Japan Bonds Outperform Peers Thanks to Currency Hedging Year-to-date performance (国別の為替ヘッジも加味した国債利回りパフォーマンスはコピーできない形式ですので元ソースからご覧ください) Source: Bloomberg Note: The hedge returns are based on the assumption that investors short a foreign currency against the dollar using forwards to cover their entire bond position and roll the position at the end of the quarter.
→円安再燃でヘッジのための円ショートがより有利に
高利回りの債券を追い求める投資家にとって、中央銀行がマイナス金利をしばらく維持することを示唆している日本ほど魅力的な国はないだろう。
ブルームバーグの分析によると、3カ月物の為替ヘッジを付けて日本の10年物国債に投資した場合の今年上半期のリターンは12.7%で、他の先進19カ国のリターンを上回った。為替相場で円安が再燃する中、リターンの主因は為替ヘッジで、円は6月30日に心理的節目の1ドル=145円台に一時下落した。
日本と他の主要国の金融政策の乖離(かいり)が円の重しとなる中、今年に入り円に対する弱気な見方は増えてきた。日本銀行の植田和男総裁がインフレの下振れリスクと景気刺激策継続の必要性を繰り返し強調し、政策微調整の思惑を弱めたことも、こうした動きを後押しした。
Japan Bonds Outperform Peers Thanks to Currency Hedging
Year-to-date performance
(国別の為替ヘッジも加味した国債利回りパフォーマンスはコピーできない形式ですので元ソースからご覧ください)
Source: Bloomberg
Note: The hedge returns are based on the assumption that investors short a foreign currency against the dollar using forwards to cover their entire bond position and roll the position at the end of the quarter.
日銀のマイナス金利政策と通貨ベーシスにおける円金利のディスカウントが、投資家にとってヘッジのための円ショート構築をさらに有利なものにする中、為替リスクをヘッジしボラティリティーを調節した後の日本国債利回りは膨張している。
みずほ証券の大森翔央輝チーフデスクストラテジストは、「円安基調が持続し、ドル・円ベーシスのマイナス幅がワイドであれば、海外投資家の目線では外貨建て日本国債等の利回りは魅力的に見える」と言う。
日銀が今年イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)撤廃などの金融政策変更を行わないとの見方を市場が織り込み、「日本国債の利回りがカーブ上、低下してもベーシスの分だけ海外投資家からすれば投資妙味はあり続ける」と付け加えた。
もっとも、円安ヘッジを組み合わせた日本国債の保有にリスクがないわけではない。
日銀が10年債利回りの上限を引き上げれば、キャピタル・ロスが発生する。マイナス金利政策が終了すれば、円ショートには不利だが、多くのエコノミストは今年そうした事態は起きないとみている。
また、日本の当局が円安を抑えるために為替介入を実施した場合、為替ヘッジが逆効果となる可能性もある。神田真人財務官は先週、市場で過度な動きがあれば適切に対応すると警告した。
それでも植田日銀総裁は先週、基調的なインフレ率は足元2%を下回っており、日銀は年末にかけて物価上昇が鈍化するとの見通しだと述べ、ハト派的で慎重なトーンを維持した。政府・日銀は昨年9月と10月に9兆1881億円を投じて通貨を下支えしたが、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを続ける中、円は今年に入り約9%下落している。
植田総裁の緩和スタンスや為替の円安傾向は日本国債にとって好都合であり、今年後半の海外勢の需要維持に役立つかもしれない。ボラティリティーで割った為替ヘッジコスト調整後の日本の10年債利回りは、先進20市場の中で最も高く、2位のシンガポールの倍以上だ。
Japan Bonds Top Global Bond Ranking
(国別の国債データはコピーできない形式ですので元ソースからご覧ください)
Source: Bloomberg
Note: Any discrepancies are due to rounding
りそなホールディングス市場企画部の石田武為替ストラテジストは、「日米の金融政策の方向性の違いにより秋ぐらいまではドル・円は上昇しやすい」と予想。「FRBが利上げを停止しても利下げはまだ先だということであれば、短期金利差自体は残るので環境自体は大きく変わらない」と述べた。
2023年7月3日 11:41 JST
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-03/RX722ST0AFB401