、いつか鳴り止むことはわかっている。しかし、音楽が鳴っている間は、我々はただ踊るしかないのだ」と述べた。
しかし、『史上最大のボロ儲け』のジョン・ポールソン氏や『世紀の空売り(The Big Short)』のスティーブ・アイスマン氏は、ダンス音楽が鳴り止んだ後の住宅バブル崩壊による「100年に一度」の金融恐慌が見えていたらしい。
不動産投資に全く縁のなかった無名の投資家、ジョン・ポールソン氏は、上昇トレンドを現していた米国の住宅価格のグラフを観て、住宅バブルの崩壊、すなわち、サブプライムローンの破綻を予測し、サブプライムローン証券を対象とする「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」に投資して、150億ドルという史上最大のボロ儲けを得た。
例えるならば、アメリカの住宅の火災保険を買い占めた後、アメリカの住宅が火災に見舞われたため、巨額の火災保険金を手に入れたようなものである。
当時、グリーンスパン第13代FRB議長は、米国の住宅市場の高騰は、バブル(大きな泡)ではなく、フロス(小さな泡)に過ぎず、貧しい人々が住宅を購入できるサブプライムローンを称賛していた。
イエレン・サンフランシスコ地区連銀総裁(後のFRB議長~米財務長官)は、カリフォルニアの金融機関にサブプライムローンを推奨していた。
2.2024年の夏
ポールソン氏は、「インフレ率は3%近辺で推移している。FF金利は5.25-50%だ。だから実質金利は高過ぎる。Fedは恐らく利下げするまでに待ち過ぎた。」と述べ、米連邦準備理事会(FRB)はもっと早く利下げすべきだった、との見解を示している。
そして、2025年末の水準について「予想は難しいが、わたしの予想では3%くらいではないか。もしかすると2.5%かもしれない。」と政策金利の低下基調を見込んでいる。
本日のロンドン為替市場では、昨日同様にリスクセンチメントの強弱を見定めながらもユーロドルの下値リスクを警戒しながらの取引か。ポンドドルは序盤に発表される7月分の英経済指標が注目される。
米長期金利の低下にもかかわらず、昨日のユーロドルは3日続落と地合いの弱いままだった。欧州株安を受けて軟調だったユーロ円に引きずられた面も大きく、本日も株式市場の動向を注視する必要があるだろう。
昨日は欧州景気の弱さを示すようなニュースが伝わった。ドイツの大手自動車メーカー・フォルクスワーゲン(VW)が、国内労働者向けの雇用保障協定を破棄する方針と報じられた。同社は先週、創業以来で初となる国内工場閉鎖の検討を明らかにしていた。経済大国ドイツを象徴する企業の1つVWがコスト削減を進める必要があるということは、同国の競争力後退が深刻だということだろう。ドイツ労働市場全体に与える影響を今後も見極めることになる。
ポンドドルは昨日1.31ドル台に乗せたところで頭を抑えられ、1.30ドル半ばまで下押す場面があった。序盤に発表された5-7月分の英平均賃金(除賞与)は前年比5.1%と約年ぶりの水準まで鈍化した。同時期の失業率(ILO方式)は4.1%と予想に沿った結果だったものの、前回分からの改善が続いた。
本日も序盤に、7月英の国内総生産(GDP、前月比)や鉱工業生産が発表予定。月次GDPは小幅プラスを回復し、鉱工業生産は前年比マイナス幅を縮小する見込み。昨日に賃金インフレの鈍化基調は確認できたものの、労働市場は底堅さを示した。そういったなか本日、英経済成長へのポジティブな兆候が見られるようだと、英中銀の利下げペースの緩みが意識されるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、9日高値1.1091ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.3144ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月15日安値1.0950ドル
・ポンドドル、8月20日1.2975ドル
(11日15時時点)
ドル円:1ドル=141.28円(前営業日NY終値比▲1.16円)
ユーロ円:1ユーロ=156.01円(▲0.96円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1042ドル(△0.0022ドル)
日経平均株価:35619.77円(前営業日比▲539.39円)
東証株価指数(TOPIX):2530.67(▲45.87)
債券先物9月物:145.24円(△0.45円)
新発10年物国債利回り:0.845%(▲0.045%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(△0.00100%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は売り優勢。朝方から日経平均先物の下落を材料視に売りが先行。東京仲値にかけて下げ渋る場面があったが戻りは鈍く、中川日銀審議委員が今後の金融政策運営について、「先行き経済・物価の見通しが実現していくとすれば」という条件のもと「金融緩和の度合いを調整していく」との見解を示したことをきっかけに売りが再開した。8月5日に付けた安値141.70円を下抜けると目先のストップロスを断続的に巻き込みながら一時140.71円まで下値を広げ、年初来安値を更新した。
・ユーロ円も売り優勢。総じてドル円と同様に売りが活発化する展開となった。日銀の早期利上げ観測から円が全面高の展開となると一時155.50円まで急落した。また、ポンド円は184.48円、豪ドル円は93.65円まで下落した。
・ユーロドルは強含み。ドル円の下落に伴ってユーロ買い・ドル売りが強まり、一時1.1051ドルまで値を上げた。時間外の米10年債利回りが低下したことも支えとなった。
・日経平均株価は7日続落。外国為替市場での円高・ドル安を受けて自動車株を中心に輸出関連銘柄に売りが広がった。中川日銀審議委員の発言で日銀の早期利上げ観測が高まったことも投資家心理の悪化につながり、指数は一時900円超安まで下げ幅を広げた。
・債券先物相場は続伸。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行。日本株安で債券需要が高まった影響も受けて一時145.29円まで上値を伸ばした。
大阪9月限
日経225先物 35770 -380 (-1.05%)
TOPIX先物 2541.5 -33.0 (-1.28%)
日経225先物(9月限)は前日比380円安の3万5770円で取引を終了。寄り付きは3万6050円と、シカゴ日経平均先物(3万6140円)を下回り、売りが先行した。直後につけた3万6080円を高値にショートが優勢となり、ほどなくして3万5800円まで下落。その後は前場中盤にかけて3万6000円を回復する場面もみられたが、前場終盤に再び下へのバイアスが強まり、一時3万5720円まで売られた。ランチタイムで3万6000円近辺まで戻す場面もあったが、後場の取引開始時には前場につけた安値を割り込み、後場中盤にかけて3万5250円まで下落幅を広げた。
日経225先物は寄り付き直後にボリンジャーバンドの-1σ(3万5950円)を下回り、その後は同水準での攻防が続き、抵抗線として意識される形となった。後場に入り円相場が1ドル=140円台と円高に振れて推移するなか、ショートの動きが強まったようだ。オプション権利行使価格の3万5750円辺りから3万5250円まで下げたことで、ヘッジ対応に伴うショートも入ったと考えられる。
円高については、日銀の中川順子審議委員による発言がタカ派的に受け止められたほか、米大統領選候補者によるテレビ討論会でハリス副大統領が優位に立ったと伝わり、トランプ・トレードを巻き戻す動きともみられていた。
ただし、円高をきっかけとした後場の下落分については、終盤にかけてのカバーで戻している。短期的な売買に振られたものの、基本的には9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えるなかで限月交代に伴うロールオーバーだったため、仕掛けづらいところであろう。
とはいえ、日経225先物は7営業日続落し、3000円ほど下げてきた。52週移動平均線と週足のボリンジャーバンドの-1σが位置する3万6310円処を割り込んでおり、週足の-2σ水準である3万4440円が意識されてくる可能性がありそうだ。まずは8月の米消費者物価指数(CPI)の結果を受けた、米国市場の動向を見極めたい。本日は円相場が1ドル=140円07銭まで円高に振れる場面もみられた。CPIの結果を受けて140円台を割り込んでくるようだと、アルゴリズムが発動する可能性があるという点には注意しておきたい。
日経225先物は後場に荒い値動きとなったが、オプション権利行使価格の3万6000円を中心とした上下の権利行使価格3万5500円から3万6500円のレンジを想定する。
NT倍率は先物中心限月で14.07倍に上昇した。一時14.10倍まで上げており、75日線が位置する14.11倍に迫る場面もみられた。同線が抵抗として意識されて、いったんはリバランスが入りやすいなか、その後は14.00倍に低下する動きもみられた。円高進行によって輸出関連株への売りがTOPIX型の重荷となる可能性があるため、目先的には75日線を捉えてくる局面がありそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万8441枚、ソシエテジェネラル証券が1万8495枚、JPモルガン証券が9047枚、HSBC証券が8623枚、みずほ証券が8350枚、野村証券が7257枚、ゴールドマン証券が6607枚、バークレイズ証券が4843枚、モルガンMUFG証券が4452枚、サスケハナ・ホンコンが4250枚だった。
TOPIX先物は、ソシエテジェネラル証券が3万0270枚、ABNクリアリン証券が2万7458枚、野村証券が1万6993枚、みずほ証券が1万5833枚、JPモルガン証券が1万3504枚、バークレイズ証券が9989枚、モルガンMUFG証券が8423枚、HSBC証券が6625枚、BNPパリバ証券が6485枚、ゴールドマン証券が6018枚だった。
なお、12月限においても商いが膨らんできているため、ロールオーバーは進んでいるとみられる。
東京市場で中川日銀審議委員の発言を受けて日銀の早期利上げ観測が強まり、ドル円は140.71円まで年初来安値を更新した。欧州タイムに入っては買い戻しが入るも141.70円近辺で戻りが一服し141円前半に押し戻されている。
中川日銀審議委員は先行き日銀の経済・物価見通しが実現していくとすれば、物価目標実現の観点から金融緩和の度合いを調整していくことになると述べた。中川委員の発言はこれまでの日銀正副総裁と同様の内容で、日銀のコンセンサスとして方針が一致していると受け止められ円買いが進んだ。日銀の追加利上げと米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が基本コンセンサスとなっているなか、足もとでドル円は新規の買いが入りにくい状況が続いており、ドル円の戻り局面では売り圧力が強い。
NY市場では8月米消費者物価指数(CPI)に焦点が集まっている。市場では8月米CPIが前年比+2.6%と2021年3月以来の水準まで5カ月連続での鈍化が見込まれている。大幅なサプライズとならない限り、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げにとどまるとの見方は変わらず、ドル円に買い戻しが入りそうだ。だた、CPIが予想以上に伸びが鈍化すれば、0.50%の利下げ思惑が再燃しそうだ。8月の米雇用統計が方向感に欠ける結果となったこともあり、8月CPIの結果次第ではドル相場の反応が大きくなる可能性がある。
・想定レンジ上限
ドル円、本日これまでの高値142.47円や6日の高値144.01円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値140.71円や昨年12月28日安値140.25円が下値めど。下抜けると昨年7月以来の140円大台割れが視野に入る。
メキシコ上院は10日、司法制度改革を含めた憲法改正案の採決を行い、可決される見通しとなった。
今晩は物価指標に注目。昨日は引け後のハリス米副大統領とトランプ前大統領による米大統領選のテレビ討論会や、翌日の8月消費者物価指数(CPI)などの物価指標の発表を控え、様子見姿勢が強まったが、足もとで大きく下落したハイテク・グロース株に押し目買いが強まったことでS&P500とナスダック総合が2日続伸した。ただ、慎重な先行き見通しを示した大手銀行株が下落したことでダウ平均が小幅に反落した。
今晩は利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される8月消費者物価指数(CPI)に注目する展開か。来週17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが確実視されているが、利下げ幅を巡っては通常の2倍の幅の0.50%の利下げ見通しも強まっており、CPIを受けた9月FOMCや年内の利下げ見通しが焦点となる。また、引け後(日本時間、11日午前)に行われた米大統領選のテレビ討論会ではハリス氏が優勢との見方が多く、一定の安心感につながりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは8月消費者物価指数(CPI)のほか、MBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫、米10年債入札など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は7日続落。後場は下値模索で一時900円を超える下落幅となったが、9日安値(35247円)を前に下げ止まり、終盤は下げ幅を縮小する展開となった。
RSI(9日)は前日の11.7%→9.8%(9/11)に低下。終値ベースでは9月に入ってからの安値を更新した。一方、一目均衡表で上向きに転じた基準線(35578円 9/11)上を維持して終えており、7日続落といえども下値のフシを意識した格好。基本的には5日移動平均線(36208円 同)下で目先の下落トレンドが続くが、あすの基準線は36410円まで水準が切り上がることが予想され、終値で雲の中に入り込めるか、あるいは雲上限(36791円 同)を突破できるかが上目線の方向での注目ポイントとなる。
上値メドは、心理的節目の36500円、25日移動平均線(37185円 同)、200日移動平均線(37520円 同)、心理的節目の38000円、75日移動平均線(38442円 同)、心理的節目の39000円などがある。下値メドは、心理的節目の35000円、8/9安値(34445円)や34000円、8/7安値(33739円)などがある。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.648%、応札倍率(カバー)が2.64倍となった。
(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.20円(11日15時時点比△0.92円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.68円(△0.67円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1018ドル(▲0.0024ドル)
FTSE100種総合株価指数:8193.94(前営業日比▲12.04)
ドイツ株式指数(DAX):18330.27(△64.35)
10年物英国債利回り:3.761%(▲0.058%)
10年物独国債利回り:2.112%(▲0.019%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月英国内総生産(GDP)
(前月比) 0.0% 0.0%
7月英鉱工業生産
(前月比) ▲0.8% 0.8%
(前年同月比) ▲1.2% ▲1.4%
7月英製造業生産指数
(前月比) ▲1.0% 1.1%
7月英商品貿易収支
200.03億ポンドの赤字 188.94億ポンドの赤字
7月英貿易収支
75.14億ポンドの赤字 53.24億ポンドの赤字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。東京市場では米大統領選候補者討論会で共和党のトランプ氏が劣勢との見方が台頭したほか、日銀の中川審議委員の発言を受けて円買い・ドル売りが優勢となり、一時140.71円と年初来安値を更新した。
ただ、欧米市場に入ると買い戻しが優勢となった。市場の注目が集まっていた8月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、米大幅利下げ観測が後退すると全般ドル買いが活発化。22時前に一時142.54円と日通し高値を更新した。
その後、3.68%台まで上昇した米10年債利回りが低下に転じるとドル円にも売りが出て、24時前には141.25円付近まで下押しした。ダウ平均が一時740ドル超下落したほか、日経平均先物が大証終値比360円安の3万5410円まで急落したことも相場の重しとなった。
もっとも、米10年債利回りが再び上昇に転じるとドル円にも買い戻しが入った。日経平均先物が持ち直したことも相場の支援材料となり、2時30分過ぎには142.32円付近まで値を戻した。
・ユーロドルは失速。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると、一時1.1055ドルと日通し高値を付けたものの、米CPIの結果を受けて米大幅利下げ観測が後退すると全般ドル買いが優勢に。24時前に一時1.1002ドルと日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は1.10ドル台前半で徐々に値動きが鈍った。明日12日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売買は手控えられた。
・ユーロ円はアジア時間に一時155.50円まで売られたものの、欧州勢参入後は買い戻しが優勢に。22時過ぎには156.98円付近まで持ち直した。ただ、アジア時間に付けた日通し高値157.02円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。米国株や日経平均先物が下落したタイミングでリスク回避の円買いが強まると一時155.46円と日通し安値を更新した。
もっとも、ナスダック総合が上げに転じ、日経平均先物が持ち直すとユーロ円にも買い戻しが入り、156.79円付近まで値を戻している。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。反発して始まったものの、8月米CPIの結果を受けて米国株相場が下落すると英株にも売りが波及した。レントキル・イニシャルやアシュテッド・グループなど資本財・サービス株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。半面、リオ・ティントやアントファガスタなど素材株が買われた。
・フランクフルト株式相場は反発。米国株相場が下落すると独株にも売りが波及し下げに転じる場面もあったが、引けにかけて持ち直した。個別ではコメルツ銀行(16.55%高)やBMW(3.04%高)、ポルシェ(2.39%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
11日の日経平均は大幅に7日続落。終値は539円安の35619円。ダウ平均の下落や円高進行を嫌気して、3桁下落スタート。開始早々に下げ幅を400円超に広げた。10時の米大統領選候補者によるテレビ討論会を前にいったん鋭角的に値を戻したものの、36000円近辺で戻りは一巡。10時台半ばにドル円が円高に振れたことから、再び下げ幅を広げた。400円程度下げたところでは何度か踏みとどまっていたが、後場に入ってドル円が141円を割り込み140円台に突入すると、一時買い手不在の状態に陥った。14時台半ばには下げ幅を900円超に拡大。4桁安は回避して35200円台で下げ止まると、終盤にかけては円高に一服感が出てきたこともあり、幾分値を戻した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1900億円。業種別では全業種が下落しており、下げが相対的に軽微であったのは電気機器、医薬品、情報・通信など。一方、鉱業、石油・石炭、不動産などが大きめの下落となった。前日開催された「IR Day」が評価された富士通<6702.T>が逆行高。半面、原油価格下落を嫌気して、INPEX<1605.T>の下げが大きくなった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり105/値下がり1523。売買代金上位銘柄では、レーザーテック、ソフトバンクG、三井物産が逆行高。1Qが営業黒字となったgumiがプライムの値上がり率トップとなった。上方修正と増配を発表した扶桑電通が急伸。海外の大手半導体関連メーカーから大口受注を獲得したと発表したAIメカテックが場中は値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、円高進行を受けて、トヨタ、ホンダ、日産自動車など自動車株が軒並み大幅安。連日の株安を受けて、野村HDや大和証Gなど証券株が売りに押された。米長期金利が大きく低下する中でも三井不動産や三菱地所など不動産株が全般軟調。円高が進行する中でも良品計画やサイゼリヤが大幅安と、外部環境を追い風にできそうな銘柄も嫌われた。地合いの悪い中、下方修正を発表した三井ハイテックがストップ安となった。
日経平均は大幅安。円高への警戒が拭いきれない中で、買いを入れたくなる材料がないため、簡単に下に値幅が出る。7日続落となっている間は日本株の弱さが際立っており、世界株安ではない。政治の世界では自民党総裁選の話題で持ちきりとなっている中で、株安が進んでいるのも印象が悪い。候補者にマーケット感覚があるのかどうかが試されているようでもある。
本日の米8月消費者物価指数(CPI)を確認する前に、ドル円は141円を割り込む場面があった。日経平均が4451円安となった8月5日の水準よりも円高が進んだという状況。昨年の12月に円高が進んだ局面では、140円に接近したところで切り返している。そのため、あっさり140円を割り込んでしまうと、短期的には円高に勢いがつく可能性がある。そうなった場合には、少なくとも来週のFOMC(9/17~18)もしくは日銀会合(9/19~20)辺りまでは日本株の反転は期待しづらい。一方、今回も昨年末同様に140円割れを回避できれば、十分値ごろ感は醸成されているだけに急反発も期待できる。円高加速かそれとも一服か、140円近辺の攻防が大きく注目される。
(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.36円(前営業日比▲0.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.78円(▲0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1012ドル(▲0.0008ドル)
ダウ工業株30種平均:40861.71ドル(△124.75ドル)
ナスダック総合株価指数:17395.53(△369.65)
10年物米国債利回り:3.65%(△0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=67.31ドル(△1.56ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2542.4ドル(▲0.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら続落。米労働省が発表した8月米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%/前年比2.5%と予想の前月比0.2%/前年比2.6%を前年比で下回った。一方、エネルギーと食品を除くコア指数は前月比0.3%/前年比3.2%と予想の前月比0.2%/前年比3.2%を前月比で上回り、米連邦準備理事会(FRB)が注目しているスーパーコア(住居費を除くサービス)は2カ月連続で加速した。この結果を受けて、米大幅利下げ観測が後退すると全般ドル買いが活発化。22時前に一時142.54円と日通し高値を更新した。
米CPI発表直後に3.68%台まで上昇した米10年債利回りが低下に転じると、ドル円にも売りが出て141.25円付近まで下押しした。ダウ平均が一時740ドル超下落したほか、日経平均先物が大証終値比360円安の3万5410円まで急落したことも相場の重しとなった。
ただ、米10年債利回りが再び上昇に転じるとドルを買い戻す動きが優勢に。ダウ平均や日経平均先物が持ち直し、底堅く推移したことも相場の支援材料となり、5時過ぎには142.46円付近まで値を戻した。
・ユーロドルは小幅ながら4日続落。米CPIの結果を受けて米大幅利下げ観測が後退すると全般ドル買いが先行。24時前に一時1.1002ドルと日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は1.10ドル台前半で徐々に値動きが鈍った。明日12日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売買は手控えられた。
・ユーロ円も小幅続落。22時過ぎに一時156.98円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値157.02円が目先レジスタンスとして意識されると失速。米国株や日経平均先物が下落したタイミングでリスク回避の円買いが強まると一時155.46円と日通し安値を更新した。
ただ、米国株や日経平均先物が持ち直すとユーロ円にも買い戻しが入り、156.95円付近まで値を戻している。なお、日経平均先物は引けにかけて買いが強まり、大証終値比860円高の3万6630円まで急伸した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。8月米CPIを受けて「物価が期待したほど鈍化しなかった」との見方が広がると失望売りが膨らみ、指数は一時740ドル超下落した。ただ、売り一巡後はハイテク株中心に買いが集まり、相場は上昇に転じた。市場では「CPIを受けて売りが先行したが、短期的に下げが目立っているハイテク株に押し目買いが入った」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは7日ぶりに反落。8月米CPIの結果を受けて米大幅利下げ観測が後退すると売りが優勢となった。
米国株相場が下落すると相対的に安全資産とされる米国債が買われ、上昇に転じる場面もあったが、米国株が持ち直したため買いは長続きしなかった。
・原油先物相場は反発。米石油生産施設が多く集まるメキシコ湾岸へのハリケーン接近などを理由に、前日の下落に対する修正の買い戻しが入った。ただ、米エネルギー省(EIA)発表の週間石油在庫(9/6時点)で原油在庫が+83.3万バレル(前週 -687.3万バレル)と積み増しへ転じたことを嫌気して一時66ドル割れとなるなど、弱い動きを見せる場面もあり動意は安定しなかった。
・金先物相場は先週末以来3営業日ぶりに小反落。金利が付かない資産である金は、米CPI発表局面の米金利動向をにらみつつ、相対的な投資妙味を意識して上下。CPI発表直後の金利上昇を受けて2529ドルまで下落が先行した。米金利が上昇幅を縮小すると一時2549ドルまで反発する場面も。しかしやや押し戻され、前日比マイナス圏へ沈んだ。
11日09:26 ハンター豪準備銀行(RBA)総裁補
「見通しの不確実性はさらに高まっている」
「我々の予測は何らかの点で間違っている可能性が高い」
11日10:32 中川日銀審議委員
「見通しが実現していけば緩和度合いを調整していく」
「国内経済は穏やかに回復していると評価」
「金融政策は経済・物価・金融情勢次第、実質金利は極めて低い」
「利上げ後も実質金利は大幅マイナスであり、緩和環境は維持される」
「国債購入の減額計画は中間評価で必要なら修正ありうる」
「輸入物価上昇による消費者物価の上振れに注意する必要がある」
11日14:13
「中立金利をピンポイントを示すのはすごく難しい」
「政策金利変化への反応などを点検して中立金利を探っていく」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 7-9月期法人企業景気予測調査
○08:50 ◇ 8月企業物価指数(予想:前月比横ばい/前年比2.8%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:00 ◇ 田村直樹日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○08:01 ◇ 8月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:▲14)
○15:00 ◇ 8月独卸売物価指数(WPI)
○15:00 ◎ 8月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.5%/前年比2.1%)
◎ コア指数(予想:前月比▲0.4%/前年比1.3%)
○16:00 ◇ 7月トルコ経常収支(予想:5.5億ドルの黒字)
○21:00 ◎ 7月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比4.2%)
○21:00 ◎ 7月インド鉱工業生産(予想:前年同月比4.7%)
○21:00 ◎ 8月インドCPI(予想:前年比3.50%)
○21:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:3.65%へ引き下げ)
○21:30 ◇ 7月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比7.1%)
○21:30 ◎ 8月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比1.8%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.5%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/185.0万人)
○21:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○13日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○13日03:00 ◎ 8月米月次財政収支(予想:3173億ドルの赤字)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は142.54円まで上昇した。8月米消費者物価指数(CPI)を受けて米大幅利下げ観測が後退したことに反応した。その後141円前半まで下押すも、引けにかけて142円半ばまで再び持ち直した。ユーロドルは1.1002ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期債利回りの上昇などを受けて底堅い展開が予想される中、タカ派の田村日銀審議委員の見解には警戒しておきたい。
ドル円は昨日の東京午後、年初来安値140.71円まで下落した。しかしながら、米8月コア消費者物価指数(CPI)が予想を上回る前月比+0.3%、米連邦準備理事会(FRB)が注目するスーパーコア指数も+0.33%と7月の+0.21%から上昇していたことを受けて、142円台半ばまで反発した。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ開始確率が前日の60%台から80%台まで上昇。0.50%の利下げ確率の低下がドルの買い戻しに繋がっている。
他のドル買いの要因としては、米国次期政権の拡張的な財政政策、すなわち金利上昇への警戒感もあるだろう。
ドル円のテクニカル分析では、昨年12月28日の安値140.25円を起点にして、7月3日の高値161.95円まで上昇した後、ほぼ全値押しを達成したことになる。また、127.23円(2023年1月16日安値)から161.95円までの上昇トレンドのフィボナッチ・リトレースメント38.2%押しである140.39円もほぼ達成したことになる。
8時50分に発表される8月企業物価指数では、輸入物価指数に注目しておきたい。昨日、中川日銀審議委員は「輸入物価上昇による消費者物価の上振れに注意する必要がある」と述べていた。
7月の輸入物価指数は前年比+10.8%と発表され、6月の同比+9.5%から上昇していた。8月のドル円相場は、7月3日に1986年12月以来の高値161.95円を付けて以来、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入や日本銀行の追加利上げなどで、140円台まで下落しており、円高の影響を見極めることになる。
10時からのタカ派の田村日銀審議委員のあいさつでは、植田日銀総裁や昨日の中川日銀審議委員と同様のタカ派的な見解が予想されるものの、最もタカ派の委員の見解、例えば中立金利水準の1.00%に向けた利上げへの言及などには警戒しておきたい。
植田日銀総裁は、「経済・物価見通し実現の確度が高まれば、金融緩和の度合いを調整する」と述べ、中川日銀審議委員は「日銀の経済・物価見通しが実現していくとすれば、金融緩和の度合いを調整していく」と述べており、日銀タカ派の統一見解となっている。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36510 +740 (+2.06%)
TOPIX先物 2581.5 +40.0 (+1.57%)
シカゴ日経平均先物 36595 +825
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
11日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。8月の米消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.3%上昇と、市場予想(0.2%上昇)を上回った。前年同月比では3.2%上昇で、予想と一致した。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の大幅利下げ観測が後退し、利下げ幅は既定路線の0.25%になるとの見方が広がった。CPIの結果を受けてNYダウの下落幅は一時700ドルを超える場面もみられた。
しかし、売り一巡後は下げ幅を縮め、午後にはプラスに転じた。足もとで売られていたハイテク株を買い戻す動きが強まり、ナスダック指数は3日続伸し上昇率が2%を超えた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、小売が上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、保険、食品・飲料・タバコが下落した。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比825円高の3万6595円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比130円高の3万5900円で始まり、その後は3万6300円まで買われた。米国市場の取引開始直後に下へのバイアスが強まり、中盤には3万5410円まで売られる場面もみられた。終盤にかけて買い戻しが強まり、一時3万6630円まで上げ幅を広げ、3万6510円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。米国ではCPIの結果を受けて大きく売られる場面もみられたが、その後はハイテク株主導で切り返しており、東京市場でも東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株のリバウンドが見込まれ、日経平均型優位の展開になりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで1200円ほどの変動幅となったが、終値ではボリンジャーバンドの-1σ(3万6060円)を大きく上回ってきた。-1σと中心値(25日)が位置する3万7240円でのレンジが意識されそうである。そのため、オプション権利行使価格の3万6000円から3万7000円のレンジを想定する。ただし、9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を明日に控えて、買い一巡後は次第に膠着感が強まる可能性はある。
12月限へのロールオーバーは順調に進んでおり、SQに絡んだ商いは落ち着いてきそうである。大きな変動をみせてくるようだとヘッジ対応の動きが入りやすいことから、できれば3万6500円~3万7000円処で落ち着かせたいところだろう。ハイテク株の戻りの鈍さが意識されてくると、短期的なショートが入りやすいと考えられる。また、為替市場では円相場が1ドル=142円台で推移している。再び140円台に入ってくると、ショートが強まる可能性があるため、注意しておく必要があるだろう。
なお、10日の米VIX指数は17.69(前日は19.08)に低下した。下向きながら17.79辺りで推移する25日移動平均線を下回ってきたため、リスク選好に向かいやすい。FOMC通過までは積極的なロングは限られようが、ショートカバーを強めてくる展開が意識されそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.07倍に上昇した。一時14.10倍まで上げており、75日線が位置する14.11倍に迫る場面もみられた。同線が抵抗として意識され、いったんはリバランスが入りやすく、その後は14.00倍に低下する動きもみられた。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が見込まれ、75日線を上回ってくる局面もありそうだ。
昨日は、東京時間に2度の米系短期筋による売り仕掛け、つまり、ドル円と日経平均の売りが観測されたわけですが、最初の仕掛けは中川日銀審議員の発言がきっかけ。実際は、植田日銀総裁らの発言を繰り返したに過ぎず、本邦勢としては「気にしていない」なか、追加利上げを囃す売り仕掛けとなりました。141.51円まで下落した直後に本邦実需のまとまった買いから142.01円まで値を戻したものの、2回目の仕掛けが米大統領選TV討論会直後から持ち込まれると再び下値を試す展開。
テイラースウィフトがインスタグラム上で、トランプ前米大統領が「ハイチからの不法移民が住民のペットを盗んで食べている」と食って掛かった話題の猫を抱きかかえたショットとともに「カマラハリス候補に1票を投じるわ」と投稿したことが報じられると、一気に売り仕掛けられる事態に。日経平均は900円を超える急落、そして、ドル円は年初来安値を更新する下落となりました。
この間、本邦勢は当然「気にしていない」状況のなか、米系短期筋の、ある意味、リスクオフを煽る都合のよい売り仕掛けセットが、「相当無理やり突っ込んで出された」結果としての下落となったのは明らか。元々、民主党のガチサポーターであるテイラースウィフトがカマラハリス候補を支持するといった当然の事実を、リスクオフを囃すネタにしてしまった短期勢の明らかに筋の悪い売りは、昨夜の米CPIをきっかけに買戻しを余儀なくされたといったところです。
いずれにしても、米金融政策については、来週のFOMCでの0.50%利下げの可能性は「ほぼ消滅した」ほか、日銀金融政策決定会合についても、7月CPIの刈込平均が上昇に転じているなか、今朝方公表された8月の企業物価指数が、前月比で▲0.2%。円高進行中の企業物価上昇であれば、当然追加利上げが検討されてもおかしくなかったわけで、こういった数字からも、まして、キーマンの内田日銀副総裁が「やらない」と言っている以上、来週の追加利上げはないと考えるのがメインシナリオ。いくら一番のタカ派である田村日銀審議委員が煽ったところで、もはやその結果は言わずもがなです。
昨日からの2つの売り仕掛けを主導した米系短期筋としても、もうそんなことは「shake it off」と思い始めているのだとすれば、2番底を確認したドル円は、その方向性を定めていくことになりそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比810円高の3万6580円(+2.26%)前後で推移。寄り付きは3万6610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6595円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。その後もロング優勢の流れとなり、一時3万6870円まで上げ幅を広げる場面もみられた。買い一巡後は中盤にかけて3万6460円まで上げ幅を縮めたが、終盤は3万6600円~3万6700円辺りでの底堅い値動きを継続している。
日経225先物は一時3万6870円まで買われており、概ねオプション権利行使価格の3万6500円から3万6875円での推移をみせている。また、52週移動平均線の3万6320円や週足の-1σが位置する3万6430円を上回っているため、ショートは仕掛けづらいだろう。9月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を明日に控え、後場は膠着感が強まると考えられるが、52週線を上回っての推移が続くなか、ややレンジを切り上げてくる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.18倍に上昇した。75日線が位置する14.11倍を上回って始まり、25日線(14.16倍)を突破してきた。200日線が14.22倍で推移しており、この水準を捉えてくるようだと、ハイテク株の買い戻しといったリバランスが中心ながら、NTロングに振れやすくなろう。
上げるんなら日経5万いけや
毎日含み損で涙ぐむわ
まだ続くけど、、、、、
地獄道
日経糞相場
-180やー!
「サームルールは過去の経験則に基づくもので、景気後退を予測できるツールではない」
(クローディア・サーム氏)
2024年7月のサーム・ルールは0.53%、8月は0.57%となり、2025年6月までにリセッション(景気後退)に陥る可能性に警鐘が鳴らされている。
1. サームルール景気後退指標(SRI:Sahm Rule Recession Indicator)
失業率の3ヵ月平均と過去1年間での最低水準の差が0.5ポイント以上なら、1年以内に景気後退入りする。
■考案者:クローディア・サーム氏(Claudia Sahm)
元FRB(連邦準備制度理事会)の消費者・地域社会部門の課長で家計経済と意思決定に関する調査を監督していたエコノミストのクローディア・サーム氏(Claudia Sahm)が、景気後退に陥った個人への景気刺激策を自動的に開始する方法として開発した景気後退の初期シグナル。
■算出法
1)失業率の直近3カ月移動平均-過去12か月間の3カ月平均の最低値(セントルイス連銀)
2)失業率の直近3カ月移動平均-過去12か月間の最低値(サーム氏)
2.過去の的中率:100%
【サーム・ルール】 【失業率】 【リセッション(景気後退)】
・1953年11月 0.63 3.50% 1953年7月 4カ月前
・1957年10月 0.50 4.50% 1957年8月 2カ月前
・1959年11月 0.60 5.80% 1960年4月 5カ月後
・1970年3月 0.77 4.40% 1969年12月 3カ月前
・1974年7月 0.60 5.50% 1973年11月 8カ月前
・1980年2月 0.53 6.30% 1980年1月 1カ月前
・1981年11月 0.60 8.30% 1981年7月 4カ月前
・1990年10月 0.53 5.90% 1990年7月 3カ月前
・2001年6月 0.50 4.50% 2001年3月 3カ月前
・2008年2月 0.53 4.90% 2007年12月 2カ月前
・2020年4月 4.00 14.80% 2001年3月 3カ月前
・2001年6月 0.50 4.50% 2020年2月 2カ月前
・2024年7月 0.53 4.30%
本日のロンドン為替市場では、欧州中央銀行(ECB)理事会の政策決定内容やその後のラガルドECB総裁の定例記者会見が注目となる。ただしこれら主要イベントは欧州午後、日本時間21時過ぎまで待たねばならない。それまでユーロドルは、極めて大きめなNYカットオプションが設定されている1.10ドルを睨みながらの値動きか。
ECBの決定に対する市場予想は、現行4.25%の主要政策金利が3.60%まで引き下げ。0.60%利下げと通常0.25%をもととした変更幅ではない。もっとも、下限の政策金利にあたる中銀預金金利は現行3.75%から3.50%の引き下げに留まる見込み。
ECBの主要金利は、国債などを担保にして民間銀行が中銀から資金供給を受けるために適用されるもの。一方で中銀預金金利は、銀行が余剰資金を中銀に預ける際に利用される金利だ。今回の変更幅の差は、中銀預金金利がマイナスだった頃に広がったギャップを埋めるための調整的な意味合いがあるもよう。ECBがバランスシート縮小を進めるなかで、金融市場の安定性を確保するための施策とも言える。
追加利下げが確実視されるなか、ポイントは10・12月会合の方向性がどのように示されるかだろう。先週発表された4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値は0.2%増と改定値から0.1ポイント下方修正された。ユーロ圏経済の停滞が懸念されるなか、景気を刺激するために利下げペースを速めることを示唆するのか、声明やラガルド総裁の発言に市場の目が集まる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、9日高値1.1091ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月15日安値1.0950ドル
(12日15時時点)
ドル円:1ドル=142.80円(前営業日NY終値比△0.44円)
ユーロ円:1ユーロ=157.39円(△0.61円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1022ドル(△0.0010ドル)
日経平均株価:36833.27円(前営業日比△1213.50円)
東証株価指数(TOPIX):2592.50(△61.83)
債券先物9月物:144.54円(▲0.14円)
新発10年物国債利回り:0.860%(△0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期法人企業景気予測調査
大企業業況判断指数(BSI、全産業)
5.1 0.4
大企業業況判断指数(BSI、製造業)
4.5 ▲1.0
8月企業物価指数
前月比 ▲0.2% 0.5%・改
前年同月比 2.5% 3.0%
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
2226億円の処分超 1兆6405億円の所得超
対内株式
9023億円の処分超 8244億円の処分超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。朝方から日経平均先物の上昇につれる形で買いが先行。昨日高値の142.54円を上抜けて142.95円まで値を上げた。ただ、節目の143円を前に買いが一服すると田村審議員が「見通し期間後半には少なくとも1%程度まで利上げが必要」との見解を示すと142.26円付近まで下押しした。一方、日経平均株価が4桁高まで上げ幅を広げると再び強含むなど下値は堅かった。
・ユーロ円も底堅い。ドル円と同様に朝方から買いが強まったが、田村審議員の発言で156.63円まで失速。ただ、日本株の大幅上昇を支えに一時157.47円まで切り返した。
・ユーロドルは小動き。今晩に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えているとあって様子見ムードが広がり1.10ドル台前半でこう着している。
・日経平均株価は8営業日ぶりに反発。昨日の米ハイテク株が上昇したため、東京エレクトロンなど半導体関連株の上昇が目立った。外国為替市場での円高一服も自動車株などへの買いを集め、指数の上げ幅は今年3番目の大きさとなった。
・債券先物相場は反落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが先行。田村日銀審議委員がタカ派的な見解を示したことも材料視され、一時144.38円まで下落した。
第一生命経済研究所では、7-9月期法人企業景気予測調査をもとに、10月下旬からの四半期決算発表で今年度の企業業績計画の上方修正が見込まれる業種を予想している。結果、増収計画の上方修正率が高い業種は「繊維」「石油・石炭製品」「非鉄金属」「鉱・採石・砂利採取」「その他サービス」となったとのこと。また、経常利益の上方修正が目立つ業種としては、「石油・石炭製品」「非鉄金属」「情報通信機械」「農林水産」「生活関連サービス」などを挙げている。
みずほ証券では日本株に関して、目先は不安定な相場展開が続くと予想している。米国株が9月に軟調に推移する傾向があり日本株の重荷になるとみているほか、9月27日の自民党総裁選挙、11月5日の米大統領選挙といった政治イベントを控える中で様子見ムードが広がると予想している。また、日経平均株価が8月6日から9月2日にかけて急反発したことから、日本株の二番底リスクが高まったと考えている。日経平均株価の目先の下値メドとしては、節目の35000円や、200日移動平均線からマイナス10%の33746円(9日時点)などを想定している。
大阪9月限
日経225先物 36870 +1100 (+3.07%)
TOPIX先物 2590.0 +48.5 (+1.90%)
大阪12月限
日経225先物 36630 +1090 (+3.06%)
TOPIX先物 2565.5 +47.0 (+1.86%)
日経225先物(9月限)は前日比1100円高の3万6870円で取引を終了。寄り付きは3万6610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6595円)にサヤ寄せする形から、買いが先行。その後もロング優勢となり、一時3万6870円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は前場中盤にかけて3万6460円まで上げ幅を縮めたが、前場終盤は3万6600円~3万6700円処で底堅い値動きを継続。後場に入ると前場に付けた高値水準での推移が続くなか、終盤にかけて一時3万6910円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は買い先行で始まった後は、概ねオプション権利行使価格の3万6500円から3万6875円での推移だった。終盤にかけて上へのバイアスが強まる場面もあったが、1000円超の上昇のなかでレバレッジ型のETFに絡んだ調整買いの動きもあったと考えられる。また、買い一巡後はレンジ上限水準での推移が続いたことで、若干ロングに傾ける動きもあっただろう。なお、日経225先物(12月限)は3万6630円で終えており、配当分を考慮したスプレッドは-250円程度となる。
本日はエヌビディア<NVDA>の急伸を受けた米半導体株の上昇が支援材料となったが、グローベックスの主要な米株先物は小幅ながらプラス圏で推移している。前日の急伸による反動は意識されやすいが、明日の9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)は波乱なく通過しそうである。
52週移動平均線は3万6060円辺りで推移しており、終値で同水準を上回って終えることができれば、ひとまず調整一巡感が意識されてきそうだ。週末要因のほか、3連休を前に積極的にポジションを傾けてくる動きは限られるものの、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にショートに傾いているポジションは圧縮させてくる可能性があろう。
また、日足のボリンジャーバンドでは‐1σが3万6040円、中心値(25日)は3万7110円辺りで推移している。そのため、オプション権利行使価格の3万6500円を中心とした上下の権利行使価格3万6000円から3万7000円のレンジを想定しておきたい。米ハイテク株に対する買い戻しの動きが継続するようだと、3万6500円から3万7000円での推移となり、レンジ上限を捉えてくる展開がありそうだ。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.23倍に上昇した。75日線が位置する14.11倍を上回って始まり、25日線(14.16倍)を突破すると、後場に入り200日線が位置する14.22倍を捉えてきた。ハイテク株の買い戻しといったリバランスが中心ながら、200日線を支持線に変えてくるようだと、NTロングに振れやすくなろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5819枚、ソシエテジェネラル証券が1万5663枚、サスケハナ・ホンコンが6820枚、バークレイズ証券が6084枚、モルガンMUFG証券が5436枚、JPモルガン証券が5407枚、野村証券が5251枚、HSBC証券が4616枚、ゴールドマン証券が3443枚、BNPパリバ証券が3029枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万1828枚、ソシエテジェネラル証券が2万0662枚、JPモルガン証券が9900枚、バークレイズ証券が9221枚、モルガンMUFG証券が7102枚、ビーオブエー証券が4324枚、サスケハナ・ホンコンが4176枚、BNPパリバ証券が3870枚、野村証券が3683枚、みずほ証券が3149枚だった。
昨日発表された8月の米消費者物価指数(CPI)への市場の反応は、米金利・ドル円ともに行って来いとなった。その後徐々に調整の債券売り・ドル買いで、ドル円はやや買い戻されている。また、先週発表された、8月の米雇用統計でも平均時給が前月比・前年比ともに市場予想を上回ったことで、発表直後は一瞬米金利上昇のドル買いに動いたが、非農業部門雇用者数の悪化への反応が大きく、米金利低下・ドル安に動いた。
このように、ここ最近の米インフレ指標の結果への反応が鈍くなってきている。
この要因としては、7月30-31日に行われたFOMC後にパウエル議長が、これまでの「インフレリスクへ高い関心(highly attentive to inflation risks)」から「2つの責務(物価の安定と持続可能な雇用の最大化)の両面におけるリスクに注意(attentive to the risks to both sides of its dual mandate)」に変わったのがきっかけだ。
そして、8月23日に行われた米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(通称・ジャクソンホール会議)でパウエルFRB議長はさらに踏み込み「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」と述べ、物価の安定への警戒感を緩めている。その反面「労働市場の冷え込みは間違いない」と雇用に関しては、これまで以上の警戒感を示している。よって、ここ最近のインフレ指標の結果では、市場は最低限は反応するものの、これまでのようにトレンドを作るほどにはなりにくくなっている。
本日のNY入り後は日本時間21時半に、その2つの責務の両方の経済指標が発表される。インフレ指標では8月の卸売物価指数(PPI)が発表され、雇用指標では前週分の新規失業保険申請件数と継続受給者数が発表される。通常ではPPIの方に市場の動意がつくことが多いが、今回は雇用指標への反応が大きくなるか。
PPIは前年比でヘッドラインが前回の2.2%から今回は1.8%への低下予想、コアは2.4%から2.5%への小幅上昇予想となっている。パウエル議長が述べたように概ね2%への軌道に乗っていることで、両結果が予想と大きなかい離がない限りは、雇用指標への市場の反応が大きくなりそうだ。
雇用指標は新規失業保険申請件数と継続受給者数ともに、前回を小幅ながら上回る予想となっている。ここ最近は、米金利低下・ドル売りのトレンドが明らかなこともあり、インフレ指標よりも雇用指標が悪化した場合には、ドル円は動意づきやすくなりそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円は、9日高値143.80円から日足一目均衡表・転換線143.96円が抵抗帯。
・想定レンジ下限
ドル円は、昨日米CPI発表後の安値141.25円近辺。
今晩は引き続き経済指標に注目。昨日は注目された米8月消費者物価指数(CPI)で変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIが前月比で予想を上回る伸びとなったことで9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ期待が後退し主要3指数がそろって大幅に下落したものの、総合のCPIが前年比で伸びが鈍化し、予想も下回ったことや、エヌビディアなどのハイテク・グロース株が大きく上昇したことで売り一巡後に大きく反発した。ダウ平均は743ドル安まで下落後、124.75ドル高(+0.31%)で終了し、S&P500も1.61%安まで下落後、1.07%高で終了。ハイテク株主体のナスダック総合は1.40%安まで下落後、2.17%高で終了した。
今晩は引き続き経済指標に注目する展開か。寄り前に発表される新規失業保険申請件数は前週発表分の22.7万件から23.0万にやや増加が見込まれているが、予想を下回る強い結果となればソフトランディング期待の高まりが支援となりそうだ。同時刻に発表される8月生産者物価指数(PPI)指数は前年比+1.8%と7月分の+2.2%から鈍化が見込まれているが、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPPIは前年比で+2.5%、前月比+0.2%と、それぞれ7月分の+2.4%、0.0%から上昇が見込まれている。PPIの結果を受けた利下げ見通しが焦点となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、8月PPIのほか、米30年債入札、8月財政収支など。企業決算は寄り前にクローガー、引け後にアドビが発表予定。
-360
日経平均株価は大幅反発。高く寄り付いたあとも上値を伸ばす展開となり、2日ぶりの陽線で5日移動平均線(36243円 9/12)を上回って終えた。
RSI(9日)は前日の9.8%→29.1%(9/12)に上昇。7日続落からの下げ止まりを示唆する上げ幅ともいえるが、依然として下向きが続く10日移動平均線(37095円 同)が上値で推移している。一方、一目均衡表で上向きに転じた基準線(36410円 同)に押し上げられるように上昇しており、あすも上向き継続の中で続伸に期待したいところだ。終値で雲上限(36791円 同)を若干抜け出しており、次は10日移動平均線や25日移動平均線(37255円 同)、200日移動平均線(37537円 同)上への回帰が注目ポイントとなる。
上値メドは、25日移動平均線、200日移動平均線、心理的節目の38000円、75日移動平均線(38415円 同)、心理的節目の39000円などがある。下値メドは、9/11安値(35253円)、心理的節目の35000円、8/9安値(34445円)や34000円、8/7安値(33739円)などがある。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.015%、応札倍率(カバー)が2.38倍となった。
(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.27円(12日15時時点比▲0.53円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.30円(▲0.09円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1056ドル(△0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:8240.97(前営業日比△47.03)
ドイツ株式指数(DAX):18518.39(△188.12)
10年物英国債利回り:3.781%(△0.020%)
10年物独国債利回り:2.150%(△0.038%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) ▲0.8% 0.3%
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
3.65%へ引き下げ 4.25%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは強含み。欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に、しばらくは1.10ドル台前半でのもみ合いが続いたものの、結果が公表されると次第に強含んだ。前日の高値1.1055ドルを上抜けて、3時前には一時1.1057ドルと日通し高値を更新した。
ECBはこの日、市場予想通り政策金利を4.25%から3.65%に引き下げることを決めたと発表。声明では「決定は会合ごとに実施し特定の道筋に事前にコミットしない」とのガイダンスを維持した。また、ラガルドECB総裁も理事会後の会見で「われわれは特定の金利経路を事前に約束しているわけではない」と強調したほか、「9月はエネルギーの動向により低いインフレ率を示す可能性が高いものの、第4四半期には再び上昇する」との見方を示した。
「今回の利下げとラガルド総裁の発言は想定の範囲内」との受け止めが多い中、10月の追加利下げ観測が後退すると、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。市場では「次の利下げは10月ではなく、12月になりそうだ」との声が聞かれた。
・ドル円は小安い。時間外の米10年債利回りが上昇したことを受けて、日本時間夕刻に一時143.04円まで値を上げたものの、143円台では戻りを売りたい向きも多くすぐに失速した。NYの取引時間帯に入り、8月米卸売物価指数(PPI)が総合・コアともに前年比で予想を下回ると米10年債利回りの低下とともにドル売りが先行。ナイト・セッションの日経平均先物が480円下落したことも相場の重しになると、22時過ぎに一時141.91円と日通し安値を付けた。
ただ、米10年債利回りが3.70%台まで一転上昇すると下げ渋った。日経平均先物が持ち直したことも相場を下支えした。
・ユーロ円は日本時間夕刻に一時157.51円と本日高値を付けたものの、22時過ぎには156.54円と本日安値まで下落した。ただ、ユーロドルの上昇やドル円の下げ渋りにつれた円売り・ユーロ買いが出ると157.50円付近まで持ち直している。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。前日の米国株相場や本日のアジア各国の主要株価指数が総じて上昇したことを受けて、英株にも買いが波及した。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られた。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が上昇したことを受けて、独株にも買いが入った。ただ、欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果が伝わると、若干伸び悩んだ。個別ではシーメンス・エナジー(5.12%高)やアディダス(2.68%高)、DHLグループ(2.50%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。ECBは利下げを急いでいないとの見方から独国債に売りが出た。
12日の日経平均は8日ぶり大幅反発。終値は1213円高の36833円。11日の米国では、注目の8月消費者物価指数(CPI)を消化して、3指数が荒い値動きとなりながらもプラスで終了。エヌビディアなど半導体株が大きく上昇した。加えて、ドル円も円安に振れたことから、これらを好感して寄り付きから500円を超える上昇となった。
半導体株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。上げ幅を4桁に広げて1200円超上昇したところでいったん買いが一巡。ただ、3桁高まで萎むと盛り返し、高い位置をキープした。後場に入ると改めての買いが入り、緩やかに上げ幅を拡大。終盤には36900円台に乗せる場面もあり、高値圏で取引を終了した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆2100億円。業種別では全業種が上昇しており、電気機器、機械、非鉄金属などが大幅上昇。医薬品、食料品、倉庫・運輸などは相対的に見劣りする上昇となった。データセンター関連が人気化しており、さくらインターネット<3778.T>がストップ高。半面、今期の見通しが減益も含めたレンジ予想となったことが嫌気されたベストワンドットコム<6577.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1550/値下がり77。東京エレクトロンやディスコなど半導体株が軒並み大幅高。アドバンテストは9%を超える上昇となった。ナスダック高や傘下アームの急伸を受けてソフトバンクGが8%高。円高にブレーキがかかったことから、トヨタ、ホンダ、スズキなど自動車株に見直し買いが入った。三菱重工、IHIなど防衛関連や、NEC、日立など総合電機が強い上昇。配当実施を発表したANYCOLORが買いを集め、同業のカバーも連れ高した。
一方、第一三共が逆行安。3Q累計で最終赤字となった神戸物産が下落した。関電工やきんでんなど電気工事関連が軟調。打ち上げた小型衛星に関する不具合のリリースが嫌気されたQPS研究所が急落した。
日経平均は大幅高。きょう大幅高となったのは、前日までが7日続落と弱すぎた反動であるだけに、手放しでは喜べない。それでも、ここからもう一段円高と株安が進んだ場合、投資家心理の改善にはかなりの時間を要す可能性もあっただけに、大きく反発したことはポジティブ。全面高で、後場に入ってからもひと伸びがあった。
米国では本日、8月生産者物価指数(PPI)の発表がある。きのうのCPIの結果を受けて、9月のFOMCでは利下げ幅が0.50%ではなく0.25%になるとの見方が強まっている。PPIよりはきのう発表されたCPIの方が注目度が高いだけに、よほどイレギュラーな結果とならない限り、米国市場はPPIの結果を無難に消化するだろう。欧州のECB理事会が相場をかく乱する可能性があるが、ドル円は足元142円60銭近辺と、ひとまず140円割れは回避できそうな状況。きょうの日経平均は1213円上昇したが、3日から11日までの7営業日では3081円下落している。もう一段上昇し、底打ち期待を高めて三連休を迎える展開に期待したい。
(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=141.82円(前営業日比▲0.54円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.07円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1074ドル(△0.0062ドル)
ダウ工業株30種平均:41096.77ドル(△235.06ドル)
ナスダック総合株価指数:17569.68(△174.15)
10年物米国債利回り:3.67%(△0.02%)
WTI原油先物10月限:1バレル=67.31ドル(△1.56ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2580.6ドル(△38.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.2% 0.0%・改
(前年比) 1.7% 2.1%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) 0.3% ▲0.2%・改
(前年比) 2.4% 2.3%
前週分の米新規失業保険申請件数
23.0万件 22.8万件・改
8月米財政収支
3801億ドルの赤字 2437億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは5日ぶりに反発。欧州中央銀行(ECB)はこの日、市場予想通り政策金利を4.25%から3.65%に引き下げることを決めたと発表。声明では「決定は会合ごとに実施し特定の道筋に事前にコミットしない」とのガイダンスを維持した。また、ラガルドECB総裁も理事会後の会見で「われわれは特定の金利経路を事前に約束しているわけではない」と強調したほか、「9月はエネルギーの動向により低いインフレ率を示す可能性が高いものの、第4四半期には再び上昇する」との見方を示した。
「今回の利下げとラガルド総裁の発言は想定の範囲内」との受け止めが多い中、10月の追加利下げ観測が後退すると、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。前日の高値1.1055ドルを上抜けて、5時30分前には一時1.1075ドルまで値を上げた。市場では「次の利下げは10月ではなく、12月になりそうだ」との声が聞かれた。
・ドル円は3日続落。米労働省が発表した8月米卸売物価指数(PPI)が総合・コアともに前年比で予想を下回ると米10年債利回りの低下とともに円買い・ドル売りが先行。ナイト・セッションの日経平均先物が480円下落したことも相場の重しとなり、22時過ぎに一時141.91円まで値を下げた。
その後、米10年債利回りが3.70%台まで一転上昇するとドル円も142.66円付近まで下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。対ユーロ中心に全般ドル安が進んだ流れに沿って、5時30分前に141.73円と日通し安値を更新した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.23まで低下した。
・ユーロ円は3日ぶりに反発。22時過ぎに一時156.54円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ECBは利下げを急いでいないとの見方からユーロ買いが入ると157.50円付近まで持ち直した。ただ、日本時間夕刻に付けた日通し高値157.51円を上抜けることは出来なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。「米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが緩やかにとどまり、政策が後手に回る」との懸念がくすぶる中、一時200ドル近く下落したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。前日と同様に、直近下落が目立っていたハイテク株に押し目買いが入った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。8月米PPIの結果を受けて買いが先行したものの、そのあとは徐々に弱含んだ。ECBは利下げを急いでいないとの見方から欧州債相場が下落し、米国債にも売りが波及した。
・原油先物相場は続伸。ハリケーンによるメキシコ湾周辺地域の米石油掘削や生産施設の作業停滞を懸念した買いが入った。しかしエネルギー消費大国・中国の景気鈍化が需要後退につながるとの見方もあり上昇を限定した。
・金先物相場は大幅に反発。ハト派色の後退したECB理事会を受けたユーロ高・ドル安など、主要通貨に対するドル弱含みがドル建て金相場の換算値を押し上げ。目先の上値の重しだった8月20日高値2570.4ドルを上抜けて買いが勢いづいた。2583.60ドルまで高値を更新している。
12日10:03 田村日銀審議委員
「中立金利は最低でも1%程度だろうとみている」
「見通し期間後半に少なくとも1%程度までの利上げが必要」
「市場動向に十分配慮しつつ、適時かつ段階的に利上げが必要」
「段階的に短期金利を引き上げ、経済・物価を確認し適切水準を探る」
「金融市場の動向や経済・物価への影響に丁寧に目を配っていきたい」
「市場が予想するペースでの金利引き上げでは、物価の上振れリスクをさらに高めてしまう」
「物価目標実現の確度は引き続き高まってきている」
12日14:41
「次の利上げは、欧米とは異なりゆっくりしたペースになる可能性が高い」
「中立金利の水準を特定することは難しいとも考えている」
「中立金利は、かなりの幅をもってみる必要ある」
「実際には政策金利を進めていく中で、経済・物価の反応みながら中立水準探っていく」
「中立金利1%は仮置きと位置づけ」
12日21:15 欧州中央銀行(ECB)声明
「特定の金利経路について事前にコミットしない」
「最近のインフレデータは概ね予想通り」
「必要な限り、政策金利を十分に制限的に保ち続ける」
「インフレ率は今年後半に再び上昇すると予想」
「ECBスタッフ予想、2024年から2026年までのGDP予想を下方修正」
「ECBスタッフ予想、2024年と2025年のコアインフレ予想をわずかに上方修正」
12日21:44 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「賃金の上昇に伴い、回復が時間とともに強まると予想」
「労働市場は引き続き回復力がある」
「労働需要はさらに緩和する見込み」
「ユーロ圏の成長リスクは下振れ方向」
「利下げは全会一致だった」
「入手したデータは従来の予測を裏付けた」
「インフレは2025年のうちに2%に低下する見込み」
「金利の低下傾向は非常に明らか」
「9月はエネルギーの動向により低いインフレ率を示す可能性が高い」
「しかし、第4四半期にはインフレ率が再び上昇する」
「金利の道筋は事前に決定されていない。10月の会合については一切約束されていない」
※時間は日本時間
<国内>
○13:30 ◇ 7月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 7月設備稼働率
<海外>
○13:50 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○15:45 ◇ 8月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.6%/前年比1.9%)
○17:30 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%/前年比▲2.7%)
○18:30 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:18.00%で据え置き)
○21:30 ◇ 7月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲1.1%)
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ設備稼働率(予想:78.8%)
○21:30 ◇ 8月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.2%)
○23:00 ◎ 9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:68.5)
○14日01:00 ☆ 4-6月期ロシア国内総生産(GDP)改定値(予想:前年比4.0%)
〇米英首脳会談(ワシントン)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
ロイター/イプソスが発表した米大統領選に向けた支持率調査によると、民主党の大統領候補であるハリス副大統領が47%、共和党候補のトランプ前大統領が42%で、ハリス氏がリードしている。
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は41.73円まで値を下げた。8月米卸売物価指数(PPI)が総合・コアともに前年比で予想を下回ったことが重しとなり、米10年債利回りの低下に引きずられた。ユーロドルは1.1075ドルまで上昇。欧州中央銀行(ECB)が予想通りに政策金利を引き下げたものの、10月の追加利下げ観測が後退したことに後押しされた
本日の東京外国為替市場のドル円は、フェドウオッチで11月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%利下げ確率が上昇していることで下値を探る展開が予想される。
来週17-18日のFOMCに向けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、0.25%の利下げ開始がほぼ確実になっている。さらに11月FOMCについては、前日は0.25%の利下げ確率が高かったものの現状は0.50%の利下げ確率が高くなっており、ドル売りの背景となっている。
ドル円は11日に年初来安値140.71円まで下落して、昨年12月28日の安値140.25円に迫り、7月3日の高値161.95円までの上昇トレンドの全値押しを達成した後、下影を残して143.04円まで反発した。テクニカル分析的には、140円への下押しは売られ過ぎを示唆するパターンだったものの、攻防の分岐点である一目均衡表・転換線143.96円が上値を抑えたことで、下値リスクへの警戒感が高まりつつある。
昨日は、日銀金融政策決定会合の構成メンバーの中で最もタカ派と見なされている田村日銀審議委員が「経済・物価情勢が見通し通りに推移すれば、政策金利である短期金利を2026年度までの見通し期間後半にかけて、少なくとも1%程度まで引き上げておくことが適切だ」との認識を示した。中立金利の推計には幅があるが、田村氏は「最低でも1%程度だろう」との見方を示したものの、「中立金利1%は仮置きと位置づけ」とも述べていた。
4月展望リポートで日銀は、中立金利導出の前提となる日本の自然利子率について「マイナス1.0~プラス0.5%」の範囲と示していた。もし、このレンジの下限マイナス1%に物価目標2%を足すと、中立金利の下限は1%になる。
植田日銀総裁は7月31日の日銀会合の後の記者会見で、ターミナルレート(利上げの最終到達点)に関して、過去の利上げ局面において上限となった「0.5%の壁」も「特に意識していない」と語った。そして、中立金利自体に大幅な不確実性があるが、しばらくはその不確実な領域に入ることはないとの認識を示しており、中立金利の下限である1.0%程度が上限であることを示唆していた。
日銀の利上げ路線の射程が1%程度、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ幅が年内1%程度との前提では、ドル円は下値を探る展開がメインシナリオとならざるを得ないのかもしれない。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 36660 +30 (+0.08%)
TOPIX先物 2568.5 +3.0 (+0.11%)
シカゴ日経平均先物 36740 +110
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
12日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。8月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇と、市場予想(0.1%上昇)を上回った。前年同月比では1.7%上昇で、予想と一致した。7月分については、下方修正された。欧州中央銀行(ECB)政策委員会は、予想通り2会合ぶりに政策金利引き下げを発表した。
米連邦準備理事会(FRB)が17~18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)では大幅な利下げ観測が後退し、0.25%の利下げが予想されている。他の中銀と歩調を合わせる形での継続的な利下げが見込まれるなか、ハイテク株を中心に足もとで売られていた銘柄を買い戻す動きが続いた。S&P500業種別指数はメディア、食品・生活必需品小売、小売が上昇した一方で、銀行、運輸、家庭用品・パーソナル用品が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比110円高の3万6740円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円高の3万6680円で始まり、その後軟化し下落に転じると、3万6400円~3万6600円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後には3万6150円まで売られる場面もみられた。ただし、売り一巡後はロング優勢の流れからプラスに転じると、一時3万6840円まで買われた。終盤にかけては3万6600円~3万6750円辺りでのレンジ推移を継続し、3万6660円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。米国ではハイテク株を中心に買い戻しの動きが継続しており、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株のリバウンドが見込まれ、日経平均型優位の展開になりそうだ。
9月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)に絡んだ売買については、米国市場の上昇の流れもあって、無難に通過することになると考えられる。SQ通過後は需給が軽くなることから、25日移動平均線(3万7120円)、200日線(3万7160円)を試すロングが入りやすいだろう。もっとも、3連休前で積極的にポジションを傾けてくる動きは限られるため、基本的には来週のFOMCを前にしたリバランスが中心になるとみておきたい。
また、ナスダック指数は続伸で75日線を上回ってきたが、SOX指数は小幅に下落しているため、値がさハイテク株のリバウンドが限られるようだと、SQ値水準での膠着感が強まる可能性がある。ただし、リバランス中心のなかで52週線(3万6060円)を上回って終えると考えられ、同線が支持線として意識されるなかではショートは仕掛けづらいだろう。3万6000円から3万6500円のレンジ内では押し目狙いのスタンスに向かわせそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万6500円を中心とした上下の権利行使価格3万6000円から3万7000円でのレンジを想定。ハイテク株の底堅さがみられる局面においては、3万6500円から3万7000円でのレンジが意識される。
なお、12日の米VIX指数は17.07(前日は17.69)に低下した。17.52辺りで推移する25日線を下回ってきたため、リスク選好に向かわせやすい。FOMC通過までは積極的なロングは限られやすいだろうが、75日線(15.93)、200日線(14.64)に接近してきたことでショートカバーを強めてくる展開が意識されそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.23倍に上昇した。75日線が位置する14.11倍を上回って始まり、25日線(14.16倍)を突破すると、200日線が位置する14.22倍を捉えてきた。ハイテク株の買い戻しが続く可能性の一方で、為替市場ではドル円が1ドル=141円台で推移するなかで輸出関連株の上値は抑えられやすく、NTロングに振れやすくなろう。
テイラースウィフトのインスタグラムへの投稿をきっかけにしたリスクオフ相場は、昨日の東京市場での日経平均急騰と欧州時間に入ってからのドル円の143.04円までの買戻しでほぼポジション調整が終わり、その後は米長期金利の動向に焦点が当てられた別の相場へと移行していくことになりました。
NY時間に入って8月米PPI後に米金利が低下した局面では141.91円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は米10年債利回りが3.7040%まで上昇すると142.66円まで買戻されました。ただ、引けにかけては米金利が上昇幅を縮めたほか、ユーロドルが上昇するにつれて141.73円まで値を下げました。
そして、3連休を控えた本日の東京市場では、早朝から日経平均先物が上げ幅を縮めるにつれて戻り売りが先行。仲値にかけては本邦実需の買いが観測されると141.50円まで買戻されたものの、米金利が低下していることもあり、140.80円まで下押ししているといったところです。
いずれにしても、市場では「昨日WSJのニックティミラオス記者が来週のFOMCでの利下げ幅を巡って議長が難しい判断を迫られている旨の記事を出したことで、0.50%への思惑が高まっている」との声も聞かれているなか、米系短期筋による売り仕掛けが出ている模様。ただ、本邦勢からは「日経平均とドル円には長期資金のしっかりとした買いが目立っている」わけで、投機筋と実需勢とのフローが交錯しているなかでの神経質な動きが続いています。
日経225先物は11時30分時点、前日比330円安の3万6300円(-0.90%)前後で推移。寄り付き直後に付けた3万6680円を高値にロング解消の動きが優勢となり、3万6320円まで売られた。その後は3万6400円~3万6500円辺りでの保ち合いを継続していたが、終盤にかけてレンジを下放れ、3万6270円まで下げ幅を広げた。
9月限の特別清算指数算出(メジャーSQ)は、日経平均型が買い越しだったのに対して、TOPIX型は売り越しと推定され、SQ値は概算で3万6906.92円だった。日経平均株価は寄り付き直後に付けた3万6887.40円が高値となり、結果的にSQ値が抵抗になっている。3連休に入ることから積極的な売買は手控えられるなか、為替相場では円相場が1ドル=140円台と円高に振れたことで、ショートを誘う形にもなったようだ。ただし、52週移動平均線(3万6060円)やボリンジャーバンドの-1σ(3万6030円)が支持線として意識されやすく、売り一巡後はカバーの動きが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.26倍に上昇した。200日線が位置する14.22倍を上回って始まり、一時14.31倍まで切り上がる場面もみられた。円高の影響から相対的にTOPIX型の弱さが目立つなか、リバランスが中心ながら、NTロングに振れやすくなろう。