カナダの11月4日発表予定のカーニー政権初の予算案は、企業が新たな機械設備などの資本コストをより積極的に早期償却できる制度を導入する。これは米国が今年夏に発表した「One Big Beautiful Bill」に似た措置で、企業投資を促進する狙いだ。米国では効果が出ているものの、投資が企業用ジェット機などにも向かっているため一部で批判もある。カナダはこの制度で競争力を高め、投資を促進しようとしている。
9月の米国のPending Home Sales?(契約ベースの中古住宅販売見込み)は、前月比で変わらず、予想の1.0%増を下回った一方、前年比では1.5%の上昇で、2024年11月以来の高い伸びを示した。住宅ローン金利の低下が買い手の負担軽減に寄与しているが、求人市場の弱まりや政府機関の一時閉鎖が販売活動に悪影響を及ぼす可能性も指摘されている。地域別では南部と北東部で契約が増加し、中西部と西部では減少。この指標は中古住宅販売の先行指標となっている。
2. 米国際貿易裁判所(Court of International Trade)(共和党政権3名対民主党政権6名) 2025年5月28日、米国際貿易裁判所は、トランプ大統領の世界的な関税措置を巡り、その多くの部分について違法だとして阻止する判断を下した。国際貿易裁判所は、米憲法上、関税引き上げは連邦議会の権限であり、トランプ米大統領が関税措置を正当化するために国際緊急経済権限法を適用したのは不適切だと辺団した。
1.MAGA(Make America Great Again:アメリカ合衆国を再び偉大な国にする) 1979年、米国がインフレ高進と景気減速が併存するスタグフレーションという深刻な経済状況悪化に悩まされていた頃、1980年の大統領選挙におけるレーガン陣営のピンバッジやポスターで使われた。 2016年の米大統領選挙において、レーガン第40代米大統領を尊敬していたトランプ米大統領が選挙運動で活用して、2度(2017年、2025年)、ホワイトハウスに乗り込んだ。
米国に対する懸念材料は他にも、ホワイトハウスが12日、10月消費者物価指数(CPI)や雇用統計を発表しない可能性があるとしたこと。両指標ともに米労働省統計局(Bureau of Labor Statistics=BLS)が公表する指標だ。今年9月にトランプ米大統領がBLS長官を解任し、統計の専門家が同局を去ったことで、政府閉鎖期間のデータが集約できないという不測の事態に陥っている。この人事についても政権を批判する声も上がっている。
日経225先物オプション実況スレ5
https://talk.jp/boards/market/1755123716
昨日の海外市場では、ドル円は引き続き高市トレード。今回の大きなテーマは国内勢よりも海外勢の反応の方が大きいわけで、昨日も本格的な動きは欧州勢参入後となりました。チャート上での最初のポイントであった8月1日の高値150.92円を上抜けて152.03円まで上昇した後は150.74円までの下押し。その上の、昨日最も重要視されていたレジスタンスレベルである3月28日の高値151.21円に面合わせした後の下押しが150.98円。NY時間午後になって、このレベルを上抜けると上げ足を速めて一気に152.04円まで買い上げられることになりました。
アジア時間に入ってからは、ポジション調整などによる下押しが151.74円にとどまると、市場では「152.00円のドルコールのショートが大量に残っている」といった需給関係が影響してか、しばらくは昨日高値の152.04円を挟んだもみ合いが続いたものの、結局は買戻しを余儀なくされる展開に。オプション絡みの諦めの買戻しが断続的に観測されるなか、RBNZの50bp利下げを受けたキーウィの急落も全般ドル買いを後押し。一時152.65円まで戻り高値を更新しているといったところです。
いずれにしても、週明けにもお伝えしたように、市場は久しぶりに大きなテーマを与えられたことから、一斉にその方向性を取り始めているわけで、既に理屈ではないサナエノミクス相場の真っ只中。昨日も、自民党税制調査会の人事権を持つ政調会長にコバホークを選任したことを受けて、ラスボスが自ら辞任せざるを得ない状況となるなど、その準備周到振りが評価されています。かかるラリーが想定以上に長続きする状況を念頭に入れておく必要があるのかもしれません。
本日のロンドン為替市場では、ドル円主導のドル高の流れが続くかを見極めつつ、フランスの与野党協議に関する報道や複数の欧州当局者の講演内容に注意を払いながらの取引となりそうだ。経済指標は、序盤に8月独鉱工業生産や9月スウェーデン消費者物価指数(CPI)が発表される程度だ。
積極財政を掲げ、金融緩和を志向するとされる高市早苗氏が与党自民党の総裁に選ばれ、日本株高や円安が急速に進んでいる。ほぼ確定とはいえ、新首相に高市氏が選ばれていない中で「相場が先取りし過ぎている」という見方もできるが、高市トレード(株買い、円売り、超長期債売り)を軸とした値動きは今後も続きそうだ。ただし、金融市場には必ずある「大きく動いた後の反動」だろう。
フランスでは、組閣早々に首相を辞任したルコルニュ氏が、マクロン大統領の要請で、これ以上の政治危機の悪化を防ぐために野党と本日まで協議中だ。もっとも、勢いが増している野党が明らかに混迷している与党に歩み寄るとは思えず、マクロン大統領にとっても状況はさらに厳しくなりそうだ。2年連続の議会解散・総選挙となれば、先行き不透明感の高まりから、しばらくユーロは買いづらくなりそうだ。
欧州金融当局者では、エスクリバ・スペイン中銀総裁やミュラー・エストニア中銀総裁、エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演が予定されている。ECBの政策金利公表は今月30日だが市場は据え置きを織り込み、こちらはサプライズなしと見込む。前回の理事会以降に「利下げ打ち止め感」が広がりつつあり、こちらに関する当局者見解に注目したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、6日高値1.1731ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月27日安値1.1574ドル
ドル円:1ドル=152.41円(前営業日NY終値比△0.51円)
ユーロ円:1ユーロ=177.06円(▲0.01円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1617ドル(▲0.0040ドル)
日経平均株価:47734.99円(前営業日比▲215.89円)
東証株価指数(TOPIX):3235.66(△7.75)
債券先物12月物:135.68円(▲0.19円)
新発10年物国債利回り:1.695%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年比 1.5% 3.4%・改
8月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
3兆7758億円の黒字 2兆6843億円の黒字
経常収支(季節調整済)
2兆4635億円の黒字 1兆8828億円の黒字
貿易収支
1059億円の黒字 1894億円の赤字
9月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 47.1 46.7
先行き判断指数 48.5 47.5
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・NZドルは急落。0.25%と0.50%の利下げで予想が拮抗するなかで、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が0.50%の利下げを発表。声明でも追加利下げを示唆したため、発表後は対ドルで0.5737米ドル、対円で87.45円まで急速に値を下げた。
・ドル円は強含み。前日の大幅高に対する調整売りが先行すると151.74円まで値を下げた。ただ、対NZドルでドル買いが強まると次第に下値を切り上げた。11時前後には一時152.65円と2月14日以来の高値を付けた。その後は買いが一服したものの下押しも極めて限定的となっている。
・ユーロ円はもみ合い。ドル円の上昇につれる形で177.46円まで上昇し、連日で史上最高値を更新した。ただ、ユーロドルが下落すると利食い売りが出て176.90円まで伸び悩んだ。
・ユーロドルは弱含み。対NZドルでのドル高がその他通貨に対しても波及した。目先のサポートとして意識されていた9月25日安値の1.1646ドルを下抜けるとストップロスを巻き込みながら1.1607ドルまで下落し、8月27日以来の安値を更新した。
・日経平均株価は5営業日ぶりに反落。前日の米ハイテク株が下落した影響から半導体関連株を中心に売りが広がった。最高値圏とあって利益確定売りも出やすく220円超下げた。
・債券先物相場は3日続落。高市自民党総裁の下で積極的な財政政策が進むとの思惑が連日相場の重しとなった。
英国政府は、トランプ大統領が表明した製薬品への最大100%の関税の脅威に対応すべく、国家医療サービス(NHS)が製薬会社に支払う薬価を引き上げる提案を検討しているとポリティコが伝えた。今週、NHSの薬価設定見直し案について米政権に説明が行われた。主な内容は、治療の費用対効果を評価する国立医療技術評価機構(NICE)の基準を25%引き上げることだ。これにより高価な薬もNHSが採用しやすくなるが、全体の医薬品支出が増えることになる。
製薬業界はトランプ政権の圧力から製造拠点を米国内に移す動きを強めており、アストラゼネカやグラクソ・スミスクラインなどは米国での関税回避のための協議を進めている。米国の製薬会社は、米国市場での高価格を維持するために他国の価格を引き上げる圧力を強めており、英国も薬価引き上げが不可避との見方もある。
政府関係者は製薬業界との協力の重要性を強調し、NHSや経済への影響を考慮しつつ、米国との交渉を進めている。だが高まる薬価負担はNHSの財政圧迫を招く懸念もあり、医薬品供給の安定や投資維持を巡る政治的調整が続く見込みだ。
豪大手銀行ANZは、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が11月26日の会合でさらに0.25%の利下げを実施すると予測している。同行は、本日の0.50%利下げを「中立的な動き」と評価し、RBNZが追加緩和に対して「オープンな姿勢」を示しているものの、明確なシグナルは出していないと指摘。ANZの見立てでは、現行の金融緩和の流れが持続し、次回会合でも追加措置が取られる可能性が高いとしている。
ケニア外務省アフリカ局長デニス・ムブル氏は、COMESA(東部・南部アフリカ共同市場)サミットを前に、ナイロビでエジプトのモスタファ・マドブリー首相を歓迎した。COMESAサミットは地域の指導者が集い、貿易・投資促進や経済統合強化の方策を議論する重要な会合で、2025年10月6日から9日までケニヤッタ国際会議場で開催される。今回のテーマは「デジタル化を活用し、持続可能かつ包括的な成長のための地域バリューチェーンの深化」で、地域統合と経済発展の鍵となるイベントと位置付けられている。ケニアは今回の議長国を務め、地域経済の連携強化に積極的に関与する姿勢を示している。
トルコ外務省は、イスラエルによるガザへの自由船団介入を国際法違反の重大な海賊行為と強く非難した。自由船団にはトルコ市民や議員も含まれており、この介入は国際法に反するものと声明で指摘している。さらに、トルコのエルドアン大統領はハマスと連絡を取り続け、パレスチナの将来に向けた最も適切な道筋を説明していると表明した。
Statistaの2024年から2025年にかけての調査によると、メキシコ、南アフリカ、ブラジルの3カ国では、回答者の3分の1以上が自国での暴動や暴力的な抗議活動を懸念している。インドとドイツも29%で関心が高まっており、2022年以降増加傾向にある。多くの国では約4分の1の人が不安を抱えているが、米国では減少傾向が見られる。一方、英国、イタリア、ポーランド、フィンランドでも不安が増し、カナダ、オーストラリア、日本、韓国、中国では関心は比較的低く、約6%にとどまっている。これらの調査結果は、世界各地の社会的不安や抗議活動への懸念が地域ごとに異なる実態を示している。
アメリカ政府が部分閉鎖に入って1週間が経過し、共和党指導部は政府再開の足並みが乱れている。トランプ大統領はオーバルオフィスで「民主党と医療制度の取引を望む」と発言したが、数時間で撤回し、政府再開を優先させる必要があると述べた。共和党の下院議長マイク・ジョンソンと上院多数党院内総務ジョン・スーィーンは政府再開に向けた強調を続けるが、トランプ氏やホワイトハウスの予算局長ラッセル・ヴォートは強硬姿勢を続け、民主党批判と連邦職員の解雇示唆で混乱を招いている。
ジョンソン氏は連邦職員の給与保障を支持しているが、トランプ氏は「場合による」と矛盾発言を繰り返し、共和党内の統一戦略形成を難しくしている。共和党内では慎重派と強硬派の対立も目立ち、政府閉鎖の早期解決が困難な状況だ。民主党は医療保険補助金問題に焦点を当て交渉を進めており、共和党内の分断を利用しつつ強硬策を維持している。政策の不透明感と内部亀裂は、来年の中間選挙へ共和党の大きなリスクとなっている。
英中銀(BOE)は8日、2日に行われた金融行政委員会(FPC)での記録を公表した。その中で米連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する認識が急激または大幅に変化した場合、米ドル資産の価格が急激に見直される可能性があるという。加えて、株式評価は特にAIに注力するテクノロジー企業で過大評価されており、株式市場は期待が弱まると大きな下振れリスクにさらされると指摘している。また、市場の急激な調整リスクが高まっており、英国の金融システムへの波及リスクも顕著であるため、BOEは逆景気資本バッファーを2%に維持し、中期的に高インパクト事象のリスクが増加していると報告した。
大阪12月限
日経225先物 47760 -180 (-0.37%)
TOPIX先物 3237.5 +8.5 (+0.26%)
日経225先物(12月限)は前日比180円安の4万7760円で取引を終了。寄り付きは4万7980円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8010円)にサヤ寄せする形で、小幅に買いが先行した。現物の寄り付き直後に4万7930円と下落に転じたが、その後は押し目待ち狙いのロングが入り、前場中盤にかけて4万8240円まで買われた。
買い一巡後は短期的なショートも入り上げ幅を縮めたが、4万8000円水準で底堅さがみられていた。ただし、後場中盤辺りに4万8000円を明確に割り込むと、終盤にかけては4万7800円~4万7900円処のレンジで推移し、4万7760円と本日の安値で取引を終えた。
前場は概ねボリンジャーバンドの+2σ(4万7940円)を支持線とした値動きが続いていたが、後場半ばに同バンドを下抜けたことで、持ち高調整に伴うロング解消の動きになったほか、短期的なショートも入ったとみられる。米国の流れを受けてソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の下げが日経平均型の重荷となり、積極的なロングも慎重にさせていた。
そのほかの要因としては、立憲民主党の安住淳幹事長が15日に予定される首相指名選挙を巡り、「国民民主党の玉木雄一郎代表が野党の統一候補になり得る」との考えを示したと後場半ばに報じられたことも、ショートに向かわせた面があったとみられる。ただし、週初の「高市トレード」で弱さが目立っていた銀行や保険などの金融セクターには買い戻しがみられており、リバランスの範囲内といったところであろう。
+2σはナイトセッションで4万8230円まで上昇しており、目先的には抵抗線として意識されそうだ。とはいえ、足もとでは4万8000円近辺での底固めの動きが意識されるため、積極的なショートは避け、押し目狙いのロングでの対応に向かわせそうである。来週の首相指名選挙で、高市早苗自民党総裁が日本初の女性首相に選ばれる公算が大きいことに加え、トランプ米大統領訪日を27日を軸に調整していることもあり、短期的な調整を入れつつも基本はロング対応となろう。
また、週足の+2σ(4万7700円)を上回っているため、来週以降、同バンドが支持線として意識される可能性もある。そのため、オプション権利行使価格の4万7750円から4万8000円辺りではロングが入りやすいとみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.75倍に低下した。一時14.71倍をつける場面もあり、+2σ(14.91倍)を明確に下放れてきた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が下落する一方で、金融セクターが買い戻されており、相対的にTOPIX型優位のなかでNTロングを巻き戻すリバランスが入ったようだ。目先的には+1σ(14.59倍)と+2σによるレンジが意識されそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8309枚、ソシエテジェネラル証券が1万5733枚、JPモルガン証券が4605枚、サスケハナ・ホンコンが4602枚、モルガンMUFG証券が3028枚、SBI証券が2246枚、バークレイズ証券が2206枚、野村証券が1872枚、ドイツ証券が1604枚、日産証券が1479枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万5778枚、ソシエテジェネラル証券が2万2095枚、バークレイズ証券が6669枚、JPモルガン証券が5366枚、モルガンMUFG証券が4318枚、ゴールドマン証券が3905枚、ビーオブエー証券が3417枚、サスケハナ・ホンコンが2860枚、シティグループ証券が2105枚、野村証券が2032枚だった。
本日のNY為替市場では、米政府機関の一部閉鎖が続く中、ドル円は米要人発言を確認しつつ、「高市トレード」による円安の持続力を見極めることとなろう。
週初から「高市トレード」(日本円売り・日本国債売り・日本株買い)が続いており、ドル円は本日19時前に153円台に乗せる場面が見られた。前週末までの動きを見ても高市新総裁誕生を織り込んでいたとは言えず、しばらくは「高市トレード」が続きやすいと見る。
ドル円の153円台について、2月の下落局面ではあまり攻防の分岐点とならなかったこともあり、目ぼしいポイント2月14日高値153.15円くらいと少なめ。もし上抜くようだと、心理的節目の154円を見据えた動きも想定される。
ただ、懸念があるとすれば、高市氏が新首相に選出されるかであろう。首相就任にあたり、臨時国会が召集され、衆参本会議での首相指名選挙を実施して選出される必要がある。現在、衆議院での自民・公明の連立政権の議席数は220に留まり、過半数(233議席)に届かない。臨時国会の召集は当初15日と見られていたが、一部で「20又は21日で検討」と報じられており、連立交渉の行方に注意したい。各種報道などで高市首相実現の可能性が後退することがあれば、これまで売られた円を買い戻す動きが出ても不思議ではない。
米経済イベントでは、米政府機関閉鎖により政府系の経済指標の発表の延期が続く中、NY序盤にムサレム米セントルイス連銀総裁やバー米連邦準備理事会(FRB)理事、午後にはカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の発言機会が予定されている。ムサレム総裁以外ハト派と見られる中、金融政策や雇用についての発言があれば材料視される可能性がある。
それ以外では、手詰まり感が強い仏政局不安については、関連報道を受けてユーロドルが動き出す場面ではドル円にも波及が予想される。米上院での予算協議の行方も不透明感が漂っているが、こちらも推移を見守りたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、心理的節目の154.00円
想定レンジ下限
・ドル円は、本日安値151.74円
今晩は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に注目。昨日は収益率悪化報道が嫌気されたソフトウェア大手のオラクルが一時7%超下落し、AIトレードの持続性が懸念されたほか、政府機関の一部閉鎖が7日目に入ったことも嫌気され主要3指数がそろって下落。ダウ平均が91.99ドル安(-0.20%)と2日続落し、S&P500が0.38%安と8営業日ぶりに反落。ハイテク株主体のナスダック総合も0.67%安と反落した。一方、安全資産とされる米国債や金が上昇。米10年債利回りは前日の4.162%から4.128%に低下(価格は上昇)し、金が初めて4000ドルの大台を突破し、史上最高値を更新した。
今晩はAIトレードの失速懸念や政府閉鎖問題が引き続き上値の重しとなることが予想される一方、年内2回の利下げ期待が下値支援となることが期待されるが、利下げを巡り取引時間午後に公表される9月16-17日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が注目される。政策金利が0.25%引き下げられた9月FOMCでは、新たに就任したミランFRB理事が0.50%の大幅利下げを主張したとされており、年内の利下げ見通しを巡り、議論の内容に注目が集まる。また、バー米連邦準備理事会(FRB)理事やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の発言・講演も予定されており、利下げを巡る要人発言にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC議事要旨のほか、MBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫、米10年債入札など。主要な企業の決算発表はなし。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
風雲急を告げるフランス政局 左派政権誕生か、解散・総選挙か?
マクロン大統領は辞任したルコルニュ首相に対して、48時間以内に野党の政権協力の可能性を改めて模索するように指示を出し、こうした試みが失敗に終わった場合、国民議会の解散・総選挙を行う意向を示唆している。政権に近い人物から、左派が要求する年金改革の見直しに前向きな発言も聞かれ、この時点での議会選の前倒しを望まない左派が政権協力に傾く可能性が出てきた。他方で、政権協力を取り止めた中道右派に対しても、このままでは左派が主導する政権が誕生するとして、政権協力の再考を求めている。左派が主導する政権が誕生するのか、解散・総選挙に突入するのか、48時間の交渉期限が近づいている。
日経平均株価は反落。前日終値を意識したスタートからは上昇する時間帯が続いたが、次第に売りに押される展開となった。
RSI(9日)は前日74.5%→70.5%(10/8)に低下。連続陰線で伸び悩む展開となったが、6日の長い陽線の上方で高値保ち合いが続いた。目先的には高値更新後の揺り戻しが続くことも想定されるが、基本的には上目線のトレンドフォロー継続である。
上値メドは、心理的節目の48000円や10/7高値(48527円)、49000円、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近が考えられる。下値メドは、心理的節目の47500円や5日移動平均線(46867円 10/8)、46000円、10/3高値(45778円)、心理的節目の45000円、25日移動平均線(44842円 同)などがある。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.117%、応札倍率(カバー)が2.48倍となった。
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.86円(8日15時時点比△0.45円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.42円(△0.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1607ドル(▲0.0010ドル)
FTSE100種総合株価指数:9548.87(前営業日比△65.29)
ドイツ株式指数(DAX):24597.13(△211.35)
10年物英国債利回り:4.709%(▲0.010%)
10年物独国債利回り:2.679%(▲0.030%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独鉱工業生産
(前月比) ▲4.3% 1.3%
(前年比) ▲3.9% 1.5%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。自民党の高市早苗新総裁が志向する積極財政や金融緩和を背景とした財政悪化懸念や日銀の早期利上げ観測後退を手掛かりに、この日も円売り・ドル買いが進んだ。19時前には一時153.00円と2月14日以来約8カ月ぶりの高値を更新した。市場では「ヘッジファンドが円の下落を見込んだオプションの購入を拡大しているほか、実需のドル需要が旺盛だ」との声が聞かれた。
ただ、買い一巡後はやや伸び悩む展開に。このところ急ピッチで値を上げてきた反動から利食い売りなどが出て一時152.38円付近まで下押しした。
・ユーロドルは頭が重かった。「仏首相を辞任し暫定的に職務を続けるルコルニュ氏は年内の予算成立に向けた与野党の合意形成について楽観的な見通しを示した」と伝わると、仏政局不安が緩和。ユーロを買い戻す動きが先行し一時1.1645ドル付近まで下げ渋った。
ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利が上昇に転じたことなども相場の重しとなり、1時30分過ぎには一時1.1599ドルと8月27日以来の安値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.05と8月11日以来の高値を付けた。
・ユーロ円は底堅い動き。高市総裁就任以降、日本の財政が悪化するとともに日銀が利上げをしづらくなるとの見方から円売りが出やすい地合いが継続。20時前には一時177.85円と1999年のユーロ導入以来の高値を更新した。ただ、そのあとはドル円と同様に、利益確定目的の売りが出て177.19円付近まで伸び悩んだ。
・ロンドン株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。外国為替市場でポンド安が進むと、ポンド安の恩恵を受けやすい銘柄などに買いが集まった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、HSBCホールディングスやバークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。「仏首相を辞任し暫定的に職務を続けるルコルニュ氏が年内の予算成立に向けた与野党の合意形成について楽観的な見通しを示した」と伝わると、仏政局不安が緩和し仏国債相場が反発。投資家心理が上向き、欧州株全般に買いが入った。
・欧州債券相場は上昇。フランスでの政治や財政悪化に対する警戒感がやや後退し、仏国債相場が反発すると、他の欧州債にも買いが波及した。
8日の日経平均は5日ぶり反落。終値は215円安の47734円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり557/値下がり999。フジクラや古河電工など電線株が大幅上昇。IHI、三菱重工、川崎重工の防衛大手3社が買いを集めた。直近で嫌われていた金融株が見直されており、三菱UFJ、東京海上、SOMPOなどが強めの上昇。「高市関連銘柄」としてストップ高が続いていた助川電気工業が、商いを伴って急騰した。好決算が確認できた銘柄には資金が殺到しており、上方修正や増配を発表したわらべや日洋がストップ高まで買い進まれた。
一方、ソフトバンクGが2%安。東京エレクトロン、レーザーテック、ディスコなど半導体株が弱かった。円安進行を受けてもトヨタ、ホンダ、日産自動車など自動車株は多くが下落。金融株に資金が向かった一方で、住友不動産や三菱地所など不動産株は敬遠された。1Q営業赤字の三協立山が大幅安。パルGHDが決算を材料に8%を超える下落となった。
スタンダード市場に新規上場したサイプレス・ホールディングスは、公開価格割れからのスタートとなり、終値も初値を下回った。
日経平均は買われる場面もあったが、後場の動きが弱く3桁の下落。7日の米国株の下落を踏まえればそれほど違和感はないが、自民党総裁選を材料に週初にロケットスタートとなった後、息切れ感が出てきている。一段の円安進行が自動車株など輸出関連の買い材料にならなかったことを鑑みると、これ以上の円安は日本株にはプラスに作用しないかもしれない。
あすは指数寄与度の大きいファーストリテイリングが決算を発表予定。きょうは上期決算発表時に上方修正や増配を発表したわらべや日洋がストップ高となったが、全体の水準が切り上がったことで、決算発表銘柄のボラティリティは大きくなりやすい。ファーストリテイリングは8月決算銘柄で今回が本決算となるだけに、期初の見通しが株価を大きく刺激する可能性がある。決算発表後はもちろんのこと、あす、発表を前に期待と警戒のどちらがより強まるかという点も注目される。9日、10日と三連休明けの14日は、ファストリ以外にも注目度の高い銘柄の決算発表が多い。好内容が多く確認できるようなら、足元の日本株の上昇もフロックではないとの見方が強まり、3月決算企業の上期業績に対する期待も高まってくるだろう。
(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.69円(前営業日比△0.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.57円(△0.50円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1628ドル(▲0.0029ドル)
ダウ工業株30種平均:46601.78ドル(▲1.20ドル)
ナスダック総合株価指数:23043.38(△255.02)
10年物米国債利回り:4.12%(横ばい)
WTI原油先物11月限:1バレル=62.55ドル(△0.82ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4070.5ドル(△66.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲4.7% ▲12.7%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は5日続伸。自民党の高市早苗新総裁が志向する積極財政や金融緩和を背景とした財政悪化懸念や日銀の早期利上げ観測後退を手掛かりに、この日も円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。欧州市場序盤には一時153.00円と2月14日以来約8カ月ぶりの高値を更新した。市場では「ヘッジファンドが円の下落を見込んだオプションの購入を拡大しているほか、実需のドル需要が旺盛だ」との声が聞かれた。
前週末終値(147.47円)と比べて5円超の円安・ドル高が進んだことから、NY市場に入ると利食い売りやポジション調整の売りなどが先行したものの、下押しは152.38円付近にとどまった。3時過ぎには152.95円付近まで持ち直している。
・ユーロドルは3日続落。フランスでの政治や財政悪化に対する警戒感がやや後退する中、22時30分前には1.1645ドル付近まで下げ渋ったものの、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利が上昇に転じたことなども相場の重しとなり、1時30分過ぎには一時1.1599ドルと8月27日以来の安値を更新した。
・ユーロ円は4日続伸。高市総裁就任以降、日本の財政が悪化するとともに日銀が利上げをしづらくなるとの見方から円売りが出やすい地合いが継続。20時前には一時177.86円と1999年のユーロ導入以来の高値を更新した。
そのあとは利益確定目的の売りが出て177.19円付近まで下押ししたものの、5時過ぎには177.63円付近まで持ち直すなど、底堅い動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均はほぼ横ばい。米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを決めるとの観測が引き続き相場を支えた半面、米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの懸念が売りを誘った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は連日で過去最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。ただ、10年債入札が「やや低調」と受け止められると売りが優勢となり値を消した。
・原油先物相場は4日続伸。主要産油国の枠組みであるOPECプラスの有志8カ国による想定範囲内の増産を織り込み、露・ウクライナ情勢がエネルギー市場へ与える影響に視点が移行しつつあるもよう。地政学リスクのくすぶりが、ロシアを中心とするエネルギー資源供給の流れへの悪影響を長引かせるとの見方が材料視されたようだ。
・金先物相場は4日続伸。米政府機関の一部閉鎖や仏政治不安が、安全資産である金への買いを引き続き意識させた。一方で米株が底堅く推移するなかでも、FRB利下げ期待を背景に米長期金利の指標である10年債利回りの上昇力が鈍い。金利がつかない資産である金の投資妙味が相対的に損なわれにくい状態である点も支援となった。
8日13:17 ニュージーランド準備銀行(RBNZ)声明
「インフレ率は2026年前半に目標レンジの中間値である2%程度に回帰すると予想」
「ニュージーランドのインフレ見通しには、上振れリスクと下振れリスクがある」
「インフレ率が2%の目標レンジ中間値付近で持続的に落ち着くために必要な場合、OCRの更なる引き下げも引き続き検討する」
「委員会は今会合において、OCRを25ベーシスポイント引き下げるか、50ベーシスポイント引き下げるかの選択肢について議論した」
「国内のインフレ圧力は予想通り引き続き緩和しており、委員会はインフレ圧力が抑制されているとの確信を深めている」
8日13:17 レーン・フィンランド中銀総裁
「今後数年間はインフレの下押しリスクがある」
「インフレ率は目標にほぼ達している」
8日14:24 ナーゲル独連銀総裁
「現在のECBの金融政策スタンスは正しい方向にある」
「インフレ率は2%の目標に近づいており、今後数年間は同水準を維持する見通し」
8日17:32 エスクリバ・スペイン中銀総裁
「適切な金利水準に達しており、さらなるガイダンスは不要」
「インフレリスクは全体的に均衡しているが、米国からの貿易の混乱は潜在的にインフレを押し上げる可能性」
「ユーロ圏の成長に対する下振れリスクは現時点で見られていない」
8日18:23 ミュラー・エストニア中銀総裁
「基本シナリオとしては、景気は徐々に回復するだろう」
9日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月16日-17日分)
「数人のメンバーは9月利下げを支持しなかった」
「大半のメンバーは今年は政策をさらに緩和することが適切と認識」
「大多数のメンバーはインフレ見通しの上振れリスクを強調」
「複数のメンバーがインフレリスクについて言及」
「雇用の下振れリスクは高まっている」
「労働市場はほぼ変化しないか、わずかに軟化する可能性が高い」
「ほぼ全員が9月の0.25%利下げを支持。1人は0.50%の利下げを支持」
「数人のメンバーは9月利下げ見送りのメリットを指摘」
「数人のメンバーはAIが労働需要を減少させる可能性があると認識」
「当局者は雇用増加の鈍化と失業率の上昇を指摘」
「大半のメンバーは短期的なインフレ率は高いと認識、目標値への緩やかな回帰を予測」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○06:45 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)理事、発言
○08:01 ◇ 9月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:▲18)
○08:15 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○15:00 ◇ 8月独貿易収支(予想:150億ユーロの黒字)
○16:00 ◇ 8月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:30 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○19:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○20:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(9月10-11日分)
○21:00 ◎ 9月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比5.21%)
○21:00 ◎ 9月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.78%)
○21:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、あいさつ
○21:35 ◎ ボウマンFRB副議長、あいさつ
○10日02:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○10日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○韓国(ハングルの日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。
8日の海外の外国為替市場でドル円は、欧州市場で153.00円まで上昇した後、NYタイムに利食い売りやポジション調整の売りで152.38円付近まで下押し。もっとも、一巡後は152.95円付近まで持ち直した。ユーロドルは、米長期金利が上昇に転じたことで1.1599ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、次期首相指名までの政治空白の間隙を突いた「高市トレード」(日本円売り・日本国債売り・日本株買い)が継続すると予想される。
ドル円は、4日の自民党総裁選での高市新自民党総裁の誕生を受けて、6日には窓を空けて上放れし、高市自民党総裁の経済政策「サナエノミクス」への思惑による「高市トレード」(日本円売り・日本国債売り・日本株買い)で153.00円まで上値を伸ばしてきている。
新政権の発足は、15日に予定されていた臨時国会での次期首相の誕生を待たなければならないが、20日頃まで先送りされる可能性が報じられており、政治空白の間隙を突いた市場の円売り攻勢が続くのかもしれない。
市場筋の見立てでは、投機筋は先週末までの円の買い持ちポジションの手仕舞いを余儀なくされた後、円・キャリートレードやドルコールオプションなどで更なるドル高・円安に備えているとのことである。
また、公明党が連立政権から離脱した場合、首相指名投票で、玉木新首相の誕生が警戒されているもようで、一寸先は闇の政治動向には警戒していきたい。
ドル円のテクニカル分析では、昨年7月の高値161.95円を頭、140円付近をネックラインとする「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成しつつ、右肩の1月高値158.87円を経由する上辺での「下降三角形」を形成中だと思われる。下降三角形の上辺は、今月154円台で下降中であり、今後の上値の注目ポイントとなっている。
ドル高・円安を抑制したい動機としては、トランプ米政権には日米貿易不均衡是正、日本の政権には、輸入物価による物価上昇抑制がある。 トランプ米政権は、貿易赤字削減のために、関税を引き上げ、ドル安志向を標榜している。ベッセント米財務長官は、2月と8月に植田日銀総裁と電話会談をして、円安抑制に向けた利上げを要請したもようだが、2月5日の電話会談時のドル円は152円-154円だった。
2024年の161円台までのドル高・円安を反転させたのは、当時の神田財務官が主導したドル売り・円買い介入であり、市場では152円を「神田シーリング」と命名している。
ドル円が週初に150円台に乗せた時点では、故安倍自民党総裁の経済ブレーンで現在は高市自民党総裁の経済ブレーンである本田元内閣官房参与が「行き過ぎ」と牽制し、加藤財務相が過度な変動への警告を発したものの、本邦通貨当局による円安阻止の本気度は伝わってこない。
東京市場は堅調か。米国株はまちまち。ダウ平均が下落した一方、S&P500とナスダックが上昇した。ダウ平均は1ドル安の46601ドルで取引を終えた。200ドル超上昇する場面はあったが、政府閉鎖の長期化懸念がくすぶる中、終盤にかけては値を消した。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが半導体の需要増加について言及したことを受けて半導体株に強い買いが入っており、ナスダックは1%を超える上昇となっている。ドル円は足元152円60銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが365円高の48125円、ドル建てが455円高の48215円で取引を終えた。
ダウ平均は下げたといっても横ばい程度で、ナスダックは強い上昇となっていることから、日本株にはプラスの影響が及ぶと予想する。米国動向から半導体株が上昇の先導役になると見込まれる。CME225先物は高寄りを示唆しており、ドル円は円安傾向が続いている。場中は売りを出しづらい地合いが醸成されることで、強い基調が続くだろう。日経平均の予想レンジは47900-48400円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 48160 +400 (+0.83%)
TOPIX先物 3248.5 +11.0 (+0.33%)
シカゴ日経平均先物 48125 +365
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場は、NYダウが小幅に下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。NYダウは一時200ドルを超す上昇をみせたが、米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの懸念が重荷となり、小幅ながら下落に転じた。ナスダック指数は大幅に反発して史上最高値を更新。イーロン・マスク氏のAI(人工知能)開発企業xAIが200億ドルの資金を調達し、エヌビディア製画像処理半導体の購入に充てるとの報道をきっかけに、エヌビディア<NVDA>が買われ、他の半導体や人工知能(AI)関連株に買いが広がった。米連邦準備理事会(FRB)が公表した9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、多くの参加者が年内にさらなる利下げが適切とみていたことが明らかになり材料視された。
S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、自動車・同部品が上昇した半面、銀行、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、キャタピラー<CAT>、シスコシステムズ<CSCO>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>が買われた。一方でゴールドマン・サックス・グループ<GS>、IBM<IBM>、メルク<MRK>、アメリカン・エキスプレス<AXP>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比365円高の4万8125円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比250円高の4万8010円で始まった。その後は4万7880円まで上げ幅を縮めたが、米国市場の取引開始後にはロング優勢となり、4万8100円台を回復。買い一巡後は4万8000円~4万8100円辺りで保ち合い、終盤にかけてレンジを上抜き4万8230円まで買われ、4万8160円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やマイクロン・テクノロジー<MU>が大幅高となるなど、根強い半導体やAI関連株への物色が指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうだ。
昨日の日経225先物はソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の下げが日経平均型の重荷となる一方、週初に下げが目立っていた銀行や保険などの金融セクターが買い戻されるなど、リバランスの動きが目立った。本日は米国市場の流れを引き継ぐ形で日経平均型が優位になるとみられ、日経225先物へのロングを誘う展開になろう。
日経225先物は前日の調整でボリンジャーバンドの+2σ(4万7940円)を割り込んだ。同バンドはナイトセッションで4万8260円辺りまで上昇してきており、+2σ水準では強弱感が対立しやすいと考えられる。ただし、4万8000円処での底固めが意識されているなかでは押し目待ち狙いの買い意欲は強く、まずはオプション権利行使価格の4万8000円から4万8250円のレンジを想定しておきたい。
+2σ水準を明確に上抜けてくるようであれば、ショートカバーを誘う形になるとみられ、7日につけた高値(4万8720円)が射程に入る。4万8250円から4万8750円のレンジに移行し、+2σと+3σ(4万9920円)によるレンジが意識されてきそうだ。
8日の米VIX指数は16.30(7日は17.24)に低下し、一時16.23まで下げる場面もみられた。75日移動平均線(16.05)や25日線(15.88)が支持線として意識されるが、直近のレンジ上限が抵抗線として機能していることで、リスク選好に傾きそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.75倍に低下した。一時14.71倍をつける場面もあり、+2σ(14.91倍)を明確に下放れてきた。値がさハイテク株の一角が下落する一方で、金融セクターが買い戻されており、相対的にTOPIX型優位のなかでNTロングを巻き戻すリバランスに向かわせたようだ。本日は米国市場の流れを受けて、+2σを意識したNTロングが入りやすいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比700円高の4万8460円(+1.46%)前後で推移。寄り付きは4万8160円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8125円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後につけた4万8090円を安値にロングの勢いが強まり、中盤にかけて4万8500円を回復。買い一巡後は4万8350円~4万8500円辺りでの保ち合いが続くなか、一時4万8540円まで上げ幅を広げた。
米国市場では半導体や人工知能(AI)関連株の上昇が強まったことで、この流れを引き継ぐ形からソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]などが日経平均型を牽引している。日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万8330円)を寄り付き後ほどなくして突破したことで、ショートカバーを誘う流れにもなっただろう。後場は同バンドが支持線として意識されるほか、7日につけた4万8720円が射程に入りそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.92倍に上昇した。ソフトバンクグループなどのインパクトによって日経平均型優位の展開となり、前日に割り込んだ+2σ(14.97倍)に接近してきた。7日につけた14.95倍を捉えてくるようだと、NTロングでのスプレッド狙いの動きが強まりやすいだろう。
昨日のドル円は、アジア時間早々に152.00円を巡る攻防を経て、ドルコールの売り方が一斉に買戻しを余儀なくされたことから上抜け。欧州時間に入ってからは日経平均先物の大幅な上昇とともに一時153.00円まで高値を更新することになりました。ただ、売りをしっかりとこなすことが出来ずに戻り売り。NY時間に入って152.38円まで下押ししています。その後は米長期金利の上昇を受けて152.95円まで買戻されたものの、再び152.64円まで下押しして9日の取引を終えました。
高市トレードは依然として米系ファンド勢の円ロングポジションの解消や、恐らくですが、ドテンまで目指す動きとなっているなかにあって、まだまだ理屈ではない展開が続いているといったところです。流石に、本日の東京市場では3連休を迎える本邦勢の動きは「かなり大人しい」状況。日経平均がザラ場の史上最高値付近まで再び大幅な上昇となっているわりには、ドル円は「調整色の強い動き」が続いています。
いずれにしても、目先はNY時間の安値152.38円や欧州時間の安値152.26円がサポートレベル。海外勢主導のサナエノミクス相場が展開されていきます。
「文学賞は、先立つ年度に出版に関わって人類の進むべき理想の方向を指し示すのに寄与した人物に授与される」(アルフレッド・ノーベル)
1.日本のノーベル賞受賞者の学歴(高校:公立高校・大学:国立大学)
今年のノーベル生理学・医学賞受賞は坂口大阪大特任教授、ノーベル化学賞は北川京大特別教授が受賞となり、これまでの日本人(個人・男性)の受賞者は30人となった。
本日ノーベル文学賞受賞が期待されている村上春樹氏の出身高校は県立神戸高校だが、大学は私立の早稲田大学であるため、過去の受賞者の学歴からは逸脱しているのかもしれない。
村上氏が日本人3人目のノーベル文学賞受賞者となった場合、日本の紙価が高まることになる。すなわち、出版業界が活況を呈し、その経済効果により、日本の景気回復基調を後押しする可能性、日本株の上昇要因、円安要因となる。
■出身大学:国立大学(東大9名、京大9名、名古屋大3名・・・)
■出身高校:28名が国公立高校出身
※江崎氏と野依氏の2名は私立高校
※利根川氏だけが東京の都立日比谷高校で、他は地方の公立高校
2.ノーベル文学賞受賞者=村上春樹氏か?
本日10月9日午後8時にノーベル文学賞受賞者が発表される。
英国のブックメーカー(賭け屋)ラドブロークス(Ladbrokes)が受賞者を予想しており、8日時点では、首位には中国の作家残雪さんとハンガリーの作家クラスナホルカイ・ラースローさんが同率で1位、村上氏は3番手に入っている。
村上氏が受賞すれば、ハルキスト達が2006年の「フランツ・カフカ賞」の受賞から19年間待ち望んでいた日本人で3人目の受賞となる。
世界中で愛読されている村上氏が受賞できない理由として、娯楽性が強過ぎること、文学賞選定委員が重視する「平和主義者」的ではないこと、日本ペンクラブに所属していないこと、などが挙げられている。
1968年に受賞した川端康成氏は、日本ペンクラブ会長から国際ペンクラブ副会長になり、平和主義者を通した。
1994年に受賞した大江健三郎氏は、日本ペンクラブの理事から副会長となり、反核声明を打ち出した。
個人的には、村上氏のデビュー作『ノルウェイの森』から全ての作品を読んできたが、なぜ世界中で愛読されているのか理解できないままでいる。
本日のロンドン為替市場でも、円相場では週明けから一気に強まった高市トレード(為替は円売り)の勢いを見定めながら値動き。混迷を深める仏政局は、マクロン大統領の首相指名を待つことになる。金融当局者の講演は、仏やスペインの中銀総裁、また英国からはマン金融政策委員会(MPC)委員が予定されている。ほか、日本時間20時半に欧州中央銀行(ECB)理事会の9月議事要旨が公表予定。
日本の政局では、政治改革を巡る自民党と公明党の連立協議が難航しているもよう。そのため、首相指名選挙が行われる臨時国会の召集は、当初の15日から21日付近に先伸ばされる見通し。一部では、高市首相の誕生が不透明になったとの見方も浮上してきた。また高市氏が首相に選出されたとしても、掲げた政策の実効性が弱まるおそれもある。その場合は、高市トレードの巻き戻しに注意が必要だろう。
仏大統領府は昨日、48時間以内にマクロン大統領が新首相を指名すると発表。一部報道によれば過半数の議員の反対で、内閣総辞職にともなう解散・総選挙の可能性は下がったもよう。もっとも、新首相が野党の支持を得られるとは限らず、政局の先行きは不透明なまだ。また予算案提出の遅れから、政策遂行の遅れに対する懸念は高まっている。これだけ見ると、ユーロの上値は追いづらいだろう。
ビルロワドガロー仏中銀総裁やエスクリバ・スペイン中銀総裁の講演では、市場がECB緩和サイクルの最終局面と見ている中でも、利下げについて言及してくるかに注目。両総裁は、ハト派側と見られることが多い。ECB理事会議事要旨では、これまでラガルECB総裁ら多数の高官の発言が理事会後に伝わっており、よほど極端な意見が見当たらない限り、相場へのインパクトは小さいか。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.1689ドルを超えると21日移動平均線1.1735ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月27日安値1.1574ドル
ドル円:1ドル=152.63円(前営業日NY終値比▲0.06円)
ユーロ円:1ユーロ=177.64円(△0.07円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1638ドル(△0.0010ドル)
日経平均株価:48580.44円(前営業日比△845.45円)
東証株価指数(TOPIX):3257.77(△22.11)
債券先物12月物:135.79円(△0.11円)
新発10年物国債利回り:1.690%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
9266億円の処分超 1587億円の処分超・改
対内株式
2兆4799億円の処分超 9618億円の処分超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。東京序盤から終盤まで152.60円を挟んだ方向感のない動きが続いた。ただ、15時前後から日経平均株価の上げ幅拡大とともに全般円売りが優勢に。連日のように欧州勢が参入し始めるタイミングで円安が進んでいることから「高市トレード(円売り・日本株買い)」が依然として意識されており、昨日高値の153.00円を上抜けて153.14円まで上昇した。
・ユーロ円も強含み。ドル円と同様に177円台半ばを中心としたもみ合いが続いた後、一時177.94円まで上値を伸ばし、連日で史上最高値を更新した。
・ユーロドルは上値が重い。昨日NY終盤にかけて買い戻しが強まった流れを引き継いで一時1.1648ドルまで値を上げた。ただ、15時前後からドル円が上昇すると一転して1.1618ドルまで失速した。
・日経平均株価は反発。終値で4万8000円台に乗せたのは初めて。前日の米ハイテク株高を受けてソフトバンク株が大幅高となり、指数を押し上げた。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。足元の下落に対する反動から買い戻しが先行。一時135.85円まで上昇した。5年債入札は弱めの結果となり、発表後は伸び悩んだが下値は限られた。
イスラエルとハマスは9日、ガザ地区停戦合意の第1段階で正式に署名する見通しだと複数のメディアが伝えた。合意発効直後から、イスラエル軍は境界線まで撤退を開始し、ハマスによる人質の解放も最速で週末から始まる予定だ。停戦の仲介には米国トランプ大統領やカタール、エジプト、トルコなどが関与し、パレスチナ人囚人2,000人の釈放と支援物資搬入も進む。地政学リスク緩和で市場は安定的な反応を見せているが、双方の不信と残る課題も多く、今後の動向が注目されている。
ベッセント米財務長官は米連邦準備理事会(FRB)新議長選考で11人の有力候補者を面接し、「利下げ・金融緩和(QE)・ガバナンス改革」を中心に厳しく質問したとFT紙が伝えた。各候補には、今後の利下げ政策への姿勢、連銀の役割拡大(ミッション・クリープ)にどう対処するかなどを2時間にわたり確認。ファイナリストにはウォーシュ元理事、ウォラー現理事、ハセット経済顧問のほか、ブラックロックCIOリーダーらも含まれます。最終指名権はトランプ大統領にあるが、財務長官は「独立性、未来志向、幅広い視点」を求めている。
ドイツの対米輸出は8月に前月比2.5%減の103億ユーロとなり、5カ月連続のマイナスで2021年11月以来の低水準に落ち込んだ。米国の関税強化が響き、前年同月比では20.1%も減少している。トランプ政権による対EU製品の追加関税(8月から主要品目で15%)導入以降、ドイツ製品の米国向け出荷が大きく減り、輸出主導経済への打撃が顕著。需要の前倒し効果が一巡し、今後もこの厳しい輸出環境が長期化する懸念が広がっている。
EC Marketsは2025年のForex Expo Dubaiでチタニウムスポンサーとしてブース出展し、サッカーと金融取引の融合体験で来場者から大きな注目を集めた。リバプールFC公式グローバルスポンサーとしてサッカーシュミレーターイベントやレジェンド選手との交流、サイン入りユニフォームのプレゼントも実施。取引プラットフォームやツールの一対一案内、戦略相談なども充実し、トレーダーとファン双方の新しいつながりを生んだ。
同社はエキスポで「トップ規制FXブローカー賞」も受賞。MENA統括ディレクターは「金融だけでなくサッカーの情熱も伝え、コミュニティを強固にした」と強調している。EC Marketsは世界的FXブローカーブランドとして、金融とスポーツをつなぐ新たな価値と信頼を示した。
大阪12月限
日経225先物 48800 +1040 (+2.17%)
TOPIX先物 3262.0 +24.5 (+0.75%)
日経225先物(12月限)は前日比1040円高の4万8800円で取引を終了。寄り付きは4万8160円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8125円)にサヤ寄せする形から、買いが先行した。現物の寄り付き直後につけた4万8090円を安値にロングが勢いを増し、前場中盤にかけて4万8500円を回復。買い一巡後は4万8350円~4万8540円処での保ち合いが続いたが、後場中盤にこのレンジを上抜くと終盤にかけて上へのバイアスが強まり、引け間際には4万8810円まで上げ幅を広げた。
米国市場で半導体や人工知能(AI)関連株の上昇が強まったことで、この流れを引き継ぐ形でソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などが日経平均型を牽引。さらに、後場中盤に台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の9月の月次売上高が伝わったことも半導体株の支援材料になったほか、取引終了後に決算発表を控えていたファーストリテイリング<9983.T>[東証P]が引け間際に急伸したこともロングを強めるきっかけになった。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万8400円)を寄り付き後ほどなくして突破したことで、ショートカバーを誘う流れになったとみられる。特に前場中盤以降は4万8500円手前で膠着が続いていたこともあってショートが積み上がり、後場中盤にこの抵抗帯を上抜けたことで、ショートカバーの動きが強まったようだ。
ナイトセッションで+2σは4万8710円まで切り上がっており、+3σは5万0430円と5万円の大台を超えてきた。週足では+2σ(4万8010円)を上回って終える可能性が高そうであり、+3σ(5万0380円)とのレンジが意識される。短期的な過熱警戒感からの調整はありそうだが、ショートは避けつつ、押し目狙いのロング対応のスタンスは継続しておきたい。
なお、本日はソフトバンクグループ1銘柄で日経平均株価を475円超押し上げている。一方で、アドバンテスト<6857.T>[東証P]は反発ながら、一時下落に転じる場面もみられた。明日はファーストリテイリングが牽引役になりそうだが、物色対象の変化には注意しておきたいところだろう。
3連休を前に持ち高調整の動きが警戒されるが、今週だけで3000円近くレンジを切り上げており、ヘッジ対応の動きが集中する可能性もありそうだ。そのため、日経225先物はオプション権利行使価格の4万8000円から5万円のレンジを想定する。
NT倍率は先物中心限月で14.96倍に上昇した。ソフトバンクグループなどのインパクトによって日経平均型優位の展開となり、前日に割り込んだ+2σ(14.97倍)に接近してきた。2021年6月以来の15.00倍乗せが意識されそうであり、NTロングでのスプレッド狙いの動きが一段と強まりやすいだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万2550枚、ソシエテジェネラル証券が1万9975枚、サスケハナ・ホンコンが5830枚、バークレイズ証券が4066枚、JPモルガン証券が4064枚、野村証券が2955枚、SBI証券が2421枚、モルガンMUFG証券が2292枚、日産証券が2171枚、ゴールドマン証券が2028枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万7326枚、ソシエテジェネラル証券が2万1034枚、バークレイズ証券が6628枚、JPモルガン証券が5718枚、野村証券が3109枚、モルガンMUFG証券が2994枚、ゴールドマン証券が2540枚、ビーオブエー証券が2470枚、サスケハナ・ホンコンが2182枚、シティグループ証券が1942枚だった。
本日のNY為替市場では、米政府機関の一時閉鎖の影響で雇用やインフレに関する政府からの指標発表が軒並み延期となる中、ドル円は週初からの「高市トレード」(日本円売り・日本国債売り・日本株買い)の持続力を見極めつつ、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言を確認してゆくことになるか。
8日に公表された9月16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、雇用についての懸念を理由に利下げを決定する一方、「参加者の大多数はインフレ見通しの上振れリスクを強調した」ことも明らかとなった。
NY序盤にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を始め、ボウマンFRB副議長やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の発言機会が予定されている。28-29日のFOMCを前に18日からブラックアウト期間となる中、インフレと雇用のどちらに重点を置いた内容となるか注目したい。金融政策への言及がない可能性もあるものの、インフレ重視ならば28-29日のFOMCでの利下げ観測が後退してドル買いにつながる可能性がある一方、雇用重視ならば利下げ予想が一段と高まってドルが売られることも考えられる。FOMCが近づくも経済指標の発表が少なく、市場は手掛かり材料に飢えている中、過敏な反応を見せる恐れがある点には注意したい。
また、週初からの「高市トレード」の持続力にも注目したい。本日も欧州勢が円売りで参入すると、16時過ぎに153.20円台まで上昇して2月以来の高値を付けている。節目の154円もおぼろげながら視野に入る中、本邦金融当局者からの強い円安けん制が入るなど何かしらの手掛かりがないと、円安相場の反転は容易ではないかもしれない。
ただ、気になるのは、国会での首相指名の行方である。昨日の一部報道によると、臨時国会の召集が当初の15日から後ずれすると伝えられたことで、「高市総理」が誕生するまでに紆余曲折が予想される。現状、衆議院での自民・公明の合計議席数は220と過半数の233に届かず、他政党の協力が不可欠だ。しかも、公明は連立離脱のそぶりを見せていることもあり、衆院での過半数獲得が不透明となっている。今のところ海外勢は材料視していない様子だが、海外勢が着目して円が買い戻されるシナリオも想定しておきたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、ピボット・レジスタンス 2の153.74円。超えると心理的節目の154.00円
想定レンジ下限
・ドル円は、現時点での本日安値152.41円。割り込むと8日安値151.74円。
米国のNATO大使マシュー・ウィッテカーは、各加盟国が自国の防衛とNATO全体の予算について真剣に取り組む必要があると強調した。特に、NATOの防衛目標であるGDP比1.5%の追加負担も重要であり、防衛力を効率的に強化する新たな方法を模索する必要があると述べている。ウィッテカー大使は、対ロシアやハイブリッド脅威を念頭に、同盟の近代化と均衡ある負担分担を推進し、強固で抑止力のある連合を目指すと語った。
今晩はパウエルFRB議長などの要人発言に注目。昨日はダウ平均が1.20ドル安(0.00%)とほぼ変わらずとなったものの、S&P500が0.58%高、ナスダック総合が1.12%高とともに反発し、そろって取引時間中と終値の史上最高値を更新した。政府機関の一部閉鎖が8日目に入ったが、エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)がAI需要の高まりを背景に半導体への需要が増加していると発言したことを受けてAIトレードが再び強まった。
今晩はS&P500とナスダック総合の最高値更新が続き、高値警戒感の強まることや、政府閉鎖の長期化が上値圧迫要因となることが予想されるものの、AIトレードの復活や年内の利下げ期待を背景に底堅い展開か。政府閉鎖により今晩発表予定の新規失業保険申請件数などの発表が延期される見通しだが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のほか、ボウマンFRB副議長、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の拝察や講演が予定されており、利下げ見通しを巡って要人発言に注目する展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントはパウエルFRB議長などの発言のほか、米30年債入札など。企業決算は第3四半期決算発表がスタートし、寄り前にデルタ航空、ペプシコなどが発表予定。
日経平均株価は大幅反発。高寄りから上値を伸ばす動きとなり、ほぼ高値引けの陽線を形成し史上最高値を再び更新して終えた。
RSI(9日)は前日70.5%→80.6%(10/9)に上昇。5日移動平均線(47596円 10/9)上での小休止のあとの陽線となった。5万円に向けて一段高となるか、あすのSQ通過後の動きなどに注目したい。目先的には高値更新後の揺り戻しが続くことも想定されるが、基本的には上目線のトレンドフォロー継続である。
上値メドは、心理的節目の49000円、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、51000円や52000円など1000円刻みが想定される。下値メドは、心理的節目の48000円や5日移動平均線、心理的節目の47000円、10日移動平均線(46279円 同)、心理的節目の46000円、10/3高値(45778円)、25日移動平均線(45093円 同)などがある。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.734%、応札倍率(カバー)が2.38倍となった。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.05円(9日15時時点比△0.42円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.92円(▲0.72円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1560ドル(▲0.0078ドル)
FTSE100種総合株価指数:9509.40(前営業日比▲39.47)
ドイツ株式指数(DAX):24611.25(△14.12)
10年物英国債利回り:4.745%(△0.036%)
10年物独国債利回り:2.703%(△0.024%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独貿易収支
172億ユーロの黒字 163億ユーロの黒字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。「高市トレード」が依然として意識される中、日本時間夕刻に一時153.22円まで値を上げたものの、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「年内のさらなる利下げを支持」「雇用減速に注意が必要」など述べたと伝わると、上値が重くなった。
NYの取引時間帯に入り、高市早苗自民党総裁が「私の立場で利上げそのものについて発言すべきでない」「行き過ぎた円安を誘発するつもりはない」「財政健全化が必要ではないと言ったことは一度もない」などと発言すると円買い・ドル売りが先行。22時過ぎに一時152.14円と日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値151.74円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の上昇を背景に全般ドル買いが優勢になると、0時30分過ぎに一時153.23円と2月13日以来約8カ月ぶりの高値を更新した。
・ユーロドルは頭が重かった。8日のルコルニュ仏首相の発言などを受けて、市場では「10日までにマクロン仏大統領が新首相を指名する」との観測が浮上。仏政治情勢を巡る不安が和らぐとユーロ買いが入った。ただ、「根本的な問題の解決は困難」との懸念は根強く、ユーロ買いの勢いは長続きしなかった。
NY市場に入ると、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢となり、0時30分過ぎに一時1.1547ドルと8月5日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
・ユーロ円も頭が重かった。アジア市場では一時177.94円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けたものの、欧米市場では利益確定目的の売りが優勢となった。ユーロドルの下落につれた売りも出て一時176.78円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。続伸して始まったものの、買い一巡後は徐々に売りが優勢となり下げに転じた。史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りが出やすかった。HSBCホールディングスやバークレイズなど金融株が売られたほか、コンパス・グループやバーバリー・グループなど一般消費財サービスが値下がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら3日続伸し、史上最高値を更新した。フランスの政治情勢を巡る不安や中東の地政学リスクへの警戒が和らぐと買いが優勢となった。ただ、米国株相場の失速を受けて引けにかけては伸び悩んだ。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(2.88%高)やバイエル(2.84%高)、ドイツテレコム(1.44%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
9日の日経平均は大幅反発。終値は845円高の48580円。米国で半導体株が強く買われたことを好感して、寄り付きから300円を超える上昇。ソフトバンクグループ<9984.T>がけん引役となり、寄った後も上を試す流れが続いた。600円を超える上昇で前場を終えると、後場は引け後の決算発表を前にファーストリテイリング<9983.T>に期待買いが入ったことで一段高。800円を超える上昇となって48500円台に乗せ、高値圏で取引を終えた。指数寄与度の大きい2銘柄の上昇が目立っており、上に値幅が出た割にはプライムでは値下がり銘柄が多かった。日経平均は1.8%高、TOPIXは0.7%高と、日経平均優位の1日となった。
東証プライムの売買代金は概算で6兆2800億円。業種別では情報・通信、証券・商品先物、非鉄金属などが上昇した一方、海運、水産・農林、輸送用機器などが下落した。強い動きで市場の注目を集めたソフトバンクGが11.4%高。1銘柄で日経平均を約475円押し上げた。半面、IHI<7013.T>が買い先行から失速して4.4%安と大きく下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり928/値下がり623。フジクラが連日の大幅上昇。ディスコが日経新聞の業績観測を手がかりに買いを集めた。安川電機が9.5%高。ソフトバンクGがスイス企業のロボット事業を買収すると発表したことが刺激材料になったとの見方があった。決算が好感されたマニーが急伸。SBIHDの傘下企業と業務提携して投資事業に参入すると発表したNANO MRNAがストップ高となり、SBIHDにも強い買いが入った。
一方、トヨタ、任天堂、JX金属などが軟調。SCREENやKOKUSAIなど半導体株の一角が大きく売られた。日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社がそろって下落。決算を材料にウェザーニューズ、ABCマート、MrMaxHDが急落した。
日経平均は大幅高。ソフトバンクGさまさまの上昇であったが、ソフトバンクGの上昇が一服した後場にも上げ幅を広げた。今週は月曜の6日に2000円を超える上昇となった後、大きな反動もなく、きょうの時点で6日の終値47944円を大きく上回っている。東京市場は13日が休場であすは三連休前となるが、市場の空白に対する警戒は高まりづらい。あす下げたとしても恐怖に駆られて売りを出す主体は少ないと考えられ、売り圧力が限定的であれば、そのことが新たな買いを呼び込む展開も期待できる。48000円が通過点になって48500円台まで水準を切り上げているだけに、次の節目の49000円をうかがう動きが見られるかに注目したい。
(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.07円(前営業日比△0.38円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.00円(▲0.57円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1564ドル(▲0.0064ドル)
ダウ工業株30種平均:46358.42ドル(▲243.36ドル)
ナスダック総合株価指数:23024.63(▲18.75)
10年物米国債利回り:4.14%(△0.02%)
WTI原油先物11月限:1バレル=61.51ドル(▲1.04ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3972.6ドル(▲97.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は6日続伸。米政府機関の一部閉鎖に伴い、主要な米経済指標の発表が延期される中、相場材料に乏しくしばらくは方向感が出なかった。
ただ、高市早苗自民党総裁がテレビ番組で「私の立場で利上げそのものについて発言すべきでない」「行き過ぎた円安を誘発するつもりはない」「財政健全化が必要ではないと言ったことは一度もない」などと述べたと伝わると円買い・ドル売りが進行。22時過ぎに一時152.14円と日通し安値を更新した。
もっとも、前日の安値151.74円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の上昇を背景に全般ドル買いが優勢になると、0時30分過ぎに一時153.23円と2月13日以来約8カ月ぶりの高値を更新した。
・ユーロドルは4日続落。フランスの政治情勢を巡る不安が和らぐ中、ユーロ買いが入ったものの、市場では「根本的な問題の解決は困難」との懸念も根強く戻りは鈍かった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが活発化すると、4時前に1.1542ドルと8月5日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
・ユーロ円は5日ぶりに反落。アジア時間に一時177.94円と1999年のユーロ導入以来の高値を更新したあとだけに、欧米市場では利益確定目的の売りが目立った。ユーロドルの下落につれた売りも出て一時176.78円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。指数は過去最高値圏にあるだけに、短期的な過熱感を意識した売りが優勢となった。米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの懸念も相場の重し。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。序盤は買いが入ったものの、そのあとは売りが優勢となり下げに転じた。市場では「米政府機関の一部閉鎖の影響で、相場材料となる米経済指標の発表が少なく、今週の債券相場は方向感に乏しい」との声が聞かれた。
・原油先物相場は2日以来、1週間ぶりの大幅反落。中東の地政学リスク後退を感じさせるニュースが伝わるなか、続伸が続いた後を受けた調整の売りが進んだ。イスラエルとイスラム組織ハマスが米政府の示した和平案に合意したという。中東からの原油供給に関する懸念を後退させた。
・金先物相場は2日以来、1週間ぶりの大幅反落。米金利上昇・ドル高が進むなか、史上最高値圏4000ドル超えの水準で持ち高調整の売りが強まった。金利上昇が金利のつかない資産である金の相対的な投資妙味低下を意識させた。ドル高がドル建て金価格の割高感にもつながり、売りが入りやすかった。
BofAセキュリティーズ(BofAS)は最新リポートで、中国の7-9月期の国内総生産(GDP)成長率が4-6月期の前年同期比5.2%から4.5%に減速するとの見通しを示した。『インフォキャスト』が9日伝えた。
また、9月の経済指標について、内需が引き続き低迷する一方、輸出は堅調に推移するとの見方を示した。9月の鉱工業生産は8月の前年同月比5.2%増から5.0%に減速し、小売売上高は2.4%増にとどまるほか、固定資産投資は3.5%減に落ち込むと予想。一方、輸出は5.7%増と8月の4.4%増から加速すると見込んでいる。
一部通信社が報じたところによると、「ハマス交渉責任者は『イスラエルと戦争終結で合意した』と発表した」もよう。
9日14:54 グリーン英金融政策委員会(MPC)委員(FT紙)
「中銀は供給ショックへの理解を深める必要」
9日17:47 マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「インフレは依然として持続しており、成長見通しは依然として緩やか」
「成長を促す環境を作るには、金融政策はより長期にわたり引き締め的な状態を維持する必要」
「消費者の行動から得られる証拠は、インフレ期待に関してまだ目標を達成していないということ」
9日18:08 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「年内のさらなる利下げを支持」
「雇用減速に注意が必要」
「インフレ見通しは年初ほど深刻ではない」
9日18:34 本田元内閣官房参与
「1ドル155円を超えて円安が進むとは考えにくい」
「『高市トレード』で期待が変わりつつあり、そういう時に利上げはしないでほしい」
「日銀の利上げは慎重であるべき」
「需要不足は改善している、未来永劫利上げが不要ではない」
9日21:19 高市早苗自民党総裁
「首相に就任すれば経済対策をすぐに指示」
「日米同盟、外交上・貿易上も日本基軸」
「自公連立は基本中の基本」
「私の立場で利上げそのものについて発言すべきでない」
「行き過ぎた円安を誘発するつもりはない」
「財政健全化が必要ではないと言ったことは一度もない」
「円安はいい面も悪い面もある」
「金融政策の手段を決めるのは日銀」
9日21:38 エスクリバ・スペイン中銀総裁
「インフレ率はすでに2%に達している」
10日01:49 バー米連邦準備理事会(FRB)理事
「労働市場はネガティブなショックに対してより脆弱」
「政府閉鎖が成長に顕著な影響を与えるかどうかは不明」
「物価安定目標は重大なリスクに直面している」
「FRBは政策調整に慎重になるべきだ」
「関税インフレを完全に見通すことには懐疑的」
10日04:06 ベッセント米財務長官
「アルゼンチンへの200億ドルの通貨スワップ枠組みで最終合意」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 9月企業物価指数(予想:前月比0.1%/前年比2.5%)
<海外>
○07:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、議会証言
○10:40 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○15:00 ◎ 9月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比3.5%)
○16:00 ◇ 9月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲37.0)
○16:40 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○21:00 ◇ 8月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.4%)
○21:30 ☆ 9月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化0.50万人/失業率7.2%)
○22:45 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○23:00 ◎ 10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:54.0)
○11日01:00 ◎ 9月ロシアCPI(予想:前月比0.3%)
○11日02:00 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、高市自民党総裁の「行き過ぎた円安を誘発するつもりはない」などの発言を受けて152.14円まで下落。しかしながらその後、米長期金利の上昇を背景に153.23円まで上昇した。ユーロドルはフランス政治情勢への警戒感や米長期金利の上昇を受けて1.1542ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、20日以降に先送りされた臨時国会までの政治空白の間隙を突いた「高市トレード」の射程を見極めつつ、昨日の高市自民党総裁の「行き過ぎた円安」への牽制発言の続報や連立政権を巡る自公党首会談の結果を待つ展開が予想される。
本田元内閣官房参与は、故安倍首相と高市氏の経済ブレーンであるが、先日150円台の円安を行き過ぎと述べ、日銀の利上げ時期に関しては、今月の金融政策決定会合は難しいものの、12月会合の可能性はあるとの見解を示しており、昨日の高市氏の発言と整合的である。
ドル円は、高市氏が標榜していた経済政策「サナエノミクス1.0」(積極的な財政政策と緩和的な金融政策)により、日銀の利上げ観測が後退し、債務状況の悪化懸念も加わって153円台まで上昇してきた。しかし昨日のテレビ番組での高市氏の発言「私の立場で利上げそのものについて発言すべきでない。行き過ぎた円安を誘発するつもりはない。財政健全化が必要ではないと言ったことは一度もない」は、「サナエノミクス2.0」と解釈できる内容だった。
高市氏は4日の会見で日銀法に言及したが、独立性をうたった第3条には触れず、政府との連携を記した第4条「政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない」に言及していた。また、高市氏のインフレに対する見立ては、コストプッシュ型のインフレを放置し、デフレではなくなったと安心するのは早い、デマンドプル型のインフレがベストとのことであり、日銀の早期利上げには後ろ向きであると見られている。
本日は、昨日の高市発言を受けて行き過ぎた円安に歯止めがかかるのか、そして、連立政権を巡る自公党首会談の行方に注目したい。
ドル円の上値を抑える要因としては、現在の日本経済の喫緊の課題である物価高抑制のためには、日銀の利上げを容認し、輸入物価の上昇に繋がる円安を抑制しなければならないという見方がある。円安による輸入物価上昇でコストプッシュ型のインフレ圧力が強まった場合は、2024年にドル円が161円台に上昇した際に円安を阻止した本邦通貨当局がドル売り・円買い介入に踏み切る可能性には警戒しておきたい。
また、トランプ米政権は、米国の貿易赤字の削減のために、関税を引き上げ、ドル安を志向している。28日頃に予定されている日米首脳会談に向けて、日米政権からのドル高・円安に対する牽制には警戒しておきたい。
東京市場は一進一退か。米国株は下落。ダウ平均は243ドル安の46358ドルで取引を終えた。小高く始まったものの、早々にマイナス転換。政府閉鎖が長引く中、目先の利益を確定させる売りが優勢となった。ドル円は足元153円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが140円安の48660円、ドル建てが55円安の48745円で取引を終えた。
米国株が下げており、基本的に上値は重いだろう。ただ、エヌビディアは上昇しており、ナスダックは終盤に戻して横ばい程度で終えている。日経平均は足元の基調が非常に強く、米国株安をネガティブ視する動きは限られるとみる。きのう引け後に決算を発表したファーストリテイリング<9983.T>がADRでは上昇しており、前日のソフトバンクグループ<9984.T>のように寄与度の大きい銘柄が指数を押し上げる展開も期待できる。三連休前で直近の上昇に対する利益確定売りは出てくるだろうが、米株動向や政局関連のニュース次第では連休明けのギャップアップスタートもあり得るだけに、下値では買いも入りやすい。米国株が下落した割には底堅く推移すると予想する。日経平均の予想レンジは48400-48800円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 48520 -280 (-0.57%)
TOPIX先物 3249.5 -12.5 (-0.38%)
シカゴ日経平均先物 48660 -140
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。短期的な過熱感が警戒されるなかで利益確定の売りが優勢だった。NY連銀のウィリアムズ総裁は、年内の追加利下げを支持する考えを示したと伝えられ、NYダウは買いが先行して始まった。ただし、米政府機関の一部閉鎖が続いており、新規失業保険申請件数の公表が前週に続き見送られた。米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ観測は根強いものの、利下げペースを判断するうえで重要視される雇用関連指標の公表が見送られていることが手掛けにくくさせた。
S&P500業種別指数は食品・飲料・タバコ、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、耐久消費財・アパレル、商業サービス・用品、素材の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、セールスフォース<CRM>、エヌビディア<NVDA>、メルク<MRK>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が買われた。半面、ボーイング<BA>、トラベラーズ<TRV>、ハネウェル・インターナショナル<HON>、スリーエム<MMM>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比140円安の4万8660円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比40円安の4万8760円で始まった。その後は4万8440円まで下げ幅を広げたが、売り一巡後はロング優勢の流れとなり、4万8940円とプラス圏を回復。ただし、米国市場の取引開始後に軟化し、中盤にかけて4万8480円まで売られた。終盤にかけて4万8680円まで下げ幅を縮める場面もみられたが戻りは鈍く、4万8520円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。ただ、エヌビディアなど半導体株の一角が買われたほか、フィラデルフィア半導体(SOX)指数は反落となったが0.2%安と小幅な下げだった。引き続き半導体株や人工知能(AI)株などへの物色は根強いと考えられ、日経平均型の底堅さは意識されやすい。
日経225先物は売りが先行で始まった後は、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。また、昨夕に2025年8月期決算を発表したファーストリテイリング<9983.T>[東証P]は予想を上回る着地だったほか、26年8月期の計画については市場コンセンサスを上回っており、ADR(米預託証券)で5.0%あまり上昇していることで日経平均型の下支えになろう。
そのため、上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(4万8680円)水準では強弱感が対立しやすいものの、4万8000円に接近する局面ではロングが入りやすいとみられる。+2σを挟んでの推移が意識されるなか、オプション権利行使価格の4万8250円から4万8750円でのレンジを想定する。新政権への期待が高まるなかで「高市トレード」は続いており、+2σを上回っての底堅さがみられるようだと、3連休を前にロングの動きが強まる形で4万9000円を捉えてくる可能性はありそうだ。
9日の米VIX指数は16.43(8日は16.30)に上昇した。一時17.27まで切り上がる場面もみられた。75日移動平均線(16.05)や25日線(15.93)が支持線として意識されているが、直近のレンジ内での推移であり、リスク回避姿勢は強まらないだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.96倍に上昇した。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]などのインパクトによって日経平均型優位の展開となり、前日に割り込んだ+2σ(14.97倍)に接近してきた。2021年6月以来の15.00倍乗せが意識されそうであり、NTロングでのスプレッド狙いの動きが一段と強まりやすいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比630円安の4万8170円(-1.29%)前後で推移。寄り付きは4万8540円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8660円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。現物の寄り付き時には4万8750円をつける場面もみられたがプラス圏を回復できず、その後は持ち高調整によるロング解消の動きのほか、短期筋のショートを誘う形になり、終盤にかけて4万8140円まで下げ幅を広げた。
米国市場では主要な株価指数が下落した影響もあり、前日に強い上昇をみせていたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など、半導体や人工知能(AI)関連株の一角に利益確定の売りが出ている。一方で、決算評価からファーストリテイリング<9983.T>[東証P]が買われており、日経平均株価を支えている。
日経225先物は朝方の上昇でボリンジャーバンドの+2σ(4万8610円)を上回る場面もみられたが、同バンドをキープできなかったことで、ショートを入りやすくさせた面もありそうだ。また、午後には自民党の高市早苗総裁と公明党の斉藤鉄夫代表との会談を控えていることも神経質にさせたのだろう。4万8000円処での底堅さを見極めたい。
NT倍率は先物中心限月で15.01倍に上昇した。ソフトバンクグループなどの弱い値動きが目立つものの、東証プライムの9割を超える銘柄が下げているため、相対的に日経平均型優位の状況は継続。NTロングでのスプレッド狙いの動きが強まりやすいと考えられる。
昨日のドル円は、欧州時間に入って上値を試す展開。前日8日の高値153.00円を上抜けると一時153.22円まで値を上げたものの、ウィリアムズ米NY連銀総裁が追加利下げに言及したことから152.48円まで下押ししました。NY時間に入って152.87円まで買戻されるなか、高市自民党総裁がTV番組で「私の立場で利上げそのものに発言するべきではない」との見解を表明したほか、「行き過ぎた円安を誘導するつもりはない」と発言すると152.14円まで下落。ただ、下押しを拾いたい向きが多いのは言わずもがなの状況のなかにあっては、「絶好の拾い場」を提供された状況となるとすぐにも買戻される展開に。一時153.23円まで高値を更新しています。
アジア時間に入ってからは3連休前の週末ゴトー日とあって、朝方から本邦実需の買いが先行。昨日高値を上抜けると一時153.27円まで値を上げました。その後は週末のポジション調整なども観測されていることもあり152.84円まで下押ししているといったところです。
いずれにしても、海外勢主導の高市トレードは方向性を持って続いているわけですが、株価の上昇に伴うヘッジとしてのドル円の買いも観測されている模様。本邦実需の買い遅れ感が払拭されないなか、輸出勢は既に150.00円手前で目先のフローは手当済み。オプション絡みでも上方向へのヘッジが急がれるなか、円キャリーの足音が聞こえ始めているところ。先週末までとはすっかり景色が変わってしまった市場となっています。
トランプ米政権の政府効率化省(DOGE)によるコスト削減の取り組みで、1月から9月までに28万9000人余りが解雇された。
米連邦政府は10月1日、連邦議会で予算審議が不調に終わったため政府機関の一部閉鎖に踏み切り、約75万人の連邦職員が自宅待機を余儀なくされている。
そして、トランプ米政権は、政府機関閉鎖による自宅待機を利用して、連邦職員の解雇を計画している、と報じられている。
ボート米行政管理予算局(OMB)局長は下院議員らに対し、一部の連邦機関が1-2日以内に職員の解雇に踏み切ると述べた。ホワイトハウスのレビット報道官は会見で、職員のレイオフは「2日以内、差し迫っている」などと述べた。
1. 15回目の米政府機関閉鎖
1981年以降、米政府機関は14回閉鎖されてきたが、期間は最短が1日、最長が35日間となっている。政府が閉鎖されると、職員の不足により国立公園と機関の閉鎖など、政府のサービスとプログラムが中断させられる事態となる。また、政府の歳入の損失は、職員の一時帰休による労働力の損失、閉鎖中に支払われるはずだった料金の損失によるものが大きい。閉鎖された期間に応じて経済成長の大幅な低下が引き起こされる。
アメリカ史上で特筆すべき例としては以下の通りとなるが、今回のような年度末での閉鎖は、2013年のオバマ政権以来となる。
・クリントン政権(1995年~1996年:21日間):大規模な歳出削減への反対
・オバマ政権(2013年:16日間):オバマケアの施行を巡る論争 ※24億ドルの損失
・第一次トランプ政権(2018年12月22日~2019年1月25日:35日間)
メキシコ国境の壁の拡張費用を巡る論争 ※110億ドルの損失
2.9月の雇用関連指標 (9月) (8月)〇改善 ●悪化
●ADP全国雇用者数:▲32000人 ▲3000人
〇チャレンジャー人員削減予定数:5万4064人 8万5979人
〇ISM製造業雇用指数:45.3 43.8
〇ISM非製造業雇用指数:47.2 46.5
3.10月の雇用統計
10月の雇用統計の調査対象週(10/12-18)まで閉鎖が続いた場合、64万人の労働者が失業し、失業率は4.5~4.7%まで上昇するという試算もある。
本日のロンドン為替市場でもユーロ相場は、仏政局の不安定さを意識しながらの値動きか。円相場については、高市トレードの勢いが一服しつつあるなか、自公連立の行方が注目される。経済指標は9月ノルウェー消費者物価指数(CPI)とスイスSECO消費者信頼感指数が発表される程度であり、金融当局者の講演もスペイン中銀総裁のみが予定されている。
欧州連合(EU)で経済規模が第2位のフランスは、政府債務残高が国内総生産(GDP)比で110%を超えている。この比率は、EU内でギリシャやイタリアに次いで大きい。仏政府は債務削減に向けて動き出そうとはしているものの、バイル前首相が提出した「約440億ユーロの歳出削減案が盛り込まれた予算案」は国民から強い反発を受けた。
バイル氏の後を継いだルコルニュ氏も予算・社会保障のパッケージ作りに取り組んだが、少数与党の弱さから左派・右派野党の合意を得られず、首相就任わずか1カ月弱で辞任した。窮地に陥っているマクロン仏大統領は本日にも、2024年1月以降では5人目となる首相を任命する見込み。しかしながら、新首相が議会をまとめ上げるのはかなり難しいとの見方が優勢だ。
直近の世論調査では、マクロン氏の中道与党連合の支持率は14%程度と左派連合に10ポイントリードされ、支持率トップの極右「国民連合(RN)」には20ポイントも差をつけられた。解散・総選挙となれば、フランスで極右政権の誕生が現実味を帯びてくる。RNは以前ほど過激ではないものの、ユーロは買いづらいという印象は拭えないだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、8日高値(=日足一目均衡表・転換線)の1.1661ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート2の1.1479ドル
ドル円:1ドル=152.82円(前営業日NY終値比▲0.25円)
ユーロ円:1ユーロ=176.82円(▲0.18円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1570ドル(△0.0006ドル)
日経平均株価:48088.80円(前営業日比▲491.64円)
東証株価指数(TOPIX):3197.59(▲60.18)
債券先物12月物:135.9円(△0.11円)
新発10年物国債利回り:1.690%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月企業物価指数
前月比 0.3% ▲0.2%
前年比 2.7% 2.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上昇一服。本邦勢の本格参入後は買い先行となり、8時過ぎに2月13日以来の高値となる153.27円まで上昇。その後は5・10日(ゴトー日)の東京仲値も盛り上がらず、日経平均が軟調に推移する中で152.64円まで下押したが、売り一巡後は152.90円台まで持ち直した。
・ユーロ円は下げ渋り。朝方に177.16円まで値を上げるも、その後は日経平均の下落をながめて176.65円まで下押し。ただ、その後はドル円が持ち直す中で176.90円台まで値を戻した。
・ユーロドルは小動き。円主体の動きとなる中、1.15ドル台後半で方向感を模索する動きとなった。
・日経平均株価は反落。前日に大きく上昇して過去最高値を更新した直後ということもあり、3連休を前に利益確定売りが先行。自公政権の連立協議に対する先行き不透明感も売りを誘い、下げ幅は一時600円超に達した。
・債券先物相場は反発。自公政権の連立協議に対する先行き不透明感が重しになって安く始まるも、新発10年物国債利回りが2008年以来の高水準となる1.700%に上昇したことで利回り水準の高さに着目した買いが入ると、一時135円96銭まで上値を伸ばした。
大阪12月限
日経225先物 47620 -1180 (-2.41%)
TOPIX先物 3174.0 -88.0 (-2.69%)
日経225先物(12月限)は前日比1180円安の4万7620円で取引を終了。寄り付きは4万8540円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8660円)にサヤ寄せする形から、売りが先行した。現物の寄り付き時には4万8750円をつける場面もみられたが、プラス圏を回復できず、その後は持ち高調整によるロング解消のほか、短期筋のショートを誘う形になり、後場に入ると4万8000円水準での攻防となった。4万8000円水準での底堅さが意識されるなか、終盤にかけて4万8270円辺りまで下げ幅を縮めた。しかし、引け間際にまとまったショートが入り、一時4万7530円まで下げ幅を広げる場面もあった。
米国市場で主要な株価指数が下落した影響もあり、前日に強い上昇をみせていたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など、半導体や人工知能(AI)関連株の一角に利益確定の売りが出ていた。一方で、決算評価からファーストリテイリング<9983.T>[東証P]が買われて、日経平均株価を支えている。
日経225先物は朝方の上昇でボリンジャーバンドの+2σ(4万8610円)を上回る場面もみられたが、同バンドをキープできなかったことで、ショートを入りやすくさせた面もありそうだ。また、午後には自民党の高市早苗総裁と公明党の斉藤鉄夫代表との会談を控えていることも市場心理を神経質にさせたのだろう。
為替市場でも、株式市場の終了間際に急速に円高に振れていた。タイミング的には高市自民党総裁と公明党の斉藤代表による会談が終わった時間帯だったこともあり、高市トレードの巻き戻しを狙ったショートの可能性がありそうだ。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σを明確に下放れる形となり、ナイトセッションで一時4万7390円まで売られ、+1σ(4万7050円)が射程に入ってきた。そのため、+1σと+2σ(4万8680円)によるレンジが意識されてくることになろう。斉藤代表は首相指名選挙への対応については、自身の名を記すとしている。
首相指名選挙で高市氏が日本初の女性総理大臣に就任するまでは、メディア報道などに振らされやすくなりそうだ。もっとも高市首相誕生となれば、改めて「高市トレード」が強まる可能性も考えられ、ショートカバーを誘う動きもありそうだ。目先的には+1σが位置する4万7000円をボトムとした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
早い段階で4万8000円水準を回復してくると、+2σを意識したショートカバーが入りそうだ。また、本日は前日の上昇分を打ち消す形だったが、依然として高値圏で推移しているため、買い遅れているファンドなどの押し目買い意欲は強そうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.00倍に上昇した。ソフトバンクグループなどの弱い値動きが目立つものの、東証プライムの9割近い銘柄が下げているため、相対的に日経平均型優位の状況は継続。2021年6月以来の15.00倍に乗せており、方向性としては同年2月高値の15.68倍が射程に入るため、NTロングでのスプレッド狙いの動きが強まりやすいだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万6305枚、ソシエテジェネラル証券が2万0098枚、JPモルガン証券が5512枚、サスケハナ・ホンコンが4971枚、バークレイズ証券が3442枚、モルガンMUFG証券が3180枚、野村証券が3046枚、SBI証券が2160枚、日産証券が2082枚、ゴールドマン証券が1949枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が3万1235枚、ソシエテジェネラル証券が2万9560枚、バークレイズ証券が8462枚、JPモルガン証券が6159枚、モルガンMUFG証券が4371枚、ビーオブエー証券が3615枚、サスケハナ・ホンコンが3043枚、野村証券が1997枚、シティグループ証券が1662枚だった。
NY時間の為替市場でドル円は神経質な動きになりそうだ。通常であれば、米政府機関が一部閉鎖されていることで、多くの重要指標の発表が延期されており、ここ最近のNY市場は値動きが狭められている。ただ、本日はミシガン大調査の10月米消費者態度指数が発表され、その中での期待インフレ率の結果が市場を動意づける可能性がある。期待インフレ率は、1年先は前回同様に4.7%、5-10年先も前回と同じ3.7%になるとの予想になっている。
ただ、NY市場で動意づきにくいのは、日米の政治状況が非常に不透明なことが挙げられる。米国の政府閉鎖がすでに10日目を迎えているが、昨日も競合する法案を進める動議を否決している。上院が次に開催されるのが14日になるとされていることで、今週末も進展がない可能性が高い。
また、本邦では公明党が26年にわたって続いた自民党との連立政権から離脱したことが、より一層政局の混迷を深めている。日本時間夕刻に会見で応えた斎藤公明党は「首相指名では高市早苗と書くことはできない」と明確に高市氏への投票を否定した。臨時国会は20日以後になることは決定的だが、高市氏が首相に指名されない可能性すら出てきている。衆議院定数465議席の中で自民党議席は196議席、公明党が24議席、この220議席に維新35議席か国民民主27議席が加われば過半数(233議席)を獲得できたが、公明党が離脱したことで連立の見通しが立たなくなった。自民、維新、国民民主の大連立ではない限り過半数に達しない。
一方で野党も立憲148議席+公明24議席+国民民主27議席でも過半数には届かないなど、どのような連立が実現するかが全く読めない状況だ。現時点で首相選挙が行われた場合は1回目で過半数を獲るものがいないと思われ、上位2名の決選投票が行われるだろう。その場合はれいわ新選組9議席、共産党8議席、などがキャスティングボードを握る可能性も出てくるかもしれない。このような複雑化した政局は、日本人ですら今後の展開が読めない状況で、海外勢には更に理解ができず、一方的に円のポジションを傾けにくいだろう。高市氏が首相になれないリスク(高市トレードの終了)による株売り・円買い戻しに市場は動くのか、日本の政治的混迷を嫌気して円売りに動くのかの判断が非常に難しい状況だ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、これまでの本日高値153.27円。その上は節目の154.00円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、昨日安値152.14円。その下は8日安値151.74円。
今晩は上値の重い展開か。昨日はAI関連株が上昇したほか、デルタ航空、ペプシコなどの好決算発表銘柄の上昇を受けて小高くスタートしたものの、高値警戒感の強まりや、政府機関の一部閉鎖が9日目に入り、経済への影響が懸念されたことで終盤は売りが優勢となった。ダウ平均が243.36ドル安(-0.52%)と4日続落し、S&P500とナスダック総合はともに取引時間中の史上最高値を更新したが、それぞれ0.28%安、0.08%安と反落して終了した。週初来ではダウ平均が0.86%安と反落ペースとなった一方、S&P500が0.29%高、ナスダック総合が1.07%高とともに2週続伸ペースとなった。
今晩は主要3指数が最高値圏で推移していることで高値警戒感が意識されることや、政府機関閉鎖の長期化による経済活動への悪影響などが懸念され上値の重い展開か。週末の取引となることで上昇モメンタムが復活したAI関連株にも利益確定売りが強まりそうだ。経済指標では10月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値の発表が予定され、消費者のセンチメントやインフレ見通しにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは10月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は大幅反落。寄り付きから下げ幅を広げる展開となり、前日の陽線を帳消しにするような陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日80.6%→77.9%(10/10)に低下。5日移動平均線(48059円 10/10)上を保っており、前日からの見方に大きな変化はない。目先的には高値更新後の揺り戻しが続くことも想定されるが、基本的には上目線のトレンドフォロー継続である。
上値メドは、心理的節目の48500円や49000円、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、51000円や52000円など1000円刻みが想定される。下値メドは、5日移動平均線、心理的節目の47000円、10日移動平均線(46553円 同)、心理的節目の46000円、10/3高値(45778円)、25日移動平均線(45339円 同)などがある。
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.86円(10日15時時点比▲0.96円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.19円(▲0.63円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1601ドル(△0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:9427.47(前営業日比▲81.93)
ドイツ株式指数(DAX):24241.46(▲369.79)
10年物英国債利回り:4.675%(▲0.070%)
10年物独国債利回り:2.644%(▲0.059%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.4% ▲0.6%
(前年比) 3.6% 3.5%
9月スイスSECO消費者信頼感指数
▲36.5 ▲39.9
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下落。公明党が自民党との連立政権から離脱する方針を示したと伝わると、連日続いた「高市トレード」を意識した円売り・ドル買いを巻き戻す動きが先行した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事がCNBCのインタビューで「労働市場が最大の懸念」としたうえで、「利下げが依然として必要だと考えている」と発言したこともドル売りを促した。
トランプ米大統領がSNSへの投稿で「中国は非常に敵対的になっている」「中国製品への関税引き上げを検討中」との見解を示し、中国に対して激しい批判を展開すると、米中対立激化への懸念やハイテク産業への影響が警戒され、米国株相場が急落。リスク回避の円買い・ドル売りが優勢となり、24時30分過ぎに一時151.51円と日通し安値を更新した。
・ユーロドルは強含み。米政府機関の一部閉鎖は本日で10日目に入った。市場では「米与野党の対立が続き、政府機関閉鎖が長期化するとの懸念がある中、今後の行方を見定めたいとの雰囲気だ」との声が聞かれる中、しばらくはもみ合いの展開が続いた。
ただ、トランプ米大統領のSNS投稿をきっかけに米中の貿易摩擦激化に伴う米景気減速懸念が増大すると、米長期金利が大幅に低下。全般ドル売りが優勢となり、24時30分過ぎに一時1.1631ドルと日通し高値を付けた。
・オセアニア通貨は軟調。ダウ平均が一時640ドル超下落するなど、米株式相場が軟調に推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは0.6479米ドル、NZドル米ドルは0.5717米ドルまで値を下げた。また、豪ドル円は98.27円、NZドル円は86.75円と日通し安値を更新した。
・ユーロ円はじり安。ユーロドルの上昇につれた買いが入った半面、ドル円の下落につれた売りが出た。日米株価指数の下落に伴うリスク回避の円買い・ユーロ売りも入り、2時30分前に一時176.05円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は続落。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、トランプ米大統領の発言をきっかけに米中貿易摩擦への懸念が高まると英株にも売りが膨らんだ。原油安を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反落。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、終盤失速した。トランプ米大統領の発言をきっかけに米中貿易摩擦への懸念が高まると米国株が急落。独株にも売りが波及した。前日までに3日続伸し史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りも出やすかった。
・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.19円(前営業日比▲1.88円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=175.79円(▲1.21円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1619ドル(△0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:45479.60ドル(▲878.82ドル)
ナスダック総合株価指数:22204.43(▲820.20)
10年物米国債利回り:4.03%(▲0.11%)
WTI原油先物11月限:1バレル=58.90ドル(▲2.61ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4000.4ドル(△27.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
55.0 55.1
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は7日ぶりに反落。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事がCNBCのインタビューで「労働市場が最大の懸念」としたうえで、「利下げが依然として必要だと考えている」と発言するとドル売りが先行。トランプ米大統領がSNSへの投稿で「中国は非常に敵対的になっている」「中国製品への関税引き上げを検討中」との見解を示し、中国に対して激しい批判を展開すると、米中対立激化への懸念やハイテク産業への影響が警戒され、米国株相場が急落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが広がった。
取引終了間際にトランプ米大統領が「米国は11月1日から中国に100%の追加関税を課す」との考えを示したと伝わると、一時151.17円と日通し安値を更新した。
なお、日本では10日に公明党が自民党との連立政権から離脱する方針を示したと伝わった。連日続いた「高市トレード」を意識した円売り・ドル買いを巻き戻す動きも見られた。
・ユーロドルは5日ぶりに反発。トランプ米大統領のSNS投稿をきっかけに米中の貿易摩擦激化に伴う米景気減速懸念が増大すると、米長期金利が大幅に低下。全般ドル売りが優勢となり、24時30分過ぎに一時1.1631ドルと日通し高値を付けた。
・ユーロ円は続落。ドル円の下落につれた売りが出たほか、日米株価指数の下落に伴うリスク回避の円買い・ユーロ売りが入った。取引終了間際には一時175.67円と日通し安値を更新した。
なお、米株式市場でダウ平均は一時880ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比2440円安の4万5180円まで下げる場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落。中国がレアアースの輸出規制を打ち出したことなどを巡り、トランプ米大統領が自身のSNSで対中関税引き上げを示唆すると、米中関係悪化への警戒が高まった。指数は高く始まったものの、この投稿をきっかけに投資家のリスク回避姿勢が強まると株売りが膨らんだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。中国がレアアースの輸出規制を打ち出したことなどを巡り、トランプ米大統領が自身のSNSで対中関税引き上げを示唆すると、米中対立激化への懸念から米国株が急落。相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。
・原油先物相場は大幅に続落。パレスチナ自治区ガザの停戦発効で中東を巡る地政学リスクが後退。中東からの原油供給に関する懸念が和らぎ、6月2日以来の安値58.70ドルまで売られた。
・金先物相場は反発。史上最高値更新が続いた後を受けた調整の大幅反落は昨日だけで一巡して4000ドル台を早々に回復。トランプ米大統領の中国関税引き上げ発言が伝わるなか米金利低下・ドル安が進行し、金先物は4038ドル台まで一時上昇した。金利低下が金利のつかない資産である金の相対的な投資妙味改善に寄与したり、ドル安がドル建て金価格の換算値押し上げにつながったりした。米株の大幅安も安全資産とされる金の購入を促した。
NHKが公明党が自民党との連立政権から離脱する方針とのニュースを報じた。
大和証券では、高市氏の自民党総裁選勝利でアンダーパフォームした金融株に投資妙味があると考えている。大和では高市氏に関して、あくまでも利上げを慎重に進めるべきとの考えで、利上げに絶対反対というわけではないとみている。日銀に関しては、2026年1月の支店長会議などで2026年の賃上げがそれほど鈍化しないという自信を得て利上げを再開し、その後は緩やかなペースでの利上げを継続すると予想。それに伴い日本の長期金利は緩やかに上昇し、金融株のアウトパフォームをもたらすと大和では考えている。
スタンダード・チャータードで北アジア地域の投資責任者を務める鄭子豊氏はこのほど、ハンセン指数が同行の予想レンジ(24000-26000ポイント)を突破し、現在は値固めの段階にあるとの見方を示した。『信報』が10日伝えた。
一方、鄭氏は10月下旬に開催される中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で第15次5カ年計画の方向性が示される可能性があると指摘。政策支援と内巻(過当競争)の緩和により、企業利益予想の上方修正が期待されるとして、ハンセン指数の向こう12カ月の目標レンジ(基本シナリオ)を28000-30000ポイントに引き上げ、目標値を29500ポイントに設定した。
ただ、政策が予想に届かない場合やデフレが改善しなければ、ハンセン指数は26000-28000ポイントにとどまる可能性があると指摘。米連邦準備理事会(FRB)の独立性への懸念や米国政策の不確実性、米中関係などをリスク要因として挙げた。
マクロン仏大統領は10日、ルコルニュ氏を次期首相に再指名すると発表した。
10日08:25 ベッセント米財務長官
「アルゼンチンペソは過少評価されている」
「中国は大豆購入に戻ってくる必要があると考える」
「近くインドはロシア産原油の購入を減らし、米国産原油の購入を増やす見込み」
「ロシア産原油を購入しているのは中国とインド」
10日09:17 ブロックRBA総裁
「豪サービスインフレにやや粘着性、目標内に抑制が責務」
「家計消費が回復し始めており、労働市場も良好」
10日10:56 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「今のところインフレは予想された程心配されるものではない」
「労働市場は制御できなければ気がかりとなる可能性」
10日11:16 加藤財務相
「為替は足もとで一方的、急激な動きがみられる」
「円安にはプラス面とマイナス面双方がある」
「為替相場はファンダメンタルズを反映した安定推移が重要」
「為替市場の過度な変動をしっかり見極める」
10日13:13 ナーゲル独連銀総裁
「ユーロ高は懸念していない」
「政策スタンスの変更はハードルが高い」
「現在の金融政策スタンスは適切」
10日15:58 斎藤公明党代表
「自公連立政権はいったん白紙とし、これまでの関係に区切りをつける」
「首相指名では斎藤鉄男と書く。高市早苗と書くことはできない」
「国政選挙における党同士の選挙協力もいったん白紙」
「政治と金についての意見の相違があった」
10日16:52 高市自民党総裁
「一方的に連立政権離脱を伝えられた」
「政治資金規正法に対する公明改正案に賛否を求められた」
10日17:23 玉木国民民主党代表
「(公明党の離脱)政治と金の問題に終止符を打ちたい意志の表れ」
「ともに生活者のための中道政党、共通する部分多い」
「(公明党と)ともに力を合わせたい」
「FRBは利下げが必要だが、慎重に行う必要がある」
「FRBは積極的でも急速でもなく、0.25%ずつ動くだろう」
「労働市場は決して逼迫していない」
「あらゆるデータが労働市場が好調ではないことを示している」
11日00:01 トランプ米大統領
「中国は非常に敵対的になっている」
「中国製品への関税引き上げを検討中」
「中国はレアアースに関して悪質な動きを見せた」
「韓国で習近平・中国国家主席と会う理由はないようだ」
11日02:45 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「インフレ率は目標を大幅に上回っている」
「金融政策は引き続きインフレに対抗する姿勢を維持すべき」
「インフレはさらに上昇する可能性があり、労働市場はさらに弱まる可能性がある」
「保険と??して、更なる利下げの可能性についてはオープンな姿勢」
「FRBは慎重に行動すべき」
※時間は日本時間
◆豪ドル、9月雇用統計に注目
◆ZAR、日米欧の政局不安で買い意欲が強い
◆豪ドル・ZAR、首相指名遅延が逆に高市トレードへの期待高める可能性
予想レンジ
豪ドル円 98.50-103.00円
南ア・ランド円 8.70-9.20円
10月13日週の展望
豪ドルは対円、対ドルともに堅調地合いを維持しそうだ。ただし、日米の政治状況に変化が生じた場合は、相場展開が急変するリスクもあり、警戒を怠らないようにしておきたい。
豪ドル円は昨年11月以来となる3桁の水準まで上がってきている。4日の自民党総裁選で高市早苗氏が勝利を収めたことで、財政拡大路線と日銀が利上げに消極的になるとの期待が、日本株高と円安を促している。首相指名が20日以降にずれ込むとの報道もあり、高市政権の具体的な経済政策が判明しない場合は、むしろ期待感だけが先行して「高市トレード」が反転するのは難しくなる。豪ドル円はさらに上値を広げる可能性が高いだろう。ただ、高市政権の副総裁と幹事長に、12年弱にわたり財務相を務めた麻生氏と鈴木氏が就任したことは注目に値する。両氏が財務省の意向を組み、財政拡大に反対を唱えることも考えられ、高市氏が目論むような積極財政とならなければ、為替市場も株式市場も反動が大きくなるリスクもある。その中でもリスク回避の動きに敏感な豪ドルは大きな影響を受けることになるだろう。
豪州の経済指標では、16日に発表予定の9月雇用統計が注目される。先月末に行われた豪準備銀行(RBA)理事会では、雇用市場に関しては「ここ数カ月で概ね安定している」との見解が示された。失業率が4%を下回るほど改善した場合は再利下げが遠ざかり、豪ドルは素直に買われるだろう。一方で、失業率が4%半ばに近づいたり、新規雇用者数が減少した場合は利下げ期待が高まり、豪ドル売りを動意づけることになりそうだ。
なお、14日には9月29-30日に行われたRBA理事会の議事要旨公表や、15日にはハンターRBA総裁補佐、16日にはブロックRBA総裁、ケントRBA総裁補佐の講演などが予定されている。ただ、16日の講演を含め雇用統計発表前に予定されていることもあり、反応は限定的になるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は引き続き堅調な動きとなりそうだ。ZARは対円だけではなく、対ドルでも強含んでいる。これまでは新興国通貨のため、リスク回避ではZAR売りになる場面が多かったが、今では日米欧の政治不安を嫌気しZARはSafe Haven (セーフヘイヴン)とされ、避難通貨と一部では呼ばれているほどだ。来週は、経済指標では15日に8月の小売売上高が発表される程度。引き続き他国の政治状況がZAR相場を左右するだろう。
10月6日週の回顧
豪ドルは対円では101円手前まで大幅に上昇し、年初来高値を更新した。週末に行われた自民党の総裁選で、財政積極派とされている高市氏が勝利を収めると円売り・株高が進んだ流れに沿った。対ドルではほぼ横ばいの動きだったが、対NZドルでは強含んだ。NZ準備銀行(RBNZ)が金融政策委員会(MPC)で50bpの大幅利下げを行ったことが、豪ドル買い・NZドル売りを促した。ZARも対円では週初に急騰。その後も9円手前まで強含み、年初来高値を更新した。また、対ドルでもZAR買い意欲が強く、年初来高値を更新している。
◆来週も高市トレードの円相場が主役か
◆ポンド、6-8月雇用データや8月GDP・鉱工業生産などに注目
◆加ドル、円やドルに左右もBOCの利下げ継続観測が重し
予想レンジ
ポンド円 202.00-206.00円
加ドル円 107.50-111.50円
10月13日週の展望
来週も引き続き高市トレードが続いている円相場や、米政府機関の一部閉鎖に絡んだドル相場が主役となりそうだ。日本の首相指名選挙などを実施する臨時国会の召集日が21日ごろまで先送りされる可能性があり、来週も高市氏の「積極的な財政政策と緩和的な金融環境」志向を背景とした円売り圧力は払しょくされにくく、対円で調整売りが進んだとしても浅めにとどまりそうだ。
ポンドは、来週発表予定の6-8月雇用データや、8月GDP・鉱工業生産・製造業生産指数などで、賃金・景気動向を見極めることになる。5-7月の賃金は前年比4.7%と4-6月から伸びが鈍化し、失業率は4.7%と21年第2四半期以来の高水準を維持した。また、7月の鉱工業生産、製造業生産は前月比マイナスとなった。政策金利の据え置きを決定したイングランド銀行(英中銀、BOE)の9月会合以降、市場では年内の追加利下げ思惑が後退し、利下げは来年2月に先送りされるとの見方が強まっているが、労働市場が低迷し、景気鈍化への懸念が強まれば、年内の利下げ再開への議論が高まる可能性がある。
なお、ポンドにとっては11月に秋季予算案の発表を控え、財政懸念が引き続き足かせとなる。リーブス英財務相は財政目標の達成軌道を維持するため、秋の予算で増税を行うと見込まれており、経済成長の加速を一段と難しくする可能性がある。目先は、債券発の金融市場の動揺が繰り返される可能性には要注意だ。
来週、加国内では8月住宅建設許可件数や8月卸売売上高などの発表が控えているが、加ドルの動意につながる可能性は低く、円やドルに左右される動きが見込まれる。もっとも、今月末のカナダ中銀(BOC)会合で追加利下げに踏み切るとの見方も強く、加ドルの上値は重い。最近のカナダの労働市場は失速が見られ、第3四半期の経済成長率の見通しも思わしくない。
今週、トランプ米大統領とカーニー加首相は首脳会談を行った。カナダにとっては8月以降に課されている35%関税の引き下げが焦点だったが、合意には至らなかった。ただ、米関税措置に直面している鉄鋼・アルミニウム部門などの将来について「見解の一致」に達したとし、今後数週間で主要分野に関する合意形成に取り組むことになった。カナダの8月貿易収支は63.2億加ドルの赤字と赤字額は予想を上回った。最大の貿易相手国である米国だけでなく、他の国・地域への輸出が減少したことが要因となった。
10月6日週の回顧
4日の自民党総裁選で高市氏が勝利したことを受けて、週明けから円が急落。ポンド円は昨年7月以来の205円台乗せ。加ドル円は109円後半まで強含み、1月以来の110円台回復に迫った。
米政府機関の一部閉鎖を受けて注目の米経済指標の発表が延期されたこともあり、対ドルでは値動きが限られたが、ドル円主導のドル高で上値は重く、ポンドドルは1.32ドル後半まで下落。ドル/加ドルは1.40加ドル台まで加ドル安となった。
◆ドル円、「高市トレード」を見極めつつ円買い介入の可能性にも注意
◆米政府機関閉鎖が続いた場合、FOMC前に米重要指標を確認できない事態に
◆ユーロドル、フランス政局やトランプ米政権によるEUへの新提案に警戒
予想レンジ
ドル円 150.00-156.00円
ユーロドル 1.1400-1.1750ドル
10月13日週の展望
ドル円は、米労働省が閉鎖されているため9月のCPIやPPIの発表は見送られ、28-29日のFOMCに向けた判断材料が乏しくなる可能性が高まる中、高市自民党総裁の経済政策「サナエノミクス」(積極的な財政政策と緩和的な金融政策)を背景にした「高市トレード」の射程を見極めていく展開。投機筋は、先週までの円買い持ちポジションを手仕舞い、高市新政権の下でのドル高・円安の長期化に備えて、2024年にドル円を161円台まで押し上げたような「円キャリートレード」を構築しつつある可能性が高い。一方、本邦通貨当局が、当時と同様に輸入インフレ上昇を受けた物価高抑制のためにドル売り・円買い介入に踏み切るタイミングにも要注意。
なお、高市氏は「私の立場で利上げそのものについて発言すべきでない。行き過ぎた円安を誘発するつもりはない。財政健全化が必要ではないと言ったことは一度もない」と述べており、サナエノミクス修正の可能性にも警戒が必要。20日週に開催予定の臨時国会で次期首相が指名され、高市新首相が誕生する予定。リスクシナリオは、公明党(24議席)が連立政権を離脱した場合か。
ほか、30-31日の日銀金融政策決定会合での利上げ観測は後退しているものの、16日の田村日銀審議委員(9月会合で0.75%への利上げ主張)や17日の内田日銀副総裁の講演には注目しておきたい。また、15-16日のG20財務相・中央銀行総裁会議では、ベッセント米財務長官が植田日銀総裁に対して円安抑制のための利上げを要請する可能性があることにも注意だろう。
米国では、28-29日のFOMCでの判断材料となる15日発表の地区連銀経済報告で、米国の雇用情勢や物価情勢を確認することになるだろう。ただ、米政府機関閉鎖が続いた場合、15日の9月CPIや16日の9月PPI、小売売上高の発表が先送りされるため、FOMCでは9月の雇用統計や物価指標などの重要なデータを確認できないまま迎えることになる。
ユーロドルは、フランスの政治動向や予算案への警戒感、トランプ米政権による欧州連合(EU)への新たな提案への警戒感などから上値が重い展開が予想される。米国とEUは貿易合意を締結していたが、新たな提案は貿易合意を骨抜きにしかねない内容とのことで、欧米通商摩擦再燃への警戒感が高まっている。経済指標は14日に10月独ZEW景況指数、15日に8月のユーロ圏鉱工業生産の発表が予定されている。
10月6日週の回顧
ドル円は、高市自民党総裁が選出されたことで、週明けから窓を開けて急伸。連日の「高市トレード」(日本円売り・日本株買い)により、153.23円まで上昇している。ユーロドルは、フランスの政情混迷や財政赤字への警戒感が高まり、1.1731ドルから1.1542ドルまで下落した。ユーロ円は円全面安の展開の中で史上最高値となる177.94円まで上昇した。
10日の日経平均は大幅反落。終値は491円安の48088円。米国株安を受けて下落して始まると、寄り付き天井となって早々に下げ幅を3桁に拡大。ファーストリテイリング<9983.T>が決算を受けて大幅高となったが、三連休を前に幅広い銘柄が売りに押される中、9時台後半辺りからは下方向に勢いがついた。500円近い下落で前場を終えると、後場には下げ幅を600円超に広げる場面もあった。ただ、節目の48000円を割り込んだところでは下値が拾われており、終盤にかけてはやや下げ幅を縮小。大幅安とはなったものの、終値では48000円を上回った。
東証プライムの売買代金は概算で6兆3300億円。業種別ではプラスは小売1業種のみで、食料品や空運が小幅な下げにとどまった。一方、証券・商品先物、鉱業、石油・石炭などが大幅な下落となった。同種軟骨細胞シートの第3相試験において第1例目の症例が登録されたと発表したセルシード<7776.T>が、買いを集めてストップ高比例配分。半面、特別調査委員会の設置および上期決算発表の延期を発表したエア・ウォーター<4088.T>が、売りが殺到してストップ安比例配分となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり149/値下がり1442。決算が好感されたファーストリテイリングが6%を超える上昇となり、久々に節目の5万円を上回った。決算発表を前に良品計画が2%を超える上昇。キーエンス、安川電機、ファナックなどFA・ロボット関連が地合いの悪い中でも堅調に推移した。上方修正や増配を発表した吉野家HDが大幅高となった。
一方、IHI、三菱重工、川崎重工の防衛大手3社がそろって大きめの下落。ソニーG、日立、NECなど電機株が弱かった。前日急騰したソフトバンクGが3%を超える下落。原油価格の下落を受けて、INPEX、石油資源開発、ENEOSなど原油との連動性が高い銘柄の下げが大きかった。今週は高市氏の自民党総裁選勝利を材料に核融合、ドローン、宇宙関連などが強く買われる場面があったが、きょうはその反動が強めに出て、助川電気工業、テラドローン、アストロスケールなどが急落した。
日経平均は大幅安。ただ、一時48000円を割り込んだものの、そこからさらに売り叩くような動きは見られなかった。終値(48088円)では48000円や5日線(48059円、10日時点)を上回っており、きょうの下げに関しては、相場のトレンドを変えるようなものではなかったと考えられる。
ただ、引け後に公明党の斉藤代表が高市自民党総裁に連立離脱の方針を伝えたことが伝わっており、斉藤代表も会見を行っている。公明党は首班指名で高市氏ではなく斉藤代表の名前を書くもよう。斉藤代表は会見で、「政治とカネ」の問題が離脱の大きな理由であった旨の発言を行っている。自公が分裂となると、野党も自民党とは距離を置いてくるだろう。今週の株式市場は「前祝いムード」一色となったが、今の自民党は少数与党。「サナエノミクス」始動どころか、高市氏が首班指名で勝てない可能性も出てきた。この三連休の間にも政治に関する様々なニュースが出てくると思われるが、高市氏が本当の意味で「自民党を変える」メッセージを出してこないと、期待が相応に高まった分、失望の反応が大きくなってしまうだろう。
【来週の見通し】
波乱含みか。月曜が休場で立ち合いは4日。10日の引け後に公明党が連立離脱の意向を示したことが伝わっており、「高市トレード」の逆回転による円高・株安に対する懸念が浮上してきた。米国では金融株を中心に決算が出始める。堅調推移が続いている米国株が決算を材料に一段高となるようであれば、グローバル株式市場にとって安心材料になると見込まれる。また、成長期待の高い銘柄に関しては、反動安に見舞われる場面があっても押し目では買いが入るとみる。それでも、政治に関するニュースが指数や為替を大きく動かす可能性が高いだけに、週を通して不安定な動きが続くだろう。
13日
○スポーツの日の祝日で休場
14日
○08:50 ◇ 9月マネーストックM2
15日
○13:30 ◇ 8月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 8月設備稼働率
16日
○08:50 ◎ 8月機械受注
○10:30 ◇ 田村直樹日銀審議委員、あいさつ
17日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○15:35 ◎ 内田眞一日銀副総裁、あいさつ
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
13日
○未定 ◎ 9月中国貿易収支
○15:00 ◇ 9月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ◇ 8月トルコ経常収支
○19:30 ◎ 9月インド消費者物価指数(CPI)
○20:05 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○14日01:10 ◎ ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○14日04:10 ◎ マン英中銀MPC委員、講演
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、18日まで)
○米国(コロンブスデー)、債券市場が休場
○カナダ(感謝祭)、休場
14日
○08:01 ◇ 9月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:00 ◎ 7-9月期シンガポール国内総生産(GDP)速報値
○09:00 ◎ シンガポール金融通貨庁(MAS)、金融政策発表
○09:30 ◇ 9月豪NAB企業景況感指数
○09:30 ◎ 豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(9月29日-30日分)
○15:00 ◎ 9月独CPI改定値
○15:00 ◎ 9月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 6-8月英失業率(ILO方式)
○15:30 ◇ 9月スイス生産者輸入価格
○18:00 ◎ 10月独ZEW景況感指数
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:00 ◎ テイラー英中銀MPC委員、講演
○21:30 ◇ 8月カナダ住宅建設許可件数
○21:45 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○15日00:30 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○15日00:40 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○15日01:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○15日01:20 ◎ パウエルFRB議長、講演
○15日02:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○15日04:25 ◎ ウォラーFRB理事、パネルディスカッションに参加
○15日04:30 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○10:30 ◎ 9月中国CPI
○10:30 ◎ 9月中国生産者物価指数(PPI)
○15:45 ◇ 9月仏CPI改定値
○17:00 ◎ ラムスデンBOE副総裁、講演
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏鉱工業生産
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◇ 8月南アフリカ小売売上高
○21:00 ◎ 8月ブラジル小売売上高
○21:30 ◇ 8月カナダ製造業出荷
○21:30 ◇ 8月カナダ卸売売上高
○21:30 ☆ 9月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○21:30 ◎ 10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○22:45 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16日00:45 ◎ ブリーデンBOE副総裁、講演
○16日01:30 ◎ ミランFRB理事、講演
○16日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○16日04:45 ◎ ブロックRBA総裁、イベントに参加
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、16日まで)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。
16日
○09:30 ◎ 9月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○15:00 ☆ 8月英GDP
○15:00 ◎ 8月英鉱工業生産/製造業生産高
○15:00 ◇ 8月英商品貿易収支/英貿易収支
○18:00 ◇ 8月ユーロ圏貿易収支
○21:15 ◇ 9月カナダ住宅着工件数
○21:30 ◎ 9月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○21:30 ☆ 9月米小売売上高
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○21:30 ◎ 10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○23:00 ◇ 8月米企業在庫
○23:00 ◎ 10月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
○17日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○17日01:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
17日
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏HICPコア改定値
○18:35 ◎ ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○21:30 ◇ 8月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 9月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○21:30 ◇ 9月米輸入物価指数
○21:45 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○22:15 ◎ 9月米鉱工業生産
◇ 設備稼働率
○18日05:00 ◎ 8月対米証券投資動向
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。
<国内>
○スポーツの日の祝日で休場
<海外>
○未定 ◎ 9月中国貿易収支(予想:982.0億ドルの黒字)
○15:00 ◇ 9月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ◇ 8月トルコ経常収支(予想:54.0億ドルの黒字)
○19:30 ◎ 9月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比1.50%)
○20:05 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○14日01:55 ◎ ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○14日04:10 ◎ マン英MPC委員、講演
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、18日まで)
○米国(コロンブスデー)、債券市場が休場
○カナダ(感謝祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末の海外市場でドル円は、取引終了間際にトランプ米大統領が「米国は11月1日から中国に100%の追加関税を課す」との考えを示したと伝わると、一時151.17円まで弱含んだ。連日続いた「高市トレード」を意識した円売り・ドル買いを巻き戻す動きも見られた。ユーロドルは1.1631ドルまで上昇した。
本日の東京時間でのドル円は、ドル売り材料が豊富なことで上値が限られることになりそうだ。ただ、政治相場となっていることで、政局が急変した場合には相場が大きく反応するリスクにも警戒したい。なお、本日は本邦市場がスポーツの日で祝日休場なだけでなく、米国もコロンブスデーで債券市場が休場となっている。
先週末10日は日米からサプライズとなる、政治的な動きがみられた。日本からは公明党が連立政権から離脱、米国からはトランプ米大統領が中国への追加関税を課すことを示したことで米中両大国の貿易摩擦が再燃した。
先週、10日の午後に公明党が26年にわたって続いた自民党との連立政権から離脱したことが、政局の混迷を深めている。日本時間10日夕刻に会見で応えた斎藤公明党は「首相指名では高市早苗と書くことはできない」と明確に高市氏への投票を否定した。臨時国会は20日以後になることは決定的だが、高市氏が首相に指名されない可能性すら出てきている。
衆議院定数465議席の中で自民党議席は196議席、公明党が24議席、この220議席に維新35議席か国民民主27議席が加われば過半数(233議席)を獲得できたが、公明党が離脱したことで連立の見通しが立たなくなった。一方で野党も立憲148議席、維新35議席、国民民主27議席でも過半数には届かないなど、どのような連立が実現するかが全く読めない状況だ。
現時点で首相選挙が行われた場合は1回目で過半数を獲るものがいないと思われ、上位2名の決選投票が行われるだろう。その場合は公明党が与野党のどちらにも投票しない可能性や、れいわ新選組9議席、共産党8議席、などがキャスティングボードを握る可能性も出てくるかもしれない。このような複雑化した政局は、日本人ですら今後の展開が読めない状況なので、海外勢には更に理解ができず、これまでのような「高市トレード」で一方的に円売りのポジションを傾けにくいだろう。高市氏が首相になれないリスク(高市トレードの終了)による株売り・円買い戻しに市場は動くのか、野党が勝利した場合でも財政積極路線が濃厚なことや、日本の政治的混迷を嫌気して円売りが続くかの判断が非常に難しい状況だ。
米中の貿易摩擦再燃により、先週末はNY引け値にかけて急速にドル売り・円買いが進んだことで、早朝はドルが買い戻されてから市場は始まっている。ただ、昨日中国政府はトランプ大統領の10日の発表について「典型的なダブルスタンダード」と非難し、米国との貿易戦争を「恐れてはいない」と述べるなど、徹底抗戦を行うとの姿勢を改めて示していることでドルの上値は重いだろう。10日の米株式市場は大幅安で引け、1日で2兆ドル株価が消失したとされている。また、10日のCME225先物は46000円を割り込んで引けるなど、明日の日経平均も日米の政治的な混迷のダブルパンチで大幅続落になることになるだろう。
米国の政府機関の一部閉鎖は、米上院が14日までは休会となっていることで、引き続き解除されることはない。2018年の米政府機関の一部閉鎖では、1週間でGDP成長率を0.1%低下させるとの試算だったが、すでに3週目に突入することになる。なお、トランプ大統領は先ほどテルアビブに向かい、本日(現地時間13日)イスラエルの国会で演説を行う予定。
先週末のドル円は、NY時間に入ってからのトランプ発言による完全なリスクオフ相場。欧州時間まで意識されていた公明党の連立政権離脱など、もはや全く関係ないと言わんばかりの値動きとなりました。中東の和平交渉で後回しになっていたのか、中国のレアアース輸出規制といった1日以上も前の発表に対して、いきなり自身のSNS上で「中国は敵対的になっている。追加関税を検討中」と表明すると、市場はリスクオフ一色。引け間際には「11月1日から100%の追加関税」を発表すると、ドル円は151.17円まで急落してNY市場を終えることになりました。日経平均先物は一時45180円までの暴落。米10年債利回りも10bp以上急低下して週末の取引を終えています。
そして、日本が祝日の週明けのアジア市場。市場では「やっぱりね」との声が多く聞かれていますが、トランプ米大統領がSNS上で「TACO発言」となるとドル円は一気に152.28円まで買戻し。暴落していた日経平均先物も1000円以上値を戻す動きとなっているといったところです。
いずれにしても、ドル円は3月28日の高値151.21円や8月1日の高値150.92円といったチャート上かなり重要なサポートレベル付近で下げ止まっているわけで、逆に言えば、トランプ米大統領によって格好の拾い場を提供してもらった状況。そして、週明け早々から、これまで何度となく繰り返されてきているように、トランプがTACOったことからリスクオフの巻き戻しという、久し振りの自縄自縛相場byトランプに付き合わされることになっています。
本日のロンドン為替市場では、主だった経済指標の発表がなく手掛かり材料が少ないうえ、コロンブスデーで米債市場が休場ということもあり、ユーロドルは参加者の減少が見込まれる中で仏新内閣の行方を気にしながらの展開か。
前週末にフランス大統領府が発表したルコルニュ首相の新内閣について、要職は前回と同じメンバーが占めることもあり、新味に乏しい。そうした中、新内閣が野党を納得させられるかは依然不透明であり、急進左派「不服従のフランス(LFI)」は、極右の国民連合(RN)と同様に本日不信任案を提出すると伝えられている。事態の収束が見通せないこともあり、引き続きユーロドル相場の重しとなりうる。
もっとも、前週末の相場を動かしたのが米中貿易摩擦の激化懸念であったことを踏まえると、トランプ米大統領を始めとする関係者の発言のほうが市場に与えるインパクトは大きいかもしれない。本日トランプ米大統領がSNSで「アメリカは中国を助けたいのであって、傷つけたいのではない!」と記したことで懸念は和らいでいるものの、引き続き注意が必要だろう。
他方、英国ではグリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演機会が予定されている。同委員は9月の英中銀(BOE)理事会で金利据え置きに投票したほか、同月下旬には「今後は利下げに慎重に取り組むのが適切」など追加利下げに慎重姿勢を示した。発言内容に変化がないか確認しておきたい。なお、市場ではBOEの早期追加利下げ観測が後退しており、次の利下げは来年2月と見られている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:21日移動平均線1.1721ドル
・ポンドドル:8日高値1.3438ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル: 9日安値1.1542ドル
・ポンドドル:10日安値1.3262ドル
中国商務部は12日、トランプ米大統領が中国に100%の追加関税をかけると宣言したことに対し、「高関税による威嚇は中国との正しい接し方ではない」と批判し、「米国が一方的に突き進むなら、中国は必ず断固とした相応の措置をとる」と報道官談話の形で表明した。
中国商務部は、米国政府が中国のレアアース輸出管理などに反発して追加関税や重要ソフトウエアに対する輸出管理を発表したことについて「国家安全保障の概念を過度に拡大した輸出管理の乱用」だと批判した。同部が9日発表した措置は軍事用の用途を持つレアアースの拡散防止などの責任を果たすことが目的であり、「禁輸ではない」と強調した。
中国商務部はさらに、今年9月にスペイン・マドリードで行った米中貿易会合からわずか20日あまりの間に、米当局は多数の中国企業を禁輸リスト収載するなどの規制措置を相次いで実施したと指摘。「米国は誤ったやり方を正し、両国首脳間の対話で得られた重要な共通認識を指針とし、これまでの協議で得た成果を踏まえて」中国との経済貿易協議の仕組みを作用させるよう求めた。
バンス米副大統領は12日、中国との間で深刻化する貿易摩擦が長引けば、米国がより多くの交渉手段を打ち出せると述べ、中国に「理性的な道を選ぶ」よう呼びかけた。米FOXのニュース番組に出演し、現在の状況を「微妙なダンスのようだ」と形容した上で「成り行きはほとんど中国の対応次第だ」との見解を示した。
バンス氏は「中国が極めて攻撃的な対応を取ったとしても、米国の大統領の方が中国よりはるかに多くのカードを握っていると保証できる。逆に中国が理性的になろうとすれば、米国も同じように対応する」と語った。
バンス氏によると、10日と11日に会ったトランプ米大統領は中国の習近平国家主席との友情を非常に大切にしているものの、「我々は多くの交渉手段を持っている。私としてはそうした手段を行使せずに済めばよいと思うし、大統領もそう願っている」と述べた。その上で「もし中国が、一部の自国製品の調達から世界全体を締め出す道をたどるなら、この良好な関係は脅かされるだろう」と警告した。
トランプ米大統領は12日、追加関税などの通商対立を巡って「中国について心配しないように。すべてうまくいく」と述べた。中国の習近平国家主席は「一時的に判断を誤っただけだ。彼は自国の景気後退を望んでいないし、私も同じだ。米国は中国を助けたいのであって、傷つけたいわけではない!」と自身のSNSに投稿した。
トランプ氏は10日、中国からの輸入品に対し、11月1日から現在の関税に加えて100%の関税を上乗せするとSNSで発表。中国の今後の行動や変更次第では実施時期を早める考えを明らかにした。「あらゆる重要ソフトウエア」についても11月1日から輸出規制を実施する。
トランプ氏は10日の投稿のなかで「中国が貿易問題で極めて強硬な姿勢を取ったことが明らかになった」と追加関税の理由を説明。「中国は世界に向けて極めて敵対的な書簡を送り、2025年11月1日から、ほぼすべての自国製品(さらには自国製ではない一部の品目)に対して大規模な輸出規制を課すと宣言した。これは例外なくすべての国に影響を及ぼすものであり、明らかに数年前から計画されていたものだ。国際貿易の歴史上、前例のない行為であり、他国との関係において道義的に許されない」と書き込んだ。
中国商務部は9日、一部のレアアースと採掘や精錬に必要な技術の輸出に制限をかけると発表した。磁石材料の製造、リサイクルなどをするための技術も規制対象に含まれる。
中国の税関総署が13日発表した2025年9月の米ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比8.3%増となり、市場予想(6.0%増)を上回った。8月は4.4%増だった。輸入は7.4%増で、市場予想の1.5%増を上回った。8月は1.3%増だった。貿易黒字は904億5000万米ドルと市場予想の1023億5000万米ドルを下回った。
人民元建てでは、輸出が8.4%増、輸入が7.5%増。8月実績はそれぞれ4.8%増、1.7%増だった。貿易黒字は6454億7000万元。
「女は、決して、後戻りはしないのです」(サッチャー第71代英首相)
サッチャー第71代英首相の言葉に、「思考は言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる」というものがある。
1990年代から英米アングロサクソン国がリーダー、サッチャー第71代英首相とレーガン第40代米大統領が推進してきた「グローバリズム」は、2016年に英国と米国が「グローバリゼーション・ファティーグ(グローバル化疲れ)」により国民投票で否定したことで終焉を迎えた。
フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏は、英米のアングロサクソンの国民が、2016年に英国の欧州連合離脱と米国の「アメリカ・ファースト」を標榜したトランプ大統領選出により、グローバリズムとネオリベラリズムの終焉を決定した背景として、「グローバリゼーション・ファティーグ」を挙げている。トッド氏は、歴史家として2016年を「英米仏という民主主義の三大国において左派が右派でしかなくなった年である」と定義した。
20世紀初頭の欧州では、共産主義という妖怪が徘徊していたが、21世紀の欧米では、ナショナリズムという魔女が徘徊している。
米国では「アメリカ第一主義」を標榜しているトランプ第45・47代米大統領が雄叫びをあげつつある中、ドイツ、フランス、イタリア、そして日本でも、「自国ファースト」を標榜する保守派の女性達が雌叫びをあげ始めている。
■独:ワイデル党首「ドイツのための選択肢(AfD)」
2013年4月、中道右派だが親欧州派のCDUに代わる右派で穏健な欧州懐疑派の政党として、ユーロ圏の政策に反対するために結成され、反移民、反イスラム教、反欧州連合という政策を拡大した。イデオロギーはドイツ民族主義、国家保守主義を特徴とし、反イスラム、反移民、福祉排外主義、欧州懐疑主義に政策の重点を置いている。
2025年2月のドイツ連邦共和国総選挙では、第2党に躍進した。
■伊;メローニ伊首相「イタリアの同胞(FdI)」
メローニ伊首相は、右翼ポピュリスト、イタリア民族主義者であり、中絶、安楽死、同性カップルのパートナーシップ、同性結婚、子育てに反対し、核家族は男性と女性のペアによってのみ運営されるべきと主張している。非ヨーロッパ系移民の受け入れや多文化主義に反対し、EUに関しては懐疑的な立場をとっている。
■仏:ルペン国民連合党首(RN)
ルペン国民連合党首は、フランスの代表的な極右政党である国民連合の第2代党首であり、RN創始者及び初代党首ジャン=マリー・ル・ペンの第3女である。
欧州議会議員当時、公設秘書給与として受け取った計450万ユーロを党の活動費に流用した疑惑が浮上し、EU司法裁判所は不正受給を認定した。被選挙権が5年間停止されたため、最有力候補と見られていた2027年大統領選挙への立候補が困難となった。パリ控訴院は大統領選前の2026年夏に控訴審判決を下す方針を明らかにしている。
■日:高市第29代自民党総裁
2025年10月4日の自民党総裁選挙で、高市氏は第29代自民党総裁に選出された。
1993年6月の第40回衆議院議員総選挙で、故安倍自由民主党総裁(第21・25代)と高市自由民主党総裁(第29代)が初当選していた。
故安倍自民党総裁は、デフレ脱却のために「アベノミクス」(金融緩和・財政出動・成長戦略)を提唱したが、高市氏も同様の「サナエノミクス」(積極的な財政政策と緩和的な金融政策)を打ち出している。
本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領の対中規制に関する発言に警戒する展開となる。
本日の米国はコロンブスデーで休日となり債券市場は休場だが、株式市場や為替市場は開いている。
トランプ米大統領の10日の対中強硬発言を受けて、米中貿易摩擦への警戒感が高まっていたことで、一時「ブラックマンデー」の可能性、すなわちNY株とドルの下落の可能性が警戒されていた。
トランプ米大統領は、対中関税を来月から130%に引き上げる方針を示し、レアアース規制を「敵対的な行動」と非難して、習中国国家主席との米中首脳会談中止の可能性にも言及した。関税率は年初の145%には届かないものの、世界NO1とNO2の経済大国との間の130%という関税率は、米中貿易戦争を勃発させ、グローバル・リセッション(景気後退)への警戒感を高めることになる。
しかし、12日には、中国との新たな貿易摩擦の緩和に向けた取引にオープンな姿勢を示した。
中国商務省も、米国に対し高関税による脅しをやめ、未解決となっている貿易問題の解決に向けてさらに協議を進めるよう促したことで、米中貿易摩擦への警戒感がやや後退しつつある。
トランプ米大統領の警告がこれまでのような政治的な駆け引き、すなわち、「TACO(タコ)」(Trump Always Chickens Out(トランプはいつもおじけづく)に過ぎないのか否か、今後の発言に警戒していくことになる。
ドル円は、公明党の連立政権離脱を受けた「高市トレード」の巻戻しや米中貿易摩擦への警戒感が高まっていたことで、株安・円高というリスク回避の動きが強まりつつあった。
日経平均株価とドル円は、高市自民党新総裁の誕生を受けて、窓を空けて上昇していたが、窓が埋められた場合、高値反転を示唆する「アイランド・リバーサル」が出現する可能性に警戒しておきたい。窓埋めは、日経平均株価の場合は3日の高値45778円、ドル円の場合は3日の高値147.82円を割り込んだ局面となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、153.27円(10/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、149.93円(日足一目均衡表・転換線)
今週のNY市場は第3四半期決算発表に注目。先週はダウ平均が1278.68ドル安(-2.73%)、S&P500が2.43%安、ナスダック総合が2.53%安となり、主要3指数がそろって大幅反落した。政府機関の一部閉鎖が続き経済への悪影響が懸念されたものの、AI関連株の上昇が支援となり、S&P500とナスダック総合は金曜日の朝方まで週間で上昇ペースで推移した。しかし、トランプ米大統領が中国のレア・アース輸出規制を理由に、中国からの輸入品に対して大幅な関税を課す方針を発表したことで米中貿易摩擦懸念が強まり、ハイテク株を中心に利益確定売りが強まった。金曜日はナスダック総合が3.56%安、S&P500が2.71%安と4月10日以来の大幅安を記録し、ダウ平均も1.90%安と5月21日以来の大幅安となった。
今週は政府機関閉鎖の長期化や貿易を巡る米中関係悪化が引き続き相場の重しとなることが予想されるが、発表が本格的にスタートする企業の第3四半期決算に注目が集まる。決算発表はS&P500採用の30銘柄強が発表予定で、シティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴなどの大手金融機関のほか、アボット・ラボラトリーズ、ジョンソン&ジョンソン、アメリカン・エキスプレス、SLBなどの決算やガイダンスが注目される。また、AIトレードの持続性を巡り、オランダのASMLホールディングや台湾セミコンダクターの決算にも要注目となる。経済指標は政府閉鎖の影響で水曜日に予定される9月消費者物価指数(CPI)の発表が延期になる見通しだが、木曜日の9月小売売上高のほか、9月生産者物価指数(PPI)も発表される見込みで、経済指標の発表が少ない中、9月小売売上高と9月PPIが焦点となりそうだ。
今晩はコロンブスデーの祝日で、債券市場が休場。主要な米経済指標・イベントはなし。企業決算は寄り前にファスナルが発表予定。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.26円(13日15時時点比△0.41円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.22円(▲0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1573ドル(▲0.0042ドル)
FTSE100種総合株価指数:9442.87(前営業日比△15.40)
ドイツ株式指数(DAX):24387.93(△146.47)
10年物英国債利回り:4.658%(▲0.017%)
10年物独国債利回り:2.636%(▲0.008%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独卸売物価指数(WPI)
前月比 0.2% ▲0.6%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上昇。トランプ米大統領が中国に対してやや穏健な姿勢を見せたことから、米中貿易摩擦の緩和期待が高まり時間外のダウ先物が上昇。投資家のリスク回避姿勢が後退し、円売り・ドル買いが優勢となった。NY市場に入り、現物のダウ平均が一時650ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場の支援材料となり、23時30分過ぎに一時152.45円と日通し高値を付けた。
なお、ベッセント米財務長官はこの日、「米中首脳会談は予定通り行われると思う」と述べたほか、「中国政府が9日にレアアースの輸出規制を公表して関係が悪化したが、その後の対話再開でかなり緊張が緩和した」と話した。
・ユーロドルは弱含み。米中貿易摩擦再燃への警戒感が和らいだほか、フランスの政治・財政の先行き不透明感を背景にユーロ売り・ドル買いが進んだ。24時前には一時1.1558ドルと日通し安値を更新した。
ただ、前週末の安値1.1556ドルや9日の安値1.1542ドルが目先サポートとして意識されると下げ渋った。1時30分前には1.1579ドル付近まで下値を切り上げた。
・ユーロ円は大きな方向感は出なかった。日本時間夕刻に一時176.91円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。21時30分過ぎに一時175.91円付近まで下押しした。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値175.78円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。2時過ぎには176.33円付近まで値を戻した。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。米中貿易摩擦再燃への警戒感が和らぎ、本日の米国株相場が大幅に上昇すると英株にも買いが波及した。ただ、米中対立への警戒感は根強く、上値は限定的だった。リオ・ティントやグレンコアなど素材株が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。米中貿易摩擦再燃への警戒感が和らぎ、本日の米国株相場が大幅に上昇すると投資家心理が改善し、欧州株式全般に買いが入った。個別ではシーメンス・エナジー(2.36%高)やフレゼニウス・メディカル・ケア(2.17%高)、インフィニオン・テクノロジーズ(1.76%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。仏政局不安を背景に、相対的に安全資産とされる独国債に買いが入った。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.28円(前営業日比△1.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.18円(△0.39円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1570ドル(▲0.0049ドル)
ダウ工業株30種平均:46067.58ドル(△587.98ドル)
ナスダック総合株価指数:22694.61(△490.18)
10年物米国債利回り:休場
WTI原油先物11月限:1バレル=59.49ドル(△0.59ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4133.0ドル(△132.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は反発。週末にトランプ米大統領が中国に対してやや穏健な姿勢を見せたほか、ベッセント米財務長官が本日、「米中首脳会談は予定通り行われると思う」「中国政府が9日にレアアースの輸出規制を公表して関係が悪化したが、その後の対話再開でかなり緊張が緩和した」と発言すると、米中貿易摩擦の緩和期待が高まった。ダウ平均が一時670ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが進んだ。23時30分過ぎには一時152.45円と日通し高値を付けた。
もっとも、買い一巡後は152円台前半で値動きが鈍った。米国がコロンブスデーの祝日で米債券市場が休場となる中、市場参加者が少なく欧州引け後は動意が乏しくなった。
・ユーロドルは反落。米中貿易摩擦再燃への警戒感が和らいだほか、フランスの政治・財政の先行き不透明感を背景にユーロ売り・ドル買いが出た。24時前には一時1.1558ドルと日通し安値を更新した。
ただ、前週末の安値1.1556ドルや9日の安値1.1542ドルが目先サポートとして意識されると下げ渋った。1時30分前には1.1579ドル付近まで下値を切り上げた。
なお、ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁はこの日、「現在の金融政策はやや引き締めとみている」「年内2回の0.25%利下げを支持」「労働市場リスクは高まっているが、著しく深刻ではない」などと述べたと伝わった。
・ユーロ円は3日ぶりに反発。21時30分過ぎに一時175.91円付近まで下押ししたものの、週明け早朝取引で付けた日通し安値175.78円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。2時過ぎには176.33円付近まで持ち直した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日ぶりに反発。週末にトランプ米大統領が自身のSNSに「中国については心配いらない。すべてうまくいく」と投稿すると、米中貿易摩擦の緩和期待が高まり株買いが広がった。ベッセント米財務長官が「米中首脳会談は予定通りに行われる」との認識を示したことも投資家心理の改善につながった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。
・米国債券相場はコロンブスデーのため休場となった。
・原油先物相場は3日ぶりに反発。前週末に大きく売りに押された反動から買い戻しが入った。トランプ米大統領が週末に中国に対してやや穏健な姿勢を見せたことも相場を下支えしたようだ。
・金先物相場は大幅続伸し、史上最高値を更新した。米中貿易摩擦再燃への根強い懸念がこの日も相場を下支えした。米利下げ期待も金利のつかない資産である金の買い材料として意識され、一時4137ドル台まで上昇する場面も見られた。
13日11:13 王毅・中国外相
「貿易は不確実性の高まりに直面し困難が増している」
「外部環境は依然として複雑」
13日20:09 ベッセント米財務長官
「中国に関して同盟国と協議する」
「中国による輸出制限をこのまま継続させない」
13日21:05
「100%の対中追加関税は実現させるべきではない」
「今週、中国と事務レベルの協議を行う」
13日20:15 グリーン英金融政策委員会(MPC)委員
「経済活動は1年前に比べて予想よりも力強い」
「インフレと賃上げも力強い」
「中央の見通しは不確実性が強い」
「ディスインフレ傾向が鈍化しているのが懸念材料」
「インフレの2次的な影響に警戒」
「これまではコア・インフレ率は横ばいだった」
「エネルギーよりも食料価格を警戒している」
「金融政策は制限的ではなくなりつつある」
「労働市場は低迷期を脱した」
13日20:38 トランプ米大統領
「イスラエルとパレスチナにとっての長く、苦痛に満ちた悪夢は終わった」
「イスラエルの軍事力が平和をもたらした」
「ガザは速やかに非武装化される。ハマスは武装解除される」
「ウクライナ問題は、まずロシアを片付ける必要がある」
「イランと平和協定を締結できればいいのだが」
14日01:59 ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁
「中立がどこなのか分からないため、慎重に動くべきだ」
「現在の金融政策はやや引き締めとみている」
「年内2回の0.25%利下げを支持」
「関税が持続的なインフレを引き起こすとは考えていない」
「労働市場リスクは高まっているが、著しく深刻ではない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 9月マネーストックM2
<海外>
○08:01 ◇ 9月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比2.5%)
○09:00 ◎ 7-9月期シンガポール国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.6%)
○09:00 ◎ シンガポール金融通貨庁(MAS)、金融政策発表
○09:30 ◇ 9月豪NAB企業景況感指数
○09:30 ◎ 豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(9月29日-30日分)
○15:00 ◎ 9月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.2%/前年比2.4%)
○15:00 ◎ 9月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 6-8月英失業率(ILO方式、予想:4.7%)
○15:30 ◇ 9月スイス生産者輸入価格
○16:50 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ◎ 10月独ZEW景況感指数(予想:41.1)
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏ZEW景況感指数
○未定 ◎ 7月南アフリカSACCI企業信頼感指数
○21:00 ◎ テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:30 ◇ 8月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.0%)
○21:45 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○15日00:30 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○15日00:40 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○15日01:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○15日01:20 ◎ パウエルFRB議長、講演
○15日02:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○15日04:25 ◎ ウォラーFRB理事、パネルディスカッションに参加
○15日04:30 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、18日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、米中貿易摩擦の緩和期待が高まりダウ平均が一時670ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが進み152.45円まで強含んだ。ユーロドルは米中貿易摩擦再燃への警戒感が和らいだほか、フランスの政治・財政の先行き不透明感を背景に一時1.1558ドルまで弱含んだ。
本日の東京時間でのドル円は、引き続き政治相場となることで政局をめぐる報道に注目することになる。特に日米仏の政局は混迷を深めていることで警戒したい。
先週末10日に、公明党が26年にわたる自民党との連立政権の離脱を発表したのが15時半過ぎで、為替市場は東京時間の一端の区切りをつけ、その後の取引を翌日分にブッキングするような時間帯だった。ただ、通常は欧州入り後も取引を手控えるようなことはないことで、為替市場はある程度は公明党の離脱については消化したと言えよう。ただ、本邦の株式市場は日中の引け値が出た後だったことで、まずは日経平均をはじめ本邦株式市場がどのような反応になるかに注目したい。更に、10日のNY参入後はトランプ米大統領の中国への関税強化、そして週末に一転してトランプ政権のTACO化(Trump Always Chicken Out=トランプはいつも尻込みして退く)など、株式市場が休場期間の間に市場を動意づける様々なニュースが飛び交っていたことで、これらの影響を見極める必要がありそうだ。
政治相場となっている中で、まずは本邦の政局の行方が注目される。衆議院定数465議席のうち、自民党議席は196議席、立憲148議席、維新35議席、国民民主27議席、公明党が24議席となっている。どの政党も単独過半数獲得が無理なのは周知の事実だが、公明党の離脱までは自民党と公明党を中心とした連立政権という図式は変わらなかった。しかし、公明党の離脱で状況は一変した。更に離脱直後は、公明党幹部は野党共闘へは否定的だったが、昨日には一転して公明党も首相指名で野党一本化の協力を示唆する考えが伝わっている。
現時点で首相選挙が行われた場合は1回目で過半数を獲るものがいないと思われ、上位2名の決選投票が行われるだろう。その場合、高市自民党総裁が首相に就くことができず、野党統一候補が就任した場合のリスクシナリオも頭に入れる必要がありそうだ。先週週初から市場が過度に高市トレードの円売りが進んだことの調整がこのまま継続されるのか、または野党からの首相選出となった場合でも財政拡大路線が変わらず株高・円売りになるのか、もしくはイデオロギーが違う連立政権樹立で株安・円高に動くのかなど、全く読みにくい相場状況になりそうだ。
米国の政局に関しては、昨日まで休会だった米上院が本日から休会明けになる予定。トランプ米大統領はイスラエルで自分の成果に酔いしれていたが、帰国後は政府機関の一部閉鎖への対応に追われることになる。2018年の米政府機関の一部閉鎖では、1週間でGDP成長率を0.1%低下させるとの試算もあったが、すでに3週目に突入している。議会との交渉だけではなく、朝令暮改を繰り返している中国との貿易交渉についてもどのような決断をトランプ大統領が下すのかが注目される。
なお、本日は本邦からのイベントは9月マネーストックM2が発表される程度だが、豪州からは9月29日-30日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨が公表されることで、豪ドルの動きにも注目したい。
東京市場は軟調か。10日の引け後に公明党が自民党との離脱を表明し、これを受けて先物が急落しており、政治の混乱を嫌気した売りに押されると予想する。
休場の間の米国株は10日は大幅安となった一方、週明け13日は大幅高。ダウ平均は10日は878ドル安となり、13日は587ドル高の46067ドルで取引を終えた。10日はトランプ米大統領が中国からの輸入品に対して大幅な関税を課す方針を表明したことが売り材料となった一方、13日は中国に関しては心配ないとのトランプ大統領のSNS投稿が買い戻しを誘って大幅高となった。
13日の米国の債券市場は休場。ドル円は足元152円20銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが605円安の47015円、ドル建てが495円安の47125円で取引を終えた。夜間の先物は日中比640円安の46980円で取引を終了。45100円台をつける場面もあったが、週明けの米国株が強かったことで鋭角的に値を戻している。
先週の日本株が高市氏の自民党総裁選勝利を材料に大きく上昇しているだけに、いったん大きく水準を切り下げることになるだろう。ただ、13日の米国株が強かったことは安心材料。大幅安は避けられないと思われるが、売り一巡後は押し目が拾われ、場中は下げ渋る動きになると予想する。日経平均の予想レンジは46900-47500円。
今週の日経225先物は波乱の展開から始まることになる。先週は10月4日の自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に選出されたことを受け、「高市トレード」が再始動。週明け6日は前営業日比2250円高の4万8190円と急伸。その後も利食いを挟みながらも高値圏での推移が続き、9日に終値で4万8000円台に乗せると、週末10日には4万8940円まで買われる場面もみられた。
ただ、10日午後に自民党の高市総裁と公明党の斉藤鉄夫代表との会談を控えていることが投資家心理を神経質にさせた。終了間際には為替市場が急速に円高に振れるなかで、公明党が連立政権から離脱する方針を表明したことが伝わり、高市トレードの巻き戻しを狙ったショートが入り、4万7620円と下落して終えた。
さらに10日取引終了後のナイトセッションでは、4万7400円~4万7750円辺りでの推移をみせていたが、米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、終盤にかけて4万5180円まで急落。高市トレードの巻き戻しに加えて、中国商務省が一部のレアアース(希土類)やその採掘などに必要な技術の輸出規制を強化すると発表し、これに対抗してトランプ米大統領が中国製品に高水準の追加関税を課すと表明するなど、米中関係悪化への警戒が広がった。
日経225先物は4万5180円まで売られたが、これにより25日移動平均線(4万5390円)を割り込む場面もみられた。先週の上昇分を一気に解消したことで、3連休明けはギャップダウンでの始まりが見込まれる。ヘッジ対応のショートが強まることで、イレギュラー的に下げてくる可能性もありそうだ。ただし、祝日取引では4万6600円辺りまで下げ幅を縮めており、ボリンジャーバンドの+1σ(4万6960円)に接近している。
+1σ水準で下げ渋りをみせれば、売り一巡後は押し目待ち狙いのロングが入りやすくなるだろう。高市トレードのポジションは、いったんニュートラルになると考えられるため、週初の売り一巡後は押し目待ち狙いのロング対応としておきたい。
国内政治では、公明党の連立離脱によって、首相指名選挙の行方が急速に不透明感を増している。高市首相誕生か政権交代かを巡り、さまざまな情勢分析の報道なども増えそうであり、積極的にポジションを傾ける動きには向かいにくいだろう。
そのため、オプション権利行使価格の4万7000円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万5500円から4万8500円と広めのレンジを想定する。
10日の米VIX指数は21.66(9日は16.43)に上昇し、一時22.44まで切り上がり、6月下旬以来の水準まで急伸した。週間(3日は16.65)でも大幅な上昇となった。先週は25日・75日線を支持線としつつも、16.50~17.70辺りでのレンジが続いていた。10日の急伸によって52週線(18.80)と26週線(18.31)を一気に上抜ける形状となったため、リスク回避姿勢が強まりやすい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で15.00倍(9日は14.96倍)に上昇した。週間(3日は14.64倍)でも上昇している。「高市トレード」の活発化に加え、米国でエヌビディア<NVDA>など半導体関連が買われたことを受けて、指数インパクトの大きい値がさハイテク株に資金が集中する場面が目立った。2021年6月以来の15.00倍を回復し、次のターゲットは同年2月下旬につけた15.68倍が意識される。
ただし、今週は波乱の展開が見込まれ、NTロングを巻き戻す動きが強まりやすい。イレギュラー的な動きを考慮すると、25日線(14.36倍)辺りまでの低下を意識しておきたいところであろう。もっとも、週初の低下以降は、改めてNTロングを組成する動きも考えられ、25日線辺りで下げ止まるかを見極めたい。
10月第1週(9月29日-10月3日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の売り越しであり、売り越し額は534億円(9月第4週は1兆2608億円の売り越し)だった。なお、現物は1兆2398億円の買い越し(同5591億円の売り越し)と4週ぶりの買い越し。先物は1兆2933億円の売り越し(同7016億円の売り越し)と2週連続の売り越しだった。中間期末の配当再投資に伴うリバランスであろう。個人は現物と先物の合算で3974億円の買い越しと3週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で9861億円の買い越しとなり、2週連続の買い越しだった。
主要スケジュールでは、13日に中国9月貿易収支、14日にパウエルFRB議長講演、IMF世界経済見通し、15日に中国9月消費者物価指数、中国9月生産者物価指数、米国9月消費者物価指数、G20財務相・中央銀行総裁会議(~16日)、16日に8月機械受注、米国9月小売売上高、米国9月生産者物価指数、17日に米国9月住宅着工件数、米国9月鉱工業生産などが予定されている。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 46980 -640 (-1.34%)
TOPIX先物 3146.5 -27.5 (-0.86%)
シカゴ日経平均先物 47015 -605
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領が自身のSNSに「中国については心配いらない。すべてうまくいく」と投稿したことで、米中貿易摩擦の緩和期待が高まり、買い戻しが強まった。ベッセント米財務長官が、米中首脳会談は予定通り行われるとの見方を示したことも安心感につながった。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアが上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、電気通信サービス、食品・飲料・タバコの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ナイキ<NKE>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、セールスフォース<CRM>、エヌビディア<NVDA>が買われた。半面、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、シスコシステムズ<CSCO>、コカ・コーラ<KO>、メルク<MRK>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比605円安の4万7015円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比170円安の4万7450円で始まった。その後は4万7400円~4万7750円辺りで推移をみせていたが、10日の米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、一時4万5180円まで急落する場面もみられた。売り一巡後はショートカバーが入る形で下げ幅を縮め、祝日取引では4万7000円を挟んでの推移が続き、4万6980円で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、売り先行で始まりそうだ。
13日の米国市場では米中関係悪化への懸念が和らいだことで主要な株価指数は反発している。東京市場では、高市首相誕生か政権交代かを巡り、さまざまな情勢分析の報道なども増えそうであり、いったん高市トレードで積み上がったポジションをニュートラルにする動きが入りやすいだろう。
日経225先物はナイトセッションで一時4万5180円まで売られ、25日移動平均線(4万5400円)を割り込み、高市トレードで上昇した部分を帳消しにした。再び25日線水準まで下げてくる可能性はあるが、祝日取引でボリンジャーバンドの+1σ(4万6980円)まで下げ幅を縮めており、同バンドでの底堅さを見極めることになりそうだ。
そのため、売り一巡後は押し目狙いのロング対応に向かわせよう。+1σ水準での底堅さがみられてくるようだと、+2σ(4万8520円)とのレンジに移行する可能性があるとみておきたい。半導体や人工知能(AI)関連株に売りが出やすいが、米国ではエヌビディア<NVDA>などの強い動きが目立っており、押し目買い意欲は強いとみておきたい。
13日の米VIX指数は19.03(10日は21.66)に低下した。10日には一時22.44まで切り上がり、6月下旬以来の水準まで急伸したが、200日線(19.26)を下回って終えている。楽観視はできないが、リスク回避姿勢は過度に強まらないだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で15.00倍(9日は14.96倍)に上昇した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株に資金が集中する場面が目立つなかで、2021年6月以来の15.00倍を回復した。高市トレードを巻き戻す動きからNTショートに振れやすくなりそうであり、25日線(14.36倍)辺りまでの低下を意識させそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比130円高の4万7750円(+0.27%)前後で推移。寄り付きは4万7050円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万7015円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。現物の寄り付き時には4万6990円をつける場面もみられたが、中盤にかけての切り返しによりプラス圏を回復すると、一時4万7920円まで買われた。その後は再び4万7440円辺りまで下げる動きもあったが、終盤にかけてロングの動きが強まり、4万7800円を挟んでの推移が目立った。
週明けの米国市場で主要な株価指数が大幅に反発したことで、売り一巡後は押し目待ち狙いのロングが優勢である。ナイトセッションで4万5180円まで急落したこともあって寄り付き後の動向が注目されるなか、ボリンジャーバンドの+1σ(4万7040円)を上回っての推移をみせており、安心感につながる。+2σ(4万8650円)に接近する展開は期待しにくいところだが、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で15.08倍に上昇した。高市トレードのポジションを巻き戻す動きが警戒されていたが、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は弱含みで推移しているものの、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、レーザーテック<6920.T>[東証P]は堅調。そのほか、良品計画<7453.T>[東証P]やファーストリテイリング<9983.T>[東証P]が買われ、日経平均型を支えている。
トランプ大統領の熱心な支持者として知られる共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員が、政権の通商・移民政策に珍しく公然と懸念を表明した。グリーン氏はポッドキャストで「主要製造業から“関税でコスト増や混乱が深刻”との声が出ている」と指摘し、米国民は物価高の緩和も実感できていないと強調。そのうえで「政策の焦点はインフレ圧力対策にあるべきだ」と述べ、政権内の優先順位にも苦言を呈した。また、強硬な移民送還策も人手不足を悪化させ経済に悪影響を与える可能性があるとして「もっと現実的な労働政策が必要だ」と強調している。
今回の発言はトランプ支持層にも潜在的な意見の分裂があることを示しており、インフレや産業界への打撃が議会の与党内に波及すれば、政権が通商・移民政策の修正を迫られる可能性も出てきた。
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は14日、12月1日から住宅ローンのLVR(ローン借入額比率)規制を緩和する方針を示した。特に自宅購入者(オーナーオキュパイア)に対しては、80%を超えるLVRの新規融資割合の上限を従来の15%から25%に引き上げる。これにより少ない自己資金でも住宅購入がしやすくなる。一方でDTI(債務返済負担率)規制は据え置きとなり、融資条件の大幅な変更はない。今回の措置は、住宅取得支援と金融システムの安定を両立する狙いがある。
自民党と国民民主党の幹事長が本日午後1時30分から会談を行うと一部通信社が伝えた。
イギリス、フランス、ドイツ、アラブ諸国など20カ国以上の首脳が13日、エジプト・シャルムエルシェイクに集まり、パレスチナ自治区ガザの停戦合意後の和平協議を行った。米国のトランプ大統領は同地での首脳会議に出席し、停戦の第一段階が終了し第二段階の合意が始まったと述べた。パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長、フランスのマクロン大統領、ドイツのメルツ首相、イギリスのスターマー首相、元英国首相のブレア氏らも参加した。イスラエルのネタニヤフ首相は欠席し、ハマスも参加しなかった。エジプトのシシ大統領は、ガザ復興サミットを主催する考えを示し、パレスチナ国家の樹立とイスラエルとの共存を目指す「2国家解決」こそが和平の道だと強調した。停戦履行や復興に向けた今後の協議が期待されている。
週明けのドル円は、完全なトランプTACO相場。欧州時間の下押しが151.72円にとどまると債券市場が休場のNY市場では再び152.45円まで買戻されて週明けの取引を終えました。日経平均先物は先週末の45180円からは一気に47000円台を回復。ドル円は先週末のトランプ発言を受けて急落する前の、公明党が連立政権離脱を表明した際の下押しレベルである152.39円を上抜けてほぼほぼ全戻し状況となりました。
本邦勢が戻ってきた本日のアジア市場では、日経平均が47865円まで買戻されるなか、連休明けの実需勢の買いも観測されると一時152.61円まで値を上げる場面もみられましたが、午後に入ってからは株価が再び戻り売りに押されると152.05円まで下押ししているといったところです。
いずれにしても、昨日もお伝えした通り、ドル円は高市トレードの方向性を取りにいっているなかでの、突然のトランプTACO相場も、結果的には3月28日の高値151.21円付近で目先の下値を確認するといったチャート的にはかなりきれいな形となっているわけで、上下両サイドに振らされて往復ビンタを食らってしまっては本末転倒。トランプTACOトレードの本質が朝令暮改にあることの重要性を改めて認識しなければなりません。
中国は14日、韓国の造船会社ハンファ・オーシャンの米国拠点5社に制裁を課すと一部通信社が伝えた。
本日のロンドン為替市場では、英雇用指標を確認しつつ、仏政治情勢をながめる展開か。まず英国では、序盤に最新の雇用データの発表が予定されている。市場予想は6-8月英失業率(ILO方式)が4.7%と、4カ月連続で高止まりが見込まれている。
ところで、13日のグリーン英金融政策委員会(MPC)委員の発言は気なるところ。「金融政策は制限的ではなくなりつつある」など追加利下げに含みをもたせる内容となった。先月18日の英中銀(BOE)理事会では政策金利の据え置きを主張したほか、翌週24日に「今後は利下げに慎重に取り組むのが適切」などと発言していたのと比べると意外感を感じる。
前述の先月のBOE理事会について、議事要旨で「英国の労働市場では需給の緩みが徐々に拡大」なども明らかとなっている。そうした中、同時に発表される9月の失業率や失業保険申請件数を含めて雇用指標が弱めの内容となってしまうと、市場で来年2月と見られている追加利下げの時期が前倒しになるとの見方が浮上してポンド売り圧力が強まる展開もあり得る。結果に注目したい。欧州午後には、先月のBOE理事会で利下げを主張したテイラーMPC委員の発言機会も予定されている。
また、フランスの予算案を巡る政局もまた、ユーロの重しとなることが予想される。昨日、極左政党「不屈のフランス」と極右政党の国民連合(RN)が内閣不信任案を提出しており、16日に採決が行われる公算だ。また、同日マクロン大統領は早期辞任を否定するなど、不安定な状態が続く見通し。事態収束の兆しが見えない中、推移を見守ることになるだろう。なお、ユーロドルは日足チャート上で三役逆転が点灯中となっており、下方向への材料に反応しやすくなっている点には注意したい。
そのほか、チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事の発言機会が予定されているほか、独9月消費者物価指数・改定値、独やユーロ圏の10月ZEW景況感調査なども発表予定となっている。
想定レンジ上限
・ポンドドル:21日移動平均線1.3450ドル
・ユーロドル:日足・一目均衡表の転換線1.1651ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル:10日安値1.3262ドル
・ユーロドル: 心理的節目1.1500ドル
ドル円:1ドル=151.70円(前営業日NY終値比▲0.58円)
ユーロ円:1ユーロ=175.73円(▲0.45円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1584ドル(△0.0014ドル)
日経平均株価:46847.32円(前営業日比▲1241.48円)
東証株価指数(TOPIX):3133.99(▲63.60)
債券先物12月物:136.33円(△0.43円)
新発10年物国債利回り:1.655%(▲0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月マネーストックM2
前年同月比 1.6% 1.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。時間外の米10年債利回が上昇するなか、連休明けの本邦実需勢の買いも観測されて昨日高値の152.45円を上抜けて152.61円まで値を上げた。ただ、首相指名選挙や米政府閉鎖、米中対立抗争など日米の政局不安が一段と高まるとリスク回避姿勢に。日経平均株価の1500円超安とともに151.62円まで売り込まれた。
・ユーロ円も頭が重い。総じてドル円と同様の展開となり、序盤に一時176.45円まで買われる場面があった。ただ、日米政局をめぐる先行き不透明感から円高が進むと175.56円まで値を下げた。
・ユーロドルは下値が堅い。ドル円の上昇に伴って一時1.1555ドルまで下落したが、9日安値の1.1542ドルが目先のサポートとして意識されると反発。ドル円の一転下落を受けて1.1594ドルまで持ち直した。
一方、ポンドドルは一時1.3285ドルまで下落。6-8月のボーナスを除く週平均賃金が+4.7%と2022年3-5月以来の低水準となったことが材料視された。
・日経平均株価は大幅続落。公明党が自民党との連立を解消したことで政局の先行き不透明感が高まった。海外短期筋から株価指数先物に断続的な売りが観測された面もあり、下げ幅は一時1500円を超えた。
・債券先物相場は3日続伸。本邦の不透明な政局を背景に、日銀の早期利上げ期待が後退していることが債券相場の追い風となった。
中国商務部は14日、米政権幹部が先ごろ「中国が導入したレアアース輸出規制措置について協議を申し入れたが、中国側が先延ばしした」と述べたことに対し、中国は9日に措置を発表する前に2国間の輸出管理対話制度を通じて米国側に通知していたとする報道官談話を発表した。さらに「両国は中米経済貿易協議メカニズムの枠組みの下で常に意思疎通を保っており、昨日も実務レベルの会談が行われた」と指摘。「米国は一方で協議したいと言いながら、他方で威嚇的な制限措置を打ち出している」と述べ、不満を表明した。
米通商代表部(USTR)のグリア代表は12日、米FOXニュースの番組で、中国によるレアアース輸出規制の強化について「事前に通知を受けていなかった。公開情報からその事実を知ると、すぐに中国側に連絡を取り電話協議を求めたが、中国が見送った」と語った。その上で、中国側の動きは「権力の掌握を狙うものだ」と断じた。
みずほ証券では、公明党の連立離脱やトランプ関税リスクなど、内外で不透明感がにわかに高まっていることを指摘している。過度の悲観や楽観は禁物としながらも、日本株は内憂外患にさらされると弱いことを示しており、今後も内外の状勢を受けて大きな値幅で乱高下する状態が続くと予想している。みずほでは、日本株は米国株とほぼ同じ方向性との見方を維持するものの、政治面での不透明感が強まっていることなどから、今後は上昇だけではなく下落への目配り、警戒も必要になると考えている。
10月10日の夕刻、自民党と公明党の党首会談が不調に終わり、公明党は自民党との連立政権を離脱することを宣言した。
そして、10日の夜には、トランプ米大統領が中国に対する関税を100%引き上げると宣言したことで、世界NO1の経済大国米国とNO2の中国との対立が再燃する懸念が高まった。
ダウ平均は朝方に283ドル高まで上昇したが、対中関税発表を受けて急落し、878.82ドル安(-1.90%)とほぼ一日の安値で終了した。S&P500も0.41%高まで上昇後、2.71%安で終了。ナスダック総合は0.41%高まで上昇し、7営業日連続で取引時間中の史上最高値を更新したが、3.56%安と急反落して終了した。
CME225先物は、大阪取引所の10日引け値から1655円下落して、45965円で終了した。
1.自公連立政権のデカップリング
1955年に結成された自由民主党と1964年に結党された公明党は、1999年に連立政権を組んでいた。しかし、10月10日の自公党首会談の決裂により、連立は解消された。
70歳で古希を迎える夫と61歳の妻が、夫の金銭問題を理由に、26年間の夫婦生活にピリオドを打つという熟年離婚のようなものなのだろうか。
30数年前、斉藤氏と高市氏とは、ともに新進党に所属していた時代があったらしい。
・3日:自民党総裁選で高市第29代自民党総裁が選出
・5日:高市自民党総裁と玉木国民民主党代表が会談
・6日:斎藤公明党代表と中国駐日大使と会談
・10日:高市自民党総裁と斎藤公明党代表が会談
・14日:立民・国民・維新の幹事長会談
2.米国と中国のデカップリング
10月9日、中国政府はレアアース(希土類)に関する輸出規制を強化する方針を打ち出し、米中摩擦の火種となってきた分野で制限を一段と拡大することを示した。
中国産レアアースが使用された製品を輸出する外国企業は、商務省から輸出ライセンスを取得する必要がある。レアアースの採掘、磁石の製造、鉱物のリサイクルに関する技術も商務省の許可がない限り禁止される。
そして、軍事用途に関しては原則として許可されず、半導体の研究・開発に使われる一部のレアアース製品については個別に審査を行うとしている。
10月10日、トランプ米大統領は、中国の「敵対的」なレアアース(希土類)輸出規制を理由に、11月1日から中国に対して100%の追加関税を課すとともに、すべての重要ソフトウエアに対中輸出規制を導入すると発表した。
しかし12日には、トランプ米大統領が中国との新たな貿易摩擦の緩和に向けた取引にオープンな姿勢を示したことで、「TACO(タコ)」(Trump Always Chickens Out(トランプはいつもおじけづく))の可能性が高まっている。
大阪12月限
日経225先物 46790 -830 (-1.74%)
TOPIX先物 3133.0 -41.0 (-1.29%)
日経225先物(12月限)は前日比830円安の4万6790円で取引を終了。寄り付きは4万7050円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万7015円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。現物の寄り付き時には4万6990円をつける場面もみられたが、前場中盤にかけての切り返しによりプラス圏を回復すると、一時4万7920円まで買われた。その後は再び4万7440円辺りまで下げる動きもあったが、前場終盤にロングが強まり、4万7800円を挟んでの推移が目立った。
しかし、後場に入り、前場までの底堅さが意識されたムードは一変。下へのバイアスが強まり、中盤にかけて4万7000円を割り込んだ。売り一巡後は4万6700円~4万7000円辺りのレンジで推移し、終盤にかけて4万6600円まで下げ幅を広げる場面が見られた。
日経225先物は前場の段階ではボリンジャーバンドの+1σ(4万6970円)を上回って推移し、一時プラス圏を回復するなど、底堅さが意識されていた。だが、午後に首相指名選挙での野党候補の一本化を巡り、立憲民主、日本維新、国民民主の3党の幹事長の会談が予定されており、政権交代につながる可能性もあるなかでショートが優勢になったようだ。後場に入り+1σを割り込んだことで、ロング解消の動きが強まった形である。為替市場で円相場が1ドル=151円台後半と円高に振れたことも、ショートに向かわせたのだろう。
13日の米国市場ではトランプ米大統領のSNSへの投稿やベッセント米財務長官の発言を受けて、米中貿易摩擦の緩和期待が高まり、買い戻しの動きが強まった。この流れが売り一巡後の押し目狙いに向かわせた面はあったが、後場に入ると、中国商務省が韓国の造船大手の米子会社5社に対し中国との取引を禁じる制裁を発表したことが伝わった。米中貿易摩擦に対する警戒が再燃したことも、下へのバイアスを強める一因となった。
日経225先物の+1σはナイトセッションで4万7050円に上昇してきた。同バンドが抵抗線として意識されると、戻り待ち狙いのショートを誘いそうである。また、上向きで推移してきたバンドは今回の急落の影響もあって、横ばいから下向きに転じる可能性が高まっている。バンドが収斂してくるようだと、積極的なロングを手控えさせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.93倍に低下した。高市トレードのポジションを巻き戻す動きから、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]は弱含みだったが、アドバンテスト <6857.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]が堅調だったことで、前場には15.09倍まで上昇する場面もあった。しかし、前場堅調だった値がさハイテク株が後場に入り軟化し、NTロングの巻き戻しに向かわせている。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万2243枚、ソシエテジェネラル証券が2万6964枚、サスケハナ・ホンコンが7316枚、SBI証券が5457枚、バークレイズ証券が5119枚、JPモルガン証券が4195枚、ゴールドマン証券が3673枚、モルガンMUFG証券が2856枚、日産証券が2270枚、みずほ証券が2227枚だった。
TOPIX先物はソシエテジェネラル証券が4万6416枚、ABNクリアリン証券が4万3603枚、JPモルガン証券が1万1406枚、バークレイズ証券が9198枚、ゴールドマン証券が8795枚、サスケハナ・ホンコンが6958枚、モルガンMUFG証券が6512枚、ビーオブエー証券が3188枚、みずほ証券が2281枚、BNPパリバ証券が1800枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米中貿易関連に関する報道に警戒しながら、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を見極めていくことになる。
先週は、中国がレアアース(希土類)輸出規制を強化し、トランプ米大統領が100%の対中追加関税とソフトウエア輸出規制を発表したことで、米中報復合戦第2幕への警戒感が高まっていた。
しかし、トランプ米政権が中国との対話に臨む姿勢を示したことで、TACO(Trump Always Chicken Out=トランプはいつも尻込みして退く)となる可能性が高まりつつあるため、関連報道に注目していきたい。本日から米上院が再開されることで、米政府機関への対応にも要注目となる。
また、本日は、次期FRB議長候補の5名に残っているボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長とウォラーFRB理事の発言機会が予定されており、パウエルFRB議長の講演とあわせて、年内の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げへの言及に注目しておきたい。
ウォラーFRB理事は先日、「ここ数カ月の雇用の伸びは恐らくマイナスだ。労働市場は弱く、それこそが政策を判断する上で最も重要な部分だ。われわれが把握すべき点はそこある」と述べていた。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ時期は、10月FOMC(▲0.25%=3.75-4.00%)、12月FOMC(▲0.25%=3.50-3.75%)、来年1月FOMC(▲0.25%=3.25-3.500%)と見込まれている。
日経平均株価とドル円は、高市自民党新総裁の誕生を受けて、6日に窓を空けて上昇していたが、窓が埋められた場合、高値反転を示唆する「アイランド・リバーサル」が出現する可能性に警戒しておきたい。窓埋めは、日経平均株価の場合は3日の高値45778円、ドル円の場合は3日の高値147.82円を割り込んだ局面となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、153.27円(10/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、151.17円(10/10安値)
今晩は決算発表や要人発言に注目。昨日はトランプ米大統領のSNS投稿を受けて先週金曜日に強まった対中関税大幅引き上げへの警戒感が和らいだことで買い戻しが優勢となった。オープンAIとの提携が好感されたブロードコムが10%近く上昇し、エヌビディア、オラクルなどのAI関連株も軒並み大幅高となったことも相場を押し上げた。ダウ平均が587.98ドル高(+1.29%)と6営業日ぶりに大幅反発し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ1.56%高、2.21%高とともに3営業日ぶりに大幅反発。S&P500とナスダック総合はともに5月27日以来の大幅高を記録した。
今晩は前日の大幅高の反動や、政府機関の閉鎖が長期化していることなどで上値の重い展開が予想されるが、発表が本格的にスタートした企業の第3四半期決算が焦点となりそうだ。今晩は寄り前にシティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴなどの大手金融機関のほか、ドミノ・ピザ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどが発表予定で、決算実績やガイダンスが注目される。また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長やボウマンFRB副議長などの講演も多数予定されており、利下げを巡る要人発言にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは9月NFIB中小企業楽観度指数など。要人発言はパウエルFRB議長、ボウマンFRB副議長、ウォラーFRB理事、コリンズ米ボストン連銀総裁など。
日経平均株価は大幅続落。売り先行ながらも序盤は戻りを試す場面があった。ただ、5日移動平均線(47840円 10/14)が上値で意識されたほか、マド埋めを前に失速。後場は下げ幅を拡大する展開となり、一目均衡表の転換線(46477円 同)付近まで下落した。
RSI(9日)は前日77.9%→64.5%(10/14)に低下。上昇基調にある10日移動平均線(46733円 同)上を終値ベースで保っており、基本的には大きな見方に変化はない。10日移動平均線を下回ると25日移動平均線(45510円 同)まで下げ幅を拡大する可能性が高まるが、まずはあすからの転換線上昇を通じて早期に5日移動平均線を超えられるかが焦点となる。
上値メドは、5日移動平均線や10/9高値(48597円)、心理的節目の49000円、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、51000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の46000円、10/3高値(45778円)、25日移動平均線、心理的節目の45000円、10/1安値(44357円)などがある。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.73円(14日15時時点比△0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.14円(△0.41円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1609ドル(△0.0025ドル)
FTSE100種総合株価指数:9452.77(前営業日比△9.90)
ドイツ株式指数(DAX):24236.94(▲150.99)
10年物英国債利回り:4.590%(▲0.068%)
10年物独国債利回り:2.610%(▲0.026%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.2% 0.2%
(前年同月比) 2.4% 2.4%
9月英雇用統計
失業率 4.4% 4.3%・改
失業保険申請件数
2.58万件 ▲0.20万件・改
6-8月英失業率
(ILO方式) 4.8% 4.7%
9月スイス生産者輸入価格
(前月比) ▲0.2% ▲0.6%
10月独ZEW景況感指数
39.3 37.3
10月ユーロ圏ZEW景況感指数
22.7 26.1
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。仏政治・財政の先行き不透明感を背景にユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.1543ドルと日通し安値を付けたものの、9日の安値1.1542ドルが目先サポートとして意識されると下げ止まった。
NYの取引時間帯に入ると、ルコルニュ仏首相が年金制度改革を2027年の大統領選後まで停止すると表明したと伝わった。野党の左派が主張してきた年金改革の凍結を受け入れたことで「内閣が存続する可能性が高まった」と受け止められ、ユーロを買い戻す動きが広がった。仏10年債利回りが約2カ月ぶりの低水準を付けたことも好感されて、2時前に一時1.1615ドルと日通し高値を更新した。
・ドル円は戻りが鈍かった。中国が韓国造船大手の米国子会社に対する制裁を発表したことを受けて、米中対立激化への懸念が再燃する中、戻り売りなどが出やすい地合いとなった。対ユーロ中心にドル売りが進んだ影響も受けて、2時前に一時151.67円付近まで下押しした。
もっとも、アジア時間に付けた日通し安値151.62円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。一部米企業の好決算やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を手掛かりに米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。
なお、パウエルFRB議長はこの日、「労働市場の認識は引き続き下降傾向」「FRBは今後数カ月でバランスシート縮小を停止する可能性がある」などと発言した。
・ユーロ円は下値が堅かった。日本時間夕刻に一時175.36円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。1時30分前に176.28円付近まで持ち直した。ユーロドルの上昇につれたほか、一時は610ドル超下落したダウ平均が持ち直し、450ドル超上昇したことが相場を下支えした。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。貿易問題を巡る米中対立激化への懸念から売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。この日発表の9月英雇用統計がさえない内容となったことを受けて、早期利下げへの期待が強まり、株買いを促した。
・フランクフルト株式相場は反落。中国が韓国造船大手の米国子会社に対する制裁を発表したことを受けて、米中対立激化への懸念が再燃。株売りが優勢となった。個別ではコンチネンタル(4.30%安)やブレンターク(3.25%安)、シーメンス(3.15%安)など下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。仏政治への不安が後退し仏国債が上昇すると、他の欧州債にも買いが波及した。
14日の日経平均は大幅続落。終値は1241円安の46847円。公明党が自民党との連立離脱を表明したことを嫌気して、寄り付きから600円を超える下落。安寄りした後はいったん下げ渋り、一時200円程度安い水準まで値を戻した。しかし、売り直されて500円を超える下落で前場を終えると、後場は下値を探る展開。4桁安になると売りが売りを呼ぶ流れとなり、安いところでは下げ幅を1500円超に広げた。46500円台でようやく下げ止まったものの戻りは緩慢で、4桁の下落かつ安値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で7兆1200億円。業種別では海運、小売、鉄鋼などが上昇した一方、電気機器、非鉄金属、証券・商品先物などが下落した。JR東海から新幹線電車を受注したと発表した日本車両製造<7102.T>が大幅上昇。半面、今期の見通しが市場の期待に届かなかったジンズホールディングス<3046.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり264/値下がり1326。決算が好感された良品計画が、地合いの悪い中でも買いを集めて13.4%高。上方修正や増配を発表したリンガーハットや、月次が評価されたパンパシHDが大きく上昇した。川崎汽船など海運株が逆行高。今期の大幅増収増益見通しを提示したアイドマHDが急騰した。
一方、ソフトバンクGが6%を超える下落。アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体株は前場では買われるものも散見されたが、後場に入って大きく値を崩した。古河電工やフジクラなど電線株が大幅安。日立、パナソニック、NECなど電機株も下げが大きかった。下方修正を発表したチヨダが急落。前期が営業赤字となったFIXERがストップ安となった。
日経平均は大幅安。前場では弱い中でも押し目を拾う動きが観測されたが、後場は買い手不在に陥った。三連休の間にも政局に関する報道が多く流れたが、マーケットフレンドリーとみられていた自民党総裁が首相になれるかどうかも分からなくなってきており、次第にリスク回避ムードが強まった。
自民党と公明党、党が違うのだから意見が合わなければ別の道を歩むのは仕方ない。ただ、自民党はこの結果に対して心配しなくて良いというメッセージを国民にアピールしないと、株式市場は不安定となる。高市氏が何もしていないうちから株式市場が盛り上がってしまったのだから、つまずいた印象を与えると高値警戒感が台頭してくる。誰が首相となるかがはっきりしない状態が長引けば長引くほど、調整色は強まるだろう。日経平均はきょうの下げで5日線(47840円、14日時点、以下同じ)を明確に割り込んだ。25日線(45510円)近辺で売りが止まるかどうかが目先の焦点となる。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.84円(前営業日比▲0.44円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.24円(△0.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1607ドル(△0.0037ドル)
ダウ工業株30種平均:46270.46ドル(△202.88ドル)
ナスダック総合株価指数:22521.70(▲172.91)
10年物米国債利回り:4.03%(横ばい)
WTI原油先物11月限:1バレル=58.70ドル(▲0.79ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4163.4ドル(△30.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。ルコルニュ仏首相はこの日、マクロン大統領が進めてきた年金制度改革を2027年の大統領選後まで停止すると発表。これを受けて、主要野党である中道左派「社会党」はルコルニュ氏の不信任決議案に賛成票を投じないと表明した。市場では「仏内閣が存続する可能性が高まった」と受け止められ、ユーロを買い戻す動きが広がった。仏10年債利回りが約2カ月ぶりの低水準を付けたことも好感されて、2時前に一時1.1615ドルと日通し高値を更新した。買い一巡後も1.16ドル台維持して取引を終えた。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「ECBはデータに基づき会合ごとに政策決定を行っている」「経済見通しに対するリスクはより均衡している」「ECBが利下げを完了したとは決して言わない」などと述べたと伝わった。
・ドル円は反落。米政府は米国に入港する中国船の運航事業者から手数料の徴収を開始。これに対し、中国政府は米国船を対象として報復措置を発表した。22時過ぎには152.16円付近まで下げ渋る場面もあったが、貿易問題を巡る米中対立激化への懸念から、戻り売りなどが出やすい地合いとなった。トランプ米大統領が自身のSNSに「中国が米国産大豆を購入しないことは経済的に敵対的な行為だ」「報復措置として、食用油をはじめとする中国との貿易取引を停止することを検討中だ」と投稿すると、4時30分過ぎに一時151.61円と日通し安値を付けた。
なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日の講演で「労働市場の認識は引き続き下降傾向」「今後数カ月でバランスシートを圧縮する量的引き締め(QT)を停止する可能性がある」などと述べたと伝わった。
・ユーロ円は小幅ながら続伸。ユーロドルの上昇につれた買いが入ると、1時30分前に176.28円付近まで下値を切り上げた。一時は610ドル超下落したダウ平均が持ち直し、450ドル超上昇したことも相場を下支えした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。貿易問題を巡る米中対立激化への懸念から売りが先行すると一時610ドル超下落した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。パウエルFRB議長がこの日の講演で「今後数カ月でバランスシートを圧縮するQTを停止する可能性がある」との見解を示すと株買いが加速し、450ドル超上昇した。もっとも、トランプ米大統領の「中国が意図的に米国の大豆を購入していないのは経済的に敵対的な行為だ」とのSNS投稿を受けて、取引終了直前に伸び悩んだ。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。前週末に大幅上昇したあとだけに持ち高調整目的の売りが出たものの、米利下げ観測を背景に買いが入ると持ち直した。貿易問題を巡る米中対立激化への懸念から買いが入りやすい面もあった。
・原油先物相場は反落。米政府は米国に入港する中国船の運航事業者から手数料の徴収を開始。これに対して中国政府は米国船を対象として報復措置を発表した。米中対立激化への警戒感が広がり、原油は売られた。
・金先物相場は3日続伸し、連日で史上最高値を更新した。米中貿易摩擦の激化懸念を背景に安全資産とされる金の需要が高まった。
シンガポール金融通貨庁(MAS)は14日、通貨政策姿勢の現状維持を決定した。政策バンドの変動幅と中央値、傾斜をいずれも据え置いた。
一部報道が伝えたところによると、ルコルニュ仏首相は年金改革の停止を提案する方針だという。
国際通貨基金(IMF)は14日に半期に1度の国際金融安定性報告書を公表。世界の市場が貿易戦争や地政学的緊張、巨額の財政赤字といったリスクに対してあまりにも楽観的になっていると警告した。
IMFは報告書の中で「すでに割高な資産価格と相まって、市場の無秩序な調整が起きる可能性が高まっている」との見解を示した。
フランス国民議会(下院)の主要野党である中道左派「社会党」は14日、ルコルニュ仏首相の不信任には賛成票を投じないと表明した。
14日09:34 豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(9月29日-30日分)
「金利の即時引き下げの必要性はないとの認識で一致」
「今後の政策は慎重に、データに基づいて決定」
「民間部門の賃金上昇ペースは予想よりやや早く鈍化する可能性があると認識」
「労働市場は依然やや引き締まっており、先行指標は安定している」
「これまでの金融緩和の効果が経済全体に十分に浸透するにはまだ時間がかかる」
「世界経済の先行きや米国の関税、中国経済には相当な不確実性がある」
「豪ドルは交易条件や金利差を考慮するとほぼ均衡水準に近い」
「住宅価格と住宅ローンの増加から、過去の利下げが影響を及ぼしていることがうかがえる」
「金融政策は依然やや引き締め的だが、その影響度合いの判断は難しい」
「第3四半期の経済と供給力のデータを注視することが重要」
「月次CPI指標の住宅・サービス分野の動向から、第3四半期のインフレ率が予想を上回る可能性が示唆されている」
14日10:11 中国商務省
「貿易戦争を最後まで戦うと表明」
「米中は経済通商協議の枠組みの下で連絡を保っている」
「米国側に対し、誤ったやり方を一刻も早く是正し、誠意を持って中国と協議するよう促した」
米国が脅迫や新たな規制で圧力をかけつつ協議するのは、両国関係の発展にとって正しい道ではないと指摘」
「米国によるレアアース規制導入後の協議提案に対し応答」
14日11:39 加藤財務相
「為替相場はファンダメンタルズを反映し安定推移が重要」
「先週以降、円安方向で急激な動きも見られている」
「為替市場における過度な変動をしっかり見極めていく」
14日13:50 ベッセント米財務長官
「中国が世界経済に打撃を与えようとしている」
14日14:27 榛葉国民民主党幹事長
「自公の政治とカネ対応、釈然としないものがあり、この後他党ともに協議したい」
「ガソリン暫定税率廃止など、自公国合意の年内実施を要求」
「自民幹事長が党首会談を打診、各党の対応見て判断」
「下方リスクが徐々に高まりつつある」
「来年の賃上げは3%以下になる見通し」
「ソフトランディングのシナリオは後退している」
「ハードランディングの可能性が残されている」
14日23:22 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「ECBはデータに基づき会合ごとに政策決定を行っている」
「経済見通しに対するリスクはより均衡している」
「ECBが利下げを完了したとは決して言わない」
「ECBは潜在的なショックに対応する態勢が整っている」
「欧州の金融政策は役割を果たしている」
「不確実性は著しく後退した」
15日00:32 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「インフレ率は望ましい水準にある」
「ECBはディスインフレを終え、良好な状態にある」
「欧州経済は回復力を示している」
15日01:14 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「次の行動は利上げよりも利下げの可能性が高い」
「ECBは良好な状態にあるが、その状態は固定されていない」
「インフレリスクは上昇よりも下振れの方が大きい」
15日01:23 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「労働市場の認識は引き続き下降傾向」
「FRBは今後数カ月でバランスシート縮小を停止する可能性がある」
「バランスシートの活用はより機敏に行える」
「FRBはパンデミック後、おそらくもっと早く資産購入を停止すべきだった」
「雇用者数の伸びは急激に鈍化している」
「物価上昇は主に関税を反映しており、広範なインフレ圧力を反映しているわけではない」
「労働市場はかなり著しい下振れリスク示している」
「特定の資産価格についてはコメントしない」
「政府のインフレ率データに代わる良い指標は少ない」
「性急な対応はインフレ対策の課題を未完にする可能性」
「目標を上回るインフレに対してバランスを取る必要がある」
「労働市場は若干軟化傾向にある」
15日04:41 トランプ米大統領
「中国が米国産大豆を購入しないことは経済的に敵対的な行為だ」
「報復として対中貿易措置を検討中」
「中国から食用油を購入する必要はない」
「中国との食用油取引の終了を検討中」
15日05:04 コリンズ米ボストン連銀総裁
「更なる利下げは賢明」
「緩和政策を実施しても、政策金利は依然としてやや引き締め的」
「政策は事前に定められた軌道にはない」
「雇用市場の下振れリスクが高まっている」
※時間は日本時間
<国内>
○13:30 ◇ 8月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 8月設備稼働率
<海外>
○10:30 ◎ 9月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比▲0.2%)
○10:30 ◎ 9月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲2.3%)
○15:45 ◇ 9月仏CPI改定値(予想:前月比▲1.0%/前年比1.2%)
○16:40 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:00 ◎ ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲1.6%/前年比横ばい)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◇ 8月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比3.7%)
○21:00 ◎ 8月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比0.2%)
○21:30 ◇ 8月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲1.5%)
○21:30 ◇ 8月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲1.3%)
○21:30 ◎ 10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲1.8)
○22:30 ◎ ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:45 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16日00:45 ◎ ブリーデンBOE副総裁、講演
○16日00:50 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○16日02:00 ◎ ウォラーFRB理事、講演
○16日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○16日03:30 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○16日04:45 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、イベントに参加
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、16日まで)
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、18日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、貿易問題を巡る米中対立激化への懸念から、戻り売りなどが出やすい地合いとなった。トランプ米大統領がSNSで「中国が米国産大豆を購入しないことは経済的に敵対的な行為だ」「報復措置として、食用油をはじめとする中国との貿易取引を停止することを検討中だ」と投稿すると、一時151.61円と日通し安値を付けた。ユーロドルは主要野党である中道左派「社会党」はルコルニュ氏の不信任決議案に賛成票を投じないと表明すると1.1615ドルまで強含んだ。
本日の東京時間でのドル円は、上値が重い展開を予想する。ただ、引き続き政治相場となることで政局をめぐる報道には要警戒だ。
昨日もトランプ米大統領が中国に対して、米国の大豆購入を行わない場合は制裁を促すことをSNSに投稿した。トランプ氏は先週10日に中国への(11月1日からの)追加関税を発表、12日にはSNSで穏健な姿勢へ変わり、昨日14日には再び制裁の可能性を示唆するなど、朝令暮改となる姿勢を繰り返している。あまりにも変節が激しいことで市場の反応も鈍くなっているが、米政権の不安定さが露見していることはドルにとってはネガティブ要素でしかない。中国当局は一貫して米国に対する態度は変わらず、表立っての米中貿易摩擦は望んでいないものの、米国が追加関税を行った場合は対抗措置をとるなど、粛々とこれまで通りの対応をとることになる。いずれにしてもトランプ政権の独り相撲を見守る相場になるだろう。
更に、トランプ政権は政府機関の一部閉鎖の解決の糸口が見えていないことも、ドルの重しになる。上院は共和党の政府予算案に投票するが進展の兆しがなく、政府閉鎖による経済的な打撃もドル売り要素となるだろう。
また、本邦の国内政局も不透明感が拭えないことが、株安を連想させドル円の上値を抑えることになる。公明党が26年間の連立を離脱したことで、高市自民党総裁が自民党内で党内融和をせざるを得ない状況に陥っている。仮に高市氏が首相に就任した場合でも、高市氏が掲げていた財政拡大路線を貫けるかが懸念されている。「高市トレード」が後退したとはいえないまでも、当面は停滞せざるをえず、円売りを積極的に仕掛けるのも難しくなっている。
本日は本邦からは8月鉱工業生産確報値、設備稼働率などが発表されるが、上述のように市場が政治相場となっていることで経済指標への反応は限られるだろう。また、中国からは9月消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)が発表される。
東京市場は一進一退か。米国株はまちまち。ダウ平均が上昇した一方、S&P500とナスダックが下落した。ダウ平均は202ドル高の46270ドルで取引を終えた。米中貿易摩擦に対する警戒から売りが先行し、600ドル超下げる場面もあった。売り一巡後は押し目買いが入ってプラス圏に浮上。ただ、終盤には失速するなど値動きは不安定となった。エヌビディアやオラクルなどグロース系の銘柄は弱く、ナスダックは終日マイナス圏で推移した。ドル円は足元151円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが200円高の46990円、ドル建てが305円高の47095円で取引を終えた。
CME225先物からは強めのスタートが想定される。きのうの日経平均は4桁の下落となっており、ダウ平均の上昇は一定の安心材料となるだろう。ただ、米国ではハイテク株が弱かったことから、主力銘柄には大きな期待を持ちづらい。国内政局が不透明となっているだけに、全体も高くなれば戻り売りは出やすい環境。買いが先行したとしても積極的に上値を追う流れにはならず、場中は強弱感が交錯して方向感に欠ける動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは46400-47300円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 46980 +190 (+0.40%)
TOPIX先物 3161.0 +28.0 (+0.89%)
シカゴ日経平均先物 46990 +200
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。貿易問題を巡る米中対立激化への懸念から売りが先行して始まり、NYダウの下落幅は一時600ドルを超える場面もあった。ただ、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がこの日の講演で「今後数カ月でバランスシートを圧縮する量的引き締め(QT)を停止する可能性がある」との見解を示すと、買い戻しが優勢になった。また、パウエル議長は米連邦政府の一部閉鎖の影響で経済指標の発表が遅れているが、10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げを妨げる可能性は低いとの見解を示したことも材料視された。
S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売、電気通信サービス、消費者サービスが上昇した半面、半導体・同製造装置、自動車・同部品、小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ウォルマート<WMT>、キャタピラー<CAT>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ハネウェル・インターナショナル<HON>が買われた。一方で、エヌビディア<NVDA>、セールスフォース<CRM>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比200円高の4万6990円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比120円安の4万6670円で始まった。4万6490円まで売られた後は4万6550円~4万6800円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上抜けてプラス圏を回復すると、中盤にかけて4万7300円まで上げ幅を広げる場面もあった。買い一巡後は4万7200円~4万7250円辺りの狭いレンジで推移をみせていたが、終盤に上げ幅を縮め4万6980円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。自民党の高市総裁がきょう、立憲民主党と日本維新の会、国民民主党との党首会談を行う予定と伝えられており、来週に予定される首相指名選挙を巡り、協力を要請するとみられている。一方で、野党候補一本化に向けた動きのなかで、高市首相誕生か政権交代かを巡り、思惑が交錯することでスキャルピング中心のトレードになりやすいだろう。
日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの+1σ(4万7070円)を挟んでの推移だった。同バンドを上回って推移することができれば、直近の急落に対するショートカバーを誘う動きが意識されそうだ。ただし、昨日は後場に入ってから弱含む形だったため、+1σを割り込んでくる局面ではロング解消により下へのバイアスが強まる可能性がある。
そのため、オプション権利行使価格の4万7000円を中心とした上下の権利行使価格である、4万6500円から4万7500円のレンジを想定する。国内の政局不透明感から関連する報道には敏感に反応しやすく、短期的なショートが入りやすいだろう。
14日の米VIX指数は20.81(13日は19.03)に上昇した。一時22.94まで切り上がり、10日につけた高値(22.44)を上回る場面もあった。米中貿易摩擦への懸念がリスク回避に向かわせる形であり、200日移動平均線(19.28)が支持線として機能する形での上昇だった。米国では半導体株の弱い値動きが目立っていたこともあって、慎重な姿勢になりそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.93倍に低下した。アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、レーザーテック<6920.T>[東証P]が堅調だったことで、前場には15.09倍まで上昇する場面もあった。しかし、後場に入り、値がさハイテク株が軟化し、NTロングの巻き戻しに向かわせていた。本日はエヌビディアが下落した影響もあってハイテク株への戻り待ちの売りが警戒され、NTショートに振れやすいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比700円高の4万7490円(+1.49%)前後で推移。寄り付きは4万7080円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万6990円)を上回る形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き時につけた4万6950円を安値にロング優勢の動きが強まり、ボリンジャーバンドの+1σ(4万7110円)水準での底堅さがみられるなかで、終盤にかけて4万7520円まで上げ幅を広げた。
米国市場でエヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が売られた流れから弱含みで始まったアドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、レーザーテック<6920.T>[東証P]などが売り一巡後に切り返しており、先物市場でのショートカバーに向かわせた面もあろう。前日までの下げで高市トレードの巻き戻しを狙ったショートも積み上がったとみられ、午後に予定されている野党3党の党首会談を前に、ポジションをニュートラルにするカバーが意識されやすい。
NT倍率は先物中心限月で14.95倍に上昇した。14.87倍に低下して始まり、14.84倍まで下げる場面もあった。ただ、その後は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が切り返すなかで、NTロングに振れているようだ。
アップルはベトナムで新たなスマートホーム製品の製造を拡大し、中国依存からの脱却を進めながら家庭用テクノロジー市場への参入を本格化する。ベトナム工場では、2026年春に発売予定の約350ドルのスマートホームハブ、屋内セキュリティカメラ、そして2027年に投入予定のAI搭載卓上ロボットが生産される見込み。このロボットはモーター付きアームと9インチディスプレイを備え、アップルがこれまでにない形で家庭自動化分野へ挑戦する象徴的製品となる。
米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は経済学者の間で次期FRB議長の最有力候補として支持されている。一方で、トランプ大統領は国家経済会議ディレクターのハセット氏に強い関心を示していると伝えられている。ウォール・ストリート・ジャーナルの調査によると、専門家はウォーラー氏を「最良の選択」と評価する一方で、実際に就任しそうなのはハセットであるとの見方が強いようだ。選考は、他にもウォーシュ元理事やブラックロックのリック・リーダーらが候補に挙がっており、最終決定はトランプ大統領の判断に委ねられる。
臨時国会を21日召集することで政府が与野党に正式伝達したと一部メディアが伝えた。
昨日の海外市場では、トランプ米大統領が再び中国に対して食用油取引の終了を検討するなど、全く子供じみた朝令暮改の発言が市場に影響を与えることになったわけですが、ドル円については151.62円のアジア時間の安値を1銭だけ更新したのみ。値動きからは市場がトランプ発言に対して、かなり食傷気味となっている状況が伝わってきます。
アジア時間に入ってからは、日経平均が昨日の4桁の下落からの買戻しとなっている一方、ドル円については「仲値にかけてゴトー日の実需の買いがあまり目立たなかった」ことを確認すると、米系短期勢を中心に戻り売りが先行。21日の臨時国会を控えて、首相指名や連立政権の枠組みを巡り日々情勢が変化しているなかにあって、海外勢としては「とりあえずポジション調整しておきたい」向きが多かった模様。昨日安値の151.61円や10日の安値151.17円を下抜けて一時151.01円まで値を下げたといったところです。
現在までの政局を整理してみると、昨日は野党の幹事長会談が実施され、本日は16時から立民、維新、国民の3党党首会談が行われる予定。更には、本日、18時から高市自民党総裁と維新の吉村代表が会談するとのこと。立民の安住幹事長は「本日の合意は無理」との見解を表明しているなど、その道筋が見えてこないことへの調整が続いています。
いずれにしても、市場は基本的には高市政権をメインシナリオに、新たな保守勢力による連立政権の誕生を想定した高市トレードであることは明らか。8月1日の高値150.92円付近を意識した相場展開となっています。
本日のロンドン為替市場では、政治的イベントを受けて上下する展開が続く中、欧・英の要人発言に注目したい。
昨日、ルコルニュ仏首相は「マクロン大統領が進めてきた年金制度改革を2027年に予定される大統領選後まで停止する」と発言すると、野党の社会党は内閣不信任案に賛成票を投じない方針を示した。市場では「仏内閣が存続する可能性が高まった」と解されてユーロが買われた。16日予定の内閣不信任案投票を乗り切れる可能性が高まっており、仏政局不安を背景としたユーロ売りが一服を迎える可能性がある。
もっとも、同首相は今回の停止により「2026年に4億ユーロ、2027年に18億ユーロの費用が発生する」と発言しており、今後は他の財政支出を減らすと共に財政規律を守ることができるか見てゆく必要があるだろう。
テクニカル面でも、ユーロドルは東京市場で1.16ドル台前半に上昇しており、日足・一目均衡表の雲下限を上抜いている。本日1.1683ドルに位置する雲上限を突破して終わるようだと、三役逆転が解消して買い戻しを誘う流れに移る可能性も出てくる。攻防の分岐点に位置していることを踏まえた上で取引に挑む必要がありそうだ。
また、欧州序盤にはデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁の発言機会が予定されている。直近では6日に「現在の政策金利は適切」などと発言していた。金融政策に関する発言がないかもしれないが、金融スタンスに変化がないか確認しておきたい。
他方、英国ではラムスデン英中銀(BOE)副総裁の講演が予定されている。先月のBOE理事会で金利据え置きに票を投じたテイラーMPC委員は昨日、「下方リスクが徐々に高まりつつある」などと発言。13日には、同じく先月のBOE理事会で金利据え置きに賛成したグリーンMPC委員の発言が「金融政策は制限的ではなくなりつつある」など追加利下げに含みをもたせる内容となるなど、ハト派的発言が相次いでいるのは気になるところ。副総裁は先月29日に「インフレ率は今後わずかに上昇する可能性があるが、その後はピークに達するだろう」などと発言しており、ハト派的トーンの内容となればポンド相場に下押し圧力が掛かる可能性もある。内容に注目したい。
そのほか、先週末からトランプ政権当局者による発言により市場が振り回される展開となっており、不意の発言には備える必要がありそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.1731ドル
・ポンドドル:21日移動平均線1.3434ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1542(10/9安値)
・ポンドドル:14日安値1.3249ドル
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、環境の変化を踏まえて2025年末に向けた新たな株価見通しを提示している。メーンシナリオとして年末高を想定。日本での安定した政権の誕生、米国での流動性相場の継続を前提としており、前提が崩れる場合には、適宜見通しを修正する可能性もあるとしている。日経平均の年末予想は51000円。12月末には来期業績への期待が高まるとみており、流動性相場の継続が高めのバリュエーションを許容すると想定している。
中国人民銀行(人民銀行)は14日、15日の公開市場操作でアウトライト・リバースレポ(買い切り式リバースレポ)により6000億元を供給すると発表した。償還期間は6カ月。ロイター通信によれば、14日に償還期限を迎える8000億元との差し引きで、今月は2000億元の吸収超過となる。ほかに、1500億元の国庫定期預金が15日に満期を迎え、同額を商業銀行から吸収した。
15日の公開市場操作で実施された7日物リバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)の規模は435億元。期間は1年、金利は1.40%だった。4日連続で吸収超過となった。
モルガン・スタンレーMUFG証券では、自民党と公明党の連立解消は、日本に厳しい政治的状況をもたらすことになったとコメント。結果として生まれる政権は他の政党の協力を必要とする必要が高く、政策の不確実性が生じる可能性があると指摘している。物価対策はどの党にとっても最優先事項となっているが、その他の決定は遅れる可能性があるとMSMUFGでは考えている。
欧州連合(EU)は、中国企業がEU域内で事業展開する際、欧州企業への技術移転を義務付けることを検討しているもようだ。産業競争力強化を狙った新たな強硬策となる。『信報』が外電を引用して14日伝えた。
関係者によると、この措置は自動車やバッテリーといった主要なデジタル・製造業市場への参入を目指す企業に適用される見通し。企業に対し、一定量のEU製品や労働力の活用、EU域内での付加価値創出も求める。合弁会社の設立も選択肢の一つとなる。
新規則は11月にも公表され、形式上は全ての非EU企業を対象とする見通しだが、その狙いは中国製造業による欧州産業の圧倒的な支配を防ぐことにあるという。中国の保護主義的手段を模倣して対抗することは、中国からの反発を招き、双方にとって依然として重要な貿易関係を損なう可能性もある。
欧州委員会のレニエ報道官は、「強固で競争力があり、脱炭素化を進める欧州産業の促進に向け、複数の措置を検討しているが、具体的な範囲や内容について最終決定には至っていない」と述べた。
米通商代表部(USTR)のグリア代表は14日、米CNBCの番組で、トランプ大統領が11月1日、またはそれより早い段階で中国に対し追加関税100%を発動する可能性があるとの見解を示した。中国側のレアアース(希土類)を巡る対応が今後の判断材料になるとした。『信報』が15日伝えた。
グリア氏は、両国の貿易摩擦のエスカレートは中国側の選択によるものだと指摘した。中国は先週、レアアースの輸出を全面的に制限すると発表した。これが実施されれば、米国の国防、ハイテク、半導体、自動車産業に影響が及ぶとみられる。グリア氏は、中国が世界のハイテクサプライチェーンにおいて拒否権を握ろうとしているが、米国は中国がこのような制度を維持することを容認できないと強調した。
トランプ大統領は当初、韓国で今月末に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場で中国の習近平国家主席と会談する予定だったが、中国側の輸出制限方針がホワイトハウスを動揺させたという。トランプ氏は一時、首脳会談の中止に言及し、11月1日に100%の追加関税を課すと警告した。その後、米国は中国に対する態度を軟化させ、最新の米中貿易摩擦を沈静化させるため、ホワイトハウスはさらなる協議に対しオープンな姿勢であると修正した。
グリア氏によると、米中の高官は14日、ワシントンでレアアース問題について協議したという。
「関税戦争や貿易戦争に勝者はいない」(習・中国国家主席)
第1次トランプ米政権では、2018年に貿易交渉後に対立を一時停止することで合意したものの、米国が合意から離脱し、1年半余りにわたって関税賦課と協議が続き、最終的に2020年1月の第1段階米中貿易合意の署名に至った。
第2次トランプ米政権でも、2025年5月10-11日に90日間の米中貿易協定(Trade Deal)で合意して米中報復合戦第1幕は終了したが、10月に米中報復合戦第2幕が幕を開けようとしている。
1.第1次米中貿易戦争(トランプ第1次政権)
【米対象金額・関税率】 【中国対象金額・関税率】
・対中関税第1弾(2018年7月6日)340億ドル(25%) 340億ドル(25%)
・対中関税第2弾(2018年8月23日)160億ドル(25%) 160億ドル(25%)
・対中関税第3弾(2018年9月24日)2000億ドル(10%~25%) 600億ドル(25%)
・対中関税第4弾(2019年9月1日)1200億ドル(15%) 750億ドル(10%~30%)
2. 第2次米中貿易戦争(トランプ第2次政権)
■米中報復合戦第1幕:145%
・米国:対中追加関税10%
2月10日:中国:報復関税(石炭と液化天然ガス:15%、原油:10%)
・3月4日:対中追加関税10%上乗せ=20%
3月10日:中国:報復関税(大豆・牛肉・豚肉:10%、小麦・トウモロコシ:15%)
・4月3日:対中相互関税34%上乗せ=54%
・4月4日:中国:報復関税34%
・4月5日:相互関税10%
・4月9日:対中相互関税50%上乗せ=104%
中国:報復関税50%上乗せ=84%
・4月10日:対中相互関税=145%(他国分は90日間停止)
・4月12日:中国:報復関税=125%
・4月10日:電子機器20品目を適用除外して「半導体関税」へ
・4月15日:特定品目に245%の課税
・5月12日:米中貿易協定(Trade Deal)・・関税率115%引き下げ
米国:145%⇒30%
中国:125%⇒10%
■米中報復合戦第2幕:130%
・10月9日:中国政府はレアアース(希土類)に関する輸出規制を強化する方針を打ち出し、米中摩擦の火種となってきた分野で制限を一段と拡大することを示した。
・10月10日:トランプ米大統領は、中国の「敵対的」なレアアース(希土類)輸出規制を理由に、11月1日から中国に対して100%の追加関税(※130%)を課すとともに、すべての重要ソフトウエアに対中輸出規制を導入すると発表した。
・10月12日:トランプ米大統領が中国との新たな貿易摩擦の緩和に向けた取引にオープンな姿勢を示したことで、「TACO」(Trump Always Chickens Out(トランプはいつもおじけづく))の可能性も残されている。
・10月14日:トランプ米大統領は、中国が米国産大豆の購入を拒否していることへの報復措置として、食用油貿易を停止する可能性があると警告した。
大阪12月限
日経225先物 47810 +1020 (+2.17%)
TOPIX先物 3191.0 +58.0 (+1.85%)
日経225先物(12月限)は前日比830円安の4万6790円で取引を終了。寄り付きは4万7080円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万6990円)を上回る形で、買いが先行した。現物の寄り付き時につけた4万6950円を安値にロング優勢の動きが強まり、ボリンジャーバンドの+1σ(4万7140円)水準での底堅さがみられるなかで、前場終盤にかけて4万7520円まで上げ幅を広げた。
ランチタイムでも4万7500円台での推移が続き、現物の後場開始直後には4万7580円まで上昇。いったん4万7380円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、上へのバイアスが強まり、後場中盤には4万7830円まで買われた。終盤にかけては4万7650円~4万7800円辺りでのレンジ推移が続き、高値圏で取引を終えた。
米国市場でエヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が売られた流れを受けて、弱含みで始まったアドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、レーザーテック<6920.T>[東証P]などが売り一巡後に切り返しており、先物市場でのショートカバーに向かわせた面もあろう。
前日までの下げで高市トレードの巻き戻しを狙ったショートも積み上がっていたとみられ、高市自民党総裁と野党3党の党首それぞれとの会談、野党3党による党首会談が予定されていたため、いったんポジションをニュートラルに戻すカバーの動きが意識されやすかった。
さらに、後場中盤にはオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング<ASML>が発表した2025年7~9月期決算が好感され、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への買い戻しが加速したことも、ショートカバーを強めたようである。
日経225先物は前日の下落分を吸収し、+1σはナイトセッションで4万7330円辺りまで切り上がった。前日下落した影響でバンドは下向きに転じつつあったが、本日の強い動きによって上向きのトレンドを継続。+1σと+2σ(4万8880円)とのレンジに入ったことで、4万8000円を固める動きが意識されよう。10日の下落分を吸収してくる展開への期待が高まりやすく、ショートカバーを誘う動きが一段と強まる可能性があろう。
NT倍率は先物中心限月で14.98倍に上昇した。14.87倍に低下して始まり、14.84倍まで下げる場面もあった。ただ、その後は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が切り返すなかでNTロングに振れており、後場に入り一時は15.00倍に乗せている。上向きで推移する+1σ(14.78倍)と+2σ(15.11倍)によるレンジ推移が続くなかで、+2σを捉えてくる可能性はありそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0298枚、ソシエテジェネラル証券が1万3653枚、サスケハナ・ホンコンが5192枚、SBI証券が3779枚、バークレイズ証券が3432枚、JPモルガン証券が2813枚、野村証券が2463枚、モルガンMUFG証券が1831枚、日産証券が986枚、松井証券が985枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万3523枚、ソシエテジェネラル証券が2万1514枚、バークレイズ証券が6338枚、モルガンMUFG証券が4462枚、JPモルガン証券が3298枚、ビーオブエー証券が2889枚、ゴールドマン証券が2795枚、サスケハナ・ホンコンが2355枚、ドイツ証券が1253枚、野村証券が923枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米中貿易摩擦に関する報道に警戒しながら、米地区連銀経済報告(ベージュブック)やG20財務相・中央銀行総裁会議からの発言を見極めていくことになる。
中国がレアアース(希土類)輸出規制を強化し、トランプ米大統領が100%の対中追加関税とソフトウエア輸出規制を発表して、さらなる対中報復措置を検討すると述べたことで、米中報復合戦第2幕への警戒感が高まっており、本日もトランプ米大統領による発言には警戒しておきたい。
パウエルFRB議長は昨日の講演で、インフレデータは、消費者物価指数(CPI)の発表が24日に予定されており、10月連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策判断を助けるが、雇用関連ではデータが不足する、と述べた。
そして、政府機関閉鎖によりデータは限定的となっている中、地区連銀経済報告(ベージュブック)などの結果を見極めていくと述べており、本日公表されるベージュブックでの物価動向や雇用情勢には要注目となる。
パウエルFRB議長が労働市場に著しい下方リスクがあると述べ、バランスシート縮小終了を示唆したことで、「フェドウオッチ」での年内利下げは、ほぼ確実視されている。
また、本日からG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されるが、今月末の日銀金融政策決定会合に向けて、ベッセント米財務長官が植田日銀総裁に対して利上げを要請する可能性に警戒しておきたい。ベッセント米財務長官は、2月と8月に植田日銀総裁と電話会談を行い、円安抑制のための利上げを要請していた。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、152.61円(10/14高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、150.19円(日足一目均衡表・転換線)
今晩はもみ合いか。昨日は米中貿易摩擦問題をにらんで上下に大きく振幅。ダウ平均が615ドル安まで下落後、455ドル高まで反発し、202.88ドル高(+0.44%)と2日続伸して終了した一方、S&P500とナスダック総合は急落後に急反発したが、それぞれ0.16%安、0.76%安と反落して終了した。
今晩は米中の貿易摩擦激化懸念や政府閉鎖の長期化が引き続き相場の重しとなることが予想され上値の重い展開か。一方、年内2回の利下げ見通しや発表が本格化した第3四半期決算発表への期待が引き続き下値支援となることが期待される。昨日発表された大手金融機関の第3四半期はそろって予想を上回ったものの、株価はシティグループ、ウェルズ・ファーゴが大幅高となった一方、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースは利益確定売りが優勢だった。今晩も金融のバンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、シンクロニー・ファイナンシャルのほか、プロロジス、アボット・ラボラトリーズ 、ユナイテッド・エアラインズなどが発表予定で、決算実績やガイダンスに注目が集まる。
今晩の米経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、10月NY連銀製造業業況指数など。今晩予定された9月消費者物価指数 (CPI)は、米労働省が24日に公表すると発表した。
日経平均株価は大幅反発。上昇基調にある10日移動平均線(47007円 10/15)上で前日の陰線を逆上がりする陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日64.5%→72.2%(10/15)に上昇。基本的には大きな見方に変化はない。あすは上昇基調にある10日移動平均線からの反発が継続するか。転換線(46628円 同)の上昇などもあり、5日移動平均線(47784円 同)を超えられるか注目ポイントになる。
一方、5日移動平均線や10/8安値(47728円)水準は戻りのフシになりえる。戻り一巡から再び陰線で10日移動平均線や転換線を下回る場合、25日移動平均線(45696円 同)まで下げ幅を拡大する可能性が高まる。
上値メドは、5日移動平均線や10/9高値(48597円)、心理的節目の49000円、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、51000円などが想定される。下値メドは、10日移動平均線や心理的節目の46500円や46000円、10/3高値(45778円)、25日移動平均線、心理的節目の45000円、10/1安値(44357円)などがある。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.33円(15日15時時点比△0.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=175.99円(△0.32円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1629ドル(△0.0011ドル)
FTSE100種総合株価指数:9424.75(前営業日比▲28.02)
ドイツ株式指数(DAX):24181.37(▲55.57)
10年物英国債利回り:4.543%(▲0.047%)
10年物独国債利回り:2.571%(▲0.039%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比 ▲1.0% ▲1.0%
前年比 1.2% 1.2%
8月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) ▲1.2% 0.5%・改
(前年比) 1.1% 2.0%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。年金改革を巡る妥協策でフランスの政治不安が和らぐ中、日本時間夕刻に一時1.1645ドルまで値を上げた。NY市場に入ると、10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が10.7と予想の▲1.8を上回ったことなどが相場の重しとなり、一時1.1611ドル付近まで下げる場面もあったが、アジア時間に付けた日通し安値1.1602ドルが目先サポートとして意識されると持ち直した。仏政治不安の後退や米利下げ観測の高まりを背景に、ユーロ買い・ドル売りがじわりと強まると、1時前に一時1.1647ドルと日通し高値を更新した。
・ドル円は戻りが鈍かった。自民党の高市早苗総裁はこの日、日本維新の会の吉村洋文代表と会談。首相指名選挙での協力や連立政権の構築に向けて、16日に政策協議を始めることで一致した。この報道や米経済指標の上振れを受けて円売り・ドル買いが優勢になると、22時過ぎに151.74円付近まで値を戻した。
ただ、アジア時間につけた日通し高値151.88円が目先レジスタンスとして働くと上値が重くなった。貿易問題を巡る米中対立が激しさを増すとの懸念が根強い中、1時前には151.04円付近まで下押しした。高く始まった米国株相場が失速したことも相場の重し。
なお、ベッセント米財務長官は最近のドル円の水準が妥当かとの質問に対して、「日銀が適切な金融政策を進めれば、円は自らのふさわしい水準を見いだす」との見解を示した。
・ユーロ円は上値が重かった。22時30分過ぎに一時176.30円とアジア時間に付けた日通し高値に面合わせしたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。ドル円や米国株の失速に伴う円買い・ユーロ売りが入った。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。本日のアジア株式相場の上昇を受けて英株にも買いが先行したものの、貿易問題を巡る米中対立激化への懸念からすぐに失速した。レレックスやBAEシステムズなど資本財サービス株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。年金改革を巡る妥協策でフランスの政治不安が和らぐ中、反発して始まったものの、終盤失速した。市場では「米中の貿易摩擦が激化しかねないとの懸念は根強い」との声が聞かれた。個別ではラインメタル(5.09%安)やフレゼニウス(2.10%安)、フレゼニウス・メディカル・ケア(2.04%安)など下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。貿易問題を巡る米中対立激化への懸念は根強く、相対的に安全資産とされる独国債に買いが入った。
15日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は825円高の47672円。寄り付きから3桁の上昇となって節目の47000円を上回ると、場中は上げ幅を広げ続けた。序盤は気迷いムードが強かったが、幅広い銘柄が買われる中、次第にきのうの4桁下落で当面の売りが出尽くしたとの見方が強まった。600円を超える上昇で前場を終えると、後場はスタートから47500円を上回った。14時近辺では、オランダ半導体大手ASMLの決算を手がかりに半導体株が強含んだことから一段高。900円超上昇して47700円台に乗せる場面もあり、高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆1800億円。業種別では機械、証券・商品先物、非鉄金属などが大幅上昇。下落はサービス、ゴム製品、海運の3業種のみとなった。レーザーテック<6920.T>の動きの良さが目立っており、商いを伴って6%を超える上昇。半面、下方修正を発表したメディカル・データ・ビジョン<3902.T>が、一時ストップ安となるなど急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1409/値下がり179。決算が好感されたイオンが9%を超える上昇となって上場来高値を更新。スキマバイトサービスの提供終了を発表したメルカリが急騰し、この分野でのライバル企業のタイミーにも資金が向かった。証券会社が目標株価を引き上げたソフトバンクGが5.1%高。IHI、三菱重工、川崎重工の防衛大手3社がそろって大幅高となったほか、助川電気工業がストップ高となるなど「高市関連」とみられる銘柄に見直し買いが入った。
一方、決算を材料にカーブスやドトール日レスが大幅安。大黒天物産やイオンファンタジーが2桁の下落率となった。ドル円は円高に振れたものの、ニトリHDや神戸物産など「円高メリット銘柄」とみられる銘柄が軟調。リクルートが3.2%安と弱さが目立った。
本日スタンダード市場に新規上場したライオン事務器は、高い初値をつけた後も買いが続いてストップ高で初日を終えた。
日経平均は大幅高。高く始まり、前場で上げ幅を広げ、後場に伸び悩みかけたところで新たな燃料が投入されて高値圏で終了と、非常に強い動きを見せた。4桁安となった翌日に大半を戻してきたのは印象が良い。今後も政局次第で日々の振れ幅が大きくなる可能性があるが、安くなったところではリバウンド狙いの買いが入りやすくなるだろう。その政局に関しては、21日に臨時国会が召集されるもよう。新しい首相が決まって先行き不透明感が払しょくされたところで、10月下旬から決算発表シーズンに突入していくという好循環が期待できそうな状況となっている。日経平均のきょうの終値は47672円。5日線(47784円、15日時点)付近までは戻してきただけに、早々に同水準を上回ることができるかに注目したい。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.05円(前営業日比▲0.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=175.94円(▲0.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1647ドル(△0.0040ドル)
ダウ工業株30種平均:46253.31ドル(▲17.15ドル)
ナスダック総合株価指数:22670.08(△148.38)
10年物米国債利回り:4.03%(横ばい)
WTI原油先物11月限:1バレル=58.27ドル(▲0.43ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4201.6ドル(△38.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲1.8% ▲4.7%
10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
10.7 ▲8.7
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。「自民党と日本維新の会は党首会談で、連立政権を見据えた政策協議を始めることで合意した」との報道や、10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が10.7と予想の▲1.8を上回ったことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。22時過ぎに一時151.74円付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間につけた日通し高値151.88円が目先レジスタンスとして働くと失速した。貿易問題を巡る米中対立が激しさを増すとの懸念が根強い中、高く始まったダウ平均が下げに転じたことなども相場の重しとなり、1時前に151.04円付近まで下押しした。
なお、ベッセント米財務長官はこの日、「円相場の水準についてはコメントしない」としながらも、「日銀が適切に金融政策を運営し続ければ、円相場も適正な水準に落ち着くだろう」などと発言した。また、一部通信社が報じたところによると「日米財務相は会談を実施し、円安・ドル高傾向にある為替相場について協議した可能性がある」もよう。
・ユーロドルは続伸。米経済指標の上振れを受けて、22時過ぎに一時1.1611ドル付近まで売られる場面もあったが、アジア時間に付けた日通し安値1.1602ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。仏政治不安の後退や米利下げ観測の高まりを背景に、ユーロ買い・ドル売りがじわりと強まると、5時過ぎに1.1648ドルと日通し高値を更新した。
なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動は全体としてほぼ横ばいだった」と総括した。また、トランプ政権の高関税政策により、多くの地区で輸入コストの上昇が報告された。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。22時30分過ぎに一時176.30円とアジア時間に付けた日通し高値に面合わせしたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。ドル円やダウ平均の失速に伴う円買い・ユーロ売りが入ると175.82円付近まで下押しした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに小反落。前日のパウエルFRB議長の発言を受けて米利下げ期待が高まる中、買いが先行。指数は一時420ドル超上昇した。ただ、米中の貿易摩擦が激化しかねないとの懸念は根強く、買い一巡後は売りが優勢となり下げに転じた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やブロードコムなど半導体株が買われた。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回ると売りが出た半面、米利下げ観測を背景とした買いが相場を下支えした。
・原油先物相場は続落。米中貿易摩擦の激化懸念が売りを促した。国際エネルギー機関(IEA)が月報で「世界の石油市場は来年に日量400万バレルの供給過剰に陥る」との予測を示したことも相場を押し下げ、約5カ月ぶりの安値をつけた。
・金先物相場は4日続伸し、連日で史上最高値を更新した。米中貿易摩擦の激化懸念が安全資産とされる金買いを支援。また、米利下げ観測の高まりも金利を生まない金相場の支えとなった。
15日08:18 コンウェイ・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)チーフエコノミスト
「追加の金融政策ツールをすぐに使う予定はない」
「経済の変動に備えるために政策のアプローチを継続的に更新していく方針」
「金融政策の運用独立性や中期的なインフレ圧力に焦点を当てることが重要」
15日09:55
「来年はインフレ率が2%に向けて鈍化すると見込まれる」
「50ベーシスポイントの利下げは、第2四半期GDPの縮小に対する反応だった」
「50ベーシスポイントの利下げは、慎重に検討された決定であった」
15日08:19 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「中国はテーブルにつき、米国と協力する必要がある」
「中国に対して多くのレバレッジを持っている」
15日09:03 ハンター豪準備銀行(RBA)総裁補佐
「現在のインフレ水準をほぼ維持することを目指している」
「インフレ期待が安定した水準から外れている兆候は見られない」
15日18:38 ドレンツ・スロベニア中銀暫定総裁
「向こう数カ月は、政策金利を変更する理由は見当たらない」
15日21:38 ベッセント米財務長官
「私の知る限り、トランプ米大統領は習近平国家主席との会談に出席の意向」
「中国に関しては楽観している。我々は連絡をとっている」
「次期FRB議長候補は、11名から5名に絞られた」
「アジアから帰国後、3-4名がトランプ米大統領に報告される予定」
「米国の貿易赤字が縮小すれば、ドルを支える要因となる」
15日23:18 ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事
「FRBが独立性を維持するには、非政治的であるとみなされる必要がある」
「FRBの独立性は極めて重要」
「インフレ率は1年半後に2%に戻ると予測」
「年内あと2回の利下げは現実的」
16日02:06
「米中貿易摩擦は著しい下振れリスクをもたらす」
「中国のレアアース価格動向が貿易の不確実性を再び高める」
15日23:33 ナーゲル独連銀総裁
「次の金利の動きについて示唆するには時期尚早」
「現在の情報では金利行動を示唆する根拠にはならない」
16日03:33 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「米経済活動は前回の報告から概ねほぼ横ばいとなった」
「3地区では小幅から緩やかに拡大、5地区では横ばい、4地区では若干の軟化が報告された」
「製造業は地区によって異なり、ほとんどの報告では関税の上昇と全体的な需要の減少により厳しい状況にあると指摘」
「金利低下によりここ数週間の企業融資が改善したと一方、依然として経済活動の低迷が指摘された」
「今後の経済成長見通しは、地区やセクターによって異なる」
「多くの地区では、不確実性の高まりが経済活動を圧迫するとの見方が続いている」
「ある地区のレポートでは、長期にわたる政府閉鎖による成長の下振れリスクが指摘された」
「雇用はここ数週間概ね安定しており、労働需要は全地区・全セクターで概ね低調だった」
「ほとんどの地区で、より多くの雇用主がレイオフや自然減により人員削減を行ったと報告」
「賃金は概ね緩やかなペースで上昇し、雇用主負担の健康保険費用の大幅な増加により、ここ数週間で人件費の圧力が強まった」
「当該期間中、物価はさらに上昇した」
「関税によるコスト上昇は多くの地区で報告されたが、これらのコスト上昇が最終価格に転嫁される程度は地区によって異なった」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 8月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比0.5%/前年比4.9%)
○10:30 ◇ 田村直樹日銀審議委員、あいさつ
○13:30 ◇ 8月第三次産業活動指数(予想:前月比▲0.2%)
<海外>
○09:30 ◎ 9月豪雇用統計(予想:失業率4.3%/新規雇用者数2.00万人)
○15:00 ☆ 8月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
○15:00 ◎ 8月英鉱工業生産(予想:前月比0.2%/前年比▲0.8%)
○15:00 ◎ 8月英製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○15:00 ◇ 8月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:220.00億ポンドの赤字/48.05億ポンドの赤字)
○18:00 ◇ 8月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前91億ユーロの黒字/季節調整済70億ユーロの黒字)
○21:15 ◇ 9月カナダ住宅着工件数(予想:25.75万件)
○21:30 ◎ 10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:10.0)
○22:00 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:00 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○22:00 ◎ ミランFRB理事、講演
○22:00 ◎ バーFRB理事、講演
○23:00 ◎ ボウマンFRB副議長、講演
○23:00 ◎ 10月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:33)
○17日00:45 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○17日01:00 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○17日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○17日03:30 ◎ グリーン英MPC委員、講演
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、最終日)
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、18日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、「自民党と日本維新の会は党首会談で、連立政権を見据えた政策協議を始めることで合意した」との報道や、10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回ったことで一時151.74円付近まで値を上げた。ただ、高く始まったダウ平均が下げに転じたことなども相場の重しとなり、1時前に151.04円付近まで下押しした。ユーロドルは仏政治不安の後退や米利下げ観測の高まりを背景に、1.1648ドルまで上昇した。
本日の東京時間でのドル円は、引き続き上値が重い展開を予想する。今週に入り14日には日経平均株価が下げ幅を拡大すると、ドル円も連れて弱含んだ。一方昨日15日は日経平均株価が徐々に上げ幅を広げる場面でも、ドル円は上値が切り下がっていった。株高・株安ともにドル円が下げたことを鑑みると、ドル円の上値の重さが確認されているとも言えそうだ。
本日も本邦からは市場を動意づけるような経済指標の発表が予定されていないことで、注目となるのは政治状況になるだろう。昨日は首相指名選挙では、自民党と維新の会による高市自民党総裁への投票期待で市場はドル買い・円売りに動く場面があった。維新の会は、夏の参議院選挙では比例得票数が過去最低となるなど、関西の一部地域を除くと党の存続自体が危惧されているほどだ。衆議院では自民・立憲につづき維新は35の議席数があることで、党勢を保つために連立の道を選ぶ可能性は大いにあるだろう。ただ、自民党が「NHKから国民を守る党」の議員と参院会派を結成する動きがあるなど、自民党が下野を恐れてなり振りかまわない動きを見せていることで、今後政局が急転するリスクもありそうだ。
自民・維新の連立の可能性が報じられたのにもかかわらず、昨日のドル円の伸びが限られたのには高市トレードに陰りを見せているともいえる。26年にもわたった自民党と公明党の連立政権に終止符が打たれ、公明党の連立離脱をしたことに対して、自民党内では高市自民党総裁への責任論が強くなっている。一部では新たな連立の枠組みができるまでは、自民党が下野することを避けるために総総分離論まで出てきている。新たな連立ができ高市氏が首相に就いた場合でも、高市氏が主導権を握ることができず、陰で政権を導くのは麻生副総理や鈴木幹事長になり、12年超にわたって財務相となった麻生・鈴木兄弟が積極財政に対しても待ったをかける可能性すら浮上している。このような状況下では、これまでの「高市トレード」と呼ばれる円安に戻るのが難しそうだ。
一方で、野党が連合を組み政権交代になった場合も、不透明感が拭えない。どの政党も積極財政を進めることで、株高・円安に動くとの見方もある。しかし、政治的なイデオロギーが全く異なる政党による連立政権は不安定となり、今後政局がより混迷するリスクもあり株安・円高に動く可能性もありそうだ。
また、トランプ政権が中国に対する圧力を再び強めていることも、ドルの重しになる。昨日ウォールストリートジャーナル紙は中国の政策決定に近い関係者らの話として、習近平国家主席は「米国経済は中国との長期にわたる貿易摩擦を吸収できないと賭けている」と報じた。これに対してベッセント米財務長官は「株価が下落しているからといって交渉したり、その理由で北京に対して強硬な措置を取ることを躊躇したりするつもりはない」と反応。今後も米中の貿易摩擦再燃懸念がドル円を中心に、ドル売りを促しやすくなりそうだ。
ドル円以外では、本日は豪州から9月の雇用統計が発表されることで、豪ドルの動きに注目したい。先月末に行われた豪準備銀行(RBA)理事会では、雇用市場に関しては「ここ数カ月で概ね安定している」との見解が示された。失業率の予想は4.3%だが、市場予想よりも低い失業率となれば再利下げが遠ざかり、豪ドルは素直に買われるだろう。一方で、失業率が4%半ばに近づいたり、新規雇用者数が減少した場合は利下げ期待が高まり、豪ドル売りを動意づけることになりそうだ。なお、今週に入り中国政府が海上輸送に対する港湾料金の追加導入を発表したことを受け、中国への輸出に大きく依存している豪州経済に悪影響を及ぼすことが懸念され豪ドルが売られる場面があった。雇用統計だけではなく、米中の貿易摩擦再燃もしくは緩和となった場合にも豪ドルは動意づきそうだ。
東京市場は堅調か。米国株はまちまち。ダウ平均が下落した一方、S&P500とナスダックが上昇した。ダウ平均は17ドル安の46253ドルで取引を終えた。オランダASMLの良好なガイダンスを受けてAMDやアプライド・マテリアルズなど半導体株の一角が大幅高となったほか、決算が好感された金融株に買いが入った。ただ、3指数とも序盤に買われた後は伸び悩み、ダウ平均はプラスをキープできなかった。ドル円は足元151円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが190円高の48000円、ドル建てが290円高の48100円で取引を終えた。
ダウ平均は下げたといっても横ばい程度であることから、日本株はS&P500やナスダックの上昇を受けて買いが優勢になると予想する。CME225先物は48000円近辺からのスタートを示唆している。きのうの日経平均が大幅高となったことでセンチメントの改善が期待できる中、月曜の急落で値ごろ感の出てきた銘柄を物色する流れが続くとみる。ただ、首班指名までは政局に関するニュースに振り回される可能性があるだけに、高くなればリスク回避目的の売りは出てきやすい。指数は強めに始まった後は強弱感が交錯し、次第に様子見姿勢が強まるだろう。日経平均の予想レンジは47800-48300円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 48060 +250 (+0.52%)
TOPIX先物 3204.0 +13.0 (+0.40%)
シカゴ日経平均先物 48000 +190
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて、米利下げ期待が高まるなかで買いが先行して始まり、NYダウの上げ幅は一時400ドルを超える場面もみられた。ただし、ミランFRB理事が、米中貿易摩擦の再燃によって米国経済の下振れリスクが高まったとの見解を示し、米中関係を巡る懸念が重荷になった。米政府機関の一部閉鎖が続くなかで、1万人を超す職員を削減する可能性があると伝わったことも投資家心理を冷ます形になった。
ナスダック指数は反発。オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング<ASML>が発表した2025年7~9月期決算が好感され、KLA<KLAC>やラムリサーチ<LRCX>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>などが買われた。フィラデルフィア半導体(SOX)指数は3%近く上昇している。
S&P500業種別指数は不動産、メディア、自動車・同部品が上昇した半面、保険、家庭用品・パーソナル用品、商業サービス・用品の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ウォルマート<WMT>、IBM<IBM>、シスコシステムズ<CSCO>、キャタピラー<CAT>が買われた。一方で、ハネウェル・インターナショナル<HON>、トラベラーズ<TRV>、セールスフォース<CRM>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比190円高の4万8000円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比50円高の4万7860円で始まった。開始直後に4万8000円を回復すると、米国市場の取引開始後には4万8280円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し、中盤に4万7610円まで売られたが、終盤にかけて切り返し4万8060円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションではボリンジャーバンドの+1σ(4万7330円)を上回って推移したことで、+2σ(4万8890円)とのレンジが意識されやすい。4万8000円固めの動きがみられてくるようだと、ショートカバーを誘う動きが強まりやすく、ロング優勢の需給状況になりそうである。
昨夕に自民党の高市総裁が野党3党の党首とそれぞれ会談を行ったほか、野党3党の党首会談が行われた。来週に予定される首相指名選挙を巡り、高市首相誕生か政権交代かを巡って思惑が交錯する状況だが、報道ベースでの感触では高市首相誕生の可能性が高そうである。楽観視は禁物とはいえ、10日につけた4万8940円が意識されてくる可能性はあろう。改めて押し目待ち狙いのロングが入りやすくなりそうだ。
そのため、4万8000円での底固めを意識しつつ、オプション権利行使価格の4万7875円から4万8875円のレンジを想定。4万8000円を下回る局面では押し目狙いのロング対応としつつ、底堅さがみられる場面ではエントリーポイントを引き上げる形になろう。
15日の米VIX指数は20.64(14日は20.81)に低下した。一時19.11まで下げる場面もみられたが、200日移動平均線(19.29)が支持線として意識される形で、その後22.44まで上昇する動きもあった。米中貿易摩擦への懸念がリスク回避に向かわせており、低下ながらも慎重な姿勢に傾きやすそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.98倍に上昇した。14.84倍まで下げる場面もあったが、その後は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が切り返し、NTロングに振れており、後場に入り一時15.00倍に乗せた。上向きで推移する+1σ(14.78倍)と+2σ(15.11倍)とのレンジ推移が続くなかで、+2σを捉えてくる可能性はありそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比320円高の4万8130円(+0.66%)前後で推移。寄り付きは4万8070円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8000円)を上回る形で、買いが先行して始まった。直後につけた4万7980円を安値にロング優勢の動きとなり、現物の寄り付き直後には4万8240円まで買われた。ただ、4万8000円での底堅さが意識されるものの、積極的な上値追いの動きは限られ、買い一巡後は4万8050円~4万8150円辺りでの保ち合いが続いている。
自民党の高市総裁と日本維新の会の吉村代表が、首相指名選挙での協力や連立政権の構築に向け政策協議を始めることで一致。政局の不透明感が後退したとの見方からショートは仕掛けにくくなった。また、米国市場の流れを受けてソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、アドバンテスト<6857.T>[東証P]が上昇していることも安心感につながっている。ただし、高市首相誕生を見極めるまではロングを強めにくいほか、米中関係の悪化が重荷になろう。
NT倍率は先物中心限月で15.02倍に上昇した。上値追いは慎重ながらも高市トレードの再燃が意識されるなか、TOPIX型でヘッジする形によりNTロングに振れやすくなりそうだ。
昨日のドル円は、東京時間午前中は高市トレードの巻き戻しの動きが先行。日経平均が大幅な上昇となったにもかかわらず、一時150.90円までポジション調整の売りに押されることになりました。ただ、欧州時間に入ってからは、自民党と日本維新の会の党首会談が開催され、首相指名や連立政権構築に向けた政策協議を始めることで一致したことが報じられると151.74円まで買戻し。引けにかけてはユーロドルの上昇などにつれて151.04円まで下押すなど、神経質な動きを繰返したといったところです。
アジア時間に入ってからも、再び米系短期筋の売りが目立つと昨日安値を下抜けて下落。予想を大幅に下回る弱い9月豪雇用統計を受けてオージー円の売りが観測されると一時150.52円まで値を下げました。その後も戻りの鈍い動きが続き再び150.51円まで下押す場面もみられましたが、株価が昨日に続き大幅な上昇となるなか目先はダブルボトムを付けたような形となっています。
日経平均は一足お先に高市政権の誕生を確信。改めてサナエノミクス相場を囃す動きとなっていますが、為替市場とはそのスピード感やポジション状況も違っているからこその展開となっています。これまでの上昇スピードが速すぎたがゆえに、目先の下押しを狙ってドテン売りしていた向きも多かった模様。
一方で、ドル円はショートの踏み上げが終わり、ようやくロングを積み上げ始めた中での調整売りとなっているわけで、高市首相のもとでの自民維新の新たな連立政権の誕生が確実になった今でも、株式市場とは多少の時間軸の違いが市場参加者を悩ませているのかもしれません。いずれにしても、ドル円は日経平均に追いつくかたちで新たな保守政権誕生に向けた大きなテーマ相場を形成していくことになりそうです。
本日のロンドン為替市場では、ポンドは英経済指標や要人発言を確認しながらの推移が見込まれる。また、仏ではルコルニュ首相の不信任投票が予定されている。
まず、ポンドは序盤に予定されている英経済指標に注目したい。8月の月次GDPは前月比+0.1%と7月の横ばいからわずかに改善する見通し。ただ、14日に発表された英6-8月失業率は市場予想通りであったとはいえ4.8%と2021年以来の水準に上昇しており、予想外に弱い結果となった場合は、市場では来年2月と目されている英中銀(BOE)の利下げ観測が前倒しされてポンド売りに傾く恐れがある。なお、同時刻に発表される8月鉱工業生産は前月比+0.2%/前年比-0.8%(7月は-0.9%/+0.1%)とまちまちの予想となっている。
ポンド関連では、NY序盤になるが、マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演も気になるところ。先月のBOE理事会以降、金利据え置きに票を投じたテイラー委員やグリーン委員からハト派的発言が相次いでいる。マンMPC委員も先月の理事会で金利据え置きに賛成しており、発言内容が注目される。金融政策に言及しない可能性もあるが、念のため確認しておきたい。
ユーロについては、本日仏で予定されている内閣不信任投票に注目したい。14日にルコルニュ仏首相が「マクロン大統領が進めてきた年金制度改革を2027年に予定される大統領選後まで停止する」と発言したことがきっかけとなり、内閣存続の可能性が急浮上している。直近では仏政局不安でユーロが売られてきた面もあるため、信任されればユーロにとって追い風となるかもしれない。投票結果に注目といえる。
そのほか対円の視点では、本邦の政局以外にも、本邦要人発言に対する欧州勢の反応も気になるところ。加藤財務相は「円安方向で急激な動きがみられる」などと発言したほか、田村日銀審議委員からは「9月会合では0.75%程度への引き上げを提案」などの発言が伝わっており、ドル円は東京午前で150.51円まで下押している。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.1731ドル
・ポンドドル:日足・一目均衡表の基準線1.3488ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1601(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンドドル:ピボット・サポート1、1.3344ドル
ドル円:1ドル=151.05円(前営業日NY終値比横ばい)
ユーロ円:1ユーロ=176.13円(△0.19円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1660ドル(△0.0013ドル)
日経平均株価:48277.74円(前営業日比△605.07円)
東証株価指数(TOPIX):3203.42(△19.78)
債券先物12月物:136.11円(▲0.23円)
新発10年物国債利回り:1.650%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月機械受注(船舶・電力除く民需)
前月比 ▲0.9% ▲4.6%
前年同月比 1.6% 4.9%
8月第三次産業活動指数
前月比 ▲0.4% 0.2%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。加藤財務相が「円安方向で急激な動きがみられる」と発言したほか、田村日銀審議委員が追加利上げを示唆したことから円買いが優勢となり、一時150.51円まで下落。ただ、一段と売り込む勢いはなく、その後は日経平均が堅調に推移していることもあり買い戻しの流れとなると、その後151.23円まで上昇して日通し高値を更新した。
・ユーロ円は堅調。午前に175.52円まで下押した後は176.32円まで上昇して日通し高値を更新するなど、ドル円に連れた動きとなった。
・ユーロドルは伸び悩み。午前にドル円でドル売りが強まった影響を受けて1.1675ドルまで値を上げるも一時的。午後に入りドル円が買い戻されたこともあり1.16ドル台半ばでのもみ合いが続いた。
・豪ドル円は下落するも一時的。弱い9月豪雇用統計を受けて97.55円まで売られるも、午後に入りドル円が買い戻された影響受けて98.30円台まで値を戻した。
・日経平均株価は続伸。前日にナスダックやS&P500が上昇した影響を受けて高く始まると、その後48000円を割り込むも一時的となり、午後に入り上げ幅は一時600円超に達した。ソフトバンクの上昇が指数を押し上げたほか、自民党と日本維新の会が政策協議を始めたことで政局不安が後退したことも上昇を後押しした。
・債券先物相場は5営業日ぶりに反落。夜間取引で下落した影響を受けて買いが先行すると、値ごろ感などから買い戻しが入りプラス圏を回復する場面も見られた。しかし、田村日銀審議委員が追加利上げを示唆したことから、日銀の利上げ路線が変わらないとの見方から債券は再び売られた。
第一生命経済研究所では、ここ数カ月悪化していた米印関係に改善の兆しがみられることを指摘している。トランプ米大統領は15日、モディ首相がロシア産原油の輸入停止を約束したと明らかにした。金融市場では両国関係の改善を期待して、ルピー相場が反発する動きをみせているとのこと。トランプ氏の発言の真偽に関しては慎重な見極めが必要としながらも、米中摩擦が再燃する中、インドが「バランサー」としての役割を果たせるか、米印関係の行方が注目されると第一生命ではコメントしている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、為替リポートの中で高市自民党新総裁の誕生により円安が進行したことについてコメントしている。ドル円は一時2月初旬以来、約8カ月ぶりに1ドル=153円台をつけた。足元のドル円急伸は積極的に円売りで攻めているというより、手持ちの円ロングの手仕舞いが主因と東海東京では指摘。円ロングポジションに一定程度の整理がつくまで、ドル円が一気に150円を割り込むほどの下げに転じる可能性は低いと考えている。
野村インターナショナルは最新リポートで、中国共産党中央委員会第4回全体会議(4中全会)が10月20-23日に開催し、「第15次5カ年計画(2026-30年)」について議論することに触れ、同計画は26年から30年までの中国の経済・社会発展目標の青写真を描くものになると指摘した。最終草案は26年3月に全国人民代表大会に提出され審議・承認される見通し。『インフォキャスト』が16日伝えた。
野村は、「第15次5カ年計画」が「第14次5カ年計画」よりも重要になる可能性があるとの見方を示した。世界における中国の重要性が急速に高まっていることに加え、21年以降の不動産市場の低迷によって引き起こされた課題がますます厳しさを増しているためだとした。野村は、「第14次5カ年計画」(2021-25年)の期間中、中国は顕著な成果を収めた一方で、大きな改善余地も残しているとの見方を示した。
「第15次5カ年計画」に関しては、中国政府が具体的な成長目標を設定せず、強靱(きょうじん)性、安全性、包摂性を強調する可能性があると指摘した。
「レーニンはまったく正しかった。社会の基盤をくつがえすには、通貨を堕落させることほど巧妙で確かな方法はない」(ケインズ)
1.量的金融緩和政策(QE:Quantitative Easing)
2020年に世界を席捲した新型コロナウイルスへの対策として、財政政策としては給付金の交付、金融政策としては、中央銀行による量的金融緩和政策(QE:Quantitative Easing)が打ち出された。
世界中に給付金が散布され、量的金融緩和により資金が大量に供給されたことで、通貨の価値は落ち、物の価値が上がるという「インフレーション」が世界の市場を席捲した。
さらに、主要経済圏における政治の不安定化や財政赤字の拡大を受けた不確実性が、通貨価値下落への圧力を強めている。
2.ディベースメント取引(Debasement:通貨価値切り下げトレード)
米国、ユーロ圏諸国、日本などで政治的・財政的な不透明感が高まる中、各国通貨(ドル、ユーロ、円)に売り圧力がかかりつつあり、ビットコインや金、銀などの代替資産へ資金のシフトが起こりつつある。
ウォール街ではこれを「ディベースメント取引(Debasement:通貨価値切り下げトレード)」と呼んでいる。
これは、英国のヘンリー8世、ローマ皇帝ネロ、そして江戸幕府が金や銀の硬貨に銅などの安価な金属を混ぜて価値を薄め、通貨発行益(シニョリッジ)を稼いでいた歴史的手法に由来する表現である。
世界の準備通貨に占めるドルの割合は、2025年6月末の時点で過去最低の56.32%に落ち込んでいる。
中国人民銀行(中央銀行)は9月、金保有を11カ月連続で増やして7406万トロイオンスとなった。金価格が1オンス=4000ドルと過去最高値を更新する局面で買い増しを続けた。現在の買い入れ局面が昨年11月に始まって以来、中国は計126万トロイオンスを積み増しており、金価格上昇の要因となっている。
3.米中貿易戦争=米中通貨切り下げ
トランプ米政権は、第1次政権でも第2次政権でも、米国の貿易赤字を削減するという大義名分の下、世界最大の対米貿易黒字国である中国に対して、貿易戦争を仕掛けている。
1985年9月、レーガン第40代米大統領は、最大の対米貿易黒字国である日本に対して、ドル安・円高誘導という「プラザ合意」を打ち出した。
現在のトランプ第2次政権も、中国に対して、高関税とドル安・人民元高を打ち出しており、ドル離れに拍車がかかりつつあるのかもしれない。
大阪12月限
日経225先物 48430 +620 (+1.29%)
TOPIX先物 3209.5 +18.5 (+0.57%)
日経225先物(12月限)は前日比620円高の4万8430円で取引を終了。寄り付きは4万8070円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8000円)を上回る形で、買いが先行した。直後につけた4万7980円を安値にロング優勢となり、現物の寄り付き直後には4万8240円まで買われた。
買い一巡後は4万8000円処での底堅さが意識されたものの、積極的な上値追いの動きは限られ、前場中盤以降は4万8050円~4万8200円辺りで保ち合いを継続。だが、後場中盤にかけてこの水準を上抜けると、4万8200円~4万8350円辺りにレンジが切り上がり、ショートカバーとみられる動きによって、引け間際には4万8440円まで上げ幅を広げた。
自民党の高市総裁と日本維新の会の吉村代表が、首相指名選挙での協力や連立政権の構築に向けて政策協議を始めることで一致。政局の不透明感が後退したとの見方から、ショートは仕掛けにくくなった。
日経225先物は上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σと+2σとのレンジをキープしているが、ナイトセッションで+1σが4万7570円、+2σは4万9150円辺りに切り上がってくる。本日の上昇により公明党の連立離脱を嫌気した週初の急落分を埋めたことで、センチメントは改善。+2σを意識したトレンド形成のなかで、10日につけた4万8940円が射程に入ってきそうだ。
また、週足のボリンジャーバンドは、上向きで推移する+1σと+2σとのレンジを継続しているが、+2σは4万8540円辺りに位置しており、+3σは5万0860円まで切り上がってきた。首相指名選挙の結果が判明するまでは楽観視できないが、これまでのトレンドを継続している状況のなかでは、ショートを控えることが賢明であろう。
現物市場では週初の下落局面で、高市トレードのポジションをいったんニュートラルにしているとみられ、改めて指数インパクトの大きい値がさハイテク株などを中心に買いが入りやすいだろう。加えて米国市場が決算シーズンに入り、前日のASMLホールディング<ASML>に続き、本日は台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の2025年7~9月期決算が市場予想を上回ったことが材料視された面もあった。値がさハイテク株次第ではあるが、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が最高値を更新してきたこともあり、高市トレード再燃がロングに向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.08倍に上昇した。上値追いには慎重ながら高市トレードの再燃が意識されるなかで、TOPIX型でヘッジする形によってNTロングに振れやすくなりそうだ。2021年5月以来の水準まで上昇しており、同年2月高値の15.68倍が射程に入ってきそうである。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7141枚、ソシエテジェネラル証券が1万5343枚、サスケハナ・ホンコンが3340枚、JPモルガン証券が2402枚、SBI証券が1958枚、バークレイズ証券が1759枚、みずほ証券が1711枚、日産証券が1362枚、野村証券が1352枚、モルガンMUFG証券が1018枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が1万9165枚、ソシエテジェネラル証券が1万7341枚、バークレイズ証券が5539枚、JPモルガン証券が5046枚、モルガンMUFG証券が2606枚、ゴールドマン証券が2239枚、サスケハナ・ホンコンが2173枚、シティグループ証券が1880枚、UBS証券が1579枚、ビーオブエー証券が1574枚だった。
NYタイムは、米長期金利の動向などをにらみつつの神経質な展開が想定される。ドル円は自民党と日本維新の会など野党との連立政権に関する話し合いの行方をにらんだ円相場の動向次第の面もあるが、注目の自民党と日本維新の会の協議が明日継続されることになったことから、この面ではいったん様子見となりそう。
よって景気や株価をにらんだ米金利の動きに左右されそうだが、欧州入りにかけて時間外取引の米10年債利回りが昨日NY引けの水準を上回った局面でドル買い・円売りが進む場面もあった。米株先物も現時点でプラス推移となっていることから、リスク選好を意識した円安・ドル高方向へどの程度戻せるかを見定めることになるか。
NY入りにかけた21時30分発表予定の10月分の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(市場予想:10.0、前回9月:23.2)は普段必ずしも為替の大きな動意につながる材料とは限らない。しかし米景気の行方が重要な焦点となっている局面でもあり、内容には一応留意したい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、9日安値152.14円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、7日安値150.24円
今晩は神経質な展開か。昨日はダウ平均が17.15ドル安(-0.04%)とわずかながら3日ぶりの反落となった一方、S&P500が0.40%高、ナスダック総合が0.66%高とともに反発した。バンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーなど好決算を発表した大手銀行株の大幅高や、オランダのASMホールディングの強いガイダンスを好感した半導体株の上昇にけん引され朝方に大きく上昇したものの、米中貿易摩擦懸念や政府閉鎖の長期化などが嫌気され売りが強まる場面もった。
今晩は政府閉鎖の影響で9月生産者物価指数(PPI)や、9月小売売上高、週間新規失業保険申請件数などの経済指標の発表が延期される見通しで、引き続き米中貿易問題や企業決算などをにらんだ神経質な展開か。金融政策を巡ってはボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長やウォラーFRB理事などのFRB高官の講演などが多数予定されており、利下げを巡る要人発言にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは10月NAHB住宅市場指数など。要人発言はボウマンFRB副議長、ウォラーFRB理事、ミランFRB理事、バーFRB理事など。企業決算は寄り前にトラベラーズ、チャールズ・シュワブ、USバンコープ、引け後になどインタラクティブ・ブロカースなどが発表予定。
日経平均株価は大幅続伸。5日移動平均線(47893円 10/16)上のスタートからじり高となり、高値圏で取引を終えた。
RSI(9日)は前日72.2%→73.0%(10/16)に上昇。基本的には大きな見方に変化はない。上昇基調にある10日移動平均線(47380円 同)上からの反発が継続し、10/9につけた史上最高値(48580円、終値ベース)が視野に入ってきた。引き続き、転換線(46819円 同)の上昇を背景に上昇継続に期待がかかる。
上値メドは、10/9高値(48597円)、心理的節目の49000円、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、51000円などが想定される。下値メドは、10日移動平均線、心理的節目の47000円や46500円、25日移動平均線(45881円 同)や10/3高値(45778円)、心理的節目の45000円、10/1安値(44357円)などがある。
16日の日経平均は大幅続伸。終値は605円高の48277円。まちまちの米国株を受けても寄り付きから400円を超える上昇と強めのスタート。前場では500円超上昇したところで上値が重くなり、48000円近辺でもみ合う時間が長かった。一方、後場に入ると48000円より上が定着し、じわじわと上げ幅を広げる展開。指数寄与度の大きいソフトバンクグループ<9984.T>や東京エレクトロン<8035.T>が大幅高となって上昇をけん引した。15時近辺では48300円台に乗せる場面もあり、600円を超える上昇で取引を終了。大型株優位で新興銘柄は敬遠されており、グロース250指数は1%を超える下落となった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆4400億円。業種別では情報・通信、非鉄金属、電気・ガスなどが上昇した一方、その他製品、保険、サービスなどが下落した。ソフトバンクグループが8.6%高と連日の大幅上昇。1銘柄で日経平均を約380円押し上げた。半面、下方修正を発表したヨシムラ・フード・ホールディングス<2884.T>が、ストップ安まで売り込まれた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり858/値下がり681。米国で半導体株に強い動きが見られたことから、東京エレクトロン、ソシオネクスト、キオクシアHDなどが大幅上昇。フジクラや古河電工など電線株にも資金が向かった。今期の増収増益見通しが好感されたサイゼリヤが買いを集めてストップ高。自民党と日本維新の会の接近を受けて、維新の会が主張する「大阪副首都構想」が意識されており、阪急阪神、京阪神ビルディング、南海辰村建設など関西に強みを持つ企業の銘柄が急騰。桜島埠頭がストップ高となった。
一方、半導体株買いが盛り上がる中でもレーザーテックは下落。主力どころではIHIや任天堂が弱かった。上方修正発表も市場の期待には届かなかった東宝が大幅安。決算を受けてベイカレントやTKPが急落し、TENTIALがストップ安となった。
本日プライム市場に新規上場したテクセンドフォトマスクは、高い初値をつけたものの、終値は初値を下回った。全市場の売買代金ランキング(ETFを除く)で10位となるなど、初日の商いは活況となった。
日経平均は大幅高。ソフトバンクグループや東京エレクトロンの貢献度が大きかったが、終値(48277円)で5日線(47893円、16日時点)や節目の48000円を大きく上回った。先週末10日の終値は48088円。三連休明けの14日に1200円近く下落したものの、15日と16日の上昇で14日の下げ分を取り戻している。あすは週末を前に買い手控えムードが強まるかもしれないが、軟調に推移するようなら押し目では買いが入るだろう。きょうの株式市場では、日本維新の会の政策に絡む銘柄が物色されたが、野党がまとまりきらなければ高市氏が首相指名選挙で負ける可能性は低い。4桁安をみた週にプラスで終えることができれば、来週も良好な地合いが期待できる。48088円より上で週を終えることができるかに注目したい。
(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.43円(前営業日比▲0.62円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=175.81円(▲0.13円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1687ドル(△0.0040ドル)
ダウ工業株30種平均:45952.24ドル(▲301.07ドル)
ナスダック総合株価指数:22562.54(▲107.54)
10年物米国債利回り:3.97%(▲0.06%)
WTI原油先物11月限:1バレル=57.46ドル(▲0.81ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4304.6ドル(△103.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
▲12.8 23.2
10月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
37 32
9月米財政収支
1980億ドルの黒字 3448億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が▲12.8と予想の10.0を大幅に下回ったことを受けて、全般ドル売りが先行。米中の貿易摩擦が激化しかねないとの懸念や米地銀の融資を巡る懸念から、高く始まった米国株相場が失速するとリスク回避の円買い・ドル売りも入った。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.9669%前後と4月7日以来約半年ぶりの低水準を付けたことも相場の重しとなり、4時30分過ぎには一時150.21円と日通し安値を更新した。
なお、融資に関する不正行為を巡る訴訟を起こしたことが明らかになった米地銀のザイオンズ・バンコーポレーションやウエスタン・アライアンス・バンコープの株価は大幅に下落した。銀行業界の健全性を巡る懸念から金融株全般が売られ、一時170ドル近く上昇したダウ平均は失速し470ドル超下落した。
・ユーロドルは3日続伸。フランスの政治不安の後退がユーロ買いを誘った一方、米中貿易摩擦激化への懸念や米利下げ観測の高まりを背景にドル売りが出やすい地合いとなった。米経済指標の下振れや米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが優勢になると、アジア時間の高値1.1675ドルを上抜けて一時1.1694ドルまで上値を伸ばした。
・ユーロ円は小幅ながら続落。日本時間夕刻に一時176.46円と本日高値を付けたものの、2時前には175.45円と本日安値を付けた。ドル円につれた動きとなった。米国株相場の失速も相場の重し。
ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時201.72円、豪ドル円は97.24円、NZドル円は85.94円、カナダドル円は106.89円、スイスフラン円は189.15円、メキシコペソ円は8.15円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の好決算がAI関連への期待を高め、AI関連銘柄を中心に買いが先行したものの、その後下げに転じた。米中の貿易摩擦が激化しかねないとの懸念や米地銀の融資を巡る懸念から、売りが優勢となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは上昇。予想を下回る10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米中の貿易摩擦が激化しかねないとの警戒感、米地銀の融資を巡る懸念などを背景に、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。利回りは一時3.9669%前後と4月7日以来約半年ぶりの低水準を付けた。
・原油先物相場は3日続落。トランプ米大統領がプーチン露大統領と戦争終結に向けて会談する意向を明らかにすると、地政学リスクの後退を意識した売りに押された。
・金先物相場は5日続伸し、連日で史上最高値を更新した。米中貿易摩擦の激化や米政府機関閉鎖の長期化などに対する懸念が根強いなか、安全資産とされる金に買いが向かった。米長期金利の低下も金利を生まない金の支援材料となり、相場の買い地合いが強まった。
新規雇用者数増減
2025/09 +1.49万人
2025/08 -1.19万人 (前月発表値 -0.54万人)
失業率
2025/09 4.5%
2025/08 4.3% (前月発表値 4.3%)
常勤雇用者数
2025/09 +0.87万人
2025/08 -4.86万人 (前月発表値 -4.09万人)
非常勤雇用者数
2025/09 +0.63万人
2025/08 +3.67万人 (前月発表値 +3.55万人)
労働参加率
2025/09 67.0%
2025/08 66.9% (前月発表値 66.8%)
中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した金融統計によると、2025年9月末時点のマネーサプライM2は前年同月比8.4%増の335兆3800億元だった。伸び率は前月から0.4ポイント減速し、市場予想(8.5%)を上回った。
M1は前年同月比7.2%増の113兆1500億元、M0は前年同月比11.5%増の13兆5800億元だった。1-9月の現金は7619億元の供給超過となった。
一部通信社がホワイトハウス高官の話として報じたところによると、「トランプ米大統領とプーチン露大統領は本日電話会談を実施する」ようだ。
16日05:34 ブロックRBA総裁
「RBAの政策はやや引き締め気味ではあるが、それほどではない」
「最新データは消費が予想よりもやや強かったことを示唆」
「データは今後さらなる緩和を行うかどうか、考える時間を与えてくれる」
16日06:26 ミュラー・エストニア中銀総裁
「2%の金利は適切な水準」
「インフレリスクは現時点でほぼ均衡している」
「なぜ緩和バイアスが必要なのか理解できない」
16日06:45 国際通貨基金(IMF)高官
「日銀は緩和的な金融政策を維持し、利上げは極めて緩やかに進めるべき」
「日銀はインフレリスクへの対応で後れを取っていない」
「新政権の財政支出計画は一時的で対象を絞ったものとすべき」
16日07:37 ケント豪準備銀行(RBA)総裁補佐
「最近の利下げにより金融環境は緩和されたが、中立金利は不確定であり、短期的な政策指針としては信頼できない」
「経済見通しを引き続き再評価し、入ってくるデータやリスクの変化が今後の金融政策決定に影響を与える可能性があることを踏まえている」
16日08:43 加藤財務相
「ベッセント米財務長官との会談、為替共同声明の認識を確認」
「円安方向で急激な動きがみられる」
16日10:35 田村日銀審議委員
「景気は、一部に弱めの動きもみられますが、総じてみれば、緩やかに成長していると判断」
「直近の2025年9月会合では、短期政策金利の誘導目標を、0.5%程度のまま維持することが決定されましたが、私はこれに反対し、0.75%程度への引き上げを提案」
「インフレ上振れリスクが膨らんできている状況にあると考えている」
16日14:22
「為替相場の状況、注意深く見ていく」
「円安は物価の上振れリスクを増大させる」
「10月の利上げ提案、確たることは言えない」
16日22:13 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「最新データに基づくと、次回会合での0.25%利下げは正当化される」
「10月以降の利下げはデータ次第」
「雇用市場の減速が続く場合、FRBは中立金利に向けて利下げを行うべき」
「中立金利は現在の金利より約100~125bps低い」
「労働市場は明確な警告を発しており、FRBは行動を起こす準備を整えるべき」
「現在、主な焦点は労働市場の状況」
「関税はインフレにわずかな影響を与え、インフレ率は2%に向けて推移」
16日22:15 マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「国内要因がインフレの主要な要因」
「ポンド高はディスインフレ効果をもたらす」
「0.25%の利下げでは必要な調整よりも遅い」
「金融政策が引き締め的であればあるほど、下振れリスクは大きくなる」
「金融政策は引き締め的かつ制限的すぎる」
「経済は概ね良好な状態にあるが、新たなリスクも存在する」
16日22:57 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「欧州経済は底堅い」
「インフレの下振れリスクはやや高まっている」
16日23:48 レーン・フィンランド中銀総裁
「ECBは金利行動に関して完全なフリーハンドを維持している」
「インフレの下落リスクに注意を払う必要がある」
「インフレ率は目標付近で安定している」
17日00:08 コッハー・オーストリア中銀総裁
「過剰に行動する必要はない」
「ECBの政策は良好な状態にある」
「政策の不確実性は現時点では高い」
17日01:19 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「ECBは将来のショックに十分対応できる態勢にある」
「成長およびインフレのリスクは十分に均衡している」
17日02:14 米ホワイトハウス
「米露首脳は来週、事務レベル会合を開くことで合意」
「米露首脳は再会談を実施する可能性」
17日02:17 トランプ米大統領
「プーチン露大統領と戦争終結に向けブダペストで会談する」
「ウクライナでの戦争終結後の米露貿易について議論」
17日04:44 植田日銀総裁
「見通し確度が上がればそれに応じて金融引き締めを調整」
「10月の金融政策決定会合に向けてもう少し情報収集に当たりたい」
「関税の影響は発現が遅れているが今後出てくるかもしれない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○15:35 ◎ 内田眞一日銀副総裁、あいさつ
<海外>
○07:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.2%)
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.3%)
○18:35 ◎ ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○21:30 ◇ 8月対カナダ証券投資
○21:45 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○18日01:00 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○18日01:15 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○18日01:30 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○18日02:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、18日まで)
○米ウクライナ首脳会談(ワシントン)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、米中の貿易摩擦が激化しかねないとの懸念や米地銀の融資を巡る懸念から、高く始まった米国株相場が失速し軟調な動き。また、米長期金利の指標となる米10年債利回りも一時3.9669%前後と4月7日以来約半年ぶりの低水準を付けたことも相場の重しとなり、150.21円まで弱含んだ。ユーロドルは米経済指標の下振れや米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが優勢になると、一時1.1694ドルまで上値を伸ばした。
本日の東京時間でのドル円は、引き続き上値が重くなりそうだ。ただ、週末を前に来週行われると予想される首相選挙をめぐり、与野党の間で様々な話し合いが持たれることで、政局の動向で相場が一変するリスクには備えておきたい。
ここ最近のドル円は、ドル売りと円買いという二つの要因が重なっていることで上値の重い展開が継続している。中国商務省が、米国が北京の希土類(レアアース)輸出規制をめぐって「パニック」を引き起こしていると非難しているように、トランプ政権が仕掛けている米中貿易摩擦の再燃がドル売り要因として重くのしかかっている。更に、4週目に突入する可能性が高まっている米政府機関の閉鎖も引き続きドル売りを促している。
米中ともにレアアースをめぐり協議を行うことを否定していないが、一時的な規制緩和が決定した場合でも、トランプ政権が関税強化を継続している限りは抜本的な解決には結びつかないだろう。中国は米国が保護主義に傾いていることで、インド・ロシアや中東・アフリカ諸国など多岐にわたり新たな通商パートナーを拡大している。先日、習近平国家主席が「米国経済は中国との長期にわたる貿易摩擦を吸収できないと賭けている」と述べているとの報道が伝わったように、米国との交渉を焦る必要もない。
一方で、トランプ米大統領が昨日プーチン露大統領と電話会談し、ロシアとウクライナ戦争の終結を目指してブタペストで対面での会談をする方向と示したのは、中国からのレアアースの確保ができない場合には、ウクライナに眠る巨大なレアアースを獲得しようとする魂胆が見え隠れしている。いずれにしろ米国にとって不利な状況に陥っていることで、米中貿易摩擦はドル売りが優勢にならざるを得ない。
また、米国の政府機関閉鎖はベッセント米財務長官が「1日当たり最大150億ドルの損失をもたらす可能性があると考えている」と述べているように、米国経済に大きな痛手として今後のしかかるだろう。昨日トランプ大統領が米連邦準備理事会(FRB)に送った刺客のミランFRB理事が「0.25%の利下げでは必要な調整よりも遅い」と述べていたが、経済的な打撃と雇用情勢の悪化でFRBの利下げ幅が大きく、利下げスピードも速くなるリスクも高まっていることもドル売り要因だ。
また、引き続き混迷化している本邦の政治状況で「高市トレード」の停滞を招いていることが、円の買い戻し要因となっている。自民党と日本維新の会の連立政権の道筋が見え、市場では財政積極路線となり再び「高市トレード」への期待が高まっている。しかしながら、今後の政権の舵取りが高市氏の思惑通りに進まない可能性もあり、自民党総裁選後のお祭りのような相場に戻るのは難しいかもしれない。
なお、本日の15時35分に内田眞一日銀副総裁が全国信用組合大会で挨拶を行う予定。通常は同時刻に日銀のホームページで内容文が掲載される。ただ、通常中央銀行は政権交代直後に政策金利の変更をすることが稀であることから、今月の政策変更は難しく、昨日の田村審議委員の講演同様に市場の反応は限られたものになりそうだ。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は301ドル安の45952ドルで取引を終えた。買いが先行し、序盤は堅調に推移していたが、不良債権問題でザイオンズ・バンコープなど一部地銀株が急落したことでセンチメントが悪化。マイナス圏に沈んだ後は下げ幅を広げた。米10年債利回りが低下しており、ドル円は足元150円30銭近辺と円高・ドル安に振れている。CME225先物は円建てが405円安の48025円、ドル建てが295円安の48135円で取引を終えた。
米国株安を受けて売りに押されると予想する。米国の信用リスクの高まりは懸念材料。日経平均はきのう600円を超える上昇となっており、反動で下げの度合いが大きくなる展開も想定される。国内政局も自民党と日本維新の会は協議を継続するということで、今後どうなるかは流動的。週末を前に腰の入った買いは期待しづらく、場中はマイナス圏で不安定な動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは47700-48350円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 48060 -370 (-0.76%)
TOPIX先物 3192.5 -17.0 (-0.52%)
シカゴ日経平均先物 48025 -405
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が発表した2025年7~9月期決算が市場予想を上回ったとして、半導体や人工知能(AI)関連株の一角が買われた。ただし、地銀のウエスタン・アライアンス・バンコープ<WAL>やザイオンズ・バンコーポレーション<ZION>が融資を巡る懸念から急落。信用リスクの高まりによって銀行株全体に売りが広がり、相場の重荷になった。米中の貿易摩擦が激化しかねないとの懸念や、米政府機関の一部閉鎖が続いていることも引き続き売りにつながっている。
S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコが上昇した一方で、保険、銀行、食品・生活必需品小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、セールスフォース<CRM>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、キャタピラー<CAT>、エヌビディア<NVDA>が買われた。半面、ビザ<V>、トラベラーズ<TRV>、ナイキ<NKE>、ウォルマート<WMT>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比405円安の4万8025円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比50円高の4万8480円で始まり、ロング優勢の流れのなかで4万8540円まで買われる場面もみられた。ただ、米国市場の取引開始後に軟化すると、やや荒い値動きが続くなかで終盤にかけて4万7780円まで下げ幅を広げている。引け間際にショートカバーとみられる動きが入り、4万8060円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションでは米国市場の下げが嫌気された形だったが、ボリンジャーバンドの+1σ(4万7540円)を上回っての推移が続いたことで、+2σ(4万9090円)とのレンジが意識されやすい。一時4万7780円まで売られたものの、4万8000円を上回って終えていることで、4万8000円固めを意識した押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
米国市場が下落するなかで、TSMCの決算を手掛かりに半導体株の一角が買われており、フィラデルフィア半導体(SOX)指数は小幅に上昇している。TSMCの決算については前日の時点で織り込まれているものの、決算を受けた米ハイテク株の上昇は、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうだ。
また、楽観は禁物ながら自民党の高市総裁は、日本維新の会の吉村代表と会談し、連立政権の発足を視野に、政策協議が始まった。高市総裁は首相指名選挙での協力も要請しており、維新が応じれば、高市首相誕生の公算が大きくなる。昨日はソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が最高値を更新するなど高市トレードが再燃するなかにおいて、ショートは仕掛けにくいだろう。
米中の貿易摩擦への警戒から積極的なロングは限られそうだが下値の堅さは意識されやすく、+1σと+2σとのレンジ内での推移のなかで、オプション権利行使価格の4万7750円から4万8750円でのレンジを想定。
16日の米VIX指数は25.31(15日は20.64)に急伸した。一時19.85まで下げる場面もみられたが、200日移動平均線(19.33)が支持線として意識される形で、その後25.43まで上昇する動きもあった。米中貿易摩擦への懸念のほか、米金融業界の信用リスクの高まりが嫌気されたようだ。リスク回避に向かわせており、慎重な姿勢になりそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.08倍に上昇した。高市トレードの再燃が意識される一方で、来週に予定されている首相指名選挙を見極めたいとして、TOPIX型でヘッジする形によってNTロングに振れやすくなりやすいだろう。2021年5月以来の水準まで上昇しており、同年2月高値の15.68倍が射程に入ってきた。
日経225先物は11時30分時点、前日比520円安の4万7910円(-1.07%)前後で推移。寄り付きは4万7740円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8025円)を下回る形で、売りが先行して始まった。直後につけた4万7680円を安値に押し目狙いのロング優勢の動きとなり、中盤にかけて4万8180円まで下げ幅を縮める場面もみられた。ただし、ロングの動きは強まらず、終盤にかけて再びショートが入り、4万7900円辺りでの推移となった。
一時4万7680円まで下げ幅を広げたが、ボリンジャーバンドの+1σ(4万7520円)が支持線として意識されている。いったんリバウンドをみせた後は、4万8000円を下回っての推移が続いており、円相場が1ドル=150円台と円高に振れていることも手掛けにくくさせているようだ。ただし、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などは売り先行で始まった後に下げ渋る動きをみせており、押し目狙いのロング対応は継続しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で15.04倍に低下した。朝方に15.00倍まで下げた後は下落幅を縮めており、方向性としてはNTロングに振れやすい需給状況であろう。高市トレードの再燃が意識されるなか、TOPIX型でヘッジする動きに向かわせやすいと考えられる。
米格付け会社S&Pグローバルは、トランプ大統領の新たな関税政策により2025年の世界企業のコストが約1.2兆ドル増加すると試算し、その約3分の2が消費者に転嫁されると分析した。関税は実質的に供給網への課税となり、企業利益を政府や物流・インフラ部門に移転させる形になるという。報告書は自動車や木材などへの10%関税導入後、企業利益率の圧迫やインフレ圧力が強まる可能性を指摘。S&Pは、この見積もりも「控えめ」であり、消費者がより大きな負担を負うリスクがあると警告している。
自民党の梶山弘志国会対策委員長は17日午前、立憲民主党の笠浩史国対委員長と国会内で会談し、臨時国会召集日の21日に石破首相の後継となる新首相を決める首相指名選挙を行うことで合意したと読売新聞が伝えた。
ドル円は、週末にかけて高市トレードの調整が進むなかにあって、方向感のない神経質な動きが続いています。昨日は150.52円と150.51円でダブルボトムを確認するとショートカバーが先行。欧州時間に入って一時151.40円まで値を上げる場面もみられましたが、NY時間に入ると米長期金利が一転して低下。つれるかたちで150.21円まで値を下げることになりました。
そして、週末のアジア市場では、まるで昨日の値動きを再現しているかのように、早朝から昨日安値を下抜けて下落。一時150.05円まで値を下げました。寄付きから下落していた日経平均が下げ幅を縮めるにつれて150.39円まで買戻されたものの、株価が前場引けにかけて再び戻り売りにおされると150.06円まで下押ししてダブルボトムを形成中となっています。
いずれにしても、来週の21日には新たな総裁が選出されることは確実。市場はメインシナリオである高市政権の誕生を基本としながらも、まだまだ不確実な政局に対してそれぞれがポジション調整を続けているわけですが、引き続き大きな相場のテーマに変更はないという前提で臨んでいきたいところです。
本日のロンドン為替市場では、ユーロドルは目先の仏政局不安が後退したほか、ドル売り要因も合わさり、上値を試しやすいか。14日に仏首相が年金改革の凍結を発表し、社会党の支持を取り付けたことで、昨日仏議会ではルコルニュ首相の不信任投票が否決された。市場予想通りの結果であったが、結果を好感してユーロはひとまず上昇している。もっとも、ルコルニュ内閣は今後2026年予算の可決に向けて動く必要がある。厳しい交渉が予想される点を踏まえると、ユーロ買いの賞味期限は短いかもしれない。
足もとでは、米地銀の融資を巡る懸念などからドルが売られていることも、ユーロの上昇を後押ししている。ユーロ買い・ドル売り材料が手元にある中、ユーロドルは上値を伸ばしやすいと見る。テクニカル面でも、日足一目均衡表の雲を上抜けており、既に三役逆転が消滅している。そうした中で基準線1.1731ドルを上抜けてくると、先月中旬からの下落トレンドが一服して上値を追いやすくなると見る。
なお、9月ユーロ圏消費者物価指数の発表が予定されているが、今回は改定値。速報値の前年比+2.2%/コア前年比+2.3%から大きく変化がなければ反応は限られそうだ。
他方、英国ではピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミストの発言機会が設けられている。6-8月平均週間賃金(ボーナスを除く)は前年比4.7%と伸びが鈍化し、2022年5月以降でもっとも緩やかな伸びを記録したほか、6-8月失業率(ILO方式)は4.8%と予想通りとはいえ5-7月の4.7%から悪化するなど、雇用や賃金状況に陰りが見える。こうした中、今後の金融政策への言及があれば材料視されやすいと見る。
その他対円の視点からは、15時35分から予定されている内田日銀副総裁のあいさつも気になるところ。田村審議委員に続いてタカ派的内容となるか、植田総裁のように慎重姿勢を維持するのか確認しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1日高値1.1779ドル
・ポンドドル:1日高値1.3527ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表の転換線1.1629ドル
・ポンドドル:日足一目均衡表の転換線1.3368ドル
ドル円:1ドル=149.73円(前営業日NY終値比▲0.70円)
ユーロ円:1ユーロ=175.53円(▲0.28円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1723ドル(△0.0036ドル)
日経平均株価:47582.15円(前営業日比▲695.59円)
東証株価指数(TOPIX):3170.44(▲32.98)
債券先物12月物:136.47円(△0.36円)
新発10年物国債利回り:1.625%(▲0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
5964億円の取得超 9230億円の処分超・改
対内株式
1兆8850億円の取得超 2兆4761億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。時間外の米10年債利回りが低下したほか、日経平均の下げ幅が一時700円超に達する中、150円の大台を割り込むと149.72円まで下値を広げて6日以来の安値を付けた。
・ユーロ円は弱含み。ドル円の下げに連れて175.53円まで下押すも、ユーロドルが小幅高となった事で下げ渋り。ただ、15時前後にドル円が下げ幅を拡大する中で175.52円まで下落してわずかに日通し安値を更新した。
・ユーロドルは強含み。ドル円でドル売りとなった影響を受け、6日以来の高値1.1728ドルまで上昇した。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。前日に米地銀の融資を巡る懸念から米国株が下落した流れを引き継ぎ、軟調に推移。下げ幅は一時800円弱に達した。週末を控えたポジション調整の売りも重しとなった。
・債券先物相場は反発。前日に米地銀の信用リスクの高まりを背景としてリスク回避ムードとなる中で買いが先行すると、一時136円64銭まで上昇した。時間外の米長期金利が低下したことも債券相場の追い風となった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
オーストラリアの雇用統計悪化を受けて豪ドル相場はどうなる?
市場では11月会合での利下げ観測が強まる一方、最終的な判断は7-9月物価統計次第であろう
オーストラリア準備銀行(RBA)は先月末、政策金利(OCR)を2会合ぶりに据え置いた。年明け以降にRBAは累計75bpの利下げを行ったが、インフレ再加速を受けて追加緩和に慎重な姿勢を示した。直近8月のインフレ率は前年比+3.0%、物価変動の大きい財と観光を除いたベースで同+3.4%と目標(2~3%)を上回る一方、コアインフレ率は同+2.6%に留まるなど、物価に対する評価が分かれる状況にある。
なお、RBAは短期的な物価変動の影響を避けるべく、四半期ベースの物価統計を重視している。ただし、足元のインフレ加速を受けて、市場では追加利下げのハードルが高まったとの見方が広がっている。9月会合の議事要旨でも、サービスインフレの根強さや雇用安定を理由に直ちに利下げは不要と判断していた。
その一方、9月の失業率は4.5%と約4年ぶりの水準に悪化するなど、雇用環境の悪化が確認された。RBA内では物価の上振れ懸念と景気減速リスクの間で政策判断が困難になっているとみられる。市場では、雇用環境悪化を受けて11月会合での利下げ観測が強まると予想される。しかし、RBAがデータを重視していることに鑑みれば、今月末の7-9月物価統計の結果次第になると見込まれ、慎重な見方が必要である。
1. 幸運の女神には前髪しかない
古代ギリシアのポセイディッポスの詩によると「幸運の女神には前髪しかない」らしい。幸運の女神は、出会った人が捕まえやすいように髪が前に垂らされているが、後頭部には髪が無いため、追いかけて行って捕まえることはできない。
すなわち、「チャンスは訪れた時に掴まなければならない」という警句である。
永田町には、16年周期で女神が出現しているらしい。
1993年、小沢氏の企みにより、細川連立政権が樹立した。
2009年、小沢氏の企みにより、民主党政権が樹立した。
2025年、小沢氏不在の中、野党連立政権は誕生するのだろうか。
2.首班指名選挙(10月21日)
「政界の一寸先は闇」と言われるように、10月4日の自民党総裁選での高市新総裁の誕生、10日の公明党による連立政権離脱、そして21日の臨時国会での首班指名選挙と、日本の政治が混迷の度合いを深めている。
■各党の勢力図
・自民民主党(保守):196議席
・公明党:24議席
・立憲民主党(中道リベラル):148議席
・国民民主党(中道改革):27議席
・日本維新の会(改革):35議席
■首班指名選挙のシナリオ
1)高市総理:
・自民が単独196議席で高市総裁を首相に選出し、少数与党政権が発足
・自民(196)と維新(35)(※231)による連立政権が発足
2)立憲・維新・国民(210議席)で時限的・緊急避難的な野党連合政権
・玉木総理(国民民主党主導)
・野田総理(立憲民主党主導)
3)石破総理
3.日米首脳会談(10月28日)
トランプ米大統領は、10月31日から韓国南東部の慶州で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する予定となっている。
そして、27日に訪日して、28日に日米首脳会談、その後、29日に訪韓して米韓首脳会談、さらに米中首脳会談に臨む予定となっている。
日米首脳会談では、石破首相との間で、安全保障問題や関税合意に関しての確認が行われる予定だったが、石破首相が退陣し、日米関税交渉の赤沢経済再生相も退任することで、次期首相次第でキャンセルされる可能性が高まっている。
また、トランプ米大統領は米中報復合戦第2幕への警戒感が高まりつつある中、習・中国国家主席との会談も取り止めとなる可能性を示唆している。
大阪12月限
日経225先物 47550 -880 (-1.81%)
TOPIX先物 3167.5 -42.0 (-1.30%)
日経225先物(12月限)は前日比880円安の4万7550円で取引を終了。寄り付きは4万7740円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8025円)を下回る形で、売りが先行した。直後につけた4万7680円を安値に押し目狙いのロングが入り、前場中盤にかけて4万8180円まで下げ幅を縮める場面もみられた。ただし、ロングの動きは強まらず、前場終盤にかけて再びショートが入り、4万7900円辺りで保ち合いを継続。後場の取引開始後に朝方につけた安値を割り込むと、その後も終盤にかけて下げ幅を広げ、一時4万7510円まで売られた。
前場中盤に4万8180円まで下げ幅を縮めた後は、じりじりと下げ幅を広げる動きになった。終盤にかけてボリンジャーバンドの+1σ(4万7490円)を下回り、市場心理を神経質にさせた。アドバンテスト<6857.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]の弱い値動きが日経平均株価の重荷になったが、セクターをみると保険、銀行、証券の弱さが目立っていた。米地銀の信用不安を背景に、国内でも金融株に売りが波及した影響が大きかったようだ。
また、米地銀の信用リスクが高まったことにより米長期金利が低下し、為替市場では円相場が1ドル=149円台と円高に振れたことも重荷になった。来週に予定される首相指名選挙において、高市首相の誕生を見極めたいとする持ち高調整の動きもあったとみられるが、米地銀の信用リスクの影響が不透明であることが、リスク回避姿勢を強めやすかったのだろう。
ボリンジャーバンドのバンドは上向きで推移しており、+1σはナイトセッションで4万7590円に上昇。日経225先物はナイトセッションで4万7120円まで売られる場面もみられており、同バンドを早い段階で上回ってこないと、ショートを誘う可能性が高まりそうだ。25日移動平均線(4万6110円)が射程に入ってくることも考えられ、まずは米国市場の落ち着きを見極めたい。
もっとも、高市首相が誕生するようだと、改めて政策期待を背景に高市トレードが再燃するとみられ、指数インパクトの大きい値がさハイテク株へ資金が集中するだろう。さらに、再来週にはトランプ米大統領の来日も予定されていることで、防衛関連株への物色なども意識されやすく、先物市場では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で15.01倍に低下した。朝方に15.00倍まで下げた後は15.07倍まで戻す場面もみられた。ただ、後場に入り値がさハイテク株の一角が売られ、日経平均型を押し下げるなかで、NTロングを巻き戻す形になったようだ。目先的には15.00倍辺りで底堅さがみられるかを見極めたい。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8241枚、ソシエテジェネラル証券が1万2957枚、サスケハナ・ホンコンが4238枚、SBI証券が2969枚、JPモルガン証券が2459枚、バークレイズ証券が2173枚、野村証券が1700枚、ゴールドマン証券が1464枚、日産証券が1293枚、松井証券が1283枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万0013枚、ソシエテジェネラル証券が1万9436枚、JPモルガン証券が6340枚、サスケハナ・ホンコンが2760枚、モルガンMUFG証券が2680枚、ゴールドマン証券が2326枚、ビーオブエー証券が1505枚、野村証券が863枚、UBS証券が701枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米中報復合戦第2幕への警戒感や、米地銀の融資詐欺疑惑を受けた米銀行業界への懸念などから、上値の重い展開が予想される。
昨日は、米地銀の融資詐欺疑惑を受けて、米国の主要銀行74行の時価総額が計1000億ドル余り失われた。
かつて、サブプライムローンの破綻をきっかけに米国の住宅バブルが崩壊した経緯もあり、今回の地銀の破綻が銀行業界全体の信用問題に発展していくのか否か見極めていくことになる。
また、トランプ米政権は、中国との関税問題やロシアとのウクライナ戦争を巡る難題を抱えており、本日も関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
トランプ米大統領は、「2週間以内」にプーチン露大統領とハンガリーの首都ブダペストで首脳会談を行う、と表明している。
10月は、これまで1929年10月24日の「暗黒の木曜日」や1987年10月19日の「ブラックマンデー」に象徴されるように、株式市場にとって不吉な季節となっており、米中の対立激化や米地銀業界の破綻などの成り行きを見極めていくことになる。
さらに、来週開催予定の臨時国会での首班指名選挙に向けて、自民党を軸にした連立政権に関する報道にも要警戒となる。
ドル円は、高市自民党新総裁の誕生を受けて、6日に窓(3日高値147.82円~6日安値149.05円)を空けて上昇していたが、窓が埋められた場合、高値反転を示唆する「アイランド・リバーサル」が出現する可能性に警戒しておきたい。窓埋めは、3日の高値147.82円を割り込んだ局面となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、151.40円(10/16高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、147.93円(200日移動平均線)
今晩は軟調か。昨日は半導体株の上昇にけん引され堅調にスタートしたものの、不良債権問題で一部の地銀株が急落したことでセンチメントが悪化。米中貿易摩擦の激化懸念や政府閉鎖の長期化問題も重しとなった。ダウ平均は朝方に169ドル高まで上昇したが、301.07ドル安(-0.65%)と2日続落して終了し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.63%安、0.47%安と反落した。週初来では週明け月曜日に大幅高となったことで、ダウ平均が1.04%高、S&P500が1.17%高、ナスダック総合が1.61%高と、そろって反発ペースとなった。
今晩は米中貿易摩擦懸念や政府閉鎖の長期化が引き続き相場の重しとなることが予想される中、寄り前に地銀のフィフス・サード・バンコープ、リージョンズ・ファイナンシャルなどが決算を発表する予定で、不良債権問題で揺れる地銀の決算実績やガイダンスが注目される。また、昨日の引け後に長期事業見通しを発表したオラクルが時間外で2%超下落したことや、トランプ米大統領が肥満治療薬の薬価を大幅に引き下げることを示唆したことで、イーライ・リリーが時間外で4%近く下落したことも相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標は9月住宅着工件数、9月輸入物価、9月鉱工業生産などが予定されていただ、政府閉鎖により発表が全て延期されるもよう。企業決算は寄り前にアメリカン・エキスプレス、SLB、ステート・ストリート、フィフス・サード・バンコープ、リージョンズ・ファイナンシャルなどが発表予定。
日経平均株価は大幅反落。売り先行から下げ幅を縮小する場面もあったが、後場にかけては売り直される展開となった。10日移動平均線(47644円 10/17)や一目均衡表の転換線(47570円 同)付近まで押される陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日73.0%→62.7%(10/17)に低下。10/9につけた史上最高値(48580円、終値ベース)を前に少し引き下がる格好となったが、基本的には大きな見方に変化はない。
一方、上昇が一服する転換線を下回る場合、25日移動平均線(46046円 同)まで下げ幅を拡大する可能性が高まる。
上値メドは、10/9高値(48597円)、心理的節目の49000円、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、51000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の47000円、10/14安値(46544円)、25日移動平均線、10/3高値(45778円)、心理的節目の45000円、10/1安値(44357円)などがある。
(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.48円(17日15時時点比△0.75円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=175.58円(△0.05円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1668ドル(▲0.0055ドル)
FTSE100種総合株価指数:9354.57(前営業日比▲81.52)
ドイツ株式指数(DAX):23830.99(▲441.20)
10年物英国債利回り:4.531%(△0.030%)
10年物独国債利回り:2.580%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 2.2% 2.2%
9月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.4% 2.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。日経平均の大幅下落や内田日銀副総裁の「経済・物価の見通しが実現したならば、利上げを継続する」との発言を手掛かりに円買い・ドル売りが先行。16時30分前に一時149.38円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。「自民党と日本維新の会との連立協議が進展」との報道が伝わると、21日召集の臨時国会で行われる首相指名選挙で、自民党の高市早苗総裁が選出される可能性が高まり円売りを誘った面もあった。
NYの取引時間帯に入ると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.01%台まで上昇。全般ドル買いが活発化し、一時150.59円と日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.55まで上昇した。
・ユーロドルは弱含み。米地銀の信用不安問題を背景に投資家がリスク回避の姿勢を強めると、欧州株相場が軟調に推移し、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、23時過ぎに一時1.1657ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は売り先行後、もみ合い。日経平均の大幅下落や内田日銀副総裁の発言をきっかけに全般円買いが先行すると、一時174.82円と日通し安値を付けたものの、21時30分前には175.75円付近まで持ち直した。そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、大きな方向感は出ず相場はもみ合いに転じた。
・ロンドン株式相場は反落。米地銀の信用不安問題を背景に投資家心理が悪化し、HSBCホールディングスやバークレイズなど銀行株中心に売りが出た。アングロ・アメリカンやリオ・ティント、グレンコアなど素材株も売られた。
・フランクフルト株式相場は反落。米地銀の信用不安問題を背景に投資家がリスク回避の姿勢を強めると株売りが広がった。個別ではラインメタル(6.37%安)やドイツ銀行(6.07%安)、アリアンツ(4.45%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(17日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.61円(前営業日比△0.18円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=175.47円(▲0.34円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1655ドル(▲0.0032ドル)
ダウ工業株30種平均:46190.61ドル(△238.37ドル)
ナスダック総合株価指数:22679.98(△117.44)
10年物米国債利回り:4.01%(△0.04%)
WTI原油先物11月限:1バレル=57.54ドル(△0.08ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4213.3ドル(▲91.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに小反発。日本株相場の下落や内田日銀副総裁の「経済・物価の見通しが実現したならば、利上げを継続する」との発言を受けて、日本時間夕刻に一時149.38円まで下落したものの、売り一巡後は底堅く推移した。「自民党と日本維新の会との連立協議が進展」との報道が伝わると、21日召集の臨時国会で行われる首相指名選挙で、自民党の高市早苗総裁が選出される可能性が高まり買い戻しを誘ったもよう。
NY市場では米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.01%台まで上昇したことを受けて、全般ドル買いが活発化。取引終了間際には一時150.64円と日通し高値を付けた。貿易問題を巡る米中対立激化への懸念が和らいだほか、複数の米金融機関が寄り付き前に好業績を発表したことを受けて米地銀の信用不安問題がひとまず一服。米国株相場が上昇したことも相場を下支えした。
・ユーロドルは4日ぶりに反落。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、週末を控えたポジション調整目的の売りが出た。取引終盤には米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がフランスの格付けを「AA-」から「A+」に引き下げたと伝わり、一時1.1651ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は3日続落。日本時間夕刻に一時174.82円まで下落したものの、21時30分前には175.75円付近まで下げ渋った。そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、大きな方向感は出ず相場はもみ合いに転じた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。貿易問題を巡る米中対立激化への懸念が和らいだほか、複数の米金融機関が寄り付き前に好業績を発表したことを受けて米地銀の信用不安問題がひとまず一服。投資家心理が改善し、買いが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米中の関係悪化を巡る過度な警戒感が後退したほか、米地銀の信用不安に対する問題がひとまず一服すると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。
・原油先物相場は4日ぶりに小反発。ウクライナ情勢を巡る不透明感がくすぶるなか、前日終値を挟んだ動きが続いていたが、週末を前にした持ち高調整目的の買いが相場を下支えした。
・金先物相場は6日ぶりに反落。トランプ米大統領が予定通りに中国の習近平国家主席と会談する意向を表明し、米中対立激化への警戒感が和らいだ。安全資産としての需要が意識され、昨日まで連日で史上最高値を更新していた金には利食い売りが持ち込まれた。
ベッセント米財務長官が中国の国際貿易交渉代表を務める李成鋼商務部副部長について、「挑発的」な姿勢で米国を脅したと批判したことについて、中国商務部の何咏前報道官は16日、「事実を著しく歪曲している」と反発した。
ベッセント氏は15日の記者会見で、李成鋼氏が8月末に首都ワシントンを訪れ、米国が中国船に対する入港料を発効させれば「中国は世界的な混乱を引き起こすだろう」と発言したと主張。いわゆる「戦狼外交官」に典型的な「常軌を逸した」態度だと非難した。トランプ政権は李氏の訪米を要請していなかったが、「李副部長は8月28日に非常に挑発的な言葉を使って現れた。もはや制御不能になっているのかもしれない」と述べた。別の米CNBCが開いたイベントでも李氏を名指しし、「非常に無礼だった」と語った。
これに対し、何報道官は定例記者会見で、李氏が8月27日から29日にかけて訪米し、両国首脳の電話会談での共通認識の実施を巡って協議したほか、中国の造船業などに対する米国の301条調査および制限措置について抗議を申し入れたと指摘。米国側が消極的な態度を取り、制限措置の実施を強行したため、中国はやむを得ず、米国の船舶に特別港務費を徴収するなどの対抗措置を講じたと説明した。
何報道官は、「米国による造船業などへの301条調査と制限措置は、典型的な一方主義・保護主義の行為であり、中国の関連産業の利益を著しく損なうだけでなく、米国内のインフレを押し上げ、米国港湾の競争力や雇用にも悪影響を及ぼす。事実、米側の措置は世界のサプライチェーンの安定を損ない、世界の海運業の混乱を引き起こしている。一方、中国の対抗措置は防御行為であり、国際海運および造船市場の公正な競争環境を維持するために必要だ」と述べた。
SMBC日興証券では10月24日に総務省から発表される9月の消費者物価指数(CPI)に関して、9月の全国コアCPI(生鮮食品を除く総合)は前年比+3.0%と、8月の+2.7%から伸び率が拡大すると見込んでいる。昨年9月に電気代・都市ガス代の補助金が復活、値下げされたベース効果により、エネルギー価格が前年比上昇へ転じると予想している。一方、9月のコアコアCPI(生鮮食品およびエネルギーを除く総合)は前年比+3.1%と、8月の+3.3%から伸びが鈍化すると見込んでいる。食料価格などの上昇が続くものの、昨年に比べれば勢いが衰え、全体の伸び率を押し下げると予想している。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は17日、フランスの格付けを「AA-」から「A+」に引き下げたと発表した。なお見通しは「安定的」とした。
17日07:44 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「労働市場は減速している」
「サービス価格のインフレは低下傾向と予想、一方で財のインフレが波及する可能性もある」
「関税の影響は予想よりも時間をかけて現れている」
「関税がインフレに与える影響を判断するには時期尚早」
「多くの人々はいまだにインフレへの懸念を表明している」
「政府閉鎖により主要な政府データが得られず、経済指標の解釈が難しい」
「インフレ抑制より労働市場を優先することは、労働者に悪影響を及ぼす可能性」
「与野党の指導者はFRBの独立性を支持している」
17日15:55 内田日銀副総裁
「経済・物価の見通しが実現したならば、利上げを継続する」
「通商政策の影響受けた海外の経済・物価巡る不確実性は高い状況が続く」
「不確実性が金融・為替市場や日本の経済・物価に及ぼす影響を十分注視する必要がある」
「日銀の見通しが実現していくか、内外の経済・物価や市場動向を丁寧に確認し予断を持たずに判断していく方針」
「基調的な物価上昇率については、成長ペース鈍化などの影響を受けていったん伸び悩むことが見込まれるものの、その後は中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていく」
「展望リポートの見通し期間後半には、物価安定目標と概ね整合的な水準で推移する」
17日18:47 ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト
「政策金利を性急に下げるべきではない」
「消費者物価指数(CPI)は、鈍化傾向というよりも粘着性が見受けられる」
「利下げ停止ではなく、見送りを支持」
「MPCは慎重な緩和ペースを採用すべき」
「インフレの根強さを認識すべき」
17日21:55 ナーゲル独連銀総裁
「金利を変更する必要性はない」
17日22:04 ラガルドECB総裁
「インフレに関するリスクは低減している」
「成長に関するリスクはより低減している」
18日00:30 カザークス・ラトビア中銀総裁
「インフレリスクの上振れよりも下振れを重視」
「2%のインフレ目標付近では変動が予想される」
「金利の上振れや下振れにバイアスをかける必要はない」
18日01:14 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「ディスインフレの進行が減速している兆候がある」
「コアインフレ率、サービスインフレ率は横ばい」
「利下げサイクルが終わったとは考えていない」
「四半期に一度の利下げペースはもはや適切ではない」
「インフレリスクのバランスは上向き」
「2026年下期にインフレ率が2%に戻ると予想」
「住宅サービス業のインフレ率は好調な傾向」
「企業は第4四半期から関税を転嫁すると予想」
「関税は今後2~3四半期で経済に影響を及ぼすと予想」
「雇用リスクがさらに高まる一方、インフレが抑制されている場合、追加利下げを支持する可能性」
「利下げによって政策が緩和的になるまでには、限られた余地しか残されていないと考えている」
「FRBは現時点では慎重な姿勢を維持することが重要」
「FRBは会合ごとに政策審議を行うことが重要」
「10月以降のFOMCで何を言うかは時期尚早」
「雇用者数はマイナスになる可能性があるが、失業率は変わらない可能性がある」
「レイオフの増加は見られない」
18日02:43 トランプ米大統領
「ゼレンスキー・ウクライナ大統領とプーチン露大統領との電話会談について協議」
「ウクライナによるロシア本土への攻撃について協議」
「プーチン露大統領は和平に同意するだろう」
「ゼレンスキー・ウクライナ大統領はプーチン露大統領との会談のため連絡を取るだろう」
「11月1日の中国に対する期限を動かすことも可能」
18日02:45 ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「ウクライナは米国との二国間安全保障の保証を必要としている」
「ウクライナはいかなる形式の協議にも参加する用意がある」
「ロシアとの停戦合意を達成する必要がある」
「トランプ米大統領の支援があれば戦争は止められる」
18日04:30 コッハー・オーストリア中銀総裁
「次回の金利変更、利下げと利上げの可能性は同等と見ている」
「経済見通しに大きな変化があった場合にのみ行動する」
「金利は適切だが、ECBは柔軟な姿勢を維持」
「ユーロ圏のインフレリスクは均衡している」
「成長見通しへのリスクは概ね均衡している」
※時間は日本時間
◆豪ドル、失業率の大幅悪化で再利下げ期待が重し
◆NZドル、7-9月期CPIに注目
◆ZAR、9月CPIで今年最後のMPCを占うことに
予想レンジ
豪ドル円 95.50-100.00円
南ア・ランド円 8.50-8.90円
10月20日週の展望
豪ドルは、来週も引き続き日米を中心とした政治状況や、米中間の貿易摩擦などに左右される相場展開になりそうだが、豪雇用情勢の悪化で上値は限定的になるとみている。
今週発表された9月の雇用統計で、失業率はコロナの余波がまだ残る2021年下旬以来となる4.5%まで上昇した。前回の豪準備銀行(RBA)理事会では、雇用市場に関しては「ここ数カ月で概ね安定している」との見解が示されていたが再び悪化。次回理事会が開催される11月3-4日までには、RBAが重要視している四半期ベースの消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)も控えてはいるが、現時点では年内の利下げ予想が高まっており、豪ドルの重しになるだろう。
来週は豪州からは主な経済指標の発表予定がなく、市場を動意づけるのは日米の政局や、米中の貿易摩擦の行方になる。日本では、公明党が26年続いた自民党との連立政権から離脱したことで政情が混迷している。自民党は日本維新の会との連立政権を企てているが、今回の公明党離脱により高市総裁の求心力は急速に弱まりつつある。高市政権が樹立した場合でも党内の力学で副総裁の麻生氏が実権を握るとの憶測も台頭しており、過度な財政拡大を期待するのが難しくなっている状況。市場が再び高市トレードに戻りにくい展開となる可能性もあるだろう。また、米国では、政府機関の一部閉鎖がどの程度続くかを見定める必要があるほか、トランプ米大統領の中国への貿易制裁に対する朝令暮改の発言などにも注意したい。
NZドルは、20日に発表される7-9月期の消費者物価指数(CPI)に注目。CPIは昨年の10‐12月期に2.2%、今年は1-3月期が2.5%、4-6月期が2.7%と上昇傾向にある。再びインフレ率が上昇した場合には、8日に50bpの大幅利下げをしたNZ準備銀行(RBNZ)の緩和路線に終止符が打たれることになる可能性も出てくるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いとなりそうだ。日米欧の政治的混迷が続いており、消去法的ではあるが、南アへの投資意欲の高さは維持されるだろう。ただ、対円では高市トレードの停滞でZARの上値は限定的となりそうだ。経済指標では、22日発表予定の9月CPIに注目。先月発表された8月CPIは市場予想を大幅に下回った。9月の南ア準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)では政策金利を据え置いたが、全会一致とはならず、据え置き4名、25bp引き下げ2名での決定となった。9月CPIが予想より低下すれば、11月の今年最後のMPCでの再利下げの期待が高まるだろう。なお、23日には半期に一度となるSARBの金融政策レビューが公表される。
10月13日週の回顧
豪ドルは上値が抑えられた。中国政府が海上輸送に対する港湾料金の追加導入を発表したことを受け、中国への輸出に大きく依存している豪州経済に悪影響を及ぼすことが懸念された。豪雇用統計の悪化も重し。豪ドル円は先週一時101円手前に迫ったが、97円前半ばまで下押す場面があった。ZARも対円では上値が抑えられた。高市トレードの後退で円が買い戻された。
◆相場全体では、日本の首相指名選挙や米中関係の報道に注目
◆ポンド、CPI次第で年内利下げ思惑が再燃する可能性
◆加ドル、CPIが10月末会合での政策見通しにつながる可能性
予想レンジ
ポンド円 200.00-205.00円
加ドル円 106.00-110.00円
10月20日週の展望
相場全体としては、21日に行われる首相指名選挙と、その結果を受けた財政・金融政策に対する円相場や、米中関係の報道に注目する展開となる。朝令暮改の発言を繰り返しているトランプ米大統領に市場も食傷気味だが、対中追加関税の延期期限が迫っていることもあり注目度は高い。
英国内では9月消費者物価指数(CPI)や9月小売売上高、10月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値などの発表が予定されており、指標結果からインフレや景気動向を見極めることになる。もっとも政策金利の据え置きを決定したイングランド銀行(英中銀、BOE)の9月会合以降、市場では年内の追加利下げ思惑が後退していたが、今週発表された6-8月雇用データの結果を受けて12月会合で利下げに踏み切るとの見方が浮上している。BOEは年内、11月6日、12月18日と2回の会合を残している。
6-8月平均週間賃金(ボーナスを除く)は前年比4.7%と伸びが鈍化し、2022年5月以降でもっとも緩やかな伸びを記録した。6-8月失業率(ILO方式)は4.8%と5-7月の4.7%から悪化。BOEが注視する民間部門のボーナスを除く賃金上昇率は前年比4.4%と前回の4.7%から鈍化した。また、英小売協会(BRC)の調査によると、9月の消費支出は前年比2.3%と5月以来の低い伸びとなった。リーブス財務相が来月発表する予算案をめぐる不透明感と、エネルギー料金の上昇で消費者が買いを控えていることが示された。9月GDPは前月比0.1%と予想と一致したが、8月は-0.1%に下方修正されている。リーブス英財務相は11月26日公表予定の予算案に向けて、増税と歳出削減の双方を検討していることを明らかにした。労働党は昨年7月の総選挙前に付加価値税(VAT)、国民保険料、所得税率を引き上げないと公約していたが、これらの公約が見直される可能性が高まっている。
加ドルも来週は外部要因に警戒しつつ、国内では9月CPIに注目。10月末のカナダ中銀(BOC)の会合に向けては、追加利下げと据え置きの見方が拮抗しており、CPIの結果への注目度が高い。10日に発表されたカナダの雇用データは予想より強い結果となったが、今年に入って冷え込んでいる労働市場への楽観的な見方はまだ高まっていない。
また、米中の貿易摩擦が再燃したことや石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国でつくるOPEC+の増産懸念で原油相場が一段と下げ基調を強めると、産油国通貨の加ドルにとっては上値圧迫要因になりそうだ。
10月13日週の回顧
公明党の連立離脱や米中の貿易摩擦再燃で高市トレードが一服。ポンド円は201円前半、加ドル円は106円後半まで戻り売りにおされている。また、ポンドドルは週初に1.32ドル半ばまで値を下げたものの、週末にかけては1.34ドル半ばまで買戻された。ドル/加ドルは1.40加ドル台を中心とした小動きにとどまった。
◆ドル円、21日の新首相選出を受け、高市トレードの継続性を見極め
◆9月米CPIは24日に特例で発表予定
◆ユーロドル、仏予算案やユーロ圏10月製造業・サービス業PMI速報値に注目
予想レンジ
ドル円 148.00-153.00円
ユーロドル 1.1400-1.1850ドル
10月20日週の展望
ドル円は、21日に召集が予定されている臨時国会での首班指名選挙や24日に発表予定の9月米消費者物価指数(CPI)を見極める展開となる。
首班指名選挙では、公明党が自民党との連立政権から離脱したものの、日本維新の会との連立政権の可能性が高まっており、高市新首相誕生がメインシナリオ。リスクシナリオとしては、野党統一候補が首相に選任される可能性に警戒しておきたい。高市新首相誕生ならば、高市トレードが再開する可能性が高まるが、野党候補が選出された場合は高市トレードの巻き戻しの反応となるだろう。その場合は28日に予定されている日米首脳会談が中止となる可能性もあるだろう。
米国では、政府機関のシャットダウンが続いているなか、24日には年金算出の必要性から、例外的に9月CPIが発表される。市場では、前年比3.1%と8月の2.9%から上昇、コアCPIは8月と変わらずの3.1%と見込まれている。ただ、米政府の担当職員不足から価格データがしっかりと収集できていない可能性もある。公表される数字が予想から大きく外れるリスクには警戒しておきたいところだ。また、米国9月雇用統計の発表は先送りされたままだが、雇用情勢に関しては次期FRB議長候補のウォラーFRB理事が、「ここ数カ月の雇用者数の伸びはマイナスになっている可能性が高い。現在のところ労働市場が最大の懸念要素」との見解を示している。更には、米国と中国の貿易摩擦が再燃しており、関連のヘッドラインにも注目だろう。
日本国内では、30-31日の日銀金融政策決定会合での利上げ観測は後退しているものの、20日の高田日銀審議委員の発言に注目。16日には、高田委員と同じく9月会合で0.75%への利上げを主張した田村日銀審議委員が「利上げを判断する局面にきている」と述べている。なお、ベッセント米財務長官は今週、「日本銀行が適切な金融政策の運営を継続すれば、円相場は適正な水準に落ち着く」との見解を示した。
ユーロドルは、ルコルニュ仏首相への不信任投票が否決されたものの、予算案の成立が不透明であるほか、米国とEUとの貿易摩擦再燃の可能性も浮上しており、上値は重くなると予想している。経済指標では、10月のユーロ圏製造業・サービス業PMI速報値に注目しておきたい。
10月13日週の回顧
ドル円は、米中貿易摩擦の再燃や首班指名選挙への警戒感から高市トレードの巻き戻しの動きが強まった。米10年債利回りが3.96%台まで低下したことも戻り売りを後押し。一時150.05円まで値を下げている。パウエルFRB議長は講演で、労働市場悪化の懸念を表明。バランスシート縮小停止の可能性を示唆した。ユーロドルは、フランス首相の不信任投票が否決されたこともあり、1.17ドル台を回復した。
17日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は695円安の47582円。米国株安を受けて、寄り付きから400円を超える下落。米国では信用不安から地銀株が急落しており、金融株が下げを先導した。500円超下げたところでいったん切り返したが、売り直されて400円を超える下落で前場を終了。後場は開始早々に大きく水準を切り下げると、以降は下値模索が続いた。ドル円が150円を割り込むなど円高進行も重荷となる中、終盤にかけては一時下げ幅を700円超に拡大。47400円台に突入する場面もあり、安値圏で取引を終えた。リスク回避ムードが強まる中、グロース250指数が2.9%安と大きな下げとなった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆0900億円。業種別ではその他製品、食料品、水産・農林などが上昇した一方、保険、銀行、証券・商品先物などが下落した。上期の業績および配当見通しを引き上げたツガミ<6101.T>が後場急伸。半面、下方修正を発表した東京製鉄<5423.T>が後場に入って大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり433/値下がり1131。「スイッチ」の生産台数に関する観測記事を手がかりに任天堂が逆行高。今週決算を受けて強く買われたイオンが一段高となって上場来高値を更新した。雪印メグミルクや明治HDなど食品株が全般堅調。証券会社が目標株価を引き上げた三井E&Sが急伸し、ストップ高をつける場面もあった。
一方、ソフトバンクGが3%を超える下落。アドバンテストやディスコなど半導体株に大きく下げる銘柄が散見された。三菱UFJ、みずほFG、東京海上、第一生命など金融株が軒並み大幅安。株安を受けて野村HDや大和証券Gなど証券株も弱かった。リリースのあったサンバイオが、買い気配スタートから急失速して10.3%安と乱高下した。
日経平均は大幅安。後場に下げ幅を広げたが、前日の上げ分(605円高)を消失した程度にとどまり、パニック的な売られ方にはならなかった。とは言え、信用リスクが強く意識されると株式から資金を逃避させる動きが出てくる可能性があるだけに、米地銀株の下げが一時的なものか長引く話になるのかは注意深くウォッチしておく必要がある。きょうは取引時間中にも円高が進行した。現状では「高市トレード」で進んだ円安が修正された程度だが、ここからさらに円高が進んでしまうと、今の環境では「リスクオフの円高」というイメージが強くなる。円高にブレーキがかかるかどうかにも注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
不安定か。国内は21日に首相指名選挙が行われる予定。新首相が決まれば改めて政策期待が高まる展開も期待できるが、石破首相が自民党総裁辞任を表明して以降、日本株は大きく水準を切り上げているだけに、いったん利益確定の動きが出てくる可能性もある。国内は小売などの決算が一巡して材料難となり、先に決算発表を控える多くの銘柄は手がけづらくなる。海外要因に振らされやすくなると思われるが、米国では決算発表が本格化することで個別株や指数のボラティリティが高まりやすく、地銀株が急落するなどきな臭い動きも出てきている。好材料にも悪材料にも反応が大きくなりそうで、方向感が定まらないと予想する。
20日
○12:50 ◇ 高田創日銀審議委員、講演
22日
○08:50 ◎ 9月貿易統計(通関ベース)
23日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
24日
○08:30 ☆ 9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 9月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
○14:00 ◇ 8月景気動向指数改定値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
20日
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)消費者物価(CPI)
○11:00 ☆ 7-9月期中国国内総生産(GDP)
○11:00 ◎ 9月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 9月中国小売売上高
○15:00 ◇ 9月独生産者物価指数(PPI)
○17:00 ◇ 8月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○17:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ◇ 8月ユーロ圏建設支出
○21:30 ◇ 9月カナダ鉱工業製品価格
○21:30 ◇ 9月カナダ原料価格指数
○21日04:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○シンガポール(ディーパバリ)、インド(ディワリ)、休場
21日
○06:45 ◎ 9月NZ貿易収支
○16:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○20:00 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○21:30 ◎ 9月カナダCPI
○22:30 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
22日
○15:00 ◎ 9月英CPI
○15:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○17:00 ◎ 9月南アフリカCPI
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:25 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○23日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表
○14:00 ◎ 9月シンガポールCPI
○15:45 ◇ 10月仏企業景況感指数
○17:30 ◎ 9月香港CPI
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表
○21:30 ◎ 8月カナダ小売売上高
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○23:00 ◎ 9月米中古住宅販売件数
24日
○08:01 ◇ 10月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○09:05 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、あいさつ
○15:00 ◎ 9月英小売売上高
○15:45 ◇ 10月仏消費者信頼感指数
○16:15 ◎ 10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○16:15 ◎ 10月仏サービス部門PMI速報値
○16:30 ◎ 10月独製造業PMI速報値
○16:30 ◎ 10月独サービス部門PMI速報値
○17:00 ◎ 10月ユーロ圏製造業PMI速報値
○17:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ 10月英製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 10月英サービス部門PMI速報値
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表
○21:30 ☆ 9月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○22:45 ◎ 10月米製造業PMI速報値
○22:45 ◎ 10月米サービス部門PMI速報値
○22:45 ◎ 10月米総?⑰MI速報値
○23:00 ☆ 9月米新築住宅販売件数
○23:00 ◎ 10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
○東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議(クアラルンプール、28日まで)
26日
○欧州・英国が冬時間に移行
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。
今週の日経225先物は、高市首相の誕生が確実視されるなかで、ロング優勢の展開が見込まれる。先週は公明党の連立政権離脱が嫌気され、13日の祝日取引では4万5180円まで急落したが、自民党・日本維新の会による連立政権樹立への期待を背景に、週後半は高市トレードが再燃し、17日には一時4万8540円(ナイトセッション)まで買われた。
さらに、公明党との連携を発表した国民民主党が、ここにきて高市自民党総裁と政策で一致できる部分では連携するとの見解を示したことで、21日召集の臨時国会での首相指名選挙において、高市氏の第104代首相への選出が確実な情勢となった。政策期待の高まりにより高市トレードの再燃が見込まれ、ロングへと向かわせよう。
17日の日経225先物はショート優勢となり、終盤にかけて4万7510円まで下落する場面がみられた(終値は前日比880円安の4万7550円)。首相指名選挙を巡る不透明感から持ち高調整の動きが入った可能性はあるが、米国での信用リスクの高まりが大きく影響したとみられる。16日の米国市場では地銀のウエスタン・アライアンス・バンコーポレーション<WAL>やザイオンズ・バンコープ<ZION>が、不正の疑いのある融資問題が懸念されて急落、銀行株全体に売りが広がっていた。
ただし、17日の米国市場ではフィフス・サード・バンコープ<FITB>やトゥルイスト・ファイナンシャル<TFC>などが市場予想を上回る決算を発表。ウエスタン・アライアンスやザイオンズの問題は地銀業界の一部で起こった局地的なものとして、信用リスクへの過度な警戒感は後退している。そのため、17日の東京市場で弱さが目立っていた銀行や保険、証券などの金融セクターを買い戻す動きが意識されやすい。
中国が厳格なレアアース輸出規制を発表したことに対抗し、トランプ米大統領が前週、11月から中国に100%の追加関税を課すことを明らかにするなど、米中貿易摩擦の再燃が警戒されている。ただし、トランプ大統領は中国との通商交渉に関して楽観的な見方を示しているほか、習近平国家主席との会談は予定通り行われる予定であるとも述べている。米中首脳会談は、10月末に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて行われる見通しであり、それまでは小康状態が続きそうだ。
そのため、+1σを中心に25日移動平均線(4万6150円)と+2σとのレンジを想定しつつも、基本的には+1σと+2σのゾーンでの推移とみておきたい。+2σを捉えてくる局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすいが、+3σ(5万0700円)とのレンジに移行する可能性も考えられるため、5万円の大台乗せが射程に入るなかでは、短期的なショートにとどめておきたい。
そのほか、今月下旬にはトランプ大統領が来日し、日米首脳会談を行う予定である。首脳会談では、日本の防衛費負担や対米投資の履行が議題に上る可能性があると伝えられており、高市氏の手腕が試されることになろう。両首脳の信頼関係構築や日米同盟強化などへの期待感が高まりやすいとみられ、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
17日の米VIX指数は20.78(16日は21.66)に低下した。一時28.99まで切り上がり、4月下旬以来の水準まで急伸した。ただし、その後の下げによって、週間では低下(10日は21.66)となった。米中貿易摩擦に対する警戒や米政府機関の一時停止に伴う米国経済への影響、そして信用リスクの高まりが背景にある。200日移動平均線(19.35)が支持線として意識されており、リスク回避姿勢がくすぶりそうである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で15.01倍(16日は15.08倍)に低下した。週間(10日は15.00倍)と小幅に上昇している。週前半は高市トレードを巻き戻す動きのなか、15日には14.84倍まで低下する場面もみられた。ただし、その後はオランダのASMLホールディング<ASML>や台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の予想を上回る決算、高市トレードの再燃が意識されて、16日には一時15.10倍まで上昇。+1σ(14.87倍)と+2σ(15.19倍)によるレンジを継続しており、+2σを意識したNTロングに振れやすいだろう。
10月第2週(10月6日-10日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりの買い越しであり、買い越し額は1兆1878億円(10月第1週は534億円の売り越し)だった。なお、現物は1兆0586億円の買い越し(同1兆2398億円の買い越し)と2週連続の買い越し。先物は1291億円の買い越し(同1兆2933億円の売り越し)と3週ぶりの買い越しだった。個人は現物と先物の合算で3184億円の売り越しと4週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で5574億円の売り越しとなり、3週ぶりの売り越しだった。
主要スケジュールでは、20日に中国7-9月期GDP、中国9月鉱工業生産、中国9月小売売上高、米国9月コンファレンスボード景気先行指数、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会、~23日)、21日に臨時国会召集(首相指名選挙)、22日に9月貿易収支、24日に9月全国消費者物価指数、米国9月消費者物価指数、米国9月新築住宅販売件数などが予定されている。
<国内>
○12:50 ◇ 高田創日銀審議委員、講演
<海外>
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)消費者物価指数(CPI、予想:前期比0.9%/前年比3.0%)
○11:00 ☆ 7-9月期中国国内総生産(GDP、予想:前期比0.8%/前年同期比4.7%)
○11:00 ◎ 9月中国鉱工業生産(予想:前年比5.0%)
○11:00 ◎ 9月中国小売売上高(予想:前年比3.0%)
○15:00 ◇ 9月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.1%)
○17:00 ◇ 8月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○17:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ◇ 8月ユーロ圏建設支出
○21:30 ◇ 9月カナダ鉱工業製品価格
○21:30 ◇ 9月カナダ原料価格指数
○21日04:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○シンガポール(ディーパバリ)、インド(ディワリ)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
日本維新の会は首相指名選挙に向けた自民党との政策協議に合意する方向で本日中に最終調整すると複数のメディアが伝えた。維新の国会議員団は本日午後、緊急役員会と両院議員総会を開き、藤田文武共同代表が自民党との協力のあり方について方針の了承を得るとのこと。
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は19日、ウクライナ支援のために凍結中のロシア資産を活用することに前向きな姿勢を示したが、その際には国際法との整合性と国際的な協調が不可欠だと強調した。
現在、欧州連合(EU)はロシアの約2,100億ユーロ(約34兆円)の資産を凍結中であり、そのうち最大1,400億ユーロ(約23兆円)を使ってウクライナに新たな融資を行う計画が検討されている。これは、ロシアの侵攻で損なわれたインフラ復旧や防衛費支援に充てられる見通しだ。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 48290 +740 (+1.55%)
TOPIX先物 3209.5 +42.0 (+1.32%)
シカゴ日経平均先物 48245 +695
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
17日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。地銀のフィフス・サード・バンコープ<FITB>やトゥルイスト・ファイナンシャル<TFC>などが市場予想を上回る決算を発表。融資を巡る懸念から前日に急落したウエスタン・アライアンス・バンコーポレーション<WAL>やザイオンズ・バンコープ<ZION>の問題は地銀業界の一部で起こった局地的なものとして、信用リスクへの過度な警戒感が後退した。米中貿易摩擦の再燃が警戒されているが、トランプ米大統領は中国との通商交渉に関して楽観的な見方を示し、中国の習近平国家主席との会談は予定通り行われるとの発言が伝わり、米中対立激化への懸念が和らいだ。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、家庭用品・パーソナル用品、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方で、公益事業、素材、小売が小安い。NYダウ構成銘柄では、アメリカン・エキスプレス<AXP>、アップル<AAPL>、ビザ<V>、IBM<IBM>、シスコシステムズ<CSCO>が買われた。半面、キャタピラー<CAT>、セールスフォース<CRM>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比695円高の4万8245円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比360円安の4万7190円で始まり、4万7120円まで売られた。その後は押し目待ち狙いのロングとみられる動きにより早い段階でプラス圏を回復し、4万7450円~4万7630円辺りで保ち合いを継続。レンジを上抜けるとロングの勢いが強まり、米国市場の取引開始後には4万8290円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は4万7890円~4万8290円でやや荒い値動きとなり、4万8290円とナイトセッションの高値で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは米国での信用リスクの高まりを警戒した流れの中でショートが先行し、開始直後に一時4万7120円まで売られた。ただし、その後の急速な切り返しによって、ボリンジャーバンドの+1σ(4万7670円)を上回って終えている。同バンドと+2σ(4万9180円)とのレンジが意識されやすく、10日につけた高値の4万8940円が射程に入りそうである。
まずは17日高値の4万8540円がターゲットになりやすく、チャート上の陰線を完全に埋めてくるようだと、ショートカバーを誘う流れが強まる可能性がある。自民党と日本維新の会はきょうの午後に行われる政策協議がまとまれば、あす召集の臨時国会の首相指名選挙で、自民党の高市総裁が第104代首相に選出される。政策期待の高まりを受けた高市トレードの再燃がロングに向かわせよう。
政策協議の行方を見極めたいとする持ち高調整の動きも考えられるが、短期的なショートは避けておきたいところだ。4万8000円に接近する局面があれば、押し目待ち狙いのロングが入りやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格の4万8000円から4万9000円のレンジを想定する。+2σを明確に上回ってくるようだと、上へのバイアスが強まりやすく、5万円が意識されてきそうだ。
17日の米VIX指数は20.78(16日は25.31)に低下した。一時28.99まで切り上がり、4月下旬以来の水準まで急伸する場面もあったが、その後は下げに転じていた。ただし、200日移動平均線(19.35)が支持線として意識されており、リスク回避姿勢がくすぶることになりそうである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で15.01倍(16日は15.08倍)に低下した。ただし、+1σ(14.87倍)と+2σ(15.19倍)とのレンジを継続している。高市トレードが再燃するとみられるなかで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開が見込まれるため、+2σを意識したNTロングに振れやすいだろう。
先週末の海外市場でドル円は、一時149.38円まで下落したものの、売り一巡後は底堅く推移した。NY市場では米10年債利回りが4.01%台まで上昇したことを受けて、150.64円まで上昇した。首相選挙で自民党の高市総裁が選出される可能性が高まったことも下値を支えた。ユーロドルは取引終盤には米格付け会社がフランスの格付けを引き下げたと伝わり、一時1.1651ドルと日通し安値を更新した。
本日の東京時間でのドル円は、ドル売り・円売り要因が複雑に絡まることで方向感がなく、神経質な値動きになると思われる。
公明党の連立離脱から始まった国内政治の混迷は、維新からは閣僚は出さず閣外協力という形に落ち着くことになりそうだ。本日は自民の高市早苗総裁と維新の吉村洋文代表が連立政権合意書に署名する予定で、明日の首相選挙で高市氏が首相に指名されることになる。自維の連立は「高市トレード」の復活を促し、株買い・ドル円買いを連想させ、ドル円の下値を支えることになるだろう。ただ、閣外協力の船出時は歓迎される相場になるだろうが、維新が求める国会議員定数削減だけを主眼に置いたものだけで、企業・団体献金の廃止などが遅々として進まない場合は政局が流動化する可能性も懸念される。また、今回の公明党離脱には、国民の支持を得ている高市氏だが、自民党内での求心力が弱まっていることで高市氏の求める政策ができない場合もあれば「高市トレード」に戻ることも難しいだろう。
国内政治の安定はドル円の支えになる反面、米国の政治・経済の混迷と、日銀の利上げ期待が継続していることはドル円の重しになる。先週末は低下していた米長期金利が持ち直したことで、ドル円は下値から切り返した。ただ、米政府閉鎖は4週目へと入ることが見込まれている。ベッセント米財務長官が「1日当たり最大150億ドルの損失をもたらす可能性があると考えている」と述べているように、閉鎖が長期化すればするほど経済的な影響は甚大になる。今週24日には連邦職員の給与が支払われる日だが、200万人を超える職員とその家族に大きな負担がかかってくる。民主党のケリー上院議員は「共和党が交渉に応じれば、今週中に閉鎖が終了する可能性がある」とは述べているが、現時点では歩み寄りも見えないことで経済的な損失に加え、失業問題も更に悪化する可能性がある。
また、米中貿易摩擦に関しても現時点では両国ともに強気姿勢を見せていることで、ドルの上値を抑える要因になる。ベッセント米財務長官が中国の副首相との会談を持つとの報道も週末に流れているが、どのように折り合いをつけるかが不明。トランプ政権は、中国からのレアアース獲得に赤信号が燈った時への対応として、ロシアとのウクライナ和平を再開し、ウクライナのレアアースを確保しようとの動きも見えてきている。いずれにしろ、早急な解決案が出ない限りは、ドルのネガティブ要因になる。
また、日銀の利上げ期待が再燃していることは円買い要素となる。先週は田村日銀審議委員、内田日銀副総裁が相次いでタカ派発言を行ったが、本日は前回の日銀金融政策決定会合で据え置きに反対した高田日銀審議委員が午後に中国経済連合会で講演を行う。首相選挙が行われる今月の利上げは難しいだろうが、年末の利上げは濃厚で、米連邦準備理事会(FRB)の利下げが確実視されている中で日米の金融政策の方向性の違いで金利差が縮小することが、ドル円の売り要因としてのしかかりそうだ。
なお、本日は中国から7-9月期国内総生産(GDP)をはじめ複数の経済指標が発表される。市場の反応は限られるだろうが、米中貿易摩擦開始後のデータとなることで、どのような結果になるかは注目したい。
東京市場は堅調か。米国株は反発。ダウ平均は238ドル高の46190ドルで取引を終えた。前日に信用不安から急落していた地銀株が反発。また、ベッセント財務長官やトランプ米大統領の発言を受けて米中貿易摩擦問題への懸念が和らいだこともあり、買い戻しが優勢となった。ドル円は足元150円70銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが695円高の48245円、ドル建てが815円高の48365円で取引を終えた。
きょうの日経平均は、米国と同様に前日の下げ分(前週金曜日の日経平均の下げ幅は695円)を取り戻す動きになろう。ドル円が150円台を回復し安定していることも追い風。また、あす21日に首相指名選挙が行われ、自民党の高市早苗総裁が日本初の女性首相になる可能性が高まっていることから、ご祝儀的な買いも期待される。強く始まりあっさりと48000円台を回復、その後も堅調推移が続き、48500円台まで上値を伸ばす展開を予想する。日経平均の予想レンジは48000-48600円。
日経225先物は11時30分時点、前日比1470円高の4万9020円(+3.08%)前後で推移。寄り付きは4万8390円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8245円)を上回る形で、買いが先行して始まった。直後につけた4万8330円を安値にロング優勢となり、現物の寄り付き時には4万8500円台を回復。買い一巡後は4万8400円~4万8500円辺りで保ち合いをみせる場面もあったが、中盤にかけて上へのバイアスが強まると、10日につけた高値4万8940円を突破し4万9040円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は現物の寄り付き時には前週末のチャート上の陰線を埋めており、ショートカバーを誘う動きに向かわせた。さらに10日につけた高値を突破したことで、一段とショートカバーを呼び込む形となったようだ。4万9000円乗せにより目先の達成感が意識される可能性はあるが、ボリンジャーバンドの+2σ(4万9310円)に接近するなかで上へのバイアスが強まりやすく、短期としてもショートは控えておきたいところだろう。あすの首相指名選挙では、自民党の高市総裁が首相に選ばれる公算が大きい。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の最高値更新をみても、高市トレードが再加速する展開を意識させている。
NT倍率は先物中心限月で15.14倍に上昇した。東証プライムの9割超の銘柄が上昇しているものの、ソフトバンクグループのほかファーストリテイリング<9983.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などのインパクトが大きく、NTロングに振れやすい需給状況であろう。
トランプ大統領は17日、ホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、ロシアとの戦争終結に向けて「プーチン氏の条件を受け入れるべきだ」と強く迫ったとフィナンシャル・タイムズ紙が伝えた。トランプ大統領は「拒否すればロシアがウクライナを完全に破壊する」と警告したとされている。
この会談は双方の意見が対立し、緊迫した雰囲気の中で終わった。トランプ大統領はロシアとの直接対話を模索しながらも、ウクライナへの長距離巡航ミサイル「トマホーク」供与には慎重な姿勢を維持し、「米国にも必要な兵器だ」と述べた。?
一方ゼレンスキー大統領は、「我々は平和を望むが、ロシアが停戦を本当に求めていない」と反論し、ウクライナの安全保障を確保するための支援継続を訴えた。トランプ大統領は今月末に予定されるプーチン大統領との会談で「戦争終結のための取引」を模索しており、ウクライナに対しても譲歩を促していると見られている。
ヴァンス米副大統領は、ハマスの武装解除に関し十分な安全保障体制が整っていないと懸念を示した。また、ウクライナへのトマホークミサイル供与については、トランプ大統領がまだ決断を下していないことを明らかにした。これらは外交と安全保障に関わる重要な課題であり、ハマスの武装解除が計画通りに進まない限り、地域の安定化は難しいとの見方が示されている。トマホーク供与の判断は今後の情勢次第で左右される見込みだ。
英国の住宅市場は例年の秋の活発化が乏しく、10月の平均売出価格は0.3%の微増にとどまり、過去10年の平均1.1%上昇を大きく下回った。前年同月比では0.1%減少している。市場の鈍化は、11月に発表予定のリーブス財務相の予算案を控え、購入コストや所有コストの増加を懸念する買い手が「様子見」姿勢を強めていることが背景。南イングランドの高額物件市場でその傾向が顕著で、売り手は限られた価格設定力を認識し価格調整を余儀なくされている。
他の指標でも住宅価格の成長減速が確認されており、ハリファックスは9月の年間価格上昇率が2024年4月以来の低水準と報告している。供給過剰感と購買意欲のバランスが市場の慎重なムードを形成している状況だ。
中国の全国銀行間同業折借中心が20日に発表した2025年10月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は、1年物が3.00%で据え置き、5年物も3.50%で据え置いた
NHKが報じたところによると、自民党と日本維新の会は連立政権樹立で実質合意したという。
先週末のドル円は、東京時間こそ海外勢を中心とした高市トレードのポジション調整が先行。週末リスクが意識されてか、午後に入ってからの内田日銀副総裁の利上げ発言にも「それほどサプライズの内容ではなかったが、意外と反応が大きかった」ことから一時149.38円まで売り込まれる場面もみられましたが、一目基準線でピッタリと下げ止まったほか、自民党と日本維新の会の連立交渉がかなり進展したことが報じられると一転して買戻しの動きとなりました。米中関係についても、相変わらずのトランプのTACO振りが発揮されるなか、米長期金利が上昇に転じると引けにかけては150.64円とアジア時間の高値を更新して、ほぼ行って来いの展開で金曜日のNY市場を終えることになりました。
この週末の政局では、21日に高市首相が1回目の投票で誕生する可能性が高まったわけで、週明けのアジア市場では、当然のように市場の元々のメインシナリオへの回帰の動きとなっているといったところです。
いずれにしても、日経平均は海外勢の先物主導で一気に史上最高値を更新。個別株でも、いわゆる高市銘柄が改めて物色されているなか、ドル円もゴトー日の実需の買いとともに戻り高値をトライ中。理屈ではない、この高市トレード。目先は一目転換線が位置する151.33円や16日の高値151.40円、14日の高値152.61円といったレジスタンスレベルを意識する動きとなっています。
本日のロンドンタイムでは9月独生産者物価指数(PPI)や8月ユーロ圏経常収支、8月ユーロ圏建設支出の発表やシュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演が予定されているが、反応は限られると想定される。基本的にはドルや円に振り回される動きが予想される。シュナーベル氏は9月にインフレリスクは上振れ方向に偏っているとし、「追加利下げの理由は見当たらない」との見解を示している。
最近、ユーロの懸念材料であったフランス情勢はひとまず収束しつつある。ルコルニュ首相が年金改革法案を2027年の大統領選挙後まで一時凍結する考えを示したこともあり、先週に内閣不信任案は否決された。ただ、フランスの予算案の議会審議には引き続き注目が必要か。なお、ドイツでは今週にも戦闘機や装甲車の正式発注を予算委員会が承認し、こうした軍需拡大が米国との貿易協定の影響による自動車産業等の不振を幾分相殺される可能性がある。
明日21日に臨時国会召集日での総理大臣指名選挙を控え、円相場は引き続き関連のヘッドラインに神経を尖らせながら値幅を伴った動きが続く可能性がある。自民党と日本維新の連立が濃厚となり、自民党の高市総裁が初の女性首相になる公算が大きい。ただ、すんなりと高市トレードが再開するとは限らない。
ドルに関しては、米政府機関の一部閉鎖が続いていることで、主な経済指標の発表は延期されたままになっており、引き続き米中関係のヘッドラインに注目。また、6月に全50州の2千カ所で約500万人が参加したとされるデモの第2弾として18日に2500カ所以上と第2次トランプ政権発足後、最大規模のデモが行われた。政府閉鎖が長引くと米経済への影響も大きくなる。米政治・経済への懸念が高まる可能性がある。
・想定レンジ上限
ユーロドルは日足一目均衡表・基準線1.1731ドルが上値めど。ユーロ円は16日高値176.46円や10日の高値177.16円。
・想定レンジ下限
ユーロドルは日足一目・雲の下限1.1591ドルが下値めど。ユーロ円は日足一目・基準線175.11円や17日の安値174.82円。
ドル円:1ドル=150.65円(前営業日NY終値比△0.04円)
ユーロ円:1ユーロ=175.84円(△0.37円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1673ドル(△0.0018ドル)
日経平均株価:49185.50円(前営業日比△1603.35円)
東証株価指数(TOPIX):3248.45(△78.01)
債券先物12月物:135.93円(▲0.54円)
新発10年物国債利回り:1.670%(△0.045%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重い。自民党・日本維新の会が本日にも政策協議で合意する期待感が高まるなか、日本の為替証拠金取引(FX)業者の取引が開始される7時を過ぎると買いが先行し、先週末高値の150.64円を上抜けた。日経平均株価が大きく上昇するとともに「高市トレード(円売り・株買い)」が再燃する形で一時151.20円まで上値を伸ばした。
ただ、一巡後は伸び悩む展開に。「自民・維新が連立合意で大筋合意へ」との報道が伝わると、いったん材料出尽くしというムードが広がったうえ、高田日銀審議委員が「物価が予想以上に上振れるリスクも念頭に置く必要」「物価目標の実現におおむね達していることを前提にコミュニケーション行う必要」と述べたことも嫌気された。東京終盤には150.52円付近まで押し戻された。
・ユーロ円も頭が重い。7時過ぎから全般円安が進んだ流れに沿った。その後も日本株高とともに一時176.37円まで上昇したが、一巡すると利食い売りに押されるなど、総じてドル円と同様の展開となった。
・ユーロドルはじり高。先週末に下落した反動からショートカバーが散見された。円相場となったため動き自体は鈍かったが、午後に入ると一時1.1676ドルまで上昇した。
・日経平均株価は大幅に反発。先週末の米湖株高で投資家心理が改善したうえ、高市トレード再開で幅広い銘柄が買われた。午後に入っても堅調地合いを保ちながら初の4万9000円台に乗せた。
・債券先物相場は反落。先週末の米国債券相場が下落した流れを引き継いで序盤から売りが優勢となった。高田日銀審議委員の発言で日銀の早期利上げ観測が意識されたことも嫌気された。
「米国の関税収入は年末までに3000億ドルを優に超す可能性がある」
(ベッセント米財務長官)
1. 2025会計年度(24年10月-25年9月)財政赤字:1兆7753.57億ドル
米財務省は、2025会計年度(24年10月~25年9月)の9月の財政収支が、1979.50億ドルの過去最高の黒字だったと発表した。2024年9月は802.89億ドルの黒字だったことで、黒字幅は1176.61億ドル増加(+147%)した。歳出は3457.13億ドル(▲23%)、歳入は関税収入が295億ドルだったことで5436.63億ドル(+3%)だった。純関税収入が1180億ドル増加し、7月に議会で可決された歳出・減税法案で義務付けられた教育省予算の1310億ドル削減の影響が大きく、9月の教育支出は前年同月よりも1230億ドル減少した。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の財政赤字は、前年同期比2%減の1兆7753.57億ドル、歳入は5兆2346.16億ドル(+6%)、歳出は7兆0099.74億ドル(+4%)となり、過去最高を記録した。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、9月は912.70億ドル(※2025会計年度=1兆2156.14億ドル)だった。
米国債残高の金利は平均で約3.36%となっているが、2025年の借り換え債は9.2兆ドル、今後3年間で発行されている国債の50%が満期を迎えるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
ベッセント米財務長官は、米中長期債利回りの抑制を最重要課題に掲げている。
【財政赤字と対GDP比】 【対GDP比】
・2020会計年度:3兆1319億ドル(15.0%)※過去最大
・2021会計年度:2兆7721.79億ドル(12.4%)※過去2番目
・2022会計年度:1兆3754.81億ドル
・2023会計年度:1兆6952.40億ドル(6.2%)
・2024会計年度:1兆8328.16億ドル(6.3%)利払い(1.049兆ドル)=GDP比3.06%
・2025会計年度:1兆7753.67億ドル(5.9%)利払い(1.215兆ドル)
2.2025年9月末債務残高:37兆6375.53億ドル(※米国債発行:28兆5825億ドル)
米国の2025年9月末時点での債務残高は37.6375兆ドルで、2025年第2四半期国内総生産(GDP) 30.4857兆ドルの約123%となっている。
純関税歳入は、1月が79億ドル、2月は77億ドル、3月は87億ドル、4月は163億ドル、5月は228億ドル、6月は272億ドル、7月は276億ドル、8月は過去最高の295億ドル、9月は296.75億ドルとなり、2025会計年度では、グロスベースでは1948.86億ドルとなった。
議会予算局(CBO)は、10年間で財政赤字が4兆ドル削減される可能性があるとの推計を発表した。歳入増加により基礎的財政赤字は3.3兆ドル縮小し、今後10年間で米連邦政府の利払いが7000億ドル削減される可能性があるとのことである。
一方、超党派の非政府組織(NGO)「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」は、34年度までに米債務を少なくとも3.3兆ドル増加させ、年間財政赤字をGDP比7%超に押し上げるとの推計を発表している。
大阪12月限
日経225先物 49300 +1750 (+3.68%)
TOPIX先物 3257.0 +89.5 (+2.82%)
日経225先物(12月限)は、前日比1750円高の4万9300円で取引を終了。寄り付きは4万8390円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8245円)を上回る形で、買いが先行して始まった。直後につけた4万8330円を安値にロング優勢となり、現物の寄り付き時には4万8500円台を回復。さらに前場中盤にかけて上へのバイアスが強まると、10日につけた高値4万8940円を突破し、前場終盤にかけて4万9000円台に乗せた。
ランチタイムで4万9080円まで買われた後は、後場に入り4万8900円~4万9070円辺りでの保ち合いが続いた。ただし、終盤にかけてレンジを上抜けるとショートカバーが強まり、引け間際に4万9330円まで上げ幅を広げている。
日経225先物は現物の寄り付き時には前週末のチャート上の陰線を埋めており、ショートカバーを誘う動きに向かわせた。さらに10日につけた高値を突破したことで、一段とショートカバーを呼び込む形となったようだ。4万9000円乗せで目先の達成感が意識されて、後場は4万9000円を挟んだ保ち合いのなかで短期的なショートが積み上がり、これが終盤にかけての一段高につながったとみられる。
ボリンジャーバンドの+2σに接近する動きとなったが、同バンドはナイトセッションで4万9670円まで上昇しており、+3σは5万1310円まで切り上がってきた。あすの首相指名選挙では、自民党の高市総裁が首相に選ばれる公算が大きい。高市首相誕生により高市トレードは、いったん落ち着きをみせてくる可能性はありそうだが、オプション権利行使価格では、先週末の4万7500円水準から、一気に4万9375円水準に急伸している。レバレッジ型ETFのヘッジ対応に伴うリバランスの動きが意識されやすいだろう。
また、日銀の高田創審議委員は講演で「機が熟した」と述べ、利上げすべきだとの考えを強調したと報じられた。これを受けて後場はメガバンクなど金融株が軒並み買われている。指数インパクトの大きい値がさ株のインパクトは依然として大きいものの、物色対象が広がることで先高期待が高まりやすいだろう。高市政権発足によって、これまでの高市トレードから「サナエノミクス2.0」に物色の軸がシフトすると考えられ、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
+2σ水準での攻防のなかで、まずは4万9000円固めの動きをみせてくるかを見極めつつ、+2σを挟んだ4万9000円から5万円のレンジが意識されてきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.13倍に上昇した。東証プライムの9割超の銘柄が上昇しているものの、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やファーストリテイリング<9983.T>[東証P]、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などのインパクトが大きく、NTロングに振れやすい需給状況であろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7294枚、ソシエテジェネラル証券が1万3768枚、JPモルガン証券が4695枚、サスケハナ・ホンコンが4131枚、SBI証券が3257枚、バークレイズ証券が3117枚、野村証券が2156枚、ゴールドマン証券が1937枚、モルガンMUFG証券が1870枚、日産証券が1501枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が1万9051枚、ソシエテジェネラル証券が1万7785枚、バークレイズ証券が5609枚、JPモルガン証券が4601枚、モルガンMUFG証券が3954枚、ゴールドマン証券が2640枚、サスケハナ・ホンコンが2030枚、野村証券が1327枚、ビーオブエー証券が1135枚、三菱UFJ証券が933枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米中報復合戦の警戒感は後退しているものの、引き続き関連ヘッドラインには警戒していく展開が予想される。また、米地銀の融資詐欺疑惑を受けた信用不安の続報にも要警戒しておきたい。
先週末は、米中報復合戦第2幕への警戒感が強まる中、トランプ米大統領は習中国国家主席と米中首脳会談が行われる可能性を明らかにした。ベッセント米財務長官も何中国副首相と貿易協議に臨むことを表明しており、米中対立が回避される可能性が高まっている。
また、ウクライナ戦争の停戦に向けて、トランプ米大統領がプーチン露大統領との電話会談の後、ゼレンスキー・ウクライナ大統領に対して領土放棄を求めたことが報じられた。トランプ氏は米露首脳会談を示唆しており、関連ヘッドラインには要注目か。
米国地銀の融資詐欺疑惑を受けて信用不安問題が高まりつつある。米地銀業界の局地的な不祥事に終わるのか、それとも2008年のようなサブプライムローンの破綻をきっかけにした米国の住宅バブル崩壊のように、信用不安が拡散していくのか否か見極めて行くことになる。米銀最大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)は、「ゴキブリを1匹見たら、恐らく他にもいる。この件は誰もが警戒すべきだ」と警鐘を鳴らしている。
10月は、これまで1929年10月24日の「暗黒の木曜日」や1987年10月19日の「ブラックマンデー」に象徴されるように、株式市場にとって不吉な季節とされている。米中の対立激化や米地銀業界の破綻などの成り行きの影響には注意が必要かもしれない。
米国の金融機関に関しては、少女らへの性的虐待罪で起訴され自殺した富豪エプスタイン氏の被害に遭ったと訴える女性が、米大手銀行バンク・オブ・アメリカとバンク・オブ・ニューヨーク・メロンを提訴した。
明日21日にはエプスタイン氏の被害に遭い、今年4月に自死した米国人女性ヴァージニア・ジュフリー氏の回顧録『Nobody’s Girl』が出版される。ジュフリー氏は、17歳当時にトランプ米大統領の別荘「マー・ア・ラゴ・リゾート」で勤務していたことで、トランプ米大統領によるエプスタイン事件への関与にも注目されている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、151.33円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、149.38円(10/17安値=日足一目均衡表・基準線)
今週のNY市場は企業決算と9月消費者物価指数(CPI)に注目。
先週はダウ平均が238.37ドル高(+1.56%)、S&P500が1.70%高、ナスダック総合が2.14%高と、主要3指数がそろって反発した。トランプ米大統領が中国との関係は良好だと発言したことで、前週末に強まった米中貿易摩擦懸念が和らいだほか、ChatGPTのオープンAIとの提携が好感されたブロードコムが10%近く上昇し、エヌビディア、オラクルなどのAI関連株も軒並み大幅高となったことで週明け13日に主要3指数そろって大幅高でスタートした。
その後は発表がスタートした第3四半期決算が総じて良好だったことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長などのFRB高官のハト派的発言を受けた利下げ期待、オランダの半導体製造装置メーカーASMホールディングの強いガイダンスを好感した半導体株の上昇が支援となったが、米中貿易摩擦の激化懸念が再び強まったことや、政府閉鎖の長期化が嫌気されたほか、不良債権問題で地銀株を中心に金融株が下落したことも上値の圧迫要因となった。
今週は発表が本格化する企業の第3四半期決算に注目が集まるほか、金曜日に発表される米9月消費者物価指数(CPI)が焦点となりそうだ。今週はS&P500採用の約90社が第3四半期決算を発表する予定で、政府閉鎖の影響で主要な経済指標の発表がない中、個別企業の実績やガイダンスへの注目が高まっている。主要なものはゼネラル・モーターズ(GM)、コカ・コーラ、GEエアロスペース、3M、ネットフリックス(以上、火曜日)、IBM、ラム・リサーチ、テスラ(以上、水曜日)、サウスウェスト航空、ハネウェル、インテル、フォード(以上、木曜日)、プロクター・アンド・ギャンブル(金曜日)など。
経済指標では政府閉鎖により多くの公的指標が発表されない見通しだが、金曜日に労働省が9月消費者物価指数(CPI)を公表する。9月CPIの市場予想は前月比+0.3%と前月から横ばい、前年比では+3.1%と8月分の+2.9%から上昇する見込みだが、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前年比+3.1%、前月比+0.4%とともに前月から横ばいが見込まれている。CPIを受けた利下げ見通しに要注目となる。このほか民間指標では10月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値が発表予定。
今晩は主要な米経済指標の発表はなし。企業決算は寄り前にNVR、引け後にスチール・ダイナミクス、W.R.バークレーなどが発表予定。
日経平均株価は大幅反発。5日移動平均線(47913円 10/20)上から上値を伸ばす展開となった。初の49000円台乗せとなり、史上最高値を6日ぶりに更新した。
RSI(9日)は前日62.7%→59.5%(10/20)に低下。高値引けで史上最高値を更新しており、基本的には上目線のトレンドフォロー継続との見方となる。あすは5日移動平均線の上昇の傾きが強くなる可能性が高く、5万円台乗せとなるかが注目される。
上値メドは、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、10/9高値から10/14安値までの下げの倍返しとなる50650円、51000円、52000円などが想定される。下値メドは、10/9高値(48597円)、5日移動平均線、10/17安値(47494円)、心理的節目の47000円、10/14安値(46544円)、25日移動平均線(46260円 同)、10/3高値(45778円)、心理的節目の45000円などがある。
(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.78円(20日15時時点比△0.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=175.55円(▲0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1643ドル(▲0.0030ドル)
FTSE100種総合株価指数:9403.57(前営業日比△49.00)
ドイツ株式指数(DAX):24258.80(△427.81)
10年物英国債利回り:4.505%(▲0.026%)
10年物独国債利回り:2.577%(▲0.003%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独生産者物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.1% ▲0.5%
8月ユーロ圏経常収支(季調済)
119億ユーロの黒字 298億ユーロの黒字・改
8月ユーロ圏建設支出
(前月比) ▲0.1% 0.5%
(前年比) 0.1% 0.7%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は持ち直した。「日銀は来週29-30日の金融政策決定会合で議論する『経済・物価情勢の展望』(展望リポート)で、今年度の実質国内総生産(GDP)見通しを引き上げる可能性」との一部報道が伝わると、円買い・ドル売りが先行。18時過ぎに一時150.28円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。自民党と日本維新の会が連立政権樹立で正式合意したことを受け、明日の首班指名選挙で高市新首相が誕生することが確実視される中、円売り・ドル買いがじわりと強まった。20時30分過ぎには150.86円付近まで持ち直した。
もっとも、NYの取引時間帯に入ると徐々に値動きが鈍った。米政府機関の一部閉鎖の影響で、相場材料となる米経済指標の発表がなく、大きな方向感は出なかった。なお、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は「米政府機関の一部閉鎖は今週中に終わる可能性がある」との見解を示した。
・ユーロドルは弱含み。先週末に米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がフランスを格下げした影響が残り、欧州勢参入後はユーロ売り・ドル買いが進んだ。20時30分過ぎには一時1.1644ドルまで値を下げた。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米金利低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると一時1.1665ドル付近まで値を戻す場面があった。もっとも、フランスの財政悪化への懸念は根強く、買い戻しの勢いは長続きしなかった。2時30分過ぎには一時1.1642ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は売り先行後、もみ合い。日銀のGDP見通し上方修正の可能性が報じられると、ドル円と同様に売りが先行し一時175.25円と日通し安値を更新した。ただ、そのあとは175円台半ばでのもみ合いに終始した。
・ロンドン株式相場は反発。前週末に米中の関係悪化を巡る過度な警戒感が後退したほか、米地銀の信用不安に対する問題がひとまず一服し、米国株が上昇した流れを引き継いだ。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、ロールス・ロイス・ホールディングスやBAEシステムズなど資本財サービス株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。前週末に米中の関係悪化を巡る過度な警戒感が後退したほか、米地銀の信用不安に対する問題がひとまず一服し、米国株が上昇した流れを引き継いで投資家心理が上向いた。個別ではラインメタル(5.90%高)やインフィニオン・テクノロジーズ(5.05%高)などの上昇が目立ち、スカウト24(0.59%安)などを除く38銘柄が上昇した。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
20日の日経平均は大幅反発。終値は1603円高の49185円。10月9日の終値48580.44円を上回り、史上最高値を更新した。米地銀の信用不安や国内政局不安などの後退を受け、売り方の買い戻しを巻き込んで全面高の展開。寄り付きの700円を超える上昇からも買いは止まらず、高値引けとなった。
プライム市場の売買代金は概算で5兆2800億円。騰落銘柄数は値上がり1456/値下がり132となった。業種別では全業種が上昇した。
売買代金上位では、AI関連が引き続き上昇のけん引役となった。キオクシアHDが約9%の上昇となったほか、任天堂が続伸。業績期待が続いた安川電機なども上値を伸ばした。米地銀の信用不安後退を受けて、三菱UFJやみずほFGなどメガバンクに買い戻しが意識された。一方、ネットストアの物流障害の影響でECサイトを停止していると発表した良品計画が軟調、JX金属には利益確定売りが続いた。
値上がり率上位では、投資会社が対抗TOBを発表したデジタルHDが急騰。ステーブルコイン関連としてアステリアが急反発となり、古野電気が上値追いのモメンタムが続いた。国内証券が目標株価を引き上げた霞ヶ関キャピタルが大幅反発となったほか、ANYCOLORやフィックスターズなどが個別材料で買われた。一方、値下がり率上位では、25.9期の連結営業利益予想を下方修正したアンビスHDが一時ストップ安となったほか、ランサムウェア感染によるシステム障害が発生したと発表したアスクルが軟調。サイゼリヤやベイカレントは買い一巡後に下げに転じた。
あすの東京市場は今晩の米国株の上昇や為替市場の安定があれば、引き続き堅調な展開が予想される。首相指名選挙が行われる予定。新首相に自民党の高市総裁が決まれば改めて買いを誘う展開も期待できるが、石破首相が自民党総裁辞任を表明して以降、日本株は大きく水準を切り上げている。そのため、改めて高市トレードと強調するような展開は想定しづらいが、高市関連とされる安全保障や先端技術などの分野は幅広く、時流に乗ったテーマが多いだけに必然的に関連物色は続くことになろう。
日銀の氷見野良三副総裁が都内で講演する。9月2日に開催された道東地域金融経済懇談会で同副総裁が利上げに対してやや慎重な姿勢をみせ、円が売られる場面があった。
今後、日本株上昇のカタリストは、国内要因主導から為替や米国株など外部要因に連動性を強める地合いにシフトしていくことも想定され、国内企業の決算発表を前にドル円の円安方向へ動きが強いインパクトになろう。きょうの日経平均は高値引けで6日ぶりに史上最高値を更新した。テクニカル面では、あすは5日移動平均線の上昇の傾きが強くなる可能性が高く、円安に傾く展開となれば早くも5万円乗せが予想される。
(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.75円(前営業日比△0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=175.49円(△0.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1642ドル(▲0.0013ドル)
ダウ工業株30種平均:46706.58ドル(△515.97ドル)
ナスダック総合株価指数:22990.54(△310.57)
10年物米国債利回り:3.98%(▲0.03%)
WTI原油先物11月限:1バレル=57.52ドル(▲0.02ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4359.4ドル(△146.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら続伸。「日銀は来週29-30日の金融政策決定会合で議論する『経済・物価情勢の展望』(展望リポート)で、今年度の実質国内総生産(GDP)見通しを引き上げる可能性」との一部報道が伝わり、欧州市場序盤には一時150.28円まで下落した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。自民党と日本維新の会が連立政権樹立で正式合意したことを受け、明日の首班指名選挙で高市新首相が誕生することが確実視される中、円売り・ドル買いがじわりと強まった。20時30分過ぎには150.86円付近まで持ち直した。
もっとも、そのあとは徐々に値動きが鈍った。米政府機関の一部閉鎖の影響で、相場材料となる米経済指標の発表がなく、方向感が出にくい地合いとなった。なお、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は「米政府機関の一部閉鎖は今週中に終わる可能性がある」との見解を示した。
・ユーロドルは小幅続落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.98%台まで低下するとユーロ買い・ドル売りが入ったものの、戻りは鈍かった。フランスの財政悪化への懸念は根強い中、3時30分前には一時1.1639ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、今日の高値はアジア時間に付けた1.1676ドルで値幅は0.0037ドル程度と小さかった。米経済指標の発表などがなく手掛かり材料に欠けたため、大きな方向感は出なかった。
・ユーロ円は4日ぶりに小反発。日銀のGDP見通し上方修正の可能性が報じられると、日本時間夕刻に一時175.25円と日通し安値を付けたものの、そのあとは175円台半ばでのもみ合いに終始した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。米政府機関の一部閉鎖が近く終わるとの観測や、貿易問題を巡る米中対立激化への懸念が和らいだことを受けて買いが優勢となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。米政府機関の一部閉鎖の影響で相場材料となる米経済指標の発表がなく、方向感が出にくい状況となる中、持ち高調整目的の買いが入った。
・原油先物相場は小反落。供給過剰懸念などを背景に売りが先行するも、ハセットNEC委員長が「今週、米政府機関閉鎖に関する進展がみられるかもしれない」などと発言したことで、閉鎖終了への期待から下げ渋った。貿易問題を巡る米中の関係悪化を巡る過度な警戒感が後退していることも、買い戻しを誘ったもよう。
・金先物相場は大幅に反発。前週末に下落した反動で買いが優勢となり、中心限月ベースの史上最高値を更新した。28-29日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測もまた、上昇を後押ししたもよう。
20日12:56 高田創日銀審議委員
「関税政策による影響で米国経済の減速が生じうるだけに、内外の金融政策のスタンスの違いで、為替を中心とする金融市場に大きな変動が及ぶリスクへの注視も、長年の歴史を振り返ったうえで重要と考えてきた」
「物価が予想以上に上振れるリスクも念頭に置く必要」
「物価目標の実現におおむね達していることを前提にコミュニケーション行う必要」
20日19:01 自民党と日本維新の会、連立合意文書
「食品消費税、2年間廃止を視野に法制化検討」
「企業団体献金で協議会設置、高市総裁任期中に結論」
「衆院議員1割削減を目標に今年度臨時国会で法案提出、成立目指す」
20日21:49 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「今週、米政府機関閉鎖に関する進展がみられるかもしれない」
21日00:50 トランプ米大統領
「豪州と重要鉱物に関する合意に署名する予定」
「豪州と船舶、銃器、その他軍事関連事業全般で協力中」
「約1年後にはレアアース資源が大量に確保できる」
「中国の習近平国家主席と数週間以内に韓国で会う」
「11月1日までに合意に至らなければ、中国は155%の関税を支払う可能性がある」
「中国と公正な合意をまとめられると期待」
「中国に招待されている。2026年初頭に行う予定だ」
「中国の習近平国家主席との関係は素晴らしい」
「中国は米国と取引するだろう」
「中国は米国を非常に尊重してくれている」
※時間は日本時間
<国内>
○臨時国会召集、首相指名選挙実施
<海外>
○06:45 ◎ 9月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○16:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○18:35 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○20:00 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○21:30 ◎ 9月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比2.2%)
○22:30 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、一時150.28円まで下落したものの、首班指名選挙で高市新首相が誕生することが確実視される中、円売り・ドル買いがじわりと強まり150.86円付近まで持ち直した。ユーロドルは米経済指標の発表などがなく手掛かり材料に欠けたため、大きな方向感は出なかった。
本日の東京時間では、国内情勢では第219回臨時国会が開催され首相指名選挙、その後の組閣や経済対策に注目されることになる。一方海外からは、引き続き米国の政府機関閉鎖問題や米中間の貿易摩擦が注目される。
臨時国会の会期は58日間で12月17日に閉会する予定。本日は首相指名選挙が行われ、自民党と維新の会が高市自民党総裁に票を入れ、他の閣外からの票が加わり過半数を得れば第一回目の投票で初の女性総理が誕生する予定。仮に第一回で過半数に届かない場合でも、第二回目の投票で高市氏が指名されることはまず間違いないだろう。
ただ、高市政権が発足された場合でも、高市政権は内憂外患を抱えることで、これまで通りに「高市トレード」が継続するかを見定める必要がある。外患としては維新との連立政権が火種となる。維新が主張する議員定数削減で比例代表を大幅に削減した場合は、少数野党の反対が根強く、自民党も了承するかも不明。また、維新が昨年の岸田政権時に協力関係を反故にされたと主張したことは記憶に新しく、閣僚を出さなかったことは連立をいつでも離脱することを考えていると報じられている。
内憂としても財政規律を重視する自民党議員が多くいる中で、積極財政を貫けるのかが懸念されている。高市氏の後ろ盾となっている麻生自民党副総裁は財政規律派とされ、麻生氏の義弟でもある鈴木自民党幹事長を含め積極財政路線を認めるのかなど、自民党内の力学が高市氏の政策に影響を与えることもあるだろう。財源確保の問題を含め、今後の展開が注目される。
これらの状況を鑑みての円相場だが、高市氏が首相に選任された場合はご祝儀的に「高市トレード」の復活で株高・ドル円高を促しやすいだろう。ただ、昨日も日本の為替証拠金取引(FX)業者の取引が開始される7時を過ぎると、挙ってドル円を買い始めたように、市場があまりも過大に「高市トレード」を期待していることで、期待外れに終わった場合の反動も大きくなる。政策を見極めるまでは慎重に判断する必要がありそうだ。
アジア時間では、本邦、オセアニア、アジア諸国からは市場を動意づける経済指標の発表は予定されていない。よって、日本の政局以外では米国の政府機関閉鎖や米中貿易摩擦についての報道や発言がドル相場を左右することになるだろう。
政府機関閉鎖は4週目へと突入したが、昨日にハセット米国家経済会議(NEC)委員長は「米政府機関の一部閉鎖は今週中に終わる可能性がある」との見解を示した。閉鎖が継続されれば、今週24日には連邦職員の給与が支払われることで200万人が影響を及ぼす。先週16日には、ロリンズ農務長官はフードスタンプ・プログラムの資金は2週間以内に枯渇すると述べ、11月には約4200万人が重要な食料支援を受けられなくなるともされている。ハセット氏が述べたように今週中に閉鎖が終了した場合は一旦ドル買いになるだろうが、長期にわたって閉鎖が続いているため経済的な打撃も大きくなっているのは明白で、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースと利下げ幅拡大を主張する声は高まったままなことはドルの重しになりそうだ。
また、米中貿易摩擦の行方も不透明なままだ。昨日米政権は豪州とレアアース(希土類)を中心とした重要鉱物開発で合意文書に署名した。中国からのレアアース輸入が滞る可能性に備えた動きだろうが、実際にレアアースを確保するまでは中国に対してトランプ政権は口先以外では強硬策をとれない。今後の為替市場もトランプ大統領の二重人格のような対中政策に振り回されることになるだろう。
東京市場は堅調か。米国株は続伸。ダウ平均は515ドル高の46706ドルで取引を終えた。ベッセント財務長官が中国の何副首相と今週中にも会談するXに投稿し、米中貿易摩擦が和らいだことや、政府機関の一部閉鎖が近く終了するとの見方がセンチメントの改善につながった。ドル円は足元150円70銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが370円高の49670円、ドル建てが475円高の49775円で取引を終えた。
きょうの日経平均は、5万円乗せなるかに注目。米国株の上昇と為替市場の安定により、日本株は堅調なスタートが予想される。本日午後に首相指名選挙が行われるが、自民党の高市総裁が総理大臣に選出されることがほぼ確実な情勢であり、ご祝儀買いで上値を伸ばす展開が期待される。史上初の女性首相誕生と史上初の日経平均株価5万円到達という2つの快挙を同日に達成できるか、大注目の1日となる。日経平均の予想レンジは49300-50200円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 49610 +310 (+0.62%)
TOPIX先物 3265.0 +8.0 (+0.24%)
シカゴ日経平均先物 49670 +370
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
20日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米政府機関の一部閉鎖についてハセット国家経済会議(NEC)委員長が週内に終わる可能性を示唆し、閉鎖が今週終わらなければ強力な措置を講じると発言。米中貿易問題を巡る米中対立についてベッセント米財務長官は、今週にも中国の副首相と対面で協議することを明らかにした。米政府機関の一部閉鎖の解除が近いとの見方や米中貿易摩擦に対する過度な警戒感が後退した。また、アップル<AAPL>は「iPhone17」シリーズの販売が好調との報道を受けて買われ、上場来高値を更新したことも投資家心理を明るくさせた。
S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、銀行、自動車・同部品が上昇した一方で、保険、食品・生活必需品小売、食品・飲料・タバコの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄ではアップルのほか、セールスフォース<CRM>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ボーイング<BA>、メルク<MRK>が買われた。半面、ホーム・デポ<HD>、ウォルマート<WMT>、エヌビディア<NVDA>、マクドナルド<MCD>が小安い。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比370円高の4万9670円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比40円高の4万9340円で始まった。直後に軟化し、4万9090円まで売られる場面もみられた。ただし、ほどなくしてプラス圏を回復するとロング優勢の動きが強まり、米国市場の取引開始後には4万9800円まで買われた。買い一巡後は4万9650円~4万9750円辺りで保ち合い、4万9610円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは一時4万9800円まで買われる場面もあり、5万円まであと200円に迫った。米国では米中貿易摩擦への懸念が後退し、米政府機関の一部閉鎖の解除が近いとの見方から主要な株価指数は上昇しており支援材料になろう。国内では昨夕、自民党と日本維新の会は新たな連立政権を樹立することで合意した。高市総裁はきょう行われる首相指名選挙で選出されることが確実な情勢になったことを踏まえ、組閣の調整を本格化させた。
高市首相誕生で高市トレードは、いったん落ち着きをみせてくる可能性はありそうだが、オプション権利行使価格では、先週末の4万7500円水準から、5万円の大台が射程に入ってきたことで、レバレッジ型ETFのヘッジ対応に伴うリバランスの動きが意識されやすい。高市政権の発足によって、これまでの高市トレードから「サナエノミクス2.0」にシフトするとみられ、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万9740円)を捉えてきた。バンドは上向きで推移していることもあり、早々に5万円に切り上がってくることになりそうである。+2σ突破から+3σに接近する展開となれば過熱感からピーク形成が意識されるものの、+2σに沿ったトレンドでの5万円乗せとなれば過熱感は強まらず、通過点になりやすいと考えられる。5万円接近では戻り待ち狙いのショートも積み上がりやすいが、ショート戦略は控えておきたい。
そのため、オプション権利行使価格の4万9000円から5万円のレンジを想定するが、4万9500円を下回る場面ではその後のカバーを狙ったロングで対応したい。+2σを突破し5万円を捉える局面では、瞬間的に上へのバイアスが強まる展開を意識しておく必要がありそうだ。なお、+3σは5万1400円まで切り上がってきている。
20日の米VIX指数は18.23(17日は20.78)に低下した。支持線として意識されていた200日移動平均線(19.34)を割り込み、25日線(17.55)に接近してきた。5日ぶりに20.00を下回ってきたことで、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.13倍に上昇した。東証プライムの9割超の銘柄が上昇したものの、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やファーストリテイリング<9983.T>[東証P]、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などのインパクトが大きく、NTロングに振れやすい需給状況だった。本日もソフトバンクグループなどの動向を睨みながらの展開になりそうだが、昨日はメガバンクなど金融セクターの上昇が目立っていたこともあり、相対的に出遅れているTOPIX型の修正が入りそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比690円高の4万9990円(+1.39%)前後で推移。寄り付きは4万9820円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万9670円)を上回る形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に4万9500円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、押し目待ち狙いのロングが入り、終盤にかけて5万円の大台に乗せた。
きょう発足する高市新内閣の人事の概要が明らかになってきた。高市政権における「サナエノミクス2.0」への期待が高まっており、午後の首相指名選挙の1回目の投票で新首相に選出されるようだと、さらにロングを誘い込みやすいだろう。
ボリンジャーバンドの+2σ(4万9810円)を上回って推移しており、同バンドが支持線として意識されるようだと、ショートカバーを誘う動きにも向かわせそうだ。5万円乗せで達成感が強まる可能性はあるが、+2σで底堅さがみられると、+3σ(5万1500円)とのレンジに入ろう。ショートからのエントリーは控えて、押し目待ち狙いのロング対応とみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で15.24倍に上昇した。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が連日で最高値を更新したほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]やファーストリテイリング<9983.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引。+2σ(15.29倍)に接近してきたことで、いったんは利益確定に伴うNTロングを解消する動きが入りやすいだろう。
アルゼンチンのミレイ大統領を支援するための200億ドルの民間銀行ローンは、主要銀行が米財務省の保証を求めているため停滞している。JPモルガンやゴールドマンサックスなど大手銀行は、破綻寸前と言われるアルゼンチンへの貸し付けに慎重で、米財務省が担保や政府の後押しを示すまで交渉を進められない状況だ。このローンはトランプ政権が推進する400億ドルの支援策の一部で、米政府が200億ドルの通貨スワップも提供する予定だが、問題解決の見通しが立っていない。銀行の懸念はアルゼンチンの信用リスクを反映し、市場の不安定化やペソの下落圧力を強めている。
ドイツの2025年9月の税収は前年同月比で2.6%増の884億ユーロとなったが、財務省は経済の弱さにより今後の税収増加は期待できないと警告した。2024年に2年連続で縮小した同国経済は、今年も0.2%というわずかな成長にとどまる見込み。9月の税収増加は主に所得税の増加によるもので、付加価値税は横ばいだった。1-9月では前年同期比6.2%増の6,650億ユーロを記録し、年間の税収は約3.7%増の8,933億ユーロと予測されている。経済指標は輸出減少や工業受注の低迷を示しており、これが今後の景気回復を難しくしている。市場は短期的な税収増より経済の弱さを重視し、ユーロやドイツ株に対しては慎重な見方が強まっている。
中国商務省は2026年の民間(非国有)原油輸入割当を2億5700万トンと発表した。これは2025年と同水準で、約40社の独立系製油所(いわゆる「ティーポット」)に配分される枠である。国有企業である中国石化(Sinopec)や中国石油(PetroChina)は対象外。
市場では、割当が据え置かれたことは中国政府が原油需要の伸びを見込んでいない、またはすでに備蓄が十分であることを意味すると見られている。独立系製油所の商業在庫は過去6カ月で増加を続けており、高在庫を背景に輸入意欲が鈍化している。背景には、精製マージンの低下・電動化の進展・輸出枠制限などがあり、エネルギー需要の構造的減退が進んでいるとされる。
株式市場を中心とした高市トレードが続くなか、昨日は日経平均先物が49795円まで上昇。高市首相が誕生する本日の東京市場でも更に買いが進む展開となっています。前場には一時49945.95円まで値を上げて、50000円の大台に迫る動き。理屈ではない高市トレードが展開されているといったところです。
一方で、ドル円は高市トレードの動きに合わせて、日銀絡みの報道が戻り売りとして材料視されていることもあり、ヘッドラインに反応して下押す動きが繰り返されているわけですが、その中身といえば、前回利上げを主張したタカ派の審議委員が当然のタカ派発言をしたというだけ。単なるポジション調整のネタとして利用されることになると、結果的に下押しのレベルを確認する作業となっています。
いずれにしても、目先は一目転換線が位置する151.33円が戻りの目処として意識されるなか、早速内定の閣僚人事が報じられてきていますが、市場では「これまでとは違う変化」への期待感が、しばらくは大きなうねりとなって続いていくのかもしれず、海外勢を中心とした大相場が展開されています。
本日の海外市場ではユーロ圏、米国ともに主な指標発表は予定されていない。欧州タイムでは、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、レーンECB専務理事やエスクリバ・スペイン中銀総裁らの講演が予定されており、発言に注目もユーロの大きな動意につながりそうなサプライズな内容にはならないだろう。
3人の中銀要人の最近の発言を確認してみると、ラガルドECB総裁は先週末に、インフレ・経済成長のリスクが低減しているとの見解を示した。レーンECB専務理事は9月に通商政策によって世界経済が打撃を受けており、インフレの下振れリスクが高まっていると指摘した。また、ECB理事会のメンバーでもあるエスクリバ・スペイン中銀総裁は今月上旬に、ユーロ圏の金利は「適切な水準」にあり、追加のガイダンスは必要ないとの見解を示している。
米中関係のヘッドラインや、米政府機関の閉鎖終了に関する上昇次第でドル主導で動意づく可能性はあるが、本日は日本の新首相誕生に伴った円相場の動き、つまりユーロ円の動きがユーロドルにも影響を与える可能性がある。自民党の高市総裁の首相就任が確実視されているが、高市トレードが続くかそれともイベント終了で調整が入るか、海外市場の反応が注目される。
・想定レンジ上限
ユーロドルは日足一目均衡表・基準線1.1731ドルが上値めど。ユーロ円は日足一目・転換線176.38円や10日の高値177.16円。
・想定レンジ下限
ユーロドルは14日安値1.1543ドルが下値めど。ユーロ円は17日の安値174.82円や6日安値173.92円。
第219回臨時国会で、自民党・高市総裁が女性初の第104代内閣総理大臣に参院で選出された。
ドル円:1ドル=151.52円(前営業日NY終値比△0.77円)
ユーロ円:1ユーロ=176.14円(△0.65円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1625ドル(▲0.0017ドル)
日経平均株価:49316.06円(前営業日比△130.56円)
東証株価指数(TOPIX):3249.50(△1.05)
債券先物12月物:136.14円(△0.21円)
新発10年物国債利回り:1.655%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。しばらくは150.60円を挟んだ水準でのもみ合いとなっていたが、自民党の高市総裁が首相に選出されるとの思惑から、同氏が志向しているとされる積極財政と金融緩和への期待感を背景に円売り・ドル買いが進んだ。高市氏の首相選出後に日経平均株価が失速するとやや上下に振れたものの、一部通信社から「日銀は年末までの追加利上げの可能性は排除していないものの、来週会合での利上げを急ぐ必要はない」との観測記事が伝わると再び買いが入り、一時151.61円まで値を上げた。
・ユーロ円も強含み。朝方からドル円と同様の推移を辿り、175円台半ばでのもみ合いから次第に下値を切り上げた。15時過ぎには176.25円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルはさえない。対円を中心にドル買いが進んだ影響を受けて、1.1619ドルまで売りに押された。
・日経平均株価は続伸。米中貿易摩擦の懸念後退による米株上昇や、自民党の高市総裁が首相に指名されるとの見通しを受けてリスク選好が続いた。海外投資家から株価指数先物に断続的な買いが入ったことも指数を押し上げ、一時は4万9940円台と節目の5万円乗せの目前まで迫ったが、その後は一転して上げ幅を縮小する展開に。高市氏が首相に指名されると材料出尽くしや利益確定目的の売りが持ち込まれ、取引時間の終盤には下げに転じる場面も見られた。
・債券先物相場は反発。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いだほか、この日実施された10年物のクライメート・トランジション利付国債の入札が「強めの結果だった」と受け止められたことも買いを誘った。
トランプ米大統領が目指すプーチン露大統領との早期首脳会談は、準備段階で停滞している。CNNによると、米露両国の外相級会談(ルビオ国務長官とラブロフ外相)の開催が一時棚上げとなり、現時点で次の首脳会談日程は未定。延期理由は明確でないが、両者の間でウクライナ戦争終結に向けた見解の隔たりが続いているとされる。
トランプ政権はハンガリー・ブダペストでの米露首脳会談を「和平の道筋」と位置付け、トランプ氏は「殺戮の停止が最優先」と強調している。しかし、米側関係者は「ロシアの姿勢は依然として強硬的」と指摘し、現在の情勢では米露首脳会談の開催判断は難しい見通し。トランプ政権は引き続き外交的打開を模索しているが、実現にはなお時間を要する構えだ。
米連邦政府の一部閉鎖は10月1日から続き、20日で3週間目に突入した。原因は、共和党と民主党が来年度予算で妥協できず、医療保険補助金(オバマケア)延長を巡る対立が続いているため。トランプ大統領は依然として沈黙を保ち、政権は民主党地盤の公共事業停止や人員削減などで圧力をかけている。すでに約75万人の職員が休職し、航空交通や原子力管理業務にも支障が出始めた。
民主党は低所得層の医療支援維持を求め、共和党は政府再開を条件に制度改革を主張。両党とも歩み寄る様子はなく、上院での暫定予算案も11回連続で否決された。今週中の合意は困難との見方が強く、政府機能の麻痺は今後さらに深刻化する可能性がある。
「FRBが数カ月以内にバランスシートの縮小を停止する可能性がある」
(パウエルFRB議長)
1.FRBの量的金融引締政策(QT:Quantitative tightening)
FRBのバランスシートは、量的金融緩和政策(QE:Quantitative Easing)により、2020年春の約3兆7600億ドルから、新型コロナウイルスのパンデミック期に約4兆6000億ドルの債券を購入して、2022年夏の8兆9655億ドルまで倍増した。そして、量的金融引締政策(QT:Quantitative tightening)の開始により、毎月950億ドル規模の保有する国債と住宅ローン担保証券の削減が行われており、2025年2月には、6兆8000億ドルまで減少している。しかし、新型コロナウイルス感染症流行前の水準の約4兆ドルを依然として大きく上回っている。
FRBによるインフレ抑制のための利上げは、2023年7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのFF金利誘導目標5.25-50%への引き上げで終了し、現状は、4.25-50%までの利下げサイクルに入っている。
すなわち、政策金利は緩和政策だが、量的金融政策面では、引締め政策となっていた。
2.米国債のランオフの減額=間接的利下げ
1月28-29日のFOMCでは、タカ派的な据え置きが決定されたが、政府債務の上限引き上げを巡る問題が解決するまでバランスシート圧縮を一時停止または減速させる可能性が議論された。
3月18-19日のFOMCでは、米国債のランオフ(償還に伴う保有証券減少)ペースの上限を月間250億ドルから50億ドルに減額、すなわち、間接的な利下げを決定した。
3.パウエルFRB議長
2025年10月14日、パウエルFRB議長は、全米企業エコノミスト協会(NABE)で「FRBのバランスシートを理解する」との演題で講演を行った。
パウエルFRB議長は、「雇用とインフレの見通しは、利下げを決めた4週間前の9月の会合からあまり変わっていないようだ」と指摘して、引き続き緩やかに政策金利を下げる姿勢であることを示唆した。
そして、保有する債券の規模を縮小する過去3年以上にわたる取り組みが終わりに近づいている可能性、すなわち、バランスシートの縮小を停止することを示唆した。
パウエルFRB議長は、今後、政策金利の引き下げと長期金利の押し下げを目論んでおり、トランプ米大統領へのクリスマス・プレゼント、お歳暮なのかもしれない。
本日のNY為替市場のドル円は、米中貿易交渉や米政府機関閉鎖、米地銀の信用不安に関するヘッドラインに警戒しながらの取引は変わらず。加えて、高市新首相誕生を受けた円売りの射程に注目していく展開となる。
本日22時から高市新首相の記者会見が予定されており、円安への見解や日銀の金融政策への見解には警戒しておきたい。
4日に高市新自民党総裁が誕生した局面では、週明けから「高市トレード」(円売り・株買い)」が強まり、ドル円は最終的に153円台まで上昇した。今回の高市新首相誕生では、今のところ151円台後半までに留まっている。
ドル円の上値を抑える要因としては、今週開催予定のベッセント米財務長官と何・中国副首相による貿易協議、その後に開かれる可能性がある米中首脳会談への警戒感が払拭されていないこと。また、今月末のFOMCでの追加利下げ観測などが挙げられる。FOMCに関しては、パウエルFRB議長が先日、量的金融引締政策(QT)の停止に言及し、ターミナルレート(政策金利の最終到達水準)が3.0%を割り込むことが見込まれている。
28日に予定されている日米首脳会談では、日米関税合意や米国への5500億ドルの投資スキームなどが確認される見込み。ただし、トランプ米大統領にとってはドル高・円安は不満の種であるとされ、こちらが円売りを躊躇させる要因かもしれない。
なお、かつてベッセント財務長官は、日米の関税合意の実施状況にトランプ大統領が不満を感じれば、関税率を25%に戻す可能性を示唆していた。ドル高・円安傾向が続けば、日米貿易不均衡が是正されにくくなる。そのため、トランプ米大統領が対日関税率を25%へ引き上げると言いかねないため、本邦通貨当局の円安是正措置にも警戒しておきたい。
9月カナダ消費者物価指数(CPI)の予想は前月比-0.1%と前回と同値、前年比は+2.2%と前回+1.9%からの伸び率上昇が見込まれている。今月29日のカナダ中銀(BOC)金融政策決定会合に向けては、追加利下げと据え置きの見方が拮抗しており、CPIのサプライズには警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、152.61円(10/14高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、150.28円(10/20安値)
今晩は底堅い展開か。
昨日は米中貿易摩擦懸念が和らいだことや、政府機関の一部閉鎖が近く終了するとの見方からセンチメントが改善する中、新型iPhoneの販売好調見通しを受けてアップルが約4%上昇したことも追い風に主要3指数がそろって上昇。ダウ平均が515.97ドル高(+1.12%)、S&P500が1.07%高、ナスダック総合が1.37%高と、3指数がそろって2営業日続伸した。最高値まではダウ平均が0.11%、S&P500が0.28%、ナスダック総合も0.23%に迫り、再び最高値更新が射程圏に入った。引け後の動きでは不良債権問題で先週木曜日の相場押し下げ要因となったザイオンズ・バンコープが予想を上回る増益決算を発表し、株価は時間外取引で3%高となった。
今晩は主要3指数が最高値に迫り、高値警戒感が強まることが予想されるものの、米中貿易摩擦懸念の緩和や政府閉鎖の終了期待などセンチメントの改善を背景に底堅い展開か。第3四半期決算は寄り前にゼネラル・モーターズ(GM)、コカ・コーラ、RTX、GEエアロスペース、3Mなどが発表予定。政府閉鎖による経済指標の発表がない中、主要企業の決算実績やガイダンスに注目が集まる。
今晩は主要な米経済指標の発表はなし。企業決算は寄り前にゼネラル・モーターズ、ハリバートンコカ・コーラ、RTX、GEエアロスペース、ロッキード・マーチン3M、引け後にネットフリックス、テキサス・インスツルメンツ、インテューイティブ・サージカルなどが発表予定。
ハンガリー中銀は21日、主要政策金利を13カ月連続で6.50%に据え置いた。据え置きは市場予想通りであった。
声明では、「引き締め政策の維持は正当」としたのを始め、「金融引き締めを徹底することで、2027年初頭に3%のインフレ目標を持続可能な形で達成」「現在の経済状況では、インフレ期待を抑えるには為替市場の安定を維持することが極めて重要」「今年の残りの期間、インフレ率は中央銀行の許容範囲を上回ると予想」などが明らかとなった。
日経平均株価は続伸。買い優勢の時間帯が続いたのち、一時は5万円まであとわずかに迫る場面があった。ただ、後場は上げ幅を縮小する流れとなり、終盤にはマイナスに転じる場面もあった。
RSI(9日)は前日59.5%→61.2%(10/21)に上昇。連日で史上最高値を更新した。基本的には上目線のトレンドフォロー継続との見方となる。引き続き、上昇基調が続く5日移動平均線(48406円 10/21)上から上値をどこまで伸ばせるかが注目される。
上値メドは、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、10/9高値から10/14安値までの下げの倍返しとなる50650円、51000円、52000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の49000円、10/9高値(48597円)、心理的節目の48000円、10/17安値(47494円)、心理的節目の47000円、10/14安値(46544円)、心理的節目の46000円などがある。
(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.92円(21日15時時点比△0.40円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.29円(△0.15円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1604ドル(▲0.0021ドル)
FTSE100種総合株価指数:9426.99(前営業日比△23.42)
ドイツ株式指数(DAX):24330.03(△71.23)
10年物英国債利回り:4.478%(▲0.027%)
10年物独国債利回り:2.552%(▲0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。積極財政や金融緩和を志向するとされる高市早苗氏が新首相に就任したことを受けて、欧州勢が円売りで参入すると、22時前に一時152.17円と日通し高値を付けた。22時の高市新首相の記者会見などへの期待感も相場を下支えした。
ただ、会見が始まると徐々に上値が重くなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.94%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時151.46円付近まで下押しした。
もっとも、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けて全般ドル買いが進むと151.97円付近まで持ち直している。
なお高市首相はこの日、就任後初の記者会見に臨み、「初閣議で経済対策の策定を指示する、物価高対策講じる」「金融政策の手法は日銀に委ねられる、コミュニケーションは良くしてゆきたい」「政府・日銀のアコード、今の段階で直ちに見直すことは考えていない」などと述べた。
・ユーロドルはじり安。米政府機関の一部閉鎖が近く終了するとの観測が出るなど、米景気に悪影響を及ぼしうる材料が足もとで後退する中、ユーロ売り・ドル買いがじわりと強まった。ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測されると一時1.1598ドルと日通し安値を更新した。
ただ、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ったため、一本調子で下落する展開にはならなかった。
・ユーロ円は強含み。欧州勢参入後に全般円売りが優勢になると、22時前に一時176.62円と日通し高値を付けた。そのあとは175.85円付近まで下押ししたものの、売り一巡後は176.44円付近まで持ち直した。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は続伸。前日の米国株や本日のアジア株の上昇を受けて、投資家心理が改善すると英株にも買いが入った。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、HSBCホールディングスやバークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米国株や本日の日本株の上昇を受けて欧州株にも買いが入った。個別ではMTUエアロ・エンジンズ(4.96%高)やインフィニオン・テクノロジーズ(3.34%高)、エアバス(1.77%高)などの上昇が目立った。
なお、フランスの代表的な株価指数CAC40は史上最高値を更新した。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
21日の日経平均は続伸。終値は130円高の49316円。
値上がり率上位では、前期営業利益の下方修正で前日急落したアンビスHDが急反発したほか、データセンター向けドリル需要の好調を背景にユニオンツールが大幅続伸となった。ディー・エヌ・エーやアシックスなどの上昇も目立った。一方、値下がり率上位では、直近上昇した古野電気が大幅安となったほか、Link-Uグループは急騰後の反動安が続いた。国内証券が投資判断を引き下げたJCRファーマが軟調に推移した。
21日の日経平均は前場で上昇が一服し、後場は序盤から上げ幅を縮小した。高市首相誕生を前に材料出尽くしを見越した先物売りが関係した可能性があるが、下値では買い戻しが入りマイナス拡大とはならなかった点は目先の上値余地が残っている印象だ。今晩の米国市場が大幅高で戻ってくれば、引き続き5万円超えが試されるシナリオだろう。
一方、目先のイベント通過に加え一時的に材料難となり、先物主導のモメンタムはやや減速する可能性がある。上昇トレンドが継続する中でも驚くほどの過熱感はないが、日経平均の25日線からの上方かい離率は6.1%程度に拡大している。ただ、TOPIXは2%台のかい離に過ぎず、値がさハイテク株以外の物色や、今月に入って軟調な銀行・保険などの金融セクターが注目されそうだ。
(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.93円(前営業日比△1.18円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.24円(△0.75円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1600ドル(▲0.0042ドル)
ダウ工業株30種平均:46924.74ドル(△218.16ドル)
ナスダック総合株価指数:22953.67(▲36.87)
10年物米国債利回り:3.96%(▲0.02%)
WTI原油先物11月限:1バレル=57.82ドル(△0.30ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4109.1ドル(▲250.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。積極財政や金融緩和を志向するとされる高市早苗氏が新首相に就任したことを手掛かりに海外勢が円売りを進めると、22時前に一時152.17円と日通し高値を付けた。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.94%台まで低下したことが相場の重しになると一時151.46円付近まで下押しする場面もあったが、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けて全般ドル買いが進むと151.97円付近まで持ち直すなど、終日底堅い展開が続いた。
なお、高市首相は21日夜、就任後初の記者会見に臨み、「初閣議で経済対策の策定を指示する、物価高対策講じる」「金融政策の手法は日銀に委ねられる、コミュニケーションは良くしてゆきたい」「政府・日銀のアコード、今の段階で直ちに見直すことは考えていない」などと話した。
・ユーロドルは3日続落。米政府機関の一部閉鎖が近く終了するとの観測が出るなど、米景気に悪影響を及ぼしうる材料が足もとで後退する中、ユーロ売り・ドル買いが先行。ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測されると一時1.1598ドルと日通し安値を更新した。
ただ、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ったため、一本調子で下落する展開にはならなかった。
・ユーロ円は続伸。海外勢が高市首相誕生による円売りを進めると、22時前に一時176.62円と日通し高値を付けた。そのあとは175.85円付近まで下押ししたものの、1時30分過ぎには176.44円付近まで持ち直した。ドル円につれた動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、史上最高値を更新した。決算内容が好感されたスリーエム(3M)とコカ・コーラが買われ、相場の押し上げ要因となった。上げ幅は410ドルを超える場面があった。ただ、トランプ米大統領が「中国の習近平国家主席との会談は実現しないかもしれない」などと発言すると、伸び悩んだ。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落。ネットフリックスやテスラなど、主要ハイテク企業の決算発表を控えて持ち高調整目的の売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。新規材料に乏しい中、持ち高調整目的の買いがやや優勢となった。
・原油先物相場は小反発。前日に一時、期近物として5カ月ぶり安値を付けた直後ということもあり、値ごろ感からの押し目買いが入った。もっとも、需給が緩むとの観測がくすぶる中で明日の週間原油在庫統計を見極めたいとして上値は限られた。
・金先物相場は大幅に反落。前日に大幅反発して中心限月ベースでの過去最高値を更新した直後だけに、利益確定売りが先行した。ドルがユーロに対して上昇したことで、ドル建てで取引される金の割高感につながった事も重しとなった。
第219回臨時国会で、自民党・高市総裁が女性初の第104代内閣総理大臣に衆院で選出された。
一部通信社が報じたところによると、「米国は戦略石油備蓄として原油を100万バレル購入する」ようだ。
21日13:33 氷見野日銀副総裁
「米銀は圧倒的に強固なドル預金基盤を有し、国際銀行市場で大きな競争優位を持つ」
「ステーブルコインが銀行預金の役割を部分的に代替し、国際決済システムの中核を担う可能性」
「国際的な市場分断を防ぎ、公平な競争環境を作るため、共通基準策定では米国が主導する可能性」
21日17:14 片山次期財務相
「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移するのが望ましい」
「日銀の利上げの方向性、現時点で特段コメントはない」
21日22:13 高市早苗首相
「初閣議で経済対策の策定を指示する、物価高対策講じる」
「年収の壁も引き上げていく」
「この内閣は決断と前進の内閣」
「トランプ米大統領と早期に会い、日米関係を高みに上げる」
「今すぐ解散といっている暇はない」
「マクロ経済政策の最終的な責任は政府が持つもの」
「金融政策の手法は日銀に委ねられる、コミュニケーションは良くしてゆきたい」
「政府・日銀のアコード、今の段階で直ちに見直すことは考えていない」
22日01:44 トランプ米大統領
「中国と日本は長年に渡り米国に対して関税を課してきた」
「関税で債務返済を開始できる」
「中国の軍事力は、我々が失った金で築き上げたものだ」
「中国の習近平国家主席との会談は実現しないかもしれない」
「中国の習近平国家主席と良い取引ができると期待している」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 9月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前225億円の黒字、季節調整済1124億円の赤字)
<海外>
○15:00 ◎ 9月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比4.0%)
○15:00 ◎ 9月英CPIコア指数(予想:前年比3.7%)
○15:00 ◇ 9月英小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.2%/前年比4.7%)
○17:00 ◎ 9月南アフリカCPI(予想:前月比0.2%/前年比3.4%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:25 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○23日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○インド(ディワリ)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末の海外市場でドル円は、積極財政や金融緩和を志向するとされる高市早苗氏が新首相に就任したことを手掛かりに、海外勢が円売りを進めると一時152.17円まで強含んだ。ユーロドルはロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測されると一時1.1598ドルまで弱含んだ。
本日の東京時間でのドル円は、「高市トレード」の再開で底堅い展開になるだろうが、今後明らかになる経済対策とその財源確保などの内容次第も見極めていく必要がありそうだ。また、円安傾向となるなか輸入物価の上昇に対して、これまで円安の負の部分を指摘していた新財務相の動向も注目となる。
高市新政権は組閣初日から経済対策に着手しはじめているとされている。すでに先週15日には自民・公明・立憲の3党税制調査会長が協議を行い、ガソリン減税の原案作成で合意している。市場はこれ以外に、どの程度インパクトのある物価高対策を発表できるかを注目している。
一部では食品の消費税を2年間ゼロにするとの報道もある。また、連立を組む維新の会が主張する社会保険料の負担減についても、長期の議論が必要になるが、これらを経済対策に入れることができるかも注目だ。ただ、いずれの政策も社会保障などの財源への影響は必至なことで、問題は財源をどこから確保するかになる。高市氏は「必要とあれば赤字国債の発行もやむを得ない」と言及しているが、高市氏の後ろ盾となり財政規律派とされる麻生自民党副総裁や鈴木自民党幹事長がどの程度まで積極財政を容認するかが注目される。公明党の連立離脱により自民党内での風当たりが強くなり、党内融和を図るためには麻生派を中心とした意向を組みこまざるをえないと見込まれている。財政出動に積極となり期待通りの結果となった場合には円売りが進むだろうが、市場予想を裏切るような動きとなった場合は大きく巻き戻しが入る動きになるだろう。
円安が進んでいるなかで、高市首相や財務相になった片山氏の金融政策や為替についての発言も要警戒。高市首相は政策金利の引き上げが景気に悪影響を与えるとの考えを持ち、これまでも利上げに対しては厳しい発言を繰り返してきた。首相という立場に就いたことで、やや和らいだ発言をしているが、高市氏が師事した安倍元首相が日銀への圧力を高めたように、金融引き締めを行わないように圧力をかけた場合は更にドル買い・円売りを促すだろう。一方で、「高市トレード」の再開で円安に拍車がかかれば、輸入物価の上昇の悪影響という負の側面がある。高市首相が財務省に任命した片山さつき氏は積極財政論者だけではなく、円安による物価への影響を兼ねてから苦言を呈してきた。今年の3月のインタビューでは物価高の沈静化に向け円高進行が望ましい見解を表明し「120円台が適正水準」と述べている。昨日の時点では「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移するのが望ましい」とありきたりの発言にとどめたが、今後の円安進行の物価高の影響について、より詳らかにする必要も出てくるだろう。
また、今回連立を組む維新の会は大阪以外では支持率が高くはなく、高市政権に維新の意向が組み込まれなかった場合はすぐに連立離脱の可能性が高い。昨年6月に当時の岸田首相と維新の馬場党首が「旧文通費」の改革に関して、次の国会で合意内容を確実に実現すると確認したが、維新はその約束を反故にされた経緯がある。当時維新は「党首会談での合意が国民に対する裏切りだ」と強く抗議したが、今回の高市政権でも維新の要求する政策が軽んじられた場合は、維新が連立を離脱するリスクもありそうだ。
なお、今後の本邦の重要日程は下記のようになる。
24日・所信表明演説(外交日程が入るため各党の代表質問は11月の予定)
26日・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議
27-29日・トランプ米大統領来日予定(28日に日米首脳会談の可能性)
29-30日・日銀金融政策決定会合
31日・アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議
国内情勢以外では、引き続き米国の政府機関閉鎖や中国との貿易摩擦についても要警戒。昨日はハセット米国家経済会議(NEC)委員長が今週の政府閉鎖委解除の可能性を示唆したが、スーン共和党上院院内総務は昨日、政府閉鎖を終わらせるための「プランB」はないと述べ、交渉が袋小路に陥っていることを示している。21日目を迎えた政府閉鎖は経済への影響は拡大し米連邦準備理事会(FRB)の大規模利下げの可能性も高まり、ドルの重しとなる。米中貿易摩擦はトランプ大統領が「習近平国家主席との会談は実現しないかもしれない」と発言したと同時に、「習近平国家主席と良い取引ができると期待」と発言。二重人格のように二転三転する発言内容で市場は疲弊することになりそうだ。
東京市場は一進一退か。米国株はまちまち。ダウ平均が上昇し、S&P500はほぼ横ばいで、ナスダックは下落した。ダウ平均は218ドル高の46924ドルで取引を終えた。GM、3M、コカ・コーラなどが決算を受けて強く買われており、ダウ平均は堅調に推移した。一方、半導体株を中心にハイテク株は売りに押されるものが多く、ナスダックはさえなかった。ドル円は足元151円90銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが215円高の49365円、ドル建てが300円高の49450円で取引を終えた。
米3指数の方向がそろっておらず、日本株は強弱感が交錯すると予想する。きのうの日経平均は、前場で5万円に接近しながらもこれを超えられず、後場は上げ幅を縮小した。「高市トレード」には一巡感も出てきている。政策に対する期待が高い状況は続くだけに下値は堅いとみるものの、ナスダックが下落しているだけにハイテク株には多くを期待しづらい。米国で引け後に決算を発表したネットフリックスは時間外で大きく下落している。買われる場面があっても上値追いには慎重となり、前日終値近辺で終了すると予想する。日経平均の予想レンジは49100-49700円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 49380 +230 (+0.46%)
TOPIX先物 3257.0 +10.0 (+0.30%)
シカゴ日経平均先物 49365 +215
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
21日の米国市場はNYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。予想を上回る決算を発表したスリーエム<MMM>やコカ・コーラ<KO>が買われ、NYダウを押し上げる形になった。ただ、トランプ米大統領が予定されている中国の習近平国家主席との首脳会談は、実現しないかもしれないと言及したことが重荷になった。
S&P500業種別指数は小売、耐久消費財・アパレル、消費者サービスが上昇した半面、銀行、公益事業、半導体・同製造装置の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、スリーエムやコカ・コーラのほか、セールスフォース<CRM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>が買われた。一方で、JPモルガン・チェース<JPM>、キャタピラー<CAT>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比215円高の4万9365円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比50円高の4万9200円で始まった。直後に軟化し、4万9130円まで売られる場面もみられた。ただし、その後はロング優勢となり、一時4万9590円まで上げ幅を広げている。米国市場の取引開始後には4万9210円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、終盤にかけては4万9340円~4万9500円辺りで保ち合い、4万9380円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションでは4万9000円を上回って推移しており、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。高市首相は就任会見で、あらゆる政策を一歩でも二歩でも前進させると述べており、新政権に対する期待は大きいだろう。一方で、前日に5万円に乗せたことで、目先的な達成感が意識されそうだ。リバウンド局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすくなったとみれる。
上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(4万9950円)に沿った形でトレンドを形成しており、4万9000円から5万円のレンジを想定する。ただし、戻り待ち狙いのショートが入りやすいことから、4万9000円から4万9500円辺りのレンジが意識されそうである。押し目狙いのロング対応としつつ、4万9500円辺りを固めてくると、4万9500円から5万円のレンジに移行するとみておきたい。
米国では決算発表が本格化してきたが、ネットフリックス<NFLX>やテキサス・インスツルメンツ<TXN>は取引終了後に発表した決算が予想に届かず、時間外取引で大幅に下落して推移している。半導体や人工知能(AI)関連株にはバブル懸念がくすぶっていることもあり、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]など、これまで日経平均株価をけん引してきた指数インパクトの大きい値がさ株には利食いが入りやすくなりそうだ。
高市首相誕生で高市トレードは、いったん利食いに向かわせたが、高市政権発足によってこれまでの高市トレードから「サナエノミクス2.0」にシフトすると考えられ、積極的にショートに傾けるポジションは避けたいところだろう。足もとの急伸で買い遅れているファンドも多いとみられ、押し目買いが入りやすいとみておきたい。
21日の米VIX指数は17.87(20日は18.23)に低下した。前日に支持線として意識されていた200日移動平均線(19.34)を割り込んだが、この日は一時17.40まで下げており、25日線(17.61)を下回る場面もみられていた。米中貿易摩擦への警戒はくすぶるものの、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.13倍と横ばいだった。前場はソフトバンクグループが連日で最高値を更新したほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引し、一時15.25倍まで上昇した。ただし、後場は高市トレードの利食いが強まったこともあり、NTロングを解消する動きが入ったようである。目先的にはNTショートに振れそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比20円安の4万9130円(-0.04%)前後で推移。寄り付きは4万9340円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万9365円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。ただし、直後につけた4万9350円を高値に軟化し、4万9000円を割り込むと下へのバイアスが強まり、中盤にかけて4万8660円まで下げ幅を広げる場面もみられた。売り一巡後はショートカバーが入る形で急速に切り返し、一時はプラス圏を回復している。
ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]のインパクトが大きかった。同社の下落率は一時10%を超え、1社で日経平均株価を500円超押し下げる形になった。そのため、ソフトバンクグループの値動きに連動する形でスキャルピング中心のショートが膨らんだようである。その後、下落幅を急速に縮める局面で、先物市場でもショートカバーに向かわせた。
ソフトバンクグループに大きく振らされる一方で、全体としては冷静な動きをみせており、東証プライムの値上がり数は8割を超えている。前日の5万円乗せで目先的に達成感が意識されるなかで、スキャルピング中心のトレードが入りやすい需給状況だが、下へのバイアスが強まる局面では、その後のカバー狙いとなろう。
NT倍率は先物中心限月で15.05倍に低下した。ソフトバンクグループが売られるなかで、NTロングを巻き戻す動きに向かわせ、一時15.00倍まで下げている。ただ、ボリンジャーバンドの+1σ(14.98倍)と+2σ(15.30倍)とのレンジで推移するなかで+1σに接近してきたため、いったん落ち着きそうである。
ようやく高市政権が誕生。高市首相は初閣議で経済対策の策定を指示するなど、一気に動きが出てくることになりました。市場では、高市トレードがかなり先行していた日経平均が50000円を目前にして戻り売り。本日の東京市場でも一時700円を超える下落となるなど、目先のポジション調整が先行しているといったところです。ドル円に至っては、株価に遅れるかたちで高市トレードが展開されているわけですが、東京での下押しが151.49円とNY時間の安値151.46円手前で下げ止まりとなるなど、かなりわかりやすい相場が展開されています。
市場では昨日スタートを切った高市内閣の顔ぶれをみて、「完全な財政積極内閣」との認識となっています。責任ある積極財政を推進する議員連盟の存在が取り沙汰されていますが、今回の組閣をみても、議連共同代表の松本デジタル相、顧問・財務担当の城内経済再生担当相、幹事長の黄川田地方創生担当相、会員の小野田紀美経済安保担当相が入閣。そして、何といっても安倍政権時に積極財政派となった片山財務相がにらみを利かせるなか、ラスボスなき自民税調によるあからさまな減税議論の阻害も全くなくなった今、新たな保守政権による財政拡大路線がスタートすることになりました。
日経平均は昨日の史上最高値からは既に約1330円のスピード調整となっていますが、こちらもかなり短期的なものに終わりそうな状況。昨日のNY市場での何も起きていない状況のもとでの金先物の5.7%暴落といった動きにつられてしまっている面もありますが、いずれにしても、市場の大きなテーマである高市トレードの賞味期限は、まだまだずっと先のことになりそうです。
トランプ米大統領は21日、月末に開かれる見通しの中国の習近平国家主席との会談が「とても成功する」とした半面、会談が実現しない可能性もあると明らかにした。ホワイトハウスのローズガーデンで開かれた共和党議員との昼食会で、会談が「もしかすると実現しないかもしれない」「例えば誰かが『会いたくない、雰囲気が悪すぎる』と言うかもしれない。実際には悪い雰囲気ではない。ただのビジネスだ」と語った。『香港経済日報』が22日、外電を引用する形で伝えた。
米中首脳は31日に韓国で開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にあわせて会談する見込み。トランプ氏は「私は習主席と非常に良好な関係にある。彼とは良い取引をまとめられると思う」と自信を示した。ただ、「中国にとっても良い取引であってほしいが、公平でなければならない」と付け加えた。
本日の欧州タイムでは英9月消費者物価指数(CPI)の結果を受けた、ポンドの動きに注目。9月CPIの市場予想は前年比+4.0%と伸びが加速し、伸び率は昨年1月の高い水準に並ぶと見込まれている。同コアCPIも前月の+3.6%から伸びが加速すると予想されている。イングランド銀行(英中銀、BOE)は9月に4.0%でピークに達した後、2%の目標値に向かって低下すると見込んでいる。
政策金利の据え置きを決定したBOEの9月会合以降に市場では年内の追加利下げ思惑が後退していたが、先週に発表された6-8月雇用データの結果を受けて一部では12月会合でBOEが利下げに踏み切ると見方も浮上している。先週に発表された、6-8月平均週間賃金(ボーナスを除く)は前年比4.7%と伸びが鈍化し、2022年5月以降でもっとも緩やかな伸びを記録した。6-8月失業率(ILO方式)は4.8%と5-7月の4.7%から悪化し、BOEが注視する民間部門のボーナスを除く賃金上昇率は前年比4.4%と前回の4.7%から鈍化した。
BOEが来年2月まで追加利下げを見送るとの見方がメインシナリオとなっているが、CPIの伸びの加速が鈍化すれば、年内の追加利下げ思惑が再燃する可能性はある。もっとも、リーブス英財務相は11月26日公表予定の予算案に向けて、増税と歳出削減の双方を検討していると明らかにしており、緊縮財政は景気の鈍化を進める可能性が警戒される。
・想定レンジ上限
ポンドドルは90日移動平均線1.3481ドルが上値めど。ポンド円は10日高値203.75円。
・想定レンジ下限
ポンドドルは10日安値1.3262ドルが下値めど。ポンド円は20・21日安値201.82円。
ドル円:1ドル=151.87円(前営業日NY終値比▲0.06円)
ユーロ円:1ユーロ=176.37円(△0.13円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1613ドル(△0.0013ドル)
日経平均株価:49307.79円(前営業日比▲8.27円)
東証株価指数(TOPIX):3266.43(△16.93)
債券先物12月物:136.16円(△0.02円)
新発10年物国債利回り:1.650%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月貿易統計(通関ベース)
季節調整前 2346億円の赤字 2428億円の赤字・改
季節調整済 3143億円の赤字 1501億円の赤字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下げ渋り。日経平均株価が売りに押されたことをながめながら、ドル円でも「高市トレード(株買い・円売り)」の巻き戻しが進み、一時は151.49円まで下押しした。もっとも、その後は日本株が下げ幅を縮めたことに伴って下値を切り上げる展開に。日銀の早期利上げ観測が後退していることも引き続き相場の支えとなり、151.90円台まで買い戻された。
・ポンドは上値が重い。9月英消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る結果となり、ポンド売りで反応した。ポンド円は発表直前に203.29円まで上昇していたが、202.30円の安値まで失速。ポンドドルも1.3331ドルまで下押しした。
・ユーロ円は下値が堅い。ドル円と同じく日本株の動向をにらみながらの上下となり、午前に175.85円まで下げたものの、一巡後は176.38円まで反発した。
・ユーロドルは小高い。狭いレンジ内での値動きに終始したが、前日安値の1.1598ドル手前で下値の堅さを確認すると1.1616ドルまでやや買いが入った。
・日経平均株価は3営業日ぶりに小反落。前日まで急ピッチで値を上げてきたこともあり、高値警戒感を意識した売りが優勢となった。指数は一時700円超安まで下押し。ただ、売り一巡後は割安株などが物色されて次第に下げ幅を縮小した。株価指数先物への買いも指数を押し上げ、後場に入ると上昇に転じる場面もあった。
・債券先物相場は小幅続伸。前日に買われた反動で持ち高調整売りが出やすい地合いだったが、この日実施された日銀の国債買い入れオペが「強めの結果だった」と受け止められ、相場を下支えした。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国の成長率は実態との乖離拡大か、米中摩擦の行方も不透明
供給サイドがけん引役も、需要サイドは弱含むとともに、先行きも不透明要因が山積
米中関係は、トランプ米政権の関税政策を機に貿易戦争に発展したが、報復関税の撤廃と輸出規制の停止による関係改善が期待された。しかし、中国によるレアアース輸出管理強化と米国の追加関税表明を受けて、摩擦再燃が懸念される。トランプ氏は強硬発言と軟化を繰り返し、市場の混乱が続く可能性はある。また、中国は強硬姿勢を維持し、脱米の動きを強めており、今後も事態を楽観視することは難しいと言える。
一方、中国経済は不動産不況や雇用回復の遅れが内需の重石となるなか、財政、金融政策による需要喚起が続くも、過剰供給によるディスインフレ圧力は根強い。7-9月の実質GDP成長率は前年比+4.8%、前期比年率+4.5%と供給サイドをけん引役にした動きが続き、9月までの成長率は+5.2%と政府目標を上回る。ただし、過去10四半期連続でGDPデフレーターはマイナスとなるなどディスインフレ基調が続いている。
9月の鉱工業生産は前年比+6.5%と堅調に推移し、ハイテク製造業や新エネルギー車は堅調な一方、不動産不況が関連財の生産の重石となるなど、業種間のバラつきが鮮明になっている。小売売上高は前年比+3.0%と鈍化し、倹約令の余波も重なり内需の弱さが目立つ。固定資産投資は年初来前年比▲0.5%と約5年ぶりのマイナスとなり、民間投資や不動産投資の弱さが顕著になっている。不動産価格の下落も止まらず、逆資産効果は一段と深刻化するなど家計部門の節約志向を一段と強くさせることも予想される。
こうしたなか、中国では第15次5ヵ年計画を議論する4中全会が開幕した。一方、米中協議を巡っては、今後も中国が強硬姿勢を維持する可能性が高く、経済、外交の両面で不透明感が続くだろう。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ニュージーランド、インフレ加速も追加利下げ観測がNZドルの重石に
7-9月インフレ率は目標上限も想定内、RBNZの追加利下げ観測が為替の重石となる可能性
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は今月の定例会合で大幅利下げを実施した上、声明で追加利下げの可能性に言及するなどハト派姿勢を強めた。その背景には、4-6月の実質GDP成長率が前期比年率▲3.74%とマイナス成長に転じるなど、景気失速が明確になったことが影響していると考えられる。
RBNZは昨年8月以降に累計300bpの利下げを実施したが、インフレ率が目標(1~3%)域内で推移したことが金融緩和を後押しした。しかし、足元ではNZドル安や供給制約などの影響で物価上昇圧力が強まり、7-9月のインフレ率は前年比+3.05%と目標上限を上回った。一方、コアインフレ率は前年比+2.51%に鈍化しており、インフレ率が加速している状況とは対照的な動きをみせている。
足元の企業マインドは製造業、サービス業ともに低迷している。足元の輸出はNZドル安や駆け込み需要を背景に堅調さが続くが、先行きは反動減が懸念される。RBNZは12月にブレマン次期総裁が就任予定だが、来月の定例会合では景気下支えのため追加利下げが検討される可能性もある。よって、NZドルは米ドルに対して上値の重い展開が続くとみられるが、円に対しては米ドル/円相場が影響すると見込まれる。
「10月は、株式投機をする場合に際立って危険な月だ。その他に危険な月は、7月、1月、9月、4月、11月、5月、3月、12月、それに2月だ」(マーク・トウェイン)
10月のウォール街は、過去100年間で陰線は42回に過ぎないが、下落率トップ15の内、1929年10月24日の「暗黒の木曜日」や1987年10月19日の「ブラックマンデー」など8回が起きており、ウォール街にとっては危険な季節となっている。
金融界のご意見番として知られる米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が、「ゴキブリ(cockroach隠れた不良債権)を1匹見たら、恐らく他にもいる。この件は誰もが警戒すべきだ」と警鐘を鳴らしたことで、10月の悪夢が蘇りつつある。
2008年のサブプライムローンによる米国住宅バブルの崩壊も、アメリカの一角の野火が燎原の火に拡大した。
1.9月の破綻
9月29日、経営難に陥っていた米自動車部品メーカーのファースト・ブランズ・グループは、同社と一部の関連会社が米連邦破産法11条の適用を申請したと発表した。
米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローンと中古車販売を専門としていたトライカラー・ホールディングスは、米国連邦破産法第7条の適用を申請し、清算に入った。
2.10月の警鐘『まず売れ、後から考えろ』
地銀持ち株会社2社が融資先による不正行為を発表したことで、融資慣行への懸念が浮上し、株価が下落した。
ザイオンズ・バンコープ(▲13%)は、商業ローンに関連して借り手による不正疑惑で損失が生じたと開示した。
ウエスタン・アライアンス・バンコープ(▲10.8%)は、債務者が詐欺行為を働いたとして訴訟を提起した。
3. ダイモンのゴキブリ(Daimon's Cockroach)
JPモルガンのダイモンCEOは、「ゴキブリ(※隠れた不良債権)」が1匹見えたら、見えないところにもっと多くのゴキブリが隠れている可能性が高い、と警鐘を鳴らした。すなわち、企業のデフォルト(ファースト・ブランズとトライカラー・ホールディングスの破綻)は、氷山の一角に過ぎない可能性があり、プライベート・クレジット市場には大きな不良債権が隠れており、システミック・リスクに警戒すべきとの警鐘である。
大阪12月限
日経225先物 49310 +160 (+0.32%)
TOPIX先物 3264.5 +17.5 (+0.53%)
日経225先物(12月限)は、前日比160円高の4万9310円で取引を終了。寄り付きは4万9340円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万9365円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。ただし、直後につけた4万9350円を高値に軟化し、4万9000円を割り込むと下へのバイアスが強まり、前場中盤に4万8660円まで下げ幅を広げる場面もみられた。売り一巡後はショートカバーが入る形で急速に切り返し、前場終盤にかけて4万9000円台を回復している。
ランチタイムでは4万9050円~4万9200円辺りで保ち合い、後場の取引開始後にレンジを上抜け、後場中盤には4万9480円まで買われた。終盤には大口のロングが入って5万円を回復する場面もみられたが、その直後に4万9120円まで下げていたため、イレギュラー的な動きだったとみられる。
本日はソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]のインパクトが大きかった。同社の下落率は一時10%を超え、1社で日経平均株価を500円超押し下げる形になった。終値では5%弱まで下げ幅を縮めているが、それでも日経平均株価への影響は250円近いマイナスである。そのため、ソフトバンクグループの値動きに連動する形でスキャルピング中心のショートが膨らんだとみられ、下落幅を縮める局面でショートカバーに向かわせたようだ。
ソフトバンクグループに大きく振らされる一方で、全体としては冷静な動きをみせており、東証プライムの値上がり数は8割近くを占めていた。前日の5万円乗せで目先的に達成感が意識されるなかで、高市トレードで牽引役だった半導体や人工知能(AI)関連株に利食いの動きがみられる局面では、戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。
ただし、相対的に出遅れているバリュー株へのシフトとなれば、TOPIX型主導の展開が意識され、全体としては底堅さがみられることで積極的なショートを仕掛けにくくさせよう。日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(4万8450円)と+2σ(5万0150円)によるレンジ内で推移している。イレギュラーとはいえ+2σ接近後の調整により、いったんは+1σに接近する場面は意識しておきたいところだろう。
そのため、オプション権利行使価格の4万8500円から4万9500円辺りのレンジを想定する。4万9000円処で底堅さがみられるようだと、+2σを意識した4万9000円から5万円のレンジとなりそうだ。基本的には押し目待ち狙いのロング対応とみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で15.10倍に低下した。ソフトバンクグループが売られるなかで、NTショートに振れる形となり、一時15.00倍まで下げた。ただ、+1σ(14.99倍)水準が支持線として機能する形になり、その後はリバランスの動きにより下げ幅を縮めていた。+1σと+2σ(15.30倍)によるレンジでの推移は継続している。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5912枚、ソシエテジェネラル証券が1万5868枚、JPモルガン証券が7166枚、サスケハナ・ホンコンが4390枚、バークレイズ証券が4048枚、SBI証券が3720枚、日産証券が2368枚、松井証券が1668枚、モルガンMUFG証券が1419枚、ゴールドマン証券が1227枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万9438枚、ソシエテジェネラル証券が2万2807枚、モルガンMUFG証券が7817枚、バークレイズ証券が7549枚、JPモルガン証券が5260枚、ゴールドマン証券が3064枚、サスケハナ・ホンコンが2879枚、ビーオブエー証券が2799枚、野村証券が1318枚、ドイツ証券が839枚だった。
本日のニューヨーク為替市場では、米株や債券、そして商品市場の動向を見極めながらの値動きとなりそうだ。貿易問題を巡る米中関係の行方や両国首脳会談が実現されるかどうかには注意を払い、円相場は高市トレードを依然として意識しながらの動きか。
米株は好調な企業決算が相場の支えとなっているものの、トランプ大統領が「米中首脳会談は実現しないかもしれない」と発言したことが重しとなった。トランプ氏がよく使う駆け引きなのだろうが、今後も米中に関する報道に株式相場は振らされそうだ。なお決算では、引け後のテスラやIBMが注目される。
債券市場は、米財務省が実施する20年債入札が注視される。24日に発表予定の9月米消費者物価指数(CPI)までは目立った材料が見当たらないため、結果次第でいつも以上に相場は敏感に反応するかもしれない。なお、CMEのFedWatchでは、来週と12月FOMCでそれぞれ25ベーシスポイント(bp)の利下げがほぼ織り込まれている。今後はターミナルレート(政策金利の最終到達水準)を探ることになるだろう。
商品市場では、原油先物にとっては、米エネルギー省(EIA)が発表する週間石油在庫統計で動意づくか。今週に入り、供給過剰への過度な懸念が和らぎ、原油相場は下げ渋っている。年初来で約2割下落の水準としては低いままだが、今後の方向性次第では産油国や石油輸入国の通貨に影響を与えるかもしれない。
金先物市場の動向にも目を向けておきたい。8月末にドル建てで最高値を更新後、今週初まで上値を伸ばし続けてきた。ドルからの逃避先として選ばれたとの見方がある中、一時は年初来で67%近くまで上昇率を伸ばしている。そこから一転、昨日は終値ベースで前日比250.3ドル安、約5.7%の下落率を記録した。金は安全資産とされているものの、明らかに持ち高が偏っているため、調整が進むようだと市場の波乱要因となるかもしれず、しばらく注視する必要がありそうだ。
想定レンジ上限
・ドル円、昨日高値152.17円を超えると14日高値152.61円
想定レンジ下限
・ドル円、17日安値から21日高値まで上昇した幅の半値150.78円
今晩は底堅い展開か。
昨日は主要3指数が高安まちまち。ダウ平均が218.16ドル高(+0.47%)と3日続伸し、10月3日以来、12営業日ぶりに取引時間中と終値の史上最高値を更新した。一方、S&P500が0.22ポイント高(+0.00%)とほぼ横ばいとなり、ハイテク株主体のナスダック総合は0.16%安と3日ぶりに反落した。
好決算を発表した3M、コカ・コーラ、ゼネラル・モーターズなどが大幅高となった一方、トランプ米大統領の発言を受けて対中関税への不透明感が強まったことでアルファベット、エヌビディアなどのAI関連株が下落した。引け後の動きでは第3四半期の売上高が予想通りだったものの、利益が市場予想を下回ったネットフリックスが時間外取引で6%超下落した一方、強い決算が好感されたインテューイティブ・サージカルが時間外で17%超上昇した。
今晩は政府機関閉鎖の長期化や米中貿易交渉の先行き不透明感に加え、主要3指数が最高値圏で推移していることで高値警戒感も意識されることが上値の重しとなることが予想されるものの、好調な企業の第3四半期決算を支えに底堅い展開か。10月9日からスタートした第3四半期決算発表は、昨日までにS&P500採用の67銘柄は発表を終え、そのうち90%の60銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回った。今後は22日引け後のテスラを皮切りにアップル、マイクロソフトなどのマグニフィセント・セブンの決算発表がスタートする。メガキャップの決算も予想を上回る内容となればAIラリーの継続期待が高まりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、週間原油在庫、米20年債入札など。企業決算は寄り前にサーモフィッシャー、AT&T、GEベルノバ、引け後にIBM、テスラ、ラム・リサーチなどが発表予定。
日経平均株価は小幅安。一時は5日移動平均線(48733円 10/22)を割り込む下落幅となる場面があった。一方、10/9高値(48597円)の下値のフシが意識され、下げ幅を縮小。後場はプラス圏で推移する時間が続いた。
RSI(9日)は前日60.2%→62.2%(10/22)に上昇。基本的には上目線のトレンドフォロー継続との見方となり、引き続き上昇基調が続く5日移動平均線上から上値をどこまで伸ばせるかが注目される。
上値メドは、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、10/9高値から10/14安値までの下げの倍返しとなる50650円、51000円、52000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の49000円、10/9高値(48597円)、心理的節目の48000円、10/17安値(47494円)、心理的節目の47000円、10/14安値(46544円)、心理的節目の46000円などがある。
米財務省によると、20年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.506%、応札倍率(カバー)が2.73倍となった。
(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.65円(22日15時時点比▲0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.13円(▲0.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1614ドル(△0.0001ドル)
FTSE100種総合株価指数:9515.00(前営業日比△88.01)
ドイツ株式指数(DAX):24151.13(▲178.90)
10年物英国債利回り:4.417%(▲0.061%)
10年物独国債利回り:2.563%(△0.011%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.0% 0.3%
(前年比) 3.8% 3.8%
CPIコア指数
(前年比) 3.5% 3.6%
9月英小売物価指数(RPI)
(前月比) ▲0.4% 0.4%
(前年比) 4.5% 4.6%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重かった。米政府機関の一部閉鎖の影響で相場材料となる米経済指標の発表がなく、方向感が出にくい状況となる中、しばらくはもみ合いの展開が続いた。高市政権の発足を受けた円売り・ドル買いの流れが一巡し、新規材料難から151円台後半での狭いレンジ取引となった面もある。市場では「重要なインフレ指標である9月米消費者物価指数(CPI)の発表を24日に控える中、結果を見極めたいとして積極的な商いが手控えられた」との声も聞かれた。
NYの取引時間帯に入ると一時152.05円と本日高値をわずかに更新したものの、前日の高値152.17円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。「米政権は米国製ソフトウェア製品の中国への輸出を制限する計画を検討中」との一部報道が伝わると、貿易問題を巡る米中対立激化への懸念が高まりダウ平均が一時460ドル超下落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となり、1時30分過ぎに一時151.51円付近まで下押しした。もっとも、アジア時間に付けた日通し安値151.49円が目先サポートとして働くと下げ渋った。
・ユーロドルは底堅い動き。ポンドドルの急落をきっかけにユーロドルにも売りが先行。22時前に一時1.1577ドルと日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。貿易問題を巡る米中対立激化への懸念が高まる中、1時30分過ぎに一時1.1622ドルと日通し高値を付けた。
なお、ポンドドルは一時1.3306ドルまで下落した。9月英消費者物価指数(CPI)が予想を下回ると、英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑から英長期金利が低下し、ポンド売りが広がった。
・ユーロ円は下値が堅かった。21時前に一時175.77円と日通し安値を更新したものの、前日の安値175.36円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ユーロドルの持ち直しにつれた円売り・ユーロ買いも出て、24時過ぎに一時176.39円と日通し高値を付けた。
・ロンドン株式相場は3日続伸。9月英CPIが予想を下回ると、BOEが利下げに動きやすくなるとの思惑から英長期金利が低下。投資家心理が上向き、株買いが広がった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。しばらくはもみ合いの展開が続いたものの、終盤失速した。本日の米国株相場の下落などが相場の重しとなった。個別ではシーメンス・エナジー(3.70%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(2.92%安)、アディダス(2.85%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
22日の日経平均は3日ぶり反落。終値は8円安の49307円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1267/値下がり303。円安進行や決算を受けた米GM株の大幅高などを手がかりに、トヨタ、ホンダ、SUBARUなど自動車株が軒並み大幅高。証券会社のリポートを材料に大成建設や鹿島などゼネコン株が賑わった。決算発表後の動きが良いイオンが買いを集めて6%高。英国アクティビストによる株式取得観測が報じられた太平洋セメントが急伸した。
一方、弱さが目立ったソフトバンクGが、売り一巡後は下げ幅を縮めたものの4.9%安。金先物価格の急落を受けて商品安が意識され、住友鉱山、JX金属、東邦チタニウムなど非鉄の一角が売りに押された。新首相となった高市氏の発言から早期の衆院解散はないとの見方が強まり、直近で解散期待から物色されていたイタミアートが急落した。
日経平均は荒い値動きとなったものの、小幅な下落で終了。ソフトバンクGは大きく下げたがプライムでは値上がり銘柄が多く、指数は場中に利益確定売りをこなして持ち直した。ソフトバンクGの上昇が止まれば循環で他の銘柄に資金が向かいやすくなる、そういったことを期待した動きのようにも見える。値上がり銘柄が多く、TOPIXが史上最高値を更新したことは、日本株の上昇継続に対する期待を高める。
トランプ米大統領は27日~29日の日程で来日するもよう。貿易や防衛の面でハードな要求を突き付けられる懸念はあるが、「アベノミクス」を継承するスタンスとみられている首相の誕生は好感される可能性が高い。日米の関係がより強固になるとのメッセージが届けられるようなら、来週の株式市場の支援材料になると見込まれる。きょうは下値での買い意欲の強さが確認できた。週後半にかけて、改めて日経平均が5万円を試す動きが見られるかが注目される。
(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.98円(前営業日比△0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.46円(△0.22円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1611ドル(△0.0011ドル)
ダウ工業株30種平均:46590.41ドル(▲334.33ドル)
ナスダック総合株価指数:22740.40(▲213.27)
10年物米国債利回り:3.95%(▲0.01%)
WTI原油先物12月限:1バレル=58.50ドル(△1.26ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4065.4ドル(▲43.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲0.3% ▲1.8%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら4日続伸。22時30分前に一時152.05円と日通し高値を付けたものの、前日の高値152.17円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。「米政権は米国製ソフトウェア製品の中国への輸出を制限する計画を検討中」との一部報道が伝わると、貿易問題を巡る米中対立激化への懸念が高まり、リスク回避の円買い・ドル売りが優勢に。1時30分過ぎに一時151.51円付近まで下押しした。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値151.49円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢となり、152.01円付近まで持ち直した。市場では「高市政権の発足を受けた円売り・ドル買いは根強い」との声も聞かれた。
・ユーロドルは4日ぶりに小反発。ポンドドルの急落をきっかけにユーロドルにも売りが先行。22時前に一時1.1577ドルと日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。貿易問題を巡る米中対立激化への懸念が高まる中、1時30分過ぎには一時1.1622ドルと日通し高値を付けた。
なお、ポンドドルは一時1.3306ドルまで下落した。9月英消費者物価指数(CPI)が予想を下回ると、英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑から英長期金利が低下し、ポンド売りが広がった。
・ユーロ円は小幅ながら3日続伸。21時前に一時175.77円と日通し安値を更新したものの、前日の安値175.36円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ドル円やユーロドルの持ち直しにつれた円売り・ユーロ買いも出て、取引終了間際に一時176.46円と日通し高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。「米政権は米国製ソフトウェアを搭載した製品の対中輸出規制を検討」との一部報道が伝わると、貿易問題を巡る米中対立への警戒が再び高まり売りが広がった。指数は一時460ドル超下落した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落。決算内容が嫌気されたネットフリックスが10%急落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。貿易問題を巡る米中対立への警戒が再び高まったことで、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。
・原油先物相場は上昇。この日発表されたEIA石油在庫統計で、原油在庫が市場予想に反して前週より減少したことが明らかとなり、需給が緩むとの観測が後退。値ごろ感からの買いも上昇を後押しした。
・金先物相場は続落。24日の9月米消費者物価指数の発表を控え、前日に続き足もとで急ピッチで上昇した反動で利益確定売りが優勢となった。
一部通信社が米当局者の話として、「米国製ソフトウェアを搭載した、あるいは米国製ソフトウェアを含む製品の中国への輸出を制限する計画を検討中」と報じられている。
22日11:26 城内経済財政相
「日銀には2%目標の持続的安定的実現に向けた金融政策運営を期待」
「日銀法4条に政府と日銀は緊密に意思疎通をすると書いている」
「財政規律を念頭に置き、責任ある積極財政で強い経済を実現」
22日16:10 片山財務相
「責任ある積極財政の下で経済再生と財政健全化の両立を図る」
「為替動向への具体的コメントは控える」
「財政規律が"必要ない"という議論は一度もしたことがない」
「日銀の金融政策、上げ下げについて申し上げることはない」
22日18:44 シュレーゲル・スイス国立銀行(中央銀行、SNB)総裁
「インフレ率は今後数四半期で緩やかに上昇するだろう」
「不確実性は依然として高い」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:2.50%で据え置き)
○14:00 ◎ 9月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比0.6%)
○15:45 ◇ 10月仏企業景況感指数(予想:96)
○17:30 ◎ 9月香港CPI(予想:前年同月比1.1%)
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:39.50%に引き下げ)
○21:30 ◎ 8月カナダ小売売上高(予想:前月比1.0%/自動車を除く前月比1.3%)
○22:00 ◎ ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲15.0)
○23:00 ◎ 9月米中古住宅販売件数(予想:前月比1.5%/年率換算406万件)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、24日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 48830 -480 (-0.97%)
TOPIX先物 3249.5 -15.0 (-0.45%)
シカゴ日経平均先物 48820 -490
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
22日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米政権が中国のレアアース輸出規制への対抗措置として、米国製ソフトウエアを搭載した製品の対中輸出規制を検討しているとの一部報道が嫌気され、ハイテク株を中心に売りが広がった。決算発表が本格化するなか、前日の取引終了後に予想を下回る決算を発表したネットフリックス<NFLX>の下落率が10%を超えたことも、投資家心理の重荷になった。
S&P500業種別指数はヘルスケア機器・サービス、エネルギー、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、資本財、電気通信サービス、小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、IBM<IBM>、シェブロン<CVX>、ナイキ<NKE>、ウォルマート<WMT>が買われた。半面、セールスフォース<CRM>、キャタピラー<CAT>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比490円安の4万8820円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比10円安の4万9300円で始まった。直後につけた4万9310円を高値にショート優勢となり、4万8900円~4万9150円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜けると、4万8440円まで売られる場面もみられた。終盤にかけてショートカバーが入り下げ幅を縮めたが4万9000円を回復できず、4万8830円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは4万8440円まで売られる場面もみられ、ボリンジャーバンドの+1σ(4万8440円)水準まで下げてきた。短期的な過熱感が和らいだほか、上向きで推移する+1σと+2σ(5万0120円)とのレンジ内での推移を継続するなかで、押し目狙いのロングが入りやすいところであろう。
ただし、米国市場では貿易問題を巡る米中対立への警戒が再び高まっており、ハイテク株を中心に売られたことで、前日に下げが目立っていたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷になりそうだ。また、トランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領との会談を中止し、対ロシア制裁の時期が来たとの見解を示したと報じられており、地政学リスクの高まりも警戒されそうである。
スキャルピング中心のトレードが想定され、ショートを仕掛けてくる動きが活発化しやすいだろう。+1σ割れを狙った動きにより、25日移動平均線(4万6750円)とのレンジに移行する可能性を意識しておく必要はありそうだ。
もっとも、足もとでは半導体や人工知能(AI)関連株への利食いに対して、出遅れ感のあるバリュー株への資金シフトがみられている。高市政権の経済対策への期待からTOPIX型へのリバランスの動きが意識されやすい。下へのバイアスが強まる局面では、その後のショートカバー狙いのスタンスになろう。そのため、オプション権利行使価格の4万8375円から4万9375円辺りのレンジを想定する。
22日の米VIX指数は18.60(21日は17.87)に上昇した。25日移動平均線(17.73)が支持線として機能する形で反発しており、一時21.01まで上げて200日線(19.33)を上抜く場面もみられた。米中貿易摩擦への警戒から市場心理を神経質にさせるだろうが、20.00を下回って終えていることもあり、リスク回避姿勢はそれほど強まらないだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.10倍に低下した。ソフトバンクグループが売られるなかで、NTショートに振れる形となり、一時15.00倍まで下げた。ただ、+1σ(14.99倍)水準が支持線として機能し、その後はリバランスの動きにより下げ幅を縮めていた。本日は米ハイテク株安を受けて、NTショートに振れやすくなりそうである。
昨日の海外市場でドル円は、152.05円まで上昇後、貿易問題を巡る米中対立激化への懸念が高まり、リスク回避の円買い・ドル売りが優勢になり一時151.51円付近まで下押しした。ユーロドルは1.1577ドルまで弱含んだ後は1.1622ドルまで切り返した。
本日の東京時間でのドル円も、「高市トレード」への期待で下値は支えられそうだが、高市政権の政策実現への不透明感と米中貿易摩擦懸念の高まりで上値も抑えられそうだ。
第219臨時国会は12月17日まで開かれる。現時点では積極財政への期待があり、この期待が続く限りは日本株とドル円は支えられると思われる。ただ、高市政権の政策実現は、先週15日に自民・公明・立憲の3党税制調査会長が協議を行い、ガソリン減税の原案作成で合意しているが、ガソリン減税以外に早期の政策実現は高い壁がありそうだ。
特に困難となるのは物価高対策のために歳出拡大や減税を行うためには、財源の確保を示すことが必須になることだ。「年収の壁」引き上げ、物価上昇に応じた所得税の「基礎控除」見直しなどを今国会中に着手するとしているが、財源確保の案が現時点では明らかになっていない。過去には赤字国債発行の可能性も示唆していた高市首相だが、公明党の連立離脱により自民党内で風当たりが強くなり、財政規律派とされる麻生自民党副総裁や鈴木自民党幹事長がどの程度まで積極財政を容認するかが注目される。積極財政がアドバルーンに留まった場合は、急速に「高市トレード」の巻き戻しになるリスクもあるだろう。
臨時国会は会期期間が58日だが、今月末は26日に東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、27-29日にトランプ米大統領来日予定(28日に日米首脳会談の可能性)、31日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議など国際的なイベントが相次ぐことで、当面は具体的な政策などが発表されることが難しいかもしれない。政策実現が進まないものの、与党内での混乱が表面化されない限りは、「高市トレード」の期待感だけが高まったままなことで、ドル円は底堅い動きになりそうだ。
本日は本邦から対外対内証券投資が発表されるほか、韓国が政策金利公表とシンガポールの消費者物価指数(CPI)が発表される程度で、経済指標等でアジア時間に主要通貨が動意づくことは難しい。国内以外で市場を動意づけるのは、引き続き中国との貿易摩擦や米国の政府機関閉鎖の報道になる。
昨日はトランプ政権が「米国製ソフトウェアを使用した製品の中国への輸出制限を検討中」と報じられている。ただ、トランプ政権がどれだけ圧力をかけようが、中国の経済に多少マイナスになる規制を掛けようが、中国政府は決して圧力に屈することはなく、いずれトランプ政権がTACO化(Trump Always Chicken Out=トランプはいつも尻込みして退く)する可能性が高い。また、21日にはトランプ米大統領が、APEC前後に行われるとされていた中国の習近平主席との首脳会談について「実現しないかもしれない」と発言していたが、本日日本時間早朝(現地時間22日)には「韓国で習近平・中国国家主席と長時間の会談予定」と発言。あまりにも日々変わるトランプ氏の発言をまともに受け取る市場参加者は減少しているが、オオカミ少年の逸話のように重要で核心を突いた発言も中にはあることで、引き続き警戒を怠らないようにはしておきたい。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は334ドル安の46590ドルで取引を終えた。米中の貿易摩擦懸念が再燃したほか、決算を受けてネットフリックスやテキサス・インスツルメンツが大幅安となったことが、投資家心理を悪化させた。ドル円は足元151円90銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが490円安の48820円、ドル建てが395円安の48915円で取引を終えた。
米国株安を嫌気した売りに押されると予想する。ネットフリックスが下げるであろうことは、きのうの時間外の反応である程度織り込んでいると思われる。しかし、引け後に決算を発表したテスラやIBMが時間外で下落しており、本日の米国市場でも企業決算を警戒した売りが出てくる可能性がある。きのうの日経平均は下げ渋ったものの、場中には700円超下げる場面があった。高値圏で推移しているだけに、風向きが怪しくなれば利益確定売りは出やすい。CME225先物からは、スタートから49000円を下回る展開も想定される。下げの度合いが大きくなれば下値は拾われるとみるが、買い材料に乏しい中、マイナス圏で不安定な動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは48600-49100円。
昨日の海外市場では、ドル円は完全な様子見。欧州時間は151.80円を挟んだもみ合いのなか、米長期金利が上昇に転じた場面では152.05円まで値を上げたものの、NY時間に入って「米政府は中国製ソフトウェア製品の中国への輸出規制を検討中」と一部で報じられると151.51円まで下落しました。ただ、既に市場は一連のトランプTACO案件には「まともに付き合うつもりはない」のも明らか。すぐにも買戻しとなると、引けにかけては152.01円まで値を戻して22日の取引を終えています。
アジア時間に入ってからは、早朝に151.82円まで下押す場面もみられましたが、その後は一転して下値を切り上げる展開に。下押しらしい下押しもないまま、昨日高値の152.05円や21日の高値152.17円を上抜けて152.50円まで値を上げているといったところです。
市場では「特段何も出ていないなかで、断続的に買いが持ち込まれておりビッドが全く引かない」模様。日経平均が大幅な下落となっているにもかかわらず、確かな実需勢のフローが観測されている状況となっています。「日経平均が高市トレードでかなり先行するなか、ドル円は来週の日銀会合での利上げ観測などもあって、実需勢が買い遅れていた」のも事実です。
いずれにしても、高市政権がスタートして、昨日もお伝えした通り、完全な積極財政内閣が誕生したわけで、昨日の財務省幹部を前にして片山財務相が発言したように、「責任ある積極財政の下で経済再生と財政健全化の両立を図る」政策が、かなりのフリーハンドで実施出来る布陣になっているなか、来週の利上げを待って手当する予定だった実需勢が、利上げの可能性が低下してきたことから買いを入れているのかもしれず、更には、新政権の誕生を受けて、日米合意絡みのドル買いなども政府サイドから出て来ている可能性も否定できず、様々な憶測を呼ぶ値動きとなっています。一目転換線を完全に上抜けてきているドル円にとっては、チャート的にも買いやすい状況。こうやって、高市トレードは続いていくことになります。
米上院の共和党議員らは政府閉鎖が続く中で食料支援(SNAP:補助的栄養支援プログラム)を維持するための法案を検討しているとポリティコが伝えた。提案者はミズーリ州のジョシュ・ホーリー上院議員で、法案は閉鎖期間中も約4,200万人の低所得者層が食料支援を受けられるよう資金を確保する内容。農務省は、11月1日以降に資金が枯渇すれば支援が停止する恐れがあると警告しており、ホーリー議員は来週の採決実施を目指している。閉鎖はすでに22日目に入り、共和党内では「食料支援の断絶が差し迫った危機」であるとの認識が広がっている。
日経225先物は11時30分時点、前日比600円安の4万8710円(-1.21%)前後で推移。寄り付きは4万8700円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8820円)を下回る形で、売りが先行して始まった。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]がウリ気配で始まったことでショートを仕掛けてくる動きが強まり、現物の寄り付き直後には4万8440円まで下落幅を広げた。ただし、同水準で推移しているボリンジャーバンドの+1σが支持線として機能する形になった。終盤にかけてはショートカバーを誘う形により、4万8810円まで下げ幅を縮めた。
ソフトバンクグループのほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の下落がショートを誘う形になっている。ただ、東証プライムの値上がり銘柄数は6割超を占めており、+1σ割れを狙った積極的なショートは仕掛けにくいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.98倍に低下した。ソフトバンクグループが売られるなかで、NTロングを巻き戻す動きに向かわせている。これにより+1σ(15.01倍)を割り込んでおり、同バンドが抵抗線に変わるかが注目されそうだ。
本日の日本時間23時にユーロ圏10月消費者信頼感・速報値の発表が予定されているが、欧州タイムではユーロの動意につながりそうな指標や注目イベントは乏しくい。相場全体として、米政府機関の一部閉鎖が続く中で年金算出の必要性から明日に例外的に発表される9月米消費者物価指数(CPI)に向けられ、積極的な取引は手控えられる可能性はあるが、市場の米中摩擦への懸念が続いている中で関連のヘッドラインに注目。
米中関係に注目が集まっているが、一部では欧州連合(EU)も中国のレアアース(希土類)の輸出規制強化をめぐり、外交的解決に至らなかった場合に備えて対抗措置の導入を検討していると伝わっている。中国のレアアースの輸出規制強化は、欧州の産業と安全保障にも重大な脅威をもたらすことでEUは対策に頭を悩ませている。シェフチョビッチ欧州委員(通商担当)が21日に中国の王文涛商務相と協議したが、EUの懸念を解消する合意には至らなかった。この問題は本日、ブリュッセルで開催されるEU首脳会議で取り上げられる可能性がある。
ユーロは対ポンドでの動きにも注目。昨日に9月英CPIが予想比下振れたことを受けてイングランド銀行(英中銀、BOE)による年内利下げ思惑が再燃した。一方、欧州中央銀行(ECB)の利下げサイクルに一服感が高まっており、ユーロポンドでユーロ買い・ポンド売り圧力が高まっている。最近のユーロポンドは0.86ポンド台で底堅さを示すも、引き続き0.87ポンド台では伸び悩んでいる。ユーロポンドは7月に0.8769ポンド、8月0.8744ポンド、9月に0.8751ポンド、10月にこれまで0.8745ポンドを頭に上値を抑えられており、2023年5月以来の0.88ポンド台復帰がお預けとなっている。英財政懸念もポンドの重しとなっている中、ユーロポンドが上方向への地合いを強められるかどうかに注目したい。
・想定レンジ上限
ユーロドルは日足一目均衡表・雲の上限1.1656ドルや17日高値1.1728ドル。
ユーロ円は10日高値177.16円。
ユーロポンドは6日高値0.8745ポンド。
・想定レンジ下限
ユーロドルは14日安値1.1543ドル。
ユーロ円は21日移動平均線175.40円。
ユーロポンドは日足一目・雲の下限0.8660ポンド。
ドル円:1ドル=152.37円(前営業日NY終値比△0.39円)
ユーロ円:1ユーロ=176.77円(△0.31円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1601ドル(▲0.0010ドル)
日経平均株価:48641.61円(前営業日比▲666.18円)
東証株価指数(TOPIX):3253.78(▲12.65)
債券先物12月物:136.10円(▲0.06円)
新発10年物国債利回り:1.660%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
6697億円の処分超 6013億円の取得超・改
対内株式
7526億円の取得超 1兆8866億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。仲値に向けて国内輸入企業からの買いが観測されたほか、日銀の早期利上げ観測が後退していることも引き続き相場の支えとなった。昨日高値の152.05円を上抜けると上値追いの動きが強まり、一時152.57円まで値を上げた。
・ユーロ円も強含み。ドル円の上昇につれて円売り・ユーロ買いが進み、176.85円まで上値を伸ばした。なお、本日の日経平均株価は寄付きから軟調推移となったが、日本株安を背景にした売りは目立たなかった。
・ユーロドルは小安い。対円などでドル買いが進んだ影響から1.1591ドルまで下押ししたものの、その後は1.16ドル台を回復するなど、本日ここまでの値幅は限られている。
・日経平均株価は続落。昨日の米国市場でハイテク株安が進んだことを受け、この日の国内市場でも半導体関連株が売りに押された。指数は一時900円超安まで下げ幅を拡大。その後は日本株の先高観を手掛かりにした押し目買いも入ったが、戻りは限られた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継ぐ形で136円31銭まで買いが先行したが、一巡後は持ち高調整売りに押されて引き際に下げに転じた。
日銀は本日、10月の金融システムリポートを公表。「金融システムは全体として安定性を維持している」と総括した一方、最近の株高などを巡って「わが国の金融機関が相応の株式リスク量を有していることを踏まえると、株価などのリスク性資産価格の動向については留意が必要」と評価した。ヒートマップ上では株価にはトレンドからの上方乖離を示す「赤」が点滅。ただ、株価収益率(PER)はおおむね過去平均並みの水準で推移し、株式の1株利益を株価で割った益回りと債券利回りを比較する「イールドスプレッド」は幾分低下しているとした。
「永田町の回転寿司は一度取り損なったら、二度と回ってこない」
(野田立憲民主党代表)
1. 幸運の女神には前髪しかない
古代ギリシアのポセイディッポスの詩によると「幸運の女神には前髪しかない」らしい。幸運の女神は、出会った人が捕まえやすいように髪が前に垂らされているが、後頭部には髪が無いため、追いかけて行って捕まえることはできない。
すなわち、「チャンスは訪れた時に掴まなければならない」という警句である。
永田町には16年周期で女神が出現しているが、前髪を掴むと消え去る運命にある。
1993年、小沢氏の企みにより、細川連立政権が樹立した。
2009年、小沢氏の企みにより、鳩山民主党政権が樹立した。
2025年、自民党の連立パートナーが公明党から日本維新の会に変わった。
2041年には、自民党は結党86周年を迎える。
2. 16年周期の回顧
■1993年:細川第79代首相
日本新党代表の細川護熙氏が第79代内閣総理大臣に任命された。非自民・非共産8党派の連立政権である細川内閣の発足により、1955年(昭和30年)の結党以来、38年間単独政権を維持し続けた自由民主党が初めて下野し、55年体制が崩壊した。
しかし、最終的には、与党を構成していた、日本新党、日本社会党、新生党、新党さきがけ、社会民主連合、民主改革連合は退場させられた。
■2009年:鳩山第93代首相
第45回衆議院議員総選挙において民主党の圧勝を受け、民主党、社会民主党、国民新党の3党連立内閣(民社国連立政権)として成立した。
しかし、最終的には、与党を構成していた、民主党、社会民主党、国民新党は退場させられ、民主党は、立憲民主党と国民民主党に分裂した。
■2025年;高市第104代首相
第27回参議院議員選挙で与党(自民・公明)が大幅に議席を減らし、石破第103代首相が勝敗ラインとした非改選を含めての過半数(50議席)を確保できなかったことで退陣に追い込まれた。
高市自民党総裁の誕生を受けて、公明党が連立政権から離脱し、日本維新の会との連立で高市新政権が誕生した。
日本維新の会は50名程度の議員定数削減(衆議院465人=小選挙区289人+比例区176人)を標榜しており、いくつかの政党が退場させられるのかもしれない。
大阪12月限
日経225先物 48670 -640 (-1.29%)
TOPIX先物 3253.0 -11.5 (-0.35%)
日経225先物(12月限)は、前日比640円安の4万8670円で取引を終了。寄り付きは4万8700円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8820円)を下回る形で売りが先行した。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]がウリ気配で始まったことでショートを仕掛ける動きが強まり、現物の寄り付き直後には4万8440円まで下落幅を広げた。ただし、同水準で推移するボリンジャーバンドの+1σが支持線として機能する形となった。前場終盤にはショートカバーを誘う形により、4万8810円まで下げ幅を縮めた。
ランチタイムでは4万8700円を挟んで狭いレンジでの推移が続き、後場中盤にかけてレンジを下抜け4万8480円まで下げたが、ここでも+1σが支持線として機能する形となった。終盤にかけてはショートカバーが入り、4万8700円近辺まで下げ幅を縮めている。
ソフトバンクグループ、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の3銘柄で日経平均株価を500円あまり押し下げており、先物市場でショートを誘う形となった。ただ、東証プライムの値上がり銘柄数は6割近くを占め、+1σ割れを狙ったショートを仕掛けにくくさせていた。
米中貿易摩擦への警戒から積極的なロングは手控えられたが、+1σが支持線として機能するなかで、押し目待ち狙いの買い意欲は強かったのだろう。現物市場では三菱重工業<7011.T>[東証P]や川崎重工業<7012.T>[東証P]など防衛関連株への物色が目立つなど、高市政権の政策を意識した動きがみられていた。高市政権への期待は大きく、+1σと+2σによるレンジに沿ったトレンド形成を想定した、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
また、ソフトバンクグループは連日大幅な下落とはなったが、2万2000円近辺で底堅さがみられていた。目先的には25日移動平均線が位置する2万1000円近辺までの調整はありそうだが、ボトム意識が高まってくると、再び日経平均型主導での上昇が期待されてきそうである。そのため、ソフトバンクグループの動向を見極めつつ、反転のタイミング待ちとなろう。
日経225先物は週足のボリンジャーバンドでも、上向きで推移している+1σ(4万6820円)と+2σ(4万9240円)によるレンジを続けている。目先的には+1σ水準への調整は考えにくく、+2σを意識したスタンスとみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.96倍に低下した。ソフトバンクグループが売られるなかで、NTロングの巻き戻しに向かわせている。これにより+1σ(15.01倍)を割り込んでおり、同バンドが抵抗線に変わるかが注目されそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5741枚、ソシエテジェネラル証券が1万0759枚、サスケハナ・ホンコンが4014枚、バークレイズ証券が1785枚、JPモルガン証券が1704枚、日産証券が1682枚、モルガンMUFG証券が1639枚、SBI証券が1312枚、ゴールドマン証券が1181枚、ビーオブエー証券が847枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万1028枚、ソシエテジェネラル証券が1万6969枚、JPモルガン証券が5401枚、バークレイズ証券が4915枚、モルガンMUFG証券が4213枚、ビーオブエー証券が2554枚、サスケハナ・ホンコンが2470枚、みずほ証券が2382枚、ゴールドマン証券が2332枚、UBS証券が964枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米中貿易摩擦や米政府機関の閉鎖などに関連した報道に注視する展開となりそうだ。
「高市トレード」(円売り・株買い)については、自民党新総裁就任後には153円台、新首相就任後はこれまでのところ152円台にとどまっており、さらなる上値を追うには、日米首脳会談や高市政権の政策実現性を見極める必要があるだろう。
今週末25日にはベッセント米財務長官と何立峰・中国副首相がマレーシアで会談し、来週韓国で予定されるトランプ米大統領と習近平中国国家主席による首脳会談の準備を進める見通しだ。一方、昨日ベッセント財務長官は、米国製ソフトウェアを使用した製品の対中輸出制限を検討していると述べ、米中貿易摩擦への懸念を強めた。
また、トランプ大統領は21日に「習主席との首脳会談は実現しないかもしれない」と発言したが、本日は「韓国で中国国家主席と長時間の会談を行う予定」と述べており、その気まぐれな発言には引き続き注意が必要だ。
28日に予定されている日米首脳会談では、日米関税合意や対米投資、防衛費増大などが確認される見込みだ。ただし、トランプ大統領にとってドル高・円安は不満の種であり、円売りをためらわせる要因となっている可能性もある。かつてベッセント財務長官は、日米関税合意の実施状況にトランプ大統領が不満を示せば、関税率を25%に戻す可能性を示唆していた。
日本の対米貿易黒字は、今年1~9月で5兆5630億円となり、トランプ関税がなかった昨年同期の6兆1556億円から5925億円減少した。24%の相互関税率の算出式では約18.5%まで低下しているものの、日米貿易不均衡是正には依然として程遠い状況にある。
今後も150円台でのドル高・円安傾向が続けば、日米貿易不均衡の是正は難しくなり、トランプ大統領が対日関税率を25%へ引き上げる可能性も否定できない。その場合、本邦通貨当局による円安是正措置への警戒も必要となる。
米国の政府機関閉鎖は本日で23日目となり、トランプ第1次政権下での最長記録35日に迫りつつある。財務省によれば、1週間あたりの損失は150億ドルに達するとされ、米経済やドルにとって潜在的なマイナス要因となっている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、153.27円(10/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、151.00円(日足一目均衡表・転換線)
今晩は底堅い展開か。
昨日は主要3指数がそろって下落。スコット・ベッセント財務長官の発言を受けて米中貿易摩擦懸念が再燃したほか、決算が嫌気されたテキサス・インスツルメンツやネットフリックスの大幅安も相場の重しとなった。ダウ平均が334.33ドル安(-0.71%)と4日ぶりに反落し、前日にほぼ横ばいで終了したS&P500も0.53%安。ナスダック総合は0.93%安と2日続落して終了した。
引け後の動きでは好悪まちまちの決算を発表したテスラが時間外で3%超下落。決算が予想を上回ったIBMも時間外で6%超下落した。一方、サウスウェスト航空が赤字予想に反して黒字決算を発表し、株価は時間外で2%超上昇。米中関連では、トランプ米大統領が中国習主席との会談が予定されていると述べた。
今晩はIBMやテスラの下落が見込まれる。翌日の9月消費者物価指数(CPI)の発表を控えた様子見姿勢が強まることが予想されるが、昨日夕方のトランプ米大統領の発言を受けた米中貿易協議への期待が下値支援となりそうだ。決算発表は寄り前にユニオン・パシフィック、ハネウェル・インターナショナルなどが発表予定で、決算実績やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは9月シカゴ連銀全米活動指数、9月中古住宅販売件数など。新規失業保険申請件数は、政府閉鎖の影響で引き続き発表が延期されるもよう。企業決算は寄り前にユニオン・パシフィック、TモバイルUS、ハネウェル・インターナショナル、引け後にインテル、フォード、ベーカー・ヒューズなどが発表予定。
日経平均株価は大幅続落。軟調な推移となったが、上昇基調にある10日移動平均線(48350円 10/23)や一目均衡表の転換線(48245円 同)を下値で意識し、やや下げ幅を縮小して終えた。
RSI(9日)は前日62.2%→50.9%(10/23)に低下。49000円を割り込む展開となったが、10日移動平均線上を維持した。基本的な見方に大きな変化はなく、上目線のトレンドフォロー継続となる。
上値メドは、心理的節目の49000円、10/21高値(49945円)、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、10/9高値から10/14安値までの下げの倍返しとなる50650円、51000円、52000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の48000円、10/17安値(47494円)、心理的節目の47000円、10/14安値(46544円)、心理的節目の46000円などがある。
(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.61円(23日15時時点比△0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.21円(△0.44円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1611ドル(△0.0010ドル)
FTSE100種総合株価指数:9578.57(前営業日比△63.57)
ドイツ株式指数(DAX):24207.79(△56.66)
10年物英国債利回り:4.423%(△0.006%)
10年物独国債利回り:2.583%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月仏企業景況感指数
97 96
10月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値) ▲14.2 ▲14.9
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はじり高。高市政権の発足に伴う円売りが根強い中、1時30分前に一時152.80円と日通し高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.00%台まで上昇したことも相場の支援材料となった。ただ、重要なインフレ指標である9月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日24日に控えて、一本調子で上昇する展開にはならなかった。10日の高値153.27円がレジスタンスとして意識された面もある。
・ユーロドルは持ち直した。米長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行すると、20時30分前に一時1.1585ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.1577ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。貿易問題を巡る米中対立への警戒が再び高まる中、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい面もあった。23時30分過ぎには一時1.1620ドルと日通し高値を付けた。もっとも、前日の高値1.1622ドルを上抜けることは出来なかった。
・ユーロ円は底堅い動き。ドル円の上昇やユーロドルの持ち直しにつれた円売り・ユーロ買いが優勢になると、1時30分前に一時177.45円と日通し高値を付けた。ただ、9日に付けたユーロ導入以来の高値177.94円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。
・ポンドは軟調だった。ポンドドルは一時1.3308ドルと日通し安値を更新したほか、ユーロポンドは0.8722ポンドと本日高値を更新した。また、ポンド円は203.21円付近まで下押しした。前日の9月英消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことを受けて、英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑が広がる中、本日もポンド売りが出やすい地合いとなった。
・ロンドン株式相場は4日続伸し、史上最高値を更新した。前日の9月英CPIの下振れを受けて、英利下げ期待が高まる中、この日も株買いが続いた。原油や金などコモディティ価格の上昇を背景に、BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。前日の米国株相場の下落を受けて売りが先行したものの、引けにかけては買いが強まった。個別ではシーメンス・エナジー(3.22%高)やSAP(2.17%高)、MTUエアロ・エンジンズ(2.14%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落した。株高を受けた。
23日の日経平均は大幅続落。終値は666円安の48641円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり963/値下がり599。IHIや三菱重工など防衛関連が地合いの悪い中でも買われており、川崎重工が8%を超える上昇。フジクラや住友電工など電線株の一角に資金が向かった。原油高を手がかりにINPEXや石油資源開発が大幅上昇。日経新聞の造船に関する記事を材料に三井E&Sやジャパンエンジンコーポレーションなど船舶関連が物色されており、名村造船や内海造船が急騰した。
一方、ソフトバンクGが4%を超える下落。東京エレクトロン、アドバンテスト、ディスコなど半導体株が軒並み大きく下落した。直近で「ステーブルコイン」関連として注目を集めていたインタートレード、アステリア、Speeeなどが急落。25.12期業績の下方修正リスクについて言及したインフォメティスがストップ安比例配分となった。
グロース市場に新規上場したサイバーソリューションズは、高い初値をつけたものの、終値は初値を下回った。
日経平均は大幅安。プライムでは値上がり銘柄が多かったが、きのうのような戻りは見られず、終日軟調に推移した。ソフトバンクGや半導体株など主力グロース株の影響を受けやすくなっており、あすも振れ幅が大きくなるとみておいた方が良い。
米国では政府閉鎖が長期化して経済指標の発表が遅れているが、金曜24日には9月の消費者物価指数(CPI)が発表されるもよう。10月28~29日にFOMCが控えているだけに、本日の米国株はCPIの発表を前に様子見姿勢が強まると思われる。決算を発表したテスラやIBMは時間外の動向から下落が予想されるだけに、買いの方がより手控えられそうだ。
外部環境の好転が期待しづらい中、あすは日経平均よりもTOPIXに注目しておきたい。日経平均はきょうの下げ(終値は48641円)で5日線(48806円、23日時点、以下同じ)を下回ったが、TOPIX(終値は3253p)は5日線(3237p)を上回っている。騰落率(前日比)も日経平均の1.35%安に対してTOPIXは0.39%安と値を保っている。きのうもきょうも日経平均の値動きが不安定な割には買われている銘柄は多く、日本株に天井感が出てきているとまでは言えない。TOPIXが5日線より上をキープできるかどうかがポイントで、キープできるようなら仮に日経平均が下に値幅が出たとしても、日本株全体ではそれほど警戒感は高まらないだろう。
(23日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.57円(前営業日比△0.59円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.26円(△0.80円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1618ドル(△0.0007ドル)
ダウ工業株30種平均:46734.61ドル(△144.20ドル)
ナスダック総合株価指数:22941.80(△201.40)
10年物米国債利回り:4.00%(△0.05%)
WTI原油先物12月限:1バレル=61.79ドル(△3.29ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4145.6ドル(△80.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米中古住宅販売件数
(前月比) 1.5% ▲0.2%
(年率換算件数)406万件 400万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは小幅ながら続伸。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.00%台まで上昇したことなどを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行。20時30分前に一時1.1585ドルと日通し安値を付けた。
ただ、前日の安値1.1577ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。貿易問題を巡る米中対立への警戒が再び高まる中、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい面もあった。23時30分過ぎには一時1.1620ドルと日通し高値を付けた。前日の高値1.1622ドルが目先レジスタンスとして意識されると1.1604ドル付近まで下押ししたものの、引けにかけては再び強含み1.1620ドル付近まで持ち直している。
・ドル円は5日続伸。高市政権の発足に伴う円売りが根強い中、1時30分前に一時152.80円と日通し高値を更新した。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入った。ただ、重要なインフレ指標である9月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日24日に控えて、一本調子で上昇する展開にはならなかった。10日の高値153.27円がレジスタンスとして意識された面もある。NY時間の安値は22時前に付けた152.46円付近で値幅は34銭程度と狭い範囲内での推移となった。
なお、レビット米ホワイトハウス報道官はこの日、「トランプ米大統領は来週30日に韓国で習近平・中国国家主席と会談する予定だ」と明らかにした。
・ユーロ円は4日続伸。ドル円の上昇やユーロドルの持ち直しにつれた円売り・ユーロ買いが優勢になると、1時30分前に一時177.45円と日通し高値を付けた。ただ、9日に付けたユーロ導入以来の高値177.94円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。好決算を発表した企業が相次いだことで投資家心理が上向いた。レビット米ホワイトハウス報道官が「トランプ米大統領は来週30日に韓国で習近平・中国国家主席と会談する予定だ」と明らかにすると、貿易問題を巡る米中対立への警戒が薄れ、相場を下支えした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反落。明日24日の9月米CPIの発表を控えて、持ち高調整目的の売りが出た。米国株相場の上昇も相場の重し。
・原油先物相場は大幅に続伸。米政府が22日にロシアの石油最大手2社に制裁を科すことを発表すると、世界の原油需給が引き締まるとの観測から原油は買いが優勢となった。
・金先物相場は3日ぶりに反発。米政府が22日にロシアの石油最大手2社に制裁を科すことを発表したことで、ロシアとウクライナを巡る地政学的リスクが高まったとの見方から、相対的に安全資産とされる金に買いが集まった。
共同通信によると、電話での日米首脳会談の実施を25日を軸に調整しているという。
23日06:20 トランプ米大統領
「ロシア制裁の時期が来たと感じた」
「プーチン露大統領との会談をキャンセルした」
「将来的にプーチン氏と会談を行う可能性はある」
「来週、マレーシア、韓国、日本を訪問する予定」
「韓国で習近平・中国国家主席と長時間の会談予定」
24日00:43 プーチン露大統領
「トランプ米大統領は会談延期を決定した」
「市場でロシア産原油の代替供給には時間がかかる」
「(制裁について)これは圧力をかけるための試みだ」
「米国の制裁はロシアとの関係を悪化させている」
「新たな制裁はロシア経済に影響を与えない」
24日02:37 レビット米ホワイトハウス報道官
「トランプ米大統領は来週30日に習近平・中国国家主席と会談予定」
「28日に日米首脳会談予定」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比2.9%)
○08:30 ☆ 9月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比3.1%)
○14:00 ◇ 8月景気動向指数改定値
○高市早苗首相、所信表明演説
<海外>
○08:01 ◇ 10月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲20)
○09:05 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、あいさつ
○15:00 ◎ 9月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.4%/前年比0.4%)
○15:00 ◎ 9月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.6%/前年比0.6%)
○15:45 ◇ 10月仏消費者信頼感指数(予想:86)
○16:15 ◎ 10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:48.2)
○16:15 ◎ 10月仏サービス部門PMI速報値(予想:48.7)
○16:30 ◎ 10月独製造業PMI速報値(予想:49.5)
○16:30 ◎ 10月独サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○17:00 ◎ 10月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:49.8)
○17:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.2)
○17:30 ◎ 10月英製造業PMI速報値(予想:46.6)
○17:30 ◎ 10月英サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:16.00%に引き下げ)
○21:30 ☆ 9月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比3.1%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.1%)
○21:45 ◎ ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:45 ◎ 10月米製造業PMI速報値(予想:52.0)
○22:45 ◎ 10月米サービス部門PMI速報値(予想:53.5)
○22:45 ◎ 10月米総?⑰MI速報値(予想:53.5)
○23:00 ◎ 10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:54.5)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)
○26日 東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議(クアラルンプール、28日まで)
○26日 欧州・英国が冬時間に移行
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、高市政権の発足に伴う円売りが根強い中、一時152.80円と日通し高値を更新した。ユーロドルは1.1585ドルまで弱含んだ後は1.1620ドルまで切り返した。
本日の東京時間でのドル円も、「高市トレード」への期待が引き続き下値の支えとなるだろうが、本日のNY時間には米労働省が年金算出の必要性から、例外的に発表される9月の消費者物価指数(CPI)を発表することで、重要指標発表を控え限定的な動きになるか。
10月4日の自民党総裁選以後続いている「高市トレード」だが、多くの調査で政権支持率が6割を超えているように期待感は大きい。この期待感が続く限りは株高・円安に傾きやすい。ただ、今後発表されるだろう政策の内容次第で更に円安が進むのか、巻き戻しが入り円高に戻るのかを見定める必要がありそうだ。
市場の目は前述のように今晩の米CPIに移っているが、来週は国際的な政治イベントが目白押しなことも、本日のアジア時間の値動きを限らせるだろう。特に来週は27-29日にトランプ米大統領が来日予定で、28日に日米首脳会談が行われる可能性が高いことが注目される。高市政権は防衛費を今年度中に国内総生産(GDP)比2%に増額することを目指している。トランプ米大統領は北大西洋条約機構(NATO)に対しては5%の防衛費を要求、日本に対しても3.5%への増額を迫っているとされている。今回の首脳会談で高市首相が、その要求(3.5%への増額)を受け入れることになった場合は、現在も懸念されている財政確保の見通しが更に険しくなるだろう。また、30日には米中首脳会談も行われる可能性が高いことで、この会談の結果を確認するまではポジションを大きく動かしにくそうだ。
本日の経済指標では、本邦の9月全国消費者物価指数(CPI)が発表される。市場では生鮮食品を除くコア指数は8月の2.7%から2.9%へ上昇する予想。一方、コア指数にエネルギーを除いたコアコア指数は3.3%から3.1%への低下が予想されている。日銀の金融政策にとって重要な指標だが、10月30日公表の日銀金融政策決定会合では政権が交代したばかりなこともあり、据え置き予想が高まっていることで為替市場への影響は限られるものになるか。
なお、本日は高市首相による所信表明演説が行われる。ただ、通常はすぐに行われる野党の質問は、来週は国際イベントが絶え間なく予定されていることもあり、各党の代表質問は11月4日と5日に行われる予定。
ドル円以外の通貨は、昨日も極めて限定的なレンジ内で取引されたこともあり、本日の米CPI待ちになりそうだ。ただ、毎日のように中国に対する発言が二転三転するトランプ米大統領の発言が市場を動意づかせることもあることで、警戒はしておきたい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 49020 +350 (+0.71%)
TOPIX先物 3265.0 +12.0 (+0.36%)
シカゴ日経平均先物 48995 +325
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
23日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領は30日に中国の習近平国家主席と会談する予定と伝わり、貿易問題を巡る米中対立への警戒感が和らいだ。足もとで売られていたエヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が買い戻され、フィラデルフィア半導体(SOX)指数の上昇率は2.5%だった。また、決算発表が本格化するなかで、予想を上回る決算を発表したハネウェル・インターナショナル<HON>が7%近く上昇しNYダウを牽引した。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、資本財、半導体・同製造装置が上昇した一方で、電気通信サービス、消費者サービス、食品・飲料・タバコの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ハネウェル・インターナショナル、エヌビディアのほか、スリーエム<MMM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、キャタピラー<CAT>が買われた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、コカ・コーラ<KO>、アムジェン<AMGN>、ホーム・デポ<HD>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比325円高の4万8995円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比90円高の4万8760円で始まった。4万8700円~4万8850円辺りでの保ち合いが続くなか、中盤にかけてレンジを下抜けて4万8590円まで売られる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後にリバウンドの動きが強まりプラス圏を回復。終盤にかけて4万9080円まで買われており、4万9020円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションでは4万8590円まで売られる場面もみられたが、ボリンジャーバンドの+1σ(4万8590円)が支持線として機能する形だった。上向きで推移する+1σと+2σ(5万0270円)とのレンジ内での推移を継続するなかで、押し目狙いのロングが入りやすいところであろう。
米国市場では来週のトランプ大統領と習国家主席との会談を控え、ハイテク株を買い戻す動きがみられた。東京市場においても直近で弱い値動きが目立っていたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうである。
また、本日は高市首相の所信表明演説が行われる。高市首相誕生でいったん利食いに向かわせたが、これまでの高市トレードから「サナエノミクス2.0」にシフトするとみられ、押し目待ち狙いのロング対応となりそうだ。一方で、28日には日米首脳会談を控えていることもあり、ショートを仕掛けにくくさせよう。
そのため、4万9000円水準では強弱感が対立しやすいだろうが、ハイテク株への買い戻しの動きが期待されるなかで4万9000円固めを意識しつつ、オプション権利行使価格の4万8750円から4万9750円でのレンジを想定する。
23日の米VIX指数は17.30(22日は18.60)に低下した。一時19.35まで上昇する場面もみられたが、200日移動平均線(19.34)が抵抗線として機能する形で下落に転じており、支持線として意識されていた25日線(17.79)を下回ってきた。直近の急伸前の水準まで低下しつつあり、リスク選好に向かわせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.96倍に低下した。ソフトバンクグループが売られるなかで、NTロングを巻き戻す動きに向かわせていた。これにより+1σ(15.01倍)を割り込んできたが、本日はハイテク株への買いが見込まれるなかで同バンドを上回ってくるようだと、NTロングに振れやすくなる可能性がありそうだ。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は144ドル高の46734ドルで取引を終えた。ホワイトハウスのレビット大統領報道官が30日に米中首脳会談が実施されると正式に発表。両国の対立激化懸念が後退し、株式に資金が向かった。決算を受けて時間外では下落していたテスラが売りをこなして上昇したことも安心感を誘った。ドル円は足元152円50銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが325円高の48995円、ドル建てが425円高の49095円で取引を終えた。
米国株高を好感した買いが入ると予想する。きのうの東京市場ではテスラやIBMの時間外の下落を消化したが、テスラは2%を超える上昇となり、IBMは1%未満の下落にとどまった。米国ではマイクロンやAMATなど半導体株の動きが良かった上に、引け後に決算を発表したインテルは時間外で上昇している。日本のハイテク株には強い追い風が見込まれる。本日は米9月消費者物価指数が発表されるが、これを前に米国株が上昇したことも安心材料。投資家心理が改善し、前日の大幅安に対する買い戻しが活発となるだろう。日経平均の予想レンジは48900-49300円。
英GfKの10月の消費者信頼感指数は-17と、9月(-19)から改善し2024年8月以来の高水準となった。アマゾンなどの販促セールが主因で「大口購入指数」が4ポイント上昇したが、個人財政の見通しは悪化し、家計不安が根強い。
来月26日にレイチェル・リーブス財務相が発表予定の予算への警戒感が消費者の慎重姿勢を強めており、税負担増と労働市場の停滞が支出意欲を抑制。ブラックフライデー直前の予算発表次第で年末商戦が左右される可能性がある。市場では、信頼感上昇の表面的な明るさに反して支出低迷が続くとの見方が強く、英ポンドや小売株への支援効果は限定的とみられている。
昨日のドル円は、東京時間から本邦実需勢のビッドが引かず、下押しらしい下押しもないまま上値をトライ。目先の目処として意識されていた14日の高値152.61円を上抜けて一時152.79円まで値を上げました。その後の下押しも152.46円までと極めて限定的となると米長期金利の上昇につれて再び152.80円まで高値を更新してNY市場を終えています。
実質ゴトー日となっている週末の東京市場では、152.48円までの下押しに止まると、買戻しが強まる展開。昨日高値の152.80円を上抜けて米系短期筋のSLを巻き込むかたちで上げ足を速め、一時152.92円まで値を上げているといったところです。
いずれにしても、内閣の組閣をみても明らかなように、高市政権によるサナエノミクスは、新たな保守政権による積極財政政策が基本。昨日の東京市場までで調整売りが一巡したと思われる日経平均は、再び史上最高値を目指す動きとなっているなか、出遅れ感や実需勢の買い遅れ感がまだまだ目立つドル円にとっては、下押しを拾うというスタンスの方向感を堅持する必要性に迫られています。
何もしないことが当たり前の、たとえ決めたとしても様々な障壁の存在によって政策がなし崩しになるなど、かなりの停滞感や閉塞感漂う政治体制のレジームチェンジが果たされたなかにあって、市場も壮大な長期に渡るテーマを追いかけているところ。ドル円は目先、これまでの高市トレードの高値である10日の153.27円を意識する動きとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比680円高の4万9350円(+1.39%)前後で推移。寄り付きは4万9130円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8995円)を上回る形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後につけた4万9010円を安値にロング優勢の動きが強まり、終盤にかけて4万9410円まで上げ幅を広げる場面もみられた。これにより、前日の下落部分を完全に埋めている。
米国市場でハイテク株が買われたほか、取引終了後に決算を発表したインテル<INTC>が時間外取引で大きく買われていることが支援材料になった。また、午後に高市首相の所信表明演説を控えるなか、高市トレードが再び強まっており、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]などが日経平均型を押し上げている。
ボリンジャーバンドの+1σ(4万8630円)が支持線として機能する形でのリバウンドにより、節目の4万9500円を捉えてくるようだと、+2σ(5万0320円)が意識されてきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.05倍に上昇し、前日に割り込んだ+1σ(15.03倍)を上回ってきている。同バンドを明確に上抜けてくるようだと、NTロングに振れやすくなる可能性があるだろう。
本日の欧州時間でユーロドルは、欧州各国の各購買担当者景気指数(PMI)速報値を確認し、NY序盤に発表される9月の米消費者物価指数(CPI)の結果を待つ展開になりそうだ。
10月の仏・独・ユーロ圏の製造業PMIは揃って8月から横ばいになるとの予想になっている。この中で注目されるのは欧州で最大の経済圏となるドイツの製造業PMIになる。8月は49.8まで上昇し、景況の強弱を判断する節目50に迫る場面があった。10月は49.5予想となっている。予想を上振れ、2022年6月以来となる50を超えてくると、ユーロドルの支えになるだろう。
もっとも、その後に市場の注目度が高い米国の9月CPIが発表されることで、市場の反応が一時的になる可能性がある。いまだに米国の政府機関閉鎖が継続しているが、今回は労働省が社会保障の算出のために特例的にCPIを発表する。閉鎖期間中なこともあり、データが通常のように集まらない可能性も指摘されているが、久々の公的な指標であることで市場が大きく反応することが予想される。
なお、本日はナーゲル独連銀総裁とビルロワドガロー仏中銀総裁の講演が予定されているが、欧州中央銀行(ECB)は政策金利が発表される7日前からクワイエット期間(ブラックアウト期間)となることで、金融政策についての言及は避けられる見通し。
・想定レンジ上限
ユーロドル:日足一目均衡表・基準線1.1681ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル:14日安値1.1543ドル。
ドル円:1ドル=152.94円(前営業日NY終値比△0.37円)
ユーロ円:1ユーロ=177.50円(△0.24円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1606ドル(▲0.0012ドル)
日経平均株価:49299.65円(前営業日比△658.04円)
東証株価指数(TOPIX):3269.45(△15.67)
債券先物12月物:136.14円(△0.04円)
新発10年物国債利回り:1.655%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.9% 2.7%
9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
前年同月比 3.0% 3.3%
8月景気動向指数改定値
先行指数 107.0 107.4
一致指数 112.8 113.4
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。本日は週末の実質5・10日(ゴトー日)とあって仲値に向けた買いが観測された。日経平均株価の上昇も投資家のリスク志向改善を意識した買いを誘い、一時153.06円まで値を上げた。
なお、高市首相は所信表明演説で「責任ある積極財政のもと、戦略的に財政出動を行う」「ガソリン税の暫定税率廃止法案、今国会で成立期す」などと発言した。
・カナダドルは一時下落。トランプ米大統領が「カナダとの貿易に関するすべての協議を打ち切る」と発言すると、対ドルでは1.4028カナダドルまでカナダドル売りが進み、カナダドル円も108.95円まで下押しした。もっとも、日本株高を手掛かりにした円売りが進んでいることもあり、カナダドル円はその後に109.20円近辺まで買い戻された。
・ユーロ円は強含み。ドル円や日本株の上昇につれた円売り・ユーロ買いが進み、一時177.60円まで上値を伸ばした。今月9日につけたユーロ導入来の高値177.94円を視野に入れた動きとなっている。
・ユーロドルは小安い。対円などでドル買いが進んだ影響から1.1601ドルまでやや売りに押された。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反発。米中対立の懸念後退を受けて、昨日の米国株式相場が上昇した流れを引き継いだ。前日は売りに押された値がさの半導体関連株に買いが向かい、指数は一時800円近く上昇。外国為替市場で円安傾向が続いていることも相場を下支えした。
・債券先物相場は小反発。昨日の米国債券相場が下落し、この日の国内債にも売りが波及した。ただ、高市首相の所信表明演説を控えて持ち高を傾ける展開とはならず、寄り付きでの売り一巡後は下げ幅を縮小。前日終値を挟んでやや方向感の乏しい動きとなった。
「歴史は同じようには繰り返さないが、韻を踏む」(マーク・トウェイン)
2025年10月時点でのドル円のテクニカル分析を再確認しておきたい。
長期的には、2024年にドル円高値8年サイクルで高値161.95円を付けた後の調整局面にある。
エリオット波動分析では、第3上昇波動で161.95円に到達した後、第4調整波動での三角保ち合いを形成中である。
そして、161.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」、ネック・ライン140円前後を形成しつつある。さらに、161.95円(2024/7/3高値)と158.87円(2025/1/10高値)を上辺、ネック・ラインを底辺とする「下降三角形」を形成中である。
10月24日時点の下降三角形の上辺は154.43円に位置している。
1.ドル円高値8年サイクル
ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけている。
2025年は、2024年7月の高値161.95円から2032年の高値175円に向けた調整局面を予想する。
・1974年:306.90円
・1982年:278.50円
・1990年:160.35円 (※消費税3.0% 1989年)
・1998年:147.64円 (※消費税5.0% 1997年)
・2007年:124.14円 (2006年から1年ずれ)
・2015年:125.86円 (※消費税8.0% 2014年)
・2024年:161.95円 (※消費税10.0% 2019年)
・2032年:175.50円??
2.エリオット波動
第4調整波動の「三角保ち合い」を形成中と予想する。
・第1波動:75.32円-125.86円(+50.54円)
・第2波動:125.86円-101.19円(▲24.67円)※第1次トランプ米政権(2017年~20年)
・第3波動:101.19円~161.95円(+60.76円)
・第4波動:161.95円~126円 ※第2次トランプ米政権(2025年~28年)
・第5波動:126円~175.50円
3.太陽黒点とドル円相場
太陽黒点は、約11年周期で極大期・極小期を繰り返しているが、ドル円の8年サイクルに対応している。
第25太陽活動周期の極大期が2024年10月だったことで、7月の高値161.95円が当面の高値だったことが想定できる。
【太陽活動周期】 【極大期】⇒ピークアウト 【極小期】⇒ボトムアウト
・20期(1964-76)1968年+3年=1971年 360.00円 1976年+2年=78年 175.50円
・21期(1976-86)1979年+3年=1982年 278.50円 1986年+2年=88年 120.25円
・22期(1986-96)1989年+1年=1990年 160.35円 1996年-1年=95年 79.75円
・23期(1996-08)2000年-2年=1998年 147.64円 2008年+3年=11年 75.32円
・24期(2008-19)2014年+1年=2015年 125.86円 2019年+1年=20年 101.19円
※第1次トランプ米政権(2017年~20年)
・25期(2020-31)2024年10月=2024年 161.95円
※第2次トランプ米政権(2025年~28年)
大阪12月限
日経225先物 49320 +650 (+1.33%)
TOPIX先物 3273.0 +20.0 (+0.61%)
日経225先物(12月限)は前日比650円高の4万9320円で取引を終了。寄り付きは4万9130円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万8995円)を上回る形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後につけた4万9010円を安値にロング優勢の動きを強め、前場終盤にかけて4万9400円台を回復すると、後場の開始直後には4万9480円まで上げ幅を広げた。これにより、前日の下落分を完全に埋めている。
ただ、押し目待ち狙いのロングは観測されるものの、後場はじりじりと上値を切り下げており、週末要因による持ち高調整に伴うロング解消も入ったようだ。終盤にかけては4万9300円~4万9370円辺りでの保ち合いが続いた。
米国市場でハイテク株が買われたほか、取引終了後に決算を発表したインテル<INTC>が時間外取引で大きく買われていることが支援材料になった。また、午後に高市首相の所信表明演説を控えて、高市トレードが再び強まり、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]などが日経平均型を押し上げていた。
一方で、直近で資金シフトがみられたバリュー株には利益確定の売りが入り、日経平均株価は658円高と大幅に反発したものの、東証プライムの騰落銘柄は値下がり銘柄数が過半数を占めている。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(4万8620円)が支持線として機能する形でのリバウンドにより、チャート上では前日の陰線を埋める形になった。節目の4万9500円を捉えることはできなかったが、+2σ(5万0310円)とのレンジは継続。そのため、+1σ接近では押し目狙いのロング対応を継続しつつ、+2σを意識したスタンスに向かわせよう。
また、週間形状でも+1σと+2σによるレンジで推移しており、来週は+1σが4万7650円、+2σは5万0180円辺りに上昇する。5万円に乗せてきたとしても、過熱感は強まらないとみられる。
NT倍率は先物中心限月で15.06倍に上昇し、前日に割り込んだ+1σ(15.03倍)を上回ってきてきた。このまま同バンドを支持線に変えてくると、NTロングに振れやすい需給状況が意識されてきそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5804枚、ソシエテジェネラル証券が9968枚、サスケハナ・ホンコンが3302枚、バークレイズ証券が1948枚、SBI証券が1847枚、JPモルガン証券が1798枚、ゴールドマン証券が1778枚、モルガンMUFG証券が1399枚、野村証券が1271枚、日産証券が1088枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万0493枚、ソシエテジェネラル証券が1万6545枚、バークレイズ証券が4233枚、UBS証券が3782枚、ゴールドマン証券が3242枚、JPモルガン証券が2914枚、モルガンMUFG証券が2807枚、ビーオブエー証券が1660枚、サスケハナ・ホンコンが1630枚、野村証券が914枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、まずは9月米消費者物価指数(CPI)に注目。ただし政府機関が閉鎖していた影響で、CPIの数字が正確ではない可能性には留意しておきたい。また、「高市トレード」による円売りの射程を探る展開は継続。
9月米CPIの市場予想は、前年比+3.1%と8月+2.9%からの伸び率上昇、コアCPIは前回と変わらずの+3.1%と見込まれている。しかしながら、米労働省の担当職員不足から価格データが十分に収集できていない可能性があるもよう。そのため、公表される数字が予想から大きく外れるリスクには警戒が必要だろう。
9月CPIが予想を大幅に上回っていた場合、データ収集に原因があるとされてCPIは参考とされず、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通りに0.25%の追加利下げが実施。12月FOMCに関しては、今後発表される物価や雇用指標を見極めていくことになる。一方で予想を下回るようだと、データ収集に原因があるものの、アルゴリズムトレードが数値に反応するかもしれない。
先日のパウエルFRB議長の講演では、「雇用とインフレの見通しは、9月の会合からあまり変わっていないようだ」と指摘された。また、「雇用に対する下振れリスクが高まっているようだ」と同議長は述べて、雇用情勢に軸足を置いた追加利下げを示唆していた。
なお、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、来週と12月のFOMCでの0.25%の利下げはほぼ完全に織り込まれている。来年1月会合は、利下げと据え置きに分かれている。
10月米製造業PMI速報値(予想:52.0)やサービス部門PMI速報値(予想:53.5)では、雇用指数や物価指数にも注目しておきたい。同月消費者態度指数(ミシガン大調べ)の確報値では、1年先のインフレ期待などにも要注目となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、154.80円(2/12高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、151.82円(10/23安値)
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
トルコ中銀、インフレ加速も3会合連続の利下げ、リラ相場の行方は?
「市場との対話」に沿って利下げ幅縮小も、政治や対米関係もリラ相場の足かせとなる展開が続く
トルコ中銀は23日の定例会合で政策金利を100bp引き下げ、39.5%とすることを決定した。利下げは3会合連続で、昨年12月以降で6回目となる。ただし、今回はインフレ鈍化の流れに変化の兆しがみられる中での決定であり、これまでの局面とは性格が異なることに留意する必要がある。
昨年半ば以降のインフレ鈍化は断続的な利下げを促してきたものの、足元のインフレ率は再び上向くなど変化が生じている。中銀と政府は来年、再来年とインフレが一段と鈍化するとの目標を掲げているものの、足元の状況を勘案すれば、その達成は難しくなっていると捉えられる。
中銀は9月の前回会合から利下げ幅を段階的に縮小するなど、緩和ペースを鈍化させてきた。金融市場ではドル安が意識されやすい状況ながら、リラの対ドル相場は下落が続いて最安値を更新している。声明では、基調インフレは加速しているとの認識を示すなどインフレを懸念する一方、今後は需要、リラ相場、インフレ期待を踏まえて慎重に判断し、必要に応じて引き締めに転じる可能性にも含みを持たせた。
足元のリラ安を巡っては、国内の政治情勢や米国との関係を巡る不透明感が嫌気されている可能性もあるなか、中銀は利下げの継続か引き締め再開かという難しい政策判断を迫られる局面が続くであろう。
今晩は物価指標に注目。
昨日はホワイトハウスのレビット大統領報道官が、トランプ米大統領と中国の習国家主席が来週韓国で会談すると発表したことで米中貿易摩擦懸念が後退。好決算を発表したハネウェルなどの大幅高も追い風に主要3指数がそろって上昇した。ダウ平均が144.2ドル高(+0.31%)、S&P500が0.58%高とともに反発し、ナスダック総合は0.89%高と3日ぶりに反発した。週初来ではダウ平均が1.18%高、S&P500が1.12%高、ナスダック総合が1.15%高と3指数がそろって2週続伸ペースとなった。引け後の動きでは予想を上回る決算を発表したインテルが時間外取引で7%超の大幅高となった。
今晩の取引では米中貿易摩擦懸念の後退が引き続き支援となることが期待されるほか、好決算を発表したインテルを中心に半導体株の堅調も期待される。そういった中、今後の利下げ見通しを巡り寄り前に発表される9月消費者物価指数(CPI)が焦点となりそうだ。
政府閉鎖の影響で15日に予定された9月CPIの発表が延期されたものの、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、労働省は24日に公表すると発表した。9月CPIの市場予想は前月比+0.4%と8月から横ばい、前年比では+3.1%と8月分の+2.9%から上昇する見込みだが、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%、前年比+3.1%とともに前月から横ばいが見込まれている。10月28-29日開催のFOMCでは0.25%の利下げがほぼ確実視されており、CPIがおおむね予想通りとなれば利下げ期待も相場の支援となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは9月CPIのほか、10月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、10月ミシガン大消費者信頼感指数確報値。同1年先・5年先期待インフレ率確報値など。企業決算は寄り前にプロクター&ギャンブル、ゼネラル・ダイナミックスなどが発表予定。
日経平均株価は大幅反発。寄り付きから上値を伸ばす展開となり、5日移動平均線(49150円 10/24)上を回復する陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日50.4%→59.4%(10/24)に上昇。週明けのRSIは上昇しやすいタイミングとなる。5日移動平均線の上昇の傾きが緩やかになる可能性は高いが、早々に同線上で陽線を続けることができるかが焦点となる。基本的な見方に大きな変化はなく、上目線のトレンドフォロー継続となる。
上値メドは、10/21高値(49945円)、昨年12/27高値から4/7安値までの大きな下落幅に対する倍返しの上げとなる50000円付近、10/9高値から10/14安値までの下げの倍返しとなる50650円、51000円、52000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の49000円、10日移動平均線(48421円 同)、心理的節目の48000円、10/17安値(47494円)、心理的節目の47000円、10/14安値(46544円)、心理的節目の46000円などがある。
(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.81円(24日15時時点比▲0.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.67円(△0.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1627ドル(△0.0021ドル)
FTSE100種総合株価指数:9645.62(前営業日比△67.05)
ドイツ株式指数(DAX):24239.89(△32.10)
10年物英国債利回り:4.432%(△0.009%)
10年物独国債利回り:2.626%(△0.043%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) 0.5% 0.6%・改
(前年比) 1.5% 0.7%
9月英小売売上高(自動車燃料除く)
(前月比) 0.6% 1.0%・改
(前年比) 2.3% 1.3%・改
10月仏消費者信頼感指数
90 88・改
10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
48.3 48.2
10月仏サービス部門PMI速報値
47.1 48.5
10月独製造業PMI速報値
49.6 49.5
10月独サービス部門PMI速報値
54.5 51.5
10月ユーロ圏製造業PMI速報値
50.0 49.8
10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
52.6 51.3
10月英製造業PMI速報値
49.6 46.2
10月英サービス部門PMI速報値
51.1 50.8
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。米重要指標の発表を控えてしばらくは152円台後半でのもみ合いが続いたが、NYの取引時間帯に入り、9月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.3%/前年比3.0%と予想の前月比0.4%/前年比3.1%を下回り、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.2%/前年比3.0%と予想の前月比0.3%/前年比3.1%より弱い内容だったことが分かると円買い・ドル売りが進行。一時152.30円と日通し安値を更新した。市場では「米関税の影響で上振れリスクがあるとの指摘もあったが、インフレ圧力は想定ほど高くない」との声が聞かれた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。10月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、153.02円付近まで持ち直した。
もっとも、アジア時間に付けた日通し高値153.06円や10日の高値153.27円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。10月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を下回ったことも相場の重しとなり、そのあとは152円台後半でのもみ合いに転じた。
・ユーロドルは伸び悩み。9月米CPIの下振れを受けて一時1.1648ドルと日通し高値を付けたものの、21日の高値1.1655ドルや一目均衡表雲の下限1.1656ドルがレジスタンスとして働くと伸び悩んだ。
なお、米CPIの結果について市場では「米連邦準備理事会(FRB)にとって安心材料。関税の波及効果は概ね控えめで、焦点は労働市場の弱体化に完全に移っている」との声が聞かれた。
・ユーロ円はじり高。欧米株価の上昇などを手掛かりに円売り・ユーロ買いが先行。23時前に一時177.83円と日通し高値を付けた。ただ、9日に付けたユーロ導入以来の高値177.94円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。
・ロンドン株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。前日の米株高などを手掛かりに買いが先行。米インフレ指標の下振れを受けて、本日の米国株が大幅に上昇したことも相場の支援材料。HSBCホールディングスやバークレイズなど金融株が買われたほか、コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら続伸。米インフレ指標の下振れを受けて、本日の米国株が大幅に上昇すると独株にも買いが波及した。ただ、週末を控えたポジション調整目的の売りも出たため、上値は限定的だった。個別ではシーメンス・エナジー(4.98%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(3.47%高)、コメルツ銀行(1.68%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落した。株高を受けた。
(24日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.86円(前営業日比△0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.77円(△0.51円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1627ドル(△0.0009ドル)
ダウ工業株30種平均:47207.12ドル(△472.51ドル)
ナスダック総合株価指数:23204.87(△263.07)
10年物米国債利回り:4.00%(横ばい)
WTI原油先物12月限:1バレル=61.50ドル(▲0.29ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4137.8ドル(▲7.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.3% 0.4%
(前年同月比) 3.0% 2.9%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比) 0.2% 0.3%
(前年同月比) 3.0% 3.1%
10月米製造業PMI速報値
52.2 52.0
10月米サービス部門PMI速報値
55.2 54.2
10月米総?⑰MI速報値
54.8 53.9
10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
53.6 55.0
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は6日続伸。9月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.3%/前年比3.0%と予想の前月比0.4%/前年比3.1%を下回り、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.2%/前年比3.0%と予想の前月比0.3%/前年比3.1%より弱い内容だったことが分かると円買い・ドル売りが先行。21時30分過ぎに一時152.30円と日通し安値を付けた。市場では「米関税の影響で上振れリスクがあるとの指摘もあったが、インフレ圧力は想定ほど高くない」「米連邦準備理事会(FRB)が来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げに踏み切るとの見方をより確実にするものになった」との声が聞かれた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。10月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことなどが相場の支援材料となり、153.02円付近まで持ち直した。
もっとも、アジア時間に付けた日通し高値153.06円や10日の高値153.27円がレジスタンスとして意識されるとやや上値が重くなった。10月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を下回ったことも相場の重しとなり、そのあとは152円台後半でのもみ合いに転じた。
・ユーロドルは小幅ながら3日続伸。9月米CPIの下振れを受けて一時1.1648ドルと日通し高値を付けたものの、21日の高値1.1655ドルや一目均衡表雲の下限1.1656ドルがレジスタンスとして働くと伸び悩んだ。
なお、米格付け会社ムーディーズはフランスの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたと発表したものの、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は5日続伸。米国株相場の上昇などを手掛かりに円売り・ユーロ買いが先行。23時前に一時177.83円と日通し高値を付けた。ただ、9日に付けたユーロ導入以来の高値177.94円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。9月米CPIが予想を下回ると、FRBが来週のFOMCで利下げを決めるとの見方が強まり、主力株中心に買いが集まった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。9月米CPIが予想を下回ると買いが先行したものの、すぐに失速した。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たほか、米国株相場の上昇が相場の重しとなった。
・原油先物相場は反落。米欧によるロシアへの追加制裁を受け、供給に対する不透明感から買いが入るも、続かず。その後は利益確定売りや週末のポジション調整に押されて下げに転じた。
・金先物相場は反落。この日発表された9月米CPIが予想を下回る伸びに留まった事を受けて米株主要3指数が上昇すると、相対的に安全資産とされる金は売られた。
米格付け会社ムーディーズは24日、フランスの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたと発表した。
24日10:01 城内経済財政相
「日銀は内外の経済物価情勢を確認し予断持たずに判断すると理解」
「金融政策の具体的な手段は日銀に委ねられている」
「為替は様々な要因で市場において決まる」
24日10:08 片山財務相
「責任ある積極財政、財政健全化の旗を降ろすわけではない」
「日銀は市場と適切にコミュニケーションを図ってもらいたい」
「ベッセント米財務長官と電話会談する」
「ベッセント米財務長官が来日すれば面会の可能性」
「補正予算の財源、足りなければ国債増発やむを得ない」
「飲食料品の消費税引き下げ、真摯に議論していく」
24日11:44 トランプ米大統領
「カナダとの貿易に関するすべての協議を打ち切る」
24日14:07 高市首相(所信表明演説)
「経済あっての財政の考え方を基本」
「責任ある積極財政のもと、戦略的に財政出動を行う」
「債務残高対GDP比引き下げで財政持続可能性を実現、市場からの信認を確保」
「ガソリン税の暫定税率廃止法案、今国会で成立期す」
「年収の壁引き上げ、今年の年末調整で160万円まで対応」
「年収の壁のさらなる引き上げ、真摯に議論する」
「外国人の土地取得ルールの在り方について検討」
「日米関係をさらなる高みに引き上げる」
「防衛関連費を今年度中にGDP比2%まで増額」
「国家安全保障戦略など3文書、来年中の改定目指す」
24日22:03 ホワイトハウス
「来月のインフレ統計の発表はない公算
24日23:11 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「カナダとの交渉はうまくいっていない」
「不満は時間とともに高まってきた」
「関税がインフレの原因であるという証拠はない」
※時間は日本時間
◆豪ドル、四半期インフレ指標(CPI・PPI)に注目
◆豪ドル、米中首脳会談など政治イベントに相場急変リスク
◆ZAR、コモディティ価格の大幅反落が重しに
予想レンジ
豪ドル円 97.00-101.00円
南ア・ランド円 8.60-9.10円
10月27日週の展望
来週の豪ドルは、豪州から発表されるインフレ指標に左右される相場展開になりそうだ。また、引き続き、日米を中心とした政局や米中の貿易摩擦の進展などにも注目。
豪ドルはここ最近、日米欧の政治要因などを中心に上下を繰り返していたが、来週は豪州から29日に7-9月期消費者物価指数(CPI)、31日に卸売物価指数(PPI)が発表予定となっており、結果次第では市場が大きく動意づくことになるだろう。29日には9月のCPIも発表されるが、月次のCPIは四半期CPIバスケットの6割から7割程度しか含まれていない。ブロック豪準備銀行(RBA)総裁も「四半期ごとのCPIに引き続き大きく依存」との見解を示しており、より重要視されている。昨年は一時前年比で3.8%まで上昇したインフレ率は、今年に入り1-3月期は2.4%、4-6月期は2.1%へと低下している。また、RBAが注目しているトリム平均値も昨年は4.0%で高止まりしていたものが2.9%、2.7%へと低下傾向。9月の雇用統計で失業率が4.5%まで上昇したこともあり、インフレ率がさらに低下していた場合は、RBAの利下げ期待が高まることになる。豪ドルの売り圧力になりそうだ。
国外でも、来週は大きなイベントが目白押し。市場が急変するリスクがあることも念頭に入れておきたい。26日にはASEAN首脳会議、27-29日にはトランプ米大統領が来日予定(28日に日米首脳会談の可能性)となっている。また、30日には米中首脳会談が予定されているほか、31日にはAPEC首脳会議が開催される。国際的なイベントが相次ぐが、リスクセンチメントに敏感な豪ドルは米中摩擦の動向などに大きく影響されるだろう。なお、ニュージーランド(NZ)からは30日にANZ企業景況感と信頼感が発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いから抜け出せない可能性が高い。今週は金先物だけではなく南アが世界最大の産出量を誇るプラチナなど、コモディティ価格が大幅に反落。ZARも上値が抑えられている。米中・米露間などの国際情勢の緊迫化が緩和しない場合は、安全資産としてコモディティが再び買われる場面もあるだろうが、急ピッチで上昇した反動から調整が継続されればZARの重しになるだろう。なお、南アからの経済指標では、30日に9月PPI、31日には9月貿易収支が発表される予定。
10月20日週の回顧
豪ドルは対円では「高市トレード」の再開で99円半ばまで上昇した。対ドルでは週初は日経平均株価の大幅上昇を受け、リスク選好の動きにつれて買われる場面もあったが、米中貿易摩擦の再燃から上値も限られた。全般、0.65ドルを挟んだ小動きとなった。ZARも対円ではコモディティ価格の反落で上値が抑えられたが、「高市トレード」の再開が下値を支えることに。8.64円から8.8円台までじり高となった。対ドルでは17ランド前半のレンジからは抜け出せなかった。なお、9月の南アCPIは概ね市場予想に沿った結果だった。
◆主要国の政策イベントや米中摩擦の動向に注目
◆ポンド、12月会合での利下げ観測再燃が重し
◆加ドル、来週の中銀会合で2会合連続の利下げが織り込まれる
予想レンジ
ポンド円 201.00-206.00円
加ドル円 107.00-110.50円
10月27日週の展望
来週は米連邦準備制度理事会(FRB)、日銀と欧州中央銀行(ECB)の金融政策発表が予定されており、主要国の政策イベントを見極める展開となる。また、米中摩擦が警戒されているが、対中関税の延期期限となる11月1日が近づく中、30日に予定されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場での米中首脳会談が注目される。
来週、英国内で注目の指標発表は予定されておらず、11月26日公表予定の予算案関連のニュースなどに目を配りたい。予算案への警戒感と今週に発表された9月CPIの予想比下振れで、ポンドは上値の重い動きが見込まれる。9月CPIは前年比3.8%と前月から横ばいと、市場予想やイングランド銀行(英中銀、BOE)が予想していた4%を下回った。先週に発表された6-8月雇用データでも賃金の伸びが鈍化。景気や労働市場の低調が確認され、今回の物価統計はBOEの高インフレへの懸念を和らげる結果となった。市場ではBOEが来年の2月まで追加利下げを見送るとの見方がメインシナリオとなっていたが、12月会合での利下げ期待が高まりつつある。
なお、英政府の今財政年度上期の財政赤字は予想を上回る998億ポンドとなった。リーブス財務相が目指す財政再建の道のりの厳しさが示唆されている。国債利払い費の急激な増加が借入額を大きく押し上げ、秋季財政報告を前に公的財政は極めてぜい弱な状態であり、リーブス氏は、痛みを伴う増税を打ち出さざるを得ないとみられている。
カナダでは、29日にカナダ中銀(BOC)の政策金利の発表が予定されている。21日に発表された、9月CPIは前年比2.4%と8月の1.9%から予想以上に伸びが加速した。コアインフレ指標の一つであるCPI中央値は前年比3.2%と上方修正の前月と同水準となった。インフレの上昇はBOCの緩和姿勢に圧力となり、インフレについては議論の余地が残されている。ただ、弱い経済を支援するために今回の会合では2会合連続の利下げに踏み切り、政策金利を2.25%に引き下げる可能性が高い。
また、BOCが今週に公表した四半期調査によると、企業は年初より状況が若干改善したと感じているが、トランプ関税の景気抑制効果を踏まえ、投資や採用を拡大する公算が小さいことが明らかになった。更に、企業は依然として今後1年間の投入価格が前年よりも速いペースで上昇する一方で、賃金上昇率は引き続き鈍化傾向にあると予想している。経済の先行きに対する懸念は強く、加ドルは緩やかながら上値の重い動きが見込まれる。
10月20日週の回顧
高市新政権が誕生。調整を挟みながらも高市トレードが継続されクロス円はしっかりだった。ポンド円は203円後半、加ドル円は109円前半まで強含んだ。一方、ポンドドルは予想比下振れの9月英CPIを受けて1.33ドル近辺まで下押した。ドル/加ドルは予想を上回った加CPIが加ドルの支えになった部分もあり、1.40加ドル台での伸び悩みが続いた。
(◆ドル円、日米の金融政策や日米首脳会談を注視
◆米中首脳会談では更なる貿易摩擦を回避できるか否かに注目
◆ユーロドル、ECB理事会や10月消費者物価指数(HICP)に注意
予想レンジ
ドル円 150.00-155.00円
ユーロドル 1.1400-1.1800ドル
10月27日週の展望
ドル円は、日米金融政策決定会合での金融政策、日米首脳会談や米中首脳会談などを見極めていく展開となる。
28日に予定されているトランプ米大統領と高市新首相による初の日米首脳会談では、日米関税合意、5500億ドルの対米投資、防衛費負担増などが議題となることが見込まれている。ベッセント米財務長官は、日米関税合意の実施状況にトランプ米大統領が不満を感じれば、関税率を25%に戻す可能性を示唆しており、現状のドル円相場水準への言及などには警戒しておきたい。また、トランプ米大統領は30日、韓国で開催されるAPEC首脳会議の場で米中首脳会談に臨む予定となっており、11月1日からの対中関税引き上げを回避できるか否かに注目が集まっている。
米国では28-29日にFOMCが開催されるが、パウエルFRB議長は先日の講演で、根強いインフレへの懸念が残るものの、労働市場の軟化を重視する姿勢を示したほか、追加利下げを実施する見通しを維持した。FF金利誘導目標の0.25%引き下げ(3.75-4.00%)が見込まれている。また、バランスシート圧縮の打ち切りにも言及しており、今回の会合で決定される可能性もあるだろう。
また、日本では29-30日に日銀金融政策決定会合。高市新政権発足直後ということもあり、市場では利上げの見送りが見込まれる。「日銀は年末までの追加利上げの可能性は排除していないものの、来週会合での利上げを急ぐ必要はない」との関係者の話も報じられている。なお、片山財務相は「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移するのが望ましい。日銀の利上げの方向性、現時点で特段コメントはない」などの見解を示した。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会では政策金利の据え置きが予想されているものの、10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)の伸び率が鈍化していた場合は利下げ観測が再燃するため注意しておきたい。また、中国のEUへのレアアース輸出規制強化による景況感悪化や、主要格付け3社のフランス国債の平均格付けが「AA」を下回ったことなどを受けて、中央銀行や機関投資家によるフランス国債売却が強まる場合には警戒が必要だろう。
10月20日週の回顧
ドル円は、週初に日銀が展望レポートで今年度のGDP見通しを引き上げる可能性が報じられたことを受けて一時150.28円まで下落したものの、高市新内閣が積極財政型の布陣となったことから、「高市トレード」が再燃。日経平均は利食い売りなどに押されたものの、ドル円は週末にかけて152.80円まで買い戻されている。また、ユーロドルは、相次ぐフランス国債の格下げやフランスの予算案を巡る政治的な混乱が重し。さらには、中国によるレアアース輸出規制強化などが嫌気され一時1.1577ドルまで下落した。
24日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は658円高の49299円。
日経平均は大幅高。史上最高値更新には至らなかったが、終値(49299円)では49000円を大きく上回り、5日線(49150円、24日時点)も上回った。TOPIXの方は史上最高値を更新しており、大型グロース株頼みではなく日本株全体で水準を切り上げる動きが続いている。来週からは決算発表が多くなるが、流れは非常に良い。来週は28日にアドバンテスト、29日にディスコ、31日に東京エレクトロンやレーザーテックが決算を発表予定。これらは今週も大きく動く日が多かったが、半導体株に対する印象が良くなるかどうかは全体市場にも大きな影響を与える可能性が高い。先陣を切る格好となるアドバンテストの決算反応が大きく注目される。
【来週の見通し】
堅調か。決算発表シーズンに突入し、アドバンテストなど注目企業の発表が予定されている。米国でもマイクロソフトやアップルなどが決算発表を予定している。FOMC(28~29日)、日銀金融政策決定会合(29~30日)、ECB理事会(30日)と中央銀行イベントが相次ぐ上に、28日には日米首脳会談、30日には米中首脳会談が開催予定と材料満載の週となる。FOMCでは0.25%の利下げ、日銀会合は金融政策の現状維持を予想する見方が多い。「アベノミクス」継承路線の高市首相とトランプ大統領は相性が良さそうで、米国と中国は首脳会談が実施されること自体が関係改善期待を高める。指数の振れ幅は大きくなりそうだが、決算を材料に個別の活況が見込まれる中、リスクを取りやすい地合いが続く公算が大きい。ある程度のボラティリティを許容しながら、週間では水準を切り上げると予想する。
【今週を振り返る】
大幅高となった。米地銀の信用リスクや米中貿易摩擦に対する過度な警戒が後退したことを受けて、週明け20日の日経平均は4桁の上昇。21日は首相指名選挙を前に49945円まで上昇し、節目の5万円に接近した。高市新首相の誕生で目先の材料出尽くし感が強まりこの日に上げ幅を縮めて終えると、22日、23日はソフトバンクGなどグロース株が弱く連日の下落。23日は600円を超える下落となり、49000円を割り込んだ。一方、24日は米ハイテク株の上昇などを追い風に、大型グロース株買いが活発となって600円を超える上昇。荒い動きが続いたが、週間では4桁の上昇となった。日経平均は週間では約1717円の上昇。週足では8週連続で陽線を形成した。
【来週の予定】
国内では、9月企業向けサービス価格指数(10/27)、日米首脳会談(10/28)、日銀金融政策決定会合(~10/30)、10月消費動向調査(10/29)、植田日銀総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)(10/30)、9月失業率、9月有効求人倍率、10月都区部消費者物価指数(CPI)、9月鉱工業生産指数、9月商業動態統計、2年国債入札(10/31)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、独10月Ifo景況感指数、米9月耐久財受注、米2年国債入札、米5年国債入札(10/27)、FOMC(~10/29)、米8月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米10月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、米7年国債入札(10/28)、パウエルFRB議長会見(10/29)、ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)、米7-9月期GDP速報値(10/30)、中国10月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米9月個人所得、米9月個人消費支出(PCE)、米9月個人消費支出(PCEデフレーター)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(~11/1 韓国・慶州)(10/31)などがある。
なお、米国は政府機関の一部閉鎖が続いているうちは、政府発表の経済指標などが見送りとなる可能性がある。欧州は10/26にサマータイムが終了する。
27日
○08:50 ◇ 9月企業向けサービス価格指数
○トランプ米大統領、訪日(29日まで)
○日米財務相会談
28日
○日米首脳会談
29日
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○14:00 ◇ 10月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
30日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合(終了後、決定内容発表)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(10月、基本的見解)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
31日
○08:30 ◎ 9月完全失業率
○08:30 ◎ 9月有効求人倍率
○08:30 ◎ 10月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
○08:50 ◎ 9月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 9月商業販売統計速報(小売業販売額)
○14:00 ◇ 9月新設住宅着工戸数
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
26日
○欧州・英国が冬時間に移行
○東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(マレーシア、28日まで)
27日
○16:00 ◇ 9月トルコ失業率
○18:00 ◎ 10月独Ifo企業景況感指数
○21:00 ◇ 9月メキシコ貿易収支
○28日00:30 ◎ 米財務省、2年債入札
○28日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○ニュージーランド(労働者の日)、休場
28日
○16:00 ◇ 11月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
○18:30 ◎ パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19:30 ◎ 9月インド鉱工業生産
○21:00 ◇ 9月メキシコ失業率
○22:00 ◇ 8月米住宅価格指数
○22:00 ◎ 8月米ケース・シラー住宅価格指数
○23:00 ◎ 10月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○23:00 ◎ 10月米消費者信頼感指数
○29日01:00 ◎ 9月ロシア失業率
○29日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
29日
○09:30 ◎ 9月豪消費者物価指数(CPI)
○09:30 ◎ 7-9月期豪CPI
○18:30 ◇ 9月英消費者信用残高
○18:30 ◇ 9月英マネーサプライM4
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:30 ◇ 9月米卸売在庫
○22:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表
○23:00 ◎ 9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○30日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
○30日03:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○オランダ総選挙
○香港(重陽節)、トルコ(共和国記念日)休場
○09:00 ◇ 10月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 7-9月期豪輸入物価指数
○15:30 ◎ 7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値
○15:30 ◇ 9月仏消費支出
○17:00 ◇ 10月スイスKOF景気先行指数
○17:55 ◎ 10月独雇用統計
○18:00 ☆ 7-9月期独GDP速報値
○18:30 ◇ 9月南アフリカ卸売物価指数(PPI)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏経済信頼感指数
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏GDP速報値
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏失業率
○21:00 ◎ 7-9月期メキシコGDP速報値
○21:30 ☆ 7-9月期米GDP速報値
◎ 米個人消費/コアPCE速報値
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:00 ◎ 10月独CPI速報値
○22:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表
○22:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○31日02:15 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○米中首脳会談
31日
○09:30 ◎ 7-9月期豪PPI
○10:30 ◎ 10月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00 ◇ 9月独輸入物価指数
○16:00 ◎ 9月独小売売上高
○16:00 ◇ 10月英ネーションワイド住宅価格指数
○16:00 ◇ 9月トルコ貿易収支
○16:30 ◇ 9月スイス小売売上高
○16:45 ◇ 10月仏CPI速報値
○16:45 ◇ 9月仏PPI
○17:30 ◎ 7-9月期香港GDP速報値
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏HICPコア速報値
○21:00 ◎ 9月南アフリカ貿易収支
○21:30 ☆ 8月カナダGDP
○21:30 ◎ 9月米個人消費支出(PCE)
◎ 9月米個人所得
☆ 9月米PCEデフレーター
☆ 9月米PCEコアデフレーター
○21:30 ☆ 7-9月期米雇用コスト指数
○22:45 ◎ 10月米シカゴ購買部協会景気指数
○1日01:00 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(韓国・慶州、11月1日まで)
11月2日
○米国が冬時間に移行
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。
今週の日経225先物は、米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀金融政策決定会合、欧州中央銀行(ECB)理事会といった中銀イベントのほか、28日に日米首脳会談、30日には米中首脳会談が予定されており、これらを手掛かりとした相場展開となろう。
FOMCについては、24日に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)はコアCPIが前月比0.2%と市場予想の0.3%を下回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを決めるとの見方が強まっている。高市政権の発足後初の日銀会合では、政策金利の維持を決めるとの見方がコンセンサスである。
トランプ米政権はロシアの石油産業に対し制裁を発動しており、日米首脳会談でも日本のロシア産LNGの輸入停止が議題に挙がる可能性があろう。貿易を巡る緊張の高まりなどが金融・物価安定へのリスクを高める恐れがあるなかで、日銀の利上げはなさそうだ。
トランプ大統領と中国の習近平国家主席の会談では、米中間の貿易・経済関係が議論されると伝えられており、一定の合意がみられるかが注目される。ただし、中国によるレアアースの輸出規制についての協議が合意につながらない場合、米国製ソフトウエアの対中輸出規制に対する警戒感が再燃する可能性は警戒しておきたい。
日米首脳会談について高市首相は「日米同盟が私の政権の外交・安全保障の最重要事項だ」と述べており、トランプ大統領との良好な関係構築が、株式市場でポジティブ視されることが期待される。
一方、国内も企業決算の発表シーズンに突入する。今週はアドバンテスト<6857.T>[東証P](28日)、ディスコ<6146.T>[東証P](29日)、東京エレクトロン<8035.T>[東証P](31日)など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の発表が予定されている。とりわけ、28日発表のアドバンテストの決算が予想を上回る内容になると、投資家心理を明るくさせよう。
日経225先物はこれまで上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジ内でのトレンドを形成しており、5万円をつける局面で+2σを捉え、その後の調整局面では+1σが支持線として機能している。ナイトセッションで+1σが4万8830円、+2σは5万0560円まで切り上がってきた。そのため、オプション権利行使価格の4万9500円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万9000円から5万円のレンジをまずは意識しておきたい。
4万9500円辺りを固めてくると、4万9500円から5万0500円とのレンジに移行することになりそうだ。+2σが5万0500円を上回ってきているため、5万円突破でも過熱感は警戒されにくく、ピーク感も強まりづらいとみられる。週足の+2σは5万0280円辺りまで上昇しているため、目先的にはオプション権利行使価格の5万0250円辺りが意識されよう。
また、パラボリックでは14日に4万5180円まで急落した局面で陰転シグナルを発生させたが、20日に4万9330円まで買われた場面で陽転シグナルを発生させている。現在のSAR値は4万6130円辺りに位置しているため、陰転シグナル発生のリスクは低い。
高市首相は所信表明演説で、「AI(人工知能)・半導体、造船、量子、バイオ、航空・宇宙、サイバーセキュリティなどの戦略分野に対して、大胆な投資促進、国際展開支援、人材育成、スタートアップ振興、研究開発、産学連携、国際標準化といった多角的な観点からの総合支援策を講ずることで、官民の積極投資を引き出す」と表明した。高市政権の発足によって、Z世代など若年層の政治に対する関心の高まりがSNSをみてもうかがえる。預金より投資を通じた資産形成に積極的な世代の資金流入期待が、「サナエノミクス2.0」相場の先高観にもつながっているのだろう。
日経225先物は5万円乗せからの調整で一時4万8500円を割り込む場面はあったものの、週末にはこの下落分を埋めるなど早い段階で切り返している。買い遅れている海外ファンドも少なくないとみられ、押し目待ち狙いのロング対応でのスタンスは継続しておきたいところだろう。
24日の米VIX指数は16.37(23日は17.30)に低下した。週間(17日は20.78)でも下げている。17日に一時28.99まで急伸する場面もみられたが、先週はこれを修正する流れが続いた。週末には一時16.02まで低下し、10日の急伸(16.23→22.44)前の水準まで下げ、75日移動平均線(16.49)を割り込んでいる。米中首脳会談を控えて楽観視はできないが、リスク選好に向かわせやすいだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で15.06倍(23日は14.96倍)に上昇した。週間(17日は15.01倍)でも上昇だった、高市政権発足への期待から高市トレードが活発化するなかで、21日には15.25倍まで上昇。その後の巻き戻しに対して、バリュー株への資金シフトがみられたことで、23日には一時14.92倍まで低下した。これにより+1σ(15.01倍)を割り込んできたが、24日の上昇で再び同バンドを上回っている。このまま+1σを支持線に変えてくると、NTロングに振れやすい需給状況が意識されてきそうだ。
10月第3週(10月14日-17日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は2581億円(10月第2週は1兆1878億円の買い越し)だった。なお、現物は1532億円の買い越し(同1兆0586億円の買い越し)と3週連続の買い越し。先物は4114億円の売り越し(同1291億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しだった。個人は現物と先物の合算で3464億円の買い越しと2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で2160億円の買い越しとなり、2週ぶりの買い越しだった。
主要スケジュールでは、27日にトランプ米大統領来日(~29日)、中国1-9月工業企業利益、米国9月耐久財受注、28日に日米首脳会談、米国10月コンファレンスボード消費者信頼感指数、29日にFOMC(米連邦公開市場委員会)終了後に政策金利、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長記者会見、30日に日銀金融政策決定会合終了後に政策金利、植田和男日銀総裁記者会見、米中首脳会談(韓国)、米国7-9月期GDP、ECB(欧州中央銀行)政策金利、ラガルドECB総裁記者会見、31日に9月完全失業率、9月鉱工業生産、中国10月製造業PMI、米国9月個人所得、米国9月個人消費支出、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議(韓国、~11月1日)などが予定されている。
<国内>
○08:50 ◇ 9月企業向けサービス価格指数
○トランプ米大統領、訪日(29日まで)
○日米財務相会談
<海外>
○16:00 ◇ 9月トルコ失業率
○17:15 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○18:00 ◎ 10月独Ifo企業景況感指数(予想:88.0)
○21:00 ◇ 9月メキシコ貿易収支
○28日00:30 ◎ 米財務省、2年債入札
○28日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○ニュージーランド(労働者の日)、休場
○東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(マレーシア、28日まで)
○欧州・英国は26日から冬時間に移行済み
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回った9月米消費者物価指数(CPI)を受けて152.30円まで下落後、10月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことで153.02円付近まで持ち直した。ユーロドルは9月米CPIの下振れを受けて1.1648ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、明日予定されている日米首脳会談の前哨戦となる日米財務相会談で「高市トレード」第2幕のベクトルを探ることになる、
本日のベッセント米財務長官と片山財務相との初めての日米財務相会談では、9月12日に発表された「日米財務大臣共同声明」が再確認されると見込む。声明文では「為替レートは市場において決定されるべきことで、過度の変動や無秩序な動きは経済や金融安定に悪影響を与えうることを再確認した」と為替レートに関する常套句が盛り込まれていた。
ところで、6月に公表された米財務省の為替政策報告書では、以下の文言も盛り込まれていた。
・年金基金等その他の政府の投資主体による海外への投資は、引き続きリスク調整後のリターンや分散化の目的で行われ、競争上の目的のために為替レートを目標とはしないこと
・IMF(国際通貨基金)の「外貨準備と外貨流動性に関するデータ・テンプレート」に沿って、月次で外貨準備のデータとフォワード・ポジション、年次で外貨準備の通貨構成を公表すること
ベッセント米財務長官は、これまで植田日銀総裁との2月と8月の電話会談で円安是正のための利上げを要請していた。2月には、「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」と述べていた。8月には、「長く続く円安については、日銀がインフレ率や成長率に焦点を当てて金融政策を進めれば、為替レートは自然と調整される」「これは植田日銀総裁の見解ではなく、私見だが、日銀は後手に回っており、利上げするだろう」と述べていた。
また片山財務相は、金融調査会長を務めていた今年3月、「ドル円は120円台の時期が長かったので、120円から130円、120円台が実力との見方が多い」と述べ、物価高の沈静化に向け円高進行が望ましいとの考えを表明していた。
明日28日に予定されている日米首脳会談では、日米関税合意や米国へ投資、防衛費増大などが確認されると思われるが、トランプ米大統領にとってはドル高・円安は不満の種であることで円安への言及にも警戒しておきたい。かつてベッセント財務長官は、日米の関税合意の実施状況にトランプ大統領が不満を感じれば、関税率を25%に戻す可能性を示唆していた。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 49560 +240 (+0.48%)
TOPIX先物 3281.0 +8.0 (+0.24%)
シカゴ日経平均先物 49545 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
24日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。9月の米消費者物価指数(CPI)はコアCPIの上昇率が前月比0.2%と市場予想の0.3%を下回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)が次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとの見方が強まり、主力株を中心に買いが広がった。10月の米購買担当者景気指数(PMI)は製造業とサービス業がともに前月から改善し、米経済の底堅さが意識されたことも下支えになった。
S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、銀行、メディアが買われた一方で、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、エネルギーの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、IBM<IBM>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、エヌビディア<NVDA>、JPモルガン・チェース<JPM>、ボーイング<BA>が上昇。半面、ハネウェル・インターナショナル<HON>、スリーエム<MMM>、ウォルト・ディズニー<DIS>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比225円高の4万9545円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比110円安の4万9210円で始まった。ただし、直後につけた4万9190円を安値にロング優勢となり、米国市場の取引開始後には4万9660円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は4万9500円~4万9600円辺りで保ち合い、4万9560円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。米国市場では予想を上回る決算を発表したインテル<INTC>の上昇を受けて、半導体株の一角が買われている。インテルの決算は前週末の時点で織り込まれているものの、フィラデルフィア半導体(SOX)指数が初の7000台に乗せる場面もみられたことで、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]のほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になろう。
あす決算発表が予定されているアドバンテスト辺りに先回り的な買いの動きがみられると、先物市場でもショートカバーを強めてくる可能性はありそうだ。日経225先物はこれまで上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジ内でのトレンドを形成しており、先週は5万円をつける局面で+2σを捉え、その後の調整局面では+1σが支持線として機能している。
ナイトセッションでは+1σから上に放れる動きをみせてきたことで、+2σを意識したトレンド形成が期待されてきそうだ。また、+2σが5万0560円辺りまで切り上がってきたことで、5万円を捉えてくる局面でもピーク感は強まりにくいとみておきたい。そのため、オプション権利行使価格の4万9500円から5万円のレンジを想定。4万9500円を下回る局面では、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
あすは高市首相とトランプ米大統領による首脳会談が行われる。トランプ大統領はインタビューで、高市首相を高く評価していると述べている。高市首相は貿易条件の見直しを試みるかもしれないとの質問に対しては、日本側の提案には柔軟に対応すると答えている。トランプ大統領との良好な関係構築が、株式市場でポジティブ視されることが期待され、ショートカバーを誘う可能性がありそうだ。
24日の米VIX指数は16.37(23日は17.30)に低下した。一時16.02まで低下し、75日移動平均線(16.49)を割り込んでいる。米中首脳会談を控えて楽観視はできないが、リスク選好に向かわせやすいだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で15.06倍(23日は14.96倍)に上昇した。23日には一時14.92倍まで低下し、+1σ(15.01倍)を割り込んできたが、24日の上昇で再び同バンドを上回っている。このまま+1σを支持線に変えてくると、NTロングに振れやすい需給状況が意識されてきそうだ。
東京市場は堅調か。先週末の米国株は上昇。ダウ平均は472ドル高の47207ドルで取引を終えた。9月消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る結果となり、利下げ継続に対する期待が高まって株式には資金が向かう展開。3指数がそろって史上最高値を更新する強い動きとなった。ドル円は足元153円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが225円高の49545円、ドル建てが315円高の49635円で取引を終えた。
米国株の強い上昇を好感した買いが入ると予想する。市場予想を下回るCPIを受けても米10年債利回りは横ばい程度で、ドル円は円安(ドル高)傾向が続いている。米国ではエヌビディアやAMDなど半導体株の動きが良く、国内でもハイテク株が上昇を先導すると見込まれる。今週のFOMC(28~29日)を無難に通過できるとの見方が強まる中、場中は下げづらく上げやすい地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは49400-49900円。
日経225先物は11時30分時点、前日比1090円高の5万0410円(+2.21%)前後で推移。寄り付きは5万0020円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万9545円)を上回る形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後につけた5万円を安値にロングの動きが一段と強まり、終盤にかけて5万0550円まで上げ幅を広げる場面もみられた。
前週末の米国市場の上昇に加え、高市政権に対する期待感が高まっていることが買いに向かわせた。指数インパクトの大きいアドバンテスト<6857.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が日経平均型を押し上げている面はあるものの、東証プライムの値上がり銘柄数は9割を超えるなど全面高商状をみせており、高市政権に対する投資家の期待値の高さがうかがえる。
日経225先物は寄り付きの時点で5万円を突破し、21日につけた高値を上回ったことでショートカバーを誘う形になっただろう。ボリンジャーバンドの+2σ(5万0710円)に接近するなかで節目の5万0500円に乗せたこともあり、いったんは達成感が意識されそうだがショートは避け、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で15.16倍に上昇した。一時15.09倍をつける場面もみられたが、+1σ(15.07倍)が支持線として機能している。21日につけた15.25倍のほか、+2σ(15.37倍)辺りをターゲットとしたNTロングに振れやすくなる可能性がありそうだ。
先週末の海外市場では、ドル円は久し振りに米指標を受けた値動き。9月米CPIは上昇基調が継続されたものの、予想を下回ったことから米長期金利の低下とともに152.30円まで下落する場面もみられましたが、10月米PMI速報値が予想を上回る強い結果となると一転して153.02円まで上昇。ただ、その後に発表された10月米ミシガン大消費者態度指数確報値が予想を下回ったこともあり152.70円まで下押ししたものの、結局は、高値圏でのもみ合いとなって週末の取引を終えています。米10年債利回りも3.9605%まで低下した後、4.0141%まで上昇。引けでも4%台を維持しました。
週明けのアジア市場では、トランプ米大統領が3日間の滞在に向けて日本に向かっているなか、早朝のオセアニア市場から日経先物が50000円を超えて大幅な上昇。ドル円も先週末の高値を上抜けて一時153.18円まで値を上げました。その後は株価が上げ幅を縮めるにつれて152.66円まで下押ししたものの、日経平均が再び史上最高値を更新すると153.02円まで買い戻されているといったところです。
いずれにしても、市場では「海外勢を中心に高市トレードが再開されている」との声も聞かれていますが、海外勢も高市政権誕生から既に1週間。組閣や大臣の発言などからどういった政権になるのか、ある程度はっきりとしたビジョンが見えてきたからこその動き。
端的に言えば、責任ある積極財政を掲げる新たな保守政権ということになるわけで、つまり、石破首相が国会の答弁で「日本の財政はギリシャよりも悪い」との見解を示してひんしゅくを買ったように、プライマリーバランスを考えるにあたって、これまでの財務省が定義する「債務残高対GDP比」から、より世界的にも広く認知されている「純債務残高対GDP比」を基本に政策を行っていくという大転換を理解したということ。この大きな政策転換を理解することこそ、高市政権が持つ、市場に対する潜在的可能性の大きさと方向性を認識することが出来るというものです。
ドル円は目先、10日の高値153.27円が戻りの目処として意識されていますが、2月12日の高値154.80円もまた、視野に入ってきています。
「国家が支出を増やすなら、国民の蓄えから借りるか、増税かしかない。『公のお金』などはなく、あるのは『納税者のお金』だけだ」(サッチャー第71代英首相)
高市首相の「責任ある積極財政政策」は、「高圧経済政策」(金融緩和政策と財政拡張政策)を彷彿とさせる。
1.イエレン第15代FRB議長の「高圧経済政策構想」
イエレン第15代FRB議長は、2016年10月の講演「危機後のマクロ経済リサーチ」で、高圧経済(high-pressure economy)政策構想を提唱した。イエレン第15代FRB議長は、労働経済学の専門家という視点から、需要不足という低圧経済状態が続けば正規雇用を抑制する必要が生じることから、労働投入量の減少供給能力は増加しにくいと指摘した。すなわち、「低圧経済」を「負の履歴効果」(=雇用のスラック(需給の緩み)として否定した。
そして、「高圧経済」を推進した場合、就労を諦めた無就業者が就労の機会を得ることが出来て、就労者もより良いポストに転職できる機会を得ることが出来ることから、リーマンショックのようなリセッション(景気後退)から脱却するには『高圧経済』政策が唯一の方策となり得ることを示唆した。
イエレン米財務長官は、バイデン大統領が提案する巨額の支出計画について、金利が上昇したとしても経済にとって最終的にはプラスになると強調し、そうした支出は米経済が高い競争力と生産力を維持する上で必要な投資であり、それにより米経済の成長は加速すると考えている、と述べた。さらに「この計画には経済に対する需要効果があるが、さらに重要なのは大きな供給効果をもたらすという点だ」と述べた。
2.高市第104代首相の「高圧経済政策」
高市首相は、10月24日の所信表明演説で「戦略的な財政出動」を標榜して、財政・金融政策を通じて日本経済を需要超過の状態に持っていく「高圧経済」を再確認した。
高圧経済政策は、労働需給の逼迫状態を継続させることを通じて、高生産性・賃金の企業・産業・職種への労働移動を促すことを意図している。すなわち、労働集約的で相対的に生産性の低い医療・介護産業からの人材流出を促すことが目論まれている。
金融政策では、緩和政策を維持することになり、日本銀行への利上げ抑制となる。すなわち、高市首相は、物価上昇率が2%を上回る現状について、輸入品価格などの高騰による「コストプッシュ型インフレ」と指摘しており、「デフレでなくなったと安心するのは早い」と強調している。そして、金融政策に政府の経済政策との整合性を求める日銀法第4条まで引き合いに出し「財政政策、金融政策も責任を持たなきゃならないのは政府。日銀は金融政策についてベストな手段を考えてもらう場所だ」と語るなど、利上げの是非の最終判断は政府が行う考えを示唆している。
また、高市政権は財政・金融政策で、円高・デフレ脱却のための財政・金融政策出動を標榜していた「アベノミクス」の継承を提唱「サナエノミクス」している。
しかし、現状は円安・インフレの状況であり、「高圧経済政策」ではなく「低圧経済政策」に軸足を置くべきなのかもしれない。
中国の国家統計局が27日に発表した統計によると、2025年1-9月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比3.2%増の5兆3732億元だった。
業種別では、電力・熱生産供給が14.4%増、非鉄金属精錬・圧延加工が14.0%増、農産物加工が12.5%増、コンピューター・通信・その他の電子設備製造が12.0%増、電気機械・器材製造が11.3%増、汎用設備製造が8.4%増、専用設備製造が6.8%増、非金属鉱物製品製造が5.1%増、自動車製造が3.4%増となった。鉄金属精錬・圧延加工は黒字転換、石油・石炭・その他の燃料加工は赤字が縮小した。一方、化学原料・化学製品製造が4.4%減、紡織が5.9%減、石油・天然ガス採掘が13.3%減、石炭採掘・選炭が51.1%減だった。
9月単月の税引き前利益は前年同月比21.6%増と、前月の20.4%増から増益率が加速した。
本日のロンドン為替市場では、貿易交渉で米中が歩み寄ったことによるリスクセンチメント改善を受けた動きが中心か。なお、先週末に米格付け会社ムーディーズがフランスの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたものの、相場の反応は限られた。仏政局の混乱から一時期高まったフランスへの警戒感も後退している。経済指標は10月独Ifo企業景況感指数が発表予定。
米中貿易交渉では、複数の争点(輸出規制やフェンタニル問題、船舶入港料など)で前向きな進展があった。これにより、トランプ米大統領が警告していた来月1日からの中国に対する100%の関税は撤回されるもよう。今月前半に急速に高まっていた二大経済大国の対立懸念は弱まってきた。米中首脳会談が実施され、両者の歩み寄りが明白となれば、リスクオンの動きが加速するのではないか。
注意すべきは、米国と中国ともに懸案事項が解決に向かうとなれば、両国とも欧州に対しては強気の態度に出るかもしれないこと。欧州と米国、欧州と中国間の貿易問題に関する報道には念のため注意しておきたい。今週は、欧州連合(EU)と中国の貿易交渉担当者が「輸出管理対話」の枠組みの下で会合を行う。中国のレアアース輸出規制や電気自動車、オランダの半導体メーカー・ネクスペリア(中国資本)などが主要議題となるもよう。
欧州・英国が冬時間に移行したため、本日の10月独Ifo企業景況感指数は18時に発表予定。市場予想は88.0と前回から若干の上振れだが、6月分には届かない見込みだ。なお今週は30日に欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が公表されるが、政策金利の据え置きがほぼ確実視されている。ECB理事会を控えたquiet period(いわゆるブラックアウト期間)のため、理事会メンバーの講演は予定されていない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、17日高値1.1728ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、22日安値1.1577ドル
ドル円:1ドル=153.12円(前営業日NY終値比△0.26円)
ユーロ円:1ユーロ=178.02円(△0.25円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1626ドル(▲0.0001ドル)
日経平均株価:50512.32円(前営業日比△1212.67円)
東証株価指数(TOPIX):3325.05(△55.60)
債券先物12月物:135.96円(▲0.18円)
新発10年物国債利回り:1.665%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月企業向けサービス価格指数
前年比 3.0% 2.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。週末に通商政策を巡る米中の対立が和らいだことを背景に全般円売りでスタートすると、153.18円まで上昇するも、10日高値153.27円が目先の抵抗として意識されると伸び悩み。東京仲値前後に売られたことも合わさり、一時152.66円まで下押した。もっとも、時間外の米10年債利回りが上昇したほか、日経平均が4桁の上げ幅となっていることもあり、下げ一巡後は買い戻しが優勢となって153.26円まで再び上昇した。
・ユーロ円も底堅い。朝方の円売りの流れの中で178.15円まで上昇してユーロ導入来の高値を更新。その後の下押しを177.80円前後に留めると再び178円台に戻すなど、ドル円に連れた動きとなった。
・ユーロドルは小動き。ドル円でドル売りが優勢となるのをながめて値を上げるも、前週末高値1.1648ドルに並んだところで上昇が一服。その後は時間外の米長期金利が上昇したことも重しとなり下押すも1.1620ドル付近までに留まるなど、1.16ドル台前半でのもみ合いとなった。
・日経平均株価は続伸。週末に米中貿易対立が和らいだことを受けてリスク選好の流れでスタートすると、取引開始直後に史上初となる5万円の大台に乗せた。その後も堅調に推移すると、上げ幅は一時1200円超に達した。
・債券先物相場は反落。米中貿易対立が和らぎ、安全資産とされる債券は売りが優勢となった。日経平均の大幅高も債券相場の重しとなった。
大阪12月限
日経225先物 50590 +1270 (+2.57%)
TOPIX先物 3331.5 +58.5 (+1.78%)
日経225先物(12月限)は前日比1270円高の5万0590円で取引を終了。寄り付きは5万0020円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万9545円)を上回る形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後につけた5万円を安値にロングの動きが一段と強まり、前場終盤にかけて5万0550円まで上げ幅を広げる場面もみられた。
節目の5万0500円突破で利食いも入りやすく、ランチタイムでは5万0400円辺りでの狭いレンジでの推移となり、後場に入り5万0260円まで上げ幅を縮めた。ただし、押し目待ち狙いの買い意欲は強く、終盤にかけてショートカバーを誘う形でのロングが強まり、引け間際には5万0630円まで買われた。
前週末の米国市場の上昇に加え、高市政権に対する期待感が高まっていることが買いに向かわせた。指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]の3銘柄で日経平均株価を725円押し上げた面はあるものの、東証プライムの値上がり銘柄数は8割を超え、ほぼ全面高商状をみせており、高市政権に対する投資家の期待値の高さがうかがえる。
日経225先物は寄り付きの時点で5万円を突破し、21日につけた高値を上回ったことでショートカバーを誘う形になっただろう。一時5万0630円まで買われボリンジャーバンドの+2σ(5万0740円)に接近するなかで過熱感を警戒視する声も聞かれる。ただし、本日の2%を超える上昇の影響から+2σはナイトセッションで5万1080円まで切り上がってきた。
スキャルピング中心のトレードなかでのショートはあるものの、ショートに傾けるポジションの組成は控えておきたいところであろう。過熱を警戒しつつもスタンスとしては押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
あす決算発表を控えるアドバンテストは6.5%超の上昇だったが、7日につけた最高値には届かなかった。決算を前に高値を更新してくるのか、もしくは利益確定の動きが強まるかが、投資家心理に与える影響は大きいだろう。利食いが強まる局面においては、今週末に決算を控える東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などへ利食いに向かわせることも考えられ、先物市場では短期的にショートを誘うことになりそうだ。
ボリンジャーバンドの+2σを意識しつつ、まずは5万0500円辺りでの底固めを見極めるとみられ、オプション権利行使価格の5万円から5万1000円のレンジを想定する。
NT倍率は先物中心限月で15.18倍に上昇した。一時15.09倍をつける場面もみられたが、+1σ(15.07倍)が支持線として機能している。その後は15.20倍まで上昇する動きもあり、21日につけた15.25倍のほか、+2σ(15.37倍)辺りをターゲットとしたNTロングに振れやすい需給状況である。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万1575枚、ソシエテジェネラル証券が1万6382枚、SBI証券が4181枚、みずほ証券が2814枚、JPモルガン証券が2800枚、バークレイズ証券が2732枚、サスケハナ・ホンコンが2536枚、野村証券が2323枚、ゴールドマン証券が2238枚、日産証券が2077枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万1979枚、ソシエテジェネラル証券が1万8713枚、JPモルガン証券が4471枚、ゴールドマン証券が4215枚、バークレイズ証券が3709枚、モルガンMUFG証券が3271枚、ビーオブエー証券が3268枚、シティグループ証券が1860枚、BNPパリバ証券が1458枚、サスケハナ・ホンコンが1280枚だった。
NY時間の為替市場でドル円は、日経平均株価が一段高となる中で、ドル円も堅調地合いを維持しそうだ。ただ、明日に高市首相とトランプ米大統領の首脳会談が行われる予定で、事前の発言や報道などで神経質な動きになりそうだ。なお、片山財務相とベッセント米財務長官の財務相会談が今晩にも行われるとの話もあるが、現時点では定かではない。
明日行われる予定の日米首脳会談では、高市政権にとっては信頼関係の構築だけで、無風に終わることを望んでいるだろう。本日トランプ大統領からエアーフォースワンに搭乗前に安倍元首相の盟友でもあることで、高市氏について好感を示す発言も伝わっている。ただ、高市政権は支持率が6割を超えるなど、国民の支持を得ているが、避けることができないものは外圧、特に米国からの圧力になる。
第2次トランプ政権は第1次と比較しても、同盟国に対してもこれまで無理難題を押し付けてきている。関税や対露制裁、防衛費負担などで更に踏み混んでくる可能性がある。高市氏は前倒しでの防衛費増を対国内総生産(GDP)比で2%引き上げようとしているが、トランプ政権は5月末、日本を含めたアジアの同盟国に対し、防衛費を対GDP比5%に向け引き上げるよう要求している。更なる引き上げを強いてきた場合には、物価対策などが滞り積極財政路線にも影響を与えることになるだろう。
また、米国の為替報告書ではドル高是正のために日銀の金融政策引き締めの必要性を報告しているが、円安の流れが再び進行していることで、円安に歯止めをかけるような話し合いが行われる可能性もある。円安は米国にとって通商面でマイナスなだけでなく、円安による輸入物価上昇は日本にとってもデメリットは大きい。ただ、第2次トランプ政権発足後からドル高・円安是正について言及されるとのうわさは幾度も流れたが、その都度裏切られてきていることで、現実的に話が出るまでは過度に期待するのは難しいか。
なお、引き続き米国の政府機関閉鎖が継続されていることで、本日も米国からは主だった経済指標の発表は予定されていない。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、10日高値153.27円を上抜けると節目の154.00円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、24日安値152.30円。
今週のNY市場はメガキャップの決算発表と金融政策に注目。先週はダウ平均が2.20%高、S&P500が1.92%高、ナスダック総合が2.31%高とそろって2週続伸。米中貿易摩擦懸念が和らいだことや、米9月消費者物価指数(CPI)が予想を下回る伸びにとどまったことで利下げ期待が高まったことが支援となった。主要3指数はそろって取引時間中と終値の史上最高値を更新し、ダウ平均は終値で初めて47000ドルを上回った。月初来ではダウ平均が1.74%高、S&P500が1.54%高とともに6カ月続伸ペースとなり、ナスダック総合は2.40%高と7カ月続伸ペースとなった。
今週は10月最終週となるが、メガキャップの決算発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)が焦点となる。決算発表はS&P500採用の170銘柄以上が発表予定で、中でもアップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズのマグニフィセント・セブンの5銘柄が決算を発表する。時価総額でS&P500の約25%を占めるメガキャップの決算実績やガイダンスに要注目となる。金融政策では28-29日開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる。今会合では0.25%の利下げが確実視されているほか、12月FOMCでも0.25%の利下げが見込まれており、年内の利下げ見通しを巡りパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見に要注目となる。また、今週はトランプ米大統領と中国習国家主席の会談も予定されており通商問題を巡る米中協議が注目されるほか、長期化する政府機関の一部閉鎖の解消の可否もポイントとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは10月ダラス連銀製造業景況指数など。企業決算は寄り前にエレクトロニック・アーツ、キューリグ・ドクター・ペッパー、引け後にニューコア、NXPセミコンダクターズ、ウェルタワー、ウエイスト・マネジメントなどが発表予定。
ロシア外務省は、ラブロフ外相と北朝鮮崔善姫外相がアジア情勢を協議し、朝鮮半島や北東アジア、世界で緊張が高まる主因は「米国および同盟国の攻撃的行動」であるとの共通認識で一致したと発表した。両国は安全保障面で連携を強化する姿勢を強調している。
米国経済が力強さを維持している一方、貧困層や中間層の生活苦は現実に存在しており、全体の底上げではなく「上位40%」特に富裕層が歴史的な資産増と恩恵を独占している。国民の下位40%は経済統計への寄与が小さく、資産や消費の大部分は富裕層に集中。株高や好調な小売データも、主に富裕層の消費力増大に支えられている。2024-25年の一連の減税も富裕層の所得拡大を後押しし格差が一段と拡大した。現在の米国経済の成長感は実際には「格差と富の集中」による側面が大きいと言える。
米財務省によると、2年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.504%、応札倍率(カバー)が2.59倍となった。
ハリケーン「メリッサ」が急速に発達し、観測史上初めてカテゴリー5の猛烈な勢力でジャマイカ直撃が予測されている。メリッサの最大風速は157mph(約70m/s)を超え、キングストンの南南西約210km付近を進行中です。NHCの記録によると、1850年以降、ジャマイカ本島でカテゴリー4や5での直撃は一度もなく、今回が史上初となる。これまで上陸した最大はカテゴリー3で1903年、1912年、1951年、1988年の4回だけだった。今後はジャマイカとの接触後に若干勢力を弱めつつも、キューバ南東部やバハマ、バミューダに接近しながら北大西洋へ進む見通しだ。
米国政府閉鎖が続く限り、約4,100万人(全人口の12%)が利用する低所得者層向け食料支援プログラム(SNAP)の11月分給付が止まることが農務省(USDA)から発表された。2024年度のSNAP事業規模は年間約1,000億ドル、世帯ごとの平均支給額は月約190ドルだが、財源が底を突き11月1日以降は新規給付不能となる見通しだ。
州によっては10月分の未使用残高が一時的に利用可能な場合もあるが、政府予算が復旧しない限り、今後の新規給付は遅延または打ち切りリスクが高まる。政治対立による予算案の遅延が主因で、政府と州、個人間で影響が拡大している。
日経平均株価は大幅続伸。5日移動平均線(49415円 10/27)上から早々に上放れる格好となり、マド開けを伴う陽線を形成して終えた。高値圏で終了し、初の5万台の水準まで切り上げた。
RSI(9日)は前日59.4%→78.6%(10/27)に上昇。あすはRSIの上昇継続のハードルは高くなるが、基本的な見方に大きな変化はなく、引き続き上目線のトレンドフォローとなる。
上値メドは、10/9高値から10/14安値までの下げの倍返しとなる50650円、心理的節目の51000円や51500円、52000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の50000円、5日移動平均線、心理的節目の49000円、10日移動平均線(48664円 同)、心理的節目の48000円、10/17安値(47494円)、心理的節目の47000円などがある。
ロシアのプーチン大統領は「無敵」と称する新型核巡航ミサイル「ブレベストニク」の発射試験成功を公開し、同兵器の部隊配備に向けた準備開始を指示した。これに対しトランプ大統領は「米国も常にミサイルを試験している。彼らはふざけていないし、米軍もふざけていない」と冷静な反応を示しつつ、「プーチンはミサイル試験よりもウクライナ戦争の終結に集中すべきだ」とコメント。両国首脳の核抑止力誇示が続く中、トランプ氏は「戦争は本来1週間で終わるはずだった」と、速やかな停戦を促している。
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.625%、応札倍率(カバー)が2.38倍となった。
27日の日経平均は大幅続伸。終値は1212円高の50512円。先週末の米国では、市場予想を下回る9月消費者物価指数を受けて、3指数がそろって史上最高値を更新。これを好感して寄り付きから600円を超える上昇となった。
開始早々に節目の5万円を上回ると、早い時間に上げ幅を4桁に拡大。半導体株や防衛関連など主力銘柄の多くが強く買われる中、全体でも値上がり銘柄が多く、売り手不在の様相が強まった。前場で大きく水準を切り上げると、後場は値動きが落ち着いた。それでも終盤にかけてはもうひと伸びがあり、50500円台に到達。1200円を超える上昇となり、高値圏で終了した。
東証プライムの売買代金は概算で6兆1100億円。業種別では全業種がプラスとなっており、非鉄金属、精密機器、証券・商品先物などが大幅上昇。不動産、サービス、化学などは小幅な上昇にとどまった。ウクライナで遠隔施工の実証デモンストレーションを実施したと発表したソリトンシステムズ<3040.T>が急騰。半面、開発中の抗がん剤候補化合物に関して、新薬承認・上市の目標時期を変更すると発表したキャンバス<4575.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1418/値下がり166。半導体株が全般強く、アドバンテストが6%を超える上昇。キオクシアが11.7%高と値を飛ばし、1万円の大台に迫る場面があった。ほか主力どころでは、ソフトバンクG、フジクラ、川崎重工、JX金属などが急伸。足元で振れ幅が大きくなっている東洋エンジニアが商いを伴って15.4%高と急騰した。株高を受けて野村HDや大和証券Gなど証券株が軒並み高。ステーブルコイン関連の物色が盛り上がっており、アステリアやインタートレードがストップ高となった。
一方、決算が失望を誘った信越化学が3%を超える下落。前営業日に決算を材料に急騰したKOAが利益確定売りに押された。代表取締役による株式売却が嫌気されたプロパティテクノロジーズが急落。公募・売り出しを発表した霞ヶ関キャピタルがストップ安となった。
日経平均は大幅高。10月は6日が2175円高、14日が1241円安、20日が1603円高と、週初に4桁の値動きとなる傾向が続いているが、今週も週初から大きく水準を変えてきた。全面高となったことや、終値(50512円)で5万円を大きく上回ったことなどは、先高期待を高める。
あす28日は日米首脳会談が予定されており、米国ではFOMCが開催される。きょうの上昇はある程度期待を先取りしているかもしれないが、29日からは日銀会合が開催されるほか、足元では決算発表も多くなっており、株式市場を刺激しそうな材料には事欠かない。上述の通り10月は週初に派手に動いているが、4桁高スタートとなった6日や20日の週は週間でも4桁の上昇となっている。5万円を通過点として、さらに上値を追うことができるかに注目したい。
(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.05円(27日15時時点比▲0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=178.12円(△0.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1638ドル(△0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:9653.82(前営業日比△8.20)
ドイツ株式指数(DAX):24308.78(△68.89)
10年物英国債利回り:4.402%(▲0.030%)
10年物独国債利回り:2.616%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月独Ifo企業景況感指数
88.4 87.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。28日の日米首脳会談や28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、29-30日の日銀金融政策決定会合など重要イベントを控えて、ポジション調整目的の円買い・ドル売りが先行。21時過ぎに一時152.57円と日通し安値を付けた。
ただ、前週末の安値152.30円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米国株相場が上昇し、史上最高値を更新したことも相場の支援材料。23時前には153.20円付近まで持ち直した。もっとも、アジア時間に付けた日通し高値153.26円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。
なお、片山さつき財務相はベッセント米財務長官と初の対面での会談を行い、「今後も両財務相の間で緊密に協調していくことを確認した」と明らかにした。また、「日本の金融政策は直接的な話題にはならなかった」「日米の為替共同声明は特に機微にわたる話はなかった」と説明した。
・ユーロドルは底堅い動き。日本時間夕刻に一時1.1618ドルと日通し安値を更新したものの、前週末の安値1.1601ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。10月独Ifo企業景況感指数が88.4と予想の88.0を上回ったことも相場の支援材料。21時過ぎに一時1.1651ドルと日通し高値を付けた。ただ、一目均衡表転換線が位置する1.1653ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
もっとも、28-29日のFOMCや30日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会など重要イベントを控えて、神経質な商いとなり大きな方向感は出なかった。今日これまでの値幅は0.0033ドル程度と小さかった。
・ユーロ円はしっかり。日本時間夕刻に一時177.63円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。23時前には一時178.23円と1999年のユーロ導入以来の高値を更新した。ドル円の下げ渋りやユーロドルの上昇、欧米株高に伴う円売り・ユーロ買いが出た。
・ロンドン株式相場は小幅ながら6日続伸し、史上最高値を更新した。前週末の米国株相場が史上最高値を更新したことを受けて投資家心理が改善すると、英株にも買いが入った。ただ、高値警戒感から利益確定の売りも出たため、そのあとは一進一退の展開が続いた。ロイズ・バンキング・グループやバークレイズなど金融株が買われた半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は3日続伸。前週末の米国株相場が史上最高値を更新したことを受けて投資家心理が上向くと、独株にも買いが波及した。米中貿易摩擦再燃への警戒感が和らいだことも相場の支援材料。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(2.37%高)やコンチネンタル(1.43%高)、DHLグループ(1.33%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
(27日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.88円(前営業日比△0.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=178.03円(△0.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1645ドル(△0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:47544.59ドル(△337.47ドル)
ナスダック総合株価指数:23637.46(△432.59)
10年物米国債利回り:3.98%(▲0.02%)
WTI原油先物12月限:1バレル=61.31ドル(▲0.19ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4019.7ドル(▲118.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら7日続伸。明日28日の日米首脳会談や28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、29-30日の日銀金融政策決定会合など重要イベントを前に、ポジション調整目的の円買い・ドル売りが先行。21時過ぎに一時152.57円と日通し安値を付けた。
ただ、前週末の安値152.30円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米国株相場が上昇し、史上最高値を更新したことも相場の支援材料。23時前には153.20円付近まで持ち直した。
もっとも、アジア時間に付けた日通し高値153.26円や10日の高値153.27円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利が低下に転じたことも相場の重し。「米アマゾン・ドット・コムは最大3万人のホワイトカラー職を削減する計画」との一部報道で米雇用情勢の悪化が警戒された面もあったようだ。
・ユーロドルは4日続伸。米長期金利が低下に転じたことなどを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進行。4時前に一時1.1652ドルと日通し高値を付けた。ただ、一目均衡表転換線が位置する1.1653ドルが目先レジスタンスとして意識されたため、一本調子で上昇する展開にはならなかった。
もっとも、28-29日のFOMCや30日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会など重要イベントを控えて、神経質な商いとなり大きな方向感は出なかった。今日の安値は日本時間夕刻に付けた1.1618ドルで値幅は0.0034ドル程度と小さかった。
・ユーロ円は6日続伸。日本時間夕刻に一時177.63円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。23時前には一時178.23円と1999年のユーロ導入以来の高値を更新した。ドル円の持ち直しやユーロドルの上昇、米株高に伴う円売り・ユーロ買いが出た。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、史上最高値を更新した。ベッセント米財務長官は26日、11月1日発動を予定していた100%の対中追加関税を巡り、「米中首脳会談で回避が実現する見通しだ」と発言。「代わりに中国がレアアース輸出規制の実施を1年間延期する」との見方を示した。貿易問題を巡る米中対立の緩和期待を背景に買いが優勢となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続伸し、史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは上昇。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、中盤以降はじり高の展開となった。28-29日のFOMCで追加利下げが見込まれる中、長期債に買いが入った。
・原油先物相場は続落。米中対立抗争の落ち着きでエネルギー需要を押し上げるとの期待感から62ドル台に乗せる場面もあった。ただ、「OPECプラスの有志8カ国が増産を検討」との一部報道を受けて失速した。
・金先物相場は大幅続落。米中貿易摩擦を巡る不透明感がやや払しょくされたことで、これまで急ピッチで上昇していた金に投げ売りが持ち込まれ、急落した。
27日11:27 木原官房長官
「為替相場の動向が経済に与える影響はプラス面マイナス面双方がある」
「為替相場の過度な変動や無秩序な動きについてしっかりと見極めている」
27日15:00 トランプ米大統領
「中国とは何も合意していないが、感触はいい」
「習近平主席との取引は成功すると思う」
「(カナダの)カーニー首相とは会いたくない」
「カナダは長い間私たちを騙し続けてきたが、もうそんなことはしないだろう」
「おそらく年末までに米連邦準備理事会(FRB)に関する決定を下すだろう」
「2028年の3期目の立候補はあまり考えていない」
27日17:26 ブロックRBA総裁
「インフレの抑制と雇用の維持は非常に満足のいく成果」
「雇用市場は一部の国より良好」
「月次データは変動しやすいが、失業率の急上昇は驚きだった」
「失業率は来月再び低下する可能性がある」
「理事会は政策に慎重であり、金利は依然としてやや制限的である」
「インフレ率は目標範囲内に戻り、失業率も依然としてかなり低いため、依然として良好な状態にある」
「雇用市場を助けるために利下げが必要かどうか判断する必要がある」
「金利は他ほど下がらないかもしれない」
「労働市場はまだ少し逼迫している」
「米国の関税は豪州にとってデフレをもたらす可能性がある」
「労働力の供給は以前ほど速く伸びていない」
「労働市場は急激に落ち込むことはない」
「労働市場に関して我々の見解が間違っていた場合、私は考えを変えて転職する準備ができている」
27日20:28 片山財務相
(ベッセント米財務長官との対面会談について)
「日米両国で緊密に協議しておくことを確認」
「日本の金融政策は直接的な話題にはならなかった」
「(ロシア産エネルギーの輸入停止など)話は出たが内容の詳細は控える」
「明日の首脳会談の地ならし的な意味合いはあった」
「日米の為替共同声明は特に機微にわたる話はなかった」
27日23:46 ジョンソン米下院議長
「下院の本会議再開について、日々状況を見極めて判断」
「政府機関が再開するまでは通常の議事運営は難しい」
※時間は日本時間
<国内>
○日米首脳会談
<海外>
○16:00 ◇ 11月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲22.0)
○18:30 ◎ パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19:30 ◎ 9月インド鉱工業生産(予想:前年同月比2.9%)
○21:00 ◇ 9月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.86%)
○22:00 ◇ 8月米住宅価格指数(予想:前月比▲0.1%)
○22:00 ◎ 8月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比1.3%)
○23:00 ◎ 10月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲12)
○23:00 ◎ 10月米消費者信頼感指数(予想:93.4)
○29日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 50520 -70 (-0.13%)
TOPIX先物 3325.0 -6.5 (-0.19%)
シカゴ日経平均先物 50485 -105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
27日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。ベッセント米財務長官が、中国はレアアース輸出規制の実施を1年間延期するとの見方を示し、米国は中国への100%関税を見送る考えを述べたことで、貿易問題を巡る米中対立の緩和期待を背景に買いが広がった。また、ベッセント氏が30日に予定する米中首脳会談に向け、枠組みは上手くいったと語ったと伝えられたことも安心感につながった。そのほか、米連邦準備理事会(FRB)は28~29日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決めるとの観測も相場を支えた。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアが上昇した一方で、商業サービス・用品、食品・生活必需品小売、家庭・パーソナル用品の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、アップル<AAPL>、IBM<IBM>、マイクロソフト<MSFT>が買われた。半面、ウォルマート<WMT>、ナイキ<NKE>、ハネウェル・インターナショナル<HON>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比105円安の5万0485円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比40円高の5万0630円で始まった。直後につけた5万0680円を高値に利食いに伴うロング解消の流れとなり、米国市場の取引開始後には5万0380円まで売られる場面もみられた。ただし、押し目待ち狙いのロングにより底堅さがみられ、その後は5万0400円~5万0500円辺りでの保ち合いが続き、5万0520円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。もっとも、前日に1270円の大幅高で5万円の大台に乗せ、節目の5万0500円を突破したことで、利食いが入りやすいところであろう。ナイトセッションでも高値圏での保ち合いが続いているため、積極的なショートは仕掛けにくくさせそうだ。
きょう高市首相とトランプ米大統領による首脳会談が行われる。トランプ大統領との良好な関係構築が、株式市場でポジティブ視されることが期待されよう。会談後の報道を受けてロングが強まる可能性がある半面、いったん材料出尽くしの見方から短期的なショートが入りやすくなりそうだが、調整をみせてくる局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
日経225先物は上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジで推移をみせている。前日の大幅高で+2σ(5万0740円)に接近する動きをみせてきたが、同バンドはナイトセッションで5万1060円(+1σは4万9220円)まで切り上がってきた。そのため、5万0500円での底固めを見極めつつ、オプション権利行使価格の5万円から5万1000円のレンジを想定する。
週足の+2σは5万0630円に位置しており、同水準で強弱感が対立する可能性はありそうだ。前日の大幅高による反動が意識されるようだと、5万0500円を挟んだ5万0375円から5万0625円辺りで保ち合いが続く可能性も想定しておきたい。
また、きょうの取引終了後には指数インパクトの大きいアドバンテスト<6857.T>[東証P]の決算を控えている。発表を前に利食いが強まる局面では、今週末に決算を控える東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などへの売りに向かわせることも考えられ、先物市場では短期的にショートを誘うことになりそうだ。
27日の米VIX指数は15.79(24日は16.37)に低下した。16.00を割り込むのは9月26日以来、約1カ月ぶりとなる。米中首脳会談を控えて楽観視はできないが、ボトム水準まで低下してきたことで、リスク選好に傾きやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.18倍に上昇した。一時15.09倍をつける場面もみられたが、+1σ(15.07倍)が支持線として機能している。その後は15.20倍まで上昇する動きもあり、21日につけた15.25倍のほか、+2σ(15.37倍)辺りが射程に入る。アドバンテストの動向次第の面はあるが、方向性としてはNTロングに振れやすい需給状況である。
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、重要イベントを控えたポジション調整の売りで152.57円まで下落後、153.20円付近まで持ち直した。ユーロドルは米長期金利の低下を受けて1.1652ドルまで上昇した。ユーロ円は178.23円まで上昇し、1999年のユーロ導入以来の高値を更新した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米首脳会談で重点が置かれる協議内容次第、すなわち防衛費増額ならば円安、貿易赤字減額では円高を見極める展開となる。
昨日開催された日米財務相会談では、今後も両財務相の間で緊密に協調していくことが確認され、日本銀行の金融政策は話題にならなかった、と報じられた。為替に関しては、片山財務相は「特に、今日この点についての機微にわたる話は出なかった」と述べていた。
本日の日米首脳会談では、日米関税協議のフォローアップ、安全保障政策を巡る日米の協調と日本の防衛費増額などが協議されると見込まれている。
日米両国は9月に合意した関税交渉で、米国で製造され安全認証を受けた乗用車を追加試験なしに日本国内販売のために受け入れると合意し、これを文書に明記した。報道によると日本政府は、トランプ米大統領がお気に入りらしいフォードのピックアップトラックF-150(価格約10万ドル=1530万円)100台を購入し、道路やダムの点検業務などに活用する計画だという。さらにトヨタ自動車は、米国生産車を日本に輸入する案を米国側に通達する、と報じられた。
日米首脳会談での円安要因としては、トランプ米大統領が日本政府に対して、防衛費を次年度予算のGDP比1.8%(9.9兆円)から3.5%(約20兆円)まで引き上げることを求めた場合。債券市場は防衛費増額を賄うために国債発行増額を予想して債券安、為替市場では円安が進むと見込まれる。
日米首脳会談での円高要因としては、トランプ大統領が日米貿易不均衡是正のために円安抑制に言及する可能性。すなわち、日本銀行の利上げを通じた円安の修正を求めた場合となる。その場合、株式市場は下落に転じ、為替市場では円高が進む可能性がある。
日本の対米貿易黒字は、今年1-9月で5兆5630億円となり、トランプ関税がなかった昨年同時期の6兆1556億円から5925億円減少していた。しかし、日米貿易不均衡是正を目指すトランプ米政権にとっては10%程度の減少では飽き足らず、関税だけではなく円安抑制も俎上に上がる可能性に警戒しておきたい。
先週末に開催された米中閣僚級貿易協議では、通商摩擦の緩和を目指す多数の合意が示されたことで、米中報復合戦第2幕は回避されて貿易休戦が1年間程度継続することになった。中国が米共和党の支持基盤となる州で大豆の購入やレアアース(希土類)の供給を再開し、米国は11月1日付けで発動を警告していた100%関税措置を見送る方針となった。しかし、米中の貿易不均衡の是正も解決にはほど遠い状況となっている。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は337ドル高の47544ドルで取引を終えた。ベッセント財務長官の発言などから米中貿易摩擦に対する懸念が和らぎ、終日強い動きとなった。ドル円は足元152円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが105円安の50485円、ドル建てが15円安の50575円で取引を終えた。
CME225先物は横ばい圏からのスタートを示唆している。きのうの日経平均は1212円高となったが、米中関係改善期待も株価押し上げ要因の一つとなっていただけに、米国株が強かった割には初動はおとなしめとなるかもしれない。ただ、きのうの反動で下げる場面があったとしても、押し目では買いが入るだろう。午前中にトランプ米大統領と高市首相の会談が予定されており、関連のニュースが株式市場を刺激する展開も想定される。米3指数が連日で史上最高値を更新するなど外部環境も良好である中、利益確定売りをこなしつつ水準を切り上げると予想する。日経平均の予想レンジは50300-50900円。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円安の5万0470円(-0.23%)前後で推移。寄り付きは5万0560円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万0485円)を上回り、小幅な下落で始まった。寄り付きを高値に利食いに伴うロング解消の動きになり、5万0240円まで下げ幅を広げた。ただし、下へのバイアスは強まらず、その後は5万0400円を挟んでの保ち合いを継続。終盤にかけて5万0300円をつける動きもみられたが、日米首脳会談で日米同盟を引き続き深化させる方針で一致、経済分野の連携も確認されたことで、前引けにかけて下げ幅を縮めている。
日米首脳会談の内容を見極めたいとするムードもあってか、膠着感の強い相場展開だった。指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が買われ、日経平均型を支えている。引け後に決算を控えているアドバンテスト<6857.T>[東証P]は売りが先行したものの、前日比変わらずに戻していることで、ショートを仕掛けにくくさせる。
日経225先物は5万0500円をキープできず、前場はオプション権利行使価格の5万0250円から5万0500円辺りでの狭いレンジでの取引だった。日米首脳会談を終えて材料出尽くし感もあり、節目の5万0500円近辺での上値の重さが意識されるようだと、前日の大幅上昇の反動もあって、利食いに伴うロング解消の動きが続きそうである。
NT倍率は先物中心限月で15.24倍に上昇した。21日につけた15.25倍に迫るなか、いったんはNTロングを巻き戻す動きに向かわせる可能性はありそうだ。もっとも、ボリンジャーバンドの+2σ(15.37倍)辺りがターゲットとして意識されやすく、方向性としてはNTロングに振れやすいだろう。
「中立金利は1.0~2.5%くらいの間に分布しているので、0.5%という金利水準はまだ距離がある」(植田日銀総裁)
日本銀行と米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標は2%に設定されている。
日銀は、『コアCPI』を指針としているが、9月は前年比+2.9%だった。
9月の総合消費者物価指数(CPI)は、コアと同様に前年比+2.9%だった。
FRBは、『PCEデフレーター』を指針としているが、8月は前年比+2.7%、コアPCEデフレーターは前年比+2.9%だった。
9月の消費者物価指数(CPI)は、コアも同じく前年比+3.0%だった。
日銀の政策金利0.5%は、中立金利の下限1.0%を下回り、インフレ率+2.9%も下回っているため、緩和的だといえる。
FRBの政策金利4.00-25%は、中立金利の中心3.0%を上回り、インフレ率3.0%も上回っているので、抑制的だといえる。
■中立金利(neutral rate of interest)(名目金利)
中立金利とは、景気に対して中立的な(景気を刺激も抑制もしない)貯蓄と投資を均衡させる名目金利。(名目ベースの自然利子率)
■自然利子率(natural rate of interest)(実質金利)
自然利子率とは、1898年にスウェーデンの経済学者クヌート・ビクセル氏が考案した概念で、経済や物価に対して緩和的でも引き締め的でもない利子率(実質金利)の水準。
需要と供給が均衡し、完全雇用のもと、インフレもデフレも過度に起こさずに順調に経済が成長していく金利水準。
2.日本銀行の政策金利:0.50%(無担保コールレート)
■中立金利:1.0~2.5%
■インフレ目標2%:コアCPI(生鮮食品を除く)=+2.9%
・総合消費者物価指数(CPI):+2.9%
・コアCPI(生鮮食品を除く):+2.9%
2.米連邦準備理事会(FRB)の政策金利:4.00-4.25%(FF金利誘導目標)
■中立金利:3.0%(2.90%~3.90%:longer run)
■インフレ目標2%:PCEデフレーター=+2.7%
・消費者物価指数(CPI):+3.0%
・コアCPI:+3.0%
昨日のドル円は、日米の金融政策決定会合を控えて全般様子見の動き。方向感のないレンジ相場となりました。トランプ米大統領が訪日したこともあってか、市場の注目はどちらかというと政治的なイベントの方に偏ってしまったといったところ。ドル円は東京時間で高市トレードの高値となる10日の153.27円の上抜けに失敗したことによる短期筋のポジション調整がメイン。本日も日米首脳会談が行われたわけですが、「特段市場に影響するような発言も事案もない」のも明らか。淡々とポジション調整と月末絡みの輸出の売りが観測されると152.17円まで下押ししました。
日経平均も昨日の急騰後とあって、調整売りが先行しましたが、300円安で下げ止まり。しっかりと50000円台を維持すると再び買戻しとなっています。いずれにしても、今週は明日にBOCとFOMC、30日には日銀とECBの金融政策決定会合が控えているわけで、中銀ウィークへと突入していくことになります。
それにしても、今回の日米首脳会談。明らかに日本にはかなりの不利益となる可能性が高い米国への巨額投資合意にサインしました。その複雑なスキームは市場参加者もなかなか理解していない向きが多いようですが、少なくとも、日本政府及び、日本企業が米国に人的にも資金的にも米国側の要請に沿うかたちで投資することに変わりはなく、長期に渡る潜在的なドル需要の創生へと繋がっていくことになります。
本日ロンドン為替市場でユーロドルは、材料難の中で近場のテクニカルポイントをにらみながらの値動きか。日足一目均衡表・転換線が1.1653ドル、同・雲の下限は1.1656ドル、90日移動平均線が1.1678ドル、一目・基準線は1.1681ドルに位置している。
欧州発の主な経済指標は、11月独消費者信頼感指数(Gfk調査)程度。こちらは市場予想が-22.0と前回から僅かながらマイナス幅を縮小が見込まれている。もっとも、約4年続くマイナス圏から脱出できる雰囲気はまだなく、ドイツ消費者マインドの本格的な好転はまだ先だろう。なお、昨日発表された10月独Ifo企業景況感指数は88.4と予想をやや上回った。
日本時間18時台には、パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演が予定されている。もっとも、ECB理事会を控えたquiet period(いわゆるブラックアウト期間)のため、金融政策に関する発言は期待できないだろう。
その他、昨日大幅に続落した金先物の動向を本日も注視し、金融市場全般のリスクセンチメントを探る必要もありそうだ。週末に貿易問題で米中の歩み寄りが見られ、リスク志向ムードの強まりから安全資産とされる金への売り圧力が強まった。ただしNY金先物の中心限月の12月限は、節目4000ドルを割り込んだところで下げ渋ってはいる。
円相場については、高市首相とトランプ米大統領による日米首脳会談後の反応が欧州時間にも持ち込まれるのではないか。日本から米国への巨額投資や、防衛費拡大に関連した米戦闘機の購入など、資金の流れとしてはドル買い円売りが目立つ。しかしながら、今すぐに実行されるわけでもなく、期待の行き過ぎによる反動には注意したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、17日高値1.1728ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、22日安値1.1577ドル
ドル円:1ドル=151.92円(前営業日NY終値比▲0.96円)
ユーロ円:1ユーロ=177.19円(▲0.84円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1663ドル(△0.0018ドル)
日経平均株価:50219.18円(前営業日比▲293.14円)
東証株価指数(TOPIX):3285.87(▲39.18)
債券先物12月物:136.22円(△0.26円)
新発10年物国債利回り:1.640%(▲0.030%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下落。日米首脳会談への警戒感もある中、調整の売りが先行した。その後、米財務省が声明で「インフレ期待を安定させ、為替レートの過度な変動を防ぐ上で、健全な金融政策の策定と対話が果たす役割を強調した」と伝わると、為替について協議されたことが材料視されて円買いが活発化。一時151.76円まで下落した。
・ユーロ円も下落。全般的な円買いの流れの中で軟調に推移すると、177.04円まで売られた。
・ユーロドルは小高い。ドル円でドル売りとなった影響を受けてじり高で推移すると、1.1668ドルまで上値を伸ばした。
・日経平均株価は反落。前日に史上初となる5万円の大台に乗せた直後ということもあり、利益確定の売りが先行した。ドル円の下落も重しとなり、下げ幅は一時400円超となった。
・債券先物相場は反発。昨日の米国債相場が上昇した影響を受けて買いが先行すると、日経平均が調整安となった事も上昇を後押し。一時136円22銭まで上値を伸ばした。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ロシア中銀、米制裁で不確実性が高まるなかで4会合連続の利下げ
政府や産業界からの利下げ圧力に一定の配慮も、インフレ警戒で慎重さ維持の難しい対応が続く
ロシア中銀は24日、主要政策金利を50bp引き下げ16.50%とすることを決定した。6月以降4会合連続の利下げであり、戦時経済の長期化による景気減速とインフレの鈍化傾向が背景にある。その一方、ロシア経済を巡っては、米国の制裁強化に加え、米国はインドや中国にも圧力を強めるなど外部環境に厳しさが増している。こうしたなか、中銀は経済の不確実性が高まっていることも念頭に利下げに動いた。
声明文では、足元の経済は「バランスの取れた成長軌道に戻りつつある」とする一方、貸し出し増加や高止まりするインフレ期待を懸念した。2026年の平均金利を13~15%と想定し、引き締め策の長期化を見込むなど慎重姿勢を示した。インフレ率は年末に6.5~7%、2026年には4~5%への鈍化を予想するが、ガソリンや食料品価格の上昇など一時的要因や、VATの引き上げが上振れ要因となる可能性は高い。
同行のナビウリナ総裁は「緩和サイクルにあるが慎重に進める」と述べる一方、利下げの理由に需要鈍化と労働市場のひっ迫緩和を挙げた。政府や産業界からの利下げ圧力にも一定の配慮を示したとみられるが、制裁強化や物価上昇リスクなどを勘案すれば、今後の追加利下げ余地は限られると予想される。
大阪12月限
日経225先物 50460 -130 (-0.25%)
TOPIX先物 3295 -36.5 (-1.09%)
日経225先物(12月限)は前日比130円安の5万0460円で取引を終了。寄り付きを高値に利食いに伴うロング解消の動きとなり、現物の取引開始直後に5万0240円まで下げ幅を広げた。ただし、下へのバイアスは強まらず、その後は5万0400円を挟んで保ち合いを継続。前場終盤にかけて5万0280円をつける動きもみられたが、日米首脳会談で日米同盟を引き続き深化させる方針で一致し、経済分野の連携も確認されたことで、前引けにかけて下げ幅を縮め、後場の取引開始直後には5万0520円まで回復した。
きょうの引け後に指数インパクトの大きいアドバンテスト<6857.T>[東証P]の決算を控えていたほか、為替市場が1ドル=151円台後半と円高に振れたこともあり、後場中盤にかけて持ち高調整とみられるロングの解消が短期的なショートを誘う形となり、5万0160円まで下落した。その後は5万0160円~5万0250円辺りで保ち合い、引け間際にショートカバーとみられる動きが入り、5万0460円まで下げ幅を縮めた。
日米首脳会談の結果を見極めたいとのムードもあってか、膠着感の強い相場展開だった。指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が買われ、日経平均型を支えている。一方で、昨夕決算を発表した日東電工<6988.T>[東証P]やキヤノン<7751.T>[東証P]が弱い値動きだったことで、本格化する決算を前に投資家心理を神経質にさせたようだ。
日経225先物は5万0500円をキープできず、前場はオプション権利行使価格の5万0250円から5万0500円辺りの狭いレンジでの取引だった。日米首脳会談を終えて材料出尽くし感もあり、節目の5万0500円近辺での上値の重さが意識され、後場は若干レンジを切り下げたものの5万円台はキープした。前日の大幅上昇に対する反動安とはいえ下げは限定的であり、押し目待ち狙いの買い意欲の強さがうかがえる。
なお、取引終了後に決算を発表したアドバンテストは、今期2度目となる2026年3月期の業績予想の上方修正を発表した。営業利益を3000億円から3740億円に修正しており、市場コンセンサス(3300億円程度)を上回る。決算が日経225先物の取引終了間際に伝わったことで、ショートカバーの一因になった可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.31倍に上昇した。21日につけた15.25倍を突破し、ボリンジャーバンドの+2σ(15.42倍)が射程に入ってきた。アドバンテスト決算に対するプラス反応が期待され、NTロングに振れやすい需給状況になりそうである。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0326枚、ソシエテジェネラル証券が1万2032枚、サスケハナ・ホンコンが4729枚、モルガンMUFG証券が2218枚、バークレイズ証券が2160枚、日産証券が1643枚、SBI証券が1505枚、JPモルガン証券が1433枚、松井証券が1132枚、ビーオブエー証券が1012枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万4501枚、ソシエテジェネラル証券が2万0511枚、バークレイズ証券が7660枚、JPモルガン証券が4746枚、ゴールドマン証券が4062枚、モルガンMUFG証券が4042枚、サスケハナ・ホンコンが2690枚、ビーオブエー証券が2495枚、野村証券が1631枚、SBI証券が1034枚だった。
本日のNY為替市場では、日米会談後のNY市場の反応や米経済指標を確認しつつ、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を待つ展開が見込まれる。
昨日に日米財務相会合が行われ、本日米財務省から声明で「日米財務相会談では、ベッセント米財務長官はインフレ期待を安定させ為替レートの過度な変動を防ぐ上で健全な金融政策の策定と対話が果たす役割を強調した」などが明らかとなると、ドル円は一時151.76円まで下落。その後片山財務相から「会議では為替に関する具体的な議論も行われなかった」などの発言が伝わるとショートカバーを誘って152.35円付近まで切り返すも一時的となり、その後再び151円台に下落するなど、神経質な動きとなった。
一連の声明や発言に対するNY勢の反応は気になるところであり、NY市場でも米財務省の発言が材料視されるようならば、ドル円に下押し圧力が掛かりやすいと見る。ドル円は17日に149円台に下落した後はほぼ一直線で上昇し、昨日は153円台で上値の重さを確認した直後であり、調整売りが出やすい地合いであることも意識しておきたい。
また、本日は10月米消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が発表予定。市場予想は93.4と前月(94.2)を下回る見通し。米政府機関の一部閉鎖が継続している影響で今月に入り経済指標の発表が軒並み延期となる中、予想からかい離した結果となれば普段以上の反応を示す恐れがある点には留意したい。
もっとも、明日の米FOMCを前に、議長会見を含めて結果を見極めたいとのムードが強まるようならば、ドル円は積極的な売買が手控えられる中、株式や長期金利をながめながら方向感を模索する展開もあるだろう。
想定レンジ上限
・ドル円は、現時点での本日高値152.88円
想定レンジ下限
・ドル円は、日足・一目均衡表の転換線151.32円。
今晩はもみ合いか。昨日は主要3指数がそろって大幅に続伸。木曜日に開催される米中首脳会談を控え、スコット・ベッセント財務長官が米中貿易協議について前向きな見方を示したことで貿易摩擦懸念が一段と後退した。ダウ平均が337.47ドル高(+0.71%)、S&P500が1.23%高、ナスダック総合も1.86%高とそろって3営業日続伸し、先週金曜日に続いて取引時間中と終値の史上最高値を更新。S&P500は6800ポイントの大台を初めて突破した。
今晩は貿易を巡る米中首脳会談への期待や翌日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が引き続き支援となることが期待されるものの、主要3指数が連日で史上最高値更新を続けていることで高値警戒感が意識されることや、翌日のFOMC結果公表、翌日からのアップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタのマグニフィセント・セブンの決算発表を控えた様子見が強まることも予想される。発表される10月消費者信頼感指数などの経済指標や寄り前に発表されるアメリカン・タワー、ユナイテッドヘルスなどの決算発表をにらんでもみ合う展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは8月ケースシラー住宅価格指数、10月消費者信頼感指数、10月リッチモンド連銀製造業総合指数など。企業決算は寄り前にアメリカン・タワー、ペイパル、UPS、ユナイテッドヘルス、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、シャーウィン・ウィリアムズ、D.R.ホートン、引け後にビザ、モンデリーズなどが発表予定。
米格付け会社フィッチによると、米国のサブプライム自動車ローン(信用力の低い借り手向け)の60日以上の延滞率が6.4%に達し、過去最高を記録したという。これは長期にわたる高インフレが信用力の最も低い層に大きな打撃を与えている遅行指標とされる。自動車価格の高騰や高金利が負担となり、多くの低所得層が返済に苦しんでいる。今後はクレジットカードのデータにも注目が必要だろう。
欧州中央銀行(ECB)発表の消費者調査によると、ユーロ圏の1年先インフレ期待は2.7%(前回2.8%)にやや低下し、3年後(2.5%)、5年後(2.2%)は横ばいだった。これは政策変更につながらないものの、ECBにとっては安心材料。一方、銀行貸出調査では、第3四半期に予想外の基準引締めが報告された。地政学リスクや貿易不透明感で特定業種への融資選別や監視が強まりったが、主因が関税不安であれば今後改善の余地もある。
中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)は、2026-30年の第15次5カ年計画を採択した。計画では国内需要の拡大、科学技術の自立・強化、質の高い発展、改革の深化を掲げ、経済成長の維持と高品質な成長を目指す方針。特に技術の自主開発を重視し、効率的な市場と積極的な政府の役割を組み合わせ、内需拡大や所得再分配を強化する。経済の構造的課題に対応しつつ、持続可能な発展を模索している。私的需給の停滞や人口高齢化への対処は継続課題だ。
世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長は、米国の大規模な関税導入による80年ぶりの混乱にもかかわらず、世界貿易体制は「打撃や傷はあるが依然として機能している」と発言した。今年前半の世界貿易量は前年同期比4.9%増と予想外の伸びを示し、AI関連製品や新興国市場の好調、米国関税前の駆け込み輸入やマクロ経済環境の追い風が成長要因となった。?
2025年の世界貿易成長率は2.4%(8月予想0.9%から大幅上方修正)へ、曲がりなりにもコロナ後の回復基調は維持された。その一方で2026年は高関税と世界経済の減速を背景に成長率見通しを0.5%へと大幅に下方修正している。AI関連の取引が拡大する一方、米中の分断や関税の固定化が世界経済に新たなリスクをもたらしているとも警鐘を鳴らしている。
日経平均株価は反落。短期的な過熱感を意識する展開となったが、下値買い意欲も強く下げ幅は限定的となった。
RSI(9日)は前日78.6%→71.6%(10/28)に低下。前日の陽線にはらむ小陰線にとどまり、5日移動平均線(49596円 10/28)上を維持している。基本的な見方に大きな変化はなく、引き続き上目線のトレンドフォローとなる。
上値メドは、10/9高値から10/14安値までの下げの倍返しとなる50650円、心理的節目の51000円や51500円、52000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の50000円、5日移動平均線、10日移動平均線(49001円 同)、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円、10/17安値(47494円)、心理的節目の47000円などがある。
ポーランドのトゥスク首相は、11月にベラルーシとの2つの国境検問所を再開する準備があると発表した。これらの検問所は9月のロシア・ベラルーシ合同軍事演習による安全保障上の理由から一時閉鎖されていたが、経済的影響や輸送業界への配慮も踏まえ、情勢が安定したことを受けて再開される運び。ただし、今後の緊張の高まりや近隣諸国の行動次第で再度閉鎖する可能性もあると述べている。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.790%、応札倍率(カバー)が2.46倍となった。
(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.17円(28日15時時点比△0.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.48円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1663ドル(横ばい)
FTSE100種総合株価指数:9696.74(前営業日比△42.92)
ドイツ株式指数(DAX):24278.63(▲30.15)
10年物英国債利回り:4.400%(▲0.002%)
10年物独国債利回り:2.623%(△0.007%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲24.1 ▲22.5・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は一進一退。日米財務相会談に関する米財務省の声明を受けて円買い・ドル売りが入った半面、片山さつき財務相がベッセント米財務長官との会談について「直接的に金融調節をどうすべきかの話はなかった」と述べたほか、「(日銀による利上げを)促すというようなことではなかったのではないかと思う」との認識を示すと円売り・ドル買いが出た。
NYの取引時間帯に入ると、米長期金利に一喜一憂する展開。米長期金利が上昇した場面では152.37円付近まで上げたものの、米長期金利が低下に転じると151.86円付近まで下押しした。29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や30日の日銀金融政策決定会合など重要イベントを控えて、神経質な商いとなり大きな方向感は出なかった。
・ユーロドルは底堅い動き。米長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行すると、22時30分前に一時1.1626ドルと日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値1.1618ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米利下げ観測が高まる一方、ユーロ圏では政策金利が当面据え置かれるとの見方が優勢となる中、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい面もあった。米長期金利が低下に転じたことも相場の支援材料となり、2時過ぎに一時1.1669ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は下げ渋り。米財務省の声明を受けて「米政府が円安をけん制している」との思惑が浮上すると、全般円買いが先行。18時過ぎに一時177.00円と日通し安値を更新した。
ただ、片山財務相の発言が伝わると徐々に下値を切り上げる展開に。ユーロドルの持ち直しや米国株高に伴う円売り・ユーロ買いも出て一時177.55円付近まで下げ渋った。
・ロンドン株式相場は7日続伸し、史上最高値を更新した。貿易問題を巡る米中対立の緩和期待や米利下げ観測を背景に、投資家心理が上向くと英株にも買いが入った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、HSBCホールディングスやバークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反落。前日の米株高などを手掛かりに独株にも買いが入ったものの、29日のFOMCや30日のECB定例理事会など重要イベントを前に、買いは長続きしなかった。個別ではシムライズ(4.53%安)やキアゲン(1.72%安)、ドイツ証券取引所(1.67%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
28日の日経平均は3日ぶり反落。終値は293円安の50219円。米国株高を好感できずに下げて始まると、前日大幅高の反動で序盤は下を試しにいった。300円超下げたところで押し目買いが入り、いったん鋭角的に値を戻した。
切り返した後、前場ではマイナス圏で方向感に欠ける動きが続いた。ソフトバンクグループ<9984.T>や東京エレクトロン<8035.T>など大型グロースの一角が買われたことは下支えとなったものの、プライム全体では値下がり銘柄がかなり多く、強弱感が交錯。深押しすると下値が拾われた一方、下げ幅を縮めると戻りが鈍くなった。
2桁の下落で前場を終えると、後場はドル円が円高に振れたことが警戒されて、下押し圧力が強まった。安いところでは400円超下げる場面もあり、50100円台に突入。反転の手がかりに乏しい中、14時以降は安値圏でのもみ合いが引けまで続いた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆8800億円。業種別ではプラスは情報・通信の1業種のみで、銀行や海運などが小幅な下落にとどまった。一方、金属製品、繊維、建設などの下げが大きかった。上方修正や増配を発表したメタウォーター<9551.T>が急騰。半面、下方修正や減配を発表した日本パレットプール<4690.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり89/値下がり1508。ソフトバンクGが地合いの悪い中でも3%を超える上昇。古河電工が急伸し、1万円の大台に乗せて年初来高値を更新した。証券会社が目標株価を引き上げた東京エレクトロンが大幅上昇。日経平均の構成銘柄に採用が決まったイビデンが商いを伴って16.4%高と急騰した。
一方、東証から特別注意銘柄に指定され、日経平均やTOPIXの構成銘柄から外れることが決まったニデックがストップ安。通期の利益見通しを引き下げたキヤノンが5%を超える下落となった。日米首脳会談実施で材料出尽くしが意識されたか、IHIや川崎重工など防衛関連の一角が大幅安。円高進行を嫌気して日産自動車や三菱自動車など自動車株が嫌われた一方で内需も弱く、大成建設や清水建設など建設株が売りに押された。
日経平均は米国株高を受けても終日軟調。ただ、ほぼ全面安となったにもかかわらず、安値(50107円)でも5万円は下回らなかった。円高進行は逆風にはなったものの、外需が強烈に売られているわけではなく、内需も弱かった。きょうの下げに関しては、短期的な過熱感を冷ますクールダウンの動きと捉えておいた方が良さそうだ。
引け後に決算を発表したアドバンテストは、上方修正、自己株取得、中期経営計画の経営指標引き上げなどを発表しており、足元の業績好調が確認できた。日経平均は上期決算の発表が本格化する前に大きく水準を切り上げているだけに、足元の上昇が本物との見方が強まるためには、良好な決算が多く出てくることが求められる。注目度の高い企業から見栄えの良い決算が出てきたことは大きな安心材料。あすは半導体を中心に、AI関連の奮起に期待したい。
(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.11円(前営業日比▲0.77円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.23円(▲0.80円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1651ドル(△0.0006ドル)
ダウ工業株30種平均:47706.37ドル(△161.78ドル)
ナスダック総合株価指数:23827.50(△190.04)
10年物米国債利回り:3.98%(横ばい)
WTI原油先物12月限:1バレル=60.15ドル(▲1.16ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3983.1ドル(▲36.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米住宅価格指数
(前月比) 0.4% 0.0%・改
8月米ケース・シラー住宅価格指数
(前年比) 1.6% 1.8%
10月米リッチモンド連銀製造業景気指数
▲4 ▲17
10月米消費者信頼感指数
94.6 95.6・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は8日ぶりに反落。米財務省はこの日、ベッセント米財務長官が27日の日米財務相会談で日銀の金融政策に言及したことを明らかにした。市場では「米政府が円安の進行ペースや水準に懸念を抱いていることを示唆している」と受け止められ、アジア市場では一時151.76円まで下落した。
ただ、片山さつき財務相が日米財務相会談について「直接的に金融調節をどうすべきかの話はなかった」と述べたほか、「(日銀による利上げを)促すというようなことではなかったのではないかと思う」との認識を示すと下げ渋った。
NY市場に入ると、米長期金利に一喜一憂する展開。米長期金利が上昇した場面では152.37円付近まで上げたものの、米長期金利が低下に転じると151.86円付近まで下押しした。29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や30日の日銀金融政策決定会合など重要イベントを控えて、神経質な商いとなり大きな方向感は出なかった。
・ユーロドルは小幅ながら5日続伸。米長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行すると、22時30分前に一時1.1626ドルと日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値1.1618ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米利下げ観測が高まる一方、ユーロ圏では政策金利が当面据え置かれるとの見方が優勢となる中、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい面もあった。米長期金利が低下に転じたことも相場の支援材料となり、2時過ぎには一時1.1669ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は7日ぶりに反落。米財務省の声明を受けて「米政府が円安をけん制している」との思惑が浮上する中、日本時間夕刻に一時177.00円と日通し安値を付けた。
ただ、片山財務相の発言が伝わると下げ渋る展開に。ユーロドルの持ち直しや米国株高に伴う円売り・ユーロ買いが出ると177.55円付近まで下げ幅を縮める場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、史上最高値を更新した。貿易問題を巡る米中対立の緩和期待や米利下げ観測を背景に投資家のリスク選好姿勢が強まると、株買いが優勢となった。好決算を発表したシャーウィン・ウィリアムズが大幅に上昇し、1銘柄でダウ平均を120ドル近く押し上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日続伸し、史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。米利下げ観測を背景に買いが入った半面、米国株相場の上昇を受けた売りが出たため、相場は方向感が出なかった。明日29日のFOMC結果公表を前に、ポジションを一方向に傾けにくい面もあった。
・原油先物相場は3日続落。OPECプラスによる増産継続観測が売り材料視された。米国による対ロ企業制裁による過度な供給困難懸念が和らいでいることも重しとなった。
・金先物相場は3日続落。足もとでリスク要因が減っていることで安全資産とされる金需要が一段と低下。利益確定売りがこの日も活発化した。
東海東京インテリジェンス・ラボでは米国株に関するリポートの中で、S&P500指数が先週末まで124営業日連続で50日移動平均線を割り込むことなく推移していることを指摘している。これは2011年3月に終わった130営業日連続以来となる長期記録であるとのこと。「下がれば買い」の投資スタンスが市場に定着していることを示唆する動きと東海東京では捉えている。
日米両政府は、「日米間の投資に関する共同ファクトシート」を発表した。その中で、日米両国の企業がエネルギー、AI向け電源開発、AIインフラ強化、重要鉱物などの組成に関心を有していることを歓迎した。
また、9月4日に日米両国が署名を行った5,500億ドルの戦略的投資に関する了解覚書の対象となる案件も含め、今後、日米両国のサプライチェーン強靱化に資する様々なビジネス上の取組が推進されることについて、強い期待を表明した。
ADP(Automatic Data Processing)がこれまでの月次の雇用報告に加え、週次の雇用報告も発表することを決定した。本日から毎週火曜日に速報値として発表するとした。
28日09:31 城内経済財政相
「為替はさまざまな要因で市場で決まる」
「円安進行が実体経済に与える影響には注意していく」
28日12:49 米財務省
「ベッセント長官は片山財務相と為替について協議した」
「日米財務相会談では、ベッセント米財務長官はインフレ期待を安定させ為替レートの過度な変動を防ぐ上で健全な金融政策の策定と対話が果たす役割を強調した」
「アベノミクス導入から12年で状況は大きく変わった」
28日16:11 片山財務相
「為替はファンダメンタルズを反映し安定的に推移することが望ましい」
「会議では為替に関する具体的な議論も行われなかった」
「為替に関する日米共同声明に変更はない」
「(ベッセント米財務長官の発言について)中央銀行のルールをよく理解しており、日銀に金利引き上げを促したわけではないだろう」
「金融政策の方向性について直接協議はなかった」
「直接的に金融調整をどうするべきかの話はなかった」
28日16:29 高市首相
「日米同盟を更なる高みに引き上げる」
「今後日本の防衛力を抜本的に強化する」
28日19:57 トランプ米大統領
「木曜日に習近平主席と会談」
「習近平との会談はうまくいくと思う」
「ベッセント米財務長官が市場を落ち着かせている」
「新しい日本の首相はうまくやっている」
※時間は日本時間
<国内>
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○14:00 ◇ 10月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:35.5)
○未定 ◇ 10月月例経済報告
<海外>
○09:30 ◎ 9月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比3.1%)
○09:30 ◎ 7-9月期豪CPI(予想:前期比1.1%/前年同期比3.0%)
○12:30 ◎ ホークスビー・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁、講演
○18:30 ◇ 9月英消費者信用残高(予想:15億ポンド)
○18:30 ◇ 9月英マネーサプライM4
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:2.25%に引き下げ)
○23:00 ◎ 9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比1.0%/前年比なし)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○30日01:00 ◎ 9月ロシア失業率(予想:2.3%)
○30日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:3.75-4.00%に引き下げ)
○30日03:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○オランダ総選挙
○香港(重陽節)、トルコ(共和国記念日)休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利が上昇した場面では152.37円付近まで上げ、低下に転じると151.86円付近まで下押しした。ユーロドルは米長期金利の上昇を受けて1.1626ドルまで下落、低下に転じた局面では1.1669ドルと日通し高値を更新した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米財務相会談に関するヘッドラインに警戒しながら、日米の金融政策待ちで動きづらい展開が予想される。豪ドルは、9月豪消費者物価指数(CPI)に注目。
昨日は、27日に開催された日米財務相会談に関して、米財務省が「ベッセント米財務長官が、健全な金融政策の策定とコミュニケーションがインフレ期待の安定維持と為替レートの過剰な変動を防ぐ上で重要な役割を果たすことを強調した」との声明を公表した。ドル円は、円安を牽制する内容と受け止められ、一時151.76円まで円高に推移した。
しかし、片山財務相が、「(日銀による利上げを)促すというようなことではなかったのではないかと思う」との認識を示したことで、152円台まで戻した。今後も、日米財務省のHPで日米財務相会談の声明文を検証しながら、米財務省が「外国為替報告書」などで言及しているような円安を抑えるために日銀に利上げを要請しているのか否か、そして「ベッセント・シーリング」の水準を見極めていくことになる。
本日まで開催されている米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利であるFF金利誘導目標金利が0.25%引き下げられて3.75-4.00%となることが確実視されている。米連邦準備理事会(FRB)の中立金利の中心値は3.00%、9月米CPIも前年比+3.00%だったことで、市場のターミナルレート(政策金利の最終到達水準)の見通しも3.00%前後となっている。注目ポイントは、先日パウエルFRB議長が言及したバランスシート縮小が停止されるか否かとなる。
また、本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合では、高市政権誕生直後ということで、政策金利0.50%の据え置きが見込まれている。
日本の9月のコアCPIは前年比+2.9%と発表されており、日銀の目標である2%を42カ月連続で上回る結果となっている。昨日、日銀が発表した9月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標は、物価の高騰がコメを始めとする食料品に偏る中、引き続き2.0%を超える上昇率は3指標の中で「刈込平均値」の前年比+2.1%だけにとどまっていた。
9時30分に発表される9月豪CPIの予想は前年同月比+3.1%、7-9月期豪CPIの予想は前期比+1.1%、前年同期比+3.0%と見込まれている。今年1-3月期は+2.4%、4-6月期は+2.1%へと低下傾向にあった。また、RBAが注目しているトリム平均値も昨年は4.0%で高止まりしていたが+2.9%、+2.7%へと低下した。9月の失業率が4.5%まで上昇したこともあり、インフレ率がさらに低下していた場合は、RBAの利下げ期待が高まることで豪ドルの売り圧力になるため要注目か。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 50660 +200 (+0.39%)
TOPIX先物 3303.5 +8.5 (+0.25%)
シカゴ日経平均先物 50695 +235
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
28日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。30日のトランプ米大統領と中国の習近平国家主席による米中首脳会談を控えて、貿易問題を巡る米中対立の緩和期待が高まった。米連邦準備理事会(FRB)が29日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとの観測が投資家心理を明るくさせた。
予想を上回る決算を発表したシャーウィン・ウィリアムズ<SHW>が買われたほか、エヌビディア<NVDA>は開発者会議(GTC)でファンCEO(最高経営責任者)が人工知能(AI)関連製品の強い見通しを示したことが好感され、上場来高値を更新。オープンAIと新たな契約で合意したと伝わったマイクロソフト<MSFT>も買われ、NYダウを押し上げた。
S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、自動車・同部品、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、不動産、消費者サービス、保険が下落。NYダウ構成銘柄では、シャーウィン・ウィリアムズ、エヌビディア、マイクロソフトのほか、シスコシステムズ<CSCO>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が買われた。半面、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、ナイキ<NKE>、ウォルマート<WMT>、マクドナルド<MCD>、メルク<MRK>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比235円高の5万0695円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比80円安の5万0380円で始まった。直後につけた5万0290円を安値にロング優勢となり、ほどなくしてプラス圏を回復。米国市場の取引開始時に5万0600円台に乗せると、中盤にかけて上へのバイアスが強まり、5万0810円まで買われる場面もみられた。終盤にかけては利食いに伴うロング解消により上げ幅を縮め、5万0660円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。米国市場ではエヌビディアなど半導体株が買われ、フィラデルフィア半導体(SOX)指数は連日で上場来高値を更新している。さらに昨夕、2026年3月期の上方修正を発表したアドバンテスト<6857.T>[東証P]が米預託証券(ADR)で6%あまり上昇しているため、日経平均株価をけん引することが見込まれる。
日経225先物はナイトセッションで節目の5万0500円を上回って終えており、ボリンジャーバンドの+2σ(5万1380円)が意識されてきそうだ。週足の+2σ(5万0680円)が支持線として意識されてくると、上へのバイアスが強まりやすく、ショートカバーを誘うことになりそうだ。また、昨日行われた首脳会談で、日米の良好な関係が示されたことも評価されよう。
FOMCや日銀の金融政策決定会合、米中首脳会談を控え、買い一巡後は膠着感が強まる可能性があるほか、持ち高調整のロング解消も意識されそうだが、5万0500円を下回る局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の5万0375円から5万1375円とやや広めのレンジを想定する。
28日の米VIX指数は16.42(27日は15.79)に上昇した。前日に約1カ月ぶりに16.00を割り込んだこともあり、いったんは反発が意識されやすい。米中首脳会談を控えて楽観視はできないものの、75日移動平均線(16.46)が上値抵抗線として機能しており、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.31倍に上昇した。21日につけた15.25倍を突破し、ボリンジャーバンドの+2σ(15.42倍)が射程に入ってきた。アドバンテストが上昇来高値を更新してくる可能性が高まるなか、NTロングに振れやすい需給状況になりそうである。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は161ドル高の47706ドルで取引を終えた。FOMCの結果発表を翌日に控えて利下げ継続に対する期待が高い状況が続く中、個別に材料があったエヌビディアが5%近く上昇するなど主力グロース株の一角に強い動きが見られた。ドル円は足元152円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが235円高の50695円、ドル建てが325円高の50785円で取引を終えた。
米国株高を好感した買いが入ると予想する。アドバンテスト<6857.T>がきのう引け後に上方修正を発表しており、エヌビディアの大幅高も追い風に大型グロース株が上昇を先導するとみる。きのうの日本株は全面安となったものの、日経平均は5万円を割り込まなかった。きょうはギャップアップスタートが見込まれるだけに、「押し目待ちに押し目なし」の様相が強まり、場中も強い基調が続くだろう。日経平均の予想レンジは50550-51000円。
中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は28日、マレーシア・クアラルンプールで自由貿易協定(FTA)の改定(3.0版)に調印した。調印式には、中国の李強首相とマレーシアのアンワル首相が出席した。
FTAの改定は、習近平国家主席とASEAN指導者の合意を実現するもので、デジタル経済や再生可能エネルギー、電気自動車(EV)など9分野での協力強化が図られる。特に中国が強みを持つ産業での取引拡大が期待されており、貿易と投資の増加が見込まれる。
ASEANは中国にとって最大の輸出先で、米国との貿易摩擦を背景に、地域との関係強化が進んでいる。今回の改定により、中国とASEANの経済的なつながりが一層深まることが期待されている。
米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は28日、消息筋の話として、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が貿易枠組みを協議する予定であり、米国が中国製品への関税を引き下げる可能性があると報じた。見返りとして、中国側が合成麻薬フェンタニルの製造に使われる化学物質の輸出制限を約束することを求めるという。
報道によると、トランプ氏は30日に韓国で習氏と会談する見通しで、合意の詳細は今後の交渉で詰められる見込み。内容は両首脳会談の結果次第で調整される可能性がある。ホワイトハウスは報道に対してコメントしていない。
米国はこれまで、中国政府がフェンタニル問題の解決に十分取り組んでいないとして、中国製品に一律20%の関税を課していた。報道は、首脳会談で進展があれば、米政府がフェンタニル関連の対中関税を20%から半減する方向で検討していると伝えた。
日経225先物は11時30分時点、前日比880円高の5万1340円(+1.74%)前後で推移。寄り付きは5万0700円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万0695円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。寄り付き直後につけた5万0670円を安値に、ショートカバーを交えたロング優勢の流れとなった。買い一巡後は5万0800円~5万0900円辺りでもみ合う場面もあったが、中盤にかけて5万1000円に乗せてくると上へのバイアスが強まり、終盤にかけて5万1360円まで上げ幅を広げた。
上方修正を発表したアドバンテスト<6857.T>[東証P]がマドを空けての上昇で一気に10月7日につけた上場来高値(1万8830円)を更新し、2万2000円台に乗せる場面もあった。1社で日経平均株価を一時1000円超押し上げており、同社のほかソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などの半導体や人工知能(AI)関連株に物色が一極集中している。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(5万1490円)に迫ってきた。5万1000円台をキープできるかを見極めるほか、アドバンテスト睨みの展開になりそうである。5万1000円を割り込んでくるようだと、利益確定に伴うロング解消が入りやすいと考えられるが、ショートに傾けることは避けたい。アドバンテストが割高としても、指数連動のパッシブファンドなどは買わざるを得ない状況であろう。
NT倍率は先物中心限月で15.60倍に上昇した。+2σ(15.52倍)を明確に上回っており、いったんはNTロングを巻き戻す動きが意識されやすい。ただし、アドバンテストに資金が集中する一方で、東証プライムの8割近い銘柄が下落している状況であり、NTロングに振れやすい。2021年2月高値の15.68倍辺りがターゲットになりそうだ。
昨日のドル円は、前日に行われた日米財務相会談に対する米財務省からの声明が相場を動かすことになりました。「ベッセント長官は協議の中で、アベノミクス導入から12年が経過し、状況は大きく変化していることから、インフレ期待を安定させ、為替レートの過度な変動を防ぐ上で、健全な金融政策の策定とコミュニケーションが果たす重要な役割を強調した」と表明。ドル円は一時151.76円まで売り込まれることになりました。ただ、その後は片山財務相が「会談では為替に関する具体的な議論はなかった。金融政策の方向性について直接協議はなく、日銀に金利引き上げを促したわけではないだろう」とのコメント。152.35円までの買戻しとなりました。NY時間に入ってからは152.00円を挟んだもみ合いに終始。151.83円から152.37円のレンジにとどまっています。
そして、トランプ米大統領が韓国に飛び立つ本日の東京市場では、ベッセント米財務長官が自身のSNSで「日本の日銀の政策余地を認める意志が鍵となる」とのコメントが伝わると再び151.54円まで下落。ただ、日経平均が1100円近い急騰となるなか152.14円まで買戻されて行って来いとなっているといったところです。
それにしても、市場は昨日から何とも同じネタに何度も右往左往させられていますが、「物は言いよう」とはまさにこのこと。ベッセント米財務長官の言いたいことは、数カ月前から同じ。簡単に言えば、日銀が今後インフレに対して利上げをしていくことが重要であるということ。ただ、特段、今の為替レートについて問題視しているわけでもなく、明日利上げが必要であると言っているわけでもないのは明らか。そして、片山財務相のコメントもまた、間違っているわけでもなく、つまり、市場がどう受け止めたかだけの問題。
結局のところ、目先のポジション調整を促したに過ぎず、単なるヘッドラインリスクの典型例をみただけの動きとなっています。いずれにしても、日経平均は高市トレード真っ只中。ドル円も過度な変動とならない限り、大きな方向性をとりにいく動きが続いています。
「基調的な物価上昇率は2%に向けて緩やかに上昇しているものの、なお2%には至っていない」(7月日銀金融政策決定会合議事要旨)
10月28日、2%の物価安定目標の実現を目指す日銀が公表した9月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」は、最も頻度の多い上昇率である「最頻値」が前年比+1.7%となり、8月の+1.9%から低下した。食料品価格の高騰が続く中でも、2024年3月以降、2%を下回った状況が続いている。
9月の上昇品目の比率は77.6%と、8月の80.1%を下回り、下落品目は17.6%で、8月の14.6%を上回った。
1. 基調的なインフレ率を捕捉するための指標
物価動向の分析にあたっては、現実に観測される「消費者物価」の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率(「コア指標」)が利用されている。
生鮮食品を除いた「コアCPI」や生鮮食品およびエネルギーを除いたコアコアCPIの他に、様々なコア指標を総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握できると思われる。
日本銀行調査統計局では、毎月の全国消費者物価指数の公表に合わせて、上昇・下落品目比率、刈込平均値、最頻値、加重中央値を試算し、原則として、全国消費者物価指数の公表日の2営業日後の14時を目途に公表している。
2.9月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(※コア3指標)
■刈り込み平均値:前年比+2.1%(※将来の予測に有効)
・8月から上昇(8月+2.0%、7月+2.0%、6月+2.3%、5月+2.5%、4月+2.4%)
・価格変動が大きい上下10%の品目を異常値として機械的に除き算出する
■加重中央値:前年比+1.4%
・8月から上昇(8月+1.1%、7月+1.1%、6月+1.4%、5月+1.7%、4月+1.7%)
・価格上昇率の高い順にウエートを累積して50%付近にある価格変化率
■最頻値:前年比+1.7%(※2020年基準)
・8月から低下(8月+1.9%、7月+1.5%、6月+1.4%、5月+1.6%、4月+1.8%、3月+1.4%)
・品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率
3.9月の消費者物価指数(CPI)
■消費者物価指数(CPI):+2.9%(8月+2.7%、7月+3.1%、6月+3.3%、5月+3.5%)
■コアCPI(生鮮食品を除く):+2.9%(8月+2.7%、7月+3.1%、6月+3.3%、5月+3.7%)
■コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーを除く):+3.0%(8月+3.3%、7月+3.4%)
9月コアCPIは前年比+2.9%となり、8月の+2.7%から伸び率が上昇した。電気・都市ガス代が前月の下落からプラスに転じたことで、指数の伸び加速につながった。
電気代は前年比3.2%上昇、都市ガス代は2.2%上昇した。前年同月に政府の「酷暑乗り切り緊急支援」で伸びが大きく押し下げられた反動が出た。
コメ類の前年比上昇率は、8月の69.7%から49.2%に縮小した。
生鮮食品を含み、生活者が実感する物価により近い総合指数も前年比2.9%上昇し、8月の2.7%から伸びが上昇した。
変動の大きい生鮮食品とエネルギーを除き、物価の基調的な動きを示すとされる指数(コアコアCPI)は前年比+3.0%上昇となり、8月の+3.3%から鈍化した。
本日のロンドン為替市場ではポンド相場に注目か。昨日は対主要通貨で大きく売られており、地合いの弱さが継続するか見極めたい。28日にポンドドルは1.3248ドルまで下落し、14日安値を僅かに下回って8月1日以来の安値を更新。ユーロポンドが0.8790ポンドと2023年5月以来のユーロ高ポンド安を記録した。円買い戻しの流れにも押されてポンド円は、東京朝には201円前半と27日高値から約3円下落している。
月末に絡んだフローや、英中銀に対して高まりつつある金融緩和期待がポンドの重しとなったもよう。金融市場は依然として「今年の英利下げはなし」と見ているものの、来年の第1四半期には追加利下げとの見方は強まっているようだ。本日に関しては、スポット応答日が月末ということもあり、昨日以上に実需フローにポンド相場は振らされるか。
なお、週初にトルコを訪問したスターマー英首相は、「英空軍の主力戦闘機でもあるユーロファイター・タイフーンを20機、総額最大80億ポンドでトルコに売却」という契約を締結した。英国にとって約20年ぶりの大型戦闘機契約であり、首相は同国で約2万人の雇用が創出されるという成果を誇っている。しかしながら、トルコにおける民主主義の衰退や野党への弾圧については一切触れず、それに対して内外から批判が高まっているようだ。
ところで中国商務省は27日、英国の新たな対ロシア制裁に11社の中国企業も含まれたことについて、根拠のない一方的な制裁と批判した。中国政府は同国企業の正当かつ合法的な権益を断固として守り抜くと表明。この件をきっかけに英中関係が悪化するようだと、ポンドの買いづらさが増すかもしれない。
想定レンジ上限
・ポンドドル、昨日高値1.3370ドル
・ポンド円、日足一目均衡表・転換線202.47円
想定レンジ下限
・ポンドドル、200日移動平均線1.3242ドルを割り込むと8月1日安値1.3142ドル
・ポンド円、17日安値200.69円を割り込むと日足一目均衡表・雲の上限199.89円
ドル円:1ドル=152.36円(前営業日NY終値比△0.25円)
ユーロ円:1ユーロ=177.22円(▲0.01円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1631ドル(▲0.0020ドル)
日経平均株価:51307.65円(前営業日比△1088.47円)
東証株価指数(TOPIX):3278.24(▲7.63)
債券先物12月物:136.13円(▲0.09円)
新発10年物国債利回り:1.650%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
35.8 35.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。ベッセント米財務長官が自身のSNSに「日本が日銀の政策余地を認める意思が鍵になる」などと投稿したことが伝わると、円買いが優勢となり151.54円まで下落。ただ、22日安値151.49円を前に下げ渋ると、日経平均の大幅反発も支えに買い戻しが優勢となり、152.54円まで上昇した。
・ユーロ円も底堅い。ベッセント米財務長官が日銀の金融政策に言及したことを受けて円が全面高となる中で176.64円まで下落するも、その後ドル円が上昇する中で177.41円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは弱含み。午前にドル円でドル売りとなった影響を受けて1.1661ドルまで値を上げるも、前日高値1.1669ドルが目先の抵抗として意識されると伸び悩み。午後に入りドル円でドル買いが強まると1.1625ドルまで下押した。
・日経平均株価は大幅続伸。前日の米株高の流れを引き継ぎ高く始まると、その後は堅調に推移。上げ幅は一時1200円近くに達した。好決算を発表したアドバンテストの大幅上昇が日経平均の上昇をけん引した。
・債券先物相場は反落。日経平均の大幅上昇を受けて売りが優勢となり、一時136円03銭まで下落した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
オーストラリア7-9月インフレ加速でRBAタカ派傾斜か、豪ドルは?
豪ドルは米ドルには強含みの可能性も、日本円には日銀の動きが影響する可能性に要注意
オーストラリア準備銀行(RBA)は、インフレ鈍化と景気減速を受けて、今年2月から8月にかけ計3回の利下げ(累計75bp)を実施するなど金融緩和を進めてきた。しかし、9月の定例会合では政策金利を据え置くとともに、一転してタカ派姿勢を強める判断を下すなど、8月会合でのハト派姿勢から大きく転換させた。
背景には、電力補助金政策の効果一巡によるインフレ再加速の兆しと、底堅い雇用によるサービスインフレの粘着度の高さを挙げた。なお、9月の雇用統計は予想外の悪化が確認される一方、RBAが重視する7-9月のインフレ率は+3.2%、コアインフレ率も+3.0%と目標(2~3%)上限に達するなど加速している。生活必需品のみならず、財、サービス双方で物価上昇圧力が強まっている様子も確認されている。
金融市場では金融政策に対する見方が分かれていたが、インフレ加速を受けて11月4日の次回会合では政策金利を据え置くとともに、RBAがタカ派姿勢を強める可能性が高いと見込まれる。足元の国際金融市場は「リスクオン」の様相を強めるなか、FRBの利下げ観測も米ドル安が意識される状況にあり、RBAとの金融政策の方向性の違いが豪ドルの対米ドル相場を押し上げると見込まれる。一方、日本円に対しては、日銀による利上げ観測の影響を受ける可能性に留意する必要がある。
大阪12月限
日経225先物 51330 +870 (+1.72%)
TOPIX先物 3277.5 -17.5 (-0.53%)
日経225先物(12月限)は前日比870円高の5万1330円で取引を終了。寄り付きは5万0700円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万0695円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。寄り付き直後につけた5万0670円を安値に、ショートカバーを交えたロング優勢の流れとなった。買い一巡後は5万0800円~5万0900円辺りでもみ合う場面もあったが、前場中盤にかけて5万1000円に乗せてくると、上へのバイアスが強まり、ランチタイムで5万1370円まで上げ幅を広げた。
その後は持ち高調整とみられるロングの解消が入り、後場の取引開始後には5万1120円まで上げ幅を縮めた。しかし、アドバンテスト<6857.T>[東証P]がストップ高で張り付くなかで先高観が強まり、終盤にかけて5万1530円まで買われる場面もみられた。
上方修正を発表したアドバンテストはマドを空けて上昇し、一気に10月7日につけた上場来高値(1万8830円)を更新した。2万2000円台に乗せた後は利食いの動きもあったが、後場中盤以降はストップ高での推移となった。買い残を残しているため明日以降の上昇が意識されやすく、先物でのヘッジ対応の動きもあったとみられる。1社で日経平均株価を1077円押し上げており、同社のほかソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などの半導体や人工知能(AI)関連株に物色が一極集中していた。
指数インパクトの大きいアドバンテストに資金が集中したことで、指数連動のパッシブファンドなどは買わざるを得ない状況であろう。値がさ株であるため、他の銘柄を売却して組み入れを迫られる状況とみられ、結果として東証プライムの値下がり銘柄数が8割を超える状況になったとみられる。
日経225先物は5万1530円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σ(5万1500円)を捉えた。節目の5万1500円に乗せたことで、いったんは利食いに伴うロング解消が入りやすいだろう。引け後にディスコ<6146.T>[東証P]が発表した決算はコンセンサスの範囲内だった。同社はきょう2500円超上昇していたが、これが剥がれたとしても日経平均株価へのインパクトは20円程度に限られるため、結局はアドバンテスト次第となるだろう。
そのため、アドバンテストにピーク感が強まるようだと、一気にショートを仕掛けてくる動きが勢いを増す可能性がある。ただ、一転してストップ安をつけてくるような需給悪化は考えにくく、短期的なショートに対しては、その後のカバーを狙ったロング対応に向かわせそうだ。
なお、日経225先物の+2σはナイトセッションで5万1900円辺りまで切り上がってきた。急ピッチの上昇により過熱感が警戒されてきそうだが、バンドに沿ったトレンドを形成しているため、オプション権利行使価格の5万1500円を中心とした上下の権利行使価格となる、5万1000円から5万2000円のレンジを想定する。
NT倍率は先物中心限月で15.66倍に上昇した。+2σ(15.54倍)を明確に上回り、15.69倍まで切り上がる場面もあった。+3σ(15.88倍)に接近してきたことで、いったんはNTロングの巻き戻しが意識されやすいところではある。ただし、アドバンテストへの資金集中が続くようだと、NTロングに振れやすい状況が続きそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万7643枚、ソシエテジェネラル証券が2万0467枚、サスケハナ・ホンコンが6446枚、JPモルガン証券が3618枚、モルガンMUFG証券が3436枚、SBI証券が3409枚、バークレイズ証券が2891枚、日産証券が2460枚、ゴールドマン証券が1919枚、みずほ証券が1889枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万7584枚、ソシエテジェネラル証券が2万0474枚、バークレイズ証券が6441枚、ゴールドマン証券が4262枚、モルガンMUFG証券が4206枚、JPモルガン証券が3435枚、サスケハナ・ホンコンが3221枚、ビーオブエー証券が2510枚、SBI証券が1553枚、BNPパリバ証券が1444枚だった。
本日のNY為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が最大の注目材料である。今回は0.25%の利下げがほぼ織り込まれていることや、四半期に一度の金利見通し(ドットチャート)の発表がないことから、声明やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見に注目が集まりそうだ。
今月に入り、パウエルFRB議長が「FRBは今後数カ月でバランスシート縮小を停止する可能性がある」と発言したことで、早ければ今回の会合で停止が決定されるとの見方も浮上している。もし停止となった場合、市場が「FRBの引き締め姿勢の後退」と捉えるようならば、ドル円に下押し圧力が掛かる可能性がある。
また、パウエルFRB議長会見について、慎重な言い回しで言質を与えないことが予想されるものの、今後の経済や金利の見通しについて言及があれば材料視されそうだ。なお、市場では12月の0.25%利下げもほぼ織り込まれている状況となっている。声明や会見を通した株価や米長期金利の反応にも注意したい。
他方、カナダ中銀(BOC)の金融政策発表がNY午前に予定されている。市場予想は0.25%の利下げとなっており、足もとでインフレ率は上昇しているものの、弱い景気に配慮して2会合連続で金利を引き下げるとみられている。ただ、一部では金利据え置きを予想する声もあり、金利据え置きとなった場合はカナダドル円を押し上げる展開もあり得る。
前回9月の声明では「米関税引き上げと不確実性が継続する中、世界経済は底堅く推移していたものの、成長に減速の兆しが見られる」などが明らかとなった。トランプ米大統領は23日にカナダとの貿易交渉を打ち切ったほか、25日にはカナダ製品に10%の追加関税を課すと表明するなど、カナダ米国間の貿易摩擦が拡大している。今回の声明では今後の金利・経済見通し以外にも、関税コストがもたらす国内経済への影響についてのBOCの見解もまた、気になるところである。
想定レンジ上限
・ドル円は、27日高値153.26円
・カナダドル円は、1月7日高値110.47円。
想定レンジ下限
・ドル円は、日足・一目均衡表の転換線151.32円。
・カナダドル円は、21日移動平均線108.03円。
今晩は金融政策に注目。昨日は主要3指数がそろって上昇。貿易摩擦懸念の後退や米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が続く中、エヌビディアなどの半導体・AI関連株が上昇し相場をけん引した。ダウ平均が161.78ドル高(+0.34%)、S&P500が0.23%高、ナスダック総合が0.80%高と主要3指数がそろって4営業日続伸し、3日連続で取引時間中と終値の史上最高値を更新した。
今晩は取引時間午後に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる。今会合では0.25%の利下げが確実視されているが、12月FOMCでの追加利下げ期待も高まっており、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見での発言が注目される。決算発表では寄り前にキャタピラー、ボーイングなどが第3四半期決算を発表する。政府閉鎖により主要な経済指標の発表がない中、主力企業の決算実績やガイダンスが注目される。引け後にはマイクロソフト、アルファベット、メタが発表予定で、AIラリーの持続性を巡り、マグニフィセント・セブン銘柄の決算発表にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC結果公表、パウエルFRB議長記者会見のほか、MBA住宅ローン申請指数、9月中古住宅販売仮契約指数など。企業決算は寄り前にキャタピラー、ボーイング、CVSヘルス、ベライゾン・コミュニケーション、クラフト・ハインツ、引け後にマイクロソフト、アルファベット、メタ、スターバックス、チポトレ・メキシカン・グリル、KLAなどが発表予定。
米財務省は、ロシアの石油大手ロスネフチのドイツ子会社に対し、米国の制裁対象から一時的に除外する非更新の限定的な一般ライセンスを発行した。これにより、ドイツ政府は約6カ月間にわたり同子会社の資産所有問題を整理する時間が与えられる。対象子会社はドイツ国内の3つの製油所を保有し、国の精製能力の約12%を占めており、この措置はドイツのエネルギー供給に重要。制裁は2025年11月21日から施行される予定だが、今回のライセンスによりその履行は猶予される。ドイツ経済省は今後数日内に対応方針を発表する見込みで、G7エネルギー・環境会合で議論される予定だ。
カナダの11月4日発表予定のカーニー政権初の予算案は、企業が新たな機械設備などの資本コストをより積極的に早期償却できる制度を導入する。これは米国が今年夏に発表した「One Big Beautiful Bill」に似た措置で、企業投資を促進する狙いだ。米国では効果が出ているものの、投資が企業用ジェット機などにも向かっているため一部で批判もある。カナダはこの制度で競争力を高め、投資を促進しようとしている。
日経平均株価は大幅反発。寄り付きから上値追いの展開となり、ほぼ高値引けで51000円台に乗せて終えた。
RSI(9日)は前日71.6%→73.8%(10/29)に上昇。5日移動平均線(49996円 10/29)上で強気の陽線を形成し、史上最高値を更新した。RSIはあすも上昇しやすいタイミングである。5日移動平均線の上昇継続に準じて、引き続き上目線のトレンドフォローとなる。
上値メドは、心理的節目の51500円、52000円、52500円、53000円などが想定される。下値メドは、10/27高値(50549円)、心理的節目の50000円、5日移動平均線、心理的節目の49000円、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円、10/17安値(47494円)などがある。
9月の米国のPending Home Sales?(契約ベースの中古住宅販売見込み)は、前月比で変わらず、予想の1.0%増を下回った一方、前年比では1.5%の上昇で、2024年11月以来の高い伸びを示した。住宅ローン金利の低下が買い手の負担軽減に寄与しているが、求人市場の弱まりや政府機関の一時閉鎖が販売活動に悪影響を及ぼす可能性も指摘されている。地域別では南部と北東部で契約が増加し、中西部と西部では減少。この指標は中古住宅販売の先行指標となっている。
(29日終値:30日2時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.15円(29日15時時点比▲0.21円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.36円(△0.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1657ドル(△0.0026ドル)
FTSE100種総合株価指数:9756.14(前営業日比△59.40)
ドイツ株式指数(DAX):24124.21(▲154.42)
10年物英国債利回り:4.392%(▲0.008%)
10年物独国債利回り:2.621%(▲0.002%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月英消費者信用残高
15億ポンド 17億ポンド
9月英マネーサプライM4
(前月比) 0.6% 0.4%
(前年比) 3.6% 3.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。18時30分前に一時152.47円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値152.54円がレジスタンスとして働くと失速。22時30分過ぎに151.87円付近まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値151.54円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。
日本時間30日3時の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表や明日30日の日銀金融政策決定会合など重要イベントを控えて、神経質な商いとなり大きな方向感は出なかった。
・ユーロドルは底堅い動き。日本時間夕刻に一時1.1619ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米利下げ観測が高まる一方、ユーロ圏では政策金利が当面据え置かれるとの見方が優勢となる中、ユーロ買い・ドル売りが入りやすかった。1時過ぎには一時1.1666ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円はアジア時間に一時177.41円と日通し高値を付けたものの、NY時間には176.77円付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた日通し安値176.64円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。ユーロドルの持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いも出て一時177.41円と日通し高値に面合わせした。
・カナダドルは強含み。カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)はこの日、政策金利を現行の2.50%から2.25%に引き下げることを決めたと発表。市場予想通りの結果となった。ただ、声明では「インフレと経済活動が予想通りなら、現在の政策金利はインフレ率を2%近辺に維持するためにほぼ適切な水準にあると考える」と指摘。今後公表されるデータを慎重に見極めていく考えを示すと、「追加利下げに慎重」との受け止めからカナダドル買いが広がった。対ドルでは一時1.3888カナダドル、対ユーロでは1.6181カナダドルまで値を上げた。
・ロンドン株式相場は8日続伸し、史上最高値を更新した。貿易問題を巡る米中対立の緩和期待や米利下げ観測を背景に投資家心理が上向くと、英株にも買いが入った。好業績を発表した銘柄を中心に買いが入った面もある。リオ・ティントやグレンコアなど素材株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。FOMC結果公表やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見など、米重要イベントを前に持ち高調整目的の売りが出た。個別ではアディダス(10.39%安)やザランド(4.76%安)、SAP(4.19%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
29日の日経平均は大幅反発。終値は1088円高の51307円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり200/値下がり1394。アドバンテストの急騰に刺激され、ディスコ、レーザーテック、東京エレクトロンなど近々で決算発表を予定している半導体株が大幅高。日経平均の補充採用が決まったイビデンが連日で買いを集めた。決算を材料に電気設備工事を手がけるきんでんやトーエネックがストップ高。同業の関電工、中電工、クラフティア(10月に九電工から社名変更)などにも期待買いが入った。
一方、東証から特別注意銘柄に指定されたニデックが連日の大幅安。コマツは上方修正が好感されず、後場に入って下げ幅を広げた。下方修正を発表した北越コーポレーションが急落し、日本製紙や大王製紙など同業が軒並み安。三井不動産、住友不動産、住友林業など、不動産・住宅関連の弱さが目立った。
日経平均は4桁の上昇。アドバンテストさまさまではあるが、これがなければプライムの値下がり銘柄が連日で1000を超えているだけに、5万円を割り込む可能性もあった。5万円割れと51000円を上回るのとでは、印象が大きく異なる。反動には注意を払う必要があるが、5万円が到達点でなく通過点となりそうな中、押し目を待っている投資家は多いと推測される。
あすは序盤にFOMCの結果を消化し、昼に日銀金融政策決定会合の結果を消化する。米中首脳会談も開催予定だけに、様々なニュースに振り回されて慌ただしい1日となるかもしれない。FOMCでは0.25%の利下げ、日銀は据え置きが濃厚とみられている。大局としては、FOMCを受けた本日の米国株の反応が良ければ、足元の上昇基調に大きな変化はないとの見方が強まるだろう。ただし、米長期金利が急低下する、早期の日銀の利上げが意識されるなどの理由でドル円が大きく円高(ドル安)に振れた場合には日本株が手がけづらくなる点には留意したい。
(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.73円(前営業日比△0.62円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.18円(▲0.05円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1601ドル(▲0.0050ドル)
ダウ工業株30種平均:47632.00ドル(▲74.37ドル)
ナスダック総合株価指数:23958.47(△130.98)
10年物米国債利回り:4.08%(△0.10%)
WTI原油先物12月限:1バレル=60.48ドル(△0.33ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4000.7ドル(△17.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 7.1% ▲0.3%
9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
(前月比) 0.0% 4.2%・改
(前年比) 1.5% 0.5%
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
3.75-4.00%に引き下げ 4.00-4.25%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米重要イベントを控えて、しばらくは152.00円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて一時153.06円まで値を上げた。
FRBは今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利を3.75-4.00%に引き下げることを決めたと発表。量的引き締め(QT)と呼ばれるバランスシートの圧縮を12月1日で終了することも決めた。
声明では「米経済活動が緩やかなペースで拡大していることを示唆」「経済見通しに関する不確実性は依然として高い」「委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視しており、ここ数カ月で雇用に対する下振れリスクが高まったと判断」と指摘。採決ではミラン理事が前回と同様に0.50%の利下げを、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁が金利据え置きを主張し、反対票を投じたことが明らかになった。
また、パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で12月の利下げについて「既定路線というにはほど遠い」などと発言。米利下げ継続への期待感が後退し、米長期金利の上昇とともにドル買いが広がった。市場では「本日の会合での利下げを確実視しており、12月会合での利下げ実施の確率も高い」とみていた。
・ユーロドルは6日ぶりに反落。FOMCを控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが先行すると、1時過ぎに一時1.1666ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.1669ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。
FOMCやパウエルFRB議長の発言を受けて、米追加利下げ観測が後退すると全般ドル買いが加速し、4時30分過ぎには一時1.1578ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は小幅ながら続落。22時30分過ぎに一時176.77円付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値176.64円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。FOMC後のドル円の上昇も相場を押し上げ、3時30分過ぎに一時177.59円と日通し高値を更新した。ただ、ユーロドルの下落につれた売りが出ると上値が重くなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反落。好決算を発表したキャタピラーが11%超上昇し、1銘柄でダウ平均を418ドル近く押し上げたが、指数は終盤失速した。パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で「12月の利下げは決して確実ではない」との見解を示すと、米利下げ継続への期待感が後退し株売りが広がった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸し、史上最高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に下落。パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で「12月の利下げは決して確実ではない」との見方を示すと、米利下げ継続への期待感が後退し、債券売りが優勢となった。
・原油先物相場は4日ぶりに反発。米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計で大幅な取り崩しが判明すると供給過剰懸念が後退し買いが強まった。
・金先物相場は4日ぶりに反発。足もとで急速に売られていた反動から押し目買いが入った。ただ、FOMC後に米長期金利が上昇すると、金利のつかない金に売りが出て時間外でマイナス圏に沈んだ。
大和証券ではドル円に関して、本邦貿易・サービス収支が改善していることや、米国の金利が低下見込みであることなどから、メーンシナリオでは若干ながら円高・ドル安に向かうと考えている。ただ、為替市場のテーマが政治動向や不確実性であることから、簡単に語れる相場ではなくなった可能性もあるとみている。テクニカル分析を用いると、さらに円安に傾く可能性も示唆されているとのこと。為替市場ではさらなる円安となるのか、やや円高に回帰するのか、歴史的な岐路に立っているのかもしれないと大和ではコメントしている。
明治安田総合研究所では、10月の日銀金融政策決定会合では金融政策の据え置きを予想している。このタイミングでの利上げは、日銀の政治的センスが問われかねないとコメントしている。現時点では12月は利上げの確率が5割を上回るとみているが、高市政権の日銀に対する姿勢や、しばらく確認できていない米主要経済指標の動向次第の面が大きく、情勢は流動的と捉えている。また、今後の金融政策の方向性に関しては、従来以上に政府の意向に左右されやすくなると考えている。
一部通信社が報じたところによると、「トランプ大統領と習近平・中国国家主席は明日30日11時に会談を行う」ようだ。
SMBC日興証券では、BOE(イングランド銀行)が11月6日にMPC(政策決定委員会)の結果と議事要旨、四半期に1回の金融政策報告を公表することを受けてリポートしている。BOEは昨年8月から2会合に1回のペースで利下げを継続しており、このペースが維持されれば11月MPCは利下げのタイミングとなる。しかしSMBC日興では、昨年から計125bpの利下げが実施され、金融引き締め度合いが低下する下、インフレ率が目標から大幅に上方かい離している現状を踏まえると、11月MPCで利下げ支持が多数派を形成するのは難しいと考えている。同観点から11月は政策金利4.00%で据え置きが決定されると予想している。
29日11:26 木原官房長官
「金融政策の具体的手法は日銀に委ねられるもの」
「日銀には物価目標の実現へ適切な金融政策運営を期待」
29日15:56 城内経済財政相
「日銀には引き続き、政府と緊密に連携して2%物価目標の持続的・安定的実現を期待」
29日22:45 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「米貿易政策が経済成長とインフレに及ぼす影響がやや明確になったことを受け、世界経済とカナダ経済の見通しを通常の方法に戻した」
「米貿易政策は依然として予測が困難であり、不確実性も通常よりも高いため、この見通しは通常よりも幅広いリスクにさらされている」
「世界経済は米国の歴史的な関税引き上げに対して耐性を示してきたが、その影響はより顕著になりつつある」
「世界経済は2025年の約3.25%から、2026年と2027年には約3%に減速すると見込まれている」
「カナダ経済は第2四半期に1.6%縮小。これは、不確実性の高まりを背景に、輸出の減少と企業投資の低迷を反映してる」
「カナダの労働市場は依然として軟調」
「9月消費者物価指数(CPI)のインフレ率は2.4%で、予想をわずかに上回った」
「コアインフレ率は3%前後で推移」
「今後数カ月でインフレ圧力が緩和し、予測期間を通じてCPIのインフレ率は2%近辺で推移すると予想」
「理事会は、現在の政策金利が、調整期にある経済を支えつつ、インフレ率を2%近辺に維持するためにほぼ適切な水準にあると考える」
「見通しに変化があれば、我々は対応する用意がある」
「今後発表されるデータを予測と照らし合わせて慎重に評価していく」
「我々は物価安定への信頼を維持し続けるよう注力していく」
※時間は日本時間
30日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「入手可能な指標は、米経済活動が緩やかなペースで拡大していることを示唆」
「雇用の伸びは今年に入って鈍化し、失業率は小幅に上昇したものの、8月までは低水準を維持した」
「最近の指標もこうした動きと整合的である」
「インフレ率は年初から上昇しており、依然としてやや高止まりしている」
「委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す」
「経済見通しに関する不確実性は依然として高い」
「委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視しており、ここ数カ月で雇用に対する下振れリスクが高まったと判断」
「FF金利の目標誘導レンジの追加調整を検討するにあたり、委員会は今後入手するデータ、変化する見通し、そしてリスクバランスを慎重に評価する」
「委員会は、保有する証券の削減を12月1日に終了することを決定」
「委員会は、最大雇用の実現とインフレ率の目標2%への回帰に強くコミット」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する」
「もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」
「委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の決定に反対票を投じたのはミランFRB理事で0.50%の利下げを主張。また、金利据え置きを主張したシュミッド米カンザスシティー連銀総裁」
30日03:33 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「労働市場は徐々に冷え込んでいるようだ」
「インフレ率は依然としてやや高止まりしている」
「入手可能なデータは、見通しに大きな変化がないことを示唆している」
「政府閉鎖前のデータは堅調な成長軌道を示唆」
「政府閉鎖は経済活動を一時的に圧迫する」
「労働市場の下振れリスクは高まっている」
「労働の供給と需要はともに弱まっている」
「雇用の増加は大幅に鈍化している」
「12月の利下げは決して確実ではない」
「政策にリスクのない道筋はない」
「短期的には、インフレリスクは上振れ方向に傾いている」
「本日は大きく異なる見解が示された」
「FRBは12月の会合について決定を下していない」
「FRBの利下げはより中立的な政策スタンスに向けた更なる一歩」
「12月の会合の行動に関する不確実性を考慮する必要がある」
「QT停止の時期が来たことを示す明確な兆候が現れている」
「政策が引き締め的であるため、雇用市場は依然として冷え込んでいる」
「金融政策は依然としてやや引き締め的であると考えている」
「関税と無関係のインフレ率は2%目標と大きく離れていない」
「労働市場の急速な悪化は明確になっていない」
「(追加利下げや他の措置について)サイクルを待つべきだという声が高まっている」
「FRB内部でも次の行動を急がず、様子を見るべきとの意見が強まっている」
「経済のどこにも著しい悪化は見られない」
「金融システムに過剰なレバレッジ見られない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表(予想:0.50%で据え置き)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(10月、基本的見解)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
<海外>
○09:00 ◇ 10月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 7-9月期豪輸入物価指数
○11:00 ☆ 米中首脳会談(韓国)
○15:30 ◎ 7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.2%)
○15:30 ◇ 9月仏消費支出(予想:前月比横ばい)
○17:00 ◇ 10月スイスKOF景気先行指数(予想:98.4)
○17:55 ◎ 10月独雇用統計(予想:失業率6.3%/失業者数変化0.80万人)
○18:00 ☆ 7-9月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比横ばい/前年同期比0.2%)
○18:00 ☆ 7-9月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比0.2%)
○18:30 ◇ 9月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比2.6%)
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.1%/前年比1.2%)
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏失業率(予想:6.3%)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:96.0)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲14.2)
○21:00 ◎ 7-9月期メキシコGDP速報値(予想:前期比▲0.4%/前年比▲0.3%)
○22:00 ◎ 10月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.2%/前年比2.2%)
○22:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:2.15%で据え置き)
○22:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:55 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長、あいさつ
○31日02:15 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りに0.25%の利下げが決定されたものの、パウエルFRB議長が12月の利下げについて「既定路線というにはほど遠い」と発言したことで153.06円まで値を上げた。ユーロドルは1.1666ドルから1.1578ドルまで下落した。
本日の日銀金融政策決定会合では、政策金利の据え置きが予想されている。そのため東京外国為替市場のドル円は、15時30分から始まる植田日銀総裁の記者会見で利上げ時期を見極めることになる。また、米中首脳会談が韓国で開催予定であり、こちらの関連ヘッドラインにも警戒しておきたい。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通りに政策金利であるFF金利誘導目標が3.75-4.00%に引き下げられた。加えてバランスシート縮小の停止、すなわち量的金融引締政策(QT)の停止が決定された。しかし、パウエルFRB議長が12月の利下げについて「既定路線というにはほど遠い」と発言したことで、フェドウオッチでの12月FOMCの予想は据え置きが優勢となっている。
本日までの日銀金融政策決定会合では、「責任ある積極財政」を標榜している高市政権の誕生直後ということで、政策金利0.50%の据え置きが予想されている。注目ポイントは、利上げを主張する審議委員が先月の2名(高田委員、田村委員)からどの程度増えているのか、そして15時30分からの植田日銀総裁の記者会見での利上げ時期への言及、市場が予想している12月利上げ観測を既定路線と言及するのか否かに要注目となる。
昨日は、ベッセント米財務長官が自身のSNSに「日銀に政策余地を認めようとする日本政府の姿勢はインフレ期待を安定させ、為替レートの過度な変動を避ける鍵になる」と投稿したことで、米財務省の声明文を再確認させられたことになる。米財務省は、27日に開催された日米財務相会談に関して、「ベッセント米財務長官が、健全な金融政策の策定とコミュニケーションがインフレ期待の安定維持と為替レートの過剰な変動を防ぐ上で重要な役割を果たすことを強調した(highlighted)」との声明を公表していた。
日本政府関係者によると、ベッセント米財務長官は今年9月の日米為替共同声明の合意を守るように片山財務相に念を押したとのことである。片山財務相は「日銀による利上げを促すというようなことではなかったのではないかと思う」と言及したが、関係者は「ベッセント米財務長官の意図を理解していない」と述べている。今後もトランプ米政権からの円安抑制や利上げ圧力には警戒が必要だろう。
トランプ米政権は、日米貿易不均衡の是正を目指している。円高要因となる日銀の利上げを抑制する高市政権の経済政策は円安要因となるため、最悪の場合は対日関税率が25%程度まで引き上げられる可能性に警戒しておきたい。
東京市場は不安定か。米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が下落した一方、ナスダックは上昇。ダウ平均は74ドル安の47632ドルで取引を終えた。中盤までは概ね堅調に推移。FOMCでは大方の予想通り0.25%の利下げが決定された。しかし、パウエルFRB議長が会見で次回12月についてはメンバー内でかなり意見の相違があったと言及。利下げ継続に対する期待が後退し、3指数そろって失速してマイナス圏に沈んだ。大きな下げにはなっておらず、ナスダックは切り返して終値ではプラスを確保した。米10年債利回りは大きく上昇し、為替市場では円安(ドル高)が進行。ドル円は足元152円70銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが230円安の51100円、ドル建てが130円安の51200円で取引を終えた。
タカ派的なパウエル議長発言を受けてもナスダックがプラスで終えており、為替が円安に振れていることも踏まえると、国内グロース株は底堅く推移しそう。ただ、FOMCが米国株の買い材料にはならなかっただけに、多くの銘柄は売られることになると思われる。日銀金融政策決定会合では政策金利の据え置きが確実視されており、買い材料にはなりづらい。首相交代で日銀のスタンスに変化が出てくるのか、引け後の植田総裁会見を見極めたい局面でもある。米中首脳会談関連のニュースに翻弄される可能性もあり、終日方向感が定まらないと予想する。日経平均の予想レンジは50800-51600円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 51040 -290 (-0.56%)
TOPIX先物 3282.5 +5.0 (+0.15%)
シカゴ日経平均先物 51100 -230
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
30日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。米連邦準備理事会(FRB)が28~29日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の誘導目標を0.25ポイント引き下げ、3.75~4%とすることを決定した。パウエルFRB議長は会見で、12月の利下げの可能性について「既定路線とみなすべきではない」との見解を示し、利下げ期待を牽制する発言を行ったことが利益確定の売りを誘う形になった。
NYダウは300ドルあまり上昇する場面もあった。市場予想を上回る決算を発表したキャタピラー<CAT>が大幅高となり、同指数を支えていた。エヌビディア<NVDA>は一時5%を超す上昇となり、時価総額が世界で初めて5兆ドル台に乗せる場面もみられている。
S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、メディア、資本財が上昇した半面、商業サービス・用品、耐久消費財・アパレル、食品・飲料・タバコが下落。NYダウ構成銘柄では、キャタピラーやエヌビディアのほか、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、シェブロン<CVX>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が買われた。一方で、ボーイング<BA>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ナイキ<NKE>、コカ・コーラ<KO>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比230円安の5万1100円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比40円高の5万1370円で始まった。直後につけた5万1550円を高値に軟化し、米国市場の取引開始後は5万1130円~5万1270円辺りで保ち合いを継続。パウエルFRB議長の会見を受けて下へのバイアスが強まり、5万0810円まで売られる場面もみられた。終盤にかけてショートカバーが入る形で下げ幅を縮め、5万1040円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。前日に22%を超える上昇で日経平均型を牽引したアドバンテスト<6857.T>[東証P]は、米預託証券(ADR)で2%あまり下落しているため、利益確定に伴うロングの解消が入りやすいだろう。
ただし、エヌビディアが買われているほか、フィラデルフィア半導体(SOX)指数は連日で史上最高値を更新している。アドバンテストの調整が限定的なものにとどまれば、再び半導体や人工知能(AI)関連株に資金が集中し、日経平均株価を牽引することが期待される。
日経225先物は利食いに伴うロング解消が入りつつも、5万1000円を固める動きが意識されやすく、同水準を下回る局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。ボリンジャーバンドの+2σは5万1840円まで切り上がってきており、オプション権利行使価格の5万0875円から5万1875円のレンジを想定する。週足の+2σが5万0830円に位置しているため、支持線として意識されそうだ。
昨夕決算を発表したディスコ<6146.T>[東証P]はADRで2%ほど下落したが、寄与度は大きくないため指数インパクトは限られる。明日は東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の決算が予定されており、利益確定の動きが強まるようだと短期的なショートを誘う可能性があるだろう。
29日の米VIX指数は16.92(28日は16.42)に上昇した。75日移動平均線(16.46)を突破し、一時17.58と25日線(17.84)に接近する場面もみられた。ただし、ボトム圏からの自律反発の範囲であり、神経質にさせる水準ではないとみられる。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.66倍に上昇した。+2σ(15.54倍)を明確に上抜け、15.69倍まで切り上がる場面もあった。+3σ(15.88倍)に接近してきたことで、いったんはNTロングの巻き戻しが意識されやすいところではある。ただし、アドバンテストに底堅さがみられるようだと、NTロングに振れやすい状況が続きそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比70円高の5万1400円(+0.13%)前後で推移。寄り付きは5万0960円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1100円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。ただし、寄り付き直後につけた5万0930円を安値に、ショートカバーを交えたロング優勢の流れとなり、5万1580円まで上げ幅を広げた。中盤にかけて5万1070円まで軟化する場面もみられたが、終盤にかけて再びプラス圏を回復している。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]が買い先行で始まったが、その後前日比変わらず水準まで上げ幅を縮めたことで、短期的なショートを誘う場面もみられた。ただし、アドバンテストはその後切り返したほか、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、レーザーテック<6920.T>[東証P]が日経平均株価を牽引しており、中盤にかけてショートカバーに向かわせる形だった。ただ、本日はソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]とファーストリテイリング<9983.T>[東証P]の弱さが目立っているため、強弱感が対立しやすいだろう。なお、ディスコ<6146.T>は急落しているが、日経平均株価へのインパクトは22円程度である。
NT倍率は先物中心限月で15.58倍に低下した。前日には一時15.69倍まで切り上がり、ボリンジャーバンドの+2σ(15.54倍)を明確に上抜けたことで、いったんはNTロングを巻き戻す動きが意識されやすい面はあるだろう。ただし、+2σは15.61倍に切り上がっており、同バンドに沿ったトレンドではある。
先ほど、12時15分過ぎに日銀が政策金利の据え置きを発表。ドル円は、12時を過ぎたあたりから、結果が出ないことに対するいつもの思惑だけで152.16円まで値を下げていたわけですが、反対票が前回同様に、バリタカ派の高田委員と田村委員の二人だけだったことを受けて一気に買い戻し。午前中の高値152.95円や昨日高値の153.06円を上抜けて一時153.14円まで値を上げているといったところです。
日本時間3時に公表されたFOMCでは、トランプ米大統領に送り込まれたミランFRB理事が50bpの利下げを主張した一方、シュミッド米カンザスシティ連銀総裁がインフレ圧力の上昇を懸念して据え置きを主張して反対票を投じていたことが判明。パウエルFRB議長の定例記者会見では、12月の利下げについて「既定路線というにはほど遠い」と90%以上織り込まれていた市場の利下げ期待を「foregone conclusion」なる難解な言葉を使って牽制。米政府シャットダウンによる判断材料の喪失といった不確実性にも言及。米10年債利回りの10bpを超える急騰を招く結果となりました。
いずれにしても、ドル円と日経平均は高市トレードといった大義名分のもと、理屈ではないテーマ性を持ち備えた相場が展開されているわけで、下押しをしっかりと拾いながらの動きが続いていきそうです。
「12月会合での追加利下げは既定路線ではない(December cut not set)」
(パウエルFRB議長)
10月28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、トランプ関税によるインフレ懸念から5会合連続で政策金利を据え置いた後、労働市場への懸念の高まりを理由に、FF金利誘導目標を3.75-4.00%へ0.25%引き下げることを、賛成10対反対2で決定した。
反対2名は、ミランFRB理事が0.50%の利下げを主張し、シュミッド米カンザスシティー連銀の総裁が金利の据え置きを支持した。
パウエルFRB議長は、9月FOMCの後に「リスク管理の一環としての利下げである」と述べていたが、今回も「12月会合での追加利下げは既定路線ではない」と述べ、市場の連続利下げや大幅利下げ観測を牽制したことで、タカ派的な利下げとなった。
1. FOMCの金融緩和(2024年~)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2024年9月:4.75%~5.00%(第1次利下げ)▲0.50% +2.5% +2.5%
・2024年11月:4.50%~4.75%(第2次利下げ)▲0.25% +2.4% +2.1%
・2024年12月:4.25%~4.50%(第3次利下げ)▲0.25% +2.7% +2.3%
・2025年1月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年3月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年5月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年6月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年7月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年9月:4.00%~4.25%(第4次利下げ)▲0.25%
・2025年10月:3.75%~4.00%(第5次利下げ)▲0.25%
2. FOMC声明:雇用に対する下振れリスク
■雇用「雇用の伸びは鈍化した。ここ数カ月で雇用へのリスクが高まった」
■物価「今年のより早い時期から上昇し、依然やや高止まりしている」
■2つの責務「双方を巡るリスクを注視している。雇用に対する下振れリスクがここ数カ月間で高まったと判断する」
■2名の反対者
・ミランFRB理事:0.50%の利下げを主張
・シュミッド米カンザスシティー連銀総裁:据え置きを支持
■バランスシートのランオフ(償還に伴う保有証券減少):12月1日で終了
2022年に開始したバランスシート(※8兆9655億ドル)のランオフを、12月1日で終了すると発表した。これまでに米国債と住宅ローン担保証券(MBS)合わせて2.4兆ドル程度削減しており、バランスシートの規模は6兆5449億ドル(10/22時点)と、20年以来の低水準となっている。
3.パウエルFRB議長:12月利下げ観測を否定(December cut not set)
「12月会合での利下げ決定は既定路線ではない。政策はあらかじめ定められた軌道に乗っているわけではない」
「FOMCの一部では、いったん立ち止まり労働市場に本当に下振れリスクがあるのか、また現在目にしている成長加速が本物なのかを見極める時期に来ているとの見方がある」
「政府機関閉鎖に伴う経済データの欠如が、当局者の慎重姿勢を強めている可能性がある。霧の中を運転しているときはスピードを落とすものだ」
「労働市場は、特に低所得層がストレスを受ける兆しが強まる中、雇用情勢が悪化に向かっていないか注視している」
「FRBは良好な立場を維持、経済情勢にタイムリーに対応できる態勢が整っている」
本日のロンドン時間はイベントが目白押し。そういった中でも、序盤は植田日銀総裁の定例会見を受けた円相場の動きが中心となりそうだ。またユーロ圏の経済指標、ニューヨーク勢の参入後には欧州中央銀行(ECB)の金融イベントなどが予定されている。
植田総裁の会見では、本人は否定するだろうが、金融政策を決定する過程で高市政権の影響がどの程度まであったかを探ることになる。そのうえで、次回12月の会合で追加利上げの可能性を見極めることになりそうだ。また、経済・物価情勢の展望で、成長率やインフレ見通しを修正した場合、その理由や総裁自身の見解にも注目したい。
本日は仏独ユーロ圏の7-9月期国内総生産(GDP)が発表予定。前期比では、フランスがプラスを維持するも前回から縮小し、ドイツは改善見込み。ユーロ圏は0.1%で横ばいが予想されている。ただ、ユーロ圏GDPについては、前年同期比で予想1.2%と前回から0.3ポイント低下するのが気になるところだ。
ECB理事会の決定が発表される前には、10月独消費者物価指数(CPI)が発表される。こちら前年比2.2%と、前回から伸び率鈍化が見込まれている。6、7月の2.0%を上回っているものの、インフレ内容次第では「ECBの利下げサイクル終了」との見方に変化があるかもしれない。
本日のECB理事会では、政策金利据え置きが決定されるというのが大方の見方。予想通りであれば、3会合連続での据え置き。通常は声明への反応は鈍いものの、利下げ打ち止め観測を後押しする文言を探すことになる。ラガルドECB総裁の会見からも、ECBの次の一手につながるヒントがあるかに注意したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、17日高値1.1728ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月5日安値1.1528ドル
ドル円:1ドル=153.05円(前営業日NY終値比△0.32円)
ユーロ円:1ユーロ=177.90円(△0.72円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1624ドル(△0.0023ドル)
日経平均株価:51325.61円(前営業日比△17.96円)
東証株価指数(TOPIX):3300.79(△22.55)
債券先物12月物:136.21円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.645%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
3514億円の処分超 6644億円の処分超・改
対内株式
1兆3442億円の取得超 7526億円の取得超
日銀金融政策決定会合、政策金利
0.50%で据え置き 0.50%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は神経質な動き。前日に上昇した流れを引き継いで152.95円まで上昇するも、買いの勢いは続かず。日経平均の軟調推移も重しとなると、12時過ぎに152.28円まで下落。その後、日銀は政策金利の据え置きを決定したほか、声明も追加利上げ期待を高める内容ではなかったことから円売りが強まり、153.14円まで再び上昇するなど荒い展開となった。
米中首脳会談では冒頭、トランプ米大統領が「中国とはすでに多く合意しているが、今日さらに合意する」と発言。また、習中国国家主席も「トランプ氏と協力し強固な関係を構築する用意がある」と述べたことが伝わった。
・ユーロ円も神経質。12時過ぎに176.82円まで下落後に177.97円まで切り返すなど、ドル円に連れる形で荒い動きとなった。
・ユーロドルは底堅い。1.1597ドルを安値に下げ渋ると買い戻しが入り、1.1637ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は続伸。アドバンテストやレーザーテックなど半導体株の上昇を背景に買いが入った。もっとも、前日に大幅に上昇した影響から利益確定の売りも出やすかった。
・債券先物相場は反発。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見にて12月FOMCでの利下げ観測が後退し、米長期金利が上昇した。この流れを引き継いで債券は売りが先行するも、日銀会合の展望リポートが次回会合での利上げを示唆する内容ではなかったことから債券は買いが優勢となった。
大阪12月限
日経225先物 51460 +130 (+0.25%)
TOPIX先物 3310.0 +32.5 (+0.99%)
日経225先物(12月限)は前日比130円高の5万1460円で取引を終了。寄り付きは5万0960円と、シカゴ日経平均先物先物清算値(5万1100円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。ただし、寄り付き直後につけた5万0930円を安値に、ショートカバーを交えたロング優勢の流れとなり、5万1500円台を回復。前場中盤にかけて5万1070円まで軟化する場面もみられたが、前場終盤にかけて再びプラス圏を回復していた。
ランチタイムで弱含む場面もみられたが、日銀の金融政策決定会合の結果が判明し、利上げが見送られたことで、為替市場でドル円が1ドル=153円台と円安に振れ、後場の取引開始後ほどなくして5万1710円まで上げ幅を広げた。ただし、中銀イベントが通過した一方で、市場の関心は米中首脳会談に移り、首脳会談終了直後には5万1020円まで売られた。その後、米中首脳会談の内容が伝えられるなか、終盤にかけて5万1610円まで切り返す場面もみられた。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]が買い先行で始まったが、後場中盤には一時下落に転じたことで、短期的なショートを誘う場面もみられた。ただし、あす決算発表を控えている東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が堅調だったほか、きょうはレーザーテック<6920.T>[東証P]がストップ高をつけるなど、半導体や人工知能(AI)株への物色は根強く、積極的なショートを仕掛けにくくさせていた。
米中首脳会談の終了直後に会談内容について報道がなかったことで、ショートを誘う形になった。ただ、5万1000円を割り込まなかったほか、その後、トランプ米大統領が、中国によるレアアース規制を巡りすべて解決したと述べたほか、対中関税を10%引き下げると表明したと報じられ、後場終盤にかけてのショートカバーにつながったようである。
重要イベントを通過したことで手掛かり材料に欠ける可能性はあるが、今晩の米国ではアップル<AAPL>の決算発表が予定されており、主力ハイテク企業への物色が継続するようだと、東京市場でもロング優勢の流れが続きそうだ。東京エレクトロンの決算を控えていることや、3連休前で様子見ムードが強まる可能性はあるものの、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
日経225先物は上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σに沿ったトレンドを続けているが、同バンドはナイトセッションで5万2300円辺りまで切り上がってきた。5万2000円が射程に入り、出遅れているファンドなどではヘッジ対応のロングで手当てしてくる動きが強まりそうである。
NT倍率は先物中心限月で15.54倍に低下した。前日に一時15.69倍まで切り上がり、+2σ(15.54倍)を明確に上抜けたことで、いったんはNTロングの巻き戻しが意識されやすい面はあるだろう。+2σは15.61倍に切り上がっており、同バンドに沿ったトレンドを形成している状況では、NTショートへの転換は考えにくいところだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万0668枚、ソシエテジェネラル証券が2万1651枚、サスケハナ・ホンコンが4652枚、バークレイズ証券が3898枚、モルガンMUFG証券が3056枚、SBI証券が2955枚、ゴールドマン証券が2594枚、野村証券が2592枚、日産証券が2010枚、JPモルガン証券が1927枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が4万1741枚、ソシエテジェネラル証券が3万0264枚、バークレイズ証券が1万0087枚、モルガンMUFG証券が7602枚、サスケハナ・ホンコンが5328枚、JPモルガン証券が5051枚、ゴールドマン証券が4648枚、野村証券が2689枚、ドイツ証券が2553枚、ビーオブエー証券が2356枚だった。
本日のNY為替市場では、欧州中銀(ECB)理事会に注目が集まりそうだ。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過したことでFRB要人発言も複数予定されており、こちらも気になるところである。
まずECB理事会について、今回は政策金利の据え置きがコンセンサスとなっている。ECBは6月に利下げした以降は金利据え置きで様子見姿勢を保っている。仮に予想通り据え置きとなった場合、市場の関心が向かうのは声明やラガルドECB総裁会見だろう。前回9月の理事会では、声明で「データに基づき、会合ごとに適切な金融政策のスタンスを決定することを方針」などが明らかとなったほか、総裁は「ユーロ圏経済成長に対するリスクはより均衡が取れてきた」「ディスインフレのプロセスは終了した」などと発言している。前回と比べで景気や金利見通しについて変化がないか確認しておきたい。
また、本日はボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長やローガン米ダラス連銀総裁の発言機会が予定されている。両名とも昨日のFOMCでは0.25%利下げを支持しており、今後の金利・経済見通しについて言及があれば材料視されるかもしれない。
昨日、パウエル米FRB議長が会見で「12月の利下げは決して確実ではない」などと発言したことで年内の追加利下げ期待が後退している。そうした中、大幅利下げを志向しているトランプ米大統領を始め米政府関係者の発言には警戒しておきたい。
ドル円は昨日のFOMCや本日の日銀会合を通過して全般円安が進行しており、欧州市場で153円台後半と2月以来の高値を付けた。本日の東京市場で黒田前日銀総裁から「ドル円は120円から130円前後に向けた円高進行と見込む」との発言も伝わっている。念のため本邦当局者からの円安けん制発言には気を付けたい。
想定レンジ上限
・ユーロドルは、90日移動平均線1.1677ドル。超えると17日高値1.1728ドル
・ドル円は、2月12日高値154.80円
想定レンジ下限
・ユーロドルは、29日安値1.1578ドル。割り込むと9日安値1.1542ドル
・ドル円は、心理的節目の153.00円
今晩は上値の重い展開か。昨日はエヌビディアなどが上昇しナスダック総合が0.55%高と5営業日続伸し、取引時間中と終値の史上最高値を更新した一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が12月利下げの見送りの可能性に言及したことが嫌気されダウ平均が74.37ドル安(-0.16%)と5営業日ぶりに反落、S&P500も0.43%高まで上昇後、0.00%安と横ばいで終了した。引け後の動きでは決算が予想を上回ったアルファベットが時間外で6%超上昇した一方、トランプ関税による多額の一時費用の計上が嫌気されたメタ・プラットフォームズが時間外で7%超下落。マイクロソフトもオープンAIへの投資が利益を圧迫し、株価は時間外で約4%下落した。
今晩は昨日のパウエルFRB議長記者会見を受けて12月利下げ期待が後退したことや、引け後に決算を発表したメタ・プラットフォームズの下落が予想されることが相場の重しとなりそうだ。一方、貿易問題を巡っては、アジア時間に開催された米中首脳会談で、トランプ米大統領は「10点満点中12点」と高く評価したことで、米中貿易摩擦懸念の後退が下値支援となることが期待され、下値も堅い展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは3Q国内総生産(GDP)速報値や新規失業保険申請件数などの発表が予定されていたが、政府閉鎖の影響でいずれも発表延期となる見込み。企業決算は寄り前にメルク、マスターカード、バイオジェン、エスティ・ローダー、ブリストルマイヤーズ、イーライ・リリー、引け後にアップル、ギリアド・サイエンシズ、アマゾンなどが発表予定。
米政府機関と契約する企業は、2025年10月の連邦政府の閉鎖開始から最初の4週間で120億ドルの損失を被ったとCNBCが伝えた。米国商工会議所の報告によれば、全国で6万5500の小規模企業が週約30億ドルの収入を失っている。影響を受ける業種はハイテク機器、オフィス用品、造園サービスなど多岐にわたり、メリーランド州とバージニア州で特に多くの企業が閉鎖の影響を受けている。多くの小企業にとって、連邦契約は収入の重要な割合を占めているが、政府職員は後払い補償があるのに対し、契約企業は補償がなく、資金回収も困難。
共和党提案の一時予算案は上院で13回否決されており、民主党は手厚い医療保険税控除の延長を求めている。議会予算局は、6週間の閉鎖で110億ドル、8週間で140億ドルの経済損失と見積もっている。早期の政府再開と契約企業支援の必要性が強調されている。
トランプ大統領が33年ぶりに核兵器の実験を再開すると発表した。これはロシアや中国など他国の核兵器実験に追随する形で、「他国の試験プログラムに対応して、国防省に核兵器の試験を同等に開始するよう指示した」とトランプ大統領は自身のSNSで表明した。米国が最後に核実験を行ったのは1992年の地中核実験で、それ以来自発的に停止してきた。今回の発表は冷戦後の核実験停止政策の大きな転換となり、世界の緊張を高めている。
一方、ロシアは最近行った核推進型巡航ミサイルと原子力潜水艦用無人機の試験は核爆発を伴わないと説明し、核実験ではないと主張している。専門家は、実際に核爆発が行われれば冷戦時代以来の大きなエスカレーションとなると警告している。
2025年第3四半期のユーロ圏経済は季節調整後で前期比0.2%成長し、市場予想の0.1%を上回った。年率では1.3%の成長で、予想の1.2%を若干超えているが、第2四半期の1.5%成長からは減速した。フランスやポルトガルの好調な成長が押し上げ要因となり、スペインも堅調。一方、ドイツやイタリアの停滞が地域全体の足を引っ張っている。専門家は、成長見通しに対して楽観的ながらも、政府予算や改革、世界的な景気減速や貿易政策などのリスクが依然として存在すると指摘している。
日経平均株価は続伸。下落スタートからプラス圏とマイナス圏を行き来したが、押したところでは買いが入り、小幅ながらプラスを確保した。
RSI(9日)は前日73.8%→82.9%(10/30)に上昇。5万円や5日移動平均線(50532円 10/30)を下回ることなく推移し、連日で陽線を形成した。5日移動平均線の上昇継続に準じて、引き続き上目線のトレンドフォローとなる。
上値メドは、心理的節目の51500円、52000円、52500円、53000円などが想定される。下値メドは、10/27高値(50549円)、5日移動平均線、心理的節目の50000円や49000円、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円、10/17安値(47494円)などがある。
オバマケア(ACA)の健康保険料が2026年の加入者向けに大幅に上昇する見通しだ。州ごとに運営されるマーケットプレイスでは平均17%上昇、連邦運営のHealthcare.govでは平均30%の急騰となっている。これは病院費の高騰やGLP-1系の体重減少薬の普及が背景にある。2025年末に期限切れとなる補助金の延長は議会で混迷しており、延長されなければさらなる保険料の急増や加入者の減少が懸念されている。2025年度には2400万人がマーケットプレイス経由で保険を取得しており、多くが補助金の恩恵を受けているが、今後の動向が注目される。
30日の日経平均は小幅続伸。終値は17円高の51325円。10月FOMCでは大方の予想通り0.25%の利下げが決まったが、パウエルFRB議長は会見で次回会合では利下げを行わない可能性があると言及。29日の米国ではダウ平均とS&P500が下落した。
これらを受けて下げて始まるも、場中はプラス圏とマイナス圏を行き来する不安定な動きが続いた。レーザーテック<6920.T>など半導体株の一角に買いが入った一方、ソフトバンクグループ<9984.T>やファーストリテイリング<9983.T>が強めに売られており、大型株の値動きに指数も翻弄された。
昼休みには日銀から金融政策の現状維持が発表された。ノーサプライズかと思われたが、発表後にドル円が円安に振れ、先物も水準を切り上げたことから、後場のスタート時には上を試しにいった。ただ、上げ幅を300円超に広げて51600円台に乗せた後に300円超下げて51000円を割り込むなど、前場同様に方向感が定まらない展開。小幅な下落でクロージングオークションに突入し、終値ではプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で10兆0300億円と高水準。業種別では非鉄金属、鉱業、電気・ガスなどが上昇した一方、陸運、空運、情報・通信などが下落した。上方修正や増配を発表したトーメンデバイス<2737.T>が、後場に買いを集めてストップ高。半面、JR東海<9022.T>は通期見通しを上方修正したものの、リニア新幹線の総工事費が増加する見込みになったとの発表が嫌気されて大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1127/値下がり432と、日経平均は小動きも値上がり銘柄は多かった。SCREENやキオクシアなど半導体関連の一角が強く、レーザーテックがストップ高。上方修正や米企業の買収を発表したNECが急騰し、同業の富士通や日立などにも資金が向かった。TOB関連のニュースで住友理工が急騰して住友電設がストップ高となっており、これらの親会社である住友電工も大幅高となった。
一方、ソフトバンクグループが3%を超える下落。決算を受けてディスコ、キーエンス、カプコンなどが大幅安となった。前日に決算で売られたコマツが連日の大幅安。直近で騰勢を強めていたアウンコンサルティングが、ストップ高をつけた後に急失速してストップ安で終えるなど乱高下した。
日経平均は続伸。株価ボードから少し目を離すとプラスとマイナスが入れ替わっているといったような慌ただしい1日であった。ただ、終わってみればほぼ横ばい。FOMC、日銀会合ともに今回の決定に対する織り込みが進んでいただけに、強気にも弱気にも傾きづらかった。
本日、米国の引け後にはアップルが決算発表を予定している。同社の決算は日本の電子部品株を刺激することもあるだけに、時間外の反応が大きく注目される。東京市場は来週月曜が休場で、あすは三連休前となる。週末と月末も重なるだけに目先の利益を確定させる動きは出やすいが、最近の日経平均は週初に大きく上げることも多いだけに、市場の空白に対する警戒は高まらないだろう。あすの引け後には東京エレクトロンやレーザーテックの決算発表が予定されており、三連休明けも注目企業の決算発表が目白押し。下押し圧力が限られるようなら、売り方の投げの方が急がれて週末一段高の展開も期待できる。
(30日終値:31日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.10円(30日15時時点比△1.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=178.24円(△0.34円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1566ドル(▲0.0058ドル)
FTSE100種総合株価指数:9760.06(前営業日比△3.92)
ドイツ株式指数(DAX):24118.89(▲5.32)
10年物英国債利回り:4.424%(△0.032%)
10年物独国債利回り:2.643%(△0.022%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値
(前期比) 0.5% 0.3%
10月独雇用統計
失業率 6.3% 6.3%
失業者数変化 ▲0.10万人 1.30万人・改
7-9月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整済)
(前期比) 0.0% ▲0.2%・改
(前年同期比) 0.3% 0.3%・改
7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値
(前期比) 0.2% 0.1%
(前年同期比) 1.3% 1.5%
9月ユーロ圏失業率
6.3% 6.3%
10月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.3% 0.2%
(前年比) 2.3% 2.4%
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
2.15%で据え置き 2.15%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて、米利下げ継続への期待が後退する中、ユーロ売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、22時過ぎに一時1.1547ドルと日通し安値を付けた。14日の安値1.1543ドルや9日の安値1.1542ドルがサポートとして意識されると1.1586ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。
なお、欧州中央銀行(ECB)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の2.15%に据え置くことを決めたと発表。声明では「世界的な貿易紛争や地政学的緊張の継続により、見通しは依然として不透明」「理事会は特定の金利経路を事前にコミットしない」との見解を示した。また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「基調的インフレは2%の目標と一致している」「インフレの見通しは従来よりも不確実性が高まっている」などと述べたものの、相場の反応は限られた。
・ドル円は底堅い。日銀は29-30日に開いた金融政策決定会合で市場予想通り政策金利の据え置きを決めた。植田和男日銀総裁が会合後の記者会見で「利上げの是非やタイミングは現時点では予断持っていない」「緩和度合い調整にはもう少しデータ等確認したい」などと発言すると、「日銀は利上げに消極的」と受け止められ、円を売る動きが広がった。欧米市場でも円売りの流れが継続し、22時過ぎに一時154.45円と2月13日以来の高値を付けた。パウエルFRB議長がFOMC後の会見で12月の利下げ観測をけん制したことで、米利下げ観測が後退していることも相場の支援材料。
ただ、2月12日の高値154.80円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利の上昇が一服したことも相場の重し。
・ユーロ円は買い先行後、伸び悩んだ。日銀の早期利上げ観測が後退する中、全般円売りが優勢になると21時過ぎに一時178.82円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けた。ただ、そのあとはユーロドルの下落につれた売りが出て一時178.15円付近まで下押しする場面があった。
・ロンドン株式相場は小幅ながら9日続伸し、史上最高値を更新した。連日で史上最高値を更新する中、高値警戒感から利益確定の売りが先行したものの、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢となり上げに転じた。ナショナル・グリッドやSSEなど公共事業株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら3日続落。米利下げ継続への期待感が後退すると、投資家心理が悪化し売りが優勢となった。半面、米中関係の改善への期待が相場を下支えした。個別ではバイエル(2.50%安)やドイツテレコム(2.45%安)、ポルシェ・オートモービル・ホールディング(2.34%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.13円(前営業日比△1.40円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=178.25円(△1.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1565ドル(▲0.0036ドル)
ダウ工業株30種平均:47522.12ドル(▲109.88ドル)
ナスダック総合株価指数:23581.14(▲377.33)
10年物米国債利回り:4.10%(△0.02%)
WTI原油先物12月限:1バレル=60.57ドル(△0.09ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4015.9ドル(△15.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。日銀は今日まで開いた金融政策決定会合で市場予想通り政策金利の据え置きを決めたと発表。植田和男日銀総裁が会合後の記者会見で「利上げの是非やタイミングは現時点では予断持っていない」「緩和度合い調整にはもう少しデータ等確認したい」などと発言すると、「日銀は利上げに消極的」と受け止められ、円を売る動きが広がった。海外市場でも円売りの流れが継続し、22時過ぎに一時154.45円と2月13日以来の高値を付けた。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて、米利下げ継続への期待が後退する中、ドル買いが入りやすい面もあった。
ただ、2月12日の高値154.80円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服し、NY午後に入ると154円台前半で値動きが鈍った。今週予定されていた重要イベントを通過したことで、次第に様子見ムードが広がったもよう。
・ユーロドルは続落。パウエルFRB議長がFOMC後の会見で12月の利下げ観測をけん制したことで、ユーロ売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、22時過ぎに一時1.1547ドルと日通し安値を付けた。14日の安値1.1543ドルや9日の安値1.1542ドルがサポートとして意識されると1.1586ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
なお、欧州中央銀行(ECB)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の2.15%に据え置くことを決めたと発表。声明では「世界的な貿易紛争や地政学的緊張の継続により、見通しは依然として不透明」「理事会は特定の金利経路を事前にコミットしない」との見解を示した。また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「基調的インフレは2%の目標と一致している」「インフレの見通しは従来よりも不確実性が高まっている」などと述べたが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は3日ぶりに反発。日銀の早期利上げ観測が後退する中、全般円売りが優勢になると21時過ぎに一時178.82円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けた。ただ、そのあとはドル円の伸び悩みやユーロドルの下落につれた売りが出て178.15円付近まで上値を切り下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。決算内容が嫌気されたマイクロソフトやメタ・プラットフォームズなどハイテク株中心に売りが広がり、相場の重しとなった。ただ、米中関係の改善への期待から買いが入ると、指数は上げに転じる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反落。前日までに5日続伸し史上最高値を更新した後だけに利益確定目的の売りが優勢となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。前日のFOMCやパウエルFRB議長の発言を受けて、米利下げ継続への期待が後退する中、この日も売りが優勢となった。
・原油先物相場は小幅に続伸。米中首脳会議を通過してエネルギー需要見通しへの楽観的な見方から買いが入った。一方、外国為替市場でのドル高を受けてドル建てで取引される商品の割高感に繋がり、上値は限られた。
・金先物相場は続伸。米中貿易協定の結果を巡って不確実性が残ったことで、改めて安全資産とされる金需要が意識されて買いが強まった。
日銀は30日発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2025年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しを+2.7%(前回は+2.7%)、26年度を+1.8%(前回は+1.8%)、27年度を+2.0%(前回は+2.0%)とした。
また、2025年度の実質国内総生産(GDP)見通しを+0.7%(前回は+0.6%)、26年度を+0.7%(前回は+0.7%)、27年度を+1.0%(前回は+1.0%)とした。
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(賛成7反対2)
無担保コールレート (オーバーナイト物) を、0.5%程度で推移するよう促す。
(日銀HPより抜粋)
東海東京インテリジェンス・ラボでは為替に関するリポートの中で、シカゴ投機筋の先物ポジションはいまだ円ロング(買い持ち)の可能性が高いと指摘。現状は手持ちの円ロングを手仕舞っている最中で、積極的に円ショート(売り持ち)を積んでいる状況には至っていないとみている。シカゴ筋に代表される市場参加者の投機的なポジションは現状もドル売り円買いに傾斜している公算が大きいとの見方から、投機筋のポジション調整でドル高円安に振れることはあっても、まとまった値幅でドル安円高方向に振れる可能性は低いと東海東京では考えている。
第一生命経済研究所では、高市政権が財政運営に関して、政府債務残高の対名目GDP比を引き下げていく方針を掲げたことに注目している。第一生命では、この方針を守っても長期金利が上昇するリスクはなくならないと指摘。むしろ、政府債務以外の家計や企業の運用資産がインフレで目減りする弊害が生じ、金融抑圧というリスクが高まると考えている。また、債券需給の改善を考えるのであれば、基礎的財政収支を黒字化の方向にもっていくことが望まれるとコメントしている。
30日06:23 トランプ米大統領
「韓国への関税は引き下げられるだろう」
30日11:25
「中国と今日さらに合意する、すでに多く合意している」
「対中、フェンタニル関税を即時10%に引き下げる」
「ブラックウェルについては話していない」
「大豆、農産品で合意した」
「大豆購入は速やかに開始される」
「中国は半導体についてエヌビディアと協議するだろう」
「中国に関して、レアアースに障害なし」
「中国との貿易合意にまもなく署名すると思う」
「4月に中国を訪問する」
「習中国国家主席との会談、10点満点中12点」
「中国は対米投資を行うだろう」
「詳細の一部について声明を発表する」
30日11:22 習中国国家主席
「トランプ氏と協力し強固な関係を構築する用意がある」
「米中関係は正しい方向性を確保すべきだ」
「米中は協力してより多くの成果を上げられる」
「摩擦があるのは正常」
「中国と米国は対話を維持するべき」
「米中関係は概ね安定を維持」
「双方の経済貿易チームは綿密な協議を行い、問題解決に向けて合意に達した」
「双方は引き続き問題リストを短縮し、協力リストを延長すべきである」
「貿易関係は関係の土台となるべき」
「双方は『復讐』の悪循環に陥ることなく、協力の長期的な利益を追求すべきだ」
「中国は誰かに挑戦したり、誰かを交代させようとしたことは一度もない」
「トランプ氏と米国陣営との連絡を維持することに合意」
「エネルギー、貿易における協力を強化することで合意」
「双方は合意内容を改善し、実施し、フォローアップする必要がある」
「政策金利の据え置き、7対2で決定」
「通商政策の影響巡る不確実性はなお高い」
「賃金と物価が相互参照して上昇、維持されると想定」
「コアCPI、来年度前半にかけ2%下回る水準までプラス幅縮小を想定」
「不確実性が為替相場に与える影響を十分に注視」
「景気は緩やかに回復している」
30日15:17 黒田前日銀総裁
「ドル円は120円から130円前後に向けた円高進行と見込む」
30日15:42 植田日銀総裁
「中心的な見通し実現確度は少しずつ高まっている」
「ビハインドカーブ懸念は高まっていない」
「利上げの是非やタイミングは現時点では予断持っていない」
「高市首相の発言や会談の時期、コメントは差し控える」
「ベッセント米財務長官の発言について直接コメントをすることは差し控える」
「来春闘の予想を申し上げるには材料不足」
「7月の見通しに、その後のデータを利用して見通しを置いたらほぼ同じ姿になった」
「米関税は今後消費者への転嫁進む、影響大きくなるリスク」
「見通し実現の確度は少し上昇したが、緩和度合い調整にはもう少しデータ等確認したい」
「食品価格は一時的な上昇要因が大きい」
「食品価格は今後インフレ率としては下落していくがゼロに戻るとは考えていない」
「中立金利、幅を持ってしか特定できない」
「為替、ファンダメンタルズに沿って安定推移が望ましい」
「為替変動、元になった要因含め経済物価への影響を精査していきたい」
「経済・物価見通しやその確度により、適切に金融政策運営していく」
「予算編成の途中であっても政策変更は十分可能」
「春闘の動き、最終妥結の姿を知るまで待ちたいというわけではない」
「我々が納得いけば、政治状況に関わらず金利調整することになる」
※時間は日本時間
30日16:12 中国商務省
「米国と中国は、一部の関税免除措置の延長を継続することで合意」
「双方はフェンタニル協力、農産物貿易の拡大で合意」
「米国に対する造船措置を1年間停止」
「レアアースの輸出規制を1年間停止」
「301条調査に関連する対抗措置を1年間停止」
「米国とのTikTok関連の問題を適切に処理する」
30日22:18 欧州中央銀行(ECB)声明
「インフレ率は引き続き2%の中期目標に近く、理事会によるインフレ見通しの評価に概ね変更はない」
「厳しい世界経済環境にもかかわらず、経済は成長を続けている」
「堅調な労働市場、健全な民間部門のバランスシート、そして理事会による過去の利下げは、引き続き経済の回復力を支える重要な要因」
「しかしながら、世界的な貿易紛争や地政学的緊張の継続により、見通しは依然として不透明」
「中期的にインフレ率が目標の2%で安定することを確実にすることを決意」
「適切な金融政策スタンスを決定するにあたっては、データに基づき、会合ごとに適切なアプローチを採用する」
「理事会の金利決定は、今後発表される経済・金融データ、基調的なインフレ動向、そして金融政策の波及効果の強さを踏まえ、インフレ見通しとそれを取り巻くリスクの評価に基づく」
「理事会は、特定の金利経路を事前にコミットすることはしない」
30日22:55 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「製造業が関税の影響で抑制されている」
「経済は消費支出の恩恵を受けるはずだ」
「内需と外需の間の乖離は今後も続く見込み」
「いくつかの成長リスクは軽減されてきた」
「労働需要は冷え込みつつある」
「基調的インフレは2%の目標と一致している」
「家計の貯蓄は異例の大きさである」
「インフレの見通しは従来よりも不確実性が高まっている」
「ユーロ圏の景気後退は抑えられている一方で、外部の環境も引き続き不安定である」
「ユーロ高は中期的にはインフレを更に抑制する可能性」
「防衛支出の拡大が中期的にインフレを増加させる可能性」
「現在我々は良い位置にいる」
「しかし良い位置は固定されたものではなく、維持するためには必要なことは何でも行う」
「成長に文句は言わないが、もっと良くできる可能性もある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 9月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 9月有効求人倍率(予想:1.20倍)
○08:30 ◎ 10月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比2.6%)
○08:50 ◎ 9月鉱工業生産速報(予想:前月比1.5%/前年比1.8%)
○08:50 ◇ 9月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比0.7%)
○14:00 ◇ 9月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲7.8%)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○日中首脳会談(韓国・慶州)
<海外>
○09:30 ◎ 7-9月期豪卸売物価指数(PPI)
○10:30 ◎ 10月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.6)
○16:00 ◎ 9月独小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比2.7%)
○16:00 ◇ 9月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.2%/前年比▲1.4%)
○16:00 ◇ 10月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○16:00 ◇ 9月トルコ貿易収支
○16:30 ◇ 9月スイス小売売上高
○16:45 ◇ 10月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比1.0%)
○16:45 ◇ 9月仏卸売物価指数(PPI)
○17:30 ◎ 7-9月期香港域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比▲0.2%/前年比3.0%)
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.1%)
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.3%)
○21:00 ◎ 9月南アフリカ貿易収支(予想:69億ランドの黒字)
○21:30 ☆ 8月カナダGDP(予想:前月比横ばい/前年比0.9%)
○22:30 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○22:45 ◎ 10月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:42.0)
○1日01:00 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(韓国・慶州、11月1日まで)
○2日 米国が冬時間に移行
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は154.45円まで大幅に上昇。植田日銀総裁の発言「利上げの是非やタイミングは現時点では予断持っていない」を受け、日銀は利上げに消極的との見立てからドル買い円売りが進んだ。ユーロドルは米長期金利の上昇などから1.1547ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、12月の金融政策変更に対して消極的なパウエルFRB議長と植田日銀総裁の見解を受けて、上値を追う展開が予想される。
日米の金融政策への思惑からドル高・円安が進んでいるが、これまでは財務省による円安牽制発言やドル売り・円買い介入が上値を抑えてきた。しかし、片山財務相が昨日、日銀の金融政策現状維持に対して「景気情勢を勘案した極めてリーズナブルな判断」との見解を示し、円安への懸念を表明しなかったことで、本邦通貨当局のスタンスにも要注目。
8時30分に発表される10月東京都区部消費者物価指数(CPI)は、前年比+2.6%と9月の+2.5%からの上昇が予想されており、全国CPIの先行指標とされる。もっとも、9月の全国コアCPIは同比+2.9%で42カ月連続でインフレ目標2%を上回り、「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」である「刈り込み平均値」も同比+2.1%だったにも関わらず、日銀は政策金利0.5%を据え置いたままとなっており、インフレ率への注目度は低下している。
ドル円は、パウエルFRB議長の発言「12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ決定は既定路線(foregone conclusion)ではない」がドル高要因、植田日銀総裁が12月会合での利上げに言及しなかったという円安要因を受けて、154.45円まで上昇している。
ドル円のテクニカル分析では、2024年7月3日の高値161.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成中であり、頭の161.95円から右肩の158.87円(1/10高値)を経由する「下降三角形」の上辺は、本日154.32円に位置している。本日は、月末の特殊玉が飛び交う中での攻防戦に注目しておきたい。
FOMCでは、2会合連続で0.25%利下げが行われたものの、パウエルFRB議長は9月には「リスク管理(risk management)」、10月は「既定路線(foregone conclusion)」という単語を使うことで、利下げ圧力をかけ続けているトランプ米政権に対して、タカ派的な利下げを打ち出している。ベッセント米財務長官は、パウエルFRB議長の発言に対して、組織の大幅な見直しが必要なことを示していると批判している。
一方の日銀金融政策決定会合は、6会合連続で政策金利を据え置き、植田日銀総裁は12月会合での利上げに言及しなかったことで、高市政権の「責任ある積極財政」や予算編成次期に配慮した金融政策となっている。
トランプ米政権は、関税や円安抑制を通じて日米貿易不均衡是正を標榜しており、ベッセント米財務長官は、植田日銀総裁との会談、6月の為替政策報告書、9月の日米財務相共同声明、10月の日米財務相会談などで、日銀の利上げによる円安抑制を促してきた。そして、日米関税合意での対日税率15%は、トランプ米大統領が実施状況に不満を感じれば、25%に戻す可能性を示唆していた。
27日の日米財務相会談に関して、日本政府関係者によると、ベッセント米財務長官は今年9月の日米為替共同声明の合意を守るように片山財務相に念を押したとのことである。片山財務相は「日銀による利上げを促すというようなことではなかったのではないかと思う」と述べたが、関係者は「ベッセント米財務長官の意図を理解していない」と述べており、トランプ米政権による「高市トレード」(円売り・株買い)に対するブレーキには警戒しておきたい。
東京市場はしっかりか。米国株は下落。ダウ平均は109ドル安の47522ドルで取引を終えた。上昇する場面もあったが、メタ・プラットフォームズが急落したほかマイクロソフトなども弱く、グロース株の下落が重荷となった。ナスダックは終日軟調に推移した。ドル円は足元154円00銭近辺で推移している。日銀金融政策決定会合後の植田総裁の会見がハト派的と受け止められ、円安が進行した。CME225先物は円建てが130円安の51330円、ドル建てが55円安の51405円で取引を終えた。
米国株は3指数そろって下落したが、引け後に決算を発表したアマゾンやアップルは時間外で上昇している。円安進行も日本株には支えとなるだけに、売りは手控えられる公算が大きい。FOMCと日銀会合を通過して、ここからは決算を材料に個別物色の盛り上がりが期待できる。今週は特に半導体株の売買が活況となる中、本日引け後には東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>が決算発表を予定している。三連休前ではあるが、来週も注目企業の決算発表が多いだけに、楽観ムードが優勢となって下げづらく上げやすい地合いを予想する。日経平均の予想レンジは51200-51800円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 51540 +80 (+0.15%)
TOPIX先物 3326.5 +16.5 (+0.49%)
シカゴ日経平均先物 51330 -130
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
30日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。四半期決算を発表したマイクロソフト<MSFT>が売られ、NYダウの重荷になった。売上高は市場予想を上回ったが、前期を大きく超える設備投資計画に対して、人工知能(AI)関連の投資が収益を圧迫する可能性が意識された。また、メタプラットフォームズ<META>も決算とあわせて発表した強気の設備投資計画が収益を圧迫すると受け止められ、11%超の下落となるなかで、ハイテク株を中心に売りが広がった。
S&P500業種別指数は医薬品、銀行、不動産が上昇した一方で、自動車・同部品、電気通信サービス、小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、シスコシステムズ<CSCO>、セールスフォース<CRM>、ウォルト・ディズニー<DIS>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が買われた。半面、マイクロソフトのほか、ボーイング<BA>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比130円安の5万1330円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比90円高の5万1550円で始まった。直後に5万1880円まで買われた後はロング解消の動きとなり、米国市場の取引開始後には5万1390円まで下げた。直後に5万1800円まで切り返す場面もあったものの、買い一巡後は5万1500円~5万1650円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを下抜けて5万1300円まで売られる場面もあったが、引け間際にロングが入る形でプラス圏を回復し、5万1540円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物は下落して終えているが、米国市場の取引終了後に決算を発表したアマゾン・ドット・コムは、一株利益が市場予想を上回ったとして時間外取引で大きく買われていることで、ショートを仕掛けにくくさせそうだ。日経225先物は上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σは5万2280円まで切り上がってきており、オプション権利行使価格の5万1500円を中心とした上下の権利行使価格となる、5万1000円から5万2000円辺りでのレンジが意識されそうである。
3連休前であるほか、引け後には東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やレーザーテック<6920.T>[東証P]の決算を控えていることから、持ち高調整に伴うロング解消が入りやすいだろう。ただ、アドバンテスト<6857.T>[東証P]に続いて前日にはレーザーテックがストップ高をつけるなど、半導体やAI関連株への物色が目立っている。
パッシブファンドなどは指数への連動性を高めるために、他の銘柄を売却して半導体に振り向けているとみられ、この流れが一気に反転するとは考えにくく、決算を控えた東京エレクトロンが引き続き強い値動きをみせてくるようだと、先物市場においてロングを誘うことになろう。なお、昨夕決算を発表したところでは、京セラ<6971.T>[東証P]が2026年3月期の業績予想を上方修正した。
日経225先物は5万1500円処での底固めを意識しつつ、利食いの動きが強まる局面では、押し目待ち狙いのロング対応は継続しておきたい。ナイトセッションで5万1880円まで買われる場面もみられており、投資家心理としては+2σ水準を意識しているだろう。
30日の米VIX指数は16.91(29日は16.92)と小幅に低下した。一時17.41に上昇する場面もみられたが、25日移動平均線(17.84)が抵抗線として機能している。ボトム圏での推移を続けており、リスク選好に向かわせやすいとみられる。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.54倍に低下した。前日には一時15.69倍まで切り上がり、+2σ(15.54倍)を明確に上抜けたことで、いったんはNTロングを巻き戻す動きが意識されやすい面はあると考えられる。ただし、明確にNTショートへの転換は考えにくいところだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比560円高の5万2020円(+1.08%)前後で推移。寄り付きは5万1540円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1330円)を上回る形で、買いが先行して始まった。30日の米国市場ではハイテク株を中心に売りが広がり、主要な株価指数は下落した。ただし、引け後に発表した決算が市場予想を上回ったアマゾン・ドット・コム<AMZN>が時間外取引で大幅に上昇したことが支援材料になった。寄り付き直後につけた5万1530円を安値に、ショートカバーを交えたロング優勢の流れとなり、中盤にかけて5万2440円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は利益確定に伴うロング解消が入り、終盤にかけては5万2000円を挟んでの推移を継続。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]への資金流入が続いており、日経平均株価をけん引する形になった。そのほか、前日に決算を発表したコナミグループ<9766.T>[東証P]が17%を超える上昇となり、ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などが買われ、日経平均株価を押し上げている。一方で、ハイテク株への手当て買いのために他の銘柄を売る動きとなり、東証プライムの値下がり銘柄数は全体の過半数を占めている。 なお、5万2440円まで買われたことでボリンジャーバンドの+2σ(5万2350円)を突破する場面もみられた。いったんは達成感が意識されやすいと考えられ、利益確定に伴うロング解消が入りやすくなりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.67倍に上昇した。再び+2σ(15.69倍)を捉えてきており、NTロングに振れている。同バンドが抵抗となる可能性も考えられ、後場はリバランスの動きも意識しておきたい。
昨日で、日米の金融イベントが終了しましたが、ドル円はいずれもドル買いでの反応。FOMCでは、米財務省の声明やベッセント米財務長官のSNS投稿などを受けて短期勢が売り仕掛けた後の買い戻し。日銀金融政策決定会合では、相変わらず発表時間が決まっていないことに起因した、12時を過ぎても会合が終わらないことによる短期筋の、あまりにも整合性のない、不必要な売り仕掛けの後の急伸。結果的には高市トレードの高値であった10日の153.27円を一気に上抜けてSLを巻き込む動きとなりました。
米長期金利の上昇も買い戻しを後押し。一時154.45円まで値を上げています。2月12日の高値154.80円が戻りの目処として意識されたこともあり、東京時間は利食い売りが先行。片山財務相の円安けん制発言などをきっかけに153.65円まで下押す場面もみられましたが、大きなテーマの方向性を変えるわけでもなく、単に拾い場を与えたに過ぎないわけで、再び154.00円まで下値を切り上げているといったところです。
いずれにしても、3連休を控えた月末の東京市場は、下値ではしっかりとした本邦実需の買いが観測されていますが、目先はこれまで重要なレジスタンスレベルであった10日の高値153.27円が、一夜が明けてサポートレベルに一変した状況となっています。
「トランプ大統領が打ち出した相互関税は、貿易相手国の為替操作の有無を検証し、関税率に反映させる。米国は強いドル政策を取るが、それは他国が通貨安政策を取ることを意味しない」(ベッセント米財務長官)
クリントン政権のベンツェン第69代米財務長官は、日米貿易不均衡是正のために、ドル円の113.60円を許容される上限(ベンツェン・シーリング)を設定していた。
トランプ政権のベッセント第79代米財務長官も、日米貿易不均衡是正のために、ドル円に許容される上限(ベッセント・シーリング)を152-153円付近に設定しているのかもしれない。
■2025年2月:植田日銀総裁との電話会談
・2月5日:植田日銀総裁と電話会談(※ドル円:152円~154円)
・2月6日:ベッセント米財務長官発言
「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」
■2025年6月:外国為替報告書
「日銀の引き締め政策の継続を推奨し、円安・ドル高を正常化させるとともに、望ましい二国間貿易の構造的なリバランスにもつながる」
「期間中の円安は、主に日米金利差と金融政策への期待を反映している」
■2025年8月:植田日銀総裁との電話会談
・8月11日:日本経済新聞とのインタビュー
「強いドルとは基軸通貨を維持し続ける政策だ」
「(長く続く円安については)日銀がインフレ率や成長率に焦点を当てて金融政策を進めれば、為替レートは自然と調整される」
・8月13日:ベッセント米財務長官発言(※ドル円:147円~148円)
「私見だが、日銀は後手に回っており、利上げするだろう」
■2025年9月11日:日米財務相共同声明
「為替レートは市場において決定されるべきこと、及び為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることを再確認した。」
「財政・金融政策は、国内の手段を用いてそれぞれの国内目的を達成することに向けられ、競争上の目的のために為替レートを目標とはしない、とのG7のコミットメントについての認識を再確認した」
■2025年10月27日:日米財務相会談(片山財務相)
「アベノミクス導入から12年が経過し、経済環境が大きく変化していることを踏まえ、インフレ期待を安定させ、過度な為替変動を防ぐ上で、健全な金融政策の立案とその発信が果たす重要な役割を強調した」
「日銀に政策余地を認めようとする日本政府の姿勢はインフレ期待を安定させ、為替レートの過度な変動を避ける鍵になる」
このところ欧州タイムでも、円相場が市場をリードする局面が目立つ。本日のロンドン為替市場でも、片山財務相の円安牽制とも受け取れる発言に対し、欧州勢がドル円やクロス円でどのような反応を示すかを見極めたい。その後はユーロ圏インフレ率を確認し、欧州中央銀行(ECB)利下げ打ち止めに対する思惑の強弱を探ることになる。また、月末に絡んだ実需フローにより上下させられる場面もありそうだ。
昨日はドル円が154.45円まで上昇し、2月半ば以来のドル高円安を記録。そうしたなか本日午前、片山財務相の発言「為替市場では足元で一方的、急激な動きが見られる」が伝わった。財務相はまた、「投機的な動向も含めて市場の過度な変動を見極めている」とも述べている。
就任後、円安については見守る姿勢を示していた片山財務相だが、さすがに155円が意識される水準となれば無視できないのだろう。財務相の発言後、ドル円は153円台でやや円買い戻しが強まった。アジア勢の反応は一巡したものの、欧州の市場参加者が片山氏の見解をどう受けとめるかで、次の円相場の方向性が定まるかもしれない。
ECB理事会は昨日、予想通りに政策金利の据え置きを決定した。声明では「理事会は特定の金利経路を事前にコミットしない」と従来のスタンスを継続。ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「インフレの見通しは従来よりも不確実性が高まっている」としながらも、「基調的インフレは2%の目標と一致」との見解を示した。ほぼ想定通りということもあり、相場の反応は鈍かった。
ただ、ECBの金利引き下げサイクルが最終局面に入っているのは確実だろう。本日は10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表予定。総合が前年比2.1%、コアは2.3%とそれぞれ前回から若干の減速が予想されている。ただし、ECBのインフレ目標と同等か上回る水準が続いており、見立て通りであればECB利下げ終了が現実味を増してくるのではないか。
想定レンジ上限
・ユーロドル、昨日高値1.1637ドル
・ユーロ円、昨日記録したユーロ導入以来の高値178.82円
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート2の1.1493ドル
・ユーロ円、日足一目均衡表・転換線177.09円
ドル円:1ドル=153.91円(前営業日NY終値比▲0.22円)
ユーロ円:1ユーロ=178.05円(▲0.20円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1568ドル(△0.0003ドル)
日経平均株価:52411.34円(前営業日比△1085.73円)
東証株価指数(TOPIX):3331.83(△31.04)
債券先物12月物:136.04円(▲0.17円)
新発10年物国債利回り:1.655%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.8% 2.5%
9月完全失業率
2.6% 2.6%
9月有効求人倍率
1.20倍 1.20倍
9月鉱工業生産・速報値
前月比 2.2% ▲1.5%
前年同月比 3.4% ▲1.6%
9月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 0.5% ▲0.9%・改
9月新設住宅着工戸数
前年同月比 ▲7.3% ▲9.8%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下げ渋り。前日に急伸した反動が出たほか、10月東京都区部CPI(生鮮食料品除く総合、前年比)が+2.8%と前月から予想以上の伸びが加速したことも重しとなって下落。片山財務相の発言「為替市場では足元で一方的、急激な動きがみられる」や「投機的な動向も含めて市場の過度な変動を見極めている」が伝わると、153.65円まで下値を広げた。もっとも、売りが一巡すると154.10円前後まで持ち直した。
・ユーロ円も下げ渋り。177.84円まで下落後に178.30円台まで値を戻すなど、ドル円に連れて上下した。
・ユーロドルは様子見。円主体の動きとなる中で1.1570ドル前後での狭いもみ合いとなり、値幅はわずか13Pips程度に留まった。
・日経平均株価は3営業日続伸。前日の取引終了後に決算を発表したアマゾンやアップルが時間外で上昇したことや、円安が進行したことを手掛かりに買いが先行すると、史上初となる5万2000円台に乗せたほか、上げ幅は1000円超に達した。
・債券先物相場は反落。前日に米長期金利が上昇(国債価格は下落)したほか、10月東京都区部CPIが予想を上回る伸びとなった事で日銀の早期利上げが想起されたことあり、売りが先行した。
大阪12月限
日経225先物 52470 +1010 (+1.96%)
TOPIX先物 3334.0 +24.0 (+0.72%)
日経225先物(12月限)は、前日比1010円高の5万2470円で取引を終了。寄り付きは5万1540円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1330円)を上回る形で、買いが先行して始まった。30日の米国市場ではハイテク株を中心に売りが広がり、主要な株価指数が下落した。ただし、引け後に発表した決算が市場予想を上回ったアマゾン・ドット・コム<AMZN>が時間外取引で大幅に上昇したことが支援材料になった。
寄り付き直後につけた5万1530円を安値に、ショートカバーを交えたロング優勢の流れとなり、前場中盤にかけて5万2440円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は前場終盤にかけて利益確定に伴うロングの解消が入り、5万1750円まで上げ幅を縮めた。しかし、ランチタイムで再び5万2000円台を回復すると、後場は上へのバイアスが強まり、取引終了間際には5万2530円まで買われる場面もみられた。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]への資金流入が続いたほか、ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、コナミグループ<9766.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の5社で、日経平均株価を800円あまり押し上げた。引き続き日経平均型の強さが目立ったほか、決算発表が本格化するなかで、村田製作所<6981.T>[東証P]など好決算を発表した企業に資金が集中する動きが目立ち、投資家心理を明るくさせた。
日経225先物は5万2530円まで上げ幅を広げ、上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(5万2450円)を突破する場面もみられた。同バンドはナイトセッションで5万2890円まで切り上がっており、急ピッチの上昇に対する過熱感は警戒されるものの、バンドに沿ったトレンドが意識されそうだ。週足では+2σ(5万1430円)を上抜けており、+3σ(5万4460円)とのレンジになりそうだ。
日経225先物は週間で3150円の上昇となった。値がさハイテク株を中心とした日経平均型の上昇によって、ヘッジ対応のロングも強まったとみられる。パッシブファンドなどは指数への連動性を高めるために、他の銘柄を売却して半導体に振り向けているとみられ、この流れが一気に反転するとは考えにくく、ショートは避け、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で15.73倍に上昇した。再び+2σ(15.70倍)を捉えてきており、NTロングに振れている。同バンドが抵抗となる可能性も考えられるが、バンドに沿ったトレンドが続いており、NTロングを巻き戻す動きが続きそうである。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5416枚、ソシエテジェネラル証券が1万6527枚、サスケハナ・ホンコンが4981枚、バークレイズ証券が3406枚、SBI証券が3315枚、JPモルガン証券が2343枚、モルガンMUFG証券が1972枚、ゴールドマン証券が1879枚、松井証券が1615枚、日産証券が1534枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が4万1807枚、ソシエテジェネラル証券が3万4761枚、バークレイズ証券が1万2651枚、JPモルガン証券が1万0300枚、モルガンMUFG証券が7991枚、ゴールドマン証券が5726枚、シティグループ証券が5033枚、サスケハナ・ホンコンが4696枚、ドイツ証券が3945枚、ビーオブエー証券が3690枚だった。
NY時間の為替市場でドル円は、引き続き堅調地合いを維持するか。東京時間には東京都区部CPIの上昇や片山財務相の円安けん制発言などで153.65円まで下押したものの、ドル買い・円売りトレンドが急変するような下げ幅でもなかった。日米からより強い円安けん制などが出ない限りは、週末を前にしても円安地合いは継続しそうだ。
片山財務相は今年の3月に円安による輸入物価を懸念していたが、いざ財務相に就任すると円安が与える物価上昇の悪影響を失念したようだ。日米財務相会談後に米国財務省から「為替レートの過度な変動を防ぐ上で、健全な金融政策の策定とコミュニケーションが果たす重要な役割を強調した」と、円安の流れを止める絶好のチャンスボールがパスされたのにもかかわらず、片山氏は米国側を気にしすぎたのか、会議の内容を失念したのか定かではないが、為替については議論をしなかったと記者に応えてしまった。
ただ、昨日黒田前日銀総裁がドル円は120円に向かう可能性を示唆したように、識者の中では米国もドル高による貿易不均衡拡大を懸念していることを指摘している。しかし、円安けん制がこの程度で終わる場合は、来月には年初来高値の158円後半まで円安が進む可能性もありそうだ。
本日も米国の政府機関閉鎖が継続されていることで、本来であれば重要インフレ指標の一つであった個人消費支出(PCE)デフレーターの発表も延期されている。よって、市場を動意づけるのはトランプ米大統領をはじめ米政府要人の発言や、ハマック米クリーブランド連銀総裁やボスティック米アトランタ連銀総裁の講演内容などになりそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、節目の155.00円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、これまでの日通し安値153.65円。
今晩は堅調か。昨日は決算が嫌気されたメタ・プラットフォームズやマイクロソフトが大幅に下落したことでハイテク株に利益確定売りがつよまった。ダウ平均が109.88ドル安(-0.23%)と2日続落し、前日にほぼ横ばいで終了したS&P500も0.99%安。ハイテク株主体のナスダック総合は1.57%安と6営業日ぶりに大幅反落した。 引け後の動きでは、クラウド事業が好調で利益が予想を上回ったアマゾンが時間外で13%超上昇し、予想を上回る決算や強いiPhone販売見通しを発表したアップルも時間外で2%超上昇した。1対10の株式分割を発表したネットフリックスは時間外で3%超上昇した。
今晩は週末の取引となるほか、政府閉鎖のため米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する9月個人消費支出(PCE)価格指数の発表などが延期される見込みだが、昨日引け後に決算を発表したアマゾン・ドット・コムやアップルのほか、1対10の株式分割を発表したネットフリックスの大幅高が見込まれることや、昨日大きく下落したメタ・プラットフォームズ、アルファベット、マイクロソフトなどの反発も期待され、ハイテク株を中心に堅調な展開か。
今晩の米経済指標は10月シカゴ地区購買部協会景気指数、要人発言はローガン米ダラス連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁など。予定されていた9月個人所得・個人消費支出・個人消費支出(PCE)価格指数、7-9月期雇用コスト指数は政府閉鎖の影響でいずれも発表延期となる見込み。企業決算は寄り前にエクソン・モービル、シェブロン、アッヴィなどが発表予定。
米国がベネズエラのマドゥロ政権に対抗し、ベネズエラの軍事施設への空爆を準備中と米紙が報道した。麻薬取り締まり名目だが実質的に「宣戦布告に近い」とされる。標的は麻薬カルテル幹部の排除も狙い、数時間-数日以内に実行の可能性がある。
欧州中央銀行(ECB)が2025年第4四半期に実施した専門家予測調査によると、2025年のヘッドラインインフレ率予想は2.1%に上方修正されたが、その後の2026年と2027年はそれぞれ1.8%、2.0%で変わらず、エネルギー・食品を除くコアインフレ率も同様の動きだった。関税は短期的にはインフレ率と実質GDP成長率にわずかな下押し効果を及ぼすものの、長期的にはほぼ中立と見られている。実質GDP成長率は2025年が1.2%に小幅上方修正され、2026年1.1%、2027年1.4%と予測された。失業率は2025年と2026年で平均6.3%、2027年に6.2%に低下し、長期的にこの水準が続く見込みである。
フィダン・トルコ外相はガザ停戦の継続に懸念を示し、週明け3日にニューヨークでトランプ米大統領と会談した国々の外相が集まり、今後の対応を協議する予定?であると発表しました。トルコは停戦の順守と人道支援の継続を重視しており、地域の安定に向けた外交的努力を続けている。
日経平均株価は大幅続伸。寄り付きから上値を伸ばす展開となり、高値で取引を終えた。5日移動平均線(51155円 10/31)上で強気の陽線を形成し、3日連続で史上最高値を更新。日足、週足、月足ともに高値引けとなった。
RSI(9日)は前日82.9%→81.2%(10/31)に低下。5日移動平均線の上昇継続に準じて、引き続き上目線のトレンドフォローとなる。
上値メドは、心理的節目の52500円、53000円、53500円、54000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の52000円、5日移動平均線、心理的節目の51000円、10/27高値(50549円)、心理的節目の50000円、10/24高値(49435円)、心理的節目の49000円、10/23安値(48399円)などがある。
(31日終値:1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.10円(31日15時時点比△0.19円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.59円(▲0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1524ドル(▲0.0044ドル)
FTSE100種総合株価指数:9717.25(前営業日比▲42.81)
ドイツ株式指数(DAX):23958.30(▲160.59)
10年物英国債利回り:4.409%(▲0.015%)
10年物独国債利回り:2.633%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独輸入物価指数
(前月比) 0.2% ▲0.5%
(前年比) ▲1.0% ▲1.5%
9月独小売売上高
(前月比) 0.2% ▲0.5%・改
(前年比) 2.8% ▲1.6%・改
10月英ネーションワイド住宅価格
前月比 0.3% 0.5%
10月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.1% ▲1.0%
(前年比) 1.0% 1.2%
9月仏卸売物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.2% ▲0.2%
10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.1% 2.2%
10月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.4% 2.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.11%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。ユーロクロスの下落につれた売りが出ると、前日の安値1.1547ドルを下抜けて一時1.1522ドルまで下げ足を速めた。月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると1.1544ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。2時30分前には再び1.1522ドルまで押し戻された。
なお、ユーロ豪ドルは一時1.7598豪ドル、ユーロNZドルは2.0116NZドル、ユーロポンドは0.8777ポンド、ユーロカナダドルは1.6140カナダドル、ユーロスイスフランは0.9259スイスフランまで値を下げた。
・ドル円は伸び悩み。日銀利上げ見送りや利上げに後ろ向きな「ハト派」姿勢を受けて円売りが出やすい地合いとなる中、日本時間夕刻に一時154.41円と日通し高値を付けた。片山さつき財務相は本日アジア時間の記者会見で、足元の円安をけん制したものの、円安傾向は続いた。
ただ、前日の高値154.45円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩む展開に。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たほか、米10年債利回りが低下に転じたことなどが相場の重しとなった。
なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「今週は金利据え置きを望んでいた」「12月に再び利下げするのは難しいだろう」と述べたほか、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁は「経済の勢いが続いており、インフレが依然として高いため、利下げは適切でない」などと発言。また、ハマック米クリーブランド連銀総裁は「インフレを抑えるためには一定の制限を維持する必要」「今週の利下げ停止を望んでいた」などと話した。
・ユーロ円は上値が重かった。日本時間夕刻に一時178.56円と日通し高値を付けたものの、前日に付けた過去最高値178.82円がレジスタンスとして働くと失速した。ユーロ全面安となった流れに沿って一時177.45円と日通し安値を付けた。
・ロンドン株式相場は10日ぶりに反落。前日までに9日続伸し、史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。BPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが値下がりした。
・フランクフルト株式相場は4日続落。米利下げ観測が後退したことを受けて、前日の米国株相場が下落すると独株にも売りが波及した。個別ではシムライズ(2.26%安)やアリアンツ(2.22%安)、アディダス(2.18%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。
(31日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.99円(前営業日比▲0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.67円(▲0.58円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1537ドル(▲0.0028ドル)
ダウ工業株30種平均:47562.87ドル(△40.75ドル)
ナスダック総合株価指数:23724.96(△143.82)
10年物米国債利回り:4.08%(▲0.02%)
WTI原油先物12月限:1バレル=60.98ドル(△0.41ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3996.5ドル(▲19.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米シカゴ購買部協会景気指数
43.8 40.6
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続落。ユーロクロスの下落をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると、前日の安値1.1547ドルを下抜けて一時1.1522ドルと8月1日以来約3カ月ぶりの安値を更新した。月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると1.1544ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。2時30分前には再び1.1522ドルまで押し戻された。
なお、ユーロ豪ドルは一時1.7598豪ドル、ユーロNZドルは2.0116NZドル、ユーロポンドは0.8771ポンド、ユーロカナダドルは1.6140カナダドル、ユーロスイスフランは0.9259スイスフランまで値を下げた。
・ドル円は3日ぶりに小反落。NY時間に限れば154.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合など重要イベントを通過したことで、新規材料に乏しく様子見ムードが広がった。NY時間の安値は153.89円、高値は154.25円で値幅は36銭程度だった。
なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「今週は金利据え置きを望んでいた」「12月に再び利下げするのは難しいだろう」と述べたほか、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁は「経済の勢いが続いており、インフレが依然として高いため、利下げは適切でない」などと発言。また、ハマック米クリーブランド連銀総裁は「インフレを抑えるためには一定の制限を維持する必要」「今週の利下げ停止を望んでいた」などと話した。
一方、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は「全てのデータは12月の利下げが妥当だと示している」「要請されれば、FRB議長指名を受け入れる」などと述べた。
・ユーロ円は反落。日本時間夕刻に一時178.56円と日通し高値を付けたものの、前日に付けた過去最高値178.82円がレジスタンスとして働くと失速した。ユーロ全面安となった流れに沿って一時177.45円と日通し安値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。決算内容が好感されたアマゾン・ドット・コムが大幅高となり、投資家心理の支えとなった。シェブロンやベライゾン・コミュニケーションズなども高かった。半面、前日に四半期決算を発表したアップルは小幅に下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。市場では「月末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った」との声が聞かれた。
・原油先物相場は3日続伸。米政権がベネズエラの軍事施設への攻撃を決定し、近く空爆に踏み切る可能性が出てきたことで地政学リスクを意識した買いが強まった。
・金先物相場は3日ぶりに反落。米利下げ観測が後退するなか、金利のつかない金には週末を前に利益確定売りが広がった。
31日08:17 ベッセント米財務長官
「中国とのリスクを軽減する必要」
「1年以内に中国との交渉の席に戻る」
「米国にはレアアース産業を構築するチャンス」
「11月15日まで軍人への給与支払いに全力を尽くす」
「米連邦準備理事会(FRB)が政治的な動きをしているのではないかと懸念」
31日10:06 片山財務相
「投機的な動向も含めて市場の過度な変動を見極めている」
「為替市場では足元で一方的、急激な動きがみられる」
「為替はファンダメンタルズを反映した安定的な推移が重要」
31日15:29 コッハー・オーストリア中銀総裁
「インフレリスクの評価はかなり均衡している」
「2028年の予測に過度に焦点を当てるのは適切ではない」
「9月以降のデータはやや改善」
「不確実性は依然として高い」
31日15:30 城内成長戦略相
「財政の信認が揺らがない限りあらゆる手段を使えばいい」
「高市首相は債務残高のGDP比引き下げで財政の信認を得ると発言している」
31日17:15 カザークス・ラトビア中銀総裁
「成長とインフレリスクはより均衡」
31日22:18 ローガン米ダラス連銀総裁
「労働市場はほぼ均衡しており、ゆるやかに冷却している」
「資産購入の規模やタイミングは機械的であるべきではない」
「9月の利下げで雇用リスクは緩和されたと考えている」
「12月に再び利下げするのは難しいだろう」
「今週は金利据え置きを望んでいた」
31日22:35 シュミッド米カンザスシティ連銀総裁
「経済の勢いが続いており、インフレが依然として高いため、利下げは適切でない」
「労働市場はほぼ均衡しており、労働市場のストレスは構造的変化によるもの」
「金融環境は緩やかで、特に引き締まっている兆候は見られない」
「利下げを行うと2%インフレ目標に対するコミットメントが疑問視され、かえって悪影響を及ぼす可能性」
31日23:29 ライト・米エネルギー長官
「カナダと米国の間の貿易協議を再び促進」
「カナダと米国が石油、ガス、鉱物資源で協力することを目標」
「特にヨーロッパ向けに天然ガスや石油の輸出を倍増させる計画」
1日01:20 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「景気後退のリスクは人々の意識にはない」
「労働市場の変化は一部が循環的なものであるが、成長の鈍化は弱さとは異なる」
「金利を中立的水準に戻す前にさらなる進展を見たい」
「引き続き金融引き締めの立場を支持している」
1日01:24 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「インフレは関税だけでなく広範囲にわたり、特にコアサービスが強い」
「現在の米政策はほとんど制限的でなく、中立付近にある」
「インフレを抑えるためには一定の制限を維持する必要」
「今週の利下げ停止を望んでいた」
「雇用と物価の双方で厳しい状況に直面している」
※時間は日本時間
◆豪ドル、雇用悪化もインフレ加速でRBA声明文がタカ派に戻るかに注目
◆NZドル、悪化傾向を辿る四半期ベースの雇用統計を注視
◆ZAR、FATFグレーリストからの除外で堅調か
予想レンジ
豪ドル円 98.00-103.00円
南ア・ランド円 8.70-9.30円
11月3日週の展望
来週の豪ドルは、11月4日予定の豪準備銀行(RBA)理事会に注目。今週発表された豪州の消費者物価指数(CPI)ではインフレの再加速が示されたことから、政策金利は据え置かれる可能性が高い。市場では、声明文でRBAがタカ派に戻るのかどうかに注目が集まっている。
今月に入り、市場ではRBAの金融政策に対する予想が二転三転している。16日に発表された9月雇用統計が非常に弱く、失業率が2021年以来となる4.5%まで上昇。市場では利下げ期待が高まった。ただ、ブロックRBA総裁が「労働市場は崖から落ちることはない」と述べ、「来月再び低下する可能性がある」との予想を示すと、一転据え置き予想が優勢に。更に、29日に発表された7-9月期のCPIが予想の3.0%を上回る3.2%となり、RBAの目標バンド(2-3%)を超えると、利下げ予想は更に急速に低下している。
RBAは、今年に入り3回利下げしたが、9月の理事会では一旦利下げを休止しただけでなく、声明文ではハト派色が予想以上に払しょくされた。今回の声明文では、インフレの加速で中立からタカ派寄りの内容になるのか、それとも、失業率の悪化を懸念して中立を保つのかを確認することになるだろう。なお、経済指標では11月3日に9月住宅許可件数、11月6日に貿易収支が発表されるが、両指標とも市場の反応は限られそうだ。
NZでは11月5日発表予定の7-9月期雇用統計に注目。失業率は2022年以後から上昇傾向を辿り、今年の4-6月期は5.2%まで上昇。NZ最大都市でもあるオークランドの失業率は1年前と比較して1.5%上昇の6.1%になった。8日にはNZ準備銀行(RBNZ)が金融政策委員会(MPC)で50bpの大幅利下げを全会一致で決定したが、雇用統計が悪化した場合は次回MPCの利下げ予想が25bpから連続して50bpの利下げに傾く可能性もあるだろう。なお、11月6日にはNZ政府が3カ月毎の財政ステートメントを公表する。
南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調となりそうだ。先週、マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策の国際監視機関である金融活動作業部会(FATF)が南アをグレーリストから除外。海外投資家から南アへの投資意欲の拡大が期待される。また、対円では「高市トレード」の推移を見守る必要はあるが、円安が再び進んだ場合は9円台の大台に乗せる可能性もあるだろう。
10月27日週の回顧
豪ドルは対ドルでは7-9月期のCPIを受けて0.66ドル台を回復する場面があったが、FOMC後に12月の利下げ期待が弱まったことでほぼ横ばいだった。一方、対円では日米財務相会談後に、米財務省が為替についての議論があったことを公表すると下押す場面もあったが、日銀が利上げに対して前向きな姿勢を示さなかったことから昨年11月以来となる101円台まで上昇した。
ZARも対ドルで米国の利下げ期待で17ZAR割れ手前までZAR買いが進んだが、FOMC後は買いも一服となった。対円では日銀金融政策決定会合後に年初来高値に並んでいる。
◆ポンド、MPCで金利据え置き予想も12月利下げの手がかり見極め
◆ポンド、予算案関連のヘッドラインには引き続き注意
◆加ドル、米国との貿易摩擦が重し
予想レンジ
ポンド円 200.50-205.50円
加ドル円 108.50-112.00円
11月3日週の展望
ポンドは、11月6日に予定されているイングランド銀行(英中銀、BOE)の政策金利の発表と声明に注目。9月会合以降、市場ではいったん年内の利下げ観測が後退したが、6-8月雇用データで賃金の伸びが鈍化し、景気や労働市場の低調が確認されたことや、9月消費者物価指数(CPI)が市場やBOEの予想を下回ったことを受けて年内利下げ思惑が再燃した。来週の会合では、金利の据え置きが決定され、利下げは12月会合になるとの見方が強まっているが、一部では来週会合での利下げを見込む動きも見られている。
来週の会合で大方の予想通りに政策金利の据え置きが決定されたとしても、利下げを主張したメンバーの人数や、声明内容で12月会合での利下げの手がかりを見極めることになる。9月会合では7対2で据え置きが決定され、ディングラ委員とテイラー委員が0.25%の利下げを主張した。
また、英財政と景気減速への懸念がポンドの上値圧迫要因となっている中、11月26日に予定されている政府の予算案が注目されているが、現状では増税や歳出削減は必至。リーブス英財務相は「所得税、国民保険料、付加価値税(VAT)、法人税を引き上げない」という労働党の選挙公約を守るとしていたが、最近は所得税の基本税率引き上げや課税基準額の変更などの選択肢に対して、「党の主要公約を撤回するかどうかについて協議している」と伝わっている。スターマー英首相も増税はしないという政権の公約を改めて明言するのを避けている。
加ドルは小動きが続いているが、トランプ関税懸念で加ドルは買いが強まりにくい。カナダ・オンタリオ州の関税批判広告に激怒したトランプ米大統領は、「カナダとの貿易交渉を打ち切る」と宣言。追加関税をかけると通告したが、30日には「カーニー加首相との会談が非常に良かったと」述べた。二転三転するトランプ発言に振り回されるが、トランプ関税の加経済への悪影響は明らか。関税交渉で進展が見られなければ加ドルの重い動きは続くだろう。
また、カナダ中銀(BOC)は今週の会合で市場予想通りに政策金利を0.25%引き下げ2.25%とした。声明では、成長見通しを下方修正したほか、経済の先行きに慎重な姿勢を示したが、「政策金利は概ね適切な水準にある」と、市場の追加緩和観測をけん制している。加国内では来週、10月雇用統計が発表される予定で、米国との貿易摩擦の影響を見極める動きが続きそうだ。
10月27日週の回顧
注目の日米金融政策イベントはドル高・円安に振れた。また、米中首脳会談は一定の合意に達し、両国の関係悪化への懸念は後退。ポンドは年内利下げ思惑の再燃も重しに軟調な動きとなり、対ドルでは1.31ドル前半まで弱含んだ一方、対円では200円半ばで下げ渋ると203円前半に切り返した。
加ドルはBOCが追加利下げに慎重姿勢を示したことが支えとなり、ドル/加ドルは一時1.38加ドル後半、加ドル円は110円前半まで加ドルの買戻しが進んだ。
◆ドル円、10月ADP全米雇用統計などで米雇用情勢を見極める展開
◆トランプ政権や市場からの米利下げ圧力が高まるかを注視
◆ユーロドル、仏政局などが引き続き上値の重しに
予想レンジ
ドル円 151.50-156.00円
ユーロドル 1.1300-1.1700ドル
11月3日週の展望
ドル円は、日米金融政策の発表を受けて、いずれもドル買い円売りで反応。上値の目処を探る動きが続いているが、来週は、ADP全米雇用統計やISM景気指数における「雇用」指数などで10月の米国の雇用情勢を見極めつつ、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げの可能性を探っていく展開が予想される。
米国の雇用統計は、米労働省の閉鎖により発表が停止されたままとなっているが、代替指標となる10月ADP全米雇用統計が11月5日に予定されている。市場では前月比2.5万人と予想されており、9月の▲3.2万人からの改善が見込まれている。10月FOMC声明では「雇用の伸びは鈍化した。ここ数カ月で雇用へのリスクが高まった」としていたが、労働市場の底打ち感が台頭するかどうかを見極めたい。また、11月3日、5日予定の10月ISM製造業、非製造業景気指数では、物価指数と雇用指数に注目が集まっている。
今週は、パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で「12月会合での追加利下げは既定路線というにはほど遠い」と追加利下げ観測を牽制したが、10月の雇用情勢が悪化傾向を辿り、物価情勢も落ち着きを示した場合には、トランプ米政権からの利下げ圧力や市場の利下げ観測が再び高まることになるだろう。
また、来週は米財務省から「為替政策報告書」が公表される可能性もあり、日本への見解に注目しておきたい。なお、6月の報告書では、日銀の引き締め政策の継続を推奨し、「円安・ドル高を正常化させるとともに、望ましい二国間貿易の構造的なリバランスにもつながる」と、27日の日米財務相会談の声明と同様に日銀の利上げに言及している。
ユーロドルは、第2次ルコルニュ仏政権の年内の予算成立に向けた不確実性やフランス国債への懸念が依然として払拭されておらず、上値が重い展開が予想される。ユーロ圏の9月生産者物価指数や小売売上高などに注目している。
10月27日週の回顧
ドル円は、日米財務相会談を受けた米財務省声明やベッセント米財務長官のSNS投稿で、日銀の利上げに言及したことを受けて一時151.54円まで下落した。ただ、パウエルFRB議長がFOMC後の会見で12月利下げに消極姿勢を示したほか、植田日銀総裁も金利据え置き後の記者会見で「政策の調整に予断を持っていない」などの見解を表明。米長期金利の上昇なども後押しすると一時154.45円まで値を上げている。
ユーロドルは、週初から1.1669ドルまで買い戻されたものの、その後は米長期金利の上昇を受けて1.1547ドルまで戻り売りに押された。ECB理事会では予想通りに政策金利の据え置きが決定されたが、反応は限定的となっている。
31日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は1085円高の52411円。米国株は下落したが、引け後に決算を発表したアマゾンやアップルが時間外で大きく上昇したことが好感されて、寄り付きから300円を超える上昇。前日の植田日銀総裁の会見を受けて円安が進行したことも、日本株買いを後押しした。
高く始まった後も上を試しにいき、早い時間に節目の52000円を突破。52300円台に乗せて上げ幅を4桁に広げたところで買いが一巡し、いったん急速に値を消した。しかし、後場に入ると改めて買いに勢いがつく展開。終盤にかけて再び上げ幅を4桁に広げると、前場の高値を上回って52400円台に乗せ、高値引けとなった。上昇率は2%を超えており、今週3度目の4桁上昇。非常に強い動きで10月を締めくくった。
東証プライムの売買代金は概算で8兆5600億円。業種別では電気・ガス、食料品、非鉄金属などが上昇した一方、輸送用機器、金属製品、医薬品などが下落した。上方修正を発表した村田製作所<6981.T>が後場急騰。半面、通期の利益見通しを引き下げたデンソー<6902.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり971/値下がり580。好地合いの中、アドバンテストやソフトバンクグループなど主力のグロース株が大幅上昇。上方修正を発表した日立が急伸した。業績関連ではイビデンやJTなども大幅上昇。コナミグループが2桁の上昇率となり、アンリツがストップ高まで買い進まれた。今週は半導体株のストップ高が相次ぐ中、ソシオネクストが決算発表を前に思惑買いが入ってストップ高。業績関連以外では、一部メディアで新工場稼働に関する観測が報じられたテクセンドフォトマスクが急騰した。
一方、オリエンタルランド、パナソニック、日産自動車などが業績関連のリリースを材料に大幅安。失望決算銘柄は叩き売られており、下方修正を発表した日本航空電子はストップ安となった。為替市場では円安が進行したが、トヨタやホンダなど自動車株は軟調。前日ストップ高となったレーザーテックは買いが先行して3万円の節目を上回って始まったものの、引け後の決算発表を前に失速して下落で終えた。
日経平均は大幅高。4桁の上昇で高値引けというのはすさまじく強い。前場の4桁高はオーバーシュートしたようにも見え、実際、買い一巡後に値を消す場面もあった。失速感が出てくれば三連休明けの株価変動リスクを嫌って上げ幅縮小となっても不思議はないが、ひるむことなく後場に入って強含んでいる。今週はアドバンテストのストップ高が日経平均の上昇に弾みをつけたが、アドバンテスト同様にAI関連の代表格であるソフトバンクグループは11月11日に決算発表を予定している。足元のAI関連銘柄がバブルかどうかは弾けてみないと分からないが、少なくともソフトバンクグループの決算を確認する辺りまでは、AI関連に対する期待が高い状態は続きそうだ。
【来週の見通し】
堅調か。月曜が休場で立ち合いは4日。国内は引き続き決算発表が多く、米国は決算発表が終盤戦に入る。日米の中央銀行イベントや日米・米中首脳会談などを消化したことで、日本株は外部環境に振り回されることなく、個別物色に全力投球の週となるだろう。10月最終週の日経平均が派手に上昇しただけに反動は出てくるかもしれないが、押し目を待っている投資家は多いと推測される。直近で半導体株などAI関連には短期資金が集中したが、出遅れ感の強い銘柄も多い。リリースを材料にスポットライトが当たる銘柄が多くなることで物色の裾野が広がり、リスク選好ムードの強い地合いが続くと予想する。
11月3日
○文化の日の祝日で休場
5日
○08:50 ◇ 10月マネタリーベース
○08:50 ☆ 9月18-19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
6日
○08:30 ◇ 9月毎月勤労統計(現金給与総額)
7日
○08:30 ◇ 9月家計調査(消費支出)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
11月2日
○米国が冬時間に移行
3日
○06:45 ◎ 9月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○09:30 ◎ 9月豪住宅建設許可件数
○10:45 ◎ 10月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00 ◇ 10月トルコ製造業PMI
○16:00 ◎ 10月トルコ消費者物価指数(CPI)
○16:30 ◎ 10月スイスCPI
○17:30 ◇ 10月スイス製造業PMI
○17:50 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○17:50 ◎ 10月仏製造業PMI改定値
○17:55 ◎ 10月独製造業PMI改定値
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏製造業PMI改定値
○18:30 ◎ 10月英製造業PMI改定値
○21:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○21:30 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○22:30 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○23:45 ◎ 10月米製造業PMI改定値
○24:00 ☆ 10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○24:00 ◇ 10月米建設支出
○24:00 ◇ 10月メキシコ製造業PMI
○4日02:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○4日03:30 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、イベントに参加
○4日04:00 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○ロシア(振替休日)、休場
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表
○16:40 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、会見
○20:40 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:30 ◇ 9月カナダ貿易収支
○22:30 ◎ 9月米貿易収支
○24:00 ◎ 9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○24:00 ◎ 9月米製造業新規受注
○5日03:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○ロシア(民族統一の日)、休場
5日
○06:45 ◎ 7-9月期NZ失業率/就業者数増減
○10:45 ◎ 10月Caixin中国サービス部門PMI
○16:00 ◎ 9月独製造業新規受注
○16:45 ◇ 9月仏鉱工業生産
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表
○17:50 ◎ 10月仏サービス部門PMI改定値
○17:55 ◎ 10月独サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○18:30 ◎ 10月英サービス部門PMI改定値
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○19:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 10月ADP全米雇用報告
○23:45 ◎ 10月米サービス部門PMI改定値
○23:45 ◎ 10月米総?⑰MI改定値
○24:00 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○24:00 ☆ 10月米ISM非製造業指数
○6日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○6日01:15 ◎ ブリーデンBOE副総裁、講演
○6日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表
○インド(シーク教ナナック生誕日)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。
6日
○09:30 ◇ 9月豪貿易収支
○16:00 ◎ 9月独鉱工業生産
○16:00 ◎ 10月スウェーデンCPI
○17:00 ◇ 10月スイス失業率(季節調整前)
○17:10 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表
○18:30 ◎ 10月英建設業PMI
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏小売売上高
○21:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表
○21:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:30 ◇ 10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◇ 7-9月期米非農業部門労働生産性・速報値
○22:30 ◇ 7-9月期米単位労働コスト・速報値
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◇ 10月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00 ◇ 9月米卸売売上高
○7日01:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○7日02:00 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○7日03:00 ◎ 10月ブラジル貿易収支
○7日03:30 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、パネルディスカッションに参加
○7日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表
7日
○07:30 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○未定 ◎ 10月中国貿易収支
○16:00 ◇ 9月独貿易収支
○16:45 ◇ 9月仏貿易収支
○16:45 ◇ 9月仏経常収支
○17:00 ◇ 10月スイスSECO消費者信頼感指数
○17:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○21:00 ◎ 10月メキシコCPI
○21:15 ◎ ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30 ◎ エルダーソンECB専務理事、講演
○22:30 ☆ 10月カナダ雇用統計
○22:30 ☆ 10月米雇用統計
○24:00 ◎ 11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
○8日04:00 ◇ 9月米消費者信用残高
9日
○10:30 ◎ 10月中国CPI
○10:30 ◎ 10月中国PPI
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。
<国内>
○文化の日の祝日で休場
<海外>
○06:45 ◎ 9月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○09:30 ◎ 9月豪住宅建設許可件数(予想:前月比5.0%)
○10:45 ◎ 10月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.7)
○16:00 ◇ 10月トルコ製造業PMI
○16:00 ◎ 10月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比2.80%/前年比33.20%)
○16:30 ◎ 10月スイスCPI(予想:前月比▲0.1%)
○17:30 ◇ 10月スイス製造業PMI(予想:47.6)
○17:50 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○17:50 ◎ 10月仏製造業PMI改定値(予想:48.3)
○17:55 ◎ 10月独製造業PMI改定値(予想:49.6)
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:50.0)
○18:30 ◎ 10月英製造業PMI改定値(予想:49.6)
○21:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○21:30 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○22:30 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○23:45 ◎ 10月米製造業PMI改定値(予想:52.2)
○24:00 ☆ 10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:49.4)
○24:00 ◇ 10月メキシコ製造業PMI
○4日02:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○4日03:30 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、イベントに参加
○4日04:00 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○ロシア(振替休日)、休場
○米国は2日から冬時間に移行済み
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末の海外市場でドル円は、NY時間に限れば154.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。米国と日本の金融イベントを通過し、新規材料に乏しく様子見ムードが広がった。ユーロドルはユーロクロスの下落をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると、前日の安値1.1547ドルを下抜けて一時1.1522ドルと約3カ月ぶりの安値を更新した。
本日のアジア時間でのドル円も、「高市トレード」の影響が引き続き下値の支えとなるだろう。一方、円安による輸入インフレ高進を懸念した本邦当局の口先介入や、米経済の先行き不安などが上値の重しとなりそうだ。
一部の調査では8割を超える高支持率を確保している高市政権だが、今週は明日から始まる国会での各党の代表質問等が市場を左右しそうだ。中でも市場が注目しているのが、高市首相が掲げる「責任ある積極財政」の「責任」部分。与野党間で合意に向けて進んでいるガソリン減税以外は、期待感は高いものの財源獲得にはハードルが高く、どのような手を打ってくるのかが注目される。
先週31日には城内成長戦略相が、「高市首相は債務残高のGDP比引き下げを検討している」ことを明らかにし、国債の増発も排除しないことが伝わった。「GDP比引き下げ」「国債の増発」が「責任ある」財政となるかの不安要素があるが、これらが進む場合は純債務増加を懸念し、更に円安が進む可能性がある。
しかしながら先週末には、片山財務相が円安けん制と受けとめられる発言をしたことで、これ以上の円安進行は本邦通貨当局から懸念を呈する声が増えてくるだろう。今年の3月のインタビューで同財務相は、円安による輸入インフレを懸念し、ドル円の適正水準は120円程度が望ましいと発言していた。しかし、いざ財務相に就任すると、円安が与える物価上昇の悪影響を失念したようだ。
日米財務相会談後には、米国側から「為替レートの過度な変動を防ぐ上で、健全な金融政策の策定とコミュニケーションが果たす重要な役割を強調した」と、円安の流れを止める絶好のチャンスボールが渡された。それにもかかわらず、片山氏は米国側を気にしすぎたのか、会議の内容を失念したのか定かではないが、為替については議論をしなかったと記者に答えてしまった。
ただ、昨日黒田前日銀総裁がドル円は120円に向かう可能性を示唆したように、識者の中では「米国もドル高による貿易不均衡拡大を懸念」が指摘されている。しかし、円安けん制が先週末程度で終わる場合は、今月には年初来高値の158円後半まで円安が進む可能性もありそうだ。
一方で米国サイドからは、米経済への不安と不満を表す声が徐々に増えてきた。10月下旬の直近のNBCニュースの調査では、トランプ政権によるインフレと生活費に関して、回答者の66%が「裏切られた」とし、また63%が「政権の経済対策が期待外れ」と答えている。経済的にも大きな影響を与える「米国の一部政府機関の閉鎖」が継続されていることもあり、ドルを積極的に買い上げる材料は薄いままだ。
さらに、明日4日にはカリフォルニア州、ニューヨーク州、バージニア州、ニュージャージー州などでは知事選や市長選などが行われる。来年の中間選挙を前に、選挙結果次第ではトランプ政権の経済政策への影響を与えることもありそうだ。
なお、本日の経済指標は豪州から住宅建設許可件数、中国からCaixin製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。
先週末の海外市場では、ドル円は方向感のないもみ合いに終始。前日までの日米金融イベントを受けたドル買いの流れは変わらないものの、欧州時間の買い戻しでも10月30日の高値154.45円を上抜けできなかったこともあり、NY時間に入ってからは153.89円から154.25円の狭いレンジ取引に終始して週末の取引を終えたといったところです。
どちらかというと、ユーロドルの下落のほうが目立ったわけで、ユーロクロス中心に売りが強まると、10月14日の安値1.1543ドルや8月5日の安値1.1528ドルを下抜けて一時1.1522ドルまで値を下げました。チャート的にも取り組み妙味が強まったなかでのユーロ売りとなっています。
いずれにしても、ドル円は高市自民党総裁誕生を受けた高市トレードファーストステージでの高値である10月10日の153.27円を完全に上抜けて上昇。現在は、高市首相誕生を受けた高市トレードセカンドステージに入っているところ。
高市政権が、これまでの緊縮財政が中心であった政策から一変し、責任ある積極財政、つまり、プライマリーバランスの基本姿勢を、債務残高対GDP比から、OECD基準の純債務残高対GDP比をもとにした財政拡大政策を目指す新たな保守政権であるとの認識が市場にしっかりと浸透しつつあります。目先は、10月30日の高値154.45円や2月12日の高値154.80円が戻りの目処として意識されています。
週明けのロンドン為替市場でユーロ相場は、改定値ではあるが欧州の10月製造業購買担当者景気指数(PMI)の結果を確認し、また欧州金融当局者の講演内容を見極める展開か。他、トルコやスイスの消費者物価指数(CPI)の結果次第では、リラやフランが動意づくかもしれない。
10月製造業PMI改定値は、独・仏・英と景況判断の境目となる50を下回る見込み。一方でユーロ圏PMIは50.0と予想されており、結果いかんでは相場のセンチメントに影響を与えそうだ。ユーロドルの地合いが弱い分だけ、改定値の下振れには敏感な反応を示すかもしれない。
当局者の講演は、欧州前半にシムカス・リトアニア中銀総裁、後半にはレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事、エスクリバ・スペイン中銀総裁、コッハー・オーストリア中銀総裁が予定されている。このなかでは、ECBのチーフ・エコノミストでもあるレーン氏の発言に注目が集まる。理事会内でも影響力が強い同氏は先月、「インフレ率が目標を下回る懸念が強まれば、追加緩和の正当性が高まる」との見解を示した。
16時の10月トルコCPIは、前年比予想が33%前半と前回とほぼ変わらず。その後に発表される同月スイスCPIは前月比-0.1%と前回から僅かに上振れるも、ディスインフレ基調の継続が見込まれている。リスクとして市場が警戒するのは、トルコCPIが上振れ、スイスは下振れだろう。なお、次回のトルコ中銀とスイス中銀の会合はどちらも12月11日に予定されている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.1596ドル
・トルコリラ円、8月1日高値3.71円
・ユーロスイスフラン、10月10日高値0.9332フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・ターニングポイント1.1459ドル
・トルコリラ円、10月20・21日安値3.58円
・ユーロスイスフラン、10月21日安値0.9210フラン
「武田さんの人生は面白過ぎますから、ぜひ小説にすべきですね」(私)
「もう小説(『公開株殺人事件』清水一行)になってますよ」(武田さん)
10月29日の東京株式市場で日経平均株価が急騰し、初めて5万1000円台に乗せた。前日比の上げ幅1088円(2%)のほぼ全てが、半導体検査装置アドバンテスト1銘柄の上げによるであり、マグニフィセント3(アドバンテスト、ソフトバンク、東京エレクトロン)で今年の上昇の7割に寄与しているらしい。
アドバンテストの創業者である武田さん(1923年~2012年)とは、ソフトバンクの創業者の孫さんへの人物評で一致していたことで、親しくさせていただいていた。
1.アドバンテスト(Advantest)
武田郁夫氏は、1943年4月に日本大学旧工学部電気科に入学し、1944年に学徒動員により逓信省電気試験所(現在の産業技術総合研究所)の神代分室に勤務した。
1945年に日本大学電気工学科を卒業し、戦後の1945年11月に電気試験所に正式に採用された。
1950年11月にレッドパージにより電気試験所を退職し、千野製作所を退職した3人の技術者とともに八島製作所を創業した。
1954年6月に愛知県豊橋市でタケダ理研工業株式会社を設立した。
創業当時は、3坪の事務所、3人の従業員だったらしい。
創業当初は電圧電流計や周波数カウンタといった単機能の電子計測器を開発・製造し、し、日本のエレクトロニクス産業の成長と軌を一にして事業を拡大していった。
1960年代末には半導体産業の発展をいち早く予測し、電子計測技術が活かせるテスト・システムの開発に社運をかけて参入した。
社名の「アドバンテスト(Advantest)」とは、先端(advance)&検査(test)の組み合わせであり、昭和時代に令和の半導体の隆盛を見据えていたことになる。
1985年に社名を「アドバンテスト」に変更した年、半導体テスタ市場世界シェア第1位を獲得した。
■財団法人武田計測先端知財団(2001年4月~2023年1月)
ノーベル賞100周年にあたる2001年に設立され、工学知の創造とその活用に対して武田賞を授与した。2002年の武田賞(赤?ア勇氏、天野浩氏、中村修二氏)は、2014年のノーベル物理学賞に繋がった。
2.ソフトバンク
私の故郷福岡が生んだ風雲児である孫正義氏は、1957年に在日韓国人3世として生まれ、地名のない駅前で豚と共に生活するという住環境から米国へ飛び立った。
1981年にカリフォルニア大学バークレー校を卒業後に帰国し、福岡の雑餉隈の父親の事務所を間借りして、24歳でパソコンソフトの卸事業「ユニオン・ワールド」を設立した。
創業時の伝説的な逸話は、この事務所で、ミカン箱に乗った孫正義氏が2名のアルバイト社員に対しての決意表明として生まれた。
「売上高は創業5年で100億円、10年後は500億円にする!
豆腐のように、売り上げを1丁(兆)、2丁(兆)と数えられるような会社にしたい」
2名のアルバイト社員はすぐに辞めたらしい。
スタンフォード大学生が起業したばかりの「ヤフー」に100億円投資して、1兆円となり、売り上げゼロの「アリババ」に20億円投資して5兆円となったことで、豆腐伝説が現実になっている。
10月29日の時点で孫氏の純資産は約8兆4100億円に達して日本一となったらしい。
10月30日、孫氏の福岡ソフトバンクホークスは日本シリーズで優勝して12度目の日本一返り咲きを果たした。
しかし、勝てば優勝確率80%となる第2戦の阪神の先発が才木(今年12勝)ではなかったのか謎なのだが。
本日のNY為替市場のドル円は、米政府機関閉鎖に関するヘッドラインに警戒しながら、10月米ISM製造業「景気」「雇用」「価格」指数などを見極めていく展開となる。
10月米ISM製造業景気指数は、49.4と予想されており、9月の49.1からの改善が見込まれている。雇用統計や消費者物価指数(CPI)の公表が延期されていることで、「雇用指数」(9月45.3)や「価格指数」(9月61.9)の動向も見極めて行きたい。
また、10月米製造業PMIのサプライズ改定には警戒しておきたい。
米政府機関の閉鎖は本日で34日目となり、トランプ第1次政権で記録した最長記録35日に迫っている。財務省によると経済的な損失は1週間で150億ドルとのことで、これまで750億ドル程度となっている。
本日も米政府機関の閉鎖が解除される可能性に関する報道には注視しておきたい。
また、ドル円の154円台は、昨年4月にトランプ氏が「米国の製造業にとって大惨事だ」と言及した水準であり、一連の外交日程を終えたトランプ米大統領が改めて円安への懸念を表明する可能性にも警戒しておきたい。
米財務省は10月28日に日米財務相会談に関して「健全な金融政策の策定とコミュニケーションがインフレ期待の安定維持と為替レートの過剰な変動を防ぐ上で重要な役割を果たすことを強調した」との声明を発表した。
片山財務相は10月31日の記者会見で、外国為替市場で1ドル=154円台をつけたことについて「投機的な動向を含め、為替市場の過度な変動や無秩序な動きについて高い緊張感を持って見極めている」と円安を牽制する発言を行っている。
日米の財務省がドル高・円安への懸念を表明していることで、さらなる口先介入やドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、154.80円(2/12高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、152.97円(日足一目均衡表・転換線)
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
遠退くECBの追加利下げ 利下げ再開には新たな決め手が必要
昨年6月以降、大幅な利下げを続けてきた欧州中央銀行(ECB)は、3会合連続で政策金利を据え置いた。先行きの不確実性の高さを理由に、ECBは利下げ再開の余地を残している。だが、足元の景気・物価指標は僅かに上振れし、貿易摩擦や地政学的なリスクのエスカレートも回避されている。下限の政策金利は既にECBが想定する中立金利の中央値に達し、スタッフ見通しでの一時的な物価の目標下振れ予想も追加利下げを決める決定打とはなっていない。利下げ再開には景気や物価の大幅な下振れを示唆する新たな材料の出現が必要とみられ、筆者はECBが今後も様子見姿勢を続けるとの見方を維持する。
ECBは同日、デジタルユーロの導入に向けた準備期間が終了し、2026年中に必要な法整備が進むことを前提に、2027年央に試験運用を開始し、2029年中に初回発行を計画していることを発表した。デジタルユーロの発行がECBの金融政策運営にどのような影響を与えるかは、今後の詳細な制度設計や流通量などに依存する。デジタル取り付けや金融政策の波及経路が弱まることを懸念する声もあるが、個人の保有上限設定や小売店の保有制限などが検討されており、流通量が爆発的に拡大しない限り、大きな影響はないと考えられる。
今週のNY市場は民間雇用統計、決算発表などに注目。先週はダウ平均が355.75ドル高(+0.75%)、S&P500が0.71%高、ナスダック総合は2.24%高と主要3指数がそろって3週続伸した。エヌビディアの時価総額が5兆ドルを突破するなどAI銘柄の好調が続いたほか、トランプ米大統領が中国習国家主席と会談し、米中貿易摩擦懸念が和らいだことも支援材料となった。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り0.25%の利下げが決定されたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は12月の利下げは未定だとした。月間ではダウ平均が2.51%高、S&P500が2.27%高とともに6カ月続伸し、ナスダック総合は4.70%高と7カ月続伸。例年下落することが多い10月としては異例の好調月となった。年初来では、ダウ平均が11.80%高、S&P500が16.30%高、ナスダック総合は22.86%高となった。
今週は政府閉鎖が2カ月目に入り、金曜日に発表予定の米10月雇用統計など主要経済指標の発表延期が続くことが引き続き懸念材料となるが、水曜日に発表される10月ADP民間部門雇用者数などから足もとの労働市場の動向や年内の利下げ見通しを探る展開となりそうだ。このほか10月ISM製造業購買担当者景気指数(PMI)、10月S&Pグローバル製造業PMI確定値(以上、月曜日)、JOLTS求人件数(火曜日)、10月ISM非製造業PMI、10月S&Pグローバル総合・サービス業PMI確定値(以上、水曜日)、11月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値(金曜日)などにも要注目となる。決算発表はパランティア・テクノロジーズ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ファイザー、マクドナルド、クアルコム、コストコなどS&P500採用の約140銘柄発表予定で、決算実績やガイダンスに要注目となる。また、トランプ関税の合法性を巡り最高裁が口頭弁論を開始するが、違憲と判断されることで徴収した歳入の還付による財政赤字拡大の可能性も意識されそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは10月S&P製造業PMI確定値、10月ISM製造業PMIなど。企業決算は寄り前にオン・セミコンダクター、引け後にパランティア・テクノロジーズ、バーテックス・ファーマシューティカルズ、サイモン・プロパティーなどが発表予定。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.15円(3日15時時点比△0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.69円(▲0.09円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1527ドル(▲0.0008ドル)
FTSE100種総合株価指数:9701.37(前営業日比▲15.88)
ドイツ株式指数(DAX):24132.41(△174.11)
10年物英国債利回り:4.435%(△0.026%)
10年物独国債利回り:2.667%(△0.034%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
46.5 46.7
10月トルコ消費者物価指数(CPI)
(前月比) 2.55% 3.23%
(前年比) 32.87% 33.29%
10月スイス消費者物価指数(CPI)
(前月比) ▲0.3% ▲0.2%
10月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)
48.2 46.3
10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
48.8 48.3
10月独製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
49.6 49.6
10月ユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
50.0 50.0
10月英製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
49.7 49.6
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。週明けの欧州勢参入後も154円台前半の水準で方向感なく推移した。NY時間に入って米10年債利回りが上昇すると、22時30分過ぎに154.30円まで本日高値を更新。ただ、10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数が48.7と市場予想の49.4を下回り、前月の49.1からも悪化したことが明らかになると153.93円の安値まで下押しした。一方で、米長期金利の低下が続かなかったこともあって、その後は154.10円台まで切り返すなど、ここまでは狭いレンジ内での上下が続いている。
・ユーロドルは下げ渋り。欧州勢の参入後からやや売りに押され、米長期金利が上昇した場面では1.1505ドルまで日通し安値を更新した。もっとも、節目の1.1500ドルが目先のサポートとして意識されると下げ止まり、さえない米指標後には1.1530ドル台まで切り返した。
なお、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は「経済が予想通りならば、再度0.50%の利下げを主張する」との見解を示したことに対して、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つグールズビー米シカゴ連銀総裁は「12月利下げのハードルは過去2回のFRB会合よりも高い」などと述べた。
・ユーロ円は神経質な値動き。日本時間の夕刻に177.98円の高値をつけた後はユーロドルの下げにつれて上値を切り下げる展開となり、ドル円が弱含んだ24時過ぎにはつれて177.24円まで下押しした。もっとも、その後はドル円やユーロドルが下げ渋ったことに伴って買い戻しが入り、177.70円台まで再び下値を切り上げた。
・ロンドン株式相場は続落。しばらくは底堅く推移していたものの、米国株相場の下げにつれて取引時間の終盤に失速した。リオ・ティントやグレンコアなど素材株の下げが目立ったほか、コミュニケーション・サービス株の下落も指数を押し下げた。
・フランクフルト株式相場は5営業日ぶりに反発。前週末まで売りに押された反動から買い戻しが入りやすい地合いだった。個別ではラインメタル(4.23%高)やシーメンス・エナジー(2.52%高)、フォルクスワーゲン(2.31%高)などの上げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債券安につれた。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.22円(前営業日比△0.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.66円(▲0.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1520ドル(▲0.0017ドル)
ダウ工業株30種平均:47336.68ドル(▲226.19ドル)
ナスダック総合株価指数:23834.72(△109.76)
10年物米国債利回り:4.11%(△0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=61.05ドル(△0.07ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4014.0ドル(△17.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
52.5 52.2
10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
48.7 49.1
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。NY時間に入って米10年債利回りが上昇すると、22時30分過ぎに154.30円まで本日高値を更新。ただ、10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数が48.7と市場予想の49.4を下回り、前月の49.1からも悪化したことが明らかになると153.93円の安値まで下押しした。もっとも、その後は米長期金利の低下が続かなかったこともあって154.20円台まで切り返しており、この日は総じて狭いレンジ内での上下にとどまった。
・ユーロドルは4日続落。欧州勢の参入後からやや売りに押され、米長期金利が上昇した場面では1.1505ドルまで日通し安値を更新した。もっとも、節目の1.1500ドルが目先のサポートとして意識されると下げ止まり、さえない米指標後には1.1530ドル台まで買い戻しが入る場面も見られた。
なお、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は「経済が予想通りならば、再度0.50%の利下げを主張する」と述べた一方、クックFRB理事は「すべての会合はリアルタイムであり、事前に設定された軌道に沿って行われるわけではない」と発言。今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つグールズビー米シカゴ連銀総裁は「12月利下げのハードルは過去2回のFRB会合よりも高い」などの見解を示した。
・ユーロ円は小幅続落。欧州時間から頭の重い動きが続き、ドル円が弱含んだ24時過ぎにはつれて177.24円まで下押し。その後はドル円やユーロドルが下げ渋ったことに伴って買い戻しが入り、177.70円台まで下値を切り上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。相場の過熱感や高値警戒感が意識されるなか、持ち高調整目的の売りに押された。また、成長期待のあるハイテク株への資金移動も相場の重しになった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。メタ・プラットフォームズやアルファベットなど米企業の大規模な社債発行による需給の緩みが意識された。
・原油先物相場は4日続伸。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国は2日のオンライン会議で12月も10・11月と同規模の増産を決定するも、来年の1-3月は増産を一停止することで合意し、買いで反応した。ただ、原油市場の供給過剰は解消されないとの見方が根強く、上値は限定的にとどまった。
・金先物相場は反発。10月初旬に最高値をつけた後、10月後半は急落するなど調整が入った。足もとでも神経質な動きが続いており、本日も売り買いが交錯。先高感は根強く押し目には買いが入りやすい一方で、さらなる調整が入る可能性を指摘する声も聞かれている。
明治安田総合研究所では、10月のFOMCを受けてリポートしている。今回の会合ではFFレートの誘導目標を0.25%引き下げ、3.75~4.00%とすることが決まった。パウエルFRB議長は12月会合での追加利下げは既定路線ではないと発言しており、先行きの利下げに対して複数の委員から慎重な意見が出たことを示唆した。明治安田では、米国の労働市場の下振れ懸念はすぐには払しょくできないと考えている。政府機関の閉鎖が続けば、景気への下押し圧力も無視できないと指摘。これらを踏まえて、FRBは12月も利下げを実施すると予想している。
大和証券では、10月のセクター動向を振り返っている。10月はAIデータセンター関連の需要増から非鉄金属、生成AI向け需要増の期待が高まった電気機器や情報・通信などがアウトパフォーム。高市氏が女性初の首相となったことで、同氏が掲げる経済政策や安全保障政策を受けて防衛関連銘柄などにも物色が広がった。大和では、11月のTOPIXは事前予想を上回る7-9月期決算などを受けて上昇する可能性が高いとみている。日銀の今後の利上げ期待から金融株、FRBによる利下げ期待からテック、高市政権への期待から防衛や原子力発電などの注力政策分野関連株がアウトパフォームする可能性があると考えている。
SMBC日興証券では、7-9月期の実質GDP成長率を前期比-0.5%、年率-1.9%と予想している。4-6月期の年率+2.2%から反転し、6四半期ぶりのマイナス成長に転落すると見込んでいる。この想定を踏まえて日本経済の見通しを暫定的に見直しており、年度見通しは2025年度に前年比+0.7%、2026年度に+0.4%、2027年度に+0.7%としている。日本経済は2024年度に続いて2025年度も潜在ペースと考えられる+0.7%程度の成長を確保するものの、関税賦課に拠る下押しが顕在化する下で2026年度に潜在ペースを幾分下回るとSMBC日興では予想している。
UBS証券では、予期せぬショックやイベントがない限り、日銀は次回12月19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%へ引き上げると予想している。UBSでは今年5月以降、国内の経済・インフレ環境はすでに利上げする条件が十分整っていると主張してきた。12月15日に公表予定の日銀短観では企業収益の最新情報が示されると見込んでおり、企業の賃上げへの姿勢を左右する重要な要素になると考えている。また、利上げに関しては半年ごとに行われ、2026年末には1.25%、2027年半ばには1.5%のターミナルレートに達すると予想している。
3日18:54 ナーゲル独連銀総裁
「ユーロ圏の経済指標はECBの見通しと大きく乖離していない」
「政策当局は12月会合に向けてあらゆる選択肢を維持している」
「10月の会合では金利を変更する理由はまったくなかった」
3日21:31 ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事
「経済が予想通りならば、再度0.50%の利下げを主張する」
3日23:02 コッハー・オーストリア中銀総裁
「インフレ期待は比較的安定している」
「現在はECBにとって好ましい状況にある」
「リスクは最近になって顕在化したり悪化したりしていないとしても、依然として高い」
4日00:13 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「前倒し利下げには不安がある」
「インフレ指標は依然として懸念材料」
「12月利下げのハードルは過去2回のFRB会合よりも高い」
4日02:21 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「10月の利下げは適切だった」
「インフレ率は依然として目標を上回っており、これを低下させる必要がある」
「労働市場はかなり軟化している」
「政策は適度に引き締め的なものにとどめる必要がある」
4日04:16 クック米連邦準備理事会(FRB)理事
「関税は依然として物価上昇圧力を高めている」
「関税の影響が転嫁されれば、インフレ率は目標の2%に近づくだろう」
「関税の転嫁はまだ進行中」
「基調的なインフレ率は2%に向かっており、期待は抑制されている」
「すべての会合はリアルタイムであり、事前に設定された軌道に沿って行われるわけではない」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:3.60%で据え置き)
○15:45 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、議会証言
○16:40 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○16:55 ◎ パツァリデス・キプロス中銀総裁、講演
○18:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○20:35 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○20:40 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○24:00 ◎ 9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:719.8万件)
○5日02:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○ロシア(民族統一の日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
今週の日経225先物は、前週に日米欧の金融政策決定会合や日米・日中首脳会談などの重要イベントを消化したことで、本格化する決算発表を背景に個別企業の業績動向の影響を受けそうだ。また、先週はアドバンテスト <6857.T> [東証P]を筆頭に、半導体や人工知能(AI)関連株への物色が強まり、日経平均型優位の需給状況の中で日経225先物は1週間で3150円高と大幅に上昇した反動も意識されやすい。
先週は週明けの10月27日に1270円高と大幅に続伸し、5万0500円台に乗せて終えた。28日にはいったん利益確定に伴うロング解消が入り反落したものの、5万円台での底堅さがみられ、29日には5万1500円台、31日には4ケタの上昇で5万2530円まで買われる場面もあった。
日経225先物は、上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジ内でのトレンドを継続しており、先週は+2σに沿って上昇基調が強まった。31日には+2σ(5万2450円)を上回って終えており、いったんは調整が意識されやすいだろう。ナイトセッションで+2σは5万2870円まで切り上がり、方向性としては上向きのトレンドが続くものの、決算による影響次第では調整が強まる展開も想定しておきたい。
31日の米国市場では、好決算を発表したアマゾン・ドット・コム<AMZN>が10%近く急伸したことが相場を牽引し、主要な株価指数が上昇した。ただ、アマゾン・ドット・コムの上昇については時間外取引での強い動きで織り込まれている。また、31日の取引終了後に決算を発表した東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は通期予想を上方修正したが、コンセンサスの範囲内である。レーザーテック <6920.T> [東証P]の第1四半期(7-9月)業績は予想を上回る進捗だったが、通期計画を据え置いているため、市場の反応が限られる可能性もある。
半導体やAI関連株への物色の流れが一気に反転する可能性は考えにくいが、前週の大幅上昇に対する利食いの流れが強まるようだと、先物市場でも利益確定に伴うロングの解消が入りやすくなりそうだ。日経225先物はナイトセッションで5万2670円まで買われた後に軟化し、5万2090円まで売られる場面もあった。その後、終盤にかけて切り返しているが、祝日取引では5万2300円~5万2500円辺りでの推移をみせている。
もっともパッシブファンドなどで、半導体やAI関連株の比率を高めるため、バリュー株のポジションを圧縮して買い手当てする動きもあったのだろう。NT倍率の上昇をみてもこの動きは顕著に表れており、一気に逆流するとは考えにくい。そのため、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせることになろう。
日経225先物は5万2000円処での底堅さを見極めつつ、+2σでの攻防を想定。同バンドを突破し5万3000円を捉えてくる局面では、5万4000円水準へのバイアスが強まる可能性は意識しておきたい。一方で、5万2000円を割り込んでくると、前週の上昇に対する調整により、+1σ水準まで下げてくることも考えられ、下へのバイアスが強まることになろう。
そのため、オプション権利行使価格の5万1875円から5万2875円のレンジを想定。上へのブレイクでは5万4000円、下にブレイクとなれば5万1000円辺りへバイアスが強まるとみておきたい。
31日の米VIX指数は17.44(30日は16.91)に上昇した。週間(24日は16.37)でも上げている。27日に一時15.62まで下げる場面もみられ、75日移動平均線(16.47)を明確に割り込んだ。これにより10月半ばの急伸分を帳消しにし、その後は同線を挟んだ攻防のなかで、25日線(17.93)とのレンジ内での推移が続いた。ボトム水準からのリバウンドであり、リスク選好に向かわせやすい状況は続いている。
先週末のNT倍率は先物中心限月で15.73倍(30日は15.54倍)に上昇した。週間(24日は15.06倍)でも上昇だった、29日にはアドバンテストがストップ高で日経平均株価を1077円押し上げるなど、日経平均型に極端に振れる形だった。先週は+1σ(15.03倍)水準から始まり、その後の急伸で週末には+2σ(15.70倍)を上回ってきた。2021年2月高値の15.68倍を突破してきたため、+2σを割り込んでくる局面では、いったんはNTロングの巻き戻しが入りやすくなりそうだ。ただし、半導体やAI関連への資金流入が明確に変化をみせてくるまでは、押し目でNTロングを組成する動きに向かわせよう。
10月第4週(10月20日-24日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は6335億円(10月第3週は2581億円の売り越し)だった。なお、現物は6436億円の買い越し(同1532億円の買い越し)と4週連続の買い越し。先物は101億円の売り越し(同4114億円の売り越し)と2週連続の売り越しだった。個人は現物と先物の合算で5178億円の売り越しと2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1080億円の売り越しとなり、2週ぶりの売り越しだった。
主要スケジュールでは、11月3日に米国10月ISM製造業景気指数、4日に米国9月貿易収支、5日に日銀金融政策決定会合議事要旨、米国10月ADP雇用統計、米国10月ISM非製造業景気指数、6日にイングランド銀行(BOE)政策金利、7日に9月全世帯家計調査、中国10月貿易収支、米国10月雇用統などが予定されている。ただし、米国では政府機関の一部閉鎖が長期化しているため、経済指標の一部は公表が遅れる可能性がある。
昨日の海外市場でドル円は、NY時間に入って米10年債利回りが上昇すると、154.30円まで上昇した。10月米ISM製造業景気指数が市場予想を下回ると154円を割り込む場面もあったが、米長期金利の低下が続かなかったこともあり下押しも限られた。ユーロドルは欧州勢の参入後からやや売りに押され、米長期金利が上昇した場面では1.1505ドルまで日通し安値を更新したが、狭いレンジからは抜け出すことはなかった。
本日の東京時間でのドル円は、引き続き円安地合いが強いと予想する。注目は高市政権の動向であり、本日から6日まで衆参両院本会議場では所信表明演説に対する各党の代表質問が行われる。また、昨日から本日にかけて開かれる豪準備銀行(RBA)理事会が結果を発表するため、豪ドルの動きにも要注目。
国会の注目は、高市首相が所信表明演説で示した「責任ある積極財政」の内容。プライマリーバランスの黒字化に否定的な首相は、純債務残高のGDP比引き下げ、国債の増発を目指しているとされている。現時点でも純債務残高は比較可能な84カ国で最低水準だが、首相は「債務から年金積立金を差し引く経済協力開発機構(OECD)基準」に合わせようと目論んでいる。年金積立金を債務返済に利用することはできないため財政面では非常に問題があるが、一部の調査で8割を超える政権支持率を得たことを背景に強行突破をする可能性がありそうだ。
積極財政でのプラスの面での高市トレード(株買いとそれに連れるドル円の上昇)から、財政規律崩壊で格下げリスクなどのマイナス面の高市トレードが進んだ場合でも円売りというシナリオになり、円安がさらに進む可能性も高そうだ。
ただ、円安の流れが急速に進んでいることに対して、日米政権がともに懸念を示していることで、両政府要人の発言には警戒したい。特に先週のベッセント米財務長官と片山財務相との会談後に、米財務省が「為替レートの過度な変動を防ぐ上で、健全な金融政策の策定とコミュニケーションが果たす重要な役割を強調した」と公表したことは気になる点だ。米政府が為替について積極的に示すことは稀であり、貿易赤字解消のためにドル高を警戒している節もある。
これまではトリプル安を懸念して、ドル高進行についてはややトーンを弱めたトランプ政権だが、株式・債券市場共に落ち着いていることもあり、ドル安是正については年初ほど制限を設けない可能性もある。
更に日本が半期に一度の米財務省の為替報告書で「為替操作国」に認定されることもあり得そうだ。なお、昨年の下半期の為替報告書は11月14日に公表されていることで、今月いつ公表されても不思議ではない。
円以外では、本日は豪ドルの動きが注目される。10月は市場ではRBAの金融政策に対する予想が二転三転した。16日に発表された9月雇用統計が非常に弱く、失業率が2021年以来となる4.5%まで上昇。市場では利下げ期待が高まった。ただ、ブロックRBA総裁が「労働市場は崖から落ちることはない」と述べ、「来月再び低下する可能性がある」との予想を示すと、一転据え置き予想が優勢に。更に、29日に発表された7-9月期のCPIが予想の3.0%を上回る3.2%となり、RBAの目標バンド(2-3%)を超えると、利下げ予想は急速に低下している。
RBAは今年に入り3回利下げしたが、9月の理事会では一旦利下げを休止しただけでなく、声明文ではハト派色が予想以上に払拭された。今回の声明文では、インフレの加速で中立からタカ派寄りの内容になるのか、それとも、失業率の悪化を懸念して中立を保つのかを確認することになるだろう。
なお、本日は米国ではニューヨーク市、ニュージャージー州、バージニア州などで選挙が行われる。来年の中間選挙を前にして、トランプ政権に対しての一定の評価を測るうえで注目される。共和党が苦戦を強いられた場合は、トランプ政権の今後の経済政策に対しても影響を及ぼす可能性もあることで警戒したい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 52580 +110 (+0.20%)
TOPIX先物 3329.5 -4.5 (-0.13%)
シカゴ日経平均先物 52565 +95
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。10月のISM製造業景況感指数が市場予想を下回ったことが重荷になり、主力株の一角に利益確定の売りが出た。半面、前週末に好決算を発表したアマゾン・ドット・コム<AMZN>は、オープンAIにクラウドサービスを提供すると伝えられ、連日で最高値を更新した。また、米商務省が人工知能(AI)半導体をアラブ首長国連邦(UAE)に輸出することを許可したと報じられたエヌビディア<NVDA>が買われるなど、ハイテク株の強い値動きが目立った。
S&P500業種別指数は小売、自動車・同部品、半導体・同製造装置が上昇した一方で、耐久消費財・アパレル、家庭用品・パーソナル用品、電気通信サービスの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、アマゾン・ドット・コムやエヌビディアのほか、シスコシステムズ<CSCO>、ボーイング<BA>、ウォルマート<WMT>が買われた。半面、メルク<MRK>、ナイキ<NKE>、スリーエム<MMM>、シェブロン<CVX>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比95円高の5万2565円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比130円高の5万2600円で始まった。5万2670円まで買われた後はロング解消の動きとなり、31日の米国市場の取引開始後には5万2090円まで下げた。売り一巡後は5万2200円~5万2500円辺りで保ち合いを継続。祝日取引では3日の米国市場の取引開始後に5万2640円まで買われた後に軟化し5万2230円まで下げたが、終盤にかけてロング優勢となり、5万2580円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。米国市場ではNYダウは下落したものの、ハイテク株主導の展開によりナスダック指数は上昇しているため、東京市場でも半導体やAI関連への資金流入は継続するとみられ、日経平均型優位の相場展開が続きそうである。
ただし日経225先物は、前週1週間で3150円高と大幅に上昇した反動も意識されやすい。上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジ内でのトレンドを継続しており、先週は+2σに沿って上昇基調が強まった。+2σは5万2890円まで切り上がってきているが、まずは5万2500円辺りでの底固めを入れておきたいところだろう。
前週に日米欧の金融政策決定会合や日米・日中首脳会談などの重要イベントを消化したことで、投資家の関心は本格化する決算に向かいやすい。31日の取引終了後に決算を発表した東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は通期予想を上方修正したが、コンセンサスの範囲内である。レーザーテック <6920.T> [東証P]の第1四半期(7-9月)業績は予想を上回る進捗だったが、通期計画を据え置いているため、市場の反応は限られる可能性もある。
指数インパクトの大きい値がさハイテク株が落ち着きをみせてくると、先物市場にでは利益確定に伴うロング解消が入りやすくなる可能性がある。半導体やAI関連株を物色する流れが一気に反転する可能性は考えにくいが、積極的な上値追いのロングを手控えさせよう。
そのため、オプション権利行使価格の5万2500円を中心とした上下の権利行使価格である、5万2000円から5万3000円辺りのレンジを想定する。もっとも、調整が強まったとしても、現在の上昇トレンドは変わらず、ショートに傾けるポジションは控えておきたい。
3日の米VIX指数は、17.17(31日は17.44)と小幅に低下した。一時18.83に上昇する場面もみられ、25日移動平均線(17.97)を突破し、200日線(19.38)に接近する場面もみられた。ただ、その後は下げに転じて、25日線を下回って終えている。やや慎重姿勢に向かわせる可能性はあるが、リスク選好の状況は継続している。
31日のNT倍率は、先物中心限月で15.73倍に上昇した。+2σ(15.70倍)を捉えてきており、NTロングに振れている。同バンドが抵抗となる可能性も考えられ、短期的にはNTロングの巻き戻しきが入る展開を意識させよう。
東京市場は堅調か。東京市場が休場の間の米国株は、10月31日は上昇し、11月3日はダウ平均は下落した一方でS&P500とナスダックは上昇した。ダウ平均は10月31日は40ドル高となり、11月3日は226ドル安の47336ドルで取引を終えた。10月31日は決算を受けたアマゾンの大幅高が支援材料となった。11月3日は利益確定売りに押される銘柄も散見されてダウ平均は弱かった一方、エヌビディアなど半導体株の一角が強く、ナスダックは堅調に推移した。
ドル円は足元154円20銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが95円高の52565円、ドル建てが150円高の52620円で取引を終えた。11月3日のダウ平均は下落したものの、米国株は均して落ち着いた動きとなっており、ドル円も円安基調が続いている。日本株は休場の間に特段の波乱がなかったことを好感して、決算を材料に個別物色が活況となるだろう。ナスダックの連日の上昇を受けて、ハイテク株の買い安心感が高まると思われる。国内では今週も決算発表が多く、上昇基調継続期待から売りが出づらい地合いが続くと予想する。日経平均の予想レンジは52200-53100円。
昨日のドル円は、東京勢が不在とあってまったくの様子見に終始。NY時間に入って米長期金利の上昇につれてアジアでの高値154.29円を上抜けると一時154.30円まで値を上げたものの、10月米ISM製造業景気指数が予想を下回る弱い数字となるとアジアの安値153.98円を下抜けて一時153.93円まで値を下げました。ただ、引けにかけては154.25円まで買い戻されて冬時間になったばかりのNY市場を終えています。
東京勢が戻ってきた本日のアジアでは、3連休明けの本邦実需の買いが断続的に観測されると早々に昨日高値の154.30円を上抜けて上昇。寄付きから390円を超える下落となっていた日経平均が一転して220円を超える上昇に転じると10月30日の高値154.45円を上抜けて一時154.48円と高市トレードの高値を更新しました。その後は株価が再び下落しているほか、片山財務相が先週と同じ文言で円安けん制発言を行うと154.08円まで下押ししているといったところです。
いずれにしても、本日から衆議院では代表質問が始まり、いよいよ経済対策などの具体的な議論がスタートしているわけですが、高市トレードの方向性に変わりはなく、新鮮味のない、ただ言っているだけの円安けん制発言などには適度のポジション調整を挟みながら、戻りを試す動きが続いていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比20円高の5万2490円(+0.03%)前後で推移。寄り付きは5万2360円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万2565円)を下回る形で、売りが先行して始まった。現物の寄り付き後ほどなくして5万2080円とナイトセッションでつけた安値(5万2090円)水準まで下押す場面もみられた。ただし、売り一巡後は急速に切り返しプラス圏を回復すると、中盤にかけて5万2700円まで上げ幅を広げた。終盤にかけては5万2450円~5万2550円辺りでの保ち合いを継続。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]への利益確定の動きが目立つなかで、先物市場へもロング解消とみられる動きが先行した。ただし、先週末に決算を発表した東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やレーザーテック<6920.T>[東証P]、ファナック<6954.T>[東証P]が買われ、日経平均株価を下支えする形になった。
日経225先物は5万2000円~5万2500円辺りでのレンジが意識されるなかでショートを誘う形にもなったとみられる。その後、5万2000円を割り込まずに切り返したことで、ショートカバーを交えての上昇によって5万2700円まで上げ幅を広げた形だろう。ただ、ボリンジャーバンドの+2σ(5万2870円)接近では利益確定に伴うロング解消の動きが入りやすいと考えられ、5万2500円を挟んでの底固めが意識されそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.66倍に低下した。一時15.79倍まで上昇する場面もみられたが、+2σ(15.75倍)を上回ってきたことで、リバランスに向かわせたようである。ただし、利益確定に伴うNTロングを巻き戻す動きであり、NTショートへの転換は見極めが必要。
本日のロンドン為替市場でユーロ相場は、欧州午前に予定されている金融当局者の議会証言や講演内容を確かめながらの値動きとなりそうだ。ユーロドルは東京タイムに約3カ月ぶりの1.15ドル割れまで売られており、地合いの弱さは継続中だ。ハト派的な見解が、特にラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁から示されるようだと、さらに下値余地を探る展開が想定される。
ラガルド総裁以外のECB理事会メンバーの発言は、レーン・フィンランド中銀総裁が議会証言、パツァリデス・キプロス中銀総裁やエスクリバ・スペイン中銀総裁の講演が予定されている。ECBは先週、3会合連続で政策金利据え置きを決定した。声明では「特定の金利経路を事前にコミットすることはしない」と述べたものの、この経路について当局者の発言からヒントを探すことになるだろう。
欧州金利の底打ち感が出つつあるものの、ユーロは対ドルでレンジを切り下げてきている。米金利の先安観が後退し、ドル高基調が強まっているのがその要因。CMEがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウォッチ」では、次回12月FOMCにおける25ベーシスポイント利下げ確率が65%と、1週間前から30%近く低下してきた。欧州時間においても、米金利の動きには目を配る必要がありそうだ。
ところで昨日、チェコで右派と極右の連立政権が誕生した。同国では10月前半に下院選挙が実施され、当時の最大野党だった右派でポピュリズム政党とされる「ANO」が第1党となった。このANOが極右勢力と連立合意に至ったもよう。欧州連合(EU)懐疑派が同国で力を得たことで、EU内の足並みの乱れが懸念される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、10月31日高値1.1577ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・ターニングポイント1.1467ドルを割り込むと8月1日安値1.1392ドル
ドル円:1ドル=153.73円(前営業日NY終値比▲0.49円)
ユーロ円:1ユーロ=176.98円(▲0.68円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1512ドル(▲0.0008ドル)
日経平均株価:51497.20円(前営業日比▲914.14円)
東証株価指数(TOPIX):3310.14(▲21.69)
債券先物12月物:135.87円(▲0.17円)
新発10年物国債利回り:1.675%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は一転下落。連休明けの本邦勢から買いが観測されたほか、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じたことも買いを促した。昨日高値の154.30円を上抜けて2月13日以来の高値となる154.48円まで上値を伸ばした。ただ、片山財務相が為替について「一方的で急激な動きがみられる」と発言すると失速。日経平均株価が午後に入って再び売り込まれたうえ、時間外のダウ先物が下げたことも嫌気され、一時153.50円まで下げ足を速めた。
なお、高市首相は4日、新設した「日本成長戦略本部」の初回会合で所得の増加と消費マインドの改善、企業収益の向上を通じて「税率を上げずとも税収を増加させることを目指す」と述べた。
・ユーロ円は軟調。片山財務相の円安けん制発言や日米株安で全般円高が進んだ流れに沿った。ユーロ円は一時176.88円まで値を下げた。
なお、豪ドル円は株安を受けて一時99.88円まで下落。豪準備銀行(RBA)が予想通り政策金利を据え置き、声明もタカ派的な内容となったが豪ドル買いにはつながらなかった。
・ユーロドルは下げ渋り。午前はドル円の上昇に伴って売りが先行し、一時1.1498ドルと8月1日以来の安値を付けた。もっとも、その後はドル円が一転下落したこともあり1.1527ドルまで持ち直している。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反落。高値警戒感から利益確定売りが広がった。市場では「年金基金など機関投資家からの売りも目立った」との声が聞かれ、安値引けとなった。
・債券先物相場は続落。前日の米国債相場が下落した流れを引き継いで売りが強まった。午後に入っても戻りは鈍く、一時135.82円まで下落した。
中国の習近平国家主席はロシアのミシュスチン首相との会談後、両国は引き続き緊密な意思疎通を保ち、AI、デジタル経済、グリーン開発など新分野で協力を拡大すると表明した。エネルギーや農業などの伝統分野でも連携を続け、相互投資を着実に拡大する方針を示した。先週のトランプ大統領との会談後にあえてロシアとの結束を強調した形であり、中国が米国に一時的に譲歩しつつも、対ロ戦略的関係を維持する姿勢を明確にした。
中国の広州市で、世界初となる空飛ぶクルマの量産工場が試験生産を開始した。現地企業XPENG AEROHT(小鵬匯天)は、工場面積が約12万平方メートルの最新施設で、分割式電動航空モジュール「陸地航母」など次世代型交通機体の開発・量産体制を整備している。年間生産能力は初期5,000台、最大で1万台に拡大予定で、完全稼働時は30分ごとに1台組み立て可能となる見通しだ。この新工場は、自動車と航空の技術を融合し、都市型エアモビリティ市場の主導権を目指す中国の野心的な推進策の象徴となっている。モジュール式構造や大量生産技術の活用により、品質と安全性の一貫管理が強化され、市場投入が加速する。世界初の事例として、広州発の空飛ぶクルマビジネスが国際的にも注目を集めており、将来的には海外展開も検討中と伝えられている。
中国政府は、国内大手テック企業であるByteDance(バイトダンス)、Alibaba(アリババ)、Tencent(テンセント)などのAI対応データセンターに対し、最大50%の電力コストを補助する新制度を導入した。対象となるのは、ファーウェイ(Huawei)やカンブリコン製の国産AI半導体を使用する施設で、米NVIDIA製チップには補助を適用しない。この対策は、米国による最新AIチップの対中輸出規制によって、国内チップへの切替を余儀なくされ、エネルギー効率や運用コストが上昇した状況を支援するためとなっている。
大規模電力補助には、運営費のほぼ全額をカバーできる規模のものも含まれ、Gansuや内モンゴルなど複数の地方政府が実施中。中国当局は、AI産業の国産化と米依存脱却を国家戦略として推進しており、半導体製造能力の倍増計画や技術独立を加速中。この政策は、中国によるAIチップ自立への強い意思と、米中ハイテク覇権争いの局面変化を象徴するものといえる。
イランのペゼシュキアン大統領は、米国とイスラエルの6月攻撃で被害を受けた核施設について「より強い形で再建する」と宣言した。大統領は核開発に関し「核兵器開発の意思はなく、計画は国民の生活向上と福祉のため」と強調し、原子力庁トップらと再建活動の指揮を確認した。一方、米国のトランプ大統領はイランが核施設の復旧を図れば再度攻撃すると警告。イラン側は損壊されたフォルドウ、ナタンツ、イスファハンの各施設の復旧に加え、ロシアと協力した新原子力発電所整備も視野とされる。衛星写真や国際機関報告では、ウラン濃縮活動が停止した一方で、地下施設や新型原子力関連工事の動きが指摘され、再開・秘密活動懸念が再浮上。イラン政府は一貫して「核兵器は保有せず、平和利用」に固執する姿勢だが、米・イスラエルとの緊張が高まっている。
「金融政策の観点から、われわれは良好な位置にある」(ラガルドECB総裁)
2025年10月30日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、3会合連続で全会一致での金利据え置きを決定し、利下げサイクルが終了した可能性を示唆した。
ECBはこれまで金利の中立水準を1.75-2.25%としてきており、現状は中間点2.00%に到達している。
1.欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化(※中銀預金金利)
■2025年10月30日: 2.00%(据え置き)
・限界貸出金利 :2.40%(据え置き)
・リファイナンス金利:2.15%(据え置き)
・中銀預金金利 :2.00%(据え置き)
■2025年9月11日: 2.00%(据え置き)
■2025年7月24日: 2.00%(据え置き)
■2025年6月5日: 2.00%(第8次利下げ)▲0.25%
■2025年4月17日:2.25%(第7次利下げ)▲0.25%
■2025年3月6日:2.50%(第6次利下げ)▲0.25%
■2025年1月30日:2.75%(第5次利下げ)▲0.25%
■2024年12月12日:3.00%(第4次利下げ)▲0.25%
■2024年10月17日:3.25%(第3次利下げ)▲0.25%
■2024年9月12日:3.50%(第2次利下げ)▲0.25%
■2024年7月18日:3.75%(据え置き)
■2024年6月6日:3.75%(第1次利下げ)▲0.25%
2.声明文
「インフレ率は引き続き2%の中期目標に近く、理事会によるインフレ見通しの評価に概ね変更はない」
「厳しい世界経済環境にもかかわらず、経済は成長を続けている」
「堅調な労働市場、健全な民間部門のバランスシート、そして理事会による過去の利下げは、引き続き経済の回復力を支える重要な要因」
「しかしながら、世界的な貿易紛争や地政学的緊張の継続により、見通しは依然として不透明」
「中期的にインフレ率が目標の2%で安定することを確実にすることを決意」
「適切な金融政策スタンスを決定するにあたっては、データに基づき、会合ごとに適切なアプローチを採用する」
「理事会の金利決定は、今後発表される経済・金融データ、基調的なインフレ動向、そして金融政策の波及効果の強さを踏まえ、インフレ見通しとそれを取り巻くリスクの評価に基づく」
「理事会は、特定の金利経路を事前にコミットすることはしない」
3.ラガルドECB総裁
■利下げサイクルが終了した可能性
「我々は依然として良好な状況にある」
「この状態を維持できるよう、必要なことは何でも行う」
「成長リスクが後退した一方で、物価を巡るリスクが後退したとは言えないため、その点では均衡した状況だと考えている」
■ユーロ高「中期的にはインフレを更に抑制する可能性」
■インフレ見通し「従来よりも不確実性が高まっている」
■基調インフレ「基調的インフレは2%の目標と一致している」
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
オーストラリア準備銀、インフレ長期化を示唆し、緩和余地は限定的
声明文では来年の追加利下げに言及もハードル高い、豪ドル相場は外部環境に左右される展開か
オーストラリア準備銀行(RBA)は11月4日の定例会合で政策金利(OCR)を3.60%に据え置いた。RBAは今年に入り3回の利下げを実施したが、インフレの再加速を受けて2会合連続で金利を据え置いた。7-9月のインフレ率は前年比+3.2%と目標上限を上回っており、RBAは足元のインフレ加速は「一時的要因による」としているが、今後数四半期にわたってインフレ率が3%を上回る伸びが続くとの見通しを示している。
声明文では、足元の金融政策を「やや引き締め的」と評価しつつ、景気と物価の見通しに上下双方向の不確実性があると指摘した。物価安定と完全雇用の実現を最優先とし、データ次第で見通しを更新する方針を維持した。来年の追加利下げに言及したが、実現のハードルは高く、全体としてタカ派姿勢を強めている。
ブロック総裁も会見で「利下げは検討しなかった」と述べ、先行きの政策対応について明言を避けた。金利水準は「ほぼ中立的」とし、会合ごとに判断する考えを示した。為替市場では、米FRBの政策不透明感から豪ドルは米ドルに対して上値が重いが、RBAの利下げ余地は限られるため下値も限定的とみられる。一方、日本円に対しては日銀の政策運営次第の展開が続くと見込まれる。
大阪12月限
日経225先物 51510 -960 (-1.82%)
TOPIX先物 3310.0 -24.0 (-0.71%)
日経225先物(12月限)は前日比960円安の5万1510円で取引を終了。寄り付きは5万2360円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万2565円)を下回る形で売りが先行した。現物の寄り付き後ほどなくして5万2080円とナイトセッションでつけた安値(5万2090円)水準まで下押す場面もみられた。ただし、売り一巡後は急速に切り返しプラス圏を回復すると、前場中盤にかけて5万2700円まで上げ幅を広げた。前場終盤にかけては5万2450円~5万2550円辺りで保ち合いを継続。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]への利益確定の動きが目立つなかで、先物市場へもロング解消とみられる動きが先行した。一方で、先週末に決算を発表した東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やレーザーテック<6920.T>[東証P]、ファナック<6954.T>[東証P]が買われ、日経平均株価を下支えする形になった。ただし、後場の取引開始後に5万2200円を挟んだ攻防が続くなかで、中盤にかけて下へのバイアスが強まり、節目の5万2000円を割り込んだ。終盤にかけてロング解消の動きが強まり、5万1510円と本日の安値で取引を終えた。
東京エレクトロン、レーザーテック、ファナックは終日堅調な値動きだったが、日経平均株価への指数インパクトは135円程度にとどまった。反対にアドバンテストのほか、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]が後場一段安となり、3社で日経平均株価を880円超押し下げる形だった。東証プライムの値上がり銘柄数は過半数を占めており、下落インパクトの大きい3社の動向にらみのなかで、先物市場ではショートを仕掛ける動きも入ったとみられる。
日経225先物は前場中盤にかけての切り返しでボリンジャーバンドの+2σ(5万2710円)を捉えたことも、その後の利食いに伴うロング解消が入りやすかったとみられる。上向きで推移する+1σ(5万0550円)と+2σとのレンジを継続するなかで、+1σまでの調整は意識されてきそうである。先週1週間で3150円上昇したこともあり、調整局面でも値幅が大きくなりやすい。
+1σ接近で押し目狙いのロング対応に向かわせそうだが、先週末の大陽線を一気に帳消しにしてきたことで神経質にさせそうだ。+1σを割り込んでくるようだと、5万円割れを想定したショートが強まる可能性がありそうだ。もっとも、アドバンテストやソフトバンクグループが再動意をみせてくるようであれば、ショートカバーを迫られる展開になりやすいと考えられ、目先的にはスキャルピング中心になりそうである。
NT倍率は先物中心限月で15.56倍に低下した。朝方に一時15.79倍まで上昇する場面もみられたが、+2σ(15.75倍)を上回ってきたことで、リバランスに向かわせたようである。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向次第であり、+1σ(15.37倍)に接近する場面を意識しておきたいところであろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万7893枚、ソシエテジェネラル証券が1万5574枚、サスケハナ・ホンコンが5099枚、モルガンMUFG証券が4051枚、バークレイズ証券が2991枚、SBI証券が2959枚、JPモルガン証券が2423枚、野村証券が2261枚、ゴールドマン証券が1815枚、みずほ証券が1715枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万9749枚、ソシエテジェネラル証券が2万7039枚、JPモルガン証券が7262枚、モルガンMUFG証券が7144枚、バークレイズ証券が5620枚、ゴールドマン証券が5574枚、サスケハナ・ホンコンが4453枚、ビーオブエー証券が2322枚、シティグループ証券が2270枚、ドイツ証券が1956枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米政府機関閉鎖に関するヘッドラインに警戒しながら、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長の講演や9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数などを見極めていく展開となる。
昨年までのバイデン米政権の時は、本邦通貨当局のドル売り・円買い介入に対して、
米財務省は「外国為替報告書」でドル高・円安を牽制しつつも、イエレン米財務長官は否定的だった。
しかし、トランプ米政権では、日米の財務省がドル高・円安への懸念を表明していることで、さらなる口先介入やドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
ハト派で次期FRB議長候補のボウマンFRB副議長の講演では、先日のパウエルFRB議長のややタカ派的な見解「12月会合での追加利下げは既定路線(foregone conclusion)ではない」に対する見解に注目しておきたい。
また、9月の数字ではあるものの、9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:719.8万件)のネガティブサプライズには警戒しておきたい。
米政府機関の閉鎖は本日で35日目となり、トランプ第1次政権で記録した最長記録35日に並んだ。財務省によると経済的な損失は1週間で150億ドルとのことで、これまで750億ドル程度となっている。
本日も米政府機関の閉鎖が解除される可能性に関する報道には注視しておきたい。
また、ドル円の154円台は、昨年4月にトランプ氏が「米国の製造業にとって大惨事だ」と言及した水準であり、トランプ米大統領が改めて円安への懸念を表明する可能性にも警戒しておきたい。
米財務省は10月28日に日米財務相会談に関して「健全な金融政策の策定とコミュニケーションがインフレ期待の安定維持と為替レートの過剰な変動を防ぐ上で重要な役割を果たすことを強調した」との声明を発表した。
そして、片山財務相は10月31日の記者会見で、外国為替市場で1ドル=154円台をつけたことについて「投機的な動向を含め、為替市場の過度な変動や無秩序な動きについて高い緊張感を持って見極めている」と円安を牽制する発言を行っている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、154.80円(2/12高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.00円(日足一目均衡表・転換線)
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
OPECプラス有志国、2026年1-3月の増産停止で合意
ロシアの要望でOPECプラスは結束、市場シェア回復から価格下支えへ軸足を再びシフト
主要産油国の枠組みであるOPECプラスの有志8ヶ国(サウジアラビア、ロシア、イラク、アラブ首長国連邦、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)は2日にオンライン閣僚会合を開催し、12月の産油量を日量13.7万バレル増産する一方、来年1~3月は増産を停止することで合意した。今年4月以降に有志国は昨年の自主減産を段階的に縮小して増産に転じたが、国際原油価格が上値の重い展開をみせるなかで小幅増産に留めた。
過去数ヶ月、サウジアラビアとロシアの間では増産枠を巡る見解の違いがあったが、価格下支えを優先して足並みを揃えた。声明では、世界経済の安定や在庫水準の低さを理由に12月の増産を決定する一方、季節要因を踏まえて来年1~3月の増産を一時停止すると説明している。
背景には、欧米による対ロ制裁の強化の動きが影響している可能性があり、OPECプラスはロシアに配慮して結束を重視する姿勢に転じたとみられる。今後は価格維持を軸に市場動向を見極める構えであり、原油価格は一定の下支えが期待される一方、制裁の行方次第では不安定な推移が続く可能性もある。
今晩は上値の重い展開か。昨日はオープンAIとの提供が好感されたアマゾン・ドット・コムが大幅高となり、ナスダック総合が0.46%高、S&P500が0.17%高とともに2営業日続伸した一方、ダウ平均が226.19ドル安(-0.48%)と反落した。S&P500の11セクターは一般消費財、IT、ヘルスケアなど4セクターが上昇した一方、素材を筆頭に7セクターが下落し、S&P500採用銘柄は300銘柄以上が下落と、メガキャップ以外の銘柄の多くが軟調だった。引け後の動きでは予想を上回る決算を発表したパランティア・テクノロジーズが時間外で一時4%高となったが、その後は売りに押され4%超の下落となった。
今晩はパランティア・テクノロジーズなど年初から大きく上昇した銘柄の上値の重さが意識され、ハイテク株を中心に軟調な展開か。米中貿易摩擦懸念は和らいだものの、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待がやや後退していることや、政府閉鎖が2カ月目に入り、重要な経済指標の発表延期が続くことも相場の重しとなりそうだ。9月JOLTS 求人件数などの発表される経済指標や高水準の発表が続く第3四半期決算発表をにらんでもみ合う展開となりそうだ。
今晩の米経済指標は9月JOLTS求人件数。企業決算は寄り前にヤム・ブランズ、ファイザー、ウーバー、引け後にアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、アムジェン、スーパー・マイクロなどが発表予定。
日経平均株価は大幅反落。寄り付きから下げ幅を縮小する流れが続き、5日移動平均線(51352円 11/4)付近まで下げる安値引けの陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日81.2%→68.3%(11/4)に低下。5日移動平均線上を保っていることでこれまでの見方に大きな変化なく、引き続き上目線のトレンドフォローとなる。
先週末は大幅高となり、日足、週足、月足ともに高値引けとなった。単なる先週の上昇の反動安という範ちゅうであるが、5日移動平均線を割り込むと、10日移動平均線(50383円 同)~5万円付近まで調整幅が拡大する可能性が高まる。
上値メドは、心理的節目の52000円や52500円、53000円、53500円、54000円などが想定される。下値メドは、心理的節目の51000円、10/27高値(50549円)、心理的節目の50000円、10/24高値(49435円)、心理的節目の49000円、10/23安値(48399円)などがある。
(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.59円(4日15時時点比▲0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.38円(▲0.60円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1484ドル(▲0.0028ドル)
FTSE100種総合株価指数:9714.96(前営業日比△13.59)
ドイツ株式指数(DAX):23949.11(▲183.30)
10年物英国債利回り:4.425%(▲0.010%)
10年物独国債利回り:2.654%(▲0.013%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。アジア株式相場が軒並み安となった流れを引き継いで欧米株価指数が売り先行で始まり、投資家のリスク志向低下を意識した売りが出た。米10年債利回りの低下も相場の重しとなり、19時過ぎには153.32円まで下押し。その後は欧州株価の下げが一服した影響で売りの勢いもやや弱まり、153円台半ばを挟んだ水準でのもみ合いに転じた。
・ポンドは軟調。リーブス英財務相の演説内容に目新しさはなかったが、同国の財政悪化への不安が改めて意識される中でポンド売りが進んだ。対ドルでは1.3023ドルと4月以来の安値圏まで下押ししたほか、対円でも200.01円まで値を下げた。
・ユーロドルは上値が重い。欧州入り後に1.1534まで上昇する場面があったものの、昨日高値の1.1541ドルが目先のレジスタンスとして意識されると次第に上値を切り下げた。節目の1.1500ドルを再び割り込んで、23時30分過ぎには1.1473ドルまで本日安値を更新。その後の買い戻しも1.1500ドル手前までにとどまるなど、戻りの鈍い動きとなった。
・ユーロ円は軟調。株安によるリスク回避目的の円買いが進んだほか、ユーロドルの下げにつれた面もあり、一時176.10円まで売りに押された。
・ロンドン株式相場は3営業日ぶりに反発。英財政悪化への懸念が重しとなって売りが先行したものの、一巡後は次第に下げ幅を縮小。取引終了間際になってプラス圏に浮上した。セグロなど不動産株が買われたほか、景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄にも買いが入った。
・フランクフルト株式相場は反落。他の欧州株や米国株の下げにつれて売りが先行。その後は買い戻しも入ったが、持ち直すには至らなかった。個別ではフレゼニウス・メディカル・ケア(9.85%安)やアディダス(2.71%安)、ザランド(2.64%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債券高につれた。
11月に入り4日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は914円安の51497円。休場の間の米国株は落ち着いた動きではあったが、寄り付きは3桁の下落と弱めに始まった。300円超下げたところでいったん押し目買いが入り、プラス圏に浮上して上げ幅を3桁に広げたが、買いは続かなかった。前場は小幅な下落にとどまったものの、後場はソフトバンクグループ<9984.T>など人気銘柄の一角が強く売られたことで下値を模索する展開。節目の52000円を割り込むと下方向に勢いがついた。クロージングオークションに入ってダメ押しの下げに見舞われており、900円を超える下落となって安値引け。終値で51500円を割り込んだ。
東証プライムの売買代金は概算で8兆7000億円。業種別では空運、ガラス・土石、石油・石炭などが上昇した一方、海運、情報・通信、サービスなどが下落した。上方修正を発表した平河ヒューテック<5821.T>がストップ高。半面、上期の決算が失望を誘った三菱商事<8058.T>が後場に入って大きく売られた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり852/値下がり716と、日経平均は大幅安となったが値上がり銘柄は多かった。1Qが大幅増益となったレーザーテックや上方修正を発表したファナックが大幅上昇。上方修正が好感された住友ファーマはストップ高まで買い進まれた。配当方針変更に伴う増配や優待変更などを発表したビジネスブレイン太田昭和が急騰。証券会社が目標株価を引き上げた住友電工が商いを伴って買いを集めた。
一方、10月に強く買われたソフトバンクグループとアドバンテストが大幅安。通期の利益見通しを引き下げたソシオネクストがストップ安となり、上期減収減益のSCREENが2桁の下落率となるなど、半導体株の一角が決算を材料に派手に下げた。下方修正や期末配当見通しの引き下げを発表した中山製鋼所が急落。通期の利益見通し引き下げを発表した商船三井は、期末の配当見通しを引き上げたものの大きく売られており、日本郵船や川崎汽船など同業にも警戒売りが広がった。
本日、グロース市場に新規上場したNEは初値が公開価格と同値となり、終値は初値を下回った。
11月初日の日経平均は900円を超える下落。レーザーテックやファナックなど決算を材料に強く買われるものもあったが、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリングなどが弱く、ネガティブな影響の方が色濃く出た。本日、米国の引け後にはアドバンスト・マイクロ・デバイセズが決算発表を予定している。時間外の反応が弱かった場合には、短期的には大型グロース株への売り圧力が強まりやすい点には留意したい。
ただ、プライムでは値上がり銘柄の方が多く、全面安ではなかった。後場に下げ幅を広げたのだから、リスク回避ムードが強まって下落銘柄が一気に増えても不思議はなかった。きょうの終値は51497円。5日線(51352円、4日時点)は割り込んでいないだけに、あすはこれより上で推移できるかどうかが注目される。
(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.67円(前営業日比▲0.55円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.44円(▲1.22円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1482ドル(▲0.0038ドル)
ダウ工業株30種平均:47085.24ドル(▲251.44ドル)
ナスダック総合株価指数:23348.64(▲486.08)
10年物米国債利回り:4.08%(▲0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=60.56ドル(▲0.49ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3960.5ドル(▲53.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は反落。アジア時間から活発化した売りは一巡。19時過ぎに153.32円まで本日安値を更新したが、積極的に下値を探る展開にはならなかった。NY時間に入ると153円台半ばでのもみ合いとなり、対ポンドなどでドル買いが進んだ影響から153.69円付近までやや買い戻しが入った。
なお、米政府機関の一部閉鎖はすでに2カ月目に入り、本日発表予定だった9月JOLTS求人件数や9月米貿易収支などは延期された。
・ポンドは軟調。この日のリーブス英財務相の演説内容に目新しさはなかったが、同国の財政悪化への不安が改めて意識される中でポンド売りが進んだ。対ドルでは1.3010ドルと4月以来の安値圏まで下押ししたほか、対円でも約1カ月ぶりに200円の大台を割り込んで199.88円まで値を下げた。
・ユーロドルは5日続落。欧州時間に前日高値の1.1541ドル手前で上値の重さを確認すると、全般にドル買いが進んだ流れに沿って、23時30分過ぎには1.1473ドルまで本日安値を更新。その後の買い戻しも1.1500ドル手前までにとどまるなど、戻りの鈍い動きが続いた。
・ユーロ円は3日続落。株安によるリスク回避目的の円買いが進んだほか、ユーロドルの下げにつれた面もあり、24時前には176.10円の安値まで下押し。もっとも、その後はドル円が下げ渋ったことに伴って176.40円台まで下値を切り上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。人工知能(AI)関連銘柄を中心に相場の割高感が意識されたため、ハイテク株を中心に売りが広がった。指数は一時460ドル近く下げる場面も見られた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。米国株式相場が調整売りに押されたことを受け、相対的に安全資産とされる債券に買いが向かった。
・原油先物相場は5営業日ぶりに反落。為替相場でドル高が進んだことや、原油市場の供給過剰懸念が根強いことが重しとなった。
・金先物相場は反落。中心限月の清算値ベースで約1カ月ぶりの安値水準となった。米株が下落するなどリスクオフ志向が強く買いが入る場面もあったが、為替相場で全般ドル買いが優勢となる中、ドル建ての金は売りが優勢となった。
中国が約1年ぶりに米国産小麦の購入を打診したようだ。事情に詳しい関係者によれば、中国の主要穀物輸入業者が先週末、2025年12月-26年2月の船積みスケジュールについて照会を行ったという。『信報』が外電を引用して3日伝えた。
米農務省(USDA)の統計によると、中国は昨年10月初め以降、米国産小麦を購入していなかったが、先週には米国産大豆の購入を再開していた。
ホワイトハウスが先週末に発表した説明資料によれば、中国は米国産農産物の輸入拡大を約束し、今年3月に米国小麦に対して課していた追加関税を撤廃する方針を示した。
また、複数の関係者によると、トランプ米大統領と習近平国家主席による貿易協議の後、中国は少なくとも4船分の米国産大豆を追加購入した。これらの貨物は年内から26年初めにかけて出荷される予定で、総量は約25万トンに上る見通し。
ベッセント米財務長官は2日、中国がレアアースの輸出規制を続けた場合、トランプ米政権は対中関税を引き上げる用意があると警告した。中国は10月30日、同月導入したレアアースと関連技術の輸出制限を1年間停止すると発表したが、ベッセント氏は「中国は(レアアースの)市場を独占しており、残念ながら時に信頼できないパートナーであることを証明してきた」と米FOXニュースの番組で述べた。
中国当局による輸出制限の停止は、韓国で10月30日に行われたトランプ米大統領と習近平中国国家主席の会談を受けたものだった。ベッセント氏は、2大経済大国の首脳間で得られた合意と「善意」に基づき、「今後はより信頼できるパートナーとして中国に依存できることを期待している」と述べた。ただ、「そうでなければ再び関税で履行を迫る」と警告し、米政府は「最大限の圧力」を行使する用意があると強調した。
またベッセント氏は「中国とのデカップリングは望まないが、リスク低減は必要だ」と付け加えた。
中国当局が金の小売りに対する増値税(付加価値税)控除の優遇措置を撤廃したことを受け、中国本土最大の金卸売市場である深セン・水貝の金価格が急騰した。本土メディアの報道によると、現地では一夜にして1グラム当たり60元超値上がりし、水貝市場全体での上昇率は約7%に達した。複数の事業者が値上げ前に一時出荷を停止したという。
水貝以外の大手宝飾店でも同様の値上がりが見られ、周大福珠宝(01929)では2日時点の金価格が1グラム当たり1198元だったが、翌日に1259元へと上昇し、上げ幅は61元だった。周生生(00116)でも1193元から1255元に値上がりした。
周大福珠宝は、今回発表された金関連の税制変更により調達・製造コストが増加したと説明。そのため、3日から一部の金製品について価格を改定したとしている。
第一生命経済研究所では、内閣府が10日に公表する9月の景気動向指数では、CI一致指数を前月差+1.7ポイントと予想している。単月としての上昇幅はそれなりに大きいが、7、8月の低下からの反動の面も大きく、強い結果とは言えないと捉えている。CI一致指数の基調判断は「下げ止まり」で据え置かれると予想。ただし、その次の10月分では、9月が予想通りと仮定した上で、CI一致指数が前月差-0.5ポイント以下になれば、「悪化」へ下方修正されることにが注意が必要と指摘している。
4日10:17 ベッセント米財務長官
「トランプ米大統領は中国との良好な関係を築いた」
「最高裁に出向き、関税の重要性を強調する」
「インフレ率と金利は低下する見込み」
4日10:29 高市首相
「税率を上げず税収を増加させる」
「複数年度にわたる予算措置の検討を指示」
「城内経財相に経済対策の重点項目の取りまとめを指示」
4日13:44
「賃金の上昇を伴った安定的な物価上昇の実現は道半ば」
「補正予算の規模、予め言及することは控える」
「責任ある積極財政の下、強い経済を作る」
4日11:34 片山財務相
「(為替ついて)一方的で急激な動きがみられる」
「(為替ついて)高い緊張感をもって見極めている」
4日12:32 オーストラリア準備銀行(RBA)声明
「物価安定と完全雇用を維持することが最優先」
「インフレ率に関する直近のデータは、経済に一定のインフレ圧力が残存している可能性を示唆」
「金融環境は年初から緩和しているが、過去の利下げの効果が完全に波及するまでにはなお時間を要する」
「慎重な姿勢を維持し、今後のデータを踏まえて見通しを更新する意向」
「引き続きデータや見通し・リスク評価の変化に注視して政策判断を行う」
「世界経済と金融市場の動向、国内需要の推移、ならびにインフレ率と労働市場の見通しに細心の注意を払う」
「理事会は、見通しに関する双方向の不確実性の高まりに対して引き続き警戒を保っている」
「6-9月期における基調的インフレ率の上昇の一部は一時的要因によるもの」
「中心的予測では、基調的インフレ率は今後数四半期において3%を上回った後、2027年には2.6%に落ち着く見込み」
「最近の緩和にもかかわらず、労働市場の状況は依然としてやや逼迫していることを示唆」
「国内経済活動とインフレの見通しについては、国内外の動向に起因する不確実性が存在」
4日13:47 ブロックRBA(豪準備銀行)総裁
「利下げは検討せず」
「今回の金融緩和、過去よりも規模が小さい可能性」
「利上げは検討されていない」
「一段の利下げ、行う可能性も行わない可能性もある」
「政策金利はほぼ中立に近い、会合ごとに判断」
4日16:00 レーン・フィンランド中銀総裁
「将来の経済情勢に関する不確実性は依然として高く、リスクは下振れ方向に偏っている」
4日16:19 ツシュディン・スイス国立銀行(SNB)理事
「当面、政策金利は適切な水準にあり、このままで良い」
「必要な場合にのみマイナス金利を導入する」
4日17:14 リーブス英財務相
「世界的に政府の借入コストが上昇している」
「インフレ率の低下が予想よりも遅れている」
「国内の生産性は予想よりも低い状態にある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10月マネタリーベース
○08:50 ☆ 9月18-19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
<海外>
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)失業率(予想:5.3%)
◎ 就業者数増減(予想:前期比0.1%/前年比▲0.2%)
○10:45 ◎ 10月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:52.5)
○16:00 ◎ 9月独製造業新規受注(予想:前月比1.0%/前年同月比▲4.1%)
○16:45 ◇ 9月仏鉱工業生産(予想:前月比0.1%)
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○17:50 ◎ 10月仏サービス部門PMI改定値(予想:47.1)
○17:55 ◎ 10月独サービス部門PMI改定値(予想:54.5)
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:52.6)
○18:30 ◎ 10月英サービス部門PMI改定値(予想:51.1)
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比横ばい/前年比▲0.1%)
○19:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:4.25%に引き下げ)
○22:15 ☆ 10月ADP全米雇用報告(予想:2.8万人)
○23:45 ◎ 10月米サービス部門PMI改定値(予想:55.2)
○23:45 ◎ 10月米総?⑰MI改定値(予想:54.8)
○24:00 ☆ 10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:50.8)
○24:00 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○6日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○6日01:15 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○6日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:15.00%で据え置き)
○米最高裁、トランプ政権の相互関税巡る口頭弁論
○インド(シーク教ナナック生誕日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、21時過ぎに153.32円まで本日安値を更新したが、積極的に下値を探る展開にはならなかった。NY時間に入ると153円台半ばでのもみ合いとなった。ユーロドルは1.1473ドルまで弱含んだ。ポンドは英国の財政悪化への不安が改めて意識される中でポンド売りが進んだ。対ドルでは1.3010ドルと4月以来の安値圏まで下押ししたほか、対円でも約1カ月ぶりに200円の大台を割り込んで199.88円まで値を下げた。
本日の東京時間でのドル円は、引き続き円安地合いが継続するか。アジア時間では本邦と中国から経済指標の発表が予定されているが、どの指標も市場を動意づけることは難しい。日銀金融政策決定会合の議事要旨も公表されるが、9月分ということもあり材料にはなりくそうだ。よって、本日も注目は本邦の国会や円安が進んだ場合の通貨当局の動向、更に米国の選挙や暗号資産の動きなどになるか。
12月17日まで行われる第219回臨時会だが、本日は国民民主の玉木代表、そして連立から離脱した公明の斎藤代表の代表質問が予定されている。今週7日から始まる衆院予算委員会を前に、どのような政策を高市首相が示すかが注目される。これまでは本邦の国会で市場が動意づくことは少なかったが、今回は物価高対策の内容と2025年度の補正予算案の規模や成立時期が市場を動意づける一因になりそうだ。なお、国民の注目度が高い衆院議員定数削減や外国人政策等は、高市政権の支持率の増減に影響を与えるだろうが、為替市場への影響は限られるか。
臨時会で注目されるのは、物価高対策でどの程度の財政拡大を示すかだろう。補正予算では経済財政政策と成長戦略を担当する内閣府特命担当大臣の城内氏は規模が重要ではないとしているが、昨年度補正予算の13兆9000億円を上回ることを市場は織り込んでいる。自民党の税制調査会メンバーに積極財政派が増えており、市場は大幅な予算拡大を期待しているが、一方で財政規律を無視したような規模まで拡大した場合は格下げリスクなども高まりそうだ。
高市首相は昨日、経済対策の重点項目は城内氏がまとめるように指示したと述べたが、城内氏は財政の信認が揺るがなければ国債の増発を厭わない積極財政派で知られている。昨日の英財務相の演説後に、英国の財政悪化への懸念からポンドが急落したように、積極財政(=財政悪化)を行う国の通貨は売られる傾向が止まらない。円についても同様で、市場が想定するよりも積極財政を進めることで、国民の支持率は得たとしても、金融市場や格付け機関等からは円売り・格下げが進行することになるだろう。
なお、先週末に続き昨日も片山財務相が円安についてのけん制発言(「一方的で急激な動きがみられる」「高い緊張感」)を行ったが、これまで通りの定例文であり、市場の反応は鈍かった。
高市政権になりトランプ米大統領をノーベル平和賞に推薦するなど、これまで以上に米国に気を使っている政権運営となっていることで、円安については米国の出方次第になるだろう。その円安けん制については、先週の日米財務相会談後に米財務省が為替について話し合ったことを明記している点や、為替報告書の公表がいつ行われるか分からない状況のため、円安の流れが急転するリスクには備えておきたい。
国内事情以外で市場を動意づける可能性があるのは、4日に行われた米国の選挙(ニューヨーク市、ニュージャージー州、バージニア州など)の結果が徐々に判明していること。来年の中間選挙の前哨戦とも位置付けられていることで、結果次第でトランプ政権の今後の政策に影響を与える可能性がある。また、今月に入りビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)が軒並み大きく下落しており、為替市場を含めて資金の流出入の変化にも注意したい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 51200 -310 (-0.60%)
TOPIX先物 3298.0 -12.0 (-0.36%)
シカゴ日経平均先物 51200 -310
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
4日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。予想を上回る決算を発表したパランティア・テクノロジーズ<PLTR>が8%近く下落するなか、人工知能(AI)関連株に対する割高感が意識される形となり、半導体やAI関連株に利益確定の売りが広がった。空売りで名を馳せた著名投資家マイケル・バーリ氏が率いるサイオン・アセット・マネジメントが、プットオプションを新規取得していたことが明らかになったエヌビディア<NVDA>が下落。ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーのCEO(最高経営責任者)がともに、株式相場が10%以上調整する可能性に言及したことも重荷になった。
S&P500業種別指数は保険、商業サービス・用品、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービスの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、トラベラーズ<TRV>、メルク<MRK>、ホーム・デポ<HD>、コカ・コーラ<KO>が買われた。半面、エヌビディアのほかキャタピラー<CAT>、ボーイング<BA>、シスコシステムズ<CSCO>、セールスフォース<CRM>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比310円安の5万1200円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比30円高の5万1540円で始まった。5万1600円まで買われた後はロング解消の動きにより軟化し、5万1160円まで下げた。米国市場の取引開始後に5万1570円とプラス圏を回復する場面もみられたが買いは続かず、終盤にかけてじり安となり、5万1200円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。米国市場では半導体やAI関連株への利益確定の売りが広がるなか、東京市場でもアドバンテスト<6857.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]への持ち高調整の売りが警戒されそうだ。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きによって先物市場ではショートを仕掛けやすくなりそうである。
日経225先物は上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(5万2870円)に沿ったトレンドを続けていたが、前日の大幅な下げで前週末の上昇分をほぼ帳消しにした。ナイトセッションで5万1160円まで売られる場面もみられ、+1σ(5万0760円)水準を試す可能性がある。値がさハイテク株の調整が強まるようだと、+1σ割れから下へのバイアスが強まる形で5万円処を狙ったショートを誘う展開も意識しておきたい。
そのため、押し目待ち狙いのロングを慎重にさせそうであり、まずは+1σが支持線として機能するかを見極めたい。同バンドでの攻防を意識しつつ、オプション権利行使価格の5万円から5万2000円のレンジを想定する。
4日の米VIX指数は19.00(3日は17.17)に上昇した。一時20.48まで切り上がる場面もみられ、200日移動平均線(19.39)を突破した。その後は上げ幅を縮めたことで同線を下回って終えているが、再び20.00を上回ってくる展開が警戒されやすく、やや慎重姿勢に向かわせる可能性がありそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.56倍に低下した。朝方に一時15.79倍まで上昇する場面もみられたが、+2σ(15.75倍)を上回ってきたことで、リバランスに向かわせたようである。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向次第であり、NTロングを巻き戻す動きが強まるようだと、+1σ(15.37倍)に接近する場面を想定しておきたいところであろう。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は251ドル安の47085ドルで取引を終えた。パランティア・テクノロジーズが好決算を発表しても売られたことで、ハイテク株に対する高値警戒感が台頭。エヌビディアなど半導体株が大幅安となった。ナスダックは2%台の下落となっている。ドル円は足元153円60銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが310円安の51200円、ドル建てが245円安の51265円で取引を終えた。
米国株安を嫌気した売りに押されると予想する。日本株はきのう先んじてアドバンテスト<6857.T>やソフトバンクグループ<9984.T>が大きく売られてはいるが、本日のナスダックの反応を見極めたい局面であるだけに、腰の入った買いは期待しづらい。米国で引け後に決算を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイセズが時間外で下落している点もハイテク株には逆風となる。10月が非常に強かった反動が出て、安く始まった後も下押し圧力の強い地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは50800-51400円。
日経225先物は11時30分時点、前日比2220円安の4万9290円(-4.30%)前後で推移。寄り付きは5万1000円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1200円)を下回る形で、売りが先行して始まった。直後につけた5万1030円を高値に下落幅を広げ、現物の寄り付き時にはボリンジャーバンドの+1σ(5万0620円)水準まで売られた。さらに同バンドを明確に下抜けたことで下へのバイアスが強まり、5万円の大台を割り込んでいる。終盤にかけては中心値となる25日移動平均線(4万8560円)が射程に入るなかで、4万9110円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
米国市場ではエヌビディア<NVDA>など半導体や人工知能(AI)関連株の売りが目立ったこともあり、アドバンテスト<6857.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は売り気配から始まり、先物市場ではショートを仕掛けやすくさせた。両銘柄と東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の3社で日経平均株価を1500円超押し下げた。5万円処で強弱感が対立する動きは限られ、急ピッチの下落によってヘッジ対応のショートの動きが強まったようである。
NT倍率は先物中心限月で15.35倍に低下した。+1σ(15.39倍)を割り込んできており、NTロングを巻き戻す動きが強まりやすいだろう。ただし、東証プライムの値下がり銘柄数は9割を超えており、全面安商状である。ソフトバンクグループとアドバンテストのインパクトは大きいが、NTショートでのスプレッドは狙いにくそうだ。
昨日の東京市場で、52636.87円の史上最高値を付けた日経平均が後場から一転下落。高値からは4桁の急落となって安値引けだったわけですが、本日の東京市場ではさらに調整売りが加速。一気に49073.58円まで、史上最高値からは3500円を超える暴落という動きとなりました。ランチタイムに入ってからは49600円前後まで買い戻しが入っており、目先は荒い値動きとなっています。上げのスピードが速かっただけに、それだけ、短期的な調整の動きも大きくならざるを得ず、市場では「まあ、このくらいは仕方がない」との声も多く聞かれています。
一方、ドル円については、当然のようにリスクオフの動きが先行。昨日の154.48円の戻り高値から一時152.96円まで値を下げることになりました。ただ、153.00円を割り込んだ後は、株価の下落についていくことをやめ、どちらかというと下押しを拾う動きとなっているといったところ。
ゴトー日とあって、本邦実需の買いが断続的に観測されているほか、10月10日の高値153.27円や一目転換線が位置する153.01円付近を意識した買い意欲も強く、こういう状況となってくると、株価の戻りに対する反応も大きくなっていきそうです。いずれにしても、目先は海外勢主体の日経平均先物の動向を見極めながらの動きとなっています。
本日のロンドン為替市場では、昨日のリーブス英財務相の発言をきっかけに大きく売られたポンドの動向が注視される。26日に秋季予算案の発表を控える中、リーブス氏は記者会見を開き、予算は「厳しい選択」を強いられる可能性が高いことを明らかにした。緊縮財政への回帰は避けるものの、労働党が選挙公約としていた「所得税、付加価値税や国民保険料の引き上げ回避」について、方針変更の検討余地があることを示唆したと受けとめられた。
予算案前の異例とも言える記者会見だったが、財政規律を守ることを英財務相が言及したことは、英債券市場から一定の評価は得たもよう。一方で為替は、「英財政の話にはまずポンド売り」という反応を示した。ポンドのロングポジションを解消する動きが広がるなか、株式市場全般への売り圧力が強まったことを受けてリスク回避の円買いやドル買いが、ポンド売り圧力を更に強めた。
明日には、イングランド銀行(英中銀、BOE)が金融政策委員会(MPC)の結果を公表予定。今回の会合については、政策金利据え置きが確実視されている。ただし、労働市場の弱さや直近インフレ率が想定ほど加速していなかったため、12月以降の英金利先安観も根強い。日経平均の暴落を受けてポンドは対円で既に下値を広げているが、欧州勢の参入後は対ドルや対ユーロでも下値を探る場面があるかもしれない。
ほか、本日の欧州タイムの経済指標では、9月独製造業新規受注や同月仏鉱工業生産、10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値が仏独ユーロ圏と英国から、9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)などが発表予定。ナーゲル独連銀総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁の講演も予定されている。
想定レンジ上限
・ポンドドル、ピボット・レジスタンス1の1.3107ドル
・ユーロポンド、0.8873ポンド(10月31日から11月3日まで下落した幅の上方倍返し)
想定レンジ下限
・ポンドドル、ピボット・サポート2の1.2924ドル
・ユーロポンド、3日安値0.8863ポンド
ドル円:1ドル=153.51円(前営業日NY終値比▲0.16円)
ユーロ円:1ユーロ=176.41円(▲0.03円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1492ドル(△0.0010ドル)
日経平均株価:50212.27円(前営業日比▲1284.93円)
東証株価指数(TOPIX):3268.29(▲41.85)
債券先物12月物:136.10円(△0.23円)
新発10年物国債利回り:1.660%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月マネタリーベース
前年同月比 ▲7.8% ▲6.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。日経平均株価が2400円超暴落するとリスク回避の売りが先行。昨日安値の153.32円を下抜けて152.96円まで値を下げた。ただ、153円割れでは押し目買い意欲が強く、一巡後はショートカバーが優勢に。株価がその後は下げ幅を縮めるとともに153.60円台まで持ち直し、行ってこいの展開となった。
・ユーロ円も下値が堅い。総じてドル円と同様の展開となり、日本株の大幅下落を受けて一時175.71円まで下げたが、その後は176.61円まで反発した。
・ユーロドルは小幅高。昨日の海外市場での下落に対する反動から1.1498ドルまで小幅に買い戻しが入ったが、動き自体は鈍かった。
・日経平均株価は大幅続落。前日の米ハイテク株安を受けて半導体関連株にまとまった売りが持ち込まれ、指数は2400円超急落した。もっとも、好業績を発表した銘柄には押し目買いが入ったため、引けにかけては下げ幅を縮めた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。前日に米国債が買われた流れを引き継いでスタートすると、日経平均の大幅安を受けて相対的に安全資産とされる債券に買いが集まった。ただ、10年債入札が低調だったため、午後は上値が重かった。
ドル円が「「高市トレード」(円売り・株買い)」や日米金融政策の思惑から、ドル高・円安傾向に推移する中、円高論者の見解を確認しておきたい。
1. 黒田前日本銀行総裁
2025年10月30日、ドル円が153円~154円で堅調に推移している中、日本と米国の金利差が早晩縮小すると見込まれることで、円は対ドルで1ドル=120-130円前後に向けて上昇する公算が大きいとの見解を示した。
「現在の円・ドル相場は1ドル=153円程度だが、これは弱過ぎる。いずれ円・ドル相場は1ドル=120-130円程度に回復するだろう」
「米国の利下げと日銀の逆方向の動きによって、日米の金利差が縮小し、円相場が2年余り前の水準に戻ることにとなる」
また黒田氏は、年末までに日銀利上げが実施される公算が大きいとの見方を示した。
黒田氏は、2015年6月10日の衆議院財務金融委員会で、為替動向に関連して「実質実効為替レートでは、かなり円安の水準になっている。ここからさらに円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」と述べた。
市場は、125円台に「黒田シーリング」が設定されたとみなして、ドル安・円高に反転していった。
2.片山財務相
2025年3月25日、自民党金融調査会長を務めていた片山さつき参院議員は、「ドル円は120円台の時期が長かったので、120円から130円、120円台が実力との見方が多い」と述べ、物価高の沈静化に向け円高進行が望ましいとの見解を表明した。
円高への間接的な誘導策として、日本株の長期保有に対して相続税の一部免除などを実現したいとの意向を示していた。
2024年4月23日、片山氏は「過度な円安は消費を圧迫する要因であり、消費下支え策を検討すべきだ」と円安を牽制していた。
2025年10月30日、片山財務相は「円の実力は1ドル120円程度」とした自らの発言は「追認しない」と述べた。
2025年10月31日、片山財務相は「投機的な動向も含めて市場の過度な変動を見極めている」「為替市場では足元で一方的、急激な動きがみられる」「為替はファンダメンタルズを反映した安定的な推移が重要」などと述べ、円安を牽制した。
3. ゴールドマン・サックス
ゴールドマン・サックスのストラテジストはリポートで「10年後に1ドル=100円に戻るとの見通しは、一見極端に見えるかもしれないが、フォワード価格(115-120円)と比べればそれほど大きな乖離ではない」と指摘した。
同社によると、日本銀行のイールドカーブコントロール(長短金利操作)などの措置が公正価値に対して円を大幅に割安にしてきたが、政策金利が徐々に正常化するにつれて、この影響は今後10年で薄れていく見込みだとのことである。
「長期的には、ドル・円相場は公正価値から大きく乖離する局面を繰り返してきたものの、最終的には公正価値に回帰する傾向が強い」とも指摘している。
大阪12月限
日経225先物 50530 -980 (-1.90%)
TOPIX先物 3278.0 -32.0 (-0.96%)
日経225先物(12月限)は、前日比980円安の5万0530円で取引を終了。寄り付きは5万1000円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1200円)を下回る形で売りが先行した。直後につけた5万1030円を高値に下落幅を広げ、現物の寄り付き時にはボリンジャーバンドの+1σ(5万0700円)水準まで売られた。さらに同バンドを明確に下抜けたことで下へのバイアスが強まり、前場中盤には5万円の大台を割り込んだ。前場終盤にかけては中心値となる25日移動平均線(4万8610円)が射程に入るなかで、4万9110円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
ただ、ランチタイムでは押し目待ち狙いのロングが短期筋のショートカバーを誘う形となって下落幅を縮め、後場の取引開始時には5万円の大台を回復。5万円を挟んで保ち合いを継続するなかで、終盤にかけて下げ幅を縮める形だった。10月半ばの急落局面と同様、長い下ヒゲを残す形で+1σ近辺まで下げ幅を縮めてきており、同バンドを早い段階で上回ってくるかが注目されよう。
米国市場で半導体や人工知能(AI)関連株の売りが目立ったこともあり、アドバンテスト<6857.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が大きく売られたことで、先物市場ではショートを仕掛けやすくさせた。両銘柄と東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の3社で日経平均株価を1000円余り押し下げたことで、ヘッジ対応のショートの動きも入ったようである。
日経225先物は4万9110円まで急落した後に5万円水準での攻防を経て、引け間際にはショートカバーで5万0530円まで回復した。これまでの急ピッチの上昇に対する調整となれば、引き続き値幅の出やすい状況がありそうだ。ただし、米国市場に関してゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーのCEO(最高経営責任者)が株式相場の調整に言及したほか、空売りで名を馳せた著名投資家が率いるファンドがエヌビディア<NVDA>とパランティア・テクノロジーズ<PLTR>のプットオプションを新規取得していたことが明らかとなり、これらに過剰に反応した面も大きいだろう。
目先的には戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況になりそうだが、+1σを上回ってくると、同バンドを挟んだ5万円から5万1000円辺りでの底固めが意識されてくる可能性はあろう。そのため、5万円に接近する局面では、押し目待ち狙いのロング対応とみておきたい。
また、ソフトバンクグループが25日線を割り込んできたことで調整一巡が意識されるほか、アドバンテストは売り一巡後は下げ渋る動きだった。両銘柄に対する押し目買い意欲の強さを見極めたいところでもある。
NT倍率は先物中心限月で15.41倍に低下した。NTロングの巻き戻しが強まるなかで一時15.31倍まで下げ、+1σ(15.39倍)を割り込む場面もみられた。ただ、その後は下げ幅を縮めており、+1σを上回って終えている。同バンドまでの調整を経て、再びNTロングに振れる可能性は意識しておきたい。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が4万8096枚、ソシエテジェネラル証券が3万2962枚、SBI証券が6071枚、サスケハナ・ホンコンが5958枚、バークレイズ証券が5824枚、モルガンMUFG証券が5786枚、JPモルガン証券が5209枚、ゴールドマン証券が4048枚、みずほ証券が3424枚、BNPパリバ証券が3154枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が5万6545枚、ソシエテジェネラル証券が4万7696枚、バークレイズ証券が1万2751枚、JPモルガン証券が1万0989枚、ゴールドマン証券が6778枚、モルガンMUFG証券が6494枚、BNPパリバ証券が4851枚、サスケハナ・ホンコンが4739枚、ビーオブエー証券が4583枚、みずほ証券が2637枚だった。
NYタイムは、昨日から本日東京タイム午前まで進んだドル円の下落に対する巻き戻しがさらに進むか見定める展開となる。一時1週間ぶりの水準4.05%台へ低下していた米10年債利回りは、4.09%台手前まで戻している。これも支援にドル高・円安地合いへ回帰しつつあるが、その持続性を注視したい。
週明け3日は予想を下回る10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数が下押し要因となる場面もあった。本日は同非製造業指数が発表予定。市場の事前予想は50.8と、前月9月の50.0から持ち直すとの見方。まずは予想比での強弱に反応し、景況判断の分起点とされる50以上を維持できるか否かなどにも左右されそうだ。
ただ、ここで上昇継続にしくじると、東京タイムのレンジを上抜けて基調を強めようとしていた流れへの反動もでかねない。米経済指標への反応や、株価動向を受けたリスクセンチメントなどへ、どのように呼応するか注目となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、昨日4日高値154.48円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、東京タイム午前につけた本日ここまでの安値152.96円
今晩は神経質な展開か。昨日は好決算を発表したパランティア・テクノロジーズが約8%安となったことをきっかけにAI関連株のバリュエーションの高さが意識され、ハイテク株を中心に利益確定売りが強まった。ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが株価調整の可能性があるとしたことも売りを後押しした。S&P500は1.17%安、ナスダック総合も2.04%安と、ともに3日ぶりに大幅反落し、ダウ平均は251.44ドル安(-0.53%)と2日続落した。
今晩の取引ではパランティア・テクノロジーズやエヌビディアなどAI関連株の下落トレンドが継続するか否かが注目されるほか、政府閉鎖により主要な経済指標の発表延期が続く中、10月ADP民間部門雇用者数などの経済指標や決算発表をにらんだ神経質な展開が予想される。ADP民間部門雇用者数は9月分がマイナス3.2万人と、プラス予想に反し減少したが、10月分は2.8万件の増加が見込まれている。弱い結果となれば景気悪化懸念が強まる一方、利下げ期待が高まることが期待され、指標結果を受けた市場の反応が注目される。
今晩の米経済指標は10月ADP民間部門雇用者数のほか、10月ISM非製造業総合指数(PMI)、MBA住宅ローン申請指数、10月S&Pグローバル総合・サービス業PMI確定値など。企業決算は寄り前にヒューマナ、マクドナルド、引け後にクアルコム、コストコなどが発表予定。
日経平均株価は大幅続落。前場の段階で5万円の節目を下回り、一時は49000円割れもあるかといった水準まで値を下げた。一方、後場は買い戻しが強まったことで下げ幅を縮小し、5万円台を維持して終えた。
RSI(9日)は前日68.3%→56.2%(11/5)に低下。引けにかけて戻したことで引け足は悪くはないが、目先的には不安定な動きが続きそうだ。10日移動平均線(50473円 11/5)を割り込んで終えたが、10日移動平均線は上向き基調にあるため、さほどネガティブ現象ではない。
早期に5日移動平均線上(51350円 同)を回復することができれば、11月に入ってからの下げが逆に上値に拍車をかける動きにつながることも想定され、まずはあすの動きに注目したい。
ただ、5日移動平均線の上昇が一服しており、戻りが鈍ければもう一段の下げにつながる展開が予想される。
上値メドは、心理的節目の51000円、5日移動平均線、心理的節目の52000円や52500円、53000円、53500円などが想定される。下値メドは、心理的節目の50000円や49000円、25日移動平均線(48564円 同)、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円などがある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ニュージーランド、7-9月失業率は9年ぶりの高水準でNZドルは?
RBNZの11月会合での利下げを織り込む動きが強まり、FRBの利下げ観測後退も影響
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は10月の定例会合で政策金利(OCR)を50bp引き下げた上で、追加利下げに言及するなどハト派姿勢を強めた。背景には景気失速の動きやインフレが安定していることがある。
7-9月のインフレ率は前年比+3.05%と一時的に目標上限を上回るが、コアインフレ率は対照的に鈍化している。足元のインフレ加速は特殊要因が影響している上、RBNZの見通しに沿った動きとなっている。
その一方、足元の企業マインドは低迷している上、7-9月の失業率は5.3%と2016年以来の高水準となり、賃金の伸びも鈍化するなど家計部門を取り巻く環境は悪化している。よって、金融市場では追加緩和観測が強まり、RBNZは今月26日の次回会合での利下げを織り込む動きをみせる。当面のNZドル相場はFRBの利下げ観測後退も影響して上値の重い展開が見込まれ、日本円にも外部環境如何の展開が続こう。
(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.07円(5日15時時点比△0.56円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.88円(△0.47円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1481ドル(▲0.0011ドル)
FTSE100種総合株価指数:9777.08(前営業日比△62.12)
ドイツ株式指数(DAX):24049.74(△100.63)
10年物英国債利回り:4.463%(△0.038%)
10年物独国債利回り:2.673%(△0.019%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独製造業新規受注
(前月比) 1.1% ▲0.4%・改
(前年比) ▲4.3% 2.1%・改
9月仏鉱工業生産
(前月比) 0.8% ▲0.9%・改
スウェーデン中銀、政策金利
1.75%で据え置き 1.75%
10月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
48.0 47.1
10月独サービス部門PMI改定値
54.6 54.5
10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
53.0 52.6
10月英サービス部門PMI改定値
52.3 51.1
9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.1% ▲0.4%・改
(前年比) ▲0.2% ▲0.6%
ポーランド中銀、政策金利
4.25%に引き下げ 4.50%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。欧州入り後はしばらく153.60円を挟んだ水準でのもみ合いとなっていたが、NY時間に入って次第に買いが強まった。この日発表された10月ADP全米雇用報告や10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数が予想より強い結果となり、米景気減速への懸念が和らぐと投資家のリスク回避姿勢も後退。米10年債利回りが4.15%台まで上昇したことも相場を支え、一時154.36円まで上値を伸ばした。もっとも、先週後半から上値を抑制してきた154.40円台の手前では伸び悩む展開となり、その後は154.06円前後まで押し戻された。
なお、日本時間の夕刻には三村財務官が「最近の円の動き、ファンダメンタルズから外れる」と発言したが、相場への影響は限定的だった。
・ユーロドルは神経質な値動き。全般にドル買いが強まった流れに沿って一時1.1469ドルと8月以来の安値を更新する場面もあったが、売りの勢いは続かなかった。1.14ドル台後半の水準で神経質な上下が続いており、本日ここまでの値幅は29pips程度にとどまっている。
・ユーロ円は堅調。欧米株価や日経平均先物の堅調推移をながめ、投資家のリスク志向改善を意識した円売り・ユーロ買いが出た。欧州序盤は176円台半ばでのもみ合いとなっていたが、NY時間に入って177.14円まで本日高値を更新した。
・ロンドン株式相場は続伸。しばらくは前日終値付近でのもみ合いとなっていたが、米国株高につれて徐々に買いが進んだ。シェルやBPなどのエネルギー株が買われたほか、生活必需品株なども上昇して指数を押し上げた。
・フランクフルト株式相場は反発。ハイテク株の割高感が意識されて弱含む場面も見られたが、その後は他の欧州株相場と同様に買い戻しが強まってプラス圏に浮上した。個別ではBMW(6.85%高)やダイムラー・トラック・ホールディング(3.72%高)、メルセデス・ベンツグループ(3.54%高)などの上げが目立った。
・欧州債券相場は下落。欧州株安を受けた。
5日の日経平均は大幅続落。終値は1284円安の50212円。米国でハイテク株の多くが売られた流れを受けて、寄り付きから200円を超える下落。ソフトバンクグループ<9984.T>やアドバンテスト<6857.T>が連日で派手な下げとなり、早々に下げ幅を4桁に広げた。ハイテク以外の主力銘柄も軒並み大きく売られる中、節目の5万円もあっさり割り込んで49000円に接近。前引け間際には2400円超下げる場面もあった。
後場のスタート直後には切り返す動きが見られ、5万円近辺までは一気に戻した。5万円より上は重く、13時以降は一進一退。改めて売り込む動きは限られたことから、4桁の下落とはなったものの、5万円を上回り後場の高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で9兆0500億円。業種別ではその他製品、卸売、建設などが上昇した一方、非鉄金属、情報・通信、電気機器などが下落した。上方修正を発表した日本精工<6471.T>が急騰。半面、トヨタ<7203.T>は通期見通しを上方修正したものの市場の期待には届かなかったことから、3%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり420/値下がり1145。上方修正や配当方針変更など好材料が多かった任天堂が6.2%高。三井物産や伊藤忠など商社の一角がリリースを材料に買いを集めた。上方修正を発表した大林組が急伸し、大成建設、清水建設、鹿島など同業にも買いが波及。為替が円高に振れたことを手がかりに、恩恵があるとみられている神戸物産やニトリHDに資金が向かった。
一方、ソフトバンクグループが10%安、アドバンテストが6%安、東京エレクトロンが4%安となっており、この3銘柄で日経平均を1000円近く押し下げた。ソシオネクスト、ディスコ、レーザーテックなど半導体株の多くが下に値幅が出たほか、フジクラ、古河電工など電線株が大幅安。連日の株安で野村HDなど証券株も弱かった。今期は最終赤字に転落する見込みとなった帝人が9%を超える下落。日立の持分法適用会社ではなくなる予定であることを発表した日立建機が急落した。
本日、グロース市場に新規上場したクラシコは、高い初値をつけた後に大きく崩れる場面があった。しかし、引けにかけて強い買いが入っており、初値を上回って初日の取引を終えた。
日経平均は大幅安。ただ、前場と後場では雰囲気が変わった。前引けが49104円で、大引けが50212円と、1000円以上水準を切り上げている。TOPIX(終値は3268p)は25日線(3226p、5日時点、以下同じ)を割り込んだところで鋭角的に切り返しており、日経平均は25日線(48564円)を割り込むことなく下げ渋った。業種別を見ると、プラスは前引け時点では2業種(33業種中)のみであったが、大引けでは11業種に増えた。大幅安になっても下値で買いが入れば、そろそろ当面の売りが出尽くしになるとの期待が高まる。本日の米国株が大崩れしなければ、あすの日本株には反転を期待した買いが入りやすくなるだろう。
(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.12円(前営業日比△0.45円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.12円(△0.68円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1492ドル(△0.0010ドル)
ダウ工業株30種平均:47311.00ドル(△225.76ドル)
ナスダック総合株価指数:23499.80(△151.16)
10年物米国債利回り:4.16%(△0.08%)
WTI原油先物12月限:1バレル=59.60ドル(▲0.96ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3992.9ドル(△32.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲1.9% 7.1%
10月ADP全米雇用報告
4.2万人 ▲2.9万人・改
10月米サービス部門PMI改定値
54.8 55.2
10月米総?⑰MI改定値
54.6 54.8
10月米ISM非製造業指数
52.4 50.0
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。欧州入り後はしばらく153.60円を挟んだ水準でのもみ合いとなっていたが、NY時間に入って次第に買いが強まった。この日発表された10月ADP全米雇用報告や10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数が予想より強い結果となり、米景気減速への懸念が和らぐと投資家のリスク回避姿勢も後退。米10年債利回りが4.16%台まで上昇したことも相場を支え、一時154.36円まで上値を伸ばした。もっとも、先週後半から上値を抑制してきた154.40円台の手前では伸び悩む展開となり、その後は154.10円前後で再びもみ合いへと転じた。
なお、米連邦最高裁はトランプ政権が世界各国に課した関税措置の合憲性を問う訴訟を巡って口頭弁論を開始した。判事からは懐疑的な見方が相次いだとの報道も伝わっているが、最高裁が判断を下すまでは通常数カ月かかるとされている。
・ユーロドルは6営業日ぶりに反発。全般にドル買いが強まった流れに沿って一時1.1469ドルと8月以来の安値を更新する場面もあったが、売りの勢いは続かなかった。1.14ドル台後半の狭いレンジ内で神経質な上下し、相場は方向感を欠いた。
・ユーロ円は4営業日ぶりに反発。欧米株価や日経平均先物の堅調推移をながめ、投資家のリスク志向改善を意識した円売り・ユーロ買いが出た。欧州序盤は176円台半ばでのもみ合いとなっていたが、NY時間に入って177.14円まで本日高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発。米経済指標で景気の底堅さを示す結果が相次ぎ、投資家心理の改善を意識した買いが入った。相場の割高感が意識されたハイテク株はこの日も売りが先行したが、一巡後は一角に買い戻しが入った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。良好な米指標が相次いだことで米景気悪化への懸念が後退したため、相対的に安全資産とされる債券は売りに押された。
・原油先物相場は続落。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫統計で、原油在庫が520.2万バレルの積み増しと予想以上の在庫増となり、売りに押された。また、為替相場でドルが対ユーロで約3カ月ぶりの高い水準になるなどドル高が進んだことも重しとなった。
・金先物相場は反発。前日に約1カ月ぶりの安値水準まで下落し、値ごろ感から買いが入った。ただ、10月ADP全米雇用報告や10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数が予想を上回り、ドル買いが優勢になると売りが入るなど、この日も神経質な動きとなった。
注目されていたバージニア州の州知事選は、民主党候補が勝利を収めたと米メディアが報じている。バージニア州議会では共和・民主両党の勢力は均衡しており、この結果が来年の中間選挙の前哨戦と位置づけるメディアが多い。
米地方選で注目されたニューヨーク市長選では、民主党の急進左派ゾーラン・マムダニ氏が勝利したもよう。初のイスラム教徒のNY市長誕生であり、「民主社会主義者」と自称するマムダニ氏は「富の再分配」を公約していた。一方、トランプ大統領はマムダニ氏を「共産主義者」と呼び、同氏が当選した場合は資金拠出を制限することなどを表明している。
他、米地方選挙では、バージニア州とニュージャージー州で知事選が実施され、どちらも民主党候補が勝利した。
ベッセント米財務長官は4日、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が2026年に米国で開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)などで会談する可能性があり、「米中関係全体は現在、より安定した状態にある」との見解を明らかにした。米CNBCとのインタビューで「来年は2度の国賓訪問が予定されている。トランプ大統領が北京を訪問し、習主席も米国を訪れる。また、両首脳はフロリダ州ドラルでのG20サミットや、11月に中国深センで行われるAPEC会議で会うかもしれない」と語った。
米中首脳は10月30日に韓国で会談している。ベッセント氏は「トランプ大統領は、習主席が敬意を抱いている唯一の指導者だと思う。われわれは非常に良い会談を行った」と語った。
また、ベッセント氏は米エヌビディアが開発した最先端人工知能(AI)半導体「ブラックウェル」について、将来的に中国企業への販売が認められる可能性を示した。ブラックウェルは現時点では最先端製品だが、半導体技術の進化の速さを踏まえれば早い時期にエヌビディア製品ラインアップの2番手以下になりうるとの見方を示し、「その段階になれば中国への輸出・販売も可能になるだろう」と述べた。
東海東京インテリジェンス・ラボでは米国株リポートの中で、アマゾンが10月28日に管理部門を中心に従業員約1万4千人を削減する計画を発表したことに注目している。米国ではアマゾンだけでなく、AIの導入・活用による「雇用増なき成長」を目指す動きが大手企業の間で広がりを見せつつあるとのこと。「AIの代替による人員削減」は賛否両論が分かれて非常にセンシティブな話ではあるが、米国企業が世界に先駆けてこれを推進することにより、生産性向上による資本効率のさらなる改善を成し遂げる可能性もあると東海東京では考えている。
SMBC日興証券では、与野党が実務者協議でガソリン暫定税率の年内廃止で合意したことを受けて、この影響について考察している。足元のガソリン価格を基に試算すれば、暫定税率廃止のコアCPI前年比押し下げ効果は-0.23%pt程度になるとのこと。また、コアCPIの前年比伸び率は、2025年9月の+2.9%から縮小傾向をたどり、2026年1月に+1.8%程度と2022年3月以来の+2%割れを記録すると予想。ガソリン暫定税率廃止の影響が本格的に表れるほか、食料価格の伸び鈍化が続くと見込んでいる。
中国人民銀行(人民銀行)は4日、5日の公開市場操作でアウトライト・リバースレポ(買い切り式リバースレポ)により7000億元を供給すると発表した。償還期間は3カ月。
人民銀は4日、10月の公開市場操作の結果を公表した。アウトライト・リバースレポは供給が1兆7000億元、吸収が1兆3000億元で、差し引き4000億元の供給超過だった。短期リバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)は供給が4兆7453億元、吸収が5兆3406億元で、差し引き5953億元の吸収超過だった。公開市場国債売買では200億元を買い入れた(同額の資金を市場に供給)。人民銀は2025年1月から債券市場での国債の買い入れなどを一時的に停止していたが、10月に再開した。
一方、中央銀行貸付では中期貸出制度(MLF)を通じた供給が9000億元、吸収が7000億元で、差し引き2000億元の供給超過だった。
5日07:19 トランプ米大統領
「スイス高官と貿易、特に貿易不均衡をはじめとする多くの問題について話し合った」
「グリア米通商代表部(USTR)代表がスイスの首脳陣とこれらの問題についてさらに協議することになる」
5日08:51 9月18-19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
「今回会合で0.75%に利上げが望ましい 複数の委員」
「金利の正常化、ハードデータをもう少し確認してからでも遅くはない 1人の委員」
「利上げに向けた条件が次第に揃いつつあるが、市場にサプライズとなる現時点の利上げは避けるべき」
「そろそろ再度の利上げ考えてもいい時期だが、米経済の落ち込み程度のめどがついていない 1人の委員」
「経済・物価が大きく軌道を外れなければ、ある程度定期的な間隔で政策金利を調整していくべき」
「国内物価の関係で利上げ判断を待つことのコストが徐々に大きくなってゆく」
「インフレ期待の定着が不十分と考えられるうちは緩和的は金融施策をできるだけ維持が適当 1人の委員」
5日12:48 中国関税税則委員会
「米国に対する24%の追加関税は1年間停止」
「米国への10%追加関税は維持される」
5日16:09 三村財務官
「最近の円の動き、ファンダメンタルズから外れる」
「円ロングポジション、夏以降は縮小している」
「主な懸念は為替の過度なボラティリティ、水準ではない」
「日本のマクロ経済政策、特に財政政策について市場で一部憶測」
「金融政策は日銀に委ねられている」
5日17:30 スウェーデン中銀(リクスバンク)声明
「インフレ高進が一時的であるとの評価が強まっている」
「新たな情報も、経済が回復軌道に乗っているというリクスバンクの予測を裏付けている」
「全体として、インフレと経済状況の見通しに大きな変化はない」
「政策金利は今後しばらくはこの水準が続く見込み」
「スウェーデン国内外のリスクが今後の経済展開および金利動向に影響する可能性」
5日19:26 ナーゲル独連銀総裁
「インフレに対して警戒を続けるべきであり、油断してはいけない」
5日19:27 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「ECBは固定された立場にはなく、あらゆる選択肢を持つ必要がある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 9月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比1.9%)
<海外>
○09:30 ◇ 9月豪貿易収支(予想:40.00億豪ドルの黒字)
○16:00 ◎ 9月独鉱工業生産(予想:前月比3.0%/前年同月比0.1%)
○16:00 ◎ 10月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比0.8%)
コア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.9%)
○17:00 ◇ 10月スイス失業率(季節調整前、予想:2.9%)
○17:00 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○17:10 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.00%で据え置き)
○18:30 ◎ 10月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:46.7)
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比1.0%)
○20:45 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○21:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:4.00%で据え置き)
○21:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:30 ◇ 10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○24:00 ◇ 10月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日01:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○7日01:00 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○7日02:00 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○7日03:00 ◎ 10月ブラジル貿易収支(予想:62.00億ドルの黒字)
○7日03:30 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、パネルディスカッションに参加
○7日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.25%に引き下げ)
○7日05:30 ◎ ウォラーFRB理事、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 51200 +670 (+1.32%)
TOPIX先物 3301.5 +23.5 (+0.71%)
シカゴ日経平均先物 51205 +675
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。10月の米ADP雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比4万2000人増え、市場予想(2万2000人増程度)を上回った。10月の米ISM非製造業景況感指数は52.4と8カ月ぶりの高水準になるなど、景気の底堅さを示す結果が相次いだことが投資家心理の改善につながった。売りが先行して始まったハイテク株の一角が買い戻されたことも相場を支えた。フィラデルフィア半導体(SOX)指数の上昇率は3%を超えている。
NYダウ構成銘柄では、アムジェン<AMGN>、キャタピラー<CAT>、スリーエム<MMM>、マクドナルド<MCD>が買われた。半面、ホーム・デポ<HD>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、エヌビディア<NVDA>、マイクロソフト<MSFT>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比675円高の5万1205円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比80円安の5万0450円で始まった。5万0300円まで売られた後はロング優勢となり、米国市場の取引開始時にはプラス圏を回復。中盤にかけて5万1000円台に乗せると、終盤にかけて5万1380円まで上げ幅を広げる場面もみられ、5万1200円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。米国市場が予想を上回る経済指標の発表を手掛かりに反発をみせたことで、東京市場でも前日の大幅な下落に対する自律反発が意識されそうだ。ただし、エヌビディアやマイクロソフトがプラス圏をキープできなかったほか、クアルコム<QCOM>は取引終了後に発表した決算が予想を上回ったものの、時間外取引では下落して推移しており、半導体やAI関連株は自律反発の域を脱せないだろう。
そのため、日経225先物は買い先行で始まるだろうが、買い一巡後は指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]をにらみながらの相場展開になりそうだ。なお、昨夕に「ユニクロ」の10月の国内既存店売上高を発表したファーストリテイリング<9983.T>[東証P]が、米預託証券(ADR)で2%あまり上昇していたこともあり、日経平均株価を下支えすることになりそうだ。
日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの+1σ(5万0870円)を上回ってきた。10月半ばの急落局面でも翌日には+1σを上回っていたこともあり、同バンドでの底堅さがみられるようだと、再び+2σ(5万2870円)とのレンジ内での推移が意識されてくる可能性がある。+1σを割り込んでくる局面では短期的にショートを誘うだろうが、押し目狙いのロング対応としつつ、オプション権利行使価格の5万0875円から5万1875円のレンジを想定する。
5日の米VIX指数は18.01(4日は19.00)に低下した。一時20.02まで切り上がる場面もみられ、200日移動平均線(19.39)を突破した。その後は下げに転じており、25日線(18.15)を割り込んで終えた。200日線水準が抵抗線として意識される形で下げに転じていることで、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.41倍に低下した。NTロングの巻き戻しが強まるなかで一時15.31倍まで下げており、+1σ(15.39倍)を割り込む場面もみられた。ただ、その後は下げ幅を縮めて+1σを上回って終えているため、調整一巡から再びNTロングに振れる可能性は意識しておきたい。
昨日の海外市場でドル円は、10月ADP全米雇用報告や10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数が予想より強い結果となり、米10年債利回りが4.16%台まで上昇したことも相場を支え、一時154.36円まで上値を伸ばした。ユーロドルは全般にドル買いが強まった流れに沿って一時1.1469ドルと8月以来の安値を更新する場面もあったが、売りの勢いは続かなかった。
本日の東京時間でのドル円は、日本の財政不安に対する円売り地合いが根強いものの、昨日の米国の選挙結果や過去最長となった米国の政府機関閉鎖、米最高裁のトランプ関税に対する審理が開始されたことで相場が急変するリスクもありそうだ。また、英国の財政不安やニュージーランドの雇用情勢の悪化などもあり、クロス円はこれまでのような円安一辺倒にもなりにくいか。
臨時国会は昨日から参院での代表質問が始まっている。市場を動意づける具体的な材料が示される可能性は低いが、警戒は怠らないようにしたい。また、明日7日からは代表質問以上に重要となる衆院予算委員会が始まる。石破政権時は13.9兆円の補正予算を行ったが、これを上回ることは確実視されている。経済財政政策と成長戦略を担当する内閣府特命担当大臣の城内氏が、経済対策の重点項目をまとめるとされている。
高市政権樹立後は積極財政による株価上昇で「良い円安」に動いたが、ここ最近の市場動向は、4日のポンド急落でもわかるように、市場の想定以上の積極財政となれば、財政不安という「悪い円安」に動きやすそうだ。なお、城内氏に関しては本日発売の「週刊文春」で政治資金の還流問題が取り上げられていることで、状況次第で大臣職から辞任に追い込まれるリスクもありそうだ。
米国の政府機関閉鎖が昨日をもって最長記録を更新した。ベッセント米財務長官が「1日当たり最大150億ドルの損失」の可能性を指摘しているように、米経済へ悪影響を与えている。昨日行われた米国の州知事・市長選挙で軒並み敗北したトランプ米大統領が、1年後の中間選挙への影響を避けるために、政府閉鎖を解除する方向に向かうかが注目される。
また、昨日から始まった米最高裁でのトランプ関税の審理だが、リベラル派判事だけではなく保守派の判事からも、議会の承認なしに一方的に関税を課したという事実について、(大統領の政治的立場に基づいて連邦政府の法的立場を弁護する)ザウアー訟務長官を厳しく追及した。
最高裁の判決は年末にも出る可能性があるが、日程は定かではない。レビット・ホワイトハウス報道官は「常にプランBを準備している」と述べているが、仮に政権が敗訴した場合は、貿易不均衡是正を為替対策で行う可能性などもあり、今後も最高裁の動向から目が離せない状況が続きそうだ。
なお、経済指標では本日は本邦の9月の毎月勤労統計調査が発表される。その中で注目される実質賃金は、今年に入り8カ月連続でマイナスを記録。8月は速報値の-1.4%がさらに下方修正され確報値は-1.7%まで落ち込んでいる。通常ならば実質賃金のマイナスが続く現状では、中央銀行は利上げに後ろ向きになるが、日銀の政策判断に影響を与えることはあまりないだろう。
先週トランプ米大統領をはじめ、米国の要人が多数訪日したが高市首相がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦する意向を伝えたことで、米国に対しての意向を逆らうことは考えにくい。すでに、米財務省が日銀の利上げを催促する内容を発表していることを考えると、実質賃金の結果がどのようになろうと、12月の利上げ期待は高いままになり、経済指標で市場が動意づくのは難しそうだ。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は225ドル高の47311ドルで取引を終えた。直近で売り込まれたハイテク株に見直し買いが入った。10月のISM非製造業景況指数やADP雇用統計が良好な結果となり、景気悪化に対する過度な警戒が後退したことも安心材料となった。ドル円は足元154円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが675円高の51205円、ドル建てが750円の51280円で取引を終えた。
米国ではエヌビディアやパランティアは下落したものの、マイクロンやアプライド・マテリアルズなど半導体株の一角に強い動きが見られた。CME225先物は大幅高スタートを示唆している。日経平均は4日、5日と大きく下落したが、きょうは米国株高に強い反応を示すだろう。きのうは4桁の下落となりながらも、後場には急速に下げ幅を縮めて終値では節目の5万円を上回った。目先の底打ち期待が高まり、場中も強い基調が続くと予想する。日経平均の予想レンジは50800-51900円。
日経225先物は11時30分時点、前日比300円高の5万0830円(+0.59%)前後で推移。寄り付きは5万1260円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1205円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。直後につけた5万1300円を高値に戻り待ち狙いのショートが優勢となるなかで、5万0800円~5万1000円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけて5万0630円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
米国市場で主要な株価指数が上昇したことで、東京市場においても前日の大幅下落に対する自律反発となった。ただし、買い一巡後は戻り待ち狙いのショートが入る形でボリンジャーバンドの+1σ(5万0830円)水準での攻防をみせている。同バンドが抵抗線として意識されてくるようだと、押し目狙いのロングを手控えさせそうだ。
買い先行で始まったソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が寄り付き後に乱高下となったことが手掛けにくくさせている。もっとも、アドバンテスト<6857.T>[東証P]は堅調なほか、「ユニクロ」の10月の国内既存店売上高を発表したファーストリテイリング<9983.T>[東証P]も日経平均株価を支えているため、積極的なショートも仕掛けにくいだろう。
NT倍率は先物中心限月で15.36倍に低下した。15.53倍に上昇して始まったが、その後は下げに転じている。+1σ(15.41倍)をキープできなかったことで、NTロングを巻き戻す動きが意識されやすいと考えられる。
昨日のドル円は、東京時間のリスクオフで下値を試したものの、株価の下落に対する売りが153.00円割れの水準でおなか一杯となると、一転して買い戻し。一目転換線というチャート的な重要なサポートレベルが意識されたことも大きな要因となっており、下押しを拾う方向性が変わらない限り、リスクオフが絶好の買い場提供となるリズムもまた同じく、続いているといったところです。
日経平均はかなりの大相場となっているわけですが、結果的には本日、昨日の下落を消す完全な行って来い。昨日の暴落がまるでなかったかのようなレベルとなっています。ドル円もまた、昨日の上下に振らされた動きがなかったかのような凪相場。市場の傷み具合がわかるというものです。
いずれにしても、市場は明日から始まる予算委員会での発言などで期待感だけが先行していた高市トレードを、現実的な経済政策へと紐づけをしつつ、更なる期待感へとつなげていくことになるわけですが、目先は、昨日の州知事選やNY市長選で民主党候補の完全勝利となったこととも合わせて、日米の政治的動向を注視していくことになりそうです。
本日のロンドン為替市場では、複数の経済イベントがある中で英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)が注目される。市場予想は政策金利の据え置きが主流。
英MPCの結果が予想通りであれば、市場の関心は議事要旨に移る。ハト派的内容であれば、ポンドに下押し圧力が掛かりやすいと見る。前回会合ではディングラ委員とテイラー委員が利下げを主張していた。今回の会合で利下げを主張する委員が増えていた場合、来年2月と見られている利下げ時期が12月に前倒しされるとの見方が強まりそうだ。
ただ、注意すべきはインフレ見通しだろう。前回9月のMPCでは「消費者物価指数(CPI)は2025年9月に4%でピークに達する見込み」などの見解が示された。万一、インフレの鈍化傾向が確認できるまで金利を据え置く姿勢を示すようならば、早期利下げ観測が後退してポンドが買われる場面もあり得る。
とはいえ、4日にリーブス英財務相が広範な増税を示唆し、英国財政への懸念がくすぶる中ではポンド買いの勢いは一時的かもしれない。なお、リーブス財務相は、26日に秋季予算案を発表する。
要人発言では、コッハー・オーストリア中銀総裁やシュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、デギンドスECB副総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁の講演が予定されている。ユーロドルは今月に入ってからの高安が100pipsに満たないなど小動きだが、金利や経済見通しについての言及があれば動意づく可能性もある。
他方、ノルウェー中銀が金融政策を発表し、こちらも金利据え置き予想がコンセンサス。同中銀は、9月に0.25%利下げを実施。その直後であることや、その際に声明で「今回の現状認識に基づき、やや高めの金利水準が今後必要と見込まれる」「今後急激な利下げは想定しておらず、本日示した予測では今後3年間で年1回程度の利下げが見込まれる」で言及し、早期利下げ観測が後退している。今後の金利見通しに変化がないか確認しておきたい。
想定レンジ上限
・ポンドドル:4日高値1.3145ドル
・ノルウェー・クローネ(NOK)円:10月30・31日に付けた年初来高値15.35円
想定レンジ下限
・ポンドドル:ピボット・ターニングポイント1.2978ドル。割り込むと心理的節目の1.2900ドル
・ノルウェー・クローネ(NOK)円:日足・一目均衡表の雲上限14.84円
ドル円:1ドル=153.88円(前営業日NY終値比▲0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=177.11円(▲0.01円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1509ドル(△0.0017ドル)
日経平均株価:50883.68円(前営業日比△671.41円)
東証株価指数(TOPIX):3313.45(△45.16)
債券先物12月物:135.89円(▲0.21円)
新発10年物国債利回り:1.680%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 1.9% 1.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重い。日経平均株価が1000円超上昇して始まったことで154.14円まで値を上げたが、株価が上げ幅を縮めると上値が重くなった。11時過ぎには一時153.80円まで下押しした。その後は153円台後半を中心とした小動きとなったが、戻りは極めて鈍い。
・ユーロドルは強含み。米長期金利の低下を背景にユーロ買い・ドル売りが強まり、昨日高値の1.1498ドルを上抜けて1.1514ドルまで値を上げた。
・ユーロ円はもみ合い。大幅高の日本株が伸び悩んだことが重しとなったが、ユーロドルの上昇が相殺したため、177円台前半を中心に値持ちの良い動きとなった。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反発。昨日の米国株が堅調に推移したことを好感する形で1000円超の大幅高でスタートした。ただ、一巡後は利益確定売りが目立つなど、やや頭が重くなった。
・債券先物相場は反落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが強まった。ただ、その後は次第に動きが鈍くなった。
中国が12月積みの米国産小麦2船(合計約12万トン)を購入したことが報じられ、これは昨年10月以来約1年ぶりの米小麦輸入とみられている。取引対象は米産ソフトホワイト小麦とスプリング小麦で、最近の米中農産物「トゥルース」合意後の関係改善姿勢がうかがえる。ただ中国は国内生産拡大の影響で穀物全体の輸入量を大きく落としており、2021-22年の年間6000万トンから直近では年間2000万トンに減少している。これらの購入が一時的措置に終わる可能性もあるが、米国産農産物関係での対話継続や市場の反応が注目される。
パウエルFRB議長は、10月29日に政策金利を引き下げた後、「12月会合での利下げは既定路線(foregone conclusion)ではない」と利下げ観測を牽制した。
植田日銀総裁は、10月30日に政策金利を据え置いた後、「12月会合では適切な政策判断する」と利上げ観測を牽制した。
ドル円は、日米金融政策の思惑から、154円台までドル高・円安が進んでいるが、法師が走り回る「師走」に、両者はどこへ向かって走るのだろうか?
1.パウエルFRB議長
パウエルFRB議長は、9月FOMCの後に「リスク管理の一環(risk management cut)としての利下げである」と述べていたが、今回も「12月会合での利下げ決定は既定路線(foregone conclusion)ではない。政策はあらかじめ定められた軌道に乗っているわけではない」と述べ、市場の連続利下げや大幅利下げ観測を牽制したことで、タカ派的な利下げとなった。
ベッセント米財務長官は、年内の再利下げに疑問を示した発言について組織の大幅な見直しが必要なことを示しているとの見解を示した。
「FRBは過去にとらわれており、今年に入ってからのインフレ予測はひどいものだ。FRBのモデルは壊れている」と批判した。
2.植田日銀総裁
植田日銀総裁は、「次回12月の金融政策決定会合に向けて実質金利の低下による日本経済への影響を精査し、適切な政策判断をするつもりだ」と述べた。
植田総裁は、経済・物価が日銀の見通しに沿って推移していることを踏まえ、物価目標が実現する確度が少しずつ高まってきていると表明した。
実質金利の低下に伴う金融緩和度合いが強まっている可能性があり、日本経済への影響を改めて精査すると語った。
利上げを見送ってきた理由は、米関税政策やその影響を巡る不確実性を非常に重視してきたと説明し、日本企業の収益に下押し圧力がかかる下でも、積極的な賃金設定行動が途切れないかどうかをもう少し確認したいとの見解を示した。
片山財務相は、日本銀行が金融政策の現状維持を決めたことを受けて、「景気情勢を勘案した極めてリーズナブルな判断」との見解を示した。そして、「金融政策の手法は日銀に委ねられている」とし、植田和男総裁が適切に状況を見ながら判断していると話した。
10月27日の日米財務相会談に関して、日本政府関係者によると、ベッセント米財務長官は今年9月の日米為替共同声明の合意を守るように片山財務相に念を押したとのことである。片山財務相は「日銀による利上げを促すというようなことではなかったのではないかと思う」と述べたが、関係者は「ベッセント米財務長官の意図を理解していない」と述べていた。
大阪12月限
日経225先物 50860 +330 (+0.65%)
TOPIX先物 3313.5 +35.5 (+1.08%)
日経225先物(12月限)は前日比330円高の5万0860円で取引を終了。寄り付きは5万1260円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1205円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。直後につけた5万1300円を高値に戻り待ち狙いのショートが優勢となり、前場終盤にかけて5万0630円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
売り一巡後はランチタイムで押し目狙いのロングが入る形で切り返し、後場中盤にかけて5万1000円台を回復。ただし、5万1000円近辺での戻り待ち狙いのショートも意識されるなかで一進一退の値動きとなり、終盤にかけて上げ幅を縮めた。
米国市場で主要な株価指数が上昇したことで、東京市場でも前日の大幅下落に対する自律反発となった。しかし、5万1000円からの上値の重さが意識され、ボリンジャーバンドの+1σ(5万0840円)水準での攻防が目立った。同バンドが抵抗線として機能する形になると、押し目狙いのロングを手控えさせそうだ。
買い先行で始まったソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が寄り付き後に乱高下したことが手掛けにくくさせた面もあったが、25日移動平均線を上回って終えている。また、アドバンテスト<6857.T>[東証P]が堅調なほか、「ユニクロ」の10月の国内既存店売上高を発表したファーストリテイリング<9983.T>[東証P]も日経平均株価を支えているため、積極的なショートも仕掛けにくい状況である。
決算が本格化するなかで、明日はフジクラ<5803.T>[東証P]の発表が予定されている。同社も指数インパクトが大きく、AIデータセンター関連として人気化し、株価は最高値圏で推移している。決算発表を前に売り方の買い戻しが強まるようだと、先物市場でもショートカバーを誘う可能性はあろう。
日経225先物は+1σ水準での攻防が続きそうだが、同バンドはナイトセッションで5万0910円辺りに切り上がってきている。+1σ突破から5万1000円処で底堅さをみせてこないと、次第に抵抗線として意識されてくることも考えられ、その場合には25日線を支持線とした4万9000円から5万1000円のレンジに移行することになろう。まずは+1σ突破を待ちたいところである。
NT倍率は先物中心限月で15.34倍に低下した。15.53倍に上昇して始まったが、その後は下げに転じている。+1σ(15.41倍)をキープできなかったことで、NTロングの巻き戻しが意識されやすいと考えられ、目先的には25日線(15.08倍)辺りが射程に入りそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0336枚、ソシエテジェネラル証券が1万1821枚、サスケハナ・ホンコンが3884枚、バークレイズ証券が3406枚、野村証券が2360枚、モルガンMUFG証券が2163枚、ゴールドマン証券が2148枚、JPモルガン証券が1802枚、ビーオブエー証券が1007枚、SBI証券が978枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万7587枚、ソシエテジェネラル証券が2万3987枚、JPモルガン証券が6540枚、バークレイズ証券が6126枚、モルガンMUFG証券が5147枚、ゴールドマン証券が3825枚、ドイツ証券が2727枚、サスケハナ・ホンコンが2708枚、シティグループ証券が2457枚、ビーオブエー証券が2089枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米政府機関閉鎖に関するヘッドラインに警戒しながら、複数のFRB高官の講演やNY債券・株式市場の動向を見極めていくことになる。
10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)は、前年比+175.3%と発表され、前月の同比-25.8%から増えており、雇用情勢の悪化が示された。
これまで発表された10月の雇用指標は9月からの改善が確認されている。
ADP全米雇用報告は前月比+4.2万人(前月-2.9万人)、ISM製造業雇用指数は46(前月45.3)、ISM製造業雇用指数は48.2(前月47.2)だった。
これまでの雇用指標は、パウエルFRB議長の見解「12月会合での追加利下げは既定路線(foregone conclusion)ではない」を裏付けていたが、米企業の人員削減数が増えていたことはマイナス材料となる。
ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、バー米連邦準備理事会(FRB)理事、ハマック米クリーブランド連銀総裁、ウォラーFRB理事の講演では、12月FOMCでの追加利下げに関する見解に注目しておきたい。
米財務省は昨年11月14日に「外国為替報告書」を公表しており、今後の発表には注目しておきたい。
6月に公表された「外国為替報告書」では、「日銀の金融引き締め政策は、日本経済の成長率やインフレ率を含むファンダメンタルズに応じて継続的に進められるべきで、これによりドルに対する円安の正常化や必要とされている両国貿易の構造的再均衡化を後押しすることになる」との言及していた。すなわち、日本銀行の追加利上げを通じて円安修正が進むことを、米国政府が期待していることを示すものであり、先日の日米財務相会談でのベッセント米財務長官による日銀への利上げを促す見解でもある。
米政府機関の閉鎖は本日で37日目となり、トランプ第1次政権で記録した最長記録35日を抜いている。財務省によると経済的な損失は1週間で150億ドルとのことで、これまで750億ドル程度となっている。
本日も米政府機関の閉鎖が解除される可能性に関する報道には注視しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、154.48円(11/4高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、152.96円(11/5安値)
今晩はもみ合いか。昨日は最高裁がトランプ関税に疑念を表明したことで。GM、フォードなどの自動車株や建機のキャタピラーが大幅に上昇したほか、好決算を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイセズが下落後に大きく反発したことでAI関連株もおおむね上昇。ダウ平均が225.76ドル高(+0.48%)と3日ぶりに反発し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.37%高、0.65%高と反発した。
今晩の取引では最高裁がトランプ関税の正当性を支持するとの見方がやや後退したことや、AI関連株のバリュエーションの高さへ懸念がやや和らいだことが引き続き支援材料となることが期待される一方、昨日発表された10月ADP民間部門雇用者数や10月ISM非製造業総合指数(PMI)が予想より強い結果となったことで12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待がやや後退した。政府閉鎖の影響で今晩発表予定の新規失業保険申請件数の発表も延期されるもようで、材料難の中、決算発表をにらんだ神経質な展開となりそうだ。
今晩の米経済指標は10月チャレンジャー企業人員削減数など。予定されていた新規失業保険申請件数、3Q単位労働コスト速報値などは政府閉鎖のため発表が延期されるもよう。企業決算は寄り前にデュポン、エア・プロダクツ、ケンビュー、引け後にエアビーアンドビーなどが発表予定。(執筆:11月6日、14:00)
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ブラジル中銀、3会合連続の金利据え置きで政権の圧力をけん制
長期の据え置きに加えて再利下げにも言及、金融市場は活況を呈するも外部環境には要注意
ブラジル中銀は11月4~5日の金融政策委員会(COPOM)で、政策金利(Selic)を3会合連続で15.00%に据え置いた。同行は7月に利上げ局面を停止したが、インフレ率が依然として目標上限を上回るため、タカ派姿勢を維持した。景気の頭打ちやトランプ米政権が同国に対する相互関税を50%としたため、市場では早期利下げ観測も強まったが、中銀は長期的に金利を維持する方針を示し、利下げ観測をけん制した。
ブラジル経済は内需依存度が高く、対米輸出額も名目GDP比で2%弱に留まるため、相互関税によるマクロ的な影響は限定的とみられる。しかし、鉄鋼やアルミなど一部産業への打撃が懸念され、企業マインドも悪化している。首脳会談を機に米国との関係改善の兆しはあるが、課税問題は依然不透明である。
声明文では、金利据え置きが全会一致であったとした上で、物価安定と完全雇用を両立させる方針を再確認した。世界経済の不確実性や地政学リスクを指摘しつつ、インフレは引き続き目標を上回るとの認識を示した。その上で、政策金利を非常に長期にわたって現行水準を維持するとともに、必要に応じて利上げ再開も辞さない構えをみせるなど、ルラ政権による利下げを要求する圧力をけん制する構えもみせている。
金融市場ではドル高が再燃するも、実質金利が約10%と高水準を維持しており、レアル相場を下支えしている。株式市場も堅調だが、米中関係の変化や商品市況の動向が不確実要因となる可能性がある。
日経平均株価は大幅反発。値動きは限定的となり、5日移動平均線(51266円 11/6)と10日移動平均線(50631円 同)の間で小さな陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日56.2%→65.5%(11/6)に上昇。上向き基調の10日移動平均線上を回復し、前日の動きに対してはしっかりで終えた。
早期に5日移動平均線上を回復することができれば、11月に入ってからの下げが逆に上値に拍車をかける動きにつながることも想定され、目先の動きに注目したい。
一方、5日移動平均線の上昇が一服しており、戻りにもたつくことで10日移動平均線の上昇一服につながる場合、もう一段の下げにつながる展開が予想される。
上値メドは、心理的節目の51000円、5日移動平均線、心理的節目の52000円や52500円、53000円、53500円などが想定される。下値メドは、10日移動平均線、心理的節目の50000円や49000円、25日移動平均線(48802円 同)、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円などがある。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.01円(6日15時時点比▲0.87円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.58円(▲0.53円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1541ドル(△0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:9735.78(前営業日比▲41.30)
ドイツ株式指数(DAX):23734.02(▲315.72)
10年物英国債利回り:4.433%(▲0.030%)
10年物独国債利回り:2.650%(▲0.023%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独鉱工業生産
(前月比) 1.3% ▲3.7%・改
(前年比) ▲1.0% ▲3.6%・改
10月スウェーデン消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.3% 0.0%
(前年比) 0.9% 0.9%
CPIコア指数
(前月比) 0.4% 0.1%
(前年比) 3.1% 3.1%
10月スイス失業率
2.9% 2.8%
ノルウェー中銀、政策金利
4.00%で据え置き 4.00%
10月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
44.1 46.2
9月ユーロ圏小売売上高
(前月比) ▲0.1% ▲0.1%・改
(前年比) 1.0% 1.6%・改
英中銀(BOE)、政策金利
4.00%で据え置き 4.00%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。アジア時間からの流れを引き継いで上値の重い展開となり、NY勢の参入後は下げ幅を拡大した。この日発表された10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)が前月から大きく悪化し、昨日までの米労働市場に対する楽観的な見方が後退。米10年債利回りが4.07%台まで低下するなか、日米金利差縮小を意識した売りに押された。米国株相場がさえない展開となったことでリスク回避目的の売りも進み、昨日安値の152.96円を下抜けて、一時152.83円まで値を下げた。
・ポンドドルは下値が堅い。英中銀金融政策委員会(MPC)は予想通りに政策金利を4.00%で据え置くと発表した。今回の決定が5対4の僅差(4名が0.25%の利下げを主張)だったことが明らかになると、次回以降の利下げ期待から1.3060ドル付近までポンド売りで反応。ただ、年内の追加利下げは想定内との見方もあり、売りの勢いは長続きしなかった。その後は米長期金利の低下を背景に全般ドル売りが強まった流れに沿って、1.3133ドルの高値まで反発した。
・ユーロドルは底堅い。米金利低下を受けたドル売りが進み、一時1.1547ドルまで本日高値を更新した。もっとも、欧米株安によるリスクオフムードも広がるなか、一方的にユーロ買いが進む動きにはなっていない。
・ユーロ円は弱含み。しばらくは177.00円を挟んだもみ合いとなっていたが、ドル円の下落につれて上値が重くなり、2時30分前には176.28円まで下押しした。
・ロンドン株式相場は3営業日ぶりに反落。米国株が割高感を手掛かりに下げた影響もあり、取引終盤になってやや売りの勢いが強まった。ヘルスケア関連株には買いが入った一方、資本財・サービス株が下落し、指数を押し下げた。
・フランクフルト株式相場は反落。他の欧州株と同様に米国株の下げにつれて、終盤に下げ幅を拡大した。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(4.95%安)やSAP(4.39%安)、ドイツ証券取引所(4.14%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債券高につれた。
6日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は671円高の50883円。米国株高を好感して、寄り付きから500円を超える上昇。直近で売り込まれていた大型グロース株に見直し買いが入り、序盤では上げ幅を4桁に広げる場面があった。高く始まったソフトバンクグループ<9984.T>が伸び伸び悩んだことなどから、51200円台に乗せた後は値を消した。一方、50600円付近では改めての買いが入って盛り返した。後場には改めて上を試す動きも見られたが、51000円を上回ったところで買いが一巡。次第に50800円~50900円レベルで値動きが落ち着いた。
東証プライムの売買代金は概算で6兆9000億円。業種別では非鉄金属、機械、証券・商品先物などが上昇した一方、海運、鉄鋼、ゴム製品などが下落した。通期の純利益見通しを引き上げたダイキン工業<6367.T>が急伸。半面、上期の営業利益が計画を下振れた富士急行<9010.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり987/値下がり570。電線大手のフジクラ、住友電工、古河電工がそろって大幅高。アドバンテスト、レーザーテック、ディスコなど半導体株の一角に強い買いが入り、MCSI指数の見直しで新規採用が決まったキオクシアが急伸した。決算が好感されたコニカミノルタやリンナイが2桁の上昇率となり、上方修正や増配を発表した山一電機がストップ高。韓国NAVER社との資本業務提携を発表したnoteがストップ高となった。
一方、サンリオは上方修正が好感されず13.8%安。半導体株は濃淡あり、ソシオネクストやSCREENは大きめの下落となった。上期決算が嫌気されたスズキが2%を超える下落。決算を材料にニチコンやBIPROGYが2桁の下落率となり、日本板硝子がストップ安となった。
日経平均は3日ぶり反発。欲を言えば4桁高が見たかったが、高値51248円を9時05分と早い時間につけ、前日大きく下げたソフトバンクグループや東京エレクトロンの動きが案外であった割には大きめの上昇となった。終値(50883円)では寄り付き(50792円)を上回って陽線を形成しており、買い意欲の強さは感じられた。5日線(51266円、6日時点、以下同じ)近辺で買いが一巡しただけに、同水準を早々に超えられるか、それとも抵抗となってしまうかが目先の注目点となる。抵抗となった場合には25日線(48802円)辺りまで下を見に行く可能性はある。きょうの大幅高で過度な警戒はひとまず後退したと考えられるだけに、週末売りに押されることなくさらに戻りを試しにいく展開に期待したい。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.06円(前営業日比▲1.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=176.75円(▲0.37円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1547ドル(△0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:46912.30ドル(▲398.70ドル)
ナスダック総合株価指数:23053.99(▲445.81)
10年物米国債利回り:4.08%(▲0.08%)
WTI原油先物12月限:1バレル=59.43ドル(▲0.17ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3991.0ドル(▲1.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
(前年比) 175.3% ▲25.8%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。この日発表された10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)が前月から大きく悪化し、昨日までの米労働市場に対する楽観的な見方が後退。米10年債利回りが4.07%台まで低下するなか、日米金利差縮小を意識した売りに押された。米国株相場がさえない展開となったことでリスク回避目的の売りも進み、昨日安値の152.96円を下抜けて一時152.83円まで値を下げた。もっとも、その後は米長期金利の低下が一服したこともあり、153.10円台までやや下げ渋った。
・ユーロドルは続伸。米長期金利の低下を背景に全般ドル売りが強まった流れに沿って、一時1.1552ドルまで上値を伸ばした。
・ユーロ円は反落。欧米株安やドル円の下げにつれて2時30分前には176.28円まで下押しした。ただ、売りが一巡するとドル円の下げ渋りやユーロドルのじり高などに伴い、176.80円台まで下値を切り上げる場面もあった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。この日発表された10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)が前月から悪化し、米景気の先行き不透明感を意識した売りが出た。また、ハイテク株の割高感が改めて意識されていることも相場の重し。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。この日発表の民間雇用データで米労働市場への懸念が高まると、安全資産とされる債券需要が意識された。
・原油先物相場は小幅に3日続落。ロシア国内2位の石油大手ルクオイルが、欧米の対ロ制裁により海外事業で苦境に陥っているとの報道も手がかりに供給混乱が懸念され、買いが先行した。ただ、10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)が前月から大幅に悪化し、労働市場の弱さが示され、米経済の先行き懸念で売りに押された。
・金先物相場は小反落。この日発表された米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)が10月としては約22年ぶりの高水準となり、雇用悪化への懸念が再燃。米長期金利が低下し、為替相場ではドル売りが優勢となったことで、金は買いが先行した。ただ、上昇局面では利食い売りに押され、小反落して取引を終えた。
東海東京インテリジェンス・ラボでは為替リポートの中で、通貨オプション市場において、ドル円のボラティリティ(予想変動率)が急低下してきたことを指摘している。リスクセンチメントの改善が進む中、円キャリートレードの復活も予想されるとしている。円キャリーが進むと投機筋は大きく円ショート(売り持ち)に傾斜すると予想されるだけに、一段と円安圧力が強まる流れには警戒したいと東海東京ではコメントしている。
SMBC日興証券ではテクニカルリポートの中で、暗号資産や日経平均などのリスク資産が頭打ちとなり、反落が拡大し始めていることについて取り上げている。日経平均は10月31日の52411円(終値)で当面の天井を打った可能性が高まったとみており、テクニカル的には47750円を下回ると43590~43260円処まで押し戻される可能性もあると指摘している。SMBC日興では、この動きについては長期的な上昇トレンドの中における短期的な反動安と捉えているが、買い急ぐことは避けたいとコメントしている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、10月20日に史上最高値4398ドルをつけた後、軟調に推移している金価格についてリポートしている。足元で大幅に下落した理由としては、これまで高水準で金ETFに流入していた資金が逆流したことを挙げており、米中対立懸念の後退がETF需要を縮小させたとみている。東海東京では、金需要縮小の受け皿になるのは、新興国を中心とする中央銀行と考えている。4月から8月下旬に金価格がボックス圏で推移していた期間では、50日移動平均線(11月4日時点では3869.94ドル)を下回った場面で中央銀行と見られる買いが頻繁に入ったとされているとコメント。同水準が中央銀行の需要動向を知る上で一つの試金石になると考えている。
6日18:00 ノルウェー中銀(ノルゲバンク)声明
「引き続き金融政策の引き締めが必要と判断」
「政策金利をあまり急速に下げるとインフレが目標を超えて長く続くリスクがあり、一方で過度に引き締めすぎると経済を必要以上に抑制する恐れ」
「今後の金利経路は経済状況次第で変わる」
「インフレが予想より長く高止まりする場合はより高い金利水準の維持が必要となる可能性」
「労働市場の状況が予想以上に弱まる場合は、金利がより速く引き下げられる可能性」
6日21:00 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
「MPCは5人が据え置きを支持、4人が0.25%引き下げを主張」
「ブリーデン副総裁、ディングラ委員、ラムスデン副総裁、テイラー委員が利下げを主張」
「市場金利を基にした予測で、1年後の消費者物価指数(CPI)が2.5%になると見込む」
「政策金利は段階的に引き下げる見通し」
「2025年第3四半期のGDP見通しを+0.4%から+0.2%に下方修正」
「CPIが2%に戻ることを確信するにはさらなる証拠が必要」
「政策金利の制約度合いは銀行金利の引き下げにより低下」
「今後の利下げ幅はインフレ見通しの変化次第」
6日21:09 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「現在の金利水準に満足しており、インフレ率が目標の2%を下回っても、一時的だと考えられる」
6日21:34 ベイリーBOE総裁
「基調的インフレ率は下落傾向にあるが、依然として不透明」
「インフレリスクは均衡しつつある」
「政策金利は緩やかな低下傾向にある」
「サービスのインフレ率はここ数カ月で鈍化した」
「賃金の伸び率は2026年に向けて鈍化すると見込む」
「3.8%に上昇した9月のインフレ率がピークと見なされる」
6日22:58 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレデータがない中での利下げに不安を感じる」
「インフレに関する情報は非常に少なく、問題が顕在化するにはしばらく時間がかかるだろう」
「金利の落ち着く地点は現在の水準よりかなり低い水準になるだろう」
7日01:55 バー米連邦準備理事会(FRB)理事
「インフレに関しては進展が見られるものの、依然として取り組むべき課題は残っている」
「雇用市場の堅調さを確保するために注力する必要がある」
7日04:09 メキシコ中銀声明
「利下げは4対1で決定。ヒース副総裁が金利据え置きを主張」
「利下げサイクルを継続することが適切であると判断」
「今後も理事会は金利の引き下げを検討する予定」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 9月家計調査(消費支出、予想:前年比2.5%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○06:20 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、インタビューに応対
○06:30 ◎ ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○07:30 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○08:20 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○未定 ◎ 10月中国貿易収支(予想:956.0億ドルの黒字)
○16:00 ◇ 9月独貿易収支(予想:168億ユーロの黒字)
○16:45 ◇ 9月仏貿易収支
○16:45 ◇ 9月仏経常収支
○17:00 ◇ 10月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲35.0)
○17:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○21:00 ◎ 10月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.56%)
○21:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○21:00 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○22:20 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:30 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:30 ☆ 10月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化▲0.25万人/失業率7.1%)
○24:00 ◎ 11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:53.2)
○8日00:15 ◎ ピル英金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○8日05:00 ◇ 9月米消費者信用残高(予想:100.0億ドル)
○8日05:00 ◎ ミランFRB理事、講演
○9日10:30 ◎ 10月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比横ばい)
○9日10:30 ◎ 10月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲2.2%)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、10月米企業の人員削減数が前月から大きく悪化し、米10年債利回りが4.07%台まで低下するなか、日米金利差縮小を意識した売りに押された。米国株相場がさえない展開となったことでリスク回避目的顕在化の売りも進み一時152.83円まで値を下げた。ユーロドルは米長期金利の低下を背景に、全般ドル売りが強まった流れに沿って1.1552ドルまで上値を伸ばした。
本日の東京時間でのドル円は、日本の積極財政に対する円売り地合いは根強いものの、今週に入り154円台で上値の重さを確認していることでレンジ取引になるか。ただ、昨日はハイテク株を中心に下落した米株の余波で、本邦株式市場も大幅安になれば下押し幅が拡大する展開も十分に考えられる。さらに上値を追いかけるにはドル買いか、円売りかの新たなニュース等が出ない場合は難しくなりそうだ。
本邦の臨時国会では、本日から来週11日までの間に衆院予算委員会が予定されている。ガソリン暫定税率の廃止は与野党間で大筋合意しているが、他の経済政策や財源などについての財政政策、米国からの利上げ圧力が高まる中での金融政策、また円安が進行していることで輸入インフレが懸念される為替政策などについて、市場が想定していないような回答が出てきた場合は相場を動意づけるかもしれず、警戒しておきたい。
高市政権の方針を見る限りでは、補正予算が石破政権の13.9兆円を超える大規模予算になることが濃厚で、財政不安による円安が進みやすい。ただ、円安に対する負の側面も徐々に目を向けていく必要がある。
高市政権の積極財政を支える議員連盟の講師には、黒田前日銀総裁と岩田元日銀副総裁の名が連ねている。黒田氏は先月末に「ドル円は120円から130円前後に向けた円高進行と見込む」と発言。岩田氏は、ドル円がまだ二桁だった2013年当時から円安進行の負の側面を指摘していた。アベノミクス時は円高で、日本は現在のインフレとは違いデフレで苦しんでいたなど状況が全く異なる。サナエノミクスがアベノミクスと同じ円安進行となった場合は国難となることで、日銀正副総裁を務めた両氏などが歯止め役を担う可能性もある。
また、米財務省が日銀の利上げを望み、貿易赤字解消のために過度なドル高を望んでいないことも警戒したい。米最高裁でのトランプ関税の審理で保守派からも関税の正当性を糾弾されている。違憲となった場合は、一部株式が大幅高になり、株高・ドル円上昇を期待する声もあるが、トランプ政権が貿易不均衡解消のために日本や中国の通貨に対するのドル高是正を求めることもあるだろう。今月は、昨年は11月14日に発表された米国の為替報告書が近く発表される見通しであり、円安を促すような文言が記載されているリスクにも注意しておきたい。
なお、過去最長となる米政府機関の閉鎖の影響で、ニューヨーク市、シカゴ、アトランタなどの主要ハブ空港を含む40空港で航空交通を10%削減すると発表された。今週発表された米経済指標の結果はまちまちだが、今後は政府機関の閉鎖の悪影響が、より指標に顕在化する可能性もドルの重しになりそうだ。
本日は本邦から全世帯家計調査や消費支出、対外対内証券投資等が発表予定。しかし、昨日発表された毎月勤労統計調査の実質賃金が9カ月連続でマイナスを記録したものの、円の反応が鈍かったことを考えると、本日の経済指標で市場が動意づくことを期待するのは難しそうだ。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は398ドル安の46912ドルで取引を終えた。民間企業が発表した雇用データが悪化したことを警戒して、リスク回避姿勢が強まる展開。エヌビディアが3%を超える下落となるなどグロース株が下げを先導した。ドル円は足元153円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが640円安の50220円、ドル建てが570円安の50290円で取引を終えた。
米国株安を受けて売りに押されると予想する。指数寄与度の大きい大型グロース株にネガティブな影響が想定される。米国の長期金利が低下しており、為替が円高(ドル安)に振れていることも日本株には逆風となる。今週に入って世界的にAI関連の株価に上昇一服感が出てきているだけに、週末を前に利益確定売りが急がれ、下押し圧力の強い地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは49800-50600円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 50200 -660 (-1.29%)
TOPIX先物 3293.5 -20.0 (-0.60%)
シカゴ日経平均先物 50220 -640
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦政府の一部閉鎖による影響で政府統計の発表が見送られるなか、民間調査会社による10月の米企業の人員削減数が前月から大きく悪化したことが嫌気された。これまで相場を牽引してきた半導体や人工知能(AI)関連株への割高感は根強く、持ち高調整の売りが広がった。フィラデルフィア半導体(SOX)指数は2.3%安となり、前日のリバウンド部分を打ち消している。
NYダウ構成銘柄では、IBM<IBM>、メルク<MRK>、コカ・コーラ<KO>、JPモルガン・チェース<JPM>が買われた。一方で、セールスフォース<CRM>、エヌビディア<NVDA>、マクドナルド<MCD>、マイクロソフト<MSFT>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比640円安の5万0220円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比110円安の5万0750円で始まった。5万0540円まで売られた後はロング優勢の流れからプラス圏を回復し、5万1040円まで買われる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後に軟化すると、中盤にかけて5万0040円まで売られた。終盤にかけて押し目待ち狙いのロングが入るものの戻りは鈍く、5万0200円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションで5万1000円を回復する場面もみられたが、ボリンジャーバンドの+1σ(5万0870円)をキープできず、同バンドに上値を抑えられる形になった。5万0040円と5万円の大台に接近する動きをみせており、大台割れを狙ったショートが強まりやすいだろう。
そのため、+1σと中心値となる25日移動平均線(4万9080円)とのレンジが意識されやすく、オプション権利行使価格の4万9000円から5万0500万円での推移を想定。5万0500円辺りでの底堅さがみられる局面では+1σに接近する可能性はありそうだが、戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況と考えられ、リバウンド狙いのロングを手控えさせそうだ。
週足では+1σと+2σとのレンジを継続しているが、今週は週初に5万2700円まで買われて+2σ(5万2180円)を突破した。ただし、その後の急落によって+1σ(4万9100円)が射程に入ってきている。もっとも、4万9000円辺りまでの調整をみせたとしても、これまでの+1σと+2σとのレンジ推移は継続する。5万円割れで調整一巡感が意識されてくる可能性もあるため、押し目狙いのロングが入りやすくなることも考えられる。
6日の米VIX指数は19.50(5日は18.01)に上昇した。一時20.31まで切り上がる場面もみられ、その後は上げ幅を縮めたものの、200日線(19.41)を上回って終えている。同線が抵抗線として機能する可能性はありそうだが、終値で20.00を上回ってくるようだと、神経質にさせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.34倍に低下した。15.53倍に上昇して始まったが、その後は下げに転じている。+1σ(15.41倍)をキープできなかったことで、NTロングを巻き戻す動きが意識されやすいと考えられ、米ハイテク株安の影響もあり、目先的には25日線(15.08倍)辺りが射程に入るだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比1020円安の4万9840円(-2.00%)前後で推移。寄り付きは5万0230円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万0220円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。直後につけた5万0460円を高値に戻り待ち狙いのショートが優勢となるなかで、中盤にかけて5万円の大台を割り込み、終盤にかけて4万9800円まで下げ幅を広げている。
米国市場でハイテク株を中心に売られた影響もあり、東京市場においても指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]の下げの影響が大きく、2銘柄で日経平均株価を800円超押し下げる形になった。
先物市場ではショートを仕掛けやすくさせており、5万円割れから下へのバイアスが強まっている。ボリンジャーバンドの+1σ(5万0850円)から下放れるなかで5万円の大台を下回ったことで、目先的には25日移動平均線(4万9060円)辺りがターゲットとして意識されよう。
NT倍率は先物中心限月で15.22倍に低下した。一時15.18倍まで下げてきており、25日線(15.11倍)が射程に入っている。同線までの調整でいったんリバランスが意識されそうだが、一方で25日線を明確に下回ってくるようだと、NTロングを巻き戻す動きが強まりそうだ。
昨日の海外市場では、米長期金利が再び低下。全般ドル売りの流れとなるなか、ドル円も前日の安値152.96円を下抜けて一時152.83円まで値を下げることになりました。ただ、引けにかけては153.16円まで買い戻されるなど、安値圏での神経質な動きとなってNY市場を引けました。
週末のアジア市場では、早朝に米系短期が売り仕掛けたようですが、昨日安値の152.83円を1銭だけ下抜けた152.82円で下げ止まると、その後は本邦実需の買いが断続的に観測されるなか153.31円まで買い戻されました。日経平均が4桁の下落となったこともあり再び152.96円まで下押す場面もみられましたが、ランチタイムには153.18円まで買い戻されるなど、神経質な動きが繰り返されています。
本日から衆参両院で予算委員会が始まっているわけですが、昨日もお伝えした通り、市場では期待感だけが先行していた高市トレードの中身を吟味することになっているわけで、責任ある積極財政を目指す保守連立政権の誕生といった、大きなテーマを確認しながら、方向性ある相場を取りにいく動きが続いています。
本日のロンドン為替市場では、昨日の米雇用データ悪化を背景に進んだリスク回避の動きが継続するかを見極めたい。6日のNY朝に発表された10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)が、この月としては2003年以来の高水準を記録した。これを受け、一昨日までの労働市場に対する楽観的な見方が急速に後退している。米政府機関の一部閉鎖により、市場が重要視する米雇用統計も発表されないため、昨日からのセンチメントは反転しにくいだろう。
本日の欧州午後には、ナーゲル独連銀総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁、またエルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演が予定されている。ただし、これらよりも市場の注目を集めるのは、欧州前半にフランクフルトのECBカンファレンスで行われるウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の講演。
ドイツの大学イベントに参加したNY連銀総裁は昨日、米連邦準備理事会(FRB)が独立性を維持していることを強調。同総裁は、短期的な政治的圧力に屈することなくインフレを抑制できるとの考えを示した。先月前半にウィリアムズ氏は、FRBの緩和姿勢を支持しつつも、「雇用減速に注意が必要」とも述べている。大企業を中心に人員削減のニュースが目立っており、米連邦公開市場委員会(FOMC)の重要メンバーであるNY連銀総裁の見解が注視される。
ロンドン市場の終盤には、英中銀のチーフエコノミストでもあるピル金融政策委員会(MPC)委員の講演が予定されている。昨日は英中銀が政策金利を4.00%で据え置いたことを発表。据え置きは予想通りだったが、MPC委員9人中の4人が25ベーシスポイントの利下げを主張した。次回12月会合に対する利下げ観測が高まるなか、金利引き下げに慎重な姿勢を示し続けているピルMPC委員の見解は市場の関心を集めそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1614ドル
・ポンドドル、10月30日高値1.3219ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、5日安値1.1469ドル
・ポンドドル、4・5日安値1.3010ドル
ドル円:1ドル=153.35円(前営業日NY終値比△0.29円)
ユーロ円:1ユーロ=176.88円(△0.13円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1534ドル(▲0.0013ドル)
日経平均株価:50276.37円(前営業日比▲607.31円)
東証株価指数(TOPIX):3298.85(▲14.60)
債券先物12月物:135.86円(▲0.03円)
新発10年物国債利回り:1.680%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月家計調査(消費支出)
前年同月比 1.8% 2.3%
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
3544億円の処分超 3546億円の処分超・改
対内株式
6901億円の取得超 1兆3453億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。昨日からの弱い地合いを引き継いで売りが先行すると、昨日安値の152.83円を下抜けて152.82円まで値を下げた。ただ、本邦実需勢から買いが観測されたほか、時間外の米10年債利回りが上昇したことで下げ渋り。一時は1200円超下落していた日経平均株価が引けにかけて560円超安まで下げ幅を縮めたことも支えに153.50円まで持ち直した。
・ユーロ円も下値が堅い。ドル円と同様の展開となり、朝方に176.51円まで下落したものの、午後には日本株の下げ幅縮小を受けて177.03円まで切り返した。
・ユーロドルはじり安。昨日上昇した反動が出たうえ、米長期金利の上昇が重しとなり、一時1.1530ドルまで売りに押されている。
・日経平均株価は反落。昨日の米国株が下落した流れを引き継いで売りが先行。ソフトバンクなど値嵩株の下落が目立った。ただ、一巡後は押し目買いが入ったため引けにかけて下げ幅を縮めた。
・債券先物相場は続落。昨日の米国債券相場が上昇した流れから136.07円まで買いが先行したが、一巡後は週末を前に持ち高調整の売りに押された。
「現時点で市場が織り込む金利見通しは合理的で妥当だと思う」(ベイリーBOE総裁)
11月6日、イングランド銀行金融政策委員会(MPC)は、5対4で政策金利4.00%の据え置きを決定した。0.25%の利下げを主張したのは、ハト派のブリーデン副総裁、ディングラ委員、ラムスデン副総裁、テイラー委員だった。
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
■政策金利:4.00%に据え置き
・据え置き支持:5名
(ベイリー総裁、ロンバルデリ副総裁、ピル委員、グリーン委員、マン委員)
・0.25%の利下げ支持:4名
(ブリーデン副総裁、ディングラ委員、ラムスデン副総裁、テイラー委員)
■ガイダンス
・新規:金利は今後も緩やかな低下傾向を続ける可能性が高い
・削除:追加利下げに慎重なアプローチを取る
■金融政策報告書
「インフレ持続によるリスクは以前ほど顕著ではなくなり、中期的なインフレに対しては需要後退が及ぼすリスクの方が明瞭になった。全体としてリスクはより均衡した」
2.MPC議事要旨
「市場金利を基にした予測で、1年後の消費者物価指数(CPI)が2.5%になると見込む」
「政策金利は段階的に引き下げる見通し」
「2025年第3四半期のGDP見通しを+0.4%から+0.2%に下方修正」
「CPIが2%に戻ることを確信するにはさらなる証拠が必要」
「政策金利の制約度合いは銀行金利の引き下げにより低下」
「今後の利下げ幅はインフレ見通しの変化次第」
3.ベイリーBOE総裁
「インフレに対するリスクが最近は低下し、より均衡した状態になっている」
「MPCは依然として金利が緩やかに低下していくとみているが、再び利下げを行う前に、インフレ率が2%の目標に戻る軌道にあることを確認する必要がある」
「利下げを行うたびに、どこまで下げるのかの判断はいっそう微妙になる」
「現時点で市場が織り込む金利見通しは合理的で妥当だと思う。市場の金利見通しは、常にそうであるわけではない」
トランプ米大統領は、ホワイトハウスで行われた中央アジア5カ国(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン)の首脳との会議で、「重要鉱物」を最大の重点課題として位置づけ、米国の供給網多様化と中国依存の軽減を目指す方針を強調した。中央アジアの鉱物資源はウラン、銅、金、レアアースなどが豊富で、同地域の資源確保に向けた新たなパートナーシップ構築を進める意向を示した。具体的には、カザフスタンの未開発のタンタル鉱山に米国企業が70%出資する契約が発表され、米国政府も大規模な資金支援を計画。地域の鉱物資源をめぐる米中の競争激化の中、米国は地政学的ライバルを回避する陸上交易ルートの開拓も狙っている。今回の会議は、中央アジアでの米国の影響力強化を象徴し、新たな経済安保戦略の一環となっている。
大阪12月限
日経225先物 50310 -550 (-1.08%)
TOPIX先物 3294.0 -19.5 (-0.58%)
日経225先物(12月限)は前日比550円安の5万0310円で取引を終了。寄り付きは5万0230円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万0220円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。直後につけた5万0460円を高値に戻り待ち狙いのショートが優勢となり、前場中盤にかけて5万円の大台を割り込み、後場の取引開始後に4万9680円まで下げ幅を広げた。その後は押し目狙いのロングが入り、中盤にかけて5万円の大台を回復。終盤にかけて5万0300円台まで下げ幅を縮めた。
米国市場でハイテク株を中心に売られた影響もあり、東京市場でも指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]の下げの影響が大きく、2銘柄で日経平均株価を600円超押し下げる形となった。
指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下落により、先物市場ではショートを仕掛けやすくさせ、5万円割れから下へのバイアスが強まっていた。ボリンジャーバンドの+1σ(5万0880円)から下放れて5万円の大台を下回ったことで、目先的には同バンドと25日移動平均線(4万9080円)によるレンジが意識されよう。
また、これまで上向きで推移していたバンドが、今週の下落によって収斂してきている。早い段階で+1σを突破できないと、25日線割れから-1σ(4万7680円)が射程に入ってくる可能性がある。
週足については、上向きで推移する+1σ(4万9120円)と+2σ(5万2210円)によるレンジを継続している。ただ、来週は+1σが4万9760円、+2σは5万2950円に切り上がってくる。再び5万円に接近する局面では+1σ割れを狙ったショートを誘う動きが入りやすいだろう。
まずは、オプション権利行使価格の5万円から5万2000円辺りのレンジを想定。早い段階で5万0500円処を回復できないと、5万円から5万0500円での推移になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.27倍に低下した。一時15.16倍まで下げてきており、25日線(15.12倍)が射程に入っている。同線までの調整でいったんリバランスが意識されそうだが、一方で25日線を明確に下回ってくると、NTロングの巻き戻しが強まりそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万7360枚、ソシエテジェネラル証券が1万8285枚、サスケハナ・ホンコンが4682枚、SBI証券が3352枚、モルガンMUFG証券が3212枚、バークレイズ証券が2803枚、JPモルガン証券が2701枚、ゴールドマン証券が2198枚、野村証券が1947枚、みずほ証券が1588枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万4703枚、ソシエテジェネラル証券が1万8102枚、バークレイズ証券が5555枚、JPモルガン証券が4787枚、モルガンMUFG証券が3532枚、ゴールドマン証券が3363枚、サスケハナ・ホンコンが2774枚、SMBC日興証券が1680枚、ビーオブエー証券が1592枚、シティグループ証券が1189枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米政府機関閉鎖に関するヘッドラインに警戒しながら、11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)での1年先の予想インフレ率や複数のFRB高官の講演で12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策を見極めていくことになる。
パウエルFRB議長のFOMC後の発言「12月会合での追加利下げは既定路線(foregone conclusion)ではない」に対して、ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長やミランFRB理事の見解に注目することになる。
インフレ指標として、11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)での1年先の予想インフレ率が10月の4.6%から上振れているのか否かに注目しておきたい。
また10月の雇用指標は、以下の通りやや改善の兆しがみられるものの、労働省からの雇用統計や失業保険受給者数などの発表がないことで、予断を許さない状況が続いている。
【10月】 【9月】
・米企業の人員削減数:15万3074件 5万4064件
・ADP全米雇用報告:+4.2万人 -2.9万人
・ISM製造業雇用指数:46.0 45.3
・ISM製造業雇用指数:48.2 47.2
米財務省は昨年11月14日に「外国為替報告書」を公表しており、そろそろ発表される可能性があるため警戒しておきたい。
6月に公表された「外国為替報告書」では、「日銀の金融引き締め政策は、日本経済の成長率やインフレ率を含むファンダメンタルズに応じて継続的に進められるべきで、これによりドルに対する円安の正常化や必要とされている両国貿易の構造的再均衡化を後押しすることになる」との言及していた。すなわち、日本銀行の追加利上げを通じて円安修正が進むことを、米国政府が期待していることを示すものであり、先日の日米財務相会談でのベッセント米財務長官による日銀への利上げを促す見解でもある。
また、トランプ関税が米最高裁で違憲と判断された場合、貿易赤字削減の手段がドル安誘導に傾斜する可能性にも警戒しておきたい。
米政府機関の閉鎖は本日で38日目となり、トランプ第1次政権で記録した最長記録35日を更新中だが、依然として収束の目処が立っていない模様で、本日も米政府機関の閉鎖が解除される可能性に関する報道には警戒しておきたい。
10月カナダ雇用統計の予想は新規雇用者数変化が▲0.25万人、失業率が7.1%となっており、米国との貿易摩擦の影響を見極めることになる。
カナダ中銀(BOC)は先日の会合で市場予想通りに政策金利を0.25%引き下げて2.25%とし、声明では、成長見通しを下方修正し、経済の先行きに慎重な姿勢を示したものの、「政策金利は概ね適切な水準にある」として市場の追加緩和観測を牽制している。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、154.48円(11/4高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、152.16円(10/30安値)
今晩は底堅い展開か。昨日はバリュエーションの高さが懸念されているAI関連株が再び下落したことや、10月チャレンジャー企業人員削減数が9月から約3倍に増加し労働市場の悪化懸念が強まったことでセンチメントが悪化。ダウ平均が398.7ドル安(-0.84%)、S&P500が1.12%安、ナスダック総合が1.90%安と主要3指数がそろって反落した。米10年債利回りが前日の4.157%から4.085%に低下したものの、株式には売りが強まった。週初来ではダウ平均が1.37%安、S&P500が1.75%安、ナスダック総合が2.83%安とそろって4週ぶりの反落ペースとなった。
今晩は週末の取引となることで大きく下落したAI関連株に買い戻しの動きが期待され、ハイテク株を中心に底堅い展開か。昨日の10月チャレンジャー企業人員削減数の大幅悪化を受けた米10年債利回りの低下や12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待の高まりも米株の支援となることが期待される。予定された10月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)は政府閉鎖の影響で発表が延期される見通しだが、11月ミシガン大消費者信頼感指数速報値や同1年先・5年先期待インフレ率速報値が発表予定で、足もとの消費者の景況感やインフレ見通しにも要注目となる。
今晩の米経済指標は11月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値速報値、9月消費者信用残高など。予定されていた10月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)などは政府閉鎖のため発表が延期されるもよう。要人発言ではミラン米連邦準備理事会(FRB)の講演が予定されている。企業決算は寄り前にモンスタービバレッジ、デューク・エナジー、コンステレーション・エナジーなどが発表予定。(執筆:11月7日、14:00)
第一生命経済研究所では、民間企業の2025年冬のボーナス一人当たり支給額(毎月勤労統計ベース)を前年比+2.6%と予想している。冬のボーナスとしては5年連続の増加を見込んでいる。実質賃金は足元まで9カ月連続で減少となっているが、冬のボーナス増や物価の鈍化を背景に、25年12月以降はゼロ近傍まで持ち直す可能性があるとみている。ただし、それでもようやく下げ止まる程度に過ぎないだけに、個人消費の押し上げについて過度な期待は禁物と考えている。
日経平均株価は大幅反落。安く始まり、場中は下を試しにいった。ただ、深押ししたところでは押し目買いが入り、ローソク足では陰線ながら下に長いヒゲをつけた。
RSI(9日)は前日65.5%→56.8%(11/7)に低下。5日移動平均線(51056円 11/7)が抵抗となる中、10日移動平均線(50794円 同)を下回った。一方、一時4桁の下落となりながらも、25日移動平均線(49031円 同)は割り込まなかった。25日移動平均線より上で値を固めることができるかが目先の焦点となる。
上値メドは、10日移動平均線、心理的節目の51000円、5日移動平均線、心理的節目の52000円や52500円などが想定される。下値メドは、心理的節目の50000円、25日移動平均線、心理的節目の49000円、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円などがある。
大和証券では、2026年末にかけての主要マーケットの想定を新たに提示している。日経平均に関しては2026年末に6万円を予想しており、日米ともに株価は堅調な上昇基調を維持すると見込んでいる。ドル円は円安の継続を想定。2026年末想定は145円程度も、円安修正の可能性も視野に入れるとしている。26年相場を強気に見る主因には、米国での景気軟着陸期待の高まりを挙げている。26年末にかけては、日銀の緩やかな利上げとFRBの利下げ基調が継続すると想定している。
(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.09円(7日15時時点比▲0.26円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.29円(△0.41円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1580ドル(△0.0046ドル)
FTSE100種総合株価指数:9682.57(前営業日比▲53.21)
ドイツ株式指数(DAX):23569.96(▲164.06)
10年物英国債利回り:4.466%(△0.033%)
10年物独国債利回り:2.666%(△0.016%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独貿易収支
153億ユーロの黒字 169億ユーロの黒字・改
9月仏貿易収支
65.76億ユーロの赤字 51.86億ユーロの赤字・改
9月仏経常収支
16億ユーロの赤字 14億ユーロの黒字・改
10月スイスSECO消費者信頼感指数
▲36.9 ▲36.5
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日本時間の夕刻に153.54円まで上昇する場面があったが、世界的に株安基調が続く中で買いの勢いは長続きしなかった。その後は153円台前半での神経質な展開に。NY時間に入って米10年債利回りが4.11%台まで上昇した場面では153.48円付近まで買い戻しが入ったが、11月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が約3年半ぶりの低水準に落ち込んだことが明らかになると、米10年債利回りの4.06%台への低下とともに153.02円近辺まで押し戻された。
・ユーロドルは強含み。欧州勢の参入後は徐々に下値を切り上げる展開となり、さえない米指標を手掛かりにドル売りの反応が見られた場面では一時1.1591ドルと10月30日以来の高値を更新した。
・ユーロ円も強含み。ユーロドルの上昇を支えに円売り・ユーロ買いが進んだ。NY時間に一時ドル円が反発した場面ではつれて177.61円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は続落。世界的な株安基調に沿ったほか、英予算案を巡る不透明感も投資家心理を冷やした。アングロ・アメリカンなどの素材株が軒並み安となったほか、金融株も幅広く売りに押された。
・フランクフルト株式相場は続落。他の欧州株や米国株の下げにつれた。個別ではザランド(7.87%安)やスカウト24(4.89%安)、インフィニオンテクノロジーズ(3.52%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。
(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.42円(前営業日比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.44円(△0.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1566ドル(△0.0019ドル)
ダウ工業株30種平均:46987.10ドル(△74.80ドル)
ナスダック総合株価指数:23004.54(▲49.45)
10年物米国債利回り:4.10%(△0.02%)
WTI原油先物12月限:1バレル=59.75ドル(△0.32ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4009.8ドル(△18.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
50.3 53.6
9月米消費者信用残高
130.9億ドル 31.3億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。NY時間に入って米10年債利回りが4.11%台まで上昇すると、153.48円付近まで買いが先行。その後は11月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が約3年半ぶりの低水準に落ち込み、米10年債利回りが4.06%台まで低下した影響で153.02円付近まで弱含んだが、153.00円手前で下値の堅さを確認すると再び買い戻しが入った。
米上院民主党は政府機関の再開を巡る交渉で、医療保険制度(オバマケア)への補助金の1年延長を提案。政府機関の閉鎖解消に向けた期待が高まるとドル買いで反応し、一時153.59円まで本日高値を更新した。ただ、関係者筋の話として「米共和党はこの提案を拒否した」との報道が伝わったため、引けにかけては買いも一服となった。
・ユーロドルは3日続伸。欧州時間からの買いの流れを引き継いだ。さえない米指標を手掛かりにドル売りの反応が見られた場面では一時1.1591ドルと10月30日以来の高値を更新。もっとも、その後は週末を控えた持ち高調整の売りが進み、1.15ドル台半ばまで上値を切り下げた。
・ユーロ円は反発。ドル円の上昇につれて23時30分前には177.61円まで本日高値を更新。その後も177円台半ばの高値圏で底堅く推移した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。人工知能(AI)関連銘柄の割高感が意識されたことで売りが先行した。ただ、米民主党が政府のつなぎ予算成立に向けて歩み寄りを提案したと伝わると買い戻しが入り、プラス圏に浮上した。一方で、この提案は米共和党が拒否したとの報道も伝わっている。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。11月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が約3年半ぶりの水準まで落ち込んだことを受けて債券買いが先行。もっとも、その後は米政府機関の閉鎖解除に向けた期待から戻り売りに押された。
・原油先物相場は4営業日ぶりに反発。前日まで3日続落した反動で持ち高調整の買いが入った。ただ、世界的な石油供給過剰懸念が根強い中、米政府機関の一部閉鎖に伴う管制官不足で米国内40カ所の空港で航空交通量を10%減らす方針が示されたことも重しに上値は限られた。
・金先物相場は反発。米株のさえない動きや、予想比下振れの11月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値の結果を受けて米長期金利が低下し、為替相場ではドル安が進んだことを手掛かりに金は買いが優勢となった。
中国の税関総署が7日発表した2025年10月の米ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比1.1%減となり、市場予想(3.0%増)に反して前年同月割れとなった。9月は8.3%増だった。輸入は1.0%増で、市場予想の3.2%増を下回った。9月は7.4%増だった。貿易黒字は900億700万米ドルと市場予想の956億米ドルを下回った。
人民元建てでは、輸出が0.8%減、輸入が1.4%増。9月実績はそれぞれ8.4%増、7.5%増だった。貿易黒字は6404億9000万元。
米上院民主党はこの日、米政府再開を巡る交渉で医療保険制度(オバマケア)への補助金の1年延長を提案したが、関係者筋の話として米共和党はこの提案を拒否したと伝わった。
7日06:36 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「制約的政策の維持はインフレ抑制に役立つ」
「現在の経済指標が利上げを正当化するものとは思わない」
7日08:00 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「銀行システムは十分な資本と流動性を備えている」
「金利がさらに低下すれば住宅市場は改善する可能性」
7日13:35 高市首相
「単年度のプライマリーバランス黒字化という考え方は取り下げる」
「プライマリーバランス黒字化、単年度ごとに目標達成状況みていく方針を数年単位で確認する方向に見直すことを検討」
「供給構造を強化しながら物価高をさらに加速させることのないよう、戦略的に財政出動して所得増やす必要」
「アベノミクスの第三の矢が不十分だったのは、規制緩和に重きが置かれたため」
7日17:15 ウィリアムズ米NY連銀総裁
「FRBが近い将来、債券購入を通じて保有資産を再拡大する必要が生じるかもしれない」
7日21:01 ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「金融政策が中立的なスタンスに近づいており、追加利下げの決定はゆっくりと進めるべき」
「現在の政策スタンスは依然としてやや引き締め的」
「利下げ決定は会合ごとに行う」
※時間は日本時間
◆豪ドル、10月雇用統計に注目
◆NZドル、失業率は9年ぶりの水準まで悪化
◆ZAR、S&Pが今月南ア格付けを引き上げる可能性
予想レンジ
豪ドル円 96.00-101.00円
南ア・ランド円 8.50-9.00円
11月10日週の展望
豪ドルは伸び悩む展開となりそうだ。来週は13日に10月雇用統計の発表が予定されており、市場の注目を集めるだろう。豪準備銀行(RBA)は今週の金融政策決定理事会で予想通りに政策金利の据え置きを決定。声明文ではインフレ警戒姿勢を強めたほか、「労働市場の状況は依然としてやや逼迫」「賃金上昇率はピークから鈍化しているが、単位労働コストの上昇率は依然として高い水準にある」などの見解を示しており、今回の雇用統計が強い結果となった場合は豪金利の先安観も一段と後退することになりそうだ。すでに金利先物市場では年内最後のRBA理事会(12月8-9日)も金利が据え置かれるとの見方が優勢となっており、豪ドル相場の下支え要因として意識されるか注目しておきたい。
また、金融市場が全般に神経質な展開となっていることにも注意しておきたい。米政府機関の閉鎖が続いている影響で多くの経済指標が発表延期となるなか、民間の一部指標に対する市場の反応が過敏になっており、足もとでは株価や債券相場が上下に振らされている。為替市場も同様に不安定な動きを見せる場面が多く、しばらくは荒い値動きへの警戒を続ける必要があるだろう。
隣国のニュージーランド(NZ)では、今週発表された7-9月期雇用統計で失業率が約9年ぶりの水準まで悪化した。市場ではNZ準備銀行(RBNZ)が26日に予定されている年内最後の金融政策委員会(MPC)で再び50bpの大幅利下げに動くとの見方も広がりつつある。現在の金利先物市場では25bpの利下げ予想が中心となっているが、金利先安観の高まりはNZドル相場の重しとなる可能性がある。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な動きとなりそうだ。来週は7-9月期失業率の発表が予定されており、ZAR相場への影響に注目しておきたい。なお、一部の米金融機関は「国民統一政府(GNU)による経済改革の実施によって経済成長が加速していることから、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が南アフリカの格付けを今月引き上げる可能性がある」との見解を示した。S&Pによる現在の南アフリカ長期外貨建て格付けは「BB-」。「BB」へと一段階引き上げられても「投機的」な位置付けは変わらないが、ZAR相場にとってはポジティブな材料となるだろう。
11月3日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円ともに弱含み。先月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降は対ドルで豪ドルの売り戻しが強まっており、今週も豪ドル売り・ドル買いが継続した。また、対円でも年初来の高値圏ながらやや上値の重さが意識された。RBAは4日に政策金利の据え置きを決めたが、市場予想通りであったため相場への影響は限定的だった。
ZARも対円では伸び悩み。ドル円の上値が重くなった影響もあり、年初来の高値8.95円や節目の9.00円手前からやや持ち高調整売りに押された。
◆ポンド、英予算案に対する思惑で神経質に上下
◆ポンド、BOEのハト派的な金利据え置きで12月利下げの可能性高まる
◆加ドル、米国との貿易問題の行方を注視
予想レンジ
ポンド円 198.50-203.50円
加ドル円 107.00-110.00円
11月10日週の展望
来週のポンド相場は、英国の雇用データや国内総生産(GDP)などで景気状況を確かめつつ、英予算案に対する思惑で神経質に上下しそうだ。26日発表の秋季予算案について、リーブス英財務相は4日に演説。財務相は、財政運営を巡る憶測に応える形で「公正と機会を軸に据える」と強調。一方、財政に大きな圧力がかかっている現状を率直に認めた。国民保険サービス(NHS)の保護、債務削減、生活費危機への対応を優先課題に掲げ、「インフレを抑制し利下げ環境を整えることで経済成長を支える」と説明。一方で「皆が国の未来のために貢献しなければならない」と述べ、増税の可能性をこれまで以上に明確に示唆した。与党・労働党が選挙で掲げた「所得税・付加価値税(VAT)・国民保険料は引き上げない」との公約には触れず、事実上の見直しをにおわせた点が注目される。リーブス氏は市場に向けても、「鉄の規律とする財政ルールを改めて堅持する」と表明し、国債市場の信認を確保することが不可欠だと訴えた。
市場は、リーブス演説を受けて、財政規律の維持を好感し英10年債利回りは低下したが、財源不足を埋めるために所得税増税に踏み切れば、マニフェスト違反として野党からの攻撃材料になるリスクも指摘される。政治と経済の板挟みの中で、財務相の判断に注目が集まっている。
また、イングランド銀行(英中銀、BOE)は6日、金融政策委員会(MPC)で政策金利を市場予想通りに4.00%で据え置いたことを発表。ただ、MPC委員9人中4人が3.75%への引き下げを主張したことが明らかとなった。議事要旨ではインフレがピークに達したと指摘し、依然として金利は緩やかな低下傾向にあるとのガイダンスが示された。12月利下げの可能性が高まったことはポンドの上値を抑える要因となりそうだ。
加ドルは、米国との貿易問題の行方が注視される。来週、カナダは11日がリメンバランス・デーで祝日となるほか、市場の動意につながるような経済指標も予定されていない。関税交渉に関するトランプ米大統領の発言に加ドル相場が振らされる展開は続きそうだ。なお、カナダ政府は4日に予算案を発表し、今年度の財政赤字が前年度の倍以上に拡大することが明らかとなった。トランプ関税への対策や貿易分散化への支出、また国防費の増額が赤字拡大の主な要因。赤字幅は市場予想の下限ではあるものの、加ドルの上値は追いづらくなるだろう。
11月3日週の回顧
ポンドはリーブス英財務相の予算案に関する演説に売りで反応し、対円では199円手前、対ドルでも1.30ドル手前まで下落した。日米の株式市場に下向き調整が入ったことも、リスク回避の円買いを強めた。ただ、週後半にかけて下げ渋ると、対円では201円台、対ドルでも1.31ドル台を回復した。
加ドルも弱含み。対円では108円前半、対ドルで1.41加ドル半ばまで加ドル安が進んだ。米加関係の先行き不透明感が重しとなる中、カナダ財政赤字の拡大が嫌気された。市場全般のリスクセンチメント悪化も加ドル売りにつながっている。
◆ドル円、サナエノミクス実現への地盤固めを見極め
◆ドル円、米政府閉鎖が史上最長で経済損失への懸念高まる
◆ユーロドル、景気楽観論に陰りで上値重い
予想レンジ
ドル円 151.50-155.00円
ユーロドル 1.1200-1.1650ドル
11月10日週の展望
ドル円は、神経質な動きとなりそうだ。政府が財政運営や予算編成方針の司令塔である経済財政諮問会議の民間議員に、積極財政派として知られる若田部前日銀副総裁などを起用することで調整していることが報道で伝わっている。積極的な金融緩和と財政出動を主張する、いわゆる、リフレ派を選出したことで、「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「大胆な危機管理投資・成長投資」という、アベノミクスを概ね継承するサナエノミクスを実現するための地盤を固めている。海外勢を中心に高市トレード継続を期待する声は大きく、引き続きドル円の下支えとなるだろう。
ただ、「日本成長戦略会議」の副本部長を務める城内経済財政担当相に対して政治資金の還流を巡る報道が伝わっており、辞任問題に発展すれば高市政権にとって大きな痛手となりそうだ。
また、米政府機関の閉鎖は史上最長を更新しているものの、いまだ再開への目途はたっておらず、引き続きドルの重しとなる見込みだ。米政府筋の話では、閉鎖による米経済の損失は1週間で最大150億ドルに達するとも言われており、すでに750億ドル以上の損失をもたらしている可能性がある。民主党が予算成立の条件として主張する医療保険制度改革法(オバマケア)の補助金延長を共和党が妥協できるかどうかに注目が集まる。
なお、今週発表された米雇用指標としては、ADP全米雇用報告やISM製造業/非製造業の雇用指数が前回から改善された一方で、米企業の人員削減数は10月としては2003年以来の高水準となるなど、強弱入り混じる内容となった。来週は、引き続き10月消費者物価指数(CPI)や10月小売売上高などが延期される可能性が高いため、重要指標の発表は予定されていない。
ユーロドルは、頭の重い展開が想定される。足元では楽観視されている欧州景気見通しだが、今週発表された9月ユーロ圏小売売上高が前月比で予想外のマイナスとなるなど、消費主導の景気回復に陰りが見えている。また、域内産業に不可欠なレアアース供給に関しても、中国による輸出管理措置に対してEUは対話チャンネルを設けるなどの対応を試みているものの、輸出許可が遅延し、手続きが複雑であるためEU企業は資源調達に苦戦している。
11月3日週の回顧
ドル円は一進一退。3連休明けの本邦実需勢の買いが観測されて一時154.48円と2月13日以来の高値を付けたが、片山財務相の円安けん制発言で失速。5日には日経平均株価の暴落を受けて152.96円まで売り込まれた。一方、良好な米経済指標が相次いだことで154.36円まで持ち直す場面も見られたが、米長期金利の低下で152.83円まで再び下落した。
ユーロドルはもみ合い。週半ばにかけて1.1469ドルまで下げたが、その後は1.15ドル台を回復するなど、狭い値幅でのレンジ相場となっている。
7日の日経平均は大幅反落。終値は607円安の50276円。米国株安を受けて300円超下げて始まると、ソフトバンクグループ<9984.T>やアドバンテスト<6857.T>など大型グロース株が強く売られ、前場のうちに下げ幅を4桁に拡大。この2銘柄のマイナス影響がかなり大きかったが、人気どころの銘柄も大きく売られたことで前場は下値模索が続いた。
後場に入り、1200円超下げて49600円台に入ったところで売りが一巡。安値圏でしばらく揉んだ後、14時にフジクラ<5803.T>が上方修正を発表したことが刺激となり、5万円台を回復した。フジクラの好反応は一時的にとどまったものの、引けにかけては急速に下げ幅を縮小。600円を超える下落となったものの、5万円は上回り、後場の高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で6兆9900億円。業種別ではサービス、海運、鉄鋼などが上昇した一方、非鉄金属、電気機器、機械などが下落した。通期の経常利益見通しを引き上げたマツダ<7261.T>が後場急伸。半面、下方修正を発表した日本ケミコン<6997.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり874/値下がり682と値上がりの方が多かった。上方修正を発表したリクルートが軟調相場の中で買いを集めて16.1%高。半導体関連は大きく下げるものも多かったが、キオクシアやソシオネクストはプラスで終えた。本決算を発表したF&LCはいったん大きく売られたものの、切り返して4%近い上昇。大きな動きが出てくる中で商いも膨らんだ。業績修正を発表したキッコーマンは営業利益は下方修正、純利益は上方修正となったが、純利益の上方修正に好反応を示して11.2%高と値を飛ばした。
一方、ソフトバンクグループが6.9%安、アドバンテストが5.5%安となり、この2銘柄で日経平均を約633円押し下げた。決算発表直後にはプラス圏に浮上する場面もあったフジクラは、売り直されて5%を超える下落。売買代金は全市場でトップとなった。同業の古河電工や住友電工も大幅安。地合いが悪い中で決算反応が厳しめとなった銘柄が多く、上期が市場の期待に届かなかった味の素がストップ安。ロームや太陽誘電は上方修正を発表しても叩き売られており、太陽誘電はストップ安となった。
日経平均は大幅安。ただ、5日と似たような動きで、場中に下を試しながらも終盤には下げ幅を縮め、終値では5万円を上回った。AI関連の風向きが悪くなっていることは鮮明だが、売りの方も恐る恐るとなっている。
来週は、「それでもAI関連」なのか、「脱AI関連」の動きが出てくるのかが一つの注目点となる。ソフトバンクグループとアドバンテストに振り回される状態が続くのは健全とは言えないだけに、日本株の安定のためにはバトンを受け継ぐテーマやセクターが出てきてほしいところだ。同観点からは、金融株に注意を払っておきたい。高市政権誕生で日銀の早期利上げが後退している点は向かい風ではあるが、地銀株などを見ると今年の高値圏で推移している銘柄が少なくない。来週は前半に地銀株の決算がいくつかあり、後半にはメガバンクの決算が控えている。銀行株はバリュー株の代表格と言えるが、大型グロース株に手がけづらさが出てきた際にバリュー株が存在感を出してくるようなら、日本株全体では上向きの基調がまだ続くとの見方が強まるだろう。
【来週の見通し】
不安定か。日経平均は10月最終週に3000円を超える上昇、11月第1週に2000円を超える下落となっており、強弱感が交錯するだろう。国内では引き続き決算発表が多く、11日に予定されているソフトバンクグループの決算が中でも注目される。この銘柄の値動きが週の方向性にも大きな影響を与える可能性がある。世界的にAI関連銘柄の上昇に一服感が出てきていることは気がかりだが、仮にAI関連が買いづらくなったとしても、決算を材料に強く買われる銘柄は多く出てくると思われる。AI関連にしても、ある程度値幅の調整は進んでいる。指数の振れ幅の大きさはある程度許容され、楽観にも悲観にも傾かず方向感が定まらない週になると予想する。
10日
○08:50 ◇ 10月外貨準備高
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(10月29-30日分)
○12:40 ◎ 中川日銀審議委員、あいさつ
○14:00 ◇ 9月景気動向指数速報値
11日
○08:50 ◎ 9月国際収支速報
○14:00 ◇ 10月景気ウオッチャー調査
12日
○08:50 ◇ 10月マネーストックM2
13日
○08:50 ◇ 10月企業物価指数
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
14日
○13:30 ◇ 9月第三次産業活動指数
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
10日
○16:00 ◎ 10月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
○16:00 ◇ 9月トルコ鉱工業生産
○18:10 ◎ ロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁、講演
○11日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
11日
○08:30 ◇ 11月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○09:01 ◇ 10月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◇ 10月豪NAB企業景況感指数
○16:00 ◎ 10月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 7-9月英失業率(ILO方式)
○17:30 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○17:30 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○18:30 ◎ 7-9月期南アフリカ失業率
○19:00 ◎ 11月独ZEW景況感指数
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:00 ◎ 10月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○21:00 ◇ 9月メキシコ鉱工業生産
○22:00 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○米国(ベテランズデー)、債券市場が休場
○ポーランド(独立記念日)、カナダ(リメンバランス・デー)、休場
12日
○16:00 ◎ 10月独CPI改定値
○16:00 ◇ 10月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ◇ 9月トルコ経常収支
○19:30 ◎ 10月インドCPI
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:05 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30 ◇ 9月カナダ住宅建設許可件数
○24:00 ◎ ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○13日02:15 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○13日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○09:01 ◇ 10月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数
○09:30 ◎ 10月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○16:00 ☆ 9月英国内総生産(GDP)
○16:00 ☆ 7-9月期英GDP速報値
○16:00 ◎ 9月英鉱工業生産/製造業生産高
○16:00 ◇ 9月英商品貿易収支/英貿易収支
○16:30 ◇ 10月スイス生産者輸入価格
○18:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏鉱工業生産
○21:00 ◎ 9月ブラジル小売売上高
○21:00 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:30 ☆ 10月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○14日02:00 ◇ EIA週間在庫統計
○14日02:15 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○14日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○14日04:00 ◎ 10月米月次財政収支
14日
○11:00 ◎ 10月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 10月中国小売売上高
○16:05 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○16:45 ◇ 10月仏CPI改定値
○17:30 ◎ 7-9月期香港GDP確定値
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏GDP改定値
○19:00 ◇ 9月ユーロ圏貿易収支
○22:30 ◇ 9月カナダ製造業出荷
○22:30 ◇ 9月カナダ卸売売上高
○22:30 ☆ 10月米小売売上高
○22:30 ◎ 10月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○24:00 ◇ 9月米企業在庫
○15日00:05 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○15日01:00 ☆ 7-9月期ロシアGDP速報値
○15日01:00 ◎ 10月ロシアCPI
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。
今週の日経225先物は、11日発表のソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の決算が相場の方向転換につながる可能性があり、投資家の注目を集めそうだ。先週の日経225先物は11月4日につけた5万2700円をピークに調整し、5日には5万円の大台を一時割り込み4万9110円まで売られた。5万円割れでは押し目待ち狙いのロングも入り、その後は概ね5万円~5万1000円辺りのレンジで推移。終値での5万円台はキープしつつも、週末7日には4万9680円まで下げる局面もあった。
調整を強めた要因として、ソフトバンクグループとアドバンテスト<6857.T>[東証P]といった指数インパクトの大きい値がさの半導体・人工知能(AI)関連株の下げのインパクトの大きさがある。7日の日経平均株価は607円安だったが、この2銘柄で630円超押し下げた形である。もっとも、10月第5週(10月27日- 31日)をみると、24日にアドバンテストがストップ高で日経平均株価を1社で1000円超押し上げていた。この2社の動向を睨みながら、先物市場ではヘッジ対応などを含めて連動性が高まりやすく、結果、先週は下へのバイアスが強まりやすかった。
決算発表が本格化するなかで、米国市場でAIデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズ<PLTR>が急落したことがトリガーになったとの見方もある。同社が3日に発表した四半期決算は市場予想を上回ったものの、著名投資家が率いるファンドによるプットポジションの保有が明らかとなり、同社株は4日に8%近く下落した。半導体・AI関連株に対する割高感が意識されて、東京市場でもこれまで相場を牽引してきた関連銘柄に持ち高調整の売りが強まった。
指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが見込まれるなかで、日経225先物ではショートが仕掛けやすくなった。上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジで推移してきたこともあって、+1σを割り込んだこともショートを入れやすくさせたのだろう。中心値である25日移動平均線と+1σとのレンジに移行するなかで、5万円割れも想定される形だったとみられる。
日経225先物は先週の調整によって上向きで推移する25日線に接近する場面もみられ、いったんは調整一巡からリバウンドが試される水準ではある。ただし、このリバウンドも前述のソフトバンクグループの決算反応次第であろう。同社の決算がポジティブ視される形でリバウンドを強めてくると、先週に調整がみられた他の半導体・AI関連株への買い戻しに向かわせ、先物市場でもロングが入りやすい。一方で、ネガティブな反応となれば、25日線割れから-1σ(4万7680円)水準が射程に入ることも考えられる。
ボリンジャーバンドは先週の調整の影響によって下向きに転じており、+1σは5万0910円、+2σが5万2530円に下がってきた。バンドが収斂をみせてくることで、下へのバイアスが強まる展開が意識されてくることも考えられよう。これまで長期的に支持線として機能していた25日線を割り込んでくると、戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況になりそうだ。これらのトリガーになり得るのが、ソフトバンクグループの決算となろう。
まずは、5万円固めを意識した押し目狙いのロング対応とし、5万0500円を挟んだオプション権利行使価格の5万円から5万1000円のレンジを想定。その後のソフトバンクグループの決算を受けた株価の反応次第では、下は4万8000円から5万円、上は+1σ突破を意識した5万円から5万2000円のレンジとみておきたい。ソフトバンクグループの反応が限定的であれば、米国市場次第の面はあるものの、25日線が支持線として意識されて、やや押し目待ち狙いのロングが入りやすくなろう。
7日の米VIX指数は19.08(6日は19.50)に低下した。週間(10月31日は17.44)では上昇している。先週は半導体・AI関連株への持ち高調整が強まったほか、大手金融機関のCEO(最高経営責任者)が株価調整について触れたこともあり、VIX指数は上昇傾向をみせた。7日に一時22.72まで急伸する局面もみられたが、終値では20.00を下回っている。足もとでリバウンド基調を強めているが、センチメントを測るうえで20.00を上回って終えるようだと、市場心理をやや神経質にさせそうである。ただし、20.00近辺で上値を抑えられる状況では、過度な警戒感は強まらず、リスク選好に傾きやすい状況である。
先週末のNT倍率は先物中心限月で15.27倍(6日は15.34倍)に低下した。週間(31日は15.73倍)でも下落している。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げのインパクトが大きく、結果的にNTロングを巻き戻す動きに向かった。一時15.16倍まで下げてきており、25日線(15.12倍)が射程に入ってきたことで、いったんリバランスが意識されそうだが、一方で25日線を明確に下回ってくると、NTロングの巻き戻しが強まる可能性があろう。ただし、ソフトバンクグループの動向を受けて短期の仕掛け的な動きが日経225先物に入りやすく、その後のリバランスは意識しておきたい。
10月第5週(10月27日-31日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は1893億円(10月第4週は6335億円の買い越し)だった。なお、現物は3459億円の買い越し(同6436億円の買い越し)と5週連続の買い越し。先物は5353億円の売り越し(同101億円の売り越し)と3週連続の売り越しだった。個人は現物と先物の合算で1219億円の売り越しと2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2645億円の買い越しとなり、2週ぶりの買い越しだった。
主要スケジュールでは、11月10日に日銀金融政策決定会合の主な意見(10月29日・30日開催分)、9月景気動向指数、11日に10月景気ウォッチャー調査、13日に10月国内企業物価、米国10月消費者物価指数、14日にオプションSQ、中国10月鉱工業生産、中国10月小売売上高、米国10月小売売上高、米国10月生産者物価指数などが予定されている。ただし、米国では政府機関の一部閉鎖が長期化しているため、経済指標の一部は公表が遅れる可能性がある。
上院共和党トップのスーン院内総務は9日、事態打開に向けた合意が「まとまりつつある」と発言した。法案審議の手続きに関する採決を同日中に実施する計画としている。
<国内>
○08:50 ◇ 10月外貨準備高
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(10月29-30日分)
○12:40 ◎ 中川日銀審議委員、あいさつ
○14:00 ◇ 9月景気動向指数速報値(予想:先行107.9/一致114.5)
<海外>
○16:00 ◎ 10月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比なし/前年比3.1%)
○16:00 ◇ 9月トルコ鉱工業生産
○18:10 ◎ ロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁、講演
○11日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末の海外市場でドル円は、米10年債利回りが4.06%台まで低下した影響で153.02円付近まで弱含んだが、政府機関の閉鎖解消に向けた期待が高まるとドル買いで反応し、一時153.59円まで本日高値を更新した。ユーロドルはさえない米指標を手掛かりに一時1.1591ドルと10月30日以来の高値を更新。その後は週末を控えた持ち高調整の売りが進み、1.15ドル台半ばまで上値を切り下げた。
本日の東京時間でドル円は、153円台を中心とした取引になるか。下値は依然として高市政権の積極財政政策と、米国の政府機関閉鎖の解消期待が支えになりそうだ。一方で、トランプ政権の経済政策に黄信号が点灯していることや、日米両政府のドル高・円安懸念が上値の重しになる。
先週7日から始まった衆院予算委員会が、明日11日まで開かれる。また、参院の予算委員会は12日から14日まで行われ、今週の政治日程は予算委員会で占められる。7日時点までの質疑応答では、市場を動意づけるようなやり取りはなかったものの、物価高対策を中心とした経済対策に踏み込んだ場合は警戒したい。特に経済諮問委員会では、民間からはリフレ派を起用していることで積極財政政策への期待は高い。財政拡大は、株価上昇によるリスク選好の円売りというプラス面、財政不安や格下げというマイナス面ともに円売りに動きやすそうだ。
トランプ政権に対する懸念要因の一つだった「米政府機関の閉鎖」が暫定的な解除に向けて、民主党上院との話し合いが進んでいることもドルの買い戻し要因。早朝はこの報道で、一時154.00円までドル買いを促した。米国では週末、航空管制センターが人員不足で約1500便が欠航となった。米国民の移動が最も多い感謝祭に向けて、トランプ大統領はこれ以上の支持率低下を止める必要があるだろう。報道によれば来年1月下旬までの暫定的に資金を賄うものになっているが、過去最長となった政府閉鎖が解除された場合は米国売り・ドル売りのネガティブ要素は1つ減ることになる。
ただ、ドル売り要因がすべて消え去ってはおらず、ドルの上値も限られそうだ。先週は、主要な米地方選挙で全敗を喫した共和党だが、敗因の大きな理由の一つはトランプ政権の経済対策に対する低評価だ。10月に実施され11月の公開された世論調査では、政権の経済対策が期待通りとの回答が34%、期待外れは63%だった。インフレと生活費については、期待通りが30%、期待外れが66%に達している。外交政策についても過半数が期待外れと示すなど、第2次トランプ政権は国民の支持を失っている。
更に、先週から始まった「トランプ関税」の審理に対して、トランプ大統領に指名された保守派の判事を含め関税を大統領権限で決めることに対して疑念の声を上げている。判決が出るのが年末か年初になるとされているが、トランプ関税が違憲とされた場合は、中間選挙を前にトランプ政権が急速にレームダック化に進むリスクもありそうだ。
トランプ関税が違憲とされた場合は、貿易不均衡を為替操作で行う可能性もある。昨年の米国の為替報告書で、日本は3期連続で監視対象国とされた。為替操作では円安や政策金利の低さを指摘しているが、これらの是正を求めて不均衡の解消を企てるかもしれない。日本以外にも中国、韓国、台湾、シンガポール、ベトナム、ドイツ、アイルランド、スイスなどが対象国に指定されているが、これらの多くの国に対してのドル高修正圧力をかける可能性もある。高市政権にとって輸入物価上昇圧力の円安を是正するために、相応の円買い戻しは渡りに船ということもあり、トランプ関税が違憲判断にも備えが必要となるだろう。
なお本日は日銀から、先月末の「金融政策決定会合における主な意見」が公表予定。また、中川日銀審議委員の講演が岡山県で12時40分から予定されている。同審議委員は、先月の日銀会合で据え置きを支持した。会合後に発表された本邦経済指標では、6日の実質賃金以外には判断に変更をもたらすような数値は見られず、目新しい内容の発言を期待するのは難しいか。
東京市場はしっかりか。先週末の米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が上昇した一方、ナスダックが下落した。ダウ平均は74ドル高の46987ドルで取引を終えた。AI関連の高値警戒感からマイナス圏で推移する時間が長かったが、メディア報道を受けて政府閉鎖解除に対する期待が高まり、終盤にかけては水準を切り上げた。ドル円は足元153円70銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが100円高の50410円、ドル建てが180円高の50490円で取引を終えた。
長引く米国の政府閉鎖が解除されるとの期待が高まったことは、グローバル株式市場にとって安心材料。日本株はダウ平均やS&P500の上昇を好感した買いが入ると予想する。ナスダックが下げているため上値は重いとみるが、エヌビディアのほか、決算発表以降弱い動きが続いていたパランティアがプラスで終えており、ハイテク株を強く売る流れにはなりづらい。先週の日経平均は何度か下を試す場面があったが、終値では5万円を割り込まなかった。過度な下値不安が後退し、場中は底堅く推移するだろう。日経平均の予想レンジは50000-50700円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 50410 +100 (+0.19%)
TOPIX先物 3310.0 +16.0 (+0.48%)
シカゴ日経平均先物 50410 +100
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。これまで相場の上昇を牽引してきた半導体・人工知能(AI)関連銘柄の割高感が意識され売りが先行し、NYダウは400ドルあまり下落する場面もあった。その後、米連邦政府の一部閉鎖の解除に向けた動きが進展するとの思惑から、主力株の一角に買い戻しが入り、NYダウはプラス圏を回復。もっとも、ハイテク株の戻りは鈍く、ナスダック指数は続落した。フィラデルフィア半導体(SOX)指数も続落し、3日ぶりに7000台を割り込んで終えている。
S&P500業種別指数は消費者サービス、保険、食品・飲料・タバコが上昇した半面、自動車・同部品、メディア、半導体・同製造装置の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、コカ・コーラ<KO>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、アムジェン<AMGN>、シェブロン<CVX>が買われた。一方で、IBM<IBM>、ナイキ<NKE>、キャタピラー<CAT>、ボーイング<BA>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比100円高の5万0410円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比130円高の5万0440円で始まった。5万0500円まで買われた後はショート優勢の流れから軟化し、5万円から5万0200円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、4万9530円まで売られる場面もみられた。ただし、終盤にかけてショートカバーを交えたロング優勢の動きにより切り返しており、5万0410円とプラス圏を回復してナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。支持線として意識される25日移動平均線(4万9300円)に接近してきたことで、自律反発狙いのロングが入りやすいだろう。米連邦政府の一部閉鎖が長期化するなか、上院共和党トップのスーン院内総務は9日、法案審議の手続きに関する採決を実施する方針であり、合意が「まとまりつつある」と述べたようだ。民主党が賛同するかは不透明だが、合意すればロングが強まりやすいため、結果を見極めたいところであろう。
ただ、日経225先物は先週の調整でこれまで支持線として機能していたボリンジャーバンドの+1σ(5万0910円)を割り込んでいる。同バンドが心理的な抵抗線として意識されるほか、今週は11日にソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の決算発表が控えている。指数インパクトの大きい値がさの半導体・人工知能(AI)関連株に日経平均株価が大きく振らされる状況が目立つだけに、同社の決算後の反応を見極めたい。
同社の決算がポジティブ視される形でリバウンドを強めてくると、他の半導体・AI関連株への買い戻しに向かわせ、先物市場でもロングが入りやすい。一方で、ネガティブな反応となれば、25日線割れから-1σ(4万7680円)水準が射程に入ることも考えられる。
そのため、本日のところは25日線と+1σによる推移が意識されやすく、オプション権利行使価格の4万9875円から5万0875円のレンジを想定。戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況だが、5万円割れから25日線水準では押し目狙いのロング対応とみておきたい。
7日の米VIX指数は19.08(6日は19.50)に低下した。一時22.72まで急伸する局面もみられたが、終値では20.00を下回っている。足もとでリバウンド基調を強めているが、センチメントを測るうえで20.00を上回って終えるようだと、市場心理をやや神経質にさせそうである。ただし、200日線(19.43)水準で強弱感が対立していることもあり、同線に上値を抑えられる状況では過度な警戒感は強まらず、リスク選好に傾きやすい状況である。
先週末のNT倍率は先物中心限月で15.27倍(6日は15.34倍)に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げのインパクトが大きく、結果的にNTロングを巻き戻す動きに向かった。一時15.16倍まで下げてきており、25日線(15.12倍)が射程に入ってきたことで、いったんリバランスが意識されそうだが、一方で25日線を明確に下回ってくると、NTロングの巻き戻しが強まる可能性があろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比500円高の5万0810円(+0.99%)前後で推移。寄り付きは5万0760円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万0410円)を大きく上回る形で、買いが先行した。現物の寄り付き直後には5万0470円まで上げ幅を縮めたが、押し目狙いのロングが優勢となり、5万0600円~5万0800円辺りで保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上抜くと、一時5万0970円まで上げ幅を広げている。
米政府機関の閉鎖が長期化するなかで、上院の民主党議員の一部に歩み寄りの姿勢がみられると報じられており、ショートカバーを交えたロングが優勢になっているようである。ただし、終盤にかけての上昇でボリンジャーバンドの+1σ(5万0950円)を捉えてきたことで、ここからは戻り待ち狙いのショートが意識されて強弱感が対立しやすいだろう。
指数インパクトが大きいアドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が買われ、日経平均株価を牽引している。後場は明日に決算発表を控えているソフトバンクグループを睨んでの展開になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.35倍に上昇した。前週末に一時15.16倍まで下げて支持線として意識される25日移動平均線(15.12倍)水準まで調整したことで、いったんリバランスが入りやすいタイミングである。ただし、+1σ(15.42倍)接近ではNTロングの巻き戻しに向かわせる可能性は想定しておきたい。
米一部メディアによると、米上院の少なくとも10名の民主党議員が政府機関閉鎖を終わらせる可能性のある法案を前進させることに賛成すると見込まれているという。
先週末のドル円は、日経平均が東京市場引けに向けて急速に下げ幅を縮めたこともあり153.54円まで買い戻される場面もみられましたが、NY時間に入って日経先物が軟調に推移するなか153.01円まで下押ししました。その後は米長期金利が上昇幅をひろげると153.48円まで買い戻されたものの、11月米ミシガン大消費者態度指数速報値が予想を大幅に下回る弱い数字となると153.02円まで再び下押し。ただ、引けにかけては米民主党がオバマケアへの補助金1年延長案を提案したことが報じられると153.59円まで買い戻されてNY市場を終えました。
そして、週明けのアジア市場では、米上院で共和党と民主党の一部で暫定合意がみられるなど、米政府シャットダウン終了に向けた動きが活発化。早朝のオセアニア市場では一時154.00円まで値を上げるなど、リスクオンの動きとなっています。日経平均は早朝に先物で51000円台を付ける場面もみられましたが、現物が始まると高値圏での神経質な動きが続いています。
いずれにしても、米国では明日がベテランズデーの祝日で米債券市場が休場。多くのフライトがキャンセルとなるなど、米国市民への影響もかなり目に見えて目立ってきているなか、直近では米上院で共和党と民主党の一部が短期のファンディングで暫定合意したことが伝わってきているわけで、日本での予算委員会での発言などもあわせて、日米の政治状況が市場を左右させる神経質な動きとなっているといったところです。
ドル円は目先、早朝の安値153.36円がサポートレベルとして意識されているなか、NY時間安値と一目転換線が位置する153.01円が重要なポイント。下値での本邦実需勢の買い意欲の強さが再確認される展開となっています。
本日のロンドン為替市場では、米国発のリスクセンチメントの強弱を見極めながらの値動きか。過去最長期間を更新していた米政府機関の一部閉鎖だが、先週末から解消に向けた動きが見られてきた。米国では機関閉鎖による経済停滞や経済データ公表の遅れが懸念されてきたものの、このまま先行き不透明感が払拭されるようであれば、再びリスクを積極的に取りやすくなるだろう。本日は欧州発の材料が乏しいため、欧州時間でも米長期金利や米株先物が市場をリードすることになるだろう。
経済指標では、ノルウェーから10月消費者物価指数(CPI)が発表され、前年比は3.1%と前回から0.5ポイント減速の見込み。予想通りであれば6月以来の低い水準だが、年初の2%台前半から比べるとインフレ高止まりとも言える。ノルゲバンク(ノルウェー中銀)の次回会合は12月18日であり、その前に最新のインフレ率・11月CPIが明らかになる。そのため、今回のデータがノルウェー・クローネ相場に与えるインパクトはそれほど大きくないだろう。しかしながら、もし3%を割り込むようであれば、センチメントの変化につながりそうだ。
ほか、英国からはロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁の講演が予定されている。同副総裁は、先週の金融政策委員会(MPC)で決定された「政策金利4%で据え置き」を支持した1人。同じく据え置き支持のベイリーBOE総裁がハト派的な見解を示しているため、次回12月MPCでは利下げを見込む向きが増えている。そういった中で、8月の利下げには反対したロンバルデリ氏の金融スタンスに注目が集まる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、ピボット・レジスタンス2の1.1623ドル
・ポンドドル、10月30日安値1.3219ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、6日安値1.1491ドル
・ポンドドル、4・5日安値1.3010ドル
ドル円:1ドル=153.94円(前営業日NY終値比△0.52円)
ユーロ円:1ユーロ=177.98円(△0.54円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1562ドル(▲0.0004ドル)
日経平均株価:50911.76円(前営業日比△635.39円)
東証株価指数(TOPIX):3317.42(△18.57)
債券先物12月物:135.63円(▲0.23円)
新発10年物国債利回り:1.695%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月外貨準備高
1兆3474億ドル 1兆3413億ドル
9月景気動向指数速報値
先行指数 108.0 107.0
一致指数 114.6 112.8
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。「米民主党の上院議員が政府閉鎖終結に向けて共和党案の審議を進めている」「米上院の与野党議員が失効した予算を再開するつなぎ予算案で合意した」などの報道が伝わり、米政府の一部閉鎖が解除に向けて前進するとの思惑が広がった。閉鎖の解除によって米景気への影響も和らぐとの見方からドル買いが先行。本日は5・10日(ゴトー日)とあって仲値に向けた買いが入ったほか、日経平均株価の堅調推移も相場の支えとなり、一時154.07円まで値を上げた。
・ユーロ円はしっかり。ドル円や日本株の上昇を手掛かりに円売り・ユーロ買いが進み、178.09円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルはもみ合い。ドル買いの流れに沿って一時1.1542ドルまで下げたものの、その後は売りも一服しており、総じて前週末終値を挟んだ水準でのもみ合いとなった。
・日経平均株価は反発。米政府閉鎖の解除期待から前週末のダウ平均などが上昇した流れを引き継いだ。前週に大きく売られた半導体関連株が買われたほか、海外勢からの買いが観測された株価指数先物主導で上値を伸ばし、指数は一時700円近く上昇した。
・債券先物相場は3日続落。米政府閉鎖が解除されるとの思惑から投資家がリスク回避姿勢を弱め、安全資産とされる債券には売りが出た。
「米連邦最高裁での関税政策を巡る訴訟で敗訴した場合、第2プランが必要になる」
(トランプ大統領)
トランプ第2次政権は、財政赤字と貿易赤字の削減を目論んでおり、「国際緊急経済権限法(IEEPA)」を根拠に「貿易赤字が国家安全保障を脅かしている」として非常事態を宣布して国別相互関税を課した。すなわち、トランプ関税を導入することで、税収増による財政赤字の削減、関税による貿易赤字の削減が意図されていた。
しかし、5月の連邦国際通商裁判所での1審と8月の連邦抗訴裁判所での2審では、「IEEPAは大統領に輸入規制の権限を付与するが、関税賦課権限は与えていない」「貿易赤字は国家非常事態とは認められない」と判断した。
そして、11月から始まった連邦最高裁の審理でも、懐疑的な見解が示されつつある。
1.トランプ米政権の準拠法「国際緊急経済権限法(IEEPA)」
2025年4月2日、トランプ米大統領は、貿易相手国に対する相互関税を課すと発表した。全ての輸入品に対し一律10%の関税を課した上で、各国の関税および非関税障壁を考慮し、国・地域別に税率を上乗せする。トランプ米大統領は「これはわれわれの独立宣言だ。われわれはついに米国を第一にする。貿易赤字はもはや単なる経済問題ではない。国家緊急事態だ」と宣言した。関税引き上げの法的根拠には、緊急事態の宣言により、関税に関する広範な権限を大統領に与える「国際緊急経済権限法」を挙げた。IEEPAは、特定の緊急事態下でさまざまな金銭取引に関する権限を大統領に付与する。
トランプ米大統領は、米国が抱える「大幅で持続的な」貿易赤字が国家安全保障および経済に対する「異例かつ並外れた脅威」に当たるとして、同法を用いて関税を導入することが許されると主張している。
■国際緊急経済権限法(IEEPA:International Emergency Economic Powers Act)
1977年10月28日より施行された米国の法律であり、国家の非常時において米国大統領に輸入管理の権限を与えている。
・目的:国家安全保障や外交政策に対する異例かつ重大な脅威に対応することである。
・権限:攻撃を企む外国の組織もしくは外国人の資産没収(米国の司法権の対象となる資産)、外国為替取引・通貨及び有価証券の輸出入の規制・禁止。
2. 米国際貿易裁判所(Court of International Trade)(共和党政権3名対民主党政権6名)
2025年5月28日、米国際貿易裁判所は、トランプ大統領の世界的な関税措置を巡り、その多くの部分について違法だとして阻止する判断を下した。国際貿易裁判所は、米憲法上、関税引き上げは連邦議会の権限であり、トランプ米大統領が関税措置を正当化するために国際緊急経済権限法を適用したのは不適切だと辺団した。
3. 米連邦巡回区控訴裁判所(賛成7、反対4)
2025年8月29日、連邦高裁は、国際緊急経済権限法に基づく相互関税や合成麻薬フェンタニルの流入対策を巡るカナダ、メキシコ、中国への追加関税などは大統領の権限を逸脱しており違法と判断した。
トランプ米大統領は、高裁の判決を不服として、連邦最高裁に上訴したが、敗訴した場合、日本、欧州連合(EU)、英国、韓国などと締結した関税合意を解消しなくてはいけないだろう、と述べた。
4.連邦最高裁判所(共和党6名・民主党3名)
トランプ米大統領が指名した保守派のエイミー・コーニー・バレット判事は、懐疑的な見方を示している。
「防衛や産業基盤が脅かされているので、すべての国に関税を課す必要があると主張したいと?スペインやフランスに対してもその必要があると?」
「関税対象となっている一部の国については理解できるが、なぜこれほど多くの国が相互関税政策の対象となる必要があるのか、説明してください」
大阪12月限
日経225先物 51050 +740 (+1.47%)
TOPIX先物 3324.5 +30.5 (+0.92%)
日経225先物(12月限)は前日比740円高の5万1050円で取引を終了。寄り付きは5万0760円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万0410円)を大きく上回る形で買いが先行した。現物の寄り付き直後には5万0470円まで上げ幅を縮めたが、押し目狙いのロングが優勢となり、前場中盤は5万0600円~5万0800円辺りで保ち合いを継続。前場終盤にかけてレンジを上抜くと、一時5万0970円まで上げ幅を広げた。
後場の取引開始後ほどなくして5万0700円まで上げ幅を縮めたが、中盤にかけて再びロング優勢の流れとなり、前場につけた高値を突破。引けにかけて5万1060円まで買われる場面もみられた。
米政府機関の閉鎖が長期化するなかで、米議会上院は法案を進めるための手続き上の措置を可決した。朝方には上院の民主党議員に一部歩み寄りの姿勢が報じられていたこともあり想定されていた面もあったが、ショートカバーを交えたロングが優勢になったようだ。
政府機関の閉鎖がどの程度早く終結するかは不透明だが、グローベックスの米株先物が堅調な値動きで推移していたこともあって、ショートを仕掛けにくくさせていた。また、トランプ米政権が、中国の造船業界に対する調査を1年間停止したと報じられたことも材料視されたのであろう。
日経225先物は前場終盤にかけて5万0970円まで上げ幅を広げ、ボリンジャーバンドの+1σ(5万0960円)を捉えてきたことで、後場は膠着感が強まりやすかった。ただし、同バンドを後場終盤に上抜いてきたことで、ややショートカバーの動きが強まったようだ。
後場中盤には台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の10月の売上高が公表された。売上高の伸びが鈍化し、AI(人工知能)需要が落ち着き始めたとの見方もされたようだが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にマイナスの影響はみられなかった。これも引けにかけてカバーに向かわせる一因となったのだろう。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が買われ、3社で日経平均株価を450円あまり押し上げた。明日はソフトバンクグループの決算発表を迎える。過度な期待は高まっていないものの、指数インパクトが大きいが故に、市場心理をやや神経質にさせそうである。
日経225先物は+1σを突破してきたが、ナイトセッションで同バンドは5万1040円辺りに上昇する。バンドが収斂するなかで+1σが抵抗線として意識されてくると、再び5万円の大台のほか、25日移動平均線(4万9520円)が射程に入ってくることになりそうだ。週明けの米国市場の上昇が見込まれるなか、ナイトセッションで+1σを上回っておきたいところだろう。
NT倍率は先物中心限月で15.35倍に上昇した。前週末に一時15.16倍まで下げて支持線として意識される25日線(15.12倍)水準まで調整したことで、いったんリバランスが入りやすいタイミングであった。ただし、+1σ(15.42倍)と25日線によるレンジ内での推移のため、+1σ接近ではNTロングの巻き戻しに向かわせる可能性は想定しておきたい。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万6682枚、ソシエテジェネラル証券が1万0659枚、サスケハナ・ホンコンが3774枚、モルガンMUFG証券が2858枚、バークレイズ証券が2237枚、日産証券が1973枚、JPモルガン証券が1587枚、野村証券が1516枚、ゴールドマン証券が1461枚、みずほ証券が1341枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万1573枚、ソシエテジェネラル証券が1万8576枚、JPモルガン証券が4534枚、ゴールドマン証券が4376枚、モルガンMUFG証券が4091枚、バークレイズ証券が3685枚、サスケハナ・ホンコンが2274枚、ビーオブエー証券が1259枚、シティグループ証券が921枚、野村証券が881枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米政府機関閉鎖の終結に関するヘッドラインに警戒していく展開となる。
米政府機関の閉鎖は本日で41日目となり、トランプ第1次政権で記録した35日を抜いて過去最長を更新中となっている。財務省によると経済的な損失は1週間で150億ドル程度とのことで、これまで約900億ドル程度となっている。
しかし、上院が法案を進めるための手続き上の措置を賛成60、反対40で可決したことで、政府再開への期待感が高まりつつある。
今後は上院での表決で同意後、下院が法案を可決すれば政府は再開することになるため、関連ヘッドラインに要注目となる。
民主党指導部は、失効が迫る医療保険制度改革法(オバマケア)補助金の延長を含まない合意案には反対の立場を表明しており、共和党保守派議員は、政府全体の予算を来年9月末の年度いっぱいまで確保する包括的な法案を求めているとのことで、予断を許さない状況は続くことになる。
米政府機関閉鎖が終結した場合、ドル売り材料がひとつなくなることになるが、トランプ米政権による日米貿易不均衡是正のためのドル高・円安抑制への警戒感がドル円の上値を抑える可能性には警戒しておきたい。
米財務省は昨年11月14日に「外国為替報告書」を公表しており、今後の発表には警戒しておきたい。
6月に公表された「外国為替報告書」では、「日銀の金融引き締め政策は、日本経済の成長率やインフレ率を含むファンダメンタルズに応じて継続的に進められるべきで、これによりドルに対する円安の正常化や必要とされている両国貿易の構造的再均衡化を後押しすることになる」との言及していた。すなわち、日本銀行の追加利上げを通じて円安修正が進むことを、米国政府が期待していることを示すものであり、先日の日米財務相会談でのベッセント米財務長官による日銀への利上げを促す見解でもある。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、154.80円(2/12高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.01円(日足一目均衡表・転換線)
今週のNY市場は政府閉鎖解除の可否に注目。先週はダウ平均が575.77ドル安(-1.21%)、S&P500が1.63%安、ナスダック総合が3.04%安と3指数がそろって4週ぶりに反落。ナスダック総合は10.02%安となった4月4日終了週以来の大幅安となった。好決算を発表したパランティア・テクノロジーズが大幅安となったことをきっかけに、AI関連株のバリュエーションの高さが意識されたほか、政府閉鎖が長期化し、主要な経済指標が発表されない中、10月チャレンジャー企業人員削減数が大幅に増加し、雇用市場の悪化懸念や景気減速懸念が強まったこともセンチメントの悪化につながった。政府再開を巡る交渉では金曜日に野党民主党がつなぎ予算成立に向けて歩み寄りを提案したと報じられ、政府閉鎖解除の進展期待が高まった。週末には上院共和党トップのスーン院内総務が、事態打開に向けた合意が「まとまりつつある」と発言した。
今週は第3四半期決算発表がほぼ終了し、個別材料に乏しいことや、政府閉鎖による政府関係の経済指標の発表延期が続くことで材料不足が予想されるが、週末に高まった政府閉鎖解除をめぐる動きが焦点となりそうだ。東京時間10日午後には米上院が政府機関の再開に必要な最初の法案を賛成多数で承認したと伝えられており、政府機関の閉鎖解除に向けて前進した。決算発表は少ないものの、木曜日に発表されるウォルト・ディズニーやアプライド・マテリアルズの決算実績やガイダンスが注目される。経済指標は火曜日に10月NFIB中小企業楽観度指数の発表が予定されるが、政府閉鎖が続けば新規失業保険申請件数、10月消費者物価指数(CPI)などの発表延期が続きそうだ。
今晩は主要な米経済指標の発表はなし。企業決算は寄り前にタイソン・フーズ、インターパブリック、引け後にオキシデンタル・ペトロリアム、パラマウント・スカイダンスなどが発表予定。
日経平均株価は大幅反発。ギャップアップスタートから上げ幅を広げて高値圏で終了し、ローソク足では陽線を形成した。
RSI(9日)は前日56.8%→53.0%(11/10)に低下。大幅高となって5日移動平均線(50756円 11/10)を上回り、10日移動平均線(50955円 同)に接近している。右肩上がりの25日移動平均線(49270円 同)がサポートとして機能しており、5日移動平均線より上が定着するかどうかが注目される。
上値メドは、心理的節目の51000円や52000円、11/4高値(52636円)などが想定される。下値メドは、心理的節目の50000円、25日移動平均線、心理的節目の49000円、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円などがある。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.579%、応札倍率(カバー)が2.85倍となった。
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.96円(10日15時時点比△0.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=177.98円(横ばい)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1560ドル(▲0.0002ドル)
FTSE100種総合株価指数:9787.15(前営業日比△104.58)
ドイツ株式指数(DAX):23959.99(△390.03)
10年物英国債利回り:4.461%(▲0.005%)
10年物独国債利回り:2.668%(△0.002%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.3% 0.4%
(前年比) 3.3% 3.6%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。米政府機関の一部閉鎖が解除に向かうとの期待が高まったほか、アジア株高を受けて投資家心理が改善すると、欧州株相場が堅調に推移。リスク・オンの円売り・ドル買いが優勢となった。米長期金利の上昇なども相場の支えとなり、20時過ぎに一時154.25円と日通し高値を更新した。
ただ、買い一巡後はやや上値が重くなった。先月末から今月初めにかけて154円台では度々頭を抑えられており、この日も戻り売りなどが出やすい地合いとなった。一時は340ドル超上昇したダウ平均が下げに転じたことも相場の重しとなり、153.89円付近まで下押しした。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するムサレム米セントルイス連銀総裁は「米国経済はかなり回復力がある」「金融政策は、緩やかな引き締めよりも中立に近い」「政策をさらに緩和する余地は限られている」などと述べた一方、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は「9月以降のデータはFRBが9月の見通しよりもハト派的な姿勢を取るべきことを示唆」「現時点では、12月は0.50%の利下げが適切と考える」などと語った。
・ユーロドルは頭が重かった。欧州勢参入後は欧州株高に伴うリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが優勢となり一時1.1583ドルまで値を上げた。ただ、前週末の高値1.1591ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。2時過ぎには一時1.1541ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は上値が重かった。日本時間夕刻に一時178.45円と日通し高値を付けたものの、10月31日の高値178.56円や30日に付けたユーロ導入以来の高値178.82円がレジスタンスとして働くと失速した。2時過ぎには177.74円付近まで下押しした。ユーロドルと似た動きとなった。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発し、史上最高値を更新した。米政府機関の一部閉鎖が解除に向かうとの期待が高まったほか、アジア株高を好感した買いが優勢となった。リオ・ティントやグレンコアなど素材株が買われたほか、HSBCホールディングスやバークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。米政府機関の一部閉鎖が解除に向かうとの期待が高まったほか、アジア株高を受けて投資家心理が改善。独株にも買いが広がった。個別ではコメルツ銀行(6.57%高)やシーメンス・エナジー(4.62%高)、ドイツ銀行(4.39%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
10日の日経平均は大幅反発。終値は635円高の50911円。7日の米国で政府閉鎖の解除期待からダウ平均やS&P500が上昇したことを好感して、300円超上昇して始まった。高く始まった後は、戻り売りをこなしながらじわじわと水準を切り上げる展開。広範囲に買いが入った上に、ナスダック安を受けてもアドバンテスト<6857.T>や東京エレクトロン<8035.T>など大型グロース株が大きく上昇したことで、下値不安が後退した。後場に入っても強い基調は続き、上げ幅を600円超に拡大。50900円台に乗せて節目の51000円に迫り、高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で6兆0800億円。業種別では石油・石炭、鉱業、金属製品などが上昇した一方、その他製品、サービス、水産・農林などが下落した。上期は前年同期比で減収減益ではあったものの、直近3カ月では利益を大きく積み増したオリンパス<7733.T>が急騰。半面、上期は増収増益ではあったものの、市場の期待には届かなかった古河電気工業<5801.T>が後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1227/値下がり348。ソフトバンクGが2%台の上昇。半導体関連ではアドバンテストや東京エレクトロンのほかディスコなども強く、キオクシアは2桁の上昇率となった。1Qが大幅増益となったメルカリが急騰。上期が計画上振れ着地となったTOWAがストップ高となり、期末配当見通しの引き上げや株主優待の拡充を発表したI-neが場中は値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、サンリオが連日の大幅安。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって下落した。半導体株は強く買われるものもあった一方で、ソシオネクストやレーザーテックは軟調。上期が営業減益着地となったオムロンが大幅安となった。住友ファーマ、任天堂、リクルートなど先週決算を材料に強く買われた銘柄の一角が、利益確定売りに押されて大きめの下落となった。
日経平均は635円高(50911円)と大幅上昇。アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクGの3銘柄のプラス寄与が約450円と大きかったが、先週末7日の下げ分(607円安)をきっちり取り戻した。あすは引け後にソフトバンクGが決算を発表予定。値動きが水曜12日の株式市場を大きく刺激する可能性もあるだけに、あすは様子見姿勢が強まりそうだ。先週、終値での5万円割れは回避しているだけに、51000円台に乗せてくれば先週の下げが調整の一環であったとの見方が強まる。手がけづらさはあるが、その中でもう一段水準を切り上げる動きが見られるかが注目される。
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.15円(前営業日比△0.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=178.15円(△0.71円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1557ドル(▲0.0009ドル)
ダウ工業株30種平均:47368.63ドル(△381.53ドル)
ナスダック総合株価指数:23527.18(△522.64)
10年物米国債利回り:4.12%(△0.02%)
WTI原油先物12月限:1バレル=60.13ドル(△0.38ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4122.0ドル(△112.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。米政府機関の一部閉鎖が解除に向かうとの期待が高まる中、世界的に株価が上昇するとリスク・オンの円売り・ドル買いが出た。米長期金利の上昇なども相場の支えとなり、20時過ぎに一時154.25円と日通し高値を更新した。
ただ、直近高値である4日の154.48円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利が上昇幅を縮めたことなども相場の重しとなり153.89円付近まで下押しする場面があった。もっとも、引けにかけては154円台を回復している。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するムサレム米セントルイス連銀総裁は「米国経済はかなり回復力がある」「金融政策は、緩やかな引き締めよりも中立に近い」「政策をさらに緩和する余地は限られている」などと述べた一方、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は「9月以降のデータはFRBが9月の見通しよりもハト派的な姿勢を取るべきことを示唆」「現時点では、12月は0.50%の利下げが適切と考える」などと語った。
・ユーロドルは4日ぶりに小反落。日本時間夕刻に一時1.1583ドルと日通し高値を付けたものの、前週末の高値1.1591ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速。2時過ぎに一時1.1541ドルと日通し安値を更新した。もっとも、前週末の安値1.1530ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。
米政府機関の一部閉鎖が長期化し、主要な米経済指標が発表されない中、本日はユーロ圏の経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたため、相場は大きな方向感が出なかった。今日1日の値幅は0.0042ドル程度と小さかった。
・ユーロ円は続伸。日本時間夕刻に一時178.45円と日通し高値を付けたものの、10月31日の高値178.56円や30日に付けたユーロ導入以来の高値178.82円がレジスタンスとして働くと失速した。2時過ぎには177.74円付近まで下押しした。もっとも、取引終盤には178円台を回復した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。米政府機関の一部閉鎖が解除に向けて前進したとの見方から投資家心理が改善すると、株買いが優勢となった。「半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)に増産を依頼した」と伝わったエヌビディアが大幅高となるなど、ハイテク株中心に買いが入った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに大幅反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米政府機関の一部閉鎖が解除に向けて前進したとの見方から株価が上昇すると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。なお、この日実施された3年債入札は「堅調」と受け止められたものの、反応は限定的だった。
・原油先物相場は続伸。米政府機関の一部閉鎖が解除されるとの期待を背景にリスクオンの地合いとなって買いが入るも、その後は市場での根強い供給過剰懸念が上値を抑えた。
・金先物相場は大幅続伸。前週発表された米経済指標は弱い結果が相次いだ。これを受けて米12月利下げ観測が再び意識されると、金は買いが優勢となった。
10日08:36 ハウザー豪準備銀行(RBA)副総裁
「インフレ抑制には引き締め政策が必要」
「中期的にインフレ目標達成は依然可能 」
「将来的に利下げが行われると考えるのはおかしなことではない」
「金利見通しについては様々な見方がある」
「金融政策は異例の課題に直面している」
10日08:50 日銀金融政策決定会合における主な意見(10月29-30日分)
「今後も関税政策の影響のほか、関税政策が変更される可能性もあるが、先行きを見通すうえで7月時点よりも霧が薄くなったと判断している」
「先週新内閣が発足したが、現時点では政府の政策の方向性や中身についての情報は十分とは言い難く、見通しに組み込めていない」
「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」
「今しばらく見極めて判断する方が適当である」
「利上げを行うべきタイミングが近づいているものの、状況をもう少しだけ見極めることが適当と考える」
「将来の急激な利上げショックを避けるため、金融緩和度合いを調整して、中立金利にもう少し近付けるべき」
「現段階での利上げは金利正常化のプロセスと考えられる」
10日09:28 トランプ米大統領
「政府閉鎖の終結が非常に近づいているようだ」
10日09:33 高市首相
「(対GDP比引き下げ対象について)債務残高も純債務残高も含まれる」
「債務残高については様々な定義がある」
10日15:22
「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべき」
「マクロ経済政策の責任は政府が持つもの」
「日銀には賃金上昇伴う2%の目標実現に適切な金融政策期待」
10日12:31 米通商代表部(USTR)
「中国の海運・物流・造船分野を対象とした301条調査を一時停止」
「停止措置は11月10日から1年間有効」
10日12:50 中川日銀審議委員
「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ」
「国内経済の現状は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復」
「中国が、米国以外の国々に向けた輸出を拡大させることが、これらの国の企業業績を押し下げ、海外経済、ひいては日本経済への下押し圧力となる可能性」
10日18:26 片岡元日銀審議委員(日本成長戦略本部に起用)
「日本の成長期待を上げる取り組みを前に進めたい」
「デフレからの完全脱却が目の前にきている」
「高市政権は経済成長のプライオリティが高い」
「しっかり財政を出していくべき」
「物価見通しは比較的抑制されている」
「関税の影響は、物品に限定されている」
「政策は良好な状態にある」
「利下げは労働市場を支え、インフレへの下押し圧力を維持している」
「金利を長期にわたって維持するという過ちを犯したくない」
10日23:52 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「米国経済はかなり回復力がある」
「労働市場は完全雇用に近づき、冷え込みつつある」
「インフレ率は2%目標よりも3%に近い」
「企業は労働市場がやや軟化しており、状況はまずまず良好だと述べている」
「不確実性は横ばいに」
「消費者のバランスシートは良好」
「解雇発表に注目したが、同時に失業保険の請求は安定していた」
「金融政策は、緩やかな引き締めよりも中立に近い」
「政策決定を行うのに十分な情報を持っている」
「政策をさらに緩和する余地は限られている」
「インフレ抑制に引き続き注力することが重要」
11日01:07 ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事
「9月以降のデータはFRBが9月の見通しよりもハト派的な姿勢を取るべきことを示唆」
「段階的にハト派的な姿勢を取るのは妥当」
「政策は将来を見据えたものでなければならない」
「現時点では、12月は0.50%の利下げが適切と考える」
「住宅市場を見てみると、金融環境はかなり逼迫しているように見える」
「関税インフレが現実のものとなったとしても、それは一時的なもの」
「失業率は上昇傾向にあり、労働市場は軟化している」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 9月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前2兆4677億円の黒字/季節調整済2兆2563億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:1001億円の赤字)
○14:00 ◇ 10月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数47.5/先行き判断指数48.8)
<海外>
○08:30 ◇ 11月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○09:01 ◇ 10月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◇ 10月豪NAB企業景況感指数
○16:00 ◎ 10月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 7-9月英失業率(ILO方式、予想:4.9%)
○17:30 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○17:30 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ スレイペン・オランダ中銀総裁、講演
○18:30 ◎ 7-9月期南アフリカ失業率
○19:00 ◎ 11月独ZEW景況感指数(予想:41.0)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:00 ◎ 10月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.75%)
○21:00 ◇ 9月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比横ばい)
○22:00 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○12日01:45 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○米国(ベテランズデー)、債券市場が休場
○ポーランド(独立記念日)、カナダ(リメンバランス・デー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、一時154.25円まで上昇。米政府機関の一部閉鎖が解除に向かうとの期待が高まる中、世界的に株価が上昇するとリスク・オンの円売り・ドル買いが出た。米長期金利の上昇なども相場の支えとなった。ユーロドルは、手掛かり材料に欠けたため1.15ドル半ばを中心に小動きだった。
本日の東京時間でのドル円は、今年2月以来となるドル高・円安水準を狙いに行くことになるか。ただ、引き続き円売りだけではなく、ドル売り要因もあることで相場の急変には備えておきたい。
ドル円の下値を支えるのは、国内要因では引き続き高市政権の積極財政政策。昨日行われた衆院の予算委員会で高市首相は、改めて積極財政政策を強調した。野党は首相が掲げる「責任ある」について説明を求めたが、首相は「プライマリーバランスの見直しは、1月の中長期試算を見極め、6月に明確にする」と回答し、基本的には責任の所在は明確にせず、放漫財政になることが濃厚だ。高市政権は高支持率に支えられ、日経平均をはじめ本邦株式指数が高止まりしていることもあり、株高・円安の高市トレードは続いているが、財政悪化懸念というマイナス面も円売りを進める可能性もある。
国外要因でドルを支えるのは、過去最長となった米国の政府機関閉鎖がようやく暫定的ではあるが終結に向けた合意に進んでいること。昨日は上院が僅差ではあるが承認していることで、ジョンソン下院議長は早急に下院でも投票ができるように促している。すでに米株式市場を含め、合意を織り込んではいるが、正式に承認された場合はご祝儀的にドルが買われることになるか。
一方、国内要因でドル円の上値を抑えるのは、高市政権の経済対策が「希望」から「失望」へと向かう可能性が高まっていること。高市首相は、今年5月には「食料品の消費税税率0%にすべき」と主張していた。しかし、予算委員会ではレジシステムの問題を取り上げ、これまでの主張を撤回するような方針を示している。更に、自民党が掲げていた国民への一律給付も、参院選の敗北で正式に撤回している。現時点での経済対策で国民が直接恩恵を受けるのは、コストのかかる商品券発行支援等が目立つ程度だ。
麻生副総裁、鈴木幹事長を中心とした、これまで通りの自民党の経済政策となれば、国民の支持が予算発表後は急速に離れるリスクもあり、政治的な混迷が再び露呈すれば「高市トレード」の巻き戻しとなるか。
国外要因では、ドルの重しになるのが米国の政局と経済不安。過去最長となったロックダウンの影響を受けて、米経済が大きな痛手を被っている可能性を見極める必要がある。今月発表されたNBCの調査では、トランプ政権の経済対策が期待外れと回答したのが63%、インフレと生活費については66%が期待外れとしている。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に12月の利下げ期待がやや後退したが、再び継続的な利下げ期待が高まればドルの重しとなるだろう。
なお、本日の米国市場は、為替・株式市場は通常営業となるが、債券市場はベテランズデーのために休場。同じく北米のカナダ市場もリメンバランスデーで休場のため、欧州引け後は市場流動性が急激に悪化する。
また、昨年は11月14日に公表された米国の「外国為替報告書」の発表を控え、ドル高・円安を警戒する声が高まっている。先月末の日米財務相後に「インフレ期待を安定させ、為替レートの過度な変動を防ぐ上で、健全な金融政策の策定とコミュニケーションが果たす重要な役割を強調した」と米財務省が公式に見解を発表した。トランプ関税が最高裁の審理次第で暗礁に乗り上げる可能性があり、過度なドル高・円安も貿易不均衡是正を図ろうとしているトランプ政権にとって許容できないだろう。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 51260 +210 (+0.41%)
TOPIX先物 3339.5 +15.0 (+0.45%)
シカゴ日経平均先物 51275 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
10日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米議会上院が連邦政府の閉鎖解除に向けた法案を前進させるための動議を可決し、政府機関の一部閉鎖が週末にかけて解除される見通しが強まった。台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>に増産を依頼したと伝わったエヌビディア<NVDA>が大幅高となり、ハイテク株を中心に買い戻しが入った。フィラデルフィア半導体指数(SOX)の上昇率は3%を超えている。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、マイクロソフト<MSFT>、スリーエム<MMM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、シスコシステムズ<CSCO>が買われた。半面、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ナイキ<NKE>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比225円高の5万1275円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの5万1050円で始まった。5万1220円まで買われた後はショート優勢から軟化し、5万0900円~5万1050円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に5万0740円まで売られる場面もみられた。ただし、終盤にかけてショートカバーを交えたロング優勢によりプラス圏を回復し、5万1300円まで買われ、5万1260円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでボリンジャーバンドの+1σ(5万1060円)での攻防が続いていたが、終盤にかけての上昇で同バンドを上回って終えている。買い一巡後は+1σが支持線として機能するかを見極めることになるだろう。底堅さが意識されてくると、+2σ(5万2590円)とのレンジに向かわせそうである。
エヌビディアの上昇率は5%を超えており、アドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になると考えられ、足もとで持ち高調整の動きが強まっていた半導体・AI関連株の買い戻しを誘う可能性がある。また、きょう決算発表を控えているソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の動向を横睨みに、先物市場でも仕掛け的な商いが入りやすいだろう。
日経225先物は足もとの調整で、パラボリックが陰転シグナルを発生させている。ただ、SAR値は5万2390円と+2σを下回る水準に低下しているため、シグナル好転のハードルはそれほど高くはないだろう。ソフトバンクグループの決算待ちとなるなかで買い一巡後はこう着感が強まる可能性はあるものの、オプション権利行使価格の5万1000円から5万2000円辺りのレンジを想定する。+1σ近辺では押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
10日の米VIX指数は17.60(7日は19.08)に低下した。7日には一時22.72まで急伸する局面もみられたが、終値では20.00を下回っていた。この日は18.58と続落で始まり、その後の下げで25日移動平均線(18.41)を割り込んでいる。75日線(16.70)が射程に入ってきたことで、リスク選好に傾きやすい状況である。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.35倍に上昇した。前週末に一時15.16倍まで下げて支持線として意識される25日線(15.12倍)水準まで調整したことで、いったんリバランスが入りやすいタイミングであった。アドバンテストやソフトバンクグループ、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などが日経平均型を牽引している。+1σ(15.42倍)と25日線とのレンジ内での推移のため、+1σを突破してくる局面ではNTロングでのスプレッド狙いの動きが強まる可能性があろう。
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東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は381ドル高の47368ドルで取引を終えた。上院で政府閉鎖の解除に向けた協議が進展したことを好感して、大型ハイテク株が強く買われる展開。3指数とも高値圏で終了し、ナスダックが2%を超える上昇となった。ドル円は足元154円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが225円高の51275円、ドル建てが285円高の51335円で取引を終えた。
きのうの日本株も米政府閉鎖の解除期待を背景に上昇してはいるが、エヌビディアが5%を超える上昇となっており、引き続き買いが入ると予想する。米国同様にハイテク株に資金が向かうだろう。本日引け後にはソフトバンクグループ<9984.T>が決算発表を予定しており、買い一巡後は様子見ムードが強まるとみる。ただ、米国株の動きが良くなってきたことはAI関連への期待を高めるだけに、売りが手控えられて下げづらく上げやすい地合いが続くと予想する。日経平均の予想レンジは51100-51600円。
米国とスイスは、8月に米国がスイスからの輸入品に課した39%の高税率を15%程度に引き下げる合意に近づいている。トランプ大統領は「最終的な税率はまだ決定されていない」と述べつつも、協議が進行中であることを認め、スイスを「良き同盟国」と呼び支援の意向を示した。
現在のスイスに対する39%の関税は、トランプ政権の貿易再構築で導入されたもので、多くのスイス輸出産業に強い打撃を与えている。特に高級時計、工作機械、チョコレートなど米国が重要な市場となる分野に影響。関税の引き下げが実現すれば、これらの業界への圧力は軽減され、トランプ政権下での最も重要な関税緩和の一つとなる可能性がある。
米上院は政府機関再開に向けた法案を可決した。
ドル円は、昨日から、10月30日の急伸以来ずっと頭を押さえられていた154円台をメインの取引レベルとした底堅い展開となっていますが、米議会が過去最長の米シャットダウンを終わらせるべく動きが本格化したことを受けて、株価を中心にリスクオンの動きとなっていることが大きな要因。本日の東京市場では、チャート上での戻り高値である11月4日の154.48円をわずかながらも上抜ける動きとなっています。
米国では、先週のNY市長選を含む地方選挙で、まさかの米共和党の3連敗。日本では、高市内閣が発足して初めての予算委員会での政策論議が展開されているわけですが、それぞれに市場が確認したかった動きがスピード感を持って実行される可能性が出てきているなか、市場では現時点でのリスクオン・オフ相場の主役であるドル円と日経平均が動意付いてきていることとも整合性をとることができるというもの。
本日は米国がベテランズデーの祝日で米債券市場が休場とあって、市場参加者が少ない状況となりますが、週末にもシャットダウンを終わらせる目処がたってきた米国勢を中心としたリスクオン相場が続いています。
日経225先物は11時30分時点、前日比80円高の5万1130円(+0.15%)前後で推移。寄り付きは5万1340円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1275円)を上回る形で、買いが先行して始まった。買い一巡後は5万1300円~5万1470円辺りでの保ち合いを継続するなかで、中盤にかけて5万1550円まで上げ幅を広げた。ただ、終盤にかけては持ち高調整とみられるロング解消の動きが優勢となり、5万1100円まで上げ幅を縮めている。
米政府機関の閉鎖が週末にかけて解除される見通しが強まったことを手掛かりとしたロングによって5万1550円まで買われる場面もみられたが、その後は上げ幅を縮める形でボリンジャーバンドの+1σ(5万1050円)に接近している。同バンドが支持線として機能するかを見極めたいところであろう。
引け後に決算発表を控えているソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は堅調ながら中盤以降、上げ幅を縮めたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]は下落に転じており、先物市場においてもロング解消に向かいやすいところである。ただし、+1σが支持線として機能する局面が続くようだと、ショートカバーを誘う可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.38倍に上昇した。一時15.42倍まで上げる場面もみられたが、+1σ(15.43倍)が抵抗線として意識される形である。ソフトバンクグループに利益確定の動きが強まってくるようだと、NTロングを巻き戻す動きに向かわせよう。
本日のロンドン為替市場でユーロ相場は、週明けから強まったリスク志向ムードが継続するかを確かめつつ、欧州金融当局者の講演や独ZEW景況感指数を見極めながらの値動きとなりそうだ。ポンドは英雇用データが材料視される。
当局者講演は、欧州午前にブイチッチ・クロアチア中銀総裁やスレイペン・オランダ中銀総裁、午後にコッハー・オーストリア中銀総裁、エスクリバ・スペイン中銀総裁が予定されている。この中ではスペイン中銀総裁のみがややハト派に位置づけられ、それ以外はタカ派スタンスとされている。「利下げ打ち止めの可能性」に言及するかもしれず、その場合に市場がどのような反応を示すか注目したい。オーストリア中銀総裁は、次回12月理事会で投票権を持たない。
日本時間19時に発表される11月独ZEW景況感指数は、予想41.0と前回値を上回る見込み。50超えの7月分にはまだ距離があるものの、予想通りであれば3カ月連続の上昇と底打ち感も出てくるか。予想から離れた結果となれば、このところ狭いレンジ相場が続いていた後なだけに、ユーロドルの動意につながるかもしれない。
英雇用データでは、4.9%と悪化予想の7-9月英失業率(ILO方式)に注意したい。見込み通りであれば2021年前半以来の高さとなる。週平均賃金の上昇率にも注目だが、労働市場の弱さが確認されるようだと、前回の英中銀金融政策委員会(MPC)を経て強まった「12月利下げ」に対する思惑が一層意識されそうだ。
このほか英国からは、グリーン英MPC委員がUBS欧州カンファレンスで講演予定。同委員は、政策金利据え置き決定を支持した1人。英中銀が8月に利下げを実施したときには、据え置きを主張していた。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1599ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.3249ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、6日安値1.1491ドル
・ポンドドル、7日安値1.3095ドル
ドル円:1ドル=154.12円(前営業日NY終値比▲0.03円)
ユーロ円:1ユーロ=178.19円(△0.04円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1561ドル(△0.0004ドル)
日経平均株価:50842.93円(前営業日比▲68.83円)
東証株価指数(TOPIX):3321.58(△4.16)
債券先物12月物:135.80円(△0.17円)
新発10年物国債利回り:1.690%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
4兆4833億円の黒字 3兆7014億円の黒字・改
経常収支(季節調整済)
4兆3476億円の黒字 2兆3890億円の黒字・改
貿易収支
2360億円の黒字 1059億円の黒字
10月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 49.1 47.1
先行き判断指数 53.1 48.5
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日経平均株価が上昇して始まったことを受け、投資家のリスク志向改善を意識した買いが先行した。仲値に向けた買いも入り、一時154.49円と4日につけた直近高値の154.48円をわずかに上抜ける場面も見られた。もっとも、その後は伸び悩む展開に。米上院で政府機関の再開に向けた法案が可決され、明日にも下院で採決が実施される可能性があるなか、閉鎖解除後に持ち高調整や利益確定目的の売りが持ち込まれる動きを警戒して、後場の日本株がマイナス圏まで失速。ドル円も日本株の動きをながめながら154.09円付近まで押し戻された。
・ユーロ円はもみ合い。ドル円の上昇につれて一時178.40円まで値を上げたが、昨日高値の178.45円手前では買いも一服となった。
・ユーロドルは小動き。昨日終値の1.1557ドルを挟んだ狭いレンジ内取引に終始した。
・日経平均株価は反落。米政府機関の閉鎖解除に向けた期待からこの日も買いが先行し、指数は一時600円超高まで上昇した。ただ、後場に入ると持ち高調整売りが優勢に。株価指数先物主導で売りが進み、一転して330円超安まで失速する場面も見られた。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。30年物国債入札を前に持ち高調整目的の買いが先行したほか、高く始まった日経平均株価が失速したことも債券買いを誘った。なお、30年債入札は「低調な結果だった」と受け止められた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
米中摩擦は一旦緩和も、中国経済への過度な期待は依然禁物
経済状況が中国の譲歩を後押しか、ディスインフレ圧力は根強く、金融市場は期待先行感が強い状況
先月の中国によるレアアース輸出管理の強化策発表を受け、米国が追加関税を大幅に引き上げる方針を示したことで米中関係の悪化懸念が高まった。しかし、実務者協議を経て両国の首脳会談で歩み寄り、レアアース規制の1年延期や追加関税撤廃と引き下げ、フェンタニル対策の協力などで合意した。これにより緊張は一時的に緩和し、世界経済への悪影響の懸念も後退した。しかし、米中間では半導体やサイバーセキュリティ、人権、台湾問題などの課題が山積しており、根本的な懸案は残る状況が続いている。
中国が予想外の譲歩に動いた背景には、不動産不況や若年層の雇用回復の遅れに加え、「内巻(ネイジュン)」による過当競争などで内需が弱く、ディスインフレ圧力が根強い経済状況が影響した可能性がある。10月のインフレ率は前年比+0.2%とプラスに転じたが、今年は国慶節連休が長かったことが影響したとみられる。また、川上の物価である生産者物価もマイナス幅は縮小するも、原材料価格の上昇を価格転嫁しにくい状況が続いている。米中摩擦の緩和で株価は上昇しているが、企業収益の改善が見通しにくい上、追加的な政策への期待も薄く、構造的な課題への解決も見通しにくい。よって、過度な楽観は禁物と捉えられる。
1.MAGA(Make America Great Again:アメリカ合衆国を再び偉大な国にする)
1979年、米国がインフレ高進と景気減速が併存するスタグフレーションという深刻な経済状況悪化に悩まされていた頃、1980年の大統領選挙におけるレーガン陣営のピンバッジやポスターで使われた。
2016年の米大統領選挙において、レーガン第40代米大統領を尊敬していたトランプ米大統領が選挙運動で活用して、2度(2017年、2025年)、ホワイトハウスに乗り込んだ。
MAGAには、米国人の経済的、文化的な願いが込められている。
■経済的MAGA
20世紀に世界最大の製造国として栄えたアメリカの強い経済を取り戻したいという願いであり、世界市場を支配していた鉄鋼や自動車産業の復活が希求されている。
■文化的MAGA
キリスト教福音派(Evangelical)に代表される保守的な白人層が願う伝統的な家族観や宗教的価値が社会の中心にあった時代を取り戻したいという願いである。
2. MAGAの失望と決別
トランプ米大統領の熱烈な支持層であるMAGA派の陰謀論集団「Qアノン」は、トランプ氏は、悪魔崇拝の小児性愛者による国際的な秘密組織を暴くために神に選ばれた存在だと主張していた。しかし、トランプ大統領が選挙公約に挙げていた故ジェフリー・エプスタインの「顧客リスト」を暴くことなく存在を否定したことで、激怒しているらしい。
3. MAGAの分裂
ワシントンポスト(WP)は、MAGAが理念的に互いに衝突する6つの主要派閥で構成されていると報道した。
MAGAの分裂により、来年の中間選挙の「前哨戦」とも言える全米最大都市のニューヨーク市、南部バージニア州と東部ニュージャージー州の両知事選での民主党候補の勝利につながったとのことである。
26年の中間選挙は、トランプ米政権の政策を問う一段と厳しい国民投票の様相を呈している。トランプ第1次政権の中間選挙では、民主党が下院の支配権を奪い、トランプ政権の立法課題は停滞し、2度の弾劾裁判の憂き目にも遭った。
1)MAGAポピュリスト(大衆迎合主義者)
2)伝統共和党
3)財政緊縮論者
4)宗教的右派
5)技術右派
6)MAHA(米国を再び健康に)
大阪12月限
日経225先物 51160 +110 (+0.21%)
TOPIX先物 3331.0 +6.5 (+0.19%)
日経225先物(12月限)は、前日比110円高の5万1160円で取引を終了。寄り付きは5万1340円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1275円)を上回る形で、買いが先行した。買い一巡後は5万1300円~5万1470円辺りで保ち合い、前場中盤にかけて5万1550円まで上げ幅を広げた。ただ、前場終盤にかけては持ち高調整とみられるロング解消の動きが優勢となり、5万1100円まで上げ幅を縮めていた。
その後は5万1100円~5万1250円辺りでの推移が続いたが、後場終盤にかけてソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が一時下落に転じたことがショートを誘う形となり、5万0610円まで売られた。ただ、同社が引け後に発表した2026年3月期第2四半期決算がコンセンサスを上回る進捗だったほか、1株を4株とする株式分割を発表したことがショートカバーを呼び込み、引け間際に切り返す展開だった。
前場は米政府機関の閉鎖が解除される見通しが強まったことを手掛かりに、5万1550円まで買われる場面もみられたが、その後は上げ幅を縮める形でボリンジャーバンドの+1σ(5万1050円)水準での攻防が目立った。後場は決算を控えたソフトバンクグループとの連動性が高まり、短期的なショートを誘う動きもあった。
ソフトバンクグループの決算が予想を上回ったことで、米預託証券(ADR)で強い値動きをみせるようだと、日経225先物は+1σから明確に上放れてくることも考えられる。アドバンテスト<6857.T>[東証P]やフジクラ<5803.T>[東証P]などで持ち高調整の動きがみられていたこともあり、半導体・AI関連株への資金流入が再び強まる可能性もありそうだ。
一方で、再び+1σを割り込んで推移するようだと、5万円割れを狙ったショートを誘う展開となる可能性がある。そのため、+1σ水準で強弱感が対立しやすく、明確にトレンドが出てくるまでは、スキャルピング中心のトレードとなろう。
NT倍率は先物中心限月で15.35倍と横ばいだった。一時15.42倍まで上げる場面もみられたが、+1σ(15.43倍)が抵抗線として意識される形である。後場終盤にかけてソフトバンクグループへの利益確定の動きが強まる場面がみられたなかで、NTロングの巻き戻しに向かわせたようだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万6832枚、ソシエテジェネラル証券が1万1947枚、サスケハナ・ホンコンが3597枚、モルガンMUFG証券が2844枚、バークレイズ証券が2398枚、日産証券が1544枚、BNPパリバ証券が1412枚、みずほ証券が1397枚、松井証券が1321枚、ゴールドマン証券が1239枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万1259枚、ソシエテジェネラル証券が1万8753枚、ゴールドマン証券が4627枚、JPモルガン証券が4364枚、バークレイズ証券が3995枚、野村証券が2955枚、モルガンMUFG証券が2810枚、サスケハナ・ホンコンが2302枚、シティグループ証券が968枚、BNPパリバ証券が868枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、為替・株式市場は通常取引だが、債券市場はベテランズデーで休場となるため、閑散取引の中でのトランプ米大統領の発言など突発的な材料には警戒しておきたい。
リスク回避要因だった米政府機関の閉鎖に関しては、下院が上院で可決されたつなぎ予算案を12日に審議する見通しとなっており、下院での可決を経て、トランプ大統領による署名で解消されることになる。感謝祭に向けて米政府機関が再開される可能性が高まりつつあり、ドル買い、株買いに繋がりつつある。
しかしながら、トランプ米政権にとってのマイナス要因としては、トランプ関税に対する連邦最高裁の口頭弁論で、保守派を含む複数の判事がトランプ関税政策の合憲性に疑義を呈していることや、来年の中間選挙の前哨戦であるニューヨーク市、南部バージニア州と東部ニュージャージー州で民主党候補が勝利したことなどが挙げられる。
連邦最高裁がトランプ関税を違憲と判断した場合、巨額の関税の払い戻しや関税合意の撤回などにより、大きな混乱が警戒されている。
さらに、トランプ米政権が目論んでいたトランプ関税による財政赤字や貿易赤字の削減の効果が期待できなくなるため、貿易赤字削減の「プランB」としてドル高抑制に軸足が移る可能性が高まることになる。
米財務省は昨年11月14日に「外国為替報告書」を公表しており、為替監視国に対する言及には警戒しておきたい。
6月に公表された「外国為替報告書」では、「日銀の金融引き締め政策は、日本経済の成長率やインフレ率を含むファンダメンタルズに応じて継続的に進められるべきで、これによりドルに対する円安の正常化や必要とされている両国貿易の構造的再均衡化を後押しすることになる」との言及していた。すなわち、日本銀行の追加利上げを通じて円安修正が進むことを、米国政府が期待していることを示すものであり、先日の日米財務相会談でのベッセント米財務長官による日銀への利上げを促す見解でもある。
三村財務官は、「主な懸念は為替の過度なボラティリティ、水準ではない」と述べていたが、神田前財務官と同様のボラティリティ重視ならば、ボリンジャー・バンド+2σの155.20円台がドル売り・円買い介入への警戒水準となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、154.80円(2/12高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.32円(日足一目均衡表・転換線)
今晩はもみ合いか。昨日は政府閉鎖解除期待が高まったことで投資家心理が改善。バリュエーションの高さが懸念され先週に大きく下落したエヌビディアなどのAI関連株が買い直され主要3指数がそろって上昇した。ダウ平均が381.53ドル高(+0.81%)、S&P500が1.54%高とともに2営業日続伸し、ハイテク株主体のナスダック総合は2.27%高と3営業日ぶりに大幅反発した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の19.08ポイントから17.60ポイントに低下と、センチメントは大きく改善した。
今晩の取引では政府閉鎖解除期待やセンチメントの改善が引き続き支援となることが期待されるものの、昨日の大幅高の反動で上値の重い展開か。注目の経済指標や決算発表などの材料も乏しく、昨日終値を挟んでもみ合う展開となりそうだ。
今晩の米経済指標は10月NFIB中小企業楽観度指数など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反落。買い優勢は序盤で一巡して押し戻される展開となった。後場はマイナスに転じ下げ幅を拡大する場面もあったが、5日移動平均線(50625円 11/11)を下値で意識して引けは戻した。
RSI(9日)は前日53.0%→54.8%(11/11)に上昇。直近高値を前にして日柄足らずの陰線となったが、5日移動平均線上を維持しており見方に大きな変化はない。一目均衡表の基準線(48839円 同)の上昇基調が続く中、あすは5日移動平均線の上昇が反発を後押しするかが注目される。一方、戻りにもたつくことで10日移動平均線(50988円 同)の上昇一服につながる場合、調整が長引く可能性が高まる。
上値メドは、心理的節目の52000円、11/4高値(52636円)、心理的節目の53000円や53500円などが想定される。下値メドは、5日移動平均線、心理的節目の50000円、25日移動平均線(49473円 同)、11/5安値(49073円)、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円などがある。
(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.07円(11日15時時点比▲0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=178.64円(△0.45円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1595ドル(△0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:9899.60(前営業日比△112.45)
ドイツ株式指数(DAX):24088.06(△128.07)
10年物英国債利回り:4.387%(▲0.074%)
10年物独国債利回り:2.658%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月英雇用統計
失業率 4.4% 4.3%・改
失業保険申請件数
2.90万件 0.04万件・改
7-9月英失業率
(ILO方式) 5.0% 4.8%
11月独ZEW景況感指数
38.5 39.3
11月ユーロ圏ZEW景況感指数
25.0 22.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。米政府機関の一部閉鎖が解除に向かうとの期待が高まる中、欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが先行した。NYの取引時間帯に入ると、ADPが発表した米民間雇用者数は10月25日終了週までの4週間に週平均で1万1250人減少したと伝わり、全般ドル売りが活発化。23時前に一時1.1606ドルと日通し高値を更新した。
なお、11月独ZEW景況感指数は38.5と予想の41.0を下回ったものの、相場の反応は限られた。
・ドル円は一進一退。欧州株相場の上昇を手掛かりに円売り・ドル買いが先行すると一時154.44円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた約9カ月ぶりの高値154.49円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。NY市場に入り、米国の民間経済指標が労働市場の冷え込みを示すと全般ドル売りが加速し、22時30分過ぎに一時153.67円と日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値153.36円や一目均衡表転換線153.33円がサポートとして意識されると下げ渋った。24時過ぎには154.13円付近まで下値を切り上げた。
・ポンドドルは持ち直した。低調な10月英雇用統計の結果を受けてポンド売り・ドル買いが先行すると一時1.3117ドルと日通し安値を更新したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。NY市場に入り、米労働市場の軟化が示されると全般ドル安が進んだ流れに沿って一時1.3184ドルと日通し高値を付けた。
・ユーロ円は堅調。ユーロドルの上昇や欧州株高に伴う円売り・ユーロ買いが出ると一時178.74円と10月30日以来の高値を付けた。
・ロンドン株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。低調な10月英雇用統計の結果を受けて、英中銀(BOE)による利下げ観測が高まると株買いが優勢となった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。米政府機関の一部閉鎖の解除が近いとの観測が広がる中、前日の米国株相場の上昇を受けて独株にも買いが入った。個別ではバイエル(3.51%高)やアディダス(2.92%高)、メルク(2.69%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。英利下げ観測の高まりを背景に独国債にも買いが入った。
11日の日経平均は反落。終値は68円安の50842円。米国株高に好反応を示して、寄り付きは400円を超える上昇。序盤では上げ幅を600円超に広げて51500円台に乗せる場面もあった。
しかし、米国動向から強い上昇が期待された半導体株の動きが案外であった上に、プライムでは値下がり銘柄が多く、買い一巡後は失速。10時以降は値を消す流れがしばらく続いた。後場に入ると半導体株や電線株などAI関連への売り圧力が強まったことでマイナス転換。51000円を割り込むと、一時50500円台まで水準を切り下げた。300円超下げたところで売りは一巡し、終盤にかけては鋭角的に戻したものの、プラス圏には浮上できず小幅な下落で取引を終了。TOPIXも後場にマイナス圏に沈む場面があったが、こちらは終値ではプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で6兆7300億円。業種別では空運、電気・ガス、水産・農林などが上昇した一方、非鉄金属、海運、陸運などが下落した。12時に決算を発表したソニーグループ<6758.T>が、上方修正や自己株取得などが好感されて後場に入って大幅上昇。半面、通期見通しを下方修正したKOKUSAI ELECTRIC<6525.T>が後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり719/値下がり830。ソフトバンクGが決算発表を前に2%近い上昇。富士通やNECなど電機株に資金が向かった。ゼネコン大手の鹿島と大成建設がともに上方修正と増配を発表しており、そろって急伸。1Qが大幅な営業増益となったアイスタイルが一時ストップ高となるなど値を飛ばした。
一方、半導体株が全般弱く、アドバンテスト、ディスコ、SCREENなどが大幅安。序盤では強く買われる場面もあったフジクラが、急失速して6%近い下落となった。川崎重工は上方修正を発表したものの、利益見通しを据え置いたことが嫌気されて大幅安。上期決算が市場の期待に届かなかった三菱地所が売りに押された。3Q決算が失望を誘ったコーセーは、ストップ安まで売られる場面があるなど急落した。
日経平均は反落。引け後のソフトバンクGの決算発表を前に、AI関連の一角が売りに押された。ソフトバンクGに関しては決算発表直後の反応が読みづらく、振れ幅が大きくなれば日経平均や他のAI関連への影響も大きくなることが予想されるだけに、こういった動きが出ることは仕方ない。同社の上期の決算は純利益が前年同期比2.9倍と大幅増益となった。併せて1:4の株式分割も発表している。高値圏にある株価を正当化できるかどうかはともかく、内容は良好。指数が後場に失速したことについてはソフトバンクGの決算を警戒しすぎたように見えるだけに、あすは仕切り直しの買いが入る展開に期待したい。
(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.16円(前営業日比△0.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=178.55円(△0.40円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1582ドル(△0.0025ドル)
ダウ工業株30種平均:47927.96ドル(△559.33ドル)
ナスダック総合株価指数:23468.30(▲58.87)
10年物米国債利回り:休場
WTI原油先物12月限:1バレル=61.04ドル(△0.91ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4116.3ドル(▲5.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。米政府機関の一部閉鎖が解除に向かうとの期待が高まる中、欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが先行。ADPが発表した米民間雇用者数は10月25日終了週までの4週間に週平均で1万1250人減少したと伝わると全般ドル売りが活発化し、23時前に一時1.1606ドルと日通し高値を更新した。
ただ、欧州勢が引けたあとは徐々に商いが細る中、やや伸び悩んだ。取引終盤には一時1.1581ドル付近まで下押しした。
・ドル円はほぼ横ばい。欧州序盤に一時154.44円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた約9カ月ぶりの高値154.49円がレジスタンスとして意識されると失速した。NY市場に入り、米国の民間経済指標が労働市場の冷え込みを示すと全般ドル売りが加速し、22時30分過ぎに一時153.67円と日通し安値を付けた。ただ、前日の安値153.36円や一目均衡表転換線153.33円がサポートとして意識されると下げ渋った。取引終了間際には154.18円付近まで下値を切り上げた。
もっとも、本日はベテランズデーで米債券市場が休場となったため、市場参加者が少なく大きな方向感が出なかった。
・ユーロ円は3日続伸。ユーロドルの上昇や株高に伴う円売り・ユーロ買いが出ると一時178.74円と日通し高値を付けた。ただ、10月30日に付けたユーロ導入以来の高値178.82円が目先レジスタンスとして意識されると上昇は一服した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、史上最高値を更新した。米政府機関の一部閉鎖の解除が近いとの観測が広がる中、買いが優勢となった。ナイキやメルク、アムジェンなどが買われた半面、ソフトバンクグループが保有する全株式を売却したと伝わったエヌビディアが下げた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。前日に大幅上昇した反動で利食い売りなどが出た。
・米国債券相場はベテランズデーのため休場となった。
・原油先物相場は3日続伸。一時閉鎖している米政府機関の再開期待を背景に投資家心理が改善すると、原油に買いが入った。
・金先物相場は3日ぶり反落。米利下げ観測を背景に買われるも一時的となり、利益確定売りに押された。
ADP全米雇用報告の週次速報値では10月25日までの4週間の民間雇用者数は平均1万1250人減少したことが分かった。
11日05:59 トランプ米大統領
「インドと貿易合意なら関税を引き下げる予定」
「インドはロシア産原油の購入を停止している」
11日09:53 城内経済財政政策(日本成長戦略担当)相
「円安は消費者物価を押し上げる可能性、今後の動向を注視」
「物価高の継続が消費などの下押し要因になっている」
「PB目標定めた骨太方針も念頭に補正・来年度予算を編成」
11日13:15 高市首相
「飲食料品の消費減税は選択肢として検討する」
「税率上げずとも税収増える強い経済目指す」
11日13:54 中国外務省
「カナダと外務相会談を行った」
「カナダとの意思疎通を強化する意思」
「さまざまな分野での交流や協力を迅速に再開する意向を表明」
「両国間の懸念事項は関連部署で効果的に対応可能」
11日17:12 エルダーソンECB専務理事
「現状の政策金利水準は適切」
「インフレに対するリスクは沈静化しつつある」
11日17:22 コッハー・オーストリア中銀総裁
「金利は良好な位置にある」
「ECBは必要な際にのみ対応する」
11日17:42 テデーン・リクスバンク総裁
「現時点で政策金利を変更する理由は見当たらない」
11日17:52 小林自民党政調会長
「物価高対策と投資による成長力底上げを柱に提言」
「複数年度の財政運営の視点を強調することを提言」
11日18:06 グリーン英金融政策委員会(MPC)委員
「英国の政策金利は著しく抑制的とは思わない」
「インフレに粘着性があるため、政策金利はもう少し抑制的であるべき」
「家計のインフレ見通しは上昇してきている」
「中立金利3.25-3.50%は極めて合理的な水準」
11日19:20 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「インフレリスクは均衡しており、成長や物価に関する直近のデータは予想を上回っている」
11日21:49 ベッセント米財務長官
「トランプ関税は米国の消費者に対する税金ではない」
「住宅ローン金利は大幅に低下している」
12日01:08 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「来年初めまでに3-4%の成長ペースに戻るだろう」
「インフレ軌道は実に良好」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10月マネーストックM2
<海外>
○12:25 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○16:00 ◎ 10月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.3%/前年比2.3%)
○16:00 ◇ 10月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ◇ 9月トルコ経常収支(予想:10.0億ドルの黒字)
○19:30 ◎ 10月インドCPI(予想:前年比0.48%)
○19:30 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:40 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:05 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30 ◇ 9月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比1.0%)
○23:20 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○24:00 ◎ ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○13日00:20 ◎ ウォラーFRB理事、講演
○13日02:15 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○13日02:30 ◎ ミランFRB理事、講演
○13日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○13日06:00 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、154.40円台から153.67円まで下落。米国の民間経済指標が労働市場の冷え込みを示し、ドル売りで反応。もっとも、一巡後は154円前半まで持ち直した。ユーロドルも、弱い米雇用データで1.1606ドルまでユーロ買いドル売りが進む場面があった。
本日の東京為替市場でのドル円も、先週末からの底堅さは継続か。米政府機関の再開に向けた進展や、高市政権の財政拡張政策への期待がドル買い円売りをもたらしている。ただ、先週末から、「過去最長を記録し続けている米政府の一部機関閉鎖」が解消されるとの話は広まっており、米下院で機関再開につながる「つなぎ予算」が可決された場合、いわゆる「噂で買って、事実で売れ」という相場格言が意識されるかもしれず、その点には注意しておきたい。
なお本日は、日本時間12時台にバー米連邦準備理事会(FRB)理事の講演がシンガポールで予定されている。ただし、フィンテックフェスティバルにおける「AIと技術革新」というタイトルであり、金融政策に踏み込んだ発言は出ないのではないか。
昨日NY序盤には、民間データ(ADPの週間の民間雇用者数)ではあるものの、米労働市場の弱さが示唆された。10月ADP全米雇用報告が4.2万人増と市場予想を上回り、前月の減少から回復基調を示した後なだけに、ネガティブサプライズと言えるだろう。しかしながら、ベテランズデーで米債券市場が休場で後押し要因が少なかったとはいえ、ドル円の下押し幅は限られた。値動きから判断するに、下げたところのドル買い意欲は強いままと見る。
日本の政局に目を向けると、昨日で衆院予算委員会が終了し、本日から14日まで参院予算委員会が始まる。高市首相は「責任ある積極財政」により、物価対策を最優先に強い経済の構築を掲げている。財政拡張政策にブレはないようであり、金融市場では高市トレード(日本株買い、円売り)という基本的な流れは続きそうだ。
ただし、財源問題の置き去り感は否めない。財政出動を増やす政策の話が先走りし、これが嫌気されて本邦の超長期債には売り圧力が高まっている。昨日も財務省が実施した30年債入札が低調に終わったことを見ると、財源問題への見通しがある程度立つまでは、機関投資家は超長期債の購入を手控えそうだ。こちらも円にとってはネガティブな材料となる。
ところで昨日夕刻、日経新聞電子版に為替介入の可能性に関する記事が記載された。円安が進む中で、本邦当局による円買い介入に対する思惑が強まってきたという。日米金利差が縮小しているにもかかわらず円安が進行しているのは、投機的な動きだということが1つの理由。しかしながら、為替介入の前に必要なことは日銀による利上げとしている。
もっとも高市首相は昨日の衆院予算委員会で、デフレ脱却の宣言発出を「目指す」と明言した。まもなく策定する初めての経済対策に日銀への「注文」を盛り込む方針とも報じられており、政権としては利上げに後ろ向きだということが見て取れる。そうなると、円安阻止のための為替介入が実施されるのは、まだ先の話になりそうだ。
東京市場は堅調か。米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が上昇し、ナスダックが下落した。ダウ平均は559ドル高の47927ドルで取引を終えた。政府閉鎖解除に対する期待から幅広いセクターに買いが入った一方、エヌビディアなど半導体株が弱く、ナスダックは軟調に推移した。ナスダックの下落については、ソフトバンクグループ<9984.T>が保有する同社株を全株売却したと発表したことが売り材料になったとの見方があった。ドル円は足元154円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが40円安の51120円、ドル建てが25円高の51185円で取引を終えた。
エヌビディアの下落に関しては日本の企業が売却益を得た話であるだけに、それほどネガティブ視されないだろう。ダウ平均が大幅高となって史上最高値を更新しており、日本株はこれを好感した買いが入ると予想する。決算を受けたソフトバンクグループの値動きには影響を受けると思われるが、1銘柄で指数を大きく動かし得るような銘柄の決算は出そろった。米国の政府閉鎖が解除されればグローバル株式市場のリスクが低減すると考えられるだけに、場中はプラス圏でしっかりとした動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは50900-51400円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 51110 -50 (-0.09%)
TOPIX先物 3344.5 +13.5 (+0.40%)
シカゴ日経平均先物 51120 -40
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
11日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。米議会上院が10日に連邦政府の閉鎖解除に向けたつなぎ予算案を可決。早ければ12日に米下院で採決され、上下両院を通過した後、トランプ米大統領が署名して成立する。米政府機関の再開に向け前進していることが投資家心理の改善につながった。半面、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が保有株式を売却したと伝わったエヌビディア<NVDA>が下落し、他の半導体・AI関連株に持ち高調整の動きが波及した。
NYダウ構成銘柄では、メルク<MRK>、アムジェン<AMGN>、ナイキ<NKE>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が買われた。一方で、エヌビディアのほかシスコシステムズ<CSCO>、キャタピラー<CAT>、JPモルガン・チェース<JPM>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比40円安の5万1120円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比140円安の5万1020円で始まった。ショート優勢の流れが続き、米国市場の取引開始後に5万0770円まで売られた。売り一巡後はショートカバーを交えたロングが優勢となり、5万1180円とプラス圏を回復する場面もみられたが、終盤にかけて5万1100円~5万1180円で保ち合いが続き、5万1110円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まりそうだ。ソフトバンクグループの決算は予想を上回り、米預託証券(ADR)では2%近く上昇している。ただし、米国では保有株式の売却が伝えられたエヌビディアが下落したことで、半導体・AI関連株には利益確定の売りが入りやすくなりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで5万1180円まで買われる場面もみられたが、ボリンジャーバンドの+1σ(5万1180円)での攻防が続いていた。同バンドが心理的な抵抗線として機能してくると、25日移動平均線(4万9650円)とのレンジが意識されやすく、短期的なショートを誘うことになるだろう。まずは5万1000円辺りでの底固めから+1σを突破してくるかを見極めたいところである。
そのため、オプション権利行使価格の5万1000円を中心とした上下の権利行使価格となる、5万0750円から5万1250円辺りのレンジを想定する。+1σが抵抗となるようだと5万円から5万1000円、同バンドが支持線として機能してくれば5万1000円から5万1500円処での推移が見込まれそうだ。
ただ、エヌビディアは下落したとはいえ25日線が支持線として意識されており、前日の上昇に対する調整の範囲である。また、アドバスト・マイクロ・デバイセス<AMD>が時間外取引で3%あまり上昇して推移しており、半導体・AI関連の成長期待は根強く、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
11日の米VIX指数は17.28(10日は17.60)に低下した。一時18.01まで上昇する局面もみられたが、25日線(18.41)を下回っての推移が続き、その後の下げで75日線(16.71)に接近している。直近のボトム圏に近づいてきており、リスク選好に傾きやすい状況である。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.35倍と横ばいだった。一時15.42倍まで上げる場面もみられたが、+1σ(15.43倍)が抵抗線として意識される形だった。ソフトバンクグループのほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などの動向次第ではあるが、ややNTショートに振れやすくなりそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比210円安の5万0950円(-0.41%)前後で推移。寄り付きは5万1130円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1120円)にサヤ寄せする形で、小幅に下落して始まった。直後につけた5万1150円を高値に下へのバイアスが強まり、現物の寄り付き後ほどなくして5万0580円まで売られる場面もみられた。ただ、売り一巡後は中盤にかけて5万1060円まで下げ幅を縮め、終盤にかけては5万0850円から5万1050円辺りでの推移をみせている。
前日に決算を発表したソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]がウリ気配から始まったことで、先物市場では開始直後にショートを仕掛けてくる動きになったようだ。ただ、ソフトバンクグループは寄り付き後に下げ渋る動きをみせたことで、早い段階でショートカバーに向かわせたとみられる。
また、同社とアドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の3銘柄で日経平均株価を470円近く押し下げているが東証プライムの値上がり銘柄数は8割を超えているため、その後のショートを仕掛けにくくさせている。ボリンジャーバンドの+1σ(5万1170円)接近では強弱感が対立するだろうが、同バンドを捉えてくる局面ではショートカバーを誘う可能性がありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.18倍に低下した。25日移動平均線(15.19倍)を下回り、一時15.14倍まで下げる場面もみられた。同線が支持線として意識される可能性もあるため、いったんはNTショートを巻き戻す動きも入りやすいだろう。
トランプ米政権はカリフォルニア州沖で約40年ぶりに石油採掘を許可する計画を進めていると一部通信社が伝えた。この計画は2027年から2030年の間にカリフォルニア沖で6回のリース販売を予定し、アラスカやメキシコ湾東部でも掘削拡大の可能性がある。
一方で、民主党のギャビン・ニューサム州知事は強く反発するなど、州の環境保護政策と対立している。内務省はこの計画についてコメントを控えている。
昨日の海外市場では、米国がベテランズデーの祝日とあって米債券市場が休場。通常では、当然市場参加者が激減して、株式市場がライブであったとしても、市場自身はあまり動意なく終わるものですが、過去最長を記録中の米政府シャットダウンにようやく終止符を打てる目処がついた矢先という事情も重なってか、ダウ平均の史上最高値更新など、意外にも動きがみられた相場展開となりました。
そんななか、為替市場では、先週の6日のチャレンジャー社が発表した10月企業人員削減数同様に、昨日から発表が開始されたADPによる、10月25日終了週の4週間の週間平均増減数の速報値が11,250人の減少となっていることが判明すると、154.27円のNY時間高値から153.67円まで売り込まれるといった動き。ただ、その後はすぐにも買い戻されて引けにかけては154.18円まで値を戻して祝日の取引を終えました。
12日のアジア市場では、米下院でのつなぎ予算法案の議決を待つなか、本邦実需の買いが早朝から断続的に観測されると一時154.41円まで値を戻しているといったところです。目先は高市トレードの高値である昨日の154.49円が意識されています。チャート的には、2月12日の高値154.80円もまた、戻りの目処。大きな方向性を伴ったテーマへの物色が続いています。
いずれにしても、為替市場では、確固たる数字に対する枯渇が問題視されているわけで、だからこそ、先週の通常であれば見向きもされないスルーするだけの数字に過剰反応してみたり、昨日のように、いきなり週間の速報値が出たからといって、短期勢が囃してみたりしているわけで、どれだけ、クルーなき相場の中にいるかをうかがい知ることができるというもの。ただ、純粋な需給のフローは、そういった目先の上下とは関係なく、しかるべくレベル感、昨日であれば、チャート上での一目転換線のサポートレベルなどを鑑みながら、しっかりと観測されています。
本日のロンドン為替市場でユーロ相場は、取引材料が乏しい中でリスクセンチメントの強弱を見極める展開が続きそうだ。経済指標は改定値ではあるがドイツのインフレ指標、金融当局者の講演も複数予定されている。
昨日のユーロドルは一時1.16ドル台に乗せた。米政府機関の閉鎖解消への期待感から、金融市場全般にリスク志向ムードが強まり、ユーロ買いが先行した。大台乗せでは上昇が一服するも、ユーロ円やユーロポンドなど一部ユーロクロスの底堅さが支えとなっている。ユーロ円はリスク志向の円売り、ユーロポンドは弱い英雇用データを受けたポンド売りがクロスを押し上げた面もある。
10月独消費者物価指数(CPI)改定値は前年比予想が2.3%と速報値と変わらず。速報値は予想から0.1ポイント上回った。独インフレ率は昨年末に2.6%まで上昇したものの、今年に入ってからは2.0%まで鈍化したところで減速は一服している。本日の結果内容で独インフレの底打ち感が出ても、ユーロの上値を追う展開にはなりづらいだろうが、下値固めにつながる可能性はあるだろう。
なお、昨日は複数の欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーが、「現在の金利水準は適切」や「インフレリスクは均衡」との見解を示した。一方で今月に入り、ナーゲル独連銀総裁が「インフレに対して警戒を続けるべき」と述べており、タカ派なスタンスを崩していない。本日は、シュナーベルECB専務理事とデギンドス副総裁の講演が予定されている。
ポンド相場は、昨日の英雇用データの発表後にレンジを広げた。7-9月英失業率(ILO方式)が5.0%と予想を上回り、2021年以来の水準まで悪化した。平均賃金も伸び率が鈍化し、前回の英中銀金融政策委員会(MPC)から意識されている「12月会合で利下げ」への思惑が高まった。本日はタカ派と見られているピルMPC委員の講演が控えている。中銀チーフエコノミストでもある同委員が、「利下げやむなし」という雰囲気を出すのかに注目が集まる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.1656ドル
・ポンドドル、10月30日高値1.3219ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、7日安値1.1530ドル
・ポンドドル、6日安値1.3046ドル
ドル円:1ドル=154.64円(前営業日NY終値△0.48円)
ユーロ円:1ユーロ=179.01円(△0.46円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1576ドル(▲0.0006ドル)
日経平均株価:51063.31円(前営業日比△220.38円)
東証株価指数(TOPIX):3359.33(△37.75)
債券先物12月物:135.86円(△0.06円)
新発10年物国債利回り:1.685%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月マネーストックM2
前年同月比 1.6% 1.5%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。日経平均株価が下値の堅い動きとなったことをながめ、投資家のリスク志向改善を見越した買いが先行した。東京仲値にかけて本邦実需勢の買いも観測されたほか、午後に入るとさらに上値を試す動きが強まり、一時154.79円と2月以来の高値を更新。片山財務相が「為替、足元は一方的な動きがみられる」「円安、マイナス面が目立っていることは否定できない」などの見解を示すと154.50円台まで調整売りが出たものの、反応は一時的だった。
・ユーロ円はしっかり。ドル円や日本株の上昇につれて円売り・ユーロ買いが進み、179.15円までユーロ導入来の高値を更新した。
・ユーロドルは小安い。1.15ドル台後半の狭い値幅内で推移したが、一時1.1570ドルまで弱含む場面も見られた。
・日経平均株価は反発。小高く始まった後、いったんは下げに転じる場面も見られたが、一巡後は再びプラス圏に浮上した。好業績銘柄の一角に買いが向かったほか、外国為替市場で2月以来の水準まで円安・ドル高が進んだことも輸出関連株を下支えした。
・債券先物相場は3日続伸。昨日の欧州債券相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行した。日銀がこの日実施した国債買い入れオペは「弱めの結果だった」と受け止められたが、相場への影響は限られた。
米商務省は10日、輸出関連に関する関連企業への適用拡大ルールの実施を1年間停止すると発表した。米国の輸出管理上の「エンティティー・リスト」など制裁対象に指定された企業の関連会社で、持ち株比率が50%を超える企業についても、同一の輸出制限を追加適用されることがなくなる。
中国商務部はこれに対し、今回の措置は「クアラルンプールでの米中経済貿易協議の共通認識を実行に移す重要な一歩だ」と評価した。その上で、1年後の取り扱いについては「双方が今後も協議を続ける」とした。
商務部はまた、「中国は米国と共に、相互尊重と平等協議の原則に基づき、対話と交流を強化し、意見の相違を適切に管理していく」と強調。両国企業の互恵的な協力を促進し、世界の産業・サプライチェーンの安全と安定を確保するために良好な条件を整える姿勢を示した。
SMBC日興証券では、2025年10月の消費関連マインド指標が出そろったことを受けてリポートしている。消費者態度指数は10月に一段と改善。景気ウォッチャー調査における家計動向関連のDIも、現状・先行きともに大幅に改善した。これらの結果から、家計の消費マインドは明確に改善しているとSMBC日興ではコメント。10月は日経平均株価が最高値を更新する中、富裕層を中心に消費が活発化した影響があったとみている。先行きについては、物価上昇率が緩やかに鈍化していくほか、慢性的な人手不足の下で賃上げの動きが続くと見込まれることから、消費マインドは改善基調を維持する可能性が高いと考えている。
中国人民銀行(中央銀行)は11日発表した「2025年第3四半期の中国金融政策執行報告」のなかで、金融が消費を喚起・拡大する作用を強化し、消費分野への金融供給を拡大する方針を明らかにした。2025年の政策目標の達成に向け、適度に緩和的な金融政策を実施し、社会全体で比較的緩やかな融資条件を保持するとした。
人民銀は、中国の人民元建て貸出残高は270兆元、社会融資規模の残高は437兆元に達したと指摘。ベースとなる実績が高い水準にあることから「今後は金融総量の伸び率がやや低下するのは自然なことであり、中国経済が高速成長から高品質成長へと転換する流れと一致している」と述べ、金融総量指標を科学的に見る必要があるとした。また、社会融資規模やマネーサプライの伸びが名目経済成長率とおおむね一致しているなか、貸し出しの増加ペースがやや低調なことも合理的であり、中国の金融における供給サイドの構造変化が反映されたとの見方を示した。
第一生命経済研究所では、17日に公表される2025年7-9月期の実質GDP成長率を、前期比年率-2.2%(前期比-0.5%)と予測している。10月31日の段階では前期比年率-2.7%(前期比-0.7%)と予想していたが、その後に公表された経済指標の結果を反映して予測値を上方修正している。7-9月期のマイナス成長の主因には、外需と住宅投資を挙げている。株価が好調に推移する一方で、実体経済は力強さに欠けていることが改めて確認される結果になると第一生命では考えている。
ゴールドマン・サックスは最新リポートで、中国人民銀行(中央銀行)は11日発表した「2025年第3四半期の中国金融政策執行報告」を踏まえ、利下げと預金準備率引き下げの時期が当初の想定より遅れるとの見方を示した。同報告書の内容は「前回よりもハト派的ではない」と指摘した。『香港経済日報』が12日伝えた。
ゴールドマンは当初、2025年10-12月期に政策金利が0.1%、預金準備率が0.5ポイントそれぞれ引き下げられると予想していたが、その時期は26年1-3月期にずれ込むとの見方を示した。また、26年4-6月期に0.1%の利下げを予想していたが、これも7-9月期にずれ込むとみている。
さらに、人民元の国際化に関する議論が進む中で、ゴールドマンは「外為管理の重要性が増している」と指摘し、人民元が対米ドルで段階的に上昇することを許容する政策傾向の可能性を示唆した。
10月29-30日の日銀金融政策決定会合では、7対2で政策金利0.50%の据え置きが決定された。高田日銀審議委員と田村日銀審議委員は、前回同様に0.75%への利上げを主張した。
日銀金融政策決定会合の「主な意見」から、12月会合での利上げの可能性を探ってみたい。
「主な意見」には13個の意見があり、審議委員は9名なので、一人で複数意見が記載されている委員が3名程度いることになる。
最初の3つの意見は植田日銀総裁と両副総裁、残り10件は、利上げに積極的なタカ派が4件(高田日銀審議委員と田村日銀審議委員)、利上げに消極的ながら賛同する意見が4件、その他が2件となる。
9月会合では、2名の利上げ主張は、最後に配置されていたが、10月会合では、総裁、副総裁の意見の後に、タカ派色の強い審議委員の意見が配置されており、利上げを牽制うる高市政権との対決姿勢が窺えた。
■植田日銀総裁
1)「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる。そのうえで、こうした見通しが実現していくかは、不確実性がなお高い状況が続いていることを踏まえ、予断を持たずに判断していくことが重要である。」
■副総裁(氷見野副総裁・内田副総裁)
2)「先行きの政策判断に当たっては、15%の関税率を前提とした各社の収益計画が早晩固まってくることから、これに基づいた企業の賃金設定行動、特に、来年の春季労使交渉に向けた初動のモメンタムが重要である。」
3)「先行きの政策運営に当たっては、引き続き、1.各国通商政策の世界経済への影響、2.米国の金融政策と為替相場の方向性、3.国内の物価と賃金の見通しの3点を注視していく必要がある。特に、わが国企業が、関税の影響や米国をはじめとする世界経済の動向についての不確実性を踏まえたうえで、積極的な賃金設定行動を維持するかが重要である。」
■利上げに前向き(4件)
4)「来年の賃上げ期待はあるものの、物価上昇による消費行動の変容や、資材価格や人件費などの建設コストや住宅価格の上昇、それに伴う住宅着工件数の減少などから、生活者への負担が増していることが窺われる。また、足もとの銀行貸出の伸びにも注意を払っている。今後、先行きの不透明感は残るが、経済・物価の見通しと達成確度次第で金利を調整すべき環境になると考える。」
5)「米欧と異なってわが国の政策金利は中立金利を下回っている。株式市場などの金融資本市場が不安定化する可能性もある。足もとは急ぐ状況ではないかもしれないが、適切な情報発信を続けながらタイミングを逃さずに利上げを行うべきである。」
6)「金利の正常化をもう一歩進める上では、条件が整いつつあるとみている。もっとも、基調的な物価上昇率については、その定着度合いも確認する必要がある。」
7)「関税政策の影響が表れるのが遅れている中にあって、次回利上げはなお緩和の範囲内での調整であることを踏まえると、世界経済や金融市場で悪いニュースがないことを前提に、春季労使交渉に向けた初期段階の労使双方の動きなどから、企業の積極的な賃金設定行動が維持される見通しを確認できれば、政策変更につながると考える。」
大阪12月限
日経225先物 51120 -40 (-0.07%)
TOPIX先物 3366.0 +35.0 (+1.05%)
日経225先物(12月限)は、前日比40円安の5万1120円で取引を終了。寄り付きは5万1130円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1120円)にサヤ寄せする形で、小幅に下落して始まった。直後につけた5万1150円を高値に下へのバイアスが強まり、現物の寄り付き後ほどなくして5万0580円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は前場中盤にかけて5万1060円まで下げ幅を縮め、終盤にかけては5万0850円から5万1060円辺りで保ち合いを継続。
ランチタイムでレンジを下抜け、後場の取引開始時に5万0680円をつけたが、その後はショートカバーを交えて押し目待ち狙いのロングが入り、終盤にかけて5万1150円まで下落幅を縮める場面もあった。
前日に決算を発表したソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]がウリ気配から始まったことで、先物市場では開始直後にショートを仕掛けてくる動きとなったようだ。ただ、ソフトバンクグループは寄り付き後に下げ渋る動きをみせたことで、早い段階でショートカバーに向かわせたとみられる。
現物市場では同社と東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]の下げが重荷となり、3銘柄で日経平均株価を260円ほど下押した形だった。一方で、東証プライムの8割近い銘柄が上昇したほか、三井金属<5706.T>[東証P]が23%超の上昇で上場来高値を更新するなど、好決算銘柄への物色が目立つなかではショートを仕掛けにくくさせていた。
もっとも、日経225先物は5万0500円接近では押し目待ち狙いのロングが入ったものの、ボリンジャーバンドの+1σ(5万1180円)接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすい状況だった。同バンドが心理的な抵抗線として意識されているため、ソフトバンクグループやアドバンテスト<6857.T>[東証P]など、指数インパクトが大きい半導体・AI関連株がリバウンドをみせないと、上値追いのロングは慎重にさせそうである。
まずは5万1000円固めから+1σ突破を見極めたいところであり、オプション権利行使価格の5万0500円から5万1500円のレンジが意識されよう。なお、+1σは緩やかに上向きで推移しており、ナイトセッションでは5万1290円辺りまで上昇してきた。オプション権利行使価格の5万1000円から5万1250円辺りの狭いレンジでの推移をみせてくると、次第に煮詰まり感が意識され、+1σ突破で上へのバイアスが強まりやすい。
NT倍率は先物中心限月で15.18倍に低下した。25日移動平均線(15.19倍)を下回り、一時15.13倍まで下げる場面もみられた。同線が支持線として意識される可能性もあるため、いったんはNTショートの巻き戻しも入りやすいだろう。ただし、25日線を明確に下抜くと、-1σ(14.94倍)辺りが射程に入ってくる可能性がありそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5651枚、ソシエテジェネラル証券が1万0820枚、SBI証券が3024枚、サスケハナ・ホンコンが2807枚、バークレイズ証券が1574枚、モルガンMUFG証券が1095枚、JPモルガン証券が997枚、ゴールドマン証券が966枚、ビーオブエー証券が863枚、松井証券が854枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万4556枚、ソシエテジェネラル証券が2万2011枚、ゴールドマン証券が5178枚、バークレイズ証券が4441枚、モルガンMUFG証券が3752枚、JPモルガン証券が3703枚、サスケハナ・ホンコンが3049枚、BNPパリバ証券が2251枚、ビーオブエー証券が1704枚、野村証券が1358枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、下院での「つなぎ予算」の採決や複数のFRB高官の見解を見極めて行く展開となる。
昨日ADPリサーチが発表した週次の雇用指標では、米企業は10月25日までの4週間に週平均で1万1250人を削減しており、先日発表されていた10月のチャレンジャー人員削減予定数の増大(15万3074人)と同様に、10月の雇用情勢の悪化が示された。
本日は、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁、ウォラーFRB理事、ボスティック米アトランタ連銀総裁、ミランFRB理事、コリンズ米ボストン連銀総裁らの講演が予定されており、10月の雇用データを踏まえての12月FOMCに向けた見解に注目しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月FOMCでの▲0.25%の利下げ確率は67%程度となっている。
下院で「つなぎ予算」が可決された後、トランプ米大統領の署名を待って、米政府機関は再開することになる。しかし、雇用や物価関連のデータ収集が通常に戻るには時間がかかると報じられており、消費者物価指数(CPI)や雇用統計の発表は来週以降に先送りされると思われる。
下院では、共和党のジョンソン下院議長が速やかに可決されるとの楽観的な見通しを示した。また、保守強硬派グループ「自由議員連盟(フリーダム・コーカス)」のハリス会長は条件付きで支持を表明している。しかし、民主党のジェフリーズ下院院内総務は政府再開の合意内容を批判しており、下院民主党は支持しない方針を示している。
下院での採決が一回で済むのか、それとも数回となるのか、感謝祭前の米政府機関の再開に向けた鬩ぎあいを見極めて行くことになる。
また、米財務省は昨年11月14日に「外国為替報告書」を公表しており、まもなく公表されると思われるため、引き続き警戒しておきたい。
6月に公表された「外国為替報告書」や9月の日米財務相共同声明、そしてベッセント米財務長官の発言は、日本銀行の追加利上げを通じて円安修正が進むことを促している。
昨日の新聞報道では、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入のタイミングに言及されていた。先日、三村財務官は、「主な懸念は為替の過度なボラティリティ、水準ではない」と述べていたが、神田前財務官と同様のボラティリティ重視ならば、ボリンジャー・バンド+2σの155.30円台がドル売り・円買い介入への警戒水準となる。
本日は、片山財務相が「円安、マイナス面が目立っていることは否定できない」「過度な変動や無秩序な動きを高い緊張感を持ち見極めている」と円安を牽制する発言をしている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、155.89円(2/3高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.87円(日足一目均衡表・転換線)
今晩はもみ合いか。昨日はコアウィーブの急落やエヌビディアの大幅安が重しとなりハイテク株主体のナスダック総合が0.25%安と反落した一方、AI関連株から割安感が強いバリュー株への資金シフトの流れを受けてメルク、アムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソンのヘルスケア株やマクドナルド、ウォルト・ディズニー、プロクター・アンド・ギャンブルが上昇し、ダウ平均が559.33ドル高(+1.18%)と3日続伸。10営業日ぶりに終値の最高値を更新した。S&P500もITセクターを除く10セクターが上昇し、0.21%高と3日続伸した。政府閉鎖問題を巡っては、月曜日に上院で可決されたつなぎ予算案が下院で採決されることになり、早ければ週内にも政府が再開されることになる。
今晩の取引では政府再開期待や、センチメントの改善が引き続き支援となることが期待されるほか、昨日下落したAI関連株の反発も期待されるが、ダウ平均が終値の最高値を更新したことで高値警戒感の強まりで上値も重い展開か。注目の経済指標も少なく、狭いレンジでのもみ合いとなりそうだ。
今晩の米経済指標はMBA住宅ローン申請指数など。企業決算は寄り前にトランスダイム、引け後にシスコ・システムズが発表予定。
米アトランタ連銀は、ボスティック総裁が任期満了となる2026年2月28日に退任すると発表した。また、同連銀は後任の総裁を選出するため、選考委員会を設置する予定と伝えられている。
日経平均株価は反発。5日移動平均線(50795円 11/12)や10日移動平均線(51073円 同)を意識して小動きにとどまり、前日陰線に並ぶ小陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日54.8%→47.7%(11/12)に低下。前日から水準感は大きく変わっておらず、見方にも大きな変化はない。5日移動平均線などを支えに強い陽線を形成できるかが焦点となる。一方、RSIが50%を下回ったほか、基準線(49590円 同)や10日移動平均線の上昇が一服することが予想され、25日移動平均線(49597円 同)に向けてひと押しの想定もできる局面である。
上値メドは、心理的節目の52000円、11/4高値(52636円)、心理的節目の53000円や53500円などが想定される。下値メドは、心理的節目の50000円、25日移動平均線、11/5安値(49073円)、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円などがある。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.074%、応札倍率(カバー)が2.43倍となった。
(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.60円(12日15時時点比▲0.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=179.22円(△0.21円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1593ドル(△0.0017ドル)
FTSE100種総合株価指数:9911.42(前営業日比△11.82)
ドイツ株式指数(DAX):24381.46(△293.40)
10年物英国債利回り:4.398%(△0.011%)
10年物独国債利回り:2.643%(▲0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.3% 0.3%
(前年同月比) 2.3% 2.3%
10月独卸売物価指数(WPI)
前月比 0.3% 0.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。米政府機関再開への期待が高まる中、世界的に株価が上昇するとリスク・オンの円売り・ドル買いが進行。23時30分前に一時155.04円と2月4日以来約9カ月ぶりの高値を付けた。
ただ、155円台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。米長期金利の低下も相場の重しとなり、2時過ぎに154.50円付近まで下押しした。
なお、片山さつき財務相はこの日、「円安は日本経済にプラスとマイナスがあるが、マイナス面が目立ってきたところがあるのは否定しない」「足もとは為替の一方的で急激な動きがみられる」などと発言。市場では「155円を超える円安水準では政府・日銀による為替介入の現実味が増すとの見方も出ている」との声が聞かれた。
・ユーロドルは底堅い動き。米政府機関の一部閉鎖が解除に向かうとの期待とともにユーロ売り・ドル買いが進行。23時30分前に一時1.1563ドルと日通し安値を付けた。
ただ、前日の安値1.1547ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ると、一時1.1598ドルと日通し高値を更新した。
なお、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事はこの日、「欧州経済が勢いを増し、各国政府が軍事やインフラに巨額の支出を開始しているため、ユーロ圏のインフレリスクは上方向にある」と述べたほか、ECBの政策金利については「適切な位置にある」と話した。
・ユーロ円は堅調。世界的な株価の上昇を受けて投資家のリスク選好姿勢が強まると円売り・ユーロ買いが出た。1時過ぎには一時179.45円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けた。
・ロンドン株式相場は小幅ながら3日続伸し、史上最高値を更新した。前日の米株式市場でダウ平均が史上最高値を更新した流れを受けて、投資家心理が上向くと英株にも買いが波及した。ナショナル・グリッドやSSEなど公共事業株が買われたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続伸し、10月13日以来約1カ月ぶりの高値となった。米政府機関再開への期待が高まる中、世界的に株価が上昇した流れを引き継いで独株にも買いが入った。個別ではRWE(9.13%高)やインフィニオンテクノロジーズ(6.92%高)、バイエル(5.94%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
12日の日経平均は反発。終値は220円高の51063円。米国株はまちまちも、ダウ平均の史上最高値更新を手がかりに寄り付きは3桁の上昇。寄った後はプラス圏とマイナス圏を行き来する不安定な動きが続いた。
上期が大幅増益となり、1:4の株式分割も発表したソフトバンクグループ<9984.T>が売り気配スタートとなったほか、米エヌビディアの大幅安を受けて半導体株が弱く、開始直後にはマイナス圏に沈んで下げ幅を300円超に拡大。一方でプライムでは値上がり銘柄がかなり多く、深押ししたところでは買いが入った。前場は2桁の上昇で終えたが、後場は下落からのスタートとなり、再び下げ幅を3桁に広げる場面があった。しかし、ソフトバンクグループや半導体株が値を戻してきたことから、切り返してプラス転換から上げ幅を拡大。200円を超える上昇となって51000円台に乗せ、高値圏で取引を終えた。TOPIXは終日プラス圏で推移しており、終値(3359.33p)で10月31日の3331.83pを上回り、史上最高値を更新している。
東証プライムの売買代金は概算で7兆円。業種別では非鉄金属、医薬品、ゴム製品などが上昇した一方、金属製品、情報・通信、小売などが下落した。上方修正や増配を発表したSWCC<5805.T>が、後場に買いを集めてストップ高。半面、下方修正を発表して前日に派手に下げたKOKUSAI ELECTRIC<6525.T>は、売りが止まらずストップ安となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1259/値下がり316。証券会社が目標株価を引き上げたフジクラが、AI関連には逆風の中でも4%を超える上昇。3Q決算と併せて1:2の分割を発表したブリヂストンが買いを集めた。上方修正、自社株買い、1:2の株式分割などを発表した住友不動産が急伸。決算では三井E&S、三井金属、三井海洋開発など三井系の動きの良さが目立っており、三井海洋開発はストップ高まで買われる場面があった。延期していた1Q決算発表に関して、11月14日に開示することを発表したニデックが悪材料出尽くし期待から大幅高となった。
一方、ソフトバンクが3%を超える下落となり、下落率が2桁となる場面もあった。東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体株が軟調。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって下落した。前日決算で強く買われた鹿島やアイスタイルが利益確定売りに押されて大幅安。今期の営業赤字見通しを提示したSUMCOが一時ストップ安となるなど急落した。
日経平均は反発。きょうの日本株におけるバッドシナリオは「ソフトバンクグループが大幅安となり、日経平均もこの影響を大きく受けて大幅安になる」ということであった。先週はソフトバンクグループやアドバンテストが売り込まれて日経平均が週間で2000円を超える下落となっていただけに、そうなるリスクは小さくはなかった。
しかし、ソフトバンクグループが大幅安となり、東京エレクトロンやアドバンテストも売られたにもかかわらず、日経平均は大崩れしなかったどころかプラスで終えた。このことは日本株にとって大きな安心材料となるだろう。AI関連がさえない中でもプライムの値上がり銘柄は1000を超えており、TOPIXは史上最高値を更新している。「AI関連以外でも日本株には買える銘柄が多くある」ことを示唆しているような動きにも見える。
きょうは下げたソフトバンクグループにしても、上期の決算が悪かったわけではない。1:4の分割を発表しており、この先、調整色を強めるようなら実需買いは入りやすい。来週19日には米エヌビディアの決算発表が予定されているが、これを前に日本のAI関連の過熱感が削がれていくのは悪くない動き。エヌビディアが決算で売られたとしても先んじて調整していればダメージが限定的となる可能性があるし、エヌビディアが決算で買われるようなら改めてAI関連を評価する動きが出てくると期待できる。TOPIXの高値更新でこの先はグロース株だけでなくバリュー株にも資金が向かいやすくなるだろう。物色に広がりが出てきて全体の底上げが進む展開に期待したい。
(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.79円(前営業日比△0.63円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=179.45円(△0.90円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1593ドル(△0.0011ドル)
ダウ工業株30種平均:48254.82ドル(△326.86ドル)
ナスダック総合株価指数:23406.46(▲61.84)
10年物米国債利回り:4.07%(▲0.05%)
WTI原油先物12月限:1バレル=58.49ドル(▲2.55ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4213.6ドル(△97.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 0.6% ▲1.9%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は上昇。米政府機関再開への期待が高まる中、世界的に株価が上昇するとリスク・オンの円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。23時30分前には一時155.04円と2月4日以来約9カ月ぶりの高値を付けた。
ただ、155円台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。米長期金利の低下も相場の重しとなり、2時過ぎには154.50円付近まで下押しした。
なお、片山さつき財務相はこの日、「円安は日本経済にプラスとマイナスがあるが、マイナス面が目立ってきたところがあるのは否定しない」「足もとは為替の一方的で急激な動きがみられる」などと発言。市場では「155円を超える円安水準では政府・日銀による為替介入の現実味が増すとの見方も出ている」との声が聞かれた。
・ユーロドルは小幅ながら続伸。米政府機関の一部閉鎖が解除に向かうとの期待とともにユーロ売り・ドル買いが先行。23時30分前に一時1.1563ドルと日通し安値を付けた。
ただ、前日の安値1.1547ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ると、一時1.1598ドルと日通し高値を更新した。もっとも、前日の高値1.1606ドルが目先レジスタンスとして働くと伸び悩んだ。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するコリンズ米ボストン連銀総裁は「当面、金利を据え置くことが適切である可能性が高い」などと述べたと伝わった。
・ユーロ円は4日続伸。ダウ平均が連日で史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移すると投資家のリスク選好姿勢が強まり円売り・ユーロ買いが進んだ。取引終了間際には一時179.48円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、史上最高値を更新した。米政府機関の一部閉鎖の解除が近いとの観測が広がる中、この日も買いが続いた。個別ではユナイテッド・ヘルス・グループやゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースなどの上昇が目立った。一方、シェブロンやアマゾン・ドット・コムは下落した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら続落。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。前日に発表された民間の雇用関連指標が米労働市場の冷え込みを示したことで、米利下げ観測が高まり買いが優勢となった。
・原油先物相場は4日ぶりに反落。市場で根強い供給過剰観測を背景に、売りが優勢となった。
・金先物相場は大幅反発。ハセット米国家経済会議(NEC)委員長が「政府閉鎖は今四半期のGDPに影響を与えるだろう」などと発言したことを受け、米利下げ継続観測が強まり、金に買いが入った。
12日09:07 ジョーンズ豪準備銀行(RBA)総裁補佐
「市場が地政学的リスクを過小評価している」
「世界的な資産価値が依然として楽観的な水準にある」
「各国中央銀行の金準備において、分断化の初期兆候が見られ始めている」
12日09:39 トランプ米大統領
「一部のコーヒー関税を引き下げる」
12日12:10 ハウザー豪準備銀行(RBA)副総裁
「アルゴリズムバブルかどうかは不確かだが、市場の急激な暴落は現時点で中心的な想定ではない」
「消費データには上昇と下降が混在しており、徐々に穏やかな回復を見込んでいる」
「失業率の水準がどの程度であれば中央銀行が満足するかは存在しない」
「金融政策は依然として制約的であり、委員会内で議論が続いている」
12日14:23 片山財務相
「為替、足元は一方的な動きがみられる」
「円安、マイナス面が目立っていることは否定できない」
「過度な変動や無秩序な動きを高い緊張感を持ち見極めている」
12日14:25 高市首相
「消費者物価3%程度の上昇は食品高によるもの、デフレ脱却宣言には至らない」
12日19:07
「強い経済と物価安定上昇のため金融政策が行われることが重要」
「植田総裁には経済財政諮問会議で定期的な報告をお願いしたい」
12日18:09 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「国内外の不確実性が国内総生産(GDP)に0.5%の影響を与える」
「財政赤字を懸念する国民が貯蓄に励み、それが成長を鈍化させている」
12日19:55 ストリーティング英保健相
「私がスターマー首相降ろしを企てているとの一部報道は事実無根」
12日20:08 シュナーベルECB専務理事
「インフレリスクは、わずかながらも上方向にある」
「ディスインフレの兆候は見られない」
「ECBの政策金利は、良い位置にある」
12日23:43 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「バランスシート再拡大は金融政策ではなく技術的なもの」
「FRBが再び保有資産を拡大する必要が生じるのは『そう遠くない』だろう」
「準備預金が潤沢な水準に達すれば、段階的な国債購入が再び開始されるだろう」
「スタンディング・レポ制度は効果的であり、必要に応じて活用すべき」
「スタンディング・レポ制度は偏見なく利用できる」
「健全な金融市場を維持することが最優先課題」
「米国債に対する投資家の需要を引き続き注視」
13日02:12 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「インフレ率が2%に達するまで金利を据え置くことを支持」
「物価上昇圧力は2026年半ばから後半まで続く見込み」
「労働市場は変化しているが、明確ではない」
13日02:52 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「政府閉鎖は今四半期のGDPに影響を与えるだろう」
「FRBが0.50%の利下げを行う可能性は低い」
「過去2回のFRB会合で、利下げを行うべき時期であるという点に同意」
「私がFRB議長なら利下げに動く可能性が高いが、パウエル議長はそうではない」
「FRB議長への就任依頼があれば応じる」
「強いドル政策は健全な政策」
13日03:25 ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事
「FRBの金融政策は引き締め的過ぎる」
「インフレデータを額面通りに受け取るべきではない」
「独立性を維持する唯一の方法は金融政策以外の問題に関与しないこと」
13日03:37 ホワイトハウス
「10月の雇用統計とCPIは公表されない可能性が高い」
13日03:46 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)議事要旨
「利下げの時期についてはメンバー間で様々な見解があったが、10月の利下げに賛成する意見の方がより重要であると見なされた」
「基調的なインフレ率の指標が総インフレ率の動向に関するシグナルになると感じた」
「政策金利を発表する前に、理事会メンバーは不安定なインフレを乗り切り、基調的なインフレの指標を精査することで合意」
「労働力の弱さが持続し、拡大する可能性があると懸念を表明」
「一部メンバーは、待つことで経済、雇用、およびインフレについてより多くの情報を得られると感じていた」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10月企業物価指数(予想:前月比0.3%/前年比2.5%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○09:01 ◇ 10月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:▲14)
○09:30 ◎ 10月豪雇用統計(予想:失業率4.4%/新規雇用者数2.00万人)
○16:00 ☆ 9月英国内総生産(GDP、予想:前月比横ばい)
○16:00 ☆ 7-9月期英GDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比1.4%)
○16:00 ◎ 9月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%/前年比▲1.3%)
○16:00 ◎ 9月英製造業生産高(予想:前月比▲0.3%)
○16:00 ◇ 9月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:208.00億ポンドの赤字/31.00億ポンドの赤字)
○16:30 ◇ 10月スイス生産者輸入価格
○18:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.7%/前年比2.0%)
○21:00 ◎ 9月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比2.0%)
○21:00 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:00 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○14日00:30 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○14日02:00 ◇ EIA週間在庫統計
○14日02:15 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○14日02:20 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○14日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、一時155.04円と2月4日以来約9カ月ぶりの高値を付けた。米政府機関再開への期待が高まる中、世界的に株価が上昇するとリスク・オンの円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。ユーロドルは米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ると、一時1.1598ドルまで上昇した。
本日の東京時間でのドル円は、高値警戒感があるものの円安基調は変わらずか。経済指標では、本邦の企業物価指数や豪州から雇用統計が発表される。
昨日から14日までは、参院では予算委員会が行われている。これまでの質疑応答で、高市首相は単年度のプライマリーバランスの黒字化を取り下げ、数年単位のバランスを確認する方針を示した。「責任ある積極財政」路線と所信表明の冒頭で示し、積極財政路線は確約されているが、数年単位での財政収支ということは「責任ある」とは言えない。放漫財政に陥る懸念が強く、これを受けた円安地合いは継続しそうだ。
高市政権は「地域未来戦略本部」を設置し、「大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講じる」と強調したように、株式市場にとってはプラス面が目立つ。デフォルトリスクや物価高対策が乏しいにもかかわらず、株高を背景にドル円はリスク選好の円売りが続くだろう。
ただ、「アベノミクス」の時はデフレ下で円高だったが、円安下でインフレが進んでいる中で「サナエノミクス」が進行した場合は、さらに円安が進みインフレも高止まりする可能性が指摘されている。経済財政政策と成長戦略を担当する内閣府特命担当大臣の城内氏が、円安の進行について「消費者物価を押し上げる可能性」と言及し、昨日片山財務相は「円安、マイナス面が目立っていることは否定できない」と述べるなど、円安進行について警戒感を示している。その一方で高市首相は、全国消費者物価指数(CPI)が前年比で3%を超えているのが食品高の影響とし、「デフレ脱却宣言には至らない」と日銀の利上げをけん制している。
しかしながら実際は、生鮮食料品を除いたCPIが昨年12月から7月まで3%を超えていたことを考慮すると、首相の発言は正しいとは言えない。食料品価格の上昇を主因とみなすのは、利上げに対して強く拒否反応を示していると受け取れる。前回の日米財務相会談後、米国が改めて「為替レートの過度な変動を防ぐ上で、健全な金融政策」と日本への利上げ実施を求めた。それにもかかわらず、首相が依然として利上げに抵抗する考えを示していることで、口先介入だけで円安地合いを変えるのは難しいだろう。
本日は本邦から、10月企業物価指数が発表予定。今年に入り前年比では一時4.2%まで上昇していた同指数だが、6月から3%を割り込み、10月も2.5%まで低下すると予想されている。市場の反応は限られるだろうが、低下傾向が鮮明になった場合は金融政策の判断にも影響を及ぼす可能性があるため注目したい。
また、豪州からは10月雇用統計が発表される。前回9月の失業率は、コロナの余波がまだ残る2021年下旬以来となる4.5%まで悪化した。ブロック豪準備銀行(RBA)総裁は「労働市場は崖から落ちることはない」と述べ、「失業率は来月再び低下する可能性がある」との見方を示し、9月の失業率上昇は一時的な要因とした。7-9月期のCPIが上昇したことで、RBAはインフレへの警戒感を強めつつある。そういった中、ブロック総裁の予想通りに雇用悪化が一時的だった場合は、RBAの追加利下げがさらに後退する可能性が高まり、豪ドルは下支えられるだろう。一方で、悪化傾向が継続した場合は、RBAの金融政策の舵取りが難しくなる。
なお、米国の政府機関閉鎖に対する米下院での投票は、米国12日までに行われる予定。しかしながら、閉鎖解除が決まった場合でも、トランプ米大統領は多方面で窮地を迎えている。昨日はグリハルバ議員(民主党)が、ジェフリー・エプスタインのファイルを公開する請願書の承認に必要な218番目の署名を提出した。エプスタイン・ファイルを公開するための採決を強制する下院での請願の取り組みが始まったことで、再びトランプ米大統領が世論から厳しい評価を受けることになりそうだ。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 51260 +140 (+0.27%)
TOPIX先物 3378.5 +12.5 (+0.37%)
シカゴ日経平均先物 51255 +135
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
12日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。米連邦議会下院が12日、政府機関の一部閉鎖の解除に向けたつなぎ予算案を採決する見通しであり、再開に向けて順調に進んでいるとの見方から、景気敏感株を中心に買われた。半面、メタプラットフォームズ<META>やオラクル<ORCL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など、割高感が指摘されている大型ハイテク株の一部には売りが出た。
NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、シスコシステムズ<CSCO>、ナイキ<NKE>が買われた。一方でアマゾン・ドット・コムのほか、シェブロン<CVX>、ホーム・デポ<HD>、アップル<AAPL>、アムジェン<AMGN>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比135円高の5万1255円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比20円高の5万1140円で始まった。開始直後に軟化し5万1040円まで売られたが、その後はロング優勢の流れが強まり、米国市場の取引開始直後には5万1430円まで上げ幅を広げる場面もみられた。買い一巡後は5万1120円から5万1300円辺りで保ち合い、5万1260円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションで開始直後に5万1040円まで売られたが、5万1000円接近での底堅さが意識された。5万1430円まで上昇した後は終盤にかけて上げ幅を縮めたものの、ボリンジャーバンドの+1σ(5万1300円)水準での攻防が続いている。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトが大きい半導体・AI関連株にらみの展開ながら、同バンドでの攻防が続くなかではショートを仕掛けにくくさせよう。
また、決算発表が本格化するなかで、昨夕決算を発表したオリックス<8591.T>[東証P]が米預託証券(ADR)で5%あまり上昇している。米国市場同様、半導体・AI関連株に利益確定の売りが優勢となったとしても、好決算銘柄への資金流入が相場を支えることが見込まれる。
日経225先物は5万1000円での底固めが意識されるなか、オプション権利行使価格の5万1000円から5万1375円のレンジを想定する。+1σを上回っての推移をみせてくるようだと、5万1375円から5万1625円辺りのレンジを意識させよう。
米連邦政府が再開されることで、発表が遅れている経済指標の公表も徐々に行われることになるが、10月の雇用・インフレ統計の発表は見送られる可能性が高いと、ホワイトハウスのレビット報道官が述べたと伝えられている。指標の悪化に対する過度な警戒感は強まらず、ショートを仕掛ける材料にはならないと考えられる。
そのため、5万1000円から+1σ水準では押し目待ち狙いのロングが入りやすく、+1σを明確に上抜ける局面ではショートカバーを交えたロングに向かいそうだ。昨日はソフトバンクグループが下落したものの、売り一巡後は下げ幅を縮めていたほか、東証プライムの値上がり数は8割近くを占めていた。押し目待ち狙いの買い意欲の強さが窺えるため、ショートに傾けるポジションは避けたいところだ。
12日の米VIX指数は17.51(11日は17.28)に上昇した。一時17.10まで下落する局面もみられたが、その後は切り返しており、18.06まで上昇する場面もあった。ただし、25日移動平均線(18.46)を下回っての推移であり、リスク選好に傾きやすい状況である。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.18倍に低下した。25日線(15.19倍)を下回り、一時15.13倍まで下げる場面もみられた。同線までの調整を経て、いったんはNTショートを巻き戻す動きも入りやすいだろう。ただし、25日線を明確に下抜けてくると、-1σ(14.94倍)辺りが射程に入ってくる可能性があるため、値がさハイテク株の動向を見極めたい。
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東京市場は堅調か。米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が上昇し、ナスダックが下落した。政府閉鎖解除に向けてつなぎ予算案が下院で採決される見通しとなったことが安心材料となり、ダウ平均は300ドルを超える上昇となって連日で史上最高値を更新。一方、パランティアなどAI関連の一角が弱く、ナスダックは軟調に推移した。ドル円は足元154円70銭近辺で推移している。円安方向に傾斜しており、155円台に乗せる場面もあった。CME225先物は円建てが135円高の51255円、ドル建てが195円高の51315円で取引を終えた。
ダウ平均とS&P500が上昇、ナスダックが下落というのは前日と同じ構図。きのうの日経平均は売りをこなして3桁の上昇で終えており、ダウ平均の連日の高値更新を好感した買いが入ると予想する。ドル円が円安に振れている点も日本株には追い風となる。ナスダックは下落したが、AMDが急伸したほかエヌビディアがプラスで終えており、国内半導体株もきのうに比べると下押し圧力が和らぐと見込まれる。TOPIXがきのう史上最高値を更新しており、日本株の上昇継続期待が高まる中で場中もしっかりとした動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは50900-51600円。
日経225先物は11時30分時点、前日比40円高の5万1160円(+0.07%)前後で推移。寄り付きは5万1120円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1255円)を下回る形となり、前日比変わらずで始まった。現物の寄り付き直後には5万0980円まで売られたが、その後は5万1000円処での底固めを経て、中盤にかけてはロング優勢の動きにより5万1370円まで買われた。買い一巡後は上げ幅を縮めているが、5万1150円~5万1250円辺りでの底堅さがみられる。
ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]がウリ気配から始まったことで前日と同様、先物市場ではショートを仕掛けてくる動きになったようだ。ただ、5万1000円割れでは押し目待ち狙いのロングが意識されており、中盤にかけてショートカバーに向かわせた。もっとも、ボリンジャーバンドの+1σ(5万1290円)水準では戻り待ち狙いのショートが入りやすく、上値追いのロングを手控えさせている。
NT倍率は先物中心限月で15.12倍に低下した。25日移動平均線(15.20倍)を明確に下放れる形状をみせてきており、-1σ(14.96倍)が射程に入ってきそうだ。ソフトバンクグループの動向次第であるが、NTショートに振れやすいだろう。
米下院は米政府閉鎖解除に向けたつなぎ予算を可決した。
昨日のドル円は、東京時間は本邦実需の買いが断続的に観測されたことからビッドが引けることなく下値を切り上げる展開。11日の高値154.49円を上抜けたところでは短期筋のSLなども巻き込むかたちで上げ足を速めることになりました。154.79円まで上昇した後は、2月12日の高値154.80円が意識されたほか、片山財務相が円安けん制発言を行うと、ちょうどSLを引き起こした水準である154.49円まで下押すなど、なんとも絵にかいたような展開。株価の上昇などにつれてリスクオンの動きが強まるとNY時間に入ってからは155.04円まで値を上げることになりました。米長期金利が低下幅をひろげたことから154.50円まで下押す場面もみられましたが、引けにかけては再び154.87円まで買い戻されるなど、下値の堅さが目立った動きとなってNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからも実需勢の買いが観測されたほか、強い豪雇用統計を受けたオージー円の買いも加わると155.01円まで上昇。その後は、米下院がつなぎ法案を可決したことが報じられると、利食い売りから154.63円まで下押ししているといったところです。
いずれにしても、この後トランプ米大統領が12日中に法案にサインをして史上最長を記録した43日間に及ぶ米政府のシャットダウンが解除されるわけですが、この間目立ったことといえば、トランプ米大統領、ひいては米共和党に対する支持率の低下。多数のフライトがキャンセルや地上待機命令が長時間出るなど、米国民の生活に目に見える形での弊害が顕在化することになりました。
また、昨日はレビットホワイトハウス報道官が「シャットダウンの影響で10月雇用統計とCPIが発表されない可能性がある」との、何とも市場をリスペクトしない不謹慎な見解が発表されていますが、市場はかなりのしらけムード。すでに度重なる朝令暮改のトランプ発言に対して市場自身もリスペクトしていないことは明らかですが、米政府機関再開後も、しばらくはクルーなき相場を余儀なくされそうです。
ドル円は目先、高市トレードの高値を更新しつつのリズムある動きが続いているわけで、米シャットダウン終了後もまた、経済対策などの策定を見極めつつ、需給関係を重視した動きが続いていきます。
トランプ米大統領は上下両院で可決したつなぎ予算に署名した。これにより、43日間続いた政府閉鎖が解除された。
ロンドンタイムは、序盤に複数の英経済指標発表が控えている。英利下げの行方が注視されるなか、7-9月期英四半期国内総生産(GDP、速報値)の強弱が注目となる。事前予想では前期比+0.2%と、前期の+0.3%から小幅に減速するとの見方。前年比では+1.4%と変わらずの伸びが見込まれているが、まずは予想比での強弱に反応することになるか。
景況の先行指標となる生産関連指数も複数発表となる。9月鉱工業生産は前月比-0.2%(前月+0.4%)、前年比-1.3%(同-0.7%)と、弱い結果が予想されている。
また、19時に9月ユーロ圏鉱工業生産が発表されるが、こちらは前月比+0.7%(前月-1.2%)、前年比+2.0%(同+1.1%)と、持ち直しが想定されているものの、ユーロ圏域内の総合指標に為替は総じて反応しにくい面がある。
想定レンジ上限
・ポンドドル:1.3209ドル前後で上昇を抑えそうな4週移動平均線付近。
・ユーロドル:週足一目均衡表・転換線1.1694ドル。
想定レンジ下限
・ポンドドル:4・5日安値1.3010ドル
・ユーロドル:5日安値1.1469ドル。
ドル円:1ドル=154.95円(前営業日NY終値△0.16円)
ユーロ円:1ユーロ=179.45円(横ばい)
ユーロドル:1ユーロ=1.1581ドル(▲0.0012ドル)
日経平均株価:51281.83円(前営業日比△218.52円)
東証株価指数(TOPIX):3381.72(△22.39)
債券先物12月物:135.84円(▲0.02円)
新発10年物国債利回り:1.690%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月企業物価指数
前月比 0.4% 0.5%・改
前年同月比 2.7% 2.8%・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
5663億円の取得超 3545億円の処分超・改
対内株式
3473億円の処分超 6901億円の取得超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。米政府機関再開への期待を背景とした地合いの強さを支えに一時155.01円まで上昇する場面もあったが、昨日の高値155.04円の上抜けに失敗すると154.63円まで調整売りに押された。もっとも、午後に入ると再び下値を切り上げる展開に。時間外の米10年債利回りが4.09%台まで上昇したことをながめ、155.00円付近まで再度切り返した。
なお、米下院は東京時間の午前につなぎ予算を可決。午後になってトランプ米大統領がつなぎ予算に署名し、過去最長を記録した米政府機関の閉鎖は解除された。
・豪ドルは強含み。10月豪雇用統計が良好な結果となり、豪ドル買いで反応した。対ドルでは0.6565ドル、対円では101.66円までそれぞれ上値を伸ばした。
・ユーロドルは小安い。1.1580ドル台を中心とする狭いレンジ内での値動きとなったが、ドル円の上昇を受けて一時1.1579ドルまで下落する場面も見られた。
・ユーロ円はもみ合い。昨日につけた高値179.48円をわずかに上抜けて179.50円までユーロ導入来の高値を更新したものの、買いの勢いは強まらなかった。
・日経平均株価は続伸。外国為替市場での円安・ドル高の進行が輸出関連株を押し上げたほか、米政府機関の閉鎖が解除されたことも投資家心理の改善につながった。一方で、ハイテク株などの下落が指数の重しとなっており、積極的に上値を試す展開とはならなかった。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。5年物国債入札を控えて様子見ムードが強く、前日終値を挟んでの上下にとどまった。なお、5年債入札は「無難な結果だった」と受け止められたため、相場への影響は限定的だった。
SMBC日興証券では、過去、円安は日本経済にプラスと言われたが、現在は円安はインフレ懸念からマイナスという見方が多くなっていることを指摘している。円安が日本経済にマイナスになっているのは、「ドルベースの貿易収支」が赤字であるからとコメント。ドルベースの貿易収支が赤字であれば、円安になればなるほど円ベースの貿易赤字が増え、国内所得が海外に流出してしまう。逆にドルベースの貿易収支が黒字であれば、所得が海外から流入してくる。現在のドルベースの貿易収支は約700億ドルの赤字であることから、円高が望ましいとSMBC日興では考えている。
欧州連合(EU)は、中国のECサイトから輸入される小包に対し、早ければ来年初めから処理手数料の徴収を導入するもようだ。『信報』が13日伝えた。
英紙『フィナンシャル・タイムズ』によると、EUのシェフチョビッチ貿易担当委員はEU財務相に書簡を送り、「SHEIN(シーイン)」やPDDホールディングス(PDD)傘下の「Temu」、アリババ集団(09988)などのECプラットフォームからの小包に一律の処理手数料を課すよう提案した。域内の小売業者を不公正な競争から保護するためとしている。
報道によれば、年間で欧州に輸入される中国製の低価格商品は数十億件に達している。
SMBC日興証券では、21日に総務省から発表される10月の消費者物価指数(CPI)に関して、全国コアCPIは前年比+2.8%と、9月の+2.9%から伸び率が縮小すると予想している。コアコア部分の伸び鈍化の影響が大きいと見込んでいる。10月のコアコアCPIは前年比+2.9%と、9月の+3.0%から伸びが鈍化すると予想。食料品などの価格上昇が続くものの、昨年に比べれば勢いが衰えると見込んでいる。昨年にコメを中心として価格が大きく上昇したベース効果が表れると予想している。
東海東京インテリジェンス・ラボでは原油価格に関して、OPECプラスの会合でサウジアラビアなどのアラブ加盟国が生産シェアの拡大を主張し、減産縮小が決まったことに注目している。こうしたOPECプラスによるシェア拡大路線が、カナダなど非加盟国の脅威になりつつあるとのこと。現状では原油の価格競争に発展するほどの供給過剰には至っていないが、原油の需給がだぶついて世界の原油在庫が積みあがる場合には、こうした懸念が現実化する恐れもあると東海東京ではコメント。原油の生産過剰が懸念される状況にあることは変わっておらず、中長期的な原油価格の下落基調は続くと予想している。
中国のオンライン小売りデータ分析プラットフォーム、星図数拠によると、2025年の「双11」オンラインセールイベント期間中、総合型EC、即時配送型EC、共同購入を含むECサイト全体の流通総額(GMV)は約1兆7000億元で、前年比14.2%増加した。各大手プラットフォームは単なる価格競争や集客競争よりも、即時配送と人工知能(AI)技術を両輪に消費体験の向上に注力した。『AAストックス』が13日伝えた。
データによると、「双11」の総?⑥CのGMVは約1兆6200億元で、前年同期比12.3%増加。アリババ集団(09988)傘下の天猫、JDドットコム(09618)、抖音(TikTok)がそれぞれ上位3位を占めた。即時配送のGMVは670億元で、前年同期比138%増加し、美団(03690)傘下の美団閃購、アリババ集団傘下の淘宝閃購、JDドットコムの京東秒送がそれぞれ上位3位。一方、共同購入のGMVは90億元と35.3%減少した。
「日本よ、覚悟はあるか」(米ランド研究所)
1.デービッドソン・ウインドー
2021年3月、米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官が、米議会上院軍事委員会の公聴会で「中国が野望を加速させるのを懸念する。台湾は野望の一つであり、今後6年以内(※2027年)に脅威が顕在化する」と警告した。2027年までの期間は、軍事関係者などの間で「デービッドソン・ウインドー」として、危機までの残された時間となっている。
2027年は、中国共産党の習近平国家主席の3期目の任期が終了する年であり、習主席が中華民族の偉大な復興を実現する政治的な成果としての台湾統一に踏み切る可能性があるらしい。習主席は、「台湾問題は中国の内政であり、外部からのいかなる干渉も許さない。祖国の完全な統一という歴史的な任務は必ず実現しなければならないし、実現できる」と述べている。
2.トランプ米大統領(11月2日)
トランプ米大統領は、10月30日に行われた習・中国国家主席との首脳会談の後、「習主席と側近たちは『トランプ大統領が大統領の間は何の行動も取らない』と公然と語ってきた。彼らはその結果をよく理解している」と述べた。
3. ランド研究所(11月6日)
「中国事態時の経済的抑制力」において、「3~6か月以内に台湾海峡で戦争が発生することが予想される場合、米国は中国本土に対して大規模に先制的な経済制裁を加える可能性がある。台湾に対する軍事攻撃が迫っていると判断した場合、オーストラリアと日本が米国主導の先制制裁の核心的な役割を担い、軍事攻撃を行うことを抑制できる、と言及した。
4.高市首相(11月7日の衆議院予算委員会)
・岡田立憲民主党外交・安全保障総合調査会長
「台湾とフィリピン間のバシー海峡を中国に封鎖された場合、日本がどう対応するのか?」
・高市首相
「戦艦を使って武力の行使を伴うものであれば、どう考えても『存立危機事態』になり得る」
※「存立危機事態」:わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」
5.中国外務省(11月10日)
「日本のリーダーが先日、国会で公然と、台湾に干渉する錯誤的な言論を発表した。台湾海峡に武力介入する可能性を暗示したのだ。
中国の内政への粗暴な干渉は、一つの中国の原則、中日間の4つの政治文書の精神、及び国際関係の基本準則に厳重に違反するものだ。また日本政府がこれまで行ってきた政治的な承諾にもまったく合致せず、その性質と影響は極めて劣悪だ。中国側はこれに強烈な不満を持ち、決然たる反対をする。すでに日本側に、厳正な申し渡しと強烈な抗議を行ったところだ。
台湾は、中国の台湾だ。いかなる方式であれ台湾問題は解決するのであり、国家の統一は実現するのだ。これは純粋な中国の内政であり、いかなる外部勢力の干渉をも容認しない。
日本の為政者が台湾海峡への事柄に介入しようと妄想を抱くことは、国際的な正義を踏みにじることであり、戦後の国際秩序への挑戦である。同時に、中日関係を厳重に破壊することでもある。
中国はしまいには統一されるし、必ずや統一する。中国人民の意志は固く、信念は十分で、能力は満ち足りている。中国統一の大業を阻止しようと手を差し挟む謀略は、すべて決然と粉砕する。中国は日本に、中国への内政干渉の即時停止を促す。線を越えた挑発は停止し、錯誤の方向へ向かってどんどん進んでいくべきではない」
また、11月8日に大阪にある中国総領事館の薛剣駐大阪総領事は、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか。」と述べた。
大阪12月限
日経225先物 51300 +180 (+0.35%)
TOPIX先物 3386.5 +20.5 (+0.60%)
日経225先物(12月限)は前日比180円高の5万1300円で取引を終了。寄り付きは5万1120円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万1255円)を下回り、前日比変わらずで始まった。現物の寄り付き直後には5万0980円まで売られたが、その後は5万1000円処での底固めを経て、前場中盤にかけて5万1370円まで買われた。買い一巡後はランチタイムで5万1080円まで上げ幅を縮めたが、後場中盤には5万1360円と前場につけた高値に接近する動きもみられた。
ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]がウリ気配から始まったことで、前日と同様に先物市場ではショートを仕掛けてくる動きになったようだ。ただ、5万1000円割れでは押し目待ち狙いのロングが意識されており、前場中盤にかけてショートカバーに向かわせた。もっとも、ボリンジャーバンドの+1σ(5万1300円)水準では戻り待ち狙いのショートが入りやすく、概ね5万1000円と+1σによるレンジでの推移だった。
また、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]がプラス圏での推移だったほか、日本時間の昼ごろに米連邦議会下院がつなぎ予算案を可決し、トランプ米大統領が署名して成立した。米政府機関の閉鎖解除に加え、為替市場が1ドル=155円台に迫る円安基調をみせたことで、ショートを仕掛けにくくさせた。
米国同様、メガバンクなど金融株の一角が買われたほか、円安を受けて輸出関連株などへも資金が向かった。さらに、足もとで持ち高調整の動きが強まっていた防衛関連に買い戻しが目立つなど、相対的にTOPIX型優位の展開だった。そのため、日経225先物は+1σ水準での攻防となったものの、ショートは手控えられた形であろう。
ソフトバンクグループが明確な底入れからのリバウンドの動きをみせてくるまでは、積極的なロングが入りにくい面はある。来週にはエヌビディア<NVDA>の決算発表が予定されており、結果を見極めたいとするムードも強まりそうである。
日経225先物の+1σはナイトセッションで5万1410円辺りまで上昇してくる。+1σ水準での上値の重さが意識されるものの、バンドの上昇に沿ったトレンドを形成してくることで、徐々に下値を切り上げてくる可能性があろう。押し目待ち狙いの買い意欲は強く、5万1000円に接近する局面ではロングでの対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.14倍に低下した。25日移動平均線(15.20倍)を明確に下放れる形状をみせてきており、-1σ(14.96倍)が射程に入ってきそうだ。ソフトバンクグループの動向次第ではあるが、エヌビディアの決算通過までは、ややNTショートに振れやすいだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3611枚、ソシエテジェネラル証券が6864枚、サスケハナ・ホンコンが2516枚、バークレイズ証券が1617枚、日産証券が1121枚、モルガンMUFG証券が1070枚、松井証券が912枚、ビーオブエー証券が887枚、SBI証券が872枚、野村証券が839枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が1万8200枚、ソシエテジェネラル証券が1万4203枚、バークレイズ証券が5573枚、ゴールドマン証券が4632枚、JPモルガン証券が4085枚、モルガンMUFG証券が2984枚、サスケハナ・ホンコンが2430枚、野村証券が848枚、ビーオブエー証券が794枚、ドイツ証券が721枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、日米通貨当局によるドル高・円安牽制に警戒しながら、複数のFRB高官の見解を見極めていく展開となる。
米下院が「つなぎ予算案」を可決したことで、43日間に及ぶ過去最長の政府機関の閉鎖は終了することになった。
ホワイトハウスのレビット報道官は、政府機関の閉鎖の影響で10月分の雇用統計と消費者物価指数(CPI)が公表されない可能性が高いと述べている。
米労働統計局(BLS)は現時点で統計公表スケジュールを更新しておらず、10月の雇用統計の調査対象週(10月12日週)や11月の雇用統計の調査対象週(11月12日週)のデータが収集出来ていない可能性が高いため、2~3カ月分に集約して発表する可能性が指摘されている。
すなわち、12月9-10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、パウエルFRB議長が述べていたように、追加利下げは「既定路線」ではないことになるのかもしれない。
本日は、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ムサレム米セントルイス連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁の講演が予定されている。
ロンドン市場では、政府機関の閉鎖中に実態経済が悪化しているのではないか、との思惑からドルが売られており、12月FOMCに向けた見解に注目しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ時期は、12月FOMCでの▲0.25%の利下げ確率は60%程度となっている。
ドル円が155円という節目に差し掛かっていることで、ドル高・円安に警戒感を示してきたトランプ米政権と本邦通貨当局による抑制措置への警戒感が高まっている。
これまでのところ、かつてドル円の154円台を「米製造業にとって壊滅的」と批判していたトランプ米大統領や、「外国為替報告書」「日米財務相共同声明」などで円安を牽制してきたベッセント米財務長官からの牽制発言は聞かれない。
しかし、米財務省は昨年11月14日に「外国為替報告書」を公表しており、まもなく公表されると思われるため、引き続き警戒しておきたい。
本邦通貨当局からは、片山財務相の円安牽制発言は、今のところ円安阻止への緊迫感はなく、三村財務官が言及した「過度なボラティリティ」の参考となるボリンジャー・バンド+2σは155.55円付近に位置している。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、155.52円(2/4高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.93円(日足一目均衡表・転換線)
今晩はしっかりした展開か。昨日はバリュエーションの高さが意識されたハイテク株の一角に利益確定売りが続いたことでナスダック総合が0.26%安と2日続落した一方、ダウ平均は326.86ドル高(+0.68%)と4日続伸し、前日に続いて終値の最高値を更新。終値で初めて48000ドルの大台を突破した。S&P500もS&P500も0.06%高と小幅ながら4日続伸した。引け後の動きでは、米下院で米政府閉鎖解除に向けたつなぎ予算が可決された。
今晩の取引では米下院で米政府閉鎖解除に向けたつなぎ予算が可決され、トランプ米大統領の署名で1月末までの予算が成立することになったことでしっかりした展開か。ただ、予定されていた10月消費者物価指数 (CPI)や新規失業保険申請件数などの重要指標は発表されない見通しで、材料不足となるが、寄り前に発表されるウォルト・ディズニーの決算発表や年内の利下げ見通しを巡りデイリー米サンフランシスコ連銀総裁などの米連邦準備理事会(FRB)高官の発言などに注目する展開となりそうだ。また、ダウ平均の史上最高値更新の原動力となっているバリュー株への資金流入が継続するか否かにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはEIA週間原油在庫、米30年債入札など。予定されていた消費者物価指数 (CPI)や新規失業保険申請件数は発表されない見通し。要人発言はデイリー米サンフランシスコ連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ムサレム米セントルイス連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁など。企業決算は寄り前にウォルト・ディズニー、引け後にアプライド・マテリアルズが発表予定。
日経平均株価は続伸。前場と後場の値幅は限定的だったが、10日移動平均線(51070円 11/13)上を回復する陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日47.7%→49.6%(11/13)に上昇。前日から水準感は大きく変わっておらず、見方にも大きな変化はない。5日移動平均線(50875円 同)の上昇を支えに強い陽線が続くかが焦点となる。一方、RSIが50%を下回っているほか、基準線(49590円 同)や10日移動平均線の上昇が一服しており、25日移動平均線(49731円 同)に向けてひと押しの想定もできる局面である。
上値メドは、心理的節目の52000円、11/4高値(52636円)、心理的節目の53000円や53500円などが想定される。下値メドは、心理的節目の50000円、25日移動平均線、11/5安値(49073円)、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円などがある。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.694%、応札倍率(カバー)が2.29倍となった。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.31円(13日15時時点比▲0.64円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=179.79円(△0.34円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1651ドル(△0.0070ドル)
FTSE100種総合株価指数:9807.68(前営業日比▲103.74)
ドイツ株式指数(DAX):24041.62(▲339.84)
10年物英国債利回り:4.437%(△0.039%)
10年物独国債利回り:2.688%(△0.045%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月英国内総生産(GDP)
(前月比) ▲0.1% 0.0%・改
7-9月期英GDP速報値
(前期比) 0.1% 0.3%
(前年同期比) 1.3% 1.4%
9月英鉱工業生産
(前月比) ▲2.0% 0.3%・改
(前年同月比) ▲2.5% ▲0.5%・改
9月英製造業生産指数
(前月比) ▲1.7% 0.6%・改
9月英商品貿易収支
188.83億ポンドの赤字 195.28億ポンドの赤字・改
9月英貿易収支
10.94億ポンドの赤字 12.76億ポンドの赤字・改
10月スイス生産者輸入価格
(前月比) ▲0.3% ▲0.2%
9月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) 0.2% ▲1.1%・改
(前年比) 1.2% 1.2%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。トランプ米大統領が難航の末に議会を通過したつなぎ予算案の修正案に署名し、予算が成立。これを受けて、過去最長となった政府機関の一部閉鎖が終了した。ただ、市場の関心が米政府再開後の経済指標の発表に向かう中、米経済減速への懸念は根強く、時間外の米株価指数先物や現物の米国株が下落。リスク回避の円買い・ドル売りが優勢となった。ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比1020円安の5万0280円まで下げたことも相場の重しとなり、一時154.13円と日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値154.05円や一目均衡表転換線153.93円がサポートとして意識されると下げ渋った。2時過ぎには154.47円付近まで買い戻された。
・ユーロドルは底堅い動き。過去最長となった米政府機関の一部閉鎖は終了したものの、欧米市場に入るとユーロ買い・ドル売りが優勢となった。米政府閉鎖の影響で発表が遅れていた米経済指標の内容を見極めたいとの雰囲気が広がる中、3時前に一時1.1656ドルと日通し高値を更新した。
なお、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は「政府閉鎖の影響で第4四半期GDPは1.5%低下を予想」「利下げしないという議論にはあまり賛同できない」と述べたほか、「10月米雇用統計は失業率なしで発表する」「9月米雇用統計は来週発表する可能性」との見解を示した。
・ポンドドルも底堅い動きとなった。7-9月期英国内総生産(GDP)速報値など、この日発表の英経済指標が軒並み予想を下回ると、英景気減速への懸念が高まりポンド売りが先行。日本時間夕刻に一時1.3101ドルと日通し安値を付けた。
ただ、前日の安値1.3085ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。NY市場に入り、全般ドル売りが活発化すると一時1.3216ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は一進一退。2時過ぎに一時179.93円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けたものの、ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。7-9月期英GDP速報値など、この日発表の英経済指標が軒並み予想を下回ると、英景気減速への懸念が高まり株売りが広がった。前日に史上最高値を付けたあとだけに、利益確定目的の売りも出やすかった。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反落。過去最長となった米政府機関の一部閉鎖は終了したものの、市場では「米政府再開後の経済指標を見極めたいとの思惑から、買い控えムードが広がった」との声が聞かれ、次第に売りに押された。本日の米国株が下落したことも相場の重し。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
13日の日経平均は続伸。終値は218円高の51281円。まちまちの米国株を受けて小安く始まるも、下押し圧力は限定的。寄与度の大きいソフトバンクグループ<9984.T>が大きく売られた一方でプライム全体では値上がり銘柄が多く、安値は早い時間につけた。開始1時間程度はプラス圏とマイナス圏を行き来したが、半導体株の一角や電線株に強い動きが見られたことから、10時以降はプラス圏で推移する時間が長かった。上げ幅を広げてくるとそれを修正する動きも出てきて1日を通して方向感が定まらなかったものの、終盤にかけては強含み、200円を超える上昇で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で6兆2500億円。業種別では非鉄金属、電気・ガス、証券・商品先物などが上昇した一方、精密機器、情報・通信、金属製品などが下落した。上期が大幅な増収増益となったエムスリー<2413.T>がストップ高。半面、通期の営業利益見通しを下方修正したテルモ<4543.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり952/値下がり604。住友電工やフジクラなど電線株が強く、古河電工は商いを伴って12.2%高。きのうストップ高のSWCCが連日でストップ高となった。アドバンテストやSCREENなど半導体株の一角が大幅上昇。三菱UFJやみずほなどあすに決算発表を控えたメガバンクに資金が向かった。決算を材料にシチズン時計や住友ゴムが急騰。上方修正や自己株取得・消却を発表したデクセリアルズがストップ高となった。
一方、ソフトバンクが連日で3%を超える下落。ファーストリテイリングも下げており、指数寄与度の大きい銘柄が弱かった。大和ハウスは上方修正や増配を発表したものの、2%を超える下落。積水ハウス、住友林業、三井物産など住宅・不動産関連には下落銘柄が多かった。ぴあやLIFULLが決算を受けて急落し、上期の大幅最終減益や中国子会社の清算を発表したニッパツがストップ安比例配分。決算発表の延期を発表したAbalanceが全市場の下落率トップとなった。
日経平均は続伸。スカッとしない上昇ではあったが、きのうに続いてソフトバンクグループの大幅安を冷静に消化した。きょうの終値は51281円。前の週は日経平均が週間で2000円を超える下落となったが、今週はきょうまでで前週末(50276円、11/7)との比較で1000円近く上昇している。そして、ここまで一度も5万円を下回っていない。
決算は今週まででほぼ出そろい、来週は個別の材料が少なくなる。それを踏まえると、あすは上値を追いづらいかもしれない。しかし、大幅安となった翌週にセンチメントが悪化していないことから、売り急ぎも抑制されるだろう。米国ではトランプ大統領がつなぎ予算案に署名しており、政府閉鎖の状態が解消されることが決まった。日本ではTOPIX、米国ではダウ平均が今週最高値を更新している。株式市場を取り巻く環境は悪くないだけに、引け味良く週を終えることができるかに注目したい。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.56円(前営業日比▲0.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=179.80円(△0.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1633ドル(△0.0040ドル)
ダウ工業株30種平均:47457.22ドル(▲797.60ドル)
ナスダック総合株価指数:22870.36(▲536.10)
10年物米国債利回り:4.12%(△0.05%)
WTI原油先物12月限:1バレル=58.69ドル(△0.20ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4194.5ドル(▲19.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は反落。過去最長となった米政府機関の一部閉鎖は終了したものの、市場の関心が米政府再開後の経済指標の発表に向かう中、米経済減速への懸念から全般ドル売りが先行した。米国株相場や日経平均先物が大幅に下落したことも相場の重しとなり、一時154.13円と日通し安値を更新した。ダウ平均は一時840ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1280円安の5万0020円まで下げた。
ただ、前日の安値154.05円や一目均衡表転換線153.93円がサポートとして意識されると下げ渋った。6時過ぎには154.59円付近まで下げ幅を縮めた。米連邦準備理事会(FRB)高官から12月の利下げに慎重なコメントが相次ぎ、米利下げ観測が後退したことも相場を下支えしたようだ。
なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「12月の金利についてはまだ最終決定していない」「インフレ率を2%に引き下げるにはまだ努力が必要」と述べたほか、ハマック米クリーブランド連銀総裁は「高インフレが依然として続いている」「政策はある程度引き締め的な姿勢を維持する必要がある」などと発言。また、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「インフレ率は3%と依然として高すぎる」「12月の利下げについてはまだ強い意向はない」と話したほか、ムサレム米セントルイス連銀総裁は「金融政策を過度に緩和的にせずに追加的な利下げを実施する余地は限られている」などと語った。
・ユーロドルは3日続伸。米政府閉鎖の影響で発表が遅れていた米経済指標の内容を見極めたいとの雰囲気が広がる中、全般ドル売りが進行。3時前に一時1.1656ドルと日通し高値を更新した。
ただ、10月29日の高値1.1666ドルや28日の高値1.1669ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米利下げ観測の後退で米長期金利が上昇したことも相場の重し。
・ユーロ円は5日続伸。2時過ぎに一時179.93円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けた。ただ、節目の180.00円に接近した場面では戻り売りや利食い売りなどが出たため、やや伸び悩んだ。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに大幅反落。過去最長となった米政府機関の一部閉鎖は終了したものの、前週末から閉鎖解除に向けた動きを好感した買いが断続的に入り、連日で史上最高値を更新していただけに、利益確定目的の売りが優勢となった。FRB高官から12月の利下げに慎重なコメントが相次ぎ、利下げ観測が後退したことも相場の重しとなった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に3日続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。FRB高官から12月の利下げに慎重なコメントが相次ぐと、利下げ観測が後退し債券売りが優勢となった。30年債入札の結果が「低調だった」と受け止められたことも相場の重し。
・原油先物相場は反発。前日の大幅下落の反動で買いが入るも、世界的な供給過剰懸念が上値を抑えた。EIA石油在庫統計で原油の在庫が積み増されたことが明らかとなると売られる場面も見られた。
・金先物相場は反落。米10年債利回りが一時4.11%台に上昇し、金利のつかない金の投資妙味が薄れると売りが優勢となった。前日に大きく上昇したことで利益確定の売りも出たもよう。
新規雇用者数増減
2025/10 +4.22万人
2025/09 +1.28万人 (前月発表値 +1.49万人)
失業率
2025/10 4.3%
2025/09 4.5% (前月発表値 4.5%)
常勤雇用者数
2025/10 +5.53万人
2025/09 +0.65万人 (前月発表値 +0.87万人)
非常勤雇用者数
2025/10 -1.31万人
2025/09 +0.63万人 (前月発表値 +0.63万人)
労働参加率
2025/10 67.0%
2025/09 67.0% (前月発表値 67.0%)
13日06:07 コリンズ米ボストン連銀総裁
「当面、金利を据え置くことが適切である可能性が高い」
「根強い物価上昇圧力、関税によるインフレ効果、米国政府機関の閉鎖で最近のデータが限られていることなどが理由」
13日09:10 植田日銀総裁
「今後も適切に政策運営をしていきたい」
「個人消費全体は底堅く推移している」
「基調的な物価上昇率は2%へ向け緩やかに上昇している」
13日09:33 片山財務相
「日銀には安定的・持続的に2%程度のインフレが定着する状況を期待」
「減税というオプションを否定しているわけではない」
13日22:28 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「12月の金利についてはまだ最終決定していない」
「労働市場はかなり減速している」
「インフレ率を2%に引き下げるにはまだ努力が必要」
「米経済の不確実性は大幅に低下」
「米経済は慎重ながらも楽観的」
「インフレは低下傾向にあるが、依然として厳しい」
「できるだけ多くの情報が揃うまで金利の決定を待つことには、 非常に大きな価値がある」
13日23:30 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「高インフレが依然として続いている」
「インフレ圧力は輸入品ではなくサービス業から生じている」
「現時点では、金融政策で出来ることはこれ以上ないと考える」
「現時点では、労働市場の低迷の可能性は高くないと考えている」
14日02:56
「インフレ圧力を抑えるため、FRBの政策はある程度引き締め的な姿勢を維持する必要」
「米経済は驚くほど回復力がある」
「関係者からインフレが高過ぎ、間違った方向に進んでいるとの声が上がる」
「雇用市場の軟化により、FRBの雇用政策は困難に直面」
「現在の失業率はほぼ最大水準」
「インフレの一部は関税によるものかもしれないが、サービスインフレは真の懸念事項」
「金融政策の決定に政治は関与しない」
「FRBの独立性は、政策遂行とインフレ抑制の義務を果たす上で極めて重要」
「関税導入で来年初めまでインフレの加速を予想」
「雇用市場は今のところ均衡しているように見えるが、懸念材料もある」
13日23:33 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「政府閉鎖の影響で、10月の米雇用統計は失業率なしで発表」
「政府閉鎖の影響で第4四半期GDPは1.5%低下を予想」
「利下げしないという議論にはあまり賛同できない」
14日01:31 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「インフレ率は3%と依然として高すぎる」
「労働市場の一部セクターは確かに圧力を受けているようだ」
14日05:05 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「関税の影響は来年後半までに薄れると予想」
「労働市場保護のため、これまでの利下げを支持してきた」
「現行政策はやや引き締め的よりも中立に近い水準にある」
「金融政策を過度に緩和的にせずに追加的な利下げを実施する余地は限られている」
「インフレに対抗し続ける必要がある」
※時間は日本時間
<国内>
○13:30 ◇ 9月第三次産業活動指数(予想:前月比0.3%)
<海外>
○11:00 ◎ 10月中国鉱工業生産(予想:前年比5.5%)
○11:00 ◎ 10月中国小売売上高(予想:前年比2.8%)
○16:05 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○16:45 ◇ 10月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比1.0%)
○17:30 ◎ 7-9月期香港域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.7%/前年同期比3.8%)
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比0.2%/前年比1.3%)
○19:00 ◇ 9月ユーロ圏貿易収支
○19:30 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:30 ◇ 9月カナダ製造業出荷(予想:前月比2.8%)
○22:30 ◇ 9月カナダ卸売売上高(予想:前月比横ばい)
○24:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○15日00:05 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○15日01:00 ☆ 7-9月期ロシアGDP速報値(予想:前年比0.7%)
○15日01:00 ◎ 10月ロシアCPI(予想:前月比0.8%)
○15日04:30 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○15日05:20 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、米国株相場や日経平均先物が大幅に下落したことが重しとなり、一時154.13円まで下落。ただ、FRB高官から12月の利下げに慎重なコメントが相次いだことで154円半ばまで下げ幅を縮めた。ユーロドルは1.1656ドルまで上昇した。
本日の東京時間でのドル円は、引き続き高市政権の放漫財政への懸念から円安基調は変わらないが、米国の景気・政局不安などドル安に繋がる材料で上値も限られそうだ。また、現時点では口先介入に留まるだろうが、円安けん制発言で一時的ながら円買い戻しが入ることには警戒しておきたい。
本日まで行われる参院予算委員会では、昨日も高市首相は単年度のプライマリーバランス(PB)の黒字化を取り下げ、数年単位でバランスを確認する方針を示した。数年単位に関しても「確認する」にとどめ、PBの黒字化は顧みない姿勢だ。地域未来戦略本部が進める「大胆な投資促進策とインフラ整備」を背景に株高となっているが、放漫財政は円売りを強めやすい。
国家の財政問題は格付けの変更が伴うため、投資家の関心も高く、その国の通貨が大きく動意づく傾向にある。
例を挙げると、12日に南ア政府は日本と真逆な財政政策を示し、ランド高が進行した。ゴドンワナ南ア財務相が発表した中期予算声明(MTBPS=Medium-term Budget Policy Statement)では、政府債務が2025-26年度にGDPの77.9%で安定することを示した。これは2008年の金融危機以来初めて公的債務の比率が伸びないことを意味している。南ア財政赤字は、2025-26年度のGDP比4.5%から2028-29年度に2.7%まで縮小すると予想。赤字縮小により南アの通貨ランドは、対ドルでは昨日は2023年2月以来、対円では2018年以来の高水準を記録した。
このように財政健全化を示した国の通貨が買われ、放漫財政となる通貨(今回は日本=円)が売られるという傾向は避けられない。当面は放漫財政が円売り要因となるだろう。
なお、高市氏が当初掲げていた「食料品への消費税0%」は取り下げ、自民党が参院選前に提唱していた「国民一人当たり2万円の給付」も中止され、国民が期待していた物価高対策に関してはほぼゼロ回答に近い。よって、今後の高市政権の支持率の急降下も考えられ、為替相場への影響もあり得そうだ。
円売り地合いが強いなか、ユーロ円がユーロ導入以来の円の最安値を更新した。上述のランド円を含め、多くのクロス円も円安が大幅に進行している。一方でドルは昨日、対円以外では軟調な動きを示していることで、ドル円も円安の動きは緩やかになりそうだ。
昨日の日本時間正午過ぎに、過去最長となる43日間続いた米政府機関の閉鎖が解除されたが、市場は既に織り込み済みという反応だった。NY時間では、米連邦準備理事会(FRB)高官から12月の利下げに慎重な発言が相次いだが、米金利上昇によるドル買いには反応は鈍く、米株安によるドル売りへの反応が大きかった。
なお、米民主党は、財源法案の可決に同意する前に要求していた「医療費負担適正化法(ACA)に基づく医療保険補助金の延長」には、まだ踏み込んでいない。1月に再び政府閉鎖との懸念も、昨日の米国売りの一因だろう。
米国に対する懸念材料は他にも、ホワイトハウスが12日、10月消費者物価指数(CPI)や雇用統計を発表しない可能性があるとしたこと。両指標ともに米労働省統計局(Bureau of Labor Statistics=BLS)が公表する指標だ。今年9月にトランプ米大統領がBLS長官を解任し、統計の専門家が同局を去ったことで、政府閉鎖期間のデータが集約できないという不測の事態に陥っている。この人事についても政権を批判する声も上がっている。
また一部では、CPIが上昇し、雇用統計は悪化しているため、10月のデータをトランプ政権が隠したいのではないか、との憶測もある。米国ではトランプ氏のエプスタイン問題も社会的な反響が強まっており、トランプ政権が中間選挙の1年前にもかかわらず、レームダック化する可能性も出てきた。これらもドルの重しになりそうだ。
円安傾向が顕著な中、要人の口先介入発言にアルゴリズムトレードが反応し、一時的に円の買い戻しが進む場面もあるかもしれない。また、昨年の11月14日に米国の為替報告書が公表された。同報告書で日本が再び名指しされるようだと、一時的な円の買い戻しにも警戒したい。
東京市場は軟調か。米国株は下落。要人発言などから利下げに対する期待が後退したほか、決算を発表したウォルト・ディズニーが急落したことから、高値警戒感が意識される展開。政府閉鎖の解除は決まったが、事前に期待感から買いが入っていたこともあって目先の材料出尽くしも意識される中、ダウ平均は800ドル近い下落となり、ナスダックの下落率は2%を超えるなど、リスク回避ムードの強い1日となった。ドル円は足元154円50銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが1205円安の50095円、ドル建てが1150円安の50150円で取引を終えた。
米国株の大幅安を受けて、日本株も売りに押されると予想する。CME225先物からは4桁安の展開も想定される。米国ではエヌビディアやパランティアなどAI関連の下げが大きかった。日本ではソフトバンクグループ<9984.T>の決算発表後の値動きが不安定となっているだけに、ハイテク関連には厳しい流れとなるだろう。日本は今週で決算がほぼ出そろうことから目先の利益を確定させる売りは出やすく、安く始まった後も戻りは限られると予想する。日経平均の予想レンジは50000-50600円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 50090 -1210 (-2.35%)
TOPIX先物 3328.0 -58.5 (-1.72%)
シカゴ日経平均先物 50095 -1205
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦政府機関の一部閉鎖を終わらせるつなぎ予算が上下両院を通過し、トランプ米大統領が12日夜に署名して成立した。ただ、足もとで閉鎖解除に向けた動きを好感した買いが入っていただけに、人工知能(AI)銘柄を中心に利益確定の売りが優勢になった。「政策金利を据え置くのが適切」とのボストン連銀のコリンズ総裁による発言が伝わり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後退したことも重荷になった。
NYダウ構成銘柄では、シスコシステムズ<CSCO>、ナイキ<NKE>、メルク<MRK>、シェブロン<CVX>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>が買われた。一方で、ウォルト・ディズニー<DIS>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、エヌビディア<NVDA>、JPモルガン・チェース<JPM>、キャタピラー<CAT>の弱さが目立った。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比1205円安の5万0095円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比70円安の5万1230円で始まった。開始直後につけた5万1270円を高値にショート優勢の流れとなり、米国市場の取引開始直後に5万0800円を割り込んだ。その後も終盤にかけて下へのバイアスが強まるなかで5万0020円まで下げ幅を広げ、5万0090円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップダウンで始まることになりそうだ。ナイトセッションでの大幅な下げによって、ヘッジ対応のショートが入りやすいだろう。ただし、足もとでボリンジャーバンドの+1σ(5万1340円)水準での攻防が続いていたことで、同バントと25日移動平均線(4万9870円)とのレンジが意識されていた。レンジ下限に接近してきたことで、売り一巡後は25日線水準での底堅さを見極めることになろう。
朝方はショートが膨らみやすく、瞬間的に5万円の大台を割り込む可能性はありそうだが、25日線水準がサポートとして機能するようだと、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。足もとでソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]などAI関連株に持ち高調整の動きがみられていたこともあり、米国のAI関連株を中心とした下落についてもある程度は想定されていたと考えられる。
もっとも、日経225先物は4月下旬以降、25日線を支持線とした上昇トレンドを継続していただけに、同線を明確に割り込む局面では投資家心理の悪化につながるだろう。-1σ(4万8410円)辺りが射程に入ってくることも考えられるため、オプション権利行使価格の5万円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万9000円から5万1000円のレンジを想定する。
13日の米VIX指数は20.00(12日は17.51)に上昇した。一時17.51と前日比変わらずの水準をつける局面もみられたが、その後の上昇で25日線(18.60)および、抵抗線として意識されていた200日線(19.45)を上回って終えた。ただ、7日につけた直近の高値(22.72)までの上昇とはならず、過度なリスク回避姿勢は強まっていない状況である。
昨日のNT倍率は先物中心限月で15.14倍に低下した。25日線(15.20倍)を明確に下放れる形状をみせてきており、-1σ(14.96倍)が射程に入ってきそうだ。AI関連株への持ち高調整の売りが入りやすいと考えられるなか、ややNTショートに振れやすいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比830円安の5万0470円(-1.61%)前後で推移。寄り付きは5万0160円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万0095円)にサヤ寄せする形から、ギャップダウンで始まった。現物の寄り付き直前には5万0010円まで売られたが、5万円の大台を割り込まなかったこともあり、売り一巡後は押し目待ち狙いのロングがショートカバーを誘う形になり、中盤にかけて5万0760円まで下落幅を縮める場面もみられた。ただし、中盤以降は膠着感が強まり、5万0450円から5万0550円辺りでの推移をみせている。
11月のSQ値は概算で5万0323.66円となった。SQ値が抵抗線にならなかったことも押し目狙いのロングに向かわせた面がありそうだ。ただ、中盤にかけてのリバウンドで達成感が意識されやすく、日経平均株価が再びSQ値を割り込んでくるようだと、先物市場では短期的なショートが入りやすくなるだろう。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]も寄り付き後にリバウンドをみせたものの、中盤以降は売り直される形であり、神経質にさせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.03倍に低下した。ソフトバンクグループのほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の3銘柄で日経平均株価を690円超押し下げており、NTショートに振れやすいだろう。しかし、一時15.01倍までの下げでボリンジャーバンドの-1σ(14.99倍)に接近しているため、NTショートを巻き戻す動きが入る可能性も意識しておきたい。
米政府のシャットダウンがようやく終了。市場では、溜まりに溜まった経済指標などの扱いについて注目が集まったわけですが、12日にはホワイトハウスのレビット報道官が「10月米雇用統計とCPIが発表されない可能性」に言及。閉鎖解除後のNY市場では、ハセット米NEC委員長が「9月米雇用統計は来週中にも発表予定」とする一方、「10月米雇用統計は失業率なしで発表する」との見解を表明。加えて、第4四半期のGDPは▲1.5%を予想するなど、早くも指標発表を巡る信頼性の問題が浮上。
米雇用統計と米CPIの公表元である、米労働省労働統計局(BLS)からは、「データ公表の予定はわかり次第通知する」としながらも、「状況を把握し、日程などを最終決定するのには時間がかかる」ことにも言及。解除後の不安定な状況を憂慮する状況となっています。
そんな市場の憂鬱を反映してか、株式市場は大幅な下落。ポジション調整などが先行しているわけですが、昨日は、一方でFOMCメンバーの講演も目白押しだったわけで、市場では特に9月には年3回の利下げを主張していたカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が、12月FOMCでの利下げについて「まだ強い意向はない」との自身のビューを変更したことが話題に。一時90%以上織り込んでいたFed Watchでの利下げ確率は、50%台まで急低下することになっています。
いずれにしても、ドル円は、株価急落を受けてのリスクオフで下押ししたものの、米長期金利の上昇につれて買い戻しとなったといったところ。週末のアジア市場では、史上最長記録を更新した米政府シャットダウンの後遺症ともいえる、ある種の虚脱感や倦怠感が蔓延。典型的な週末相場が続いています。
本日のロンドン為替市場では、英秋季予算案に向けた思惑でポンド相場が神経質に上下しそうだ。26日にリーブス英財務相による予算案発表を控える中、英FT紙が「政府は所得税を引き上げない方針」を報じた。英財政改善の遅れが懸念され、東京朝にポンドは対主要通貨で下落。この後は、英債券市場の反応を見極める必要がある。
今月4日に予算案について演説したリーブス英財務相は、「鉄の規律とする財政ルールを改めて堅持する」と表明し、国債市場の信認を確保することが不可欠だと強調した。一方で「皆が国の未来のために貢献しなければならない」と述べ、増税の可能性をこれまで以上に強く示唆している。
このところの英債券市場の落ち着きは、インフレリスクの低下もあるが、リーブス氏が示した「財政規律の維持」を好感した部分も大きい。財政改善に向けては、財務相やスターマー首相は明言してはいなかったものの、(与党・労働党の公約に反する)増税に踏み切るとの見方も広まっていた。しかしながらFTの報道が正しければ、財源問題が再び浮上する。
リーブス英財務相やスターマー首相など当局者からも、所得税に関するFT報道について何らかのコメントが出てくるだろう。いずれにせよ関連報道に注意しながら、英長期債が売られれば(利回りは上昇)ポンドも下値を試し、逆に長期債が底堅い動きを見せるようだとポンド相場は持ち直すことになりそうだ。
ユーロ相場はしばらく、ユーロポンドを中心に上下が見込まれる。ユーロ圏のイベントとしては、改定値ではあるが10月仏消費者物価指数(CPI)や7-9月期ユーロ圏GDPが発表予定。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの講演は、スペインやクロアチア中銀総裁、またエルダーソンECB専務理事が予定されている。
想定レンジ上限
・ポンドドル、21日移動平均線1.3222ドル
・ユーロポンド、2023年3月10日週高値0.8925ポンド
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.1696ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、12日安値1.3085ドル
・ユーロポンド、12日安値0.8804ポンド
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.1563ドル
ドル円:1ドル=154.48円(前営業日NY終値▲0.08円)
ユーロ円:1ユーロ=179.93円(△0.13円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1648ドル(△0.0015ドル)
日経平均株価:50376.53円(前営業日比▲905.30円)
東証株価指数(TOPIX):3359.81(▲21.91)
債券先物12月物:135.86円(△0.02円)
新発10年物国債利回り:1.700%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月第三次産業活動指数
前月比 0.3% 0.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小安い。本日は週末の実質5・10日(ゴトー日)とあって仲値に向けて154.74円まで上昇する場面があったものの、仲値通過後は日本株が大幅安となる中で買いの勢いも続かなかった。12時30分過ぎには一時154.31円まで下押し。ただ、その後は154円台半ばまで下げ渋っており、積極的に売りを進める動きにもなっていない。
・ユーロ円はもみ合い。179円台後半での神経質な動きとなった。朝方には179.95円までユーロ導入来の高値を更新したが、心理的節目の180.00円を前に買いも一服した。
・ユーロドルは小高い。手掛かり材料難ながら底堅く推移し、一時1.1649ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は3営業日ぶりに大幅反落。昨日の米国株式市場でハイテク株安が進み、この日の国内市場でも値がさの半導体関連株などが売りに押された。前日までの上昇で史上最高値に迫っていたことから利益確定や持ち高調整目的の売りも進み、指数は1000円を超える下げとなる場面も見られた。
・債券先物相場は反発。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが散見された。もっとも、日銀の利上げが難しくなるとの見方が下値を支えたほか、この日の日本株が大幅安となったことで安全資産としての債券需要を意識した買いも入った。
BNPパリバ証券では、日銀の金融政策の見通しを修正している。次の利上げは今年12月との見通しを維持するものの、来年の利上げ回数については、従来の3回から2回に引き下げた。高市政権が当初想定していた以上にリフレ政策を志向する蓋然性が高まったと考えることをその背景に挙げており、経済・物価情勢に対する見方の修正に基づく変更ではないとしている。日銀が低金利志向の政権の意向に配慮しながら金融政策運営を行うと予想される分、限界的にはインフレ圧力が強まるとBNPパリバでは考えている。
中国の国家統計局が14日発表した2025年10月の住宅価格統計によると、主要70都市のうち、新築分譲住宅価格(保障性住宅を除く)が前月比で下落したのは64都市となり、前月から1都市増えた。上昇は6都市で1都市増加。横ばいの都市はなかった(前月は2都市)。前年同月比では、下落は61都市と前月から変わらず。上昇は7都市で前月から1都市減った。横ばいは2都市だった(前月は1都市)。
中国国家統計局の統計に基づいてロイターが算出した10月の主要70都市の新築住宅価格指数は前年同月比2.2%下落した。前月比では0.5%低下し、下げ幅は9月の0.4%から拡大した。
規模別では、「一線都市」(北京、上海、広州、深セン)の新築分譲住宅価格は前月比0.3%下落した(前月は0.3%下落)。これに次ぐ規模の「二線都市」(31都市)は0.4%低下(前月は0.4%下落)。「三線都市」(35都市)は0.5%下落した(前月は0.4%下落)。前年同月比では、一線都市が0.8%下落(前月は0.7%下落)。二線都市は2.0%下落(前月は2.1%下落)、三線都市は3.4%下落(前月は3.4%下落)となった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、ドル円が一時155円台に乗せたことを受けて、市場で関心が高まっている為替介入についての見解を示している。三菱UFJMSでは、ドル売り実弾介入が近く行われる可能性はまだ高くないと考えている。片山財務大臣の円安けん制トーンはやや強まったものの、介入実施が差し迫っている感はないとコメント。過去の介入発動ラインに照らせば、足元の水準はまだ低いとみている。現時点で得られるデータを総合すると、ドル売り介入再開はまだ遠いと三菱UFJMSでは予想している。
中国の国家統計局が14日発表した統計によると、2025年1-10月の商品不動産(不動産デベロッパーが市場で販売する物件)の販売額は前年同期比9.6%減の6兆9017億元だった。下落率は1-9月と比べ1.7ポイント拡大した。うち住宅販売額は6兆687億元と9.4%減った。販売面積は全体で6.8%減の7億1982万平方メートル、うち住宅は7.0%減の6億272万平方メートルだった。
1-10月の不動産開発投資額は7兆3563億元と前年同期比14.7%減った。下落率は1-9月と比べ1.8ポイント拡大した。住宅投資は13.8%減の5兆6595億元。不動産開発企業が新規に着工した物件の面積は19.8%減の4億9061万平方メートルで、うち住宅は19.3%減の3億5952万平方メートルだった。
不動産市場の景気動向を示す不動産開発景気指数は10月に92.43となった。9月から0.34ポイント低下した。不動産開発景気指数は、2012年を基準(=100)に、95-105なら「適正な水準」、95以下なら「低い水準」、105以上なら「高い水準」を示す。
過去最大の円買い介入を断行した神田第26代財務官(2021年7月8日~2024年7月31日)は、「あまりにおかしいボラティリティーに対し、正常化することが求められる。G20ではボラティリティーが高まったとの認識を初めて共有した」と述べ、ボラティリティーの抑制を円買い介入の錦の御旗として掲げていた。
2025年11月の時点では、介入未経験の三村第27代財務官(2024年8月1日~)は、「主な懸念は為替の過度なボラティリティー、水準ではない」と述べている。
神田第26代財務官の円買い介入のタイミングが、ドル円のボリンジャー・バンド+2シグマを超えるボラティリティーの上昇局面だったことで、財務省の「伝家の宝刀」になっているのかもしれない。
1.神田第26代財務官(2021年7月8日~2024年7月31日)
神田財務官は、「令和のミスター円」として、過去最大規模のドル売り・円買い介入を断行したが、ドル円は退任発表日に1986年12月以来の161円台まで上昇したため、敗北したことになる。
■2022年のドル売り・円買い介入(9兆1880億円)
神田財務官は、「あまりにおかしいボラティリティーに対し、正常化することが求められる。G20ではボラティリティーが高まったとの認識を初めて共有した」と述べ、ボラティリティーの抑制を円買い介入の錦の御旗として掲げている。
1)9月22日の第1弾の円買い介入(2兆8382億円)では、ドル円は高値145.90円から安値140.36円まで、5.54円(3.8%)下落した。
2)10月21日の第2弾の円買い介入(5兆6202億円)では、ドル円は高値151.95円から安値146.23円まで、5.72円(3.8%)下落した。
3)10月24日の第3弾の円買い介入(7296億円)では、ドル円は高値149.71円から安値145.56円まで、4.15円(2.8%)下落した。
■2024年のドル売り・円買い介入(9兆7885億円)
神田財務官は、「激しい為替変動が国民経済に与える影響を看過し難い」と述べて、覆面介入を断行した。
1)4月29日(昭和の日)という東京市場が休場の日に行われた第1弾の円買い覆面介入は、東京時間午後1時過ぎに、ドル円が160.17円まで急騰した後の159円台で実施された。
2)4月29日の第2弾の円買い覆面介入は、東京時間午後4時頃、ドル円が157円台まで反発した局面で実施され、ドル円は154.54円まで下落した。
3)5月2日の早朝のFOMC声明が発表された後の5時過ぎに、ドル円が157円台で推移していた頃、第2弾の円買い覆面介入が実施され、ドル円は153.04円まで下落した。
2. 三村第27代財務官(2024年8月1日~)
ドル売り・円買い介入を指揮した財務官は、1985年9月のプラザ合意を受けた大場財務官、1991年の千野財務官、1998年のアジア・日本の金融危機に対峙した榊原財務官、2022年と2024年に過去最大規模の円買い介入を行った神田財務官の4名だけとなっている。
「勝つ介入」となったのは、日米協調介入を行った大場財務官、千野財務官、榊原財務官の3名で、最大規模の円買い介入を行った神田財務官は負け戦だった。
三村財務官は5人目の円買い介入を指揮する財務官となると思われるが、1986年以来の円安を阻止することができるのだろうか。
2025年11月14日時点でのドル円のボリンジャー・バンド+2シグマは、155.45円に位置している。
■本邦通貨当局による円安牽制
・三村財務官(11月5日):
「ドル円の動きと日米の公債の金利差の推移を見ると、最近はやや乖離が見られる」
「ボラティリティーの変動がファンダメンタルズに関連する要因で必ずしも説明できない場合、やや無秩序なあるいは過度な動きと言える」
・片山財務相(11月12日)
「為替相場の動向の経済への影響はプラス面、マイナス面があるが、マイナス面が目立ってきたことは否定しない」
「一方的で急激な動きが見られており、高い緊張感を持って見極めている」
「投機的な動向を含め、為替市場の過度な変動や無秩序な動きについて高い緊張感を持って見極めている」
大阪12月限
日経225先物 50330 -970 (-1.89%)
TOPIX先物 3353.5 -33.0 (-0.97%)
日経225先物(12月限)は前日比970円安の5万0330円で取引を終了。寄り付きは5万0160円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万0095円)にサヤ寄せする形からギャップダウンで始まった。現物の寄り付き直前には5万0010円まで売られたが、5万円の大台を割り込まなかった。
売り一巡後は押し目待ち狙いのロングがショートカバーを誘う形になり、前場中盤にかけて5万0760円まで下げ幅を縮める場面もみられた。ただし、その後は膠着感が強まり、ランチタイム以降は5万0350円~5万0550円辺りでの推移を継続。後場終盤にかけては5万0280円~5万0480円と、ややレンジを切り下げる形で終えた。
11月のSQ値は概算で5万0323.66円となった。SQ値が抵抗線にならなかったことも押し目狙いのロングに向かわせた面がありそうだ。ただ、前場中盤にかけてのリバウンドで達成感が意識されやすく、日経平均株価は後場中盤には再びSQ値を割り込む場面もあり、先物市場では後場終盤にかけて短期的なショートを誘う形になったようである。
ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は寄り付き後にリバウンドをみせたが、その後売られて3日続落。アドバンテスト<6857.T>[東証P]も終日弱含みで推移したため、押し目狙いのロングを慎重にさせたとみられる。
結局はアドバンテストやソフトバンクグループ、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の3銘柄で日経平均株価を790円余り下押す形であり、相対的に日経平均型の弱さが目立つ形であった。来週にエヌビディア<NVDA>の決算を控えているため、これを通過するまでは調整一巡によるリバウンドを想定したロングは期待しにくい。半面、戻りの鈍さが意識される局面では、短期的にショートが入りやすいだろう。
日経225先物は上向きで推移する25日移動平均線(4万9940円)が支持線として機能しているが、同線を明確に割り込む局面となれば、ボリンジャーバンドの-1σ(4万8490円)が射程に入ってくる。足もとでみせていた5万円と+1σ(5万1390円)とのレンジから、-1σと5万円とのレンジに切り下がることで、ショート優位の需給状況となりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で15.00倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げの影響により、NTショートに振れやすい需給状況だった。下へのトレンドが継続する可能性は高そうだが、一時14.97倍まで低下し-1σ(14.98倍)を捉えたことで、いったんはNTショートの巻き戻しが入る可能性も意識しておきたい。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9935枚、ソシエテジェネラル証券が1万1244枚、サスケハナ・ホンコンが4020枚、モルガンMUFG証券が3245枚、SBI証券が2021枚、バークレイズ証券が1970枚、JPモルガン証券が1917枚、野村証券が1507枚、ゴールドマン証券が1254枚、日産証券が1221枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万6507枚、ソシエテジェネラル証券が2万0452枚、バークレイズ証券が5933枚、JPモルガン証券が5067枚、モルガンMUFG証券が3899枚、ゴールドマン証券が3659枚、サスケハナ・ホンコンが2850枚、野村証券が1866枚、ビーオブエー証券が1189枚、みずほ証券が1085枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク株式・債券市場の動向を眺めながら、複数のFRB高官の見解を見極めて行く展開となる。
米政府機関が再開されたものの、米労働統計局(BLS)が現時点で統計公表スケジュールを更新していないため、当分はパウエルFRB議長が述べていたように、霧の中での慎重な運転を続けていくことになる。
すなわち、12月9-10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、パウエルFRB議長が述べていたように、追加利下げは「既定路線」ではないことになるのかもしれない。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での12月FOMCの予想は、利下げと据え置きがほぼ拮抗している。
本日は、 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、 ローガン米ダラス連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁らの講演が予定されており、12月FOMCに向けた見解に注目しておきたい。
追加利下げを主張しているハト派の高官は、霧の中でも減速することなく走行していくべきだと述べ、据え置きを主張しているタカ派の高官は、減速して、霧が晴れる、すなわち物価や雇用関連の指標の発表を待つべきだと述べている。
ドル円が155円という攻防の分岐点に差し掛かっていることで、ドル高・円安に警戒感を示してきたトランプ米政権と本邦通貨当局による抑制措置への警戒感が高まっている。
これまでのところ、かつてドル円の154円台を「米製造業にとって壊滅的」と批判していたトランプ米大統領や、「外国為替報告書」「日米財務相共同声明」などで円安を牽制してきたベッセント米財務長官からの牽制発言は聞かれない。
しかし、米財務省は昨年11月14日に「外国為替報告書」を公表しており、まもなく公表されると思われるため、引き続き警戒しておきたい。
本邦通貨当局からは、片山財務相の牽制発言は、円安阻止への緊迫感はなく、三村財務官が言及した「過度なボラティリティ」の参考となるボリンジャー・バンド+2σは155.45円付近に位置している。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、155.52円(2/4高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.93円(日足一目均衡表・転換線)
今晩は要人発言に注目。昨日はAI関連株を中心にハイテク株が下落したことや、決算が嫌気されたウォルト・ディズニーが大幅安となったことに加え、米連邦準備理事会(FRB)高官から利下げに慎重な発言が相次いだことで年内の利下げ期待が大きく後退したことも相場の重しとなった。前日まで連日で最高値を更新したダウ平均が797.6ドル安(-1.65%)、S&P500が1.66%安と、ともに5日ぶりに反落し、ハイテク株主体のナスダック総合は2.29%安と大幅に3日続落した。3指数はそろって10月10日以来の大幅下落率を記録した。週初来ではダウ平均が470.12ドル高(+1.00%)、S&P500が0.13%高となった一方、ナスダック総合は0.58%安と2週続落ペースとなった。
今晩の取引では年内の利下げ期待の後退が引き続き相場の重しとなることが予想されるが、昨日、ハイテク株を中心に大きく下落したことで、週末を控えた買い戻しの動きも期待される。また、昨日に続き、今晩もシュミッド米カンザスシティー連銀総裁など米連邦準備理事会(FRB)高官の講演が複数予定されており、利下げを巡る要人発言に注目する展開となりそうだ。
今晩は主要な米経済指標や決算発表はなし。要人発言はシュミッド米カンザスシティー連銀総裁、ローガン米ダラス連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁など。
日経平均株価は大幅反落。5日移動平均線(50895円 11/14)や10日移動平均線(50975円 同)を下回るスタートから下値を試す展開となった。ただ、後場の戻りは鈍かったものの、前場安値を下回ることなく終えた。
RSI(9日)は前日49.6%→31.5%(11/14)に低下。下向きに変化した10日移動平均線を下回ったことで、25日移動平均線(49836円 同)までの押し目形成が想定できる。週初は転換線(50855円 同)が下向きに変化する影響にも留意したい。
一方、11月5日や7日の安値で意識した20日移動平均線(50322円 同)前後で終えている。週明けの反発に期待できる局面でもあり、これまでの見方を大きく変える必要はない。
上値メドは、心理的節目の51000円や52000円、11/4高値(52636円)、心理的節目の53000円や53500円などが想定される。下値メドは、心理的節目の50000円、25日移動平均線、11/7安値(49640円)、11/5安値(49073円)、10/23安値(48399円)、心理的節目の48000円などがある。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.64円(14日15時時点比△0.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=179.60円(▲0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1614ドル(▲0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:9698.37(前営業日比▲109.31)
ドイツ株式指数(DAX):23876.55(▲165.07)
10年物英国債利回り:4.574%(△0.137%)
10年物独国債利回り:2.720%(△0.032%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比 0.1% 0.1%
前年比 0.9% 1.0%
7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.2% 0.2%
(前年同期比) 1.4% 1.3%
9月ユーロ圏貿易収支
(季調済)187億ユーロの黒字 106億ユーロの黒字・改
(季調前)194億ユーロの黒字 10億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。対欧州通貨などでドル高が進んだ影響を受けて、19時30分過ぎに一時154.76円と日通し高値を付けたが、米長期金利の低下をきっかけに円買い・ドル売りが優勢になると一転下落した。日米株価指数先物や欧州株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りも入ると、22時30分前に一時153.62円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ナイト・セッションの日経平均先物やナスダック総合がプラス圏を回復するなど、日米株価が底堅く推移するとドル円にも買い戻しが集まった。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、2時過ぎには154.74円付近まで持ち直した。「政府が近く策定する総合経済対策の規模は17兆円台になる見通し。ガソリン税などに上乗せされる旧暫定税率の廃止による大型減税も盛り込む」との報道も買いを後押ししたようだ。
・ユーロドルは上値が重かった。欧州勢参入直後はドル買いが進み一時1.1609ドルまで値を下げたものの、米長期金利が低下すると一転ユーロ買い・ドル売りが優勢に。22時過ぎに一時1.1654ドルと日通し高値を更新した。
ただ、前日の高値1.1656ドルや10月29日の高値1.1666ドル、同月28日の高値1.1669ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利が上昇に転じたことなども相場の重しとなり、1時前に1.1606ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は下値が堅かった。日本時間夕刻に一時179.97円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けたものの、節目の180.00円に接近した場面では戻り売りや利食い売りなどが出たため伸び悩んだ。そのあとは世界的な株価の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが入り一時178.98円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円の持ち直しにつれた買いが入ると179.70円付近まで下げ渋っている。
・ロンドン株式相場は続落。前日の米株安や本日のアジア株安を受けて、英株にも売りが波及した。英フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道をきっかけに英財政不安が再び強まったことも投資家心理を冷やした。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、HSBCホールディングスやバークレイズなど金融株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。前日の米国株相場や本日のアジア株相場の下落を受けて投資家心理が悪化すると、独株にも売りが出た。個別ではバイエル(5.11%安)やコメルツ銀行(3.34%安)、ザランド(3.29%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。リーブス英財務相は26日に発表される予算案に所得税率引き上げを盛り込む計画を断念。「英国は歳入の不足分をどのように補うのか」との疑問が広がる中、英国債は下落した。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.55円(前営業日比▲0.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=179.61円(▲0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1621ドル(▲0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:47147.48ドル(▲309.74ドル)
ナスダック総合株価指数:22900.59(△30.23)
10年物米国債利回り:4.15%(△0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=60.09ドル(△1.40ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=4094.2ドル(▲100.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円はほぼ横ばい。米長期金利の低下をきっかけに円買い・ドル売りが先行。日米株価指数先物や欧州株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが入ると、22時30分前に一時153.62円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ナイト・セッションの日経平均先物やナスダック総合がプラス圏を回復するなど、日米株価が底堅く推移するとドル円にも買い戻しが集まった。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、2時過ぎには154.74円付近まで持ち直した。「政府が近く策定する総合経済対策の規模は17兆円台になる見通し。ガソリン税などに上乗せされる旧暫定税率の廃止による大型減税も盛り込む」との報道も買いを後押ししたようだ。
もっとも、欧州時間に付けた日通し高値154.76円が目先レジスタンスとして意識されると上昇は一服し、NY午後に入ると154円台半ばで次第に値動きが鈍った。
なお、10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに反対し、金利据え置きを主張したシュミッド米カンザスシティー連銀総裁は「10月の反対意見表明の根拠は、12月に向けても私の指針となっている」と述べたほか、ローガン米ダラス連銀総裁も「10月は据え置きを望んだ」「12月の会合で追加利下げを支持するのは難しい」などと話した。一方、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は「データは利下げを支持」「FRBの政策姿勢を一段とハト派的に変えるべきであり、弱めるべきではない」などと語った。
・ユーロドルは4日ぶりに小反落。米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが先行し、22時過ぎに一時1.1654ドルと日通し高値を更新した。
ただ、前日の高値1.1656ドルや10月29日の高値1.1666ドル、同月28日の高値1.1669ドルがレジスタンスとして意識されると失速。米長期金利が上昇に転じたことなども相場の重しとなり、1時前に1.1606ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は6日ぶりに反落。日本時間夕刻に一時179.97円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けたものの、株価の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが入ると一時178.98円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円の持ち直しにつれた買いが入ると179.70円付近まで下げ渋った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。FRBによる追加利下げ観測が後退する中、この日も売りが先行し、寄り付き直後には590ドル超下落した。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。ハイテク株が上昇に転じたことなどが相場を下支えした。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに小反発。市場では「このところ下落が続いていただけに買い直す動きが見られた」との指摘があった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。株価の下落を受けて買いが先行したものの、買い一巡後は売りが優勢となった。FRBによる追加利下げ観測の後退が相場の重しとなった。
・原油先物相場は続伸。ウクライナ軍がロシアのノボロシースク港を攻撃したことで、同港の石油の輸出が停止したと伝わると、買いが優勢となった。
・金先物相場は大幅続落。複数のFRB高官の発言を受けて、米12月利下げ観測が後退。米長期金利の上昇が重しとなり、利子を生まない金の投資妙味が低下すると売りが優勢となった。
英ファイナンシャルタイムズがスターマー英首相とリーブス英財務相が所得税率引き上げの計画を撤回したと報じている。
日銀は14日、内田日銀副総裁が病気療養のため入院していると公表した。入院期間は数週間となる見込みで、その間はリモートで公務を継続するという。また、12月18-19日に開催される次回の日銀金融政策決定会合には出席する見通しとしている。
一部通信社が報じたところによると、「中国政府は国民に日本への訪問を短期的に控えるよう要請する」ようだ。
日経新聞が報じたところによると、「政府が近く策定する総合経済対策の規模は17兆円台になる見通し」だ。裏付けとなる2025年度の補正予算の歳出規模は前年度を上回る14兆円程度で調整するという。また、所得税がかかり始める「年収の壁」の引き上げやガソリン税などに上乗せされる旧暫定税率の廃止による大型減税も盛り込むもよう。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は14日、南アフリカの格付けを「BB-」から「BB」に引き上げたと発表した。なお、見通しは「ポジティブ」とした。
14日05:36 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「データは10月の会合以降、状況は変わらないことを示唆」
「労働市場には確かに弱点があるようだ」
「12月の利下げについてはまだ強い意向はない」
14日05:44 米労働省労働統計局(BLS)
「データ公表の予定は分かり次第通知する」
「状況を把握、日程を最終決定するのに時間かかる可能性」
14日08:37 城内成長戦略相
「円安、輸入物価を通じてCPIを押し上げる効果がある」
14日21:55 チャベスデリマー米労働長官
「米労働統計局は、10月のCPIのデータを完全に収集出来ていない」
「10月CPIを発表できるかわからない」
14日22:57 グリア米通商代表部(USTR)代表
「米国はスイス製品への関税を15%に引き下げる予定」
「スイスは米国への2000億ドルの投資で合意」
「スイスにはEU並みの15%の関税を課す」
15日00:35 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「追加利下げでは雇用市場の亀裂は修復されない」
「インフレに対する懸念は関税だけにとどまらない」
「10月の反対意見表明の根拠は、12月に向けても私の指針となっている」
*10月FOMCでは利下げに反対し、金利据え置きを主張
15日04:07 ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事
「データは利下げを支持」
「データはFRBの政策姿勢を一段とハト派的に変えるべきであり、弱めるべきではない」
「過去を振り返るデータに基づいて政策を策定するのは間違い」
「賃金の上昇は鈍化」
「金融政策は将来を見据えたものでなければならない」
15日04:46 ローガン米ダラス連銀総裁
「12月の会合で追加利下げを支持するのは難しい」
「9月の利下げを支持、10月は据え置きを望んだ」
「データと金融情勢の進展を注視」
「インフレ率は高すぎる水準にあり、さらに上昇傾向にある」
「労働市場は冷え込んでいる」
「労働市場は概ね均衡がとれている」
「雇用とインフレの両方にリスクが存在」
「12月の利下げを支持するためには、インフレ率の低下、あるいは労働市場の悪化を示す、説得力のある証拠が必要」
15日05:05 米労働省労働統計局(BLS)
「9月米雇用統計は11月20日に発表」
※時間は日本時間
◆豪ドル、RBA議事要旨や四半期賃金指数に注目
◆ZAR、SARBの金融政策に注目
◆ZAR、SARBがインフレ目標変更を正式発表
予想レンジ
豪ドル円 99.00-104.00円
南ア・ランド円 8.90-9.30円
11月17日週の展望
豪ドルは下値の堅い動きとなりそうだ。来週は18日に豪準備銀行(RBA)の10月金融政策決定理事会議事要旨、19日に7-9月期賃金指数の公表が控えており、いずれも市場の注目を集めるだろう。今週もハウザーRBA副総裁が「金融政策は引き続き十分に引き締め的である必要がある」との見解を示すなど、RBAのタカ派姿勢が目立った。市場では年内最後のRBA理事会(12月8-9日)も金利が据え置かれるとの見方が優勢となっており、豪州の大手金融機関からは「RBAの金利引き下げサイクルはすでに終了した可能性が高い」との見解も伝わっている。
RBAは、前回の声明文で「慎重な姿勢を維持し、今後のデータを踏まえて見通しを更新する意向」「引き続きデータや見通し・リスク評価の変化に注視して政策判断を行う」と言及しており、金融政策方針に関して特定のバイアスを持っていない姿勢を示しているが、今回の議事要旨ではRBAのスタンスを改めて確認しておきたい。
また、併せて7-9月期賃金指数の確認も必要となるだろう。4-6月期の賃金指数は前年比3.4%と2023年10-12月期に4.2%でピークに達した後はやや鈍化しているものの、依然として高水準にある。RBAが公表した直近の四半期金融政策報告によると、賃金指数は年内3.4%にとどまるものの、翌年以降は3.0%へと鈍化していく見通しになっている。今週公表された10月雇用統計が強い結果だったことに加えて、四半期賃金指数が前期からさらに上昇していた場合、RBAの利下げサイクルが終了というシナリオも現実味を帯びてくるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅い展開となりそうだ。来週は19日に10月消費者物価指数(CPI)や9月小売売上高の発表が控えているほか、20日には南アフリカ準備銀行(SARB)による年内最後の金融政策決定委員会(MPC)が開催される。
今週に公表された中期予算声明では、政府債務が2025-26年度にGDPの77.9%で安定し、財政赤字は2025-26年度のGDP比4.5%から2028-29年度には2.7%まで縮小するとの見通しが示された。また、SARBのインフレ目標を従来の3.00-6.00%から3.00%(±1.0%)に変更することも正式に発表。ゴドンワナ財務相は「新目標は2年かけて実施する」「新目標の設定によって時間の経過とともにインフレ期待が低下するだろう」などの見解を示した。市場は南ア政府の発表を好感してZAR買いで反応。来週の南アMPCでも金利引き下げが予想されているが、対米金利差の縮小というマイナス面ではなく、景気下支えというポジティブな面が意識されそうだ。
11月10日週の回顧
豪ドルはしっかり。米政府機関の閉鎖解除に向けた期待が高まったことで全般に投資家のリスク志向が改善したほか、10月雇用統計が強い結果となったことも豪ドル買いを誘った。ZARも堅調。南ア政府の中期予算声明が好感されてZAR買いが進み、対ドルでは2023年2月以来のZAR高水準を更新。対円でも2018年以来の高値となる9円台まで上値を伸ばした。
◆ポンド、10月インフレ指標で来月利下げの織り込み進むか見極め
◆ポンド、秋季予算案を巡る思惑には依然として注意
◆加ドル、10月CPIや対米関係を材料視
予想レンジ
ポンド円 201.50-206.00円
加ドル円 108.50-112.00円
11月17日週の展望
来週のポンド相場は、高市政権が目指す「責任ある積極財政」や最長期間を更新した米政府機関の閉鎖解消を受けた市場のリスク選好度合いを見極めつつ、週半ばに発表される10月の英インフレ指標に注目することになる。また、26日のリーブス英財務相による秋季予算案発表を前にし、英財政を巡る思惑で上下する債券市場の動向にも注意したい。
19日に発表予定の10月消費者物価指数(CPI)では、イングランド銀行(英中銀、BOE)が前回会合で示した「インフレ率はピークに達した」という判断を確かめることになる。9月のCPIは前年比で市場予想を下回り、3カ月連続の3.8%上昇を記録した。前回会合で据え置きを支持したベイリーBOE総裁も、最近はインフレリスクが低下し、より均衡した状態だと認めている。12月の英金融政策委員会(MPC)の投票直前に11月CPIも発表されるため、今回の指標だけでインフレ動向を決めつけるのは早計だろう。ただ、ハト派的な据え置きを決めた11月MPCを終え、市場では年内追加利下げを後押しするような結果を期待する声が多く聞かれている。
また、英長期債市場は秋季予算案の発表を控え比較的落ち着いた状態だ。インフレ再燃リスクの減退や、4日のリーブス講演で財政規律維持が約束された事も好感されている。英シンクタンクは「財務相が予算に大幅な増税を盛り込まなければ、保守党政権時の2022年秋に市場を混乱させたトラスショックの再来もあり得る」と警告。そういった中、英FT紙は「スターマー政権が所得税は引き上げない方針」を報じた。26日の発表まで様々な報道や思惑で相場は振らされそうだ。
加ドルはまず、週初に明らかとなる10月CPIが材料視される。7日に発表された雇用統計では、新規雇用者数が6.66万人増と市場予想の0.25万人減を大きく上回った。失業率も6.9%と予想や前回から0.2%改善するなど、労働市場の強さを背景にカナダ金利の先安観が後退している。短期金利市場では、少なくとも来年夏までカナダ中銀は政策金利を据え置くとの見方が優勢だ。そういった中、9月分が前年比2.4%上昇と2月以来の高い水準まで加速したCPIが再び底堅さを示すようだと、金利面から加ドル買いが強まる可能性が高い。
また、高市政権の経済・財政政策や米政府機関の再開を受けた市場心理の変化を見極めることも重要。更には、米国との貿易問題は依然として懸念材料となるだろう。カナダ・オンタリオ州で開かれた主要7カ国(G7)外相会合にルビオ米国務長官も出席し、アナンド加外相と会談したが、安全保障などが話の中心となり、貿易交渉は取り上げられなかった。
11月10日週の回顧
ポンドは底堅かった。英経済指標の弱さが目立ったものの下押し幅は限定。対円では201円半ばを下値に約2週間半ぶりの204円台に乗せる場面があった。対ドルでも1.30ドル後半から1.32ドル前半まで切り返した。
加ドルも、リスク志向が強まった場面では対円で110.60円台の年初来高値圏まで上昇した。一方、対ドルでは1.40加ドルを挟んだ小動きにとどまった。
◆ドル円、高市首相のPB単年度黒字化目標の取り下げが支え
◆ドル円、米政府再開も政情不安残る
◆ユーロドル、米経済指標次第の展開
予想レンジ
ドル円 153.00-159.00円
ユーロドル 1.1400-1.1800ドル
11月17日週の展望
ドル円は、底堅い動きとなりそうだ。高市政権による積極財政への期待感は衰えておらず、円売り地合いが来週も継続するだろう。先週から今週にかけて行われている衆参予算委員会での高市首相の発言を振り返ると、最も印象的だったのが基礎的財政収支(プライマリーバランス)の単年度での黒字化目標の取り下げを突如表明したこと。政府が長年掲げてきた財政健全化目標を緩めることで、機動的で積極的な財政出動を可能にするとの見方が広がっており、来週以降も高市トレードを意識した円売り・株買いの流れとなりそうだ。
また、今週は史上最長となる43日間の米政府機関閉鎖が解除され、不安材料が減ったこともリスクオンの円売りを誘導した面があった。ただ、この閉鎖により1000億ドルほどの経済損失が発生したほか、米国民の航空移動などにも大きな支障を与えたことでトランプ政権の支持率は一段と低下しており、今後の政局不安は残ったままとなっている。
米経済指標に目を向けると、10月分の雇用統計と消費者物価指数(CPI)が公表されない可能性をホワイトハウスが示唆。市場が最も注目する両指標の公表に時間を要することも想定される。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が50%台まで低下。完全に織り込まれていないなかで、金利の先行き不透明感もまた解消されないだろう。そのため、18日にADPが発表する予定の週次の民間部門雇用者数に注目が集まりそうだ。なお、9月分の雇用統計については、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長が「来週に発表される可能性がある」ことを示唆しているが、古いデータであるため限定的な反応にとどまりそうだ。
また、来週は17日に11月NY連銀製造業景気指数、20日に11月フィリー指数、21日に11月購買担当者景気指数(PMI)速報値や11月ミシガン大消費者態度指数速報値の発表も予定されているが、その他にも米政府機関再開を受けて、変則的に指標が公表される可能性も考慮しておきたい。
ユーロドルはドルの動向次第の展開となるだろう。米政府機関閉鎖が解除されたことで市場の注目が米経済状況に移ったため、これまで以上に米指標への反応は大きくなりそうだ。欧州指標としては、週末21日に各国のPMI速報値が予定されている。
11月10日週の回顧
ドル円は強含み。米政府機関再開への期待を背景に週明けから買いが強まった。週半ばには弱い米民間雇用指標を受けて伸び悩む場面も見られたが、下値は限定的。連日で本邦実需勢の買いが観測されたほか、世界的な株高も支えに一時155.04円まで上昇。2月4日以来の高値を付けている。
ユーロドルは下値が堅い。全般リスクオンの動きが支えとなったほか、週後半にかけてはドル売りが強まった影響を受けて一時1.1656ドルまで買い戻しが進んだ。
14日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は905円安の50376円。米国株の大幅安を受けて、寄り付きから500円を超える下落。ナスダックの下げの度合いが大きかったことから大型ハイテク株が弱く、開始早々には下げ幅を4桁に広げた。50200円台で売りは一巡して安値は早い時間につけたものの、いったん戻して売り直された後はじり安基調が続いた。全面安とはならず、内需の一角には買いが入った。ただ、主力銘柄の多くが値幅を伴った下げとなる中、後場にも下げ幅を4桁に広げる場面があり、安値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で6兆6800億円。業種別では鉱業、繊維、不動産などが上昇した一方、非鉄金属、電気機器、機械などが下落した。上期決算と併せて自己株取得および消却を発表した東レ<3402.T>が後場急騰。半面、ソフトバンクグループ<9984.T>が6%を超える下落となり、終値で2万円を下回った。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり617/値下がり939。三菱UFJやソニーGが逆行高。決算を材料に今週強く買われた三井海洋開発や三井金属に資金が向かった。通期見通しの引き上げや株主還元強化を発表したINPEXが大幅上昇。東京建物、メニコン、TOPPANが業績関連のリリースに好反応を示して2桁の上昇率となった。上期決算と併せて自己株取得や累進配当導入を発表したワイエイシイHDが買いを集めてストップ高となった。
一方、アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体株が弱く、失望決算を発表したキオクシアは売りが殺到してストップ安。古河電工やフジクラなど電線株も厳しい下げとなった。楽天Gは3Q累計の営業黒字転換が好感されず9%を超える下落。PKSHA、荏原製作所、井関農機が決算を材料に2桁の下落率となった。通期の利益見通しを引き下げたSTGは場中は値が付かずストップ安比例配分となった。
日経平均は900円を超える下落。大型グロース株が下げを主導して下に値幅が出た。それでも終値で1000円以上の下落にならなかったことは健闘したと言える。序盤で4桁安となった後にいったん切り返したものの、それで売り出尽くしとはならず再び下を試しにいった。このケースでは、終盤に下げが加速して5万円を割り込むような動きとなっても不思議はなかった。しかし、前場の安値近辺で踏みとどまった結果、週間ではプラスを達成した。チャートの形状は崩れておらず、25日線(49836円、14日時点)より上をキープできるかが目先の焦点となる。大型グロース株はしばらく弱材料に敏感になりそうで、バリュー株やディフェンシブ株などが選好されやすくなるだろう。
【来週の見通し】
しっかりか。国内は決算発表がほぼ一巡し、個別の材料が一気に少なくなる。米国で19日に発表予定のエヌビディアの決算が世界的に注目を集める。日米ともグロース株が足元で調整しているだけに、エヌビディアの決算反応が良ければ素直に買いが入るだろう。エヌビディアの決算反応が悪かった場合には、グロース株は見切り売りに押されると思われる。ただ、後者の場合には、グロース株を見切ってそれ以外の銘柄への資金シフトが加速する公算が大きい。グロースかバリューかで気を揉む場面は増えると思われるが、日本株からは資金が逃げず、週を通しては底堅く推移すると予想する。
【来週の予定】
国内では、7-9月期GDP速報値、10年物価連動国債入札(11/17)、10月訪日外客数(11/18)、10月貿易統計、9月機械受注、20年国債入札(11/19)、10月首都圏新規マンション販売(11/20)、10月全国消費者物価指数(CPI)(11/21)などがある。
企業決算では、KeePer技研(11/17)、東京海上、MS&AD、SOMPOHD(11/19)などが発表を予定している。
17日
○08:50 ☆ 7-9月期実質国内総生産(GDP)速報値
○13:30 ◇ 9月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 9月設備稼働率
19日
○08:50 ◎ 10月貿易統計(通関ベース)
○08:50 ◎ 9月機械受注
20日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◎ 小枝淳子日銀審議委員、あいさつ
21日
○08:30 ☆ 10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 10月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
17日
○16:30 ◇ 7-9月期スイス鉱工業生産
○17:15 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○22:15 ◇ 10月カナダ住宅着工件数
○22:20 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:30 ◇ 9月対カナダ証券投資
○22:30 ◎ 10月カナダ消費者物価指数(CPI)
○22:30 ◎ 11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○23:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○23:45 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○18日01:00 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○18日03:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○メキシコ(メキシコ革命記念日)、休場
18日
○09:30 ◎ 豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(11月3-4日分)
○22:00 ◎ ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30 ◇ 10月米輸入物価指数
○23:15 ◎ 10月米鉱工業生産
◇ 設備稼働率
○24:00 ◎ 11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
○19日02:00 ◎ ディングラ英中銀MPC委員、講演
○19日06:00 ◎ 9月対米証券投資動向
19日
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○09:30 ◎ 7-9月期豪賃金指数
○16:00 ◎ 10月英CPI
○16:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○17:00 ◎ 10月南アフリカCPI
○18:00 ◇ 9月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏HICPコア改定値
○20:00 ◇ 9月南アフリカ小売売上高
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◎ 10月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○20日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○20日03:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○20日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月28-29日分)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。
20日
○16:00 ◇ 10月独生産者物価指数(PPI)
○17:30 ◎ 10月香港CPI
○19:00 ◇ 9月ユーロ圏建設支出
○22:00 ☆ 南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表
○22:30 ◇ 10月カナダ鉱工業製品価格
○22:30 ◇ 10月カナダ原料価格指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:30 ◎ 10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○22:45 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、あいさつ
○24:00 ◎ 11月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○24:00 ◎ 10月米景気先行指標総合指数
○24:00 ◎ 10月米中古住宅販売件数
○21日03:40 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、討議に参加
○ブラジル(黒人意識の日)、休場
21日
○06:30 ◎ ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○06:45 ◎ 10月NZ貿易収支
○09:00 ◎ 7-9月期シンガポール国内総生産(GDP)確定値
○09:01 ◇ 11月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○16:00 ◎ 10月英小売売上高
○16:45 ◇ 11月仏企業景況感指数
○17:00 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○17:15 ◎ 11月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○17:15 ◎ 11月仏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○17:30 ◎ 11月独製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 11月独サービス部門PMI速報値
○18:00 ◎ 11月ユーロ圏製造業PMI速報値
○18:00 ◎ 11月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○18:30 ◎ 11月英製造業PMI速報値
○18:30 ◎ 11月英サービス部門PMI速報値
○21:00 ◎ 7-9月期メキシコGDP確定値
○22:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○22:30 ◎ 9月カナダ小売売上高
○23:00 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○23:45 ◎ 11月米製造業PMI速報値
○23:45 ◎ 11月米サービス部門PMI速報値
○23:45 ◎ 11月米総?⑰MI速報値
○24:00 ◎ 11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
22日
○20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット、南アフリカ・ヨハネスブルク、23日まで)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※米政府機関の閉鎖により、一部の米経済指標は発表が延期される可能性があります。