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寝ていると真っ黒い影3つに囲まれた。
周りはホラー映画の過去映像場面のようにグーレー一色。
凹も凸もなくのっぺりとした外見なのに何故か、男しかも中年と直感的に思ってしまった。
一人が覗き込みとくぐもった音のようなものを発する。
その音も何故か意味はわかってしまう。
「やっぱりこいつ起きてる、見えてる」
その音を聞いて一斉に四の顔が覗き込んでくる。
八本のうねうねする触手のような腕で、取り押さえられた。
重さは感じないが全く動けない中、どうにか状況把握をしていると場面が変わった。
今度は四畳半ほどのワンルームのような部屋に私はいた。
背景は相変わらず、ホラー映画の過去映像場面のようなグーレー。
そんな中、玄関を見つめるようにただ経っていた。
その時点の視点は一人称視点であったが、意識をすると二人称視点になる。
そうして今の私の姿を確認することができた。
自分を取り押さえていた影の一つ一番大きな影になっていた事がわかった。
自体を把握したところで若い女の声が聞こえる。とても澄んだ声で名前を呼ぶ声だ。
「梅原さん」
彼女はそう穏やかな声で呼んでいた。
考え込んでいると、やけに鮮やかな赤いワンピースを着た奇麗な黒髪の奇麗な若い女が、私が眺めていた玄関の隙間から入ってきた。
まるで横にスライドするような不思議な侵入の仕方にこれは人でないと驚き後ろを振り返った。