中国主導の一帯一路、終わるアーカイブ最終更新 2023/07/05 13:021.名無しさんg9qg7Q98d前編『習近平“肝いり”の公共事業がアジアを世界の「火薬庫」にしようとしている…岐路に立たされる「一帯一路構想」のヤバすぎる実情』でお伝えしたとおり、一帯一路は、構想内にある各国から見限られようとしている。コロナ禍で低迷した新興国経済のため、債務の返済が滞り中国自身に大きなダメージを与えている。事業投資の余力が減少し、参加国にメリットがなくなってきている。また、現地にチャイナタウンが多数林立する状況で、住民の軋轢が深まっている――欧州ではついに離脱を検討し始める国が現れた。イタリアは2019年、先進7ヵ国(G7)で唯一、一帯一路に加わったが、今年にお入り「多くの恩恵を受けていない」ことを理由に離脱を検討している。中国から欧州向けの国際貨物列車も閑古鳥が鳴いている状態だ(6月5日付東洋ビジネスオンライン)。一帯一路のプロジェクトが実施された途上国の治安が急速に悪化していることも気になるところだ。中国企業がプロジェクトのすべてを受注することから、地元に経済的利益をもたらすことは皆無に等しく、派遣された中国人労働者がそのまま現地に居着いてチャイナタウンをつくるため、地元の住民との間で軋轢が生じてしまうからだ。その最たる例が「親中国」の代表格と評されるパキスタンだろう。中国政府は、2015年、アラビア海に面するグワダルに162億ドルを投じて国際港湾を開発することの見返りとして、パキスタン政府に対しその利用権を43年間保証することを認めさせた。ホルムズ海峡からわずか500キロの距離にあるグワダルは中国にとって戦略的な要衝地であり、その港湾開発は一帯一路を代表するプロジェクトだ。だが、開発当初から住民のデモや分離主義勢力のテロが絶えない状況が続いており、グワダルの治安は日に日に悪化している。カザフスタンやキリギスタン、ミヤンマーなどでも同様の事態が生じていることから、「一帯一路は『反中の道』と化しつつある」との指摘が出ているほどだ。「起死回生」を狙う中国が有望な投資先として注目しているのは、潤沢な財政資金とインフラ建設のニーズを兼ね備えている中東地域だ(6月13日付東洋経済オンライン)。原油や天然ガスの輸出代金を原資とする中東地域のソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)の資産規模は全世界のSWFの約35%を占めており(約4兆ドル)、投じた資金の不良債権化の心配が少ないことは何より魅力的だ。中国が過去半年間で、中東地域でプレゼンスを高めていることも追い風だ。中国は6月に入り、イスラエルとパレスチナの和平仲介についても意欲を見せるようになっている。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのPR企業がアラブ諸国の若者を対象に今年6月に実施した世論調査によれば、80%が「中国を自分の友好国とみなしている」と回答し、中国は「友好的」だと思う国のランキングで2位に浮上した(米国は7位)。だが、筆者は「一帯一路プロジェクトが実施されれば、中東地域もパキスタンと同じ道を歩んでしまうのではないか」との思いを禁じ得ないでいる。民意に反したプロジェクトが強行されれば、「反中の嵐」が巻き起こることは間違いなく、各地でパキスタンの「グワダル」のような事態が進めば、中東地域の地政学リスクが悪化するばかりだろう。ウクライナ戦争後の日本の原油の中東依存度はほぼ100%になった。中東地域における中国の動きについてこれまで以上に細心の注意を払うべきではないだろうか。https://gendai.media/articles/-/112637出典 https://nova.5ch.net/test/read.cgi/livegalileo/16885297422023/07/05 13:02:221すべて|最新の50件
コロナ禍で低迷した新興国経済のため、債務の返済が滞り中国自身に大きなダメージを与えている。事業投資の余力が減少し、参加国にメリットがなくなってきている。また、現地にチャイナタウンが多数林立する状況で、住民の軋轢が深まっている――
欧州ではついに離脱を検討し始める国が現れた。
イタリアは2019年、先進7ヵ国(G7)で唯一、一帯一路に加わったが、今年にお入り「多くの恩恵を受けていない」ことを理由に離脱を検討している。中国から欧州向けの国際貨物列車も閑古鳥が鳴いている状態だ(6月5日付東洋ビジネスオンライン)。
一帯一路のプロジェクトが実施された途上国の治安が急速に悪化していることも気になるところだ。中国企業がプロジェクトのすべてを受注することから、地元に経済的利益をもたらすことは皆無に等しく、派遣された中国人労働者がそのまま現地に居着いてチャイナタウンをつくるため、地元の住民との間で軋轢が生じてしまうからだ。
その最たる例が「親中国」の代表格と評されるパキスタンだろう。
中国政府は、2015年、アラビア海に面するグワダルに162億ドルを投じて国際港湾を開発することの見返りとして、パキスタン政府に対しその利用権を43年間保証することを認めさせた。
ホルムズ海峡からわずか500キロの距離にあるグワダルは中国にとって戦略的な要衝地であり、その港湾開発は一帯一路を代表するプロジェクトだ。
だが、開発当初から住民のデモや分離主義勢力のテロが絶えない状況が続いており、グワダルの治安は日に日に悪化している。
カザフスタンやキリギスタン、ミヤンマーなどでも同様の事態が生じていることから、「一帯一路は『反中の道』と化しつつある」との指摘が出ているほどだ。
「起死回生」を狙う中国が有望な投資先として注目しているのは、潤沢な財政資金とインフラ建設のニーズを兼ね備えている中東地域だ(6月13日付東洋経済オンライン)。原油や天然ガスの輸出代金を原資とする中東地域のソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)の資産規模は全世界のSWFの約35%を占めており(約4兆ドル)、投じた資金の不良債権化の心配が少ないことは何より魅力的だ。
中国が過去半年間で、中東地域でプレゼンスを高めていることも追い風だ。中国は6月に入り、イスラエルとパレスチナの和平仲介についても意欲を見せるようになっている。
アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのPR企業がアラブ諸国の若者を対象に今年6月に実施した世論調査によれば、80%が「中国を自分の友好国とみなしている」と回答し、中国は「友好的」だと思う国のランキングで2位に浮上した(米国は7位)。
だが、筆者は「一帯一路プロジェクトが実施されれば、中東地域もパキスタンと同じ道を歩んでしまうのではないか」との思いを禁じ得ないでいる。
民意に反したプロジェクトが強行されれば、「反中の嵐」が巻き起こることは間違いなく、各地でパキスタンの「グワダル」のような事態が進めば、中東地域の地政学リスクが悪化するばかりだろう。
ウクライナ戦争後の日本の原油の中東依存度はほぼ100%になった。中東地域における中国の動きについてこれまで以上に細心の注意を払うべきではないだろうか。
https://gendai.media/articles/-/112637