ニュートリノアーカイブ最終更新 2023/10/23 21:541.以下、VIPがお送りしますo4b4j標準模型において、ニュートリノの質量はきっかり0である。これは左巻きニュートリノのみを含む標準模型の結果である。適切な右巻きのパートナーがない場合、標準模型に繰り込み可能な質量項を追加することはできない。しかし、測定によりニュートリノはニュートリノ振動により自発的にフレーバーを変化させることが示されており、これはニュートリノに質量があることを意味する。ニュートリノ振動の測定からは異なるフレーバー間の質量差のみがわかる。ニュートリノ質量の絶対値に対する最も良い制約は、三重水素崩壊の正確な測定から得られた2eVという上限であり、これはニュートリノが標準模型の他の粒子よりも少なくとも5桁軽いということを示している。したがって標準模型の拡張により、ニュートリノが質量を得る方法を説明するだけでなく、質量が非常に小さい理由も説明する必要がある。ニュートリノに質量を加える1つのアプローチである所謂シーソー機構は、右巻きニュートリノを追加し、ディラック質量項を持つ左巻きニュートリノを対にするものである。右巻きのニュートリノはステライルニュートリノ、つまり重力以外の標準模型の基本相互作用のいずれにも関与しないニュートリノでなければならない。電荷を持たないことから右巻きニュートリノは自身の反粒子として振る舞い、マヨラナ質量項を持つことができる。標準模型における他のディラック質量と同様、ニュートリノのディラック質量はヒッグス機構を介して生成されることが期待されるため、予測できない。標準模型のフェルミ粒子が持つ質量は各々大きく異なっている。ニュートリノのディラック質量には少なくともこれと同程度の不確実性がある。その一方、右巻きニュートリノのマヨラナ質量はヒッグス機構から生じるものではないため、標準模型を超える新たな物理学のエネルギースケールに結び付けられることが期待される。したがって、右巻きニュートリノを含むあらゆる過程は低エネルギーでは抑えられるだろう。これらの抑えられた過程による補正は、左巻きニュートリノは右巻きマヨラナ質量に反比例する質量を与え、この機構はシーソー機構として知られている。重い右巻きニュートリノの存在により左巻きニュートリノの小さい質量と観測における右巻きニュートリノの不在の両方を説明することができる。しかし、ニュートリノのディラック質量の不確実性により右巻きニュートリノの質量がどのような値をとるのか予測することはできない。例えば、これらはkeV程度の軽さの暗黒物質である可能性もあれば、LHCのエネルギー範囲に質量を持つことにより観測可能なレプトン数の破れにつながる可能性もあり、もしくは右巻きニュートリノはGUTスケールに近いエネルギーを持ち、大統一理論の可能性に結び付けることができる可能性もある。質量項は異なる世代のニュートリノを混合させる。この混合は、クォークにおけるCKM行列と類似するニュートリノにおけるPMNS行列によりパラメータ化される。ほとんどのクォーク混合角が非常に小さいのに比べ、ニュートリノの混合角は非常に大きいと考えられている。このことから混合パターンを説明できような様々な世代間の対称性についての様々な推論がなされた。実験的には調べられていないものの、混合行列にはCP不変性を破るいくつかの複雑なフェーズが含まれている可能性がある。このようなフェーズによって初期宇宙で反レプトンよりも多くのレプトンが生成されたことを説明することができる。このような過程はレプトン生成(leptogenesis)として知られる。これは後の段階で反バリオンより多くのバリオンに変換されるため、この非対称性によって宇宙における物質と反物質の非対称性を説明することができる。初期宇宙における大規模構造の形成を考慮すると、質量の軽いニュートリノでは暗黒物質の観測結果を説明することができない。構造形成のシミュレーションによると、ニュートリノは暗黒物質の候補としては熱すぎ(運動エネルギーが質量に比べ大きい)であり、我々の宇宙の銀河に似た構造を形成するためには冷たい暗黒物質が必要であることが示されている。シミュレーションにおいて、ニュートリノでは解明されていない暗黒物質のうちせいぜい数パーセントしか説明できないことが示されている。しかし、重いステライル右巻きニュートリノは、WIMP(Weakly interacting massive particles)と呼ばれる暗黒物質の候補となりうる。2023/10/23 21:54:361すべて|最新の50件
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ニュートリノに質量を加える1つのアプローチである所謂シーソー機構は、右巻きニュートリノを追加し、ディラック質量項を持つ左巻きニュートリノを対にするものである。右巻きのニュートリノはステライルニュートリノ、つまり重力以外の標準模型の基本相互作用のいずれにも関与しないニュートリノでなければならない。電荷を持たないことから右巻きニュートリノは自身の反粒子として振る舞い、マヨラナ質量項を持つことができる。標準模型における他のディラック質量と同様、ニュートリノのディラック質量はヒッグス機構を介して生成されることが期待されるため、予測できない。標準模型のフェルミ粒子が持つ質量は各々大きく異なっている。ニュートリノのディラック質量には少なくともこれと同程度の不確実性がある。その一方、右巻きニュートリノのマヨラナ質量はヒッグス機構から生じるものではないため、標準模型を超える新たな物理学のエネルギースケールに結び付けられることが期待される。したがって、右巻きニュートリノを含むあらゆる過程は低エネルギーでは抑えられるだろう。これらの抑えられた過程による補正は、左巻きニュートリノは右巻きマヨラナ質量に反比例する質量を与え、この機構はシーソー機構として知られている。重い右巻きニュートリノの存在により左巻きニュートリノの小さい質量と観測における右巻きニュートリノの不在の両方を説明することができる。しかし、ニュートリノのディラック質量の不確実性により右巻きニュートリノの質量がどのような値をとるのか予測することはできない。例えば、これらはkeV程度の軽さの暗黒物質である可能性もあれば、LHCのエネルギー範囲に質量を持つことにより観測可能なレプトン数の破れにつながる可能性もあり、もしくは右巻きニュートリノはGUTスケールに近いエネルギーを持ち、大統一理論の可能性に結び付けることができる可能性もある。
質量項は異なる世代のニュートリノを混合させる。この混合は、クォークにおけるCKM行列と類似するニュートリノにおけるPMNS行列によりパラメータ化される。ほとんどのクォーク混合角が非常に小さいのに比べ、ニュートリノの混合角は非常に大きいと考えられている。このことから混合パターンを説明できような様々な世代間の対称性についての様々な推論がなされた。実験的には調べられていないものの、混合行列にはCP不変性を破るいくつかの複雑なフェーズが含まれている可能性がある。このようなフェーズによって初期宇宙で反レプトンよりも多くのレプトンが生成されたことを説明することができる。このような過程はレプトン生成(leptogenesis)として知られる。これは後の段階で反バリオンより多くのバリオンに変換されるため、この非対称性によって宇宙における物質と反物質の非対称性を説明することができる。
初期宇宙における大規模構造の形成を考慮すると、質量の軽いニュートリノでは暗黒物質の観測結果を説明することができない。構造形成のシミュレーションによると、ニュートリノは暗黒物質の候補としては熱すぎ(運動エネルギーが質量に比べ大きい)であり、我々の宇宙の銀河に似た構造を形成するためには冷たい暗黒物質が必要であることが示されている。シミュレーションにおいて、ニュートリノでは解明されていない暗黒物質のうちせいぜい数パーセントしか説明できないことが示されている。しかし、重いステライル右巻きニュートリノは、WIMP(Weakly interacting massive particles)と呼ばれる暗黒物質の候補となりうる。