クズの魔法使い最終更新 2024/05/17 03:201.◆vkc4xj2v7kjHB4w昭和にあった話かなりうろ覚えの部分もあるから足して書く忘れたくないから書き残しとく書くの遅いからそこは許して下さい興味あったら読んでみて自分史ではかなり衝撃的な出来事だった2024/02/19 14:36:36186コメント欄へ移動すべて|最新の50件2.◆vkc4xj2v7kjHB4w昭和後半の頃だったはず俺の通っていた小学校は河川敷のそばにあってコンクリートの橋も掛かっていた監視カメラとかもあんまない時代だったから、冷蔵庫とかテレビとかデカイ家電が橋の下によく捨てられていた2024/02/19 14:41:043.◆vkc4xj2v7kjHB4wだから、大人達からは橋の下にはいくなよって言われてたけど、俺たち小学生からしたら魅力的な遊び場になっていたけどある時から汚い爺さんが住み着いてしまった浮浪者だ爺さんは髪は白くてチリチリしていて日焼けも酷く皺だらけだった2024/02/19 14:43:374.◆vkc4xj2v7kjHB4w俺たち男子は最初は避けて遠巻きに見てるだけだったけどそのうち、お調子者のアベが「あれさ、ホームレスって奴だろ…ちょっと近くで見ようぜ」と仲間を唆し始めた俺は臆病だったから、近づきたくなかったけど、みんなが行く手前嫌とは言えなかった2024/02/19 14:46:315.◆vkc4xj2v7kjHB4w近くに行くと、爺さんは俺らに気づいたのかチラッと見てきた俺らは4人居たから、ちょっと強気になっていたタカハシが「こんにちは~」とか声を掛けた爺さんは汚いズボンに手を突っ込んだまま、じりっと近づいてきた2024/02/19 14:49:206.◆vkc4xj2v7kjHB4w俺はその時点で逃げたかった怖かったのもあるけど、爺さんがめちゃ臭かったからうちの犬が嗅いだら卒倒して気絶するんじゃ、と思うぐらい臭かった強烈なアンモニアとアルコールがまざったような…風向きによっては、目が痛くなるくらい酷い匂いだった2024/02/19 14:53:457.◆vkc4xj2v7kjHB4w声を掛けたタカハシ自体も多少匂いで怯んでいたと思う近づいてきた爺さんは俺たちを見下ろしてジロジロ眺め回したあとに「なんだ、おめえら」と意外とハッキリ喋ったタカハシは俺たちがいることを確認するみたいに見ると「じ…お爺さんは、ホームレスですか」と聞いた2024/02/19 14:56:378.◆vkc4xj2v7kjHB4w俺はこいつ馬鹿か?とタカハシの後ろ頭を見つめていたそんなこと言ってこいつが怒ったら…けど爺さんはニタアと歯抜けの顔で笑って「なんだあ?餓鬼ども 俺が珍しいんか」と言ったガサガサした声だけど声に怒りは感じられなかった2024/02/19 14:59:239.◆vkc4xj2v7kjHB4wそのことに肩の力が抜けた爺さんは河原にある平たい石に腰かけると「俺ぁな、忙しいんだ…お喋りしてえなら寄越しな」そう言ってシワシワの黒い手のひらをこっちに差し出してきた俺たちは最初、意味がわからずその手を見つめていた2024/02/19 15:02:5210.◆vkc4xj2v7kjHB4w爺さんは面倒臭そうに「小遣いくらい貰ってんだろ?え?」と、煽るように言った金?俺は呆気に取られた大人に金を無心されたことなど初めてだったからもちろん他のメンツも呆然としていた2024/02/19 15:05:2111.◆vkc4xj2v7kjHB4wアベがごそごそズボンのポケットを探りだした俺はその意図が解って、「おい」と小声で腕に触れたけどアベは構わず40円くらいを取り出すとおずおず爺さんに手渡した爺さんは額を見もしないでさっとポケットに入れると、アベ以外の三人に圧をかけるように見てきた2024/02/19 15:11:4312.◆vkc4xj2v7kjHB4wタカハシが、ムトウが…そして仕方なし俺も各自幾らか爺さんに渡した幾らかは解らないがみんな大してもってる筈はないから、合わせても150円くらいなもんだろうそれでも爺さんはニッカリ笑って隙間がある歯を見せた「よしよし…なかなか素直な餓鬼どもだなあ、聞きたいことでもあんのか」と体格が一番大きいタカハシに聞いてきた2024/02/19 15:16:4513.本当にあった怖い名無し4GqFkはよ2024/02/19 15:26:4614.◆vkc4xj2v7kjHB4w「え~とぉ…質問ある奴いる?」いきなり話を振られたタカハシが動揺も露に三人に聞くアベは学校のなかみたいにピッと手を挙げた「あのぉ~…なんでオジサンはここに居るんですか?」爺さんはザックリとした質問に「俺ぁな 家が失くなっちまったの!」と、答えたいま思うとそりゃそうだろって答えだ2024/02/19 15:27:0915.◆vkc4xj2v7kjHB4wアベは答えに「なんで失くなっちゃったんですか?」とズバッと聞いた爺さんはニヤニヤしながら「大人にゃあよ~餓鬼にゃわからんこともあんのよ…」と泣き真似をしてみせた小さな子みたいに、エーンエーンのジェスチャーでこれをきっかけに、俺たちの緊張がふっと溶けた2024/02/19 15:29:5816.◆vkc4xj2v7kjHB4w「えっとさあ、オジサンはここで暮らしてるの?」ムトウが不思議そうに訪ねるこいつは自分ちが金持ちだから、こんなとこに住んでることが不思議でならないんだろう「そうよ、ここはいいとこよ」爺さんはうなずいて、さらにもう一度うなずいて「いいとこだ、本当になあ」と言った2024/02/19 15:32:3217.◆vkc4xj2v7kjHB4w俺は「寒くないの?」と尋ねた9月だから、そこまでじゃないにしろこの頃は普通に「秋」があったし夜は涼しいときもあったから爺さんは「いんや」といいジュースを飲むような仕草をしてみせたあったかい飲み物でも飲むのかと思っていたがあれは酒を飲む仕草だったんだろう2024/02/19 15:35:1018.◆vkc4xj2v7kjHB4w次から次へと質問がでる前はどこに居たの?…東京でマンション暮らし家族は居ないの?…みんな死んだ仕事はしないの?…してるさぁそんな答えが返ってくる嘘か本当かわからないただ、家族は?の質問のときだけは素っ気なくて言いたくなかったんじゃないかと思えた2024/02/19 15:37:5519.◆vkc4xj2v7kjHB4w爺さんが言うには仕事はあったりなかったりで別にやりたくもないし、どうでもいいらしい矢継ぎ早に出る質問を「よっしゃ…おい、お前らに面白いことしてやるわ」と遮った爺さんは、ペッと自分の手のひらに唾を吐くとそれを両手でこ擦り合わせた2024/02/19 15:40:5520.◆vkc4xj2v7kjHB4w4人でいつのまにか爺さんのそばに座っていた俺らの頭上にその両手を掲げる俺は頭を撫でられるんじゃないかと恐れたが、爺さんの両の手のひらは虚空でピタッと留まり、次に空気をかき混ぜ出した何をする気なのか…魅入られたようにその手を見ていたと、その手はムトウの頭の上で止まった2024/02/19 15:45:0021.◆vkc4xj2v7kjHB4wそれから、爺さんは深呼吸をして目を閉じた「お前は…お前の名字は…む…ムトウだろう…」低い声ではっきりと告げた「えっ」当てられたムトウに限らず4人ともあんまり驚いて叫んでしまった「ええっ?なんで?なんでわかっちゃったの?すげえ!」アベが興奮して爺さんに臭いのも構わず間近によりタカハシもスッゲエを連呼していた2024/02/19 15:50:1622.◆vkc4xj2v7kjHB4w俺も当然驚いていたが、当てられたムトウだけは少し気味悪そうに引いていた確かにもしも自分だったら気持ち悪く感じていたかも、と今は思う爺さんはゆっくりと目をあけ「どうだ!凄いだろう…魔法だ、魔法」とゲラゲラ笑った2024/02/19 15:53:3523.◆vkc4xj2v7kjHB4wちょい休む2024/02/19 15:53:5924.◆vkc4xj2v7kjHB4w得意気に魔法を吹聴してたかと思うと、爺さんは急にげんなりしたように「さて、俺ぁちょっと寝る…お前らはもう母ちゃんとこ帰れ、二度とくんじゃねえぞ」くるっと体を翻すと来たときと同じかそれよりもゆっくり寝床に戻ってしまった2024/02/19 16:03:1025.◆vkc4xj2v7kjHB4w唐突に質疑応答が終わってしまって唖然として布団にくるまった爺さんを俺らは眺めるしかなかった「…まあ…実際、宿題もやんなきゃいけないし…帰るか…」毒気を抜かれた口調のタカハシに一斉にうん、と答えて河原に放り出されたランドセルを背負ったと、ムトウが心底呆れたように、だがほっとしたように叫んだ2024/02/19 16:44:1626.◆vkc4xj2v7kjHB4w「なあんだ!!!ばっかみたい!」ムトウの言い方に俺たちは「なに?なにが?」と問うムトウは爺さんを気にするように指で「シッ」とすると小声で自分のランドセルを前抱きにして「ほら、これ」とクスクス笑った2024/02/19 16:46:4927.◆vkc4xj2v7kjHB4wそのランドセルの隙間にリコーダーが飛び出している茶色のケースに入ったそれには、はっきりと白い名札ケースに「ムトウ」と書かれていたタカハシもアベも口に手を当てて笑いだし、俺も声を出さないように笑った「ジジイ、これ盗み見ただけかよ!」アベはヒィッと息を吸いながら苦しげに笑い、タカハシもムトウもその我慢した笑いにさらに笑いを募らせた俺は声を出さないようにするのが辛すぎて涙まで出る始末だ2024/02/19 16:51:5028.◆vkc4xj2v7kjHB4w「スッゲエエェ~だってさあ」帰り道、自分らの驚きようや言葉をお互いにぶつけあってゲタゲタ大笑いする爺さんから離れたあとは手放しに茶化しあう「魔法だぞ、凄いだろう」爺さんの真似をしてムトウが両手を広げ目を瞑ってみせると、俺も俺もとみんなで真似をしあった2024/02/19 16:56:0029.◆vkc4xj2v7kjHB4w「あの爺さんさあ、考えてみたらやばいよな」タカハシが言い、アベが頷く「小学生の俺たちから金取るんだぜ~アタマおかしいよ」ムトウは何度も首を縦に動かす「俺なんか300円も渡しちゃったよ」えー?と三人が一斉に驚き勿体ねえ、とムトウを責めた「だってさ~急だったからさ…チェ、今日は駄菓子屋寄れねえや」だな、とみんな残念そうに歩いていたまた1人、また1人を道を違えて俺はいつも1人で歩く下り坂を石を蹴りながら進んだ2024/02/19 17:01:3130.◆vkc4xj2v7kjHB4wでも、と内心思ういつもの同じ毎日よりちょっと刺激的だったな、とドッジボールやドロケイもいいけど、今日は何より話の種になるホームレスと口を利いたのなんてたぶんクラスじゃ俺たちだけだ親には言えないけど、明日クラスメイトには自慢しよう俺はわくわくしながら、家路に着いていた2024/02/19 17:04:5231.◆vkc4xj2v7kjHB4w次の日みんな想うことは同じで、俺たち四人組は各自ホームレスの話ばかりしていたクラスメイトは感心して話を聞きたがり、俺たちは得意気に話をばら蒔くやはり小学生に金を要求してきたくだりはみんな興奮してまじかよ~とかクズじゃんとか言いたい放題だったそして放課後までには「クズ」と「魔法使い」が定着していつのまにか爺さんは小学生から金をたかり、嘘までつく「クズの魔法使い」というあだ名に決定してまった2024/02/19 17:11:4932.本当にあった怖い名無しJvdEBはよ2024/02/19 17:13:3733.◆vkc4xj2v7kjHB4wそれから「クズの魔法使い」である爺さんはある意味人気者になってしまった俺たちの話を聞いた奴らがちょっかいをかけに行ったり話をしたり爺さんも爺さんで特に追い払うでもなく小学生と喋ったりしている一度見せてくれた魔法はネタがバレたことを知ったのか、あれきり見せる気配はなかったようだった2024/02/19 17:15:0034.◆vkc4xj2v7kjHB4w小遣いせびりに関しては、せびられた奴もやっぱり居たみたいで何故か得意気に「100円やったぜ」とか俺は幾らだ、とか話しているクラスメイトもいたみな、口々に楽しそうにはしていたものの親や先生には言わないように意識していたみたいだった2024/02/19 17:18:0435.◆vkc4xj2v7kjHB4w俺は4人で連れだって爺さんを尋ねたりはしたものの、まだ1人で話に行ったことはなかったちょっと怖くもあったし、話すこともなかったからただ、家族の居ないだろう爺さんが小学生に囲まれて、あまり寂しく無さそうなのがホッとしていたなんだか、良いことをしたような気になっていた2024/02/19 17:20:4636.本当にあった怖い名無しJvdEBはよ2024/02/19 17:45:4737.本当にあった怖い名無しJvdEB遅えよ2024/02/19 17:46:1138.◆vkc4xj2v7kjHB4wそんな日常が続いて、しばらく経つと爺さんがいることにも大した刺激は得られなくなり当たり前になっていったそして…冬休みが始まる1ヶ月前に、事件は起こった起こった、というより前兆に近かったかもしれないタカハシ家が飼っていた雑種の犬、「獅子丸」が居なくなったのだ2024/02/19 18:14:2639.◆vkc4xj2v7kjHB4w遅いのは許してくれ…2024/02/19 18:18:0540.本当にあった怖い名無しJvdEBはよ2024/02/19 18:47:5241.◆vkc4xj2v7kjHB4w「綱が切れてて…」明らかなタカハシの意気消沈ぶりに、俺らは一様に神妙な顔をしていた「なんかお父さんが言うにはハサミで引き綱切られたみたいで」その引き綱には覚えがある使い込んだ色味になった、赤い引き綱だった持たせて貰ったこともあるからわりと太くてずっしりしていた記憶がある2024/02/19 19:10:4642.◆vkc4xj2v7kjHB4wそれから近所じゅうを探し回ったり、警察に連絡したりの一騒動があり、今に至るらしい獅子丸名前は「忍者服部くん」に出てくる犬で、目のブチが似てるからつけたそうだ誰にでも尻尾を振る人懐こい奴で、俺も可愛がったり遊んだりしていたアベもムトウも同じだろう、辛い気持ちを4人で共感している2024/02/19 19:15:1343.◆vkc4xj2v7kjHB4w「俺たちで放課後探そうぜ」俺が提案するとすぐさまアベとムトウも頷いたタカハシは感謝の眼差しを俺に向け、赤い目を乱暴に擦った約束通り、放課後門限が許す限り探したが獅子丸は見つからず持っていたドックフードが虚しく地面に置かれ、それを野良猫がちゃっかり食べていた2024/02/19 19:18:5944.◆vkc4xj2v7kjHB4wそんな悲しい出来事の3日後学校内に一大センセーションが巻き起こるなんと、学校で大切に飼われていたウサギが全滅したのだこれはニュースにもなり、教師達の緊急会議の為に午前解散になった解散の前に体育館に集められた全校生徒は校長から不審者に気をつけることと、見つけたら近づかず通報すること暗がりを歩かないことこれから一週間は外で遊ばないこと寄り道をせず帰り、着いたら担任に電話することを約束させられた2024/02/19 19:24:2345.◆vkc4xj2v7kjHB4w話を聞きながら、俺は不安に襲われていた獅子丸が居なくなった3日後に、ウサギが殺される…まさか同じ奴がやったんじゃ…反射的にタカハシを振り替えると、俺の視線に気づいたのか軽く頷いた多分同じことを考えてる…俺は背筋にゾクッと寒気が走った2024/02/19 19:34:1546.◆vkc4xj2v7kjHB4w「なんかさ~ウサギ全部喉を刃物で切られてたらしいよ?」「うそ、怖い」そんな女子達の声が響く廊下で俺はタカハシに話しかけた「タカハシ…あのさ」タカハシはそれを制するように「俺さ」と大きい声で話し出した「クズの魔法使いんとこに行ってみる」2024/02/19 19:37:5447.◆vkc4xj2v7kjHB4w「え?なんで?」余りにも意外な答えにすっとんきょうな声が出たタカハシはキッと俺を見ると小声で答えた「…犯人じゃないかと思うんだ」俺は嘘だろ?と同じく小声で答えタカハシに詰めよった2024/02/19 19:40:3948.◆vkc4xj2v7kjHB4w「証拠あんのか?」タカハシは首をふるだが、決意を込めた声音で続けた「あいつがフラッとやってきてからじゃんか 獅子丸か居なくなったのもウサギが殺されたのも」「そ、それだけじゃ…」なんとも言えない、と言う前にタカハシは怒りを込めて呟いた「今までこんな酷いことなんてなかったじゃねーかあいつ…怪しいんだよ、俺らから金をせびったり、嘘ついたり…」2024/02/19 19:44:2849.◆vkc4xj2v7kjHB4w…ダメだ多分俺が何を言ってもタカハシは行く気でいる「じゃ、じゃあさ、1人で行くなよ!」俺の言葉にタカハシはハッとして「お前、アベとかムトウに言うなよ!学校からも言われただろ、一緒に来たら違反になるからな!」タカハシは早口で言いきるとサッと教室に入ってしまった2024/02/19 19:48:1250.◆vkc4xj2v7kjHB4w明日書くわ…思った数倍長いな2024/02/19 19:49:1951.本当にあった怖い名無しjHB4w面白いなでもこれオカルトか?2024/02/19 20:10:2552.◆vkc4xj2v7kjHB4wあ、トリ忘れた読み返すと記録より映画みたいでめっちゃ面白い…けど、幽霊でないけどオカルトなのか?違ったらごめんな2024/02/19 20:12:2753.◆vkc4xj2v7kjHB4wまあいっか、読んでる人少ないし…後々ちょっと要素あるから許してちょ!2024/02/19 20:15:3654.本当にあった怖い名無しQqVOJ今来た面白いな更新待ってるよ2024/02/19 20:43:5655.◆vkc4xj2v7kjHB4w>>54まじ?嬉しいな~ありがと!2024/02/19 20:49:5856.本当にあった怖い名無しNQj65はよ2024/02/19 21:41:4557.本当にあった怖い名無しNQj65この作品最初に見たの俺だからな2024/02/19 21:42:1658.本当にあった怖い名無しhA7cy起きろ2024/02/20 07:14:1259.◆vkc4xj2v7k0VYs6>>58起きとるで!2024/02/20 09:25:4060.◆vkc4xj2v7k0VYs6その日は集団下校で六年生が仕切っていて、俺たち4年生は大人しく着いていくしかなかったからなかなか4人で話せなかった集まって話したかったのに、結局帰る方向でバラバラのグループになってしまう俺は今日、タカハシが家から抜け出してクズの魔法使いの所に行ってしまうのを確信していた2024/02/20 09:29:5261.◆vkc4xj2v7k0VYs6集団下校に合わせてモタモタ歩くことに苛立ちながらもやっと自宅に着くとさっそく玄関に飛び込んだ「怖いことが起きたもんねえ」という母親の声も無視して電話に駆け寄るタカハシの電話番号にかけ、誰かが受話器を取るのを焦りながら待っていた2024/02/20 09:32:4062.◆vkc4xj2v7k0VYs6何分も経った…ような気がしたあと、タカハシの母親が電話に出た「あっあの…タカハシ…えとケンゴ君はいますか」母親はまだ帰ってないのよ、とさらっと言ったあと母親と同じようにウサギの話題を持ち出そうとしたが、俺は「ありがとうございます!」と会話をぶったぎって受話器を置いた帰ってない?そんなはずないだろ、俺の家より近いんだぞ…2024/02/20 09:36:2363.◆vkc4xj2v7kJ99hxハッとしたあいつまさか、家に入るフリをして他の生徒をやり過ごしたんじゃ…ランドセルとか庭に置いて、その足で河原に走ったんじゃ…そう考えるとそうとしか思えなくなった俺は室内飼いをしているパピヨンのマメを一なですると、そろり…と母親のいるキッチンから離れ玄関に向かった2024/02/20 09:41:4864.◆vkc4xj2v7k0VYs6靴をもう一度履き、引戸を思いきって開ける案の定、奥から「こらっ、今日は出掛けちゃダメでしょ!」と怒鳴られたがその言葉も最後まで聞かないうちに玄関から飛び出した走りながら、マメの小さい頭を撫でた感触を、暖かさを思いだし一気に涙が出てきた俺だって俺だってマメが浚われて…酷い目にあったらそいつを許せないタカハシだって同じ気持ちなんだ!俺はとにかく全速力で、もと来た道を戻っていたたとえ先生に見つかっても構わなかっただって…もし犯人が本当にクズの魔法使いだったら…そんなやつと二人きりになったら俺はその先の可能性が怖くて、考えるのを止めた2024/02/20 09:48:4165.◆vkc4xj2v7k0VYs6>>57ありがとうよ~励みになるぜ!2024/02/20 09:49:2266.◆vkc4xj2v7k0VYs6河原が見えてきたゼエゼエと鳴る息を落ち着かせようと少しだけ歩調を緩めようとしたとき川の傍に対峙している二つの人影に気づいた1人は大人1人は小学生クズの魔法使いとタカハシだ!俺は疲れた足に鞭を打って、全速力で走り出した2024/02/20 09:56:1267.◆vkc4xj2v7k0VYs6二人の距離は1メートルほど離れていて、近づくと二人とも真剣な表情をしていた…タカハシは泣いているようだった俺はようやく追い付くと、タカハシの肩に手をかけ「大丈夫か?」と息も絶え絶えに言う俺に視線を合わせてきたときのタカハシの顔は今でも鮮明に覚えている困惑とも絶望とも驚きとも言えないようでいて、その全てに当てはまるような不思議な顔をしていた2024/02/20 10:01:0868.◆vkc4xj2v7k0VYs6ゆっくりと俺の名前を呼び「来てくれたんだ…」と独り言みたいに呟いた俺は悲しげな顔で立っているクズの魔法使いを見あげ、「何したんだよ!」と叫んだクズの魔法使いは黙ったまま、涙を溢しているタカハシを見つめ「わかったか?」とだけ言った静かな、ふざけの一切ない声で2024/02/20 10:04:4269.◆vkc4xj2v7k0VYs6その言葉に、タカハシはコクン、と頷き「…ありがとう、ごめんなさい」といった…二人は俺が来る前に会話を終えていたごめんなさい、ということはクズの魔法使いは犯人じゃなかったんだ…俺は一気に安堵した体温が上がったかと思うくらいにだがわからないのなありがとうだなぜタカハシがクズの魔法使いにお礼なんか言うんだ…?2024/02/20 10:08:2270.本当にあった怖い名無しVFXW6続き気になる2024/02/20 11:22:1771.◆vkc4xj2v7k0VYs6俺が問いかけるようにクズの魔法使いを見ると、タカハシに向かって顎をしゃくって「話を…ケンゴから聞いてやれ」といって、寝床に向かってしまった俺はのどかな河原でひと息ついて、丁度いい石に腰かけて隣の石を叩いた「お前焦らすなよなあ…座れっての」タカハシはロボットみたいにぎこちなく動きだし、ハアっという大きなため息と共に隣に座った2024/02/20 12:17:0072.◆vkc4xj2v7k0VYs6「つうか、クズの魔法使い名前教えたのか…謝ったってことは違ったんだろ?」まだ些かぼんやりしているタカハシをつつくと、噛み締めるように頷いた「違ったし…あの人はクズじゃなかった」唐突な言葉に、驚きつつ興味をひかれた「誰にも言うなよ?アベにもムトウにもだぞ 誓え」誓う、という聞きなれない言葉に心臓か跳ねる約束だぞ、とか絶対な、とかよりずっと重たい質量のある言葉に圧倒されただが、もちろん即座に誓った俺は約束は破らない 誓うとなればなおさら破らない2024/02/20 12:21:5273.◆vkc4xj2v7k0VYs6俺の真剣な「誓うよ」に、安堵したようにタカハシはポツリポツリと語りだした「俺さ…絶対クズの魔法使いが犯人だと思っててさ…だから…だからあのクズ野郎をぶっ殺してやろうって思ったんだ」驚きが顔に出たんだろうタカハシは疲れた顔でポケットを探ると何かを取り出したそれは木目に年季を感じる、ポケットナイフだった2024/02/20 12:34:3474.◆vkc4xj2v7k0VYs6「このナイフはお父さんのヤツだよキャンプで良く使ってるの知ってたんだ …クズの魔法使いを問いただして、本当に犯人だったら…学校のウサギみたいに獅子丸を殺したんなら…同じようにやってやるつもりだった」さも当然のように話すタカハシ俺は否定しない俺だってマメが殺られたら、殺ってやる…「河原についたら、魔法使いが川に石を投げてたんだなんもすることがないみたいにあんまり呑気だからイラついてさゆっくり近付いたんだ」2024/02/20 12:40:5975.◆vkc4xj2v7k0VYs6タカハシが「クズの魔法使い」から「魔法使い」に呼び方を意識的に変えたことに気づいたもののそれから?と先を促した「そしたらさ…あと2メートルくらいになった時に止まれ!ケンゴ!って振り返りもせずに叫ばれたんだ」タカハシはその時を思い返すように目を閉じた2024/02/20 12:44:5176.◆vkc4xj2v7k0VYs6「俺、びっくりして持ってたナイフ落としちゃって地面から慌てて拾って向き直ったら魔法使いが目の前に来てた」「お前が獅子丸を誘拐したんだろって言う前に俺ぁお前んちの犬をさらったりなんざしてねえガッコのウサギも殺ってねえって言われた」2024/02/20 12:48:2777.◆vkc4xj2v7k0VYs6「なんで知ってるんだ!それが証拠じゃないか!って言ったんだ…そしたら」「俺ぁ魔法使いだからよぉ」引き継ぐように放たれた言葉にパッと振り向くといつの間にかクズの魔法使いがたっていた風下だったからまったく気づかなかった2024/02/20 12:52:0678.◆vkc4xj2v7k0VYs6「魔法使いって…」俺が呟くと、タカハシは青ざめた顔で「本当なんだよ」と呟いた「この人は俺の名前も、俺が犯人だと思い込んでることも獅子丸の名前も知ってた知りようがないだろ?名前やなんかは調べられても獅子丸の名前まで知るわけない俺の家も知るわけないし、何より…」持ってるナイフに目を落とし「父ちゃんの大事なナイフで何しようとしてんだ!ってさ」タカハシのお父さんがキャンプが好きなんて俺だって初めて聞いたまして、クズの魔法使いが知るわけがない2024/02/20 12:58:3979.◆vkc4xj2v7k0VYs6俺は興奮と恐怖が鳩尾に伝わって、まじまじと皺だらけのチリチリ白髪頭の、どこから見ても立派な浮浪者の爺さんを凝視した爺さんはのっぺりした顔で淡々と言った「昔からよぉ…勝手に入って来るのよ、人の思い出やら、感情やらがよぉ…」額を指でトンと指して俺たちのようにしゃがみこんだ「必ずってワケじゃねえのよおめえらの友達の名前は、読みやすかったからたまたまだぁな」そんな自分にうんざりしてるように言う「おめえらが俺を嘘だって思ってたのは好都合だったんよなぁ久しぶりに餓鬼んちょとはいえ、人と話せて楽しかったもんだからよつい、浮かれちまった」人の心がわかるなら、俺たちが自分を「クズの魔法使い」と呼んでた事ぐらいお見通しだろう俺はバツが悪くて謝ろうとしたが、クズの…いや、ただの魔法使いは手で制した2024/02/20 13:13:2580.◆vkc4xj2v7k0VYs6「いやぁ…いいのよ俺ぁクズだしよ、おめえらみたいな餓鬼から金めぐんで貰ってんだからさただよぉ…殺しはダメだ俺ぁ、犬コロだろうがネズミだろうが殺しゃしねぇ可哀想じゃねえか、なあ?」さも嫌そうに顔をしかめて、ため息をつく魔法使いはただの酒好きな爺さんにしか見えなかった2024/02/20 13:16:4581.◆vkc4xj2v7k0VYs6黙って聞いていたタカハシは、ふと顔を上げて「獅子丸はもう居ないんだよね?」と微かな声で魔法使いに聞いたその声に魔法使いは、困ったような、憐れなような顔をして「多分な、詳しくはわからねえけどな」とボソっと言ったその口調から俺は本当はハッキリしてるけど、タカハシの為に言わないでいてくれてるんだろうと思った俺は魔法使いに感謝した2024/02/20 13:21:1482.◆vkc4xj2v7kYFBxQあーやっとここまできた長いな~2024/02/20 13:26:2683.本当にあった怖い名無しVFXW6おつかれゆっくりでいいから更新待ってるよ2024/02/20 13:43:0784.本当にあった怖い名無しWGJ2sよくねえよ早く書くんだよ2024/02/20 14:12:5985.◆vkc4xj2v7k0VYs6病院いかなアカンから夜まで待ってくれ…上のお二人さん、楽しんでくれてサンキューな!2024/02/20 15:18:1586.本当にあった怖い名無しv11zS面白い2024/02/20 17:08:1987.本当にあった怖い名無しWGJ2s病院なら仕方ない早く肛門治してこいよ2024/02/20 17:47:1288.◆vkc4xj2v7k0VYs6獅子丸はもう帰ってこないその事実を受け止めているタカハシに掛ける言葉がない俺はずっと気になっていたことを、魔法を使えるホームレスに聞いてみた「く…あ、いや、おじさんに聞きたいんだけど…なんでもわかるなら、ウサギ殺したヤツと獅子丸誘拐したヤツって同じヤツなの?」魔法使いはジッと考え込むように黙ったそのうち、その質問は忘れ去られたのか?と思う頃「ああ」と断言したそれは、その一言はタカハシの目から希望を奪ったと思うだが、敢えて魔法使いは断言した今なら「待ち続ける」という苦しみからタカハシを救ったんだろう…そう思える2024/02/20 19:10:1689.◆vkc4xj2v7k0VYs6だが、その時の俺はしくじった、と内心焦っただから慌てて「じゃ、じゃあ、誰かわかるの?」と聞いた間髪を入れずに「わかるわけねぇわ」と魔法使いは言った「さすがに傍にいねぇとわかんねぇよ傍にいたってわかる時もありゃあわからんときもある、ただ…」と間を置き「ただ、よほどそいつが異質な何かを考えてればわかるかもしんねえな…」2024/02/20 20:12:5590.◆vkc4xj2v7k0VYs6その言葉に俺たちはガッカリした獅子丸とウサギが同じヤツの仕業だとわかるなら、文字通り何でもわかるんじゃ…と期待したから「ガッコのウサギの件はよぉサツも調べるだろうし、俺が出る幕もねぇだろうぜ」俺たちのがっかり顔に言い訳するように魔法使いは話を続けた「さあてね、そろそろおめえら帰んなこのままじゃ本当に俺が逮捕されちまわぁ」魔法使いはスィッと立ち上がると、いつものゆったりした足取りで寝床に向かったその後ろ姿に、タカハシは大きく「本当にありがとう、魔法使い!」と叫び、魔法使いのホームレスは振り返りもせずに片手をヒラつかせた2024/02/20 20:20:0691.◆vkc4xj2v7k0VYs6俺たちは無言で歩き始めたタカハシとの分かれ道が近づくと、タカハシがひとこと「本物っているんだな」とつぶやいた俺は「うん」とだけいって、じゃあな、ありがとうな!と走って帰っていくタカハシの後ろ姿を目で追っていた2024/02/20 20:23:1592.◆vkc4xj2v7k0VYs6それから、特に進展もなく冬休みを迎えた進展はなかったが、ウサギ殺しは活発に動いていた外飼いしていた犬が行方不明になったり、別の学校の鶏が殺されたりローカルニュースばかりではなく、全国区のニュースでも小さく取り上げられるくらいには続いていたのだもし、今みたいに防犯カメラが町に普及していればアッサリつかまったかもしれない2024/02/20 20:27:5193.◆vkc4xj2v7k0VYs6俺はタカハシと二人だともっぱら魔法使いの凄さを語り合い四人集まれば「犯人」の推理をしたり、子供らしくドッジボールなんかをして過ごしていたタカハシと俺はアベとムトウに、決して魔法使いが本物だと明かさなかったそんなことをして噂が広まれば必ず魔法使いの迷惑になることがわかっていたから2024/02/20 20:31:4494.◆vkc4xj2v7k0VYs6なんだか、町中がピリピリしているそう感じていた今まで外飼いをしていた家庭もあらかた家に入れていたし、見慣れない人が町をうろつけばじろじろ眺め回したりするのが日常になってしまっていた子供はそれでも元気に遊んでいたが、門限により厳しくなった親によって四時にはもう公園は閑散としていた2024/02/20 20:35:5295.◆vkc4xj2v7k0VYs6だあ~疲れた書くのってこんな大変なの?セリフとかほとんど覚えてねえからこんなだったよな~…だし小説家じゃねっつの!ただまぁ長いけどあと少しかな…また明日頑張りますわ…2024/02/20 21:01:0496.本当にあった怖い名無しWGJ2sまあお前には期待してやるわ2024/02/20 21:15:1697.本当にあった怖い名無しVFXW6連投おつかれ明日もまた来るよ2024/02/20 21:16:1398.◆vkc4xj2v7k0VYs6わ~期待とかめっちゃ嬉しいし、待ってくれるとか…二人ともありがとう~なるべく頑張るからさ!2024/02/20 22:30:5599.本当にあった怖い名無しS9lf5おら起きろ昼だぞ2024/02/21 13:24:32100.◆vkc4xj2v7kyy3olいや、すまんな今日仕事が忙しくてさまぁぼちぼち書いてくよ2024/02/21 14:27:35101.◆vkc4xj2v7kyy3ol正月気分も抜けた冬休み終盤、俺はふと魔法使いの爺さんはかなり寒いんじゃないかと思い立ったあまりにも遅い思いつきだったが、久しぶりに会いたかったし、ついでに父親の古着でももって会いに行こう!と紙袋を手に母親の所へいく「ね~なんかいらない服とか毛布ない?」聞こうと口を開きかけたとき母親の方から「ちょっと!あんた聞きなさいよ!」と食いぎみで話しかけられた2024/02/21 14:32:31102.◆vkc4xj2v7kyy3olさっきまで長電話をしていたので、何やら噂話でも仕入れたのだろうこのテンションでは聞かざるを得まい…俺はしぶしぶ「何が?」と訊ねた「なんかね!どっかのホームレスが逮捕されたらしいわよ!最近、怖いことあったじゃない?多分犯人よ…」余りの衝撃に、その先の言葉が入ってこなかったホームレスって…まさか…2024/02/21 14:36:28103.◆vkc4xj2v7kyy3ol「なんかさ、最近汚いホームレスがうろついてるって看板も回ってたのよ~あんたにも注意したじゃない?やっぱりねぇ…怪しかったわよ、お母さんも見たことあるもの」湯呑み茶碗の暖かいお茶を啜りながら頷く母親俺の茫然とした様子に気づきもせず続ける「あの~あんた知らないかもしれないけどさ、三軒隣のニシジマさんとこの息子さんにいきなり掴みかかったんですってよ~?怖いわねぇ本当」2024/02/21 14:41:42104.◆vkc4xj2v7kyy3olその言葉は、俺の胸を貫いた激しい興奮と痛みに、顔に血が登った魔法使い!あんた…見つけたんだろう!「それでね、その子…確か高校生だったかな~…がさ、警察呼んでねそのホームレスったら逃げるでもなく、大騒ぎだったんだって!いやぁ~良かったわよ~これで怖いこともなくなるってねぇ」思い起こせば母親に、最近近所に不審者が出るから気をつけて、と言われていたその不審者が、まさか魔法使いだとはまったく思わなかった2024/02/21 14:47:11105.◆vkc4xj2v7kyy3ol「もし、そいつが異質な何かを考えてれば…」魔法使いは俺たちにそう言ったもしかして、近所を回ってそんな「異質なヤツ」を探していたのか?自分が怪しまれるのを覚悟してまで探していたのでは?俺は心臓が痛いくらい鼓動していて、涙が出そうだったタカハシにタカハシに教えなくちゃ…俺は電話まで駆けていき、受話器を手にしていた2024/02/21 14:51:03106.◆vkc4xj2v7kyy3ol公園に来たタカハシは、蒼白な顔をしていたもう、町中の人々が知っているんだろう…電話で会いたいと言うと直ぐ様公園を指定し走ってきた様子からしてそう思える「魔法使いが逮捕されたって…」どちらからでもなくそういうと、俺たちは顔を見合わせた「魔法使いは、犯人を見つけたんだ」確信をもって断言したタカハシに、俺も「そうだ、そんでその犯人は…」三軒隣の高校生言うまでもない2024/02/21 17:55:15107.◆vkc4xj2v7kyy3ol「ニシジマ」タカハシは記憶に刻むように繰り返したそこまでは知らなかったようだ「ぜってえ許さねえ…獅子丸もウサギも逮捕された魔法使いのこともまとめて復讐してやる…」4年生とは思えない凄味に、俺は慌てた「ナイフはやめろよ?そんなん、魔法使いが悲しむ」2024/02/21 17:58:28108.◆vkc4xj2v7kyy3ol逮捕されたままの魔法使いを小学生の俺たちが助けようとしても無駄だろうどうしたらいい?答えは二人とも同じだった犯人を、ニシジマを捕まえたらいいんだ!2024/02/21 19:04:42109.本当にあった怖い名無し8HD67続きはよ2024/02/21 21:07:30110.本当にあった怖い名無し83K8d気長に待ってるよ2024/02/21 21:10:22111.本当にあった怖い名無し1IUhCパンツ脱いだ2024/02/21 21:12:53112.◆vkc4xj2v7kyy3ol>>111なんでだよ笑楽しみにしてくれてる人、地味にいるんだな~ありがてぇ話はもう終盤です~今日は疲れたから明日また書くよちゃんと最後まで書くから見てね!2024/02/21 21:20:03113.本当にあった怖い名無し83K8dおつかれさん終盤楽しみにしてる2024/02/21 21:27:59114.◆vkc4xj2v7kE0djU捕まえる俺たちはどうしたらニシジマを捕まえられるか頭をフル回転させて考える相手は平気で沢山の動物を殺すような化け物だこっちは二人とはいえ、高校生だし体力がかなうわけもない三時を過ぎて、人の気配がなくなりつつある公園で俺たちは立ち上がってニシジマの顔を見に行くことにした2024/02/22 10:37:02115.◆vkc4xj2v7kE0djU「作戦どおり1人でな」俺はタカハシから離れ、自宅の塀のなかにかくれるタカハシは緊張したようにハアッと息を吐き、覚悟を決めて歩きだした俺の家から三軒離れたニシジマ…表札を確認して、タカハシは玄関に通じる鉄製の華奢な作りの扉を開いたここからは俺はまったく見えないドッキンドッキンと、うるさいくらい響く自分の鼓動だけが聞こえる気がしたうまくやれよ、タカハシ…俺の念じた声が聞こえてますように魔法使いの力がタカハシにもあればいいのに、とひたすら祈っていた2024/02/22 10:44:08116.◆vkc4xj2v7kE0djU長い時間が経ったような気がするけど、どうなんだろうまだ2分も経っていないのじゃないか…そのうち、タカハシの「突然すみません!」という元気な声が聞こえてきた何事かを話しているのだろう…しばらく間があり、「ありがとうございます!」と、タカハシの溌剌とした返事合図だ2024/02/22 20:59:52117.本当にあった怖い名無しK8p5f見てるぞ2024/02/23 00:24:19118.◆vkc4xj2v7kmoZxm>>117ありがとう!2024/02/23 07:46:31119.◆vkc4xj2v7kmoZxm俺は家から出るとゆっくりとタカハシのいる方に向かったニシジマ家の玄関が開いていて、タカハシの目の前には…痩せっぽっちの眼鏡の男が立っていたこいつだ俺は何だろう?という視線を投げ掛けて、ごく自然に…なるべく自然に見えるよう通りすぎた2024/02/23 07:57:08120.本当にあった怖い名無しg8UqI待ってるよ2024/02/23 22:59:26121.本当にあった怖い名無しx67kl朝だぞ2024/02/24 09:30:11122.◆vkc4xj2v7kmiDWv遅くなってすまん、忙しくて2024/02/24 16:03:23123.◆vkc4xj2v7kmiDWv公園に戻ってきたタカハシを呼び寄せる「上手く行ったぞ」緊張がほどけた顔で、ニヤッと笑った「作戦通り、俺のうちで飼われてた犬が居なくなって、近所の人がニシジマさんのお兄さんが連れてたのを見たって言われてって言ったら一瞬、ギョッとしてたぜ」うん、と俺「確定だよな、そもそも疑ってねーけど」2024/02/24 16:08:09124.◆vkc4xj2v7kmiDWv「ごめんね~知らないなだってさ…で、その近所の人って誰?どこで見たの?って聞いてきたわ」もちろん嘘だから、タカハシはこの世に5万といる佐藤という名前を言い、見た場所はニシジマの家の傍、と言った2024/02/24 16:10:52125.◆vkc4xj2v7kmiDWv「でな、聞いてもいねーのに、ホームレスの件知ってる?だってよ知らないっつったら、俺が逮捕させたんだよ~変なジジイだったわヤベーヤツがいるから、君も気をつけてなだってよ、糞野郎」タカハシは悔しそうに顔を歪めた「なんだよ、それ…ぜってえ捕まえようぜ」俺も気持ちを新たにする作戦1は成功した俺たちはターゲットをしっかり見極めた作戦2は、いよいよ、ヤツを罠に嵌めてやる2024/02/24 16:14:47126.本当にあった怖い名無し95U1Aはよ2024/02/24 18:15:05127.◆vkc4xj2v7klXC67俺たちは今一度作戦を練った長丁場になりそうな事は避けた例えば張り込みとか、もう一度やったところを捕まえるとかあいつは多分、魔法使いに罪を押し付けて安心してるもしかしてもうやらないかもしれないし夜中に張り込みはどだい無理な話だやっぱり手っ取り早くやるしかない…2024/02/24 21:36:27128.本当にあった怖い名無しWsC7s見てる2024/02/24 21:52:33129.本当にあった怖い名無し2M25M寝るな2024/02/24 22:36:32130.本当にあった怖い名無しhFpId見てるよ2024/02/24 23:12:41131.本当にあった怖い名無し7luTw朝だぞ2024/02/25 06:43:29132.本当にあった怖い名無しMYymo起きろ2024/02/26 16:31:32133.本当にあった怖い名無しgFnwa待ってるよ2024/02/26 18:17:56134.本当にあった怖い名無しZRUZmごめん~こないだから身体の調子が悪くて熱が…本当すまん2024/02/26 18:31:50135.本当にあった怖い名無しgFnwa>>134熱出たならしょうがない最近急に寒くなったりするからお大事にね2024/02/26 21:37:08136.本当にあった怖い名無しMYymo>>134 早く治して続き書くんだよお大事に2024/02/26 22:03:01137.本当にあった怖い名無しfWx4v俺たちの立てた作戦はかなり危険なものだったけど、やるしかなかった「ムトウと…アベの力も借りようよ」「そうだな、もう全部話そうぜ」俺たちは四人であつまり、全てをぶちまけた魔法使いが本物であること、ウサギ殺しがニシジマであることを2024/02/28 11:41:19138.本当にあった怖い名無しfWx4v最初、はじめて聞かされた2人は憤慨していたように思うそれはそうだ、大人なら水臭いといった感情だろう2人は俺たちだけのけ者にしやがって、とブチブチ文句を言っていたが魔法使いの環境を考えてのことだと最終的には理解してくれた2024/02/28 11:44:12139.◆vkc4xj2v7kfWx4vトリ忘れ、インフルぼけすまん2024/02/28 11:45:00140.本当にあった怖い名無しNu6pJ見てる2024/02/28 14:27:51141.◆vkc4xj2v7kfWx4vここから、主に頭脳担当のタカハシと意外にもアイデアマンのアベがお互いの意見を出しあい、よりしっかりした計画に磨かれていく冬休みの間に決着させよう俺たちは頷いた2024/02/28 18:54:15142.本当にあった怖い名無し003aA今お前の後ろにいる2024/02/29 19:30:27143.本当にあった怖い名無しHlrNn>>142 あっ…2024/03/01 09:55:35144.本当にあった怖い名無しHlrNn起きろよ2024/03/01 14:25:02145.本当にあった怖い名無しulMbW続き⬇️2024/03/02 18:55:10146.本当にあった怖い名無しulMbWはやく2024/03/02 18:55:33147.◆vkc4xj2v7kocFrS最近話題のニュースを取り入れた作戦が完成し、いよいよ決行することになったムトウ、アベ、俺、タカハシVSニシジマ決戦というわけだ負けるわけには行かない2024/03/03 09:01:06148.◆vkc4xj2v7kocFrS俺たちは作戦が終わるまで会わないあまり一緒にいると万一支障をきたす恐れがあるからだ俺は家に帰りひとり机に向かうと、定規を取り出した手袋を嵌めた手を動かし、コピー用紙に定規を使用したカクついた字でウサギゴロシノニシジマシュウジオレハナンデモシッテルゾショウコハシャシンニオサメタバラサレタクナカッタラ6カノシンヤニジニナカヨシコウエンニコイハナシヲシヨウと書いて表にニシジマシュウジとだけ書いた封筒に入れた高校生の名前は母親からそれとなく聞き出した2024/03/03 09:13:46149.◆vkc4xj2v7kocFrS1月6日、深夜2時ニシジマは来るだろうか?来るだろう、と思っただって誰も知らないはずの自分の秘密を知られてるんだからしかも証拠がある、と…完璧な身代わりを立てた今、ほっとしていたろう時にこれだ絶対来る…6日は明日だ俺は明日の下準備のために母親のところへ行った話をしたあと、人の目に注意しながら誰も見ていない時に封筒をニシジマのポストに入れた封筒から手が離れた瞬間、真剣勝負が始まったんだ2024/03/03 09:19:27150.本当にあった怖い名無しwrsMs日曜だぞ早く書け2024/03/03 11:26:59151.◆vkc4xj2v7kocFrS刻々と約束の時間が迫る…にわかに緊張してきて、手が震えるうまくいく、きっと成功するタカハシはみんなと合流してる頃だよし、ナカヨシ公園にいこう2024/03/03 13:04:30152.本当にあった怖い名無しjCxtU気になる2024/03/06 01:18:23153.本当にあった怖い名無し6cgLl待ってるよ2024/03/06 12:22:37154.◆vkc4xj2v7k9xSG0俺は作戦通り親父から借りたカメラを首にかけ、約束の時間より10分早く公園についた公園中央より左にある滑り台の上に立ち、入り口をじっとみつめる来る血流が冷たくなる…俺は極力回りをみないように深夜の滑り台の上から入り口を見下ろしていた2024/03/06 18:41:21155.◆vkc4xj2v7k9xSG0足音よりも、本人よりも早く、そいつの長く伸びた影を街灯が照らし公園の入り口から侵入したそいつは人目を憚るようにフードを被りさらにマフラーで顔の半分を覆っている待ち合わせの人…俺を探しているのだろう公園の中程まで歩き進め、ようやく滑り台に目をやり…立ち止まった2024/03/06 18:45:03156.◆vkc4xj2v7k9xSG0「なんだ、小学生かよ」威圧するような低い声を放ち、俺を見上げた顔に恐れは微塵もない落ち着き払ったその態度に俺は怒りを感じる「そんなところで遊ぶつもりか?」挑発的な笑いを浮かべ鼻を鳴らした2024/03/06 18:47:34157.◆vkc4xj2v7k9xSG0俺は心臓を吐き出しそうなくらいドキドキさせながら、滑り台を滑り降りた奴はニヤニヤしながら、俺の目の前に立ちふさがった「余裕そうじゃん、ウサギ殺しのお兄さん」俺の言葉に、ニシジマの顔から笑顔が消えたまるで布巾で汚れを拭ったように跡形もなくなった2024/03/06 18:50:24158.◆vkc4xj2v7k9xSG0「ガキ、お前がふざけた手紙を寄越したんだな…1人とはね、度胸だけはあるんだなクソガキ」タカハシと話していた時のような明るさはなく、ひたすら毒気に溢れている「じゃあ否定すんの?証拠がこの中にあるのに」俺のつついたカメラをじっと睨む「ここに来たってことがお前がやったって証拠にもなるんだぞ…」ニシジマは能面のような無表情を浮かべたまま、俺に近づいた2024/03/06 18:56:06159.◆vkc4xj2v7k9xSG0「ここにあるフィルムを明日現像したらお前なんか終わりだぞ!それが嫌なら俺にい、1万寄越せ!」真っ赤になってどもるとニシジマは声を殺すように腹を抱えて笑いだした「まじかよ!まさか…まさか小学生に強請られるとは…笑える、しかも1万とか…」「なんだよ!俺に取っては大金なんだぞ!そんだけあったらゲームソフト買えるし…」2024/03/06 19:13:14160.本当にあった怖い名無しqTUw0お前30の童貞やん2024/03/06 21:04:01161.◆vkc4xj2v7k9xSG0突如にぶい音がして、気がつけば俺は地面に転がされていた「小学生ってやっぱり馬鹿だよなあ?」言うが早いか、鋭い蹴りが腹に入った「たかが1万とはいえ…俺がガキになめられるわけにはいかねぇわ」立ち上る砂煙を吸い込んで咳き込む俺の髪を掴み、持ち上げるもうひとつの手で首から下げていたカメラをグッと引き寄せられた2024/03/06 21:41:49162.◆vkc4xj2v7k9xSG0「こういう時に切り札を持ってくるなよ馬鹿が」笑いながらカメラを首から引き抜き中からフィルムを抜き出そうとしたとき…ヤカンが沸騰したような、とんでもなく甲高い声が公園じゅうに響き渡った「だ、誰か助けてーーー殺されるー!」俺は痛む腹を抱えながらも、滲む涙を拭いもせずにニシジマに笑いかけた「馬鹿はお前だよ」2024/03/06 21:46:34163.本当にあった怖い名無しwVzS9>>160 こいつおじいちゃんだよ童貞だけど2024/03/07 09:41:06164.◆vkc4xj2v7kz0bAY>>163なんの話だ?2024/03/07 10:00:57165.◆vkc4xj2v7kz0bAYムトウとアベはニシジマが固まったまま動けずにいる間にも叫びまくっていた深夜に響く子供の声に何事か、とそこここで扉の開く音がし始める…とやっとニシジマはまずいと気づいたのか走り出したムトウとアベの二人組は「まてー!人殺し!」と叫びながら追いかけると、腹を押さえて砂だらけの俺のところに「あんた、大丈夫?」と声を掛けてくれるおばちゃんも現れた2024/03/07 15:17:19166.本当にあった怖い名無しPFD8W>>163やっぱ童貞か2024/03/07 17:50:39167.◆vkc4xj2v7kz0bAY俺は打ち合わせ通りに泣いて見せた芝居をする必要はなかったぶっちゃけ蹴りがめちゃくちゃ痛かったし、あいつの魚みたいな目が怖かったからだ「俺…今日ニュースで流星群がくるって聞いてて…写真とれるかなってカメラで見上げてたら、あの人がいきなり…」そう、最近ニュースで流星群が、と報道されていて俺たちはそれを利用することにしたのだ2024/03/07 19:25:36168.◆vkc4xj2v7kz0bAY地面に叩きつけられたカメラに手を伸ばそうとしたときタカハシが「警察くるまで触るなよ!」と、大声で言いはなったその言葉に取り上げてあげようとしてくれたおばちゃんもビクッと触るのをやめるそしてたっぷり時間が過ぎたように感じ始めたころ、遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた…2024/03/07 19:29:31169.本当にあった怖い名無しFtHRLおじいちゃん続きマダー?2024/03/08 18:00:34170.◆vkc4xj2v7koHWln駆けつけた警察に俺は泣きながら嘘をついた話題の流星群を見ようと1人でいたらお前だったのか、と意味不明なことを言われいきなり蹴られたその場面に気づいたたまたま同じ理由で公園にきていたクラスメイトが叫んで助けてくれたカメラを壊されそうになった等など2024/03/12 09:46:10171.◆vkc4xj2v7koHWln警察はまだ小学四年生を蹴り飛ばした事実を真剣に受けとめたニシジマを追いかけていたムトウとアベが合流し「蹴った奴の家を確認した」と証言し、警察は追いかけたことを注意しつつニシジマの家まで行ったその間、俺は警察に連れられて自宅に帰り、大慌ての両親に心配されまくり、1人で行かせたことを謝られたもちろん、1人で行きたいと言ったのは俺だったから多少の罪悪感で内心すまなく思ってはいた2024/03/12 09:52:38172.◆vkc4xj2v7koHWln取り調べは続いていたようだが、俺は小学生だからそのあとは写真だけ撮られた腹蹴りは思いの外強い力だったから、しっかりと痣が残っているその跡をいろんな角度で何枚も撮られ、父親のカメラは証拠品として預かられた指紋を取るらしい俺は次の日警察署に行き、両親とともに指紋を取られた2024/03/12 09:56:45173.GPT3.58yVTh昔々、魔法の国に住む若者ユウトは、他の魔法使いたちと異なり、魔法の才能に恵まれず「クズの魔法使い」と呼ばれていました。友達の誘いで大会に参加することになり、彼の練習は挫折ばかり。周りの冷ややかな視線の中、友達の励ましに支えられ、ユウトは独自のアプローチで魔法をかけ始めました。彼の魔法は奇妙でユニークで、最初は驚きや笑いを誘いましたが、次第に審査員や観客はその独創性に魅了されました。最終的に、ユウトは他の魔法使いを凌駕し、予想外の形で大会を制覇。彼の失敗が実は魅力であることが明らかになり、「クズの魔法使い」から「個性的な魔法使い」として称賛されました。この経験を通じて、ユウトは他人との比較を超え、自分の個性を大切にし、失敗も成功への一環として受け入れることの重要性を学びました。そして、彼は「クズの魔法使い」のレッテルを脱ぎ捨て、新たな冒険への道を歩み始めました。おわり2024/03/12 10:26:49174.◆vkc4xj2v7koHWlnここからはトントン拍子でうまくいったニシジマは俺に脅迫された、と訴えたがそれが奴の首を締めた脅迫の内容を聞かれ、ホームレスの親父が食って掛かってきた内容と同じなのでは?と警察は勘繰り始め…最近の動物失踪、殺害事件の容疑者としてニシジマを取り調べ始めた俺は脅迫などしていないと言い張り、警察も小学生が脅迫するのは非現実的だと思ったのか、それ以上追及はされなかった叩きつけられたカメラからニシジマの指紋が出たし結局、ウサギ小屋や獅子丸が拐われたタカハシの家からも同じ指紋が出たらしい他の拐われた家からも…これで、犯人はニシジマで決定したのだ2024/03/12 11:25:29175.◆vkc4xj2v7koHWln俺たちはニシジマ逮捕のニュースを話し合いながら、下校していた地元新聞にも載ったがなにせニシジマもまだ未成年なので、詳しくはのっていないそれが悔しくはあったが、俺たちは満足していたサイコパス野郎を嵌めてやり、獅子丸の仇を取ったタカハシは誰よりも嬉しそうだった2024/03/12 11:29:46176.◆vkc4xj2v7koHWln「警察の人が言ってたんだけど、魔法使いの爺さんはずっとあの高校生がウサギ殺しだって訴えてたんだってさ」俺はお父さんがお母さんに話していた内容を聞いていたから、そのまま皆に伝えた「だから警察は脅迫されたって言うニシジマをウサギ殺しの容疑者と思ったんだな…ホームレスのおっさんだけがそういうならまだしも他の奴も言うなら本当なのかもしれないから」警察の調べでニシジマか頑なに言わなかった脅迫内容が無造作に部屋のゴミ箱に突っ込まれていたことがわかったらしい警察の人は巻き込まれたと思っている俺の家族には事件のあらましを話してくれたのだ2024/03/12 11:38:45177.◆vkc4xj2v7koHWln結局ニシジマは自供して、拐った動物達を虐待したあと自分ちの庭に埋めたと言ったらしい警察が一時期やたら沢山でばってきてニシジマの家をブルーシートで囲っていたわけだ警察の発表では沢山の動物の骨がみつかったタカハシは獅子丸の骨を返して貰いたがったが、結局区別がつかないから合同でお経をあげてもらったらしいタカハシは悔しそうに小さな銀のプレートを握っていたそのプレートには、獅子丸と掘られていたこれだけは帰ってきたんだ、と半ベソをかいてタカハシは呟いていた2024/03/12 11:45:17178.◆vkc4xj2v7koHWlnそれから…不思議なことに無罪で放免になったはずの魔法使いが橋の下に帰ってくることはなかった散々な目にあったこの町が嫌になったのかもしれない俺たちは毎日見に行ったけど、結局会うことはなかった2024/03/12 11:47:54179.◆vkc4xj2v7koHWlnそして時が流れたいま、まだ友達でいるのはタカハシだけになってしまったムトウとアベとは疎遠になり、今は何をしているかさえわからない同窓会に来ることもなく、俺とタカハシは寂しく思いながらもこの時の思出話を何度となく話すのだ最後まで見てくれた人ありがとうかなりフィクションが混ざったけど概ね書けてよかった本当が混ざった嘘小説と思ってくれたら嬉しいです魔法使いはもう死んじゃったかなあ…では、さよなら、ありがとう!2024/03/12 11:52:41180.本当にあった怖い名無しlVNGvおもしろかったよお疲れさま!2024/03/12 18:51:29181.本当にあった怖い名無し8w9I4え?終わり?2024/03/12 19:20:28182.本当にあった怖い名無しLydgnお疲れ様最後まで見れて良かったよ2024/03/12 19:25:53183.本当にあった怖い名無し8w9I4さよならじゃねえよ次も書くんだよ2024/03/12 19:55:30184.◆vkc4xj2v7koHWlnわ~みんなありがとう!魔法使いにもっかい会えてたら良かったんだけど会えなかったんだよな~2024/03/12 21:47:49185.本当にあった怖い名無しbvh23>>184ちょーおもろかった2024/03/22 23:49:16186.本当にあった怖い名無し6PZp3面白かった!2024/05/17 03:20:07
【埼玉栄高校】涙ぐむ人…高2死亡、窓から身を乗り出して車が横転 深夜グラウンドで 高校が説明会、保護者「ずさんであり得ない」 頭を下げてあいさつし、真面目な生徒が多い学校「いたたまれない」ニュース速報+5871400.72024/11/21 20:45:05
【国民民主党】玉木代表 加熱する不倫報道に「家族の心理的負担は極めて大きい」「テレビや週刊誌やネットも見てしまって、その都度傷ついている」ニュース速報+1121217.52024/11/21 20:46:32
かなりうろ覚えの部分もあるから足して書く
忘れたくないから書き残しとく
書くの遅いからそこは許して下さい
興味あったら読んでみて
自分史ではかなり衝撃的な出来事だった
俺の通っていた小学校は河川敷のそばにあって
コンクリートの橋も掛かっていた
監視カメラとかもあんまない時代だったから、冷蔵庫とかテレビとかデカイ家電が橋の下によく捨てられていた
けどある時から汚い爺さんが住み着いてしまった
浮浪者だ
爺さんは髪は白くてチリチリしていて日焼けも酷く皺だらけだった
そのうち、お調子者のアベが
「あれさ、ホームレスって奴だろ…ちょっと近くで見ようぜ」
と仲間を唆し始めた
俺は臆病だったから、近づきたくなかったけど、みんなが行く手前嫌とは言えなかった
俺らは4人居たから、ちょっと強気になっていたタカハシが
「こんにちは~」とか
声を掛けた
爺さんは汚いズボンに手を突っ込んだまま、じりっと近づいてきた
怖かったのもあるけど、爺さんがめちゃ臭かったから
うちの犬が嗅いだら卒倒して気絶するんじゃ、と思うぐらい臭かった
強烈なアンモニアとアルコールがまざったような…
風向きによっては、目が痛くなるくらい酷い匂いだった
近づいてきた爺さんは俺たちを見下ろしてジロジロ眺め回したあとに
「なんだ、おめえら」
と意外とハッキリ喋った
タカハシは俺たちがいることを確認するみたいに見ると
「じ…お爺さんは、ホームレスですか」
と聞いた
そんなこと言ってこいつが怒ったら…
けど爺さんはニタアと歯抜けの顔で笑って
「なんだあ?餓鬼ども 俺が珍しいんか」
と言った
ガサガサした声だけど声に怒りは感じられなかった
爺さんは河原にある平たい石に腰かけると
「俺ぁな、忙しいんだ…お喋りしてえなら寄越しな」
そう言ってシワシワの黒い手のひらをこっちに差し出してきた
俺たちは最初、意味がわからずその手を見つめていた
「小遣いくらい貰ってんだろ?え?」
と、煽るように言った
金?
俺は呆気に取られた
大人に金を無心されたことなど初めてだったから
もちろん他のメンツも呆然としていた
俺はその意図が解って、「おい」と小声で腕に触れたけど
アベは構わず40円くらいを取り出すと
おずおず爺さんに手渡した
爺さんは額を見もしないでさっとポケットに入れると、アベ以外の三人に圧をかけるように見てきた
幾らかは解らないがみんな大してもってる筈はないから、合わせても150円くらいなもんだろう
それでも爺さんはニッカリ笑って隙間がある歯を見せた
「よしよし…なかなか素直な餓鬼どもだなあ、聞きたいことでもあんのか」
と体格が一番大きいタカハシに聞いてきた
いきなり話を振られたタカハシが動揺も露に三人に聞く
アベは学校のなかみたいにピッと手を挙げた
「あのぉ~…なんでオジサンはここに居るんですか?」
爺さんはザックリとした質問に
「俺ぁな 家が失くなっちまったの!」
と、答えた
いま思うとそりゃそうだろって答えだ
爺さんはニヤニヤしながら
「大人にゃあよ~餓鬼にゃわからんこともあんのよ…」
と泣き真似をしてみせた
小さな子みたいに、エーンエーンのジェスチャーで
これをきっかけに、俺たちの緊張がふっと溶けた
ムトウが不思議そうに訪ねる
こいつは自分ちが金持ちだから、こんなとこに住んでることが不思議でならないんだろう
「そうよ、ここはいいとこよ」
爺さんはうなずいて、さらにもう一度うなずいて
「いいとこだ、本当になあ」
と言った
9月だから、そこまでじゃないにしろこの頃は普通に「秋」があったし
夜は涼しいときもあったから
爺さんは「いんや」といい
ジュースを飲むような仕草をしてみせた
あったかい飲み物でも飲むのかと思っていたが
あれは酒を飲む仕草だったんだろう
前はどこに居たの?
…東京でマンション暮らし
家族は居ないの?
…みんな死んだ
仕事はしないの?
…してるさぁ
そんな答えが返ってくる
嘘か本当かわからない
ただ、家族は?の質問のときだけは素っ気なくて言いたくなかったんじゃないかと思えた
別にやりたくもないし、どうでもいいらしい
矢継ぎ早に出る質問を
「よっしゃ…おい、お前らに面白いことしてやるわ」
と遮った
爺さんは、ペッと自分の手のひらに唾を吐くとそれを両手でこ擦り合わせた
俺は頭を撫でられるんじゃないかと恐れたが、爺さんの両の手のひらは虚空でピタッと留まり、次に空気をかき混ぜ出した
何をする気なのか…魅入られたようにその手を見ていた
と、その手はムトウの頭の上で止まった
「お前は…お前の名字は…む…ムトウだろう…」
低い声ではっきりと告げた
「えっ」
当てられたムトウに限らず4人ともあんまり驚いて叫んでしまった
「ええっ?なんで?なんでわかっちゃったの?すげえ!」
アベが興奮して爺さんに臭いのも構わず間近により
タカハシもスッゲエを連呼していた
確かにもしも自分だったら気持ち悪く感じていたかも、と今は思う
爺さんはゆっくりと目をあけ
「どうだ!凄いだろう…魔法だ、魔法」
とゲラゲラ笑った
「さて、俺ぁちょっと寝る…お前らはもう母ちゃんとこ帰れ、二度とくんじゃねえぞ」
くるっと体を翻すと来たときと同じかそれよりもゆっくり寝床に戻ってしまった
「…まあ…実際、宿題もやんなきゃいけないし…帰るか…」
毒気を抜かれた口調のタカハシに一斉にうん、と答えて河原に放り出されたランドセルを背負った
と、ムトウが心底呆れたように、だがほっとしたように叫んだ
ムトウの言い方に俺たちは「なに?なにが?」と問う
ムトウは爺さんを気にするように指で「シッ」とすると
小声で自分のランドセルを前抱きにして
「ほら、これ」
とクスクス笑った
茶色のケースに入ったそれには、はっきりと白い名札ケースに「ムトウ」と書かれていた
タカハシもアベも口に手を当てて笑いだし、俺も声を出さないように笑った
「ジジイ、これ盗み見ただけかよ!」
アベはヒィッと息を吸いながら苦しげに笑い、タカハシもムトウもその我慢した笑いにさらに笑いを募らせた
俺は声を出さないようにするのが辛すぎて涙まで出る始末だ
帰り道、自分らの驚きようや言葉をお互いにぶつけあってゲタゲタ大笑いする
爺さんから離れたあとは手放しに茶化しあう
「魔法だぞ、凄いだろう」
爺さんの真似をしてムトウが両手を広げ目を瞑ってみせると、俺も俺もとみんなで真似をしあった
タカハシが言い、アベが頷く
「小学生の俺たちから金取るんだぜ~アタマおかしいよ」
ムトウは何度も首を縦に動かす
「俺なんか300円も渡しちゃったよ」
えー?と三人が一斉に驚き勿体ねえ、とムトウを責めた
「だってさ~急だったからさ…チェ、今日は駄菓子屋寄れねえや」
だな、とみんな残念そうに歩いていた
また1人、また1人を道を違えて俺はいつも1人で歩く下り坂を石を蹴りながら進んだ
いつもの同じ毎日よりちょっと刺激的だったな、と
ドッジボールやドロケイもいいけど、今日は何より話の種になる
ホームレスと口を利いたのなんてたぶんクラスじゃ俺たちだけだ
親には言えないけど、明日クラスメイトには自慢しよう
俺はわくわくしながら、家路に着いていた
みんな想うことは同じで、俺たち四人組は各自ホームレスの話ばかりしていた
クラスメイトは感心して話を聞きたがり、俺たちは得意気に話をばら蒔く
やはり小学生に金を要求してきたくだりはみんな興奮して
まじかよ~とか
クズじゃん
とか言いたい放題だった
そして放課後までには「クズ」と「魔法使い」が定着して
いつのまにか爺さんは
小学生から金をたかり、嘘までつく
「クズの魔法使い」というあだ名に決定してまった
俺たちの話を聞いた奴らがちょっかいをかけに行ったり話をしたり
爺さんも爺さんで特に追い払うでもなく小学生と喋ったりしている
一度見せてくれた魔法はネタがバレたことを知ったのか、あれきり見せる気配はなかったようだった
何故か得意気に「100円やったぜ」とか俺は幾らだ、とか話しているクラスメイトもいた
みな、口々に楽しそうにはしていたものの親や先生には言わないように意識していたみたいだった
ちょっと怖くもあったし、話すこともなかったから
ただ、家族の居ないだろう爺さんが小学生に囲まれて、あまり寂しく無さそうなのがホッとしていた
なんだか、良いことをしたような気になっていた
そして…冬休みが始まる1ヶ月前に、事件は起こった
起こった、というより前兆に近かったかもしれない
タカハシ家が飼っていた雑種の犬、「獅子丸」が居なくなったのだ
明らかなタカハシの意気消沈ぶりに、俺らは一様に神妙な顔をしていた
「なんかお父さんが言うにはハサミで引き綱切られたみたいで」
その引き綱には覚えがある
使い込んだ色味になった、赤い引き綱だった
持たせて貰ったこともあるからわりと太くてずっしりしていた記憶がある
獅子丸名前は「忍者服部くん」に出てくる犬で、目のブチが似てるからつけたそうだ
誰にでも尻尾を振る人懐こい奴で、俺も可愛がったり遊んだりしていた
アベもムトウも同じだろう、辛い気持ちを4人で共感している
俺が提案するとすぐさまアベとムトウも頷いた
タカハシは感謝の眼差しを俺に向け、赤い目を乱暴に擦った
約束通り、放課後門限が許す限り探したが獅子丸は見つからず
持っていたドックフードが虚しく地面に置かれ、それを野良猫がちゃっかり食べていた
学校内に一大センセーションが巻き起こる
なんと、学校で大切に飼われていたウサギが全滅したのだ
これはニュースにもなり、教師達の緊急会議の為に午前解散になった
解散の前に体育館に集められた全校生徒は校長から
不審者に気をつけることと、見つけたら近づかず通報すること
暗がりを歩かないこと
これから一週間は外で遊ばないこと
寄り道をせず帰り、着いたら担任に電話すること
を約束させられた
獅子丸が居なくなった3日後に、ウサギが殺される…
まさか同じ奴がやったんじゃ…
反射的にタカハシを振り替えると、俺の視線に気づいたのか軽く頷いた
多分同じことを考えてる…
俺は背筋にゾクッと寒気が走った
「うそ、怖い」
そんな女子達の声が響く廊下で俺はタカハシに話しかけた
「タカハシ…あのさ」
タカハシはそれを制するように「俺さ」と大きい声で話し出した
「クズの魔法使いんとこに行ってみる」
余りにも意外な答えにすっとんきょうな声が出た
タカハシはキッと俺を見ると小声で答えた
「…犯人じゃないかと思うんだ」
俺は嘘だろ?と同じく小声で答えタカハシに詰めよった
タカハシは首をふる
だが、決意を込めた声音で続けた
「あいつがフラッとやってきてからじゃんか 獅子丸か居なくなったのもウサギが殺されたのも」
「そ、それだけじゃ…」
なんとも言えない、と言う前にタカハシは怒りを込めて呟いた
「今までこんな酷いことなんてなかったじゃねーか
あいつ…怪しいんだよ、俺らから金をせびったり、嘘ついたり…」
多分俺が何を言ってもタカハシは行く気でいる
「じゃ、じゃあさ、1人で行くなよ!」
俺の言葉にタカハシはハッとして
「お前、アベとかムトウに言うなよ!学校からも言われただろ、一緒に来たら違反になるからな!」
タカハシは早口で言いきるとサッと教室に入ってしまった
でもこれオカルトか?
読み返すと記録より映画みたいでめっちゃ面白い…
けど、幽霊でないけどオカルトなのか?
違ったらごめんな
面白いな
更新待ってるよ
まじ?嬉しいな~ありがと!
起きとるで!
集まって話したかったのに、結局帰る方向でバラバラのグループになってしまう
俺は今日、タカハシが家から抜け出してクズの魔法使いの所に行ってしまうのを確信していた
さっそく玄関に飛び込んだ
「怖いことが起きたもんねえ」
という母親の声も無視して電話に駆け寄る
タカハシの電話番号にかけ、誰かが受話器を取るのを焦りながら待っていた
「あっあの…タカハシ…えとケンゴ君はいますか」
母親はまだ帰ってないのよ、とさらっと言ったあと母親と同じようにウサギの話題を持ち出そうとしたが、俺は
「ありがとうございます!」と会話をぶったぎって受話器を置いた
帰ってない?
そんなはずないだろ、俺の家より近いんだぞ…
あいつまさか、家に入るフリをして他の生徒をやり過ごしたんじゃ…
ランドセルとか庭に置いて、その足で河原に走ったんじゃ…
そう考えるとそうとしか思えなくなった
俺は室内飼いをしているパピヨンのマメを一なですると、そろり…と母親のいるキッチンから離れ玄関に向かった
案の定、奥から「こらっ、今日は出掛けちゃダメでしょ!」と怒鳴られたが
その言葉も最後まで聞かないうちに玄関から飛び出した
走りながら、マメの小さい頭を撫でた感触を、暖かさを思いだし一気に涙が出てきた
俺だって
俺だってマメが浚われて…酷い目にあったらそいつを許せない
タカハシだって同じ気持ちなんだ!
俺はとにかく全速力で、もと来た道を戻っていた
たとえ先生に見つかっても構わなかった
だって…もし犯人が本当にクズの魔法使いだったら…
そんなやつと二人きりになったら
俺はその先の可能性が怖くて、考えるのを止めた
ありがとうよ~励みになるぜ!
ゼエゼエと鳴る息を落ち着かせようと少しだけ歩調を緩めようとしたとき
川の傍に対峙している二つの人影に気づいた
1人は大人
1人は小学生
クズの魔法使いとタカハシだ!
俺は疲れた足に鞭を打って、全速力で走り出した
俺はようやく追い付くと、タカハシの肩に手をかけ
「大丈夫か?」
と息も絶え絶えに言う
俺に視線を合わせてきたときのタカハシの顔は今でも鮮明に覚えている
困惑とも絶望とも驚きとも言えないようでいて、その全てに当てはまるような不思議な顔をしていた
俺は悲しげな顔で立っているクズの魔法使いを見あげ、「何したんだよ!」と叫んだ
クズの魔法使いは黙ったまま、涙を溢しているタカハシを見つめ
「わかったか?」
とだけ言った
静かな、ふざけの一切ない声で
「…ありがとう、ごめんなさい」
といった
…二人は俺が来る前に会話を終えていた
ごめんなさい、ということはクズの魔法使いは犯人じゃなかったんだ…
俺は一気に安堵した
体温が上がったかと思うくらいに
だがわからないのな
ありがとう
だ
なぜタカハシがクズの魔法使いにお礼なんか言うんだ…?
「話を…ケンゴから聞いてやれ」
といって、寝床に向かってしまった
俺はのどかな河原でひと息ついて、丁度いい石に腰かけて隣の石を叩いた
「お前焦らすなよなあ…座れっての」
タカハシはロボットみたいにぎこちなく動きだし、ハアっという大きなため息と共に隣に座った
まだ些かぼんやりしているタカハシをつつくと、噛み締めるように頷いた
「違ったし…あの人はクズじゃなかった」
唐突な言葉に、驚きつつ興味をひかれた
「誰にも言うなよ?アベにもムトウにもだぞ 誓え」
誓う、という聞きなれない言葉に心臓か跳ねる
約束だぞ、とか
絶対な、とかよりずっと重たい質量のある言葉に圧倒された
だが、もちろん即座に誓った
俺は約束は破らない 誓うとなればなおさら破らない
「俺さ…絶対クズの魔法使いが犯人だと思っててさ…
だから…だからあのクズ野郎をぶっ殺してやろうって思ったんだ」
驚きが顔に出たんだろう
タカハシは疲れた顔でポケットを探ると何かを取り出した
それは木目に年季を感じる、ポケットナイフだった
キャンプで良く使ってるの知ってたんだ …クズの魔法使いを問いただして、本当に犯人だったら…学校のウサギみたいに獅子丸を殺したんなら…
同じようにやってやるつもりだった」
さも当然のように話すタカハシ
俺は否定しない
俺だってマメが殺られたら、殺ってやる…
「河原についたら、魔法使いが川に石を投げてたんだ
なんもすることがないみたいに
あんまり呑気だからイラついてさ
ゆっくり近付いたんだ」
それから?と先を促した
「そしたらさ…あと2メートルくらいになった時に
止まれ!ケンゴ!
って振り返りもせずに叫ばれたんだ」
タカハシはその時を思い返すように目を閉じた
地面から慌てて拾って向き直ったら魔法使いが目の前に来てた」
「お前が獅子丸を誘拐したんだろって言う前に
俺ぁお前んちの犬をさらったりなんざしてねえ
ガッコのウサギも殺ってねえ
って言われた」
って言ったんだ…
そしたら」
「俺ぁ魔法使いだからよぉ」
引き継ぐように放たれた言葉にパッと振り向くと
いつの間にかクズの魔法使いがたっていた
風下だったからまったく気づかなかった
俺が呟くと、タカハシは青ざめた顔で
「本当なんだよ」と呟いた
「この人は俺の名前も、俺が犯人だと思い込んでることも
獅子丸の名前も知ってた
知りようがないだろ?
名前やなんかは調べられても獅子丸の名前まで知るわけない
俺の家も知るわけないし、何より…」
持ってるナイフに目を落とし
「父ちゃんの大事なナイフで何しようとしてんだ!
ってさ」
タカハシのお父さんがキャンプが好きなんて俺だって初めて聞いた
まして、クズの魔法使いが知るわけがない
爺さんはのっぺりした顔で淡々と言った
「昔からよぉ…勝手に入って来るのよ、人の思い出やら、感情やらがよぉ…」
額を指でトンと指して俺たちのようにしゃがみこんだ
「必ずってワケじゃねえのよ
おめえらの友達の名前は、読みやすかったからたまたまだぁな」
そんな自分にうんざりしてるように言う
「おめえらが俺を嘘だって思ってたのは好都合だったんよなぁ
久しぶりに餓鬼んちょとはいえ、人と話せて楽しかったもんだからよ
つい、浮かれちまった」
人の心がわかるなら、俺たちが自分を「クズの魔法使い」と呼んでた事ぐらいお見通しだろう
俺はバツが悪くて謝ろうとしたが、クズの…いや、ただの魔法使いは手で制した
俺ぁクズだしよ、おめえらみたいな餓鬼から金めぐんで貰ってんだからさ
ただよぉ…
殺しはダメだ
俺ぁ、犬コロだろうがネズミだろうが殺しゃしねぇ
可哀想じゃねえか、なあ?」
さも嫌そうに顔をしかめて、ため息をつく魔法使いは
ただの酒好きな爺さんにしか見えなかった
「獅子丸はもう居ないんだよね?」
と微かな声で魔法使いに聞いた
その声に魔法使いは、困ったような、憐れなような顔をして
「多分な、詳しくはわからねえけどな」
とボソっと言った
その口調から俺は
本当はハッキリしてるけど、タカハシの為に言わないでいてくれてるんだろうと思った
俺は魔法使いに感謝した
長いな~
ゆっくりでいいから更新待ってるよ
上のお二人さん、楽しんでくれてサンキューな!
その事実を受け止めているタカハシに掛ける言葉がない
俺はずっと気になっていたことを、魔法を使えるホームレスに聞いてみた
「く…あ、いや、おじさんに聞きたいんだけど…なんでもわかるなら、ウサギ殺したヤツと獅子丸誘拐したヤツって同じヤツなの?」
魔法使いはジッと考え込むように黙った
そのうち、その質問は忘れ去られたのか?と思う頃
「ああ」
と断言した
それは、その一言はタカハシの目から希望を奪ったと思う
だが、敢えて魔法使いは断言した
今なら「待ち続ける」という苦しみからタカハシを救ったんだろう…そう思える
だから慌てて
「じゃ、じゃあ、誰かわかるの?」
と聞いた
間髪を入れずに
「わかるわけねぇわ」
と魔法使いは言った
「さすがに傍にいねぇとわかんねぇよ
傍にいたってわかる時もありゃあわからんときもある、ただ…」
と間を置き
「ただ、よほどそいつが異質な何かを考えてればわかるかもしんねえな…」
獅子丸とウサギが同じヤツの仕業だとわかるなら、文字通り何でもわかるんじゃ…と期待したから
「ガッコのウサギの件はよぉ
サツも調べるだろうし、俺が出る幕もねぇだろうぜ」
俺たちのがっかり顔に言い訳するように魔法使いは話を続けた
「さあてね、そろそろおめえら帰んな
このままじゃ本当に俺が逮捕されちまわぁ」
魔法使いはスィッと立ち上がると、いつものゆったりした足取りで寝床に向かった
その後ろ姿に、タカハシは大きく
「本当にありがとう、魔法使い!」
と叫び、魔法使いのホームレスは振り返りもせずに片手をヒラつかせた
タカハシとの分かれ道が近づくと、タカハシがひとこと
「本物っているんだな」
とつぶやいた
俺は「うん」とだけいって、じゃあな、ありがとうな!と走って帰っていくタカハシの後ろ姿を目で追っていた
進展はなかったが、ウサギ殺しは活発に動いていた
外飼いしていた犬が行方不明になったり、別の学校の鶏が殺されたり
ローカルニュースばかりではなく、全国区のニュースでも小さく取り上げられるくらいには続いていたのだ
もし、今みたいに防犯カメラが町に普及していればアッサリつかまったかもしれない
四人集まれば「犯人」の推理をしたり、子供らしくドッジボールなんかをして過ごしていた
タカハシと俺はアベとムトウに、決して魔法使いが本物だと明かさなかった
そんなことをして噂が広まれば必ず魔法使いの迷惑になることがわかっていたから
そう感じていた
今まで外飼いをしていた家庭もあらかた家に入れていたし、見慣れない人が町をうろつけばじろじろ眺め回したりするのが日常になってしまっていた
子供はそれでも元気に遊んでいたが、門限により厳しくなった親によって
四時にはもう公園は閑散としていた
書くのってこんな大変なの?
セリフとかほとんど覚えてねえから
こんなだったよな~…だし
小説家じゃねっつの!
ただまぁ長いけどあと少しかな…また明日頑張りますわ…
明日もまた来るよ
二人ともありがとう~なるべく頑張るからさ!
今日仕事が忙しくてさ
まぁぼちぼち書いてくよ
あまりにも遅い思いつきだったが、久しぶりに会いたかったし、ついでに父親の古着でももって会いに行こう!と紙袋を手に母親の所へいく
「ね~なんかいらない服とか毛布ない?」
聞こうと口を開きかけたとき母親の方から
「ちょっと!あんた聞きなさいよ!」
と食いぎみで話しかけられた
このテンションでは聞かざるを得まい…
俺はしぶしぶ「何が?」と訊ねた
「なんかね!どっかのホームレスが逮捕されたらしいわよ!
最近、怖いことあったじゃない?
多分犯人よ…」
余りの衝撃に、その先の言葉が入ってこなかった
ホームレスって…まさか…
やっぱりねぇ…怪しかったわよ、お母さんも見たことあるもの」
湯呑み茶碗の暖かいお茶を啜りながら頷く母親
俺の茫然とした様子に気づきもせず続ける
「あの~あんた知らないかもしれないけどさ、三軒隣のニシジマさんとこの息子さんにいきなり掴みかかったんですってよ~?怖いわねぇ本当」
激しい興奮と痛みに、顔に血が登った
魔法使い!
あんた…見つけたんだろう!
「それでね、その子…確か高校生だったかな~…がさ、警察呼んでね
そのホームレスったら逃げるでもなく、大騒ぎだったんだって!
いやぁ~良かったわよ~これで怖いこともなくなるってねぇ」
思い起こせば母親に、最近近所に不審者が出るから気をつけて、と言われていた
その不審者が、まさか魔法使いだとはまったく思わなかった
魔法使いは俺たちにそう言った
もしかして、近所を回ってそんな「異質なヤツ」を探していたのか?
自分が怪しまれるのを覚悟してまで探していたのでは?
俺は心臓が痛いくらい鼓動していて、涙が出そうだった
タカハシに
タカハシに教えなくちゃ…
俺は電話まで駆けていき、受話器を手にしていた
もう、町中の人々が知っているんだろう…電話で会いたいと言うと直ぐ様公園を指定し走ってきた様子からしてそう思える
「魔法使いが逮捕されたって…」
どちらからでもなくそういうと、俺たちは顔を見合わせた
「魔法使いは、犯人を見つけたんだ」
確信をもって断言したタカハシに、俺も「そうだ、そんでその犯人は…」
三軒隣の高校生
言うまでもない
タカハシは記憶に刻むように繰り返した
そこまでは知らなかったようだ
「ぜってえ許さねえ…獅子丸もウサギも逮捕された魔法使いのこともまとめて復讐してやる…」
4年生とは思えない凄味に、俺は慌てた
「ナイフはやめろよ?そんなん、魔法使いが悲しむ」
どうしたらいい?
答えは二人とも同じだった
犯人を、ニシジマを捕まえたらいいんだ!
なんでだよ笑
楽しみにしてくれてる人、地味にいるんだな~ありがてぇ
話はもう終盤です~
今日は疲れたから明日また書くよ
ちゃんと最後まで書くから見てね!
終盤楽しみにしてる
俺たちはどうしたらニシジマを捕まえられるか頭をフル回転させて考える
相手は平気で沢山の動物を殺すような化け物だ
こっちは二人とはいえ、高校生だし体力がかなうわけもない
三時を過ぎて、人の気配がなくなりつつある公園で
俺たちは立ち上がってニシジマの顔を見に行くことにした
俺はタカハシから離れ、自宅の塀のなかにかくれる
タカハシは緊張したようにハアッと息を吐き、覚悟を決めて歩きだした
俺の家から三軒離れたニシジマ…表札を確認して、タカハシは玄関に通じる鉄製の華奢な作りの扉を開いた
ここからは俺はまったく見えない
ドッキンドッキンと、うるさいくらい響く自分の鼓動だけが聞こえる気がした
うまくやれよ、タカハシ…
俺の念じた声が聞こえてますように
魔法使いの力がタカハシにもあればいいのに、とひたすら祈っていた
まだ2分も経っていないのじゃないか…
そのうち、タカハシの「突然すみません!」
という元気な声が聞こえてきた
何事かを話しているのだろう…しばらく間があり、
「ありがとうございます!」
と、タカハシの溌剌とした返事
合図だ
ありがとう!
ニシジマ家の玄関が開いていて、タカハシの目の前には…痩せっぽっちの眼鏡の男が立っていた
こいつだ
俺は何だろう?という視線を投げ掛けて、ごく自然に…なるべく自然に見えるよう通りすぎた
「上手く行ったぞ」
緊張がほどけた顔で、ニヤッと笑った
「作戦通り、
俺のうちで飼われてた犬が居なくなって、近所の人がニシジマさんのお兄さんが連れてたのを見たって言われて
って言ったら
一瞬、ギョッとしてたぜ」
うん、と俺
「確定だよな、そもそも疑ってねーけど」
だってさ…
で、その近所の人って誰?どこで見たの?って聞いてきたわ」
もちろん嘘だから、タカハシはこの世に5万といる佐藤という名前を言い、見た場所はニシジマの家の傍、と言った
だってよ
知らないっつったら、
俺が逮捕させたんだよ~変なジジイだったわ
ヤベーヤツがいるから、君も気をつけてな
だってよ、糞野郎」
タカハシは悔しそうに顔を歪めた
「なんだよ、それ…ぜってえ捕まえようぜ」
俺も気持ちを新たにする
作戦1は成功した
俺たちはターゲットをしっかり見極めた
作戦2は、いよいよ、ヤツを罠に嵌めてやる
長丁場になりそうな事は避けた
例えば張り込みとか、もう一度やったところを捕まえるとか
あいつは多分、魔法使いに罪を押し付けて安心してる
もしかしてもうやらないかもしれないし夜中に張り込みはどだい無理な話だ
やっぱり手っ取り早くやるしかない…
熱出たならしょうがない
最近急に寒くなったりするからお大事にね
お大事に
「ムトウと…アベの力も借りようよ」
「そうだな、もう全部話そうぜ」
俺たちは四人であつまり、全てをぶちまけた
魔法使いが本物であること、ウサギ殺しがニシジマであることを
それはそうだ、大人なら水臭いといった感情だろう
2人は俺たちだけのけ者にしやがって、とブチブチ文句を言っていたが
魔法使いの環境を考えてのことだと最終的には理解してくれた
冬休みの間に決着させよう
俺たちは頷いた
ムトウ、アベ、俺、タカハシ
VS
ニシジマ
決戦というわけだ
負けるわけには行かない
あまり一緒にいると万一支障をきたす恐れがあるからだ
俺は家に帰りひとり机に向かうと、定規を取り出した
手袋を嵌めた手を動かし、コピー用紙に定規を使用したカクついた字で
ウサギゴロシノニシジマシュウジ
オレハナンデモシッテルゾ
ショウコハシャシンニオサメタ
バラサレタクナカッタラ
6カノシンヤニジニ
ナカヨシコウエンニコイ
ハナシヲシヨウ
と書いて表にニシジマシュウジとだけ書いた封筒に入れた
高校生の名前は母親からそれとなく聞き出した
ニシジマは来るだろうか?
来るだろう、と思った
だって誰も知らないはずの自分の秘密を知られてるんだから
しかも証拠がある、と…
完璧な身代わりを立てた今、ほっとしていたろう時にこれだ
絶対来る…
6日は明日だ
俺は明日の下準備のために母親のところへ行った
話をしたあと、人の目に注意しながら誰も見ていない時に封筒をニシジマのポストに入れた
封筒から手が離れた瞬間、真剣勝負が始まったんだ
にわかに緊張してきて、手が震える
うまくいく、きっと成功する
タカハシはみんなと合流してる頃だ
よし、ナカヨシ公園にいこう
公園中央より左にある滑り台の上に立ち、入り口をじっとみつめる
来る
血流が冷たくなる…
俺は極力回りをみないように深夜の滑り台の上から入り口を見下ろしていた
公園の入り口から侵入した
そいつは人目を憚るようにフードを被りさらにマフラーで顔の半分を覆っている
待ち合わせの人…俺を探しているのだろう
公園の中程まで歩き進め、ようやく滑り台に目をやり…立ち止まった
威圧するような低い声を放ち、俺を見上げた顔に恐れは微塵もない
落ち着き払ったその態度に俺は怒りを感じる
「そんなところで遊ぶつもりか?」
挑発的な笑いを浮かべ鼻を鳴らした
奴はニヤニヤしながら、俺の目の前に立ちふさがった
「余裕そうじゃん、ウサギ殺しのお兄さん」
俺の言葉に、ニシジマの顔から笑顔が消えた
まるで布巾で汚れを拭ったように跡形もなくなった
タカハシと話していた時のような明るさはなく、ひたすら毒気に溢れている
「じゃあ否定すんの?証拠がこの中にあるのに」
俺のつついたカメラをじっと睨む
「ここに来たってことがお前がやったって証拠にもなるんだぞ…」
ニシジマは能面のような無表情を浮かべたまま、俺に近づいた
それが嫌なら俺にい、1万寄越せ!」
真っ赤になってどもるとニシジマは声を殺すように腹を抱えて笑いだした
「まじかよ!まさか…まさか小学生に強請られるとは…笑える、しかも1万とか…」
「なんだよ!俺に取っては大金なんだぞ!そんだけあったらゲームソフト買えるし…」
「小学生ってやっぱり馬鹿だよなあ?」
言うが早いか、鋭い蹴りが腹に入った
「たかが1万とはいえ…俺がガキになめられるわけにはいかねぇわ」
立ち上る砂煙を吸い込んで咳き込む俺の髪を掴み、持ち上げる
もうひとつの手で首から下げていたカメラをグッと引き寄せられた
笑いながらカメラを首から引き抜き中からフィルムを抜き出そうとしたとき…
ヤカンが沸騰したような、とんでもなく甲高い声が公園じゅうに響き渡った
「だ、誰か助けてーーー殺されるー!」
俺は痛む腹を抱えながらも、滲む涙を拭いもせずにニシジマに笑いかけた
「馬鹿はお前だよ」
なんの話だ?
深夜に響く子供の声に何事か、とそこここで扉の開く音がし始める…と
やっとニシジマはまずいと気づいたのか走り出した
ムトウとアベの二人組は「まてー!人殺し!」と叫びながら追いかける
と、腹を押さえて砂だらけの俺のところに「あんた、大丈夫?」と声を掛けてくれるおばちゃんも現れた
やっぱ童貞か
芝居をする必要はなかった
ぶっちゃけ蹴りがめちゃくちゃ痛かったし、あいつの魚みたいな目が怖かったからだ
「俺…今日ニュースで流星群がくるって聞いてて…写真とれるかなってカメラで見上げてたら、あの人がいきなり…」
そう、最近ニュースで流星群が、と報道されていて
俺たちはそれを利用することにしたのだ
タカハシが
「警察くるまで触るなよ!」
と、大声で言いはなった
その言葉に取り上げてあげようとしてくれたおばちゃんもビクッと触るのをやめる
そしてたっぷり時間が過ぎたように感じ始めたころ、遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた…
話題の流星群を見ようと1人でいたら
お前だったのか、と意味不明なことを言われいきなり蹴られた
その場面に気づいたたまたま同じ理由で公園にきていたクラスメイトが叫んで助けてくれた
カメラを壊されそうになった
等など
ニシジマを追いかけていたムトウとアベが合流し
「蹴った奴の家を確認した」と証言し、警察は追いかけたことを注意しつつニシジマの家まで行った
その間、俺は警察に連れられて自宅に帰り、大慌ての両親に心配されまくり、1人で行かせたことを謝られた
もちろん、1人で行きたいと言ったのは俺だったから多少の罪悪感で内心すまなく思ってはいた
腹蹴りは思いの外強い力だったから、しっかりと痣が残っている
その跡をいろんな角度で何枚も撮られ、父親のカメラは証拠品として預かられた
指紋を取るらしい
俺は次の日警察署に行き、両親とともに指紋を取られた
彼の魔法は奇妙でユニークで、最初は驚きや笑いを誘いましたが、次第に審査員や観客はその独創性に魅了されました。最終的に、ユウトは他の魔法使いを凌駕し、予想外の形で大会を制覇。彼の失敗が実は魅力であることが明らかになり、「クズの魔法使い」から「個性的な魔法使い」として称賛されました。
この経験を通じて、ユウトは他人との比較を超え、自分の個性を大切にし、失敗も成功への一環として受け入れることの重要性を学びました。そして、彼は「クズの魔法使い」のレッテルを脱ぎ捨て、新たな冒険への道を歩み始めました。
おわり
ニシジマは俺に脅迫された、と訴えたがそれが奴の首を締めた
脅迫の内容を聞かれ、ホームレスの親父が食って掛かってきた内容と同じなのでは?と警察は勘繰り始め…
最近の動物失踪、殺害事件の容疑者としてニシジマを取り調べ始めた
俺は脅迫などしていないと言い張り、警察も小学生が脅迫するのは非現実的だと思ったのか、それ以上追及はされなかった
叩きつけられたカメラからニシジマの指紋が出たし
結局、ウサギ小屋や獅子丸が拐われたタカハシの家からも同じ指紋が出たらしい
他の拐われた家からも…
これで、犯人はニシジマで決定したのだ
地元新聞にも載ったがなにせニシジマもまだ未成年なので、詳しくはのっていない
それが悔しくはあったが、俺たちは満足していた
サイコパス野郎を嵌めてやり、獅子丸の仇を取ったタカハシは誰よりも嬉しそうだった
俺はお父さんがお母さんに話していた内容を聞いていたから、そのまま皆に伝えた
「だから警察は脅迫されたって言うニシジマをウサギ殺しの容疑者と思ったんだな…ホームレスのおっさんだけがそういうならまだしも他の奴も言うなら本当なのかもしれないから」
警察の調べでニシジマか頑なに言わなかった脅迫内容が
無造作に部屋のゴミ箱に突っ込まれていたことがわかったらしい
警察の人は巻き込まれたと思っている俺の家族には事件のあらましを話してくれたのだ
警察が一時期やたら沢山でばってきてニシジマの家をブルーシートで囲っていたわけだ
警察の発表では沢山の動物の骨がみつかった
タカハシは獅子丸の骨を返して貰いたがったが、結局区別がつかないから合同でお経をあげてもらったらしい
タカハシは悔しそうに小さな銀のプレートを握っていた
そのプレートには、獅子丸と掘られていた
これだけは帰ってきたんだ、と半ベソをかいてタカハシは呟いていた
不思議なことに無罪で放免になったはずの魔法使いが
橋の下に帰ってくることはなかった
散々な目にあったこの町が嫌になったのかもしれない
俺たちは毎日見に行ったけど、結局会うことはなかった
ムトウとアベとは疎遠になり、今は何をしているかさえわからない
同窓会に来ることもなく、俺とタカハシは寂しく思いながらも
この時の思出話を何度となく話すのだ
最後まで見てくれた人ありがとう
かなりフィクションが混ざったけど概ね書けてよかった
本当が混ざった嘘小説と思ってくれたら嬉しいです
魔法使いはもう死んじゃったかなあ…
では、さよなら、ありがとう!
お疲れさま!
最後まで見れて良かったよ
魔法使いにもっかい会えてたら良かったんだけど会えなかったんだよな~
ちょーおもろかった