【土用の丑の日】「うなぎ」は絶滅危惧種なのに食べてもいいの? 「養殖だからOK」には大きな誤解がアーカイブ最終更新 2023/08/02 12:481.ニライカナイφ ★???今日、7月30日は土用の丑の日。土用とは季節の変わり目の時期のことを指す。もともと日本には、丑の日には「う」の付くものを食べるという習慣があり、江戸時代後半から夏バテ予防にとうなぎを食べるようになったといわれている。実際にこの時期は、スーパーなどにもうなぎの蒲焼がずらりとならんでいる様子を目にできる。しかしこのうなぎ、絶滅が危惧されているのはご存知だろうか。ニホンウナギは国際自然保護連合(以下、IUCN)で、2014年から絶滅危惧種に区分されている。実際に、日本の天然ウナギの漁獲量は1970年以降減少の一途を辿っており、1960年代に3000トンあった漁獲量は2022年には59トンにまで落ち込んでいるのだ。このような状況の中で、うなぎを食べるのは”あり”なのだろうか? 本誌が20代〜60代の男女400人を対象に、アンケートを実施すると、食べてよいと思うが75%、食べてはいけないと思うが17.8%という結果に。食べてよいと思う、と答えた人からはその理由として「店頭に残って廃棄されるより良い」、「1年に1回程度ならよい」「養殖だから」などの意見があがった。食べてはいけないと思う、と答えた人からは「絶滅しては困るので、食べるなら数を増やせてからがいいと思う」「食べることが絶滅につながるかわからないが、確実なことがわかるまで、とりあえず食べないことにしている」などの声が。しかし「自分だけが不買したところで周りが食べるので売れる、売れるので捕る、というサイクルは止まらないので難しいところ」と、複雑な胸中を明かすものもあった。『結局、うなぎは食べていいのか問題』(岩波書店)の著書がある中央大学法学部教授の海部健三(かいふ・けんぞう)さんは、うなぎを食べることは「良い悪いという話ではないので、こうとは言い切れない。個々人が自分で考えて判断するべきだが、そのためにはまず前提となる知識を得ることが必要」と語る。そもそもその判断軸になる”うなぎの実情”さえ、あまり知られていないのが現状なのだ。たとえば、国内で消費されるうなぎは99%以上が養殖。しかし、これらの養殖うなぎも実は”天然由来”。ニホンウナギは全て、自然環境下で生まれた天然稚魚のシラスウナギを採捕し、養殖池で育てて出荷されたものなのだ。そしてこのシラスウナギが獲れる量も年々減少傾向にある。 1970 年代は 50 トンを超えていたシラスウナギの国内採捕量だが以後減少を続け、1990 年に20トンを割り込んだ。2022年度の採捕量は10.3トン、2023年は5.6トンとなっている。そのため、アンケートでの食べて良い派の回答にあったような「養殖だから」というのは、現状”うなぎを減らさない”ことにはつながらないのだ。このように誤解も多いうなぎ問題。そこで、今回は海部さんにうなぎ問題を解説してもらった。■絶滅危惧種がスーパーに並んでいるのは一体なぜ?そもそも絶滅危惧種なのに、なぜスーパーで売られるなど簡単に食べられる状況なのか。「一般的な感覚でいうと、『絶滅危惧種なら、こんなにスーパーに並ばないのではないか?』と考えるかとおもいます。しかし、うなぎには、食べてはいけないという規制はないのです。そして、消費者はうなぎを求めています。消費者は食べたい、禁止するルールもない、ですからスーパーは提供している、ということです。また、絶滅危惧種が消費されていること自体がものすごくおかしいわけでもありません」(海部さん・以下「」内同)絶滅危惧種に指定されている生き物だからといって、食べてはいけないということにはならないのだという。「絶滅危惧種には、基準が複数あります。たとえば、個体数がすごく少ないから絶滅危惧種という場合もあれば、たくさんいても急激に減っているため絶滅危惧種に区分されることもあります。ニホンウナギの場合は急激に減っていることを理由として絶滅危惧種に区分されています。しかし、個体数は多く、おそらく数百万の単位と考えられることから、消費を規制する段階にはありません。これに対して、個体数が少ない生物は消費が規制される場合があります。例えばアマミノクロウサギはニホンウナギと同じように絶滅危惧種に区分されていますが、個体数が少なく、現存する個体数は数千頭です。アマミノクロウサギは”種の保存法”という法律の定める国内希少野生動植物種に指定され、捕獲が規制されています。ニホンウナギは”絶滅危惧種”ではありますが、”希少種”ではないのです」では、うなぎは数が多いので、絶滅することはないのだろうか?「数が多くても絶滅する生き物はいます。最も有名な例はリョコウバトというアメリカの鳥でしょう。一説には50億以上と、かつてアメリカ合衆国において世界最大級の個体数を誇っていた鳥ですが、ヨーロッパからの移民が流入したのち100年あまりで激減し、1914年に絶滅しました。人間の開発による環境変化と狩猟の両方が影響したと考えられています。ですので、数が多いから大丈夫とはいえません。特に、うなぎの場合には増える要素がありません。適切な管理がなされてないし、生息環境の改善も進んでいない。ですから、このまま減っていく以外の将来を想像することが難しいのです。現在ニホンウナギが減少しているということは、うなぎが増える速度より消費速度の方が上回っているということです。ニホンウナギ資源を回復させ、持続的に利用するためには、再生産によってうなぎが増える速度を上げつつ、消費する速度を減らす必要があります。うなぎが増える速度を上げるためには河川や河口域など生息域の環境を改善することが重要です。消費する速度を下げるには、漁獲量の制限が必要になります」特にうなぎを食べて良いかどうかについては、この”適切に管理されていない”という点が大きな問題なのだと言う。「現在のところニホンウナギは適切に管理されていません。たとえば、消費する速度を減らすためには、採るうなぎの量を規制する必要がありますが、この”漁獲上限量”が、結局そこまでは採れないという過剰な量に設定されているのです。日本、中国、韓国、台湾の4カ国では”池入れ制限量”とよばれる、養殖のために養殖池に導入するシラスウナギの量の上限を78.8トンまでに抑えるよう、2014年に合意しました。しかし、現状78.8トンのシラスウナギを獲ることはできません。実際の4カ国・地域の池入れ量合計は、池入れ量制限導入後の平均で40トン程度と、制限の半分にとどまっているのが現状なのです。つまり、現在の池入れ量制限にはシラスウナギの採捕量を削減する効果がないのです。上限が大きすぎるので、実質“採り放題”ということになります」■日本では“違法うなぎ”ではないことを証明できるうなぎを見つけることが難しいさらに、”違法うなぎ”が横行していることもうなぎの管理をより困難にする。水産庁の資料によると、令和4年漁期の国内のシラスウナギの採捕報告数量5.5トン、輸入数量5.8トン、合計11.3トンに対し、養殖業者のシラスウナギ池入報告数量は16.2トン。 4.8トンの出どころ不明、つまり密漁や無報告のシラスウナギがいるのだ。「このような違法な漁獲や流通は、漁獲量と漁獲努力量の把握を困難にします。 漁獲量と漁獲努力量を把握することができなければ、ニホンウナギをどの程度漁獲しても良いのか、基準を設定することができません。さらに、輸入されているシラスウナギのほとんどは香港からの輸入です。香港から輸入されるシラスウナギの大部分は台湾など採捕国から密輸されたものと考えられます。令和4年漁期の輸入量5.8トンのうちの大部分が香港へ密輸されていたとすれば、日本の養殖場へ池入れされた16.2トンのうち、7割程度に当たる10トンが違法行為を含むルールに反した採捕・流通を経ていたことになります」消費者としては、食べるにしても“違法”ではないうなぎを選びたいところ。どうしたら、見極めることができるのか?「流通情報の追跡が可能であること、いわゆるトレーサビリティが確立されているうなぎを探すということになりますが、現実的にトレースができているうなぎは残念ながらほとんどおらず、ルールを守って流通しているうなぎかどうかを消費者が判別するのは難しいのです。結果として、うなぎを消費することを通じて、消費者は間接的に違法行為に加担し、犯罪組織に資金源を提供してしまっている状況です」つまりうなぎを食べる以上、“違法うなぎ”を食べている可能性を否定できないのだ。「まずは知って考えることが重要です。とはいえ、うなぎの問題は生態も人間との関係も複雑で、理解することは簡単ではありません。この問題を解決しようとNGO、科学コミュニケーター、専門家らと協力して、ニホンウナギの現状について楽しく学ぶことができる”うなぎ生き残りすごろく”を作りました。無償貸与していますので、お役立てください。うなぎの問題を解決するにあたって、うなぎのことを知る以外に、もう一つ重要なことがあります。食品について考えるとき、安心と安全と価格だけではなく、資源と社会の持続性について考えることです。自分が食べている食品が適切な資源管理、流通管理を経て供給されているかどうかという基準も含めて食品を選ぶことで、資源の持続的利用と、密漁、密輸、奴隷労働など違法行為の抑制に繋がります」うなぎが絶滅してしまっては、2度とうなぎを食べることも、誰かに食べさせてあげることもできない。心から安心してうなぎを食べることができるようになるために、国も業者も消費者も考えなければいけない時期が来ているようだ。【教えてくれたのは】中央大学法学部教授・海部健三さん著書に『結局、うなぎは食べていいのか問題』(岩波書店)https://nordot.app/1058131030131147725?c=5167981256497736652023/07/30 09:38:0678すべて|最新の50件29.名無しさんmVllo>>24稚魚は天然しか手に入らんのじゃ無かったかな?稚魚を産ませる所まで完全な養殖が成功したと言う記事が有ったんでもうすぐこんな議論は終わるさ2023/07/30 10:45:1430.名無しさんSAeaD鯨もあんまり食べなくなったしウナギもそうなるかもね、美味しいけど2023/07/30 10:51:0031.名無しさんJzaE3>>24稚魚を川から根こそぎかっさらってそれを養殖するんだ。皆が買うから密漁されるんだよ。ウナギなんか冷凍なんだから特売投げ売りになるまでスーパー虐めてくれや。廃棄にはならん。2023/07/30 10:52:1832.名無しさんfJt5R馬鹿しかウナギ食ってねえし2023/07/30 10:58:2333.名無しさん3Fy8x>>29今のところ、養殖でシラスウナギを育てると、1尾あたり3000円ほどかかる天然のシラスウナギは1尾1000円ほどだから、まだまだ先の話実はウナギって世界中で食べられてはいるが、不味い魚の代名詞日本で蒲焼食うと、これがウナギかと皆さん驚く2023/07/30 11:06:3234.名無しさんyhFaIちくわ開いて鰻のタレ着けて喰ったら美味いよちょっとだけ悲しくなるけど2023/07/30 11:14:0635.名無しさんEE8DQ俺の母親氏がうなぎ大好きなので夏場はよくお付き合いで食べてる今の中国産て結構美味しいのね2023/07/30 11:15:4136.名無しさんYlKc5蟹の代替えカマボコに続き 鰻の代替えカマボコが出るだろうな2023/07/30 11:41:4937.名無しさんkMWgv品種改良で大儲け2023/07/30 11:44:0038.名無しさんXjgvFどうせ絶滅するのなら、食べられる内に食べてしまえって事ですな2023/07/30 11:46:2039.名無しさんgNeZeうなぎなんて30年は食べてないわ2023/07/30 12:04:5540.名無しさんhqDKo某牛丼チェーンでよく鰻を食ってたのだが明らかにドブ臭い物にあたってからうなぎ自体食わなくなった2023/07/30 12:14:4241.名無しさんbzIgcそもそも日本人は卵持ち狙って取るし、産卵したらしたでシラスwwwとか言って根こそぎ取るからなぁーなにも残らないわ2023/07/30 12:27:2542.名無しさん4Vj4kうしの日なんだから牛でも良いんじゃないか?2023/07/30 12:33:1543.名無しさん27hB3しかし冷凍や賞味期限1ヵ月以上のチルドにせず調理して賞味期限3日以内の状態にして売りすぎ廃棄前提の流通だよな2023/07/30 12:34:4044.名無しさんKGJ49世界で鰻の美味しさがバレたら8000円から壱万円くらいになりそう。今日は三河一色産の鰻食べよかな。2023/07/30 12:37:0145.名無しさんIQAh5ほんと日本人は自分の欲のために食い散らかすからな少しくらい人間らしくなってほしい2023/07/30 12:37:3046.名無しさん9YTgr太平洋を埋め尽くすほどウナギが生息している2023/07/30 12:42:2247.名無しさんVMQt1うなぎなんて数年食ってないんだけど2023/07/30 13:03:4148.名無しさんjl43qつーか俺らが普段食ってるのってニホンウナギなの?2023/07/30 13:05:3349.名無しさんjnQUS増えすぎたクジラに食べられたんだろ2023/07/30 13:58:4750.名無しさんPfB89>>42真面目に牛でもいいよ。「う」のつく食べ物ならよい。2023/07/30 14:38:1951.名無しさんUoeT8牛の日に「う」のつく食べ物を食べるという元々の風習を復活するしかない牛、うどん、梅干しなど鰻より手軽に食べられる鰻重食べるより牛丼10杯食べる方がお得感があるしね2023/07/30 15:11:4252.名無しさんIQAh5>>51牛丼って「う」じゃなくね2023/07/30 15:51:2653.名無しさん6FMMPボクのオオウナギはいつもヌルヌルで全く乾くヒマがありません(><)2023/07/30 15:54:3754.名無しさんuufh6ドジョウがいるな2023/07/30 15:56:2655.名無しさんfRHbx蒲焼きにするから食べちゃうんだよ、ゼリー寄せ以外は課税すればいい2023/07/30 18:02:2456.名無しさんnOIp6応援だろ2023/07/30 18:28:4857.名無しさんyPflhAEONで一時話題になったパンガシウスや近大発なまずの蒲焼は値段と食感が微妙で見なくなったな2023/07/30 18:29:5158.名無しさん0joV1牛肉に鰻のタレかければそれっぽくならんかね2023/07/30 18:44:0359.名無しさんi5iEz鰻がダメならうなぎパイでいいじゃない2023/07/30 18:56:0260.名無しさんD8O8gうなぎってすごい身近な魚なのにその生態はほとんどわかっていないんだってね2023/07/30 19:28:4261.名無しさん9n3M4つうかデパ地下で売ってる握り鮨のパックにうなぎとウニを入れるのやめて欲しいわ見映え良くしてるつもりだろうがどちらも大抵不味いし2023/07/30 19:52:2862.名無しさんVW8cj二度とウナギは食べない2023/07/30 20:05:4563.名無しさんUElgGトレーサビリティを確保するのは商社、メーカー、卸、小売りなんかの仕事だろ消費者がなんでそこまでコストかけなければならねえんだよ2023/07/30 20:09:3964.名無しさんKNnBf>>2そう言えばそうだな荒らしならともかくソースなら文字制限無い方がいいな2023/07/30 20:54:2865.名無しさんkYAR1江戸時代初期はウナギを骨も内臓も抜かずぶつ切りにしたモノを串にさして焼きそれに山椒味噌をぬって食べていたらしい再現して食べてみた人の話では食えないことはないがまともな味ではないといっていた2023/07/30 21:11:0266.名無しさんYJoRk養殖のうなぎを放流するのはどうなの?2023/07/30 22:11:3767.名無しさんYuTs6牛の蒲焼牛肉で代用できる2023/07/30 22:16:5268.名無しさんi5iEzちょっと待て、これは源内の罠だ2023/07/30 22:59:2469.名無しさんQIZG1何でもかんでも天邪鬼がいるよなぁ吐き気する2023/07/30 23:04:4970.名無しさんHG0Bp>>66生きて次世代を再生産出来ないらしいよ。2023/07/30 23:28:3271.名無しさんPSdkvキングコブラとアナコンダの蒲焼きは美味かったでな2023/07/31 02:17:2172.名無しさんop5Ruこういう時、「絶滅したら困るから 食べたいけど我慢しよう。いつまで我慢したら良いのか誰も分からないけど」「絶滅したら困るから 今のうちにたくさん食べておかなきゃ!他の誰かの事も未来の誰かの事も二の次。馬鹿正直に禁欲していたら自分が損しちゃう」の2パターンの人がいるよね前者はすごく日本的だなーと思う自分もそう。後者は2023/07/31 03:02:3973.名無しさん5WtPO>>9でもさ、文化が無い国の人は簡単にそう言うかもしれないけど、文化って一度廃れちゃうと復興させるの無理くない?イギリス料理なんて今も復興してないし、古代ローマの建築技術やら、陶磁器の釉薬やら、例はいっぱいあると思うの一つの文化が消える時って同時に複数のモノが消えるじゃん材料、調理法、器具の製造etc... たとえ何らかの記録が残っていたとしてもさ、現代の料理本ですら著者の味を再現できないじゃないやっぱり文化が消えないように鰻の絶滅を回避すべきじゃないかなぁ2023/07/31 03:14:4674.名無しさんDO7MC>>65テムズ川のウナギのゼリーって風邪引いた時の鼻水みたいな味だもんなあれを料理と称してぱくぱく食べるイギリス人はgreatだと思う2023/07/31 03:29:2075.名無しさん7GMUB>>33ローマに日本の蒲焼に似た料理があったらしいローマ凄すぎない?2023/07/31 04:19:4976.名無しさん7GMUB>>51うさぎ食おうぜ美味いらしいよ2023/07/31 04:31:0077.名無しさんpwqi8>>76ウサギ美味しいかの山♪2023/08/01 02:52:0678.名無しさんzK6v7幼いころ岐阜の山奥で祖父や近所の人が籐で編んだ筒を仕掛けて山ほどウナギをとってた記憶がある岐阜でウナギが獲れたのか?と自分の記憶を疑うことがあるけど確かに岐阜の山奥だったはず2023/08/02 12:48:01
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実際にこの時期は、スーパーなどにもうなぎの蒲焼がずらりとならんでいる様子を目にできる。
しかしこのうなぎ、絶滅が危惧されているのはご存知だろうか。
ニホンウナギは国際自然保護連合(以下、IUCN)で、2014年から絶滅危惧種に区分されている。
実際に、日本の天然ウナギの漁獲量は1970年以降減少の一途を辿っており、1960年代に3000トンあった漁獲量は2022年には59トンにまで落ち込んでいるのだ。
このような状況の中で、うなぎを食べるのは”あり”なのだろうか?
本誌が20代〜60代の男女400人を対象に、アンケートを実施すると、食べてよいと思うが75%、食べてはいけないと思うが17.8%という結果に。
食べてよいと思う、と答えた人からはその理由として「店頭に残って廃棄されるより良い」、「1年に1回程度ならよい」「養殖だから」などの意見があがった。
食べてはいけないと思う、と答えた人からは「絶滅しては困るので、食べるなら数を増やせてからがいいと思う」「食べることが絶滅につながるかわからないが、確実なことがわかるまで、とりあえず食べないことにしている」などの声が。
しかし「自分だけが不買したところで周りが食べるので売れる、売れるので捕る、というサイクルは止まらないので難しいところ」と、複雑な胸中を明かすものもあった。
『結局、うなぎは食べていいのか問題』(岩波書店)の著書がある中央大学法学部教授の海部健三(かいふ・けんぞう)さんは、うなぎを食べることは「良い悪いという話ではないので、こうとは言い切れない。個々人が自分で考えて判断するべきだが、そのためにはまず前提となる知識を得ることが必要」と語る。
そもそもその判断軸になる”うなぎの実情”さえ、あまり知られていないのが現状なのだ。
たとえば、国内で消費されるうなぎは99%以上が養殖。
しかし、これらの養殖うなぎも実は”天然由来”。
ニホンウナギは全て、自然環境下で生まれた天然稚魚のシラスウナギを採捕し、養殖池で育てて出荷されたものなのだ。
そしてこのシラスウナギが獲れる量も年々減少傾向にある。
1970 年代は 50 トンを超えていたシラスウナギの国内採捕量だが以後減少を続け、1990 年に20トンを割り込んだ。
2022年度の採捕量は10.3トン、2023年は5.6トンとなっている。
そのため、アンケートでの食べて良い派の回答にあったような「養殖だから」というのは、現状”うなぎを減らさない”ことにはつながらないのだ。
このように誤解も多いうなぎ問題。そこで、今回は海部さんにうなぎ問題を解説してもらった。
■絶滅危惧種がスーパーに並んでいるのは一体なぜ?
そもそも絶滅危惧種なのに、なぜスーパーで売られるなど簡単に食べられる状況なのか。
「一般的な感覚でいうと、『絶滅危惧種なら、こんなにスーパーに並ばないのではないか?』と考えるかとおもいます。しかし、うなぎには、食べてはいけないという規制はないのです。そして、消費者はうなぎを求めています。消費者は食べたい、禁止するルールもない、ですからスーパーは提供している、ということです。また、絶滅危惧種が消費されていること自体がものすごくおかしいわけでもありません」(海部さん・以下「」内同)
絶滅危惧種に指定されている生き物だからといって、食べてはいけないということにはならないのだという。
「絶滅危惧種には、基準が複数あります。
たとえば、個体数がすごく少ないから絶滅危惧種という場合もあれば、たくさんいても急激に減っているため絶滅危惧種に区分されることもあります。
ニホンウナギの場合は急激に減っていることを理由として絶滅危惧種に区分されています。
しかし、個体数は多く、おそらく数百万の単位と考えられることから、消費を規制する段階にはありません。
これに対して、個体数が少ない生物は消費が規制される場合があります。
例えばアマミノクロウサギはニホンウナギと同じように絶滅危惧種に区分されていますが、個体数が少なく、現存する個体数は数千頭です。
アマミノクロウサギは”種の保存法”という法律の定める国内希少野生動植物種に指定され、捕獲が規制されています。
ニホンウナギは”絶滅危惧種”ではありますが、”希少種”ではないのです」
では、うなぎは数が多いので、絶滅することはないのだろうか?
「数が多くても絶滅する生き物はいます。最も有名な例はリョコウバトというアメリカの鳥でしょう。
一説には50億以上と、かつてアメリカ合衆国において世界最大級の個体数を誇っていた鳥ですが、ヨーロッパからの移民が流入したのち100年あまりで激減し、1914年に絶滅しました。
人間の開発による環境変化と狩猟の両方が影響したと考えられています。ですので、数が多いから大丈夫とはいえません。
特に、うなぎの場合には増える要素がありません。
適切な管理がなされてないし、生息環境の改善も進んでいない。
ですから、このまま減っていく以外の将来を想像することが難しいのです。
現在ニホンウナギが減少しているということは、うなぎが増える速度より消費速度の方が上回っているということです。
ニホンウナギ資源を回復させ、持続的に利用するためには、再生産によってうなぎが増える速度を上げつつ、消費する速度を減らす必要があります。
うなぎが増える速度を上げるためには河川や河口域など生息域の環境を改善することが重要です。
消費する速度を下げるには、漁獲量の制限が必要になります」
特にうなぎを食べて良いかどうかについては、この”適切に管理されていない”という点が大きな問題なのだと言う。
「現在のところニホンウナギは適切に管理されていません。
たとえば、消費する速度を減らすためには、採るうなぎの量を規制する必要がありますが、この”漁獲上限量”が、結局そこまでは採れないという過剰な量に設定されているのです。
日本、中国、韓国、台湾の4カ国では”池入れ制限量”とよばれる、養殖のために養殖池に導入するシラスウナギの量の上限を78.8トンまでに抑えるよう、2014年に合意しました。
しかし、現状78.8トンのシラスウナギを獲ることはできません。
実際の4カ国・地域の池入れ量合計は、池入れ量制限導入後の平均で40トン程度と、制限の半分にとどまっているのが現状なのです。
つまり、現在の池入れ量制限にはシラスウナギの採捕量を削減する効果がないのです。
上限が大きすぎるので、実質“採り放題”ということになります」
■日本では“違法うなぎ”ではないことを証明できるうなぎを見つけることが難しい
さらに、”違法うなぎ”が横行していることもうなぎの管理をより困難にする。水産庁の資料によると、令和4年漁期の国内のシラスウナギの採捕報告数量5.5トン、輸入数量5.8トン、合計11.3トンに対し、養殖業者のシラスウナギ池入報告数量は16.2トン。 4.8トンの出どころ不明、つまり密漁や無報告のシラスウナギがいるのだ。
「このような違法な漁獲や流通は、漁獲量と漁獲努力量の把握を困難にします。 漁獲量と漁獲努力量を把握することができなければ、ニホンウナギをどの程度漁獲しても良いのか、基準を設定することができません。
さらに、輸入されているシラスウナギのほとんどは香港からの輸入です。
香港から輸入されるシラスウナギの大部分は台湾など採捕国から密輸されたものと考えられます。
令和4年漁期の輸入量5.8トンのうちの大部分が香港へ密輸されていたとすれば、日本の養殖場へ池入れされた16.2トンのうち、7割程度に当たる10トンが違法行為を含むルールに反した採捕・流通を経ていたことになります」
消費者としては、食べるにしても“違法”ではないうなぎを選びたいところ。どうしたら、見極めることができるのか?
「流通情報の追跡が可能であること、いわゆるトレーサビリティが確立されているうなぎを探すということになりますが、現実的にトレースができているうなぎは残念ながらほとんどおらず、ルールを守って流通しているうなぎかどうかを消費者が判別するのは難しいのです。結果として、うなぎを消費することを通じて、消費者は間接的に違法行為に加担し、犯罪組織に資金源を提供してしまっている状況です」
つまりうなぎを食べる以上、“違法うなぎ”を食べている可能性を否定できないのだ。
「まずは知って考えることが重要です。
とはいえ、うなぎの問題は生態も人間との関係も複雑で、理解することは簡単ではありません。
この問題を解決しようとNGO、科学コミュニケーター、専門家らと協力して、ニホンウナギの現状について楽しく学ぶことができる”うなぎ生き残りすごろく”を作りました。
無償貸与していますので、お役立てください。
うなぎの問題を解決するにあたって、うなぎのことを知る以外に、もう一つ重要なことがあります。
食品について考えるとき、安心と安全と価格だけではなく、資源と社会の持続性について考えることです。
自分が食べている食品が適切な資源管理、流通管理を経て供給されているかどうかという基準も含めて食品を選ぶことで、資源の持続的利用と、密漁、密輸、奴隷労働など違法行為の抑制に繋がります」
うなぎが絶滅してしまっては、2度とうなぎを食べることも、誰かに食べさせてあげることもできない。
心から安心してうなぎを食べることができるようになるために、国も業者も消費者も考えなければいけない時期が来ているようだ。
【教えてくれたのは】
中央大学法学部教授・海部健三さん
著書に『結局、うなぎは食べていいのか問題』(岩波書店)
https://nordot.app/1058131030131147725?c=516798125649773665
稚魚は天然しか手に入らんのじゃ無かったかな?
稚魚を産ませる所まで完全な養殖が成功したと言う記事が有ったんでもうすぐこんな議論は終わるさ
稚魚を川から根こそぎかっさらってそれを養殖するんだ。
皆が買うから密漁されるんだよ。
ウナギなんか冷凍なんだから特売投げ売りになるまでスーパー虐めてくれや。
廃棄にはならん。
今のところ、養殖でシラスウナギを育てると、1尾あたり3000円ほどかかる
天然のシラスウナギは1尾1000円ほどだから、まだまだ先の話
実はウナギって世界中で食べられてはいるが、不味い魚の代名詞
日本で蒲焼食うと、これがウナギかと皆さん驚く
ちょっとだけ悲しくなるけど
今の中国産て結構美味しいのね
明らかにドブ臭い物にあたってからうなぎ自体食わなくなった
なにも残らないわ
調理して賞味期限3日以内の状態にして売りすぎ
廃棄前提の流通だよな
少しくらい人間らしくなってほしい
ニホンウナギなの?
真面目に牛でもいいよ。
「う」のつく食べ物ならよい。
牛、うどん、梅干しなど鰻より手軽に食べられる
鰻重食べるより牛丼10杯食べる方がお得感があるしね
牛丼って「う」じゃなくね
見映え良くしてるつもりだろうがどちらも大抵不味いし
消費者がなんでそこまでコストかけなければならねえんだよ
そう言えばそうだな
荒らしならともかくソースなら文字制限無い方がいいな
それに山椒味噌をぬって食べていたらしい
再現して食べてみた人の話では食えないことはないがまともな味ではないといっていた
牛肉で代用できる
吐き気する
生きて次世代を再生産出来ないらしいよ。
「絶滅したら困るから 食べたいけど我慢しよう。いつまで我慢したら良いのか誰も分からないけど」
「絶滅したら困るから 今のうちにたくさん食べておかなきゃ!他の誰かの事も未来の誰かの事も二の次。馬鹿正直に禁欲していたら自分が損しちゃう」
の2パターンの人がいるよね
前者はすごく日本的だなーと思う自分もそう。後者は
でもさ、文化が無い国の人は簡単にそう言うかもしれないけど、文化って一度廃れちゃうと復興させるの無理くない?
イギリス料理なんて今も復興してないし、古代ローマの建築技術やら、陶磁器の釉薬やら、例はいっぱいあると思うの
一つの文化が消える時って同時に複数のモノが消えるじゃん
材料、調理法、器具の製造etc... たとえ何らかの記録が残っていたとしてもさ、現代の料理本ですら著者の味を再現できないじゃない
やっぱり文化が消えないように鰻の絶滅を回避すべきじゃないかなぁ
テムズ川のウナギのゼリーって風邪引いた時の鼻水みたいな味だもんな
あれを料理と称してぱくぱく食べるイギリス人はgreatだと思う
ローマに日本の蒲焼に似た料理があったらしい
ローマ凄すぎない?
うさぎ食おうぜ
美味いらしいよ
ウサギ美味しいかの山♪
岐阜でウナギが獲れたのか?と自分の記憶を疑うことがあるけど確かに岐阜の山奥だったはず