【ウクライナ戦争】21世紀は中国が支配するのか、西側が中国の横暴を阻止できるか占う重要な「前哨戦」アーカイブ最終更新 2023/09/29 12:261.ちょる ★???ウクライナ戦争は21世紀の覇者を占う前哨戦ウクライナ戦争は、21世紀は中国が支配するのか、それとも西側が中国の横暴を阻止できるのかを占う重要な「前哨戦」だ。第二次世界大戦は米国が核兵器の開発競争を制して連合国が勝利した。冷戦では、競争や研究開発を促す西側の自由経済システムが非効率な東側の共産主義経済を打ち負かした。平時ではドル安=原油高、ドル高=原油安の法則が成り立つ。しかしウクライナ戦争で地政学上のリスクが増し、狡猾なウラジーミル・プーチン露大統領がサウジアラビアと結託して原油供給制限を年末まで延長すると9月5日に発表。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「サウジとロシア、原油削減のギャンブルで大勝利」と報じた。同紙によると、世界的な景気後退と中国の成長鈍化への懸念、ドル高にもかかわらず、ブレント原油は1バレル=100ドルに向かって上昇する。サウジとロシアはここ数カ月で生産量が減少したものの、膨大な追加収入を手にした。余剰資金はサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の投資キャンペーンを後押しし、プーチンのウクライナ戦争を継続可能にする。制裁が効かないどころか「逆噴射」もしかし現実は厳しい。北朝鮮の金正恩総書記はウラジオストクを訪れ、プーチンに砲弾や対戦車ミサイルを売り込んだ。プーチンは「北朝鮮の指導者は宇宙開発やロケットに大きな関心を示しており、宇宙開発に取り組もうとしている。私たちは新しいものをお見せする」と、北朝鮮が独自の衛星やロケットを打ち上げるのを手助けすることを否定しなかった。ロシア、イラン、北朝鮮の「悪の枢軸」が核とミサイルの脅威を拡散するのを西側は阻止できるのか。欧州のシンクタンク、欧州外交評議会(ECFR)の上級政策研究員アガテ・ドゥマレ氏は新著『バックファイアー』の中で、1970年以降の米国の制裁を検証したところ、対象国が米国の思惑通りに行動を変えた割合は13%に過ぎなかったことを明らかにしている。「制裁は効果がある場合もあるが、そうでない場合も多く、いつ効果が出るかを正確に予測するのは難しい」という。苦痛を味わう対象国の国民を敵に回してしまう恐れもある。米国の制裁に怒ったロシア国民は軍隊に入隊するため列をなしているとも伝えられる。制裁の効果が限定的である理由の一つに制裁がしばしば簡単に回避されることも挙げられる。米国を筆頭とする西側が過去の教訓から学べなければ、「悪の枢軸」を隠れ蓑にする中国に付け入られる恐れが膨らむ。詳しくはこちらhttps://www.newsweekjapan.jp/kimura/2023/09/g7-1.php2023/09/29 12:26:321すべて|最新の50件
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ウクライナ戦争は、21世紀は中国が支配するのか、それとも西側が中国の横暴を阻止できるのかを占う重要な「前哨戦」だ。第二次世界大戦は米国が核兵器の開発競争を制して連合国が勝利した。冷戦では、競争や研究開発を促す西側の自由経済システムが非効率な東側の共産主義経済を打ち負かした。
平時ではドル安=原油高、ドル高=原油安の法則が成り立つ。しかしウクライナ戦争で地政学上のリスクが増し、狡猾なウラジーミル・プーチン露大統領がサウジアラビアと結託して原油供給制限を年末まで延長すると9月5日に発表。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「サウジとロシア、原油削減のギャンブルで大勝利」と報じた。
同紙によると、世界的な景気後退と中国の成長鈍化への懸念、ドル高にもかかわらず、ブレント原油は1バレル=100ドルに向かって上昇する。サウジとロシアはここ数カ月で生産量が減少したものの、膨大な追加収入を手にした。余剰資金はサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の投資キャンペーンを後押しし、プーチンのウクライナ戦争を継続可能にする。
制裁が効かないどころか「逆噴射」も
しかし現実は厳しい。北朝鮮の金正恩総書記はウラジオストクを訪れ、プーチンに砲弾や対戦車ミサイルを売り込んだ。プーチンは「北朝鮮の指導者は宇宙開発やロケットに大きな関心を示しており、宇宙開発に取り組もうとしている。私たちは新しいものをお見せする」と、北朝鮮が独自の衛星やロケットを打ち上げるのを手助けすることを否定しなかった。
ロシア、イラン、北朝鮮の「悪の枢軸」が核とミサイルの脅威を拡散するのを西側は阻止できるのか。欧州のシンクタンク、欧州外交評議会(ECFR)の上級政策研究員アガテ・ドゥマレ氏は新著『バックファイアー』の中で、1970年以降の米国の制裁を検証したところ、対象国が米国の思惑通りに行動を変えた割合は13%に過ぎなかったことを明らかにしている。
「制裁は効果がある場合もあるが、そうでない場合も多く、いつ効果が出るかを正確に予測するのは難しい」という。苦痛を味わう対象国の国民を敵に回してしまう恐れもある。米国の制裁に怒ったロシア国民は軍隊に入隊するため列をなしているとも伝えられる。制裁の効果が限定的である理由の一つに制裁がしばしば簡単に回避されることも挙げられる。
米国を筆頭とする西側が過去の教訓から学べなければ、「悪の枢軸」を隠れ蓑にする中国に付け入られる恐れが膨らむ。
詳しくはこちら
https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2023/09/g7-1.php