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『イナ川の歴史と生態』 著 御台場生物大学教授 稲際伊奈夫アーカイブ

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名無しで叶える物語
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  はじめに

私とイナ川との出会いは小学校4年生のときだった。里帰りで祖父の住む村を散策していたら、イナ川がいたのだ。電柱にもたれ掛かりながらこっちを見ていた。手頃な石を拾っては、また落とす。そして「どうでしょうか?」という感じでまたこっちを見る。私は、イナ川のその仕草に心を奪われた。
祖父が「ああイナ川だ。珍しいな」と言って、持っていたフリスクをあげようとした。しかしイナ川は興味なさそうに首をかしげると、そのまま森の方へゆっくり歩いていった。
その後、イナ川のことが知りたくて図書館で図鑑という図鑑を読み漁った。しかし、野生のイナ川のことはほとんど書いていない。それどころか、描かれ方が図鑑によってまちまちで、かえってわからなくなってしまった。
そこで私は、野生のイナ川を自分で研究しはじめることになる
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