【沖縄独立煽る偽投稿拡散】背後に200の中国工作アカウントアーカイブ最終更新 2024/10/27 08:531.影のたけし軍団 ★???「沖縄独立」を促す偽動画が今、SNS上で拡散し続けている。日本経済新聞が先端の人工知能(AI)ツールで解析したところ、背後に拡散を請け負う大量の「情報工作アカウント」が見つかった。主に中華圏に向けたSNSの投稿だが、専門家は今後、日本の世論分断にもつながりかねないと警鐘を鳴らす。「琉球属于中国,琉球群島不属于日本!」(琉球は中国に属し、日本に属してはいない!)「根据波茨坦宣言,琉球是中国領土!」(ポツダム宣言によると、琉球は中国の領土だ!)こんな中国語付きの動画が、2023年からSNS上に広く拡散され続けている。沖縄が琉球に改名するといった偽情報も拡散。背景には習近平(シー・ジンピン)国家主席が昨夏、中国と琉球国時代の沖縄との深い結びつきを強調した「異例の言及」があると専門家はみる。沖縄に関する偽情報が拡散する仕組みを、具体的に探れないか。日経新聞はX(旧ツイッター)やフェイスブック、中国の「微博(ウェイボ)」などSNS上でまず、沖縄について中国寄りのプロパガンダを積極的に発信するアカウントの探索を試みた。拡散の発信源に近づけると考えたためだ。探し当てたのが、X上で「琉球属于中国」(琉球は中国に属する)、「琉球群島不属于日本」(琉球は日本に属していない)などの共通のフレーズを使い、個々に投稿活動をしていた3つのアカウントの存在だった。過去の投稿履歴を見比べると、さらなる「共通点」がみえてきた。3つのアカウントは同じ画像を使い回し、昨年から沖縄独立を煽(あお)る投稿を繰り返していた。沖縄が本土復帰をした今年の記念日(5月15日)前後にも起きた。5月12、14、25日と日程を分け、沖縄独立を煽る同様の動画をXに投稿したことを確認した。同動画は、東京・渋谷の街を歩くデモの様子を「沖縄独立デモ」だと紹介。デモは沖縄の住民によるものだと説明した。だが日本の立場からみると、容易に偽動画だと分かる。背景に映る建物や看板、横断幕のスローガンなどに違和感がある。実際、動画は4月に渋谷で行われた米軍基地に反対するデモや、大阪での反戦デモなどの動画をつなぎ合わせて作られたものだった。「琉球は中国のものだ!」と中国語で叫ぶ動画内の音声も偽物だった。セキュリティー企業のコンステラセキュリティジャパン(東京・千代田)が検証したところ、台湾の親中組織「全⺠抜菜総部」が23年4月に台湾で行った沖縄独立を支持するデモの音声を使い回していたことが判明した。3つのアカウントが投稿した動画は全て偽物だった。だが問題はむしろ拡散力だ。偽動画にもかかわらず、「いいね」の数、転載されたリポスト数、シェア(共有)数など、投稿に対する反応数はXだけでも累計700万件超になったとみられる。いかにして拡散は「成功」したのか。日経新聞はイスラエルのSNS解析企業サイアブラが提供するAIツールを使い、偽動画「沖縄独立デモ」の閲覧者の反応を分析した。それによると、偽動画をX上で見て、転載(コメント付きの投稿)したアカウントは全部で431だった。そのうち75%の325アカウントを「工作アカウント」だと判定した。サイアブラによると、工作アカウントとは、実際の運用者を偽装して実態を隠した陰のアカウントを指す。複数アカウントが連携し、通常の個人利用ではありえない頻度・量で特定の話題を意図的に拡散することが多い。同社の過去の調査では「『工作アカウント』と判定される比率は通常なら全体の7〜10%。それが今回70%を超えるのは極めて高い水準だと言える」(ロニ・フリトファティヒ戦略データ分析担当長)。サイアブラは米国務省など世界の政府機関を顧客に抱える有力企業。同社のツールは特定メッセージをSNS上に不自然に拡散するアカウントをAIで見破るのが特徴だ。ただ万能ではない。今回検出した325の工作アカウントには、AIでも判別し切れないスパムアカウントなどが含まれる。そのため日経新聞が325のアカウントの発信内容を詳細に検証したところ、最終的には約6割に当たる198のアカウントが中国当局の言い分と一致した内容を拡散する工作アカウントであることを突き止めた。「発信源の3アカウント」と、「拡散を請け負う約200の工作アカウント」が裏で見事に連携していたわけだ。https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00012030S4A900C2000000/2024/10/04 07:51:47556すべて|最新の50件
主に中華圏に向けたSNSの投稿だが、専門家は今後、日本の世論分断にもつながりかねないと警鐘を鳴らす。
「琉球属于中国,琉球群島不属于日本!」
(琉球は中国に属し、日本に属してはいない!)
「根据波茨坦宣言,琉球是中国領土!」
(ポツダム宣言によると、琉球は中国の領土だ!)
こんな中国語付きの動画が、2023年からSNS上に広く拡散され続けている。沖縄が琉球に改名するといった偽情報も拡散。背景には習近平(シー・ジンピン)国家主席が昨夏、中国と琉球国時代の沖縄との深い結びつきを強調した「異例の言及」があると専門家はみる。
沖縄に関する偽情報が拡散する仕組みを、具体的に探れないか。
日経新聞はX(旧ツイッター)やフェイスブック、中国の「微博(ウェイボ)」などSNS上でまず、沖縄について中国寄りのプロパガンダを積極的に発信するアカウントの探索を試みた。拡散の発信源に近づけると考えたためだ。
探し当てたのが、X上で「琉球属于中国」(琉球は中国に属する)、「琉球群島不属于日本」(琉球は日本に属していない)などの共通のフレーズを使い、個々に投稿活動をしていた3つのアカウントの存在だった。
過去の投稿履歴を見比べると、さらなる「共通点」がみえてきた。3つのアカウントは同じ画像を使い回し、昨年から沖縄独立を煽(あお)る投稿を繰り返していた。
沖縄が本土復帰をした今年の記念日(5月15日)前後にも起きた。5月12、14、25日と日程を分け、沖縄独立を煽る同様の動画をXに投稿したことを確認した。
同動画は、東京・渋谷の街を歩くデモの様子を「沖縄独立デモ」だと紹介。デモは沖縄の住民によるものだと説明した。
だが日本の立場からみると、容易に偽動画だと分かる。背景に映る建物や看板、横断幕のスローガンなどに違和感がある。実際、動画は4月に渋谷で行われた米軍基地に反対するデモや、大阪での反戦デモなどの動画をつなぎ合わせて作られたものだった。
「琉球は中国のものだ!」と中国語で叫ぶ動画内の音声も偽物だった。セキュリティー企業のコンステラセキュリティジャパン(東京・千代田)が検証したところ、台湾の親中組織「全⺠抜菜総部」が23年4月に台湾で行った沖縄独立を支持するデモの音声を使い回していたことが判明した。
3つのアカウントが投稿した動画は全て偽物だった。だが問題はむしろ拡散力だ。偽動画にもかかわらず、「いいね」の数、転載されたリポスト数、シェア(共有)数など、投稿に対する反応数はXだけでも累計700万件超になったとみられる。
いかにして拡散は「成功」したのか。
日経新聞はイスラエルのSNS解析企業サイアブラが提供するAIツールを使い、偽動画「沖縄独立デモ」の閲覧者の反応を分析した。それによると、偽動画をX上で見て、転載(コメント付きの投稿)したアカウントは全部で431だった。
そのうち75%の325アカウントを「工作アカウント」だと判定した。
サイアブラによると、工作アカウントとは、実際の運用者を偽装して実態を隠した陰のアカウントを指す。複数アカウントが連携し、通常の個人利用ではありえない頻度・量で特定の話題を意図的に拡散することが多い。
同社の過去の調査では「『工作アカウント』と判定される比率は通常なら全体の7〜10%。それが今回70%を超えるのは極めて高い水準だと言える」(ロニ・フリトファティヒ戦略データ分析担当長)。
サイアブラは米国務省など世界の政府機関を顧客に抱える有力企業。同社のツールは特定メッセージをSNS上に不自然に拡散するアカウントをAIで見破るのが特徴だ。
ただ万能ではない。今回検出した325の工作アカウントには、AIでも判別し切れないスパムアカウントなどが含まれる。そのため日経新聞が325のアカウントの発信内容を詳細に検証したところ、最終的には約6割に当たる198のアカウントが中国当局の言い分と一致した内容を拡散する工作アカウントであることを突き止めた。
「発信源の3アカウント」と、「拡散を請け負う約200の工作アカウント」が裏で見事に連携していたわけだ。
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00012030S4A900C2000000/