男「引っかかったなwwww」幼馴染「…………」アーカイブ最終更新 2023/12/07 18:321.風吹けば名無しCHKHq男「そのサイダーはwww俺がすでに振りまくったwwww」幼馴染「……そう」男「ちょwwwお前顔ベタベタwww」幼馴染「……そうね」男「動くなwwwww拭いてやんよwwwうはwwお前髪サラサラwww」幼馴染「……触っていいとか……言ってない」男「キましたよwwwwやんわりな否定wwwいややんわりじゃないってwwww皆までいうなwwwww」幼馴染「…………」男「無言の圧力wwwキッツいwwww笑えねえwwww」2023/12/07 13:30:11106すべて|最新の50件57.風吹けば名無しCHKHq>>55みててくれ2023/12/07 13:59:4258.風吹けば名無しESa2f男「幼馴染ッ!」ガラッ!男「あ……おじさん、おばさん」男「…………」男「…………」男「…………そうですか。今晩が、山なんですね」男「はい。……着替え取りに、一回家に帰ります」男「分かりました、もしもことがあったら、連絡お願いします」男「……ははっ、そうですよね。こいつのことだから、多分大丈夫だと思います」男「すいません、余計な心配しちゃって。じゃあ、後でまた来ます」2023/12/07 14:00:0759.風吹けば名無しESa2f男(……バカやろ。桜、見るんだろ)男(つーかマジでやめてくれよ。まだ俺、お前に言ってないことがあるんだよ)ぎゃはは、マジウケるー!男(……電車、混んでるな。俺と同年代ぐらいの人もいる。そっか、もう学校終わったのか)その話ホントー!? あいつありえねーし!男(何でだろ、俺、ちょっとズレてる気がする)男(何でこの人たちはこんなに元気なのに、あいつは……)男(不平等じゃないのかよ、これって。おかしいじゃないか)2023/12/07 14:00:4560.風吹けば名無しCHKHq男(どうせこいつら、ドラッグキメて、誰にでもまたがって腰振るような連中なんだろ。なんでこんなヤツらが大声ではしゃいで、外を出歩いてるんだよ)男(幼馴染は、あいつは、何であんな目にあわなくちゃいけないんだ。何万分の1の奇病だか忘れたけど、何で幼馴染だったんだ。あいつじゃなくてもいいじゃないか。何で、何で……)ていうかこの写真ヤバくなーい?ウッソ、あたしの写り超ワルー! ハズっ!男「……るせぇよ」ぎゃはは、こっちだとあんた変なトコ見てる!あーそれ多分ハエ見てた! だってプリん中でうるさかったもん!だからってこんな角度になるー!?うっさい! 別にいいじゃんこんなさー男「うるせぇんだよあんたら!! 黙ってろ!!」ガタッ!!ッ……ご、ごめんなさい。男「口閉じてろっ! 二度としゃべんな!!」な、何あの人。こわッ。雰囲気ヤバ……なんかジャンキーっぽくない?男(クソっ、クソっ、畜生ッ……)2023/12/07 14:01:5361.風吹けば名無しCHKHq男「……戻りました。ええ、しばらく俺が見ときますから、おじさんもおばさんも仮眠とってていいですよ」男「はい、分かりました。大丈夫です」男「…………」幼馴染「…………」男「…………」幼馴染「…………」男「……なあ、知ってるか? 俺さ、志望校判定Bだったんだ。T大医学部。スゲーだろ?」男「つっても、お前がベストコンディションで模試受けてたら、多分お前の方がいい成績だったんだろうな……」男「…………」男「はは、何話してんだろ、俺。やべ、全然話のネタ思いつかねぇ」男「…………」男「頼む、頼むから、目ェ覚ましてくれよ」男「なあ……本当に、頼むよ……」男「好きだ、って、まだ伝えてないんだよ……」2023/12/07 14:02:2862.風吹けば名無しCHKHq男「…………」男(……なんか、俺、叩かれてる……誰かが、俺の名前を呼んでる……誰だよ……)男「…………」??「……男、くん……」男「……ん、あれ? 幼馴染……? ――!?」幼馴染「……おはよう」男「え、え? あれ、ここ病室じゃない……俺の、部屋……!?」幼馴染「……病室? 何言ってる……の?」男「あ、ああww悪いwwなんかこんがらがってwwww」幼馴染「……先に、下行ってる」男 「おおwww」2023/12/07 14:03:3363.風吹けば名無しCHKHq男「まだ桜咲いてねーなwww」幼馴染「……今年も、お花見……する、よね?」男「モチのwwロンよwwww」幼馴染「……うん」パァァ男「…………」2023/12/07 14:03:5064.風吹けば名無しESa2f男「テストのwww結果来た?www」幼馴染「……総合1位……でも、いくつか……教科別で、負けてる……」男「オイww医学部志望ナメんなwww俺にもww意地とかプライドとかあんだよwwwww」幼馴染「……そうね」ニコッ2023/12/07 14:04:0865.風吹けば名無しCHKHq男「5分休みww授業楽勝でござるwww」オイ男! 昼休み体育館でバスケやろうぜ!男「よし来たwwwスリーポイントキメてやんよwwww」球技大会で打ちまくってたもんなー。本物のバスケ部員より活躍とかマジ俺立場ねぇわ(笑)男「今日はww1on1でもするか?www」止めろ俺勝てない……男「落ち込むなってwww他にも人呼ぼうぜwww」2023/12/07 14:04:3466.風吹けば名無しESa2fあーもう分かんない!男「ん?ww」幼馴染「……落ち着いて……これは高次方程式……因数定理を使うの……」うー、またやり直しー?幼馴染「ここまでは……正解……」えっとー。こう?幼馴染「…………」コクやったー! やっと終わったー!男「オイwwその課題ww提出おとといだろwww」2023/12/07 14:05:0267.風吹けば名無しESa2f担当誰だっけ?幼馴染「……江岸先生、だったはず」やっば! あたしえぎっちゃん前の課題も遅れてる!男「つかww今回も手遅れwwww」うあー!幼馴染「……ふふっ」あははは!男「プハハハハ!wwwww」男「………………」男「オイ、何だよこれ」2023/12/07 14:05:2568.風吹けば名無しCHKHq幼馴染「……? どうした……の?」男「なあ幼馴染。何でお前、学校に来てるんだ?」幼馴染「……え?」男君、どうしたの?男「オイ、俺の知ってる幼馴染はどうした。なあ、誰だお前。何だお前。どうなってるんだ。何だよこれ」おいおい、いきなりどうしちまったんだよ。幼馴染「……男?」男「何だよ……!? どうなってる!? オイ、何なんだよ!?」2023/12/07 14:06:0069.風吹けば名無しCHKHq急に叫んでどうしたんだ。ちょっと、男君大丈夫?男「うるッせぇ!!」幼馴染「…………」男「どこだ、ここ。俺の教室なのか? じゃあ何で……幼馴染が元気に登校して、みんなと喋ってるんだ」いつものことじゃん。男君、勉強のしすぎなんじゃないの。お前ちょっとおかしいぞ。大丈夫なのか?男「俺じゃねぇっ! おかしいのはお前らの方だ! お前ら、幼馴染の顔すら覚えてないはずだろうがっ!!」2023/12/07 14:06:2570.風吹けば名無しCHKHq幼馴染「……ねえ、男」男「ああ!?」幼馴染「……私、じゃ……ダメなの?」男「お前、何言って……」幼馴染「……私じゃ、ダメなの?」男「止めろ。……止めろ」幼馴染「……私じゃダメなの?」男「止めろッ! それ以上聞きたくない!」この幼馴染ちゃんは、男君の話に笑顔を返してくれるよ?男「違う! 俺は……そんな……おれは……」この幼馴染は、お前と一緒にいてくれるぞ?男「やめろ……やめてくれ……ちがうんだ……そんな……そんな……」幼馴染「……『私』は、あなたを拒絶したり……しない」男「――――ッ!」2023/12/07 14:06:5871.風吹けば名無しCHKHq男(真っ暗になった)男(何も見えない)男「……違う」男「違う。ああ、違うとも!」男「俺が好きなのは……ずっとずっと好きだったのは……」男「無口で」男「無愛想で」男「ノーリアクションで」男「笑わなくて」男「チョコ渡しても放置したりして」男「何考えてるのか分からなくて」2023/12/07 14:07:2072.風吹けば名無しCHKHq男「……でも」男「言葉にしないけどいつも気遣ってくれて」男「根は優しくて」男「時々レアなリアクションを見せてくれて」男「俺の話を覚えていてくれて」男「俺がいなくなった後にチョコをこっそり食べていて」男「だんだん心を開いてくれて」男「――そんな幼馴染を、俺は好きになったんだ」2023/12/07 14:08:0373.風吹けば名無しCHKHq男「…………」幼馴染「…………」男「俺って間抜けなんだな」幼馴染「…………」男「なあ、そう思うだろ?」幼馴染「…………」男「おい、起きろよ。返事、してくれよ」幼馴染「…………」男「今なら、言える気がするんだ。なんにも迷う必要なんてないって分かったから……だから、」ピーッ、ピーッ、ピーッ、ピーッ男「!」男「な、ナースコールっ! オイ、おじさん、おばさん! 起きて! 幼馴染が……ッ!」2023/12/07 14:08:2674.風吹けば名無しCHKHq男「頼む、頼む、死ぬな。死なないでくれよ、頼むから」脈拍が――電気ショックを――先生、血圧が――処置のしようが――男「オイ、勝手に死ぬな。散々俺のこと無視して、チョコだけ食いやがって、感想もよこさずに、死ぬんじゃねえよ」そんな――先生、どうにか――我々もできるかぎりのことは――もう見守ることしか――男「死ぬな……起きろ……神様、ああ、神様。頼む、俺が死んでもいいから……こいつを……誰か……助けてください……」ピ――――――――――――男「 、」男「 あ 」男「…………」2023/12/07 14:09:0975.風吹けば名無しCHKHq男「…………」幼馴染「」男「静かだな、ここ」男「遺体安置室、か……」男「…………」パサッ男「死んでるんだな、こんな、いつもどおりなのに。ああ、顔色ちょっと悪いか」男「…………」男「……いつもお前ばっかり見てたんだ」男「髪を切るたびにドキドキしてた」男「病気のことはずっと前から知ってたのに……わざと、考えてなかったのかもな」男「幼稚園のころからずっと一緒だったよな」2023/12/07 14:09:5176.風吹けば名無しCHKHq男「お前がいつか、元気になれるように、病気のことなんか気にしなくて済むようにって」男「医者になろうとして、必死こいて勉強して」男「結局俺、何をするにも、理由にお前がいたんだ」男「これからは……どうなるんだろうな」男「お前が好きなんだ」男「十数年間、ずっと」男「晴れでも雨でも」男「暑い日も寒い日も」男「外を走っててもベッドの中で丸まってても」男「いつもいつもずっとずっと――お前のことを考えてきたんだ」男「う、う。う゛ぅぁ゛……」ポロポロ2023/12/07 14:10:1977.風吹けば名無しESa2f男「……」男(久々の、幼馴染の部屋だ)男(でもあいつはいない。ベッドは空っぽだ)男(いつもいたのに……)男(……いや)男(いただけだったんだ。話してただけだ。手を握りもせず。ただ自分を偽って)男(ずっと笑っていれば、幼馴染も元気になる気がした。笑顔を分け与えられる気がした)男「自己満足だったのかもなー」男「……いまさら何言ってんだか」男「ん? 机の上に、何か置いてる……?」『男へ』男「…………」男「……」パサッ2023/12/07 14:10:5478.風吹けば名無しCHKHq『改めて手紙を書くと緊張します。ほとんど毎日顔を合わせているのに、変なものですね』2023/12/07 14:12:4479.風吹けば名無しCHKHq『知ってました。あなたが運動会で大活躍だったって。 騎馬戦では大将を勤め、クラス対抗リレーではアンカーとして3人ほど一気に抜いてトップでゴールしたって。 写真を見せてもらいました。すごく格好良かったです。私もこの目で見たかったです。 知ってました。あなたがずっと、テスト全教科2位だって。お母さんから聞きました。 あなたが頑張ってるのも知ってました。医学部に進もうとしているのも。 私の病気を治す、と七夕の日に短冊に書いてるの、お母さんから聞きました。 本当にうれしくて、涙が出ました。ベランダ越しに笹を見ては元気をもらえました。 知ってました。本当は修学旅行のしおりなんか無かったって。あなたが修学旅行のしおりを、私のために手作りしてくれたって。 行けるはずもないのに無神経だと思ったけど、あなたが私の両親に頭を下げて許可を取り付けてくれたそうですね。 あなたはお母さんに口止めをお願いしたそうですが、お母さんは話してくれました。お母さんのことは責めないでください。きっとそのことを知らなかったら、私、すごく後悔したと思います。2023/12/07 14:13:1680.風吹けば名無しCHKHq修学旅行本当に楽しかったです。 あなたがいてくれて本当に楽しかったです。色んなところを見回りましたね。 写真ありがとうございました。私が写ってる写真、全部先生じゃなくてあなたが買ってくれたのでしょう? 感謝しています。あなたは私の表情を笑いましたが、今手元にある写真の中でもあなたの変顔はひどいですよ。 夏祭りに連れて行ってくれてありがとうございました。 金魚すくい、正直言うと夢中になっているあなたの横顔に見とれていました。 射的の時は……まあ、あなたも男の子なので仕方ないですよね。けど、熊さんのぬいぐるみは本当にうれしかったです。ずっと大切にしたかったです。 そして花火を見る時、隣にいたのがあなたで、本当によかった。あの夏のことは忘れられません。2023/12/07 14:14:3081.風吹けば名無しESa2f 進路調査、何を書いていいのか分かりませんでした。先の長くないこの体で何ができるのか、想像もできませんでした。 あなたが医者になろうとがんばっているのを聞いて、応援しようと思いました。あなたならきっと、いえ絶対、夢を叶えることができると思います。 ただ、私を治療するためにお医者さんになろうとするのは……それは、やめてください。私はもう、だめなんです。 文化祭、お疲れ様です。気づきませんでしたか? 私、実は行ってたんです。 といっても私服でしたし、学校にはほとんど行っていなかったから、誰も分かりませんでした。 劇も見ました。あなたが主演と聞いて楽しみでした。とてもうまい演技だったと思います。舞台の上で、主人公を務めるあなたは、カッコよかったです。観客投票で、ちゃんとあなたに票を入れました。といっても、私の票がなくても、あなたの演技は大差で1位だったと思いますが。2023/12/07 14:14:5982.風吹けば名無しCHKHq 誕生日にくれた携帯電話は宝物になりました。両親も仕事の休憩に電話してくれたりメールしてくれたり、コミュニケーションがうまくいくようになったと思います。 このプレゼントはあなたが発案したそうですね。あなたはいつも、私のために、色んなことをしてくれます。 その度に私は、どんどんあなたへの借りが増えていってしまいます。もう返せそうにありません。 クリスマスプレゼント、ちょっとキザでしたね。雪を降らせるなんて、どこの少女漫画ですか。 けれど、一面の銀世界はとても美しくて、本当にきれいでした。といっても、私が一番みとれたのはあなたなんですが。 オルゴールは毎日聴いてます。あの音楽を聴いていると、なんだか私の体が楽になるんです。目を閉じると、音楽と一緒に、あなたの笑顔が浮かんで、励みになりました。 一緒に過ごした年越しは、最後の楽しい思い出です。どうしても止まらなくて、甘えてしまいました。 ずっとあのままでいたかった。ずっとあなたと一緒にいたい。 ずっと抱きしめていたかった。腕を放したくなかった。あなたを放すと寒かった。あなたの腕を抱きしている間は温かかった。 まだ、離れたくありません。ずっとずっと。離れなくなんてない。2023/12/07 14:15:4883.風吹けば名無しCHKHq 倒れているのに気づいてくれた時……もう限界だと思いました。ずっとあなたに守ってきてもらって、励ましてもらって、それでも、この体はどんどん弱っていきます。 あなたに見つからないよう咳き込むのも、血を吐くのも、負担ではありません。あなたの笑顔を見れるためだったら、それぐらいの我慢は安いものでした。 でももう、限界なんです。私はこれ以上あなたに心配をかけなくない。だから、あんな風に突き放してしまいました。本当に、ごめんなさい。 バレンタインチョコ、美味しかったです。すごく手が込んでて、私にはあんな風には作れそうにありません。 あんまりにキレイで、少しずつ分けて食べました。 食べるたびに泣けてきて、何であの時、お礼を言えなかったんだろう、何であの時、ベッドの中で手に持っていたチョコを渡せなかったんだろう、と後悔しています。 私が作ったのはガトーショコラです。家の冷蔵庫にまだ残っていると思います。もしよかったら、なんて虫のいいことは、言えませんね。 あなたがこの手紙を読むとき、多分私はもう、この世にはいません。 最後に、ずっとずっと、あなたに言いたかったことがあるのです。最後の便箋に、まとめて書き綴りたいと思います。2023/12/07 14:16:3784.風吹けば名無しCHKHq ごめんなさい。ごめんさないごめんなさいごめんなさい。ありがとうって言えなくてごめんさない。何回感謝しても感謝しきれません。一生かけても返せないほど、恩を受けたと思います。 ずっと言いたかったけど言えませんでした素直になれませんでした。ずっと無口で気分を悪くさせました。 本当に、あなたにずっと伝えたかった。 大好きです。あなたのことが大好きです。ずっとずっと大好きでしたこれからも大好きです。 大好き大好き大好き大好き。ありがとう。大好き。今までありがとう。愛してます。死んでも愛してます。絶対にあなたから離れません。2023/12/07 14:17:0585.風吹けば名無しESa2f あなたがいつか、別の誰かを愛しても、それでも私を忘れないでほしいのです。 言葉にして言えませんでした愛してます大好きです。ずっとあなただけ見ていました。これからもずっと見ています。 髪を切るたびドキドキしていました目が離せませんでした。あなたが笑うたびに私も嬉しくなりました。あなたが悲しむと私も泣きそうになりました。 どこにいても見守っています。夢を追いかけるあなたを、あなただけを応援しています。 いつまでも愛しています。大好きです。愛しています。 さようなら』2023/12/07 14:17:5686.風吹けば名無しCHKHq男「…………」男「……あ、あ、あああ。う、ぁ」男「う゛……っう、あ゛、ぁ゛ぁ゛ぁ゛」男「あああああああああっ! ああ、ああああああああああああああ!!」男「ああああ! あ、あぁぁぁぁぁ……」2023/12/07 14:18:3787.風吹けば名無しCHKHq男「愛してるんだっ! 俺も、お前のことを愛してたんだ! 大好きだったんだ! ひたすらお前が大好きだったんだ!」男「なぁ……どこだよ、どこにいるんだよぉっ!」男「見守ってくれるんだろっ!? どこだよどこにいるんだよ姿を見せてくれっ! 声を聞かせてくれ! 手を握らせてくれ!」男「あああああ……俺も、大好きだ……グズッ、愛してる……グズッ、ズズッ、愛してる……ずっとずっと……時間を跳び越えてでも……不可能を可能にしてでも、もう一度……会いたいよっ……」男「何でいなくなっちまうんだよ……っ。俺の、見守ってくれるんだろ? なあ、なあっ!」男「…………」男「まだ、続きが……?」『P.S. 携帯のボイスメモ 一番上』2023/12/07 14:19:0188.風吹けば名無しCHKHq男「…………」シャッシャッ男(データが大量に……どれも6秒とかその辺だ)男(ひょっとして、失敗したデータの消し方分かんなかったのかな)男(一番上……7秒か)男(再生)男「……ははっ、指が震えてら」男(怖ぇな。何が入ってんだか分かんねえ)男「でも。これを聞かなきゃ。多分……前に進めない。だから」ピッ2023/12/07 14:19:2689.風吹けば名無しsBKP4まとめ動画を投稿しているのですがこのスレまとめてもよろしいですか?2023/12/07 14:19:4590.風吹けば名無しCHKHq男(何が聞こえるのかなんて分かってた)男(もう二度と、俺の耳を打つことはないであろう声)『……男』男(名前を呼ばれるたびに、何でもできる気がした)男(何万分の一っていう確率の奇病も魔法みたいに治して)男(ずっとずっと前にさかのぼってやり直して)男(あいつを、幸せにして)男(でも……実際には、できやしなかった)男(…………)男(……俺は。俺は、おれは)男(あいつのために、なにか、できたのかな)2023/12/07 14:19:5791.風吹けば名無しCHKHq>>89いいよ2023/12/07 14:20:1192.風吹けば名無しESa2f『――――だいすきだよ』「…………ああ。おれも、だいすきだ」2023/12/07 14:21:1393.風吹けば名無しCHKHq.2023/12/07 14:22:1094.風吹けば名無しESa2f.2023/12/07 14:22:3795.風吹けば名無しCHKHq風が吹く。桜が散る。花びらが舞う。桜色の竜巻のすぐそばに、あいつの眠る場所がある。「すげぇなwwwお前ww毎年花見できるじゃねえかwwwww桜見たかったってwww言ってたしwwwドンピシャだなwwww」ウソだ。俺が手配したのだ、この場所は。あいつが見たがっていた桜を毎年見せてあげられるように。花束を墓前に捧げ、墓石をなでる。やっと。やっと、俺の方から触れた。「俺wwがんばるwwwwからww」2023/12/07 14:23:0596.風吹けば名無しESa2fスーツにはまだ慣れない。職場では白衣だが、まだ学生気分が抜け切らないんだ。そう簡単に社会人の仲間入りは果たせねーな。「だからwwww見ててくれwww」背を向けた。頬を伝う熱い水を見られたくなかった。俺は最後までクールガイなんだよ。宣誓にも近い儀式が終わる。金縛りにあったみたいに、足が動いてくれねぇ。いいんだ、これで。未練があって、いいんだ。なんていっても、「大好きwwwだしなww」風がまた吹いた。花びらが鼻先をかすめ思わず目を閉じる。まぶたの裏に、確かに、あいつの顔が見えた。……ばっかやろ。そういう時は、わざとでもいいから、笑顔にしろよ。何いつも通りの無表情で出てきてんだ。振り向いた。花束が風で少し動いてる。それ以上に。もう一度、言いたかった。2023/12/07 14:24:4197.風吹けば名無しCHKHq「大好きだ、幼馴染。愛してる」そして、確かにその時、幻聴なんかじゃなく、俺の耳には聞こえたんだ。――あいつの、声が。『……私も……大好き』終2023/12/07 14:25:1098.風吹けば名無しmTezyお、いいやん俺これ好きなんだよなー2023/12/07 14:41:0599.風吹けば名無しVwcD4感動したしたしたシター2023/12/07 15:13:26100.風吹けば名無しm0h3J長すぎい!AI!3行に要約して2023/12/07 15:29:02101.風吹けば名無しVwcD4>>100ワイ幼馴染みせっくす2023/12/07 15:31:28102.風吹けば名無しF4hTT>>101プラトニックやぞ😡2023/12/07 16:24:50103.風吹けば名無しgK62B懐かしいなこのスレ2023/12/07 16:30:25104.風吹けば名無しFWsHq>>101うおおおおおおおお!!!漫画化希望!2023/12/07 17:53:45105.風吹けば名無しXQk1pこれほんと好き2023/12/07 18:04:11106.風吹けば名無しXQk1p>>100幼馴染不登校で友達男のみ幼馴染顔に出さないだけで男好き男も幼馴染好きで相思相愛でも幼馴染には病気があり長くは行きられない1年が経ち病気悪化夜が山そして奇跡が起こるはずもなく死ぬそして桜の木の近くに墓置かれる最後に幽霊として現れる2023/12/07 18:32:59
【MX】〈物語〉シリーズ→妻、小学生になる。→君100(再)→神之塔-Tower of God- 工房戦→村井の恋→MFゴースト 2nd season→わた婚(再)→大正偽りブラヰダルなんでも実況J211055.52024/11/24 21:56:58
幼馴染「……そう」
男「ちょwwwお前顔ベタベタwww」
幼馴染「……そうね」
男「動くなwwwww拭いてやんよwwwうはwwお前髪サラサラwww」
幼馴染「……触っていいとか……言ってない」
男「キましたよwwwwやんわりな否定wwwいややんわりじゃないってwwww皆までいうなwwwww」
幼馴染「…………」
男「無言の圧力wwwキッツいwwww笑えねえwwww」
みててくれ
男「あ……おじさん、おばさん」
男「…………」
男「…………」
男「…………そうですか。今晩が、山なんですね」
男「はい。……着替え取りに、一回家に帰ります」
男「分かりました、もしもことがあったら、連絡お願いします」
男「……ははっ、そうですよね。こいつのことだから、多分大丈夫だと思います」
男「すいません、余計な心配しちゃって。じゃあ、後でまた来ます」
男(つーかマジでやめてくれよ。まだ俺、お前に言ってないことがあるんだよ)
ぎゃはは、マジウケるー!
男(……電車、混んでるな。俺と同年代ぐらいの人もいる。そっか、もう学校終わったのか)
その話ホントー!? あいつありえねーし!
男(何でだろ、俺、ちょっとズレてる気がする)
男(何でこの人たちはこんなに元気なのに、あいつは……)
男(不平等じゃないのかよ、これって。おかしいじゃないか)
男(幼馴染は、あいつは、何であんな目にあわなくちゃいけないんだ。何万分の1の奇病だか忘れたけど、何で幼馴染だったんだ。あいつじゃなくてもいいじゃないか。何で、何で……)
ていうかこの写真ヤバくなーい?
ウッソ、あたしの写り超ワルー! ハズっ!
男「……るせぇよ」
ぎゃはは、こっちだとあんた変なトコ見てる!
あーそれ多分ハエ見てた! だってプリん中でうるさかったもん!
だからってこんな角度になるー!?
うっさい! 別にいいじゃんこんなさー
男「うるせぇんだよあんたら!! 黙ってろ!!」ガタッ!!
ッ……ご、ごめんなさい。
男「口閉じてろっ! 二度としゃべんな!!」
な、何あの人。こわッ。
雰囲気ヤバ……なんかジャンキーっぽくない?
男(クソっ、クソっ、畜生ッ……)
男「はい、分かりました。大丈夫です」
男「…………」
幼馴染「…………」
男「…………」
幼馴染「…………」
男「……なあ、知ってるか? 俺さ、志望校判定Bだったんだ。T大医学部。スゲーだろ?」
男「つっても、お前がベストコンディションで模試受けてたら、多分お前の方がいい成績だったんだろうな……」
男「…………」
男「はは、何話してんだろ、俺。やべ、全然話のネタ思いつかねぇ」
男「…………」
男「頼む、頼むから、目ェ覚ましてくれよ」
男「なあ……本当に、頼むよ……」
男「好きだ、って、まだ伝えてないんだよ……」
男(……なんか、俺、叩かれてる……誰かが、俺の名前を呼んでる……誰だよ……)
男「…………」
??「……男、くん……」
男「……ん、あれ? 幼馴染……? ――!?」
幼馴染「……おはよう」
男「え、え? あれ、ここ病室じゃない……俺の、部屋……!?」
幼馴染「……病室? 何言ってる……の?」
男「あ、ああww悪いwwなんかこんがらがってwwww」
幼馴染「……先に、下行ってる」
男 「おおwww」
幼馴染「……今年も、お花見……する、よね?」
男「モチのwwロンよwwww」
幼馴染「……うん」パァァ
男「…………」
幼馴染「……総合1位……でも、いくつか……教科別で、負けてる……」
男「オイww医学部志望ナメんなwww俺にもww意地とかプライドとかあんだよwwwww」
幼馴染「……そうね」ニコッ
オイ男! 昼休み体育館でバスケやろうぜ!
男「よし来たwwwスリーポイントキメてやんよwwww」
球技大会で打ちまくってたもんなー。本物のバスケ部員より活躍とかマジ俺立場ねぇわ(笑)
男「今日はww1on1でもするか?www」
止めろ俺勝てない……
男「落ち込むなってwww他にも人呼ぼうぜwww」
男「ん?ww」
幼馴染「……落ち着いて……これは高次方程式……因数定理を使うの……」
うー、またやり直しー?
幼馴染「ここまでは……正解……」
えっとー。こう?
幼馴染「…………」コク
やったー! やっと終わったー!
男「オイwwその課題ww提出おとといだろwww」
幼馴染「……江岸先生、だったはず」
やっば! あたしえぎっちゃん前の課題も遅れてる!
男「つかww今回も手遅れwwww」
うあー!
幼馴染「……ふふっ」
あははは!
男「プハハハハ!wwwww」
男「………………」
男「オイ、何だよこれ」
男「なあ幼馴染。何でお前、学校に来てるんだ?」
幼馴染「……え?」
男君、どうしたの?
男「オイ、俺の知ってる幼馴染はどうした。なあ、誰だお前。何だお前。どうなってるんだ。何だよこれ」
おいおい、いきなりどうしちまったんだよ。
幼馴染「……男?」
男「何だよ……!? どうなってる!? オイ、何なんだよ!?」
ちょっと、男君大丈夫?
男「うるッせぇ!!」
幼馴染「…………」
男「どこだ、ここ。俺の教室なのか? じゃあ何で……幼馴染が元気に登校して、みんなと喋ってるんだ」
いつものことじゃん。男君、勉強のしすぎなんじゃないの。
お前ちょっとおかしいぞ。大丈夫なのか?
男「俺じゃねぇっ! おかしいのはお前らの方だ! お前ら、幼馴染の顔すら覚えてないはずだろうがっ!!」
男「ああ!?」
幼馴染「……私、じゃ……ダメなの?」
男「お前、何言って……」
幼馴染「……私じゃ、ダメなの?」
男「止めろ。……止めろ」
幼馴染「……私じゃダメなの?」
男「止めろッ! それ以上聞きたくない!」
この幼馴染ちゃんは、男君の話に笑顔を返してくれるよ?
男「違う! 俺は……そんな……おれは……」
この幼馴染は、お前と一緒にいてくれるぞ?
男「やめろ……やめてくれ……ちがうんだ……そんな……そんな……」
幼馴染「……『私』は、あなたを拒絶したり……しない」
男「――――ッ!」
男(何も見えない)
男「……違う」
男「違う。ああ、違うとも!」
男「俺が好きなのは……ずっとずっと好きだったのは……」
男「無口で」
男「無愛想で」
男「ノーリアクションで」
男「笑わなくて」
男「チョコ渡しても放置したりして」
男「何考えてるのか分からなくて」
男「言葉にしないけどいつも気遣ってくれて」
男「根は優しくて」
男「時々レアなリアクションを見せてくれて」
男「俺の話を覚えていてくれて」
男「俺がいなくなった後にチョコをこっそり食べていて」
男「だんだん心を開いてくれて」
男「――そんな幼馴染を、俺は好きになったんだ」
幼馴染「…………」
男「俺って間抜けなんだな」
幼馴染「…………」
男「なあ、そう思うだろ?」
幼馴染「…………」
男「おい、起きろよ。返事、してくれよ」
幼馴染「…………」
男「今なら、言える気がするんだ。なんにも迷う必要なんてないって分かったから……だから、」
ピーッ、ピーッ、ピーッ、ピーッ
男「!」
男「な、ナースコールっ! オイ、おじさん、おばさん! 起きて! 幼馴染が……ッ!」
脈拍が――電気ショックを――先生、血圧が――処置のしようが――
男「オイ、勝手に死ぬな。散々俺のこと無視して、チョコだけ食いやがって、感想もよこさずに、死ぬんじゃねえよ」
そんな――先生、どうにか――我々もできるかぎりのことは――もう見守ることしか――
男「死ぬな……起きろ……神様、ああ、神様。頼む、俺が死んでもいいから……こいつを……誰か……助けてください……」
ピ――――――――――――
男「 、」
男「 あ 」
男「…………」
幼馴染「」
男「静かだな、ここ」
男「遺体安置室、か……」
男「…………」パサッ
男「死んでるんだな、こんな、いつもどおりなのに。ああ、顔色ちょっと悪いか」
男「…………」
男「……いつもお前ばっかり見てたんだ」
男「髪を切るたびにドキドキしてた」
男「病気のことはずっと前から知ってたのに……わざと、考えてなかったのかもな」
男「幼稚園のころからずっと一緒だったよな」
男「医者になろうとして、必死こいて勉強して」
男「結局俺、何をするにも、理由にお前がいたんだ」
男「これからは……どうなるんだろうな」
男「お前が好きなんだ」
男「十数年間、ずっと」
男「晴れでも雨でも」
男「暑い日も寒い日も」
男「外を走っててもベッドの中で丸まってても」
男「いつもいつもずっとずっと――お前のことを考えてきたんだ」
男「う、う。う゛ぅぁ゛……」ポロポロ
男(久々の、幼馴染の部屋だ)
男(でもあいつはいない。ベッドは空っぽだ)
男(いつもいたのに……)
男(……いや)
男(いただけだったんだ。話してただけだ。手を握りもせず。ただ自分を偽って)
男(ずっと笑っていれば、幼馴染も元気になる気がした。笑顔を分け与えられる気がした)
男「自己満足だったのかもなー」
男「……いまさら何言ってんだか」
男「ん? 机の上に、何か置いてる……?」
『男へ』
男「…………」
男「……」パサッ
『改めて手紙を書くと緊張します。ほとんど毎日顔を合わせているのに、変なものですね』
騎馬戦では大将を勤め、クラス対抗リレーではアンカーとして3人ほど一気に抜いてトップでゴールしたって。
写真を見せてもらいました。すごく格好良かったです。私もこの目で見たかったです。
知ってました。あなたがずっと、テスト全教科2位だって。お母さんから聞きました。
あなたが頑張ってるのも知ってました。医学部に進もうとしているのも。
私の病気を治す、と七夕の日に短冊に書いてるの、お母さんから聞きました。
本当にうれしくて、涙が出ました。ベランダ越しに笹を見ては元気をもらえました。
知ってました。本当は修学旅行のしおりなんか無かったって。あなたが修学旅行のしおりを、私のために手作りしてくれたって。
行けるはずもないのに無神経だと思ったけど、あなたが私の両親に頭を下げて許可を取り付けてくれたそうですね。
あなたはお母さんに口止めをお願いしたそうですが、お母さんは話してくれました。お母さんのことは責めないでください。きっとそのことを知らなかったら、私、すごく後悔したと思います。
あなたがいてくれて本当に楽しかったです。色んなところを見回りましたね。
写真ありがとうございました。私が写ってる写真、全部先生じゃなくてあなたが買ってくれたのでしょう?
感謝しています。あなたは私の表情を笑いましたが、今手元にある写真の中でもあなたの変顔はひどいですよ。
夏祭りに連れて行ってくれてありがとうございました。
金魚すくい、正直言うと夢中になっているあなたの横顔に見とれていました。
射的の時は……まあ、あなたも男の子なので仕方ないですよね。けど、熊さんのぬいぐるみは本当にうれしかったです。ずっと大切にしたかったです。
そして花火を見る時、隣にいたのがあなたで、本当によかった。あの夏のことは忘れられません。
あなたが医者になろうとがんばっているのを聞いて、応援しようと思いました。あなたならきっと、いえ絶対、夢を叶えることができると思います。
ただ、私を治療するためにお医者さんになろうとするのは……それは、やめてください。私はもう、だめなんです。
文化祭、お疲れ様です。気づきませんでしたか? 私、実は行ってたんです。
といっても私服でしたし、学校にはほとんど行っていなかったから、誰も分かりませんでした。
劇も見ました。あなたが主演と聞いて楽しみでした。とてもうまい演技だったと思います。舞台の上で、主人公を務めるあなたは、カッコよかったです。観客投票で、ちゃんとあなたに票を入れました。といっても、私の票がなくても、あなたの演技は大差で1位だったと思いますが。
このプレゼントはあなたが発案したそうですね。あなたはいつも、私のために、色んなことをしてくれます。
その度に私は、どんどんあなたへの借りが増えていってしまいます。もう返せそうにありません。
クリスマスプレゼント、ちょっとキザでしたね。雪を降らせるなんて、どこの少女漫画ですか。
けれど、一面の銀世界はとても美しくて、本当にきれいでした。といっても、私が一番みとれたのはあなたなんですが。
オルゴールは毎日聴いてます。あの音楽を聴いていると、なんだか私の体が楽になるんです。目を閉じると、音楽と一緒に、あなたの笑顔が浮かんで、励みになりました。
一緒に過ごした年越しは、最後の楽しい思い出です。どうしても止まらなくて、甘えてしまいました。
ずっとあのままでいたかった。ずっとあなたと一緒にいたい。
ずっと抱きしめていたかった。腕を放したくなかった。あなたを放すと寒かった。あなたの腕を抱きしている間は温かかった。
まだ、離れたくありません。ずっとずっと。離れなくなんてない。
あなたに見つからないよう咳き込むのも、血を吐くのも、負担ではありません。あなたの笑顔を見れるためだったら、それぐらいの我慢は安いものでした。
でももう、限界なんです。私はこれ以上あなたに心配をかけなくない。だから、あんな風に突き放してしまいました。本当に、ごめんなさい。
バレンタインチョコ、美味しかったです。すごく手が込んでて、私にはあんな風には作れそうにありません。
あんまりにキレイで、少しずつ分けて食べました。
食べるたびに泣けてきて、何であの時、お礼を言えなかったんだろう、何であの時、ベッドの中で手に持っていたチョコを渡せなかったんだろう、と後悔しています。
私が作ったのはガトーショコラです。家の冷蔵庫にまだ残っていると思います。もしよかったら、なんて虫のいいことは、言えませんね。
あなたがこの手紙を読むとき、多分私はもう、この世にはいません。
最後に、ずっとずっと、あなたに言いたかったことがあるのです。最後の便箋に、まとめて書き綴りたいと思います。
ずっと言いたかったけど言えませんでした素直になれませんでした。ずっと無口で気分を悪くさせました。
本当に、あなたにずっと伝えたかった。
大好きです。あなたのことが大好きです。ずっとずっと大好きでしたこれからも大好きです。
大好き大好き大好き大好き。ありがとう。大好き。今までありがとう。愛してます。死んでも愛してます。絶対にあなたから離れません。
言葉にして言えませんでした愛してます大好きです。ずっとあなただけ見ていました。これからもずっと見ています。
髪を切るたびドキドキしていました目が離せませんでした。あなたが笑うたびに私も嬉しくなりました。あなたが悲しむと私も泣きそうになりました。
どこにいても見守っています。夢を追いかけるあなたを、あなただけを応援しています。
いつまでも愛しています。大好きです。愛しています。
さようなら』
男「……あ、あ、あああ。う、ぁ」
男「う゛……っう、あ゛、ぁ゛ぁ゛ぁ゛」
男「あああああああああっ! ああ、ああああああああああああああ!!」
男「ああああ! あ、あぁぁぁぁぁ……」
男「なぁ……どこだよ、どこにいるんだよぉっ!」
男「見守ってくれるんだろっ!? どこだよどこにいるんだよ姿を見せてくれっ! 声を聞かせてくれ! 手を握らせてくれ!」
男「あああああ……俺も、大好きだ……グズッ、愛してる……グズッ、ズズッ、愛してる……ずっとずっと……時間を跳び越えてでも……不可能を可能にしてでも、もう一度……会いたいよっ……」
男「何でいなくなっちまうんだよ……っ。俺の、見守ってくれるんだろ? なあ、なあっ!」
男「…………」
男「まだ、続きが……?」
『P.S. 携帯のボイスメモ 一番上』
男(データが大量に……どれも6秒とかその辺だ)
男(ひょっとして、失敗したデータの消し方分かんなかったのかな)
男(一番上……7秒か)
男(再生)
男「……ははっ、指が震えてら」
男(怖ぇな。何が入ってんだか分かんねえ)
男「でも。これを聞かなきゃ。多分……前に進めない。だから」ピッ
男(もう二度と、俺の耳を打つことはないであろう声)
『……男』
男(名前を呼ばれるたびに、何でもできる気がした)
男(何万分の一っていう確率の奇病も魔法みたいに治して)
男(ずっとずっと前にさかのぼってやり直して)
男(あいつを、幸せにして)
男(でも……実際には、できやしなかった)
男(…………)
男(……俺は。俺は、おれは)
男(あいつのために、なにか、できたのかな)
いいよ
『――――だいすきだよ』
「…………ああ。おれも、だいすきだ」
.
.
桜が散る。
花びらが舞う。
桜色の竜巻のすぐそばに、あいつの眠る場所がある。
「すげぇなwwwお前ww毎年花見できるじゃねえかwwwww桜見たかったってwww言ってたしwwwドンピシャだなwwww」
ウソだ。俺が手配したのだ、この場所は。あいつが見たがっていた桜を毎年見せてあげられるように。
花束を墓前に捧げ、墓石をなでる。
やっと。
やっと、俺の方から触れた。
「俺wwがんばるwwwwからww」
そう簡単に社会人の仲間入りは果たせねーな。
「だからwwww見ててくれwww」
背を向けた。頬を伝う熱い水を見られたくなかった。
俺は最後までクールガイなんだよ。
宣誓にも近い儀式が終わる。金縛りにあったみたいに、足が動いてくれねぇ。
いいんだ、これで。未練があって、いいんだ。
なんていっても、
「大好きwwwだしなww」
風がまた吹いた。花びらが鼻先をかすめ思わず目を閉じる。
まぶたの裏に、確かに、あいつの顔が見えた。
……ばっかやろ。そういう時は、わざとでもいいから、笑顔にしろよ。何いつも通りの無表情で出てきてんだ。
振り向いた。花束が風で少し動いてる。それ以上に。
もう一度、言いたかった。
「大好きだ、幼馴染。愛してる」
そして、
確かにその時、
幻聴なんかじゃなく、
俺の耳には聞こえたんだ。
――あいつの、声が。
『……私も……大好き』
終
俺これ好きなんだよなー
AI!3行に要約して
ワイ
幼馴染み
せっくす
プラトニックやぞ😡
うおおおおおおおお!!!
漫画化希望!
幼馴染不登校で友達男のみ幼馴染顔に出さないだけで男好き男も幼馴染好きで相思相愛でも幼馴染には病気があり長くは行きられない1年が経ち病気悪化夜が山そして奇跡が起こるはずもなく死ぬそして桜の木の近くに墓置かれる最後に幽霊として現れる