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うなぎおじさん
このおじさんの顔はネズミみたいだったよ
このおじさん、三週間前に奥さんに夜逃げされている
ご丁寧に子供も連れられて
話だけ聞くと可愛そうな人だが、話せば話すほど頭のおかしいおじさんである
俺がインターホンを鳴らして出てきた時、何故かゴキジェットを持っていた
そしたらこのおじさん
ん？んーまあな。。。と煮えきらない様子
俺はこの様子を見て、あ、コミュニケーションは訪問販売とは取りたくない人なんだなと即座に判断した
おじさん「で？何しに来たの?」
すかさず訪問理由を並べる俺
険しい表情をして聞いていたが、段々と顔が明るくなった
何だ～それの説明かー
俺はてっきり、強盗でもやってきたのかと思ってさー
慌てて催涙スプレー探したんだけど見つからなくってさー
とりあえず目についたスプレー持ってきちゃったよ～
とほざきやがる
しかも良く見たらライターも持ってた
危ねえ、説明を一歩間違えれば俺は北斗の拳の汚物は消毒だ～のごとく火達磨にされていたということだ
で？俺がそれ買ったら何か得ある訳？
高いんだから勿論あるよね?
勿論です～、じゃないと来れませんよ～
とできる俺は透かさず営業スマイルを浮かべる
まあ、メリットありそうだし来週来てよと商談日もスムーズに決まった
だが、この商談日に
この ネ ズ ミ 顔 は
飛 び や が っ た
俺は会社の上司にルンルンで報告していたのだ
変わり者だったけど、ちゃんと商談日決めましたよ
俺商談決めてきますね!と
上司は、おう良い報告待っとるわ
と笑顔で答えてくれていたのに
前日に電話も入れて都合の変更もないとあのネズミは言っていたのに、いざ行ったらいない
実はこの商談日、俺の初商談の日だったのだ
昇進したてでこれは不味い
パニックになった俺は、本来直ぐ様報告するべきだったのに、何を思ったかこのおじさんに鬼電した
5分間の間に3回電話を入れていたのを良く覚えている
お世話になります～と言いかけたところ、ウンコをするような音が聞こえた
ブリブリブチチチィ!
びっくりして、うお！？と声を上げる俺
そしてうお！？に反応してうおおう！？と返してくるおじさん
えーと、◯◯さんで合ってますよね?とすぐに平静を装い聞く俺
おう、そうだよ
と明るい声で答えるおじさん
ちなみに、そうだよと言っている間にも屁を出す音は聞こえていた
いやー、うんこしてたというかしてるんだけど、あまりに電話が掛かってくるから急ぎなのかな?と思って出ちゃったんだよね
とほざく
正直怒りレベルが限界に近いが、今日が晴れ舞台になる日だと確信していた俺はぐっと怒りを飲み込んだ
あー、そのことなんですけど、今日って2時のお約束でしたよね?
何か急用が有りましたか?
と丁寧に聞く俺
そしたらこいつ
いやー、悪いとは思ってんだけどさ
腹減っちゃって、今うなぎ食いに来てるんだよね
まあ話長くなりそうだから精をつけとこうと思ってさ
ごめんね、あと十分ぐらいで帰るから待ってて
等と言っている
完全に舐めてやがる
俺だってうなぎ食いてえよと思っていた
そもそも十分って言ってた癖に、まだ帰ってこない
あー、こりゃダメかなあと思っていたら
電話が来た
ネズミだ
ごめんごめん、ちょっとアイス食べたくなっちゃったからコンビニ寄ってるんだわ
兄ちゃん、何食いたい？と言ってくる
ムカついていた俺はどうにでもなれと思い、
じゃあパピコのヨーグルト味でおなしゃす!←マジでおなしゃすと言った
お、おう、分かったパピコな?と言い、それから15分して帰ってきた
遅くなっちゃって
あ、これパピコ
渡してきたパピコは既に封を切られており、一本渡してきた
もう一本はおじさんが歩き食いしながら帰ってきたそうだ
何はともあれ商談には曲がりなりにも進みそうで良かった
無事に契約も決まり、おじさんも納得してくれたようで安心である
そして雑談をしていたのだが、俺は気になったことを聞いた
そういえば、女性用の用品とか子供服とか有りますけど、独り身なんですよね?
あー、やっぱ気づいちゃうよな
俺実は三週間前に嫁に逃げられちゃってさー
へー、酷いもんですね
ほんとだよ、俺みたいな亭主なんてそうそういないと思うぜ?
こんなに稼ぎ良いんだしさあ
本音では良くあんたの子供生んだな、その奥さんと思っていたがこれは内緒である
平然と約束に遅れて、平然と人を傷つけようとするような奴だ
まともな訳がない
おまけにうんこの音聞かされたし
そして、腹減ったからうなぎ食ってるとか言って平然と約束の時間に遅れるような人物だ
全く変な奴だったよ
うなぎおじさん 終
ディルドキャリアウーマン
お散歩大好きな僕は、何となくこいつ良いんじゃね?と思ったお家を見つけてインターホンを鳴らした
は～い！と明るくも性格が丸そうな、そんな人物像がインターホン越しにひしひしと伝わってくる
こんにちは～、◯◯の☓☓ですー。今ちょっと挨拶に回ってて～
この突っ込みどころ満載なインターホントークに何も言い返して来ず、
あ、今行きまーす
と返してきた
心のなかでは、ガッツポーズを決める俺
どんな奥さんが出てくるのか楽しみである
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俺もこういう人と一回でも良いから等と邪なことしか考えていなかったのは覚えている
しかし話してて気づいたことがある
この奥さん、俺が話してる内容にはいしか言わず、質問もしてこない
あれれ？この人聞く気全くないんかな?普通疑問に思うことあるだろうに何も言ってこんとか何も響いてないかな?等と考える俺
そうこうしてるうちに、
以上が今日の話の内容なんですけど、どうです？興味あります？
こんな事を聞くときは大概相手は興味を持っていない
一回調べてからーとかまた電話しますね～の
どっちかが返ってくるかなーと考えていたら、
え、全然話聞きたいんですけど!
ていうか待ってました!
は？
そうこうしてるうちに、白ギャルは
お兄さん、この後時間ありますか?
もうちょっと詳しく聞きたいんですけど～
え、はい、大丈夫ですよ
良かった～、じゃあちょっと玄関で申し訳ないですけど5分ぐらい待っててください。片付けてきますー
いえいえ、お気になさらず
私が気にするんですー
まあそうだよな
下着とか落ちてたら嫌だもんな
おまたせしましたーとお姉さん
お邪魔しますぅと俺
で、さっきの内容なんですけど～気になったことがあって～
あぁ、気を遣って中に入れてくれたんだなと俺は理解した
この白ギャル、できる女だ
プラン
商品説明
保証内容
正直言って商談レベルのことを聞かれた
本来案内では精々が10分で詳しく話しても20分ぐらいだ
なのにこの日は質問攻めにだったのも相まって、1時間半ほど話してしまった
正直もう契約書にサインさせたいレベルだ
そして大問題がある
あまりに長すぎて、俺は催してしまったのだ
すかさず俺は白ギャルにトイレ借りても良いですか?と訪ねた
白ギャルは何故か
あー、、、今はちょっと。。。
少し我慢できますか?と聞いてくる
漏らしそうな俺は、少しならと答えた
ちょっと待ってて下さいと言われ、三分ほど俺は腹痛に悶えた
ありがとうございます!
と言って立ち上がった瞬間にぶりっと屁を漕いてしまった
恥ずかしさと申し訳無さとその他色々の感情が一瞬にして俺をグチャグチャにしたが、
ごめんなさい、私のせいで
と気を遣ってくるではないか
どこかのネズミと違ってできる女だ
俺は脂汗をかきながらトイレへ
そしてトイレットペーパーがないことに気づく
ヤバイなあ、呼ぶわけにもいかないしなあ
よし探すかと、ペーパーが入ってそうな戸棚を開けた
なんか
チ ン ポ が 立 っ て た
ていうかペーパーは？
あぁ、あった
てか何でちんぽが立ってんの?
ん？そもそもちんぽ生えてる？
謎が謎を呼ぶ
聞こうにも聞けない内容だ
しかしどこからどう見ても、リアルなシリコンちんぽだった
そうこうしてトイレを出た俺は、いやーご迷惑をおかけしましたと挨拶をして後日の商談日を決めた
本当はトイレットペーパー勝手に出しちゃった事も言いたかったけど、それを言うとちんぽを見たことになるので、何も言わなかった
なんか白ギャルがよそよそしい
前はあんなにフレンドリーだったのに
なんか上の空である
大方ちんぽを見られたと思ってるんだろうな
しかし契約は無事に決まった
契約後の雑談で、単身世帯だったことに驚いたと話していたが、やはり上の空である
会話が続かず、気まずい沈黙が流れる
何を話そうかと迷っていたところ、この白ギャルは
あのぉ、見たんですよね?あれ
と言ってきた
何を話そうか迷っていた俺は一瞬何の事を言っているのか分からず、はい？何をですか?と聞いてしまった
この日の商談時間の長さはこの事により長くなっていく
？？？
トイレットペーパーですよ
「あ、ちんぽの話か」
口に出してしまった
ちょ、そんなッ
あぁ、すみません失礼しました
いえいえ、私ももう少し配慮していれば。。。
また沈黙が流れる
しかしこの女
喋る
喋らなければいいのに、喋ったほうが気が楽なんだろうね
あれ、実はなんですけど
彼氏なんです
な ん だ っ て ？
あ、いえあのあれが彼氏なんじゃなくて、元カレのなんです
いまいち理解ができない
どういうことですか?
実は、別れる前なんですけど酔った勢いでふざけて型取りをして作ったものなんですよ
別れた後も定期的に、ね？私今は彼氏いませんから
。。。
何を返せばいいか分からなかったよ
気持ちいいもんなんですか?と率直に聞いてしまった
そしたら、
「やっぱり本物の男の人がいいです」
何だか誘われてる気がしてしまったが、これはそういう会話なだけだ
勘違いしてはいけないと必死に自分に言い聞かせた
そうこうしてるうちに書類の認証が完了し帰ることになった
この度はありがとうございました。また今度挨拶に伺います。と丁寧に頭を下げて帰った。
しかしこの話はここでは終わらない
電車を降りて、折り返す
電話口で白ギャルは、
XXさん、今夜時間ありますか?ご飯行きません?と言ってくる
これはもう誘われてるのだろうと思い、えぇ大丈夫ですよと即答して、帰宅後はルンルンでデートの準備をした
しかし、思ったようにいかないのが世の中だ
食事の席で、ただひたすらに口止めをされただけだったよ
勘違いさせんじゃねーよ
ディルドキャリアウーマン 終
本当はあと何個かあるんだけど、眠くなっちゃったから次が最後
質問あったら書いといてね
ヤクザハウス
ターゲットを探しながら歩く俺
完全にこいつ客になるじゃん!という家を発見
インターホンには
はい、今行きますとだけ言う奥さん
あれぇ、ターゲット層なのにこんな反応してくる奥さんて俺間違えちゃったかな?と首をひねりながら待つこと数十秒
出てきたのはゴリッゴリのギャル
てかキャバ嬢だなこれ
はい、キターとガッツポーズを心中で決める俺
しかし、魔の一句が俺を苦しめる
ごめんなさい、今仕事の電話中で今話せないのよ
また今度来て
この車が停まってたら私居るから
てか私と息子しかいないけど
朝とか昼は寝てるから、昼下がりから夕方来てね
はぁ、分かりました。じゃあまた改めますねー
ご苦労さま
なんかマジっぽそうだな、この人
まあいっかと軽い気持ちで別の家を狙う
行ってみると、車はあったのでインターホンを鳴らす
出てきたのは息子
180cmぐらいのひょろい男である
平日の昼下がりだったので、大学生ですか?と聞いたら、はいと答える
え、あの奥さん、あんな若そうな見た目で大学生の息子いるって
何歳なんだよと心のなかで突っ込む
今お母さんっていますか?
ごめんなさい、今寝てます。
あ、そうですか
じゃあまた来ますねー
こんなやり取りは三回ぐらいしたね
キャバ嬢は32歳
息子は13歳の中2
随分でかいな
ていうか平日の昼間から昼下がりにいつ行ってもいるとか、こいつ不登校なんだなと思っていた
確かに陰キャ臭が半端ないが、何で不登校なんだろうと疑問が湧く
次に行った時、また息子と話せるならそのへんも探ってみようと思っていた
しかし、その次の日は俺は死を覚悟する日になった
ピンポーン
ガチャリ
良く知った息子の顔が出てきた
ただ様子がいつもと違う
いつにもまして陰キャ臭が半端ない
無視してお母さんって寝てますか?と訪ねる
寝てますねぇ
あ、そうですか。じゃあまた今度来ますね
いえ、4時に来てくれれば大丈夫ですよ
おっ、ついに話せるのか
ラッキーと思っていた
しかし、耳を澄ませると家の奥から女の声がする
しかも更に耳を澄ませると、喘ぎ声のようにも聞こえる
俺はこの息子がAV切り忘れたんだなと思っていた
じゃ、またあとで来ますね～
はい
このときの会話で気づいたが、息子の左眼のあたりに青あざができていた
母親に殴られでもしたのだろうか？
しかし、4時に再度訪問した時、俺は全てを理解すると同時に命の危機を感じることになる
必ず契約に結びつけるべく、神妙な面持ちでキャバ嬢宅へと向かう
ピンポーン
30秒程待つが反応がない
居留守である
二度目
5秒くらいして家の中からドタドタバタバタと凄い音がなる
ガチャリ
俺は満面の営業スマイルを浮かべて、出迎えた
しかし相手はお目当ての相手じゃない
なんか真っ裸の勃起した入れ墨ゴリッゴリのデブいおっさんが出てきた
そして血走っている
明らかにヤバいと感じた俺は、失礼しました!と頭を下げて去ろうとした
その瞬間にこのおっさん
怒鳴る
とりあえず
なんじゃオメエゴルァは聞き取れたが、呂律が回っていないのか後は何も聞き取れない
既に玄関先から離れている俺
待てお前ゴルァ
と言いながら、下駄箱辺りをゴソゴソするおっさん
何を取り出したかと思えば、包丁だ
それも刺身包丁
話通じねえし
多分刺される
あのときの俺は人生の中で多分一番足が速い瞬間だったね
アアアアアアアアアアアアアアアア！！！と叫び声を上げながら必死で逃げた
後ろを見てはいないが、追いかけてきてるのは分かった
何故ならペチペチと音がしたから
何がペチペチしてるのかは分からないが
助けてええ！と叫んだつもりだったが、全力疾走で声が多分思ったよりは出ていない
とにかく無我夢中で走った
そうしてる内にペチペチ音は聞こえなくなった
後ろを振り返ったが、入れ墨デブはいなかった
助かったと思い近くのコインパーキングに停めてある車に乗り、タバコを吸った
吸い終わったら警察に電話しようと思って
タバコって立て続けに吸うと頭痛と吐き気に見舞われるね
3本も一気に吸っちゃいかんね
しかし思い返してみると、段々とムカついてくる
車で家の近くまで行って、ファックサインしてから110してやろうと思った
今思うと馬鹿だね
さっさとかけりゃ良いのに
やっぱ冷静さ失うと損でしかないね
まあこの時ばかりは損しなかったけどね
むしろスッキリした
誰か通報してくれたんだなと感謝
そしてデブいおっさんとガウン着たキャバ嬢が見えた
おっさん、凄い人数で抑えつけられてたね
ファックサインしてやったぜ
ザマアミロ
キャバ嬢はキャバ嬢で何か取り囲まれてたし
息子が可哀想だなと胸糞悪い思いもした
あの子は多分今頃18歳なんだろうなとたまに思い出す
人はどこで道を間違えるのか分かったもんじゃない
しかし、道を間違えたままでいると家族に悲しい思いもさせるものだと教訓を与えてくれる家でもありました
ヤクザハウス 終
そのうちまた投稿すると思う
質問や感想があれば宜しく
そしたら次に書く時の励みになる
あと、相手の変人度が低い。
ヤクザは何で捕まったの？
微妙だったよ