パキスタンのパンジャブ州で今月3日、生後10か月の女児の腹部から未発達の双子の片割れが摘出された。英医学雑誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal)」によると、これは50万人に1人の確率で発生する先天性奇形「胎児内胎児(FIF)」で、執刀医らを驚愕させたという。英ニュースメディア『The Sun』などが伝えた。
パンジャブ州サディカバードの「ベイクタワー・メモリアル病院(Bakhtawar Memorial Hospital)」に最近、生後10か月の女児(名前は明らかにされず)が激しい腹痛を訴えて訪れた。
パンジャブ州サディカバードの「ベイクタワー・メモリアル病院(Bakhtawar Memorial Hospital)」に最近、生後10か月の女児(名前は明らかにされず)が激しい腹痛を訴えて訪れた。
超音波検査の結果、女児の腹部に腫瘍があること、また腹部が腫れて水が溜まっていることが判明し、小児外科のムシュタク・アーメド医師(Dr. Mushtaq Ahmed)らによる緊急手術が行われた。
ところが手術が順調に進んで2時間が経った頃、医師らは腹部の塊がただの腫瘍ではないことに気付いた。それは未発達の双子の片割れで、母親が妊娠中に女児の腹部に吸収されてしまったものだった。
女児の父親は「娘は誕生以来ずっと腹痛で苦しみ、何度も治療を受けてきた。しかし腹部の不快感は改善されず、詳しい検査をしてもらおうと総合病院を訪れた」と述べており、今回の発見に目を丸くしているという。
アーメド医師は「手術で摘出したのは、亡くなった双子の一方が女児の腹部に取り込まれてしまうことで起きる『胎児内胎児(FIF)』で、非常に珍しいケース」と説明し、次のように語った。
「女児の手術は非常に複雑だった。しかし手術は成功し順調に回復している。摘出された胎児の一部はすでに研究所に送られ、現在詳しい調査が進められている。」
なお通常、妊娠初期に双子の片割れが亡くなると、子宮に吸収されて胎児が消えてしまう(バニシング)。この現象は「バニシングツイン」と呼ばれ、医療関連のオンラインサイト『WebMD』は「ある研究では双子の妊娠の36%で起きている」と報告している。高齢出産の増加などにより、この数はさらに増えると推測されているが、今回の女児のケースのように亡くなった胎児が双子の片割れの体内に取り込まれてしまう「胎児内胎児」を起こすことは稀で、世界での報告数は200例余りという。
今回摘出された胎児の大きさなどについては明らかにされていないが、インドでは昨年、生後20日を過ぎた女児の腹部から不完全な胎児8体が摘出され、非常に稀なケースとして注目された。女児は誕生時、腹部が異様に腫れてしこりがあったという。
(続きは以下URLから)
https://news.livedoor.com/article/detail/24926909/
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