あ?IDなし最終更新 2026/01/28 00:071.馬雷達らくに生きたい知恵を持ちたい金持ちになりたい世の中の悪を消したい2025/10/24 07:23:55266コメント欄へ移動すべて|最新の50件217.夢見る名無しさんマリカ (低い声で)毎晩のように歌うあの賛美歌、寝に帰っていったわ。こっちよ……危ないよ! まったくねえ、お前さん、あたしが見せてあげたもののおかげで、目がつぶれたと思ってるんだろう。 (くすくす笑う)本物だったかどうか、考えてるんじゃない?ホッセン うるさい、黙れよ。マリカ (微笑んで)故郷の言葉じゃ、あたしの名前はレーヌ、女王様って意味なんだ。 お前さんが礼儀をわきまえた男なら、レーヌさんぐらい言ったってよさそうなものだよ。 そうして、あたしにお礼を言う、一時間半というもの、正気をなくさせてくださってありがとうって。 恥ずかしいのかい? つまりは、嬉しくてたまらなかったからじゃないか。女とやる時はね、頭がいかれるって事よ。ホッセン (脅迫的に)うるさい。マリカ 外へ出たよ。さあ、できるだけ水みたいになる事だね、家まですいすい流れて行きな。ちょろちょろ流れてよ、おしっこさん、おやすみ。(彼女はくすくす笑う。ホッセンはマリカの手を離し、左手から姿を消す。マリカは背景のところに戻る、と、後ろからアラブ人の兵士---スマイル---が出てくる。マリカはマッチをすって、笑いを浮かべて、スマイルの手を取ろうとすると、彼は逃げる。遠くで例の声)声 (嗚咽のうちに)今となっては、許せない悪業だよ! 以前は、お前さんたち、若くて、綺麗だった、今じゃ皴だらけじゃないか、 それなのに、男達はお前さんたちの持ってるやっとこから、もう離れる事は出来ないんだ…… (声は遠ざかる)マリカ (スマイルに)さあ、連れて行ってあげるよ。スマイル 俺に触るな。マリカ (微笑んで)洋服を着ちゃったからかい。その半ズボンと上着を着てれば、安全だと思ってるんだね。 俺はきちんとしているって。それであたしなんぞは見るも汚らわしいって。今すぐにね……スマイル 黙れったら!2025/12/29 20:12:26218.夢見る名無しさんマリカ (彼に先立って)こっちへおいで……そこそこ……そろそろと……どうでもあたしは汚らわしいかい? ちゃんとボタンをはめた後じゃ、このあたしなんぞ、ごめんってわけかい?スマイル そうだ。マリカ それならボタンだのジッパーだの、一思いに吹き飛ばしたらどうさ? そう。どうしても帰るってんだね。(彼は姿を消す。同じく左手の袖からである)マリカ (彼を呼んで)勘定は済んでるんだろうね、出てくる前に? (彼女は笑いを浮かべて、背景のところへ戻る。タバコに火をつけ、姿を消す。 第八の背景---家の内部を表しているもの---の背後から、ララが出てくる。 暖炉の前にうずくまり、炎の絵を描いて火を燃やす。黄色いナイト・ガウンを着ている)男の声 (背景の後ろから)俺の靴下は?ララ (髪にブラシをかけながら、あくびをして)汚れた紙に包んであるわ。 (片方の手が背景の後ろから出て、首に上着をかける。ララは背景の後ろに入る。 食料品店を表している背景の背後から、食料品店の親爺と、十五、六の少年が出てくる。彼らは好奇の眼差しで、下の方を覗く。 それから、娼家からは、マリカが出てきて、好奇の目で右手の袖を見やる。 刑務所からは看守が出てきて、食料品店の親爺と同じく下の階を見やる。 家の内部を表している背景の背後から、ララとその亭主が出てくる。 彼はまだちゃんと服を着ていない。彼らは右手の袖の方角を見やる)小僧 (主人に)ずいぶん遅いんですね! 確かに今日ですか?主人 (口やかましく)インゲン豆の重さでも量ったらどうだ。いや、豆の数を勘定しておけ。小僧 おいらだって見たいですよ。2025/12/29 20:14:54219.夢見る名無しさん (そのとき、人々の右手のほうに待望の視線を向けているが、左手からアラブの裁判官の姿が見える。彼は鎖で縛られ、兵隊に引っ張られている。無言のまま、彼は村の広場を表している部分を横びり、それから袖に消え、次いですぐ一つ上のかいに現れ、そこを横切って、刑務所に入る。全ての登場人物たちも、同じく、姿を消す)マリカ (退場する前に)ああ胸糞が悪い。裁判官のやつだ!Ⅳ(黒い背景が一階の、つまり床の上の間口一杯に並んでいる。この背景の付け根には、一列の金の肘掛け椅子が並んでおり、そこには次の人物が眠っていた。ハロルド卿の息子ハロルド卿ヴァンプ将軍銀行家カメラマンアカデミー・フランセーズ会員外人部隊の兵士宣教師ブランケンゼー夫人彼らはぼろをまとっている。ほとんど裸である。それほどそのぼろ服は穴だらけだ。しかし勲章をたくさんつけている。彼らは眠っていたが「コケコッコ-!」とハロルド卿が作る声で、そろそろと、無気力に目を覚ます)2025/12/29 20:16:22220.夢見る名無しさんヴァンプ (あくびをして)何を言ったって、何をしたって無駄よ。絵葉書よ、本物はそれしかないわ! あたしたちの国の絵葉書には、どれにも教会と市役所と川がある---それに釣竿をたれている人が一人---そして山。ホテルとレストランは言うに及ばずね……(沈黙)外人部隊の兵士 誰にだって出来んさ---ブラスバンドを先頭にしてだぞ---われわれのように仕掛けた爆弾の上を通って……吹っ飛ぶ芸当はな! 地平線の無数の点に、ばら撒いてやるのだ、右手を、首を、左の腿を、右足を、左足を……それと血だ! わめきながらな、「やつらは絶対に通さんぞ」と。(沈黙)カメラマン (あくびをしながら)俺たちさ。 (沈黙)銀行家 モンテ・カルロを作ったのは誰かね?カメラマン 絵葉書は俺たちさ。写真術は俺たちと共に生まれた。俺たちと共に死ぬだろう。 俺たちの国に写真に撮るものがある限りは、俺たちも生き残るのさ。(沈黙)写真を撮りすぎるって事は絶対にないからね。(沈黙)ブランケンゼー夫人 (銀行家に)あら、カーテンは?銀行家 カーテン、どうしましたかな?ブランケンゼー夫人 持ってくるのを忘れましたわ。記録に残る間違いだわ、これも。このことと、それから亡くなりました主人のあの腰ふとんね。銀行家 連中がその腰ふとんを見つけても、使いようが分からんでしょうが。 前後さかさまにつけますな、きっと。尻の方を腹のほうにあてがい、尻の方に太鼓腹を持っていって。(間)2025/12/29 20:19:10221.夢見る名無しさんアカデミー会員 (心配げに)何を土台に建設を始めるつもりかね? わしはかの地に滞在している間中、彼らをとっくりと観察してみた。 彼らときた日には、悲惨と屈辱の思い出しか持ち合わせておらんのだ……そうなのだ、一体、何をしでかすつもりなのか? 彼自身が忘れたいと思っているあのおびただしい事実をひとつの枠にはめ込むために、芸術というものが生まれえるのであろうか? もしも芸術がなければ、文化というものもない。一体彼らは天性、崩壊の能力のみを備えておるのか? (金槌の音がしきりと聞こえる)どうだ、今度は檻に釘を打っておる……(沈黙)ハロルド卿 やつらは罪もない一人の女性を殺害したのだ!銀行家 あの子を砂漠へ連れてくるなんて、そもそも間違いでしたな?ハロルド卿 じゃ、どこへやればいいとおっしゃるのかな?アカデミー会員 ポワチエです。(学者ぶって)シャルル・マルテルは、今なおわれら一人一人の内に生き続け、敗れる事を知らんのです。ハロルド卿 われわれはすごすごと、スペインとルシヨンから逆戻りして、この美しい国をやつらの手にまかせるようなまねはしませんぞ。 やつらの中に巣食っていた例の汚らしいもろもろが、われわれのオレンジ畑に、オリーブ園に拡がってくるのも、時間の問題だろうが。宣教師 貴方のほうで気が付かれてよい時ですぞ、彼らは下劣の極みという事態をひとつの神に仕立てたのです。 貴方には、とても彼らを打ち負かす勇気はござるまい。ハロルド卿 軍隊が……2025/12/29 20:21:35222.夢見る名無しさん外人部隊の兵士 (荒っぽくその言葉をさえぎり)とことんまでやれんという事は、周知の事実だ。俺だって俺の怒りをとことんまで発揮できたためしがない、 そんな事をしたらとうに死んじまっている。嬉しくて死んじまうという意味だ。そうなる代わりにだ、こうして傷だらけ、殴り倒され、敵に売り渡されて、 お前さんのくだらないお喋りを聞かなければならん。(唾を吐く)腐った国だ! 隊長がおらん! 政治屋ばかりで頭に立つものがおらんのだ!(再び金槌の音が聞こえる)ヴァンプ それを一番最初に嘆いているのはこのあたしよ。将軍派---大佐だったかな--- あたしの手に接吻しようと思えば、あたしに自分の軍隊の閲兵をさせてくれたもの。 あたしはね、はっきり申し上げますけどね、一番多いときは十八人も、現地人の兵隊を持っていたのよ。ブランケンゼー夫人 (苦々しく)あたくしはね、奥様---かお嬢さんですか---あたくしは自分で働いておりましたんですよ。 ボーイが一人と女中が一人だけ、あたくし、お料理は自分で作っておりましたわ。(沈黙)宣教師 かなり正鵠を得ていると思われます考えは、つまりわれわれは彼らにとって、いわば叛乱を起こすための口実であったという事であります。 われわれというものがなかったならば、いや、あえて申しましょう、われわれの残忍さ、われわれの不正というものがなかったならば、 彼らは壊滅してしまったに違いない。正直に申しましょうか、私はわれわれはまさしく 神の用いられた方便であると信ずるものであります。われわれの神の、そして彼らの神の方便であると。銀行家 われわれはまだ最後の切り札は出しておらんのです。そう、われわれには少なくても、 われわれの先祖伝来の高貴さというものの背後に立てこもる可能性だけは残されている。 全てはわれらの勝利であり、しかもとっくの昔からそうなのです。一体奴らは、何を持っています? 何も持っちゃいない。 (将軍に)とにかく絶対に、英雄になるような可能性をやつらに与えてはなりません。それを利用するにきまってますからな。2025/12/29 20:25:40223.夢見る名無しさん将軍 だからこそわれわれは月の出ない晩に攻撃をかけとるのです。視界はゼロ。英雄の尻の穴を狙うなんて、とても出来ん。宣教師 もっとたちの悪い事を考え付くかもしれませんな。ヴァンプ それでもあたしのお尻をじろじろ見るくらい、あの連中だって知っているわ。もちろんずっと遠くからだわ。(笑う)おさわり、なしよ!宣教師 愛情に満ちた道は彼らに対して拒絶されました、彼らは危険な道を要求しているのです。ブランケンゼー夫人 例の虱のたかった連中の事で一騒動起こしてくださいまして、本当にようございましたわ……宣教師 と申しますのも、私は---あなたはそうではありませんが---虱というものの力を承知いたしておりますので……ブランケンゼー夫人 あれには参りましたわ、ご推量下さいまし、すっかり体中綺麗にしましたのよ、薬がございますの。銀行家 そうですとも、別に何も恥ずかしがる事はない、家内も何匹かやられましてな。どこでですって? 原住民の村ですよ。ヴァンプ つまりあの連中が汚らしくなればなるほど、あたしは清潔に成るっていう訳。世界中の虱をしょいこめばいいのよ、あの連中。宣教師 私もそう申し上げようと思っていたところで。ブランケンゼー夫人 そう思っていらしたなら、はっきりおっしゃっていただかなくてはね。宣教師 (朗誦して)海が引き退くがごとくに、彼らは、われらのもとより引き退いていく、彼らと共に、 あたかも宝物ででもあるかのごとく、彼らのありとあらゆる悲惨を、恥を、瘡蓋を持ち去っていくのだ…… 海が引きの句がごとくに、われら自らのうちにわれらは引き退き、われらの栄光とわれらの伝説とを再びここに見出すのだ。 屑はことごとく、彼らが運び去るのです。彼らはわれらにすき櫛を当ててくれたのだ。銀行家 (識者ぶって)反対の極を作るわけだ。(沈黙)外人部隊の兵士 頭に立つやつさえいればよ! (金槌の音。全員、口をつぐんで、再びうつらうつらしだす)2025/12/29 20:29:44224.夢見る名無しさんⅤ(背景は娼家の内部。冒頭にすでに見た通り。マリカ。彼女は背景の右手に行き、喋る。上から降りてくる人物を見つめているもののごとし)マリカ 天から降ってくるのかい、それとも地獄から上ってくるのかね。お前さんがあたしらのことを見に来るの、 人に知られたくないんならね、身軽にやりな……(第三のアラブ人、マレク登場)さあ、およこし。(彼女は片手を出す、がマレクは駈け去る。マリカは笑う。明かりがつく。背景の後ろから、しどけない姿で、ヂェミラが出てくる。二人ともこわばったスカートをはいて、立ったまま、悠然と話す。ヂェミラはコップと歯ブラシを持っている。話しながら、彼女は歯を磨く)ヂェミラ 三人とも帰ったかい?マリカ ああ、でも、やつらの素顔、お前さんも見ればいいのに。夜をヴェールにしてかぶってくるのさ。 レイラの頭巾と同じだよ。帰る段になれば、今度は酔っ払いの真似だ。 良いと頭巾を一担ぎってわけさ。あたしらにとっては取り囲む輪が段々厚くなってきた…… と、これはあたしの感じだがね。あんたもそう思うかい?ヂェミラ 前のことは知らないからね。あたしはボルドーにいたんだもの。 でも、これで結構順調なんじゃない? 淫売屋の周りには、汚らしいものはつきものさ。マリカ そいつはますます濃く厚くなる。パン屋のおかみは、あたしにおつりをくれる時、にこりともしなくなった。 あたしの方だってもう何も言う気がしない。口をきいたら、あたしは果てが無くなるだろうし、美人になりすぎちまうもの。 あと二、三日したら、あたしは郵便局へ行く事も出来なくなる、いや、もう外へは出られないよ。ヂェミラ 事だねえ……2025/12/29 20:32:42225.夢見る名無しさんマリカ 馬鹿だよ、お前さんていう人は! 連中がここから帰る時みたいな口をきこうってのかい? 勇気がないなら、淫売稼業なんてよした方がいい。 (彼女はポケットからタバコを二本出して一本に火をつけ、もう一本をヂェミラに差し出す)ヂェミラ ごめんよね。マリカ あたしは自分で分かっている、この両方の肩に、あたしは、店をそっくり担ぐだけの力があるんだ。 打ちわって言えば、全ての原因はこのあたしだったんだからね。ヂェミラ あんた方、どんな風にやって来たのさ?マリカ 世間様に向かって罵詈雑言を浴びせるのはまず難しかったね、それじゃあんまり荒っぽいや。 当節は、お前さんも気がついたろうが、およそ冗談の通じない御時世だ、 だからね、ベッドの中で、男供相手の、新しい手を考え出そうと苦労したのさ。 やつらはお互いそのことを喋っていたに違いない、そうとも、 やつらの顔にははっきり書いてあったはずだよ、ここでやつらにくれてやったあの幸せがね。(おふくろの肘掛け椅子にひじをついてもたれていた軍曹が、あくびをし、それからマリカを指差し、滑稽なまでに気取ったポーズをとる)軍曹 (面白がって笑いながら)あんたのいうとおりさ、お見事よ。あたしだって、凄く美人だったのさ。 あんたとあたしと、意見が一致する事なんてあるわけがない、でも世間をうんざりさせるためなら話は別さ……マリカ (軍曹に、ただしヂェミラを見つめながら)あたしが相手じゃ、お前さんのヒロイズムとやら、いくらあっても足りまいが。2025/12/29 20:35:24226.夢見る名無しさん軍曹 (マリカに)おいらのずるさはよ、狐なんてもんじゃないね、おいらはよ、おいらはそりゃずる賢くて、とんと牝狐ってとこさ。マリカ (前と同じ芝居)おいらはもっと強い、もっと厳しい人間さ……軍曹 (前と同じ芝居)あたしはもっと優しくおしとやかで……マリカ おいらは、もっとドライで、もっと冷たい……軍曹 (大声で)おいらの口からあんたの口まで、二人がこんなに離れていてもよ、 今だってつばきの糸を引っ張ることができるのさ、あのなんとも細く、きらきら輝くやつをさ、死神だって……ワルダ (笑いながら、軍曹に)あたしは死神を服従させていたよ…… (おふくろはため息をつく。マリかとヂェミラの間で再び会話が始まる。 袖から、断末魔のあえぎのような絶叫が聞こえる)ヂェミラ 聞いたかい!マリカ オムーの狂乱だよ……あの女、断末魔の苦しみだっていうのに、広場でサイッドを迎えるのは、あの女なんだ。 きっと広場まで、お輿にでも乗せて連れて行くつもりだよ。ヂェミラ あんたの話、続けなよ。マリカ 昔はね---今度の事がある前って意味だよ---昔は、女達はあたしたちを恐れていなかった。 あたしらは、何のやましいところもない、まっとうなお務めをしていただけさ。男達は、自分の家でやるのと同じに、店へ来て、やって帰った。 ところが今じゃ、違ってきたね、まるで地獄の底の幸せみたいに、あたしらのおかげで男供は幸せになるんだ。ヂェミラ (熱心に聞いている)それで?2025/12/29 20:37:35227.夢見る名無しさんマリカ それでさ……お前さんのをおよこし。(二人はタバコを交換する)ありがとよ。あの連中は、店へ来る時、もう、近所の女の所へ行くのとは違う、 まさに淫売屋へ通うようにしてやってくるのさ、壁にぴったり身を摺り寄せ、夜の闇が濃い時に、付け髭をしたり、ばあ様に変装したり、 ドアの下を潜り抜け、壁の中を通り抜けて、中へも入らずぐるぐる回り、ここではトラクターや靴紐を売っているはずだなんて言ってみたり、 ボール紙の鼻をつけたり、自分たちの姿が見えるかどうか遠くに離れてみてみたりして、 つまり分かる? 連中が自分の姿を見えないものにしようとしたおかげで、逆にきらきらと輝きだしたのは一体何か、他でもない、淫売の店さ!ヂェミラ (笑いながら)奴らが磨きに磨いたわけか!マリカ 兵隊が飯盒(はんごう)を磨くようにね。そしてあたしらは、ようやくあたしらの孤独に立ち戻る事が出来た…… 取り戻したのさ、あたしらの……あたしらのつまり……あたしらの真実ってものを。 (ほっとして)辛かったよ。考え出さなきゃならなかった。あたしらの手で、見つけるのさ。 初めは何も分からなかった。でもワルダは、あの背徳の権化のような女は……ヂェミラ その末路はあの通りさ……(間)四十雀の餌をとって来なくちゃ。あんたは……マリカ あたしは一ダースくらいタオルを洗って、漂白しとかなくちゃ。あの男が出てくる前にね…… (ヂェミラは背景の後ろに消える。マリかはまっすぐ立ったままである。自分の前をじっと見つめて、しかし何も見てはいないようだ)小僧 (食料品店の売子である)おいらみたいにした方がいいぜ、股んとこで足を組んでよ、その方がくたびれないぜ。マリカ (小僧に、軽蔑した口調で)お前こそ、洟垂れ小僧のうちに休んでおきな。 今にさ、お前が組んでるその股を、このあたしに解いてもらいたくなった日には、それこそいくら働いたって追いつかないよ。(唾を吐いて、また物思いにふける風を装う)小僧 (口笛を吹いて)ここのところ、おいらのご執心は、スウェーデン女ばっかりだよ!2025/12/29 20:40:44228.夢見る名無しさんⅥ(家の内部)夫 (上着を引っかけながら)淫売がいちゃいやだってのか? 裁判官のやつがろくでなしじゃいかんと言うのか?ララ あたしがいかんなんて、そんな……(間)お昼に帰ってくる? それとも仕事場にいる?夫 帰るよ。ララ 昨日だって言ったわ、あんた……夫 帰るってな……ララ 愛してる、あたしのこと?夫 十一キロあるんだぞ! それで愛してる証拠になるのか? 体に触ってみなきゃ証拠にならんてわけか。それとも、違うか? (最前と同じ叫び声が、袖でする。オムーの声だ)オムーの声 あたしのたまだ! ありゃ、あたしの金玉さ、スカートの下に縛り付けて持っていた小さな砒素のふくろのよ、 水飼い場に毒を撒き散らしてやるための砒素だ!夫 またあのばあ様か! しかも、なんだとよ、広場へ連れて行くって話だ……注射を何本も打ってもらってよ。興奮剤さ……おふくろ (感嘆して)あの女は怒り狂って死ぬよ。 (娼家の背景では、ヂェミラが顔だけ出して)ヂェミラ (マリカに)ほらね、万事終わったわけじゃないよ。小僧 (笑いながら)あのばあ様、三本杖がいるってわけさ。二本の杖が地面で支え、あの叫び声はばあ様を天につないでいらあ。(笑う)2025/12/29 20:44:13229.夢見る名無しさんララ 愛していて、あたしのこと?夫 知りたいなら、上まで上がって来いよ。 (ララは夫の胴にしがみついたまま、その体に添って這い上がるようにして立ち上がる。彼女は彼の体にぴったりと寄り添う)ララ 愛している?夫 (笑いながら、離れて)十二時半に、玄関によ、オレンジの若い木が自転車から降りるだろうよ。 (彼は背景の後ろを通って退場。ララは姿見の前に座って、髪をとかす。 娼家の背景には、マリカが物思いにふけったままでいる)マリカ (そこにはいないヂェミラに)餌、もって来たかい、四十雀の。ララ (姿見の中の自分の姿を見ながら)お昼にあんたは帰ってくる、あんたの木の枝と実を持って。オムーの声 (袖で)もう何も救うものはないと? (途方もない笑い声)いいや、あたしの愛しいはきだめの山がある、あたしに霊感を与えてくれるのはそいつだからね!おふくろ (笑いながら、カディッヂャに)林を横切ったら、あの人、本当に素っ裸であたしらの所へ来るだろうよ。2025/12/29 20:45:47230.夢見る名無しさんⅦ(刑務所を表している背景の背後から、アラブの裁判官が、看守に連れられて出てくる。裁判官は、乱暴に押し出されるようにして、登場)看守の声 (わめきたてる)尻を蹴飛ばされたいのか、貴様! こっちへ来い! 駈けるな、駈けたら捕まえて、張り飛ばしてやる!裁判官 (振り向いて)誓って言うが……看守 (姿を現し)何にかけてだ? こんなろくでなしに、親爺もおふくろもいないだろうが……裁判官 ほんの一分でいい、おふくろを貸してくれ……一人の女が、一分でいい、わしのおふくろになってくれれば、そのおふくろの首にかけて誓う!看守 (厳しく)服を脱げ。(間。その間に裁判官は服を脱ぎ始める) 素っ裸にして、ここへ入れてやる、目録を作ってやる、お前の尻の具合のな。安心しろ、俺の目の保養にしようってんじゃない。 とにかく、ここへは裸で入るんだ。入り口から素っ裸で通るんだぞ。(裁判官は上着を脱いだところである) この緑の上着、どこで見つけた? 白状するのが怖いのか? しかし、おいらに白状したって、そいつは自白にはならんのだよ。どこで見つけた?裁判官 (靴紐を解きながら)盗んだよ。看守 (上着を調べながら)刑務所にいるやつらは、貴様の面など糞食らえだ。来るのが遅すぎたよ。 今じゃ、盗むとき花、アメリカの軍服を着て、黒靴を履いてやるもんさ。その靴下、買ったものか?裁判官 盗んだよ。看守 (肩をすぼめて)素っ裸ではいるんだぞ。その盗んだものはすみに纏めておけ。 入り口を入る所から、素っ裸だ。貴様は刑務所に入る。素っ裸のまま、刑務所の人間になる。そうしたら、お前の着ていたものは返してやろう。 服は着たってかまわん、もうその時はどうでもいいのだ。裁判官 他に泥棒がいるのかね?2025/12/29 20:48:37231.夢見る名無しさん看守 刑務所には泥棒しかいないという理屈が分からんのか? ズボンも脱いで、あっちから行くのだ。刑務所は丘の上だ。 (看守は彼を背景の後ろへ押してやる)若い娘達に貴様の裸なんぞ見せるわけにはいかんからな、 お前の裸の輪郭が、緑の空にくっきり浮き出すところなんぞはな。(突然、例の夫が、自転車を引きながら、家の内部を表す背景のかたわらに現れる。彼は息を切らしている。ララに大声で叫ぶ)夫 やつが来たぞ! 見に来いよ。 (全ての登場人物、すなわち、裁判官、看守、食料品店の主人、小僧、ララ、ヂェミラ、マリカ、おふくろ、カディッヂャ、ワルダ、ピエールは、 中央の村の広場であると想定された場所にやって来る人物を見ようとして、振り向き、或いは下を覗く。 下にいるヨーロッパ人たちは、立ち上がって、半ば体を後ろに向けて、舞台を見ようとする。人々は待っている。ようやく、オムーがやって来る。 村の広場は、チラシを読んでいる負傷兵でいっぱいになる)2025/12/29 20:50:54232.夢見る名無しさんⅧサイッドの到着。(まず最初に、二本の杖に身を支え、バシールとアムールに支えられたオムーが登場する。蒼白である。顔と手とは白粉を塗っている。赤い杖に支えられた、一種の死骸である。黒い服。白粉を塗った、白髪。その声が、響きのない、つまりいわゆる白っぽい声でいけない道理があろうか。彼女は目を細めて、遠くを見やる。右手の袖の方角である。あたかも遠くからやって来る人物を目で追うように、袖のほうへと、四分の一だけ円を描く)オムー あれは小人だよ!バシール まだ遠くにいるからさ。オムー あたしが織ってた時は大きかったよ……それが、今残ってるのはあれっぱかしか……縮んだんだ。(大声で)どうしたい、もっとこっちへおいで! 歩いたらどうだい、ちったあ、歩きなって言うのに! 日陰を通るんだよ、お天道様に当たったら、お前さん、融けちまうよ…… いくらすばしっこくたってもさ……アムール 腰をおろすかい?オムー (ぶっきらぼうに)いいや。小僧 お祝いの大砲、うつのかい?オムー 左へ曲がるんだ……違うよ……違う、違うったら、左だよ……(彼女を取り巻いている男たちに) あたしと同じさ、あの子には、左と右の区別がつかない……右へ曲がったかもしれないね、どうなったかあたしには分からないよ……バシール (憎憎しく)やつをまっすぐな道に連れ戻すのが、俺たちの役目だ。オムー (バシールに)知っているのかよ、お前は、まっすぐな道がどこに通じているか? それから、名前もない獣達……色もなきゃ……影もなきゃ……要するにゼロさ……(大声で)もうちょっと急ぎな。 (そこにいる男達に)親、あの子他事分の背丈と同じくらいに大きくなったよ。2025/12/29 20:53:51233.夢見る名無しさんサレム まるでやつは、自分でも、もう手足をがんじがらめに縛られたつもりでいるみたいだぜ。 (彼は笑う。全員、全ての階で---ヨーロッパ人だけは別だ---彼と共に笑う)オムー (片手で、ひよこを呼ぶ仕草をする)ピーヨ、ピヨ、ピヨ……こっちよ、こっち…… さあ、分からず屋を言わないで。お前をいじめたりはしないよ。ただ剥製にしてあげようって言ってるんだよ……ハメッド 生きたまま剥製か? 俺の提案は違うな……オムー 全ての提案をじっくり検討するのさ。一番いい案に決めればいい。(相変わらず姿の見えないサイッドに)もっとこっちへおいで。ララ (見えないサイッドの方を見つめて)相変わらず、なんでも鵜呑みにしそうな、間抜けな面をしているよ。 あたしは、家の蝿帳の横に置くの使いたいね。その剥製。ネヂュマ あんなのが相手じゃ、レイラも夜は落ち着いていられたわけだ。あたしとはわけが違うね。サレム (笑いながら)お前みたいのが相手じゃ、亭主の方で、夜はおちおち眠れますとよ。 (全員、笑う)ネヂュマ だがね、世間のうわさじゃ、お前さんのところのロバを孕ましたのは、お前だっていうじゃないか。ハメッド ロバが産むのはあいの子だとよ。2025/12/29 20:56:45234.夢見る名無しさんオムー さあさあお続け、お前さんたち! これこそ、あの放蕩息子を迎え入れるのにふさわしいやり方だ。 思い切りおやり。誰彼の容赦はいらない。(相変わらず見えぬサイッドに向かい) お前のほうは、急ぐにゃ及ばない。時間はまだたっぷりある……かわいそうに、足が棒みたいになって、もう歩けないじゃないか。 (他の連中に)あの子に場所を空けておやり。もっと離れて。家も、庭も、もっと後ろにやるんだ。 (と、彼女は背景を動かす)いや、必要とあらば、国中を後ろへ下がらせ、 そうしてこの国の生み出したあの息子を、厳かに迎え入れる! 夜も後ろへ押しやるがいい……天の星星の車輪もまた、 天の車輪のぎりぎりの淵まで追いやって、虚無のさなかに転落させ、そうしてあたしらに、広々と席を譲ってもらうのさ! おいで……さあ……あと三歩……一歩……着いた……(サイッド登場)さあ、お辞儀だ。 (サイッドは帽子を取ってお辞儀をする)どうだね!サイッド どうって、こうして帰ってきたよ……そんな遠くにいたわけじゃないし。(全員、どっと笑う)みんな俺のこと、待っていたのか?バシール お前のためにお祝いの祭をしようっていうんだ。今、準備の最中さ。ここと、それから亡者の国でな。 (重々しく)おまえは俺たちにとって実に役に立った。サイッド (鷹揚に)そう思っていた。だが俺だって随分苦労したのだ、少しは休息が欲しいと思う。ネヂュマ (笑いながら)じゃ、もしお前が網の先にぶら下がる事になったら?サイッド 願ってもないね。天と地の間で……2025/12/29 20:59:14235.夢見る名無しさんオムー お前がこれからどうなるか、その処置はあとで決めるのさ、だが、まずあたしらは、お前を迎え入れ、お前にあたしらの敬意を表さなければならなかった。 お前に必要なのはみんなの褒め言葉。このあたしの方はアスピリンだ。アスピリン! (バシールがアスピリンを二錠渡すと、それを彼女は飲み込む) かなり前から、お前は村のまわりをぐるぐるまわっていたよ……サイッド 道に迷ったんだ。オムー お前が石ころや森の中を踏み迷っていくに連れて、お前はあたしらでは容易に降りていけないもうひとつの領分へと踏み込んでいた。 もちろん、こっちだって、できることは全部やったさ。怒り、悲しみ、ののしり、熱と---あたしは四十一度八分もある!---狂乱と…… 見れば分かるだろう。あたしだって、野原をさまよい、森を横切っている!(笑う)あたしらに道を教えてくれた、お前とお前の素晴しい連れ合い、 お前達は、そうやってあたしらに、道に踏み迷う術を教えてくれたのさ……(再び笑う)サイッド 俺を裁くためには……アムール (笑いながら)裁判官なんぞもういない。いるのは、泥棒と、人殺しと、放火魔ばかりで……ハメッド サイッドと並べれば、裁判官はまだ裁く側だぞ!オムー そんな風に震えなくてもいい、ひどい目に合わせやしないから。裏切りの件はだ、 お前はお前にできることをしたまでだし、しかもこいつは認めざるをえないがね、結局、大した事は出来なかった。 (全員、笑う)いや、分かっているよ、あたしは、お前の意図はよかったんだ。 だからこそ、あたしらだって、それを重く視るつもりさ。だが、お前を裁くってのは、不可能になった。 これまで誰もお前ほど先まで行ってしまった者がいなかったのは……2025/12/29 21:04:03236.夢見る名無しさんナスール (侮辱されたかのように、大げさな口調で)猟に出たハンターが獲物の羽が---かもめだか、アホウドリだか知らんが--- 空から雪のように舞い降りるのを見る度合いは、この俺が、あの子のヴェールの中にスカートだの翼だのを、舞い上がらせて、 それを射落として、之のように舞い降りるようにさせるよりは、よっぽど少ないんだぜ……オムー (ナスールに)あの始めて聖体拝領した可愛い娘の事かい? お前は、逆上してあの子にぶっ放し、やっつけちまった。 サイッドはね、違うんだ。サイッドは一人きりだった。そしてもしあたしらが、あたしらの陶酔のとことんまで、いやほとんどその限界まで、 あたしらを裁く目つきなんぞ気にかけずにいけたというのも、まさにあたしらには幸運にも、お前というものがいたからさ ---お手本としてじゃない、そうとも、お手本としてじゃない!---お前と、いや、お前とレイラという夫婦さ……ところで、レイラは?サイッド レイラ?オムー (不安になって)愛してたのか?サイッド (笑いながら)どうして俺にそんな事が出来たっていうんだ? (上で、おふくろ)おふくろ (ほっとして)よかったよ。あたしは見張ってたんだからね。サイッド (さらに続けて)あいつは、俺からそんな気持ちをなくさすために、ありとあらゆることをやってくれたさ。 俺の方としては、俺は……俺が、一度も気がくじけそうにならなかったなんていうつもりはない、 情愛って物が、俺たちの上に打ち震える一枚の木の葉のように、情愛がふと影を落とす、 だが、すぐ俺は気を取り直した。そうともさ、その点については、安心してくれ。 あいつは怒り狂って死んだよ。そして俺は、俺がくたばるときには……オムー (前の言葉を続けて)お手本としてじゃない。ひとつの旗としてさ。 (沈黙)2025/12/29 21:06:55237.夢見る名無しさんアカデミー会員 (嫌悪の情を示して)ほら、言ったとおりだ。勲章まで行かなければ気がすまんのだ! だが、連中の選んだものは、連中の名誉にはならんね。ヴァンプ あたしたちには、英雄が有り余るほどいるじゃない。そして、あたしたちの英雄のみを飾る、あの有り余る栄光と金。外人部隊の兵士 あんたがそんな口をきくのか?(うんざりして)頭に立つものがおらんて!宣教師 彼らはひとつの組織になろうとしているのです。これこそ、何にもまして彼らを強力に結び付けるひとつの儀式の始まりであります。 (空気を嗅いで)このにおい、私には親しいにおいだ……マリカ あたしだって---このあたしさ、蝋燭を吹き消すときに、やつらが「悪魔の皮」って呼ぶこのあたしだって……シガ それが、蝋燭をつければ、綻びだらけの木綿でね。 (全員、笑う)マリカ 「悪魔の皮」だよ。あたしはあの男が店の階段を上がっていくときには、鳥肌が立ったものね。 (全員、笑う。一人の兵士が、彼女を背景の後ろへ引っ張り込む)2025/12/29 21:09:08238.夢見る名無しさんオムー あたしらはみんな鳥肌が立った、そうとも、この子の聖家族が、腐ったものの中にはまり込んで行くのを知ったときには、それこそみんな…… いや、今だって、まだ、あたしに残ってる骨と皮とは、相変わらず鳥肌のままさ…… 昔のお殿様方に言わずばなるまい、ごみためのごみの山は、何にもまして大事にしなくてはならんのだと…… 今後、掃除のごみを、全部捨てては絶対にいかんと……ララ あたしはいつでも、一つまみだけ、ラジオの上に残しておくわ。シガ あたしはチョッキのポケットに……アジザ あたしは、スープに入れる塩の入れ物に……オムー (幻覚にとらわれたごとく)そしていつの日か……(サイッドに)動いちゃいけない! ---林はますます黒くなり、そして熱い…… つまりあたしはひとつの池の側を通らなきゃならないのだ、そこの水は水じゃない…… そしてもし、いつの日か、太陽が黄金の雨となってこの世界に降り注ぐような事があれば---ありえないとは誰に言える? ---どこかの隅に、小さな泥の山をとっておおき……太陽が照り返して、その光の矢は、今あたしの頭をがんがんさせているやつだ、 あたしの頭に一面突き刺さって、なぶりものだ……おふくろ (木魂のように)おしゃぶりな!サイッド (同じく)しゃぶるよだれもありゃしない。夫 一時間なら無駄にしても取り返せるが、半日となったら取り返しがつかない。お祭りは駆け足でやっつけなきゃ!(瓶からぐいと一気飲みする)シガ (サイッドに)においでさ、あの大きな下水から二十メートルの辺に来ると、レイラがそこで揺れているのが分かるらしいよ…… もしそこから出てる臭いにおいになったのが本当にあの女なら、あたしたちは、ものを忘れずに済むってわけだ。2025/12/29 21:11:52239.夢見る名無しさんオムー いったんあたしが死んだとなりゃ、お前たち、思い出すきっかけがいくらあっても足りまいが。 あたしにはとっても考えられない、甘く懐かしい道徳なんぞを思い出して懐かしがるような真似、 お前さんたちにさせないために、娑婆でも天上でも、あたしの腐っていくにおいだけで足りようとはね…… やがて、風があたしをさらっていく……風邪があたしの骨の間を、まるでフルートの管を横切るように横切って通るのが あたしには分かる……それこそあたしの目方なんかもうないに等しい、全部で十グラムそこそこだ…… 頼りにするのはお前達だ……サイッドは、みんなで利用するのさ……サイッド じゃ、何もかも終わったわけじゃないのか?オムー お前の悲惨を、お前の汚らわしい事を全て、芳しいにおいで包んでやるのさ。サイッド つまりそれは、俺がこの世界の終わりまで、世界を腐らせるために自分を腐らせ続ける、そういう意味か?オムー 意味するもしないも、そんな事は何の意味もありはしない。みんなお前を探していた、探していたのさ、お前の事を。 お前を誘い出すために、あたしの熱と、千里眼が必要だった。お前は今ここにいる、みんなお前を、もう離しはせぬ、 いくらお前が娘っ子よりするりと逃げる名人でもだ。さあ、急ぐんだ、お前の汚らわしい事の全て、芳しいにおいに包まねばならぬ! どんなものでも見逃してはならない。終わりが、あたしの終わりが近づいてきた、あたしは終末に近づいて行く、 みんな途中で頭をぶつけ合ったら、あたしに変わってくれるやつは一体誰だ? (胸が苦しい様子)お前達、分かるだろう、この差し迫った状況……バシール (近付いて)アスピリンか、ばあ様?2025/12/29 21:16:09240.夢見る名無しさんオムー 要らない。あたしには、もっと長く喋るため、熱が必要なのだ。熱の方でも、同じ事をしようというなら、あたしが必要なのと同じ事だ。 カディッヂャは、あたしが喋るより、もっと長く語ったじゃないか……サレム それを喋ったのは、あの女、死んだあとだぜ。オムー そうして、林は永遠に続くわけじゃない、あたしは百も承知だ。あれを喋った時、カディッヂャが死んでたというなら、 このままじゃあたしの狂乱は、もう、引き潮のように引いていく……祭りはさっさと片付ける…… 土砂降りの雨の中で、電光石火の作戦だ! 瞬きする間に、儀式を済ます……サイッド、サイッドよ! 実物よりひときわ大きく! お前の額は星雲の中に、お前の足は大海原の上に……小僧 スープをたくさん飲まなきゃ!ララ (髪を結いながら)あいつに飲ますための飼い葉桶、どこにあるよ?サイッド 額は星雲の中にだって! そして足は?監獄の看守 (独り言のように)しかもずっと立ちづめか。バシール やつの声は十万のトランペット、やつのにおいは宇宙の雲のことごとくか……オムー (サイッドに)お前はお前自身の背丈を越えて……シガ それじゃみんなで寄り合って、今度のサイズで靴下を編んでやろうか!サイッド 俺はみんなの要求通りにするよ、だが……オムー (熱に浮かされて)心配は要らない。全部あたしらだけで片付けてやるよ……こつはちゃんと心得ている……万事、スムーズに運ぶはずだよ……サイッド (突然、厳しい口調で)とにかく、まず俺を殺すんだろう。それならすぐにしてもらいたい! お前ら、俺のことを待ちあぐんでいた、俺のための祭りだと……2025/12/29 21:18:47241.夢見る名無しさんオムー (ますます熱に浮かされて)興奮してはいけない。あたしの頭は燃えさかる火だよ、その火はがんがん割れ鐘のようだ、 あたしの目玉はここにある、お前のポケットなんぞに忘れるものか、あたしの腿の骨を風が吹き抜け、 氷があたしのスカートに凍る。みんなお前が死んでる事を望んでいる、違う、生きてる事だ、死人じゃなく……サイッド (逆上して)それじゃ、俺を生きたまま死人の仲間に入れようってんだ!オムー (脅迫的に)死人でも、生きてるやつでもないわ! 悲惨に名誉を! 生きているやつらに総攻撃を! レジオン・ド・ヌール、あんな勲章は、便所の白壁についたちっぽけなしみさ!サイッド (まだ逆上している)つまり俺を、死人のままで、生かしておこうというんだな!オムー (ほとんど何かの霊に憑かれたように)そうとも、万一、歌わねば、歌わねばならぬなら……新しくサイッドを作り出さねばならぬなら…… もしも、一言一言、唾とよだれで吐き出さねばならぬとあれば…… 書いたものでも、口から口へと伝えるのでも……サイッドの物語、長々と語りだす必要が……看守 (笑いながら、大声で)俺は幾晩も幾晩も過ごしたからな……こいつの、レイラとの愛の物語り、俺が歌ってやろうじゃないか…… 夜となく昼となく、俺は死刑囚の言葉を聞いてきた。全部が全部、決まってやつらは歌にして歌うが、全部が全部、大声でやるとは限らんのだ……オムー くたばるのだ! 腹が裂けて、どろどろ物語が流れ出す……犬どもは……看守 (前の台詞を続けて)大声ではな。ある連中は、ただふくらはぎの筋をあらわすだけだ。 そこを横切って、空気が少し流れる。するとひとつの歌が立ち上る。このハープを横切って……サイッド (逆上して)そんなサイッドは俺じゃない! ハープの風も、ふくらはぎの恍惚も関係ない!オムー 犬どもは言おう、このあたしらと犬どもは同属だって……やつらのための物語さ、その物語り、戸口から戸口へと進んでいく、夜ごとに……2025/12/29 21:23:08242.夢見る名無しさん看守 ひとつの歌が立ち昇るのだ! 俺もやつらのように歌うことを覚えた、ふくらはぎで、ひかがみで、いや、腸でだって歌えるのさ! (全員、笑う)なんだな、お前ら笑うのか? (いかめしく)お前らは、死刑囚の腸が歌を歌うのを聞いたことがないんだな? それはお前らが、聞く耳を持っていないからだ。(気取って歌の紹介をするように)死刑囚の腸による、サイッドとレイラの恋の歌。(全員、どっと笑う)オムー (彼女も熱に浮かされたように笑いながら)そして夜ごと、そうとも付け加えておくれ、 夜ごと、戸口から戸口へと、犬どもの切られた首が運ぶ歌、犬どもの切られた喉が語りだす……(全員、再びどっと笑う。それから長い沈黙)アラブの兵士 (娼家の背景から出てきたところだ。彼はボタンをはめる)よし。ばあ様、なかなかお見事だな、その演説は。 お前には演説をする権利がある、お前は死人だからな。俺はマリカをいじくりながら聞いていた。 (男達に)貴様立ち慰霊塔の除幕式の間は、祖国愛に満ちた演説を聞きながら、各人、自分の分け前を取るようにすすめておく! (オムーに)だが、俺たちはな、生きているんだ、俺が話しているのは、俺たちのうちで生きている人間達の事だ、 一体、野良犬のぶった切った頭が、あっちにいる俺たちのところまで、サイッドの物語を持ってくるのか、どうだ?裁判官 (独り言のように、しかし力を込めて)不幸せなやつらだ!2025/12/29 21:25:29243.夢見る名無しさんオムー (兵士に)お前なんぞはあたしらと関係ない、そんなものはただの理屈だわさ。アラブの兵士 ひとつの組織になるためには、理屈が必要なのだ。 それじゃ一体、俺たち戦っている兵士には、何の権利があるっていうんだ。(沈黙。オムーは考えている様子。ようやく、彼女は口を切る)オムー 無駄口をたたく代わりに、お天道様の照りつける中へ出かけて行って死ぬ事さ。(極めて断固たる口調で)しばらく前からだ、そうとも、 あたしらがここで、あたしらのありとあらゆる不幸、悲惨を嘗め尽くそうと精魂を費やしている間にだ、 お前達はあっちで、お前たちの死を、調和の取れた尊大な形に仕立てているじゃないか。アラブの兵士 戦闘を有効にするためだ。オムー (あたかもロボットのように、鸚鵡返しに)往生を小奇麗なものにするためさ。おふくろ うまくいった! あの女は林を抜けたよ。あたしらのところへ近づいてくる。オムー (上記と同じ芝居)兵士よ! 味方の兵士、このおたんちんのおたんこなすめ、いいかい、絶対、現実に適用されてはならないような種類の真理って物がいくつかある。 まさにそういう真理こそ、歌によって生きさせなければならない、真理が歌に姿を変えたその歌でな。 お前なんぞは敵と向かい合ってくたばればいいのさ。お前の死も、あたしの狂乱以上に真実ではない。 お前ら、お前とお前の仲間はな、まさしくあたしらにサイッドが必要だという事の証拠だわさ。アラブの兵士 お前の言う事はたぶん本当だろう、お前にとっても、俺にとっても、だが他のやつらは? (嘲笑する)戦いにけりがついて、やつらが家に帰ったときには、どうなんだ?(かなり長い沈黙)2025/12/29 21:28:33244.夢見る名無しさんオムー あたしの気を挫いたなんて、こいつが考えたら大間違いだ。お前らには必要だった、死人たちの間から立ち昇り、生を否定する紋章が…… (物憂げに)「戦いにけりがついて、やつらが家に帰ったとき」か……そんな事があたしと何の関係がある! ある種の真理って物は、現実の世界に適用する事は出来ないものだ、適用したら、そんな真理は死んじまうわさ……そいつは死んじゃならない、 生きるのだ、歌によって、その真理が歌に変わったその歌で……歌よ、永遠に!アラブの兵士 俺にしても、俺の戦友にしてもだ、戦ったのは、そいつがお前の中で、浮ついた歌なんぞなるためじゃなかった。 戦ったのはな、いいか、闘争への愛のためだ、栄光に輝くパレードと、新しい秩序のためだ……オムー いい加減にあっちへ行って、横におなり、そんな深刻な考えをした後じゃ、ちったあ休んだほうが身のためだ。 いずれにしてもあたしらはね、伊達や酔狂で殺されるようなまねはね……アラブの兵士 (皮肉に)どいつのおかげで殺されたって? (第二の兵士が娼家から出てきて、同じ階段を通って、第一の兵士のところへ来る)オムー 口が酸っぱくなるほど言ってるだろう! 殺されたのはだ、そんじょそこらのお偉方や、裁判官だの、乾物屋だの、 ゴムまりみたいな床屋の親爺を守ってやるためじゃないわさ、そんなやつらは糞くらえだ、そうじゃない、 大事に大事に、あたしらのサイッドをとっておくため……そうとも、やつとやつの聖女のような女房を……(死者の国では、全員が笑い出し、拍手を送る)アラブの兵士 やかましい。勝利は貴様らの自由にはならん、勝利にどんな意味を与えるかもだ。決めるのは俺たち、生きている人間だ。 (村の広場にいる男達が拍手する)よし。(第三の兵士が、第二の兵士と同じく、娼家から出てくる。ついで第四の兵士も同様に……)2025/12/29 21:32:20245.夢見る名無しさんアラブの兵士 (自分の周囲を見回して)こっちのほうは、防備は万全だ。俺には分かる、論理が人間の精神を武装しているのがな。 今に俺たちは、全員、デカルト的な精神の持ち主になるだろう……(サイッドに)貴様の事は許してやる。俺たちの義務は貴様を許す事だ。オムー (笑う)こいつはいいや! 許すときたよ! 許すんだとよ、とんだ薔薇にマリア様のヴェールだ! お許しくださるとよ、お燈明に、レースの布に、それから両手を額にあてがってよ……第二の兵士 許す許さんはともかく、惨めな、汚らしいものはたくさんだ……オムー お前らはそれで、拍子を取って、お一二、お一二か……第三の兵士 「全員、進め」って伍長殿の命令があれば、みんな、お一二、お一二だ。オムー サイッドはね、あたしらが放さないよ。この子の反吐の出そうな汚らしさを保護するためさ…… その汚らしい状態に、これから水をくれてやってね、どんどん育つようにしてやるわさ。第一の兵士 (サイッドに)俺のそばに来い。(サイッドはためらう)お前に、兵隊になれとは言わん…… (死者の国でどっと笑い声がする。そこには、おふくろ、カディッヂャ、軍曹、ピエール、将軍、ワルダ、ブランケンゼー氏、中尉の姿が見える) やかましいやい! 亡者はおとなしく寝ていろ! 貴様らには、葬式も、名誉も、栄光もちゃんとあてがってある、 臭い肉に対してやらなきゃならんことはちゃんとな。そうだろうが。よし。(死者たちはくすくす笑う) 今は、俺たちだけで、静かに生きるのだ、邪魔をしないでもらいたい。(サイッドに)ここへ来いと言ったんだぞ。2025/12/29 21:36:49246.夢見る名無しさんオムー (サイッドを捕まえて)あたしの方はね、ここにいなって。サイッド (広場を一回り見回した後、穏やかに)ばあ様、兵隊達、みんな、お前らみんな、糞くらえだ。 (彼は群衆から離れて、退場しようとするが、五人のアラブ人の兵士は、ピストルを取り出し、彼を狙う)第一の兵士 動くな! (サイッドは立ち止まり、振り返る)オムー (第一の兵士の前に飛んで行って立ちはだかり)お前達、やっつけるつもりじゃあるまいね? まさか、この子を、あたしらの手から奪い去るつもりじゃ? まさか、お前達……あたしらの宝物、まさかぶち壊すような真似はすまいね…… あたしら、息が出来るのはこの子のおかげなんだよ……(彼女は体を折り曲げて、激しく咳き込む)このままくたばったほうがましだ……第二の兵士 (サイッドを指して)やつにこのまま続けさせるわけにはいかん……小僧 はらはらさせるねえ!第三の兵士 (サイッドに)さあ、いいから来い。全て帳消しにしてやる、新規まき直しだ。 (サイッドはためらっている様子)オムー 逃げるんだよ。おまえ自身の外へ出るんだ。口でも、尻の穴でもどこでもいい、とにかく出るんだ、そこにいちゃいけない!第一の兵士 (サイッドに向かい、厳しい面持ちで)俺はな、いいか、俺が言って聞かせることは……サイッド (穏やかに)俺のことを、みんな、手に入れようと必死だ。俺の値段は、俺のほうでつり上げることが出来る……(死者の国で、長い事呟きが聞こえる。死者たちは、互いに目で何事か示し合わせている様子。突然、おふくろが激しい口調で絶叫する)2025/12/29 21:38:39247.夢見る名無しさんおふくろ (声を限りに)サイッド! (全員、彼女を見つめる)サイッド! 尻込みする気じゃあるまいね? あたしは牝犬さ、父なしの子犬をはらんだ牝犬だよ。そのあたしがお前をお腹の中に入れていたのは、 お前を死んでもいいようなやつにするためじゃなかったのさ! 牝犬の生涯ってものは、わき腹を足で蹴られる、狂犬病にもなりかねない! いらくさのけちな茂みよりも、お前の値打ちはもっとけちなものだが、今日のお昼になるまでは---今がちょうどお昼だ--- あたしゃ、あたしを導いて来たのはまさに憎しみってやつだと思い込んでいた、このあたしをだよ、サイッド!オムー (おふくろに)おばばよ、お前さんの台詞でため息が下がったよ。第一の兵士 死んだやつらの屁理屈だ…… (死者たちはいっせいにどよめく)軍曹 (サイッドに)お前のほうが分がいいんだぞ、サイッド、おいらのようにするんだ、おいらはな、ずいぶんひどいこともやらかしたがよ、 そのおかげでおいらは輝くようになったってわけだ。おいらからは後光が出てるんだぜ、サイッド!ヴァンプ よう、よう! 軍曹、あんたは、ずいぶんとえげつない、いかがわしい事もやらかしたからね。 (笑う)足のつめをひん剥くなんてのは序の口でね……アカデミー会員 何を馬鹿な事を! 今朝、路地で、あの男の名のついた町名の札の除幕式があったばかりですぞ。 彼の行動は、彼が死んだという一点を除いて、誰も知っちゃおらんのです。ブランケンゼー夫人 いいえ、どういたしまして、あたしは聞いておりますわ。銀行家 ゴシップだ、くだらん。アカデミー会員 (はなはだ意気喪失して)彼が実際に行ったことに頼る事は出来んのです。もはやそのような事は不可能となった。 やつらには出来るが、われわれには出来ん。(学者ぶって)したがって、軍曹は、彼の名のついた町名の札を持つことになる、 それはわれわれが何も知らんからである。これがやつらと違うところです。2025/12/29 21:41:58248.夢見る名無しさん第一の兵士 (ヨーロッパ人を指して)それじゃ、やつらは、やつらはどう考えるだろうか、貴様の事を…… 俺たちのことを……おふくろ (大声で笑い出して)だってあの連中なんだろう、お前達がやっつけようとしているのは! やつらのめっきが金ぴか、本物だと思っているのかい?第一の兵士 めっきの金ぴかにも、いいところはある。オムー (サイッドにこっそり)今のうちに逃げ出すんだ。議論している間に、さっと! やつらのやる事は後でわかる……(サイッドはためらい、立ち去るかのように一歩踏み出す)第一の兵士 動くな! (サイッドはなおもためらい、それから走り去る)射て! (五発の銃声が、アラブの兵士達の五丁のピストルから発する。全員、サイッドが立ち去った右手の方を見つめる。 人間が倒れる音が聞こえる。死者たちとオムーを除いて、全員、茫然とした様子)ブランケンゼー夫人 (びっくりして目を覚まし)いつでも窓の音であの音がするんだから。 (彼女は再び眠り込む)オムー 今日はまだ、とても往生する暇はないね。一人は埋めて、他のやつらは怒鳴りつけてと。 この分じゃ、百まですぐだ。(バシールに)アスピリン。(バシールは彼女にアスピリンを差し出す、と、彼女はそれを飲み込む。アラブの兵士とオムーを除き、全員、すでに登場している。下では、銀行家、外人部隊の兵士、ヴァンプ、等等が、サイッドの登場の際に起き上がっていたが、再び腰を下ろして、うつらうつらし始める)第一の兵士 (オムーに)そう、悲しむには及ばんよ、ばあ様。お前ももうすぐ地面の下だ。2025/12/29 21:43:52249.夢見る名無しさんオムー (肩をすぼめて)その前に、サイッドのやつを下水に放り込まなきゃね…… (彼女は、二本の杖と、バシールならびにアムールに支えられて退場。五人の兵士は右手へ、彼女に従って去る。 使者たちを除き、他の全ての俳優たちは、袖へ、背景とそれからこの景の冒頭で彼らが持ってきた品物を運び去る。 長い沈黙。上の死者たちは、みな、生きている人間達が、舞台を片付けるのを見つめている。使者たちだけが残る)カディッヂャ (勝ち誇って)引越しだ! 引越しだよ!軍曹 これでしめしめ! おいらは町の名になったのさ! (笑う)おじきがふとん屋をしているあの路地の角さ、 あそこにおいらの名前のついた町名の札を、おいらはおかげで手に入れた。 勝ち取ったってわけだ! みんな、おいらが美男子だって文句をつけたが、だが、おいらの美貌ってやつは、 おいらの残酷さって言うあの宝石を入れておく宝石箱の役をしたのさ。おふくろ (不安になって)ところで、サイッドは? 来るんだろうね?軍曹 おいらの美貌は残酷さと並んでいや増しに増していった。美貌と残酷さ。この両方が手を貸しあってよ。 この両方が抱く愛情の輝き、そいつがおいらがズボンを下げたとき、おいらの尻に訪れて、おいらの尻を金色の光で包んでくれた!(笑う)おふくろ サイッド! まあ、待ってりゃいいようなもんだけど……カディッヂャ それには及ばないよ。レイラと同じさ、戻っては来ないよ。おふくろ じゃ、どこにいるんだい、あの子?カディッヂャ 死人の国さ。 (背景の二つないし三つの台詞の間に、死者たちはすでにその背景を運び出している。 お袋が一番後から、その肘掛け椅子を持って退場。部隊は空になる。終わりである)2025/12/29 21:46:15250.夢見る名無しさん東京なのはわかってるのに バックは東京って決していわず別の地域やろ!と言い放つチビリ2026/01/09 22:51:04251.夢見る名無しさんはっ…! ←有能気取りの高卒 低スキルほかのをかってくれて楽だわ2026/01/09 23:40:20252.夢見る名無しさんテンションが続く奴でふっふーん、って不法を認めないのが会社の取る態度なんだと 負けそうになると頭が熱く回転してしまって過熱しまくるみたい 回転速度が速いとでも思ってんだろうな ミエミエ おかしい人ではないからこちとらわかりません、って常識を、すごくてわからないと取ってるらしい こういう奴いるよなって程度でしかないわかんない、とかいわれると異次元にいるとでも言うかのような自慢顔2026/01/10 00:21:10253.夢見る名無しさんガキは早く寝ろとかいって女遊びとかするって 言われたことがコンプレックスで起きてるしょぼい奴 ヤンキーにも満たないわ(笑)女の子とウキウキー だってよ おばさんとおじいさんがな2026/01/10 00:24:02254.夢見る名無しさん後出しじゃんけん 長文の自己紹介 まぁそんなもんだろうね。2026/01/10 13:44:43255.夢見る名無しさん効いとらんよ ー名誉毀損!私の存在に恐れをなしているんだと思うねー名誉毀損!一貫性はあるねー名誉毀損! 興味をひかそうと害みたいなことしたうえにこんな事を それそのものかこうゆうのも喜びそうだからやめとこ2026/01/11 23:50:08256.夢見る名無しさんフッ ぼくらやるもんてしょって言っても認められず結局やばい団体で叫び合ってすげーって言い合うやばい団体2026/01/13 13:12:18257.夢見る名無しさん同じだと思って話しかける中高卒では変な奴ら スルーしたい かわいそうなことしては、接してもらえるんじゃないかな2026/01/13 13:19:23258.夢見る名無しさん知らない単語の連続で 寡黙な彼が遂に感情爆発2026/01/20 15:40:33259.夢見る名無しさん決めて話すスタイルだったのでは…?2026/01/20 15:40:53260.夢見る名無しさんすぐめくれるのに 笑わせてもーたわ2026/01/22 23:04:51261.夢見る名無しさん怒ることがほしいかぁ大阪の人らしいから、東京では下の下 落ちこぼれかぁ2026/01/22 23:49:45262.夢見る名無しさんかわいそうの範疇に入らないか2026/01/22 23:50:02263.夢見る名無しさんはっきり話せるからいい奴だー言えてないから注意されたー ほかの奴はー だって 勉強できる奴の不満を言うことも、本人たちがなされるべき注意事項とやらに該当するのに そこを直せないか本人たちも更生中の壮年不良少年卒なんだろうが、他人を何人犠牲にすりゃ終わるんだ更生と銘打って悪目立ちしたい欲望も丸出しだし2026/01/23 00:23:15264.夢見る名無しさん地方差別で損害が大きいから不満は当たり前ってのを懸念してプラスを与えてるとかいうけど損害じゃないし これは長い目で見れば別に返す必要のあることでもなし本人だけをみての判断だからなんの関連もないかなー採用も遅かったけど今更話にも上がってないし社会で勝ってる、はいってるけど学歴で負けたはいってないな過去になればもう話さない主義にしてるらしい学歴産業だから ずっと取り合わないといけないんですよね右往左往してなんでおまえだけ定職に付いてるんだ!って怒りに来る予想済みの定期2026/01/24 05:25:40265.夢見る名無しさんテンションの調整が効かないやつ熱くなって…おまけに無関係なやつや仲裁に攻撃するという被害妄想もある2026/01/24 08:37:53266.夢見る名無しさんその度量あるのやめろや!!わし法学しってすごい人物なんやぞ!ほっとくと分かる日来ないだろうなー2026/01/28 00:07:33
【衆院選の争点・政治ジャーナリストの田﨑史郎氏が危機感】「僕は危ないと思っている。本当に。ハキハキした女性を選ぶか、おじいちゃん2人を選ぶか、という選挙になっているような気がしてしょうがない」ニュース速報+344702.52026/02/01 00:55:14
まったくねえ、お前さん、あたしが見せてあげたもののおかげで、目がつぶれたと思ってるんだろう。
(くすくす笑う)本物だったかどうか、考えてるんじゃない?
ホッセン うるさい、黙れよ。
マリカ (微笑んで)故郷の言葉じゃ、あたしの名前はレーヌ、女王様って意味なんだ。
お前さんが礼儀をわきまえた男なら、レーヌさんぐらい言ったってよさそうなものだよ。
そうして、あたしにお礼を言う、一時間半というもの、正気をなくさせてくださってありがとうって。
恥ずかしいのかい? つまりは、嬉しくてたまらなかったからじゃないか。女とやる時はね、頭がいかれるって事よ。
ホッセン (脅迫的に)うるさい。
マリカ 外へ出たよ。さあ、できるだけ水みたいになる事だね、家まですいすい流れて行きな。ちょろちょろ流れてよ、おしっこさん、おやすみ。
(彼女はくすくす笑う。ホッセンはマリカの手を離し、左手から姿を消す。
マリカは背景のところに戻る、と、後ろからアラブ人の兵士---スマイル---が出てくる。
マリカはマッチをすって、笑いを浮かべて、スマイルの手を取ろうとすると、彼は逃げる。遠くで例の声)
声 (嗚咽のうちに)今となっては、許せない悪業だよ! 以前は、お前さんたち、若くて、綺麗だった、今じゃ皴だらけじゃないか、
それなのに、男達はお前さんたちの持ってるやっとこから、もう離れる事は出来ないんだ……
(声は遠ざかる)
マリカ (スマイルに)さあ、連れて行ってあげるよ。
スマイル 俺に触るな。
マリカ (微笑んで)洋服を着ちゃったからかい。その半ズボンと上着を着てれば、安全だと思ってるんだね。
俺はきちんとしているって。それであたしなんぞは見るも汚らわしいって。今すぐにね……
スマイル 黙れったら!
ちゃんとボタンをはめた後じゃ、このあたしなんぞ、ごめんってわけかい?
スマイル そうだ。
マリカ それならボタンだのジッパーだの、一思いに吹き飛ばしたらどうさ? そう。どうしても帰るってんだね。
(彼は姿を消す。同じく左手の袖からである)
マリカ (彼を呼んで)勘定は済んでるんだろうね、出てくる前に?
(彼女は笑いを浮かべて、背景のところへ戻る。タバコに火をつけ、姿を消す。
第八の背景---家の内部を表しているもの---の背後から、ララが出てくる。
暖炉の前にうずくまり、炎の絵を描いて火を燃やす。黄色いナイト・ガウンを着ている)
男の声 (背景の後ろから)俺の靴下は?
ララ (髪にブラシをかけながら、あくびをして)汚れた紙に包んであるわ。
(片方の手が背景の後ろから出て、首に上着をかける。ララは背景の後ろに入る。
食料品店を表している背景の背後から、食料品店の親爺と、十五、六の少年が出てくる。彼らは好奇の眼差しで、下の方を覗く。
それから、娼家からは、マリカが出てきて、好奇の目で右手の袖を見やる。
刑務所からは看守が出てきて、食料品店の親爺と同じく下の階を見やる。
家の内部を表している背景の背後から、ララとその亭主が出てくる。
彼はまだちゃんと服を着ていない。彼らは右手の袖の方角を見やる)
小僧 (主人に)ずいぶん遅いんですね! 確かに今日ですか?
主人 (口やかましく)インゲン豆の重さでも量ったらどうだ。いや、豆の数を勘定しておけ。
小僧 おいらだって見たいですよ。
左手からアラブの裁判官の姿が見える。彼は鎖で縛られ、兵隊に引っ張られている。
無言のまま、彼は村の広場を表している部分を横びり、それから袖に消え、
次いですぐ一つ上のかいに現れ、そこを横切って、刑務所に入る。
全ての登場人物たちも、同じく、姿を消す)
マリカ (退場する前に)ああ胸糞が悪い。裁判官のやつだ!
Ⅳ
(黒い背景が一階の、つまり床の上の間口一杯に並んでいる。この背景の付け根には、
一列の金の肘掛け椅子が並んでおり、そこには次の人物が眠っていた。
ハロルド卿の息子
ハロルド卿
ヴァンプ
将軍
銀行家
カメラマン
アカデミー・フランセーズ会員
外人部隊の兵士
宣教師
ブランケンゼー夫人
彼らはぼろをまとっている。ほとんど裸である。それほどそのぼろ服は穴だらけだ。しかし勲章をたくさんつけている。
彼らは眠っていたが「コケコッコ-!」とハロルド卿が作る声で、そろそろと、無気力に目を覚ます)
あたしたちの国の絵葉書には、どれにも教会と市役所と川がある---それに釣竿をたれている人が一人---そして山。ホテルとレストランは言うに及ばずね……
(沈黙)
外人部隊の兵士 誰にだって出来んさ---ブラスバンドを先頭にしてだぞ---われわれのように仕掛けた爆弾の上を通って……吹っ飛ぶ芸当はな!
地平線の無数の点に、ばら撒いてやるのだ、右手を、首を、左の腿を、右足を、左足を……それと血だ!
わめきながらな、「やつらは絶対に通さんぞ」と。
(沈黙)
カメラマン (あくびをしながら)俺たちさ。
(沈黙)
銀行家 モンテ・カルロを作ったのは誰かね?
カメラマン 絵葉書は俺たちさ。写真術は俺たちと共に生まれた。俺たちと共に死ぬだろう。
俺たちの国に写真に撮るものがある限りは、俺たちも生き残るのさ。(沈黙)写真を撮りすぎるって事は絶対にないからね。
(沈黙)
ブランケンゼー夫人 (銀行家に)あら、カーテンは?
銀行家 カーテン、どうしましたかな?
ブランケンゼー夫人 持ってくるのを忘れましたわ。記録に残る間違いだわ、これも。このことと、それから亡くなりました主人のあの腰ふとんね。
銀行家 連中がその腰ふとんを見つけても、使いようが分からんでしょうが。
前後さかさまにつけますな、きっと。尻の方を腹のほうにあてがい、尻の方に太鼓腹を持っていって。
(間)
彼らときた日には、悲惨と屈辱の思い出しか持ち合わせておらんのだ……そうなのだ、一体、何をしでかすつもりなのか?
彼自身が忘れたいと思っているあのおびただしい事実をひとつの枠にはめ込むために、芸術というものが生まれえるのであろうか?
もしも芸術がなければ、文化というものもない。一体彼らは天性、崩壊の能力のみを備えておるのか?
(金槌の音がしきりと聞こえる)どうだ、今度は檻に釘を打っておる……
(沈黙)
ハロルド卿 やつらは罪もない一人の女性を殺害したのだ!
銀行家 あの子を砂漠へ連れてくるなんて、そもそも間違いでしたな?
ハロルド卿 じゃ、どこへやればいいとおっしゃるのかな?
アカデミー会員 ポワチエです。(学者ぶって)シャルル・マルテルは、今なおわれら一人一人の内に生き続け、敗れる事を知らんのです。
ハロルド卿 われわれはすごすごと、スペインとルシヨンから逆戻りして、この美しい国をやつらの手にまかせるようなまねはしませんぞ。
やつらの中に巣食っていた例の汚らしいもろもろが、われわれのオレンジ畑に、オリーブ園に拡がってくるのも、時間の問題だろうが。
宣教師 貴方のほうで気が付かれてよい時ですぞ、彼らは下劣の極みという事態をひとつの神に仕立てたのです。
貴方には、とても彼らを打ち負かす勇気はござるまい。
ハロルド卿 軍隊が……
そんな事をしたらとうに死んじまっている。嬉しくて死んじまうという意味だ。そうなる代わりにだ、こうして傷だらけ、殴り倒され、敵に売り渡されて、
お前さんのくだらないお喋りを聞かなければならん。(唾を吐く)腐った国だ! 隊長がおらん! 政治屋ばかりで頭に立つものがおらんのだ!
(再び金槌の音が聞こえる)
ヴァンプ それを一番最初に嘆いているのはこのあたしよ。将軍派---大佐だったかな---
あたしの手に接吻しようと思えば、あたしに自分の軍隊の閲兵をさせてくれたもの。
あたしはね、はっきり申し上げますけどね、一番多いときは十八人も、現地人の兵隊を持っていたのよ。
ブランケンゼー夫人 (苦々しく)あたくしはね、奥様---かお嬢さんですか---あたくしは自分で働いておりましたんですよ。
ボーイが一人と女中が一人だけ、あたくし、お料理は自分で作っておりましたわ。
(沈黙)
宣教師 かなり正鵠を得ていると思われます考えは、つまりわれわれは彼らにとって、いわば叛乱を起こすための口実であったという事であります。
われわれというものがなかったならば、いや、あえて申しましょう、われわれの残忍さ、われわれの不正というものがなかったならば、
彼らは壊滅してしまったに違いない。正直に申しましょうか、私はわれわれはまさしく
神の用いられた方便であると信ずるものであります。われわれの神の、そして彼らの神の方便であると。
銀行家 われわれはまだ最後の切り札は出しておらんのです。そう、われわれには少なくても、
われわれの先祖伝来の高貴さというものの背後に立てこもる可能性だけは残されている。
全てはわれらの勝利であり、しかもとっくの昔からそうなのです。一体奴らは、何を持っています? 何も持っちゃいない。
(将軍に)とにかく絶対に、英雄になるような可能性をやつらに与えてはなりません。それを利用するにきまってますからな。
宣教師 もっとたちの悪い事を考え付くかもしれませんな。
ヴァンプ それでもあたしのお尻をじろじろ見るくらい、あの連中だって知っているわ。もちろんずっと遠くからだわ。(笑う)おさわり、なしよ!
宣教師 愛情に満ちた道は彼らに対して拒絶されました、彼らは危険な道を要求しているのです。
ブランケンゼー夫人 例の虱のたかった連中の事で一騒動起こしてくださいまして、本当にようございましたわ……
宣教師 と申しますのも、私は---あなたはそうではありませんが---虱というものの力を承知いたしておりますので……
ブランケンゼー夫人 あれには参りましたわ、ご推量下さいまし、すっかり体中綺麗にしましたのよ、薬がございますの。
銀行家 そうですとも、別に何も恥ずかしがる事はない、家内も何匹かやられましてな。どこでですって? 原住民の村ですよ。
ヴァンプ つまりあの連中が汚らしくなればなるほど、あたしは清潔に成るっていう訳。世界中の虱をしょいこめばいいのよ、あの連中。
宣教師 私もそう申し上げようと思っていたところで。
ブランケンゼー夫人 そう思っていらしたなら、はっきりおっしゃっていただかなくてはね。
宣教師 (朗誦して)海が引き退くがごとくに、彼らは、われらのもとより引き退いていく、彼らと共に、
あたかも宝物ででもあるかのごとく、彼らのありとあらゆる悲惨を、恥を、瘡蓋を持ち去っていくのだ……
海が引きの句がごとくに、われら自らのうちにわれらは引き退き、われらの栄光とわれらの伝説とを再びここに見出すのだ。
屑はことごとく、彼らが運び去るのです。彼らはわれらにすき櫛を当ててくれたのだ。
銀行家 (識者ぶって)反対の極を作るわけだ。(沈黙)
外人部隊の兵士 頭に立つやつさえいればよ!
(金槌の音。全員、口をつぐんで、再びうつらうつらしだす)
(背景は娼家の内部。冒頭にすでに見た通り。マリカ。彼女は背景の右手に行き、喋る。上から降りてくる人物を見つめているもののごとし)
マリカ 天から降ってくるのかい、それとも地獄から上ってくるのかね。お前さんがあたしらのことを見に来るの、
人に知られたくないんならね、身軽にやりな……(第三のアラブ人、マレク登場)さあ、およこし。
(彼女は片手を出す、がマレクは駈け去る。マリカは笑う。明かりがつく。背景の後ろから、しどけない姿で、ヂェミラが出てくる。
二人ともこわばったスカートをはいて、立ったまま、悠然と話す。ヂェミラはコップと歯ブラシを持っている。話しながら、彼女は歯を磨く)
ヂェミラ 三人とも帰ったかい?
マリカ ああ、でも、やつらの素顔、お前さんも見ればいいのに。夜をヴェールにしてかぶってくるのさ。
レイラの頭巾と同じだよ。帰る段になれば、今度は酔っ払いの真似だ。
良いと頭巾を一担ぎってわけさ。あたしらにとっては取り囲む輪が段々厚くなってきた……
と、これはあたしの感じだがね。あんたもそう思うかい?
ヂェミラ 前のことは知らないからね。あたしはボルドーにいたんだもの。
でも、これで結構順調なんじゃない? 淫売屋の周りには、汚らしいものはつきものさ。
マリカ そいつはますます濃く厚くなる。パン屋のおかみは、あたしにおつりをくれる時、にこりともしなくなった。
あたしの方だってもう何も言う気がしない。口をきいたら、あたしは果てが無くなるだろうし、美人になりすぎちまうもの。
あと二、三日したら、あたしは郵便局へ行く事も出来なくなる、いや、もう外へは出られないよ。
ヂェミラ 事だねえ……
勇気がないなら、淫売稼業なんてよした方がいい。
(彼女はポケットからタバコを二本出して一本に火をつけ、もう一本をヂェミラに差し出す)
ヂェミラ ごめんよね。
マリカ あたしは自分で分かっている、この両方の肩に、あたしは、店をそっくり担ぐだけの力があるんだ。
打ちわって言えば、全ての原因はこのあたしだったんだからね。
ヂェミラ あんた方、どんな風にやって来たのさ?
マリカ 世間様に向かって罵詈雑言を浴びせるのはまず難しかったね、それじゃあんまり荒っぽいや。
当節は、お前さんも気がついたろうが、およそ冗談の通じない御時世だ、
だからね、ベッドの中で、男供相手の、新しい手を考え出そうと苦労したのさ。
やつらはお互いそのことを喋っていたに違いない、そうとも、
やつらの顔にははっきり書いてあったはずだよ、ここでやつらにくれてやったあの幸せがね。
(おふくろの肘掛け椅子にひじをついてもたれていた軍曹が、あくびをし、それからマリカを指差し、滑稽なまでに気取ったポーズをとる)
軍曹 (面白がって笑いながら)あんたのいうとおりさ、お見事よ。あたしだって、凄く美人だったのさ。
あんたとあたしと、意見が一致する事なんてあるわけがない、でも世間をうんざりさせるためなら話は別さ……
マリカ (軍曹に、ただしヂェミラを見つめながら)あたしが相手じゃ、お前さんのヒロイズムとやら、いくらあっても足りまいが。
マリカ (前と同じ芝居)おいらはもっと強い、もっと厳しい人間さ……
軍曹 (前と同じ芝居)あたしはもっと優しくおしとやかで……
マリカ おいらは、もっとドライで、もっと冷たい……
軍曹 (大声で)おいらの口からあんたの口まで、二人がこんなに離れていてもよ、
今だってつばきの糸を引っ張ることができるのさ、あのなんとも細く、きらきら輝くやつをさ、死神だって……
ワルダ (笑いながら、軍曹に)あたしは死神を服従させていたよ……
(おふくろはため息をつく。マリかとヂェミラの間で再び会話が始まる。
袖から、断末魔のあえぎのような絶叫が聞こえる)
ヂェミラ 聞いたかい!
マリカ オムーの狂乱だよ……あの女、断末魔の苦しみだっていうのに、広場でサイッドを迎えるのは、あの女なんだ。
きっと広場まで、お輿にでも乗せて連れて行くつもりだよ。
ヂェミラ あんたの話、続けなよ。
マリカ 昔はね---今度の事がある前って意味だよ---昔は、女達はあたしたちを恐れていなかった。
あたしらは、何のやましいところもない、まっとうなお務めをしていただけさ。男達は、自分の家でやるのと同じに、店へ来て、やって帰った。
ところが今じゃ、違ってきたね、まるで地獄の底の幸せみたいに、あたしらのおかげで男供は幸せになるんだ。
ヂェミラ (熱心に聞いている)それで?
まさに淫売屋へ通うようにしてやってくるのさ、壁にぴったり身を摺り寄せ、夜の闇が濃い時に、付け髭をしたり、ばあ様に変装したり、
ドアの下を潜り抜け、壁の中を通り抜けて、中へも入らずぐるぐる回り、ここではトラクターや靴紐を売っているはずだなんて言ってみたり、
ボール紙の鼻をつけたり、自分たちの姿が見えるかどうか遠くに離れてみてみたりして、
つまり分かる? 連中が自分の姿を見えないものにしようとしたおかげで、逆にきらきらと輝きだしたのは一体何か、他でもない、淫売の店さ!
ヂェミラ (笑いながら)奴らが磨きに磨いたわけか!
マリカ 兵隊が飯盒(はんごう)を磨くようにね。そしてあたしらは、ようやくあたしらの孤独に立ち戻る事が出来た……
取り戻したのさ、あたしらの……あたしらのつまり……あたしらの真実ってものを。
(ほっとして)辛かったよ。考え出さなきゃならなかった。あたしらの手で、見つけるのさ。
初めは何も分からなかった。でもワルダは、あの背徳の権化のような女は……
ヂェミラ その末路はあの通りさ……(間)四十雀の餌をとって来なくちゃ。あんたは……
マリカ あたしは一ダースくらいタオルを洗って、漂白しとかなくちゃ。あの男が出てくる前にね……
(ヂェミラは背景の後ろに消える。マリかはまっすぐ立ったままである。自分の前をじっと見つめて、しかし何も見てはいないようだ)
小僧 (食料品店の売子である)おいらみたいにした方がいいぜ、股んとこで足を組んでよ、その方がくたびれないぜ。
マリカ (小僧に、軽蔑した口調で)お前こそ、洟垂れ小僧のうちに休んでおきな。
今にさ、お前が組んでるその股を、このあたしに解いてもらいたくなった日には、それこそいくら働いたって追いつかないよ。
(唾を吐いて、また物思いにふける風を装う)
小僧 (口笛を吹いて)ここのところ、おいらのご執心は、スウェーデン女ばっかりだよ!
(家の内部)
夫 (上着を引っかけながら)淫売がいちゃいやだってのか? 裁判官のやつがろくでなしじゃいかんと言うのか?
ララ あたしがいかんなんて、そんな……(間)お昼に帰ってくる? それとも仕事場にいる?
夫 帰るよ。
ララ 昨日だって言ったわ、あんた……
夫 帰るってな……
ララ 愛してる、あたしのこと?
夫 十一キロあるんだぞ! それで愛してる証拠になるのか? 体に触ってみなきゃ証拠にならんてわけか。それとも、違うか? (最前と同じ叫び声が、袖でする。オムーの声だ)
オムーの声 あたしのたまだ! ありゃ、あたしの金玉さ、スカートの下に縛り付けて持っていた小さな砒素のふくろのよ、
水飼い場に毒を撒き散らしてやるための砒素だ!
夫 またあのばあ様か! しかも、なんだとよ、広場へ連れて行くって話だ……注射を何本も打ってもらってよ。興奮剤さ……
おふくろ (感嘆して)あの女は怒り狂って死ぬよ。
(娼家の背景では、ヂェミラが顔だけ出して)
ヂェミラ (マリカに)ほらね、万事終わったわけじゃないよ。
小僧 (笑いながら)あのばあ様、三本杖がいるってわけさ。二本の杖が地面で支え、あの叫び声はばあ様を天につないでいらあ。
(笑う)
夫 知りたいなら、上まで上がって来いよ。
(ララは夫の胴にしがみついたまま、その体に添って這い上がるようにして立ち上がる。彼女は彼の体にぴったりと寄り添う)
ララ 愛している?
夫 (笑いながら、離れて)十二時半に、玄関によ、オレンジの若い木が自転車から降りるだろうよ。
(彼は背景の後ろを通って退場。ララは姿見の前に座って、髪をとかす。
娼家の背景には、マリカが物思いにふけったままでいる)
マリカ (そこにはいないヂェミラに)餌、もって来たかい、四十雀の。
ララ (姿見の中の自分の姿を見ながら)お昼にあんたは帰ってくる、あんたの木の枝と実を持って。
オムーの声 (袖で)もう何も救うものはないと?
(途方もない笑い声)いいや、あたしの愛しいはきだめの山がある、あたしに霊感を与えてくれるのはそいつだからね!
おふくろ (笑いながら、カディッヂャに)林を横切ったら、あの人、本当に素っ裸であたしらの所へ来るだろうよ。
(刑務所を表している背景の背後から、アラブの裁判官が、看守に連れられて出てくる。裁判官は、乱暴に押し出されるようにして、登場)
看守の声 (わめきたてる)尻を蹴飛ばされたいのか、貴様! こっちへ来い! 駈けるな、駈けたら捕まえて、張り飛ばしてやる!
裁判官 (振り向いて)誓って言うが……
看守 (姿を現し)何にかけてだ? こんなろくでなしに、親爺もおふくろもいないだろうが……
裁判官 ほんの一分でいい、おふくろを貸してくれ……一人の女が、一分でいい、わしのおふくろになってくれれば、そのおふくろの首にかけて誓う!
看守 (厳しく)服を脱げ。(間。その間に裁判官は服を脱ぎ始める)
素っ裸にして、ここへ入れてやる、目録を作ってやる、お前の尻の具合のな。安心しろ、俺の目の保養にしようってんじゃない。
とにかく、ここへは裸で入るんだ。入り口から素っ裸で通るんだぞ。(裁判官は上着を脱いだところである)
この緑の上着、どこで見つけた? 白状するのが怖いのか? しかし、おいらに白状したって、そいつは自白にはならんのだよ。どこで見つけた?
裁判官 (靴紐を解きながら)盗んだよ。
看守 (上着を調べながら)刑務所にいるやつらは、貴様の面など糞食らえだ。来るのが遅すぎたよ。
今じゃ、盗むとき花、アメリカの軍服を着て、黒靴を履いてやるもんさ。その靴下、買ったものか?
裁判官 盗んだよ。
看守 (肩をすぼめて)素っ裸ではいるんだぞ。その盗んだものはすみに纏めておけ。
入り口を入る所から、素っ裸だ。貴様は刑務所に入る。素っ裸のまま、刑務所の人間になる。そうしたら、お前の着ていたものは返してやろう。
服は着たってかまわん、もうその時はどうでもいいのだ。
裁判官 他に泥棒がいるのかね?
(看守は彼を背景の後ろへ押してやる)若い娘達に貴様の裸なんぞ見せるわけにはいかんからな、
お前の裸の輪郭が、緑の空にくっきり浮き出すところなんぞはな。
(突然、例の夫が、自転車を引きながら、家の内部を表す背景のかたわらに現れる。彼は息を切らしている。ララに大声で叫ぶ)
夫 やつが来たぞ! 見に来いよ。
(全ての登場人物、すなわち、裁判官、看守、食料品店の主人、小僧、ララ、ヂェミラ、マリカ、おふくろ、カディッヂャ、ワルダ、ピエールは、
中央の村の広場であると想定された場所にやって来る人物を見ようとして、振り向き、或いは下を覗く。
下にいるヨーロッパ人たちは、立ち上がって、半ば体を後ろに向けて、舞台を見ようとする。人々は待っている。ようやく、オムーがやって来る。
村の広場は、チラシを読んでいる負傷兵でいっぱいになる)
サイッドの到着。
(まず最初に、二本の杖に身を支え、バシールとアムールに支えられたオムーが登場する。蒼白である。顔と手とは白粉を塗っている。
赤い杖に支えられた、一種の死骸である。黒い服。白粉を塗った、白髪。その声が、響きのない、つまりいわゆる白っぽい声でいけない道理があろうか。
彼女は目を細めて、遠くを見やる。右手の袖の方角である。あたかも遠くからやって来る人物を目で追うように、袖のほうへと、四分の一だけ円を描く)
オムー あれは小人だよ!
バシール まだ遠くにいるからさ。
オムー あたしが織ってた時は大きかったよ……それが、今残ってるのはあれっぱかしか……縮んだんだ。(大声で)どうしたい、もっとこっちへおいで!
歩いたらどうだい、ちったあ、歩きなって言うのに! 日陰を通るんだよ、お天道様に当たったら、お前さん、融けちまうよ……
いくらすばしっこくたってもさ……
アムール 腰をおろすかい?
オムー (ぶっきらぼうに)いいや。
小僧 お祝いの大砲、うつのかい?
オムー 左へ曲がるんだ……違うよ……違う、違うったら、左だよ……(彼女を取り巻いている男たちに)
あたしと同じさ、あの子には、左と右の区別がつかない……右へ曲がったかもしれないね、どうなったかあたしには分からないよ……
バシール (憎憎しく)やつをまっすぐな道に連れ戻すのが、俺たちの役目だ。
オムー (バシールに)知っているのかよ、お前は、まっすぐな道がどこに通じているか?
それから、名前もない獣達……色もなきゃ……影もなきゃ……要するにゼロさ……(大声で)もうちょっと急ぎな。
(そこにいる男達に)親、あの子他事分の背丈と同じくらいに大きくなったよ。
(彼は笑う。全員、全ての階で---ヨーロッパ人だけは別だ---彼と共に笑う)
オムー (片手で、ひよこを呼ぶ仕草をする)ピーヨ、ピヨ、ピヨ……こっちよ、こっち……
さあ、分からず屋を言わないで。お前をいじめたりはしないよ。ただ剥製にしてあげようって言ってるんだよ……
ハメッド 生きたまま剥製か? 俺の提案は違うな……
オムー 全ての提案をじっくり検討するのさ。一番いい案に決めればいい。(相変わらず姿の見えないサイッドに)もっとこっちへおいで。
ララ (見えないサイッドの方を見つめて)相変わらず、なんでも鵜呑みにしそうな、間抜けな面をしているよ。
あたしは、家の蝿帳の横に置くの使いたいね。その剥製。
ネヂュマ あんなのが相手じゃ、レイラも夜は落ち着いていられたわけだ。あたしとはわけが違うね。
サレム (笑いながら)お前みたいのが相手じゃ、亭主の方で、夜はおちおち眠れますとよ。
(全員、笑う)
ネヂュマ だがね、世間のうわさじゃ、お前さんのところのロバを孕ましたのは、お前だっていうじゃないか。
ハメッド ロバが産むのはあいの子だとよ。
思い切りおやり。誰彼の容赦はいらない。(相変わらず見えぬサイッドに向かい)
お前のほうは、急ぐにゃ及ばない。時間はまだたっぷりある……かわいそうに、足が棒みたいになって、もう歩けないじゃないか。
(他の連中に)あの子に場所を空けておやり。もっと離れて。家も、庭も、もっと後ろにやるんだ。
(と、彼女は背景を動かす)いや、必要とあらば、国中を後ろへ下がらせ、
そうしてこの国の生み出したあの息子を、厳かに迎え入れる! 夜も後ろへ押しやるがいい……天の星星の車輪もまた、
天の車輪のぎりぎりの淵まで追いやって、虚無のさなかに転落させ、そうしてあたしらに、広々と席を譲ってもらうのさ!
おいで……さあ……あと三歩……一歩……着いた……(サイッド登場)さあ、お辞儀だ。
(サイッドは帽子を取ってお辞儀をする)どうだね!
サイッド どうって、こうして帰ってきたよ……そんな遠くにいたわけじゃないし。(全員、どっと笑う)みんな俺のこと、待っていたのか?
バシール お前のためにお祝いの祭をしようっていうんだ。今、準備の最中さ。ここと、それから亡者の国でな。
(重々しく)おまえは俺たちにとって実に役に立った。
サイッド (鷹揚に)そう思っていた。だが俺だって随分苦労したのだ、少しは休息が欲しいと思う。
ネヂュマ (笑いながら)じゃ、もしお前が網の先にぶら下がる事になったら?
サイッド 願ってもないね。天と地の間で……
お前に必要なのはみんなの褒め言葉。このあたしの方はアスピリンだ。アスピリン! (バシールがアスピリンを二錠渡すと、それを彼女は飲み込む)
かなり前から、お前は村のまわりをぐるぐるまわっていたよ……
サイッド 道に迷ったんだ。
オムー お前が石ころや森の中を踏み迷っていくに連れて、お前はあたしらでは容易に降りていけないもうひとつの領分へと踏み込んでいた。
もちろん、こっちだって、できることは全部やったさ。怒り、悲しみ、ののしり、熱と---あたしは四十一度八分もある!---狂乱と……
見れば分かるだろう。あたしだって、野原をさまよい、森を横切っている!(笑う)あたしらに道を教えてくれた、お前とお前の素晴しい連れ合い、
お前達は、そうやってあたしらに、道に踏み迷う術を教えてくれたのさ……
(再び笑う)
サイッド 俺を裁くためには……
アムール (笑いながら)裁判官なんぞもういない。いるのは、泥棒と、人殺しと、放火魔ばかりで……
ハメッド サイッドと並べれば、裁判官はまだ裁く側だぞ!
オムー そんな風に震えなくてもいい、ひどい目に合わせやしないから。裏切りの件はだ、
お前はお前にできることをしたまでだし、しかもこいつは認めざるをえないがね、結局、大した事は出来なかった。
(全員、笑う)いや、分かっているよ、あたしは、お前の意図はよかったんだ。
だからこそ、あたしらだって、それを重く視るつもりさ。だが、お前を裁くってのは、不可能になった。
これまで誰もお前ほど先まで行ってしまった者がいなかったのは……
空から雪のように舞い降りるのを見る度合いは、この俺が、あの子のヴェールの中にスカートだの翼だのを、舞い上がらせて、
それを射落として、之のように舞い降りるようにさせるよりは、よっぽど少ないんだぜ……
オムー (ナスールに)あの始めて聖体拝領した可愛い娘の事かい? お前は、逆上してあの子にぶっ放し、やっつけちまった。
サイッドはね、違うんだ。サイッドは一人きりだった。そしてもしあたしらが、あたしらの陶酔のとことんまで、いやほとんどその限界まで、
あたしらを裁く目つきなんぞ気にかけずにいけたというのも、まさにあたしらには幸運にも、お前というものがいたからさ
---お手本としてじゃない、そうとも、お手本としてじゃない!---お前と、いや、お前とレイラという夫婦さ……ところで、レイラは?
サイッド レイラ?
オムー (不安になって)愛してたのか?
サイッド (笑いながら)どうして俺にそんな事が出来たっていうんだ?
(上で、おふくろ)
おふくろ (ほっとして)よかったよ。あたしは見張ってたんだからね。
サイッド (さらに続けて)あいつは、俺からそんな気持ちをなくさすために、ありとあらゆることをやってくれたさ。
俺の方としては、俺は……俺が、一度も気がくじけそうにならなかったなんていうつもりはない、
情愛って物が、俺たちの上に打ち震える一枚の木の葉のように、情愛がふと影を落とす、
だが、すぐ俺は気を取り直した。そうともさ、その点については、安心してくれ。
あいつは怒り狂って死んだよ。そして俺は、俺がくたばるときには……
オムー (前の言葉を続けて)お手本としてじゃない。ひとつの旗としてさ。
(沈黙)
だが、連中の選んだものは、連中の名誉にはならんね。
ヴァンプ あたしたちには、英雄が有り余るほどいるじゃない。そして、あたしたちの英雄のみを飾る、あの有り余る栄光と金。
外人部隊の兵士 あんたがそんな口をきくのか?(うんざりして)頭に立つものがおらんて!
宣教師 彼らはひとつの組織になろうとしているのです。これこそ、何にもまして彼らを強力に結び付けるひとつの儀式の始まりであります。
(空気を嗅いで)このにおい、私には親しいにおいだ……
マリカ あたしだって---このあたしさ、蝋燭を吹き消すときに、やつらが「悪魔の皮」って呼ぶこのあたしだって……
シガ それが、蝋燭をつければ、綻びだらけの木綿でね。
(全員、笑う)
マリカ 「悪魔の皮」だよ。あたしはあの男が店の階段を上がっていくときには、鳥肌が立ったものね。
(全員、笑う。一人の兵士が、彼女を背景の後ろへ引っ張り込む)
いや、今だって、まだ、あたしに残ってる骨と皮とは、相変わらず鳥肌のままさ……
昔のお殿様方に言わずばなるまい、ごみためのごみの山は、何にもまして大事にしなくてはならんのだと……
今後、掃除のごみを、全部捨てては絶対にいかんと……
ララ あたしはいつでも、一つまみだけ、ラジオの上に残しておくわ。
シガ あたしはチョッキのポケットに……
アジザ あたしは、スープに入れる塩の入れ物に……
オムー (幻覚にとらわれたごとく)そしていつの日か……(サイッドに)動いちゃいけない! ---林はますます黒くなり、そして熱い……
つまりあたしはひとつの池の側を通らなきゃならないのだ、そこの水は水じゃない……
そしてもし、いつの日か、太陽が黄金の雨となってこの世界に降り注ぐような事があれば---ありえないとは誰に言える?
---どこかの隅に、小さな泥の山をとっておおき……太陽が照り返して、その光の矢は、今あたしの頭をがんがんさせているやつだ、
あたしの頭に一面突き刺さって、なぶりものだ……
おふくろ (木魂のように)おしゃぶりな!
サイッド (同じく)しゃぶるよだれもありゃしない。
夫 一時間なら無駄にしても取り返せるが、半日となったら取り返しがつかない。お祭りは駆け足でやっつけなきゃ!
(瓶からぐいと一気飲みする)
シガ (サイッドに)においでさ、あの大きな下水から二十メートルの辺に来ると、レイラがそこで揺れているのが分かるらしいよ……
もしそこから出てる臭いにおいになったのが本当にあの女なら、あたしたちは、ものを忘れずに済むってわけだ。
あたしにはとっても考えられない、甘く懐かしい道徳なんぞを思い出して懐かしがるような真似、
お前さんたちにさせないために、娑婆でも天上でも、あたしの腐っていくにおいだけで足りようとはね……
やがて、風があたしをさらっていく……風邪があたしの骨の間を、まるでフルートの管を横切るように横切って通るのが
あたしには分かる……それこそあたしの目方なんかもうないに等しい、全部で十グラムそこそこだ……
頼りにするのはお前達だ……サイッドは、みんなで利用するのさ……
サイッド じゃ、何もかも終わったわけじゃないのか?
オムー お前の悲惨を、お前の汚らわしい事を全て、芳しいにおいで包んでやるのさ。
サイッド つまりそれは、俺がこの世界の終わりまで、世界を腐らせるために自分を腐らせ続ける、そういう意味か?
オムー 意味するもしないも、そんな事は何の意味もありはしない。みんなお前を探していた、探していたのさ、お前の事を。
お前を誘い出すために、あたしの熱と、千里眼が必要だった。お前は今ここにいる、みんなお前を、もう離しはせぬ、
いくらお前が娘っ子よりするりと逃げる名人でもだ。さあ、急ぐんだ、お前の汚らわしい事の全て、芳しいにおいに包まねばならぬ!
どんなものでも見逃してはならない。終わりが、あたしの終わりが近づいてきた、あたしは終末に近づいて行く、
みんな途中で頭をぶつけ合ったら、あたしに変わってくれるやつは一体誰だ?
(胸が苦しい様子)お前達、分かるだろう、この差し迫った状況……
バシール (近付いて)アスピリンか、ばあ様?
カディッヂャは、あたしが喋るより、もっと長く語ったじゃないか……
サレム それを喋ったのは、あの女、死んだあとだぜ。
オムー そうして、林は永遠に続くわけじゃない、あたしは百も承知だ。あれを喋った時、カディッヂャが死んでたというなら、
このままじゃあたしの狂乱は、もう、引き潮のように引いていく……祭りはさっさと片付ける……
土砂降りの雨の中で、電光石火の作戦だ! 瞬きする間に、儀式を済ます……サイッド、サイッドよ!
実物よりひときわ大きく! お前の額は星雲の中に、お前の足は大海原の上に……
小僧 スープをたくさん飲まなきゃ!
ララ (髪を結いながら)あいつに飲ますための飼い葉桶、どこにあるよ?
サイッド 額は星雲の中にだって! そして足は?
監獄の看守 (独り言のように)しかもずっと立ちづめか。
バシール やつの声は十万のトランペット、やつのにおいは宇宙の雲のことごとくか……
オムー (サイッドに)お前はお前自身の背丈を越えて……
シガ それじゃみんなで寄り合って、今度のサイズで靴下を編んでやろうか!
サイッド 俺はみんなの要求通りにするよ、だが……
オムー (熱に浮かされて)心配は要らない。全部あたしらだけで片付けてやるよ……こつはちゃんと心得ている……万事、スムーズに運ぶはずだよ……
サイッド (突然、厳しい口調で)とにかく、まず俺を殺すんだろう。それならすぐにしてもらいたい!
お前ら、俺のことを待ちあぐんでいた、俺のための祭りだと……
あたしの目玉はここにある、お前のポケットなんぞに忘れるものか、あたしの腿の骨を風が吹き抜け、
氷があたしのスカートに凍る。みんなお前が死んでる事を望んでいる、違う、生きてる事だ、死人じゃなく……
サイッド (逆上して)それじゃ、俺を生きたまま死人の仲間に入れようってんだ!
オムー (脅迫的に)死人でも、生きてるやつでもないわ! 悲惨に名誉を! 生きているやつらに総攻撃を!
レジオン・ド・ヌール、あんな勲章は、便所の白壁についたちっぽけなしみさ!
サイッド (まだ逆上している)つまり俺を、死人のままで、生かしておこうというんだな!
オムー (ほとんど何かの霊に憑かれたように)そうとも、万一、歌わねば、歌わねばならぬなら……新しくサイッドを作り出さねばならぬなら……
もしも、一言一言、唾とよだれで吐き出さねばならぬとあれば……
書いたものでも、口から口へと伝えるのでも……サイッドの物語、長々と語りだす必要が……
看守 (笑いながら、大声で)俺は幾晩も幾晩も過ごしたからな……こいつの、レイラとの愛の物語り、俺が歌ってやろうじゃないか……
夜となく昼となく、俺は死刑囚の言葉を聞いてきた。全部が全部、決まってやつらは歌にして歌うが、全部が全部、大声でやるとは限らんのだ……
オムー くたばるのだ! 腹が裂けて、どろどろ物語が流れ出す……犬どもは……
看守 (前の台詞を続けて)大声ではな。ある連中は、ただふくらはぎの筋をあらわすだけだ。
そこを横切って、空気が少し流れる。するとひとつの歌が立ち上る。このハープを横切って……
サイッド (逆上して)そんなサイッドは俺じゃない! ハープの風も、ふくらはぎの恍惚も関係ない!
オムー 犬どもは言おう、このあたしらと犬どもは同属だって……やつらのための物語さ、その物語り、戸口から戸口へと進んでいく、夜ごとに……
(全員、笑う)なんだな、お前ら笑うのか? (いかめしく)お前らは、死刑囚の腸が歌を歌うのを聞いたことがないんだな?
それはお前らが、聞く耳を持っていないからだ。(気取って歌の紹介をするように)死刑囚の腸による、サイッドとレイラの恋の歌。
(全員、どっと笑う)
オムー (彼女も熱に浮かされたように笑いながら)そして夜ごと、そうとも付け加えておくれ、
夜ごと、戸口から戸口へと、犬どもの切られた首が運ぶ歌、犬どもの切られた喉が語りだす……
(全員、再びどっと笑う。それから長い沈黙)
アラブの兵士 (娼家の背景から出てきたところだ。彼はボタンをはめる)よし。ばあ様、なかなかお見事だな、その演説は。
お前には演説をする権利がある、お前は死人だからな。俺はマリカをいじくりながら聞いていた。
(男達に)貴様立ち慰霊塔の除幕式の間は、祖国愛に満ちた演説を聞きながら、各人、自分の分け前を取るようにすすめておく!
(オムーに)だが、俺たちはな、生きているんだ、俺が話しているのは、俺たちのうちで生きている人間達の事だ、
一体、野良犬のぶった切った頭が、あっちにいる俺たちのところまで、サイッドの物語を持ってくるのか、どうだ?
裁判官 (独り言のように、しかし力を込めて)不幸せなやつらだ!
アラブの兵士 ひとつの組織になるためには、理屈が必要なのだ。
それじゃ一体、俺たち戦っている兵士には、何の権利があるっていうんだ。
(沈黙。オムーは考えている様子。ようやく、彼女は口を切る)
オムー 無駄口をたたく代わりに、お天道様の照りつける中へ出かけて行って死ぬ事さ。(極めて断固たる口調で)しばらく前からだ、そうとも、
あたしらがここで、あたしらのありとあらゆる不幸、悲惨を嘗め尽くそうと精魂を費やしている間にだ、
お前達はあっちで、お前たちの死を、調和の取れた尊大な形に仕立てているじゃないか。
アラブの兵士 戦闘を有効にするためだ。
オムー (あたかもロボットのように、鸚鵡返しに)往生を小奇麗なものにするためさ。
おふくろ うまくいった! あの女は林を抜けたよ。あたしらのところへ近づいてくる。
オムー (上記と同じ芝居)兵士よ! 味方の兵士、このおたんちんのおたんこなすめ、いいかい、絶対、現実に適用されてはならないような種類の真理って物がいくつかある。
まさにそういう真理こそ、歌によって生きさせなければならない、真理が歌に姿を変えたその歌でな。
お前なんぞは敵と向かい合ってくたばればいいのさ。お前の死も、あたしの狂乱以上に真実ではない。
お前ら、お前とお前の仲間はな、まさしくあたしらにサイッドが必要だという事の証拠だわさ。
アラブの兵士 お前の言う事はたぶん本当だろう、お前にとっても、俺にとっても、だが他のやつらは?
(嘲笑する)戦いにけりがついて、やつらが家に帰ったときには、どうなんだ?
(かなり長い沈黙)
(物憂げに)「戦いにけりがついて、やつらが家に帰ったとき」か……そんな事があたしと何の関係がある!
ある種の真理って物は、現実の世界に適用する事は出来ないものだ、適用したら、そんな真理は死んじまうわさ……そいつは死んじゃならない、
生きるのだ、歌によって、その真理が歌に変わったその歌で……歌よ、永遠に!
アラブの兵士 俺にしても、俺の戦友にしてもだ、戦ったのは、そいつがお前の中で、浮ついた歌なんぞなるためじゃなかった。
戦ったのはな、いいか、闘争への愛のためだ、栄光に輝くパレードと、新しい秩序のためだ……
オムー いい加減にあっちへ行って、横におなり、そんな深刻な考えをした後じゃ、ちったあ休んだほうが身のためだ。
いずれにしてもあたしらはね、伊達や酔狂で殺されるようなまねはね……
アラブの兵士 (皮肉に)どいつのおかげで殺されたって?
(第二の兵士が娼家から出てきて、同じ階段を通って、第一の兵士のところへ来る)
オムー 口が酸っぱくなるほど言ってるだろう! 殺されたのはだ、そんじょそこらのお偉方や、裁判官だの、乾物屋だの、
ゴムまりみたいな床屋の親爺を守ってやるためじゃないわさ、そんなやつらは糞くらえだ、そうじゃない、
大事に大事に、あたしらのサイッドをとっておくため……そうとも、やつとやつの聖女のような女房を……
(死者の国では、全員が笑い出し、拍手を送る)
アラブの兵士 やかましい。勝利は貴様らの自由にはならん、勝利にどんな意味を与えるかもだ。決めるのは俺たち、生きている人間だ。
(村の広場にいる男達が拍手する)よし。(第三の兵士が、第二の兵士と同じく、娼家から出てくる。ついで第四の兵士も同様に……)
今に俺たちは、全員、デカルト的な精神の持ち主になるだろう……(サイッドに)貴様の事は許してやる。俺たちの義務は貴様を許す事だ。
オムー (笑う)こいつはいいや! 許すときたよ! 許すんだとよ、とんだ薔薇にマリア様のヴェールだ!
お許しくださるとよ、お燈明に、レースの布に、それから両手を額にあてがってよ……
第二の兵士 許す許さんはともかく、惨めな、汚らしいものはたくさんだ……
オムー お前らはそれで、拍子を取って、お一二、お一二か……
第三の兵士 「全員、進め」って伍長殿の命令があれば、みんな、お一二、お一二だ。
オムー サイッドはね、あたしらが放さないよ。この子の反吐の出そうな汚らしさを保護するためさ……
その汚らしい状態に、これから水をくれてやってね、どんどん育つようにしてやるわさ。
第一の兵士 (サイッドに)俺のそばに来い。(サイッドはためらう)お前に、兵隊になれとは言わん……
(死者の国でどっと笑い声がする。そこには、おふくろ、カディッヂャ、軍曹、ピエール、将軍、ワルダ、ブランケンゼー氏、中尉の姿が見える)
やかましいやい! 亡者はおとなしく寝ていろ! 貴様らには、葬式も、名誉も、栄光もちゃんとあてがってある、
臭い肉に対してやらなきゃならんことはちゃんとな。そうだろうが。よし。(死者たちはくすくす笑う)
今は、俺たちだけで、静かに生きるのだ、邪魔をしないでもらいたい。(サイッドに)ここへ来いと言ったんだぞ。
サイッド (広場を一回り見回した後、穏やかに)ばあ様、兵隊達、みんな、お前らみんな、糞くらえだ。
(彼は群衆から離れて、退場しようとするが、五人のアラブ人の兵士は、ピストルを取り出し、彼を狙う)
第一の兵士 動くな!
(サイッドは立ち止まり、振り返る)
オムー (第一の兵士の前に飛んで行って立ちはだかり)お前達、やっつけるつもりじゃあるまいね?
まさか、この子を、あたしらの手から奪い去るつもりじゃ? まさか、お前達……あたしらの宝物、まさかぶち壊すような真似はすまいね……
あたしら、息が出来るのはこの子のおかげなんだよ……(彼女は体を折り曲げて、激しく咳き込む)このままくたばったほうがましだ……
第二の兵士 (サイッドを指して)やつにこのまま続けさせるわけにはいかん……
小僧 はらはらさせるねえ!
第三の兵士 (サイッドに)さあ、いいから来い。全て帳消しにしてやる、新規まき直しだ。
(サイッドはためらっている様子)
オムー 逃げるんだよ。おまえ自身の外へ出るんだ。口でも、尻の穴でもどこでもいい、とにかく出るんだ、そこにいちゃいけない!
第一の兵士 (サイッドに向かい、厳しい面持ちで)俺はな、いいか、俺が言って聞かせることは……
サイッド (穏やかに)俺のことを、みんな、手に入れようと必死だ。俺の値段は、俺のほうでつり上げることが出来る……
(死者の国で、長い事呟きが聞こえる。死者たちは、互いに目で何事か示し合わせている様子。突然、おふくろが激しい口調で絶叫する)
あたしは牝犬さ、父なしの子犬をはらんだ牝犬だよ。そのあたしがお前をお腹の中に入れていたのは、
お前を死んでもいいようなやつにするためじゃなかったのさ! 牝犬の生涯ってものは、わき腹を足で蹴られる、狂犬病にもなりかねない!
いらくさのけちな茂みよりも、お前の値打ちはもっとけちなものだが、今日のお昼になるまでは---今がちょうどお昼だ---
あたしゃ、あたしを導いて来たのはまさに憎しみってやつだと思い込んでいた、このあたしをだよ、サイッド!
オムー (おふくろに)おばばよ、お前さんの台詞でため息が下がったよ。
第一の兵士 死んだやつらの屁理屈だ……
(死者たちはいっせいにどよめく)
軍曹 (サイッドに)お前のほうが分がいいんだぞ、サイッド、おいらのようにするんだ、おいらはな、ずいぶんひどいこともやらかしたがよ、
そのおかげでおいらは輝くようになったってわけだ。おいらからは後光が出てるんだぜ、サイッド!
ヴァンプ よう、よう! 軍曹、あんたは、ずいぶんとえげつない、いかがわしい事もやらかしたからね。
(笑う)足のつめをひん剥くなんてのは序の口でね……
アカデミー会員 何を馬鹿な事を! 今朝、路地で、あの男の名のついた町名の札の除幕式があったばかりですぞ。
彼の行動は、彼が死んだという一点を除いて、誰も知っちゃおらんのです。
ブランケンゼー夫人 いいえ、どういたしまして、あたしは聞いておりますわ。
銀行家 ゴシップだ、くだらん。
アカデミー会員 (はなはだ意気喪失して)彼が実際に行ったことに頼る事は出来んのです。もはやそのような事は不可能となった。
やつらには出来るが、われわれには出来ん。(学者ぶって)したがって、軍曹は、彼の名のついた町名の札を持つことになる、
それはわれわれが何も知らんからである。これがやつらと違うところです。
おふくろ (大声で笑い出して)だってあの連中なんだろう、お前達がやっつけようとしているのは!
やつらのめっきが金ぴか、本物だと思っているのかい?
第一の兵士 めっきの金ぴかにも、いいところはある。
オムー (サイッドにこっそり)今のうちに逃げ出すんだ。議論している間に、さっと! やつらのやる事は後でわかる……
(サイッドはためらい、立ち去るかのように一歩踏み出す)
第一の兵士 動くな! (サイッドはなおもためらい、それから走り去る)射て!
(五発の銃声が、アラブの兵士達の五丁のピストルから発する。全員、サイッドが立ち去った右手の方を見つめる。
人間が倒れる音が聞こえる。死者たちとオムーを除いて、全員、茫然とした様子)
ブランケンゼー夫人 (びっくりして目を覚まし)いつでも窓の音であの音がするんだから。
(彼女は再び眠り込む)
オムー 今日はまだ、とても往生する暇はないね。一人は埋めて、他のやつらは怒鳴りつけてと。
この分じゃ、百まですぐだ。(バシールに)アスピリン。
(バシールは彼女にアスピリンを差し出す、と、彼女はそれを飲み込む。アラブの兵士とオムーを除き、全員、すでに登場している。
下では、銀行家、外人部隊の兵士、ヴァンプ、等等が、サイッドの登場の際に起き上がっていたが、再び腰を下ろして、うつらうつらし始める)
第一の兵士 (オムーに)そう、悲しむには及ばんよ、ばあ様。お前ももうすぐ地面の下だ。
(彼女は、二本の杖と、バシールならびにアムールに支えられて退場。五人の兵士は右手へ、彼女に従って去る。
使者たちを除き、他の全ての俳優たちは、袖へ、背景とそれからこの景の冒頭で彼らが持ってきた品物を運び去る。
長い沈黙。上の死者たちは、みな、生きている人間達が、舞台を片付けるのを見つめている。使者たちだけが残る)
カディッヂャ (勝ち誇って)引越しだ! 引越しだよ!
軍曹 これでしめしめ! おいらは町の名になったのさ! (笑う)おじきがふとん屋をしているあの路地の角さ、
あそこにおいらの名前のついた町名の札を、おいらはおかげで手に入れた。
勝ち取ったってわけだ! みんな、おいらが美男子だって文句をつけたが、だが、おいらの美貌ってやつは、
おいらの残酷さって言うあの宝石を入れておく宝石箱の役をしたのさ。
おふくろ (不安になって)ところで、サイッドは? 来るんだろうね?
軍曹 おいらの美貌は残酷さと並んでいや増しに増していった。美貌と残酷さ。この両方が手を貸しあってよ。
この両方が抱く愛情の輝き、そいつがおいらがズボンを下げたとき、おいらの尻に訪れて、おいらの尻を金色の光で包んでくれた!
(笑う)
おふくろ サイッド! まあ、待ってりゃいいようなもんだけど……
カディッヂャ それには及ばないよ。レイラと同じさ、戻っては来ないよ。
おふくろ じゃ、どこにいるんだい、あの子?
カディッヂャ 死人の国さ。
(背景の二つないし三つの台詞の間に、死者たちはすでにその背景を運び出している。
お袋が一番後から、その肘掛け椅子を持って退場。部隊は空になる。終わりである)
ほかのをかってくれて楽だわ
こういう奴いるよなって程度でしかない
わかんない、とかいわれると異次元にいるとでも言うかのような自慢顔
女の子とウキウキー だってよ おばさんとおじいさんがな
私の存在に恐れをなしているんだと思うねー名誉毀損!
一貫性はあるねー名誉毀損!
興味をひかそうと害みたいなことしたうえにこんな事を それそのものかこうゆうのも喜びそうだからやめとこ
大阪の人らしいから、東京では下の下 落ちこぼれかぁ
本人たちも更生中の壮年不良少年卒なんだろうが、他人を何人犠牲にすりゃ終わるんだ
更生と銘打って悪目立ちしたい欲望も丸出しだし
ってのを懸念してプラスを与えてるとかいうけど
損害じゃないし これは長い目で見れば
別に返す必要のあることでもなし
本人だけをみての判断だからなんの関連もないかなー
採用も遅かったけど
今更話にも上がってないし
社会で勝ってる、はいってるけど
学歴で負けたはいってないな
過去になればもう話さない主義にしてるらしい
学歴産業だから ずっと取り合わないといけないんですよね
右往左往してなんでおまえだけ定職に付いてるんだ!って怒りに来る予想済みの定期
熱くなって…
おまけに無関係なやつや仲裁に攻撃するという被害妄想もある
わし法学しってすごい人物なんやぞ!
ほっとくと分かる日来ないだろうなー