なんとでもなるさ最終更新 2024/05/20 06:031.名無しさんuFCdUきついなあ2023/11/27 22:14:47145コメント欄へ移動すべて|最新の50件96.名無しさんvgx0d日経平均株価500円安 為替介入より怖い年金勢の売り-吉井花依2024/03/28 12:30 日経速報ニュース 28日午前の東京株式市場で日経平均株価は反落した。前日比の下げは一時500円を超え、3月期決算企業の配当落ち分(約260円)を考慮しても300円近く下げた計算だ。政府・日銀による為替介入への警戒に加え、年度末に向け年金基金が膨らみすぎた株式の持ち高を減らすとの観測が日本株を下押ししている。 午前の終値は前日比479円29銭(1.2%)安の4万0283円だった。 日銀による為替介入への警戒感が相場全体の上値を抑えている。日本時間の27日夜に、財務省・金融庁・日銀が国際金融資本市場に関する緊急の情報交換会合(3者会合)を実施した。前日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=151円97銭まで下落し、1990年7月以来、約34年ぶりの円安水準をつけていた。 28日午前11時時点の円相場は1ドル=151円30銭前後の水準にある。実際に為替介入に踏み切れば急速に円高に振れるとの警戒感から、輸出関連銘柄は基準値を下回っている銘柄が目立つ。 トヨタ自動車は前日比で58円(2%)安の3795円まで下落した。配当分を考慮した基準値(3818円)に比べても安い。日野自動車やスズキも基準値を下回る水準まで下落している。年始以降円安と並行して株高が進んできただけに、円高に振れれば支えを失うとの警戒は強い。 為替の影響を受けやすい双日や住友商事、三菱商事などの商社株や精密機器株なども基準値を下回り、上値が重くなっている。市場では「円高に振れるリスクを警戒し、買いが手控えられている」(フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッド)との声が聞かれる。 加えて「年度末の年金の売りが相場を押し下げている」(アイザワ証券の三井郁男ファンドマネージャー)との見方もある。 国内年金基金は四半期末や年度末に向け株式など保有資産の比率を調整するとされる。例えば公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は運用資産に占める国内株の比率を25%としている。株高によって比率を上回った分を四半期末にかけて調整する必要がある。年度の最終売買日(29日)にかけて持ち高を減らすための株売りを出すとの警戒が強い。 年金の売り需要は巨額に上るとの試算もある。大和証券の阿部健児チーフストラテジストは22日付けのリポートで、GPIFなど主要な年金基金をあわせて「売却必要額は信託銀行の12月末以降の売越額と約2.2兆円の乖離がある」と指摘している。23年末以降の必要な売却額を5.8兆円と見積もったうえで、年金の売買を反映する「信託銀行」の売越額の合計(約3.6兆円)が2.2兆円下回っているとの計算だ。 売り圧力が強まっている一方で、目立った買い手は乏しい。決算期末の週は上場企業が自社株買いを手控えるとされる。一方で持ち合い解消の売りは淡々と続けるため、差し引きでは売り越しになりやすい。東京証券取引所の投資部門別売買動向をみると直近は4四半期連続で信託銀行と事業法人がともに最終週に株を売り越している。 年金基金の売りは一時的な需給要因だが、日米金利差を背景とした円安基調は当面は続くとの見方が根強い。この日から実質的に新年度入りした日本株相場。市場の目線は25年3月期の企業収益に向かう。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは「企業の来期予想が保守的でも、あとから上方修正するとの期待感は高い」と話す。2024/03/28 12:53:2297.名無しさんvgx0d日経平均株価500円安 為替介入より怖い年金勢の売り-吉井花依2024/03/28 12:30 日経速報ニュース 28日午前の東京株式市場で日経平均株価は反落した。前日比の下げは一時500円を超え、3月期決算企業の配当落ち分(約260円)を考慮しても300円近く下げた計算だ。政府・日銀による為替介入への警戒に加え、年度末に向け年金基金が膨らみすぎた株式の持ち高を減らすとの観測が日本株を下押ししている。 午前の終値は前日比479円29銭(1.2%)安の4万0283円だった。 日銀による為替介入への警戒感が相場全体の上値を抑えている。日本時間の27日夜に、財務省・金融庁・日銀が国際金融資本市場に関する緊急の情報交換会合(3者会合)を実施した。前日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=151円97銭まで下落し、1990年7月以来、約34年ぶりの円安水準をつけていた。 28日午前11時時点の円相場は1ドル=151円30銭前後の水準にある。実際に為替介入に踏み切れば急速に円高に振れるとの警戒感から、輸出関連銘柄は基準値を下回っている銘柄が目立つ。 トヨタ自動車は前日比で58円(2%)安の3795円まで下落した。配当分を考慮した基準値(3818円)に比べても安い。日野自動車やスズキも基準値を下回る水準まで下落している。年始以降円安と並行して株高が進んできただけに、円高に振れれば支えを失うとの警戒は強い。 為替の影響を受けやすい双日や住友商事、三菱商事などの商社株や精密機器株なども基準値を下回り、上値が重くなっている。市場では「円高に振れるリスクを警戒し、買いが手控えられている」(フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッド)との声が聞かれる。 加えて「年度末の年金の売りが相場を押し下げている」(アイザワ証券の三井郁男ファンドマネージャー)との見方もある。 国内年金基金は四半期末や年度末に向け株式など保有資産の比率を調整するとされる。例えば公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は運用資産に占める国内株の比率を25%としている。株高によって比率を上回った分を四半期末にかけて調整する必要がある。年度の最終売買日(29日)にかけて持ち高を減らすための株売りを出すとの警戒が強い。 年金の売り需要は巨額に上るとの試算もある。大和証券の阿部健児チーフストラテジストは22日付けのリポートで、GPIFなど主要な年金基金をあわせて「売却必要額は信託銀行の12月末以降の売越額と約2.2兆円の乖離がある」と指摘している。23年末以降の必要な売却額を5.8兆円と見積もったうえで、年金の売買を反映する「信託銀行」の売越額の合計(約3.6兆円)が2.2兆円下回っているとの計算だ。 売り圧力が強まっている一方で、目立った買い手は乏しい。決算期末の週は上場企業が自社株買いを手控えるとされる。一方で持ち合い解消の売りは淡々と続けるため、差し引きでは売り越しになりやすい。東京証券取引所の投資部門別売買動向をみると直近は4四半期連続で信託銀行と事業法人がともに最終週に株を売り越している。 年金基金の売りは一時的な需給要因だが、日米金利差を背景とした円安基調は当面は続くとの見方が根強い。この日から実質的に新年度入りした日本株相場。市場の目線は25年3月期の企業収益に向かう。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは「企業の来期予想が保守的でも、あとから上方修正するとの期待感は高い」と話す。2024/03/28 12:59:1598.名無しさんrwJO1三井住友銀行、貧困支援向けの米ドル預金 金利年4.5%2024/03/28 22:00 日経速報ニュース 三井住友銀行は4月1日、資金使途を社会課題解決につながる融資に限定したドル建ての定期預金「ソーシャル預金」の提供を始める。低所得者向け住宅の建設や公共インフラの整備、医療技術開発などへの融資に使う。通常のドル定期預金と同じ金利水準で個人や企業からお金を集め、サステナブル(持続可能性)関連融資の残高拡大を目指す。 個人向けは期間1年の定期預金を用意する。金利は通常のドル定期預金と同じ年4.5%とする。最低預入金額は50万ドル(約7600万円)で、資金に余裕のある富裕層向けに始めるが、将来は最低預入金額を引き下げて顧客層を広げることも検討する。金融機関や一般企業など法人向けも用意する。 金融包摂や教育、食糧などに関連する融資にも利用するが、持続可能な開発目標(SDGs)に沿った融資に使い道を絞る。使途を限定した預金商品には環境対策向けの「グリーン預金」があるが、貧困支援などに使途を限定した外貨預金は珍しい。ソーシャル預金の枠組みは第三者機関の認証を得る。 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は2030年までの10年でサステナブルファイナンスの実行額を累計50兆円にする目標を掲げる。ソーシャル預金の導入で原資となる預金を集める。2024/03/29 06:14:1699.名無しさん030oShttps://i.imgur.com/gHQ4Fhg.jpghttps://i.imgur.com/it3uAw6.jpg2024/03/30 10:45:43100.名無しさん030oShttps://i.imgur.com/ngHAruA.jpghttps://i.imgur.com/kkxJn9W.jpg2024/03/30 10:46:43101.名無しさんhUrZ6日経平均、一時4万円台回復 「期初の益出し」ピークは過ぎたか2024/04/02 13:13 日経速報ニュース 2日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前引けは前日比50円(0.13%)高の3万9853円だった。日経平均は上げ幅を300円以上に広げ、4万円台に乗せる場面もあった。例年、4月第1週は前年度の株高で国内機関投資家が含み益のある保有株を売却する「期初の益出し」が出やすいとされる。想定外の大幅下落となった前日で期初の益出しはピークアウトしたとの見方が、押し目買いを誘った面がある。 期初の益出しは銀行など国内の機関投資家の特有の動きとされ、例年4月や下半期入りに当たる10月第1週の恒例イベントとなっている。含み益のある株式を売却して新年度入り早々に実現益を計上することで、運用者の達成ノルマへの安心感を高める。あるいは、持ち高の現金化でその後の運用をしやすくするといった狙いがある。 益出しを行う日本の機関投資家は、自身と同様の投資行動を他の機関投資家も取るであろうと想定し、我先にと益出しの売りを行う傾向があるとされる。誰かが売る前に自身の益出しを少しでも株価水準が高い場面で行いたいためだ。そうした横並びの動きが一斉に強まると、前日のような急落につながる。 恒例行事ながら1日の下げが大きかった一因に2023年度に日経平均が1万2327円(44%)も上昇し、史上最高値を更新するなど、歴史的な株高だったことが影響しているようだ。前年度の株高の程度が大きかったほど、新年度入り早々に評価益が出ている持ち高を実現益にする動きが大きく出やすい。それだけに2日も取引開始前は「益出しで前日のような下げに見舞われるのでは」との警戒感もあったが、午前の相場動向を見るかぎり、投資家の懸念は杞憂(きゆう)に終わった。 株価指数に連動するパッシブ投資家は数日に分けて期初の益出しに伴う売りを出す傾向がある。そのため、今週いっぱいは売り継続が警戒されるが、「前日で売りはピークアウトしたと市場ではみられている」(フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッド)。個別銘柄の値動きからもその様子がうかがえる。1日は特段の売り材料がなくとも4%強下げた三菱重工業は2日午前は1.84%高と反発。1日に6%安だった川崎重工業は0.50%高、5%安だった野村ホールディングスは0.77%高となった。 期初の益出しのピークが過ぎたとの見立てに立てば、押し目買いを入れやすい。さらに、4月は海外投資家の資金流入で株価が上昇しやすいアノマリー(経験則)があることも株買いを後押しする。 04?23年までの直近20年間の4月の日経平均の月間騰落率を調べたところ、上昇した年が12回となった。フィリップの増沢氏の集計によると、海外投資家は直近20年間で現物と先物の合計では4月に17回買い越しており、他の月と比べて買い越しの回数が最も多かった。欧米は12月期決算が主流のため、この時期に企業からの配当金が投資家の手元に届き、その資金の一部を再投資として日本株にまわす動きと分析する。 野村証券の藤直也エクイティ・ストラテジストは1日付リポートで「海外投資家の先物買いの持ち高はニュートラル(中立)に近く、今後は買いが入りやすい」としたうえで、「短期的な需給の見通しは株価の押し上げ方向に傾斜している」と指摘した。藤氏は外資系証券が日経平均先物を21年4月以降のピーク水準まで積み増せば、日経平均は4万3500円程度まで上昇する可能性があるとも想定する。需給面では期初の益出しを通過すれば、春の外国人買いが後ろ盾になるといったところか。2024/04/02 13:31:55102.名無しさん8UCc8三井住友FG、「プロミス」をカード傘下に ノンバンク再編 スマホ活用、異業種に対抗2024/04/03 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は2024年度にグループ内のノンバンクのリテール事業を再編する。持ち株会社傘下の消費者金融「プロミス」のSMBCコンシューマーファイナンス(CF)を、三井住友カードの完全子会社にする。ノンバンク市場で存在感を高める異業種を見据え、スマートフォン(スマホ)を通じた金融サービスの拡充に布石を打つ。 近く発表する。旧プロミス(現SMBCCF)は12年、三井住友カードは19年に三井住友FGが完全子会社化した。大手銀では出資先のノンバンクは消費者金融、カード、信販など業態別に独立して運営しているのが一般的だ。再編は今年度の下半期を予定している。グループのカードと消費者金融の一体運営は3メガバンクで初めてとなる。 三井住友FGはクレジットカード大手の三井住友カードを中心にリテール事業の再編を進めている。23年に消費者金融のSMBCモビット、24年4月にカードや信販を手掛けるSMBCファイナンスサービスを合併した。再編後は三井住友カードが個人向けノンバンク戦略を一手に担う形となる。 SMBCCFの社長には4月1日、三井住友カードの専務執行役員を兼務する高橋照正氏が就いた。消費者金融とカードを一体運営することでデジタル化を進める。三井住友カードが持つアプリなどのノウハウをSMBCCFに共有し、プロミスのアプリを使いやすくする。与信判断もカードのノウハウを取り入れて高速化する。三井住友FGのポイント事業「Vポイント」でも連携を深める。 背景にあるのは消費者金融を中心とした貸し付けの増加だ。日本貸金業協会によると、24年1月のノンバンク3業態の消費者向け無担保貸し付け(住宅向けを除く)は前年同月比6.5%増の4兆2051億円だった。新型コロナウイルス禍後の「リベンジ消費」を取り込んだ。米国でも消費者信用残高は市場予想を上回る伸びを確保する。 消費者金融大手のアコムでは新規顧客数が23年4~12月期に前年同期比で5割増えた。若年層の需要を取り込む。ある大手では貸し出しから2年以内の債権の件数が全体の半分近くを占める。消費者金融会社の幹部は「将来の自分と『割り勘』して支出をする習慣が根付いてきた」と強調する。 もう一つの背景にあるのが、新型コロナウイルス禍に伴いノンバンク市場で急速に存在感を高めてきた通信会社やIT(情報技術)など異業種の参入組だ。LINEクレジットの「LINEポケットマネー」は23年に累計貸付金額が1000億円を超えたと公表。小口資金などの需要を取り込み、業界大手に迫る規模の申込件数を確保した。 通信会社ではKDDI系の「au PAY スマートローン」が存在感を高めるほか、NTTドコモが22年に申し込みや返済、借り入れをスマホで完結できる「dスマホローン」を始めた。累計貸付実行額は24年2月時点で370億円を超える。同社は事業の拡大をにらみ3月、中堅信販のオリックス・クレジット(東京・港)を傘下に収めた。 異業種勢に共通するのはスマホでの手続きや顧客獲得に特化していることだ。既存の消費者金融各社もスマホでの借り入れ、返済ともに対応するが、新規顧客の獲得にはテレビやインターネットでのCMに依存する傾向が強い。対話アプリや通信会社などから気軽に借り入れできることから異業種勢が顧客獲得で優位に立ち始めている。 楽天グループが相乗効果をにらみ銀行やカードなど金融子会社の再編について協議を始めるなど、組織形態を見直す動きも相次ぐ。消費者保護と両立させながらどう個人の資金需要を開拓するかが問われている。2024/04/03 06:08:49103.名無しさんlNC1z日経平均、新NISAの「うれしい誤算」で4万円台に2024/04/04 12:33 日経速報ニュース 4日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発し、4万円を上回った。前日は終値で下値支持線となっていた25日移動平均を下回ったが、すかさず押し目買いが入った。海外勢の見直し買いに加え、新しい少額投資非課税制度(NISA)を使った個人の買いが想定以上に国内株に向いていることが背景にある。国内外の投資家の日本株への強い買い意欲により、深い押し目のない上昇が続くかもしれない。 前日の米長期金利の上昇一服を受けた米ハイテク株高の流れを引き継いで、朝方から半導体関連を中心に買いが先行した。東京エレクトロンが株式分割を考慮した実質的な上場来高値を更新。日経平均の上げ幅は一時700円を超えた。前引けは前日比649円(1.65%)高の4万0101円だった。 3日午後に発表した今期の株主還元方針を好感して、伊藤忠商事がきょうも買われて上場来高値をつけた。香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントがマーケティングの改善を要求した花王にも物色が向かった。日本企業の資本効率改善に期待した海外勢の買いが日本株の上昇をけん引している。 上昇基調が続くもう1つの背景には新NISAによる日本株買いがある。日本証券業協会が3月に公表した証券会社10社(大手5社・ネット5社)の2月末時点のNISA口座の開設・利用状況によると、1?2月の買付額(1カ月平均)は、成長投資枠とつみたて投資枠がともに前年1?3月の月平均の3倍に達し、合わせて1兆7700億円となった。 海外株を投資対象とする投資信託の人気が圧倒的に高いとみられていたなかで、このうち46%が国内株(上場投資信託=ETFや不動産投資信託=REITを含む)に振り向けられたことが市場関係者の間では驚きを持って受け止められている。 モルガン・スタンレーMUFG証券はこれまで、新NISAによる2024年の国内株の買付規模を2兆4000億円程度と見込んでいた。日証協調べの月平均を12カ月換算して国内株の割合を乗じると、9兆7000億円程度となる。同証券の中沢翔株式ストラテジストらは3日付リポートで「我々の想定の4倍で日本株に投資していることになる」と分析。「日本株に対する強気姿勢を維持する当証券としてはうれしい誤算だ」と指摘した。 UBS証券は3日付で24年末の日経平均の見通しを4万5000円に設定した。担当の守屋のぞみストラテジストは「24年後半以降は、円高による外需株を中心とした収益の悪影響を織り込むが、企業の為替前提との乖離(かいり)は限られるため、大幅な株価調整は想定しない」と指摘する。日本株は年初からの急ピッチの上昇を経て、今後の上昇ペースが鈍る可能性が高いが、じりじりと水準を切り上げる展開となりそうだ。2024/04/04 12:50:23104.名無しさんtQtgh証券株に売り広がる 株高一服、収益拡大期待が後退2024/04/05 20:49 日経速報ニュース 証券株に売りが広がっている。5日の東京株式市場では業種別日経平均株価の「証券」が前日比2.4%安の3147.07となり、2月下旬以来およそ1カ月ぶりの安値水準となった。大幅反落となった日経平均の下落率(2.0%)を上回った。株高が一服し、売買手数料収入が伸びるとの期待が後退。利益確定の売りが優勢となった。 指数構成銘柄では、大和証券グループ本社が3.2%安、東海東京フィナンシャル・ホールディングスが2.8%安、野村ホールディングスが2.6%安、マネックスグループが2.0%安だった。 証券株は年初から3月下旬にかけて上昇基調が続いていた。業種別日経平均の「証券」は3月22日に直近高値の3395.59をつけ、23年末から29%上昇していた。株高で売買が活況となり、手数料収入が伸びると期待された。 足元では米国の利下げ観測の後退や中東情勢の悪化を受けたリスクオフの流れから株高が一服。収益拡大期待がしぼみ、利益を確定させる売りが広がった。 もっとも、「市場全体の商いはしっかりしており、証券会社にとってアゲンスト(向かい風)の状況ではない。一時的な売りにとどまる」(りそなアセットマネジメントの下出衛チーフ・ストラテジスト)との見方がある。東証プライム市場の売買代金は1月末から足元にかけて4兆?6兆円台で推移する。前年同期は2兆?4兆円台だった。 ピクテ・ジャパンの糸島孝俊ストラテジストは「昨年からの株高や新NISA(少額投資非課税制度)がどれだけ収益貢献しているか、今後の決算で見極めたい投資家もいる。しばらく様子見の姿勢が広がりそうだ」と話す。2024/04/06 04:01:11105.名無しさんtQtghVポイントとTポイント統合――合算にはID連携必要(ポイント賢者)2024/04/06 日経プラスワン 4月22日にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の共通ポイントの「Tポイント」が三井住友フィナンシャルグループの「Vポイント」と統合し名称を「Vポイント」に統一します。今持っているTカードやTポイントは統合後も新Vポイントの仕組みに乗って使えます。 Vポイントは三井住友銀行や三井住友カードなどの利用でたまります。年会費無料のクレジットカード(クレカ)の三井住友カード(NL)などを対象店舗で使うと、スマートフォンのタッチ決済は利用額の最大7%、プラスチックカードのタッチ決済は同5%のVポイントをもらえます。スマホアプリの「Vポイント」に1ポイント=1円で入金しVisa加盟店で使えます。統合後は「VポイントPayアプリ」になります。 今のTポイントとVポイントをID連携すると22日以降、両ポイントを合算できます。例えばTポイント加盟店でTカードを提示し三井住友カードのクレカでタッチ決済すると、今はTポイントとVポイントが付きます。統合後はVポイントがダブルでたまります。連携しないとポイント合算や一部のサービス利用ができないので要注意です。 新Vポイントの有効期限は今のTポイント方式で最終利用日から1年です。現在のVポイント利用者はクレカの種類によって異なる有効期限が利用ごとの自動更新に変わり、失効の恐れが少なくなりそうです。 21日まで「カウントダウン祭」を開催中です。エントリーすると、モバイルTカード提示でポイント付与が2倍(新規登録会員は10倍)、対象のコンビニと飲食店で三井住友カードの対象カードでスマホのタッチ決済をすると通常最大7%の還元率が同10%になります。他のポイントも新Vポイントを意識しキャンペーンを行うかもしれません。2024/04/06 06:32:04106.名無しさんJLPrl三井住友DS、日本株ETFを米で上場 アクティブ型、国内勢初2024/04/10 日本経済新聞 朝刊 三井住友DSアセットマネジメントは米ニューヨーク証券取引所で日本株の「アクティブ上場投資信託(ETF)」をこのほど上場させた。アクティブETFは指数連動ではなく独自に選んだ銘柄で運用する。ニューヨークでの上場は日本株対象で2例目とみられ、国内運用会社では初めて。海外投資家は日本株への関心を高めており、需要を取り込む。 「レイリアントSMDAMジャパン・エクイティETF」を上場させた。ファンド設定などを香港の運用会社、レイリアント・グローバル・アドバイザーズ(RGA)が担い、三井住友DSアセットが銘柄選びなどの実質的な運用を請け負う。 約30銘柄に集中投資し、東証株価指数(TOPIX)を超える成果を目指す。投資対象は電気機器や機械、IT(情報技術)など幅広く想定する。中長期で成長するとみる銘柄に投資する。 日本ではアクティブETFが2023年9月に解禁されたばかりだが、米国では手数料や税金などのコストの低さなどから急速に普及している。残高の規模は日本の100倍超とみられる。 三井住友DSアセットとしても実質的に運用するアクティブETFを米国で上場させるのは初めてだ。市場が広がる米国で個人の資金などを取り込みつつ、本格的な市場でノウハウを得る狙いもある。 海外で日本株への関心が高まっていることもニューヨークで上場した理由の一つだ。日経平均株価は2月に34年ぶりに最高値を更新し、足元でも最高値圏にある。アクティブETFの上場が続けば、米国の個人マネーを日本株へ呼び込む流れが加速する可能性がある。2024/04/10 06:21:25107.名無しさんwmYQK銀行・信金貸出残高3月、3.2%増619兆円 資金需要の拡大続く2024/04/11 日本経済新聞 朝刊 日銀が10日発表した3月の貸出・預金動向(速報)によると、全国の銀行と信用金庫の貸出平均残高は前年同月比3.2%増の619兆5660億円になった。不動産やM&A(合併・買収)向けの資金需要が引き続き強く、新型コロナウイルス禍後の経済活動の改善に伴って残高の拡大が続いている。 銀行・信金の貸出残高の増加率は、2月(3.0%増)より拡大した。特に都市銀行などの伸びが4.2%増と高く、2021年3月以来の増加幅だった。信金は増加幅が縮小傾向にあり、3月は前年同月比0.4%増にとどまった。 預金残高も増加した。3月の平均残高は前年同月比2.0%増加し1039兆8999億円だった。2月(1.9%増)からわずかに伸び率は拡大した。 日銀が3月にマイナス金利政策を解除し、金融機関では預金金利を引き上げる動きが活発になっているが、全体の残高に目立った影響はないとみられる。2024/04/11 06:24:58108.名無しさんCCf6v預金60兆円 大都市が吸引 相続で移動、大手銀争奪 試練の地域金融(チャートは語る)2024/04/14 日本経済新聞 朝刊 超低金利下で敬遠されてきた預金の位置づけが変わってきた。「金利ある世界」では金融機関の稼ぎの源泉として預金の重みが増すためだ。各行とも金利を上げて獲得に動いているが、相続に伴う資金移動が預金の東京集中を加速させる要素として浮上してきた。60兆円規模の資金移動は地方金融機関にとって試練となる。 「メガバンクに流れないよう、相続分を定期預金してくれたら金利を上乗せしている」。奈良県の信用金庫幹部は打ち明ける。この信金の預金は前年比プラスだが、縮小傾向にある。預金者も高齢層が多く、相続に伴う預金流出への危機感は強い。 三井住友信託銀行は相続に伴い、今後30年間で58兆円の家計の金融資産が全国から東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)に流入すると試算する。東京圏から他地域への流出分を引いても東京圏の純増額は38兆円にのぼる。奈良や秋田、愛媛など17県では家計の金融資産の3割以上が県外に流出する可能性があるという。 三井住友信託の青木美香主任調査役は「東京圏の吸収力はブラックホール並みで、家計の金融資産の集中は一段と進む」とみる。地方在住の親が亡くなり、都市部に住む子供が預金を相続する際、営業地域が限られる地域金融機関は「流出超過」になりやすい。 信金の中央機関である信金中央金庫によると2024年2月時点の全国の信金の預金残高は162兆円。前年同月比1600億円増えたが伸び率は0.1%に縮んだ。20~21年は新型コロナウイルス禍の支援金で8%を超えるときもあったが、足元では実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済に伴う預金流出も起きている。 直近23年11月時点で全国11地区のうち東北や北陸、中国、南九州など6地区の預金残高がすでにマイナスになった。信金の預金が全体でも減少すれば21年ぶりとなる。 すでにマイナスに転じたのがJAバンクだ。23年5月に前年割れとなり、24年2月までの10カ月間のうち9カ月は前年実績を下回った。信金とJAバンクに共通するのは高齢化が進む地方が地盤という点だ。 相続マネーの受け皿になっているのが大手行だ。日銀によると大手行の預金残高は24年2月までの1年間で15兆円増えた。信金より営業地域が広い地銀の預金は全体では伸びを維持しているが、個別にみると残高が前年を下回る地銀もでてきた。 「これからは預金をとりにいく」。日銀が3月にマイナス金利政策を解除した後、みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長は行員に意識変革を訴えている。資金の振り向け先が乏しかった超低金利下では預金はコストのかかる重荷で、余剰資金を抱えて日銀にあずければマイナス0.1%を課されてきた。 マイナス金利解除で前提が変わった。3メガバンクは0.001%だった普通預金の金利を0.02%に引き上げ、長めの資金を確保しようと定期預金の金利も引き上げた。 ポイント経済圏の利便性や比較的高い金利を武器に預金を伸ばすネット銀行の存在も大きい。楽天銀行の預金残高は23年12月に10兆3100億円と、1年間で1兆4700億円増えた。口座数も1400万を超え急成長が続く。ネット銀のサービスで満足すれば地域金融機関で口座開設する動機は薄れる。 銀行や信金にとって預金は運用の元手でビジネスの基盤だ。預金が減れば運用リスクを取って収益をあげにくくなり、不良債権処理や融資先への経営支援の余力は落ちる。 預金が増えた時代の終わりは地域金融の地殻変動の導火線になる可能性がある。(湯浅兼輔、北島空)2024/04/15 06:09:49109.名無しさんCCf6v住友重機械、秘めた実力1兆円 逆転の切り札は半導体-茂野新太2024/04/15 04:00 日経速報ニュース 住友グループの源流である別子銅山(愛媛県新居浜市)で使う機械の工場として、1888年に産声を上げた住友重機械工業。長い歴史の中で事業の裾野を広げてきたが、強みが見えにくくなり現在の企業価値は理論値の7割にとどまっている。実はある半導体製造装置の分野では世界最大手の牙城を崩せるほどの実力もある。半導体銘柄への転身を図れば、企業価値の毀損を脱する可能性も秘める。 「一般商船の建造の新たな受注は2024年度以降止める」。下村真司社長は2月の決算説明会でこう語った。別子銅山での機械工場と並んで祖業の一つとして続けてきた造船事業から撤退することを決めた。事業規模が小さく、撤退による業績への影響は限られる。それでも大きく打ち出したのは「株式市場に事業再構築への本気の姿勢を示す」(同社)狙いがあったからだ。 国の防衛費拡大などを背景に重工各社が株価を上げるなか、住友重機械の上昇率は相対的に小さい。同社は機械の動力伝達に使う変速機・減速機、建設機械など幅広い事業を手掛ける。業界では複合経営ゆえに企業価値が割り引かれる「コングロマリット・ディスカウント」のきらいが少なからずあるが、同社での影響は深刻だ。 複合企業の企業価値分析に使う「サム・オブ・ザ・パーツ(SOTP)法」で理論価値を出すと、その影響が浮かび上がる。日経バリューサーチのデータを活用し、各事業の営業利益と、それぞれの事業が属する業界内で事業価値(EV)が利益の何年分に当たるかを示すEV/営業利益倍率を掛け合わせて事業ごとの理論価値を導き出した。 試算した事業価値の合計は1兆円に迫る。足元での株式の時価総額(5831億円)に、純有利子負債を加えた企業価値は6497億円となり、3割下回る。企業価値は各事業の相乗効果を生み出すどころか事業価値の合計にも満たない。 企業価値を損なっている証左は他にもある。PBR(株価純資産倍率)は三菱重工業(2.4倍)や川崎重工業(1.4倍)などで1倍を超えるのに対し、0.9倍にとどまる。 コングロマリット・ディスカウントを解消する手掛かりはあるか。 造船業の後を継ぐ子会社と大型の鉄鋼構造物を手掛ける子会社が組み、洋上風力発電用の設備ビジネスに乗り出すなど、複合経営を生かそうとはしている。だが、こうした事業間シナジー(相乗効果)を創り出す取り組みは限られる。2024/04/15 09:43:15110.名無しさんCCf6v カギを握るのが、同社が手掛ける「イオン注入装置」と呼ばれる半導体製造装置だ。電気を帯びさせてイオン化した原子や分子を半導体の基板となるシリコンウエハーに注入し、ウエハーに半導体としての電気的な特性を与える工程を担う。半導体の製造に欠かせず、市場調査会社グローバルインフォメーションによると同装置の世界市場は30年に113億5000万ドル(1兆7000億円程度)と22年の2.3倍となる。 1980年代、オイルショックのあおりでエネルギーを多く使う重厚長大産業が不況に陥った。そんななかメカトロニクスの技術などを生かして進出したのがイオン注入装置をはじめとする半導体製造装置だった。 実は住友重機械はイオン注入装置の世界シェアで半導体装置の巨人、米アプライドマテリアルズ(AMAT)などに次ぐ3位にある。同装置のシェアは6?7割のAMATに対して1割だが、スマートフォンや車載用カメラなどに使うイメージセンサー用では過半のシェアを占める分野がある。生成AI(人工知能)向け半導体の需要もある。 稼ぐ力は高い。2023年12月期の連結営業利益率は7%で、そのうち傘下で事業を手掛ける住友重機械イオンテクノロジー(SMIT、東京・品川)の利益率は20%に達する。試算によると事業価値は約2600億円に及ぶ。岩井コスモ証券の斎藤和嘉氏は「用途によってはAMATのシェアを奪える。実現すれば評価もあがる」とみる。 2月、26年12月期まで3年間の中期経営計画をまとめた。連結営業利益で1000億円(前期743億円)、事業活動に投じた資金を使い効率よく利益を上げているかを示す「投下資本利益率(ROIC)」で8%(前期7%)をめざす。株式市場では「まずPBR1倍へのシナリオは示された」(大和証券の田井宏介氏)と評価する声もある。 だが資本コスト経営の徹底は欠かせない。住友重機械は資金の出し手である株主や債権者が期待する最低限のリターン「加重平均資本コスト(WACC)」を6?8%と見込む。30年12月期までに全事業のROICでWACCを上回る目標を掲げるが、プラントなど一部で目標を下回る状況が当面続き、及第点にとどまる。資本効率を改善する具体策も乏しい。 「我が社を活性化させる切り札だ」。半導体装置への参入当初、当時の同社首脳は期待を込めてそう語っていた。ただ今では「事業を切り出し上場すれば注目される。他の事業と同じ会社で抱えるのは残念」(半導体セクターの証券アナリスト)と皮肉る声もある。「重機械」の名を捨て半導体銘柄になるくらいの覚悟で資本を傾斜配分することが、真の企業価値への近道かもしれない。【関連記事】・住友重機械、造船事業から撤退 洋上風力や建機に注力・機械株の株価上昇率、「脱造船」企業が上位 23年末比・住友重機械子会社、愛媛新工場で半導体製造装置生産2倍2024/04/15 09:43:52111.名無しさんG5H2a日銀の当座預金、大手銀23兆円増 3月、マイナス金利解除で2024/04/17 日本経済新聞 朝刊 日銀が16日公表した3月の当座預金残高によると、3メガバンクを含む都市銀行の残高が前月から約23兆円増加し、208兆3940億円になった。3月16日から4月15日までの平均残高で、当座預金の一部にマイナス金利を適用する政策が廃止されたことで残高が増えた可能性がある。 金融機関は資金決済を行うため日銀の当座預金口座にお金を預けている。日銀は2016年からこの当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用していたが、3月19日にマイナス金利の終了を決めた。 マイナス金利の解除以降は、法定準備を除く超過準備額に0.1%の金利をつけている。法定準備分を除く約202兆円の残高が維持されると考えると、日銀は年換算で2000億円規模の利息を大手銀に支払うことになる。 これまでは日銀にお金を預けすぎると、金融機関側に利払い負担が生じる構図だったため、銀行はマイナス金利の適用を回避するため余剰資金の運用先を模索してきた。短期の資金をやりとりする市場に資金を放出するなどしてマイナス金利の適用を免れていた。 マイナス金利解除後は「当座預金に積めば0.1%の金利がつくため、短期市場では大手銀が資金の取り手に転じている」(短期市場関係者)とみられる。りそな銀行の担当者は「無担保コール翌日物や5年以下の国債などで柔軟な運用ができるようになってきた」と話す。2024/04/17 06:06:47112.名無しさんx3kzh住信SBI、短プラ上げ 変動型住宅ローン、金利に上昇圧力2024/04/18 日本経済新聞 朝刊 住信SBIネット銀行は17日、短期融資の基準となる短期プライムレート(短プラ)を0.1%引き上げて年1.775%にすると発表した。5月1日から適用する。短プラは変動型住宅ローン金利の基準で、同行で借りたローン金利は上がる可能性が高い。 日銀が3月にマイナス金利政策を解除してから短プラの引き上げが表面化するのは初めて。預金金利の引き上げに伴う調達コストの上昇を反映したとしている。日銀が2016年2月にマイナス金利政策を導入した際、住信SBIは短プラを据え置いていた。 住信SBIの4月時点の変動型住宅ローンの基準金利は2.775%で最優遇金利は0.298%。銀行は一般的に住宅ローンの基準金利を毎年4月1日と10月1日に見直している。 10月までに再び短プラを下げなければ、10月から変動型の基準金利は上昇。25年1月の返済分から影響する。 住信SBIは23年3月期の住宅ローン実行額が1兆4000億円超で、メガバンクを上回る。残高ベースでは23年12月末時点で6兆円を超えこのうち変動金利型は93%を占める。 短プラは1年未満の短期融資の基準となる金利。住信SBIが短プラを上げるのは07年に営業開始してから初めて。日銀によると最も多くの銀行が設定している水準(最頻値)は09年1月以来、1.475%で据え置かれてきた。変動型の住宅ローンの基準金利は多くの大手行が短プラに連動して決めている。2024/04/18 06:19:24113.名無しさんx69HY新生Vポイント始動 8600万会員、金融軸に携帯4社追う2024/04/22 05:00 日経速報ニュース カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と三井住友フィナンシャルグループ(FG)のポイント事業統合で「新生Vポイント」が22日にスタートする。会員数は8600万人程度と国内有数の規模となる。世界1億店以上のVisaカード加盟店で使えるなど金融面の強みを生かし、共通ポイントで先行する携帯大手に挑む。 「2つのポイントの良さを合わせ、みんなが自由にどこでも使えるポイントになる」。2023年6月、三井住友FGの太田純社長(当時)はポイント事業統合の記者会見で力を込めた。 CCCのTポイントと三井住友FGのVポイントを統合し、新生Vポイントに統一する。共通ポイントの草分け的な存在で約20年の歴史を持つTポイントの名称は消えることになる。会員数は単純合算で1億5000万人規模で、重複を省くと8600万人規模になるとみられる。運営会社にはCCC側が6割、三井住友FG側が4割を出資する。 最大の強みは世界200カ国以上に1億店以上あるVisa加盟店でポイントをためて使えることだ。CCCの高橋誉則社長は「世界で使える場所が急速に広がる」と話す。実際にVポイントは会員1人あたりの年間ポイント獲得額がTポイントの8倍だ。1000円以下の決済が多いTポイントに対し数千円、数万円単位のVポイントはたまりやすかった。 さらに三井住友FGはスマートフォンを起点とした金融サービスへの転換を進めている。核になるのが、総合金融サービス「Olive(オリーブ)」だ。銀行、カード、証券、保険などのグループの金融サービスの利用状況に応じてポイント還元率を高める。 Tポイントは知名度が高い一方、決済面の機能が弱い。CCCの本業であるDVDレンタル市場の縮小などもあり、ここ数年は苦戦していた。一方Vポイントはクレジットカードのタッチ決済など利便性は高いが、知名度に劣る。 両社の思惑が一致し、ポイントの統合交渉はわずか1カ月でのスピード合意だったという。CCC創業者の増田宗昭会長は「太田さんに会った時一発で『おもろいオッチャンやな』と思った。一緒にやりたいと思った」と話す。その太田氏は膵臓がんにより23年11月に65歳で急逝した。 国内のポイント市場は成長が続いている。矢野経済研究所(東京・中野)によると、27年度の年間ポイント発行額は22年度比37%増の3兆3999億円に膨らむ見通し。 共通ポイントでは携帯大手の4社の存在感が強い。楽天グループの「楽天ポイント」、NTTドコモの「dポイント」、KDDI系の「Pontaポイント」、ソフトバンク系の「PayPay」は通信や金融サービスを融合させて顧客を囲い込もうとしている。 NTTドコモはアマゾンジャパン(東京・目黒)と連携し、弱点だった電子商取引(EC)を補強している。楽天グループは18日、決済やポイントなどのアプリを統合すると発表した。 MMD研究所の24年1月の調査では「最も活用しているポイント」は、TポイントとVポイントの合計で約8%にとどまる。ある共通ポイントの関係者は「脅威だとは思っていない」と話す。 複数のポイントを活用する30代会社員の女性は「その時々にお得なポイントを集めている。早速Vポイントへの移行キャンペーンも利用している」と話す。MMD研究所の伊藤南美研究員は「Visaの加盟店で利用できることは大きいが、VポイントがVisaだと消費者に分かりやすくアピールできるかが鍵だ」と話す。【関連記事】・楽天、決済アプリ統合 ポイントと一本化でPayPay対抗・ドコモ、Amazonと決済・ポイント連携 経済圏拡大へ・JR東日本、「Suica経済圏」再構築 金融サービスに参入2024/04/22 06:12:26114.名無しさんvM3a9脱炭素ファンド、メガ銀が参画 ブラックロックなど設立2024/04/26 日本経済新聞 朝刊 【シンガポール=佐藤史佳】米ブラックロックとシンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスが設立した資産運用会社、デカーボニゼーション(脱炭素化)パートナーズは、1号ファンドで14億ドル(約2200億円)の調達を完了した。みずほ銀行と三菱UFJ銀行も参画する。 1号ファンドには18カ国から30の機関投資家が参画する。みずほと三菱UFJのほか、米保険大手のオールステート、スペインの大手銀行BBVA、デンマークの投資会社KIRKBIなどが機関投資家として出資する。年金基金や政府系ファンド、富裕層の資産を管理するファミリーオフィスからも資金を集めた。 新ファンドは脱炭素関連の事業に取り組む企業やレイターステージ(成長後期)のスタートアップに投資する。2024/04/26 06:02:34115.名無しさんvM3a9日銀、26年度物価上昇2%程度を提示へ きょう決定会合2024/04/26 05:00 日経速報ニュース 日銀は26日に金融政策決定会合を開く。会合後に初めて示す2026年度の消費者物価指数(CPI、生鮮食品除く)の前年度比上昇率は2%程度となる見通しだ。低金利が円安進行の一因になっているとの指摘もあるが、日銀は3月会合でマイナス金利政策を解除したばかりで、市場関係者の多くも金融政策の「現状維持」を見込む。 植田和男総裁が26日午後に記者会見し決定内容を説明する。 日銀は3月会合でマイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げに踏み切った。市場は追加利上げの時期に注目しているが、今回の会合での政策変更を見込む声は少ない。 QUICKが15日発表した4月の外為月次調査によると、日銀が追加利上げに動くタイミングは年内では10月(22%)が最多で、4月の利上げを見込む声は2%だった。 日銀は一時的な要因を除いた基調的な物価上昇率が2%に達する可能性が高まっているか見極めた上で追加利上げを判断する意向だ。植田総裁は23日の国会で基調的な物価上昇率が「現状は2%をやや下回っている。緩和的な金融環境を維持するのが適切だ」と答弁した。 3カ月ごとに示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」も焦点となる。26日の会合後は24?26年度の3年間の物価見通しを盛り込んだ最新のリポートを公表する。 日銀は3月会合でマイナス金利を含む大規模な金融緩和策を解除した際に、政府と掲げる物価2%目標の実現が「見通せる状況に至った」と説明していた。今回のリポートで初めて示す26年度の物価上昇率見通しは2%程度とするとみられ、2%目標に近い水準が5年連続で続くことになる。 1月会合時点で2.4%の上昇とした24年度見通しも引き上げる可能性がある。足元で円安が進んでいることに加え、中東情勢の緊迫化で原油など資源価格が上昇するリスクがある。5月検針分の電気料金から再生可能エネルギーの普及のために上乗せする賦課金が引き上げられることも上振れの要素になりそうだ。 市場は政策変更の有無だけでなく、植田総裁の円安に絡む発言に注目している。外国為替市場で円は1ドル=155円台とおよそ34年ぶりの水準まで円安が進んだ。植田総裁は18日のワシントンでの会見で円安で基調的な物価が上がって「無視できない大きさの影響になれば、金融政策の変更もありうる」と将来の利上げに含みを持たせている。 長期国債の買い入れを巡る対応も焦点だ。3月会合でこれまでと同程度の買い入れを続ける方針を決めた。「将来的には買い入れを減額」(植田総裁)する考えだが、具体的な時期は示していない。日銀の国債保有割合(国庫短期証券を除く時価ベース)は発行残高の過半に達しており、市場は日銀がいつ量的引き締め(QT)に踏み切るかも注視している。2024/04/26 06:05:14116.名無しさんvM3a9くすぶる日銀タカ派姿勢への思惑、銀行・バリュー株買いを後押しかhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-26/SCHAWVT1UM0W00?srnd=cojp-v2銀行株は過去数十年放置、インフレ本格化なら新フェーズ入りの声バリュー株、足元で対グロース株のアウトパフォーム度合い強める マイナス金利政策の終了とともに、いったん勢いが衰えるかに見えた銀行株を含むバリュー(割安)株。だが、外国為替市場で円安が止まらず市場では日本銀行が再度の金融引き締めに向けたタカ派的な姿勢を強めるのでないかとの見方がくすぶり、再びバリュー株への追い風が吹く可能性が出てきた。 円相場が対ドルで34年ぶりの安値を更新し、円安による国内経済への悪影響を懸念する声が経済界でも日増しに高まっており、植田和男総裁が早ければ今回の会合で再利上げに向けた布石を打つのではないかとの観測が浮上している。市場参加者の金融政策見通しを映すオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は10月までの0.25%への利上げ実施を織り込み、7月までの可能性も5割程度織り込まれてきた。 住友生命バランスファンド運用部の村田正行部長は「植田総裁は円安が物価に与える影響を考慮するだろう」と予想。今回の会合で利上げは考えられないが、「利上げをにおわせるスタンスを打ち出す可能性がある」と述べ、こうした思惑が最近の銀行株の堅調につながっていると指摘した。日銀の年内利上げ予想が8割占める、最多10月は4割に増加-サーベイ 3月のマイナス金利解除に際し、日銀は当面緩和的な金融環境が継続すると強調。市場も追加利上げは当分ないとみて、銀行株を含むバリュー株相場は終わるのではないかとの見方も出ていた。 UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントの小林千紗日本株ストラテジストは、多くの投資家はマイナス金利の終了で日銀の政策変更はひとまず終わりと考えてきたが、日銀がいずれ利上げに動く大きな方向性は変わらないと指摘。こうした点が市場で見過ごされており、「銀行は過去数十年にわたり放置されてきたセクターだけに、日本が本当にインフレになるのなら新たなフェーズだろう」と語る。2024/04/26 12:32:46117.名無しさんyQbvc「植田会見は難解」 揺れる海外勢の日本株買いと円売り2024/04/30 11:37 日経速報ニュース 「日本は他の先進諸国に比し、与党政権が安定している」 これが、外国人から見た日本株のメリットの一つであった。 国賓待遇で訪米。議会英語演説でスタンディング・オベーションを受けた岸田首相の姿が全米に放映されたことで、つい最近まで米国内での印象度は悪くなかった。 それが今や、補欠選挙の与党全敗で、日本株を取り巻く政治環境の不透明性がにわかに海外でも醸成されつつある。週末にも外国勢から、日本の政治に関する質問が相次いだ。筆者は、日本発ニュースへの注目度が高まり、補選結果まで彼らが把握していることに、日本株への本気度を感じている。 そこに、円も迷走していることで、日本株保有見直しの動きが、徐々に出始めた。 確かに、1ドル=160円ともなれば、日本株市場は、外国人投資家から見れば「バーゲン会場」とも映る。 とはいえ、春闘で大幅賃上げの事例が多く見られたことで醸成された、実質賃金増加による物価と賃金の「良い循環」実現の期待感に、超円安は冷や水を浴びせる展開になっている。期待感で日本株を購入、あるいは、検討を始めた外国人投資家の心理が、今や揺れていることが、彼らとの対話から伝わってくる。 特に、円安に関しては日銀と米連邦準備理事会(FRB)の情報発信の違いが話題になっている。 筆者が最も印象的と感じた質問は「日銀会合で参加者たちはドット・チャート(政策金利見通し)のような個人的金利予測を行わないのか」。 「日銀総裁の記者会見での発言が断片的に英訳されて伝わってくるが、よく理解できない」という素朴な疑問も目立つ。 「確か、今回の日銀会合では、利上げ見送りが事前予測であったと聞いている。緩和継続も想定内であろう。それが、結局、総裁の円安に関する直接的発言が不十分、あるいは分かりにくいとの理由で、円相場はレッドラインを突破した感がある」「市場は円安について、日銀総裁から不安感を除去するような発言を事前にそれほどに期待していたのか。我々遠く観客席から見ていた視点では、なにやら試合中にゴールポストが移ったような印象だ。これでは、まさしく投機筋の思うつぼではないのか」。これは、日本株を買ったものの、円迷走に不安感を覚えるというヘッジファンドの本音の感想だ。 筆者も、日銀会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)の際の中央銀行トップ記者会見を見続けてきたが、たしかに、日銀のほうが日本人でも解釈が難しい。行間を読まねばならず、禅問答のごとく難解だ。しかも、同じような質問が繰り返される。対して、FRBのほうは、若手の女性記者らが、「ハロー!ミスターチェアマン」と明るく切り出すシーンなど、フランクな印象で、質問の内容も多岐にわたる。FRB高官らが、常日頃、利下げ回数など具体的に意見を述べているので、日銀に比し、かなり突っ込んだ議論が交わされる。 いっぽう、円売り投機に走っているヘッジファンドは「高笑い」かと思いきや、介入当局との我慢比べの様相で、緊張感がひしひしと伝わってくる。140円台後半から150円程度で円を売った人たちは、声高に、「介入があっても150円に戻すのは難しい」と強調する。しかし、円という通貨を持っていないのに、円を売った人たちの心理は、早々に円を買い戻さねばという焦りに揺れるものだ。そもそも損切りより利益確定のほうが「欲との戦い」で難しい。まして、相手が介入当局となれば、これは我慢比べとなる。先週金曜日に発表された米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物取引(IMMポジション)の円ショート件数はネットで17万9919枚と記録的な高水準まで膨張したが、この数字は先週火曜日時点のもので、日銀会合後の円売り枚数はまだカウントされていない。いずれにせよ、市場の底流には、円買い戻しマグマがふつふつと蓄積している。当面、円売り優勢論が圧倒的だが、投機筋の本音は、いつ臨界点に達するのか、戦々恐々なのだ。彼らの悪夢は、米インフレが今後意外に順調に収束して、FRBも安心して利下げできる市場環境になることだ。FRBの制御不能な地政学的リスクやら、財政赤字膨張によるインフレ再燃は米金利高止まり要因としてひそかに「期待」しているところとなる。 現時点では、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が明確に円安方向を示唆している。とはいえ、市場の大多数が同じ方向を向くことは不気味なものだ。2024/04/30 13:32:56118.名無しさんS4uGO3メガ、今年度の中途採用5割迫る 三菱UFJ銀は新卒超え デジタル人材手厚く2024/05/02 日本経済新聞 朝刊 3メガバンクの2024年度の採用計画が出そろった。三菱UFJ銀行は中途で23年度比7割増の600人を採用し、新卒を初めて上回る見通しだ。3メガ銀全体で中途比率は45%と5割に迫る。デジタル化や富裕層向けビジネスの重みが増すなか、新卒一括採用で様々な部署を経験させて人材を育成してきた従来の手法が転機を迎えている。 三菱UFJ銀行は24年度に中途600人、新卒400人を採用する計画で、中途の数がはじめて新卒を上回る見通しだ。23年度は中途347人新卒354人だった。システムやデジタル関連などに重点を置き採用する。25年3月期から新しい中期経営計画が始まったのを見据えて人材を手厚くする。面接回数の削減などで採用の裾野拡大を急ぐ。 三井住友銀行の中途採用は過去最高だった23年度と同水準の200人となる見通し。持ち株会社や銀行などのグループ各社で従業員を一括採用するみずほフィナンシャルグループ(FG)は、23年度実績比では減少するが22年度比では2割以上多い400人を採用する。 24年度の3メガ銀の中途採用は1200人に達する見通し。中途、新卒を合算した3メガ銀の採用数は2650人となり、中途比率は45%と5割に迫る勢いだ。 これまでは3メガ銀の中途採用の割合は18年度で5%にとどまるなど、新卒一括採用を優先する色が濃かった。日本経済新聞社の採用計画調査では同じ時期に主要企業は20~30%程度で推移しており、24年度は4割に達した。3メガ銀の中途採用の割合は新型コロナウイルス禍を経て主要企業とほぼ同水準に追いついたことになる。 17年度以前も各行中途は数十人規模といい、全体の割合からみてわずかだった。24年度の中途比率45%は過去最高とみられる。 3メガ銀が中途採用を強化するのはデジタル技術の活用やウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)、プロジェクトファイナンスなど広い分野で即戦力の人材を採用する必要が高まっているためだ。外部で知見を得た人材を採用しなければ事業強化で異業種も含めた競争におくれをとりかねない危機感がある。 みずほFGは専門職に絞った中途採用に限らず、異業種を経験して間もない人材を対象にした第二新卒の採用を始めた。リテール(個人向け営業)や大企業、IT(情報技術)をはじめ必要な人材を採用するための事業部門が主導した形での採用も始めている。従来は人事部門が採用を主導していた。 新卒でも専門性への志向が強い人材を採ろうとする動きが目立つ。三井住友銀はデジタルやIT分野で採用する人材を3倍程度に増やす。「IT・デジタルコース」と位置づけ、採用数はこれまで15人程度だった。採用の割合がIT・デジタル分野で1割程度まで高まることになる。 3メガ銀の新卒採用はマイナス金利環境のもとで効率化を進め、減少傾向が続いてきた。直近のピークだった15年度は3メガ銀合計で新卒を5000人超採用していたが、一時1000人強にまで減少。近年は「金利ある世界」も見据えて採用を強化したものの、24年度計画で5%減の1450人と頭打ちの色が強くなっている。 雇用市場の流動化で転職が活発になっていることもあり、異業種や同じ大手行の中で転職する動きも珍しくなくなっている。各行にとって即戦力人材の確保は喫緊の課題となりつつある。JPモルガン・チェースが年1兆円規模をデジタルに投資するなど、特にデジタル人材の確保で投資を進める国外の大手行に劣後できない事情もある。 メガ銀では採用戦略の巧拙が競争力に影響するという危機感が強まる。採用市場ではコンサルタントや大手商社が高給を武器に新卒や中途の人材をひきつけ、人材会社経由の採用では年収の3割程度とされる紹介料の負担も重くなる。3メガ銀は従業員の紹介やアルムナイ(卒業生)の採用を強化して人材の確保を進める方針だ。2024/05/02 06:06:22119.名無しさんS4uGO日経平均、揺らぐ上値追いの根拠 転機を迎えた「半導体」と「円安」2024/05/02 12:51 日経速報ニュース 2日午前の日経平均株価は小幅に反発し、前引けは前日比25円66銭(0.07%)高の3万8299円71銭だった。米利上げ懸念の後退などが押し目買いを誘ったとみられるが、朝方は節目の3万8000円を割り込む場面があるなど地合いの弱さも目立った。これまで日経平均を歴史的な高値圏に押し上げてきた材料のうち、半導体関連の業績期待と外国為替市場での円安進行という「二本柱」が揺らぎつつあるなか、上値追いの機運もしぼみ始めてきたようだ。 日経平均は朝安後急速に下げ渋ったが、市場では「米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言というより、日本の4連休を前にCTA(商品投資顧問)などによる売りポジションの縮小など需給的な動きだったようだ」(明治安田アセットマネジメントの竹田太樹トレーダー)との見方が多い。 1日の米株式市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3.5%安と急落した。半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が発表した4?6月期の売上高見通しが慎重との見方が広がった。生成人工知能(AI)関連の需要が市場の期待ほど盛り上がっていないうえ、スマートフォンやパソコンなどの回復も遅れている。 国内ではイビデンが1日、25年3月期(今期)の連結純利益が前期比17%減の260億円になる見通しだと発表した。パソコンや汎用サーバー向けの需要回復が遅れるためで、市場予想平均のQUICKコンセンサス417億円(12社、4月23日時点)を下回った。前週に今期見通しを発表したアドバンテストも市場予想を大きく下回るなど、今回の日米の主なハイテク企業決算は、市場の高い期待に届かず失望売りを浴びる例が続出している。 FOMCの直後、ニューヨーク外国為替市場で円相場が1ドル=153円台まで急速に円高が進行する場面があった。日本政府・日銀が円買い介入に再び踏み切ったという思惑も出ている。市場では「介入したかどうかは分からないが、当局がこれ以上の円安は許容しないと考える投資家が増えてきた」(運用会社のファンドマネージャー)。今期も円安による輸出企業の利益上積みを期待していた投資家は、むしろ円高に振れるリスクを意識する必要が出てきた。 SMBC日興証券によると、東証株価指数(TOPIX)構成銘柄で1日までに業績見通しを発表した224社の会社側の営業利益計画は前期比0.1%増にとどまる。期初は保守的な見通しを立てることが多いうえ、開示率も現時点で15.8%と低いため参考数値ではあるが、少なくとも企業側は今期の世界経済の現状などを楽観的にみていないことは間違いないだろう。 もちろん日本株は半導体の業績や円安進行への期待だけでなく、デフレ脱却やコーポレートガバナンス(企業統治)の改革といった他の買い材料もある。りそなアセットマネジメントの戸田浩司シニア・ファンド・マネージャーは「期待感が完全に消えたわけではないので持ち高を減らす理由はない」と話す一方、「米国の金融政策や景気が読めないので無理に上値を追いたいと考える投資家も少ない」とみていた。日経平均は当面、金融政策や為替、企業業績をにらみつつ停滞感の強い展開が続く可能性がありそうだ。2024/05/02 12:59:04120.名無しさんUWy3O地銀の不動産融資、10年で6割増 低金利下の収益源 利上げ・市況、日銀が警戒2024/05/03 日本経済新聞 朝刊 日銀がマイナス金利解除後の地域金融機関の不動産融資動向を警戒している。低金利下で利ざやを厚めにとれる不動産向けは重要な収益源となってきた。日銀の集計では地域金融機関の不動産向け融資残高はこの10年で約6割増加したが、金利上昇や市況変化によって地銀の収益を下押しするリスクが重荷になっている。 地域金融機関の不動産融資の残高は、36兆円となった2009年に大手行の伸びを追い越し、その後も拡大を続けてきた。直近(23年9月)は大手行より3割多い67兆円にまで膨らんだ。異次元緩和下の低金利で不動産融資は過熱し、特に人口減少で経営環境が厳しい地方銀行・信用金庫が収益源として頼ってきた構図が浮かび上がる。 宮城県地盤の仙台銀行は、直近23年9月末の不動産向け融資残高が約2150億円と16年3月末比で2倍に膨らんだ。同行の担当者は「震災からの復興需要や再開発など不動産事業者の資金ニーズは強く融資が増えた」と話す。足元で地価上昇による過熱感が指摘されているが、「適正な審査のもとで融資を続ける」としている。 静岡銀行を傘下に持つしずおかフィナンシャルグループも23年度からの中期経営計画で、静岡県外でも不動産向けの貸し出しを強化することを盛り込んでいる。 地方都市の大規模な再開発も今後数年間続くと見込まれている。引き続き不動産向け融資に力を入れる地銀は多い。電子商取引(EC)サイトの発展で倉庫などの需要が高まり、オフィスビルや倉庫など物流施設向けの物件も増えている。 日銀は今後の金利上昇に伴う収益へのリスクを警戒している。日銀が居住用賃貸業向け融資(アパートローン)の金利を調べたところ、地銀では金利の変動リスクをとらない固定金利での貸し出しが6割程度を占め、融資期間も平均24年と長期間に及ぶ。 一方、融資の「原資」となる預金の調達コストは足元で上昇傾向にある。日銀が3月にマイナス金利を解除し、地銀を含む多くの銀行が普通預金金利を従来の0.001%から0.02%に見直した。大半の金融機関にとって、普通預金の金利を引き上げるのは日銀が最後に利上げした07年以来17年ぶりだ。 「固定貸しの金利収入が変わらない一方で、預金金利が上がれば利ざやが縮小し、収益に下押し圧力が生じることに留意する必要がある」。日銀の担当者はこう解説する。変動金利の場合でも、金融機関の競争環境が厳しいなかで十分に貸出金利を引き上げられるかも分からないといった事情がある。 不動産市場悪化の影響が広く連鎖する懸念もある。日銀は4月にまとめた金融システムリポートで、米欧での金利上昇による不動産不況のあおりが日本にも波及すると想定してストレステストを実施した。国内の三大都市圏のオフィス物件でバブル崩壊時に相当する価格下落が起こるなどの条件をおいた。実際、米国などでは金利の高止まりでファンドが借り換えに苦しみ、ローンの延滞や債務不履行が増えている。 ストレステストの結果、国内金融機関全体でみた経済損失は限定的だと評価したが、細かくみると不動産融資を増やしている地銀や信金への影響も考えられる。不動産関連企業やファンド向け融資などを通じて一定の損失が生じる金融機関の割合が、06年は全体の4割程度だったが、直近では8割まで拡大したという。 大手行だけでなく一部地銀でも不動産ファンド向けの貸し出しが増えていることが背景にある。地銀の不動産融資のうちファンド向けは17年6月末に残高全体の3%だったが足元で7%まで増えた。「収益性が高い案件が多い首都圏に集まるのは自然」(地銀関係者)だが、それは都市圏の不動産価格下落の影響が広がりやすいことを意味する。 一方、不動産投資信託(REIT)を通じた損失は、有価証券運用の一環で投資を増やしてきた信金で目立つという。その結果、日銀のストレステストでは地銀・信金への波及が大きくなったと考えられる。 「局所的に高額帯の取引が増えており、一部に割高感がうかがわれる」。日銀はリポートで不動産市場のリスクに注意を促した。ショックの引き金はどこで発生するかわからない。マイナス金利政策を解除したばかりの日本では、金利の本格的な上昇局面までには少し時間がありそうだが、今のうちから丁寧なリスクの点検が求められる。2024/05/03 06:28:40121.名無しさんUTfVj新NISA、国内株に追い風=資金の5割流入―日証協調べ2024年05月05日 21時00分時事通信新NISA始まり国内株に追い風2024年05月04日 15時34分時事通信 今年1月に始まった新たな少額投資非課税制度(NISA)を通じ、5割近くの資金が国内株式へ流入していたことが日本証券業協会の調べで分かった。海外投資家主導で日経平均株価が初の4万円を突破した勢いを、個人投資家もうまく捉えたようだ。 日証協が野村証券やSBI証券など対面・インターネットの大手10社を対象に実施した調査によると、1~3月のNISA経由の買い付け額のうち、国内株が47%を占め、投資信託の50%に肩を並べた。株価が上昇基調を強めたことに加え、非課税投資枠が大幅に拡大されたことが後押ししたとみられる。 大和証券の吉田光太郎常務執行役員は「NISA経由の買い付け額は前年同期比3倍強。8割が株式、2割が投信で、株式のほとんどが日本株だ」と説明する。 特に人気なのは、安定して高配当収入が得られる銘柄だ。SBI証券によると、今年度の1株当たりの年間配当予想が194円の日本たばこ産業(JT)が首位で、NTT、三菱UFJフィナンシャル・グループと続く。東証が昨年3月、上場企業に「資本効率や株価を意識した経営」を要請し、配当を含む株主還元を重視する企業が増えている。国内株投資は為替変動リスクも低い。 一方、ハイテク企業が主導する米国などと異なり、日本では人口減少で市場縮小が見込まれ、国内企業の成長性を悲観する向きもある。新NISAでは海外株を中心に構成する投信の人気も高く、「家計資金の海外流出」(市場関係者)を嘆く声も多い。 初心者向けに投資ノウハウを発信する人気ユーチューバーの小林亮平氏は、海外株中心の投資スタイルを提言。日本への投資を前向きに考えるには「移民の積極的な受け入れや、人工知能(AI)の活用を通じて不足する労働力を確保することが条件になる」と指摘している。【時事通信社】2024/05/06 03:19:04122.名無しさんUTfVj銀行・生保マネー、国内債に回帰 長期金利1%超え想定2024/05/06 04:00 日経速報ニュース 世界の流れと逆行する日本では日銀の追加利上げの時期が焦点になっている。4月の金融政策決定会合後の記者会見で、植田和男総裁からは早期利上げにつながる発言はなかった。それでも市場では、これまで0.5%程度とされてきた利上げの終着点がより高まる可能性も意識されている。長期金利は1%台前半まで上昇(債券価格は下落)するとの声が増えている。 「目先の円安を止めるために金融政策を変更するとの市場の思惑からは距離を取った」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジストは4月26日の日銀の政策決定会合の内容を見てこう話した。日銀は同日、政策金利の据え置きを決めた。 25年秋まで2回利上げか 市場の一部で高まっていた、円安リスク対応での7月利上げ観測はやや後退した。翌日物金利スワップ(OIS)市場は10月に1回目の追加利上げ、2025年秋までに2回目の追加利上げの実施を織り込んでいる。 では、長期金利への影響はどうか。PGIMジャパンの国沢太作社長は「仮に2回の追加利上げがあっても、長期金利の上昇は1%台前半まで」という。金利が上昇するにつれ銀行や保険など国内投資家による国債買いの需要が強まるためだ。 長期金利の指標になる10年物国債利回りが1%となれば、30年物国債利回りは2%の節目を超えると予想される。多くの生保は「30年債が2%程度になれば積極的に買う」方針を示す。 「長く続いてきた低金利で国債離れしてきた銀行も、資金を戻すタイミングをうかがっている」(オールニッポン・アセットマネジメントの森田長太郎チーフストラテジスト)。国内投資家の買いに支えられることで、長期金利が1%を大きく超えるとの見方は少ない。 日銀の国債買い入れ減額はいつか 需給面では日銀が国債買い入れ額をいつ減額するかも論点の1つになる。4月会合で日銀は政策内容の声明文を大幅に簡素化した。3月は月6兆円程度としていた国債の買い入れ額に関して、4月は「2024年3月の金融政策決定会合において決定された方針に沿って実施する」とした。減額を表明してはいないものの、「政策の自由度を確保した」との解釈が広がる。 野村証券の松沢中チーフ・ストラテジストは「6月にも正式に買い入れ額の減額を表明する」と予想する。日銀は5月下旬に「金融政策の多角的レビュー」の第2回ワークショップを予定する。国債買い入れの副作用や弊害への理解が深まり、買い入れ減額の正当性が強まるとの見立てだ。 ただ、日銀の分析を基にした試算では国債の買い入れ額を年10兆円減らしても、長期金利の押し上げ効果は年0.04%程度と限定的な水準にとどまる。2024/05/06 06:07:07123.名無しさんUTfVj 日銀はどこまで利上げするか 政策金利が想定よりも高い水準まで引き上げられるリスクへの目配りは必要だ。過去20年の政策金利の上限である0.5%までの引き上げを想定する国内投資家は多い。だがインフレ圧力が続く中、「世界的な景気後退などが生じなければ2?3年内に1.5%程度までの利上げがあり得る」(野村証券の松沢氏)との声も出始めている。 4月会合で日銀が公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)も、より高い水準まで利上げが続く可能性を示唆する。展望リポートでは26年度の生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価指数(CPI)を2.1%とした。「見通し期間後半には『物価安定の目標』とおおむね整合的な水準で推移すると考えられる」と記した。 景気をふかしも冷やしもしない「中立金利」に関する植田総裁の発言も注目を集めた。植田総裁は4月26日の記者会見で見通し期間の後半に物価が日銀の想定通りに推移するなら、「政策金利は中立金利の近辺にあることになる」と発言した。 中立金利の具体的な水準には言及しなかったものの、日銀は景気に対して中立な実質金利である「自然利子率」をマイナス1.0%からプラス0.5%と推計していると見られる。インフレ率が安定的に2%になるとすれば、自然利子率に期待インフレ率を足して出す中立金利は1.0%?2.5%になる。26年度に向け0.5%を超える利上げの現実味が増す。 政策金利の終着点が0.5%よりも高くなるのであれば、長期金利はより高い水準まで上昇する可能性がある。追加利上げの時期だけでなく利上げペースや回数など読み切れない部分は大きい。日銀の金融政策の先行きを巡り、債券市場では神経質な展開が続きそうだ。個人投資家も投資先は多彩債券の利回りが高まる中、個人投資家にとってもうまみが増しそうだ。新たな少額投資非課税制度(NISA)でも一部の債券ファンドに投資できる。個人が買える債券の代表にあがるのは国が発行する「個人向け国債」だ。固定金利の3年物、5年物のほか、変動金利の10年物の3種類がある。1万円から購入可能で、国が保証するため元本割れのリスクはない。発行後1年経過すれば原則いつでも中途換金できる。満期までクーポン(利息収入)が一定の固定型に対して、変動型は実勢金利に応じ半年ごとに適用利率が変わる。変動10年は新発10年国債の入札利回りに0.66をかけて決まる。5月発行分の税引き前の利回りは0.5%。100万円分購入した場合の利息収入は年間5000円と低い今後の金利に応じて上下する。保有するリスク資産の一部を低リスクの債券に回しつつ、クーポンを得たいと考える人は多いだろう。ファイナンシャルプランナー(FP)の高橋忠寛氏は「資産の多い人であれば、安全資産の置き場として活用するのも一案だ」と話す。株式と異なり、元本割れすることはないため、リスク分散につながる。ただ満期前に換金すると、額面金額に経過利子を加えた金額から直前の2回分の利子相当額が差し引かれる点は注意が必要だ。2024/05/06 06:09:08124.名無しさんUTfVj新NISAで投資できるのは債券ファンド 新NISAでは債券自体に投資できないが、債券に投資する上場投資信託(ETF)や投信を買うことができる。債券型ファンドは成長投資枠(年240万円、生涯1200万円まで)で購入できる。利回りの高い投信もある。三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」や大和アセットマネジメントの「iFree新興国債券インデックス」は直近3年間の1年あたりの平均利回りはそれぞれ5.12%、9.30%だ。ファンドが管理するため、償還期日などを気にする必要がなく、個別に債券投資するよりも手軽に運用できる点が魅力だ。外国債や公募社債なども候補にあがる。米10年物国債の利回りは足元で年4%超に及び、満期まで保有すれば単純計算で元本の4割を利息収入として受け取れる。ただ、「円からドルに替えて投資する際、為替リスクに注意が必要だ」(FPの竹川美奈子氏)。今後、日銀が追加利上げに踏み切り、円高が進めば、外債は円ベースで損失が発生する恐れもある。債券投資のリスクを押さえよう元本保証型の債券を除き、金利上昇リスクにも気を払いたい。金利が上昇すれば、債券価格は下落する関係にある。金利の上昇局面では債券の評価額は元本割れすることもある。FPの深野康彦氏は「債券投資は満期保有を基本としてほしい。直近で使う予定のある資産を振り向けるべきではない」と指摘する。信用リスクもある。例えば楽天グループが4月に発行したドル建て債は年限5年で利率が年9.75%に上り、話題を呼んだ。ただ、米S&Pグローバルの格付けは投機的水準とされる。FPの高橋氏は「社債の発行体の信用リスクは個人では判断が難しく、利回りの高さにつられて安易に手出ししない方が良い」とも話す。社債は流動性が低い点にも注意が必要だ。満期前に売却して現金に換えたくても買い手がいない場合、売却できない。流動性が高い国債に比べ、業績が低迷した企業が発行する社債などは買い手が現れないこともある。2024/05/06 06:10:21125.名無しさんDypCN為替動向次第で金融政策対応が必要、円安けん制強める-日銀総裁https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-08/SD5293DWX2PS00?srnd=cojp-v2為替変動の物価への影響大きくなっている、基調上昇なら緩和調整為替は経済・物価に重大な影響、金融政策のコントロール対象でない 日本銀行の植田和男総裁は8日、為替動向次第では金融政策による対応が必要になるとの見解を示し、円安に対するけん制姿勢を強めた。衆院財務金融委員会で答弁した。 植田総裁は円安の影響に関して、「為替相場は経済・物価に重大な影響を与え得る」と指摘。「従来の局面と比べ、為替変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」とも述べ、「政策運営にあたって最近の円安の動きを十分に注視している。動向次第で金融政策運営上の対応が必要になると考えている」と語った。 具体的には、物価変動から短期的な変動を取り除き、需給ギャップや予想物価上昇率などを反映した基調的な物価上昇率への影響を重視していると説明。円安が基調的な物価上昇率に与える影響については「これまでのところはそれほど大きな影響ではない」としつつ、「今後は影響してくる、あるいは影響するリスクがあるとみている」と述べた。 植田総裁は4月の金融政策決定会合後の記者会見で、円安が現時点で基調的な物価上昇率に大きな影響を与えていないとの見解を示した。今回の発言は、為替変動の影響を踏まえた政策対応について、これまでよりも踏み込んだ形だ。7日の岸田文雄首相との会談でも為替が経済・物価に与える影響について議論しており、日本経済の回復力が弱い中、日銀は難しいかじ取りを迫られそうだ。植田日銀総裁が首相と為替を議論、基調物価への影響を注視-連携確認 8日の東京外為市場で、円相場は1ドル=155円台前半に下落している。植田総裁が円安のこれまでの影響について慎重な見解を示したことをきっかけに、円が一段安となっている。円は155円台前半に下落、植田日銀総裁の慎重発言で一段安の展開に 日銀は3月の金融政策決定会合で17年ぶりの利上げを決めたが、その後も日米金利差などを背景に円安が進行し、政府・日銀は日本の大型連休中に2回の為替市場介入に踏み切ったとみられている。 同委員会に出席した鈴木俊一財務相は、円安にはプラスとマイナスの両面があるとしながらも、「輸入物価を押し上げるというマイナス面について私も強い懸念を持っている」と発言。政策課題として物価高騰への対応が極めて重要とした上で、為替市場の動きを注視して「取るべきときには適切な対応を取っていきたい」と語った。緩和度合い 総裁は基調的な物価上昇率が上がって行けば、「それに応じて金融緩和の度合いを調整していくことが適切だ」と表明。目標である2%前後で先行きの物価が推移する見通しを示した4月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)に言及し、「1年半後とか2年後を待って利上げをするということではなく、パス通りに基調的な物価が上がっていけば、それに応じて金融緩和の度合いを適切に調整していくつもりだ」との認識を示した。 金融政策運営は「為替市場を直接のコントロール対象とはみていない」と改めて指摘。金融政策運営はあくまで物価の安定を目標にしているとし、「政策運営が、私どもの財務への配慮から必要な遂行を妨げられることはない」と語った。他の発言消費者物価、賃金と物価の好循環に起因する部分の割合は強まってきている2%の物価上昇を支える需要サイドの伸びが伴う必要がある2024/05/08 14:27:07126.名無しさんLjEKc日銀総裁、円安巡る発言軌道修正 「物価に影響及ぼしやすく」 上振れなら早めに利上げ2024/05/09 日本経済新聞 朝刊 日銀の植田和男総裁が円安に関する発言を軌道修正している。4月の記者会見では「基調的な物価上昇率に大きな影響を与えていない」と繰り返し円安が進行した。5月に入り「政策運営上、十分注視していく」と表現を改め、8日には「過去と比べ物価に影響を及ぼしやすくなっている面があることは意識しておく必要がある」と述べた。 8日の読売国際経済懇話会(YIES)の講演で語った。仮に物価見通しが上振れしたり、上振れするリスクが大きくなったりした場合には「金利をより早めに調整していくことが適当になる」と発言した。 物価を巡るリスクの一つとして「今後の為替相場の変動や国際商品市況の動向、その輸入物価や国内価格への波及」を挙げた。「原油高や円安は輸入物価上昇を起点とするコストプッシュ圧力が落ち着いていくという見通しの前提を弱める可能性がある」と指摘した。 講演後の質疑では「為替は経済・物価に影響を及ぼす重要な要因であることは言うまでもない。金融政策の対応が必要になる可能性がある」と言及した。「急速かつ一方的な円安は、例えば企業の事業計画の策定を困難にさせるなど不確実性を高めて経済にマイナスだ」との懸念も表明した。 日銀が円安を容認しているとの市場の見方を払拭し、円安の進行に歯止めをかけようとしている可能性がある。 4月26日の金融政策決定会合で市場には日銀が円安の食い止めにつながる対策や発言を打ち出すとの見方があったが、金融政策は維持された。 その後の記者会見で植田総裁はこれまでの円安が基調的な物価上昇に与える影響について現時点で無視できる範囲か問われて「はい」と答えた。 こうしたやりとりを市場は円安容認と受け止め、会見中から円相場は下落した。29日には1ドル=160円台と34年ぶりの水準まで円安が進んだ。政府・日銀は認めていないが、29日、5月2日の2日間で財務省による円買いの為替介入があったとみられている。 日銀は円安を通じた輸入コストの上昇による物価上昇は一時的と捉え、賃上げを伴う「基調的な物価上昇率」を重視している。そのため植田総裁は「引き続き為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視していきたい」と4月に強調した。 これを5月からはより直接的な表現に改めた。 7日に首相官邸で岸田文雄首相と面会後、記者団に「円安については日銀の政策運営上、十分注視をしていくことを確認した」と話した。「基調的な物価上昇率にどういう影響が出てくるかについて注意深くみていく姿勢だ」と触れた。 8日の衆院財務金融委員会では「最近の円安の動きを十分注視している」と改めて主張した。「過去と比べ為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」との見解も示し、円安が物価上昇につながりやすくなっていることを示唆した。 日銀は4月会合で公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で「基調的な物価上昇率が上昇していけば金融緩和度合いを調整する」と追加利上げの姿勢を示した。 ただ時系列だけみれば会見をきっかけに為替介入にまで発展した可能性があり、市場からは日銀が発言を修正しているとの見方が出ている。 野村総合研究所の木内登英氏は「4月の会見で植田総裁が円安容認と受け止められかねない説明に終始したことを問題と捉え、日銀が修正する機会をうかがっていた可能性がある」とみている。2024/05/09 06:04:31127.名無しさんNsD9j日銀、国債購入減額へ検討本格化 円安にらみ正常化加速もhttps://www.jiji.com/jc/article?k=2024050900859&g=eco&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit 日銀が国債買い入れの減額に向け検討を本格化させていることが、9日公表した4月25、26日の金融政策決定会合の主な意見で明らかになった。ある政策委員が「(減額は)機を捉えて進めていくことが大切だ」と主張するなど、同会合では国債購入縮小に関する意見が相次いだ。歯止めがかからない円安をにらみ、日銀が追加利上げを含めて金融正常化を加速させる可能性もある。 日銀は3月の会合で、マイナス金利政策の解除に踏み切ったが、国債買い入れについては月間6兆円規模で継続することを決めた。 これに対し、4月会合では「市場機能回復を志向し、減額することは選択肢だ」「どこかで削減の方向性を示すのが良い」など、国債買い入れの減額を巡り議論が本格化。日銀の国債保有量の圧縮など、量的引き締め(QT)も視野に入れるべきだとする意見もあった。 同会合では、声明文から「6兆円」という購入額の表記を削除し、実際の買い入れをある程度柔軟に行えるよう布石も打った。 日銀の植田和男総裁は会合後の記者会見で、円安の影響は限定的との考えを示し、市場では一段の金融正常化に慎重だと受け止められた。このため円安が加速し、円相場は一時1ドル=160円台まで下落。政府・日銀はその後、円買いの為替介入で対抗したとみられている。 4月会合では、ある委員が「円安を背景に基調的な物価上昇率の上振れが続く場合には、正常化のペースが速まる可能性は十分にある」と指摘するなど急速な円安を警戒する声も目立った。為替の動向次第で、追加利上げや国債買い入れ減額などの正常化に向けたタイミングが前倒しされることもありそうだ。2024/05/10 09:00:06128.名無しさん4JUwbコラム:NISA国内枠やリパトリ減税、円安抑止へ対応策総動員すべき=唐鎌大輔氏https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/Q33IKTYFMJNT7BQBLYCXUVOPVU-2024-05-10/[東京 10日] - 2年以上にわたって続く円安局面を前に「何か対応策はないのか」という照会が確実に増えている。円安抑止策は、為替介入や利上げといった裁量的なマクロ経済政策を脇に置けば、対内直接投資促進とインバウンド奨励が注目されやすく、いずれも正しい対応と言える。しかし、策はほかにもある。例えば「日本企業が保有する外貨を国内へ送金する際の法人税を減免する」といういわゆる「リパトリ減税」は為替市場で耳目を引いており、ロイターなどの報道では政府・与党が6月にまとめる経済・財政政策の基本方針「骨太の方針」に盛り込まれるという観測もある。リパトリ減税に関しては、2022年9月の寄稿「進む円安、抑止に『リパトリ減税』という処方箋」で詳しく議論した。直感的に、すでに海外子会社から受けとる配当益金の95%相当額が非課税所得とされている以上、残り5%部分を非課税にしても大きな効果は期待できないという印象は強く、実際そういった声は多い。一方、日本に残されたカードはさほど多くないことを思えば、実質的に大きな効果を期待できなくても残る「5%の摩擦」にこだわるべきという考え方もある。確かに、政府が主導して円買いフローを創出しようという姿勢は投機的な円売りに対抗するメッセージになり得る。米国や英国、シンガポールといった国際金融センターと呼ばれる国では100%非課税だ。対応策を問われた時に、まだやれることはあるという意味で言及はしておきたい。<NISA国内投資枠という円安抑止策>しかし、リパトリ減税は文字通り対症療法であり、効果もワンショットで終わる可能性が高い。もちろん「ワンショットでも、時間稼ぎは必要」という考え方も尊重すべき現状ではあるが、対策がこれだけというのも心もとない。より持続的な円安抑止策として、筆者はNISA(少額投資非課税制度)国内投資枠の新設という考え方に注目している。周知の通り、年初来の円安相場には新NISAに伴う海外株式の購入、いわゆる「家計の円売り」が寄与している側面も大きいと言われる。財務省データによると、投資信託経由の対外証券投資は今年1─3月期だけで約3.5兆円に達しており、これは例年で言えば1年分に匹敵する。それが主因かどうかはさておき、円安地合いに寄与しているのはほぼ間違いないだろう。過去の本コラムでも「家計の円売りこそ本当の円安リスク」として危惧してきた経緯があるが、その懸念は半ば実現しつつあるように思える。このペースで投資信託経由の対外証券投資が出続けると仮定した場合、年間で優に10兆円を超える円売りが家計から出てくることになる。まだ資産運用に着手していない層も多そうであるから、潜在的な拡大余地も大きいだろう。看過できる論点ではない。<国内投資枠で海外投資は減る可能性>では、現行の「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に加えて、「国内投資枠」を設けた場合、どのような効果が期待されるのか。内外の成長率格差を踏まえれば、今後も海外株への投資意欲が相応に強い状況は続く可能性はある。とはいえ、ここまで進んだ円安相場を踏まえ、ここからの為替リスクを取ることに及び腰になる層も増えてくる可能性はある。国内投資枠はそうした層の受け皿になり得る。2024/05/13 08:16:51129.名無しさん4JUwbもちろん、国内投資枠が新設された分、新規投資資金が増えるというのであれば「家計の円売り」の勢いは変わらないが、恐らくそうはならないだろう。というのも、現行の年間360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)の枠を使い切る個人投資家は多数派ではないからだ。金融庁の「NISA口座の利用状況調査」によれば、2023年9月末時点のNISA口座数は2034万7312口座、その買い付け額は34兆0281億4597万円だ。単純計算で1口座当たり167万円だ。年間360万円の枠が拡大されても、元々使い切っていないのだから大勢に影響はない。国内投資枠が新設された場合、海外投資に流れていた資金の一部は国内投資へと代替される展開が予見される。つまり国内投資枠が増えた部分は選択可能性の拡大でしかない。国内投資に配分された分、海外資産への投資(円売り)が減ることになるのであれば、それは立派な円安抑止策になる。主要7カ国(G7)の一角である日本では資本規制が難しいものの、インセンティブ設計として流出を減らす工夫は可能だ。<英国で先行する国内投資枠>この動きはすでに英国が検討し始めている。今年4月、英政府は春に発表された予算編成方針においてNISAの原形とされるISA(個人貯蓄口座)に関し、英国株投資の非課税枠を現在の年間2万ポンドから2万5000ポンドに引き上げる意向を表明した。ただ、同国では今秋に総選挙を控えており、政権交代の可能性なども踏まえれば、同案自体がどう転ぶかはまだ分からない。しかし、この方針が固まった際には日本でも同じ方針を求める機運が高まる可能性はあるように思う。家計部門の運用資金が海外ではなく国内に配分されるようになれば、日本株は上昇し、円売りも抑制されて一石二鳥となる。新NISAは稼働の初年度であり、新しい選択可能性を提示するには良い時期であることも助けになるだろう。少なくとも、円安の一因として注目されている「家計の円売り」に対抗する手段として、NISA国内枠の新設は利上げや為替介入は元より、冒頭で紹介したリパトリ減税案と比較しても持続力を持ち得るように思えるし、政府の掲げる資産運用立国の方針とも合致する。裏を返せば「家計の円売り」を早い段階でけん制しておかねば、そのまま一部が「帰ってこない外貨」となってしまう恐れがあるため、早めに手を打った方が良いようにも思える。<抜本的な政策は別>もっとも、リパトリ減税は元より、NISA国内投資枠の新設も円安相場を反転させるような抜本的な政策とまでは言えない。そもそも市場に存在する全ての円売りを吸収する政策など存在しない。身もふたもない話をしてしまえば、変動為替相場において為替市場の流れを根本的に変えられるのは米国だけだ。そう割り切った上で当面の日本に求められているのは「持続的な時間稼ぎの手段」であり、リパトリ減税やNISA国内投資枠もその一環だと筆者は考える。少しの時間であっても、為替市場の平準化(スムージング)も図ることができれば、事業法人などにとって良好な市場環境を確保することができる。そこにも意義はある。様々な対症療法を組み合わせて時間稼ぎをしている間に、対内直接投資の積み上げであったり、電源構成の修正であったり、労働力の確保(および移民政策の是非)であったりを議論することで中長期的な円相場の需給改善を図るという姿勢が王道であると考えておきたい。2024/05/13 08:18:32130.名無しさん4JUwb東証前引け 日経平均、続伸 日銀の国債買い入れ減額に反応も2024/05/13 11:55 日経速報ニュース 13日午前の東京株式市場で日経平均株価は小幅に続伸し、午前終値は前週末比14円48銭(0.04%)高の3万8243円59銭だった。下げ幅は200円を超え、取引時間中としては2日以来およそ1週間ぶりに節目の3万8000円を下回る場面もあったが、下値では好業績銘柄を中心に買いが入った。ただ、日銀の政策正常化の観測が投資家心理の重荷となり、積極的な買いは見送られた。 13日午前の国内債券市場で長期金利は一時、0.935%まで上昇(価格は下落)した。日銀は同日通知した定例の国債買い入れオペ(公開市場操作)で、長期債の購入予定額を減らした。国内債券市場での金利の上昇に歩調を合わせて日経平均も下げ幅を260円近くまで拡大する場面があった。日銀が政策正常化を早めるとの思惑が強まり、金利上昇が業績拡大につながりやすい三菱UFJや三井住友FGなど銀行株が上昇した。半面、金利上昇が債務の返済負担増につながりやすいとみられる三井不や菱地所など不動産株は下落した。 日経平均はマイナス圏で推移する時間帯が長かったが、前引けにかけては上げに転じた。前週末の米株式市場で半導体関連銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は上昇しており、東京市場ではアドテストなど一部の半導体関連株に買いが入った。大引け後に決算発表を控えるソフトバンクグループ(SBG)も上昇し、指数を下支えした。 東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは0.18ポイント(0.01%)安の2728.03だった。JPXプライム150指数は続伸し、0.73ポイント(0.06%)高の1189.21で前場を終えた。 前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆3774億円、売買高は10億1361万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は755。値下がりは844、横ばいは47だった。 10日に2024年3月期決算を発表した東エレクは前週末終値を挟んで一進一退となった。KDDIやオリンパス、資生堂は上げた。一方、セコムやトヨタ、クボタが下げた。2024/05/13 12:23:07131.名無しさんgbeNo三井住友FG、今期純利益1兆円 4年前倒し達成計画 前期も10年ぶり最高益 顧客増、金利上昇追い風2024/05/14 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は2025年3月期に、1兆円超の連結純利益の見通しを示す方針だ。これまで29年3月期に1兆円以上を見込み、4年ほどの前倒しになる。投資銀行業務が拡大するほか、国内の個人顧客の拡大が収益に貢献して24年3月期も最高益となる見通し。国内外の金利上昇で邦銀の収益拡大が軌道に乗り始めた。 三井住友FGは15日午後に24年3月期の決算と25年3月期の業績予想を公表する。現在の中期経営計画の最終年度にあたる26年3月期でこれまで9000億円以上としてきた純利益の計画を1兆1000億円規模に引き上げる新たな見通しを示す。24年3月期も9000億円台後半と前の期比で2割程度の増益を確保し、10年ぶりの最高益を更新するもようだ。 メガバンクで三菱UFJFGに続く2社目の純利益1兆円超えとなる。純利益で1兆円以上を確保する企業はトヨタ自動車や大手総合商社などにとどまり、産業界全体で見ても有数の水準だ。 9月末を基準日に株主総会での承認を前提に1株を3株に分割する株式分割の実施も調整する。三井住友FGの足元の株価は9000円前後で推移しており、投資には90万円ほどが必要になる。東京証券取引所の個人投資家が投資しやすい環境を整備するため、投資に必要な額を50万円未満に引き下げるよう要請しているのに対応する。 25年3月期の純利益は24年3月期に比べて1割程度の増益になる見通しだ。国内でも企業のM&A(合併・買収)をはじめとする旺盛な資金需要が続き貸出金が引き続き拡大する。 三井住友FGが1兆円超の純利益を確保する見通しとなった背景には国内外の収益力の向上がある。足元で顧客が200万人を超えた総合金融サービス「オリーブ」による顧客基盤拡大が収益に貢献。日銀のマイナス金利政策の解除などによる「金利ある世界」への回帰が利ざやの拡大につながる。足元でも大企業向けの利ざやは拡大傾向だ。 海外では資本提携する米証券大手のジェフリーズ・ファイナンシャル・グループと米国や各地域で共同の営業体制を構築。大型M&Aのアドバイザリー業務などの連携で23年4~9月期に海外投資銀行業務の粗利益が前年同期比100億円規模で増えた。23年には米貨車リース事業を売却するなど事業構成の入れ替えも進める。 アジアでも23年にベトナムの民間銀行2位のVPバンクに日本円換算で約2000億円を出資して持ち分法適用会社化。インドでは3月にノンバンク子会社のSMFGインディア・クレジット(旧フラトン・インディア)を完全子会社にした。アジアへの出資による純利益への貢献は26年3月期で500億円規模に達する計画となる。 3メガバンクでは三菱UFJFGが15年3月期に純利益で1兆円を超えたが、マイナス金利政策の導入以降は低金利で各社業績が低迷していた。24年3月期は3メガバンク合算で発足以降の最高益となる前の期比2割増の3兆円程度の純利益を確保する見通しだ。三菱UFJFGが1兆3000億円、みずほFGが6400億円の通期の純利益予想を示している。 ただ、三井住友FGのPBR(株価純資産倍率)は足元で0.86倍程度と、解散価値にあたる1倍を下回る。米大手銀ではPBRは1倍を上回る例が多い。PBRを高めるためには低採算事業の売却による成長資本の捻出が欠かせない。PBRを向上するためには一段の事業構成の入れ替えや政策株の売却が必要になる。2024/05/14 06:41:23132.名無しさんgbeNoりそな、政策保有株を3分の1に 6年間で1800億円削減2024/05/14 21:21 日経速報ニュース りそなホールディングスは14日、2030年3月末までに政策保有株式を簿価ベースで約3分の1まで削減する計画を示した。24年3月末時点で簿価で約2600億円あるが、6年間で1800億円程度を売却する。これまでは22年度からの4年間で800億円減らす目標だった。 同日の記者会見で南昌宏社長は売却で得た資金を「次の成長への投資に充てたい」と話した。 03年3月末時点で約1兆4000億円の政策株を抱えていたりそなは、03年5月に公的資金の注入が決まってからメガバンクを上回るペースで政策株を減らしてきた。 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は26年3月末までの3年間で少なくても2000億円、みずほFGも同期間に3000億円減らす計画を打ち出している。 りそなは同日、25年3月期の連結純利益が前期比4%増の1650億円になるとの予想を発表した。 現行の中期経営計画で、最終年度の26年3月期に掲げる純利益の目標は1700億円だ。傘下のみなと銀行で発生するシステム統合の費用を除くと、実質的に1年前倒しで目標の達成をめざすことになる。 24年3月期の連結決算は、純利益が前の期比1%減の1589億円だった。融資先の焦げ付きに備える与信費用が約2倍の356億円となったことが響いた。 本業のもうけを示す実質業務純益は8%増の2113億円だった。国内企業の資金需要が旺盛で、今年3月末時点の貸出金残高は約43兆100億円と前年同月比で4%増えた。2024/05/14 21:47:51133.名無しさんmfxWC3メガ銀、大幅増配へ 2025年3月期 好調な業績受け2024/05/15 17:15 日経速報ニュース 3メガバンクは15日、2025年3月期に大幅な増配に踏み切る方針を発表した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は24年3月期の41円から50円に、三井住友FGは270円から330円に、みずほFGは105円から115円にそれぞれ引き上げる。三菱UFJと三井住友はそれぞれ1000億円を上限に自社株買いも実施する。 米地銀シリコンバレーバンクの破綻などが起きたことから、昨年春は資本に余裕を持たせようと株主還元の強化を控えていたが、好調な業績を受けて積極的な株主還元にかじを切る。 14日に2024年3月期決算を公表したりそなホールディングス(HD)は200億円を上限とする自社株買いを公表した。1回あたりの金額としては過去最多という。三井住友トラストHDは創業100周年の記念配を含め、年配当を前期から35円増やす方針を明らかにした。 23年春は米国発で金融システムに懸念が浮上したことを受け、自己資本の充実を優先しようと自社株買いを抑えていた。金融環境の正常化で23年11月には三菱UFJが4000億円、三井住友は1500億円を上限に自社株買いの実施を公表するなど株主還元の強化に動き出した。今期の業績も堅調に推移する見通しで、各社は株主還元の強化を進める。 日銀によるマイナス金利政策の解除で国内でも金利の先高観が強まり、利ざやの拡大と収益増への期待感から銀行株は上昇している。三菱UFJの株価は3月上旬に17年半ぶりの高値を付け、PBR(株価純資産倍率)も11年ぶりに1倍台へ戻した。三井住友やみずほのPBRは0.7?0.8倍台にとどまるものの、株価は高値圏を保つ。 三井住友は15日、1株を3株とする株式分割の実施も公表した。1月に始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)では個人投資家の資金が業界トップの銘柄に向かいやすいとされる。実際に買い付け額の上位にはJTやNTTなどが並ぶ。「(個人投資家への浸透で)三菱UFJに出遅れている」(関係者)ことから投資単位の引き下げを決めた。 大手行は自己資本の充実、収益力の強化に向けた成長投資、そして株主還元の強化に目を配ってきた。自己資本が安定的に積み上がるなか、3メガバンクは今期にそろって最高益を更新する見込みだ。株主還元の充実を打ち出した各社がM&A(合併・買収)などでどんな成長戦略を打ち出すかも次の焦点となる。2024/05/15 18:04:12134.名無しさんmfxWC3メガ銀、大幅増配へ 2025年3月期 好調な業績受け2024/05/15 17:15 日経速報ニュース 3メガバンクは15日、2025年3月期に大幅な増配に踏み切る方針を発表した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は24年3月期の41円から50円に、三井住友FGは270円から330円に、みずほFGは105円から115円にそれぞれ引き上げる。三菱UFJと三井住友はそれぞれ1000億円を上限に自社株買いも実施する。 米地銀シリコンバレーバンクの破綻などが起きたことから、昨年春は資本に余裕を持たせようと株主還元の強化を控えていたが、好調な業績を受けて積極的な株主還元にかじを切る。 14日に2024年3月期決算を公表したりそなホールディングス(HD)は200億円を上限とする自社株買いを公表した。1回あたりの金額としては過去最多という。三井住友トラストHDは創業100周年の記念配を含め、年配当を前期から35円増やす方針を明らかにした。 23年春は米国発で金融システムに懸念が浮上したことを受け、自己資本の充実を優先しようと自社株買いを抑えていた。金融環境の正常化で23年11月には三菱UFJが4000億円、三井住友は1500億円を上限に自社株買いの実施を公表するなど株主還元の強化に動き出した。今期の業績も堅調に推移する見通しで、各社は株主還元の強化を進める。 日銀によるマイナス金利政策の解除で国内でも金利の先高観が強まり、利ざやの拡大と収益増への期待感から銀行株は上昇している。三菱UFJの株価は3月上旬に17年半ぶりの高値を付け、PBR(株価純資産倍率)も11年ぶりに1倍台へ戻した。三井住友やみずほのPBRは0.7?0.8倍台にとどまるものの、株価は高値圏を保つ。 三井住友は15日、1株を3株とする株式分割の実施も公表した。1月に始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)では個人投資家の資金が業界トップの銘柄に向かいやすいとされる。実際に買い付け額の上位にはJTやNTTなどが並ぶ。「(個人投資家への浸透で)三菱UFJに出遅れている」(関係者)ことから投資単位の引き下げを決めた。 大手行は自己資本の充実、収益力の強化に向けた成長投資、そして株主還元の強化に目を配ってきた。自己資本が安定的に積み上がるなか、3メガバンクは今期にそろって最高益を更新する見込みだ。株主還元の充実を打ち出した各社がM&A(合併・買収)などでどんな成長戦略を打ち出すかも次の焦点となる。2024/05/15 21:17:00135.名無しさんmfxWC5大銀、利ざや改善で今期も最高益へ 収益改革下支え2024/05/15 19:39 日経速報ニュース 5大銀行グループの2024年3月期決算が15日、出そろった。合計の連結純利益は前の期比19%増の3兆3708億円と05年度に現在の3メガバンク体制となってから最高益を更新した。25年3月期も10%増の3兆7150億円と2期連続の最高益となる見通しだ。利ざやの改善と低金利下で続けてきた構造改革が収益拡大に結びつきつつある。 25年3月期の連結純利益予想は、三井住友フィナンシャルグループ(FG)が前期比10%増の1兆600億円と同社として初の1兆円台を目標に掲げる。三菱UFJFG、みずほFG、三井住友トラスト・ホールディングス(HD)も最高益を見込み、りそなHDも4%の増益を予想する。三井住友など中期経営計画で設定した利益目標の前倒し達成も相次ぐ。 金利の先高観で国内の貸出金利も上がり始めた。3メガの大企業向け貸出金利ざやは24年3月期に前の期比で0.05%拡大して0.59%となった。三井住友FGの中島達社長は15日の記者会見で「国内の大企業、中堅企業の活動は非常に活発だ」と話した。米連邦準備理事会(FRB)は高水準の政策金利を続け、外貨建ての貸出資産は高い収益性を保つ。 これまで銀行は預かった資金の運用で苦戦を強いられてきた。マイナス金利政策の解除で日銀の当座預金には0.1%の付利がつき、各行は収益源となる預金の獲得に方針を転換した。マイナス金利の解除は3メガだけで25年3月期に収益を1000億円規模で押し上げる。 利上げに伴う収益の改善は、貸出金利の引き上げが円滑に進むかどうかが前提だ。りそなの南昌宏社長は「市場金利の上昇分に連動する(貸出金)利回りの上昇が確認できている」と話す。融資のほかにも「金利上昇は資産運用や資産管理の残高拡大による報酬の増加につながる」(三井住友トラストの高倉透社長)。 各社は日銀が政策金利を現行のまま据え置く前提で今期の収益計画を策定した。日銀が追加利上げに踏み切れば業績は上振れする可能性がある。りそなは政策金利が0.5%まで上昇すると、自己資本利益率(ROE)が9?10%に高まるとの試算を示した。 国内の企業業績は底堅く、焦げ付きに備えて計上する与信費用も大手行の合算で7%減の9256億円と低位にとどまる見通しだ。 合計の純利益はこれまで14年3月期の2兆8669億円が最高だった。日銀が16年にマイナス金利政策を導入してから国内の預貸業務を中心に利益が落ち込み、20年3月期には2兆円を割り込んだ。 2期連続で最高益を更新する見通しなのは、長引く低金利下で大手行が経営の効率化を進めてきたことも要因だ。本業のもうけを示す実質業務純益(傘下行の合算)は24年3月期に19%増の3兆927億円。採算性が低いリスク資産を減らしたり、店舗網を効率化したりした成果が表れた。三菱UFJの亀澤宏規社長は「3~4年とり組んできた構造改革が実を結んだ」と強調する。 規制緩和の追い風も生かし、証券業務など業容の拡大を進めてきた面も大きい。旧三菱銀行の1990年3月期決算では一般企業の売上高にあたる業務粗利益のうち、貸出金利息を中心とする資金利益が約8割を占めていた。現在の大手行では多い場合で5割程度まで下がり、収益の多様化が進んでいる。 懸念材料は米国の利下げだ。インフレを背景に遅れているFRBの政策金利引き下げが本格化すれば、利益を押し上げてきた海外向け貸し出しの利ざやに縮小圧力がかかる。一方で、みずほの木原正裕社長は「米国の金利高止まりが続くと経済へのショックが大きい」と指摘する。 大手行の業績は、政策株の売却益や円安で外貨建て資産が円換算で押し上げられている面もある。15日の会見で三井住友FGの中島氏が「ゲタを履いている面がある」と評した。好業績を続けているうちに成長戦略を着実に進め、逆風への備えを手厚くできるかが重要になる。2024/05/15 21:19:49136.名無しさんmfxWC大手3銀の今期純利益3.3兆円、最高益更新へ 資金需要や海外改善で[東京 15日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306.T), opens new tab(MUFG)など大手銀行3グループが15日に発表した2025年3月期の連結純利益予想は、3社合計で前期比5.7%増の3兆3100億円となった。05年度にMUFGが発足し3メガバンク体制になってから過去最高を更新した前期を上回る見通し。3社とも、企業の旺盛な資金需要や海外の利ざや改善を織り込んだ。三井住友フィナンシャルグループ(FG)(8316.T), opens new tabは15日、2025年3月期の連結純利益が前期比10.1%増の1兆0600億円になる見通しと発表した。グループとして初めて1兆円を超える もっと見る 。MUFGは同0.7%増の1兆5000億円 もっと見る 、みずほフィナンシャルグループ(8411.T), opens new tabは同10.4%増の7500億円 もっと見る をそれぞれ予想する。いずれも、市場予測を上回った。三井住友FGの中島達社長は決算会見で「相場環境、顧客の行動など全てが銀行業績にプラスに働く環境がそろった」と指摘し、「経営者のマインドは非常に前向きになっており、日本経済についてはポジティブにみている」と述べた。みずほFGの木原正裕社長は、今期目標設定について「収益力が上がったので高みを目指す」との意気込みを語った。みずほFGは、現中期経営計画の最終年度である25年度目標を前倒しで達成する見込み。MUFGの亀澤宏規社長は「24年度は、国内が金利がある世界に入り(業績に)プラスになる。成長はアジアが大きい」との考えを示した。MUFGは23年度に持ち分法適用会社である米モルガン・スタンレーの損益計上の期ずれ影響を除くと900億円超の増益となる計画だ。日銀の金融政策変更による金利上昇も収益拡大の追い風で、銀行が持つ日銀当座預金への付利も収益増につながる。三井住友FGは、マイナス金利解除は24年度業績に税前粗利益で400億円の効果があるとみる。みずほFGとMUFGも同様に、業績にプラスの効果を織り込んでいる。MUFGは25年3月期からの新中期経営計画も公表し、最終年度にあたる27年3月期の連結営業純益を23年度の1兆6000億円から2兆1000億円にする方針を示した。アジアの成長を取り込むため、プラットフォームの強靭化や国内の富裕層ビジネスの強化を図る。政策保有株式の削減についても新たな見通しを示し、MUFGは5000億円としていた前期末までの削減目標を達成し、新中計期間中に3500億円を売却する方針。亀澤社長は「前倒しで実行していきたい」と述べた。三井住友FGは26年3月末までの3年間で政策保有株を2000億円削減するとしているが、すでに1340億円を売却済みでさらなる削減計画の検討を開始する。みずほFGは22―25年度に3000億円削減する計画を維持している。24年3月期の連結決算では、3社合計の純利益は前期比約26%増の3兆1300億円だった。2024/05/15 21:24:44137.名無しさんZPnpv3メガ銀の今期純利益は3.3兆円へ-利上げ効果でそろって最高益更新https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-15/SDI11JT0AFB400「利ざや改善などでポジティブ」、金利は「見極めにくい」のと声も前期はMUFGと三井住友FGが最高益、みずほも今期に達成へ 3メガバンクグループの今期(2025年3月期)純利益は合計で前期比5.7%増の3兆3100億円と前期(24年3月期)に続き2期連続で最高益を更新する見込みだ。日本銀行による利上げ効果が本業の貸し出し業務などに浸透し、収益を押し上げる。 15日に出そろった今期計画は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が前期比0.6%増の1兆5000億円、三井住友FGが10%増の1兆600億円、みずほFGが10%増の7500億円。前期の純利益合計は3兆1327億円だった。 前期は貸し出し業務では利ざやが大きい海外事業が円安・ドル高もあり収益を押し上げたほか、国内も法人向け融資が堅調に推移。国債取引などの市場部門も好調で、合計の純利益は10年ぶりの最高となった。個別ではMUFGと三井住友FGが最高益を更新した。 日銀が3月に17年ぶりの利上げに動いたのを受け、市場金利は上昇傾向にある。今期は追加利上げも予想され、国内貸し出し業務での利ざや拡大など収益環境のさらなる好転が期待されている。 前期決算について、MUFGの亀澤宏規社長は、「顧客部門中心に稼ぐ力が拡大し、過去最高益につながった」と評価。三井住友FGの中島達社長も「非常に好調な結果。業務環境が非常に良かったことが要因」と振り返った。金利上昇へ 日銀は3月の金融政策決定会合でイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)やマイナス金利を解除した。4月の決定会合では大きな政策変更はなかったが、今後は日銀の追加利上げの時期やペースに関心が集まっている。 MUFGの亀澤社長は利上げ効果について、「前期決算にはそれほど入っていないが、今期はプラスになっていく。利ざや改善などでポジティブだ」と言及した。三井住友FGの中島社長は金利の「正常化に向けた動きが継続していくことを期待する」と語った。 みずほFGの木原正裕社長は、「政策金利の引き上げがあるかは見通しが難しい。ある程度見極めてからではないと動けない。難しい局面だ」と述べた。 その一方で、三井住友FGの中島社長は今後のリスク要因として、与信関係費用の増加懸念を挙げた。「海外の金利高止まりやインフレによる将来の信用不安に備えフォワードルッキングな引き当て計上」により、与信費用は増加していると説明した。 みずほFGの木原社長は、直近で1ドル=156円台の円安水準で推移している為替相場について、「中小中堅にとっては円安はきついと思う。円高方向にいってもらいたいという思いは強い」と述べた。2024/05/16 05:28:50138.名無しさんZPnpv5大銀、今期も最高益へ 2期連続3兆円超え 前期は19%増、利ざや改善・収益改革支え2024/05/16 日本経済新聞 朝刊 5大銀行グループの2024年3月期決算が15日、出そろった。合計の連結純利益は前の期比19%増の3兆3708億円と05年度に現在の3メガバンク体制となってから最高益を更新した。25年3月期も10%増の3兆7150億円と2期連続の最高益となる見通しだ。利ざやの改善と低金利下で続けてきた構造改革が収益拡大に結びつきつつある。 25年3月期の連結純利益予想は、三井住友フィナンシャルグループ(FG)が前期比10%増の1兆600億円と同社として初の1兆円台を目標に掲げる。三菱UFJFG、みずほFG、三井住友トラスト・ホールディングス(HD)も最高益を見込み、りそなHDも4%の増益を予想する。 金利の先高観で国内の貸出金利も上がり始めた。3メガの大企業向け貸出金利ざやは24年3月期に前の期比で0.05%拡大して0.59%となった。三井住友FGの中島達社長は15日の記者会見で「国内の大企業、中堅企業の活動は非常に活発だ」と話した。米連邦準備理事会(FRB)は高水準の政策金利を続け、外貨建ての貸出資産は高い収益性を保つ。 これまで銀行は預かった資金の運用で苦戦を強いられてきた。マイナス金利政策の解除で日銀の当座預金に0.1%の金利がつき、各行は収益源となる預金獲得に方針を転換した。マイナス金利解除は3メガだけで25年3月期に収益を1000億円規模で押し上げる。 国内の企業業績は底堅く、焦げ付きに備えて計上する与信費用も大手行の合算で7%減の9256億円と低位にとどまる見通しだ。 合計の純利益はこれまで14年3月期の2兆8669億円が最高だった。日銀が16年にマイナス金利を導入してから国内の預貸業務を中心に利益が落ち込み、20年3月期には2兆円を割り込んだ。 2期連続で最高益を更新する見通しなのは、長引く低金利下で大手行が経営の効率化を進めてきたことも要因だ。本業のもうけを示す実質業務純益(傘下行の合算)は24年3月期に19%増の3兆927億円。採算性が低いリスク資産を減らしたり、店舗網を効率化したりした成果が表れた。三菱UFJの亀澤宏規社長は「3~4年とり組んできた構造改革が実を結んだ」と強調する。 規制緩和の追い風も生かし、証券業務など業容の拡大を進めてきた面も大きい。旧三菱銀行の1990年3月期決算では一般企業の売上高にあたる業務粗利益のうち、貸出金利息を中心とする資金利益が約8割を占めていた。現在のメガバンクでは多い場合で5割程度まで下がり、収益の多様化が進んでいる。 懸念材料は米国の利下げだ。インフレを背景に遅れているFRBの政策金利引き下げが本格化すれば、利益を押し上げてきた海外向け貸し出しの利ざやに縮小圧力がかかる。一方で、みずほの木原正裕社長は「米国の金利高止まりが続くと経済へのショックが大きい」と指摘する。 大手行の業績は、政策株の売却益や円安で外貨建て資産が円換算で押し上げられている面もある。15日の会見で三井住友FGの中島氏が「ゲタを履いている面がある」と評した。好業績を続けているうちに成長戦略を着実に進め、逆風への備えを手厚くできるかが重要になる。2024/05/16 06:11:54139.名無しさんZPnpv5大銀、今期も最高益へ 2期連続3兆円超え――3メガ、大幅増配の方針2024/05/16 日本経済新聞 朝刊 3メガバンクは15日、2025年3月期に大幅な増配に踏み切る方針を発表した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は24年3月期の41円から50円に、三井住友FGは270円から330円に、みずほFGは105円から115円にそれぞれ引き上げる。三菱UFJと三井住友はそれぞれ1000億円を上限に自社株買いも実施する。 米地銀シリコンバレーバンクの破綻などが起きたことから、昨年春は資本に余裕を持たせようと株主還元の強化を控えていたが、好調な業績を受けて積極的な株主還元にかじを切る。 りそなホールディングス(HD)は200億円を上限とする自社株買いを公表した。三井住友トラストHDは記念配を含め、年配当を前期から35円増やす方針だ。2024/05/16 06:13:21140.名無しさんZPnpvメガバンク、株主還元で株価明暗 再評価は日銀「次の一手」次第2024/05/16 12:47 日経速報ニュース 16日の東京株式市場でメガバンク株の明暗が分かれている。前日に発表した2024年3月期決算で1000億円を上限とする自社株買いを発表した三井住友フィナンシャルグループは年初来高値を更新した一方、還元策が市場の期待に届かなかったとして三菱UFJフィナンシャル・グループとみずほフィナンシャルグループは軟調に推移した。足元の金利上昇によって銀行の収益環境は改善しているものの、銀行株全体を再評価する状況には至っていないようだ。 三井住友FGは一時2.61%高の9444円まで上昇し、2008年6月以来およそ16年ぶりの高値を付けた。一方、三菱UFJは一時5.56%安、みずほFGも2.48%安まで下げる場面があった。明暗を分けたのは、自社株買いの規模感に対する市場の受け止めだ。 三井住友FGの自社株買いの金額である1000億円について「好印象」(野村証券の担当アナリスト、高宮健氏)との受け止めが多い。一方、三菱UFJの自社株買いも1000億円だが、前期(年4000億円)に比べるとペースは鈍化しており、市場では「ネガティブサプライズ」(SMBC日興証券の担当アナリストである佐藤雅彦氏)との声が聞かれる。みずほFGは自社株買いの発表がなかった。 3メガバンクの収益環境はそろって改善している。3メガの24年3月期の大企業向け貸出金利ざやは前の期に比べて0.05%拡大し、0.59%となった。今期(25年3月期)の連結純利益予想は、3行とも市場予想であるQUICKコンセンサスを上回った。 ただ、株式市場は金利の先高観による利ざや改善をすでに織り込んできた経緯があり、改めて材料視する動きにはつながっていない。三井住友FGは年初来高値を更新したものの、3銘柄ともPBR(株価純資産倍率)は節目の1倍を下回る水準にとどまる。 前日の米株式市場では4月の米消費者物価指数(CPI)などを受けて米連邦準備理事会(FRB)による年内の利下げ観測が強まり、米長期金利は4.34%とおよそ1カ月ぶりの低水準で終えた。海外の金利上昇という追い風は弱まりつつある。 3メガは今期の増配を決め、ともに3%台と高い配当利回りに着目した買いは支えとなりそうだ。もっとも、再び銀行株が物色の主役となるためには「日銀が金融政策の正常化に向けて次の一手を打つことが必要」(国内証券のトレーダー)との見方が多い。しかし、16日発表の2024年1?3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は2四半期ぶりにマイナス成長となった。「日銀の正常化はいったん後退した」との見方は、きょうだけでなく当面、銀行株の重荷となる可能性が高い。2024/05/16 15:45:38141.名無しさんZPnpvメガバンク、上昇した円金利に食指 スワップで持ち高復元か2024/05/16 16:33 日経速報ニュース 国内金利に上昇圧力がかかるなか、メガバンクが円金利に食指を動かし始めているようだ。15日に出そろった三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などの2024年3月期決算では、一部でデリバティブ(金融派生商品)を使って金利リスクを取る様子が明らかになった。市場参加者からは「銀行勢が円金利のポジションを部分的に復元している」との声が出ている。 メガバンクの決算のなかで債券市場参加者が注目したのが、固定金利と変動金利を交換する金利スワップ取引の残高だ。「固定金利受け・変動金利払い」の残高(ヘッジ会計適用分、想定元本ベース)をみると、三菱UFJは24年3月末時点(連結ベース)が41兆964億円だった。23年9月末時点(31兆4935億円)から約9.6兆円増えた。 このスワップ取引は固定金利を受け取る代わりに変動金利を支払うもので、国債を買うのと同じ経済効果を持つ。三菱UFJは年限別で「1年超5年以下」の取引を半年前から11.8兆円も増やし、全体の残高を押し上げた。みずほフィナンシャルグループ(8411)も傘下2行合算で、固定金利を受け取る取引の残高が昨年9月末から3.4兆円増えた。 SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは「預金者への支払利息や経費などを考慮した銀行の資金調達コストを中期ゾーンのスワップ金利が上回り、日銀の大規模緩和下で削減してきた円金利のポジションを復元する動きが一部出始めたとみられる」と推察する。 一方、日本国債の現物については残高を減らしていた。例えば三菱UFJ(傘下の2行合算ベース)の国債保有残高は24年3月末時点で35.9兆円(23年9月末は36.4兆円)、平均残存年限(デュレーション)は1.0年(同1.3年)だ。みずほFGも3月末の国債保有残高が10.9兆円(同19.9兆円)、ヘッジ考慮後のデュレーションは0.3年(同0.7年)と円債のリスクを落とした形だ。 銀行勢が国債残高を減らす一方、金利スワップのポジションを積み上げたのはなぜか。SMBC日興証券の奥村氏は「国債利回りよりスワップのほうが絶対的な金利水準が高かったことや、日銀が長く続けたイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を撤廃し中長期ゾーンの国債利回りの先高観が強かったためではないか」と指摘する。 日銀が年内に追加利上げへと動くとみられるなか、市場では6月にも国債購入の減額方針を決めるとの思惑がくすぶる。債券需給が緩めば金利の先高観が強まりかねず、「銀行勢による円金利のポジションの復元が本格化するのはまだ先」(国内証券のストラテジスト)との声も漏れる。 しかし、15日に中期経営計画の見直しを発表したゆうちょ銀行(7182)の笠間貴之社長は記者会見で「国内金利が上昇基調に転じたことから、預金から日本国債へのシフトを積極的に進めていく」と語った。金利上昇に伴い、負債のコストと比べて投資を検討できる水準まで国債利回りが上昇すれば徐々に投資家の買いが入り始める。メガバンクの決算はそうした市場環境にいずれ戻るとの見方を強めたといえそうだ。2024/05/16 17:48:03142.名無しさん8HyV9〔マーケットアイ〕株式:日経平均は下げ幅縮小、日銀国債買い入れオペ据え置きで安心感[東京 17日 ロイター] - <10:45> 日経平均は下げ幅縮小、日銀国債買い入れオペ据え置きで安心感日経平均は下げ幅を縮小し、前営業日比約170円安の3万8700円半ばで推移している。日銀の国債買い入れオペのオファー額が据え置きとなり、市場では「減額されるかもしれないとの懸念もあったので、ひとまず安心感が出ているようだ」(国内証券・ストラテジスト)との指摘が聞かれる。外為市場ではドルは155円台後半と、やや円安に振れて推移している。個別では、東京エレクトロン(8035.T)b、ファーストリテイリング(9983.T)b、ソフトバンクグループ(9984.Tが引き続き軟調。アドバンテスト(6857.T)は小幅高。一方、銀行株がしっかりで、三井住友フィナンシャルグループ(8316.Tが2%超高、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T)が約3%高、みずほフィナンシャルグループ(8411.T)が約1%高で推移している。2024/05/17 11:07:04143.名無しさん8HyV9<東証>三井住友FGが7日続伸 業績見通しや株主還元評価の買い続く2024/05/17 11:29 日経速報ニュース (11時10分、プライム、コード8316)三井住友FGが7日続伸している。一時、前日比261円(2.77%)高の9661円まで上げ、連日で年初来高値を更新した。好調な業績見通しや株式還元の姿勢を評価した買いが続いている。 三菱UFJ(8306)やみずほFG(8411)も高い。3メガバンクは15日に2024年3月期(前期)の連結決算を発表し、25年3月期(今期)の連結純利益が市場予想(QUICKコンセンサス)を上回る見通しを示した。 三菱UFJは決算と同時発表の自社株買いの規模感が物足りないとの受け止めなどから前日に下落。みずほFGは自社株買いの発表がなく、下げた。 市場では「先行き日銀の金融政策の正常化が進めば、メガバンクの収益が一段と伸びるとみられるため、あらためて見直し買いが入っている」(アイザワ証券の三井郁男投資顧問部ファンドマネージャー)との見方があった。2024/05/17 12:46:47144.名無しさんjjt9aメガバンク3社で「3兆円」でも市場に漂う失望感、さらなる業績上振れ期待もPBR1倍は遠く■最高益なのに「ネガティブサプライズ」 メガバンクの業績が絶好調だ。5月15日に発表された2024年3月期決算は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFGのいずれも過去最高益を更新した。3社合計の純利益は3.1兆円で、金融緩和が始まった2013年以降の最高益である2.5兆円を軽々と上回った。過去最高益を発表した翌日、三菱UFJとみずほの株価は下落の憂き目に ところが、好業績に対する株主の評価は「失望」だった。翌16日、三菱UFJFGの株価は終値ベースで4.28%下落し、みずほFGも1.04%の値下がり。上昇したのは、三井住友FGの2.14%だけだった。会社と投資家がすれ違うきっかけとなったのは「株主還元」だ。 「極めて力強い決算だ」(三菱UFJFGの亀澤宏規社長)、「業務環境が非常に良かった」(三井住友FGの中島達社長)、「実力がついている」(みずほFGの木原正裕社長)。15日の記者会見で、各社の首脳は決算内容に自信をのぞかせた。 企業の設備投資や企業買収などに伴う資金需要が旺盛で、国内外の金利上昇に伴い利ザヤも拡大。大型の企業倒産は少なく、株高で資産運用ビジネスも伸長。円安による為替差益まで享受できた。 その勢いは衰えず、メガバンク各社は2025年3月期も最高益更新を見込む。年内にも日本銀行が追加利上げに動けば、純利益はさらに上振れる。 ところが、そんな期待をよそに、市場は「失望売り」で反応した。 「ネガティブサプライズ」。5月15日付のSMBC日興証券・佐藤雅彦シニアアナリストのレポートは、こんな見出しで始まった。「自社株取得が1000億円(中略)に留まり、24年3月期の年4000億円や弊社予想の年5000億円を下回るペースとなった」。 投資家が注目していたのは、三菱UFJFGの約1.5兆円という過去最高益よりも、その活用法だった。同社は2023年度に4000億円、2022年度にも4500億円の自己株取得を行っている。過去最高益がすでに織り込まれる中、市場の関心は「還元」の規模だった。フタを開ければ、三菱UFJFGは決算と同時に自己株買いこそ発表したものの、上限は1000億円にとどまった。■資本の制約で自己株買いを躊躇 三菱UFJFGも、市場で高まる大規模還元への期待を察知していなかったわけではない。だが、資本の制約がそれを阻んだ。同社の自己資本比率は、3月末のCET1比率(普通株式Tier1比率)が10.1%。その0.1ポイントに当たる1000億円分の自己株を買い戻せば、ちょうど10%に収まる計算だ。2024/05/20 06:02:03145.名無しさんjjt9a 同社はCET1比率が9.5%から10.5%の間に収まる資本政策を掲げており、「ターゲットレンジの真ん中になる点も含めて(1000億円の自己株買いが)最適だと判断した」(亀澤社長)。だが、財務規律を守る事情があるにせよ、結果的に投資家の失望売りを招いた。 同じく失望売りに見舞われたのがみずほFGだ。三菱UFJFGや三井住友FGと比べて自己資本に乏しい同社は、2008年を最後に自己株買いを行っていない。 そのため三菱UFJFGや三井住友FGと比べて、みずほFGに対する自己株買いへの期待はもともと小さかった。だが、銀行業界で相次ぐ好決算に加え、みずほFGのCET1比率(その他有価証券評価差額金を除く)が2023年末時点で9.7%と、10%の大台が見えていた。 市場では16年ぶりの自己株買いもささやかれたが、「成長投資もしないといけない。(自己株買いを行うには)もう一段資本が欲しい」(木原社長)とやはり見送り。これが一部投資家の売りを誘ったようだ。 唯一前向きな評価を受けたのは、上限1000億円の自己株買いを発表した三井住友FGだ。同社はコロナ禍の2020年3月期を除いて、年間1000億~1500億円の新規取得枠を設けており、今回も順当な還元策と受け止められた。同時に発表した1対3の株式分割も、株価を押し上げる一因になった。■かつてなく高い投資家の期待 次の焦点は、今期の中間決算で株主還元が上乗せされるかどうかだ。「収益状況も見て、中間期に議論したい」(三菱UFJFGの亀澤社長)、「視野に入っていないとは申し上げない」(みずほFGの木原社長)。首脳の発言からは、自己株買いへの関心がうかがえる。 各社が目標とするPBR(株価純資産)1倍は、しばらくは逃げ水を追う状況となりそうだ。一般に、PBRの分母となる1株当たり純資産は、直近の本決算期末の数値を参照する。本決算をまたげば純資産が膨らむため、その分だけ株価が上がらなければPBRは下がってしまう。 3月に1倍を取り戻した三菱UFJは、決算発表を受けた株価下落で再び1倍を割ってしまった。三井住友FGは0.8倍台、みずほFGも0.7倍台でくすぶる。 青天井とも言える投資家の期待。「ポジティブサプライズ」を与えるハードルは、かつてないほどに高い。2024/05/20 06:03:18
2024/03/28 12:30 日経速報ニュース
28日午前の東京株式市場で日経平均株価は反落した。前日比の下げは一時500円を超え、3月期決算企業の配当落ち分(約260円)を考慮
しても300円近く下げた計算だ。政府・日銀による為替介入への警戒に加え、年度末に向け年金基金が膨らみすぎた株式の持ち高を減らすと
の観測が日本株を下押ししている。
午前の終値は前日比479円29銭(1.2%)安の4万0283円だった。
日銀による為替介入への警戒感が相場全体の上値を抑えている。日本時間の27日夜に、財務省・金融庁・日銀が国際金融資本市場に関
する緊急の情報交換会合(3者会合)を実施した。前日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=151円97銭まで下落し、1990年7月以来、
約34年ぶりの円安水準をつけていた。
28日午前11時時点の円相場は1ドル=151円30銭前後の水準にある。実際に為替介入に踏み切れば急速に円高に振れるとの警戒感
から、輸出関連銘柄は基準値を下回っている銘柄が目立つ。
トヨタ自動車は前日比で58円(2%)安の3795円まで下落した。配当分を考慮した基準値(3818円)に比べても安い。日野自動車やスズ
キも基準値を下回る水準まで下落している。年始以降円安と並行して株高が進んできただけに、円高に振れれば支えを失うとの警戒は強い。
為替の影響を受けやすい双日や住友商事、三菱商事などの商社株や精密機器株なども基準値を下回り、上値が重くなっている。市場では
「円高に振れるリスクを警戒し、買いが手控えられている」(フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッド)との声が聞かれる。
加えて「年度末の年金の売りが相場を押し下げている」(アイザワ証券の三井郁男ファンドマネージャー)との見方もある。
国内年金基金は四半期末や年度末に向け株式など保有資産の比率を調整するとされる。例えば公的年金を運用する年金積立金管理運用
独立行政法人(GPIF)は運用資産に占める国内株の比率を25%としている。株高によって比率を上回った分を四半期末にかけて調整する必
要がある。年度の最終売買日(29日)にかけて持ち高を減らすための株売りを出すとの警戒が強い。
年金の売り需要は巨額に上るとの試算もある。大和証券の阿部健児チーフストラテジストは22日付けのリポートで、GPIFなど主要な年金基
金をあわせて「売却必要額は信託銀行の12月末以降の売越額と約2.2兆円の乖離がある」と指摘している。23年末以降の必要な売却額を5.
8兆円と見積もったうえで、年金の売買を反映する「信託銀行」の売越額の合計(約3.6兆円)が2.2兆円下回っているとの計算だ。
売り圧力が強まっている一方で、目立った買い手は乏しい。決算期末の週は上場企業が自社株買いを手控えるとされる。一方で持ち合い
解消の売りは淡々と続けるため、差し引きでは売り越しになりやすい。東京証券取引所の投資部門別売買動向をみると直近は4四半期連続
で信託銀行と事業法人がともに最終週に株を売り越している。
年金基金の売りは一時的な需給要因だが、日米金利差を背景とした円安基調は当面は続くとの見方が根強い。この日から実質的に新年度
入りした日本株相場。市場の目線は25年3月期の企業収益に向かう。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは「企業の来期予想が保守的でも、あとから上方修正するとの期待感は高い」と話す。
2024/03/28 12:30 日経速報ニュース
28日午前の東京株式市場で日経平均株価は反落した。前日比の下げは一時500円を超え、3月期決算企業の配当落ち分(約260円)を考慮
しても300円近く下げた計算だ。政府・日銀による為替介入への警戒に加え、年度末に向け年金基金が膨らみすぎた株式の持ち高を減らすと
の観測が日本株を下押ししている。
午前の終値は前日比479円29銭(1.2%)安の4万0283円だった。
日銀による為替介入への警戒感が相場全体の上値を抑えている。日本時間の27日夜に、財務省・金融庁・日銀が国際金融資本市場に関
する緊急の情報交換会合(3者会合)を実施した。前日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=151円97銭まで下落し、1990年7月以来、
約34年ぶりの円安水準をつけていた。
28日午前11時時点の円相場は1ドル=151円30銭前後の水準にある。実際に為替介入に踏み切れば急速に円高に振れるとの警戒感
から、輸出関連銘柄は基準値を下回っている銘柄が目立つ。
トヨタ自動車は前日比で58円(2%)安の3795円まで下落した。配当分を考慮した基準値(3818円)に比べても安い。日野自動車やスズ
キも基準値を下回る水準まで下落している。年始以降円安と並行して株高が進んできただけに、円高に振れれば支えを失うとの警戒は強い。
為替の影響を受けやすい双日や住友商事、三菱商事などの商社株や精密機器株なども基準値を下回り、上値が重くなっている。市場では
「円高に振れるリスクを警戒し、買いが手控えられている」(フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッド)との声が聞かれる。
加えて「年度末の年金の売りが相場を押し下げている」(アイザワ証券の三井郁男ファンドマネージャー)との見方もある。
国内年金基金は四半期末や年度末に向け株式など保有資産の比率を調整するとされる。例えば公的年金を運用する年金積立金管理運用
独立行政法人(GPIF)は運用資産に占める国内株の比率を25%としている。株高によって比率を上回った分を四半期末にかけて調整する必
要がある。年度の最終売買日(29日)にかけて持ち高を減らすための株売りを出すとの警戒が強い。
年金の売り需要は巨額に上るとの試算もある。大和証券の阿部健児チーフストラテジストは22日付けのリポートで、GPIFなど主要な年金基
金をあわせて「売却必要額は信託銀行の12月末以降の売越額と約2.2兆円の乖離がある」と指摘している。23年末以降の必要な売却額を5.
8兆円と見積もったうえで、年金の売買を反映する「信託銀行」の売越額の合計(約3.6兆円)が2.2兆円下回っているとの計算だ。
売り圧力が強まっている一方で、目立った買い手は乏しい。決算期末の週は上場企業が自社株買いを手控えるとされる。一方で持ち合い
解消の売りは淡々と続けるため、差し引きでは売り越しになりやすい。東京証券取引所の投資部門別売買動向をみると直近は4四半期連続
で信託銀行と事業法人がともに最終週に株を売り越している。
年金基金の売りは一時的な需給要因だが、日米金利差を背景とした円安基調は当面は続くとの見方が根強い。この日から実質的に新年度
入りした日本株相場。市場の目線は25年3月期の企業収益に向かう。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは「企業の来期
予想が保守的でも、あとから上方修正するとの期待感は高い」と話す。
2024/03/28 22:00 日経速報ニュース
三井住友銀行は4月1日、資金使途を社会課題解決につながる融資に限定したドル建ての定期預金「ソーシャル預金」の提供を始める。
低所得者向け住宅の建設や公共インフラの整備、医療技術開発などへの融資に使う。通常のドル定期預金と同じ金利水準で個人や企
業からお金を集め、サステナブル(持続可能性)関連融資の残高拡大を目指す。
個人向けは期間1年の定期預金を用意する。金利は通常のドル定期預金と同じ年4.5%とする。最低預入金額は50万ドル(約7600万円)
で、資金に余裕のある富裕層向けに始めるが、将来は最低預入金額を引き下げて顧客層を広げることも検討する。金融機関や一般企業
など法人向けも用意する。
金融包摂や教育、食糧などに関連する融資にも利用するが、持続可能な開発目標(SDGs)に沿った融資に使い道を絞る。使途を限定
した預金商品には環境対策向けの「グリーン預金」があるが、貧困支援などに使途を限定した外貨預金は珍しい。ソーシャル預金の枠組
みは第三者機関の認証を得る。
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は2030年までの10年でサステナブルファイナンスの実行額を累計50兆円にする目標を掲げる。
ソーシャル預金の導入で原資となる預金を集める。
https://i.imgur.com/it3uAw6.jpg
https://i.imgur.com/kkxJn9W.jpg
2024/04/02 13:13 日経速報ニュース
2日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前引けは前日比50円(0.13%)高の3万9853円だった。日経平均は上げ幅を300円以上
に広げ、4万円台に乗せる場面もあった。例年、4月第1週は前年度の株高で国内機関投資家が含み益のある保有株を売却する「期初の益出
し」が出やすいとされる。想定外の大幅下落となった前日で期初の益出しはピークアウトしたとの見方が、押し目買いを誘った面がある。
期初の益出しは銀行など国内の機関投資家の特有の動きとされ、例年4月や下半期入りに当たる10月第1週の恒例イベントとなっている。含
み益のある株式を売却して新年度入り早々に実現益を計上することで、運用者の達成ノルマへの安心感を高める。あるいは、持ち高の現金化
でその後の運用をしやすくするといった狙いがある。
益出しを行う日本の機関投資家は、自身と同様の投資行動を他の機関投資家も取るであろうと想定し、我先にと益出しの売りを行う傾向があ
るとされる。誰かが売る前に自身の益出しを少しでも株価水準が高い場面で行いたいためだ。そうした横並びの動きが一斉に強まると、前日の
ような急落につながる。
恒例行事ながら1日の下げが大きかった一因に2023年度に日経平均が1万2327円(44%)も上昇し、史上最高値を更新するなど、歴史的な
株高だったことが影響しているようだ。前年度の株高の程度が大きかったほど、新年度入り早々に評価益が出ている持ち高を実現益にする動
きが大きく出やすい。それだけに2日も取引開始前は「益出しで前日のような下げに見舞われるのでは」との警戒感もあったが、午前の相場動
向を見るかぎり、投資家の懸念は杞憂(きゆう)に終わった。
株価指数に連動するパッシブ投資家は数日に分けて期初の益出しに伴う売りを出す傾向がある。そのため、今週いっぱいは売り継続が警戒
されるが、「前日で売りはピークアウトしたと市場ではみられている」(フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッド)。個別銘柄の値動
きからもその様子がうかがえる。1日は特段の売り材料がなくとも4%強下げた三菱重工業は2日午前は1.84%高と反発。1日に6%安だった
川崎重工業は0.50%高、5%安だった野村ホールディングスは0.77%高となった。
期初の益出しのピークが過ぎたとの見立てに立てば、押し目買いを入れやすい。さらに、4月は海外投資家の資金流入で株価が上昇しやすい
アノマリー(経験則)があることも株買いを後押しする。
04?23年までの直近20年間の4月の日経平均の月間騰落率を調べたところ、上昇した年が12回となった。フィリップの増沢氏の集計によると
、海外投資家は直近20年間で現物と先物の合計では4月に17回買い越しており、他の月と比べて買い越しの回数が最も多かった。欧米は12月
期決算が主流のため、この時期に企業からの配当金が投資家の手元に届き、その資金の一部を再投資として日本株にまわす動きと分析する。
野村証券の藤直也エクイティ・ストラテジストは1日付リポートで「海外投資家の先物買いの持ち高はニュートラル(中立)に近く、今後は買いが
入りやすい」としたうえで、「短期的な需給の見通しは株価の押し上げ方向に傾斜している」と指摘した。藤氏は外資系証券が日経平均先物を
21年4月以降のピーク水準まで積み増せば、日経平均は4万3500円程度まで上昇する可能性があるとも想定する。需給面では期初の益出しを
通過すれば、春の外国人買いが後ろ盾になるといったところか。
2024/04/03 日本経済新聞 朝刊
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は2024年度にグループ内のノンバンクのリテール事業を再編する。持ち株会社傘下の消費者金融
「プロミス」のSMBCコンシューマーファイナンス(CF)を、三井住友カードの完全子会社にする。ノンバンク市場で存在感を高める異業種を見
据え、スマートフォン(スマホ)を通じた金融サービスの拡充に布石を打つ。
近く発表する。旧プロミス(現SMBCCF)は12年、三井住友カードは19年に三井住友FGが完全子会社化した。大手銀では出資先のノン
バンクは消費者金融、カード、信販など業態別に独立して運営しているのが一般的だ。再編は今年度の下半期を予定している。グループの
カードと消費者金融の一体運営は3メガバンクで初めてとなる。
三井住友FGはクレジットカード大手の三井住友カードを中心にリテール事業の再編を進めている。23年に消費者金融のSMBCモビット、
24年4月にカードや信販を手掛けるSMBCファイナンスサービスを合併した。再編後は三井住友カードが個人向けノンバンク戦略を一手に
担う形となる。
SMBCCFの社長には4月1日、三井住友カードの専務執行役員を兼務する高橋照正氏が就いた。消費者金融とカードを一体運営すること
でデジタル化を進める。三井住友カードが持つアプリなどのノウハウをSMBCCFに共有し、プロミスのアプリを使いやすくする。与信判断
もカードのノウハウを取り入れて高速化する。三井住友FGのポイント事業「Vポイント」でも連携を深める。
背景にあるのは消費者金融を中心とした貸し付けの増加だ。日本貸金業協会によると、24年1月のノンバンク3業態の消費者向け無担保
貸し付け(住宅向けを除く)は前年同月比6.5%増の4兆2051億円だった。新型コロナウイルス禍後の「リベンジ消費」を取り込んだ。米国
でも消費者信用残高は市場予想を上回る伸びを確保する。
消費者金融大手のアコムでは新規顧客数が23年4~12月期に前年同期比で5割増えた。若年層の需要を取り込む。ある大手では貸し出
しから2年以内の債権の件数が全体の半分近くを占める。消費者金融会社の幹部は「将来の自分と『割り勘』して支出をする習慣が根付いて
きた」と強調する。
もう一つの背景にあるのが、新型コロナウイルス禍に伴いノンバンク市場で急速に存在感を高めてきた通信会社やIT(情報技術)など異業種
の参入組だ。LINEクレジットの「LINEポケットマネー」は23年に累計貸付金額が1000億円を超えたと公表。小口資金などの需要を取り込み
、業界大手に迫る規模の申込件数を確保した。
通信会社ではKDDI系の「au PAY スマートローン」が存在感を高めるほか、NTTドコモが22年に申し込みや返済、借り入れをスマホで
完結できる「dスマホローン」を始めた。累計貸付実行額は24年2月時点で370億円を超える。同社は事業の拡大をにらみ3月、中堅信販の
オリックス・クレジット(東京・港)を傘下に収めた。
異業種勢に共通するのはスマホでの手続きや顧客獲得に特化していることだ。既存の消費者金融各社もスマホでの借り入れ、返済ともに
対応するが、新規顧客の獲得にはテレビやインターネットでのCMに依存する傾向が強い。対話アプリや通信会社などから気軽に借り入れで
きることから異業種勢が顧客獲得で優位に立ち始めている。
楽天グループが相乗効果をにらみ銀行やカードなど金融子会社の再編について協議を始めるなど、組織形態を見直す動きも相次ぐ。消費者
保護と両立させながらどう個人の資金需要を開拓するかが問われている。
2024/04/04 12:33 日経速報ニュース
4日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発し、4万円を上回った。前日は終値で下値支持線となっていた25日移動平均を下回ったが、
すかさず押し目買いが入った。海外勢の見直し買いに加え、新しい少額投資非課税制度(NISA)を使った個人の買いが想定以上に国内株に
向いていることが背景にある。国内外の投資家の日本株への強い買い意欲により、深い押し目のない上昇が続くかもしれない。
前日の米長期金利の上昇一服を受けた米ハイテク株高の流れを引き継いで、朝方から半導体関連を中心に買いが先行した。東京エレクトロ
ンが株式分割を考慮した実質的な上場来高値を更新。日経平均の上げ幅は一時700円を超えた。前引けは前日比649円(1.65%)高の4万
0101円だった。
3日午後に発表した今期の株主還元方針を好感して、伊藤忠商事がきょうも買われて上場来高値をつけた。香港のヘッジファンド、オアシス
・マネジメントがマーケティングの改善を要求した花王にも物色が向かった。日本企業の資本効率改善に期待した海外勢の買いが日本株の
上昇をけん引している。
上昇基調が続くもう1つの背景には新NISAによる日本株買いがある。日本証券業協会が3月に公表した証券会社10社(大手5社・ネット5社)
の2月末時点のNISA口座の開設・利用状況によると、1?2月の買付額(1カ月平均)は、成長投資枠とつみたて投資枠がともに前年1?3月の
月平均の3倍に達し、合わせて1兆7700億円となった。
海外株を投資対象とする投資信託の人気が圧倒的に高いとみられていたなかで、このうち46%が国内株(上場投資信託=ETFや不動産
投資信託=REITを含む)に振り向けられたことが市場関係者の間では驚きを持って受け止められている。
モルガン・スタンレーMUFG証券はこれまで、新NISAによる2024年の国内株の買付規模を2兆4000億円程度と見込んでいた。日証協調
べの月平均を12カ月換算して国内株の割合を乗じると、9兆7000億円程度となる。同証券の中沢翔株式ストラテジストらは3日付リポートで
「我々の想定の4倍で日本株に投資していることになる」と分析。「日本株に対する強気姿勢を維持する当証券としてはうれしい誤算だ」と指
摘した。
UBS証券は3日付で24年末の日経平均の見通しを4万5000円に設定した。担当の守屋のぞみストラテジストは「24年後半以降は、円高に
よる外需株を中心とした収益の悪影響を織り込むが、企業の為替前提との乖離(かいり)は限られるため、大幅な株価調整は想定しない」と
指摘する。日本株は年初からの急ピッチの上昇を経て、今後の上昇ペースが鈍る可能性が高いが、じりじりと水準を切り上げる展開となりそ
うだ。
2024/04/05 20:49 日経速報ニュース
証券株に売りが広がっている。5日の東京株式市場では業種別日経平均株価の「証券」が前日比2.4%安の3147.07となり、2月下旬以来
およそ1カ月ぶりの安値水準となった。大幅反落となった日経平均の下落率(2.0%)を上回った。株高が一服し、売買手数料収入が伸びると
の期待が後退。利益確定の売りが優勢となった。
指数構成銘柄では、大和証券グループ本社が3.2%安、東海東京フィナンシャル・ホールディングスが2.8%安、野村ホールディングスが2.6%
安、マネックスグループが2.0%安だった。
証券株は年初から3月下旬にかけて上昇基調が続いていた。業種別日経平均の「証券」は3月22日に直近高値の3395.59をつけ、23年末
から29%上昇していた。株高で売買が活況となり、手数料収入が伸びると期待された。
足元では米国の利下げ観測の後退や中東情勢の悪化を受けたリスクオフの流れから株高が一服。収益拡大期待がしぼみ、利益を確定さ
せる売りが広がった。
もっとも、「市場全体の商いはしっかりしており、証券会社にとってアゲンスト(向かい風)の状況ではない。一時的な売りにとどまる」(りそ
なアセットマネジメントの下出衛チーフ・ストラテジスト)との見方がある。東証プライム市場の売買代金は1月末から足元にかけて4兆?6兆
円台で推移する。前年同期は2兆?4兆円台だった。
ピクテ・ジャパンの糸島孝俊ストラテジストは「昨年からの株高や新NISA(少額投資非課税制度)がどれだけ収益貢献しているか、今後の
決算で見極めたい投資家もいる。しばらく様子見の姿勢が広がりそうだ」と話す。
2024/04/06 日経プラスワン
4月22日にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の共通ポイントの「Tポイント」が三井住友フィナンシャルグループの「Vポイント」と統合し
名称を「Vポイント」に統一します。今持っているTカードやTポイントは統合後も新Vポイントの仕組みに乗って使えます。
Vポイントは三井住友銀行や三井住友カードなどの利用でたまります。年会費無料のクレジットカード(クレカ)の三井住友カード(NL)などを
対象店舗で使うと、スマートフォンのタッチ決済は利用額の最大7%、プラスチックカードのタッチ決済は同5%のVポイントをもらえます。スマホ
アプリの「Vポイント」に1ポイント=1円で入金しVisa加盟店で使えます。統合後は「VポイントPayアプリ」になります。
今のTポイントとVポイントをID連携すると22日以降、両ポイントを合算できます。例えばTポイント加盟店でTカードを提示し三井住友カードの
クレカでタッチ決済すると、今はTポイントとVポイントが付きます。統合後はVポイントがダブルでたまります。連携しないとポイント合算や一部の
サービス利用ができないので要注意です。
新Vポイントの有効期限は今のTポイント方式で最終利用日から1年です。現在のVポイント利用者はクレカの種類によって異なる有効期限が
利用ごとの自動更新に変わり、失効の恐れが少なくなりそうです。
21日まで「カウントダウン祭」を開催中です。エントリーすると、モバイルTカード提示でポイント付与が2倍(新規登録会員は10倍)、対象の
コンビニと飲食店で三井住友カードの対象カードでスマホのタッチ決済をすると通常最大7%の還元率が同10%になります。他のポイントも
新Vポイントを意識しキャンペーンを行うかもしれません。
2024/04/10 日本経済新聞 朝刊
三井住友DSアセットマネジメントは米ニューヨーク証券取引所で日本株の「アクティブ上場投資信託(ETF)」をこのほど上場させた。アクティブ
ETFは指数連動ではなく独自に選んだ銘柄で運用する。ニューヨークでの上場は日本株対象で2例目とみられ、国内運用会社では初めて。海
外投資家は日本株への関心を高めており、需要を取り込む。
「レイリアントSMDAMジャパン・エクイティETF」を上場させた。ファンド設定などを香港の運用会社、レイリアント・グローバル・アドバイザーズ
(RGA)が担い、三井住友DSアセットが銘柄選びなどの実質的な運用を請け負う。
約30銘柄に集中投資し、東証株価指数(TOPIX)を超える成果を目指す。投資対象は電気機器や機械、IT(情報技術)など幅広く想定する。
中長期で成長するとみる銘柄に投資する。
日本ではアクティブETFが2023年9月に解禁されたばかりだが、米国では手数料や税金などのコストの低さなどから急速に普及している。
残高の規模は日本の100倍超とみられる。
三井住友DSアセットとしても実質的に運用するアクティブETFを米国で上場させるのは初めてだ。市場が広がる米国で個人の資金などを取
り込みつつ、本格的な市場でノウハウを得る狙いもある。
海外で日本株への関心が高まっていることもニューヨークで上場した理由の一つだ。日経平均株価は2月に34年ぶりに最高値を更新し、足
元でも最高値圏にある。アクティブETFの上場が続けば、米国の個人マネーを日本株へ呼び込む流れが加速する可能性がある。
2024/04/11 日本経済新聞 朝刊
日銀が10日発表した3月の貸出・預金動向(速報)によると、全国の銀行と信用金庫の貸出平均残高は前年同月比3.2%増の619兆
5660億円になった。不動産やM&A(合併・買収)向けの資金需要が引き続き強く、新型コロナウイルス禍後の経済活動の改善に伴って
残高の拡大が続いている。
銀行・信金の貸出残高の増加率は、2月(3.0%増)より拡大した。特に都市銀行などの伸びが4.2%増と高く、2021年3月以来の増
加幅だった。信金は増加幅が縮小傾向にあり、3月は前年同月比0.4%増にとどまった。
預金残高も増加した。3月の平均残高は前年同月比2.0%増加し1039兆8999億円だった。2月(1.9%増)からわずかに伸び率は
拡大した。
日銀が3月にマイナス金利政策を解除し、金融機関では預金金利を引き上げる動きが活発になっているが、全体の残高に目立った影響
はないとみられる。
2024/04/14 日本経済新聞 朝刊
超低金利下で敬遠されてきた預金の位置づけが変わってきた。「金利ある世界」では金融機関の稼ぎの源泉として預金の重みが増すためだ。
各行とも金利を上げて獲得に動いているが、相続に伴う資金移動が預金の東京集中を加速させる要素として浮上してきた。60兆円規模の資金
移動は地方金融機関にとって試練となる。
「メガバンクに流れないよう、相続分を定期預金してくれたら金利を上乗せしている」。奈良県の信用金庫幹部は打ち明ける。この信金の預金
は前年比プラスだが、縮小傾向にある。預金者も高齢層が多く、相続に伴う預金流出への危機感は強い。
三井住友信託銀行は相続に伴い、今後30年間で58兆円の家計の金融資産が全国から東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)に流入すると
試算する。東京圏から他地域への流出分を引いても東京圏の純増額は38兆円にのぼる。奈良や秋田、愛媛など17県では家計の金融資産の
3割以上が県外に流出する可能性があるという。
三井住友信託の青木美香主任調査役は「東京圏の吸収力はブラックホール並みで、家計の金融資産の集中は一段と進む」とみる。地方在
住の親が亡くなり、都市部に住む子供が預金を相続する際、営業地域が限られる地域金融機関は「流出超過」になりやすい。
信金の中央機関である信金中央金庫によると2024年2月時点の全国の信金の預金残高は162兆円。前年同月比1600億円増えたが伸
び率は0.1%に縮んだ。20~21年は新型コロナウイルス禍の支援金で8%を超えるときもあったが、足元では実質無利子・無担保融資(ゼロ
ゼロ融資)の返済に伴う預金流出も起きている。
直近23年11月時点で全国11地区のうち東北や北陸、中国、南九州など6地区の預金残高がすでにマイナスになった。信金の預金が全体
でも減少すれば21年ぶりとなる。
すでにマイナスに転じたのがJAバンクだ。23年5月に前年割れとなり、24年2月までの10カ月間のうち9カ月は前年実績を下回った。信金
とJAバンクに共通するのは高齢化が進む地方が地盤という点だ。
相続マネーの受け皿になっているのが大手行だ。日銀によると大手行の預金残高は24年2月までの1年間で15兆円増えた。信金より営業
地域が広い地銀の預金は全体では伸びを維持しているが、個別にみると残高が前年を下回る地銀もでてきた。
「これからは預金をとりにいく」。日銀が3月にマイナス金利政策を解除した後、みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長は行員に意識
変革を訴えている。資金の振り向け先が乏しかった超低金利下では預金はコストのかかる重荷で、余剰資金を抱えて日銀にあずければマイナ
ス0.1%を課されてきた。
マイナス金利解除で前提が変わった。3メガバンクは0.001%だった普通預金の金利を0.02%に引き上げ、長めの資金を確保しようと定
期預金の金利も引き上げた。
ポイント経済圏の利便性や比較的高い金利を武器に預金を伸ばすネット銀行の存在も大きい。楽天銀行の預金残高は23年12月に10兆3
100億円と、1年間で1兆4700億円増えた。口座数も1400万を超え急成長が続く。ネット銀のサービスで満足すれば地域金融機関で口座
開設する動機は薄れる。
銀行や信金にとって預金は運用の元手でビジネスの基盤だ。預金が減れば運用リスクを取って収益をあげにくくなり、不良債権処理や融資
先への経営支援の余力は落ちる。
預金が増えた時代の終わりは地域金融の地殻変動の導火線になる可能性がある。
(湯浅兼輔、北島空)
2024/04/15 04:00 日経速報ニュース
住友グループの源流である別子銅山(愛媛県新居浜市)で使う機械の工場として、1888年に産声を上げた住友重機械工業。長い歴史の中で
事業の裾野を広げてきたが、強みが見えにくくなり現在の企業価値は理論値の7割にとどまっている。実はある半導体製造装置の分野では世
界最大手の牙城を崩せるほどの実力もある。半導体銘柄への転身を図れば、企業価値の毀損を脱する可能性も秘める。
「一般商船の建造の新たな受注は2024年度以降止める」。下村真司社長は2月の決算説明会でこう語った。別子銅山での機械工場と並んで
祖業の一つとして続けてきた造船事業から撤退することを決めた。事業規模が小さく、撤退による業績への影響は限られる。それでも大きく打ち
出したのは「株式市場に事業再構築への本気の姿勢を示す」(同社)狙いがあったからだ。
国の防衛費拡大などを背景に重工各社が株価を上げるなか、住友重機械の上昇率は相対的に小さい。同社は機械の動力伝達に使う変速機
・減速機、建設機械など幅広い事業を手掛ける。業界では複合経営ゆえに企業価値が割り引かれる「コングロマリット・ディスカウント」のきらいが
少なからずあるが、同社での影響は深刻だ。
複合企業の企業価値分析に使う「サム・オブ・ザ・パーツ(SOTP)法」で理論価値を出すと、その影響が浮かび上がる。日経バリューサーチの
データを活用し、各事業の営業利益と、それぞれの事業が属する業界内で事業価値(EV)が利益の何年分に当たるかを示すEV/営業利益倍率
を掛け合わせて事業ごとの理論価値を導き出した。
試算した事業価値の合計は1兆円に迫る。足元での株式の時価総額(5831億円)に、純有利子負債を加えた企業価値は6497億円となり、3割
下回る。企業価値は各事業の相乗効果を生み出すどころか事業価値の合計にも満たない。
企業価値を損なっている証左は他にもある。PBR(株価純資産倍率)は三菱重工業(2.4倍)や川崎重工業(1.4倍)などで1倍を超えるのに対し
、0.9倍にとどまる。
コングロマリット・ディスカウントを解消する手掛かりはあるか。
造船業の後を継ぐ子会社と大型の鉄鋼構造物を手掛ける子会社が組み、洋上風力発電用の設備ビジネスに乗り出すなど、複合経営を生か
そうとはしている。だが、こうした事業間シナジー(相乗効果)を創り出す取り組みは限られる。
板となるシリコンウエハーに注入し、ウエハーに半導体としての電気的な特性を与える工程を担う。半導体の製造に欠かせず、市場調査会社
グローバルインフォメーションによると同装置の世界市場は30年に113億5000万ドル(1兆7000億円程度)と22年の2.3倍となる。
1980年代、オイルショックのあおりでエネルギーを多く使う重厚長大産業が不況に陥った。そんななかメカトロニクスの技術などを生かして進
出したのがイオン注入装置をはじめとする半導体製造装置だった。
実は住友重機械はイオン注入装置の世界シェアで半導体装置の巨人、米アプライドマテリアルズ(AMAT)などに次ぐ3位にある。同装置の
シェアは6?7割のAMATに対して1割だが、スマートフォンや車載用カメラなどに使うイメージセンサー用では過半のシェアを占める分野がある。
生成AI(人工知能)向け半導体の需要もある。
稼ぐ力は高い。2023年12月期の連結営業利益率は7%で、そのうち傘下で事業を手掛ける住友重機械イオンテクノロジー(SMIT、東京・品川)
の利益率は20%に達する。試算によると事業価値は約2600億円に及ぶ。岩井コスモ証券の斎藤和嘉氏は「用途によってはAMATのシェアを
奪える。実現すれば評価もあがる」とみる。
2月、26年12月期まで3年間の中期経営計画をまとめた。連結営業利益で1000億円(前期743億円)、事業活動に投じた資金を使い効率よく
利益を上げているかを示す「投下資本利益率(ROIC)」で8%(前期7%)をめざす。株式市場では「まずPBR1倍へのシナリオは示された」(大和
証券の田井宏介氏)と評価する声もある。
だが資本コスト経営の徹底は欠かせない。住友重機械は資金の出し手である株主や債権者が期待する最低限のリターン「加重平均資本コ
スト(WACC)」を6?8%と見込む。30年12月期までに全事業のROICでWACCを上回る目標を掲げるが、プラントなど一部で目標を下回る状況
が当面続き、及第点にとどまる。資本効率を改善する具体策も乏しい。
「我が社を活性化させる切り札だ」。半導体装置への参入当初、当時の同社首脳は期待を込めてそう語っていた。ただ今では「事業を切り出し
上場すれば注目される。他の事業と同じ会社で抱えるのは残念」(半導体セクターの証券アナリスト)と皮肉る声もある。「重機械」の名を捨
て半導体銘柄になるくらいの覚悟で資本を傾斜配分することが、真の企業価値への近道かもしれない。
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・機械株の株価上昇率、「脱造船」企業が上位 23年末比
・住友重機械子会社、愛媛新工場で半導体製造装置生産2倍
2024/04/17 日本経済新聞 朝刊
日銀が16日公表した3月の当座預金残高によると、3メガバンクを含む都市銀行の残高が前月から約23兆円増加し、208兆3940億円に
なった。3月16日から4月15日までの平均残高で、当座預金の一部にマイナス金利を適用する政策が廃止されたことで残高が増えた可能性
がある。
金融機関は資金決済を行うため日銀の当座預金口座にお金を預けている。日銀は2016年からこの当座預金の一部にマイナス0.1%の
金利を適用していたが、3月19日にマイナス金利の終了を決めた。
マイナス金利の解除以降は、法定準備を除く超過準備額に0.1%の金利をつけている。法定準備分を除く約202兆円の残高が維持される
と考えると、日銀は年換算で2000億円規模の利息を大手銀に支払うことになる。
これまでは日銀にお金を預けすぎると、金融機関側に利払い負担が生じる構図だったため、銀行はマイナス金利の適用を回避するため余剰
資金の運用先を模索してきた。短期の資金をやりとりする市場に資金を放出するなどしてマイナス金利の適用を免れていた。
マイナス金利解除後は「当座預金に積めば0.1%の金利がつくため、短期市場では大手銀が資金の取り手に転じている」(短期市場関係
者)とみられる。りそな銀行の担当者は「無担保コール翌日物や5年以下の国債などで柔軟な運用ができるようになってきた」と話す。
2024/04/18 日本経済新聞 朝刊
住信SBIネット銀行は17日、短期融資の基準となる短期プライムレート(短プラ)を0.1%引き上げて年1.775%にすると発表した。5月1日
から適用する。短プラは変動型住宅ローン金利の基準で、同行で借りたローン金利は上がる可能性が高い。
日銀が3月にマイナス金利政策を解除してから短プラの引き上げが表面化するのは初めて。預金金利の引き上げに伴う調達コストの上昇を反
映したとしている。日銀が2016年2月にマイナス金利政策を導入した際、住信SBIは短プラを据え置いていた。
住信SBIの4月時点の変動型住宅ローンの基準金利は2.775%で最優遇金利は0.298%。銀行は一般的に住宅ローンの基準金利を毎年
4月1日と10月1日に見直している。
10月までに再び短プラを下げなければ、10月から変動型の基準金利は上昇。25年1月の返済分から影響する。
住信SBIは23年3月期の住宅ローン実行額が1兆4000億円超で、メガバンクを上回る。残高ベースでは23年12月末時点で6兆円を超え
このうち変動金利型は93%を占める。
短プラは1年未満の短期融資の基準となる金利。住信SBIが短プラを上げるのは07年に営業開始してから初めて。日銀によると最も多くの
銀行が設定している水準(最頻値)は09年1月以来、1.475%で据え置かれてきた。変動型の住宅ローンの基準金利は多くの大手行が短
プラに連動して決めている。
2024/04/22 05:00 日経速報ニュース
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と三井住友フィナンシャルグループ(FG)のポイント事業統合で「新生Vポイント」が22日にスタートす
る。会員数は8600万人程度と国内有数の規模となる。世界1億店以上のVisaカード加盟店で使えるなど金融面の強みを生かし、共通ポイント
で先行する携帯大手に挑む。
「2つのポイントの良さを合わせ、みんなが自由にどこでも使えるポイントになる」。2023年6月、三井住友FGの太田純社長(当時)はポイント事
業統合の記者会見で力を込めた。
CCCのTポイントと三井住友FGのVポイントを統合し、新生Vポイントに統一する。共通ポイントの草分け的な存在で約20年の歴史を持つTポイ
ントの名称は消えることになる。会員数は単純合算で1億5000万人規模で、重複を省くと8600万人規模になるとみられる。運営会社にはCCC
側が6割、三井住友FG側が4割を出資する。
最大の強みは世界200カ国以上に1億店以上あるVisa加盟店でポイントをためて使えることだ。CCCの高橋誉則社長は「世界で使える場所が
急速に広がる」と話す。実際にVポイントは会員1人あたりの年間ポイント獲得額がTポイントの8倍だ。1000円以下の決済が多いTポイントに対し
数千円、数万円単位のVポイントはたまりやすかった。
さらに三井住友FGはスマートフォンを起点とした金融サービスへの転換を進めている。核になるのが、総合金融サービス「Olive(オリーブ)」だ。
銀行、カード、証券、保険などのグループの金融サービスの利用状況に応じてポイント還元率を高める。
Tポイントは知名度が高い一方、決済面の機能が弱い。CCCの本業であるDVDレンタル市場の縮小などもあり、ここ数年は苦戦していた。一方
Vポイントはクレジットカードのタッチ決済など利便性は高いが、知名度に劣る。
両社の思惑が一致し、ポイントの統合交渉はわずか1カ月でのスピード合意だったという。CCC創業者の増田宗昭会長は「太田さんに会った時
一発で『おもろいオッチャンやな』と思った。一緒にやりたいと思った」と話す。その太田氏は膵臓がんにより23年11月に65歳で急逝した。
国内のポイント市場は成長が続いている。矢野経済研究所(東京・中野)によると、27年度の年間ポイント発行額は22年度比37%増の3兆39
99億円に膨らむ見通し。
共通ポイントでは携帯大手の4社の存在感が強い。楽天グループの「楽天ポイント」、NTTドコモの「dポイント」、KDDI系の「Pontaポイント」、ソフ
トバンク系の「PayPay」は通信や金融サービスを融合させて顧客を囲い込もうとしている。
NTTドコモはアマゾンジャパン(東京・目黒)と連携し、弱点だった電子商取引(EC)を補強している。楽天グループは18日、決済やポイントなど
のアプリを統合すると発表した。
MMD研究所の24年1月の調査では「最も活用しているポイント」は、TポイントとVポイントの合計で約8%にとどまる。ある共通ポイントの関係者
は「脅威だとは思っていない」と話す。
複数のポイントを活用する30代会社員の女性は「その時々にお得なポイントを集めている。早速Vポイントへの移行キャンペーンも利用している」
と話す。MMD研究所の伊藤南美研究員は「Visaの加盟店で利用できることは大きいが、VポイントがVisaだと消費者に分かりやすくアピールでき
るかが鍵だ」と話す。
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・ドコモ、Amazonと決済・ポイント連携 経済圏拡大へ
・JR東日本、「Suica経済圏」再構築 金融サービスに参入
2024/04/26 日本経済新聞 朝刊
【シンガポール=佐藤史佳】米ブラックロックとシンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスが設立した資産運用会社、デカー
ボニゼーション(脱炭素化)パートナーズは、1号ファンドで14億ドル(約2200億円)の調達を完了した。みずほ銀行と三菱UFJ銀行も参画する。
1号ファンドには18カ国から30の機関投資家が参画する。みずほと三菱UFJのほか、米保険大手のオールステート、スペインの大手銀行BB
VA、デンマークの投資会社KIRKBIなどが機関投資家として出資する。年金基金や政府系ファンド、富裕層の資産を管理するファミリーオフィス
からも資金を集めた。
新ファンドは脱炭素関連の事業に取り組む企業やレイターステージ(成長後期)のスタートアップに投資する。
2024/04/26 05:00 日経速報ニュース
日銀は26日に金融政策決定会合を開く。会合後に初めて示す2026年度の消費者物価指数(CPI、生鮮食品除く)の前年度比上昇率は2%程度
となる見通しだ。低金利が円安進行の一因になっているとの指摘もあるが、日銀は3月会合でマイナス金利政策を解除したばかりで、市場関係
者の多くも金融政策の「現状維持」を見込む。
植田和男総裁が26日午後に記者会見し決定内容を説明する。
日銀は3月会合でマイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げに踏み切った。市場は追加利上げの時期に注目しているが、今回の会合での政策
変更を見込む声は少ない。
QUICKが15日発表した4月の外為月次調査によると、日銀が追加利上げに動くタイミングは年内では10月(22%)が最多で、4月の利上げを見込
む声は2%だった。
日銀は一時的な要因を除いた基調的な物価上昇率が2%に達する可能性が高まっているか見極めた上で追加利上げを判断する意向だ。植田
総裁は23日の国会で基調的な物価上昇率が「現状は2%をやや下回っている。緩和的な金融環境を維持するのが適切だ」と答弁した。
3カ月ごとに示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」も焦点となる。26日の会合後は24?26年度の3年間の物価見通しを盛り込んだ最新
のリポートを公表する。
日銀は3月会合でマイナス金利を含む大規模な金融緩和策を解除した際に、政府と掲げる物価2%目標の実現が「見通せる状況に至った」と
説明していた。今回のリポートで初めて示す26年度の物価上昇率見通しは2%程度とするとみられ、2%目標に近い水準が5年連続で続くことに
なる。
1月会合時点で2.4%の上昇とした24年度見通しも引き上げる可能性がある。足元で円安が進んでいることに加え、中東情勢の緊迫化で原油
など資源価格が上昇するリスクがある。5月検針分の電気料金から再生可能エネルギーの普及のために上乗せする賦課金が引き上げられるこ
とも上振れの要素になりそうだ。
市場は政策変更の有無だけでなく、植田総裁の円安に絡む発言に注目している。外国為替市場で円は1ドル=155円台とおよそ34年ぶりの
水準まで円安が進んだ。植田総裁は18日のワシントンでの会見で円安で基調的な物価が上がって「無視できない大きさの影響になれば、金融
政策の変更もありうる」と将来の利上げに含みを持たせている。
長期国債の買い入れを巡る対応も焦点だ。3月会合でこれまでと同程度の買い入れを続ける方針を決めた。「将来的には買い入れを減額」(
植田総裁)する考えだが、具体的な時期は示していない。日銀の国債保有割合(国庫短期証券を除く時価ベース)は発行残高の過半に達して
おり、市場は日銀がいつ量的引き締め(QT)に踏み切るかも注視している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-26/SCHAWVT1UM0W00?srnd=cojp-v2
銀行株は過去数十年放置、インフレ本格化なら新フェーズ入りの声
バリュー株、足元で対グロース株のアウトパフォーム度合い強める
マイナス金利政策の終了とともに、いったん勢いが衰えるかに見えた銀行株を含むバリュー(割安)株。だが、外国為替市場で円安が止まらず
市場では日本銀行が再度の金融引き締めに向けたタカ派的な姿勢を強めるのでないかとの見方がくすぶり、再びバリュー株への追い風が吹く
可能性が出てきた。
円相場が対ドルで34年ぶりの安値を更新し、円安による国内経済への悪影響を懸念する声が経済界でも日増しに高まっており、植田和男総
裁が早ければ今回の会合で再利上げに向けた布石を打つのではないかとの観測が浮上している。市場参加者の金融政策見通しを映すオーバ
ーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は10月までの0.25%への利上げ実施を織り込み、7月までの可能性も5割程度織り込まれてきた。
住友生命バランスファンド運用部の村田正行部長は「植田総裁は円安が物価に与える影響を考慮するだろう」と予想。今回の会合で利上げは
考えられないが、「利上げをにおわせるスタンスを打ち出す可能性がある」と述べ、こうした思惑が最近の銀行株の堅調につながっていると指摘
した。
日銀の年内利上げ予想が8割占める、最多10月は4割に増加-サーベイ
3月のマイナス金利解除に際し、日銀は当面緩和的な金融環境が継続すると強調。市場も追加利上げは当分ないとみて、銀行株を含むバリュ
ー株相場は終わるのではないかとの見方も出ていた。
UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントの小林千紗日本株ストラテジストは、多くの投資家はマイナス金利の終了で日銀の政策変更はひ
とまず終わりと考えてきたが、日銀がいずれ利上げに動く大きな方向性は変わらないと指摘。こうした点が市場で見過ごされており、「銀行は
過去数十年にわたり放置されてきたセクターだけに、日本が本当にインフレになるのなら新たなフェーズだろう」と語る。
2024/04/30 11:37 日経速報ニュース
「日本は他の先進諸国に比し、与党政権が安定している」
これが、外国人から見た日本株のメリットの一つであった。
国賓待遇で訪米。議会英語演説でスタンディング・オベーションを受けた岸田首相の姿が全米に放映されたことで、つい最近まで米国内での
印象度は悪くなかった。
それが今や、補欠選挙の与党全敗で、日本株を取り巻く政治環境の不透明性がにわかに海外でも醸成されつつある。週末にも外国勢から、
日本の政治に関する質問が相次いだ。筆者は、日本発ニュースへの注目度が高まり、補選結果まで彼らが把握していることに、日本株への
本気度を感じている。
そこに、円も迷走していることで、日本株保有見直しの動きが、徐々に出始めた。
確かに、1ドル=160円ともなれば、日本株市場は、外国人投資家から見れば「バーゲン会場」とも映る。
とはいえ、春闘で大幅賃上げの事例が多く見られたことで醸成された、実質賃金増加による物価と賃金の「良い循環」実現の期待感に、超
円安は冷や水を浴びせる展開になっている。期待感で日本株を購入、あるいは、検討を始めた外国人投資家の心理が、今や揺れていること
が、彼らとの対話から伝わってくる。
特に、円安に関しては日銀と米連邦準備理事会(FRB)の情報発信の違いが話題になっている。
筆者が最も印象的と感じた質問は「日銀会合で参加者たちはドット・チャート(政策金利見通し)のような個人的金利予測を行わないのか」。
「日銀総裁の記者会見での発言が断片的に英訳されて伝わってくるが、よく理解できない」という素朴な疑問も目立つ。
「確か、今回の日銀会合では、利上げ見送りが事前予測であったと聞いている。緩和継続も想定内であろう。それが、結局、総裁の円安に
関する直接的発言が不十分、あるいは分かりにくいとの理由で、円相場はレッドラインを突破した感がある」「市場は円安について、日銀総裁
から不安感を除去するような発言を事前にそれほどに期待していたのか。我々遠く観客席から見ていた視点では、なにやら試合中にゴール
ポストが移ったような印象だ。これでは、まさしく投機筋の思うつぼではないのか」。これは、日本株を買ったものの、円迷走に不安感を覚える
というヘッジファンドの本音の感想だ。
筆者も、日銀会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)の際の中央銀行トップ記者会見を見続けてきたが、たしかに、日銀のほうが日本人で
も解釈が難しい。行間を読まねばならず、禅問答のごとく難解だ。しかも、同じような質問が繰り返される。対して、FRBのほうは、若手の女性
記者らが、「ハロー!ミスターチェアマン」と明るく切り出すシーンなど、フランクな印象で、質問の内容も多岐にわたる。FRB高官らが、常日頃
、利下げ回数など具体的に意見を述べているので、日銀に比し、かなり突っ込んだ議論が交わされる。
いっぽう、円売り投機に走っているヘッジファンドは「高笑い」かと思いきや、介入当局との我慢比べの様相で、緊張感がひしひしと伝わって
くる。140円台後半から150円程度で円を売った人たちは、声高に、「介入があっても150円に戻すのは難しい」と強調する。しかし、円という
通貨を持っていないのに、円を売った人たちの心理は、早々に円を買い戻さねばという焦りに揺れるものだ。そもそも損切りより利益確定のほ
うが「欲との戦い」で難しい。まして、相手が介入当局となれば、これは我慢比べとなる。先週金曜日に発表された米シカゴ・マーカンタイル取
引所(CME)の通貨先物取引(IMMポジション)の円ショート件数はネットで17万9919枚と記録的な高水準まで膨張したが、この数字は先週
火曜日時点のもので、日銀会合後の円売り枚数はまだカウントされていない。いずれにせよ、市場の底流には、円買い戻しマグマがふつふつ
と蓄積している。当面、円売り優勢論が圧倒的だが、投機筋の本音は、いつ臨界点に達するのか、戦々恐々なのだ。彼らの悪夢は、米インフレ
が今後意外に順調に収束して、FRBも安心して利下げできる市場環境になることだ。FRBの制御不能な地政学的リスクやら、財政赤字膨張に
よるインフレ再燃は米金利高止まり要因としてひそかに「期待」しているところとなる。
現時点では、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が明確に円安方向を示唆している。とはいえ、市場の大多数が同じ方向を向くことは
不気味なものだ。
2024/05/02 日本経済新聞 朝刊
3メガバンクの2024年度の採用計画が出そろった。三菱UFJ銀行は中途で23年度比7割増の600人を採用し、新卒を初めて上回る見通し
だ。3メガ銀全体で中途比率は45%と5割に迫る。デジタル化や富裕層向けビジネスの重みが増すなか、新卒一括採用で様々な部署を経験
させて人材を育成してきた従来の手法が転機を迎えている。
三菱UFJ銀行は24年度に中途600人、新卒400人を採用する計画で、中途の数がはじめて新卒を上回る見通しだ。23年度は中途347人
新卒354人だった。システムやデジタル関連などに重点を置き採用する。25年3月期から新しい中期経営計画が始まったのを見据えて人材を
手厚くする。面接回数の削減などで採用の裾野拡大を急ぐ。
三井住友銀行の中途採用は過去最高だった23年度と同水準の200人となる見通し。持ち株会社や銀行などのグループ各社で従業員を一
括採用するみずほフィナンシャルグループ(FG)は、23年度実績比では減少するが22年度比では2割以上多い400人を採用する。
24年度の3メガ銀の中途採用は1200人に達する見通し。中途、新卒を合算した3メガ銀の採用数は2650人となり、中途比率は45%と
5割に迫る勢いだ。
これまでは3メガ銀の中途採用の割合は18年度で5%にとどまるなど、新卒一括採用を優先する色が濃かった。日本経済新聞社の採用計画
調査では同じ時期に主要企業は20~30%程度で推移しており、24年度は4割に達した。3メガ銀の中途採用の割合は新型コロナウイルス禍
を経て主要企業とほぼ同水準に追いついたことになる。
17年度以前も各行中途は数十人規模といい、全体の割合からみてわずかだった。24年度の中途比率45%は過去最高とみられる。
3メガ銀が中途採用を強化するのはデジタル技術の活用やウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)、プロジェクトファイナンスなど広い分
野で即戦力の人材を採用する必要が高まっているためだ。外部で知見を得た人材を採用しなければ事業強化で異業種も含めた競争におくれ
をとりかねない危機感がある。
みずほFGは専門職に絞った中途採用に限らず、異業種を経験して間もない人材を対象にした第二新卒の採用を始めた。リテール(個人向け
営業)や大企業、IT(情報技術)をはじめ必要な人材を採用するための事業部門が主導した形での採用も始めている。従来は人事部門が採用
を主導していた。
新卒でも専門性への志向が強い人材を採ろうとする動きが目立つ。三井住友銀はデジタルやIT分野で採用する人材を3倍程度に増やす。
「IT・デジタルコース」と位置づけ、採用数はこれまで15人程度だった。採用の割合がIT・デジタル分野で1割程度まで高まることになる。
3メガ銀の新卒採用はマイナス金利環境のもとで効率化を進め、減少傾向が続いてきた。直近のピークだった15年度は3メガ銀合計で新卒
を5000人超採用していたが、一時1000人強にまで減少。近年は「金利ある世界」も見据えて採用を強化したものの、24年度計画で5%減
の1450人と頭打ちの色が強くなっている。
雇用市場の流動化で転職が活発になっていることもあり、異業種や同じ大手行の中で転職する動きも珍しくなくなっている。各行にとって即
戦力人材の確保は喫緊の課題となりつつある。JPモルガン・チェースが年1兆円規模をデジタルに投資するなど、特にデジタル人材の確保で
投資を進める国外の大手行に劣後できない事情もある。
メガ銀では採用戦略の巧拙が競争力に影響するという危機感が強まる。採用市場ではコンサルタントや大手商社が高給を武器に新卒や
中途の人材をひきつけ、人材会社経由の採用では年収の3割程度とされる紹介料の負担も重くなる。3メガ銀は従業員の紹介やアルムナイ
(卒業生)の採用を強化して人材の確保を進める方針だ。
2024/05/02 12:51 日経速報ニュース
2日午前の日経平均株価は小幅に反発し、前引けは前日比25円66銭(0.07%)高の3万8299円71銭だった。米利上げ懸念の後退などが
押し目買いを誘ったとみられるが、朝方は節目の3万8000円を割り込む場面があるなど地合いの弱さも目立った。これまで日経平均を歴史
的な高値圏に押し上げてきた材料のうち、半導体関連の業績期待と外国為替市場での円安進行という「二本柱」が揺らぎつつあるなか、上
値追いの機運もしぼみ始めてきたようだ。
日経平均は朝安後急速に下げ渋ったが、市場では「米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
の発言というより、日本の4連休を前にCTA(商品投資顧問)などによる売りポジションの縮小など需給的な動きだったようだ」(明治安田アセ
ットマネジメントの竹田太樹トレーダー)との見方が多い。
1日の米株式市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3.5%安と急落した。半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が発
表した4?6月期の売上高見通しが慎重との見方が広がった。生成人工知能(AI)関連の需要が市場の期待ほど盛り上がっていないうえ、
スマートフォンやパソコンなどの回復も遅れている。
国内ではイビデンが1日、25年3月期(今期)の連結純利益が前期比17%減の260億円になる見通しだと発表した。パソコンや汎用サーバ
ー向けの需要回復が遅れるためで、市場予想平均のQUICKコンセンサス417億円(12社、4月23日時点)を下回った。前週に今期見通しを
発表したアドバンテストも市場予想を大きく下回るなど、今回の日米の主なハイテク企業決算は、市場の高い期待に届かず失望売りを浴び
る例が続出している。
FOMCの直後、ニューヨーク外国為替市場で円相場が1ドル=153円台まで急速に円高が進行する場面があった。日本政府・日銀が円買
い介入に再び踏み切ったという思惑も出ている。市場では「介入したかどうかは分からないが、当局がこれ以上の円安は許容しないと考え
る投資家が増えてきた」(運用会社のファンドマネージャー)。今期も円安による輸出企業の利益上積みを期待していた投資家は、むしろ円
高に振れるリスクを意識する必要が出てきた。
SMBC日興証券によると、東証株価指数(TOPIX)構成銘柄で1日までに業績見通しを発表した224社の会社側の営業利益計画は前期
比0.1%増にとどまる。期初は保守的な見通しを立てることが多いうえ、開示率も現時点で15.8%と低いため参考数値ではあるが、少なくとも
企業側は今期の世界経済の現状などを楽観的にみていないことは間違いないだろう。
もちろん日本株は半導体の業績や円安進行への期待だけでなく、デフレ脱却やコーポレートガバナンス(企業統治)の改革といった他の
買い材料もある。りそなアセットマネジメントの戸田浩司シニア・ファンド・マネージャーは「期待感が完全に消えたわけではないので持ち高を
減らす理由はない」と話す一方、「米国の金融政策や景気が読めないので無理に上値を追いたいと考える投資家も少ない」とみていた。
日経平均は当面、金融政策や為替、企業業績をにらみつつ停滞感の強い展開が続く可能性がありそうだ。
2024/05/03 日本経済新聞 朝刊
日銀がマイナス金利解除後の地域金融機関の不動産融資動向を警戒している。低金利下で利ざやを厚めにとれる不動産向けは重要な
収益源となってきた。日銀の集計では地域金融機関の不動産向け融資残高はこの10年で約6割増加したが、金利上昇や市況変化によっ
て地銀の収益を下押しするリスクが重荷になっている。
地域金融機関の不動産融資の残高は、36兆円となった2009年に大手行の伸びを追い越し、その後も拡大を続けてきた。直近(23年
9月)は大手行より3割多い67兆円にまで膨らんだ。異次元緩和下の低金利で不動産融資は過熱し、特に人口減少で経営環境が厳しい
地方銀行・信用金庫が収益源として頼ってきた構図が浮かび上がる。
宮城県地盤の仙台銀行は、直近23年9月末の不動産向け融資残高が約2150億円と16年3月末比で2倍に膨らんだ。同行の担当者
は「震災からの復興需要や再開発など不動産事業者の資金ニーズは強く融資が増えた」と話す。足元で地価上昇による過熱感が指摘され
ているが、「適正な審査のもとで融資を続ける」としている。
静岡銀行を傘下に持つしずおかフィナンシャルグループも23年度からの中期経営計画で、静岡県外でも不動産向けの貸し出しを強化す
ることを盛り込んでいる。
地方都市の大規模な再開発も今後数年間続くと見込まれている。引き続き不動産向け融資に力を入れる地銀は多い。電子商取引(EC)
サイトの発展で倉庫などの需要が高まり、オフィスビルや倉庫など物流施設向けの物件も増えている。
日銀は今後の金利上昇に伴う収益へのリスクを警戒している。日銀が居住用賃貸業向け融資(アパートローン)の金利を調べたところ、
地銀では金利の変動リスクをとらない固定金利での貸し出しが6割程度を占め、融資期間も平均24年と長期間に及ぶ。
一方、融資の「原資」となる預金の調達コストは足元で上昇傾向にある。日銀が3月にマイナス金利を解除し、地銀を含む多くの銀行が
普通預金金利を従来の0.001%から0.02%に見直した。大半の金融機関にとって、普通預金の金利を引き上げるのは日銀が最後に
利上げした07年以来17年ぶりだ。
「固定貸しの金利収入が変わらない一方で、預金金利が上がれば利ざやが縮小し、収益に下押し圧力が生じることに留意する必要がある」。
日銀の担当者はこう解説する。変動金利の場合でも、金融機関の競争環境が厳しいなかで十分に貸出金利を引き上げられるかも分からない
といった事情がある。
不動産市場悪化の影響が広く連鎖する懸念もある。日銀は4月にまとめた金融システムリポートで、米欧での金利上昇による不動産不況の
あおりが日本にも波及すると想定してストレステストを実施した。国内の三大都市圏のオフィス物件でバブル崩壊時に相当する価格下落が起
こるなどの条件をおいた。実際、米国などでは金利の高止まりでファンドが借り換えに苦しみ、ローンの延滞や債務不履行が増えている。
ストレステストの結果、国内金融機関全体でみた経済損失は限定的だと評価したが、細かくみると不動産融資を増やしている地銀や信金
への影響も考えられる。不動産関連企業やファンド向け融資などを通じて一定の損失が生じる金融機関の割合が、06年は全体の4割程度
だったが、直近では8割まで拡大したという。
大手行だけでなく一部地銀でも不動産ファンド向けの貸し出しが増えていることが背景にある。地銀の不動産融資のうちファンド向けは17年
6月末に残高全体の3%だったが足元で7%まで増えた。「収益性が高い案件が多い首都圏に集まるのは自然」(地銀関係者)だが、それは
都市圏の不動産価格下落の影響が広がりやすいことを意味する。
一方、不動産投資信託(REIT)を通じた損失は、有価証券運用の一環で投資を増やしてきた信金で目立つという。その結果、日銀のスト
レステストでは地銀・信金への波及が大きくなったと考えられる。
「局所的に高額帯の取引が増えており、一部に割高感がうかがわれる」。日銀はリポートで不動産市場のリスクに注意を促した。ショックの
引き金はどこで発生するかわからない。マイナス金利政策を解除したばかりの日本では、金利の本格的な上昇局面までには少し時間があり
そうだが、今のうちから丁寧なリスクの点検が求められる。
2024年05月05日 21時00分時事通信
新NISA始まり国内株に追い風
2024年05月04日 15時34分時事通信
今年1月に始まった新たな少額投資非課税制度(NISA)を通じ、5割近くの資金が国内株式へ流入していたことが日本証券業協会の調べ
で分かった。海外投資家主導で日経平均株価が初の4万円を突破した勢いを、個人投資家もうまく捉えたようだ。
日証協が野村証券やSBI証券など対面・インターネットの大手10社を対象に実施した調査によると、1~3月のNISA経由の買い付け額の
うち、国内株が47%を占め、投資信託の50%に肩を並べた。株価が上昇基調を強めたことに加え、非課税投資枠が大幅に拡大されたこと
が後押ししたとみられる。
大和証券の吉田光太郎常務執行役員は「NISA経由の買い付け額は前年同期比3倍強。8割が株式、2割が投信で、株式のほとんどが
日本株だ」と説明する。
特に人気なのは、安定して高配当収入が得られる銘柄だ。SBI証券によると、今年度の1株当たりの年間配当予想が194円の日本たば
こ産業(JT)が首位で、NTT、三菱UFJフィナンシャル・グループと続く。東証が昨年3月、上場企業に「資本効率や株価を意識した経営」を
要請し、配当を含む株主還元を重視する企業が増えている。国内株投資は為替変動リスクも低い。
一方、ハイテク企業が主導する米国などと異なり、日本では人口減少で市場縮小が見込まれ、国内企業の成長性を悲観する向きもある。
新NISAでは海外株を中心に構成する投信の人気も高く、「家計資金の海外流出」(市場関係者)を嘆く声も多い。
初心者向けに投資ノウハウを発信する人気ユーチューバーの小林亮平氏は、海外株中心の投資スタイルを提言。日本への投資を前向き
に考えるには「移民の積極的な受け入れや、人工知能(AI)の活用を通じて不足する労働力を確保することが条件になる」と指摘している。
【時事通信社】
2024/05/06 04:00 日経速報ニュース
世界の流れと逆行する日本では日銀の追加利上げの時期が焦点になっている。4月の金融政策決定会合後の記者会見で、植田和男総裁
からは早期利上げにつながる発言はなかった。それでも市場では、これまで0.5%程度とされてきた利上げの終着点がより高まる可能性も意識
されている。長期金利は1%台前半まで上昇(債券価格は下落)するとの声が増えている。
「目先の円安を止めるために金融政策を変更するとの市場の思惑からは距離を取った」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チー
フ債券ストラテジストは4月26日の日銀の政策決定会合の内容を見てこう話した。日銀は同日、政策金利の据え置きを決めた。
25年秋まで2回利上げか
市場の一部で高まっていた、円安リスク対応での7月利上げ観測はやや後退した。翌日物金利スワップ(OIS)市場は10月に1回目の追加利
上げ、2025年秋までに2回目の追加利上げの実施を織り込んでいる。
では、長期金利への影響はどうか。PGIMジャパンの国沢太作社長は「仮に2回の追加利上げがあっても、長期金利の上昇は1%台前半まで」
という。金利が上昇するにつれ銀行や保険など国内投資家による国債買いの需要が強まるためだ。
長期金利の指標になる10年物国債利回りが1%となれば、30年物国債利回りは2%の節目を超えると予想される。多くの生保は「30年債が2%
程度になれば積極的に買う」方針を示す。
「長く続いてきた低金利で国債離れしてきた銀行も、資金を戻すタイミングをうかがっている」(オールニッポン・アセットマネジメントの森田長太
郎チーフストラテジスト)。国内投資家の買いに支えられることで、長期金利が1%を大きく超えるとの見方は少ない。
日銀の国債買い入れ減額はいつか
需給面では日銀が国債買い入れ額をいつ減額するかも論点の1つになる。4月会合で日銀は政策内容の声明文を大幅に簡素化した。3月は
月6兆円程度としていた国債の買い入れ額に関して、4月は「2024年3月の金融政策決定会合において決定された方針に沿って実施する」とし
た。減額を表明してはいないものの、「政策の自由度を確保した」との解釈が広がる。
野村証券の松沢中チーフ・ストラテジストは「6月にも正式に買い入れ額の減額を表明する」と予想する。日銀は5月下旬に「金融政策の多角
的レビュー」の第2回ワークショップを予定する。国債買い入れの副作用や弊害への理解が深まり、買い入れ減額の正当性が強まるとの見立
てだ。
ただ、日銀の分析を基にした試算では国債の買い入れ額を年10兆円減らしても、長期金利の押し上げ効果は年0.04%程度と限定的な水準に
とどまる。
政策金利が想定よりも高い水準まで引き上げられるリスクへの目配りは必要だ。過去20年の政策金利の上限である0.5%までの引き上げを想
定する国内投資家は多い。だがインフレ圧力が続く中、「世界的な景気後退などが生じなければ2?3年内に1.5%程度までの利上げがあり得る」
(野村証券の松沢氏)との声も出始めている。
4月会合で日銀が公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)も、より高い水準まで利上げが続く可能性を示唆する。展望リポートでは26
年度の生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価指数(CPI)を2.1%とした。「見通し期間後半には『物価安定の目標』とおおむね整合的な水準で
推移すると考えられる」と記した。
景気をふかしも冷やしもしない「中立金利」に関する植田総裁の発言も注目を集めた。植田総裁は4月26日の記者会見で見通し期間の後半に
物価が日銀の想定通りに推移するなら、「政策金利は中立金利の近辺にあることになる」と発言した。
中立金利の具体的な水準には言及しなかったものの、日銀は景気に対して中立な実質金利である「自然利子率」をマイナス1.0%からプラス0.
5%と推計していると見られる。インフレ率が安定的に2%になるとすれば、自然利子率に期待インフレ率を足して出す中立金利は1.0%?2.5%にな
る。26年度に向け0.5%を超える利上げの現実味が増す。
政策金利の終着点が0.5%よりも高くなるのであれば、長期金利はより高い水準まで上昇する可能性がある。追加利上げの時期だけでなく利上
げペースや回数など読み切れない部分は大きい。日銀の金融政策の先行きを巡り、債券市場では神経質な展開が続きそうだ。
個人投資家も投資先は多彩
債券の利回りが高まる中、個人投資家にとってもうまみが増しそうだ。新たな少額投資非課税制度(NISA)でも一部の債券ファンドに投資できる。
個人が買える債券の代表にあがるのは国が発行する「個人向け国債」だ。固定金利の3年物、5年物のほか、変動金利の10年物の3種類があ
る。1万円から購入可能で、国が保証するため元本割れのリスクはない。発行後1年経過すれば原則いつでも中途換金できる。
満期までクーポン(利息収入)が一定の固定型に対して、変動型は実勢金利に応じ半年ごとに適用利率が変わる。変動10年は新発10年国債
の入札利回りに0.66をかけて決まる。5月発行分の税引き前の利回りは0.5%。100万円分購入した場合の利息収入は年間5000円と低い
今後の金利に応じて上下する。
保有するリスク資産の一部を低リスクの債券に回しつつ、クーポンを得たいと考える人は多いだろう。ファイナンシャルプランナー(FP)の高橋忠
寛氏は「資産の多い人であれば、安全資産の置き場として活用するのも一案だ」と話す。
株式と異なり、元本割れすることはないため、リスク分散につながる。ただ満期前に換金すると、額面金額に経過利子を加えた金額から直前の
2回分の利子相当額が差し引かれる点は注意が必要だ。
新NISAでは債券自体に投資できないが、債券に投資する上場投資信託(ETF)や投信を買うことができる。債券型ファンドは成長投資枠(年
240万円、生涯1200万円まで)で購入できる。
利回りの高い投信もある。三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」や大和アセットマネジメントの「iFree新興国
債券インデックス」は直近3年間の1年あたりの平均利回りはそれぞれ5.12%、9.30%だ。ファンドが管理するため、償還期日などを気にする必要
がなく、個別に債券投資するよりも手軽に運用できる点が魅力だ。
外国債や公募社債なども候補にあがる。米10年物国債の利回りは足元で年4%超に及び、満期まで保有すれば単純計算で元本の4割を利息収
入として受け取れる。ただ、「円からドルに替えて投資する際、為替リスクに注意が必要だ」(FPの竹川美奈子氏)。今後、日銀が追加利上げに
踏み切り、円高が進めば、外債は円ベースで損失が発生する恐れもある。
債券投資のリスクを押さえよう
元本保証型の債券を除き、金利上昇リスクにも気を払いたい。金利が上昇すれば、債券価格は下落する関係にある。金利の上昇局面では債券
の評価額は元本割れすることもある。FPの深野康彦氏は「債券投資は満期保有を基本としてほしい。直近で使う予定のある資産を振り向けるべ
きではない」と指摘する。
信用リスクもある。例えば楽天グループが4月に発行したドル建て債は年限5年で利率が年9.75%に上り、話題を呼んだ。ただ、米S&Pグローバル
の格付けは投機的水準とされる。FPの高橋氏は「社債の発行体の信用リスクは個人では判断が難しく、利回りの高さにつられて安易に手出し
しない方が良い」とも話す。
社債は流動性が低い点にも注意が必要だ。満期前に売却して現金に換えたくても買い手がいない場合、売却できない。流動性が高い国債に比
べ、業績が低迷した企業が発行する社債などは買い手が現れないこともある。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-08/SD5293DWX2PS00?srnd=cojp-v2
為替変動の物価への影響大きくなっている、基調上昇なら緩和調整
為替は経済・物価に重大な影響、金融政策のコントロール対象でない
日本銀行の植田和男総裁は8日、為替動向次第では金融政策による対応が必要になるとの見解を示し、円安に対するけん制姿勢を強めた。
衆院財務金融委員会で答弁した。
植田総裁は円安の影響に関して、「為替相場は経済・物価に重大な影響を与え得る」と指摘。「従来の局面と比べ、為替変動が物価に影響
を及ぼしやすくなっている」とも述べ、「政策運営にあたって最近の円安の動きを十分に注視している。動向次第で金融政策運営上の対応が必
要になると考えている」と語った。
具体的には、物価変動から短期的な変動を取り除き、需給ギャップや予想物価上昇率などを反映した基調的な物価上昇率への影響を重視
していると説明。円安が基調的な物価上昇率に与える影響については「これまでのところはそれほど大きな影響ではない」としつつ、「今後は
影響してくる、あるいは影響するリスクがあるとみている」と述べた。
植田総裁は4月の金融政策決定会合後の記者会見で、円安が現時点で基調的な物価上昇率に大きな影響を与えていないとの見解を示し
た。今回の発言は、為替変動の影響を踏まえた政策対応について、これまでよりも踏み込んだ形だ。7日の岸田文雄首相との会談でも為替
が経済・物価に与える影響について議論しており、日本経済の回復力が弱い中、日銀は難しいかじ取りを迫られそうだ。
植田日銀総裁が首相と為替を議論、基調物価への影響を注視-連携確認
8日の東京外為市場で、円相場は1ドル=155円台前半に下落している。植田総裁が円安のこれまでの影響について慎重な見解を示した
ことをきっかけに、円が一段安となっている。
円は155円台前半に下落、植田日銀総裁の慎重発言で一段安の展開に
日銀は3月の金融政策決定会合で17年ぶりの利上げを決めたが、その後も日米金利差などを背景に円安が進行し、政府・日銀は日本の大
型連休中に2回の為替市場介入に踏み切ったとみられている。
同委員会に出席した鈴木俊一財務相は、円安にはプラスとマイナスの両面があるとしながらも、「輸入物価を押し上げるというマイナス面に
ついて私も強い懸念を持っている」と発言。政策課題として物価高騰への対応が極めて重要とした上で、為替市場の動きを注視して「取るべき
ときには適切な対応を取っていきたい」と語った。
緩和度合い
総裁は基調的な物価上昇率が上がって行けば、「それに応じて金融緩和の度合いを調整していくことが適切だ」と表明。目標である2%前後
で先行きの物価が推移する見通しを示した4月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)に言及し、「1年半後とか2年後を待って利上げをすると
いうことではなく、パス通りに基調的な物価が上がっていけば、それに応じて金融緩和の度合いを適切に調整していくつもりだ」との認識を示した。
金融政策運営は「為替市場を直接のコントロール対象とはみていない」と改めて指摘。金融政策運営はあくまで物価の安定を目標にしている
とし、「政策運営が、私どもの財務への配慮から必要な遂行を妨げられることはない」と語った。
他の発言
消費者物価、賃金と物価の好循環に起因する部分の割合は強まってきている
2%の物価上昇を支える需要サイドの伸びが伴う必要がある
2024/05/09 日本経済新聞 朝刊
日銀の植田和男総裁が円安に関する発言を軌道修正している。4月の記者会見では「基調的な物価上昇率に大きな影響を与えていない」と
繰り返し円安が進行した。5月に入り「政策運営上、十分注視していく」と表現を改め、8日には「過去と比べ物価に影響を及ぼしやすくなってい
る面があることは意識しておく必要がある」と述べた。
8日の読売国際経済懇話会(YIES)の講演で語った。仮に物価見通しが上振れしたり、上振れするリスクが大きくなったりした場合には「金利
をより早めに調整していくことが適当になる」と発言した。
物価を巡るリスクの一つとして「今後の為替相場の変動や国際商品市況の動向、その輸入物価や国内価格への波及」を挙げた。「原油高や
円安は輸入物価上昇を起点とするコストプッシュ圧力が落ち着いていくという見通しの前提を弱める可能性がある」と指摘した。
講演後の質疑では「為替は経済・物価に影響を及ぼす重要な要因であることは言うまでもない。金融政策の対応が必要になる可能性がある」
と言及した。「急速かつ一方的な円安は、例えば企業の事業計画の策定を困難にさせるなど不確実性を高めて経済にマイナスだ」との懸念も表
明した。
日銀が円安を容認しているとの市場の見方を払拭し、円安の進行に歯止めをかけようとしている可能性がある。
4月26日の金融政策決定会合で市場には日銀が円安の食い止めにつながる対策や発言を打ち出すとの見方があったが、金融政策は維持さ
れた。
その後の記者会見で植田総裁はこれまでの円安が基調的な物価上昇に与える影響について現時点で無視できる範囲か問われて「はい」と
答えた。
こうしたやりとりを市場は円安容認と受け止め、会見中から円相場は下落した。29日には1ドル=160円台と34年ぶりの水準まで円安が進
んだ。政府・日銀は認めていないが、29日、5月2日の2日間で財務省による円買いの為替介入があったとみられている。
日銀は円安を通じた輸入コストの上昇による物価上昇は一時的と捉え、賃上げを伴う「基調的な物価上昇率」を重視している。そのため植田
総裁は「引き続き為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視していきたい」と4月に強調した。
これを5月からはより直接的な表現に改めた。
7日に首相官邸で岸田文雄首相と面会後、記者団に「円安については日銀の政策運営上、十分注視をしていくことを確認した」と話した。「基
調的な物価上昇率にどういう影響が出てくるかについて注意深くみていく姿勢だ」と触れた。
8日の衆院財務金融委員会では「最近の円安の動きを十分注視している」と改めて主張した。「過去と比べ為替の変動が物価に影響を及ぼし
やすくなっている」との見解も示し、円安が物価上昇につながりやすくなっていることを示唆した。
日銀は4月会合で公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で「基調的な物価上昇率が上昇していけば金融緩和度合いを調整する」と
追加利上げの姿勢を示した。
ただ時系列だけみれば会見をきっかけに為替介入にまで発展した可能性があり、市場からは日銀が発言を修正しているとの見方が出ている。
野村総合研究所の木内登英氏は「4月の会見で植田総裁が円安容認と受け止められかねない説明に終始したことを問題と捉え、日銀が修正
する機会をうかがっていた可能性がある」とみている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024050900859&g=eco&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
日銀が国債買い入れの減額に向け検討を本格化させていることが、9日公表した4月25、26日の金融政策決定会合の主な意見で明らかに
なった。ある政策委員が「(減額は)機を捉えて進めていくことが大切だ」と主張するなど、同会合では国債購入縮小に関する意見が相次いだ。
歯止めがかからない円安をにらみ、日銀が追加利上げを含めて金融正常化を加速させる可能性もある。
日銀は3月の会合で、マイナス金利政策の解除に踏み切ったが、国債買い入れについては月間6兆円規模で継続することを決めた。
これに対し、4月会合では「市場機能回復を志向し、減額することは選択肢だ」「どこかで削減の方向性を示すのが良い」など、国債買い入れ
の減額を巡り議論が本格化。日銀の国債保有量の圧縮など、量的引き締め(QT)も視野に入れるべきだとする意見もあった。
同会合では、声明文から「6兆円」という購入額の表記を削除し、実際の買い入れをある程度柔軟に行えるよう布石も打った。
日銀の植田和男総裁は会合後の記者会見で、円安の影響は限定的との考えを示し、市場では一段の金融正常化に慎重だと受け止められ
た。このため円安が加速し、円相場は一時1ドル=160円台まで下落。政府・日銀はその後、円買いの為替介入で対抗したとみられている。
4月会合では、ある委員が「円安を背景に基調的な物価上昇率の上振れが続く場合には、正常化のペースが速まる可能性は十分にある」
と指摘するなど急速な円安を警戒する声も目立った。為替の動向次第で、追加利上げや国債買い入れ減額などの正常化に向けたタイミング
が前倒しされることもありそうだ。
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/Q33IKTYFMJNT7BQBLYCXUVOPVU-2024-05-10/
[東京 10日] - 2年以上にわたって続く円安局面を前に「何か対応策はないのか」という照会が確実に増えている。円安抑止策は、為替介入
や利上げといった裁量的なマクロ経済政策を脇に置けば、対内直接投資促進とインバウンド奨励が注目されやすく、いずれも正しい対応と言え
る。
しかし、策はほかにもある。例えば「日本企業が保有する外貨を国内へ送金する際の法人税を減免する」といういわゆる「リパトリ減税」は為替
市場で耳目を引いており、ロイターなどの報道では政府・与党が6月にまとめる経済・財政政策の基本方針「骨太の方針」に盛り込まれるという
観測もある。
リパトリ減税に関しては、2022年9月の寄稿「進む円安、抑止に『リパトリ減税』という処方箋」で詳しく議論した。
直感的に、すでに海外子会社から受けとる配当益金の95%相当額が非課税所得とされている以上、残り5%部分を非課税にしても大きな効
果は期待できないという印象は強く、実際そういった声は多い。
一方、日本に残されたカードはさほど多くないことを思えば、実質的に大きな効果を期待できなくても残る「5%の摩擦」にこだわるべきという考
え方もある。確かに、政府が主導して円買いフローを創出しようという姿勢は投機的な円売りに対抗するメッセージになり得る。米国や英国、シ
ンガポールといった国際金融センターと呼ばれる国では100%非課税だ。対応策を問われた時に、まだやれることはあるという意味で言及はし
ておきたい。
<NISA国内投資枠という円安抑止策>
しかし、リパトリ減税は文字通り対症療法であり、効果もワンショットで終わる可能性が高い。もちろん「ワンショットでも、時間稼ぎは必要」という
考え方も尊重すべき現状ではあるが、対策がこれだけというのも心もとない。
より持続的な円安抑止策として、筆者はNISA(少額投資非課税制度)国内投資枠の新設という考え方に注目している。
周知の通り、年初来の円安相場には新NISAに伴う海外株式の購入、いわゆる「家計の円売り」が寄与している側面も大きいと言われる。財
務省データによると、投資信託経由の対外証券投資は今年1─3月期だけで約3.5兆円に達しており、これは例年で言えば1年分に匹敵する。
それが主因かどうかはさておき、円安地合いに寄与しているのはほぼ間違いないだろう。過去の本コラムでも「家計の円売りこそ本当の円安
リスク」として危惧してきた経緯があるが、その懸念は半ば実現しつつあるように思える。
このペースで投資信託経由の対外証券投資が出続けると仮定した場合、年間で優に10兆円を超える円売りが家計から出てくることになる。
まだ資産運用に着手していない層も多そうであるから、潜在的な拡大余地も大きいだろう。看過できる論点ではない。
<国内投資枠で海外投資は減る可能性>
では、現行の「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に加えて、「国内投資枠」を設けた場合、どのような効果が期待されるのか。内外の成長率
格差を踏まえれば、今後も海外株への投資意欲が相応に強い状況は続く可能性はある。とはいえ、ここまで進んだ円安相場を踏まえ、ここ
からの為替リスクを取ることに及び腰になる層も増えてくる可能性はある。国内投資枠はそうした層の受け皿になり得る。
いだろう。
というのも、現行の年間360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)の枠を使い切る個人投資家は多数派ではないからだ。
金融庁の「NISA口座の利用状況調査」によれば、2023年9月末時点のNISA口座数は2034万7312口座、その買い付け額は34兆02
81億4597万円だ。単純計算で1口座当たり167万円だ。年間360万円の枠が拡大されても、元々使い切っていないのだから大勢に影響
はない。
国内投資枠が新設された場合、海外投資に流れていた資金の一部は国内投資へと代替される展開が予見される。つまり国内投資枠が増え
た部分は選択可能性の拡大でしかない。
国内投資に配分された分、海外資産への投資(円売り)が減ることになるのであれば、それは立派な円安抑止策になる。主要7カ国(G7)の
一角である日本では資本規制が難しいものの、インセンティブ設計として流出を減らす工夫は可能だ。
<英国で先行する国内投資枠>
この動きはすでに英国が検討し始めている。今年4月、英政府は春に発表された予算編成方針においてNISAの原形とされるISA(個人貯蓄
口座)に関し、英国株投資の非課税枠を現在の年間2万ポンドから2万5000ポンドに引き上げる意向を表明した。
ただ、同国では今秋に総選挙を控えており、政権交代の可能性なども踏まえれば、同案自体がどう転ぶかはまだ分からない。しかし、この方
針が固まった際には日本でも同じ方針を求める機運が高まる可能性はあるように思う。
家計部門の運用資金が海外ではなく国内に配分されるようになれば、日本株は上昇し、円売りも抑制されて一石二鳥となる。新NISAは稼働
の初年度であり、新しい選択可能性を提示するには良い時期であることも助けになるだろう。
少なくとも、円安の一因として注目されている「家計の円売り」に対抗する手段として、NISA国内枠の新設は利上げや為替介入は元より、冒
頭で紹介したリパトリ減税案と比較しても持続力を持ち得るように思えるし、政府の掲げる資産運用立国の方針とも合致する。
裏を返せば「家計の円売り」を早い段階でけん制しておかねば、そのまま一部が「帰ってこない外貨」となってしまう恐れがあるため、早めに手
を打った方が良いようにも思える。
<抜本的な政策は別>
もっとも、リパトリ減税は元より、NISA国内投資枠の新設も円安相場を反転させるような抜本的な政策とまでは言えない。そもそも市場に存在
する全ての円売りを吸収する政策など存在しない。身もふたもない話をしてしまえば、変動為替相場において為替市場の流れを根本的に変え
られるのは米国だけだ。
そう割り切った上で当面の日本に求められているのは「持続的な時間稼ぎの手段」であり、リパトリ減税やNISA国内投資枠もその一環だと筆
者は考える。少しの時間であっても、為替市場の平準化(スムージング)も図ることができれば、事業法人などにとって良好な市場環境を確保
することができる。そこにも意義はある。
様々な対症療法を組み合わせて時間稼ぎをしている間に、対内直接投資の積み上げであったり、電源構成の修正であったり、労働力の確保(
および移民政策の是非)であったりを議論することで中長期的な円相場の需給改善を図るという姿勢が王道であると考えておきたい。
2024/05/13 11:55 日経速報ニュース
13日午前の東京株式市場で日経平均株価は小幅に続伸し、午前終値は前週末比14円48銭(0.04%)高の3万8243円59銭だった。下げ幅は
200円を超え、取引時間中としては2日以来およそ1週間ぶりに節目の3万8000円を下回る場面もあったが、下値では好業績銘柄を中心に買い
が入った。ただ、日銀の政策正常化の観測が投資家心理の重荷となり、積極的な買いは見送られた。
13日午前の国内債券市場で長期金利は一時、0.935%まで上昇(価格は下落)した。日銀は同日通知した定例の国債買い入れオペ(公開市
場操作)で、長期債の購入予定額を減らした。国内債券市場での金利の上昇に歩調を合わせて日経平均も下げ幅を260円近くまで拡大する場
面があった。日銀が政策正常化を早めるとの思惑が強まり、金利上昇が業績拡大につながりやすい三菱UFJや三井住友FGなど銀行株が上昇
した。半面、金利上昇が債務の返済負担増につながりやすいとみられる三井不や菱地所など不動産株は下落した。
日経平均はマイナス圏で推移する時間帯が長かったが、前引けにかけては上げに転じた。前週末の米株式市場で半導体関連銘柄で構成す
る米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は上昇しており、東京市場ではアドテストなど一部の半導体関連株に買いが入った。大引け後に決算
発表を控えるソフトバンクグループ(SBG)も上昇し、指数を下支えした。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは0.18ポイント(0.01%)安の2728.03だった。JPXプライム150指数は続伸し、0.73ポイント(0.06
%)高の1189.21で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆3774億円、売買高は10億1361万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は755。値
下がりは844、横ばいは47だった。
10日に2024年3月期決算を発表した東エレクは前週末終値を挟んで一進一退となった。KDDIやオリンパス、資生堂は上げた。一方、セコム
やトヨタ、クボタが下げた。
2024/05/14 日本経済新聞 朝刊
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は2025年3月期に、1兆円超の連結純利益の見通しを示す方針だ。これまで29年3月期に1兆円以上
を見込み、4年ほどの前倒しになる。投資銀行業務が拡大するほか、国内の個人顧客の拡大が収益に貢献して24年3月期も最高益となる見通
し。国内外の金利上昇で邦銀の収益拡大が軌道に乗り始めた。
三井住友FGは15日午後に24年3月期の決算と25年3月期の業績予想を公表する。現在の中期経営計画の最終年度にあたる26年3月期
でこれまで9000億円以上としてきた純利益の計画を1兆1000億円規模に引き上げる新たな見通しを示す。24年3月期も9000億円台後半
と前の期比で2割程度の増益を確保し、10年ぶりの最高益を更新するもようだ。
メガバンクで三菱UFJFGに続く2社目の純利益1兆円超えとなる。純利益で1兆円以上を確保する企業はトヨタ自動車や大手総合商社などに
とどまり、産業界全体で見ても有数の水準だ。
9月末を基準日に株主総会での承認を前提に1株を3株に分割する株式分割の実施も調整する。三井住友FGの足元の株価は9000円前後
で推移しており、投資には90万円ほどが必要になる。東京証券取引所の個人投資家が投資しやすい環境を整備するため、投資に必要な額を
50万円未満に引き下げるよう要請しているのに対応する。
25年3月期の純利益は24年3月期に比べて1割程度の増益になる見通しだ。国内でも企業のM&A(合併・買収)をはじめとする旺盛な資金
需要が続き貸出金が引き続き拡大する。
三井住友FGが1兆円超の純利益を確保する見通しとなった背景には国内外の収益力の向上がある。足元で顧客が200万人を超えた総合金
融サービス「オリーブ」による顧客基盤拡大が収益に貢献。日銀のマイナス金利政策の解除などによる「金利ある世界」への回帰が利ざやの拡
大につながる。足元でも大企業向けの利ざやは拡大傾向だ。
海外では資本提携する米証券大手のジェフリーズ・ファイナンシャル・グループと米国や各地域で共同の営業体制を構築。大型M&Aのアドバ
イザリー業務などの連携で23年4~9月期に海外投資銀行業務の粗利益が前年同期比100億円規模で増えた。23年には米貨車リース事業
を売却するなど事業構成の入れ替えも進める。
アジアでも23年にベトナムの民間銀行2位のVPバンクに日本円換算で約2000億円を出資して持ち分法適用会社化。インドでは3月にノンバ
ンク子会社のSMFGインディア・クレジット(旧フラトン・インディア)を完全子会社にした。アジアへの出資による純利益への貢献は26年3月期で
500億円規模に達する計画となる。
3メガバンクでは三菱UFJFGが15年3月期に純利益で1兆円を超えたが、マイナス金利政策の導入以降は低金利で各社業績が低迷してい
た。24年3月期は3メガバンク合算で発足以降の最高益となる前の期比2割増の3兆円程度の純利益を確保する見通しだ。三菱UFJFGが1兆
3000億円、みずほFGが6400億円の通期の純利益予想を示している。
ただ、三井住友FGのPBR(株価純資産倍率)は足元で0.86倍程度と、解散価値にあたる1倍を下回る。米大手銀ではPBRは1倍を上回る
例が多い。PBRを高めるためには低採算事業の売却による成長資本の捻出が欠かせない。PBRを向上するためには一段の事業構成の入れ
替えや政策株の売却が必要になる。
2024/05/14 21:21 日経速報ニュース
りそなホールディングスは14日、2030年3月末までに政策保有株式を簿価ベースで約3分の1まで削減する計画を示した。24年3月末時点で
簿価で約2600億円あるが、6年間で1800億円程度を売却する。これまでは22年度からの4年間で800億円減らす目標だった。
同日の記者会見で南昌宏社長は売却で得た資金を「次の成長への投資に充てたい」と話した。
03年3月末時点で約1兆4000億円の政策株を抱えていたりそなは、03年5月に公的資金の注入が決まってからメガバンクを上回るペースで
政策株を減らしてきた。
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は26年3月末までの3年間で少なくても2000億円、みずほFGも同期間に3000億円減らす計画を打ち出
している。
りそなは同日、25年3月期の連結純利益が前期比4%増の1650億円になるとの予想を発表した。
現行の中期経営計画で、最終年度の26年3月期に掲げる純利益の目標は1700億円だ。傘下のみなと銀行で発生するシステム統合の費用
を除くと、実質的に1年前倒しで目標の達成をめざすことになる。
24年3月期の連結決算は、純利益が前の期比1%減の1589億円だった。融資先の焦げ付きに備える与信費用が約2倍の356億円となったこ
とが響いた。
本業のもうけを示す実質業務純益は8%増の2113億円だった。国内企業の資金需要が旺盛で、今年3月末時点の貸出金残高は約43兆100
億円と前年同月比で4%増えた。
2024/05/15 17:15 日経速報ニュース
3メガバンクは15日、2025年3月期に大幅な増配に踏み切る方針を発表した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は24年3月期の41円か
ら50円に、三井住友FGは270円から330円に、みずほFGは105円から115円にそれぞれ引き上げる。三菱UFJと三井住友はそれぞれ1000億
円を上限に自社株買いも実施する。
米地銀シリコンバレーバンクの破綻などが起きたことから、昨年春は資本に余裕を持たせようと株主還元の強化を控えていたが、好調な業績
を受けて積極的な株主還元にかじを切る。
14日に2024年3月期決算を公表したりそなホールディングス(HD)は200億円を上限とする自社株買いを公表した。1回あたりの金額としては
過去最多という。三井住友トラストHDは創業100周年の記念配を含め、年配当を前期から35円増やす方針を明らかにした。
23年春は米国発で金融システムに懸念が浮上したことを受け、自己資本の充実を優先しようと自社株買いを抑えていた。金融環境の正常化
で23年11月には三菱UFJが4000億円、三井住友は1500億円を上限に自社株買いの実施を公表するなど株主還元の強化に動き出した。今期
の業績も堅調に推移する見通しで、各社は株主還元の強化を進める。
日銀によるマイナス金利政策の解除で国内でも金利の先高観が強まり、利ざやの拡大と収益増への期待感から銀行株は上昇している。三菱
UFJの株価は3月上旬に17年半ぶりの高値を付け、PBR(株価純資産倍率)も11年ぶりに1倍台へ戻した。三井住友やみずほのPBRは0.7?0.8
倍台にとどまるものの、株価は高値圏を保つ。
三井住友は15日、1株を3株とする株式分割の実施も公表した。1月に始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)では個人投資家の資金が
業界トップの銘柄に向かいやすいとされる。実際に買い付け額の上位にはJTやNTTなどが並ぶ。「(個人投資家への浸透で)三菱UFJに出遅れ
ている」(関係者)ことから投資単位の引き下げを決めた。
大手行は自己資本の充実、収益力の強化に向けた成長投資、そして株主還元の強化に目を配ってきた。自己資本が安定的に積み上がるな
か、3メガバンクは今期にそろって最高益を更新する見込みだ。株主還元の充実を打ち出した各社がM&A(合併・買収)などでどんな成長戦略を
打ち出すかも次の焦点となる。
2024/05/15 17:15 日経速報ニュース
3メガバンクは15日、2025年3月期に大幅な増配に踏み切る方針を発表した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は24年3月期の41円
から50円に、三井住友FGは270円から330円に、みずほFGは105円から115円にそれぞれ引き上げる。三菱UFJと三井住友はそれぞれ1000
億円を上限に自社株買いも実施する。
米地銀シリコンバレーバンクの破綻などが起きたことから、昨年春は資本に余裕を持たせようと株主還元の強化を控えていたが、好調な業
績を受けて積極的な株主還元にかじを切る。
14日に2024年3月期決算を公表したりそなホールディングス(HD)は200億円を上限とする自社株買いを公表した。1回あたりの金額としては
過去最多という。三井住友トラストHDは創業100周年の記念配を含め、年配当を前期から35円増やす方針を明らかにした。
23年春は米国発で金融システムに懸念が浮上したことを受け、自己資本の充実を優先しようと自社株買いを抑えていた。金融環境の正常
化で23年11月には三菱UFJが4000億円、三井住友は1500億円を上限に自社株買いの実施を公表するなど株主還元の強化に動き出した。
今期の業績も堅調に推移する見通しで、各社は株主還元の強化を進める。
日銀によるマイナス金利政策の解除で国内でも金利の先高観が強まり、利ざやの拡大と収益増への期待感から銀行株は上昇している。
三菱UFJの株価は3月上旬に17年半ぶりの高値を付け、PBR(株価純資産倍率)も11年ぶりに1倍台へ戻した。三井住友やみずほのPBRは
0.7?0.8倍台にとどまるものの、株価は高値圏を保つ。
三井住友は15日、1株を3株とする株式分割の実施も公表した。1月に始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)では個人投資家の資金
が業界トップの銘柄に向かいやすいとされる。実際に買い付け額の上位にはJTやNTTなどが並ぶ。「(個人投資家への浸透で)三菱UFJに
出遅れている」(関係者)ことから投資単位の引き下げを決めた。
大手行は自己資本の充実、収益力の強化に向けた成長投資、そして株主還元の強化に目を配ってきた。自己資本が安定的に積み上がる
なか、3メガバンクは今期にそろって最高益を更新する見込みだ。株主還元の充実を打ち出した各社がM&A(合併・買収)などでどんな成長戦
略を打ち出すかも次の焦点となる。
2024/05/15 19:39 日経速報ニュース
5大銀行グループの2024年3月期決算が15日、出そろった。合計の連結純利益は前の期比19%増の3兆3708億円と05年度に現在の3メガ
バンク体制となってから最高益を更新した。25年3月期も10%増の3兆7150億円と2期連続の最高益となる見通しだ。利ざやの改善と低金利
下で続けてきた構造改革が収益拡大に結びつきつつある。
25年3月期の連結純利益予想は、三井住友フィナンシャルグループ(FG)が前期比10%増の1兆600億円と同社として初の1兆円台を目標に
掲げる。三菱UFJFG、みずほFG、三井住友トラスト・ホールディングス(HD)も最高益を見込み、りそなHDも4%の増益を予想する。三井住友な
ど中期経営計画で設定した利益目標の前倒し達成も相次ぐ。
金利の先高観で国内の貸出金利も上がり始めた。3メガの大企業向け貸出金利ざやは24年3月期に前の期比で0.05%拡大して0.59%とな
った。三井住友FGの中島達社長は15日の記者会見で「国内の大企業、中堅企業の活動は非常に活発だ」と話した。米連邦準備理事会(FRB)
は高水準の政策金利を続け、外貨建ての貸出資産は高い収益性を保つ。
これまで銀行は預かった資金の運用で苦戦を強いられてきた。マイナス金利政策の解除で日銀の当座預金には0.1%の付利がつき、各行は
収益源となる預金の獲得に方針を転換した。マイナス金利の解除は3メガだけで25年3月期に収益を1000億円規模で押し上げる。
利上げに伴う収益の改善は、貸出金利の引き上げが円滑に進むかどうかが前提だ。りそなの南昌宏社長は「市場金利の上昇分に連動する
(貸出金)利回りの上昇が確認できている」と話す。融資のほかにも「金利上昇は資産運用や資産管理の残高拡大による報酬の増加につなが
る」(三井住友トラストの高倉透社長)。
各社は日銀が政策金利を現行のまま据え置く前提で今期の収益計画を策定した。日銀が追加利上げに踏み切れば業績は上振れする可能
性がある。りそなは政策金利が0.5%まで上昇すると、自己資本利益率(ROE)が9?10%に高まるとの試算を示した。
国内の企業業績は底堅く、焦げ付きに備えて計上する与信費用も大手行の合算で7%減の9256億円と低位にとどまる見通しだ。
合計の純利益はこれまで14年3月期の2兆8669億円が最高だった。日銀が16年にマイナス金利政策を導入してから国内の預貸業務を中心
に利益が落ち込み、20年3月期には2兆円を割り込んだ。
2期連続で最高益を更新する見通しなのは、長引く低金利下で大手行が経営の効率化を進めてきたことも要因だ。本業のもうけを示す実質
業務純益(傘下行の合算)は24年3月期に19%増の3兆927億円。採算性が低いリスク資産を減らしたり、店舗網を効率化したりした成果が表
れた。三菱UFJの亀澤宏規社長は「3~4年とり組んできた構造改革が実を結んだ」と強調する。
規制緩和の追い風も生かし、証券業務など業容の拡大を進めてきた面も大きい。旧三菱銀行の1990年3月期決算では一般企業の売上高
にあたる業務粗利益のうち、貸出金利息を中心とする資金利益が約8割を占めていた。現在の大手行では多い場合で5割程度まで下がり、
収益の多様化が進んでいる。
懸念材料は米国の利下げだ。インフレを背景に遅れているFRBの政策金利引き下げが本格化すれば、利益を押し上げてきた海外向け貸し
出しの利ざやに縮小圧力がかかる。一方で、みずほの木原正裕社長は「米国の金利高止まりが続くと経済へのショックが大きい」と指摘する。
大手行の業績は、政策株の売却益や円安で外貨建て資産が円換算で押し上げられている面もある。15日の会見で三井住友FGの中島氏が
「ゲタを履いている面がある」と評した。好業績を続けているうちに成長戦略を着実に進め、逆風への備えを手厚くできるかが重要になる。
[東京 15日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306.T), opens new tab(MUFG)など大手銀行3グループが15日に発表した
2025年3月期の連結純利益予想は、3社合計で前期比5.7%増の3兆3100億円となった。05年度にMUFGが発足し3メガバンク体制に
なってから過去最高を更新した前期を上回る見通し。3社とも、企業の旺盛な資金需要や海外の利ざや改善を織り込んだ。
三井住友フィナンシャルグループ(FG)(8316.T), opens new tabは15日、2025年3月期の連結純利益が前期比10.1%増の1兆0600億
円になる見通しと発表した。グループとして初めて1兆円を超える もっと見る 。MUFGは同0.7%増の1兆5000億円 もっと見る 、みずほフ
ィナンシャルグループ(8411.T), opens new tabは同10.4%増の7500億円 もっと見る をそれぞれ予想する。いずれも、市場予測を上回った。
三井住友FGの中島達社長は決算会見で「相場環境、顧客の行動など全てが銀行業績にプラスに働く環境がそろった」と指摘し、「経営者の
マインドは非常に前向きになっており、日本経済についてはポジティブにみている」と述べた。
みずほFGの木原正裕社長は、今期目標設定について「収益力が上がったので高みを目指す」との意気込みを語った。みずほFGは、現中期
経営計画の最終年度である25年度目標を前倒しで達成する見込み。
MUFGの亀澤宏規社長は「24年度は、国内が金利がある世界に入り(業績に)プラスになる。成長はアジアが大きい」との考えを示した。MU
FGは23年度に持ち分法適用会社である米モルガン・スタンレーの損益計上の期ずれ影響を除くと900億円超の増益となる計画だ。
日銀の金融政策変更による金利上昇も収益拡大の追い風で、銀行が持つ日銀当座預金への付利も収益増につながる。
三井住友FGは、マイナス金利解除は24年度業績に税前粗利益で400億円の効果があるとみる。みずほFGとMUFGも同様に、業績にプラ
スの効果を織り込んでいる。
MUFGは25年3月期からの新中期経営計画も公表し、最終年度にあたる27年3月期の連結営業純益を23年度の1兆6000億円から2兆
1000億円にする方針を示した。アジアの成長を取り込むため、プラットフォームの強靭化や国内の富裕層ビジネスの強化を図る。
政策保有株式の削減についても新たな見通しを示し、MUFGは5000億円としていた前期末までの削減目標を達成し、新中計期間中に350
0億円を売却する方針。亀澤社長は「前倒しで実行していきたい」と述べた。
三井住友FGは26年3月末までの3年間で政策保有株を2000億円削減するとしているが、すでに1340億円を売却済みでさらなる削減計
画の検討を開始する。みずほFGは22―25年度に3000億円削減する計画を維持している。
24年3月期の連結決算では、3社合計の純利益は前期比約26%増の3兆1300億円だった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-15/SDI11JT0AFB400
「利ざや改善などでポジティブ」、金利は「見極めにくい」のと声も
前期はMUFGと三井住友FGが最高益、みずほも今期に達成へ
3メガバンクグループの今期(2025年3月期)純利益は合計で前期比5.7%増の3兆3100億円と前期(24年3月期)に続き2期連続で最高益
を更新する見込みだ。日本銀行による利上げ効果が本業の貸し出し業務などに浸透し、収益を押し上げる。
15日に出そろった今期計画は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が前期比0.6%増の1兆5000億円、三井住友FGが10%増の1兆6
00億円、みずほFGが10%増の7500億円。前期の純利益合計は3兆1327億円だった。
前期は貸し出し業務では利ざやが大きい海外事業が円安・ドル高もあり収益を押し上げたほか、国内も法人向け融資が堅調に推移。国債
取引などの市場部門も好調で、合計の純利益は10年ぶりの最高となった。個別ではMUFGと三井住友FGが最高益を更新した。
日銀が3月に17年ぶりの利上げに動いたのを受け、市場金利は上昇傾向にある。今期は追加利上げも予想され、国内貸し出し業務での
利ざや拡大など収益環境のさらなる好転が期待されている。
前期決算について、MUFGの亀澤宏規社長は、「顧客部門中心に稼ぐ力が拡大し、過去最高益につながった」と評価。三井住友FGの中島
達社長も「非常に好調な結果。業務環境が非常に良かったことが要因」と振り返った。
金利上昇へ
日銀は3月の金融政策決定会合でイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)やマイナス金利を解除した。4月の決定会合では大き
な政策変更はなかったが、今後は日銀の追加利上げの時期やペースに関心が集まっている。
MUFGの亀澤社長は利上げ効果について、「前期決算にはそれほど入っていないが、今期はプラスになっていく。利ざや改善などでポジテ
ィブだ」と言及した。三井住友FGの中島社長は金利の「正常化に向けた動きが継続していくことを期待する」と語った。
みずほFGの木原正裕社長は、「政策金利の引き上げがあるかは見通しが難しい。ある程度見極めてからではないと動けない。難しい局面
だ」と述べた。
その一方で、三井住友FGの中島社長は今後のリスク要因として、与信関係費用の増加懸念を挙げた。「海外の金利高止まりやインフレに
よる将来の信用不安に備えフォワードルッキングな引き当て計上」により、与信費用は増加していると説明した。
みずほFGの木原社長は、直近で1ドル=156円台の円安水準で推移している為替相場について、「中小中堅にとっては円安はきついと思う。
円高方向にいってもらいたいという思いは強い」と述べた。
2024/05/16 日本経済新聞 朝刊
5大銀行グループの2024年3月期決算が15日、出そろった。合計の連結純利益は前の期比19%増の3兆3708億円と05年度に現在の
3メガバンク体制となってから最高益を更新した。25年3月期も10%増の3兆7150億円と2期連続の最高益となる見通しだ。利ざやの改善と
低金利下で続けてきた構造改革が収益拡大に結びつきつつある。
25年3月期の連結純利益予想は、三井住友フィナンシャルグループ(FG)が前期比10%増の1兆600億円と同社として初の1兆円台を目
標に掲げる。三菱UFJFG、みずほFG、三井住友トラスト・ホールディングス(HD)も最高益を見込み、りそなHDも4%の増益を予想する。
金利の先高観で国内の貸出金利も上がり始めた。3メガの大企業向け貸出金利ざやは24年3月期に前の期比で0.05%拡大して0.59
%となった。三井住友FGの中島達社長は15日の記者会見で「国内の大企業、中堅企業の活動は非常に活発だ」と話した。米連邦準備理
事会(FRB)は高水準の政策金利を続け、外貨建ての貸出資産は高い収益性を保つ。
これまで銀行は預かった資金の運用で苦戦を強いられてきた。マイナス金利政策の解除で日銀の当座預金に0.1%の金利がつき、各行
は収益源となる預金獲得に方針を転換した。マイナス金利解除は3メガだけで25年3月期に収益を1000億円規模で押し上げる。
国内の企業業績は底堅く、焦げ付きに備えて計上する与信費用も大手行の合算で7%減の9256億円と低位にとどまる見通しだ。
合計の純利益はこれまで14年3月期の2兆8669億円が最高だった。日銀が16年にマイナス金利を導入してから国内の預貸業務を中心
に利益が落ち込み、20年3月期には2兆円を割り込んだ。
2期連続で最高益を更新する見通しなのは、長引く低金利下で大手行が経営の効率化を進めてきたことも要因だ。本業のもうけを示す実質
業務純益(傘下行の合算)は24年3月期に19%増の3兆927億円。採算性が低いリスク資産を減らしたり、店舗網を効率化したりした成果
が表れた。三菱UFJの亀澤宏規社長は「3~4年とり組んできた構造改革が実を結んだ」と強調する。
規制緩和の追い風も生かし、証券業務など業容の拡大を進めてきた面も大きい。旧三菱銀行の1990年3月期決算では一般企業の売上高
にあたる業務粗利益のうち、貸出金利息を中心とする資金利益が約8割を占めていた。現在のメガバンクでは多い場合で5割程度まで下がり
、収益の多様化が進んでいる。
懸念材料は米国の利下げだ。インフレを背景に遅れているFRBの政策金利引き下げが本格化すれば、利益を押し上げてきた海外向け貸し
出しの利ざやに縮小圧力がかかる。一方で、みずほの木原正裕社長は「米国の金利高止まりが続くと経済へのショックが大きい」と指摘する。
大手行の業績は、政策株の売却益や円安で外貨建て資産が円換算で押し上げられている面もある。15日の会見で三井住友FGの中島氏
が「ゲタを履いている面がある」と評した。好業績を続けているうちに成長戦略を着実に進め、逆風への備えを手厚くできるかが重要になる。
2024/05/16 日本経済新聞 朝刊
3メガバンクは15日、2025年3月期に大幅な増配に踏み切る方針を発表した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は24年3月期の
41円から50円に、三井住友FGは270円から330円に、みずほFGは105円から115円にそれぞれ引き上げる。三菱UFJと三井住友は
それぞれ1000億円を上限に自社株買いも実施する。
米地銀シリコンバレーバンクの破綻などが起きたことから、昨年春は資本に余裕を持たせようと株主還元の強化を控えていたが、好調な
業績を受けて積極的な株主還元にかじを切る。
りそなホールディングス(HD)は200億円を上限とする自社株買いを公表した。三井住友トラストHDは記念配を含め、年配当を前期から
35円増やす方針だ。
2024/05/16 12:47 日経速報ニュース
16日の東京株式市場でメガバンク株の明暗が分かれている。前日に発表した2024年3月期決算で1000億円を上限とする自社株買いを発表
した三井住友フィナンシャルグループは年初来高値を更新した一方、還元策が市場の期待に届かなかったとして三菱UFJフィナンシャル・グル
ープとみずほフィナンシャルグループは軟調に推移した。足元の金利上昇によって銀行の収益環境は改善しているものの、銀行株全体を再評
価する状況には至っていないようだ。
三井住友FGは一時2.61%高の9444円まで上昇し、2008年6月以来およそ16年ぶりの高値を付けた。一方、三菱UFJは一時5.56%安、みず
ほFGも2.48%安まで下げる場面があった。明暗を分けたのは、自社株買いの規模感に対する市場の受け止めだ。
三井住友FGの自社株買いの金額である1000億円について「好印象」(野村証券の担当アナリスト、高宮健氏)との受け止めが多い。一方、
三菱UFJの自社株買いも1000億円だが、前期(年4000億円)に比べるとペースは鈍化しており、市場では「ネガティブサプライズ」(SMBC
日興証券の担当アナリストである佐藤雅彦氏)との声が聞かれる。みずほFGは自社株買いの発表がなかった。
3メガバンクの収益環境はそろって改善している。3メガの24年3月期の大企業向け貸出金利ざやは前の期に比べて0.05%拡大し、0.59%と
なった。今期(25年3月期)の連結純利益予想は、3行とも市場予想であるQUICKコンセンサスを上回った。
ただ、株式市場は金利の先高観による利ざや改善をすでに織り込んできた経緯があり、改めて材料視する動きにはつながっていない。三井
住友FGは年初来高値を更新したものの、3銘柄ともPBR(株価純資産倍率)は節目の1倍を下回る水準にとどまる。
前日の米株式市場では4月の米消費者物価指数(CPI)などを受けて米連邦準備理事会(FRB)による年内の利下げ観測が強まり、米長期
金利は4.34%とおよそ1カ月ぶりの低水準で終えた。海外の金利上昇という追い風は弱まりつつある。
3メガは今期の増配を決め、ともに3%台と高い配当利回りに着目した買いは支えとなりそうだ。もっとも、再び銀行株が物色の主役となるため
には「日銀が金融政策の正常化に向けて次の一手を打つことが必要」(国内証券のトレーダー)との見方が多い。しかし、16日発表の2024年
1?3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は2四半期ぶりにマイナス成長となった。「日銀の正常化はいったん後退した」との見方は、きょうだ
けでなく当面、銀行株の重荷となる可能性が高い。
2024/05/16 16:33 日経速報ニュース
国内金利に上昇圧力がかかるなか、メガバンクが円金利に食指を動かし始めているようだ。15日に出そろった三菱UFJフィナンシャル・グル
ープ(8306)などの2024年3月期決算では、一部でデリバティブ(金融派生商品)を使って金利リスクを取る様子が明らかになった。市場参加
者からは「銀行勢が円金利のポジションを部分的に復元している」との声が出ている。
メガバンクの決算のなかで債券市場参加者が注目したのが、固定金利と変動金利を交換する金利スワップ取引の残高だ。「固定金利受け
・変動金利払い」の残高(ヘッジ会計適用分、想定元本ベース)をみると、三菱UFJは24年3月末時点(連結ベース)が41兆964億円だった。
23年9月末時点(31兆4935億円)から約9.6兆円増えた。
このスワップ取引は固定金利を受け取る代わりに変動金利を支払うもので、国債を買うのと同じ経済効果を持つ。三菱UFJは年限別で「
1年超5年以下」の取引を半年前から11.8兆円も増やし、全体の残高を押し上げた。みずほフィナンシャルグループ(8411)も傘下2行合算
で、固定金利を受け取る取引の残高が昨年9月末から3.4兆円増えた。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは「預金者への支払利息や経費などを考慮した銀行の資金調達コストを中期ゾーン
のスワップ金利が上回り、日銀の大規模緩和下で削減してきた円金利のポジションを復元する動きが一部出始めたとみられる」と推察する。
一方、日本国債の現物については残高を減らしていた。例えば三菱UFJ(傘下の2行合算ベース)の国債保有残高は24年3月末時点で
35.9兆円(23年9月末は36.4兆円)、平均残存年限(デュレーション)は1.0年(同1.3年)だ。みずほFGも3月末の国債保有残高が10.9兆円
(同19.9兆円)、ヘッジ考慮後のデュレーションは0.3年(同0.7年)と円債のリスクを落とした形だ。
銀行勢が国債残高を減らす一方、金利スワップのポジションを積み上げたのはなぜか。SMBC日興証券の奥村氏は「国債利回りよりスワ
ップのほうが絶対的な金利水準が高かったことや、日銀が長く続けたイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を撤廃し中長期ゾーンの
国債利回りの先高観が強かったためではないか」と指摘する。
日銀が年内に追加利上げへと動くとみられるなか、市場では6月にも国債購入の減額方針を決めるとの思惑がくすぶる。債券需給が緩め
ば金利の先高観が強まりかねず、「銀行勢による円金利のポジションの復元が本格化するのはまだ先」(国内証券のストラテジスト)との声
も漏れる。
しかし、15日に中期経営計画の見直しを発表したゆうちょ銀行(7182)の笠間貴之社長は記者会見で「国内金利が上昇基調に転じたこと
から、預金から日本国債へのシフトを積極的に進めていく」と語った。金利上昇に伴い、負債のコストと比べて投資を検討できる水準まで国債
利回りが上昇すれば徐々に投資家の買いが入り始める。メガバンクの決算はそうした市場環境にいずれ戻るとの見方を強めたといえそうだ。
[東京 17日 ロイター] - <10:45> 日経平均は下げ幅縮小、日銀国債買い入れオペ据え置きで安心感
日経平均は下げ幅を縮小し、前営業日比約170円安の3万8700円半ばで推移している。日銀の国債買い入れオペのオファー額が据え置き
となり、市場では「減額されるかもしれないとの懸念もあったので、ひとまず安心感が出ているようだ」(国内証券・ストラテジスト)との指摘が聞
かれる。外為市場ではドルは155円台後半と、やや円安に振れて推移している。
個別では、東京エレクトロン(8035.T)b、ファーストリテイリング(9983.T)b、ソフトバンクグループ(9984.Tが引き続き軟調。アドバンテスト(6857.T)
は小幅高。
一方、銀行株がしっかりで、三井住友フィナンシャルグループ(8316.Tが2%超高、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T)が約3%高、みず
ほフィナンシャルグループ(8411.T)が約1%高で推移している。
2024/05/17 11:29 日経速報ニュース
(11時10分、プライム、コード8316)三井住友FGが7日続伸している。一時、前日比261円(2.77%)高の9661円まで上げ、連日で年初来高値
を更新した。好調な業績見通しや株式還元の姿勢を評価した買いが続いている。
三菱UFJ(8306)やみずほFG(8411)も高い。3メガバンクは15日に2024年3月期(前期)の連結決算を発表し、25年3月期(今期)の連結純利
益が市場予想(QUICKコンセンサス)を上回る見通しを示した。
三菱UFJは決算と同時発表の自社株買いの規模感が物足りないとの受け止めなどから前日に下落。
みずほFGは自社株買いの発表がなく、下げた。
市場では「先行き日銀の金融政策の正常化が進めば、メガバンクの収益が一段と伸びるとみられるため、あらためて見直し買いが入っている
」(アイザワ証券の三井郁男投資顧問部ファンドマネージャー)との見方があった。
■最高益なのに「ネガティブサプライズ」
メガバンクの業績が絶好調だ。5月15日に発表された2024年3月期決算は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFGの
いずれも過去最高益を更新した。3社合計の純利益は3.1兆円で、金融緩和が始まった2013年以降の最高益である2.5兆円を軽々と上回った。
過去最高益を発表した翌日、三菱UFJとみずほの株価は下落の憂き目に
ところが、好業績に対する株主の評価は「失望」だった。翌16日、三菱UFJFGの株価は終値ベースで4.28%下落し、みずほFGも1.04%の値下
がり。上昇したのは、三井住友FGの2.14%だけだった。会社と投資家がすれ違うきっかけとなったのは「株主還元」だ。
「極めて力強い決算だ」(三菱UFJFGの亀澤宏規社長)、「業務環境が非常に良かった」(三井住友FGの中島達社長)、「実力がついている」(み
ずほFGの木原正裕社長)。15日の記者会見で、各社の首脳は決算内容に自信をのぞかせた。
企業の設備投資や企業買収などに伴う資金需要が旺盛で、国内外の金利上昇に伴い利ザヤも拡大。大型の企業倒産は少なく、株高で資産
運用ビジネスも伸長。円安による為替差益まで享受できた。
その勢いは衰えず、メガバンク各社は2025年3月期も最高益更新を見込む。年内にも日本銀行が追加利上げに動けば、純利益はさらに上振
れる。
ところが、そんな期待をよそに、市場は「失望売り」で反応した。
「ネガティブサプライズ」。5月15日付のSMBC日興証券・佐藤雅彦シニアアナリストのレポートは、こんな見出しで始まった。「自社株取得が
1000億円(中略)に留まり、24年3月期の年4000億円や弊社予想の年5000億円を下回るペースとなった」。
投資家が注目していたのは、三菱UFJFGの約1.5兆円という過去最高益よりも、その活用法だった。同社は2023年度に4000億円、2022年
度にも4500億円の自己株取得を行っている。過去最高益がすでに織り込まれる中、市場の関心は「還元」の規模だった。フタを開ければ、三
菱UFJFGは決算と同時に自己株買いこそ発表したものの、上限は1000億円にとどまった。
■資本の制約で自己株買いを躊躇
三菱UFJFGも、市場で高まる大規模還元への期待を察知していなかったわけではない。だが、資本の制約がそれを阻んだ。同社の自己資
本比率は、3月末のCET1比率(普通株式Tier1比率)が10.1%。その0.1ポイントに当たる1000億円分の自己株を買い戻せば、ちょうど10%に
収まる計算だ。
買いが)最適だと判断した」(亀澤社長)。だが、財務規律を守る事情があるにせよ、結果的に投資家の失望売りを招いた。
同じく失望売りに見舞われたのがみずほFGだ。三菱UFJFGや三井住友FGと比べて自己資本に乏しい同社は、2008年を最後に自己株買い
を行っていない。
そのため三菱UFJFGや三井住友FGと比べて、みずほFGに対する自己株買いへの期待はもともと小さかった。だが、銀行業界で相次ぐ好決
算に加え、みずほFGのCET1比率(その他有価証券評価差額金を除く)が2023年末時点で9.7%と、10%の大台が見えていた。
市場では16年ぶりの自己株買いもささやかれたが、「成長投資もしないといけない。(自己株買いを行うには)もう一段資本が欲しい」(木原社
長)とやはり見送り。これが一部投資家の売りを誘ったようだ。
唯一前向きな評価を受けたのは、上限1000億円の自己株買いを発表した三井住友FGだ。同社はコロナ禍の2020年3月期を除いて、年間
1000億~1500億円の新規取得枠を設けており、今回も順当な還元策と受け止められた。同時に発表した1対3の株式分割も、株価を押し上
げる一因になった。
■かつてなく高い投資家の期待
次の焦点は、今期の中間決算で株主還元が上乗せされるかどうかだ。「収益状況も見て、中間期に議論したい」(三菱UFJFGの亀澤社長)、
「視野に入っていないとは申し上げない」(みずほFGの木原社長)。首脳の発言からは、自己株買いへの関心がうかがえる。
各社が目標とするPBR(株価純資産)1倍は、しばらくは逃げ水を追う状況となりそうだ。一般に、PBRの分母となる1株当たり純資産は、直近の
本決算期末の数値を参照する。本決算をまたげば純資産が膨らむため、その分だけ株価が上がらなければPBRは下がってしまう。
3月に1倍を取り戻した三菱UFJは、決算発表を受けた株価下落で再び1倍を割ってしまった。三井住友FGは0.8倍台、みずほFGも0.7倍台で
くすぶる。
青天井とも言える投資家の期待。「ポジティブサプライズ」を与えるハードルは、かつてないほどに高い。