【カニ・うに・イクラ】対露制裁に見るアメリカの「正義」と「実益」―ロシア産水産物の輸入をめぐって―アーカイブ最終更新 2024/04/17 14:501.番組の途中ですが転載は禁止です1TiYT新潮社Forsight 2024年4月16日 会員限定記事米国によるロシア産水産物の輸入禁止には、米国水産業界、特にアラスカ州の利害が色濃く反映されている。アラスカとロシア極東は北太平洋の漁獲および市場で競合するが、コスト競争力で分が悪い米国側に、対露制裁は「渡りに船」だった側面がある。「正義」と「実益」の両立は批判されるべきものでもないが、問題は日本も両者が火花を散らす有力市場だという点だ。現在、日本はロシアから輸入する水産物の関税率引き上げで対応しているものの、いずれ米国から圧力に晒される可能性もある。…ロシア・ウクライナ戦争勃発後、ロシア産水産物の輸入をめぐり、米国と日本の対応はくっきりと分かれた。米バイデン政権は、早々にロシア産水産物の輸入禁止を決めた。それに対し、日本は輸入継続を選択した。…日本がロシアからの水産物輸入の制限に慎重なのには、一連の品目でロシアからの輸入に依存している現実がある。日本で消費される水産物のうちロシア産の比率が大きい品目としては、タラ(具体的にはスケトウダラが大部分であろう)の卵の41.3%、イクラの39.7%、ウニの34.3%などがある(『令和4年度水産白書』より)。日本政府は、こうした現実を直視し、水産物輸入に関してはプラグマティックな判断を下したということだろう。…日本と異なり、米国がロシアからの水産物輸入禁止に動いた背景には、国内、とりわけアラスカ州漁業の利益を保護するという狙いがあったと考えられる。アラスカ水産業は、北太平洋でロシア極東水産業と同じ魚を獲っており、両者はライバル関係にある。アラスカ水産業は、ロシアとコスト競争をすれば分が悪いが、ロシア産を締め出してさえしまえば、米国内市場への供給力は基本的に備えている。続きは以下https://www.fsight.jp/articles/-/505402024/04/17 14:48:362すべて|最新の50件2.番組の途中ですが転載は禁止ですl3Mhjカニとイクラに罪はない2024/04/17 14:50:59
米国によるロシア産水産物の輸入禁止には、米国水産業界、特にアラスカ州の利害が色濃く反映されている。アラスカとロシア極東は北太平洋の漁獲および市場で競合するが、コスト競争力で分が悪い米国側に、対露制裁は「渡りに船」だった側面がある。「正義」と「実益」の両立は批判されるべきものでもないが、問題は日本も両者が火花を散らす有力市場だという点だ。現在、日本はロシアから輸入する水産物の関税率引き上げで対応しているものの、いずれ米国から圧力に晒される可能性もある。
…ロシア・ウクライナ戦争勃発後、ロシア産水産物の輸入をめぐり、米国と日本の対応はくっきりと分かれた。米バイデン政権は、早々にロシア産水産物の輸入禁止を決めた。それに対し、日本は輸入継続を選択した。
…日本がロシアからの水産物輸入の制限に慎重なのには、一連の品目でロシアからの輸入に依存している現実がある。日本で消費される水産物のうちロシア産の比率が大きい品目としては、タラ(具体的にはスケトウダラが大部分であろう)の卵の41.3%、イクラの39.7%、ウニの34.3%などがある(『令和4年度水産白書』より)。日本政府は、こうした現実を直視し、水産物輸入に関してはプラグマティックな判断を下したということだろう。
…日本と異なり、米国がロシアからの水産物輸入禁止に動いた背景には、国内、とりわけアラスカ州漁業の利益を保護するという狙いがあったと考えられる。アラスカ水産業は、北太平洋でロシア極東水産業と同じ魚を獲っており、両者はライバル関係にある。アラスカ水産業は、ロシアとコスト競争をすれば分が悪いが、ロシア産を締め出してさえしまえば、米国内市場への供給力は基本的に備えている。
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