【国立国際医療研究センター研究】新型コロナウイルス感染後遺症、感染時期でリスクに差・・・小児のコロナ感染後遺症、ワクチン２回接種でリスク減

最終更新 2024/11/24 01:51

影のたけし軍団 ★

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新型コロナウイルス感染症（ＣＯＶＩＤ－１９）の後遺症（罹患後症状）の病態には不明な点が多く、臨床的特徴の詳細は明らかでない。

国立国際医療研究センター国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センターの堀幸氏らは大阪府八尾市保健所と共同で、新型コロナウイルス（ＳＡＲＳ－ＣｏＶ－２）感染者等情報把握・管理支援システム（ＨＥＲ－ＳＹＳ）のデータを用い、１８～７９歳における罹患後症状の有病率と関連因子を検討する住民ベースのマッチド症例対照研究を実施。

罹患後症状リスクは感染時期〔アルファ株・デルタ株流行期（２０２１年３～１２月：第４～５波）、オミクロン株流行期（２０２２年１～４月：第６波）〕によって異なることを明らかにしたと、Ｊ　Ｍｅｄ　Ｖｉｒｏｌ（２０２４；９６：ｅ２９９２８）に発表した。

世界保健機関（ＷＨＯ）は罹患後症状について、ＣＯＶＩＤ－１９発症から３カ月時点でも見られる２カ月以上続く症状と定義しており、倦怠感や疲労、息切れ、集中力の低下などを呈する。

最近の米国の研究では、罹患後症状リスクが低下傾向にあると報告されているもののいまだ不明な点が多い。堀氏らは、罹患後症状の有病率と関連因子を検討するマッチド症例対照研究を実施した。

対象は、２０２１年３月～２２年４月（流行第４～６波）に八尾市でＨＥＲ－ＳＹＳに登録された１８～７９歳のＳＡＲＳ－ＣｏＶ－２感染者４，１８５例（症例群、平均年齢４４．７歳、女性６０．２％）と、性別、年齢などをマッチングして選出した非感染者３，３８２例（対照群、同４５．５歳、６０．７％）。

症例群には罹患後症状の有無、対照群には２カ月以上持続した症状の有無などについて回答してもらい、ロジスティック回帰分析により関連因子を探索した。

追跡期間の中央値は２７１日（範囲１８５～６０５日）で、症例群の３，５１１例（８３．９％）が軽症例だった。

解析の結果、罹患後症状の有病率は対照群と比べ症例群で有意に高かった〔４．４％ｖｓ．１５．０％、調整後オッズ比（ａＯＲ）３．８６、９５％ＣＩ　３．２０～４．６４〕。

また症例群における罹患後症状の頻度は、オミクロン株流行期例に比べアルファ株・デルタ株流行期例で高かった（１２．８％ｖｓ．２７．０％）。

罹患後症状の関連因子として女性、既往歴、入院歴が抽出された。

一方、罹患後症状のリスク低下と関連する因子としては１回以上のワクチン接種が抽出された。

リスク低下幅はオミクロン株流行期例に比べアルファ株・デルタ株流行期例でより大きかった（順にａＯＲ　０．７９、９５％ＣＩ　０．５９～１．０７、同０．２９、０．１２～０．７３）。

堀氏らは「罹患後症状の有病率は感染時期によって異なり、ワクチン接種によるリスク低下幅にも差があることを明らかにした」と結論。

「今後、罹患後症状の持続期間や生活への長期的な影響を検討していく必要がある」と付言している。

https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20241115-OYTET50002/#:~:text=%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A

小児のコロナ後遺症、ワクチン2回でリスク減
https://medical-tribune.co.jp/news/articles/?blogid=7&entryid=562482

HER-SYSデータを用いた住民ベースの横断研究

Long COVIDどこまで分かったか
https://medical-tribune.co.jp/rensai/articles/?blogid=11&entryid=562352

森岡慎一郎氏（国立国際医療研究センター国際感染症センター国際感染症対策室）

2024/11/23 08:13:22