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1. 位置づけ
「秦本紀」は『史記』本紀の第5にあたり、周の諸侯としての秦がどのように発生し、
辺境の小国から戦国期に強国へと成長していくまでの過程をたどる章です。
のちの「秦始皇本紀」（第6）が帝国としての秦（始皇帝の在位期）を扱うのに対し、
「秦本紀」はその“前史”――つまり「秦がどうして中国統一をなしうるほどの地位に
上りつめたのか」を説明する基礎部分を担っています。ここで秦王朝の長い系譜と、
徐々に勢力を伸ばすダイナミズムが描かれているので、司馬遷の構成上も
「6で天下統一を語る前に、5で秦の成り立ちを押さえておく」という並べ方になっています。
－中略－
こんなところが「解題」として押さえておくべきポイントです。