トランプ次期米大統領は、米国政府の膨大な国家債務(※11月末時点:36兆ドル)を返済し、迫り来る債務危機を回避するためにビットコイン(BTC)や仮想通貨を利用することを提案した。 そして、米国の借金を減らすために、第2次トランプ米政権で新設される予定の米政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)のヘッドにイーロン・マスク氏を指名した。マスク氏は、連邦予算から少なくとも2兆ドルを削減できると主張している。 18世紀前半、英国トーリー党の指導者で大蔵卿ロバート・ハーレー氏は、英国の財政危機を救うため、英国債と南海会社株(The South Sea Company)との交換により、英国の債務を打ち消そうと目論んだ。
2.2024年9月12日 『FRB利下げのジレンマ:大きく始めるか、小さく始めるか(The Fed’s Rate-Cut Dilemma: Start Big or Small?)』と題し、「関係者は今後数か月で複数回の利下げが可能であるとの自信を示しており、伝統的な0.25%の引き下げか、より大きな0.50%の引き下げかについての議論が行われている」と報じた。
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(25日終値:26日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.32円(25日15時時点比△0.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.82円(△0.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0486ドル(△0.0007ドル)
FTSE100種総合株価指数:8291.68(前営業日比△29.60)
ドイツ株式指数(DAX):19405.20(△82.61)
10年物英国債利回り:4.343%(▲0.043%)
10年物独国債利回り:2.210%(▲0.032%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月独Ifo企業景況感指数
85.7 86.5
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。トランプ次期米大統領は22日、米財務長官に投資ファンド経営者のベッセント氏を指名すると発表。同氏は財政規律を重視しており、トランプ次期政権の政策で財政赤字が急拡大するとの過度な懸念が後退すると、米長期金利が急低下。米金利低下に伴う円買い・ドル売りが入ると一時153.63円付近まで下押しした。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値153.55円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。市場参加者の間ではベッセント氏が米メディアとのインタビューで示した「大型減税などが一番のプライオリティである」「ドルは世界の基軸通貨としての地位を維持していく」との見解をドル高容認と受け止める向きもあり、2時前には154.52円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは一進一退。日本時間夕刻に一時1.0449ドル付近まで値を下げたものの、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.0429ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.28%台まで低下したこともユーロ買い・ドル売りを促し、23時過ぎに一時1.0530ドルと日通し高値を付けた。
ただ、米長期金利の低下に伴うドル売りが一服すると、1.0467ドル付近まで押し戻された。ポンドドルが一時1.2542ドル、豪ドル米ドルが0.6487米ドルと日通し安値を更新するなど、全般ドルが底堅い動きとなった影響も受けた。
・ユーロ円はもみ合い。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は3日続伸。前週末の米国株や本日の日本株が上昇した流れを受けて英株にも買いが波及した。本日の米国株が底堅く推移していることも相場の支援材料。リオ・ティントやグレンコアなど素材株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株が売られた。
・フランクフルト株式相場は3日続伸。前週末の米国株や本日の日本株が上昇した流れを引き継いで買いが先行したものの、そのあとは狭いレンジでのもみ合いに終始した。個別ではアディダス(3.17%高)やポルシェ(2.77%高)、ザルトリウス(2.65%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
(25日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.23円(前営業日比▲0.55円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.87円(△0.63円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0495ドル(△0.0077ドル)
ダウ工業株30種平均:44736.57ドル(△440.06ドル)
ナスダック総合株価指数:19054.84(△51.19)
10年物米国債利回り:4.27%(▲0.13%)
WTI原油先物1月限:1バレル=68.94ドル(▲2.30ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2618.5ドル(▲93.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は反落。ただ、NYの取引時間帯に限れば方向感に乏しい展開だった。市場では「米感謝祭ウィークに入り、すでに市場参加者が少なく流動性が低下。薄商いの中、大きな方向感が出にくい面があった」との声も聞かれた。
トランプ次期米大統領は22日、米財務長官に投資ファンド経営者のベッセント氏を指名すると発表。同氏は財政規律を重視しており、トランプ次期政権の政策で財政赤字が急拡大するとの過度な懸念が後退すると、米長期金利が急低下。米金利低下に伴う円買い・ドル売りが先行し一時153.63円付近まで下押しした。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値153.55円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。市場参加者の間ではベッセント氏が米メディアとのインタビューで示した「大型減税などが一番のプライオリティである」「ドルは世界の基軸通貨としての地位を維持していく」との見解をドル高容認と受け止める向きもあり、2時前には154.52円付近まで持ち直した。
もっとも、米2年債入札が「好調」と受け止められると、米長期金利がさらに低下。ドル円にも再び売りが出て154.00円付近まで押し戻された。
・ユーロドルは5日ぶりに反発。米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると23時過ぎに一時1.0530ドルと日通し高値を付けたものの、2時前には1.0467ドル付近まで押し戻された。ただ、米2年債入札をきっかけに米長期金利が低下幅を拡大すると再び強含んだ。4時過ぎには一時1.0511ドル付近まで持ち直している。ドル円と同様に、NY市場に限れば方向感に乏しい展開が続いた。
・ユーロ円は3日ぶりに反発。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、史上最高値を更新した。トランプ次期米大統領が財務長官に財政規律を重視するベッセント氏を指名したと伝わると、金融市場の安定性につながる可能性が高いとの見方から買い安心感が広がった。米長期金利が大幅に低下したことで、株式の相対的な割高感が薄れたことも相場の支援材料。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に続伸。トランプ次期米大統領は22日、米財務長官に投資ファンド経営者のベッセント氏を指名すると発表。同氏は財政規律を重視しており、トランプ次期政権の政策で財政赤字が急拡大するとの過度な懸念が後退すると、買いが優勢となった。米2年債入札が「好調」と受け止められたことも相場の支援材料。
・原油先物相場は3日ぶりに反落。イスラエルとレバノン政府が停戦案に合意したとの報道を受けて、中東情勢の緊迫化に伴う過度の供給懸念が後退し売りが先行した。
・金先物相場は6日ぶりに大幅反落。ウクライナ情勢の緊迫化を背景としたリスクオフの動きが一服したことや、イスラエルとレバノン政府が停戦案に合意したとの報道を受けて、先週5日続伸した反動で利食い売りが優勢となった。まとまった売りが入り、3%超の大幅安で取引を終えた。
欧州議会のランゲ国際貿易委員長はこのほど、欧州連合(EU)と中国は中国製電気自動車(EV)に対する関税を巡り、「合意が近い」ことを明らかにした。中国がEU向けに輸出するEVに最低価格を設けることで、不公正な補助金による競争のゆがみを解消するという。『AAストックス』がロイター通信の報道を引用して25日伝えた。
EUの欧州委員会は現地時間の今年10月30日から、中国製EVに対する追加関税を導入。向こう5年間にわたり、従来の10%に7.8-35.3%を上乗せし、最大45.3%の関税を課す。その後、中国とEUの技術チームは複数回にわたって協議し、EVの最低価格の設定などを巡り意見交換を重ね、双方とも受け入れ可能な解決策を見出すとしている。
ロイター通信は22日、バイデン米政権が中国に対する新たな輸出規制を来週にも発表すると報じた。米商工会議所が21日に会員企業に送った電子メールによると、新規制により最大で200社の中国半導体企業が貿易制限リストに追加され、米国のサプライヤーの大半がリスト収載企業への製品出荷を禁じられる。新規制は米商務省が28日の感謝祭前に発表する見通し。
同メールはさらに、広範な人工知能(AI)対策の一部として、中国への広帯域メモリー(HBM)の出荷を制限する別の規制を来月発表する見通しを明らかにした。
UBSでは、トランプ次期政権への移行を踏まえて、日本株式に対しては「Neutral(中立)」のスタンスを維持している。株式のファンダメンタルズは概ね堅調だが、関税引き上げや米国金利上昇懸念などリスクが高まっていると指摘。急速な円高進行の可能性も排除できないとしている。企業業績予想に関しては、2024年度(25.3期)を9%増益、2025年度(26.3期)を5%増益と予想。ただし、特にトランプ次期政権初期は、株価の上振れ余地は限定的とみている。利益率の高い高クオリティ株の推奨という投資戦略は変更なしとしており、金融、小売、ITサービス、不動産などの内需株を推奨している。
S&Pグローバルは最新リポートで、2025年と26年の中国国内総生産(GDP)成長率見通しを前年比4.1%、3.8%にそれぞれ引き下げた。米大統領選挙前の今年9月時点の予測に比べ0.2ポイント、0.7ポイント下方修正した。中国当局の景気刺激策が経済成長を支えるものの、米国による関税の引き上げが中国経済に打撃を与えるとした。『AAストックス』が25日伝えた。
S&Pは、米国の政権交代が中国やアジア・太平洋のほかの地域に新たな課題をもたらすとの見方を示した。中国製品をはじめ、米国が関税を引き上げる確率が高いほか、米マクロ経済の変化で金利見通しが変わる可能性があるとした。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、高まる地政学リスクを背景に、原油や金の関連銘柄に注目している。地政学リスクが高まる局面で原油価格や金価格が上昇しやすい点を踏まえれば、これらコモディティへの投資が有事の備えになるとみており、日本株においても、関連銘柄への投資が選択肢になり得ると考えている。関連銘柄としては、INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>、ENEOS5020<.T>、三井金属<5706.T>、三菱マテリアル<5711.T>、住友鉱山<5713.T>などを紹介している。原油や金関連銘柄には低PBRのバリュー株や好配当利回りの銘柄も多く、波乱相場への耐性も期待されると東海東京ではコメントしている。
一部通信社が報じたところによると、「イスラエルとレバノンはヒズボラ紛争終結のための条件で合意した」ようだ。
25日15:12 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「ECBの急速な利上げにより住宅投資が減速し、消費よりも貯蓄が促進された」
「金融政策は長期間にわたって過度に制限的であることを避けるべき」
「金利の段階的な引き下げを示唆」
「インフレが持続可能なレベルに達するまでにはさらなる調整が必要」
25日15:19 カザークス・ラトビア中銀総裁
「12月にさらなる利下げが必要」
25日18:07 ロンバルデリ・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁
「今後数カ月間、データの流れを監視し必要に応じて政策の方向性を調整」
「労働力調査におけるデータの質の課題があり障害」
「段階的な利下げを支持」
「インフレの持続的な要素と労働市場の進展に関する不確実性が懸念材料」
「英国経済はディスインフレーションで良好な進展を遂げている」
26日04:10 ナーゲル独連銀総裁
「ディスインフレに対する自信が高まっている」
「リスクが残るため、利下げは段階的に行う必要がある」
「第4四半期の成長は停滞する可能性が高い」
「賃金上昇の鈍化でサービス価格が緩和」
「トランプ関税がユーロ圏のインフレを押し上げる現実的なリスクがある」
26日04:49 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「利下げのスピードについてはオープンマインド」
「サービスインフレの硬直性は注意の余地を残す」
「主要金利が下降傾向にあることは明らか」
「2025年に2%のインフレ目標を達成できると確信」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.5%)
○未定 ◇ 11月月例経済報告
<海外>
○17:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○18:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○19:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、議会証言
○22:00 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○22:30 ◎ カザークス・ラトビア中銀総裁、講演
○23:00 ◇ 9月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
◇ 7-9月期米住宅価格指数
○23:00 ◎ 9月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.7%)
○24:00 ◎ 11月米消費者信頼感指数(予想:111.8)
○24:00 ☆ 10月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲1.8%/72.5万件)
○24:00 ◎ 11月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲11)
○24:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○27日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○27日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月6日-7日分)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、米金利低下に伴う円買い・ドル売りが先行し一時153.63円付近まで下押しした。ただ、ベッセント氏が米メディアとのインタビューで示した「大型減税などが一番のプライオリティである」「ドルは世界の基軸通貨としての地位を維持していく」との見解をドル高容認と受け止める向きもあり、154.52円付近まで持ち直した。ユーロドルは一時1.0530ドルと日通し高値を付けたものの、2時前には1.0467ドル付近まで押し戻された。ただ、米2年債入札をきっかけに米長期金利が低下幅を拡大すると再び強含んだ。
本日の東京時間のドル円も154円台でのもみ合いになりそうだ。昨日の東京時間は、週末にベッセント氏が次期トランプ政権の財務長官に指名されることが発表されたことで、財政赤字の削減を目指す期待感が高まり、米金利低下でドル売りとなった。同氏は2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減することを含めた、「3-3-3」と呼ぶ政策を推進する政策を提唱している(他の「3」は日量300万バレル相当の原油増産、GDP成長率3%の実現)。
ただし、財政規律がある程度守られるとの憶測があるものの、同氏は「政策上の優先事項はトランプ大統領のさまざまな減税公約を実現すること」と述べているように、米国の財政赤字が急速に減少するのを期待するのも難しいかもしれない。米商務長官には財務長官の最有力候補であったラトニック氏はじめ、多くの政権スタッフには国内での大幅減税と他国への高関税というトランプ次期大統領の意向を組んだメンバーで固められ、財務長官もトランプ氏の意向を組んだ政策を推し進める可能性が高い。
昨日のNY時間でも米債は買われ、米金利が低下したが、今週は28日木曜日から米国は感謝祭休場になることで、米債市場は通常よりも早めに、過度に反応していることが低下幅を広げたともいえそうだ。また、ユーロ圏の景気指標が大幅に悪化し、明日のNZ準備銀行(RBNZ)・金融政策委員会(MPC)では大幅な利下げが予測されているなど、対円以外ではドル買い意欲が根強いこともドル円の支えとなりそうだ。
一方、ドル円の上値も限られている。上述のように米金利が低下していることに加え、12月の日銀政策決定会合での利上げの可能性もドル売り・円買い要因になる。昨日のオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では12月利上げが50%を上回るなど、昨年12月のように日銀がタカ派に傾くことを期待する声が多い。この流れは、本邦の経済指標が利上げを促すほどの結果になっていないのにも関わらず、植田日銀総裁の発言がタカ派に傾いたのは、総選挙が終わったことで石破政権も利上げを容認しているとの憶測もある。他中銀の利下げ路線にかかわらず、日銀が利上げを行えば、中銀間の方向性の違いがドル円の重しになりそうだ。
様々な憶測が流れる中で、本日は大きな値動きを期待するのが難しいのは、明日以後に多くのイベントを控えていること。上述のようにアジア時間にはRBNZのMPCだけでなく、豪州からは10月の消費者物価指数(CPI)が発表される。また、米国からは10月の個人消費支出(PCE)デフレーターが発表されることもあり、相場は明日までは大きくトレンドを作るのは難しそうだ。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38830 +90 (+0.23%)
TOPIX先物 2719.0 +8.0 (+0.29%)
シカゴ日経平均先物 38795 +55
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
25日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ次期米大統領が財務長官に財政規律を重視する投資家のスコット・ベッセント氏を指名したと伝わると、米経済が堅調さを保ちつつ債務膨張を抑えられるとの期待から買いが広がった。トランプ氏の減税や関税といった政策が財政悪化や高インフレにつながるとの懸念が燻っていたが、ベッセント氏の起用で不安感が和らぐ形となった。また、ゴールドマン・サックス・グループのスコット・ルブナー氏が顧客リポートで、年末ラリーによってS&P500指数は6200(25日:5987.37)に達すると指摘したと伝わったことも材料視された。
NYダウ構成銘柄ではアマゾン・ドット・コム<AMZN>やアップル<AAPL>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ナイキ<NKE>、ユナイテッドヘルス<UNH>が堅調。一方で、エヌビディア<NVDA>が4%を超す下げとなり、支持線として意識されていた25日移動平均線を明確に割り込んだ。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比55円高の3万8795円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万8740円で始まり、3万8650円~3万8780円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後に3万8880円まで買われ、買い一巡後に3万8630円まで売られた。終盤にかけては3万8650円~3万8850円辺りで保ち合いし、3万8830円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは25日線(3万8720円)を挟んでの推移だったが、終盤にかけては同線を上回っての値動きだった。強弱感が対立しやすいとみられるものの、25日線が支持線として意識されてくる可能性から、節目の3万9000円およびボリンジャーバンドの+1σ(3万9230円)が目先のターゲットになりそうだ。そのため、25日線近辺では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせるとみておきたい。
気掛かりな点としては、エヌビディア下落の影響がある。前週末にエヌビディアは下落したものの、昨日は東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など半導体株の一角がリバウンドをみせていた。ただし、アドバンテスト <6857.T> [東証P]は売られていたため、リバランスの影響とも考えられる。25日のエヌビディアは4%を超える下げでトレンドが悪化していることもあり、寄り付き後は指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向を見極めたいところだろう。
また、日経225先物は前場中盤辺りまではトレンドが出やすいものの、その後は膠着感が強まる状況が目立つ。今週は週後半には海外勢のフローが減少するとみられることもあり、米株高を好感した買いが一巡した後は、スキャルピング中心のトレードを余儀なくされそうだ。
そのため、25日線を挟んだオプション権利行使価格の3万8625円から3万8750円のレンジを想定。25日線が支持線として機能する局面では、3万8750円から3万9250円のレンジでの推移とみておきたい。なお、膠着ながらも米国市場の先高観が強い状況のため、ショートからのエントリーは控えておきたい。
25日の米VIX指数は14.60(前日は15.24)に低下した。前週末に200日線(15.89)を下回って終えたが、終値で15.00を下回ったのは11月14日以来となる。14日の安値13.59が意識されてきたことで、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.28倍に上昇した。一時14.31倍まで上げており、200日線(14.28倍)を突破し、75日線(14.30倍)を捉える場面もみられた。東エレクのほか、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が日経平均型を牽引していた。75日線を明確に上放れてくるようであれば、25日線が位置する14.37倍辺りが射程に入ることで、目先的にはNTショートを巻き戻す動きが強まりそうである。ただし、75日、200日線が抵抗となる可能性もあるため、値がさハイテク株の寄り付き後の動向が注目されよう。
米感謝祭ウィークの週明けから、市場は連日トランプ次期米政権にかかわるネタで右往左往させられています。次期米財務長官にスコットベッセント氏が指名されたことから、週明け早朝のオセアニア市場から全般ドル売りが先行。ドル円は東京時間に一時153.55円まで売り込まれることになりました。その後はショートカバーから154.72円の高値まで買戻されたものの、NY勢参入後は再び米長期金利が低下。米10年債利回りが4.2809%まで低下するなか153.63円まで下押ししました。ただ、アジアの安値が目先の目処として意識されると154.52円まで買戻されるなど方向感のない動きに。NY時間午後になって米2年債入札が好調な結果に終わると、米10年債利回りが再び4.2595%まで低下幅をひろげたものの、その後の下押しは154.00円までにとどまりました。
アジア時間に入ってからは、トランプ次期米大統領が「就任と同時に中国には追加関税を10%、カナダとメキシコには、全輸入品に25%の関税を賦課する」と発表。ただ、「カナダとメキシコは、不法移民やドラッグの流入に対応するまで」との条件が付けられました。市場は一気にカナダドルとメキシコペソの売りに走ったのは言うまでもなく、ドル円もドル高とクロス円の売りに挟まれるかたちで、154.00円を挟んだ不安定な動きを繰返しているといったところです。
いずれにしても、ドル円は自身に方向感を持たずの展開が続いていますが、唯一目立っているのが、昨夜からの米長期金利の低下に対する耐性。需給関係のタイト感が維持されているなか、米金利動向に左右される難しい値動きとなっていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比490円安の3万8250円(-1.26%)前後で推移。寄り付きは3万8710円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8795円)を下回る形で、売りが先行して始まった。寄り付き直後に付けた3万8730円を高値に下へのバイアスが強まり、中盤にかけて一時3万8030円まで下落幅を広げる場面もみられた。売り一巡後はショートカバーが入り終盤にかけて3万8380円まで下げ幅を縮めたが、急ピッチの下落による需給悪化の影響から戻り待ち狙いのショートが入りやすい。
日経225先物は、開始直前にトランプ次期大統領が、中国からのほぼすべての輸入品に10%の追加関税を課すと自身のSNSに投稿したと伝えられた。さらに、カナダとメキシコについても、25%の関税を課す文書に署名すると表明。これをきっかけにショートの動きが一気に強まる形となり、急ピッチの下げに対するヘッジの動きなども加速する形だった。一気に75日移動平均線(3万7990円)水準まで売られたことで、いったんは落ち着きをみせそうだが、200日線(3万8360円)を早い段階で回復できないと、戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍と横ばいで推移。一時14.23倍に低下する場面もみられたが、東証プライムの値下がり数が6割を占めているなかでは、NTショートでのスプレッド狙いの動きは限られよう。
本日のロンドン為替市場では、トランプ米次期大統領の関税強化発言をきっかけに東京午前で広がったリスク回避ムードが引き継がれるかを見定める展開か。複数の欧州金融当局者も発言も予定されており、次期米政権への言及が注目される。
トランプ氏は米国時間25日、自身のSNSに「中国から輸入される全ての製品に10%の追加関税を課す」と投稿。くわえて「カナダとメキシコからの全輸入品にも25%の関税を課す」と発表した。これを受けて、人民元だけでなく、カナダドルやメキシコペソが対ドルや円で売り込まれた。欧州通貨もつれて対ドルや対円で下値を試す場面があった。
中国への対応は、次期大統領がこれまで言い続けてきたこと。米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を結ぶメキシコに対する25%は確かに大きいが、同国に関税を課す可能性をトランプ氏は示唆してきた。サプライズは、友好国であるカナダに対しても大幅な関税を表明したことだろう。メキシコとカナダについては、薬物や不法移民の米流入を取り締まるまで関税を維持するとした。
トランプ次期大統領が保護主義的な貿易政策を取ることは予想されていたものの、より強硬な姿勢を示し始めたことで、欧州連合(EU)も警戒感を強めざるを得ないだろう。米国が輸入するEU製品ついて、今後トランプ氏がどのような措置を取るのか注視される。
なお金融当局者の講演は、欧州前半にフランスとポルトガルの中銀総裁、フィンランド中銀総裁の議会証言を経て、後半にはエストニアとラトビアの中銀総裁が予定されている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、21日高値1.0555ドル
・ユーロ円、22日高値であり日足一目均衡表・転換線の162.49円
想定レンジ下限
・ユーロドル、22日終値1.0418ドルを割り込むようだと同日安値1.0335ドルが意識される。
・ユーロ円、22日安値159.93円
(26日15時時点)
ドル円:1ドル=153.71円(前営業日NY終値比▲0.52円)
ユーロ円:1ユーロ=161.02円(▲0.85円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0475ドル(▲0.0020ドル)
日経平均株価:38442.00円(前営業日比▲338.14円)
東証株価指数(TOPIX):2689.55(▲26.05)
債券先物12月物:142.93円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.060%(▲0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.32600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月企業向けサービス価格指数
前年同月比 2.9% 2.8%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・カナダドルやメキシコペソは急落。トランプ次期米大統領が「就任と同時に中国に追加関税を10%、カナダ、メキシコには全輸入品に25%の関税をかける」と発表すると両通貨に売りが集中し、対ドルでは20.7504ペソ、1.4178カナダドル、対円では7.43円、108.61円まで急速に値を下げた。
・ドル円は上値が重い。対カナダドルやメキシコペソでのドル急騰を受けて154.49円まで上昇したが、次第にクロス円の下落につれて失速。午後に入ってもその流れが継続し、一時153.55円まで値を下げ、昨日安値に面合わせした。
・ユーロ円は売り優勢。ペソ円とカナダドル円の下落につれて下値を探る動きとなり、一時160.59円まで値を下げた。一巡後は急ピッチで下げた反動から161.30円台まで反発している。
・ユーロドルは下値が堅い。トランプ氏の発言でドル高が進むと1.0425ドルまで下落したが、一巡すると反動からショートカバーが優勢となり1.04ドル台後半まで切り返した。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。トランプ氏の発言で投資家心理が悪化し売りが活発化した。値嵩株の半導体関連株などに売りが広がり指数は700円超安まで下げ幅を広げる場面があった。
・債券先物相場は3日続伸。前日NY市場にて米長期金利が低下した流れを引き継いで、買いが先行。本邦の利上げ観測を背景にした下押しも限られた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
2024年の世界で「産めよ増やせよ」を喧伝するロシア・プーチン政権
伝統的価値観により一段と内向き姿勢を強め、益々特異性を強めていく方向に進んでいる
足下のロシアは戦時経済が下支えする形で景気は一見堅調な推移をみせる。他方、プーチン政権の下では人口増加へ様々な取り組みが示され、一時的に効果を上げたものの、ここ数年は出生数が頭打ちし、ウクライナ戦争を機に減少ペースが加速している。プーチン政権は憲法改正や法律制定を通じて伝統的価値観を後押しし、欧米的な価値観排除により人口減少の食い止めや大家族を奨励する動きをみせるも、出生数の減少に歯止めが掛からない状況が続く。こうしたなか、プーチン政権はチャイルドフリー(選択として子供を持たない考え方)の宣伝を禁止する法律制定に動き、表現の自由に新たな制限が加わる。ただし、現実にはウクライナ戦争の行方や長引く物価高が人生設計に影響を与えていることに鑑みれば、期待通りに事態が進むかは見通せない。ロシアは益々「それじゃない」感じの強い国になっていると捉えられる。
政府は26日、11月の月例経済報告を公表。景気の基調判断を「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」と4カ月連続で据え置いた。個別項目では輸入を6カ月ぶりに上方修正した。
「米国の新たな黄金時代を導く手助けをしてくれるだろう」(トランプ次期米大統領)
ベッセント第79代米財務長官は、トランプ次期米大統領に「3-3-3」(3本の矢?)と呼ぶ政策を推進するように提言したとのことである。
1)2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減する
2)日量3百万バレル相当の原油増産を目指す
3)GDP成長率3%の実現を規制緩和で目指す
1. ベッセント第79代米財務長官
トランプ次期米大統領は、11月22日、マクロヘッジファンド運営会社キー・スクエア・グループを経営するスコット・ベッセント氏を次期財務長官に指名すると発表した。
トランプ氏は声明で、「スコットは長らく米国第一のアジェンダに対する強力な支持者となってきた。われわれの偉大な国が250周年を迎えるのを控え、世界をリードする経済大国としての地位を固める中で、米国の新たな黄金時代を導く手助けを彼はしてくれるだろう」と表明した。
ベッセント氏は著名投資家ジョージ・ソロス氏の資金運用に携わっていたことがある。1992年のポンド危機の折、ジョージ・ソロス氏やスタンレー・ドラッケンミラー氏の下で、ポンドを売り仕掛けてイングランド銀行(BOE)を打ち破り、10億ドル相当を稼いだチームの一員だった。
2.財政・金融・ドル政策
米国経済紙とのインタビューでは以下の通り発言している。
「自身の政策上の優先事項はトランプ大統領のさまざまな減税公約を実行すること。任期1年目の減税を恒久化する」
「関税の導入や世界の準備通貨としてのドルの地位を維持する」
■財政政策:タカ派
ベッセント氏は財政規律重視派と見なされており、第2次トランプ米政権での関税引き上げ政策は高インフレをもたらすとして消極的な姿勢を示し、財政拡大政策が抑制されることで、財政悪化による米金利上昇懸念が後退している。
バイデン政権の「デットファイナンス管理」を批判し、貿易相手国の間に階層化システムを構築するため「フレンドショアリング(friend-shoring)」政策の拡大に言及している。
米国と中国の間に生じている貿易摩擦を背景に、米国が自国の経済安全保障を目的として始めたサプライチェーンの強化体制の拡大を目論んでいる。
2024年度の財政赤字は実質GDP比7.8%だったが、オバマ政権時代の2015年以来、3%以下になったことはない。
■金融政策:タカ派
ベッセント氏は、2021年のインフレ加速に対する米連邦準備理事会(FRB)の対応は遅過ぎたと批判した他、今年9月の大幅利下げ(▲0.50%)を批判していた。
■ドル政策
ベッセント氏は、米通貨政策の再調整を支持しているが、あからさまなドル安戦略を打ち出しているわけではない。ドル安は経済の一部にとって良いことだが、トランプノミクス2.0の政策の中にはドルの価値を押し上げるものもあると認めている。
イスラエルの安全保障内閣は、レバノンとの停戦について協議するため、日本時間翌0時30分に会合を開く予定だと一部通信社が伝えた。
大阪12月限
日経225先物 38490 -250 (-0.64%)
TOPIX先物 2693.5 -17.5 (-0.64%)
日経225先物(12月限)は前日比250円安の3万8490円で取引を終了。寄り付きは3万8710円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8795円)を下回る形で、売りが先行して始まった。寄り付き直後に付けた3万8730円を高値に下へのバイアスが強まり、前場中盤にかけて一時3万8030円まで下落幅を広げる場面もみられた。
売り一巡後はショートカバーが入り前場終盤にかけて3万8380円まで下げ幅を縮めたが、急ピッチの下落による需給悪化の影響から戻り待ち狙いのショートが入りやすく、後場中盤には3万8160円まで売られた。ただし、短期的なトレードが中心のなか、終盤にかけてショートカバーが強まり、3万8490円まで下落幅を縮めて取引を終えている。
日経225先物は、米株高の流れから買いが先行すると期待されたが、ハシゴを外される形となった。開始直前にトランプ次期大統領が、中国からのほぼすべての輸入品に10%の追加関税を課すと自身のSNSに投稿したと伝えられた。さらに、カナダとメキシコについても、25%の関税を課す文書に署名すると表明。これをきっかけにショートの動きが一気に強まる形となり、急ピッチの下げに対するヘッジの動きなども加速する形だった。
前場中盤にかけて一気に75日移動平均線(3万7990円)水準まで売られ、その後はショートカバーが入る形とはなったが、週後半にかけて海外勢のフローが減少するとみられるなか、リバウンドの勢いは限られた。ただし、終盤にかけてのカバーによって終値では200日線(3万8360円)を上回ったことは安心感につながりそうだ。
これにより、日経225先物は200日線を中心とした75日線と25日線(3万8710円)でのレンジが意識されやすいだろう。今回のトランプ氏の発言によって、積極的なロングの動きは手控えられそうだが、本日のように前場中盤にかけてトレンドが出る局面においては、その後のカバーを狙ったスタンスに向かわせやすいと考えられる。オーバーナイトのポジションを持つリスクが高まったと考えられ、引き続きスキャルピング中心のトレードを余儀なくされそうだ。
また、米国では先高期待が高まっているが、トランプ次期政権に対する警戒によって、米国との連動性は薄まる可能性は意識しておきたいところだろう。なお、26日の米国では11月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、リッチモンド連銀製造業指数の発表が予定されているほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される。次回のFOMCにおいて利下げ期待が後退するようだとショートに振れる可能性はあるだろうが、東京市場においては弱含みで始まった後のカバーを意識しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍と横ばいで推移。一時14.23倍に低下する場面もみられたが、東証プライムの値下がり数が6割近くを占めているなかでは、NTショートでのスプレッド狙いの動きは限られた。ただし、200日線(14.28倍)辺りが抵抗線として機能する可能性も考えられるため、抵抗となるようだと、NTショートに振れる可能性はありそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万2994枚、ソシエテジェネラル証券が1万5327枚、サスケハナ・ホンコンが5437枚、JPモルガン証券が2961枚、
楽天証券が2539枚、SBI証券が2116枚、バークレイズ証券が2022枚、モルガンMUFG証券が1740枚、日産証券が1444枚、ビーオブエー証券が1286枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万4135枚、ソシエテジェネラル証券が1万7594枚、バークレイズ証券が5980枚、モルガンMUFG証券が3844枚、サスケハナ・ホンコンが3790枚、ビーオブエー証券が3263枚、JPモルガン証券が3048枚、ゴールドマン証券が2196枚、シティグループ証券が1936枚、みずほ証券が1771枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、11月米消費者信頼感指数や11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、12月のFOMCでの利下げの可能性を見極めることになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月FOMCでの0.25%の利下げの確率は56%程度、据え置き確率は44%程度になっている。
本日の11月米消費者信頼感指数の雇用指数や明日発表される10月のPCEデフレーター、そして12月6日に発表される米11月雇用統計などで、12月FOMCでの利下げ幅を見極めて行くことになる。
昨日はベッセント米次期財務長官への警戒感から、「トランプ・トレード」(米国債売り・ドル買い)のポジション調整としての円買い(※安値153.55円)に繋がったが、本日は、トランプ次期米大統領によるトランプ関税発言「就任と同時に中国に追加関税を10%、カナダ、メキシコには全輸入品に25%の関税をかける」が、クロス円での円買い(※安値153.55円)に繋がっている。
今後のリスクシナリオとしては、ベッセント米次期財務長官やトランプ次期米大統領によるドル高牽制発言の可能性を警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値となる154円台に乗せた際に「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、同様の発言の可能性には警戒しておきたい。
また引き続き、ウクライナ戦争を巡る関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、155.02円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、151.99円(200日移動平均線)
欧州の自動車メーカーの株価がトランプ次期大統領によるカナダ・メキシコ・中国に対する大規模な関税発言を受けて急落している。投資家が世界的な貿易戦争の可能性に懸念を示したためだ。欧州自動車株指数は他のセクターを下回り、1.5%下落。ドイツのフォルクスワーゲンは2.1%、ステランティスは3.3%下落し、最大の下げ幅を記録している。フランスの自動車部品メーカーのヴァレオも2.4%下落し、BMWは1.7%、ダイムラー・トラックは3.6%下げている。
今晩は上値の重い展開か。昨日はトランプ次期大統領が次期財務長官にヘッジファンド・マネージャーのスコット・ベッセント氏を指名したことが好感され主要3指数がそろって続伸。ダウ平均が取引時間中と終値の史上最高値を更新し、S&P500も取引時間中の史上最高値を更新した。ナスダック総合も3営業日続伸し、小型株指数のラッセル2000は3年ぶりに取引時間中の史上最高値を更新した。引け後の動きではトランプ次期大統領がメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課すとし、中国については追加の10%課税を導入すると発表した。
今晩は上値の重い展開か。ダウ平均やS&P500が最高値更新を続け、高値警戒感が意識される可能性や、トランプ次期大統領がメキシコやカナダからの輸入品に対して25%関税を課すとしたことでインフレ圧力が高まることへの懸念などが上値の圧迫要因となりそうだ。今週は木曜日が感謝祭の祝日のため株式市場が休場で、金曜日も短縮取引となるため、薄商いが予想される中、水曜日に米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する個人消費支出 (PCE) 価格指数の発表も予定されており、重要指標を控えた様子見姿勢も強まりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは11月消費者信頼感指数、10月新築住宅販売件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨など。企業決算は寄り前にアナログ・デバイセズ、ベストバイ、引け後にHP、クラウドストライク、デルなどが発表予定。
一部報道によると、レバノンの首都ベイルートで爆発音が聞こえ、市の中心部で煙が上がっているという。
日経平均株価は反落。寄り付きから下値模索となり、一時は38000円付近まで下げる場面があった。一方、75日移動平均線(38077円 11/26)付近を意識して押し目買いや買い戻しが入ったことで、終値は安値から大きく戻す格好となった。
RSI(9日)は前日の38.9%→44.1%(11/26)に上昇。再び一目均衡表では雲中に入り込む動きとなったが、前日開けたマドを埋め戻した上に下げ渋ったことで、75日移動平均線上で値固めが進んだかたちとなった。きょうのように目先は下向きで推移している10日移動平均線(38442円 同)が上値を抑える可能性はあるが、8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前のもみ合いが続いていると判断したい。
上値メドは、心理的節目の39000円や39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)などがある。下値メドは、75日移動平均線、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.197%、応札倍率(カバー)が2.43倍となった。
(26日終値:27日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.32円(26日15時時点比▲0.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.53円(▲0.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0470ドル(▲0.0005ドル)
FTSE100種総合株価指数:8258.61(前営業日比▲33.07)
ドイツ株式指数(DAX):19295.98(▲109.22)
10年物英国債利回り:4.353%(△0.010%)
10年物独国債利回り:2.187%(▲0.023%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。トランプ次期米大統領がメキシコとカナダ、中国を対象に関税を強化する方針を示すと、米国と各国の貿易摩擦が激化するとの見方から、アジアや欧州の株式相場が軟調に推移。投資家がリスク回避姿勢を強め、円買い・ドル売りが優勢となった。22時過ぎには一時152.99円と11日以来の安値を更新した。
売り一巡後はじりじりと下値を切り上げて153.72円付近まで下げ渋ったものの、戻りは限定的だった。市場では「米感謝祭ウィークに入り、市場流動性が低下する中、ポジション調整目的のドル売りが出やすい」との指摘もあった。
・ユーロドルは伸び悩み。トランプ次期米大統領による関税強化の発言を受けてユーロ売り・ドル買いが出る場面もあったが、欧州からの輸入品については具体的な言及がなく、欧州市場ではユーロを買い戻す動きが目立った。米感謝祭を前にポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入りやすく、21時30分前に一時1.0545ドルと日通し高値を付けた。
ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利が再び上昇したことも相場の重しとなり、1時30分前には1.0464ドル付近まで押し戻された。市場では「トランプ氏が掲げる関税政策により米国内のインフレ圧力が高まることから、実効性に懐疑的な見方も広がっており、米長期金利の上昇を背景としたドル買いも入りやすい」との声が聞かれた。
・ユーロ円は一転下落した。日本時間夕刻に一時162.01円と日通し高値を付けたものの、前日の高値162.12円がレジスタンスとして働くと失速。トランプ次期米大統領による関税強化発言を受けて、欧州株相場の下落とともにリスク・オフの円買い・ユーロ売りが優勢になると一時160.39円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。トランプ次期米大統領による関税強化発言を受けて、米国と各国の貿易摩擦が激化するとの見方から、投資家がリスク回避姿勢を強めた。リオ・ティントやグレンコアなど素材株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反落。トランプ次期米大統領による関税強化発言を受けて、米国と各国の貿易摩擦が激化するとの見方から、欧州株はほぼ全面安となった。個別ではダイムラー・トラック・ホールディング(6.01%安)やバイエル(5.19%安)、フォルクスワーゲン(2.38%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
26日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は338円安の38442円。米国株高を受けても3桁下落スタート。寄り前にトランプ氏が中国やメキシコ、カナダに関税を課すと自身のSNSで発信したことが伝わっており、これに対する警戒が強まった。不意打ちのネガティブニュースを受けて安く始まった後もしばらく売りが続き、一時下げ幅を700円超に拡大。節目の38000円に接近したところでは切り返したが、主力銘柄の多くが弱く、戻りは緩慢となった。後場に入ると動意が乏しくなり、500円程度下げた水準でもみ合う時間が長かった。ただ、終盤にかけては値を戻しており、大幅安ではあったものの大引けが後場の高値となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3300億円。業種別では繊維、空運、その他製品などが上昇した一方、石油・石炭、海運、非鉄金属などが下落した。復配を発表したくろがね工作所<7997.T>が、軟調相場の中でも買いが殺到してストップ高比例配分。半面、中期経営計画を公表したキユーピー<2809.T>は、序盤で買われる場面はあったものの、一部目標が保守的との見方もあって次第に目先の材料出尽くし感が強まり、6%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり703/値下がり895。ファーストリテイリングや任天堂が逆行高。三井E&Sがリリースを材料に商いを伴って急騰した。米長期金利の低下や米住宅株の大幅高を追い風に、住友林業が4%を超える上昇。日経新聞1面で、ペロブスカイト太陽電池に関して政府目標が設定されると報じられたことを受けて、積水化学工業やK&Oエナジーグループが関連銘柄として買いを集めた。
一方、米エヌビディアの連日の大幅安を嫌気して、アドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコなど半導体株が軒並み大幅安。証券会社が投資判断を引き下げたレーザーテックは5%を超える下落となった。三菱重工やIHIなど防衛関連が弱かったほか、フジクラが急落するなど、最近の売買代金上位の常連銘柄が嫌われた。米長期金利の大幅低下を受けて三井住友、MS&AD、東京海上など金融株が全般軟調。子会社の雇用調整助成金受給に関する調査の関係で決算発表の延期を発表したHISが急落した。
日経平均は大幅安。もともと米国株高に対する好反応は限られそうな雰囲気があった中、寄り前にネガティブな材料が出てきたことで下に値幅が出た。トランプ政権が誕生すれば、関税の話が出てくることは予想はされていた。トランプ氏はまだ大統領ではないし、他国との交渉で先に揺さぶりをかけるのも常套手段。関税を課す国の中に日本は含まれなかったのだから、売り一巡後はもう少し戻してほしかった。
それでも、(1)安値は38020円までで38000円は割り込まなかった、(2)大引けが後場の高値となった、(3)前日の上げ分(496円高)を消失するまでの下げにはならなかったーことなどは期待の持てる動き。一時700円超下げて主力銘柄はほぼ全滅だったが全面安とはならず、プライムでは値上がり銘柄が結構多かった。米国では新財務長官に関するニュースを受けて長期金利が大きく低下しており、この点はグローバル株式市場にとって安心材料。本日は11月開催のFOMC議事要旨が公表される。次回12月(17日~18日)のFOMCで利下げがスキップされるとの見方が浮上してくるようだとマーケットが混乱しそうだが、そこまでの議論になっていなければ、市場は12月の利下げを織り込みに行く。議事要旨が米長期金利の低下を促し、改めてリスク選好ムードを高めてくれる展開に期待したい。
(26日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.08円(前営業日比▲1.15円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.58円(▲1.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0489ドル(▲0.0006ドル)
ダウ工業株30種平均:44860.31ドル(△123.74ドル)
ナスダック総合株価指数:19174.30(△119.46)
10年物米国債利回り:4.30%(△0.03%)
WTI原油先物1月限:1バレル=68.77ドル(▲0.17ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2621.3ドル(△2.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米ケース・シラー住宅価格指数
(前年比) 4.6% 5.2%
11月米消費者信頼感指数
111.7 109.6・改
11月米リッチモンド連銀製造業景気指数
▲14 ▲14
10月米新築住宅販売件数
(前月比) ▲17.3% 7.0%・改
(件数) 61.0万件 73.8万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。トランプ次期米大統領がメキシコとカナダ、中国を対象に関税を強化する方針を示すと、米国と各国の貿易摩擦が激化するとの見方から、アジアや欧州の株式相場が軟調に推移。投資家がリスク回避姿勢を強め、円買い・ドル売りが優勢となった。NY市場に入ってもこの流れを引き引き継いで、22時過ぎには一時152.99円と11日以来の安値を更新した。
売り一巡後はじりじりと下値を切り上げて153.72円付近まで下げ渋ったものの、戻りは限定的だった。引けにかけては153.01円付近まで押し戻された。ユーロ円などクロス円の下落につれた円買い・ドル売りが入った。
なお、米連邦準備理事会(FRB)が公表した11月6日-7日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「緩やかな利下げが適切であると多くの参加者が指摘」「データ次第で利下げ停止や利下げ加速の意見もあった」との見解が示された。
・ユーロドルは小反落。米感謝祭を前にポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが入ると、21時30分前に一時1.0545ドルと日通し高値を付けたが、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利が再び上昇したことも相場の重しとなり、3時30分過ぎには1.0457ドル付近まで下押しした。市場では「トランプ氏が掲げる関税政策により米国内のインフレ圧力が高まることから、実効性に懐疑的な見方も広がっており、米長期金利の上昇を背景としたドル買いも入りやすい」との声が聞かれた。
・ユーロ円は反落。トランプ次期米大統領による関税強化発言を受けて、欧州株相場や日経平均先物が下落するとリスク・オフの円買い・ユーロ売りが入った。5時30分過ぎには一時160.30円と日通し安値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時192.04円、豪ドル円は98.87円、NZドル円は89.16円、カナダドル円は108.57円、南アフリカランド円は8.42円、メキシコペソ円は7.36円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。トランプ次期米大統領による関税強化発言を受けて米国と各国の貿易摩擦が激化するとの見方が広がると、投資家がリスク回避姿勢を強め売りが先行した。ただ、米景気の底堅さからマイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、セールスフォースなどに買いが集まると、指数は上げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。トランプ次期米大統領は25日、メキシコとカナダ、中国に対する関税を強化する方針を表明。トランプ氏が掲げる関税政策で米国内のインフレ圧力が高まるとの見方から、債券売りが広がった。
・原油先物相場は続落。前日3%超下落した反動で買いが入る場面もあったが、中東情勢の緊張感が緩んだことを背景に上値の重い動きとなった。イスラエルのネタニヤフ首相は演説でレバノンとの停戦協定を履行する用意があると明言した。
・金先物相場は小反発。前日大幅下落の反動で買いが先行した。ただ、中東情勢の緊張感が緩んだことや、トランプ氏の関税政策によるインフレ圧力の高まりへの警戒感が金の上値を圧迫し、小反発で取引を終えた。
中国人民銀行(中央銀行)は26日、中期貸出制度(MLF)を通じて9000億元を供給した。償還期間は1年。金利は前回(10月25日)と同水準の2.00%だった。『証券時報網』によると、11月に償還期限を迎えるMLF資金は1兆4500億元に上り、差し引き5500億元の長期資金が市場から吸収されることになる。
『証券時報網』は、今月のMLF吸収超過は金融引き締めではないとする市場関係者の見方を伝えた。東方金誠の首席マクロアナリスト、王青氏は「MLFの供給量が吸収量を下回ったことは、中期流動性の縮小を意味しない」と述べた。人民銀はアウトライト・リバースレポ(買い切り式リバースレポ)による資金供給を続ける一方、MLF残高は縮小する見通しだとした。11月のMLF残高は今回の吸収超過に伴い6兆2390億元となり、10月の6兆7890億元から減少した。
民生銀行の主席エコノミスト、温彬氏は11月のMLF吸収超過について、人民銀は引き続き公開市場操作(オペ)で国債買い入れやアウトライト・リバースレポなどの多様な政策ツールを駆使し、流動性を十分な水準に保ち、時期をみて預金準備率を引き下げる公算が大きいとみている。人民銀の潘功勝行長は10月の金融街フォーラム2024年次会議で、年内に預金準備率を0.25-0.5%引き下げると述べている。
『証券時報網』は、人民銀が政策ツールのなかでのMLFの活用を後退させ、位置付けを中長期流動性の捜査手段に戻しているとの見方を示した。MLF金利は人民銀が毎月20日に公表する最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)の算出基準となっており、人民銀はMLF操作を毎月15日ごろに行っていたが、今年8月から25日ごろに後ずれさせた。また、8月まではMLF操作状況を公開市場業務公告のなかで発表していたが、9月以降は別枠の公告での発表に切り替えた。代わって10月からアウトライト・リバースレポが導入され、オペに組み入れられた。
一部通信社が報じたところによると、「トランプ次期米大統領は米国家経済会議(NEC)委員長にハセット氏を起用する可能性がある」ようだ。
26日08:09 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「12月の利下げは理にかなった検討事項」
「中立金利はより高くなる可能性があり、政策はそれほど制限的ではない」
26日08:42 トランプ次期米大統領
「中国に対して10%の追加関税を課す」
26日17:10 ハーベック独経済相
「米国との貿易戦争の結果として誰もが損失を被らないよう、今後の対話を求める必要」
「2024年の補正予算を通じてネットワーク料金の安定化を図る」
「野党との協力を模索」
「トランプ氏の関税発表については真剣に受け止める必要、EUは団結するべきだと警告」
26日17:41 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「景況感の悪化が現在の懸念材料」
「インフレ率は我々の目標に近づいている」
「基本シナリオ通りならば、利下げを継続する」
「米国と欧州の報復関税の応酬は、双方にマイナスとなる」
26日19:17 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「トランプ氏の政策は、ユーロ圏インフレ率への影響は限定的だが、市場金利にはより顕著な影響が及ぶ可能性がある」
26日19:25 レーン・フィンランド中銀総裁
「12月に金利を引き下げる可能性」
「インフレがECBの目標に2025年までに達すると予想」
「ユーロ圏経済は緩やかに成長し回復すると見込まれている」
「給与とサービスのインフレが依然として根強い」
「インフレの抑制が予想より遅れるリスク」
26日19:27 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「米国の関税が欧州経済活動にリスクをもたらす、好ましくないニュース」
「インフレが過去のように目標を大きく下回る事態を避けるべき」
「より大きな金利引き下げを議論する可能性」
27日02:13 ブリンケン米国務長官
「レバノン停戦への取り組みはゴール間近」
27日04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月6日-7日分)
「中立金利をめぐる不確実性により、緩やかな利下げが適切であると多くの参加者が指摘」
「データ次第で利下げ停止や利下げ加速の意見もあった」
「当局者はデータが予想通りなら、インフレが2%まで持続的に低下し続け、経済が最大雇用に近い状態を維持すれば、時間の経過とともに政策をより中立的に徐々に移行することが適切である可能性が高いと指摘」
「最近の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大し続け、労働市場の状況は年初から概ね緩和し、失業率は上昇しているが低いままであることを示唆」
「ほぼすべての参加者は、月次の動きは引き続き不安定であるものの、入手するデータは概ねインフレが2%まで持続的に低下していると判断」
「ほぼすべての参加者は、委員会の雇用とインフレの目標を達成するリスクはほぼ均衡していることに同意」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○09:30 ◎ 10月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.3%)
○10:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表(予想:4.25%に引き下げ)
○11:00 ◎ オアRBNZ総裁、記者会見
○16:45 ◇ 11月仏消費者信頼感指数(予想:93)
○18:30 ◇ 12月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲18.6)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 10月メキシコ貿易収支(予想:6.59億ドルの赤字)
○22:30 ☆ 7-9月期米国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比年率2.8%)
○22:30 ◎ 7-9月期米個人消費(改定値、予想:前期比3.7%)
○22:30 ◎ 7-9月期米コアPCE(改定値、予想:前期比2.2%)
○22:30 ◇ 10月米卸売在庫(予想:前月比0.1%)
○22:30 ◎ 10月米耐久財受注額(予想:前月比0.5%/輸送用機器を除く前月比0.2%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.6万件/190.8万人)
○23:45 ◎ 11月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:45.0)
○24:00 ◎ 10月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲2.0%/前年比0.2%)
○24:00 ◎ 10月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
◎ 10月米個人所得(予想:前月比0.3%)
☆ 10月米PCEデフレーター(予想:前年比2.3%)
☆ 10月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.3%/前年比2.8%)
○28日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○28日01:00 ◎ 10月ロシア失業率(予想:2.4%)
○28日03:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○28日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。トランプ次期米大統領の関税強化発言をきっかけにアジアや欧州で株価が下落してリスク回避ムードとなった事が重しとなり、22時過ぎには一時152.99円と11日以来の安値を更新した。ユーロドルは伸び悩み。21時30分前に一時1.0545ドルと日通し高値を付けるも、米長期金利が再び上昇したことも重しとなって1.0457ドル付近まで下押しした。
本日、本邦では主だった経済指標や要人発言は予定されていないほか、NY市場で10月米PCEデフレーターなど複数の指標発表を控えている。ドル円はスポット末日(取引した通貨の受け渡しが月末営業日)の仲値公示に向けた動きを確認しつつ、日経平均や時間外の米長期金利をながめながら方向感模索の展開となる可能性がある。
とはいえ足元の相場を振り返ると、日銀の年内利上げ観測が重しとなっているのも事実。20日に155.89円の高値を付けた後は上値を切り下げる展開が続いており、昨日のNY市場では152.99円まで下落している。昨日安値を割り込む場面ではフロー主体で下値模索の機運が高まることも考えられるので注意したい。
他方、オセアニア市場では重要指標の発表が相次ぐ。ニュージーランド(NZ)では、年内最後となる NZ 準備銀行(RBNZ)金融政策決定会合に注目。市場予想は50bpの利下げがコンセンサスとなっているが、OIS市場における金利見通しでは0.75%の利下げを3割弱織り込むなど、大幅利下げ観測もくすぶる。
直近の主な経済指標を振り返ると、10月16日に発表されたNZ7-9月期消費者物価指数(CPI)は前年同期比+2.2%と市場予想通りの伸び鈍化で、RBNZのインフレ目標(年1-3%)の中間に接近。しかし、今月6日に発表された7-9月失業率は4.8%と4年ぶりの水準に悪化するなど、雇用環境の急速な悪化がNZ経済の懸念材料となっている。
今回のRBNZ会合では利下げ幅が焦点であり、見方が分かれているだけに発表直後のNZドル相場は荒れた展開となる恐れがある。その後にオアRBNZ総裁の会見も予定されており、声明と合わせて今後の金利や経済状況などの見通しについても確認しておきたい。
豪州からは、10月消費者物価指数(CPI)が発表される。月次のCPIはヘッドライン・トリム平均値共に夏頃から伸び鈍化の傾向となっており、前回9月はヘッドラインが前年比+2.1%、トリム平均値は同+3.2%であった。伸び鈍化傾向が続く場合は豪ドル相場の重しとなりそうだ。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38330 -160 (-0.41%)
TOPIX先物 2688.0 -5.5 (-0.20%)
シカゴ日経平均先物 38330 -160
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
26日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ次期米大統領が中国からの輸入品に10%の追加関税をかけ、メキシコとカナダに対して25%の関税を課すと表明したことを受け、製品を輸入する製造業やメキシコなどに生産拠点を持つ一部企業の収益悪化につながるとの警戒から、売りが先行した。その後発表された11月の米消費者信頼感指数が約1年ぶりの高水準となり、予想を上回った。米景気や労働市場の底堅さを示したとの見方が広がり、午後に入りNYダウは上昇に転じた。NYダウは5日続伸し、連日史上最高値を更新したほか、S&P500指数も7日続伸で11日以来の最高値を更新。ナスダック指数は4日続伸だった。
NYダウ構成銘柄では開発中の肥満治療薬候補の効果が市場の予想を下回ったアムジェン<AMGN>が売られ、ボーイング<BA>、ナイキ<NKE>、JPモルガン・チェース<JPM>がさえない。一方で、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、セールスフォース<CRM>が買われ、NYダウを牽引した。エヌビディア<NVDA>は小幅ながら3日ぶりに反発。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比160円安の3万8330円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比90円安の3万8400円で始まり、3万8230円まで売られた。売り一巡後は持ち直し、緩やかなリバウンドをみせ、一時3万8530円とプラスに転じる場面もあった。その後は3万8350円~3万8500円辺りで保ち合いを継続していたが、米国市場の取引開始後にレンジを下放れ、終盤にかけては3万8260円~3万8360円処で推移し、3万8330円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。米国ではNYダウ、S&P500指数が最高値を更新するなど、米景気の底堅さから先高期待が高まっている半面、トランプ氏による関税強化発言を受けて米国と各国の貿易摩擦が激化するとの見方が広がっており、積極的なロングは手控えられそうだ。前日の下落に対する反動が意識されるものの、自律反発の域は脱せないと考えられる。
日経225先物はナイトセッションでは200日移動平均線(3万8380円)を挟んだ値動きだったが、同線を上回って推移するようだと、短期的にはリバウンドが意識されてくる。それでも25日線(3万8700円)を捉える動きは期待しづらいところである。25日線に接近する局面では、戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。
ボリンジャーバンドの-1σが位置する3万8190円と中心値(25日)辺りでの値動きが意識されやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8750円のレンジを想定する。エヌビディアが小幅ながら反発したことで指数インパクトの大きい値がさハイテク株の底堅さが意識される可能性はありそうだが、半導体SOX指数が下落しているため、強いリバウンドは期待しづらい。
また、今回のトランプ氏のSNSへの投稿は、金融市場を大きく揺るがした。今後も時間帯を問わない投稿によって市場の変動を引き起こす可能性がある。トランプ氏が創設したSNS「トゥルース・ソーシャル」に市場関係者が一段と注目することで、投稿をきっかけとした乱高下が大きくなりそうであり、ポジションを傾けにくい需給状況となろう。スキャルピング中心のトレードを余儀なくされるなか、投稿によって過剰反応をみせてくる場面が増えそうだ。
26日の米VIX指数は14.10(前日は14.60)に低下した。一時13.88まで低下し、14日につけた直近安値13.59が意識されてきた。このところの米景気や労働市場の底堅さを示す経済指標の発表が続いていることもあり、リスク選好に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.28倍と横ばいで推移。一時14.23倍に低下する場面もみられたが、東証プライムの値下がり数が6割近くを占めるなかでは、NTショートでのスプレッド狙いの動きは限られた。10月中旬の14.70倍からの低下傾向によって、リバランスも意識されやすい。ただし、200日線(14.28倍)辺りが抵抗線として機能する可能性も考えられるため、同水準で上値を抑えられるようだと、NTショートに振れやすくなる可能性はあるだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比310円安の3万8180円(-0.80%)前後で推移。寄り付きは3万8370円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8330円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。開始直後に付けた3万8440円を高値に下へのバイアスが強まり、現物の寄り付き後ほどなくして3万8200円まで売られた。中盤にかけて3万8300円水準まで下げ渋る動きもみられたが、200日移動平均線に抑えられる形となり、終盤にかけてショート優勢のなかで一時3万8070円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
日経225先物は、200日線(3万8380円)水準で始まったが、同線をキープできなかったことでショート優勢の流れとなった。また、売り一巡後に再び200日線に接近する場面もみられたが、捉えることができず、その後は戻り待ち狙いのショートに押される形だった。終盤にかけて75日線(3万8040円)に接近したが、節目の3万8000円割れを仕掛けてくる動きもなく、ショートカバーに向かわせたようだ。後場も75日線と200日線水準でのスキャルピング中心のトレードが続きそうであるが、200日線を上回ってくるようだと、短期的にはショートカバーを誘う形になろう。
NT倍率は先物中心限月で14.30倍に上昇した。200日線(14.28倍)水準で始まり、一時14.24倍に低下する場面もみられた。ただし、その後は200日線を突破し、75日線(14.31倍)を捉えている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱さが目立つものの、東証プライムの値下がり数が8割を超えるなか、NTショートの巻き戻しに向かわせやすい。
昨日の海外市場では、ドル円は終始ポジション調整の動きといったところ。イスラエルとレバノンが停戦交渉中のなか、「イスラエルの空爆で首都ベイルートで爆発音が聞こえた」ことが伝わるとリスクオフ的な売り。19日の核ドクトリンネタで付けていた安値153.29円を下抜けると目先のSLを巻き込むかたちで下げ足を速め一時152.99円まで売り込まれました。その後は米長期金利の上昇につれて153.72円まで買い戻される場面もみられましたが、米5年債入札が堅調な結果に終わり米長期金利が上昇幅を縮めたことから153.01円まで下押ししてNY市場を終えています。
感謝祭前日のアジア市場では、引き続きポジション調整の売りからずるずると値を下げる展開。昨日安値を下抜けると一時152.49円まで値を下げているといったところです。日経平均が軟調な推移となっていることも、戻り売りを後押ししています。
いずれにしても、市場では、「目立ったフローが全くないなかでのじり安」となっているわけで、いかにも参加者不在のなかといった値動きが続いていますが、米国では、今夜まとめて米指標が片付け仕事のように発表され、年末年始相場に入っていくことになりそうです。チャート上では目先、8日の安値152.14円や200日MAが位置する152.00円がサポートレベルとして意識されています。
本日のロンドン為替市場では、依然としてトランプ関税によるリスクを懸念した値動きか。トランプ次期米大統領から今のところ、欧州との貿易について言及はない。しかしながらユーロ円は、全般強まったリスク回避の円買いの流れに沿って159円後半までユーロ安円高が進行している。昨日も独経済相や欧州金融当局者らが貿易摩擦を危惧する発言をしており、何を言い出すか分からないトランプ氏への警戒感は根強いということだろう。
なお、トランプ次期米大統領は現地時間26日、米通商代表部(USTR)代表にジェイミーソン・グリア元USTR首席補佐官を指名。グリア氏はトランプ第1次政権で、中国などとの貿易交渉で重要な役を担っていた。当時の対中関税について同氏は、中国への依存度を下げることができたと評価し、インフレへの大きな影響はなかったとの見解を示している。
欧州時間の主な経済指標は11月仏消費者信頼感指数(予想:93)と12月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲18.6)のみ。どちらも相場インパクトは高くないものの、マイナス幅が前回よりやや広がるとの予想の独指数は気にかけておきたい。
なお本日はスポット応当日が今月の最終営業日(スポ末)にあたり、通常であれば実需フローがでやすい。特段の材料がなくても上下に振らされる場面はありそうだ。特段大きな動きが欧州前半になければ、ニューヨーク勢の参入後に発表される10月米PCEデフレーターなどの重要指標の発表待ちとなる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、21日高値1.0555ドル
・ユーロ円、本日アジア午前の高値160.71円
想定レンジ下限
・ユーロドル、昨日安値1.0425ドル
・ユーロ円、10月2日安値158.71円
(27日15時時点)
ドル円:1ドル=152.44円(前営業日NY終値比▲0.64円)
ユーロ円:1ユーロ=159.70円(▲0.88円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0477ドル(▲0.0012ドル)
日経平均株価:38134.97円(前営業日比▲307.03円)
東証株価指数(TOPIX):2665.34(▲24.21)
債券先物12月物:142.80円(▲0.13円)
新発10年物国債利回り:1.070%(△0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.35300%(△0.02700%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。朝方に153.23円まで小幅に上げたものの、日経平均株価の下落を受けてその後は売りが優勢に。米感謝祭を前に持ち高調整の売りも重なって目立った戻りも見られないまま、一時152.12円まで下値を広げた。目先は6日安値の151.30円がサポートとして意識される。
・ユーロ円も軟調。日本株安を手掛かりにリスクオフの円高が進んだ流れに沿った。ユーロ円は159.49円まで下落したほか、ポンド円は191.31円、豪ドル円は98.53円まで値を下げている。
なお、NZドル円は不安定な動き。NZ準備銀行(RBNZ)が予想通り0.50%の利下げを決定したが、一部では0.75%の利下げが予想されていたこともあり発表直後は89.89円まで急伸した。ただ、買い一巡後は89.20円台まで失速している。
・ユーロドルは上値が重い。朝方は1.0496ドルまで上げたが、日本株安でユーロ円が下落した影響から1.0474ドルまで押し戻された。
・日経平均株価は続落。トランプ次期米大統領の関税政策に対する先行き不透明感から投資家心理が悪化。外国為替市場での円高・ドル安も輸出関連株の売りを誘った。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反落。前日NY市場にて米国債が売られた流れを引き継いで始まり、一時142.75円まで下落。その後の戻りも極めて鈍かった。
ニュージーランド統計局は2024年3月末時点での年間GDP成長率を+1.4%に上方修正したことを明らかにした。これは以前発表された+0.3%から大幅な増加となる。改訂されたデータによると、農業、林業、漁業セクターでより強い成長が見られ、建設セクターも改善した。ウェストパック銀行のエコノミスト、マイケル・ゴードン氏は、この修正によりニュージーランドの最近の経済成長が当初の見積もりほど弱くなかったことが示されたと指摘している。一人当たりGDPの減少は依然として大きいものの、当初の推定ほど急激ではなかったとのことだ。
大阪12月限
日経225先物 38100 -390 (-1.01%)
TOPIX先物 2664.5 -29.0 (-1.07%)
日経225先物(12月限)は前日比390円安の3万8100円で取引を終了。寄り付きは3万8370円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8330円)にサヤ寄せする形で売りが先行した。開始直後に付けた3万8440円を高値に下へのバイアスが強まり、現物の寄り付き後ほどなくして3万8200円まで売られた。前場中盤にかけて3万8300円水準まで下げ渋る動きもみられたが、200日移動平均線に抑えられ、前場終盤にかけてショート優勢となり3万8100円を下回った。ランチタイム以降は3万8100円~3万8180円処で推移していたが、後場中盤にレンジを割り込み、3万8000円まで下げ幅を広げる場面もみられた。節目の3万8000円水準ではショートを仕掛けづらく、終盤にかけて下げ幅を縮めた。
日経225先物は、200日線(3万8380円)水準で始まったが、同線をキープできなかったことでショートが優勢となった。また、売り一巡後に再び200日線に接近したものの、同線を捉えることができず、その後は戻り待ち狙いのショートに押される形だった。後場中盤にかけて75日線(3万8040円)を割り込む場面もみられたが、節目の3万8000円割れを仕掛けてくる動きもなく、終盤にかけては若干ながらショートカバーに向かわせたようだ。
26日の米国市場はNYダウ、S&P500指数が最高値を更新するなど、先高期待が高まっているが、東京株式市場では本日も次期米政権による関税強化に対する警戒感が根強く、為替市場では1ドル=152円台と円高が進んだ。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が冴えず、円高が嫌気される形で輸出関連株の下げも目立っていた。米国では28日が感謝祭で株式市場が休場となるほか、翌29日は短縮取引であるため、海外勢のフローが減少傾向にあるなかで、持ち高調整の動きが強まったようだ。
日経225先物は、ナイトセッションで節目の3万8000円を下回って推移している。円相場は1ドル=151円台に突入した。27日の米国では7-9月期のGDP個人消費・改定値、10月の個人消費支出(PCEデフレーター)が発表される。円相場は支持線として意識されていた200日線水準を割り込んできており、PCEデフレーターの内容次第では円高の動きが加速する展開には注意する必要があろう。日経225先物はナイトセッションで節目の3万8000円を回復できないと、75日線が抵抗線に変わり、ボリンジャーバンドの-2σ(3万7630円)とのレンジが意識されてきそうだ。
スキャルピング中心のトレードとはいえ、海外勢のフローが限られるなかでは大きくトレンドが出やすい需給状況になると考えられる。基本ベースは3万8000円を挟んだ狭いレンジでの推移と見ておくが、短期的な振れには注意しておきたい。一方で、3万8000円を回復し75日線を上回ってくるようだと、200日線水準を意識したカバーが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.29倍に上昇した。200日線(14.28倍)水準で始まり、一時14.24倍に低下する場面もみられた。ただし、その後は200日線を突破し、75日線(14.31倍)を捉えている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が日経平均型の重荷となったものの、輸出関連株の弱さが目立ったほか、東証プライムの値下がり数が8割を超えるなか、若干ながらNTショートの巻き戻しに向かわせようだ。なお、先行き不透明ではあるが、目先的には持ち高調整に伴うリバランスによって、NTショートを巻き戻す動きが入る展開が意識されよう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3997枚、ソシエテジェネラル証券が8466枚、サスケハナ・ホンコンが3810枚、ゴールドマン証券が1426枚、バークレイズ証券が1368枚、JPモルガン証券が1167枚、モルガンMUFG証券が963枚、楽天証券が842枚、松井証券が731枚、野村証券が700枚1086枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1021枚、ソシエテジェネラル証券が1万7206枚、バークレイズ証券が5027枚、モルガンMUFG証券が4899枚、JPモルガン証券が3209枚、サスケハナ・ホンコンが2882枚、ゴールドマン証券が2205枚、ビーオブエー証券が2089枚、野村証券が1119枚、シティグループ証券が948枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、10月米PCEデフレーターを見極めて、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性を探ることになる。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの10月分は、前年比+2.3%と予想されており、9月の同比+2.1%からの伸び率の上昇が見込まれている。
予想通りならば、14日のパウエルFRB議長発言「利下げ急ぐ必要ない」が重みを増すことになり、12月17-18日のFOMCでの0.25%の利下げの可能性が低下すると思われる。
リスクシナリオは予想を下回った場合で、明日の米感謝祭を控えたドル円の買い持ちポジションの手仕舞いに拍車がかかることになる。
11月のFOMCの議事要旨では、翌日物リバースレポ金利(現在4.55%)を引き下げて政策金利の下限(※4.50%)と再び一致させる時期が近づいていると考えていることが示唆されていた。市場では、12月か来年1月に実施される可能性が警戒されており、リバースレポ・ファシリティーからの資金流出懸念が高まっている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月FOMCでの0.25%の利下げの確率は63%程度、据え置き確率は37%程度になっている。
また、今後のリスクシナリオとして、ベッセント次期米財務長官やトランプ次期米大統領によるドル安牽制発言の可能性を警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新した際に「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、同様の発言の可能性には警戒しておきたい。
さらに、ウクライナ戦争や中東での紛争を巡る関連ヘッドラインには引き続き警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、153.89円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、150.50円(10/22安値)
ドイツの保守野党CDUのメルツ党首は来年2月23日に予定されている選挙前に債務ブレーキ(財政赤字比率に上限を設けること)の改革を行わないと明言した。債務ブレーキは公共赤字をGDPの0.35%に制限し、変更には議会の3分の2の賛成が必要。メルツ氏は「連立政権の終わりが近い今、債務ブレーキを解除することはない」と述べ、選挙後には議論する余地があるものの、単に支出を増やすことには懐疑的であると語り、まずは州の支出改革が必要だとした。
今晩はインフレ指標に注目。昨日はトランプ次期大統領がメキシコやカナダからの輸入品に対して25%関税を課すと表明したことで、インフレ圧力が高まることが懸念されダウ平均が300ドル超下落する場面もあったが、終値ではダウ平均が123.74ドル高(+0.28%)と5日続伸し、S&P500は0.57%高と7日続伸。ハイテク株主体のナスダック総合も0.63%高と4日続伸した。ダウ平均とS&P500はともに取引時間中と終値の史上最高値を更新した。
今晩の取引では翌日が感謝祭の祝日で休場、金曜日が午後1時までの短縮取引となるため、薄商いが予想されるものの、注目度の高い経済指標が多数発表予定で、先行きの利下げ見通しなどを巡り、10月個人消費支出(PCE)価格指数などをにらんだ展開となりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する10月個人消費支出(PCE)価格指数は前年比+2.3%と9月分の+2.1%から伸びの加速が見込まれ、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数も前年比+2.8%と9月分の+2.7%から上昇が見込まれている。CMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げ確率は66%で、34%の確率で政策金利の据え置きが予想されているが、PCE価格指数が強い結果となれば金利据え置き見通しの一段の高まりが株式相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは10月個人消費支出(PCE)価格指数のほか、MBA住宅ローン申請指数、10月耐久財受注、7-9月期GDP改定値、新規失業保険申請件数、10月中古住宅販売仮契約指数など。企業決算は寄り前にオートデスクが発表予定。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ニュージーランド準備銀、追加緩和に加えて当面は大幅利下げを示唆
金利の「着地点」は若干上方修正も、当面のNZドル相場は上値の重い展開が続く可能性は高い
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は27日の定例会合で政策金利を50bp引き下げて4.25%とした。RBNZは8月会合でコロナ禍後初の利下げに動き、10月会合では利下げペースを加速させるなど「ハト派」姿勢を強めており、そうした姿勢を継続している。足下のニュージーランドでは、インフレはRBNZの目標域に収束するとともに、景気や雇用環境は頭打ちの動きを強めており、一段のインフレ鈍化が見込まれる状況にある。こうしたなか、会合後に公表した声明文では、来年初めにも一段の利下げに言及するなど追加緩和を示唆する姿勢をみせている。他方、同時に公表した金利見通しでは短期的に利下げペースを加速させる一方、中期的な金利の着地点を若干上方修正しており、金融市場の見方を揺さぶる可能性はある。ただし、足下のNZドル相場は米ドル高の再燃を受けて上値が抑えられる展開をみせるなか、当面はRBNZのハト派傾斜が上値を抑える展開が続くほか、日本円に対しても同様に上値の重い展開となることが見込まれる。
日経平均株価は続落。寄り付きから不安定な展開となり、一時は38000円を割り込む場面もあった。一方、直近安値水準を意識して押し目買いが入り、75日移動平均線(38117円 11/27)上まで戻して取引を終えた。
RSI(9日)は前日の44.1%→42.0%(11/27)に低下。下向きの10日移動平均線(38383円 同)に戻りを抑えられる展開が続く一方、75日移動平均線上で値固めが進んでいる。8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前のもみ合いが続いていると判断したい。
一方、10日移動平均線以外にも、上値には5日移動平均線(38333円 同)や100日移動平均線(38366円 同)、転換線(38523円 同)、雲上限(38582円 11/28)などのフシが同水準に集中しており、寄り付きから強い動きでもない限りは買い一巡後に押し戻される動きが続きやすい局面でもある。
上値メドは、25日移動平均線(38655円 同)、心理的節目の39000円や39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)などがある。下値メドは、75日移動平均線、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.183%、応札倍率(カバー)が2.71倍となった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
オーストラリア、インフレの粘着度は高く、利下げのハードルも高いか?
コアインフレは加速も、RBAが重視する指標は鈍化、当面の豪ドル相場は動意の乏しい展開も
オーストラリアでは、準備銀行(RBA)が今月の定例会合でもタカ派姿勢を堅持する姿勢をみせ、その理由にインフレの粘着度の高さを示している。他方、国際金融市場では金融政策の方向性の違いにも拘らず、米ドル高の再燃も追い風に豪ドル相場は上値の重い展開をみせており、RBAが早晩利下げに動くとの見方も影響している。足下のインフレは補助金政策などの影響で下振れする一方、減税や底堅い雇用環境も追い風に家計消費は底堅い動きをみせるなどインフレ懸念はくすぶる。こうしたなか、10月のインフレ率は前年比+2.1%と目標下限で推移する一方、コアインフレ率は同+3.5%と加速して目標を上回るなどインフレの粘着度の高さがあらためて確認されている。他方、RBAが重視する物価変動の大きい財と観光関連を除いたベースでは前年比+2.4%と鈍化しており、幅広く財価格のみならず、サービス物価も下振れする動きが確認できる。よって、RBAの先行きの政策運営に対する不透明感が高まると見込まれ、当面の豪ドル相場は引き続き米ドルの動向如何だが、動意の乏しい展開が見込まれ、日本円に対しても同様の動きが予想される。
(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.75円(27日15時時点比▲1.69円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.44円(▲0.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0576ドル(△0.0099ドル)
FTSE100種総合株価指数:8274.75(前営業日比△16.14)
ドイツ株式指数(DAX):19261.75(▲34.23)
10年物英国債利回り:4.295%(▲0.058%)
10年物独国債利回り:2.160%(▲0.027%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月仏消費者信頼感指数
90 93・改
12月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲23.3 ▲18.4・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事が「さらなる利下げには慎重になる必要がある」「金融緩和は段階的に行うべきで、中立水準を下回るべきではない」と述べ、過度な利下げに慎重な姿勢を示すと、ECBの大幅利下げ観測が後退。ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。明日28日の米感謝祭の祝日を前にポジション調整目的のドル売りも出やすかった。月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローも観測されると一時1.0588ドルと日通し高値を更新した。
・ドル円は軟調。米国の祝日を前に持ち高調整を目的とした円買い・ドル売りが先行したほか、8日の安値152.14円や200日移動平均線が位置する152.00円を下抜けたことでテクニカル的にも売りが出やすい地合いとなった。
NY市場に入ると序盤は売買が交錯した。7-9月期の米国内総生産(GDP)改定値は市場予想通りの結果となったが、同時に発表された個人消費やコアPCE、10月米耐久財受注額が予想を下回ったためドル売りが先行。半面、10月米個人消費支出(PCE)や個人所得は予想を上回り、ドル買い戻しを誘った。なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視しているPCE価格指数(デフレーター)や変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは市場予想通りの結果となった。
ただ、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると再び売りに押された。米7年債入札後に米長期金利が低下幅を拡大したこともドル売りを促し、一時150.46円と10月21日以来の安値を更新した。明日の米感謝祭を前に取引参加者が少なく、市場流動性が低下。薄商いの中、値が振れやすい面もあった。
・ユーロ円は下げ渋り。シュナーベルECB専務理事の発言を受けて、ECBの大幅利下げ観測が後退するとユーロ売りが先行。19時過ぎに一時159.10円と10月2日以来の安値を更新した。ただ、売り一巡後はじりじりと買い戻しが入り、160.06円付近まで下げ幅を縮めた。ユーロドルの上昇につれた買いが相場を下支えした。
・ロンドン株式相場は小反発。前日の米国株高や自律反発狙いの買いが入ったものの、トランプ次期米政権の通商政策への懸念も根強く、上値は限定的だった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅続落。トランプ次期米政権による通商政策への懸念が相場の重しとなった。明日28日は米国が感謝祭の祝日で休場となるため、積極的な買いが入りにくい面もあった。個別ではザランド(2.05%安)やMTUエアロ・エンジンズ(1.58%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(1.41%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
27日の日経平均は大幅続落。終値は307円安の38134円。米国株の上昇は好感できず、3桁下落スタート。円高進行に対する警戒が高まり、安く始まった後も下押し圧力の強い地合いが続いた。前場では下げ幅を300円超に広げたものの、38000円は下回らなかった。しかし、後場は一段安となって一時下げ幅を400円超に拡大。14時台には38000円を割り込んだ。38000円を下回ったのは一瞬で、引けにかけては押し目を拾う動きも見られたが、戻りは鈍く300円を超える下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1700億円。業種別ではその他製品、医薬品、サービスなどが上昇した一方、輸送用機器、海運、非鉄金属などが下落した。公募・売り出しの価格が決まった関西電力<9503.T>が、商いを伴って3.9%高と大幅上昇。半面、円高を嫌ってトヨタ自動車<7203.T>が3.6%安と大きく下げており、自動車株が軒並み大幅安となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり270/値下がり1354。レーザーテックやディスコなど半導体株の一角が上昇。売買代金上位ではソフトバンクG、フジクラ、任天堂などの動きが良かった。自己株取得・消却を発表したオリエンタルランドと、この買い付けに応募する意向を示した京成電鉄が大幅上昇。決算が好感されたダイドーGHDが急騰した。
一方、半導体株は濃淡がついており、アドバンテストが大幅安。三菱重工や川崎重工など防衛関連が弱かった。川崎汽船、商船三井など海運株や、三井金属、東邦亜鉛など非鉄株が全般軟調。今期の最終赤字見通しを公表したダブルスコープが年初来安値を更新した。売り出しを発表したサンリオは、前日には上場来高値を更新していたこともあり、14.4%安と派手な下げとなった。
日経平均は連日の大幅安。日中の動きもきのうと似ており、安く始まって下げ幅を広げ、38000円近辺まで下げたところでは切り返した。ただ、きょうは一時38000円を割り込んでおり、円高がネガティブとなる銘柄の下げが大きかった。プライムの値下がり銘柄は1000を超えている。これらの動きを見る限り、悪材料はきのうで消化しきっていなかったと考えられる。トランプ氏が大統領に就任してもいない段階で、しかもSNSによる発信に対して2日連続で大幅安となるようでは、先が思いやられる。
米国は28日が感謝祭により休場で、きょうは積極的な売買は限られるだろう。26日の米国株の上昇はきょうの日本株にはまったくプラスに作用しなかっただけに、きょうの米国株が上昇したとしても、あすの日本株が買われるかどうかは微妙。米国株が感謝祭を前に利益確定売りに押された場合、ネガティブな材料にはしっかり下に反応する可能性がある。金曜29日は米株休場で材料難となるため、あすの日本株が弱かった場合には見切り売りが加速しやすい。日経平均、TOPIXともにきょうの終値は75日線に近く、一段安となればテクニカル面からも売りが出やすくなる。踏みとどまって年末株高への期待をつなぐことができるかどうか、あすの動きが大きく注目される。
(27日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.09円(前営業日比▲1.99円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.66円(▲0.92円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0566ドル(△0.0077ドル)
ダウ工業株30種平均:44722.06ドル(▲138.25ドル)
ナスダック総合株価指数:19060.48(▲115.10)
10年物米国債利回り:4.26%(▲0.04%)
WTI原油先物1月限:1バレル=68.72ドル(▲0.05ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2664.8ドル(△18.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期米国内総生産(GDP)改定値
(前期比年率) 2.8% 2.8%
個人消費改定値
(前期比年率) 3.5% 3.7%
コアPCE改定値
(前期比年率) 2.1% 2.2%
10月米耐久財受注額
(前月比) 0.2% ▲0.4%・改
輸送用機器を除く
(前月比) 0.1% 0.4%・改
10月米個人所得
(前月比) 0.6% 0.3%
10月米個人消費支出(PCE)
(前月比) 0.4% 0.6%・改
10月PCEデフレーター
(前年比) 2.3% 2.1%
10月PCEコアデフレーター
(前月比) 0.3% 0.3%
(前年比) 2.8% 2.7%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。7-9月期の米国内総生産(GDP)改定値は市場予想通りの結果となったものの、同時に発表された個人消費やコアPCE、10月米耐久財受注額が予想を下回ると全般ドル売りが先行した。ただ、その後発表の10月米個人消費支出(PCE)や個人所得が予想を上回ると買い戻しが入り、151.80円付近まで下げ渋る場面があった。なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視しているPCE価格指数(デフレーター)や変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは市場予想と一致した。
もっとも、月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると再び弱含んだ。米7年債入札後に米長期金利が低下幅を拡大したことも相場の重しとなり、一時150.46円と10月21日以来の安値を更新した。200日移動平均線が位置する152.00円を下抜けたことでテクニカル的にも売りが出やすかった。
・ユーロドルは反発。シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事が過度な利下げに慎重な姿勢を示したことから、ECBの大幅利下げ観測が後退。NY市場に入ってもユーロ買い・ドル売りが出た。米長期金利の低下に伴うドル売りや、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが観測されると一時1.0588ドルと日通し高値を更新した。明日28日の米感謝祭の祝日を前にポジション調整目的のドル売りも出たようだ。
・ユーロ円は続落。欧州市場では一時159.10円と10月2日以来の安値を付けたものの、NY市場では下げ渋る展開に。ユーロドルの上昇につれた買いが入ると、160.06円付近まで下げ幅を縮める場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日ぶりに反落。米景気の底堅さを背景に買いが入ると、プラス圏で推移する場面もあった。ただ、連日で史上最高値を更新したあとだけに、短期的な過熱感が意識されると次第に売りが優勢となった。明日28日の感謝祭の祝日を前に、持ち高調整目的の売りも出た。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。明日28日の感謝祭の祝日を前に、持ち高調整目的の買いが入った。7年債入札の結果が今週実施された2年債と5年債の入札に続いて「堅調」と受け止められたことも相場の支援材料。
・原油先物相場は小幅ながら3日続落。為替相場でドルが対ユーロなどで下落し、ドル建ての原油に割安感が生じたことが支えとなるも、中東情勢の緊張感が緩んだことが上値を圧迫し値動きは限られた。
また、米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で原油在庫が予想以上の取り崩しとなった一方で、ガソリンとディスティレート(留出油)在庫は予想以上の積み増しとなり、売り買いが交錯し方向感にはつながらなかった。
・金先物相場は上昇。為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての金に割安感が生じたことや、米長期金利が大幅低下したことが支えとなった。
トランプ次期米大統領は27日、米通商代表部(USTR)代表にジェイミーソン・グリア氏を指名した。
東海東京インテリジェンス・ラボでは欧州株に関して、予想されるECBやイングランド銀行による利下げ継続が引き続き支援材料になるとみる一方、第2次トランプ政権の政策を巡る不透明感やドイツ政局の混乱などは、上値を抑えることになりそうとコメントしている。当面の見通しについては、ここからの大幅な調整は予想していないものの、当面はやや上値の重い展開が継続する可能性が高いと考えている。
中国の国家統計局が27日に発表した統計によると、2024年1-10月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比4.3%減の5兆8680億4000万元だった。減少率は1-9月の3.5%から拡大した。
業種別では、非鉄金属精錬・圧延加工が40.0%増、電力・熱供給が13.8%増、コンピューター・通信・その他の電子設備製造が8.4%増、紡織が5.3%増、農産物加工が2.8%増となった。一方、汎用設備製造が0.1%減、石油・天然ガス採掘が1.8%減、自動車製造が3.2%減、電気機械・器材製造が5.1%減、専用設備製造が5.2%減、化学原料・化学製品製造が7.7%減、石炭採掘・選炭が23.7%減、非金属鉱物製品製造が49.6%減、石油・石炭・その他の燃料加工と鉄金属精錬・圧延加工が赤字転落した。
大和証券では、トランプ次期米大統領は株式市場が良いと捉えること、悪いと捉えることの双方に着手することになるとコメント。政策のプライオリティが重要と指摘している。注意しなくてはならない点として、大統領権限で推進できる事案はさほど市場フレンドリーではないことを挙げており、就任式直後や現実的な減税案の審議へ向かう来年夏から秋にかけてが、カレンダー上の注意点とみている。大和では減税や規制緩和を織り込み来年のS&P500の目標株価を6800ptとしているが、これらの時期については注意が必要と考えている。
27日05:47 バイデン米大統領
「レバノン停戦は現地時間午前4時に開始」
「停戦合意は60日間継続」
27日10:07 ニュージーランド準備銀行(RBNZ)声明
「経済状況が予測どおりに推移し続ければ、来年初めにOCRをさらに引き下げることができると予想」
「総合インフレが中間点に近づき、コアインフレ指標が中間点に収束していることから、委員会は金融政策の抑制を引き続き解除することに自信を深めている」
「2025年末時点の政策金利見通しは3.6%」
「2026年末時点の政策金利見通しは3.2%」
27日11:12 オアNZ準備銀行(中央銀行、RBNZ)総裁
「フォワード予測は2月の50bp利下げと整合性がとれている」
「軌道は8月よりも急激な金利低下を示唆」
「今日の会合では25bpや75bpの利下げは考慮しなかった」
「OCR(政策金利)は2025年末までに中立水準近辺に達する見通し」
「関税の引き上げはインフレを押し上げるというのがコンセンサス」
27日17:23 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「さらなる利下げには慎重になる必要がある」
「金融緩和は段階的に行うべきで、中立水準を下回るべきではない」
「中立金利は2-3%と推定され、現在の預金金利3.25%からそれほど遠くない」
「景気後退のリスクは現時点では見られない」
「インフレは2025年に2%目標に到達する見込み」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○臨時国会召集
<海外>
○09:00 ◇ 11月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 7-9月期豪民間設備投資(予想:前期比0.9%)
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:3.25%で据え置き)
○16:00 ◇ 10月トルコ貿易収支(予想:57億ドルの赤字)
○17:55 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○18:30 ◇ 10月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.3%/前年比▲0.2%)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:95.1)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲13.7)
○22:00 ◎ 11月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.2%/前年比2.3%)
○22:30 ◇ 7-9月期カナダ経常収支(予想:92.5億カナダドルの赤字)
○22:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:50 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○29日02:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○米国(感謝祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は売りが先行。7-9月期の米国内総生産(GDP)改定値は市場予想通りの結果となったものの、同時に発表された個人消費やコアPCE、10月米耐久財受注額が予想を下回り、全般ドル売りが強まった。下げ渋る場面もあったが、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローで一時150.46円と10月21日以来の安値を更新した。ユーロドルもフィキシングに絡んだドル売りが観測されると1.0588ドルと日通し高値を更新した。
本日の東京時間のドル円は上値が限られるか。昨日はドルの下げ幅が大きくなったことで、多少のドルの買い戻しが入る可能性はある。しかしながら、本日から米国市場は感謝祭休場となる。米金利を上昇させ、ドルを反転させるようなイベントに欠けるため、ドル円は引き続き上値が重い展開になりそうだ。
本日は本邦から市場を動意づけるような主だった経済指標の発表はない。対外対内証券売買契約等の状況が東京時間9時前に発表される程度であり、トレンドを作るような値動きになりにくいだろう。
経済イベントの予定は少ないものの、日米の政治動向には目を向けておきたい。日本では本日から臨時国会が召集される。10月末の総選挙後初めての論戦の場となることで、過半数を確保できていない与党の対応が注目される。なお、臨時国会の会期は12月21日までの24日間になる見込み。
米国からは予定にはないものの、トランプ次期大統領の動向が注目される。先日の関税についての発表がSNS(TruthSocial)で突如行われたが、今後も予告なく同氏が重要政策を発表する可能性もある。なお、日本時間早朝にシェインバウム・メキシコ大統領がトランプ氏と電話会談を開いたと伝わった。25%の関税導入についてメキシコやカナダの対応で、トランプ氏の動向に変化が生じた場合は市場が急に動意づくリスクはありそうだ。
ドル円以外では豪ドルの動きに警戒したい。本日はGDPの形成要素である7-9月期豪民間設備投資が発表される。市場では4-6月期の-2.2%から+0.9%程度まで上昇するとの予想になっている。市場予想と結果に開きが生じた場合には、豪ドルが動意づきそうだ。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 37800 -300 (-0.78%)
TOPIX先物 2647.0 -17.5 (-0.65%)
シカゴ日経平均先物 37810 -290
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
27日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。NYダウが連日で最高値を更新するなかで、短期的な過熱感が意識された。28日は感謝祭の祝日で休場、29日が短縮取引となることもあり、休暇に入る市場参加者も多く、持ち高調整の売りも出やすかった。また、2024年8-10月期決算と収益見通しが予想に届かなかったデル・テクノロジーズ<DELL>が急落し、ハイテク株の先行きに対して慎重姿勢を強めたことも重荷となった。
10月の米個人消費支出(PCE)は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視するPCEコア価格指数が前年同月比2.8%上昇と市場予想と一致した。7-9月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率2.8%増と予想通りで、個人消費は3.5%増と今年最大の増加率となったが、市場予想(3.7%増程度)には届かなかった。10月の米中古住宅販売成約指数は前月比2.0%上昇の77.4となり、予想(0.2%低下)に反して上昇。米新規失業保険申請件数が予想を下回るなど、米経済や労働市場の底堅さを示す経済指標の発表が下落する相場を下支えた。
NYダウ構成銘柄ではセールスフォース<CRM>やマイクロソフト<MSFT>、エヌビディア<NVDA>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が軟調。半面、ボーイング<BA>、ウォルト・ディズニー<DIS>、メルク<MRK>が買われた。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比290円安の3万7810円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比10円高の3万8110円で始まり、その後はショート優勢となり3万7890円まで売られた。売り一巡後はショートカバーが入る形で切り返し、米国市場の取引開始直後には一時3万8120円とプラスに転じる場面もみられた。ただし、ロングの動きは限られ、中盤にかけて下へのバイアスが強まると、3万7650円まで下落幅を広げた。終盤にショートカバーで下げ幅を縮めたが、3万7800円と節目の3万8000円を割り込んでナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、売り先行で始まりそうだ。ナイトセッションで開始直後に3万7890円まで売られ、その後プラス圏を回復する場面もみられたが、75日移動平均線(3万8080円)をキープできず、同線を明確に下放れる形状となった。ボリンジャーバンドの-2σ(3万7610円)近辺まで下げたことで、同水準ではショートカバーが入る可能性はありそうだが、海外勢のフローが減少するなかでリバウンド狙いのロングは限られよう。
薄商いのなかでスキャルピング中心のトレードを余儀なくされるため、トレンドは出にくいとみられる。75日線近辺には-1σ(3万8150円)が位置しており、-1σと-2σ辺りのレンジ推移が意識されやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万7625円から3万8125円のレンジを想定する。節目の3万8000円近辺で上値の重さがみられると、短期的にショートを仕掛けてくる動きが強まりそうだ。
また、為替市場では円相場が一時1ドル=150円台に円高が進行している。再び150円台に乗せてくる動きとなれば、ショートを入れやすくなるだろう。
27日の米VIX指数は14.10(前日は14.10)と変わらずだった。一時15.13まで上昇する場面もみられたが、前日の価格水準での値動きであり、引き続き14日につけた直近安値13.59が意識されている。米景気や労働市場の底堅さを示す経済指標の発表が続いており、米国ではリスク選好が強まりそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.29倍に上昇した。200日線(14.28倍)水準で始まり、一時14.24倍に低下する場面もみられた。ただし、その後は200日線を突破し、75日線(14.31倍)を捉えている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が軟調だったが、円高を嫌気した輸出関連株の弱さがTOPIX型の重荷となった。為替を睨んでの展開になりそうだが、持ち高調整に伴うリバランスによって、NTショートを巻き戻す動きが入る展開が意識されよう。
昨日のドル円は、米国の感謝祭休暇を前にして、終始ファンド勢のポジション調整が進む動きとなりました。重要なサポートレベルとして意識されていた200日MAが位置する152.00円や6日の安値151.30円を下抜けるとSLを巻き込むかたちで下げ足を速め一時151.00円まで売り込まれました。NY時間に入って片付け仕事のように次々と公表された米指標。10月米PCEや米個人所得などが予想を上回ったことから151.80円まで買戻される場面もみられましたが、米7年債入札後に米長期金利が再び低下幅をひろげると150.46円まで売り込まれました。引けにかけては米金利が低下幅を縮めるにつれて151.19円まで値を戻して休暇入りしています。
そして、感謝祭当日のアジア市場。早朝から本邦実需の買いが断続的に観測されているほか、トランプ次期米大統領が2日前と同様に、自身のSNSであるtruthsocialで「シャインバウムメキシコ大統領と会談し、メキシコ経由の移民流入阻止で合意した。事実上、南国境を閉鎖した」ことを表明。メキシコペソが急騰しているほか、寄付きから330円を超える下落となっていた日経平均も38000円台を回復するなど、リスクオン的な動きとなっているといったところ。
いずれにしても、市場では感謝祭でメインの市場参加者が不在となるなか、次期米大統領、いや既に、現大統領と言ってもいいほどの影響力を発揮しているトランプ専用SNSのアプリインストールとアカウント作成の作業に勤しんでいる状況。ドル円は、1円、2円当たり前の上下を繰返すといったスカスカの流動性のなかにあって、NY時間の高値151.80円や200日MAの152.00円を意識する展開となっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円高の3万8220円(+0.31%)前後で推移。寄り付きは3万7890円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7810円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万7800円まで売られたが下へのバイアスは強まらず、反対にリバウンド狙いのロングが優勢となるなか、中盤にかけて上昇に転じた。75日移動平均線(3万8090円)を回復してきたことでショートカバーを狙ったロングの動きが強まり、終盤にかけては一時3万8390円まで上げ幅を広げる場面もみられた。
日経225先物は、ナイトセッションで3万7650円まで売られたが、ボリンジャーバンドの-2σ水準まで下げたことで、いったんはリバウンドが意識されたようだ。また、取引開始後の下げが限定的だったほか、為替市場では円高が一服したこともロングに向かわせるきっかけになったとみられる。市場参加者が限られているなか、短期的なトレードにおいても値幅が出やすい面もあった。ただし、一時3万8390円まで買われ、200日線(3万8390円)水準まで一気に戻している。一段とショートカバーが入る可能性がある反面、目先的には達成感が意識されやすくなると考えられ、後場は200日線近辺での攻防になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.29倍と横ばいで推移している。一時14.23倍まで低下する場面もみられたが、その後は14.33倍まで切り返しており、200日線(14.28倍)水準から75日線(14.31倍)を捉えている。日経225先物が200日線を上回ってくる局面となるようだと、NTショートの巻き戻しに向かわせやすい。
本日のロンドン為替市場では、昨日のユーロドル上昇のきっかけとなった欧州中央銀行(ECB)メンバーの発言をもう暫く咀嚼(そしゃく)しながら、午後の11月独インフレ指標や欧州金融当局者の講演を待つ展開か。また昨日同様に月末に絡んだフローに注意し、地政学リスクやトランプ関税リスクの強弱にも目を向けておく必要はあるだろう。
昨日はシュナーベルECB専務理事が、過度な利下げに慎重な姿勢を示した。同専務理事の金融スタンスはタカ派と見られているため、決してビッグサプライズではない。ただ市場で溜まったユーロショートを買い戻すきっかけとなったようだ。
本日は11月独消費者物価指数(CPI)の後に、フランスとオランダの中銀総裁が講演予定。特にシュナーベル氏よりもタカ派とされるクノット・オランダ中銀総裁は、昨日以上に追加利下げに対して消極的な姿勢を示す可能性はあるだろう。そこでユーロ相場がどのような反応をするのかが注目となる。
11月独CPIは前年比2.3%と前回を0.3ポイント上振れが予想されている。2カ月連続の加速であり、9月の1.6%で底打ち感が出てくるようだと、シュナーベル氏の慎重論を後押しすることになるだろう。米国が感謝祭の祝日で材料不足のなか、結果の上下振れでユーロドルが動意付く可能性はある。
ウクライナ・ロシア戦争に関してはトランプ次期米大統領が昨日、戦争終結に向けた特使ポストにケロッグ退役陸軍中将を起用すると述べた。ケロッグ氏の終結案は現状の前線をもとにして交渉を始めるとしており、そのままではウクライナが受け入れないと見られている。地政学リスクへの警戒感はなかなか緩みそうにないか。
トランプ関税については、昨日メキシコがトランプ関税に対する報復関税を示唆したことが昨日伝わった。もっとも東京時間に入るとトランプ氏は、メキシコ大統領と不法移民問題の解決で合意したことをSNSで投稿し、これをきっかけにメキシコペソは急騰。リスクセンチメントの改善につながっている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、21日移動平均線1.0640ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0473ドル
(28日15時時点)
ドル円:1ドル=151.52円(前営業日NY終値比△0.43円)
ユーロ円:1ユーロ=159.86円(△0.23円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0550ドル(▲0.0016ドル)
日経平均株価:38349.06円(前営業日比△214.09円)
東証株価指数(TOPIX):2687.28(△21.94)
債券先物12月物:143.02円(△0.22円)
新発10年物国債利回り:1.050%(▲0.020%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.36200%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
7737億円の処分超 9647億円の処分超・改
対内株式
4460億円の処分超 1235億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・メキシコペソは急伸。トランプ次期大統領がSNSのTruthSocialでシャインバウム・メキシコ大統領と会談し、「メキシコ大統領はメキシコを経由しての米国への移民を止めることに同意し、事実上、南国境を閉鎖した」と発表。米国のメキシコに対する関税賦課が中止されるのではないかとの憶測が高まり、対ドルで20.3824ペソ、対円で7.44円まで急騰した。
・ドル円は強含み。メキシコペソ円の上昇につれる形で買いが強まった。330円超下落していた日経平均株価が250円高近く一転上昇したことも支えとなり、一時151.75円まで値を上げた。その後は151円台半ばを中心としたもみ合いが続いた。
・ユーロ円は方向感が定まらない。午前はペソ円の上昇が波及して160.13円まで強含んだが、ユーロドルが下落したため次第に上値が重くなった。
・ユーロドルはじり安。昨日の上昇に対する反動から東京市場では売りが目立ち1.0543ドルまで下押しした。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反発。昨日の米国株安が波及して売られて始まったが、米政府による中国半導体規制に対する警戒感が後退すると東京エレクトロンなどに買いが集まり反発した。
・債券先物相場は反発。前日NY市場にて米国債が買われた流れを引き継いで始まった。日銀の買い入れオペが需給の引き締まりを意識した結果だったことも支えとなった。
フランスとドイツの政治的・経済的課題が欧州市場の中心的な話題となっている。フランスでは予算をめぐる対立が政権崩壊の危機をもたらし、株式市場と債券市場に影響を与えている。また、ドイツでは11月のインフレデータが注目され、10月の2.4%から2.6%に上昇すると予想されているが、消費者信頼感の低下や経済縮小の予測など、ドイツ経済の弱さを示す兆候が見られている。両国の不安定さは欧州全体の経済見通しに影響を与える可能性があると専門家は指摘している。
フランスのバルニエ首相が提案した予算案に対する国民の不満が高まっている。Ifop-Fiducialの世論調査によると、53%のフランス人が政権崩壊を望んでおり、67%が予算案に反対しているとのこと。バルニエ首相の予算案は600億ユーロの増税と歳出削減を通じて財政赤字を削減することを目指しているが、極右と左派の反対により政権が早ければ来週にも崩壊する可能性がある。また、別の世論調査では、バルニエ政権が崩壊した場合、63%がマクロン大統領の辞任を求めているという。
「1月20日の就任式の直後に、メキシコとカナダからのすべての輸入品に25%の関税を課す大統領令に署名する」(トランプ次期米大統領)
トランプ第47代米大統領は、国際貿易における比較優位や貿易収支の背景を理解できていないため、第2次トランプ米政権では、景気悪化と物価上昇が併存するスタグフレーションの様相が強まることが警戒されている。
第2次トランプ米政権では、国内向けには、「減税・雇用法(トランプ減税)」を延長し、2017年に35%から21%に引き下げた法人税率を、製造業者についてはさらに15%に引き下げるといった減税案を提示している。
国外向けには、減税分を補填するために、「トランプ関税」(対中国60%、同盟国10-20%)を課す、と公約している。
すなわち、第2次トランプ米政権では、国内の需要が喚起されて、国外からの供給を遮断するため、インフレ圧力は強まり、貿易赤字は拡大することになる。
第2次トランプ米政権での貿易戦争の武器を確認しておきたい。
■1930年関税法(スムート・ホーリー法):第338条
1929年に世界大恐慌が起きた際、フーバー米政権は国内企業を守るために保護主義的傾向を強め、1930年に広範囲な輸入品に高い関税を課す「スムート・ホーリー法」を成立させた。第338条は、アメリカ製品を不公正に扱う国(※中国)の製品に対して、一方的に最高50%の関税をかける権限を大統領に与えている。そして、事態の改善が見られなければ中国からの輸入を全面的に禁止することも可能となっている。
当時、米国の平均関税率は38%~42%まで上昇したが、欧州諸国も報復的関税措置を打ち出したため、世界で保護主義傾向が強まり、第2次世界大戦の遠因となった。
■1974年包括通商法:301条
第1次トランプ政権では、中国の不当な補助金や為替操作、知的財産の盗用などを理由に関税(※25%)をかけた。中国には不公正な慣行があるとして、大統領権限のみで関税を課す(※60%)ことが可能だ。
■1962年通商拡大法:232条
第1次トランプ政権では、国家安全保障のために関税を利用する権限を大統領に与えた条項を根拠に、中国からの鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を引き上げた。
■1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)
米国大統領は、国家の緊急事態を宣言することで、中国に対して高い関税を課す権限を与えられている。
大阪12月限
日経225先物 38380 +280 (+0.73%)
TOPIX先物 2688.0 +23.5 (+0.88%)
日経225先物(12月限)は前日比280円高の3万8380円で取引を終了。寄り付きは3万7890円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7810円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。現物の寄り付き直後に3万7800円まで売られたが、下へのバイアスは強まらず、反対にリバウンド狙いのロングが優勢となり、前場中盤にかけて上昇に転じた。75日移動平均線(3万8090円)を回復してきたことでショートカバーを狙ったロングが強まり、前場終盤にかけて3万8390円まで上げ幅を広げ、後場中盤には一時3万8490円と節目の3万8500円に迫る場面もみられた。終盤にかけては持ち高調整に伴うロングの解消もあって上げ幅を縮めたものの、200日線(3万8390円)水準での底堅い値動きとなった。
日経225先物は、ナイトセッションで3万7650円まで売られたが、ボリンジャーバンドの-2σ水準まで下げたことで、いったんはリバウンドが意識されたようだ。また、取引開始後の下げが限定的だったほか、為替市場で円高が一服したこともロングに向かわせるきっかけになったとみられる。さらに米メディアが「米国による対中半導体規制について、想定されていたより厳しい内容にはならない」と報じた。これをきっかけに東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など半導体株の一角が買い戻されたことも、ロングでの対応を促したようだ。
もっとも、アドバンテスト <6857.T> [東証P]は4日続落と調整を続けており、ロングに転換したというよりは、リバランスが中心だったと考えられる。東証プライムの売買高は16億株台にとどまっているが、薄商いの中でのインデックスに絡んだ商いの影響で、東証33業種はすべて上昇した。
市場参加者が限られるなか、先物市場でも短期的なトレードながら、値幅が出やすい面もあった。3万8000円割れでの押し目待ち狙いの買い意欲の強さに対して、節目の3万8500円突破を仕掛けてくる動きはなく、米国が休場で手掛かり材料に欠けるなかでは、200日線辺りで狭いレンジでの取引が続きそうである。
そのため、200日線水準での攻防が続くとみられ、オプション権利行使価格の3万8375円を中心とした上下の権利行使価格である3万8125円から3万8625円のレンジを想定する。200日線を明確に上回ってくるようであれば25日線(3万8710円)を意識した値動きに向かう可能性があるが、オーバーウィークのポジションを取りに行く動きは考えに難く、3万8500円辺りからは戻り待ち狙いのショートに向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.27倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が買われ、一時14.33倍まで上昇し、75日線(14.31倍)を捉える場面もみられた。ただし、円相場が落ち着いた値動きのなかで輸出関連株の一角が買われたほか、東証プライムの7割超の銘柄が上昇しており、ややTOPIX型が優位だった。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万4337枚、ソシエテジェネラル証券が1万6291枚、日産証券が8630枚、サスケハナ・ホンコンが6503枚、バークレイズ証券が2150枚、モルガンMUFG証券が1939枚、楽天証券が1736枚、JPモルガン証券が1681枚、SBI証券が1546枚、みずほ証券が1322枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万5961枚、ソシエテジェネラル証券が2万0307枚、日産証券が1万0390枚、バークレイズ証券が5728枚、サスケハナ・ホンコンが5076枚、モルガンMUFG証券が3886枚、JPモルガン証券が3140枚、ゴールドマン証券が1744枚、みずほ証券が1517枚、野村証券が1472枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米国が感謝祭休場で閑散取引となる中、トランプ次期米大統領によるSNS などでの突発的な発言やウクライナ、中東情勢に関するヘッドラインに警戒していく展開となる。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの10月分は前年比+2.3%と発表され、9月の同比+2.1%から伸び率が上昇していた。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月FOMCでの0.25%の利下げの確率は65%程度、据え置き確率は35%程度になっている。
今後は、12月6日に発表される11月の米雇用統計などで12月FOMCでの追加利下げ、あるいは据え置きの確率を見極めていくことになる。
11月失業率は4.2%と予想されており、10月の4.1%からの上昇が見込まれ、非農業部門雇用者数は前月比+20.0万人と予想されており、10月の同比+1.2万人からの増加が見込まれている。
10月の非農業部門雇用者数は、ハリケーンやストライキの影響で+1.2万人に留まっていたことで、どの程度上方修正されるのかにも注目しておきたい。
また、今後のリスクシナリオとして、ベッセント次期米財務長官やトランプ次期米大統領によるドル安牽制発言の可能性を警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、同様の発言の可能性には警戒しておきたい。
さらに、ウクライナ戦争や中東での紛争を巡る関連ヘッドラインには引き続き警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、153.18円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、150.46円(11/27安値)
一部報道が伝えたところによる、米政府は追加の対中半導体規制を課す用意があるという。ただ、従来ほど踏み込んだ内容ではないとのこと。
今晩は感謝祭の祝日のためNY株式市場が休場となります。
中国の工業情報化部は25日、高速通信規格「5G」の応用を振興する措置を公表した。5Gを大規模に導入して産業チェーン全般を支え、新型工業化と情報通信業の現代化につなげる。振興措置は「5G大規模応用「揚帆(帆を掲げる)」行動高度化法案」として工業情報化部など12部局が共同で各地方の傘下機関に通達し、実施を指示した。
行動方案は、2027年末までに「能力の普遍性、応用の普及、エンパワーメント・インクルーシブ」を発展させる体制を構築し、5Gの大規模応用を全面的に実現する目標を掲げた。主な内容は次の通り。 ◇5G大規模なエンパワーメントの突出した成果:個人ユーザーの5G普及率が85%超、5Gネットワーク接続のトラフィック比率が75%超となり、新たな5G消費体験が継続的に豊かになる。工場、病院、観光地などの重点業界で、5G応用をリードする一群の事例を打ち立て、業界のデジタル化による転換・高度化につなげる。5G対応IoT(モノのインターネット)端末の接続数が1億台を超え、大型・中型の工業企業における5G応用の浸透率が45%に達する。
◇5G産業供給の継続的な拡充:5G-A(5Gアドバンス)の国際基準作りへの参画をいっそう深め、国内の5G業界基準体系の整備を加速して、5G融合応用の基準が150項目を超える。5G融合応用の産業体系が健全になり、5Gとデジタル技術の深い融合が続いて半導体チップモジュール、特定業界で使われる専用端末、仮想専用ネットワーク(VPN)、業界をまたいで5G関連の技術やリソースを共有できるプラットフォームなどの重要な供給能力を向上させ、1000種類以上の革新的な業界向け端末モジュール製品を開発する。
◇5Gネットワーク能力の大幅な向上:5Gカバレッジの広さと深さが継続的に拡大。1万人あたりの5G基地局数が38に達し、5Gネットワークの滞在率が85%を超え、IPアドレスの新規格「IPv6」の技術を全面的にサポートする。ニーズに応じて5Gネットワークの5G-Aへの高度化を進め、地級市クラス以上の都市で5G-A超広帯域性能を実現する。業界向け5G仮想専用ネットワークを7万件構築し、エッジコンピューティング拠点5000カ所の建設を促進。「通信、感知、計算、知能」を深く融合させた新型デジタル基盤を形成する。
◇5G応用エコシステムの繁栄加速:5G応用を大規模に発展させる一群の都市の建設を推進。200社の5G応用ソリューションプロバイダーを育成し、特色が鮮明な5G応用のイノベーティブなインフラを50構築する。主要分野において、5G応用の安全基準を5項目以上策定し、5G発展に適応した安全保障体系を構築する。大企業と中小企業の協調発展や段階的成長の良好な態勢が徐々に形成され、グローバルなオープンコラボレーションエコシステムが日増しに整備されていく。
日経平均株価は反発。38000円割れのスタートから次第に持ち直す動きとなり、前日の陰線高値(38332円)を上回って取引を終了。3日ぶりの陽線となり、75日移動平均線(38164円 11/28)上を保って終えた。
RSI(9日)は前日の42.0%→44.3%(11/28)に上昇。転換線(38427円 同)や5日移動平均線(38398円 同)、10日移動平均線(38364円 同)などの水準が上値抵抗として意識された。あすは転換線が横ばいに変化する可能性が高く、同線や雲上限(38513円 11/29)などを超える勢いにつながるかが焦点となる。
一方、上値にはフシが集中しており、寄り付きから強い動きでもない限りは買い一巡後に押し戻される動きが続きやすい局面に変わりない
上値メドは、25日移動平均線(38665円 同)、心理的節目の39000円や39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)などがある。下値メドは、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、9/17安値(35828円)などがある。
野村証券では海運株に関して、中東情勢の正常化や米国の政権交代に伴う関税引き上げの可能性はネガティブな情報となることから、トップダウンの観点ではセクター株式を「オーバーウエート」にすることは難しいとしながらも、仮にいったんネガティブに評価されても、その後に再評価が進むと考えている。(1)低PBR、高水準の株主還元の魅力が再注目されること、(2)実は紅海の運航再開は進みにくく、米国による関税引き上げが実施されてもいったんは米国の小売業者が在庫水準を引き上げることによりコンテナ船の輸送量が増加する可能性があること、(3)米国で生産している製品が少なく、結局は輸送量に大きな影響がないこと―などが確認されるとみていることを、その理由として挙げている。
(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.49円(28日15時時点比▲0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.86円(△横ばい)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0553ドル(△0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:8281.22(前営業日比△6.47)
ドイツ株式指数(DAX):19425.73(△163.98)
10年物英国債利回り:4.275%(▲0.020%)
10年物独国債利回り:2.127%(▲0.033%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月ユーロ圏消費者信頼感指数
(確定値) ▲13.7 ▲13.7
11月ユーロ圏経済信頼感指数
95.8 95.7・改
11月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) ▲0.2% 0.4%
(前年比) 2.2% 2.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。「米政権の検討している追加の対中半導体規制が以前想定されていたより厳しい措置には至らない見通し」との一部報道を受けて、投資家心理が改善すると欧州株相場が上昇。リスク・オンの円売り・ドル買いが先行し、一時151.95円と日通し高値を更新した。トランプ次期米大統領の関税政策に対する過度な警戒が後退する中、対メキシコペソ中心に円売りが強まった影響も受けた。
ただ、200日移動平均線が位置する152.00円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。NY市場が感謝祭の祝日で休場となる中、24時過ぎには151.41円付近まで下押しした。
なお、メキシコペソ円は19時30分前に7.52円まで値を上げたものの、NY時間に入ると7.41円付近まで上げ幅を縮めた。
・ユーロドルは一進一退。米感謝祭当日で市場参加者が極端に減少する中、目先のポジション調整が相場を主導した。米政府による中国半導体規制に対する警戒感の後退で欧州株相場が上昇するとユーロ買い・ドル売りが入った。半面、アルマン仏財務相は「予算が可決されなければフランスが制御不能に陥るリスク」などと発言。連立政権が崩壊し総選挙を前倒しして行うことになったドイツに続き、予算成立が危ぶまれるフランスでも政権崩壊の可能性が意識された。ビルロワドガロー仏中銀総裁が「12月に利下げする理由は十分にあり、規模についてはオープンな姿勢を維持すべき」と述べたことも相場の重しとなった。
・ユーロ円は日本時間夕刻に一時160.34円と日通し高値を付けたものの、NY市場に入ると159.57円付近まで下押しした。もっとも、東京時間に付けた日通し安値159.51円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。
米市場が感謝祭で休場のため積極的な売買が手控えられ、狭いレンジでもみ合った。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。米政府による中国半導体規制に対する警戒感が後退すると買い先行で始まったものの、そのあとは次第に値動きが細った。米国が感謝祭の祝日で休場となったため、積極的な売買は手控えられた。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が買われた半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。「米政権の検討している追加の対中半導体規制が以前想定されていたより厳しい措置には至らない見通し」との報道を受けて投資家心理が改善すると、買いが広がった。個別ではエアバス(4.15%高)やシーメンス・エナジー(3.64%高)、ダイムラー・トラック・ホールディング(2.60%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
28日の日経平均は3日ぶり反発。終値は214円高の38349円。米国株安と円高進行を受けて、3桁安スタート。開始直後には下げ幅を300円超に広げた。しかし、東京時間で円高に一服感が出てきたことから、早々に下げ止まって反転した。10時台には米国の中国に対する半導体規制が想定されたほど厳しいものにはならないといったニュースが伝わり、東京エレクトロン<8035.T>が急伸。指数も同じタイミングでプラス転換し、上げ幅を3桁に広げた。そこからしばらく強い基調が続き、上げ幅を300円超に拡大。13時台半ばに節目の38500円に接近したところでは上値が重くなったものの、200円を超える上昇で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1700億円。業種別では全33業種が上昇。その他製品、水産・農林、食料品などが強い上昇となった一方、精密機器、不動産、サービスなどが小幅な上昇にとどまった。6.7%高となった東京エレクトロンに刺激されて半導体株の値動きが大きくなっており、KOKUSAI ELECTRIC<6525.T>が12.6%高と急騰。ストップ高まで買われる場面もあった。半面、半導体株が全面高となったわけではなく、アドバンテスト<6857.T>は3.5%安と大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1179/値下がり405。半導体株では東京エレクトロン、コクサイエレのほか、SCREENやソシオネクストが大幅上昇。前日売り出しを発表して急落したサンリオが商いを伴って買いを集めた。12.8%高と急騰したT&Dは、IR説明会の内容が評価されたもよう。決算を材料にカシオが急伸した。
一方、アドバンテストのほか、レーザーテックやディスコが下落。主力どころでは、川崎重工やフジクラが弱かった。東京メトロが商いを伴って3%安。証券会社がレーティングを引き下げたリコーが大幅に下落した。民事再生手続きの申し立てを発表した日本電解は売りが殺到してストップ安比例配分となった。
本日、グロース市場に新規上場したククレブ・アドバイザーズは、高い初値をつけたものの、終値は初値を下回り安値引けとなった。
日経平均は大幅高。東京エレクトロンが全体の押し目買い機運を高めるのに一役買った。ただ、同じ半導体株でも買われるものとそうでないものの濃淡がかなりついた。本日の米国は感謝祭により休場で、あすは材料難となる。それを見越してきょうは値幅が出た銘柄にひとまず乗る動きが活発になった可能性もあるだけに、大幅高となった銘柄のあすの値動きには注意を払う必要がある。一転して売られる銘柄が多いようなら、きょうは単なるマネーゲームであったと解釈される。
きょう大幅安になってしまうとチャートが崩れることでセンチメントが大きく悪化するリスクがあっただけに、プラスで終えられたことはポジティブ。終値(38349円)では節目の38000円や75日線(38164円、28日時点)を上回った。業種別で全33業種がプラスとなったことは、底打ちへの期待を高める。円高は引き続き警戒材料ではあるものの、きょうの反動があす出てこなければ、38000円割れは買い場との見方が強まり、下値が固くなってくるだろう。
28日09:19 トランプ次期米大統領
(SNSのTruthSocialより)
「メキシコのシャインバウム大統領と素晴らしい会話を交わした」
「彼女(シャインバウム大統領)はメキシコを経由しての米国への移民を止めることに同意し、事実上、南国境を閉鎖した」
「我々はまた、米国への大量の麻薬流入を止めるために何ができるか、そして麻薬の米国での消費についても話した。とても生産的な会話だった!」
28日12:37 シルクRBNZ総裁補
「2月に25bpまたは50bpの利下げが検討される」
「今週はあらゆることが検討されたが、委員会は50bp利下げで非常に迅速に合意に達した」
「国内インフレについてまだやるべきことがあるため、50bp以上の利下げは必要ないと感じた」
「コアインフレが目標中間点に持続的に維持されるようにする必要がある」
28日15:18 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「敵対的な貿易戦争は世界経済成長を損なうリスク」
「EUは報復ではなく交渉すべき」
「世界需要が落ち込んでいるのに、どうしてアメリカを再び偉大にできるのか」
「欧州はトランプ氏の2期目を脅威から応えるべき課題に変える必要がある」
28日16:28 中国商務省報道官
「中国の一方的な関税引き上げに反対する立場は一貫している」
「貿易相手国に対して恣意的に関税を課すことで、米国自身の問題を解決することはできない」
28日16:41 アルマン仏財務相
「予算が可決されなければフランスが制御不能に陥るリスク」
28日17:59 ブロックRBA総裁
「コアインフレが目標上回っており当面利下げしない」
「インフレ目標達成を確信するまで制約的政策を維持する」
「関税で米インフレ高進の可能性、今後6カ月間の豪インフレには影響せず」
「インフレ2.5%を目指す、緩やかな鈍化傾向なら利下げをいずれ検討」
28日19:24 プーチン露大統領
「ウクライナへの対応として、中距離弾道ミサイル(IRBM)の使用を継続する可能性」
「来年、ロシアはミサイル生産を25-30%増加させる予定」
28日22:45 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「利下げの可能性についていかなる会合も排除すべきではない」
「12月に利下げする理由は十分にある」
「中立水準を下回る金利を排除することはない」
「ECBには制限的な政策を撤廃する大きな余地がある」
「12月利下げの規模にはオープンな姿勢を維持すべき」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 10月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 10月有効求人倍率(予想:1.24倍)
○08:30 ◎ 11月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比2.1%)
○08:50 ◎ 10月鉱工業生産速報(予想:前月比4.0%/前年比2.0%)
○08:50 ◇ 10月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比2.2%)
○14:00 ◇ 10月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲2.0%)
○14:00 ◇ 11月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:36.5)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
〇石破首相、所信表明演説
<海外>
○16:00 ◎ 7-9月期スウェーデン国内総生産(GDP、予想:前期比▲0.1%)
○16:00 ◎ 7-9月期トルコGDP(予想:前年比2.6%)
○16:00 ◇ 10月独輸入物価指数(予想:前月比0.1%/前年比▲1.2%)
○16:00 ◎ 10月独小売売上高(予想:前月比▲0.5%/前年比3.3%)
○16:45 ◇ 10月仏消費支出(予想:前月比0.1%)
○16:45 ◇ 11月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比1.5%)
○16:45 ◇ 10月仏卸売物価指数(PPI)
○16:45 ◎ 7-9月期仏GDP改定値(予想:前期比0.4%)
○17:00 ◇ 11月スイスKOF景気先行指数(予想:100.0)
○17:00 ◎ 7-9月期スイスGDP(予想:前期比0.4%/前年比1.8%)
○17:55 ◎ 11月独雇用統計(予想:失業率6.1%/失業者数変化2.00万人)
○18:30 ◇ 10月英消費者信用残高(予想:13億ポンド)
○18:30 ◇ 10月英マネーサプライM4
○19:00 ☆ 11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.3%)
○19:00 ☆ 11月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.8%)
○19:30 ☆ 7-9月期インドGDP(予想:前年同期比6.5%)
○21:00 ◎ 10月南アフリカ貿易収支(予想:33億ランドの黒字)
○22:30 ☆ 9月カナダGDP(予想:前月比0.3%/前年比1.6%)
☆ 7-9月期カナダGDP(予想:前期比1.0%)
○感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場は短縮取引
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は欧州時間に一時151.95円と日通し高値を付けた。「米政権の検討している追加の対中半導体規制が以前想定されていたより厳しい措置には至らない見通し」との一部報道を受けて、投資家心理が改善すると欧州株相場が上昇。リスク・オンの円売り・ドル買いが先行した。ただ徐々に上値が重くなり151.41円付近まで下押しした。ユーロドルは米感謝祭の祝日で市場参加者が極端に減少していることで1.05ドル半ばを中心に小動きだった。
本日の東京時間でドル円は、まずは日本時間8時半に発表予定の11月東京都区部消費者物価指数(CPI)が注目される。市場では生鮮食品を除いたCPIは前年同月比で前月の1.8%増から2.1%増程度の上昇予想となっている。今回の結果が予想から上振れなくても、予想通りで前月よりも上昇していることが確認できれば、来月18-19日の日銀政策決定会合での利上げ期待が高まることになりそうだ。
市場の利上げ期待が高いのは、10月に石破氏が自民党総裁に着任した後に、植田総裁は「経済物価が見通し通り動けば緩和の度合いを調整するが、本当にそうか見極める時間があるので丁寧にやる」と発言したいわゆる「時間がある」発言を、10月の総選挙が終わった10月31日に、一転して植田総裁は「時間的な余裕があるは今後使わない」とこれまでの発言を否定したことが要因になっている。しかも、その間に発表された本邦の経済指標は下記のようにCPIのコアコア以外は決して、利上げを促すような結果ではなかった。
・全国CPI(コア)・・・(植田総裁の「時間がある発言」前に発表された8月分2.8%)、9月2.4%、10月2.3%。
・全国CPI(コアコア)・・・(8月2.0%)、9月2.1%、10月2.3%
・実質賃金・・・(7月0.3%)、8月-0.8%、9月-0.4%(注:9月は11月22日に-0.1%から下方修正)
・実質GDP前期比年率・・・(4-6月期2.2%)、7-9月期0.9%、(注:4-6月期は11月15日に2.9%から2.2%へ大幅下方修正)
さらに、今週26日に発表された10月全国CPIの刈込平均値も1.5%まで低下し、8月1.8%、9月1.7%よりも更に低くなっている。
このような状況下でもあるのに利上げ期待が変わらないのは、総選挙が終わったことで、もともとは利上げに理解を示していた石破首相が日銀の利上げに賛成し、12月は結果ありきとなる可能性が高いからだ。よって、本日発表される東京都区部CPIは余程低下しない限りは、12月利上げ期待による円買いの方が動意づきやすくなりそうだ。
東京都区部のCPI以外では、本日も引き続き政治的な動向に注目したい。石破首相は本日所信表明演説を行い、「年収103万円の壁」の見直しなどを表明することになる。本邦の政治情勢で市場が動くことは稀ではあるが、少数与党となっていることでこれまでとは異なった政局であり、警戒は怠らないようにしたい。
また、引き続きトランプ次期大統領のSNS(TruthSocial)にも要注目。昨日も東京時間午前にシェインバウム・メキシコ大統領との会談内容についてSNSで発表し、メキシコペソが大きく動意づいた。引き続きトランプ氏の動向が市場へ大きな影響を与える可能性が高いので、SNSから目が離せない4年間になるだろう。
なお、アジア時間では相場の材料にはなりにくいが、引き続きウクライナとロシア間の戦争が激化していることにも要注目。プーチン露大統領は、ウクライナが米国と英国の長距離兵器を使用したことに対する報復として、新型弾道ミサイル「オレシュニク」でキエフの中枢部を標的にすると発言している。週末を含め、両国間での戦闘状況にも目を向ける必要がありそうだ。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38300 -80 (-0.20%)
TOPIX先物 2682.0 -6.0 (-0.22%)
シカゴ日経平均先物 38300 -80 (午前3時)
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
28日の米国市場は、感謝祭の祝日で休場。欧州市場は流動性の高い銘柄で算出されるストックス欧州600指数が上昇。ドイツDAX指数、英FTSE100指数なども上昇した。ドイツでは11月の消費者物価指数(CPI)速報値が前年比2.4%の上昇となり、予想(2.6%上昇)を下回った。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値(午前3時)は、大阪比80円安の3万8300円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比10円安の3万8370円で始まり、その後はプラスに転じ、一時3万8440円まで買われた。ただし、米国市場が休場で手掛かり材料に欠けるなかで軟化し、日中終値を挟んでの狭いレンジでの推移を継続。中盤にかけて3万8250円まで下げた後は、終盤にかけては3万8300円辺りでのこう着が続き、3万8300円でナイトセッションの取引を終えた。
海外勢のフローが限られるなか、日経225先物は200日移動平均線(3万8410円)辺りでのこう着感の強い相場展開になりそうだ。昨日はリバウンドをみせたが、3万8500円接近では戻り待ち狙いのショートに向かわせたほか、終値では200日線をキープできなかった。また、昨日は米国の祝日を前にしたリバランスの商いが入ったとみられ、為替市場では円相場が1ドル=151円台半ばと落ち着いているものの、ロングの動きは強まりにくいだろう。
スキャルピング中心のトレードを余儀なくされるなか、短期的には200日線を捉え、節目の3万8500円を試す動きはありそうだが、同水準の突破を仕掛けてくる動きは期待しづらいところである。下値についても積極的なショートの動きは限られるだろう。ボリンジャーバンドの-2σ(3万8220円)が支持線として意識されるほか、これを下回っても節目の3万8000円接近では、その後のカバーを狙った押し目待ち狙いのロングで対応したい。
そのため、オプション権利行使価格の3万8125円から3万8500円でのレンジを想定する。米国では感謝祭明けの29日がブラックフライデーとなるが、個人消費の動向を見極めたいところであり、オーバーウィークのポジションは限られそうである。また、ロシアのプーチン大統領は、新型の中距離弾道ミサイル「オレシュニク」を使い、ウクライナの政府中枢を標的とする可能性があると報じられていることも神経質にさせそうだ。
28日の米VIX指数は13.90(前日は14.10)に低下した。終値で14.00を下回るのは7月16日(13.19)以来となる。11月14日につけた直近安値13.59を下回ってくるようだと低下基調を強めてくる可能性もあるため、米国においてはリスク選好に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.27倍に低下した。一時14.33倍まで上昇し、75日線(14.31倍)を捉える場面もみられたが、円相場の落ち着きから輸出関連株の一角が買われたほか、東証プライムの7割超の銘柄が上昇するなか、ややTOPIX型が優位だった。足もとでは200日線(14.28倍)を挟んだ値動きが続いていることもあり、本日も同水準での推移になろう。
昨日は、米国が感謝祭で休場となるなか、ドル円は欧州時間に一時151.95円まで値を上げる場面もみられましたが、200日MAの152.00円が意識されると151.41円まで下押し。その後は市場参加者不在のなかで151.50円を挟んだ膠着状態となって取引を終えました。
そして、月末のアジア市場。早朝に発表された11月東京都区部CPIが予想を上回る強い数字となったほか、日経平均が一時38000円を割込んで下落するにつれて戻り売りが強まる展開に。米長期金利の低下も戻り売りを後押しすると、27日の安値150.46円を下抜け一時149.86円まで売り込まれることになりました。市場では「月末絡みの本邦勢のフロー以外はスカスカ」との声も聞かれるなか、値動きの軽い展開に。その後は本邦実需の買いが観測されており、150.25円まで買戻されているといったところです。
いずれにしても、本日までは基本的には感謝祭休暇。NY市場は一応短縮取引で対応するものの、実際にはほとんどの参加者が不在という状況。相場付きが変わってしまい、方向性に変化が生じているのかどうかは、来週以降の値動きを見極めることになりそうです。目先は一目雲上限が位置する149.22円付近が重要なサポートレベルとして意識されています。
日経225先物は11時30分時点、前日比190円安の3万8190円(-0.49%)前後で推移。寄り付きは3万8240円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8300円)を下回る形で、売りが先行して始まった。現物の寄り付き直前につけた3万8260円を高値にショート優勢の流れとなり、中盤にかけて一時3万7990円と節目の3万8000円を割り込む場面もみられた。ただし、これまで同様、3万8000円を下回る局面では押し目待ち狙いのロングが意識されるなか、終盤にかけては短期筋のショートカバーを交えて、3万8200円辺りまで下げ幅を縮めた。
日経225先物は、中盤にかけて下げ幅を広げたが、朝方発表された11月の東京都区部消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、為替市場で円相場が1ドル=149円台に突入する場面もみられており、円高進行が短期的なショートに向かわせたようだ。もっとも、海外勢のフローが限られるなかでは積極的にポジションを傾けてくる動きはなく、3万8000円割れ後はショートカバーが入る形だったとみられる。後場はいったんリバウンドを試す動きもありそうだが、上値の重さが意識されてくるようだと、再びショートを誘う形になるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが日経平均型の重荷となった。一方で、内需系が底堅い値動きをみせており、相対的にTOPIX型優位となった。
本日ロンドン時間では、月末ということもあり多数の経済指標が発表される。その中で最も注目されるのが11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値だろう。昨日は、ビルロワドガロー仏中銀総裁が「12月に利下げする理由は十分にあり、規模についてはオープンな姿勢を維持すべき」と発言し、ユーロ売りを誘う場面があった。本日のインフレ指標が仏中銀総裁の見解を裏付けるかに市場の目が集まりそうだ。
もっとも、11月ユーロ圏HICP速報値の前年比予想は2.3%上昇と前回から0.3ポイント加速が見込まれている。予想通りであれば4カ月ぶりの高い水準であり、ECBのインフレ目標値から再び上振れることにもなる。同コアも前年比2.8%と3カ月ぶりに上向く見通しだ。足もとの物価基調がどの程度まで市場で意識されるか、金利市場の動向も注視しておきたい。
なおアジア午前には、東京都区部のインフレ加速を受けて日銀の早期追加利上げ観測の高まったことで円高が進行した。昨日は米国が感謝祭で祝日、本日も米債券・株・商品市場が短縮取引ということもあり、それほど動かないと市場は油断していたようだ。
もっとも、次の日銀会合(12月18-19日)まではまだ時間があり、先行データであるものの東京都区部インフレ指標だけで一気に利上げを織り込むというのも難しいのではないか。週末を控えて本邦当局者が見解を示すかもしれず、円相場も巻き戻しには注意が必要だろう。
ほか欧州の経済指標では、10月独小売売上高(予想:前月比-0.5%/前年比3.3%)11月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比1.5%)あたりがユーロ相場の動意に繋がるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0636ドル。
・ユーロ円、日足一目均衡表・雲の下限160.09円。
想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0473ドル。
・ユーロ円、9月30日安値158.11円。158円を割り込むと9月18日安値157.05円が視野に入る。
(29日15時時点)
ドル円:1ドル=150.09円(前営業日NY終値比▲1.46円)
ユーロ円:1ユーロ=158.61円(▲1.29円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0567ドル(△0.0015ドル)
日経平均株価:38208.03円(前営業日比▲141.03円)
東証株価指数(TOPIX):2680.71(▲6.57)
債券先物12月物:143.06円(△0.04円)
新発10年物国債利回り:1.050%(△0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.36200%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月完全失業率
2.5% 2.4%
10月有効求人倍率
1.25 1.24倍
11月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.2% 1.8%
10月鉱工業生産・速報値
前月比 3.0% 1.6%
前年同月比 1.6% ▲2.6%
10月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 1.6% 0.7%・改
10月新設住宅着工戸数
前年同月比 ▲2.9% ▲0.6%
11月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
36.4 36.2
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は売り優勢。11月東京都区部消費者物価指数(CPI)の生鮮食料品除く総合が前回値や予想を上回る結果となると、12月の日銀政策決定会合で追加利上げに動くとの思惑が広がり、売りが活発化。本邦長期金利の上昇とともに一時149.86円まで売り込まれた。一巡後は150.40円手前まで持ち直す場面があったが、時間外の米10年債利回りが低下するなかで戻りは鈍く、再び149.76円まで下値を広げた。
・ユーロ円も売り優勢。良好な東京CPIを受けて日銀の早期利上げ観測を手掛かりとした円高が進行。一時158.24円まで下落したほか、ポンド円は190.34円、豪ドル円は97.52円、NZドル円は88.47円まで値を下げた。
・ユーロドルは小高い。ドル円の下落や米長期金利の低下を受けてユーロ買い・ドル売りが散見され、昨日高値の1.0570ドルを上抜けて1.0577ドルまで上昇した。
・日経平均株価は反落。昨日大幅高となった東京エレクトロンなど半導体関連株の一角が売られたほか、外国為替市場での円高を受けて自動車関連株にも売りが広がり、指数は一時300円超安まで下げ幅を広げた。一方、節目の3万8000円割れでは押し目買いが入った。
・債券先物相場は続伸。東京インフレ指標が強い内容となり、日銀の早期利上げが意識されたことから売りが優勢になると、一時142.88円まで下落した。ただ、外国為替市場での円高を受けて次第に買い戻しが強まりプラス圏を回復した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
金融市場はブラジルの税制改正に「失望」、レアル相場は最安値更新
財政運営に対する不透明感を警戒、中銀と政府の対立再燃の懸念も重なり、レアルは逆風に晒される
ブラジルではルラ政権の下で財政状況が悪化し、折からの米ドル高の動きも相俟ってレアル相場は調整してきた。ルラ政権は歳出削減に動く方針を示し、金融市場はその内容に注目してきた。アダジ財務相は27日に歳出削減計画を公表し、向こう2ヶ年で総額700億レアル規模の歳出削減に動く方針を明らかにした。他方、アダジ氏はルラ大統領が選挙公約に掲げた課税最低限の引き上げへ「史上最大の所得改革」を併せて示し、それに伴う税収減を補填すべく高所得者層への増税に動く方針を示す。ただし、一連の施策実現には議会承認が必要となるが、与党連合は下院で少数派に留まるなかで協議の行方は見通せない。また、ルラ政権が昨年制定した財政規則法のハードルが高まる懸念もくすぶる。こうした事態を受けて、レアル相場は調整の動きを強めて最安値を更新しており、中銀はタカ派姿勢を一段と強めて政府との対立が再燃することも懸念される。当面のレアル相場を巡っては、逆風が吹く展開が続く可能性が高まっている。
「利下げを急ぐ必要性は現在の経済状況から発信されていない」(パウエルFRB議長)
2016年12月、イエレン第15代FRB議長とパウエルFRB理事は、トランプ第45代米大統領の経済政策(減税や輸入関税)への対応策を協議し、インフレ抑制のために金利をより高くする必要があるかもれないとの結論に達した。
2024年12月、パウエル第16代FRB議長は、トランプ第47代米大統領の経済政策(減税や輸入関税)への対応策を協議せざるを得ない状況に追い込まれつつある。
1.タカ派(据え置き派)
■ボウマンFRB理事(※0.50%の利下げに20年ぶりとなる反対投票)
「ここ数カ月インフレ率がなお高く、横ばい傾向にあることから、FRBは慎重になる必要がある」
「2023年初頭以降、インフレ抑制でかなりの進展がみられたが、ここ数カ月は進展が停滞している」
「物価安定目標を達成する前の段階で、政策金利が中立水準に達する、あるいは中立水準を割り込むリスクを排除すべきではない。政策金利の引き下げを慎重に進め、終着点までの距離をより良く見極めたい」
「データに依存した柔軟なアプローチが盛り込まれ、FOMCが将来の政策調整を決定する際の選択肢を提供している」
「インフレ再燃につながるような早急かつ大幅な利下げを避けるべき」
2.ハト派(追加利下げ派)
■クックFRB理事
「現在住宅部門にほぼ限定されている物価上昇圧力は引き続き軟化し続ける」
「ディスインフレの軌道はなお続いており、労働市場は徐々に冷え込んでいる」
「今後、適切な政策金利の方向性は依然として下向き」
■コリンズ米ボストン連銀総裁
「インフレ圧力が緩和する中、FRBは一段の利下げを実施していく」
「現行の制約的な政策金利を中立的な領域に徐々に戻すために、追加的な調整を行っていくことが適切になる」
「利下げが後手に回ったり、十分でなかったりすれば、労働市場が不必要に弱体化する恐れがある」
■グールズビー米シカゴ連銀総裁
「今後1年程度を見渡すと、金利は現在よりかなり低い水準に行き着くと私には思える」
「当局者は最終的に中立金利の水準を見極める必要があるが、それは「足元の水準よりはるかに低い」
3.11月6-7日米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
一部当局者が、翌日物リバースレポ金利(※4.55%)を引き下げて政策金利の下限(※4.50%)と再び一致させる時期が近づいていると考えていることが示された。5bpのスプレッドがなくなれば、リバースレポ・ファシリティーから資金がさらに流出することになる。
大阪12月限
日経225先物 38170 -210 (-0.54%)
TOPIX先物 2679.0 -9.0 (-0.33%)
日経225先物(12月限)は前日比210円安の3万8170円で取引を終了。寄り付きは3万8240円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8300円)を下回る形で売りが先行した。現物の寄り付き直前につけた3万8260円を高値にショート優勢となり、前場中盤にかけて一時3万7990円と節目の3万8000円を割り込む場面もみられた。
ただし、これまで同様、3万8000円を下回る局面では押し目待ち狙いのロングが意識された。前場終盤には短期筋のショートカバーを交えたリバウンドとなり、現物の後場取引開始時には3万8270円と朝方に付けた高値を上回った。その後は3万8110円~3万8240円辺りでの保ち合いが続いた。
日経225先物は前場中盤にかけて下げ幅を広げたが、朝方発表された11月の東京都区部消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、為替市場で円相場が1ドル=149円台に突入する場面もみられており、円高進行が短期的なショートを誘ったようだ。
もっとも、海外勢のフローが限られるなかでは積極的にポジションを傾けてくる動きは乏しく、3万8000円割れ後はショートカバーが入る形だった。ただし、いったんリバウンドを試す動きとはなったが、前場の高値を10円上回るにとどまっており、後場終盤にかけては持ち高調整に伴うリバランスの動きが中心だった。
日経225先物は一時3万7990円まで売られたが、その後は概ね75日移動平均線(3万8130円)と200日線(3万7400円)のレンジ内での推移だった。3万8000円処では押し目狙いのスタンスに向かわせているが、200日線水準に上値を抑えられている状況が続くようだと、ボリンジャーバンドの-2σ(3万7700円)や-3σ(3万7200円)水準が意識されてくる可能性も出てくるだろう。
29日の米国市場は午後1時までの短縮取引であり、引き続き市場参加者は限られよう。ただ、感謝祭明け後の市場は上昇する傾向があり、NYダウ、S&P500指数が再び最高値を更新してくるかが注目される。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍に低下した。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角の弱い値動きが日経平均型の重荷となった。円高進行で輸出関連株も売られたが、内需系が底堅い値動きをみせ、相対的にTOPIX型優位となった。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0504枚、ソシエテジェネラル証券が1万3856枚、日産証券が7511枚、サスケハナ・ホンコンが6157枚、バークレイズ証券が1827枚、モルガンMUFG証券が1512枚、JPモルガン証券が1458枚、SBI証券が1195枚、ビーオブエー証券が1037枚、楽天証券が763枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万9399枚、ソシエテジェネラル証券が2万0342枚、日産証券が1万0255枚、バークレイズ証券が5684枚、サスケハナ・ホンコンが4890枚、JPモルガン証券が3363枚、シティグループ証券が3323枚、ゴールドマン証券が3183枚、モルガンMUFG証券が3042枚、みずほ証券が1869枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米国が感謝祭翌日のブラックフライデーで短縮取引となる中、トランプ次期米大統領によるSNSなどでの突発的な発言やウクライナ、中東情勢に関するヘッドラインに警戒していく展開となる。
本日発表された東京都区部の11月消費者物価指数(CPI)を受けて、12月18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ確率が60%台に上昇したことで、ドル円は150円を割り込んだ。
ドル円のテクニカル分析では、長期的な攻防の分岐点である200日移動平均線152.00円を下回っており、一目均衡表でも「均衡表の逆転」「遅行スパンの逆転」となり、雲の上限である149.22円をうかがう展開となっていることで、閑散取引の中での下値リスクに警戒しておきたい。
11月19日時点のIMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円のポジションは46868枚の売り持ちだったが、当時は200日移動平均線の上で推移していた。円ショートポジションは、その後の円高トレンドで解消されつつあると思われるが、さらなる手仕舞いの可能性にも警戒しておきたい。
12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では66%程度となっている。
今後、11月の米雇用統計(12/6発表)や消費者物価指数(12/11発表)の数字を確認して、利下げなのか、それとも据え置かれるのかを見極めていくことになる。
また、今後のリスクシナリオとして、ベッセント次期米財務長官やトランプ次期米大統領によるドル安牽制発言の可能性を警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、同様の発言の可能性には警戒しておきたい。
さらに、ウクライナ戦争や中東での紛争を巡る関連ヘッドラインには引き続き警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、152.00円(200日移動平均線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、149.22円(日足一目均衡表・雲の上限)
今晩は底堅い展開か。昨日は感謝祭の祝日でNY株式相場が休場となったが、前日の27日は主要3指数がそろって下落。ダウ平均が138.25ドル安(-0.31%)と6日ぶりに反落し、S&P500も0.38%安と8日ぶりに反落。ハイテク株主体のナスダック総合は0.60%安と5日ぶりに反落した。ただ、週初来ではダウ平均が0.96%高、S&P500が0.49%高、ナスダック総合が0.30%高とそろって2週続伸ペースとなり、11月月初来ではダウ平均が7.08%高、S&P500が5.14%高、ナスダック総合が5.33%高と大幅反発ペースとなった。
今晩は感謝祭の翌日で、午後1時までの短縮取引となるため、薄商いが予想されるが、週明けは12月の取引がスタートする。減税や規制緩和などのトランプ次期大統領の政策期待や、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待などを背景に年末ラリーの期待も高まっており、週末、月末の取引となるものの、底堅い展開が期待できそうだ。
今晩の米経済指標は11月シカゴ地区購買部協会景気指数など。主要な企業の決算発表はなし。
ハンガリーのオルバン首相は29日、ミハーイ・ヴァルガ財務相をハンガリー国立銀行(NBH)の次期総裁に指名すると発表した。首相はヴァルガ氏について「最も予測可能で落ち着いた人物」と評し、その経済的知識と権威、意思決定能力を評価した。現職のマトルチ総裁の任期は2025年3月に終了する。ヴァルガ氏は59歳でブダペスト経済大学出身の経済学者で、2013年から財務相を務め、オルバン首相に忠実であると知られている。同時に、ヴァルガ氏は慎重な経済政策を主張してきたため、金融政策を大幅に緩和する方向へ転換することは期待されていない。
日経平均株価は反落。前日陽線のレンジ内の動きにとどまり、日足でははらみ足のようなパターンで終えた。
RSI(9日)は前日の44.3%→49.7%(11/29)に上昇。終値ベースでは75日移動平均線(38207円 11/29)を意識して十字足を形成した。前日からの見方に大きな変化はない。
転換線(38427円 同)や5日移動平均線(38382円 同)、10日移動平均線(38321円 同)、100日移動平均線(38317円 同)など上値にはほぼ同水準にフシが集中しており、寄り付きから強い動きでもない限りは買い一巡後に押し戻される動きが続きやすい局面にある。
上値メドは、25日移動平均線(38667円 同)、心理的節目の39000円や39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)などがある。下値メドは、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、9/17安値(35828円)などがある。
(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.59円(29日15時時点比▲0.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.09円(▲0.52円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0568ドル(△0.0001ドル)
FTSE100種総合株価指数:8287.30(前営業日比△6.08)
ドイツ株式指数(DAX):19626.45(△200.72)
10年物英国債利回り:4.242%(▲0.033%)
10年物独国債利回り:2.088%(▲0.039%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月独輸入物価指数
(前月比) 0.6% ▲0.4%
10月独小売売上高
(前月比) ▲1.5% 1.6%・改
11月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) ▲0.1% 0.3%
10月仏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.9% ▲0.1%
10月仏消費支出
(前月比) ▲0.4% 0.1%
7-9月期仏国内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.4% 0.4%
11月独雇用統計
失業率 6.1% 6.1%
失業者数変化 0.70万人 2.60万人・改
10月英消費者信用残高
11億ポンド 12億ポンド
10月英マネーサプライM4
(前月比) ▲0.1% 0.5%
11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.3% 2.0%
11月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.7% 2.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。東京時間発表の1月東京都区部消費者物価指数(CPI)の生鮮食料品除く総合が予想を上回ったことを受けて、日銀が12月に追加利上げに踏み切るとの観測が高まった一方、米国では米連邦準備理事会(FRB)による12月利下げを織り込む向きが増えている。日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが優勢となり、日本時間夕刻には一時149.54円まで値を下げた。
この日は米感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場が短縮取引となることから取引参加者が少なく、欧州市場に入ると150.00円を挟んだもみ合いに転じた。売買自体は盛り上がりを欠き、しばらくは方向感に乏しい展開が続いた。
ただ、植田和男日銀総裁が日経新聞とのインタビューで、「(追加利上げの時期について)データが想定通りに推移しているという意味では近づいているといえる」「インフレ率が2%を超え始めているときに一段の円安になれば、それは中銀にとってはリスクが大きい動きとして、場合によっては対応しないといけなくなる」と述べたと伝わると、再び弱含む展開に。3時過ぎに一時149.47円と10月21日以来の安値を付けた。
・ユーロドルは上値が重かった。週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0597ドルと20日以来の高値を付けたものの、買い戻しが一巡すると次第に弱含んだ。欧州中央銀行(ECB)の大幅利下げ観測を背景に独長期金利が約2カ月ぶりの低水準を付けたことなどが相場の重し。11月ユーロ圏HICPコア速報値が予想を下回ったこともユーロ売りを促し、2時前に一時1.0542ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円はさえない展開だった。日銀が12月に追加利上げに踏み切るとの観測を背景に、NY市場に入っても円買い・ユーロ売りが入りやすい地合いとなった。3時前には一時158.04円と9月19日以来の安値を更新した。
・ロンドン株式相場は小幅ながら3日続伸。反落して始まったものの、欧米長期金利の低下が相場を下支えすると指数は上昇に転じた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。米国株市場が短縮取引で欧州も商いが低調となる中、引けにかけて買いが強まった。11月ユーロ圏HICPコア速報値が予想を下回ったことなどが相場の支援材料。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(2.97%高)やMTUエアロ・エンジンズ(2.94%高)、ドイツ銀行(2.03%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。ECBの利下げ観測を背景に独国債が買われた。
(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.77円(前営業日比▲1.78円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.41円(▲1.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0577ドル(△0.0025ドル)
ダウ工業株30種平均:44910.65ドル(△188.59ドル)
ナスダック総合株価指数:19218.17(△157.69)
10年物米国債利回り:4.17%(▲0.09%)
WTI原油先物1月限:1バレル=68.00ドル(▲0.72ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2681.0ドル(△16.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場が短縮取引となったことから取引参加者が少なく、NY市場に入るとしばらくは比較的狭い範囲での推移にとどまった。売買は盛り上がりを欠き、150.00円を挟んだ方向感に乏しい値動きだった。
ただ、日経新聞電子版が植田和男日銀総裁のインタビュー記事を報じると全般円買いが優勢に。植田総裁は同紙に対して「(追加利上げの時期について)データが想定通りに推移しているという意味では近づいているといえる」「インフレ率が2%を超え始めているときに一段の円安になれば、それは中銀にとってはリスクが大きい動きとして、場合によっては対応しないといけなくなる」などと発言。日銀の追加利上げ観測を背景に円高・ドル安が進み、3時過ぎには一時149.47円と10月21日以来の安値を付けた。
米連邦準備理事会(FRB)による12月利下げを織り込む向きが増える中、長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1685%前後と10月22日以来の低水準を付けたことも相場の重しとなった。
・ユーロドルは小反発。欧州序盤に一時1.0597ドルと20日以来の高値を付けたものの、買い戻しが一巡すると次第に弱含んだ。欧州中央銀行(ECB)の大幅利下げ観測を背景に独長期金利が約2カ月ぶりの低水準を付けたことがユーロ売りを誘ったほか、この日発表の11月ユーロ圏HICPコア速報値が予想を下回ったことが相場の重し。2時前には一時1.0542ドルと日通し安値を更新した。ただ、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると1.0585ドル付近まで持ち直している。
もっとも、米国では28日の感謝祭の祝日をきっかけに連休に入っている市場参加者が多く、商いは低調。相場は明確な方向感に乏しかった。
・ユーロ円は反落。日銀が12月に追加利上げに踏み切るとの観測を背景に、NY市場に入っても円買い・ユーロ売りが入りやすかった。植田日銀総裁が「一段の円安はリスクが大きい。場合によっては政策変更で対応しないといけなくなる」との見解を示すと一時158.04円と9月19日以来の安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。米長期金利の低下や米景気の底堅さを背景に買いが優勢となった。本日は年末商戦が本格的に始まる「ブラックフライデー」とあって、商戦への期待感からウォルマートやアマゾン・ドット・コムなど消費関連株が買われた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発。電気自動車(EV)のテスラが3%超上昇したほか、半導体大手のエヌビディアが2%超上昇した。
なお、この日は感謝祭翌日で短縮取引だった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。FRBが12月に追加利下げを決めるとの観測が高まる中、債券買いが優勢となった。市場では「月末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った」との声も聞かれた。利回りは一時4.1685%前後と10月22日以来の低水準を付けた。
なお、この日は感謝祭翌日で短縮取引だった。
・原油先物相場は4日続落。中東情勢への過度な警戒感が緩んだことや、世界的に供給過剰の兆しが見られていることが重しとなった。来週の5日には石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」の会合が開催される予定だ。
・金先物相場は続伸。FRBが12月に追加利下げに踏み切るとの観測が高まり、米長期金利が大幅低下したことが、金利の生まない金の買いを後押しした。
JPモルガン証券では、来週から米株市場ではクリスマス・ラリーの可否を探る展開が予想されるとコメント。米株は例年通りなら、ブラックフライデーやサイバーマンデー商戦のすう勢を手掛かりに、12月は景気敏感・シクリカル銘柄の買いを選好する向きが増えやすいとのこと。JPモルガンでは、投機筋の株価先物ロング積み上げが増勢を帯びる傾向にあることや、VIX(恐怖指数)が低位置にあることなどに着目。投資家全般のリスクテイク意欲は相応に根強いとみており、今年もクリスマス・ラリーへの期待が強まるのではないかと考えている。ただし、投資家の米株ポジションは重さが目立つため、過剰な上値追いとはなりづらい点に注意したいと指摘している。
植田和男日銀総裁は日本経済新聞とのインタビューで、「追加利上げの時期について、データが想定通りに推移しているという意味では近づいているといえる」と述べた。なお、インタビューは28日に実施された。また、植田総裁は「基調的な物価上昇率が2%に向けて着実に上がっていく確度が高まれば、適宜のタイミングで金融緩和度合いを調整する」「インフレ率が2%を超え始めているときに一段の円安になれば、それは中央銀行にとってはリスクが大きい動きとして、場合によっては対応しないといけなくなる」 との見解を示した。
12月2日
○08:50 ◇ 7-9月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額)
3日
○08:50 ◇ 11月マネタリーベース
5日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◇ 中村豊明日銀審議委員、あいさつ
6日
○08:30 ◇ 10月毎月勤労統計(現金給与総額)
○08:30 ◇ 10月家計調査(消費支出)
○08:50 ◇ 11月外貨準備高
○14:00 ◇ 10月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
12月2日
○06:45 ◎ 10月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○09:30 ◎ 10月豪住宅建設許可件数
○09:30 ◎ 10月豪小売売上高
○10:45 ◎ 11月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00 ◇ 11月トルコ製造業PMI
○16:00 ◇ 11月英ネーションワイド住宅価格指数
○16:30 ◇ 10月スイス小売売上高
○17:30 ◇ 11月スイス製造業PMI
○17:50 ◎ 11月仏製造業PMI改定値
○17:55 ◎ 11月独製造業PMI改定値
○18:00 ◎ 11月ユーロ圏製造業PMI改定値
○18:30 ◎ 11月英製造業PMI改定値
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏失業率
○23:45 ◎ 11月米製造業PMI改定値
○24:00 ☆ 11月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○24:00 ◇ 10月米建設支出
○24:00 ◇ 11月メキシコ製造業PMI
○3日05:15 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
3日
○06:30 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○09:01 ◇ 11月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◇ 7-9月期豪経常収支
○16:00 ◎ 11月トルコ消費者物価指数(CPI)
○16:30 ◎ 11月スイスCPI
○18:30 ◎ 7-9月期南アフリカ国内総生産(GDP)
○21:00 ☆ 7-9月期ブラジルGDP
○21:00 ◇ 10月メキシコ失業率(季節調整前)
○24:00 ◎ 10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○4日02:35 ◎ クーグラーFRB理事、講演
○4日05:45 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○09:30 ☆ 7-9月期豪GDP
○10:45 ◎ 11月Caixin中国サービス部門PMI
○17:00 ◇ 10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○17:50 ◎ 11月仏サービス部門PMI改定値
○17:55 ◎ 11月独サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 11月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○18:30 ◎ 11月英サービス部門PMI改定値
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 11月ADP全米雇用報告
○22:30 ◇ 7-9月期カナダ労働生産性指数
○22:45 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○23:45 ◎ 11月米サービス部門PMI改定値
○23:45 ◎ 11月米総?⑰MI改定値
○24:00 ☆ 11月米ISM非製造業指数
○24:00 ◎ 10月米製造業新規受注
○5日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○5日03:45 ☆ パウエルFRB議長、講演
○5日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
2024/11/30 01:16
5日
○09:30 ◇ 10月豪貿易収支
○15:45 ◇ 11月スイス失業率(季節調整前)
○16:00 ◎ 10月独製造業新規受注
○16:00 ◎ 11月スウェーデンCPI
○16:45 ◇ 10月仏鉱工業生産
○18:00 ◎ 7-9月期南アフリカ経常収支
○18:30 ◎ 11月英建設業PMI
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏小売売上高
○21:30 ◇ 11月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◇ 10月カナダ貿易収支
○22:30 ◎ 10月米貿易収支
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◇ 11月カナダIvey購買部協会景気指数
○6日02:00 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○6日03:00 ◎ 11月ブラジル貿易収支
6日
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合
○16:00 ◎ 10月独鉱工業生産
○16:00 ◇ 10月独貿易収支
○16:45 ◇ 10月仏貿易収支
○16:45 ◇ 10月仏経常収支
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏GDP確定値
○22:30 ☆ 11月カナダ雇用統計
○22:30 ☆ 11月米雇用統計
○23:15 ◎ ボウマンFRB理事、講演
○24:00 ◎ 12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
○7日02:00 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○7日03:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○7日05:00 ◇ 10月米消費者信用残高
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
29日19:35 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「関税は積極的な利下げを正当化する可能性」
29日20:30 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「経済成長を強く支持している」
「ストレステストは金融セクターの競争力向上に寄与する」
※時間は日本時間
◆豪ドル、市場の目線は12月第2週のRBA金融政策に
◆豪ドル、10月CPIは特殊要因反映、判断材料にはならず
◆NZドル、RBNZは来年以降の追加利下げを示唆
予想レンジ
豪ドル円 95.00-100.00円
南ア・ランド円 8.00-8.50円
12月2日週の展望
豪ドルは上値の重い動きとなりそうだ。今週はトランプ次期米大統領が中国やメキシコ、カナダなどに対して来年1月の就任後すぐに追加関税を課すと宣言したことで、市場全般でリスク回避ムードが強まった。豪州が名指しされたわけではないが、「トランプリスク」によるリスク回避の動きはリスクに敏感な豪ドルにとって今後も重しとなるだろう。来週は豪州から12月2日に10月小売売上高、12月4日に7-9月期国内総生産(GDP)などの発表が予定されている。ただ、市場の注目は12月9-10日の次回豪準備銀行(RBA)理事会に向けられており、相場への影響は限られそうだ。
今週発表された10月消費者物価指数(CPI)は前年比2.1%となり、市場予想(2.3%)を下回る結果となった。もっとも、今回のCPIは連邦政府からの補助によって前年比35.6%低下と記録的な減少率になった電気料金が寄与した面が大きく、市場ではRBAにとって大きな考慮材料にはならないだろうとの見方が優勢だ。ブロックRBA総裁が以前に「月次データよりも四半期データをより注意深く監視している」と述べていたこともあり、RBAは12月会合でも金利を据え置き、金利を引き下げる前に物価上昇が緩和したというさらなる証拠を求める可能性が高いだろう。
隣国のニュージーランド(NZ)では、年内最後となったNZ準備銀行(RBNZ)金融政策決定会合で予想通り50bpの利下げが決定された。オアRBNZ総裁は会合後の会見で「フォワード予測は2月の50bp利下げと整合的」「軌道は8月よりも急激な金利低下を示唆」などの見解を示しており、来年以降も継続的な緩和姿勢は維持される見込みだ。市場全般でリスク回避ムードが強まるなか、金利先安観も高まっているNZドルは売り圧力に押されやすい状況が続きそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)も上値の重い展開が予想される。市場のリスク志向が低下する中で当面は買いづらい地合いが続くだろう。南アにとっての懸念材料となっているのが米国のアフリカ成長機会法(AGOA)の行方。南アは一部の品目を対象に米国へ無税でのアクセスを提供するAGOAを利用して主に自動車などを輸出しているが、現行のAGOAは2025年9月末に失効する予定となっている。すでに米議会では同国が中国やロシア、イランなどと関係を深めていることを懸念する声が聞かれており、トランプ次期米大統領の意向次第ではAGOAの再承認が立ち行かなくなる可能性も出てくるだろう。
11月25日週の回顧
豪ドルは弱含み。トランプ次期米大統領の関税発言をきっかけにリスク回避の動きが強まり、対円を中心に売りに押された。その後は、トランプ氏とメキシコ大統領の協議後に対メキシコの追加関税観測が後退すると、市場全般でのリスク回避の動きも落ち着いたが戻りは限られた。
ZARもリスク回避目的の売りに押される展開に。対円では一時10月2日以来の安値となる8.27円まで弱含む場面も見られた。
◆ポンド、英景気の不安定さを背景に買いづらい
◆加ドル、トランプ関税への警戒感が重し
◆加ドル、11月雇用統計に注目
予想レンジ
ポンド円 189.00-195.00円
加ドル円 106.00-110.00円
12月2日週の展望
ポンドは、英景気の不安定さを背景に買いづらい展開となりそうだ。先週末22日に発表された10月小売売上高は、前月比が予想以上にマイナス幅を広げるなど総じてさえない結果となった。また、11月購買担当者景気指数(PMI)速報値もサービス部門・製造業ともに市場予想より弱かった。景況判断の境目50への回復が期待された製造業は、逆に48.6まで低下した。来週は11月PMIの改定値が発表される。仮に、PMI製造業が上向きに修正されたとしても、2カ月連続の50割れは避けられないだろう。英経済の回復基調の弱さが、ポンドの買いづらさに繋がりそうだ。
なお、短期金融市場では「12月の英中銀金融政策委員会(MPC)で金利据え置き」との見方を維持。来年2月のMPCについては0.25%利下げを7割程度織り込でいる。ロンバルデリ英中銀副総裁は今週、「段階的な利下げを支持」と述べたが、市場の見立てに影響はなかった。
加ドルはトランプ関税への警戒感が重しとなりそうだ。トランプ次期米大統領は週明け、「メキシコとカナダからの全輸入品に25%の関税を課す」との意向を表明。これまでも、メキシコへの関税については言及してきたが、友好国であるカナダに対しても厳しい姿勢を示したことは、市場にとってサプライズだった。25%の関税賦課となれば、総輸出額の8割弱が米国向けであるカナダ経済にとって打撃は大きい。加ドルにとってもネガティブインパクトであり、状況が好転しない限りレンジ切り下げに繋がるかもしれない。
もっとも、米国は原油輸入の約6割をカナダに頼っており、米国内のエネルギー安定にカナダの貢献は欠かせない。その原油に25%の関税が課せられるようだと、トランプ氏が大統領選で公約として掲げた「エネルギー料金の大幅引き下げ」の実現が難しくなるのが明らか。今のところ、トルドー加首相は報復関税などによる対立ではなく、トランプ氏との関係構築に動いている。両者が落しどころを見つけることができれば、市場のセンチメントも改善するだろう。
カナダの経済指標では、12月6日に発表される11月雇用統計に注目。10月分の失業率は市場予想より良く、前回から横ばいの6.5%だった。失業率悪化に一服感が出ており、11月は改善期待が高まりつつある。また、新規雇用者数は前回、予想に届かなかったものの3カ月連続の増加だった。発表の週末までは、数字への思惑で上下することになりそうだ。
11月25日週の回顧
ポンド円は194円半ばから一時190円後半まで下落。加ドル円はトランプ次期米大統領の関税強化発言で貿易摩擦激化への警戒感からリスク回避ムードが強まった。カナダが名指しされ、110円後半から107円前半まで売られた。
ポンドドルは1.25ドル台で伸び悩む場面もあったが、月末にかけたドル売りで1.26ドル後半まで上昇。ドル加ドルは、トランプ関税を嫌気して1.41加ドル後半まで加ドル安が進行。ただ一巡後は1.40加ドル前後まで加ドルが買い戻された。
◆ドル円、12月FOMCを睨み改めて米指標に注目
◆ドル円、市場の流動性は依然として悪い
◆ユーロドル、米金利次第もユーロ自体には悪材料目立つ
予想レンジ
ドル円 149.00-154.00円
ユーロドル 1.0300-1.0700ドル
12月2日週の展望
ドル円は、12月17-18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定に注目が集まるなか、相次ぐ米重要指標に一喜一憂する展開が想定される。
来週は12月2日に11月ISM製造業景況指数、12月3日に10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、12月4日に11月ADP雇用統計や11月ISM非製造業景況指数、12月6日に11月米雇用統計や12月ミシガン大学消費者態度指数・速報値が予定されている。特に雇用統計の結果は、12月FOMCの金利予想に大きく影響を与えそうだ。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、利下げ確率は約60%となっており、完全には織り込まれていない状況だ。14日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は講演で「利下げを急ぐ必要はない」と発言しており、仮に良好な国内景気が確認できれば利下げを先送りする可能性も出てくるだろう。
ただ、気を付けたいのは市場の流動性が悪化している事だろう。米感謝祭以降、クリスマスにかけては例年、長期休暇に入る市場参加者が多く、この時期は特に商いが薄く値が振れやすい。米金利先行きに注目が集まるなかで指標の結果に対していつも以上に敏感に反応するケースも想定しておきたい。
また、トランプ次期米大統領の発言にも引き続き警戒したい。トランプ氏は25日に中国やカナダ、メキシコに対して厳しい関税を課すことを発表したが、メキシコとは移民対策で合意したため関税が免除される可能性も出てくるなど、米政策を巡るトランプ氏の言動が今後も金融市場に与える影響は大きいだろう。
ユーロドルは、米指標結果による米長期金利の動向に左右されるだろう。ただ、ユーロを取り巻く環境を見ると積極的に買いが進む状況とは言えない。まず、ユーロ圏で経済規模が最大となるドイツの景気が悪化しているほか、連立政権崩壊で政局不安も高まっている。また、仏でも予算案を巡り9月に誕生したばかりのバルニエ内閣も崩壊の危機に直面している。更に、トランプ次期米政権による関税政策で欧州全体に打撃が見込まれていることが挙げられる。
11月25日週の回顧
ドル円は軟調。しばらくは154円挟みのもみ合いが続いていたが、トランプ次期米大統領がメキシコとカナダ、中国を対象に関税を強化する方針を示すとリスクオフの動きに。米感謝祭を前に持ち高調整の動きも活発化して、一時150.46円と10月21日以来の安値を更新した。
ユーロドルは1.0500ドルを挟んで一進一退の動きが続いていたが、次第にポジション調整目的のドル売りが広がると一時1.0588ドルまで上昇した。
本日の東京時間ではドル円が円高に振れた。寄り前に発表された東京都区部の11月消費者物価指数が市場予想を上回る伸びとなったことで、日銀による追加利上げが意識されたと考えられる。12月はFOMCが17日~18日、日銀会合が18日~19日の日程で開催される。FOMCで利下げ、日銀会合で利上げが実施された場合、日米金利差の観点からはドル円は円高(ドル安)に振れやすくなる。FOMCで利下げがスキップされたとしても、日銀が利上げに踏み切れば円高に振れると思われる。日銀が動くのであれば、事前にマーケットに織り込ませようとするだろう。今週はトランプ氏のSNS発信に振り回されたが、12月中盤までは日銀関連のニュースにも注意が必要となる。
【来週の見通し】
上値が重いか。12月相場に入り、金曜6日には米国で11月雇用統計が発表される。12月のFOMCでは利下げがスキップされるかもしれないとの見方も浮上しているだけに、今回の雇用統計は大きな注目を集める。米雇用統計がそこまで強い内容でなければ12月の利下げおよび米国株高継続に対する期待が高まるだけに、売り急ぎは抑制されると思われる。ただ、足元堅調な米国株も重要指標の発表を前にしては様子見姿勢が強まるであろうから、日本株は買い手控えムードの強い地合いが続くと予想する。
【今週を振り返る】
荒い動きが続いて週間では小幅に下落した。週明け25日の日経平均は500円近い上昇。米国株高を好感した買いが入り、一時39000円を上回った。しかし、トランプ氏が中国、メキシコ、カナダに関税を課すとSNSで発信したことが伝わったことで、26日は大幅安。27日も警戒売りに押されて連日で300円を超える下落となり、一時38000円を下回った。28日も「トランプ・リスク」を警戒して安く始まったが、一部の半導体株に強い買いが入って切り返し、200円を超える上昇。ただ、その半導体株が反動売りに押されたことで29日は下落し、週間でも下落した。日経平均は週間では約75円の下落となり、週足では陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、7-9月期四半期法人企業統計調査、11月新車販売台数、11月軽自動車販売台数(12/2)、11月マネタリーベース、10年国債入札(12/3)、30年国債入札(12/5)、10月毎月勤労統計調査、10月家計調査、10月景気動向指数(12/6)などがある。
企業決算では、伊藤園(12/2)、内田洋(12/3)、ティーライフ(12/4)、積水ハウス(12/5)、アインHD、カナモト、アイル、日駐、ソフトウェアサー、ロックフィール、エターナルホスヒ、日本スキー、日ハウスHD、エイチーム(12/6)などが発表を予定している。
海外の経済指標の発表やイベントでは、中国11月国家統計局製造業PMI(11/30)、11月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)、米11月ISM製造業景況指数、米サイバーマンデー(12/2)、米10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数(12/3)、米11月ADP雇用統計、米10月製造業新規受注、米11月ISM非製造業景況指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)(12/4)、米10月貿易収支(12/5)、米11月雇用統計、米12月ミシガン大学消費者態度指数、米10月消費者信用残高(12/6)などがある。
米企業決算では、セールスフォース(12/3)、キャンベル・スープ、ダラー・ツリー、ホーメル・フーズ(12/4)、ヒューレット・パッカード・エンタープライス、ルルレモン・アスレティカ、ダラー・ゼネラル、クローガー、アルタ・ビューティー(12/5)などが発表を予定している。
今週の日経225先物は、引き続き米国市場や為替市場を睨みながらの展開が見込まれる。感謝祭明け29日の米国市場は短縮取引であったが、米経済に対する楽観的な見方を背景にNYダウ、S&P500指数が最高値を更新した。また、米長期金利の低下を追い風に半導体株の一角が買われ、ナスダックは反発した。
12月の米連邦公開市場(FOMC)で利下げが見込まれる一方、29日に発表された11月の東京都区部消費者物価(CPI)が市場予想を上回ったことで、為替市場では12月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ観測が高まった。円相場は心理的な節目の1ドル=150円を突破し、149円台で推移。日銀の植田和男総裁が米国経済の動向を見極めたいとの見解を示していることもあり、今週発表される米経済指標の結果次第で一段の円高に振れる可能性も警戒されそうだ。
なお、今週はFOMCのブラックアウト期間入りを前に、ウォラーFRB理事、パウエルFRB議長らの発言機会が予定されている。FRBが26日に公表した議事要旨に沿った発言内容であれば、円高が一服する可能性もあるため、内容次第で下値は堅くなるとみられている。
また、米国では29日は年末商戦が本格的に始まる「ブラックフライデー」であり、実店舗の販売は伸び悩んだが、EC販売は好調のようだ。なお、全米小売業協会は、11月から12月にかけての年末商戦の売り上げは前期比2.5%~3.5%増と見込んでおり、6年ぶりの低い伸び率となる。良好な消費が確認されれば、米経済にとってポジティブであり、株式市場の支援材料になる可能性はある。
もっとも、米経済の楽観的な見方は米国市場を押し上げる一方で、東京市場への効果は限られそうで、引き続きトランプ次期米大統領が目指す対中関税などの影響が警戒されやすい。特に先週はトランプ氏のSNSへの投稿が相場を大きく動かした。今後もトランプ氏のSNSへの投稿によって相場の変動率が高まる可能性があり、積極的にはポジションを傾けにくいだろう。
先週の日経225先物は、米国株高の流れを受けて週初25日に一時3万9080円と節目の3万9000円を回復した。ただし、その後はトランプ氏のSNS投稿をきっかけとした円高加速などが嫌気され、28日には3万7650円(ナイトセッションを含む)まで売られる場面もみられた。売り一巡後はリバランスにより節目の3万8000円を回復したが、週末は感謝祭による休日で海外勢のフローが限られ、3万8000円を挟んで膠着感の強い相場展開だった。
オプション権利行使価格では3万8000円から3万8700円のレンジを想定する。レンジを割り込む局面ではボリンジャーバンドの-2σ(3万7710円)水準が支持線として機能するとの見方から、同水準に接近する局面ではその後のカバー狙いのスタンスとなろう。
また、ドル・円は200日線が位置していた152円を明確に割り込んだことで、75日線(148円40銭)辺りが目先的なターゲットになろう。円高が加速するなかではショートが入りやすいとみられるものの、3万8000円割れの水準では押し目待ちの買い意欲の強さもみられており、ショートを積み増す動きは控えたい。
29日の米VIX指数は13.51(前日は13.90)に低下した。14日につけた直近安値(13.59)を下回り、7月半ば以来の水準まで下げてきた。5月下旬につけた11.86が意識されてきており、米国では年末高を意識したリスク選好が強まろう。足もとで調整を継続しているエヌビディア<NVDA>は、75日線水準までの調整を経て自律反発の動きをみせた。対中関税が警戒されて調整が続いている半導体株を買い戻す動きが強まるようだと、日経平均型の支援材料となろう。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に低下した。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが、日経平均型の重荷となった。円高進行を背景に輸出関連株も売られたが、リスク回避から内需系が底堅い値動きをみせるなかで相対的にTOPIX型優位だった。足もとでは200日線(14.28倍)、75日線(14.31倍)、25日線(14.34倍)が抵抗として意識されやすく、これらを突破するまではトレンド転換は期待しづらく、NTショートに振れやすい。ただし、一段と円高に振れるようだと、NTショートによるスプレッド狙いを難しくさせよう。
11月第3週(11月18日-22日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりの越しであり、売り越し額は4113億円(11月第2週は491億円の買い越し)だった。なお、現物は3300億円の売り越し(同1521億円の買い越し)と3週ぶりの売り越しであり、先物は812億円の売り越し(同1029億円の売り越し)と2週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で1758億円の買い越しで2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で200億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、12月2日に7-9月期法人企業景気予測調査、中国11月財新製造業PMI、米国11月ISM製造業景気指数、3日に米国10月JOLTS求人件数、4日に米国11月ADP雇用統計、米国11月ISM非製造業景気指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、5日に米国10月貿易収支、6日に10月全世帯家計調査、10月景気動向指数、米国11月雇用統計などが予定されている。
<国内>
○08:50 ◇ 7-9月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額、予想:前年比6.7%)
<海外>
○06:45 ◎ 10月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○09:30 ◎ 10月豪住宅建設許可件数(予想:前月比1.3%)
○09:30 ◎ 10月豪小売売上高(予想:前月比0.4%)
○10:45 ◎ 11月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.6)
○16:00 ◇ 11月トルコ製造業PMI
○16:00 ◇ 11月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○16:30 ◇ 10月スイス小売売上高
○17:30 ◇ 11月スイス製造業PMI(予想:49.5)
○17:50 ◎ 11月仏製造業PMI改定値(予想:43.2)
○17:55 ◎ 11月独製造業PMI改定値(予想:43.2)
○18:00 ◎ 11月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.2)
○18:30 ◎ 11月英製造業PMI改定値(予想:48.6)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏失業率(予想:6.3%)
○23:45 ◎ 11月米製造業PMI改定値(予想:48.8)
○24:00 ☆ 11月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:47.6)
○24:00 ◇ 10月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○24:00 ◇ 11月メキシコ製造業PMI
○3日05:15 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末の海外市場でドル円は、米感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場が短縮取引となったことから取引参加者が少なく、150.00円を挟んだ方向感に乏しい値動きだった。ただ、日経新聞電子版の植田和男日銀総裁のインタビュー記事で、タカ派と捉えられる発言や、円安けん制発言が伝わると149.47円まで下落した。ユーロドルは1.05ドル後半を中心に小動きだった。
本日の東京時間のドル円は、上値が重いか。これまで植田日銀総裁をはじめ日銀要人は、利上げをしたいにもかかわらず、石破総理が就任し、10月の総選挙が決定したことで、政権の意向を組み「経済物価が見通し通り動けば緩和の度合いを調整するが、本当にそうか見極める時間があるので丁寧にやる」とタカ派姿勢が後退させていた。
しかし、総選挙が終了したとほぼ同時の10月31日には、「時間的な余裕がある(という言葉)は今後使わない」と再びタカ派路線に戻っている。ただ、タカ派後退発言以後の本邦経済指標(全国CPIコア、同・刈込平均値、実質賃金、実質GDP)の結果は、インフレ率のコアコア以外はどれも低下し、GDPは前月分の大幅下方修正を含め悪化したものだった。これらの弱まった指標結果にもかかわらず、週末の日経新聞によるインタビューでは植田日銀総裁は「データはオントラック」と述べているが、「オントラック」だったのは選挙前からであり、「時間的な余裕」発言を撤回したのが、総選挙の終了と同時に政治的圧力が緩和されたことで、以前から追加利上げをしたかったことが示されている(注:植田総裁の日経インタビューは28日に行われたもので、29日の東京都区部のCPI発表前)。日銀が一時的に利上げを停止し政府の意向を組んだのは、日本銀行法(第4条)で「金融政策が『政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない』」とされているように、他国のような厳密な独立性がなく、政府の要望には逆らえない状況だったからだろう。
また、上述のように先週29日に発表された11月の東京都区部CPIでは生鮮食品を除いた結果が、前月の1.8%増や市場予想の2.1%増を上回る2.2%増となったことが、より利上げへの大義名分となるのだろう。よって、今月18-19日もしくは来年1月23-24日の日銀政策決定会合での利上げはほぼ既定路線なのではないだろうか。日銀の利上げが確実視される中で、先週にはニュージーランドや韓国が利下げしたように、他国の中銀は利下げに傾いている。他国中銀には利下げ圧力が高く、一方で日銀の利上げの可能性が高まっていることで、中銀間の方向性の違いで円は買われやすそうだ。
利上げが既定路線にある中で、本日は日銀から16時発表予定の「債券市場サーベイ」に注目したい。この数年間は12月発表の「サーベイ」の結果が、日銀の決定に影響を与えたとされている。
一昨年(2022年)は、「サーベイ」の結果で、これまで以上に国債市場の機能度が悪化したことが判明すると、日銀は12月の政策決定会合で長期金利の許容変動幅を従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大すると発表した。昨年(2023年)は、「サーベイ」が日銀に対応を迫るような結果ではなかったことで、超緩和策が維持され、フォワードガイダンスの文言にも修正が無かったとされている。今年も、このサーベイが今月18-19日に行われる政策決定会合に大きな影響を与える可能性もあることで、要注目となりそうだ。
円以外では豪ドルの動きにも要警戒。本日は豪州から10月の住宅建設許可件数と小売売上高、中国から11月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。12月9-10日の豪準備銀行(RBA)理事会が予定されていることで、豪州の経済指標や豪ドルが反応しやすい中国の指標に注目したい。また、先週同様にトランプ次期大統領がSNS(TruthSocial)を通して、様々な決定を発表する可能性もあることで、引き続きSNSからも目が離せないだろう。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38160 -10 (-0.02%)
TOPIX先物 2682.0 +3.0 (+0.11%)
シカゴ日経平均先物 38300 +130
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
29日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。12月の米連邦公開市場(FOMC)では利下げに踏み切るとの観測が優勢で、米長期金利の低下が相場の追い風となった。感謝祭翌日の短縮取引で市場参加者は限られていたが、NYダウ、S&P500指数は最高値を更新した。年末商戦が本格的に始まる「ブラックフライデー」を迎え、大幅な値引きが消費を押し上げるとの期待から、景気敏感株や消費関連株などが買われた。また、米国による中国製半導体への追加規制は想定されていたほど厳しい措置にならないとの報道を受け、エヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が買われた。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、ボーイング<BA>、ハネウェル・インターナショナル<HON>が買われた。半面、メルク<MRK>やジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>がさえない。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、不動産、銀行、家庭用品・パーソナル用品が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比130円高の3万8300円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比80円安の3万8090円で始まり、ショート優勢のなかで3万8000円まで売られた。同水準での底堅さが意識されて、米国市場の取引開始後はロング優勢となりプラスに転じ、3万8460円まで買われる場面もみられた。米国市場の取引終了後は薄商いのなかで持ち高調整の動きとなり、3万8160円でナイトセッションの取引を終えた。
短縮取引ではあったが、日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや買い先行で始まることが見込まれる。ただし、為替市場では円相場が1ドル=149円台と円高に振れて推移しているため、重荷になりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時3万8460円まで買われ、200日移動平均線(3万8410円)を捉える場面もみられたが、同線が抵抗線として意識される形だった。その後は75日線(3万8160円)辺りでの攻防となっており、買い一巡後は方向感に欠ける展開になりそうである。
ただし、3万8000円近辺では底堅さがみられており、同水準に接近する局面は押し目待ち狙いのロングでの対応とみる。下へのバイアスが強まる局面では、ボリンジャーバンドの-2σ(3万7710円)水準が支持線として意識されそうだ。一方で、75日線のほか-1σ(3万8210円)辺りで底堅さがみられるようであれば、200日線突破を試す動きが入りやすいだろう。同線を捉えてくるようだと、25日線(3万8710円)が射程に入ってくる。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円を中心とした上下の権利行使価格3万8000円から3万8500円のレンジを想定する。
なお、ドル円相場は200日線が位置していた152円を明確に割り込んだことで、75日線(148円40銭)辺りが目先的なターゲットになろう。円高が加速するなかではショートが入りやすいとみられるものの、3万8000円割れの水準では押し目待ちの買い意欲の強さもみられており、ショートを積み増す動きは控えたい。
29日の米VIX指数は13.51(前日は13.90)に低下した。14日につけた直近安値(13.59)を下回り、7月半ば以来の水準まで下げてきた。5月下旬につけた11.86が意識されてきており、米国では年末高を意識したリスク選好が傾向として強まろう。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが、日経平均型の重荷となった。円高進行を背景に輸出関連株も売られたが、リスク回避から内需系が底堅い値動きをみせるなかで相対的にTOPIX型優位だった。本日は値がさハイテク株が買い戻される可能性があり、日経平均型が優位になりそうだが、足もとでは200日線(14.28倍)、75日線(14.31倍)、25日線(14.34倍)が抵抗として意識されやすく、これらを突破するまではトレンド転換は期待しづらく、NTショートが入りやすいだろう。
ドル円は、先週末、短縮取引となったNY市場が終わるや否や、NY時間午後入って日経新聞電子版が植田日銀総裁のインタビュー記事を掲載。利上げを示唆するような発言内容となると、NY時間につけていた150.53円の戻り高値からは再び149.47円まで値を下げて週末の取引を終えました。
そして、感謝祭休暇明けから市場参加者が戻ってくる本日のアジア市場。ドル円という木を見るのではなく、金融市場全体の森を見渡してみると、フランスが予算案を巡り、ドイツ同様に政局。仏国債利回りが上昇して始まると、米10年債利回りも5bpの急上昇。ユーロドルが先週末安値を下抜けて下落するなど、全般ドル買いの流れ。ドル円は早朝に149.51円まで下押ししたものの、一目雲上限の149.57円や先週末安値の149.47円といった重要なサポートレベルが意識されたほか、月初とあって本邦実需の買いが断続的に観測されるとNY時間の高値150.53円を上抜けて一時150.69円まで買戻されているといったところです。
いずれにしても、ドル円は日米金融政策の思惑が先行しているわけですが、日銀の利上げについては「もともと12月か1月のいずれか」という認識からは「さほど大きく変更はない」わけで、先週末のドル売りにしても、欧州時間に買い戻していた分だけの下落といった状況。米国については、今週末まで続く重要指標をしっかりと見極める必要があって、週明けからの米10年債利回りの5bpもの上昇が意味するところは、先週末の金利低下があくまでも「感謝祭休暇中のポジション調整と月末要因のデュレーション長期化に伴うドレッシング買い」であったことも明らか。森全体を見通しながら、年末相場に入っていきます。
日経225先物は11時30分時点、前日比60円高の3万8230円(+0.15%)前後で推移。寄り付きは3万8190円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8300円)には届かなかったが、小幅ながら反発して始まった。現物の寄り付き直後に3万8380円まで買われ、200日移動平均線(3万8410円)に接近した後はショート優勢の流れとなり、中盤にかけて一時3万7950円と節目の3万8000円を割り込む場面もみられた。ただし、これまで同様、3万8000円を下回る局面では押し目待ち狙いのロングが意識されるなか、終盤にかけては短期筋のショートカバーを交えての切り返しでプラスに転じ、3万8250円辺りで推移している。
日経225先物は、中盤にかけて下げ幅を広げたが、円相場が1ドル=150円半ばと朝方から円安に振れて推移したことでショートカバーに向かわせたようだ。終盤にかけての切り返しにより75日線(3万8170円)を上回って推移するなか、底堅さがみられてくるようだと、再び200日線突破を試す展開が意識されてきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が買われたが、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となった。一方で、銀行、保険など金融セクターのほか、輸出関連株の一角が買われるなか、相対的にTOPIX型優位となった。一時14.12倍と11月21日に付けた直近安値水準まで低下しており、同水準を割り込んでくるようだと、9月5日に付けた13.93倍が意識されてきそうだ。
本日の欧州市場でのユーロは、仏・独の政治的リスクを抱えながら、仏・独・ユーロ圏で発表される11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値などを確認してゆくことになるか。
まず、欧州市場序盤に、仏・独・ユーロ圏で11月製造業PMI改定値が発表予定。いずれも市場予想は速報値から変わらずと見られている。とはいえ、先月22日に発表された仏・独・ユーロ圏の製造業・サービス業PMI速報値では、独製造業が小幅に予想を上回った以外はすべて予想を下回るなど、欧州圏の景況感の悪化が示される内容になってユーロが売られたのは記憶に新しい。速報値からの下方修正が相次ぐ場合は再び欧州の景気悪化が意識されて、ユーロ売りの材料にされる可能性がある。
また、仏・独の政局不安も、ユーロにとって懸念材料である。フランスでは、ルペン氏が率いる国民連合(RN)が、予算案が修正されない場合は内閣不信任案に賛成票を投じるとされている中、本日朝方にアルマン財務相が「フランスは予算で脅迫されることはない」と発言したことで、政局運営に不透明感が強まりユーロが売られた。ドイツでは連立政権が崩壊し総選挙を前倒しで行うことになるなど、欧州連合(EU)域内で1位と2位の経済大国の政局が不安定となり、欧州勢の反応に注目したい。
そのほか、対円相場という点では、16時に予定されている日銀の債券市場サーベイ(2024年11月調査)にも注目したい。先月29日の植田日銀総裁のインタビュー記事に続いて、日銀の早期利上げ観測を後押しする内容が伝われば、再び円が買われる展開も考えられる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:11月29日高値1.0597ドル
・ユーロ円:11月29日陰線実体部の1/2戻し水準159.16円
想定レンジ下限
・ユーロドル:一目均衡表の転換線1.0473ドル
・ユーロ円:9月19日安値157.78円
(2日15時時点)
ドル円:1ドル=150.72円(前営業日NY終値比△0.95円)
ユーロ円:1ユーロ=158.58円(△0.17円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0521ドル(▲0.0056ドル)
日経平均株価:38513.02円(前営業日比△304.99円)
東証株価指数(TOPIX):2714.72(△34.01)
債券先物12月物:142.82円(▲0.24円)
新発10年物国債利回り:1.075%(△0.025%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.36300%(△0.00100%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
前年同期比 8.1% 7.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。時間外の米10年債利回りが上昇するなか、対ユーロなどでドル高が進んだ影響を受けた。日経平均株価が一時340円超上昇するなど堅調に推移したことで、投資家のリスク志向改善を意識した買いも進み、一時150.75円まで値を上げた。
・ユーロドルは弱含み。フランスの予算案を巡って、政局の不透明感が高まっていることを嫌気した売りが出た。米金利の上昇も相場の重しとなり、前週末安値の1.0542ドルを下抜けて一時1.0515ドルまで値を下げた。
・ユーロ円は下げ渋り。仏政局の不透明感を手掛かりにしたユーロ売りに押されて一時157.97円まで値を下げたものの、その後は日本株高やドル円の上昇につれて158.64円まで反発した。
・日経平均株価は反発。寄り付き後に下げに転じる場面があったものの、節目の3万8000円を下回った水準では押し目買いが観測された。「厚生労働省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用利回り目標を0.2%引き上げる方針を示した」との報道が伝わり、GPIFが株式への投資配分を増やすことにつながるとの思惑が広がったことも買いを誘った面がある。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。日銀の利上げ観測が相場の重しとなり、一時142円68銭まで下押しした。一巡後はやや下げ幅を縮めたものの、戻りは限られた。
SMBC日興証券では、12月9日に内閣府が公表する7-9月期の四半期GDP2次速報に関して、実質GDP成長率は1次速報の前期比+0.2%、年率+0.9%から、2次速報では前期比+0.3%、年率+1.1%へ小幅に上方修正されると予想している。法人企業統計を受けて設備投資(民間企業設備)が前期比-0.2%から+0.1%へ、建設総合統計を映じて公共投資(公的固定資本形成)が-0.9%から-0.7%へと上方改定されると想定している。法人企業統計を反映しても、在庫投資(民間在庫変動)の寄与度は+0.1%ptで変わらないと予想している。
大和証券では、米国で12月6日発表の11月雇用統計に向けて、週内では3日に10月JOLTS求人数、4日に11月ADP雇用レポートなど、雇用関係の経済指標の発表が続くことに注目している。米国では雇用はFRBの政策目的になっているため、雇用の変化は金融政策を変更する引き金となる。11月の雇用統計に関しては、非農業部門雇用者数が前月に対して大きく増加する見込みであるものの、平均時給の伸び鈍化や失業率の悪化が予想されている。市場予想に近い線で公表されると、FFレート引き下げの追い風になる可能性が高いと大和では考えている。
UBS証券では、11月の東京都区部消費者物価指数(CPI)は、日銀が12月19日に政策金利を引き上げるという同社の予想に対する確信を強めたとコメント。サービス価格は前年同期の0.8%から0.9%と小幅に上昇したが、 今年4月からの高校授業料無償化の効果を除くとサービスインフレは1.4%なっているとのこと。日銀は10月に示した予想に沿っていると判断する可能性が高いとUBSでは考えている。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
フランスの政権崩壊危機 3つの内閣不信任投票と極右の変心
フランスでは近く来年度の予算審議に関連した3つの内閣不信任投票が行われる。政権奪取の機会を窺う極右政党は、政府が予算案の修正に応じない限り、不信任票を投じる可能性を示唆。バルニエ首相は極右の要求を一部受け入れたが、極右は更なる譲歩を求めている。不信任となった場合、内閣は総辞職し、来年度予算案も廃案となる。極右の協力で信任された場合も、下院選挙が解禁される来年後半以降、再選挙となる可能性が高まっている。前回は反極右で協力した左派と中道間の亀裂、選挙制度改正の行方次第で、極右の政権奪取が現実味を帯びかねない。
2024年10月25日に配信した「日米の選挙と金融政策の見立て」を検証しておきたい。
1.ドル円の相場観
ドル円は、ドル高・円安8年サイクルにより、7月の161.95円でピークアウトして、次の8年サイクルの2032年の175円付近のピークアウトまで、127円-161円を底辺とする「三角保ち合い」を形成すると予想する。
2. 衆議院議員選挙(10月27日):イシバノミクス
ドル円の底値が、第1波動の頂点126.86円を上回る127円台までとの見立ては、石破政権がかろうじて政権を維持することを示唆している。
メインシナリオは、自民党が単独過半数(233議席)を割り込むものの、自公連立では過半数を維持だと思われる。
すなわち、アベノミクスの全否定に繋がる政権交代は起こらないことを示唆している。
リスクシナリオ(1)は、自公連立の過半数割れで、一部野党を組み込んだ連立政権で、石破首相は辞任となる。総裁選のリスクシナリオは、第2次岸田政権の誕生となる。
リスクシナリオ(2)は、立憲民主党が勝利して、野田首相による連立政権樹立となる。
●結果:自公連立が過半数割れしたものの、第2次石破政権が発足。
3.日銀金融政策決定会合(10月30-31日)
日銀金融政策決定会合では、現状維持が見込まれるが、12月18-19日の会合に向けて、「金利の壁」である0.50%までの追加利上げが示唆されると予想する。
〇結果:10月日銀金融政策決定会合では現状維持。
4.米国大統領選挙(11月5日):トランプノミクス2
ドル円の底値が127円台までとの見立ては、トランプ第47代米大統領の誕生を示唆している。すなわち、トランプノミクス2が志向する関税引き上げによるドル売り・円高要因、拡張的な財政出動は、米長期金利の上昇によるドル円の下げ止まりを示唆している。
〇結果:第2次トランプ米政権が誕生し、「トリプル・レッド」を達成
5.米連邦公開市場委員会(FOMC)(11月6-7日)
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の追加利下げ、そして12月のFOMCでも0.25%の追加利下げが実施され、年末のFF金利誘導目標は4.25-50%まで低下することが予想される。
〇結果:11月FOMCで0.25%の追加利下げ決定。
大阪12月限
日経225先物 38470 +300 (+0.78%)
TOPIX先物 2710.5 +31.5 (+1.17%)
日経225先物(12月限)は前日比300円高の3万8470円で取引を終了。寄り付きは3万8190円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8300円)には届かなかったが、小幅ながら反発して始まった。現物の寄り付き直後に3万8380円まで買われ、200日移動平均線(3万8410円)に接近した後はショート優勢の流れとなり、前場中盤にかけて一時3万7950円と節目の3万8000円を割り込む場面もみられた。ただし、これまで同様、3万8000円を下回る局面では押し目待ち狙いのロングが意識されるなか、前場終盤にかけてプラスに転じ、ランチタイムで3万8320円まで買われた。
現物の後場開始直後には3万8240円まで軟化したが、その後は一気に3万8500円に乗せた。厚生労働省が「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を通じて運用する資産の利回り目標を引き上げる方針を明らかにした」と報じられた。これを受け、株式の割合を増やすとの思惑が高まり、ロングの動きが強まったようだ。
日経225先物は抵抗線として意識されていた200日線を上回ったことでショートカバーを誘う流れとなった。買い一巡後も終盤にかけて3万8390円~3万8560円辺りでのレンジとなり、200日線を上回っての値動きが目立った。また、円相場が1ドル=150円半ばと朝方から円安に振れて推移したこともショートカバーに向かわせた。
日経225先物は後場に入ってからの一段高で抵抗線を突破したが、200日線が支持線に変わるようだと、25日線(3万8720円)が射程に入ってくるだろう。25日線を明確に上放れてくるようだと、11月半ば以降の保ち合いを突破する形になるため、上へのバイアスが強まる可能性がありそうだ。しばらくは200日線水準では強弱感が対立しやすいと考えられるが、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8750円でのレンジを想定する。
NT倍率は先物中心限月で14.19倍に低下した。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が買われたが、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となった。一方で、銀行、保険など金融セクターのほか、輸出関連株の一角が買われるなか、一時14.12倍と11月21日に付けた直近安値水準まで低下する場面もみられた。ただし、後場の上昇局面でリバランスに向かわせていた。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5164枚、ソシエテジェネラル証券が1万7941枚、サスケハナ・ホンコンが6754枚、日産証券が6383枚、みずほ証券が3116枚、JPモルガン証券が2294枚、モルガンMUFG証券が2257枚、ゴールドマン証券が2006枚、バークレイズ証券が1886枚、SBI証券が1637枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万6156枚、ソシエテジェネラル証券が2万0296枚、日産証券が8417枚、バークレイズ証券が5334枚、サスケハナ・ホンコンが5040枚、JPモルガン証券が3867枚、モルガンMUFG証券が2926枚、野村証券が2795枚、ゴールドマン証券が2005枚、ビーオブエー証券が1849枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、11月米製造業PMI改定値や11月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数を受けた米10年債利回りの動向を見極めていくことになる。
また、トランプ次期米大統領によるSNSなどでの突発的な発言やウクライナ、中東情勢に関するヘッドラインには、引き続き警戒しておきたい。
ドル円のテクニカル分析では、長期的な攻防の分岐点である200日移動平均線151.99円を下回っており、一目均衡表でも均衡表の逆転、遅行スパンの逆転となり、本日は、雲の上限149.57円付近での推移となっている。
11月米製造業PMI改定値の予想は48.8、11月米ISM製造業景気指数の予想は47.6となっている。
12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、物価指数や雇用指数にも注目しておきたい。
12月17-18日のFOMCでの0.25%の利下げ確率は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では66%程度となっている。
今後、11月の米雇用統計(12/6発表)や消費者物価指数(12/11発表)の数字を確認して、利下げなのか、それとも据え置かれるのかを見極めていくことになる。
また、今後のリスクシナリオとして、ベッセント次期米財務長官やトランプ次期米大統領によるドル高牽制発言の可能性を警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、同様の発言の可能性には警戒しておきたい。トランプ次期米大統領は、これまでのところ、中国、カナダ、メキシコに対する関税引き上げには言及しているが、対日関税やドル円に関する言及は聞かれていない。
さらに、ウクライナ戦争や中東での紛争を巡る関連ヘッドラインには引き続き警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、151.55円(11/29高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、149.47円(11/29安値)
今週のNY市場は米11月雇用統計に注目。先週はダウ平均が1.39%高、S&P500が1.06%高、ナスダック総合が1.13%高とともに2週続伸した。28日木曜日が感謝祭の祝日で休場、29日が短縮取引だったが、前週末にトランプ次期大統領が関税は段階的に導入すべきと主張するヘッジファンド・マネージャーのスコット・べッセント氏を次期財務長官に指名したことや、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待が続いたこと、バイデン政権が検討している中国向けの半導体輸出規制が予想されたほど厳しくないとの報道を受けて半導体株が上昇したことも相場を押し上げた。11月月間ではダウ平均が7.54%高、S&P500が5.73%高、ナスダック総合が6.21%高とそろって大幅反発。ダウ平均とS&P500は今年最大の月間上昇率を記録した。年初来ではダウ平均が19.16%高、S&P500が26.47%高、ナスダック総合が28.02%高となった。
今週は12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しを巡り、11月雇用統計などの経済指標や、パウエルFRB議長などのFRB高官の発言に注目が集まる。12月17-18日開催のFOMCでは0.25%の追加利下げ見通しが再び強まっており、CMEのフェド・ウォッチの0.25%の利下げ確率は1週間前の53%から65%に上昇した。金曜日に発表される11月雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)がハリケーンの影響で1.2万人増にとどまった10月分から17.75万人増に増加が見込まれているが、失業率は10月分の4.1%から4.2%に悪化が予想されている。米主要3指数はそろって史上最高値圏にあり、S&P500とナスダック総合は年初からそれぞれ26.47%高、28.02%高となり、高値警戒感が強いものの、12月の米国株は歴史的に上昇確率が高く、雇用統計がおおむね予想通りとなれば、利下げ期待の高まりが引き続き相場の支援となりそうだ。このほかの経済指標は11月ISM製造業・非製造業PMI、12月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値など。要人発言では4日午後のパウエルFRB議長講演のほか、ウォラーFRB理事、クーグラーFRB理事、ボウマンFRB理事、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、グールズビー米シカゴ連銀総裁、ムサレム米セントルイス連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁など。
今晩の米経済指標・イベントは1月S&Pグローバル製造業PMI確定値、11月ISM製造業PMI、10月建設支出など。主要な企業の決算発表はなし。
一部通信社の話ではバルニエ仏首相が議会の投票なしに社会保障予算法案を採択するために特別な憲法上の権限を行使する予定だという。
一部報道によると、仏国民連合(RN)は年金に関する譲歩がなければバルニエ首相に対する不信任案を提出する方針だという。
日経平均株価は反発。一時は38000円を割り込む場面があったが、終値ベースでは一目均衡表の雲上限(38588円 12/2)付近まで上昇する陽線を形成した。
RSI(9日)は前日の49.7%→52.0%(12/2)に上昇。50%超えは11/15以来となる。5日移動平均線(38329円 同)、10日移動平均線(38350円 同)、100日移動平均線(38293円 同)を同時に上抜けており、次は25日移動平均線(38691円 同)上を回復できるかが、あすのポイントとなる。
大きな流れは前日からの見方に変化はない。一方、上述した25日移動平均線に加え、11/25につけた終値ベースの戻り高値(38780円)を超えられるかが上値拡大の要素となる。
上値メドは、25日移動平均線、心理的節目の39000円や39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)などがある。下値メドは、75日移動平均線(38237円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)などがある。
(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.59円(2日15時時点比▲1.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.89円(▲1.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0487ドル(▲0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:8312.89(前営業日比△25.59)
ドイツ株式指数(DAX):19933.62(△307.17)
10年物英国債利回り:4.212%(▲0.030%)
10年物独国債利回り:2.034%(▲0.054%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月英ネーションワイド住宅価格 (前月比)
1.2% 0.1%
11月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
48.3 45.8
11月スイス製造業PMI
48.5 49.9
11月仏製造業PMI改定値
43.1 43.2
11月独製造業PMI改定値
43.0 43.2
11月ユーロ圏製造業PMI改定値
45.2 45.2
11月英製造業PMI改定値
48.0 48.6
10月ユーロ圏失業率
6.3% 6.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。アジア時間には先週末に売られた反動で150.75円まで持ち直したものの、日銀の早期利上げ観測が高まるなかで欧州勢参入後は戻り売りが優勢に。米10年債利回りが上昇したほか、11月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値や11月米ISM製造業景況指数が市場予想を上回ったことで下げ渋る場面も見られたが、反発力は弱かった。
米金利が急速に上昇幅を縮めると売りが活発化し、先週末安値の149.47円を下抜けて10月16日以来の安値となる149.08円まで売り込まれた。市場の流動性が悪く、値が振れやすかった面もあった。
・ユーロ円は売り優勢。欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測や仏政局不安が高まるなか、序盤から売りが先行。一巡後は158円を挟んだもみ合いが続いていたが、NYタイムに入るとドル円の下落につれて売りが再開し、一時156.38円まで下値を広げた。その他クロス円も弱く、ポンド円は188.48円、豪ドル円は96.28円、NZドル円は87.64円まで値を下げた。
なお、バルニエ仏首相は不人気の予算案の一部を採決なしで議会を通過させるため、憲法上の手段を行使した。これに対して極右・左派の両野党は内閣不信任案に賛成する意向を表明。4日にも採決し可決される見通しとなっている。
・ユーロドルは弱含み。仏政局の先行き不透明感などから売りが強まったほか、良好な米指標を受けて米長期金利が一時上昇したことも嫌気され、一時1.0461ドルまで下落した。
・ロンドン株式相場は4日続伸。先週末に続き、欧州長期金利の低下が株式相場の下支え要因となった。分野別では、不動産株やエネルギー関連株が売られた半面、資本財・サービスや生活必需品株が買われた。
・フランクフルト株式相場は3日続伸。その他欧州株と同様に欧州金利の低下が相場を後押しし、堅調に推移した。個別では、アディダス(3.18%高)やミュンヘン再保険(2.93%高)が買われた半面、バイエル(0.53%安)などは売られた。
・欧州債券相場は上昇。
12月に入り2日の日経平均は大幅反発。終値は304円高の38513円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1066/値下がり512。日経新聞の植田総裁へのインタビュー記事を手がかりに日銀の12月利上げが意識されたことから、三井住友、第一生命、東京海上など金融株が大幅上昇。富山第一銀、九州FG、京都FGなど地銀株にも資金が向かった。売買代金上位では、フジクラや日立など今年強く買われた銘柄の動きが良かった。自己株取得を発表したサンケン電気が急騰。業務提携に関するリリースが好感されたピーバンドットコムがストップ高まで買い進まれた。
一方、柳井社長兼会長の発言に対して中国で反発の動きが広がっていると一部メディアで報じられたファーストリテイリングが軟調。レーザーテック、村田製作所、ニデックなど、ハイテク系の一角が逆行安となった。中期の経営戦略が失望を誘った資生堂が、証券会社の目標株価引き下げもあって6%を超える下落。コーセー、アイスタイル、ヤーマンなど化粧品・美容関連銘柄が全般弱かった。金融庁が立ち入り検査に入ったと複数メディアで報じられたFPパートナーがストップ安まで売り込まれた。
日経平均は大幅高。後場の強い上昇に関しては、厚生労働省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を通じて運用する資産の利回り目標を引き上げる方針と伝わったことが、買いを呼び込んだとの見方があった。11月27日から4営業日連続で38000円割れでは買いが入っており、きっかけ一つで上を試しやすい地合いにもなっていた。反動売りに押されることなく25日線(38691円、2日時点、以下同じ)を超えてくれば、きょう上回った5日線(38329円)や75日線(38237円)がサポートになって好循環が発生する展開も期待できる。週末の米雇用統計を前に手がけづらさが意識されるかと思いきや、週初から大型株が強い動きを見せてきた。単発で終わらず活況な売買が続くようであれば、日本株に対する評価が良い方に変わってくるだろう。
2日08:07 アルマン仏財務相
「フランスは予算で脅迫されることはない」
2日14:09 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト(FT)
「インフレ率はECBの目標である2%に近づいたが『まだ少し距離がある』」
「データへの依存度は低下するが、新たな課題は『会合ごとに』発生するリスクを評価すること」
2日15:15 カザークス・ラトビア中銀総裁
「インフレ問題は近く終わると見込む」
「個人的には利下げの継続が必要」
「ECBが12月会合で大幅利下げを議論する可能性は高いが、不確実性も高い」
2日19:09 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「12月に再び利下げがありそうだ」
2日22:40 ガリポロ次期ブラジル中銀総裁
「金利が長期間高止まりするシナリオが想定される」
「予想以上に強い経済と弱い通貨が組み合わさると、より引き締まった金融政策が必要になるのは論理的」
「中央銀行の役割はインフレ期待を再固定すること」
「債務対GDP比の予測は、今年の金利、インフレ、GDP予測ほど大きく変化していない」
3日00:16 ルペン仏極右政党・国民連合(RN)議員
「予算に関する我々の要求は満たされなかった」
3日02:02 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「インフレは2%目標に向けて順調に推移」
「経済成長は冷え込んでおり、企業の価格決定力は引き続き低下」
「労働市場は安定化しており、最大雇用水準に達しているか、それに近い状態」
「利下げに関しては柔軟性を強調」
「政策は依然として引き締め的」
「2025年の利下げのペースや程度についてはまだ決定していない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 11月マネタリーベース
<海外>
○06:30 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○09:01 ◇ 11月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比0.6%)
○09:30 ◇ 7-9月期豪経常収支(予想:100億豪ドルの赤字)
○16:00 ◎ 11月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月1.91%/前年比46.60%)
○16:30 ◎ 11月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○17:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:30 ◎ 7-9月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比0.5%/前年同期比1.2%)
○21:00 ☆ 7-9月期ブラジルGDP(予想:前期比0.8%/前年同期比4.0%)
○21:00 ◇ 10月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.90%)
○24:00 ◎ 10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:747.5万件)
○4日00:30 ◎ パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○4日02:35 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○4日05:45 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.60円(前営業日比▲0.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.05円(▲1.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0498ドル(▲0.0079ドル)
ダウ工業株30種平均:44782.00ドル(▲128.65ドル)
ナスダック総合株価指数:19403.95(△185.78)
10年物米国債利回り:4.19%(△0.02%)
WTI原油先物1月限:1バレル=68.10ドル(△0.10ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2658.5ドル(▲22.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米製造業PMI改定値
49.7 48.8
11月米ISM製造業景況指数
48.4 46.5
10月米建設支出 (前月比)
0.4% 0.1%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。11月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値や11月米ISM製造業景況指数が市場予想を上回り、米長期金利は上昇したが支えとはならず、日銀の早期利上げ観測が一段と高まるなかでクロス円とともに売りが優勢に。その後に米金利が上昇幅を急速に縮めると、先週末安値の149.47円を下抜けて10月16日以来の安値となる149.08円まで売り込まれた。市場の流動性が悪く、値が振れやすかった面もあった。
もっとも、一巡後はショートカバーが入り149.80円手前まで持ち直した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「12月の利下げ支持に傾いている」と発言したことで149.20円台まで再び下げる場面があったが、下値は限られた。
・ユーロドルは反落。欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測や仏政局不安の高まりから売りが強まった。良好な米指標を受けて米長期金利が一時上昇したことも嫌気され、一時1.0461ドルまで下落した。ただ、米金利がその後に上昇幅を縮めたため次第に買い戻しが入り、ウォラーFRB理事のハト派発言で1.0516ドル付近まで切り返した。
なお、バルニエ仏首相は不人気の予算案の一部を採決なしで議会を通過させるため、憲法上の手段を行使した。これに対して極右・左派の両野党は内閣不信任案に賛成する意向を表明。4日にも採決し可決される見通しとなっている。
・ユーロ円は続落。対ドルを中心に円高が進んだ流れに沿って156.38円まで値を下げた。また、ポンド円は188.48円、豪ドル円は96.28円、NZドル円は87.64円まで下値を広げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。小幅高で始まったものの、先週末に史上最高値を更新した後とあって主力株に利益確定売りが出たため、一転して売りが優勢となった。一方、11月米ISM製造業景況指数などが市場予想を上回ったことが下値を支えた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は続伸した。史上最高値を更新。高度運転支援システムの最新版を公表したテスラが買われた。
・米国債券相場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落。良好な米経済指標を受けて債券売りが強まり、利回りは一時4.24%まで上昇した。ただ、今週は週末の11月米雇用統計を含め重要指標が目白押しとなっており、内容を見極めたいとの見方からポジションを一方向に傾ける動きは限られた。
・原油先物相場は小幅ながら5日ぶりに反発。下落が続いた先週の反動で時間外から買い戻しが先行するも、NY勢の本格参入後からは上値を切り下げる展開に。原油の供給懸念が後退しつつあるなか、一時マイナス圏まで沈んだ。もっとも、今週5日に開催される「石油輸出国機構(OPEC)プラス会合」を控えて売りも続かず、引けにかけて68ドル台を回復した。
・金先物相場は3営業日ぶりに反落。為替でドルが対ユーロで堅調に推移し、ドル建て金に割高感が生じて売り圧力が強まった。11月米ISM製造業景況指数など米経済指標が総じて予想より強かったことも、リスク回避資産とされる金にとっては重しとなった。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38620 +150 (+0.38%)
TOPIX先物 2719.0 +8.5 (+0.31%)
シカゴ日経平均先物 38615 +145
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
2日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。トランプ次期米大統領が、中国とロシアなど新興国の「BRICS」加盟国に対し、新たな通貨を創設した場合、100%の関税を課すとの考えを示した。米国のインフレ圧力になるほか、報復措置による影響が警戒されるなど、トランプ氏の関税政策に対する不透明感が重荷となった。11月のISM製造業総合景況指数は48.4と市場予想(47.5辺り)を上回り、景況感の改善が下支えとなる形で下げ渋る場面もみられたが、短期的な過熱感が燻るなか、NYダウは反落。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やエヌビディア<NVDA>、マイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株の一角が買われたほか、高度運転支援システムの最新版を公表したテスラ<TSLA>が上昇し、ナスダック指数は最高値を更新。特別委員会による調査で不正会計の証拠がないことがわかったと発表したスーパー・マイクロ・コンピューター<SMCI>が急伸したこともセンチメントを明るくさせた。半導体SOX指数の上昇率は2.6%を超え、S&P500指数は連日で最高値を更新している。
NYダウ構成銘柄ではアマゾン・ドットコム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>が上昇した半面、アムジェン<AMGN>やJPモルガン・チェース<JPM>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、ハネウェル・インターナショナル<HON>がさえない。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比145円高の3万8615円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万8440円で始まり、直後につけた3万8380円を安値にリバウンドをみせており、米国市場の取引開始前にはプラス圏を回復。取引開始後は3万8480円から3万8680円辺りのレンジで推移し、一時3万8700円まで買われる場面もみられた。引けにかけてはポジション調整とみられる動きが入り、3万8620円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。ナイトセッションでは200日移動平均線(3万8430円)を上回っての推移が目立っており、25日線(3万8720円)とのレンジ推移だった。米国では半導体株の一角が買われ、ナスダック指数は最高値を更新し、半導体SOX指数が2%を超える上昇となったことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する形になりそうだ。
ただし、為替市場では円相場が1ドル=149円台と円高に振れて推移しているため、重荷になるだろう。25日線が抵抗線として強く意識されてくると、戻り待ち狙いのショートが入りやすい。そのため、まずはオプション権利行使価格の3万8375円から3万8750円のレンジを想定する。200日線に接近する局面では押し目狙いのロング対応とし、25日線を明確に上放れてくるのを見極めたい。
25日線を上抜けてくるようだと、節目の3万9000円のほか、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9220円)が射程に入ってくる。ショートカバーを誘う動きも強まるとみられ、短期的にポジションをロングに傾けてくる可能性がありそうだ。
2日の米VIX指数は13.34(前日は13.51)に低下した。低下基調が継続するなか、7月19日に瞬間的につけた10.62が次第に意識されてくる可能性がありそうだ。トランプ氏による関税リスクを警戒しつつも、米国では年末高を意識したリスク選好が強まろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.19倍に低下した。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となった。一方で、銀行、保険など金融セクターのほか、輸出関連株の一角が買われ、一時14.12倍と11月21日に付けた直近安値水準まで低下する場面もみられた。本日は米半導体株の上昇を受けて、NTショートを巻き戻す動きが意識されそうだ。
昨日の海外市場でドル円は、日銀の早期利上げ観測が一段と高まるなかでクロス円とともに売りが優勢に。米金利が上昇幅を急速に縮めると、先週末安値の149.47円を下抜けて10月16日以来の安値となる149.08円まで売り込まれた。ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測や仏政局不安の高まりから売りが強まった。良好な米指標を受けて米長期金利が一時上昇したことも嫌気され、一時1.0461ドルまで下落した。
本日の東京時間のドル円は、上値が重いか。昨日の東京時間はフランスの内閣不信任案が採決される可能性が高まり、ユーロ売り・ドル買いの影響でドル円も底堅い動きになった。しかしながら、12月の日銀政策決定会合での利上げ期待が高まる中で、積極的に円を売るような流れではなく上値が重かった。本日は昨日に上値の重さを確認した後だけに、更に円売り・ドル買いは仕掛けにくいだろう。
昨日日銀が発表した11月調査の「債券市場サーベイ」では、DIはマイナス20ながらも2015年11月調査以来の高い水準となった。8月からの国債買い入れの減額などで市場機能の改善につながったとみられる。また、2024年末は若干下がったが、金利見通しはおおむね前回より上昇予想が高まったことで、市場の利上げ期待も強い。今後は今週予定されている中村審議委員の会見など、日銀関係者の金融政策についての温度差を確認していく相場展開が予想される。ただ、植田日銀総裁が「データはオントラック」と発言したように、先週の11月東京都区部消費者物価指数(CPI)の発表後は12月の政策決定会合まではインフレ指標の発表予定がないことで、12月もしくは1月の利上げ期待の高さが円買い意欲を高めそうだ。また、円買いの勢いは対ドル以外でも根強いことにも要警戒。欧州圏ではフランスやドイツの政局不安、豪州では昨日発表されたメルボルンインスティテュートのインフレ率の低下などもありクロス円が売られやすいだろう。なお、12月に入り市場流動性が悪化していることで、ニュース等が全くない場合でも市場が大きく動意づくリスクには警戒したい。
本日は本邦からは11月マネタリーベース、豪州からは7-9月期経常収支が発表される程度で、経済指標で市場を動意づけるのは難しそうだ。ただし、米国からは10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が発表され、今週6日の米雇用統計まで雇用指標の発表が相次ぐことでNY入り後の市場動向には警戒したい。
日経225先物は11時30分時点、前日比730円高の3万9200円(+1.89%)前後で推移。寄り付きは3万8690円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8615円)を上回り、買いが先行して始まった。直後に付けた3万8590円を安値にロングの動きが強まり、現物の寄り付き時には一気に3万9000円を回復した。節目の3万9000円に乗せたことで、いったんは達成感も意識され、中盤にかけては3万8870円から3万9070円辺りでの推移が続いた。ただし、25日移動平均線(3万8750円)を上回っての値動きのなか、終盤にかけてショートカバーの動きが強まり、一時3万9230円まで買われた。
日経225先物は、米半導体株が買われた流れを引き継ぐ形となり、現物の寄り付き時に節目の3万9000円を突破すると、終盤にかけてはボリンジャーバンドの+1σ(3万9250円)水準を捉えてきた。短期的には達成感が意識されやすいと考えられ、3万9000円を上回っての推移が続くかを見極めたいところだろう。
一方で、+1σ水準を明確に上回ってくるようだと、+2σ(3万9750円)とのレンジが意識されやすく、オプション権利行使価格の3万9250円から3万9750円でのレンジに移行する可能性はある。短期的な達成感を意識しつつも、ショートは避けておきたいところである。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]のほか、前日に弱い値動きだったファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が買われており、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引。ただし、東証プライムの値上がり数は8割を超えており、NTロングによるスプレッド狙いというよりは、前日までの低下に対するリバランスの動きであろう。
昨日の海外市場では、ドル円は欧州時間までは米長期金利の上昇や月初で本邦実需の買いが断続的に観測されたことから上昇。一時150.75円まで値を上げたものの、欧州時間に入ってからは、フランスの予算案を巡る政局からユーロ円が下落。つれるかたちで149.73円まで下押ししました。
NY時間に入って11月米製造業PMI改定値や11月米ISM製造業景気指数が予想を上回る強い数字となると150.24円まで買戻される場面もみられましたが、4.2420%まで上昇した米10年債利回りが一転して4.1724%まで上昇幅を消す動きとなると149.08円まで売り込まれることに。その後は149.79円まで買戻された後、ウォラーFRB理事が「12月利下げ支持に傾いている」との見解を示すと149.23円まで下押し。引けにかけては149.61円まで買戻されるなど、落着きのない動きに終わりました。
アジア時間に入ってからは、昨日に引き続き本邦実需の買いが観測されると再び戻り高値を試す動きに。日経平均が39000円台を回復して一時700円を超える大幅な上昇となるにつれて149.99円まで値を上げているといったところです。
いずれにしても、本日は感謝祭明けの海外勢が日経平均を久しぶりに物色している模様。しばらく、そっぽを向かれていただけに、海外勢の新たな円キャリーへの触手ということであれば、最大で7000ポイントも差を付けられてしまっていた日経平均とダウとのスプレッドが縮まることへの期待感が高まると同時に、一目雲上限が意識されているドル円にとっても、需給面からの大きなサポート要因となっていくことになりそうです。
本日のロンドン市場では、ユーロはフランスの不透明な政局を引き続き注視する展開となるか。
フランスでは予算案が難航する中、昨日は左派連合の新人民戦線(NFP)と極右の国民連合(RN)が、それぞれ内閣不信任案を提出した。4日以降の審議で両党が不信任案に賛成票を投じれば過半数となり、バルニエ内閣は総辞職に追い込まれて新たな首相を探す必要が出てくる。不透明な政局がユーロの重しとなっており、ユーロドルは昨日NY市場で1.0461ドルまで下落して先月26日以来の安値を付けた。
騒動のきっかけは、バルニエ氏が2025年度予算案で争点の一つとなっていた電気料金への消費税引き上げを見送ると発表し、野党に大きく譲歩したものの、RNがさらなる要求を突き付けたことにある。これを受け、少数与党のバルニエ内閣が「2025年の社会保障予算案を強行採択する憲法規定を適用する」と表明しており、事態の収束は容易ではなさそうな点もユーロの重しとなっている。Xデーは明日以降とみられるが、本日も引き続き、関係者からの発言に神経質な展開になることが予想される。
また、スイスでは11月消費者物価指数が発表予定。市場予想は前月比-0.1%(10月:同-0.1%)となっている。スイス国立銀行(SNB)のシュレーゲル総裁は先月22日に必要があればマイナス金利導入を示唆しており、予想より弱い結果となれば12日のSNB理事会での利下げ観測ににつながるかもしれない。
そのほか、トルコでは11月消費者物価指数(CPI)が発表予定。市場予想は前月比+1.91%、前年比+46.6%と前回10月より伸びが鈍化する見通し。特に前年比でトルコ中銀が予測する年末のインフレ予測である44%に近付くようならば、当局のインフレ抑制が機能しているとの見方からトルコリラにはプラスである。対円では日銀の早期利上げ観測がくすぶる中、リラ安基調が続く対ドル相場に影響を及ぼすか注目したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:2日高値1.0589ドル
・スイスフラン円:11月29日安値169.79円
・トルコリラ円:日足・一目均衡表の雲上限4.36円
想定レンジ下限
・ユーロドル:11月26日安値1.0425ドル
・スイスフラン円:9月20日安値167.68円
・トルコリラ円:10月3・4日安値4.26円
(3日15時時点)
ドル円:1ドル=150.02円(前営業日NY終値比△0.42円)
ユーロ円:1ユーロ=157.39円(△0.34円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0491ドル(▲0.0007ドル)
日経平均株価:39248.86円(前営業日比△735.84円)
東証株価指数(TOPIX):2753.58(△38.86)
債券先物12月物:142.87円(△0.05円)
新発10年物国債利回り:1.075%(横ばい)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.37300%(△0.01000%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月マネタリーベース
前年同月比 ▲0.3% ▲0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。日経平均株価の大幅上昇を受けて、投資家のリスク志向改善を意識した円売りが徐々に強まった。時間外の米10年債利回りが4.21%台まで上昇したことも相場の支えとなり、一時150.24円まで値を上げた。
・ユーロ円も強含み。日本株高を支えに円売りが進んだ流れに沿った。13時過ぎに157.53円まで上値を伸ばし、その後も高値圏でのもみ合いとなった。
・ユーロドルは小安い。1.0490ドルを挟んだ狭いレンジ内での取引となったが、米金利の上昇が重しとなり、一時1.0481ドルまで下押す場面も見られた。
・日経平均株価は大幅続伸。米追加利下げ期待が高まるなか、景気改善への楽観的な見方を強めた投資家からの買いが入った。前日の米国株式市場でハイテク株の上昇が目立ったこともあり、本日の国内株式市場でも半導体関連株が軒並み高となって指数を押し上げた。一時は910円超高まで上昇幅を拡大する場面も見られた。
・債券先物相場は反発。10年物国債入札を波乱なく終えたことで買い安心感が広がり、入札後にはやや買いが入った。
米商務省は2日、中国が先進的な半導体を製造する能力を削ぐ新たな措置を発表した。中国政府の軍事力近代化を推し進める同国のツールメーカー、半導体製造工場、投資会社など140社を事実上の禁輸リストである「エンティティーリスト」に追加した。次世代の高度な兵器システムや人工知能(AI)、高度コンピューティングに使われる先端半導体の製造技術・装置が中国に供給されないようにする。
新措置には、24種類の半導体製造装置および3種類の半導体開発・製造用ソフトウエアツールに対する新規制、広帯域メモリー(HBM)に対する新規制、コンプライアンスや転用の懸念に対応するための「レッドフラッグガイダンス」の導入も盛り込まれた。
レモンド米商務長官は今回の措置について「中国が国家安全保障を脅かす高度技術の国内製造を進める能力を同盟国やパートナーと連携して阻むという、バイデン政権の戦略的アプローチの集大成だ」と述べた。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、フランスのバルニエ政権が提出した2025年度の予算案可決が危ぶまれていると指摘。最大野党の左派連合もしくは極右政党が内閣不信任案を提出し、それに一方の党が同調すれば、政局のさらなる混乱は必至という情勢とのこと。そうなった場合には、欧州金融市場へのダメージはかなり大きくなることが想定されるとしている。こうした中で、ドイツとフランスの長期国債(10年物国債)のスプレッド(利回り格差)は、欧州が債務危機に陥っていた2012年7月の水準にまで上昇しているとのこと。ドイツも政局が安定しているわけではないだけに、独仏スプレッドの拡大はフランス政局の混迷の方がそれだけ深刻であることを物語っていると東海東京では捉えている。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
トルコはテクニカル・リセッション入り、中銀の利下げは近付くか?
2四半期連続のマイナス成長で当局の思惑に沿った動きも、政策の手足が縛られる展開が続く懸念も
トルコでは昨年以降、経済チームが主導する形で正統的な政策への転換が図られており、足下のインフレは頭打ちするとともに、実質金利もプラスに転じるなど状況は改善している。他方、金利高と物価高の共存が内需の足かせとなるとともに、外需にも不透明感がくすぶるなど、景気を巡る状況は厳しさを増している。事実、7-9月の実質GDP成長率は前期比年率▲0.81%と2四半期連続のマイナス成長となるテクニカル・リセッションに陥っていることが確認されている。中銀は先月の定例会合で政策金利を据え置く一方、将来的な利下げに含みを持たせる考えを示しており、景気減速が確認されたことでその可能性は高まると見込まれる。ただし、先行きのインフレを巡っては来年半ばにも再び加速に転じる可能性がくすぶり、利下げ余地は限られるのが実情であろう。米ドル高の再燃も重なりリラ相場はジリ安が続いて最安値を更新する展開をみせており、政策運営は困難が続くとともに、実体経済も見通しが立ちにくい展開になると見込まれる。
中国商務部は2日、米商務省が発表した新たな中国向けの半導体輸出規制について「典型的な経済威圧行為であり、市場ルールに反する」と批判し、自国の正当な権益を守るために必要な措置を講じると表明した。
米商務省は2日、中国が先進的な半導体を製造する能力を削ぐため、中国の半導体関連企業140社を事実上の禁輸リストである「エンティティーリスト」に追加し、半導体製造装置や半導体開発・製造用ソフトウエアツールに対する新規制などを導入すると明らかにした。
中国商務部の報道官は、米国側が規制措置を乱用して各国の正常な貿易を著しく妨げ、市場ルールと国際経済貿易秩序を破壊し、グローバル産業チェーンと供給チェーンの安定性を脅かしているとの見解を示した。さらに「米企業を含む世界の半導体業界全体に深刻な影響を与える」と述べた。
1. 年次ベンチマーク改定:速報値~確定値
2024年8月21日に米労働統計局が発表した年次ベンチマーク改定の速報値では、3月までの1年間(2023年4月~2024年3月)の雇用者増は81万8000人下方修正された。1カ月当たりでは約6万8000人減となる。改定前の雇用者数は1年間に290万人増(月平均で24万2000人増)だったが、今回の改定を受け、雇用者数の変化を均等に配分したと仮定した場合、1カ月当たり約17万4000人増のペースとなった。
2025年2月7日に公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値では、さらなる下方修正(▲100万人??)が警戒されている。
パウエルFRB議長は、2025年1月20日の第2次トランプ米政権発足後の1月28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げを目論んでいると思われるが、年次ベンチマーク改定の確定値での下方修正された場合、3月18-19日のFOMCでの追加利下げを余儀なくされるのかもしれない。
2.第2次トランプ米政権の米製造業保護政策
第2次トランプ米政権では、引き続き「アメリカ第一主義」を標榜すると思われるが、米国の製造業を保護するために、輸入関税という防波堤を築き、ドル安志向が想定される。
中国は、輸入関税が60%へ引き上げられる予定だが、為替で相殺するには人民元の60%切り下げとなる。一方で、輸入関税を為替に置き換えた場合、人民元の60%切り上げとなる「プラザ合意2」の可能性もあり得ることになる。
3.米国製造業の衰退
米国の労働者の配分は、以下の通りであり、製造業の衰退が窺える。
1810年、労働力の81%が農業、製造業は3%、サービス業は16%だった。
1950年、農業が12%にまで落ち込み、製造業は24%でピークを迎え、サービス業は64%にまで拡大していた。
2020年、農業が2%を下回り、製造業が8%、サービス業が91%となっている。
4.農業部門の懸念
第2次トランプ米政権では、推定1100万人の不法滞在者を強制的に本国へ送還することが目論まれている。トランプ次期米大統領は、最優先課題に位置付ける不法移民の大規模送還計画を実行に移すため、国家非常事態宣言を発令し、軍隊を動員する考えを示した。
しかし、米国の農場での労働者の大半は、不法滞在者であり、本国への強制送還が実現した場合、労働力の激減により、農業労働市場の逼迫と農業生産の減少が警戒されている。さらに、強制送還のための費用は数千億ドルに上るとの試算もあり、財政逼迫懸念を高めることになる。
大阪12月限
日経225先物 39150 +680 (+1.76%)
TOPIX先物 2748.0 +37.5 (+1.38%)
日経225先物(12月限)は前日比680円高の3万9150円で取引を終了。寄り付きは3万8690円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8615円)を上回り、買いが先行した。直後に付けた3万8590円を安値にロングが強まり、現物の寄り付き時には一気に3万9000円を回復した。節目の3万9000円に乗せたことで、いったんは達成感も意識され、前場中盤にかけては3万8870円から3万9070円辺りでの推移が続いた。ただし、25日移動平均線(3万8750円)を上回る値動きから、前場終盤にはショートカバーが強まり、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9250円)水準に接近した。
ランチタイムでは3万9120円~3万9200円辺りでの推移だったが、現物の後場の取引開始時に一段高となり、後場中盤に一時3万9430円まで買われた。買い一巡後は3万9380円~3万9430円で保ち合い、終盤にかけては持ち高調整に伴うロング解消の動きにより上げ幅を縮めた。
日経225先物は、米半導体株が買われた流れを引き継ぐ形となり、現物の寄り付き時に節目の3万9000円を突破。前場終盤にかけて+1σ水準を捉えたことで、短期的には達成感が意識されやすいところだった。ただし、後場の取引開始後に+1σを明確に突破したことで、ショートカバーの動きが強まったようだ。
米バイデン政権が発表した対中半導体規制で、日本やオランダなどの主要同盟国に適用除外が認められたと報じられたことが、半導体株への物色を一段と強める形となり、先物市場でショートカバーに向かわせたとみられる。前日には年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の実質運用利回り引き上げで、株式の比率拡大の思惑が高まっていたこともあり、ロングが入りやすい需給状況だったと考えられる。
日経225先物は+1σを上回ってきたことから、同水準での底堅さを見極めつつ、+2σ(3万9790円)とのレンジに移行する可能性が出てきた。バンドは徐々に上向きで推移し、バンドに沿ったリバウンドが意識されるため、短期的に過熱感が警戒されたとしても、ショートは避けておきたい。+1σをキープできず、節目の3万9000円に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。前日に弱い値動きだったファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が買われたほか、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]など、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引。一時14.27倍まで上昇し、200日線(14.28倍)に接近する場面もみられた。
これにより、前日の14.12倍まで低下したリバランスの動きは一巡したと考えられる。ただし、200日線のほか、14.31倍辺りに位置する25日、75日線を捉えてくるようだと、NTロングによるスプレッド狙いの動きが入りやすい。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万7125枚、ソシエテジェネラル証券が2万0618枚、日産証券が6868枚、サスケハナ・ホンコンが6514枚、JPモルガン証券が4691枚、バークレイズ証券が3689枚、モルガンMUFG証券が3005枚、野村証券が2512枚、ビーオブエー証券が2366枚、BNPパリバ証券が1923枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万7137枚、ソシエテジェネラル証券が2万5506枚、日産証券が9668枚、バークレイズ証券が6032枚、JPモルガン証券が5421枚、モルガンMUFG証券が3403枚、ゴールドマン証券が2886枚、シティグループ証券が2252枚、ビーオブエー証券が2106枚、みずほ証券が1801枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数を受けた米10年債利回りの動向を見極めていくことになる。
また、引き続きトランプ次期米大統領によるSNSなどでの突発的な発言、ウクライナや中東情勢に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は、ハリケーンやストライキにも関わらず、747.5万件と予想されており、9月の744.3万件からの増加が見込まれている。
今週末に発表される11月米雇用統計との関連性は薄いものの、10月の雇用統計では、雇用者数を算出する事業所調査の回答率が47.4%に留まっていたことで、10月の求人件数が予想通りに増加していた場合は、10月の非農業部門雇用者数が速報値の前月比+1.2万人から上方修正される可能性が高まるため、ポジティブサプライズには警戒しておきたい。
一方で、予想を下回った場合は、9月分が速報値の+25.4万人から+22.3万人へ下方修正され、8月分も改定値の+15.9万人から+7.8万人へ下方修正され、合計で11.2万人の下方修正となっていたように、労働市場の悪化傾向が示唆されることになる。
すなわち、6日に発表される米11月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が20万人程度の増加が見込まれており、10月分も上方修正されることが見込まれているものの、ネガティブサプライズとなる可能性が高まることになる。
12月17-18日のFOMCでの0.25%の利下げ確率は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では75%程度まで上昇している。
今後は、本日の10月求人件数、11月のADP全米雇用報告(12/4発表)、11月の米雇用統計(12/6発表)や消費者物価指数(12/11発表)などの数字を確認して、利下げなのか、それとも据え置かれるのかを見極めていくことになる。
ドル円の上値目処(めど)は、150.75円(12/2高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、149.08円(12/2安値)
今晩はもみ合いか。昨日は金融株などの下落が重しとなりダウ平均が128.65ドル安(-0.29%)と反落したものの、S&P500が0.24%高、ナスダック総合も0.97%高とともに、2営業日続伸。S&P500は先週末に続いて最高値を更新し、ナスダック総合は11月11日以来の史上最高値更新となった。経済指標は11月ISM製造業PMIが48.4と前月分の46.5から改善し、市場予想の47.5を上回ったが、CMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は先週末の66%から75%に上昇し、政策金利据え置き確率は25%に低下した。
今晩は高値もみ合いか。トランプ次期政権の政策期待やF米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待を背景とした年末ラリーへの期待が引き続き支援となることが期待される。ただ、主要3指数が最高値圏で推移していることや、週末金曜日に米11月雇用統計の発表を控えていることで、重要指標の発表を控えた様子見姿勢も強まりそうだ。今晩発表される10月JOLTS求人件数などの経済指標や金融当局者の発言などをにらんだ高値もみ合いとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは10月JOLTS求人件数や、クーグラーFRB理事、グールズビー米シカゴ連銀総裁発言など。企業決算は引け後にセールスフォースが発表予定。
韓国の尹錫悦大統領が戒厳令を宣言したとAP通信が伝えた。野党の行動により政府の機能が麻痺状態に陥っており、この状況は非常に深刻であり、韓国の政治的安定性と民主主義に重大な影響を与える可能性があるという。
韓国の最大野党「共に民主党」が議員らを国会に召集したと聯合ニュースが伝えている。
韓国財務省の報道官によると、財務大臣が午後11時40分から主要経済官僚による会議を開催する予定という。
韓国の戒厳令司令部は「すべての医療スタッフ(研修医を含む)に対し、48時間以内に職場に復帰」「戒厳令に違反した者は令状なしで逮捕される可能性がある」との命令を発表した。
韓国国会が大統領の戒厳令宣言を阻止する決議を可決したと一部通信社が伝えた。
日経平均株価は大幅続伸。寄り付きからマドを形成する強い動きとなり、さらに上値を伸ばす展開となった。25日移動平均線(38717円 12/3)や一目均衡表の基準線(38820円 同)を超える長い陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の52.0%→64.3%(12/3)に上昇。あすも上昇が続きやすく、10/15高値(40257円)と11月高値水準をつないで延長した上値抵抗線を超えられるかが焦点となる。
25日移動平均線に加え、11/25につけた終値ベースの戻り高値(38780円)を超えたことで、短期的には上値が拡大する可能性が高い。
上値メドは、心理的節目の39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)などがある。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.20円(3日15時時点比▲0.82円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.08円(▲0.31円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0528ドル(△0.0037ドル)
FTSE100種総合株価指数:8359.41(前営業日比△46.52)
ドイツ株式指数(DAX):20016.75(△83.13)
10年物英国債利回り:4.243%(△0.031%)
10年物独国債利回り:2.054%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月トルコ消費者物価指数(CPI)
前月比 2.24% 2.88%
前年同月比 47.09% 48.58%
11月スイス消費者物価指数(CPI) (前月比)
▲0.1% ▲0.1%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。アジア時間に150.24円まで上昇した後は150円を挟んだもみ合いが続いていた。ただ、韓国の尹錫悦大統領が非常戒厳を宣布したことをきっかけに韓国ウォンが急落すると、リスクオフの円買いが活発化。節目の149円を割り込み、一時148.65円と10月11日以来の安値を付けた。
もっとも、10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回る結果だったことが伝わると下げ渋り。韓国当局者が「必要に応じ市場に無制限の流動性を供給する」と表明したほか、韓国で開かれた臨時国会で「戒厳令解除の決議案」が満場一致で可決されると149.52円付近まで持ち直した。一方で反発力も弱く再び149円台前半まで押し戻されている。
・ユーロ円は荒い値動き。欧州株の上昇などを支えに序盤は底堅く推移し一時157.98円まで値を上げる場面があった。ただ、韓国大統領による非常戒厳宣布を受けて一時156.18円まで急落した。もっとも、「戒厳令解除の決議案」の可決を受けて過度な警戒感が後退したとして157円台を回復するなど、一進一退の動きとなった。
・ユーロドルは底堅い。欧州株高を受けて買いが先行した。ユーロ円が安値を付けたタイミングで1.05ドルを割り込む場面も見られたが下値は堅く、3時過ぎには1.0535ドルと日通し高値を更新した。
・ロンドン株式相場は5日続伸。追加の景気対策への根強い期待から中国株が堅調に推移したことで投資家心理が改善され、買いが優勢となった。分野別では、ヘルスケアやエネルギー関連株が大きく買われた一方、生活必需品株は下げた。
・フランクフルト株式相場は4日続伸。アジア株式相場が総じて上昇した影響を受けて買いが強まり、史上最高値を更新した。個別では、ハイデルベルグ・マテリアルズ(3.21%高)やドイツ銀行(2.78%高)が買われた半面、メルセデス(2.53%安)やザルトリウス(2.33%安)が安かった。
・欧州債券相場は下落。
3日の日経平均は大幅続伸。終値は735円高の39248円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1338/値下がり268。ディスコが6.1%高、レーザーテック、東京エレクトロンが4.3%高、アドバンテストが3.9%高と半導体株買いが盛り上がった。フジクラ、古河電工、住友電工の電線大手3社が大幅上昇。川崎汽船など海運大手3社の動きも良かった。月次を材料にサイゼリヤが急伸。昼休みに株主優待の新設を発表したエイチームがストップ高まで買われており、後場の取引時間中には値が付かなかった。
一方、売り出しの受渡期日を迎えた関西電力が商いを伴って3.1%安。半導体株の多くが買われる中、ソシオネクストは売りに押された。11月度の月次に改善が見られたワークマンは、買われる場面もあったが失速して下落で終了。主力大型株の動きが良かった一方で、テラドローン、グロービング、ククレブなど直近上場株には大きく売られるものが散見された。
日経平均は連日の大幅上昇。この2日間の上げ幅は1000円を超えた。先週までは上値が重かったが、12月に入って雰囲気がガラッと変わっている。円高は警戒材料ではあるものの、日本株が強くなってきたことで、取引時間中には円高が進みづらくなっている。きょう強く買われた半導体株は、今年の安値圏で推移している銘柄も多い。日米で長期金利が低下すれば半導体株、上昇すれば金融株への買いが期待でき、崩れる要素が乏しくなってきた。
TOPIXの終値は2753.58pで、2750pを終値で上回るのは7月31日以来となる。8月5日に暴落した後は、2750p近辺で天井をつけるパターンが続いていた。高値は2765.25pまであった。11月12日の取引時間中につけた戻り高値の2770.16pを上回ることができるかが目先の焦点となる。TOPIXの上値が軽くなってくるようなら、日経平均も次の節目の39500円は通過点となり、40000円を試しに行くことになるだろう。
3日05:22 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「12月の利下げ支持に傾いている」
「金融政策は十分に制限的であり、12月の利下げでも、必要に応じて後に利下げペースを緩める余地は十分にある」
3日06:30 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「インフレは徐々に2%に向けて低下し続けると予想」
「労働市場はインフレの要因になる可能性は低い」
「金融政策は引き締め的な姿勢を維持」
「政策の方向性は今後のデータに依存」
「経済と政策の見通しは依然として非常に不確実」
「米国経済は良好な状態にあり、労働市場は堅調でバランスが取れている」
「米国にリセッションの兆候は見られず」
「インフレ率を2%に戻すことが重要」
「インフレを考慮すると、ある程度制約的な政策が適切」
「方向性は金利の引き下げ」
3日15:07 石破首相
「日銀には政府と緊密に連携を図り、経済物価金融情勢を踏まえつつ、2%の物価目標実現に向けて適切な政策運営を期待」
「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきものと認識」
3日19:11 チポローネECB専務理事
「米関税は、欧州の成長とインフレを低下させる可能性」
「米国の関税は経済を弱体化させ、消費縮小につながり、価格への圧力が弱まる」
「米市場から締め出された中国製品は、欧州で割引価格で販売されることになる」
3日19:32 カザークス・ラトビア中銀総裁
「ECBの緩和ペースや幅はデータによって決定される」
「依然として段階的なアプローチが適切」
3日22:58 韓国与党・国民の力のハン・ドンフン党首
「戒厳令の宣言は間違いであり、これを阻止することを誓う」
「戒厳令は違憲」
3日23:09 韓国最大野党「共に民主党」の李在明代表
「大統領の戒厳令を無効にしようとするが、軍が国会議員を逮捕しようとする可能性」
「韓国国会の入り口が封鎖され、議員が入れない状況」
3日23:37 韓国中銀当局者
「必要に応じて市場を安定させるための十分な措置を準備」
3日23:40 戒厳令司令官のパク・アンス陸軍大将
「すべてのメディアが軍の検閲下に置かれる」
「すべての政治活動が禁止される」
「国会、地方議会、政党の活動が禁止される」
「戒厳令の宣言は無効」
「警察に国会から退去するよう要請」
4日02:15 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「12月に適度な利下げの可能性がある」
4日02:22 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「利下げのタイミングは議論の余地があるが、政策金利を引き下げ続ける必要がある」
「12月の利下げはテーブル上にある」
「米国経済は非常に良い状態にある」
4日02:36 クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「これまでの利下げは、政策的な制約を取り除くためのステップ」
「政策をより中立的な設定に移行する過程」
「現在のFRBの政策は不確実性に対処するために適切な位置にある」
「政策は事前に設定されたコースに沿っているわけではなく、会合ごとに決定を行う」
「米国経済は良好な状態にあり、労働市場は堅調で、インフレは2%の目標に向かっている」
4日02:49 マクロン仏大統領
「2027年の任期満了前に辞任することはない」
「ルペン氏は左派の内閣不信任に加わらないと確信」
4日04:32 尹錫悦・韓国大統領
「戒厳令を解除する」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○09:30 ☆ 7-9月期豪国内総生産(GDP、予想:前期比0.4%/前年比1.1%)
○10:45 ◎ 11月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:52.4)
○17:00 ◇ 10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○17:50 ◎ 11月仏サービス部門PMI改定値(予想:45.7)
○17:55 ◎ 11月独サービス部門PMI改定値(予想:49.4)
○18:00 ◎ 11月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:49.2)
○18:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○18:30 ◎ 11月英サービス部門PMI改定値(予想:50.0)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比▲3.3%)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 11月ADP全米雇用報告(予想:15.0万人)
○22:30 ◇ 7-9月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比▲0.3%)
○22:30 ◎ ラガルドECB総裁、議会証言
○22:45 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○23:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○23:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、インタビューに応対
○23:45 ◎ 11月米サービス部門PMI改定値(予想:57.0)
○23:45 ◎ 11月米総?⑰MI改定値(予想:55.3)
○24:00 ☆ 11月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:55.5)
○24:00 ◎ 10月米製造業新規受注(予想:前月比0.2%)
○5日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○5日02:10 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○5日03:40 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、討論会に参加
○5日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.60円(前営業日比横ばい)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.20円(△0.15円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0509ドル(△0.0011ドル)
ダウ工業株30種平均:19480.91ドル(▲76.47ドル)
ナスダック総合株価指数:19480.91(△76.96)
10年物米国債利回り:4.22%(△0.03%)
WTI原油先物1月限:1バレル=69.94ドル(△1.84ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2667.9ドル(△9.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
774.4万件 737.2万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は横ばい。韓国の尹錫悦大統領が非常戒厳を宣言したことをきっかけに韓国ウォンが急落すると、リスクオフの円買いが活発化。節目の149円を割り込み、一時148.65円と10月11日以来の安値を付けた。ただ、10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回る結果だったことが伝わると下げ渋り。韓国当局者が「必要に応じ市場に無制限の流動性を供給する」と表明したほか、韓国で開かれた臨時国会で「戒厳令解除の決議案」が満場一致で可決されると149円台半ばまで持ち直した。その後149円を割り込む場面も見られたが、韓国大統領が非常戒厳を解除すると再び強含むなど下値は堅かった。
・ユーロ円は3営業日ぶりに小反発。韓国大統領による非常戒厳宣言を受けて円が全面高となり、ユーロ円は一時156.18円まで急落した。もっとも、「戒厳令解除の決議案」の可決を受けて過度な警戒感が後退すると157.20円台まで下げ幅を縮めた。
・ユーロドルは小反発。ユーロ円が下落したタイミングで1.0493ドル付近まで下げたが、ユーロ円が下げ渋ると買い戻しが入り1.0535ドルまで切り返した。ただ、NY時間の値幅は42pipsと狭く、総じて動きが鈍かった。
なお、マクロン仏大統領はバルニエ内閣の不信任決議が成立すれば大統領も辞任するとの見方を否定し、任期の2027年まで職務を全うする姿勢を示したが、ユーロ相場への影響は限られた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落。昨日に引き続き上値では利益確定売りが出たが、下値も限定的だった。週末の11月米雇用統計をはじめ、米重要指標の発表を控えるなか、相場は様子見ムードが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は3日続伸した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数とともに連日で史上最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。韓国の尹大統領が戒厳令を宣言するとリスクオフムードが広がり安全資産とされる債券需要が高まった。利回りは一時4.16%台まで低下する場面があったが、議会で「戒厳令解除の決議案」が可決されると一転下落。韓国大統領が非常戒厳を解除すると利回りは4.23%台まで上昇した。
・原油先物相場は大幅に続伸。エネルギー消費大国である中国で追加景気対策への期待感が高まるなか、時間外から原油先物は上昇。5日開催の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合では「現行の協調減産が来年3月末まで延長される可能性が高い」、との一部報道を受けて買いの勢いが強まった。一時70.20ドル台まで上値を伸ばしている。
・金先物相場は反発。韓国の尹大統領が戒厳令を宣言し、リスク回避ムードの強まりを受けて金に資金が向かった。10月米JOLTS求人件数が予想より強かったことや、「戒厳令解除の決議案」が韓国議会で可決されると上昇幅を縮小。しかしながら、為替がドル安ユーロ高に振れたことがドル建て金の支えとなった。
昨日の海外市場でドル円は、韓国の尹錫悦大統領が非常戒厳を宣言したことをきっかけに韓国ウォンが急落すると、リスクオフの円買いが活発化。節目の149円を割り込み、一時148.65円と10月11日以来の安値を付けた。ただ、10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回る結果だったことが伝わると下げ渋り。韓国当局者が「必要に応じ市場に無制限の流動性を供給する」と表明したほか、韓国で開かれた臨時国会で「戒厳令解除の決議案」が満場一致で可決されると149円半ばまで持ち直した。ユーロドルは1.05ドルを挟んでもみ合いだった。
本日の東京時間のドル円は、引き続き上値が重いか。この数日の東京時間では、一昨日はフランスの内閣不信任案が採決される可能性が高まったことによるユーロ売り・ドル買い、昨日は中国の景気停滞懸念からの中国長期金利低下による人民元売り・ドル買いなどの影響で、対円でもドルは強含んだ。しかしながら、韓国の戒厳令騒動はひと段落ついたがドル円の戻しが限られているように、引き続き上値が重い。また、昨日は大幅に日経平均株価が上昇したのにもかかわらずリスク選好による円売りは限定的で、市場は各国の中銀の政策決定や政治動向に目が集まっている。その中で日銀が他国中銀と比較して利上げの可能性が高いことが、ドル円の上値を抑えそうだ。
もっとも、12月に入り東京時間はドル買い・円売りのフローが入りやすいことが、ドル円のある程度の支えになるだろう。本日は本邦からは市場を動意づけるような経済指標の発表は予定されていないこともあり、明日行われるハト派の日銀の中村審議委員の講演や、18-19日に控えた日銀政策決定会合への観測記事などが注目されることになるか。
本日は円だけでなく、オセアニア通貨や人民元、そしてユーロの値動きもボラタイルになる可能性がある。まずは、東京時間9時半に豪州からは7-9月期の四半期国内総生産(GDP)が発表予定。市場では前期比、前年比ともに上昇が予想されている。来週9-10日に豪準備銀行(RBA)理事会が行われ政策金利の据え置きが予想されているが、GDPが市場予想を下回った場合にはRBAがタカ派姿勢を弱める可能性もあることで注目される。
中国からは11月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表される。昨日の人民元(CNH)は対ドルでは昨年11月上旬以来の元安水準を更新した。また、中国10年債利回りは心理的節目2%を割り込むなど22年ぶりの低水準を記録している。市場ではPMIは前月より小幅にプラス幅を広げるとの予想になっているが、トランプ政権樹立後に更に中国経済は苦境に立たされる可能性が高いことで、よほど予想よりも良い結果にならない限りは元買いにはつながりにくそうだ。昨日のように元の対ドル相場が他通貨にも影響を与えることで目が離せないだろう。
そして、ユーロの値動きも警戒。フランスの内閣不信任案について、本日から審議が始まり、本日可決する可能性もある。フランス政局の動向がユーロに大きな影響を与えることになりそうだ。
また、韓国の戒厳令騒動後の尹大統領の動向にも引き続き注目したい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39250 +100 (+0.25%)
TOPIX先物 2754.0 +6.0 (+0.21%)
シカゴ日経平均先物 39240 +90
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場はNYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。S&P500、ナスダックは連日で史上最高値を更新した。10月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は774万4000件に増加し、市場予想を上回った。レイオフ件数は6月以来の低水準となり、低迷していた労働市場が安定しつつあるとして、今週発表される11月の米雇用統計は強い内容になるとの見方が広がった。
また、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は今後のデータ次第に左右されるとしつつも、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げを支持した。4日にはパウエルFRB議長の発言機会も予定されているほか、同日のADP雇用統計や6日発表の雇用統計の内容を見極めたいとするムードのなか、主力株の一角には利益確定の売りが出やすかった。
NYダウ構成銘柄ではアマゾン・ドット・コム<AMZN>やアップル<AAPL>、エヌビディア<NVDA>といったハイテクや半導体株の一角が買われた。半面、ハネウェル・インターナショナル<HON>やプロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、スリーエム<MMM>がさえない。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比90円高の3万9240円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比50円高の3万9200円で始まり、3万9420円まで買われた。ただし、日中高値(3万9430円)は超えられず、その後は軟化し下落に転じると、米国市場の取引開始後には一時3万8860円と節目の3万9000円を割り込む場面もみられた。売り一巡後は終盤にかけてショートカバーを交えた切り返しによってプラス圏を回復し、3万9250円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。ナイトセッションで一時3万8860円まで売られる場面がみられたが、韓国のユン・ソンニョル大統領が非常戒厳を宣布すると明らかにしたことがショートを強める形となった。ただ、国会が解除要求決議案を可決したことで非常戒厳を解除する方針を示しているため、日中の波乱はなさそうだ。
下落局面でも25日移動平均線(3万8760円)が支持線として意識されていたほか、その後の切り返しによってボリンジャーバンドの+1σ(3円9260円)水準まで戻しており、+1σ辺りでの底堅さをみせてくるかが注目される。+1σから節目の3万9000円のレンジでは押し目狙いのロング対応とし、+1σ水準を明確に上放れてくる局面では、+2σ(3万9770円)とのレンジを想定したロングスタンスを強める形になりそうである。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9750円のレンジを想定する。
半導体SOX指数は小幅に下落しているため、前日のような指数インパクトの大きい値がさハイテク株の強い動きは期待しづらい。米国の対中半導体規制に対して中国は、米国へのゲルマニウム・ガリウム輸出を禁止するなど、米中間の緊張が高まるなかで積極的にポジションを傾けにくい面もあるだろう。短期的にショートが入りやすい需給状況のなか、+1σや3万9500円など節目を突破する局面ではショートカバーも強まりやすい。
3日の米VIX指数は13.30(前日は13.34)に低下した。小幅な値動きではあるが低下基調を継続するなか、7月19日に瞬間的につけた10.62が意識されやすいだろう。米国では良好な経済指標の発表が相次いでいるが、12月のFOMCでの利下げの可能性は根強く、年末高を意識したリスク選好が強まりそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。前日に弱い値動きだったファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が買われたほか、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引。一時14.27倍まで上昇し、200日線(14.28倍)に接近する場面もみられた。200日線のほか、14.31倍辺りに位置する25日、75日線を捉えてくるようだと、NTロングによるスプレッド狙いの動きが入りやすいとみられる。
日経225先物は11時30分時点、前日比70円安の3万9080円(-0.17%)前後で推移。寄り付きは3万9210円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9240円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。その後3万9420円まで買われたが、前日の高値水準では戻り待ちのショートが意識された。買い一巡後は持ち高調整に伴うロング解消の動きもあり、中盤にかけて下落に転じると、終盤にかけて3万9040円まで売られる場面もみられた。
日経225先物は、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9220円)水準で始まり、その後ロングが強まる場面もみられたが、前日の高値水準で上値を抑えられた。+1σ水準をキープできなかったことで、ロング解消に向かわせたようだ。ただし、節目の3万9000円割れを狙ったショートは入りにくいと考えられ、+1σを意識した押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に上昇した。一時14.29倍をつけており、200日移動平均線(14.28倍)を上回った。14.31倍辺りで推移する25日、75日線を捉えてくるようだと、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせそうである。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角は買い一巡後に下げに転じたものの、自動車や金融株の下落がTOPIX型の重荷となっている。
昨日の海外市場では、ドル円は150.00円を挟むもみ合いがしばらく続いていたなか、22時30分過ぎになっていきなり急落。150.11円の戻り高値から2日の安値149.08円を下抜けて一気に148.65円まで売り込まれることになりました。日本を除く世界中のTV局が大ヒット映画「ソウルの春」を彷彿とさせるような、韓国のユン大統領による戒厳令の宣布を受けた軍隊の出動をライブ中継で報じるなか、ドル円だけがリスクオフで反応。
ただ、NY時間に入って10月米JOLTS求人件数が予想を大幅に上回る強い数字となると米長期金利の上昇につれて次第に下値を切り上げる展開となりました。野党や一部与党議員を始め、集結した市民が軍隊の韓国議会への侵入を阻止する様子が流れるなか、韓国では臨時国会が満場一致で戒厳令解除を議決。ユン大統領は6時間後に戒厳令を解除するといった急転直下の動きに繋がっていきました。ドル円は当然、149.62円まで買戻し。アジア時間に入ってからも150.07円とNY時間の高値150.11円手前まで買戻されて、結局、行って来いとなっています。
いずれにしても、ドル円は、突然のテールリスクにさらされたわけですが、結果として、週足の一目雲下限が位置する148.71円付近で目先の下値を確認したようなかたち。また、さらには日足の一目雲上限が位置する149.63円付近でちょうど引けているといった状況。アジア時間では、本邦実需勢の連日の買い意欲の強さが目立っているといったところです。50日MAが151.06円、一目転換線が151.84円、そして200日MAが151.98円と、上値の重要なレベルを意識しつつ、「ソウルの冬」では、ドル円の戻しと同時に、その落とし前を付ける動きが続いています。
本日のロンドン市場では、ユーロは引き続き、フランスの不透明な政局を懸念した動きとなるか。
フランスでは2025年予算案が難航する中、2日に左派連合の新人民戦線(NFP)と極右の国民連合(RN)が、それぞれ内閣不信任案を提出。本日の審議で投票予定となっている。もし両党が不信任案に賛成票を投じれば過半数となるため、バルニエ内閣は総辞職に追い込まれて新たな首相を探す必要が出てくる。関係者からの発言に注目せざるを得ず、それを受けてユーロ相場も神経質な動きを迫られる恐れがある。
昨日マクロン仏大統領は「ルペン氏は左派の内閣不信任に加わらないと確信」などと発言する一方、仏経済紙レゼコーなどが「マクロン氏は不信任案が成立すれば早期にバルニエ氏の後任を指名したい意向」と報じるなど、不信任を見据えた動きもみられる。3日のユーロドルは一日を通して小動きであったことから、すでに不信任案成立が織り込まれている可能性もあるとはいえ、予算案の難航は続くことから、引き続きユーロを積極的に買う動きは期待しづらいだろう。
また、仏・独・ユーロ圏で11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値の発表が予定されている。市場予想はいずれも速報値と変わらずとみているが、もし速報値からの下方修正が相次ぐようだと、欧州の景気不安が改めて意識される展開も想定されるので注意したい。
要人発言は、チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事の発言機会が予定されている。また、NY市場序盤では、ラガルドECB総裁の議会証言も予定されている。
なお、NY市場では米国の雇用や景気に関する指標の発表が相次ぐほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を始め複数の金融当局者の発言機会が予定されている。フランス政局のこう着が続くようならばドル主体の相場展開となることも考えられる。
想定レンジ上限
・ユーロドル: 2日高値1.0589ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:11月26日安値1.0425ドル
(4日15時時点)
ドル円:1ドル=150.09円(前営業日NY終値比△0.49円)
ユーロ円:1ユーロ=157.83円(△0.63円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0515ドル(△0.0006ドル)
日経平均株価:39276.39円(前営業日比△27.53円)
東証株価指数(TOPIX):2740.60(▲12.98)
債券先物12月物:143.16円(△0.29円)
新発10年物国債利回り:1.050%(▲0.025%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.37300%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。昨日に伝わった韓国の政情不安を手掛かりにした売りが一巡し、本邦実需勢からの買いなどを支えに149円台後半で底堅く推移した。午後に入って一部通信社が「日銀が12月の金融政策決定会合で政策を維持する可能性」について報じると、海外勢などからの円売り・ドル買いが強まり、一時150.17円まで値を上げた。
・豪ドルは弱含み。7-9月期豪国内総生産(GDP)が予想より弱い結果となったことを受けて売りが進み、対ドルで0.6408ドル、対円で95.91円まで値を下げた。もっとも、一巡後は急ピッチで値を下げた反動から買い戻しが入り、対円では日銀関連報道なども支えに96.70円台まで切り返した。
・ユーロ円はしっかり。12時過ぎに156.99円まで下落する場面があったものの、その後は円売りの流れに沿って157.87円まで反発した。
・ユーロドルはもみ合い。前日終値を挟んだ水準でやや方向感を欠いた。12時過ぎには1.0488ドルまで下押ししたものの、昨日安値の1.0481ドル手前で下値の堅さを確認すると1.0520ドルまで買い戻しが入った。
・日経平均株価は小幅に3日続伸。半導体関連株に利益確定目的の売りが持ち込まれたほか、輸出関連株も下落し、指数の重しとなった。もっとも、日銀が12月の金融政策決定会合で政策を据え置く可能性が報じられると買い戻しが入った。
・債券先物相場は続伸。韓国の政情不安からリスク回避としての債券買いが入ったほか、日銀が12月会合で金利を据え置く可能性が高まったことも買いを誘った。
野村証券では、12月の株式投資戦略リポートの中で、日銀の追加利上げについてコメントしている。日銀は経済や物価見通しの実現確度が高まれば追加利上げを行うとの姿勢を示しており、近い将来の利上げが予想される。野村では2024年12月と、2025年は4月と7月に0.25%の利上げが実施されると予想している。
2016年12月のドル円は、トランプ第45代米大統領の経済政策(減税や輸入関税)によるインフレ懸念から「第1次トランプラリー」が起こり、11月の安値101.20円から118.66円まで上昇(+17.46円、17.3%)した。
しかし、第1次トランプ米政権(2017年~2020年)の間、この高値を上回ることはなかった。
2024年11月のドル円は、トランプ第47代米大統領の経済政策(減税や輸入関税)によるインフレ懸念から「第2次トランプラリー」が起こり、11月の安値151.30円から156.75円まで上昇(+5.45円、3.6%)した。
この水準は、7月の高値161.95円から9月安値139.58円までの下落幅のフィボナッチ・リトレースメント76.4%戻し(156.67円)に対応している。
第2次トランプ米政権(2025年~2028年)の間、この高値を上回ることはあるのだろうか。
1.ドル高8年サイクル
ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけている。
・1974年1月:304.90円
・1982年10月:278.50円(約8年10カ月)
・1990年4月:160.35円 (約7年6カ月)
・1998年8月:147.64円 約8年4カ月)
・2007年6月:124.14円 (約8年10カ月)
・2015年6月:125.86円 (約8年1カ月)
・2024年7月:161.95円 (約9年)
■第1次トランプ米政権:2015年の高値からの下落途上
■第2次トランプ米政権:2024年の高値からの下落途上?
2.エリオット波動
・第1波動:75.32円-125.86円(+50.54円)
・第2波動:125.86円-101.19円(▲24.67円 半値押し)
・第3波動:101.19円~161.95円(+60.76円)
・第4波動:161.95円~126円(※第4波動と第1波動は重ならない)
・第5波動:126円~175.50円
■第1次トランプ米政権:第2調整波動
■第2次トランプ米政権:第4調整波動?
3.太陽黒点とドル円相場
太陽黒点は、約11年周期で極大期・極小期を繰り返しているが、ドル円のサイクルに対応している。
【太陽活動周期】 【極大期】⇒ピークアウト 【極小期】⇒ボトムアウト
・20期(1964-76)1968年+3年=1971年 360.00円 1976年+2年=78年 175.50円
・21期(1976-86)1979年+3年=1982年 278.50円 1986年+2年=88年 120.25円
・22期(1986-96)1989年+1年=1990年 160.35円 1996年-1年=95年 79.75円
・23期(1996-08)2000年-2年=1998年 147.64円 2008年+3年=11年 75.32円
・24期(2008-19)2014年+1年=2015年 125.86円 2019年+1年=20年 101.19円
・25期(2020-31)2024年10月=2024年 161.95円
■第1次トランプ米政権:第24極大期の終盤
■第2次トランプ米政権:第25極大期の終盤
大阪12月限
日経225先物 39270 +120 (+0.30%)
TOPIX先物 2741.5 -6.5 (-0.23%)
日経225先物(12月限)は前日比120円高の3万9270円で取引を終了。寄り付きは3万9210円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9240円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。その後ほどなくして3万9420円まで買われたが、節目の3万9500円接近で戻り待ちのショートが意識された。買い一巡後は持ち高調整に伴うロング解消の動きもあり、前場中盤にかけて下落に転じると、前引け時には3万9040円まで売られる場面もみられた。
ただ、3万9000円割れを狙ったショートの動きは乏しく、ランチタイムでの3万9050円~3万9100円処での底固めを経て、後場の取引開始直後にプラス圏を回復した。その後もリバウンド基調を継続し、現物の大引け時には一時3万9390円まで買われる場面もあった。
日経225先物は、ボリンジャーバンドの+1σ水準で始まり、ロングが強まる場面もみられたが、前日の高値水準で上値を抑えられた。その後、+1σ水準を下回ったことで前引けにかけてロングの解消に向かわせたものの、節目の3万9000円接近では押し目狙いのロング対応の動きが強まった。
日経225先物はオプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円でのトレードとなり、+1σを挟んでの推移だった。+1σは3万9260円辺りに上昇してきたが、同水準を上回って推移するようだと、節目の3万9500円や+2σの3万9770円辺りを目先的なターゲットとしたトレンド形成が意識されてくるだろう。
また、週間形状では+1σが3万9490円、+2σが4万0440円辺りに位置している。節目の3万9500円をクリアしてくると4万円の大台回復がみえてくるため、ショートカバーが強まりやすいとみられる。
本日の東証プライムの騰落銘柄は、値下がり数が8割近くを占めていた。そのなかでファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が1社で日経平均株価を110円支える形だった。指数インパクトの大きい値がさ株の影響が大きいとはいえ、日経平均型のインデックス売買が膨らんでくるようだと、4万円回復を想定したロングが強まってきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.32倍に上昇した。一時14.34倍をつけており、200日移動平均線(14.28倍)突破し、14.31倍辺りで推移する25日、75日線を上回ってきた。両線を明確に上放れてくるようだと、10月15日の14.70倍から11月21日につけた14.12倍までのNT倍率の低下に対するリバランスの動きが強まる可能性もあるだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万6653枚、ソシエテジェネラル証券が1万4107枚、サスケハナ・ホンコンが3928枚、日産証券が3281枚、JPモルガン証券が1855枚、バークレイズ証券が1536枚、ゴールドマン証券が1311枚、モルガンMUFG証券が1278枚、大和証券が958枚、野村証券が887枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9650枚、ソシエテジェネラル証券が1万5528枚、日産証券が4655枚、バークレイズ証券が4309枚、JPモルガン証券が3664枚、みずほ証券が2888枚、モルガンMUFG証券が2742枚、ゴールドマン証券が1944枚、ビーオブエー証券が1909枚、野村証券が1242枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、週末の米11月雇用統計に向けて11月ADP全米雇用報告やISM非製造業「雇用」指数を見極めた後は、パウエルFRB議長の発言に注目する展開となる。
また、引き続きトランプ次期米大統領によるSNSなどでの突発的な発言、ウクライナや中東情勢に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
また、本日東京時間の一部報道「日銀が12月の金融政策決定会合で政策を維持する可能性」の続報にも警戒しておきたい。
11月ADP全米雇用報告は前月比+15.0万人と予想されており、10月の同比+23.3万人からの減少が見込まれている。予想通りならば、週末に発表される11月雇用統計への警戒感を高めることになる。
11月米ISM非製造業指数は55.5と予想されており、10月の56.0からの低下が見込まれているが、物価指数や雇用指数にも注目しておきたい。10月の物価指数は58.1、雇用指数は53.0だった。
明朝の3時40分からパウエルFRB議長が討論会に参加する予定となっているが、11月14日の見解「経済は、利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していない。現在、われわれが目にしている経済の強さにより、慎重な決定を行うことが可能になっている」が繰り返されると思われる。
12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では73%程度となっている。
今後、11月の米雇用統計(12/6発表)や消費者物価指数(12/11発表)の数字を確認して、利下げなのか、それとも据え置かれるのかを見極めていくことになる。
また、12月FOMCでの判断材料となる米地区連銀経済報告(ベージュブック)にも注目しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、151.84円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、148.65円(12/3安値)
今晩は引き続きもみ合いか。昨日は金曜日発表の米11月雇用統計を控えた様子見が強まりダウ平均が76.47ドル安(-0.17%)と小幅に2日続落した一方、S&P500が0.05%高とわずかながら3日続伸し、前日に続いて終値の過去最高値を更新した。ナスダック総合も0.40%高と3日続伸し、2日連続で取引時間中と終値の史上最高値を更新した。10月JOLTS求人件数が市場予想を上回る強い結果となったが、CMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は前日の62%ぁら75%に上昇し、12月の追加利下げ期待が強まった。
今晩は引き続き高値もみ合いか。今週は利下げ見通しを巡り、金曜日に発表される11月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金など)が最大の焦点となるが、今晩も雇用統計の前哨戦となる11月ADP民間部門雇用者数のほか、11月ISM非製造業PMI、11月S&Pグローバル総合・サービス業PMI確定値、10月耐久財受注、米地区連銀経済報告(ベージュブック)などが発表されるほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の討論会での発言も予定され、経済指標や要人発言をにらんだ展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは11月ADP民間部門雇用者数、11月ISM非製造業PMI、パウエルFRB議長発言、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。企業決算は寄り前にダラー・ツリー、ホーメル・フーズ、引け後にシノプシスが発表予定。
韓国国会は戒厳令を巡る公聴会を5日に開催すると一部通信社が伝えた。
日経平均株価は小幅続伸。高寄りスタートから売りに押される展開となり、39000円に迫る場面があった。しかし、11/25高値(39053円)を意識して下げ渋り、プラス圏を回復して取引を終えた。
RSI(9日)は前日の64.3%→72.1%(12/4)に上昇。前日の見方から大きな変化はない。25日移動平均線(38732円 12/4)に加え、11/25につけた終値ベースの戻り高値(38780円)を超えており、短期的には上値が拡大する可能性が高い。10/15高値(40257円)と11月高値水準をつないで延長した上値抵抗線を超えられるかが焦点となる。
上値メドは、心理的節目の39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)などがある。
(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.17円(4日15時時点比△0.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.23円(△0.40円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0537ドル(△0.0022ドル)
FTSE100種総合株価指数:8335.81(前営業日比▲23.60)
ドイツ株式指数(DAX):20232.14(△215.39)
10年物英国債利回り:4.249%(△0.006%)
10年物独国債利回り:2.061%(△0.007%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
46.9 45.7
11月独サービス部門PMI改定値
49.3 49.4
11月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
49.5 49.2
11月英サービス部門PMI改定値
50.8 50.0
10月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
前月比 0.4% ▲0.6%
前年同月比 ▲3.2% ▲3.4%
ポーランド中銀、政策金利
5.75% 5.75%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。東京市場で伝わった「日銀が12月会合で利上げを見送る可能性」との報道を受けて欧州勢は買いで参入。米10年債利回りが上昇したことも買いを後押しする形で、22時前後に一時151.23円と本日高値を付けた。ただ、11月ADP全米雇用報告が予想をやや下回ると伸び悩み。比較的ハト派的な立場のムサレム米セントルイス連銀総裁が「金利引き下げのペースが鈍化もしくは停止する時期が近づいている可能性」と発言し、米10年債利回りが4.27%台まで上昇幅を拡大すると再び強含んだが、上値は限定的だった。11月米ISM非製造業景況指数が予想より弱い内容だったことが伝わると、米金利の一転低下とともに失速。一時150.00円付近まで売りに押された。
・ユーロドルは底堅い。米長期金利の上昇に伴う売りが散見されたうえ、NY時間に入るとセントルイス連銀総裁のタカ派発言を受けて昨日安値の1.0481ドルを下抜けて1.0473ドルまで値を下げた。ただ、売りも続かず、低調なISM非製造業景況指数をきっかけに一転上昇し、昨日高値の1.0535ドルを上抜けて1.0544ドルまで買い上げられた。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は議会証言で景気の先行き不透明感について指摘したほか、金利については「依然として景気抑制的な水準」「利下げを続けるが、ペースについて言及しない」と述べた。
・ポンドドルも底堅い動き。ベイリー英中銀(BOE)総裁が「来年4回の利下げを予想している」と発言したことで一時1.2630ドルまで下落する場面があったが、NYタイムに全般ドル安が進むと1.2721ドルまで切り返した。
・ユーロ円は強含み。日銀の早期利上げ観測後退を背景に欧州序盤から買いが強まり、一時158.66円まで上昇した。ドル円の失速につれて158円手前まで伸び悩む場面も見られたが、ユーロドルが買い戻されたため下値は堅かった。
・ロンドン株式相場は6営業日ぶりに反落。足元で相場上昇が続いていただけに利益確定売りが散見されたほか、外国為替市場でのポンド高も上値を抑えた。分野別では、ヘルスケアや公益事業関連の株が売られた。
・フランクフルト株式相場は5日続伸。市場では「節目の20000を明確に突破したことで投資家が一段と強気になっている」との指摘があるなか、この日も堅調に推移して史上最高値を更新した。個別では、ザランド(8.21%高)やSAP(3.76%高)の上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。
4日の日経平均は3日続伸。終値は27円高の39276円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり326/値下がり1280。三菱重工や川崎重工など防衛関連が大幅高。大和証券から中小型防衛関連に着目したリポートが出てきており、新規カバレッジが入った東京計器や日本アビオニクスが買いを集めた。ゲーム株の一角が強く、ソニーGが年初来高値を更新。任天堂は上場来高値を更新した。ファーストリテイリングやニトリHDなど月次を発表した銘柄に強く買われる銘柄が多く、良品計画は7%を超える上昇となった。
一方、レーザーテックやディスコなど半導体株の一角が軟調。ホンダ、SUBARU、マツダなど自動車株が大幅安となった。サンリオは上場来高値を更新するも、失速して3%を超える下落。みずほFG、三井住友、三菱UFJなど銀行株が弱かった。ユーロ円建てCBの発行が嫌気されたホシデンが急落した。
本日、グロース市場に新規上場したTMHは、高い初値をつけたものの、終値は初値を下回った。
日経平均は方向感が定まらなかったものの3日続伸。前場は弱かったが、後場に入って日銀の12月の利上げ観測が後退するといった話がフワッと出てきて、その真偽がはっきりしない中で値を戻した。プライムの値下がり銘柄が1000を超えたにもかかわらず上昇したという事実を、効率的に上げたと捉えるか、中身が伴っていないと捉えるかは判断の分かれるところ。それでも、きょうのようにプラス圏とマイナス圏を行き来しながら最終的にプラスで終えると、売りを仕掛けることへのリスクが強く意識される。踏み上げ相場が発生しやすい環境が整いつつある。
仏議会は内閣不信任案を可決した。
4日16:36 レーン・フィンランド中銀総裁
「ECBの金融緩和は今後数カ月続くと予想」
「12月利下げの根拠はさらに増えるだろう」
4日17:26 李韓国中銀総裁
「混乱阻止のための追加利下げの可能性は低い」
4日19:04 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「英国のインフレ率は、想定よりも早く低下してきている」
「来年は4回程度の利下げを見込んでいる」
4日19:36 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「会合ごとにアプローチすることが依然として適切」
「不確実性の中で金利変更は少しずつ行う方がよい」
4日22:32 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「第4四半期にインフレが一時的に進む見込み」
「将来的にはユーロ圏の経済回復が勢いを増す見込み」
「短期的には成長が弱まるだろう」
「特定の金利経路にコミットしない」
「インフレは来年中に目標に低下すると予想」
「中期的な見通しは下振れリスクが支配的」
「金利は依然として景気抑制的な水準」
「利下げを続けるが、ペースについて言及しない」
4日22:41 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「金利引き下げのペースが鈍化もしくは停止する時期が近づいている可能性」
「不確実性に対応するため、金融政策の選択肢を残す必要がある」
「中立金利は不確実であり、3%から4%の間にある可能性」
「今後、追加的な金融緩和が必要となるかもしれない」
「金融緩和が行き過ぎるとリスクが伴う」
「経済成長と雇用の緩やかな回復を予想」
4日23:11 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「インフレの方向性に関して勇気づけられている」
「FRBの使命において、ポジティブな面とリスクの両方が見られる」
「正常化は中立金利に向けてより遅く慎重に行う」
「やや引き締め的な政策への到達を望む」
「0.50%利下げの必要性について、慎重に進めることを好む」
「最近のデータは慎重さと用心深さが必要であるという見方を強めた」
5日00:43 リラ・ブラジル下院議長
「政府の歳出削減案は財政枠組みを維持するために非常に重要」
「今週でなければ来週には財政パッケージを可決できることに疑いはない」
「来年、所得税改革について投票しなければならない」
5日02:15 ナーゲル独連銀総裁
「今のところ来週の利下げに異議はないが、会合まで判断を留保」
「利下げは段階的で慎重なアプローチを支持」
5日03:50 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「独立性が最良の決定を下す能力を与えてくれる」
「独立性を失うリスクについては心配していない」
「米国経済は現在、驚くほど良好な状態」
「経済と金融政策の現状に非常に満足」
「中立的な金利を見つけるために慎重であることができる」
「現在、中立的な水準に金利を引き上げる道筋にある」
「失業率は依然として非常に低く、インフレに関しても進展が見られる」
「金利を非常に迅速に引き上げてきた」
「FRBはドル政策についてコメントしない。これは財務省の責務」
「関税に関しては未知の要素が多い」
「中立金利水準を探る中、慎重になる余地がある」
5日04:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「雇用レベルは横ばいからわずかに上昇し、低い離職率の中で採用は控えめ」
「賃金成長は緩やかなペースに鈍化したが、エントリーレベルや熟練職のポジションでは堅調な伸びが見られる」
「価格上昇は緩やかで、企業はコストを顧客に転嫁することが難しくなっている」
「消費者支出は安定しているが、価格感度が高まっている」
「製造業の活動は地域によってまちまち」
「商業不動産市場は一部の地域で安定化の兆しを示している」
「消費者の価格感度が高まっており、品質感度も増している」
「保険コストは依然として重要なインフレ圧力」
「企業は潜在的な輸入関税に備えて在庫を積み増している」
「データセンターの需要が電力使用量の急増を引き起こしている」
「農業経済は弱い設備販売に苦しんでいる」
5日04:45 極右・国民連合(RN)のルペン議員
「マクロン大統領の辞任を求めていないが、最終的な決定権は彼にある」
「我々は予算作成に貢献する」
「次の首相を支持するためには、我々の有権者を尊重することを含むいくつかの要求がある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◇ 中村豊明日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○08:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、インタビューに応対
○09:30 ◇ 10月豪貿易収支(予想:45.50億豪ドルの黒字)
○15:45 ◇ 11月スイス失業率(季節調整前、予想:2.7%)
○16:00 ◎ 10月独製造業新規受注(予想:前月比▲2.0%/前年同月比1.8%)
○16:00 ◎ 11月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比1.6%)
◎ コア指数(予想:前月比0.7%/前年比1.9%)
○16:45 ◇ 10月仏鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○18:00 ◎ 7-9月期南アフリカ経常収支(予想:855億ランドの赤字)
○18:30 ◎ 11月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:53.4)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.3%/前年比1.7%)
○19:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○21:30 ◇ 11月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◇ 10月カナダ貿易収支(予想:7.9億カナダドルの赤字)
○22:30 ◎ 10月米貿易収支(予想:750億ドルの赤字)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/190.5万人)
○24:00 ◇ 11月カナダIvey購買部協会景気指数
○6日02:00 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○6日02:15 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○6日03:00 ◎ 11月ブラジル貿易収支(予想:78.00億ドルの黒字)
○石油輸出国機構(OPEC)プラス閣僚級会合
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.59円(前営業日比△0.99円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.30円(△1.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0511ドル(△0.0002ドル)
ダウ工業株30種平均:45014.04ドル(△308.51ドル)
ナスダック総合株価指数:19735.12(△254.21)
10年物米国債利回り:4.18%(▲0.04%)
WTI原油先物1月限:1バレル=68.54ドル(▲1.40ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2676.2ドル(△8.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
米MBA住宅ローン申請指数 (前週比)
2.8% 6.3%
11月ADP全米雇用報告
14.6万人 18.4万人・改
11月米サービス部門PMI改定値
56.1 57.0
11月米総?⑰MI改定値
54.9 55.3
11月米ISM非製造業指数
52.1 56.0
10月米製造業新規受注 (前月比)
0.2% ▲0.5%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は上昇。日銀の早期利上げ観測後退を背景にした買いが続き、22時前後に一時151.23円と本日高値を付けた。ただ、11月ADP全米雇用報告が予想をやや下回ると伸び悩み。比較的ハト派的な立場のムサレム米セントルイス連銀総裁が「金利引き下げのペースが鈍化もしくは停止する時期が近づいている可能性」と発言し、米10年債利回りが4.27%台まで上昇幅を拡大すると再び強含んだが、上値は限定的だった。11月米ISM非製造業景況指数が予想より弱い内容だったことが伝わると、米金利の一転低下とともに失速。一時150.00円付近まで売りに押された。
一方で、150円割れを死守し、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長から「米国経済は現在、驚くほど良好な状態」「経済と金融政策の現状に非常に満足」との発言が伝わると買い戻しの動きに。米国株が引けにかけて上げ幅を拡大したことも支えとなり150.60円台まで持ち直した。
・ユーロドルは小幅に続伸。セントルイス連銀総裁のタカ派発言を受けて昨日安値の1.0481ドルを下抜けて1.0473ドルまで値を下げた。ただ、売りも続かず、低調なISM非製造業景況指数をきっかけに一転上昇し、昨日高値の1.0535ドルを上抜けて1.0544ドルまで買い上げられた。一方で、FRB議長の景気判断に対する強気な見解が重しとなり1.0505ドル近辺まで押し戻された。
なお、仏議会は4日、内閣不信任案の採決を行い可決された。これにより、バルニエ首相は辞任し、マクロン大統領が次の首相を選任することになる。極右・国民連合(RN)の実質的な指導者であるルペン氏は「マクロン大統領の辞任を求めていないが、最終的な決定権は彼にある」などと述べた。
・ユーロ円は続伸。NY序盤に158.66円まで上昇したものの、その後はドルが相場をけん引したためユーロ円自体は158円台前半を中心としたもみ合いが続いた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発。昨日引け後の決算が好感されて顧客管理ソフト大手セールスフォースが11%超上昇し、指数を大きく押し上げた。弱い米経済指標が相次ぎ米利下げ観測が高まっていることも相場を後押しした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は4日続伸した。アルファベットやオラクルなどの上昇が目立ち、連日で史上最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発。時間外では欧州債の下落につれたほか、ムサレム米セントルイス連銀総裁のタカ派的な見解が伝わると利回りは一時4.27%台まで上昇した。ただ、11月米ISM非製造業景況指数が悪化すると一転して買い戻しの動きとなった。なお、パウエルFRB議長は討論会で景気判断に対して強気な発言をした一方で、今後の金融政策については慎重な姿勢を示した。
・原油先物相場は反落。この日に発表された米経済指標は市場予想を下回る結果が目立ち、今後のエネルギー需要の弱まりを懸念した売りが進んだ。時間外に70.50ドル前後まで上昇していたところから、68ドル半ばまで軟調に推移した。米エネルギー省(EIA)の週間在庫統計で原油は取り崩しだったものの、市場はガソリンや中間留分の積み増し拡大を気にしたもよう。
・金先物相場は続伸。11月ADP全米雇用報告が市場予想に届かず、同月の米サービス部門PMI改定値やISM非製造業景況指数も予想より弱かった。さえない米経済指標を受けて、リスク回避資産とされる金は強含む展開となった。一巡後は利益確定売りに押されるも下げ幅は限られた。
昨日の海外市場でドル円は、日銀の早期利上げ観測後退を背景にした買いが続き、151.23円まで上昇。一時150.00円付近まで売りに押される場面もあったが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長から「米国経済は現在、驚くほど良好な状態」「経済と金融政策の現状に非常に満足」との発言が伝わると買い戻しの動きに。米国株が引けにかけて上げ幅を拡大したことも支えとなり150.60円台まで持ち直した。ユーロドルは、1.04ドル後半から1.05ドル半ばで方向感なく動いた。仏議会は内閣不信任案の採決を行い可決されたが、市場の値動きは限定的だった。
本日の東京時間のドル円は、150円台でもみ合いとなるか。ここ最近は、本邦実需勢がドル円を買い、欧米系がドル円を売っていることで、アジア時間ではドル買いが優勢になり、欧米入り後はドル売りの勢いが強くなっている。
昨日はムサレム米セントルイス連銀総裁やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言の影響でドルが支えられたが、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は8割弱で小幅に利下げ予想が増え、据え置き予想が2割超となった。一方で1月28-29日の据え置き予想が61%台から64%台へとやや拡大した。市場では、これまで通り12月FOMCでの利下げ以後は、当面様子見となる見通しになっている。市場の予想にさほど変化がなかったのは、1月には第2次トランプ政権が樹立していることで、トランプトレードによる金利上昇をすでに織り込んでいたからとも思われる。
FOMCが12月を最後に利下げ停止との予想に変化があまりない中で、12月の日銀の動向への注目度が増している。昨日も一部通信社が「12月は政策を維持」との観測記事が英訳されただけで、円が売られている。これから週末を含め、18-19日の日銀政策決定会合まで様々な観測記事でドル円は神経質に動きそうだ。
その中で、本日は10時半ころに中村日銀審議委員が広島県金融経済懇談会に出席し、挨拶を行うことで、この内容が注目される。中村審議委員は兼ねてからハト派とされ「賃金から物価への波及はまだ遠い」「実質賃金のプラス転換に加え、可処分所得の増加が必要」との見解を示している。実質賃金は過去最長のマイナスが6月にようやく終止符を打たれたが、プラスに転じたのは僅か2カ月のみで再びマイナスに戻り、8月には-0.8%、9月には-0.4%まで低下しているが、どのような見解を示すかを確かめたい。なお、10月の実質賃金は明日6日に公表予定。市場では同氏がハト派ということで、サプライズとしてはタカ派、もしくはさほどハト派寄りの発言にならない場合のほうが動意づくと予想されている。なお、同氏は明日にも記者会見が予定されている。
ドル円以外では、人民元の値動きには引き続き注目。昨日は中国人民銀行が市場予想よりも大幅に元高に人民元取引の基準値を設定したことで元買い・ドル売りとなり、他通貨に対してもドルが売られた。本日も基準値の水準次第でドルが動意づくだろう。また、昨日は豪州の7-9月期の四半期国内総生産(GDP)が予想比を下振れ、豪州の中長期金利が低下し、豪ドルは対ドルで約4カ月ぶりの安値を更新した。来週9-10日に豪準備銀行(RBA)理事会が開かれることで、豪ドルも神経質な動きになりそうだ。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39630 +360 (+0.91%)
TOPIX先物 2755.5 +14.0 (+0.51%)
シカゴ日経平均先物 39625 +355
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
4日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。前日夕に発表した2024年8-10月期決算で売上高が市場予想を上回ったセールスフォース<CRM>が10%を超える上昇となり、NYダウを押し上げた。また、マーベル・テクノロジー<MRVL>は8-10月期決算と11-1月期の見通しが予想を上回り、上昇率が2割を超え、他の半導体株にも買いが広がった。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はニューヨークで開催されたイベントで「米国経済は極めて良好な状態にある」と述べ、政策調整を慎重に進めることができるとの見解を示した。
11月のADP雇用統計は民間雇用者数が14万6000人増と予想(15万人程度)を下回ったが、増加基調を維持しており、労働市場の底堅さを示したとの見方が強い。11月のISM非製造業総合景況指数は3.9ポイント低下し、52.1と市場予想(55.7程度)下回った。これを受けてFRBが12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを実施するとの観測が高まった。
NYダウ構成銘柄ではセールスフォースのほか、エヌビディア<NVDA>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、ハネウェル・インターナショナル<HON>が買われた。一方で、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、コカ・コーラ<KO>、シェブロン<CVX>がさえない。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比355円高の3万9625円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比90円高の3万9360円で始まり、米国市場の取引開始直前には3万9770円まで買われる場面もみられた。その後は利益確定に伴うロング解消が優勢となり、中盤にかけて3万9440円まで軟化。ただし、終盤にかけて再びロング優勢となり、3万9630円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることが見込まれる。ナイトセッションではボリンジャーバンドの+1σ(3万9280円)を上回って始まり、その後も強い上昇をみせ、+2σ(3万9800円)に接近してきた。+2σ水準では強弱感の対立が見込まれるものの、同水準を明確に上放れてくると、ショートカバーを誘う形で上へのバイアスが強まりそうである。
米国ではマーベル・テクノロジーの上昇が他の半導体株への買いに向かわ、エヌビディアは3%を超える上昇で心理的な抵抗線である25日移動平均線を突破してきた。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になるとみられ、相対的に日経平均型優位の展開になろう。
日経225先物は、+2σ水準を巡る攻防で利食いに押される局面では、節目の3万9500円処での底堅さを見極めることになる。押し目狙いのロング対応のなかで底堅さがみられるようだと、4万円の大台や11月7日につけた戻り高値4万0170円(ナイトセッションを含む)が目先的なターゲットになろう。そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万円のレンジを想定しておきたい。
4日の米VIX指数は13.45(前日は13.30)に上昇した。一時12.89と13.00を下回る場面もみられており、自律反発の動きであろう。低下基調を継続するなかで、7月19日に瞬間的につけた10.62が意識されているほか、12月のFOMCでの利下げ観測は根強く、リスク選好に向かわせよう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.32倍に上昇した。一時14.34倍をつけており、200日線(14.28倍)突破し、14.31倍辺りで推移する25日、75日線を上回ってきた。米半導体株が買われた流れを引き継ぎ、日経平均型優位の展開が見込まれるため、両線を明確に上放れてくる可能性がありそうだ。10月15日の14.70倍から11月21日につけた14.12倍までのNT倍率の低下に対するリバランスの動きが強まると考えられる。
昨日のドル円は、欧州時間から上値を試す展開。欧州系の情報ベンダーであるMNI(マーケットニュースインターナショナル)が「日銀の年内利上げが見送られる」との観測記事を掲載したことを受けて海外勢中心に買いが強まると、2日の高値150.75円や50日MAが位置する151.06円を上抜けて一時151.23円まで値を上げました。
NY時間に入ってからは、11月ADP全米雇用報告や11月米ISM非製造業指数がいずれも予想を下回る弱い数字となると上昇していた米長期金利が一転して低下するにつれて150.00円まで下押ししたものの、NY時間午後になって、パウエルFRB議長が討論会において「米経済は現在、驚くほど良好な状態。中立金利の水準を探るなか、慎重になる余地がある」との見解を示したことから150.67円まで買戻されて取引を終えています。
アジア時間に入ってからは、輸出の売りなどが先行すると150.19円まで戻り売りに押されたものの、日銀の中村審議員の極めてハト派的な発言に反応して150.68円まで買戻し。ただ、その後は再び上値を切り下げているといったところです。
いずれにしても、日銀の年内利上げについての憶測は、先週末の日経新聞による植田日銀総裁のインタビュー記事を受けて、市場では「ハウスビューを12月利上げ予想に変更する金融機関が多数出た」わけで、そんな状況下でのMNIのゲリラ的報道は、海外勢にとっては「かなり刺さった」模様。一方で、中村審議員の発言に対しては、「もともとハト派の代表格」であるがゆえに、「それほどのサプライズではない」ということもあって、結論は同じでも、反応は一様ではなく、それぞれに複雑な展開となっています。ドル円は、目先、改めて50日MAの151.19円や昨日高値の151.23円、更には一目転換線の位置する151.69円付近を意識する動きとなっていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比220円高の3万9490円(+0.56%)前後で推移。寄り付きは3万9600円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9625円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。ただし、3万9680円まで買われたが、ボリンジャーバンドの+2σ(3万9770円)に接近するなか、買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の動きが優勢となった。中盤にかけて3万9420円まで軟化する場面もみられたが下へのバイアスは強まらず、終盤にかけては節目の3万9500円を挟んだ底堅い値動きをみせた。
日経225先物は、寄り付き後に3万9680円まで買われたが、ナイトセッションで付けた高値(3万9770円)を意識したロングが強まらなかったこともあり、利食い優勢の形となったようだ。ただし、一時3万9420円まで軟化したものの、その後は節目の3万9500円辺りでの底堅い値動きをみせており、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。底堅さが感じられるようだと、+2σ水準を意識させてくる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.39倍に上昇した。14.31倍辺りで推移する25日、75日移動平均線を上回って始まり、一時14.40倍を付けている。抵抗線を明確に突破したことでNTロングでのスプレッド狙いに向かわせやすいだろうが、買い先行で始まった東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やレーザーテック <6920.T> [東証P]が下げに転じていることもあり、押し目でのNTロングの組成を意識しておきたいところである。
本日のロンドン市場では、フランスの政局不安がくすぶる中、各種指標などを確認しつつ、ユーロの方向感を探る展開となるか。
フランスでは昨日、議会で内閣不信任案が可決されたことで、バルニエ首相はマクロン大統領に辞表を提出し、内閣は総辞職となった。今後は大統領が新首相を指名して再度予算案に臨むこととなるが、バルニエ首相が採決前に「財政赤字の現実は不信任案の魔法で消えることはない」と話したように、財政赤字問題は抱えたままであり、新首相が誕生しても予算案の難航が見込まれる。このことから、ユーロは積極的には買いづらい展開が続くとみる。欧州引け後にはなるが、日本時間6日4時に予定されている、大統領の声明に注目したい。
また、本日は独10月新規製造業受注や仏10月鉱工業生産、ユーロ圏10月小売売上高などが発表予定。一つ一つは市場への影響は小さいかもしれないが、弱い内容が相次いだ場合はユーロ圏の景気不安につながることも考えらえる。結果を確認してゆきたい。
要人発言では、ややタカ派と目される、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁の発言機会が予定されている。ただ、昨日「会合ごとにアプローチすることが依然として適切」「不確実性の中で金利変更は少しずつ行う方がよい」などと発言した直後ということもあり、手掛かり材料になる発言は期待しづらいかもしれない。
一方、NY市場では明日の米雇用統計を前に、複数の雇用関連指標が発表予定となっている。市場の関心事の一つが米国の金融政策となっていることからも、金融政策に影響を与える雇用の行方は注目されやすい。欧州の指標や要人発言を消化した後はドルの動向に左右される相場展開も考えられる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:11月29日高値1.0597ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:2日安値1.0461ドル
(5日15時時点)
ドル円:1ドル=149.93円(前営業日NY終値比▲0.66円)
ユーロ円:1ユーロ=157.82円(▲0.48円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0526ドル(△0.0015ドル)
日経平均株価:39395.60円(前営業日比△119.21円)
東証株価指数(TOPIX):2742.24(△1.64)
債券先物12月物:142.98円(▲0.18円)
新発10年物国債利回り:1.065%(△0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38300%(△0.01000%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
9224億円の取得超 7791億円の処分超・改
対内株式
6077億円の処分超 4458億円の処分超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。朝方から150円台半ばを挟んだ水準で神経質に上下していたが、国内輸出企業からの売りに押されて次第に上値が重くなった。ハト派とされている中村日銀審議委員が「利上げに反対しているわけではない、データに基づいて判断するべき」などの見解を示すと、日銀の追加利上げへの思惑から149.70円まで売りに押された。
・ユーロ円も弱含み。158円台前半でのもみ合いから徐々に上値が重くなり、中村日銀審議委員の発言を手掛かりに157.60円まで弱含んだ。
・ユーロドルは小高い。1.05ドル台前半の狭い値幅で推移したが、ドル円の下落を受けて一時1.0530ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は4日続伸。昨日の米国株価指数が過去最高値を更新したことを受け、本日の東京市場でも買いが先行した。もっとも、その後は短期的な過熱感が意識されて利益確定目的の売りに押される展開に。中村日銀審議委員の発言を受けて、日銀の追加利上げ観測が高まったことも相場の重しとなった面がある。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。持ち高調整目的の売りが先行した。30年物国債入札を無難に通過したことで買い安心感から下値を切り上げる場面もあったが、中村日銀審議委員の発言が伝わると再び売りに押された。
「追加利上げ時期は、データがオントラックに推移しているという意味では近づいているといえる」(植田日銀総裁)
1989年、日経平均株価が当時の史上最高値3万8957円44銭を付けたバブル絶頂の年、日本銀行は3回の利上げを断行した。
2024年、日経平均株価が史上最高値を更新した年、日本銀行は3回の利上げを断行するのだろうか。
1.1989年のバブル絶頂の年
1989年、日本銀行は、当時の政策金利だった公定歩合を3回(2.5%⇒4.25%)に引き上げた。1989年のコア消費者物価指数は前年比+2.4%だった。
1)5月31日:2.50%⇒3.25%(+0.75%)
日経平均株価は、2月に32000円台、4月に33000円台、5月には34000円台に乗せてきた。日銀は日経平均株価が大きく上昇しているにもかかわらず、低金利政策を続けた結果の株高にやっと危機感を持ったと思われる。
※コア消費者物価指数:前年比+2.8%
2)10月11日:3.25%⇒3.75%(+0.50%)
※コア消費者物価指数:前年比+2.9%
3)12月25日:3.75%⇒4.25%(+0.50%)
※コア消費者物価指数:前年比+2.9%
1990年には、3月に5.25%、8月に6.00&まで追加利上げが行われ、急激な金融引き締めによってバブル経済は崩壊した。
1990年8月のコア消費者物価指数は前年比+2.3%、1990年は前年比+2.3%だった。
2.2024年の史上最高値更新の年
コア消費者物価指数は2024年10月まで31カ月連続で日銀目標の2.0%を上回り、賃金動向を反映しやすいサービス価格も改善が続いている。
日経平均株価は、7月に42426.77円まで上昇して史上最高値を更新した。
1)3月19日:マイナス金利を解除して17年ぶりの利上げに踏み切った
・マイナス金利(▲0.1%)を解除
・無担保コール翌日物レート:0-0.1%に誘導
※コア消費者物価指数:前年比+2.6%
2)7月31日:政策金利を0.25%程度に引き上げた
・政策金利(無担保コール翌日物金利):「0-0.1%程度」⇒「0.25%程度」
・植田日銀総裁「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」
※コア消費者物価指数:前年比+2.7%
3)12月19日:政策金利を0.50%程度に引き上げるのか?
※コア消費者物価指数(10月):前年比+2.3%
大阪12月限
日経225先物 39390 +120 (+0.30%)
TOPIX先物 2739.5 -2.0 (-0.07%)
日経225先物(12月限)は前日比120円高の3万9390円で取引を終了。寄り付きは3万9600円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9625円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。ただし、3万9680円まで買われたが、その後は利益確定に伴うロング解消の動きが優勢となった。前場中盤にかけて3万9420円まで軟化し、3万9450円~3万9500円処での底固めを経て、前場終盤には3万9590円と寄り付き水準まで戻した。しかし、ロングの動きは強まらず、ランチタイムで3万9440円辺りまで軟化すると、後場終盤にかけて一時3万9320円まで上げ幅を縮めた。
日経225先物は上げ幅を縮めたものの、プラス圏をキープしているほか、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9260円)が支持線として機能する形だった。結局は+1σと+2σ(3万9760円)でのレンジ内での推移であるため、下値切り上げのトレンドは継続している。+1σ水準での底堅さがみられるなか、節目の3万9500円を捉えてくる局面では、再び+2σ突破を狙ったスタンスに向かわせよう。
週間形状では+1σが節目の3万9500円辺りに位置しているため、明日の終値で同水準を明確に上放れてくるかが注目される。週末には11月の米雇用統計の発表を控えているため、積極的なロングは入りにくいと考えられるが、ここを突破してくるとショートカバーが強まりやすいとみておきたい。
また、米雇用統計の結果待ちで商いは膨らみにくいだろうが、前日の米国では予想を下回ったADP雇用統計やISM非製造業景況指数を受けて、米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が高まっていた。米主要指数が最高値を更新するなかで地合いは良好であり、強いトレンドを継続するとの見方から、東京市場でも弱含む場面では、押し目狙いのロングでの対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。14.31倍辺りで推移する25日、75日移動平均線を上回って始まり、一時14.41倍を付けている。抵抗線を明確に突破したことでNTロングでのスプレッド狙いに向かわせやすいだろう。週間形状では13週線が14.37倍で推移しており、同線を上回ってくると、10月15日の14.70倍から11月21日につけた14.12倍に対するNTショートを巻き戻す動きが強まる可能性が意識されよう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5469枚、ソシエテジェネラル証券が1万1002枚、サスケハナ・ホンコンが3744枚、みずほ証券が3640枚、日産証券が3365枚、ゴールドマン証券が2503枚、JPモルガン証券が2338枚、バークレイズ証券が1919枚、野村証券が1223枚、モルガンMUFG証券が1193枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1684枚、ソシエテジェネラル証券が1万6637枚、日産証券が7996枚、みずほ証券が6794枚、バークレイズ証券が6370枚、ゴールドマン証券が4914枚、野村証券が4343枚、JPモルガン証券が3582枚、モルガンMUFG証券が3069枚、ビーオブエー証券が2967枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、明日の米11月雇用統計に向けて11月米企業の人員削減数や前週分の米新規失業保険申請件数を見極めつつ、米10年債利回りの動向に注目する展開が予想される。
また、引き続きトランプ次期米大統領によるSNSなどでの突発的な発言、ウクライナや中東情勢に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は昨日、貿易や製造業を担当する上級顧問に、第1次トランプ政権で国家通商会議(NTC)委員長を務めたピーター・ナバロ氏を起用すると発表した。第1次トランプ政権で米中貿易戦争の矢面に立っていた対中強硬派の起用により、本日発表される米10月貿易収支での対中貿易赤字も注視していくことになる。
11月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)では、10月のハリケーンやストライキの影響が無くなった後の雇用情勢を見極めることになる。
11月米ISM製造業「雇用」指数は48.1で10月の44.4から上昇、ISM非製造業「雇用」指数は51.5で10月の53.0から低下していた。11月のADP全米雇用報告は前月比+14.6万人で10月の同比+18.4万人から減少していた。
また、米11月雇用統計の調査対象週(※11月12日週)ではないものの、前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21.5万件)や失業保険継続受給者数(予想:190.5万人)では、11月後半の雇用情勢を確認することになる。
12月17-18日のFOMCでの0.25%の利下げ確率は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では77%程度まで上昇している。
今後、11月の米雇用統計(12/6発表)や消費者物価指数(12/11発表)の数字を確認して、利下げなのか、それとも据え置かれるのかを見極めていくことになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、151.69円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、148.65円(12/3安値)
今晩は上値の重い展開か。昨日は決算発表が好感されたソフトウェアのセールスフォースが10.99%高、データセンター向け半導体製造のマーベル・テクノロジーが23.19%高と急伸し、ハイテク株全般に買いが波及した。ダウ平均は308.51ドル高(+0.69%)の45014.04ドルと3日ぶりに反発し、終値で初めて45000ドルを突破。セールスフォース1銘柄でダウ平均を約224ドル押し上げた。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.61%高、1.30%高とともに4営業日続伸し、主要3指数がそろって取引時間中と終値の史上最高値を更新した。年内の利下げを巡っては、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がインタビューで、利下げについて慎重に進める余裕があるとしたが、1月ADP民間部門雇用者数や11月ISM非製造業PMIが予想を下回る弱い結果となったことで、CMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ見通しは前日の73%から78%に上昇し、政策金利の据え置き確率は22%に低下した。
今晩は主要3指数が最高値を更新し、高値警戒感が意識されることや、翌日の11月雇用統計の発表を控えた様子見姿勢の強まりで上値の重い展開が予想されるが、年内の利下げ見通しを巡って新規失業保険申請件数などの経済指標に注目する展開か。新規失業保険申請件数の市場予想は21.5万件と、前週発表分の21.3万件からやや悪化が見込まれており、予想並みの結果となれば、12月利下げ期待の継続が引き続き相場の支援となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数のほか、11月チャレンジャー企業人員削減数、10月貿易収支など。企業決算は寄り前にブラウン・フォーマン、ダラー・ゼネラル、クローガー、引け後にルルレモン・アスレティカ、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、アルタ・ビューティーなどが発表予定。(執筆:12月5日、14:00)
フランス政府はEU-メルコスール貿易協定案を「受け入れられない」と宣言し、農業部門と環境基準への懸念を表明している。20年以上にわたり交渉されてきたこの協定は、EUと南米諸国間の大規模な自由貿易圏の創設を目指しているが、ドイツやスペインが支持する一方で、フランスとポーランドが反対。フランスの強い反対は、自国の農業部門保護と環境基準の維持を重視する姿勢を反映しており、EU内での意見の相違が浮き彫りになっている。この対立は、協定の今後の行方に大きな影響を与える可能性がある。
日経平均株価は4日続伸。買い先行ながらも11月前半高値を前に売りに押される時間帯が続いた。
RSI(9日)は前日の72.1%→70.7%(12/5)に低下。前日の見方から大きな変化はない。今週は25日移動平均線(38737円 12/5)に加え、11/25につけた終値ベースの戻り高値(38780円)を超えており、短期的には上値が拡大する可能性が高い。10/15高値(40257円)と11月前半の高値水準をつないで延長した上値抵抗線を明確に超えられるかが焦点となる。
上値メドは、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)などがある。
米格付け会社S&Pによると、フランス政府の崩壊により、同国は予算赤字に対処する明確な戦略を失ったという。12月21日の期限が迫る中、修正された2025年度予算案を可決する可能性は低くS&Pはほとんどのシナリオにおいて、前政権が提案した措置よりも予算の統合が大幅に少なくなると予想している。
(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.13円(5日15時時点比△0.20円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.65円(△0.83円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0567ドル(△0.0041ドル)
FTSE100種総合株価指数:8349.38(前営業日比△13.57)
ドイツ株式指数(DAX):20358.80(△126.66)
10年物英国債利回り:4.281%(△0.032%)
10年物独国債利回り:2.111%(△0.050%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月スイス失業率
2.6% 2.5%
11月スウェーデン消費者物価指数(CPI)
前月比 0.3% 0.2%
前年同月比 1.6% 1.6%
11月スウェーデンCPIコア指数
前月比 0.5% 0.4%
前年同月比 1.9% 1.5%
10月独製造業新規受注
前月比 ▲1.5% 7.2%・改
前年同月比 5.7% 4.2%・改
10月仏鉱工業生産 (前月比)
▲0.1% ▲0.8%・改
11月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
55.2 54.3
10月ユーロ圏小売売上高
前月比 ▲0.5% 0.5%
前年同月比 1.9% 3.0%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは強含み。しばらくは1.0530ドルを挟んで方向感を欠いていたが、NYタイムに入ると買いが優勢に。内閣不信任案可決を受けてバルニエ仏首相が辞任したが、極右・国民連合(RN)を実質的に率いるルペン氏が「今後数週間で2025年度の予算を可決できる」との見解を示すと、仏政局を巡る懸念が後退し仏国債のリスクプレミアムが低下。独長期金利が上昇したことも相まって一時1.0589ドルと本日高値を付けた。11月29日高値の1.0597ドルが目先のレジスタンスとして意識されると1.0551ドル付近まで伸び悩む場面も見られたが、下値は堅かった。
・ドル円は方向感が定まらない。ハト派的な立ち位置の中村日銀審議委員が東京時間に「利上げに反対しているわけではない」と発言した影響が残り、欧州序盤には一時149.66円と日通し安値を付けた。ただ、昨日安値の149.53円がサポートとして機能するとショートカバーの動きに。米10年債利回りが4.22%台まで上昇したことも支えに150.70円前後まで反発した。一方で、米金利がその後に上昇幅を消すと150.07円付近まで押し戻された。市場では「明日の11月米雇用統計待ちの様相が強く、様子見ムードが広がった」との指摘があった。
・ユーロ円は堅調。仏政局を巡る不透明感がいったん落ち着いたとの見方からユーロ高が進行。一時159.39円まで買い上げられた。その後はユーロドルの買い一服やドル円が下げた影響を受けて158.40円台まで上げ幅を縮めた。
・ロンドン株式相場は反発。目先の手掛かり材料に乏しく、前日終値を挟んで方向感が出ず、値幅も30ポイント前後と狭かった。分野別では、金融や生活必需品などが上昇した半面、不動産やエネルギー関連株は安かった。
・フランクフルト株式相場は6日続伸。引き続き独株に対して強気な見解を示す投資家からの買いが続き、史上最高値を更新した。個別では、シーメンス(2.95%高)やコンチネンタル(2.85%高)が買われた半面、ザルトリウス(2.08%安)やヴォノヴィア(1.26%安)は下げた。
・欧州債券相場は下落。
5日の日経平均は4日続伸。終値は119円高の39395円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり967/値下がり611。主力どころではフジクラ、川崎重工、アドバンテスト、リクルートなどが大幅上昇。さくらネットが6%高と強い動きを見せており、商いも膨らんだ。証券会社のリポートを手がかりに熊谷組やノーリツ鋼機が急伸。上期決算発表日の前倒しを発表したインスペックがストップ高まで買い進まれた。
一方、三菱重工やレーザーテックが大きめの下落。古河電工、三菱商事、サンリオなどが弱かった。第一三共、エーザイ、ロート製薬など薬品株が軟調。今期減収減益計画のキタックが急落した。
日経平均は上昇したが、開始直後に高値、終盤に安値をつけており、場中の動きはさえなかった。物色を見ても、同じ業界で大幅高となる銘柄もあれば大幅安となる銘柄もあるなど、つかみどころがなかった。外部環境は良好であっただけに、きょう力強い上昇となっていればリスクオン加速も期待できたが、そこまでの動きにはならなかった。
あすは米国で11月の雇用統計が発表される。米国株はきのう4日に3指数がそろって史上最高値を更新しており、雇用統計を過度に警戒したり、利益確定を急ぐような動きは見られない。重要イベントを前にしても強い基調が変わらないのは、11月の大統領選投開票の直前と似た光景だ。日経平均はきょうが微妙な上昇となったことで、あすはリスク回避の売りが強めに出てくるかもしれない。ただ、4日続伸で先週末との比較では1187円上昇しており、貯金は十分。下げるようなら押し目は冷静に拾っておきたい。
カリフォルニア州北部でマグニチュード7の地震が発生したとアメリカ地質調査所(USGS)が伝えた。なお、津波発生の可能性があると太平洋津波警報センターは報じている。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は5日、生産量の引き上げを3カ月延期する方針で合意した。一部通信社が伝えた。
5日09:04 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「利下げの緊急性はない」
「慎重に政策を調整する必要、12月FOMCまで判断を見極める」
5日10:30 中村日銀審議委員
「米国経済は、累次の利上げの影響を受けつつも、個人消費を中心に底堅く推移し、ソフトランディング期待が高まっている」
「日本経済は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している」
「家計部門の所得環境は、足もとまで前年比+2%台後半の賃金上昇が続くなど、緩やかに改善している」
「『前向きな賃上げ』と『防衛的な賃上げ』の二極化が窺われ、今後の動向を注視している」
「賃上げの持続性にまだ自信を持てておらず、個人消費の節約志向の強まりや設備投資計画が先送りされる可能性」
「消費者物価(除く生鮮食品)前年比で2025年度以降は2%に届かない可能性がある」
「年内に利上げするかはこれから出る日銀短観などのデータをよく見て判断したい」
「利上げに反対しているわけではない、データに基づいて判断するべき」
5日16:56 カザークス・ラトビア中銀総裁
「来週の会合も含めて利下げは継続していくべき」
5日22:45 極右・国民連合(RN)のルペン議員
「新首相は本日夕方に指名される可能性が高い」
「2029年までに財政赤字を3%に縮小するのは信頼できない」
「今後数週間で2025年の予算を可決できる」
「現在の状況下でマクロン大統領が辞任する理由はない」
5日23:26 グラピンスキ・ポーランド中銀総裁
「利下げ議論は来年3月から10月まで延期される可能性がある」
6日04:10 マクロン仏大統領
「数日以内に新しい首相を指名する」
「大統領としての任期を全うする」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 10月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.6%)
○08:30 ◇ 10月家計調査(消費支出、予想:前年比▲2.6%)
○08:50 ◇ 11月外貨準備高
○14:00 ◇ 10月景気動向指数速報値(予想:先行108.8/一致117.7)
<海外>
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合(予想:6.50%で据え置き)
○16:00 ◎ 10月独鉱工業生産(予想:前月比1.2%/前年同月比▲3.3%)
○16:00 ◇ 10月独貿易収支(予想:157億ユーロの黒字)
○16:45 ◇ 10月仏貿易収支
○16:45 ◇ 10月仏経常収支
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.4%/前年比0.9%)
○22:30 ☆ 11月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.50万人/失業率6.6%)
○22:30 ☆ 11月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化20.0万人/失業率4.2%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.9%)
○23:15 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○24:00 ◎ 12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:73.0)
○24:00 ◇ 11月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日00:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○7日02:00 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○7日03:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○7日05:00 ◇ 10月米消費者信用残高(予想:100.0億ドル)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.10円(前営業日比▲0.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.91円(△0.61円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0586ドル(△0.0075ドル)
ダウ工業株30種平均:44765.71ドル(▲248.33ドル)
ナスダック総合株価指数:19700.26(▲34.86)
10年物米国債利回り:4.17%(▲0.01%)
WTI原油先物1月限:1バレル=68.30ドル(▲0.24ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2648.4ドル(▲27.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米企業の人員削減数 (前年比)
26.8% 50.9%
10月カナダ貿易収支
9.2億カナダドルの赤字 13.0億カナダドルの赤字・改
10月米貿易収支
738億ドルの赤字 838億ドルの赤字・改
前週分米新規失業保険申請件数
22.4万件 21.5万件・改
前週分米失業保険継続受給者数
187.1万人 189.6万人・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続伸。内閣不信任案可決を受けてバルニエ仏首相が辞任したが、極右・国民連合(RN)を実質的に率いるルペン氏が「今後数週間で2025年度の予算を可決できる」との見解を示すと、仏政局を巡る懸念が後退し仏国債のリスクプレミアムが低下。独長期金利が上昇したことも相まって一時1.0589ドルと本日高値を付けた。11月29日高値の1.0597ドルが目先のレジスタンスとして意識されると1.0551ドル付近まで伸び悩む場面も見られたが、米10年債利回りが低下に転じたこともあり下値は堅かった。
・ドル円は反落。米10年債利回りが4.22%台まで上昇したことも支えに150.70円前後まで値を上げたが、東京市場で付けた高値150.78円には届かなかった。その後は米金利の一転低下に伴って徐々に上値を切り下げる動きに。「米カリフォルニア州北部でマグニチュード7の地震が発生、津波の可能性もあり」との報道が伝わったことも売り材料視され150円を割り込む場面も見られた。市場では足元で発表された米経済指標が弱いため、「11月米雇用統計に対する警戒感が高まっている」との指摘があった。
・ユーロ円は3日続伸。仏政局を巡る不透明感がいったん落ち着いたとの見方からユーロ高が進行。一時159.39円まで買い上げられた。その後はドル円が下げた影響などから158.49円近辺まで伸び悩んだが下値は限られた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。11月米雇用統計を6日に控えるなか、持ち高調整の売りが優勢となった。4日にCEOがNYマンハッタンで撃たれて死亡したユナイテッドヘルス・グループが5%の大幅安となり、指数を押し下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は5営業日ぶりに反落した。連日で史上最高値を更新していただけに目先の利益を確定する動きが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。持ち高調整の売りが散見され、利回りは一時4.22%台まで上昇した。ただ、足元で弱い米経済指標が目立っているため、11月米雇用統計への警戒感から引けにかけて買い戻しが強まった。
・原油先物相場は小幅に続落。この日オンラインで開かれた石油輸出国機構(OPEC)プラスの閣僚級会合では、予想通りに減産期間の延長が決定された。8カ国による自主減産の縮小は従来予定から3カ月遅らせて来年4月から開始、協調減産の解除については1年延長した2026年末とした。
会合結果を受け、時間外で売り先行の原油先物は反発するも69ドル前半で頭を抑えられた。上値の重さを確認すると、68ドル前半まで水準を切り下げて終えた。
・金先物相場は3日ぶりに反落。前週分の米新規失業保険申請件数が市場予想より悪かったものの、上値の伸びは限られた。翌日に11月米雇用統計を控えているため、一巡後は断続的に持ち高調整の売りが持ち込まれた。なおワールド・ゴールド・カウンシルによれば、「11月の現物金を裏付けとするETF」は世界全体で資金の流出が流入を上回った。月間の流出超は4月以来となる。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39330 -60 (-0.15%)
TOPIX先物 2742.0 +2.5 (+0.09%)
シカゴ日経平均先物 39340 -50
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。6日に11月の米雇用統計の発表を控えるなか、結果を見極めたいとするムードが強く、短期的な過熱感もあって、持ち高調整の売りが優勢だった。また、カリフォルニア州北部でマグニチュード7の地震が発生し、一時西海岸沿岸の広い地域に津波警報が出されたことも売買を手控えさせたとみられる。
米新規失業保険申請件数は前週比9000件増の22万4000件と1カ月ぶりの高い水準となり、市場予想を上回った。米連邦準備理事会(FRB)は12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げに動くとの観測が相場を下支えした。
NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が5%を超える下落となり、NYダウを下押した。4日早朝、同社幹部がニューヨーク市内のホテルの外で撃たれて死亡し、この日予定していた投資家説明会が中止されたとメディアが報じた。そのほか、ハネウェル・インターナショナル<HON>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ボーイング<BA>、セールスフォース<CRM>が軟調。半面、マゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>が堅調だった。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比50円安の3万9340円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比40円高の3万9430円で始まり、米国市場の取引開始直前には一時3万9630円まで買われる場面もみられた。ただし、その後は利益確定に伴うロング解消の動きが優勢となり、終盤にかけて下落に転じ、3万9330円とナイトセッションの安値で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることが見込まれる。米雇用統計の発表を控えていることから、東京市場においても積極的な売買は手控えられそうである。ただし、ショートを仕掛けてくる動きも強まりにくいと考えられ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9280円)水準が支持線として意識されそうである。そのため、本日も+1σと+2σ(3万9790円)でのレンジ推移になるだろう。
積極的なロングの動きも限られると考えられ、オプション権利行使価格の3万9250円から3万9500円辺りでの推移になりそうだ。ポジションは大きくロングに傾いているとは考えにくいが、週初からの上昇で持ち高調整の動きが入りやすいと考えられ、+1σ水準を下回ってくるようだと、節目の3万9000円に接近する可能性はある。ただし、3万9000円近辺では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。
週足の+1σは3万9470円辺りに位置しているため、同水準が抵抗となるようだと、ややショートが入りやすくなるだろう。また、ナスダック指数は5日ぶりに反落となったほか、半導体SOX指数も下げているため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になりやすい。
5日の米VIX指数は13.54(前日は13.45)に上昇した。ただし、ボトム圏での推移であることから、リスク選好の流れは継続している。米雇用統計の発表を控えていることで、自律反発の動きであろう。引き続き、7月19日に瞬間的につけた10.62が意識されているほか、12月のFOMCでの利下げの可能性から、低下基調は続きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。14.31倍辺りで推移する25日、75日移動平均線を上回って始まり、一時14.41倍を付けている。前日の上昇に対する反動安は意識されやすいところだが、トレンド転換から25日、75日線水準では、NTロングの組成に向かわせそうである。
昨日の海外市場でドル円は、米10年債利回りが4.22%台まで上昇したことも支えに150.70円前後まで値を上げたが、東京市場で付けた高値150.78円には届かなかった。「米カリフォルニア州北部でマグニチュード7の地震が発生、津波の可能性もあり」との報道が伝わったことも売り材料視され150円を割り込む場面も見られた。ユーロドルは、極右・国民連合(RN)を実質的に率いるルペン氏が「今後数週間で2025年度の予算を可決できる」との見解を示すと、仏政局を巡る懸念が後退し仏国債のリスクプレミアムが低下。独長期金利が上昇したことも相まって一時1.0589ドルと本日高値を付けた。
本日の東京時間のドル円は、10月の毎月勤労統計調査で発表される実質賃金に注目したい。実質賃金がプラスに戻った場合には、日銀の早期利上げ期待で円が買われやすいだろう。ただし、実質賃金は6月に27カ月ぶりに前年同月比でプラスに転じたが、8月(-0.8%)から再びマイナスに戻っている。9月も-0.4%(速報値から下方修正)となり、10月もわずかながらもマイナスになるとの予想で、仮に3カ月連続のマイナスとなった場合でも、今月もしくは1月の政策決定会合で利上げを行うかが注目される。
実質賃金がマイナスになった場合は、今月は利上げを行わず据え置きに傾くとの声がある。中村日銀審議委員などが兼ねてから「賃金から物価への波及はまだ遠い」「実質賃金のプラス転換に加え、可処分所得の増加が必要」と発言していたように、審議委員の一部が利上げを進めることに難色を示すとの予想がある。中村委員は昨日「消費者物価(除く生鮮食品)前年比で2025年度以降は2%に届かない可能性がある」と発言したように、今後はインフレが抑制される可能性も指摘している。
一方で、実質賃金がマイナスになった場合でも、政策決定会合にさほどは影響を与えないとの声もある。8・9月と連続して実質賃金はすでにマイナスになり、コア消費者物価指数(CPI)は2%台を維持しているが低下し、実質国内総生産(GDP)も低下している。それにも関わらず、植田日銀総裁は「データはオントラック」と週末の日経新聞で述べていることは、植田日銀総裁は実質賃金やほかの経済指標が多少弱くなろうが、利上げをしたいと捉えることもできる。昨日中村委員も「利上げに反対しているわけではない、データに基づいて判断するべき」と発言したが、このデータには毎月勤労統計や日銀短観、GDPなどとも述べている。毎月勤労統計の実質賃金がマイナスになった場合でも(13日発表予定の)短観が好結果だった場合は利上げに反対しないとも受け止められる。企業に対するアンケート調査である短観と、国民の実態生活に結び付いている他のインフレ指標が同列に扱われるのは違和感があるが、このように発言したのは日銀の早期利上げは既定路線で、実質賃金がマイナスになった場合でも、ほかの好結果指標を要因とし弱い指標結果を無視する可能性もある。
いずれにしろ、本日は実質賃金の結果次第では、週末を含めて様々な憶測記事が出る可能性があり、市場は神経質な動きになりそうだ。
本日は本邦からはほかにも10月家計調査、10月景気動向指数速報値などが発表されるが、それ以外はアジア、オセアニア諸国では市場を動意づける経済指標の発表はない。中国の人民元取引の基準値設定やトランプ次期大統領のSNS(TruthSocial)などには警戒をしておきたいが、それ以外には突発的なことが起きない限りは、本日の米雇用統計の発表まではトレンドを作る動きにはなりにくそうだ。
昨日の海外市場では、ドル円は全く方向感のない動き。東京時間から欧州時間にかけては、昨日唯一のネタとなった中村日銀審議委員の発言を受けて二転三転した後、NY時間に入ってからは、純粋に米長期金利の動向に左右されたといったところ。週末のアジア時間は、今夜に米雇用統計を迎えているとあって、典型的な週末相場の様相を呈しています。
目先は、日米金融政策に対して「急ぐ必要はない」ことに対する認識の変化が相場に影響を与えているわけですが、それぞれの指標や発言などに振らされながら、本筋を探っていくしかなく、今はただ、目の前の材料に対処しながら、市場全体として方向感を失っているといったところです。
また、ユーロドルは内閣不信任案が可決されたことから、バルニエ仏首相が辞任。極右・国民連合のルペン氏が「今後数週間で2025年度予算を可決出来る」との見解を示したことから買戻しとなっていますが、あくまでも2年間続いた大きなレンジ相場を下抜けた後の買戻しの過程に過ぎず、戻りも極めて限定的となっているわけで、全体像からすれば、戻りの目処を探っている最中といったところ。いずれにしても、ドル円は今夜の米雇用統計を見極めつつ、一目雲上限をポイントとする展開となっていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比340円安の3万9050円(-0.86%)前後で推移。寄り付きは3万9330円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9340円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。その後3万9470円とプラスに転じる場面もみられたが、節目の3万9500円を捉えることができず、再び下げに転じると、次第に利益確定に伴うロング解消のほか、短期的なショートが入る形で下落幅を広げており、終盤にかけて3万9010円まで売られた。
日経225先物は、米国市場の流れを引き継ぐ形でショート優勢の展開となった。寄り付き直後にプラスに転じたが、節目の3万9500円を捉えることができなかったため、ロング解消の動きに向かわせたようだ。また、為替市場では円相場が1ドル=149円台と円高に振れて推移していることも慎重姿勢につながった。終盤にかけて3万9010円まで売られており、節目の3万9000円割れを狙った動きも出てきそうだが、短期的なショートと考えられるため、その後のカバーを狙った押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。米国市場の流れから前日の上昇に対する反動は想定内だろう。14.32倍辺りで推移する75日移動平均線が支持線として意識されるなか、リバランスの動きから、NTロングを組成するトレードに向かわせる可能性はあるだろう。
本日のロンドン市場では、フランスの政局が小康状態となる中、11月米雇用統計の発表を前に、様子見になりやすいか。
昨日は極右・国民連合(RN)を実質的に率いるルペン氏が「今後数週間で2025年度の予算を可決できる」との見解を示すと、政局をめぐる懸念が後退してユーロが買われた。また、マクロン大統領は「数日以内に新しい首相を指名」などと発言しており、市場の関心は次期首相の人選に移っている。フランスの政局不安の一服により、足元でユーロを売る動きはやや後退している。とはいえ、新首相が決まっても2025年予算案がすんなり決まるとは限らず、政局リスクはくすぶっている点は留意する必要がある。
また、本日は11月米雇用統計が予定されており、市場の関心はそちらに集まっている。欧州では10月独鉱工業生産や7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値などが発表予定。とはいえ、米雇用統計と比べるとどれも小粒感が否めないとあっては、欧州時間は経済指標を手掛かりとした動きは期待しづらいだろう。
これらを踏まえると、ユーロドルは米雇用統計を前に手控えムードが広がりやすいとみる。上値は日足・一目均衡表の基準線1.0636ドルに近付くと重く、下値は1.05ドルの節目に近付くと底堅く推移するとみる。
想定レンジ上限
・ユーロドル: 11月29日高値1.0597ドル。超えると日足・一目均衡表の基準線1.0636ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:5日移動平均線1.0538ドル。割り込むと節目の1.05ドル
■各社予想 11月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +27.5万人
第一生命経済研究所 +16.8万人
ドイツ証券 +21.5万人
バークレイズ・キャピタル +27.5万人
BNPパリバ +22.5万人
HSBC +19.0万人
モルガン・スタンレー +27.0万人
市場コンセンサス +20.0万人
前回 +1.2万人
■各社予想 11月米失業率
JPモルガン 4.2%
第一生命経済研究所 4.2%
ドイツ証券 4.1%
バークレイズ・キャピタル 4.1%
BNPパリバ 4.2%
HSBC 4.1%
モルガン・スタンレー 4.2%
市場コンセンサス 4.2%
前回 4.1%
■各社予想 11月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.3%
バークレイズ・キャピタル +0.2%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.3%
モルガン・スタンレー +0.3%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.4%
■各社予想 11月米平均時給(前年比)
JPモルガン +3.9%
第一生命経済研究所 +3.9%
バークレイズ・キャピタル +3.8%
BNPパリバ +3.9%
HSBC +3.9%
モルガン・スタンレー +3.9%
市場コンセンサス +3.9%
前回 +4.0%
(6日15時時点)
ドル円:1ドル=149.93円(前営業日NY終値比▲0.17円)
ユーロ円:1ユーロ=158.51円(▲0.40円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0572ドル(▲0.0014ドル)
日経平均株価:39091.17円(前営業日比▲304.43円)
東証株価指数(TOPIX):2727.22(▲15.02)
債券先物12月物:143.11円(△0.13円)
新発10年物国債利回り:1.050%(▲0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38300%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 2.6% 2.5%・改
10月家計調査(消費支出)
前年同月比 ▲1.3% ▲1.1%
11月外貨準備高
1兆2390億ドル 1兆2390億ドル
10月景気動向指数速報値
先行指数 108.6 109.1
一致指数 116.5 115.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小安い。150.00円を挟んだ水準でのやや方向感を欠いた動きとなっていたが、日経平均株価が下げ幅を拡大したことに伴い、徐々にリスク回避の売りに押された。一時149.77円まで下押し。ただ、前日安値の149.66円が目先のサポートとして意識されると売りも一服した。
・ユーロ円は弱含み。日本株安などを手掛かりにした円買い・ユーロ売りがじわりと進み、一時158.38円まで値を下げた。
・ユーロドルは小安い。昨日高値の1.0589ドル付近で頭の重さを確認すると、1.0566ドルまで値を下げた。
・日経平均株価は5営業日ぶりに反落。昨日の米国株式相場が下落したことで投資家がリスク回避姿勢を強めたほか、米雇用統計の発表を控えて持ち高調整目的の売りも出た。株価指数先物主導で下げ幅を広げ、指数は一時450円超安まで下押す場面もあった。
・債券先物相場は反発。米雇用統計を前に様子見ムードが強かったものの、日経平均株価が下げ幅を拡大する中で徐々に安全資産としての債券需要が意識された。
「歴史上、既存の大国と台頭する新興国が戦争に至る確率は70%以上」
(ピーター・ナバロ氏)
1.『米中もし戦わば』(ピーター・ナバロ著)
2011年、対中強硬派のピーター・ナバロ氏は、新華社の報道「トランプ氏がナバロ氏の著作『チャイナ・ウォーズ 中国は世界に復讐する(Coming China wars)』がお気に入り」を読んで連絡を取ったらしい。
2015年、ナバロ氏は、『米中もし戦わば-戦争の地政学』(Crouching Tiger)を著し、「私たちは中国製品を買うたびに、中国の軍事力増強に手を貸している。なぜ、中国はこれほど急速に台頭してきたのだろう。それはアメリカが巨額の貿易赤字を抱え、投資と技術を急速に流出させているからだ」と訴えた。
「中国は、通貨操作や違法な輸出補助金、知的財産権侵害などの不公正な貿易方法で経済力と軍事力の強化をしている。特に中国がWTOに加盟して米国市場に参入してきてからは、米国は製造業が衰退し軍事力を維持することは困難になってきている」
そして、2016年の米国大統領選挙では、ナバロ氏は、トランプ陣営の経済政策のアドバイザーとなり、トランプ第45代米大統領誕生で、2017年1月に国家通商会議(現:通商製造業政策局)のトップに就任し、『米中「もし」戦わば』に備えていた。
2. 第1次トランプ米政権(2017年~2020年)
2016年12月21日、トランプ次期米大統領は、通商政策などの国家戦略を具体化するために「国家通商会議(NTC)」を新設し、委員長には『米中もし戦わば』(文藝春秋刊)の著作で知られる対中強硬派のカリフォルニア大のピーター・ナバロ氏を指名した。
NTCは、国家安全保障会議(NSC)と連携して、「経済」と「安全保障」の双方から国家戦略をつくる機関となる模様で、トランプ次期米大統領は、米国の製造業と労働者を第一に考え、国防産業の健全性と貿易や製造業の安全保障面での役割を戦略的に考えるホワイトハウスで初の組織である、と説明した。
ナバロ氏の持論は、貿易をゼロサムゲームとして貿易赤字を無条件に悪とみなし、中国製品への依存度を減らすことで、中国の経済力を抑止すべきである、為替操作など、不公平な貿易慣行を利用する国は相殺関税のような厳しい制裁に直面する、というものであり、「歴史上、既存の大国と台頭する新興国が対峙したとき、戦争に至る確率は70%を超える」と物騒な見解も示しており、米中間での通商戦争の懸念が高まりつつある。
3.第2次トランプ米政権(2025年~2028年)
トランプ次期米大統領は、貿易や製造業を担当する上級顧問に、第1次トランプ政権で国家通商会議(NTC)委員長を務めたピーター・ナバロ氏を起用すると発表した。
トランプ氏は「私の1期目において、米国製品の購入と米国人の雇用という2つの神聖なルールを実行する上で、ピーター(ナバロ氏)ほど有能で粘り強い人物はほとんどいなかった」と自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。
対中強硬派のナバロ氏は、対中追加関税の実施など、第1次トランプ政権の中国に対する強硬的な通商姿勢で中心的な役割を果たした。
ナバロ氏は、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件を調査していた下院委員会の証言・書類提出要請を拒否した後、議会侮辱罪で禁錮4カ月の有罪判決を受けた。連邦刑務所に服役した後、7月に釈放されていた。ムショ帰りのナバロ氏は、再び第2次米中貿易戦争の指揮を執ることになる。
大阪12月限
日経225先物 39030 -360 (-0.91%)
TOPIX先物 2721.5 -18.0 (-0.65%)
日経225先物(12月限)は前日比360円安の3万9030円で取引を終了。寄り付きは3万9330円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9340円)にサヤ寄せする形から、売りが先行した。現物の寄り付き時に3万9470円とプラスに転じる場面もみられたが、節目の3万9500円を捉えることはできなかった。
その後再び下げに転じると、次第に利益確定に伴うロングの解消に加え、短期的なショートが入る形で下落幅を広げ、前場終盤にかけて3万9010円まで売られた。さらにランチタイムで節目の3万9000円を割り込むと、後場中盤には3万8940円まで下げる場面もみられた。ただし、3万9000円を下回る局面では押し目狙いのロングが意識されており、終盤にかけてやや下落幅を縮める動きとなった。
日経225先物は、米国市場の流れを引き継ぐ形でショート優勢の展開となった。寄り付き直後にプラスに転じたが、節目の3万9500円を捉えることができなかったため、ロング解消の動きに向かわせたようだ。また、為替市場では円相場が一時1ドル=149円台と円高に振れて推移していたことも慎重姿勢を強めた。ランチタイムで3万9000円を割り込む場面もみられたが、引き続き同水準では積極的にショートを仕掛けてくる動きとはならず、押し目狙いのロングが優勢だった。
日経225先物は前場中盤にボリンジャーバンドの+1σ(3万9250円)を割り込んだこともあり、ロングが入りにくい需給状況だったとみられる。もっとも、米国市場が下げた影響のほか、今週は先週末の3万8170円から前日には一時3万9770円と1600円上げていたこともあり、米雇用統計の発表を控えるなかでは持ち高調整に伴うロング解消が入りやすかったとみられる。
そのため、想定内の調整といった見方になりそうだ。センチメントを冷ます流れとはならず、今夜発表される米雇用統計を通過した後は、仕切り直しに向かう展開が期待される。米国で今週発表された経済指標は予想を下回る内容が目立ったが、これにより12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利下げが実施されるとの見方がコンセンサスになる。そのため、3万9000円水準では押し目狙いのロング対応になり、目先的には+1σ突破を見極めることになりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.31倍まで低下し、14.32倍辺りで推移する75日移動平均線を下回る場面もみられたが、25日線(14.29倍)が支持線として意識された。米雇用統計の結果を受けた米国市場の動向次第の面はあるが、支持線水準ではNTロングを組成するトレードに向かわせる可能性はあるだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9116枚、ソシエテジェネラル証券が1万5170枚、楽天証券が3049枚、サスケハナ・ホンコンが3036枚、日産証券が2470枚、バークレイズ証券が2043枚、JPモルガン証券が1997枚、ビーオブエー証券が1569枚、みずほ証券が1568枚、SBI証券が1305枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万0279枚、ソシエテジェネラル証券が1万6467枚、みずほ証券が4762枚、モルガンMUFG証券が4340枚、JPモルガン証券が3896枚、バークレイズ証券が3603枚、シティグループ証券が3355枚、ゴールドマン証券が3112枚、日産証券が2608枚、BNPパリバ証券が2212枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米11月雇用統計と10月の非農業部門就労者数(NFP)の修正値を見極めて、17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げの有無を探る展開が予想される。
17-18日のFOMCでの0.25%の利下げ確率は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では70%程度となっている。
また、引き続きトランプ次期米大統領によるSNSなどでの突発的な発言、ウクライナや中東情勢に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
米11月雇用統計の予想は、失業率が4.2%で10月の4.1%から上昇(雇用情勢の悪化)、非農業部門雇用者数は前月比+20.0万人で、10月の同比+1.2万人からの大幅な増加(雇用情勢の改善)が見込まれている。
11月1日に発表された10月の雇用統計速報値の段階では、通常90%の集計に基づいて発表されが、ハリケーン「ミルトン」が10月9日に上陸したことで、雇用者数を算出する「事業所調査」の回答率は47.4%に留まっていた。
本日発表される改定値段階では95%の集計に基づいて算出されるため、速報値の+1.2万人からの上方修正が見込まれている。
しかし、8月分と9月分が合計で11.2万人下方修正されていたことで、雇用情勢の悪化傾向が続いていた場合、10月分の上方修正も大幅にはならない可能性には警戒しておきたい。
11月の米雇用関連指標は以下の通り、まちまちとなっている。
・ISM製造業雇用指数:48.1(10月 44.4)
・ISM非製造業雇用指数:51.5(10月 53.0)
・ADP全米雇用報告:+14.6万人(10月 +18.4万人)
・米企業の人員削減数:57727人(10月 55597人)
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、151.57円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、148.65円(12/3安値)
今晩は雇用統計に注目。昨日は翌日発表の11月雇用統計を控えた様子見姿勢が強まる中、ユナイテッドヘルスの大幅安も重しとなったダウ平均が248.33ドル安(-0.55%)と反落し、S&P500とナスダック総合もともに取引時間中の史上最高値を更新したが、それぞれ0.19%安、0.18%安で終了し、ともに5日ぶりに小幅反落した。週初来ではダウ平均が0.32%安と3週ぶりの反落ペースとなった一方。S&P500が0.71%高、ナスダック総合が2.51%高とともに3週続伸ペースとなった。
今晩は利下げ見通しを巡り11月雇用統計に注目が集まる。米連邦準備理事会(FRB)は今年9月米連邦公開市場委員会(FOMC)でFF金利誘導目標を0.50%引き下げ、11月FOMCでも0.25%
の利下げを決定した。今月17-18日に開催のFOMCでも追加利下げが期待されているが、パウエルFRB議長は今週、米国経済の堅調を理由に利下げについては慎重に判断する余裕があると発言したことで、12月の利下げ見送りの可能性も高まった。CMEのフェドウォッチ・ツールの12月FOMCでの0.25%の利下げ確率は72%と1カ月前の77%から低下し、据え置き確率は28%に上昇した。寄り前に発表される11月雇用統計は、来週発表される11月消費者物価指数(CPI)、11月生産者物価指数(PPI)と同様にFOMC前の重要イベントとなるため、利下げ見通しを巡り、11月雇用統計の結果が注目される。雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数(NFP)が21.4万人増と、ハリケーンの影響で減少した10月分の1.2万増から大幅回復が見込まれており、失業率は4.2%と10月分の4.1%から悪化が見込まれている。NFPや失業率が予想以上に強い結果となれば、12月利下げ期待の後退が株式相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは11月雇用統計のほか、12月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値、10月消費者信用残高など。このほか、ボウマンFRB理事、グールズビー米シカゴ連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁の講演なども予定されている。主要な企業の決算発表はなし。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率は11月米雇用統計発表直前の70%付近から91%に上昇している。
イランは現在の5%から20%まで濃縮されたウランを供給し、最大60%の純度まで濃縮する意向を表明したと一部通信社が伝えた。
日経平均株価は反落。様子見スタートから下値を探る動きとなったが、後場は11/25高値(39053円)や5日移動平均線(39105円 12/6)付近を意識して下げ渋る動きもみられた。
RSI(9日)は前日の70.7%→56.2%(12/6)に低下。目先的には上昇しやすいタイミングとなり、週明けは39000円どころの水準から反発できるかが焦点となる。
今週は25日移動平均線(38737円 同)に加え、11/25につけた終値ベースの戻り高値(38780円)を超えており、短期的には上値が拡大する可能性が高い。反発と同時に10/15高値(40257円)と11月前半の高値水準をつないで延長した上値抵抗線を超えられるかが、4万円回復へのステップアップの条件となる。
上値メドは、12/5高値(39632円)、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)などがある。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.96円(6日15時時点比△0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.23円(▲0.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0551ドル(▲0.0021ドル)
FTSE100種総合株価指数:8308.61(前営業日比▲40.77)
ドイツ株式指数(DAX):20384.61(△25.81)
10年物英国債利回り:4.275%(▲0.006%)
10年物独国債利回り:2.108%(▲0.003%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月独鉱工業生産
前月比 ▲1.0% ▲2.0%・改
前年同月比 ▲4.5% ▲4.3%・改
10月仏貿易収支
76.66億ユーロの赤字 84.18億ユーロの赤字・改
10月仏経常収支
26億ユーロの赤字 24億ユーロの赤字・改
7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値
前期比 0.4% 0.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は荒い値動き。ナイト・セッションの日経平均先物が堅調に推移するなか、欧州勢が買いで参入。時間外で米10年債利回りが上昇したことも支えとなり、19時30分前後に一時150.70円と日通し高値を付けた。
その後に発表された11月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が+22.7万人と予想の+20.0万人を上回ったほか、平均時給も予想より強いなど概ね良好な内容だったが、発表後はドル売りで反応。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」で、12月の利下げ確率が一時91%まで急上昇したため、市場では「利下げ予想を覆すほどの内容ではなかった」との見方から149.37円まで売り込まれた。
もっとも、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事が「インフレのリスクは依然として顕著」などと述べると売りは一服。12月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が予想より良かったことも支えとなり150.11円付近まで持ち直した。一時は4.12%台まで低下していた米10年債利回りが低下幅を縮めたことも支えとなった。
・ユーロドルは上値が重い。欧州序盤は1.05ドル台半ばから後半でこう着したが、米雇用統計の結果後はドル売りが進み、11月29日高値の1.0597ドルを上抜けると目先のストップロスを巻き込みながら1.0630ドルまで買い上げられた。ただ、ベラルーシのルカシェンコ大統領から新たな中距離弾道ミサイルシステム提供を要求されたことに対して、プーチン露大統領が「配備は可能」と発言し、地政学リスクが高まると一転下落。ドル円の買い戻しに伴う売りも重なり1.0544ドルまで値を下げた。一巡すると1.0570ドル台まで下げ渋ったが、米長期金利が低下幅を縮めたため戻りは限定的だった。
・ユーロ円は一転下落。堅調な日経平均先物を眺めながら序盤は買いが先行。米雇用統計直後には一時159.58円まで上値を伸ばした。ただ、その後はドル円の下落やユーロドルの失速につれる形で158.10円まで売り込まれた。
・ロンドン株式相場は反落。しばらくは前日終値を挟んだもみ合いが続いていたが、上昇して始まったダウ平均が下げに転じたことなどにつれて引けにかけて弱含んだ。分野別では、公益事業や生活必需品株が下げた。
・フランクフルト株式相場は7日続伸。鈍い動きながらも足元で続く強い地合いを維持し、史上最高値をさらに更新した。個別では、BMW(2.71%高)やバイエル(2.64%高)が買われた半面、シーメンス(2.19%安)は下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.00円(前営業日比▲0.10円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.55円(▲0.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0568ドル(▲0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:44642.52ドル(▲123.19ドル)
ナスダック総合株価指数:19859.77(△159.05)
10年物米国債利回り:4.15%(▲0.02%)
WTI原油先物1月限:1バレル=67.20ドル(▲1.10ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2659.6ドル(△11.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米雇用統計
非農業部門雇用者数変化 22.7万人 3.6万人・改
失業率 4.2% 4.1%
11月米平均時給
前月比 0.4% 0.4%
前年同月比 0.4% 4.0%
12月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値
74.0 71.8
10月米消費者信用残高 192.3億ドル 32.1億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅に続落。11月米雇用統計で非農業部門雇用者数は+22.7万人と予想の+20.0万人を上回ったほか、11月米平均時給も予想より強いなど概ね良好な内容だったが、発表後はドル売りで反応。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」で、12月の利下げ確率が一時91%まで急上昇したため、市場では「利下げ予想を覆すほどの内容ではなかった」との見方から一時149.37円まで売り込まれた。
もっとも、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事が「インフレのリスクは依然として顕著」などと述べると売りは一服。12月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が予想より良かったうえ、ハマック米クリーブランド連銀総裁が「利下げペースを緩める時期に近づいているか、すでにその時期」と述べたことも支えとなり150.13円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは4営業日ぶりに反落。米雇用統計の結果後はドル売りが進み、11月29日高値の1.0597ドルを上抜けると目先のストップロスを巻き込みながら1.0630ドルまで買い上げられた。ただ、ベラルーシのルカシェンコ大統領から新たな中距離弾道ミサイルシステム提供を要求されたことに対して、プーチン露大統領が「配備は可能」と発言し、地政学リスクが高まると一転下落。FRB高官からタカ派的な発言が続いたこともドルの買い戻しにつながり、4時過ぎには日通し安値となる1.0542ドルまで下落した。
カナダドルは軟調。11月カナダ雇用統計で失業率が6.8%と2021年9月以来の水準まで悪化するとカナダ長期金利の低下とともにカナダドル安が進行。対ドルでは1.4165カナダドル、対円では105.83円まで値を下げた。
・ユーロ円は4営業日ぶりに反落。米雇用統計直後には一時159.58円まで値を上げたが、ドル円の下落やユーロドルの失速につれる形で158.10円まで売り込まれた。その後は引けにかけて158円台前半から半ばでのもみ合いに終始した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。11月米雇用統計は「12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送るほどの内容ではなかった」との見方から買いが先行した。ただ、一巡後は週末を前に主力株の一角に利益確定売りが出たため下げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は反発した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数とともに連日で史上最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。11月米雇用統計の内容が利下げを見送るほどの強い内容ではなかったとの見方から債券買いが進行。利回りは一時4.12%台まで低下した。12月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値の良好な内容を受けて伸び悩んだが、下値は限られた。
・原油先物相場は3日続落。前日の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合では減産の延長が決定されたものの、需給の歪みを解消するには不十分との見方が優勢だった。時間外から売りが強まり、NY勢の本格参入後もそのまま下値を試した。67ドル割れで下落は一服したが戻り幅は限られた。
・金先物相場は反発。時間外で下値を広げるも一巡後は持ち直し、11月米雇用統計の発表を迎えた。非農業部門雇用者数が予想より増加したことで売られたが、レンジ下限の拡大とはならず。米・中長期金利が低下すると金利が付かない金に買いが入り、その後にドルが対ユーロで強含んだ場面でもドル建て金の下押しは限られた。
6日08:48 赤沢経済再生相
(昨日の「物価目標実現しつつあるという日銀の認識を共有」との発言について)
「金融政策の具体的手法は日銀に委ねられている」
6日16:54 野田立憲民主党代表
「日銀の金融政策は、早く正常化に向かっていかなければいけない」
「政府・日銀の共同声明、もう実態と合っていない」
「異次元緩和の副作用で過度な円安になった」
「円安は消費者にとっては明らかにマイナス」
6日21:12 ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「金融政策は制約的過ぎるため、利下げが必要」
6日22:42 米WSJのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者
「米民間部門の雇用成長の3カ月移動平均は11月に13万8000に上昇し、5月以来の最高水準」
6日23:05 プーチン露大統領
「ベラルーシにオレシュニクシステム(新たな中距離弾道ミサイルシステム)を配備することは可能」
「ベラルーシに配備されるオレシュニクの標的はミンスクが決定する」
6日23:32 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事
「まだ2%のインフレ目標を達成していない」
「政策に関する反対票を軽々しく投じることはない」
「利下げは慎重かつ段階的に進めたい」
「政策金利を急激に引き下げるとインフレを再燃させる可能性」
「インフレ抑制と労働市場の冷却において進展が見られた」
「経済状況は非常に強い」
「労働市場データの解釈が難しくなっている」
「インフレのリスクは依然として顕著」
7日00:52 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレは少し進んだが、米国は依然として2%目標に向かっていると考える」
「移民の動向が今後の労働力の規模に非常に大きな影響を与えるだろう」
「労働市場は概ね安定しているように見える」
「ここ数カ月の雇用統計は、持続可能な完全雇用の状態にあるように感じる」
「22.7万人の雇用増加は大きな数字だが、平均を見る必要がある」
「金利は1年後にはかなり低くなるだろう」
「利下げするかしないかの判断が難しい」
「12月会合の決定について事前に約束することはしない」
7日02:01 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「利下げのペースを緩める時期に近づいているか、すでにその時期」
「経済状況はやや引き締め的な金融政策を必要」
「12月のFOMC会合についてはまだ多くのデータが入ってくるため、オープンな姿勢」
「現在から1月下旬までの間に1回の利下げを予想する市場の見方は妥当」
「経済は強く、労働市場は健全」
7日04:13 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「労働市場は引き続き良好な状態にあり、バランスが取れている」
「米連邦準備理事会(FRB)は行動を起こす前に新政権の政策を見極めるべき」
※時間は日本時間
9日
○08:50 ☆ 7-9月期実質国内総生産(GDP)改定値
○08:50 ◎ 10月国際収支速報
○14:00 ◇ 11月景気ウオッチャー調査
10日
○08:50 ◇ 11月マネーストックM2
11日
○08:50 ◇ 10-12月期法人企業景気予測調査
○08:50 ◇ 11月企業物価指数
12日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
13日
○08:50 ☆ 日銀・企業短期経済観測調査(短観、12月調査)
○13:30 ◇ 10月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 10月設備稼働率
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
9日
○10:30 ◎ 11月中国消費者物価指数(CPI)
○10:30 ◎ 11月中国生産者物価指数(PPI)
○17:00 ◇ 11月スイスSECO消費者信頼感指数
○21:00 ◎ 11月メキシコ消費者物価指数(CPI)
○22:00 ◎ ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○24:00 ◇ 10月米卸売売上高
〇非公式ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
10日
○09:30 ◇ 11月豪NAB企業景況感指数
○未定 ◎ 11月中国貿易収支
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表
○16:00 ◇ 10月トルコ失業率
○16:00 ◇ 10月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ 11月ノルウェーCPI
○16:00 ◎ 11月独CPI改定値
○18:30 ◇ 5月南アフリカ卸売物価指数(PPI)
○21:00 ◎ 11月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○22:30 ◇ 7-9月期米非農業部門労働生産性・改定値
○11日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
〇欧州連合(EU)経済・財務相理事会(ブリュッセル)
11日
○06:45 ◇ 7-9月期ニュージーランド(NZ)製造業売上高
○17:00 ◎ 11月南アフリカCPI
○20:00 ◇ 10月南アフリカ小売売上高
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ☆ 11月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○23:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表
○12日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○12日01:00 ◎ 11月ロシアCPI
○12日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○12日04:00 ◎ 11月米月次財政収支
○12日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表
○09:01 ◇ 11月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○09:30 ◎ 11月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○16:00 ◇ 10月トルコ経常収支
○17:30 ☆ スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表
○21:00 ◎ 10月ブラジル小売売上高
○21:00 ◇ 10月メキシコ鉱工業生産
○21:00 ◎ 10月インド鉱工業生産
○21:00 ◎ 11月インドCPI
○22:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:30 ◎ 11月米PPI
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○22:30 ◇ 10月カナダ住宅建設許可件数
○22:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○13日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
〇メキシコ(グアダルーペの聖母の日)、休場
13日
○09:01 ◇ 12月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○16:00 ◇ 10月独貿易収支
○16:00 ◇ 11月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ☆ 10月英国内総生産(GDP)
○16:00 ◎ 10月英鉱工業生産/製造業生産高
○16:00 ◇ 10月英商品貿易収支/英貿易収支
○16:45 ◇ 11月仏CPI改定値
○18:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏鉱工業生産
○22:30 ◇ 7-9月期カナダ設備稼働率
○22:30 ◇ 10月カナダ卸売売上高
○22:30 ◇ 10月カナダ製造業出荷
○22:30 ◇ 11月米輸入物価指数
○14日01:00 ☆ 7-9月期ロシアGDP改定値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、金利据え置き予想も声明文に変化生じるか注目
◆豪ドル、11月雇用統計にも注意
◆ZAR、トランプ次期米政権への不安要素多く上値重い
予想レンジ
豪ドル円 93.00-98.00円
南ア・ランド円 8.00-8.40円
12月9日週の展望
豪ドルは上値の重い動きとなりそうだ。ただ、12月に入り流動性が悪化していることや、RBAの声明文次第でボラタイルに動く可能性があることには注意したい。
今週発表された7-9月期の国内総生産(GDP)は前期比、前年比ともに予想を下回る伸びに留まったことで、豪州の中長期金利が低下。豪ドルも対ドルで約4カ月ぶりの安値を更新した。この結果を受け、市場では9-10日に予定されている豪準備銀行(RBA)理事会で、どのような見解が示されるのか注目している。
RBAは物価上昇が緩和していることが確認されるまで政策金利を据え置くとの予想が大半で、11月の理事会でも「政策がより長期間制限的である必要、またはさらに引き締める必要があるシナリオを議論」と、利上げについても議論していた。また、ブロックRBA総裁は「コアインフレが目標を上回っており当面利下げしない」と11月末に述べている。
ただ、GDPだけでなく10月の月次消費者物価指数(CPI)や今週発表されたメルボルンインスティテュートの11月インフレ指数が予想から下振れているように、インフレは抑制されつつある。タカ派だった声明文に変化が生じるかを確認することになりそうだ。なお、理事会後の11日にはハウザーRBA副総裁、12日にはジョーンズRBA総裁補佐、13日にはハンターRBA総裁補佐などの講演も予定されている。
その他では、12日に11月の雇用統計が発表される。11月のRBA理事会では雇用市場の大幅な悪化を警告し、将来のデータによっては金融緩和が必要になる可能性も示唆している。RBAの予想通りに雇用市場が悪化した場合は、年初の利下げ期待も高まりそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)も上値の重い展開が予想される。中国人民元が1年超ぶりの安値を更新するなど、来年から始まる第2次トランプ政権に対する懸念がぬぐえず、この影響が南アにも波及する可能性が高い。米国からの経済制裁だけではなく、米中の関係悪化による中国経済の停滞は、通商パートナーでもある南アにとっては不安要素。ZARの上値を抑えそうだ。
また、市場の反応は限られているが、今週発表された7-9月期GDPが非常に弱い結果だったこともZAR売り要因。来週は10日に11月卸売物価指数(PPI)、11日にCPI、12日に南ア経済研究所(BER)の10-12月期インフレ見通しなど、インフレ関連の指標が多く発表される。
12月2日週の回顧
豪ドルは弱含み。7-9月期GDPが市場予想を下振れると、対ドルでは8月上旬以来となる水準まで弱含んだ。対円でも9月中旬以来となる95円台まで一時売られたが、ドル円が上昇したことで下値も限られた。
ZARは、植田日銀総裁が日経新聞のインタビューで早期利上げの可能性を示唆したことから、対円では週明けに9月下旬以来となる8.19円まで売られた。ただ、豪ドル円同様に週後半にはドル円が買い戻されたこともあり、下値が徐々に切り上がった。対ドルでは18ランド前半の小幅なレンジ内で上下を繰り返した。
◆円相場、日銀利上げ関連のヘッドラインや国際情勢に注目
◆ポンド、英成長率・インフレ率の上昇見込みで底堅い動き
◆加ドル、BOC会合での利下げ幅や声明に注目
予想レンジ
ポンド円 189.00-195.00円
加ドル円 105.50-109.50円
12月9日週の展望
対円では、18-19日に日銀金融政策決定会合を控え、追加利上げ関連のヘッドラインに神経質になる動きが続く。市場では追加利上げか据え置きかで見方が分かれており、依然として不透明感が強い。年末に向けて商いも薄くなっているなかで材料以上に値動きが大きくなる可能性がある。また、ウクライナ・ロシアと中東の地政学リスクが続くなか、フランスや韓国の政情不安の強まりで世界情勢を背景としたリスクオフの動きが高まる可能性には引き続き警戒したい。
ポンドは、19日にイングランド銀行(英中銀、BOE)の今年最後の政策金利発表を控え、来週予定されている10月GDP・鉱工業生産・製造業生産指数などの指標結果を見極めることになる。今週発表の11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は48.0と速報値から下方修正された一方で、サービス部門PMI改定値は50.8と速報値から上方修正したが、いずれも10月から鈍化した。
英政府予算案によるコスト押上げが懸念された。ただ、政府の支出拡大も要因に英経済は今後主要7カ国(G7)で最も高い成長率が見込まれているだけではなく、インフレの再加速も警戒されており、ポンドの底堅い動きが見込まれる。市場は12月会合での金利据え置きと来年3-4回の利下げを織り込んでいる。ベイリーBOE総裁は今週のインタビューで、「市場はすでに来年4回の利下げを織り込んでおり、それを中銀が最新の経済予測に反映させた」と説明している。
加ドルは11日のカナダ中銀(BOC)の金融政策会合に注目。11月下旬にトランプ次期米大統領が3大貿易相手国であるカナダ、メキシコ、中国に大幅な関税引き上げを課すとし、ドル/加ドルは1.41加ドル後半と約4年半ぶりの加ドル安が進んだ。足もとで加ドル売りは一服するも戻りを1.39加ドル後半にとどめている。BOCが主要国で利下げサイクルを一番鮮明にしていることもあり、加ドルの重い動きが続くと見込まれる。
来週のBOC会合では0.25%と0.50%の利下げで見方が分かれており、結果発表後には一時的にせよ値動きが振幅しそうだ。カナダの10月消費者物価指数(CPI)は前年比2.0%と前月から伸びが予想以上に加速し、12月の0.50%利下げへの思惑が後退した。ただ、一方で、7-9月期GDPが1.0%とBOC予想の1.5%を下回り、0.50%の大幅利下げ観測が再燃している。カナダのインフレ率がBOC目標の2%水準に近づいてきているなか、金融政策の焦点は経済成長に向けられているが、利下げ効果はまだ見られておらず、景気回復の鈍さへの懸念が続いている。
12月2日週の回顧
日銀の12月会合での追加利上げ期待や韓国の尹大統領が3日夜に「戒厳令」を発表したことを受けたリスクオフで円買いが先行したが、一部メディアが日銀の追加利上げの可能性に疑問を投げかけたことで円買いが一服した。ポンド円は一時188円前半、加ドル円は一時105円後半まで下落した。
週末に米雇用統計の発表を控え対ドルでは方向感が出ず、ポンドドルは1.27ドルを挟んで上下。ドル/加ドルは1.40加ドル台を中心とした狭いレンジ内の動きにとどまった。
◆ドル円、17-18日のFOMCに向けて米11月CPIに注目
◆ドル円、18-19日の日銀金融政策決定会合に向けて12月調査の日銀短観を見極め
◆ユーロドル、ECB理事会での利下げ幅に注目
予想レンジ
ドル円 148.00-152.00円
ユーロドル 1.0300-1.0700ドル
12月9日週の展望
ドル円は、17-18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げの有無に焦点が集まる中、11月の消費者物価指数(CPI)に注目する展開が予想される。11月CPIの予想は、総合が前年比2.7%で10月の2.6%からの上昇が見込まれているが、コアは3.2%で10月の3.3%からの伸び率鈍化が見込まれている。パウエルFRB議長は、先日「利下げを急ぐ必要はない」と発言しており、11月のCPIが予想以上に上昇していた場合は利下げ見送り、伸び率が鈍化していた場合は0.25%の利下げの可能性が高まることになりそうだ。
18-19日に開催される日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁が「追加利上げ時期は、データがオントラックに推移しているという意味では近づいている」と述べているように、0.50%への追加利上げ観測が高まっている。ただ、「円安進行などで物価の上振れリスクが強まらなければ、12月会合での政策変更を見送る可能性がある」とも一部で報道されており、今週、中村日銀審議委員が「年内に利上げするかは日銀短観などのデータを見て判断したい」と述べていたように、12月調査の日銀短観での円安による影響を見極めることになる。
また、トランプ次期米大統領の発言にも引き続き警戒したい。トランプ氏は先日、中国やカナダ、メキシコに対して厳しい関税を課すことを表明した。今年4月にドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際にも、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、今後もドル高円安を牽制するような発言が出てくる可能性もある。
ユーロドルは、12日のECB理事会での追加利下げ観測や独仏の政情混迷懸念、さらにトランプ関税への警戒感から上値が重い展開が予想される。市場は、0.25%の利下げを予想しているものの、ユーロ圏の景気低迷により0.50%の大幅利下げの可能性も浮上している。ユーロ圏での経済規模トップのドイツでは景況感が悪化するなか連立政権が崩壊。2番手規模のフランスでも内閣不信任案可決によりバルニエ仏首相が辞任に追い込まれた。更に、トランプ関税により欧州全体の景況感悪化と物価上昇懸念が高まっており、ユーロの上値を重くしている。
12月2日週の回顧
ドル円は、韓国大統領が非常戒厳令を宣布したことによるリスク回避の円買いで148.65円まで急落も、戒厳令がすぐに解除され、一部が「日銀が12月会合での政策変更を見送る可能性」と報じたことで151.23円まで反発した。ただ、中村日銀審議委員の発言で149.66円まで反落する場面があるなど不安定な動きとなっている。ユーロドルは、ECB理事会での追加利下げ観測や仏政局を背景に1.0589ドルから1.0461ドルまで下落したが、米10年債利回りの低下などを受けて1.0594ドルまで反発した。
6日の日経平均は5日ぶり大幅反落。終値は304円安の39091円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり677/値下がり905。さくらネットや三井E&Sが大幅上昇。三菱自動車、日産自動車、マツダなど自動車株の一角に資金が向かった。証券会社の新規カバレッジが入ったイトーキが急伸。月次を材料にインターメスティックやサンドラッグが買いを集めた。
一方、ディスコやアドバンテストなど、半導体株が大幅安。半導体株に関しては証券会社から前工程装置銘柄の目標株価引き下げが出てきており、対象となったレーザーテック、東京エレクトロン、SCREEN、コクサイエレ、アルバックが軒並み安となった。人気どころの銘柄が嫌われており、川崎重工が3%を超える下落。フジクラ、住友電工、古河電工、SWCCなど電線株の下げが大きくなった。
日経平均は後場一段安となって38940円まで下落したが、終値では39000円を上回った。地合いが悪い時には節目を割り込むとそのことが新たな売りを呼び込むが、地合いが良い時には節目を割り込むと押し目買いが入ってくる。きょうは弱いながらも地合いの良さは垣間見えた。年末で商いは減少傾向になってくると思われるだけに、ここからは大崩れしないことが重要になる。来週、39000円より上での値固めが進むようなら、年内40000円回復も見えてくる。
【来週の見通し】
不安定な展開か。翌週にFOMC(12/17~18)と日銀会合(12/18~19)が控えており、11日には米国の消費者物価指数(CPI)が発表される。FOMCでは利下げの有無、日銀会合では利上げの有無が焦点となるが、どちらも両方の可能性が考えられる状況で、経済指標や関連ニュースに神経質となる状況が続くだろう。メジャーSQ週で指数の動きは荒くなる可能性があるが、日米中銀イベントを前にポジションを一方向には傾けづらい局面。上げ下げを繰り返す1週間になると予想する。
【今週を振り返る】 堅調となった。12月相場に突入し、初日の2日は不安定な動きとなったものの主力株に買いが入って300円を超える上昇。3日は半導体株買いが盛り上がり、700円を超える上昇となった。この日に節目の39000円を上回ったことで投資家のセンチメントが強気に傾き、5日まで4日続伸。米国株も主要3指数が史上最高値を更新し、株高を後押しした。6日は米国株安を受けて300円を超える下落となったが、39000円は上回って週を終えた。日経平均は週間では約883円の上昇となり、週足では陽線を形成した。
今週の日経225先物は、米国市場の動向や週末の指数イベントに伴う需給要因の影響を受けつつも、ややロング優勢の相場展開となることが期待される。週末6日の米国市場では、NYダウは続落したが、S&P500、ナスダックが最高値を更新した。
朝方発表された11月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比22万7000人増となり、市場予想(20万人増)を上回った。ハリケーンと大規模ストの影響で前月に減速した反動であり、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げは見送られるとの見方にはつながらなかった。また、12月のミシガン大消費者態度指数が74と4月以来の高水準となり、市場予想(73.0)を上回った。1年先の予想インフレ率は2.9%で前月の2.6%から上昇した。
今週の米国市場では11日に11月の米消費者物価指数(CPI)、12日には11月の米生産者物価指数(PPI)が発表される。CPI・PPIを見極めたうえで、利下げのコンセンサスが固まってくるとみておきたい。なお、17~18日のFOMCを控えて米当局者による発言が制限されるブラックアウト期間に入るため思惑的な動きは限られよう。
また、今週13日は12月の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)が予定される。そのため、週半ば以降は限月交代に伴うロールオーバーが中心となり、積極的にポジションを傾けにくい需給状況になる。基本的にはスキャルピング中心のトレードを余儀なくされるだろう。
前週の日経225先物はリバウンドをみせ、11月29日終値3万8170円から12月5日には3万9770円まで上昇した。200日移動平均線からの上昇で25日線を突破し、概ね3万9000円~3万9500円処でのレンジ推移だった。3万9500円近辺では戻り待ち狙いのショートが入りやすい半面、3万9000円処では押し目待ち狙いのロングがみられた。ボリンジャーバンドの+1σが位置する3万9300円を挟んでの推移だった。
今週も基本的には3万9000円から3万9500円のレンジが意識されやすい。ただし、週足では上向きで推移する52週線を支持線としたトレンドを形成しており、上値はボリンジャーバンドの+1σが抵抗線として意識されている。バンドは収斂をみせており、煮詰まり感からトレンドが出やすいタイミングが近づいているとみられる。
そのため、3万9000円から3万9500円のレンジを基本としつつも、11月7日の戻り高値4万0170円、10月15日につけた4万0300円が射程に入る。米国の利下げ観測のほか、日銀の金融政策決定会合では利上げ予想が根強く、日米金利差の縮小によって為替市場では円高に振れやすい。このためポジションとしては、ややショートに傾いている可能性がある。節目の3万9500円を捉えてくる局面では、ショートカバーが強まりやすいとみておきたい。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に上昇した。2日に一時14.12倍まで低下し、11月12日につけた直近安値と顔合わせした後はNTショートを巻き戻す動きとなった。ナスダック指数が最高値を更新するなか、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になった。先週の上昇で25日、75日、200日線を突破してきたことで10月15日の14.70倍からの低下に対するリバランスの動きが強まる可能性がありそうだ。
11月第4週(11月25日-29日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の売り越しであり、売り越し額は3460億円(11月第3週は4113億円の売り越し)だった。なお、現物は1794億円の売り越し(同3300億円の売り越し)と2週連続の売り越しであり、先物は1665億円の売り越し(同812億円の売り越し)と3週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で2070億円の買い越しで3週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1421億円の買い越しとなり、3週ぶりの買い越しだった。
主要スケジュールでは、12月9日に7-9月期GDP改定値、11月景気ウォッチャー調査、中国11月消費者物価指数、中国11月生産者物価指数、10日に中国11月貿易収支、11日に10-12月期法人企業景気予測調査、11月国内企業物価、米国11月消費者物価指数、12日にECB(欧州中央銀行)政策金利、米国11月生産者物価指数、13日にメジャーSQ、日銀短観、10月鉱工業生産指数確報値、米国11月輸出入物価指数などが予定されている。
<国内>
○08:50 ☆ 7-9月期実質国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.2%/前期比年率0.9%)
○08:50 ◎ 10月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前2兆3180億円の黒字/季節調整済2兆2551億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:2950億円の赤字)
○14:00 ◇ 11月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数47.4/先行き判断指数48.7)
<海外>
○10:30 ◎ 11月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比0.5%)
○10:30 ◎ 11月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲2.8%)
○17:00 ◇ 11月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲38.0)
○21:00 ◎ 11月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.59%)
○22:00 ◎ ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○24:00 ◇ 10月米卸売売上高
○非公式ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、11月米非農業部門雇用者数が前月比+22.7万人と予想を上回ったものの、「フェドウオッチ」で12月FOMCでの0.25%の利下げ確率が91%まで急上昇したことで一時149.37円まで下落した。しかし、ボウマンFRB理事とハマック米クリーブランド連銀総裁の発言や12月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値などを受けて150.13円付近まで持ち直した。ユーロドルは1.0630ドルまで上昇した後、1.0542ドルまで反落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、7-9月期実質GDP改定値を受けた日銀の利上げ確率の変化を見極めた後は、米中長期債利回りや日経平均株価の動向に沿った値動きが予想される。
ドル円の一目均衡表でのテクニカル分析では、攻防の分岐点である雲の上限150.11円付近で推移していることで、雲が支持帯として機能するのか、それとも雲の中へ入っていくのか、今後の注目ポイントとなっている。
11月30日に報じられた日本経済新聞電子版の植田和男日銀総裁のインタビューでは、総裁は追加利上げの時期について「データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいている」との認識を示した。
また、12月5日のハト派の中村日銀審議委員の講演でも、オントラックに言及があり、GDPの2次速報(※本日発表)や12月調査の日銀短観(※13日発表)などのデータを確認したい、との見解が聞かれた。
本日8時50分に発表される7-9月期実質GDP改定値では、予想通りにオントラックであることを確認して、先週30%台に落ち込んだ18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率の変化を見極めることになる。
また、先週末発表された11月の米雇用統計を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」で、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率が90%前後まで上昇した。
非農業部門雇用者数は、ハリケーンによる減少の反動と航空大手ボーイングのストライキ終了を受けて、前月比22.7万人の増加だった。さらに、10月は速報値の+1.2万人から+3.6万人へ上方修正(+2.4万人)され、9月は改定値の+22.3万人から+25.5万人へ上方修正(+3.2万人)されたことから、合計で5.6万人の上方修正となった。
しかし、失業率は4.245%(※四捨五入4.2%)となり、10月の4.145%(※四捨五入4.1%)から上昇し、就労者数は35.5万人減少していた。そして、失職者(会社都合での解雇や契約終了)や完全解雇者数(会社都合の解雇者)も増加し、不完全雇用率や長期失業者の割合も上昇していたことで、労働市場は依然として調整過程にあることが示唆されていた。さらに、景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向がある黒人の失業率が6.4%へ上昇していたことも懸念材料となっている。
また、トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、ドル高・円安を牽制するような発言の可能性には引き続き警戒しておきたい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39350 +320 (+0.81%)
TOPIX先物 2745.0 +23.5 (+0.86%)
シカゴ日経平均先物 39335 +305
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。NYダウは続落したが、S&P500、|ナスダックは最高値を更新した。11月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比22万7000人増と、市場予想(20万人増)を上回った。また、12月のミシガン大消費者態度指数(速報値)は74.0と4月以来の高水準となり、市場予想(73.2)を上回った。ただし、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが見送られるといった見方にはならなかった。短期的な過熱感や週末要因により景気敏感株やディフェンシブ株には利益確定の売りが出た半面、米長期金利の上昇一服を受けてハイテク株の一角が買われた。
NYダウ構成銘柄ではアマゾン・ドット・コム<AMZN>やアメックス<AXP>、IBM<IBM>、ホームデポ
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比305円高の3万9335円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比80円高の3万9110円で始まり、直後に付けた3万9090円を安値にリバウンドをみせて3万9330円まで買われた。米国市場の取引開始直前に3万9140円まで軟化する場面もみられたが、その後は3万9200円~3万9300円辺りで保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れる形から3万9370円まで買われ、3万9350円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることが見込まれる。ナイトセッションでは節目の3万9000円を上回っての推移となり、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9300円)を挟んだ値動きのなか、+1σを上回って終えている。来週にFOMCを控えて積極的にポジションを傾けてくる動きは限られるため、+1σを挟んだ3万9000円から3万9500円辺りのレンジがコンセンサスになりそうである。
また、今週は12月の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を週末に控えている。そのため、週半ば以降は限月交代に伴うロールオーバーが中心になりそうだ。基本的にはスキャルピング中心のトレードを余儀なくされるだろう。ただし、週足では上向きで推移する52週線を支持線としたトレンドを形成し、そのなかでボリンジャーバンドが収斂してきたことで、トレンドが出やすいタイミングが近づいていると考えられる。そのため、レンジでの推移ながら、方向性としては節目の4万円および11月7日につけた戻り高値の4万0170円に接近する場面を想定した、押し目狙いのロングが強まりそうだ。
6日の米VIX指数は12.77に低下した。11月20日につけた18.79を戻り高値に低下傾向を継続しており、7月以来の13.00を下回ってきた。米国では来週のFOMC通過後はトランプ次期政権に対する期待感から年末高を意識したトレンドが予想され、5月下旬につけた11.86が射程に入ってくるだろう。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に上昇した。2日に一時14.12倍まで低下し、11月12日につけた直近安値と顔合わせした後はNTショートを巻き戻す動きとなった。米国の利下げ観測に加え、日銀の金融政策決定会合では利上げを実施するとの思惑が根強く、日米金利差の縮小によって為替市場では円高に振れやすい。そのため、NTロングでのスプレッド狙いのスタンスとみておきたい。
日経225先物は11時30分時点、前日比180円高の3万9210円(+0.46%)前後で推移。寄り付きは3万9370円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9335円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まり、3万9460円まで買われた。ただし、3万9500円接近では上値の重さが意識されるなか、中盤にかけて軟化し、一時3万8970円と下落に転じる場面もみられた。もっとも、これまで同様、3万9000円近辺では押し目待ち狙いのロングが入っており、終盤にかけては3万9200円~3万9300円辺りでの推移を継続。
日経225先物は、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円でのレンジ取引となった。朝方に3万9460円まで買われたが、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が寄り付き直後に下げ幅を広げる動きとなるなか、ショートを誘う形になったようだ。一方で、3万9000円近辺では押し目待ち狙いのロングが入り、終盤にかけてショートカバーに向かわせたようだ。
指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が弱い値動きながら、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が買われており、日経平均型を支えている。日経225先物は終盤にかけての切り返しでボリンジャーバンドの+1σ(3万9290円)を上回る場面もみられた。+1σを上回っての推移が続くようだと、短期的なショートカバーが入りやすくなろう。
NT倍率は先物中心限月で14.31倍に低下した。一時14.35倍を付けた後は値がさ半導体株の下げが影響する形となり、14.30倍まで下げる場面もみられた。これにより75日移動平均線(14.32倍)を下回ってきたが、25日線(14.29倍)辺りを支持線とした動きも意識されやすく、NTショートを仕掛けにくくさせそうである。
先週末の11月米雇用統計を巡っては、「ヘッドラインが概ね予想を上回る強い数字となったにもかかわらず、何故あのような動きとなったのか」との疑問が多く寄せられていますが、特に米債券市場では米10年債利回りが4.1954%から4.1260%まで大幅な低下。ドル円も一時149.37円まで売り込まれることになりました。
ヘッドラインをみるだけでは、NFPが22.7万人、平均時給が4.0%といずれも予想を上回る強い結果だったほか、失業率も4.2%と、10月の4.1%よりは悪化しているものの、予想通りの結果。ただ、失業率の実際の数字、つまり、ヘッドラインで小数点第2位以下を四捨五入した数字ではない4.246%という数字が、最近では一番悪化していた7月の4.253%に近い数字だったことを受けての米債券市場の反応だった模様。12月の利下げスキップの可能性がなくなったとの判断からか、ドル全面安という動きとなりました。
NY時間午後に入ってからは、その後に公表された12月米ミシガン大消費者態度指数速報値が予想を上回る強い結果だったうえに、ボウマンFRB理事が「インフレリスクは依然として顕著」と発言したほか、ハマック米クリーブランド連銀総裁が「利下げペースを緩める時期が近付いているか既にその時期である」との見解を示すと150.13円まで買い戻されて週末の取引を終えました。週明けのアジア市場では、日経平均の動向に左右されるかたちで、150.00円を挟んだもみ合いに終始しているといったところです。
いずれにしても、ドル円は、終値ベースで一目雲上限の150.11円を意識しながらの展開。今週は米CPIなどインフレ指標を見極めつつ、引き続き米長期金利の動向を見守っていくことになりそうです。
2024年11月の米国の失業率は4.245%(※四捨五入4.2%)となり、10月の4.145%(※四捨五入4.1%)から上昇した。就労者数は35.5万人減となり、10月の36.8万人減から減少幅が縮小した。
非農業部門雇用者数は、ハリケーンによる減少の反動と航空大手ボーイングのストライキ終了を受けて、前月比+22.7万人の増加となり、10月は速報値の+1.2万人から+3.6万人へ上方修正(+2.4万人)され、9月は改定値の+22.3万人から+25.5万人へ上方修正(+3.2万人)されたことから、合計で5.6万人の上方修正となった。
しかし、失職者(会社都合での解雇や契約終了)が262.7万人へ増加し、完全解雇者数(会社都合の解雇者)も増加し、不完全雇用率や長期失業者の割合も上昇していることで、労働市場は依然として調整過程にあることが示唆されている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げはほぼ確実、2025年の利下げ見通しは2回から3回に増えている。
2021年の非農業部門雇用者数は724.5万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.4万人の増加だった。2022年の月平均は37.7万人の増加、2023年平均は25.1万人の増加、2024年平均は18.0万人の増加となった。
1.家計調査(Household survey):失業率を算出(※6万世帯)
11月の失業率は4.245%(※四捨五入4.2%)となり、10月の4.145%(※四捨五入4.1%)からわずかに上昇した。失業者数が前月比16.1万人増加し、就業者数が35.5万人減少したことが要因となっている。労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.5%となり、6カ月ぶりの低水準となった。
失業者数は714.5万人となり、10月の698.4万人から16.1万人増加しており、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億6828.6万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約370万人上回っている。
・不完全雇用率(U6):7.8%(10月7.7%、9月7.7%、8月7.9%:2020年5月21.1%)
(フルタイム雇用を望みながらパートタイム職に就いている労働者を含む広義の失業率)
・労働参加率:62.5%(10月62.6%、9月62.7%、8月62.7%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):166.1万人(10月160.8万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:6.4%(10月5.7%、9月5.7%、8月6.1%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率は景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向)
2.事業所調査(Establishment survey):非農業部門雇用者数(Non-Farm Payroll)(※12.2万の会社・政府機関)
11月の非農業部門雇用者数は、前月比+22.7万人の増加となり、47カ月連続での雇用拡大となった。平均時給は前月比+0.4%の35.61ドルとなり、10月の+0.4%と変わらず、前年同月比は+4.0%となり、10月の+4.0%と変わらずだった。
上昇率3.0-3.5%で米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標2%に一致するとされており、12月FOMCでの0.25%の利下げは確実視されている。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比+0.8%で3カ月ぶりの強い伸び、前年比は+5.1%で6カ月ぶりの強い伸びとなった。
3. サーム・ルール( Sahm Rule)=0.43%
FRBの元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱したもので、失業率の「3ヵ月移動平均」と「過去1年間の最低水準」の差が0.5%以上上昇した場合、1年以内にリセッション(景気後退)入りするとの説であり、過去50年間のリセッションで有効だった。11月は10月と変わらずの0.43%となり、9月の0.50%、8月の0.57%、7月の0.53%から低下し、リセッションへの警戒感が後退した。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、主要な経済指標や要人発言の予定がないことで、ウクライナ情勢や中東情勢の地政学リスクに警戒する展開となる。
本日は、12日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて、NYカットオプション(1.0550ドル、1.0565ドル、1.0570ドル、1.0575ドル、1.0580ドル、1.0600ドル)が値動きを抑制する可能性も念頭に置いておきたい。
ウクライナ情勢では、プーチン露大統領がベラルーシのルカシェンコ大統領からの中距離弾道ミサイルシステム提供の要求に肯定的な発言をしたことによる新たな局面に警戒しておきたい。
中東情勢では、プーチン露大統領が2015年から反政府勢力への空爆を通じて支援してきたシリアのアサド政権の崩壊を受けて、新たなシリアの混迷の可能性、そしてロシアへの影響に警戒しておきたい。
米11月の雇用統計を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)の0.25%の利下げ確率が80%台まで上昇し、米10年債利回りが低下している。
米中長期債の利回りの動向にも警戒しておきたい。
12日のECB理事会では、0.25%の追加利下げが予想されているが、来年からのトランプ関税によるユーロ圏の景況感悪化懸念を受けて、0.50%の大幅利下げを見込む向きもあるため、米中長期債の利回りの低下にも関わらず、ユーロは上値が重い展開となっている。
ポンドドルは、22時からのハト派のラムスデンBOE副総裁の講演に要注目か。ラムスデンBOE副総裁は、先日、「経済は引き続き正常化し、低水準で比較的安定した最近のインフレ傾向は継続。不確実性が減少し、さらなるデフレ圧力を示唆する証拠が明確になれば、利下げにそれほど緩やかなアプローチを取らないことを検討する」と述べており、本日も同様の見解が見込まれている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0636ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:159.58円(12/6高値)
・ポンドドル:1.2811ドル(12/6高値)
・ポンド円:192.37円(12/6高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0461ドル(12/2安値)
・ユーロ円:156.99円(12/4安値)
・ポンドドル:1.2617ドル(12/2安値)
・ポンド円:190.36円(日足一目均衡表・転換線)
尹錫悦・韓国大統領が出国を禁止されたと一部通信社が伝えた。
(9日15時時点)
ドル円:1ドル=149.96円(前営業日NY終値比▲0.04円)
ユーロ円:1ユーロ=158.02円(▲0.53円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0537ドル(▲0.0031ドル)
日経平均株価:39160.50円(前営業日比△69.33円)
東証株価指数(TOPIX):2734.56(△7.34)
債券先物12月物:143.26円(△0.15円)
新発10年物国債利回り:1.040%(▲0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38300%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期実質国内総生産(GDP)改定値
前期比 0.3% 0.2%
前期比年率 1.2% 0.9%
10月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
2兆4569億円の黒字 1兆7171億円の黒字
経常収支(季節調整済)
2兆4088億円の黒字 1兆2717億円の黒字
貿易収支
1557億円の赤字 3152億円の赤字
11月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 49.4 47.5
先行き判断指数 49.4 48.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。上昇して始まった日経平均株価が一転して下げに転じたことを受けて一時149.69円まで値を下げた。ただ、株価が買い戻されるとドル円もつれる形で150.10円付近まで反発した。手掛かり材料に乏しく、その後は150円を挟んだこう着していたが、15時過ぎから買いが強まり150.19円まで値を上げている。
・ユーロドルは弱含み。1.0560ドルを挟んだ小動きが続いていたが、東京午後から次第に売りが強まり、一時1.0532ドルまで下押しした。ロシア・ウクライナ情勢が緊迫化していることが重しとなったか。なお、ウクライナ空軍はロシアが夜間に発射した2発のミサイルと18機のドローンを撃墜したと発表している。
・ユーロ円は弱含み。158.40円前後で上下した後はユーロドルの下落につれる形で157.87円まで値を下げた。もっとも、一巡後は158円円台前半まで切り返すなど一段安にもならなかった。
・日経平均株価は反発。先週末の米ハイテク株が上昇した影響から半導体関連株に買いが入り上昇して始まったが、一巡後は利益確定売りに押され下げに転じた。一方で、押し目買いがも観測されえるなど方向感がなかった。
・債券先物相場は続伸。前週末の米国債券相場が上昇し、週明けの国内債券市場にも買いが波及した。
大阪12月限
日経225先物 39210 +180 (+0.46%)
TOPIX先物 2738.0 +16.5 (+0.60%)
日経225先物(12月限)は前日比180円高の3万9210円で取引を終了。寄り付きは3万9370円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9335円)にサヤ寄せする形から買いが先行して始まり、開始直後に3万9460円まで買われた。ただし、3万9500円接近では上値の重さが意識され、前場中盤にかけて軟化すると、一時3万8970円と下落に転じる場面もみられた。もっとも、これまで同様、3万9000円近辺では押し目待ち狙いのロングが入っており、前場終盤にかけては3万9330円まで切り返した。ランチタイムで軟化し、後場終盤にかけて3万9060円まで上げ幅を縮めたが、引き続き底堅さがみられるなか、引け間際にショートカバーが入った。
日経225先物は、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円のレンジ取引となった。朝方に3万9460円まで買われたが、アドバンテスト <6857.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が寄り付き直後に下げ幅を広げる動きとなり、ショートを誘う形になったようだ。一方で、3万9000円近辺では押し目待ち狙いのロングが入り、ショートカバーに向かわせたようだ。
指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が弱い値動きながら、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が買われており、日経平均型を支えている。日経225先物は前場終盤にかけての切り返しでボリンジャーバンドの+1σ(3万9290円)を上回る場面もみられた。ただし、+1σを上回っての推移は続かず、前場中盤以降は3万9000円から3万9300円辺りのレンジが続いた。
日経225先物は朝方こそロングが先行したが、アドバンテストと東京エレクが寄り付き後に売られたことで、センチメントを冷ます格好になったようである。一気にロングを外す動きのほか、短期的なショートを誘う形にも向かわせたのであろう。また、キオクシアホールディングス<285A>が18日に東証プライムに上場する。同社株を取得するためのセクター内での資金手当てに伴う動きなども意識されやすい。
日経225先物は再び+1σを上回って底堅さがみられるようだと、3万9500円突破から+2σ(3万9830円)辺りを目先的なターゲットとした流れに向かう可能性はある。ただし、週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えているため、限月交代に伴うロールオーバーが中心となり、新規ポジションを積み上げてくる動きは考えにくいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.32倍に低下した。一時14.35倍を付けた後は値がさ半導体株の下げが影響する形となり、14.29倍まで下げる場面もみられた。これにより75日移動平均線(14.32倍)を下回ってきたが、25日線(14.29倍)辺りを支持線とした動きになった。アドバンテストなどの弱さが目立ったものの、NTショートを仕掛けにくくさせた。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はソシエテジェネラル証券が2万1623枚、ABNクリアリン証券が2万0614枚、みずほ証券が6720枚、日産証券が5634枚、JPモルガン証券が4972枚、ビーオブエー証券が4808枚、野村証券が4687枚、バークレイズ証券が4292枚、モルガンMUFG証券が3393枚、サスケハナ・ホンコンが3346枚だった。
TOPIX先物は、ソシエテジェネラル証券が3万6004枚、みずほ証券が3万5582枚、ABNクリアリン証券が2万7274枚、野村証券が1万8349枚、モルガンMUFG証券が1万5308枚、ゴールドマン証券が1万4937枚、JPモルガン証券が1万3003枚、ビーオブエー証券が1万1593枚、バークレイズ証券が1万0184枚、BNPパリバ証券が8470枚だった。
本日のニューヨーク為替市場では、欧州序盤に強まった中国発のリスク志向地合いが続くか注目される。米国発の経済指標は10月米卸売売上高のみであり、17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にしたブラックアウト期間に入ったため、金融当局者の発言も予定されていない。
中国共産党がこの日開いた中央政治局会議では、金融政策のスタンスを「穏健な」から「適度に緩和的」に変更した。2011年以来となる見直しで、11日から非公開で開催される中央経済工作会議でも更なる刺激策強化への期待が高まった。香港株は引けにかけて急騰し、為替は円売りが一気に強まった。
トランプ米次期政権との対立激化は避けられず、中国景気の停滞懸念が日増しに高まっていたなかでの対応に中国当局の必死さもうかがえる。同国経済に頼る国はまだ多く、それらにとっても一先ず胸をなでおろす知らせとなったか。
ただ、先週のニューヨーク時間に限った動きを振り返ると、ドル安円高に振れる場面が目立ったのは気になるところ。短期金融市場は来週のFOMCで0.25%利下げをほぼ織り込み、日銀の追加利上げに対する思惑も燻ったままだ。先週末は利益確定売りで上昇が一服した米株が、今週の米インフレ指標を控えて持ち高調整が中心となった場合、円売りの勢いも緩む可能性もあるだろう。
想定レンジ上限
・ドル円、4日高値151.23円
想定レンジ下限
・ドル円、6日安値149.37円
今週のNY市場は物価指標に注目。
先週はダウ平均が0.60%安と3週ぶりに反落した一方、S&P500が0.96%高と3週続伸し、ナスダック総合は3.34%高と大幅に3週続伸した。12月入りし、年末ラリーへの期待が高まる中、好決算を発表したセールスフォースやマーベル・テクノロジーが急伸し、ハイテク株を中心に相場をけん引した。
利下げの見通しを巡り注目された米11月雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を上回った一方、失業率が10月分から悪化。強すぎず、弱すぎない雇用統計を受けてCMEのフェドウォッチ・ツールの12月FOMCでの0.25%の利下げ確率は前日の71%から85%に上昇し、政策金利据え置き確率は15%に低下した。
ダウ平均は4日水曜日に取引時間中と終値の史上最高値を更新したが、ユナイテッドヘルスの大幅安が重しとなり、週後半は伸び悩んだ。一方、S&P500とナスダック総合は週末6日も取引時間中と終値の史上最高値を更新して終了した。
今週は12月17-18日開催のFOMCでの利下げ見通しを巡り、水曜日発表の11月消費者物価指数 (CPI)や木曜日発表の11月生産者物価指数 (PPI)が焦点となりそうだ。11月CPIは前月比+0.2%、前年比+2.6%、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%、前年比+3.3%と、ともに10月分から横ばいが見込まれているが、米連邦準備理事会(FRB)が目標とする前年比+2%を上回る水準にある。CPIが予想を上回る伸びとなり、インフレの根強さを示す結果となれば、利下げ期待の後退が株式相場の重しとなりそうだ。
決算発表はオラクル(月曜日)やアドビ(水曜日)、ブロードコム(木曜日)が発表予定で、先週のセールスフォースなどの好決算を受けたハイテク株買いの流れが継続するか否かに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは11月雇用傾向指数、10月卸売在庫など。企業決算は引け後にオラクルが発表予定。
日経平均株価は反発。買い先行ながらも早々に失速し、一時は前日安値(38940円)に迫る場面があった。終値ベースは安値から若干戻す格好となったが、4日連続の陰線で取引を終えた。
RSI(9日)は前日の56.2%→66.1%(12/9)に上昇。目先は上昇しやすいタイミングとなり、反発継続に期待したい局面である。
前日から大きな変化はないが、先週は25日移動平均線(38781円 12/9)に加え、11/25につけた終値ベースの戻り高値(38780円)を超えた。連続陰線で上値は重いが、超えた後の値固めの局面とみられ、値固めの後は上値が拡大する可能性が高い。10/15高値(40257円)と11月前半の高値水準をつないで延長した上値抵抗線を超えられるかが、4万円回復へのステップアップの条件となる。
上値メドは、12/5高値(39632円)、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.33円(9日15時時点比△1.37円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.90円(△1.88円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0566ドル(△0.0029ドル)
FTSE100種総合株価指数:8352.08(前営業日比△43.47)
ドイツ株式指数(DAX):20345.96(▲38.65)
10年物英国債利回り:4.270%(▲0.005%)
10年物独国債利回り:2.121%(△0.013%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月スイスSECO消費者信頼感指数
▲37.2 ▲37.0
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。中国がより積極的な財政政策を実施するとの報道をきっかけに投資家心理が楽観に傾くと、リスク・オンの円売りが優勢となった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.19%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、3時前に一時151.35円と11月29日以来の高値を付けた。
・ユーロ円はしっかり。中国政府が金融政策のスタンスを「穏健な」から「適度に緩和的」に変更したことを受けて、投資家がリスク選好姿勢を強めると円売り・ユーロ買いが優勢になった。前週末の高値159.58円を上抜けて一時160.00円まで上値を伸ばした。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時193.41円、豪ドル円は97.80円、NZドル円は88.99円、カナダドル円は107.17円、メキシコペソ円は7.51円、南アフリカランド円は8.54円まで値を上げた。
・ユーロドルは下値が堅かった。アジア市場では一時1.0532ドルまで値を下げたものの、欧米市場に入ると買い戻しが優勢に。中国での政策期待を背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.0594ドルまで値を上げた。ただ、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たため、上値も限定的だった。
・ロンドン株式相場は反発。中国がより積極的な財政政策を実施するとの報道を受けて投資家心理が上向くと、英株にも買いが入った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株も底堅く推移した。
・フランクフルト株式相場は8日ぶりに反落。中国がより積極的な財政政策を実施するとの報道で買いが先行したものの、すぐに失速した。前週末までに7日続伸し史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。個別ではラインメタル(5.95%安)やボノビア(3.47%安)、ドイツテレコム(2.12%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
9日の日経平均は反発。終値は69円高の39160円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1079/値下がり500。株主優待の内容が評価された楽天Gが6.7%高。指数寄与度の大きいファーストリテイリングやソフトバンクGの動きが良かった。Vチューバ―関連のANYCOLORとカバーがそろって5%台の上昇。自己株取得を発表した丸一鋼管が急伸した。
一方、半導体株が嫌われており、中でも弱さが目立ったアドバンテストが4.7%安。川崎重工やIHIなど防衛関連が大きめの下げとなった。決算を材料にアインHDやエターナルホスピタリティが大幅安。直近上場のテラドローンが初日の初値や節目の2000円を割り込み、12.9%安と急落した。
本日、グロース市場に新規上場したインフォメティスは、公開価格割れからのスタートとなったものの、終値は初値を上回った。
きょうはプライム市場で1000以上の銘柄が値上がりしたにもかかわらず、日経平均は2桁の上昇にとどまった。寄り付き天井で失速しており、プラスでも先への期待がまったく高まらない上がり方。アドバンテストが5%近く下げたが、注目度の高い銘柄が特段の材料が観測されない中で崩れてしまうと、同業はもちろんのこと、ジャンルが違う他の人気銘柄も買いづらくなる。一方、指数の安値は38972円までで、39000円より下で推移した時間は短かった。下には25日線(38781円、9日時点)が控えており、サポートになると期待できる。来週のFOMCや日銀会合を通過するまでは上値が重くなりそうな雰囲気が出てきたが、大崩れすることなく25日線や39000円より上をキープすることができるかが注目される。
ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は11月に3.0%と前回の2.9%から上昇した。3年後のインフレ期待も2.6%と前回の2.5%から上昇、5年後のインフレ期待も2.9%と前回の2.8%から上昇した
9日16:26 中国共産党中央政治局
「適度に緩和的な金融政策を実施」
「来年はより積極的な財政政策を行う」
「不動産市場と株式市場を安定させる」
「消費を力強く押し上げる」
9日16:51 石破首相
「現時点でデフレ脱却には至っていない」
「現時点で日銀との共同声明を見直すことは考えていない」
「為替相場は安定的に推移することが重要」
9日19:43 クガニャゴSARB(南ア準備銀行)総裁
「南アフリカ経済の将来の進路は不確実」
「金融政策は依然として引き締め的な領域」
「SARBの政策調整は適切であった」
9日22:12 ラムスデン英中銀(BOE)副総裁
「今年の比較的落ち着いた市場状況は、将来的にはリスクテイクが拡大する可能性」
「見通しに関する不確実性が高まっていることを踏まえると、引き続き警戒する必要がある」
「英金融市場のリスクを監視および評価し、適切な場合にはバランスシートを活用する必要」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 11月マネーストックM2
<海外>
○09:30 ◇ 11月豪NAB企業景況感指数
○未定 ◎ 11月中国貿易収支(予想:950億ドルの黒字)
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:4.35%で据え置き)
○16:00 ◇ 10月トルコ失業率
○16:00 ◇ 10月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ 11月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比2.3%)
○16:00 ◎ 11月独CPI改定値(予想:前月比▲0.2%/前年比2.2%)
○18:30 ◎ 11月南アフリカSACCI企業信頼感指数
○21:00 ◎ 11月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.85%)
○22:30 ◇ 7-9月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比2.2%)
○11日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
〇欧州連合(EU)経済・財務相理事会(ブリュッセル)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.21円(前営業日比△1.21円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.57円(△1.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0554ドル(▲0.0014ドル)
ダウ工業株30種平均:44401.93ドル(▲240.59ドル)
ナスダック総合株価指数:19736.69(▲123.08)
10年物米国債利回り:4.20%(△0.05%)
WTI原油先物1月限:1バレル=68.37ドル(△1.17ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2685.8ドル(△26.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米卸売売上高
(前月比) ▲0.1% 0.5%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。中国共産党指導部はこの日、金融政策のスタンスを「穏健な」から「適度に緩和的」に変更すると発表。財政政策についても「より積極的な」とし、従来の「積極的な」から表現を強めた。中国の景気浮揚期待を背景に投資家心理が楽観に傾くと、リスク・オンの円売りが優勢となった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.20%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、3時前に一時151.35円と11月29日以来の高値を付けた。
・ユーロドルは小幅ながら続落。中国での政策期待を背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0594ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると失速した。5時30分過ぎには一時1.0547ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は反発。中国がより積極的な財政政策を実施するとの報道を受けて投資家がリスク選好姿勢を強めると、円売り・ユーロ買いが優勢になった。前週末の高値159.58円を上抜けて一時160.00円まで上値を伸ばした。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時193.41円、豪ドル円は97.80円、NZドル円は88.99円、カナダドル円は107.17円、メキシコペソ円は7.51円、南アフリカランド円は8.54円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。11日の11月米消費者物価指数(CPI)や12日の11月米卸売物価指数(PPI)など、米物価指標の発表を前に持ち高調整目的の売りが優勢となった。個別ではIBMやトラベラーズ、セールスフォースなどの下げが目立った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。中国当局が独占禁止法違反などの疑いで調査を開始すると伝わったエヌビディアが売られた。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反落。中国での政策期待を背景に、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。今週予定されている米物価指標や3・10・30年債入札を前にポジション調整目的の売りも出たようだ。
・原油先物相場は4日ぶりに反発。中国政府が金融政策のスタンスを2010年以来となる「穏健な」から「適度に緩和的」に変更したことを受けて、中国の景気浮揚期待で石油需要が高まるとの予想で原油価格は4日ぶりに反発した。また、シリアのアサド政権崩壊による、中東情勢の不透明感も原油の支えとなった。
・金先物相場は続伸。シリアをめぐる地政学リスクの高まりや、中国人民銀行が今年5月から停止していた金購入を11月から再開したことを週末に発表したことで上げ幅を伴って続伸した。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39310 +100 (+0.25%)
TOPIX先物 2747.5 +9.5 (+0.34%)
シカゴ日経平均先物 39320 +110
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。17~18日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げを継続するとの観測が強まるなか、政策判断を決定づける米消費者物価指数(CPI)の発表を11日に控えて、買いが手控えられた。また、エヌビディア<NVDA>は、中国当局が同社を独占禁止法違反の可能性で調査を開始したと発表したことが嫌気された。そのほか、BofAによる格下げが伝わったアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が5%を超す下落となり、半導体株SOX指数は下落。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、IBM<IBM>やトラベラーズ<TRV>、セールスフォース<CRM>、シスコシステムズ<CSCO>が売られた。一方、アップル<AAPL>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、キャタピラー<CAT>が堅調。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比110円高の3万9320円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比110円高の3万9320円で始まり、3万9420円まで買われた後は3万9290円まで軟化した。ただし、再びロング優勢となり、米国市場の取引開始後には3万9530円まで買われる場面もみられた。中盤以降は3万9290円~3万9480円辺りでのレンジ推移が続き、3万9310円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。ナイトセッションは節目の3万9500円辺りでは上値を抑えられる形となったが、下値はボリンジャーバンドの+1σ(3万9320円)水準での底堅さがみられた。狭いレンジで煮詰まり感が台頭してくるようだと、+1σを支持線として3万9500円から+2σ(3万9820円)辺りが意識されてくるため、ショートカバーを誘う流れからロングが強まりやすいだろう。
ただし、米CPIの結果を見極めたいとする姿勢が強まると考えられ、積極的にはポジションを傾けてくる展開は考えにくい。また、中国当局によるエヌビディアの調査の影響も警戒されるため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となる。そのため、短期的には戻りの鈍さがみられる局面ではショートが入りやすいとみられ、押し目狙いのロング対応となりそうだ。
もっとも、週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控え、限月交代に伴うロールオーバーが中心になる。節目の3万9500円を明確に上放れてくるようだと、ヘッジ対応の動きが強まる可能性はある。ロールオーバーの過程でレンジを切り上げてくる展開も意識しておきたい。
9日の米VIX指数は14.19(6日は12.77)に上昇した。前週末に7月以来の13.00を下回ってきたことで、いったんはリバウンドが入りやすいタイミングではある。ただし、半導体を巡る米中対立への懸念から上昇したとみられ、投資家心理をやや神経質にさせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.32倍に低下した。一時14.35倍を付けた後は、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など値がさ半導体株の下げが影響する形となり、14.29倍まで下げる場面もみられた。これにより75日移動平均線(14.32倍)を下回ってきたが、25日線(14.29倍)辺りを支持線とした動きになった。本日も半導体株の弱さが重荷となる可能性があるため、NTショートに振れやすいだろう。25日線のほか、200日線(14.27倍)辺りで下げ止まりをみせるかを見極めたい。
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、中国の景気浮揚期待を背景に投資家心理が楽観に傾いたことでリスク・オンの円売りが優勢となり、米10年債利回りが4.19%台まで上昇したことなどで151.35円まで上昇した。ユーロドルは1.0594ドルまで上昇した後、米長期金利の上昇で1.0547ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米中長期債利回り、中国の景気刺激策を受けた中国人民元や日経平均株価の動向を睨みながらの値動きが予想される。
中国政府は、第2次トランプ米政権との米中貿易戦争を控えて景気浮揚策を発表しており、本日の中国人民元や株式市場の動向に注目することになる。
昨日のドル円は、テクニカル分析では、一目均衡表の雲が支持帯として機能し、ファンダメンタルズ分析では、中国の景気浮揚期待によるリスク・オンの円売りや米10年債利回りが4.19%台まで上昇したことなどで、151円台まで反発している。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は86%程度となっており、利下げは既定路線となっている。
昨日発表された日本の7-9月期の実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正されたことで、18-19日の日銀金融政策決定会合での追加利上げ観測をサポートする材料となった。
11月30日に報じられた日本経済新聞電子版の植田和男日銀総裁のインタビューでは、総裁は追加利上げの時期について「データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいている」との認識を示していたが、今回の結果は日本経済が緩やかに回復している姿を示している。
また、12月5日のハト派の中村日銀審議委員の講演でも、オントラックに言及があり、利上げの是非を判断する情報として、GDPの2次速報(※昨日上方修正)や12月調査の日銀短観(※13日発表)などのデータを確認したい、と述べていた。
しかし、翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率は28%程度に留まっており、ドル円の買い戻しに繋がったのかもしれない。
12時30分に発表される豪準備銀行(RBA)の政策金利は4.35%での据え置きが予想されている。先週発表された7-9月期の国内総生産(GDP)は前期比+0.3%、前年比+0.8%と発表され、予想を下回る伸びに留まっており、10月の消費者物価指数(CPI)も前年比+2.1%に留まった。RBAは物価上昇が緩和していることが確認されるまで政策金利を据え置くと予想されており、11月の理事会では「政策がより長期間制限的である必要、またはさらに引き締める必要があるシナリオを議論」と利上げについて議論していた。
また、ブロックRBA総裁は「コアインフレが目標を上回っており当面利下げしない」と述べている。RBAが注視するコアインフレ率(トリム平均値)は3.5%上昇しており、9月の3.2%の上昇から加速していた。
市場の利下げ時期の予想は、来年半ばに予定されている連邦選挙以降に先送りされつつあり、11月のタカ派的な声明文の変化に注目しておきたい。
日経225先物は11時30分時点、前日比変わらずの3万9210円前後で推移。寄り付きは3万9300円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9320円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には3万9480円まで買われたが、上値の重さが意識されるなか中盤にかけて軟化し、一時3万9170円と下落に転じる場面もみられた。ただし下へのバイアスは強まらず、売り一巡後は前日の終値水準を挟んでの推移となった。
日経225先物は、朝方に3万9480円まで買われたが、節目の3万9500円に接近する場面においては、引き続き上値の重さが意識された。短期筋のロング解消のほか、ショートが入りやすい状況だった。一方で、3万9000円に接近する場面では押し目待ち狙いのロングが入り、ショートカバーに向かわせたようだ。前日と同様の値動きであり、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9320円)水準を捉えてくるようだと、再び3万9500円に接近する展開もありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.31倍に低下した。一時14.33倍を付けたが、75日移動平均線(14.32倍)が抵抗線として意識された。一方、下値は25日線(14.28倍)が支持線として機能している。スプレッド狙いのトレードは仕掛けづらいだろう。
昨日のドル円は、欧州時間に中国共産党執行部が金融政策のスタンスをより緩和的にするほか、財政政策についてもより積極的にすることを検討していることが報じられると、クロス円中心に上昇。一時150.52円まで値を上げました。しばらくは高値圏でのもみ合いが続きましたが、NY時間に入って米長期金利が上昇幅をひろげると引けにかけては151.35円まで上昇。アジア時間に入っても151.55円まで高値を更新しています。
中国ネタにしては「思っていた以上に長続きした」との声が多く聞かれているわけですが、それには、市場のポジション状況がかなり影響している模様。先週末公表されたIMMの通貨先物の投機筋のポジションが3日付けで22633枚の円ショートから2334枚の円ロングに転換していたことが分かっていますが、この3日は韓国のユン大統領がいきなり戒厳令を宣布したまさにその日。市場は短期筋を中心に「予想以上に売り込んでしまった」可能性が高く、そうであれば、昨日のドル円の踏み上げ相場は整合性が取れるというものです。
いずれにしても、ドル円は一目雲上限でしっかりとサポートされたショートカバーが進んでいる状況。本日も一目雲上限の位置する150.52円や一目転換線の150.30円を下値の目処として意識しつつ、上値はようやく50日MAの151.64円や200日MAの151.99円が視野に入ってくることになっています。テールリスクのようなリスクオフ相場にならない限り、タイトな需給関係やファンダメンタルズを反映した方向性を伴った年末相場が展開されていくのかもしれません。
「金利全般が1%上昇すれば日銀保有国債の評価損が40兆円に達する」
(植田日銀総裁:2024年2月22日衆院予算委員会)
1. 日銀保有国債の24年9月末含み損:13兆6604億円
日銀が発表した2024年度上半期の財務諸表によると、2024年9月末時点の保有国債(簿価585兆4538億円)の含み損は13兆6604億円(時価571兆7933億円)となった。
3月末の評価損は9兆4337億円から拡大し、過去最高を記録した。
日銀は保有国債の評価方法として償却原価法を採用しており、時価が変動しても損益には反映されない。ただ、大規模金融緩和の出口局面では、金利上昇によって当座預金への支払利息が増加して収益を圧迫することが見込まれ、日銀財務の健全性を巡る議論が今後高まる可能性もある。
9月末時点の法定準備金は、3兆6627億円、引当金勘定は9兆8617億円なので、自己資本は、13兆5245億円となっている。
11月時点での日銀が保有する長期国債の残高は約581兆円、表面利率が平均で0.58%だが、当座預金残高は約531兆円で「補完当座預金制度の適用利率が0.64%を超えると、利払い額が利息収入を超える、債務超過に陥ることになる。
2. 上場投資信託(ETF)の評価益:33兆0711億円
9月末時点での保有する上場投資信託(ETF)(37兆1861億円)の評価益は、日経平均株価がやや軟調に推移したことで33兆0711億円だった。時価は3月末(日経平均株価終値:40369.44円)の74兆4982億円から70兆2573億円に減少した。9月末の日経平均株価の終値は、37919.55円だった。
3.植田日銀審議委員の「自己資本と中央銀行」
植田日銀総裁は、日銀審議委員の頃の2003年10月25日に、日本金融学会秋季大会における記念講演で、「自己資本と中央銀行」という題目で、中央銀行の債務超過に関して言及していた。2003年10月20日時点での日銀の長期国債保有高は約64兆円、自己資本は約5兆円しかなかったため、金利が大幅に上昇して保有国債の評価額が10%ほど低下すれば、日銀は実質債務超過に陥ることが警戒されていた。
日銀の債務超過の可能性が高まる中、植田日銀総裁の見解を確認しておきたい。
植田日銀審議委員は、債務超過によって中央銀行の政策が歪められた場合に何が起こるのか、に言及している。
「現実には多くのケースで物価安定の目標を追求することが困難になり、高率のインフレーションが発生している。その理由は基本的には二つである。
1)債務超過を自らのオペレーションで克服しようとすれば、多額の通貨発行益を稼ぐ必要があり、その為には高率の貨幣供給、インフレーションが必要になる。
2)あるいは、債務超過を埋めるための財政措置が議論されたり、発動される場合には、その規模、タイミング、是非等について財政当局等の裁量権や介入余地が強まり、物価安定とは必ずしも整合的でない政策目標が中央銀行行動を縛る可能性がある」
そして、「中央銀行にとってオペ手段間の選択の基準としてより重要なのは、それぞれの手段が、金融政策の本来の目的、すなわち、物価の安定化に対してどの程度の有効性を持つか、そうした効果を発揮する過程において市場における資源配分機能をいかに阻害しないかという点である。ここでの議論が、財務の健全性のみを突出させて日本銀行が金融政策を決定しようとしていることを、意味するものではない点を強調しておきたい。」と結論している。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、12日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて動きづらい展開が予想される。
本日と12日、13日、16日には、1.0550ドルにNYカットオプションが控えており、12日のECB理事会を控えて、値動きを抑制する可能性も念頭に置いておきたい。
昨日、調査会社センティックスが発表した12月のユーロ圏投資家センチメント指数は、▲17.5と11月の▲12.8から低下し、2023年11月以来の低水準を記録した。
ユーロ圏経済活動に対する脅威として、ウクライナや中東での戦争、トランプ関税による米国との貿易戦争、ユーロ圏の2大経済大国であるドイツとフランスの政権崩壊が挙げられる。
12日のECB理事会では、0.25%の追加利下げが予想されているが、トランプ関税によるユーロ圏の景況感悪化懸念やドイツとフランスの政局混迷を受けて、0.50%の大幅利下げの可能性も警戒されている。
ビルロワドガロー仏中銀総裁は0.50%の利下げを排除しない姿勢を示し、カザークス・ラトビア中銀総裁も「0.50%利下げの問題は間違いなく議論されるだろう」と述べている。
フランスの政局混迷に関しては、極右政党・国民連合(RN)の事実上の代表を務めるルペン氏が、マクロン仏大統領の辞任を求める意向はない、と述べ、予算案への条件付きの支持を表明していることで、後任首相と新予算案の成立を待つ段階となっている。
また、引き続きウクライナ情勢や中東情勢の地政学リスクの深刻化には警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0636ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:160.92円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0461ドル(12/2安値)
・ユーロ円:158.26円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=150.93円(前営業日NY終値比▲0.28円)
ユーロ円:1ユーロ=159.41円(▲0.16円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0562ドル(△0.0008ドル)
日経平均株価:39367.58円(前営業日比△207.08円)
東証株価指数(TOPIX):2741.41(△6.85)
債券先物12月物:143.08円(▲0.18円)
新発10年物国債利回り:1.060%(△0.025%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38400%(△0.00100%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月マネーストックM2
前年同月比 1.2% 1.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。本日は5・10日(ゴトー日)とあって東京仲値にかけて買いが強まり、昨日高値の151.35円を上抜けて151.55円まで値を上げた。ただ、一巡後は上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮めるにつれて上値が重くなった。時間外の米10年債利回りが低下したことも嫌気され、一時150.90円まで下押しした。
・ユーロドルは下値が堅い。午前に1.0545ドルまで小幅に下げたが、その後はドル円の伸び悩みや米長期金利の低下を支えに反発。一時1.0568ドルまで持ち直した。
なお、豪ドルは弱含み。豪準備銀行(RBA)の政策金利発表を前に売りが先行。声明文で「インフレの上振れリスクは緩和。消費者物価指数は持続的に目標に戻ると確信」とハト派的な見解が示されると対ドルで0.6380米ドル、対円で96.46円まで値を下げた。
・ユーロ円は方向感がない。ドル円の上値が重かった一方で、ユーロドルが底堅く推移したため159円台半ばから後半で上下する程度で、大きな方向感は出なかった。
・日経平均株価は続伸。外国為替市場での円安を受けて自動車関連株に買いが入った。中国の金融スタンス変更に伴う景気回復期待も支えとなった。一方、日立など主力株の一角には利益確定売りが出るなど、指数は伸び悩む場面も見られた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが先行。中国経済への悲観的な見方が後退していることも安全資産とされる債券相場の重しになった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国共産党・最高指導部による方針転換の行方とその影響
新たなバブルの号砲となるか、それとも実弾なき空砲に留まるか、慎重な見極めが必要に
このところの中国経済は、不動産不況に加え、雇用回復の遅れを理由に内需は力強さを欠く推移が続く。当局は景気下支えに向けて五月雨式に政策転換を図る方針を示すも、具体的な需要喚起に繋がる方策はなかった。結果、中国本土株は一時的に底入れの動きを強めるも、早くも息切れが意識されてきた。この背景には、世界金融危機後に実施した巨額の財政出動が3つの過剰を招き、その対応に苦慮してきたことがある。また、習近平指導部の下では共同富裕をはじめとする中国式現代化の実現が目標とされ、欧米などと異なる手法を取ることが目的化した可能性がある。よって、金融市場は度々失望に直面したとみられる。
こうしたなか、9日に開催された党中央政治局会議で来年の経済政策運営を巡って、より積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策に動く方針が討議されるなど、政策転換に動く方針が明らかにされた。なかでも金融政策の変更は世界金融危機直後以来であり、一段の金融緩和に動く可能性が高まっている。その上で、内需喚起に動く方針を示している。こうした積極姿勢を示す背景には、欧米などとの貿易摩擦の激化が避けられなくなっていることが影響している可能性がある。他方、内需喚起には雇用改善が必要だが、足下の中国は中所得国入りするなかで「雇用なき生産拡大」が確認されるなか、財政・金融政策に依存した対応は新たなバブルを招く懸念があり、習近平指導部が掲げる共同富裕と真逆を向く可能性もある。よって、今後示される具体的な政策の内容をきちんと見極める必要があることに留意する必要がある。
大阪12月限
日経225先物 39400 +190 (+0.48%)
TOPIX先物 2741.0 +3.0 (+0.10%)
日経225先物(12月限)は前日比190円高の3万9400円で取引を終了。寄り付きは3万9300円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9320円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には3万9480円まで買われたが、上値の重さが意識されるなか前場中盤にかけて軟化し、一時3万9170円と下落に転じる場面もみられた。ただし下へのバイアスは強まらず、ランチタイムで3万9200円辺りでの底固めを経て、後場中盤には再び3万9400円台を回復。終盤にかけては3万9300円~3万9400円辺りでの推移となった。
日経225先物は、朝方に3万9480円まで買われたが、節目の3万9500円に接近する場面においては、引き続き上値の重さが意識された。短期筋のロング解消のほか、ショートが入りやすい状況だった。一方で、3万9000円に接近する場面では押し目待ち狙いのロングが入り、ショートカバーに向かわせたようだ。前日と同様の値動きであり、週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えるなか、スキャルピング中心のトレードの影響であろう。
3万9000円~3万9500円でのレンジであるが、後場はボリンジャーバンドの+1σ(3万9330円)水準を上回っての推移が目立った。小動きながらもやや下値を切り上げるトレンドを形成しているため、レンジ上限を捉えてくる可能性はあるだろう。
来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを継続するとの観測が強まっているなか、政策判断を決定づける米消費者物価指数(CPI)の発表を11日に控えており、明日も結果を見極めたいとしてトレンドは出にくい。ただし、全体のポジションとしては積極的にロングを積み上げているとは考えにくく、ややショートに傾いているとみられる。CPIの結果判明を前にポジションをニュートラルに近づける動きが意識されてくるようだと、3万9500円から+2σ(3万9800円)水準が射程に入ってきそうだ。
また、明日辺りからは限月交代に伴うロールオーバーが中心になるだろう。仕掛け的な売買は限られるものの、現在のレンジから放れてくるようだと、ヘッジ対応の動きが加わることで、さらに大きく振れやすくなる状況である。
NT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。前場の時点では14.33倍を付けた後に一時14.28倍まで低下したが、同水準に位置する25日移動平均線が支持線として機能していた。後場に入りアドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が出直り基調を強めたことで、相対的に日経平均型優位になった。リバランスの流れとなれば10月半ばからの低下に対する反転が意識されやすく、目先的にはNTロングに振れやすいだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はソシエテジェネラル証券が1万9413枚、みずほ証券が1万9025枚、ABNクリアリン証券が1万6876枚、野村証券が1万2644枚、HSBC証券が1万2027枚、バークレイズ証券が7091枚、モルガンMUFG証券が6937枚、JPモルガン証券が6762枚、SMBC日興証券が4796枚、日産証券が3230枚だった。
TOPIX先物は、みずほ証券が4万7666枚、ソシエテジェネラル証券が4万5405枚、JPモルガン証券が2万7630枚、野村証券が2万4258枚、ABNクリアリン証券が2万1638枚、ゴールドマン証券が2万1134枚、モルガンMUFG証券が1万7411枚、ビーオブエー証券が1万5746枚、バークレイズ証券が1万5118枚、BNPバリパ証券が1万4010枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、明日に11月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えているほか、手掛かりとなりそうな材料にも乏しいことから、株価や米長期金利をながめながら方向感を模索する展開となるか。
経済指標は、7-9月期米非農業部門労働生産性・改定値が予定されている程度。米雇用統計を消化した直後ということもあり、速報値(前期比:+2.2%)から大きく乖離しないと材料視されづらいかもしれない。また、翌週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にブラックアウト期間に入っていることもあり、米要人発言も予定されていない。これらを踏まえると、株価や米長期金利に動きが見られなければ、積極的な売買が手控えられて様子見ムードが漂う展開も想定される。
ただし、材料難のなかだけに、日銀会合やFOMCについての観測報道が伝わると市場が過剰に反応することも考えられる。各種報道には注意したい。そのほかNY午後には3年債入札も予定されており、入札結果を受けた米長期金利の動向もまた、注意が必要だろう。
想定レンジ上限
・ドル円は200日移動平均線151.99円。超えると日足・一目均衡表の基準線152.70円
想定レンジ下限
・ドル円は本日安値151.15円。割り込むと日足・一目均衡表の雲上限150.52円
今晩はもみ合いか。昨日は水曜日発表の米11月消費者物価指数(CPI)などを控えた様子見姿勢が強まる中、エヌビディアなどの下落も重しとなり主要3指数がそろって下落した。ダウ平均が240.59ドル安(-0.54%)と3営業日続落し、S&P500も0.61%安と反落した。一時小幅に上昇し、6営業日連続で取引時間中の最高値を更新したが、0.62%安と反落して終了した。引け後の動きでは、決算が予想を下回ったオラクルが時間外で7%超下落した。
今晩は決算が予想を下回ったオラクルの下落が予想され、ハイテク株を中心に上値の重い展開が予想されるほか、翌日の米11月消費者物価指数(CPI)や木曜日の米11月生産者物価指数(PPI)の発表を控えた様子見姿勢も継続か。12月米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げ見通しが強まっているものの、CPIやPPIが強い結果となれば利下げ見送りの可能性もあり、物価指標待ちの展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは11月NFIB中小企業楽観度指数など。企業決算は寄り前にオートゾーンが発表予定。
日経平均株価は続伸。買い先行ながらも直近高値水準を前に失速し、一時は5日移動平均線(39258円 12/10)を下回る場面もあった。一方、後場は持ち直す動きとなり、寄り付き付近を意識して終了。5日続けての陰線となったが、十字足に近い形状で終えた。
RSI(9日)は前日の66.1%→79.0%(12/10)に上昇。あす以降の上昇のハードルは高くなるが、反発継続に期待したい局面である。
前日から大きな変化はない。先週は25日移動平均線(38817円 同)に加え、11/25につけた終値ベースの戻り高値(38780円)を超えた。連続陰線で上値は重いが、超えた後の値固めの局面とみられ、値固めの後は上値が拡大する可能性が高い。10/15高値(40257円)と11月前半の高値水準をつないで延長した上値抵抗線を超えられるかが、4万円回復へのステップアップの条件となる。
上値メドは、12/5高値(39632円)、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.117%、応札倍率(カバー)が2.58倍となった。
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.11円(10日15時時点比△1.18円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.86円(△0.45円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0509ドル(▲0.0053ドル)
FTSE100種総合株価指数:8280.36(前営業日比▲71.72)
ドイツ株式指数(DAX):20329.16(▲16.80)
10年物英国債利回り:4.323%(△0.053%)
10年物独国債利回り:2.122%(△0.001%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.3% 0.6%
(前年比) 2.4% 2.6%
11月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) ▲0.2% ▲0.2%
(前年同月比) 2.2% 2.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.24%台まで上昇したことなどを手掛かりに全般ドル買いが先行。本日のNYオプションカット(日本時間24時)前後から対ユーロ中心にドル買いが強まった影響も受けて、1時過ぎには152.18円と11月27日以来の高値を付けた。市場では「一目均衡表雲の上限150.52円や転換線150.30円を上抜けたことで、テクニカル的な買いが入りやすい面もあった」との声が聞かれた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.64まで上昇した。
・ユーロドルは軟調。明日11日の11月米消費者物価指数(CPI)や12日の11月米卸売物価指数(PPI)など、米物価指標の発表を控える中、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出た。NYオプションカット前後にユーロ売り・ドル買いのフローが観測されると一時1.0499ドルと日通し安値を更新した。「欧州経済の不透明感などを背景に欧州中央銀行(ECB)が来年にかけて利下げを続ける」との観測もユーロの重しとなったようだ。
・ユーロ円は159円台半ばから後半でのもみ合いが続いた。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は反落。前日の米国株や本日の香港株の下落を受けて投資家心理が悪化すると売りが優勢となった。中東情勢の不透明感も相場の重し。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら続落。前日の米国株や本日の香港株の下落を受けて投資家心理が悪化すると売りが先行したものの、そのあとは新規材料難から徐々に値動きが細った。個別ではシーメンス・エナジー(4.36%安)やバイヤスドルフ(1.40%安)、ラインメタル(1.24%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落した。米債安につれた。
10日の日経平均は続伸。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり702/値下がり874。日経平均は3桁の上昇となったが、プライムでは値下がり銘柄の方が多かった。東京エレクトロンやディスコなど半導体株の一角が大幅上昇。ソニーGが商いを伴って4%台の上昇となった。中国の景気対策期待が高まり、安川電機、ファナック、資生堂などが関連銘柄として物色された。業務提携に関するリリースが好感された新都HDが急伸。決算を材料にアールプランナーや学情が値を飛ばした。
一方、三菱重工やIHIなど防衛関連が軟調。日立や任天堂などグロース株の一角が売りに押された。米長期金利は上昇したが、三菱UFJ、東京海上、第一生命など金融株は弱かった。公募・売り出しを発表した幸楽苑が15.7%安と暴落。ワークマン、しまむら、ウェルシア、ノジマなど、小売株が全般軟調となった。
日経平均は続伸。前場は失速感が強かったが、後場は落ち着いた動きが続いた。現状では39000円~39500円レベルが居心地の良い水準に見える。米国ではあす11日に11月の消費者物価指数(CPI)が発表される。先週の米11月雇用統計が強くも弱くもない結果となったことで、FRBは前回に続いて12月FOMCでも利下げを実施するとの期待が高まってはいる。ただ、CPIがすこぶる強い結果となった場合には、市場が12月の利下げ見送りを強く意識する可能性はある。米CPIの発表を前に、あすの日本株は様子見ムードが強まるだろう。CPIを無難に消化できれば米国主導で上を試す展開も期待できるだけに、材料待ちの中でも水準を切り上げることができるかに注目したい。
10日12:33 オーストラリア準備銀行(RBA)声明
「基調的なインフレ率は依然として高すぎる」
「基調的なインフレ率は約3.5%で、インフレ目標の中間値2.5%からはまだ遠い」
「インフレ率が目標の中間値に持続的に回復するのは2026年まで見込まれていない」
「理事会はインフレ圧力が最近の予測に沿って低下していることにある程度自信を深めているがリスクは残っている」
「合理的な時間枠内でインフレを持続的に目標に戻すことが引き続き理事会の最優先事項」
「理事会はインフレ率が目標に向かって持続的に動いているとある程度確信を持っている」
「理事会は引き続きデータとリスク評価の進展に基づいて決定を下す」
「理事会はインフレ率を目標に戻す決意を固めており、達成するために必要なことを行う」
10日13:40 ブロックRBA総裁
「声明文の文言の変更は意図的」
「インフレ上昇リスクは緩和しているが、消え去ったわけではない」
「最近のデータは強弱まちまち」
「政策については慎重に考える必要」
「基調インフレについてさらなる進展必要」
「インフレについてやや自信強まった」
「理事会は経済がほぼ予測通りと認識」
「金利引き下げについては議論せず」
「利上げも議論せず」
「2月に金利を引き下げるかどうかは分からない」
「政策変更に必ずしも2四半期のインフレ確認要せず」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10-12月期法人企業景気予測調査
○08:50 ◇ 11月企業物価指数(予想:前月比0.2%/前年比3.4%)
<海外>
○06:45 ◇ 7-9月期ニュージーランド(NZ)製造業売上高
○17:00 ◎ 11月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比3.1%)
○20:00 ◇ 10月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比4.0%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ☆ 11月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.7%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.3%)
○23:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:3.25%に引き下げ)
○12日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○12日01:00 ◎ 11月ロシアCPI(予想:前月比1.3%)
○12日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○12日04:00 ◎ 11月米月次財政収支(予想:3530億ドルの赤字)
○12日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:12.00%に引き上げ)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.95円(前営業日比△0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.97円(△0.40円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0527ドル(▲0.0027ドル)
ダウ工業株30種平均:44247.83ドル(▲154.10ドル)
ナスダック総合株価指数:19687.24(▲49.45)
10年物米国債利回り:4.23%(△0.03%)
WTI原油先物1月限:1バレル=68.59ドル(△0.22ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2704.7ドル(△18.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期米非農業部門労働生産性改定値
(前期比) 2.2% 2.2%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。明日11日の11月米消費者物価指数(CPI)や12日の11月米卸売物価指数(PPI)など米物価指標の発表を控える中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.24%台まで上昇すると全般ドル買いが先行した。本日のNYオプションカット(日本時間24時)前後から対ユーロ中心にドル買いが強まった影響も受けて、1時過ぎには152.18円と11月27日以来の高値を付けた。市場では「一目均衡表雲の上限150.52円や転換線150.30円を上抜けたことで、テクニカル的な買いが入りやすかった」との声も聞かれた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.64まで上昇した。
・ユーロドルは3日続落。米長期金利の上昇に伴うドル買いが入ったほか、欧州中央銀行(ECB)の利下げ継続観測がユーロの重しとなった。NYオプションカット前後にユーロ売り・ドル買いのフローが観測されると一時1.0499ドルと日通し安値を更新した。市場では「欧州経済の不透明感などを背景にECBが来年にかけて利下げを続けるとの観測は根強い」との指摘があった。
・ユーロ円は続伸。ただ、NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。明日11日の11月米CPIや12日の11月米PPIなど、米物価指標の発表を前に持ち高調整目的の売りがやや優勢となった。個別ではエヌビディアやキャタピラー、メルクなどの下げが目立った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。明日11日の11月米CPIや10年債入札など、重要イベントを前に持ち高調整目的の売りが出た。
・原油先物相場は続伸。中国の景気浮揚期待で石油需要が高まるとの予想が下値を支えたが、ドル高が進んだことを受け、ドルで取引される原油先物は割高感となることで上値も抑えられた。
・金先物相場は3日続伸。引き続きシリアをはじめとした中東情勢への懸念や、週末発表された中国人民銀行による金購入再開の発表以来の流れが続き3日続伸して引けた。明日はカナダ銀行(中銀)の利下げが予想されるなど、12月の最後の政策決定会合で多くの国が利下げに傾くとの思惑も、金利のつかない金先物の買い支えになった。
10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.24%台まで上昇したことで152.18円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の上昇に伴うドル買いや欧州中央銀行(ECB)の利下げ継続観測などから1.0499ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、11月の輸入物価指数を受けた18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ確率の変化を見極める展開が予想される。
昨日のドル円は、18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率が20%台半ばに留まっていることなどで、中長期的な攻防の分岐点である200日移動平均線を上抜けて、一時152.18円まで上昇した。本日も、200日移動平均線(152.01円)を念頭に置きながら相場に臨むことになる。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は86%程度に高止まりしており、利下げは既定路線となっている。
今夜発表される米11月の消費者物価指数(CPI)の伸び率が予想以上に上昇していた場合、利下げ確率が低下して、ドルの買い要因となるため要警戒か。
一方で翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率は、12月初めに60%台後半まで上昇していたが、現状は20%台半ばまで低下してきており、ドル円の買い戻しに繋がっている。
11月30日に報じられた日本経済新聞電子版の植田和男日銀総裁のインタビューでは、総裁は追加利上げの時期について「データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいている」との認識を示していた。
また、12月5日のハト派の中村日銀審議委員の講演でも、オントラックに言及があり、利上げの是非を判断する情報として、毎月勤労統計調査、GDPの2次速報(※上方修正)、12月調査の日銀短観(※13日発表)などのデータを確認したい、と述べていた。
10月の実質賃金は前年同月と同水準だった。今年6月に27カ月ぶりにプラスに転じた後、8月と9月は、2カ月連続でマイナスとなっていた。
7-9月期の実質国内総生産(GDP)は上方修正(前期比+0.3%、年率換算+1.2%)されていた。
本日発表される11月の輸入物価指数が、10月の速報値(前月比+3.0%、前年比-2.2%)から上昇していれば、植田日銀総裁が注視する円安による「第1の力」への警戒感が高まることになる。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39310 -90 (-0.22%)
TOPIX先物 2740.5 -0.5 (-0.01%)
シカゴ日経平均先物 39320 -80
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
10日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)が17~18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを継続するとの観測が根強いなか、FRBが金融政策を決定する上で重視する米消費者物価指数(CPI)の発表を11日に控え、結果を見極めたいとして積極的な売買は手控えられた。NYダウの下げ幅は一時200ドルを超える場面もみられたが、直近の下げでショートも積み上がっていたとみられ、持ち高調整に伴うショートカバーが入り底堅さは意識された。また、量子コンピューターに使う新型のチップを開発したと発表したアルファベット<GOOG>が5%を超す大幅高となり、投資家のセンチメントを下支えした。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディア<NVDA>、キャタピラー<CAT>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ホームデポ<HD>、ゴールドマンサックス<GS>が下落。半面、ボーイング<BA>、アメックス<AXP>、ハネウェル・インターナショナル<HON>が買われた。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比80円安の3万9320円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万9400円で始まり、直後に3万9280円まで売られた。売り一巡後はロング優勢となり、3万9400円~3万9480円辺りのレンジで推移。節目の3万9500円を意識した値動きで、中盤には一時3万9510円をつける場面もみられた。ただし、同水準をキープできず、終盤にかけてはロング解消が優勢となって下げに転じ、3万9310円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることが見込まれる。ナイトセッションでは開始直後に3万9280円まで売られたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9290円)水準での底堅さがみられた。その後のリバウンドで節目の3万9500円を捉える場面もみられたが、戻り待ち狙いのショートに抑えられた格好だろう。米国ではエヌビディアのほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やクアルコム<QCOM>など半導体株の下げが目立っていたこともあり、積極的なロングは限られた。
米国同様、CPIの結果待ちとなるなかで手掛けづらい展開になりそうだ。ただし、ショートも仕掛けづらくさせるため、+1σ水準での押し目狙いのロング対応に向かわせよう。また、3万9500円突破は期待しづらいところではあるが、足もとでは3万9300円辺りを中心とした値動きにより煮詰まり感も台頭している。CPIの発表を前に、持ち高をニュートラルに近づける形でのショートカバーも意識されそうである。
為替市場では円相場が1ドル=152円台をつける場面もみられており、同水準に位置する200日移動平均線を捉えてきた。リバランスの動きから円安に振れやすくなる可能性もある。為替睨みとなる中でショートカバーを誘う展開も想定しておきたいところだろう。
週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控え、限月交代に伴うロールオーバーが中心になる。仕掛け的な売買は限られるだろうが、現在のレンジから放れてくるようだと、ヘッジ対応の動きが入りやすく、大きく振れる場面もありそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万9250円から3万9500円のレンジを想定しつつ、3万9000円から+2σ(3万9780円)辺りのレンジも意識しておきたい。
9日の米VIX指数は14.18(6日は14.19)に低下した。一時14.54まで上昇する場面もみられたが、下向きで推移する25日線(14.66)が抵抗線として意識された形である。ボトム圏での推移ではあるが、CPIの結果を受けて同線を突破してくると、やや神経質にさせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.28倍まで低下したが、同水準に位置する25日線(14.29倍)、200日線(14.27倍)が支持線として機能していた。後場に入りアドバンテスト <6857.T> [東証P]など値がさハイテク株が出直り基調を強めたことで、相対的に日経平均型優位になった。本日は米ハイテク株安の流れからNT倍率は低下が見込まれるが、リバランスの流れとしては支持線水準まで低下してくると、NTロングに向かわせそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比250円安の3万9150円(-0.63%)前後で推移。寄り付きは3万9290円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9320円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。寄り付き後にロングの動きが強まり、一時3万9410円まで買われ、プラス圏を回復する場面もみられた。ただし、買い一巡後は軟化し、3万9270円~3万9350円辺りでの保ち合いを継続。底堅さがみられていたが、終盤にかけてレンジを割り込むと、一時3万9140円まで下落幅を広げた。
日経225先物は、朝方に.3万9410円まで買われたが、ロングの勢いは限られた。その後はボリンジャーバンドの+1σ(3万9280円)処での底堅さがみられていたものの、同水準を下回ってきたことで、ロング解消のほか短期的なショートを誘う形になったようである。もっとも、3万9000円に接近する局面においては押し目待ち狙いのロングが入りやすいと考えられ、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。+1σ水準を回復してくるようだと、ショートカバーを誘う展開になりそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.31倍に低下した。一時14.35倍を付けたが、75日移動平均線(14.32倍)をキープできなかった。ただし、下値は25日線(14.28倍)、200日線(14.27倍)が支持線として機能しているため、NTショートを仕掛けてくる動きは限られよう。
昨日の海外市場では、ドル円は前日同様に欧州時間から米長期金利が上昇。つれるかたちで上値を試す展開となりました。一時151.83円まで値を上げた後、151.53円まで下押す場面もみられましたが、下押しも極めて限定的に終わると再び上値を試す動きに。一時152.18円まで値を上げています。アジア時間に入ってからは、ポジション調整から151.69円まで下押ししたものの、全般、今夜の米CPI待ちの様子見となるなか、151.80円を挟んだもみ合いが続いているといったところです。
いずれにしても、ドル円は昨日もお伝えした通り、先週3日の韓国でのクーデターもどきのテールリスクに過剰反応したHF勢のショートカバーがメイン。市場では、来週のFOMCで0.25%利下げを織り込む動きとなってきていますが、ただ、今夜の米CPIが予想を上回る数字となった場合のリスクを考えた場合、つまり、利下げスキップの可能性が再び高まるリスクを考えた場合のヘッジとしては、当然の買い戻しといったところ。チャート上では、一目雲や一目転換線でかなりしっかりとサポートされるなか、200日MAといったビッグポイントが意識される展開となっています。
昨日も、日本生命が米生保を1兆2000億円で買収検討とのニュースも飛び込んできていますが、需給のタイト感は益々強まるばかり。米金利は勿論ですが、こういた実需の動向もまた、市場センチメントを動かす要因となっています。
12月18-19日に開催される日銀金融政策決定会合に向けて、日銀と市場とのコミュニケーションが続いている。
翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率は、12月初めに60%台後半まで上昇していたが、12月10日の時点では20%台まで低下している。
1.植田日銀総裁(11月30日):タカ派
「利上げのタイミングについては、経済データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいているといえる」
「インフレ率が2%を超え始めている時に一段の円安になればリスクが大きいため、場合によっては対応しないといけなくなる」
【利上げ先送り示唆】
「当面、米国の政策でどういうものが出てくるか確認したい」
「25年の春闘の賃上げの勢いを確認したい」
※利上げ確率:66%
※ドル円:149.08円まで円高に推移
2.日銀関係者(12月4日):ハト派
「日銀内部では円安などによる消費者物価上昇の大きなリスクがない限り、早期の利上げは避けるべきだとの見方が強まっている」
※利上げ確率:37%
※ドル円:151.23円まで円安に推移
3.中村日銀審議委員(12月5日):タカ派
「今後の金融政策については、慎重に調節していくことが重要な局面だ」
「利上げに反対しているわけではない」
「利上げに慎重な『ハト派』といわれているようだが、決してそういうつもりはない」
「経済の回復の状況に応じて金融政策を変えていくべきで、公表されたデータやヒアリング情報にもとづいて判断していくべきであると考えている。年内の利上げについてはこれからたくさんのデータが出てくるし、短観もこれから出てくるのでよく見て判断をしたいと考えている」
※ドル円:149.66円まで円高に推移
4.インフレ指標
■10月全国消費者物価指数(CPI):前年同月比+2.3%
■11月東京都区部消費者物価指数(CPI):前年同月比+2.2%
■10月実質賃金:前年同月比横ばい
■11月輸入物価指数:前月比+1.5%、前年比-1.2%
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、今夜の米11月消費者物価指数(CPI)や明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて動きづらい展開の中、「48時間以内に指名」と報じられた次期フランス首相の人選に注目する展開が予想される。
マクロン仏大統領は昨日、議会によって直ちには倒されない穏健派連合による内閣を組織できる新首相を選ぼうと、極右と極左を除く大半の主要政党と会談した。そして、48時間以内に次期首相を指名する予定、と報じられており、新内閣を率いる首相人事に要注目となる。
極右政党・国民連合(RN)の事実上の代表を務めるルペン氏は、予算案への条件付きの支持を表明していることで、後任首相と新予算案の成立を待つ段階となっている。
しかし、昨日公表された国際決済銀行(BIS)の四半期報告書では、フランスの財政赤字を巡る政局の混乱を「財政懸念の再燃」の要因として挙げており、25年の仏予算案による仏国債格下げへの警戒感も高まっているため、フランスの政治・財政がユーロの上値を抑える構図が続くことになる。
明日のECB理事会では、0.25%の追加利下げが予想されているが、来年からのトランプ関税によるユーロ圏の景況感悪化懸念やドイツとフランスの政局混迷を受けて、0.50%の大幅利下げの可能性も警戒されており、ユーロ売り要因となっている。
ビルロワドガロー仏中銀総裁は0.50%の利下げを排除しない姿勢を示し、カザークス・ラトビア中銀総裁も、「0.50%利下げの問題は間違いなく議論されるだろう」と述べている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0636ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:160.92円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0461ドル(12/2安値)
・ユーロ円:158.13円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=151.75円(前営業日NY終値比▲0.20円)
ユーロ円:1ユーロ=159.70円(▲0.27円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0524ドル(▲0.0003ドル)
日経平均株価:39372.23円(前営業日比△4.65円)
東証株価指数(TOPIX):2749.31(△7.90)
債券先物12月物:142.97円(▲0.11円)
新発10年物国債利回り:1.065%(△0.005)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38400%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10-12月期法人企業景気予測調査
大企業業況判断指数(BSI、全産業)
5.7 5.1
大企業業況判断指数(BSI、製造業)
6.3 4.5
11月企業物価指数
前月比 0.3% 0.3%・改
前年同月比 3.7% 3.6%・改
(各市場の動き)
・ドル円は下げ渋り。昨日まで2日連続で上伸したことで調整のドル売り・円買いが入りやすい中、日経平均の軟調推移が重しとなり151.42円まで下落。もっとも、その後は時間外の米10年債利回りが4.23%台まで上昇したほか、日経平均が下げ幅を縮小したこともあり、151.70円台までやや値を戻した。
・ユーロ円も下げ渋り。本邦株安が重しとなる中で全般的に円買いが優勢となると159.44円まで下落したが、下げ一巡後はドル円に連れて159.70円台までやや値を戻した。
・ユーロドルは上値が重い。ドル円でのドル売りに影響されて1.0539ドルまで値を上げるも、日足・一目均衡表の転換線1.0846ドルが目先の抵抗として意識されると、米長期金利が上昇したこともあり、1.0521ドルまで失速した。
・日経平均株価は小幅ながら3日続伸。前日の米株安の影響を受けて上値重く推移すると、下げ幅は一時250円超に達した。ただ、後場に入り下げ幅を縮小する動きとなると、引けにかけてプラス圏を回復して取引を終えた。
・債券先物相場は続落。前日に米国債が下落した影響を受け、国内債も売りが波及。もっとも、今晩の11月米消費者物価指数(CPI)を見極めたいとのムードも根強く、下押しも限られた。
大阪12月限
日経225先物 39410 +10 (+0.02%)
TOPIX先物 2752.0 +11.0 (+0.40%)
日経225先物(12月限)は前日比10円高の3万9410円で取引を終了。寄り付きは3万9290円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9320円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。寄り付き後にロングの動きが強まり、一時3万9410円まで買われ、プラス圏を回復する場面もみられた。
ただし、買い一巡後は軟化し、3万9270円~3万9350円辺りで保ち合いを継続。前場終盤にかけてレンジを割り込むと、3万9140円まで下落幅を広げた。もっとも、下へのバイアスは強まらず、ランチタイムで下落幅を縮めると、後場中盤辺りからはショートカバーとみられる動きが入り、終盤にかけて3万9410円と朝方に付けた高値水準を回復した。
日経225先物は、朝方に.3万9410円まで買われた後は前場終盤にかけて3万9140円まで売られたが、後場はこの修正リバウンドとなった。先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を週末に控えて、基本的な売買は限月交代に伴うロールオーバーが中心になっている。ロール以外はスキャルピングによる短期的なトレードでポジションを持ち越さないため、後場は修正の動きに向かいやすいようだ。特に米国の消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、オーバーナイトのポジションは避けたのだろう。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9300円)を挟んだ3万9000円から3万9500円辺りのレンジを継続している。CPIの結果を受けて大きく振れる可能性はあるものの、スタンスとしては3万9000円接近では押し目待ち狙いのロング対応とし、上値は3万9500円で戻り待ちのショート。3万9500円を明確に上回ってくるようなら、+2σ(3万9790円)辺りをターゲットとしたトレンドを想定しておきたい。
CPI通過後も来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)通過まではポジションを傾けづらいだろうが、週末のメジャーSQ通過で需給が軽くなるため、FOMC通過後の年末高を期待した動きに向かいやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.32倍に低下した。一時14.36倍を付けたが、75日移動平均線(14.32倍)をキープできなかった。ただし、下値は25日線(14.28倍)、200日線(14.27倍)が支持線として機能しているため、NTショートを仕掛けてくる動きは限られた。週間形状では52週線(14.27倍)、26週線(14.25倍)がサポートとなるなか、NTロングに転換する可能性も想定しておきたい。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万0926枚、ソシエテジェネラル証券が1万0728枚、野村証券が9428枚、バークレイズ証券が6724枚、HSBC証券が6082枚、JPモルガン証券が5271枚、ゴールドマン証券が4444枚、みずほ証券が4041枚、モルガンMUFG証券が3719枚、サスケハナ・ホンコン証券が2176枚だった。
TOPIX先物は、ソシエテジェネラル証券が2万1143枚、野村証券が1万6754枚、ABNクリアリン証券が1万5006枚、ゴールドマン証券が1万3785枚、JPモルガン証券が1万3631枚、みずほ証券が1万1510枚、ビーオブエー証券が8226枚、モルガンMUFG証券が6298枚、バークレイズ証券が5566枚、BNPパリバ証券が5406枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、11月米消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。市場予想は前月比+0.3%/前年比+2.7%とそれぞれ前月から0.1%ずつ上昇、一方コアは前回から横ばいの前月比+0.3%/前年比+3.3%が見込まれている。
先週末は、11月米雇用統計が予想より強い結果となったものの、市場では来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げ観測を後退させるほどではないとの見方が広がり、米長期金利が低下するとともにドル売りで反応した。本日のCPIもよほど強い結果とならない限り、0.25%利下げ観測を後退させるのは容易ではなさそうだ。前回同様、発表を受けた米長期金利の動きを確認しつつ、方向感を探ることになろう。
なおNY時間午後には、米10年債入札が予定されている。入札結果を付けた米長期金利の動向もまた、注意が必要だろう。
他方、カナダではカナダ中銀(BOC)が政策金利を発表予定。一部で利下げ幅が0.25%に留まるのとの見方もあるが、0.50%予想が多い。2会合連続で0.50%の大幅利下げとなるか注目される。直近の主な経済指標は、10月CPIは前年比で伸びが加速した一方、7-9月期国内総生産(GDP)はBOCの予想を下回る弱い結果となるなど、強弱が入り混じる結果に。見方が分かれる中、発表直後は神経質な展開となりそうだ。
BOC声明では今後のインフレや景気、金利への見通しに言及があるか注目したい。BOCは今年に入り既に1.25%の利下げを行っており、前回の理事会直後の10月29日にはマックレム総裁が「年初来で4回実施した利下げの効果が出始めており、今後数カ月で一段の証拠が確認される」との見通しを示した。利下げ効果をについてどのような見解を示すか気になるところだ。
そのほか、欧州市場では日銀観測報道を受けて円相場が神経質に上下する場面が見られた。翌週17-18日の日銀会合に向けて思惑が交錯するなか、引き続き関連報道には注意が必要だろう。
想定レンジ上限
・ドル円はピボット・ターニングポイント153.73円
・カナダドル円は日足一目均衡表・基準線108.66円
想定レンジ下限
・ドル円は日足一目均衡表・雲の上限151.03円。
・カナダドル円は日足一目均衡表・転換線106.97円。
今晩は11月CPIに注目。昨日は翌日の米11月消費者物価指数(CPI)の発表を控えた様子見が強まり主要3指数がそろって下落した。決算が嫌気されたオラクルが6%超下落したことや、中国当局の独占禁止法違反での調査が嫌気されたエヌビディアが2%超続落したことも相場の重しとなった。ダウ平均は154.1ドル安(-0.35%)と4日続落し、S&P500も0.30%安と2日続落した。ナスダック総合は朝方に7営業日連続で取引時間中の史上最高値を更新したが、0.25%安と2日続落して終了した。
今晩は12月17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される米11月消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。12月FOMCでは追加利下げ観測が高まっており、CMEのフェドウォッチ・ツールでは86%の確率で0.25%の利下げが予想されている。FOMCの判断に影響を与えるとみられる11月CPIの市場予想は、前月比+0.3%、前年比+2.7%、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%、前年比+3.3%と、おおむね10月分から横ばいが見込まれている。CPIが予想以上の伸びとなり、インフレの根強さを示す結果となれば、12月利下げ期待の後退が相場の重しとなることが警戒される。
今晩の米経済指標・イベントは11月CPIのほか、MBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫、米10年債入札など。企業決算は引け後にノードソン、アドビが発表予定。
日経平均株価は小幅に3日続伸。前日終値を意識したスタートから下値模索の場面があり、一時は前日安値(39171円)を下回る展開となった。一方、後場は一転して戻りを試す動きが続き、かろうじてプラス圏に浮上して終えた。
RSI(9日)は前日の79.0%→76.7%(12/11)に低下。小幅ながらも6日ぶりの陽線で終えており、反発継続に期待したい局面である。
特段と前日から大きな変化はないが、10/15高値(40257円)と11月前半の高値水準をつないで延長した上値抵抗線を超えられるかが、4万円回復へのステップアップの条件となる。先週の時点で、25日移動平均線(38813円 同)に加え、11/25につけた終値ベースの戻り高値(38780円)を超えており、値固めの後は上値が拡大する可能性が高い。
上値メドは、12/5高値(39632円)、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.235%、応札倍率(カバー)が2.70倍となった。
(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.49円(11日15時時点比△0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.93円(△0.23円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0487ドル(▲0.0037ドル)
FTSE100種総合株価指数:8301.62(前営業日比△21.26)
ドイツ株式指数(DAX):20399.16(△70.00)
10年物英国債利回り:4.317%(▲0.006%)
10年物独国債利回り:2.127%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。18-19日の日銀金融政策決定会合に向けた観測報道で「一部の委員は利上げの提案があれば反対しない見通し」と伝わると、円買い・ドル売りで反応。18時過ぎに一時151.02円と日通し安値を付けた。ただ、そのあとは「日本の物価上昇に加速感がみられないことなどを背景に、日銀は追加利上げを急ぐ状況にはないと認識」との報道が強調され、一転円売り・ドル買いが優勢となった。19時過ぎには152.79円まで値を上げた。
NY市場に入り、注目の11月米消費者物価指数(CPI)の結果が市場予想通りだったことが伝わると売買が交錯した。指標発表直後には一時152.82円と11月27日以来の高値を付けたが、すぐに失速し151.93円付近まで下押しした。もっとも、米長期金利が上昇に転じると再び強含み、152.56円付近まで持ち直している。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率はCPI発表前の86%台から95%近くまで上昇している。
・ユーロドルは頭が重い。米重要指標の発表を前にしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、米CPIの結果が伝わると一時1.0537ドル付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.0539ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速。欧州中央銀行(ECB)の利下げ継続観測などが相場の重しとなり、1時前に一時1.0480ドルと日通し安値を更新した。
なお、明日12日のECB定例理事会では0.25%の利下げ予想が大勢を占めている。
・ユーロ円は18時過ぎに一時158.67円と日通し安値を付けたものの、一部報道をきっかけに日銀が追加利上げを急がない可能性が意識されると持ち直した。22時30分過ぎには160.66円と11月27日以来の高値を付けた。そのあとは159.57円付近まで下押しする場面もあったが、すぐに160円台前半まで持ち直すなど、総じてドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は反発。前日の米国株が下落したことを受けて売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。米物価指標が予想通りの結果となり、本日の米国株が上昇したことなどが相場を下支えした。コンパス・グループやピアソンなど一般消費財サービスが買われたほか、ユニリーバやブリティッシュ・アメリカン・タバコなど生活必需品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。米重要指標の発表を前にしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、引けにかけて強含んだ。米インフレ指標が予想通りの結果となり、本日の米国株が上昇したことなどが相場の支援材料。個別ではシーメンス・エナジー(3.38%高)やボノビア(2.78%高)、ハイデルベルク・マテリアルズ(2.67%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
11日の日経平均は3日続伸。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり823/値下がり750。川崎重工、IHI、三菱重工の防衛大手3社が人気化。全市場の売買代金トップ3を独占し、1位の川崎重工は10.3%高と値を飛ばした。証券会社が投資判断を引き上げたT&DHDが大幅上昇。業績関連のリリースを材料に萩原工業や東建コーポレーションが買いを集めた。前日非公開化観測を受けてストップ高となったトプコンは、会社から決定事項はないとのアナウンスが出てきたものの買いが殺到。連日のストップ高となった。
一方、主力どころでは、サンリオ、ソフトバンクG、第一三共などが軟調。業種では東電HDや関西電力など電力株が軒並み安となった。決算を材料にベステラが大幅安。3Q累計で営業減益となったポールトゥウィンが一時ストップ安となるなど急落した。
日経平均は前場は安値引けとなったが、後場は冷静に押し目買いが入った。前引けの39112円がきょうの安値で39000円は割り込んでおらず、終値(39372円)では5日線(39277円、11日時点)を上回っている。小幅高ではあったが、下値での買い意欲が強いことを確認できた1日。なお、場中に無駄に値幅が出た分、防衛関連など一握りの銘柄のボラティリティは大きくなった。
本日米国で発表される11月の消費者物価指数(CPI)は、強ければ12月FOMCでの利下げ見送りが意識されて、米国株安や米長期金利の上昇を招くと思われる。ただ、その場合でも実際に利下げが見送られるとは限らない。また、仮に利下げが見送られたとしてもあくまでスキップで、打ち止めではない。見送りの場合、米国株の年末一段高に対する期待は後退するが、その次のFOMCでは利下げが濃厚となる。CPIが想定線、もしくは弱い結果であれば、12月FOMCでは順当に利下げが実施されるとの見方が強まり、米国株は上昇すると見込まれる。米国株に関しては、今回のCPIが強かろうと弱かろうと、中期的な上昇トレンドが崩れる可能性は低い。CPIが米国株の上昇を促し、リスク選好ムードが高まる中で日本株も水準を切り上げる展開に期待したい。
一部通信社が関係筋の話として伝えたところによると、中国当局はトランプ関税をにらみ、2025年の人民元安容認を検討しているもよう。
11日23:52 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「理事会は政策金利を0.50%引き下げ、バランスシート正常化政策を継続」
「世界経済は10月時点の想定通りにほぼ進展している」
「米国では、消費が堅調で労働市場が堅調なため、経済は引き続き幅広い分野で力強い状態にある」
「米国のインフレは安定しているが、物価上昇圧力は依然として残っている」
「ユーロ圏では、最近の指標は成長の鈍化を示している」
「中国では、最近の政策措置と堅調な輸出が成長を支えているが、支出は依然として低迷している」
「世界的な金融状況は緩和し、カナダドルは米ドルの幅広い分野での強さに直面して下落している」
「第3四半期の経済成長率は1%で、10月時点の予測をやや下回り、第4四半期も予測より弱い見通し」
「賃金の伸びは緩和の兆しを見せているが、生産性に比べると依然として高い」
「米新政権がカナダから米国への輸出品に新たな関税を課す可能性が不確実性を高め、経済見通しに影を落としている」
「CPIインフレ率は夏以来約2%で推移しており、今後数年間は平均して2%の目標に近づくと予想」
「理事会は6月以降、政策金利を大幅に引き下げてきた。今後は政策金利のさらなる引き下げの必要性を1つずつ判断していく」
「我々の決定は、今後得られる情報とインフレ見通しへの影響の評価に基づいて下される」
「BOCはインフレ率を2%の目標に近づけることで、国民の物価安定を維持することに尽力する」
12日00:47 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「前回の政策金利決定以降のデータはまちまち」
「0.25%と0.50%の利下げの両方について議論した」
「(0.50%利下げの理由)明らかに制限的な領域にある政策はもはや必要ない」
「(0.50%利下げの理由)10月時点の想定と比較してGDP成長見通しが軟調に傾いている」
12日01:02 イエレン米財務長官
「ドルに対抗できる通貨はおそらく存在しない」
「極端なボラティリティでは市場介入が適切となり得るだろう」
「他国が通貨を操作すると米国は強く反応する」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○09:01 ◇ 11月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:19)
○09:30 ◎ 11月豪雇用統計(予想:失業率4.2%/新規雇用者数2.50万人)
○16:00 ◇ 10月トルコ経常収支(予想:13.2億ドルの黒字)
○17:30 ☆ スイス国立銀行(中央銀行、SNB)、政策金利発表(予想:0.75%に引き下げ)
○18:30 ◇ 11月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比0.1%)
○19:30 ◎ 10月インド鉱工業生産(予想:前年同月比3.5%)
○19:30 ◎ 11月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.53%)
○21:00 ◎ 10月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比4.8%)
○21:00 ◇ 10月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲0.2%)
○22:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:3.15%へ引き下げ)
○22:30 ◇ 10月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲5.0%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/187.5万人)
○22:30 ◎ 11月米PPI(予想:前月比0.2%/前年比2.6%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.2%)
○22:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○13日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○メキシコ(グアダルーペの聖母の日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.45円(前営業日比△0.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.01円(△0.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0496ドル(▲0.0031ドル)
ダウ工業株30種平均:44148.56ドル(▲99.27ドル)
ナスダック総合株価指数:20034.89(△347.65)
10年物米国債利回り:4.27%(△0.04%)
WTI原油先物1月限:1バレル=70.29ドル(△1.70ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2756.7ドル(△38.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.3% 0.2%
(前年同月比) 2.7% 2.6%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比) 0.3% 0.3%
(前年同月比) 3.3% 3.3%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。欧州時間に伝わった観測報道をきっかけに日銀が追加利上げを急がない可能性が意識されて、円売り・ドル買いが優勢となった。
注目の11月米CPIは市場予想通りの結果となった。指標発表直後には一時152.82円と11月27日以来の高値を付けたものの、一部ではCPIが上振れすれば17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが見送られる可能性も指摘されていただけにすぐに失速した。23時30分過ぎは151.93円付近まで下押しした。もっとも、米長期金利が結局上昇したため全般ドル買いが優勢になると、152.72円付近まで持ち直している。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では17-18日のFOMCで0.25%の利下げを予想する確率はCPI発表前の86%台から95%近くまで上昇した。
・ユーロドルは4日続落。米CPIの結果が伝わると一時1.0537ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.0539ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。「欧州経済の不透明感などを背景に欧州中央銀行(ECB)が来年にかけて利下げを続ける」との観測も相場の重しとなり、1時前に一時1.0480ドルと日通し安値を更新した。
なお、明日12日のECB定例理事会では0.25%の利下げ予想が大勢を占めている。
・ユーロ円は小幅ながら3日続伸。22時30分過ぎに一時160.66円と11月27日以来の高値を付けたあとは159.57円付近まで下押しする場面もあったが、すぐに160円台前半まで持ち直した。ドル円につれた動きとなった。
・カナダドルは上昇。カナダ銀行(BOC)はこの日、政策金利を現行の3.75%から0.50%引き下げて3.25%にすることを決めたと発表。市場の予想通りとなった。ただ、声明で「今後は、追加利下げの是非について会合ごとに判断していく」と表明し、緩和ペースの減速を示唆するとカナダドル買いが優勢に。米ドルカナダドルは一時1.4120カナダドルまで下落したほか、カナダドル円は107.91円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落。11月米CPIが市場予想通りの結果になると、米利下げ観測が高まりハイテク株中心に買いが広がった。ただ、ディフェンシブ株や景気敏感株の一角が売られると指数は下げに転じた。ユナイテッドヘルス・グループが5.5%超の大幅下落となり、1銘柄でダウ平均を183ドル程度押し下げた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、史上最高値で取引を終えた。11月の米大統領選以降上昇が目立つ電気自動車のテスラが6%近く上昇し、上場来高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。11月米CPIが市場予想通りの結果になると、米利下げ観測が高まり買いが先行。米10年債入札が「好調」と受け止められたことも買いを誘った。ただ、引けにかけては売りが強まり下げに転じた。
・原油先物相場は3日続伸。この日も中国のエネルギー需要回復期待で3日続伸して引けた。なお、米エネルギー省(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫の取り崩し幅が予想を上回ったが、ガソリン在庫は積み増し幅が上回るなどまちまちな結果だった。
・金先物相場は4日続伸。中国人民銀行による金購入再開以来の流れが続き4日続伸。米CPIが市場予想通りの結果になると、17-18日のFOMCでの利下げ予想が高まったことも金利のつかない金価格を支えた。
11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧州時間に報じられた日銀が追加利上げを急がない可能性、との観測報道を受けて152.82円まで上昇した。ユーロドルは「欧州経済の不透明感などを背景に欧州中央銀行(ECB)が来年にかけて利下げを続ける」との見方から1.0480ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、来週18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ見送り報道を受けて上値を探る展開が予想される。
昨日のドル円は、18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率が19%台まで低下したことで152.82円まで上昇した。
昨日は、複数の関係者の話として、「日本銀行は、海外経済の不確実性が強まっている中で、追加利上げを急ぐ状況にはないと認識している」と報じられた。
また、先日、氷見野日銀副総裁が来年1月14日に神奈川県金融経済懇談会に出席し、その後記者会見を行う、と報じられていた。すなわち、来年1月23-24日の日銀金融政策決定会合の前に、氷見野副総裁が日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えることで、7月31日の政策金利0.25%への引き上げという植田ショックの再現を回避する目論見ではないか、との見方が強まっていた。
翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率は、12月初めに66%程度まで上昇していたが、現状は19%台まで低下してきており、1月会合での利上げ確率は50%台に上昇している。
しかし、「今後公表されるデータや為替相場の動向次第では、来週の金融政策決定会合での実施の可能性もある」とも報じられていることで、ドル円の円安動向や明日発表される12月調査の日銀短観、そして日銀筋からの見解に注目していくことになる。
12月5日に講演したハト派の中村日銀審議委員は、オントラック(想定通り)との言及があり、利上げの是非を判断する情報として、毎月勤労統計調査、GDPの2次速報(※上方修正)、12月調査の日銀短観(※13日発表)などのデータを確認したい、と述べていた。
9時30分に発表される11月豪雇用統計の予想は、失業率が4.2%(10月4.1%)、新規雇用者数は前月比+2.50万人(10月+1.59万人)となっている。
10日の豪準備銀行(RBA)理事会では、政策金利4.35%の据え置きが決定されたが、労働市場に関しては、賃金上昇率の低下や労働生産性の伸びの弱さが言及されており、雇用情勢が悪化した場合には警戒しておきたい。
11月のRBA理事会では雇用市場の大幅な悪化を警告し、将来のデータによっては金融緩和が必要になる可能性が示唆されていた。
昨日のドル円は、欧州時間とNY時間でそれぞれに荒い値動きを演出することになりましたが、結局は、重要視されていた200日MAを上抜けてNY市場を終えることになりました。NY時間については、11月米CPIがコアともに全て予想通りの結果。公表直後こそ152.82円まで高値を更新したものの、米長期金利の低下とともに151.93円まで下落。ただ、その後は米金利が一転して上昇するにつれて152.72円まで買戻されることになりました。
市場では「予想を上回った場合には来週の利下げがスキップされるかもしれない」との認識が強かっただけに、反応としては戻り売りとなったわけですが、実際はディスインフレのトレンドが終わった可能性もあるなかでは、米10年債利回りが低下しきれずに4.2750%まで上昇したといったところです。来年にかけては、利下げ幅やペースのかなりの減速から免れられないのは言うまでもありません。
そして、問題となっているのは、欧州時間の日銀金融政策決定会合に対するヘッドライン。植田日銀総裁と市場とのコミュニケーション不足、否、敢えて言うならば、完全なコミュニケーション障害を起因とした、毎会合前に引き起こされる乱高下が再び起きてしまったわけですが、先ず「一部の委員は利上げの提案があれば反対しない見通し」とのヘッドラインを受けて151.02円まで急落したものの、実際の記事の内容はその全く逆方向の観測記事で、「物価上昇に加速感がみられず、日銀は追加利上げを急ぐ状況ではないと認識。円安の物価押上げリスクは相対的に薄れていると判断」しているとのこと。ドル円は一気に152.79円まで買い上げられることになりました。
更に、「トランプ次期米大統領の就任を来年1月に控え、具体的政策と世界経済への影響を含めた不確実性は大きく、1月に利上げを先送りした場合も大きなコストは伴わないとの認識という」との18時30分過ぎの記事が19時過ぎに更新されていて、「1月以降に利上げを先送りした場合」となっているあたり、一部からは「1月も据置かれて、次の展望レポートが公表される4月まで先送りされる可能性もある」との声も出て来ている状況。トランプ政権下での影響を見極めてからの利上げとなるのかもしれず、追加利上げに対する認識が二転三転しています。
いずれにしても、ドル円は、200日MAの位置する152.03円やNY時間の安値151.93円、更には50日MAの151.89円や一目雲上限の151.66円といったサポートレベルを意識しつつ値固めをしているなか、年末にかけては、益々タイト感を強めている需給の動向を見極めていくことになりそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比500円高の3万9910円(+1.26%)前後で推移。寄り付きは3万9860円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0065円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万9830円まで軟化したが、その後はロング優勢の流れのなか、中盤にかけて4万0100円まで買われた。ただし、ナイトセッションで付けた4万0160円を捉えることができず、終盤にかけてはロング解消の動きから上げ幅を縮めた。
日経225先物は、4万0100円まで上昇した後は、利益確定に伴うロング解消の動きとなった。もっとも、ボリンジャーバンドの+2σ(3万9900円)を上回ってきたことで、短期的には過熱感が警戒されやすい水準である。また、11月7日に付けた直近の戻り高値4万0170円に接近するなか、利食いは入りやすいだろう。ただし、買い一巡後に上げ幅を縮めたものの、+2σ水準での底堅さがみられており、ショートカバーが強まりやすく、再びヘッジ対応の動きも入りそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.35倍に上昇した。75日移動平均線(14.32倍)を支持線とした形で始まると、一時14.39倍まで切り上がる場面もみられた。同線を上回っての推移が続くようだと、明日の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)通過後は、NTロングを意識したスタンスに向かわせそうである。
「米国債の投資環境は、国債の供給過剰と、景気刺激策によるインフレという2つの危険に直面している」(国際決済銀行BIS)
1. 2025会計年度(24年10月-25年9月)財政赤字:6242.13億ドル
米財務省は、2025会計年度(24年10月~25年9月)の11月の財政収支が、11月としては過去最高の3667.63億ドルの赤字だったと発表した。2023年11月は3140.12億ドルの赤字だったことで、赤字幅は527.51億ドル増加した。
歳出は14%増の6685.17億ドル、歳入は10%増の3017.54億ドルだった。歳出は、給付金支払いのカレンダー調整により、前年同月比で約800億ドル増加した。財務省によると、高齢者向け公的医療保険「メディケア」や社会保障プログラムの支払い前倒しを除外すると、赤字は前年同月比9%減の約290億ドルにとどまるという。
2025会計年度(24年10月─25年9月)累計の赤字も、前年同期比2440億ドル(64%)増の6242.13億ドルと、コロナ禍の時期を上回り、同期間としては過去最高を記録した。
歳入は前年比7%減の6285.25億ドル、歳出は18%増の1兆2527.38億ドルとなった。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、2024年度の連邦政府の公的債務利子が累計で初めて1兆ドルを超えた。
発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
【財政赤字と対GDP比】
・2020会計年度(19年10月~20年9月):3兆1319億ドル(対GDP比15.0%)※過去最大
・2021会計年度(20年10月~21年9月):2兆7721.79億ドル(対GDP比12.4%)※過去2番目
・2022会計年度(21年10月~22年9月):1兆3754.81億ドル
・2023会計年度(22年10月~23年9月):1兆6952.40億ドル(対GDP比6.2%)
・2024会計年度(23年10月-24年9月):1兆8328.16億ドル(対GDP比6.4%)
2.2024年11月末債務残高:36兆0873億ドル(※米国債:29兆ドル)
米国の2024年11月末時点での債務残高は36.0873兆ドルで、2024年第3四半期国内総生産(GDP)29.35兆ドルの約123%となっている。
第2次トランプ米政権の誕生により、関税の引き上げ(中国60%、その他10-20%)や減税(所得税・法人税)、大規模な財政出動への警戒感から、「債券自警団(bond vigilantes)」は、米10年債利回り5%を目指して米国債売りを続けている。
米格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆していた。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、第2次トランプ米政権では、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとのことである。25年末に期限を迎える減税策の恒久化が5兆3500億ドル、残業代への課税撤廃は2兆ドルの財政悪化が見込まれている。全ての輸入品に10%、中国に60%の関税を課す方針では、2兆7千億ドルの税収増となる。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ幅とラガルドECB総裁の会見に注目する展開となる。
本日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、0.25%の追加利下げが予想されているが、来年からのトランプ関税によるユーロ圏の景況感悪化懸念やドイツとフランスの政局混迷を受けて、0.50%の大幅利下げの可能性も警戒されている。
ビルロワドガロー仏中銀総裁は0.50%の利下げを排除しない姿勢を示し、カザークス・ラトビア中銀総裁も、「0.50%利下げの問題は間違いなく議論されるだろう」と述べている。
0.25%の利下げの場合は、織り込み済みであることで下値は限定的だと思われるものの、0.50%の利下げの場合は、11月22日の安値1.0335ドルを割り込む可能性に警戒しておきたい。
ユーロドルのテクニカル分析では、ダブル・トップ(2023年7月高値1.1276ドル・1.1214ドル)が完成していることで、目標値0.9682ドルが点灯している。
また、ラガルドECB総裁の会見では、ウクライナ戦争の激化や来年のトランプ関税の悪影響を考慮したターミナルレート(利下げの最終到達点)への言及に要注目となる。
また、スイス国立銀行(中央銀行)も政策金利を0.75%に引き下げることが予想されている。スイスフランに関しては、ウクライナや中東の地政学リスクを回避する買い要因と、キャリートレードによる売り要因が錯綜しており、ターミナルレート(利下げの最終到達点)への言及などに注目しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0546ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:161.07円(日足一目均衡表・基準線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0335ドル(11/22安値)
・ユーロ円:158.42円(日足一目均衡表・転換線)
日韓財務相がオンライン会合を行い協力や意思疎通を巡り協議した。韓国企画財政省が発表した声明によると、「パートナーシップの重要性を重ねて確認した」という。
ドル円:1ドル=152.49円(前営業日NY終値比△0.04円)
ユーロ円:1ユーロ=160.21円(△0.20円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0506ドル(△0.0010ドル)
日経平均株価:39849.14円(前営業日比△476.91円)
東証株価指数(TOPIX):2773.03(△23.72)
債券先物12月物:143.09円(△0.12円)
新発10年物国債利回り:1.045%(▲0.020%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38400%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
6408億円の処分超 9224億円の取得超
対内株式
4823億円の取得超 6077億円の処分超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。朝方から戻り売りが先行すると、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮めたことも重しとなり、一時151.96円まで値を下げた。ただ、昨日NY時間安値の151.93円を割り込むことはなく、一巡後は買い戻しが優勢に。「日銀内で追加利上げを急ぐ必要はないとの認識が広がっている」との一部報道が伝わると、本邦長期金利の低下とともに152.77円まで買い上げられ、昨日高値の152.82円に接近した。
・ユーロ円も底堅い。総じてドル円と同様の展開となり、午前には159.65円まで下げる場面があった。ただ、日銀の12月利上げ期待が後退すると一時160.49円まで一転上昇した。
・ユーロドルは小高い。朝方に1.0510ドルまで小幅に上げた後は次第に動きが鈍くなり、欧州勢参入待ちの状態となった。
なお、豪ドル米ドルは強含み。11月豪雇用統計が良好な内容だったことを受けて豪ドル高が進み、一時0.6421米ドルまで上昇したほか、豪ドル円も98.07円まで値を上げている。
・日経平均株価は4日続伸。昨日の米ハイテク株高を受けて半導体関連株が相場を主導した。明日のSQを控えて短期勢の思惑的な買いも重なり、指数は700円超上昇する場面も見られ、約2カ月ぶりに一時4万円を回復した。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで142.80円まで下げたが、日銀の利上げ観測が一段と後退すると143.10円まで一転上昇した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ブラジル中銀、3回連続且つ大幅利上げでルラ政権の政策に「警鐘」
ルラ政権の財政運営がインフレ悪化を招くとの警戒感を露わに、追加利上げの可能性にも言及
ブラジル中銀は、10~11日の日程で開催した定例会合で3会合連続の利上げに動くとともに、利上げ幅を100bpに拡大して政策金利を12.25%とする決定を行った。足下のインフレは食料インフレの動き、ルラ政権の下での財政悪化を警戒したレアル安、景気の堅調さや雇用回復も重なり底入れの動きを強めている。さらに、ルラ政権が先月末に歳出削減案を公表したが、同時に公表した所得税改正案に金融市場は失望してレアル相場は最安値を更新するなど輸入インフレ懸念が高まっている。よって、金融市場では中銀の利上げは既定路線とみられるも利上げ幅に注目が集まるなかで、前回会合から利上げ幅を倍増させた。中銀はインフレの上振れリスクを警戒するとともに、政府が公表した所得税改正案がさらなる上振れを招く懸念に言及している。その上で、今後も2会合は同程度(100bp)の追加利上げに含みを持たせている。足下のレアル相場は中国の政策転換を好感する向きをみせるが、その行方は不透明な上、今後は中銀とルラ政権の対立が強まる懸念もくすぶるなか、先行きも上値が抑えられる展開が続く可能性に要注意である。
大阪12月限
日経225先物 39830 +420 (+1.06%)
TOPIX先物 2769.0 +17.0 (+0.61%)
大阪3月限
日経225先物 39810 +400 (+1.01%)
TOPIX先物 2769.0 +16.0 (+0.58%)
日経225先物(12月限)は前日比420円高の3万9830円で取引を終了。寄り付きは3万9860円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0065円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万9830円まで軟化したが、その後はロング優勢の流れのなか、前場中盤にかけて4万0100円まで買われた。
ただし、ナイトセッションで付けた4万0160円を捉えることができず、前場終盤にかけてはロング解消の動きから上げ幅を縮めた。後場は3万9850円~3万9990円と4万円手前で保ち合いを継続。終盤にかけて再び4万円を回復する場面もみられたが、限月交代に伴うロールオーバーが中心にのなかで短期的な持ち高調整に伴う動きもあり、大幅高ながら結果的には本日の安値で取引を終えた。
日経225先物は、4万0100円まで上昇した後は、利益確定に伴うロング解消の動きとなった。もっとも、ボリンジャーバンドの+2σ(3万9870円)を上回ってきたことで、短期的には過熱感が警戒されやすい水準である。また、11月7日に付けた直近の戻り高値4万0170円に接近したことで、利食いが入りやすかったのだろう。ただし、後場は膠着感が強まったものの、+2σ水準での底堅さがみられており、先高期待は高まりやすい。
週足ベースでは+1σが3万9480円、+2σは4万0200円辺りで推移している。バンドは収斂してきているため、煮詰まり感からトレンドの出やすいタイミングが近づいている状況である。米国市場で大きな波乱がなければ、明日の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)は3万9500円から4万円のレンジ内で落ち着くことが意識されそうである。
一方で、日足のバンドは緩やかに拡大しており、ナイトセッションでは、+2σが3万9920円辺りに上昇してきた。+2σに沿ったトレンド形成が意識されやすく、SQに絡んだ商いで4万円に乗せてくるようだと、SQ通過で需給が軽くなる可能性もあるため、上へのバイアスが強まりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。75日移動平均線(14.32倍)を支持線とした形で始まると、一時14.39倍まで切り上がる場面もみられた。米国市場で引き続きハイテク株への資金シフトが継続するかが注目される。週足では13週線が14.38倍に位置しており、同線を上回ってくるようだとNTロングによるスプレッド狙いの動きに向かわせそうである。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万0289枚、ソシエテジェネラル証券が5837枚、ゴールドマン証券が3502枚、野村証券が1368枚、バークレイズ証券が1295枚、HSBC証券が1294枚、JPモルガン証券が1270枚、モルガンMUFG証券が1170枚、三菱UFJ証券が869枚、シティグループ証券が747枚だった。
TOPIX先物は、ソシエテジェネラル証券が9552枚、ABNクリアリン証券が9483枚、野村証券が4024枚、ゴールドマン証券が3373枚、JPモルガン証券が2916枚、BNPパリバ証券が2566枚、三菱UFJ証券が2486枚、モルガンMUFG証券が2214枚、日産証券が2162枚、みずほ証券が2146枚だった。
本日のNY市場では、欧州中銀(ECB)理事会に関心が集まっている。市場では0.25%利下げがコンセンサスとなっている。もっとも、来年からのトランプ関税によるユーロ圏の景況感悪化や独・仏の政局混迷が懸念されていることや、ビルロワドガロー仏中銀総裁やカザークス・ラトビア中銀総裁からは0.50%利下げを示唆する発言が出ていることから、大幅利下げへの警戒感がくすぶる。
また、今回の理事会では四半期に一度のECBのスタッフ予想も公表される見通し。前回9月は、GDP予想は2024年から2026年までを下方修正、コアインフレ率は2024年と2025年をわずかに上方修正であった。足もとで欧州景気の悪化が懸念される中、こちらも確認してゆきたい。
理事会の後にはラガルドECB総裁の会見が控えている。前回は「経済は予想よりもやや弱い」などの見解を示したことでユーロ売りを誘った。今回も「データに基づいて会合ごとに決定を下す」など慎重姿勢を維持することも想定されるが、金利や景気についてどのような見解を示すか、発言内容に市場の関心が集まりそうだ。
他方、米国では11月卸売物価指数(PPI)が発表予定。翌週の米連邦公開市場委員会(FOMC)前に発表される最後のインフレ指標ということで確認しておきたい。市場予想は前月比+0.2%/前年比+2.6%、コアは前月比+0.2%/前年比+3.2%となっている。そのほか、週次の新規失業保険申請件数や、米30年債入札なども予定されている。
そのほか、翌週の日銀会合を前に、観測報道には引き続き警戒したい。
想定レンジ上限
・ユーロドルは11月26日安値1.0425ドル。割り込むと同月22日安値1.0335ドル
・ドル円は11月27日高値153.23円
想定レンジ下限
・ユーロドルは日足・一目均衡表の基準線1.0580ドル。超えると6日高値1.0630ドル。
・ドル円は日足・一目均衡表の雲上限151.66円。
中国で11日から開かれていた中央経済工作会議を終えて、国営メディアが報じたところによると「中国は2025年に財政赤字比率を引き上げる予定」であり、「適切なタイミングで預金準備率と金利を引き下げる」「超長期特別国債を発行」「適度に緩和的な金融政策を実施する」などの声明が発表されたという。
今晩は上値の重い展開か。昨日はユナイテッドヘルスの下落が重しとなりダウ平均が5営業日続落したものの、注目された米11月消費者物価指数(CPI)が市場予想と一致し、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しが強まったことでS&P500とナスダック総合が続伸した。ナスダック総合は8営業日連続で取引時間中の史上最高値を更新し、終値は初めて20000ポイントを突破した。引け後の動きでは当四半期の売上高見通しが市場予想を下回ったアドビが時間外で9%超下落した。
今晩は11月CPIを受けて年内の追加利下げ期待が高まったことや、年末ラリーへの期待が引き続き支援となることが期待されるが、ナスダック総合が20000ポイントを上回るなど主要3指数が最高値圏で推移することで高値警戒感が強まることが予想されるほか、弱いガイダンスを発表したアドビの下落が見込まれることも相場の重しとなりそうだ。昨日発表のCPIを受けてCMEのフェドウォッチ・ツールの12月FOMCでの利下げ確率が99%となったが、今晩も米11月生産者物価指数(PPI)や新規失業保険申請件数が発表され、経済指標を受けた利下げ見通しにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは11月生産者物価指数(PPI)、新規失業保険申請件数のほか、米30年債入札など。企業決算は引け後にコストコ、ブロードコムが発表予定。
日経平均株価は大幅に4日続伸。マドを開けて強い上昇スタートとなり、もみ合う展開となった。一時は4万円を回復する場面もあったが、10/15高値(40257円)を意識して伸び悩んだ。ただ、寄り付きで開けたマドを埋め戻す下値もなく、底堅さも見受けられた。
RSI(9日)は前日の76.7%→86.4%(12/12)に上昇。10/15高値(40257円)と11月前半の高値水準をつないで延長した上値抵抗線を超えた。11/25につけた終値ベースの戻り高値(38780円)を超えた後は陰線で値固めが続いたが、前日の6日ぶりの陽線が上振れる兆候になっていた印象だ。12/5高値(39632円)付近や、上記の上値抵抗線(下値支持線)までの揺り戻しも想定されるが、あすは一目均衡表の転換線の上昇継続を背景に早々に12/12高値(40091円)を超えられるかが焦点となる。
上値メドは、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42012円)、7/11高値(42426円)などがある。下値メドは、5日移動平均線(39368円 12/12)や10日移動平均線(39148円 同)、心理的節目の39000円、25日移動平均線(38831円 同)、75日移動平均線(38418円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.535%、応札倍率(カバー)が2.39倍となった。
(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.26円(12日15時時点比▲0.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.88円(▲0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0500ドル(▲0.0006ドル)
FTSE100種総合株価指数:8311.76(前営業日比△10.14)
ドイツ株式指数(DAX):20426.27(△27.11)
10年物英国債利回り:4.362%(△0.045%)
10年物独国債利回り:2.205%(△0.078%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)政策金利
0.50%に引き下げ 1.00%
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
3.15%に引き下げ 3.40%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは荒い値動き。重要イベントを控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが先行すると、日本時間夕刻に一時1.0531ドルと日通し高値を付けたが、前日の高値1.0539ドルがレジスタンスとして働くと失速した。
欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。市場予想通りの結果となった。ただ、声明では前回までの「必要な限り金利を制限的に維持する」との文言を削除し、スタッフによるインフレ見通しを引き下げた。22時30分前には一時1.0470ドルまで値を下げた。
ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「基調的なインフレ率は2%へ回帰する軌道にある」「成長見通しのリスクは下サイド」「インフレに関してはまだミッションは達成されていない」と述べた一方、「ECBはデータに依存し、会合ごとに決定する」と従来の説明を繰り返し、先行きの利下げについては示唆を与えなかった。
2日の安値1.0461ドルが目先サポートとして意識されるといったんは買い戻しが優勢となり、24時過ぎに1.0521ドル付近まで持ち直したが、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.3121%前後と11月26日以来の高水準を付けると1.0464ドルの本日安値まで押し戻された。もっとも、2日の安値が再びサポートとして意識されると1.05ドル台前半まで下げ渋るなど、方向感に乏しい展開だった。
・ドル円は弱含み。欧州通貨が取引の中心となったため、しばらくは152円台半ばでのもみ合いが続いた。NYの取引時間帯に入ると、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことを受けて円買い・ドル売りが先行。22時30分過ぎに一時151.81円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は下げ渋った。同時に発表された11月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことからドル売りでの反応は限定的に。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出ると152.44円付近まで下値を切り上げた。
・ユーロ円は日本時間夕刻に一時160.55円と日通し高値を付けたものの、前日の高値160.66円がレジスタンスとして意識されると失速した。23時過ぎには159.12円と日通し安値を更新した。ただ、そのあとは160.24円付近まで下げ渋るなど、ユーロドルにつれた動きとなった。
・スイスフランは下落。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)はこの日、政策金利を現行の1.00%から0.50%に引き下げることを決めたと発表。市場予想(0.25%の利下げ)を超える大幅利下げに踏み切った。また、声明では「必要に応じて金融政策を調整する」との方針を示しており、全般スイスフラン売りが優勢になった。対ドルでは一時0.8902スイスフラン、対円では170.85円まで値を下げた。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。前日の米株式市場でナスダック総合が史上最高値を更新するなど、米ハイテク株が上昇したことが好感されて英株にも買いが入った。セバーン・トレントやSSEなど公共事業株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られ、相場の上値を抑えた。
・フランクフルト株式相場は小幅続伸。前日の米ハイテク株の上昇を受けて買いが先行したものの、そのあとは狭いレンジでのもみ合いに終始した。なお、ECBはこの日の定例理事会で政策金利を0.25%引き下げることを決めたが、市場予想通りの結果となったため、相場の反応は限られた。
・欧州債券相場は下落した。
12日の日経平均は大幅に4日続伸。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4000億円。業種別では石油・石炭、サービス、電気機器などが強い上昇。下落は鉄鋼と金属製品の2業種のみで、パルプ・紙が相対的に見劣りする上昇となった。前日に上場来高値を更新したソニーグループ<6758.T>がきょうも買いを集めて大幅上昇。半面、治験の期間延長が嫌気されたペルセウスプロテオミクス<4882.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1053/値下がり528。アドバンテストが5.1%高。主力どころでは、フジクラ、ソフトバンクG、楽天G、リクルートなどの動きが良かった。NY原油の上昇を手がかりに出光興産やENEOSが大幅上昇。決算が好感されたgumiやpluszeroが急騰した。
一方、前日派手に上げた川崎重工やIHIなど防衛関連が売りに押された。米国動向から躍進が期待された半導体株はアドバンテスト以外は案外で、レーザーテックやSCREENは下落。鉄鋼大手3社の日本製鉄、JFEHD、神戸鋼がそろって下落した。公募・売り出しを発表したシンクロフードが大幅安。優待廃止がネガティブサプライズとなったくら寿司が急落した。
日経平均は大幅高。(1)12月のFOMCで米国が利下げをするか見送るか、(2)12月の日銀会合で日銀が利上げに踏み切るか見送るか、この2点に関する手がかりが得られるかが今週の焦点であったが、米CPIの結果から(1)に関しては利下げ実施の確度が高まった。株式市場にはフレンドリーな内容。米国が利下げをするなら米長期金利が低下して為替は円高(ドル安)に振れるリスクがあったが、そうはならずむしろ円安(ドル高)が進んだことで、日本株には買いが入りやすくなった。
(2)に関しては、あす発表される12月日銀短観が注目される。強めの内容となった場合、利上げがあるかもしれないとの見方が強まる可能性がある。とはいえ、12月の利上げ見送り観測もいくつか出てきているだけに、指数が下に振れた場合でも、慌てて売るのは得策ではない。米国株に関しては利益確定以外の売り材料が見当たらない状況。日経平均は10月15日の取引時間中の高値が40257.34円。間を置かずこれを上回ってくるようなら年末に向けて踏み上げ的な上昇も期待できる。
トランプ米次期大統領は、習近平・中国国家主席を大統領就任式に招待することを予定しているもよう。米報道が伝えている。
一部通信社が欧州中央銀行(ECB)関係者の話として報じたところによると、「ECBは今後2会合で0.25%ずつの利下げを実施する見通し」だという。
一部通信社によると、「カナダ政府は、トランプ次期大統領が関税を課した場合にはウランと石油に輸出税を導入することを検討している」と報じている。
12日16:30 中国商務部
「中国はトランプ政権の経済・通商チームとの接触や意思疎通にオープン」
「中国とオーストラリアは依然として技術的な協議を行っている」
12日17:36 スイス国立銀行(中央銀行、SNB)声明
「必要に応じて為替市場での活動も継続」
「基調的なインフレ圧力は今四半期も再び低下」
「状況を注視し続け、必要に応じて金融政策を調整し、中期的にインフレ率を物価安定と整合的な範囲内に維持」
「経済見通しに関する不確実性は最近数カ月で高まっている」
「2024年のインフレ率は1.1%と予測(従来は1.2%)」
「25年のインフレ率は0.3%と予測(従来は0.6%)」
「26年のインフレ率は0.8%と予測(従来は0.7%)」
12日18:41 シュレーゲル・スイス国立銀行(中央銀行、SNB)総裁
「数カ月間、インフレ率がマイナスになる可能性がある」
「一時的である限り、インフレ率が0-2%の目標範囲を下回る弱さは許容できる」
「金利についてはまだ余地が残されている」
「中期的なインフレ圧力は低下している」
「さらなる利下げが必要になる可能性があると既に述べている」
「マイナス金利の可能性は低くなった」
「必要ならば3月会合で金利を調整するだろう」
12日22:19 欧州中央銀行(ECB)声明
「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」
「スタッフは、総合インフレ率が2024年に平均2.4%、2025年に2.1%、2026年に1.9%、拡大されたEU排出量取引制度が運用される2027年に2.1%になると見込む」
「エネルギーと食品を除くインフレについては、2024年に平均2.9%、2025年に2.3%、2026年と2027年はともに1.9%と予測」
「基調インフレのほとんどの指標は、インフレが理事会の中期目標である2%付近で持続的に落ち着くことを示唆」
「最近の金利引き下げにより、企業や家計にとって新規借入が徐々に容易になり、資金調達条件は緩和している」
「スタッフは、経済が2024年に0.7%、2025年に1.1%、2026年に1.4%、2027年に1.3%成長すると予測」
「時間の経過とともに、金融引き締め政策の影響が徐々に薄れ、需要回復を支える」
「インフレが2%の中期目標で持続的に安定することを確実にすることを決意」
「ECBはデータに依存し、会合ごとに適切な金融政策スタンスを決定するアプローチに従う」
「金利決定は、入手する経済および金融データ、基礎的なインフレの動向、金融政策の伝達の強さを考慮したインフレ見通しの評価に基づいて行われる」
「特定の金利経路を事前にコミットしない」
「最新のデータは経済の勢いが失われつつあることを示唆」
「経済は時間とともに回復するはず」
「経済は以前よりも緩やかに回復する」
「労働市場は引き続き堅調」
「政府は成長を促進する改革に注力すべき」
「基調的なインフレ率は2%へ回帰する軌道にある」
「インフレは短期的には現在の水準付近で変動」
「成長見通しのリスクは下サイド」
「貿易摩擦はインフレ見通しを不確実にし得る」
「地政学的な緊張はインフレを押し上げる恐れ」
「インフレに関してはまだミッションは達成されていない」
「0.25%の利下げは正しい動きだったという点で全体的に合意」
「利下げは理事会メンバー全員が支持」
「0.50%の利下げを検討する意見もあった」
「インフレ率は中期的に2%に達する軌道に乗っている」
「インフレリスクは双方向でない」
「インフレ率は来年に2%に落ち着くだろう」
「ECBはデータに依存し、会合ごとに決定する」
「中立金利は正確には決められない」
12日23:16 中国中央経済工作会議
「人民元レートの基本的な安定を、合理的かつ均衡のとれた水準に維持する」
「不動産用地の新規供給を合理的にコントロールし、商業住宅ストックの取り扱いを推進する」
12日23:19 トランプ次期米大統領
「法人税を15%まで引き下げる」
「暗号資産(仮想通貨)について何かすごいことをやるつもり」
「私にとって株式市場が全て、非常に重要」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 日銀・企業短期経済観測調査(短観、12月調査)
☆ 大企業製造業の業況判断指数(DI、予想:12)
◎ 大企業非製造業の業況判断指数(DI、予想:32)
◎ 大企業製造業DI・3月見込み(予想:11)
◎ 大企業非製造業DI・3月見込み(予想:28)
◎ 大企業全産業設備投資計画(前年度比、予想:9.6%)
○13:30 ◇ 10月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 10月設備稼働率
<海外>
○09:01 ◇ 12月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲18)
○16:00 ◇ 10月独貿易収支(予想:161億ユーロの黒字)
○16:00 ◇ 11月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ☆ 10月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
○16:00 ◎ 10月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%/前年比0.2%)
○16:00 ◎ 10月英製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○16:00 ◇ 10月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:155.00億ポンドの赤字/35.00億ポンドの赤字)
○16:45 ◇ 11月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比1.3%)
○17:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○18:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%/前年比▲1.9%)
○20:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:30 ◇ 7-9月期カナダ設備稼働率(予想:78.9%)
○22:30 ◇ 10月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.5%)
○22:30 ◇ 10月カナダ製造業出荷(予想:前月比1.3%)
○22:30 ◇ 11月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.2%)
○14日01:00 ☆ 7-9月期ロシア国内総生産(GDP)改定値(予想:前年比3.1%)
○主要7カ国(G7)首脳会議(オンライン形式)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.63円(前営業日比△0.18円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.78円(▲0.23円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0468ドル(▲0.0028ドル)
ダウ工業株30種平均:43914.12ドル(▲234.44ドル)
ナスダック総合株価指数:19902.84(▲132.05)
10年物米国債利回り:4.33%(△0.06%)
WTI原油先物1月限:1バレル=70.02ドル(▲0.27ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2709.4ドル(▲47.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら4日続伸。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことが分かると円買い・ドル売りが先行。22時30分過ぎに一時151.81円と日通し安値を付けた。
ただ、同時に発表された11月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことからドル売りでの反応は一時的となり、そのあとは底堅く推移した。米30年債入札が「低調」と受け止められると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.3356%前後と11月25日以来の高水準を更新。全般ドル買いが優勢となり、6時30分過ぎには152.69円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは5日続落。欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。市場予想通りの結果となった。ただ、声明では前回までの「必要な限り金利を制限的に維持する」との文言を削除し、インフレ見通しを引き下げた。22時30分前には一時1.0470ドルまで値を下げた。
ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「基調的なインフレ率は2%へ回帰する軌道にある」「成長見通しのリスクは下サイド」「インフレに関してはまだミッションは達成されていない」と述べた一方、「ECBはデータに依存し、会合ごとに決定する」と従来の説明を繰り返し、先行きの利下げについては示唆を与えなかった。
2日の安値1.0461ドルが目先サポートとして意識されるといったんは買い戻しが優勢となり、24時過ぎに1.0521ドル付近まで下げ渋ったが、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると1.0464ドルの本日安値まで押し戻された。その後の戻りも鈍かった。
・ユーロ円は4日ぶりに反落。23時過ぎに一時159.12円と日通し安値を付けたものの、24時前には160.24円付近まで下げ渋った。ただ、そのあとは米金利の動向に連れたドル相場となったことで、ユーロ円は方向感がなく159円後半でのもみ合いに終始した。
・米ドルカナダドルは一時1.4228カナダドルと2020年4月以来約4年8カ月ぶりの高値を付けた。米金利上昇に伴う米ドル買いが入ったほか、米加間の通商摩擦懸念を背景にカナダドル売りが進んだ。なお、一部通信社が報じたところによると「カナダ政府はトランプ次期大統領が関税を課した場合にはウランと石油に輸出税を導入することを検討している」もよう。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日続落。米長期金利が上昇したことで、このところ上昇が目立っていた高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが出た。また、前日に急落したユナイテッドヘルス・グループはこの日も軟調に推移し、1銘柄でダウ平均を105ドル程度押し下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。前日に初めて2万台に乗せ、史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことを受けて買いが先行したものの、同時に発表された11月米PPIが予想を上回ると次第に売りが優勢に。30年債入札が「低調」と受け止められたことも相場の重しとなり、利回りは一時4.3356%前後と11月25日以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は4日ぶりに反落。昨日の石油輸出国機構(OPEC)月報で2024-25年の世界石油需要見通しが下方修正されたことに続き、国際エネルギー機関(IEA)月報でも、25年の石油供給が十分との見通しが示されたことが重しになり、4日ぶりに反落して引けた。
・金先物相場は5日ぶりに反落。連日上昇を続けてきたこともあり、金先物は利食い売りが優勢になった。11月米PPIが市場予想を上回り、米10年債利回りが11月26日以来の高値を付けるなど米長期金利が上昇したことや、ドルが買われたことが金先物の抑えになった。
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことで151.81円まで下落後、10年債利回りが4.3337%前後まで上昇したことで152.69円付近まで反発した。ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)が政策金利を0.25%引き下げることを決定したことで1.0464ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、12月調査の日銀短観で18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ確率の変化を見極めることになる。
8時50分に発表される日銀短観での大企業製造業の業況判断指数(DI)は+12と予想されており、6月と9月調査の+13からの若干の悪化が見込まれている。
ハト派の中村日銀審議委員は12月5日の講演で、「利上げの是非を判断する情報として、GDPの2次速報(※上方修正)、12月調査の日銀短観(※本日発表)などのデータを確認したい」と述べていた。
12月11日の観測報道でも「今後公表されるデータや為替相場の動向次第では、来週の金融政策決定会合での実施の可能性もある」と報じられていた。
円安が景況感の悪化の要因ならば、7月会合での利上げのような円安抑制のための利上げ観測が高まることになる。植田日銀総裁も「インフレ率が2%を超え始めている時に一段の円安になればリスクが大きいため、場合によっては対応しないといけなくなる」と述べていた。
しかし、景況感の悪化という意味合いからは、「データがオントラック(想定通り)に推移している」(植田日銀総裁)という利上げの条件が無くなることで、利上げ見送り観測を高めることになる。
「フェドウオッチ」が織り込む米連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策は以下の通り。
・2024年12月17-18日:0.25%の利下げ(※FF金利4.25-50%)確率は約95%
・2025年1月28-29日:据え置き※FF金利4.25-50%)確率は約74%
「翌日物金利スワップ」が織り込む日銀金融政策決定会合での金融政策は以下の通り。
・2024年12月18-19日:利上げ確率は約17%
・2025年1月23-24日:利上げ確率は約59%
また、中国当局がトランプ関税に対する措置として人民元安を検討、との報道に対するトランプ次期米大統領の見解には警戒しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39680 -130 (-0.32%)
TOPIX先物 2765.5 -3.5 (-0.12%)
シカゴ日経平均先物 39665 -145
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
12日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。11月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.4%上昇、前年同月比では3.0%上昇と、それぞれ市場予想(0.2%上昇、2.6%上昇)を上回った。前日の米消費者物価指数(CPI)が予想通りの内容だったこともあり、PPIの伸びが加速したことでインフレ再燃への警戒から持ち高調整の売りが優勢となった。また、前日はハイテク株主導の上昇でナスダック指数は初の2万に乗せたこともあり、いったん利益を確定させておきたい売りが入りやすかった。一方で新規失業保険申請件数は前週比1万7000件増の24万2000件と予想(22万件)を上回った。米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測が根強く、下げ渋る場面もみられた。
NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、エヌビディア<NVDA>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ホームデポ<HD>、キャタピラー<CAT>が軟調。半面、ボーイング<BA>、メルク<MRK>、マイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>、IBM<IBM>が上昇した。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比145円安の3万9665円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比40円高の3万9850円で始まり、3万9880円を高値に軟化し、ほどなくして下落に転じると米国市場の取引開始直前には3万9570円まで下げ幅を広げる場面もみられた。売り一巡後は3万9630円~3万9790円辺りでの保ち合いを継続し、3万9680円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることが見込まれる。ただし、日中の上昇に対する反動の範囲であり、ボリンジャーバンドの+2σ(3万9900円)に上値を抑えられる形だった。節目の3万9500円接近での底堅さがみられており、本日の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)は波乱なく通過することになりそうだ。
また、米国市場の下落の影響からSQに絡んだ売買は売り越しになる可能性もあり、寄り付き後はSQ値が支持線として機能するかが注目されそうだ。+2σが抵抗になりやすく、日経225先物はオプション権利行使価格の3万9500円から3万9875円でのレンジが意識されやすく、+2σ近辺での推移が続くようだと、同水準突破から4万円を狙ったロングが強まる可能性はあるだろう。
米国ではハイテク株が利食いに押された影響もあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となる。ただし、時間外取引でブロードコム<AVGO>が買われている。8~10月期決算および、11月~1月期の見通しも予想を上回ったことが材料視されている。値がさハイテク株の下支えになる可能性もあるため、ショートの動きは限られそうである。
週足のボリンジャーバンドのバンドは収れんしており、トレンドの出やすいタイミングに入っている。今週は+1σ(3万9460円)を挟んだ13週移動平均線(3万8760円)と+2σ(4万0170円)でのレンジで推移している。+1σが支持線として機能するようだと、+2σ突破を狙った動きから、ショートカバーが強まる展開も想定しておきたい。
12日の米VIX指数は13.92(前日は13.58)に上昇した。ただし、一時13.39まで低下するなど、前日の安値水準での推移が目立っており、慎重姿勢は強まらないだろう。足もとでは下向きで推移する25日線(14.51)が抵抗線として機能しているため、同線を一気に上抜けてくるまでは、リスク選好に向かわせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。75日線(14.32倍)を支持線とした形で始まると、一時14.39倍まで切り上がる場面もみられた。週足では13週線が14.38倍に位置しており、同線を上回ってくるようだとNTロングによるスプレッド狙いの動きに向かわせそうである。
ドル円は、昨日の海外市場で予想より弱い米新規失業保険申請件数を受けて151.81円まで下押ししたものの、昨日もお伝えしている通り、200日MAやら50日MA、一目雲上限といった重要なサポートレベルが集結していた152.00円付近から151円台半ばの水準で下げ止まり、その後は同時に公表された予想を上回る強い結果となった11月米PPIや、NY時間午後に入ってからは、1.2bpのテール発生といったかなりの弱い結果に終わった米30年債入札を受けて、引けにかけては152.69円まで買戻されるといった底堅い展開に終わりました。
週末のアジア市場では、朝方こそ152.46円まで下押す場面もみられましたが、その後は仲値に向けて本邦実需の買いが断続的に観測されると昨日高値や11日の高値を上抜けて一時152.96円まで値を上げているといったところです。
いずれにしても、市場では来週の日米の金融政策の決定に対して、FOMCは0.25%の利下げを行うものの、来年にかけては利下げペースがかなり鈍化して、せいぜい2回程度の利下げに止まるとの認識。一方、日銀に対しては、当局とはまともなコミュニケーションが取れないという絶望的なジレンマが渦巻く市場にあって、少なくとも現時点では「12月どころか1月の利上げも怪しい。来年からスタートするトランプ米政権による影響を見届けてからの3月や4月に追加利上げが先延ばしされるかもしれない」との憶測が急速に高まっているわけで、益々下値を固める動きが続いていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比440円安の3万9370円(-1.10%)前後で推移。寄り付きは3万9650円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9665円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。その後3万9770円まで下げ幅を縮めたが、現物の寄り付き後は下へのバイアスが強まった。中盤には日経平均株価がSQ値(概算3万9434.85円)を割り込んできたことでショートが強まる形になり、終盤にかけて一時3万9240円まで売られた。
日経225先物は、日経平均株価がSQ値を下回った辺りから下落幅を広げたが、売り一巡後はボリンジャーバンドの+1σ(3万9340円)水準で下げ渋る動きをみせている。前日のリバウンド部分を帳消しにした格好ではあるが、売り一巡感も意識されやすく、+1σ水準での底固めからSQ値を意識したリバウンドに向かわせる可能性はあるだろう。SQ値を回復することができれば、短期筋のショートカバーを誘う展開も想定しておきたいところである。
NT倍率は先物中心限月で14.38倍と横ばいで推移している。一時14.43倍まで上昇した後に、14.34倍に低下する場面もみられたが、下値は75日移動平均線(14.32倍)が支持線として意識されている。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]などが日経平均型の重荷となっているが、方向性としてはNTロングを意識したスタンスに向かわせそうだ。
「50bpの利下げを検討すべきだという提案も幾つかあり、議論された。しかし最終的には、25bpの利下げが正しい決定だと全員が賛成した」(ラガルドECB総裁)
2024年12月12日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、予想通りに中銀預金金利の0.25%の利下げが全会一で決定された。
声明文からは「政策金利を必要な限り『十分に景気抑制的な』水準にとどめる」という文言が削除されたことで、ハト派的だと見なされた。
1.欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化(※中銀預金金利)
■2024年12月12日: 3.00%(第4次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.40%(3.65%)▲0.25%
・リファイナンス金利:3.15%(3.40%)▲0.25%
・中銀預金金利 :3.00%(3.25%)▲0.25%
■2024年10月17日: 3.25%(第3次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.65%(3.90%)▲0.25%
・リファイナンス金利:3.40%(3.65%)▲0.25%
・中銀預金金利 :3.25%(3.50%)▲0.25%
■2024年9月12日: 3.50%(第2次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.90%(4.50%)▲0.60%
・リファイナンス金利:3.65%(4.25%)▲0.60%
・中銀預金金利 :3.50%(3.75%)▲0.25%
■2024年7月18日: 3.75%(据え置き)
■2024年6月6日:-0.25%=3.75%(第1次利下げ)
■2024年4月11日:4.00%(据え置き)
■2024年3月7日:4.00%(据え置き)
■2024年1月25日:4.00%(据え置き)
■2023年12月14日:4.00%(据え置き)
■2023年10月26日:4.00%(据え置き)
■2023年9月14日:+0.25%=4.00%(第10次追加利上げ)
■2023年7月27日:+0.25%=3.75%(第9次追加利上げ)
■2023年6月15日:+0.25%=3.50%(第8次追加利上げ)
■2023年5月4日:+0.25%=3.25%(第7次追加利上げ)
■2023年3月16日:+0.50%=3.00%(第6次追加利上げ)
■2023年2月2日:+0.50%=2.50%(第5次追加利上げ)
■2022年12月15日:+0.50%=2.00%(第4次追加利上げ)
■2022年10月27日:+0.75%=1.50%(第3次追加利上げ)
■2022年9月8日:+0.75%=0.75%(第2次追加利上げ)
■2022年7月21日:+0.50%=ゼロ(第1次利上げ)
2.声明文
「委員会は、インフレ率が中期目標の2%で持続的に安定することを確実にする決意」
「適切な金融政策のスタンスを決定するに当たり、データ次第かつ会合ごとのアプローチを継続する」
3.ラガルドECB総裁
「成長へのリスクは依然として下方に傾いている」
「経済は徐々に強くなるはずだが、以前の予想よりも遅いペースになるだろう」
「世界の貿易摩擦悪化は輸出減速や世界経済の弱体化を招き、ユーロ圏の成長を圧迫する可能性がある」
「中立金利に近づくにつれて、今後議論されるテーマになるだろう。一般的な意見は、恐らく以前よりも少し高いというものだ。いずれ議論することになるだろうが、現時点では時期尚早だ」
みずほ証券では、当面の原油価格は弱含むと予想している。中国需要が低迷する中、米国などの増産から需給が緩みやすい状態にあるとみている。トランプ次期政権への移行を控えて、米国の大幅増産に対する懸念もあると指摘。OPECプラスの減産の足並みがそろわなくなれば、価格下落リスクが高まると考えている。これらの点を踏まえてみずほでは、25年の原油価格の予想レンジを1バレル=55ドルから80ドルとしている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、複数の欧州中央銀行(ECB)高官の講演で「今後2-3回の利下げ」や0.50%利下げ支持といったハト派を見極めることになる。
昨日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、予想通りに0.25%の追加利下げが決定されたが、0.50%の大幅利下げを支持した委員がいたとのことである。また、関係筋の話として、今後2-3回の追加利下げを主張した委員もいたもようで、本日のビルロワドガロー仏中銀総裁、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁の講演で見極めることになる。
先日、ビルロワドガロー仏中銀総裁は0.50%の利下げを排除しない姿勢を示し、カザークス・ラトビア中銀総裁も、「0.50%利下げの問題は間違いなく議論されるだろう」と述べていた。
ポンドドルは、10月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)で、来週のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での利下げの有無を探ることになる。
現時点では、据え置き見通しとなっており、「積極的な利下げ」から「段階的な利下げ」観測が台頭していることで、マイナス成長などのネガティブサプライズには警戒しておきたい。
また引き続き、ウクライナや中東情勢に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0547ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:160.81円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.2811ドル(12/6高値)
・ポンド円:195.00円(12/12高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0335ドル(11/22安値)
・ユーロ円:158.42円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2507ドル(11/26安値)
・ポンド円:192.46円(12/10安値)
ドル円:1ドル=152.89円(前営業日NY終値比△0.26円)
ユーロ円:1ユーロ=160.00円(△0.22円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0465ドル(▲0.0003ドル)
日経平均株価:39470.44円(前営業日比▲378.70円)
東証株価指数(TOPIX):2746.56(▲26.47)
債券先物3月物:142.57円(△0.12円)
新発10年物国債利回り:1.040%(▲0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38500%(△0.00100%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
日銀・企業短期経済観測調査(短観、12月調査)
大企業製造業の業況判断指数(DI)
14 13
大企業非製造業の業況判断指数(DI)
33 34
大企業製造業DI 3月見込み
13 14
大企業非製造業DI 3月見込み
28 28
大企業全産業設備投資
前年度比 11.3% 10.6%
10月鉱工業生産・確報値
前月比 2.8% 3.0%
前年同月比 1.4% 1.6%
10月設備稼働率
前月比 2.6% 4.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。日銀が発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)が概ね良好な内容だったことで初動は売りで反応し、一時152.46円まで値を下げた。ただ、来週の日銀会合での利上げ期待を高めるほどではないとの見方から一巡後は一転して買いが優勢に。昨日高値の152.77円を上抜けて153.09円まで値を上げた。OIS市場では、来週の会合で日銀が利上げする確率は15%前後と依然として低い。
・ユーロドルは上値が重い。朝方は1.0481ドルまでショートカバーが入ったが、一巡すると戻り売りに押される形で昨日安値の1.0464ドルを下抜けて1.0456ドルまで値を下げている。欧州中央銀行(ECB)が来年も利下げを継続するとの期待感がユーロの上値を重くしている模様。
・ユーロ円は方向感がない。ドル円の上昇につれる形で160.25円まで値を上げたが、昨日NY時間の高値とほぼ面合わせに留まると失速。ユーロドルが下落した影響も受けて159.70円台まで下げる場面も見られた。一巡後は160円を挟んだもみ合いが続いた。
・日経平均株価は5営業日ぶりに反落。昨日の米国株が下落したことが嫌気され、序盤から売りが強まった。足もとで相場上昇が続いていたこともあり、利益確定売りも目立ち、指数は一時600円超下落した。
・債券先物相場は続伸。昨日の米国債が売られた影響から142.36円まで売りが先行したが、日銀の早期利上げ観測が後退するなか、一巡後は142.62円まで反発した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
ECBは25bp連続利下げを継続へ 来年は中立金利を巡る議論が本格化しよう
欧州中央銀行(ECB)は12月の理事会で25bpの連続利下げを決定した。差し迫った景気後退リスクが高まらない限り、今後も25bpの連続利下げが基本シナリオとなろう。その場合、来年央には2%台前半とみられる中立金利に到達する。新たに発表したスタッフ見通しでは、景気の緩慢な成長が続くなか、2026・27年のコア物価が中期的な物価安定とされる2%を下回ると予想する。この見通しには、トランプ次期大統領の下で予想される米国の関税引き上げを反映していない。関税の部分的な引き上げによるユーロ圏景気への押し下げを考えると、中立金利を下回る水準まで政策金利を引き下げる可能性がある。そのため、筆者は最終的な金利の到達点を1.75%と予想する。
大阪3月限
日経225先物 39470 -340 (-0.85%)
TOPIX先物 2747.5 -21.5 (-0.77%)
日経225先物(3月限)は前日比340円安の3万9470円で取引を終了。寄り付きは3万9650円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9665円)にサヤ寄せする形から、売りが先行した。その後3万9770円まで下げ幅を縮めたが、現物の寄り付き後は下へのバイアスが強まった。前場中盤には日経平均株価がSQ値(3万9434.85円)を割り込んできたことでショートが強まり、前場終盤にかけて一時3万9240円まで売られた。
ボリンジャーバンドの+1σ(3万9350円)を割り込み、前日のリバウンド分を帳消しにした格好となったが、その後は売り一巡感から下げ渋る動きとなった。ランチタイムで+1σ水準を回復すると、後場は3万9400円~3万9500円辺りでの保ち合いを継続した。
日経225先物は、日経平均株価がSQ値を下回った辺りから下げ幅を広げたが、前場の段階でショートは一巡し、後場は持ち高の調整に伴うショートカバーも入り、下げ幅を縮める形となったとみられる。また、日経平均株価が後場中盤辺りにSQ値を上回ってきたことで、ショートを仕掛けづらくさせたようだ。週末要因によりリバウンドの動きは限られていたが、底堅さは意識された格好だろう。
週間形状ではボリンジャーバンドの+1σ(3万9430円)を上回って終えた。バンドが収斂するなかで煮詰まり感が台頭しており、+2σが位置する4万円辺りとのレンジが意識されやすい。短期的には+3σの4万0790円へのトレンドを強めてくる展開も想定しておきたいところである。
そのきっかけが、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合となりそうだ。積極的な先回りの動きは限られようが、米国ではNYダウが6日続落し持ち高調整の動きが進んでいたほか、東京市場でも上値の重さが意識されていたため、金融イベント通過後のアク抜けを狙った押し目待ちのロング対応へと向かわせそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.36倍に低下した。一時14.43倍まで上昇した後に、14.34倍に低下する場面もみられたが、下値は75日移動平均線(14.32倍)が支持線として意識されている。アドバンテスト <6857.T> [東証P]が強い値動きだったが、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が日経平均型の重荷となっていた。75日線が支持線として機能していることで、同水準に接近する局面ではNTロングを意識したスタンスとなろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0767枚、ソシエテジェネラル証券が1万5140枚、日産証券が3522枚、サスケハナ・ホンコンが3351枚、バークレイズ証券が2638枚、SBI証券が2388枚、JPモルガン証券が2112枚、ゴールドマン証券が2074枚、モルガンMUFG証券が1588枚、野村証券が1272枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1918枚、ソシエテジェネラル証券が1万6571枚、バークレイズ証券が5416枚、ゴールドマン証券が4982枚、日産証券が3852枚、JPモルガン証券が3169枚、モルガンMUFG証券が3166枚、サスケハナ・ホンコンが2234枚、ビーオブエー証券が1908枚、野村証券が1067枚だった。
本日のNY市場では動意づける材料になりそうな米経済指標は予定されておらず、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)前のブラックアウト期間中のため要人発言も予定されていない。手掛かり材料に乏しい中、ドル円は週末要因を意識しながら株価や米長期金利をにらみながらの取引となるか。
まず米国株について、ナスダックは11日に史上初の2万ドルに乗せ、12日は弱含むも11日安値は割り込まずに高値圏をキープ。S&P500についても、FOMCでの利下げ期待を背景に高止まりしている。ただダウ平均は6日続落しており、こちら主導で週末のポジション調整が出るようだと、ドル円の重しとなることも考えられる。
一方で米10年債利回りは、今週に入り上昇基調となると昨日は11月25日以来の4.33%台まで水準をあげる場面が見られた。昨日の11月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回る伸びとなり、市場でインフレの高止まりが警戒されたことも、金利上昇を後押し。この流れが本日も続くようならば、ドル円の追い風となることも考えられる。
円相場の視点では、翌週の日銀会合を前にした観測報道がでるようだと、神経質な動きとなりそうだ。本日発表された日銀短観では、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が2四半期ぶりに改善し、日銀の利上げを後押しする内容だと受け止められ円が買われる場面も見られた。しかし11日に続いて本日も「日銀の12月利上げ見送り観測」が伝わり、日銀会合に向けて市場の見方は据え置きと利上げで分かれたままだ。引き続き関連報道に対する警戒は怠らないようにしたい。
テクニカル面では、ドル円は日足・一目均衡表の基準線を上抜いており、上値余地が広がりやすいと見る。足もとでの上昇の流れが続くようだと、11月15日高値156.75円-12月2日安値148.65円の61.8%戻し水準153.66円や、心理的節目の154.00円に向けて上値を模索する可能性がある。ただし、週末のポジション調整を理由に基準線152.70円が重くなるようならば、200日移動平均線152.06円付近の底堅さを確かめる展開も想定される。
想定レンジ上限
・ドル円、前述した153.66円を超えると心理的節目の154.00円
想定レンジ下限
・ドル円、日足・一目均衡表の基準線152.70円を割ると200日線152.06円
日銀が18-19日に開く金融政策決定会合で政策金利の引き上げを見送る検討をしていると共同通信が伝えた。
今晩は底堅い展開か。
昨日はダウ平均が234.44ドル安(-0.53%)と6営業日続落し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.54%安、0.66%安とともに反落した。予想を上回る伸びとなった米11月生産者物価指数(PPI)を受けて米10年債利回りが11月22日以来となる4.334%に上昇したことや、弱いガイダンスが嫌気されたアドビが13%超下落したことが重しとなった。
週初来ではダウ平均が1.63%安と2週続落ペース、S&P500が0.64%安と4週ぶりの反落ペースとなった一方、ナスダック総合は0.22%高と小幅に4週続伸ペースとなった。引け後の動きではAI半導体の好調や強いガイダンスが好感されたブロードコムが時間外で14%超上昇した。
今晩はハイテク株を中心に底堅い展開か。今週注目された11月CPIと11月PPIの発表を終え、PPIが予想を上回る強い結果となったものの、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ期待は継続した。CMEのフェドウォッチ・ツールの0.25%の利下げ確率は97%と、前日の99%からわずかな低下にとどまった。週末の取引となるものの、ブロードコムの大幅高が見込まれることや、来週のFOMCでの利下げ見通しを背景にハイテク株を中心に底堅い展開が期待できそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは11月輸入物価など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:12月13日、14:00)
日経平均株価は反落。マドを開けて弱いスタートとなり、下値模索の展開となった。一方、10日移動平均線(39274円 12/13)付近がサポートになり、引けにかけて下げ幅を縮小する展開となった。
RSI(9日)は前日の86.4%→70.6%(12/13)に低下。10/15高値(40257円)と11月前半の高値水準をつないで延長した下値支持線付近まで揺り戻しが生じる格好となった。やや深押しのイメージだったが、終値ベースで5日移動平均線(39443円 同)や一目均衡表の転換線(39418円 同)上を維持しており、先高期待は継続している。
まず、週明けは転換線の上昇を支持に早々に反発に転じることができるかが、上放れにつながる重要な動きである。
上値メドは、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42012円)、7/11高値(42426円)などがある。下値メドは、10日移動平均線、心理的節目の39000円、25日移動平均線(38830円 同)、75日移動平均線(38436円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.69円(13日15時時点比△0.80円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.31円(△1.31円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0496ドル(△0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:8300.33(前営業日比▲11.43)
ドイツ株式指数(DAX):20405.92(▲20.35)
10年物英国債利回り:4.412%(△0.050%)
10年物独国債利回り:2.257%(△0.052%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月独貿易収支
134億ユーロの黒字 169億ユーロの黒字・改
11月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) 0.0% 0.4%
10月英国内総生産(GDP)
(前月比) ▲0.1% ▲0.1%
10月英鉱工業生産
(前月比) ▲0.6% ▲0.5%
(前年同月比) ▲0.7% ▲1.8%
10月英製造業生産指数
(前月比) ▲0.6% ▲1.0%
10月英商品貿易収支
189.69億ポンドの赤字 163.21億ポンドの赤字
10月英貿易収支
37.18億ポンドの赤字 34.62億ポンドの赤字
11月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) ▲0.1% ▲0.1%
(前年同月比) 1.3% 1.3%
10月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) 0.0% ▲1.5%・改
(前年比) ▲1.2% ▲2.2%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ドル円はしっかり。「日銀は来週18-19日に開く金融政策決定会合で、不透明感が強まる世界経済やトランプ次期政権の政策を見極めるため、追加利上げを見送る」との観測が再燃する中、全般円売りが優勢となった。一方、17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げ実施がほぼ織り込まれている。今後の米利下げペースが緩やかになるとの見方から米長期金利が上昇基調を強めると、ドル買いも優勢となった。2時30分過ぎには一時153.80円と11月26日以来の高値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.3947%前後と11月22日以来の高水準を付けた。
・ユーロドルは伸び悩み。欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測を背景に足もとで相場下落が続いていただけに、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが先行。ユーロ円やユーロポンドの上昇につれた買いも入った。独長期金利の上昇に伴うユーロ買いも相場の支援材料となり、22時過ぎに一時1.0524ドルと日通し高値を付けた。
ただ、前日の高値1.0531ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出ると、一時1.0482ドル付近まで下押しした。
・ポンドは軟調だった。対ドルでは一時1.2609ドル、対ユーロでは0.8318ポンドまで下落した。10月の英国内総生産(GDP)や英鉱工業生産、英貿易収支など、この日発表の英経済指標が軒並み予想を下回ったことで、英経済の先行き不透明感が高まった。
・ユーロ円は上昇。日銀の年内利上げ観測後退を受けた円売りが優勢となり、22時過ぎに一時161.56円と11月26日以来の高値を付けた。ユーロドルの失速につれた売りが出ると160.97円付近まで値を下げたものの、下押しは限定的。2時前には161.50円付近まで再び強含んだ。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。前日の米国株や本日のアジア株相場の下落が相場の重しとなり、終盤弱含んだ。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反落。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。ただ、押し目を拾いたい向きは多く下値は限定的だった。個別ではボノビア(2.48%安)やRWE(2.07%安)、バイエル(2.06%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.65円(前営業日比△1.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.37円(△1.59円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0501ドル(△0.0033ドル)
ダウ工業株30種平均:43828.06ドル(▲86.06ドル)
ナスダック総合株価指数:19926.73(△23.89)
10年物米国債利回り:4.39%(△0.06%)
WTI原油先物1月限:1バレル=71.29ドル(△1.27ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2675.8ドル(▲33.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米輸入物価指数
(前月比) 0.1% 0.1%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は5日続伸。欧州時間に伝わった「日銀は来週18-19日に開く金融政策決定会合で、政策金利引き上げの見送りを検討している」「米経済の先行きに不透明感が高まっているうえ、春闘の賃上げ動向を確認したい考えで、利上げを急ぐ必要はないとの判断に傾きつつある」との観測報道をきっかけに全般円売りが優勢となった。
一方、17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げ実施がほぼ織り込まれており、今後の米利下げペースが緩やかになるとの見方から米長期金利が上昇基調を強めるとドル買いも広がった。2時30分過ぎには一時153.80円と11月26日以来の高値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.4046%前後と11月22日以来の高水準を付けた。
・ユーロドルは6日ぶりに反発。欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測を背景に足もとで相場下落が続いていただけに、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが先行した。ユーロ円やユーロポンドの上昇につれた買いも入ると、22時過ぎに一時1.0524ドルと日通し高値を付けた。
ただ、前日の高値1.0531ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.0482ドル付近まで下押しした。
なお、ユーロポンドは一時0.8322ポンドまで上昇した。欧州時間発表の10月の英国内総生産(GDP)や英鉱工業生産、英貿易収支が軒並み予想を下回ったことで、英経済の先行き不透明感が高まりユーロ買い・ポンド売りが進んだ。
・ユーロ円は反発。日銀の年内利上げ観測後退を受けた円売りが優勢となり、22時過ぎに一時161.56円と11月26日以来の高値を付けた。ユーロドルの伸び悩みにつれた売りが出ると160.97円付近まで値を下げたものの、下押しは限定的。2時前には161.50円付近まで再び強含んだ。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は7日続落。買い先行で始まったものの、米長期金利の上昇が相場の重しとなり下げに転じた。ただ、主力株の一部には押し目買いなどが入ったため、下値も限定的だった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反発。決算内容が好感された半導体のブロードコムが24%を超す大幅高となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日続落。17-18日のFOMCでの0.25%利下げ実施はほぼ織り込まれた。今後の米利下げペースが緩やかになるとの見方からこの日も売りが優勢となり、利回りは一時4.4046%前後と11月22日以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は反発。産油国のロシアとイランに対する制裁報道で、原油の供給混乱を招くとの観測が広がり原油先物は反発して引けた。また、中国の需要拡大期待も引き続き原油価格の支えになった。
・金先物相場は続落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが先月22日以来の水準まで上昇したことで、金利のつかない金先物は上値が重く続落して引けた。また、総じてドルが堅調な動きを見せたことで、ドルで取引される金先物は割高感となったことも重し。
マクロン仏大統領は13日、仏新首相としてバイル氏を指名した。
13日16:22 ミュラー・エストニア中銀総裁
「インフレの一時的な上下は避けられない」
「インフレ期は過ぎ去った」
「市場は1.00%の追加利下げを予想している」
13日16:25 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「来年の市場金利予想に違和感はない」
「インフレ率を2%に戻せるという自信が高まっている」
「来年もさらなる利下げがあるだろう」
「ECBの金利は依然として中立水準を大きく上回っており、利下げの余地がある」
13日16:59 カザークス・ラトビア中銀総裁
「必要であれば、より大幅な利下げも可能」
「金利に関しては段階的に進めるのが適切」
「金利の大幅な引き下げがまだ必要」
「中立金利は3%よりも2%に近い」
「金利の方向性は明らかに下向き」
13日17:42 中国人民銀行(PBOC)
「中国は国債取引操作を強化する」
「人民銀行は為替レートの行き過ぎリスクを断固として防止」
13日18:15 エスクリバ・スペイン中銀総裁
「ベースラインシナリオが維持されれば、利下げは継続される」
「今後の会合でさらなる利下げを行うことは論理的」
「欧州経済の活力不足は課題」
「昨日優勢だった考えは0.25%の利下げを継続することだった」
13日19:51 バスレ・スロベニア中銀総裁
「月次データは製造業の不振とサービス業の成長鈍化の両方で引き続き弱い成長を示している」
「サービス業のインフレ率は依然として高いが、ここ数カ月は賃金上昇率の低下もあり着実に緩和している」
「インフレ率は着実に目標に近づいている」
「サービス業のインフレ率低下により、目標への回帰に対する確信が強まった」
13日20:00 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「さらなる利下げのペースと回数はインフレ次第」
「ECBの金利に関する方向性は明確」
13日21:11 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「ユーロ圏の金利水準は引き続き引き締め的である」
「政策において最も重要な言葉は段階的アプローチである」
「昨日のECBの決定は幸いにも完全に合意に基づくものだった」
※時間は日本時間
16日
○08:50 ◎ 10月機械受注
○13:30 ◇ 10月第三次産業活動指数
18日
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○08:50 ◎ 11月貿易統計(通関ベース)
19日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合(終了後、決定内容発表)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
20日
○08:30 ☆ 11月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 11月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
16日
○11:00 ◎ 11月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 11月中国小売売上高
○16:15 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○16:30 ◇ 11月スイス生産者輸入価格
○17:15 ◎ 12月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○17:15 ◎ 12月仏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ 12月独製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 12月独サービス部門PMI速報値
○17:45 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏製造業PMI速報値
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○18:30 ◎ 12月英製造業PMI速報値
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI速報値
○21:00 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○22:15 ◇ 11月カナダ住宅着工件数
○22:30 ◎ 12月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○23:45 ◎ 12月米製造業PMI速報値
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI速報値
○23:45 ◎ 12月米総?⑰MI速報値
○17日01:30 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演
○ショルツ独首相の信任投票
○南アフリカ(和解の日)、休場
17日
○08:30 ◇ 12月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○16:00 ◎ 11月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 8-10月英失業率(ILO方式)
○18:00 ◎ 12月独Ifo企業景況感指数
○18:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 12月独ZEW景況感指数
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏ZEW景況感指数
○19:00 ◇ 10月ユーロ圏貿易収支
○22:30 ◇ 10月対カナダ証券投資
○22:30 ◎ 11月カナダ消費者物価指数(CPI)
○22:30 ☆ 11月米小売売上高
○23:15 ◎ 11月米鉱工業生産指数
◇ 設備稼働率
○24:00 ◇ 10月米企業在庫
○24:00 ◎ 12月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
○18日03:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○06:45 ◇ 7-9月期ニュージーランド(NZ)経常収支
○16:00 ◎ 11月英CPI
○16:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○16:35 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○18:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○19:00 ☆ 11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○19:00 ☆ 11月ユーロ圏HICPコア改定値
○19:00 ◇ 10月ユーロ圏建設支出
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◎ 7-9月期米経常収支
○22:30 ◎ 11月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○19日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○19日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
○19日04:00 ☆ FOMC、経済・金利見通し発表
○19日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
19日
○06:45 ☆ 7-9月期NZ国内総生産(GDP)
○09:00 ◇ 12月ANZ企業信頼感
○16:00 ◇ 1月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
○16:45 ◇ 12月仏企業景況感指数
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表
○18:00 ◇ 10月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○21:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表
○21:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○22:30 ☆ 7-9月期米GDP確定値
◎ 米個人消費/コアPCE確定値
○22:30 ◎ 12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◎ 11月米景気先行指標総合指数
○24:00 ◎ 11月米中古住宅販売件数
○20日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表
○20日06:00 ◎ 10月対米証券投資動向
20日
○06:45 ◎ 11月NZ貿易収支
○16:00 ◎ 11月英小売売上高
○16:00 ◇ 11月独生産者物価指数(PPI)
○16:45 ◇ 11月仏PPI
○17:30 ◎ 11月香港CPI
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表
○22:30 ◎ 10月カナダ小売売上高
○22:30 ◎ 11月米個人消費支出(PCE)
◎ 11月米個人所得
☆ 11月米PCEデフレーター
☆ 11月米PCEコアデフレーター
○24:00 ◎ 12月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○24:00 ◎ 12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、RBAのタカ派スタンス弱まり軟調
◆豪ドル、中国の人民元安容認が上値を抑える
◆ZAR、中国の景気浮揚策で底堅い
予想レンジ
豪ドル円 93.00-99.00円
南ア・ランド円 8.40-8.80円
12月16日週の展望
豪ドルは上値の重い動きとなりそうだ。今週、中国が金融政策のスタンスを「穏健な」から「適度に緩和的」に変更すると発表。財政政策についても「より積極的な」とし、従来の「積極的な」から表現を強めたことで、中国経済回復への期待から豪ドルが買われる場面があった。ただ、一方で、「中国当局はトランプ関税をにらみ、2025年の人民元安容認を検討している」と報道されたほか、豪準備銀行(RBA)理事会では政策金利は予想通りに据え置かれたが、声明文で「インフレの上振れリスクは緩和。消費者物価指数(CPI)は持続的に目標に戻ると確信」とハト派的な見解が示された。RBAのタカ派スタンスが弱まったことや、人民元安容認などが豪ドルの重しになると思われる。
なお、RBAの次回理事会は2月17-18日まで行われないが、市場では、1月29日に発表が予定されている10-12月期のCPIに注目している。多くの市場参加者は、来年の利下げは数回程度に留まるとの声も多いが、1月のインフレ指標の結果次第では市場の流れが変わる可能性があることを今から留意しておきたい。
来週は17日に12月のウエストパック消費者信頼感指数、19日にメルボルンインスティテュートが12月のインフレ期待(トリム平均値)を発表する程度で、豪州からは市場を動意づけるような経済指標の発表が予定されていない。多くの経済指標(7-9月経常収支、GDP他)が発表されるニュージーランドや、日米の金融政策決定会合、中国の景気浮揚策等、豪州国外の動向が豪ドルを左右することになるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅い動きが予想される。中国政府が景気浮揚策に本腰を入れたことはZARには好材料。南アにとって中国は最大の輸出国で、中国経済が回復すれば南アの鉱業輸出の伸びも期待される。今週発表された中国の財政・金融政策の変更はG7国の株価などには影響は限られたが、南ア株やZARは堅調な動きを示した。第1次トランプ政権時は、BRICS各国は米国の顔色をうかがっていたが、現状では加盟国も拡大し、各国の経済力も強まっている。トランプ次期米大統領の高圧的交渉が通じなくなってくる可能性もある。人口ではG7の5倍弱の規模をもつ国が集まっていることもあり、脱米国が進む可能性にも留意しておきたい。
12月9日週の回顧
豪ドルは弱含み。RBA理事会でタカ派スタンスが弱まったことで、豪ドル/ドルは昨年11月以来となる0.63ドル前半まで弱含んだ。対円では95円半ばから98円台で方向感がなく上下を繰り返した。11月の雇用統計が失業率、新規雇用者数ともに市場予想を上回る好結果だったことは豪ドルの支えになった。
ZARは強含み。中国の景気浮揚策で対ドルでは先月中旬以来の水準まで買われた。また対円でも8円半ばを回復している。なお、南アのCPI、PPIは市場予想を下振れ、次回1月での南ア準備銀行(SARB)の0.25%の利下げをほぼ織り込んだ。
◆対円・対ドルとも、今年最後の日米金融政策イベントに注目
◆ポンド、英中銀会合前に発表される雇用・物価データに一喜一憂
◆加ドル、加中銀政策イベントを通過しドルと円の動きに左右
予想レンジ
ポンド円 191.00-197.00円
加ドル円 106.00-110.00円
12月16日週の展望
対ドル・対円で来週は今年最後の日米金融政策イベントが注目される。日銀の利上げと据え置きをめぐり思惑が交錯しており、どんな結果になっても円相場は一時的に荒い値動きになる可能性が高い。当然、据え置きとなれば円売りが進むが、仮に利上げに踏み切ったとしても積極的に追加利上げ実施は見込めないこともあり、円買いは一時的にとどまり、徐々に「イベント通過での円売り」圧力が強まる可能性がある。また、今週発表された11月米消費者物価指数(CPI)はほぼ予想通りの結果となり、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ予想に変化はないものの、米インフレ高への警戒感を示す内容になる可能性があり、日米金融政策イベントはドル高・円安に傾きやすいと見ている。
イングランド銀行(英中銀、BOE)は来週の19日に政策金利の発表が予定されているが、金利を占う上で重要な経済指標である12月製造業・サービス部門PMI速報値が16日、11月雇用データが17日、11月CPIが18日に発表される予定。ポンドは指標の結果に一喜一憂する動きが予想される。現時点では来週の会合で利下げより据え置き予想が優勢で、来年3-4回の利下げが見込まれている。なお、10月の雇用データでは賃金が高い伸びを維持し価格上昇圧力が残されたほか、10月CPIは予想以上に伸びが加速し、「積極的な利下げ」ではなく「段階的な利下げ」を支持する内容となった。また、英政権の財政拡張的な予算案やトランプ次期米大統領の関税引き上げなどによる物価の上昇で、今後は利下げのシナリオに修正を余儀なくされる可能性もある。
加国内では、来週に11月CPIや10月小売売上高の指標結果が注目されるが、今週にカナダ中銀(BOC)の金利発表を通過し、加ドルは日米金融政策イベントを受けたドルや円の動きに左右されそうだ。BOCは今週の会合で政策金利を2会合連続での0.50%利下げを決定した。ただ、声明では「今後の利下げについてより緩やかなペースになる」との見解を示し、「成長支援に向けて継続的な金融緩和が必要」という従来の方針から転換した。市場では来年1月での0.25%利下げ確率が7割程度になっている。また、マックレム総裁はトランプ次期米政権が課す可能性のある関税が「新たな大きな不確実要因」との認識を示した。カナダのトルドー首相は、トランプ次期米大統領が同国からの輸入品に新たな関税を課した場合には「対応する」と表明し、第1次トランプ政権で鉄鋼とアルミニウムに関税をかけられた際に「報復関税が成功した」と強調している。
12月9日週の回顧
中国が景気支援策を強化すると表明しリスク選好ムードが強まったことや、日銀が来週の会合で利上げを見送るとの観測が高まったことが円売りを後押し。ポンド円は195円近辺、加ドル円は108円近辺まで切り返した。ポンドドルは底堅い動きもポンド独自の手がかりが乏しく1.27ドルを挟んで方向感は限られた。
加ドルはBOCのタカ派寄りの声明文を受けて買いが入る場面もあったが、米加通商摩擦懸念でドル/加ドルは1.42加ドル台まで加ドル安が進んだ。
◆17-18日のFOMCでは、0.25%の追加利下げ見通し
◆18-19日の日銀金融政策決定会合では、利上げ先送りの見通し
◆ユーロドル、12月製造業・サービス業PMIやフランスの予算案に注目
予想レンジ
ドル円 150.00-155.00円
ユーロドル 1.0200-1.0600ドル
12月16日週の展望
ドル円は、17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の追加利下げは織り込み済みだが、18-19日開催の日銀金融政策決定会合では、0.25%の追加利上げが決定された場合はリスクシナリオとして警戒しておきたい。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む17-18日FOMCでの0.25%の利下げ(※FF金利誘導目標4.25-50%)確率は90%台に上昇しており、市場では利下げは確実視されている。ただ、来年は1月FOMCでの据え置き確率が高まっているほか、2025年中に2回の利下げを織り込むに留まっている。「経済・金利見通し」でのドット・プロット(金利予測分布図)では、第2次トランプ米政権での関税引き上げと減税というインフレリスクが高まる中での利下げの回数やターミナルレート(利下げの最終到達点)に注目することになる。
日銀金融政策決定会合に対しては、翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む0.25%利上げ確率は、11月30日の植田日銀総裁の「利上げのタイミングについては、経済データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいているといえる」とのタカ派的見解を受けた66%付近から、早期の利上げに否定的な観測記事を受けて20%を割り込んでいるが、氷見野日銀副総裁が来年1月14日に神奈川県金融経済懇談会に出席し、その後記者会見を行うことが報じられており、1月23-24日の日銀金融政策決定会合の前に、日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの見方が強まっている。
また、「中国当局がトランプ関税への対抗策として人民元安を容認」との報道に対するトランプ次期米大統領の見解にも警戒しておきたい。トランプ次期米大統領は、今年4月にドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、人民元安や円安を牽制するような発言には注意が必要だろう。
ユーロドルは、12月の製造業・サービス業PMI速報値やフランス新政権下での予算案の採決に注目しておきたい。市場では、ウクライナ戦争の激化懸念、ドイツとフランスの政局混迷への警戒感、そしてトランプ関税により欧州全体の景況感悪化と物価上昇懸念が高まっていることが、ユーロ売り圧力を強めつつある。
12月9日週の回顧
ドル円は、来週の日銀金融政策決定会合での利上げ見送り観測報道や「中国当局がトランプ関税への対抗措置として人民元安の容認を検討している」との報道などで、149.69円から153円台前半まで上昇した。
ユーロドルは、ECB理事会が0.25%の追加利下げを決定し声明文からタカ派的文言が削除されたことを受けて、1.0594ドルから1.04ドル台半ばまで下落した。
13日の日経平均は5日ぶり大幅反落。終値は378円安の39470円。
日経平均は大幅安となったが、週間では約379円上昇した。木曜まで4日続伸して金曜に大きく下げるというのは、先週とまったく同じパターン。先週は週末値(39091円、12/6)で39000円を上回り、今週は取引時間中に4万円を上回った。着実に水準を切り上げている。
きょうはグロース250指数の動きが良かったが、チャートを見ると630ポイントどころにテクニカルの節目が多くあり、これらより上で推移している。来週の新興市場を見る上では、FOMCと日銀会合の結果を確認するのが木曜19日となり、大型株に手がけづらさが出てくることはプラスの材料。FOMCでは利下げが濃厚であるだけに、米国株が買われた際に大型株ではなく新興銘柄に資金が向かう可能性がある。一方、IPOがラッシュとなることで、既存の新興銘柄ではなくIPO銘柄に資金が集中する展開も想定される。年末年始のタイミングで新興銘柄の売買が盛り上がってくるかどうか、来週のグロース250指数の動向が大きく注目される。
【来週の見通し】
一進一退か。FOMC(12/17~18)と日銀会合(12/18~19)が注目のイベント。ただ、FOMCでは0.25%の利下げに対する織り込みがかなり進んでいる。2025年はトランプ新政権になることもあり、会合後のパウエルFRBの会見ではリップサービスは期待しづらい。FOMCはノーサプライズだろう。日銀会合は各種報道から、今回は利上げなしとの見方が強まっている。そうであれば日本株にはプラス材料だが、会合後の植田総裁会見を見極めるまでは上値追いには慎重になると思われる。総裁会見は19日の引け後で、木曜までは方向感が定まりづらい。日銀会合を通過した後は、年末に向けて市場参加者の減少も予想される。下では押し目買いが期待できる一方、上では利益確定売りが出やすく、週を通して強弱感が交錯すると予想する。
【今週を振り返る】
堅調となった。日経平均は9日から12日まで4日続伸。前の週に発表された米11月雇用統計は強弱入り交じる内容で、12月のFOMCでは利下げが実施されるとの見方が強まった。そして、その見方は11月消費者物価指数(CPI)を確認してさらに強まった。12日はCPIを受けたナスダックの大幅高や円安進行を好感して大幅上昇。取引時間中には10月15日以来、約2カ月ぶりに4万円を上回った。いったんの到達感も出てくる中、13日は米国株安を受けて大きく下落したものの、週間では上昇した。日経平均は週間では約379円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。
【来週の予定】
国内では、10月機械受注、10月第三次産業活動指数(12/16)、20年国債入札(12/17)、日銀金融政策決定会合(~12/19)、11月貿易収支、11月訪日外客数(12/18)、植田日銀総裁、定例記者会見(12/19)、11月全国消費者物価指数(12/20)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、中国11月鉱工業生産、中国11月小売売上高、米12月ニューヨーク連銀製造業景気指数(12/16)、FOMC(~12/18)、米11月小売売上高、米20年国債入札(12/17)、パウエルFRB議長、定例記者会見、米7-9月期四半期経常収支、米11月住宅着工件数、米11月建設許可件数(12/18)、米7-9月期四半期GDP個人消費・確定値、米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米11月中古住宅販売件数、米10月対米証券投資(12/19)、米11月個人消費支出(PCEデフレーター)(12/20)などがある。
今週の日経225先物は、日米金融会合に関心が集まるなか、イベント通過後を睨んでの相場展開となりそうだ。米国市場では、NYダウが12月4日につけた4万5073ドルをピークに7日続落と調整を強めている。米長期金利は6日の4.15%水準から週末には一時4.40%を付ける場面もみられた。17~18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げを決めるとの観測が根強いが、FOMCの結果を前にいったんポジションをニュートラルに近づけたと推測される。リバランスに伴い景気敏感株からハイテク株への資金シフトがみられており、ナスダックは最高値圏で推移している。
また、日銀が18~19日に開く金融政策決定会合では、政策金利の引き上げは見送られるとの見方がコンセンサスである。
東京市場では日経平均株価が12日に一時4万円の大台を回復し、11月7日につけた戻り高値(3万9884円)を突破したが、積極的な上値追いの売買は手控えられた。週末には持ち高調整の動きを強めてきたこともあり、ロングポジションはそれほど積み上がっていないとみられる。
日米の金融会合の結果を見極めたいとするムードが強まる可能性はある。ただし、前週末の日経平均株価の終値は12月のSQ値(3万9434.85円)を上回って終えていたため、ショートは仕掛けづらいだろう。日経225先物は13日取引終了後のナイトセッションで一時3万9740円まで買われた後に軟化したものの、3万9450円を安値に持ち直しており、日中比130円高の3万9600円で終えている。SQ値水準が支持線として意識されやすく、金融イベント通過後のアク抜けを狙ったスタンスに向かわせそうだ。
日経225先物は膠着感の強い展開が続いているが、3日の急伸で支持線に変わった25日移動平均線を上回って推移しており、同線との乖離が広がりをみせている。また、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9360円)と+2σ(3万9880円)によるレンジ内で推移しており、FOMCの結果判明後はレンジ上限を捉えてくる可能性があるとみておきたい。FOMCで利下げ見送りとなれば嫌気される可能性はあるが、NYダウをみてもリバランスの動きが続いていたことで、売り一巡後はアク抜けが強まる展開を想定しておきたい。
また、日経225先物は+1σを明確に割り込んだとしても、節目の3万9000円と25日線が位置する3万8470円が支持線として意識されそうである。一方でアク抜けが強まる局面では+2σ水準のほか、4万円の大台を試すことになろう。先週は一時4万0160円まで買われ、11月7日につけた4万0170円とのダブルトップ形成が意識されているが、これを再び捉えてくることで10月15日の戻り高値4万0300円が射程に入ってくる。直近のダブルトップ水準を突破してくるようだと、ショートカバーが強まることになりそうだ。
また、週足のボリンジャーバンドは収斂し、煮詰まり感が台頭している。現在は+1σ(3万9520円)を挟んだ推移をみせているが、+2σ(4万0140円)を捉えてくる局面では、収斂するバンドが拡大に向かう可能性が意識され、+2σに沿ったトレンド形成が期待されてくる。
そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万円のレンジを想定しつつ、+1σを下回る局面では押し目狙いのロングでの対応となりそうだ。上値は4万円に接近する局面で戻り待ち狙いのショートが入りやすいところだが、金融イベント通過後は米次期政権に対する期待感から年末高を見込んだロングの強まりが想定され、あくまでも短期的なショートにとどめておきたい。
また、先週末は決算を評価したブロードコム<AVGO>の時間外での上昇が、値がさハイテク株の一角の支えとなった。13日の米国市場で同社株は24%超上昇しており、改めて材料視されやすいだろう。また、今週はマイクロン・テクノロジー<MU>の決算発表が予定されている。同社株は7月の急落以降はボトム圏で推移していることもあり、決算が評価されるようであればセンチメントを明るくさせよう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.36倍に低下した。一時14.43倍まで上昇した後に、14.34倍に低下する場面もみられたが、下値は75日線(14.32倍)が支持線として意識されている。アドバンテスト <6857.T> [東証P]が強い値動きだったが、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が日経平均型の重荷となっていた。75日線が支持線とし機能しているほか、週足では52週線(14.27倍)を支持線に変え、一時13週線(14.38倍)を上回る場面もみられた。10月7日の14.70倍から11月21日の14.12倍までの低下に対するリバウンドが意識されやすく、NTロングに振れやすいだろう。
12月第1週(12月2日-6日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりの買い越しであり、買い越し額は5598億円(11月第4週は3460億円の売り越し)だった。なお、現物は1249億円の買い越し(同1794億円の売り越し)と3週ぶりの買い越しであり、先物は4349億円の買い越し(同1665億円の売り越し)と4週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で5604億円の売り越しで4週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2582億円の売り越しとなり、2週ぶりの売り越しだった。
主要スケジュールでは、12月16日に10月機械受注、中国11月鉱工業生産指数、中国11月小売売上高、中国1-11月固定資産投資、米国12月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米国12月製造業PMI、17日に米国11月小売売上高、米国11月鉱工業生産指数、18日に11月貿易収支、米国11月住宅着工件数、FOMC終了後に政策金利、パウエルFRB議長記者会見、19日に日銀金融政策決定会合終了後に政策金利、植田日銀総裁記者会見、イングランド銀行(BOE)政策金利、米国7-9月期実質GDP[確報値]、米国10月コンファレンス・ボード景気先行指数、20日に11月全国消費者物価指数、米国11月個人所得、米国11月個人消費支出などが予定されている。
<国内>
○08:50 ◎ 10月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比1.2%/前年比0.7%)
○13:30 ◇ 10月第三次産業活動指数(予想:前月比▲0.1%)
<海外>
○11:00 ◎ 11月中国鉱工業生産(予想:前年比5.3%)
○11:00 ◎ 11月中国小売売上高(予想:前年比4.6%)
○16:15 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○16:30 ◇ 11月スイス生産者輸入価格
○17:15 ◎ 12月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:43.0)
○17:15 ◎ 12月仏サービス部門PMI速報値(予想:46.7)
○17:30 ◎ 12月独製造業PMI速報値(予想:43.1)
○17:30 ◎ 12月独サービス部門PMI速報値(予想:49.3)
○17:45 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:45.3)
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:49.5)
○18:30 ◎ 12月英製造業PMI速報値(予想:48.2)
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○21:00 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○21:30 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○22:15 ◇ 11月カナダ住宅着工件数(予想:24.82万件)
○22:30 ◎ 12月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:12.0)
○23:45 ◎ 12月米製造業PMI速報値(予想:49.8)
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI速報値(予想:55.7)
○23:45 ◎ 12月米総?⑰MI速報値(予想:55.1)
○17日01:30 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演
○ショルツ独首相の信任投票
○南アフリカ(和解の日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、「日銀は来週18-19日に開く金融政策決定会合で、政策金利引き上げの見送りを検討」との報道などを支えに153.80円まで上昇した。ユーロドルは一時1.0524ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場でドル円は、今週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合への思惑から底堅い展開が予想される。
17-18日のFOMCでは、0.25%の追加利下げ(⇒4.25-50%)はほぼ確実視されている。しかしながら来年1月20日の第2次トランプ米政権発足後の28-29日のFOMCでは据え置きが見込まれているため、ドル買い要因となっている。一方、18-19日の日銀金融政策決定会合では追加利上げは見送られるとの見方が高まっており、こちらは円売り要因だ。
「フェドウオッチ」が織り込むFOMCの金融政策は以下の通り。
・2024年12月17-18日:0.25%の利下げ(※FF金利4.25-50%)確率は約96%
・2025年1月28-29日:据え置き(※FF金利4.25-50%)確率は約78%
・2025年3月18-19日:0.25%の利下げ(※FF金利4.00-25%)確率は約52%
「翌日物金利スワップ」が織り込む日銀金融政策決定会合での利上げ確率は以下の通り。
・2024年12月18-19日:約16%
・2025年1月23-24日:約54%
・2025年3月18-19日:約21%
ドル円のテクニカル分析での上値の目処としては、11月15日の高値156.75円、そして7月3日の高値161.95円から156.75円を経由する抵抗線(12/16:155.70円~12/20:155.50円)などが挙げられる。
なお先週は、中国当局がトランプ関税に対する対抗措置として人民元安を検討、との報道があった。これに対して、トランプ次期米大統領の貿易・製造業担当上級顧問に就くピーター・ナバロ氏は、中国が通貨を安くすればさらに関税を引き上げる選択肢もあり得ると警告した。
トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた時に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、円安や人民元安を牽制する突発的な発言の可能性には引き続き警戒しておきたい。
先週末13日には、格付け会社ムーディーズが、予想外のタイミングでフランスの格付けを「Aa2」から「Aa3」へ引き下げた。米格付け会社ムーディーズは、米大統領選挙前の10月に「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆していたことで、米国債格下げリスクにも警戒しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39600 +130 (+0.32%)
TOPIX先物 2753.5 +6.0 (+0.21%)
シカゴ日経平均先物 39570 +100
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。17~18日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げを決めるとの観測が根強いが、FOMCの結果を前に持ち高調整の動きが優勢になった。米長期金利が一時4.40%を付けたことも重荷となり、NYダウは7日続落。半面、ナスダックは最高値を更新した。決算が予想を上回ったことが材料視されたブロードコム<AVGO>が24.4%超上昇し、半導体株の一角に買いが広がった。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディア<NVDA>、アムジェン<AMGN>、ゴールドマン・サックス<GS>、セールスフォース<CRM>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、キャタピラー<CAT>が軟調。一方で、ボーイング<BA>、メルク<MRK>、アップル<AAPL>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が上昇した。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比100円高の3万9570円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円高の3万9500円で始まり、ロング優勢のなかで3万9740円まで上げ幅を広げた。米国市場の取引開始後は軟化し、一時3万9450円と下落に転じる場面もみられたが、終盤にかけて切り返し、3万9600円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。ブロードコムの上昇については時間外取引で買われていたことで前週末の時点で織り込み済みの面はあるが、日中取引で24.4%超の急伸となったことで、改めて評価されやすいだろう。 半導体SOX指数は3%を超える上昇で直近の戻り高値を突破しており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。
また、日経225先物はナイトセッションで一時3万9450円と下落に転じる場面もみられたが、日経平均株価は12月のSQ値(3万9434.85円)水準での底堅さが意識されやすい。今週はFOMCおよび日銀が18~19日に開く金融政策決定会合に投資家の関心が集まり、様子見姿勢が強まりやすいとみられる。ただし、米国では足もとでリバランスの動きが観測されるほか、東京市場でも積極的にロングを積み上げている動きはなく、金融イベント通過後のアク抜けを狙ったスタンスに向かわせそうだ。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9360円)と+2σ(3万9880円)によるレンジ内で推移しているが、FOMCの結果判明後にレンジ上限を捉えてくる可能性はあるとみておきたい。FOMCで利下げ見送りとなれば嫌気される可能性はあるが、NYダウをみてもリバランスの動きが続いていたことで、売り一巡後はリバウンド基調が強まる展開を想定しておきたい。
そのため、+1σと+2σのレンジ内での推移が続くなか、レンジ下限に接近する局面では押し目狙いのロングでの対応となろう。一方で、レンジ上限ではショートが入りやすいものの、短期的なトレードにとどめておきたい。金融イベント通過後は米次期政権に対する期待感から年末高が意識されやすく、+2σを明確に上放れてくると、11月7日の4万0170円、10月15日の4万0300円を目先のターゲットにしたトレンドをみせてくる可能性はあるだろう。
13日の米VIX指数は13.81に低下した。6日に12.70と13.00を割り込んだ後はリバウンドをみせたが、下向きで推移している25日移動平均線に上値を抑えられる形状だった。FOMCならびにパウエルFRB議長の会見を受けて上昇する可能性もあるが、200日線(15.86)を上回ってくるまでは過度なリスク後退には向かわないとみておきたい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.36倍に低下した。一時14.43倍まで上昇した後に、14.34倍に低下する場面もみられたが、下値は75日線(14.32倍)が支持線として意識されている。米国ではエヌビディアの不安定な値動きが重荷となるものの、半導体SOX指数の上昇を受けて、相対的に日経平均型優位となる展開を想定しておきたい。10月7日の14.70倍から11月21日の14.12倍までの低下に対するリバウンドが意識されよう。
日経225先物は11時30分時点、前日比80円高の3万9550円(+0.20%)前後で推移。寄り付きは3万9610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9570円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。直後に付けた3万9690円を高値に軟化し、中盤にかけて3万9450円と下落に転じる場面もみられた。ただし、ナイトセッションで付けた安値で下げ止まる形から、終盤にかけては3万9500円を上回っての推移を継続。
日経225先物は、狭いレンジでの推移となった。日経平均株価は3万9452.62円まで下げる場面もみられたが、SQ値(3万9434.85円)が支持線として機能する形である。週末の米国市場の流れを引き継ぐ格好から、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が日経平均株価を下支えしている。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか、積極的にポジションを傾けにくい状況だが下値の堅さが意識されており、押し目狙いのロング対応によるスキャルピング中心のトレードになろう。
NT倍率は先物中心限月で14.39倍に上昇した。一時14.42倍まで上昇する場面もみられた。下値は75日移動平均線(14.32倍)が支持線として意識されている。方向性としてはNTロングを意識したスタンスに向かわせそうだ。
先週末の海外市場では、ドル円は欧州時間にポンド円の売りから152.68円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は共同通信が日銀の利上げ見送りを報じると再び下値を切り上げる展開に。一時153.66円まで値を上げました。NY時間に入って153.27円まで下押したものの、下値も極めて限定的。米10年債利回りが4.4046%まで上昇幅をひろげるなか153.80円まで値を上げて週末の取引を終えています。
週明けのアジア市場では、早朝に「MDYのフランス格下げを囃して変にユーロ円を売り込んでしまった」こともあってか、仲値にかけて本邦実需の買いが断続的に持ち込まれると一気に買戻しの動きに。先週末の高値153.80円を上抜けて一時153.97円まで高値を更新しているといったところです。
いずれにしても、今週は日米の金融政策が決定され、来年に向けての方向性を探ることになるわけですが、コミュニケーション障害を起こしている日銀との対話は、もはや、その場しのぎの対応とならざるをえないことは明らか。ただ、市場では次の利上げが1月になるのか、それとも、その先となるのかのヒントを見つけることに奔走させられることになりそうです。
FOMCについては、既に「経済・金利見通し」でのドットチャートの2025年末中央値に焦点が移ってきているなか、もしかすると、9月に引き上げられた中立金利が再び上方修正される可能性も否定は出来ない状況。米10年債利回りが4.4%台を回復し、昨年10月23日の5.0187%からのレジスタンスラインを再び上抜けてくるかどうかといったチャート的側面もまた、市場の関心を集め始めています。
「アベノミクス」の「三本の矢(大胆な金融緩和・機動的な財政出動・成長戦略)」を信奉するベッセント米財務長官は、第2次トランプ米政権の旗印に「3-3-3」を打ち出した。
第2次トランプ米政権と対決姿勢を迫られている中国指導部は、「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」と「人民元安」を打ち出した。
1.米国の「三本の矢」
ベッセント第79代米財務長官は、トランプ次期米大統領に「3-3-3」(三本の矢?)と呼ぶ政策を推進するように提言したとのことである。
1)2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減する
2)日量3百万バレル相当の原油増産を目指す
3)GDP成長率3%の実現を規制緩和で目指す
2.中国の「三本の矢」
中国指導部は来年の経済政策の方針を決める中央経済工作会議を12月11-12日に開催し、9日の中国共産党中央政治局会議で示した方針、「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を実施することが決定された。
また、トランプ関税に対抗するため、人民元安を容認することも検討されているらしい。
1)財政政策「より積極的な財政政策」
・赤字率を高めて重点分野への支援を強化する。
・超長期特別国債の増発により、「両重」プロジェクト(重大戦略プロジェクトおよび重大民生事業)と「両新」政策(新型インフラ建設および新型都市化)の実施を引き続き支える。
・地方政府が専項債発行による資金利用を増やす。
2)金融政策「適度に緩和的な金融政策」
・タイムリーに預金準備率と金利の引き下げを行って十分な流動性を維持し、経済成長や物価水準予想の目標と釣り合う形で社会融資規模やマネーサプライが増えるようにする。
3)人民元安容認
トランプ次期米大統領は、中国からの輸入品に対する関税を60%まで引き上げると警告している。
中国当局は、トランプ関税に対する対抗措置として、1ドル=7.5元程度までの元安を検討している、との噂が流れている。現在の7.25元から約3.5%程度の下落となる。
市場筋の試算では、中国製品に60%の関税が課せられた場合、人民元は7.8元かそれ以上安くなる必要がある、とのことである。
イエレン米財務長官は、競争上の優位性を得るために他国による自国通貨操作の動きが見られれば、米国は「強力に反応する」と表明した。
トランプ次期米大統領の貿易・製造業担当上級顧問に就くピーター・ナバロ氏は、中国によるいかなる為替操作の試みも好意的に見ることはないと述べた。
そして、中国が通貨を安くすればさらに関税を引き上げる選択肢もあり得ると警告した。
週明けロンドンタイムは多数のイベントが予定されているなか、ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)の次の一手を探りながらの取引か。また仏格下げの影響や、独首相の信任投票の結果も注意する必要があるだろう。
ECB理事会は先週、市場予想通り3会合連続となる政策金利引き下げを決定。ラガルドECB総裁の記者会見や、その後のECB理事会メンバーのコメントでも追加利下げの必要性を訴えるものが目立った。ただユーロドルは、先週末に1.04ドル半ばまで売られたところから1.05ドル前半まで切り返している。
本日はラガルド総裁から始まり、同じ頃にリトアニア中銀総裁、次いでデギンドスECB副総裁の講演が欧州前半に予定されている。またベルギーやスペインの中銀総裁も発言予定。これら当局者発言では、利下げペースへの見解が注目されそうだ。
短期金融市場は、来年1月末のECB会合で0.50%の大幅利下げを見込み始め、その後の3月、4月会合でも0.25%ずつの段階的な利下げを織り込みつつある。金利低下に対するユーロ相場の反応は鈍くなっているため、もし本日、利下げ加速への慎重論が出るようだとユーロドルの買い戻しが強まる場面もあるか。
経済指標では、仏・独やユーロ圏そして英国から製造業やサービス部門の12月購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表予定。ほぼ前回に沿った結果が予想されているものの、仏や独では政局が不安定なためビジネスセンチメントが弱まっている可能性はある。一応、下振れには警戒しておきたい。
先週末、米格付け会社ムーディーズは仏格付けを1段階引き下げてAa3とした。これを受けて時間外の仏債券先物は売りが先行。バルニエ前・仏首相が失脚したときも仏債が売られ、安全資産として独債が買われた。しかしながら今回は、独債に資金が向かわないかもしれない。というのも本日、政権運営に行き詰まっているショルツ氏の信任投票が行われ、否決が確実とされているからだ。仏・独債の動きを受けたユーロの方向性が注目される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、9日高値1.0594ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、13日安値1.0453ドル
ドル円:1ドル=153.66円(前営業日NY終値比△0.01円)
ユーロ円:1ユーロ=161.63円(△0.26円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0519ドル(△0.0018ドル)
日経平均株価:39457.49円(前営業日比▲12.95円)
東証株価指数(TOPIX):2738.33(▲8.23)
債券先物3月物:142.32円(▲0.25円)
新発10年物国債利回り:1.065%(△0.030%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月機械受注(船舶・電力除く民需)
前月比 2.1% ▲0.7%
前年同月比 5.6% ▲4.8%
10月第三次産業活動指数
前月比 0.3% ▲0.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は方向感がない。朝方に153.33円まで売りが先行したものの、日経平均株価が上昇したことで下げ渋り。東京仲値にかけて買いが観測されたほか、日銀の年内利上げ見送り観測が高まっていることも支えに一時153.97円まで切り返した。一方、節目の154円を前に買いが一服すると、株価の失速や時間外の米10年債利回りが低下したことが重しとなり153.50円台まで押し戻された。
・ユーロ円は底堅い。週明け早朝という商いの薄い時間帯に160.68円まで一時下落したものの、すぐに反発。その後は日銀の金利据え置き期待を背景に全般円安が進んだ流れに沿って161.99円まで値を上げた。その後はドル円が伸び悩んだため上値がやや重くなったが、下値は限られた。
・ユーロドルは強含み。先週末に米格付け会社ムーディーズがフランスの信用格付けを「Aa2」から「Aa3」に引き下げたことで1.0484ドルまでやや売りが先行した。ただ、一巡後はショートカバーが優勢となり1.0523ドルまで反発し先週末高値1.0524ドルに接近した。
・日経平均株価は続落。先週末の米半導体関連株が上昇したことが好感され、指数は一時100円超上昇した。ただ、ファーストリテイリングなど消費関連株を中心に売りが強まると下げに転じた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。前週末の米国債券相場が下落し、週明けの国内債も売りが先行。その後の戻りも鈍く、一時142.32円まで値を下げた。
中国の国家統計局が16日発表した統計によると、2024年1-11月の商品不動産(不動産デベロッパーが市場で販売する物件)の販売額は前年同期比19.2%減の8兆5100億元だった。下落率は1-10月の20.9%から縮小した。うち住宅販売額は7兆4900億元と20.0%減った。販売面積は全体で14.3%減の8億6100万平方メートル、うち住宅は16.0%減の7億2200万平方メートルだった。
1-11月の不動産開発投資額は9兆3600億元と前年同期比10.4%減った(1-10月は10.3%減)。うち、住宅投資は10.5%減の7兆1200億元。不動産開発企業が新規に着工した物件の面積は23.0%減の6億7300万平方メートルで、うち住宅は23.1%減の4億9000万平方メートルだった。
不動産市場の景気動向を示す不動産開発景気指数は11月に92.62となった。10月から0.14ポイント上昇した。不動産開発景気指数は、2012年を基準(=100)に、95-105なら「適正な水準」、95以下なら「低い水準」、105以上なら「高い水準」を示す。
大和証券では、日本とスイスの政策金利水準の逆転が目前に迫っていることに注目している。スイス中銀(SNB)は12日に50bpの利下げを決定した。今はまだスイスの政策金利の方が25bp高いが、来年中には日銀の追加利上げとSNBの追加利下げが予想され、先進国中で最低の政策金利という不名誉な呼称が日本からスイスへ移ると大和では指摘。投機筋によるキャリー取引の対象通貨が円からスイスフランに移行して「円キャリー」の圧力が和らぐようなら、日銀が7月の会合で示した「上振れリスク」への警戒が和らぐ可能性があると考えている。円金利の動向を考察する上で、スイスの動向にも一定の注意を払う必要がありそうと大和ではコメントしている。
大阪3月限
日経225先物 39460 -10 (-0.02%)
TOPIX先物 2742.0 -5.5 (-0.20%)
日経225先物(3月限)は前日比10円安の3万9460円で取引を終了。寄り付きは3万9610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9570円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。直後に付けた3万9690円を高値に軟化し、前場中盤にかけて3万9450円と下落に転じる場面もみられた。売り一巡後は前場終盤にかけて3万9500円を上回って推移した。
ランチタイムで再び軟化すると、後場の取引開始直後には一時3万9370円まで売られた。ただし、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9340円)を支持線として下げ止まり、中盤以降は3万9390円~3万9480円辺りで保ち合いを継続。12月のSQ値(3万9434.85円)水準での推移が続いた。
日経平均株価は後場に入り3万9371円まで売られたが、+1σ水準での底堅さがみられており、終値ではSQ値を上回っている。日経225先物は+1σと+2σとのレンジ内で推移するなか、レンジ下限での値動きが目立ったが、+1σ割れを狙ったショートは限られ、積極的な売買は手控えられていた。
引き続き、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとするムードが漂い、ロングは限られており、ショートも仕掛けづらくさせている。SQ値や+1σ水準での底堅さが意識されるなか、同水準を下回ってくる局面では押し目待ち狙いのロング対応とみておきたい。
また、週足のボリンジャーバンドにおいても、+1σ(3万9500円)を挟んでの推移となった。バンドが収斂するなか、先週は+2σを捉える場面もみられた。+1σを明確に割り込んでくるようだと、中心値(13週移動平均線)が位置する3万8900円辺りが射程に入ってくる可能性はあるが、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.39倍に上昇した。一時14.42倍まで上昇する場面もみられた。下値は75日(14.32倍)が支持線として意識されている。米ハイテク株高の流れを受けてアドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が日経平均型を下支えした。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の弱い値動きが重荷となったが、方向性としては75日線を支持線にNTロングを意識したスタンスに向かいそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万0266枚、ソシエテジェネラル証券が7844枚、サスケハナ・ホンコンが2358枚、バークレイズ証券が1384枚、日産証券が1039枚、JPモルガン証券が887枚、SBI証券が869枚、ドイツ証券が801枚、楽天証券が679枚、ゴールドマン証券が586枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万2338枚、ソシエテジェネラル証券が1万1029枚、バークレイズ証券が3992枚、JPモルガン証券が3605枚、ゴールドマン証券が1359枚、モルガンMUFG証券が1282枚、みずほ証券が1113枚、ビーオブエー証券が669枚、日産証券が651枚、野村証券が508枚だった。
ドル円は欧州タイムで153円半ばから後半で底堅い動き。
本日のNY市場では12月ニューヨーク連銀製造業景気指数や12月米製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値などの発表が予定されている。指標結果に一時的な反応が見られるとしても、指標結果が今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)の金利見通しに影響を与える可能性は低く方向感にはつながりにくい。
日銀が今週の会合で利上げを見送るとの観測が高まっており、ドル円の底堅い動きが見込める。先週に5日続伸し、本日は約3週間ぶりの高値水準まで上昇していることで、反動の調整売りに押される可能性はあるが、押し目に底堅さを示すと再び154円台を試す動きに持ち込めるか。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げはほぼ完全に織り込んでいるが、日銀の利上げ・据え置きに関しては不透明感が残されている。最近は円安が進んでおり、この円安が日銀の政策委員の判断に影響を与える可能性もある。観測記事など関連のヘッドラインに注意したい。
時間外の米10年債利回りは先週末終値水準をやや下回って推移しているが、米インフレ率の高止まりから来年の利下げペースが緩やかになるリスクが意識され、米長期金利の上昇基調は続きそうで、日米金利差拡大への警戒感は引き続きドル円の下支えとなる。
・想定レンジ上限
ドル円、節目の154.00円や11月26日高値154.49円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、日足一目均衡表・基準線152.70円や200日移動平均線152.10円近辺が下値めど。
今週のNY市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目。先週はダウ平均が1.82%安と2週続落し、S&P500が0.64%安と4週ぶりに反落した一方、ナスダック総合は0.34%高と4週続伸した。主要3指数が最高値圏で推移し高値警戒感が強まる中、米11月生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回る伸びとなったことなどで、米10年債利回りが11月22日以来となる4.40%台に上昇したことが重しとなり、幅広い銘柄が下落したが、好決算や強い見通しを発表したブロードコムやトランプ次期政権の政策期待が高まったテスラなどが大幅高となりナスダック総合を押し上げた。ナスダック総合は12日を除く4日間で取引時間中の史上最高値を更新し、終値では初めて20000ポイントを突破した。
今週は2025年の利下げ見通しを巡り水曜日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる。CMEのフェドウォッチ・ツールでは97%の確率で0.25%の利下げが予想されているが、公表されるFOMCメンバーの2025年のFF金利予想(ドット・プロット)が注目される。市場では2025年に3回、又は4回の利下げを予想しており、ドット・プロットが市場予想に沿ったものとなれば、年末に向かってもう一段の株価上昇が期待できそうだ。また、金曜日には米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する11月個人消費支出(PCE)価格指数の発表もあり、足もとのインフレ動向にも要注目となる。このほかの経済指標は11月小売売上高、11月住宅着工件数、11月中古住宅販売件数など。決算発表はマイクロン・テクノロジー、ダーデン・レストランツ、ナイキ、フェデックスなどS&P500採用の15銘柄が発表予定で、決算やガイダンスが注目される。
今晩の米経済指標・イベントは12月NY連銀製造業業況指数、12月製造業・サービス業PMI 速報値など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は小幅続落。10日移動平均線(39368円 12/16)をサポートに前日陰線のレンジ内で小動きとなった。
RSI(9日)は前日の70.6%→56.5%(12/16)に低下。一目均衡表では上昇する転換線(39516円 同)上を維持して終えられなかった点はネガティブだが、水準自体は横ばいであり特に見方に大きな変化はない。10/15高値(40257円)と11月前半の高値水準をつないで延長した下値支持線上を維持している。
上値メドは、12/12高値(40091円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42012円)、7/11高値(42426円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線(38827円 同)、75日移動平均線(38452円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
フランス新首相を待つ難題 財政拡張や極右の伸張を招く恐れ
内閣不信任で辞職を迫られたバルニエ氏の後継首相にマクロン大統領が選んだのは、自身に近い中道政治家のバイル氏。穏健左派を直接・間接的に取り込む形の政権が発足できるか、政権協力と引き換えに各党がどのような政策を要求するか、それにより財政運営がどの程度弛緩するかに注目している。新首相就任から数時間後、財政赤字の継続的な削減が困難であるとして、大手格付け会社がフランス国債の格下げを発表した。財政運営への不安が広がっている。
新首相が穏健左派の取り込みに成功する場合も失敗する場合も、下院の解散が解禁される来年後半以降、再び総選挙が行われる可能性が高い。マクロン路線の継続と受け止められかねないバイル氏の首相就任は、次の選挙で政権に加わる政党に逆風となりかねない。また、極左と穏健左派の間で亀裂が生じており、次の選挙で左派が統一会派を結成できない場合、極右政党に有利に働く可能性がある。新首相就任が政治安定につながる可能性は低い。
(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.14円(16日15時時点比△0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.02円(△0.39円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0511ドル(▲0.0008ドル)
FTSE100種総合株価指数:8262.05(前営業日比▲38.28)
ドイツ株式指数(DAX):20313.81(▲92.11)
10年物英国債利回り:4.442%(△0.030%)
10年物独国債利回り:2.247%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月スイス生産者輸入価格
(前月比) ▲0.6% ▲0.3%
12月仏製造業PMI速報値
41.9 43.1
12月仏サービス部門PMI速報値
48.2 46.9
12月独製造業PMI速報値
42.5 43.0
12月独サービス部門PMI速報値
51.0 49.3
12月ユーロ圏製造業PMI速報値
45.2 45.2
12月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
51.4 49.5
12月英製造業PMI速報値
47.3 48.0
12月英サービス部門PMI速報値
51.4 50.8
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ドル円はしっかり。18-19日の日銀金融政策決定会合を前に、「日銀は追加利上げを見送る」との観測が高まり円売り・ドル買いを促した。米10年債利回りが上昇に転じたことも相場の支援材料となり、一時154.48円と11月26日以来の高値を更新した。12月の米ニューヨーク連銀製造業景気指数や米製造業PMI速報値は予想を下回った一方、米サービス部門PMI速報値は予想を上回り、3年2カ月ぶりの高水準を記録。米金利の上昇とともにドル買いを誘った。
・ユーロドルは下値が堅かった。ドイツやユーロ圏の12月サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことでユーロ買い・ドル売りが先行。17時30分過ぎに一時1.0524ドルと前週末の高値に面合わせした。ただ、米長期金利が上昇に転じるとユーロ売り・ドル買いがじわりと強まり、24時前に一時1.0475ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、前週末の安値1.0453ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。2時30分前には1.0521ドル付近まで持ち直した。
なお、独連邦議会ではこの日、ショルツ首相の「不信任」が決まり、大統領が近く連邦議会を解散して、来年2月23日に議会選挙が行われることが決まった。ただ、事前に想定されていた内容だったことから相場の反応は限られた。
・ユーロ円は底堅い動き。日本時間夕刻に一時161.17円付近まで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。1時前には一時162.21円と11月22日以来の高値を付けた。日銀の早期利上げ観測が後退する中、円売り・ユーロ買いが出やすい地合いとなった。
・ロンドン株式相場は続落。12月英製造業PMI速報値が予想を下回ったことなどが相場の重しとなった。なお、サービス部門PMI速報値は予想を若干上回った。原油先物価格の下落を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。12月独製造業PMI速報値が予想を下回ったことなどが相場の重しとなった。個別ではボノビア(4.12%安)やメルセデス・ベンツグループ(3.86%安)、BMW(3.17%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
16日の日経平均は続落。終値は12円安の39457円。円安進行に好反応を示して高く始まり、序盤では上げ幅を3桁に広げる場面もあったが、場中の上値は重かった。前場ではマイナス圏に沈んだところではすぐに切り返したが、後場は逆にマイナス圏で推移する時間が長く、戻してプラス圏に浮上したところではすぐに売り直された。ただ、安値でも2桁の下落までにとどまっており、終盤にかけては下げ幅を縮めた。前場ではプラス圏とマイナス圏を行き来したTOPIXは、後場は一度もプラス圏に浮上できなかった。前場から弱かったグロース250指数は1%近い下落となった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆3300億円。業種別では繊維、その他製品、ゴム製品などが上昇した一方、陸運、石油・石炭、空運などが下落した。上期が大幅な増益となったHamee<3134.T>が、一時ストップ高となるなど急騰。半面、下方修正を発表したスミダコーポレーション<6817.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり612/値下がり975。フジクラや古河電工など電線株が大幅上昇。アドバンテストやディスコなど半導体株の動きが良く、ソシオネクストが商いを伴って値を飛ばした。商業用ディスプレイを手がける丹青社が上方修正と増配を発表して急騰し、同業の乃村工芸社にも期待買いが入った。アクシージアは1Qは大幅減益となったものの、自己株取得・消却が評価されて急伸した。
一方、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社が軟調。12月日銀会合での利上げ見送り観測を受けて、東京海上やMS&ADなど保険株の一角が強めに売られた。決算が失望を誘ったアスクルやヤーマンが急落。スマレジは上期が大幅な増益となり、初配の実施も決定したが、株価が高値圏で推移していたことで利益確定売りも出やすかったか、17.6%安と派手な下げとなった。
日経平均は続落。上昇して始まったものの買いが続かなかった。日本経済新聞で日銀の利上げ見送り観測が出てきたことは日本株にポジティブに作用すると思われたが、きょうの失速を見る限り、織り込みが相当程度進んでいたと解釈せざるを得ない。米国の0.25%の利下げも織り込みが進んでおり、それで楽観ムードが高まらないのであれば、目先は上が期待しづらい。東京市場では木曜19日にFOMCと日銀会合の結果を消化するスケジュール。米国動向にもよるが、火曜と水曜はきょう同様に方向感と盛り上がりに欠ける相場が続く可能性が高い。
豪政府は16日、豪準備銀行(RBA)の政策委員メンバーとしてフライマッキピン氏、ベーカー氏を指名した。
一部通信社が報じたところによると、「カナダのフリーランド財務相は辞任する意向を示した」ようだ。
中国の国家統計局が16日発表した2024年11月の住宅価格統計によると、主要70都市のうち、新築分譲住宅価格(保障性住宅を除く)が前月比で下落したのは49都市となり、前月から14都市減った。上昇は17都市で前月から10都市増えた。横ばいは4都市だった(前月はなし)。前年同月比では、下落は67都市で前月と変わらず。上昇は3都市で前月と変わらず。横ばいの都市はなかった(前月もなし)。
中国国家統計局の統計に基づいてリフィニティブが算出した主要70都市の新築住宅価格指数は、前年同月比5.7%下落した。下げ幅は前月比0.2ポイント縮小した。10月との比較では0.1%下落し、17カ月連続で前月割れとなった。
規模別では、「一線都市」(北京、上海、広州、深セン)の新築分譲住宅価格は前月比0.2%下落した(前月は0.2%下落)。これに次ぐ規模の「二線都市」(31都市)は前月比0.1%下落(前月は0.5%下落)。「三線都市」(35都市)は0.3%下落した(前月は0.5%下落)。前年同月比では、一線都市が4.3%下落(前月は4.6%下落)。二線都市は5.8%下落(前月は6.0%下落)、三線都市は6.5%下落(前月は6.6%下落)となった。
ドイツ議会はショルツ首相を不信任として、2月に総選挙を行う道筋をつけたという。一部通信社が伝えた。
仏中銀は16日、2025年経済成長率見通しを1.2%から0.9%に下方修正した。また、26年の成長率も1.5%から1.3%に下方修正した。
16日16:16 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「さらなる利下げが予定されており、その方向性は明確」
「インフレを取り巻くリスクは双方向的」
16日16:25 中国中央財経委員会
「中国にはまだ大きな投資余地がある」
17日01:21 トランプ次期米大統領
「ソフトバンクグループは米国に1000億ドル投資する」
「ソフトバンクグループの孫正義社長との実りある会合を終えた」
「我々はプーチン露大統領と話をする」
「日本の首相と会う」
「就任式前に日本の首相と会うかもしれない」
17日01:50 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「物価安定は手の届くところにある」
「データに依存しつつ慎重に進める必要がある」
「政策金利を徐々に中立水準に引き下げることが最も適切な行動方針」
「政策制限を徐々に解除することが依然として適切」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○08:30 ◇ 12月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○16:00 ◎ 11月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 8-10月英失業率(ILO方式、予想:4.3%)
○18:00 ◎ 12月独Ifo企業景況感指数(予想:85.6)
○18:00 ◎ カジミール・スロバキア中銀総裁、記者会見
○18:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 12月独ZEW景況感指数(予想:6.5)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏ZEW景況感指数
○19:00 ◇ 10月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済116億ユーロの黒字)
○22:30 ◇ 10月対カナダ証券投資
○22:30 ◎ 11月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比2.0%)
○22:30 ☆ 11月米小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比0.4%)
○23:15 ◎ 11月米鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
◇ 設備稼働率(予想:77.3%)
○24:00 ◇ 10月米企業在庫(予想:前月比0.1%)
○24:00 ◎ 12月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:47)
○18日03:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.15円(前営業日比△0.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.03円(△0.66円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0512ドル(△0.0011ドル)
ダウ工業株30種平均:43717.48ドル(▲110.58ドル)
ナスダック総合株価指数:20173.89(△247.17)
10年物米国債利回り:4.40%(△0.01%)
WTI原油先物1月限:1バレル=70.71ドル(▲0.58ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2670.0ドル(▲5.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
0.2 31.2
12月米製造業PMI速報値
48.3 49.7
12月米サービス部門PMI速報値
58.5 56.1
12月米総?⑰MI速報値
56.6 54.9
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は6日続伸。18-19日の日銀金融政策決定会合を前に、「日銀は追加利上げを見送る」との観測が高まる中、円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.4106%前後と11月22日以来の高水準を付けたことも相場の支援材料となり、一時154.48円と11月26日以来の高値を更新した。
本日発表の12月の米ニューヨーク連銀製造業景気指数や米製造業PMI速報値は予想を下回った一方、米サービス部門PMI速報値は予想を上回り、3年2カ月ぶりの高水準を記録。米金利の上昇とともにドル買いを誘った面があった。
・ユーロドルは小幅ながら続伸。米長期金利の上昇を受けてユーロ売り・ドル買いが先行。24時前に一時1.0475ドルと日通し安値を更新した。
ただ、前週末の安値1.0453ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。4時過ぎには1.0522ドル付近まで持ち直した。もっとも、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.0524ドルを上抜けることは出来なかった。
なお、独連邦議会ではこの日、ショルツ首相の「不信任」が決まり、大統領が近く連邦議会を解散して、来年2月23日に議会選挙が行われることが決まったが、事前に想定されていた内容だったことから相場の反応は限られた。
・ユーロ円は続伸。日銀の早期利上げ観測が後退する中、円売り・ユーロ買いが優勢となった。1時前には一時162.21円と11月22日以来の高値を付けた。その後の下押しも161.90円付近にとどまった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は8日続落。ハイテク株の一角に買いが入り指数は反発して始まったものの、ディフェンシブ株の一角に売りが出ると下げに転じた。ユナイテッドヘルス・グループが軟調に推移し、1銘柄でダウ平均を129ドル程度押し下げた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、史上最高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは小幅ながら6日続落。利回りは一時4.4106%前後と11月22日以来の高水準を付けたものの、17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見ムードも広がり大きな方向感は出なかった。
・原油先物相場は反落。先週末に材料視された産油国ロシアやイランに対する制裁を受けた買いは一服。中国の需要拡大への期待も、中国株式市場のさえない推移を受けていったん後退した。
・金先物相場は3日続落。米10年債利回りが11月22日以来の4.41%台まで一時上昇。米金利上昇やドル買い先行の動きを受け、金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味低下や、ドル建て金価格の割高感が意識され、売り優位となった。さえない中国市場の動向も、同国の宝飾向け金需要の鈍さを意識させた。
16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.4106%前後まで上昇したことで154.48円まで上昇した。ユーロドルは1.0475ドルまで下落後、1.0522ドル付近まで持ち直した。ユーロ円は日銀の早期利上げ観測が後退する中、162.21円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、本日から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的な利下げ観測から底堅い展開が予想される。
FOMCでは、0.25%の利下げはほぼ確実視されているが、来年1月20日の第2次トランプ米政権発足後の28-29日のFOMCでは据え置きが見込まれているため、タカ派的な利下げと見なされておりドル買い要因となっている。
リスクシナリオは、パウエルFRB議長の発言「利下げを急ぐ必要性はない」の通りに据え置きだった場合、そしてドット・プロットでのターミナルレート(利下げの最終到達点)が引き上げられた場合となる。
ドル円は154円台に乗せているが、この水準は、7月の日銀金融政策決定会合で円安抑制のために0.25%への利上げが決定された水準であり、4月にトランプ次期米大統領が「アメリカの製造業にとって大惨事」と懸念を表明した水準でもある。
今週の日銀会合は利上げ見送りがほぼ確実視されており、日銀はある程度の円安を容認していると思われるものの、トランプ次期米大統領による突発的な円安牽制発言には引き続き警戒しておきたい。
18-19日に開催される日銀金融政策決定会合では、昨日まで内外5つのメディアが「利上げ見送り」と報じていることで、利上げ見送りはほぼ確実だと思われる。日銀会合での利上げ見送り報道以外の円安要因を確認しておきたい。
・石破首相「現時点ではデフレ脱却には至っていない」
・本邦機関投資家による大口の米国同業者の買収報道
・中国による積極的な金融・財政スタンスと人民元安検討報道
一方で、植田日銀総裁や中村日銀審議委員が利上げの条件としていたデータは以下の通りにほぼオントラック(想定通り)となっている。
・10月コア全国CPI:前年同月比+2.3%
(※11月コア全国CPI:予想 前年同月比+2.6%)
・11月東京都区部CPI:前年同月比+2.2%
・10月実質賃金:前年同月比横ばい
・11月輸入物価指数:前月比+1.5%、前年比-1.2%
・12月調査日銀短観(大企業製造業の業況判断指数DI):+14
・7-9月期実質GDP改定値:上方修正(前期比+0.3%、前期比年率+1.2%)
ドル円のテクニカル分析での上値の目処としては、11月15日の高値156.75円、7月3日の高値161.95円から156.75円を経由する抵抗線(12/17:155.65円~12/20:155.50円)、156.75円から148.65円までの下落幅の76.4%戻しの154.84円などが挙げられる。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39640 +180 (+0.45%)
TOPIX先物 2747.5 +5.5 (+0.20%)
シカゴ日経平均先物 39625 +165
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%利下げの観測が根強いが、2025年の利下げ回数が予想を下回るとの見方もあり、金融政策を巡る不透明感が強かった。FOMCの結果やパウエル米連保準備理事会(FRB)議長の会見を見極めたいとするムードのなか、積極的な売買は手控えられた。引き続きディフェンシブ株からハイテク株への資金シフトが目立っており、NYダウが8日続落した半面、ナスダック指数は最高値を更新した。
NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、アムジェン<AMGN>、メルク<MRK>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、シェブロン<CVX>、エヌビディア<NVDA>が売られた。一方、ハネウェル・インターナショナル<HON>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>が買われた。また、半導体株では前週末に急伸したブロードコム<AVGO>への買いが続いたほか、マイクロン・テクノロジー<MU>が買われ、半導体SOX指数の上昇率は2%を超えた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比165円高の3万9625円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万9430円で始まり、3万9390円~3万9480円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始時に3万9500円を回復すると上へのバイアスが強まり、一時3万9720円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は3万9620円~3万9720円のレンジで推移し、3万9640円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。NYダウは8日続落と調整を継続しているが、ブロードコムなど半導体株の一角が買われており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうである。また、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が向こう4年間で米国に少なくとも1000億ドル(約15兆4000億円)を投資するとトランプ次期米大統領が発表した。人工知能(AI)など新興テクノロジーを中心に10万人分の雇用を創出するようであり、ハイテク株物色によって日経平均型優位の展開が見込まれる。
日経225先物はナイトセッションで一時3万9390円まで下げたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9360円)が支持線として機能していた。その後の切り返しで3万9720円まで買われており、+2σ(3万9890円)が意識されてくるだろう。+1σと+2σとのレンジ推移ながら、ハイテク株主導の上昇が見込まれ、押し目待ち狙いの買い意欲が強まりやすいだろう。
FOMCの結果待ちとなるなかで積極的なロングは限られそうだが、+2σに接近する局面ではショートカバーが強まる可能性がある。節目の3万9500円を下回る場面では押し目待ち狙いのロング対応とみておきたい。そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万円のレンジを想定する。金融イベント通過後はトランプ次期政権に対する期待感から年末高が意識されやすく、+2σを明確に上放れてくるようだと、11月7日の4万0170円、10月15日の4万0300円を目先のターゲットとしたトレンドをみせてくる可能性がある。
16日の米VIX指数は14.69(13日は13.81)に上昇した。抵抗線として意識されていた25日移動平均線(14.45)水準で始まり、その後13.99まで軟化する場面もみられた。ただし、その後の切り返しで同線を上回って終えている。FOMCとパウエルFRB議長の会見を受けての上昇もありそうだが、200日線(15.86)を上回ってくるまでは過度にリスク後退には向かわないとみておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.39倍に上昇した。一時14.42倍まで上昇する場面もみられ、下値は75日線(14.32倍)が支持線として意識されている。米ハイテク株高やソフトバンクグループによる米国での1000億ドル投資計画を受けて、日経平均型優位の展開が見込まれ、75日線を支持線としたNTロングを意識したスタンスとなりそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比80円高の3万9540円(+0.20%)前後で推移。寄り付きは3万9630円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9625円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には、3万9780円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただし、買い一巡後は軟化し、中盤にかけて3万9600円を下回ると、終盤にかけては一時3万9490円まで上げ幅を縮めた。
日経225先物は、買い一巡後は軟化する形となったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか、積極的にポジションを傾けにくい状況であるため想定内の動きだろう。日経平均株価は終盤にかけて3万9487.79円まで上げ幅を縮めたが、12月のSQ値(3万9434.85円)接近では底堅さがみられており、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9350円)と+2σ(3万9870円)でのレンジ推移を継続。寄り付き直後に+2σに接近した後は終盤にかけて+1σに接近する格好だが、朝方のロングの解消は一巡していると考えられ、節目の3万9500円近辺では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.42倍に上昇した。一時14.44倍まで上昇する場面もみられており、支持線として意識されている75日移動平均線(14.33倍)から上放れてきた。方向性としてはNTロングを意識したスタンスに向かわせそうだ。
昨日のドル円は、欧州時間に米長期金利の低下につれて153.45円まで下押す場面もみられましたが、その後は米10年債利回りが一転して4.4106%まで上昇に転じるにつれて154.48円まで買戻されることになりました。その後は154.01円まで下押ししたものの、引けにかけては再び下値を切り上げてNY市場を終えました。アジア時間に入ってからは、利食い売りや目先のポジション調整が先行すると一時153.80円まで値を下げたものの、NY時間の安値153.77円が目処として意識されたほか、連日観測されている本邦実需の買いが持ち込まれていることもあり、再び154円台を回復しているといったところです。
市場では、先ずFOMCの結果を待っているところですが、昨日もお伝えしているように、市場の焦点は今回の利下げではなく、来年の利下げペースや利下げ幅の目安。Fedwatchが先んじて来年は2回の利下げに止まるといったメインシナリオを描いているなか、FOMCメンバーの中央値がそのシナリオに追いつくことになるのかどうか。また、更には、9月に引き上げられた中立金利の中央値が再び上方修正されるのかどうか。米10年債利回りがトレンドラインを上抜けて4.4%台に乗せているところをみると、やはり、リスクとしては上方向にあるのかもしれません。
いずれにしても、FOMCでは声明文や「経済・金利見通し」に続き、パウエルFRB議長の定例記者会見。そして、アジア時間にそのまま突入して、ランチタイム前後に日銀金融政策決定会合の結果。15時30分からは、毎回曰くつきの植田日銀総裁の定例記者会見へと続く一連の中銀イベントを前にして、市場参加者としては、長い一日をいかに集中力を切らさずに臨めるかが重要となっています。
「イスラエルはイランの核施設を攻撃すべき」(トランプ次期米大統領)
2024年12月8日、約53年間シリアを支配していたアサド政権が崩壊した。
2010~12年の「アラブの春」で独裁者を倒した国やフセイン・イラク政権、カダフィ・リビア政権の崩壊の後には混迷が待っていたが、シリアには春は到来するのだろうか。
1. 中東情勢の一寸先は闇:サソリとカエル
一匹のサソリが川を渡りたいと思っていた。しかし、サソリは泳げないのでカエルに「向こう岸までおぶって運んでくれないか?」と頼んだ。
カエル「いやだね、お前は俺を刺すに決まっている」
サソリ「君を刺したら俺は溺れて死んでしまう。そんなことするわけないだろう」
カエルは納得してサソリを背負って川を渡り始めた。そして、川の半分ぐらいに差し掛かったところ、カエルは突然、背中に鋭い痛みを感じた。
カエル「どうして刺したんだ、お前も死ぬんだぞ」
サソリ「すまない、わかってはいるんだ。でもどうしてもやめられない、ここは中東だし、これが俺の性(サガ)なんだ」
2. アサド政権の崩壊
1970年、バッシャール・アル=アサド大統領の父であるハーフィズ・アル=アサド国防相が権力を掌握し、1971年にハーフィズが第4代大統領に就任して独裁体制が確立した。
2000年にハーフィズ第4代大統領が死去し、その息子であるバッシャール・アル=アサドが第5代大統領に就任した。
2011年の「アラブの春」の影響を受けた市民が反政府デモを起こしたことで武力弾圧を開始し、ロシアやイランが支援するシリア政府軍とトルコや米国が支援する反体制派とのシリア内戦が始まった。
2024年12月8日、反体制派が首都ダマスカスを制圧し、「21世紀のモンスター」と恐れられたアサド大統領は家族とともにモスクワに亡命した。
3.イラン:「シーア派の弧」の崩壊
イスラム教シーア派大国のイランはパレスチナ問題の原因を作ったとして米の同盟国イスラエルを敵視し、周辺国の民兵組織と連携して「シーア派の弧」と呼ばれる親イラン勢力「抵抗の枢軸」を構築してきた。
しかし、シリア・アサド政権が崩壊して「シーア派の弧」の弱体化は必至となったため、対外的には、ヒズボラへの補給路が壊滅的な打撃を受け、対内的には、核武装に突き進んでいく可能性が高まることになる。
イスラエルがイランの核開発施設を攻撃した場合、「第5次中東戦争」が勃発することになる。
4.ロシア:中東の橋頭堡の喪失
ロシア軍は冷戦以来、シリアに駐留してきており、2015年にアサド政権を支援するため内戦に介入した。
ロシアにとって、地中海沿岸のタルトゥース海軍基地は地中海で唯一の修理・補修拠点であり、ここを拠点にして民間軍事企業を中東やアフリカに派遣している。このため、タルトゥース海軍基地を失うことは、ロシアの中東やアフリカ地域に対する橋頭堡を失うことを意味する。
5.イスラエル:ゴラン高原(トランプ高原)
イスラエルは、かつてシリア高原と呼ばれたゴラン高原を実効支配しているが、トランプ第45代米大統領がゴラン高原の一部にイスラエルの主権を認めたことで「トランプ高原」と命名した。イスラエルはアサド政権の崩壊に乗じて、「トランプ高原」への入植者の増大を目論んでいる。
本日のロンドン為替市場では、英雇用データを受けて昨日のポンド買い戻しが続くのかをまず見定め。ユーロは独景気指数を確かめながらの取引となるだろう。
昨日はポンドが対ドルやユーロで強含み推移。先週後半はさえない英経済指標を背景にポンド売りが強まっており、その反動で週明けは買いが先行。ロンドンフィキシングに絡んだポンド買いも見られたようだ。また、日本などが参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に、英国が正式に加盟したこともポンドにとってポジティブ材料とされたか。
本日の英雇用指標では、前回が市場予想より悪かったILO方式の失業率に注目。今回8-10月分は4.3%と横ばい見込みだ。今春悪化した水準4.4%手前で踏みとどまれるかがポイントだろう。また、同時期の平均賃金(除くボーナス)にも目を向けておきたい。一部では、前回の約2年ぶり低水準4.8%から上振れが予想されている。
もし結果が市場にとって大きなサプライズとなれば、明日18日に行われる英中銀金融政策委員会(MPC)の投票行動(結果公表は19日)に何ら影響を与えるかもしれない。なお明日には11月英インフレ指標が発表予定。
本日はドイツから12月のIfo企業景況感指数やZEW景況感指数が発表される。昨日の12月独PMI速報値は、サービス部門が51まで改善したことは好感されたものの、予想より弱い製造業は42.5まで悪化した。本日の指標も前回値には届かないと見られており、独景気回復には時間がかかるとの見方を確認することになりそうだ。
他にも、ユーロにとって重しとなる材料(ユーロ圏金利の先安観や独仏の政局不透明感、仏格下げなど)は目立つ。しかしながらユーロドルは昨日も1.04ドル後半で下げ渋っている。本日の独指標が弱い場合でも下サイドへの反応が鈍ければ、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表の前に持ち高調整が進むこともあり得るか。
想定レンジ上限
・ポンドドル、12日高値1.2788ドル
・ユーロドル、9日高値1.0594ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、13日安値1.2609ドル
・ユーロドル、13日安値1.0453ドル
ドル円:1ドル=154.13円(前営業日NY終値比▲0.02円)
ユーロ円:1ユーロ=161.91円(▲0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0504ドル(▲0.0008ドル)
日経平均株価:39364.68円(前営業日比▲92.81円)
東証株価指数(TOPIX):2728.20(▲10.13)
債券先物3月物:142.21円(▲0.11円)
新発10年物国債利回り:1.075%(△0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。朝方に154.35円まで値を上げたものの、昨日高値の154.48円を試す展開にはならず一巡後は153.80円まで戻り売りに押された。一方で下値も限られ、午後に入ると全般ドルを買い戻す動きが強まった影響から154.20円台を回復するなど、総じて方向感を欠いた。
・ユーロドルは上値が重い。昨日高値の1.0524ドルを上抜けると目先のストップロスを巻き込む形で1.0534ドルまで値を上げた。ただ、一段と買い進める材料にも乏しく、一巡後はドル買い圧力が高まったこともあり1.0498ドルまで売りに押されている。
・ユーロ円も頭が重い。総じてユーロドルにつれた動きとなり午前に162.48円まで上昇した後は161.72円まで一転下落している。日経平均株価が安値引けとなったことが重しとなった面もある。
・日経平均株価は3日続落。昨日の米ハイテク株の上昇を受けて300円超上昇して始まったが、一巡後は利食い売りや戻り売りが優勢に。午後には下げに転じ安値引けとなった。
・債券先物相場は続落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで142.19円まで下げて始まった。一巡後は下げ渋り午後の取引が開始すると142.36円まで切り返したが、引けにかけては再び売り圧力に押された。
UBS証券では、12月の中銀イベントに関して、日銀金融政策決定会合では政策金利の据え置き、米国FOMCでは25bpの利下げを想定している。2025年のイベントに関しては、3月の「春闘」で賃上げの機運が広がるとみているほか、通期決算発表や株主総会が集中する5~6月に、日本のコーポレートガバナンス改革の進展に伴うアクションの増加や変化に対する市場の注目度上昇を見込んでいる。UBSでは2025年の日本株について、グローバル経済の不確実性が重石となるものの、インフレ転換やガバナンス改革など日本固有の構造変化は中期的な株価ドライバーとみており、年率+5%前後のアップサイドを見込んでいる。
大和証券では2025年のドル円相場に関して、日米金利差の縮小と原油価格の軟化に伴う実需の円売り圧力の減衰を背景とした段階的な円高ドル安基調をメーンシナリオとしている。年末時点では、1ドル=142円程度を想定している。現時点で想定されるリスクシナリオを参照した上での2025年のドル円の予想レンジは、127円~160円としている。
中国人民銀行(中央銀行)の党委員会は16日の会合で、中国指導部が前週の中央経済工作会議で示した方針に従い、「適度に緩和的な金融政策」を実施すると決めた。2025年は多種の金融政策ツールを総合運用し、タイムリーに預金準備率と金利を引き下げ、十分な流動性を保つ。同時に、人民元相場を合理的な均衡水準で基本的に安定させるとした。
同会合は重点分野の金融リスクの防止と解消も表明した。24年10月に導入した「証券会社、ファンド、保険会社スワップ・ファシリティ(SFISF)」と「自社株買い・追加取得向け再貸付制度」を資本市場の安定発展を支える2つの金融政策ツールとして、金融市場の安定を維持する。「融資平台」と呼ばれる地方政府傘下の投資会社が抱える債務リスクの解消に向けて金融支援を継続し、不動産市場の持ち直しを支援する。
金融改革と高水準の対外開放も着実に推進する。人民元の国際化を着実かつ慎重に進め、人民元のクロスボーダー支払いや投融資、準備金、値付けなどの国際通貨としての機能を一段と増強する。
今年度の補正予算が自民・公明両党と日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決・成立した。約13兆9000億円となる今年度の補正予算案には電気・ガス料金の補助再開や住民税非課税世帯への給付金など物価高への対応、能登半島のインフラ復旧に必要な事業などが盛り込まれている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、欧米の大手金融機関各社による「25年末のS&P500指数の予想値」が出そろってきたことに注目している。予想値の最低が6000p、最高が7100p、平均値が6614p、中央値が6600pであったとのこと。ただし、過去における彼らの予想がかなり高い確率で当たっていないという事実があると東海東京では指摘。25年の予想レンジ6000-7100pは「参考」程度にとどめておいた方が良さそうで、上昇相場を予想するなら、S&P500が7100pを上回る可能性というのも頭に入れておいた方が良いかもしれないとコメントしている。
中国の国務院(内閣に相当)は16日に常務会議を開き、前週に開かれた中央経済工作会議で指導部が決定した事項を実施する工程表を策定し、施策を進めるよう各部局に指示した。
常務会議は、地方政府が専項債(インフラ債)の資金を投資する分野を「ネガティブリスト」で管理するよう地方政府に指導し、土地の確保や既存の商品不動産(不動産開発業者が市場で販売する物件)を保障性住宅に転用するための買い上げに投じることを認め、プロジェクト資本金に使える範囲を拡大した。また、プロジェクトの審査・管理制度を最適化するため、地方政府の自主裁量権を適度に広げ、債券発行の使用効率を向上させる。
『証券時報網』は同日、専項債で資金を調達することで、地方政府は遊休地の買い戻しや買い手が付かなかった土地の買い取りがしやすくなるとの見方を示した。売れ残っている建設済み商品不動産の消化に力を入れると同時に、保障性住宅の建設も支え、不動産市場の需給均衡が一段と促進されるとした。
大阪3月限
日経225先物 39400 -60 (-0.15%)
TOPIX先物 2732.0 -10.0 (-0.34%)
日経225先物(3月限)は前日比60円安の3万9400円で取引を終了。寄り付きは3万9630円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9625円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。現物の寄り付き直後には3万9780円まで上げ幅を広げる場面もみられた。買い一巡後は軟化し、前場終盤にかけては3万9490円まで上げ幅を縮めた。ランチタイムで持ち直し、3万9520円~3万9570円辺りでの底堅さが意識されたものの、後場中盤にかけて3万9380円まで売られた。その後ショートカバーでプラス圏を回復する場面もみられたが戻りは鈍く、現物の大引け後には一時3万9340円まで下げ幅を広げた。
日経225先物は買い一巡後は軟化する形となったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控ええて、積極的にポジションを傾けにくい状況であるため想定内の動きだろう。ボリンジャーバンドの+1σ(3万9340円)と+2σ(3万9860円)でのレンジ推移を継続。終盤にかけて弱含む形となったが+1σ水準で下げ渋りをみせた。
日経平均株価は終盤にかけての弱い値動きによって、12月のSQ値(3万9434.85円)を下回った。ただし、+1σ水準が支持線として意識されており、ショートを仕掛けづらくさせそうである。明日はFOMCの結果待ちとなるなかで様子見姿勢が一段と強まりとみられ、スキャルピング中心のトレードにとどまろう。
また、本日は米国への1000億ドルの投資計画を発表したソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が堅調だったほか、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、中外製薬 <4519.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、TDK <6762.T> [東証P]の5銘柄で日経平均株価を約193円下支えした。一方で、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が1社で約235円押し下げていた。
アドバンテストのインパクトが大きかったが、海外投資家による利益確定のほか、明日上場するキオクシアホールディングス <285A> [東証P]を取得するために換金売りの対象となったとの見方が聞かれた。セクター内で相対的に強い基調が続いていることもあり、リバランスが入りやすいのだろう。そのため、アドバンテストの下落を過度に警戒する状況とはならないとみられる。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジ推移を継続。+1σを下回る局面では、3万9000円近辺で押し目狙いのスタンスが強まろう。明日も金融イベントの結果待ちではあるものの、持ち高をニュートラルに近づけるなかでは、ショートカバーが入りやすい需給状況とみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.42倍に上昇した。一時14.44倍まで上昇する場面もみられており、支持線として意識されている75日移動平均線(14.33倍)から上放れてきた。アドバンテストが日経平均型の重荷となったが、14.42倍を挟んでの狭いレンジであった。方向性としてはNTロングを意識したスタンスに向かわせそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3453枚、ソシエテジェネラル証券が1万1177枚、サスケハナ・ホンコンが3040枚、SBI証券が2244枚、日産証券が1835枚、バークレイズ証券が1437枚、JPモルガン証券が993枚、ドイツ証券が949枚、モルガンMUFG証券が929枚、松井証券が740枚枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9922枚、ソシエテジェネラル証券が1万6166枚、バークレイズ証券が4879枚、モルガンMUFG証券が4095枚、JPモルガン証券が3754枚、ゴールドマン証券が2608枚、ビーオブエー証券が1912枚、みずほ証券が1685枚、日産証券が1684枚、野村証券が962枚だった。
ドル円は昨日まで6日続伸と154.48円まで上昇し、11月26日の高値154.49円に迫った。本日これまでは154.35円を頭にやや調整売りが優勢も153円後半で下げ渋っている。日銀が今週の会合で利上げを見送るとの大方の見方は変わらず、ドル円の下値は堅く徐々にイベント待ちムードが強まりそうだが、先週から一方的な上昇に一段と調整が入る可能性も念頭に置きたい。
市場では18-19日の日銀会合で据え置き確率が約8割超、利上げ確率が2割弱と据え置きが基本コンセンサスとなっているが、日銀のサプライズ利上げの可能性も若干警戒されている。また、日銀が今月に利上げを見送ったとしても来年1月の利上げ観測は根強く残されている。ドル円が155円を超えて円安が加速すると、日銀が輸入物価上昇リスクを念頭に早期の利上げに踏み切るとの観測が高まる可能性がある。
本日のNYタイムでは11月米小売売上高などの発表が予定されている。年末商戦の好調さが反映され、市場では前月から伸びが加速すると見られているが、市場予想と大きく乖離しない限り、本日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ思惑への影響は見られないだろう。
・想定レンジ上限
ドル円、昨日の高値154.48円や11月22日高値155.02円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、昨日の安値153.33円や日足一目均衡表・基準線152.70円が下値めど。
今晩はもみ合いか。昨日はダウ平均が110.58ドル安(-0.25%)と8営業日続落し、2018年以来の長期続落を記録した一方、S&P500が0.38%高と3営業日ぶりに反発した。ハイテク株主体のナスダック総合は1.24%高と大幅に2営業日続伸し、先週末に続いて取引時間中の史上最高値を更新。終値でも3営業日ぶりに最高値を更新した。水曜日に米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控える中、エヌビディアが1.7%安となり「調整相場」入りとなったものの、ブロードコムが2桁高となり連日で上場来高値を更新したほか、アルファベット、アップル、テスラも上昇し上場来高値を更新した。S&P500の11セクターでは、ITと一般消費財セクターが過去最高値を更新して終了した。
今晩の取引では翌日のFOMC結果公表を控えた様子見姿勢が強まりそうだ。CMEのフェドウォッチ・ツールの12月FOMCでの利下げ確率は95%と、利下げがほぼ確実視されているが、2025年の利下げ見通しを巡り、公表されるFOMCメンバーのFF金利予想(ドット・プロット)や、会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見に注目が集まっており、FOMCの結果待ちの展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは11月小売売上高、11月鉱工業生産、12月NAHB住宅市場指数、米20年債入札など。主要な企業の決算発表はなし。
ニュージーランド(NZ)政府は17日、NZの2024-25年の実質GDPは0.5%、2025-26年は3.3%になるとの見通しを示した。NZ政府は「経済は弱まり、税収も減少する見込みだが、景気は2025年から回復するだろう」との見方を示している。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国景気は政策支援への依存を強めるも、その持続性には疑問
需要の先喰いに加え、家計の財布の紐が固いなかで消費意欲は力強さを欠く展開が続いている
中国経済を巡っては、不動産不況や雇用回復の遅れを受けた内需の弱さが景気の足かせとなる展開が続く。当局は景気下支えに動くとともに、足下では財政、金融政策の両面で景気下支えの動きを強めるなど政策方針の大転換を図る動きをみせる。ただし、一連の内容を実行に移すと齟齬が生じる可能性があり、そうした懸念が政策運営にブレーキを掛ける可能性はくすぶる。先行きも当局は重要会議の度に金融市場の期待を繋ぐべくメッセージを打ち出す可能性はあるが、「腰が定まらない」対応が続くであろう。
11月の経済指標をみると、供給サイドである鉱工業生産は前年比+5.4%と伸びが加速しており、外需の堅調さや当局の内需喚起策が下支えする動きがみられる。他方、小売売上高は前年比+3.0%と伸びが鈍化しており、買い替え促進策やセールの前倒しによる需要先喰いの反動が早くも表れる動きがみられる。また、固定資産投資は年初来前年比+3.3%、単月ベースの前年比も+2.3%と鈍化するなど頭打ちしている。当局の政策支援により一部で不動産需要に底打ち感が出ているが、地方都市では底がみえない展開が続くなど、今後も不動産不況が幅広く景気の足かせとなる展開が続くことは避けられないと見込まれる。
当局は供給サイドをけん引役に景気は全体として着実に回復したとの認識を示すが、内需は引き続き力強さを欠くなかで外需への依存度を強める展開が続く。足下では需給ギャップの拡大を理由にディスインフレ圧力が強まるなか、先行きは在庫の掃き出しに伴うデフレの輸出が世界経済を混乱させるリスクもある。
日経平均株価は続落。12/13の下落で形成したマドを埋めきれずに失速する展開となった。取引時間中は引き続きさえない展開が続き、結局は安値引けの陰線で終えた。
RSI(9日)は前日の56.5%→52.6%(12/17)に低下。50%超を維持しているものの、10日移動平均線(39380円 12/17)まで押し戻される弱さが続いている。ただ、水準自体は横ばいであり、特に見方に大きな変化はない。10/15高値(40257円)と11月前半の高値水準をつないで延長した下値支持線上を維持している。
上値メドは、12/12高値(40091円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42012円)、7/11高値(42426円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線(38827円 同)、75日移動平均線(38465円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
米財務省によると、20年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.686%、応札倍率(カバー)が2.50倍となった。
(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.27円(17日15時時点比▲0.86円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.92円(▲0.99円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0499ドル(▲0.0005ドル)
FTSE100種総合株価指数:8195.20(前営業日比▲66.85)
ドイツ株式指数(DAX):20246.37(▲67.44)
10年物英国債利回り:4.524%(△0.082%)
10年物独国債利回り:2.230%(▲0.017%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月英雇用統計
失業率 4.6% 4.6%・改
失業保険申請件数
0.03万件 ▲1.09万件・改
8-10月英失業率
(ILO方式) 4.3% 4.3%
12月独Ifo企業景況感指数
84.7 85.6
12月独ZEW景況感指数
15.7 7.4
12月ユーロ圏ZEW景況感指数
17.0 12.5
10月ユーロ圏貿易収支
(季調済) 61億ユーロの黒字 126億ユーロの黒字・改
(季調前) 68億ユーロの黒字 125億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。明日18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や19日の日銀金融政策決定会合の結果公表を前に、ポジション調整目的の売りが出た。NYの取引時間帯に入ると、11月米小売売上高は前月比0.7%増と予想の0.5%増を上回ったものの、自動車を除く数値が前月比0.2%増と予想の0.4%増を下回ったことが分かり全般ドル売りが先行した。11月米鉱工業生産が前月比0.1%低下と予想の0.3%上昇に反して低下したこともドル売りを促した。一時は4.4383%前後と11月18日以来の高水準を付けた米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなり、前日の安値153.33円を下抜けて153.25円まで下げ幅を広げた。
・ユーロドルは下げ渋り。東京時間からの弱い地合いが続く中、12月独Ifo企業景況感指数が84.7と予想の85.6を下回ったことが伝わるとユーロ売りが加速。19時30分前に一時1.0479ドルと日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値1.0475ドルがサポートとして意識されると徐々に下値を切り上げた。低調な米経済指標や米長期金利の低下を受けたユーロ買い・ドル売りが入ると、2時過ぎには1.0516ドル付近まで持ち直した。
・ユーロ円は頭が重かった。東京市場では一時162.48円と11月22日以来の高値を付けたものの、海外市場に入ると一転下落した。欧州市場では低調な独経済指標を受けて全般ユーロ売りが出たほか、NY市場ではドル円の下落につれた売りが出て一時160.89円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は3日続落。明日18日のFOMCの結果を見極めたいとの雰囲気から持ち高を調整する売りが優勢となった。英中銀(BOE)が今回は利下げを見送るとの観測も相場の重し。BPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、バークレイズなど金融株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続落。明日18日のFOMC結果公表を前に、ポジション調整目的の売りが出た。12月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことも投資家心理を冷やした。個別ではブレンターク(3.80%安)やエーオン(3.21%安)、ザルトリウス(2.90%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
17日の日経平均は3日続落。終値は92円安の39364円。ナスダックの史上最高値更新や円安進行を受けて3桁上昇スタート。孫正義会長兼社長とトランプ氏の会見が注目を集めたソフトバンクグループ<9984.T>が強く買われたこともあり、序盤では300円超上昇する場面もあった。しかし、早い時間に天井をつけると、その後は値を消す流れが続いた。買いが先行したアドバンテスト<6857.T>が急落しており、全体でも次第に買い手控えムードが強まった。指数は前場を2桁の上昇で終えると、後場に入って13時台にはマイナス転換。しばらく前日終値を挟んでもみ合った後、終盤に売り直されて安値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3000億円。業種別ではその他製品、情報・通信、精密機器などが上昇した一方、証券・商品先物、石油・石炭、保険などが下落した。前期の業績見通しを引き上げた象印マホービン<7965.T>が急騰。半面、アドバンテストが9%を超える下落となり、1銘柄で日経平均を約235円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり546/値下がり1032。孫正義会長兼社長が米国への巨額投資を表明したソフトバンクGが4.4%高。本日が売り出しの受渡期日のサンリオが、全市場の売買代金ランキングトップ10入りする大商いとなって強く買われた。任天堂、DeNA、MIXI、ガンホー、バンナムなどゲーム関連が全般堅調。上方修正を発表したダイワサイクルがストップ高となった。
一方、フジクラや古河電工など電線株が大幅安。三菱UFJ、三井住友、東京海上など金融株が全般弱く、野村HDや大和証Gなど証券株も軒並み安となった。決算を材料にTOKYO BASEが大幅安。今期は営業赤字が拡大する見通しとなったプロレドが一時ストップ安となるなど急落した。
本日、スタンダード市場に新規上場した黒田グループとグロース市場に新規上場したリスキルは、いずれも高い初値をつけたが終値は初値を下回った。
日経平均は3日続落。序盤は強く、孫正義氏がトランプ氏の懐に飛び込んだことで、ソフトバンクGを中心にリスクオンに傾くかと思われた。しかし、アドバンテストが悪目立ちしたことで、印象の悪い下げとなった。最近は上でも下でも動きのある銘柄の振れ幅が大きくなっており、オーバーシュートしているように見えても1日のうちでは修正されないことが多い。売買代金上位の常連銘柄が場中に下げ続けてしまうと、それ以外の銘柄を買う動きもなかなか盛り上がらない。
あすもまだFOMCの結果待ちで、腰の入った買いは期待しづらい。連日の高寄り失速かつ、きょうは安値引けとなったことで、あすは外部環境が良かったとしても初動は鈍くなると思われる。ただ、きのうときょうは場中の動きが弱かっただけで、この2営業日では100円程度しか下げていない。慎重に始まり、下値の堅さを確認して39500円を上回るといった展開が理想的。米国株が弱く大幅ギャップダウンとなる場合には、39000円や25日線(38827円、17日時点)がサポートとして機能するかに注目しておきたい。
一部通信社が報じたところによると、「ネタニヤフ・イスラエル首相は停戦交渉のためカイロに向かっている」ようだ。なお、「ガザ停戦合意は数日内に署名の見通し」だという。
シティグループは最新リポートで、11-12日に開かれた中央経済工作会議に触れ、不動産市場が正しい方向に発展するよう中国当局が支援しているとの見方を示した。ただ、時間を要するとした。中央経済工作会議では、「引き続き不動産市場の下落を食い止め、安定を回復させるよう努める」「城中村(都市のなかに取り残された村落)や老朽化した危険な住宅の改修を強化し、住宅の実需や住み替えの潜在力を十分に引き出す」「土地の供給を抑制し、既存土地や非住宅物件の活性化を図る」「新たな発展モデルを確立する」といった方針が打ち出された。『AAストックス』が17日伝えた。
情報筋によると、中国の最高指導部は先週、2025年の財政赤字率について、国内総生産(GDP)比を過去最高の4%に引き上げることに同意したようだ。25年のGDP成長率の目標は「5%前後」に据え置くという。『AAストックス』が外電を引用して17日伝えた。
24年の当初目標で財政赤字率がGDP比3%に設定されていたことから、新たな財政赤字率が中国共産党の政治局会議と中央経済工作会議で打ち出した「より積極的な」財政政策に合致する。GDPの1%は約1兆3000万元に相当し、特別国債の発行で捻出するとみられる。
シティグループは最新リポートで、中国本土の11月の経済活動も軟調だったと指摘した。ただ、実質ベースの指標が名目ベースより良い内容となり、2024年の実質国内総生産(GDP)成長率は依然として政府目標の「5%前後」を達成する可能性があるとした。『AAストックス』が17日伝えた。
シティは今後の見通しについて、政策支援が引き続き中国経済のもっとも重要なけん引役との見方を示した。中国共産党の中央政治局会議と中央経済工作会議で重大な政策の突破や具体的な措置の表明がなかったことから、来年の全国人民代表大会が開催されるまでの2カ月あまりは「政策空白期」になる可能性を指摘。同期間には主に金融政策を通じて経済を下支えするとみて、中国人民銀行(中央銀行)が早ければ25年1-3月期に預金準備率の引き下げや利下げを行うと予想した。
17日05:27 トルドー加首相
「ドミニク・ルブラン氏を財務相に起用へ」
17日18:08 レーン・フィンランド中銀総裁
「利下げのスピードと規模は入ってくるデータと包括的な分析に基づいて各会合で決定される」
「我々の金融政策の方向性は今や明確」
※時間は日本時間
<国内>
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○08:50 ◎ 11月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前6889億円の赤字、季節調整済4328億円の赤字)
<海外>
○06:45 ◇ 7-9月期ニュージーランド(NZ)経常収支(予想:103.99億NZドルの赤字)
○16:00 ◎ 11月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比2.6%)
○16:00 ◎ 11月英CPIコア指数(予想:前年比3.6%)
◇ 11月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.2%/前年比3.7%)
○16:35 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○18:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○19:00 ☆ 11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.3%)
○19:00 ☆ 11月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.7%)
○19:00 ◇ 10月ユーロ圏建設支出
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◎ 7-9月期米経常収支(予想:2840億ドルの赤字)
○22:30 ◎ 11月米住宅着工件数(予想:134.5万件、前月比2.6%)
◎ 建設許可件数(予想:143.0万件、前月比1.0%)
○19日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○19日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:4.25-4.50%に引き下げ)
○19日04:00 ☆ FOMC、経済・金利見通し発表
○19日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(17日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.46円(前営業日比▲0.69円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.00円(▲1.03円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0491ドル(▲0.0021ドル)
ダウ工業株30種平均:43449.90ドル(▲267.58ドル)
ナスダック総合株価指数:20109.06(▲64.83)
10年物米国債利回り:4.40%(横ばい)
WTI原油先物1月限:1バレル=70.08ドル(▲0.63ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2662.0ドル(▲8.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米小売売上高
(前月比) 0.7% 0.5%・改
(除く自動車) 0.2% 0.2%・改
11月米鉱工業生産
(前月比) ▲0.1% ▲0.4%・改
設備稼働率 76.8% 77.0%・改
10月米企業在庫
(前月比) 0.1% 0.0%・改
12月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
46 46
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は7日ぶりに反落。11月米小売売上高で自動車を除く数値が予想を下回ったことが分かると全般ドル売りが先行。11月米鉱工業生産が予想より弱い内容となったこともドル売りを促した。一時は4.4383%前後と11月18日以来の高水準を付けた米10年債利回りが低下に転じると、前日の安値153.33円を下抜けて一時153.16円まで下げ足を速めた。明日18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や19日の日銀金融政策決定会合の結果公表を前に、ポジション調整目的の売りも出やすかった。
なお、市場では米連邦準備理事会(FRB)による0.25%の追加利下げはほぼ織り込み済みだが、経済・金利見通しやパウエルFRB議長の定例記者会見から今後の利下げペースに関する手掛かりを得たいとの思惑が台頭している。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。欧州時間発表の12月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことを受けて、19時30分前に一時1.0479ドルと日通し安値を付けたものの、NY市場に入ると下げ渋った。前日の安値1.0475ドルがサポートとして意識されたほか、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入り、2時過ぎには1.0516ドル付近まで持ち直す場面があった。
・ユーロ円も3日ぶりに反落。東京市場では一時162.48円と11月22日以来の高値を付けたものの、海外市場に入ると一転下落した。ドル円の下落につれた売りが出たほか、米国株安に伴うリスク回避の円買いが入り一時160.78円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は9日続落。FOMCの結果公表を明日に控えた警戒感から、この日は売りが出やすい地合いとなった。ユナイテッドヘルス・グループが本日も軟調に推移し、1銘柄でダウ平均を78ドル程度押し下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。利回りは一時4.4383%前後と11月18日以来の高水準を付けたものの、明日18日のFOMC結果公表を前に大きな方向感は出なかった。
・原油先物相場は続落。先週まで下支えになる局面もあったエネルギー消費大国・中国の景気浮揚策を受けた需要拡大への期待は、中国株の続落を受けて後退。本日から始まったFOMCの結果発表を明日に控えるなか調整の売りも進んで12日以来、3営業日ぶりの安値69.18ドルまで一時下振れた。
・金先物相場は4日続落。米10年債利回りは時間外取引で上昇し、NY入りにかけて11月18日以来の水準4.438%まで一時上昇。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味低下を意識した売り地合いが続いた。米長期金利は頭打ちとなり4.37%付近まで低下したものの、金相場の反発力は鈍かった。
17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、11月米小売売上高や米鉱工業生産が予想を下回り、米10年債利回りが低下したことなどで153.16円まで下落した。ユーロドルは、欧州時間発表の12月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことで1.0479ドルまで下落した後、1.0516ドル付近まで持ち直した。ユーロ円は米国株安に伴うリスク回避の円買いで160.78円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、明朝4時に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的利下げ観測や、明日の日銀金融政策決定会合の利上げ見送り観測から、下値は限定的だと思われる。
FOMCでは、FF金利誘導目標の0.25%の利下げ(⇒4.25-50%)はほぼ確実視されているが、来年1月20日の第2次トランプ米政権発足後の28-29日のFOMCでは据え置きが見込まれているため、タカ派的な利下げと見なされている。
リスクシナリオは、パウエルFRB議長の発言「利下げを急ぐ必要性はない」の通りに据え置きだった場合、そしてドット・プロット(金利予測分布図)でのターミナルレート(利下げの最終到達点)が引き上げられた場合となる。
ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は昨日、「今週の選択肢の一つは、0.25ポイントの利下げを実施するとともに、新たな経済見通しで、利下げペースを減速させる用意があると強く示唆すること」と報じている。
FOMCでのドット・プロットの9月から12月への変更の可能性は以下の通りとなる。
■9月FOMCのドット・プロット(第1次利下げ:4.75-5.00%)
・2025年利下げ(▲1.00%=0.25%x4回):3.25-50%
・2026年末時点の政策金利(中立金利):2.90%(2.75-3.00%)
※パウエルFRB議長「政策を調整(利下げ)する時が来た」
■12月FOMCのドット・プロット(第3次利下げか?:4.25-50%)
・2025年利下げ(▲0.75%=0.25%x3回):3.50-75%
・2026年末時点の政策金利(中立金利):3.10%?(3.00-25%)
※パウエルFRB議長「利下げを急ぐ必要性はない」
ドル円のテクニカル分析での上値の目処は以下の通りとなる。
・156.75円(11月15日の高値)
・155.60円(7月3日の高値161.95円から156.75円を経由する抵抗線)
・154.84円(156.75円から148.65円までの下落幅の76.4%戻し)
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39270 -130 (-0.32%)
TOPIX先物 2727.0 -5.0 (-0.18%)
シカゴ日経平均先物 39255 -145
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
17日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を明日に控え、持ち高調整の売りが優勢となった。また、11月の米小売売上高が前月比0.7%増と市場予想(0.6%増)を上回り、併せて10月分を上方修正した。FOMCは0.25%の利下げとの見方が根強いものの、米小売売上高で個人消費の底堅さを確認したと受け止められ、25年の利下げ頻度が少なくなるとの見方につながった。NYダウは9日続落、ナスダック指数は3日ぶりに反落した。
NYダウ構成銘柄では幹部が射殺されて以降、下落基調が続くユナイテッドヘルス・グループ<UNH>がこの日も大きく下げ、NYダウを押し下げている。また、エヌビディア<NVDA>、セールスフォース<CRM>、ゴールドマン・サックス<GS>、3M<MMM>、ハネウェル・インターナショナル<HON>も安い。半面、コカ・コーラ<KO>やジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、ナイキ<NKE>、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>がしっかり。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比145円安の3万9255円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比40円安の3万9360円で始まり、その後は持ち直し、一時3万9470円とプラスに転じた。ただし、買い一巡後は軟化し下落に転じると、米国市場の取引開始時には寄り付き水準を下回り、中盤には3万9210円まで下げ幅を広げた。その後3万9400円辺りまで下げ渋る動きもみられたが、終盤にかけて再び弱含み、3万9270円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることが見込まれる。米国同様、FOMCの結果やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見内容を見極めたいとするムードが強まりやすいだろう。また、マイクロン・テクノロジー<MU>の決算を控えていることも市場心理を神経質にさせそうである。
日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの+1σ(3万9370円)を下回っての推移が目立っていた。同水準での上値の重さが意識されてくるようだと、短期的には節目の3万9000円辺りを狙ったショートが入りやすくなりそうだ。ただし、日米金融イベントを控えていることでスキャルピング中心のトレードのため、ショートが強まる局面では、その後のカバーを狙った押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
そのため、+1σを挟んでの値動きから、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円のレンジを想定する。金融イベント通過後のアク抜けも意識されやすく、弱含む局面でも大きくショートに傾けるポジションは控えておきたいところである。
17日の米VIX指数は15.87(前日は14.69)に上昇した。前日に抵抗線として意識されていた25日移動平均線(14.45)を上回って終えたが、一段高により200日線(15.86)水準を捉えてきた。同線を明確に上放れてくると、ややリスク後退に向かわせる可能性があるだろう。FOMCの結果を受けた市場反応次第ではあるが、75日線(17.28)および直近の戻り高値の18.79辺りは意識しておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.42倍に上昇した。一時14.44倍まで上昇する場面もみられており、支持線として意識されている75日線(14.33倍)から上放れてきた。方向性としてはNTロングを意識したスタンスとなりそうだが、FOMCを前にポジションをニュートラルに近づける動きとなれば、いったんはNTロングを巻き戻す可能性がありそうだ。
昨日の海外市場では、ドル円は欧州時間はクロス円の売りにつれるかたちで戻り売りが先行。NY時間に入ってからは、自動車を除く11月米小売売上高が予想を下回ったほか、11月米鉱工業生産や設備稼働率といった指標が予想を大幅に下回る弱い結果だったことを受けて、4.4383%まで上昇していた米10年債利回りが一転4.3711%まで低下すると153.16円まで値を下げました。ただ、引けにかけては米金利が4.4%台を回復したこともあり153.60円まで買い戻されています。アジア時間に入ってからは、連日観測されている本邦実需の買いが引き続き持ち込まれると153.79円まで上昇。その後は高値圏でのもみ合いといったところです。
いずれにしても、市場は明日4時に公表されるFOMC待ち。WSJのニックティミラオス記者が、昨夜、FOMC1日目になって最終の記事を掲載してきていますが、注目のドットチャートについては、2025年末の中央値が9月の年4回利下げ水準から、1回か2回削減されるレベルに引き上げられる見通しとのこと。また、パウエルFRB議長が会見で「来年1月から1回ないし数回の利下げ休止をガイダンスとして示す可能性」があることに言及しています。
更に、中立金利の議論もなされているようで、ドットチャート上での右端の部分、いわゆる中立金利を表すlonger runの部分は、9月に続いて上方修正される可能性が出て来ているといったところです。
パウエルFRB議長が「継続的な利下げを否定をしているメンバーを納得させるための施策を探っている」とのFOMC内部の状況を説明しているあたり、恒常的なコミュニケーション障害となりつつある日銀とのかかる格差をまざまざと見せつけられていることに、深い溜息とともに痛感させられています。
日経225先物は11時30分時点、前日比130円安の3万9270円(-0.32%)前後で推移。寄り付きは3万9330円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9255円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。中盤にかけて下げ幅を広げており、一時3万9130円まで売られた。ただし、節目の3万9000円接近では押し目狙いのロングも入りやすく、終盤にかけてはショートカバーとみられる動きから3万9380円まで下落幅を縮めた。その後は3万9300円を挟んだ保ち合いを継続。
日経225先物は、売り一巡後に3万9380円まで持ち直す場面もみられたが、同水準に位置するボリンジャーバンドの+1σ(3万9380円)を明確に上抜けることができず、スキャルピング中心のトレードとはいえ、手掛けにくい状況であろう。3万9300円辺りでの底堅さから、+1σを捉えてくるかを見極めたいところであり、同水準を上回ってくるようだと、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を前に、ショートカバーを誘う可能性がありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.36倍に低下した。一時14.32倍まで下げる場面もみられており、支持線として意識されている75日移動平均線(14.33倍)を下回った。ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となった半面、ホンダ <7267.T> [東証P]との経営統合を検討と伝えられた日産自動車 <7201.T> [東証P]が一時ストップ高まで買われるなど、自動車株の上昇によって相対的にTOPIX型優位となった。ただし、75日線の支持線水準まで低下したことから、スプレッド狙いのリバランスとしては一巡感が意識されよう。
「私の政権が官僚主義を解体し、過剰な規制を削減し、無駄な支出を減らし、連邦政府機関を再編する道を切り開くだろう」(トランプ次期米大統領)
トランプ次期米大統領は、米国政府の膨大な国家債務(※11月末時点:36兆ドル)を返済し、迫り来る債務危機を回避するためにビットコイン(BTC)や仮想通貨を利用することを提案した。
そして、米国の借金を減らすために、第2次トランプ米政権で新設される予定の米政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)のヘッドにイーロン・マスク氏を指名した。マスク氏は、連邦予算から少なくとも2兆ドルを削減できると主張している。
18世紀前半、英国トーリー党の指導者で大蔵卿ロバート・ハーレー氏は、英国の財政危機を救うため、英国債と南海会社株(The South Sea Company)との交換により、英国の債務を打ち消そうと目論んだ。
1. 南海泡沫事件(South Sea Bubble)※バブル相場
1719年、南海会社は巨額の英国債引き受けの見返りに額面等価の南海会社株を発行する許可をイングランド銀行との熾烈な入札競争の末に勝ち取った。これが「南海計画」の始まりである。
1)株と国債の交換は「時価」で行う。南海会社の株価が額面100ポンドにつき市場価格200ポンドの場合、200ポンドの国債1枚と南海会社株100ポンド分で等価交換となる。
2)発行許可株数は交換額に応じているので額面200ポンド分の株が発行できる。すなわち、交換しても手元に100ポンド分、時価200ポンド分余ることになる。
3)これを売却すると売り上げの200ポンドはそのまま南海会社の利益となるため、南海会社の利益が上がり、株価も上昇する。
南海会社の1株あたりの価格は1720年1月には100ポンド前後だったが、5月には700ポンドになり、6月には最高値1050ポンドをつけた後、100ポンドまで暴落した。
王立造幣局長官を務めていたアイザック・ニュートンも、このバブル相場に参入して損失を被り、「天体の動きなら計算できるが、人々の狂気までは計算できなかった」と述べた。
2. マスク米政府効率化省(DOGE)大臣
米国の2024年11月末時点での債務残高は36.0873兆ドルで、2024年第3四半期国内総生産(GDP)29.35兆ドルの約123%となっている。
第2次トランプ米政権の誕生により、関税の引き上げ(中国60%、その他10-20%)や減税(所得税・法人税)、大規模な財政出動への警戒感から、「債券自警団(bond vigilantes)」は、米10年債利回り5%を目指して米国債売りを続けている。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、第2次トランプ米政権では、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとのことである。
米国政府は、これまで大量発行してきた米国債券を米国ドル紙幣の発行によって引き受けてきたが、今後は仮想通貨によって引き受けようとしているのかもしれない。
本日のロンドン為替市場では、まずは序盤に発表される11月英消費者物価指数(CPI)に注目。本日は、英中銀金融政策委員会(MPC)が政策金利の投票を行う(公表は明日)。大方の市場予想は金利据え置きであり、11月インフレの結果だけでは投票行動も変わらないだろう。ただし上昇率次第で、昨日強まった利下げペース鈍化への思惑が後押しされるかもしれない。
昨日発表された8-10月の英平均賃金(除くボーナス)は前年比5.2%上昇と、前回からの加速予想5.0%を更に上回った。これを受けて、来年にかけた英金利先安観が大きく後退。短期金融市場が織り込む英中銀の利下げは、2025年後半まで0.25%を2回のみとなっている。
本日の11月英CPIは前年比が2.6%と2会合連続で加速が見込まれている。予想通りであれば、8カ月ぶりの高いインフレ率だ。CPIコアも前年比3%台で上振れするとの市場の見立て。また英中銀が注視しているサービス部門のCPIも前年比で5%超えの可能性が高まっており、本日の指標でタカ派なMPCメンバーを勢いづけることになるかもしれない。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表をニューヨーク午後に控えているものの、英インフレの上向きを確認した後、ポンドがどの程度まで上値を試すのかを注目したい。
ユーロ圏からも11月消費者物価指数(HICP)が発表されるが、こちらは改定値だ。予想は速報値とかわらず、前年比総合が2.3%/コアが2.7%。それよりも、欧州中央銀行(ECB)チーフ・エコノミストでもあるレーン専務理事の講演のほうが重要だろう。理事会への影響力も大きいレーン氏が、来年以降のインフレや景気、そして金利についてどのような見解を示すかに注目したい。
想定レンジ上限
・ポンドドル、200日移動平均線1.2819ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0542ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、13日安値1.2609ドル
・ユーロドル、11月26日安値1.0425ドル
ドル円:1ドル=153.35円(前営業日NY終値比▲0.11円)
ユーロ円:1ユーロ=161.06円(△0.06円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0502ドル(△0.0011ドル)
日経平均株価:39081.71円(前営業日比▲282.97円)
東証株価指数(TOPIX):2719.87(▲8.33)
債券先物3月物:142.38円(△0.17円)
新発10年物国債利回り:1.065%(▲0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月貿易統計(通関ベース)
季節調整前 1176億円の赤字 4621億円の赤字・改
季節調整済 3842億円の赤字 2292億円の赤字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。東京仲値にかけて買いが強まると一時153.79円まで値を上げた。ただ、一段と買い戻しを進める材料にも乏しく、一巡後は日経平均株価の下落も重しとなり、一時153.34円まで売りに押された。市場では「日米金融イベントを前にポジションを一方向に傾けづらい」との指摘があった。
・ユーロ円は伸び悩み。朝方はドル円の上昇につれた買いが入り、一時161.48円まで値を上げた。ただ、ドル円が失速すると次第に頭が重くなっている。
・ユーロドルは小高い。東京市場では持ち高調整の買いが主導する形で一時1.0508ドルまで値を上げた。ただ、総じて動きは鈍く欧州勢の参入待ちの様相が濃い。
・日経平均株価は4日続落。昨日の米国株が下落した影響からソフトバンクなど値がさ株の一角が売られ指数を押し下げた。日米の金融政策発表を控えて持ち高調整の売りも重なり、連日での安値引けとなった。個別では、ホンダとの経営統合が報じられた日産は急伸した。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。本日から明日にかけて行われている日銀金融政策決定会合にて追加利上げを見送るとの観測を背景に、債券買いが優勢となった。
中国の国務院国有資産監督管理委員会(国資委)は17日、管轄する国有企業(中央企業)に対し、投資家権益の保護と資本市場の安定発展に向け、傘下の上場企業の市場価値を管理する仕組みを強化するよう指示した「意見」を公表した。「意見」は、中央企業が傘下上場企業に全面的な市場価値管理制度と情報公開制度を制定させる必要があると指摘。中央企業の指導の下、上場企業がそれぞれの年度に実施する計画と具体的な措置の細則を決めるとした。
「意見」は、中央企業が傘下の上場企業に対し、中国共産党指導部と国務院が決めた国有資産・国有企業改革の方針を積極的に実現するよう指導するよう求めた。質の高い発展を基本前提として経営効率と収益力を着実に高め、業績が良好でイノベーション能力が高く、企業統治に優れ、市場から高く評価される一流上場企業を育て、市場価値管理措置の基盤とする必要があるとした。
大阪3月限
日経225先物 39200 -200 (-0.50%)
TOPIX先物 2724.5 -7.5 (-0.27%)
日経225先物(3月限)は前日比200円安の3万9200円で取引を終了。寄り付きは3万9330円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9255円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。前場中盤にかけて下げ幅を広げ、3万9130円まで売られたが、節目の3万9000円接近では押し目狙いのロングも入りやすく、前場終盤にかけては3万9380円まで下落幅を縮めた。
ただし、ランチタイムではショート優勢となり、現物の午後の取引開始時に3万9110円まで売られた。売り一巡後は3万9150円から3万9250円辺りで下げ渋る動きをみせたが、終盤にかけて持ち高調整とみられるロング解消が優勢となり、引け間際には一時3万9090円と3万9100円を割り込んだ。
日経225先物は3万9380円まで持ち直す場面もみられたが、同水準に位置するボリンジャーバンドの+1σ(3万9380円)を明確に上抜けることができず、その後はショート優勢の流れとなった。ただ、節目の3万9000円を割り込まなかったことで積極的にショートを仕掛けてくる動きも限られ、スキャルピング中心のトレードとはいえ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を前に膠着感の強い相場展開となった。
日経225先物は終日弱含んだが、節目の3万9000円接近では底堅さがみられたほか、上値は+1σとの狭いレンジであった。12月12日に一時4万0160円まで買われた後は4日続落と調整を継続しているため、押し目待ち狙いのロングは積み上がっていないだろう。FOMCの結果とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を受け、ナイトセッションで大きく振れる可能性はありそうだ。
+1σ水準を上回ってくると、節目の3万9500円突破が意識されてこよう。一方で、3万9000円を下回ってきたとしても、25日移動平均線が位置する3万8880円辺りをボトムとした押し目狙いに向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.38倍に低下した。一時14.32倍まで下げ、支持線として意識されている75日線(14.33倍)を下回る場面もみられた。ホンダ <7267.T> [東証P]との経営統合を検討と伝えられた日産自動車 <7201.T> [東証P]がストップ高まで買われるなど、自動車株の上昇によって相対的にTOPIX型優位となった。ただし、支持線水準まで低下したことで、スプレッド狙いのリバランスとしては一巡感が意識され、その後は14.40倍近辺での推移が目立った。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4006枚、ソシエテジェネラル証券が1万0837枚、サスケハナ・ホンコンが3795枚、日産証券が3079枚、バークレイズ証券が2982枚、JPモルガン証券が1775枚、野村証券が1318枚、松井証券が878枚、モルガンMUFG証券が681枚、楽天証券が669枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7136枚、ソシエテジェネラル証券が1万3148枚、バークレイズ証券が5798枚、日産証券が3671枚、JPモルガン証券が3269枚、ゴールドマン証券が2752枚、モルガンMUFG証券が2097枚、ビーオブエー証券が1166枚、野村証券が772枚、シティグループ証券が681枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、明朝4時に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明、ドット・プロット(金利予測分布図)、4時30分からのパウエルFRB議長の記者会見に注目する展開となる。
FOMCでは、FF金利誘導目標の0.25%の利下げ(⇒4.25-50%)はほぼ確実視されているが、来年1月20日の第2次トランプ米政権発足後の28-29日のFOMCでは据え置きが見込まれているため、タカ派的な利下げと見なされている。
リスクシナリオは、パウエルFRB議長の発言「利下げを急ぐ必要性はない」の通りに据え置きだった場合、そしてドット・プロットでのターミナルレート(利下げの最終到達点)が引き上げられた場合となる。
ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、昨日、「今週の選択肢の一つは、0.25ポイントの利下げを実施するとともに、新たな経済見通しで、利下げペースを減速させる用意があると強く示唆すること」と報じている。
FOMCが予想通りにタカ派的な利下げを決定した場合、第1次トランプ米政権で利下げ圧力をかけ続けたトランプ次期米大統領によるSNSなどでの見解には警戒しておきたい。
2016年12月のFOMCでは、第1次トランプ米政権での物価上昇圧力への警戒感から、イエレン第15代FRB議長やパウエルFRB理事は利上げを決定しており、トランプ第45代米大統領による利下げ要請に苦しんだ。
今回のFOMCでも第2次トランプ米政権での物価上昇圧力への警戒感から、タカ派的な利下げが決定される可能性が高いことで、トランプ第47代米大統領による利下げ要請が警戒されている。
FOMCでのドット・プロットの9月から12月への変更の可能性は以下の通りとなる。
■9月FOMCのドット・プロット(第1次利下げ:4.75-5.00%)
・2025年利下げ(▲1.00%=0.25%x4回):3.25-50%
・2026年末時点の政策金利(中立金利):2.90%(2.75-3.00%)
※パウエルFRB議長「政策を調整(利下げ)する時が来た」
■12月FOMCのドット・プロット(第3次利下げか?:4.25-50%)
・2025年利下げ(▲0.75%=0.25%x3回):3.50-75%
・2026年末時点の政策金利(中立金利):3.10%?(3.00-25%)
※パウエルFRB議長「利下げを急ぐ必要性はない」
・ドル円の想定レンジ上限
・155.60円(7月3日の高値161.95円から156.75円を経由する抵抗線)
・155.02円(11月22日の高値)
・154.48円(12月16日の高値)
・想定レンジ下限
ドル円、日足一目均衡表・基準線152.70円が下値めど。
今晩はFOMCに注目。昨日はダウ平均が267.58ドル安(-0.61%)と9営業日続落し、1978年以来の長期続落を記録したほか、S&P500が0.39%安と反落し、ナスダック総合も0.32%安と3日ぶりに反落した。翌日に米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控えて様子見姿勢が強まる中、11月小売売上高が予想を上回る強い結果となり、先行きの利下げを巡る不透明感が強まったことも投資家心理の悪化につながった。
今晩は取引時間午後に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる。CMEのフェドウォッチ・ツールでは95%の確率で0.25%の利下げが予想されているが、景気の底堅さを理由に利下げが見送られるとの見方もあり、結果が注目される。また、市場では2025年に2回、又は3回の利下げを予想しており、公表されるFOMCメンバーのFF金利予想(ドット・プロット)や、会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC結果公表、パウエルFRB議長記者会見のほか、MBA住宅ローン申請指数、11月住宅着工件数、11月建設許可件数など。企業決算は寄り前にジャビル、ゼネラル・ミルズ、引け後にレナー、マイクロン・テクノロジーなどが発表予定。
日経平均株価は4日続落。前日終値から下方での寄り付きとなり、戻りを試す場面もあったが、10日移動平均線(39361円 12/18)に上値を抑えられる展開となった。特に後場はさえない展開が続き、結局は連日で安値引けの陰線で終えた。
RSI(9日)は前日の52.6%→41.4%(12/18)に低下。直近3日間でもみ合いとなった39500円を中心とした水準が上値抵抗になりやすく、一目均衡表の雲上限(38950円 同)や25日移動平均線(38841円 同)付近まで下落余地が広がった。
上値メドは、心理的節目の39500円、12/12高値(40091円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、7/11安値(42012円)、7/11高値(42426円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線、75日移動平均線(38474円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.82円(18日15時時点比△0.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.13円(△0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0475ドル(▲0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:8199.11(前営業日比△3.91)
ドイツ株式指数(DAX):20242.57(▲3.80)
10年物英国債利回り:4.558%(△0.034%)
10年物独国債利回り:2.245%(△0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.1% 0.6%
(前年比) 2.6% 2.3%
CPIコア指数
(前年比) 3.5% 3.3%
11月英小売物価指数(RPI)
(前月比) 0.1% 0.5%
(前年比) 3.6% 3.4%
11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 2.2% 2.3%
11月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.7% 2.7%
10月ユーロ圏建設支出
(前月比) 1.0% ▲0.3%・改
(前年比) 0.2% ▲2.0%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はじり高。米10年債利回りが4.42%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控える中、ポジション調整目的のドル買いも入った。1時30分過ぎには一時154.09円と日通し高値を更新した。ただ、持ち高調整を中心とした売買にとどまったことから、比較的狭い範囲で推移した。
なお、市場では「公表されるFOMCメンバーのFF金利予想(ドット・プロット)や、その後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見に注目が集まっている」との声が聞かれた。
・ユーロドルはじり安。日本時間夕刻に一時1.0513ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0534ドルが目先レジスタンスとして意識されると徐々に弱含んだ。米長期金利が上昇した場面では全般ドル買いが入り一時1.0467ドルと日通し安値を付けた。もっとも、米重要イベントを控えているため、値動きは限定的となった。
なお、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストは「米通商政策などを巡る不確実性が高い中、政策は会合ごとに決定」「特定の金利の道筋を確約しないことが賢明」などと述べたと伝わった。
・ユーロ円は161円台前半から半ばでのもみ合い。新規材料に乏しかったうえ、本日予定されている米重要イベントを控えて様子見ムードが広がった。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに小反発。11月英消費者物価指数(CPI)が市場予想通りの結果となったことが好感されて買いが先行したものの、FOMC結果公表を前に大きな方向感は出なかった。明日の英中銀金融政策委員会(MPC)の結果を見極めたいとの雰囲気もあった。
・フランクフルト株式相場は小幅に4日続落。FOMC結果公表を控える中、様子見ムードが広がり、前日終値付近でのもみ合いに終始した。個別ではシムライズ(2.24%安)やハノーバー再保険(1.55%安)などが売られた半面、インフィニオン・テクノロジーズ(2.15%高)やザルトリウス(1.38%高)などが買われた。
・欧州債券相場は下落した。
18日の日経平均は4日続落。終値は282円安の39081円。米国株安を受けて3桁下落スタート。場中はマイナス圏でもみ合う時間が長かった。下げ幅を200円超に広げて39100円台に入ってくると何度も下げ渋った。10時台には鋭角的に下げ幅を縮めており、一時プラス圏にも浮上した。ただ、戻したところでは売り直され、後場には再び下げ幅を3桁に拡大。39144円でクロージングオークションに入り、そこから一段水準を切り下げ、39100円を下回り安値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1200億円。業種別では輸送用機器、電気・ガス、その他金融などが上昇した一方、その他製品、サービス、情報・通信などが下落した。上方修正と増配を発表した八洲電機<3153.T>が後場急騰。半面、前日に新規上場したリスキル<291A.T>が14.3%安と急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり587/値下がり994。経営統合観測を受けて、日産自動車と三菱自動車がストップ高。マツダやSUBARUなど同業にも資金が向かったほか、日産車体やエフテックなど自動車部品株が物色された。証券会社が投資判断を引き上げた北海道電力が6.7%高。売買代金上位では、ディスコやサンリオに強い動きが見られた。
一方、ホンダは経営統合観測が売り材料となって3%安。前日大幅高のソフトバンクGがきょうは大きく売られた。リクルート、ソニーG、任天堂など主力のグロース株が軟調。クオリプスやサンバイオなどバイオ系の一角が大幅安となった。
本日、キオクシアホールディングスがプライム市場に新規上場。初値は公開価格をわずかに下回ったものの、終値は初値や公開価格を大幅に上回った。
日経平均は4日続落で連日の安値引け。後場は動意自体が乏しかったため、安値引けといっても崩れた感じはなかったが、積極的な買い手が不在であることは印象づけられた。ここ数日は5日線(39444円、18日時点)近辺での一進一退が続いていたが、これを明確に下回った。
あすは序盤でFOMCの結果を消化して、昼には日銀会合の結果を消化する。今回はFOMCでは0.25%の利下げ、日銀は利上げ見送りが濃厚とみられている。織り込みが十分進んでいるため、この通りの結果であれば波乱の要素は少ない。注目は両トップの会見で、市場が発言をタカ派的と捉えた場合には、株式にはネガティブな影響も想定される。パウエルFRB議長に関しては、次回以降の利下げにスキップを挟むことを明言する可能性、植田日銀総裁に関しては、来年の早いうちに利上げがあると示唆する可能性がある。
植田総裁の会見は引け後となるため、あすに関してはFOMCを受けた米国マーケットの反応が大きく注目される。パウエルFRB議長の会見が無難なものとなれば、年内の米国株は利益確定売りは出てきたとしても、リスクに怯えて売りを出す理由は乏しくなる。17日まで9日続落しているダウ平均が反発してくれば、下値不安は大きく後退する。米国と日本、どちらも政策自体はマーケットフレンドリーとなりそうであるだけに、きょうまでのさえない流れが一変して、上を試しに行く展開に期待したい。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は18日公表のFF金利見通しで、2024年末時点の中央値を4.375%と前回から据え置いた。また、25年末以降は以下の通り。
25年末時点の見通しは3.875%と前回の3.375%から上方修正。
26年末時点の見通しは3.375%と前回の2.875%から上方修正。
長期金利見通しは3.000%と前回の2.875%から上方修正。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は18日公表の経済見通しで、2024年の実質国内総生産(GDP)を+2.5%と前回の+2.0%から上方修正した。2025年は+2.1%と前回の+2.0%から上方修正。2026年は+2.0%と前回から据え置いた。
18日17:35 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「空から降ってくるお金は良い結果にならない」
「インフレ目標を変更する意向はない」
「インフレ、賃金、成長、PMIを注視する」
「金利は2%前後に落ち着くと思う」
「ユーロがパリティなら競争力をそれほど失わないだろう」
「ユーロの大幅な下落は関税の成長への影響を緩和し、インフレへの影響を大きくするだろう」
「関税の影響は為替レートの反応次第だ」
19日00:08 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「米通商政策などを巡る不確実性が高い中、政策は会合ごとに決定」
「特定の金利の道筋を確約しないことが賢明」
19日04:02 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「最近の指標は経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示している」
「今年初め以来、労働市場の状況は概ね緩和しており、失業率は上昇しているが依然として低い」
「インフレ率は委員会の2%のインフレ目標に向けて進展しているが、依然としてやや高い水準にある」
「委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す」
「委員会は、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクはほぼ均衡していると判断」
「経済の見通しは不確実で、委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視している」
「目標を支援するため、委員会はFF金利の目標誘導レンジを0.25%引き下げ、4.25-4.50%にすることを決定した」
「FF金利の目標誘導レンジの追加調整を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」
「委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける」
「委員会は雇用最大化を支援し、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する」
「もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」
「委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の決定に反対したのはハマック米クリーブランド連銀総裁で金利据え置きを主張」
19日04:35 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「労働市場の状況は引き続き堅調」
「企業投資は強化され、住宅は引き続き弱い」
「消費支出は引き続き堅調」
「労働市場の状況は2019年ほどタイトでなくなっている」
「経済活動は堅調なペースで拡大」
「インフレは2%の目標にかなり近づいている」
「長期的なインフレ期待はしっかりと抑制されているようだ」
「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性」
「政策は利下げ開始前よりも大幅に緩和」
「FRBは金利に関して事前に設定された方針をとっていない」
「当局者は来年の政策金利を高く予想、インフレ率の上昇と一致」
「金利は中立水準にかなり近づいたが、依然として制限的」
「インフレを巡るリスクと不確実性は高まっている」
「来年の利下げはデータに応じて行われる」
「一部メンバーは潜在的な政策変更を予測に反映させた」
「金利が中立水準に近いことも慎重になるもう1つの理由」
「金利調整プロセスの新たな段階に入った」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
<海外>
○06:45 ☆ 7-9月期ニュージーランド(NZ)国内総生産(GDP、予想:前期比▲0.2%/前年比▲0.4%)
○09:00 ◇ 12月ANZ企業信頼感
○16:00 ◇ 1月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲22.5)
○16:45 ◇ 12月仏企業景況感指数(予想:96)
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:2.50%に引き下げ)
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○18:00 ◇ 10月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○21:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:4.75%で据え置き)
○21:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○22:30 ☆ 7-9月期米GDP確定値(予想:前期比年率2.8%)
○22:30 ◎ 7-9月期米個人消費(確定値、予想:前期比年率3.6%)
○22:30 ◎ 7-9月期米コアPCE(確定値、予想:前期比年率2.1%)
○22:30 ◎ 12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:3.0)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/189.0万人)
○24:00 ◎ 11月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○24:00 ◎ 11月米中古住宅販売件数(予想:前月比3.2%/年率換算409万件)
○20日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表(予想:10.00%に引き下げ)
○20日06:00 ◎ 10月対米証券投資動向
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(18日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.80円(前営業日比△1.34円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.26円(▲0.74円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0353ドル(▲0.0138ドル)
ダウ工業株30種平均:42326.87ドル(▲1123.03ドル)
ナスダック総合株価指数:19392.70(▲716.36)
10年物米国債利回り:4.51%(△0.11%)
WTI原油先物1月限:1バレル=70.58ドル(△0.50ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2653.3ドル(▲8.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲0.7% 5.4%
7-9月期米経常収支
3109億ドルの赤字 2750億ドルの赤字・改
11月米住宅着工件数
128.9万件 131.2万件・改
建設許可件数
150.5万件 141.9万件・改
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
4.25-4.50%に引き下げ 4.50-4.75%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控える中、ポジション調整目的のドル買いが先行すると比較的狭い範囲ながらも底堅く推移した。その後、FOMCの結果が伝わると全般ドル買いが加速。取引終了間際には一時154.87円と11月22日以来の高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り0.25%の追加利下げを決めたと発表。ただ、同時に公表されたFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、2025年末時点の中央値が上方修正され、利下げ回数が2回と前回9月の見通しから半減した。加えて、パウエルFRB議長が会見で「今回の利下げ決定はぎりぎりの判断だった」「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性」「金利は中立水準にかなり近づいた」「金利調整プロセスの新たな段階に入った」などと発言すると、米長期金利の上昇とともにドル買いが広がった。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5220%前後と5月31日以来の高水準を付けた。
・ユーロドルは続落。FOMCのドット・プロットで「来年の利下げペースが従来の想定よりも緩やかになる」との見通しが示されると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。5時30分前には一時1.0344ドルと11月22日以来の安値を更新した。
・ユーロ円も続落。5時30分前に一時159.82円と本日安値を付けた。FOMCの結果が「タカ派的利下げ」と受け止められると、米株式市場でダウ平均が1100ドル超下落。ナイト・セッションの日経平均先物も大証終値比830円安の3万8370円まで急落し、リスク・オフの円買いが優勢となった。
ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時194.08円、豪ドル円は96.18円、NZドル円は86.95円、カナダドル円は106.98円、スイスフラン円は171.38円、南アフリカランド円は8.42円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は10日続落。FOMCメンバーのドット・プロットで来年の利下げペースが鈍化する見通しが示されると、金利高止まりへの警戒感から売りが膨らんだ。市場では「タカ派的利下げ」と受け止められた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅下落。FOMCの結果やパウエルFRB議長の定例記者会見を受けて、債券売りが広がった。利回りは一時4.5220%前後と5月31日以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は3日にぶりに反発。FOMCの経済見通しなどが、エネルギー需要の高まりを意識させるような強さを示唆する内容となるか注目される状況だった。続落の後を受け、調整の買い戻しが先行。予想通りの米0.25%利下げ発表を確認した後はドル高となり、時間外取引でドル建て原油価格の上値をやや重くする方向に作用した。
・金先物相場は5日続落。注目のFOMCを控えた調整のドル買いフローにより、ドル建て金相場に割高感が生じて重い動き。市場予想通りの0.25%利下げなど米金融政策の発表後は、ドル上伸を受けて時間外取引で金相場への売りがさらに強まった。
18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は154.87円まで上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利下げが決定されたものの、ドット・プロットで2025年の利下げ回数が9月の4回から2回に減ったことでドル買いが強まった。ユーロドルは1.0344ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的な利下げを受けて続伸が予想される中、日経平均株価の動向に注視しながら日銀金融政策決定会合の結果と植田日銀総裁会見を見極める展開となる。
FOMC声明は、9月の「追加的調整を検討」から「追加的調整の程度とタイミング(extent and timing)を検討」へと変更され、ドット・プロットでは、2025年の利下げ回数が9月の4回から2回に減ったことで、ドルは全面高の展開となっている。
日銀会合では、数社のメディアからの報道「消費者物価の上昇に加速感が見られず、海外経済の不確実性が強まっている中で、日銀は追加利上げを急ぐ状況にはないと認識」を受けて、0.25%の利上げは見送られることが見込まれている。
想定されているシナリオは以下の通りとなっている。
・今回は利上げ見送りだが、1月には0.25%の追加利上げが示唆される
・今回と1月は、第2次トランプ米政権の政策を見極めるため利上げ見送りが示唆される
・春闘での賃上げ状況が確認でき、日米の政策の不透明感が払拭される4月以降の利上げが示唆される
植田日銀総裁の会見では、11月末に報じられた利上げを示唆した見解と利上げ見送り判断との整合性に注目することになる。
植田総裁は、「利上げのタイミングについては、経済データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいているといえる。インフレ率が2%を超え始めている時に一段の円安になればリスクが大きいため、場合によっては対応しないといけなくなる」と述べていた。しかし、政策判断に重要な指標として賃金動向やトランプ次期米大統領の政策とその影響の見極めが必要、とも述べており、利上げ見送りの伏線が張られていた。
ドル円が日銀会合の結果や植田日銀総裁の会見を受けてドル買い・円売りに拍車がかかった場合、三村財務官の円買い介入のデビュー戦の可能性には警戒しておきたい。神田前財務官による円買い介入のデビュー戦は、2022年9月22日の黒田前日銀総裁のハト派的な会見を終えた後の円安局面だった。
ドル円のテクニカル分析での上値の目処は以下の通りとなる。
・155.55円(7月3日の高値161.95円から156.75円を経由する抵抗線)
・156.75円(11月15日高値)
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38470 -730 (-1.86%)
TOPIX先物 2684.5 -40.0 (-1.46%)
シカゴ日経平均先物 38460 -740
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
18日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。NYダウは10日続落し、下げ幅は2022年6月以来の大きさだった。米連邦準備理事会(FRB)は、17~18日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)において、予想通り0.25%の利下げを決定した。一方で、FOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)で2025年に見込む利下げ回数は従来予想より少なく、FRBが利下げに慎重な姿勢を示したと受け止められ、金利高止まりが警戒されて売りが膨らんだ。米長期金利は4.5%を超え、直近で強い上昇をみせていたブロードコム<AVGO>が7%近く下げるなど、ハイテク株にも利益確定の売りが広がった。
NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ<UNH>を除く29銘柄が下落しており、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、アメックス<AXP>、キャタピラー<CAT>、セールスフォース<CRM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、IBM<IBM>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>の下げが目立った。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比740円安の3万8460円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万9240円で始まり、その後は緩やかなリバウンド基調が続くなか、一時3万9440円まで買われ、3万9290円~3万9440円辺りで底堅い値動きを継続。FOMCの結果判明後に急落し、終盤にかけて3万8370円まで下落幅を広げ、3万8470円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップダウンで始まることが見込まれる。25年の利下げ頻度が少なくなるとの見方からNYダウは前日まで9日続落と、ある程度は織り込まれていただろう。ただし、25年の利下げ予想は2回に減少し、前回9月時点の4回から半減したことがネガティブサプライズとなった。また、24年9-11月期決算を発表したマイクロン・テクノロジー<MU>が1株利益が予想を上回ったものの、時間外取引で14%近く下落していることも、センチメントを冷ます形になりそうだ。
日経225先物はナイトセッションでの急落で25日移動平均線(3万8850円)を一気に割り込み、75日線(3万8440円)、200日線(3万8480円)水準まで下げた。12月3日の急騰(+680円高)前の水準まで下落したことで、いったんは売り一巡後のリバウンド狙いに向かう可能性もありそうだ。ボリンジャーバンドの-1σ(3万8320円)辺りで底堅さがみられるかを見極めたいところである。-1σを割り込んでくるようだと、-2σ(3万7800円)辺りを狙ったショートが入りやすいだろう。
週足のボリンジャーバンドが収斂してきたことで、トレンドが出やすいタイミングではあった。-1σ(3万8230円)が支持線として意識されてくるようであれば、押し目待ち狙いのロングを誘うことになりそうだ。前場は日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとする様子見姿勢が強まりやすいものの、日米の金融イベントを通過した後はアク抜けも意識されやすく、押し目狙いのスタンスとみておきたい。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円から3万9250円と広めのレンジを想定する。
18日の米VIX指数は27.62(前日は15.87)に急伸した。一時28.32まで上げ幅を広げており、一気に8月上旬以来の水準まで上昇している。しばらくは荒い値動きが続く可能性があるが、週足の+3σ水準まで一気に上昇したことで、今後は修正の動きも入りやすいとみておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.38倍に低下した。一時14.32倍まで下げる場面もみられており、支持線として意識されている75日線(14.33倍)を下回る場面もみられた。日産自動車 <7201.T> [東証P]がストップ高まで買われるなど、自動車株の上昇によって相対的にTOPIX型優位となった。本日は指数インパクトの大きい値がさ株の下落の影響によりNT倍率は低下が見込まれるものの、全面安商状のなかでは大きく低下する流れにはならないだろう。75日線辺りまで低下する局面では、売り一巡後のリバウンドを想定したNTロングを組成する動きもありそうだ。
市場参加者にとっては長い1日が始まっていますが、FOMCでは前日になってFRBの社外広報担当部長であるニックティミラオス記者が内情を伝えていた通り、0.25%の利下げは「ギリギリの決断だった」ことが判明したほか、ドットチャートからもわかるように、今回の利上げに反対の意向を表明したメンバーが投票メンバーであるハマック米クリーブランド連銀総裁を含めて4人もいたという事実。また、中立金利が6月に続いて更に3.0%まで引き上げられた事実は、パウエルFRB議長の利下げプロセスの新たなフレーズに移ったという宣言とともに、ファンド勢にとっては、円キャリーに対する時間軸にある程度の目処を立てることが出来るわけで、円売り環境が益々強まったといったところ。
市場とコミュニケーションが全く取れていない植田日銀総裁が、会合後の定例記者会見で「1月利上げの可能性」について質問攻めにあい、一時的にも売り込まれる場面がみられたとしても、もはや「日銀は1月からのトランプ米政権での政策を見極めたいという意向である」と認識している市場にとっては、ましてや、本邦機関投資家をはじめとした長期資金のドル買いがずっと控えているなか、輸入などの実需勢の買い遅れ感が全く解消されていない状況とあっては、下値を拾いたい向きが多いことは容易に想像がつくというものです。
いずれにしても、ドル円は16日の高値154.48円付近で下押しを確認してもみ合いとなっていますが、FOMC直前の下押しレベルである153.72円やNY時間安値の153.55円などが目先の目処として意識されています。上値は11月20日の高値155.89円や11月15日の高値156.75円がとりあえずの戻り目処となっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比520円安の3万8680円(-1.32%)前後で推移。寄り付きは3万8440円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8460円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。現物の寄り付き直前には、一時3万8210円まで下落幅を広げる場面もみられた。ただし、売り一巡後は押し目狙いのロングの動きやショートカバーが入り、中盤にかけて3万8830円まで下げ幅を縮めた。その後は日銀の金融政策決定会合の結果待ちのなか、3万8700円を挟んでの推移となった。
日経225先物は、朝方はインデックスに絡んだ商いが集中する形から3万8210円まで急落したが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8340円)を下回ってきたことで、押し目待ち狙いのロングが入りやすいところであろう。売り一巡後は75日移動平均線(3万8440円)、200日線(3万8480円)を上回っての推移をみせており、日銀会合を無難に通過するようだと、アク抜けを狙ったロングの動きが強まる可能性はありそうだ。25日線が位置する3万8850円辺りを捉えてくると、ショートカバーが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。75日線(14.33倍)を下回って始まり、25日線(14.28倍)、200日線(14.26倍)水準まで下げてきた。200日線が支持線として意識されてくる可能性もあり、底堅さを見極めつつ、NTロングへの転換を想定しておきたいところである。
「新しい局面に入った」(パウエルFRB議長)
1. FOMCの金融緩和(2024年~)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2024年9月;4.75%~5.00%(第1次利下げ)▲0.50% +2.5% +2.5%
・2024年11月;4.50%~4.75%(第2次利下げ)▲0.25% +2.4% +2.1%
・2024年12月;4.25%~4.50%(第3次利下げ)▲0.25% +2.7% +2.3%
2.FOMCの金融引締め(2022年~2023年)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2023年11月;5.25%~5.50%(据え置き)
・2023年09月:5.25%~5.50%(据え置き) +3.7% +3.4%
・2023年07月:5.25%~5.50%(第11次利上げ) +3.2% +3.3%
・2023年06月:5.00%~5.25%(据え置き) +3.0% +3.0%
・2023年05月:5.00%~5.25%(第10次利上げ) +4.0% +3.8%
・2023年03月:4.75%~5.00%(第9次利上げ) +5.0% +4.2%
・2023年02月:4.50%~4.75%(第8次利上げ) +6.0% +5.0%
・2022年12月:4.25%~4.50%(第7次利上げ) +6.5% +5.3%
・2022年11月:3.75%~4.00%(第6次利上げ) +7.1% +5.5%
・2022年09月:3.00%~3.25%(第5次利上げ) +8.2% +6.2%
・2022年07月:2.25%~2.50%(第4次利上げ) +8.5% +6.4%
・2022年06月:1.50%~1.75%(第3次利上げ) +9.1% +6.8%
・2022年05月:0.75%~1.00%(第2次利上げ) +8.6% +6.3%
・2022年03月:0.25%~0.50%(第1次利上げ) +8.5% +6.6%
3. FOMC声明: 程度とタイミング(extent and timing)
「経済活動は引き続き堅調なペースで拡大している」
「失業率が低水準にとどまる中、インフレはやや高止まりしている」
※「FF金利誘導目標レンジに対する追加的調整の「程度とタイミング(extent and timing)」を検討する上で、委員会は今後入手するデータや変化する見通し、リスクのバランスを慎重に見極める」
※9月
「FF金利誘導目標レンジに対する追加的な調整を検討する上で、委員会は今後入手するデータや変化する見通し、リスクのバランスを慎重に見極める」
■12月ドット・プロット(金利予測分布図)
・2025年利下げ(▲0.50%=0.25%x2回):3.75-4.00%
・2026年末時点の政策金利(中立金利):3.40%(3.25-50%)
■9月ドット・プロット
・2025年利下げ(▲1.00%=0.25%x4回):3.25-50%
・2026年末時点の政策金利(中立金利):2.90%(2.75-3.00%)
※パウエルFRB議長「政策を調整(利下げ)する時が来た」
4.パウエルFRB議長:新しい局面に入った
「今回の行動により、われわれは政策金利をピーク時から1ポイント引き下げたことになり、現在の政策スタンスは顕著に景気抑制の度合いが弱まった」
「よって政策金利のさらなる調整を検討する上で、われわれはより慎重になることが可能だ」
「急がず、時間をかけて状況を見極める必要がある」
「政策は依然として有意に景気抑制的であり、委員会は利下げを継続する方向にある」
「追加利下げを実施する上ではインフレ面でさらなる進展を目にする必要がある」
「トランプ次期大統領が提案する経済政策が経済にどのような影響を与え、それがFRBの政策選択にどのように影響するかを判断するのは時期尚早」
本日のロンドン為替市場では、序盤は植田日銀総裁の会見を眺めながらの円相場中心の値動きとなりそうだ。株式市場がオープンした後は、昨日の米金融イベントを受けて急落した米株の流れを欧州株がどの程度まで引き継ぐか注視したい。英国を含めた複数公表される中銀の金融政策にも注目。
日銀は昨日から今日にかけて開催した金融政策決定会合で、「翌日物の無担保コールレートを0.25%程度で推移するよう促す」ことを決定した。政策金利の据え置きであり、こちらは市場の予想通りだったが市場は素直に円売りで反応した。ここからは、15時30分から始まる植田総裁の定例会見で「追加利上げ」のタイミングを探ることになる。
先月末に伝わった植田総裁のインタビュー記事では、経済が見通し通りであればとの条件付きながらも、利上げの可能性を示唆する内容だった。来年前半の日銀会合は、「1月23-24日、3月18-19日、4月30-5月1日」に予定されている。1月の金利引き上げに含みを持たせれば円買い戻しに振れる場面もあるか。一方、利上げを3、4月まで先送りするような慎重姿勢を示せば、昨日売られたクロス円が巻き戻しが進むかもしれない。
欧州の金融政策は、日本時間17時30分にスウェーデン中銀(政策金利予想 2.75%から2.50%に引き下げ)、18時にノルウェー中銀(予想 4.50%で据え置き)、そして21時に英中銀(予想 4.75%で据え置き)が公表予定。
北欧2カ国の金利差拡大が見込まれるなか、ノルウェー・クローネ(NOK)買い/スウェーデン・クローナ(SEK)売りが単純に進むかに目を向けてみたい。NOK/SEKは11月後半に一時パリティ(1.00SEK)に迫るも、足もとでは0.97SEK台とノルウェー・クローネ安に傾いている。
英中銀については、金融政策委員会(MPC)の投票行動がポイントか。昨日の11月英インフレ指標はほぼ予想に沿った結果ではあるが、物価上昇率の底堅さは確認された。来年の利下げ幅に対する見通しも縮小しており、昨日は米金利上昇でポンドドルは下落したものの、本日の英MPC次第では底固めをすることになりそうだ。
想定レンジ上限
・ポンド円、ピボット・レジスタンス2の196.53円
・ポンドドル、17日高値1.2729ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0483ドル
想定レンジ下限
・ポンド円、日足一目均衡表・転換線193.25円
・ポンドドル、11月22日安値1.2487ドル
・ユーロドル、2022年11月22日安値1.0240ドル
ドル円:1ドル=155.23円(前営業日NY終値比△0.43円)
ユーロ円:1ユーロ=161.15円(△0.89円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0381ドル(△0.0028ドル)
日経平均株価:38813.58円(前営業日比▲268.13円)
東証株価指数(TOPIX):2713.83(▲6.04)
債券先物3月物:142.14円(▲0.24円)
新発10年物国債利回り:1.080%(△0.020%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
7061億円の取得超 6391億円の処分超・改
対内株式
5876億円の処分超 4829億円の所得超・改
日銀金融政策決定会合(日銀金融市場調節目標)
0.25%で据え置き 政策金利 0.25%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は買い優勢。序盤は日銀金融政策決定会合の結果公表を控えて154円台半ばから後半で上下する神経質な展開が続いた。ただ、日銀が金融政策の据え置きを発表すると急伸。目立った下押しも見られないまま、一時155.47円まで買い上げられた。
・ユーロ円も買い優勢。日銀の政策金利据え置きを受けて円が全面安となった流れに沿った。ユーロ円は161.40円まで上昇したほか、ポンド円は195.72円、豪ドル円は96.90円、NZドル円は87.55円、カナダドル円は107.73円までそれぞれ値を上げた。
・ユーロドルは強含み。昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)によるタカ派的な利下げを受けて急落した反動が出たほか、ユーロ円が急伸したことにつれて1.0391ドルまで一時上昇した。
・日経平均株価は5日続落。昨日の米国株が軟調に推移したことを背景に売りが先行し、指数は一時720円超下落した。ただ、日銀が利上げを見送ると外国為替市場で円が急落したため輸出関連株に買いが入り下げ幅を縮めた。
・債券先物相場は反落。昨日の米国債券相場が大きく下落した影響から債券売りが優勢となり、一時141.87円まで大幅安となった。ただ、日銀が金融政策の現状維持を発表すると買い戻しが強まり142.30円まで反発する場面も見られた。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)で大中華圏のチーフエコノミストを務める喬虹氏はこのほど、基本シナリオで2025年の中国国内総生産(GDP)成長率は4.5%になると予想した。米国は25年4-6月期から中国に対する関税を平均30%に引き上げ、26年1-3月期にはさらに10%上昇し、平均で40%になるとした。その他の国については、平均8%になるとみている。『信報』が19日伝えた。
一方、ベアシナリオでは、対中関税が宣言通り60%となり、その他の貿易相手国については、平均10-20%になると予想した。この場合、中国の輸出は早ければ25年1-3月期に影響を受け、25年のGDP成長率は3.9%にとどまる可能性もあるとした。
大阪3月限
日経225先物 39080 -120 (-0.30%)
TOPIX先物 2728.5 +4.0 (+0.14%)
日経225先物(3月限)は前日比120円安の3万9080円で取引を終了。寄り付きは3万8440円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8460円)にサヤ寄せする形から売りが先行した。現物の寄り付き直前には、一時3万8210円まで下落幅を広げる場面もみられた。ただし、売り一巡後は押し目狙いのロングやショートカバーが入り、前場中盤にかけて3万8830円まで下げ幅を縮めた。
日銀の金融政策決定会合の結果待ちとなるなか、ランチタイムで市場の予想通り利上げ見送り決定が伝わると、一時3万8930円まで下げ幅を縮めた。その後は終盤にかけて3万8700円~3万8930円辺りで保ち合ったが、引け間際に戻り基調を強めると、3万9080円と本日の高値で取引を終える形となった。
日経225先物は、朝方はインデックスに絡んだ商いが集中する形から3万8210円まで急落したが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8350円)を下回ってきたことで、押し目待ち狙いのロングが入りやすいところだった。また、売り一巡後は75日移動平均線(3万8440円)、200日線(3万8480円)を上回って推移しており、日銀会合を無難に通過したことで、アク抜けを狙ったロングが強まる格好だった。
終盤にかけては25日線が位置する3万8870円辺りを挟んで底堅さがみられ、引けにかけてショートカバーが入ったようだ。19日の米国市場では前日の大幅な下げに対する自律反発が期待されるほか、日銀会合の結果が予想通りだったことで、米国でもリバランスの動きが意識されやすいだろう。
日経225先物はナイトセッションを加えた値動きでは、3万9080円処から3万8210円まで800円を超える長い下ヒゲを残す形となった。早い段階で+1σ(3万9410円)水準を回復してくるようだと、ショートカバーを交えてリバウンド基調を強めてくる可能性がありそうだ。週間形状では-1σ(3万8290円)を下回った後は13週線(3万8880円)を回復した。週末の終値で+1σ(3万9470円)辺りを捉えてくるようだと、年末高を意識したセンチメントに向かわせそうである。
米国ではマイクロン・テクノロジー<MU>の決算を嫌気した時間外での急落の影響はありそうだが、アドバンテスト <6857.T> [東証P]は売りが先行した後は下げ幅を縮めており、長期的なトレンドに変化はなく、押し目買い意欲の強さがみられている。米国市場が落ち着きをみせてくるようだと、指数インパクトの大きい値がさ株が相場を牽引する展開になろう。
NT倍率は先物中心限月で14.32倍に低下した。75日線(14.33倍)を下回って始まり、一時14.26倍と、25日線(14.28倍)、200日線(14.26倍)水準まで下げてきた。200日線が支持線として意識されてくる形で下げ幅を縮めており、年末に向けてはNTロングによるスプレッド狙いのスタンスでみておきたい。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が2万3437枚、ソシエテジェネラル証券が1万7427枚、サスケハナ・ホンコン4333枚、JPモルガン証券が3016枚、ゴールドマン証券が2840枚、バークレイズ証券が2832枚、SBI証券が2482枚、日産証券が1972枚、野村証券が1797枚、モルガンMUFG証券が1519枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万4134枚、ソシエテジェネラル証券が1万7992枚、モルガンMUFG証券が6842枚、バークレイズ証券が5909枚、JPモルガン証券が5164枚、ゴールドマン証券が3717枚、みずほ証券が1748枚、日産証券が1630枚、ビーオブエー証券が1234枚、シティグループ証券が1190枚だった。
本日のNY時間のドル円は、引き続き下値の堅さは変わらないか。昨日の米連邦公開市場委員(FOMC)では市場予想通りに利下げをしたものの、ドット・プロットでは、2025年末時点の中央値が上方修正され、利下げ回数が2回と前回9月の見通しから半減した。更にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見でも「タカ派的な利下げ」であったことも確認された。
一方で、本日行われた日銀の金融政策決定会合では市場予想通り据え置いただけではなく、植田日銀総裁の会見では「来年の春闘などの情報も必要」と発言するなど。10-11月頃に噂されていた12月か1月の利上げがさらに先延ばしになる可能性が高まり、早くて3月(18-19日)かそれ以後になるだろう。米国の早期利下げ観測後退と日銀の早期利上げ観測後退によりドル円は底堅い動きになると思われる。
また、植田総裁の発言ではタカ派ではなかったばかりか、円安の影響についても「輸入物価の対前年比は落ち着いている」と複数回質疑応答で繰り返したことで、さほど円安の影響を懸念していないような回答だったことも円売りを促しそうだ。これまでも、植田日銀総裁は前言撤回が早いことで、すぐに修正される可能性は否定できないが日銀総裁の円安警戒感の後退がドル円の支えになりそうだ。
なお、本日は米国から通常は市場が敏感に反応する多数の経済指標(7-9月期米GDP確定値、同期米個人消費(PCE)確定値、前週分の米新規失業保険申請件数及び失業保険継続受給者数雇用指標、12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数ほか)が発表される。ただ、昨日のFOMC後の結果を踏まえると、指標結果が弱い場合でも市場の反応が鈍くなると思われる。一方で、強い指標結果につながった場合のドル買いには敏感に反応しやすいと思われる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、7月12日のNY時間で観測された為替介入水準158.40円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、植田日銀総裁会見前の高値155.47円。
今晩は上値の重い展開か。昨日は米連邦公開市場委員会(FOMC)で2025年の利下げ回数見通しが9月時点の4回から2回に修正されたことや、それを受けて米10年債利回りが5月末以来の水準となる4.52%台に上昇したことで主要3指数が急落。ダウ平均は1123.03ドル安(-2.58%)と、今年2回目の1000ドル超の急落となり、1974年以来の10日続落を記録した。S&P500とナスダック総合もそれぞれ2.95%安、3.56%安とともに大幅に2日続落。一日の下落率はS&P500が8月5日以来、ナスダック総合が7月24日以来の大きさとなった。引け後の動きでは予想を下回る第2四半期見通しが嫌気されたマイクロン・テクノロジーが時間外で16%超下落した。
今晩の取引では前日の急落の反動高が期待されるものの、2025年の利下げが2回にとどまる見通しとなったことや、マイクロン・テクノロジーの大幅安が予想されることで上値の重い展開か。発表される7-9月期GDP確報値や新規失業保険申請件数、11月中古住宅販売件数などの経済指標をにらんだ神経質な展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは7-9月期GDP確報値、同個人消費確報値、同個人消費支出(PCE)価格確報値、新規失業保険申請件数、11月中古住宅販売件数、11月景気先行指数など。企業決算は寄り前にダーデン・レストランツ、カーマックス、ペイチェックス、コナグラ・ブランズ、アクセンチュア、引け後にナイキ、フェデックスなどが発表予定。
当面の金融政策運営について
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.25%程度で推移するよう促す。
2. わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。海外経済は、総じてみれば緩やかに成長している。輸出や鉱工業生産は横ばい圏内の動きとなっている。企業収益は改善傾向にあり、業況感は良好な水準を維持している。こうしたもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。雇用・所得環境は緩やかに改善している。個人消費は、物価上昇の影響などがみられるものの、緩やかな増加基調にある。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、足もとは2%台前半となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。
先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。消費者物価(除<生鮮食品)については、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、その基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。なお、来年度にかけては、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対して、政府による施策の反動が押し上げ方向で、既往の原油等の資源価格下落の影響などが押し下げ方向で、それぞれ作用すると見込まれる。
リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。
3.本会合では、2023年4月以降実施してきた「金融政策の多角的レビュー」を取りまとめた。「多角的レビュー」では、過去25年間のわが国の経済・物価・金融情勢について振り返ったうえで、非伝統的な金融政策運営の効果と副作用を点検し、先行きの金融政策運営への含意を整理した。日本銀行は、本レビューの結果も活用しつつ、引き続き、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。
日銀HPより
ブラジル中銀はこの日、スポット市場でドル売り入札を実施したと発表した。
日経平均株価は5日続落。マドを開けて大幅に下落してのスタートとなり、一時は700円を超える下落幅となる場面があった。一方、75日移動平均線(38477円 12/19)を割り込んだあたりから次第に持ち直す展開となり、6日ぶりに陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の41.4%→42.2%(12/19)に上昇。25日移動平均線(38852円 同)や雲上限(38950円 同)などを下回る展開となり、結局はきょうの安値(38355円)まで含めてみると10月以降のもみ合いが続いている格好となる。25日移動平均線が横ばい基調にうちに同線を超えることが再び39000円台に戻るカギとなるが、39500円を中心とした水準は上値抵抗が強くなるとみられる。
上値メドは、心理的節目の39000円、10日移動平均線(39302円 同)、心理的節目の39500円、12/12高値(40091円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、75日移動平均線、100日移動平均線(38138円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.69円(19日15時時点比△2.46円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.39円(△2.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0361ドル(▲0.0020ドル)
FTSE100種総合株価指数:8105.32(前営業日比▲93.79)
ドイツ株式指数(DAX):19969.86(▲272.71)
10年物英国債利回り:4.579%(△0.021%)
10年物独国債利回り:2.306%(△0.061%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲21.3 ▲23.1・改
12月仏企業景況感指数
94 96
10月ユーロ圏経常収支(季調済)
258億ユーロの黒字 388億ユーロの黒字・改
英中銀(BOE)、政策金利
4.75%で据え置き 4.75%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。植田和男日銀総裁が金融政策決定会合後の記者会見で、「次の利上げ判断に至るには、もう1ノッチ欲しい」「来年の春闘を含む賃金動向を見極めたい」との見解を示すと、日銀の利上げ観測が後退。全般円売りが広がった。
NYの取引時間帯に入ると、7-9月期米国内総生産(GDP)確定値や前週分の米新規失業保険申請件数、11月米景気先行指標総合指数、11月米中古住宅販売件数など、この日発表の米経済指標が良好だったことが分かり、米長期金利の上昇とともにドル買いが進んだ。1時過ぎに一時157.81円と7月19日以来5カ月ぶりの高値を更新した。
なお、米連邦準備理事会(FRB)による利下げペースは鈍るとの見方が強まる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5923%前後と5月30日以来の高水準を付けた。
・ユーロドルは戻りが鈍かった。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に急落した反動でショートカバーが先行。18時30分過ぎに一時1.0422ドルと日通し高値を付けた。ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると一時1.0355ドル付近まで下押しした。
・ポンドドルは頭が重かった。前日に急落した反動でショートカバーが先行すると一時1.2667ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。英中銀(BOE)はこの日、予想通り政策金利を4.75%で据え置くことを決めたと発表。市場では「利下げを主張する委員は1名」との予想が多かったが、実際にはラムスデン副総裁とディングラ委員、テイラー委員の3名が利下げ票を投じたことが明らかになり、ポンド売りで反応した。
NY市場では米長期金利の上昇に伴うドル買いが活発化し、一時1.2505ドルと11月22日以来の安値を付けた。ベイリーBOE総裁が「市場の2月利下げ織り込みは合理的な出発点」と述べたことも相場の重し。
・ユーロ円は底堅い動き。植田日銀総裁の発言で「日銀は利上げに慎重」との受け止めが広がる中、円売り・ユーロ買いが優勢になった。0時30分過ぎには一時163.80円と11月21日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。
・ロンドン株式相場は反落。前日の米株式相場が大幅に下落した流れを引き継いで売りが先行したものの、売りが一巡すると相場はもみ合いに転じた。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は5日続落。米利下げ観測の後退で前日の米国株相場が急落すると投資家心理が悪化。独株にも売りが波及した。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(5.39%安)やボノビア(2.96%安)、シーメンス(2.71%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落した。
19日の日経平均は5日続落。終値は268円安の38813円。FOMCを消化した18日の米国市場では、先の利下げペースが鈍化することへの警戒からダウ平均が4桁の下落となった。米国株の大幅安を嫌気して寄り付きから500円を超える下落となり、開始早々には下げ幅を700円超に広げた。
38300円台で売りが一巡し、安値は早い時間につけた。幾分戻して前引けは373円安の38708円。昼休みに入って早々に、日銀が金融政策の現状維持を発表した。発表後に先物が上昇し、ドル円が円安に振れたことから、後場は前引けから100円以上水準を切り上げて始まった。ただ、その後は植田総裁会見を前に様子見姿勢が強まり、動意薄の状態が長く続いた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆2200億円。業種別では海運、銀行、保険などが上昇した一方、電気・ガス、不動産、非鉄金属などが下落した。日銀は利上げを見送ったが、三菱UFJ<8306.T>や三井住友<8316.T>など銀行株が後場に入って動きが良くなった。一方、三井不動産<8801.T>や三菱地所<8802.T>など不動産株は後場に一段安となっており、先の利上げを意識したような動きが見られた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり770/値下がり813。前日新規上場のキオクシアが7.4%高。前日ストップ高となった日産自動車に追随買いが入り、商いも膨らんだ。IHIや川崎重工など防衛株が大幅上昇。証券会社のリポートを材料にフジメディアや日テレなどテレビ局株に資金が向かった。第一生命との資本業務提携を発表したAnd Doがストップ高となった。
一方、ナスダックが大幅安となったことで、ソフトバンクGやレーザーテックなどグロース株が大幅安。証券会社が目標株価を引き下げた住友林業は、米長期金利の上昇が米国住宅販売に逆風との見方も強まり、7%を超える下落となった。前日ストップ高の三菱自動車は日産自動車が一段高となったのとは対照的に大幅安。第三者割当増資や今期の最終赤字見通しが嫌気された東邦亜鉛がストップ安となった。
本日はグロース市場に2社が新規上場。delyは公開価格割れからのスタートとなったが、終値は初値を上回った。Synspectiveは高い初値をつけたものの、終値は初値を下回った。
日経平均は5日続落。日銀はノーサプライズであったが、米国株がFOMCを消化して大きく下げたことから、終日軟調に推移した。ただ、ローソク足では陽線を形成。75日線(38477円、19日時点、以下同じ)を割り込んだところで切り返し、終値(38813円)では25日線(38852円)付近まで戻している。値上がり銘柄も結構多く、ネガティブな材料があった割には底堅い動きであった。
18日の米国株は大幅安となったが、引け後のマイクロン・テクノロジーの決算は消化していない。マイクロンは時間外で急落しているだけに、本日の米国株、特にナスダックにはネガティブな影響が及ぶと考えられる。今回のFOMCを受けて、市場参加者は2025年の米国の利下げペースがかなりマイルドになることを意識した。そうなるとグロース株は手がけづらくなる。目先はバリュー株が相対優位となるだろう。
19日12:01 日本銀行声明
「政策金利の現状維持、賛成8、反対1で決定」
「無担保コールレート翌日物の誘導目標を0.25%程度で維持」
「経済・物価巡る不確実性引き続き高い」
「物価の基調的な上昇率、展望リポートの見通し期間後半には物価目標とおおむね整合的な水準で推移する」
「景気、一部に弱めの動きみられる」
「景気の先行き、海外経済が緩やかな成長続けるもとで潜在成長率上回る成長を続ける」
「輸出・生産、横ばい圏内の動き」
「個人消費、物価上昇の影響など見られるものの緩やかな増加基調」
「予想物価上昇率、緩やかに上昇している」
「金融・為替市場の動向や日本経済・物価への影響、十分注視する必要」
「企業の賃金・価格設定行動が積極化、過去と比べ為替の変動が物価に影響及ぼしやすくなっている」
「リスク要因、海外の経済物価・資源価格・企業の賃金価格設定など」
19日15:35 植田日銀総裁
「金融・為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視」
「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」
「現在の実質金利は極めて低い水準にある」
「見通し通り実現すれば政策金利を引き上げる」
「(金融政策について)来年の春闘などの情報も必要」
「米次期政権の政策巡る不確実性が大きい状況続く」
「利上げのタイミング、データを丹念に点検して判断」
「非伝統的政策手段を今後全く採用しないというわけではない」
「1月会合までに支店長会議などのデータを総合的に判断」
「春闘・トランプ政策、長い期間見ないと全体像判明しない」
「毎回利上げしていくようなパスにはなりにくい」
「利上げペースがゆっくりなのは基調的な物価上昇率の上昇が極めてゆっくりな為」
「次の利上げの判断に至るまでには、もう1ノッチ欲しい」
「次回展望リポートで1ノッチ確度上がるか何ともいえない」
「輸入物価が落ち着いていることも考慮し、為替の影響を判断」
「円安と国力の関係、そういう要素はあまりなかったと判断」
19日17:35 スウェーデン中銀(リクスバンク)声明
「2025年前半にもう一度金利が引き下げられる可能性」
「経済活動に回復の兆しが見られるものの、依然として弱い状態」
「今後の金融政策の策定においてより慎重なアプローチを取る必要があることを示唆」
「今後の金利調整の必要性を慎重に評価」
「2025年のCPIF見通しを+1.6%から+2.0%に上方修正」
19日18:03 ノルウェー中銀(ノルゲバンク)声明
「政策金利は2025年3月に引き下げられる可能性が高い」
「金融政策の緩和を開始する時期が近づいている」
「経済の活動が以前の予想よりも良好に推移している」
「インフレ率は目標に近づき、インフレ圧力は以前の想定よりもやや弱まっている」
「金利見通しについて、今後数年間の金利引き下げ幅がやや小さくなっている」
「MPCは6対3で4.75%の据え置きを決定」
「貿易政策の不確実性が大幅に上昇、現時点で英国への影響は不明確」
「政策の引き締めを解除する段階的アプローチが依然として適切」
「ベイリー総裁は2025年の利下げを約束できないと主張」
「総合インフレ率のわずかな上昇を予想」
19日23:21 トランプ次期米大統領
「議会は債務上限を廃止すべき」
「債務上限の廃止を支持する」
20日00:10 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「市場の2月利下げ織り込みは合理的な出発点」
「最近のデータはノイズが多い」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 11月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比2.6%)
○08:30 ☆ 11月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比2.4%)
○未定 ◇ 12月月例経済報告
<海外>
○06:45 ◎ 11月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○16:00 ◎ 11月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.5%/前年比0.8%)
○16:00 ◎ 11月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比横ばい/前年比0.7%)
○16:00 ◇ 11月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.3%)
○16:45 ◇ 11月仏PPI
○17:30 ◎ 11月香港CPI(予想:前年同月比1.5%)
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:23.00%に引き上げ)
○21:30 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、メディア出演
○22:30 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、メディア出演
○22:30 ◎ 10月カナダ小売売上高(予想:前月比0.7%/自動車を除く前月比0.5%)
○22:30 ◎ 11月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.5%)
◎ 11月米個人所得(予想:前月比0.4%)
☆ 11月米PCEデフレーター(予想:前年比2.5%)
☆ 11月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比2.9%)
○24:00 ◎ 12月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.0)
○24:00 ◎ 12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:74.0)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.44円(前営業日比△2.64円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.14円(△2.88円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0363ドル(△0.0010ドル)
ダウ工業株30種平均:42342.24ドル(△15.37ドル)
ナスダック総合株価指数:19372.77(▲19.92)
10年物米国債利回り:4.56%(△0.05%)
WTI原油先物1月限:1バレル=69.91ドル(▲0.67ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2608.1ドル(▲45.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期米国内総生産(GDP)確定値
(前期比年率) 3.1% 2.8%
個人消費確定値
(前期比年率) 3.7% 3.5%
コアPCE確定値
(前期比年率) 2.2% 2.1%
12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
▲16.4 ▲5.5
前週分の米新規失業保険申請件数
22.0万件 24.2万件
11月米中古住宅販売件数
(前月比) 4.8% 3.4%
(年率換算件数)415万件 396万件
11月米景気先行指標総合指数
(前月比) 0.3% ▲0.4%
10月対米証券投資動向
短期債を含む 2036億ドル 3989億ドル・改
短期債を除く 1523億ドル 2161億ドル
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅に続伸。7-9月期米国内総生産(GDP)確定値や前週分の米新規失業保険申請件数、11月米景気先行指標総合指数、11月米中古住宅販売件数など、この日発表の米経済指標が良好だったことが分かると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.5923%前後と5月30日以来の高水準を記録。米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが進んだ。日銀金融政策決定会合や植田和男日銀総裁の会見で「日銀は利上げに慎重」との受け止めが広がったことも円売りを促し、1時過ぎに一時157.81円と7月19日以来5カ月ぶりの高値を更新した。
・ユーロドルは3日ぶりに小反発。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に急落した反動でショートカバーが入ると、日本時間夕刻に一時1.0422ドルまで値を上げたものの、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。NY市場では米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが目立ち、2時過ぎに1.0355ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は3日ぶりに大幅反発。日銀が早期の利上げに慎重な見方を示したことで全般円売りが優勢になると、0時30分過ぎに一時163.80円と11月21日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。ただ、引けにかけては163.03円付近まで伸び悩んだ。
・メキシコペソは底堅い動き。ドルペソは一時20.2930ペソ、ペソ円は7.76円までペソ高に振れた。なお、メキシコ中銀はこの日、市場予想通り政策金利を現行の10.25%から10.00%へ引き下げることを決めたと発表。声明では「今後もより大きな幅でさらなる下方修正が検討される可能性がある」「インフレ率は2026年第3四半期に目標に収束すると予想」との見解が示された。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は11日ぶりに小反発。50年ぶりとなる10日続落を記録したあとだけに、短期的な戻りを期待した買いが先行すると一時460ドル超上昇した。市場では「相場の過熱感が薄れ、主力株の一角に自律反発を期待した買いが入った」との声も聞かれた。ただ、米長期金利の上昇が続く中、買いの勢いは長続きせず、引けにかけては弱含んだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら3日続落。前日に急落した反動で反発して始まったものの、終盤失速した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍るとの見方が強まる中、この日も売りが続いた。利回りは一時4.5923%前後と5月30日以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は反落。原油在庫の取り崩しが継続するなか反発した昨日の底堅さを維持できず。中国景気の先行き不透明感や、米経済が利下げペース鈍化により推進力を鈍らせるとの観測が、原油などエネルギー需要を停滞させるとの見方がある。
・金先物相場は大幅に6日続落。FOMCで米利下げペース鈍化の流れが確認され、米金利上昇・ドル高地合いが継続。金利が付かない資産である金の重しになるとともに、ドル建て金相場に割高感も生じて重く推移した。
19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、日銀の慎重な利上げスタンス、良好な米経済指標、米長期金利上昇などから、157.81円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いで1.0355ドル付近まで下押しした。ユーロ円は163.80円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、18日のパウエルFRB議長のタカ派的な利下げと19日の植田日銀総裁のハト派的な利上げ見送りを受けて続伸が予想される中、本邦通貨当局が円安抑制に乗り出す水準を見極めていく展開となる。
米連邦公開市場委員会(FOMC)のドット・プロット(金利予測分布図)では、来年の利下げ回数が2回程度(4.25-50%⇒3.75-4.00%)であることが示唆された。
植田日銀総裁は、追加利上げの判断には来年1月30日のトランプ次期米大統領の就任後の米国の政策や3月の春季労使交渉の賃上げ動向などでの「1ノッチ(段階)」が欲しいとのことで、追加利上げの時期が3月以降になる可能性、すなわち、「時間的余裕」があることが示唆された。
今週の日・米金融政策決定会合は、ドル高・円安に拍車をかけることになったが、上値を抑える要因としては、トランプ次期米大統領による円安を牽制する発言や本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性などに警戒しておきたい。
8時30分に発表される11月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は、前年比+2.6%と予想されており、10月の同比+2.3%からの上昇が見込まれている。先行指標である11月のコア東京都区部CPIは、政府の電気・ガス代への補助金が縮小してエネルギー価格が物価を押し上げたことで3カ月ぶりに伸び率が拡大していた。
植田日銀総裁が利上げの条件として賃金動向を挙げていることで、11月コアCPIが予想通りに上昇していても市場への影響は軽微だと思われる。しかし、総裁は、現在の実質金利は極めて低い水準にあるとの認識を示し、今後、日銀の経済・物価見通しが実現していけば、それに応じて利上げを行い、金融緩和度合いを調整していく、とも述べていた。コアCPIが前年比+2.6%程度ならば、実質政策金利も実質10年債利回りもマイナスのままであり、円・キャリートレードの環境が再び整うことになる。
植田日銀総裁は、7月の利上げの背景として、輸入物価指数を上昇させる円安の抑制を挙げていたが、昨日は、「輸入物価が上がっていないから円安を気にしていない」と述べていた。石破首相は「現時点ではデフレ脱却には至っていない」と述べていたが、政府・日銀のアコードに沿って、植田日銀総裁も忖度せざるを得ないのかもしれない。
また、本日は、来年3月までの米国政府予算を手当てする「つなぎ予算案」の採決期限となっているが、トランプ次期米大統領が共和党議員に反対するように促したことで、成立の見込みはなくなっているらしい。「つなぎ予算案」が成立しなければ、クリスマスに向けて政府機関が一部閉鎖される可能性が高まることになり、米国債格下げの可能性を高めることで、関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39020 -60 (-0.15%)
TOPIX先物 2737.5 +9.0 (+0.32%)
シカゴ日経平均先物 39020 -60
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
19日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。NYダウは11日ぶりに反発して終え、ナスダック指数は3日続落だった。NYダウは1974年以来約50年ぶりとなる10日続落を記録したあとだけに、主力株を中心に自律反発狙いの買いが先行し、一時460ドル超上昇する場面もみられた。ただし、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げに慎重になるとの見方が広がるなか、米長期金利の上昇が重荷となり、終盤にかけて軟化する形だった。7~9月期の米実質国内総生産(GDP)確報値が改定値から上方修正されたほか、新規失業保険申請件数が市場予想を下回るなど、堅調な経済が利下げペースの鈍化を正当化すると受け止められた。また、米政府機関の一部閉鎖のリスクなども上値を抑える要因になったようだ。
NYダウ構成銘柄ではアマゾン・ドット・コム<AMZN>、JPモルガン・チェース<JPM>、アメックス<AXP>、エヌビディア<NVDA>、IBM<IBM>、ボーイング<BA>が上昇。半面、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、マイクロソフト<MSFT>、ホームデポ<HD>、キャタピラー<CAT>、セールスフォース<CRM>が軟調。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比60円安の3万9020円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比110円高の3万9190円で始まり、開始直後には3万9360円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は軟化し、下落に転じる場面もみられたが、米国市場の取引開始時には3万9350円まで上昇。ただし、開始直後の高値を上回ることができず戻りの鈍さが意識されるなか、終盤にかけては3万9010円~3万9280円辺りでの保ち合いを継続し、3万9020円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることが見込まれる。NYダウは11日ぶりに反発したものの、戻りの鈍さが意識されており、東京市場においてもリバウンド狙いのロングは強まりにくいだろう。ナイトセッションでは25日移動平均線(3万8880円)とボリンジャーバンドの+1σ(3万9400円)でのレンジ推移であり、3万9000円近辺での押し目狙いのロング対応となり、+1σに接近する局面においては、戻り待ち狙いのショートに向かわせそうである。
ただし、昨日は一時3万8210円まで下落した後は押し目待ち狙いのロングが入り、3万9000円を上回って終えたことで、チャート上では長い下ヒゲを残している。12月に入ってからのリバウンド部分を帳消しにした後の切り返しによって調整一巡感が意識されやすく、底堅さを見極めつつ、ロングが入りやすい需給になったとみておきたい。
また、為替市場では1ドル=157円台と円安・ドル高が進んでいる。日銀は追加利上げに慎重な姿勢を示したことで、日米金利差拡大を狙った資金流入への思惑も強まりそうである。日経225先物はオプション権利行使価格の3万9000円から3万9375円での狭いレンジを想定するが、+1σを上回ってくる局面においては、ショートカバーを誘う流れからロングの動きが強まりそうである。
19日の米VIX指数は24.09(前日は27.62)に低下した。前日に一時28.32まで上げ幅を広げており、一気に8月上旬以来の水準まで上昇したことで、修正の動きであろう。リスク回避姿勢は和らぐ格好になりそうだが、20.00を下回ってくるまでは神経質にさせるだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.32倍に低下した。75日線(14.33倍)を下回って始まり、一時14.26倍と、25日線(14.28倍)、200日線(14.26倍)水準まで下げる場面もみられた。200日線が支持線として意識されてくる形で下げ幅を縮めており、75日線を上回ってくるようだと、ややNTロングによるスプレッド狙いのスタンスに向かわせそうである。
中国の全国銀行間同業折借中心が20日に発表した2024年12月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は、1年物を3.10%で据え置き、5年物も3.60%で据え置いた。
日経225先物は11時30分時点、前日比190円安の3万8890円(-0.48%)前後で推移。寄り付きは3万9070円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9020円)を上回り、小幅に下落して始まった。寄り付きを高値にショート優勢の流れのなか、中盤にかけて3万8790円まで下落幅を広げる場面もみられた。ただし、支持線として意識されていた25日移動平均線(3万8880円)を下回った後は押し目狙いのロングが入り、同線を上回っての推移を継続。
日経225先物は、寄り付きを高値に下へのトレンドが強まり、節目の3万9000円を割り込んだことで、ショートを入れやすかったとみられる。もっとも、25日線を割り込んだ後は押し目狙いのロングによって、ショートカバーに向かわせた形だろう。短期的なショートは前場の段階で一巡したと考えられ、25日線水準での底堅さがみられてくるようだと、節目の3万9000円や寄り付き水準を捉えてくる可能性がありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.30倍に低下した。14.27倍で始まり、14.26倍を付ける場面もみられたが、同水準に位置する200日線が支持線として機能している。アドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となるものの、円相場が1ドル=157円前半と、朝方からはやや円高に振れて推移しており、輸出関連株主導でTOPIX型にも傾けにくいところである。
FOMCから始まり、日銀金融政策決定会合を経て、欧州時間はノルゲバンク、スウェドバンク、BOE、メキシコ中銀と続いた一連の中銀イベントが終わり、市場は来週からのクリスマスウィークを迎えることになっていますが、昨日は、少なくとも来年最初の四半期における日米金融政策の方向性に確かなクルーを見いだせることになったという点では、かなり意味のあるイベントだったと言えます。
米国の金融政策については、パウエルFRB議長が利下げサイクルの第1フレーズ終了を宣言し、新たなフレーズに入ったことに言及。来年のFOMC投票メンバーであるムサレム米セントルイス連銀総裁とシュミッド米カンザスシティ連銀総裁のほか、ボウマンFRB理事が「どうやらドットチャートで今回利下げの決定に敢えて反対の意向を示していた4人のうちの3人」との認識が高まるなか、経済状況次第では「来年の利下げがなくなる可能性もある」との憶測も急浮上したわけで、Fedwatchが早速、来年1回利下げとのメインシナリオを示しているように、米10年債利回りの急騰につながる動きとなりました。
日銀の利上げについては、植田日銀総裁のかなり長い定例記者会見からは「春闘やトランプ次期米政権の政策を判断するには長い期間見ないと全体像が判明しない」との見解。「輸入物価の対前年比は落ち着いている」と円安への懸念にも言及しなかったとあって、市場は「少なくとも現時点での判断では、利上げは来年3月か4月だろう」との認識。ファンド勢にとっては、円キャリーを再び活発化させることへの疑問符を取り除くことになったのは言うまでもありません。
いずれにしても、来週からはクリスマス休暇入りする参加者が多くなるほか、東京勢としても、実質的年末相場となるわけですが、ドル円は、リクイディティの希薄化が引き起こす乱高下をある程度覚悟しながらも、方向性としては確かな動きとなっていくのかもしれません。
パウエルFRB議長のスポークスマンらしいウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者の2023~2024年の記事を確認しておきたい。
1.2024年12月18日
「今週の選択肢の一つは、0.25ポイントの利下げを実施するとともに、新たな経済見通しで、利下げペースを減速させる用意があると強く示唆すること」
■12月18日FOMC:第3次利下げ(▲0.25%)FF金利誘導目標4.25-50%
【ドット・プロット(金利予測分布図)】
・2025年利下げ(▲0.50%=0.25%x2回):3.75-4.00% (※9月は4回▲1.00%)
・2026年末時点の政策金利(中立金利):3.40%(3.25-50%)(※9月は2.90%)
2.2024年9月12日
『FRB利下げのジレンマ:大きく始めるか、小さく始めるか(The Fed’s Rate-Cut Dilemma: Start Big or Small?)』と題し、「関係者は今後数か月で複数回の利下げが可能であるとの自信を示しており、伝統的な0.25%の引き下げか、より大きな0.50%の引き下げかについての議論が行われている」と報じた。
■パウエルFRB議長
「今回の0.50%利下げは緩やかな成長と持続的に2%に向かうインフレ率という状況において、政策スタンスの適切な再調整により労働市場の強さを維持し得るという、われわれの確信の強まりを反映している」
「0.5%の利下げは、FOMCが今後継続するペースだと想定すべきではない」
「7月の雇用統計を知っていたなら、7月FOMCで0.25%の利下げを開始できた」
3.2023年8月の予告
・8月21日:中立金利引き上げ見通し(タカ派)
・8月22日:中立金利引き上げ観測を否定(ハト派)
■パウエルFRB議長(8月25日ジャクソンホール講演)
「中立金利の水準は不明で、政策の立ち位置を正確に判断するのは困難」
4.2023年6月の予告
・「Fed Prepares to Skip June Rate Rise but Hike Later」
「当局者たちは6月据置きへと傾いてきているが、今年夏の利上げの準備のためである」※「タカ派的スキップ(skip見送り)」であり、「利上げpause休止」ではない
・「米5月CPIの結果を受けて6月FOMCは金利据え置きの公算。しかし、FF金利予想・中央値は前回の5.1%(5.00-5.25%)から引き上げ、あと1回の利上げを示唆する可能性」
「パウエルFRB議長は、金融緩和を求める信用収縮の回避と、その反対を求める高インフレとの闘いという、中央銀行が望まない位置に身を置く状況。信用収縮はインフレ押し下げ期待があるものの、ケチャップの瓶底を何度も叩いた後、突然ドバっと飛び出すように、信用の伸びが急縮小するリスクがある」
■パウエルFRB議長
・これまでの大幅かつ迅速な動きを踏まえ、今回の会合では金利据え置きが賢明と判断
・インフレ率を2%に戻すには長い道のりがあり、利下げについては2年ほど先の話
・累積的(cumulative)な引き締めを考慮する
本日のロンドン為替市場では、昨日に対ドルや対ユーロで売り優勢で終えたポンドの動きをまずは注視したい。英中銀金融政策委員会(MPC)は昨日、市場予想通りに政策金利の据え置き決定を公表した。しかしながら、利下げを主張した委員が9人中3人いたことは、今回はハト派1人と見込んでいた市場にとってはサプライズだった。
短期金融市場でそれほど英金利先安観が進んだわけではないものの、ポンドドルは1.26ドル台からNY終盤に1.25ドル割れまで下落した。ベイリー英中銀総裁の「市場の2月利下げ織り込みは合理的な出発点」が意識されたほか、米金利の上昇も重しとなった。ユーロポンドも0.82ポンド前半から0.82ポンド後半まで上昇。アジア時間にはそれぞれ、1.24ドル後半と0.83ポンド付近までポンド安が進んでいる。
本日序盤に発表される11月英小売売上高は、2月や3月の英中銀MPCの決定行動を大きく左右させるものではない。ただし、ポンド相場のセンチメントが弱い中でもし指標結果がさえないようだと、どうしても売られやすくはなってしまうだろう。指標予想は、前月比は前回から改善するものの前年比がプラス幅を縮小する見込み。
ユーロドルはユーロ円やユーロポンドなどの影響を受けて、やや動きづらいか。もっとも昨日は1.04ドル前半で上値の重さを確認した後なだけに、下方向へのバイアスは維持されたままだろう。先月22日につけた年初来安値1.0335ドルを巡る攻防が注目される。
また来週はクリスマスウィークということもあり、市場参加者の減少(つまり流動性の低下)が予想される。その前に駆け込み需要的な売買や持ち高調整の動きが各通貨ペアで見られるかもしれない。週引けにかけて荒い値動きには注意しておきたい。
想定レンジ上限
・ポンドドル、18日安値1.2563ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0456ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、4月24日安値1.2423ドル
・ユーロドル、前述した1.0335ドルを割り込むと2022年11月22日安値1.0240ドル
ドル円:1ドル=157.04円(前営業日NY終値比▲0.40円)
ユーロ円:1ユーロ=162.79円(▲0.35円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0366ドル(△0.0003ドル)
日経平均株価:38701.90円(前営業日比▲111.68円)
東証株価指数(TOPIX):2701.99(▲11.84)
債券先物3月物:142.47円(△0.33円)
新発10年物国債利回り:1.050%(▲0.030%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.37200%(▲0.01300%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.7% 2.3%
11月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
前年同月比 2.4% 2.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日銀の早期利上げ期待後退を背景に朝方から買いが先行。週末の5・10日(ゴトー日)とあって東京仲値に向けた買いも重なって昨日高値の157.81円を上抜けて157.93円まで値を上げた。ただ、節目の158円を前に買いが一服すると、加藤財務相や三村財務官から円安をけん制する発言が出たため失速。一時156.84円まで値を下げ、その後の戻りも鈍かった。
・ユーロ円も頭が重い。ドル円と同様の展開となり、朝方に163.66円まで上昇した後は政府高官からの円安けん制発言を受けて一転下落。利食い売りなども出て一時162.35円まで売り込まれた。
・ユーロドルは方向感がない。しばらくは1.0360ドル台を中心とした小動きが続いた。ただ、15時過ぎにトランプ米次期大統領から「EUに対し米国の貿易赤字を補うために石油とガスを購入するよう求めた」との発言が伝わると一時1.0343ドルまで下げ、11月22日以来の安値を付けた。一方で、一巡すると買い戻しが入り下げ幅をほぼ消した。
・日経平均株価は6日続落。昨日の米ハイテク株の下落を受けて半導体関連株に売りが集まった。銀行株の下げも目立ち、結局安値引けで週末の取引を終えた。
・債券先物相場は反発。日銀の早期利上げに対する期待後退を背景に買いが優勢となり、一時142.72円まで上値を伸ばす場面も見られた。
大和証券では、25年1月23、24日の日銀金融政策決定会合に関して、これより前に石破首相が経済団体首脳に賃上げを要求する場面があるとみており、経済団体首脳の対応に注目している。また、日銀の支店長会議も行われることから、日銀はそれらの場で得られた25年春闘に向けたモメンタムに関する情報を踏まえて政策判断を行うと考えている。24年夏のタントラム以降、日銀は丁寧に情報発信をするようになっていると大和では捉えている。1月に関しては利上げを実施する場合、見送る場合ともに明確なシグナルを出すとみており、サプライズ度合いは小さいと予想している。
大和証券では、2025年の米金利について、来年3月、6月の追加利下げ実施を前提に、10年金利の着地見通しを4.25%とするとともに、予測レンジを3.5%から5%へ拡大している。(1)利下げの第一フェーズが予想より早く終了したこと、(2)ロンガーランFF金利が3%へ切り上がり、今後も上昇が見込まれること、(3)トランプ氏の政策により変動性の高い相場が想定されると見込まれること―などを反映している。
政府は20日、12月の月例経済報告を公表。景気の基調判断を「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」と5カ月連続で据え置いた。個別項目では人件費高騰などを理由に企業収益のみ判断を下方修正し
大阪3月限
日経225先物 38710 -370 (-0.94%)
TOPIX先物 2702.0 -26.5 (-0.97%)
日経225先物(3月限)は前日比370円安の3万8710円で取引を終了。寄り付きは3万9070円とシカゴ日経平均先物清算値(3万9020円)を上回り、小幅に下落して始まった。寄り付きを高値にショートが優勢となり、前場中盤にかけて3万8790円まで下落幅を広げる場面もみられた。ただし、支持線として意識されていた25日移動平均線(3万8880円)を下回った後は押し目狙いのロングが入り、前場終盤には3万9040円まで持ち直した。
ランチタイムでは3万8860~3万8970円と25日線水準での底堅さが意識されていたが、後場に入り同水準を割り込むと、ショート優勢の流れが続き、終盤にかけて一時3万8690円まで売られる場面もみられた。
日経225先物は寄り付きを高値に下へのトレンドが強まり、節目の3万9000円を割り込んだことで、ショートを入れやすかったとみられる。25日線を割り込んだ後は、いったん押し目狙いのロングによってショートカバーに向かわせたが、後場に入り再び同線を割り込んだことで、ロング解消の動きが強まったようだ。
要因としては、為替市場で午後に入り円高に振れた影響だろう。朝方は1ドル=157円後半で推移していたが、その後は円高に振れており、156円台での推移が目立った。三村淳財務官が記者団の取材に応じ、「為替市場の足もとの動向を憂慮している」と述べたと伝えられるなか、円高に振れる形となった。
日経225先物は短期的なショートを誘う流れから25日線を割り込んだが、早い段階で切り返しをみせないと、200日線(3万8470円)やボリンジャーバンドの-1σ(3万8380円)辺りが意識されやすく、前日の安値(3万8210円)が射程に入ってくる。
まずは節目の3万8500円処で押し目待ちのロング対応に向かわせる可能性はあるものの、これを下回ってくるようだと、ロングに慎重になってくるだろう。ボトムを探る動きとなれば、戻りの場面では断続的にショートが入りやすい需給状況になりやすい。米国市場でのアク抜けの動きなど、支援材料が欲しいところだ。
NT倍率は先物中心限月で14.32倍と横ばいだった。14.27倍で始まり、14.26倍を付ける場面もみられたが、同水準に位置する200日線が支持線として機能した。ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となったものの、不安定な円相場を睨むとTOPIX型にも傾けにくく、一時14.34倍と上昇に転じる場面もあった。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が1万7524枚、ソシエテジェネラル証券が1万3976枚、サスケハナ・ホンコン3946枚、日産証券が3009枚、バークレイズ証券が1818枚、SBI証券が1649枚、モルガンMUFG証券が1547枚、JPモルガン証券が1448枚、auカブコム証券が1043枚、野村証券が818枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2772枚、ソシエテジェネラル証券が1万6531枚、バークレイズ証券が6429枚、モルガンMUFG証券が4509枚、JPモルガン証券が4072枚、ゴールドマン証券が3863枚、日産証券が3501枚、ビーオブエー証券が1287枚、シティグループ証券が1268枚、三菱UFJ証券が1100枚だった。
本日のNY時間のドル円は、もみ合いとなりそうだ。東京時間に入り本邦通貨当局者の円安けん制発言などもあり、ドル円は上値が重く推移している。欧州入り後は、欧州通貨に対してドル安が進んでいることも重しになっている。ただ、昨日の植田日銀総裁の2つのサプライズ(利上げが3月以後の可能性と輸入物価指数を鑑みると為替水準を憂慮していないと捉えられる発言)を払しょくするほどのものは何もなく、週末を前にしたポジション調整の域をまだ出るほどの勢いはない。植田総裁の会見はサプライズだったことで、ドル円は下がったところでは買い遅れている市場参加者が買いを入れてくる可能性が高そうだ。
本日のNY時間では通常であれば市場を大きく動意づける11月の米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)が発表される。市場予想は前年比で前月の+2.3%から+2.5%への上昇が予想され、コアデフレーターも前年比で+2.8%から+2.9%への上昇が予想されている。米連邦準備理事会(FRB)が最も注目しているインフレ指標ではあるが、昨日の米経済指標の反応も限られたことを考えると、本日も値動きは一時的になる可能性がある。今週の米連邦公開市場委員(FOMC)では、ドット・プロットが2025年末時点の中央値を上方修正、またパウエルFRB議長は会見で「今回の利下げ決定はぎりぎりの判断だった」などと発言していることで、FRBの見解がPCEだけで変わるとも考えにくいことで、特にインフレが市場予想よりも低下していた場合の反応は限られそうだ。逆にインフレが予想より上昇していた時の方が相場の反応が敏感になるか。
ドル円は買い遅れが目立つものの、週明けは日銀関係者が上述の植田日銀総裁の発言を修正する可能性もありそうだ。7月の日銀金融政策決定会合での植田日銀総裁の会見では、今後の更なる利上げを示唆し、市場が驚くほどのタカ派発言をした。しかし、翌週には内田日銀副総裁が植田総裁の発言を(市場が誤解していると)否定した。このように来週にも植田総裁が前言撤回の可能性もありそうなことで、上値では撤回発言前に利益確定の売りを置いている市場参加者も出てきそうだ。
なお、複数の国では24日から休場を迎えることで、応当日の関係もありどの通貨も本日のNYカットのオプションが集中している。特段のニュースがない場合でもNYカット(日本時間24時)前後はオプションに絡んだ取引で激しく動く可能性には留意したい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、日通し高値157.93円が最初の抑え、その上は7月12日のNY時間で観測された為替介入水準158.40円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、昨日のNY時間での下押し水準156.41円、その下は昨日の植田日銀総裁会見前の高値155.47円。
今晩は上値の重い展開か。昨日は上昇してスタートしたものの、米10年債利回りの上昇が重しとなり主要3指数がそろって失速した。前日まで10営業日続落したダウ平均は朝方に460ドル高まで上昇したが、15.37ドル高(+0.04%)とわずかながらプラス圏で終了。S&P500とナスダック総合もともに一時1%超上昇したが、それぞれ0.09%安0.10%安で終了し、ともに小幅ながら3日続落となった。週初来ではダウ平均が3.39%安と大幅に3週続落ペースとなり、S&P500が3.04%安と2週続落ペース。ナスダック総合は2.78%安と5週ぶりの反落ペースとなった。引け後に決算を発表したフェデックスは利益が予想を上回ったことや、小口配送事業のスピンアウトを発表し、時間外で8%超上昇した。ナイキも決算が予想を上回り、時間外で一時10%超上昇したが、その後は小幅安で終了した。
今晩は引き続き上値の重い展開か。水曜日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で2025年の利下げが2回(0.50%)になる予想が示されたことや、米10年債利回りの上昇が引き続き株価の重しとなることが予想されるほか、木曜日夜に下院で政府閉鎖回避法案が否決され、政府機関一部閉鎖される見通しなったこともセンチメントの悪化につながりそうだ。経済指標では米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する11月個人消費支出(PCE)価格指数の発表もあり、来年の利下げ見通しを巡り経済指標にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは11月個人所得・個人消費支出(PCE)価格指数、12月ミシガン大消費者信頼感指数確報値、同1年先・5年先期待インフレ率確報値など。企業決算は寄り前にカーニバルが発表予定。(執筆:12月20日、14:00)
19日のNY株式相場は高安まちまち。前日の急落の反動で上昇してスタートしたものの、米国債利回りの上昇が続いたことで時間とともに売りが優勢となった。前日に1123ドル安と急落したダウ平均は朝方に460ドル高まで上昇したが、15.37ドル高(+0.04%)と上昇幅を縮小して終了。わずかながら11営業日ぶりの反発となった。S&P500も一時1.08%高まで上昇したが、0.09%安で終了し、ナスダック総合は1.19%高まで上昇後、0.10%安で終了。ともに小幅ながら3日続落となった。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が予想通り0.25%引き下げられたものの、2025年の利下げ回数の見通しは前回予想の4回から2回に修正された。米10年債利回りは前日の4.498%から一時4.594%まで上昇し、4.566%で終了した。一方、センチメントはやや改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の27.62ポイントから24.09ポイントに低下した。
S&P500の11セクターは公益、金融、ITなど4セクターが上昇したが、不動産の1.69%安を筆頭に素材、エネルギー、生活必需品、ヘルスケアなど7セクターが下落した。ダウ平均採用銘柄はボーイングが2.56%高となったほか、アメリカン・エキスプレス、ビザ、エヌビディア、アマゾンなど8銘柄が1%超上昇したが、ホーム・デポ、ユナイテッドヘルス、シェブロンが2%超下落し、シャーウィン・ウィリアムズも1%超下落した。決算発表銘柄はダーデン・レストランツが14.74%高と急伸したほか、アクセンチュアが7.06%高、カーマックスが3.45%高となった。
引け後の動きでは利益が予想を上回ったフェデックスが時間外で8%超上昇した。ナイキも決算が予想を上回り、時間外で一時10%超上昇したが、その後は終値付近でのもみ合いとなった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ニュージーランドは景気後退入り、NZドル相場に逆風が強まる展開
NZRBとFRBの方向性の違いがNZドル相場の重石に、日本円に対しても上値が重い展開を予想
ニュージーランド経済を巡っては、物価高と金利高の共存が内需の足かせとなり、中国の景気減速懸念など外需の不透明感も重なり、景気の不透明感が高まっている。足下のインフレは頭打ちするなか、雇用環境の悪化も確認されるなかでRBNZ(中銀)は利下げを加速させるなど、景気下支えに舵を切る動きをみせる。こうした状況ながら、7-9月の実質GDP成長率は前期比年率▲3.96%と2四半期連続のマイナス成長となる景気後退局面入りしている。幅広く内・外需が下振れしており、こうした動きを反映して幅広い分野で生産下振れが確認されている上、足下の企業マインドも低迷するなど景気の底がみえない状況が続く。RBNZは11月の定例会合で利下げの加速を示唆したが、米FRBがタカ派傾斜を強めるなか、NZドルの対米ドル相場は調整の動きを強めており、先行きも金融政策の方向性の違いを反映して上値が抑えられる展開が続くと見込まれる。日本円に対しても同様に上値が抑えられる展開が続くことは避けられない。
日経平均株価は6日続落。買い先行でスタートしたが、一目均衡表の雲上限(39003円 12/20)などに上値を抑えられる格好となった。一方、下値は200日移動平均線(38693円 同)を意識したことで、陰線ながらも前日の長い陽線に若干被せるだけにとどまる動きとなった。
RSI(9日)は前日の42.2%→37.5%(12/20)に低下。前日からの見方に大きな変化はない。25日移動平均線(38855円 同)が横ばいや上昇基調にうちに同線を超えることが再び39000円台に戻るカギとなる。一方、39500円を中心とした水準は上値抵抗が強くなるとみられる。
上値メドは、心理的節目の39000円、10日移動平均線(39263円 同)、心理的節目の39500円、12/12高値(40091円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円などがある。下値メドは、75日移動平均線(38477円 同)、100日移動平均線(38149円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.07円(20日15時時点比▲0.97円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.75円(▲0.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0428ドル(△0.0062ドル)
FTSE100種総合株価指数:8084.61(前営業日比▲20.71)
ドイツ株式指数(DAX):19884.75(▲85.11)
10年物英国債利回り:4.510%(▲0.069%)
10年物独国債利回り:2.285%(▲0.021%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) 0.2% ▲0.7%
(前年比) 0.5% 2.0%・改
11月英小売売上高(自動車燃料除く)
(前月比) 0.3% ▲0.9%
(前年比) 0.1% 1.6%・改
11月独生産者物価指数(PPI)
(前月比) 0.5% 0.2%
11月仏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 3.2% 0.9%
12月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値) ▲14.5 ▲13.8・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。アジア時間に一時157.93円と7月17日以来約5カ月ぶりの高値を付けたものの、海外市場に入ると週末を控えたポジション調整目的の売りが優勢となった。日本の政府高官から足もとの円安をけん制する発言が相次いだことで、市場では「政府・日銀による為替介入への警戒感が高まった」との声も聞かれた。
NY市場では米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している11月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、変動が激しい食品とエネルギーを除くコア・デフレーターが予想を下回り、米長期金利が低下。全般ドル売りが優勢となり、3時前に一時155.96円と日通し安値を更新した。
・ユーロドルは底堅い動き。トランプ次期米大統領が「欧州連合(EU)は対米貿易黒字を相殺するために米国から石油・ガスを購入する必要がある」との考えを示すと、アジア市場では一時1.0343ドルと11月22日以来の安値を付けた。
ただ、欧州勢が本格参入すると一転ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。NY市場でもこの流れを引き継いだ。米物価指標の下振れを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで低下すると全般ドル売りが活発化し、一時1.0445ドルと日通し高値を付けた。
・ユーロ円は162円台半ばから後半でのもみ合いが続いた。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は続落。米利下げペースが鈍化するとの見方が投資家心理の重しなり、続落して始まったものの、引けにかけては下げ渋った。本日の米国株相場が大幅に上昇したことなどが相場を下支えした。HSBCやバークレイズなど金融株に売りが出た半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株に買いが入った。
・フランクフルト株式相場は6日続落。トランプ次期米大統領が「EUは対米貿易黒字を相殺するために米国から石油・ガスを購入する必要がある」との考えを示すと、売り先行で始まった。ただ、本日の米国株相場が大幅に上昇すると買い戻しが入り、終盤下げ幅を縮めた。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
メキシコ中銀、さらなる利下げを示唆も物価を巡るリスクは山積
米トランプ次期政権との対峙で「トリプル安」が続くなか、政策運営は難しい対応を迫られる展開も
メキシコ中銀は19日の定例会合で4会合連続の利下げにより政策金利を10.00%とする決定を行った。足下のインフレ率は依然中銀目標を上回る一方、コアインフレ率は目標域で推移している。また、足下の景気はインフレ鈍化による内需下支えに加え、外需の堅調さも重なり底入れの動きを強める動きが確認されている。他方、米大統領選でのトランプ氏勝利に加え、トランプ氏はメキシコからのすべての輸入品に25%の追加関税を課す方針を示し、メキシコ政府も報復に動く方針を示している。実体経済への悪影響が警戒されるなか、ペソ相場や主要株価指数は上値が抑えられる展開が続く。こうした状況ながら、中銀は先行きのインフレ鈍化を受けて一段の利下げに動く可能性を示唆している。ただし、来年半ば以降のインフレ見通しを上方修正するなど、物価を巡る状況は厳しさがうかがえる。物価の上振れリスクが意識されやすい状況が続くと見込まれるなか、当面の政策運営は難しい展開となることは避けられないと予想される。
(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.31円(前営業日比▲1.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.12円(▲0.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0430ドル(△0.0067ドル)
ダウ工業株30種平均:42840.26ドル(△498.02ドル)
ナスダック総合株価指数:19572.60(△199.83)
10年物米国債利回り:4.52%(▲0.04%)
WTI原油先物2月限:1バレル=69.46ドル(△0.08ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2645.1ドル(△37.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米個人所得
(前月比) 0.3% 0.7%・改
11月米個人消費支出(PCE)
(前月比) 0.4% 0.3%・改
11月PCEデフレーター
(前年比) 2.4% 2.3%
11月PCEコアデフレーター
(前月比) 0.1% 0.3%
(前年比) 2.8% 2.8%
12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
74.0 74.0
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。アジア市場では一時157.93円と7月17日以来約5カ月ぶりの高値を付けたものの、そのあとは週末を控えたポジション調整目的の売りが目立った。日本の政府高官から足もとの円安をけん制する発言が相次いだことで、市場では「政府・日銀による為替介入への警戒感が高まった」との声も聞かれた。
NY市場では米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している11月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、変動が激しい食品とエネルギーを除くコア・デフレーターが予想を下回り、米長期金利が低下。全般ドル売りが優勢となり、3時前に一時155.96円と日通し安値を更新した。
なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ決定はきわどい判断だった」「一段の政策調整には慎重さが必要とのパウエルFRB議長の意見に同意する」と述べたほか、「来年の利下げは2回より少なくなる可能性がある」と指摘した。このほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は「FRBは追加利下げを実施すると想定しているものの、見通しを巡りかなりの不確実性が存在するため、今後の決定はデータ次第」との考えを示した。
・ユーロドルは続伸。米物価指標の下振れを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで低下すると全般ドル売りが活発化。前日の高値1.0422ドルを上抜けて一時1.0448ドルまで値を上げた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.59まで低下した。
・ユーロ円はほぼ横ばい。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。NY市場に限れば162円台半ばから後半でのもみ合いに終始した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。米物価指標が予想を下回ると、米利下げペースが鈍化するとの過度な懸念が後退し、主力株中心に買いが集まった。指数は一時870ドル超上昇する場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。米物価指標が予想を下回ると、米利下げペースが鈍化するとの過度な懸念が後退し、買いが優勢となった。市場では「足もとで相場下落が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の買いが入った」との声も聞かれた。
・原油先物相場は小幅に反発。米インフレ指標が予想を下回り、米金利が低下。金利上昇が経済を圧迫してエネルギー需要が弱まるとの懸念が足もとで重しとなっていたが、その不安はいったん弱まった格好。強い押し上げ効果は感じられなかったが、昨日来の下落幅を取り戻した。
・金先物相場は7日ぶりに大幅反発。予想を下回る米物価指標を受けて米金利が低下。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味改善が下支えとなった。ドル安によるドル建て金相場の割安感も買い要因となった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では英イングランド銀行(BOE)の金融政策委員会を受けてリポートしている。6対3で利下げは見送られ、政策金利は4.75%に据え置かれたが、市場では8対1で据え置きとの見方が多かったとのこと。3名の利下げ主張はサプライズとなった。ただし、依然として大半のメンバーはインフレリスクを警戒していることなどから、三菱UFJMSでは2026年にかけて4半期ごとに25bpの利下げが実施され、利下げ幅の累計が200bp程度になるとの予想を維持している。
20日09:54 加藤財務相
「為替動向は、一方的で急激な動きみられる」
20日12:37 三村財務官
「為替の動向を憂慮、行き過ぎた動きには適切に対応」
「投機的な動き含めて憂慮している」
20日15:17 トランプ米次期大統領
「EUに対し米国の貿易赤字を補うために石油とガスを購入するよう求めた」
20日21:51 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「現時点では利上げを重要なリスクとは考えていない」
「労働市場が著しく弱まれば、利下げ回数は2回より少なくなるか、あるいは2回以上になる可能性がある」
「インフレ率の上昇が利下げの回数が減少した理由の一つだ」
「経済情勢は良好で労働市場は堅調だと関係者から聞いている」
「現在の不確実性のレベルは通常であり、パンデミック時のような状況ではない」
「今後はより多くの意見の相違や見解の違いが予想される」
「ソフトランディングに向けて本当に取り組んでいる」
「来年の利下げ回数は以前考えていたよりもはるかに少なくなると予想している」
「中央値の見通しに納得している」
「2025年に2回の利下げを行うという予測に非常に納得している」
「今後の利下げ前には慎重に様子を見る必要がある」
「より典型的な段階的アプローチに戻ることができる」
20日22:39 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「最近の経済データは連銀の予測と一致している」
「金融政策は適切で、やや制限的」
「9月以降のインフレデータは予想よりやや高く、経済はやや強くなっている」
「来年は成長率が約2%に鈍化し、失業率は安定すると予想」
20日23:03 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「FOMCでの反対票はインフレ懸念が理由」
※時間は日本時間
24日
○08:50 ☆ 10月30-31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
25日
○08:50 ◇ 11月企業向けサービス価格指数
○未定 ◎ 植田和男日銀総裁、講演
○14:00 ◇ 10月景気動向指数改定値
26日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 11月新設住宅着工戸数
27日
○08:30 ◎ 11月完全失業率
○08:30 ◎ 11月有効求人倍率
○08:30 ◎ 12月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
○08:50 ◎ 11月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 11月商業販売統計速報(小売業販売額)
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(12月18-19日分)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
23日
○14:00 ◎ 11月シンガポール消費者物価指数(CPI)
○16:00 ◇ 11月独輸入物価指数
○16:00 ☆ 7-9月期英国内総生産(GDP)改定値
○16:00 ◇ 7-9月期英経常収支
○21:00 ◇ 11月メキシコ貿易収支
○22:30 ☆ 10月カナダGDP
○22:30 ◇ 11月カナダ鉱工業製品価格
○22:30 ◇ 11月カナダ原料価格指数
○22:30 ◎ 11月米耐久財受注額
○24:00 ☆ 11月米新築住宅販売件数
○24:00 ◎ 12月米消費者信頼感指数
○24日03:00 ◎ 米財務省、2年債入札
24日
○09:30 ◎ 12月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○24:00 ◎ 12月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○25日01:30 ◎ 米財務省、5年債入札
○ドイツ、スイス、ノルウェー、スウェーデン、ブラジルなどがクリスマス・イブで休場
○豪州、ニュージーランド、香港、シンガポール、英国、フランスなどはクリスマスの前日で短縮取引
○米債券・株式・商品市場は短縮取引、為替市場は通常取引
25日
○ニュージーランド、オーストラリア、香港、シンガポール、韓国、インド、スイス、ドイツ、フランス、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、英国、南アフリカ、カナダ、米国、ブラジル、メキシコ(以上、クリスマス)、休場
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○27日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○27日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○ニュージーランド、オーストラリア、香港、スイス、ドイツ、フランス、英国、カナダ、(以上、ボクシングデー)、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド(以上、セカンドクリスマスデー)、南アフリカ(親善の日)、休場
27日
○22:30 ◇ 11月米卸売在庫
○28日01:00 ◎ 11月ロシア失業率
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、イベント少ないがRBA議事要旨次第で更なる下押しの可能性
◆豪ドル・ZAR、ホリデーシーズンのためにトレンドは作りにくい
◆ZAR、中銀の方向性の違いが重しに
予想レンジ
豪ドル円 96.00-100.00円
南ア・ランド円 8.30-8.70円
12月23日週の展望
豪ドルは閑散な取引になりそうだが、対ドルでは上値が重く、対円ではもみ合いを予想している。来週は25日のクリスマスと翌日の26日は豪州市場が休場となる。ホリデーシーズンに入ったことから市場流動性が悪化しており、地政学リスクの高まりなどには警戒しなくてはならないものの、年末年始に大きくトレンドを変えるのは難しそうだ。
経済指標も、来年1月7日の11月住宅建設許可件数まで主だった発表予定がほぼない。その中で、来週豪州国内から市場を動意づける可能性が唯一あるとすれば24日に発表される豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨(9‐10日開催分)になるだろう。理事会後に発表された声明文では「インフレの上振れリスクは緩和。消費者物価指数(CPI)は持続的に目標に戻ると確信」とハト派的な見解が示された。RBAのタカ派スタンスが弱まったことで市場は豪ドル売りで反応している。更に、今週に入り米連邦公開市場委員会(FOMC)ではタカ派的な利下げとなったことで、豪ドル/ドルは2022年10月以来の水準まで弱含んだ。このトレンドは継続されそうだ。もし、議事要旨がRBA声明文よりもハト派と捉えられる内容だった場合は、豪ドルは更に下押しする可能性がある。
来週は豪州国内以外でもイベントが少ない週を迎える。今週で日米英などの金融政策決定会合が終了し、年内は主要国の政策決定会合がすべて終わっている。また、豪州同様にクリスマスシーズンと年末で休場になる国が多い。ただ、中国が新たな財政政策や経済対策について再び示唆したときや、中東やウクライナ情勢に変化が起きた場合は警戒が必要だろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いとなりそうだ。FOMCではドットプロットの2025年末時点の中央値が上方修正され、利下げ回数が2回と前回9月の見通しから半減した。米国の利下げ観測が後退している中で、先週発表された南アのインフレ指標は軒並み市場予想よりも下振れる結果となった。すでに1月の南ア準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)では利下げ予想が圧倒的に多数となっているように、南アと米国の金融政策の方向性の違いがドル買い・ZAR売りを促しそうだ。ただ、一方で中国経済の回復期待がBRICS諸国にとっては支えになり、ZARが一方的には売られにくい要素にもなる。なお、南アからは来週は主だった経済指標の発表予定はない。
12月16日週の回顧
豪ドルは弱含み。コモディティ価格が軟調な動きを示したことで、資源国通貨がほぼ全面安となった。また、FOMCでのタカ派的な利下げが更に豪ドルの重しに。対ドルでは一時昨年10月以来となる0.62ドル割れまで弱含んだ。対円では日銀の利上げが先送りされたことなどから、行って来いの動きだった。ZARも対ドルでは下落。南アもオセアニア通貨同様に資源国通貨であり、対ドルでは軟調な動きとなった。ただ、対円では日銀の早期利上げ期待が後退したことから下落後は買戻しが入った。
◆クリスマス休暇で薄商いのなか、ドル高・円安は続きそう
◆ポンド、英中銀による来年の利下げ予想減少で底堅い
◆加ドル、利下げサイクルの継続や米加関税合戦への懸念で軟調推移
予想レンジ
ポンド円 195.00-201.00円
加ドル円 108.00-111.50円
12月23日週の展望
今週、日米英を含む多くの中銀が今年最後の金融政策会合を終え、年内の注目イベントはほぼ終了した。来週は多くの市場参加者がクリスマス休暇に入り、1年のなかで流動性がもっとも薄くなる。流動性が薄い時はポジションを持たないか、控えめにするかなど流動性リスクを減らす工夫をするのも肝要だ。今週の日米金融政策イベントはドル高・円安で反応したが、来週薄商いのなかでもこの流れは続きそうだ。
イングランド銀行(英中銀、BOE)は今週、6対3で政策金利の据え置きを決定した。1人が利下げを主張するとの市場予想に対し3人が追加利下げを主張。来年2月の次回会合での利下げ観測は完全に払しょくされたわけではない。ただ、今週に発表された8-10月週平均賃金は前年比5.2%と市場予想を上回り、11月消費者物価指数(CPI)は前年比2.6%と10月の2.3%から伸びが加速し8カ月ぶりの高い水準となった。BOEが懸念要因をインフレ高から経済活動の低迷にシフトするのは難しく、景気抑制的な政策の段階的解除を正当化する結果となった。
ベイリーBOE総裁は「経済の不確実性が高まり、来年、いつどの程度利下げを行うかは確約できない」と述べた。他の主要国中銀と比べてBOEは金融緩和サイクルに後れをとるとの見方は変わっていない。英雇用・物価データを受けて市場では来年の利下げ予想が4回から2回に減少しており、ポンドは底堅い動きが続きそうだ。
加ドルは上値の重い動きが続きそうだ。カナダ中銀(BOC)が12月会合で「今後の利下げはより緩やかなペースになる」とハト派姿勢を弱めたが、来年も利下げサイクルは続くと見込まれる。
また、トランプ次期米大統領の下で米国との関税合戦への懸念も引き続き加ドルの重しとなる。トランプ次期米大統領が掲げる関税への対処法などをめぐり、政権内部では早くも対立が見られ、フリーランド加財務相が辞任している。来年10月に総選挙を控えているが、トルドー首相の与党・自由党は最大野党・保守党に支持率で引き離されており、政情不安が高まる可能性がある。
なお、カナダ市場は25・26日がクリスマス休暇で休場となる。今週発表された11月CPIは前年比1.9%と予想や前月の数字を下回った。来週は10月GDPなどの発表が予定されているが、市場ではBOCが次回1月会合で0.25%の追加利下げに踏み切るとの見方が優勢となっている。
12月16日週の回顧
注目の日米金融政策イベントにはドル買い・円売りで反応。米連邦準備制度理事会(FRB)は0.25%の利下げを決定、日銀は政策金利を据え置いた。予想通りの結果だったが、FRBは来年の利下げペースの鈍化を予想した一方、植田日銀総裁は早期利上げに慎重姿勢を示した。ポンドドルは1.25ドルを割り込んだ一方、ポンド円は一時199円手前まで上昇した。BOE政策発表後にポンドは一時売りに押されるも反応は限定的だった。
ドル/加ドルは2020年3月以来の加ドル安となる1.44加ドル台半ばまで加ドル安が進んだが、加ドル円は109円後半まで強含んだ。
◆ドル円、植田日銀総裁の講演や日銀金融政策決定会合(18-19日)「主な意見」に注目
◆ドル円、トランプ次期大統領の円安牽制や本邦通貨当局の円買い介入などに警戒
◆ユーロドル、フランスの予算案の採決に注目
予想レンジ
ドル円 155.00-160.00円
ユーロドル 1.0100-1.0500ドル
12月23日週の展望
ドル円は、クリスマス週で閑散取引の中、植田日銀総裁の講演や日銀金融政策決定会合(18-19日)の主な意見で、来年の追加利上げの時期を探る展開となる。
18-19日の日銀金融政策決定会合では、現状の金融政策の維持が決定されたが、「主な意見」では、追加利上げの時期が来年1月20日の第2次トランプ米政権発足後の1月会合になるのか、それとも春闘での賃上げ動向が判明した後の3月ないし4月になるのかを見極めることになるだろう。
植田日銀総裁は会合後の会見で「次の利上げの判断に至るには、もう1ノッチ(段階)欲しい」と述べた。利上げの判断材料として、「来年の春闘賃上げ動向や米国のトランプ次期米政権の経済政策を見極めたい」との姿勢を示したことで、時間的余裕を復活させている。さらに、「輸入物価が上がっていないから円安を気にしていない」と述べて円安を加速させた。
ただ、「現在の実質金利は極めて低い水準にある」との認識を示し、今後、「日銀の経済・物価見通しが実現していけば、それに応じて利上げを行い、金融緩和度合いを調整していく」と発言。見通し通りなら利上げの姿勢を強調しながら、すぐ利上げではないとのはっきりしない姿勢となっている。
25日には植田日銀総裁の講演が予定されているが、11月の全国CPIを受けて、実質政策金利や実質10年債利回りがマイナス圏で推移していることに対する見解などを確認したい。また、米国の12月消費者信頼感指数では、雇用関連指数やインフレ見通しにも注目している。
日米の金融政策決定会合を受けて、ドル高・円安に拍車がかかりつつあるが、歯止めをかける要因としては、トランプ次期米大統領による円安牽制発言や本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入があげられる。また、トランプ次期米大統領は来年1月に復活する債務上限の撤廃を求めているため、格付け機関による米国債格下げの可能性にも警戒しておきたい。
ユーロドルは、バイル新仏首相による予算案の採決やウクライナ戦争の動向に注意。極右政党・国民連合の事実上の代表を務めるルペン氏は、予算案への条件付きの支持を表明しているものの、年末までに暫定予算が成立しなければ、ユーロの下値リスクが高まることになる。ドイツとフランスの政局への警戒感や、トランプ関税により欧州全体の景況感悪化と物価上昇懸念が高まっているなか、ECBの追加利下げへの観測がユーロの上値を抑えている。
12月16週の回顧
ドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的利下げに続き、日銀金融政策決定会合で利上げが見送られたほか、植田日銀総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示したことを受けて、153.16円から157.93円まで急伸している。ユーロドルは、FOMC後の米金利急騰につれて、1.0534ドルから1.0344ドルまで下落した。
20日の日経平均は6日続落。終値は111円安の38701円。米国株はまちまちかつ、小動きとなったが、ダウ平均が11日ぶりにプラスで終えたことや円安進行に好反応を示して、3桁上昇スタート。ただ、高く始まった後は不安定な動きが続いた。上げ幅を200円超に広げても、節目の39000円を超えると上値が重くなった。前場では値を消してもマイナス圏に沈んだところでは買いが入ったが、後場はマイナス圏で推移する時間が長かった。終盤にかけての動きが弱く、3桁の下落かつ安値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆7100億円。業種別では不動産、石油・石炭、輸送用機器などが上昇した一方、銀行、その他製品、空運などが下落した。大幅な増配を発表した日本リーテック<1938.T>が急騰。半面、KADOKAWA<9468.T>がストップ安比例配分と暴落した。ソニーグループ<6758.T>との資本業務提携を発表したが、11月にはソニーGによる買収観測が報じられて強く買われていただけに、買収による株価引き上げ期待がはく落して売りが殺到した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり571/値下がり1021。日銀会合後の植田総裁会見で追加利上げに慎重姿勢が見られたことから、三井不動産や住友不動産など大手不動産株に強い買いが入った。証券会社が投資判断を引き上げたENEOSが大幅高。円安進行を受けてトヨタやSUBARUなど自動車株に資金が向かった。日経記事を材料に三井E&Sが急伸。次期の見通しを提示し、今期の期末配当に関しては増額を検討していることを発表したサイボウズがストップ高比例配分となった。
一方、日銀の早期利上げ期待が後退したことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が大幅安。住信SBIや楽天銀行などネット銀行株も大きめの下げとなった。米長期金利の上昇や米マイクロンの急落を嫌気してレーザーテック、ディスコ、ソシオネクストなど半導体株が軒並み安。レーザーテックは複数の証券会社が目標株価を引き下げたことも売り材料となった。証券会社が投資評価を引き下げたIHIが3%安。リリースを材料にオンコリスがストップ安となった。
日経平均は6日続落。上昇していた前場でも主力銘柄はさえない動きのものが多く、後場は握力がなくなったかのように水準を切り下げた。きょうは不動産株買い、銀行株売りと、日銀の利上げがしばらくないことを意識したような動きが見られた。ただ、今週は円安・ドル高が進んでおり、一段と円安が進めば日銀が利上げを余儀なくされるいった指摘もある。この傾向がこの先も続くとは限らない。為替と金利に敏感な業種は目先の動きが不安定となる可能性がある点には注意を要する。
【来週の見通し】
小動きか。水曜25日は米国など多くがクリスマスで休場。翌週は月曜30日の大納会のみとなるため、市場参加者の大幅な減少が予想される。12月FOMCの結果を受けた18日にダウ平均が4桁の下落となったことから、年末株高に対する期待は高まりづらい。一方、日経平均は20日まで6日続落となっており、ここから一段安となるようなら押し目買いは期待できる。方向感が定まりづらく、週を通しては水準が大きく変化しないと予想する。大型株は手がけづらくなる一方、IPOは多いだけに、値幅を求めた資金は新興市場に向かうだろう。
2024年内の日経225先物は、不安定ながらも12月半ば以降の下落に対する修正の動きが意識されやすいだろう。12月12日につけた4万0150円を戻り高値に、米株安の影響が続くなか、17~18日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)ではメンバーらによる金利見通しがタカ派的と受け止められ、18日のNYダウは約50年ぶりの10日続落を記録し、2022年9月以来の下落幅となった。この影響を受け、19日の日経225先物は一時3万8210円まで急落する場面もみられた。
その後は18~19日の日銀金融政策決定会合で予想通り利上げが見送られ、早期利上げ観測が後退したことで、急速に下落幅を縮めた。ただし、週末20日のリバウンドは限られ、結局は6日続落し、前日に回復した25日移動平均線(3万8870円)を下回った。取引終了後のナイトセッションでは一時3万8340円まで下落し、再び75日・200日線が位置する3万8470円水準を割り込むなど、底入れを見極めづらくさせた。
ナイトセッションは売り一巡後の切り返しにより3万8880円で終えており、25日線水準を回復している。19日につけた3万8210円でのボトム形成は確認しにくいところだが、75日・200日線近辺では押し目狙いのロングに向かいやすいだろう。25日線水準での底堅さがみられてくると、前週末の調整に対するリバウンド狙いの動きが強まりそうだ。
20日の米国市場では主要な株価指数が上昇した。自律反発の域は脱していないが、ひとまず安心感につながろう。11月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2.4%上昇し、市場予想の2.5%を下回った。PCEコア価格指数は同2.8%上昇となり、予想(2.9%上昇)を下回る結果だった。これを受けて、米連邦準備理事会(FRB)の25年の利下げペースが鈍化するとの懸念が後退した。
また、米政府が予算執行を続けるための「つなぎ予算」の期限が20日夜に迫っていたが、バイデン米大統領は21日未明、3月中旬までのつなぎ予算案に署名した。これにより政府機関の閉鎖は回避される運びとなり、センチメントの改善につながるだろう。
日経225先物は前週の下げで13週線(3万8840円)、26週線(3万8380円)を下回った。52週線(3万7940円)が意識される可能性はある。ただし、これまで4万円水準で上値を抑えられる一方で、上向きで推移する52週線が支持線として機能している。同線を下回ってくるとトレンド転換につながるが、日米の中銀イベントを通過し、今後はトランプ次期政権の経済運営を見極めたいところであり、ショートの動きは限られそうだ。
もっとも、FOMC通過後はクリスマス休暇に入る海外投資家が多い。つなぎ予算の期間が延長されたことで、より休暇に入りやすい環境が整ったともいえるだろう。主要国はクリスマスで休場を挟むこともあり、市場参加者が限られるなか、トレンドが出にくい需給状況になると考えられる。
そのため、為替動向を睨む中で、短期的な売買によって大きく振らされる可能性はあるが、早い段階でクローズに向かわせそうだ。まずは75日・200日線水準を支持線としたオプション権利行使価格の3万8500円から3万9500円のレンジを想定し、25日線が支持線として意識されてくる局面では3万8750円から3万9750円のレンジに切り上げたい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.32倍と前日から横ばいだった。17日に14.44倍まで上昇したが、FOMC後に一時14.26倍を付ける場面もみられ。ただし、同水準に位置する200日線が支持線として機能し、20日は同線からの上昇によって75日線水準を回復していた。薄商いのなか、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株の影響を受けやすいが、円相場が1ドル=156円台と前週末からはやや円高に振れていることもあり、TOPIX型に傾けにくいところでもある。足もとで低下をみせているが、年末に向けて底堅さが意識されるなか、ややNTロングでのスプレッド狙いを想定しておきたい。
12月第2週(12月9日-13日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の買い越しであり、買い越し額は6341億円(12月第1週は5598億円の売り越し)だった。なお、現物は5092億円の売り越し(同1249億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は1兆1434億円の買い越し(同4349億円の買い越し)と2週連続の買い越し。個人は現物と先物の合算で3741億円の売り越しで2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2703億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、23日に米国12月コンファレンスボード消費者信頼感指数、24日に日銀金融政策決定会合議事要旨(10月30・31日開催分)、米国11月新築住宅販売件数、25日に10月景気動向指数改定値、26日に11月住宅着工件数、27日に12月東京都区部消費者物価指数、11月完全失業率、11月有効求人倍率、日銀金融政策決定会合の主な意見(12月18~19日分)、1-11月中国工業企業利益など、30日に米国12月シカゴ購買部協会景気指数、31日に米国10月住宅価格指数、米国10月ケース・シラー住宅価格指数などの発表が予定されている。
<国内>
特になし
<海外>
○14:00 ◎ 11月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比1.8%)
○16:00 ◇ 11月独輸入物価指数(予想:前月比0.6%/前年比0.3%)
○16:00 ☆ 7-9月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.1%/前年比1.0%)
○16:00 ◇ 7-9月期英経常収支(予想:230億ポンドの赤字)
○21:00 ◇ 11月メキシコ貿易収支(予想:4.32億ドルの黒字)
○22:30 ☆ 10月カナダGDP(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○22:30 ◇ 11月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.3%)
○22:30 ◇ 11月カナダ原料価格指数(予想:前月比0.5%)
○22:30 ◎ 11月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.3%/輸送用機器を除く前月比0.3%)
○24:00 ☆ 11月米新築住宅販売件数(予想:前月比9.0%/66.5万件)
○24:00 ◎ 12月米消費者信頼感指数(予想:113.0)
○24日03:00 ◎ 米財務省、2年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
一部報道によれば、トランプ次期米大統領は次の経済諮問委員会(CEA)委員長にスティーブン・ミラン氏を指名した。ミラン氏は前回のトランプ政権時に財務省で上級経済政策顧問を務めていた。
なお、CEAは米大統領に経済政策を助言する機関。ミラン氏が委員長に就任するには、上院の承認が必要となる。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38880 +170 (+0.43%)
TOPIX先物 2712.5 +10.5 (+0.38%)
シカゴ日経平均先物 38885 +175
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
20日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。11月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2.4%上昇し、市場予想の2.5%を下回った。PCEコア価格指数も予想を下回る結果だったことから、米連邦準備理事会(FRB)の2025年の利下げペースが鈍化するとの懸念が後退した。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディア<NVDA>の上昇率が3%を超えたほか、アップル<AAPL>、セールスフォース<CRM>、シスコシステムズ<CSCO>、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、アメックス<AXP>が堅調。一方でメルク<MRK>、ウォルマート<WMT>、マイクロソフト<MSFT>、IBM<IBM>が安かった。S&P業種別指数は半導体・同製造装置、銀行、テクノロジー・ハード・機器が上昇した半面、自動車・同部品、家庭用品・パーソナル用品、食品・生活必需品小売が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比175円高の3万8885円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比10円高の3万8720円で始まり、その後はショート優勢となり、3万8340円まで売られた。売り一巡後は下落幅を縮め、米国市場の取引開始時にはプラス圏を回復。中盤にかけて上げ幅を広げており、一時3万9160円まで買われる場面もみられた。終盤にかけて持ち高調整により軟化したが、3万8880円とプラス圏でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。NYダウは自律反発の域は脱していないが、大幅続伸で75日移動平均線を上回る場面もみられた。エヌビディアが買われたほか、半導体SOX指数は4日ぶりに反発しており、指数インパクトの大きい値がさ株の支援材料になりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで一時3万8340円まで売られ、75日・200日線(3万8460円水準)を割り込み、19日につけた3万8210円に接近する場面もみられた。その後の切り返しで25日線(3万8900円)水準を捉えており、ボトム形成は見極めにくいところであるが、同線を明確に上放れてくるようだと、ショートカバーを誘う流れに向かいやすいだろう。
また、米政府が予算執行を続けるための「つなぎ予算」の期限が20日夜に迫っていたが、バイデン米大統領は21日未明、3月中旬までのつなぎ予算案に署名した。これにより政府機関の閉鎖は回避される運びとなり、センチメントの改善につながりそうだ。
もっとも、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過したことで、多くの海外投資家はクリスマス休暇に入ったとみられる。主要国市場はクリスマスで休場を挟むこともあり、市場参加者が限られ明確なトレンドが出にくい半面、短期トレードによって一時的に大きく振らされやすい需給状況になる。
そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジを想定。25日線を上回っての底堅さがみられる局面では、3万8875円から3万9375円辺りのレンジを想定する。ロシアがウクライナの首都キーウをミサイルで攻撃したことで地政学リスクが重荷となる可能性はあるが、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
20日の米VIX指数は18.36(前日は24.09)に低下した。先週はFOMCの結果判明後に一時28.32まで急伸をみせ、ボリンジャーバンドの+3σを大きく上回ったことで修正の動きであろう。20日の下げで+2σ、+1σを下回り、一時17.82まで下げて75日線(17.37)に接近する場面もみられた。75日線を割り込んでくると、リスク選好からショートカバーを意識したセンチメントに向かわせそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.32倍と前日から横ばいだった。17日に14.44倍まで上昇したが、FOMC後には一時14.26倍まで低下する場面もみられていた。ただし、同水準に位置する200日線が支持線として機能する形から切り返し、前日の終値水準まで戻していた。本日は指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引する形で、ややNTロングでのスプレッド狙いを想定しておきたい。
先週末の海外市場でドル円は一時155.96円まで下落した。日本の政府高官から足もとの円安をけん制する発言が相次いだことや、11月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、変動が激しい食品とエネルギーを除くコア・デフレーターが予想を下回り、米長期金利が低下したことでドル売り戻しが進んだ。ユーロドルは、米金利の低下で1.0448ドルまで値を上げた。
本日の東京時間のドル円は、156円台を中心にもみ合いか。
先週は加藤財務相が「為替動向は、一方的で急激な動きがみられる」、三村財務官は「為替の動向を憂慮、行き過ぎた動きには適切に対応」「投機的な動き含めて憂慮している」と発言するなど、円安へのけん制発言が目立った。ドル円は7月に行われた介入水準には接近しているが、今回は円安という側面は多少あるものの、それ以上にドル高とも言える。7月にはユーロ円は175円台、豪ドル円は109円まで外貨高・円安が進んでおり、現在はそれぞれ163円近辺、97円台で推移するなど7月のような円独歩安の展開ではない。これ以上の円安局面ではドル売り・円買い介入が実施されるかもしれないが、米国の利下げ打ち止め感が漂う中でのドル買い優勢であり、これまでのような介入効果を期待するのは難しいだろう。
今週は、植田日銀総裁が先週の日銀金融政策決定会合後に発言した内容に対して、修正が入るかにも警戒が必要。
植田総裁は会見で、政策決定は「来年の春闘などの情報も必要」と述べ、据え置きによる為替相場の影響については「輸入物価の対前年比は落ち着いている」などと複数回の質疑に回答。春闘に関しては、3月前に経済団体が政府の要求通りに賃上げを示唆すれば、植田総裁がもう少し情報を得たいとした「来年の春闘に向けたモメンタムなど、今後の賃金動向」について判断することもできるとし、軌道修正する可能性もある。また、輸入物価指数についても同様に前言を市場が誤解していると修正する可能性もある。
7月の日銀会合後での植田総裁の会見では、今後の更なる利上げを示唆し、市場が驚くほどのタカ派発言をした。しかし、翌週には内田日銀副総裁が総裁の発言を「市場が誤解していると」と否定しており、今回も繰り返されるかもしれない。7月同様に日銀幹部の発言で、再び為替市場がボラタイルな動きを繰り返す可能性があることには注意しておきたい。なお、25日に植田総裁は昨年同様に経団連で講演を行う予定。
なお、本日以後は日本や中国以外の多くの国でクリスマス休場になる。明日24日はドイツ、スイスが休場になるほか、豪州、香港、英国など多くの国で短縮取引。25日は日本と中国以外は休場。26日は米国市場は通常に戻るが、トルコ以外の多くの欧州市場は引き続き休場。市場流動性がさらに悪化するだけではなく、先週末20日にはオプションカットの設定が様々な通貨、様々な水準に観測されたが、応当日の関係もあり今週はオプションの設定も極端に減少している。よって、これまでは支えられたり抑えられていた水準も簡単にクリアして振幅の激しくなるリスクには要注意となるだろう。
先週末の海外市場では、1週間を通して急騰していた米長期金利が調整の低下。11月米PCEコアデフレータなどが予想を下回る弱い数字となったことも米債券のポジション調整の買戻しを誘うと米10年債利回りが一時4.4823%まで低下。ドル円もつれるかたちで155.96円まで売り込まれることになりました。ただ、その後は米金利が低下幅を縮めるにつれて156.47円まで買戻されて週末の取引を終えています。
そして、クリスマス週となっている今週は、週明けのオセアニア市場で156.14円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は本邦実需の買いが断続的に観測されると仲値にかけては156.69円まで買戻し。仲値後は156.34円まで下押ししたものの、再び下値を切り上げるなど、方向感のない動きとなっています。
いずれにしても、今週は明日からかなり変則的な日程となるとあって、「海外勢も無理に手を出さない」のが常。先週の日米金融政策の方向性を確認した市場は、ドル円を約5円買い上げた後、2円の調整売りの後で様子見となっている状況ですが、全般、年末年始を挟んで、来年に控える方向性を持った相場展開に備えた底固めとなっていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比340円高の3万9050円(+0.87%)前後で推移。寄り付きは3万8930円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8885円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9110円まで買われ、買い一巡後に3万8840円まで軟化する場面もみられた。ただし、中盤にかけてロング優勢の流れから朝方に付けた高値を回復。終盤にかけては3万9000円~3万9100円辺りでのレンジ推移となった。
日経225先物は、オプション権利行使価格の3万8875円から3万9125円辺りでの値動きとなった。寄り付き直後に戻り待ち狙いのショートの影響から25日移動平均線(3万8900円)を下回る場面もみられたが、早い段階で同線を上回っており、ショートを仕掛けづらくさせたようだ。前週末の米国市場の流れからハイテク株の一角が買われており、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン<8035.T> [東証P]が日経平均型を牽引している。25日線水準での底堅さがみられるようだと、ボリンジャーバンドの+1σが位置するオプション権利行使価格の3万9375円辺りが意識されてきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍と小幅に上昇した。一時14.37倍まで上昇する場面もみられており、14.33倍に位置する75日線を上回ってきた。同線を明確に上抜けてくるようだと、NTロングによるスプレッド狙いに向かいやすいだろう。
今週はクリスマスウィークであり、欧州の金融市場は祝日ムードが広がりそうだ。そういったなか、週明けロンドン為替市場でのユーロやポンドは明確な方向性が出づらいだろう。主要な経済指標もユーロ圏では、11月独輸入物価指数のみ。英国からは7-9月期国内総生産(GDP)や経常収支が発表されるが、GDPは改定値だ。金融当局者の講演も予定されていない。
ドイツやスイス、ノルウェーとスウェーデンなどは24-26日が休場。24日は市場が短縮取引となる英国やフランスも25-26日が休場となる。それら期間では流動性の悪化が確実であり、スプレッドが通常より広がることは避けられないだろう。そうなる前に本日は、欧州通貨に対して駆け込み的なフローが持ち込まれるかもしれない。積極的な取引の手控えが予想されるなか、フローに振らされて値幅を広げる場面もあるか。
前述した7-9月期英GDPは改定値のため、基本的に相場インパクトは弱いと考える。ただし念のため、指標結果は確認しておいたほうが良いだろう。市場予想は前期比が0.1%/前年比が1.0%の上昇と速報値から横ばい。前期比/前年比ともに3四半期連続のプラスだが、上昇幅は前期比が縮小傾向の一方で前年比は拡大基調だ。速報値が予想比下振れたこともあり、もし前期比がプラス維持できずとなれば、ポンドにとっても印象は悪い。
なお先週末に伝わった英国関係のニュースでは、ベイリー英中銀(BOE)総裁とリーブス財務相は来月に中国を訪問するもよう。ベイリー総裁は中国人民銀行総裁との会談が予定されている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、21日移動平均線1.0499ドル
・ポンドドル、19日高値1.2667ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、11月22日安値(年初来安値)1.0335ドル
・ポンドドル、12月20日安値1.2476ドル
ドル円:1ドル=156.64円(前営業日NY終値比△0.33円)
ユーロ円:1ユーロ=163.51円(△0.39円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0440ドル(△0.0010ドル)
日経平均株価:39161.34円(前営業日比△459.44円)
東証株価指数(TOPIX):2726.74(△24.75)
債券先物3月物:142.31円(▲0.16円)
新発10年物国債利回り:1.055%(△0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.37200%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下げ渋り。仲値公示に絡んで156.69円まで上昇した。クリスマスウィークとあって上昇力に乏しく、持ち高調整の売りなどに押されて156.30円台まで下押したものの、その後は日経平均の堅調推移を背景にやや円が売られる中、156.60円台まで切り返して朝方の高値に接近した。
・ユーロ円は小高い。仲値通過後のドル円の下げに連れて163.10円台まで下押すも一時的となり、本邦株高を追い風に163.56円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは様子見。早朝の薄商いのなかで1.0418ドルまで下落後に1.0446ドルまで切り返した。その後は徐々に値動きが小さくなり、午後に入ると1.0440ドルを挟んで方向感を模索する展開となった。
・日経平均株価は7営業日ぶり反発。インフレ指標の発表などを手掛かりに先週末の米国株が買われた流れを引き継ぎ、買いが先行した。その後も堅調地合いを維持すると、上げ幅は一時500円超に達した。
・債券先物相場は反落。前週末に米長期債が買われたことなどから小高く始まるも、上昇は続かず。その後は日経平均が堅調に推移していることも重しとなり、142円31銭まで売られた。
7月31日の日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁は、タカ派として、岸田首相(当時)の円安懸念に忖度して、政策金利を0.25%に引き上げた。
12月19日の日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁は、ハト派として、石破首相のデフレ懸念に忖度して、政策金利を0.25%で据え置き、封印したはずの「時間的余裕」を「1ノッチ(段階)」という新語に置き換えた。
2013年の「政府・日本銀行の共同声明(アコード)」という家訓に従い、植田日銀総裁は、「市場」ではなく、「政府」に忖度しながら、コウモリ派として、飛び回っているのかもしれない。
1.タカ派の夏
■岸田首相(当時)
2024年5月10日、経済財政諮問会議では、歴史的な円安局面が続く中、円安が日本経済に及ぼす影響などについて議論された。
内閣府は、円安などを背景に今年2月以降、輸入物価が前の年に比べてプラスになっていることから、今後、消費者物価に反映されて消費に影響が及ぶ可能性があるとして、賃金や所得の増加などに向けいっそうの政策努力が必要だと報告した。
岸田首相は「最近の円安の動きを十分注視しており、政府・日銀は引き続き密接に連携していく。賃金や所得の拡大、価格転嫁対策の強化、人手不足への対応に全力をあげて取り組み、経済の好循環を実現する」と、円安への警戒感を示した。
■タカ派の植田日銀総裁
植田日銀総裁は、7月30日の日銀金融政策決定会合で政策金利を0.25%へ引き上げた。
利上げの理由として、「インフレ率が2%を超え始めている時に一段の円安になればリスクが大きいため、場合によっては対応しないといけなくなる」と円安抑制を挙げた。
また、諮問会議の民間議員は「過度な物価上昇は民需の抑制につながる」として日銀に対し「適切な金融政策運営によって2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現を期待する」と提言しました。
2.ハト派の冬
■石破首相
12月9日、石破首相は「現時点ではデフレ脱却には至っていない。現時点で日銀との共同声明を見直すことは考えていない」と述べた。
■ハト派の植田日銀総裁
植田日銀総裁は、12月19日の日銀金融政策決定会合で政策金利を0.25%に据え置いた。
そして、「次の利上げの判断に至るには、もう1ノッチ(段階)欲しい」と述べ、来年の春季労使交渉の賃上げ動向や米国のトランプ次期政権の経済政策を見極める姿勢を示した。
大阪3月限
日経225先物 39190 +480 (+1.23%)
TOPIX先物 2728.0 +26.0 (+0.96%)
日経225先物(3月限)は前日比480円高の3万9190円で取引を終了。寄り付きは3万8930円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8885円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9110円まで買われ、買い一巡後に3万8840円まで軟化する場面もみられた。ただし、前場中盤にかけてロング優勢となり朝方に付けた高値を回復。
ランチタイムでは3万9050円~3万9130円辺りでの保ち合いを継続。後場に入っても3万9000円を上回って底堅さがみられ、後場中盤にはレンジを上抜けた。終盤にかけて一時3万9220円まで上げ幅を広げ、高値圏で取引を終えた。
日経225先物は、前場はオプション権利行使価格の3万8875円から3万9125円辺りでの値動きだったが、3万9000円辺りでの底堅さがみられるなか、後場は3万9000円から3万9250円のレンジに切り上がる格好だった。寄り付き直後に戻り待ち狙いのショートの影響で25日移動平均線(3万8910円)を下回る場面もみられたが、早い段階で同線を上回ったことでショートを仕掛けづらくさせたようだ。
また、前週末の米国市場の流れを受けてハイテク株の一角が買われており、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が日経平均型を牽引している。自律反発の域は脱していないが、日経225先物は25日線水準での底堅さがみられるようだと、ボリンジャーバンドの+1σが位置するオプション権利行使価格の3万9375円辺りが意識されてきそうだ。
ただし、東証プライムの売買高は、20日の27億1931万株から本日は17億8148万株に減少した。海外投資家がクリスマス休暇に入ることで商いは膨らみづらく、上値の重さが意識されてくるようだと、短期的にショートが入りやすくなるだろう。まずは節目の3万9000円での底堅さを見極めつつ、25日線水準までは押し目狙いのロング対応となりそうである。
前週末の米国市場は自律反発の流れとなり、NYダウは75日線水準を捉えてきた。同線を突破し、1123ドル安となった18日の下落分を埋めてくるようだと、東京市場もリバウンド基調を強めてくる可能性はあろう。また、エヌビディア<NVDA>への買いが継続する局面があれば、指数インパクトの大きい値がさ株の支援材料になる。
NT倍率は先物中心限月で14.36倍に上昇した。一時14.37倍まで上昇する場面もみられており、14.33倍に位置する75日線を上回ってきた。同線を支持線に変えてくるようだと、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が1万5437枚、ソシエテジェネラル証券が1万3368枚、日産証券が5095枚、サスケハナ・ホンコン3732枚、SBI証券が2172枚、バークレイズ証券が1958枚、ゴールドマン証券が1744枚、JPモルガン証券が1377枚、野村証券が1255枚、モルガンMUFG証券が900枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8587枚、ソシエテジェネラル証券が1万6065枚、バークレイズ証券が5583枚、日産証券が5102枚、モルガンMUFG証券が3440枚、JPモルガン証券が3173枚、ゴールドマン証券が1784枚、BNPパリバ証券が1476枚、みずほ証券が1097枚、野村証券が1011枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米10年債利回りやニューヨーク株式市場の動向を注視しながら、米12月消費者信頼感指数、そして雇用やインフレ指標を見極める展開が予想される。
12月米消費者信頼感指数は113.0と予想されており、11月の111.7からの改善が見込まれている。11月の労働市場格差18.2、12カ月のインフレ期待4.9%からの変化にも注目しておきたい。
先週末に発表された米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの11月分は前月比+0.1%、総合指数も前月比+0.1%に留まった。
インフレ目標2%達成のためには、前月比+0.165%が必要となるため、前月比+0.1%が続いた場合、インフレ目標2%を下回る可能性が残されていることになる。
先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドット・プロット(金利予測分布図)が示唆している来年2回の利下げ見通しの前提が崩れる可能性があるため、米連邦準備理事会(FRB)高官の発言には警戒しておきたい。
パウエルFRB議長は、FOMC後の記者会見で、今年3 回の利下げ(FF金利誘導目標▲1.00%:5.25-50%⇒4.25-50%)を「リカリブレーション」のフェーズとし、来年からは新フェーズに入ると述べていたが、11月PCEデフレーターの伸び率鈍化は、「リカリブレーション」局面が終わっていない可能性を示唆したことになる。
また、本日も引き続き、トランプ次期米大統領によるドル高やタカ派的利下げに対するSNSなどでの突発的な発言には警戒しておきたい。
さらに、可能性は低いと思われるが、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、157.93円(12/20高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、155.71円(5日移動平均線)
SMBC日興証券では、テクニカルレポート「流転」の中で25年の年間見通しを示した。25年の米国株指数は22年や20年のように1~2月に天井を打って調整局面へ移行し、米国金利、ドルも軟化する展開を想定。調整が進んだ日経平均は早めに下値固めを終え、年後半はドルベースでも最高値を更新するとみている。以下の5つの予測を掲げた。 (1) 日経平均は春までに下値固めを終え、年末45880円処への上昇も、 (2) 米国株指数は春先にかけて急反落も、年後半はレンジ相場か、 (3) 中国株が下げ止まり、ASEANなどアジア株は年後半反騰局面入りも、 (4) 米国、欧州金利とドル、ユーロは夏まで軟化し、年後半は反発、 (5) 金は2025年も上昇拡大。原油は駄目押し後、ボトムアウトか、など。
大和証券では、2025年の実質GDP成長率は+1.6%と見込んでいる。「成長のゲタ」を除くと+1.0%で実態としては緩やかな回復を想定。所得環境の改善などにより個人消費が増加に転じるほか、今後3年程度で7兆円弱の経済効果が見込まれる石破茂政権の総合経済対策も景気の押し上げ・下支え要因になると予想している。「103万円の壁」の引き上げで、個人消費は0.7兆円程度押し上げられると試算している。一方、日本経済および世界経済の先行きにおける最大の不透明要因は、米国のトランプ次期政権の政策(「トランプ2.0」)と指摘。米中対立の更なる激化や、経済安全保障の強化による経済活動の抑制も懸念している。
SMBC日興証券では、2024年度のNIKKO250の業績予想を下方修正した。経常利益を前期比7.1%増、純利益を6.6%増と予想。前回に比べ、経常利益を1.3%、純利益を1.0%下方修正した。2025年度は経常利益を6.5%増、純利益を7.1%増と予想。前回予想に比べ、経常利益を2.4%、純利益を1.8%下方修正した。「保険」などが上方修正に寄与したものの、「輸送用機器」が下方修正になったという。一方、8月初旬の日本株急落以降、日本株の対世界でのバリュエーション格差が生じている状況だが、米新政権の政策への不透明感が払しょくされることや、米国の利下げ効果の顕在化、製造業を取り巻く環境の改善により、日本株の割安感は徐々に払拭されていくとみている。
今週のNY市場はサンタクロース・ラリーに期待。先週は主要3指数がそろって下落。ダウ平均が2.25%安と3週続落し、S&P500が1.99%安と2週続落。ナスダック総合は1.78%安と5週ぶりに反落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で2025年の利下げ見通しが9月時点での4回(1.00%)から2回(0.50%)に修正されたことで来年の利下げ期待が大きく後退。米10年債利回りは4.59%台と5月30日以来の高水準まで上昇した。ダウ平均は18日に1100ドル超急落し、1974年以来の10営業日続落を記録した。12月月初来ではダウ平均が4.61%安、S&P500が1.68%安とともに反落ペースとなった一方、ナスダック総合は1.84%高と2カ月続伸ペースとなった。
今週は年末年始の株高アノマリー期待を背景に堅調な展開か。今週は火曜日がクリスマス・イブで午後1時までの短縮取引、水曜日がクリスマスの祝日で休場となり、参加者の減少が見込まれるものの、例年、年内最終の5営業日と新年の2営業日は「サンタクロース・ラリー」として株高期待が強い。12月6日に終値で6090.27ポイントの最高値を付けたS&P500は、先週末に5930.85ポイントで終了し、最高値から2.62%安の水準にとどまった。サンタクロース・ラリーへの期待を背景に最高値更新の可能性も期待できそうだ。今週の経済指標は11月シカゴ連銀全米活動指数、12月消費者信頼感指数、11月新築住宅販売件数、新規失業保険申請件数など。主要な企業の決算発表はなし。
今晩の米経済指標・イベントは11月シカゴ連銀全米活動指数、12月消費者信頼感指数など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は7日ぶりの上昇。一目均衡表の雲上限(39000円 12/23)や5日移動平均線(39024円 同)を上回り、しっかりの陽線で終えた。
RSI(9日)は前日の37.5%→45.0%(12/23)に上昇。25日移動平均線(38892円 同)を上回り、39000円台前半を回復した。39500円を中心とした水準は上値抵抗が強くなるが、あすは10日移動平均線(39264円 同)や一目均衡表の転換線(39223円 同)を超える陽線を続けることができるかが注目される。
上値メドは、心理的節目の39500円、12/17高値(39796円)、12/12高値(40091円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円などがある。下値メドは、200日移動平均線(38688円 同)、75日移動平均線(38483円 同)、100日移動平均線(38156円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
米財務省によると、2年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.335%、応札倍率(カバー)が2.73倍となった。
(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.15円(23日15時時点比△0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.39円(▲0.12円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0397ドル(▲0.0043ドル)
FTSE100種総合株価指数:8102.72(前営業日比△18.11)
ドイツ株式指数(DAX):19848.77(▲35.98)
10年物英国債利回り:4.546%(△0.036%)
10年物独国債利回り:2.323%(△0.038%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月独輸入物価指数
(前月比) 0.9% 0.6%
(前年比) 0.6% ▲0.8%
7-9月期英国内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.0% 0.1%
(前年同期比) 0.9% 1.0%
7-9月期英経常収支
181億ポンドの赤字 240億ポンドの赤字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。米利下げペースが鈍化するとの観測を背景に米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.56%台まで上昇すると円売り・ドル買いが優勢となった。0時30分前に一時157.27円と日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時108.28まで上昇した。
なお、この日発表の11月米耐久財受注額や12月米消費者信頼感指数、11月米新築住宅販売件数は予想より弱い内容となったものの、相場の反応は限られた。
・ユーロドルは売り先行後、下げ渋り。米長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが優勢になると一時1.0384ドルと日通し安値を付けたものの、前週末の安値1.0343ドルが目先サポートとして意識されると1.0418ドル付近まで下げ渋った。もっとも、クリスマスの連休を前に市場参加者が減っており、持ち高を一方向に傾ける動きは限られた。
・ポンドドルは軟調だった。7-9月期英国内総生産(GDP)改定値が予想を下回り、速報値から下方修正されたことが分かると、ポンド売り・ドル買いが優勢となった。1時30分前には一時1.2510ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は下値が堅かった。20時前に一時162.85円付近まで値を下げたものの、週明け早朝取引で付けた日通し安値162.77円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。2時過ぎには163.57円付近まで持ち直した。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。クリスマス休暇前に持ち高調整目的の売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら7日続落。トランプ次期米大統領による関税強化策への懸念が根強く、売りが優勢となった。ただ、足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いなども入りやすく、下値は限定的だった。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
23日の日経平均は7日ぶりの反発。終値は459円高の39161円。注目の米インフレ指標が市場予想を下回ったことで、先週末の米国株は総じて堅調に推移した。これを受けて日本株も買いが優勢となり、上げ幅を一時500円超に広げる場面も見られた。心理的節目の39000円を超えた後も動きはしっかりで、6営業日ぶりに5日移動平均線を上回って終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆5000億円。騰落銘柄数は値上がり1179/値下がり408となった。業種別では電気・ガス業、輸送用機器、サービス業などが上昇。下落は海運業、空運業、鉄鋼の3業種のみだった。
売買代金上位では、米半導体株指数の大幅反発を好感して、ディスコやアドバンテスト、東京エレクトロンなどが上昇。ディスコは証券会社による目標株価引き上げなども追い風となった。防衛関連ではトランプ氏がNATO加盟国に対し、国防費をGDP比5%に引き上げるよう求める意向だと伝わったことも材料視され、川崎重工やIHIが4%を超える上昇。トヨタ自動車やホンダなどへ見直し買いが続いた。
プライム市場の値上がり率上位では、ミガロホールディングスやサムコ、サイボウズなどが商い増加を伴い大幅続伸となったほか、伊勢化学工業が通期の上方修正を発表して急騰したことでK&Oエナジーグループに買いが波及。中国が日本産水産物の輸入を来年前半にも再開と報じられたことで、子会社などを通じてホタテ加工事業などを手がけるヨシムラ・フード・ホールディングスが3日続伸となった。一方、値下がり率上位では、KADOKAWAに買収期待はく落で引き続き売りが続いたほか、サレプタ社との米国訴訟結果をネガティブ視された日本新薬が大幅安。キオクシアHDは7%超まで下落率を拡大した。
あすの東京市場も堅調が見込まれる。米ハイテク株の動向や為替市場の落ち着き次第ではあるが、市場参加者が限られる中で短期筋の場中の仕掛けも限定的となり、きょうのゆったりとした地合いや物色傾向が続きやすい。ただ、日経平均ベースで39500円に近づくと戻り売り圧力が強くなることが見込まれ、上げ幅はしっかり程度か。
年内は来週の大納会まで取引は続くが、今週はクリスマスで海外の休場などもあり売買高の盛り上がりに期待できない。場中は大型株が手がけづらくなる中、電線株や防衛関連株などに人気が継続しやすいほか、円安を材料に自動車株への物色が続くかが指数の下支え要因として重要なポイントになる。業種も銘柄も日次ベースでリターン・リバーサルが意識されやすく、週間ベースでは指数に方向感は見出しづらいだろう。
ちなみに、2023年の最終週は堅調だった。材料難の中、米国株の強い基調が崩れず、楽観ムードの強い地合いが続いた。日経平均株価は12/27まで4日続伸。12/27には33,700円台まで上昇し、年初来高値を上回る場面もあった。ただ、ここで高値を更新できなかったことから、12/28と12/29は連日で下落。米国の長期金利が低下した際にドル円が円高に振れたことも上値を抑える材料となった。前半の貯金が大きく、週間では上昇。日経平均株価は3週続伸となり、週足では3週連続で陽線を形成した。
フランス大統領府は23日、新内閣を発表。マクロン仏大統領は新財務相にロンバール氏を指名した。
23日15:38 ラガルドECB総裁(FT紙)
「インフレ目標達成に近づいているものの、サービス価格が要注意」
「直近のインフレ率は2.2%だが、サービスインフレは3.9%であまり動いていない」
「トランプ次期米大統領による関税の脅しに対し欧州が報復することには反対」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 10月30-31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
<海外>
○09:30 ◎ 12月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○24:00 ◎ 12月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲10)
○25日01:30 ◎ 米財務省、5年債入札
○ドイツ、スイス、ノルウェー、スウェーデン、ブラジルなどがクリスマス・イブで休場
○豪州、ニュージーランド、香港、シンガポール、英国、フランスなどはクリスマスの前日で短縮取引
○米債券・株式・商品市場は短縮取引、為替市場は通常取引
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(23日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.17円(前営業日比△0.86円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.53円(△0.41円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0405ドル(▲0.0025ドル)
ダウ工業株30種平均:42906.95ドル(△66.69ドル)
ナスダック総合株価指数:19764.89(△192.29)
10年物米国債利回り:4.59%(△0.07%)
WTI原油先物2月限:1バレル=69.24ドル(▲0.22ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2628.2ドル(▲16.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米耐久財受注額
(前月比) ▲1.1% 0.8%・改
輸送用機器を除く
(前月比) ▲0.1% 0.2%・改
12月米消費者信頼感指数
104.7 112.8・改
11月米新築住宅販売件数
(前月比) 5.9% ▲14.8%・改
(件数) 66.4万件 62.7万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米利下げペースが鈍化するとの観測を背景に米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.59%台まで上昇すると円売り・ドル買いが出た。0時30分前に一時157.27円と日通し高値を更新した。
ただ、買い一巡後は次第に値動きが鈍り、157円台前半でのもみ合いに転じた。クリスマスの連休を前に市場参加者が減少する中、相場は大きな方向感が出なかった。
なお、この日発表の11月米耐久財受注額や12月米消費者信頼感指数、11月米新築住宅販売件数は予想より弱い内容となったものの、相場の反応は限られた。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。米長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0384ドルと日通し安値を付けたものの、前週末の安値1.0343ドルが目先サポートとして意識されると1.0418ドル付近まで下げ渋った。
もっとも、クリスマスの連休を前に市場参加者が減っているとあって、一定の範囲内での推移にとどまった。
・ユーロ円は上昇。20時前に一時162.85円付近まで値を下げたものの、週明け早朝取引で付けた日通し安値162.77円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。3時30分前には一時163.62円と日通し高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ると売りが先行したものの、ハイテク株中心に買いが入ると指数は上昇に転じた。米議会が来年3月半ばまでのつなぎ予算案を可決し、政府機関の一部閉鎖が回避されたことも投資家心理の改善につながった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍るとの見方が根強い中、売りが優勢となった。24日の5年債入札と26日の7年債入札を前にポジション調整目的の売りも出た。
・原油先物相場は小幅反落。外国為替市場でドル高が進んだことに伴い、ドル建てで取引される原油の割高感が意識された。もっとも、すでにクリスマス休暇入りしている参加者が多く、商いは薄かった。
・金先物相場は反落。米長期金利の上昇を受けて、金利が付かない資産である金は売りに押された。ただ、クリスマス・年末を控えて取引参加者は少なく、積極的に売りを進める展開にはならなかった。
昨日の海外市場でドル円は157.27円まで上昇した。米利下げペースが鈍化するとの観測を背景に米10年債利回りが4.59%台まで上昇すると円売り・ドル買いが強まった。ユーロドルは、一時1.0384ドルと日通し安値を付けたものの、1.0418ドル付近まで下げ渋った。
本日の東京時間のドル円は、引き続きドルの堅調地合いは維持されるだろう。もっとも、流動性が極端に悪化することもあり、ふとした弾みで起こる乱高下には要警戒となる。
本日からドイツやスイスなどの複数国がクリスマスイブで休場。また、アジアでは豪州、ニュージーランド、香港、シンガポールが短縮取引、欧州も英国、フランスが同様に短縮取引。また、米国市場は為替市場は通常通りだが、債券や株式市場は短縮取引なこともあり大きな値動きは期待できないだろう。ただ、先週の日米金融イベントからのドル買い・円売りセンチメントは引き続き継続を見込む。
本日は、日銀から2つの公表事項がある。1つ目は10月30-31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨。しかしすでに12月(18-19日)に政策決定会合が開かれた前の議事要旨であることで、市場が動意づくことはないだろう。それよりも市場は、明日25日に日本経済団体連合会審議員会(経団連)で植田総裁が行う講演内容の方に注目を集めそうだ。
もう1つは14時発表の「11月の全国消費者物価指数(CPI)の基調的なインフレ率を捕捉するための指標」。10月は刈込平均値が2022年5月以来となる1.5%まで低下し、最頻値も1.3%と今年の8月や2022年10月と並ぶ低い結果だった。また、加重平均値も0.8%と伸びが弱かった。これまで日銀総裁は、これらの基調インフレ率補足指数を重要視していると述べていた。しかし、12月会合後の植田総裁への質疑応答では「結局このデータ(基調インフレ補足指数)が、私どもが常日頃言っています基調的物価上昇率とは、かなりずれたものである」と、インフレ指標として判断していないと思われる発言をしていた。よって、仮にこの数値が上昇していた場合でも、植田総裁が会見で発言したワンノッチには届かず、指標結果が多少振れた場合だけでは市場へ与える影響は限られそうだ。
日米金融イベント後のドル円の買いセンチメントは継続されそうだが、介入への警戒感には念のために注意しておく必要があるだろう。本日の日経新聞朝刊でも「高まる介入警戒感」「直近下落率『神田ライン』超え」などと大きく紙面を割いて掲載している。このような紙面掲載は、当局者が円安を懸念し始めていることで「書いてもらっている」とのうわさもある。前回7月の介入時よりも現在の円相場は、円安よりもドル高要因が強いが、警戒は怠らないようにしておきたい。
なお、豪準備銀行(RBA)が本日公表する12月議事要旨は今月9-10日分と直近のものであり注目したい。議事要旨の詳細内容が声明文よりもハト派だった場合には特に警戒が必要か。理事会後に発表された声明文では「インフレの上振れリスクは緩和。消費者物価指数(CPI)は持続的に目標に戻ると確信」とハト派的な見解が示された。理事会後はRBAのタカ派スタンスが弱まったことを受け、市場は豪ドル売りで反応した。更に先週、市場全体でドル買いが進むと2022年10月以来となる0.62ドル割れまで弱含んでいる。議事要旨が声明文よりもハト派となった場合には、豪ドル売りがより一層進むことになることに注意したい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39300 +110 (+0.28%)
TOPIX先物 2738.0 +10.0 (+0.36%)
シカゴ日経平均先物 39305 +115
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
23日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。11月の米消費者信頼感指数は104.7に低下し、市場予想(113.2程度)を下回った。11月の米新築住宅の販売件数は前月比5.9%増と2カ月ぶりの高水準となったが、予想には届かなかった。米景気の減速を示す内容と受け止められ、NYダウは下落に転じる場面もみられた。そのなかで、クアルコム<QCOM>やブロードコム<AVGO>、エヌビディア<NVDA>、ラムリサーチ<LRCX>など半導体の一角が買われ、センチメントを明るくさせた。また、来年3月中旬までのつなぎ予算が成立し、政府機関の一部閉鎖を回避したことも材料視された。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディアが連日の3%を超える上昇でリバウンド基調を強めたほか、アップル<AAPL>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、シスコシステムズ<CSCO>、メルク<MRK>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が買われた。半面、ウォルマート<WMT>、マイクロソフト<MSFT>、セールスフォース<CRM>、IBM<IBM>がさえない。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比115円高の3万9305円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比10円安の3万9180円で始まり、その後はショート優勢で下げ幅を広げ、米国市場の取引開始直後には3万8870円まで売られる場面もみられた。ただし、売り一巡後はショートカバーが強まり、終盤にかけてプラス圏を回復。引け間際には一時3万9310円まで上げ幅を広げ、3万9300円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。米国市場でも25日のクリスマスの祝日を控え、薄商いの中で大きく振らされやすい需給状況である。NYダウは自律反発の域は脱していないが、エヌビディアは連日の上昇で心理的な抵抗線として意識されていた25日移動平均線を突破してきた。半導体SOX指数は3%を超す上昇をみせており、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する形になりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで一時3万8870円まで売られ、25日線(3万8940円)を下回る場面もみられたが、3万9000円を下回る局面では押し目待ち狙いのロングが入りやすいところである。25日線とボリンジャーバンドの+1σ(3万9440円)によるレンジをキープした格好であり、+1σ水準を試す動きが意識されやすいだろう。
市場参加者が限られることから、スキャルピング中心のトレードになる。買い一巡後は軟化する局面もあるだろうが、25日線接近ではその後のカバー狙いのスタンスとなろう。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円のレンジを想定する。+1σ水準では強弱感が対立するものの、ハイテク株主導の上昇が見込まれるなかでは、ショートは控えておきたいところだ。
23日の米VIX指数は16.78(前日は18.36)に低下した。75日線が位置する17.34を割り込んできており、リスク選好からショートカバーを意識したセンチメントに傾きそうだ。今後は200日線(16.01)、25日線(15.57)辺りが意識されやすく、両線を下回ってくるようだと、年末高を期待したロングが入りやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.36倍に上昇した。一時14.37倍まで上昇する場面もみられ、14.33倍に位置する75日線を上回ってきた。日経平均型優位の展開が見込まれるなか、17日につけた14.44倍辺りが射程に入りやすく、NTロングによるスプレッド狙いとなりそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比130円安の3万9060円(-0.33%)前後で推移。寄り付きは3万9290円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9305円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。ただし、直後に付けた3万9300円を高値に軟化すると、現物の寄り付き時にはマイナスに転じた。その後もショート優勢のなか、終盤に一時3万9000円まで売られる場面もみられたが、3万9000円割れを仕掛けてくる動きにはならず、前引けにかけては3万9050円を挟んでの推移となった。
日経225先物は、市場参加者が限られるなか、持ち高調整の動きとなったようである。米ハイテク株高の流れから半導体株などの上昇が目立ったものの、アドバンテスト <6857.T>[東証P]は下落に転じており、買い一巡後は利益確定に向かわせている。日経225先物は3万9000円近辺では押し目待ち狙いのロングがみられるものの、スキャルピング中心のトレードのなかでは早めのクローズによってトレンドの出にくい状況であろう。戻りの鈍さから25日移動平均線(3万8930円)を試す動きとなれば、ショートカバー狙いに向かわせそうだが、リバウンド基調は強まりにくいと考えられる。
NT倍率は先物中心限月で14.31倍に低下した。朝方に14.37倍を付けた後は、指数インパクトの大きい値がさハイテクが弱い値動である一方で、ホンダ <7267.T> [東証P]が強い動きをみせており、TOPIX型優位の流れとなった。
昨日のドル円は、東京時間から本邦実需の買いが断続的に観測されると次第に下値を切り上げる展開。週明け早朝のオセアニア市場で一時156.14円まで値を下げる場面もみられましたが、下押しらしい下押しもないまま、欧州時間に入ると米長期金利の上昇につれて戻り高値を試す動きに。NY時間に入ってからは、11月米耐久財受注額や12月米消費者信頼感指数、11月米新築住宅販売件数がいずれも予想を下回る弱い数字となったものの、米長期金利が上昇幅をひろげるなか一時157.27円まで買戻されました。その後の下押しも156.99円までにとどまると再び157円台を回復してNY市場を終えています。
クリスマスイブのアジア市場では、日本以外のアジア市場が短縮取引となるなか、本邦実需の買いが仲値にかけて断続的に観測されると157.39円まで上昇。加藤財務相が変わり映えのない、いつもの円安牽制発言を行ったほか、日経平均が弱含んだことからその後は157.06円まで下押ししているといったところです。
いずれにしても、ロングエンドの米債券、つまり、10年債や30年債といった長期債の利回りが先週末のポジション調整後に再び急上昇しているあたり、市場ではイールドカーブのスティープニングが進行しているわけですが、中立金利が全体的に上昇しているなか、既に利下げ局面が終了したとの憶測も一部で台頭。米長期金利の水準訂正が来年にかけて既に始まっている可能性もあって、これまでにもまして、米10年債利回りなどのロングエンドの米債の動向に注目が集まることになりそうです。
とりあえず、LDN、NY市場は本日短縮取引を終えると、明日からクリスマス休暇に入りますが、東京以外、ほぼ全ての市場が休場となるなかにあっての、インターバンク勢にとっては、明日は世界中のオーダーを整理するだけに終わる、あまり意味のない25日の東京市場を迎えることになります。
本日のロンドンタイムでは流動性の薄さに注意しながらの取引となりそうだ。クリスマス・イブでドイツやスイス、そしてノルウェーとスウェーデンも休場。英国やフランスなどは株式・債券市場が短縮取引のため、為替も参加者は少ないだろう。米国も為替は通常通りとされながらも、株式・債券・商品市場が短縮取引であり、金融市場全般の動意は高まりづらい。
欧州からはこれといった経済指標の発表もなく、要人発言も予定されていない。地政学リスクとしては、北朝鮮兵の参加でウクライナ・ロシア戦争の更なる泥沼化は懸念される。しかしながら、北大西洋条約機構(NATO)対ロシア全面対決への警戒感が高まらなければ、相場全般に落ち着いた動きとなるか。
なお本日のロンドン16時のフィキシング後になるものの、米財務省が5年債入札を実施する。米国勢が参入する欧州午後には、入札を控えて米債券の需給に変化が見られるかもしれない。米・中長期金利が上下どちらかに基調を強めるようであれば、材料難のなかドル相場も値幅を拡大する場面がありそうだ。ユーロドルやポンドドルが直近レンジの端に絡むようだと、かなり神経質な動きとなるだろう。
本日は予定されている金融当局者の講演はないが、昨日のラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁のようにインタビュー記事が報じられることもあるため、ニュースヘッドラインには気を付けておきたい。英FT紙は昨日、ラガルド総裁の見解「インフレ目標達成に近づいているものの、サービス価格が要注意」や「トランプ次期米大統領による関税の脅しに対し欧州が報復することには反対」を伝えた。
想定レンジ上限
・ユーロドル、20日高値1.0448ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.2644ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、11月22日安値(年初来安値)1.0335ドル
・ポンドドル、12月20日安値1.2476ドル
ドル円:1ドル=157.00円(前営業日NY終値比▲0.17円)
ユーロ円:1ユーロ=163.15円(▲0.38円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0397ドル(▲0.0008ドル)
日経平均株価:39036.85円(前営業日比▲124.49円)
東証株価指数(TOPIX):2727.26(△0.52)
債券先物3月物:142.19円(▲0.12円)
新発10年物国債利回り:1.065%(△0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.37200%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。本邦実需企業から東京仲値にかけて買いが観測されると、昨日高値の157.27円を上抜けて157.39円まで値を上げた。ただ、加藤財務相から円安けん制発言が伝わると伸び悩み。日経平均株価が下落したことも嫌気され、一時156.89円まで下押ししている。
・ユーロ円も頭が重い。午前に163.60円まで上げたが、昨日高値の163.62円が目先のレジスタンスとして意識されると失速。ドル円の伸び悩みや日本株安の影響も受けて163.03円まで値を下げた。
・ユーロドルは小幅安。ユーロ円の下げにつれて1.0389ドルまで下げたが、昨日安値の1.0384ドルを割り込むことはなく、東京市場では値動きは鈍かった。
・日経平均株価は反落。大規模な自社株買い枠の設定を発表したホンダが急伸し投資家心理の改善につながった。半面、年末を控えて個人投資家を中心に利益確定売りが目立ち上値は重かった。
・債券先物相場は続落。昨日の米国債券相場が下落したことを背景に売りが先行。その後の戻りも鈍く、午後には一時142.13円まで下値を広げた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
フランスで新政権の布陣が固まる
安定重視の布陣だが、マクロン路線の継続と受け止められる恐れ
政局混迷が続くフランスで23日、バイル新首相が率いる内閣の布陣が固まった。穏健左派の政権参加や閣外協力は見送られ、前政権と同様に、マクロン大統領を支持する中道勢力と、小規模な中道右派政党を中心とした非多数派政権が誕生する。就任時の内閣不信任案には極右が同調しない模様だが、来年2月頃に本格化する予算協議では、穏健左派に配慮した拡張予算を組むか、内閣不信任の恐れがある特別な立法手続きを利用する以外にない。政権基盤は引き続き不安定で、議会の解散・総選挙が解禁される来年後半以降、再び選挙が行われる可能性が高い。新内閣は半数以上が大統領を支持する中道政党や前政権の閣僚経験者が占める安定重視の布陣だが、首相自身もマクロン大統領に近い人物として知られる。マクロン路線・バルニエ路線の継続と受け止められ、次の選挙で極右や極左の追い風となる恐れがある。
「中国が通貨を安くすれば、さらに関税を引き上げる選択肢もあり得る」
(ナバロ次期米貿易・製造業担当上級顧問)
1.『米中もし戦わば』(ピーター・ナバロ著)
2011年、対中強硬派のピーター・ナバロ氏は、新華社の報道「トランプ氏がナバロ氏の著作『チャイナ・ウォーズ 中国は世界に復讐する(Coming China wars)』がお気に入り」を読んで連絡を取ったらしい。
2015年、ナバロ氏は、『米中もし戦わば-戦争の地政学』(Crouching Tiger)を著し、「私たちは中国製品を買うたびに、中国の軍事力増強に手を貸している。なぜ、中国はこれほど急速に台頭してきたのだろう。それはアメリカが巨額の貿易赤字を抱え、投資と技術を急速に流出させているからだ」と訴えた。
「中国は、通貨操作や違法な輸出補助金、知的財産権侵害などの不公正な貿易方法で経済力と軍事力の強化をしている。特に中国がWTOに加盟して米国市場に参入してきてからは、米国は製造業が衰退し軍事力を維持することは困難になってきている」
そして、2016年の米国大統領選挙では、ナバロ氏は、トランプ陣営の経済政策のアドバイザーとなり、トランプ第45代米大統領誕生で、2017年1月に国家通商会議(現:通商製造業政策局)のトップに就任し、『米中「もし」戦わば』に備えていた。
2. 第1次トランプ米政権(2017年~2020年)
2016年12月21日、トランプ次期米大統領は、通商政策などの国家戦略を具体化するために「国家通商会議(NTC)」を新設し、委員長には『米中もし戦わば』の著作で知られる対中強硬派のカリフォルニア大のピーター・ナバロ氏を指名した。
NTCは、国家安全保障会議(NSC)と連携して、「経済」と「安全保障」の双方から国家戦略をつくる機関となる模様で、トランプ次期米大統領は、米国の製造業と労働者を第一に考え、国防産業の健全性と貿易や製造業の安全保障面での役割を戦略的に考えるホワイトハウスで初の組織である、と説明した。
ナバロ氏の持論は、貿易をゼロサムゲームとして貿易赤字を無条件に悪とみなし、中国製品への依存度を減らすことで、中国の経済力を抑止すべきである、為替操作など、不公平な貿易慣行を利用する国は相殺関税のような厳しい制裁に直面する、というものであり、「歴史上、既存の大国と台頭する新興国が対峙した時、戦争に至る確率は70%を超える」と物騒な見解も示しており、米中間での通商戦争の懸念を高めた。
3.第2次トランプ米政権(2025年~2028年)
トランプ次期米大統領は、貿易や製造業を担当する上級顧問に、第1次トランプ政権で国家通商会議委員長を務めたピーター・ナバロ氏を起用すると発表した。
トランプ氏は「私の1期目において、米国製品の購入と米国人の雇用という2つの神聖なルールを実行する上で、ピーター(ナバロ氏)ほど有能で粘り強い人物はほとんどいなかった」と自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。
対中強硬派のナバロ氏は、対中追加関税の実施など、第1次トランプ政権の中国に対する強硬的な通商姿勢で中心的な役割を果たした。
ナバロ氏は、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件を調査していた下院委員会の証言・書類提出要請を拒否した後、議会侮辱罪で禁錮4カ月の有罪判決を受けた。連邦刑務所に服役した後、7月に釈放されていた。ムショ帰りのナバロ氏は、再び第2次米中貿易戦争の指揮を執ることになる。
中国当局は、トランプ次期米政権によるトランプ関税に備えて、中国人民元安を容認することを検討している、と報じられている。
ナバロ次期米貿易・製造業担当上級顧問は、「中国が通貨を安くすれば、さらに関税を引き上げる選択肢もあり得る」と牽制した。
大阪3月限
日経225先物 39120 -70 (-0.17%)
TOPIX先物 2734.5 +6.5 (+0.23%)
日経225先物(3月限)は前日比70円安の3万9120円で取引を終了。寄り付きは3万9290円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9305円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。ただし、直後に付けた3万9300円を高値に軟化すると、現物の寄り付き時にはマイナスに転じた。その後もショート優勢で、前場終盤に一時3万9000円まで売られる場面もみられた。だが、3万9000円割れを仕掛けてくる動きとはならず、前引けにかけては3万9050円を挟んで推移し、後場に入っても3万9020円~3万9120円の狭いレンジでの推移だった。
日経225先物は、買い先行で始まったものの、市場参加者が限られるなか、持ち高調整の動きとなったようである。米ハイテク株高の流れを受けて朝方は半導体株の上昇が目立ったものの、アドバンテスト <6857.T> [東証P]は下落に転じており、セクターでも電気機器はマイナスだった。また、非鉄金属が下落率トップであり、フジクラ <5803.T> [東証P]や古河電気工業 <5801.T> [東証P]など、これまで強いトレンドを形成していた銘柄に利益確定の動きが目立った。
一方で、海運、電気・ガス、輸送用機器、鉄鋼、銀行セクターが買われていた。輸送用機器については、日産自動車 <7201.T> [東証P]との経営統合を発表したホンダ <7267.T> [東証P]の影響が大きいものの、全体としてはリバランスのなかでバリュー株にシフトした格好だろう。
海外投資家のフローは限られているが、24日の米国市場は短縮取引となり、25日は多くの国でクリスマスの祝日となる。商いが一段と細り、ヘッジファンドなど短期売買の影響を受けやすくなりそうだ。ただし、市場参加者が限られるなかで積極的には仕掛けにくいため、大きく振らされた後のカバー狙いのスタンスになろう。
3万9000円での底堅さが意識されやすく、同水準に位置する25日移動平均線(3万8960円)近辺では押し目狙いのロング対応。下値の堅さがみられてくるようだと、短期的にはボリンジャーバンドの+1σが位置する3万9450円辺りを試したいところである。
NT倍率は先物中心限月で14.30倍に低下した。朝方に14.37倍を付けた後は、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が弱い値動だった一方で、バリュー株へのリバランスによって、TOPIX型優位の流れとなった。25日線(14.30)水準まで下げており、バリュー株へのリバランスの流れが継続するようだとNTショートに振れやすく、200日線(14.25)辺りまでの低下を想定しておく必要もあろう。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が9799枚、ソシエテジェネラル証券が7711枚、日産証券が3346枚、サスケハナ・ホンコンが2440枚、SBI証券が1144枚、JPモルガン証券が1019枚、ビーオブエー証券が1001枚、バークレイズ証券が937枚、野村証券が616枚、楽天証券が519枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万3111枚、ソシエテジェネラル証券が9203枚、バークレイズ証券が4179枚、日産証券が4045枚、モルガンMUFG証券が2252枚、JPモルガン証券が1873枚、ゴールドマン証券が1600枚、野村証券が816枚、ビーオブエー証券が783枚、サスケハナ・ホンコンが444枚だった。
NYタイムは、欧米市場がクリスマス前日の短縮取引、明日に休場となることから、すでに休暇モードで流動性が極めて低い状態となる。基本的に値動きの乏しい状況を想定する。
マーケットの薄さにそぐわないフローが入った際に荒い値動きとなるリスクには一応注意しておきたい。買えば高値を掴み、売れば底値を叩いてしまうことになるため、不必要な売買は控えるべき。様子見のムードが支配的だろう。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、20日高値157.93円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、20日安値155.96円。
今晩はもみ合いか。昨日はクリスマス・ラリーへの期待が高まるなか、半導体株を中心にハイテク株が上昇し、相場をけん引した。経済指標が弱い結果となり来年の利下げ期待が高まったこともセンチメントの改善につながった。ダウ平均は66.69ドル高(+0.16%)と小幅ながら3営業日続伸し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.73%高、0.98%高と、ともに2営業日続伸した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末18.36ポイントから16.78ポイントに低下した。
今晩はクリスマス・イブで午後1時までの短縮取引となり、翌日はクリスマスの祝日で休場となるため、参加者減少で、積極的な取引は控えられそうだ。主要な企業の決算発表はなく、注目の経済指標の発表もないため狭いレンジでのもみ合いとなりそうだ。
今晩の米経済指標は12月リッチモンド連銀製造業総合指数など。主要な企業の決算発表はなし。
連邦航空局(FAA)によると、アメリカン航空が全米で全便の運航を停止したという。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、2025年の米株市場に「強気」のスタンスを維持している。それを支える主な要因として、
(1)米国経済の堅調継続、
(2)拡大基調にある米企業収益、
(3)OECD(経済協力開発機構)景気先行指数(G20)の動向、
(4)大統領選翌年の米株市場の強さ―の4点に着目。
2025年相場は強気材料が少なくないと東海東京では考えている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、年末相場で意識されやすいアノマリーの「掉尾の一振(とうびのいっしん)」について掘り下げている。「掉尾の一振」とは、大納会に向けて株価が上がりやすいという経験則のこと。税金対策の売りが一巡して薄商いとなる中で、機関投資家の期末買い需要や新年相場への期待などが株価を押し上げる要因とされる。ただし、直近10年の大納会前5営業日の日経平均パフォーマンスは3勝7敗となっており、特段の傾向はみられないと三菱UFJMSでは指摘している。一方で、大発会を含む1月最初の5営業日の騰落は7勝3敗となっているとコメントしている。
中国当局が2025年に過去最大規模となる3兆元の特別国債を発行することに同意したようだ。調達資金は主に補助金制度や企業の設備更新、先端産業への投資などに投入される見通し。国務院新聞弁公室や財政部、国家発展改革委員会からコメントは得られていない。『明報』が24日、外電を引用して伝えた。
中国は25年計画の一部として、長期特別国債で調達した1兆3000億元を「両重」プロジェクト(国家重大戦略の実施および重点分野安全能力の建設)と「両新」政策(大規模設備更新および消費財買い替え促進)に投入する計画。また、電気自動車(EV)やロボット、半導体、グリーンエネルギーなどの新質生産力に投資するほか、大型国有銀行の資本再編などにも用いられるとみられている。
日経平均株価は反落。10日移動平均線(39230円 12/24)や一目均衡表の転換線(39223円 同)に上値を抑えられるかたちとなり、5日移動平均線(38959円 同)や一目均衡表の雲上限(39000円 同)まで下押す陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の45.0%→42.4%(12/24)に低下。25日移動平均線(38917円 同)上を維持しており、前日からの見方に大きな変化はない。引き続き、10日移動平均線や転換線を超える陽線を形成することができるかが注目される。
上値メドは、心理的節目の39500円、12/17高値(39796円)、12/12高値(40091円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円などがある。下値メドは、200日移動平均線(38683円 同)、75日移動平均線(38509円 同)、100日移動平均線(38161円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/19高値(37394円)などがある。
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.478%、応札倍率(カバー)が2.40倍となった。
(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.30円(24日15時時点比△0.30円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.33円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0388ドル(▲0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:8136.99(前営業日比△34.27)
ドイツ株式指数(DAX):休場
10年物英国債利回り:4.575%(△0.029%)
10年物独国債利回り:休場
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。アジア時間に一時156.89円と日通し安値を付けたものの、欧米市場に入るとじり高の展開に。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6250%前後と5月30日以来の高水準を付けると円売り・ドル買いが進行。1時30分前に一時157.38円付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値157.39円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重し。
なお、本日はクリスマス・イブでドイツやスイスなどが休場となったほか、米国では債券・株式・商品市場が短縮取引。市場参加者の多くが既にクリスマス休暇に入る中、商いは低調となった。
・ユーロドルはもみ合い。クリスマス休暇で市場参加者が激減する中、狭い範囲内での推移にとどまった。欧州時間の安値は1.0384ドル、高値は1.0410ドルで値幅は0.0026ドル程度だった。
なお、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁は「データが予測と一致すれば利下げを継続できる」「予測の方向性はさらなる利下げを示唆している」などと述べたと伝わったが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は下値が堅かった。アジア時間に一時163.03円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。24時過ぎには一時163.63円と本日高値を付けた。ドル円と似た動きとなった。
・ロンドン株式相場は続伸。原油先物相場の上昇を背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われた。HSBCやバークレイズなど金融株も値上がりした。ただ、市場参加者の多くが既にクリスマス休暇に入っているため商いは閑散だった。この日はクリスマス前日で短縮取引だった。
・フランクフルト株式相場はクリスマス・イブのため休場となった。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
24日の日経平均は反落。終値は124円安の39036円。米国株高を受けて買いが先行したものの、すぐにマイナス転換。開始1時間程度は前日終値近辺で一進一退となったが、次第にマイナス圏が定着した。下げ幅を3桁に広げて節目の39000円を割り込んだところで売りは一巡。11時以降は39000円近辺で動意薄の状態が長く続いた。終値は3桁の下落となったものの、39000円は上回った。TOPIXは小幅ながらプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆0900億円。業種別では海運、電気・ガス、輸送用機器などが上昇した一方、非鉄金属、サービス、情報・通信などが下落した。政策保有株式の売却が進展したことを受けて、前期の純利益見通しを引き上げた津田駒工業<6217.T>が後場急伸。半面、3Q決算が市場の期待に届かなかった高島屋<8233.T>が、後場マイナス転換から下げ幅を広げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり745/値下がり817。日産自動車との経営統合を正式に表明し、併せて大規模な自己株取得を発表したホンダが12.2%高。売買代金は全市場でトップとなった。三菱自動車が急伸したほか、序盤では大幅安となっていた日産自動車も切り返して6%高となるなど、統合に絡む自動車メーカー3社がそろって水準を切り上げた。中計に関するリリースが好感された三菱製紙が急騰。決算や月次を材料にしまむらや西松屋チェーンなど小売専門店の一角が買いを集めた。
一方、フジクラや古河電工など電線株が大幅安。アドバンテストやディスコが米半導体株の上昇を受けても下落しており、全体のセンチメントを悪化させた。ソフトバンクGや楽天Gが軟調。決算を材料に象印マホービンやあさひが大幅安となった。
日経平均は反落。前日に400円を超える上昇となっていただけに、きょう一段高となっていれば、年末に向けてリスクオンに傾く展開にも期待が持てた。しかし、特段の売り材料がない中で早い時間に下げに転じ、後場はマイナス圏でほとんど値幅が出なかった。年内の残り4営業日は38500円~39500円レベルでの一進一退が続きそうな雰囲気が漂う。
水曜25日は米国含め多くがクリスマス休場となる。そのため、本日の米国株が休場を前に下落した場合、東京市場は25日、26日と買い手不在の様相が強まると思われる。きょうの日経平均の終値は39036円。39000円を明確に割り込んでしまうと見切り売りが出やすくなるだけに、節目を意識した動きが見られるかに注目したい。
24日08:50 10月30-31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
「政策金利引き上げの判断、時間かけて慎重に行う必要、1人の委員」
「これまでの利上げの影響も見極める必要がある、複数の委員」
「賃金上昇の影響、物価面にも表れてきている、何人かの委員」
「25年後半に1%まで段階利上げなら、見守る時間ある 1委員」
「内外に不確実性の高まり、政策をより慎重に運営必要、1人の委員」
「実質金利が自然利子率下回る状況維持しつつ、緩やかな利上げが望ましい、1人の委員」
「経済・物価見通し実現なら緩和調整との基本的考えを共有」
24日09:30 12月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
「インフレに自信が持てるまで、十分に制約的な政策が必要」
「インフレ率が目標を超える状態が長期間続くことに対して、最小限の許容度しか持たない」
「前回会合以降、インフレに対する信頼感が高まったものの、リスクは依然として存在」
「将来の経済データが予測と一致するかそれを下回る場合、インフレに対する信頼感がさらに増す可能性」
「インフレに対する信頼感がさらに増した場合、金融引き締めの度合いを緩和することが適切とされる」
「データが予想を上回る場合、緩和開始までの期間が長引く可能性がある」
「理事会は、現行の政策金利水準が示唆するほどには金融政策が引き締め的でない兆候を確認」
「労働市場は引き続き堅調であり、サービス部門のインフレはより持続的である」
「賃金の伸びは予想以上に鈍化しており、労働市場が考えられていたほど逼迫していない可能性を示唆」
「月次CPIデータは、第4四半期のインフレ予測に対する緩やかな下方リスクを示唆」
「インフレの上方リスクは低下し、一方で経済活動の下方リスクは拡大」
24日10:10 加藤財務相
「(為替で)行き過ぎた動きには適切に対応」
24日15:50 インドネシア中銀
「市場の信頼を確保するために市場介入を行っている」
「外貨準備高が依然として大胆な介入を行うのに十分であると表明」
24日20:47 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「どのレベルまで金利を引き下げるかは言えない」
「データが予測と一致すれば利下げを継続できる」
「予測の方向性はさらなる利下げを示唆している」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 11月企業向けサービス価格指数(予想:前年比3.0%)
○未定 ◎ 植田和男日銀総裁、講演
○14:00 ◇ 10月景気動向指数改定値
<海外>
○ニュージーランド、オーストラリア、香港、シンガポール、韓国、インド、スイス、ドイツ、フランス、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、英国、南アフリカ、カナダ、米国、ブラジル、メキシコ(以上、クリスマス)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(24日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.19円(前営業日比△0.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.36円(▲0.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0399ドル(▲0.0006ドル)
ダウ工業株30種平均:43297.03ドル(△390.08ドル)
ナスダック総合株価指数:20031.13(△266.25)
10年物米国債利回り:4.58%(▲0.01%)
WTI原油先物2月限:1バレル=70.10ドル(△0.86ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2635.5ドル(△7.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米リッチモンド連銀製造業景気指数
▲10 ▲14
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら続伸。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6250%前後と5月30日以来の高水準を付けると円売り・ドル買いが先行。1時30分前に一時157.38円付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値157.39円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重し。
なお、本日はクリスマスの前日で米債券・株式・商品市場が短縮取引。市場参加者の多くが既にクリスマス休暇に入る中、商いは低調となった。
・ユーロドルは続落。ただ、クリスマス休暇で市場参加者が激減する中、狭い範囲内での推移にとどまった。今日の安値は1.0384ドル、高値は1.0410ドルで値幅は0.0026ドル程度だった。
・ユーロ円は反落したものの、下値は堅かった。アジア時間に一時163.03円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、24時過ぎには163.63円と本日高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸。新規材料に乏しい中、ハイテク株や景気敏感株が買われ、相場の押し上げ要因となった。市場では「短期的な相場の過熱感が薄れたとの見方から、買いが入りやすかった」との声が聞かれた。なお、この日はクリスマスの前日で短縮取引だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは小反発。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍るとの見方が根強い中、売りが先行。利回りは一時4.6250%前後と5月30日以来の高水準を付けた。ただ、5年債入札が需要の強さを示す内容だったことを受けて次第に買いが入ると持ち直した。
なお、本日はクリスマスの前日で短縮取引だった。
・原油先物相場は反発。中国の新たな景気刺激策を巡る期待が相場を下支えした。ただ、クリスマス休暇に入った参加者も多く、この日の商いは低調だった。
・金先物相場は反発。多くの市場参加者がすでにクリスマス休暇に入っていることから商いは低調。米長期金利が上昇幅を縮小した場面で金利が付かない資産である金に買いが入り、プラス圏を回復して引けた。
昨日の海外市場でドル円は、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6250%前後と5月30日以来の高水準を付けると円売り・ドル買いが先行し、一時157.38円付近まで値を上げた。ユーロドルの安値は1.0384ドル、高値は1.0410ドルで値幅は0.0026ドル程度だった。
本日の東京時間のドル円は、日本と中国以外の市場がクリスマス休場となることで閑散取引になると思われる。ただし、昨年の25日同様に日本経済団体連合会審議員会(経団連)で植田日銀総裁が講演を行うことで、ここでサプライズ発言が出ないかを見ていく必要はあるだろう。
今回の講演時間が何時から行われるかは不明だが、昨年は13時過ぎには講演内容が日銀のホームページに掲載された。内容自体は日銀金融政策決定会合の声明文や会見をほぼ踏襲するものであり市場の動意は限られた。質疑応答などもないことで、本日の講演内容でサプライズを期待するのは難しいかもしれないが、これまでも植田総裁は予想外の発言を繰り返してきたことで注意は怠らないようにしたい。
植田総裁は先週の政策決定会合後の質疑応答で「オントラックにもかかわらず利上げをしなかったことで円安が進んでいることについての評価」を記者から質問されると、「輸入物価の対前年比でみると、割と落ち着いているという状況であることも考慮に入れた」と回答。また、ほかの記者から「10月末時点と比べても3円ほど円安に振れているように、円安が物価上振れをもたらすリスクというのは10月時点と比べて高まっている」ことへの見解についても、為替の影響が日本の物価やインフレ率に影響を与えていることは認識しているとしたが、現時点では「対前年比でみた輸入物価の上昇率が落ち着いている」と2度にわたって、現行水準の円安進行については許容範囲内と捉えられる発言を繰り返した。よって、このことが講演で否定されなければ、輸入物価が顕著に上昇過程を辿らない限りは円安を容認していると市場が受け取る可能性もあり、更なる円安リスクには備えておきたい。
なお、昨年の12月25日の東京時間のドル円のレンジは42銭だった。日経平均株価が上昇して始まったことでつけた142.56円が高値。東京仲値の値決め前から上値は重くなり、日経の上げ幅縮小で午後に142.14円まで下がったが、その後は142.40円近辺で落ち着いた。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39280 +160 (+0.40%)
TOPIX先物 2736.5 +2.0 (+0.07%)
シカゴ日経平均先物 39260 +140
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
24日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。24日はクリスマスの前日で午後1時までの短縮取引だった。クリスマス休暇に入っている市場参加者は多く、薄商いのなかで朝方は小幅に下落する場面もみられたが、NYダウは直近の下げで過熱感が和らいだことで押し目買いが入りやすかった。また、引き続きハイテク株が買われ、ナスダック指数は3日続伸で2万台を回復したことも、センチメントを明るくさせた。
NYダウ構成銘柄ではアップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アメックス<AXP>、シスコシステムズ<CSCO>、IBM<IBM>、マイクロソフト<MSFT>、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、ウォルマート<WMT>などの上昇が目立った。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>やユナイテッドヘルス・グループ<UNH>は下落した。S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇し、自動車・同部品、小売、食品・生活必需品、銀行、各種金融の上げが目立った。
日経平均株価(3月限)清算値は、大阪比140円高の3万9260円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比10円安の3万9110円で始まり、直後に付けた3万9070円を安値にリバウンドをみせ、3万9180円まで買われた。米国市場の取引開始時に3万9080円と下落に転じる場面もみられたが、売り一巡後は急速に切り返し3万9160円~3万9280円のレンジで推移。3万9280円とナイトセッションの高値で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。米国市場は短縮取引だったが、ハイテク株のほか景気敏感株にも買いが広がり、NYダウは終盤にかけて上げ幅を広げた。前日の日経225先物は買い先行で始まった後は持ち高調整の売りに押された格好だったが、引き続き3万9000円近辺での底堅さが意識されるなか、ショートカバーを誘い込みそうだ。
薄商いのなかで短期筋の売買に大きく振らされやすい需給状況だが、ショートを仕掛けたとしても売り込みにくいだろう。上値追いのロングも限られるが、米株高の流れを受けてショートカバーを誘い込む形での押し目待ち狙いのロングは入りそうである。
日経225先物は25日移動平均線(3万8970円)とボリンジャーバンドの+1σ(3万9460円)によるレンジ内での推移を継続している。まずはオプション権利行使価格の3万8250円から3万8375円辺りでの推移から底堅さを見極めたいところである。権利行使価格の3万8375円を捉えてくるようだと、+1σを意識するとともに権利行使価格の3万9500円水準をターゲットとしたロングに向かわせよう。
25日はクリスマスの祝日で主要国は休場となる。海外市場でのリスク要因が限られるなか、本日はオーバーナイトのポジションを取りに行く動きもありそうだ。そのため、買い一巡後は膠着感が強まる可能性は高そうだが、終盤にかけて動意をみせてくる展開も想定しておきたい。
24日の米VIX指数は14.27(前日は16.78)に低下した。前日に75日線が位置する17.34を割り込んだが、この日は200日線(16.01)、25日線(15.48)を下回ってきた。18日に14.82から28.32まで急伸した分を修正しており、クリスマスの祝日明け後の上昇を期待したロングが入りやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.30倍に低下した。朝方に14.37倍を付けた後は、指数インパクトの大きい値がさハイテクが弱い値動だった一方で、バリュー株へのリバランスによって、TOPIX型優位の流れとなった。25日線(14.30倍)水準まで下げており、バリュー株へのリバランスの流れが継続するようだとNTショートに振れやすい。一方で、ナスダック指数の2万台回復を受けて、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開だと、前日の調整に対する修正の動きからNTロングに傾きそうだ。
本日の香港株式市場はクリスマスにつき休場。取引は27日(金)から再開される。
昨日のドル円は、欧米の市場がクリスマスイブで短縮取引となるなか、欧州時間は米長期金利の上昇につれて買戻しが先行。米10年債利回りが一気に4.6250%まで上昇幅をひろげるにつれて一時157.38円まで値を上げました。ただ、アジア時間の高値157.39円が戻りの目処として意識されたほか、NY時間に入って米5年債入札が好調な結果に終わると米10年債利回りが一時4.5785%まで低下に転じたことから157.15円まで下押しして取引を終えています。米長期金利が動いた割には、ドル円自身はアジアでのレンジ内で上下しただけといったところです。
クリスマス当日のアジア市場では、東京以外のほぼ全ての市場が休場。インターバンク勢としては、一年のうちで最も憂鬱な、つまり、世界中のブランチから集まるオーダーを東京が一斉に受けなければならず、普段扱っていないマイナー通貨ペアなど、そのレベル感さえもないものが多く、テールリスクのようなことが起きない限りは、大してケアする必要もないのも事実ではありますが、そうは言っても、やはり責任はあるわけで、インターバンク勢にとっては16時までの我慢比べとなっています。
いずれにしても、ドル円は仲値での買いから157.34円まで買われた後、157.04円まで下落。単に、それだけの相場となっていますが、市場では「一応、植田日銀総裁の経団連での講演に注意している」模様。ただ、毎年恒例の日銀総裁の講演に16時前後で閉まる為替相場として、何を期待しているのかといえば、やはり「何もない」のかのしれません。
日経225先物は11時30分時点、前日比140円安の3万8980円(-0.35%)前後で推移。寄り付きは3万9280円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9260円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。ただし、直後に付けた3万9300円を高値に軟化すると、現物の寄り付き時にはマイナスに転じた。さらに中盤にかけて下落幅を広げており、一時3万8940円と節目の3万9000円を割り込む場面もみられた。売り一巡後は25日移動平均線(3万8960円)が支持線として意識されるなか、3万9000円を挟んでの保ち合いを継続している。
日経225先物は、市場参加者が限られるなか、前日同様、買い先行で始まった後は持ち高調整の動きが強まった。前場の時点でリバランスの動きは一巡した可能性もあり、後場は3万9000円辺りでの底堅さを見極めつつ、リバウンドを試す流れが期待される。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が日経平均株価を下支えしている。また、小幅ながらアドバンテスト <6857.T>[東証P]など半導体株も買われており、3万9000円処からのショートは避けておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。75日線(14.34倍)を上回っており、前日の下落部分を吸収した。リバランスが中心となるものの、ハイテク株の底堅い値動きにより、NTロングに振れやすいだろう。
(25日15時時点)
ドル円:1ドル=157.32円(前営業日NY終値比△0.13円)
ユーロ円:1ユーロ=163.60円(△0.24円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0400ドル(△0.0001ドル)
日経平均株価:39130.43円(前営業日比△93.58円)
東証株価指数(TOPIX):2733.86(△6.60)
債券先物3月物:142.23円(△0.04円)
新発10年物国債利回り:1.065%(横ばい)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.37300%(△0.00100)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月企業向けサービス価格指数
前年同月比 3.0% 2.9%
10月景気動向指数改定値
一致指数 116.8 116.5
10月景気先行指数改定値
先行指数 109.1 108.6
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小高い。仲値公示に絡んでドル買いが強まると157.34円まで上昇するも、仲値を通過すると失速。その後156.99円まで下押した。植田日銀総裁の講演内容が伝わると、直後こそ反応薄であったが、徐々に買い戻しが優勢となると157.37円までわずかに本日高値を更新した。
・ユーロ円は方向感定まらず。仲値公示に絡んで163.74円まで上昇後、13時過ぎに163.30円台まで下落。ただ、植田日銀総裁の講演後に円売りの流れとなると163.70円前後まで切り返すなど、ドル円に連れた動きとなった。
・ユーロドルはこう着。欧米市場がクリスマス休暇で参加者が減少する中、1.04ドルを挟んでの上下に終始した。
・日経平均株価は小反発。前日の米株高を受けて高く始まるも、勢いは続かず。下げに転じた後は戻りの鈍さを嫌気した売りも重しとなった模様。もっとも、引けにかけてプラス圏を回復すると93円高で引けた。とはいえ、本日はクリスマスで米国を始め多くの国が休場となる中、市場参加者が限られていることもあり、商いは低調であった。
・債券先物相場は3営業日ぶり反発。前日の米10年債利回りの上昇が一段落し、国内債は買いが先行するも勢いは続かず。午後に入り142円13銭まで下押す場面が見られたが、植田日銀総裁の講演内容に新味が乏しいとして買い戻しが入った。
中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は25日、第14期全人代第3回会議を2025年3月5日から北京で開くと決めた。全人代と合わせて「両会」と呼ばれる全国政治協商会議(政協)の第14期第3回会議は3月4日に開幕する。中国国営新華社が25日伝えた。
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 11月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲0.1%)
<海外>
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:48.50%と47.50%に引き下げで拮抗)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.3万件/188.0万人)
○27日03:00 ◇ EIA週間在庫統計
○27日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○ニュージーランド、オーストラリア、香港、スイス、ドイツ、フランス、英国、カナダ、(以上、ボクシングデー)、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド(以上、セカンドクリスマスデー)、南アフリカ(親善の日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪3月限
日経225先物 39200 +80 (+0.20%)
TOPIX先物 2741.0 +6.5 (+0.23%)
日経225先物(3月限)は前日比80円高の3万9200円で取引を終了。寄り付きは3万9280円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9260円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。ただし、直後に付けた3万9300円を高値に軟化すると、現物の寄り付き時にはマイナスに転じた。さらに前場中盤にかけて下げ幅を広げ、一時3万8940円と節目の3万9000円を割り込む場面もみられた。
売り一巡後は25日移動平均線(3万8960円)水準が支持線として意識されて、後場は3万8960円~3万9060円辺りでの推移を挟んでの保ち合いが続いた。25日線を支持線とした底堅さがみられるなか、終盤にかけてショートカバーと思われる動きによりレンジを上抜け、プラス圏を回復して終えた。
日経225先物は、市場参加者が限られるなか、前日同様、買い先行で始まった後は持ち高調整の動きが強まった。前場の時点でリバランスは一巡した可能性もあり、後場は底堅さが意識されてショートカバーに向かわせたようだ。午後の植田日銀総裁の講演ではハト派姿勢が示されたとして、円相場が1ドル=157円台前半と朝方からはやや円安に振れた。これをきっかけに、終盤にかけてトヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連株が強含む場面が目立っていた。
そのため、NT倍率は先物中心限月で14.30倍と前日比変わらずだった。前場の時点ではファーストリテイリング <9983.T> [東証P]やソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、半導体株の一角が買われたことで、一時14.39倍まで上昇し、75日線(14.34倍)を上回る場面もみられた。ただし、後場は膠着感が強まり、終盤にかけての輸出関連株への資金流入によって、NTロングを巻き戻す形になったようである。
日経225先物は25日線が支持線として機能するなか、概ねオプション権利行使価格の3万9000円から3万9375円のレンジでの推移となった。ボリンジャーバンドは11月以降、ほぼ横ばいで推移しているため、トレンドが出にくい状況である。25日はクリスマスの祝日で多くの国が休場となるため、一段と海外勢のフローは限られよう。日経225先物の週初23日の売買高は4万枚を超えていたが、本日は1.6万枚と2万枚を下回る薄商いだった。
明日も方向感のつかみづらい状況だろうが、24日の米VIX指数は14.27に低下し、18日に14.82から28.32まで急伸した分を修正する形だった。クリスマスの祝日明け後の上昇を期待したロングが入りやすいと考えられ、日経225先物は3万9000円辺りでの押し目狙いのロング対応とし、+1σ(3万9460円)水準を捉えてくる可能性も想定しておきたい。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が8422枚、ソシエテジェネラル証券が5249枚、JPモルガン証券が1166枚、サスケハナ・ホンコンが1108枚、SBI証券が1067枚、バークレイズ証券が965枚、日産証券が692枚、楽天証券が679枚、ビーオブエー証券が529枚、野村証券が458枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万1491枚、ソシエテジェネラル証券が7156枚、バークレイズ証券が4201枚、野村証券が2363枚、モルガンMUFG証券が1393枚、JPモルガン証券が1168枚、ゴールドマン証券が1091枚、日産証券が1036枚、ビーオブエー証券が761枚、三菱UFJ証券が749枚だった。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39140 -60 (-0.15%)
TOPIX先物 2740.0 -1.0 (-0.03%)
25日の米国市場は、クリスマスの祝日で休場。ドイツ、フランス、英国、カナダ、香港など多くの国が休場のため市場参加者は限られ、トレンドの出にくい相場展開になりそうだ。
日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万9170円で始まり、3万9080円まで売られた後に持ち直し、一時3万9200円と日中比変わらずの水準まで戻した。ただし、プラス圏は回復できず、薄商いの中で中盤以降は3万9100円~3万9200円の狭いレンジでの取引を継続。3万9140円でナイトセッションの取引を終えた。出来高は1000枚程度にとどまっていた。
市場参加者が限られるなか、スキャルピングでのトレードも難しくさせそうである。節目の3万9000円近辺での底堅さが意識されやすく、同水準に位置する25日移動平均線が支持線として機能することになるだろう。同線を下回る局面では、押し目待ち狙いのロングが入りやすいとみられる。
また、24日の米国市場ではNYダウが4日続伸で75日線を上回り、ナスダックは3日続伸で2万台を回復していた。米VIX指数は14.27に低下し200日線(16.01)、25日線(15.48)を下回ってきたこともあり、クリスマスの祝日明け後の上昇を期待させて終えていたこともあり、ショートは仕掛けにくいだろう。
日経225先物はボリンジャーバンドの中心値(25日)と+1σ(3万9460円)によるレンジ内での推移が続いている。+1σを意識したトレンドは期待しづらいが、3万9000円処で底堅さがみられてくると、ショートカバーが入りやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9250円のレンジを想定する。レンジ上限での推移が続くようだと、+1σ水準を意識した3万9250円から3万9500円のレンジに移行する可能性はあるとみておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.30倍と前日比変わらずだった。前場の時点ではファーストリテイリング <9983.T> [東証P]やソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、半導体株の一角が買われたことで、一時14.39倍まで上昇し75日線(14.34倍)を上回る場面もみられた。
ただし、後場は膠着感が強まるなか、日銀の植田総裁の講演でハト派姿勢が示されたとして円相場が1ドル=157円台前半と、朝方からやや円安に振れたことでトヨタ自動車 <7203.T>[東証P]など輸出関連株の一角が買われ、結果としてNTロングを巻き戻す格好になった。
本日も為替を睨んでの展開になりそうなほか、手掛かり材料に欠けるなかでは配当志向などバリュー株に向かいやすい面はある。そのため、ややNTショートに振れやすいだろうが、クリスマスの祝日明け後の米国株高への期待感から、押し目ではNTロングの動きも入りそうである。
昨日のドル円は、日本と中国以外の主だった市場が休場だったこともあり閑散取引となった。仲値公示に絡んでドル買いが強まると157.34円まで上昇するも、仲値を通過すると失速。その後156.99円まで下押した。植田日銀総裁の講演内容が伝わると、直後こそ反応薄であったが、徐々に買い戻しが優勢となると157.37円までわずかに本日高値を更新した。ユーロドルは1.04ドルを挟んでの上下に終始した。
本日のアジア時間ではシンガポール市場が休場明けだが、オセアニア両国や香港などは引き続き休場。また欧州のメイン市場もほぼ休みであり、休場明けとなる米国勢の参入までトレンド形成は難しそうだ。
本日は本邦からは週次の対外対内証券売買契約や11月新設住宅着工戸数が発表されるが、これらの指標結果で市場が動意づくことは難しいだろう。
材料不足の中で警戒しなくてはならないのは、東京仲値(フィキシング)の値決めになる。米国が休場明けとなることでドル決済が可能となり、当日付の取引がまとまって入りやすい。昨日も一部金融機関が、流動性が悪い中で値決め時に強引にドル買いを仕掛けた。
ここ数年はクリスマス休場翌日には仲値で神経質な動きを見せている。今年は不足か余剰になるかは分からないが、一昨年は本邦実需勢の買いで約50銭程度上昇した。一方で、昨年は仲値では強引に下押しされた。どちらに傾いた場合でも、仲値の値決めにかけては大きく振れることが予想される。
なお、昨日の植田日銀総裁の講演内容は、今後の政策決定については当たり障りのない発言だったこともあり、市場を大きく動意づけることはできなかった。ただし、明日は18-19日の日銀金融政策決定会合の「主な意見」や、全国消費者物価指数(CPI)の前哨戦となる12月の東京都区部のCPIが公表されることで、これまでの流れが変わる可能性もあることには留意しておきたい。
また、欧州通貨の値動きも警戒しておきたい。昨日はロシアがクリスマスにもかかわらずウクライナのエネルギーインフラに大規模な攻撃を仕掛けた。この攻撃により、首都キーウ(キエフ)を含む全国で停電が発生し、一部の住民は地下鉄の駅に避難している。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの行動を「非人道的」と非難し、欧米主要メディアも一斉にロシアの攻撃を批判している。両国間の戦争が新たな戦火拡大に広がるかを注目したい。
本日の香港株式市場はボクシングデーにつき休場。取引は27日(金)から再開される。
日経225先物は11時30分時点、前日比160円高の3万9360円(+0.40%)前後で推移。寄り付きは3万9200円と、前日比変わらずで始まった。現物の寄り付き時につけた3万9120円を安値にロング優勢の流れとなり、中盤にかけて3万9370円まで買われた。買い一巡後は3万9250円辺りまで軟化する場面もみられたが、終盤にかけては日中の高値水準で推移している。
日経225先物は、市場参加者が限られるなか、寄り付き後は弱含む場面もみられた。ただし、下へのバイアスは強まらず、その後はショートカバーを交えてのリバウンドをみせている。25日移動平均線(3万9020円)が支持線として意識されるなか、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9470円)水準が意識されてきた。+1σ水準を捉えてくるようだと、一段とショートカバーを誘う可能性があるだろう。
一方で、これまで同様、後場に入って膠着感が強まるようだと、持ち高調整の動きが強まるとみられる。ただし、クリスマスの祝日明け後の米株高が期待されるなか、ややロングに傾ける動きに向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。一時14.31倍をつける場面もみられたが、25日線(14.31倍)に上値を抑えられる形となった。トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]が本日も強い動きをみせるなか、NTショートに振れやすいようだ。
昨日は、クリスマスで東京以外の主要市場は休場。ドル円は、仲値での買いが観測された後、午後に予定されていた植田日銀総裁の毎年恒例となっている経団連での講演に向けて、一部では「もしかしたらタカ派的な発言があるかも」といった、何とも整合性のない単なるポジショントークに過ぎない期待感があったようで、156.99円まで下押ししていたものの、日銀が公表した「2%物価目標の実現とわが国経済」の講演原稿には、先週の日銀金融政策決定会合後の定例記者会見で表明した見解を繰り返していただけであることがわかると、157.37円の高値まで値を上げて極めて短いクリスマスの市場を終えることになりました。
クリスマス翌日のアジア市場では、東京とシンガポールのみという市場参加者の少ない相場となっていますが、当然のように仲値にかけては本邦実需の買いが観測されると、昨日高値や24日の高値157.39円を上抜けて上昇。一時157.47円まで値を上げているといったところです。
いずれにしても、本日もまだまだ市場は実質的にはクリスマス休暇中。NY市場は通常通りとはなるものの、市場参加者は極端に少ない状況に変わりはなく、市場全体が通常モードに戻る明日以降、本格的に年末年始相場を作っていくことになります。何度もお伝えしている通り、先週の日米の金融政策を鑑みるに、既にその方向性ははっきりしているわけで、しっかりとした道筋を進むことになりそうです。
SMBC日興証券では、2025年の物価に関して、CPIサービスは頭打ちとなっている一方、CPI財についてはエネルギー以外は輸入物価に1年程度遅れて動くことから、2025年前半までは伸びが高止まりする可能性があると考えている。加えて、政府の対策による物価押し下げ効果は限定的であるため、年前半まではコアCPI(前年比)は2%台で高止まりする可能性が高いとみている。しかし、年後半以降は財価格の鈍化によってコアCPI(前年比)は減速し、2025年末には+1%近くまで低下すると予想している。
中欧国際工商学院経済学・金融学教授で、中国チーフエコノミストフォーラム研究院の院長を務める盛松成氏はこのほど、今年9月の中央政治局会議で「不動産市場の悪化を食い止め、安定化を図る」方針が示されたことが市場見通しの改善に積極的な効果を発揮したとの見方を示した。「悪化を食い止め、安定化を図る」の本質は「量の回復と価格の安定」を目指すものであり、向こう1-2年以内にこの目標は実現できると予想した。『中国房地産報』が伝えた。
盛氏は、4つの「一線都市」(北京、上海、広州、深セン)で住宅購入規制の緩和、不動産取引税の引き下げ、住宅ローン頭金比率の引き下げといった措置が講じられており、北京と上海は比較的慎重だった一方、購入規制を全面撤廃した広州で緩和の度合いがもっとも大きいと指摘。今後について、「不動産市場の悪化を食い止め、安定化を図る」には、上海、深セン、北京の規制はさらに緩和する余地があるとした。
また、本土不動産市場が安定化する傾向が顕著で、2025年は落ち込み幅がさらに縮小し、26年には落ち着く可能性が大きいとみる。ただ、政策の度合いや経済環境などによって市場が変動する可能性もあるとした。
当局への提案として、不動産企業の事業転換や撤退を促し、供給の安定化と住宅の向上を図ると同時に、土地の供給を厳格にコントロールするほか、実需や住替え需要のある購入者への支援を強化することなどを挙げた。
本日は英国や独仏スイスなどがボクシンデーで引き続き休場であり、ニューヨーク勢が参入してくる欧州午後まで欧州通貨は動意の鈍さが続きそうだ。NY序盤には、米国で週間の失業保険データが発表される。結果を受けて祝日明けの米債市場が反応するようだと、流動性が薄いなかでユーロやポンドも対ドルで上下させられるだろう。
その他、動意付く可能性がある通貨はトルコリラか。本日は東京時間20時にトルコ中銀が政策金利を公表する。市場は2023年2月以来の利下げを確実視しているが、引き下げ幅については金融政策委員会(MPC)内でも意見が分かれるとの見方だ。現行50.00%の主要政策金利は、48.50%から最大で47.50%まで引き下げが予想されている。
現状、47.50%に利下げ予想が優勢に傾きつつある。直近のデータによればトルコのインフレ率は47%程度であり、2.5%の引き下げ幅であっても実質金利プラスは僅かに維持されることにはなる。とはいえ、インフレ抑制圧力の弱まりは避けられず、利下げ幅が大きめであればあるほどリラの買いづらさに繋がるだろう。
トルコ中銀声明にも目を向けておきたい。予想通り利下げが決定された場合、これまでの制限的なスタンスを捨てたのか、または一時的なものなのかを見極めることになる。また、ドルリラのリラ安基調が続くことについて、金融当局の為替への見解が注目されるだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、12月20日高値1.0448ドル
・リラ円、11月15日高値4.55円
想定レンジ下限
・ユーロドル、11月22日安値(年初来安値)1.0335ドル
・リラ円、12月17・18日安値4.37円
14時に予定されていた11月新設住宅着工戸数の発表は27日に延期された。
ドル円:1ドル=157.34円(前営業日NY終値比△0.01円)
ユーロ円:1ユーロ=163.60円(△0.02円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0397ドル(▲0.0010ドル)
日経平均株価:39568.06円(前営業日比△437.63円)
東証株価指数(TOPIX):2766.78(△32.92)
債券先物3月物:141.90円(▲0.33円)
新発10年物国債利回り:1.085%(△0.020%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.37300%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
9192億円の処分超 7087億円の取得超・改
対内株式
1兆226億円の処分超 5864億円の処分超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。朝方に一時157.08円まで下押ししたものの、東京仲値にかけて本邦実需勢から買いが観測されると一転上昇。仲値後も買いは継続し、一時157.47円まで値を上げた。一方、本日もオセアニア市場をはじめ多くが休場となり市場参加者が少ないなか、一段高の展開にもならなかった。
・ユーロ円ももみ合い。ドル円と同様に朝方に163.32円まで下げた後は163.78円まで切り返したが上値も限られた。
・ユーロドルは小幅安。ドル円が買い戻されたことに伴って1.0393ドルまで小幅に下げた程度でそれ以外は動意はほとんど見られていない。
・日経平均株価は続伸。12月決算企業の期末配当や優待の権利付き最終日を迎え権利取りを狙った買いが観測された。株価指数先物への断続的な買いも見られた。
・債券先物相場は反落。夜間取引で下落した流れを引き継いで軟調に推移。先行きの債券需給の緩みが意識された面もあった。
トルコ政府が2025年の最低賃金を30%引き上げると発表したことを受け、中央銀行の利下げ観測が強まっている。この引き上げ幅は労働組合の要求(約70%増)を大きく下回り、政府のインフレ抑制への決意を示しているという。
エコノミストらは約900万人の労働者に影響するこの賃金上昇により、中央銀行が金融緩和を開始する可能性が高まったと指摘。市場では150-250ベーシスポイントの利下げが予想されており、一部のアナリストは予想を上方修正している。最低賃金の引き上げはインフレに追加的な影響を与える可能性があるが、その影響は中央銀行の年末インフレ予測21%にほぼ織り込み済みとされている。
中国国家統計局によると、2023年の国内総生産(GDP)を129.4兆元に修正したという。前回の推計から3.4兆元(2.7%)増加した。この修正は中国の経済統計の正確性に関する議論を再燃させる可能性がある。一部のエコノミストは中国の公式GDP統計の信頼性に疑問を呈しており、独自の推計方法を用いて中国の経済成長を分析している。
「私どもが常日頃言っている基調的物価上昇率とは、かなりずれたものになっている」
(植田日銀総裁:2024年12月19日)
12月24日、2%の物価安定目標の実現を目指す日銀が公表した11月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」は、7月、8月、9月、10月に続いて5カ月連続して2%に届かなかった。
11月の上昇品目の比率は75.5%と、10月の75.1%を上回り、下落品目は19.3%で、10月の19.5%を上回った。
1. 基調的なインフレ率を捕捉するための指標
物価動向の分析にあたっては、現実に観測される「消費者物価」の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率(「コア指標」)が利用されている。
生鮮食品を除いた「コアCPI」や生鮮食品およびエネルギーを除いたコアコアCPIの他に、様々なコア指標を総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握できると思われる。
日本銀行調査統計局では、毎月の全国消費者物価指数の公表に合わせて、上昇・下落品目比率、刈込平均値、最頻値、加重中央値を試算し、原則として、全国消費者物価指数の公表日の2営業日後の14時を目途に公表している。
2.11月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(※コア3指標)
■刈り込み平均値:前年比+1.7%
・6カ月ぶりに前月の伸び率を上回った(10月+1.5%、9月+1.7%、8月+1.8%、7月+1.8%、6月+2.1%、5月+2.1%、4月+1.8%、3月+2.2%、2月+2.3%、1月+2.6%)
・価格変動が大きい上下10%の品目を異常値として機械的に除き算出する
■加重中央値:前年比+0.9%
・10月を上回った(10月+0.8%、9月+0.8%、8月+0.7%、7月+1.1%、6月+1.4%、5月+1.3%、4月+1.1%、3月+1.3%、2月+1.4%、1月+1.9%)
・価格上昇率の高い順にウエートを累積して50%付近にある価格変化率
■最頻値:前年比+1.1%
・2022年9月以来の低水準(10月+1.3%、9月+1.4%、8月+1.3%、7月+1.5%、6月+1.6%、5月+1.5%、4月+1.6%、3月+1.9%、2月+2.0%、1月+2.3%)
・品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率
3.11月の消費者物価指数(CPI)
■消費者物価指数(CPI):+2.9%(10月+2.3%、9月+2.5%、8月+3.0%、7月+2.8%、6月+2.8%、5月+2.8%、4月+2.5%、3月+2.7%、2月+2.8%、1月+2.2%)
■コアCPI(生鮮食品を除く):+2.7%(10月+2.3%、9月+2.4%、8月+2.8%、7月+2.7%、6月+2.6%、5月+2.5%、4月+2.2%、3月+2.6%、2月+2.8%、1月+2.0%)
■コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーを除く):+2.4%(10月+2.3%、9月+2.1%、8月+2.0%、7月+1.9%、6月+2.2%、5月+2.1%、4月+2.4%、3月+2.9%、2月+3.2%、1月+3.5%)
11月のコアCPIは、政府による電気・ガス代補助金を10月使用分で終了したことで上昇した。政府は12月と1月にガソリン補助を縮小させ、レギュラーガソリン価格は12月に1リットル175円程度が180円程度、1月には185円程度に上昇することが予想されており、CPIを0.05%程度ずつ押し上げる見込みとなっている。
大阪3月限
日経225先物 39490 +290 (+0.73%)
TOPIX先物 2767.5 +26.5 (+0.96%)
日経225先物(3月限)は前日比290円高の3万9490円で取引を終了。寄り付きは3万9200円と、前日比変わらずで始まった。現物の寄り付き時につけた3万9120円を安値にロング優勢の流れが継続。後場に入るとボリンジャーバンドの+1σ(3万9480円)を捉え、後場中盤にはこれを上抜けて一時3万9600円まで上げ幅を広げた。終盤にかけては持ち高調整に伴うロング解消により上げ幅を縮めたものの、+1σ水準を上回って終えた。
日経225先物は、市場参加者が限られるなか、寄り付き後は弱含む場面もみられた。ただし、下へのバイアスは強まらず、その後はショートカバーを交えてリバウンドをみせた。受け渡しベースで年内最終取引となり、節税対策に伴う売りが一巡したとの見方などもあり、押し目狙いのロングが入りやすかったようだ。
また、為替市場では円相場が1ドル=157円台半ばと朝方から円安に振れて推移したほか、トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]が本日も強い動きをみせたことがセンチメントを明るくさせた。そのほか、中国人への観光ビザ緩和措置に加え、J.フロント リテイリング <3086.T> [東証P]が決算評価から大きく買われ、百貨店などインバウンド関連株への物色に広がりがみられ、2025年相場に向けて期待感が高まりやすかった。
日経225先物は+1σ水準では強弱感が対立しやすいところだろう。ただし、クリスマスの祝日明けの米国市場が年末高を意識した堅調な展開をみせれば、東京市場への刺激材料になると考えられる。+1σと+2σ(3万9950円)によるレンジに切り上がることで、4万円の大台回復が射程に入る可能性がある。
12月12日の戻り高値4万0160円を捉えてくるようだと、10月15日の戻り高値4万0300円が意識される。なお、日経平均株価は本日の上昇で12月のSQ値(3万9434.85円)を突破してきたことで、需給状況は改善した。
NT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。一時14.31倍をつける場面もみられたが、25日移動平均線(14.31倍)に上値を抑えられる形となった。その後はトヨタなど輸出関連株が強い動きをみせたことで、NTショートに振れやすかった。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が1万3943枚、ソシエテジェネラル証券が9780枚、サスケハナ・ホンコンが2690枚、SBI証券が2658枚、JPモルガン証券が2616枚、バークレイズ証券が2317枚、野村証券が1501枚、モルガンMUFG証券が912枚、日産証券が822枚、松井証券が812枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9281枚、ソシエテジェネラル証券が1万4262枚、バークレイズ証券が4208枚、JPモルガン証券が3455枚、ゴールドマン証券が3205枚、モルガンMUFG証券が2682枚、シティグループ証券が1868枚、野村証券が1868枚、みずほ証券が1763枚、ビーオブエー証券が1288枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、主要市場がボクシングデー休場のため閑散取引が予想される中、米12月雇用統計の調査対象週(12/12)の失業保険継続受給者数を見極める展開が予想される。
前週分(12/21週)の新規失業保険申請件数の予想は22.3万件で前回発表値 22.0万件からの若干の増加が見込まれ、前々週分(12/14週)の失業保険継続受給者数の予想は188.0万人で前回発表値187.4万人からの増加が見込まれている。
失業保険継続受給者数と雇用統計の整合性が高いことで、失業保険継続受給者数が予想通りに増加していた場合は、来年1月10日に発表される米12月雇用統計への警戒感が高まることになる。
12月の雇用関連指標では、米12月消費者信頼感指数での労働市場格差が22.2となり、11月の18.4から改善していた。
また、本日も引き続き、トランプ次期米大統領によるドル高やタカ派的利下げに対するSNSなどでの突発的な発言には警戒しておきたい。
さらに、ウクライナとロシアの戦争も、激化の様相を呈していることで、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、157.93円(12/20高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、156.14円(12/23安値)
今晩は底堅い展開か。昨日はクリスマスの祝日で休場で、前日の24日は短縮取引だったが、主要3指数がそろって上昇。ダウ平均が390.08ドル高(+0.91%)と4日続伸し、S&P500とナスダック総合はそれぞれ1.10%高、1.35%高とともに3日続伸した。週初からの2日間ではダウ平均が1.07と4週ぶりの反発ペース、S&P500が1.84%高と3週ぶりの反発ペース、ナスダック総合は2.34%高と大幅反発ペースとなった。
クリスマスの休場明けの今晩はハイテク株を中心に底堅い展開か。休場前の24日の取引ではテスラが7.36%高と大幅に上昇し、年初来で86.04%高となったほか、時価総額最大のアップルは1.15%高と4日続伸し、直近18日間の内、15日間で上場来高値を更新した。時価総額は3兆9000億ドルを上回り、4兆ドル乗せが視野入りした。過去において大統領選挙の年の12月後半は上昇確率が高いことに加え、例年、年内最終の5営業日と新年の2営業日は「サンタクロース・ラリー」として株高期待が強く、サンタクロース・ラリー初日の24日が上昇スタートとなったことで、今晩の取引でも年末年始の株高期待が続きそうだ。
今晩の米経済指標はMBA住宅ローン申請指数、新規失業保険申請件数、EIA週間原油在庫など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は大幅続伸。寄り付きからじりじり上値を伸ばす展開となり、ほぼ高値引けの陽線を形成した。10日移動平均線(39178円 12/26)を上回り、39500円台を回復した。
RSI(9日)は前日の30.3%→52.5%(12/26)に上昇。上向きとなった5日移動平均線(39119円 同)が押し上げる展開に期待したい局面であり、終値ベースの直近高値である12/12高値(39849円)を超えられるかに注目したい。
上値メドは、12/17高値(39796円)、12/12高値(40091円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円などがある。下値メドは、25日移動平均線(39010円 同)や200日移動平均線(38678円 同)、100日移動平均線(38175円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)などがある。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.532%、応札倍率(カバー)が2.76倍となった。
26日の日経平均は大幅続伸。終値は437円高の39568円。米国が休場で材料難の中、寄り付きこそ小幅に下げたものの、すぐにプラス転換して上げ幅を3桁に拡大。じわじわと水準を切り上げ、39300円台に乗せて前場を終えた。後場はスタートが安値となり、上げ幅を広げる流れが続いた。13時台に入ると39500円台に到達。終盤に39600円に接近したところで買いは一巡したが、400円を超える上昇となり、終値で39500円を上回った。TOPIXは高値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆8800億円。業種別では全33業種が上昇しており、輸送用機器、非鉄金属、卸売などの動きが良かった。一方、医薬品がほぼ横ばいで、空運や鉱業が小幅な上昇にとどまった。ROE目標を20%にすると日経新聞1面で報じられたトヨタ自動車<7203.T>が、きのうに続いて買いを集めて6%高。売買代金は全市場でトップとなった。半面、キオクシアホールディングス<285A.T>が弱く、4%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1294/値下がり297。トヨタのほかにも日産自、三菱自、ホンダ、マツダなど自動車株の多くが大幅上昇。外務省が訪日中国人のビザ発給要件を緩和したと伝わったことで、三越伊勢丹、パンパシHD、マツキヨココカラなどインバウンド関連への買いが盛り上がった。自身の決算も好感されたJフロントは8%を超える上昇となり、年初来高値を更新した。日経新聞の記事を材料に「ペロブスカイト型太陽電池」関連に資金が向かっており、記事で取り上げられた積水化学のほか、伊勢化学やK&Oエナジーが騰勢を強めた。
一方、楽天Gが2.1%安。月初に12月の株主優待のリリースで大きく上昇していたこともあり、権利落ち後を警戒した売りに押された。サイバー攻撃を受けていると伝わったJALが逆行安。カバーが大幅安となり、ANYCOLORも売られるなど、Vチューバー関連が弱かった。新株予約権の発行などを発表したenishが4%を超える下落となり、上場来安値を更新した。
グロース市場に3社が新規上場。visumo(ビジュモ)とフォルシアは高い初値をつけて、ストップ高で終えた。GVA TECHは初値は公開価格を小幅に上回ったが、終値は初値や公開価格を下回った。
日経平均は大幅高。きのうの引け味が良かっただけに、39000円より上では推移できそうくらいの期待はあったが、終値(39568円)で39500円を上回ってきた。その中で、トヨタが売買代金ランキングトップに位置しているというのは興味深い。この銘柄が強いと、日本株に対する市場参加者の見方がポジティブになっているとの期待が高まる。きょうは終わってみれば、業種別で全33業種がプラスとなった。日経平均の年内4万円乗せシナリオも現実味を帯びてきた。
あすは休場明けの米国株の影響を受けるだろうが、下げたとしても、きょうの反動にすぎないと冷静に受け止められる公算が大きい。ギャップアップで始まり39500円を割り込まなければ、そのことが新たな買いを呼び込む展開も期待できる。12月の権利落ちで実質1月相場に入るため、実需買いは入りやすいタイミング。流れは良くなっているだけに、4万円に向けてもう一段水準を切り上げることができるかに注目したい。
<国内>
○08:30 ◎ 11月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 11月有効求人倍率(予想:1.25倍)
○08:30 ◎ 12月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比2.5%)
○08:50 ◎ 11月鉱工業生産速報(予想:前月比▲3.5%/前年比▲3.2%)
○08:50 ◇ 11月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比1.7%)
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(12月18-19日分)
○14:00 ◇ 11月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲0.1%)
<海外>
○22:30 ◇ 11月米卸売在庫(予想:前月比0.2%)
○28日01:00 ◎ 11月ロシア失業率(予想:2.3%)
○28日03:00 ◇ EIA週間在庫統計
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日のドル円は7月17日以来となる158.08円まで上昇した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことが分かると、米10年債利回りが一時4.6393%前後と5月2日以来の高水準を更新してドル買いが進んだ。ユーロドルは1.0430ドルと日通し高値を付けたものの上値は限定的となり、閑散取引の中で動意に乏しい展開が続いた。
本日の東京為替市場でドル円は、発表が予定されている複数の本邦経済指標を見定めながらの取引か。
まずは12月東京都区部消費者物価指数(CPI)に注目したい。同指標は全国CPIの先行指標とされている。前週に日銀金融政策決定会合を行った直後であり、次回会合は1カ月近く先と間があるほか、植田日銀総裁が会見で「次の利上げ判断に至るには、もう1ノッチ欲しい」「春闘・トランプ政策、長い期間見ないと全体像判明しない」などの見方を示した。これを受けて早期利上げ期待が後退していることもあり、市場の反応は限られるかもしれないが、数値は確認しておきたいところ。市場予想は前年比コアが+2.5%と前月の+2.2%を上回り、3月以来の高い伸びが見込まれている。また、本邦株式市場の反応も確認しておきたいところであり、こちらが反応するようならば為替相場への波及もあり得る。
また、東京都区部CPIの後には、日銀金融政策決定会合における主な意見(12月18・19日分)も公表予定。内容を通して、日銀の追加利上げの時期を見極めることになろう。
そのほか、本邦株価の動向や時間外の米長期金利の動きも気になるところだ。昨日の日経平均は39500円を上回って引けており、市場では年内4万円乗せへの期待も高まっている様子。本日も株高となる場面ではドル円やクロス円の上昇を後押しする可能性がある。米10年債利回りは約8カ月ぶり高値水準に上昇しており、時間外の推移にも目を配らせておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39700 +210 (+0.53%)
TOPIX先物 2779.0 +11.5 (+0.41%)
シカゴ日経平均先物 39700 +210
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
26日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500https://us.kabutan.jp/indexes/%5ESPX/chart、ナスダックは下落。売りが先行して始まったが、クリスマス明けで市場参加者は限られており、積極的な売買が手控えられるなかで方向感が出にくい状況だった。米7年債入札をきっかけに米長期金利が低下に転じたことを受けて主力株の一角に買いが入り、NYダウは上昇に転じた。米新規失業保険申請件数は市場予想を下回ったが、受給者総数は予想を上回る高水準だったことで材料視する動きは限られた。
NYダウ構成銘柄ではハネウェル・インターナショナル<HON>、アップル<AAPL>、JPモルガン・チェース<JPM>、IBM<IBM>が買われた。半面、エヌビディア<NVDA>、セールスフォース<CRM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>が軟調。
シカゴ日経平均先物(3 月限)清算値は、大阪比210円高の3万9700円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万9460円で始まり、3万9340円まで売られた後に持ち直し、米国市場の取引開始時にプラス圏を回復。その後はリバウンド基調を強め、中盤にかけて一時3万9740円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は3万9610円辺りまで軟化したが、終盤にかけては再びロング優勢のなか、3万9700円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることが見込まれる。クリスマス明けの米国市場はナスダック指数が4営業日ぶりに反落したが、小幅な下げで2万の大台をキープしていることで、利益確定に伴うロング解消の動きが強まる展開にはならないだろう。
前日の日経225先物は市場参加者が限られるなか、寄り付き後は弱含む場面もみられた。ただし、下へのバイアスは強まらず、その後はショートカバーを交えてのリバウンドをみせた。ボリンジャーバンドの+1σ(26日:3万9480円)を上回ってきたが、ナイトセッションでは+1σ(3万9530円)を明確に上抜けてきており、+1σと+2σ(3万9990円)でのレンジが意識されてきた。+2σに接近する局面では4万円の大台のほか、12日につけた直近の戻り高値4万0150円が射程に入ってくるだろう。
4万円に接近する局面においては戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろうが、ショートからのエントリーは控えたいところである。実質2025年相場入りとなり、少額投資非課税制度(NISA)に伴う資金流入への思惑が高まりやすく、市場参加者は限られるものの、インデックスに絡んだ資金が断続的に流入する可能性がある。利益確定売りから+1σ水準に接近する局面においては、押し目狙いのロングで対応したい。
そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万円のレンジを想定する。中心値の3万9750円水準での底堅さがみられる局面においては、3万9750円から4万0250円でのレンジに移行しよう。
26日の米VIX 指数は14.73(24日は14.27)に上昇した。一時15.93まで上げる場面もみられたが、200日移動平均線(16.02)に上値を抑えられる形になり、25日線(15.39)を下回って終えている。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。一時14.31倍をつける場面もみられたが、25日線(14.31倍)に上値を抑えられる形となった。その後はトヨタ自動車 <7203.T>[東証P]など輸出関連株が強い動きをみせたことで、NTショートに振れやすかった。200日線(14.25倍)が支持線として意識されやすいが、一方で同線を下回ってくるようだと、NTショートに向かわせやすいだろう。
中国国家統計局は26日、第5回全国経済センサスの結果を踏まえ、2023年の国内総生産(GDP)が129兆4272億元に修正されたと発表した。当初発表の速報値に比べ3兆3690億元(2.7%)の上方修正となる。詳細については、近く国家統計局のウェブサイトで公表するとした。
クリスマス翌日、つまり、ボクシングデーの海外市場では、欧州市場が休場となるなか、ドル円は157.40円を挟んだもみ合い。NY時間に入って米新規失業保険申請件数が予想よりもかなり強い数字となると米10年債利回りが4.6393%まで大幅な上昇。つれるかたちで20日の高値157.93円を上抜けて一時158.08円まで値を上げました。その後は米7年債入札が2.1bpのストップスルーと2023年1月以来最大の数字を記録すると米10年債利回りが4.5686%まで一転して低下。ただ、ドル円は157.88円までの下押しにとどまると、引けにかけては158円台を回復しています。
スポット応当日が30日から一気に1月6日にワープした本日のオセアニア市場では当然のようにスポットレートが下振れしてスタート。利食い売りが先行すると一時157.66円まで値を下げました。仲値に向けた本邦実需の買いが観測されたほか、日経平均が堅調な推移となるなか157.99円まで買戻される場面もみられましたが、加藤財務相が「いつもの発言」を行うと157.51円まで下押し。日経平均が40000円台を維持して前場を引けたこともあり、その後は再び下値を切り上げているといったところです。
いずれにしても、日経平均には本邦長期資金の買いも入っている模様。10月15日と12月12日に続く3度目の正直になるのかどうかを見極めることになりそうですが、株価の上抜けが意味するところは大きく、来年に向けた日米金融政策の方向性がはっきりとしてきているなかにあっては、海外勢にとっての円キャリーへの正当性を更に高めることになるほか、円キャリー再開をためらっている向きにとっては、相場の方向性に乗り遅れることに対する、持たざるリスクを高めることにほかならず、相乗効果としてのドル円の底堅さにつながっていくことになりそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比650円高の4万0140円(+1.64%)前後で推移。寄り付きは3万9610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9700円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。直後に付けた3万9580円を安値にロング優勢の強い基調となり、終盤にかけて一時4万0200円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は、市場参加者が限られるなか、実質2025年新年相場入りとなったことから、NISAに絡んだ資金が投資信託経由で断続的に入ってきているようだ。先物市場では手当て買いの形で先回り的に資金が流入する形となり、中盤にはボリンジャーバンドの+2σが位置する4万円を回復すると、ショートカバーを交えた上昇により、12月12日につけた直近戻り高値(4万0160円)および11月7日の4万0170円を突破してきた。+2σ突破で短期的な過熱感は警戒されてくると考えられるが、先高期待が高まるなか、押し目待ち狙いのロングが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍に上昇した。一時14.26倍をつける場面もみられたが、200日移動平均線(14.25倍)が支持線として機能する形で切り返しており、25日線(14.31倍)を上回ってきた。75日線(14.35倍)を捉えてくるようだと、NTロングに転換する可能性がありそうだ。
本日から欧州主要国の市場は再オープンする。ただし、重要な経済指標や当局者の講演も予定されておらず、年末を控えている中で欧州通貨の閑散取引は続きそうだ。ただし、対ドルでは月末、つまり年末がスポット応当日ということもあり、末に絡んだフローで右往左往させられる場面があるかもしれない。
材料難のなかで動意に繋がるかもしれないのが、欧州株や債券の動き。休場明けの時間外取引では、主要な欧州株先物指数は高寄り後に上げ幅を縮めている。債券市場も、(クリスマスムードが広がっていた)週初に報じられたラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁のインタビュー記事に対し、反応しきれていない部分があるか。ECB総裁は「インフレ目標達成に近づいているものの、サービス価格が要注意」とし、サービスインフレは3.9%で高止まりしていることを指摘した。
なお、来年最初のECB理事会は1月30日に予定されている。理事会決定に影響を与えるであろう12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は1月7日に速報値、同月17日にその改定値が発表予定。また理事会前には日銀会合が23-24日、米連邦公開市場委員会(FOMC)も28-29日に開催される。
ポンドについては、月末・年末に絡んだ対ユーロのフローに注意か。昨日は0.82ポンド後半から0.8320ポンド台までユーロ買いポンド売りが強まった。ニューヨーク勢が中心の時間帯ではあるものの、ロンドン16時(日本時間翌1時)のフィキシングは荒い値動きもあり得そうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0483ドル
・ユーロポンド、日足一目均衡表・雲の上限0.8362ポンド
想定レンジ下限
・ユーロドル、11月22日安値(年初来安値)1.0335ドル
・ユーロポンド、20日安値0.8271ポンド
ドル円:1ドル=157.76円(前営業日NY終値比▲0.23円)
ユーロ円:1ユーロ=164.27円(▲0.38円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0409ドル(▲0.0013ドル)
日経平均株価:40281.16円(前営業日比△713.10円)
東証株価指数(TOPIX):2801.68(△34.90)
債券先物3月物:141.82円(▲0.08円)
新発10年物国債利回り:1.100%(△0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:3.38500%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月完全失業率
2.5% 2.5%
11月有効求人倍率
1.25倍 1.25倍
12月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.4% 2.2%
11月鉱工業生産・速報値
前月比 ▲2.3% 2.8%
前年同月比 ▲2.8% 1.4%
11月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 2.8% 1.3%・改
11月新設住宅着工戸数
前年同月比 ▲1.8% ▲2.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。昨日に7月中旬以来の158円台に乗せたとあって朝方は利食い売りや持ち高調整売りが先行。東京仲値にかけて買い戻しが入ったが一巡後は再び売りが強まり、加藤財務相の円安けん制発言も重しに一時157.51円まで下押しした。もっとも、一巡すると157.70円台まで下げ渋っている。
・ユーロ円も弱含み。ドル円と同様に昨日の上昇に対する調整売りが序盤から強まった。一時164.04円まで値を下げた。
・ユーロドルは小安い。ユーロ円の下げにつれ安となり1.0407ドルまで下げている。ただ、連休明けの欧州勢の出方を窺いたいとして一巡後は様子見ムードが広がった。
・日経平均株価は3日続伸。外国為替市場での円安・ドル高を受けて自動車関連株に買いが集まった。短期筋による株価指数先物への買いも断続的に入り7月19日以来、約5カ月ぶりに心理的節目の4万円を回復した。
・債券先物相場は続落。日本株高で安全資産とされる債券の需要が低下した。年末前の持ち高調整の売りも重なった。
韓国国会は大統領代行の韓悳洙首相の弾劾訴追案を可決した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ロシア中銀はプーチン大統領が求める「バランス」を忖度したか
中銀の独立性を巡る状況は急速に悪化しており、政策運営の不透明感が高まる可能性も
ロシア中銀は20日の定例会合で政策金利を4会合ぶりに21%に据え置く決定を行った。ロシア経済は戦時経済状態が長期化しているが、軍事産業が一大産業となるとともに、プーチン政権によるバラ撒き政策も奏功する形で足下の景気は堅調に推移している。他方、労働力不足や物資不足、ルーブル安に伴う輸入インフレの動きも重なりインフレは中銀目標を上回る推移が続き、足下では加速感を強めている。ただし、定例会合の直前に開かれたプーチン大統領の年次会見において、同氏は金融政策を巡って「バランス」を求める発言を行った。また、物価高と金利高の共存を受けて、産業界は中銀に利上げサイクルの休止を求めて圧力を掛ける動きをみせる。こうしたなかでの中銀の決定はプーチン大統領への忖度がうかがえる。事実、インフレリスクは上向きに傾いているとの認識を示しており、利上げ休止決定の不自然さは否めない。独立性を維持した中銀を取り巻く環境は急速に悪化しており、政策運営の不確実性は高まっている。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
トルコ中銀、現経済チーム下で初の利下げ、リラ相場はどうなる?
中銀は慎重な利下げを志向の模様、リラ相場は米ドル高やシリア情勢が重石となる展開も
トルコ中銀は26日の定例会合で政策金利を250bp引き下げて47.5%とする決定を行った。同行の利下げは2023年2月以来であり、昨年の内閣改造を経て発足した経済チームの下で初めてとなる。トルコのインフレはここ数年上振れするも、現在の経済チームの下の断続利上げを受けて頭打ちしてきた。実質金利もプラスとなるなど引き締め度合いが強まり、景気もテクニカル・リセッションに陥るなど一段のインフレ鈍化に繋がることが期待される。中銀はインフレ抑制で苦戦を強いられる一方、11月の定例会合で将来的な利下げに含みを持たせる姿勢をみせた。こうしたなか、中銀は今回の会合で利下げに動くとともに、先行きもインフレ見通しを注視しつつ慎重な利下げに動く方針を示した。他方、エルドアン大統領は来年の最低賃金を30%引き上げる方針を示しており、インフレ鈍化の動きが後ろ倒しされる可能性はくすぶる。リラ相場も米ドル高圧力がくすぶるなかで上値が抑えられる展開が続く可能性に留意する必要があると見込まれる。
1938年、チェンバレン第60代英首相は、ナチス・ヒトラーによるチェコスロバキア侵攻に対して「遠く離れた国での争い」と黙認し、ヒトラーはズデーテンを併合し、第2次世界大戦が勃発した。
2014年、メルケル第8代独首相とオバマ第44代米大統領は、プーチン露大統領によるクリミア侵攻を黙認し、プーチン露大統領はクリミアを併合し、ウクライナに侵攻し始めたことで、第3次世界大戦への危機が高まりつつある。
ドイツは、20世紀前半の第1次・2次世界大戦に敗北し、21世紀前半には、メルケル第8代独首相のメルカンティリズム(メルケル式重商主義)という負の遺産により、敗戦と同じような壊滅的な打撃を被りつつある。ドイツは、『欧州の病人』として20年以上ぶりの2年連続リセッションに陥りつつある。
世界の片隅で囁かれている陰謀論の一つに、メルケル第8代独首相がロシアの工作員、というものがあるが、本当なのかもしれない。
1. エマニュエル・トッドの警鐘:ドイツ帝国の崩壊?
フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド(1951年)は、ソビエト連邦の崩壊、覇権国アメリカ合衆国の凋落、イギリスの欧州連合からの離脱、ドイツの凋落を予告してきた。
・『最後の転落』(1976年):ソビエト連邦の体制崩壊を警告した
・『帝国以後』(2002年):アメリカ合衆国の凋落を警告した
・『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』(2015年):ドイツの凋落を警告した
2022年には『第三次世界大戦はもう始まっている』を発行している。
2.ドイツのロシア・中国への依存
メルケル第8代独首相は、2011年の福島原発事故を受けて「原子力モラトリアム」を発令し、ドイツ国内の原子力発電を停止し、ロシアの天然ガスに依存することを決定した。
すなわち、ドイツがロシアからの天然ガス輸入に依存した場合、プーチン露大統領はドイツを支配することになる。
また、メルケル第8代独首相は、任期16年間で12回も訪中して、中国共産党政権の人権弾圧問題を無視して、中国重視の経済政策を推進した。輸出大国のドイツは、主要産業であるドイツ車の3分の1を中国で販売している。
すなわち、ドイツが中国への自動車輸出に依存した場合、習中国国家主席はドイツを支配することになる。
3. メルケル前首相の回顧録『自由 記憶1954~2021年』
ドイツ初の女性首相として統一した祖国を16年間導いた『欧州の女王』メルケル第8代独首相(70歳)は、回顧録『自由 記憶1954~2021年』を著し、出版記念講演会では「私は正しかった」という自己肯定・承認欲求を喧伝した。
しかし、ドイツ国内では、ショルツ独政権は崩壊し、中国に傾斜した自動車産業も崩壊の危機に瀕し、国外では、プーチン露大統領がウクライナ侵略を続けている。
「回顧録」ではなく「懺悔録」、あるいは、ドイツ帝国の凋落という「黙示録」を著すべきだったのかもしれない。
大阪3月限
日経225先物 40230 +740 (+1.87%)
TOPIX先物 2804.5 +37.0 (+1.33%)
日経225先物(3月限)は前日比740円高の4万0230円で取引を終了。寄り付きは3万9610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9700円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。直後に付けた3万9580円を安値にロング優勢の強い基調となり、前場中盤に4万円を回復。その後も強いトレンドを続け、ランチタイムでは4万0100円~4万0270円辺りでの値動きとなった。午後の取引では利益確定に伴うロング解消もみられたが、一方で押し目買い意欲の強さが意識されるなか、終盤にかけて一時4万0460円まで買われた。
日経225先物は、市場参加者が限られるなか、実質2025年新年相場入りとなったことから、NISA(少額投資非課税制度)に絡んだ資金が投資信託経由で断続的に入ってきているようだ。先物市場では手当て買いの形で先回り的に資金が流入する形となり、前場中盤にはボリンジャーバンドの+2σが位置する4万円を回復すると、ショートカバーを交えた上昇により、12月12日につけた直近戻り高値および11月7日の4万0170円を突破した。
+2σ突破で短期的な過熱感が警戒されたものの、直近の戻り高値水準を一気に突破したことで、ショートカバーの動きが強まった。これにより7月半ば以来の水準を回復しており、今後のターゲットとしては、7月11日につけた4万2250円となる。
もっとも、10月以降からの抵抗水準でもあるため、まずは4万円固めに向かわせよう。+2σを突破し、+3σ(4万0580円)に接近してきたことから、短期的な過熱を冷ましたいところである。ただし、バンドは上向きで推移してきたため、+2σ水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
また、急ピッチの上昇によって、クリスマス休暇に入っていた海外投資家も一定程度はロングに傾けておきたいところであり、下値の堅さが意識されてくる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に上昇した。14.25倍をつける場面もみられたが、200日移動平均線(14.25倍)が支持線として機能する形で切り返しており、25日線(14.31倍)を上回り、一時75日線(14.35倍)を突破し14.40倍まで上昇する場面もみられた。朝方はバリュー株物色が優勢だったが、日経平均株価の4万円突破以降は、指数インパクトの大きい値がさハイテク株など日経平均型の強さが目立っていた。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が2万5401枚、ソシエテジェネラル証券が1万9773枚、JPモルガン証券が4200枚、バークレイズ証券が4133枚、ゴールドマン証券が3435枚、サスケハナ・ホンコンが3254枚、モルガンMUFG証券が2986枚、SBI証券が2664枚、ビーオブエー証券が2081枚、野村証券が1874枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万7169枚、ソシエテジェネラル証券が1万9913枚、JPモルガン証券が7356枚、バークレイズ証券が6958枚、ゴールドマン証券が6231枚、モルガンMUFG証券が4492枚、日産証券が2850枚、ドイツ証券が2576枚、ビーオブエー証券が2438枚、BNPパリバ証券が2390枚だった。
NYタイムの為替相場は明確な方向感が出にくいか。取引の薄いなか荒めに上下することはあっても、しっかりしたトレンドを示しにくいとみる。
ドル円は昨日海外市場での下落幅を取り戻す動きや、足もとの戻り幅を縮小する動きに終始しやすいだろう。11月米卸売在庫の発表が予定されているものの、重要な経済指標ともいえず、当局者発言も予定されていない。
ただ、月末そして年末のスポット応当日であるため、薄商いのなか関連フローに振らされる展開には注意したい。慌てて取引すると売り買いどちらサイドでも不利なポジションを作ってしまったり、手仕舞いをしてしまったりすることになりかねない。
サンタクロース・ラリーで株価が底堅く推移する期待もある年末・年始にかけた米株の動向をにらみつつも、基本的には様子見姿勢で臨むべきだろう。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、7月16日高値158.86円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、24日安値156.89円。
今晩はもみ合いか。昨日は軟調にスタートしたが、ダウ平均が28.77ドル高(+0.07%)と小幅ながら5営業日続伸し、S&P500とナスダック総合はそれぞれ0.04%安、0.05%安で終了し、主要3指数がほぼ変わらずで終了した。クリスマス週で機関投資家の取引が低調だったが、年末年始の株高期待を背景に個人投資家の買いが相場を支えた。週初からの3営業日ではダウ平均が1.13%高、S&P500が1.80%高となり、ハイテク株主体のナスダック総合は2.29%高となった。
週末の取引となる今晩はもみ合いか。例年、年内最終の5営業日と新年の2営業日は「サンタクロース・ラリー」として株高期待が強く、今年は大統領選挙の年で、12月後半の株高アノマリーも意識される。一方、ナスダック総合は12月に入り4.17%高となったほか、アップルが連日で上場来高値を更新し、時価総額は4兆ドルに接近したことで高値警戒感も意識されそうだ。先高期待は強いものの、大きく上昇したハイテク株を中心に利益確定売りが上値を抑える展開も予想される。
今晩の米経済指標は11月財貿易収支、11月卸売在庫速報値、EIA週間原油在庫など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は大幅続伸。寄り付きからじりじり上値を伸ばす展開となり、ほぼ高値引けの陽線を形成した。終値ベースの直近高値である12/12高値(39849円)だけではなく、10/15高値(39910円)もクリアした。
RSI(9日)は前日の52.5%→65.9%(12/27)に上昇。週明けも上昇しやすいタイミングとなる。7/19以来の4万円台回復となり、来週の「大納会」では7/18の急落で開けたマド上限(41054円)を埋め戻せるかが注目される。
上値メドは、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円、7/11安値(42102円)、7/11高値(42426円)などが考えられる。下値メドは、5日移動平均線(39435円 12/27)や25日移動平均線(39090円 同)、200日移動平均線(38681円 同)、100日移動平均線(38219円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)などがある。
日本時間28日1時に発表予定の11月ロシア失業率は、29日同時刻の発表に延期されました。
(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.82円(27日15時時点比△0.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.53円(△0.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0421ドル(△0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:8149.78(前営業日比△12.79)
ドイツ株式指数(DAX):19984.32(△135.55)
10年物英国債利回り:4.633%(△0.058%)
10年物独国債利回り:2.396%(△0.073%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。しばらくは157円台後半でのもみ合いが続いていたが、米株式市場でダウ平均が一時560ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比350円安の3万9880円まで下げるとリスク・オフの円買いが優勢に。アジア時間に付けた157.51円を下抜けて一時157.35円まで値を下げた。
ただ、前日の安値157.08円がサポートとして働くと買い戻しが優勢となり、157.85円付近まですぐに持ち直した。連休明けの欧州市場は本日から通常取引となったものの、依然として休暇中の市場参加者は多く流動性が低下。薄商いの中、値が振れやすい面もあった。
・ユーロドルは伸び悩み。独長期金利の上昇に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0444ドルと日通し高値を付けたものの、新規材料に乏しい中、積極的に上値を追う展開にはならなかった。
NYの取引時間帯に入ると、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て一時1.0415ドル付近まで下押ししている。市場参加者が少ない中、狭い範囲内での推移にとどまった。今日の安値はアジア時間に付けた1.0405ドルでこれまでの値幅は0.0039ドル程度だった。
・ユーロ円は23時過ぎに一時164.83円と11月15日以来の高値を付けたものの、1時30分前には164.18円付近まで押し戻された。ユーロドルの伸び悩みにつれたほか、日米株価指数の下落が相場の重しとなった。
・ロンドン株式相場は3日続伸。米国株相場の下落を受けて売りが出たものの、終盤買いが優勢になると上げに転じた。原油先物価格の上昇を背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は8日ぶりに反発。前営業日である23日まで7日続落したあとだけに短期的な戻りを期待した買いが優勢となった。個別ではポルシェ・オートモービル・ホールディング(2.59%高)やブレンターク(2.26%高)、バイエル(2.08%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。シュタインマイヤー独大統領はこの日、議会を解散し来年2月23日に総選挙を行うと正式に表明。独政治の先行き不透明感から独国債に売りが出た。
(27日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.87円(前営業日比▲0.12円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.59円(▲0.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0426ドル(△0.0004ドル)
ダウ工業株30種平均:42992.21ドル(▲333.59ドル)
ナスダック総合株価指数:19722.03(▲298.33)
10年物米国債利回り:4.62%(△0.03%)
WTI原油先物2月限:1バレル=70.60ドル(△0.98ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2631.9ドル(▲22.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米卸売在庫
(前月比) ▲0.2% 0.1%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに小反落。米株式市場でダウ平均が一時560ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比350円安の3万9880円まで下げるとリスク・オフの円買い・ドル売りが先行。アジア時間に付けた安値157.51円を下抜けて一時157.35円まで値を下げた。前日に158.08円と7月17日以来の高値を付けたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りも出た。
ただ、前日の安値157.08円がサポートとして働くと買い戻しが優勢となり、157.95円付近まで持ち直した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.62%台まで上昇したことも相場を下支えした。
連休明けの欧州市場は本日から通常取引となったものの、依然として休暇中の市場参加者は多く流動性が低下。薄商いの中、値が振れやすい面もあったようだ。
・ユーロドルは小幅ながら続伸。独長期金利の上昇に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると、21時過ぎに一時1.0444ドルと日通し高値を付けたものの、新規材料に乏しい中、積極的に上値を追う展開にはならなかった。その後、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると一時1.0415ドル付近まで下押しする場面があった。
もっとも、年末年始の休暇に入る市場参加者も多く、狭い範囲内での推移にとどまった。今日の安値はアジア時間に付けた1.0405ドルで今日1日の値幅は0.0039ドル程度だった。
・ユーロ円は小反落。23時過ぎに一時164.83円と11月15日以来の高値を付けたものの、1時30分前には164.18円付近まで押し戻された。ただ、アジア時間に付けた日通し安値164.04円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。引けにかけては164.77円付近まで持ち直している。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日ぶりに反落。米長期金利が上昇すると株式の相対的な割高感が意識されて、売りが優勢となった。エヌビディアやマイクロソフト、アップルなどハイテクや半導体などに売りが出て、指数は一時560ドル超下落する場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍るとの見方が根強い中、売りが優勢となった。
・原油先物相場は反発。中東情勢の緊迫化で供給不安が意識されたほか、この日公表された米エネルギー省(EIA)の石油在庫統計で原油の在庫減少が確認されたことも買いを誘った。
・金先物相場は3日ぶりに反落。米10年債利回りが上昇すると、金利のつかない資産である金の投資妙味が低下し、売りを誘った。
ゴールドマン・サックスは最新リポートで、トランプ次期米政権が中国からの輸入品にかける関税率を平均で20ポイント引き上げると予想した。消費財よりも非消費財の引き上げ幅が大きいとの見方を示した。『インフォキャスト』が27日伝えた。
ゴールドマンは、中国から輸入する消費財が米消費財生産高全体の7%を占めると試算。追加関税で2025年の米コア消費者物価指数(CPI)が0.3%押し上げられると予想した。
また、耐久家庭用品、家電、靴、アパレル、コンシューマーエレクトロニクスなど、米国で一部の消費財は中国製品への依存度が高いと指摘。追加関税をすべて消費者に転嫁した場合、これらの中国製製品の末端販売価格は2-10%上昇するとした。
大和証券では、市場で米国の独り勝ちという見方が強まっていることに関して、内生的な部分だけでなく、他地域の不透明感の影響も大きいと指摘。中国における不動産市況の改善と自由貿易の盟主としての振るまい、そして政治不安を乗り越えた先に欧州が拡張的な財政政策へ転換するとなれば、グローバルマネーは米国以外を目指しやすくなると考えている。ただし、本格的なシフトが定着するにはまだ時間を要するとみており、現時点ではカントリーアロケーションの選好順位を、米国>新興国(除く中国)>>日本>中国>英国>アジア(除く日本)>>大陸欧州で据え置いている。
中国の国家統計局が27日に発表した統計によると、2024年1-11月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比4.7%減の6兆6674億8000万元だった。減少率は1-10月の4.3%から拡大した。
業種別では、非鉄金属精錬・圧延加工が20.2%増、電力・熱供給が13.5%増、紡織が4.6%増、コンピューター・通信・その他の電子設備製造が2.9%増、農産物加工が0.5%増となった。一方、汎用設備製造が0.1%減、専用設備製造が0.9%減、電気機械・器材製造が3.1%減、石油・天然ガス採掘が4.4%減、自動車製造が7.3%減、化学原料・化学製品製造が9.3%減、石炭採掘・選炭が22.4%減、非金属鉱物製品製造が48.2%減、鉄金属精錬・圧延加工が83.7%減だった。石油・石炭・その他の燃料加工は赤字転落した。
11月単月の税引き前利益は前年同月比7.3%減だった。
SMBC日興証券では、12月の東京都区部消費者物価指数(CPI)を受けてリポートしている。12月の東京都区部コアCPI(生鮮食品を除くCPI)は前年同月比+2.4%となり、11月の同+2.2%から伸び率が拡大した。電気・ガス代支援策が終了した影響が出ており、それを除けばインフレ率は鈍化しているとSMBC日興では指摘している。また、今回の東京都区部の結果から、1月24日公表予定の12月の全国コアCPIを前年同月比+2.9%と予想。物価対策終了によりCPIエネルギーの伸びが拡大すると予想している。
27日11:06 加藤財務相
「為替、足もとでは一方的また急激な動きもみられる」
「為替はファンダメンタルズを反映し安定推移が重要」
「為替動向を憂慮しており、行き過ぎた動きには適切対応」
「投機的な動向も含め為替市場の動向を憂慮」
27日15:46 石破首相
「(予算案・重要法案否決時の衆院解散)当然あり得る」
「内閣不信任案可決なら民意を問うこと当然あり得る」
※時間は日本時間
30日
○全国の証券取引所、大納会
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
31日
○大晦日で休場
1月1日
○祝日 元旦
2日
○年始で休場
3日
○年始で休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
30日
○17:00 ◇ 12月スイスKOF景気先行指数
○23:45 ◎ 12月米シカゴ購買部協会景気指数
○24:00 ◎ 11月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
○ロシア(振替休日)、休場
31日
○10:30 ◎ 12月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00 ◇ 11月トルコ貿易収支
○21:00 ◎ 11月南アフリカ貿易収支
○23:00 ◇ 10月米住宅価格指数
○23:00 ◎ 10月米ケース・シラー住宅価格指数
○ニュージーランド、香港、シンガポール、英国などは短縮取引
○スウェーデン、ドイツ、スイス(大晦日)、ロシア(振替休日)、休場
1月1日
○オセアニア、香港、中国、シンガポール、欧州圏、英国、米国、カナダなどが新年で休場
2日
○09:00 ◎ 10-12月期シンガポール国内総生産(GDP)速報値
○16:00 ◇ 12月英ネーションワイド住宅価格指数
○16:00 ◇ 12月トルコ製造業PMI
○17:30 ◇ 12月スイス製造業PMI
○17:50 ◎ 12月仏製造業PMI改定値
○17:55 ◎ 12月独製造業PMI改定値
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏製造業PMI改定値
○18:30 ◎ 12月英製造業PMI改定値
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数(2週分)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:45 ◎ 12月米製造業PMI改定値
○24:00 ◇ 11月米建設支出
○24:00 ◇ 12月メキシコ製造業PMI
○ニュージーランド、スイス、ロシア(新年休暇)、休場
3日
○16:00 ◎ 12月トルコ消費者物価指数(CPI)
○17:55 ◎ 12月独雇用統計
○18:30 ◇ 11月英消費者信用残高
○18:30 ◇ 11月英マネーサプライM4
○21:00 ◇ 11月メキシコ失業率(季節調整前)
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○4日01:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○ロシア(新年休暇)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、重要経済指標は1月第2週までなく閑散
◆ホリデーシーズンのために動きにくいがフラッシュクラッシュには警戒
◆ZAR、日米との金融政策の方向性の違いから上値は重い
予想レンジ
豪ドル円 95.00-100.00円
南ア・ランド円 8.00-8.60円
12月30日週の展望
豪ドルは方向感なく閑散な取引になるだろう。年末年始は豪州からの主だった経済指標の発表予定がないだけではなく、31日から日独市場をはじめ複数国が休場、1月1日は豪州市場を含めすべての市場が休場となっているほか、1月2‐3日も本邦市場をはじめ複数市場が休場になる。大きなトレンドを作るのは難しいが、年末年始の流動性の少ない中でフラッシュクラッシュのような急激な値動きや、トランプ次期米大統領によるサプライズ発言などで市場が急変する恐れもあることには警戒しておきたい。特にトランプ氏が中国に関する追加関税などについて再び言及した場合は、リスク許容度に敏感な豪ドルが動意づくことになる。
経済指標では年初は1月7日に11月住宅建設許可件数、1月8日に消費者物価指数(CPI)、1月9日に小売売上高と貿易収支などが発表される。CPIには注目したいが、ブロック豪準備銀行(RBA)総裁は「月次データよりも四半期データをより注意深く監視している」と述べており、1月29日に発表予定の10-12月期CPI待ちとなるのかもしれない。
なお、今週発表されたRBA議事要旨では「月次CPIデータは、第4四半期のインフレ予測に対する緩やかな下方リスクを示唆」と公表されている。また、隣国のニュージーランドからも主だった経済指標の発表は年末年始には予定されていない。NZ市場は1月1日だけではなく1月2日も休場予定。
南アフリカ・ランド(ZAR)の上値は重そうだ。日銀は12月に政策金利を据え置いたが、市場では来年初旬での利上げ予想に変化はない。また、米連邦準備理事会(FRB)も12月は利下げしたものの、今後の利下げペースの鈍化が予想されている。一方で、南ア準備銀行(SARB)は、今月発表された各種インフレ指標が軒並み予想を下回ったことから、次回1月の利下げが確実視されている。中銀間の金融政策の方向性の違いが、ランドの対円、対ドルの売り要因になりそうだ。
なお、南アからは30日に11月の月次財政収支、31日に貿易収支が発表される程度で、1月後半までは注目される経済指標の発表予定がない。貿易収支については、1月末の第2次トランプ米政権樹立後は、米国との関係悪化が懸念され通商摩擦が起こる可能性もあり、今後のデータとしては注目になるだろうが、現時点では材料視されることはないとみている。
12月23日週の回顧
豪ドルは対ドル、対円ともにほぼ横ばい。クリスマスを挟み休場や短縮取引が続き動意に欠ける動きだった。RBA議事要旨もほぼ声明文と内容が変わらなかったことから、市場の反応は限定的だった。ZARは下落。先週の米連邦公開市場委員(FOMC)から続くドル買いが継続。米利下げペースの鈍化予想で米金利が上昇すると、ZARは対ドルで8月上旬以来の水準まで弱含んだ。また、対円でも上値の重い展開となった。
◆年末年始で薄商いのなか、ドル高・円安は続きそう
◆ポンド、今年は高いパフォーマンスを記録
◆加ドル、利下げ継続思惑や経済見通しの不透明感で重い動きが続きそう
予想レンジ
ポンド円 195.00-201.00円
加ドル円 108.00-111.50円
12月30日週の展望
クリスマスが終わり、年末年始で閑散取引は継続。薄商いのなか手がかり以上の大きな値動きが見られる可能性はあるが、基本的には市場参加者が少なく新規材料も乏しいことで手控えムードが続きそうだ。12月の日銀会合後の植田総裁の会見はかなりハト派と市場が受け止めたなか、今週の同総裁の講演が注目されたが、内容はほぼ変わらずだった。薄商いのなかでドル高・円安の流れが続きそうだ。
今年のポンドは主要通貨のなかでドルに次ぐパフォーマンスとなった。対ドルでは1.27ドル半ばでスタートし、この水準を上回って今年を終えるのはやや厳しくなっているが、179円前半で始まったポンド円は上昇して今年を終えることはほぼ確実。年初、市場ではイングランド銀行(英中銀、BOE)の年内6回の利下げ見通しが大勢だったが、結局、利下げは2回と1月の予想とは大きく異なった2024年。ポンドの高いパフォーマンスにつながった。
ベイリーBOE総裁は来年に4回の利下げが行われる可能性が高いと述べているが、市場は現在、2-3回にとどまると想定している。来年最初の2月会合で利下げと据え置きに見方が分かれており、経済データなどでBOEの決断を見極めることになる。直近の11月消費者物価指数(CPI)は前年比2.6%と一段と上昇し、10月から伸びが再加速している。また、来年1 月以降、標準的な世帯の光熱費支払額はさらに1.2%程度上昇する見込みであり、私立学校の授業料に付加価値税が課せられ、バス運賃の上限が引き上げられるため、CPIのうちサービスは0.3%程度押し上げられる見通しである。BOEが積極的な利下げ姿勢に転じるのはなかなか難しそうだ。
今年の加ドルはさえない動きとなった。今年1.32加ドル前半でスタートしたドル/加ドルは12月には1.44加ドル台と2020年3月以来の加ドル安が進んだ。106円半ばで始まった加ドル円は118円後半まで上昇するも一時101円台に失速し、やや上昇して来年を迎えそうだ。
カナダ中銀(BOE)が主要国のなかで一番積極的に利下げを行ったことが加ドル売りを後押した。BOCは6月会合から5会合連続で利下げを実施。10・12月会合では0.50%の大幅利下げに踏み切った。カナダの雇用市場は依然として軟調で、インフレ見通しも抑制される公算が大きく、現在3.25%の政策金利は来年年央まで2.50%まで引き下げられる可能性がある。また、トランプ次期米政権によるカナダに対する新たな関税の可能性などにより、経済見通しに不確実性が高まっており、加ドルの上値の重い動きが続きそうだ。
12月23日週の回顧
ドル高・円安地合いが維持されるも、クリスマス休暇で市場参加者も少ないなか、相場全体が小動きとなった。ポンドドルは1.25ドル台、ドル/加ドルは1.44加ドルを挟んでの小動き。ポンド円は198円近辺、加ドル円は109円後半までの小幅高にとどまった。
◆ドル円、12月ISM製造業景気、雇用、価格指数に注目
◆連邦債務上限巡る米議会の対応や米格下げの可能性などに警戒
◆ユーロドル、独11月小売売上高や12月雇用統計を見極め
予想レンジ
ドル円 156.00-160.00円
ユーロドル 1.0150-1.0550ドル
12月30日週の展望
来週は日本が31日から1月3日まで休場となるほか、1月1日は世界中の取引が一旦休止。閑散取引が予想される中ドル円は、1月1日に適用停止期限切れとなる連邦債務上限を巡る共和党と民主党の対応や12月米ISM製造業景気指数などを見極めていくことになる。
トランプ次期米大統領が、連邦債務上限の撤廃や停止期間のさらなる延長を要請したことで、「つなぎ予算」の成立が難航した。1月3日に開会する第119回米議会では、上院・下院で共和党が多数派を占めており、連邦債務上限の引き上げ、あるいは適用のさらなる延期は容易だと思われる。ただ、超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、第2次トランプ米政権では、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとの試算を出しており、ムーディーズが米国の信用格付け引下げを警告している。2011年8月のような「米国債ショック」の再現には注意が必要だろう。
1月3日に予定されている12月のISM製造業景気指数では、雇用や価格指数にも注目したい。11月の景気指数は48.4(10月:46.5)、雇用指数は48.1(10月:44.4)、価格指数は50.3(10月:54.8)だった。なお、日本国内は正月休暇のため材料はないが、1月14日に氷見野日銀副総裁が神奈川県金融経済懇談会で講演や記者会見を予定している。日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの憶測が台頭している。
FRBのタカ派的利下げと日銀のハト派的据え置きを受けて、ドル高・円安に拍車がかかりつつあるが、歯止めをかける要因として、トランプ次期米大統領による円安牽制発言や本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には引き続き警戒しておきたい。
ユーロドルは、ドイツの11月小売売上高や12月雇用統計を見極めることになる。ドイツの10月の小売売上高は前月比-1.5%へ落ち込んでおり、10-12月GDPがゼロ成長となる可能性が高まりつつある。ドイツは2年連続してマイナス成長となる可能性も高く、トランプ関税により、2025年も景気減速への懸念が強まりそうだ。政治的な不透明感も続き、ユーロの上値を抑える要因となっている。
12月23週の回顧
ドル円は、植田日銀総裁が講演で日銀金融政策決定会合後の円安を牽制しなかったほか、米10年債利回りが4.63%台まで上昇したことから、156.14円から158.08円まで上昇した。ユーロドルは、米長期金利の上昇などを受けて、週初に1.0446ドルから1.0384ドルまで下落したが、その後もクリスマス休暇のなか、レンジ内での取引が続いた。
日経平均は大幅上昇。年末株高を言い表す相場格言「掉尾の一振(とうびのいっしん)」が今年は見られた。大納会で下げたとしても、久々に終値で4万円を上回ったのだから、今年の年末の動きは強い。2024年は1月から日経平均が大きく上昇して、年前半は強い基調が続いた。8月に大暴落したが、年初に買いを入れておけば年央までに利食いのタイミングが多くあったことになる。2025年が同じような動きになるとは限らないが、2024年の値動きは、年初に何か仕込んでおこうという動機付けになる。だからこそ、実質1月相場に入った本日にしっかり買いが入ったのだろう。2024年の年末が強ければ、2025年の年末も「掉尾の一振」アノマリーが強く意識される。それだけに、大納会もプラスで終える展開に期待したい。
【来週の見通し】
堅調か。立ち合いは月曜30日の1営業日のみ。改めての材料は乏しいが、今週節目の4万円を大きく上回った(27日の終値は40281円)ことは、投資家心理を強気に傾ける。直近の急伸に対する反動売りが出てきても、押し目では買いが入る公算が大きい。2025年の大発会は1月6日の月曜日で、丸々1週間空くことになる。そのため、次の節目の40500円を超えた際にはさらなる上値追いには慎重になりそう。ただ、米国も2025年の期待値が高いだけに、市場の空白に対する警戒はそれほど高まらないとみる。米国株の暴落や為替の急変動がない限り、楽観ムードの強い大納会となるだろう。
【今週を振り返る】
堅調となった。水曜25日に海外のクリスマス休場があり、週半ばまでは方向感が定まらなかった。一方、週後半にかけては動きが良くなった。日経平均は25日に、場中の大半はマイナス圏で推移していたにもかかわらず、引けではプラスを確保。26日には特段の材料がない中で、400円を超える上昇となった。業界のニュースが多かった自動車株が連日で大商いとなり、物色意欲を刺激した。27日は小動きの米国株を受けても700円を超える上昇となり、節目の4万円を突破。週間では4桁の上昇となった。日経平均は週間では約1579円の上昇となり、週足では陽線を形成した。
【来週の予定】
国内では、大納会(12/30)などがある。
企業決算では、アビスト(12/30)などが発表を予定している。
海外の経済指標の発表やイベントでは、米11月NAR仮契約住宅販売指数(12/30)、米10月FHFA住宅価格指数、米10月ケース・シラー米住宅価格指数(12/31)、中国12月財新製造業PMI(1/2)、米12月ISM製造業景況指数(1/3)などがある。
なお、1/1は米国、英国がニューイヤーズデイで休場となる。
<国内>
○全国の証券取引所、大納会
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○17:00 ◇ 12月スイスKOF景気先行指数(予想:101.0)
○23:45 ◎ 12月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:42.8)
○24:00 ◎ 11月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.8%/前年比7.9%)
○ロシア(振替休日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ダウ平均や日経平均先物の下落を嫌気して157.35円まで下落した後、米10年債利回りが4.62%台まで上昇したことなどで157.95円付近まで持ち直した。ユーロドルは独長期金利の上昇に伴うユーロ買い・ドル売りで一時1.0444ドルまで上昇した後、米長期金利の上昇で1.0415ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、年末・月末に向けて動きづらい展開が予想される中、日米金融政策への思惑から底堅い展開が予想されるものの、本邦通貨当局による円安抑制への警戒感から上値は限定的だと思われる。
先週のドル円は、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的な利下げと日銀のハト派的な利上げ見送りを受けて158円台まで上昇したが、加藤財務相の円安牽制発言を受けて伸び悩む展開となった。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感が高まりつつあるものの、これまでは、「注視」「適切対応」「憂慮」という口先介入の段階に留まっており、「断固たる措置」といった円買い介入を示唆する切迫感は感じられない。
神田前財務官は、ボラティリティー抑制を介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では159円台半ばにある。
本邦勢による円売りは、1-11月の貿易赤字が約5.5兆円、1-9月の新NISA(少額投資非課税制度)による投資信託が約10.1兆円、そして海外企業の買収などの円売りが加わる。
ちなみに、日本の今年の経常収支は1-10月で約25兆円の黒字だが、円転されないため、円買い要因とはならない。
そして、海外勢による円売りとしては、円・キャリートレードの再燃などが挙げられる。
日銀が現状の円安による輸入物価上昇への警戒感を強めていない現状では、ドル買い・円売りに歯止めをかける措置としては、7月のような本邦通貨当局による円買い介入しかないように思われる。
また、トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、同様の発言の可能性には引き続き警戒しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 40140 -90 (-0.22%)
TOPIX先物 2796.5 -8.0 (-0.28%)
シカゴ日経平均先物 40130 -100
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
27日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。市場参加者が限られるなか、NYダウは前日まで5日続伸で1000ドルほど上昇していたこともあり、利益確定の売りが優勢となった。また、トランプ次期政権の政策がインフレ再燃と財政赤字拡大につながるとの見方もあり、米長期金利が4.6%台に乗せ5月以来の水準に上昇したことで、ハイテク株に持ち高調整の売りが出た。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>、ハネウェル・インターナショナル<HON>などが売られた。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下げており、自動車・同部品、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、テクノロジー・ハード・機器、食品・生活必需品小売の弱さが目立った。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比100円安の4万0130円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比50円安の4万0180円で始まり、4万0100円辺りでの底堅さがみられてロング優勢となり、一時4万0320円と上昇に転じる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後に下げに転じ、3万9880円まで売られた。その後は終盤にかけて持ち直し、4万0140円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることが見込まれる。前週の後半2日間で1000円超上昇したこともあり、朝方は米国同様、利益確定の売りが優勢になりそうだ。ただし、大納会となるなかで参加者は限られており、ショートを仕掛けてくるトレードは限られよう。そのため、売り一巡後は新年相場への期待感から押し目待ち狙いのロングが入りそうだ。
日経225先物は前週末の上昇で一時4万0460円まで買われ、ボリンジャーバンドの+3σ(27日:4万0580円)に接近したため、過熱感が警戒されやすいところであった。ナイトセッションでは+2σ(4万0210円)水準での攻防となっており、一時3万9880円まで下げたが、+1σ(3万9690円)を上回っている。+3σは4万0740円まで切り上がっており、前週末の水準までの上昇をみせたとしても、それほど過熱感は警戒されないだろう。
大納会で商いは一段と細ることになろうが、日本は長い連休に入る一方で、主要な海外市場は1月2日から取引が開始される。海外市場の動向が見通しづらく、ポジションを傾けにくいところである。ただし、年明けからNISA(少額投資非課税制度)による資金流入が意識され、先物で買い手当てする動きも期待されやすい。米国市場の流れを受けて下落するなかでも、ショートを仕掛けるトレードは控えておきたい。
そのため、オプション権利行使価格の3万9875円から4万0375円辺りのレンジを想定する。+2σ水準での底堅さがみられる局面では、4万0250円から4万0750円のレンジに移行することになろう。
27日の米VIX 指数は15.95(前日は14.73)に上昇した。一時18.45まで上げる場面もみられ、200日移動平均線(16.03)を上回った。ただし、その後は軟化し、同線を下回って終えている。週間形状では52週線(15.31)がサポートとして意識された半面、13週線(16.97)、26週線(16.92)がレジスタンスとなる形だった。
前週末のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に上昇した。14.25倍をつける場面もみられたが、200日線(14.25倍)が支持線として機能する形で切り返しており、25日線(14.31倍)を上回って、一時75日線(14.35倍)を突破し14.40倍まで上昇する場面もみられた。巻き戻しもあってNTショートに振れやすいが、日経225先物が+2σ水準での底堅さをみせるようだと、NTロングを意識しておきたい。
日経225先物は11時30分時点、前日比210円安の4万0020円(-0.52%)前後で推移。寄り付きは4万0100円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0130円)にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まった。その後プラス圏を回復し、現物の寄り付き時には4万0360円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し、中盤にかけて3万9980円と4万円の大台を下回る場面もみられたが、終盤にかけては4万円を上回っての推移を継続。
日経225先物は、開始直後にロングが強まったが、アドバンテスト <6857.T>[東証P]、ファーストリテイリング <9983.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株の一角の下落が、日経平均型の重荷となった。開始直後にオプション権利行使価格の4万0375円水準まで買われ、現物の寄り付き直後はショート優勢だった。ただし、4万円近辺では下げ渋る動きをみせており、下へのバイアスは強まらず、オプション権利行使価格の4万円から4万0375円でのレンジ内での推移となっている。短期的なショートは入ったと考えられ、4万円水準では押し目狙いのロング対応になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。75日移動平均線(14.35倍)に上値を抑えられる形から、一時14.29倍に低下している。ただ、25日線(14.25倍)が支持線として機能しており、先週末の水準で推移している。
クリスマス休暇が明けた先週末の海外市場でしたが、ドル円は方向感のない動きとなりました。欧州時間は157.59円から157.92円とアジア時間のレンジ内での取引。NY時間に入ると、ダウ平均が560ドルを超える大幅な下落となったほか、日経平均先物も39880円まで値を下げるなか、リスクオフ的な動きからアジア時間の安値157.51円を下抜けて一時157.35円まで値を下げました。その後は米10年債利回りが4.6294%まで上昇幅をひろげるにつれて157.95円まで買戻されて週末の取引を終えています。
週明けのアジア市場は、東京が大納会。1月6日の大発会まで市場が休場となることもあってか、仲値では本邦実需のまとまった買いが観測されると157.99円と先週末高値に面合わせ。日経平均が40000円を割込むなか157.70円まで下押すなど、神経質な動きとなっています。
いずれにしても、市場は今週、世界中が休場となる1月1日を除いて、東京以外のほぼすべての市場が通常通りの取引となるわけで、本邦勢不在のなかで、米長期金利の動向などを見極めていくことになりそうです。目先は先週末安値の157.35円や26日の安値157.08円、25日の安値156.99円や24日の安値156.89円付近が下値の目処。上値は26日の高値158.08円や介入後の戻り高値となる7月16日の158.86円が戻りの目処として意識されていますが、2週間前から方向性がはっきりと見えてきた相場のメインシナリオに特段変更がないまま、ポジションの偏りもあまりない状況下、整合性のとれた動きが続いていきます。
1.第2次トランプ米政権(2025年~2028年)
トランプ次期米大統領は、追加関税や不法移民の強制送還、減税といった方針を打ち出しており、インフレが高進し、労働市場は抑制される可能性がある。しかし、第1次トランプ米政権(2017年~2020年)では、米連邦準備理事会(FRB)に対して利下げ圧力をかけ続けていた。
2.2024年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)
2024年12月のFOMCでは、第3次利下げが決定され、FF金利誘導目標は4.25-50%に引き下げられた。しかし、ドット・プロット(金利予測分布図)では、2025年の利下げ回数は、9月の4回から2回に減らされ、2025年末のFF金利誘導目標は3.75-4.00%と示されたことで、「タカ派的利下げ」となった。
3.2025年のFOMCメンバー
■米連邦準備理事会(FRB)理事(7名)
・パウエルFRB議長(中立派・白人男性)
・バーFRB副議長(銀行監督担当・中立派・白人男性)
・ジェファーソンFRB副議長(ハト派・黒人男性)
・バウマンFRB理事(タカ派・白人女性)
・ウォラーFRB理事(中立派・白人男性)
・クックFRB理事(ハト派・黒人女性)
・クーグラーFRB理事(ハト派・ラテン系女性)
■投票権有(5名)
・ウィリアムズ米NY連銀総裁(中立派・白人男性)
・ムサレム米セントルイス連銀総裁(タカ派・白人男性)
利下げを巡る辛抱強いアプローチを支持している。直近のFOMC会合に先立つ12月上旬には、9月以降に発表されたインフレデータに警戒感を示し、インフレ沈静化の進展が「停滞、ないし反転し得る」リスクが高まっていることを示唆していると述べた。
・シュミッド米カンザスシティ連銀総裁(タカ派・白人男性)
政策金利が最終的にどの水準で落ち着くかは不透明だと強調している。利下げペースを減速させることで、当局者らは中立金利を見極められるようになるという見解。
・コリンズ米ボストン連銀総裁(ハト派・黒人女性)
政策の最終的な行き先は不確かだとしつつ、ある程度の追加緩和は必要だと表明。
・グールズビー米シカゴ連銀総裁(ハト派・白人男性)
政策スタンスは中立金利をはるかに上回っているとの見解を繰り返し表明。
■投票権無し(7名)
・ボスティック米アトランタ連銀総裁(中立派・黒人男性)
・バーキン米リッチモンド連銀総裁(タカ派・白人男性)
・デイリー米サンフランシスコ連銀総裁(中立派・白人女性)
・ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁(中立派・白人男性)
・ローガン米ダラス連銀総裁(タカ派・白人女性)
・カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁(中立派・黒人男性)
・ハマック米クリーブランド連銀総裁(タカ派・白人女性)
本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、年末・月末に向けたロンドン・フィキシングでのフローに注目する展開となる。
本日は、主要な経済指標や要人発言の予定がないことで、動きづらい展開が想定されるものの、突発的な地政学リスク関連のヘッドラインには警戒しておきたい。
ユーロドルは来年1月2日のNYカットオプション(1.0400ドル・1.0450ドル)が値動きを抑制する可能性が高いと思われる。
ユーロドルとポンドドルはテクニカル分析では売りシグナルが点灯しているが、ファンダメンタルズ分析での売り材料としては、トランプ関税による英国と欧州の景況感悪化懸念、中央銀行(ECBとBOE)の追加利下げ観測と米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的利下げ、独仏英の政治定な不透明感などが挙げられる。
下値を支える要因としては、フランスの政治的混迷がバイル仏首相によるつなぎ予算の成立でやや緩和されたこと、ドイツの政治的混迷は来年2月の議会選挙まで先送りされた感があること、などが挙げられる。
地政学リスクに関しては、来年1月20日のトランプ次期米大統領の就任に向けて、ウクライナ戦争、中東(イスラエル、シリア、イラン)の紛争の新たな展開を見極めて行くことになるが、年末・年始での突発的なヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0487ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:165.43円(11/8高値)
・ポンドドル:1.2644ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:199.56円(11/7高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0343ドル(12/20安値)
・ユーロ円:163.03円(12/24安値)
・ポンドドル:1.2476ドル(12/20安値)
・ポンド円:197.22円(12/27安値)
ドル円:1ドル=157.85円(前営業日NY終値比▲0.02円)
ユーロ円:1ユーロ=164.60円(△0.01円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0425ドル(▲0.0001ドル)
日経平均株価:39894.54円(前営業日比▲386.62円)
東証株価指数(TOPIX):2784.92(▲16.76)
債券先物3月物:141.90円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.090%(▲0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.38600%(△0.00100%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。年末で東京市場が取引最終日となる仲値に向けて買いが入り、一時157.99円まで値を上げた。前週末高値でもある同水準の上抜けに失敗すると、日経平均株価の下落もあっていったんは伸び悩む展開に。ただ、その後の下押しを157.70円台にとどめると15時過ぎには再び買いが進み、158.07円まで上値を伸ばした。
・ユーロ円も底堅い。しばらくは164.60円を挟んだ水準でのもみ合いとなっていたが、ドル円の上昇につれて15時過ぎに164.90円まで値を上げた。
・ユーロドルはもみ合い。手掛かり材料を欠く中で1.04ドル台前半でのもみ合いに終始した。ここまでの高値は1.0434ドル、安値は1.0418ドルで値幅は0.0016ドル程度と狭かった。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反落。年内の最終営業日とあって持ち高調整目的の売りが優勢となった。薄商いの中で節目の4万円を下抜けると上値の重さも意識され、指数は一時410円超安まで下げ幅を広げた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。前週末の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売り先行となったが、一巡後は日経平均株価の下落を受けて安全資産とされる債券に買い戻しが入った。
大阪3月限
日経225先物 39990 -240 (-0.59%)
TOPIX先物 2786.5 -18.0 (-0.64%)
日経225先物(3月限)は前日比240円安の3万9990円で取引を終了。寄り付きは4万0100円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0130円)にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まった。その後プラス圏を回復し、現物の寄り付き時には4万0360円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し、前場中盤にかけて3万9980円と4万円の大台を下回る場面もあったが、前場終盤からランチタイムでは4万円~4万0100円辺りで推移。後場に入り3万9900円まで下げたが、3万9900円~4万0010円でのレンジ推移が続いた。
日経225先物は、開始直後にロングが強まったが、ファーストリテイリング <9983.T>[東証P]やアドバンテスト <6857.T>[東証P]、など指数インパクトの大きい値がさ株の一角の下落が、日経平均型の重荷となった。開始直後にオプション権利行使価格の4万0375円水準まで買われ、現物の寄り付き直後はショート優勢だった。ただし、後場に入り3万9900円まで下げたものの、概ねオプション権利行使価格の4万円から4万0375円での推移となった。
朝高後はボリンジャーバンドの+2σ(4万0180円)を下回っての推移が続き、4万円を挟んでの推移となったが、+1σ(3万8640円)を意識させる動きとはならず、参加者が限られるなかでスキャルピングのトレードも限られたようである。前週末の大幅上昇に対する持ち高調整の動きにとどまった。週間形状では1日ではあるが、+2σ(4万0390円)に上値を抑えられ、4万円との狭いレンジだった。
バンドは上向きで推移しているため、抵抗線、支持線とも徐々に切り上がる形となる。+1σと+2σに沿ったトレンド形成をキープできるかが今後注目される。ただし、2024年は4万2250円まで急伸した7月に+3σを突破した以外は、+2σで上値を抑えられていたため、調整を交えながら下値を切り上げる形状に期待したいところであろう。
NT倍率は先物中心限月で14.35倍に上昇した。75日移動平均線(14.35倍)に上値を抑えられる形から、一時14.29倍に低下する場面もみられた。ただ、その後は25日線(14.25倍)が支持線として機能しており、75日線水準で終えている。連休中の海外市場の動向次第となるが、75日線を突破する局面ではNTロングに振れそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が1万8064枚、ソシエテジェネラル証券が1万2586枚、サスケハナ・ホンコンが4076枚、JPモルガン証券が3191枚、日産証券が1994枚、ゴールドマン証券が1735枚、バークレイズ証券が1722枚、モルガンMUFG証券が1392枚、楽天証券が1180枚、野村証券が1130枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2818枚、ソシエテジェネラル証券が2万0354枚、バークレイズ証券が8146枚、JPモルガン証券が8015枚、ゴールドマン証券が3874枚、モルガンMUFG証券が3560枚、日産証券が3335枚、ビーオブエー証券が1863枚、みずほ証券が1480枚、UBS証券が1082枚だった。
本日のニューヨーク為替市場でドル円は、米長期金利の動向を眺めながらの取引か。ただし、今月の金融イベントで米連邦準備理事会(FRB)がタカ派に傾き、一方で日銀がハト派寄りの姿勢を示したため、よほど米金利が低下しない限りはドル円の底堅さは続くだろう。
経済指標は、12月米シカゴ購買部協会景気指数と11月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)が発表予定。前者は市場予想42.8と前回つけた約6カ月ぶりの低水準から改善が見込まれている。しかしながら、この景気指数が2カ月連続で予想を大きく下回ったことには留意しておきたい。後者の住宅指数は、前年比予想が7.9%と2021年半ば以来の水準まで上昇が期待されている。
通常であれば、これら指標の相場インパクトはそれほど大きくない。ただ年末で取引材料に乏しく、また市場参加者も通常より少ないため、予想から離れた結果が出るようだと米債市場も神経質にならざるを得ないだろう。そうなるとドル円も、米金利の上下に追随して値幅を伴った動きとなるかもしれない。
なおカナダ関連の報道では先週末、新たな加財務相ルブラン氏とジョリー加外相が、トランプ次期政権の高官と関税問題で協議したことが伝わった。トランプ氏は、カナダから米国への不法移民や合成麻薬の流入を理由に、来月の大統領就任時にカナダ製品に25%の輸入関税を課すと警告している。
ルブラン加財務相は会談後の声明で、米国側と建設的な話し合いが行われ、今後も協議は継続されると述べた。しかしながら、数週間以内にトランプ氏を納得させることができるかは不透明だ。カナダ経済は米国への依存度が高く、トランプ関税を回避できないようだと、カナダドルへの売り圧力は高まってしまうだろう。
想定レンジ上限
・ドル円、7月16日高値158.86円
・ドル/カナダドル(CAD)、19日高値1.4467CADを超えると2020年3月23日高値1.4559CAD
想定レンジ下限
・ドル円、12月24日安値156.89円
・ドル/カナダドル、20日安値1.4336CAD
今週のNY市場はサンタクロース・ラリーに期待。先週はダウ平均が0.35%高と4週ぶりに反発し、S&P500は0.67%高と3週ぶりに反発。ナスダック総合も0.76%高と反発した。ただ、週末金曜日はテスラ、エヌビディア、アップルなどに利益確定売りが強まり、マグニフィセント・セブンが軒並み安となった。12月月初来ではダウ平均が4.27%安、S&P500が1.02%安となった一方、ナスダック総合は2.62%高と2カ月続伸ペースとなった。年初来ではダウ平均が14.07%高、S&P500が25.18%高、ナスダック総合が31.38%高となり、2年連続での大幅高ペースとなった。
今週は水曜日がニューイヤーズ・デーの祝日で4日間の取引となるが、年末年始の株高アノマリーを背景に堅調相場が期待される。例年、年内最終5営業日と新年の2営業日はサンタクロース・ラリーと呼ばれ上昇期待が強いが、今年はサンタクロース・ラリー前半の3営業日でダウ平均が0.77%安、S&P500が0.05%安、ナスダック総合が0.22%安とそろって下落した。サンタクロース・ラリー後半の今週の4営業日での上昇が期待されるが、週末にマグニフィセント・セブンに利益確定売りが強まったことや、S&P500の予想株価収益率(PER)が22倍に上昇し、バリュエーション面での割高感が意識されることが上値の重しとなりそうだ。
今週の経済指標は12月ISM製造業購買担当者景気指数(PMI)、新規失業保険申請件数のほか、11月中古住宅販売仮契約指数、10月月次住宅価格、10月S&Pケースシラー住宅価格指数、11月建設支出など住宅関連指標の発表が多い。
今晩の米経済指標・イベントは12月シカゴ地区購買部協会景気指数、11月中古住宅販売仮契約指数など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は4日ぶり大幅反落。高く始まったものの、寄り付き天井となってマイナス転換。安値圏で終了し、実体の長い陰線を形成した。
RSI(9日)は前日の65.9%→59.2%(12/30)に低下。「大納会」では4万円を割り込んだが、12月26日、27日と大きく上昇しており、その反動が出てきた程度。年明けは7/18の急落で開けたマド上限(41054円)を埋め戻せるかが注目される。
上値メドは、心理的節目の40000円や41000円、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、7/11安値(42102円)、7/11高値(42426円)などが考えられる。下値メドは、5日移動平均線(39582円 12/30)や25日移動平均線(39134円 同)、200日移動平均線(38686円 同)、100日移動平均線(38303円 同)、10/2安値(37651円)などがある。
(30日終値:31日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.14円(30日15時時点比▲0.71円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.37円(▲1.23円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0394ドル(▲0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:8121.01(前営業日比▲28.77)
ドイツ株式指数(DAX):19909.14(▲75.18)
10年物英国債利回り:4.611%(▲0.022%)
10年物独国債利回り:2.367%(▲0.029%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイスKOF景気先行指数
99.5 102.9・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロ円は軟調。しばらくは164円台半ばから後半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると大きく値を下げた。米株式市場でダウ平均が一時720ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比710円安の3万9280円まで下げるとリスク・オフの円買い・ユーロ売りが先行。前週末の安値164.04円を下抜けて一時162.82円まで下げ足を速めた。
ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時196.33円、豪ドル円は97.31円、NZドル円は88.35円、スイスフラン円は173.05円、南アフリカランド円は8.34円、メキシコペソ円は7.61円まで値を下げた。
・ドル円は下げ渋り。アジア市場では一時158.07円まで値を上げたものの、26日の高値158.08円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。その後しばらくは157円台後半でのもみ合いが続いたものの、NY市場に入ると日米株価指数の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが優勢に。12月米シカゴ購買部協会景気指数が36.9と予想の42.8を下回ったことも相場の重しとなり、一時156.67円と日通し安値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.53%台まで低下したこともドル売りを促した。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米国株相場が下げ幅を縮めたほか、年末を控えたロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると157.35円付近まで下値を切り上げた。
・ユーロドルは頭が重かった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0458ドルと日通し高値を付けたものの、その後は一転下落した。欧米株価の下落を受けてリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出ると、前週末の安値1.0405ドルを下抜けて一時1.0372ドルまで値を下げた。市場では「年末で取引参加者が減少し、流動性が低下する中、ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いが出た」との声も聞かれた。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。年末年始を控えて休暇に入っている市場関係者も多く、利益確定や持ち高調整の売りが出た。米国株相場の下落も相場の重しとなった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、セグロやユナイト・グループなど不動産株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は反落。米国株相場が軟調に推移したことなどが投資家心理の悪化につながり株売りを誘った。独市場は本日が年内最終取引日となるため、利益確定や持ち高調整目的の売りも出やすかった。個別ではシーメンス・ヘルシニアーズ(1.73%安)やブレンターク(1.40%安)、ザランド(1.34%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
大納会30日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は386.62円安の39894.54円。
大納会の日経平均は39894.54円で取引を終了。昨年末の終値は33464.17円で、年間では6430.37円(+19.2%)上昇した。高値は7月につけた42426.77円、安値は8月につけた31156.12円。なお、終値ベースではそれぞれ42224.02円(7月)、31458.42円(8月)となる。
業種別では、騰落率上位は保険(+60.3%)、非鉄金属(+50.0%)、銀行(+46.8%)、石油・石炭(+39.7%)、その他製品(+30.6%)など。下位は陸運(-8.5%)、空運(-8.2%)、鉄鋼(-5.5%)、ゴム製品(-3.8%)パルプ・紙(-2.1%)となった。28業種が上昇し、5業種が下落。年間を通してみれば金融株のパフォーマンスが非常に良く、運輸株のパフォーマンスが案外となった。また、大型株優位の傾向が続き、グロース250指数が8.8%安と年間でマイナス。東証REIT指数も8.5%安と弱さが目立った。
【来週の見通し】
堅調か。2025年に突入するが、大発会が1月6日(月)で、第1週から営業日は丸々5日ある。小売を中心に注目度の高い企業の決算発表がいくつかあり、9日にはファーストリテイリング<9983.T>が1Q決算を発表予定。SQ週かつ、週末には米国で雇用統計が発表されることもあり、お正月気分は早々に脱すると思われる。大発会は振れ幅が大きくなる可能性があり、米雇用統計を前に米国株やドル円の動向には神経質になるだろう。ただ、日経平均は直近で4万円を上回る場面があったこと、2024年の1月は月間で大きく上昇したことなどから、下げる場面があったとしても押し目は冷静に拾われるとみる。年始で新規資金の流入期待も高まる中、好材料により強く反応することで、週間では上昇を予想する。
【来週の予定】
国内では、12月新車販売台数、12月軽自動車販売台数(1/6)、12月マネタリーベース10年国債入札(1/7)、12月消費動向調査(1/8)、12月毎月勤労統計調査、12月都心オフィス空室率(1/9)、「東京オートサロン」(幕張メッセ、~1/12)、11月家計調査、11月景気動向指数、オプションSQ(1/10)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、米11月NAR仮契約住宅販売指数(12/30)、米10月FHFA住宅価格指数、米10月ケース・シラー米住宅価格指数(12/31)、中国12月財新製造業PMI(1/2)、米12月ISM製造業景況指数(1/3)、米11月製造業新規受注(1/6)、世界最大の家電見本市「CES」(米ラスベガス、~1/10)、米11月貿易収支、米11月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、米12月ISM非製造業景況指数、米3年国債入札(1/7)、米12月ADP雇用統計、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12/17~18開催分)(1/8)、米12月雇用統計(1/10)などがある。
(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.84円(前営業日比▲1.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.26円(▲1.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0407ドル(▲0.0019ドル)
ダウ工業株30種平均:42573.73ドル(▲418.48ドル)
ナスダック総合株価指数:19486.79(▲235.24)
10年物米国債利回り:4.53%(▲0.09%)
WTI原油先物2月限:1バレル=70.99ドル(△0.39ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2618.1ドル(▲13.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米シカゴ購買部協会景気指数
36.9 40.2
11月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
(前月比) 2.2% 1.8%・改
(前年比) 5.6% 6.5%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。米株式市場でダウ平均が一時720ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比710円安の3万9280円まで下げるとリスク・オフの円買い・ドル売りが先行。12月米シカゴ購買部協会景気指数が36.9と予想の42.8を下回ったことも相場の重しとなり、一時156.67円と日通し安値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.53%台まで低下したこともドル売りを促した。
その後、米国株相場が下げ幅を縮めたほか、年末を控えたロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると157.35円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
・ユーロドルは3日ぶりに小反落。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0458ドルと日通し高値を付けたものの、その後は一転下落した。欧米株価の下落を受けてリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出ると、前週末の安値1.0405ドルを下抜けて一時1.0372ドルまで値を下げた。市場では「年末で取引参加者が減り、流動性が低下する中、ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いが出た」との声も聞かれた。
もっとも、引けにかけては1.04ドル台前半まで下げ渋っている。
・ユーロ円は大幅に続落。日米株価指数の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行。前週末の安値164.04円を下抜けて一時162.81円まで下げ足を速めた。その後の戻りも163.52円付近にとどまった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。年末を控えて、主力株中心に利益確定目的の売りが広がると、指数は一時720ドル超下落した。市場参加者が少なく商いが低調だったため、少額の取引でも値が振れやすい面もあった。なお、構成銘柄ではボーイングの下げが目立った。韓国で同社製造の航空機による事故が起きたことが嫌気された。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。米国株相場の下落を背景に相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。低調な12月米シカゴ購買部協会景気指数も相場の支援材料。
・原油先物相場は続伸。年明けに米国に寒波が訪れるとの予報を背景に買いが入る場面が見られた。もっとも、年末で薄商いとなる中では勢いは続かず、その後は上げ幅を縮小する動きとなった。
・金先物相場は続落。薄商いの中、前週末に下げた反動で買い戻されるも一時的。その後2600ドルを割り込むも、持ち高調整の買いが入ると下げ幅をやや縮小した。
NY証券取引所(NYSE)とナスダック取引所は30日、ジミー・カーター元大統領の国葬を執り行う2025年1月9日の「国民追悼の日」を休場とすることを決めたと発表した。債券市場は現地時間14時までの短縮取引となる。
なお、バイデン米大統領は25年1月9日を追悼の日とし、政府機関を閉じることを発表している。
30日10:30 ホルツマン・オーストリア中銀総裁(12/28オーストリア紙クリアのインタビュー)
「欧州中央銀行(ECB)の次回利下げ時期は、より遅くなる可能性」
「一部のエネルギー価格に上昇傾向の兆しがあるが、ユーロ安加速などのルートを通じてインフレが再燃するシナリオも存在する」
「トランプ関税が成長全般の減速につながるだけでなく、インフレ圧力を生み出す可能性」
30日13:40 ロンバール新仏経済財務相
「25年の財政赤字は、成長に配慮して、GDP比5%を若干上回る水準」
「増税はするとしても、非常に限定的になる見込み」
※時間は日本時間
<国内>
○大晦日で休場
<海外>
○10:30 ◎ 12月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.3)
○16:00 ◇ 11月トルコ貿易収支(予想:74.0億ドルの赤字)
○21:00 ◎ 11月南アフリカ貿易収支(予想:237億ランドの黒字)
○23:00 ◇ 10月米住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
○23:00 ◎ 10月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.2%)
○ニュージーランド、香港、シンガポール、南アフリカ、英国などは短縮取引
○米債券市場は短縮取引、為替市場は通常取引
○韓国、スウェーデン、ドイツ、スイス(大晦日)、ロシア(振替休日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日のドル円は、米株式市場でダウ平均が一時720ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比710円安の3万9280円まで下げるとリスク・オフになり156.67円まで円買い・ドル売りが先行した。年末を控えたロンドンフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると157.35円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。ユーロドルは1.0458ドルと日通し高値を付けたものの、その後は一転下落した。欧米株価の下落を受けてリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出ると一時1.0372ドルまで値を下げた。
本日のアジア時間でドル円は、トレンドを作る動きにはなりにくいだろうが、東京市場が休場となることで市場流動性が枯渇することが予想され、大きな振幅を見せることには警戒したい。また、欧州でもドイツやスイス市場が休場、英国市場も短縮取引になることもあり、欧州時間も市場参加者が少ないことに留意したい。
昨年の年末(12月29日)のアジア時間でのドル円は、東京仲値の値決めにかけては円売り意欲が高まったものの、その後は方向感が欠ける動きになった。しかしながら、欧米時間では市場流動性の悪い中で東京市場の高値を超えて上昇したものの、米経済指標が予想より下振れたことや、年末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローが観測されると下げ足を速めた。ただ、本日は東京市場が休場なことで、東京仲値の値決めで動くことはない。また、昨日すでに欧米時間ではフィキシングなどで大きく相場が動いたことで、例年取引最終日に入る売買がすでに前倒しされた可能性もある。
年末を控えドル円は売り買いの両方の材料があることも、値動きを限定的にしそうだ。市場では依然として今月に行われた日米中銀の金融政策決定会合後からのドル買い・円売り意欲が継続しやすく、下落局面での買い意欲は引かないだろう。植田日銀総裁が市場予想よりもハト派の見解を示した一方で、米連邦公開市場委員(FOMC)ドットプロットでは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ予想の後退が示されたことがドル円を支える主な要因。ただ植田日銀総裁が述べていた「来年の春闘に向けたモメンタムなど、今後の賃金動向について判断することもできるような経済界の流れ」が確認できた場合には、恒例となっている植田総裁の前言撤回が再びあるかもしれないので、注意が必要になりそうだ。現時点では来年1月14日に氷見野日銀副総裁の横浜市で行われる金融経済懇談会の講演までは、日銀要人の講演等の予定は発表されていないが、新聞各紙とのインタビューなどが急遽掲載される可能性もあることで警戒は怠らないようにしておきたい。
一方で、米株安を嫌気し日経平均先物が弱含んだことで、リスク回避的な動きがドル円の重しになる。昨日の大納会では4万円台を維持することができず、地合いの弱さを改めて示して年を引けている。2・3日は本邦市場が休場になるが、同日の間に更に米株が軟調な動きを示せば、ドル円の上値を抑える要因になるだろう。
昨日の海外市場では、全般リスクオフ。ダウ平均が一時720ドルを超える下落となったほか、日経先物が39280円まで大幅な下落となるなか、米10年債利回りも4.53%台まで急低下となりました。
ドル円はアジア時間に一時158.07円まで値を上げる場面もみられましたが、26日の高値158.08円が戻りの目処として意識されると次第に上値を切り下げる展開に。NY時間に入ってからは、米長期金利の大幅な低下や株価の急落を受けて一時156.67円まで売り込まれました。その後の戻りも157.35円までと限定的。引けにかけては再び上値を切り下げたといったところです。東京勢不在の大晦日は、早朝からショートカバーが先行しており、157円台を回復しています。
いずれにしても、今朝方公表された先週24日時点の投機筋による通貨先物での円ポジションはほぼほぼ均衡している状況。偏ったポジションが存在していないことが確認されています。昨日もクリスマス期間中の安値156.89円を下抜けて売られたものの、156.67円の安値を付けてからは157円割れの底堅さが意識されている状況。また、チャート上では一目転換線の156.26円が重要なサポートレベルとなっています。
引き続き米長期金利の動向に敏感に反応する市場が続いていくことになりそうですが、ドル円は今向かっているその方向性に変化はありません。
中国国家統計局と中国物流採購聯合会が31日発表した2024年12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1となり、市場コンセンサス予想の50.3を下回った。前月比で0.2ポイント下落したが、3カ月続けて50を超えた。一方で、非製造業PMIは52.2だった。前月比で2.2ポイント上昇し、2年連続で50以上となった。
「私の政権が官僚主義を解体し、過剰な規制を削減し、無駄な支出を減らし、連邦政府機関を再編する道を切り開くだろう」(トランプ次期米大統領)
米国の債務上限の適用は、2025年1月1日まで停止されているが、米財務省は、1月14日から23日の間に上限に到達すると予想している。
トランプ次期米大統領は、連邦政府の借入限度額である「債務上限」問題について、バイデン政権下で対処するよう要求した。
1.1946年生まれの78歳の二人:トランプ第47代米大統領とイエレン第78代米財務長官
1946年6月14日、トランプ第47代米大統領は、ニューヨーク州クイーンズ地区で誕生した。ペンシルバニア大学で経営学士号を取得し、父親が経営していた不動産会社エリザベス・トランプ・アンド・サンに入社した。
2017年に第45代米国大統領に就任し、2025年には第47代米国大統領に就任する。
1946年8月13日、イエレン第78代米財務長官は、ニューヨーク州ブルックリン地区で誕生した。ブルックリンのフォート・ハミルトン高校を首席で卒業し、ブラウン大学経済学部を卒業、ハーバード大学経済学部の助教授となった。
2014年、初の女性議長として第15代FRB議長に就任したが、トランプ第45代米大統領の利下げ要請に逆らって利上げしたことで、再任されなかった。
2.イエレン第78代米財務長官の悲観的な老婆心
2024年12月27日、イエレン米財務長官は、議員に宛てた書簡で、連邦政府の債務が早ければ来年1月半ばにも法定限度額に到達するとの見通しを明らかにし、デフォルト(債務不履行)を避けるため、財務省は「特別措置」を講じる必要が出てくると指摘し、米国の信用を守るために議会に行動するよう求めた。
3.トランプ第47代米大統領の楽観的な野心
米国の2024年11月末時点での債務残高は36.0873兆ドルで、第3四半期国内総生産(GDP)29.35兆ドルの約123%となっている。
第2次トランプ米政権では、関税の引き上げ(中国60%、その他10-20%)や減税(所得税・法人税)、大規模な財政出動が警戒されている。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、第2次トランプ米政権では、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大すると試算している。
トランプ次期米大統領は、債務上限適用の先送り、そして撤廃を主張しているが、トリプルレッドにも関わらず、共和党の一部の財政規律派は、「つなぎ予算」の成立を難航させた。
2025年もワシントンの恒例行事である債務上限を巡る鬩ぎ合い、そして格付け会社による米国債格下げという、2011年夏の悪夢が蘇るのかもしれない。
本日は2024年の最終取引日であり、米債市場は短縮取引、明日は主要市場が全て休場。為替相場は引き続き流動性の薄さに気を付け、昨日同様に米株の動向に注意しながらの取引となりそうだ。
米国の株式相場は例年、年内最終5営業日と新年の2営業日は上昇確率が高いとされてきた(サンタクロース・ラリーと呼ばれている)。もっとも今年は、最終日前の4営業日までで主要3指数はマイナスに沈んでいる。年初来の上昇率は高いままではあるが、本日も伸び悩むようだと、年始の投資家行動が慎重な方に傾いてもおかしくはない。
昨日のニューヨーク時間から本日アジア時間にかけては、株安を背景としたリスク回避ムードが為替相場にも波及した。ドル円が下げたときに拾ってくる本邦機関投資家も、年末年始の祝日で様子見スタンスのもよう。もし、今年のサンタクロース・ラリーに期待できないとなれば、明日の休場を控えた持ち高調整の円買いがレンジを広げることになるか。
米国の経済指標は、10月住宅価格指数(予想:前月比0.4%)と同月ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.2%)が発表予定。どちらも前回値から下振れが見込まれている。足もとの地合い的には弱い結果に相場は敏感かもしれないが、10月の遅行データでもあり、よほど予想から大きく離れない限り反応は鈍いだろう。
なお月末・四半期末・年末ということもあり、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに向けて、急に動き出す可能性も一応念頭に入れておきたい。
想定レンジ上限
・ドル円、本日高値157.07円を超えると昨日高値158.07円。
想定レンジ下限
・ドル円、20日安値155.96円を割り込むとピボット・ターニングポイント154.92円
本日の欧州では、ドイツやスイス市場が休場。欧州金融の中心地である英国も短縮取引になっている。経済指標や要人の講演なども予定されていないことでトレンドを作る値動きを期待するのは難しいが、流動性の悪化が懸念され、通常よりも振幅が激しくなるリスクには警戒したい。
昨年末には、取引最終日が29日だったこともあり、東京市場を含め多くの市場が休場ではなかった。よって取引最終日にはロンドンフィキシングにかけては商いが増え、フィキシングに向けて多くの通貨が動意づいた。しかしながら、昨日の値動きを見ると、円がらみを含めてフィキシング玉は前日に前倒しをして決裁していた可能性もあり、本日は多くを期待するのは難しいか。
ただ、本日のアジア市場では東京、ニュージーランドが休場となっているにも関わらず、ドル円は約70銭の値幅をもって動いている。欧州時間でも市場の間隙をついて動意づく可能性もあることには警戒しておきたい。
なお、正月明け2日も欧州からは12月の欧州各国の各種購買担当者景気指数(PMI)の改定値、3日には独雇用統計などが発表される程度で、市場が本格的に動意づくのは1月の第2週からになりそうだ。
・想定レンジ上限
ユーロドル:21日移動平均線1.0464ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル: 11月22日つけた年初来安値1.0335ドル。
一部報道によると「韓国捜査本部が尹大統領の逮捕状を発付した」と報じている。
(31日終値:1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.36円(31日15時時点比△1.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.87円(△0.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0348ドル(▲0.0056ドル)
FTSE100種総合株価指数:8173.02(前営業日比△52.01)
ドイツ株式指数(DAX):休場
10年物英国債利回り:4.568%(▲0.043%)
10年物独国債利回り:休場
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。日本時間夕刻に一時156.02円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.58%台まで上昇したことを受けて円売り・ドル買いが進行。年末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると、一時157.55円と日通し高値を更新した。
なお、本日は大晦日でドイツやスイスなどが休場となったほか、米国では債券市場が短縮取引。年末年始の休暇に入る市場参加者も多く、商いが低調だったため、少額の取引でも値が振れやすい面があった。
・ユーロドルは頭が重かった。日本時間夕刻に一時1.0424ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0458ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると一時1.0344ドルまで下落し、20日の安値1.0343ドルに迫った。市場では「年末で取引参加者が減り、流動性が低下する中、ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いが出た」との声も聞かれた。
・ユーロ円は163.00円を挟んだもみ合いの展開となった。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。市場参加者が少なく商いが低調だったため、大きな方向感が出にくい面もあった。
・ロンドン株式相場は反発。時間外の米株価指数先物が上昇したことなどが投資家心理の改善につながり買いを誘った。指数への寄与度が大きいBPやシェルなどエネルギー株が買われ、相場を押し上げた面もあった。セグロやブリティッシュ・ランドなど不動産株も値上がりした。なお、本日は大晦日で短縮取引だった。
・フランクフルト株式相場は大晦日のため休場となった。
・欧州債券相場は上昇。
(31日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.20円(前営業日比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.78円(▲0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0354ドル(▲0.0053ドル)
ダウ工業株30種平均:42544.22ドル(▲29.51ドル)
ナスダック総合株価指数:19310.79(▲176.00)
10年物米国債利回り:4.57%(△0.04%)
WTI原油先物2月限:1バレル=71.72ドル(△0.73ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2641.0ドル(△22.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米住宅価格指数
(前月比) 0.4% 0.7%
10月米ケース・シラー住宅価格指数
(前年比) 4.2% 4.6%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。欧州市場序盤には一時本日安値となる156.02円まで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、底堅く推移した。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.58%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。年末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると、一時157.55円と日通し高値を更新した。
なお、本日は大晦日でドイツやスイスなどが休場となったほか、米国では債券市場が短縮取引となった。年末年始の休暇に入る市場参加者も多く、商いが低調だったため、少額の取引でも値が振れやすい面があった。
・ユーロドルは続落。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると一時1.0344ドルまで下落し、20日の安値1.0343ドルに迫った。年末で取引参加者が減り、流動性が低下する中、ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いも出たようだ。
なお、市場では「11月22日に付けた2022年11月以来約2年ぶりの安値1.0335ドルが重要なサポートとして意識されている」との指摘があった。
・ユーロ円は3日続落。ただ、NY市場に限れば163.00円を挟んだもみ合いに終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。市場参加者が少なく商いが低調だったため、大きな方向感が出にくい面もあった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら3日続落。米長期金利が上昇すると株式の相対的な割高感が意識されて、売りが優勢となった。エヌビディアやアップル、マイクロソフトなどハイテクや半導体などに売りが出た。市場では「米金利の先高観からハイテク株などへの利益確定売りが目立った」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落。テスラやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが下げた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。新規材料に乏しかったうえ、市場参加者が少ない中で、持ち高調整目的の売りが優勢となった。なお、本日は年内最終取引日で短縮取引だった。
・原油先物相場は3日続伸。中国経済に対する先行き不安が和らいだことを背景に上昇した。
・金先物相場は3日ぶりに反発。持ち高調整目的の買いが優勢となった。
石破茂首相は1日付で2025年の年頭所感を発表。自民、公明両党の連立政権を基盤に「他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、真摯に謙虚に、国民の安心と安全を守るべく取り組んでいく」とした。
<国内>
○年始で休場
<海外>
○09:00 ◎ 10-12月期シンガポール国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比▲0.4%)
○10:45 ◎ 12月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:51.7)
○16:00 ◇ 12月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○16:00 ◇ 12月トルコ製造業PMI
○17:30 ◇ 12月スイス製造業PMI(予想:48.3)
○17:50 ◎ 12月仏製造業PMI改定値(予想:41.9)
○17:55 ◎ 12月独製造業PMI改定値(予想:42.5)
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.2)
○18:30 ◎ 12月英製造業PMI改定値(予想:47.3)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数(2週分)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.2万件/189.0万人)
○23:45 ◎ 12月米製造業PMI改定値(予想:48.3)
○24:00 ◇ 11月米建設支出(予想:前月比0.3%)
○24:00 ◇ 12月メキシコ製造業PMI
○3日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○ニュージーランド、ロシア(新年休暇)、スイス(聖ベルヒトルトの日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.58%台まで上昇したことで、欧州市場序盤の安値156.02円から157.55円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の上昇やロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いなどで1.0344ドルまで下落した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、日米金融政策への思惑から底堅い展開が予想されるものの、2019年のお正月のフラッシュクラッシュの再現には警戒しておきたい。
警戒すべき材料としては、1月1日に適用停止が期限切れとなった米国の債務上限に関する悲観的な報道、トランプ次期米大統領による新年の突発的な発言(ドル高円安牽制?)、日銀の追加利上げに関する報道などが挙げられる。
2019年1月3日のお正月、ドル円は108.88円付近で始まった後、高値108.92円から安値104.87円まで4.05円急落した。流動性が低下していた環境下で、ストップロスへの強引な売り仕掛けが背景にあった模様だが、2020年から昨年のお正月には観測されなかったことで、異例の事態だった。
【高値】 【安値】
・2020年1月2-3日:108.87円 107.84円
・2021年1月4日: 103.32円 102.71円
・2022年1月3日: 115.37円 114.95円
・2023年1月2-3日:131.40円 129.52円
・2024年1月2-3日:143.73円 140.82円
また、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に関しては、流動性が枯渇しているため円安抑制効果は大きいと思われるが、昨年12月の本邦通貨当局の牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっていたことで、可能性は低いと思われる。
神田前財務官は、ボラティリティー抑制を介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では159円台後半にある。
昨年は植田日銀総裁が追加利上げの条件として、第2次トランプ米政権の経済政策や春闘での賃上げの状況などでの「ワンノッチ(1段階)」という新たな用語を挙げたことで、追加利上げ観測の後退により、ドル円は158円台まで上昇した。
しかし、12月の日銀金融政策決定会合での主な意見では、植田日銀総裁の見解に同調している委員は、内田日銀副総裁らしき執行部の人物が確認されるだけだったことで、1月23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は昨年末の段階では40%台まで上昇している。
今月は、1月14日に氷見野日銀副総裁が神奈川県金融経済懇談会で講演や記者会見を予定しており、日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの憶測が台頭している。
10時45分に発表される12月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.7と予想されている。昨年末に発表された12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1で、好不況の分かれ目である50を3カ月連続で上回っており、予想通りならば、リスク選好要因となる。
大晦日のドル円は、アジア時間から米長期金利の低下を受けて戻り売りが先行。12月23日の安値156.14円を下抜けて一時156.02円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は米長期金利が一転上昇。米10年債利回りが4.58%台まで上昇幅をひろげるなか、NY時間に入ってからはLDN16時(日本時間翌1時)のフィキシングに向けて月末、年末絡みのドル買いがまとめて持ち込まれると一時157.55円まで買戻されました。引けにかけては157.30円を挟んだもみ合いとなって2024年の取引を終えています。
12月31日の取引といえば、引け際の動きがそのまま新年最初の1月2日の取引につながっていくことが多く、そういった意味では、下押しのレベルを確認した後、一転して大幅に買戻しとなっている動きに意味があるわけで、一目転換線や12月20日の安値155.96円付近を下値の目処として意識しつつ、買戻しの方向性を見極めていくことになりそうです。
いずれにしても、ドル円は引き続き本邦勢不在のなか、米長期金利の動向に敏感に反応しながらの動きが続いています。
「今後の利下げについては段階的なアプローチが依然として正しいと考えている。経済の先行き不透明感が高まっているため、今後1年間の利下げの時期と規模の約束はできない」(ベイリーBOE総裁)
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
MPCの9名の委員の棲み分けは、タカ派3名、中立派3名、ハト派3名に分類できる。
【MPC】 【8月1日】【9月18日】【11月7日】【12月19日】
■ハト派
・ベイリーBOE総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75%
・ラムスデンBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.50%
・ディングラMPC委員: 5.00% 4.75% 4.75% 4.50%
■中立派
・ロンバルデリBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75%
・ブリーデンBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75%
・テイラーMPC委員: 5.00% 4.75% 4.50%
■タカ派
・マンMPC委員: 5.25% 5.00% 5.00% 4.75%
・ピルMPC委員: 5.25% 5.00% 4.75% 4.75%
・グリーンMPC委員: 5.25% 5.00% 4.75% 4.75%
2.2024年8月1日MPC(5対4)
イングランド銀行は、政策金利を5.25%から5.00%に引き下げた。
利下げに賛成した5人は「インフレが持続するリスクの緩和に一定の進展があった」との考えだった。ただ、このうちの一部委員にとってインフレの根強さは「まだ決定的には解消されていない」ため、今回の決定は「微妙なバランス」に基づくものだったという。
利下げに反対した4人は、基調的なインフレが予想より根強く、成長率も予想以上であることを理由に挙げた。
3. 2024年9月18日MPC(8対1)
政策金利を5.00%に据え置いた。ディングラMPC委員が4.75%への追加利下げを主張した。
4. 2024年11月7日MPC(8対1)
政策金利を4.75%に引き下げた。マンMPC委員が5.00%での据え置きを主張した。
声明では、金融緩和の加速を示唆することは控え、政府の予算案(700億ポンド規模の歳出を計画)がインフレ率を最大で0.5ポイント押し上げて、25年7-9月にインフレ率が2.8%に達すると推計した。ベイリーBOE総裁は、予算はBOEの利下げパスに大きな影響を与えないだろう、と述べた。また、「インフレ率はBOEが利下げした際の予想より低い。サービスインフレは依然として目標と一致していない」などとも述べている。
5. 2024年12月19日MPC(6対3)
政策金利を4.75%に据え置いた。議事要旨では、弱い成長シグナルと根強い国内物価上昇圧力を挙げ、両方向のインフレリスクを指摘した。
第4四半期の成長率予測は11月時点の+0.3%成長からゼロ成長に引き下げられ、スタグフレーションへの警戒感が示された。短期金融市場が織り込む2025年の3回目の0.25ポイント利下げの確率は上昇した。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、12月の仏・独・ユーロ圏の製造業PMI改定値、ポンドドルも同月の英製造業PMI改定値に注目する展開となる。
12月の仏・独・ユーロ圏・英の製造業PMI改定値は、速報値の景況感の分岐点50を下回る水準が予想されており、景況感のさらなる悪化が警戒されている現状では、下方修正というネガティブサプライズに警戒しておきたい。
また、昨日付けで、ロシアの国営ガス会社ガスプロムがウクライナを経由したロシア産天然ガスの欧州向け供給を停止したことで、欧州のエネルギー安全保障の懸念が強まっている。
今後の欧州の景況感悪化やエネルギー価格の上昇要因となることが警戒されるため、ユーロの上値を抑える要因となる。
ラガルドECB総裁は、昨日、「欧州中央銀行(ECB)は2025年に2%のインフレ目標を達成に期待」とハト派的な見解を述べていたが、本日も、ECB高官の突発的な発言には警戒しておきたい。
地政学リスクに関しては、1月20日のトランプ次期米大統領の就任に向けて、ウクライナ戦争、中東(イスラエル、シリア、イラン)の紛争の新たな展開を見極めて行くことになるため、突発的なヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0401ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:163.68円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2644ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:198.96円(2024/12/30高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0240ドル(2022/11/22安値)
・ユーロ円:161.87円(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンドドル:1.2476ドル(2024/12/20安値)
・ポンド円:195.31円(200日移動平均線)
中国の習近平国家主席は31日に開かれた全国政治協商会議(政協)の新年茶話会で、2024年の国内総生産(GDP)成長率が5%前後となり、24年の経済・社会発展の主要な目標任務を順調に達成するとの見通しを明らかにした。『明報』が31日、中国本土メディアを引用して伝えた。
習主席は、25年は改革の全面深化や対外開放の拡大を進めるほか、より積極的にマクロ政策を実施し、経済成長を目指すとした。また、国民の生活水準を向上させ、社会の調和と安定を維持するとしている。
本日17時30分に予定されていた12月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表は、明日3日に延期されました。
年明けのニューヨーク為替市場では、米長期金利の方向性や株価動向を睨みながらの取引か。米経済指標は、前週分の失業保険データや改定値ではあるが12月製造業購買担当者景気指数(PMI)などが発表される。また、米国の債務上限の適用停止が1日で期限切れとなっており、関連報道にも注意しておきたい。
米10年債利回りは昨年末、4.57%をやや下回った水準で大引けした。昨年は4月後半に4.73%台まで上昇したところから、金利先安観が強まると一転して低下基調に。夏の終わり頃には3.60%割れまで低下した。しかしながらその後、堅調な米景気やインフレの下げ渋りを背景に年末にかけて4.60%超えまで切り返している。
今後もインフレデータを見極めながら、米金利は上下するのだろう。ただ、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを急がない姿勢を示しており、金利上昇バイアスは維持されたままと見る。くわえて米財務省が、今月半ばにも債務は上限に達するとの見方を示していることも、米債売り圧力の高まりに繋がりそうだ。
年明け、時間外の米株先物は買い戻しが先行。米株式相場のアノマリーで、年内最終5営業日と新年の2営業日は上昇確率が高い(サンタクロース・ラリー)というものがある。もっとも昨年末にかけては、主要3指数はマイナスに沈んだ。今日と明日は、年末からの反動買いがどの程度まで続くか見定める展開か。
なお、前週分の米新規失業保険申請件数は前回からやや悪化が見込まれている。12月米製造業PMI改定値は速報値から横ばいの48.3予想だが、速報値自体が予想より1ポイント以上悪い内容だった。
想定レンジ上限
・ドル円、本日高値157.78円。超えると、近くはあるが昨年12月26日高値158.08円が次のポイント。
想定レンジ下限
・ドル円、12月20日安値155.96円。割り込むと節目155.00円が目標値。
(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.56円(2日15時時点比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.74円(▲1.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0265ドル(▲0.0098ドル)
FTSE100種総合株価指数:8260.09(前営業日比△87.07)
ドイツ株式指数(DAX):20024.66(△115.52)
10年物英国債利回り:4.595%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.379%(△0.012%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月英ネーションワイド住宅価格
前月比 0.7% 1.2%
12月仏製造業PMI改定値
41.9 41.9
12月独製造業PMI改定値
42.5 42.5
12月ユーロ圏製造業PMI改定値
45.1 45.2
12月英製造業PMI改定値
47.0 47.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは安い。年明け初日の取引で市場参加者が少ない中、ポンドドルの下落につれたユーロ売り・ドル買いが先行。重要なサポートとして意識されていた昨年11月22日の安値1.0335ドルを下抜けると目先のストップロスを断続的に巻き込んで下げ足を速めた。
NYの取引時間帯に入ると、米長期金利が上昇に転じたことに伴うユーロ売り・ドル買いが進行。市場では「年始で取引参加者が減り、流動性が低下する中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
・ポンドドルは軟調だった。12月英製造業PMI改定値が予想を下回ったことが伝わるとポンド売り・ドル買いが先行。全般ドル買いが進んだ影響も受けて、1時過ぎには一時1.2353ドルと昨年4月以来の安値を更新した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.53と22年11月以来の高値を付けた。
・ドル円は底堅い動き。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.51%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。日本時間夕刻に一時156.44円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、底堅く推移した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことを受けて、米10年債利回りが4.59%台まで上昇すると全般ドル買いが活発化。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも相場を押し上げ、一時157.85円と日通し高値を更新した。
・ユーロ円は下落。ユーロドルの下落につれた売りが出ると一時160.91円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は続伸。外国為替市場でポンド安が進むと、ポンド安の恩恵を受けやすい銘柄などに買いが集まった。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は反発。本日の中国株相場が下落した影響を受けて売りが出たものの、終盤持ち直した。エアバス(3.72%高)やRWE(2.53%高)、ハノーバー再保険(2.40%高)などが買われ、相場を下支えした。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.50円(前営業日比△0.30円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.71円(▲1.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0265ドル(▲0.0089ドル)
ダウ工業株30種平均:42392.27ドル(▲151.95ドル)
ナスダック総合株価指数:19280.79(▲30.00)
10年物米国債利回り:4.56%(▲0.01%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.13ドル(△1.41ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2669.0ドル(△28.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲12.6% ▲10.7%
前週分の米新規失業保険申請件数
21.1万件 22.0万件・改
12月米製造業PMI改定値
49.4 48.3
11月米建設支出
(前月比) 0.0% 0.5%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると全般ドル買いが先行。市場では「年始で取引参加者が減り、流動性が低下する中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
欧州時間に重要なサポートとして意識されていた昨年11月22日の安値1.0335ドルを下抜けたことで、テクニカル的にも売りが出やすい地合いとなった。
・ドル円は続伸。米経済指標が米景気の底堅さを示したとの受け止めから、全般ドル買いが先行。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも相場の押し上げ要因となり、一時157.85円と日通し高値を更新した。その後の下押しも157.47円付近にとどまった。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.53と22年11月以来の高値を付けた。
・ユーロ円は4日続落。ユーロドルの下落につれた売りが出ると、1時過ぎに一時160.91円と日通し安値を更新した。ただ、ドル円の上昇につれた買いが入ると161.96円付近まで下げ渋る場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことを受けて買い先行で始まったものの、買いが一巡すると次第に弱含んだ。「中国での新型スマートフォンを値下げする」と明らかにしたアップルが軟調に推移したことなどが投資家心理を冷やした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら5日続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは小反発。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると売りが先行したものの、終盤買い戻しが優勢になると持ち直した。市場では「年末年始で市場参加者が少なく、方向感に乏しかった」との声が聞かれた。
・原油先物相場は4日続伸。中国経済に対する先行き不安が和らいだことを背景に買いが入った。
・金先物相場は続伸。地政学的リスクを背景に買いが入った。トランプ次期米大統領の就任式を20日に控え、同政権が打ち出す政策への警戒感もまた、上昇を後押しした。
3日03:43 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「欧州中銀(ECB)の政策金利は秋までに2%に達する公算」
※時間は日本時間
<国内>
○年始で休場
<海外>
○16:00 ◎ 12月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月1.60%/前年比45.20%)
○17:30 ◇ 12月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:48.3)
○17:55 ◎ 12月独雇用統計(予想:失業率6.2%/失業者数変化1.50万人)
○18:30 ◇ 11月英消費者信用残高(予想:12億ポンド)
○18:30 ◇ 11月英マネーサプライM4
○21:00 ◇ 11月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.70%)
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:48.4)
○4日01:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、あいさつ
○4日01:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○ロシア(新年休暇)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日のドル円は、日本時間夕刻に一時156.44円と日通し安値を更新したが、米10年債利回りが4.59%台まで上昇すると全般ドル買いが活発化。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも相場を押し上げ、157.85円まで強含んだ。ユーロドルもロンドン・フィキシングでのドル買いにより、一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
本日のアジア時間でドル円は、引き続き東京市場が休場となることでトレンドを作るほどの値動きを期待するのは難しいが、欧州通貨に対してのドル買いが対円のサポート要因になりそうだ。
年初は東京が不在ということもあるが、欧州通貨(ユーロ、ポンド)が市場を先導するかたちになっている。ドル円は昨年12月の日米金融政策決定会合で、日銀の利上げが市場予想より遅くなる可能性が高まったことや、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースの鈍化もしくは利下げ終了の思惑があり、下落局面ではドル買い・円売りを仕掛けたい市場参加者が依然として多い。一方で、昨年7月に行われた円買い介入の水準に接近していることや、1月20日から就任する第2次トランプ政権では、トランプ氏がドル高・円安に対して兼ねてから懸念を表明していることで、上値も積極的に買い上げるような地合いにもなりにくく、円売り・円買い両要因が絡まり一方的な動きにはなりにくくなってきている。
円相場は本邦勢参入後に発表されるインフレ指標や、植田日銀総裁が前回の政策決定会合後の質疑応答で応えていた輸入物価指数の結果を見極めるだけでなく、今後の春闘に向けた賃上げ率などを確かめながらの取引になりそうだ。
欧州通貨が主導権を握っているだけでなく、本日はオセアニアやアジア圏からは主だった経済指標の発表が予定されていないことも値動きを抑制するだろう。ただ、その中でも目を向けておかなければならないのは中国市場の動き。本日は同国からも経済指標の発表予定はないが、年末年始は人民元相場の動きが他通貨へ影響を大きく与えている。昨日ドル円が156円半ば割れまで下落したときも先導をしたのがドルCNH(人民元)だったが、買い戻しも同様だった。中国人民銀行の人民元取引・基準値が市場予想よりもドル安・元高に設定されたことで元が買われたものの、年末年始に発表された市場予想より弱い経済指標(製造業PMI)の影響で株や元が売り戻された。本日も人民元の基準値や中国株の動向には目を向けておきたい。
ドイツ経済研究所(IW)の調査によると、ドイツの産業団体の多くが2025年の経済見通しに悲観的だという。49団体中31団体が現状を昨年より悪いと評価し、20団体が来年の生産減少を予想。高いエネルギー・労働・原材料コストや過剰な官僚主義が企業の国際競争力を低下させていいるほか、不確実な世界情勢が輸出を妨げ、国内の政治的混乱が投資を抑制している。半数の団体が来年の雇用削減を予想しており、特に鉄鋼、機械工学、建設業での雇用減少が懸念されている。IWのミヒャエル・ヒューター所長は「2025年もドイツ経済は回復しない」と述べている。
一部通信社が報じたところによると、米国防総省が日本に対し推定36億4000万ドル相当の先進中距離空対空ミサイルおよび関連機器の潜在的な売却を承認したという。国防総省の声明によれば、この売却の主契約者はRTX社。なお、この売却は外国軍事販売(FMS)プログラムの一環であり、最終的な契約締結までにはさらなる手続きが必要となる。
韓国では弾劾された尹錫悦大統領の逮捕に向けて約2700人の警察官が動員されている。昨年12月3日の戒厳令宣言を受けての逮捕命令だが、大統領警護室が逮捕状執行を許可するかは不透明。一方、崔代行大統領は市場安定化措置の迅速かつ大胆な実施を指示しており、政治的混乱による経済への影響を最小限に抑える姿勢を示している。
英タイムズ紙が報じたところによると、リーブス英財務相は公共部門労働者にインフレ率を上回る賃上げを行う場合、最前線のサービスの削減を検討する必要があると閣僚に警告したという。財務省は厳しい姿勢を取っており、閣僚らに追加資金は提供せず、独立した給与審査機関がより大きな賃上げを勧告した場合は、既存の予算内で賄わなければならないと伝えたとのこと。
イスラエルの交渉団がカタールに向かい、ハマスとの停戦協議を行う予定であり、トランプ次期米大統領の就任前に合意を目指していると一部通信社が伝えた。ただ、仲介努力は難航しており、双方が新たな条件を持ち出していると非難し合い、交渉を複雑化させているとのこと。両者の立場の隔たりは大きく、停戦実現の見通しは不透明な状況が続いている。
「辰巳天井」と言われる2025年最初の取引は、ドル全面高となったわけですが、欧州時間に12月英製造業PMI改定値が予想を下回る弱い数字となったことをきっかけにポンドドルが急落。
年末の取引で1.0344ドルまで下落して、目先の重要なサポートレベルとして意識されていた11月22日の安値1.0335ドル手前で下げ止まっていたユーロドルも一気に下値を試す展開に。NY時間に入ってLDN16時(日本時間翌1時)のフィキシングでは年末に続いてまとまったドル買いが持ち込まれると一時1.0226ドルまで売り込まれることになりました。ポンドドルは一時1.2353ドルまで200ポイントの急落を演じています。
ユーロドルは約2年間続いたレンジ相場をしっかりと下抜けてきたわけで、方向性としてはパリティを目指す動きとなっていくのかもしれません。
いずれにしても、ドル円は、昨年18-19日のFOMC、BOJを受けて急騰した後、翌日の安値155.96円から12月26日の高値158.08円のレンジ内でのもみ合いが続いている状況。年末年始休暇中となっている本邦勢不在の中にあっては、相場の主役とはなり得ず、基本的には値固めをしているといったところです。目先は一目転換線が位置する157.05円やNY時間安値の156.64円付近を意識しつつ、米長期金利の動向を見極めながらの動きが続いていきそうです。
植田日銀総裁は、かつて、1993年から2022年までの間に低金利のために家計や企業が手にできなかった「逸失金利収入」は総額600兆円に上ると述べた。
また、1989年に導入された消費税の合計(1989年~2024年)は、約530兆円規模になるらしい。
すなわち、「失われた30年」とは、低金利政策により国民の得べかりし利息(約600兆円)と国民からの消費税(約530兆円)という約1100兆円の喪失なのかもしれない。
江戸時代の身分階級「士農工商」の2番目の農民は、「五公五民」で、半分を年貢として領主に、残り半分が自分達の取り分だったらしい。
令和の時代もほぼ「五公五民」らしいが、市民革命を起こせなかった民族的な性分なのからか従順と納め続けている。
重税に喘いでいたアメリカ国民は、英国を打倒し、独立を勝ち取った。
重税に喘いでいたフランス国民は、王制を打倒し、共和制を確立した。
1.アメリカ独立戦争(1775年)
1775年、アメリカ国民は、課税を強化する英国本国に対して「代表無くして課税なし」との旗印の下で叛旗を翻して独立を勝ち取った。
しかし、1791年、独立戦争で多大な軍費を要した米国政府は、財源確保にウィスキーに目を付けたため、「ウィスキー税反乱」が勃発した。
農民達は、ケンタッキーやテネシー州に逃れ、そこでトウモロコシを原料とするウィスキー「バーボン」(由来:フランスのブルボン家)を造り出した。
2.フランス革命(1789年)
18世紀後半のフランスは、度重なる戦争への出費や宮廷の浪費により、国家財政は危機的な状況に陥っていた。当時のフランス社会は、厳しい身分制度によって3段階に分断されていた。
第一身分(聖職者)と第二身分(貴族)は特権を享受し、税金の免除などの恩恵を受けていた。一方、人口の大部分を占めていた第三身分(平民:農民や都市労働者)は、重税を課せられ、過酷な労働条件と低賃金により、経済的負担に苦しんでいた。
3.ガソリン暫定課税
「ガソリン税」(揮発油税と地方揮発油税の総称)は、1リットルあたり計53.8円(本則税率=28.7円+暫定税率=25.1円)となっている。暫定税率は、50年前の1974年度から暫定措置として適用されているが、2028年頃に漸く撤廃されることになった。
「暫定」とは、正式に決まるまで仮の措置としてひとまず決めることを意味する言葉である。「暫」は「しばらく」という意味であり、「定」は「物事を決めて変えない」という意味である。なので、50年間というのは、「暫定」という言葉に相応しくない期間といえる。
仮にガソリン1リットルの価格を100円として計算すると以下の通りとなる。
・ガソリン本体:100円
・ガソリン税:53.8円
・石油石炭税:2.8円
【小計】:156.6円
・消費税(10%):15.6円(二重課税)
【合計】:172.2円
すなわち、ガソリンスタンドで1リットル172円で給油した場合、72円が税金となる。
ワシントン・ポスト紙の報道によると、バイデン米大統領が日本製鉄によるUSスチールの買収提案を阻止する方針であることが明らかになった。この決定は、米国の重要産業を保護し、国家安全保障上の懸念に対応するためのものと見られている。
本日のユーロ圏からは、経済指標はドイツから12月の雇用統計が発表される。また、要人の予定ではレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストの講演が控えている。
ドイツの雇用統計は市場予想(予想:失業率6.2%/失業者数変化1.50万人)よりよほど大きくかい離しない場合以外は市場の反応は限られるだろう。また、センチメントとしてはユーロ売りに反応がしやすいことで、ポジティブサプライズよりもネガティブサプライズの方が敏感に反応すると思われる。
レーンECB専務理事は米サンフランシスコで「地政学の分断」についての講演が行われる予定。ただ、これまでレーン氏は「米通商政策などを巡る不確実性が高い中、政策は会合ごとに決定」と発言をしていることもあり、市場に今後の金融政策についてのヒントとなる発言を期待するのは難しそうだ。
欧州からは市場を動意づけるにはインパクトに欠けるものしかないが、昨日は昨年12月に複数回トライをしたが跳ね返された11月22日の安値1.0335ドルを割り込み、2年2カ月ぶりの水準となる1.0226ドルまで下げ幅を広げた。よって、ユーロ売りのトレンドは継続される可能性が高く、昨日は辛うじて割り込めなかった2022年11月21日安値1.0223ドル、同月11日安値1.0163ドルなどを割り込んだ場合には、パリティ(1ユーロ=1ドル)まで支持水準がなくなることでダウンサイドリスクには要警戒となりそうだ。
なお、NY入り後には12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数や、連日大きく振幅しているロンドンフィキシングが注目される。
・想定レンジ上限
ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0342ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル: 2022年11月11日安値1.0163ドル。
中国当局は企業投資と消費拡大を促進するため、2025年に超長期国債による資金調達を大幅に増やす方針だ。
国家発展改革委員会(発改委)当局者は本日の会見で、消費者が中古車や家電製品を下取りに出して新しい製品を割引価格で購入できる耐久財向け補助金プログラムや、企業の大規模な設備更新を補助するプログラムなど、新たな取り組みに特別国債発行による調達資金を充てると明らかにした。また、世帯を対象に、携帯電話、タブレットPC、スマートウオッチ・ブレスレットの3種類のデジタル製品購入にも補助金を提供する。
発改委は先月、25年の超長期特別国債発行による1兆元の資金を全て割り当てたと発表した。また、中国当局が25年に3兆元相当の特別国債を発行することで合意したとも報じられた。
本日これまでのドル円は157.57円を頭に伸び悩むも下押しは157.04円にとどめ157円前半で底堅い動き。昨年12月26日に158.08円、同30日に158.07円と158円超え水準では日本当局の介入警戒感もくすぶり上値が抑えられ、年明けは157円後半で伸び悩んでいるが、ドル高の地合いは変わらずドル円の下値は堅い。
1月20日にトランプ氏の米大統領就任式を控え、トランプ大統領の経済政策と連邦準備制度理事会(FRB)による利下げペースが今後鈍化するとの見方が引き続きドルの支えとなり、ドル円は上方向への警戒感が続く。市場では最近のドルの動きが第一次トランプ政権時と酷似しているとの声が聞かれている。トランプ氏が昨年11月に大統領選で勝利して以来、ドルは他の通貨に対して3%以上値上がりしており、前回勝利した2016年と同様の軌道をたどっている。
本日のNY市場では12月米ISM製造業景況指数の発表が予定されている。予想では11月と同水準の48.4が見込まれており、結果次第では米長期金利とともにドルが動意づく可能性がある。今のところ、米国がほかの国と比べて経済状況が好調であることもドルの支えとなっている。また、年末年始で連日ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んで値動きが大きくなっており、同時間帯の動きにも注意したい。
・想定レンジ上限
ドル円、昨年12月26日高値158.08円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、昨日の安値156.44円が下値めど。
モルガン・スタンレーは最新リポートで、2024年12月の中国主要都市の中古住宅価格について、予想通りに政策効果の弱まりで3カ月ぶりに前月に比べ下落したと指摘した。物件の投入ペースや季節要因を考慮すると、25年1-3月期の住宅販売に下押し圧力がかかる可能性があるとした。『AAストックス』が3日伝えた。
モルスタは、中古物件が価格面で競争力があるほか、新築物件の発売規模が土地譲渡の減少にともない持続的に縮小していることから、中古物件の販売は新築物件を上回ると予想。住宅販売の先行きについては、すでに打ち出された一連の政策の実行状況などに左右されるとの見方を示した。個別銘柄に関しては、ディフェンシブ性が高いことを理由に華潤置地(01109)、華潤万象生活(01209)、中国海外発展(00688)、越秀地産(00123)などの国有企業を選好した。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.16円(3日15時時点比▲0.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.85円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0298ドル(△0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:8223.98(前営業日比▲36.11)
ドイツ株式指数(DAX):19906.08(▲118.58)
10年物英国債利回り:4.593%(▲0.002%)
10年物独国債利回り:2.425%(△0.046%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)
48.4 48.5
12月独雇用統計
失業率 6.1% 6.1%
失業者数変化 1.00万人 0.60万人・改
11月英消費者信用残高
9億ポンド 10億ポンド・改
11月英マネーサプライM4
(前月比) 0.0% ▲0.2%・改
(前年比) 2.9% 3.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは買い戻しが目立った。前日に一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新したあとだけに、持ち高調整目的のユーロ買い・ドル売りが入った。年始で取引参加者が減り、流動性が低下する中、週末を控えたポジション調整目的の買いも入り、2時30分過ぎには一時1.0306ドルと日通し高値を更新した。
本日発表の12月米ISM製造業景況指数が49.3と予想の48.4を上回ったことを受けて一時1.0273ドル付近まで下押しする場面もあったが、反応は一時的だった。
・ドル円は頭が重かった。米経済指標が米景気の底堅さを示したとの受け止めから、米長期金利が上昇すると円売り・ドル買いが先行し一時157.49円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値157.57円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは2日に一時109.53と22年11月以来の高値を更新するなど、足もとではドル高が進行。週末を控えたポジション調整目的の売りも出やすく、2時30分前には一時156.88円と日通し安値を更新した。
バーキン米リッチモンド連銀総裁はこの日、「2025年の米経済見通しはポジティブ、成長には上振れリスク」「抑制的な金利の長期化が望ましい」などと述べたと伝わったが、相場の反応は限られた。なお、バーキン氏は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。
・ユーロ円は小幅高。24時過ぎには一時162.08円と本日高値を付けた。ユーロドルの上昇につれた買いが入った半面、ドル円の下落につれた売りが出たため、じり高の展開となった。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。しばらくはもみ合いの展開が続いていたものの、終盤売りが優勢となった。市場では「中国の景気不安が根強い中、売りが出やすかった」との声が聞かれた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は反落。中国の景気懸念を背景に欧州株全般に売りが出た。個別ではBASF(2.51%安)やBMW(2.15%安)、バイエル(2.05%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.26円(前営業日比▲0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.08円(△0.37円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0308ドル(△0.0043ドル)
ダウ工業株30種平均:42732.13ドル(△339.86ドル)
ナスダック総合株価指数:19621.68(△340.89)
10年物米国債利回り:4.60%(△0.04%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.96ドル(△0.83ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2654.7ドル(▲14.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米ISM製造業景況指数
49.3 48.4
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日ぶりに反発。12月米ISM製造業景況指数が49.3と予想の48.4を上回ったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが先行。0時30分過ぎに一時1.0273ドル付近まで値を下げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.0256ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。前日に1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新したあとだけに、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。6時過ぎには一時1.0310ドルと日通し高値を付けた。
・ドル円は3日ぶりに反落。米経済指標が米景気の底堅さを示したとの受け止めから、米長期金利が上昇すると円売り・ドル買いが先行し一時157.49円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値157.57円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは2日に一時109.53と22年11月以来の高値を更新するなど、足もとではドル高が進行。週末を控えたポジション調整目的の売りも出やすく、2時30分前には一時156.88円と日通し安値を更新した。
ただ、ドル売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。引けにかけては157.38円付近まで下げ渋っている。
・ユーロ円は5日ぶりに反発。年始で取引参加者が少なく商いが低調だったため、しばらくは大きな方向感が出なかった。ただ、引けにかけては強含み、6時過ぎには一時162.21円と日通し高値を更新した。ユーロドルの上昇や米国株高が相場を下支えした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに自律反発狙いの買いが入った。12月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことも投資家心理の改善につながり、買い戻しを誘った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。12月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことで債券を売る動きが広がった。
・原油先物相場は5日続伸。米東部を中心に冷え込みが予想されているほか、中国政府による追加の景気刺激策への期待もあり、強含む展開。一時、昨年10月以来となる74.35ドルまで上昇した。
・金先物相場は3日ぶりに反落。前日まで上昇したことを背景に利益確定の売りが優勢となった。米長期金利が上昇したことで、金利のつかない金の投資魅力が薄れたことも重しとなった。
日経新聞が報じたところによると、「日本製鉄は米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、米政府を相手取り訴訟を提起する方針を固めた」ようだ。バイデン米大統領が買収計画に対する中止命令を決めた手続きの適正さなどを争う構えだという。
トランプ次期米大統領が支持を表明した米共和党のマイク・ジョンソン氏の米下院議長続投が決まった。
3日08:19 ジョンソン米下院議長
「明日までには議長が決まると思う」
「議長選挙で1票の反対票があるかもしれないが、1回の投票で議長職を獲得できると考えている」
3日09:24 中国人民銀行(PBOC)
「2025年の適切な時期に金利を引き下げる可能性が高い」
「金利調整の役割を重視し、融資成長の量的目標から離れる」
3日14:42 トランプ次期米大統領
「関税はアメリカを再び豊かにするだろう」
「我が国は世界中の笑いものになっている」
「これが開かれた国境と弱く、無能で、事実上存在しない指導力の結果だ」
「司法省、FBIそして民主党の州・地方検察官は無能」
4日01:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「かつて行っていたほどの金融引き締めは必要ない」
「インフレ率は2%の目標に近づいているが、まだやるべきことは多い」
「インフレ面ではリスクが高まっているが、成長には上振れ余地がある」
「基本的に経済見通しはポジティブ」
「抑制的な金利の長期化が望ましい」
「労働市場は健全で正常な水準」
「コアインフレの見通しについては引き続き楽観的」
※時間は日本時間
6日
○東京証券取引所などが大発会
7日
○08:50 ◇ 12月マネタリーベース
8日
○14:00 ◇ 12月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
9日
○08:30 ◇ 11月毎月勤労統計(現金給与総額)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース、2週分)
○14:00 ◇ 日銀地域経済報告(さくらレポート)
10日
○08:30 ◇ 11月家計調査(消費支出)
○08:50 ◇ 12月外貨準備高
○14:00 ◇ 11月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
6日
○10:45 ◎ 12月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
○16:30 ◇ 11月スイス小売売上高
○17:50 ◎ 12月仏サービス部門PMI改定値
○17:55 ◎ 12月独サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI改定値
○22:00 ◎ 12月独消費者物価指数(CPI)速報値
○23:30 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI改定値
○23:45 ◎ 12月米総?⑰MI改定値
○24:00 ◎ 11月米製造業新規受注
○7日03:00 ◎ 12月ブラジル貿易収支
○ロシア(新年休暇)、ポーランド(三博士の日)、スウェーデン(公現祭)、休場
7日
○09:01 ◇ 12月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◎ 11月豪住宅建設許可件数
○16:30 ◎ 12月スイスCPI
○16:45 ◇ 12月仏CPI速報値
○18:30 ◎ 12月英建設業PMI
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア速報値
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏失業率
○22:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30 ◇ 11月カナダ貿易収支
○22:30 ◎ 11月米貿易収支
○24:00 ◇ 12月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数
○24:00 ◎ 11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○8日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○ロシア(新年休暇)、休場
○09:30 ◎ 11月豪CPI
○16:00 ◎ 11月独小売売上高
○16:00 ◎ 11月独製造業新規受注
○16:00 ◎ 12月スウェーデンCPI
○16:45 ◇ 12月仏消費者信頼感指数
○16:45 ◇ 11月仏貿易収支
○16:45 ◇ 11月仏経常収支
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏経済信頼感指数
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 12月ADP全米雇用報告
○9日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○9日02:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○9日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日分)
○9日05:00 ◇ 11月米消費者信用残高
○ロシア(新年休暇)、休場
9日
○09:30 ◇ 11月豪貿易収支
○09:30 ◎ 11月豪小売売上高
○10:30 ◎ 12月中国CPI
○10:30 ◎ 12月中国PPI
○16:00 ◎ 11月独鉱工業生産
○16:00 ◇ 11月独貿易収支
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏小売売上高
○21:00 ◎ 11月ブラジル小売売上高
○21:00 ◎ 12月メキシコCPI
○21:30 ◇ 12月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○24:00 ◇ 11月米卸売売上高
○10日01:00 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○10日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○10日03:30 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○米株式市場は国民追悼の日で休場、債券市場は短縮取引
10日
○15:45 ◇ 12月スイス失業率(季節調整前)
○16:00 ◇ 11月トルコ失業率
○16:00 ◇ 11月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ 12月ノルウェーCPI
○16:45 ◇ 11月仏鉱工業生産
○16:45 ◇ 11月仏消費支出
○19:30 ◎ 11月インド鉱工業生産
○21:00 ◎ 12月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○21:00 ◇ 11月メキシコ鉱工業生産
○22:30 ☆ 12月カナダ雇用統計
○22:30 ◇ 11月カナダ住宅建設許可件数
○22:30 ☆ 12月米雇用統計
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
<国内>
○東京証券取引所などが大発会
<海外>
○10:45 ◎ 12月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.4)
○15:30 ◇ 11月スイス小売売上高
○17:50 ◎ 12月仏サービス部門PMI改定値(予想:48.2)
○17:55 ◎ 12月独サービス部門PMI改定値(予想:51.0)
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○22:00 ◎ 12月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比2.4%)
○23:15 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI改定値(予想:58.5)
○23:45 ◎ 12月米総?⑰MI改定値
○24:00 ◎ 11月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.3%)
○7日03:00 ◎ 12月ブラジル貿易収支(予想:42.00億ドルの黒字)
○ロシア(新年休暇)、ポーランド(三博士の日)、スウェーデン(公現祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を上回った12月米ISM製造業景況指数を受けた米長期金利の上昇に連れて157.49円付近まで上昇。しかしその後、週末を控えたポジション調整の売りで156.88円まで反落した。ユーロドルは12月米ISM製造業景況指数を受けて1.0273ドル付近まで下落後、1.0310ドルまで反発した。ユーロ円は162.21円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米金融政策への思惑から底堅い展開が予想されるものの、本邦通貨当局による円安抑制措置には引き続き警戒しておきたい。
2025年のドル円相場は、米連邦準備理事会(FRB)のターミナルレート(利下げの最終到達点)と日銀のターミナルレート(利上げの最終到達点)という日米金融政策を軸に、第2次トランプ米政権の財政、通商、外交政策が絡んでいく展開となる。
参考までに、第1次トランプ米政権(2017年~2020年)のドル円相場(高値118.60円・安値102.88円)は、2016年12月のトランプ・ラリーの高値(118.66円)を超えることはなかった。
本日は大発会での日経平均株価の動向を眺めながら、本邦通貨当局による円安牽制発言、日銀の金融政策に関する報道や発言、そして、トランプ次期米大統領による債務上限やドル高・人民元安、円安への突発的な発言などに警戒していくことになる。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に関しては、昨年12月の本邦通貨当局の円安牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっており、「断固たる措置」といった円買い介入を示唆するタイミング、為替水準を見極めることになる。なお神田前財務官は、ボラティリティー抑制を円買い介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では160.20円台にある。
日銀の追加利上げの時期は、植田日銀総裁が追加利上げを見送った理由として、第2次トランプ米政権の経済政策や春闘での賃上げのモメンタムを確認するため、もうワンノッチ(1段階)の情報を待ちたい、と述べたことで、3月以降に先送りされた感がある。しかし、12月の日銀金融政策決定会合での主な意見では、植田日銀総裁の見解に同調している委員は、内田日銀副総裁らしき執行部の見解が確認されるだけだったことで、23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は40%台まで上昇している。
今月は、14日に予定されている氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での講演や記者会見で、日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの憶測が高まっており、昨年12月同様に事前の報道に注目していくことになる。
28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策は、20日のトランプ次期米大統領の就任前後に予想されている大統領令などを見極める意味で、政策金利の据え置きが見込まれており、ドル買い要因となっている。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39610 -380 (-0.95%)
TOPIX先物 2768.5 -18.0 (-0.64%)
シカゴ日経平均先物 39595 -395
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。NYダウは5営業日ぶり、S&P500、ナスダックは6営業日ぶりに反発した。短期的に売られ過ぎとの見方から、自律反発を期待した買いが優勢だった。2024年12月の米ISM製造業景況感指数(PMI)が49.3に上昇し、市場予想を上回ったほか、リッチモンド連銀のバーキン総裁が、米経済について楽観的な見解を示したことが材料視された。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、JPモルガン・チェース<JPM>が買われた。一方、ボーイング<BA>やナイキ<NKE>、アップル<AAPL>は下げた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、ヘルスケア機器・サービス、銀行、不動産が上昇した半面、家庭用品・パーソナル用品、電気通信サービスの2セクターが下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比395円安の3万9595円だった。12月30日の取引終了後の日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円安の3万9930円で始まり、その後は3万9990円と日中比変わらず水準まで戻す場面もみられた。だが、買い一巡後は下へのバイアスが強まり、3万9300円を下回った。終盤にかけて3万9680円まで下げ幅を縮めたが、祝日取引では3万9300円を挟んだ狭いレンジでの推移を継続し、一時3万9220円まで下げ幅を広げる場面もみられた。米国市場の取引開始後に持ち直し3万9500円を回復すると、その後も下げ幅を縮め、3万9610円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まることが見込まれる。3日の米国市場では主要な株価指数が上昇したものの、自律反発の域は脱しておらず、市場の反応は限られそうで、大発会での好スタートは期待しづらいところである。
日経225先物は一時3万9220円まで売られたが、25日移動平均線(3万9200円)水準まで下げており、調整一巡感が意識されやすい水準まで調整している。12月27日に4万0460円まで上昇し、ボリンジャーバンドの+3σ(4万0580円)水準に接近したことで過熱感が警戒されていたこともあり、中心値(25日)までの調整を経て、仕切り直しが意識されそうだ。
+1σが3万9700円辺りに位置しており、まずはオプション権利行使価格の3万9250円から3万9750円のレンジを想定する。なお、節目の3万9500円および+1σ水準での底堅さが意識される局面では、3万9500円から4万円のレンジに移行することになりそうだ。
3日の米VIX指数は16.13だった。年末の米株安の中で緩やかに上昇する形だったが、75日線(17.21)を割り込み、200日線(16.11)にタッチする場面もみられた。米連邦公開市場(FOMC)後の急伸以降は低下をみせ、ボトム圏での推移を継続していることもあり、リスク回避の姿勢は強まっていないだろう。
12月30日のNT倍率は先物中心限月で14.35倍に上昇した。75日線(14.35倍)に上値を抑えられる形から、一時14.29倍に低下する場面もみられた。ただ、その後は25日線(14.25倍)が支持線として機能しており、75日線水準で終えている。米国市場ではエヌビディアが4%超える上昇だったことから、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の底堅さが期待されやすく、75日線を突破する局面ではNTロングに振れそうだ。
週明けのオセアニア市場では、ドル円は先週末の安値156.88円を下抜けて一時156.83円まで値を下げる場面もみられましたが、年末年始休暇を終え、実質的な今年最初の取引となる東京勢が参入するやいなや、予想通り実需勢の買いが断続的に持ち込まれることになりました。仲値にかけては、先週末高値の157.57円を上抜けて一時157.83円まで値を上げています。
その後は2日の年初来高値157.85円が目先の目処として意識されたほか、豊洲市場の初セリで一番マグロがキロ75万円と昨年の48万円を大幅に上回る高値となったことに調子付いたのか、休場中に一時39225円まで急落していた日経平均先物が一時40000円台を回復したものの、再び元の鞘に戻る動きとなると157.49円まで下押し。ただ、米10年債利回りが4.63%台まで大幅な上昇となっていることもあり、下押しも限定的といったところです。
いずれにしても、ユーロドルの急落から始まった2025年の為替市場は、本邦勢の本格復帰を受けて、再びドル円に焦点が集められているわけですが、「一番マグロの値付けが、キロ当たり10万円を上回った場合は日経平均が上昇する」といったアノマリーもあるなか、出遅れ感の強い日経平均とともに、戻り高値を試す方向性を確認する巳年が始まっています。
一部報道が伝えたところによると、カナダのトルドー首相は今週中にも自由党党首を辞任する見込みだという。
「歴史は同じようには繰り返さないが、韻を踏む」(マーク・トウェイン)
1.ドル円高値8年サイクル
ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけている。
2025年は、2024年7月の高値161.95円から2032年の高値175円に向けた調整局面を予想する。
・1974年:306.90円
・1982年:278.50円
・1990年:160.35円 (※消費税3.0% 1989年)
・1998年:147.64円 (※消費税5.0% 1997年)
・2007年:124.14円 (2006年から1年ずれ)
・2015年:125.86円 (※消費税8.0% 2014年)
・2024年:161.95円 (※消費税10.0% 2019年)
2.エリオット波動
第4波動の「三角保ち合い」を形成すると予想する。
・第1波動:75.32円-125.86円(+50.54円)
・第2波動:125.86円-101.19円(▲24.67円)※第1次トランプ米政権(2017年~20年)
・第3波動:101.19円~161.95円(+60.76円)
・第4波動:161.95円~126円 ※第2次トランプ米政権(2025年~28年):
・第5波動:126円~175.50円
3.太陽黒点とドル円相場
太陽黒点は、約11年周期で極大期・極小期を繰り返しているが、ドル円の8年サイクルに対応している。
第25太陽活動周期の極大期が2024年10月だったことで、7月の高値161.95円が当面の高値だったことが想定できる。
【太陽活動周期】 【極大期】⇒ピークアウト 【極小期】⇒ボトムアウト
・20期(1964-76)1968年+3年=1971年 360.00円 1976年+2年=78年 175.50円
・21期(1976-86)1979年+3年=1982年 278.50円 1986年+2年=88年 120.25円
・22期(1986-96)1989年+1年=1990年 160.35円 1996年-1年=95年 79.75円
・23期(1996-08)2000年-2年=1998年 147.64円 2008年+3年=11年 75.32円
・24期(2008-19)2014年+1年=2015年 125.86円 2019年+1年=20年 101.19円
※第1次トランプ米政権(2017年~20年)
・25期(2020-31)2024年10月=2024年 161.95円
※第2次トランプ米政権(2025年~28年)
4. 第2次トランプ米政権(2025年~2028年)
第1次トランプ米政権(2017年~20年)のドル円相場(高値118.00円~安値102.88円)は、2016年12月のトランプ・ラリーの高値(118.66円)を超えることはなかった。
第2次トランプ米政権(2025年~28年)のドル円相場は、2024年12月のトランプ・ラリーの高値(158.08円)を上回ることが出来るのだろうか。
日経225先物は11時30分時点、前日比620円安の3万9370円(-1.55%)前後で推移。寄り付きは3万9660円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9595円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。日経平均株価が小幅ながら反発して始まるなか、日経225先物は現物の寄り付き直後には一時4万0010円まで買われ、プラス圏を回復する場面もみられた。ただし、買い一巡後は急速に軟化し、終盤にかけては3万9360円まで下げ幅を広げた。
ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立った。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]やTDK <6762.T> [東証P]、KDDI <9433.T> [東証P]などの下げが重荷となった。東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が6割超を占めており、手掛けづらくさせた。
日経225先物は4万0010円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σ(4万0190円)が意識されたが、早い段階で+1σ(3万9690円)を割り込んだことで、ロング解消の動きに向かわせたようだ。ロングの整理は一巡したとみられるが、25日移動平均線(3万9190円)辺りが意識されやすく、まずは底堅さを見極める必要があるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。一時14.25倍まで下げる場面もみられ、200日線(14.25倍)水準まで低下。足もとでは同線が支持線として意識されていたこともあり、後場はNTショートを巻き戻す形でのリバランスの動きを意識しておきたい。
本日のロンドン為替市場では、欧州のエネルギー価格動向や改定値ではあるが独仏ユーロ圏の12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の結果を見定めながらの取引か。ニューヨーク勢の参入後の欧州午後には、独インフレ指標も発表される。
ロシア国営企業ガスプロムは1日、ウクライナ経由で欧州への天然ガス輸出の停止を発表。これを受けて、2日に取引が再開された「オランダTTF天然ガス先物(欧州の天然ガス価格の指標)」2月限は、1メガワット時あたり50.2ユーロを超えて終えた。下落していた先月半ばから比べると、20%以上も上昇した水準だ。
もっとも、既に欧州連合(EU)はロシア産天然ガスへの依存度を引き下げているためか、先週末3日にTTF天然ガス先物は49.62ユーロ付近まで下落して終えた。ウクライナがガスプロムとの契約を更新しない方針を以前から決めていたこと、今後ロシアは別ルートで欧州に天然ガス輸出を続ける見込みということも、警戒感を過度に高めていない要因だろう。
とはいえ、これから冬が本格化する中でエネルギー需給の逼迫懸念は残る。原油先物も年末年始にかけて堅調に推移しており、エネルギー価格が高止まりするようだと欧州インフレの上昇圧力に繋がるだろう。そうなった場合、ユーロ圏金利の先安観の後退から通貨ユーロが支えられる局面があるかもしれない。しかし景況感の悪化も避けられないため、持ち高調整以外では積極的な上値追いも難しそうだ。
12月サービス部門PMIは、速報値では仏独ユーロ圏とも総じて予想以上の結果だった。特に、ドイツとユーロ圏が景況判断の境目50もしっかり超えてきている。12月の好調さを改定値で確認できれば、ユーロ相場にとって目先の支持要因とされるか。ただし改定値のため、速報値から大きく離れた場合のみユーロ相場の動意を高めることになるだろう。
なお、日本時間22時に発表される12月独消費者物価指数(CPI)速報値は、前年比2.4%上昇が市場予想の中心値。見込み通りであれば、3カ月連続の加速となる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0342ドル。超えると同・基準線1.0428ドルが意識される。
想定レンジ下限
・ユーロドル、2日につけた2022年11月以来の安値1.0226ドル。
(6日15時時点)
ドル円:1ドル=157.78円(前営業日NY終値比△0.52円)
ユーロ円:1ユーロ=162.65円(△0.57円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0309ドル(△0.0001ドル)
日経平均株価:39307.05円(前営業日比▲587.49円)
東証株価指数(TOPIX):2756.38(▲28.54)
債券先物3月物:141.59円(▲0.31円)
新発10年物国債利回り:1.125%(△0.035)
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。東京早朝から買いが先行すると、時間外の米長期金利の上昇もあり157.83円まで上昇。大発会後の日経平均が下げに転じると157.50円前後まで下押すも、売り一巡後は157.80円前後までじりじりと値を上げた。ただ、新発10年物国債の利回りが2011年7月以来の1.12%台まで上昇したこともあり、本日高値を前に伸び悩んだ。なお、植田日銀総裁からは「今年は賃金物価バランスよく成長するよう期待」などの発言が伝わっている。
・ユーロ円は伸び悩み。ドル円の上昇に連れてじり高で推移する中で162.81円まで値を上げるも、日足一目均衡表の転換線162.91円が目先の抵抗として意識されると伸び悩んだ。
・ユーロドルは小動き。手掛かり材料に乏しい中、主に1.03ドル台前半での狭いもみ合いが続いた。
・カナダドルは上昇。一部報道が「トルドー加首相が今週中にも与党・自由党の党首を辞任する見込み」と伝えた。昨年から辞任は時間の問題とされていた中、市場はカナダドル買いで反応。カナダドル円は109.66円まで上昇した
・日経平均株価は続落。小高く始まるも早々にマイナスに転じると、下げ幅を拡大。ファーストリテイリングやトヨタなどが下げを先導したほか、米政府が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に対する中止命令を出したことも重しとなり、下げ幅は一時600円超に達した。
・債券先物相場は反落。前週末の米国債券相場が下落した流れを引き継いだほか、週内に入札を控えて需給の緩みを警戒した売りも出た。なお、新発10年物国債利回りは日銀の早期利上げ観測がくすぶる中で2011年7月以来となる1.12%台まで上昇した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
オーストリアで極右排除の連立協議が決裂 極右政権誕生に近づく
昨年9月の総選挙で極右政党・自由党が第一党となったオーストリアでは、極右を除く3党による連立協議が行われてきたが、年明け直後に決裂。連立協議を率いてきたネーハーマー首相が首相並びに中道右派の国民党党首の辞任を発表。国民党の後継党首は自由党が主導する連立協議に応じる姿勢を示しており、オーストリアでも極右政権が誕生する可能性が高まった。新たな連立協議が不調に終わった場合も、選挙後の世論調査で自由党が4割近くまで支持を伸ばしている。再選挙となった場合、自由党が更に議席を上積みし、同党抜きの連立は益々困難になりつつある。
大阪3月限
日経225先物 39340 -650 (-1.62%)
TOPIX先物 2760.0 -26.5 (-0.95%)
日経225先物(3月限)は前日比650円安の3万9340円で取引を終了。寄り付きは3万9660円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9595円)にサヤ寄せする形で売り先行で始まった。日経平均株価が小幅ながら反発して始まるなか、日経225先物は現物の寄り付き直後には一時4万0010円まで買われ、プラス圏を回復する場面もみられた。
だが、買い一巡後は急速に軟化し、前場終盤にかけて3万9360円まで下げ幅を広げ、後場中盤には3万9230円まで売られた。売り一巡後は終盤にかけて3万9230円~3万9380円辺りでのレンジ推移が続いた。
日経225先物は4万0010円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σ(4万0190円)が意識されたが、早い段階で+1σ(3万9690円)を割り込んだことで、ロング解消の動きに向かわせたようだ。後場に入り3万9230円まで売られたが、祝日取引でつけた安値(3万9220円)は割り込まず、25日移動平均線(3万9190円)辺りが支持線として意識され、終盤にかけて若干ながらショートカバーを誘う形だったのだろう。
3日の米国市場がエヌビディア<NVDA>などハイテク主導で上昇した流れを受け、アドバンテスト <6857.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]といった指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立った。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]やリクルートホールディングス <6098.T> [東証P]、TDK <6762.T> [東証P]、KDDI <9433.T> [東証P]の下げが重荷となった。
東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が7割超を占めたが、セクターでは海運や鉱業、石油・石炭製品、銀行が上昇した。少額投資非課税制度(NISA)に伴う資金が高配当の銘柄に向かったことが窺える。
NT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.24倍まで下げる場面もみられ、200日線(14.25倍)を下回る場面もあった。足もとでは同線が支持線として意識されていたこともあり、その後はNTショートが強まる流れは一服したが、200日線を割れからNTショートに振れやすくなる可能性がありそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が3万3412枚、ソシエテジェネラル証券が2万4939枚、JPモルガン証券が6986枚、日産証券が6699枚、サスケハナ・ホンコンが5426枚、SBI証券が4329枚、モルガンMUFG証券が2502枚、バークレイズ証券が2466枚、ビーオブエー証券が1928枚、ゴールドマン証券が1656枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万4701枚、ソシエテジェネラル証券が2万8670枚、日産証券が9589枚、ゴールドマン証券が8210枚、JPモルガン証券が8093枚、バークレイズ証券が7220枚、モルガンMUFG証券が4735枚、みずほ証券が2550枚、ビーオブエー証券が2365枚、BNPパリバ証券が1693枚だった。
今週のNY市場は12月雇用統計などの経済指標に注目。先週は週末金曜日に主要3指数がそろって上昇したものの、週間ではダウ平均が0.60%安、S&P500が0.48%安、ナスダック総合が0.51%安とそろって反落した。例年株価上昇確率が高いサンタクロース・ラリー(年末最終の5営業日と新年の2営業日)は、ダウ平均が0.41%安、S&P500が0.53%安、ナスダック総合が0.72%安となり、今回は失敗に終わった。ただ、2024年年間ではダウ平均が12.88%高、S&P500が23.31%高、ナスダック総合が28.64%高とそろって大幅に2年続伸となった。
今週は9日木曜日がジミー・カーター元大統領の追悼行事で株式市場が休場で、4日間の短縮取引となる。年末年始のサンタクロース・ラリーは下落となったが、新年の2営業日ではダウ平均が0.44%高、S&P500が1.03%高、ナスダック総合が1.61%高とそろって上昇スタートとなった。1月や2025年のパフォーマンスを占う意味で今週の株価の行方が注目されるが、米連邦準備理事会(FRB)による今年の利下げ見通しを巡り12月雇用統計などの労働統計が焦点となりそうだ、金曜日に発表される12月雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が16万人増と11月分の22.7万人増から鈍化が見込まれており、失業率は11月の4.2%から横ばいが見込まれている。市場では2025年に2回(0.50%)の利下げが予想されているが、NFPが予想を上回る増加となれば利下げ期待の後退が相場の重しとなることが懸念材料となる。このほかの経済指標は、11月耐久財受注改定値、11月製造業新規受注、12月ISM非製造業PMI、11月JOLTS求人件数、12月ADP民間部門雇用者数など。
今晩の米経済指標・イベントは12月サービス業PMI確定値、11月製造業新規受注など。企業決算は引け後にメトラートーレドが発表予定。
米ワシントンポスト紙が「トランプ次期大統領が、重要な輸入品に一律の関税導入を検討している」と報じている。
カナダのトルドー首相が自由党党首を辞任する意向を表明すると一部メディアが伝えた。ただし、新党首選出まで留任するという。
カナダのトルドー首相は3月24日まで議会の閉会を要請したと一部メディアが伝えた。これにより、政府は不信任案を避けることができ、自由党が新しい党首を選出するための時間に充てるという。
日経平均株価は大幅続落。大納会からの売りが継続する格好となり、25日移動平均線(39169円 1/6)付近まで下げ幅を拡大する場面があった。終値ベースでは10日移動平均線(39297円 同)まで戻したが、直近2日間で大きな揺り戻しが生じる格好となった。
RSI(9日)は前日の59.2%→53.4%(1/6)に低下。50%超を維持する状態であり、あすは上昇しやすいタイミングとなる。このまま、25日移動平均線や基準線(39099円 同)などを下回ると、11/28安値(37801円)と12/19安値(38355円)をつないで延長した支持線まで下落余地が拡大する公算が大きい。
まずは、あすの転換線(39376円 同)の上昇を追い風に、5日移動平均線(39636円 同)上を回復できるかが、12/27までの上昇モメンタム回復のカギとなる。
上値メドは、5日移動平均線や心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円などが考えられる。下値メドは、25日移動平均線や心理的節目の39000円、75日移動平均線(38738円 同)、100日移動平均線(38350円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)などがある。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.332%、応札倍率(カバー)が2.62倍となった。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.50円(6日15時時点比▲0.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.61円(△0.96円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0387ドル(△0.0078ドル)
FTSE100種総合株価指数:8249.66(前営業日比△25.68)
ドイツ株式指数(DAX):20216.19(△310.11)
10年物英国債利回り:4.610%(△0.017%)
10年物独国債利回り:2.447%(△0.022%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月スイス小売売上高 (前年同月比)
0.8% 1.5%・改
12月仏サービス部門PMI改定値
49.3 48.2
12月独サービス部門PMI改定値
51.2 51.0
12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
51.6 51.4
12月英サービス部門PMI改定値
51.1 51.4
12月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.4% ▲0.2%
(前年比) 2.6% 2.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。円安・ドル高が進んだ東京市場の流れを引き継ぐと、欧州勢参入後も円売り・ドル買いが進行。20時過ぎに一時157.96円と日通し高値を付けた。ただ、昨年12月30日の高値158.07円や12月26日の高値158.08円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
米ワシントン・ポスト紙が「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」と報じると、米金利上昇圧力が従来予想よりも限定的にとどまるとの見方が浮上。全般ドル売りが優勢となり、22時30分前に一時156.24円と日通し安値を付けた。
もっとも、トランプ氏が「ワシントン・ポストの記事は正確ではない」「自分の関税政策を後退させることはしない」と発言すると一転ドルを買い戻す動きが優勢に。3時過ぎには157.67円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは伸び悩み。12月仏・独・ユーロ圏サービス部門PMI改定値が予想を上回るとユーロ買い・ドル売りが先行。ワシントン・ポストの報道をきっかけに全般ドル売りが活発化すると一時1.0437ドルと日通し高値を付けた。ただ、トランプ氏が当該記事を否定すると一転ドル買いが優勢となり、23時30分前には1.0355ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は強含み。ユーロドルの上昇をきっかけに円売り・ユーロ買いが優勢になると、20時30分過ぎに一時164.02円と日通し高値を付けた。23時30分前には162.61円付近まで下押しする場面もあったが、2時前には163.84円付近まで再び強含んだ。
・ロンドン株式相場は反発。続落して始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。米国株相場の上昇などが相場を下支えした。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが買われたほか、アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。米ワシントン・ポスト紙が「トランプ次期大統領は重要な輸入品のみに一律の関税導入を検討」と報じたことが好感されて、独株にも買いが入った。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(7.34%高)やザルトリウス(5.93%高)、ダイムラー・トラック・ホールディング(5.79%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落した。米債安につれた。
大発会1月6日の日経平均は大幅続落。終値は587円安の39307円。東京市場が休場の間の米国株は軟調となったが、これを受けても寄り付きは小幅なプラス。しかし、すぐに下げに転じると、場中は下値模索が続いた。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>が弱かったほか、トヨタ<7203.T>など昨年末の動きが良かった銘柄に大きく下げるものが散見された。前場のうちに下げ幅を500円超に広げ、後場には600円超下げる場面もあった。終盤にかけては売り一巡感から下げ渋ったものの、安値圏で2025年初日の取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4800億円。業種別では海運、鉱業、石油・石炭などが上昇した一方、輸送用機器、小売、サービスなどが下落した。500株以上保有の株主に対する優待を手厚くすることを発表した東海染工<3577.T>が後場急騰。ストップ高まで買われる場面もあった。半面、3Q累計は増収増益もポジティブサプライズに乏しいと受け止められたハイデイ日高<7611.T>が後場マイナス転換から下げ幅を広げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり357/値下がり1243。3日の米国でエヌビディアが強く買われたことから、アドバンテストやディスコなど半導体株が上昇。野村マイクロがストップ高まで買われたほか、オルガノが3%超上昇するなど、超純水関連に強い動きが見られた。自動車株は濃淡あったが、スズキやホンダは大幅高。決算が好感されたあみやき亭が急伸した。
一方、トヨタが4.3%安となったほか、三菱自動車や日野自動車など自動車株の一角が嫌われた。IHIや川崎重工など防衛関連が大幅安。今週決算発表を控えているファーストリテイリングが4.2%安と派手に下げた。昨年末に急騰したDeNAが一転急落。リクルートHD、ソニーG、キーエンスなどグロース系の銘柄が強めに売られた。
2025年の大発会は大幅安。昨年の大納会同様、外部環境がアゲインストの割には高く始まり、寄った後に改めての売りに押された。下に値幅は出たが売買代金上位銘柄を見るとプラスの銘柄も結構多く、リスクオフに傾斜したような雰囲気はない。終値は39307円。4万円は遠のいたが、安値(39232円)でも25日線(39169円、6日時点、以下同じ)は割り込んでおらず、テクニカルの節目は意識された。39000円を割り込んだとしてもその下には75日線(38738円)が控えており、悲観に傾く局面ではない。きょう弱かった銘柄は直近では強く買われていたものも多かっただけに、あすは反転攻勢の展開に期待したい。
一部通信社が報じたところによると、「バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)は同職を退任する」もよう。
6日11:26 植田日銀総裁
「昨年の日本経済、賃金・物価の好循環続いた」
「今年も金融緩和度合い調整するタイミングは今後の経済金融物価情勢次第、様々なリスクに留意必要」
「データその他の情報を精緻に分析、経済物価見通し作成している」
「経済物価見通し、月末の展望リポートで政策判断基本材料にする」
「今年は賃金物価バランスよく成長するよう期待」
6日23:00 トランプ次期米大統領
「中国の習近平主席とはおそらく非常に上手くやっていけるだろう」
「バイデン大統領の石油掘削禁止令を即座に解除する」
「ワシントン・ポスト紙の記事は正確ではない」
「関税政策は縮小しない」
6日23:15 クック米連邦準備理事会(FRB)理事
「時間をかけて中立的な水準まで利下げすることが適切になるだろう」
「インフレと雇用に関するリスクはほぼバランスが取れている」
「FRBはより慎重に利下げを進めることができる」
「労働市場はより均衡が取れており、インフレの要因ではない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月マネタリーベース
<海外>
○09:01 ◇ 12月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比▲0.2%)
○09:30 ◎ 11月豪住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.0%)
○16:30 ◎ 12月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○16:45 ◇ 12月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比1.4%)
○18:30 ◎ 12月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:54.4)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.4%)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.7%)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏失業率(予想:6.3%)
○22:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30 ◇ 11月カナダ貿易収支(予想:9.0億カナダドルの赤字)
○22:30 ◎ 11月米貿易収支(予想:780億ドルの赤字)
○24:00 ◇ 12月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00 ◎ 11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:770.0万件)
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:53.3)
○8日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○ロシア(新年休暇)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.62円(前営業日比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.77円(△1.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0390ドル(△0.0082ドル)
ダウ工業株30種平均:42706.56ドル(▲25.57ドル)
ナスダック総合株価指数:19864.98(△243.30)
10年物米国債利回り:4.63%(△0.03%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.56ドル(▲0.40ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2647.4ドル(▲7.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米サービス部門PMI改定値
56.8 58.5
12月米総?⑰MI改定値
55.4 56.6
11月米製造業新規受注
(前月比) ▲0.4% 0.5%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米ワシントン・ポスト紙が「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」と報じると、米物価上昇圧力が想定よりも限定的にとどまるとの見方が浮上。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢になると、22時30分前に一時156.24円と日通し安値を付けた。
ただ、トランプ氏が「ワシントン・ポストの記事は正確ではない」「自分の関税政策を後退させることはしない」と発言すると一転ドルを買い戻す動きが優勢に。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、3時過ぎに157.67円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは続伸。欧州時間発表の12月仏・独・ユーロ圏サービス部門PMI改定値が予想を上回ったことを受けてユーロ買い・ドル売りが進行。ワシントン・ポストの報道をきっかけに全般ドル売りが活発化すると一時1.0437ドルと日通し高値を付けた。
ただ、トランプ氏が当該記事を否定するとドル買い戻しが優勢となり、23時30分前に1.0355ドル付近まで下押しした。そのあとは1.03ドル台後半で値動きが細った。
・ユーロ円も続伸。ユーロドルの上昇をきっかけに円売り・ユーロ買いが優勢になると、20時30分過ぎに一時164.02円と日通し高値を更新。23時30分前には162.61円付近まで下押しする場面もあったが、2時前には163.84円付近まで再び強含んだ。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反落。一時380ドル超上昇する場面もあったが、「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道をトランプ氏が否定すると、米長期金利が上昇。株式の相対的な割高感が意識されて、売りが優勢となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。半導体株やメタ・プラットフォームズが買われ、相場の押し上げ要因となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道をトランプ氏が否定すると一転売りが優勢となった。3年債入札が「やや低調」と受け止められたことも相場の重し。
・原油先物相場は6日ぶりに反落。欧米での寒波を受けて暖房需要への期待から天然ガス先物が急伸したことにつれて75ドル手前まで上昇した。ただ、トランプ米次期大統領の発言でドル買い戻しが進むと、ドル建て商品の割安感が薄れ一転下落した。
・金先物相場は続落。「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道をトランプ氏自身が否定したことでドルの買い戻しが進むと、ドル建てで取引される金の割高感が意識された。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39670 +330 (+0.83%)
TOPIX先物 2774.5 +14.5 (+0.52%)
シカゴ日経平均先物 39675 +335
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。台湾の鴻海精密工業が発表した2024年10-12月期の売上高(速報値)は、人工知能(AI)向けのサーバーが寄与し過去最高となった。これが材料視され、エヌビディア<NVDA>が一時5%を超す上昇となったほか、マイクロン・テクノロジー<MU>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など半導体株が買われ、投資家心理を明るくさせた。
ただし、「トランプ次期米大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道を、トランプ氏が否定すると米長期金利が上昇。これが相場の重荷となり、一時380ドルほど上昇していたNYダウは軟化し、その後は一進一退の展開が続いた。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、ウォルマート<WMT>、ゴールドマン・サックス<GS>が買われた。半面、ハネウェル・インターナショナル<HON>、ベライゾン<VZ>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、セールスフォース<CRM>が軟調。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比335円高の3万9675円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万9360円で始まり、直後につけた3万9340円を安値にロング優勢となり、3万9670円まで買われた。買い一巡後は3万9460円まで軟化したが、米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万9850円まで上げ幅を広げた。終盤にかけてロング解消の動きがみられたものの、3万9600円辺りでの底堅さが意識され、3万9670円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。鴻海精密工業については前日の時点で織り込まれているが、米半導体株への物色に波及したことで、改めて材料視されやすいだろう。そのため、指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]など、値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開が期待される。
昨日の日経225先物は朝方に4万円を回復した後は下へのバイアスが強まり、一時3万9230円まで下げる場面もみられた。ただし、上向きで推移する25日移動平均線が支持線として意識されており、同線割れを狙ったショートは手控えられそうである。ナイトセッションではボリンジャーバンドの+1σ(3万9700円)を捉えており、レンジとしてはオプション権利行使価格の3万9375円から3万9875円での推移だった。
+1σ水準では強弱感が対立する可能性はあるものの、同線を挟んだ推移のなかで+2σ(4万0160円)が次第に意識されてきそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万9625円から4万0125円のレンジを想定し、押し目狙いのロング対応となろう。
6日の米VIX指数は16.04(3日は16.13)に低下した。一時15.71まで下げており、25日線(15.87)を下回っている。トランプ氏の関税政策に注目が集まるなか楽観は禁物だろうが、米半導体株主導の上昇により、リスク選好に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.24倍まで下げ、200日線(14.25倍)を下回る場面もあった。足もとでは同線が支持線として意識されていたこともあり、その後はNTショートの動きは一服した。200日線を明確に割り込んでくるとNTショートに振れやすくなる可能性はあるが、米半導体株が買われるなかで、本日のところは同線を支持線にNTショートを巻き戻す動きが優勢になろう。
6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ワシントン・ポスト紙報道「関税適用対象を重要輸入品に絞る計画」で156.24円まで下落後、トランプ氏による否定発言で157.67円付近まで反発した。ユーロドルは12月仏・独・ユーロ圏サービス部門PMI改定値が予想を上回ったことやワシントン・ポスト紙報道を受けて一時1.0437ドルまで上昇した。ユーロ円も164.02円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今月末の日米金融政策決定会合での現状維持観測から底堅い展開が予想されるものの、トランプ次期米大統領のドル高牽制や本邦通貨当局による円安牽制発言には引き続き警戒しておきたい。
昨日のドル円は、ワシントン・ポスト紙の報道「トランプ次期大統領の側近らが、関税の対象を重要な輸入品のみに絞ることを検討」を受けて156.24円まで下落する局面があった。
トランプ関税の範囲が狭まれば物価上昇圧力も弱まるとの思惑から、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを進めやすくなるとの見方が広がった。
しかし、トランプ氏が「ワシントン・ポストの記事は間違いだ」と、自身のソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に投稿したことで、157円台半ばまで戻して推移している。
日本製鉄がバイデン米大統領によるUSスチール買収禁止に対して提訴したが、買収計画に反対してきたトランプ氏の日本企業による対米投資や買収などに関する見解、そして現状のドル高・円安水準に対する牽制発言が出る可能性などには引き続き警戒しておきたい。
昨日のドル円は157.96円まで上昇したものの、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感や日銀の追加利上げ観測を受けた日本の中長期債利回りの上昇などから上値が抑えられた。
植田日銀総裁は、昨日、賀詞交歓会で挨拶し、経済・物価情勢の改善が続けば政策金利を引き上げる金融調節を行う方針を示した上で、調整のタイミングは「今後の経済・金融・物価情勢次第で、さまざまなリスク要因を注視する必要がある」との認識を示した。
すなわち、12月の日銀金融政策決定会合の後の会見と同様に、第2次トランプ米政権の関税政策や春闘での賃上げのモメンタムという「ワンノッチの情報」を見極めるスタンスが示された。
しかし、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ確率は46%へ上昇しており、新発10年物国債の利回りも2011年7月以来となる1.125%台まで上昇していることで、ドル円の158円台乗せを阻んでいる。
日銀関連では、9日の日銀支店長会議・地域経済報告での賃上げ動向や14日の氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での講演を注目することになる。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に関しては、昨年12月の本邦通貨当局の円安牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっており、今後は「断固たる措置」といった円買い介入を示唆するタイミング、為替水準を見極めることになる。
神田前財務官は、ボラティリティー抑制を円買い介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では160円台前半に控えている。
日経225先物は11時30分時点、前日比940円高の4万0280円(+2.38%)前後で推移。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9675円)を上回る形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9630円まで軟化した後はロングの勢いが強まり、中盤にかけて4万円の大台を回復。ショートカバーを交えた強い基調のなか、終盤にかけて一時4万0300円まで上げ幅を広げた。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)水準から始まり、いったんは同水準に抑えられる形となった。ただし、早い段階で+1σを明確に上放れてきたことでロングの勢いが強まったほか、ショートカバーを誘う形になったようだ。4万円回復後は+2σ(4万0250円)を意識したトレンドとなり、同水準を上回っている。
一気に+2σ水準まで上昇したことで、短期的には過熱感が警戒されやすいところではある。ただし、同水準での底堅さがみられるようだと、ショートカバーを交えた一段の上昇となる可能性もあるため、過熱感からのショートは避けておきたい。
米国市場の流れを引き継ぐ形から、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立っており、2社で日経平均株価を約420円押し上げている。
日経平均型優位のなか、NT倍率は先物中心限月で14.40倍に上昇した。14.30倍で始まり、ほどなくして25日移動平均線(14.32倍)および75日線(14.36倍)を突破。NTショートを巻き戻す形でのリバランスの動きが強まっている。
昨日の海外市場では、ワシントンポスト(WP)紙の記事を巡って上下に振らされる展開となったわけですが、ドル円は年末年始から続くレンジ内での取引を繰返したに過ぎず、結果としては「いい買い場を与えたに過ぎない」相場となったといったところ。156.24円まで売り込まれた後は、トランプ次期米大統領がWP紙の関税政策を巡る報道を自身のSNSで否定すると一気に買戻される展開に。米10年債利回りの4.6422%への上抜けとともに157.67円まで買戻されてNY市場を終えることになりました。
行って来いに終わったNY市場後のアジアでは、朝方から本邦実需の買いが断続的に観測されると上値を試す展開。昨日高値の157.96円や目先の戻り目処として意識されていた12月26日の高値158.08円を上抜けると一時158.42円まで値を上げました。加藤財務相がお決まりの円安牽制発言を行ったものの、しっかりとした実需の買いが出ているなかにあっては、下押しの買い場を提供するだけの動きとなっています。
いずれにしても、本日は「本邦勢の買いがかなり出ている」わけで、「証券筋の買いなどが目立つことから、新NISA絡みの買いが出ている」模様。日経平均の4桁近い急騰もまたしかり。新年を迎えて、新NISAへの資金流入は「増えることはあっても減ることはない」状況が続くなか、しっかりとした実需の買い需要に裏付けられたドル円の買いであり、かつ、日経平均の買いであるわけで、円安が進むことが何が何でも「投機的な動き」と決めつけている当局の認識とは、全く違う質の相場が展開されています。
米国防総省は6日、中国インターネットサービス大手のテンセント(00700)など5社を中国人民解放軍と協力関係にあるとみなす「中国軍事企業」リストに追加すると明らかにした。7日付の官報によると、テンセントのほかに車載電池大手の寧徳時代新能源科技(300750)、半導体メモリー大手の長キン儲存科技(CXMT)、上海移遠通信技術(603236)、ドローンメーカーのオーテル・ロボティクスが新たに指定され、リスト収載企業は計134社となった。
「中国軍事企業」リストは、2020年6月に華為科技(ファーウェイ)など20社が指定されて以降、米国防総省が国防権限法に基づいて毎年更新している。
香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』によると、「中国軍事企業」指定は輸出規制や制裁措置とは異なり、法的な影響はないが、指定された企業の評判が傷つき、収載企業に制裁を科すよう米財務省に求める圧力が高まる可能性があるという。
6日の米店頭市場でテンセントのADR(米預託証券)は前日比7.82%下落した。
「経済・物価情勢の改善が続くならば、日銀としてはそれに応じて政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整する方針」(植田日銀総裁:2025年1月6日賀詞交歓会)
1.「ワンノッチ」(2024年12月19日)※ハト派
2024年12月19日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は、追加利上げの見送りを決めた理由として、「日本経済に大きな影響を与える可能性がある米国のトランプ次期政権の追加関税策の中身に関する情報、来年の春闘に向けた賃上げのモメンタムを確認するために、『もうワンノッチ(1段階)』情報を待ちたい」と述べた。
「ノッチ(notch)」とは、金融市場では、国債の格付けで「AAからAA+に、1ノッチ引き上げた」などと表現する。
2.「時間的余裕は不要」(2024年10月31日)※タカ派
2024年7月31日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は、「政策判断に時間的余裕がある」との表現が「不要になるのではないかと考え、今日も使っていない」と述べ、金融政策の見極めに必要な時間や利上げのタイミングには予断を持っていない、と発言した。
ドル円は、10月28日に153.88円まで上昇して、7月31日の植田ショックの時の高値に面合わせしていたが、11月1日には151.79円まで下落した。
植田日銀総裁は、10月のG20会議の後の記者会見、9月の日銀金融政策決定会合の後の記者会見、そして、石破首相との初会談の後に、「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」と述べ、追加利上げの時期を先送りしていた。
3.「0.5%は壁ではない」(2024年7月31日)※タカ派
2024年7月31日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べた。
そして、「経済・物価情勢が見通しに沿って推移すれば、引き続き金利を上げていく」とタカ派宣言をした。
ドル円は、7月31日の高値153.88円から8月5日の安値141.70円まで下落した。
日経平均株価は、8月5日に、31156.12円まで下落(▲4451円)し、過去最大の下落幅を記録した。
4.「チャレンジング」(2023年12月7日)※タカ派
2023年12月7日の参議院財政金融委員会で、今後の金融政策の運営について抱負を問われた植田日銀総裁は「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っているので、情報管理の問題もきちんと徹底しつつ、丁寧な説明、適切な政策運営に努めていきたい」と答えた。市場は、「チャレンジング」という言葉が、金融引締めを示唆するものだと解釈し、ドル円は141円台へ下落、8日の日経平均株価は前日比550円45銭安の3万2307円86銭で引けた。
しかし、植田日銀総裁は、チャレンジング発言は、「仕事の取り組み姿勢一般についての議員の質問への回答であり、2年目も一段と気を引き締めて職務に取り組む意思を示したもの」と説明した。
本日のロンドン為替市場でユーロやスイスフランは、インフレ動向に注目しながらの取引となりそうだ。また、昨年7月以来の高値を更新したドル円の方向性も目を向けておきたい。なお昨日は、仏・独・ユーロ圏の12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値の上方修正をきっかけにユーロ買いが強まった。
本日はまず、12月スイス消費者物価指数(CPI)が発表される。前月比予想が-0.1%と低調なまま、前年比も+1%を割り込んだ水準で鈍化が見込まれている。今年最初のスイス中銀(SNB)金融政策決定会合は3月であり、それまでに次の一手を考える時間はまだある。とはいえディスインフレ基調の強まりを確認となれば、スイス利下げペースの速まりが意識され、スイスフランは買いづらいだろう。
ユーロ圏からはまず、フランスの12月CPIが発表予定。こちらは前月比が前回マイナスからプラス回復が見込まれ、前年比は+1%台ではあるが加速予想。その後にユーロ圏の同月消費者物価指数(HICP)が明らかになるため、仏インフレへの反応は限定的か。12月HICPは前年比が+2.4%と前回から0.2ポイント上回るというのが市場の見立てだ。
ユーロ圏インフレが予想通りであれば3カ月連続の加速となり、水準としても7月以来の高い値だ。米国で保護主義色が強いトランプ政権が誕生すると、欧州インフレも先行き不透明感が強まると当局者は懸念している。欧州金利先安観の後退との思惑がインフレ指数確認後に広まってくるかもしれない。
ところで、欧州の天然ガス価格の指標とされる「オランダTTF天然ガス先物」の期先限月は昨日、前日比5%弱低下して終えた。ロシア国営企業ガスプロムがウクライナ経由での天然ガス輸出を停止したが、足もとでは需給ひっ迫への懸念は後退しつつあるもよう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、昨年12月30日高値1.0458ドル
・ドルスイスフラン、昨年5月24日高値0.9158フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、昨日安値1.0295ドル
・ドルスイスフラン、昨年12月24日安値0.8983フラン
(7日15時時点)
ドル円:1ドル=157.86円(前営業日NY終値比△0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=164.12円(△0.35円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0396ドル(△0.0006ドル)
日経平均株価:40083.30円(前営業日比△776.25円)
東証株価指数(TOPIX):2786.57(△30.19)
債券先物3月物:141.60円(△0.01円)
新発10年物国債利回り:1.125%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月マネタリーベース
前年同月比 ▲1.0% ▲0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は行って来いの展開。日経平均の大幅反発を支えにリスク志向が高まると、前日高値157.96円を上抜き昨年7月以来となる158.42円まで上値を伸ばした。ただ、その後は本邦長期金利の上昇や加藤財務相の円安けん制発言などを受けて売りが優勢となると、15時過ぎに157.60円台まで下押す場面も見られた。
・ユーロ円は伸び悩み。本邦株高を受けて円安の流れとなる中で164.40円まで上昇するも、その後は加藤財務相の円安けん制発言などを受けて円が買い戻されると164.00円台まで押し戻された。
・ユーロドルは小高い。1.0380ドル割れの水準での底堅さを確認すると、その後は時間外の米10年債利回りの低下をながめて1.0404ドルまで小幅高となった。
・日経平均株価は大幅反発。米ハイテク株高を好感して高く始まり、その後も上げ幅を拡大。東京エレクトロンやアドバンテストが相場をけん引する形となり、4万円の大台を回復。上げ幅は一時900円を超える場面が見られた。午後に入るとやや伸び悩むも、4万円の大台は維持して取引を終えた。
・債券先物相場は反発。朝方は前日の米国債券相場が下落した影響を受けて売りが先行。新発10年物国債利回りは1.135%と約13年半ぶりの高水準をつけた。しかし、午後に行われた新発10年債入札が強い結果となり、債券需要の引き締まり観測を背景に買いが集まると上昇に転じた。時間外の米長期金利の上昇が一服していることも支えとなった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国景気は当局の内需喚起策に「おんぶに抱っこ」の様相を強める
内需喚起策は一時的に家計消費を押し上げる一方、雇用回復の遅れは持続力の足かせとなろう
足下の中国経済は当局への政策支援への依存を強めている。当局は内需喚起を目的とする買い替え促進のほか、金融緩和や財政出動を通じた取り組みを強化する姿勢をみせている。他方、米トランプ次期政権の発足など外需を取り巻く環境は厳しさを増すなか、内需喚起策を受けて企業マインドは改善するも雇用なき生産拡大の動きが確認されるなど不透明感はくすぶる。また、金融緩和観測が人民元安を招くなど副作用も顕在化しており、金融政策は先行きも当局の動きに対して疑心暗鬼を強める展開が続くであろう。
当局の政策支援を追い風に製造業の企業マインドは底入れしてきたものの、12月は政府統計(50.1)も民間統計(50.5)もともに下落するなど、早くも底入れの一服感が確認されている。外需への懸念に加え、雇用回復も遅れるなかで内需にも不透明感がくすぶるなど、先行きの持続力に疑問がくすぶる。他方、非製造業PMI(52.2)と大きく底入れしており、建設業、サービス業ともに改善している。ただし、内需の回復は道半ばである上、外需に懸念がくすぶるほか、雇用の回復も遅れるなど、内需の持続力には不透明感が大きい。金融市場は先行きも当局の政策対応に期待を寄せる一方、人口規模の大きさはその対応の難しさを引き起こすなかで対応のハードルは極めて高く、その動きに一喜一憂させられる展開が続くことに要注意である。
大阪3月限
日経225先物 40000 +660 (+1.67%)
TOPIX先物 2781.0 +21.0 (+0.76%)
日経225先物(3月限)は前日比660円高の4万円で取引を終了。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9675円)を上回る形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万9630円を安値にロングの勢いが強まり、前場中盤にかけて4万円の大台を回復。ショートカバーを交えた強い基調のなか、前場終盤にかけて一時4万0300円まで上げ幅を広げた。
ランチタイムで4万0320円まで上昇し、その後は利益確定に伴うロング解消により、4万0100円まで上げ幅を縮めた。後場中盤に再びロングが強まり4万0310円をつけたが、日中高値を更新できなかったことで、終盤にかけては4万0050円から4万0150円辺りでの推移が目立った。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9730円)水準を明確に上放れてきたことでロングの勢いが強まったほか、ショートカバーを誘う形となった。4万円回復後は+2σ(4万0200円)を意識したトレンドとなり、同水準を上回った。
一気に+2σ水準まで上昇したことで、短期的には過熱感が警戒されやすいところであった。後場中盤以降は同水準を下回っての推移となったが、昨年10月以降は+2σ到達でいったんは達成感が意識されていた。
積極的な上値追いのロングは限られるとみられ、目先的には4万円固めを見極めつつ、オプション権利行使価格の3万9750円から4万0250円辺りのレンジを想定しておきたい。4万円水準で強弱感が対立する可能性はあるが、底堅さがみられるようだとショートカバーを交えた一段の上昇も考えられるため、過熱感からのショートは避けておきたい。
米国市場の流れを引き継ぐ形から、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立っており、日経平均型優位となった。これによりNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。14.30倍で始まり、ほどなくして25日移動平均線(14.32倍)および75日線(14.36倍)を突破。NTショートを巻き戻す形でリバランスの動きが強まり、一時14.42倍まで上昇した。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万6247枚、ソシエテジェネラル証券が2万1777枚、JPモルガン証券が6318枚、サスケハナ・ホンコンが3926枚、日産証券が3843枚、バークレイズ証券が2768枚、SBI証券が2294枚、野村証券が1950枚、ゴールドマン証券が1825枚、ビーオブエー証券が1708枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3866枚、ソシエテジェネラル証券が2万0954枚、バークレイズ証券が5974枚、日産証券が4185枚、JPモルガン証券が3611枚、モルガンMUFG証券が3157枚、ゴールドマン証券が2706枚、BNPパリバ証券が1835枚、野村証券が1827枚、ビーオブエー証券が1534枚だった。
本日、米国で複数の指標発表が予定されている。ドル円はそれらを確認しつつ、米国景気の先行きのほか、10日の12月米雇用統計への期待値に影響を及ぼすかを見てゆくことになるか。
まずは12月米ISM非製造業景況指数に市場の関心が集まりそうだ。市場予想は53.3と、前月(52.1)のほか、好不況の分岐点とされる50を上回る見通し。ISMについては雇用指標にも注目であり、前月(51.5)や分岐点の50を上回るかが焦点となろう。また、ISMと同時刻には11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数も発表予定。市場予想は770.0万件と前回(774.4万件)をわずかに下回る見通し。直後の市場はこれらを総合的に捉えて上下することが予想される。その後は雇用指標を通じ、12月米雇用統計に対する期待と懸念のどちらが意識されるか注目したい。
また、NY序盤にはバーキン米リッチモンド連銀総裁の発言機会が予定されている。同氏は市場ではややタカ派とみられている。なお、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権はないためインパクトは薄いかもしれないものの、金利や経済への見通しへの言及があるか確認しておきたい。
他方、ユーロドルは2日に2022年11月以来の安値となる1.0226ドルの安値をつけた後は持ち直す動きが続いている。昨日高値1.0437ドルや昨年12月30日高値1.0458ドルを上抜くようだと、1.05ドルの大台を意識した動きも想定される。12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は市場予想通り前月から伸びが加速したものの、直後の市場の反応は限定的であった。こちらも、米指標を受けたドルの動きがカギとなりそうだ。
そのほか、昨日の欧州からNY市場を動かしたトランプ次期米大統領に関する発言には引き続き注意したい。また、本日東京市場で本邦金融当局者から円安けん制発言が相次いでおり、こちらへの警戒も怠らないようにしたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円
・ユーロドルは、心理的節目の1.0500ドル
想定レンジ下限
・ドル円は6日安値156.24円
・ユーロドルは、日足・一目均衡表の転換線1.0342ド
今晩はもみ合いか。昨日は台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)の好決算を受けてエヌビディアなどの半導体株が軒並み高となったことや、トランプ次期政権が導入する関税が予想より小さいものになるとの報道が支援となった一方、米10年債利回りが一時4.644%まで上昇したことが上値の重しとなった。ダウ平均は383ドル高まで上昇後、25.57ドル安(-0.06%)と小幅に反落して終了した一方、S&P500が0.55%高、ナスダック総合が1.24%高とともに2日続伸した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の16.13ポイントから16.04ポイントに低下と、センチメントはやや改善した。
今晩は半導体株を中心に好業績が期待されるAI関連株の堅調持続が期待されるものの、年内の利下げ見通しを巡る不透明感や足もとでの米10年債利回りの上昇が引き続き上値の圧迫要因となることが予想されるほか、9日木曜日がジミー・カーター元大統領の追悼行事で株式市場が休場となることや、週末金曜日に米12月雇用統計の発表を控えていることで、様子見姿勢も強まりそうだ。寄り後に発表される12月ISM非製造業PMIや11月JOLTS求人件数などの経済指標をにらんで狭いレンジでもみ合う展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月ISM非製造業PMI、11月JOLTS求人件数のほか、11月貿易収支、米10年債入札など。企業決算は引け後にメトラートーレドが発表予定。
日経平均株価は大幅反発。上昇に転じた転換線(39550円 1/7)を意識したスタートとなり、上値を伸ばす展開となった。直近高値を前にやや伸び悩んだが、4万円台を回復して取引を終えた。
RSI(9日)は前日の53.4%→67.2%(1/7)に上昇。50%超を維持する状態であり、あすも上昇しやすいタイミングとなる。5日移動平均線(39826円 同)上を回復しており、12/27までの上昇モメンタムは継続。5日移動平均線の上昇が続く中、12/27高値(40398円)を超える連続陽線を形成できるかがあすの焦点となる。
上値メドは、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円、7/11安値(42102円)、7/11高値(42426円)などが考えられる。下値メドは、5日移動平均線や心理的節目の39500円、25日移動平均線(39247円 同)、心理的節目の39000円、75日移動平均線(38781円 同)、100日移動平均線(38400円 同)などがある。
トランプ米次期大統領は新たなデータセンター建設に200億ドルの投資を発表すると関係者筋の話として米メディアが報じた。この発表は、最近の大手テクノロジー企業によるデータセンター投資の流れに沿ったものだという。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.680%、応札倍率(カバー)が2.53倍となった。
(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.69円(7日15時時点比▲0.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.48円(▲0.64円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0367ドル(▲0.0029ドル)
FTSE100種総合株価指数:8245.28(前営業日比▲4.38)
ドイツ株式指数(DAX):20340.57(△124.38)
10年物英国債利回り:4.683%(△0.073%)
10年物独国債利回り:2.483%(△0.036%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比 ▲0.1% ▲0.1%
12月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.2% ▲0.1%
(前年比) 1.3% 1.3%
12月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
53.3 55.2
12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.4% 2.2%
12月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.7% 2.7%
11月ユーロ圏失業率
6.3% 6.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは上値が重かった。欧州債利回りの上昇などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。18時過ぎに一時1.0434ドルと日通し高値を更新した。ただ、12月仏消費者物価指数(CPI)速報値が前月比0.2%上昇と予想の0.3%上昇を下回ったことが分かると伸び悩んだ。
NYの取引時間帯に入り、12月米ISM非製造業景況指数が54.1と予想の53.3を上回ったほか、11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が809.8万件と予想の770.0万件よりも強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化。2時30分前には一時1.0354ドルと日通し安値を更新した。
なお、この日発表の12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.4%上昇と市場予想通りの結果となった。11月ユーロ圏失業率も6.3%と市場予想に一致した。
・ドル円は戻りが鈍い。対ユーロなどでドル売りが先行すると、円に対してもドル売りが進行。18時過ぎに一時157.38円と本日安値を更新した。ただ、この日発表の米経済指標が良好だったことが伝わると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6972%前後と昨年4月26日以来の高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、24時過ぎに一時158.42円とアジア時間に付けた昨年7月以来の高値に面合わせした。
もっとも、同水準の上抜けに失敗すると一転下落した。トランプ次期米大統領が「金利は高すぎる」と発言したことも嫌気されて、1時30分過ぎには157.63円付近まで下押しした。
・ユーロ円は頭が重かった。20時前に一時164.55円と日通し高値を付けたものの、昨年12月30日の高値164.90円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ドル円の失速やユーロドルの下落につれた売りが出ると一時163.39円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は小反落。12月英建設業PMIが予想を下回ったことなどが相場の重しとなったものの、引けにかけては下げ渋った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株が買われた。
・フランクフルト株式相場は続伸。米次期政権による関税強化への過度な警戒感が後退する中、ダイムラー・トラック・ホールディング(4.45%高)やザルトリウス(3.99%高)、バイヤスドルフ(3.25%高)などが買われ、相場を下支えした。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
7日の日経平均は3日ぶりに大幅反発。終値は776円高の40083円。前日の米国市場において、エヌビディアが大幅高となるなどハイテク株が買われた。これを受けて日経平均も上昇して始まり、前場は上げ幅を拡大。半導体株の上昇が指数をけん引し、一時1000円高に迫る場面があった。後場に入ると利益確定売りにより上げ幅を縮小したものの、4万円の大台は維持し、前日の下落分(587円安)を取り戻して終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆9000億円。騰落銘柄数は値上がり815/値下がり761となった。業種別では、電気機器、サービス業、銀行などが上昇した一方、海運、鉄鋼、電気・ガスなどが下落した。
売買代金上位では、東京エレクやディスコ、アドバンテストなど主力の半導体関連が総じて大幅高となったほか、メガバンクや自動車など時価総額が大きい主力大型株も相場上昇をけん引した。一方、海運3社が軟調、IHIは大幅に続落した。
プライム市場の値上がり率上位では、給湯器大手パロマの持ち株会社が公開買い付け(TOB)を実施すると発表した富士通ゼネラルが20%を超える上昇率となったほか、通期営業損益の上方修正と増配を発表したアステリアが急騰。DICとの経営統合検討が伝わった太陽HDが昨年来高値を更新した。採算悪化の事業売却検討と報じられた京セラが上値を伸ばした。
一方、値下がり率上位では、GMOインターネットに売りが続いたほか、株式の売り出しを発表したアズワンが急落。直近上昇したレノバやイーレックスなど再エネ関連が売りに押された。
あすの東京市場も堅調か。米国の主要指数や物色の動向などに依存する相場展開が予想される。きょうはSOX指数(米半導体株指数)が大幅高となったことや、半導体大手エヌビディアに対する期待再開が値がさ半導体関連への買いの刺激材料となった。しかし、SOX指数は上ヒゲで終えており目先の反落が予想され、あすの半導体関連への対応は選別物色が必要だろう。
為替や米長期金利が落ち着いていれば、銀行や自動車株などへ継続した資金流入が予想され、きょうの日経平均型優位とは逆にTOPIX型優位のイメージが描けそうだ。足元で相対的に戻りが鈍いダウ平均が出直りをみせれば、素材や商社といった景気敏感セクターなども幅広に注目されそうだ。
一方、7日の業種別騰落をみると、電気機器やサービス、銀行、精密機器、証券、機械、輸送用機器など指数ウェイトが高いセクターが上昇率上位に並んだ。海外年金など大口投資家による年初の資金が入っている可能性も考えられる。
いずれにしても、日経平均は昨年9月につけた戻り高値(38829円)以降でもみ合い基調にあるが、その上限付近での滞留時間が相対的に長くなりつつあり、昨年7月につけた史上最高値に向けていつ騰勢を強めても不思議ではないといえよう。
7日11:07 加藤財務相
「足元では一方的、急激な動きみられると認識」
「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移すること重要」
「投機的な動向含め為替市場の動向を憂慮、行き過ぎた動きに対しては適切に対応」
7日12:11 赤沢再生相
「為替市場の動向はじめ金融市場の動きに注視している」
7日15:40 経団連会長
「2025年は日本がデフレマインドから完全に脱却できるかの分水嶺の年」
7日23:52 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「消費者債務は2000年代の警戒すべきレベルには全く近づいていない」
「さらなる価格圧力がある場合、金利をより厳しくする必要がある」
「FRBは2%のインフレ目標に強くコミットしている」
8日01:32 トランプ次期米大統領
「金利は高すぎる」
※時間は日本時間
<国内>
○14:00 ◇ 12月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:36.6)
<海外>
○09:30 ◎ 11月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.2%)
○16:00 ◎ 11月独小売売上高(予想:前月比0.5%/前年比2.5%)
○16:00 ◎ 11月独製造業新規受注(予想:前月比横ばい/前年同月比3.0%)
○16:00 ◎ 12月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比1.0%)
◎ コア指数(予想:前月比0.4%/前年比1.7%)
○16:45 ◇ 12月仏消費者信頼感指数(予想:89)
○16:45 ◇ 11月仏貿易収支
○16:45 ◇ 11月仏経常収支
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:95.6)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲14.5)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.5%/前年比▲1.3%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:15 ☆ 12月ADP全米雇用報告(予想:14.0万人)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.8万件/186.7万人)
○24:00 ◇ 11月米卸売売上高(予想:前月比横ばい)
○9日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○9日02:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○9日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日分)
○9日05:00 ◇ 11月米消費者信用残高(予想:105.0億ドル)
○ロシア(新年休暇)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=158.05円(前営業日比△0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.42円(▲0.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0340ドル(▲0.0050ドル)
ダウ工業株30種平均:42528.36ドル(▲178.20ドル)
ナスダック総合株価指数:19489.68(▲375.30)
10年物米国債利回り:4.68%(△0.05%)
WTI原油先物2月限:1バレル=74.25ドル(△0.69ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2665.4ドル(△18.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米貿易収支
782億ドルの赤字 736億ドルの赤字・改
11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
809.8万件 783.9万件・改
12月米ISM非製造業指数
54.1 52.1
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは3日ぶりに反落。12月米ISM非製造業景況指数が54.1と予想の53.3を上回ったほか、11月米JOLTS求人件数が809.8万件と予想の770.0万件よりも強い内容だったことが分かると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6972%前後と昨年4月26日以来の高水準を記録。米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化し、取引終了間際に一時1.0340ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円は続伸。日本時間夕刻に一時157.38円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。この日発表の米経済指標が良好だったことが伝わると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが優勢となり、24時過ぎに一時158.42円とアジア時間に付けた昨年7月以来の高値に面合わせした。
ただ、同水準の上抜けに失敗すると失速。トランプ次期米大統領が「金利は高すぎる」と発言したことも嫌気されて、3時30分前には一時157.59円付近まで伸び悩む場面があった。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。20時前に一時164.55円と日通し高値を付けたものの、昨年12月30日の高値164.90円がレジスタンスとして意識されると一転下落した。ドル円の伸び悩みやユーロドルの下落につれた売りが出ると一時163.21円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。買い先行で始まったものの、米半導体大手エヌビディアの失速で投資家心理が悪化すると下げに転じた。米長期金利が約8カ月ぶりの高水準を更新すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが加速した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落。米金利上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが集まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。12月米ISM非製造業景況指数や11月米JOLTS求人件数が予想を上回ると売りが優勢となった。利回りは一時4.6972%前後と昨年4月26日以来の高水準を付けた。10年債入札が「低調」と受け止められたことも相場の重し。
・原油先物相場は反発。「バイデン米政権がロシアへの制裁強化措置として、ロシア産原油を輸送するタンカーへの制裁発動を検討している」との報道が伝わると、需給悪化懸念から原油買いが優勢となった。
・金先物相場は3日ぶりに反発。中国人民銀行(PBOC)が発表した金保有量が2カ月連続で増加したことを受けて買いが強まり、一時2680ドル手前まで上昇した。もっとも、良好な米経済指標を受けて米長期金利が上昇したため、金利を生まない金の重しとなった。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39730 -270 (-0.67%)
TOPIX先物 2770.5 -10.5 (-0.37%)
シカゴ日経平均先物 39735 -265
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2024年12月の米ISM非製造業総合景況指数が54.1と市場予想を上回ったほか、11月の米雇用動態調査(JOLTS)は非農業部門の求人件数が809万8000件と予想以上だった。インフレ懸念が高まるなかで米長期金利は昨年5月以来の水準に上昇。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの観測が重荷となった。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディア<NVDA>の下げが目立ったほか、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、セールスフォース<CRM>が下落。一方で、メルク<MRK>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、シェブロン<CVX>、ボーイング<BA>、3M<MMM>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比265円安の3万9735円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの4万円で始まり、同水準での底堅さがみられるなか、米国市場の取引開始後に4万0210円まで買われた。ただし、米国市場が下落した影響で軟化し、中盤には下落に転じた。さらに終盤にかけてショート優勢となり、一時3万9650円まで下げ幅を広げ、3万9730円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まることが見込まれる。前日にセンチメントを明るくさせたエヌビディアが高値更新後に売られ、下落率は6%を超えた。指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]など、日経平均株価を牽引していた値がさハイテク株は売りが先行する形となり、日経平均型の重荷になりそうだ。
ただし、日経225先物は前日の上昇で一時ボリンジャーバンドの+2σ(4万0210円)を上回ったこともあり、短期的には過熱感が警戒されるところである。ナイトセッションでも同水準に上値を抑えられた形であり、過熱を冷ましたいところだろう。+1σ(3万9760円)水準まで調整していることから、節目の3万9500円から+1σ水準での底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万0250円のレンジを想定する。+1σ水準での底堅さが意識されてくると、再び+2σを窺う展開がありそうだが、その場面ではいったんポジションをニュートラルに近づけておきたい。
7日の米VIX指数は17.82(6日は16.04)に上昇した。一時15.79まで下げており、200日移動平均線(16.15)、25日線(16.04)を下回る場面もあった。ただし、その後の切り返しで両線を突破したほか、75日線(17.23)を上回って終えている。ボトム圏での推移ではあるが、米半導体株の下落の影響もあり、市場心理をやや神経質にさせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。14.30倍で始まり、ほどなくして25日線(14.32倍)と75日線(14.36倍)を突破。NTショートを巻き戻す形でリバランスが強まり、一時14.42倍まで上昇した。本日はNTロングのリバランスが意識されやすく、75日線、25日線辺りで落ち着くかを見極めたい。
7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、良好な米経済指標を受けて米10年債利回りが上昇したことで158.42円とアジア時間の高値に面合わせした。トランプ次期米大統領の発言「金利は高すぎる」で一時157.59円付近まで伸び悩む場面もあったが、一巡後は158円台を回復した。ユーロドルは米長期金利の上昇で1.0340ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期債利回りの上昇を背景に堅調推移が予想される。ただし、トランプ次期米大統領のドル高牽制発言や本邦通貨当局による円安抑制発言、円買い介入の可能性には引き続き警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は昨日「金利は高すぎる」と発言したが、今後はドル高・円安を牽制する発言に警戒しておきたい。トランプ氏は、昨年4月にドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べていた。
また、トランプ氏は日本製鉄によるUSスチールの買収に反対してきており、「関税の引き上げによってはるかに儲かり、価値のある会社になるというのに、誰がUSスチールを売りたいと思うだろうか」と述べ、製造業保護のための関税引き上げを強調していた。
昨日のドル円は、新NISA絡みの円売りで158円台に乗せた模様だが、加藤財務相が「投機的な動向含め為替市場の動向を憂慮、行き過ぎた動きに対しては適切に対応」と牽制したことなどで上値は抑えられた。しかし、円買い介入を予告する「断固たる措置」という牽制発言ではなかったため158円付近で高止まりしている。
植田日銀総裁が、第2次トランプ米政権の関税政策や春闘での賃上げのモメンタムという「ワンノッチの情報」を見極めるスタンスを示したことで、今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げはない、との見立てから円売りが進んでいる。しかし、OIS市場が示す追加利上げ確率は47%へ上昇し、新発10年物国債の利回りも一時1.135%まで上昇したことで、債券市場が発している追加利上げへの警戒シグナルには注目しておきたい。
投機筋のポジションを示唆するIMM通貨先物の投機部門取組の昨年12月31日時点(※NY市場終値157.20円)の円の持ち高は、8443枚のネット円売り持ちに過ぎず、現状のドル高・円安が投機筋ではなく実需主導であることが示されている。
ちなみに、昨年4月23日時点では179919枚、7月2日時点では184223枚となっており、それぞれ、4月29日と5月1日、7月11日と12日に、本邦通貨当局による投機的な円売りを抑えるという名目でのドル売り・円買い介入(※覆面介入)が断行されている。
2024年4月、5月、7月の円買い介入は以下の通りとなっており、介入の警戒ゾーンに入りつつある。
■4月29日:5兆9185億円(介入時間帯:日本時間14時頃 東京市場は昭和の日で休場)
・IMMネット円売り持ち高:179919枚(※4/23)
・ドル円:高値160.17円から安値154.54円まで5.63円下落
■5月1日:3兆8700億円(介入時間帯:日本時間午前5時頃)
・IMMネット円売り持ち高:179919枚(※4/23)
・ドル円:高値157.99円から安値153.04円まで4.95円下落
■7月11日:3兆1678億円(介入時間帯:日本時間午後21時半頃)
・IMMネット円売り持ち高:7/2=184223枚、7/9=182033枚
・ドル円:高値161.76円から安値157.44円まで4.32円下落
■7月12日:2兆3670億円(介入時間帯:日本時間午後22時頃)
・IMMネット円売り持ち高:7/2=184223枚、7/9=182033枚
・ドル円:高値159.45円から安値157.38円まで2.07円下落
9時30分に発表される11月豪消費者物価指数(CPI)は前年比+2.2%と予想されており、10月の同比+2.1%からの上昇が見込まれている。10月のコアCPIは同比+2.4%で9月の同比+2.7%から伸び率が鈍化していたものの、豪準備銀行(RBA)が注視するコアインフレ率(トリム平均値)は同比+3.5%で、9月の+3.2%から上昇していた。RBAのインフレ目標2~3%からの乖離が拡大したことで、利下げのハードルが上がっていた。
今年5月に豪連邦議会選挙が予定されており、それまではRBAは利下げに踏み切らないとの見方もあるため、ブロックRBA総裁の発言などを注視していきたい。
昨日のドル円は、アジア時間に新NISA絡みの買いや実需勢の買いが断続的に観測されたことから一時158.42円まで値を上げたものの、その後は利食い売りなどに押されて上値を切り下げる展開。ユーロドルの上昇などにつれて一時157.38円まで値を下げました。その後は米長期金利の上昇につれて次第に下値を切り上げる動きとなるなか、NY時間に入って12月米ISM非製造業指数や11月米JOLTS求人件数が予想を大幅に上回る強い数字となると、米10年債利回りが4.6972%まで急伸。ドル円も再び158.42円とアジア時間の高値に面合わせしました。
その後は、トランプ次期米大統領が「金利が高すぎる」と発言すると一転して157.59円まで売り込まれたものの、米10年債入札が不調に終わり米金利が上昇幅を維持したことから引けにかけては158.10円まで買戻されてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、見えているものといえば、唯一、本邦実需の買い。早朝と仲値時にまとまった買いが観測された以外は、米国が明日、カーター元大統領追悼で休場となることもあってか、海外勢の動きもかなり限定的。158.00円を挟んだ様子見の動きが続いています。
いずれにしても、米長期金利が再び上値をトライする動きとなっているなか、Fedwatchでは既に「年内1回の利下げが出来るかどうか」の状況となっているわけで、昨年最後のFOMCでパウエルFRB議長が利下げ第1フレーズの終了宣言をした意味が市場に浸透してきているといえます。年始の取引で下抜けして急落したユーロドルはポジション調整を終え、再び下値を試す動きとなってきていますが、ドル円もまた、確固たる実需の買いに支えられながら、同じ方向性に向かっているところです。
日経225先物は11時30分時点、前日比50円安の3万9950円(-0.12%)前後で推移。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9735円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。中盤にかけて3万9710円まで下げ、その後は3万9710円~3万9840円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れると、一時3万9970円まで下落幅を縮めた。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)水準から始まり、いったんは上値を抑えられる形となった。ただし、中盤以降は同水準での底堅さがみられるなか、終盤にかけて短期筋のショートカバーを誘う形になったようだ。後場も+1σを上回っての推移が継続するようだと、ショートカバーを交えたリバウンドが意識されそうである。
米国市場の流れを受けて、指数インパクトの大きい値がさハイテク株は売りが先行したものの、下げは限定的であり、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ディスコ <6146.T> [東証P]などの切り返しにより、日経平均株価を下支えする格好となった。これにより、NT倍率は先物中心限月で14.41倍に上昇した。14.34倍に低下して始まったが、寄り付きを安値にNTロングの動きに向かわせた。
2025年1月6日、国際政治学者のイアン・ブレマー氏が率いる米調査会社ユーラシア・グループが、2025年の世界の「10大リスク」を発表した。
1位に、国際秩序を主導する国家がない「Gゼロ」の進行で、世界の分裂は深まり、危機に陥りやすくなると指摘した。2位に米国のトランプ次期政権が挙げられ、トランプ氏が反対意見を威嚇などで封じ込め、自分に近い企業家らを優遇すれば法の支配が弱体化すると警告した。3位に米中の対立激化で、米国が中国製品に高関税を課すなどした場合、経済の混乱と危機のリスクが世界に広がる可能性に言及した。
■1位:Gゼロの勝利(The G-Zero wins)
・国際秩序を主導する国家がなく、世界は一層不安定化
・1930年代や冷戦初期の状況
■2位:トランプ支配(Rule of Don)
・トランプ米大統領の支配力強化で権力へのチェック機能が低下し、法の支配が弱体化
■3位:米中決裂(US-China breakdown)
・最重要地政学関係の米中のデカップリングにより経済の混乱と危機のリスクが高まる
■4位:トランプノミクス2(Trumponomics)
・トランプノミクス2は成長促進を目論むが、インフレ率が上昇し、成長は減速する懸念
■5位:ならず者国家のロシア(Russi still ROGUE)
・米国主導の世界秩序を弱体化し、欧州連合(EU)諸国を威嚇
■6位:追い詰められたイラン(Iran on the ropes)
・イスラエルとの対立が激化する可能性、弱体化するイラン
■7位:世界経済への負の押し付け(Beggar thy world)
・米中の貿易戦争や米金融政策の影響が世界に悪影響
■8位:制御不能のAI(AI unbound)
・AIの能力向上と規制緩和が進み、事故や暴走の恐れを高める
■9位:統治なき領域の拡大(ungoverned spaces)
・ならず者国家や非国家主体の影響拡大
■10位:米国とメキシコの対立(Mexican standoff)
・メキシコの成長とインフレに悪影響
本日のロンドン為替市場では複数の経済指標がユーロ圏内から発表されるものの、結局は欧州午後に発表される米労働指標がユーロドルの方向性を決めることになりそうだ。他、スウェーデンからは序盤に12月インフレ指数が発表予定。
ユーロ圏内の経済指標を確認しておくと、ドイツから11月の小売売上高と製造業新規受注、フランスからは12月消費者信頼感指数や11月貿易や経常収支。このなかでは、前回を下回る見込みのドイツ指標の前年比が、どの程度まで下振れるかがポイントとなりそうだ。
その後にユーロ圏の12月経済・消費者信頼感指数と11月卸売物価指数(PPI)が発表予定。こちらは、11月PPIの前回から持ち直し度合いは気にかけておくべきか。なお昨日発表された12月HICP速報値は前年比総合で加速したものの予想通りであり、発表前まで上昇していたユーロドルは結果確認後に失速した。
欧州午後(NY序盤)には、12月米雇用統計の前哨戦とされる同月ADP全米雇用報告が明らかに。またその後、週間の失業保険データも発表される。結果を受けた米金利動向に注視したい。
12月スウェーデン消費者物価指数(CPI)については、前年比で前回まで3カ月連続1.6%だったところから1.0%まで減速予想。見込み通りであれば、4年ぶりの低水準を記録することになる。
スウェーデン中銀は昨年5月に金融緩和に転じ、5回の利下げで政策金利を4%から2.50%に引き下げている。前回12月会合の声明や中銀総裁の会見では、早急な追加利下げには慎重な姿勢が示された。ただし、ディスインフレ基調が強まる様相となれば、昨年の利下げ効果を見守る余裕もなくなってくるだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、6日高値1.0437ドル
・スウェーデン・クローナ円、昨年12月30日高値14.39円
想定レンジ下限
・ユーロドル、6日安値1.0295ドル
・クローナ円、日足一目均衡表・雲の上限13.99円
ドル円:1ドル=158.17円(前営業日NY終値比△0.12円)
ユーロ円:1ユーロ=163.78円(△0.36円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0355ドル(△0.0015ドル)
日経平均株価:39981.06円(前営業日比▲102.24円)
東証株価指数(TOPIX):2770.00(▲16.57)
債券先物3月物:141.23円(▲0.37円)
新発10年物国債利回り:1.175%(△0.035%)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
<国内>
12月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
36.2 36.4
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。8時過ぎに158.24円まで上昇するも、根強い本邦の円買い介入警戒感のほか、本邦新発10年物国債利回りが約13年半ぶりとなる水準に上昇したことなどから157.91円まで失速。ただ、売り一巡後は日経平均が下げ幅を縮小して一時プラス圏を回復したことが追い風となり、15時前に158.27円まで上昇して日通し高値を更新したが一時的。その後は158.00円台までやや売られた。
・ユーロ円も伸び悩み。ユーロドルがじり高となる中、日経平均の下げ幅縮小をながめて163.81円まで上昇。ただ、その後はドル円の下げが重しとなり15時過ぎに163.60円台まで押し戻された。
・ユーロドルは小高い。時間外の米10年債利回りの低下をながめてじり高で推移すると、15時過ぎに1.0358ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は反落。前日の米株安の流れを引き継いで安く始まるも、売り一巡後は下値の堅さが意識されて徐々に買い戻しが優勢となり、後場で一時プラス圏を回復する場面も見られた。もっとも買いの勢いは続かず、その後はマイナス圏で取引を終えた。
・債券先物相場は反落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継ぐと、一時141円17銭まで下値を広げた。なお、新発10年物国債利回りは1.175%と2011年7月以来の高水準をつけたほか、新発5年物国債利回りも0.815%と2009年6月以来の水準まで上昇する場面があった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
足下の物価はRBAの2月利下げ判断の「決定打」となるか
インフレ加速もコアインフレ鈍化、経済指標は好悪混在が続き、豪ドル相場はこう着状態が続くと予想
足下のオーストラリア経済は頭打ちの動きが確認されるなか、RBA(準備銀行)は先月の定例会合で金利据え置きを決定する一方、政策スタンスをハト派方向に傾斜させる動きをみせた。結果、足下の豪ドル相場は国際金融市場における米ドル高の再燃も相まって上値が抑えられる一方、日本円に対しては米ドル/円相場に引っ張られる動きが続く。その後に公表された経済指標は好悪双方の材料が混在するなか、11月のインフレ率は前年比+2.3%とわずかに加速する一方、コアインフレ率は同+3.2%と鈍化するなど対照的な動きをみせる。また、RBAが重視する物価変動の大きい財と観光を除いたベースも前年比+2.8%と加速している。RBAは来月18日に次回会合を予定しているが、現時点で確定的な利下げを示唆する材料は乏しいと判断できるなか、当面の豪ドル相場はこう着した動きをみせる可能性が高まっていると見込まれる。
大阪3月限
日経225先物 39960 -40 (-0.10%)
TOPIX先物 2765.5 -15.5 (-0.55%)
日経225先物(3月限)は前日比40円安の3万9960円で取引を終了。寄り付きは3万9790円とシカゴ日経平均先物清算値(3万9735円)にサヤ寄せする形で売り先行で始まった。前場中盤にかけて3万9710円まで下げ、その後は3万9710円~3万9840円辺りで保ち合いを継続。前場終盤にかけてレンジを上放れると、ランチタイムで4万円の大台を回復。後場の取引中盤にかけて一時4万0130円まで買われ、プラスに転じる場面もみられた。終盤にかけては3万9960円~4万0070円辺りでの推移となった。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)水準から始まり、いったんは上値を抑えられる形となった。ただし、前場中盤以降は同水準での底堅さがみられるなか、短期筋のショートカバーを誘う形になったようだ。一時4万0130円まで上昇した後は4万円を挟んで膠着が続いたが、+1σを上回る推移によってショートを仕掛けづらくさせていた。
エヌビディア<NVDA>の急落など米国市場の流れを受けて、指数インパクトの大きい値がさハイテク株は売りが先行したものの下げは限定的であり、アドバンテスト <6857.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ディスコ <6146.T> [東証P]などの切り返しにより、日経平均株価を下支えする格好となった。また、小幅ではあるがグローベックスの主要な米株先物がプラス圏で推移していたことで、米国市場の反発期待なども押し目買いに向かわせたようだ。
日経225先物は結局のところ+1σと+2σによるレンジ推移だった。バンドは収斂してきており、一段と膠着感が強まりやすいだろう。ただし、中心値(25日)は上向きで推移し、-1σ、-2σなども切り上がる形で収斂していることから、下値を切り上げるトレンドのなかで煮詰まり感も意識されやすいだろう。
米国では9日はカーター元大統領の服喪で休場になる。10日には12月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられやすいだろ。そのため、オプション権利行使価格では4万円を中心とした上下の権利行使価格となる3万9750円から4万0250円でのレンジが続きそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.44倍に上昇した。14.34倍に低下して始まったが、寄り付きを安値にNTロングの動きに向かわせた。前場中盤には75日移動平均線(14.36倍)を明確に上抜け、後場には一時14.45倍を付けており、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回る場面もみられた。8日の米国市場で半導体株がリバウンドをみせてくると、本日の流れが継続する形でNTロングによるスプレッド狙いの動きが強まろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4357枚、ソシエテジェネラル証券が1万2461枚、サスケハナ・ホンコンが3714枚、日産証券が2520枚、JPモルガン証券が2101枚、バークレイズ証券が2013枚、ゴールドマン証券が1370枚、シティグループ証券が1281枚、モルガンMUFG証券が1163枚、SBI証券が1029枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万5553枚、ソシエテジェネラル証券が1万4474枚、バークレイズ証券が4622枚、JPモルガン証券が3588枚、ゴールドマン証券が3233枚、モルガンMUFG証券が3131枚、日産証券が2909枚、ビーオブエー証券が1558枚、SMBC証券が799枚、ドイツ証券が680枚だった。
本日、米国で複数の指標発表が予定されている。10日の12月米雇用統計が近づく中、ドル円は雇用関連の指標を中心に結果を確認する展開となるか。
経済指標について、まずは22時15分の12月ADP雇用統計に市場の関心が集まりそうだ。市場予想は14.0万人と前月(14.6万人)を小幅に下回る見通し。また、ADPの15分後には新規失業保険申請件数も控えており、市場予想は21.8万件(前週:21.1万件)となっている。ドル円は直後は予想比での強弱に呼応した上下が見込まれるが、その後は雇用指標を通じて12月米雇用統計に対する期待と懸念のどちらが意識されるか注目したい。
また、NY序盤にはウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の発言機会が予定されている。同氏はややタカ派と見られている。直近では昨年12月2日に「12月の利下げ支持に傾いている」「金融政策は十分に制限的であり、12月の利下げでも、必要に応じて後に利下げペースを緩める余地は十分にある」などと発言していた。金利や経済への見通しへの言及があるか、政策スタンスに変更はないか確認しておきたい。
NY午後には、昨年12月17-18日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表予定。この時、政策金利は0.25%引き下げられたが、同時に公表されたFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、2025年末時点の中央値が上方修正され、利下げ回数が2回と前回9月の見通しから半減したほか、パウエル米FRB議長が会見で「今回の利下げ決定はぎりぎりの判断だった」などと発言したことから、市場では「タカ派的な利下げ」と解されドル買いで反応した。経済や金利の見通しについてどのような内容が示されるか気になるところだ。
そのほか引き続き、トランプ次期米大統領に関する発言や、本邦金融当局者からの円安けん制発言に対する警戒も怠らないようにしたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円。超えると心理的節目の159.00円
・ユーロドルは、日足・一目均衡表の基準線1.0428ドル
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.22円。割れると6日安値156.24円
・ユーロドルは、2日安値1.0226ドル。
今晩は様子見か。昨日は2月ISM非製造業PMIなどの経済指標が予想を上回る強い結果となり米10年債利回りが一時4.699%と昨年4月26日以来の水準まで上昇したことが重しとなったほか、エヌビディアが上場来高値を更新後に大きく反落し、メタ・プラットフォームズなどその他のメガ・キャップにも売りが波及した。ハイテク株主体のナスダック総合は1.89%安と3日ぶりに大幅反落し、S&P500も1.11%安と3日ぶりに反落。ダウ平均は朝方に224ドル高まで上昇したものの、178.2ドル安(-0.42%)と2日続落して終了した。
今晩は前日にハイテク株を中心に大きく下落したことで押し目買いが期待されるものの、翌日がジミー・カーター元大統領の追悼行事で株式市場が休場となることや、週末金曜日に米12月雇用統計の発表を控えていることで、様子見姿勢も強まりそうだ。経済指標では雇用統計の前哨戦となるADP民間部門雇用者数が注目される。12月ADP民間部門雇用者数の市場予想は13万人増と11月分の14.6万人増から減少が見込まれているが、予想以上に増加すれば、年内の利下げ期待の後退が相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月ADP民間部門雇用者数のほか、新規失業保険申請件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、米30年債入札など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反落。上昇基調にある転換線(39622円 1/8)付近まで下げ幅を拡大する場面があったが、終値ベースでは5日移動平均線(39909円 同)上を維持する動きとなった。
RSI(9日)は前日の67.2%→67.3%(1/8)へ横ばい。50%超を維持する状況の中、あすは上昇のハードルが高くなる。一方、5日移動平均線上を保っており、12/27までの上昇モメンタムは継続。引き続き、12/27高値(40398円)を超える連続陽線を形成できるかが焦点となる。
上値メドは、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円、7/11安値(42102円)、7/11高値(42426円)などが考えられる。
下値メドは、心理的節目の39500円、25日移動平均線(39312円 同)、心理的節目の39000円、75日移動平均線(38827円 同)、100日移動平均線(38451円 同)などがある。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.913%、応札倍率(カバー)が2.52倍となった。
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.39円(8日15時時点比△0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.23円(▲0.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0305ドル(▲0.0050ドル)
FTSE100種総合株価指数:8251.03(前営業日比△5.75)
ドイツ株式指数(DAX):20329.94(▲10.63)
10年物英国債利回り:4.796%(△0.113%)
10年物独国債利回り:2.549%(△0.066%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月独小売売上高
(前月比) ▲0.6% ▲0.3%・改
(前年比) 2.3% 5.1%・改
11月独製造業新規受注
(前月比) ▲5.4% ▲1.5%
(前年比) ▲1.7% 5.7%
12月仏消費者信頼感指数
89 90
11月仏貿易収支
70.85億ユーロの赤字 75.20億ユーロの赤字・改
11月仏経常収支
17億ユーロの赤字 19億ユーロの赤字・改
12月ユーロ圏消費者信頼感指数
(確定値) ▲14.1 ▲14.5
12月ユーロ圏経済信頼感指数
93.7 95.6・改
11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 1.6% 0.4%
(前年比) ▲1.2% ▲3.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。11月独小売売上高や11月独製造業新規受注が予想より弱い内容だったことが分かると、欧州経済への懸念が強まりユーロ売り・ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.7280%前後と昨年4月25日以来の高水準を記録したこともドル買いを促し、20時30分過ぎに一時1.0273ドルと日通し安値を更新した。
ただ、2日に付けた約2年2カ月ぶりの安値1.0226ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「見通しが予想通りであれば、さらなる利下げが適切だ」との見解を示したほか、12月ADP全米雇用報告が予想より弱い内容となったこともユーロ買い・ドル売りにつながった。
・ドル円は強含み。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行すると、20時30分過ぎに一時158.55円と昨年7月17日以来の高値を付けた。ただ、ウォラーFRB理事が追加利下げは適切との考えを示すと、全般ドル買いが一服した。予想を下回るADP全米雇用報告も相場の重しとなり、一時158.15円付近まで伸び悩んだ。
もっとも、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったこともあり、下押しも限定的だった。
・ユーロ円は頭が重かった。アジア時間に一時163.81円と本日高値を付けたものの、そのあとは徐々に弱含む展開。22時過ぎに一時162.84円と本日安値を更新した。売りが一巡すると163.31円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限られた。ユーロドルにつれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は小反発。欧米の長期金利の上昇が投資家心理の重しとなったものの、下げた場面では押し目買いなどが入ったため上げに転じた。もっとも、週末の12月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、大きな方向感は出なかった。BAEシステムズやレレックスなど資本財サービス株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反落。欧米の長期金利の上昇が投資家心理の重しとなったものの、週末の12月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売買は手控えられた。個別ではシーメンス・エナジー(5.96%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(3.68%安)、ブレンターク(3.10%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
8日の日経平均は反落。終値は102円安の39981円。米国で長期金利が上昇してナスダックが弱かったことを嫌気して、200円超下げて始まった。ただ、エヌビディアの大幅安を受けても半導体株の動きが良く、序盤に300円超下げたところで売りは一巡。前引けにかけて値を戻し、13時近辺ではプラス圏に浮上した。値下がり銘柄が多くプラスは定着しなかったものの、以降は小安い水準で底堅く推移。クロージング・オークションに入った時点では4万円を上回っていたが、大引けにかけての動きがやや弱く、終値では4万円を下回った。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4600億円。業種別では海運、精密機器、非鉄金属などが上昇した一方、保険、その他金融、証券・商品先物などが下落した。半導体株の多くが買われる中、アドバンテスト<6857.T>が3%を超える上昇。節目の1万円を上回り、上場来高値を更新した。半面、直近で騰勢を強めていた野村マイクロ・サイエンス<6254.T>は、序盤では強く買われる場面もあったが終盤にかけて値を崩し、5%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり389/値下がり1217。半導体株が軒並み強く、ディスコ、レーザーテック、TOWAが大幅上昇。キオクシアHDが12.3%高と値を飛ばした。半導体以外の主力どころでは、楽天Gや日本郵船などの動きが良かった。月次が好感されたジンズHDが急伸。証券会社が投資判断を引き上げためぶきFGが買いを集めており、地銀株全般に資金が向かった。
一方、防衛関連が弱く、IHIが3%を超える下落。地銀株が買われた一方で、東京海上、MS&AD、SOMPOの損保大手3社がそろって大きく売られた。売り出しを発表した丹青社が6%安。月次が失望材料となったアダストリアやインターメスティックが急落した。
日経平均は反落。ただ、米国動向から逆風が予想された半導体株は、きのうに続いて強い動きを見せた。見切り売りは昨年のうちにある程度出尽くし、年が変わったことで需給に変化が出てきた可能性がある。東京エレクトロンは安値圏のもみ合いを脱したように見えるし、アドバンテストに至っては上場来高値を更新してきた。米長期金利の上昇には注意を払う必要があるが、半導体株が下がりづらくなるのであれば、日本株の下値不安は大きく後退する。指数は大崩れを回避し、4万円付近で取引を終えた。昨年12月27日以降、5営業日中4営業日で場中には4万円を上回っているだけに、あすは4万円より上で値を固める展開に期待したい。
8日16:31 赤沢経済再生相
「いよいよ物価目標を達成しつつある」
「物価が2%に収束しつつあり、これに負けない賃上げ可能」
8日22:03 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「さらなる利下げが適切になるだろう」
「利下げのペースはインフレの進展と雇用市場の状況に依存する」
「雇用市場が近い将来劇的に弱まるという兆候はない」
「見通しが予想通りであれば、2025年の利下げを支持する」
「米財政赤字も長期金利を押し上げている可能性」
「関税がどうなるかについては大きな不確実性がある」
「短期的には、関税がインフレに大きな影響を与えるとは思わない」
「現在の金利は制限的だが、景気後退を引き起こすほどには厳しくない」
9日02:45 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「インフレに対する勝利は崩れていない」
「12月のインフレ上昇は予想されていた」
9日04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日分)
「多くの当局者は今後数四半期で慎重なアプローチが必要だと認識」
「一部当局者は12月に金利を据え置くことがメリットと認識」
「決定は微妙に均衡と過半数が認識」
「当局者は時間の経過とともに中立金利に向かうと予想」
「労働市場の冷え込みに対する懸念は和らいだ」
「スタッフはトランプ氏の貿易政策により2025年にインフレが高止まりすると見ている」
「貿易政策によりインフレデータが読みにくくなる可能性」
「当局者はトランプ氏の貿易・移民計画によりインフレの進展が鈍化すると予想」
「ほぼすべての当局者がインフレの上振れリスクが高まったと認識」
「当局者は労働市場の緩やかな緩和をみており、急激な悪化の兆候はないと認識」
「多くの当局者は利下げのペースを緩めたいと認識」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 11月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.7%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース、2週分)
○14:00 ◇ 日銀地域経済報告(さくらレポート)
<海外>
○09:30 ◎ 11月豪小売売上高(予想:前月比1.0%)
○09:30 ◇ 11月豪貿易収支(予想:57.50億豪ドルの黒字)
○10:30 ◎ 12月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比0.1%)
○10:30 ◎ 12月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲2.4%)
○16:00 ◎ 11月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年同月比▲4.5%)
○16:00 ◇ 11月独貿易収支(予想:148億ユーロの黒字)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.4%/前年比1.7%)
○21:00 ◎ 11月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比4.3%)
○21:00 ◎ 12月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.28%)
○21:30 ◇ 12月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○23:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:05 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○10日01:00 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○10日02:45 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○10日03:30 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○10日03:35 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○米株式市場は国民追悼の日で休場、債券市場は短縮取引
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=158.35円(前営業日比△0.30円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.40円(▲0.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0318ドル(▲0.0022ドル)
ダウ工業株30種平均:42635.20ドル(△106.84ドル)
ナスダック総合株価指数:19478.88(▲10.80)
10年物米国債利回り:4.69%(△0.01%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.32ドル(▲0.93ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2672.4ドル(△7.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲3.7% ▲12.6%
12月ADP全米雇用報告
12.2万人 14.6万人
前週分の米新規失業保険申請件数
20.1万件 21.1万件
11月米卸売売上高
(前月比) 0.6% ▲0.3%・改
11月米消費者信用残高
▲74.9億ドル 173.2億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。欧州時間発表の独経済指標が予想より弱い内容だったことでユーロ圏経済への懸念が高まる中、ユーロ売り・ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.7280%前後と昨年4月25日以来の高水準を記録したこともドル買いを促し、20時30分過ぎに一時1.0273ドルと日通し安値を更新した。
ただ、2日に付けた約2年2カ月ぶりの安値1.0226ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「見通しが予想通りであれば、さらなる利下げが適切だ」との見解を示したほか、12月ADP全米雇用報告が予想より弱い内容となったこともユーロ買い・ドル売りにつながり、4時30分前には1.0324ドル付近まで下値を切り上げた。
・ドル円は3日続伸。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行すると、20時30分過ぎに一時158.55円と昨年7月17日以来の高値を付けた。ただ、ウォラーFRB理事が追加利下げは適切との考えを示すと伸び悩んだ。予想を下回るADP全米雇用報告も相場の重しとなり、一時158.15円付近まで上げ幅を縮める場面があった。
もっとも、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったこともあり、下押しは限定的だった。4時過ぎには158.52円付近まで持ち直している。
なお、FRBが公表した12月17日-18日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「多くの当局者は今後数四半期で慎重なアプローチが必要だと認識」「ほぼすべての当局者がインフレの上振れリスクが高まったと認識」との見解が示された。
・ユーロ円は小幅ながら続落。22時過ぎに一時162.84円と本日安値を更新したものの、4時30分前には163.51円付近まで下げ渋った。ユーロドルにつれた動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。ただ、この日発表された米雇用指標が強弱入り混じる内容だったこともあり、大きな方向感は出なかった。「週末の12月米雇用統計を前に様子見ムードが広がっている」との声も聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。トランプ次期米政権による関税強化でインフレが再燃するとの懸念から売りが先行。利回りは一時4.7280%前後と昨年4月25日以来の高水準を付けた。ただ、30年債入札が「好調」と受け止められると買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。
・原油先物相場は反落。EIA週間在庫統計でガソリン在庫が大幅に増加したことが嫌気され、売りが優勢となった。
・金先物相場は続伸。12月ADP全米雇用報告が予想より弱い内容となったことで上昇していた米長期金利が一転低下。金利を生まない資産である金の買い需要が高まった。
8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが一時4.7280%まで上昇したことで158.55円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の上昇を受けて1.0273ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期債利回りの上昇を背景に堅調推移が予想される中、11月の実質賃金や日銀支店長会議での賃上げ動向などを見極めて行く展開が予想される。
昨日は、トランプ次期米大統領が導入を目指す関税に法的根拠を与えるため、国家経済緊急事態の宣言を検討しているという報道を受けて、米長期債利回りが上昇したことで、ドルは全面高の展開となっている。
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、トランプ次期政権下で政策が変わる可能性を考慮して、仮定としての予測が盛り込まれたことが明らかになり、ドット・プロット(金利予測分布図)での今年の利下げ見通しが2回に減った背景が説明されている。
植田日銀総裁は、12月の日銀金融政策決定会合の後の会見で、第2次トランプ米政権の関税政策や春闘での賃上げのモメンタムという「ワンノッチの情報」を見極めるスタンスを示していた。
今年の日米金融政策は、第2次トランプ米政権での経済政策を見極めるスタンスとなっており、現状のドル高トレンドが続く公算が高いことになる。
ドル高に歯止めをかける要因として、トランプ次期米大統領のドル高牽制発言や本邦通貨当局による円買い介入の可能性には引き続き警戒しておきたい。
本日は、8時30分の11月毎月勤労統計で実質賃金を確認し、日銀支店長会議で賃上げの動向を見極めることになる。10月の実質賃金は前年比-0.4%、9月は同比-0.4%、8月は同比-0.8%だった。
9時30分に発表される11月豪小売売上高は前月比+1.0%と予想されており、10月の同比+0.6%に続き、4カ月連続の増加が見込まれている。昨日発表された豪11月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.3%と予想の+2.2%を上回ったものの、豪準備銀行(RBA)が注視しているコアインフレ率(トリム平均値)は同比+3.2%となり、10月の+3.5%から低下していた。しかし、今年5月に豪連邦議会選挙が予定されており、それまではRBAは利下げに踏み切らないとの見方があり、堅調な小売売上高が利下げ時期の先送り要因となるのかもしれない。
10時30分に発表される12月中国CPIは前年比+0.1%と予想されており、11月の同比+0.2%から鈍化が見込まれ、12月中国生産者物価指数(PPI)は同比-2.4%と予想されており、11月の同比-2.5%からの上昇が見込まれている。第2次トランプ米政権による対中関税引き上げが見込まれる中、中国経済のディスインフレ化が強まる可能性に警戒しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39950 -10 (-0.02%)
TOPIX先物 2768.5 +3.0 (+0.10%)
シカゴ日経平均先物 39935 -25
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。トランプ次期大統領が新たな関税プログラムを導入するため、国家非常事態宣言を検討していると米CNNが報じた。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨ではトランプ次期政権の政策が物価上昇につながる可能性を踏まえ、インフレリスクが増したとの見方が明らかになった。これを受けて米長期金利が一時、昨年4月以来の水準に上昇したことが重荷となった。その後、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が講演で、さらなる利下げが適切になるとの考えを示したことが伝わると、過度な警戒感が後退する形となり、相場を下支えした。
NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ウォルマート<WMT>、コカ・コーラ<KO>、3M<MMM>、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>が買われた。半面、エヌビディア<NVDA>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、ウォルト・ディズニー<DIS>、ナイキ<NKE>、メルク<MRK>などの下げが目立った。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比25円安の3万9935円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万9960円で始まり、その後4万0060円まで買われた。買い一巡後は軟化すると、米国市場の取引開始直後には一時3万9720円まで売られる場面もみられた。ただし、終盤にかけて下落幅を縮め、3万9950円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることが見込まれる。米国で9日はカーター元大統領の服喪で休場になるため、海外勢のフローは限られるとみられる。休場明けの10日には12月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられやすいだろう。
大きなトレンドは出にくく、引き続きボリンジャーバンドの+1σ(3万9800円)と+2σ(4万0210円)辺りのレンジが意識されやすいところである。昨日はエヌビディアの急落の影響は限定的で、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が昨年来高値を更新した。利食いは入りやすいとみられるが、他の半導体株についてもリバウンド基調を継続するなか、日経平均型を下支えすることが期待される。
日経225先物は4万円での攻防になりそうだが、+1σ水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格では3万9750円から4万0250円のレンジを想定する。ただし、4万円での底堅さがみられる局面では+2σ水準が意識されるだろうが、参加者が限られるなか、その場面ではいったんポジションをニュートラルに近づけておきたい。
8日の米VIX指数は17.70(7日は17.82)に低下した。一時19.50まで上昇したが、その後は75日移動平均線(17.25)に接近する形だった。トランプ次期政権の関税リスクが警戒されるものの、ボトム圏での推移を継続しており、ややリスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.44倍に上昇した。14.34倍に低下して始まり、寄り付きを安値にNTロングの動きが強まった。一時14.45倍を付けており、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回る場面もみられた。いったんは達成感によりNTロングを巻き戻す動きもありそうだが、底堅さが意識されてくると、方向性としては昨年10月半ばの14.70倍辺りを意識したNTロングの動きが強まる可能性がありそうだ。
昨日のドル円は、欧州時間に一時157.93円まで値を下げる場面もみられましたが、米10年債利回りが4.7280%まで上昇幅を広げるなか7日の高値158.42円を上抜けて一時158.55円まで値を上げました。その後はウォラーFRB理事の利下げ発言や12月ADP全米雇用報告が予想を下回る弱い数字となると158.15円まで下押ししたものの、米新規失業保険申請件数が予想よりもかなり強い結果だったこともあり、158.52円まで再び買い戻されるといった動き。全般158.40円を挟んだもみ合いに終始してNY市場を終えています。
カーター元大統領追悼の日で米国が臨時休場となっている9日のアジア市場では、仲値に向けた本邦実需の買いが一巡した後は157.99円まで下押し。目先のポジション調整の域を出ない動きとなっているといったところです。
いずれにしても、今夜は米株式市場は休場ですが、米債券市場は短縮取引。ただ、参加者はかなり減少することが予想されているわけで、明日の米雇用統計を控えての調整が続いていくことになりそうです。
米10年債利回りは昨年4月25日の高値4.7351%がポイント。ドル円は昨年7月の介入後の戻り高値である7月16日の高値158.86円が意識されています。下値は欧州時間安値の157.93円や昨日安値の157.91円、更には7日の安値157.38円や一目転換線の位置する157.29円を目先の目処としつつ、市場のセンチメントとしては、158円台で取引されていることに対するレベル的な違和感が次第に払拭されつつあります。
日経225先物は11時30分時点、前日比260円安の3万9700円(-0.65%)前後で推移。寄り付きは3万9840円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9935円)を下回る形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9930円まで戻したがプラス圏は回復できず、戻りの鈍さから中盤にかけて下へのバイアスが強まり、一時3万9600円まで売られる場面もみられた。終盤にかけて下げ渋る動きから、3万9650円~3万9700円辺りでの推移を継続。
アドバンテスト <6857.T> [東証P]が高値更新後に下落に転じており、センチメントを冷ます形になった。また、9日の米国市場が休場になるため海外勢のフローは限られていると考えられ、持ち高調整とみられるロング解消の動きが優勢となったようである。日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)を割り込んできたが、節目の3万9500円接近ではショートカバーも入りやすいと考えられ、ここからは押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.44倍と横ばいで推移している。小動きではあるが一時14.46倍を付けており、方向性としてはNTロングでのスプレッド狙いになろう。
トランプ第47代米大統領が率いる共和党は、ホワイトハウスと上下両院を支配する「トリプルレッド」となっているものの、下院では219議席対215議席という僅差での多数派となっているため、薄紅色になりかけている。
2024年12月のつなぎ予算案では、トランプ次期米大統領が提案した債務上限の撤廃、停止に対して、約30名の共和党議員が反対を表明した。
2025年1月の下院議長選挙では、2名の共和党議員が説得されて賛成した。
第2次トランプ米政権が目論む関税、減税、国境管理強化などの政策を推進する上で、一部の共和党の保守強硬派が抵抗する姿勢を見せており、トランプ氏の議会への影響力が懸念されている。
1.つなぎ予算(2024年12月20日)
2024年12月17日、議会下院の共和党と民主党の指導部は1500ページ以上に及ぶ「つなぎ予算案」を取りまとめ、予算の期限となっている12月20日までの成立を目指すことで合意していた。
しかし、トランプ次期政権で政府支出の削減を図る組織を率いることになった実業家のマスク氏と起業家のラマスワミ氏が反対し、トランプ次期大統領も連邦政府の借り入れを制限する債務上限の撤廃や停止措置を主張したことで共和党と民主党の合意は破棄され、21日未明に、大きく簡素化された予算案が可決された。
12月19日、下院は、つなぎ予算法案の修正案を、賛成174票、反対235票、棄権1票で否決した。財政緊縮派の共和党議員30名が反対した。
12月20日、下院は、債務上限条項を削除したつなぎ予算法案の再修正案を、賛成366票、反対34票の賛成多数で可決した。
12月21日、上院も賛成85票、反対11票で可決し、議会可決後に、バイデン米大統領が署名して成立したことで、政府閉鎖は回避された。
2. 米連邦議会下院議長選挙(2025年1月3日)
米連邦議会下院は新議会初日の1月3日に議長選を実施し、共和党のジョンソン議長が再選された。ジョンソン氏は必要最小限の218票(435議席の過半数)で続投が決定した。
ジョンソン氏は当初、共和党議員の間での分裂により、続投に必要な票数(218票)を確保できない見通しだったが、交渉の末に2人の共和党議員が支持に転じた。
ジョンソン米下院議長は、第1次トランプ政権下の2017年に導入された減税措置の延長や、規制緩和の実施などを確約した。
3.債務上限
2025年1月1日に債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示している。
米国政府が新たな借り入れができずにデフォルト(債務不履行)に陥ることを防ぐには、昨年12月のつなぎ予算案に、トランプ次期米大統領が盛り込もうとした上限の引き上げか効力停止が必要となる。
トランプ次期米大統領は「デフォルトが起これば、世界恐慌が始まった1929年のようになるかもしれない」と警告しているが、共和党の保守強硬派が大幅な歳出削減を求めており、早期解決は困難な情勢となっている。
本日のロンドン為替市場では、英長期債の動向次第でポンドの不安定さが続くことになりそうだ。昨日は英長期債に売り圧力が強まり、同10年債利回りは一時2008年の金融危機以来の4.80%超えまで上昇した。30年債利回りに至っては、1998年以来となる5.38%台まで上昇する場面があった。英債券売りが嫌気されてポンドも下落し、対ドルでは昨年4月以来の1.23ドル前半まで下げ幅を広げている。
昨年10月末にスターマー英首相率いる労働党政権が予算案を発表し、大型増税とともに過去最高に近い借入れ計画が明らかにされた。英政府の財政拡大方針を受けた需給の緩みが懸念され、英長期債市場は地合いの弱さ(金利は上昇)が続いている。
それに加えて昨日は、トランプ米次期大統領が「全世界一律の輸入関税の導入」を検討しているとの一部報道から、世界的にインフレ警戒感が高まった。これは結果的に、ドルに資金を向かわせることになったようだ。
英長期債の重しとなった政府予算案だが、通常3月に公表される春季財政報告まで新たな発表は予定されていない。そういったなか昨日はリーブス英財務相が財政規律の順守を訴えたが、このまま借入コストが上昇してしまうと更なる増税や支出計画の削減につながるとの懸念も出始めた。いずれにせよ、今のところポンドにとってポジティブな材料は少ないようだ。
経済指標では、欧州序盤に11月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年比-4.5%)が発表予定。昨日は同月製造業新規受注が予想以上に悪い結果となり、ユーロの上値を抑えた。本日も下振れの可能性は念頭に入れておきたい。
想定レンジ上限
・ポンドドル、昨日高値1.2494ドル
・ユーロドル、21日移動平均線1.0392ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、昨年4月22日安値1.2300ドルを割り込むと2023年11月17日週安値1.2211ポンド
・ユーロドル、2日安値1.0226ドル
日銀は1月の地域経済報告(さくらレポート)を公表。各地域の景気の総括判断は、一部に弱めの動きもみられるが、すべての地域で、景気は「緩やかに回復」、「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」としている、との見解を示した。
また、全国9地域のうち、北陸と東北の2地域の景気判断を引き上げ。残りは据え置いた。
(9日15時時点)
ドル円:1ドル=158.05円(前営業日NY終値比▲0.30円)
ユーロ円:1ユーロ=162.91円(▲0.49円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0306ドル(▲0.0012ドル)
日経平均株価:39605.09円(前営業日比▲375.97円)
東証株価指数(TOPIX):2735.92(▲34.08)
債券先物3月物:141.31円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.170%(▲0.005)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 3.0% 2.2%・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
3318億円の処分超 2286億円の処分超
対内株式
740億円の処分超 5627億円の取得超
対外対内証券売買契約等の状況(前々週)
対外中長期債
2286億円の処分超 9180億円の処分超・改
対内株式
5627億円の取得超 1兆235億円億円の処分超・改
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。日経平均の軟調推移が重しとなってじり安で推移すると、13時過ぎに157.76円まで下落。しかし、日銀の1月地域経済報告(さくらレポート)で2025年の賃金設定に関して慎重な姿勢などが報告されたことが伝わると、158.20円前後まで買い戻された。
・ユーロ円は下げ渋り。本邦株安をながめて軟調推移となる中、162.63円まで下押し。その後はドル円の切り返しにつれて163円台までやや値を戻した。
・ユーロドルは弱含み。円主体の動きとなる中で12時過ぎに1.0321ドルまで値を上げるも、ドル円の買い戻しの影響もあって上値は限定的だった。15時過ぎに1.0297ドルまで下押した。
・日経平均株価は続落。前日の米国株は主要3指数がまちまちとなるも、ナスダック安を嫌気して売りが先行。後場に入ると下げ幅が600円近くに拡大した。ただ、その後は日銀の1月地域経済報告(さくらレポート)の内容を受け、利上げに慎重な姿勢が継続するとの見方から、やや下げ幅を縮小した。
・債券先物相場は反発。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが先行。ただ、新発10年物国債利回りが2011年5月以来の高水準となる1.185%まで上昇したこともあり、売り一巡後は利回り水準の高さに着目した買い戻しが優勢となった。この日行われた30年債入札が「好調」な結果となると、141円35銭まで上昇する場面も見られた。
米通商代表部(USTR)は現地時間8日、知的財産権侵害・偽造品の温床である「悪名高い市場」の2024年改訂版リストを公表した。前年まで収載されていたテンセント(00700)のSNSアプリ「微信(ウィーチャット)」は除外された。
24年改定版には、重大な商標偽造や著作権侵害が通報された世界37のオンライン市場を掲載。うち中国のオンライン市場では、百度(09888)傘下の「百度網盤(バイドゥ・ワンパン)」、敦煌網集団の「敦煌網(DHゲート)」、抖音集団の「抖音商城(ドウインモール)」、ピン多多(PDD)の「ピン多多(ピンドゥオドゥオ)」、アリババ集団(09988)傘下の「淘宝網(タオバオ)」が収載されている。
USTRは中国について、引き続き世界最大の偽造品の供給源となっており、中国からの偽造品・海賊版は、香港に積み替えられた商品と合わせて、23年に米税関・国境警備局(CBP)が押収した偽造品・海賊版の価値(メーカー希望小売価格で測定)の84%、総量の90%を占めたと指摘。中国国内ではコロナ禍による行動制限が撤廃された後、実店舗で客足と偽造品の販売が復活したとしている。
テンセントの前場終値は前日比1.63%高の375.20HKドル。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国経済にとっても「デフレ脱却」の道のりは長いものになりそうだ
金融市場では緩和観測で人民元安に拍車、当局は人民元を「どこまで容認できるか」の問いに直面
足下の中国経済は、当局による内需喚起に向けた政策支援や米トランプ次期政権を見据えた輸出駆け込みの動きに下支えされている。政策支援の動きを追い風に企業マインドは底入れしているが、製造業で早くも息切れしているほか、サービス業は好調を維持するも雇用調整圧力を強める動きをみせる。よって、内需喚起策により足下の家計消費は押し上げられているが、不動産不況や雇用不安がくすぶるなかで持続力に不透明感は残り、需要の先食いに留まるとともに、先行きはその反動が出る可能性が懸念される。
内需喚起策を受けて足下の家計消費は押し上げられているが、12月の消費者物価は前年比+0.1%と一段と鈍化している。他方、コアインフレ率は前年比+0.4%とわずかに加速しているが、幅広く財、サービスの両面で物価に下押し圧力が掛かるなどディスインフレ圧力の根強さがうかがえる。川上の生産者物価も調達価格(前年比▲2.3%)、出荷価格(同▲2.3%)とともにマイナス基調が続き、前月比も下落するなどディスインフレ圧力は根強い。先行きも川上段階から川下段階にかけてディスインフレ圧力が掛かる展開が続くと見込まれ、当面は物価上昇圧力が高まる状況は想定しにくく、デフレ脱却の道のりは長いと捉えられる。
国際金融市場では米トランプ次期政権の政策運営を警戒して米長期金利は高止まりする一方、中国の長期金利は一段の金融緩和期待を反映して下振れしている。両国の金利差拡大を受けて人民元安が進むなか、先行きは資金逃避やキャリー取引などが人民元安に拍車が掛かることも考えられる。当局にとっては、今後は人民元安を「どこまで容認できるか」という難しい問いに答える必要性が高まっていると判断できる。
SMBC日興証券では、日本銀行が試算した需給ギャップが2024年7-9月期時点で-0.5%となったことを受けてリポートしている。4-6月期の-0.6%から0.1%pt改善したが、18四半期連続のマイナスとなった。SMBC日興では、7-9月期の需給ギャップはマイナス圏に位置し、かつ前期からの改善が鈍いと指摘。このことは政府と日銀の共同声明に掲げられている「デフレ脱却」を考える上で望ましくないと捉えており、政府はデフレ脱却宣言を当面行わないと予想している。
大阪3月限
日経225先物 39560 -400 (-1.00%)
TOPIX先物 2737.0 -28.5 (-1.03%)
日経225先物(3月限)は前日比400円安の3万9560円で取引を終了。寄り付きは3万9840円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9935円)を下回り、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9930円まで戻したがプラス圏は回復できず、戻りの鈍さから前場中盤にかけて下へのバイアスが強まり、3万9600円まで売られた。前場終盤にかけては下げ渋り、3万9650円~3万9700円辺りでの推移を継続。
ただし、ランチタイムでこのレンジを下抜けると、後場に入りショートが強まり、一時3万9380円まで下げ幅を広げた。支持線として意識されていた25日移動平均線(3万9380円)まで下げたことで、終盤にかけては下げ渋る動きとなり、節目の3万9500円は上回って終えた。
アドバンテスト <6857.T> [東証P]が朝方に高値を更新した後に下落に転じており、センチメントを冷ます形になった。一方で、直近で大きく売られたファーストリテイリング <9983.T> [東証P]や中外製薬 <4519.T> [東証P]がしっかりだった。また、強い動きが目立っていたメガバンクなども利益確定の売りに押されており、持ち高調整に伴うリバランスが中心だったとみられる。
9日の米国市場は休場のため、引き続き積極的な売買が限られるほか、休場明けの10日は12月の米雇用統計の発表を控えていることから、ポジションは傾けにくいだろう。そのため、ショートも仕掛けづらく、引けにかけては日中の動きに対するリバランスが強まりやすいとみておきたい。
日経225先物は25日線までの調整を経て、同線を支持線とした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。一方で、上値はボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)を早期に回復できるかを見極めたい。バンドが収斂しするなか、+1σを回復できずに25日線を下回ってくるようだと、-1σ(3万9080円)、-2σ(3万8730円)辺りへのバイアスが強まる可能性が警戒されてくる。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.45倍に上昇した。小動きではあるが一時14.48倍を付けており、昨年12月17日に付けた戻り高値14.44倍を上回っての推移が目立った。全体の方向性はつかみづらく、ヘッジ対応を考慮した形としてNTロングに振れやすくなりそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9573枚、ソシエテジェネラル証券が1万4789枚、サスケハナ・ホンコンが3905枚、JPモルガン証券が2962枚、バークレイズ証券が2397枚、SBI証券が2318枚、ゴールドマン証券が2004枚、ビーオブエー証券が1234枚、モルガンMUFG証券が1230枚、日産証券が1114枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1298枚、ソシエテジェネラル証券が1万7309枚、バークレイズ証券が6127枚、モルガンMUFG証券が3785枚、JPモルガン証券が3009枚、ゴールドマン証券が2620枚、ビーオブエー証券が1649枚、野村証券が1630枚、みずほ証券が1168枚、シティグループ証券が773枚だった。
本日、米国はカーター元大統領死去に伴い、株式市場が休場となるほか、債券市場は短縮取引となっているなど、市場参加者の減少が見込まれる。そうした中、NY市場では経済指標の発表や要人発言が予定されており、これらに注意を払う必要がありそうだ。
経済指標について、12月米チャレンジャー人員削減数が発表予定。前回は前年比+26.8%であった。直近で発表された主な雇用関連の指標を振り返ると、11月雇用動態調査(JOLTS)求人件数は予想より強い結果となったが、12月ADP雇用統計は予想より弱い結果となるなど、強弱まちまちとなっている。直後の市場は前回比での強弱に呼応した上下が見込まれるが、本日は市場参加者が少ない分、振幅が大きくなる恐れがある点には注意したい。
また、本日は複数の要人発言が予定されている。いずれもタカ派的ではあるが、その中でも今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での投票権を有するコリンズ米ボストン連銀総裁やシュミッド米カンザスシティー連銀総裁の講演は気になるところ。そのほか、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事の講演も予定されている。金融当局者の発言を通して、経済や金利見通しについて言及があれば材料視されるだろう。
他方、英国ではブリーデン英中銀(BOE)副総裁の講演も予定されている。昨日の英10年債利回りは2008年以来、30年債は1998年以来となる水準まで上昇(価格は下落)したほか、本日も英国債売りが継続するのではないかとの不安感からポンド売りが強まる場面が見られた。背景には、トランプ米大統領就任後にインフレ加速と財政赤字拡大が見込まれる中で米長期金利が上昇し、これに反応して英国債利回りも上昇していることが挙げられる。また、英国内の事情では、2024年秋に示された予算案を踏まえて国債の増発懸念がくすぶっていることなども債券相場の重しとなっている。こうした中、金融政策や金利見通しについて言及があるか、気になるところである。
そのほか引き続き、トランプ次期米大統領に関する発言や、本邦金融当局者からの円安けん制発言に対する警戒も怠らないようにしたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円
・ポンド円は、21日移動平均線196.15円
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.29円
・ポンド円は、昨年12月13日安値192.86円
今晩はジミー・カーター元大統領の国民追悼の日でNY株式市場が休場となります。今晩の米経済指標は12月チャレンジャー企業人員削減数。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反落。上昇基調にある25日移動平均線(39368円 1/9)付近まで下げ幅を拡大する場面があったが、終値ベースでは10日移動平均線(39604円 同)を意識して下ヒゲ陰線を形成した。
RSI(9日)は前日の67.3%→56.1%(1/9)へ低下。50%超を維持する状況の中、あすは上昇しやすいタイミングとなる。5日移動平均線(39774円 同)の下向きが気になるところだが、短期的な見方に大きな変化はない。1/7のパターンのように前日の25日移動平均線までの調整から反転上昇となるかが注目ポイントとなる。
上値メドは、心理的節目の40000円や12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円、7/11安値(42102円)などが考えられる。
下値メドは、25日移動平均線、心理的節目の39000円、75日移動平均線(38872円 同)、100日移動平均線(38497円 同)などがある。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.10円(9日15時時点比△0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.80円(▲0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0297ドル(▲0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:8319.69(前営業日比△68.66)
ドイツ株式指数(DAX):20317.10(▲12.84)
10年物英国債利回り:4.811%(△0.015%)
10年物独国債利回り:2.567%(△0.018%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月独鉱工業生産
(前月比) 1.5% ▲0.4%・改
(前年比) ▲2.8% ▲4.2%・改
11月独貿易収支
197億ユーロの黒字 134億ユーロの黒字
11月ユーロ圏小売売上高
(前月比) 0.1% ▲0.3%・改
(前年比) 1.2% 2.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ポンドは軟調だった。英財政や景気に対する投資家の懸念が高まる中、英国債相場が大幅に下落(利回りは上昇)。英10年債利回りは一時4.921%前後と2008年以来約17年ぶりの高水準を記録した。ポンドにも売りが出やすい地合いとなり、ポンドドルは一時1.2239ドルと2023年11月以来の安値を付けた。また、ユーロポンドは昨年11月以来となる0.8407ポンド、ポンド円は昨年12月13日以来となる193.49円までポンド売りが進んだ。
ただ、そのあとは英長期金利の上昇にひとまず一服感が出たこともあって、ポンド売りの勢いは後退した。
・ドル円は下値が堅かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.64%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。23時前に一時157.58円と日通し安値を付けた。
ただ、7日の安値157.38円や一目均衡表転換線が位置する157.29円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。3時過ぎには158.15円付近まで持ち直した。
なお、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は「米連邦準備理事会(FRB)はデータ依存であり、軽率に行動すべきではない」「現時点での小休止は適切だ」などと述べたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するコリンズ米ボストン連銀総裁は「現在の見通しでは、利下げには段階的かつ忍耐強いアプローチが必要」との見解を示した。
・ユーロドルはもみ合い。ポンドドルの下落につれた売りが出ると一時1.0284ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0273ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが進んだ。22時30分過ぎには一時1.0319ドル付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.0321ドルが目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
本日はカーター元米大統領の国葬で米株式市場が休場、米債券市場が短縮取引となるため、市場参加者が減少。積極的な売買が手控えられた面もあったようだ。
・ユーロ円は下げ渋り。21時30分過ぎに一時162.38円と本日安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は続伸。英財政悪化への懸念から英国債相場が大幅に下落(金利は上昇)すると英株にも売りが出たものの、すぐに持ち直した。外国為替市場でポンド安が進むと、時価総額が大きい多国籍企業を中心に買いが入った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、アストラゼネカなど医薬品株が値上がりした。BPやシェルなどエネルギー株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら続落。欧米長期金利の上昇に警戒感が出ているものの、金利上昇にひとまず一服感が出たこともあって、相場は大きな方向感が出なかった。米株式市場がカーター元米大統領の国葬で休場となる中、積極的な売買が手控えられた面もあったようだ。
・欧州債券相場は下落。英国の中長期的な財政悪化への懸念や米金利の上昇傾向などを背景に英国債に売りが出た。
9日の日経平均は大幅続落。終値は375円安の39605円。8日の米国株はまちまちかつ小動きとなったが、ナスダック安が嫌気されて下落スタート。開始早々に下げ幅を3桁に広げると、しばらく下値模索が続いた。ここ数日の動きが良かった半導体株も含めて、幅広い銘柄が売りに押された。600円近く下げて39300円台に入ったところで売りは一巡し、13時以降は値を戻した。安値(39385円)からは200円以上水準を切り上げたものの、300円を超える下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3200億円。業種別ではプラスはその他製品、医薬品、不動産の3業種のみ。一方、海運、卸売、保険などの下げが大きかった。伊藤忠<8001.T>との業務提携を発表したくふうカンパニーホールディングス<4376.T>が急騰。半面、12月の米国の既存店総売上が前年割れとなったラウンドワン<4680.T>が後場に入って大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり332/値下がり1277。主力どころでは任天堂、楽天G、サンリオなどが逆行高。決算発表を前にファーストリテイリングがプラスで終えた。証券会社が目標株価を引き上げたアシックスが大幅高。決算が好感されたワールド、ハニーズHD、ウエルシアHDが買いを集めた。
一方、売買代金上位の常連銘柄の多くが弱く、中でもレーザーテックやフジクラが大幅安。日本郵船など海運大手3社がそろって大きな下げとなったほか、業種ではマツダや日産自動車など自動車株も軒並み安となった。業績関連では1Q決算が失望を誘ったマニーやサイゼリヤが急落した。
日経平均は大幅続落。大型株が下げを主導するさえない1日となった。ただ、安値は39385円で、地合いが悪い中でも25日線(39368円、9日時点)付近では押し目買いが入った。本日の米国はジミー・カーター元大統領の国民追悼の日により株式市場が休場で、債券市場は短縮取引となる。海外からの材料は乏しくなるが、SQ日、米12月雇用統計の発表前、三連休前で、様々な思惑が入り交じりやすい1日となる。ファーストリテイリング<9983.T>の決算も消化する。きょうの大幅安で過熱感が削がれてあすは買いが入るのではないかとみているが、ドル円の値動きが荒くなった場合などは、米雇用統計を前にリスク回避姿勢が強まる可能性もある。下に振れた場合には25日線がサポートとして機能するかどうかに注意を払っておきたい。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
「トランプ2.0」を前に厳しい状況に直面する新興国経済
資金流出に直面するなかで通貨防衛を迫られる動き、今後は「体力勝負」の様相を呈する可能性も
足下の国際金融市場では米トランプ次期政権の政策運営を警戒して米ドル高圧力が強まる動きがみられる。ここ数年の米ドル高に際して、多くの新興国は資金流出を抑えるべく金融引き締めを迫られたが、米FRBの利下げで米ドル高は一服するなど状況は大きく変化した。アジア新興国では利下げに動く流れのほか、新興国景気に対する見方が変化する動きもみられた。しかし、米大統領選でのトランプ氏勝利を受けて米ドル高が再燃しており、政策運営の懸念も相俟って新興国からの資金流出が加速している。異常気象による食料インフレ懸念に加え、新興国のなかには自国通貨安に伴う輸入インフレを警戒して金融緩和を躊躇うほか、為替介入など通貨防衛を迫られる動きもみられる。新興国には通貨防衛の原資である外貨準備高が潤沢でない国も少なくなく、事態が長期化するなかで「体力勝負」に追い込まれる懸念も高まっている。
9日13:38 チポローネECB専務理事
「欧州中央銀行(ECB)はインフレリスクにのみ焦点を当てるのではなく、ユーロ圏経済が潜在成長を達成できるよう支援すべき」
9日15:47 日銀大阪支店長
「新卒採用への影響を踏まえて、早い時期から賃上げ方針を打ち出す大企業の動きがはっきりしてきた」
「中小企業も賃上げの必要性の認識それなりに浸透してきている」
「今年の賃上げ、昨年上回るかどうかは別として、しっかりとした数字になるのではないか」
「為替はどんどん円安に進んでいるわけではないことを好感する企業もある」
「全体として為替の安定を要望する声が引き続き多い」
「為替は将来の金融政策を織り込むので我々の行動で動く、適切な対応が必要」
「輸入物価は落ち着いている、物価加速懸念が高まっているわけではない」
9日16:40 堂野日銀名古屋支店長
「為替の過度な変動は良くない」
「一部企業で昨年並み、あるいはそれ以上の賃上げを今年実施するとの声聞かれる」
9日23:46 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「FRBの金利目標の長期的な道筋は不明確」
「不確実性の中で、FRBが少し立ち止まるのは適切」
「FRBはデータ依存であり、軽率に行動すべきではない」
「インフレをピークから低下させることに成功している」
「全体的な消費者支出の多くは高い所得に依存している」
「高い不確実性の中で、FRBはデータ依存であるべき」
「2%インフレ目標への回帰には予想以上に時間がかかっている」
10日00:09 コリンズ米ボストン連銀総裁
「現在の見通しでは、利下げには段階的かつ忍耐強いアプローチが必要」
「12月FOMCで利下げを支持したが、ぎりぎりの判断だった」
「現在の見通しは12月の予測と一致」
「経済は全体的に良好な状態にあるが、不確実性は顕著」
「2%のインフレ率に向けて段階的かつ不均一な軌道をたどっている」
10日03:37 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「さらなる利下げは段階的かつデータに基づいて行うべき」
「金利政策は長期的に必要な水準に近い可能性がある」
「FRBは二つの責務の達成にかなり近い」
「インフレは目標に向かっており、成長は勢いを増している」
「雇用市場は弱まっているが依然として健全」
「成長と雇用の見通しに楽観的」
「インフレ圧力は引き続き緩和すると楽観的」
10日03:40 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事
「選挙後の抑制された需要がインフレリスクをもたらす可能性がある」
「インフレへの懸念が10年物米国債利回りの上昇を部分的に説明している可能性がある」
「インフレは高止まりしており、上振れリスクがある」
「政策調整には慎重かつ段階的なアプローチを好む」
「次期政権の将来の政策を予断すべきではない」
「現在の政策スタンスは、他者が考えるほど制限的ではないかもしれない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 11月家計調査(消費支出、予想:前年比▲0.9%)
○08:50 ◇ 12月外貨準備高
○14:00 ◇ 11月景気動向指数速報値(予想:先行107.2/一致115.3)
<海外>
○15:45 ◇ 12月スイス失業率(季節調整前、予想:2.8%)
○16:00 ◇ 11月トルコ失業率
○16:00 ◇ 11月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ 12月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比2.5%)
○16:45 ◇ 11月仏鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
○16:45 ◇ 11月仏消費支出(予想:前月比0.2%)
○19:30 ◎ 11月インド鉱工業生産(予想:前年同月比4.1%)
○21:00 ◎ 12月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.88%)
○21:00 ◇ 11月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比横ばい)
○22:30 ◇ 11月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比1.4%)
○22:30 ☆ 12月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.50万人/失業率6.9%)
○22:30 ☆ 12月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化16.0万人/失業率4.2%/平均時給、前月比0.3%/前年比4.0%)
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:73.8)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39550 -10 (-0.02%)
TOPIX先物 2738.0 +1.0 (+0.03%)
シカゴ日経平均先物 39550 -10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、カーター元米大統領の服喪の日のため休場。米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は、根強いインフレリスクにより追加利下げに慎重な見解を示した。また、米ボストン連銀のコリンズ総裁は利下げペースが想定よりも遅くなると述べたほか、米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は利下げを継続するものの、利下げペースについてはデータ次第になるとの考えを示した。
トランプ次期米政権による関税政策などによる不確実性のほか、10日には12月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見姿勢に向かわせよう。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比10円安の3万9550円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比80円安の3万9480円で始まり、直後に3万9610円とプラスに転じる場面もみられたが買いは続かず、中盤にかけて3万9420円まで売られた。終盤にかけては3万9460円~3万9560円辺りと、日中の終値近辺での膠着が続き、3万9550円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることが見込まれる。海外勢のフローが限られるとみられるほか、12月の米雇用統計の結果を見極めたいことから、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。また、米当局者による発言によって追加利下げペースの鈍化観測が高まっていることも手掛けづらくさせよう。
前日の日経225先物は一時3万9380円まで売られたが、同水準に位置する25日移動平均線(3万9380円)が支持線として機能する形となった。ナイトセッションにおいても薄商いながら同線(3万9420円)がサポートとして意識されていた。足もとでは昨年12月27日につけた4万0460円をピークに上値を切り下げる一方で、下値は上向きで推移する25日線が支持線として機能している。
ボリンジャーバンドでは前日の下げで+1σ(3万9770円)を割り込んだ。バンドが収れんするなかで中心値(25日)を割り込んでくるようだと、-1σ(3万9080円)が射程に入ってくる可能性はある。まずは25日線水準での底堅さを見極めつつ、+1σ水準を早期に回復できるかが注目される。そのため、オプション権利行使価格3万9000円から3万9800円辺りでのレンジを想定する。
9日の米VIX指数は18.07(8日は17.70)に上昇した。小動きではあるが75日線(17.29)を上回っての推移だった。ボトム圏での推移ではあるものの、米雇用統計の結果待ちのなかでは、やや神経質にさせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.45倍に上昇した。一時14.48倍を付けており、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回っての推移が目立った。全体の方向性がつかみづらいなかではあるものの、ヘッジ対応を考慮した形としては、NTロングに振れやすくなりそうである。
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.64%台まで低下した局面で157.58円まで下落した後、同利回りが4.69%台まで戻したことで158.16円付近まで下げ渋った。ユーロドルは1.0319ドル付近から1.0291ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米12月雇用統計を控えて動きづらい展開が予想される。
昨日発表された日本の11月の実質賃金は4カ月連続のマイナスだったものの、基本給に相当する所定内給与は32年ぶりの高い伸びとなった。また、日銀支店長会議での賃上げに関する報告では、全体としては継続的な賃上げが必要との認識が幅広い業種・規模の企業に浸透してきているものの、2025年の賃金設定に関して慎重な姿勢が示された。
植田日銀総裁は、春闘に向けた賃上げのモメンタムを確認するために、「もうワンノッチ(1段階)情報を待ちたい」と述べていたが、「ワンノッチ」は満たされなかった。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ確率は47%となっている。
米12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+16.0万人と予想されており、11月の同比+22.7万人からの増加幅の減少が見込まれており、失業率は4.2%で11月と変わらずと予想されている。12月の米国の雇用関連市場は、ISM製造業、非製造業雇用指数、ADP全米雇用報告などは、11月に比べて悪化していたことで、市場予想は整合的だと思われる。
12月の米雇用統計の数字が予想から大幅に外れていない限り、20日のトランプ次期米大統領の就任式に向けて、現在の米金利上昇やドル高基調には変化はないと思われる。しかし、米国の雇用統計に関する懸念材料としては、2月7日に公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値が、昨夏の速報値(81万8000人の下方修正)からさらなる下方修正が警戒されていることが挙げられる。
また、今後はパウエルFRB議長やウォラーFRB理事が言及している「市場ベースインフレ(Market-Based Gauge)」にも注視せざるを得ない状況となっている。このインフレ指標は昨年の5月からずっと前年同月比2.4%の上昇率付近でほぼ変わらないらしく、今年の追加利下げ継続を支持している。
日米の金融政策に関する今月の日程は以下の通りとなる。
14日:氷見野日銀副総裁講演
20日:トランプ次期米大統領就任
23-24日:日銀金融政策決定会合(利上げ確率 47%)
28-29日:米連邦公開市場委員会(FOMC)(据え置き確率 93%)
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に関しては、過去の介入実施時間帯から、本日の金曜日のニューヨーク市場や来週月曜日の東京市場休場に警戒しておきたい。
昨日は米株式市場が休場となった一方、コモディティと米債券市場は短縮取引といったイレギュラーなスケジュールのなか、ドル円は米長期金利の動向に左右される方向感のない動きに終始しました。ギルトの急落を受けたポンドドルの下落が主役。ただ、それも欧州時間のみで、結局、NY時間に入ってからは買戻しの動きとなったといったところ。
ドル円は米金利の低下につれて157.58円まで下押しした後、米10年債利回りが高値まで値を上げるなかで158.16円までショートカバーが入りNY市場を終えています。3連休前の週末のゴトー日でもあるアジア市場では、158.00円を挟んだ極めて狭いレンジでの取引。見えているものと言えば、今週連日観測されている本邦実需の買いのみ。今夜の米雇用統計を控えて様子見の動きが続いています。
いずれにしても、ドル買いの方向性を模索しているなか、ドル円は下値をしっかりと固めているところ。引き続き一目転換線を意識しつつ戻り高値を探っていくことになりそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比180円安の3万9380円(-0.45%)前後で推移。寄り付きは3万9390円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9550円)を下回る形から、売り先行で始まった。その後は3万9250円~3万9400円辺りでの推移が続くなか、中盤にかけてレンジを下回り、一時3万9160円まで下げ幅を広げる場面もみられた。売り一巡後はショートカバーとみられる動きから下落幅を縮めており、終盤にかけては寄り付き水準での推移となった。
1月限の株価指数先物オプションSQ(特別清算指数)値は3万9343.19円だった。日経平均株価は寄り付き直後にSQ値を下回ったことで、短期的なショートを誘う形になったようである。ただし、市場参加者が限られるなか、中盤以降はショートカバーが優勢となった。日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万9070円)と25日移動平均線(3万9420円)辺りでの推移だが、前場の段階でカバーは一巡したと考えられ、後場はSQ値辺りで強弱感が対立しそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍に低下した。14.43倍で始まり一時14.37倍まで下げる場面もみられたが、75日線(14.36倍)が支持線として機能する形から、寄り付き水準まで戻している。方向性としてはNTロングでのスプレッド狙いのスタンスを継続しておきたい。
「デフレ脱却を最優先に実現する」(石破首相:所信表明演説)
1.日本とカリフォルニアの国内総生産(GDP)
日本の面積は37.6万平方キロ、人口は約1.2億人、カリフォルニアは40.3万平方キロ、人口は約4000万人となっている。
1989年末、日経平均株価が38957円まで上昇して当時の史上最高値を記録していたバブル期には、皇居の傍の敷地は、米国のカリフォルニア州全体より高い価格で取引されていた。
そして山手線内の不動産価格は、米国全体の不動産価格を上回っていた。
2024年、日経平均株価が42426円まで上昇して史上最高値を更新した年、日本の名目国内総生産(GDP)607兆円がカリフォルニアのGDP635兆円を下回った。
2.幕末の通貨問題
幕末の日米和親条約では、日本の貨幣と海外の貨幣の交換比率(金銀交換比率)に誤解があったため、日本から大量の金(※50万両?)が流出した。
幕末の日本の金銀比価は1対4.65程度だったが、海外では1対15.3程度だった。
外国為替市場でのドル円相場に例えると、東京(江戸)市場では1ドル(金)=46円(銀)だと仮定すれば、香港市場では1ドル=153円となる。
そこで、東京市場で、ドルを46円で買い、香港市場で153円で売れば、約3倍の儲けとなる。
米国の初代駐日公使のハリスや英国の初代総領事のオールコックは、暴利を貪りながら、マルコ・ポーロが紹介していた「黄金の国ジパング」を実感した。
3.令和の円安問題
日本銀行は、円高・デフレ(物価が趨勢的に下落する現象)からの脱却するため、政府とのアコードを締結して、量的金融緩和政策により、紙幣を大量に印刷して、円の価値を2011年の70円台から2024年には160円台まで暴落させた。
円の価値が下がるということは、物の価値が上がるということになり、政府・日銀の目論見通りに、円安・インフレ(物価が趨勢的に上昇する現象)となっている。
ミクロ的には、円安により日本の対外資産が増大することで、プラスに見えるが、マクロ的には、円安により日本国民が保有する円資産価値はマイナスとなる。
対内的には、1キロ150円程度で買えていた卵の値段が300円程度まで上昇し、キャベツが一玉100円台から600-700円付近まで上昇し、対外的には、1リットル100円前半で買えていたガソリンの値段が100円台後半まで上昇することになる。
江戸幕府の通貨担当者は、金銀の交換レートに無頓着だったが、令和の政権中枢の通貨担当者も、外国為替レートに無頓着のままのようである。
レーニンは、「資本主義を破壊する最善の方法は、通貨を堕落させることだ」と述べていた。
本日のロンドン為替市場でも、英長期債の動向を眺めながらポンド中心の取引となりそうだ。昨日も英債相場は売りが先行し、10年債利回りは2008年以来の4.90%超え、30年債利回りが1998年以来の5.4%台で上昇力を強めた。英長期債の投げ売りを嫌気し、ポンドドルも2023年11月以来の安値となる1.2239ドルまで下げ足を速めた。
もっともパニック的な英債売りが一巡すると、長期債利回りの上げ幅を縮小とともにポンドドルも下値を切り上げてはいる。とはいえ、スターマー英政権が昨年示した財政拡大方針に変わりなく、英債需給の緩みへの懸念は燻ったまま。そこに加え、トランプ次期米大統領が実施しようとしている関税強化などの政策は世界的にインフレ圧力を強め、もともと軟調だった英債券が打撃を受けやすい状況だ。
昨日は英財務省高官が議会で、債券市場は引き続き秩序ある形で機能していると言及。英債への需要はなお強いと相場の火消しに努めていた。本日も英政府関係者から市場を落ち着かせようとする発言が出てくるだろう。もし、その内容が薄く弱いものだと、英長期債売りからのポンド下落が再燃してしまうかもしれない。
ユーロドルはポンドドルに追随する形だろう。ただし欧州市場で取引が活発なユーロポンドの動向にも左右されることも予想され、意外と難しい値動きとなるかもしれない。ユーロ圏の指標は11月フランスの鉱工業生産と消費支出と相場インパクトは強くない。下値バイアスは残りながらも、結局は12月米雇用統計待ちとされてしまうか。
ところでドイツでは、2月23日に連邦議会の総選挙が行われる。そういったなか昨日、米実業家イーロン・マスク氏が、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル共同党首と対談を行った。その場で同党支持を表明したマスク氏の影響がどの程度なのか、今後の支持率調査が注目される。
想定レンジ上限
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.2408ドル
・ユーロドル、21日移動平均線1.0383ドル
・ユーロポンド、200日移動平均線0.8429ポンド
想定レンジ下限
・ポンドドル、昨日安値1.2239ドルを割り込むと2023年10月27日週安値1.2070ドルが徐々に意識される
・ユーロドル、2日安値1.0226ドル
・ユーロポンド、日足一目均衡表・基準線0.8315ポンド
ドル円:1ドル=158.41円(前営業日NY終値比△0.27円)
ユーロ円:1ユーロ=162.94円(△0.07円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0285ドル(▲0.0015ドル)
日経平均株価:39190.4円(前営業日比▲414.69円)
東証株価指数(TOPIX):2714.12(▲21.8)
債券先物3月物:141.06円(▲0.25円)
新発10年物国債利回り:1.195%(△0.025)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月家計調査(消費支出)
前年同月比 ▲0.4% ▲1.3%
12月外貨準備高
1兆2307億ドル 1兆2390億ドル
11月景気動向指数速報値
先行指数 107.0 109.1
一致指数 115.3 116.8
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。日経平均が大幅安で始まったほか、時間外の米10年債利回りが低下したことも重しとなり、157.94円まで下押し。もっとも今晩の12月米雇用統計待ちムードも強く、158円割れの水準での底堅さを確認すると、日経平均の下げ一服や米長期金利が上昇に転じたこともあり、158.43円まで切り返した。
・ユーロ円は伸び悩み。本邦株安をながめて162.62円まで下押し後、ドル円の上昇に連れて163.12円まで買い戻し。もっとも、その後はユーロドルが弱含んだことで伸び悩んだ。
・ユーロドルは弱含み。1.03ドルを挟んだもみ合いが続いていたが、米長期金利が上昇に転じたことをながめ、1.0282ドルまで下押した。
・日経平均株価は3日続落。小幅安で始まった後、決算を発表したファーストリテイリングが下げた影響を受け、下げ幅が一時440円近くに達する場面が見られた。12月米雇用統計を前に手仕舞い売りが出たことも重しとなったもよう。
・債券先物相場は反落。米金利の根強い先高観が意識される中、国債債市場に下落圧力が掛かると、141円05銭まで下げ足を速めた。背景には、円安進行による輸入物価上昇が日銀の追加利上げを後押しするとの見方があるようだ。新発10年物国債の利回りは一時1.195%と2011年5月以来の高水準を付けた。
大阪3月限
日経225先物 39250 -310 (-0.78%)
TOPIX先物 2720.0 -17.0 (-0.62%)
日経225先物(3月限)は前日比310円安の3万9250円で取引を終了。寄り付きは3万9390円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9550円)を下回り、売り先行で始まった。その後は3万9250円~3万9400円辺りでの推移が続くなか、前場中盤にかけてレンジを下回り、一時3万9160円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
ただ、売り一巡後はショートカバーとみられる買いが入り、前場終盤にかけて寄り付き水準での推移となった。ランチタイムで再び弱含み、後場に入ると3万9180円まで売られ、終盤にかけては3万9200円~3万9300円辺りのボトム圏での推移が続いた。
1月限の株価指数先物オプションSQ(特別清算指数)値は3万9343.19円だった。日経平均株価が寄り付き直後にSQ値を下回ったことで、短期的なショートを誘う形になったようである。また、前日の取引終了後に2025年8月期第1四半期決算を発表したファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が急落し、日経平均株価を1社で300円超押し下げる形となったことで、売り一巡後のリバウンドが限られた。
日経225先物は25日移動平均線(3万9410円)を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ(3万9070円)に接近する場面もみられた。市場参加者が限られるなかで、リバウンド狙いのロングも入れにくい需給状況だった。まずは早期に25日線を回復することができるかを見極めたいところだろう。
25日線が抵抗として意識されてくるようだと、-1σに接近するとともに、節目の3万9000円割れが射程に入ってくることで、下へのバイアスが強まる展開が警戒されそうだ。もっとも、13週線(3万8960円)が支持線として機能する展開も想定されるため、節目の3万9000円に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍に低下した。14.43倍で始まり一時14.37倍まで下げる場面もみられたが、75日線(14.36倍)が支持線として機能する形から、寄り付き水準まで戻している。アドバンテスト <6857.T> [東証P]の強さが目立つなか、方向性としてはNTロングでのスプレッド狙いのスタンスを継続しておきたい。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9927枚、ソシエテジェネラル証券が1万5970枚、サスケハナ・ホンコンが3325枚、JPモルガン証券が2428枚、日産証券が2322枚、バークレイズ証券が2248枚、モルガンMUFG証券が2179枚、野村証券が1613枚、SBI証券が1073枚、楽天証券が965枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9688枚、ソシエテジェネラル証券が1万4119枚、バークレイズ証券が5310枚、モルガンMUFG証券が3576枚、JPモルガン証券が3228枚、日産証券が3055枚、ゴールドマン証券が2134枚、みずほ証券が1942枚、ビーオブエー証券が1271枚、野村証券が826枚だった。
本日、市場の関心はNY序盤に発表される12月米雇用統計に集まっている。市場予想は失業率が4.2%と前月並みだが、非農業部門雇用者数は前月比16.0万人増と前月の(ハリケーン襲来の反動やストライキの終了で上振れた)22.7万人増を下回るなど、労働市場の緩やかな減速が続く見通しである。平均時給は前月比+0.3%/前年比+4.0%(11月:+0.4%/+4.0%)となっている。
市場ではトランプ次期米大統領就任でインフレが加速するとの見方が強まる中、昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)のドットチャートでは2025年末時点の中央値が上方修正され、利下げ回数が2回と前回9月の見通しから半減した。こうした中、雇用が減少しても小幅にとどまる場合は利下げ観測を高めるには至らず、直後はドル売りで反応しても一時的となることも考えられる。他方、平均時給の上昇はインフレ加速が想起されやすいため、こちらの数値も忘れずに確認したい。
もっとも、今回に限ると、市場の関心がトランプ米次期大統領の政策を見極めたいとのムードが強いほか、2月7日公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値が、夏の速報値(81万8000人の下方修正)からさらなる下方修正が警戒されていることもあり、事前予想から大きく乖離しないと、発表直後の動きが一服すると落ち着いた展開となることもあり得る。
なお、雇用統計後の24時には、1月ミシガン大学消費者態度指数・速報値が発表予定。ヘッドラインは73.8と前月から小幅低下の見通し。また、期待インフレは、前回は1年先が2.8%、5-10年先は3.0%だった。ヘッドラインと共に期待インフレに変化があるか気になるところだ。
他方、カナダでも12月雇用統計が発表される。市場予想は失業率が6.9%、新規雇用者数も2.50万人増と前月(6.8%、5.05万人増)と比べて弱めとなっている。米雇用統計と同時刻の発表のため、直後はドルの影響を受けつつ、指標結果に反応した動きとなるか。
想定レンジ上限
・ドル円は、本日高値158.45円。超えると昨年7月16日高値158.86円
・カナダドル円は、7日高値110.47円
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.29円。割り込むと6日安値の156.24円
・カナダドル円は、一目均衡表の雲上限108.36円
今晩は様子見か。昨日はジミー・カーター元大統領の国民追悼の日でNY株式市場が休場だったが、週初からの3日間ではダウ平均が0.23%安、S&P500が0.41%安、ナスダック総合が0.73%安とそろって2週続落ペースとなった。トランプ次期政権の輸入関税引き上げ策などによるインフレ持続見通しを背景に米10年債利回りが4月以来となる4.7%台まで上昇したことが重しとなった。
今晩は週末の取引となるが、先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される12月雇用統計が焦点となりそうだ。月末28-29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)は、CMEのフェドウォッチ・ツールによる0.25%の利下げ確率が7%と、政策金利の据え置きが確実視されているものの、年内2回(0.50%)の利下げ確率は53%となっている。12月雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数(NFP)が16.0万人増と11月分の22.7万人増から減少が見込まれ、失業率は4.2%と11月から横ばいが予想されている。NFPなどが予想を上回る強い結果となれば、利下げ期待の後退や、米10年債利回りの上昇が株式相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月雇用統計のほか、1月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値など。企業決算は寄り前にコンステレーション・ブランズ、ウォルグリーン、デルタ航空が発表予定。
■各社予想 12月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +15.0万人
第一生命経済研究所 +18.2万人
ドイツ証券 +15.0万人
バークレイズ・キャピタル +15.0万人
BNPパリバ +16.5万人
HSBC +15.5万人
モルガン・スタンレー +15.0万人
市場コンセンサス +16.0万人
前回 +22.7万人
■各社予想 12月米失業率
JPモルガン 4.2%
第一生命経済研究所 4.3%
ドイツ証券 4.3%
バークレイズ・キャピタル 4.2%
BNPパリバ 4.2%
HSBC 4.2%
モルガン・スタンレー 4.3%
市場コンセンサス 4.2%
前回 4.2%
■各社予想 12月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.3%
バークレイズ・キャピタル +0.3%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.3%
モルガン・スタンレー +0.3%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.4%
■各社予想 12月米平均時給(前年比)
JPモルガン +4.0%
第一生命経済研究所 +4.0%
バークレイズ・キャピタル +4.0%
BNPパリバ +4.0%
HSBC +4.0%
モルガン・スタンレー +4.0%
市場コンセンサス +4.0%
前回 +4.0%
日経平均株価は続落。上昇基調にある25日移動平均線(39395円 1/10)を下回り、一目均衡表の基準線(39178円 同)まで下げる陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の56.1%→51.9%(1/10)へ低下。50%超を維持する状況の中、短期的な見方に大きな変化はない。ただ、終値ベースで1/6安値(39307円)を下回ったことで、12/27高値からの二段下げのパターンとなった。39000円割れを推移している75日移動平均線(38909円 同)までの下落余地は想定しておきたい。25日移動平均線を下回ったが、来週初の基準線の上昇にポジティブに反応できるかが目先の焦点となる。
上値メドは、10日移動平均線(39607円 同)、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の39000円、75日移動平均線、100日移動平均線(38527円 同)、12/19安値(38355円)、心理的節目の38000円などがある。
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.67円(10日15時時点比▲0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.52円(▲1.42円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0244ドル(▲0.0041ドル)
FTSE100種総合株価指数:8248.49(前営業日比▲71.20)
ドイツ株式指数(DAX):20214.79(▲102.31)
10年物英国債利回り:4.838%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.595%(△0.028%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイス失業率
2.8% 2.6%
11月仏鉱工業生産
(前月比) 0.2% ▲0.3%・改
11月仏消費支出
(前月比) 0.3% ▲0.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。12月米雇用統計の発表を控えてしばらくは1.03ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、指標結果が伝わると下落した。米労働省が発表した12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比25.6万人増と予想の16.0万人増を大幅に上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%より強い結果に。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止の論拠を裏付ける内容」との受け止めから、米長期金利が急伸し、全般ドル買いが活発化した。2日に付けた直近安値の1.0226ドルを下抜けると一時1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.7860%前後と23年11月以来の高水準を記録した。
・ドル円は乱高下。「日銀は23-24日に開く金融政策決定会合で、変動が大きい生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価(コアコアCPI)の見通しを上方修正する公算」との一部報道をきっかけに円買い・ドル売りが先行。18時過ぎに一時157.63円まで下落した。ただ、良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。
もっとも、米長期金利の上昇が一服するとドル円の上値は重くなった。米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、0時30分前に一時157.23円と日通し安値を更新した。ユーロ円などクロス円の下落につれた売りも出た。
・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時163.19円と日通し高値を付けたものの、前日の高値163.43円が目先レジスタンスとして意識されると失速。NY市場に入り、ダウ平均が一時750ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが加速した。24時過ぎには一時161.21円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たほか、米国株相場の下落につれた売りが出た。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が売られたほか、ユニリーバやディアジオなど生活必需品株が値下がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株は買われた。
・フランクフルト株式相場は3日続落。12月米雇用統計の発表を前にしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、終盤弱含んだ。米国株相場の大幅下落を受けて独株にも売りが波及した。個別ではザランド(5.39%安)やシーメンス・エナジー(4.62%安)、エーオン(4.52%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.73円(前営業日比▲0.41円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.59円(▲1.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0244ドル(▲0.0056ドル)
ダウ工業株30種平均:41938.45ドル(▲696.75ドル)
ナスダック総合株価指数:19161.63(▲317.25)
10年物米国債利回り:4.76%(△0.07%)
WTI原油先物2月限:1バレル=76.57ドル(△2.65ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2715.0ドル(△24.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米雇用統計
失業率 4.1% 4.2%
非農業部門雇用者数変化
25.6万人 21.2万人・改
平均時給
(前月比) 0.3% 0.4%
(前年比) 3.9% 4.0%
1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
73.2 74.0
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日続落。米労働省が発表した12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比25.6万人増と予想の16.0万人増を大幅に上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%より強い結果となった。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止の論拠を裏付ける内容」との受け止めから、米長期金利が急伸し、全般ドル買いが活発化した。2日に付けた直近安値の1.0226ドルを下抜けると一時1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。売りが一巡すると1.0278ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.7860%前後と23年11月以来の高水準を記録した。
・ドル円は続落。良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。
ただ、米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、0時30分前には一時157.23円と日通し安値を更新した。ユーロ円などクロス円の下落につれた売りも出た。
・ユーロ円は4日続落。ダウ平均が一時750ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。1時30分過ぎには一時161.21円と日通し安値を更新した。
・カナダドル円は上値が重かった。カナダ統計局が発表した12月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が9.09万人増と予想の2.50万人増を上回り、失業率が6.7%と予想の6.9%より強い内容だったことが分かると買いが先行。22時30分過ぎに一時110.19円と日通し高値を付けた。ただ、米国株安に伴うリスク回避の円買いが優勢になると、1時30分過ぎに一時本日安値となる109.15円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。12月米雇用統計が予想を上回るとFRBによる利下げペースが鈍化するとの観測が改めて強まり、米長期金利が急上昇。株式の相対的な割高感が意識されて売りが膨らんだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落。米金利上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが集まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。12月米雇用統計が予想を上回ったことが分かると、FRBによる利下げペースが鈍化するとの観測が改めて強まり売りが優勢となった。利回りは一時4.7860%前後と2023年11月以来の高水準を付けた。米ミシガン大学が公表した1月米消費者調査で期待インフレ率が予想を上回ったことも債券売りを誘った。
・原油先物相場は続伸。米政府がロシア石油大手のガスプロムネフチとスルグトネフテガスを新たに経済制裁の対象としたと発表したことを受けてエネルギー供給混乱への警戒感から買いが優勢に。昨年10月上旬以来、約3カ月ぶりの高値を付けた。
・金先物相場は4日続伸。米国株が大きく下落したことで安全資産とされる金需要の高まりが意識された。
10日09:56 赤沢再生相
「日銀とも密接連携、機動的な政策運営姿勢は変わっていない」
10日16:50 廖中国財務副大臣
「2025年には、強さ、効率性、タイミングの面でより積極的な財政政策が期待できる」
「財政支出を加速する」
「中国の財政政策には豊富な政策余地と手段がある」
「中国は債務と財政赤字を増やす余地が比較的大きい」
10日19:53 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「追加利下げに一層の注意が必要」
11日00:21 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「関税が一時的な物価ショックか持続的なものかを判断することが重要」
「現在の予想通りなら、12-18カ月後には金利はかなり低下する可能性」
「条件が安定し、インフレの上昇がなく、完全雇用が維持されれば、金利は下がるべき」
「雇用市場は完全雇用で安定しており、過熱の兆候はない」
※時間は日本時間
13日
○成人の日の祝日で休場
14日
○08:50 ◎ 11月国際収支速報
○10:30 ◎ 氷見野良三日銀副総裁、あいさつ
○14:00 ◇ 12月景気ウオッチャー調査
15日
○08:50 ◇ 12月マネーストックM2
16日
○08:50 ◇ 12月企業物価指数
17日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
13日
○06:45 ◎ 11月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○未定 ◎ 12月中国貿易収支
○12:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 11月トルコ経常収支
○17:00 ◇ 12月スイスSECO消費者信頼感指数
○19:30 ◎ 12月インド消費者物価指数(CPI)
○14日04:00 ◎ 12月米月次財政収支
14日
○08:30 ◇ 1月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○17:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○24:00 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
○15日01:00 ◎ 12月ロシアCPI
○15日05:05 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
15日
○16:00 ◎ 12月英CPI
○16:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○16:45 ◇ 12月仏CPI改定値
○17:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:35 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏鉱工業生産
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 11月カナダ製造業出荷
○22:30 ◇ 11月カナダ卸売売上高
○22:30 ◎ 1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○22:30 ☆ 12月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○23:20 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
○16日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○16日02:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○16日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○09:01 ◇ 12月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○09:30 ◎ 12月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表
○16:00 ◎ 12月独CPI改定値
○16:00 ☆ 11月英国内総生産(GDP)
○16:00 ◎ 11月英鉱工業生産/製造業生産高
○16:00 ◇ 11月英商品貿易収支/英貿易収支
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏貿易収支
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)
○22:15 ◇ 12月カナダ住宅着工件数
○22:30 ☆ 12月米小売売上高
○22:30 ◇ 12月米輸入物価指数
○22:30 ◎ 1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◇ 11月米企業在庫
○24:00 ◎ 1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
17日
○11:00 ☆ 10-12月期中国GDP
○11:00 ◎ 12月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 12月中国小売売上高
○16:00 ◎ 12月英小売売上高
○18:00 ◇ 11月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア改定値
○22:30 ◇ 11月対カナダ証券投資
○22:30 ◎ 12月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○23:15 ◎ 12月米鉱工業生産指数
◇ 設備稼働率
○18日06:00 ◎ 11月対米証券投資動向
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、雇用統計で労働環境のひっ迫に改善の兆しが見られるか見極め
◆豪ドル、物価は月末の10-12月期CPIの結果待ち
◆ZAR、SARBの利下げ余地が拡大したとの思惑広がる
予想レンジ
豪ドル円 94.00-99.00円
南ア・ランド円 8.00-8.50円
1月13日週の展望
豪ドルは神経質な動きとなりそうだ。今週に公表された11月消費者物価指数(CPI)は前年比で市場予想をわずかに上回ったものの、変動の激しい項目を除外したトリム平均は前回から鈍化。市場では豪準備銀行(RBA)理事会が次回会合(2月17-18日)で利下げに動くとの思惑も広がりつつあるが、次回の理事会までにはまだ物価統計の公表が控えているため、豪利下げ期待を手掛かりにした売りの流れが強まるかは不透明だろう。ブロックRBA総裁が「RBAは月次データよりも四半期データをより注意深く監視している」と述べていることもあり、29日公表の10-12月期CPI(同日には12月CPIも発表予定)の結果を待ちたいところだ。
来週は豪州から14日に1月ウエストパック消費者信頼感指数、16日に12月雇用統計が発表予定。特に注目となるのが雇用統計であり、RBAは以前から労働市場がひっ迫している影響から賃金上昇によるインフレ圧力が高まることを強く警戒している。11月雇用統計では新規雇用者数および失業率がいずれも市場予想より強い結果となったことで豪ドル買いの反応が見られたが、今回の雇用統計で労働環境のひっ迫に改善の兆しが見られるか確認しておきたい。
また、来週は米国でも12月CPIの発表が控えている。米国ではトランプ次期政権の関税政策によるインフレ再燃リスクが高まっており、それに伴って米10年債利回りが昨年4月以来の水準まで上昇している。CPIの結果次第では米金利およびドル相場が振らされる可能性もありそうだ。豪ドルも対ドルを中心に影響を受けることが予想されるため注意が必要となるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重い展開が予想される。来週も南アフリカからは特段のイベント・経済指標の発表などは予定されておらず、ドル相場などの外部要因に振らされることになるだろう。南アでは燃料価格の下落に加えて、警戒されていた食料品価格の上昇が想定よりも穏やかであったことから、市場では南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)の利下げ余地が拡大したとの思惑が広がっている。米国の利下げ観測が後退していることで米・南ア間の金利差縮小が一段と進むとの見方から、対ドルを中心にZAR売り圧力が強まることもありそうだ。また、高止まりしているドル円に関しても徐々にではあるが高値警戒感や介入警戒感が意識されつつあり、来週以降のZAR円などクロス円全般の重しとなる可能性にも注意しておきたい。
1月6日週の回顧
豪ドルは伸び悩み。週初の6日はトランプ次期米大統領の関税政策を巡って対ドルを中心に上下する場面があったものの、その後は米長期金利の上昇に伴って次第に上値が重くなった。対ドルでの売りが波及する格好となり、豪ドル円も99円台前半から97円台後半まで押し戻された。
ZARも週初こそ買いが入る場面があったものの、米金利の上昇とともに対ドルで売りに押され、昨年6月以来の安値を更新。ZAR円も8.4円台を中心とするレンジ内の推移ではあったが、上値の重さが目立った。
◆ポンド、英長期債の動向次第で不安定に
◆ポンド、CPIや鉱工業生産など重要指標に注目
◆加ドル、トルドー首相の後継争いで動意付くことも
予想レンジ
ポンド円 191.50-197.50円
加ドル円 108.00-112.00円
1月13日週の展望
英国からは週半ば以降に消費者物価指数(CPI)や国内総生産(GDP)、鉱工業生産や小売売上高など重要な経済指標が発表される。それまでは、今週ポンド売りのきっかけとされた英長期債の動向を見極めながらの取引となりそうだ。今週、英10年債利回りは2008年の金融危機以来の水準、30年債利回りは1998年以来の水準まで大幅に上昇した。
英長期債の急落(金利は上昇)は、スターマー英首相率いる労働党政権が昨年10月末に発表した予算案がきっかけだ。大型増税とともに過去最高に近い借入れ計画が明らかになり、英政府の財政拡大の方針を受けた債券需給の緩みが懸念され続けている。リーブス財務相は財政規律の順守を訴えたが、借入コストの上昇は更なる増税や支出計画の削減に繋がると危惧する声も高まってきた。経済成長のブレーキになり兼ねない悪い金利上昇の流れを、今のところ英政府には止める術が無いと市場では認識されている。ポンドの戻りも限られた幅となりそうだ。
経済指標では、15日に12月英インフレ指標が発表予定。今年最初の英中銀金融政策委員会(MPC)の結果発表は2月6日であり、今回のCPIはMPCの重要な判断材料になるだろう。前回のCPIは前年比2.6%と2カ月連続の加速、約8カ月ぶりの高水準だった。足もとで、市場は今年8回開催されるMPCで「0.25%の利下げは2回のみ実施」を見込んでいる。英長期金利が大幅に上昇しているなか、インフレの内容次第では利下げペースの更なる減速が取り沙汰されるかもしれない。
その他、16日発表の11月GDPは3カ月ぶりにプラス成長となるか、同月鉱工業生産も低空飛行から浮上できるかがポイント。12月小売売上高ではクリスマス商戦の結果が明らかとなる。
カナダからは12月住宅着工などの経済指標が複数発表されるが、インパクトはどれも強くない。そのため週前半は最新の労働データを受けた動きが持ち越されそうだ。前回11月分が新型コロナ禍を除き8年弱ぶりの高水準だった失業率への市場の反応が長引いてもおかしくない。
また、今後カナダの新首相誕生に向けた動きも加ドル相場の動意に繋がる可能性はある。トルドー加首相は6日、首相と与党・自由党の党首辞任を発表した。カナダ議会が3月下旬まで休会され、その間に自由党は次の首相に就く新党首の選出を進める。有力候補が掲げる経済・財政政策は金融市場にとってもちろん注視すべきことであるが、今回はまもなく就任するトランプ米大統領と渡り合える力量があるかも見据えるべき重要なポイントだろう。
1月6日週の回顧
ポンドは対円で週前半に円安の流れに沿って198円前半まで大幅に上昇も、週半ば以降は上値が重く193円半ばまで下落した。対ドルでは1.25ドル後半を頭に1.2230ドル台まで反落。英長期債の下落圧力が強まり、ポンド売りにも繋がった。
加ドルは対円で108円後半から一時110円半ばまで買われた。対ドルでも1.44加ドル半ばから1.4290加ドル台まで加ドル高に振れる場面があった。トルドー首相の辞任で新たなリーダー選出への期待感が支えとなった。
◆ドル円、トランプ米政権の関税政策巡る報道に引き続き警戒
◆CPIや小売売上高など米重要指標が目白押し
◆ユーロドル、欧州景気悪化懸念から軟調な動き
予想レンジ
ドル円 156.00-162.00円
ユーロドル 1.0000-1.0450ドル
1月13日週の展望
ドル円は、トランプ次期米大統領による関税政策に対する思惑や米重要指標の発表を受けた長期金利の動向に大きく左右されそうだ。
トランプ米政権発足が20日に迫るなか、今週も関税政策に関する報道がドルや米金利相場を動意づかせた。6日には米ワシントン・ポスト紙が「次期政権は、インフレを再燃させる懸念もあるため、関税引き上げの対象を、国家安全保障などに影響する重要分野に限定する計画を検討」と報じたためドルが下落したが、トランプ氏がすぐにこの報道を否定。8日には「同盟国にも敵対する国にも一律に関税を課すために、国際緊急経済権限法=IEEPAを使うことを検討」と伝わったため、米10年債利回りは一時4.72%台と昨年4月以来の高水準を付けた。ただ、IEEPAに関しては政権移行チームの間でもさまざまな手段が模索されており、最終決定ではないとされている。引き続きトランプ関税を巡る思惑がドル相場を左右するだろう。
また、来週は14日に12月卸売物価指数(PPI)、15日に12月消費者物価指数(CPI)、16日に12月小売売上高、17日に12月鉱工業生産など重要指標が目白押しとなっている。トランプ政権による関税政策によりインフレが続くとの警戒感は根強いほか、米連邦準備理事会(FRB)高官からも利下げに慎重な発言が相次ぐなか、強い指標結果に対する反応が大きくなりそうだ。現時点で、今年の米利下げ回数は1-2回に留まるとの見方だが、引き締め政策へ転換する可能性も考慮しておきたい。
ユーロドルは、ドイツを中心に欧州の景気悪化懸念が高まるなかで軟調な動きが続きそうだ。今週発表された11月独小売売上高は年末商戦の効果なく低調な結果となったほか、11月独製造業新規受注も民間航空機および部品の大幅減を受けて悪化。欧州経済の先行きに対する警戒感が一段と広がっている。また、英財政悪化懸念からポンドが大きく売られており、ユーロもつれ安となる可能性がある。チャート上でも、ユーロドルは約2年間続いたレンジを下抜け、目立った下値目処はパリティ(1ユーロ=1ドル)までないような状況。仕掛け的な売りも出やすいだろう。
1月6日週の回顧
ドル円は下値が堅い。第2次トランプ米政権の関税政策を巡る報道を受けて週明けには一時156.24円まで急落したが、トランプ氏が報道否定すると反発。米長期金利の上昇も支えに8日には一時158.55円と昨年7月17日以来の高値を付けた。
ユーロドルは上値が重い。週前半はドル安が進んだことで一時1.0437ドルまで買戻されたものの、欧州の景気悪化懸念から買いは続かなかった。米金利上昇も嫌気され一時1.0273ドルまで下押しした。
10日の日経平均は大幅に3日続落。終値は414円安の39190円。米株市場が休場で寄り付きは小幅な下落にとどまったが、すぐに下げ幅を3桁に拡大。決算を発表したファーストリテイリング<9983.T>が派手に売られたことから、その影響を大きく受けた。10時近辺では下げ幅を400円超に拡大。前引けにかけていったん値を戻したものの、後場に入ると売り直され、安値圏で取引を終えた。TOPIXは安値引け。一方、グロース250指数は売りが先行したものの早々にプラス圏に浮上しており、終値でもプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆2800億円。業種別ではその他製品、金属製品、精密機器などが上昇した一方、海運、輸送用機器、医薬品などが下落した。MBOに関して、米アポロ社の出資検討観測が報じられたセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>が後場急伸。半面、決算を材料に売られたファーストリテイリングは6.5%安で終え、1銘柄で日経平均株価を約301円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり438/値下がり1132。主力どころではアドバンテストが5%を超える上昇と、動きの良さが目立った。野村マイクロやカバーが商いを伴って急伸。決算が好感されたイートアンドHDや明光ネットワークが大幅高となり、上方修正を発表した久光製薬が15.1%高と値を飛ばした。
一方、トヨタ、三井住友、日立などが軟調。前日大幅安となった日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社が連日で売りに押された。インフルエンザ治療薬「タミフル」の供給調整を始めたとの観測が報じられた中外製薬が3%を超える下落。イオンモールやイオンFSなどイオン系の銘柄が決算を材料に大きく売られた。
日経平均は大幅に3日続落。ファーストリテイリングの大幅安で説明のつく下げではあるが、プライムでは値下がり銘柄が多く、他の銘柄をアグレッシブに買いに行く動きは限られた。
来週は米国で決算発表が出始める。先陣を切るのはシティグループ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスなど金融株。2024年の米国株は、通年でダウ平均がプラス12.9%、S&P500がプラス23.3%、ナスダックがプラス28.6%と、3指数がいずれも良好なパフォーマンスとなった。2025年も米国株がさらに上を試せるかを探る意味でも、決算に対する反応は注目される。反応が良ければ、米国株の上昇基調継続に対する期待が高まる。一方、好決算でも株価の反応が案外であったり、失望決算が相次ぐようだと、高値警戒感が意識される。来週はこれらの決算を消化しながら、日本でも銀行株や保険株など金融株の注目度が高まるだろう。
【来週の見通し】
上値の重い展開か。月曜が休場で立ち合いは4日。翌週20日に米国でトランプ氏の大統領就任式が予定されており、就任式が近づくにつれて身構える動きになっていくと思われる。国内はやや材料難。米国では決算発表がスタートするほか、12月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高など注目の経済指標がいくつか出てくる。そのため、米国要因に振らされる場面が多くなるだろう。米指標がインフレへの警戒を和らげる内容となれば、米国株には追い風となる。ただし、その場合には米長期金利が低下して為替は円高(ドル安)に振れる可能性が高い。逆にインフレへの警戒が高まって円安(ドル高)が進むケースでは、介入に対する警戒が浮上してくる。色々と気を揉む要素が多く、日本株は買い手控えムードの強い地合いが続くと予想する。
<国内>
○成人の日の祝日で休場
<海外>
○06:45 ◎ 11月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○未定 ◎ 12月中国貿易収支(予想:998億ドルの黒字)
○12:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 11月トルコ経常収支(予想:31.0億ドルの赤字)
○17:00 ◇ 12月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲37.8)
○19:30 ◎ 12月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.30%)
○14日04:00 ◎ 12月米月次財政収支
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末のドル円は、良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。ただ、米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、日通し安値となる157.23円まで売り込まれた。ユーロドルは雇用統計後に、1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。
本日のアジア市場でドル円は、東京市場が成人の日で休場のため流動性の悪化が想定される。そのため振幅が激しくなるだろうが、上値は限られるか。
先週の12月米雇用統計後は、ドル円の上値の重さを確認した形となった。雇用統計の結果を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ停止観測が燻り、米金利の上昇による株安がドル円の重しに。また、英国を中心に欧州圏も財政不安が懸念されていることで、欧州通貨も買いにくい状況だ。消去法的に、ドル以外の通貨では円が買われやすくなっている。
本邦国内要因でも、日銀が利上げの地ならし記事を流しているとの憶測も円買いに傾きやすいだろう。一部通信社が先週、日銀関係者筋の話として「コメ価格上昇と円安を踏まえ物価見通しの引き上げを検討」「日銀がコアコアCPIの見通しを上方修正する公算」などと報じた。また、本日付の日経新聞電子版でも日銀が「長引くコメの価格高騰に神経をとがらせている」などと報じている。
ただし、今週は日銀から2つの注目イベントがあるため、それを確かめるまでは一方向に動きにくいか。1つ目は、明日14日には氷見野良三日銀副総裁が横浜市で金融経済懇談会に出席し、同日午後に記者会見を行うこと。2つ目は、16日に日銀が12月の企業物価指数が発表し、注目の輸入物価指数も公表されることだ。これらで、今月末の金融政策決定会合の方向性を探ることになり、それまでは手控えムードになるかもしれない。
ドル円以外では、市場を先導している欧州通貨が引き続き今週も大きな値動きとなりそうだ。もっとも、アジア時間ではトレンドを作るほどの値動きを期待するのは難しく、欧州入りを待つ展開になるだろう。
なお、アジア時間では中国の貿易収支が発表される。指標結果や中国人民銀行の人民元取引・基準値などにも目を向けたい。今年の年初はCNH(人民元)の対ドルの動きが市場を先導していた。東京休場で円相場の動きが鈍る可能性は高く、本日は人民元の動向が再び注目されるかもしれない。
先週末の海外市場では、極めて強い米雇用統計を受けて全般ドル買いで反応したわけですが、ドル円はかなり不安定な上下を繰り返すことになりました。
欧州時間には一部で「日銀がコアコアCPIの見通しを上方修正する可能性がある」と報じられたことから157.63円まで下落。9日の安値157.58円が目先の目処として意識されるとその後は再び下値を切り上げる展開に。
NY時間に入って12月米雇用統計が予想を大幅に上回る強い数字となると米10年債利回りが一気に4.7860%まで急騰。つれるかたちで158.87円まで買い上げられました。ただ、その後は「強すぎた」米雇用指標を受けてダウ平均が750ドルを超える急落となったほか、日経平均先物も一時38600円台まで大幅な下落となるなか、リスクオフから157.23円まで下落。引けにかけては157.99円まで買戻されて慌ただしい値動きとなった週末の取引を終えています。
いずれにしても、ドル円は、昨年7月11日、12日の介入後の戻り高値として意識されていた7月16日の高値158.86円付近が目先の目処として意識されていたからこそ、「利食い売り」が出やすかったともいえ、短期的な達成感もあったのも事実。ただ、あくまでも利食いであって、ドル高に対する方向性に変化はなく、引き続き値固めをしながらの動きといったところです。目先は一目転換線が位置する157.56円や先週末安値の157.23円が意識されています。
週明けのロンドン為替市場では、先週末のニューヨーク市場で強まった米金利上昇を背景としたリスク回避の動きが継続するか見極めながらの取引。週明けアジアの株式市場も総じて弱く始まり、時間外のCME日経平均先物も先週末安値を割り込んで下げ幅を広げた。アジア朝に強含む場面もあったクロス円は再び水準を切り下げている。
まずは、時間外の米10年債利回りがどのように始まるかがポイント。10日に発表された12月米雇用統計が想定以上に強かったことを受け、米・中長期金利は上昇力を強めた。そういったなか、今週半ばには同月消費者物価指数(CPI)が発表予定。市場が警戒しているのは、先週末に急速に広まった「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止観測」を後押しする結果がでること。インフレ動向を確認するまでは米金利の上昇基調は継続され、ドルの欧州通貨に対する強含みに繋がりそうだ。
米債券が売られると(利回りは上昇)、より影響を受けやすいのが英長期債。先週は、英政府の財政拡張方針を受けた需給の緩みが懸念され、英長期債売りが一気に進んだ。英債価格の下落が重しとなったポンドは、週明けも地合い弱いまま対円や対ドルで先週末安値を割り込んでいる。「労働党政権は財政をコントロールできず」との思惑が広がれば、ポンドの下値余地が更に広まってもおかしくはない。
またエネルギー価格の動向にも注意しておきたい。10日の原油先物相場は急騰し、週明け時間外でも買い優勢。バイデン米政権は先週末、ロシアの石油業界に対して新たな制裁を発表した。制裁対象となる石油タンカーの数が倍に増える見通しとなり、供給混乱への警戒感が高まっている。エネルギー価格上昇から想定外のインフレ上昇は、欧州景気にとって好ましいものではないだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0326ドル
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、2022年11月11日安値1.0163ドル
・ポンドドル、2023年10月26日安値1.2070ドル
2024年12月の米国の失業率は4.085%(※四捨五入4.1%)となり、11月の4.231%(※四捨五入4.2%)から低下した。就労者数は47.8万人増となり、11月の35.5万人減から増加した。
非農業部門雇用者数は、前月比+25.6万人の増加となり、11月は速報値の+22.7万人から+21.2万人へ下方修正(▲1.5万人)され、10月は改定値の+3.6万人から+4.3万人へ上方修正(+0.7万人)されたことから、合計で8000人の下方修正となった。
12月の雇用統計は、バイデン米大統領に失業率とインフレ率の低下という有終の美を飾らせたが、第2次トランプ米政権での関税や減税などの不確実性が企業の採用活動を抑制する可能性には要警戒となる。
また、2月7日に公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値が、昨夏の速報値(81万8000人の下方修正)からさらなる下方修正が警戒されている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、1月28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのFF金利誘導目標4.25-50%の据え置きはほぼ確実視され、2025年全体の利下げ見通しも1回(4.00-25%)に減っている。
2021年の非農業部門雇用者数は724.5万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.4万人の増加だった。2022年の月平均は37.7万人の増加、2023年平均は25.1万人の増加、2024年平均は20.3万人の増加となった。
1.家計調査(Household survey):失業率を算出(※6万世帯)
12月の失業率は4.085%(※四捨五入4.1%)となり、11月の4.231%(※四捨五入4.2%)から低下した。労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.5%となり、恒久的な失業者が減少(▲23.5万人)し、就業者数が47.8万人増加したことも示された。
失業者数は688.6万人となり、11月の712.1万人から23.5万人減少したものの、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億6854万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約392万人上回っている。
・不完全雇用率(U6):7.5%(11月7.7%、10月7.7%、9月7.7%:2020年5月21.1%)
(フルタイム雇用を望みながらパートタイム職に就いている労働者を含む広義の失業率)
・労働参加率:62.5%(11月62.5%、10月62.5%、9月62.7%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):155.1万人(11月165.4万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:6.1%(11月6.4%、10月5.7%、9月5.7%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率は景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向)
2.事業所調査(Establishment survey):非農業部門雇用者数(Non-Farm Payroll)(※12.2万の会社・政府機関)
12月の非農業部門雇用者数は、前月比+25.6万人の増加となり、48カ月連続での雇用拡大となった。平均時給は前月比+0.3%の35.69ドルとなり、11月の+0.4%を下回り、前年同月比は+3.9%となり、11月の+4.0%を下回った。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比+0.4%で、11月の+0.5%を下回り、前年比は+5.0%となり4カ月ぶりの低い伸びとなった。
3. サーム・ルール( Sahm Rule)=0.40%
FRBの元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱したもので、失業率の「3ヵ月移動平均」と「過去1年間の最低水準」の差が0.5%以上上昇した場合、1年以内にリセッション(景気後退)入りするとの説であり、過去50年間のリセッションで有効だった。12月は0.40%となり、11月と10月の0.43%、9月の0.50%、8月の0.57%、7月の0.53%から低下傾向にあり、リセッションへの警戒感が後退した。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月財政赤字を見極める展開が予想される。
先週末のダウ平均は696ドル下落し、米10年債利回りは4.78%台まで上昇し、ドル円はリスク回避の円買いで157円台まで反落した。本日も、同様な株安、債券安、ドル安・円高の流れが続くのか否かに注目しておきたい。
また、今年1月1日に米国の債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示している。
米国政府が新たな借り入れができずにデフォルト(債務不履行)に陥ることを防ぐには、昨年12月のつなぎ予算案に、トランプ次期米大統領が盛り込もうとした上限の引き上げか効力停止が必要となる。
しかし、共和党の保守強硬派の反対で上限引き上げや効力停止の案は退けられており、20日のトランプ次期米大統領の就任式の後で、債務上限問題が復活することになる。
トランプ次期米大統領は「デフォルトが起これば、世界恐慌が始まった1929年のようになるかもしれない」と警告しているが、共和党の保守強硬派が大幅な歳出削減を求めており、早期解決は困難な情勢となっている。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の赤字(10月・11月)は6242.13億ドルとなり、コロナ禍の時期を上回り、同期間としては過去最高を記録した。
本日発表される12月の財政赤字次第では、同期間としては過去最高を記録する可能性があることで、トランプ関税や減税による財政赤字の拡大懸念が高まることになる。
また、米国債の利回り上昇により、2024年度の連邦政府の公的債務利子が1.2兆ドルとなっていた。発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、158.87円(1/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、156.24円(1/6安値)
今週のNY市場は物価指標と決算発表に注目。先週はダウ平均が1.86%安、S&P500が1.94%安、ナスダック総合が2.34%安と3指数がそろって2週続落した。12月ISM非製造業PMIなどの経済指標が予想を上回る強い結果となったことや、トランプ次期政権の輸入関税引き上げ方針を背景としたインフレ高進見通しを背景に米10年債利回りが上昇したことが重しとなる中、週末金曜日に発表された12月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく上回ったことや失業率が予想に反して改善したことで、年内の利下げ期待が後退したことや、米10年債利回りが一段と上昇し、2023年11月以来となる4.763%に上昇したことが相場の重しとなった。金利上昇の影響をより大きく受ける小型株指数のラッセル2000は3.49%安と3週ぶりの大幅反落となった。利下げ見通しを巡ってはCMEのフェドウォッチ・ツールの1月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は97%となり、3月FOMCでの金利据え置き確率も1週間前の52%から78%に上昇した。
今週は利下げ見通しを巡り12月生産者物価指数(PPI)や12月消費者物価指数(CPI)などの物価指標に注目が集まるほか、JPモルガン・チェースなどの大手金融機関を皮切りに発表がスタートする第4四半期決算に注目が集まる。水曜日に発表される12月CPIは前月比+0.3%と11月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.8%と11月の+2.7%から上昇が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%と11月の+0.3%から減速が見込まれているが、前年比では+3.3%と11月から横ばいが見込まれている。火曜日発表の12月PPIは前年比+3.4%と11月の+3.0%から伸びの加速が見込まれ、前月比では+0.3%と11月の+0.4%から鈍化が予想されている。CPIなどが予想を上回る伸びとなれば利下げ期待の一段の後退が相場の重しとなりそうだ。このほかの経済指標は新規失業保険申請件数、12月小売売上高(以上、木曜日)、12月建設許可件数、12月住宅着工件数、12月鉱工業生産(以上、金曜日)など。決算発表は水曜日にJPモルガン・チェース、ブラックロック、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、木曜日にユナイテッドヘルス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、金曜日にSLB, ステート・ストリート、リージョンズ・ファイナンシャルが発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは12月雇用傾向指数、12月財政収支など。主要な企業の決算発表はなし。
HSBCグローバルリサーチでアジア担当チーフエコノミストを務めるフレデリック・ニューマン氏はこのほど、日本を除いたアジア地域の経済成長率が2025年は4.4%となり、24年の4.6%から鈍化するとの見方を示した。成長の中心は東アジアから東南アジアや南アジアにシフトするとした。うち、中国の経済成長率は4.5%になると予想。米国の関税引き上げや世界的な需要低下を背景に輸出が低迷するとみており、中国政府がさらに多くの景気対策を打ち出したとしても、成長は鈍化すると予想した。『明報』が13日伝えた。
ニューマン氏は、アジア地域では向こう1年にわたって米ドル高や関税リスクが経済成長を下押しすると予想した。ただ、タイやシンガポール、フィリピン、マレーシア、インドネシア、日本など、国内消費支出に支えられている経済体は粘り強さが期待できるとした。
今週の日経225先物は、米国市場の動向を睨みながらショート優勢の展開が警戒されやすくなりそうだ。10日の米国市場では主要な株価指数が下落し、NYダウは昨年11月以来の水準まで下げた。注目された12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25万6000人増と市場予想(16万5000人増程度)を上回り、失業率は4.1%(前月は4.2%)に低下したことで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が強まった。
また、1月の米ミシガン大学消費者信頼感指数で、1年先のインフレ期待が3.3%、5-10年先のインフレ期待も3.3%と予想を上回る伸びとなり、インフレ高止まりの懸念が強まった。1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が後退したほか、次回3月の会合についても政策金利の据え置き観測が高まっている。
NYダウは昨年11月の米大統領選前の水準まで下げており、トランプ次期政権の政策期待により上昇した分を帳消しにした。仕切り直しが意識される一方で、来週20日の大統領就任式を控えて、就任直後に発表されるトランプ関税に市場の関心が集まりやすい。東京市場でも積極的なロングは手控えられ、戻りの鈍さが意識される局面ではショートに振れやすくなりそうだ。
先週の日経225先物は7日に一時4万0320円まで買われたものの、その後は3日続落し週末には3万9160円まで売られ、3万9250円で日中取引を終了。10日の取引終了後のナイトセッションでは3万8770円で終えており、一時3万8630円まで下げ幅を広げる場面もみられている。
これにより75日移動平均線(3万8940円)を明確に割り込み、200日線(3万8530円)が射程に入ってきた。週明けの日経225先物は200日線を捉える形で、ギャップダウンで始まることが警戒される。週間形状では13週線(3万8940円)を割り込んでおり、足もとで支持線として機能している52週線(3万8370円)を試す展開がありそうだ。
また、ボリンジャーバンドでは‐2σ(3万8670円)を下回ったことで、‐3σ(3万8300円)が射程に入ってきている。売られ過ぎが意識されるものの、収斂していたバンドが拡大に転じることで、瞬間的に下へのバイアスが強まる可能性がある。-2σ水準では押し目狙いのタイミングになるが、イレギュラー的な下落には警戒が必要だろう。パラボリックのSAR値は200日線水準に位置しているため、陰転シグナルが発生する可能性もある。
そのほか、一目均衡表ではナイトセッションで雲上限まで下げてきた。週半ばには3万8800円辺りに位置する雲がねじれを起こす。先行スパンがクロスするタイミングでは雲が薄くなるためトレンドが出やすく、同水準を明確に下放れる局面ではショートの勢いが強まる可能性があるだろう。
そのほか、7日に米国ロサンゼルスで発生した山火事は鎮火のめどがたたず、1万棟以上が消失し、被害総額は日本円で20兆円を超えるとの見方が伝えられている。経済への影響が警戒されることも、積極的な売買を手控えさせよう。
そのため、200日線や-3σの水準では、いったん押し目狙いのロングを意識しつつも、ポジションを積み増す動きは限られそうであり、ヘッジを考慮しての対応に向かわせそうである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.43倍と週間では上昇した。全体としては不安定な相場展開ながら、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が最高値を更新するなど、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が日経平均型を支えた。
週明けは下へのバイアスが強まる影響を受けることになろうが、前週には9日に一時14.48倍まで切り上がり、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回ってきている。方向性としては上向きのトレンドであり、弱含む局面ではNTロングでのスプレッドを狙ったポジションを組成するタイミングになりそうだ。
10日の米VIX指数は19.54に上昇した。前週は25日、200日線水準を支持線とした上昇により75日線を突破。同線から上放れる形状となった。一時20.31と20.00を上回る場面もみられており、市場心理をやや神経質にさせそうである。
12月第5週(12月30日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は2185億円(12月第4週は9381億円の買い越し)だった。なお、現物は657億円の売り越し(同4956億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は1528億円の売り越し(同4425億円の買い越し)。個人は現物と先物の合算で1315億円の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で313億円となり、2週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、13日に中国12月貿易収支、14日に11月国際収支、12月景気ウォッチャー調査、米国12月生産者物価指数、15日に米国12月消費者物価指数、米国1月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、16日に12月国内企業物価、米国12月小売売上高、米国12月輸出入物価指数、17日に中国12月小売売上高、中国10-12月期GDP、中国12月鉱工業生産指数、中国1-12月固定資産投資、米国12月住宅着工件数、米国12月鉱工業生産指数などが予定されている。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.32円(13日15時時点比▲0.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.75円(▲0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0218ドル(▲0.0001ドル)
FTSE100種総合株価指数:8224.19(前営業日比▲24.30)
ドイツ株式指数(DAX):20132.85(▲81.94)
10年物英国債利回り:4.885%(△0.047%)
10年物独国債利回り:2.613%(△0.018%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイスSECO消費者信頼感指数
▲30.3 ▲37.2
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。欧州株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行。22時30分前に一時156.92円と日通し安値を付けた。時間外のダウ先物やシカゴ日経平均先物の下落も相場の重しとなった。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、157.79円付近まで下げ幅を縮めた。前週末に発表された12月米雇用統計が予想を上回ったことで、週明けのNY市場でも米利下げ観測の後退を背景に円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けたことも相場を下支えした。
市場では「ドル高に対する方向性に変化はなく、値固めをしながらの動きとなっている」との声が聞かれた。
・ユーロドルは下げ渋り。米国経済の強さを踏まえて、米連邦準備理事会(FRB)による年内の追加利下げ観測が後退する中、ユーロ売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。市場では「米国とユーロ圏の経済の強さや金融政策の差を意識したユーロ売り・ドル買いが出た」との声も聞かれ、18時30分前には一時1.0178ドルと22年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
ただ、売り一巡後はショートカバーがやや優勢となり、22時30分過ぎに一時1.0221ドル付近まで持ち直した。もっとも、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。
・ユーロ円は下げ渋り。ユーロドルの下落につれた売りが出ると一時160.04円と昨年12月19日以来の安値を付けたものの、同日安値159.86円や12月18日の安値159.82円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ドル円の持ち直しにつれた買いも入り、1時30分過ぎには160.98円付近まで下げ渋った。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。米利下げ観測の後退を背景に前週末の米国株が大幅に下落すると英株にも売りが波及した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は4日続落。本日のアジア市場では上海や香港など主要な株式相場が下落。米株価指数先物も下げ、投資家がリスク回避の姿勢を強めると株売りが広がった。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(2.15%安)やアディダス(2.05%安)、ボノビア(1.70%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
日本時間4:00に発表される予定だった12月米財政収支は日本時間15日04:00に変更された。
中国の税関総署が13日に発表した2024年12月の米ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比10.7%増となった。市場予想(7.3%増)から上振れし、前月の6.7%増から加速した。一方、輸入は1.0%増で、市場予想(1.5%減)を上回り、前月の3.9%減からプラス成長に転じた。貿易黒字は1048億4000万米ドルで市場予想の998億米ドルを上回った。
人民元建てでは、輸出が10.9%増、輸入が1.3%増。前月実績はそれぞれ5.8%増、4.7%減だった。貿易黒字は7529億1000万元。
中国汽車工業協会(CAAM)はこのほど、2024年の自動車生産台数が前年比3.7%増の3128万2000台、販売台数が同4.5%増の3143万6000台だったと発表した。生産台数、販売台数ともに前年に続いて3000万の大台を超え、過去最高を記録した。『経済通』が13日伝えた。
新エネルギー車(純電気車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)の新車販売台数は35.5%増の1286万6000台。自動車販売台数全体の40.9%を占め、比率は前年から9.3ポイント拡大した。
12月の新車販売台数は前年同月比10.5%増の348万9000台だった。前月比では5.2%増えた。新エネルギー車の新車販売台数は前年同月比34%増の159万6000台に上り、自動車販売台数全体の45.8%を占めた。
ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は12月に3.0%と前回と同じとなった。また、3年後のインフレ期待は3.0%と前回の2.6%から上昇した一方、5年後のインフレ期待は2.7%と前回の2.9%から低下した。
13日10:17 中国人民銀行
「クロスボーダー融資のマクロプルーデンシャル調整パラメータを1.5から1.75に引き上げる」
「人民元レートは合理的でバランスの取れた水準を維持」
13日11:14 潘功勝・中国人民銀行(PBOC)総裁
「十分な流動性を維持するために、金利と 預金準備率(RRR)ツールを活用する」
「中国は財政赤字を拡大する計画を再確認した」
「中国は今後も世界経済の原動力であり続けるだろう」
「政策の焦点は投資と消費に移るべき」
「中国の経済発展には課題が残っている」
「国民の消費需要の喚起に重点が置かれる」
「香港金融当局が外貨基金を使ってオフショア人民元市場を補充することを支持する」
13日16:21 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「インフレ率は想定通りに低下している」
「政策金利の方向性は明らか」
「ディスインフレは明白」
「利下げ幅やペースはデータ次第」
「ECBの利下げは、FRBの金融政策とは無関係に行うべき」
「利下げを継続することは理にかなっている」
13日17:47 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「市場の欧州中央銀行(ECB)の利下げ見通しは正しい」
「ECBは利下げを加速させることはない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 11月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前2兆6911億円の黒字/季節調整済2兆5781億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:346億円の赤字)
○10:30 ◎ 氷見野良三日銀副総裁、あいさつ
○14:00 ◇ 12月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数49.5/先行き判断指数49.9)
<海外>
○08:30 ◇ 1月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:35 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:35 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○17:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米PPI(予想:前月比0.3%/前年比3.4%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.8%)
○24:00 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
○15日04:00 ◎ 12月米月次財政収支(予想:800億ドルの赤字)
○15日05:05 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.48円(前営業日比▲0.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.32円(▲0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0245ドル(△0.0001ドル)
ダウ工業株30種平均:42297.12ドル(△358.67ドル)
ナスダック総合株価指数:19088.10(▲73.53)
10年物米国債利回り:4.78%(△0.02%)
WTI原油先物2月限:1バレル=78.82ドル(△2.25ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2678.6ドル(▲36.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら3日続落。時間外のダウ先物やシカゴ日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行。22時30分前に一時156.92円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、5時前には157.82円付近まで持ち直した。前週末に発表された12月米雇用統計が予想を上回ったことで、週明けのNY市場でも米利下げ観測の後退を背景に円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けたことも相場の支援材料。
市場では「ドル高に対する方向性に変化はなく、値固めをしながらの動きとなっている」との声が聞かれた。
・ユーロドルはほぼ横ばい。前週末の米雇用統計を受けて米利下げ観測が一段と後退する中、ユーロ売り・ドル買いが出た。欧州市場序盤には一時1.0178ドルと22年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。市場では「米国とユーロ圏の経済の強さや金融政策の差を意識したユーロ売り・ドル買いが出やすい」との声も聞かれた。
ただ、売り一巡後はショートカバーが優勢となり、取引終了間際には1.0247ドル付近まで持ち直した。
・ユーロ円は5日続落。日本時間夕刻に一時160.04円と昨年12月19日以来の安値を付けたものの、同日安値159.86円や12月18日の安値159.82円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ドル円の下げ渋りやユーロドルの持ち直しにつれた買いが入り、取引終了間際には161.37円付近まで下値を切り上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。前週末に昨年11月上旬以来の安値を更新したあとだけに、短期的な戻りを期待した買いが入った。キャタピラーやアムジェンなどが上げたほか、ユナイテッドヘルス・グループが堅調に推移し1銘柄でダウ平均を131ドル程度押し上げた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落。米長期金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。前週末の米雇用統計を受けて米利下げ観測が一段と後退する中、この日も売りが続いた。利回りは一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は3日続伸。米国がロシアに対して追加制裁を発表し、原油の供給混乱への懸念が高まったことが買いを後押した。米政府はロシア石油大手のガスプロムネフチとスルグトネフテガスを新たに経済制裁の対象にし、関連の取引業者や保険会社、タンカーも対象に含めた。
・金先物相場は5日ぶりに反落。米10年債利回りが2023年11月以来の高水準となる4.80%台まで上昇し、金利を生まない金は売りに押された。
昨日のドル円は、時間外のダウ先物やシカゴ日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行し、一時156.92円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、米10年債利回りが一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けたことも相場の支援材料になり157.82円付近まで持ち直した。ユーロドルは、欧州市場序盤には一時1.0178ドルと22年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
本日の東京時間では、東京仲値までにかけては、前日の米金利上昇や値ごろ感からのドル買いが優勢になりそうだ。しかし、先週の米雇用統計後から米長期金利が上昇過程を辿っているが、対円でのドル買いは限定的になっている。英国を中心に欧州圏も財政不安が懸念されていることで欧州通貨も買いにくい状況であり、消去法的にドル以外の通貨では円が買われやすくなっていることや、日銀の利上げ観測が燻っていることは引き続きドル円の上値を抑えそうだ。
本日の東京市場で最も注目されるのは、氷見野良三日銀副総裁の講演になる。氷見野副総裁は横浜市で金融経済懇談会に出席し、午後に記者会見を行う予定になっている。
昨年末の12月25日に日本経済団体連合会審議員会(経団連)で植田日銀総裁が講演を行って以後は、日銀関係者からは市場を動意づけるような発言はほぼ無かった。この間に、本邦から日銀の利上げを促す発言や報道は複数伝わっている。先週末9日の日銀支店長会議では「相応の数の企業が賃上げに前向き」などと春闘を前にして、賃上げを確認できているとの認識を示した。
また、翌10日に日銀の事情に詳しい複数の関係者からの話として、コメを中心とした食料品価格の上振れが主因で「今月開く金融政策決定会合では、コアコアCPIについて、2024年度と25年度の見通しが上方修正となる公算が大きい」と報じられている。市場ではインフレ圧力の警戒を示唆し、賃上げが確認できているとの認識を市場に示し、利上げへの地ならしを行っているとの声もある。
欧米長期金利の上昇の影響もあるとはいえ、先週は新発10年物国債の利回りは2011年5月以来の水準まで上昇した。この状況下で氷見野副総裁がどのような発言をするかが円相場の最大の注目になるだろう。なお、氷見野副総裁は昨年7月の利上げ後の8月の会見では、「経済・物価の見通しが実現する確度が高まっていく、ということであれば、金融緩和の度合いを調整していく、というのが基本的な姿勢」と発言。また、10月には「明らかに実質金利はかなり低い水準にある」「来年の賃金動向に関する情報などが重要」などと発言している。
一方で、利上げに対して否定的なのは、先週9日には11月毎月勤労統計で発表された実質賃金は4カ月連続でマイナス(10月は横ばいから-0.4%に下方修正)になった。過去最大の26カ月連続のマイナスから抜け出せたのが、昨年の6、7月の僅か2カ月であったことで、賃上げにも関わらず実質賃金が減少しているという現状は変わらないことだ。
円以外では、昨日ユーロドルが2022年11月以来、ポンドドルは2023年11月以来の水準まで弱含んだ。ロサンゼルスの火災が欧州の保険大手に約10億ユーロの損失をもたらす可能性があると報じられるなど、欧州圏のネガティブな報道が多いこともあり、ユーロドルはパリティを目指すという声が依然として強い。アジア時間での動意は限られるだろうが、欧州入り後の動きには引き続き警戒したい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38770 -480 (-1.22%)
TOPIX先物 2697.5 -22.5 (-0.82%)
シカゴ日経平均先物 38705 -545
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。米長期金利の上昇が重荷となる場面もみられた。ただし、NYダウは前週末に700ドル近く下落し、昨年11月の米大統領選前の水準まで下げた。トランプ次期米大統領の政策期待により上昇した分を帳消にした後で、自律反発狙いの買いが優勢となった。
NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、アムジェン<AMGN>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、メルク<MRK>など薬品・医療関連株の上昇が目立ったほか、アナリストによる格上げが観測されたキャタピラー<CAT>が買われた。半面、バイデン米政権が人工知能(AI)向け半導体輸出で新規制を発表したことが懸念され、エヌビディア<NVDA>、マイクロソフト<MSFT>、IBM<IBM>、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>などハイテク株の弱さが目立った。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比545円安の3万8705円だった。10日の取引終了後の日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円高の3万9280円で始まり、直後につけた3万9330円を高値に軟化し、3万9000円~3万9290円辺りのレンジでの推移を継続。10日の米国市場の開始直後にレンジを下抜け、一時3万8630円まで売られた。終盤にかけて下げ幅を縮め、3万8770円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになろう。注目された12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25万6000人増と、市場予想(16万5000人増程度)を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が強まった。14日に12月の卸売物価指数(PPI)、15日には12月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、手掛けづらくさせよう。
13日のNYダウは自律反発をみせたものの、シカゴ先物は一時3万8135円まで売られる場面もみられた。売り一巡後の戻りの鈍さが意識されてくると、下へのバイアスが強まる可能性がありそうだ。
日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-1σ(3万9030円)と75日移動平均線(3万8940円)を割り込んだことで節目の3万9000円が抵抗線になるだろう。一方で下値は-2σ(3万8670円)、200日線(3万8530円)が射程に入ってきたが、シカゴ先物の安値にサヤ寄せする動きをみせてくると、いずれも割り込んでくるほか、-3σ(3万8300円)を下回ってくる可能性もある。積極的なロングは手控えられやすく、まずは売り一巡後の底堅さを見極めたいところだろう。
また、来週20日に米大統領就任式を控えて、就任直後に発表されるトランプ関税に関心が集まりやすい。東京市場でも慎重姿勢が強まりやすいため、短期的なショート対応に向かわせそうである。ただし、昨年8月の急落以降は-2σ水準が支持線として機能しており、同水準を割り込んで200日線に接近する局面では、イレギュラー的な動きとして、いったんはリバウンドを想定した押し目狙いのロングでの対応に向かわせよう。
13日の米VIX指数は19.19(10日は19.54)に低下した。前週は25日、200日線水準を支持線とした上昇により75日線を突破。同線から上放れる形状となった。終値では20.00を下回ったものの、一時22.04まで上昇する場面もみられており、市場心理はやや神経質に傾きそうである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.43倍(前日は14.45倍)に低下した。本日は下へのバイアスが強まる影響を受けることになろうが、前週には9日に一時14.48倍まで切り上がり、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回ってきている。75日線(14.36倍)、25日線(14.34倍)辺りで底堅さがみられると、NTロングでのスプレッド狙いを組成するタイミングになりそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比750円安の3万8500円(-1.91%)前後で推移。寄り付きは3万8800円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8705円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。その後、3万9070円まで下げ幅を縮め、75日移動平均線(3万8930円)を回復する場面もみられた。ただし、自律反発を狙ったロングは続かず、再び75日線を割り込んでくると下へのバイアスが強まった。終盤にかけて200日線(3万8520円)を割り込み、一時3万8330円まで下落幅を広げた。
日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ(3万8600円)および200日線を割り込んだことで、売られ過ぎが意識され、自律反発をみせてくる可能性はあるだろう。ただし、-2σ水準を早期に回復できないとショートカバーの動きは期待しづらく、戻り待ち狙いのショート優勢の需給が続きそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。14.39倍で始まり一時14.41倍をつける場面もみられたが、その後は75日線(14.37倍)、25日線(14.35倍)を下回ってきた。25日線辺りで下げ渋るようだと、リバランスの流れからNTロングのポジションを組成する動きが意識されてきそうだ。
本邦勢不在となった週明けのドル円は、株価の下落につれて戻り売り。日経平均先物が一時38135円まで急落となるなか156.92円まで値を下げる場面もみられましたが、NY時間に入って米10年債利回りが4.8026%まで上昇すると157.82円まで買戻されて取引を終えています。アジア時間に入ってからは、一部でトランプ関税について報じられたことから157.12円まで下押したものの、3連休明けの本邦実需勢の買いが断続的に観測されると157.58円まで買戻されました。
仲値後には、注目の氷見野日銀副総裁による神奈川県金融経済懇談会での挨拶の原稿が公表されるや否や、157.19円まで急落。そしてその直後に158.02円まで急伸といった乱高下。157.42円まで下押しした後、157.75円まで再び買戻しと、米系短期勢に「遊ばれている」ような値動きを繰返しています。
いずれにしても、日経平均は昨日安値付近まで深い下押し。目先の下値の目処を確認しているといったところですが、米長期金利が上方向をトライしている以上、ドル円も引き続き下値を固めていくことになりそうです。目先では、昨日安値の156.92円付近、終値ベースでは一目転換線の位置する157.56円付近が意識されています。
本日のロンドン為替市場で欧州通貨は、対ドルでの調整幅を見定める展開となりそうだ。欧州発の重要指標の発表はないものの、複数の金融当局者講演にも目を向けておきたい。
昨日のユーロドルは先週の地合いの弱さを素直に引き継ぎ、欧州前半には2022年11月以来の安値圏となる1.0170ドル台まで売り込まれた。ポンドドルも1.2100ドルと2023年11月1日安値に迫った。もっとも、先週から下げが続いていたこともあり、ニューヨーク時間にはショートカバーが優勢となっている。
ただしユーロドルやポンドドルの反発は、あくまでも調整の域をでないのではないか。米金利先安観が急速に後退していることが要因の1つ。本日の12月米卸売物価指数(PPI)や明日の消費者物価指数(CPI)でインフレ加速が確認されるとの見方が高まりつつあり、ドルは売りづらくなるのではないか。
一方ユーロ圏では、足もとでインフレは下げ渋っているものの欧州中央銀行(ECB)の利下げペースに大きな変化はないとの見方が今のところ優勢。ECBチーフエコノミストでもあるレーン専務理事が昨日、「ディスインフレは明白」と述べ、「利下げを継続することは理にかなっている」との考えを示した。同理事は本日も講演が予定されている。
ポンドについては、英債券への売り圧力が依然として重しとなるか。英10年債利回りは昨日、上昇幅を縮めたとはいえ、引け水準は4.88%台と終値としては2008年以来の高い水準だ。明日発表される12月英インフレ指標を控え、債券相場が不安定な動きとなれば、ポンドの上値は追いづらいだろう。
なお先週末のニュースになるが、リーブス英財務相が訪中し、英中貿易や投資の拡大などに合意したことが報じられている。保護主義色を強めるトランプ米次期政権への対応とも言えるが、政権誕生後にトランプ氏が難癖をつけてくる可能性は十分あるだろう。
他、欧州当局者の講演は、ホルツマン・オーストリア中銀総裁とブリーデン英中銀(BOE)副総裁が欧州前半に予定されている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、9日高値1.0321ドル
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、2022年11月11日安値1.0163ドル
・ポンドドル、昨日安値1.2100ドル
ドル円:1ドル=157.57円(前営業日NY終値比△0.09円)
ユーロ円:1ユーロ=161.44円(△0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0245ドル(横ばい)
日経平均株価:38474.30円(前営業日比▲716.10円)
東証株価指数(TOPIX):2682.58(▲31.54)
債券先物3月物:140.66円(▲0.40円)
新発10年物国債利回り:1.240%(△0.045%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
3兆3525億円の黒字 2兆4569億円の黒字
経常収支(季節調整済)
3兆334億円の黒字 2兆4088億円の黒字
貿易収支
979億円の黒字 1557億円の赤字
12月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 49.9 49.4
先行き判断指数 48.8 49.4
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は乱高下。「トランプ関税についてはまだ検討も承認もされていない」との一部報道が朝方に伝わると一時157.12円まで値を下げた。その後は3連休明けの本邦勢が買いで参入すると下げ渋り、157円台半ばまで持ち直した。氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での挨拶の原稿が公表が公表されると瞬間的に157.19円付近まで下げた後に158.02円まで急反発。ただ、158円台での滞空時間も短く、その後は157円台半ばを中心とした動きとなった。
なお、氷見野日銀副総裁は「来週の会合で利上げを行うかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」「政策変更のタイミングの判断は難しく、かつ重要だ」と述べた。
・ユーロ円も一進一退。日銀副総裁の原稿公表直後に161.11-161.87円の間で上下に激しく動き、その後は161円台半ばで落ち着きを見せている。
・ユーロドルは伸び悩み。トランプ関税への警戒感後退から朝方に買いが強まり、一時1.0277ドルまで上昇した。ただ、一段と買い上げるだけの材料には乏しく、一巡すると1.02ドル台半ばまで上値を切り下げている。
・日経平均株価は4日続落。米政権がAI向け先端半導体を巡る輸出規制見直し案を発表したことを受けて東京エレクトロンなど半導体関連株が軒並み下落した。日銀の利上げ観測も重しとなり、下げ幅は900円に迫る場面があった。
・債券先物相場は続落。日銀の早期利上げ観測が意識されると債券売りが優勢となった。市場では「氷見野日銀副総裁の講演内容は1月利上げの可能性を残すものだった」との指摘があった。
「2024年のインフレは住宅サービスや非市場サービスといった、帰属価格の上昇が主な要因だった。これらは直接測定されるのではなく推計値であり、すべての財とサービスにおける需給バランスを判断する指標としては信頼性が低いと考えている」(ウォラーFRB理事)
1.米連邦準備理事会(FRB)の「長期目標及び政策方針」:PCE価格指数
2012年1月25日のFOMCの終了後に発表された声明文「長期目標及び政策方針(Longer-run Goals and Policy Strategy)」において、「個人消費支出(PCE)価格指数」に基づく年間2%のインフレ率が、長期的に見て連邦準備理事会(FRB)の責務に最も一致した水準だと判断している、と発表した。
FRBが、価格変動が激しいエネルギーと食品を除いた「コア指数」ではなく「総合指数」としたのは、短期的な物価動向を見るにはコア指数が良いが、長期的には総合指数が適切と判断したものと思われる。また、「消費者物価指数(CPI)」を採用しなかった理由は、上方バイアスが生じる傾向にあるからだとされる。
2. 市場ベースPCE価格指数(Market-Based Gauge)
ハト派のウォラーFRB理事は、1月8日の講演で、代替指標である「市場ベースのインフレ」を注視する意義を説明した。ウォラーFRB理事は、インフレの沈静化が継続すると考えており、今年の追加利下げを支持している。
このインフレ指標は、データ収集のプロセスで直接的に価格を測定できず、代わりに推定値を採用せざるを得ないさまざまなサービスが除外されている。
2024年10月と11月の個人消費支出(PCE)コア価格指数は、前年同月比で2.8%上昇していた。一方、市場ベースの指標は5月から11月まで、前年同月比2.4%の上昇率付近でほぼ変わらない。
さらに、ウォラーFRB理事はトランプ関税による物価上昇圧力に関して、「関税がインフレに顕著な、または持続的な影響を与えることはないと私はみており、その予想通りであれば、適切な金融政策に関する私の見解に影響する可能性は低いだろう」と述べている。
■市場ベースPCEから除外される主なカテゴリー
・ギャンブル
・支払いを伴わない金融サービス
・ポートフォリオ管理および投資助言サービス
・生命保険
・医療ケアおよび入院
・自動車その他輸送保険のネット額
・海外旅行保険
大阪3月限
日経225先物 38500 -750 (-1.91%)
TOPIX先物 2683.0 -37.0 (-1.36%)
日経225先物(3月限)は前日比750円安の3万8500円で取引を終了。寄り付きは3万8800円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8705円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。その後、3万9070円まで下げ幅を縮め、75日移動平均線(3万8930円)を回復する場面もみられた。ただし、自律反発を狙ったロングは続かず、再び75日線を割り込むと下へのバイアスが強まった。
前場終盤にかけて200日線(3万8520円)を割り込み、3万8330円まで下落。ランチタイムで3万8560円と同線を回復する場面もみられたがカバーの動きは限られ、後場の取引開始後ほどなくして一時3万8310円まで下げ幅を広げた。終盤にかけて下げ渋る動きをみせたものの、200日線を下回って終えた。
日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ(3万8600円)および200日線を割り込んだことで、売られ過ぎが意識されやすいところであり、自律反発をみせてくる可能性はある。ただし、-2σ水準を早期に回復できないと、戻り待ち狙いのショート優勢の需給が続きそうである。
また、パラボリックが200日線近辺で推移していたSAR値にタッチしたことで、陰転シグナルを発生させた。一目均衡表では雲上限を割り込み、遅行スパンは実線を下回り、下方シグナルを発生させてきた。週後半には雲が3万8800円処でねじれを起こすため、雲を割り込んでくる可能性がある。テクニカルシグナルが軒並み悪化傾向をみせてきており、ショートに振れやすいだろう。
一方で、200日線水準での底堅さから75日線や-1σ水準で推移する3万9000円を回復してくるようだと、調整一巡から短期的にはショートカバーを交えてのリバウンドが意識されてきそうだ。
14日の米国市場では12月の卸売物価指数(PPI)の発表が予定されている。足もとで予想を上回る経済指標の発表が相次いでおり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースは鈍化するとの見方が根強い。PPIの結果次第では15日発表の12月の消費者物価指数(CPI)待ちのセンチメントになりそうだが、結果判明を前にカバーの動きも入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.41倍をつける場面もみられたが、その後は75日線(14.37倍)、25日線(14.35倍)を下回ってきた。25日線辺りで下げ渋る動きをみせてくるようだと、リバランスからNTロングのポジションを組成する動きも入りそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万9646枚、ソシエテジェネラル証券が2万2614枚、サスケハナ・ホンコンが5070枚、JPモルガン証券が3663枚、バークレイズ証券が3363枚、モルガンMUFG証券が3101枚、SBI証券が2772枚、日産証券が1977枚、野村証券が1718枚、ビーオブエー証券が1613枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万8585枚、ソシエテジェネラル証券が2万3194枚、JPモルガン証券が6743枚、バークレイズ証券が6071枚、モルガンMUFG証券が4499枚、ゴールドマン証券が3154枚、ビーオブエー証券が2238枚、日産証券が1600枚、野村証券が1371枚、みずほ証券が1234枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月卸売物価指数(PPI)と財政赤字を見極める展開が予想される。
12月米PPIの予想は前月比+0.3%で11月の同比+0.4%から低下、前年比は+3.4%で、11月の同比+3.0%からの上昇が見込まれている。食品とエネルギーを除くコア指数の予想は前月比+0.3%で11月の同比+0.2%からの上昇、前年比は+3.8%で11月の同比+3.4%からの上昇が見込まれている。
明日発表される米12月の消費者物価指数(CPI)と合わせて、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策を見極めて行くことになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、今月末のFOMCでは据え置きが確実視されており、今年の利下げは1回(※FF金利誘導目標4.00-25%)と予想されている。
本日は、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言機会があることで、年内1回の利下げを見込んでいる市場予想への見解にも注目しておきたい。
参考までに、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ確率は61%まで上昇しており、新発10年物国債の利回りも1.25%まで上昇していることで、ドル円の上値を抑える要因となっている。
また、今年1月1日に米国の債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示している。
米国政府が新たな借り入れができずにデフォルト(債務不履行)に陥ることを防ぐには、昨年12月のつなぎ予算案に、トランプ次期米大統領が盛り込もうとした上限の引き上げか効力停止が必要となる。
しかし、共和党の保守強硬派の反対で上限引き上げや効力停止の案は退けられており、20日のトランプ次期米大統領の就任式の後で、債務上限問題が復活することになる。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の赤字(10月・11月)は6242.13億ドルとなり、コロナ禍の時期を上回り、同期間としては過去最高を記録した。
本日発表される12月の財政赤字(予想は800億ドルの赤字)次第では、同期間としては過去最高を記録する可能性があることで、トランプ関税や減税による財政赤字の拡大懸念が高まることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、158.87円(1/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、156.24円(1/6安値)
カタール外務省のアル・アンサリ報道官はガザ停戦交渉について「特別な種類の楽観」を表明した。最大の課題は乗り越えたものの、交渉は未だ終わっていないと強調。細部の問題で全体のプロセスが崩れる可能性があるため、合意に至るまでは慎重な姿勢を維持しているという。
今晩は物価指標に注目。昨日は昨年に大きく上昇したハイテク株から景気敏感株などへの資金シフトが強まり、ダウ平均が358.67ドル高(+0.86%)、S&P500が0.16%高と、ともに反発した一方、ハイテク株主体のナスダック総合は0.38%安と4日続落とした。先週末の強い雇用統計を受けて利下げ期待の後退が続き、米10年債利回りが2023年11月以来の高水準となる4.80%台まで上昇したことも重しとなった。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される12月生産者物価指数(PPI)に注目が集まる。先週末の12月雇用統計を受けて年内の利下げ期待が大きく後退し、CMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での年内2回(0.50%)の利下げ確率は1週間前の33%から10%に大きく低下した。今晩発表される12月PPIも予想を上回る強い上昇となれば、利下げ期待の一段の後退や米10年債利回りの上昇が引き続き株式相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月PPIのほか、12月NFIB中小企業楽観度指数など。主要な企業の決算発表はなし。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
メキシコが「トランプ2.0」を念頭にした新たな経済計画を公表
USMCAの維持を念頭に中国輸入の抑制を目指す方針も、米トランプ次期政権の動きに左右される
メキシコは、米トランプ次期大統領が同国からのすべての輸入品に25%の追加関税を課す方針を示したことを機に「トリプル安」に直面している。トランプ氏の姿勢は同国が中国製品の対米輸出の「裏口」になっているとの認識が影響している。こうしたなか、メキシコ政府は今月から中国の大手電子商取引(EC)企業を念頭にした関税措置に動くとともに、シェインバウム大統領は13日に新たな経済計画を公表した。一連の計画ではUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の維持を念頭にした中国からの輸入抑制に加え、経済安全保障の強化のほか、2030年を念頭に世界トップ10入りを目指すとしている。他方、中銀は先月の定例会合で4会合連続の利下げに動き、景気下支えに向けて一段の利下げを志向する考えをみせる一方、米ドル高圧力がくすぶるなかでペソ安の加速を招く可能性もくすぶる。当面のメキシコ経済は米トランプ次期政権の一挙一動に揺さぶられる展開が続くであろう。
日経平均株価は大幅に4日続落。マドを開ける弱気スタートとなり、下値模索の展開となった。上昇基調にある75日移動平均線(38927円 1/14)や、200日移動平均線(38696円 同)なども下回り、一時は一目均衡表の雲下限(38192円 同)に迫る場面があった。
RSI(9日)は前日の51.9%→42.7%(1/14)へ低下。50%水準を下回り、あすも低下が続きやすいタイミングとなる。12/27高値からの二段下げの下値模索が続いているが、昨年11月後半で下げ渋った心理的節目の38000円前後を意識して下げ止まるかが焦点となる。
上値メドは、75日移動平均線、10日移動平均線(39551円 同)、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.13円(14日15時時点比△0.56円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.68円(△1.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0288ドル(△0.0043ドル)
FTSE100種総合株価指数:8201.54(前営業日比▲22.65)
ドイツ株式指数(DAX):20271.33(△138.48)
10年物英国債利回り:4.889%(△0.004%)
10年物独国債利回り:2.652%(△0.039%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。21時過ぎに一時158.13円まで上げたものの、米労働省が発表した12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともにドル売りが進行。一時157.44円付近まで値を下げた。
ただ、米長期金利が上昇に転じると再び強含む展開に。市場では「トランプ次期米大統領の就任を20日に控える中、同氏が掲げる関税政策などがインフレ再燃を招くとの警戒感は根強い」との声も聞かれた。3時前には一時158.20円と日通し高値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を記録した。
・ユーロドルはじり高。21時過ぎに一時1.0240ドル付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.0239ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米PPIの下振れを受けてユーロ買い・ドル売りが強まると、一時1.0304ドルと日通し高値を更新した。もっとも、一目均衡表転換線が位置する1.0308ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
・ユーロ円は堅調。ドル円の底堅い動きやユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると一時162.73円と本日高値を付けた。
・ロンドン株式相場は3日続落。米長期金利の高止まりを受けて投資家心理が悪化する中、指数は小幅に下落した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、ユニリーバやディアジオなど生活必需品株が値下がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われ、相場を下支えした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反発。「トランプ次期政権は輸入品に対する一律関税の段階的導入を検討」との一部報道が好感されて、欧州株全般に買いが入った。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いも入った。個別ではドイツ銀行(3.35%高)やシーメンス・エナジー(3.27%高)、コメルツ銀行(2.15%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
14日の日経平均は大幅に4日続落。終値は716円安の38474円。東京市場が休場の間、米国では12月雇用統計が強い内容となったことで、長期金利が上昇。10日の米国株は大幅安となった。週明け13日はダウ平均とS&P500は上昇したが、米国の利下げに対する期待が後退する中、3桁下落スタート。米金利の上昇を嫌気して半導体株が軒並み大幅安となった。
39000円近辺でいったん下げ渋ったものの、握力がなくなったかのように崩れ始め、9時台半ば辺りからは売りが売りを呼ぶ展開。序盤では半導体株以外には買いも入り、TOPIXは一時プラス圏に浮上したが、地合いが悪化する中で値下がりに転じる銘柄が増加した。800円超下げて38300円台に入ったところで売り圧力が和らぎ、13時辺りからは値動きが落ち着いたが、戻りは鈍く安値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5500億円。業種別では鉱業、保険、石油・石炭などが上昇した一方、電気機器、機械、ガラス・土石などが下落した。1Qが大幅な増収増益となったエヌ・ピー・シー<6255.T>が買いを集めてストップ高。半面、弱い半導体株の中でも下げが大きかったアドバンテスト<6857.T>が9.2%安となり、1銘柄で日経平均株価を約251円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり262/値下がり1343。IHI、任天堂、東京海上などが逆行高。上方修正と増配を発表した良品計画が4%超上昇した。上期が大幅な増益となったコスモス薬品が急伸。3Q決算が好感されたPRTIMESが2割近い上昇となり、プライムの値上がり率トップとなった。
一方、アドバンテスト以外にも、東京エレクトロン、ディスコ、レーザーテックなど半導体株の多くが大幅安。ソフトバンクGやファーストリテイリングなど指数寄与度の大きい銘柄も弱かった。米長期金利が上昇しても三菱UFJや三井住友など銀行株が軟調。フジクラ、古河電工、サンリオなど、昨年市場からの評価が高まった銘柄に値幅を伴った下げとなるものが多かった。
日経平均は大幅安。半導体株が下げを主導した。2025年に入ってからきょう14日までの6営業日では、決算や月次などの材料があったものを除いては半導体株くらいしか強い動きが見られていない。それだけに、半導体株が簡単に崩れてしまうと資金の振り向け先がなくなってくる。米国の長期金利上昇は国内金融株の買い材料にはならなかったし、リスク回避ムードが強まる中では新興銘柄も手がけづらい。20日の米大統領就任式を通過するまでは、指数の不安定な動きが続きそうだ。
米国では本日、12月の生産者物価指数(PPI)が発表される。あす15日には消費者物価指数(CPI)が発表となるだけに、PPIが強かった場合、CPIに対する警戒も高まる。PPIが弱く米国の長期金利が低下したとしても、それだけではCPIに対する警戒は拭えないであろうから、あすの日本株には腰の入った買いは期待できない。上昇した場合でも、高くなれば戻り売りが出てくるだろう。日経平均のきょうの終値は38474円。安値は38305円で26週線(38351円、14日時点)近辺では切り返しているだけに、38500円近辺で下値が固くなってくるかに注目しておきたい。
14日10:34 氷見野日銀副総裁
「政策運営にあたっては、タイミングの判断が難しくかつ重要」
「経済をマイナスのショックが襲っているような状態や、デフレ的な様々な諸要因が強固に残っている状態では、実質金利がマイナスになるということは必要でもあり、決して不正常でもないが、ショックやデフレ的な諸要因が解消された状態であれば、実質金利がはっきりとマイナスの状態がずっと続く、というのは、普通の姿とはいえないのではないかと思う」
「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比は、輸入物価急上昇の影響から4%にまで至ったが、その後は徐々に落ち着いてきている」
「来年度・再来年度については2%程度に着地するというのをメインシナリオ」
「今後も政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」
「国内での注目点の一つは、2025 年度の賃上げの見通し」
「海外での注目点の一つは、米国の新政権の政策と、それが米国経済・世界経済・日本経済に与える影響」
「多くの中央銀行のコミュニケーションでは、『それぞれの決定会合の時点までに手に入ったデータの全体像をよく見て、会合ごとに判断していく』という姿勢が基本線」
「金融政策の今後について考え、予測するうえで役に立つように、基本的な考え方や、経済の現状についての見方について発信することは極めて大切」
「毎回の金融政策決定会合の結論について、事前に市場に完全に織り込んでもらえるようにコミュニケーションをとるべきだ、ということにはならない」
「経済の動向よりも日銀の言いぶりの変化ばかりに市場の注目が集まることになりかねず、それも決して望ましいことではない」
14日14:14
「輸入物価は前月比ではかなり高い伸び、影響をよく見ていく」
「(1月会合の利上げ判断で)特定の項目でチェックリストのようには考えていない」
「(米大統領就任式と利上げ判断で)一対一で結論結びつける考えはない」
「賃上げは注目点だが、経済・物価の全体を評価した上で利上げの判断をしてゆく」
「春闘の動向をどこまで見て判断するかは来週の決定会合で議論」
「見通しに進んでいく確度は徐々に高まっている」
「トランプ演説や消費者物価などをみて議論し、判断する」
「適切なタイミングが来たら遅れずにやることが大切」
「円安による輸入物価の上昇、影響をよく見ていく必要がある」
「賃上げは去年に比べて前向きなものが多い」
「実質賃金のマイナスが続いているのは残念」
14日12:14 赤沢再生相
「政府と日銀は良く連携が取れている」
「金融政策の具体的手法は日銀に任せている」
「景気循環対応型の政策調整を強化する」
「金利と預金準備率(RRR)を活用し、流動性を十分に保つ」
「人民元を合理的な均衡水準で基本的に安定させる」
「経済と市場に基づいて政策調整を最適化する」
14日16:37 中国人民銀行(PBOC)貨幣政策局の鄒瀾局長
「9月以降、経済に対する市場の期待は改善した」
「長期国債の変動性は大きくなる可能性がある」
「国債投資は完全にリスクフリーではない」
「需給不均衡の悪化を避けるため債券購入を停止した」
14日17:29 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「2025年半ばまでには金融政策が景気抑制的な領域を脱するだろう」
「ユーロ圏ではディスインフレが順調に侵攻している」
「今後の金融政策の方向性は明確」
14日18:30 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「コアインフレ率の高止まりなどの問題を踏まえると、ECBが過度に急激な利下げを実施することは不可能」
「次回の金利決定はその時点で入手可能なデータに左右される」
15日02:16 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「金利政策は長期的に必要な水準に近い可能性」
「FRBは二つの責務の達成にかなり近い」
「雇用市場は弱まっているが、依然として健全」
「成長と雇用の見通しについては楽観的」
「インフレ圧力は引き続き緩和すると楽観的」
「新政権の政策の影響には、かなりのタイムラグがあるだろう」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月マネーストックM2
<海外>
○12:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○16:00 ◇ 12月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ◎ 12月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比2.6%)
○16:00 ◎ 12月英CPIコア指数(予想:前年比3.4%)
○16:00 ◇ 12月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.7%/前年比3.8%)
○16:45 ◇ 12月仏CPI改定値(予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
○17:00 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○17:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:35 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年比▲1.9%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 11月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.5%)
○22:30 ◇ 11月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.7%)
○22:30 ◎ 1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:3.0)
○22:30 ☆ 12月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.9%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.3%)
○23:20 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
○16日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○16日01:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○16日01:00 ◎ 12月ロシアCPI(予想:前月比1.6%)
○16日02:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○16日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.96円(前営業日比△0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.83円(△1.51円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0308ドル(△0.0063ドル)
ダウ工業株30種平均:42518.28ドル(△221.16ドル)
ナスダック総合株価指数:19044.39(▲43.71)
10年物米国債利回り:4.79%(△0.01%)
WTI原油先物2月限:1バレル=77.50ドル(▲1.32ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2682.3ドル(△3.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.2% 0.4%
(前年比) 3.3% 3.0%
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) 0.0% 0.2%
(前年比) 3.5% 3.5%・改
12月米財政収支
867億ドルの赤字 3668億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反発。米労働省が発表した12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。一時157.44円付近まで値を下げた。
ただ、米長期金利が上昇に転じるとじりじりと下値を切り上げた。市場では「トランプ次期米大統領の就任を20日に控える中、同氏が掲げる関税政策などがインフレ再燃を招くとの警戒感は根強い」との声も聞かれ、3時前には一時158.20円と日通し高値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を記録した。
・ユーロドルは上昇。21時過ぎに一時1.0240ドル付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.0239ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米PPIの下振れを受けてユーロ買い・ドル売りが強まると、一時1.0309ドルと日通し高値を更新した。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するシュミッド米カンザスシティー連銀総裁は「FRBは二つの責務の達成にかなり近い」「成長と雇用の見通しについては楽観的」「インフレ圧力は引き続き緩和すると楽観的」などと述べたが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は6日ぶりに反発。ドル円の底堅い動きやユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると一時162.86円と本日高値を付けた。ダウ平均や日経平均先物の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いも出た。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。12月米PPIが予想を下回り、インフレに対する過度な懸念が和らぐと買いが優勢となった。ただ、米長期金利が上昇したうえ、明日の12月米CPIの発表を前に上値は限られた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落。米長期金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。12月米PPIが予想を下回ると買いが先行したものの、明日15日に発表される12月米CPIの内容を確認したいとの雰囲気も強く、買い一巡後は再び売りが優勢となった。利回りは一時4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を付ける場面があった。
・原油先物相場は4日ぶりに反落。前日に約5カ月ぶりの高値水準まで上昇したこともあり、利食い売りが優勢となった。15日に12月米CPIの発表を控えていることも相場の重しとなった。
・金先物相場は小反発。ドルが対ユーロで下落し、ドル建ての金は割安感から買いが優勢となった。ただ、米長期金利の上昇傾向が続いており、金利を生まない金に売り圧力も強く上値は限られた。
昨日の海外市場でドル円は、12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。一時157.44円付近まで値を下げた。ただ、米長期金利が上昇に転じると158.20円まで強含んだ。ユーロドルは、米PPIの下振れを受けてユーロ買い・ドル売りが強まると、一時1.0309ドルと日通し高値を更新した。
本日の東京時間では、5・10日(ゴトー日)ということもあり、東京仲値の値決めにかけてはドル買いが予想されるものの、本日の米英インフレ指標発表や20日のトランプ氏の大統領就任を控え、値幅を伴う動きを期待するのは難しいか。また、依然として今月末の日銀金融政策決定会合での利上げや、タカ派姿勢を示す可能性があることも円買い圧力になりそうだ。
昨日の氷見野日銀副総裁の発言内容が伝わると、ドル円は荒い値動きをしたが、内容は大きくは円買い・円売りのどちらを促すようなものではなかった。ただ、賃上げに関しては春闘の結果が出るのは、まだ2カ月先になるにも関わらず「去年に比べて前向きなものが多い」と発言するなど、3月まで待たずに利上げに舵を切る可能性があることを匂わせていた。
また、明日発表される12月企業物価指数の中で注目される輸入物価指数について、11月速報値は1.5%の上昇と10月の改定値2.9%より低下していたにも関わらず、「かなり高い伸び」「円安による輸入物価の上昇、影響をよく見ていく必要」と述べていた。輸入物価に関してのこの発言は、すでに副総裁が12月の結果を知っていることを受けて発言したものか、それとも10・11月がプラスだったことで高い伸びとしたのかが気になるところだが、輸入物価上昇や円安の流れを阻止するためにも、早期の利上げの可能性もあり、ドル円の上値を抑える要因にもなるだろう。
昨日発表された米国の12月卸売物価指数(PPI)はヘッドライン、コア指数ともに市場予想よりも下振れた。米長期金利は一時的に低下したものの、その後は上昇に転じ4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を記録した。米金利の上昇がドル円の一定の支えにはなるだろうが、本邦長期金利も昨日は13年9カ月ぶりの水準まで上がったことを考えると、金利面では綱引き状態となっていることで、ドル円の上げ幅は限られるだろう。
更に、欧州各国や一部新興国が利下げに動こうとしていることもあり、欧州通貨や新興国通貨に対してのドル買いの流れの方が強い。また、欧州債も売られてはいる(利回りは上昇している)が、米国のようなインフレ低下に歯止めがかかったのではなく、財政不安による債券売りの様相が強いことで、逆に通貨安に動きやすい。その中で、本日はPPIよりも注目度が高い消費者物価指数(CPI)が英国と米国から発表されることで、この結果を見るまでは市場参加者が大きくリスクを持つのが難しく、アジア時間での値動きを抑制することになりそうだ。
くわえて、20日に予定されているトランプ氏の大統領就任を控え、徐々に市場が様々なリスクを持ちにくくなっている。昨日もトランプ氏はSNS(TruthSocial)で就任日に海外歳入庁(External Revenue Service)を創設し、「関税、および海外からもたらされるすべての歳入を徴収する」方針を示した。現状では米債市場ではインフレ再燃による金利が上昇し、その影響で為替市場ではドル買いになっている。しかし、本日の日経新聞で山崎達雄元財務官が、トランプ氏がドル高を懸念していることを改めて述べているように、通商政策に一番力を入れているトランプ氏が就任直後にドル高についてけん制するリスクもあり、債券市場と為替市場の動きが今後は変わる可能性なども念頭に入れておく必要もありそうだ。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38710 +210 (+0.54%)
TOPIX先物 2696.0 +13.0 (+0.48%)
シカゴ日経平均先物 38725 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。2024年12月の米卸売物価指数(PPI)が前月比0.2%上昇と、市場予想(0.4%上昇)を下回り、インフレに対する過度な懸念が和らいだ。米長期金利が低下する場面では、主力株の一角に買い戻しの動きがみられた。ただし、15日には12月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの懸念は根強く、ナスダック指数は5日続落した。
NYダウ構成銘柄ではキャタピラー<CAT>、3M<MMM>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、セールスフォース<CRM>が買われた。半面、エヌビディア<NVDA>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ボーイング<BA>、メルク<MRK>、アムジェン<AMGN>、アップル<AAPL>が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比225円高の3万8725円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比40円高の3万8540円で始まり、直後に3万8710円まで買われた後は軟化し、米国市場の開始直前には3万8470円と下落に転じる場面もみられた。ただし、下値の堅さが意識され、その後は3万8500円~3万8700円辺りでのレンジ推移を継続。終盤にかけて一時3万8820円まで買われる場面もあり、3万8710円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。米PPIが予想を下回ったことで、前日の大幅な下げに対するリバランスの動きが入りそうである。日経225先物はナイトセッションで200日移動平均線(3万8520円)辺りでの底堅さがみられるなか、ショートカバーを誘う形になりそうである。
ボリンジャーバンドの-2σ(3万8550円)も200日線水準に位置しており、3万8500円処では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。一方で、上値は75日線(3万8950円)、-1σ(3万8960円)が抵抗線として意識され、節目の3万9000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。ただし、前日の大幅な下落でショートが積み上がっているとみられ、米CPIの結果を控えてポジションをニュートラルに近づける形でのカバーが意識されやすい。
そのため、スキャルピング中心のトレードになるが、下値の堅さがみられる局面では、ロング対応になろう。オプション権利行使価格では若干のイレギュラーを考慮して3万8375円から3万9125円のレンジを想定する。
14日の米VIX指数は18.71(13日は19.19)に低下した。75日線(17.41)を上回っているが、終日20.00を下回っての推移だったこともあり、ややリスク選好に向かわせショートカバーを誘う形になりやすいだろう。
前日のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.41倍をつける場面もみられたが、その後は75日線(14.37倍)、25日線(14.35倍)を下回ってきた。エヌビディアなど米ハイテク株の弱い値動きから本日も低下しやすいだろうが、25日線辺りで下げ渋る動きをみせてくると、リバランスの流れからNTロングのポジションを組成する動きも入りそうだ。
聯合ニュースによると「韓国捜査当局が尹大統領を拘束した」と報じている。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円高の3万8620円(+0.31%)前後で推移。寄り付きは3万8760円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8725円)を上回る形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万8810円を高値に軟化し、中盤にかけて一時3万8410円と下落に転じる場面もみられた。ただし、売り一巡後は終盤にかけて持ち直し、プラス圏を回復。200日移動平均線(3万8520円)、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8530円)を上回って推移している。
日経225先物は買い一巡後にショートの動きが強まり、一時3万8410円まで売られ、ナイトセッションでつけた安値(3万8470円)を割り込んだものの、その後はプラス圏を回復した。指数インパクトの大きいところではアドバンテスト <6857.T> [東証P]が弱い値動きだが、一方で、ファナック <6954.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が買われ、日経平均型を牽引する形となった。
NT倍率は先物中心限月で14.30倍に低下した。14.36倍で始まり、一時14.27倍をつける場面もみられた。東証プライムの騰落銘柄は値上がり数が6割を占めているほか、セクターでは医薬品、建設、石油石炭、ガラス土石を除く29業種が上昇しており、相対的にTOPIX型優位の状況である。
昨日のドル円は、狭いレンジ内での取引となりました。東京時間に氷見野日銀副総裁の挨拶原稿を巡って乱高下した後、欧州時間に入ってからはもみ合いが続くなか157.30円まで下押す場面もみられましたが、米長期金利が上昇するにつれて158.13円まで買い戻されました。NY時間に入ってからは、12月米PPIが予想を下回る弱い数字となると米金利の低下とともに157.44円まで下押ししたものの、米10年債利回りが一転して4.8069%まで再び上昇すると158.20円まで戻り高値を更新。引けにかけては157.87円まで下押ししてNY市場を終えています。
そして、本日のアジア時間は、今夜の米CPIを控えて「ほとんど何もやっていない」相場となっているわけで、見えているものと言えば「本邦実需の買いが出ている程度」となっているといったところです。
いずれにしても、ドル円は一目転換線の位置する157.56円やNY時間安値の157.44円付近を意識した動き。米長期金利や日経平均の動向を睨みつつポジション調整中心の展開となっていますが、来週正式に誕生するトランプ米政権の方向性を確認しないことには、「なかなか手が出せない」状況となりつつあるともいえ、神経質な動きが続いていくのかもしれません。
本日のロンドン為替市場は、序盤に発表される12月英インフレ指標にまず注目。消費者物価指数(CPI)は前年比総合が前回から横ばいの2.6%予想、コアが3.4%と前回から0.1ポイントの減速が見込まれている。また、英中銀が金融政策を決定するうえで重要視しているサービス価格のインフレ率は前回の前年比5.0%上昇から下振れ予想だ。
次回の英中銀金融政策委員会(MPC)の結果公表は2月6日であり、今回のCPIは政策決定に向けた重要なデータだ。英長期金利の急騰も影響され、足もとの短期金融市場では英MPCの利下げペース鈍化を見込み始めた。今のところ、年前半の4会合で0.25%利下げ1回を織り込でいるものの、夏から年末までの4会合については利下げ見通しがそれほど高まっていない。
英長期債への売り圧力は昨日も強まったままであり、同10年債利回りは4.89%近くと再び2008年以来の高い水準で終えた。長期債市場が不安定なままでは、英中銀が金融政策で取り得る選択肢も狭まってしまうだろう。ここ最近の動きを見ると、英金利の上昇はポンド買いに繋がるどころか、英債価格の更なる下落を連想させてポンドの重しとなっている。もし12月英CPIの上振れとなった場合でもポンドの上昇は限定的かもしれない。
ユーロは対ポンドの動きに対ドルもしばらくつれる形か。ユーロポンドは昨日、0.8420ポンド台に位置していた200日移動平均線を上抜けて、約4カ月ぶりの高値0.8451ポンドまで上げ幅を広げた。買い一巡後も同線の上では推移している。本日0.8427ポンド付近に位置する200日線で下値固めができるか注目したい。
なおユーロ圏からは本日、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁などが講演予定。基本的にはディスインフレや現状の利下げスタンスの確認に留まりそうだ。
想定レンジ上限
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0359ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、13日安値1.2100ドル
・ユーロドル、昨日安値1.0239ドル
ドル円:1ドル=157.31円(前営業日NY終値比▲0.65円)
ユーロ円:1ユーロ=161.92円(▲0.91円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0293ドル(▲0.0015ドル)
日経平均株価:38444.58円(前営業日比▲29.72円)
東証株価指数(TOPIX):2690.81(△8.23)
債券先物3月物:140.59円(▲0.07円)
新発10年物国債利回り:1.250%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月マネーストックM2
前年同月比 1.3% 1.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。しばらくは158円を挟んだもみ合いが続いていたが、午後に入って植田日銀総裁が「来週の会合で利上げなど行うか判断する」と発言すると早期利上げ観測から本邦長期金利の上昇とともに円買いが活発化。一時157.20円まで売り込まれた。
・ユーロ円は軟調。上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたことで162円台後半から半ばへじり安の展開となっていたところに日銀総裁の発言が伝わると売りが優勢に。一時161.89円まで下げ足を速めた。
・ユーロドルは小安い。昨日の海外市場で上昇した反動が出たほか、ユーロ円の下げにつれた面もあり1.0292ドルまで下押しした。
・日経平均株価は5日続落。前日までの下落に対する自律反発的な買いが先行し、指数は300円超上昇した。ただ、日銀の早期利上げ観測が高まったほか、米国による対中半導体規制強化に対する警戒感から一転して売りが強まった。
・債券先物相場は3日続落。夜間取引で小幅高となった流れを引き継ぎ買いが先行すると一時140.79円まで上昇した。ただ、植田日銀総裁の発言を受けて来週会合での利上げ観測が高まり、一転して債券売りが活発化した。
「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」(アラン『幸福論』)
1.バーナンキ第14代FRB議長の楽観と悲観
2008年1月、バーナンキ第14代FRB議長は、「FRBは、現在、米国経済がリセッションに陥るとは想定していない」との楽観的な見解を示した。
しかし、米国経済は2007年12月にリセッションに陥っており、2008年9月にはリーマンショック(グローバル金融危機GFC:Global Financial Crisis)に襲われた。
2008年12月、バーナンキFRB議長は、「我々は当初、サブプライム危機が収まると言っていたが、それは間違いだった。住宅問題と金融システム全般の因果関係は、非常に複雑で予測が難しい」と述べた。
2018年9月13日、バーナンキFRB議長は、10年前の2008年の金融危機に際して、事前のミスとして、大きな破壊力を持った危機の到来を予測できなかったこと、事後のミスとして、それがどれほど大きな経済的ダメージをもたらすか過小評価していたことを認めた。
2. バーナンキ第14代FRB議長の楽観
2025年1月、バーナンキ第14代FRB議長は、「財政面でのメリットが何であれ、トランプ氏の政策はインフレ率への影響という点ではおそらく控えめなものになる」と述べ、トランプノミクス2.0の関税拡大や減税、移民抑制といった政策が、懸念されているほどインフレを招かないのではないか、という楽観的な見解を示した。信じていいのだろうか。
■トランプ減税(「減税・雇用法」※2025年末に失効、残業代や社会保障給付に対する免税)
バーナンキ氏は、期限切れとなる減税措置の大部分は維持されると予想されていたと指摘している。さらに政府債務が増大している中で、追加減税を実施する議会の意欲は限られる可能性がある、とも述べた。
■トランプ関税(対中関税60%、それ以外の全輸入品に対する一律10%関税)
バーナンキ氏は「大統領が交渉目的で一時的に導入するだけなのか、恒久的に維持するのか分からないため、予測は非常に難しい。政治的リスクなど極めて異例な状況がない限り、インフレの軌道を劇的に変えるとは思えない」
■移民抑制(「合法・不法を問わない移民流入の抑制」)
※接客業や建設業における人手不足の深刻化を招くとの見方
バーナンキ氏は「賃金を押し上げる可能性がある一方で、製品やサービスを購入する人が減り、物価上昇圧力の緩和につながる可能性もある」との見方を示した。
大和証券のデイリーマーケットリポートでは、IMFが1月17日に発表する世界経済見通しに注目している。昨年末に事業規模39兆円の補正予算が成立したこと、IMFには経済官僚が出向していることなどから、日本の成長率見通しは引き上げとなる可能性
が高いとみている。IMFが日本の見通しを変更すると、それに沿って2カ月間程度海外投資家がポジションを変更する傾向が強いとのこと。見通し引き上げとなれば、来週から3月一杯まで外国人買いが開始されることが期待できると大和では考えている。
大阪3月限
日経225先物 38390 -110 (-0.28%)
TOPIX先物 2690.5 +7.5 (+0.27%)
日経225先物(3月限)は前日比110円安の3万8390円で取引を終了。寄り付きは3万8760円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8725円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万8810円を高値に軟化し、前場中盤にかけて3万8410円と下落に転じる場面もみられた。売り一巡後は前場終盤にかけて持ち直し、プラス圏を回復。その後は200日移動平均線(3万8520円)、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8530円)を上回って推移した。ただし、後場中盤辺りに同水準を下抜けると一時3万8320円まで売られる場面もあった。
指数インパクトの大きいところではアドバンテスト <6857.T> [東証P]が終日軟調な値動きだったほか、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が後場に入り下げに転じたことが重荷になった。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ファナック <6954.T> [東証P]が買われ、日経平均型を下支えした。
米国は台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>や韓国サムスン電子、インテル<INTC>などに対し、対中規制の強化を要請するもようと、米メディアが報じた。これが後場中盤辺りからのショートにつながったようである。現時点でグローベックスの主要な米株価指数先物は小動きで推移しており反応はみられないが、エヌビディア<NVDA>など半導体株の動向が注目されよう。
日経225先物は結局のところ、買い一巡後は200日線と-2σに上値を抑えられる形だった。特にボリンジャーバンドのバンドが拡大しており、下向きで推移する-2σに沿った調整から3万8000円割れを狙ったショートの動きが強まりやすい。米国では2024年12月の消費者物価指数(CPI)の発表が控えており、前日の12月の卸売物価指数(PPI)同様、過度なインフレリスクを和らげる内容となれば安心感につながるだろうが、戻り待ち狙いのショートを警戒しておきたい。
週間形状では52週線(3万8370円)および26週線(38260円)辺りで推移している。リバウンドに入りやすいタイミングである半面、週末の終値で両線を割り込んでくると、下へのバイアスが強まりやすくなりそうだ。週足の-1σ(3万8200円)を下回ってくる局面では、-2σ(3万7500円)を射程に入れたショートが強まろう。
NT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。14.36倍で始まったが、その後25日線(14.35倍)を割り込み、下へのバイアスが強まる形だった。200日線(14.24倍)水準が支持線として意識されているが、同水準を明確に割り込んでくると、NTショートによるスプレッド狙いの動きが強まりそうである。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8683枚、ソシエテジェネラル証券が1万4326枚、サスケハナ・ホンコンが2535枚、ゴールドマン証券が2475枚、バークレイズ証券が2404枚、JPモルガン証券が1834枚、モルガンMUFG証券が1651枚、野村証券が1626枚、日産証券が1436枚、楽天証券が1092枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8861枚、ソシエテジェネラル証券が1万5578枚、バークレイズ証券が4560枚、JPモルガン証券が3857枚、モルガンMUFG証券が2814枚、ゴールドマン証券が2486枚、ビーオブエー証券が1238枚、日産証券が1105枚、みずほ証券が843枚、シティグループ証券が841枚だった。
NYタイムは、注目の12月米消費者物価指数(CPI)を受けた神経質な振れが想定される。市場ではヘッドラインの数値について、前月比+0.3%(前回11月+0.3%)、前年比+2.9%(同+2.7%)、インフレ指標として米連邦準備理事会(FRB)が注視するコア指数が前月比+0.2%(同+0.3%)、前年比+3.3%(同+3.3%)と、前回比で横ばいや強弱が交錯した見方の難しい状態。まずは予想比での強弱に反応しやすいとみる。
昨日の海外市場でドル円は、予想を下回った12月米卸売物価指数(PPI)をにらんだ米長期金利低下を受け、円買い・ドル売りが先行した。一時157.44円前後へ下押し。ただ、米長期金利が上昇に転じたことでドル円も持ち直した。
本日はPPI以上に注目される消費者物価指数(CPI)の発表とあって、反応はより明確になると思うが、ドル円は本日東京タイム午後から強まった下落を踏まえると、強い結果を受けた巻き戻しの反発が強まる可能性も視野に入れて臨みたい。
ただ、弱い結果を受けて下値を探る展開となった際に、6日安値156.24円や、12月31日安値156.02円といった、ここ最近下げ渋ったポイント付近の動意には注意したい。下抜けてテクニカル要因を背景とした売りが加速するリスクがある。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、157.83円前後で戻りを抑えそうな5日移動平均線付近。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、12月31日安値156.02円。※下抜けた際の下落加速には注意。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国当局が旗を振る内需喚起策は持続的なものとなるか?
資産デフレが債務拡大余地を狭めるリスク、人民元安懸念が政策の手足を縛る可能性にも要留意
中国経済においては、不動産不況に若年層を中心とする雇用回復の遅れが内需の重石になるとともに、景気の足かせとなってきた。こうしたなか、当局は内需喚起への取り組みを強化させており、耐久消費財の買い替え促進や大規模設備更新を追い風に企業マインドも改善する動きがみられる。しかし、企業マインドは改善するも雇用調整圧力がくすぶるなかで根強いディスインフレ圧力がくすぶる展開が続く。当局は今後も内需喚起の動きを強化する姿勢をみせるが、不動産市況の底がみえないなど資産デフレ圧力がくすぶるなかで家計債務の拡大余地が狭められる懸念はくすぶる。さらに、企業債務はすでに底入れするなかで政策支援を追い風に上振れすれば過剰債務の懸念が再燃するリスクもある。金融市場では当局が一段の金融緩和に動くとの観測がある一方、米中金利差拡大を理由に人民元安が進んでいる。人民元安が習近平指導部の思惑に反する懸念もあり、内需喚起策の持続力には不透明感がくすぶるのが実情であろう。
今晩は12月消費者物価指数(CPI)と大手銀の決算発表に注目。昨日は12月生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことが好感され、ダウ平均が221.16ドル高(+0.52%)、S&P500が0.11%高とともに2日続伸した。ただ、メタやエヌビディアなどハイテク株の一角に利益確定売りが続き、ナスダック総合は0.23%安と5日続落した。利下げを巡ってはCMEのフェドウォッチ・ツールの1月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は97%と引き続き据え置きが確実視され、3月FOMCでの据え置き確率も前日からほぼ変わらずの80%となった。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される12月消費者物価指数(CPI)に注目が集まるほか、発表がスタートする大手金融機関の第4四半期決算が焦点となりそうだ。12月CPIは前月比+0.3%と11月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.9%と11月の+2.7%から上昇が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%と11月の+0.3%から鈍化が見込まれ、前年比では+3.3%と横ばいが予想されている。CPIが予想以上の上昇となれば、利下げ期待の一段の後退が相場の重しとなりそうだ。決算発表では寄り前に発表されるJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックスなどの決算発表やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは12月CPIのほか、MBA住宅ローン申請指数、1月NY連銀製造業業況指数など。決算発表は寄り前にJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・ニューヨークメロン、ブラックロックなどが発表予定。
SMBC日興証券では、2025年1月の日銀金融政策決定会合について考察している。1月の追加利上げは可能ではあるものの、ビハインド・ザ・カーブ(中央銀行の対応の遅れ)に陥るリスクが限られる環境下、内外の政策動向と国内の賃金動向に関して追加的な情報を得られる3月会合まで日銀は判断を保留するとSMBC日興では見込んでいる。1月会合における追加利上げの可能性を40%、次の3月会合における追加利上げの可能性を60%と想定している。
日経平均株価は5日続落。買い優勢のスタートとなったが、200日移動平均線(38684円 1/15)や一目均衡表の雲上限(38728円 同)に上値を抑えられ失速する格好となった。前日の陰線の下方水準に並ぶ陰線を形成し、100日移動平均線(38564円 同)を上回れずに取引を終えた。
RSI(9日)は前日の42.7%→36.3%(1/15)へ低下。あすも低下が続きやすいが、一目均衡表では雲のネジレが発生するタイミングでもあり急反転がみられるかどうか。12/27高値からの二段下げの下値模索が続く中、きょうはマドを開けた状態で連続陰線を形成しており、強い下振れにも警戒したい。昨年11月後半で下げ渋った心理的節目の38000円前後を意識して下げ止まるかが焦点となる。
一目均衡表では遅行スパンが当時の株価水準を下回る逆転の弱気局面入りを示唆。リバウンド局面でも下向きに変化している10日移動平均線(39482円 同)や25日移動平均線(39331円 同)などに上値を抑えられる局面が続く公算が大きい。
上値メドは、200日移動平均線や75日移動平均線(38937円 同)、25日移動平均線、10日移動平均線(39482円 同)、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.54円(15日15時時点比▲0.77円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.02円(▲0.90円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0286ドル(▲0.0007ドル)
FTSE100種総合株価指数:8301.13(前営業日比△99.59)
ドイツ株式指数(DAX):20574.68(△303.35)
10年物英国債利回り:4.731%(▲0.158%)
10年物独国債利回り:2.560%(▲0.092%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) 0.1% 0.0%
12月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.3% 0.1%
(前年比) 2.5% 2.6%
CPIコア指数
(前年比) 3.2% 3.5%
12月英小売物価指数(RPI)
(前月比) 0.3% 0.1%
(前年比) 3.5% 3.6%
12月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.2% 0.2%
(前年同月比) 1.3% 1.3%
11月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) 0.2% 0.2%・改
(前年比) ▲1.9% ▲1.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは上値が重かった。米重要指標の発表を控えてしばらくは1.0300ドルを挟んだ狭いレンジでのもみ合いが続いていた。ただ、NYの取引時間帯に入り、12月米消費者物価指数(CPI)が前年比2.9%上昇と市場予想通りの結果となり、エネルギーと食品を除くコア指数が前年比3.2%上昇と予想の3.3%上昇を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。22時30分過ぎに一時1.0354ドルと日通し高値を更新した。
ただ、一目均衡表基準線が位置する1.0359ドルがレジスタンスとして働くと失速した。対欧州通貨中心にドル買い戻しが進んだ流れに沿って一時1.0260ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円は下げ渋り。米労働省が発表した12月米CPIが概ね市場予想通りの結果となったほか、1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ると米長期金利が大幅に低下。全般ドル売りが優勢となり、23時30分前に一時155.95円と昨年12月19日以来の安値を付けた。
市場では「米インフレ再加速への懸念がいったん後退した」との受け止めから、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.63%台まで急低下した。
ただ、売りが一巡するとじりじりと下値を切り上げた。対欧州通貨中心にドルの買い戻しが進んだ流れに沿って、1時30分過ぎには156.74円付近まで持ち直した。
・ポンド円は軟調だった。12月英CPIが前月比0.3%/前年比2.5%と予想の前月比0.4%/前年比2.6%を下回ったうえ、コア指数が前年比3.2%と予想の3.4%を下回ると、英長期金利の大幅低下とともにポンド売りが広がった。1時30分過ぎには一時191.10円と日通し安値を付けた。ポンドドルも一時1.2163ドルまで売られる場面があった。
なお、テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員は「生産のさらなる弱体化と急速なディスインフレのリスクを認識」「リスクバランスの変化に対する保険の必要性」「リスクは下振れ方向に偏っている」「予防的に金利を引き下げることは理にかなっている」と述べたほか、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は「英中銀当局者は今後1年で5-6回の利下げが必要になると警告している」と報じた。
・ユーロ円は下落。ドル円の下落につれたほか、ユーロドルの失速に伴う売りが出て一時160.80円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに反発。12月英CPIが予想を下回ると、英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑から英長期金利が低下。投資家心理が改善し、株買いが優勢となった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。英国や米国の長期金利が低下すると独長期金利も低下し、投資家心理が改善。株を買う動きが広がった。個別ではバイエル(5.75%高)やボノビア(4.43%高)、ブレンターク(4.39%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。英CPIの下振れを受けて英国債が買われた。
15日の日経平均は5日続落。終値は29円安の38444円。14日の米国では、弱めの米12月生産者物価指数が米国のインフレに対する警戒を和らげ、ダウ平均とS&P500が上昇。これを好感して、200円超上昇して始まった。
開始直後には上げ幅を300円超に拡大。しかし、ナスダック安を嫌気してアドバンテスト<6857.T>やレーザーテック<6920.T>など半導体株が弱く、失速してマイナス転換。いったん切り返して前場は3桁の上昇で終えたものの、後場に入ると売り直された。アドバンテストの下値模索が続いたことや、ドル円が円高に振れたことなどが警戒材料となった。円高に関しては植田日銀総裁の発言から早期の追加利上げが意識されたとの見方があった。ただ、3桁下落となったところでは下げ渋り、大引けにかけては値を戻した。プライムでは値上がり銘柄の方が多く、TOPIXはプラスで終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆8700億円。業種別では銀行、その他製品、水産・農林などが上昇した一方、医薬品、卸売、建設などが下落した。上方修正や増配を発表した古野電気<6814.T>が急騰。半面、ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884.T>は通期の利益見通し引き上げが好感されず、15.6%安と大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり864/値下がり705。売買代金上位ではIHIや任天堂が大幅上昇。証券会社のリポートを手がかりに、ファナックやキーエンスなどFA関連に強い動きが見られた。日銀の早期利上げ期待から、三菱UFJや三井住友など銀行株が全般堅調。SHIFTが商いを伴って急騰したほか、ベイカレントがストップ高となるなど、決算が好感された銘柄に買いが殺到した。
一方、アドバンテストやレーザーテックなど半導体株の一角が大幅安。レーザーテックは昨年来安値を更新した。フジクラや三菱重工が軟調。決算を材料にディップ、タマホーム、エスプールなどが急落した。着地が計画を下振れたマネーフォワードがストップ安。下方修正と減配を発表したロゴスHDや、公募・売り出しを発表したSpeeeは、場中に値が付かすストップ安比例配分となった。
日経平均は5日続落。3桁上昇スタートからマイナス圏に沈んでおり、印象の悪い下げとなった。序盤では全面高となる場面もあったが、きのうに続いて半導体株が弱く、全体のセンチメントが悪化した。
午後に円高が進んだことも日本株には逆風となった。市場ではきのうの氷見野日銀副総裁の講演やきょうの植田日銀総裁の発言を受けて、1月会合で利上げがあるかもしれないとの見方が強まりつつある。1月の日銀会合は23日~24日で、米国の大統領就任式(20日)の直後かつ、FOMC(28日~29日)より前に開催される。このタイミングで利上げを実施すると市場が混乱しそうだが、可能性はゼロではないどころか結構ある。そうなると日銀会合を通過するまでは、金融株以外には手を出しづらくなる。
本日の米国では12月の消費者物価指数(CPI)や金融株の決算が注目される。前日の生産者物価指数(PPI)はインフレに対する過度な警戒を和らげる材料となったが、CPIはどうか。ただ、CPIが弱めであったとしても、今のFRBは雇用のデータを重視しているだけに、1月に利下げを行うとの期待はそれほど高まらないかもしれない。日銀が利上げをしそう、FRBは利下げを見送りそうとなると、余計に日本株は買いづらくなる。日経平均に関しては、ここからもう一段下げるかどうかはともかく、来週までは不安定な値動きが続くとみておいた方が良い。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.47円(前営業日比▲1.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.99円(▲1.84円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0289ドル(▲0.0019ドル)
ダウ工業株30種平均:43221.55ドル(△703.27ドル)
ナスダック総合株価指数:19511.23(△466.84)
10年物米国債利回り:4.65%(▲0.14%)
WTI原油先物2月限:1バレル=80.04ドル(△2.54ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2717.8ドル(△35.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米労働省が発表した12月米消費者物価指数(CPI)は前年比2.9%上昇と市場予想通りの結果となったものの、エネルギーと食品を除くコア指数は前年比3.2%上昇と予想の3.3%上昇を下回った。市場では「米インフレ再加速への懸念がいったん後退した」との受け止めから、米長期金利が大幅に低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.95円と昨年12月19日以来の安値を付けた。
米長期金利の指標となる米10年債利回りは指標発表前の4.76%台から4.63%台まで急低下した。
ただ、売りが一巡すると下げ渋った。対欧州通貨中心にドルの買い戻しが進んだ流れに沿って、1時30分過ぎには156.74円付近まで下値を切り上げた。
なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動は全ての地区で小幅から緩やかなペースで拡大した」と総括。「2025年の見通しについては楽観的な見方が悲観的な見方を上回ったものの、一部の地区は移民や関税政策の変更が経済に悪影響を及ぼす可能性があると懸念を示した」と指摘した。
・ユーロドルは小反落。米CPIコア指数が予想を下回ったほか、1月米NY連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ると米長期金利が急低下。全般ドル売りが活発化し、22時30分過ぎに一時1.0354ドルと日通し高値を更新した。
ただ、一目均衡表基準線が位置する1.0359ドルがレジスタンスとして働くと失速した。対欧州通貨中心にドル買い戻しが進んだ流れに沿って一時1.0260ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は反落。ドル円の下落につれたあとは、ユーロドルの失速に伴う売りが出て一時160.80円と日通し安値を更新した。
植田和男日銀総裁は本日アジア時間に「来週の金融政策決定会合で利上げを行うかどうかについて議論し、判断する」などと発言。日銀による追加利上げ観測の高まりを背景に円買いが入りやすい面もあったようだ。
ポンド円は一時191.10円、NZドル円は87.77円、カナダドル円は108.91円、スイスフラン円は171.35円、メキシコペソ円は7.62円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。12月米CPIでエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ると、インフレに対する過度な懸念が緩和し株買いが広がった。「イスラエルとハマスが停戦合意」との報道で、中東の地政学リスクへの警戒感が後退したことも投資家心理の改善につながった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反発。米長期金利の大幅低下で高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが集まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに大幅反発。12月米CPIでエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ると、インフレ再加速への懸念が後退し買いが広がった。
・原油先物相場は反発。注目の12月米CPIは前年比+2.9%と予想通りの結果となるも、同コアはやや市場予想を下回る+3.2%となり、ドル売り・米長期金利の低下で反応し、ドル建ての原油は買いが優勢となった。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫統計で、原油在庫は予想以上の取り崩しとなった一方で、ガソリンとディスティレート(留出油)在庫は予想を上回る積み増しと強弱まちまちの結果となり、一時売り買いが交錯する場面が見られた。
・金先物相場は続伸。12月米CPIのコアが前年比で予想を下回ったことを受けて米長期金利が急低下し、金利を生まない金は買いが優勢となった。
一部通信社が報じたところによると、「イスラエルとハマスが停戦で合意した」ようだ。
一部報道が関係者筋の話として伝えたところによると、カナダは米製品に対する1500億カナダドルの関税を発動する準備があるという。
15日12:25 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「金融緩和の効果が表れるまでにはしばらく時間がかかる」
「基本的にまだ景気回復モードにある」
15日13:25 植田日銀総裁
「金融政策、経済・物価の情勢の改善が続けば政策金利を引き上げ緩和度合いを調整」
「来週の会合で利上げなど行うか判断」
15日14:54 加藤財務相
「金融政策そのものは日銀が判断」
「緊密な連携踏まえ、デフレ脱却に向け適切な金融政策運営を期待」
「今後の会合でどう議論されるかは注視」
「足元の為替は急激な動きがみられる」
「(為替について)行き過ぎた動きには適切に対応」
15日17:27 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「ディスインフレーションのプロセスは順調に進んでいる」
「経済成長に対するリスクは依然として下振れ方向」
「今後のデータが我々のベースラインシナリオを裏付ける場合、さらなる利下げが予想される」
「高い不確実性のため、金利設定には慎重さが求められる」
「引き締めの緩和を継続すると予想」
「国内のインフレは低下しているが、依然として高水準」
「最新のデータは経済が勢いを失っていることを示唆」
15日17:56 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「利下げは経済の資金調達を後押し」
「金利が夏までに2%に達するのは理にかなっている」
「我々はインフレとの戦いにほぼ勝利した」
「不確実性が非常に高い環境下では金融政策はデータに左右される」
「政府の政策見通しが不確実性の主な要因」
「金融政策は経済見通しに対して適切な位置にある」
「需給バランスの改善により利下げが可能になった」
「バランスシートの縮小は順調に進んでいる」
「今年の成長率は2%に落ち着くと予想」
「失業率は4%~4.25%で推移すると予想」
「インフレ期待は安定している」
「FRBは入手したデータを分析するのに時間をかけることが可能」
「米国経済は再び底堅さを示している」
16日01:26 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「インフレ率は目標の2%に向かって低下している」
「物価上昇圧力は引き続き緩和」
「雇用市場は安定しているようだ」
16日01:37 テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「生産のさらなる弱体化と急速なディスインフレのリスクを認識」
「リスクバランスの変化に対する保険の必要性」
「リスクは下振れ方向に偏っている」
「予防的に金利を引き下げることは理にかなっている」
「金利を正常に戻す時期」
「政策金利は依然として中立水準をはるかに上回っている」
16日02:52 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレは引き続き進展すると見ている」
「多くの不確実性が残っている」
「2025年はソフトランディングできると楽観的」
16日04:05 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「米経済活動は全ての地区で僅かから緩やかに拡大した」
「エネルギー活動はまちまち」
「2025年の見通しについては楽観的な見方が悲観的な見方を上回った」
「ただ、いくつかの地区は移民政策や関税政策の変更が経済に悪影響を及ぼす可能性があると懸念を示した」
「雇用は全体的に上昇し、6地区がわずかな増加を報告し、6地区が横ばいと報告」
「ほとんどの地区で賃金の伸びは緩やかなペースで加速したものの、賃金圧力が緩和したとの報告もあった」
「物価は全体として緩やかに上昇し、伸び率は横ばいから緩やかな範囲だった」
「物価は2025年も上昇し続けると予想しており、関税の引き上げが価格上昇に寄与する可能性があることを指摘する地区もあった」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月企業物価指数(予想:前月比0.4%/前年比3.8%)
<海外>
○09:01 ◇ 12月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:27)
○09:30 ◎ 12月豪雇用統計(予想:失業率4.0%/新規雇用者数1.50万人)
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:2.75%に引き下げ)
○16:00 ◎ 12月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比2.6%)
○16:00 ☆ 11月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○16:00 ◎ 11月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%/前年比▲1.0%)
○16:00 ◎ 11月英製造業生産高(予想:前月比横ばい)
○16:00 ◇ 11月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:179.00億ポンドの赤字/36.00億ポンドの赤字)
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前85億ユーロの黒字/季節調整済115億ユーロの黒字)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)
○22:15 ◇ 12月カナダ住宅着工件数(予想:24.50万件)
○22:30 ☆ 12月米小売売上高(予想:前月比0.6%/自動車を除く前月比0.4%)
○22:30 ◇ 12月米輸入物価指数(予想:前月比0.1%)
○22:30 ◎ 1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲5.0)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.0万件/187.1万人)
○24:00 ◇ 11月米企業在庫(予想:前月比0.1%)
○24:00 ◎ 1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:45)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、12月の米消費者物価指数(CPI)コア指数が市場予想を下回ると、一時155.95円と昨年12月19日以来の安値を付けた。米10年債利回りは指標発表前の4.76%台から4.63%台まで急低下した。ユーロドルは米CPI発表後1.0354ドルまで買われたが、その後1.0260ドルまで弱含んだ。
本日の東京時間でドル円は上値が重いか。ここ最近の市場の動きをみると、米金利が上昇する局面では欧州やオセアニア通貨に対してドル買いは進むものの、円に対してのドル買いの反応は鈍かった。むしろ、米金利上昇による株売りに反応し、ドル円は上値が重くなった。逆に昨日は米金利の低下で、ドル円は下げ幅を広げたものの、米株の上昇にもかかわらずクロス円を含め上値が重くなった。米金利の動向に欧州通貨等は連れるものの円の反応が鈍く、トレンドとして円買い意欲が強いということが現時点では明確だ。
円買い意欲が強いのは、来週に予定されている日銀金融政策決定会合での利上げ観測が高まっていることが主要因。12月の日銀会合後に発表された本邦の経済指標は、会合翌日の20日に発表された11月全国CPIコアが前年比で予想を僅かに上回り2.7%(予想2.6%)となったが、27日発表の12月東京都区部CPIは前年比で予想より下回り2.4%(予想2.5%)だった。今月9日発表の11月賃金指数は4カ月連続でマイナスになるなど、インフレの高進が確認されたわけではない。
しかしながら、大企業を中心に賃上げを示唆する声が高まっていることで、12月の政策決定会合時ではハト派と捉えられる発言をしていた植田日銀総裁は、昨日は「金融政策、経済・物価の情勢の改善が続けば政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整」とタカ派と捉える見解を示した。このことで、早ければ来週利上げの可能性の思惑が高まっている。
米国が利下げ停止に傾いていることで、対ドルでの円買いは限られているが、欧州通貨はディスインフレや財政不安などもあり買えず、新興国通貨もインフレ抑制や株安もあり買うことができない状況で、消去法的にも円は買われやすく、クロス円の売りも重しにドル円は軟調な動きになりそうだ。
そういった中で本日は注目されるのが、本邦12月企業物価指数。特にこの中で明らかになる輸入物価指数を確かめることになる。輸入物価指数に関しては円安が進行していることもあり、この数年は注目度が増している。
12月の日銀会合後の質疑応答で植田日銀総裁が、「オントラックにもかかわらず利上げをしなかったことで円安が進行したことへの評価」を記者から質問されると、「輸入物価の対前年比でみると、割と落ち着いているという状況であることも考慮に入れた」と回答。また、ほかの記者から「10月末時点と比べても3円ほど円安に振れているように、円安が物価上振れをもたらすリスクというのは10月時点と比べて高まっている」ことへの見方についても、為替の影響が日本の物価やインフレ率に影響を与えていることは認識しているとしたが、現時点では「対前年比でみた輸入物価の上昇率が落ち着いている」と2度にわたって、12月時点での円安水準については許容範囲内と捉えられる発言を繰り返した。
くわえて、今月9日に日銀大阪支店長は「輸入物価は落ち着いている、物価加速懸念が高まっているわけではない」と発言。一方で、一昨日氷見野日銀副総裁は、輸入物価指数が11月速報値は+1.5%と10月の改定値+2.9%より低下していたにも関わらず、「かなり高い伸び」「円安による輸入物価の上昇、影響をよく見ていく必要」と述べ、植田総裁や大阪支店長と真逆の意見を述べた。副総裁の発言が今日発表される結果を既に認識してのものだったのか、それとも10・11月がプラスだったことで高い伸びとしたのかが気になるところだが、今回の発表で明らかになる。仮に輸入物価が上昇していた場合には、インフレや円安の流れを阻止するためにも、1月の利上げの可能性が更に高まり、ドル円の上値を抑える要因にもなるだろう。
円以外では豪州の12月の雇用統計に注目。11月の豪雇用統計は失業率、新規雇用者数がともに市場予想よりも強い結果になった。しかし、昨年の12月9-10日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会では「インフレの上振れリスクは緩和。CPIは持続的に目標に戻ると確信」とハト派的な見解が示された。12月の雇用統計で11月に続き労働市場のひっ迫が確認されれば、賃金上昇によるインフレ圧力の高まりにより、RBAのスタンスが再び変わる可能性があるかもしれない。一方で、雇用情勢が悪化した場合は、RBAの早期の利下げ予想が高まることになるだろう。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38780 +390 (+1.01%)
TOPIX先物 2706.0 +15.5 (+0.57%)
シカゴ日経平均先物 38755 +365
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2024年12月の米消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.2%上昇と前月(0.3%上昇)から伸びが鈍化し、市場予想(0.3%上昇)を下回った。前日の米卸売物価指数(PPI)同様、過度なインフレリスクを和らげる内容だったことが材料視された。また、米銀大手の決算が本格化するなか、市場予想を大幅に上回る増収増益だったゴールドマン・サックス<GS>が6%を超える上昇となったほか、JPモルガン・チェース<JPM>、ウェルズ・ファーゴ<WFC>、シティグループ<C>が買われ、センチメントを明るくさせた。
NYダウ構成銘柄ではゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースのほか、アメックス<AXP>、ホームデポ<HD>、エヌビディア<NVDA>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が上昇。一方で、セールスフォース<CRM>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が軟調だった。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比365円高の3万8755円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円安の3万8330円で始まり、3万8230円まで売られた後はリバウンドによりプラスに転じると、米国市場の開始直前には3万8760円まで買われた。買い一巡後は3万8560円~3万8760円辺りのレンジで推移。終盤にかけてレンジを上抜け、一時3万8840円まで買われる場面もみられ、3万8780円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ日経平均先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。米CPIが予想を下回ったことで、リバランスの動きが入りそうである。日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-2σ(3万8430円)および200日移動平均線(3万8510円)を上回って終えており、-1σ(3万8880円)や75日線(3万8960円)が意識されやすいだろう。
米国で決算発表が本格化するなか、米銀大手4社はいずれも良好な内容だった。また、足もとで調整が続いていたエヌビディアの反発は、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。そのほか、イスラエルとイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザでの戦闘停止で合意し、地政学リスクへの警戒感が後退したことも安心感につながりそうである。
もっとも、来週20日のトランプ次期米大統領の就任式を控えて、就任直後に発表されるトランプ関税に関心が集まりやすい。節目の3万9000円に接近する局面では、戻り待ち狙いのショートに警戒しておきたいところである。そのため、買い一巡後は押し目狙いのロング対応とし、-1σや75日線辺りでは早めの利益確定に向かわせよう。
‐1σや75日線をクリアし、3万9000円を明確に上回ってくる局面ではショーカバーが強まりやすく、25日線が位置する3万9330円辺りをターゲットとしたロング対応になりそうである。そのため、オプション権利行使価格の3万8625円から3万9125円のレンジを想定する。
15日の米VIX指数は16.12(14日は18.71)に低下した。一時19.66に上昇する場面もみられたが、その後の下げで75日線(17.41)、25日線(17.11)、200日線(16.24)を一気に下回ってきた。リスク選好が強まり、ショートカバーを誘う形になりやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。14.36倍で始まったが、その後25日線(14.35倍)を割り込み、下へのバイアスが強まる形だった。200日線(14.24倍)水準が支持線として意識され、いったんはNTショートを巻き戻す動きもありそうだが、米銀の決算を受けたメガバンクの動向次第ではTOPIX型優位となる可能性もありそうだ。200日線を明確に割り込んでくると、NTショートによるスプレッド狙いの動きが強まりそうである。
昨日のNY市場では、米CPIでコアが予想を下回ったほか、スーパーコアも前月から低下傾向であることが分かると、米10年債利回りが16bp近い急低下。ドル円も157.09円の戻り高値から155.95円まで売り込まれることになりました。ただ、その後はユーロドルなど欧州通貨が対ドルで売られるにつれて156.74円まで買戻されるなど、米指標を受けた動きとしてはほぼほぼフラットな状況となってNY市場を終えました。
アジア時間に入ると、次期米財務長官の指名が予定されているスコットベッセント氏のコメントなどに反応して156.52円まで値を上げる場面もみられましたが、仲値後には戻り売り。米系短期勢を中心に昨日安値の155.95円を下抜けると一気にSLを巻き込むかたちで下げ足を速めたといったところです。一部で「日銀は米新政権の影響が限定的であれば来週の会合で利上げする公算が大」と報じられると155.21円まで売り込まれることになりました。その後は155.78円まで買戻されています。
いずれにしても、市場では「またかよ」との声。先月は「利上げ」を織込んでいた市場は会合まで約1週間前になって「利上げなし」との認識に変更を余儀なくされる展開。そして、今月は逆に「早くても利上げは3月以降」と織込んでいた市場は、またまた1週間前になって「利上げ」との認識を余儀なくされることになっているわけで、しかも、「米政権の影響を見極める」ことが、事実上、20日のトランプ米大統領の就任演説だけで判断出来るとの、「いくらなんでも酷いこじつけ」の様を目の当たりにしています。
ただ、株式市場も「かなり耐性が出来つつある」のか、目立った下げにもつながっていないなか、ドル円についても週足の一目雲上限の155.44円や日足の一目基準線の155.34円が意識されて下げ止まっている状況。昨日からの売りで急速に利上げを織込んだ市場としては、目先の下値を確認したようなかたちとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比200円高の3万8590円(+0.52%)前後で推移。寄り付きは3万8810円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8755円)を上回る形から、買い先行で始まった。中盤にかけて3万8940円まで買われた後は軟化し、終盤にかけては一時3万8480円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
日経225先物は寄り付き後に3万8940円まで買われ、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8860円)を上回ったものの、75日移動平均線(3万8950円)を捉えることはできなかった。同線が上値抵抗線として意識されるなか、利益確定に伴うロング解消に向かわせたようだ。その後3万8480円まで上げ幅を縮めたが、200日線(3万8510円)近辺で下げ渋る形となった。想定された範囲での値動きであり、200日線での底堅さがみられるようだと、再度75日線を意識したロングに向かわせる可能性はあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.32倍に上昇した。14.32倍で始まり、一時14.36倍をつける場面もみられた。ただし、75日線(14.36倍)を上抜けることができず、寄り付き水準での推移となった。
本日のロンドン為替市場も、序盤に英国で複数発表される重要な経済指標を見定めながらポンド中心の値動きか。指標は11月国内総生産(GDP)や同月鉱工業生産と製造業生産高、貿易収支などが発表予定。
昨日の12月英消費者物価指数(CPI)は総合・コアとも予想より伸び率が低下した。くわえて、英中銀が重要視しているとされるサービス価格のインフレ率も前年比4.4%と前回から0.6ポイントも減速。結果を受けて英利下げ余地が広がったとの思惑からポンド売りが先行したものの、1.21ドル台では下げ渋った。
インフレ指標の1時間後にオープンした英債市場では、中・長期債が大きく反発(利回りは低下)。市場で高まっていた懸念「長期金利の急騰による借入コスト増でリーブス英財務相の財政計画が破綻」が一旦後退し、こちらがポンドの支えとなったもよう。
もっとも、ニューヨーク時間で米長期金利の急低下を背景としたドル売りポンド買いも、1.23ドル台乗せから失速。英労働党政権による財政拡大に何ら変わりなく、英長期債への買い戻しは先週から売られ過ぎた分の調整との見方が優勢のようだ。
本日の英11月のGDP(前月比)は3カ月ぶりにプラス回復が期待されている、鉱工業生産も前月比は上昇見込みだ。一方、同生産の前年比ではマイナス幅の拡大が予想され、この辺りを市場がどのように判断するかがポンドの方向性を決めるか。さえない結果となれば、テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員が昨日言及した「予防的な利下げ」が現実味を帯びてくるだろう。
他、欧州午後に12月12日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨が公表される。今月30日の理事会に向けて、ECBメンバーから追加利下げを示唆する発言が目立っており、議事要旨がハト派に傾いたとしても驚きではない。タカ派な意見がどの程度まであったかを確認することになりそうだ。
想定レンジ上限
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
・ユーロドル、8日高値1.0358ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、14日安値1.2140ドルを割り込むと13日安値1.2100ドル
・ユーロドル、14日安値1.0239ドルを割り込むと13日安値1.0178ドル
ドル円:1ドル=156.11円(前営業日NY終値比▲0.36円)
ユーロ円:1ユーロ=160.52円(▲0.47円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0282ドル(▲0.0007ドル)
日経平均株価:38572.60円(前営業日比△128.02円)
東証株価指数(TOPIX):2688.31(▲2.50)
債券先物3月物:141.06円(△0.47円)
新発10年物国債利回り:1.200%(▲0.050%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月企業物価指数
前月比 0.3% 0.3%
前年同月比 3.8% 3.8%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は不安定な動き。次期米財務長官の指名が予定されているベッセント氏が「ドルが世界の準備通貨であり続けるようにする必要がある」と発言したことを受けて買いが先行し、一時156.52円まで上げたが、上値は限られた。「日銀は来週の会合で米新政権の影響が限定的なら利上げの公算大」との一部報道が伝わると一転して売りが優勢となり、目先のストップロスを巻き込みながら一時155.21円まで売り込まれた。一方、急ピッチで下げた反動から一巡後はショートカバーが強まり156円台を回復した。
・ユーロ円も不安定な動き。総じてドル円と同様の展開となり、朝方に161.09円まで上昇した後は日銀の利上げに関する報道を受けて159.75円まで一転下落。ただ、一巡すると160.70円台まで反発した。
・ユーロドルは小動き。円絡みの取引が中心となったため方向感はなく、総じて1.02ドル台後半でのもみ合いとなった。
・日経平均株価は反発。昨日の米国株が上昇した流れを引き継ぐ形で一時400円超上昇した。その後は日銀の利上げ観測から一転して下げに転じる場面も見られるなど不安定な動きとなった。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。昨日の米国債券相場が上昇した影響から買いが先行。20年債入札が好調な内容だったことも買いを誘った。
リーブス英財務相は11月の経済成長率が予想を下回る0.1%にとどまったことを受け、経済成長を加速させる決意を表明した。リーブス氏は「さらに迅速に経済成長を促進する」と述べ、規制当局に対して成長促進のための追加措置を求める意向を示した。
「米国債の投資環境は、国債の供給過剰と、景気刺激策によるインフレという2つの危険に直面している」(国際決済銀行BIS)
1. 2025会計年度(24年10月-25年9月)財政赤字:7109.44億ドル
米財務省は、2025会計年度(24年10月~25年9月)の12月の財政収支が、給付金の支払い時期のずれにより867.32億ドルの赤字だったと発表した。2023年12月は1293.54億ドルの赤字だったことで、赤字幅は426.22億ドル減少した。
歳出は3%減の5411.46億ドル、歳入は6%増の4544.15億ドルだった。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の財政赤字は7109.44億ドルと、第1四半期としては過去最高を記録した。
歳入は1兆829.39億ドル、歳出は1兆7938.84億ドルとなった。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、2024年度の連邦政府の公的債務利子が累計で初めて1兆ドルを超え、1.2兆ドルとなった。
発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
【財政赤字と対GDP比】
・2020会計年度(19年10月~20年9月):3兆1319億ドル(対GDP比15.0%)
※過去最大
・2021会計年度(20年10月~21年9月):2兆7721.79億ドル(対GDP比12.4%)
※過去2番目
・2022会計年度(21年10月~22年9月):1兆3754.81億ドル
・2023会計年度(22年10月~23年9月):1兆6952.40億ドル(対GDP比6.2%)
・2024会計年度(23年10月-24年9月):1兆8328.16億ドル(対GDP比6.4%)
2.2024年12月末債務残高:36兆2186億ドル(※米国債:29兆ドル)
米国の2024年12月末時点での債務残高は36.2186兆ドルで、2024年第3四半期国内総生産(GDP)29.37兆ドルの約123%となっている。
第2次トランプ米政権の誕生により、関税の引き上げ(中国60%、その他10-20%)や減税(所得税・法人税)、大規模な財政出動への警戒感から、「債券自警団(bond vigilantes)」は、米10年債利回り5%を目指して米国債売りを続けている。
格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆していた。
格付け会社フィッチは「トランプ次期米大統領の就任で共和党が政権と議会多数派を握る構図となっても、連邦債務上限を巡る議論が早期に解決する可能性は低い」との見方を示した。
第1次トランプ米政権の財政赤字は、約8兆ドル拡大していた。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、第2次トランプ米政権では、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとのことである。25年末に期限を迎える減税策の恒久化が5兆3500億ドル、残業代への課税撤廃は2兆ドルの財政悪化が見込まれている。全ての輸入品に10%、中国に60%の関税を課す方針では、2兆7千億ドルの税収増となる。
シティグループは最新リポートで、ハンセン指数の2025年6月末時点と12月末時点の目標値を当初の26000ポイント、28000ポイントから21000ポイント、22000ポイントにそれぞれ引き下げた。ハンセン指数構成銘柄の25年EPS伸び率を5.1%増に引き下げたことを反映させた。ただ、バリュエーションは割安な水準にあり、ハンセン指数構成銘柄の予想PERが8.8倍、予想PBRが1倍にとどまっていると指摘した。『信報』が16日伝えた。
シティは、中国当局が経済の安定成長を図っているが、外部の関税と内部の景気刺激策が鍵を握ると指摘した。米国による追加関税は25年4-6月期から段階的に実施され、中国の輸出を6%、国内総生産(GDP)を1%押し下げると予想。一方、3月の「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)では5つの支援材料が打ち出される可能があるとした。具体的には、◇国内消費の促進◇過剰生産能力の抑制◇新製品開発の加速と深化◇構造的な国有企業改革◇観光業の促進に向けた政策緩和――を挙げた。また、25年に0.5ポイントの利下げが実施されるとの見方を示した。
投資戦略として、高成長株と高配当株の両方に投資する「バーベル戦略」を勧めた。香港上場株のトップピックにはテンセント(00700)、トリップ・ドットコム(09961)、小米集団(01810)、ASMPT(00522)、BYD(01211)、AIAグループ(01299)、海爾智家(06690)を選定。また、中国の金融緩和で高配当のA株が国内の投資家に選好される可能性があるとして、招商銀行(600036)と中国平安保険(601318)をA株のトップピックに加えた。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月小売売上高や新規失業保険申請件数などを見極める展開が予想される。
米12月小売売上高は前月比+0.6%と予想されており、11月の同比+0.7%からの低下が見込まれている。大幅な低下とならない限り、市場への影響は限定的だと思われる。
また、新規失業保険申請件数は、1月の雇用統計の調査対象週(1月12日週)の前週の数字だが、雇用情勢を見極める意味から注目しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、今月末のFOMCでは据え置きが確実視されており、今年の利下げは1回(※FF金利誘導目標4.00-25%)と予想されていることで、ドルの下値を限定的にしている。
一方で、23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は、14日の氷見野日銀副総裁や15日の植田日銀総裁の発言、本日の報道「日銀が来週会合で利上げの公算大」を受けて80%台まで上昇しており、ドル円の上値を抑える要因となっている。
また、今年1月1日に米国の債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示しており、20日のトランプ次期米大統領の就任式の後に債務上限問題が復活する可能性には警戒しておきたい。
2025会計年度(24年10月-25年9月)の第1四半期(10月・11月・12月)の財政赤字は過去最高の7109.44億ドルまで拡大しており、第2次トランプ米政権での関税や減税による財政赤字の拡大懸念は、米国債の格下げなどに繋がることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、157.74円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、155.21円(1/16東京市場の安値)
今晩は経済指標と決算発表に注目。昨日は12月消費者物価指数(CPI)が前月比と前年比で前月から鈍化したことや、大手金融機関の決算が予想を上回ったことが好感され主要3指数が大幅に上昇。ダウ平均が703.27ドル高(+1.65%)、S&P500が1.83%高とともに3日続伸し、ハイテク株主体のナスダック総合は2.45%高と6日ぶりに大幅反発した。一日の上昇率は3指数がそろって11月6日以来の大きさとなった。米債利回りは大きく低下。前日に一時、2023年11月以来となる4.809%まで上昇した米10年債利回りは4.655%で終了し、前日比で0.133%低下した。CMEのフェドウォッチ・ツールの3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は前日の23%から28%に上昇した。
今晩の取引ではインフレ高進への警戒感の緩和を背景に底堅い展開が期待されるが、足もとの景気や雇用動向を巡り寄り前に発表される12月小売売上高や週間新規失業保険申請件数などの経済指標や、ユナイテッドヘルス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーの決算発表が焦点となりそうだ。また、午前中にはトランプ次期大統領が次期米財務長官に指名したベッセント氏の上院銀行委員会での公聴会も予定され、関税など巡るベッセント氏の発言にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、12月小売売上高のほか、12月輸入物価、1月フィラデルフィア連銀業況指数、1月NAHB住宅市場指数など。決算発表は寄り前にユナイテッドヘルス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、USバンコープ、M&Tバンク、引け後にJBハント・トランスポートなどが発表予定。
https://talk.jp/boards/market/1737031833